以下に添付図面を参照して、撮像装置、撮像処理方法およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置の外観の一例を示す図である。図2は、撮像装置の構成を説明するための図である。図2には、図1の撮像装置の内部の構成を示している。
撮像装置1は、受光した光に基づいて決定される3次元情報を出力する情報処理装置の一例であり、撮像部(カメラ)11と、可視光以外の光を投射する投射部(距離センサの発光部に相当する部分)12と、投射部12が投射した光に基づいて距離情報を取得する距離情報取得部(距離センサの受光部に相当する部分)13とを筐体10に対して一体に設けたものである。各部は、筐体10内部の処理回路14と同期信号線Lにより電気的に接続されており、それぞれ同期して動作する。
撮影スイッチ15は、ユーザが処理回路14に撮影指示信号を入力するためのものである。表示部20は、処理回路14の出力信号に応じた内容を表示するものであり、液晶画面等により構成される。表示部20は、タッチパネル等により構成され、ユーザの操作入力を受け付けるようにしてもよい。撮影指示に基づき処理回路14は各部を制御してRGB画像や距離情報のデータを取得し、取得した距離情報のデータをRGB画像や距離情報のデータに基づいて高密度3次元点群データに再構築する処理を行う。距離情報のデータは、そのまま使用しても3次元点群データを構築することが可能だが、その場合、3次元点群データの精度が距離情報取得部13の画素数(解像度)に制限される。本例では、それを高密度の3次元点群データに再構築する場合の処理についても示す。再構築したデータは可搬型の記録媒体や通信などを介して外部のPCなどに出力され、3次元復元モデルの表示に利用される。
各部や処理回路14には、筐体10内部に収容されるバッテリから電力が供給される。この他にも、筐体10の外部から接続コードにより電力供給を受ける構成としてもよい。
撮像部11は、撮像素子11a、11Aや、魚眼レンズ(広角レンズ)11b、11Bなどを有する。投射部12は、光源部12a、12Aや広角レンズ12b、12Bなどを有する。距離情報取得部13は、TOF(Time Of Fright)センサ13a、13Aや広角レンズ13b、13Bなどを有する。なお、各部は、図示を省略しているがプリズムやレンズ群などの光学系を構成してよい。例えば、撮像部11に、魚眼レンズ11b、11Bが集めた光を撮像素子11a、11Aに結像するための光学系を構成してよい。また、投射部12に、光源部12a、12Aの光を広角レンズ12b、12Bに導く光学系を構成してよい。また、距離情報取得部13に広角レンズ13b、13Bが集めた光をTOFセンサ13a、13Aに結像するための光学系を構成してよい。各光学系については、撮像素子11a、11A、光源部12a、12A、TOFセンサ13a、13Aなどの構成や配置に応じて適宜決めてよいものとし、ここでは、プリズムやレンズ群などの光学系については省略して説明する。
撮像素子11a、11A、光源部12a、12A、およびTOFセンサ13a、13Aは、筐体10の内部に一体的に収められている。魚眼レンズ11bと、広角レンズ12bと、広角レンズ13bと、表示部20とは、それぞれ筐体10の正面側の第1の面に設けられている。第1の面において、魚眼レンズ11b、広角レンズ12b、および広角レンズ13bのぞれぞれの内側の範囲は開口している。
魚眼レンズ11Bと、広角レンズ12Bと、広角レンズ13Bと、撮影スイッチ15とは、それぞれ筐体10の背面側の第2の面に設けられている。第2の面において、魚眼レンズ11B、広角レンズ12B、および広角レンズ13Bのぞれぞれの内側の範囲は開口している。
撮像素子11a、11Aは、2次元解像度のイメージセンサ(エリアセンサ)である。撮像素子11a、11Aは、2次元方向に各画素の受光素子(フォトダイオード)が多数配列された撮像エリアを有する。撮像エリアには可視光を受光するためにベイヤ配列等のR(Red)とG(Green)とB(Blue)のカラーフィルタが設けられており、カラーフィルタを通過した光がフォトダイオードに蓄電される。ここでは、広角(例えば図2に示す撮像方向を正面とする周囲180度の半天球の範囲など)の2次元画像を高解像度で取得することができるように画素数の多いイメージセンサを使用する。撮像素子11a、11Aは、その撮像エリアに結像した光を各画素の画素回路で電気信号に変換して高解像度のRGB画像を出力する。魚眼レンズ11b、11Bは、広角(例えば図2に示す撮像方向を正面とする周囲180度の半球の範囲など)から光を集め、その光を撮像素子11a、11Aの撮像エリアに結像する。
光源部12a、12Aは、半導体レーザであり、距離の計測に用いる可視光領域以外(ここでは一例として赤外とする)の波長帯のレーザ光を出射する。光源部12a、12Aには、1つの半導体レーザを用いてもよいし、複数の半導体レーザを組み合わせて使用してもよい。また、半導体レーザとして例えばVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)などの面発光型の半導体レーザを使用してもよい。また、半導体レーザの光を光学レンズにより縦に長くなるように成形し、縦長にした光を、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーなどの光偏向素子で計測範囲の一次元方向に走査するような構成にしてもよい。本実施の形態では、光源部12a、12Aとして、半導体レーザLAの光をMEMSミラーなどの光偏向素子を使用せずに広角レンズ12b、12Bを介して広角の範囲に広げる形態を示している。
光源部12a、12Aの広角レンズ12b、12Bは、光源部12a、12Aが出射した光を広角(例えば図2に示す撮像方向を正面とする周囲180度の半球の範囲など)の範囲に広げる機能を有する。
距離情報取得部13の広角レンズ13b、13Bは、投射部12により投射された光源部12a、12Aの光の反射光を、計測範囲である広角(例えば図2に示す撮像方向を正面とする周囲180度の半球の範囲など)の各方向から取り込み、それらの光をTOFセンサ13a、13Aの受光エリアに結像する。計測範囲には一つまたは複数の被投射物(例えば建物など)が含まれており、被投射物で反射した光(反射光)が広角レンズ13b、13Bに入射する。反射光は、例えば広角レンズ13b、13Bの表面全体に赤外領域の波長以上の光をカットするフィルタを設けるなどして取り込んでよい。なお、これに限らず、受光エリアに赤外領域の光が入射すればよいため、広角レンズ13b、13Bから受光エリアまでの光路にフィルタなど赤外領域の波長の光を通す手段を設けてもよい。
TOFセンサ13a、13Aは、2次元解像度の光センサである。TOFセンサ13a、13Aは多数の受光素子(フォトダイオード)が2次元方向に配列された受光エリアを有する。この意味で「第2の撮像受光手段 」と言えるである。TOFセンサ13a、13Aは、計測範囲の各エリア(各エリアを位置とも言う)の反射光を、各エリアに対応する受光素子で受光し、各受光素子で検出した光に基づき各エリアまでの距離を計測(算出)する。
本実施形態では、位相差検出方式で距離を計測する。位相差検出方式では、基本周波数で振幅変調したレーザ光を計測範囲に照射し、その反射光を受光して照射光と反射光との位相差を測定することで時間を求め、その時間に光速をかけて距離を算出する。この方式では、ある程度の解像度が見込めることが強みである。
TOFセンサ13a、13Aは、投射部12による光の照射に同期して駆動し、各受光素子(画素に対応)で反射光との位相差から各画素に対応する距離を算出し、画素情報に計測範囲内の各エリアまでの距離を示す情報を対応付けた距離情報画像データ(後において「距離画像」や「TOF画像」とも言う)を出力する。TOFセンサ13a、13Aは、画素情報に位相情報を対応付けた位相情報画像データを出力し、後処理にて位相情報画像データに基づき距離情報画像データを取得してもよい。
なお、測定範囲を分割することができるエリア数は、受光エリアの解像度によって決まる。従って、小型化のため解像度が低いものを使用した場合、距離画像データの画素情報の数が減少するため、3次元点群の数も少なくなる。
なお、他の形態として、位相差検出方式に代えて、パルス方式で距離を計測してもよい。その場合、例えば、光源部12a、12Aで、立ち上がり時間が数ナノ秒(ns)で且つ光ピークパワーが強い超短パルスの照射パルスP1を出射し、これに同期してTOFセンサ13a、13Aにより、光源部12a、12Aが出射した照射パルスP1の反射光である反射パルスP2の受光までにかかる時間(t)を計測する。この方式を採用する場合、例えばTOFセンサ13a、13Aとして、受光素子の出力側に時間の計測を行う回路などを実装したものを使用する。各回路では、受光素子毎に、光源部12a、12Aが照射パルスP1を出射してから反射パルスP2を受光するまでにかかる時間を距離に換算し、各エリアまでの距離を得る。
この方式は、ピーク光を使用し強力な光を出力することができるので、撮像装置1の広角化に適している。また、MEMSミラーなどを使用して光を振る(走査する)構成にした場合には、強力な光を、広がりを抑えつつ遠くまで照射することができるため、測定距離の拡大に繋がる。この場合、光源部12a、12Aから出射されたレーザ光を、MEMSミラーにより広角レンズ12b、12Bへ向けて走査(偏向)するような配置関係とする。
なお、撮像部11の有効画角と距離情報取得部13の有効画角は例えば180度以上で一致していることが望ましいが、必ずしも一致していなくてもよい。必要に応じて撮像部11の有効画角と距離情報取得部13の有効画角とをそれぞれ減じてもよい。本実施例では、撮像部11および距離情報取得部13は画角に干渉するものがないように例えば100度~180度の範囲内などに有効画素を減じている。また、TOFセンサ13a、13Aの解像度は、撮像装置1の小型化を優先して撮像素子11a、11Aの解像度よりも低く設定してよい。TOFセンサ13a、13Aを撮像素子11a、11Aよりも低解像度のものとすることにより、受光エリアのサイズ拡大を抑えることができるため、撮像装置1の小型化に繋げることができる。このためTOFセンサ13a、13Aは低解像度になり、TOFセンサ13a、13Aで得られる3次元点群は低密度となるが、「取得手段」である処理回路14を設けているため高密度の3次元点群に変換することができる。処理回路14において高密度の3次元点群に変換する処理については後述する。
本実施の形態では、一例として、撮像素子11aと、光源部12aと、TOFセンサ13aとは筐体10の長手方向に直線上に並ぶように設けている。同様に、撮像素子11Aと、光源部12Aと、TOFセンサ13Aとは筐体10の長手方向に直線上に並ぶように設けている。以下、撮像素子11aと、光源部12aと、TOFセンサ13aの例で説明する。
撮像素子11aの撮像エリア(撮像面)やTOFセンサ13aの受光エリア(受光面)は、図2に示すように長手方向に直交する方向に向けて配置してもよいし、光の直進方向(光路)を90度変換して入射させるプリズムなどを設けることで長手方向に向けて配置してもよい。この他にも、構成に応じて任意の向きに配置してもよい。つまりは、撮像素子11aと、光源部12aと、TOFセンサ13aとは、同じ計測範囲が対象となるように配置される。撮像部11と、投射部12と、距離情報取得部13とが筐体10の一面側から、その測定範囲に向けて配置される。 この際に、撮像素子11aとTOFセンサ13aとを、平行ステレオ化するように同一基線上に配置できればよい。平行ステレオ化するように配置することにより、撮像素子11aが1つであっても、TOFセンサ13aの出力を利用して視差データを得ることが可能になる。光源部12aは、TOFセンサ13aの計測範囲に光を照射することができるように構成する。
(処理回路)
続いて、処理回路14の処理について説明する。TOFセンサ13a、13Aだけで得たTOF画像は、そのままでは解像度が低い。このため、本例では処理回路14により高解像度化し、高密度の3次元点群データを再構築する例を示す。なお、処理回路14における「情報処理手段」としての以下に示す処理の一部または全ては、外部装置で行ってもよい。
前述したように、撮像装置1で再構築された3次元点群データは、可搬型の記録媒体や通信などを介してPCなどの外部装置に出力され、3次元復元モデルの表示に利用される。
これにより、撮像装置1自体が3次元復元モデルの表示を行う場合に比べて、高速化、小型化、軽量化により携帯性に優れた撮像装置1を提供することができる。
しかしながら、3次元情報を取得する現場から離れて、外部装置により3次元情報を復元した後に、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことに気づく場合があり、その場合、3次元情報を取得する現場を再訪問する手間がかかる。
これを解決するには、現場に3次元復元装置を持ち込むことが考えられるが、そうすると、高速化、小型化、軽量化というメリットがなくなってしまう。
また、取得した3次元情報を通信回線により外部装置に送信し、復元された3次元情報を受信することも考えられるが、高速化のメリットが無くなるのと、そもそも3次元情報は情報量が多いので、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みを目視で確認するのは困難である。
特に全天球3次元情報の場合は、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みを目視で確認するのは極めて困難である。
本実施形態は、以上の課題に鑑み、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことをリアルタイムで容易に確認できる撮像装置1を提供することを目的とする。
図3は、同実施形態における撮像装置の使用状況を説明するための図である。
図3(a)に示す状態では、撮影者Mおよび撮像装置1を支持する自撮り棒1Aは、全天球撮像範囲Rに含まれておらず、撮影者Mおよび自撮り棒1Aが、全天球の撮像画像に写りこむことはない。
図3(b)に示す状態では、撮影者Mが全天球撮像範囲Rに含まれており、撮影者Mが、全天球の撮像画像に写りこんでしまう。
図3(c)に示す状態では、撮像装置1を支持する三脚1Bが全天球撮像範囲Rに含まれており、三脚1Bが、全天球の撮像画像に写りこんでしまう。
図3(d)に示す状態では、撮影者Mおよび撮像装置1を支持する自撮り棒1Aは、全天球撮像範囲Rに含まれておらず、撮影者Mおよび自撮り棒1Aが、全天球の撮像画像に写りこむことはないが、外光が強いため、写りこみを誤判定する可能性がある。
また、図3(b)および図3(c)に示す状態では、写りこむ物体の色や種類、およびその見え方が多様であるため、一律に写りこみの有無を判断するのは困難であった。
以上の状況に対して、TOFセンサ13a、13Aから出力される距離情報画像データに基づき、撮影者自身や三脚等の特定の対象物(近接物)の有無を判断する場合、本当に特定の対象物が存在するのか、外光が強すぎるのか、区別することが困難であった。
すなわち、TOFセンサ13a、13Aの特定の画素の蓄電量が飽和している場合、特定の対象物が存在しているのが原因なのか、外光の強度が強すぎるのか、TOFセンサ13a、13Aの出力からだけでは、区別することが困難であった。
本実施形態は、以上の課題に鑑み、外光の影響と区別して、撮影者自身や三脚等の特定の対象物の撮像画像への写り込みの有無を正確に確認することができる撮像装置1を提供することを他の目的とする。
図4は、処理回路14の処理ブロックの構成の一例を示す図である。図4に示す処理回路14は、制御部141と、RGB画像データ取得部142と、モノクロ処理部143と、TOF画像データ取得部144と、高解像度化部145と、マッチング処理部146と、再投影処理部147と、セマンティックセグメンテーション部148と、視差計算部149と、3次元再構成処理部150と、判断部160と、出力部の一例である表示制御部170と、出力部の一例である送受信部180とを有する。なお、図4において、実線矢印は信号の流れを示し、破線矢印はデータの流れを示している。
制御部141は、撮影スイッチ15からON信号(撮影開始信号)を受けると撮像素子11a、11A、光源部12a、12A、およびTOFセンサ13a、13Aに同期信号を出力し、処理回路14全体を制御する。制御部141は、先ず光源部12a、12Aに超短パルスの出射を指示する信号を出力し、これと同じタイミングでTOFセンサ13a、13AにTOF画像データの生成を指示する信号を出力する。さらに、制御部141は、撮像素子11a、11Aに撮像を指示する信号を出力する。なお、撮像素子11a、11Aにおける撮像は、光源部12a、12Aから出射されている期間でもよいし、その前後の直近の期間でもよい。
RGB画像データ取得部142は、制御部141による撮像指示に基づき、撮像素子11a、11Aが撮像したRGB画像データを取得して、全天球のRGB画像データを出力する。モノクロ処理部143は、TOFセンサ13a、13Aから得られるTOF画像データとのマッチング処理のためにデータ種を揃えるための処理を行う。この例では、モノクロ処理部143は、全天球のRGB画像データを全天球のモノクロ画像に変換する処理を行う。
TOF画像データ取得部144は、制御部141によるTOF画像データの生成指示に基づき、TOFセンサ13a、13Aが生成したTOF画像データを取得して、全天球のTOF画像データを出力する。
高解像度化部145は、全天球のTOF画像データをモノクロ画像に見立て、その解像度を高解像度化する。具体的に、高解像度化部145は、全天球のTOF画像データの各画素に対応付けられている距離の値を、全天球のモノクロ画像の値(グレースケール値)に置き換えて使用する。さらに、高解像度化部145は、全天球のモノクロ画像の解像度を撮像素子11a、11Aから得られた全天球のRGB画像データの解像度まで高解像度化する。高解像度への変換は、例えば通常のアップコンバート処理を施すことにより行う。その他の変換方法としては、例えば連続して生成された全天球のTOF画像データを複数フレーム取得し、それらを利用して隣接する地点の距離を追加して超解像度処理を施すなどしてもよい。
マッチング処理部146は、全天球のTOF画像データを高解像度化した全天球のモノクロ画像と、全天球のRGB画像データの全天球のモノクロ画像とについて、テクスチャのある部分の特徴量を抽出し、抽出した特徴量によりマッチング処理を行う。例えば、マッチング処理部146は、各モノクロ画像からエッジを抽出し、抽出したエッジ情報同士でマッチング処理を行う。この他の方法として、例えばSIFT等のテクスチャの変化を特徴量化した手法でマッチング処理を行ってもよい。ここでマッチング処理とは、対応画素の探索のことを意味する。
マッチング処理の具体的な手法として、例えばブロックマッチングがある。ブロックマッチングは、参照する画素の周辺で、M×M(Mは正の整数)ピクセルサイズのブロックとして切り出される画素値と、もう一方の画像のうち、探索の中心となる画素の周辺で、同じくM×Mピクセルのブロックとして切り出される画素値の類似度を計算し、最も類似度が高くなる中心画素を対応画素とする方法である。
類似度の計算方法は様々である。例えば、正規化自己相関係数CNCC(NCC:Normalized Correlation Coefficient)を示す式を用いても良い。正規化自己相関係数CNCCは数値が高いほど類似度が高いことを示し、ブロックの画素値が完全に一致していれる場合に1となる。
また、全天球のTOF画像データからテクスチャレス領域の距離のデータも得られるため、領域に応じてマッチング処理に重みをつけてもよい。例えばCNCCを示す式の計算において、エッジ以外の箇所(テクスチャレス領域)に重みをかける計算を行ってもよい。
また、NCCを示す式の代わりに、選択的正規化相関(SCC:Selective Correlation Coefficient)などを用いてもよい。
再投影処理部147は、計測範囲の各位置の距離を示す全天球のTOF画像データを撮像部11の2次元座標(スクリーン座標系)に再投影する処理を行う。再投影するとは、TOFセンサ13a、13Aが算出する3次元点が、撮像素子11a、11Aの画像ではどの座標に写るかを求めることである。全天球のTOF画像データは、距離情報取得部13(主に広角レンズ13b、13B)を中心とする座標系における3次元点の位置を示す。従って、全天球のTOF画像データが示す3次元点を、撮像部11(主に魚眼レンズ11b、11B)を中心とする座標系に再投影する。例えば、再投影処理部147は、全天球のTOF画像データの3次元点の座標を撮像部11を中心とする3次元点の座標に平行移動し、平行移動後に、全天球のRGB画像データが示す2次元の座標系(スクリーン座標系)に変換する処理を施す。
視差計算部149は、マッチング処理により得られた対応画素との距離のズレから各位置の視差を計算する。
なお、視差のマッチング処理は、再投影処理部147が変換した再投影座標を利用して、再投影座標の位置の周辺画素を探索することで、処理時間の短縮や、より詳細で高解像度な距離情報を取得することが可能になる。
また、視差のマッチング処理にセマンティックセグメンテーション部148のセマンティックセグメンテーション処理により得られたセグメンテーションデータを利用してもよい。その場合、さらに詳細で高解像度の距離情報を取得することができるようになる。
また、エッジのみや、強い特徴量のある部分のみ、視差のマッチング処理を行い、その他の部分は、全天球のTOF画像データも利用し、例えば全天球のRGB画像特徴や確率的な手法を利用し、伝搬処理を行ってもよい。
セマンティックセグメンテーション部148は、深層学習を利用して、計測範囲の入力画像に対して対象物を示すセグメンテーションラベルを付与する。これにより、全天球のTOF画像データの各画素を、距離毎に分けた複数の距離領域の何れかに拘束させることができるので、計算の信頼性がさらに高まる。
3次元再構成処理部145は、RGB画像データ取得部142から全天球のRGB画像データを取得し、視差計算部149が出力した距離情報に基づいて全天球の3次元データを再構成し、各3次元点に色情報を付加した全天球の高密度3次元点群を出力する。3次元再構成処理部150は、3次元情報を決定する3次元情報決定部の一例である。
判断部160は、RGB画像データ取得部142から全天球のRGB画像データを取得するとともに、再投影処理部147から全天球のRGB画像データが示す2次元の座標系に変換された全天球のTOF画像データを取得し、これらのデータに基づき、特定の対象物の撮像画像への写り込みの有無を判断し、判断結果を表示制御部170へ出力する。
表示制御部170は、RGB画像データ取得部142から全天球のRGB画像データを取得し、取得した全天球のRGB画像データに基づく2次元画像情報を表示部20に表示させる。また、表示制御部170は、判断部160から取得した判断結果を示す情報を2次元画像情報に重畳させて表示部20に表示させる。
表示制御部170は、3次元情報とは別に撮像部11により撮像された2次元画像情報を出力する出力部の一例であり、表示部20は、2次元画像情報を出力する出力先の一例である。
表示制御部170は、3次元再構成処理部145から全天球の3次元データを取得し、3次元情報を表示部20に表示させてもよい。具体的には、表示制御部170は、2次元画像情報を表示部20に表示させる場合と、3次元情報を表示部20に表示させる場合を所定の条件に従って選択してもよい。これにより、表示制御部170は、3次元情報とは別に2次元画像情報を出力することができる。
送受信部180は、有線または無線技術により外部装置と通信を行うものであり、3次元再構成処理部145から出力される全天球の3次元データおよびRGB画像データ取得部142から出力される全天球の2次元画像情報をネットワーク400経由で3次元復元処理を行う外部装置300へ送信(出力)する。
送受信部180は、3次元情報を出力する出力部の一例であり、外部装置300は、3次元情報を出力する出力先の一例である。
送受信部180は、全天球の2次元画像情報は送信せず、全天球の3次元データのみ送信してもよい。また、送受信部180は、SDカード等の可搬型の記憶媒体やパーソナルコンピュータなどとのインターフェース回路により構成されてもよい。
(処理回路の動作)
図5は、撮像装置1の処理回路14の動作の一例を示すフロー図である。処理回路14の制御部141は、ユーザにより撮影スイッチ15がONされ、撮影指示信号が入力されると、次のような方法で高密度3次元点群を生成する動作を行う(撮像処理方法および情報処理方法の一例)。
先ず、制御部141は、光源部12a、12Aと、TOFセンサ13a、13Aと、撮像素子11a、11Aとを駆動して計測範囲を撮影する(ステップS1)。制御部141による駆動により、光源部12a、12Aが赤外光を照射し(投射ステップの一例)、その反射光をTOFセンサ13a、13Aが受光する(受光ステップの一例)。また、撮像素子11a、11Aが、光源部12a、12Aの駆動開始のタイミングあるいはその直近の期間に計測範囲を撮像する(撮像ステップの一例)。
次に、RGB画像データ取得部142が、撮像素子11a、11Aから計測範囲のRGB画像データを取得する(ステップS2)。そして、表示制御部170は、RGB画像データ取得部142から全天球のRGB画像データを取得し、取得した全天球のRGB画像データに基づく2次元画像情報を表示部20に表示させる(2次元画像情報出力ステップの一例)(ステップS3)。
表示制御部170は、取得した全天球のRGB画像データのうちの一部の領域の2次元画像情報を表示部20に表示させ、ユーザの各種入力により、表示部20に表示される2次元画像情報の領域を変更する。ユーザの各種入力は、撮影スイッチ15以外の操作スイッチを設けることや、表示部20をタッチパネル等の入力部として構成することにより、実現できる。
この段階で、撮影者は、表示部20に表示された2次元画像情報により、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの2次元画像情報が取得されていないことを確認することができる。
次に、TOF画像データ取得部144が、TOFセンサ13a、13Aから2次元領域の各位置の距離を示すTOF画像データを取得する(ステップS4)。
次に、モノクロ処理部143が、RGB画像データをモノクロ画像へ変換する(ステップS5)。TOF画像データとRGB画像データとでは、それぞれが距離データとRGBデータとでデータ種が異なり、そのままではマッチングを行うことができない。従って、先ず一旦、それぞれのデータをモノクロ画像に変換する。TOF画像データについては、高解像度化部145が高解像度化の前に各画素の距離を示す値を、そのままモノクロ画像の値に置き換えることで変換する。
次に、高解像度化部145がTOF画像データの解像度を高解像度化する(ステップS6)。
次に、マッチング処理部146が、各モノクロ画像についてテクスチャのある部分の特徴量を抽出し、抽出した特徴量でマッチング処理を行う(ステップS7)。
次に、判断部160は、RGB画像データ取得部142から全天球のRGB画像データを取得するとともに、再投影処理部147からRGB画像データが示す2次元の座標系に変換された全天球のTOF画像データを取得し、これらのデータに基づき、特定の対象物としての近接物の撮像画像への写り込みの有無を判断し、判断結果を表示制御部170へ出力する。表示制御部170は、判断部160から取得した判断結果を示す情報を2次元画像情報に重畳させて表示部20に表示させる(表示ステップの一例)(ステップS8)。
次に、視差計算部149が、対応画素の距離のズレから各位置の視差を計算する(ステップS9)。
そして、3次元再構成処理部145が、RGB画像データ取得部142からRGB画像データを取得し、視差計算部149が出力した距離情報に基づいて3次元データを再構成し、各3次元点に色情報を付加した高密度3次元点群を出力する(ステップS10)。
次に、送受信部180は、3次元再構成処理部145から出力される3次元データおよびRGB画像データ取得部142から出力される2次元画像情報をネットワーク400経由で3次元復元処理を行う外部装置300へ送信する(3次元情報出力ステップの一例)(ステップS11)。
送受信部180は、RGB画像データ取得部142から出力される2次元画像情報は送信することなく、3次元再構成処理部145から出力される3次元データを送信してもよい。
以上説明したように、撮像装置1は、撮像部11と、3次元情報とは別に撮像部11により撮像された2次元画像情報を出力する表示制御部170備える。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、3次元情報を確認することなく、2次元画像情報から容易に確認することが可能になる。
したがって、3次元情報を取得する現場に居ながら、3次元情報再取得することが可能になり、3次元情報を取得する現場から離れた後で、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことに気づく場合に比べて、再度、3次元情報を取得する現場を訪問する手間が低減される。
3次元情報は、全天球3次元情報を含む。この場合、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、確認することが困難な全天球3次元情報においても、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、撮像部11により撮像された2次元画像情報から容易に確認することが可能になる。
表示制御部170は、ステップS11で送受信部180が3次元情報を送信(出力)する前に、ステップS3で2次元画像情報Gを出力する。表示制御部170は、ステップS10で3次元再構成処理部150が3次元情報を決定する前に、ステップS3で2次元画像情報Gを出力する。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、3次元情報を確認する前に、2次元画像情報から確認することが可能になる。
表示制御部170は、表示部20に2次元画像情報を表示させる。撮像装置1は、表示部20を備える。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、表示部20に表示される2次元画像情報から容易に確認することが可能になる。
表示制御部170は、送受信部180が3次元情報を出力する外部装置300とは異なる表示部20へ、2次元画像情報を出力する。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、外部装置300に出力される3次元情報を確認することなく、外部装置300とは異なる表示部20に出力される2次元画像情報から確認することが可能になる。
撮像装置1は、距離情報取得部13の出力に基づき3次元情報を決定する3次元再構成処理部150を備える。3次元再構成処理部150は、距離情報取得部13の出力と、2次元画像情報に基づき、3次元情報を決定する。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、3次元再構成処理部150で決定される3次元情報を確認することなく、撮像部11により撮像された2次元画像情報から確認することが可能になる。
図6は、同実施形態における全天球画像データ生成フロー図である。
図6(a)は、図5で説明したステップS2に対応する全天球のRGB画像データの生成処理を示すフローチャートである。
RGB画像データ取得部142は、魚眼画像形式の2つのRGB画像データを入力する(ステップS201)。
RGB画像データ取得部142は、各RGB画像データを正距円筒画像形式に変換する(ステップS202)。RGB画像データ取得部142は、2つのRGB画像データを同じ座標系に基づいて正距円筒画像形式に変換することで、次のステップでの画像結合を容易にする。
ここで、正距円筒画像形式について説明する。正距円筒画像形式は、全天球画像を表現可能な方式であり、正距円筒図法を用いて作成される画像(正距円筒画像)の形式である。正距円筒図法とは、地球儀の緯度経度のような、2変数で3次元の方向を表し、緯度経度が直交するように平面表示した図法である。従って、正距円筒画像は、正距円筒図法を用いて生成された画像であり、球面座標系の2つの角度変数を2軸とする座標で表現されている。
RGB画像データ取得部142は、ステップS202で生成された2つのRGB画像データを結合し、1枚の全天球RGB画像データを生成する(ステップS203)。入力された2つのRGB画像データは、全画角180度超の領域をカバーしている。このため、この2つのRGB画像データを適切に繋ぐことで生成された全天球RGB画像データは、全天球領域をカバーすることができる。
なお、ステップS203における結合処理は、複数画像を繋ぐための既存の技術を用いることができ、特に方法を限定しない。
図6(b)は、図5で説明したステップS4に対応する全天球のTOF画像データの生成処理を示すフローチャートである。
TOF画像データ取得部144は、魚眼画像形式の2つの距離画像データを取得する(ステップS401)。
TOF画像データ取得部144は、魚眼画像形式の2つのTOF画像データをそれぞれ正距円筒画像形式に変換する(ステップS402)。正距円筒画像形式は、上述の通り、全天球画像を表現可能な方式である。本ステップS402において、2つのTOF画像データを同じ座標系に基づいて正距円筒画像形式に変換することで、次のステップS403での画像結合を容易にする。
TOF画像データ取得部144は、ステップS402で生成された2つのTOF画像データを結合し、1枚の全天球TOF画像データを生成する(ステップS403)。入力された2つのTOF画像データは、全画角180度超の領域をカバーしている。このため、この2つのTOF画像データを適切に繋ぐことで生成された全天球TOF画像データは、全天球領域をカバーすることができる。
なお、ステップS403における結合処理は、複数画像を繋ぐための既存の技術を用いることができ、特に方法を限定しない。
図7は、同実施形態における近接物判断フロー図である。
図7は、図5で説明したステップS8に対応する近接物の撮像画像への写り込みの有無の判断処理を示すフローチャートである。
判断部160は、再投影処理部147から取得した全天球のTOF画像データに基づき、全天球のTOF画像データの中に蓄電量が飽和している画素があるか判断する(ステップS801)。
判断部160は、ステップS801で蓄電量が飽和している画素があった場合、RGB画像データ取得部142から取得した全天球のRGB画像データに基づき、全天球のRGB画像データのうち、ステップS801で蓄電量が飽和していた画素と同一座標の画素について、蓄電量が飽和しているか判断する(ステップS802)。
判断部160は、ステップS802で蓄電量が飽和している場合、ステップS801で蓄電量が飽和している画素は、外光によるものであると判断し、エラー情報を表示制御部170へ出力する。表示制御部170は、判断部160から取得したエラー情報に基づき、エラー情報を2次元画像情報に重畳させて表示部20に表示させる(ステップS803)。
判断部160は、ステップS802で蓄電量が飽和していない場合、ステップS801で蓄電量が飽和している画素は、近接物の存在によるものであると判断し、ステップS801で蓄電量が飽和していた画素の座標位置情報を表示制御部170へ出力する。表示制御部170は、判断部160から取得した画素の座標位置情報に基づき、近接物を識別する識別情報を2次元画像情報に重畳させて表示部20に表示させる(ステップS804)。
判断部160は、ステップS801で蓄電量が飽和している画素がなかった場合、再投影処理部147から取得した全天球のTOF画像データに基づき、全天球のTOF画像データのうち、0.5m以下の距離情報を示す画素があるか判断する(ステップS805)。
判断部160は、ステップS805で0.5m以下の距離情報を示す画素がない場合、処理を終了する。
判断部160は、ステップS805で0.5m以下の距離情報を示す画素がある場合、前述したステップS804へ移行し、ステップS805で0.5m以下の距離情報を示す画素は、近接物の存在によるものであると判断し、ステップS805で0.5m以下の距離情報を示していた画素の座標位置情報を表示制御部170へ出力する。表示制御部170は、判断部160から取得した画素の座標位置情報に基づき、近接物を識別する識別情報を2次元画像情報に重畳させて表示部20に表示させる。
以上説明したように、表示制御部170は、近接物が存在すると判断した場合には識別情報を2次元画像情報に重畳させ、近接物が存在すると判断しない場合には識別情報を2次元画像情報に重畳させない。
すなわち、表示制御部170は、近接物の存在の有無に応じて、表示部20に異なる表示をさせる。
また、表示制御部170は、判断部160から取得した画素の座標位置情報に基づき、近接物を識別する識別情報を2次元画像情報に重畳させて表示部20に表示させる。
すなわち、表示制御部170は、近接物の位置に応じて、表示部20に異なる位置の表示をさせる。
図8は、同実施形態における表示部の表示内容を説明するための図である。
図8は、図5に示したステップS2、図7に示したステップS803およびステップS804に対応する説明図である。
表示部20には、表示制御部170により、2次元画像情報Gが表示されている。また、表示部20には、表示制御部170により、近接物を識別する識別情報G1、G2およびエラー情報G3が、それぞれ2次元画像情報Gに重畳して表示されている。
以上説明したように、撮像装置1は、対象を撮像する撮像部11と、対象に光を投射する投射部12と、対象から反射してきた光を受光する距離情報取得部13と、距離情報取得部13の出力と、撮像部11の出力と、に基づき判断される近接物の有無に応じて、表示部20に異なる表示をさせる表示制御部170と、を備える。
これにより、撮影者は、外光の影響と区別して、撮影者自身や三脚等の近接物の撮像画像への写り込みの有無を正確に確認することができる。
撮像装置1は、表示部20を備える。これにより、撮影者は、近接物の撮像画像への写り込みの有無を確実に確認することができる。
表示制御部170は、近接物の位置に応じて、表示部20に異なる位置の表示をさせる。これにより、撮影者は、近接物の撮像画像への写り込みの位置を確認することができる。
表示制御部170は、撮像部11が撮像した画像情報Gを表示部20に表示させるとともに、近接物を識別する識別情報G1、G2を画像情報に重畳させて表示部20に表示させる。これにより、撮影者は、近接物の撮像画像への写り込みの位置を確実に確認することができる。
撮像装置1は、距離情報取得部13が受光した光による蓄電量が飽和しており、かつ撮像部11の画素の蓄電量が飽和していない場合、近接物があると判断する判断部160を備える。
これにより、撮影者は、外光の影響と区別して、近接物の撮像画像への写り込みの有無を正確に確認することができる。
図9は、同実施形態の変形例に係る撮像装置の外観を示す図である。図10は、変形例における処理回路の処理ブロックの構成を示す図である。
本変形例において、表示制御部170は、RGB画像データ取得部142から全天球のRGB画像データを取得し、取得した全天球のRGB画像データに基づく2次元画像情報を表示装置500の表示部520に表示させる。表示部520は、2次元画像情報を出力する出力先の一例である。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、表示部520に表示される2次元画像情報から容易に確認することが可能になる。
表示制御部170は、送受信部180が3次元情報を出力する外部装置300とは異なる表示部520へ、2次元画像情報を出力する。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、外部装置300に出力される3次元情報を確認することなく、外部装置300とは異なる表示部520に出力される2次元画像情報から確認することが可能になる。
表示制御部170は、3次元再構成処理部145から全天球の3次元データを取得し、3次元情報を表示部520に表示させてもよい。具体的には、表示制御部170は、2次元画像情報を表示部520に表示させる場合と、3次元情報を表示部520に表示させる場合を所定の条件に従って選択してもよい。これにより、表示制御部170は、3次元情報とは別に2次元画像情報を出力することができる。
表示制御部170は、判断部160から取得したエラー情報に基づき、エラー情報を2次元画像情報に重畳させて表示部520に表示させる
表示制御部170は、判断部160から取得した画素の座標位置情報に基づき、近接物を識別する識別情報を2次元画像情報に重畳させて表示部520に表示させる
すなわち、表示制御部170は、距離情報取得部13の出力と、撮像部11の出力と、に基づき判断される近接物の有無に応じて、表示部520に異なる表示をさせる。
これにより、撮影者は、外光の影響と区別して、撮影者自身や三脚等の近接物の撮像画像への写り込みの有無を正確に確認することができる。
表示制御部170は、近接物の位置に応じて、表示部520に異なる位置の表示をさせる。これにより、撮影者は、近接物の撮像画像への写り込みの位置を確認することができる。
表示制御部170は、撮像部11が撮像した画像情報を表示部520に表示させるとともに、近接物を識別する識別情報を画像情報に重畳させて表示部520に表示させる。これにより、撮影者は、近接物の撮像画像への写り込みの位置を確実に確認することができる。
図11は、本発明の実施形態の第2の変形例に係る撮像装置の外観を示す図である。図12は、第2の変形例における処理回路の処理ブロックの構成を示す図である。
図11に示す第2の変形例において、撮像装置1は、図1に示した表示部20に代えて、複数の表示部20A、20aを備える。表示部20A、20aは、LED等により構成され、処理回路14の出力信号に応じ点滅または点灯する。
表示部20aは、筐体10の正面側の第1の面に設けられ、表示部20Aは、筐体10の背面側の第2の面に設けられている。
図12に示す第2の変形例において、表示制御部170は、判断部160から取得した判断結果を示す情報を表示部20A、20aに表示させる。
また、送受信部180は、RGB画像データ取得部142から出力される全天球の2次元画像情報をネットワーク400経由で表示装置500へ送信(出力)する。表示装置500は、2次元画像情報を出力する出力先の一例である。
すなわち、第2の変形例では、図5に示したステップS3において、送受信部180は、RGB画像データ取得部142から全天球のRGB画像データを取得し、取得した全天球のRGB画像データに基づく2次元画像情報を表示装置500へ送信(出力)する。
表示装置500の送受信部510は、撮像装置1の送受信部180から送信された2次元画像情報を受信する。
表示装置500の制御部530は、送受信部510が受信した2次元画像情報を表示部520へ表示させる。
以上説明したように、撮像装置1は、撮像部11と、3次元情報とは別に撮像部11により撮像された2次元画像情報を出力する送受信部180を備える。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、3次元情報を確認することなく、2次元画像情報から容易に確認することが可能になる。
したがって、3次元情報を取得する現場に居ながら、3次元情報再取得することが可能になり、3次元情報を取得する現場から離れた後で、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことに気づく場合に比べて、再度、3次元情報を取得する現場を訪問する手間が低減される。
送受信部180は、ステップS11で3次元情報を送信(出力)する前に、ステップS3で2次元画像情報Gを送信(出力)する。送受信部180は、ステップS10で3次元再構成処理部150が3次元情報を決定する前に、ステップS3で2次元画像情報Gを送信(出力)する。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、3次元情報を確認する前に、2次元画像情報から確認することが可能になる。
送受信部180は、表示装置500に2次元画像情報を送信し、表示装置500は表示部520に2次元画像情報を表示させる。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、表示部520に表示される2次元画像情報から容易に確認することが可能になる。
送受信部180は、3次元情報を出力する外部装置300とは異なる表示装置500へ、2次元画像情報を送信する。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、外部装置300に出力される3次元情報を確認することなく、外部装置300とは異なる表示装置500の表示部520に出力される2次元画像情報から確認することが可能になる。
送受信部180は、3次元情報を表示装置500へ送信してもよい。具体的には、送受信部180は、2次元画像情報を表示装置500へ送信する場合と、3次元情報を表示装置500へ送信する場合を所定の条件に従って選択してもよい。これにより、送受信部180は、表示装置500に対して3次元情報とは別に2次元画像情報を送信することができる。
図13は、第2の変形例における近接物判断フロー図である。
図13は、第2の変形例における図5で説明したステップS8に対応する近接物の撮像画像への写り込みの有無の判断処理を示すフローチャートである。
判断部160は、再投影処理部147から取得した全天球のTOF画像データに基づき、全天球のTOF画像データの中に蓄電量が飽和している画素があるか判断する(ステップS811)。
判断部160は、ステップS811で蓄電量が飽和している画素があった場合、RGB画像データ取得部142から取得した全天球のRGB画像データに基づき、全天球のRGB画像データのうち、ステップS811で蓄電量が飽和していた画素と同一座標の画素について、蓄電量が飽和しているか判断する(ステップS812)。
判断部160は、ステップS812で蓄電量が飽和している場合、ステップS811で蓄電量が飽和している画素は、外光によるものであると判断し、エラー情報を表示制御部170へ出力する。表示制御部170は、判断部160から取得したエラー情報に基づき、エラー情報を表示部20A、20aに表示させる(ステップS813)。
判断部160は、ステップS812で蓄電量が飽和していない場合、ステップS811で蓄電量が飽和している画素は、近接物の存在によるものであると判断し、ステップS811で蓄電量が飽和していた画素の座標位置情報を表示制御部170へ出力する。表示制御部170は、判断部160から取得した画素の座標位置情報に基づき、座標位置情報が筐体10の正面側であるか判断する(ステップS814)。
判断部160は、ステップS811で蓄電量が飽和している画素がなかった場合、再投影処理部147から取得した全天球のTOF画像データに基づき、全天球のTOF画像データのうち、0.5m以下の距離情報を示す画素があるか判断する(ステップS815)。
判断部160は、ステップS815で0.5m以下の距離情報を示す画素がない場合、処理を終了する。
判断部160は、ステップS815で0.5m以下の距離情報を示す画素がある場合、前述したステップS814へ移行し、ステップS815で0.5m以下の距離情報を示す画素は、近接物の存在によるものであると判断し、ステップS815で0.5m以下の距離情報を示していた画素の座標位置情報を表示制御部170へ出力する。表示制御部170は、判断部160から取得した画素の座標位置情報に基づき、座標位置情報が筐体10の正面側であるか判断する。
表示制御部170は、ステップS814で正面側であると判断した場合には、筐体10の正面側に配置された表示部20aを点滅させる(ステップS816)。
表示制御部170は、ステップS814で正面側であると判断しなかった場合には、筐体10の背面側に配置された表示部20Aを点滅させる(ステップS817)。
以上説明したように、表示制御部170は、近接物が存在すると判断した場合には表示部20aまたは表示部20Aを点滅させ、近接物が存在すると判断しない場合には表示部20aおよび表示部20Aを点滅させない。
すなわち、表示制御部170は、近接物の存在の有無に応じて、表示部20aおよび表示部20Aに異なる表示をさせる。
これにより、撮影者は、外光の影響と区別して、撮影者自身や三脚等の近接物の撮像画像への写り込みの有無を正確に確認することができる。
また、表示制御部170は、判断部160から取得した画素の座標位置情報に基づき、表示部20aまたは表示部20Aを点滅させる。
すなわち、表示制御部170は、近接物の位置に応じて、表示部20aおよび表示部20Aに異なる位置の表示をさせる。これにより、撮影者は、近接物の撮像画像への写り込みの位置を確認することができる。
そして、表示制御部170は、表示部20A、20aのうち、近接物に近い側の表示部に、近接物の有無に応じて異なる表示をさせる。これにより、撮影者は、特定の対象物の撮像画像への写り込みの位置を確実に確認することができる。
図14は、本発明の実施形態の第3の変形例に係る撮像装置の構成を説明するための図である。
図14に示す第3の変形例において、撮像装置1は、図2に示した構成に加えて、他の撮像素子111a、111Aや、他の魚眼レンズ(広角レンズ)111b、111Bなどを有する他の撮像部111を備える。
第3の変形例では、RGBの撮像部11と他の撮像部111を同一基線上に設けている。この場合、処理回路14において多眼での処理が可能になる。つまり、一面において所定距離離して設けた撮像部11と他の撮像部111を同時に駆動することにより2つの視点のRGB画像が得られる。このため、2つのRGB画像に基づいて計算した視差の使用が可能になり、さらに測定範囲全体の距離精度を向上させることができる。
具体的には、RGBの撮像部11と他の撮像部111設けた場合、従来の視差計算のように、SSSDを使ったマルチベースラインステレオ(MSB)やEPI処理などが利用可能になる。このため、これを利用することで視差の信頼度があがり、高い空間解像度と精度を実現することが可能になる。
以上のように、撮像装置1は、他の撮像部111を備え、3次元再構成処理部150は、距離情報取得部13の出力と、2次元画像情報と、他の撮像部111により撮像された他の2次元画像情報と、に基づき3次元情報を決定する。
撮像装置1は、距離情報取得部13の出力によらずに、他の撮像部111と、2次元画像情報と他の撮像部111により撮像された他の2次元画像情報とに基づき3次元情報を決定する3次元情報決定部と、を備えてもよい。
これにより、撮影者自身や三脚等の撮像画像への写り込みや、所望のレイアウトの3次元情報が取得されていないことを、2次元画像情報に基づき3次元再構成処理部150で決定される3次元情報を確認することなく、撮像部11により撮像された2次元画像情報から確認することが可能になる。
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る撮像装置1は、対象を撮像する撮像部11と、対象に光を投射する投射部12と、対象から反射してきた光を受光する距離情報取得部13(受光部の一例)と、距離情報取得部13の出力と、撮像部11の出力と、に基づき判断される特定の対象物の有無に応じて、表示部20、520に異なる表示をさせる表示制御部170と、を備える。
これにより、撮影者は、外光の影響と区別して、撮影者自身や三脚等の特定の対象物の撮像画像への写り込みの有無を正確に確認することができる。
撮像装置1は、表示部20を備える。これにより、撮影者は、特定の対象物の撮像画像への写り込みの有無を確実に確認することができる。
表示制御部170は、特定の対象物の位置に応じて、表示部20、520に異なる位置の表示をさせる。これにより、撮影者は、特定の対象物の撮像画像への写り込みの位置を確認することができる。
表示部20は複数の表示部20A、20aを備え、表示制御部170は、複数の表示部20A、20aのうち、特定の対象物に近い側の表示部に、対象物の有無に応じて異なる表示をさせる。これにより、撮影者は、特定の対象物の撮像画像への写り込みの位置を確実に確認することができる。
表示制御部170は、撮像部11が撮像した画像情報Gを表示部20、520に表示させるとともに、特定の対象物を識別する識別情報G1、G2を画像情報に重畳させて表示部20、520に表示させる。これにより、撮影者は、特定の対象物の撮像画像への写り込みの位置を確実に確認することができる。
撮像装置1は、距離情報取得部13が受光した光による蓄電量が飽和しており、かつ撮像部の画素の蓄電量が飽和していない場合、特定の対象物があると判断する判断部160を備える。
これにより、撮影者は、外光の影響と区別して、特定の対象物の撮像画像への写り込みの有無を正確に確認することができる。