JP7535537B2 - タンパク質キナーゼ阻害剤としての置換ピロロ[2,3-b]ピリジン及びピラゾロ[3,4-b]ピリジン誘導体 - Google Patents

タンパク質キナーゼ阻害剤としての置換ピロロ[2,3-b]ピリジン及びピラゾロ[3,4-b]ピリジン誘導体 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
[1]本出願は、米国仮出願第62/854,983号、同第62/904,611号及び同第62/935,091号の優先権を主張し、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[発明の分野]
[2]ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)のキナーゼ活性を阻害することができ、がんや炎症のような過剰増殖性疾患、又は免疫疾患及び自己免疫疾患の治療に有用であり得る特定の化合物又はその薬学的に許容され得る塩が提供される。
[発明の背景]
[3]がんや炎症のような過剰増殖性疾患は、治療上の利益を提供するために科学界を引き付けている。これに関して、増殖性疾患の進行において役割を果たす特定のメカニズムを特定し、ターゲットとする努力がなされてきた。
[4]ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、B細胞及び骨髄細胞で発現される非受容体チロシンキナーゼのTecファミリーのメンバーであり、早期B細胞の発生、並びに成熟B細胞の活性化、シグナル伝達及び生存に関与するB細胞受容体(BCR)シグナル伝達経路において重要な役割を果たす。
[5]ヒトBTKの機能的変異は、血清中の免疫グロブリンの減少をもたらす成熟B細胞の生成不全に関連する免疫不全疾患であるX連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)をもたらすことが知られている。さらに、BTKの調節は、B細胞による炎症促進性サイトカイン及びケモカインのBCR誘導性産生に影響を及ぼす可能性があり、自己免疫疾患の治療におけるBTKの幅広い可能性を示唆している。自己免疫疾患及び炎症性疾患におけるBTKの役割についての証拠もまた、BTK欠損マウスモデルによって提供されている。したがって、BTK活性の阻害は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患、例えば、関節リウマチ、多発性血管炎、重症筋無力症、及び喘息の治療に有用であり得る。
[6]さらに、BTKは、アポトーシスにおいて重要な役割を果たすことが報告されている。特定の悪性腫瘍では、BTKは、B細胞で過剰発現し、腫瘍細胞の増殖及び生存の増加と関係がある。BTKの阻害は、B細胞シグナル伝達経路に影響を及ぼし、B細胞の活性化を妨げ、悪性B細胞の増殖を阻害する。
[7]したがって、BTK活性の阻害は、がんの治療、並びにB細胞リンパ腫、白血病、及び他の血液悪性腫瘍の治療に有用であり得る。いくつかの臨床試験は、BTK阻害剤ががんに対して有効であることを示している。ファースト・イン・クラスのBTK阻害剤であるイブルチニブ(PCI-32765)は、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)、及びワルデンストロームのマクログロブリン血症(WM)を有する患者の治療に関して米国食品医薬品局によって承認された。BTK阻害剤はまた、免疫学的疾患や炎症などの他の状態を治療するために使用することもできる。
[8]したがって、変異型BTKを含むBTK阻害活性を有する化合物は、前述の疾患の予防又は治療に有用である。BTK阻害剤は、当技術分野、例えば、国際公開第2008/039218号及び国際公開第2008/121742号に開示されているが、多くは短い半減期又は毒性に悩まされている。したがって、過剰増殖性疾患の治療のオプションとして、効力、安定性、選択性、毒性、及び薬力学特性から選択される少なくとも1つの有利な特性を有する新規なBTK阻害剤が必要とされている。これに関して、本明細書は、新規クラスのBTK阻害剤を提供する。
[発明の開示]
[9]特定の新規化合物、その薬学的に許容され得る塩、及びその医薬組成物、並びに医薬組成物としてのそれらの使用が本明細書に開示される。
[10]一態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
Figure 0007535537000001

[式中、
環Qは、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
Lは、結合、-(CRC0D0-、-(CRC0D0O(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(CRC0D0-、-(CRC0D0C(=NRE0)(CRC0D0-、-(CRC0D0C(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)NRB0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0S(O)(CRC0D0-、及び-(CRC0D0NRA0S(O)NRB0(CRC0D0-から選択され;
、X、X及びXは、CRX’及びNから独立して選択され;
Yは、CR及びNから選択され;
は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1、及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRX1から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)NRA2B2、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRX2から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA3B3、-ORA3、-C(O)NRA2B2、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRX3から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA4B4、-ORA4、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRX4から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(=NRE5)RA5、-C(=N-ORB5)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-C(=NRE5)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)RB5、-OC(O)NRA5B5、-NRA5C(O)ORB5、-NRA5C(O)NRA5B5、-NRA5C(S)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)NRA5B5、-S(O)A5、-S(O)(=NRE5)RB5、-N=S(O)RA5B5、-S(O)ORA5、-OS(O)A5、-NRA5S(O)B5、-NRA5S(O)(=NRE5)RB5、-S(O)NRA5B5、-S(O)(=NRE5)NRA5B5、-NRA5S(O)NRA5B5、-NRA5S(O)(=NRE5)NRA5B5、-P(O)RA5B5、及び-P(O)(ORA5)(ORB5)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA0及びRB0は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX0から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA0及びRB0」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX0基で置換されており;
各RA1及びRB1は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX1から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA1及びRB1」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX1基で置換されており;
各RA2及びRB2は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX2から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は,各「RA2及びRB2」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX2基で置換されており;
各RA3及びRB3は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX3から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA3及びRB3」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX3基で置換されており;
各RA4及びRB4は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX4から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA4及びRB4」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX4基で置換されており;
各RA5及びRB5は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA5及びRB5」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX5基で置換されており;
各RC0及びRD0は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX0から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、RC0及びRD0は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX0基で置換されており;
各RE0、RE1及びRE5は、水素、C1~10アルキル、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1、及び-S(O)NRa1b1から独立して選択され;
各R、RX’、RX0、RX1、RX2、RX3、RX4、及びRX5は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1、及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra1及び各Rb1は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra1及びRb1は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Rc1及び各Rd1は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc1及びRd1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Re1は、水素、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2、及び-C(O)NRa2b2から独立して選択され;
各Rは、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、-NO、-NRa2b2、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-S(O)ORa2、-OS(O)b2、-S(O)NRa2b2、-P(O)Ra2b2、-P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2SRb2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2、-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2COb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2NRa2COb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2SONRa2b2、-NRa2(CRc2d2NRa2b2、-O(CRc2d2NRa2b2、-S(CRc2d2NRa2b2、-S(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)Ra2、-C(O)(CRc2d2ORb2、-C(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)(CRc2d2SRb2、-C(O)(CRc2d2S(O)b2、-COb2、-CO(CRc2d2C(O)NRa2b2、-OC(O)Ra2、-CN、-C(O)NRa2b2、-NRa2C(O)Rb2、-OC(O)NRa2b2、-NRa2C(O)ORb2、-NRa2C(O)NRa2b2、-NRa2S(O)b2、-CRa2(=N-ORb2)、-C(=NRe2)Ra2、-C(=NRe2)NRa2b2、-NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-CHF、-CF、-OCHF、及び-OCFから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、OH、CN、アミノ、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra2及び各Rb2は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra2及びRb2は、それらが結合している原子と一緒になって、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されており;
各Rc2及び各Rd2は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又は、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc2及びRd2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択された0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換され;
各Re2は、水素、CN、NO、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-C(O)C3~10シクロアルキル、-C(O)OC1~4アルキル、-C(O)OC3~10シクロアルキル、-C(O)N(C1~4アルキル)、-C(O)N(C3~10シクロアルキル)、-S(O)1~4アルキル、-S(O)3~10シクロアルキル、-S(O)N(C1~4アルキル)、及び-S(O)N(C3~10シクロアルキル)から独立して選択され;
各rは、0、1及び2から独立して選択され、
各tは、0、1、2、3及び4から独立して選択され、
各uは、0、1、2、3及び4から独立して選択される。]
[11]式(I)の一実施形態では、本発明は、YがCRであり、上記化合物が式(II)を有する、化合物又はその薬学的に許容され得る塩を開示する。
Figure 0007535537000002

[式中、Q、L、R、R、R、R、R、X、X、X、及びXは、式(I)で定義される通りである。]
[12]さらに別の態様では、本開示は、式(I)の化合物又はその少なくとも1つの薬学的に許容され得る塩及び薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
[13]さらに別の態様では、本開示は、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩若しくはその医薬組成物を、それを必要とする系又は対象に投与し、それによりBTKを調節するステップを含む、BTKを調節する方法を提供する。
[14]さらに別の態様では、BTKの阻害に反応する症状を治療、改善又は予防する方法であって、かかる治療を必要とする系又は対象に、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩若しくはその医薬組成物を、任意選択で、第2の治療薬と組み合わせて投与し、それにより前記症状を治療するステップを含む方法が開示される。
[15]あるいは、本開示は、BTKによって媒介される状態を治療するための医薬品の製造における式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。特定の実施形態では、本開示の化合物は、単独で、又は第2の治療薬と組み合わせて使用して、BTKによって媒介される状態を治療することができる。
[16]あるいは、BTKによって媒介される症状を治療するための式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩が開示される。
[17]具体的には、本明細書の状態には、自己免疫疾患、ヘテロ免疫疾患、アレルギー疾患、炎症性疾患、又は細胞増殖性障害が含まれるが、これらに限定されない。
[18]さらに、本開示は、BTKによって媒介される状態を治療する方法であって、かかる治療を必要とする系又は対象に、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩若しくはその医薬組成物を、任意選択で、第2の治療薬と組み合わせて投与し、それにより前記状態を治療するステップを含む方法を提供する。
[19]あるいは、本開示は、BTKによって媒介される状態を治療するための医薬品の製造における式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。特定の例では、本開示の化合物を単独で、又は化学療法剤と組み合わせて使用して、前記状態を治療することができる。
[20]具体的には、本明細書の状態には、自己免疫疾患、ヘテロ免疫疾患、アレルギー疾患、炎症性疾患、又は細胞増殖性障害が含まれるが、これらに限定されない。
[21]特定の実施形態では、その状態は、細胞増殖性障害である。一実施形態では、細胞増殖性障害は、B細胞増殖性障害であり、これには、B細胞悪性腫瘍、B細胞慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、多発性硬化症、小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、リンパ腫様肉芽腫症、及び形質細胞腫が含まれるが、これらに限定されない。
[22]特定の実施形態では、上記状態は自己免疫疾患であり、これには、関節リウマチ、乾癬性関節炎、乾癬、変形性関節症、若年性関節炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、乾癬、自律神経障害、神経筋緊張症、間質性膀胱炎、狼瘡、全身性エリテマトーデス、及びループス腎炎が含まれるが、これらに限定されない。
[23]特定の実施形態では、上記状態は、ヘテロ免疫疾患であり、これには、移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー、アレルギー、I型過敏症、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、及びアトピー性皮膚炎が含まれるが、これらに限定されない。
[24]特定の実施形態では、上記症状は、炎症性疾患であり、これには、アテローム、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頸管炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、線維性炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、化膿性汗腺炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨膜炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、腹膜炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、間質性肺炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腹膜炎、扁桃炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、及び外陰炎が含まれるが、これらに限定されない。
[25]本開示の化合物を使用するための上記方法において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、細胞若しくは組織を含む系に、又はヒト若しくは動物対象などの哺乳動物対象を含む対象に投与され得る。
[26]特定の用語
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の開示全体を通して言及されるすべての特許、特許出願、刊行物は、特に明記しない限り、その全体が参照により組み込まれる。本明細書における用語について複数の定義がある場合、このセクションのものが優先する。
[27]前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、単に説明であって、特許請求される主題を限定するものではないことを理解されたい。本出願では、特に明記しない限り、単数形の使用は複数形を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。「又は」の使用は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味することにも留意されたい。さらに、「含む(including)」という用語並びに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用は限定的ではない。同様に、「含む(comprising)」という用語並びに「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含まれる(comprised)」などの他の形態の使用は限定的ではない。
[28]別段示されない限り、当業者の技術の範囲内で、質量分析、NMR、HPLC、IR、及びUV/Vis分光法、並びに薬理学の従来の方法が使用される。具体的な定義が提供されていない限り、本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、並びに医薬品化学及び薬化学に関連して使用される命名法、並びにその実験手順及び技術は、当技術分野で公知のものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、医薬品の調製、製剤化、及び送達、並びに患者の治療に使用することができる。反応及び精製技術は、例えば、製造業者の仕様のキットを使用して、又は当技術分野で一般的に達成されるように、又は本明細書に記載されるように実施することができる。前述の技術及び手順は、一般に、当技術分野で周知であり、本明細書全体を通して引用及び議論される様々な一般的でより具体的な参考文献に記載されているような従来の方法で実行することができる。本明細書を通して、その基及び置換基は、安定な部分及び化合物を提供するために当業者によって選択され得る。
[29]置換基が、左から右に書かれたそれらの従来の化学式によって特定される場合、それらは、その構造を右から左に書くことから生じる化学的に同一の置換基を等しく包含する。非限定的な例として、CHOは、OCHと等価である。
[30]「置換されている」とは、水素原子が置換基で置換されていることを意味する。所与の原子における置換は原子価によって制限されることを理解する必要がある。
[31]本明細書で使用される「Ci~j」又は「i~j員」という用語は、部分がi~j個の炭素原子又はi~j個の原子を有することを意味する。例えば、「C1~6アルキル」は、前記アルキルが1~6個の炭素原子を有することを意味する。同様に、C3~10シクロアルキルは、前記シクロアルキルが3~10個の炭素原子を有することを意味する。
[32]化合物の構造において、任意の変数(例えば、R)が1回以上に生じる場合、それは各場合で独立して定義される。したがって、例えば、ある基が0~2個のRによって置換される場合、その基は、任意選択で、最大で2個のRによって置換され得、Rは、それぞれの場合に独立した選択肢を有する。さらに、置換基及び/又はその変異体の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
[33]「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という表現は、1、2、3、4、5、6、7、8、9又はそれ以上を指す。
[34]別段の記載がない限り、用語「ヘテロ」は、ヘテロ原子又はヘテロ原子ラジカル(すなわち、ヘテロ原子を含有するラジカル)、すなわち、炭素原子及び水素原子以外の原子又はそのような原子を含有するラジカルを意味する。好ましくは、ヘテロ原子は、O、N、S、Pなどからなる群から独立して選択される。2個以上のヘテロ原子が関与する実施形態では、2個以上のヘテロ原子は同じであってもよく、又は2個以上のヘテロ原子の一部若しくは全部が異なっていてもよい。
[35]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキル」という用語は、指定された数の炭素原子を有する分岐又は直鎖飽和脂肪族炭化水素基を指す。特に明記しない限り、「アルキル」はC1~10アルキルを指す。例えば、「C1~6アルキル」におけるC1~6は、直鎖又は分枝鎖の配置で1、2、3、4、5又は6個の炭素を有する基を含むと定義される。例えば、「C1~8アルキル」には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、i-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルが含まれるが、これらに限定されない。
[36]単独で又は他の用語と組み合わせて用いられる用語「シクロアルキル」は、通常3から16個の環原子を有する飽和単環式又は多環式(例えば、二環式又は三環式)炭化水素環系を指す。シクロアルキルの環原子はすべて炭素であり、シクロアルキルはヘテロ原子を含まず、かつ二重結合を含まない。多環式シクロアルキルでは、2個以上の環は、互いに縮合又は架橋又はスピロ縮合している場合がある。単環系の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。架橋シクロアルキルは、3~10個の炭素原子を含む多環式環系であり、1又は2個のアルキレン架橋を含み、各アルキレン架橋は、1、2又は3個の炭素原子からなり、それぞれが環系の2個の隣接していない炭素原子を連結する。シクロアルキルは、アリール又はヘテロアリール基と縮合し得る。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、ベンゾ縮合されている。そのような架橋シクロアルキル環系の代表的な例としては、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[4.2.1]ノナン、トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン、及びトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)が挙げられるが、これらに限定されない。単環式又は架橋シクロアルキルは、環系内に含まれる任意の置換可能な原子を介して親分子部分に結合し得る。
[37]単独で又は他の用語と組み合わせて用いられる用語「アルケニル」は、2~10個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素間二重結合を含む、直鎖、分岐又は環状の非芳香族炭化水素ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、1つの炭素-炭素二重結合が存在し、最大で4つの非芳香族炭素-炭素二重結合が存在し得る。したがって、「C2~6アルケニル」は、2~6個の炭素原子を有するアルケニルラジカルを意味する。アルケニル基には、エテニル、プロペニル、ブテニル、2-メチルブテニル、及びシクロヘキセニルが含まれるが、これらに限定されない。アルケニル基の直鎖、分岐又は環状部分は二重結合を含んでいてもよく、置換アルケニル基が望ましい場合には置換されてもよい。
[38]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキニル」という用語は、2~10個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖、分岐又は環状の炭化水素ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、最大で3個の炭素-炭素三重結合が存在し得る。したがって、「C2~6アルキニル」は、2~6個の炭素原子を有するアルキニルラジカルを意味する。アルキニル基には、エチニル、プロピニル、ブチニル、及び3-メチルブチニルが含まれるが、これらに限定されない。アルキニル基の直鎖、分岐又は環状部分は三重結合を含んでいてもよく、置換アルキニル基が望ましい場合は置換されてもよい。
[39]「ハロゲン」(又は「ハロ」)という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
[40]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子に単結合している先に定義したアルキルを指す。分子に対するアルコキシラジカルの結合点は、酸素原子を介する。アルコキシ基は、-O-アルキルとして示され得る。「C1~10アルコキシ」という用語は、直鎖又は分岐部分を有する、1~10個の炭素原子を含むアルコキシ基を指す。アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。
[41]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルコキシ」という用語は、酸素原子に単結合している先に定義したシクロアルキルを指す。シクロアルコキシラジカルの分子への結合点は、酸素原子を介する。シクロアルコキシラジカルは、-O-シクロアルキルとして示され得る。「C3~10シクロアルコキシ」は、3~10個の炭素原子を含むシクロアルコキシラジカルを指す。シクロアルコキシは、アリール又はヘテロアリール基と縮合し得る。いくつかの実施形態では、シクロアルコキシは、ベンゾ縮合されている。シクロアルコキシ基には、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。
[42]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子に単結合している先に定義したアルキルラジカルを指す。アルキルチオ基の分子への結合点は、硫黄原子を介する。アルキルチオ基は、-S-アルキルとして示され得る。「C1~10アルキルチオ」という用語は、直鎖又は分岐部分を有する、1~10個の炭素原子を含むアルキルチオ基を指す。アルキルチオ基には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、ヘキシルチオなどが含まれるが、これらに限定されない。
[43]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキルチオ」という用語は、硫黄原子に単結合している先に定義したシクロアルキルを指す。シクロアルキルチオ基の分子への結合点は、硫黄原子を介する。シクロアルキルチオ基は、-S-シクロアルキルとして示され得る。「C3~10シクロアルキルチオ」は、3~10個の炭素原子を含むシクロアルキルチオ基を指す。シクロアルキルチオは、アリール又はヘテロアリール基と縮合し得る。いくつかの実施形態では、シクロアルキルチオは、ベンゾ縮合されている。シクロアルキルチオ基には、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロヘキシルチオなどが含まれるが、これらに限定されない。
[44]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキルアミノ」という用語は、窒素原子に単結合している先に定義したアルキルを指す。アルキルアミノラジカルの分子への結合点は、窒素原子を介する。アルキルアミノラジカルは、-NH(アルキル)として示され得る。「C1~10アルキルアミノ」という用語は、直鎖又は分岐部分を有する、1~10個の炭素原子を含むアルキルアミノラジカルを指す。アルキルアミノ基には、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ヘキシルアモイノなどが含まれるが、これらに限定されない。
[45]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキルアミノ」という用語は、窒素原子に単結合している先に定義したシクロアルキルを指す。シクロアルキルアミノラジカルの分子への結合点は、窒素原子を介する。シクロアルキルアミノラジカルは、-NH(シクロアルキル)として示され得る。「C3~10シクロアルキルアミノ」は、3~10個の炭素原子を含むシクロアルキルアミノラジカルを指す。シクロアルキルアミノは、アリール又はヘテロアリール基と縮合し得る。いくつかの実施形態では、シクロアルキルアミノは、ベンゾ縮合されている。シクロアルキルアミノ基には、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロヘキシルアミノなどが含まれるが、これらに限定されない。
[46]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「ジ(アルキル)アミノ」という用語は、窒素原子に単結合している先に定義した2つのアルキルを指す。ジ(アルキル)アミノラジカルの分子への結合点は、窒素原子を介する。ジ(アルキル)アミノラジカルは、-N(アルキル)として示され得る。「ジ(C1~10アルキル)アミノ」という用語は、ジ(C1~10アルキル)アミノラジカルを指し、アルキルラジカルは、それぞれ独立して、直鎖又は分岐部分を有する1~10個の炭素原子を含む。
[47]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アリール」という用語は、6、7、8、9、10、11、12、13又は14個の炭素原子を有する一価の単環式、二環式又は三環式芳香族炭化水素環系(「C6~14アリール」基)、特に、6個の炭素原子を有する環(「Cアリール」基)、例えば、フェニル基;又は10個の炭素原子を有する環(「C10アリール」基)、例えば、ナフチル基;又は14個の炭素原子を有する環(「C14アリール」基)、例えば、アントラニル基を指す。アリールは、シクロアルキル基又は複素環基と縮合し得る。
[48]置換ベンゼン誘導体から形成され、環原子に自由原子価を有する二価のラジカルは、置換フェニレンラジカルと呼ばれる。遊離原子価を有する炭素原子から1つの水素原子を除去することによって、名称が「-イル」で終わる一価の多環式炭化水素基から誘導される二価のラジカルは、「-イル」を除去し、対応する一価のラジカルの名称に「-イデン」を付加することによって命名され、例えば、2つの結合点を有するナフチル基はナフチリデンと呼ばれる。
[49]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「ヘテロアリール」という用語は、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14個の環原子(「5から14員のヘテロアリール」基)、特に、5又は6又は9又は10個の原子を有し、同一でも異なっていてもよい少なくとも1個のヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子がN、O及びSから選択され、残りの環原子が炭素である、一価の単環式、二環式又は三環式芳香族環系を指す。ヘテロアリールは、シクロアルキル基又は複素環基と縮合し得る。いくつかの実施形態では、「ヘテロアリール」は、
1個以上、例えば、1から4個、又はいくつかの実施形態では1から3個のN、O及びSから選択されるヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、5から8員の単環式芳香族環、又は
1個以上、例えば、1から6個、又はいくつかの実施形態では1から4個、又はいくつかの実施形態では1から3個の、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、8から12員の二環式芳香族環系、又は
1個以上、例えば、1から8個、又はいくつかの実施形態では1から6個、又はいくつかの実施形態では1から4個、又はいくつかの実施形態では1から3個のN、O及びSから選択されるヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、11から14員の三環式芳香族環系を指す。
[50]ヘテロアリール基中のS及びO原子の総数が1を超える場合、それらのヘテロ原子は互いに隣接していない。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基におけるS及びO原子の総数は、2以下である。いくつかの実施形態では、芳香族複素環中のS及びO原子の総数は、1以下である。
[51]ヘテロアリール基の例としては、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピラジン-3-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、ピリミジン-6-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾール-3-イル、ピラゾール-4-イル、ピラゾール-5-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル、イミダゾール-5-イル、ピリダジニル、トリアジニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリルが挙げられるが、これらに限定されない。
[52]さらなるヘテロアリール基には、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノキサリニル、キノリニル、及びイソキノリニルが含まれるが、これらに限定されない。「ヘテロアリール」はまた、任意の窒素含有ヘテロアリールのN-オキシド誘導体を含むと理解される。
[53]遊離原子価の原子から1つの水素原子を除去することによって名称が「-イル」で終わる一価ヘテロアリールラジカルから誘導される二価のラジカルは、対応する一価のラジカルの名称に「-イデン」を加えることによって命名され、例えば、2つの結合点を有するピリジル基はピリジリデンである。
[54]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される複素環という用語(及び「複素環式」又は「ヘテロシクリル」などのその変形)は、広く、通常3~12個の環原子を有する飽和又は不飽和の単環式又は多環式(例えば、二環式)脂肪族環系を指し、少なくとも1つ(例えば、2、3又は4つ)の環原子は、O、S、N及びP(好ましくはO、S、N)から独立して選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。多環式複素環では、2つ以上の環が互いに縮合又は架橋又はスピロ縮合し得る。複素環は、アリール又はヘテロアリール基と縮合し得る。いくつかの実施形態では、複素環は、ベンゾ縮合されている。複素環はまた、1つ以上のオキソ部分又はイミノ部分で置換された環系を含む。いくつかの実施形態では、複素環中のC、N、S及びP原子は、任意選択で、オキソで置換されている。いくつかの実施形態では、複素環中のC、S及びP原子は、任意選択で、イミノで置換されており、イミノは、無置換であっても置換されてもよい。結合点は、結合が安定な構造の生成をもたらすのであれば、複素環内の炭素原子又はヘテロ原子であり得る。複素環が置換基を有する場合、安定な化学構造が得られるのであれば、置換基は、ヘテロ原子であれ炭素原子であれ、環内の任意の原子に結合していてもよいことが理解される。
[55]適切な複素環としては、例えば、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、イミダゾリジン-1-イル、イミダゾリジン-2-イル、イミダゾリジン-3-イル、イミダゾリジン-4-イル、イミダゾリジン-5-イル、ピラゾリジン-1-イル、ピラゾリジン-2-イル、ピラゾリジン-3-イル、ピラゾリジン-4-イル、ピラゾリジン-5-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、ピペラジン-3-イル、ヘキサヒドロピリダジン-1-イル、ヘキサヒドロピリダジン-3-イル、及びヘキサヒドロピリダジン-4-イルが挙げられる。モルホリニル基、例えば、モルホリン-1-イル、モルホリン-2-イル、及びモルホリン-3-イルも企図される。1つ以上のオキソ部分を有する複素環の例としては、ピペリジニル-N-オキシド、モルホリニル-N-オキシド、1-オキソ-チオモルホリニル、及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式複素環には、例えば、以下が含まれる。
Figure 0007535537000003
[56]本明細書で使用される場合、「アリール-アルキル」は、先に定義したアリール基によって置換された先に定義したアルキル部分を指す。例示的なアリール-アルキル基には、ベンジル、フェネチル、及びナフチルメチル基が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリール-アルキル基は、7~20個又は7~11個の炭素原子を有する。「アリール-C1~4アルキル」という語句で使用される場合、「C1~4」という用語は、部分のアルキル部分を指し、部分のアリール部分の原子数を記載しない。
[57]本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル-アルキル」は、先に定義したヘテロシクリルで置換された先に定義したアルキルを指す。「ヘテロシクリル-C1~4アルキル」という語句で使用される場合、「C1~4」という用語は、部分のアルキル部分を指し、部分のヘテロシクリル部分の原子数を記載しない。
[58]本明細書で使用される場合、「シクロアルキル-アルキル」は、先に定義したシクロアルキルで置換された先に定義したアルキルを指す。「C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル」という語句で使用される場合、「C3~10」という用語は、部分のシクロアルキル部分を指し、部分のアルキル部分の原子数を記載せず、「C1~4」という用語は、部分のアルキル部分を指し、部分のシクロアルキル部分の原子数を記載しない。
[59]本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール-アルキル」は、先に定義したヘテロアリールで置換された先に定義したアルキルを指す。「ヘテロアリール-C1~4アルキル」という語句で使用される場合、「C1~4」という用語は、部分のアルキル部分を指し、部分のヘテロアリール部分の原子数を記載しない。
[60]誤解を避けるために、例えば、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及び/又はヘテロアリールの置換への言及は、それらの基のそれぞれの個々の置換並びにそれらの基の組み合わせの置換を指す。すなわち、Rが、アリール-C1~4アルキルであり、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基、例えば、1、2、3、若しくは4つの置換基で置換されてもよい場合、アリール部分は、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基、例えば、1、2、3、若しくは4つの置換基で置換されてもよく、アルキル部分もまた、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基、例えば、1、2、3、若しくは4つの置換基で置換されてもよいことを理解されたい。
[61]「薬学的に許容され得る塩」という用語は、無機塩基又は有機塩基及び無機酸又は有機酸を含む薬学的に許容され得る非毒性塩基又は酸から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩は、例えば、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、及び亜鉛塩から選択され得る。さらに、例えば、無機塩基から誘導される薬学的に許容され得る塩は、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩から選択され得る。固体形態の塩は、1つ以上の結晶形態又は多形で存在してもよく、水和物などの溶媒和物の形態であってもよい。薬学的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩は、例えば、第一級、第二級、及び第三級アミンの塩、天然に存在する置換アミンを含む置換アミンの塩、環状アミンの塩、及び塩基性イオン交換樹脂の塩、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレン-ジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、及びトリプロピルアミン、トロメタミンの塩から選択され得る。
[62]本明細書に開示される化合物が塩基性である場合、塩は、無機酸及び有機酸から選択される少なくとも1つの薬学的に許容され得る非毒性酸を使用して調製され得る。そのような酸は、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸及びp-トルエンスルホン酸から選択され得る。いくつかの実施形態では、そのような酸は、例えば、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、及び酒石酸から選択され得る。
[63]化合物又は薬学的に許容され得る塩の「投与」及び/又は「投与すること」という用語は、治療を必要とすると認識されている個体に化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供することを意味すると理解されるべきである。
[64]「有効量」という用語は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医によって求められている組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を引き起こす化合物又は薬学的に許容され得る塩の量を意味する。
[65]本明細書で使用される「組成物」という用語は、指定された量の指定された成分を含む製品、並びに指定された量の指定された成分の組み合わせから直接的又は間接的に生じる任意の製品を包含することを意図している。医薬組成物に関するかかる用語は、有効成分及び担体を構成する不活性成分を含む生成物、並びに、任意の2つ以上の成分の組み合わせ、複合体化若しくは凝集から、又は1つ以上の成分の解離から、又は1つ以上の成分の他のタイプの反応若しくは相互作用から、直接的又は間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図している。
[66]「薬学的に許容され得る」という用語は、製剤の他の成分と相性が良く、そのレシピエントにとって許容できないほど有害ではないことを意味する。
[67]障害、状態などに罹患している個体に関して本明細書で使用される「対象」という用語は、哺乳動物及び非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、哺乳動物クラスの任意のメンバー、すなわち、ヒト、チンパンジーなどの非ヒト霊長類、並びに他の類人猿及びサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌ及びネコなどの飼育動物;ラット、マウス及びモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物が挙げられるが、これらに限定されない。非哺乳動物の例としては、鳥類、魚類などが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される方法及び組成物の一実施形態では、哺乳動物はヒトである。
[68]本明細書で使用される「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」又は「治療(treatment)」という用語及び他の文法上の同義語は、疾患又は状態を緩和、減弱又は改善すること、さらなる症状を予防すること、症状の根本的な代謝原因を改善又は予防すること、疾患又は状態を阻害すること、例えば、疾患又は状態の発症を停止すること、疾患又は状態を軽減すること、疾患又は状態の退縮を引き起こすこと、疾患又は状態によって引き起こされる状態を軽減すること、又は疾患又は状態の症状を止めることを含み、予防を含むことを意図している。この用語は、治療的利益及び/又は予防的利益を達成することをさらに含む。治療的利益とは、治療される原因疾患の根絶又は改善を意味する。また、治療上の利益は、患者が依然として原因疾患に罹患している可能性があるにもかかわらず患者において改善が観察されるという形の、原因疾患に関連する1つ以上の生理学的症状の根絶又は改善を伴って達成される。予防的な利益のために、本組成物は、特定の疾患を発症するリスクがある患者、又は疾患の診断がなされていなくても、疾患の生理学的症状のうちの1つ以上を報告する患者に投与され得る。
[69]「保護基」又は「Pg」という用語は、化合物上の他の官能基を反応させている間に特定の官能基をブロック又は保護するために一般的に使用することができる置換基を指す。例えば、「アミノ保護基」は、化合物中のアミノ官能基をブロック又は保護するアミノ基に結合した置換基である。好適なアミノ保護基には、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が含まれるが、これらに限定されない。同様に、「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシ官能基をブロック又は保護するヒドロキシ基の置換基を指す。好適な保護基には、アセチル及びシリルが含まれるが、これらに限定されない。「カルボキシ保護基」は、カルボキシ官能基をブロック又は保護するカルボキシ基の置換基を指す。一般的なカルボキシ保護基としては、-CHCHSOPh、シアノエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、2-(p-トルエンスルホニル)エチル、2-(p-ニトロフェニルスルフェニル)エチル、2-(ジフェニルホスフィノ)-エチル、ニトロエチルなどが挙げられる。保護基及びそれらの使用の一般的な説明については、T.W.Greene,Protective Groupsin Organic Synthesis,John Wiley&Sons,NewYork,1991を参照されたい。
[70]本明細書で使用される「NH保護基」という用語は、トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、パラニトロベンジルカルボニル、オルトブロモベンジルオキシカルボニル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert-アミルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、パラ-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジル-オキシカルボニル、4-(フェニルアゾ)-ベンジルオキシカルボニル、2-フルフリルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシ-カルボニル、イソプロポキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、アラニル、ロイシル、1-アダマンチルオキシカルボニル、8-キノリルオキシカルボニル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2-ニトロフェニルチオ、メタンスルホニル、パラ-トルエンスルホニル、N,N-ジメチルアミノメチレン、ベンジリデン、2-ヒドロキシベンジリデン、2-ヒドロキシ-5-クロロベンジリデン、2-ヒドロキシ-1-ナフチルメチレン、3-ヒドロキシ-4-ピリジルメチレン、シクロヘキシリデン、2-エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2-エトキシカルボニルシクロペンチリデン、2-アセチルシクロヘキシリデン、3,3-ジメチル-5-オキシシクロ-ヘキシリデン、ジフェニルホスホリル、ジベンジルホスホリル、5-メチル-2-オキソ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル-メチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、及びトリフェニルシリルを含むが、これらに限定されない。
[71]本明細書で使用される「C(O)OH保護基」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、1,1-ジメチルプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、フェニル、ナフチル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、パラ-ニトロベンジル、パラ-メトキシベンジル、ビス(パラ-メトキシフェニル)メチル、アセチルメチル、ベンゾイルメチル、パラ-ニトロベンゾイルメチル、パラ-ブロモベンゾイルメチル、パラ-メタンスルホニルベンゾイルメチル、2-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロフラニル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、フタロイミドメチル、スクシンイミドメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、ベンジルオキシメチル、メチルチオメチル、2-メチルチオエチル、フェニルチオメチル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、3-メチル-3-ブテニル、アリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、及びtert-ブチルメトキシフェニルシリルを含むが、これらに限定されない。
[72]本明細書で使用される「OH又はSH保護基」という用語は、ベンジルオキシカルボニル、4-ニトロベンジルオキシカルボニル、4-ブロモベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2-トリブロモエトキシカルボニル、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2-(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2-(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル、2-フルフリルオキシカルボニル、1-アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、4-エトキシ-1-ナフチルオキシカルボニル、8-キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイル、ベンゾイル、メチル、tert-ブチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、3-メチル-3-ブテニル、アリル、ベンジル(フェニルメチル)、パラ-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2-メトキシエトキシメチル、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、1-エトキシエチル、メタンスルホニル、パラ-トルエンスルホニル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、及びtert-ブチルメトキシフェニルシリルを含むが、これらに限定されない。
[73]本化合物には幾何異性体が存在し得る。本発明の化合物は、E配置又はZ配置の炭素-炭素二重結合又は炭素-窒素二重結合を含んでいてもよく、ここで、「E」という用語は、カーン・インゴルド・プレローグ順位則によって決定したときに、炭素-炭素又は炭素-窒素二重結合の反対側のより高次の置換基を表し、「Z」という用語は、カーン・インゴルド・プレローグ順位則によって決定したときに、炭素-炭素又は炭素-窒素二重結合の同じ側のより高次の置換基を表す。本発明の化合物はまた、「E」異性体及び「Z」異性体の混合物として存在し得る。シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの周囲の置換基は、シス又はトランス配置であると指定される。さらに、本発明は、アダマンタン環系の周りの置換基の配置から生じる様々な異性体及びその混合物を企図する。アダマンタン環系内の単一の環の周りの2つの置換基は、Z又はEの相対配置であると指定される。例えば、C.D.Jones,M.Kaselj,R.N.Salvatore,W.J.le Noble J.Org.Chem.1998,63,2758~2760を参照されたい。
[74]本発明の化合物は、R配置又はS配置で非対称に置換された炭素原子を含んでいてもよく、「R」及び「S」という用語は、セクションE、Fundamental Stereochemistry,Pure Appl.Chem.(1976)45,13~10.のIUPAC 1974勧告によって定義された通りである。非対称に置換された炭素原子を等量のR配置及びS配置で有する化合物は、それらの炭素原子においてラセミである。一方の立体配置が他方の立体配置よりも過剰な原子には、より多い量で存在する立体配置が割り当てられ、好ましくは約85~90%の過剰、より好ましくは約95~99%の過剰、さらにより好ましくは約99%を超える過剰で存在する立体配置が割り当てられる。したがって、本発明は、ラセミ混合物、相対及び絶対立体異性体、並びに相対立体異性体及び絶対立体異性体の混合物を含む。
[75]同位体濃縮又は標識化合物
本発明の化合物は、自然界で最も多く見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する1個以上の原子を含む同位体標識形態又は同位体濃縮形態で存在し得る。同位体は、放射性又は非放射性同位体であり得る。水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素などの原子の同位体には、H、H、13C、14C、15N、18O、32P、35S、18F、36Cl及び125Iが含まれるが、これらに限定されない。これらの及び/又は他の原子の他の同位体を含む化合物は、本発明の範囲内である。
[76]別の実施形態では、同位体標識化合物は、重水素(H)、トリチウム(H)、又は14C同位体を含む。本発明の同位体標識化合物は、当業者に周知の一般的な方法によって調製することができる。そのような同位体標識化合物は、本明細書に開示される実施例及びスキームに開示される手順を、容易に入手可能な同位体標識試薬を非標識試薬に置き換えて実施することによって、簡便に調製することができる。場合によって、化合物を同位体標識試薬で処理して、通常の原子をその同位体と交換することができ、例えば、水素をDSO/DOなどの重水素化酸の作用によって重水素に交換することができる。
[77]本発明の同位体標識化合物は、結合アッセイにおけるBTK阻害剤の有効性を判定するための標準として使用することができる。同位体含有化合物は、非同位体標識親化合物の作用機序及び代謝経路の評価によって化合物のインビボ代謝運命を調査するために医薬研究で使用されている(Blakeら、J.Pharm.Sci.64,3,367~391(1975))。患者に投与されるインビボ活性化合物又は親化合物から生成される代謝産物が毒性又は発がん性であることが判明していることから、そのような代謝研究は、安全で効果的な治療薬を設計する上で重要である(Fosterら、Advances in Drug Research Vol.14,pp.2~36,Academic press,London,1985;Katoら、J.Labelled Compounds.Radiopharmaceuticals,36(10):927~932(1995);Kushnerら、Can.J.Physiol.Pharmacology,77,79-88(1999)に記載されている。
[78]さらに、「ヘビードラッグ」と呼ばれる重水素化薬物などの非放射性同位体含有薬物を、BTK活性に関連する疾患及び状態の治療に使用することができる。化合物中に存在する同位体の量をその天然存在度を超えて増加させることは、濃縮と呼ばれる。濃縮量の例としては、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、16、21、25、29、33、37、42、46、50、54、58、63、67、71、75、79、84、88、92、96から約100mol%が挙げられるが、これらに限定されない。
[79]薬物の安定同位体標識は、pKaや脂質溶解度などの物理化学的特性を変化させる可能性がある。同位体置換がリガンド-受容体の相互作用に関与する領域に影響を及ぼす場合、これらの効果及び変化は薬物分子の薬力学的応答に影響を及ぼす可能性がある。安定同位体標識分子の物理的特性のいくつかは非標識分子の物理的特性とは異なるが、化学的及び生物学的特性は同じであるものの、1つの重要な例外がある、すなわち、重同位体の質量が増加しているため、重同位体と別の原子を含む結合は、軽同位体と別の原子との間の同じ結合よりも強くなる。したがって、代謝又は酵素変換反応の部位に同位体を組み込むと、前記反応が遅くなり、非同位体化合物と比較して、薬物動態学的プロファイル又は有効性が変化する可能性がある。
[80]一実施形態(1)において、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を開示する。
Figure 0007535537000004

[式中、
環Qは、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
Lは、結合、-(CRC0D0-、-(CRC0D0O(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(CRC0D0-、-(CRC0D0C(=NRE0)(CRC0D0-、-(CRC0D0C(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)NRB0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0S(O)(CRC0D0-、及び-(CRC0D0NRA0S(O)NRB0(CRC0D0-から選択され;
、X、X及びXは、CRX’及びNから独立して選択され;
Yは、CR及びNから選択され;
は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1、及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRX1から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)NRA2B2、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRX2から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA3B3、-ORA3、-C(O)NRA2B2、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRX3から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA4B4、-ORA4、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRX4から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(=NRE5)RA5、-C(=N-ORB5)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-C(=NRE5)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)RB5、-OC(O)NRA5B5、-NRA5C(O)ORB5、-NRA5C(O)NRA5B5、-NRA5C(S)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)NRA5B5、-S(O)A5、-S(O)(=NRE5)RB5、-N=S(O)RA5B5、-S(O)ORA5、-OS(O)A5、-NRA5S(O)B5、-NRA5S(O)(=NRE5)RB5、-S(O)NRA5B5、-S(O)(=NRE5)NRA5B5、-NRA5S(O)NRA5B5、-NRA5S(O)(=NRE5)NRA5B5、-P(O)RA5B5、及び-P(O)(ORA5)(ORB5)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA0及びRB0は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX0から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA0及びRB0」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX0基で置換されており;
各RA1及びRB1は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX1から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA1及びRB1」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX1基で置換されており;
各RA2及びRB2は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX2から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は,各「RA2及びRB2」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX2基で置換されており;
各RA3及びRB3は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX3から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA3及びRB3」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX3基で置換されており;
各RA4及びRB4は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX4から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA4及びRB4」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX4基で置換されており;
各RA5及びRB5は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA5及びRB5」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX5基で置換されており;
各RC0及びRD0は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRX0から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、RC0及びRD0は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のRX0基で置換されており;
各RE0、RE1及びRE5は、水素、C1~10アルキル、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1、及び-S(O)NRa1b1から独立して選択され;
各R、RX’、RX0、RX1、RX2、RX3、RX4、及びRX5は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1、及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra1及び各Rb1は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra1及びRb1は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Rc1及び各Rd1は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc1及びRd1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Re1は、水素、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2、及び-C(O)NRa2b2から独立して選択され;
各Rは、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、-NO、-NRa2b2、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-S(O)ORa2、-OS(O)b2、-S(O)NRa2b2、-P(O)Ra2b2、-P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2SRb2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2、-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2COb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2NRa2COb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2SONRa2b2、-NRa2(CRc2d2NRa2b2、-O(CRc2d2NRa2b2、-S(CRc2d2NRa2b2、-S(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)Ra2、-C(O)(CRc2d2ORb2、-C(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)(CRc2d2SRb2、-C(O)(CRc2d2S(O)b2、-COb2、-CO(CRc2d2C(O)NRa2b2、-OC(O)Ra2、-CN、-C(O)NRa2b2、-NRa2C(O)Rb2、-OC(O)NRa2b2、-NRa2C(O)ORb2、-NRa2C(O)NRa2b2、-NRa2S(O)b2、-CRa2(=N-ORb2)、-C(=NRe2)Ra2、-C(=NRe2)NRa2b2、-NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-CHF、-CF、-OCHF、及び-OCFから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、OH、CN、アミノ、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra2及び各Rb2は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra2及びRb2は、それらが結合している原子と一緒になって、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されており;
各Rc2及び各Rd2は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又は、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc2及びRd2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択された0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換され;
各Re2は、水素、CN、NO、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-C(O)C3~10シクロアルキル、-C(O)OC1~4アルキル、-C(O)OC3~10シクロアルキル、-C(O)N(C1~4アルキル)、-C(O)N(C3~10シクロアルキル)、-S(O)1~4アルキル、-S(O)3~10シクロアルキル、-S(O)N(C1~4アルキル)、及び-S(O)N(C3~10シクロアルキル)から独立して選択され;
各rは、0、1及び2から独立して選択され、
各tは、0、1、2、3及び4から独立して選択され、
各uは、0、1、2、3及び4から独立して選択される。]
[81]別の実施形態(2)では、本発明は、YがCRであり、上記化合物が式(II)の構造を有する、実施形態(1)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
Figure 0007535537000005

[式中、Q、L、R、R、R、R、R、X、X、X、及びXは、式(I)で定義される通りである。]
[82]別の実施形態(3)では、本発明は、YがNである、実施形態(1)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[83]別の実施形態(4)では、本発明は、環QがC3~10シクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、シクロアルキル及びヘテロシクリルがそれぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(1)~(3)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[84]別の実施形態(5)では、本発明は、環Qが
Figure 0007535537000006

から選択され、これらはそれぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(4)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[85]別の実施形態(6)では、本発明は、環Qが
Figure 0007535537000007

から選択され、これらは無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(5)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[86]別の実施形態(7)では、本発明は、環Qの置換基Rが、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、及びC3~10シクロアルキルから選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキルがそれぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(1)~(6)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[87]別の実施形態(8)では、本発明は、環Qの置換基Rが、水素、C1~10アルキル、C2~10アルキニルから選択され、アルキル及びアルキニルがそれぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(7)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[88]別の実施形態(9)では、本発明は、環Qの置換基Rが、メチル及びエチニルから選択され、メチルの置換基Rが、F又はOHである、実施形態(8)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[89]別の実施形態(10)では、本発明は、Rが、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから選択され、アルキル及びシクロアルキルがそれぞれ無置換であるか、又はRX1から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(1)~(9)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[90]別の実施形態(11)では、本発明は、RがC1~10アルキルであり、アルキルが無置換であるか、又はRX1から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(10)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[91]別の実施形態(12)では、本発明は、Rがメチルであり、メチルの置換基RX1が、OH、CN、NH
Figure 0007535537000008

から選択される、実施形態(11)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[92]別の実施形態(13)では、本発明は、式(I)又は式(II)の部分
Figure 0007535537000009

が、
Figure 0007535537000010

から選択される、実施形態(1)~(12)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[93]別の実施形態(14)では、本発明は、式(I)又は式(II)の部分
Figure 0007535537000011

が、
Figure 0007535537000012

から選択される、実施形態(13)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[94]別の実施形態(15)では、本発明は、式(I)又は式(II)の部分
Figure 0007535537000013

が、
Figure 0007535537000014

から選択される、実施形態(14)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[95]別の実施形態(16)では、本発明は、X、X、X、及びXが、CRX’及びNから独立して選択され、RX’が、水素、重水素、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、及び-(CRc1d1ORb1から独立して選択される、実施形態(1)~(15)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[96]別の実施形態(17)では、本発明は、式(I)又は式(II)の部分
Figure 0007535537000015

が、
Figure 0007535537000016

から選択される、実施形態(1)~(16)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[97]別の実施形態(18)では、本発明は、式(I)又は式(II)の部分
Figure 0007535537000017

が、
Figure 0007535537000018

から選択される、実施形態(17)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[98]別の実施形態(19)では、本発明は、式(I)又は式(II)の部分
Figure 0007535537000019

が、
Figure 0007535537000020

から選択される、実施形態(18)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[99]別の実施形態(20)では、本発明は、RX’が、水素、F、Cl、Br、CN、メチル、メトキシ、及びシクロプロピルから選択される、実施形態(16)~(19)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[100]別の実施形態(21)では、本発明は、RX’が、水素、F、Cl、及びメチルから選択される、実施形態(20)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[101]別の実施形態(22)では、本発明は、RX’が、水素、F、Cl及びメチル、好ましくはF又はCl、より好ましくはFから選択される、実施形態(21)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[102]別の実施形態(23)では、本発明は、式(I)中の部分
Figure 0007535537000021

が、
Figure 0007535537000022

から選択され、好ましくは部分
Figure 0007535537000023

が、
Figure 0007535537000024

から選択され、より好ましくは部分
Figure 0007535537000025

が、
Figure 0007535537000026

から選択され、最も好ましくは部分
Figure 0007535537000027


Figure 0007535537000028

から選択される、実施形態(18)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[103]別の実施形態(24)では、本発明は、Lが、結合、-(CRC0D0O(CRC0D0-、-(CRC0D0S(CRC0D0-、及び-(CRC0D0C(O)NRA0(CRC0D0-から選択される、実施形態(1)~(23)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[104]別の実施形態(25)では、本発明は、Lが、結合、-O-、-S-及び-C(O)N(RA0)-から選択される、実施形態(24)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[105]別の実施形態(26)では、本発明は、Lが、結合及び-O-から選択される、実施形態(25)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[106]別の実施形態(27)では、本発明は、Lが-O-である、実施形態(26)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[107]別の実施形態(28)では、本発明は、Rが、ハロゲン、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールが、それぞれ無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(1)~(27)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[108]別の実施形態(29)では、本発明は、Rが、F、フェニル、及びピリジニルから選択され、フェニル及びピリジニルが、それぞれ無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(28)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[109]別の実施形態(30)では、本発明は、Rがフェニルであり、フェニルがそれぞれ無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(29)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[110]別の実施形態(31)では、本発明は、置換基RX5が、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、及び-(CRc1d1C(O)Ra1から選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(28)~(30)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[111]別の実施形態(32)では、本発明は、置換基RX5が、ハロゲン及びメトキシから選択される、実施形態(31)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[112]別の実施形態(33)では、本発明は、置換基RX5がハロゲンから選択され、好ましくはRX5がFである、実施形態(32)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[113]別の実施形態(34)では、本発明は、Rがフェニルであり、フェニルがそれぞれ無置換であるか、又はF及びメトキシから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、好ましくは、フェニルがそれぞれ無置換であるか、又はFから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、又は、Rはピリジニルであり、ピリジニルが無置換であるか、又はFから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(32)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[114]別の実施形態(35)では、本発明は、Rがピリジニルであり、ピリジニルが無置換である、実施形態(29)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[115]別の実施形態(36)では、本発明は、Rが、F、フェニル、
Figure 0007535537000029

から選択される、実施形態(1)~(35)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[116]別の実施形態(37)では、本発明は、Rが、フェニル、
Figure 0007535537000030

から選択される、実施形態(36)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[117]別の実施形態(38)では、本発明は、Rが、
Figure 0007535537000031

から選択される、実施形態(37)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[118]別の実施形態(39)では、本発明は、式(I)中の部分
Figure 0007535537000032

が、
Figure 0007535537000033

から選択され、より好ましくは部分
Figure 0007535537000034

が、
Figure 0007535537000035

から選択され、最も好ましくは部分
Figure 0007535537000036

が、
Figure 0007535537000037

から選択される、実施形態(23)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[119]別の実施形態(40)では、本発明は、Rが、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、-ORA2、-C(O)NRA2B2、及びCNから選択される、実施形態(1)~(39)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[120]別の実施形態(41)では、本発明は、-ORA2のRA2が、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、及びC3~10シクロアルキルから独立して選択され、アルキル、アルケニル及びシクロアルキルが、それぞれ無置換であるか、又はRX2から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(40)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[121]別の実施形態(42)では、本発明は、RX2が、重水素及びハロゲンから選択される、実施形態(40)~(41)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[122]別の実施形態(43)では、本発明は、Rが、水素、F、Cl、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、-C(O)NH、CN、OH、
Figure 0007535537000038

から選択される、実施形態(1)~(42)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[123]別の実施形態(44)では、本発明は、Rが、水素、F、Cl、CN、メトキシ、及びエトキシから選択される、実施形態(43)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[124]別の実施形態(45)では、本発明は、Rが、水素、CN、メトキシ、及びエトキシから選択される、実施形態(44)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[125]別の実施形態(46)では、本発明は、Rが、水素、メトキシ、及びエトキシから選択される、実施形態(45)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[126]別の実施形態(47)では、本発明は、Rが、メトキシ及びエトキシから選択される、実施形態(46)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[127]別の実施形態(48)では、本発明は、R及びRが、水素、C1~10アルキル及びハロゲンから独立して選択される、実施形態(1)~(47)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[128]別の実施形態(49)では、本発明は、Rが水素である、実施形態(48)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[129]別の実施形態(50)では、本発明は、Rが水素である、実施形態(48)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[130]別の実施形態(51)では、本発明は、
Figure 0007535537000039

Figure 0007535537000040

Figure 0007535537000041

Figure 0007535537000042

Figure 0007535537000043

Figure 0007535537000044

Figure 0007535537000045

Figure 0007535537000046

Figure 0007535537000047

から選択される化合物及びその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[131]別の実施形態(52)では、本発明は、実施形態(1)から(51)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
[132]別の実施形態(53)では、本発明は、BTKの阻害に反応する状態を治療、改善又は予防する方法であって、かかる治療を必要とする対象に、有効量の実施形態(1)から(51)のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、又はその医薬組成物を、任意選択で、第2の治療薬と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。
[133]別の実施形態(54)では、本発明は、細胞増殖性障害を治療するための薬剤の調製における実施形態(1)から(51)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
[134]いくつかの実施形態は、以下のように説明することもできる。
[135]別の実施形態<1>では、本発明は、式<I’>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を開示する。
Figure 0007535537000048

[式中、
環Qは、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
Lは、結合、-(CRC0D0-、-(CRC0D0O(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(CRC0D0-、-(CRC0D0C(=NRE0)(CRC0D0-、-(CRC0D0C(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)NRB0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0S(O)(CRC0D0-、及び-(CRC0D0NRA0S(O)NRB0(CRC0D0-から選択され;
、X、X及びXは、CR及びNから独立して選択され;
は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1、及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、重水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、重水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA3B3、-ORA3、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、重水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA4B4、-ORA4、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(=NRE5)RA5、-C(=N-ORB5)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-C(=NRE5)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)RB5、-OC(O)NRA5B5、-NRA5C(O)ORB5、-NRA5C(O)NRA5B5、-NRA5C(S)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)NRA5B5、-S(O)A5、-S(O)(=NRE5)RB5、-N=S(O)RA5B5、-S(O)ORA5、-OS(O)A5、-NRA5S(O)B5、-NRA5S(O)(=NRE5)RB5、-S(O)NRA5B5、-S(O)(=NRE5)NRA5B5、-NRA5S(O)NRA5B5、-NRA5S(O)(=NRE5)NRA5B5、-P(O)RA5B5、及び-P(O)(ORA5)(ORB5)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA0、RA1、RA2、RA3、RA4、RA5、RB0、RB1、RB2、RB3、RB4及びRB5は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA0及びRB0」、「RA1及びRB1」、「RA2及びRB2」、「RA3及びRB3」、「RA4及びRB4」、若しくは「RA5及びRB5」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各RC0及びRD0は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、RC0及びRD0は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各RE0、RE1及びRE5は、水素、重水素、C1~10アルキル、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1、及び-S(O)NRa1b1から独立して選択され;
各Rは、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1、及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra1及び各Rb1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra1及びRb1は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Rc1及び各Rd1は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc1及びRd1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Re1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2、及び-C(O)NRa2b2から独立して選択され;
各Rは、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、-NO、-NRa2b2、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-S(O)ORa2、-OS(O)b2、-S(O)NRa2b2、-P(O)Ra2b2、-P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2SRb2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2、-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2COb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2NRa2COb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2SONRa2b2、-NRa2(CRc2d2NRa2b2、-O(CRc2d2NRa2b2、-S(CRc2d2NRa2b2、-S(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)Ra2、-C(O)(CRc2d2ORb2、-C(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)(CRc2d2SRb2、-C(O)(CRc2d2S(O)b2、-COb2、-CO(CRc2d2C(O)NRa2b2、-OC(O)Ra2、-CN、-C(O)NRa2b2、-NRa2C(O)Rb2、-OC(O)NRa2b2、-NRa2C(O)ORb2、-NRa2C(O)NRa2b2、-NRa2S(O)b2、-CRa2(=N-ORb2)、-C(=NRe2)Ra2、-C(=NRe2)NRa2b2、-NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-CHF、-CF、-OCHF、及び-OCFから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、OH、CN、アミノ、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra2及び各Rb2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra2及びRb2は、それらが結合している原子と一緒になって、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されており;
各Rc2及び各Rd2は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又は、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc2及びRd2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択された0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換され;
各Re2は、水素、重水素、CN、NO、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-C(O)C3~10シクロアルキル、-C(O)OC1~4アルキル、-C(O)OC3~10シクロアルキル、-C(O)N(C1~4アルキル)、-C(O)N(C3~10シクロアルキル)、-S(O)1~4アルキル、-S(O)3~10シクロアルキル、-S(O)N(C1~4アルキル)、及び-S(O)N(C3~10シクロアルキル)から独立して選択され;
各rは、0、1及び2から独立して選択され、
各tは、0、1、2、3及び4から独立して選択され、
各uは、0、1、2、3及び4から独立して選択される。]
[136]別の実施形態<2>では、本発明は、環Qが、C3~10シクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、シクロアルキル及びヘテロシクリルが、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態<1>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[137]別の実施形態<3>では、本発明は、環Qが、シクロヘキシル及びテトラヒドロピランから選択され、シクロヘキシル及びテトラヒドロピランが無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態<2>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[138]別の実施形態<4>では、本発明は、Rが、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから選択され、アルキル及びシクロアルキルがそれぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態<1>~<3>のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[139]別の実施形態<5>では、本発明は、RがC1~10アルキルであり、アルキルが無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態<4>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[140]別の実施形態<6>では、本発明は、Rがメチルであり、メチルがRで置換されている、実施形態<5>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[141]別の実施形態<7>では、本発明は、Rがメチルであり、メチルがOHで置換されている、実施形態<6>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[142]別の実施形態<8>では、本発明は、X、X、X、及びXが、CRであり、Rが、水素、重水素、ハロゲン、CN、及びC1~10アルキルから独立して選択される、実施形態<1>~<7>のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[143]別の実施形態<9>では、本発明は、式<I’>の式<II’>
Figure 0007535537000049

の部分構造が
Figure 0007535537000050

である、実施形態<8>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[144]別の実施形態<10>では、本発明は、Rが、水素、F、Cl、CN、及びメチルから選択される、実施形態<9>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[145]別の実施形態<11>では、本発明は、Lが、-(CRC1D1O(CRC1D1-、-(CRC1D1S(CRC1D1-、及び-(CRC1D1C(O)NRA1(CRC1D1-から選択される、実施形態<1>~<10>のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[146]別の実施形態<12>では、本発明は、Lが、-O-、-S-、及び-C(O)N(RA1)-から選択される、実施形態<11>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[147]別の実施形態<13>では、本発明は、Lが-O-である、実施形態<12>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[148]別の実施形態<14>では、本発明は、Rが、アリール及びヘテロアリールから選択され、アリール及びヘテロアリールが、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態<1>~<13>のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[149]別の実施形態<15>では、本発明は、Rがアリールであり、アリールが無置換であるか又はRで置換されている、実施形態<14>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[150]別の実施形態<16>では、本発明は、フェニルが無置換であるか、又はハロゲンで置換されている、実施形態<15>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[151]別の実施形態<17>では、本発明は、Rが、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、及びCNから選択される、実施形態<1>~<16>のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[152]別の実施形態<18>では、本発明は、Rが、水素、F、及びCNから選択される、実施形態<17>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[153]別の実施形態<19>では、本発明は、R及びRが独立して、水素、重水素、C1~10アルキル、及びハロゲンから選択される、実施形態<1>~<18>のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[154]別の実施形態<20>では、本発明は、Rが水素である、実施形態<19>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[155]別の実施形態<21>では、本発明は、Rが水素である、実施形態<19>の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[156]別の実施形態<22>では、本発明は、実施形態<1>~<21>のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
[157]別の実施形態<23>では、本発明は、BTKの阻害に反応する状態を治療、改善又は予防する方法であって、かかる治療を必要とする対象に、有効量の実施形態<1>から<21>のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、又はその医薬組成物を、任意選択で、第2の治療薬と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。
[158]別の実施形態<24>では、本発明は、細胞増殖性障害を治療するための薬剤の調製における実施形態<1>から<21>のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
[159]いくつかの実施形態は、以下のように説明することもできる。
[160]別の実施形態[1]では、本発明は、式[I’’]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を開示する。
Figure 0007535537000051

[式中、
環Qは、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
Lは、結合、-(CRC0D0-、-(CRC0D0O(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(CRC0D0-、-(CRC0D0C(=NRE0)(CRC0D0-、-(CRC0D0C(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)NRB0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0S(O)(CRC0D0-、及び-(CRC0D0NRA0S(O)NRB0(CRC0D0-から選択され;
、X、X及びXは、CR及びNから独立して選択され;
Yは、CR及びNから選択され;
は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1、及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)NRA2B2、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA3B3、-ORA3、-C(O)NRA2B2、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA4B4、-ORA4、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(=NRE5)RA5、-C(=N-ORB5)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-C(=NRE5)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)RB5、-OC(O)NRA5B5、-NRA5C(O)ORB5、-NRA5C(O)NRA5B5、-NRA5C(S)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)NRA5B5、-S(O)A5、-S(O)(=NRE5)RB5、-N=S(O)RA5B5、-S(O)ORA5、-OS(O)A5、-NRA5S(O)B5、-NRA5S(O)(=NRE5)RB5、-S(O)NRA5B5、-S(O)(=NRE5)NRA5B5、-NRA5S(O)NRA5B5、-NRA5S(O)(=NRE5)NRA5B5、-P(O)RA5B5、及び-P(O)(ORA5)(ORB5)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA0、RA1、RA2、RA3、RA4、RA5、RB0、RB1、RB2、RB3、RB4及びRB5は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA0及びRB0」、「RA1及びRB1」、「RA2及びRB2」、「RA3及びRB3」、「RA4及びRB4」、若しくは「RA5及びRB5」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各RC0及びRD0は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、RC0及びRD0は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各RE0、RE1及びRE5は、水素、C1~10アルキル、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1、及び-S(O)NRa1b1から独立して選択され;
各Rは、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1、及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra1及び各Rb1は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra1及びRb1は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Rc1及び各Rd1は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc1及びRd1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Re1は、水素、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2、及び-C(O)NRa2b2から独立して選択され;
各Rは、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、-NO、-NRa2b2、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-S(O)ORa2、-OS(O)b2、-S(O)NRa2b2、-P(O)Ra2b2、-P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2SRb2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2、-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2COb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2NRa2COb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2SONRa2b2、-NRa2(CRc2d2NRa2b2、-O(CRc2d2NRa2b2、-S(CRc2d2NRa2b2、-S(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)Ra2、-C(O)(CRc2d2ORb2、-C(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)(CRc2d2SRb2、-C(O)(CRc2d2S(O)b2、-COb2、-CO(CRc2d2C(O)NRa2b2、-OC(O)Ra2、-CN、-C(O)NRa2b2、-NRa2C(O)Rb2、-OC(O)NRa2b2、-NRa2C(O)ORb2、-NRa2C(O)NRa2b2、-NRa2S(O)b2、-CRa2(=N-ORb2)、-C(=NRe2)Ra2、-C(=NRe2)NRa2b2、-NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-CHF、-CF、-OCHF、及び-OCFから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、OH、CN、アミノ、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra2及び各Rb2は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra2及びRb2は、それらが結合している原子と一緒になって、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されており;
各Rc2及び各Rd2は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又は、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc2及びRd2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択された0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換され;
各Re2は、水素、CN、NO、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-C(O)C3~10シクロアルキル、-C(O)OC1~4アルキル、-C(O)OC3~10シクロアルキル、-C(O)N(C1~4アルキル)、-C(O)N(C3~10シクロアルキル)、-S(O)1~4アルキル、-S(O)3~10シクロアルキル、-S(O)N(C1~4アルキル)、及び-S(O)N(C3~10シクロアルキル)から独立して選択され;
各rは、0、1及び2から独立して選択され、
各tは、0、1、2、3及び4から独立して選択され、
各uは、0、1、2、3及び4から独立して選択される。]
[161]別の実施形態[2]では、本発明は、YがCRであり、上記化合物が式[II’’]を有する、実施形態[1]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
Figure 0007535537000052

[式中、Q、L、R、R、R、R、R、X、X、X、及びXは、式[I’’]で定義される通りである。]
[162]別の実施形態[3]では、本発明は、環QがC3~10シクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、シクロアルキル及びヘテロシクリルがそれぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態[1]~[2]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[163]別の実施形態[4]では、本発明は、環Qが、
Figure 0007535537000053

から選択され、これらはそれぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態[3]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[164]別の実施形態[5]では、本発明は、Rが、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから選択され、アルキル及びシクロアルキルがそれぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態[1]~[4]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[165]別の実施形態[6]では、本発明は、RがC1~10アルキルであり、アルキルが無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態[5]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[166]別の実施形態[7]では、本発明は、Rがメチルであり、メチルが、OH、CN、及び
Figure 0007535537000054

で置換されている、実施形態[6]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[167]別の実施形態[8]では、本発明は、X、X、X、及びXが、CRであり、Xが、CR及びNから選択され、Rが、水素、重水素、ハロゲン、CN、及びC1~10アルキルから独立して選択される、実施形態[1]~[7]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[168]別の実施形態[9]では、本発明は、式[I’’]又は式[II’’]の式[III’’]
Figure 0007535537000055

の部分構造が、
Figure 0007535537000056

から選択される、実施形態[1]~[8]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[169]別の実施形態[10]では、本発明は、Rが、水素、F、Cl、CN、及びメチルから選択される、実施形態[9]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[170]別の実施形態[11]では、本発明は、Lが、-(CRC1D1O(CRC1D1-、-(CRC1D1S(CRC1D1-、及び-(CRC1D1C(O)NRA1(CRC1D1-から選択される、実施形態[1]~[10]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[171]別の実施形態[12]では、本発明は、Lが、-O-、-S-、及び-C(O)N(RA1)-から選択される、実施形態[11]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[172]別の実施形態[13]では、本発明は、Lが-O-である、実施形態[12]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[173]別の実施形態[14]では、本発明は、Rが、アリール及びヘテロアリールから選択され、アリール及びヘテロアリールが、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態[1]~[13]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[174]別の実施形態[15]では、本発明は、Rが、フェニル及びピリジニルから選択され、フェニル及びピリジニルが、それぞれ無置換であるか、又はRで置換されている、実施形態[14]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[175]別の実施形態[16]では、本発明は、Rがハロゲンである、実施形態[15]に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[176]別の実施形態[17]では、本発明は、Rが、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、-ORA2、-C(O)NRA2B2、及びCNから選択される、実施形態[1]~[16]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[177]別の実施形態[18]では、本発明は、Rが、水素、F、Cl、メチル、メトキシ、-C(O)NH、及びCNから選択される、実施形態[17]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[178]別の実施形態[19]では、本発明は、R及びRが、水素、C1~10アルキル、及びハロゲンから独立して選択される、実施形態[1]~[18]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[179]別の実施形態[20]では、本発明は、Rが水素である、実施形態[19]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[180]別の実施形態[21]では、本発明は、Rが水素である、実施形態[19]の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[181]別の実施形態[22]では、本発明は、実施形態[1]から[21]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
[182]別の実施形態[23]では、本発明は、BTKの阻害に反応する状態を治療、改善又は予防する方法であって、かかる治療を必要とする対象に、有効量の実施形態[1]から[21]のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、又はその医薬組成物を、任意選択で、第2の治療薬と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。
[183]別の実施形態[24]では、本発明は、細胞増殖性障害を治療するための薬剤の調製における実施形態[1]から[21]のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
[184]いくつかの実施形態は、以下のように説明することもできる。
[185]別の実施形態(i)では、本発明は式(I’’’)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を開示する。
Figure 0007535537000057

[式中、
環Qは、C3~10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
Lは、結合、-(CRC0D0-、-(CRC0D0O(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(CRC0D0-、-(CRC0D0C(=NRE0)(CRC0D0-、-(CRC0D0C(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0C(O)NRB0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0NRA0S(O)(CRC0D0-、及び-(CRC0D0NRA0S(O)NRB0(CRC0D0-から選択され;
、X、X及びXは、CR及びNから独立して選択され;
Yは、CR及びNから選択され;
は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1、及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)NRA2B2、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA3B3、-ORA3、-C(O)NRA2B2、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、CN、NO、-NRA4B4、-ORA4、C1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(=NRE5)RA5、-C(=N-ORB5)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-C(=NRE5)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)RB5、-OC(O)NRA5B5、-NRA5C(O)ORB5、-NRA5C(O)NRA5B5、-NRA5C(S)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)NRA5B5、-S(O)A5、-S(O)(=NRE5)RB5、-N=S(O)RA5B5、-S(O)ORA5、-OS(O)A5、-NRA5S(O)B5、-NRA5S(O)(=NRE5)RB5、-S(O)NRA5B5、-S(O)(=NRE5)NRA5B5、-NRA5S(O)NRA5B5、-NRA5S(O)(=NRE5)NRA5B5、-P(O)RA5B5、及び-P(O)(ORA5)(ORB5)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールはそれぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA0、RA1、RA2、RA3、RA4、RA5、RB0、RB1、RB2、RB3、RB4及びRB5は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、各「RA0及びRB0」、「RA1及びRB1」、「RA2及びRB2」、「RA3及びRB3」、「RA4及びRB4」、若しくは「RA5及びRB5」は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各RC0及びRD0は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、RC0及びRD0は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各RE0、RE1及びRE5は、水素、C1~10アルキル、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1、及び-S(O)NRa1b1から独立して選択され;
各Rは、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1、及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra1及び各Rb1は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra1及びRb1は、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Rc1及び各Rd1は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc1及びRd1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、1、2又は3個のR基で置換されており;
各Re1は、水素、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2、及び-C(O)NRa2b2から独立して選択され;
各Rは、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、-NO、-NRa2b2、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-S(O)ORa2、-OS(O)b2、-S(O)NRa2b2、-P(O)Ra2b2、-P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2SRb2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2、-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)、-(CRc2d2COb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2NRa2COb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2SONRa2b2、-NRa2(CRc2d2NRa2b2、-O(CRc2d2NRa2b2、-S(CRc2d2NRa2b2、-S(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)Ra2、-C(O)(CRc2d2ORb2、-C(O)(CRc2d2NRa2b2、-C(O)(CRc2d2SRb2、-C(O)(CRc2d2S(O)b2、-COb2、-CO(CRc2d2C(O)NRa2b2、-OC(O)Ra2、-CN、-C(O)NRa2b2、-NRa2C(O)Rb2、-OC(O)NRa2b2、-NRa2C(O)ORb2、-NRa2C(O)NRa2b2、-NRa2S(O)b2、-CRa2(=N-ORb2)、-C(=NRe2)Ra2、-C(=NRe2)NRa2b2、-NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-CHF、-CF、-OCHF、及び-OCFから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、OH、CN、アミノ、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra2及び各Rb2は、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Ra2及びRb2は、それらが結合している原子と一緒になって、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4から12員の複素環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されており;
各Rc2及び各Rd2は、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、それぞれ、無置換であるか、又は、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
又は、Rc2及びRd2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択された0、1又は2個のヘテロ原子を含む3から12員の環を形成し、任意選択で、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立して選択される1又は2個の置換基で置換され;
各Re2は、水素、CN、NO、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-C(O)C3~10シクロアルキル、-C(O)OC1~4アルキル、-C(O)OC3~10シクロアルキル、-C(O)N(C1~4アルキル)、-C(O)N(C3~10シクロアルキル)、-S(O)1~4アルキル、-S(O)3~10シクロアルキル、-S(O)N(C1~4アルキル)、及び-S(O)N(C3~10シクロアルキル)から独立して選択され;
各rは、0、1及び2から独立して選択され、
各tは、0、1、2、3及び4から独立して選択され、
各uは、0、1、2、3及び4から独立して選択される。]
[186]別の実施形態(ii)では、本発明は、YがCRであり、上記化合物が式(II’’’)を有する、実施形態(i)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
Figure 0007535537000058

[式中、Q、L、R、R、R、R、R、X、X、X、及びXは、式(I’’’’)で定義される通りである。]
[187]別の実施形態(iii)では、本発明は、環QがC3~10シクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、シクロアルキル及びヘテロシクリルがそれぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(i)~(ii)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[188]別の実施形態(iv)では、本発明は、環Qが、
Figure 0007535537000059

から選択され、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(iii)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[189]別の実施形態(v)では、本発明は、Rが、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから選択され、アルキル及びシクロアルキルが、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(i)~(iv)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[190]別の実施形態(vi)では、本発明は、RがC1~10アルキルであり、アルキルが無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(v)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[191]別の実施形態(vii)では、本発明は、Rがメチルであり、メチルが、OH、CN、及び
Figure 0007535537000060

で置換されている、実施形態(vi)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[192]別の実施形態(viii)では、本発明は、X、X、X、及びXが、CRX’及びNから独立して選択され、RX’が、水素、重水素、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、及び-(CRc1d1ORb1から独立して選択される、実施形態(i)~(vii)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[193]別の実施形態(ix)では、本発明は、式(I’’’)又は式(II’’’)の式(III’’’)
Figure 0007535537000061

の部分構造が、
Figure 0007535537000062

から選択される、実施形態(i)~(viii)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[194]別の実施形態(x)では、本発明は、Rが、水素、F、Cl、Br、CN、メチル、メトキシ、及びシクロプロピルから選択される、実施形態(ix)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[195]別の実施形態(xi)では、本発明は、Lが、-(CRC1D1O(CRC1D1-、-(CRC1D1S(CRC1D1-、及び-(CRC1D1C(O)NRA1(CRC1D1-から選択される、実施形態(i)~(x)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[196]別の実施形態(xii)では、本発明は、Lが、-O-、-S-、及び-C(O)N(RA1)-から選択される、実施形態(xi)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[197]別の実施形態(xiii)では、本発明は、Lが-O-である、実施形態(xii)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[198]別の実施形態(xiv)では、本発明は、Rが、アリール及びヘテロアリールから選択され、アリール及びヘテロアリールが、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(i)~(xiii)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[199]別の実施形態(xv)では、本発明は、Rが、フェニル及びピリジニルから選択され、フェニル及びピリジニルが、それぞれ無置換であるか、又はRで置換されている、実施形態(xiv)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[200]別の実施形態(xvi)では、本発明は、Rが、ハロゲン及びメトキシから選択される、実施形態(xv)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[201]別の実施形態(xvii)では、本発明は、Rが、水素、ハロゲン、C1~10アルキル、-ORA2、-C(O)NRA2B2、及びCNから選択される、実施形態(i)~(xvi)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[202]別の実施形態(xviii)では、本発明は、-ORA2のRA2が、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、及びC3~10シクロアルキルから独立して選択され、アルキル、アルケニル及びシクロアルキルが、それぞれ無置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(xvii)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[203]別の実施形態(xix)において、本発明は、Rが、水素、F、Cl、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、-C(O)NH、CN、OH、
Figure 0007535537000063

から選択される、実施形態(xvii)~(xviii)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[204]別の実施形態(xx)では、本発明は、R及びRが、水素、C1~10アルキル及びハロゲンから独立して選択される、実施形態(i)~(xix)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[205]別の実施形態(xxi)では、本発明は、Rが水素である、実施形態(xx)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[206]別の実施形態(xxii)では、本発明は、Rが水素である、実施形態(xxi)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
[207]別の実施形態(xxiii)では、本発明は、実施形態(i)~(xxii)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
[208]別の実施形態(xxiv)では、本発明は、BTKの阻害に反応する状態を治療、改善又は予防する方法であって、かかる治療を必要とする対象に、有効量の実施形態(i)から(xxii)のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、又はその医薬組成物を、任意選択で、第2の治療薬と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。
[209]別の実施形態(xxv)では、本発明は、細胞増殖性障害を治療するための薬剤の調製における実施形態(i)から(xxii)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
[210]さらにその別の態様では、本明細書中に開示される化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、説明書であって、本組成物が投与される病状を示すこと、本組成物の保管情報、投与情報、及び本組成物を投与する方法に関する説明書からなる群から選択される1つ以上の形式の情報を含む、説明書とを含むキットが提供される。特定の一変形例では、キットは、複数回投与形態の化合物を含む。
[211]さらにその別の態様では、本明細書中に開示される化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び包装材料を含む製品が提供される。一変形例では、包装材料は、化合物を収容するための容器を含む。特定の一変形例では、容器は、本化合物が投与される病状、保管情報、投与情報、及び/又は本化合物の投与方法に関する説明書からなる群のうちの1つ以上の要素を示すラベルを含む。別の変形例では、製品は、複数回投与形態の化合物を含む。
[212]そのさらなる態様では、本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容され得る塩を投与するステップを含む治療方法が提供される。
[213]その別の態様では、BTKキナーゼを阻害する方法であって、BTKを本明細書中に開示される化合物又はその薬学的に許容され得る塩と接触させることを含む方法が提供される。
[214]さらにその別の態様では、BTKをインビボで阻害するために、本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容され得る塩を対象に存在させることを含む、BTKを阻害する方法が提供される。
[215]そのさらなる態様では、BTKを阻害する方法であって、インビボで第2の化合物に変換される第1の化合物を対象に投与するステップを含み、第2の化合物がインビボでBTKを阻害し、第2の化合物が上記の実施形態及び変形例のいずれか1つに記載の化合物である、方法が提供される。
[216]その別の態様では、BTKが病状の病態及び/又は総体症状に寄与する活性を有するその病状を治療する方法であって、本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容され得る塩を、その病状に対する治療有効量で対象に存在させることを含む方法が提供される。
[217]そのさらなる態様では、BTKが病状の病態及び/又は総体症状に寄与する活性を有するその病状を治療する方法であって、インビボで第2の化合物に変換される第1の化合物を対象に投与するステップを含み、第2の化合物がインビボでBTKを阻害する、方法が提供される。本発明の化合物は、第1又は第2の化合物であり得ることに留意されたい。
[218]上記の方法のそれぞれの一変形例では、病状は、がん性の過剰増殖性障害(例えば、脳がん、肺がん、扁平上皮細胞がん、膀胱がん、胃がん、膵臓がん、乳房がん、頭がん、首がん、腎がん、腎臓がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸直腸がん、類表皮がん、食道がん、精巣がん、婦人科がん又は甲状腺がん);非がん性の過剰増殖性障害(例えば、皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄、及び良性前立腺肥大症(BPH));膵炎;腎臓病;痛み;胚盤胞の着床防止;血管新生又は血管新生に関連する疾患(例えば、腫瘍血管新生、関節リウマチなどの急性及び慢性炎症性疾患、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、乾癬、湿疹及び硬化皮膚症などの皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性症、血管腫、神経膠腫、黒色腫、カポジ肉腫及び卵巣がん、乳房がん、肺がん、膵臓がん、前立腺がん、結腸がん及び類表皮がん);喘息;好中球走化性(例えば、心筋梗塞及び脳卒中における再灌流傷害及び炎症性関節炎);敗血症性ショック;免疫抑制が有効なT細胞介在性疾患(例えば、臓器移植拒絶反応の抑制、移植片対宿主病、エリテマトーデス、多発性硬化症、及び関節リウマチ);アテローム性動脈硬化症;成長因子カクテルに対するケラチノサイト応答の阻害;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及びその他の疾患からなる群から選択される。
[219]その別の態様では、例えば、BTK遺伝子の変異が病状の病態及び/又は総体症状に寄与する、黒色腫、肺がん、結腸がん及び他の腫瘍型を含むその病状を治療する方法が提供される。
[220]さらにその別の態様では、本発明は、上記の実施形態及び変形例のいずれかの化合物の医薬としての使用に関する。さらにその別の態様では、本発明は、BTKを阻害するための薬剤の製造における上記の実施形態及び変形例のいずれか1つによる化合物の使用に関する。
[221]そのさらなる態様では、本発明は、BTKが病状の病態及び/又は総体症状に寄与する活性を有する病状を治療するための医薬品の製造における上記の実施形態及び変形例のいずれか1つによる化合物の使用に関する。
[222]投与及び医薬組成物
一般に、本開示の化合物は、当技術分野で公知の通常の許容される方法のいずれかを用い、単独で又は1つ以上の治療薬と組み合わせて、治療有効量で投与される。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康状態、使用される化合物の効力、並びに当業者に公知の他の因子に応じて大きく異なり得る。例えば、新生物性疾患及び免疫系障害の治療の場合、必要な投与量はまた、投与方法、治療される特定の状態、及び所望の効果に応じて異なる。
[223]一般に、約0.001から約100mg/kg体重の1日用量、又は特に約0.03から2.5mg/kg体重の1日用量で、全身的に十分な効果が得られることが望ましい。より大きな哺乳動物、例えば、ヒトにおける望ましい1日用量は、約0.5mgから約2000mg、又はより具体的には約0.5mgから約1000mgの範囲であり得、好都合には、例えば、1日に最大で4回の分割用量で、又は遅延形態で投与される。経口投与に適した単位剤形は、約1から50mgの有効成分からなる。
[224]本開示の化合物は、医薬組成物として、任意の従来の経路を介して投与することができ、例えば、経腸的に、例えば、経口的に、例えば、錠剤又はカプセルの形態で;非経口的に、例えば、注射可能な溶液又は懸濁液の形態で;あるいは、局所的に、例えば、ローション、ゲル、軟膏若しくはクリームの形態、又は経鼻若しくは坐剤の形態で投与することができる。
[225]本開示の化合物を遊離形態又は薬学的に許容され得る塩の形態で少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体又は希釈剤と組み合わせて含む医薬組成物は、混合、造粒、コーティング、溶解又は凍結乾燥プロセスによって従来の方法で製造することができる。例えば、本開示の化合物を少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体又は希釈剤と組み合わせて含む医薬組成物は、薬学的に許容され得る担体又は希釈剤と混合することによって従来の方法で製造することができる。経口投与のための単位剤形は、例えば、約0.1mgから約500mgの活性物質を含有する。
[226]一実施形態では、医薬組成物は、等張水溶液などの懸濁液又は分散液を含む活性成分の溶液である。活性成分を単独で又はマンニトールなどの担体と一緒に含む凍結乾燥組成物の場合、使用前に分散液又は懸濁液を補うことができる。医薬組成物は、滅菌されてもよく、及び/又はアジュバント、例えば、保存剤、安定化剤、湿潤剤若しくは乳化剤、溶液促進剤、浸透圧を調節するための塩、及び/又は緩衝液を含有してもよい。好適な防腐剤としては、アスコルビン酸などの酸化防止剤、又はソルビン酸若しくは安息香酸などの殺菌剤が挙げられるが、これらに限定されない。溶液又は懸濁液は、限定するものではないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、又は可溶化剤、例えば、Tween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)などの増粘剤をさらに含み得る。
[227]油中懸濁液は、油成分として、注射用として慣用的な植物油、合成油、又は半合成油を含み得る。例としては、8~22個の炭素原子、又はいくつかの実施形態では12~22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を酸成分として含有する液体脂肪酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。好適な液体脂肪酸エステルには、限定するものではないが、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、又は対応する不飽和酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、及びリノール酸が含まれるが、必要に応じて、酸化防止剤、例えば、ビタミンE、3-カロテン、又は3,5-ジ-tert-ブチル-ヒドロキシトルエンを含んでいてもよい。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、6個の炭素原子を有し得、一価又は多価のアルコール、例えば、一価、二価又は三価のアルコールであり得る。好適なアルコール成分には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール若しくはペンタノール又はそれらの異性体、並びにグリコール及びグリセロールが含まれるが、これらに限定されない。
[228]他の適切な脂肪酸エステルとしては、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、LABRAFIL(登録商標)M2375、(ポリオキシエチレングリセロール)、LABRAFIL(登録商標)M1944CS(アプリコット核油のアルコール分解によって調製され、グリセリド及びポリエチレングリコールエステルを含む不飽和ポリグリコール化グリセリド)、LABRASOL(商標)(TCMのアルコール分解によって調製され、グリセリド及びポリエチレングリコールエステルを含む飽和ポリグリコール化グリセリド;すべてフランスのGaKefosseから入手可能)、及び/又はMIGLYOL(登録商標)812(ドイツのHuls AG製の鎖長C8からC12の飽和脂肪酸トリグリセリド)、並びに綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油、又はラッカセイ油などの植物油が挙げられるが、これらに限定されない。
[229]経口投与のための医薬組成物は、例えば、1つ以上の活性成分を固体担体と組み合わせ、必要に応じて、得られた混合物を造粒し、追加の賦形剤を配合し、混合物又は顆粒を加工して錠剤又は錠剤コアを形成することによって得ることができる。
[230]好適な担体には、充填剤、例えば、糖、例えば、ラクトース、サッカロース、マンニトール若しくはソルビトール、セルロース調製物、及び/又はリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウム若しくはリン酸水素カルシウム、並びにまた、結合剤、例えば、デンプン、例えば、トウモロコシ、小麦、米若しくはジャガイモのデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン、並びに/あるいは、必要に応じて、崩壊剤、例えば、上述のデンプン、カルボキシメチル化デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸若しくはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。追加の賦形剤には、流動コンディショナー及び潤滑剤、例えば、ケイ酸、タルク、ステアリン酸若しくはその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム若しくはカルシウム、及び/又はポリエチレングリコール、又はそれらの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
[231]錠剤コアには、とりわけ、アラブルガム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/若しくは二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液、又は好適な有機溶媒若しくは溶媒混合物中のコーティング溶液を使用し、あるいは、腸溶性コーティングの調製のために、酢酸フタル酸セルロース若しくはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの好適なセルロース調製物の溶液を使用することによって、好適なコーティング(任意選択で腸溶性)が形成され得る。例えば、識別目的のために、又は活性成分の様々な用量を示すために、錠剤又は錠剤のコーティングに染料又は顔料を添加してもよい。
[232]経口投与のための医薬組成物はまた、ゼラチンを含むハードカプセル、又はゼラチン及びグリセロール若しくはソルビトールなどの可塑剤を含むソフトシールカプセルを含み得る。ハードカプセルは、例えば、コーンスターチなどの充填剤、結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの流動促進剤と混合し、任意選択で安定剤と混合した顆粒形態の活性成分を含有し得る。ソフトカプセルでは、活性成分は、脂肪油、パラフィン油又は液体ポリエチレングリコール又はエチレン若しくはプロピレングリコールの脂肪酸エステルなどの適切な液体賦形剤に溶解又は懸濁されてもよく、また、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型の安定剤及び浄化剤が添加されてもよい。
[233]直腸投与に適した医薬組成物は、例えば、活性成分と坐剤基剤との組み合わせを含む坐剤である。好適な坐剤基剤は、例えば、天然又は合成トリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコール、又は高級アルカノールである。
[234]非経口投与に適した医薬組成物は、水溶性の形態(例えば、水溶性塩)の活性成分の水溶液、又は増粘物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/若しくはデキストランと、必要に応じて安定剤とを含有する水性注射懸濁液を含み得る。活性成分は、任意選択で賦形剤と共に、凍結乾燥物の形態であってもよく、適切な溶媒の添加によって非経口投与の前に溶液にすることができる。例えば、非経口投与のために使用されるような溶液は、また、注入溶液として使用することもできる。注射用調製物の製造は、通常、例えば、アンプル又はバイアルへの充填及び容器の密封と同様に、滅菌条件下で行われる。
[235]本開示はまた、a)遊離形態又は薬学的に許容され得る塩形態の本明細書に開示される本開示の化合物である第1の薬剤と、b)少なくとも1つの助剤とを含む医薬の組み合わせ、例えば、キットを提供する。キットは、その投与のための説明書を含むことができる。
[236]併用療法
本開示の化合物又は薬学的に許容され得る塩は、単独の治療として、又は他の1つ若しくは複数の治療薬と一緒に投与され得る。
[237]例えば、本明細書に記載される化合物の1つの治療有効性は、アジュバントの投与によって増強され得る(すなわち、それ自体では、アジュバントは最小限の治療上の利益しか有さないかもしれないが、別の治療剤と組み合わせたときに、個体に対する全体的な治療上の利益が増強される)。又は、ほんの一例として、個体が経験する利益は、本明細書に記載される化合物の1つを、同じく治療的利益を有する別の治療剤と共に投与することによって増大され得る。ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の1つの投与を伴う痛風の治療では、個体に痛風のための別の治療剤を提供することによっても治療上の利益の増加がもたらされ得る。又は、ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の1つを投与されたときに個体が経験する副作用の1つが悪心である場合、本化合物と組み合わせて制吐薬を投与することが適切であり得る。又は、1つ又は複数の追加の治療には、理学療法、心理療法、放射線療法、患部への湿布の適用、安静、食事の変更などが含まれるが、これらに限定されない。治療される疾患、障害又は状態にかかわらず、個体が経験する全体的な利益は、2つの治療の相加的なものであり得、又は個体は、相乗的な利益を経験し得る。
[238]本明細書に記載される化合物が他の治療薬と組み合わせて投与される場合、本明細書に記載される化合物は、他の治療薬と同じ医薬組成物で投与され得るか、又は異なる物理的及び化学的特性のために、異なる経路を介して投与され得る。例えば、本明細書に記載される化合物は、その良好な血中レベルを生じさせ維持するために経口投与され得る一方で、他の治療薬は静脈内投与され得る。したがって、本明細書に記載される化合物は、他の治療薬と同時に、連続的に、又は別々に投与され得る。
[239]式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を合成するための様々な方法を開発することができる。式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を合成するための代表的な方法を実施例において提示する。しかしながら、式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、他の者が考案し得る他の合成経路によっても合成され得ることに留意されたい。
[240]式(I)の特定の化合物は、化合物に特定の立体化学を付与する、他の原子との結合を有する原子(例えば、キラル中心)を有することが容易に理解されるであろう。式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の合成は、異なる立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)の混合物の生成をもたらし得るものと理解されている。特定の立体化学が指定されていない限り、化合物の列挙は、異なる可能な立体異性体のすべてを包含することを意図している。
[241]式(I)の化合物は、例えば、少なくとも1つの化合物の遊離塩基形態を薬学的に許容され得る無機酸又は有機酸と反応させることによって、薬学的に許容され得る酸付加塩として調製することもできる。あるいは、式(I)の少なくとも1つの化合物の薬学的に許容され得る塩基付加塩は、例えば、少なくとも1つの化合物の遊離酸形態を薬学的に許容され得る無機塩基又は有機塩基と反応させることによって調製することができる。式(I)の化合物の薬学的に許容され得る塩の調製に適した無機及び有機の酸及び塩基は、本出願の定義セクションに記載されている。あるいは、式(I)の化合物の塩形態は、出発物質又は中間体の塩を使用して調製することができる。
[242]式(I)の化合物の遊離酸又は遊離塩基の形態は、対応する塩基付加塩又は酸付加塩の形態から調製することができる。例えば、酸付加塩形態の式(I)の化合物は、適切な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウム等)で処理することによって、その対応する遊離塩基に変換することができる。塩基付加塩形態の式(I)の化合物は、例えば、適切な酸(例えば、塩酸など)で処理することによって、その対応する遊離酸に変換することができる。
[243]式(I)の化合物のN-オキシド又はその薬学的に許容され得る塩は、当業者に公知の方法によって調製することができる。例えば、N-オキシドは、約0から80℃で、適切な不活性有機溶媒(例えば、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素)中、酸化剤(例えば、トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸、過安息香酸、過酢酸、メタ-クロロ過安息香酸など)で、式(I)の化合物の未酸化形態を処理することによって調製することができる。あるいは、式(I)の化合物のN-オキシドは、適切な出発物質のN-オキシドから調製することができる。
[244]未酸化の形態の式(I)の化合物は、式(I)の化合物のN-オキシドから、例えば、0から80℃で、適切な不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リン、三臭化リンなど)で処理することによって調製することができる。
[245]式(I)の化合物の保護された誘導体は、当業者に公知の方法によって製造することができる。保護基の生成及びそれらの除去に適用可能な技術の詳細な説明は、T.W.Greene,Protecting Groups in Organic Synthesis,3rd edition,John Wiley&Sons,Inc.1999に見出すことができる。
[246]本明細書で使用される場合、これらのプロセス、スキーム及び実施例で使用される記号及び規約は、現代の科学文献、例えば、Journal of the American Chemical Society、又はJournal of Biological Chemistryで使用されるものと一致する。アミノ酸残基を示すために、標準的な一文字又は三文字の略語が一般に使用され、特に明記しない限り、L配置にあると仮定される。特に明記しない限り、すべての出発物質を商業的供給業者から入手し、さらに精製することなく使用した。例えば、次の略語が、実施例及び本明細書全体で使用される場合がある。g(グラム)、mg(ミリグラム)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、μL(マイクロリットル)、psi(ポンド/平方インチ)、M(モル)、mM(ミリモル)、i.v.(静脈内)、Hz(ヘルツ)、MHz(メガヘルツ)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、RT(室温)、min(分)、h(時間)、mp(融点)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、Rt(保持時間)、RP(逆相)、MeOH(メタノール)、i-PrOH(イソプロパノール)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、TFAA(無水トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EtOAc(酢酸エチル)、DME(1,2-ジメトキシエタン)、DCM(ジクロロメタン)、DCE(ジクロロエタン)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DMPU(N,N’-ジメチルプロピレン尿素)、CDI(1,1-カルボニルジイミダゾール)、IBCF(クロロギ酸イソブチル)、HOAc(酢酸)、HOSu(N-ヒドロキシスクシンイミド)、HOBT(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)、EtO(ジエチルエーテル)、EDCI(1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩)、BOC(tert-ブチルオキシカルボニル)、FMOC(9-フルオレニルメトキシカルボニル)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、CBZ(ベンジルオキシカルボニル)、Ac(アセチル)、atm(大気)、TMSE(2-(トリメチルシリル)エチル)、TMS(トリメチルシリル)、TIPS(トリイソプロピルシリル)、TBS(t-ブチルジメチルシリル)、DMAP(4-ジメチルアミノピリジン)、Me(メチル)、OMe(メトキシ)、Et(エチル)、tBu(tert-ブチル)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、BOP(ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィンクロリド)、TBAF(テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド)、m-CPBA(メタクロロ過安息香酸)。
[247]エーテル又はEtOへの言及は、ジエチルエーテルへの言及であり、ブラインは、NaClの飽和水溶液を指す。特に明記しない限り、すべての温度は℃(摂氏)で表される。すべての反応は、特に断らない限り、不活性雰囲気下、室温で行った。
[248]H NMRスペクトルは、Varian Mercury Plus 400で記録した。化学シフトは、百万分率(ppm)で表される。結合定数は、ヘルツ(Hz)の単位である。分裂パターンは見かけの多重度を表し、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)及びbr(ブロード)と命名される。
[249]エレクトロスプレーイオン化(ESI)源、UV検出器(220及び254nm)及び蒸発光散乱検出器(ELSD)を備えたShimadzu LC/MS単一四重極システムで、低分解能質量スペクトル(MS)及び化合物純度データを取得した。薄層クロマトグラフィーを、0.25mm Superchemgroupシリカゲルプレート(60F-254)で行い、UV光、5%エタノール性リンモリブデン酸、ニンヒドリン、又はp-アニスアルデヒド溶液で可視化した。フラッシュカラムクロマトグラフィーはシリカゲル(200~300メッシュ、Branch of Qingdao Haiyang Chemical Co.,Ltd.)で行った。
[250]合成スキーム
式Iの化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、様々な反応スキームに従って合成され得る。いくつかの例示的なスキームを以下及び実施例に提示する。当業者であれば、本開示を考慮して他の反応スキームを容易に考案し得るだろう。
[251]本明細書に後に記載される反応では、反応性官能基、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、チオ基又はカルボキシル基が最終生成物の中に望まれる場合は、それらが望ましくない形で反応へ関与しないように保護することが必要な場合がある。従来の保護基は、標準的な手法に従って使用することができ、例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts in「Protective Groups in Organic Chemistry」John Wiley and Sons、1991を参照されたい。
[252]本発明の化合物を調製するための合成方法を以下のスキーム及び実施例に示す。出発材料は市販されているか、又は当技術分野で公知の手順又は本明細書に示す手順に従って作製することができる
[253]以下のスキームに示される中間体は、文献で公知であるか、又は当業者に周知の様々な方法によって調製することができる。
[254]本開示の式Iの化合物の1つの合成アプローチをスキーム1に示す。商業的に入手可能であるか又は文献で公知の中間体IIから出発して、IIと式IIIの中間体とのカップリングによって式IVの中間体を、調製することができる。さらに式IVの中間体中の脱離基を式Vのアミンで置換すると、式Iの化合物が得られる。
Figure 0007535537000064
[255]式Iの化合物の合成の実例として、式Iaの化合物の合成アプローチの1つをスキーム2に概説する。市販の5-ブロモ-7-アザインドールIIa-Aから出発して、ナトリウムメトキシドによる臭化物の置換及びTIPSClによるNHの保護を含む逐次変換によってIIa-Cを得ることができる。誘電オルトメタル化(DoM)を介したIIa-Cへのフッ素のフッ化物導入は、IIa-Dをもたらす。IIa-D中でのTIPSの切断とそれに続くNBSによる臭素化により、臭化物IIaが得られ、これを、n-ブチルリチウム(n-BuLi)を用いて中間体IIIとさらにカップリングさせてIVaを得ることができる。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などの塩基の存在下でのアミンVとフッ化アリールIVaとの反応により、式Iaの化合物が得られる。
Figure 0007535537000065
[256]式Iの化合物の合成のさらなる説明として、式Ibの化合物の合成アプローチの1つをスキーム3に示す。商業的に入手可能なアザインドールIIb-AのNHの保護及びN-フルオロベンゼンスルホンイミドによるフッ素化は、式IIb-Cのフッ化物をもたらす。式IIb-Dのジフッ化物は、スキーム2に示すようにDoMアプローチを使用してIIb-Cから容易に調製することができる。IIb-DにおけるTIPSの切断とそれに続くNBSによる臭素化により、IIb-Dが臭化物IIb-Eに変換され、これをスキーム3に記載の反応によってIbに変換することができる。
Figure 0007535537000066
[257]場合によっては、前述の反応スキームを実施する順序は、反応を促進するために、又は望ましくない反応生成物を回避するために変更してもよい。本発明がより完全に理解され得るように以下の実施例を提示する。これらの実施例は例示にすぎず、どのような形であれ本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
中間体A
[258]2-クロロ-4-フェノキシ安息香酸メチル(A)
Figure 0007535537000067
[259]メチル2-クロロ-4-フェノキシベンゾアート(A)を、米国特許第9630968号、2017に記載の手順に従って調製した。
中間体B
[260]2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシベンズアルデヒド(B)
Figure 0007535537000068
[261]メチル2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシベンゾアート(B-1)
[262]トルエン(30mL)に、市販のメチル4-ブロモ-2-クロロ-6-フルオロベンゾアート(1.04g、3.89mmol)、フェノール(434mg、4.67mmol)、Pd(OAc)(90.0mg、0.401mmol)、Johnphos(1.7mg、0.0080mmol)、及びKPO(1.7g、8.0mmol)を混合した混合物を、N雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を、PEで溶出するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物であるメチル2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシベンゾアート(B-1)を得た。MS-ESI(m/z):281[M+1]
[263](2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)メタノール(B-2)
[264]THF/EtOH(1mL/0.5mL)にメチル2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシベンゾアート(B-1)(50mg、0.18mmol)を溶解した溶液に、氷水浴下でNaBH(20mg、0.53mmol)及びLiCl(22mg、0.53mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、混合物を氷水に注いだ。混合物をEtOAcで抽出し、HOとブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、(2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)メタノール(B-2)の粗生成物を得、これを次の工程にそのまま使用した。MS-ESI(m/z):253[M+1]
[265]2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシベンズアルデヒド(B)
[266]トルエン(15mL)に(2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)メタノール(B-2)(780mg、3.08mmol)及びMnO(2.0g、23mmol)を懸濁した懸濁液を、N雰囲気下、85℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(50:1)で溶出するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物である2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシベンズアルデヒド(B)を得た。MS-ESI(m/z):251[M+1]
実施例1
[267](2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((1r,4r)-4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)アミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(1)
Figure 0007535537000069
[268]3-ブロモ-4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1a)
[269]DMF(15mL)に室温の市販の4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1.525g、10.00mmol)を溶解した溶液に、NBS(1.87g、10.50mmol)を添加した。混合物をこの温度で1.5時間撹拌した。混合物を水(50mL)に注いだ。沈殿した固体を濾過によって回収し、水で洗浄し、空気中で乾燥させて、3-ブロモ-4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1a)を得た。MS-ESI(m/z):231/233/235(1:1.2:0.3)[M+1]
[270](4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)メタノン(1b)
[271]THF(7mL)に3-ブロモ-4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1a)(244mg、1.06mmol)を溶解した溶液に、-78℃で、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、0.89mL、2.2mmol)を滴下した。混合物をこの温度で1時間撹拌した。次いで、メチル2-クロロ-4-フェノキシベンゾアート(A)のTHF(2mL)溶液を滴下した。混合物を-78℃でさらに1時間撹拌した。この温度で、1N HCl(3mL)をゆっくり添加した。次いで、混合物を室温に加温し、水(10mL)で希釈し、EtOAc(2×)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をSiOカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン中20~70%EtOAcで溶出して、(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)メタノン(1b)を得た。MS-ESI(m/z):383[M+1]
[272]((1r,4r)-4-アミノシクロヘキシル)メタノールトリフルオロアセテート(1c)
[273]DCE(10mL)に市販のtert-ブチル((1r,4r)-4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)カルバメート(1.00g、4.36mmol)を溶解した溶液に、TFA(5mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、((1r,4r)-4-アミノシクロヘキシル)メタノールトリフルオロアセテート(1c)を得た。MS-ESI(m/z):130[M+1]
[274](2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((1r,4r)-4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)アミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(1)
[275]ジオキサン(1.5mL)に、((1r,4r)-4-アミノシクロヘキシル)メタノールトリフルオロアセテート(1c)(56.0mg、0.23mmol)及び(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)メタノン(1b)(44.0mg、0.115mmol)を溶解した溶液に、Pd(dba)(10.5mg、0.0115mmol)、キサントホス(13.3mg、0.023mmol)、及びCsCO(150mg、0.46mmol)を加えた。混合物をN下、110℃で54時間加熱した。冷却後、混合物を水で希釈し、EtOAc(2×)で抽出した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、DCM中5%メタノールで溶出して、(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((1r,4r)-4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)アミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(1)を得た。MS-ESI(m/z):476[M+1]
実施例2
[276](2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((3R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(2)
Figure 0007535537000070
[277]((2S,5R)-5-アミノテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メタノール塩酸塩(2a)
[278]表題化合物((2S,5R)-5-アミノテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メタノール塩酸塩(2a)を、米国特許出願公開第2018/051235号に記載された方法に従って調製した。
[279](2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((3R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(2)
[280]n-ブタノール(2mL)に、((2S,5R)-5-アミノテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メタノール塩酸塩(2a)(122mg、0.50mmol)及び(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)メタノン(1b)(89.6mg、0.234mmol)を溶解した溶液に、DIPEA(130mg、1.0mmol)を添加した。混合物をN下、125℃で一晩加熱した。冷却後、混合物を水で希釈し、EtOAc(3×)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、(DCM/MeOH=20:1)で溶出して、表題化合物である(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((3R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(2)を得た。MS-ESI(m/z):478[M+1]
実施例3
[281](2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((3R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(3)
Figure 0007535537000071
[282](4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)メタノール(3a)
[283]表題化合物(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)メタノール(3a)を、メチル2-クロロ-4-フェノキシベンゾアート(A)を2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシベンズアルデヒド(B)に置き換えることにより、1bの合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):403[M+1]
[284](4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)メタノン(3b)
[285](4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)メタノール(3a)(30mg、0.07mmol)のDMSO溶液に、室温でIBX(40mg、0.14mmol)を添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、EtOAc(3×)で抽出した。抽出物を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、(PE/EA=3:1)で溶出して、表題化合物である(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)メタノン(3b)を得た。MS-ESI(m/z):401[M+1]
[286](2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((3R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(3)
[287]表題化合物(2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)(4-(((3R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(3)を、(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-4-フェノキシフェニル)メタノン(1b)を(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(2-クロロ-6-フルオロ-4-フェノキシフェニル)メタノン(3b)に置き換えることにより、2の合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):496[M+1]
[288]実施例1~3について記載したのと本質的に同じ手順に従って、市販されているか又は文献で公知の適切な出発物質から、表1に列挙した実施例4~198を調製した。実施例4~198の構造及び名称を表1に示す。
Figure 0007535537000072

Figure 0007535537000073

Figure 0007535537000074

Figure 0007535537000075

Figure 0007535537000076

Figure 0007535537000077

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Figure 0007535537000080

Figure 0007535537000081

Figure 0007535537000082

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Figure 0007535537000085

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Figure 0007535537000087

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Figure 0007535537000097

Figure 0007535537000098

Figure 0007535537000099

Figure 0007535537000100

Figure 0007535537000101

Figure 0007535537000102

Figure 0007535537000103

Figure 0007535537000104
[289]キナーゼアッセイ
BTK(C481S)のキナーゼ活性を、Reaction Biology Corporationにおいてアッセイした。BTK(C481S)反応における基質、pEY(ポリ[Glu:TYr](4:1))(シグマ、カタログ番号P7244-250MG)を新鮮な反応緩衝液(20mM Hepes(pH7.5)、10mM MgCl、1mM EGTA、0.02%Brij35、0.02mg/ml BSA、0.1mM NaVO、2mM DTT、1%DMSO)中で調製した。BTK(C481S)(SignalChem、カタログ番号B10-12CH)を基質溶液に供給し、やさしく混合した。反応混合物中のBTK(C481S)及び基質の最終濃度は、それぞれ6nM及び0.2mg/mlであった。化合物を、3倍段階希釈工程を用いた1μMから始まる10点濃度/応答モードで試験した。
[290]100%DMSO中の化合物を、音響液体供給技術(Echo550;ナノリットル範囲)によってキナーゼ反応混合物に供給し、室温で20分間インキュベートした。10μMの[33P]-ATP(ATP:Sigma、カタログ番号:A7699;[33P]-ATP:Hartmann Analytic、カタログ番号:SCF-301-12)を反応混合物に供給して反応を開始させた。混合物を室温で120分間インキュベートした。独自のフィルター結合法を利用して放射能を検出した。キナーゼ活性データを、ビヒクル(DMSO)反応と比較した試験試料中の残存キナーゼ活性パーセントとして表した。GraphPad Prismソフトウェアを使用してIC50値を得た。
[291]上記のように調製した選択化合物を、本明細書に記載の生物学的手順に従ってアッセイした。結果を表2に示す。
Figure 0007535537000105
[292]細胞増殖アッセイ
化合物が細胞内のBTKの活性を阻害できるかどうかを調べるために、DOHH2(DSMZカタログ番号:ACC47)細胞を使用した機構ベースのアッセイを開発した。このアッセイでは、DOHH2細胞増殖の阻害を用いてBTKの阻害を検出した。細胞を採取し、最適化された細胞密度(5000細胞/ウェル)で96ウェルプレートに播種した。プレートを37℃、5%COで4時間インキュベートした。化合物を段階希釈し、10000、3333.3、1111.1、370.4、123.5、41.2、13.7、4.6、及び1.5nMの最終濃度でプレートに添加した。プレートを37℃、5%COで120時間インキュベートした。20μLのMTS/100μLの培地混合物溶液のアリコートを各ウェルに添加し、プレートを正確に2時間インキュベートした。25μLの10%SDSを各ウェルに添加することによって反応を停止させた。吸光度を、マイクロプレートリーダーによって490nm及び650nm(参照波長)で測定した。GraphPad Prism 5.0を用いてIC50を計算した。
[293]上記のように調製した選択化合物を、本明細書に記載の生物学的手順に従ってアッセイした。結果を表3に示す。
Figure 0007535537000106

Figure 0007535537000107
[294]薬物動態アッセイ
この試験の目的は、雄のSprague-Dawleyラット(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から供給)における実施例71及び実施例75の薬物動態を確認することであった。
[295]60%Phosal50PG(Lipoid、バッチ番号368315-3180028/009):30%PEG400(シグマ、バッチ番号MKCH6281):10%エタノール(メルク、バッチ番号K48244883634)中1mg/mLの溶液として製剤化した実施例71を、グループ1の動物に、1mg/kgの単回静脈内ボーラス注射で投与した。60%Phosal50PG(Lipoid、バッチ#368315-3180028/009):30%PEG400(シグマ、バッチ番号MKCH6281):10%エタノール(メルク、バッチ番号K48244883634)中1mg/mLの溶液として製剤化した実施例71を、グループ2の動物に、5mg/kgの単回経口胃管栄養(PO)投与で投与した。投与の0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12及び24時間後に血液試料を採取した。血漿中の実施例71の濃度をLC/MS/MS(LC:Waters UPLC;MS:API4000)によって測定した。結果を表4に示す。
[296]10%DMSO(シグマ、バッチ#LPC0S181):60%PEG400(シグマ、バッチ番号MKCH6281):30%水中2mg/mLの溶液として製剤化した実施例75を、グループ3の動物に、2mg/kgの単回静脈内ボーラス注射で投与した。10%DMSO(シグマ、バッチ#LPC0S181):60%PEG400(シグマ、バッチ番号MKCH6281):30%水中2mg/mLの溶液として製剤化した実施例75を、第4グループの動物に、10mg/kgの単回経口胃管栄養(PO)投与によって投与した。投与の0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12及び24時間後に血液試料を採取した。血漿中の実施例75の濃度をLC/MS/MS(LC:Waters UPLC;MS:Triple Quad 6500 plus)によって測定した。結果を表4に示す。
Figure 0007535537000108

Claims (22)

  1. (II)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
    Figure 0007535537000109

    [式中、
    環Qは、
    Figure 0007535537000110

    から選択され、それぞれは無置換であるか、又はR から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
    は、-O-であり、
    、X 、X 及びX が、CR X’ 及びNから独立して選択され、R X’ は、水素、重水素、ハロゲン、CN、C 1~10 アルキル、C 3~10 シクロアルキル、及び-(CR c1 d1 OR b1 から独立して選択され、各tは、0、1、2、3、及び4から独立して選択され、
    は、C 1~10 アルキルであり、ここで、アルキルは無置換であるか、又はR X1 から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており
    は、水素、ハロゲン、C 1~10 アルキル、-OR A2 、-C(O)NR A2 B2 、及びCNから選択され
    は、水素であり
    は、水素であり
    は、アリール、アリール-C 1~4 アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C 1~4 アルキルから選択され、ここで、アリール、及びヘテロアリールがそれぞれ、無置換であるか、又はR X5 から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、R X5 は、水素、C 1~10 アルキル、ハロゲン、CN、NO 、及び-OR b1 から独立して選択され、ここで、アルキルがそれぞれ無置換であるか、又はR から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており
    各R A2 が、水素、C 1~10 アルキル、C 2~10 アルケニル、C 3~10 シクロアルキル、及びC 3~10 シクロアルキル-C 1~4 アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、及びシクロアルキルがそれぞれ無置換であるか、又はR X2 から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
    B2 が、水素、及びC 1~10 アルキルから独立して選択され、
    各R X1 が、水素、C 1~10 アルキル、C 3~10 シクロアルキル、C 3~10 シクロアルキル-C 1~4 アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C 1~4 アルキル、ハロゲン、CN、NO 、-(CR c1 d1 NR a1 b1 、-(CR c1 d1 OR b1 、-(CR c1 d1 C(O)R a1 、-(CR c1 d1 C(O)OR b1 、-(CR c1 d1 OC(O)R b1 、-(CR c1 d1 C(O)NR a1 b1 、-(CR c1 d1 NR a1 C(O)R b1 、-(CR c1 d1 OC(O)NR a1 b1 、-(CR c1 d1 NR a1 C(O)OR b1 、-(CR c1 d1 NR a1 C(O)NR a1 b1 、-(CR c1 d1 NR a1 C(S)NR a1 b1 、-(CR c1 d1 NR a1 C(=NR e1 )NR a1 b1 、-(CR c1 d1 S(O) b1 、-(CR c1 d1 S(O)(=NR e1 )R b1 、-(CR c1 d1 N=S(O)R a1 b1 、-(CR c1 d1 S(O) OR b1 、-(CR c1 d1 OS(O) b1 、-(CR c1 d1 NR a1 S(O) b1 、-(CR c1 d1 NR a1 S(O)(=NR e1 )R b1 、-(CR c1 d1 S(O) NR a1 b1 、及び-(CR c1 d1 NR a1 S(O) NR a1 b1 から独立して選択され、ここで、各tは0、1、2、3、及び4から独立して選択され、アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクリルがそれぞれ無置換であるか、又はR から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
    各R X2 は、重水素、ハロゲン、及び-C(O)OR b1 から選択され、
    各R は、水素、C 1~10 アルキル、C 2~10 アルケニル、及びC 2~10 アルキニルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、及びアルキニルはそれぞれ無置換であるか、又はR から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、
    各R a1 及び各R b1 が、水素、C 1~10 アルキル、C 3~10 シクロアルキル、及びC 3~10 シクロアルキル-C 1~4 アルキルから独立して選択され、
    各R c1 及び各R d1 は、水素、及びC 1~10 アルキルから独立して選択され、
    各R e1 が、水素、C 1~10 アルキル、及びCNから独立して選択され、
    各R が、ハロゲン、CN、-NO 、-OR a2 、-S(O) a2 、-CHF 、-CF 、-OCHF 、及び-OCF から独立して選択され、
    各R a2 は、水素、及びC 1~10 アルキルから独立して選択され、
    各rが、0、1、及び2から独立して選択され、
    前記ヘテロアリールは、5~8個の環原子を有する単環式芳香族環系であって、1~3個のN、O及びSから独立して選択されるヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素であり、
    前記ヘテロシクリルは、3~12個の環原子を有する単環式脂肪族環系であって、1又は4個の環原子は、O、S、N及びPから独立して選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素原子である。]
  2. 環Qの置換基Rが、メチル及びエチニルから選択され、メチルの置換基Rが、F又はOHである、請求項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  3. が、C1~10アルキルであり、アルキルがR X1から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  4. が、メチルであり、メチルの置換基RX1が、OH、CN、NH
    Figure 0007535537000111

    から選択される、請求項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  5. (II)中の部分
    Figure 0007535537000112

    が、
    Figure 0007535537000113

    から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  6. (II)中の部分
    Figure 0007535537000114

    が、
    Figure 0007535537000115

    から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  7. X’が、水素、F、Cl、Br、CN、メチル、メトキシ、及びシクロプロピルから選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  8. X’が、水素、F、Cl、及びメチルから選択される、請求項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  9. 、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、アリール及びヘテロアリールが、それぞれ無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  10. 、フェニル、及びピリジニルから選択され、フェニル及びピリジニルが、それぞれ無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  11. が、フェニルであり、フェニル無置換であるか、又はRX5から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項10に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  12. 置換基RX5が、ハロゲン及びメトキシから選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  13. が、ピリジニルであり、ピリジニルが無置換である、請求項10に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  14. 、フェニル、
    Figure 0007535537000116

    から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  15. -ORA2のRA2が、水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、及びC3~10シクロアルキルから独立して選択され、アルキル、アルケニル及びシクロアルキルが、それぞれ無置換であるか、又はRX2から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  16. X2が、重水素及びハロゲンから選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  17. が、水素、F、Cl、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、-C(O)NH、CN、OH、
    Figure 0007535537000117

    から選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  18. 前記少なくとも1つの置換基が、1、2、3、又は4個の置換基を意味する、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
  19. Figure 0007535537000118

    Figure 0007535537000119

    Figure 0007535537000120

    Figure 0007535537000121

    Figure 0007535537000122

    Figure 0007535537000123

    Figure 0007535537000124

    Figure 0007535537000125

    Figure 0007535537000126

    から選択される化合物及びその薬学的に許容され得る塩。
  20. 請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体と、を含む医薬組成物。
  21. BTKの阻害に反応する状態を治療、改善又は予防するための医薬組成物であって、第2の治療薬と組み合わせて使用してもよい、請求項20に記載の医薬組成物
  22. 細胞増殖性障害を治療するための薬剤の調製における、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の使用。
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