以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態による発光装置の製造方法、および発光装置を説明する。複数の図面に表れる同一符号の部分は同一または同等の部分を示す。
さらに以下は、本発明の技術思想を具体化するために例示しているのであって、本発明を以下に限定しない。また、構成要素の寸法、材質、形状、その相対的配置などの記載は、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図している。各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、理解を容易にするなどのために誇張している場合がある。
本明細書または特許請求の範囲において、三角形や四角形などの多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取りなどの加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶ。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶ。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本明細書および特許請求の範囲で記載される“多角形”の解釈に含まれる。
また、本明細書または特許請求の範囲において、ある構成要素に関し、これに該当する構成要素が複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に“第1”、“第2”と付記して区別することがある。本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象や観点が異なる場合、本明細書と特許請求の範囲との間で、同一の付記が、同一の対象を指さない場合がある。
(実施形態1)
まず、図1Aから図2Cを参照して、本開示の実施形態1による発光装置の例を説明する。当該発光装置の製造方法については後述する。
図1Aは、本開示の例示的な実施形態1による発光装置100の構成を模式的に示す斜視図である。図1Aに示す発光装置100は、外観には表れない端面出射型のレーザダイオード、およびレンズなどの素子または部品と、それらを収容するパッケージ50と、パッケージ50を貫通し、レーザダイオードに電力を供給するリード端子60とを備える。パッケージ50は、蓋体50L、基体50b、および透光窓50wを含む。
図1Bは、図1Aの発光装置100の内部の平面構成を模式的に示す図である。図1Bでは、蓋体50Lの記載が省略されている。発光装置100は、図1Bに示すように、基体50bに収容された、基板10と、レーザダイオード20と、サブマウント22と、レンズ支持部30と、レンズ40と、ワイヤ60wとを備える。基体50bは、内側底面50btを含む底板部分と、内側底面50btに設けられた部材50mとを含む。部材50mは基板10を支持する。レーザダイオード20から出射され、レンズ40を通過した光は、透光窓50wから外部に取り出される。
図面では、参考のために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が模式的に示されている。各軸の矢印の方向を+方向と称し、その反対の方向を-方向と称する。説明のわかりやすさのため、本開示では、+Y方向を「上方」、-Y方向を「下方」、+Z方向を「前方」、-Z方向を「後方」とも表現する。このことは、発光装置100の使用時における向きを制限するわけではなく、発光装置100の向きは任意である。
図2Aは、図1Aの発光装置100からパッケージ50、リード端子60、およびワイヤ60wを省略した構成のより詳細を示す分解斜視図である。図2Aに示す発光装置100Aは、基板10と、レーザダイオード20と、サブマウント22と、レンズ支持部30と、レンズ40と、を備える。図2Aでは、レンズ支持部30とレンズ40とが分離された状態で記載されているが、実際にはこれらは接合されている。図2Bは、図2Aの発光装置100Aを模式的に示す上面図である。図2Cは、図2Bの構成のYZ平面に平行なIIC-IIC線断面図である。
以下に、各構成要素を説明する。各構成要素の材料およびサイズなどの詳細については後述する。
基板10は、図2Aに示すように、XZ平面に対して平行である上面10sを有する。上面10sの法線方向は+Y方向である。本明細書では、上面10sの法線方向から見ることを「上面視」と称する。レーザダイオード20は、基板10の上面10sにサブマウント22を介して間接的に設けられている。レーザダイオード20は、基板10の上面10sに直接的に設けられていてもよい。図2Aに示す例において、レーザダイオード20は、Z方向に延びる直方体である。レーザダイオード20は、Z方向に交差する2つの端面のうち、前方端面の一部に出射面20eを有する。レーザダイオード20は、出射面20eから+Z方向に向けてレーザ光を出射する。レーザ光は、+Z方向に進行するにつれてYZ平面およびXZ平面において異なる速さで広がる。レーザ光は、YZ平面において相対的に速く広がり、XZ平面において相対的に遅く広がる。レーザ光のスポットは、コリメートしない場合、ファーフィールドで、XY平面においてY方向が長軸でありX方向が短軸である楕円形状を有する。なお、レーザダイオード20ではなく、インコヒーレントな光を出射する発光ダイオードを用いてもよい。本明細書では、レーザダイオードおよび発光ダイオードのような半導体材料から形成された発光素子を「半導体発光素子」と称する。
レンズ支持部30は、図2Aに示すように、基板10の上面10sに設けられている。レンズ支持部30は、2つの矩形形状の端面30sによってレンズ40を支持する。X方向において、レンズ支持部30は、レーザダイオード20の両側に位置する。Y方向において、レーザダイオード20の下面はレンズ支持部30の下面よりも高い位置または同じ位置にあり、レーザダイオード20の上面はレンズ支持部30の上面よりも低い位置にある。レーザダイオード20の出射面20eは、Z方向から見て、Y方向において、レンズ支持部30の端面30sの下辺よりも高い位置にあり、上辺よりも低い位置にある。
レンズ支持部30は、図2Aおよび図2Bに示すように、直線部分30Lと、その前方に位置する幅広部分30wとを有する。直線部分30Lは、Z方向に沿って延びる直方体である。幅広部分30wは端面30sを含み、幅広部分30wのX方向における幅は、端面30sに近づくにつれてレーザダイオード20の側に広くなる。幅広部分30wは、図2Bに示すように、レーザダイオード20の側に位置する内側面30ws1と、レーザダイオード20とは反対の側に位置する外側面30ws2とを有する。内側面30ws1には反射部材30rが設けられ、外側面30ws2には、光拡散部30dが設けられている。幅広部分30wに設けられた反射部材30rおよび光拡散部30dは、発光装置100Aの製造時においてレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合する際に機能する。
なお、レンズ支持部30は、レーザダイオード20の出射面20eの近傍に位置する部分だけを有していてもよい。近傍とは、レーザダイオード20の出射面20eの中心から半径5mm以内の球体の範囲に位置することを意味する。図2Aに示すように複数のレンズ支持部30がレンズ40を支持してもよいし、1つのレンズ支持部がレンズ40を支持してもよい。
レンズ40は、図2Aに示すように、凸レンズ部40aと、平板部40bとを含む。凸レンズ部40aは、レーザダイオード20から出射されるレーザ光をコリメートする。平板部40bはX方向に沿って延び、凸レンズ部40aを支持する。凸レンズ部40aと平板部40bとは一体的に形成されていてもよい。あるいは、別々に形成された凸レンズ部40aと平板部40bとを接着してレンズ40を形成してもよい。本明細書において、「コリメートする」とは、レーザ光を平行光にすることだけではなく、レーザ光の広がり角を低減することも含む。図2Cに示すように、レーザダイオード20から出射されるレーザ光の光軸(破線)は、凸レンズ部40aの光軸に一致する。
凸レンズ部40aは、YZ平面およびXZ平面において異なる曲率を有する。YZ平面における曲率は相対的に大きく、XZ平面における曲率は相対的に小さい。そのような曲率を有する凸レンズ部40aにより、レーザ光のうち、進行するにつれてYZ平面において相対的に速く広がる部分と、XZ平面において相対的に遅く広がる部分とをコリメートすることができる。レンズ40は、その後方の光軸上に焦点を有する。焦点で発せられ、レンズ40に入射した光は、コリメートされて前方に向けて出射される。レーザダイオード20の出射面20eの中心は、レンズ40の焦点にほぼ一致する。実施形態1では、レーザダイオード20の出射面20eと、レンズ40のうち、出射面20eに対向する面との距離が短いことから、レーザダイオード20から出射されるレーザ光が大きく広がる前に、レンズ40によってその広がりを低減することができる。その結果、小型の発光装置100Aを実現することができる。
あるいは、レンズ40は、YZ平面において曲率を有し、X方向に沿って一様に延びるシリンドリカルレンズであってもよい。当該シリンドリカルレンズにより、レーザダイオード20から出射されるレーザ光のうち、YZ平面において相対的に速く広がる部分をコリメートすることができる。当該シリンドリカルレンズはFAC(Fast Axis Collimator)レンズと呼ばれている。XZ平面において曲率を有し、Y方向に沿って一様に延びる他のシリンドリカルレンズを、パッケージ50の外側であり、レーザ光の光軸上である位置に設けてもよい。当該他のシリンドリカルレンズにより、レーザ光のうち、XZ平面において相対的に遅く広がる部分をコリメートすることができる。当該他のシリンドリカルレンズは、SAC(Slow Axis Collimator)レンズと呼ばれている。
なお、用途によっては、レンズ40は、レーザダイオード20から出射されるレーザ光を集光してもよい。
レンズ支持部30の端面30sと、レンズ40とは、接合材32を介して接合される。レンズ支持部30の端面30sには、第1金属膜30mが設けられ得る。同様に、レンズ40の平板部40bのうち、レンズ支持部30の端面30sに対向する面40sには、第2金属膜40mが設けられ得る。Z方向において、第1金属膜30m、接合材32、および第2金属膜40mはこの順に並び、これらはレンズ支持部30の端面30sとレンズ40との間に位置する。第1金属膜30mおよび第2金属膜40mにより、接合材32を介したレンズ支持部30の端面30sとレンズ40との接合において、両者の接合強度を向上させることができる。さらに、レンズ支持部30が幅広部分30wを有する実施形態1では、幅広部分30wを有さない構成と比較して、レンズ支持部30の端面30sとレンズ40との接合面の面積を増加させることができる。その結果、両者の接合強度を向上させることができる。
レンズ40の重心は、Z方向から見て、X方向において、一対のレンズ支持部30の端面30sの間に位置する。具体的には、レンズ40の重心は、Z方向から見て、Y方向において、レンズ支持部30の端面30sの上辺および下辺のうち、下辺よりも高い位置にあり、上辺よりも低い位置にある。レンズ40の重心をこのような位置とすることにより、レンズ40をレンズ支持部30の端面30sに安定的に設けることができる。
レンズ支持部30およびレンズ40は、例えば、同じ透光性材料から形成され得る。当該透光性材料は、発光装置100Aの製造時に接合材32を加熱するレーザ光に対して透光性を有する。透光性材料の光透過率は、例えば、加熱用のレーザ光に対して60%以上であり得、好ましくは70%以上であり得、より好ましくは80%以上であり得る。レンズ支持部30およびレンズ40が同じ透光性材料から形成される場合、両者は同じ熱膨張係数を有する。したがって、発光装置100Aの駆動中にレーザダイオード20から発せられた熱によって両者は同程度に熱膨張するので、熱膨張によって両者の接合が外れることを抑制できる。
パッケージ50のうち、基体50bは、図1Bに示すように、基板10、レーザダイオード20、サブマウント22、レンズ支持部30、およびレンズ40を収容する。パッケージ50はこれらの構成要素を気密封止してもよい。レーザダイオード20が例えば350nm以上570nm以下のレーザ光を出射する場合、雰囲気に含まれる有機ガス成分などがレーザ光によって分解され、分解物がレーザダイオード20の出射面20eに付着することがある。さらに、レーザダイオード20の出射面20eが外気に接していると、例えば集塵により、駆動中に出射面の劣化が進行していく可能性もある。これらの要因により、レーザダイオード20の光出力が低下し得る。レーザダイオード20の信頼性を高めて寿命を延ばすため、パッケージ50は、レーザダイオード20を気密に封止していることが望ましい。パッケージ50による気密封止は、レーザダイオード20から出射されるレーザ光の波長にかかわらず行われてもよい。
リード端子60は、図1Bに示すように、ワイヤ60wおよびサブマウント22を介してレーザダイオード20に電気的に接続されている。リード端子60によってレーザダイオード20に電流が注入される。リード端子60は、レーザダイオード20から出射されるレーザ光の出射タイミングおよび出力を調整する外部回路に電気的に接続されている。
以下に、図3Aから図3Iを参照して、実施形態1による発光装置100の製造方法を説明する。図3Aから図3Iは、実施形態1による発光装置100の製造方法における工程の例を説明するための図である。図3Aから図3D、および図3Iは構成要素の斜視図であり、図3Eから図3Hは構成要素の上面図である。
最初の工程において、図3Aに示すように、上面10sを有する基板10が用意される。基板10は、例えば直方体であり得る。基板10の一部または全体は、例えば、AlN、SiC、およびアルミナからなる群から選択される少なくとも1つを含むセラミック、またはCuWのような合金から形成され得る。セラミックの熱伝導率は、例えば10[W/m・K]以上500[W/m・K]以下であり得る。そのような熱伝導率により、基板10は、駆動中にレーザダイオード20から発せられた熱を効率的にパッケージ50に伝えることができる。セラミックの熱膨張率は、例えば2×10-6[1/K]以上1×10-5[1/K]以下であり得る。そのような熱膨張率により、基板10の上にサブマウント22を接合させる場合に加えられる熱によって基板10が変形することを抑制できる。基板10のX方向における寸法は、例えば1mm以上3mm以下であり、Y方向における寸法は、例えば0.1mm以上0.5mm以下であり、Z方向における寸法は、例えば1mm以上6mm以下である。
次の工程において、図3Bに示すように、基板10の上面10sにレンズ支持部30が配置される。レンズ支持部30は、例えば、ガラス、シリコン、石英、合成石英、サファイア、透明セラミック、およびプラスチックからなる群から選択される少なくとも1つの透光性材料から形成され得る。
レンズ支持部30のうち、直線部分30LのX方向における寸法は、例えば0.05mm以上1mm以下であり、Y方向における寸法は、例えば0.1mm以上3mm以下であり、Z方向における寸法は、例えば0.1mm以上6mm以下である。レンズ支持部30のうち、幅広部分30wのX方向における最大の寸法は、例えば0.06mm以上1mm以下であり、Y方向における寸法は、例えば0.1mm以上1mm以下であり、Z方向における寸法は、例えば0.1mm以上1mm以下である。直線部分30Lおよび幅広部分30wを含むレンズ支持部30のZ方向における寸法は、基板10のZ方向における寸法にほぼ等しくてもよいし、基板10のZ方向における寸法よりも小さくてもよい。
幅広部分30wの内側面30ws1と端面30sとがなす角度は、例えば30°以上60°以下であり得る。レンズ支持部30の端面30sには、例えば、めっき加工を施すことにより、第1金属膜30mが形成される。第1金属膜30mは、単層で設けられてもよく、複数層で設けられてもよい。第1金属膜30mの最表面に、例えばCrまたはAuなどの層が設けられていればよい。第1金属膜30mが複数層で形成される場合、下地層として、Cr、Ti、Niなどを、中間層として、Pt、Pd、Rtなどの層を設けてもよい。レンズ支持部30の幅広部分30wは、内側面30ws1に設けられた反射部材30r、および外側面30ws2に設けられた光拡散部30dを含む。反射部材30rは、例えばAgもしくはAlのような金属、または、Ta2O5/SiO2、TiO2/SiO2,もしくはNb2O5/SiO2のような誘電体多層膜から形成され得る。反射部材30rにAgまたはAlのような金属を用いる場合、レンズ支持部30と反射部材30rとの間に、Cr、Ti、Niなどの下地層を設けてもよい。光拡散部30dは、例えば、レンズ支持部30の外側面の一部を粗面にした部分であり得る。当該粗面は、例えばサンドブラストによって形成してもよいし、凹凸を有する金型を押し当てることによって形成してもよい。レンズ支持部30の外側面の一部ではなく全体を粗面にしてもよい。レンズ支持部30をダイシングによって形成して用意する場合、レンズ支持部30の外側面の全体が粗面になり得る。ダイシングで使用するダイシングブレードの砥粒の粒径は、200番手~800番手のダイシングブレードを使用することが、粗面を形成しやすいため好ましい。反射部材30rおよび光拡散部30dの役割については後述する。
次の工程において、図3Cに示すように、基板10の上面10sにサブマウント22を介してレーザダイオード20が配置される。レーザダイオード20の出射面20eおよびサブマウント22の前方端面22fsは、XY平面に対して平行である同じ平面上に位置する。サブマウント22の前方端面22fsは基板10の前方端面10fsよりも後方に位置する。その結果、サブマウント22に設けられたレーザダイオード20は、幅広部分30wとは所定の距離だけ離れて位置する。所定の距離として、上面視におけるレーザダイオード20と幅広部分30wとの隙間の最短距離は、例えば0.05mm以上1mm以下であり得る。このような構成により、後述の工程において接合材32に加えられる熱が幅広部分30wを介してレーザダイオード20に伝わることを抑制できる。その結果、加熱によってレーザダイオード20が破損したり、その動作特性が劣化したりすることを抑制できる。
レーザダイオード20の上面およびサブマウント22の上面には、例えば、めっき加工を施すことにより、金属膜が形成される。両者の上面に設けられた金属膜は、後述する工程においてリード端子60とレーザダイオード20とをワイヤ60wを介して電気的に接続するために形成される。
サブマウント22は、例えば直方体であり得る。サブマウント22の熱伝導率が、基板10の熱伝導率よりも高ければ、駆動中にレーザダイオード20から発せられた熱を基板10に効率的に伝えることができる。サブマウント22は、例えばCu、Al、Ag、Fe、Ni、Mo、Cu、W、CuW、CuMo、AlN、SiC、およびAl2O3からなる群から選択される少なくとも1つから形成され得る。サブマウント22のX方向における寸法は例えば0.3mm以上4mm以下であり、Y方向における寸法は例えば0.1mm以上0.5mm以下であり、Z方向における寸法は例えば0.3mm以上5mm以下であり得る。
レーザダイオード20は、例えば直方体であり得る。レーザダイオード20のX方向における寸法は例えば50μm以上500μm以下であり、Y方向における寸法は例えば20μm以上150μm以下であり、Z方向における寸法は例えば50μm以上4mm以下であり得る。
レーザダイオード20は、可視領域における紫色、青色、緑色もしくは赤色のレーザ光、または不可視領域における赤外もしくは紫外のレーザ光を出射し得る。紫色の発光ピーク波長は、350nm以上419nm以下の範囲内にあることが望ましく、400nm以上415nm以下の範囲内にあることがより望ましい。青色光の発光ピーク波長は、420nm以上494nm以下の範囲内にあることが望ましく、440nm以上475nm以下の範囲内にあることがより望ましい。紫色または青色のレーザ光を出射するレーザダイオードとしては、窒化物半導体材料を含むレーザダイオードが挙げられる。窒化物半導体材料としては、例えば、GaN、InGaN、およびAlGaNを用いることができる。緑色光の発光ピーク波長は、495nm以上570nm以下の範囲内にあることが望ましく、510nm以上550nm以下の範囲内にあることがより望ましい。緑色のレーザ光を出射するレーザダイオードとしては、窒化物半導体材料を含むレーザダイオードが挙げられる。窒化物半導体材料としては、例えば、GaN、InGaN、およびAlGaNを用いることができる。赤色光の発光ピーク波長は、605nm以上750nm以下の範囲内にあることが望ましく、610nm以上700nm以下の範囲内にあることがより望ましい。赤色のレーザ光を出射するレーザダイオードとしては、例えば、InAlGaP系、GaInP系、GaAs系およびAlGaAs系の半導体材料を含むレーザダイオードが挙げられる。赤色光のレーザダイオードとして、2以上の導波路領域を備えるレーザダイオードが用いられ得る。これらの半導体材料を含むレーザダイオードは、窒化物半導体を含むレーザダイオードと比べて、熱により出力が低下しやすい。導波路領域の面積を増加させることによって熱を分散させてレーザダイオードの出力低下を低減できる。
レーザダイオード20は、+Y方向または-Y方向に沿って、n型基板、n型クラッド層、発光層、およびp型クラッド層がこの順に積層された半導体積層構造を含む。n型およびp型は逆であってもよい。発光層のZ方向に交差する2つの端面のうち、前方端面、すなわち出射面20eからレーザ光が出射される。出射面20eはX方向に沿って延びる矩形形状を有する。レーザダイオード20は、半導体積層構造において基板が発光層よりもサブマウント22に近い、いわゆるフェイスアップの状態で実装されてもよい。あるいは、レーザダイオード20は、半導体積層構造において発光層が基板よりもサブマウント22に近い、いわゆるフェイスダウンの状態で実装されてもよい。フェイスダウン実装では、駆動時に発光層で発する熱を効率的にサブマウント22に伝えることができる。一方、フェイスダウン実装では、レーザダイオード20とサブマウント22との接合に用いられる接合材が出射面20eに這い上がり、出射面20eを塞ぐ可能性がある。フェイスダウン実装では、レーザダイオード20の出射面20eをサブマウント22の前方端面22fsよりも突出させることにより、接合材が出射面20eに這い上がることを抑制できる。
レーザダイオード20の上面および下面の各々には、電極が設けられている。レーザダイオード20のp型クラッド層に電気的に接続された電極を「p側電極」と称し、n型基板に電気的に接続された電極を「n側電極」と称する。p側電極とn側電極とに電圧を印加して閾値以上の電流を流すことにより、レーザダイオード20は、出射面20eからレーザ光を出射する。レーザ光は広がりを有し、出射面20eと平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。FFPとは、出射面20eから離れた位置における出射光の形状や光強度分布である。この光強度分布において、ピーク強度値に対して1/e2以上の強度を有する光を、主要部分の光とする。eは自然対数の底である。
レーザダイオード20から出射されるレーザ光のFFPの形状は楕円形状である。当該楕円形状のうち、長軸は、半導体積層構造の積層方向に対して平行であり、短軸は、出射面20eが延びる方向に対して平行である。出射面20eが延びる方向をFFPの水平方向、積層方向をFFPの垂直方向とする。
また、FFPの光強度分布に基づいて、光強度分布の半値全幅に相当する角度を、そのレーザダイオード20から出射されるレーザ光の広がり角とする。FFPのうち、垂直方向および水平方向の軸は、それぞれ速軸および遅軸と呼ばれている。
次の工程において、図3Dに示すように、レンズ40が用意される。レンズ40の材料は、レンズ支持部30の材料と同じであり得る。レンズ40の表面のうち、レンズ支持部30の端面30sに対向させる面40sには、例えば、めっき加工を施すことにより、第2金属膜40mが形成される。第2金属膜40mの材料は、例えば第1金属膜30mの材料と同じであり得る。
レンズ40のうち、平板部40bのX方向における寸法は、基板10のX方向における寸法に等しくてもよいし、基板10のX方向における寸法よりも大きくてもよいし小さくてもよい。ただし、平板部40bのX方向における寸法は、端面30sの中心と出射面20eの中心とのX方向における距離の2倍よりも大きい。平板部40bのY方向における寸法は、レンズ支持部30のY方向における寸法に等しくてもよいし、レンズ支持部30のY方向における寸法によりも大きくてもよいし小さくてもよい。平板部40bのZ方向における寸法は、例えば0.05mm以上1mm以下であり得る。平板部40bのY方向における寸法がレンズ支持部30のY方向における寸法に等しいかそれよりも大きい構成では、そうでない構成と比較して、レンズ支持部30の端面30sとレンズ40との接合面の面積を増加させることができる。その結果、両者の接合強度を向上させることができる。
上記のようにして、基板10、レーザダイオード20、レンズ支持部30、およびレンズ40が用意される。
次の工程において、図3Eに示すように、レンズ支持部30の端面30sとレンズ40とが接合材32を介して接続される。当該接続において、レンズ支持部30の端面30sと、レンズ40のうち、端面30sに対向する面40sとはほぼ平行である。これらの面がなす角度は、例えば0°以上10°以下であり得る。接合材32は、例えば、はんだ付けが可能な材料から形成され得る。はんだ付けでは、はんだを昇温によって溶融し、降温によって固化させることにより、部材同士が接合される。あるいは、接合材32は、例えば焼結が可能な材料から形成され得る。焼結では、金属の粒子を含む金属ペースト、または金属の粉末を、当該金属の融点よりも低い温度で加熱して焼き固めることにより、部材同士が接合される。
はんだ付けの場合、接合材32は、例えばAuSn、SnCu、SnAg、およびSnAgCuからなる群から選択される少なくとも1つの合金から形成され得る。合金がAuSn系の共晶組成(Au1:Sn9)を有する場合、その融点は低く、217℃である。合金がAuSn系の共晶組成(Au78:Sn22)を有する場合、その融点は高く、278℃である。合金がSnCu系またはSnAg系の組成を有する場合、その融点は低く、210℃から230℃である。合金の融点が接合材32の接合温度に相当する。なお、接合材32の表面が溶融すれば接合できるため、実際の接合温度は、合金の融点より低くなり得る。接合材32は、上記の合金以外に、上記の合金および有機バインダを含む合金ペーストから形成されてもよい。有機バインダは、加熱の際に気化される。
焼結の場合、接合材32は、例えばAg粒子、Cu粒子、およびAu粒子からなる群から選択される少なくとも1種類の粒子を含む金属ペーストから形成され得る。焼結温度は、粒子を組成する金属の融点よりも低く、例えば120℃以上300℃以下であり得る。焼結温度が接合材32の接合温度に相当する。
接合材32が薄すぎると、レンズ支持部30の端面30sとレンズ40との十分な接合強度が得られない。接合材32が厚すぎると、加熱に時間を要する。接合強度および加熱時間の観点から、接合材32の厚さは、例えば1μm以上30μm以下であり得る。
次の工程において、図3Fに示すように、加熱用のレーザ光が、レンズ支持部30の側方から、幅広部分30wの光拡散部30dに向けて入射される。レンズ支持部30の側方からレーザ光を入射することにより、レンズ支持部30の後方からレーザ光を入射する場合と比較し、レーザ光がレンズ支持部30の内部を通過する距離が短いため、効率的にレーザ光を入射させることができる。レーザ光のパワー密度は、例えば10kW/cm2以上10000kW/cm2以下であり得る。レーザ光の照射時間は、例えば1ms以上50ms以下であり得る。図3Fに示す白抜きの矢印は、レーザ光の進行の様子を模式的に表す。矢印の折れ曲がった部分はレーザ光の屈折を表す。以下の図に示す白抜きの矢印についても同様である。幅広部分30wを含むレンズ支持部30は透光性材料から形成されているので、レーザ光はその内部を進行することができる。光拡散部30dによって拡散されたレーザ光は、幅広部分30wの内部を介して、内側面30ws1に、より具体的にはその上に設けられた反射部材30rに入射する。矢印の広がる部分はレーザ光の拡散を表す。レーザ光のパワー密度が高くても、光拡散部30dによってレーザ光を拡散させることにより、反射部材30rの一部にレーザ光が集中して反射部材30rが破損することを抑制できる。反射部材30rは、入射したレーザ光を端面30sに向けて反射させる。反射部材30rで反射されたレーザ光によって、レンズ支持部30の端面30sが照射される。その結果、接合材32を加熱してレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。以上のように、レンズ支持部30の前方部分にレーザ光を入射させてレーザ光で端面30sを照射することにより、接合材32が加熱される。そのようにして加熱された接合材32を介して、レンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。レンズ支持部30の端面30sとレンズ40との間に位置する第1金属膜30mは光吸収部材としても機能する。第1金属膜30mは、入射したレーザ光を吸収して熱に変換する。この熱も接合材32の加熱に寄与する。加熱用のレーザ光を出射する光源としてYAGレーザ光源を用いる場合、当該レーザ光は近赤外の波長を有する。YAGレーザ光源以外のレーザ光源を用いる場合、加熱用のレーザ光は、例えば、青色もしくは緑色などの可視光の波長、または紫外線などの不可視光の波長を有し得る。
加熱中に、レンズ40は、図3Fに示す太線の矢印によって表されるように、端面30sに対して垂直な方向に荷重される。レンズ40の平板部40bのうち、荷重される面は平坦であるので、レンズ40を端面30sに対して垂直な方向に荷重しやすい。レンズ40は、荷重の方向に例えば2μm以上3μm以下だけシフトする。レーザダイオード20からレーザ光を出射させた状態で、レンズ40を荷重してもよい。荷重によるシフトによってレンズ40の位置を微調整することができ、レーザ光を正確にコリメートすることができる位置にレンズ40を取り付けることができる。
実施形態1では、接合材32の厚さにばらつきがあっても、レーザダイオード20とレンズ40とのY方向における位置ずれが生じにくく、発光装置100から外部に出射されるレーザ光の光軸を設計通りの方向に向けることができる。接合材32の厚さに多少のばらつきがあっても、レンズ40の位置はレーザ光の光軸に沿って多少変化するだけなので、そのばらつきがレーザ光の光軸の向きに及ぼす影響は小さい。
なお、図3Eに示すような幅広部分30wの外側面30ws2ではなく、内側面30ws1を粗面とすることで光拡散部30dとし、その上に反射部材30rを設けてもよい。そのような構成でも、レーザ光を拡散させて反射部材30rに入射させることができる。加熱用のレーザ光のパワー密度が低く、反射部材30rを破損させるおそれがない場合、光拡散部30dを必ずしも設ける必要はない。さらに、幅広部分30wの内側面30ws1に入射するレーザ光の入射角が臨界角(例えば40°以上45°以下)よりも大きい場合、当該レーザ光は幅広部分30wの内側面30ws1で全反射される。したがって、反射部材30rを必ずしも設ける必要はない。
次の工程において、図3Gに示すように、図3Fに示す構成が、基体50bの内側に位置する部材50mの上に設けられる。基体50bの内側底面50btに設けられた部材50mにより、レーザダイオード20の出射面20eと透光窓50wとの高さを合わせることができる。部材50mは、基体50bの内側底面50btを含む底板部分と同じ材料から形成され得る。あるいは、部材50mは、基体50bの内側底面50btの少なくとも一部が突出した部分であり得る。基体50bのうち、内側底面50btを含む底板部分は、例えば、Cu、Al、Ag、Fe、Ni、Mo、Cu、W、およびCuMoからなる群から選択される少なくとも1つを含む金属から形成され得る。当該金属は高い熱伝導率を有し、そのような金属から形成された底板部分は、駆動時にレーザダイオード20から発せられた熱を外部に効率的に伝えることができる。基体50bのうち、側壁部分は、基板10、レーザダイオード20、サブマウント22、レンズ支持部30、およびレンズ40を囲む。当該側壁部分は、例えばコバール(kovar)から形成され得る。コバールは、主成分である鉄にニッケルおよびコバルトを加えた合金である。
次の工程において、図3Hに示すように、リード端子60とレーザダイオード20とがワイヤ60wおよびサブマウント22を介して電気的に接続される。具体的には、リード端子60のうち、一方がレーザダイオード20の上面に形成された金属膜に3本のワイヤ60wを介して電気的に接続され、他方が、サブマウント22の上面に形成された金属膜に3本のワイヤ60wを介して電気的に接続されている。ワイヤ60wの本数は3本である必要はなく、1本または2本でもよいし、4本以上でもよい。リード端子60は、例えばFe-Ni合金、またはCu合金のような導電性材料から形成され得る。ワイヤ60wは、例えばAu、Ag、Cu、およびAlからなる群から選択される少なくとも1つの金属から形成され得る。
次の工程において、図3Iに示すように、基体50bの内部が蓋体50Lによって気密封止される。蓋体50Lは、基体50bと同じ材料から形成されてもよいし、異なる材料から形成されてもよい。透光窓50wは、基体50bに取り付けられ、レーザダイオード20から出射され、レンズ40を通過したレーザ光を透過させる。パッケージ50における透光窓50wの材料は、例えば、レンズ40の材料と同じであり得る。
図3Aから図3Iを参照して説明した上記の工程により、実施形態1による発光装置100を製造することができる。
(実施形態2)
実施形態2によれば、レンズ支持部30が幅広部分30wを有していなくても、加熱用のレーザ光でレンズ支持部30の端面30sを照射することができる。以下に、図4Aから図4Cを参照して、本開示の実施形態2による発光装置の例を、実施形態2が実施形態1とは異なる点を中心に説明する。図4Aは、本開示の例示的な実施形態2による発光装置100Bの構成を模式的に示す分解斜視図である。図4Bは、図4Aの発光装置100Bを模式的に示す上面図である。図4Cは、図4Bの構成のYZ平面に平行なIVC-IVC線断面図である。
図4Aに示す発光装置100Bが図2Aに示す発光装置100Aとは異なる点は、レンズ支持部30の構成、および基板10の上面10sにおけるサブマウント22の位置である。レンズ支持部30は、外側面に凹部30cを有する。レンズ支持部30は、外側面の一部が切り取られた柱状形状を有する。当該一部は立方体である。凹部30cは、図4Bに示すように、端面30sの反対側に位置する第1表面30cs1と、第1表面30cs1に対して垂直である第2表面30cs2と、第2表面30cs2に対して垂直であり、第1表面30cs1に対向する第3表面30cs3とを有する。第2表面30cs2および第3表面30cs3は、第1表面30cs1よりも端面30sから離れて位置する。第1表面30cs1または第3表面30cs3と端面30sとはほぼ平行である。第1表面30cs1または第3表面30cs3と端面30sとがなす角度は、例えば0°以上10°以下であり得る。第2表面30cs2は、第1表面30cs1および第3表面30cs3に対して必ずしも垂直である必要はない。第2表面30cs2と第1表面30cs1または第3表面30cs3とがなす角度は、例えば80°以上100°以下であり得る。第1表面30cs1は、端面30sと第3表面30cs3との間に位置する。第1表面30cs1または第3表面30cs3のうち、上面10sに対して平行な辺の寸法は、例えば、端面30sのX方向における寸法の0.5倍以上0.8倍以下であり得る。凹部30cは、発光装置100Bの製造時においてレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合する際に機能する。レンズ支持部30およびレンズ40は、前述したように、例えば、同じ透光性材料から形成され得る。
図4Aに示すように、サブマウント22の前方端面22fsと、基板10の前方端面10fsとは、XY平面に対して平行である同じ平面上に位置してもよい。実施形態2におけるレンズ支持部30は実施形態1における幅広部分30wを有さない。したがって、図4Cに示すように、レーザダイオード20の出射面20eと、レンズ40のうち、出射面20eに対向する面との距離を実施形態1より短くしても、レーザダイオード20とレンズ支持部30との距離が短くなることがない。その結果、製造時において接合材32に加えられる熱がレンズ支持部30を介してレーザダイオード20に伝わることを抑制できる。
実施形態2では、実施形態1と比較して、レーザダイオード20から出射されたレーザ光をより早い段階でレンズ40によってコリメートすることができ、レーザダイオード20から出射されるレーザ光が広がることをさらに抑制できる。レンズ40に入射するレーザ光の広がりは小さいので、実施形態2における凸レンズ部40aは、実施形態1における凸レンズ部40aよりも小型にすることができる。
以下に、図5を参照して、実施形態2による発光装置100Bの製造方法を説明する。図5は、実施形態2による発光装置100Bの製造方法における工程の例を説明するための図である。基板10、レーザダイオード20、レンズ支持部30、およびレンズ40を用意する工程と、接合材32を介してレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接続する工程とについては、図3Aから図3Eを参照して説明した通りである。両者を接続した次の工程において、図5に示すように、加熱用のレーザ光が、側方から、凹部30cの第1表面30cs1に向けて入射される。第1表面30cs1は、入射したレーザ光を端面30sに向けて屈折させる。第1表面30cs1で屈折されたレーザ光でレンズ支持部30の端面30sが照射される。その結果、接合材32が加熱されることでレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。レンズ支持部30の端面30sとレンズ40との間に位置する第1金属膜30mが光吸収部材として機能すること、およびレンズ40を荷重することについては、図3Fを参照して説明した通りである。
次に、図6Aから図6Cを参照して、実施形態2による発光装置100Bの変形例1から3をそれぞれ説明する。図6Aは、実施形態2の変形例1による発光装置110Bの構成を模式的に示す分解斜視図である。図6Aに示す発光装置110Bが図4Aに示す発光装置100Bとは異なる点は、レンズ支持部30が図4Aに示す凹部30cを上面に有することである。レンズ支持部30は、上面の一部が切り取られた柱状形状を有する。当該一部は立方体である。
実施形態2の変形例による発光装置110Bの製造方法は、加熱用のレーザを、側方ではなく、上方から、凹部30cに向けて入射させる点を除き、実施形態2による発光装置100Bの製造方法と同じである。実施形態2の変形例1による発光装置110Bでも、接合材32を介してレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。
図6Bは、実施形態2の変形例2による発光装置120Bの構成を模式的に示す分解斜視図である。図6Bに示す発光装置120Bが図4Aに示す発光装置100Bとは異なる点は、レンズ支持部30の外側面に設けられた凹部31cが上面および下面から離れて位置することである。図6Bに示す凹部31cは、レンズ支持部30の外側面の窪みである。図6Cは、実施形態2の変形例3による発光装置130Bの構成を模式的に示す分解斜視図である。図6Cに示す発光装置130Bが図6Bに示す発光装置120Bとは異なる点は、レンズ支持部30の上面に凹部31cが設けられ、凹部31cが内側面および外側面から離れて位置することである。図6Cに示す凹部31cは、レンズ支持部30の上面の窪みである。図6Bおよび図6Cに示す凹部31cは、図4Bに示す凹部30cと同様に、第1表面30cs1から第3表面30cs3を有する。
実施形態2の変形例2による発光装置120Bの製造方法は、実施形態2による発光装置100Bの製造方法と同じである。実施形態2の変形例3による発光装置130Bの製造方法は、加熱用のレーザを、側方ではなく、上方から、凹部31cに向けて入射させる点を除き、実施形態2による発光装置100Bの製造方法と同じである。発光装置120Bおよび130Bでも、接合材32を介してレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。
(実施形態3)
実施形態3によれば、レンズ支持部30に設けられた凹部が曲面を有していても、加熱用のレーザ光でレンズ支持部30の端面30sを照射することができる。以下に、図7Aから図7Cを参照して、本開示の実施形態3による発光装置の例を、実施形態3が実施形態1および2とは異なる点を中心に説明する。図7Aは、本開示の例示的な実施形態3による発光装置100Cの構成を模式的に示す分解斜視図である。図7Bは、図7Aの発光装置100Cを模式的に示す上面図である。図7Cは、図7Bの構成のYZ平面に平行なVIIC-VIIC線断面図である。
図7Aに示す発光装置100Cが図4Aに示す発光装置100Bとは異なる点は、レンズ支持部30が、凹部30cとは異なる形状の凹部30ccを有することである。レンズ支持部30は、外側面の一部が切り取られた柱状形状を有する。当該一部は半円筒の形状を有する。凹部30ccは曲面を有し、当該曲面は、図7Bに示すように上面視で半円弧の形状を有する。当該曲面は、上面視で端面30sに近い1/4円弧の形状を有する第4表面30cs4と、上面視で端面30sから離れた1/4円弧の形状を有する第5表面30cs5とを含む。第5表面30cs5は、第4表面30cs4よりも端面30sから離れて位置する。第4表面30cs4は端面30sの反対側に位置し、かつ、端面30sと第5表面30cs5との間に位置し、第5表面30cs5は第4表面30cs4に対向する。凹部30ccのX方向における深さは、例えば、端面30sのX方向における寸法の0.5倍以上0.8倍以下であり得る。なお、凹部30ccの曲面は、上面視で半円弧の形状を有する必要はない。当該曲面は、例えば上面視で半円弧の一部の形状を有していてもよいし、半楕円弧または半楕円弧の一部の形状を有していてもよい。
実施形態3では、実施形態1と比較して、図7Cに示すように、レーザダイオード20の出射面20eと、レンズ40のうち、出射面20eに対向する面との距離をより短くしてもよい。当該距離をより短くすることによって得られる効果については、実施形態2において説明した通りである。
以下に、図8Aおよび図8Bを参照して、実施形態3による発光装置100Cの製造方法を説明する。図8Aは、実施形態3による発光装置100Bの製造方法における工程の例を説明するための図である。実施形態3による発光装置100Cの製造方法は、加熱する用のレーザ光を入射させる凹部30ccの第4表面30cs4が平面ではなく曲面である点を除き、実施形態2による発光装置100Bの製造方法と同じである。第4表面30cs4を曲面とした場合、第4表面30cs4が平面である場合と比較し、レンズ支持部30の製造が容易である。曲面を有する第4表面30cs4であっても、入射したレーザ光を端面30sに向けて屈折させることができる。第4表面30cs4で屈折したレーザ光によってレンズ支持部30の端面30sが照射される。その結果、接合材32が加熱されることでレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。第1金属膜30mが光吸収部材として機能すること、およびレンズ40を荷重することについては、図3Fを参照して説明した通りである。
図8Bは、実施形態3による発光装置100Cの製造方法における工程の他の例を説明するための図である。図8Bに示す凹部30ccの第5表面30cs5には、反射部材30rが設けられている。図8Bに示すように、加熱用のレーザ光が、側方から、第5表面30cs5に、より具体的にはその上に設けられた反射部材30rに向けて入射される。反射部材30rは入射したレーザ光を第4表面30cs4に向けて反射させ、第4表面30cs4は入射したレーザ光を端面30sに向けて屈折させる。反射部材30rで反射され、第4表面30cs4で屈折したレーザ光でレンズ支持部30の端面30sが照射される。その結果、接合材32が加熱されることでレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。第1金属膜30mが光吸収部材として機能すること、およびレンズ40を荷重することについては、図3Fを参照して説明した通りである。
次に、図9Aおよび図9Bを参照して、実施形態3による発光装置100Cの変形例を説明する。図9Aは、実施形態3の変形例による発光装置110Cの構成を模式的に示す分解斜視図である。図9Bは、図9Aの発光装置を模式的に示す上面図である。図9Aに示す発光装置110Cが図7Aに示す発光装置100Cとは異なる点は、レンズ支持部30が、凹部30ccとは異なる形状の凹部31ccを有することである。レンズ支持部30は、外側面の一部が切り取られた柱状形状を有する。当該一部は三角柱である。凹部31ccは、図9Bに示すように、端面30sの反対側に位置する第6表面30cs6と、第6表面30cs6と鋭角をなす第7表面30cs7とを有する。第7表面30cs7は、第6表面30cs6よりも端面30sから離れて位置する。第6表面30cs6と端面30sとはほぼ平行である。第6表面30cs6と端面30sとがなす角度は、例えば0°以上10°以下であり得る。第6表面30cs6と第7表面30cs7とがなす角度は、例えば、30°以上60°以下であり得る。第7表面30cs7の法線方向は、上面10sに対して平行である。第6表面30cs6は、端面30sと第7表面30cs7との間に位置する。第6表面30cs6のうち、上面10sに対して平行な辺の寸法は、例えば、端面30sのX方向における寸法の0.5倍以上0.8倍以下であり得る。
実施形態3の変形例による発光装置110Cの製造方法は、実施形態3による発光装置100Cの製造方法と同じである。すなわち、図8Aに示す例と同様に、加熱用のレーザ光を、側方から凹部31ccの第6表面30cs6に入射させてもよい。あるいは、図8Bに示す例と同様に、凹部31ccの第7表面30cs7に反射部材30rを設け、加熱用のレーザ光を、側方から、反射部材30rに向けて入射してもよい。実施形態3の変形例による発光装置110Cでも、接合材32を介してレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。
なお、図7Aに示す凹部30ccまたは図9Aに示す凹部31ccをレンズ支持部30の外側面ではなく上面に設けてもよい。
(実施形態4)
実施形態4によれば、加熱用のレーザ光でレンズ支持部30の端面30sを照射しなくても、接合材32を加熱してレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。以下に、図10Aから図10Cを参照して、本開示の実施形態4による発光装置の例を、実施形態4が実施形態1から3とは異なる点を中心に説明する。図10Aは、本開示の例示的な実施形態4による発光装置100Dの構成を模式的に示す分解斜視図である。図10Bは、図10Aの発光装置100Dを模式的に示す上面図である。図10Cは、図10Bの構成のYZ平面に平行なXC-XC線断面図である。
図10Aに示す発光装置100Dが図4Aに示す発光装置100Bとは異なる点は、レンズ支持部30が凹部30cに光吸収部材30aを有することである。図10Bに示すように、凹部30cの第1表面30cs1から第3表面30cs3には、光吸収部材30aが設けられている。光吸収部材30aは、例えばTi、Ni、およびCrからなる群から選択される少なくとも1つの金属から形成され得る。なお光吸収部材30aは、凹部30cの第1表面30cs1から第3表面30cs3だけではなく、凹部30cを埋めるように設けてもよい。凹部30cに設けられた光吸収部材30aは、発光装置100Cの製造時においてレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合する際に機能する。実施形態4におけるレンズ支持部30は、後述する理由により、必ずしも透光性材料から形成される必要はない。
実施形態4では、実施形態1と比較して、図10Cに示すように、レーザダイオード20の出射面20eと、レンズ40のうち、出射面20eに対向する面との距離をより短くしてもよい。当該距離をより短くすることによって得られる効果については、実施形態2において説明した通りである。
以下に、図11を参照して、実施形態4による発光装置100Dの製造方法を説明する。図11は、実施形態4による発光装置100Dの製造方法における工程の例を説明するための図である。基板10、レーザダイオード20、レンズ支持部30、およびレンズ40を用意する工程と、接合材32を介してレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接続する工程とについては、図3Aから図3Eを参照して説明した通りである。両者を接続した次の工程において、図11に示すように、加熱用のレーザ光が、側方から、光吸収部材30aのうち、凹部30cの第1表面30cs1に設けられた部分に向けて入射される。当該部分はレーザ光を吸収して熱に変換する。このようにして発生した熱は、レンズ支持部30のうち、第1表面30cs1と端面30sとの間の部分を介して端面30sに伝わる。その結果、接合材32が加熱されることでレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。以上のように、レンズ支持部30の前方部分に光吸収部材30aを設け、レーザ光を光吸収部材30aに入射し、光吸収部材30aにおいて発生した熱を端面30sに伝えることにより、接合材32は加熱される。そのようにして加熱された接合材32を介して、レンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。レンズ40の荷重については、図3Fを参照して説明した通りである。
レンズ支持部30が透光性材料から形成される場合、光吸収部材30aのうち、凹部30cの第2表面30cs2および第3表面30cs3に設けられた部分は、加熱用のレーザ光がレンズ支持部30を通過してレーザダイオード20に到達することを抑制できる。その結果、加熱によってレーザダイオード20が破損したり、その動作特性が劣化したりすることを抑制できる。
実施形態4において、レンズ支持部30は、光吸収部材30aで発生した熱を端面30sに伝える機能を有していればよい。したがって、レンズ支持部30は、必ずしも加熱用のレーザ光を透過させる透光性材料から形成される必要はない。レンズ支持部30の材料は、熱伝導率が1W/m・K以上500W/m・K以下であることが、効率的に熱を伝えることができるため好ましい。例えば基板10と同じ材料から形成されてもよい。
なお、光吸収部材30aが設けられる凹部は、図10Aに示す凹部30cではなく、前述した他のいずれかの凹部であってもよい。図8Bに示す例において、第4表面30cs4に光吸収部材を設けてもよい。さらに、光吸収部材30aが設けられる凹部は、レンズ支持部30の外側面ではなく上面に設けられてもよい。
(実施形態5)
実施形態5によれば、レンズ支持部30がレーザダイオード20を跨ぐような構成を有していても、接合材32を加熱してレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。以下に、図12を参照して、本開示の実施形態5による発光装置の例を、実施形態5が実施形態1から4とは異なる点を中心に説明する。図12は、本開示の例示的な実施形態5による発光装置100Eの構成を模式的に示す分解斜視図である。
図12に示す発光装置100Eが図4Aに示す発光装置100Bとは異なる点は、レンズ支持部30の構造である。図12に示すレンズ支持部30は後方部分を有さず、レーザダイオード20の両側に位置する両側部分30оと、レーザダイオード20の上方に位置し、両側部分30оを連結する連結部分30LKとを有する。レンズ支持部30は、レーザダイオード20を跨ぐように基板10の上面10sに設けられていればよく、実施形態1から4のレンズ支持部30に追加して、レーザダイオード20を跨ぐように連結部分30LKを設けてもよい。レンズ支持部30はU字型であり、レーザダイオード20から出射されるレーザ光がレンズ40に入射することを妨げない。レンズ支持部30の端面30sは、両側部分30оの端面、および連結部分30LKの端面を含む。両側部分30оの端面の一部には第1金属膜30mが設けられている。レンズ支持部30は、両側部分30оの外側面に凹部33cを有する。凹部33cの形状は、実施形態2または実施形態3と同様であり得る。
実施形態5による発光装置100Eの製造方法は、実施形態2による発光装置100Bの製造方法と同じである。発光装置100Eでも、接合材32を介してレンズ支持部30の端面30sとレンズ40とを接合することができる。
レンズ支持部30は、図12に示す両側部分30оの代わりに、図2Aに示すような幅広部分30wを含む両側部分を有していてもよい。そのようなレンズ支持部30を備える発光装置の材料、製造方法、および効果については、実施形態1において説明した通りである。あるいは、レンズ支持部30は、図12に示す両側部分30оの凹部33cに、図10Aに示すような光吸収部材30aをさらに有していてもよい。そのようなレンズ支持部30を備える発光装置の材料、製造方法、および効果については、実施形態4において説明した通りである。