以下に、添付図面を参照して、本発明に係る電池モジュールの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る電池モジュールの構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る電池モジュールの一構成例を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態1に係る電池モジュールの一構成例を示す上視図である。図3は、図2に示す電池モジュールのA-A線断面の一構成例を示す断面図である。図1~3に示すように、本実施形態1に係る電池モジュール1は、電池セル群10と、電池セル群10を収容する筐体20と、筐体20の収容空間を仕切る複数の仕切り板30とを備える。また、電池モジュール1は、電池セル群10を冷却するための冷媒の流入口43が設けられている第1チャンバー40と、電池セル群10の冷却に用いられた冷媒の流出口53が設けられている第2チャンバー50と、複数の仕切り板30の各々と電池セル群10の各蓋部16との間に介在する硬質部60とを備える。さらに、電池モジュール1は、筐体20の収容空間内に電池セル群10を拘束した状態を維持するためのエンドプレート26a、26bおよびバンド27a~27cを備える。
電池セル群10は、図1~3に示すように、積層状に配列されて筐体20に収容される複数の電池セル11からなる。例えば、電池セル群10には、6個の電池セル11が含まれる。図4は、本発明の実施形態1における電池セルの一構成例を示す斜視図である。図4に示すように、電池セル11は、外装ケース12と、蓋部16と、一対の電極端子17、18とを備える。外装ケース12は、腹面部13a、13bと側面部14a、14bと底部15とを有する有底の箱状体であり、電池セル11を構成する内部電極等(図示せず)を収容する。この外装ケース12において、腹面部13a、13bは電池セル11の厚さ方向に対向する端面部であり、側面部14a、14bは電池セル11の幅方向に対向する端面部である。また、腹面部13a、13bの各面積は、側面部14a、14bおよび底部15に比べて大きい。蓋部16は、外装ケース12の開口部に溶接等によって取り付けられており、当該開口部を閉じる。蓋部16には、一対の電極端子17、18が設けられている。例えば、一対の電極端子17、18のうち、一方はプラス極の端子であり、他方はマイナス極の端子である。
このような電池セル11は、図1~3に示すように、電池セル11の厚さ方向に腹面部13a、13bを対向させるように配列されて筐体20に複数収容される。すなわち、これら複数の電池セル11の積層状の配列方向D1は、電池セル群10の配列方向であり、電池セル11の厚さ方向と同じである。また、本実施形態1において、電池モジュール1の幅方向D2は、筐体20に収容された状態の電池セル11の幅方向と同じである。電池モジュール1の高さ方向D3は、上述した配列方向D1および幅方向D2に対して垂直な方向であり、例えば、筐体20に収容された状態の電池セル11の高さ方向と同じである。なお、上述した配列方向D1、幅方向D2および高さ方向D3は、電池モジュール1の各構成部においても同様である。
筐体20は、複数の電池セル11を収容するものである。図5は、本発明の実施形態1に係る電池モジュールの筐体の一構成例を示す上視図である。詳細には、図1~3および図5に示すように、筐体20は、底部21と一対の側部22、23とを有し、高さ方向D3の上側が開口した有底のコの字状体である。一対の側部22、23のうち、一方の側部22は底部21の幅方向D2の一端部に設けられ、他方の側部23は底部21の幅方向D2の他端部に設けられている。また、底部21には、複数の支持部24が電池セル11の配列方向D1に所定の間隔をあけて設けられている。複数の支持部24は、各々、仕切り板30を支持するものであり、一方の側部22から他方の側部23に亘って底部21から高さ方向D3の上側へ延在する板状に形成される。
また、図5に示すように、筐体20は、複数の電池セル11(図1~3参照)が積層状に配列されて収容される収容空間25を有する。筐体20の収容空間25は、筐体20の底部21と一対の側部22、23とによって形成される内部空間である。この収容空間25は、上述した複数の支持部24に各々接合された複数の仕切り板30によって電池セル11別に仕切られている。例えば、本実施形態1において、この収容空間25は、図5に示すように、7個の仕切り板30-1~30-7によって電池セル11別の収容室25-1~25-6に仕切られている。
上述した構成を有する筐体20は、例えば、樹脂の射出成形等により、底部21と一対の側部22、23と複数の支持部24とが一体化されるように形成される。このような筐体20を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、上述した収容空間25(図5参照)に複数の電池セル11が収容された状態の筐体20には、図1~3に示すように、一対のエンドプレート26a、26bと、複数(例えば3つ)のバンド27a~27cとが設けられる。
一対のエンドプレート26a、26bのうち一方のエンドプレート26aは、筐体20における配列方向D1の一端部(負側の端部)に位置するように、仕切り板30-1に接触している。他方のエンドプレート26bは、筐体20における配列方向D1の他端部(正側の端部)に位置するように、仕切り板30-7に接触している。下側のバンド27a、27bは、筐体20の幅方向D2に所定の間隔をあけて配置され、エンドプレート26a、26bの各底部に接合される。これらのバンド27a、27bは、さらに筐体20の底部21に接合されてもよい。上側のバンド27cは、筐体20の幅方向D2の中央部に配置され、エンドプレート26a、26bの各上端部に接合される。このようにバンド27a~27cと接合された状態のエンドプレート26a、26bは、筐体20を配列方向D1に挟んで筐体20の強度を強化するとともに、筐体20の収容空間内に複数の電池セル11を拘束するに足る拘束荷重を維持する。
上述のようなエンドプレート26a、26bおよびバンド27a~27cを構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン等の硬質な樹脂、鉄またはアルミニウム等の金属が挙げられる。また、エンドプレート26a、26bは、溶着等の手法によって筐体20に接合されてもよいし、インサート成形等の手法によって筐体20に一体成形されてもよい。なお、上述したエンドプレート26a、26bに接合されるバンドの配置数としては、上述した3つ(バンド27a~27c)に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
複数の仕切り板30は、筐体20の収容空間25を電池セル11別に仕切る機能と、収容空間25に収容された複数の電池セル11の各々を冷却する機能と、これら複数の電池セル11を収容空間25内に拘束する機能とを兼ね備える。
詳細には、図1~3に示すように、複数の仕切り板30は、複数の電池セル11の各々を配列方向D1に挟む間隔で複数の電池セル11の各別に筐体20の収容空間25(図5参照)を仕切るように、筐体20に設けられている。この際、複数の仕切り板30は、筐体20における複数の支持部24に各々接合されている。例えば図3に示すように、仕切り板30-1は、筐体20の支持部24-1に接合されて支持されている。仕切り板30-1~30-7は、このように筐体20の支持部24に支持され、電池セル11の配列方向D1に上記間隔で収容空間25を電池セル11別の収容室25-1~25-6(図5参照)に仕切る。
また、図3に示すように、複数の仕切り板30の各々は、複数の電池セル11の各々を冷却するための冷媒を流通させる冷却流路32を有する。冷却流路32は、複数の電池セル11の配列方向D1と交差する交差方向に複数の仕切り板30の各々を貫通する内部流路である。本実施形態1では、冷却流路32における上記交差方向は、筐体20および仕切り板30の幅方向D2と同じである。複数の仕切り板30の各々は、図3に示す仕切り板30-2と電池セル11-2との接触に例示されるように、上記配列方向D1に対向する電池セル11の腹面部13aと接触している。これにより、複数の仕切り板30の各々は、冷却流路32内の冷媒と電池セル11との熱交換を行って、複数の電池セル11の各々を冷却する。
また、複数の仕切り板30の各々は、複数の電池セル11のうち配列方向D1に対向する電池セル11と接触する弾性体33を有する。例えば図3に示すように、仕切り板30-2の弾性体33は、この仕切り板30-2と配列方向D1に対向する電池セル11-1の腹面部13bと接触している。このような弾性体33は、配列方向D1に対向する電池セル11の膨張または収縮に伴い変形して当該電池セル11の膨張または収縮を吸収するとともに、当該電池セル11に弾性力を加える。これにより、複数の仕切り板30の各々は、複数の電池セル11の各々を筐体20の収容空間25内に拘束する。また、複数の仕切り板30の各々は、弾性体33を介して冷却流路32内の冷媒と電池セル11との熱交換を行い、これによって複数の電池セル11の各々を冷却してもよい。
なお、本実施形態1において、7個の仕切り板30-1~30-7の各々は、仕切り板30と総称される。すなわち、仕切り板30といえば、筐体20に設けられる複数の仕切り板の各々(本実施形態1では仕切り板30-1~30-7の各々)を意味する。
第1チャンバー40は、複数の仕切り板30の各冷却流路32(図3参照)に冷媒を流入させる入口側チャンバーである。図1、2に示すように、第1チャンバー40は、上記冷媒の流入口43を有し、筐体20における幅方向D2の一端部である側部22に設けられている。このような第1チャンバー40は、複数の仕切り板30における上記交差方向の一端部において、上記各冷却流路32に通じる流通空間を内部に形成する。第1チャンバー40は、当該流通空間を介して流入口43と上記各冷却流路32とを連通させる。ここで、仕切り板30における上記交差方向は、複数の電池セル11の配列方向D1と交差する方向であり、本実施形態1において、筐体20および仕切り板30の幅方向D2と同じである。すなわち、上記交差方向の一端部は、筐体20における幅方向D2の一端部である側部22を意味する。
第2チャンバー50は、複数の仕切り板30の各冷却流路32から冷媒を流出させる出口側チャンバーである。図1、2に示すように、第2チャンバー50は、上記冷媒の流出口53を有し、筐体20における幅方向D2の他端部である側部23に設けられている。このような第2チャンバー50は、複数の仕切り板30における上記交差方向の他端部において、上記各冷却流路32に通じる流通空間を形成する。第2チャンバー50は、当該流通空間を介して上記各冷却流路32と流出口53とを連通させる。ここで、上記交差方向は本実施形態1において筐体20および仕切り板30の幅方向D2と同じであるから、上記交差方向の他端部は、筐体20における幅方向D2の他端部である側部23を意味する。
硬質部60は、電池セル11の膨張に伴う破損を防止するためのものである。詳細には、硬質部60は、仕切り板30の弾性体33よりも硬質の材料からなり、図3に示すように、仕切り板30の高さ方向D3の上端部に設けられている。このような硬質部60は、図2、3に示すように、複数の仕切り板30の各々と複数の電池セル11の各蓋部16との間に介在する。例えば、硬質部60-1は、電池セル11の蓋部16と仕切り板30-2との間に介在している。本実施形態1に係る電池モジュール1においては、6個の硬質部60が、仕切り板30と電池セル11の蓋部16との間に介在するように、仕切り板30の高さ方向D3の上端部に設けられている。
ここで、電池セル11は、その充電状態等に起因して膨張する場合があり、この膨張により、電池セル11の外装ケース12(図4参照)が変形して、電池セル11の蓋部16と外装ケース12との溶着等による接合部分に応力が集中し、この結果、これら蓋部16と外装ケース12との接合部分が破断する恐れがある。硬質部60は、上記のように仕切り板30と電池セル11の蓋部16との間に介在することにより、この電池セル11の外装ケース12のうち蓋部16との接合部分を押圧することができる。これにより、硬質部60は、蓋部16と外装ケース12との接合部分の変形を抑制して当該接合部分の破断を防止することができる。
つぎに、本発明の実施形態1における仕切り板30について詳細に説明する。図6は、本発明の実施形態1における仕切り板の一構成例を示す斜視図である。図7は、本発明の実施形態1における仕切り板の板本体の一構成例を示す斜視図である。図8は、図6に示す仕切り板のB-B線断面の一構成例を示す断面模式図である。図9は、図6に示す仕切り板のC-C線断面の一構成例を示す断面模式図である。図6~9に示すように、仕切り板30は、板本体31と弾性体33とを備える。
板本体31は、ポリプロピレン等の樹脂によって構成され、図6~9に示すように、上述した冷却流路32(図3参照)を複数有する。詳細には、冷却流路32は、複数の電池セル11の配列方向D1と交差する交差方向に貫通するように、板本体31の内部に複数設けられている。上記交差方向は仕切り板30の幅方向D2と同じであるから、複数(例えば7個)の冷却流路32の各々は、仕切り板30の幅方向D2に板本体31を貫通する内部流路である。また、図7、8に示すように、板本体31には貫通孔34が形成されている。貫通孔34は、仕切り板30の厚さ方向(配列方向D1)に板本体31を貫通する孔であり、例えば、マトリックス状に所定の間隔をあけて複数形成される。上述した冷却流路32は、図7、8に示すように、これらの貫通孔34を避けて幅方向D2に延在するように形成されている。また、図8、9に示すように、板本体31の高さ方向D3の下端部には、仕切り板30と筐体20の支持部24(図3参照)とを接合するための接合部35と、これらの接合に用いる金型に仕切り板30を係止するための凹部36とが形成されている。
弾性体33は、板本体31の構成樹脂に比べて軟質であり且つ弾性を有する樹脂によって構成され、例えば図6に示すように、仕切り板30の幅方向D2に延在するように板本体31に複数(本実施形態1では6個)設けられている。これら複数の弾性体33は、複数の仕切り板30の各外表面から、複数の電池セル11の配列方向D1のうち一方向側に突起する。なお、弾性体33を構成する樹脂としては、例えば、オレフィン系エラストマ等が挙げられる。
詳細には、図6に示すように、複数の弾性体33の各々は、厚肉部33aと薄肉部33bとを、仕切り板30における上記交差方向(幅方向D2)に沿って交互に複数有している。ここで、仕切り板30は、上述した貫通孔34(図7参照)を板本体31に有しており、弾性体33は、少なくとも貫通孔34に設けられている。すなわち、板本体31の貫通孔34は、複数の弾性体33の各厚肉部33aに対応して、所定の形状(図7では角丸長方形)で所定の個数(図7では厚肉部33aと同数)となるように形成されている。複数の弾性体33の各厚肉部33aは、図8に示すように、板本体31の貫通孔34に設けられている。本実施形態1において、これらの各厚肉部33aは、貫通孔34を通って板本体31の外表面から仕切り板30の厚さ方向(配列方向D1)の一端側のみに突起している。また、複数の弾性体33の各薄肉部33bは、図9に示すように、仕切り板30の各外表面に設けられている。これらの各薄肉部33bが設けられている板本体31の外表面は、上述した各厚肉部33aが突起している側の面である。
また、弾性体33は、図8に示すように、冷却流路32を横断する方向の両側から冷却流路32を挟むように複数設けられている。本実施形態1において、上記冷却流路32を横断する方向は、仕切り板30の高さ方向D3と同じである。複数の弾性体33は、貫通孔34の内部に設けられた各厚肉部33aによって冷却流路32を上記高さ方向D3の両側から挟んでいる。また、仕切り板30の板本体31と弾性体との接着面積を大きくして接合強度を強化するという観点から、弾性体33が設けられる貫通孔34は、図8に示すように、仕切り板30の厚さ方向(すなわち複数の電池セル11の配列方向D1)に拡大または縮小するテーパ状に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態1において、仕切り板30は、一対の板状部材の重ね合わせ構造を有する。図10は、本発明の実施形態1における仕切り板の重ね合わせ構造の一例を示す模式図である。図10に示すように、仕切り板30は、対をなす第1板状部材31aと第2板状部材31bとの重ね合わせ構造を有する。
詳細には、図10に示すように、第1板状部材31aおよび第2板状部材31bには、互いに重ね合わせることによって仕切り板30の冷却流路32となる各溝部32a、32bが各々形成されている。また、図10には図示されていないが、第1板状部材31aおよび第2板状部材31bには、互いに重ね合わせることによって仕切り板30の貫通孔34となる各貫通孔(以下、分割貫通孔という)が各々形成されている。第1板状部材31aの外表面および各分割貫通孔内には、第1板状部材31aの幅方向D2に沿って厚肉部と薄肉部とが交互に並ぶ弾性部材33cが複数設けられている。第2板状部材31bの各分割貫通孔内には、弾性部材33cの厚肉部に対応する弾性部材(図示せず)が設けられている。これら第1板状部材31aの弾性部材33cおよび第2板状部材31bの弾性部材は、互いに重ね合わせることによって仕切り板30の弾性体33となる。
また、図10に示すように、第1板状部材31aと第2板状部材31bとはヒンジ部31cを介して接続されている。ヒンジ部31cは、第1板状部材31aの一端部と第2板状部材の一端部とを接続するように形成され、第1板状部材31aと第2板状部材31bとを重ね合わせ可能に折れ曲がる。すなわち、ヒンジ部31cは、図10に示す矢印の方向に第1板状部材31aと第2板状部材31bとを重ね合わせできるように折れ曲がる。なお、ヒンジ部31cが設けられる第1板状部材31aおよび第2板状部材31bの各端部は、これら第1板状部材31aと第2板状部材31bとを重ね合わせて形成される仕切り板30の高さ方向D3の上端部に相当する。また、図10に示すように、第1板状部材31aは、ヒンジ部31cとは反対側の端部に嵌合部38を有する。第2板状部材31bは、ヒンジ部31cとは反対側の端部に被嵌合部37を有する。被嵌合部37は、第1板状部材31aと第2板状部材31bとを重ね合わせた際に嵌合部38と嵌合する。これらの被嵌合部37および嵌合部38は、互いに嵌合し合う形状に形成されればよく、例えば、一方が凸形状に形成されて他方が凹形状に形成されてもよい。
上述したヒンジ部31cを含む第1板状部材31aおよび第2板状部材31bは、例えば、第1板状部材31a、第2板状部材31bおよびヒンジ部31cの構成樹脂と、第1板状部材31aおよび第2板状部材31bの各弾性部材(例えば弾性部材33c)の構成樹脂とを用いた二色成形によって一体に形成することが可能である。なお、第1板状部材31a、第2板状部材31bおよびヒンジ部31cの構成樹脂は、仕切り板30の板本体31の構成樹脂と同じである。第1板状部材31aおよび第2板状部材31bの各弾性部材の構成樹脂は、仕切り板30の弾性体33の構成樹脂と同じである。
これらの第1板状部材31aおよび第2板状部材31bは、図10に示すように、ヒンジ部31cが折り曲げられるとともに、互いに重ね合わせられる。この際、第1板状部材31aの嵌合部38と第2板状部材31bの被嵌合部37とが互いに嵌合し合う。また、第1板状部材31aの溝部32aと第2板状部材31bの溝部32bとが互いに重なり合って、仕切り板30の冷却流路32が形成される。第1板状部材31aの弾性部材33cと第2板状部材31bの弾性部材とが互いに重なり合って、仕切り板30の弾性体33が形成される。第1板状部材31aの分割貫通孔と第2板状部材31bの分割貫通孔とが互いに重なり合って、仕切り板30の貫通孔34(図8参照)が形成される。また、第1板状部材31aの端部と第2板状部材31bの端部とが互いに重なり合って、仕切り板30の接合部35および凹部36が形成される。このようにして、第1板状部材31aと第2板状部材31bとの重ね合わせ構造を有する仕切り板30が作製される。
また、上記第1板状部材31aと第2板状部材31bとは、嵌合部38と被嵌合部37との嵌合によって重ね合わせた状態で固定される。さらに、第1板状部材31aと第2板状部材31bとの間の隙間(特に冷却流路32に通じる隙間)を閉塞するという観点から、上記第1板状部材31aと第2板状部材31bとは、互いにレーザ溶着されていることが好ましい。
ここで、上記第1板状部材31aと第2板状部材31bとの重ね合わせ構造を有する仕切り板30では、図10に示すように、折り曲げられたヒンジ部31cの内側に空間が生じる。この空間は、第1板状部材31aと第2板状部材31bとの隙間を介して冷却流路32に通じる恐れがあるため、閉塞されることが好ましい。図11は、本発明の実施形態1における仕切り板のヒンジ部内側の空間を閉塞する構成の一例を示す模式図である。図11に示すように、仕切り板30は、折り曲げられたヒンジ部31cの内側に生じる空間31dに閉塞部39を有している。閉塞部39は、ヒンジ部31cを折り曲げて第1板状部材31aと第2板状部材31bとを重ね合わせた際にヒンジ部31cの内側に生じる空間31dを塞ぐものである。この閉塞部39は、例えば、上記空間31dに樹脂を流し込んで硬化することによって形成される。閉塞部39を構成する樹脂としては、例えば、仕切り板30の板本体31の構成樹脂と同じものが挙げられる。
また、仕切り板30は、接着や嵌合等の手法によって筐体20に接合されてもよいが、接合の手間を低減するという観点から、インサート成形によって筐体20と一体に接合されることが好ましい。図12は、本発明の実施形態1における仕切り板と筐体とのインサート成形による接合の一例を示す断面模式図である。仕切り板30は、上述した図8~10に示したように、ヒンジ部31cとは反対側の端部(高さ方向D3の下端部)に接合部35および凹部36を有している。仕切り板30がインサート成形によって筐体20と一体に接合される場合、図12に示すように、仕切り板30はインサート成形の金型100にセットされる。続いて、筐体20の支持部24を構成する樹脂が金型100の内部に射出されることにより、仕切り板30の接合部35と一体に接合した状態の支持部24が成形される。なお、上述した閉塞部39は、このインサート成形時において、仕切り板30におけるヒンジ部31cの内側の空間31d(図11参照)に樹脂を流し込んで硬化させることにより、形成されることが好ましい。
この場合、仕切り板30の筐体20に対する接合部35は、図12に示すように、凹部36を含む凹凸形状を有することが好ましい。当該凹部36は、インサート成形の金型100の凸部101と係合する部分である。この凹凸形状により、仕切り板30の接合部35と筐体20の支持部24との接合面積が大きくなるため、これらの接合部35と支持部24との接合強度を高めることができる。また、仕切り板30の凹部36と金型100の凸部101とを係合させることにより、金型100の内部に仕切り板30を固定した状態でセットすることができ、この結果、支持部24の構成樹脂の射出圧力によって、仕切り板30が位置ずれや変形する事態、仕切り板30の重ね合わせ構造に冷却流路32に通じる隙間が生じる事態等を防止することができる。
一方、仕切り板30は、上述したインサート成形以外の手法によって、筐体20と一体成形されていてもよい。この仕切り板30と筐体20との一体成形の手法としては、例えば、筐体20や仕切り板30の板本体31の構成樹脂と弾性体33の構成樹脂とを用いた二色成形等が挙げられる。
つぎに、本発明の実施形態1における第1チャンバー40および第2チャンバー50について詳細に説明する。図13は、本発明の実施形態1における第1チャンバーおよび第2チャンバーの一構成例を示す斜視図である。図13には、第1チャンバー40および第2チャンバー50の各分解図が図示されている。
図13に示すように、第1チャンバー40は、第1チャンバー40の外枠となる第1枠体41と、上述した流入口43を有する第1カバー部42とによって構成される。第1枠体41は、筐体20における上記交差方向の一端部である側部22に設けられている。図13には図示されていないが、筐体20の側部22には、他方の側部23と同様に、複数の仕切り板30の各冷却流路32の開口部が露出している。第1枠体41は、この側部22に露出している各冷却流路32の開口部を内側に囲うように、筐体20の側部22の外表面に取り付けられている。なお、第1枠体41は、筐体20の成形時に側部22と一体成形されてもよい。
第1カバー部42は、図13に示すように、枠部44と、冷媒の流入口43と、複数のボス45とを有する。流入口43は、第1カバー部42の厚さ方向(図13では幅方向D2)に延在し、第1カバー部42の開口部に設けられている。例えば、図13に示すように、流入口43は、第1カバー部42における高さ方向D3の上端側の部位に設けられている。枠部44は、第1枠体41の外形と同様の形状に形成され、溶接等によって第1枠体41に接合される。複数のボス45は、枠部44の内側に設けられ、溶接等によって第1枠体41の内側領域(具体的には筐体20の側部22の外表面)に接合される。第1カバー部42は、第1枠体41と枠部44との接合により、第1枠体41の内側を覆うように第1枠体41に取り付けられる。この結果、第1カバー部42は、第1枠体41の内側領域との間に流通空間を形成する。この流通空間は、複数の仕切り板30の各冷却流路32と流入口43とを連通させる空間である。また、第1チャンバー40の強度は、筐体20の側部22に対する複数のボス45の接合によって強化されている。当該第1チャンバー40の強度としては、例えば、第1枠体41と第1カバー部42との接合強度、第1カバー部42の機械的強度等が挙げられる。
また、図13に示すように、第2チャンバー50は、第2チャンバー50の外枠となる第2枠体51と、上述した流出口53を有する第2カバー部52とによって構成される。第2枠体51は、筐体20における上記交差方向の他端部である側部23に設けられている。詳細には図13に示すように、筐体20の側部23には、複数の仕切り板30の各冷却流路32の開口部が露出している。第2枠体51は、この側部23に露出している各冷却流路32の開口部を内側に囲うように、筐体20の側部23の外表面に取り付けられている。なお、第2枠体51は、筐体20の成形時に側部23と一体成形されてもよい。
第2カバー部52は、図13に示すように、枠部54と、冷媒の流出口53と、複数のボス55とを有する。流出口53は、第2カバー部52の厚さ方向(図13では幅方向D2)に延在し、第2カバー部52の開口部に設けられている。例えば、図13に示すように、流出口53は、第2カバー部52における高さ方向D3の上端側の部位に設けられている。枠部54は、第2枠体51の外形と同様の形状に形成され、溶接等によって第2枠体51に接合される。複数のボス55は、枠部54の内側に設けられ、溶接等によって第2枠体51の内側領域(具体的には筐体20の側部23の外表面)に接合される。第2カバー部52は、第2枠体51と枠部54との接合により、第2枠体51の内側を覆うように第2枠体51に取り付けられる。この結果、第2カバー部52は、第2枠体51の内側領域との間に流通空間を形成する。この流通空間は、複数の仕切り板30の各冷却流路32と流出口53とを連通させる空間である。また、第2チャンバー50の強度は、筐体20の側部23に対する複数のボス55の接合によって強化されている。当該第2チャンバー50の強度としては、例えば、第2枠体51と第2カバー部52との接合強度、第2カバー部52の機械的強度等が挙げられる。
これらの第1チャンバー40および第2チャンバー50は、例えば、ポリプロピレン等の樹脂によって構成される。また、図13に示すように、第1チャンバー40の流入口43と第2チャンバー50の流出口53とは、互いに対極な位置関係にある。例えば、図1、2に示すように、第1チャンバー40の流入口43は、複数の電池セル11の配列方向D1の一端部側に位置し、第2チャンバー50の流出口53は、上記配列方向D1の他端部側に位置する。
つぎに、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1における冷媒の流れについて説明する。図14は、本発明の実施形態1に係る電池モジュールにおける冷媒の流れを説明する説明図である。図14には、電池モジュール1の上視図が模式的に示されている。なお、説明の便宜上、電池モジュール1のエンドプレート26a、26bおよびバンド27a~27cの図示は省略している。また、図14において、破線矢印は、冷媒70の流れを模式的に示している。
電池モジュール1には、上述した複数(例えば7個)の仕切り板30-1~30-7の各冷却流路32(図3等参照)と第1チャンバー40および第2チャンバー50とによって流通経路が形成されている。本実施形態1における冷媒70は、この流通経路に沿って電池モジュール1内を流通する。
詳細には、図14に示すように、冷媒70は、流入口43から第1チャンバー40内の流通空間に流入する。流入した冷媒70は、第1チャンバー40内の流通空間に貯留されるとともに、第1チャンバー40側から仕切り板30-1~30-7の各冷却流路32に流入する。その後、冷媒70は、仕切り板30-1~30-7の各冷却流路32内を、第1チャンバー40側から第2チャンバー50側へ向かう一方向(図14では幅方向D2の正方向)に流通しながら、複数の電池セル11の各々を冷却する。
例えば、仕切り板30-1は、図3に示すように、高さ方向D3に並ぶ複数(実施形態1では7個)の冷却流路32を内部に有している。また、仕切り板30-1の板本体は、配列方向D1に対向する電池セル11-1の腹面部と面接触している。このような仕切り板30-1において、冷媒70は、各冷却流路32の内部を上記一方向に流通しながら、仕切り板30-1の板本体を介して電池セル11-1と熱交換を行い、これにより、当該電池セル11-1を、その腹面部の広範囲に亘って冷却する。本実施形態1において、冷媒70は、他の仕切り板30-2~30-6においても、上記仕切り板30-1の場合と同様に、各冷却流路32の内部を上記一方向に流通しながら電池セル11を冷却する。
また、図3に示すように、仕切り板30-2は、上記仕切り板30-1と同様に複数の冷却流路32を内部に有し、弾性体33を介して電池セル11-1の腹面部13bと接触している。このような仕切り板30-2において、冷媒70は、各冷却流路32の内部を上記一方向に流通しながら、仕切り板30-2の弾性体33を介して電池セル11-1と熱交換を行い、これにより、当該電池セル11-1を冷却することが可能である。本実施形態1において、冷媒70は、他の仕切り板30-3~30-7においても、上記仕切り板30-2の場合と同様に、各冷却流路32の内部を上記一方向に流通しながら、弾性体33を介して電池セル11を冷却することが可能である。
上述したように電池セル11を冷却した後の冷媒70は、図14に示すように、仕切り板30-1~30-7の各冷却流路32から第2チャンバー50の流通空間に流出する。その後、冷媒70は、第2チャンバー50内の流通空間に貯留されるとともに、流出口53から電池モジュール1の外部へ流出する。
特に図示されていないが、第1チャンバー40の流入口43には、電池モジュール1に冷媒70を供給するための供給管が接続されている。第2チャンバー50の流出口53には、電池モジュール1から冷媒70を排出するための排出管が接続されている。上記供給管は、ポンプやタンク等の設備に接続され、電池セル11の冷却に適した低温度の冷媒70を流入口43から電池モジュール1内へ順次供給する。上記排出管は、タンク等の設備に接続され、電池セル11の冷却に利用された後の冷媒70を流出口53から電池モジュール1外へ順次排出する。或いは、これらの供給管および排出管は、所定の冷却装置(図示せず)等を介して互いに連通可能に接続されていてもよい。この際、電池セル11の冷却に利用された後の冷媒70を流出口53から上記排出管を介して順次回収し、回収した冷媒70を冷却装置によって冷却した後、再度、この冷媒70を上記供給管から流入口43介して電池モジュール1内へ順次供給してもよい。
なお、冷媒70は、仕切り板30の各冷却流路32内を流通可能な流体であれば、特に限定されない。例えば、冷媒70として、冷却水等の液体、冷気等の気体、これらの液体と気体との混合流体等が挙げられる。
以上、説明したように、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、複数の電池セル11が積層状に配列されて収容される収容空間25を有する筐体20に、冷媒を流通させる冷却流路32を有する仕切り板30が、複数の電池セル11の配列方向D1に各電池セル11を挟む間隔で収容空間25を電池セル11別に仕切るように設けられている。また、冷媒の流入口43を有する第1チャンバー40と冷媒の流出口53を有する第2チャンバー50とが筐体20に設けられ、配列方向D1と交差する交差方向(例えば幅方向D2)に仕切り板30を貫通した状態の冷却流路32に対し、第1チャンバー40が複数の仕切り板30における上記交差方向の一端部で冷却流路32に通じ、第2チャンバー50が複数の仕切り板30における上記交差方向の他端部で冷却流路32に通じるようにしている。
上記の構成により、入側の第1チャンバー40から、電池セル11の腹面部に沿って複数の仕切り板30の各々に分岐し、出側の第2チャンバー50に合流する冷媒の流通経路を、電池モジュール1に形成することができる。このため、複数の仕切り板30の各々について、入側の第1チャンバー40から冷却流路32へ冷媒を流入し、第1チャンバー40側から第2チャンバー50側へ向かう一方向に冷媒を冷却流路32内で流通させながら、複数の電池セル11の各々を当該冷媒との熱交換によって電池セル11の腹面部側から冷却し、この冷却処理に利用された冷媒を冷却流路32から出側の第2チャンバー50へ流出することができる。これにより、冷却流路32内の冷媒と熱交換する電池セル11と仕切り板30との接触面積を広くするとともに、電池セル11を冷却する際の冷媒の温度差を収容空間25内の複数の電池セル11間で低減できることから、これら複数の電池セル11の各々を効率よく均等に冷却することができ、この結果、電池セルの冷却効率を向上させることができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、仕切り板30が、互いに重ね合わせて冷却流路32となる各溝部32a、32bが各々形成された第1板状部材31aと第2板状部材31bとの重ね合わせ構造を有している。このため、仕切り板30の内部に微細な冷却流路32を容易に形成することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、仕切り板30を構成する第1板状部材31aと第2板状部材31bとをレーザ溶着によって互いに接合している。このため、仕切り板30の冷却流路32が冷媒の流通時の圧力によって広がる事態を防止することができる。これにより、冷却流路32の重ね合わせ構造に隙間が生じる事態を防止できることから、当該隙間を通じて仕切り板30から冷媒が漏れる事態を防止することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、仕切り板30を構成する第1板状部材31aと第2板状部材31bとがヒンジ部31cを介して接続されている。このため、第1板状部材31aと第2板状部材31bとを、ヒンジ部31cの折り曲げによって重ね合わせることが可能な1部品に構成することができ、この結果、仕切り板30の組立を容易に行うことができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、第1板状部材31aにおけるヒンジ部31cとは反対側の端部に嵌合部38が設けられ、第2板状部材31bにおけるヒンジ部31cとは反対側の端部に被嵌合部37が設けられ、第1板状部材31aと第2板状部材31bとを重ね合わせた際に嵌合部38と被嵌合部37とを互いに嵌合している。このため、第1板状部材31aと第2板状部材31bとを重ね合わせた状態(重ね合わせ構造)を簡易に保持することができる。この結果、仕切り板30を金型にセットするときの作業性を向上することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、ヒンジ部31cを折り曲げて第1板状部材31aと第2板状部材31bとを重ね合わせた際にヒンジ部31cの内側に生じる空間31dを、閉塞部39によって閉塞している。このため、折り曲げ可能であるが故に厚さが薄くて強度が弱いヒンジ部31cの強度を補強できるとともに、冷却流路32から空間31dを介して冷媒が漏れる事態を防止することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、仕切り板30はインサート成形によって筐体20と一体に接合されるようにし、仕切り板30の筐体20に対する接合部35は、上記インサート成形の金型の凸部と係合する凹部36を含む凹凸形状を有するように構成されている。このため、仕切り板30と筐体20との接合面積を大きくすることができ、これにより、これら仕切り板30と筐体20との接合強度を高めることができる。これに加え、仕切り板30の凹部36と金型の凸部とを係合させて当該金型内に仕切り板30を固定した状態でセットすることができ、この結果、当該金型内の樹脂の射出圧力によって仕切り板30が位置ずれや変形する事態、仕切り板30の重ね合わせ構造に冷却流路32に通じる隙間が生じる事態等を防止することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、仕切り板30を筐体20と一体成形している。このため、仕切り板30と筐体20とを継ぎ目なく接合することができ、この結果、仕切り板30と筐体20との継ぎ目からの冷媒の漏れを防止できるとともに、仕切り板30および筐体20を各々別部品として接合した場合に比べ、仕切り板30と筐体20との一体構造を簡易に形成することができ、さらには、その成形加工費を低減することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、筐体20における上記交差方向の一端部に設けられる第1枠体41と、第1枠体41の内側を覆うように第1枠体41に取り付けられる第1カバー部42とによって第1チャンバー40を構成し、筐体20における上記交差方向の他端部に設けられる第2枠体51と、第2枠体51の内側を覆うように第2枠体51に取り付けられる第2カバー部52とによって第2チャンバー50を構成している。このため、冷却流路32と流入口43とを連通させる流通空間を内部に有する入側の第1チャンバー40と、冷却流路32と流出口53とを連通させる流通空間を内部に有する出側の第2チャンバー50とを簡易に形成して筐体20に設けることができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、第1チャンバー40の流入口43を複数の電池セル11の配列方向D1の一端部側に配置し、第2チャンバー50の流出口53を上記配列方向D1の他端部側に配置している。このため、入側の第1チャンバー40から複数の仕切り板30の各々に分岐して出側の第2チャンバー50に合流する冷媒の流通経路の経路長を、仕切り板30間で均一にすることができる。これにより、複数の仕切り板30の各別に分岐する冷媒の流量を仕切り板30間で均一化することができ、この結果、冷媒の流通圧力の損失を低減できるとともに、冷媒による電池セル11の冷却温度のばらつきを低減することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、複数の電池セル11のうち上記配列方向D1に対向する電池セル11と接触する弾性体33を仕切り板30に設けている。このため、充電状態等に起因して電池セル11に生じる膨張または収縮に応じて弾性体33を変形させることができ、これにより、当該電池セル11の膨張または収縮を吸収するとともに、筐体20の収容空間25に拘束するための弾力を電池セル11に加えることができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、複数の電池セル11の配列方向D1に貫通する貫通孔34を仕切り板30に形成し、少なくとも貫通孔34に弾性体33を設けている。このため、貫通孔34の深さに応じて弾性体33の弾力を大きくすることができ、これにより、電池セル11の膨張収縮の吸収に要する弾性体33の弾力を確保するとともに、仕切り板30の外表面からの弾性体33の突起長さを低減することができ、この結果、電池モジュール1の小型化を図ることができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、冷却流路32を横断する方向(例えば高さ方向D3)の両側から冷却流路32を挟むように、仕切り板30に弾性体33を複数設けている。このため、仕切り板30における冷却流路32と貫通孔34との間の隙間を弾性体33によって貫通孔34側から閉塞することができ、この結果、冷却流路32から当該隙間を通じて冷媒が漏れる事態を防止することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、仕切り板30の貫通孔34を、複数の電池セル11の配列方向D1に拡大または縮小するテーパ状に形成している。このため、貫通孔34がテーパ状に形成されていない場合に比べて弾性体33と貫通孔34との接触面積を大きくすることができ、この結果、仕切り板30における弾性体33の接合強度を高めることができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、仕切り板30の弾性体33が、貫通孔34に設けられる厚肉部33aと、仕切り板30の外表面に設けられる薄肉部33bとを仕切り板30における上記交差方向に沿って交互に有するように構成されている。このため、仕切り板30の板本体31に弾性体33をインサート成形等によって設ける際における弾性体33の成形収縮による変形および応力を、薄肉部33bを有していない場合に比べて小さくすることができる。これにより、弾性体33の収縮変形時に仕切り板30の板本体31に弾性体33から加えられる応力を緩和できることから、弾性体33の収縮変形に起因する仕切り板30の変形を防止することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、弾性体33が、仕切り板30の外表面から複数の電池セル11の配列方向D1のうち一方向側に突起するように構成されている。このため、仕切り板30における弾性体33の突起側とは反対側の板面(板本体31の外表面)を冷却対象の電池セル11の腹面部に密接させることができる。これにより、冷却流路32内の冷媒と電池セル11との間の熱伝導性を高めることができ、この結果、電池セル11の冷却効率を向上させることができる。また、仕切り板30の厚さ方向(配列方向D1)の両面のうち、弾性体33の突起側の板面を非冷却面(電池セル11の冷却に寄与させない面)とし、この非冷却面とは反対側の板面を冷却面として、電池セル11を仕切り板30の冷却面のみで冷却する片面冷却構造を採用することができる。これにより、熱伝導率が高い弾性樹脂材によって弾性体33を構成する必要がなく、汎用樹脂によって弾性体33を構成できる等、弾性体33を構成する樹脂の選択の自由度を高めることができる。さらには、仕切り板30と電池セル11との間の熱抵抗を下げるためのギャップフィラーを用いる必要もない。したがって、電池モジュール1の製造コストの低減を図ることができるとともに、設計のロバスト性を高めることができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、弾性体33よりも硬質の材料からなる硬質部60を、仕切り板30と電池セル11の蓋部16との間に介在させている。このため、電池セル11の外装ケース12のうち蓋部16との接合部分を硬質部60によって押圧することができる。これにより、電池セル11の蓋部16と外装ケース12との接合部分の変形を抑制することができ、この結果、当該接合部分の破断を防止することができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、仕切り板30を樹脂によって構成している。このため、電池セル11と仕切り板30との間の絶縁性を簡易に確保することができ、金属製の仕切り板を採用した場合に必要な絶縁処理を省くことができる。
また、本発明の実施形態1に係る電池モジュール1では、複数の電池セル11を収容する収容空間25が仕切り板30によって電池セル11別に仕切られている。このため、たとえ仕切り板30に破損が生じて冷却流路32から冷媒が漏れ出たとしても、この冷媒の漏出を収容空間25の一区画(一つの電池セル11の収容室)内に留めることができる。この結果、冷媒による電池セル11の汚染や短絡等、電池モジュール1の被害を最小限に抑えることができる。
(実施形態2)
つぎに、本発明の実施形態2に係る電池モジュールについて説明する。図15は、本発明の実施形態2に係る電池モジュールの一構成例を示す断面模式図である。図15に示すように、本実施形態2に係る電池モジュール1Aは、上述した実施形態1に係る電池モジュール1の仕切り板30-1~30-7に代えて仕切り板30A-1~30A-7を備える。その他の構成は実施形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
図15に示すように、複数(例えば7個)の仕切り板30A-1~30A-7は、上述した実施形態1と同様に、筐体20の収容空間を電池セル11別に仕切る機能と、複数の電池セル11を当該収容空間内に拘束する機能とを兼ね備える。これに加え、これらの仕切り板30A-1~30A-7は、筐体20の収容空間に収容された複数の電池セル11の各々を配列方向D1の両側から冷却する両面冷却機能を備えている。
詳細には、図15に示すように、仕切り板30A-1~30A-7の各々は、実施形態1と同様の冷却流路32を有する。また、仕切り板30A-1~30A-7の各々は、上述した実施形態1における弾性体33の代わりに、上記配列方向D1の両側に突起する弾性体33Aを有する。例えば、仕切り板30A-2は、上記配列方向D1に対向する電池セル11-1の腹面部13bおよび電池セル11-2の腹面部13aと弾性体33Aを介して接触している。仕切り板30A-2は、冷却流路32内の冷媒と電池セル11-1、11-2との熱交換を、弾性体33Aを介して行い、これにより、電池セル11-1、11-2の各々を冷却する。このような電池セル11の両面冷却機能は、残りの仕切り板30A-3~30A-6においても同様である。なお、仕切り板30A-1、30A-7は、上記配列方向D1の片側のみで電池セル11と弾性体33Aを介して接触している。このため、仕切り板30A-1、30A-7は、上記両面冷却機能を有しているものの、実際には上記配列方向D1の片側の電池セル11を、弾性体33Aを介して冷却している。
また、図15に示すように、仕切り板30A-1~30A-7は、複数の電池セル11の各々を配列方向D1の両側から弾性体33Aを介して挟んでいる。例えば、電池セル11-1は、仕切り板30A-1の弾性体33Aと仕切り板30A-2の弾性体33Aとによって配列方向D1の両側から挟まれている。このような弾性体33Aは、配列方向D1の両側で対向する各電池セル11の膨張または収縮に伴い変形して当該各電池セル11の膨張または収縮を吸収するとともに、当該各電池セル11に弾性力を加える。これにより、仕切り板30A-1~30A-7の各々は、複数の電池セル11の各々を筐体20の収容空間内に拘束する。
本実施形態2において、7個の仕切り板30A-1~30A-7の各々は、仕切り板30Aと総称される。すなわち、仕切り板30Aといえば、筐体20に設けられる複数の仕切り板の各々(本実施形態2では仕切り板30A-1~30A-7の各々)を意味する。
なお、硬質部60は、図15に示すように、本実施形態2における仕切り板30Aの配列方向D1の両側に設けられている。例えば、仕切り板30A-2の高さ方向D3の上端部には、配列方向D1の両側に硬質部60-2、60-3が設けられている。仕切り板30A-1、30A-7の高さ方向D3の上端部には、配列方向D1の片側に硬質部60は設けられている。すなわち、仕切り板30A-1~30A-7の各々において、硬質部60は、仕切り板30Aと電池セル11の蓋部16との間に介在する。このような硬質部60の機能は、上述した実施形態1と同様である。
つぎに、本発明の実施形態2における仕切り板30Aについて詳細に説明する。図16は、本発明の実施形態2における仕切り板の一構成例を示す斜視図である。図17は、図16に示す仕切り板のD-D線断面の一構成例を示す断面模式図である。図18は、図16に示す仕切り板のE-E線断面の一構成例を示す断面模式図である。図16~18に示すように、仕切り板30Aは、上述した実施形態1における仕切り板30の弾性体33に代えて弾性体33Aを備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
弾性体33Aは、板本体31の構成樹脂に比べて軟質であり且つ弾性を有する樹脂によって構成され、例えば図16に示すように、仕切り板30Aの幅方向D2に延在するように板本体31に複数(本実施形態2では6個)設けられている。これら複数の弾性体33Aは、複数の仕切り板30Aの各外表面から、複数の電池セル11の配列方向D1の両側に突起する。なお、弾性体33Aを構成する樹脂としては、例えば、上述した実施形態1の弾性体33と同じオレフィン系エラストマ等が挙げられるが、冷却流路32内の冷媒と電池セルとの熱交換が弾性体33Aを介するという観点から、熱伝導率がより高い弾性樹脂が好ましい。
詳細には、図16に示すように、複数の弾性体33Aの各々は、厚肉部33aaと薄肉部33bとを、仕切り板30Aにおける上記交差方向(幅方向D2)に沿って交互に複数有している。厚肉部33aaは、図17に示すように、仕切り板30Aの板本体31の貫通孔34に設けられ、貫通孔34を通って板本体31の外表面から仕切り板30Aの厚さ方向(配列方向D1)の両端側に突起している。薄肉部33bは、図18に示すように、仕切り板30Aにおける厚さ方向両側の各外表面に設けられている。例えば、これら厚肉部33aaおよび薄肉部33bの各個数は、上述した実施形態1における弾性体33と同じである。
また、弾性体33Aは、図17に示すように、冷却流路32を横断する方向(例えば仕切り板30の高さ方向D3)の両側から冷却流路32を挟むように複数設けられている。複数の弾性体33Aは、貫通孔34の内部に設けられた各厚肉部33aaによって冷却流路32を上記高さ方向D3の両側から挟んでいる。
また、本実施形態2において、仕切り板30Aは、一対の板状部材の重ね合わせ構造を有する。図19は、本発明の実施形態2における仕切り板の重ね合わせ構造の一例を示す模式図である。図19に示すように、仕切り板30Aは、対をなす第1板状部材31aと第2板状部材31bとの重ね合わせ構造を有する。本実施形態2において、第1板状部材31aは実施形態1における弾性部材33cに代えて弾性部材33dを備え、第2板状部材31bは実施形態1における弾性部材に代えて弾性部材33eを備えている。その他の構成は実施形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
弾性部材33d、33eは、第1板状部材31aと第2板状部材31bとを重ね合わせることによって仕切り板30Aの弾性体33Aとなるものである。一方の弾性部材33dは、第1板状部材31aの幅方向D2に沿って交互に並ぶ厚肉部および薄肉部を有し、第1板状部材31aの外表面および各分割貫通孔内に設けられている。他方の弾性部材33eは、第2板状部材31bの幅方向D2に沿って交互に並ぶ厚肉部および薄肉部を有し、第2板状部材31bの外表面および各分割貫通孔内に設けられている。
例えば、本実施形態2における第1板状部材31aおよび第2板状部材31bは、第1板状部材31a、第2板状部材31bおよびヒンジ部31cの構成樹脂と弾性部材33d、33eの構成樹脂とを用いた二色成形によって一体に形成することが可能である。
これらの第1板状部材31aおよび第2板状部材31bは、図19に示すように、ヒンジ部31cが折り曲げられるとともに、互いに重ね合わせられる。この際、上述した実施形態1と同様に、嵌合部38と被嵌合部37とが互いに嵌合し合う。また、第1板状部材31aの弾性部材33dと第2板状部材31bの弾性部材33eとが互いに重なり合って、仕切り板30Aの弾性体33Aが形成される。なお、仕切り板30Aの冷却流路32、貫通孔34(図17参照)、接合部35および凹部36の各形成については、上述した実施形態と同様である。このようにして、第1板状部材31aと第2板状部材31bとの重ね合わせ構造を有する仕切り板30Aが作製される。
なお、特に図示しないが、本実施形態2における仕切り板30Aは、上述した実施形態1と同様に、折り曲げられたヒンジ部31cの内側に空間を塞ぐ閉塞部を備えている。また、仕切り板30Aの重ね合わせ構造の固定、インサート成形等による仕切り板30Aと筐体20との接合(一体化)についても、実施形態1と同様である。
上述したような仕切り板30Aを有する電池モジュール1A(図15参照)において、複数の電池セル11を冷却するための冷媒の流通は、冷却流路32を有する仕切り板が実施形態1の仕切り板30から実施形態2の仕切り板30Aに置き換わったこと以外、実施形態1と同様である。また、当該冷媒の種類についても、実施形態1と同様である。
以上、説明したように、本発明の実施形態2に係る電池モジュール1Aでは、複数の電池セル11の配列方向D1に各電池セル11を挟む間隔で筐体20の収容空間を電池セル11別に仕切る仕切り板30Aを、上記配列方向D1の両側に突起する弾性体33Aを有するものとし、その他を実施形態1と同様に構成している。このため、上述した実施形態1と同様の作用効果を享受するとともに、上記配列方向D1の両側から弾性体33Aによって、各電池セル11を収容空間内に拘束し且つ各電池セル11の膨張収縮を吸収することができる。
なお、上述した実施形態1、2では、筐体の収容空間に7個の電池セルが収容される場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、当該収容空間に収容される電池セルの個数は、上述した7個に限らず、2個以上であってもよい。また、当該収容空間を仕切る仕切り板の個数は、上述した7個に限らず、収容される電池セル別に当該収容空間を仕切るために必要な個数であればよく、例えば2個以上であってもよい。
また、上述した実施形態1、2では、筐体の底部から高さ方向に延在する支持部に仕切り板の下端部を接合していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、仕切り板の下端部は筐体の底部に直接接合されていてもよいし、仕切り板自体が筐体の底部から延在するように筐体と一体成形されていてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、仕切り板に設けられる冷却流路および弾性体の各個数を7個にした場合を例示していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、仕切り板に設けられる冷却流路および弾性体の各個数は、1個であってもよいし、2個以上であってもよい。また、これらの個数は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、仕切り板の幅方向に延在する冷却流路を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、仕切り板に設けられる冷却流路は、入側の第1チャンバーから出側の第2チャンバーに向かって電池セルを横切る方向に延在する流路であればよく、当該冷却流路の延在方向は、上記幅方向に対して傾斜する方向であってもよい。また、上記冷却流路は、直線状の流路に限定されず、ジグザグ状の流路であってもよいし、湾曲状の流路であってもよい。
また、上述した実施形態1、2では、仕切り板の厚さ方向の中心位置に冷却流路を揃えて設けていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、当該冷却流路は、仕切り板の厚さ方向の両端部のうち一端部側に近くなるよう偏って設けられていてもよい。特に、実施形態1における冷却流路は、仕切り板の厚さ方向の片側面(弾性体が突起していない側の板面)に近くなるよう偏って設けられていてもよい。また、上記冷却流路は、仕切り板の厚さ方向の片側にのみ設けられていてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、仕切り板の板本体に形成された貫通孔に弾性体(特にその厚肉部)を設けた場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、弾性体は、仕切り板の板本体の外表面に取り付けられていてもよい。この場合、当該板本体には、弾性体を設ける貫通孔が形成されていなくてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、厚肉部と薄肉部が交互に並ぶ構造の弾性体を仕切り板に設けた場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、仕切り板に設けられる弾性体は、厚肉部と薄肉部とに分かれていない一定厚さの弾性体であってもよい。また、上記弾性体は、上述した厚肉部および薄肉部のうち厚肉部のみが弾性体となっているものでもよい。
また、上述した実施形態1、2では、ヒンジ部を介して互いに接続された第1板状部材と第2板状部材とを重ね合わせて仕切り板を形成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、これらの第1板状部材および第2板状部材は、ヒンジ部で繋がっていない、互いに別体の部材であってもよく、仕切り板は、これら別体同士の第1板状部材と第2板状部材とを重ね合わせて接合(溶着等)することにより形成されてもよい。或いは、上述した仕切り板は、一対の板状部材の重ね合わせ構造を有するものに限らず、1枚の板状部材によって形成されてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、第1チャンバーの高さ方向の上端部に冷媒の流入口が設けられ、第2チャンバーの高さ方向の上端部に冷媒の流出口が設けられた場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、これら流入口および流出口は、第1チャンバーおよび第2チャンバーにおける所望部位(下端部または中心部等)に各々設けられもよい。また、第1チャンバーおよび第2チャンバーに各々設けられる流入口および流出口の各個数は、上述した1個に限らず、複数であってもよい。
また、上述した実施形態1、2によって本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施形態1、2に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。