JP7523664B2 - 電池セル、その製造方法及び製造システム、電池並びに電力消費装置 - Google Patents

Description

本願は、電池技術分野に関し、より具体的には、電池セル、その製造方法及び製造システム、電池並びに電力消費装置に関する。

電池セルは、携帯電話、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、電気飛行機、電気推進船、電気玩具車、電気玩具船、電気玩具飛行機や電動工具などの電子機器に広く適用されている。電池セルは、ニッケルカドミウム電池セル、ニッケル水素電池セル、リチウムイオン電池セル及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池セルなどを含み得る。

電池技術の発展では、如何に電池セルの組み立て効率を高めるかは、電池技術における研究方向の１つである。

本願は、電池セルの組み立て効率を高め、電池セルの安全性を補強することができる電池セル、その製造方法及び製造システム、電池並びに電力消費装置を提供する。

第１の態様において、本願の実施例は、電池セルを提供し、前記電池セルは、
開口を有するハウジングと、
ハウジング内に収容される電極組立体と、
開口を覆うために用いられ、蓋本体と、蓋本体の外側を囲むとともに、電極組立体に面する方向へ蓋本体の内面から突出し、且つ少なくとも一部がハウジング内に位置してハウジングに合わせるための凸部と、を含むエンドキャップと、を含み、
エンドキャップの凸部に対応する位置には、蓋本体の外面から電極組立体に面する方向へ凹み、且つ凸部がハウジングに伸び込む過程で応力を解放するための凹部が形成されている。

上記技術案において、凸部は、エンドキャップ及びハウジングを組み立てる時にハウジング内に伸び込み、且つハウジングに合わせてエンドキャップの位置を限定することにより、ハウジング及びエンドキャップの位置決め難易度を低減し、電池セルの組み立て効率を高めることができる。ハウジングは、凸部によりエンドキャップの位置を限定することができ、このように、エンドキャップとハウジングを接続する過程でエンドキャップとハウジングの間のシフトや位置ずれを減少させ、シール性能を改良することができる。凹部は、凸部の強度を低下させることができ、このように、凸部とハウジングが互いに押圧する時に、凸部は、変形により応力を解放し、凸部とハウジングの間の押圧力及び摩擦力を減らし、発生した顆粒を減少させ、ハウジングが変形するリスクを低下させ、電池セルの安全性能を高めることができる。

幾つかの実施例において、エンドキャップの厚さ方向において、凹部の底面は、蓋本体の内面全体より電極組立体に近い。

上記技術案において、第１の凹部の凹んだ深さを保証し、凸部の蓋本体の内面からの突出程度を高めることができ、このように凸部とハウジングの間の合わせ効果を改良し、凸部の弾性を高めることで、凸部とハウジングの間の押圧力及び摩擦力を減らし、発生した顆粒を減少させ、ハウジングが変形するリスクを低下させ、電池セルの安全性能を高めることができる。

幾つかの実施例において、ハウジングの側壁は、エンドキャップの厚さ方向に延伸するとともに、電極組立体の外周を囲んで設けられ、側壁の内壁面及び凸部の外周面は、いずれも厚さ方向に平行であり、且つ両者が対向して設けられる。

上記技術案において、側壁の内壁面と凸部の外周面が平行に設けられることで、側壁の内壁面と凸部の外周面が互いに接触し、押圧する時に、両者の間の受ける力が均一であり、応力の集中が減らされ、ハウジング及び凸部の変形が低下する。

幾つかの実施例において、ハウジングの側壁と凸部は、側壁の内壁面が凸部の外周面に押し付けられるように締り嵌めされる。

上記技術案において、締り嵌めにより、ハウジングとエンドキャップの間の接続強度を大きくし、シール性能を改良することができる。本技術案において、凹部を設けることで凸部の強度を低下させ、凸部がハウジングに伸び込む過程で凸部とハウジングの間の作用力を減らすことで、ハウジングと凸部が締り嵌めされても、発生した顆粒を減少させ、ハウジングが変形するリスクを低下させ、電池セルの安全性能を高めることができる。

幾つかの実施例において、側壁の内壁面と凸部の外周面は、溶接されて第１の溶接部を形成する。厚さ方向において、第１の溶接部は、電極組立体から離れる方向において蓋本体の外面を超えていない。

上記技術案において、蓋本体は、電池セルの耐荷重構造とすることができる。電池セルを電力消費装置に取り付けた後、外部の支持構造は、蓋本体を介して電池セルを支持することができる。本技術案において、第１の溶接部が電極組立体から離れる方向において蓋本体の外面を超えないようにすることで、外部支持構造と第１の溶接部の間の作用力を減らし、第１の溶接部が破裂するリスクを低下させ、ハウジングとエンドキャップの間の接続強度及びシール性能を保証する。

幾つかの実施例において、側壁は、開口を囲む第１の外端面を含み、第１の外端面は、側壁の内壁面に接続される。厚さ方向において、凸部は、電極組立体から離れる一端に第２の外端面を有し、第２の外端面は、凸部の外周面に接続され、第１の外端面と第２の外端面は面一であり、且つ第１の外端面と第２の外端面は、蓋本体の外面より電極組立体に近い。

上記技術案において、第１の外端面及び第２の外端面が蓋本体の外面より電極組立体に近いようにすることで、第１の溶接部が第１の外端面及び第２の外端面から突出しても、第１の溶接部が電極組立体から離れる方向において蓋本体の外面を超えないようにすることができ、それにより第１の溶接部の受けた作用力を減らし、第１の溶接部が破裂するリスクを低下させ、ハウジングとエンドキャップの間の接続強度及びシール性能を保証する。

幾つかの実施例において、ハウジングは、第１の溶接部を被覆するように、側壁に接続されるとともに側壁に対して蓋本体へ折り曲げられるフランジ部を更に含む。

上記技術案において、フランジ部は、第１の溶接部を保護し、第１の溶接部が腐食されて破壊されるリスクを低下させ、ハウジングとエンドキャップの間の接続強度及びシール性能を保証することができる。

幾つかの実施例において、エンドキャップは、凸部の外周面から突出するとともに凸部の外側を囲む延伸部を更に含み、延伸部の内面は、ハウジングとエンドキャップを一体的に接続するように、側壁の開口を囲む第１の外端面に溶接される。

上記技術案において、エンドキャップ及びハウジングを組み立てる時に、第１の外端面は、エンドキャップの厚さ方向において位置規制する役割を果たし、エンドキャップがハウジングに過度に挿入されるリスクを低下させ、組み立て効率を高めることができる。

幾つかの実施例において、凸部とハウジングは、凸部の外周面と側壁の内壁面の間に隙間を形成するように隙間嵌めされる。

上記技術案において、隙間嵌めにより、ハウジングの凸部に対する位置規制を保証することができるだけでなく、凸部がハウジングに伸び込む過程で凸部とハウジングの間の作用力を減らし、凸部とハウジングが摩擦するリスクを低下させ、発生した顆粒を減少させ、ハウジングの変形を減らし、電池セルの安全性能を高めることもできる。

幾つかの実施例において、電極組立体から側壁に向かう方向において、凸部の外周面と側壁の内壁面の間の隙間の寸法は、０．０２ｍｍ～０．５ｍｍである。

上記技術案において、この隙間の寸法が小さいほど、凸部の外周面と側壁の内壁面が摩擦するリスクが高くなり、顆粒が発生するリスクも高くなり、この隙間の寸法が大きいほど、凸部がハウジングに伸び込んだ後に、凸部の可動範囲が大きくなり、延伸部とハウジングが溶接不良になるリスクが高くなる。発明者は、リスクをバランスし、安全性能を高めるように、隙間の寸法を０．０２ｍｍ～０．５ｍｍに設定する。

幾つかの実施例において、延伸部の内面に逃げ溝が設けられ、逃げ溝は、凸部の外側を囲み、逃げ溝の溝壁面は、延伸部の内面と凸部の外周面を接続するために用いられる。

上記技術案において、凸部の成形時に、凸部と延伸部の接続箇所にフィレットを設けることで、応力の集中を減らす。本技術案において、延伸部に逃げ溝を設け、延伸部の逃げ溝と対向する部分は、凸部に接続され、逃げ溝は、凹むように設けられ、凸部の成形時に材料のために流動空間を提供することができ、このように、フィレットは、延伸部の逃げ溝と対向する部分に形成され、フィレットの表面は、逃げ溝の溝壁面の一部であり、溝壁面は、延伸部の内面に対して凹むため、本実施例において、第１の外端面が延伸部の内面に順調に当接することを保証し、フィレットが第１の外端面を干渉することを回避することができる。

幾つかの実施例において、延伸部の外面と蓋本体の外面は面一である。

上記技術案において、外部の支持構造は、延伸部及び蓋本体を介して電池セルを支持することができ、このようにエンドキャップの耐荷重部分の面積を大きくし、電池セルの安定性を高めることができる。

幾つかの実施例において、電極組立体から側壁に向かう方向において、延伸部は、側壁の外壁面を超えていない。

上記技術案において、延伸部によって電池セルの最大寸法が大きくなることを回避し、電池セルのエネルギー密度を保証することができる。また、エンドキャップが薄いため、延伸部が側壁の外壁面を超えると、他の外部の部材にかき傷をつける虞がある。

幾つかの実施例において、電極組立体から側壁に向かう方向において、側壁の外壁面は、延伸部を０．０２ｍｍ～０．５ｍｍ超えている。

上記技術案において、側壁の外壁面が延伸部を超えている寸法が小さいほど、側壁と延伸部が溶接されて形成した第２の溶接部が側壁の外壁面から突出するリスクが高くなり、側壁の外壁面が延伸部を超えている寸法が大きいほど、延伸部と側壁の間の接続面積が小さくなり、延伸部と側壁の間の接続強度が低くなる。発明者は、接続強度を保証する前提で、第２の溶接部が側壁の外壁面から突出するリスクを可能な限り減らすように、側壁の外壁面が延伸部を超える寸法を０．０２ｍｍ～０．５ｍｍに設定する。

幾つかの実施例において、電極組立体から側壁に向かう方向において、延伸部が凸部の外周面から突出した寸法は、側壁の壁厚よりも小さい。

上記技術案において、凸部の外周面が側壁の内壁面に当接する時に、側壁の壁厚は、延伸部が凸部の外周面から突出する寸法よりも大きいため、側壁の外壁面は、電極組立体から側壁に向かう方向において延伸部を超えている。

幾つかの実施例において、凸部は、側壁に面する案内面を更に含み、案内面は、凸部の外周面の電極組立体に近い端部に接続され、且つ、案内面は、凸部がハウジングに伸び込むように案内するために、凸部の外周面に対して側壁の内壁面から離れる方向へ傾斜する。

上記技術案において、凸部に傾斜した案内面を設けることで、エンドキャップ及びハウジングを組み立てる時に凸部をハウジングに挿入するように案内することで、組み立てプロセスを簡略化し、組み立て効率を高めることができる。

幾つかの実施例において、凸部は、第１のタブを支持するように、電極組立体の第１のタブに当接する。

上記技術案において、凸部は、第１のタブを支持し、電池セルの振動時における電極組立体のがたつきの幅を減らし、電極組立体の安定性を高めることができる。

幾つかの実施例において、凸部は、第１のタブとエンドキャップを電気的に接続するように、第１のタブに溶接される。

上記技術案において、凸部と第１のタブを直接溶接し、他のアダプター部材を必要とすることなく、電池セルの構造を簡略化する。本技術案において、凹部を設けることで凸部の厚さを減らし、このように凸部と第１のタブの溶接に必要な溶接パワーを減らし、発熱を減少させ、他の部材が焼損されるリスクを低下させることができる。

幾つかの実施例において、電極組立体の第１のタブは、エンドキャップを介してハウジングに電気的に接続される。

上記技術案において、エンドキャップを介してハウジングを電極組立体の第１のタブに接続することで、ハウジングの電位が第１のタブの電位と実質的に同じであるようにし、このように、ハウジング自体は、電池セルの出力極とすることができ、それにより、従来の電極端子を１つ省き、電池セルの構造を簡略化する。複数の電池セルがセットに組み立てられる時、ハウジングは、合流部材に電気的に接続することができ、このように電流通過面積を大きくすることができるだけでなく、合流部材の構造設計をより柔軟にすることもできる。

幾つかの実施例において、ハウジングは、側壁及び底壁を含み、側壁は、エンドキャップの厚さ方向に延伸するとともに、電極組立体の外周を囲んで設けられ、底壁は、側壁の一端に接続され、且つ電極組立体のエンドキャップから離れる側に位置し、底壁に電極引出孔が設けられる。電極組立体の底壁に面する一端に第２のタブが設けられ、第１のタブと第２のタブは、極性が反対である。電池セルは、電極引出孔に取り付けられる電極端子を更に含み、電極端子は、第２のタブに電気的に接続される。

上記技術案において、底壁及び電極端子は、電池セルの２つの出力極とすることができ、このように電池セルの構造を簡略化し、電池セルの電流通過能力を保証することができる。底壁と電極端子が電池セルの同一端に位置することで、合流部材は、電池セルの同一側に組み立てることができ、このように組み立てプロセスを簡略化し、複数の電池セルがセットに組み立てられる効率を高めることができる。

幾つかの実施例において、底壁と側壁は、一体的に形成された構造である。

上記技術案において、底壁と側壁の接続工程を省き、両者の間の抵抗を減らすことができる。

幾つかの実施例において、第１のタブは負極タブであり、ハウジングの基体材質は鋼である。

上記技術案において、ハウジングは、負極タブに電気的に接続され、即ち、ハウジングは、低電位状態にある。鋼製のハウジングは、低電位状態で電解液に腐食されにくく、安全上のリスクが低下する。

幾つかの実施例において、電池セルは円筒型電池セルである。

第２の態様において、本願の実施例は、複数の第１の態様の何れか１つの実施例による電池セルを含む電池を提供する。

第３の態様において、本願の実施例は、電気エネルギーを提供するための第２の態様の電池を含む電力消費装置を提供する。

第４の態様において、本願の実施例は、電池セルの製造方法を提供し、前記電池セルの製造方法は、
開口を有するハウジングを提供するステップと、
電極組立体を提供し、電極組立体をハウジング内に取り付けるステップと、
蓋本体と、蓋本体の外側を囲むとともに、蓋本体の内面から突出する凸部と、を含み、その凸部に対応する位置に蓋本体の外面から凹む凹部が形成されているエンドキャップを提供するステップと、
凸部の少なくとも一部をハウジング内に伸び込ませて、ハウジングに合わせるために用いるステップと、
エンドキャップが開口を覆うように、エンドキャップとハウジングを接続するステップと、を含み、
凸部は、電極組立体に面する方向へ蓋本体の内面から突出し、凹部は、蓋本体の外面から電極組立体に面する方向へ凹み、且つ、凹部は、凸部がハウジングに伸び込む過程で応力を解放するために用いられる。

第５の態様において、本願の実施例は、電池セルの製造システムを提供し、前記電池セルの製造システムは、
開口を有するハウジングを提供するための第１の提供装置と、
電極組立体を提供し、電極組立体をハウジング内に取り付けるための第２の提供装置と、
蓋本体と、蓋本体の外側を囲むとともに、蓋本体の内面から突出する凸部と、を含み、その凸部に対応する位置に蓋本体の外面から凹む凹部が形成されているエンドキャップを提供するための第３の提供装置と、
凸部の少なくとも一部をハウジング内に伸び込ませて、ハウジングに合わせるために用いる第１の組み立て装置と、
エンドキャップが開口を覆うように、エンドキャップとハウジングを接続する第２の組み立て装置と、を含み、
凸部は、電極組立体に面する方向へ蓋本体の内面から突出し、凹部は、蓋本体の外面から電極組立体に面する方向へ凹み、且つ、凹部は、凸部がハウジングに伸び込む過程で応力を解放するために用いられる。

本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、本願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に説明される図面は、本願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な努力をすることなく、図面に基づいて更に他の図面を得ることができる。
本願の幾つかの実施例により提供される車両の構造模式図である。 本願の幾つかの実施例により提供される電池の分解模式図である。 図２に示される電池モジュールの分解模式図である。 本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの分解模式図である。 本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの断面模式図である。 図５に示される電池セルの丸枠Ａにおける拡大模式図である。 本願の別の実施例により提供される電池セルの断面模式図である。 本願の更に別の実施例により提供される電池セルの断面模式図である。 図８に示される電池セルの丸枠Ｂにおける拡大模式図である。 図９のボックスＣにおける拡大模式図である。 本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの製造方法のフローチャートである。 本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの製造システムの模式的ブロック図である。

添付図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれたものではない。

本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明する。明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な努力をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。

別途定義されていない限り、本願において使用される全ての技術と科学用語は、当業者に一般に理解される意味と同じである。本願の明細書において使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を制限することを意図するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。本願の明細書、特許請求の範囲や上記図面における「第１」、「第２」などの用語は、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。

本願において「実施例」と言及する場合、実施例に合わせて説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも１つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各箇所に記載されているこの語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と相互排他的に独立した又は代替的な実施例でもない。

本願の説明において、特に明記・限定されていない限り、「取り付ける」、「繋がる」、「接続」、「結び付ける」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介する間接接続であってもよく、２つの素子の内部の連通であってもよいことを説明しておく。当業者であれば、具体的な状況に応じて、上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。

本願における「及び／又は」という用語は、関連対象の関連関係を説明するものに過ぎず、３つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、Ａ及び／又はＢは、単独のＡ、ＡとＢとの組み合わせ、単独のＢという３つのケースを表すことができる。また、本願における「／」という文字は、一般的には前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。

本願の実施例において、同一の符号は同一の部材を表し、また、簡潔のために、異なる実施例において、同一の部材に対する詳細な説明を省略する。図面に示される本願の実施例における各部材の厚さ、長さや幅などの寸法、及び集積装置の全体的な厚さ、長さや幅などの寸法は、例示的なものに過ぎず、本願に対して何らかの限定を加えるものではないことを理解されたい。

本願における「複数」とは、２つ以上（２つを含む）を意味する。

本願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セルなどを含んでもよいが、本願の実施例では、これに対して限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよいが、本願の実施例では、これに対しても限定しない。

本願の実施例において言及された電池は、より高い電圧と容量を提供するために１つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願において言及された電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的に、１つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。

電池セルは、電極組立体及び電解液を含み、電極組立体は、正極シート、負極シート及びセパレータを含む。電池セルは、主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間で移動することにより作動する。正極シートは、正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面にコーティングされている。正極集電体は、正極集電部及び正極集電部に接続される正極タブを含み、正極集電部には正極活物質層がコーティングされており、正極タブには正極活物質層がコーティングされていない。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質層は正極活物質を含み、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極シートは、負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は、負極集電体の表面にコーティングされている。負極集電体は、負極集電部及び負極集電部に接続される負極タブを含み、負極集電部には負極活物質層がコーティングされており、負極タブには負極活物質層がコーティングされていない。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質層は負極活物質を含み、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。セパレータの材質は、ＰＰ（ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ，ポリプロピレン）又はＰＥ（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ，ポリエチレン）などであってもよい。

電池セルは、ハウジング及びエンドキャップを更に含み、ハウジングは、開口を有し、且つ電極組立体を収容するために用いられ、電極組立体は、ハウジングの開口を介してハウジング内に組み立てることができる。エンドキャップは、シールを実現するように、ハウジングの開口を覆うために用いられる。

関連技術において、エンドキャップ及びハウジングを組み立てる時に、通常、エンドキャップをハウジングの開口端に押し付けてから、溶接などの手段によりエンドキャップとハウジングを接続する。しかしながら、発明者は、エンドキャップをハウジングに押し付ける過程で、ハウジングとエンドキャップが互いに位置規制することができず、これによって、機器のハウジング及びエンドキャップの位置決め難易度を高くし、電池セルの組み立て効率を低下させることになる。なお、エンドキャップとハウジングを接続する過程で、エンドキャップとハウジングの間にシフトや位置ずれが発生しやすく、シール性能に影響を与えてしまう。

発明者が研究を重ねた結果、エンドキャップに凸部を設けることを試みることができ、凸部が、エンドキャップ及びハウジングを組み立てる時にハウジング内に挿入され、且つハウジングに合わせてエンドキャップの位置を限定することができることを見出した。凸部により、ハウジング及びエンドキャップの位置決め難易度を低減し、電池セルの組み立て効率を高め、且つエンドキャップとハウジングを接続する過程でエンドキャップとハウジングの間のシフトや位置ずれを減らし、シール性能を改良することができる。

しかしながら、発明者は、凸部がハウジングに挿入される過程でハウジングの内面を押圧する可能性があり、凸部とハウジングが互いに摩擦して顆粒を形成し、顆粒が電極組立体に落ちて正負極シートを導通させてしまい、安全上の問題を引き起こす虞があることを更に見出した。また、凸部とハウジングの間の圧力が大き過ぎると、更に、ハウジングの変形を招き、ハウジングの外観及び電池セルのシール性に影響を与えることになる。

これに鑑み、本願の実施例は、エンドキャップの凸部に対応する位置に第１の凹部を形成することで、凸部がハウジングに伸び込む過程で応力を解放するという技術的解決手段を提供する。第１の凹部は、凸部の強度を低下させることができ、このように、凸部がハウジングの内面を押圧する時に、凸部は、変形により応力を解放し、凸部とハウジングの間の押圧力及び摩擦力を減らし、発生した顆粒を減少させ、ハウジングが変形するリスクを低下させ、電池セルの安全性能を高めることができる。

本願の実施例に記載の技術的解決手段は、電池及び電池を使用した電力消費装置に適用される。

電力消費装置は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、船、宇宙航空機、電気玩具や電動工具などであってもよい。車両は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、二次電池式電気自動車、ハイブリッド電気自動車や航続距離延長型電気自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルや宇宙船などを含み、電気玩具は、ゲーム機、電気自動車玩具、電気推進船玩具や電気飛行機玩具などの固定型又は移動型の電気玩具を含み、電動工具は、電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマー、電動インパクトドリル、コンクリート振動機や電動カンナなどの金属切削電動工具、研磨電動工具、実装電動工具と鉄道用電動工具を含む。本願の実施例において、上記電力消費装置について特に制限しない。

以下の実施例において、説明しやすくするために、電力消費装置が車両である場合を例として説明する。

図１は、本願の幾つかの実施例により提供される車両の構造模式図である。

図１に示すように、車両１の内部に電池２が設けられており、電池２は、車両１の底部、前部又は後部に設けられてもよい。電池２は、車両１に給電するために用いることができ、例えば、電池２は、車両１の動作電源とすることができる。

車両１は、コントローラ３とモータ４を更に含んでもよく、コントローラ３は、電池２がモータ４に給電するように制御するために用いられ、例えば、車両１の始動、ナビゲーションと走行時の作動電力のニーズに応えるために用いられる。

本願の幾つかの実施例において、電池２は、車両１の動作電源として用いることができるだけでなく、車両１の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両１に駆動動力を提供することもできる。

図２は、本願の幾つかの実施例により提供される電池の分解模式図である。

図２に示すように、電池２は、筐体５と筐体５内に収容される電池セル（図２には図示せず）を含む。

筐体５は、電池セルを収容するために用いられ、筐体５は、様々な構造であってもよい。幾つかの実施例において、筐体５は、第１の筐体部５ａと第２の筐体部５ｂを含んでもよく、第１の筐体部５ａと第２の筐体部５ｂは互いに覆われ、第１の筐体部５ａと第２の筐体部５ｂは、共同して電池セルを収容するための収容空間５ｃを画定する。第２の筐体部５ｂは、一端に開口する中空構造であってもよく、第１の筐体部５ａは、板状構造であり、第１の筐体部５ａは、収容空間５ｃを有する筐体５を形成するように、第２の筐体部５ｂの開口側を覆い、第１の筐体部５ａ及び第２の筐体部５ｂも、いずれも一側に開口する中空構造であってもよく、第１の筐体部５ａの開口側は、収容空間５ｃを有する筐体５を形成するように、第２の筐体部５ｂの開口側を覆う。勿論、第１の筐体部５ａ及び第２の筐体部５ｂは、円柱体や直方体などの様々な形状であってもよい。

第１の筐体部５ａと第２の筐体部５ｂを接続した後のシール性を高めるために、第１の筐体部５ａと第２の筐体部５ｂの間にシーラントやシールリングなどのシール部材を設けてもよい。

第１の筐体部５ａが第２の筐体部５ｂの頂部に覆われると仮定すれば、第１の筐体部５ａは上側筐体蓋と呼ばれてもよく、第２の筐体部５ｂは下側筐体と呼ばれてもよい。

電池２において、電池セルは、１つであってもよく、複数であってもよい。電池セルが複数であれば、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続は、複数の電池セルに直列接続も並列接続も含まれることを意味する。複数の電池セルの間を、直接、直列接続又は並列接続又は直並列接続してから、複数の電池セルで構成された全体を筐体５内に収容してもよい。勿論、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュール６とし、複数の電池モジュール６を更に直列接続又は並列接続又は直並列接続して１つの全体として形成するとともに、筐体５内に収容してもよい。

図３は、図２に示される電池モジュールの分解模式図である。

幾つかの実施例において、図３に示すように、電池セル７は複数であり、複数の電池セル７は、まず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュール６とされる。複数の電池モジュール６は、更に直列接続又は並列接続又は直並列接続されて１つの全体として形成するとともに、筐体内に収容される。

電池モジュール６における複数の電池セル７の間は、合流部品を介して電気的接続を実現することができ、これによって電池モジュール６における複数の電池セル７の並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現する。

図４は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの分解模式図であり、図５は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの断面模式図であり、図６は、図５に示される電池セルの丸枠Ａにおける拡大模式図である。

図４～図６に示すように、本願の実施例の電池セル７は、開口２１を有するハウジング２０と、ハウジング２０内に収容される電極組立体１０と、開口２１を覆うために用いられ、蓋本体３１と、蓋本体３１の外側を囲むとともに、電極組立体１０に面する方向へ蓋本体の内面３１１から突出し、且つ少なくとも一部がハウジング２０内に位置してハウジング２０に合わせるための凸部３２と、を含むエンドキャップ３０と、を含む。エンドキャップ３０の凸部３２に対応する位置には、蓋本体の外面３１２から電極組立体１０に面する方向へ凹み、且つ凸部３２がハウジング２０に伸び込む過程で応力を解放するための凹部３３が形成されている。

電極組立体１０は、第１のシート、第２のシート及びセパレータを含み、セパレータは、第１のシートと第２のシートを離間するために用いられる。第１のシートと第２のシートは、極性が反対であり、換言すれば、第１のシートと第２のシートのうちの一方は、正極シートであり、第１のシートと第２のシートのうちの他方は、負極シートである。

選択的に、第１のシート、第２のシート及びセパレータは、いずれも帯状構造であり、第１のシート、第２のシート及びセパレータは、一体に巻き取られて巻取構造を形成する。巻取構造は、円柱状構造、扁平状構造又は他の形状の構造であってもよい。

ハウジング２０は、一側に開口する中空構造であり、エンドキャップ３０は、ハウジング２０の開口を覆うとともに、シール接続を形成することで、電極組立体１０及び電解液を収容するための収容室を形成する。

ハウジング２０は、中空構造であり、その内部に電極組立体１０を収容するための空間が形成される。ハウジング２０は、円柱体や直方体などの様々な形状であってもよい。ハウジング２０の形状は、電極組立体１０の具体的な形状に応じて決定可能である。例えば、電極組立体１０が円柱体構造である場合、円柱体のハウジングを選択することができる。電極組立体１０が直方体構造である場合、直方体ハウジングを選択することができる。

ハウジング２０は、正に帯電してもよく、負に帯電してもよく、帯電しなくてもよい。ハウジング２０が帯電する必要がある時、ハウジング２０は、電極組立体１０のシートに直接接続されてもよく、他の導電部材を介してシートに電気的に接続されてもよい。

選択的に、エンドキャップ３０とハウジング２０は、溶接により接続されてもよく、このように、エンドキャップ３０とハウジング２０は、実質的に同じ電位を有することができる。例示的に、ハウジング２０が正に帯電する必要がある場合、エンドキャップ３０を利用してハウジング２０を正極性のシートに電気的に接続することができ、ハウジング２０が負に帯電する必要がある場合、エンドキャップ３０を利用してハウジング２０を負極性のシートに電気的に接続することができる。勿論、ハウジング２０は、他の導電構造を介してシートに接続されてもよく、本実施例では、これに対して制限しない。

エンドキャップ３０は、電極組立体１０に電気的に接続されてもよく、電極組立体１０と絶縁するように設けられてもよい。選択的に、エンドキャップ３０は、第１のシートに電気的に接続される。勿論、エンドキャップ３０は、直接、第１のシートに電気的に接続されてもよく、他の部材を介して第１のシートに電気的に接続されてもよい。

ハウジング２０とエンドキャップ３０は、同じ材料で製造されてもよく、異なる材料で製造されてもよい。

蓋本体３１は、板状構造であり、厚さ方向Ｚに対向して設けられる内面と外面を有し、蓋本体の内面３１１は、電極組立体１０に面する。選択的に、蓋本体３１は平板であり、蓋本体の内面３１１と蓋本体の外面３１２は、いずれも平面であり、且つ平行に設けられる。

凸部３２は、蓋本体３１の外側を囲む環状構造である。

凸部３２は、蓋本体の内面３１１に対して電極組立体１０に面する方向へ突出し、それにより凸部３２の少なくとも一部が蓋本体の内面３１１から突出するようになる。凸部３２は、全体的にハウジング２０内に伸び込んでもよく、一部のみがハウジング２０内に伸び込んでもよく、本実施例では、これに対して制限しない。

凸部３２のハウジング２０内に伸び込んだ部分は、ハウジング２０と締り嵌め、隙間嵌め又は中間嵌めされてもよく、本実施例では、これに対して制限しない。

凹部３３の位置は、凸部３２の位置に対応し、凹部３３は、蓋本体の外面３１２に対して電極組立体１０に面する方向へ凹む。凹部３３は、エンドキャップ３０における凸部３２に対応する領域がより高い弾性を有するように、凸部３２の強度を低下させることができる。

本実施例において、凸部３２は、エンドキャップ３０及びハウジング２０を組み立てる時にハウジング２０内に伸び込み、且つハウジング２０に合わせてエンドキャップ３０の位置を限定することにより、ハウジング２０及びエンドキャップ３０の位置決め難易度を低減し、電池セル７の組み立て効率を高めることができる。ハウジング２０は、凸部３２によりエンドキャップ３０の位置を限定することができ、このように、エンドキャップ３０とハウジング２０を接続する過程でエンドキャップ３０とハウジング２０の間のシフトや位置ずれを減少させ、シール性能を改良することができる。凹部３３は、凸部３２の強度を低下させることができ、このように、凸部３２とハウジング２０が互いに押圧する時に、凸部３２は、変形により応力を解放し、凸部３２とハウジング２０の間の押圧力及び摩擦力を減らし、発生した顆粒を減少させ、ハウジング２０が変形するリスクを低下させ、電池セル７の安全性能を高めることができる。

幾つかの実施例において、エンドキャップ３０の厚さ方向Ｚにおいて、凹部３３の底面は、蓋本体の内面３１１全体より電極組立体１０に近い。

本実施例では、第１の凹部３３の凹んだ深さを保証し、凸部３２の蓋本体の内面３１１からの突出程度を高めることができ、このように凸部３２とハウジング２０の間の合わせ効果を改良し、凸部３２の弾性を高めることで、凸部３２とハウジング２０の間の押圧力及び摩擦力を減らし、発生した顆粒を減少させ、ハウジング２０が変形するリスクを低下させ、電池セル７の安全性能を高めることができる。

幾つかの実施例において、蓋本体３１は、環状平板構造であってもよく、エンドキャップ３０は、蓋本体３１に囲まれた部分を含んでもよい。

幾つかの実施例において、ハウジング２０は、エンドキャップ３０に溶接される。溶接により、ハウジング２０とエンドキャップ３０の接続を実現することができるだけでなく、シール性を保証することもできる。

幾つかの実施例において、電極組立体１０の外形から見れば、電極組立体１０は、本体部１１、第１のタブ１２及び第２のタブ１３を含み、第１のタブ１２及び第２のタブ１３は、本体部１１から突出する。第１のタブ１２は、第１のシートの活物質層がコーティングされていない部分であり、第２のタブ１３は、第２のシートの活物質層がコーティングされていない部分である。それに対応し、第１のタブ１２及び第２のタブ１３のうちの一方は、正極性のタブであり、他方は、負極性のタブである。

第１のタブ１２と第２のタブ１３は、本体部１１の同一側から延出してもよく、それぞれ反対する両側から延出してもよい。

例示的に、第１のタブ１２と第２のタブ１３は、それぞれ本体部１１の両側に設けられ、換言すれば、第１のタブ１２と第２のタブ１３は、それぞれ電極組立体１０の両端に設けられる。選択的に、第１のタブ１２は、電極組立体１０のエンドキャップ３０に面する一端に位置し、第２のタブ１３は、電極組立体１０のエンドキャップ３０から離れる一端に位置する。

選択的に、第１のタブ１２は、電極組立体１０の中心軸線を囲んで多重に巻き取られ、換言すれば、第１のタブ１２は、多重巻きのタブ層を含む。巻取が完了した後、第１のタブ１２は、概ね円筒状であり、隣接する２重のタブ層の間に隙間が隔てられる。本願の実施例において、タブ層間の隙間を減少し、第１のタブ１２が他の導電構造に接続されやすいように、第１のタブ１２を処理することができる。例えば、本願の実施例において、第１のタブ１２の本体部１１から離れる端部領域が収束されて集められるように、第１のタブ１２にレベリング処理を行うことができる。レベリング処理により第１のタブ１２の本体部１１から離れる一端に緻密な端面を形成し、タブ層間の隙間を減少し、第１のタブ１２が他の導電構造に接続されやすくなる。代替的に、本願の実施例において、タブ層間の隙間を減少するように、隣接する２重のタブ層の間に導電材料を充填してもよい。

選択的に、第２のタブ１３は、電極組立体１０の中心軸線を囲んで多重に巻き取られ、第２のタブ１３は、多重のタブ層を含む。例示的に、第２のタブ１３のタブ層間の隙間を減少するように、第２のタブ１３にもレベリング処理を行った。

幾つかの実施例において、電極組立体１０のエンドキャップ３０に面する一端に第１のタブ１２が設けられ、第１のタブ１２は、エンドキャップ３０に電気的に接続される。

エンドキャップ３０は、第１のタブ１２に直接接続されてもよく、例えば、エンドキャップ３０は、エンドキャップ３０と第１のタブ１２の電気的接続を実現するように、第１のタブ１２に直接溶接されてもよい。代替的に、エンドキャップ３０は、他の導電構造（例えば集電部材５０）を介して第１のタブ１２に間接接続されてもよい。

本実施例において、エンドキャップ３０の電位は、第１のタブ１２の電位と実質的に同じであるとすることができ、このように、エンドキャップ３０は、電池セル７の出力極とすることができ、それにより、従来の電極端子を１つ省き、電池セル７の構造を簡略化する。

幾つかの実施例において、電極組立体１０の第１のタブ１２は、エンドキャップ３０を介してハウジング２０に電気的に接続される。

本実施例において、エンドキャップ３０を介してハウジング２０を電極組立体１０の第１のタブ１２に接続することで、ハウジング２０の電位が第１のタブ１２の電位と実質的に同じであるようにし、このように、ハウジング２０自体は、電池セル７の出力極とすることができ、それにより、従来の電極端子を１つ省き、電池セル７の構造を簡略化する。複数の電池セル７がセットに組み立てられる時、ハウジング２０は、合流部材に電気的に接続することができ、このように電流通過面積を大きくすることができるだけでなく、合流部材の構造設計をより柔軟にすることもできる。

幾つかの実施例において、ハウジング２０は、側壁２２及び底壁２３を含み、側壁２２は、エンドキャップ３０の厚さ方向Ｚに延伸するとともに、電極組立体１０の外周を囲んで設けられ、底壁２３は、側壁２２の一端に接続され、且つ電極組立体１０のエンドキャップ３０から離れる側に位置し、底壁２３に電極引出孔２３１が設けられる。電極組立体１０の底壁２３に面する一端に第２のタブ１３が設けられ、第１のタブ１２と第２のタブ１３は、極性が反対である。電池セル７は、電極引出孔２３１に取り付けられる電極端子４０を更に含み、電極端子４０は、第２のタブ１３に電気的に接続される。

側壁２２と底壁２３は、一体的に形成された構造であってもよく、即ち、ハウジング２０は、一体成形された部材である。勿論、側壁２２と底壁２３は、別々に提供された２つの部材で、溶接、リベット締め、粘着などの手段で接続されてもよい。

側壁２２は、筒状構造であり、例えば、側壁２２は、円形筒又は方形筒であってもよく、底壁２３は、板状構造であり、その形状が側壁２２の形状に対応する。選択的に、側壁２２の一端に開口２１が形成され、底壁２３は、側壁２２の開口２１から離れる他端に接続される。

第２のタブ１３は、電極端子４０に直接電気的に接続されてもよく、他の導電構造を介して電極端子４０に間接電気的に接続されてもよい。

電極端子４０は、底壁２３に絶縁的に設けられ、電極端子４０と底壁２３は、異なる極性を有してもよく、電極端子４０及び底壁２３は、それぞれ電池セル７の２つの出力極とすることができる。選択的に、電池セル７は、絶縁部材を更に含み、絶縁部材の少なくとも一部は、底壁２３と電極端子４０を絶縁させるように隔てるために、底壁２３と電極端子４０の間に位置する。

第１のタブ１２が負極タブであり、第２のタブ１３が正極タブである場合、底壁２３は、電池セル７の負出力極であり、電極端子４０は、電池セル７の正出力極である。第１のタブ１２が正極タブであり、第２のタブ１３が負極タブである場合、底壁２３は、電池セル７の正出力極であり、電極端子４０は、電池セル７の負出力極である。

電極端子４０は、底壁２３に固定される。電極端子４０は、全体的に底壁２３の外側に固定されてもよく、電極引出孔２３１を通過してハウジング２０の内部に伸び込んでもよい。

第１のタブ１２は、エンドキャップ３０が第１のタブ１２に電気的に接続されるように、電極組立体１０のエンドキャップ３０に面する一端に位置し、それに応じて、第２のタブ１３は、電極端子４０が第２のタブ１３に電気的に接続されるように、電極組立体１０の底壁２３に面する一端に位置する。本願の実施例において、第１のタブ１２と第２のタブ１３を電極組立体１０の両端に設けることで、第１のタブ１２と第２のタブ１３が導通するリスクを低下させ、第１のタブ１２の電流通過面積及び第２のタブ１３の電流通過面積を大きくすることができる。

本実施例において、底壁２３及び電極端子４０は、電池セル７の２つの出力極とすることができ、このように電池セル７の構造を簡略化し、電池セル７の電流通過能力を保証することができる。底壁２３と電極端子４０は、電池セル７の同一端に位置し、このように、合流部材は、電池セルの同一側に組み立てることができ、このように組み立てプロセスを簡略化し、複数の電池セルがセットに組み立てられる効率を高めることができる。

幾つかの実施例において、底壁２３と側壁２２は、一体的に形成された構造である。本実施例において、底壁２３と側壁２２の接続工程を省き、両者の間の抵抗を減らすことができる。例えば、ハウジング２０は、引張プロセスにより成形可能である。

本願の実施例の電極引出孔２３１は、ハウジング２０の引張成形後に形成される。

発明者は、ハウジングの開口端を内へ折り曲げてフランジ構造を形成し、フランジ構造によりエンドキャップを押えてエンドキャップの固定を実現するように、ハウジングの開口端を圧延することを試みた。発明者は、電極端子をエンドキャップに取り付け、且つフランジ構造と電極端子を電池セルの２つの出力電極とした。しかしながら、フランジ構造は、寸法が大きいほど、成形後にカールやしわが発生するリスクが高くなる。フランジ構造にカールとしわが発生すると、フランジ構造の表面が凸凹になり、フランジ構造と合流部品を溶接する時、溶接不良の問題が引き起こされる。従って、フランジ構造の寸法が制限され、電池セルの電流通過能力の不足を招く。

本実施例において、開孔プロセスにより底壁２３に電極端子４０を取り付けるための電極引出孔２３１を形成し、正出力極及び負出力極を電池セル７の開口２１から離れる一端に設け、底壁２３がハウジング２０の成形過程で形成され、電極引出孔２３１を開設した後にも底壁２３の平坦性を保証し、底壁２３と合流部材の接続強度を保証することができる。同時に、底壁２３の平坦性は、それ自体の寸法に制限されないため、底壁２３は、大きい寸法を有することで、電池セル７の電流通過能力を高めることができる。

幾つかの実施例において、第１のタブ１２は負極タブであり、ハウジング２０の基体材質は鋼である。

ハウジング２０は負極タブに電気的に接続され、即ちハウジング２０は低電位状態にある。鋼製のハウジング２０は、低電位状態で電解液に腐食されにくく、安全上のリスクが低下する。

幾つかの実施例において、ハウジング２０の基体材質とエンドキャップ３０の基体材質は同じである。選択的に、ハウジング２０の基体材質とエンドキャップ３０の基体材質はいずれも鋼である。

本実施例において、ハウジング２０の基体材質とエンドキャップ３０の基体材質が同じであることにより、ハウジング２０とエンドキャップ３０の溶接強度を保証し、電池セル７のシール性を改良することができる。

幾つかの実施例において、電池セルは円筒型電池セルである。それに応じて、電極組立体１０は、円筒構造であり、ハウジング２０は、円筒状の中空構造である。

幾つかの実施例において、凸部３２は、第１のタブ１２を直接支持してもよく、他の部材を介して第１のタブ１２を支持してもよい。

幾つかの実施例において、凸部３２は、第１のタブ１２を支持するように、電極組立体１０の第１のタブ１２に当接する。

本実施例において、凸部３２は、第１のタブ１２を支持し、電池セル７の振動時における電極組立体１０のがたつきの幅を減らし、電極組立体１０の安定性を高めることができる。

幾つかの実施例において、凸部は、第１のタブとエンドキャップを電気的に接続するように、第１のタブに溶接される。

本実施例において、凸部３２と第１のタブ１２を直接溶接し、他のアダプター部材を必要とすることなく、電池セル７の構造を簡略化することができる。本実施例において、凹部３３を設けることで凸部３２の厚さを減らし、このように凸部３２と第１のタブ１２の溶接に必要な溶接パワーを減らし、発熱を減少させ、他の部材が焼損されるリスクを低下させることができる。

幾つかの実施例において、凸部３２は、ハウジング２０に合わせて、エンドキャップ３０の径方向における位置を限定するために用いられる。

ハウジング２０は、中心軸を有し、側壁２２は、中心軸を囲んで設けられる。ハウジング２０の中心軸は、エンドキャップ３０の厚さ方向Ｚに沿って延伸する。本願の説明では、径方向は、厚さ方向Ｚに垂直で中心軸を通る方向である。

本願で説明される径方向は、円筒型電池セルに適用される。円筒型電池セルでは、電極組立体１０は、円筒構造であり、ハウジング２０は、円筒状の中空構造であり、エンドキャップ３０は、円板構造である。円筒型電池セルについて、「径方向」は、ハウジング２０の半径方向であってもよい。

勿論、本願で説明される径方向は、方形電池セルにも適用可能である。方形電池セルでは、電極組立体１０は、扁平構造であり、ハウジング２０は、方形中空構造であり、エンドキャップ３０は、方形板状構造である。

幾つかの実施例において、ハウジング２０の側壁２２は、エンドキャップ３０の厚さ方向Ｚに延伸するとともに、電極組立体１０の外周を囲んで設けられ、側壁の内壁面２２１及び凸部の外周面３２１は、いずれも厚さ方向Ｚに平行であり、且つ両者が対向して設けられる。

ハウジング２０の側壁２２は、対向して設けられる内壁面と外壁面を有し、側壁の内壁面２２１は、電極組立体１０に面する。側壁の内壁面２２１及び側壁の外壁面２２２は、いずれも柱面である。側壁の内壁面２２１は、第１の母線が設定された軌跡に沿って平行に移動して形成した曲面である。選択的に、側壁の内壁面２２１は、円筒面であり、即ち、側壁の内壁面２２１は、第１の母線が円形の軌跡に沿って平行に移動して形成した曲面である。選択的に、側壁の外壁面２２２も円筒面である。

凸部の外周面３２１は柱面である。凸部の外周面３２１は、第２の母線が設定された軌跡に従って平行に移動して形成した曲面である。選択的に、凸部の外周面３２１は円筒面である。

第１の母線が第２の母線に平行である場合、凸部の外周面３２１は、側壁の内壁面２２１に平行である。例示的に、第１の母線及び第２の母線は、いずれも厚さ方向Ｚに平行な直線である。

側壁の内壁面２２１は、凸部の外周面３２１の外側を囲み、このように、凸部３２がハウジング２０内に伸び込んだ後、側壁の内壁面２２１は、凸部の外周面３２１によりエンドキャップ３０の位置を制限することができる。

本実施例において、側壁の内壁面２２１と凸部の外周面３２１が平行に設けられることで、側壁の内壁面２２１と凸部の外周面３２１が互いに接触し、押圧する時に、両者の間の受ける力が均一であり、応力の集中が減らされ、ハウジング２０及び凸部３２の変形が低下する。

幾つかの実施例において、ハウジング２０の側壁２２と凸部３２は、側壁の内壁面２２１が凸部の外周面３２１に押し付けられるように締り嵌めされる。

凸部３２のハウジング２０内に伸び込んだ部分は、全体的にハウジング２０に締り嵌めされてもよく、局所的にハウジング２０に締り嵌めされてもよい。

凸部の外周面３２１及び側壁の内壁面２２１がいずれも円筒面である場合を例とし、エンドキャップ３０及びハウジング２０を組み立てる前に、凸部の外周面３２１の直径は、側壁の内壁面２２１の直径よりも大きく、このように、凸部３２がハウジング２０に伸び込んだ後、凸部３２のハウジング２０内に伸び込んだ部分は、ハウジング２０に締り嵌めされる。

本実施例において、締り嵌めにより、ハウジング２０とエンドキャップ３０の間の接続強度を大きくし、シール性能を改良することができる。本実施例において、凹部３３を設けることで凸部３２の強度を低下させ、凸部３２がハウジング２０に伸び込む過程で凸部３２とハウジング２０の間の作用力を減らすことで、ハウジング２０と凸部３２が締り嵌めされても、発生した顆粒を減少させ、ハウジング２０が変形するリスクを低下させ、電池セル７の安全性能を高めることができる。

幾つかの実施例において、側壁の内壁面２２１と凸部の外周面３２１は、溶接されて第１の溶接部Ｗ１を形成する。厚さ方向Ｚにおいて、第１の溶接部Ｗ１は、電極組立体１０から離れる方向において蓋本体の外面３１２を超えていない。

選択的に、凸部３２と側壁２２は、レーザ溶接により接続される。凸部３２と側壁２２を溶接する時、レーザは、凸部の外周面３２１と側壁の内壁面２２１の境界に照射され、レーザは、凸部の外周面３２１の少なくとも一部と側壁の内壁面２２１の一部を溶融させて接続する。

本実施例において、第１の溶接部Ｗ１により開口２１を密閉することで、シールを実現し、電解液が凸部の外周面３２１と側壁の内壁面２２１の間から漏れるリスクを低下させる。

凸部３２とハウジング２０を溶接する時、凸部３２とハウジング２０が締り嵌めされる場合、エンドキャップ３０を固定するための外部機器を必要とせず、組み立てプロセスを簡略化する。また、凸部の外周面３２１は、側壁の内壁面２２１に当接し、このように、レーザがハウジング２０の内部に照射して電極組立体１０が焼損されるリスクを低下させることができる。締り嵌めにより、更に溶接によって発生したガス副生成物を阻止し、凸部の外周面３２１と側壁の内壁面２２１の間を通過するガス副生成物を減少させ、電極組立体のセパレータが焼損されるリスクを低下させることができる。

本実施例において、厚さ方向Ｚにおいて、第１の溶接部Ｗ１の露出した表面は、電極組立体１０から離れる方向において蓋本体の外面３１２を超えていない。

蓋本体３１は、電池セル７の耐荷重構造とすることができる。電池セル７を電力消費装置に取り付けた後、外部の支持構造は、蓋本体３１を介して電池セル７を支持することができる。本実施例において、第１の溶接部Ｗ１が電極組立体１０から離れる方向において蓋本体の外面３１２を超えないようにすることで、外部支持構造と第１の溶接部Ｗ１の間の作用力を減らし、第１の溶接部Ｗ１が破裂するリスクを低下させ、ハウジング２０とエンドキャップ３０の間の接続強度及びシール性能を保証する。

幾つかの実施例において、側壁２２は、開口２１を囲む第１の外端面２２３を含み、第１の外端面２２３は、側壁の内壁面２２１に接続される。厚さ方向Ｚにおいて、凸部３２は、電極組立体１０から離れる一端に第２の外端面３２２を有し、第２の外端面３２２は、凸部の外周面３２１に接続され、第１の外端面２２３と第２の外端面３２２は面一であり、且つ第１の外端面２２３と第２の外端面３２２は、蓋本体の外面３１２より電極組立体１０に近い。

第１の外端面２２３は、側壁の内壁面２２１及び側壁の外壁面２２２に接続される。第２の外端面３２２の凸部の外周面３２１から離れる一端は、凹部３３の側壁面に接続される。

選択的に、第１の外端面２２３及び第２の外端面３２２は、いずれも側壁の内壁面２２１及び凸部の外周面３２１に垂直である。

溶接されて形成した第１の溶接部Ｗ１は凸凹であり、第１の外端面２２３及び第２の外端面３２２から突出する場合があり、第１の外端面２２３と蓋本体の外面３１２が面一である場合、第１の溶接部Ｗ１は、電池セル７の耐荷重部分として、第１の溶接部Ｗ１が破裂するリスクを引き起こす虞がある。

本実施例において、第１の外端面２２３及び第２の外端面３２２が蓋本体の外面３１２より電極組立体１０に近いようにすることで、第１の溶接部Ｗ１が第１の外端面２２３及び第２の外端面３２２から突出しても、第１の溶接部Ｗ１が電極組立体１０から離れる方向において蓋本体の外面３１２を超えないようにすることができ、それにより第１の溶接部Ｗ１の受けた作用力を減らし、第１の溶接部Ｗ１が破裂するリスクを低下させ、ハウジング２０とエンドキャップ３０の間の接続強度及びシール性能を保証する。

幾つかの実施例において、凸部３２は、側壁２２に面する案内面３２３を更に含み、案内面３２３は、凸部の外周面３２１の電極組立体１０に近い端部に接続され、且つ、案内面３２３は、凸部３２がハウジング２０に伸び込むように案内するために、凸部の外周面３２１に対して側壁の内壁面２２１から離れる方向へ傾斜する。

案内面３２３と側壁の内壁面２２１は、間隔をおいて設けられる。エンドキャップ３０から電極組立体１０に向かう方向において、案内面３２３と側壁の内壁面２２１の径方向におけるピッチは、徐々に大きくなる。

本実施例において、凸部３２に傾斜した案内面３２３を設けることで、エンドキャップ３０及びハウジング２０を組み立てる時に凸部３２をハウジング２０に挿入するように案内することで（特に凸部３２とハウジング２０が締り嵌めされる場合）、組み立てプロセスを簡略化し、組み立て効率を高めることができる。

図７は、本願の別の実施例により提供される電池セルの断面模式図である。

幾つかの実施例において、ハウジング２０は、第１の溶接部Ｗ１を被覆するように、側壁２２に接続されるとともに側壁２２に対して蓋本体３１へ折り曲げられるフランジ部２４を更に含む。

フランジ部２４と側壁２２は、一体的に形成された構造であり、且つフランジプロセスにより形成される。

フランジ部２４の側壁２２から離れる一端に開口２１が形成される。

エンドキャップ３０及びハウジング２０を組み立てる時に、エンドキャップ３０の凸部３２をハウジング２０内に挿入してから、凸部３２と側壁２２を溶接して第１の溶接部Ｗ１を形成する。溶接完了後、第１の溶接部Ｗ１を被覆するフランジ部２４を形成するように、ハウジング２０の開口２１に近い部分を圧延する。

本実施例において、フランジ部２４は、第１の溶接部Ｗ１を保護し、第１の溶接部Ｗ１が腐食されて破壊されるリスクを低下させ、ハウジング２０とエンドキャップ３０の間の接続強度及びシール性能を保証することができる。

幾つかの実施例において、フランジ部２４の電極組立体１０から離れる表面と蓋本体の外面は面一である。

図８は、本願の更に別の実施例により提供される電池セルの断面模式図であり、図９は、図８に示される電池セルの丸枠Ｂにおける拡大模式図であり、図１０は、図９のボックスＣにおける拡大模式図である。

図８～図１０に示すように、幾つかの実施例において、エンドキャップ３０は、凸部の外周面３２１から突出するとともに凸部３２の外側を囲む延伸部３６を更に含み、延伸部の内面３６１は、ハウジング２０とエンドキャップ３０を一体的に接続するように、側壁２２の開口を囲む第１の外端面２２３に溶接される。

延伸部３６は、厚さ方向Ｚに対向して設けられる内面と外面を含み、延伸部の内面３６１は、電極組立体１０に面する。選択的に、延伸部３６は、環状の平板構造であり、延伸部の内面３６１及び延伸部の外面３６２は、いずれも平面である。

延伸部３６及び側壁２２は、厚さ方向Ｚに配置され、延伸部の内面３６１は、第１の外端面２２３に平行に設けられてもよい。

選択的に、延伸部３６と側壁２２を溶接する時、レーザは、第１の外端面２２３と延伸部の内面３６１の境界に照射され、溶接後に、延伸部の内面３６１の少なくとも一部及び第１の外端面２２３の少なくとも一部が溶融して接続される。

延伸部の内面３６１と側壁２２の第１の外端面２２３は、溶接されて第２の溶接部Ｗ２を形成する。

第１の外端面２２３は、ハウジング２０の最外端にあり、本実施例において、延伸部の内面３６１を第１の外端面２２３に当接させる。

本実施例において、エンドキャップ３０及びハウジング２０を組み立てる時に、第１の外端面２２３は、エンドキャップ３０の厚さ方向Ｚにおいて位置規制する役割を果たし、エンドキャップ３０がハウジング２０に過度に挿入されるリスクを低下させ、組み立て効率を高めることができる。

幾つかの実施例において、凸部３２とハウジング２０は、凸部の外周面３２１と側壁の内壁面２２１の間に隙間を形成するように隙間嵌めされる。

凸部の外周面３２１及び側壁の内壁面２２１がいずれも円筒面である場合を例とし、エンドキャップ３０及びハウジング２０を組み立てる前に、凸部の外周面３２１の直径は、側壁の内壁面２２１の直径よりも小さく、このように、凸部３２がハウジング２０に伸び込んだ後、凸部３２のハウジング２０内に伸び込んだ部分は、ハウジング２０に隙間嵌めされる。

本実施例において、隙間嵌めにより、ハウジング２０の凸部３２に対する位置規制を保証することができるだけでなく、凸部３２がハウジング２０に伸び込む過程で凸部３２とハウジング２０の間の作用力を減らし、凸部３２とハウジング２０が摩擦するリスクを低下させ、発生した顆粒を減少させ、ハウジング２０の変形を減らし、電池セル７の安全性能を高めることもできる。

幾つかの実施例において、電極組立体１０から側壁２２に向かう方向において、凸部の外周面３２１と側壁の内壁面２２１の間の隙間の寸法は、０．０２ｍｍ～０．５ｍｍである。

例示的に、「電極組立体から側壁に向かう方向」は、径方向であってもよい。

例示的に、電極組立体１０から側壁２２に向かう方向において、凸部の外周面３２１と側壁の内壁面２２１の間の隙間の寸法は、Ｌ１とされる。Ｌ１の値が小さいほど、凸部の外周面３２１と側壁の内壁面２２１が摩擦するリスクが高くなり、顆粒が発生するリスクも高くなり、Ｌ１の値が大きいほど、凸部３２がハウジング２０に伸び込んだ後に、凸部３２の可動範囲が大きくなり、延伸部３６とハウジング２０が溶接不良になるリスクが高くなる。発明者は、試験を重ねた結果、リスクをバランスし、安全性能を高めるように、Ｌ１の値を０．０２ｍｍ～０．５ｍｍに設定する。

幾つかの実施例において、延伸部の内面３６１に逃げ溝３６３が設けられ、逃げ溝３６３は、凸部３２の外側を囲み、逃げ溝３６３の溝壁面は、延伸部の内面３６１と凸部の外周面３２１を接続するために用いられる。

凹部３３及び凸部３２は、打抜きプロセスにより形成されてもよい。発明者は、打抜き成形中に、凸部と延伸部の接続箇所に応力が集中することを見出した。応力の集中を軽減するために、発明者は、凸部と延伸部の接続箇所にフィレットを設けることを試みた。しかしながら、打抜き成形後に、フィレットの表面は、延伸部の内面と外周面の接続箇所に形成され、フィレットの表面が円滑であるため、凸部がハウジングに挿入される過程で第１の外端面に当接し、第１の外端面が延伸部の内面に密着できないことを引き起こす虞がある。

これに鑑み、発明者は、延伸部３６に逃げ溝３６３を設け、延伸部３６の逃げ溝３６３と対向する部分は、凸部３２に接続される。逃げ溝３６３は、凹むように設けられることで、凸部３２の成形時に材料のために流動空間を提供することができ、このように、フィレットは、延伸部３６の逃げ溝３６３と対向する部分に形成され、フィレットの表面は、逃げ溝３６３の溝壁面の一部であり、溝壁面は、延伸部の内面３６１に対して凹むため、本実施例において、第１の外端面２２３が延伸部の内面３６１に順調に当接することを保証することができる。

幾つかの実施例において、延伸部の外面３６２と蓋本体の外面３１２は面一である。

本実施例において、外部の支持構造は、延伸部３６及び蓋本体３１を介して電池セル７を支持することができ、このようにエンドキャップ３０の耐荷重部分の面積を大きくし、電池セル７の安定性を高めることができる。

幾つかの実施例において、電極組立体１０から側壁２２に向かう方向において、延伸部３６は、側壁の外壁面２２２を超えていない。

本実施例において、延伸部３６によって電池セル７の最大寸法が大きくなることを回避し、電池セル７のエネルギー密度を保証することができる。また、エンドキャップ３０が薄いため、延伸部３６が側壁の外壁面２２２を超えると、他の外部の部材にかき傷をつける虞がある。

幾つかの実施例において、電極組立体１０から側壁２２に向かう方向において、側壁の外壁面２２２は、延伸部を０．０２ｍｍ～０．５ｍｍ超えている。

延伸部の内面３６１と側壁２２の第１の外端面２２３が溶接されて形成した第２の溶接部Ｗ２は、延伸部３６の端面３６４から突出し、側壁の外壁面２２２と延伸部３６の凸部３２から離れる端面３６４が面一である場合、第２の溶接部Ｗ２は、側壁の外壁面２２２から突出し、電池セル７の最大寸法を大きくし、他の外部の部材にかき傷をつける虞がある。従って、本実施例において、側壁の外壁面２２２が延伸部３６を超えるようにすることで、第２の溶接部Ｗ２が側壁の外壁面２２２から突出するリスクを低下させる。

電極組立体１０から側壁２２に向かう方向において、側壁の外壁面２２２が延伸部３６を超える寸法は、Ｌ２とされる。Ｌ２の値が小さいほど、第２の溶接部Ｗ２が側壁の外壁面２２２から突出するリスクが高くなり、Ｌ２の値が大きいほど、延伸部３６と側壁２２の間の接続面積が小さくなり、延伸部３６と側壁２２の間の接続強度が低くなる。

発明者は、試験を重ねた結果、接続強度を保証する前提で、第２の溶接部Ｗ２が側壁の外壁面２２２から突出するリスクを可能な限り減らすように、Ｌ２の値を０．０２ｍｍ～０．５ｍｍに設定する。

幾つかの実施例において、電極組立体１０から側壁２２に向かう方向において、延伸部３６が凸部の外周面３２１から突出した寸法Ｌ３は、側壁２２の壁厚よりも小さい。

例示的に、Ｌ３は、延伸部３６の端面３６４と凸部の外周面３２１の径方向における距離である。

本実施例において、凸部の外周面３２１が側壁の内壁面２２１に当接する時に、側壁２２の壁厚は、延伸部３６が凸部の外周面３２１から突出した寸法よりも大きいため、側壁の外壁面２２２は、電極組立体１０から側壁２２に向かう方向において延伸部３６を超えている。

図１１は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの製造方法のフローチャートである。

図１１に示すように、本願の実施例の電池セルの製造方法は、以下のＳ１００～Ｓ５００を含む。

Ｓ１００において、開口を有するハウジングを提供する。

Ｓ２００において、電極組立体を提供し、電極組立体をハウジング内に取り付ける。

Ｓ３００において、蓋本体と、蓋本体の外側を囲むとともに、蓋本体の内面から突出する凸部と、を含み、その凸部に対応する位置に蓋本体の外面から凹む凹部が形成されているエンドキャップを提供する。

Ｓ４００において、凸部の少なくとも一部をハウジング内に伸び込ませて、ハウジングに合わせるために用いる。

Ｓ５００において、エンドキャップが開口を覆うように、エンドキャップとハウジングを接続する。

凸部は、電極組立体に面する方向へ蓋本体の内面から突出し、凹部は、蓋本体の外面から電極組立体に面する方向へ凹み、且つ、凹部は、凸部がハウジングに伸び込む過程で応力を解放するために用いられる。

上記電池セルの製造方法により製造された電池セルに関連する構造は、上記各実施例により提供される電池セルを参照できることを説明しておく。

上記電池セルの製造方法に基づいて電池セルを組み立てる時、必ず上記ステップに従って順次行わなくてもよく、つまり、実施例において言及された順序に従ってステップを実行してもよく、実施例において言及された順序と異なる順序でステップを実行するか、又は複数のステップを同時に実行してもよい。例えば、ステップＳ１００、Ｓ３００は、ランダムな順序で実行され、同時に行われてもよい。

図１２は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの製造システムの模式的ブロック図である。

図１２に示すように、本願の実施例の電池セルの製造システム９０は、
開口を有するハウジングを提供するための第１の提供装置９１と、
電極組立体を提供し、電極組立体をハウジング内に取り付けるための第２の提供装置９２と、
蓋本体と、蓋本体の外側を囲むとともに、蓋本体の内面から突出する凸部と、を含み、その凸部に対応する位置に蓋本体の外面から凹む凹部が形成されているエンドキャップを提供するための第３の提供装置９３と、
凸部の少なくとも一部をハウジング内に伸び込ませて、ハウジングに合わせるために用いる第１の組み立て装置９４と、
エンドキャップが開口を覆うように、エンドキャップとハウジングを接続する第２の組み立て装置９５と、を含み、
凸部は、電極組立体に面する方向へ蓋本体の内面から突出し、凹部は、蓋本体の外面から電極組立体に面する方向へ凹み、且つ、凹部は、凸部がハウジングに伸び込む過程で応力を解放するために用いられる。

上記製造システムにより製造された電池セルに関連する構造は、上記各実施例により提供される電池セルを参照できる。

衝突しない限り、本願に係る実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができることを説明しておく。

最後に説明すべきこととして、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためにのみ用いられ、それを限定するためのものではない。前述した各実施例を参照しながら本願について詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、依然として前述した各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はその一部の技術的特徴に同等置換を行うことができ、これらの修正や置換によって、対応する技術的解決手段の実質が本願の各実施例の技術的解決手段の精神と範囲から逸脱することはない。

Claims (25)

1. 開口を有するハウジングと、
   前記ハウジング内に収容される電極組立体と、
   前記開口を覆うために用いられ、蓋本体と、前記蓋本体の外側を囲むとともに、前記電極組立体に面する方向へ前記蓋本体の内面から突出し、且つ少なくとも一部が前記ハウジング内に位置して前記ハウジングに嵌合するための凸部と、を含むエンドキャップと、を含み、
   前記エンドキャップの前記凸部に対応する位置には、前記蓋本体の外面から前記電極組立体に面する方向へ凹み、且つ前記凸部が前記ハウジングに挿入される過程で応力を減少させるための凹部が形成され、
   前記電極組立体の前記エンドキャップに面する一端に第１のタブが設けられ、
   前記凸部と前記第１のタブの間に、集電部材が設けられ、
   前記凸部と前記集電部材は電気的に接続され、且つ、前記凸部は前記エンドキャップの厚さ方向において前記集電部材に当接している電池セル。
2. 前記エンドキャップの厚さ方向において、前記凹部の底面は、前記蓋本体の内面全体より前記電極組立体に近い請求項１に記載の電池セル。
3. 前記ハウジングの側壁は、前記エンドキャップの厚さ方向に延伸するとともに、前記電極組立体の外周を囲んで設けられ、前記側壁の内壁面及び前記凸部の外周面は、いずれも前記厚さ方向に平行であり、且つ両者が対向して設けられる請求項１又は２に記載の電池セル。
4. 前記ハウジングの側壁と前記凸部は、前記側壁の内壁面が前記凸部の外周面に押し付けられるように締り嵌めされる請求項３に記載の電池セル。
5. 前記側壁の内壁面と前記凸部の外周面は、溶接されて第１の溶接部を形成し、
   前記厚さ方向において、前記第１の溶接部は、前記電極組立体から離れる方向へ前記蓋本体の外面を超えていない請求項３又は４に記載の電池セル。
6. 前記側壁は、前記開口を囲む第１の外端面を含み、前記第１の外端面は、前記側壁の内壁面に接続され、
   前記厚さ方向において、前記凸部は、前記電極組立体から離れる一端に第２の外端面を有し、前記第２の外端面は、前記凸部の外周面に接続され、前記第１の外端面と前記第２の外端面は面一であり、且つ前記第１の外端面と前記第２の外端面は、前記蓋本体の外面より前記電極組立体に近い請求項５に記載の電池セル。
7. 前記ハウジングは、前記第１の溶接部を被覆するように、前記側壁に接続されるとともに前記側壁に対して前記蓋本体へ折り曲げられるフランジ部を更に含む請求項５に記載の電池セル。
8. 前記エンドキャップは、前記凸部の外周面から突出するとともに前記凸部の外側を囲む延伸部を更に含み、前記延伸部の内面は、前記ハウジングと前記エンドキャップを一体的に接続するように、前記側壁の前記開口を囲む第１の外端面に溶接される請求項３に記載の電池セル。
9. 前記凸部と前記ハウジングは、前記凸部の外周面と前記側壁の内壁面の間に隙間を形成するように隙間嵌めされる請求項８に記載の電池セル。
10. 前記電極組立体から前記側壁に向かう方向において、前記凸部の外周面と前記側壁の内壁面の間の前記隙間の寸法は、０．０２ｍｍ～０．５ｍｍである請求項９に記載の電池セル。
11. 前記延伸部の内面に逃げ溝が設けられ、前記逃げ溝は、前記凸部の外側を囲み、前記逃げ溝の溝壁面は、前記延伸部の内面と前記凸部の外周面を接続するために用いられる請求項８～１０の何れか一項に記載の電池セル。
12. 前記延伸部の外面と前記蓋本体の外面は面一である請求項８～１１の何れか一項に記載の電池セル。
13. 前記電極組立体から前記側壁に向かう方向において、前記延伸部は、前記側壁の外壁面を超えていない請求項８～１２の何れか一項に記載の電池セル。
14. 前記電極組立体から前記側壁に向かう方向において、前記側壁の外壁面は、前記延伸部を０．０２ｍｍ～０．５ｍｍ超えている請求項１３に記載の電池セル。
15. 前記電極組立体から前記側壁に向かう方向において、前記延伸部が前記凸部の外周面から突出した寸法は、前記側壁の壁厚よりも小さい請求項１３又は１４に記載の電池セル。
16. 前記凸部は、前記側壁に面する案内面を更に含み、前記案内面は、前記凸部の外周面の前記電極組立体に近い端部に接続され、且つ、前記案内面は、前記凸部が前記ハウジングに挿入されるように案内するために、前記凸部の外周面に対して前記側壁の内壁面から離れる方向へ傾斜する請求項３～１５の何れか一項に記載の電池セル。
17. 前記電極組立体の第１のタブは、前記エンドキャップを介して前記ハウジングに電気的に接続される請求項１～１６の何れか一項に記載の電池セル。
18. 前記ハウジングは、側壁及び底壁を含み、前記側壁は、前記エンドキャップの厚さ方向に延伸するとともに、前記電極組立体の外周を囲んで設けられ、前記底壁は、前記側壁の一端に接続され、且つ前記電極組立体の前記エンドキャップから離れる側に位置し、前記底壁に電極引出孔が設けられ、
    前記電極組立体の前記底壁に面する一端に第２のタブが設けられ、前記第１のタブと前記第２のタブは、極性が反対であり、
    前記電池セルは、前記電極引出孔に取り付けられる電極端子を更に含み、前記電極端子は、前記第２のタブに電気的に接続される請求項１７に記載の電池セル。
19. 前記底壁と前記側壁は、一体的に形成された構造である請求項１８に記載の電池セル。
20. 前記第１のタブは負極タブであり、前記ハウジングの基体材質は鋼である請求項１７～１９の何れか一項に記載の電池セル。
21. 前記電池セルは円筒型電池セルである請求項１～２０の何れか一項に記載の電池セル。
22. 複数の請求項１～２１の何れか一項に記載の電池セルを含む電池。
23. 電気エネルギーを提供するための請求項２２に記載の電池を含む電力消費装置。
24. 開口を有するハウジングを提供するステップと、
    電極組立体を提供し、前記電極組立体を前記ハウジング内に取り付けるステップと、
    蓋本体と、前記蓋本体の外側を囲むとともに、前記蓋本体の内面から突出する凸部と、を含み、その前記凸部に対応する位置に前記蓋本体の外面から凹む凹部が形成されているエンドキャップを提供するステップと、
    前記凸部の少なくとも一部を前記ハウジング内に挿入させて、前記ハウジングに嵌合するために用いるステップと、
    前記エンドキャップが前記開口を覆うように、前記エンドキャップと前記ハウジングを接続するステップと、を含み、
    前記凸部は、前記電極組立体に面する方向へ前記蓋本体の内面から突出し、前記凹部は、前記蓋本体の外面から前記電極組立体に面する方向へ凹み、且つ、前記凹部は、前記凸部が前記ハウジングに挿入される過程で応力を減少させるために用いられ、
    前記電極組立体の前記エンドキャップに面する一端に第１のタブが設けられ、
    前記凸部と前記第１のタブの間に、集電部材が設けられ、
    前記凸部と前記集電部材は電気的に接続され、且つ、前記凸部は前記エンドキャップの厚さ方向において前記集電部材に当接している電池セルの製造方法。
25. 開口を有するハウジングを提供するための第１の提供装置と、
    電極組立体を提供し、前記電極組立体を前記ハウジング内に取り付けるための第２の提供装置と、
    蓋本体と、前記蓋本体の外側を囲むとともに、前記蓋本体の内面から突出する凸部と、を含み、その前記凸部に対応する位置に前記蓋本体の外面から凹む凹部が形成されているエンドキャップを提供するための第３の提供装置と、
    前記凸部の少なくとも一部を前記ハウジング内に挿入させて、前記ハウジングに嵌合するために用いる第１の組み立て装置と、
    前記エンドキャップが前記開口を覆うように、前記エンドキャップと前記ハウジングを接続する第２の組み立て装置と、を含み、
    前記凸部は、前記電極組立体に面する方向へ前記蓋本体の内面から突出し、前記凹部は、前記蓋本体の外面から前記電極組立体に面する方向へ凹み、且つ、前記凹部は、前記凸部が前記ハウジングに挿入される過程で応力を減少させるために用いられ、
    前記電極組立体の前記エンドキャップに面する一端に第１のタブが設けられ、
    前記凸部と前記第１のタブの間に、集電部材が設けられ、
    前記凸部と前記集電部材は電気的に接続され、且つ、前記凸部は前記エンドキャップの厚さ方向において前記集電部材に当接している電池セルの製造システム。
    

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