JP7518087B2 - 有機半導体 - Google Patents

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本発明は、ハロ置換4,8-ジチオフェニル-ベンゾジチオフェン単位およびベンゾジチオフェン-ジオン単位を含む新規有機半導体(OSC)ランダム共重合体;当該共重合体の調製方法;当該調製方法で使用される遊離体または中間体;当該共重合体を含む組成物および配合物;有機半導体としての、または、有機電子(OE)デバイス、特に、有機光起電(OPV)デバイス、ペロブスカイト系太陽電池(PSC)デバイス、有機光検出器(OPD)、有機電界効果トランジスタ(OFET)および有機発光ダイオード(OLED)の製造における、当該共重合体および組成物の使用;並びに、当該共重合体または組成物を含むOEデバイスに関する。
近年、より汎用的で、低コストの電子デバイスを製造するために、OSC材料の開発が行われている。このような材料は、ほんの数例を挙げると、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機発光ダイオード(OLED)、有機光検出器(OPD)、有機光起電(OPV)電池、ペロブスカイト系太陽電池(PSC)デバイス、センサ、記憶素子および論理回路を含む、広範囲のデバイスまたは装置での用途が見出されている。OSC材料は、典型的には、例えば50~300nmの厚さの薄層の形態で電子デバイス中に存在する。
OSC材料は、費用効果の高い低温における溶液処理技術によって製造される有機エレクトロニクスにおける収益性の高い商業的見通しに主に起因して、ますます注意を集めている。OSCは、無機の同等物に比べて、多くの利点を有すると一般に考えられている。当該利点の例として、軽量のフレキシブルバックプレーンの製造の可能性、低コストで高速の溶液ベース製造技術を使用した大面積のディスプレイを製造する機会、および、合理的な化学構造の改変を介して、光学的特性と電子的特性の微調整が可能であること等が挙げられる。
重要な特定分野の1つは、有機光起電(OPV)である。溶液処理技術(例えば、スピンキャスティング、ディップコーティング、またはインクジェット印刷)によるデバイスの製造が可能になるので、共役OSCポリマーおよびOSC小分子は、OPV(主に、光活性層)での使用が見出されている。無機薄膜デバイスを作製するために使用される蒸発技術と比較して、溶液処理はより安価にさらにより大規模に実施することができる。現在、ポリマーベースの光起電デバイスは、14%を超える効率を達成している。
バルクヘテロ接合(BHJ)を形成する、n型OSCとp型OSCとの混合物(典型的には、π-共役ポリマー)を含む光活性層において、π-共役ポリマーは太陽エネルギーの主な吸収体として機能する。したがって、低バンドギャップは太陽スペクトルの最大限を吸収するためのポリマーにとって基本的な要件である。
したがって、OPV電池およびOPDにおける供与体OSCとしての使用のために、共役ポリマーは低バンドギャップを有するべきである。これによって、光活性層による光捕集の改善を可能にし、高電力変換効率をもたらし得る。
遷移金属触媒重縮合によって供与体-受容体(D-A)共重合体を合成するためにπ-π-供与体-受容体(D-A)モノマーを重合することは、OPVおよびOPD用途のための低バンドギャップ半導体ポリマーを達成するための公知の戦略である。共役D-A共重合体はまた、OTFTにおいて高い電荷キャリア移動度を示すことが見出されている。交互D-A構造はより強い分子間相互作用を促進し、供与体モノマー単位および受容体モノマー単位間の静電気引力による、より小さいπ-πスタッキング距離および効率的な分子間電荷移動をもたらすことが一般に認められている。
重要な別の具体的な分野は、OFETである。OFETデバイスの性能は、主に、半導体材料の電荷キャリア移動度および電流オン/オフ比に基づいているため、理想的な半導体は、高い電荷キャリア移動度(>1×10-1cm-1-1)と併せて、オフ状態における低い導電性を有するべきである。さらに、酸化がデバイス性能の低下をもたらすため、半導体材料が、酸化に対して安定していること、すなわち、半導体材料が、高いイオン化ポテンシャルを有することが重要である。半導体材料のさらなる要件は、特に、薄層および所望のパターンの大規模生産のための良好な加工性、ならびに有機半導体層の高い安定性、フィルムの均一性および完全性である。
有機光検出器(OPD)は、共役光吸収性ポリマーが、効率的なデバイスを、溶液処理技術(ほんの数例を挙げると、スピンキャスティング、ディップコーティングまたはインクジェット印刷等)によって製造可能にするという希望を与える、重要なさらなる具体的な分野である。
OPVまたはOPDデバイスにおける感光層は、通常、少なくとも2つの材料、p型半導体(典型的に、共役ポリマー、オリゴマーまたは定義された分子単位である)、およびn型半導体(典型的に、フラーレンもしくは置換フラーレン、グラフェン、金属酸化物、または量子ドットである)から構成される。
しかしながら、OEデバイスに使用される、先行技術において開示されるOSC材料は、いくつかの欠点を有する。例えば、大量生産に適した溶媒への溶解性が低いこと、商業的用途(例えば、トランジスタ)における不十分な電荷キャリア移動度等の比較的低いデバイス性能、限られた熱安定性、光安定性および電気安定性、長期安定性が低いこと、ならびに再現性のないフィルム形成特性等である。さらに、他のOSC材料は、有機光起電または有機光検出器に使用されるのに好ましい形態および/または供与体相混和性をしばしば形成しない。
したがって、有利な特性(特に、良好な加工性、有機溶媒への高い溶解性、良好な構造機構および膜形成特性)を有する、OPV、OPDおよびOFET等のOEデバイスに使用されるOSC材料が依然として必要とされている。さらに、OSC材料は、特に、大量生産に好適な方法によって合成するのが容易であるべきである。OPV電池に使用するために、OSC材料は、特に、低いバンドギャップを有するべきであり、これは、光活性層による光捕集の改善を可能にし、高電池効率、高安定性および長寿命につながり得る。OFETに使用するために、OSC材料は、特に、高い電荷キャリア移動度、トランジスタデバイスにおける高オン/オフ比、高酸化安定性および長寿命を有するべきである。
本発明の目的は、先行技術からのOSCの欠点を克服することができ、上記の有利な特性(特に、大量生産に好適な方法による容易な合成、良好な加工性、高安定性、OEデバイスにおける長寿命、有機溶媒への良好な溶解性、高電荷キャリア移動度、および低バンドギャップ)のうちの1つ以上を提供する、p型およびn型OSCを含む新規OSC化合物を提供することであった。本発明の別の目的は、専門家が利用できるOSC材料ならびにp型およびn型OSCのプールを拡大することであった。本発明の他の目的は、以下の詳細な説明から、専門家に直ちに明らかになる。
本発明者らはハロゲン化チオフェンによって4,8-二置換の式Iのベンゾジチオフェン(BDT)単位を含み、さらに式IIのベンゾジチオフェン-ジオン(BDD)単位を含むランダムコポリマーである、以下に開示および特許請求されるポリマーを提供することによって、上記の目的を1つ以上達成することができることを見出した。このような共重合体は、上記のような有利な特性を示すOSCとして使用できることが見出された。
BDT単位およびBDD単位を含む交互共重合体は、従来技術において報告されている。
KR 10-2018-0126814 A、Li et al, Adv. Mater. 2016, 28, 9423-9429およびWang et al., Nano Energy 2018, 736-744には、以下の構造の交互共重合体PBDB-T、およびBHJ OPV電池の光活性層における非フラーレン受容体と共に供与体としての使用が開示されている。
Figure 0007518087000001
M. Zhang et al., Adv. Mater. 2015, 27, 4655-4660には、構造が類似するジフッ素化共重合体PM6、およびBHJ OPV電池の光活性層におけるPCBM-C71と共に供与体としての使用が報告されている。
Figure 0007518087000002
S. Zhang et al., Adv. Mater. 2018, 30, 1800868、および、Y. Zhang et al., Sci. China Chem. 2018, 61には、上記のPM-6に類似するジフッ素化共重合体PBDB-T-2F、および対応するジ塩素化共重合体PDBD-T-2Cl、ならびに、これらがBHJ OPV電池の光活性層において非フラーレン受容体と共に供与体として使用されることが開示されている。
Figure 0007518087000003
JP2013-185077AはBDTとBDDとの共重合体を開示し、以下の交互共重合体を明示的に開示している。
Figure 0007518087000004

式中、R1は2-エチルヘキシルオキシであり、R2はn-ヘキシルである。
しかしながら、上記文献には、以下に開示および特許請求するランダム共重合体が開示されていない。
WO2018-065356 A2には、以下の一般的な共重合体の式が開示されている。
Figure 0007518087000005

式中、R11~16は例えば、H、F、Cl、アルキル、アリールまたはヘテロアリール基であるが、以下に開示および特許請求する具体的に置換された共重合体については開示されていない。
本発明は、ポリマー骨格に沿ってランダム配列で分布する、1つ以上の式Iの単位および1つ以上の式IIの単位を含み(好ましくはこれらの単位から成り)、
Figure 0007518087000006

Figure 0007518087000007

個々のラジカルは、互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、
Arは以下の式およびそれらの鏡像から選択される基を意味し、
Figure 0007518087000008

Arは以下の式およびそれらの鏡像から選択される基を意味し、
Figure 0007518087000009

、Xは、H、F、Cl、または、任意にフッ素化されている1~20個のC原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル、好ましくはH、F、またはCl、より好ましくはFまたはCl、最も好ましくはClを意味し、
WはS、O、Se、CRまたはNR、好ましくはSを意味し、
1~10は、H、F、Cl、1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルを意味し、
前記直鎖、分岐または環状アルキルにおいて、
1つ以上のCH基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合されないように、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=S)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-NR-、-SiR00-、-CF-、-CR=CR00-、-CY=CY-または-C≡C-によって任意に置き換わっており、
1つ以上のH原子はF、Cl、Br、IまたはCNによって任意に置き換わっており、1つ以上のCH基またはCH基はカチオン基もしくはアニオン基、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルによって任意に置き換わっており、
前記環状基のそれぞれは5~20個の環原子を有し、単環式または多環式であり、縮合環を任意に含み、非置換であるまたは1つ以上の同一のもしくは異なる基Lによって置換され、
Lは、F、Cl、-CN、-NC、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、R、OR、SR、-C(=O)X、-C(=O)R、-C(=O)-OR、-O-C(=O)-R、-NH、-NHR、-NR00、-C(=O)NHR、-C(=O)NR00、-SO、-SO、-OH、-NO、-CF、-SF、または、任意に置換されるシリル、または、1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有するカルビルもしくはヒドロカルビルを意味し、前記カルビルもしくはヒドロカルビルは任意に置換され、1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、好ましくは、F、-CN、-R、-OR、-SR、-C(=O)-R、-C(=O)-OR、-O-C(=O)-R、-O-C(=O)-OR、-C(=O)-NHR、-C(=O)-NR00であり、
、Yは、H、F、ClまたはCNを意味し、
はハロゲン、好ましくはFまたはClを意味し、
、R00は、Hまたは任意にフッ素化されている1~20個、好ましくは1~12個のC原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルを意味し、
a、bは1または2、好ましくは1を意味する、共役ポリマーに関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーの、電子供与体もしくはp型半導体としての、または電子受容体もしくはn型半導体としての使用に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーの、半導体材料、配合物、ポリマーブレンド、デバイスまたはデバイスの構成要素における電子供与体または電子受容体の構成要素としての使用に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーを電子供与体の構成要素として含み、好ましくはさらに1つ以上の電子受容体特性を有する化合物を含む、半導体材料、配合物、ポリマーブレンド、デバイスまたはデバイスの構成要素に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーを電子受容体の構成要素として含み、好ましくはさらに1つ以上の電子供与体特性を有する化合物を含む、半導体材料、配合物、ポリマーブレンド、デバイスまたはデバイスの構成要素に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーを含み、半導体、電荷輸送、正孔もしくは電子輸送、正孔もしくは電子ブロッキング、導電性、光導電性、または発光特性のうち1つ以上を有する化合物から選択される1つ以上のさらなる化合物をさらに含むポリマーブレンドでもあってもよい、組成物に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーを含み、好ましくはフラーレンまたは置換フラーレンから選択される、1つ以上のn型有機半導体をさらに含む、組成物に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーを含み、好ましくはフラーレン部分を含まない小分子(以下、非フラーレン受容体、NFAともいう)から選択される、1つ以上のn型有機半導体をさらに含む、組成物に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーを含み、好ましくは共役ポリマーから選択される、1つ以上の電子供与体またはp型半導体をさらに含む、組成物に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーであるp型半導体、好ましくはフラーレンまたはフラーレン誘導体である第1のn型半導体、およびNFAである第2のn型半導体を含む組成物に関する。
本発明はさらに、電子供与体またはp型半導体としての本発明の共役ポリマーと、電子受容体またはn型半導体であり、好ましくはフラーレン、置換フラーレンまたはNFAから選択される1つ以上の化合物とを含む組成物から形成されるバルクヘテロ接合(BHJ)に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーまたは組成物を含み、1つ以上の溶媒、好ましくは有機溶媒をさらに含む配合物に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーを含み、好ましくは1000Hzおよび20℃での誘電率εが3.3以下である1つ以上の有機バインダーまたはその前駆体と、好ましくは有機溶媒から選択される任意に1つ以上の溶媒とをさらに含む、有機半導体配合物に関する。
本発明はさらに、本発明の配合物を用いて調製される、光学的、電気光学的、電子的、電気ルミネセンス、もしくは光ルミネセンスデバイス、またはその構成要素、またはそれを含むアセンブリに関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーまたは組成物の、半導体、電荷輸送、導電性、光導電性、もしくは発光材料としての、または、光学的、電気光学的、電子的、電気ルミネセンス、もしくは光ルミネセンスデバイスにおける、またはその構成要素における、またはそれを含むアセンブリにおける使用に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーまたは組成物を含む、半導体、電荷輸送、導電、光伝導、または発光材料に関する。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーもしくは組成物を含む、または本発明の半導体、電荷輸送、導電性、光導電性、もしくは発光材料を含む、光学的、電気光学的、電子的、電気ルミネセンス、もしくは光ルミネセンスデバイス、またはその構成要素、またはそれを含むアセンブリに関する。
光学的、電気光学的、電子的、電気ルミネセンス、および光ルミネセンスデバイスは、これらに限定されないが、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、有機光起電デバイス(OPV)、有機光検出器(OPD)、有機太陽電池、色素増感太陽電池(DSSC)、ペロブスカイト系太陽電池(PSC)、レーザダイオード、ショットキーダイオード、光伝導体および光検出器を含む。
好ましいデバイスは、OFET、OTFT、OPV、PSC、OPDおよびOLEDであり、特にOTFT、PSC、OPDおよびバルクヘテロ接合(BHJ)OPVもしくは反転BHJ OPVである。
さらに好ましいのは、本発明の共役ポリマーまたは組成物の、DSSCまたはPSCにおける色素としての使用である。さらに好ましいのは、本発明のvまたは組成物を含むDSSCまたはPSCである。
上記デバイスの構成要素は、これらに限定されないが、電荷注入層、電荷輸送層、中間層、平坦化層、帯電防止フィルム、ポリマー電解質膜(PEM)、導電性基板および導電性パターンを含む。
そのようなデバイスまたは構成要素を含むアセンブリは、これらに限定されないが、集積回路(IC)、無線認識(RFID)タグ、セキュリティマーキング、セキュリティデバイス、フラットパネルディスプレイ、フラットパネルディスプレイのバックライト、電子写真デバイス、電子写真記録デバイス、有機メモリデバイス、センサデバイス、バイオセンサおよびバイオチップを含む。
共役ポリマーに加えて、本発明の組成物および配合物は、バッテリーならびにDNA配列を検出および識別する構成要素またはデバイスにおける電極材料として使用され得る。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーと、好ましくはフラーレンまたは置換フラーレンまたはNFAから選択される1つ以上のn型有機半導体とを含む組成物を含む、または該組成物から形成される、バルクヘテロ接合に関する。本発明はさらに、そのようなバルクヘテロ接合を含む、バルクヘテロ接合(BHJ)OPVデバイスまたは逆構造型(inverted)BHJ OPVデバイスに関する。
〔用語および定義〕
本明細書で使用するとき、「ポリマー」という用語は、高い相対分子量の分子を意味することが理解される。その構造は、低い相対分子量の分子から実際にまたは概念的に誘導される単位の複数の繰返しを本質的に含む(Pure Appl. Chem., 1996, 68, 2291)。「オリゴマー」という用語は、中間の相対分子量の分子を意味することが理解され、その構造は、より低い相対分子量の分子から実際にまたは概念的に誘導される小さい複数の単位を本質的に含む(Pure Appl. Chem., 1996, 68, 2291)。本発明の明細書で使用するときの好ましい意味において、ポリマーは、1つを超える、すなわち、少なくとも2つの繰返し単位、好ましくは、5つ以上、特に好ましくは、10個以上の繰返し単位を有する化合物を意味することが理解される。そして、オリゴマーは、1つを超えかつ10個未満、好ましくは、5つ未満の繰返し単位を有する化合物を意味することが理解されるであろう。
さらに、本明細書で使用するとき、「ポリマー」という用語は、1つ以上の異なる種類の繰返し単位(分子の最小構成単位)の骨格(「主鎖」とも呼ばれる)を包含する分子を意味することが理解され、「オリゴマー」、「コポリマー」、「ホモポリマー」、「ランダムポリマー」等の一般的に知られている用語を含む。さらに、ポリマーという用語は、ポリマー自体に加えて、開始剤、触媒およびこのようなポリマーの合成に伴う他の要素からの残渣を含むことが理解される。ここで、このような残渣は、ポリマーに共有結合的に組み込まれていないことが理解される。さらに、このような残渣および他の要素は、重合後の精製プロセス中に通常除去されるが、それらは、ポリマーが容器間または溶媒間または分散媒間で移動されるときにポリマーとともに残るように、典型的にポリマーと混合(mix)または混合(co-mingle)される。
本明細書で使用するとき、ポリマーまたは繰返し単位を示す式において、アステリスク(*)は、化学結合を意味し、通常は、ポリマー骨格中の隣接する単位または末端基への化学結合を意味することが理解されるであろう。例えば、ベンゼン環またはチオフェン環のような環において、アステリスク(*)は、隣接する環に縮合されたC原子を意味することが理解されるであろう。
本明細書で使用するとき、ポリマーまたは繰返し単位を示す式において、破線(- - - )は単結合を意味することが理解されるであろう。
本明細書で使用するとき、「繰返し単位(repeat unit)」、「繰返し単位(repeating unit)」および「モノマー単位」という用語は、同義的に使用され、その繰返しが規則性高分子、規則性オリゴマー分子、規則性ブロックまたは規則性鎖を構成する最小構成単位である構成繰返し単位(CRU)を意味することが理解されるであろう(Pure Appl. Chem., 1996, 68, 2291)。さらに本明細書において使用するとき、「単位」という用語は、それ自体で繰返し単位であり得るか、または他の単位と一緒に構成繰返し単位を形成し得る構造単位を意味することが理解されるであろう。
本明細書で使用するとき、「末端基」は、ポリマー主鎖を終端させる基を意味することが理解されるであろう。「骨格の末端位置において」という表現は、一方の側がこのような末端基に結合され、他方の側が別の繰返し単位に結合された、二価の単位または繰返し単位を意味することが理解されるであろう。このような末端基は、例えば、以下に定義されるR31またはR32の意味を有する基のような、エンドキャップ基、または重合反応に関与しない、ポリマー主鎖を形成するモノマーに結合された反応性基を含む。
本明細書で使用するとき、「エンドキャップ基」という用語は、ポリマー主鎖の末端基に結合されるか、またはそれを置換する基を意味することが理解されるであろう。エンドキャップ基は、エンドキャッピングプロセスによって、ポリマー中に導入され得る。エンドキャッピングは、例えば、ポリマー主鎖の末端基を、単官能性化合物(「エンドキャッパー」)(例えば、アルキル-もしくはアリールハロゲン化物、アルキル-もしくはアリールスタンナンまたはアルキル-もしくはアリールボロネートのような)と反応させることによって行われ得る。エンドキャッパーは、例えば、重合反応後に加えられ得る。あるいは、エンドキャッパーは、重合反応の前またはその間に、反応混合物にインサイチュで加えられ得る。エンドキャッパーのインサイチュ添加を用いて、重合反応を停止させ、それによって、形成されるポリマーの分子量を制御することもし得る。典型的なエンドキャップ基は、例えば、H、フェニルおよび低級アルキルである。
本明細書で使用するとき、「小分子」という用語は、反応させてポリマーを形成し得る反応性基を典型的に含まず、モノマー形態で使用されるように示されるモノマー化合物を意味することが理解されるであろう。それと対照的に、「モノマー」という用語は、特に記載されない限り、反応させてポリマーを形成し得る反応性官能基を1つ以上保有するモノマー化合物を意味することが理解されるであろう。
本明細書で使用するとき、「供与体」または「供与性」および「受容体」または「受容性」という用語はそれぞれ、電子供与体または電子受容体を意味することが理解されるであろう。「電子供与体」は、電子を別の化合物または化合物の別の原子団に供与する化学物質を意味することが理解されるであろう。「電子受容体」は、別の化合物または化合物の別の原子団からそれに移動された電子を受容する化学物質を意味することが理解されるであろう。International Union of Pure and Applied Chemistry, Compendium of Chemical Technology, Gold Book, Version 2.3.2, 19. August 2012, pages 477 and 480も参照されたい。
本明細書で使用するとき、「n型」または「n型半導体」という用語は、伝導電子密度が可動正孔密度を超える外因性(不純物)半導体を意味することが理解され、「p型」または「p型半導体」という用語は、可動正孔密度が伝導電子密度を超える外因性半導体を意味することが理解されるであろう(J. Thewlis, Concise Dictionary of Physics, Pergamon Press, Oxford, 1973も参照されたい)。
本明細書で使用するとき、「脱離基」という用語は、特定の反応に関与する分子の残基または主要部分であると考えられる原子から切り離される原子または基(帯電または非帯電であってもよい)を意味することが理解されるであろう(Pure Appl. Chem., 1994, 66, 1134も参照されたい)。
本明細書で使用するとき、「共役」という用語は、主に、sp混成を(または任意にsp混成も)有するC原子を含む化合物(例えばポリマー)を意味することが理解され、これらのC原子はまた、ヘテロ原子で置き換わっていてもよい。最も単純な場合、これは、例えば、交互のC-C単結合および二重(または三重)結合を有する化合物であるが、例えば1,4-フェニレンのような芳香族単位を有する化合物も含む。これに関連する「主に」という用語は、共役の中断をもたらし得る、自然に(自発的に)発生する欠陥、または設計によって含まれる欠陥を有する化合物が、やはり共役化合物と見なされることを意味することが理解されるであろう。
本明細書で使用するとき、特に記載されない限り、分子量は、数平均分子量Mまたは重量平均分子量Mとして示される。分子量は、テトラヒドロフラン、トリクロロメタン(TCM、クロロホルム)、クロロベンゼンまたは1,2,4-トリクロロ-ベンゼン等の溶離溶媒中のポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される。特に記載されない限り、クロロベンゼンが溶媒として使用される。繰返し単位の総数とも呼ばれる重合度、nは、n=M/Mとして与えられる数平均重合度を意味することが理解されるであろう。Mが数平均分子量であり、Mが単一の繰返し単位の分子量である。J. M. G. Cowie, Polymers: Chemistry & Physics of Modern Materials, Blackie, Glasgow, 1991を参照されたい。
本明細書で使用するとき、「カルビル基」という用語は、任意の非炭素原子を有さずに(例えば-C≡C-のような)、または任意に、B、N、O、S、P、Si、Se、As、TeもしくはGe等の少なくとも1つの非炭素原子と組み合わせて(例えばカルボニル等)、少なくとも1つの炭素原子を含む任意の一価または多価の有機部分を意味することが理解されるであろう。
本明細書で使用するとき、「ヒドロカルビル基」という用語は、1つ以上のH原子をさらに含み、例えば、B、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeのような1つ以上のヘテロ原子を任意に含むカルビル基を意味することが理解されるであろう。
本明細書で使用するとき、「ヘテロ原子」という用語は、H原子またはC原子ではない有機化合物中の原子を意味することが理解され、好ましくは、B、N、O、S、P、Si、Se、Sn、As、TeまたはGeを意味することが理解されるであろう。
3つ以上のC原子の鎖を含むカルビル基またはヒドロカルビル基は、直鎖、分枝鎖および/または環状であってもよく、スピロ結合環および/または縮合環を含んでいてもよい。
好ましいカルビル基およびヒドロカルビル基としては、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ(これらのそれぞれが、任意に置換され、最大で40個、好ましくは、最大で25個、特に好ましくは、最大で18個のC原子を有する)、さらに、6~40個、好ましくは、6~25個の原子を有する任意に置換されるアリールまたはアリールオキシ、さらに、アルキルアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシ(これらのそれぞれが、任意に置換され、1~40個、好ましくは、6~40個のC原子を有する)が挙げられる。ここで、これらの基のそれぞれは、任意に、好ましくは、B、N、O、S、P、Si、Se、As、TeおよびGeから選択される、1つ以上のヘテロ原子を含む。
さらなる好ましいカルビル基およびヒドロカルビル基としては、例えば:C~C40アルキル基、C~C40フルオロアルキル基、C~C40アルコキシまたはオキサアルキル基、C~C40アルケニル基、C~C40アルキニル基、C~C40アリル基、C~C40アルキルジエニル基、C~C40ポリエニル基、C~C40ケトン基、C~C40エステル基、C~C18アリール基、C~C40アルキルアリール基、C~C40アリールアルキル基、C~C40シクロアルキル基、C~C40シクロアルケニル基等が挙げられる。上記の基の中で好ましいのは、それぞれ、C~C20アルキル基、C~C20フルオロアルキル基、C~C20アルケニル基、C~C20アルキニル基、C~C20アリル基、C~C20アルキルジエニル基、C~C20ケトン基、C~C20エステル基、C~C12アリール基、およびC~C20ポリエニル基である。
例えば、シリル基、好ましくは、トリアルキルシリル基で置換されているアルキニル基、好しくは、エチニルのような、炭素原子を有する基と、ヘテロ原子を有する基との組合せも含まれる。
カルビル基またはヒドロカルビル基は、非環式基または環式基であってもよい。カルビル基またはヒドロカルビル基が非環式基である場合、それは、直鎖または分枝鎖であってもよい。カルビル基またはヒドロカルビル基が環式基である場合、それは、非芳香族炭素環式もしくは複素環式基、またはアリールもしくはヘテロアリール基であってもよい。
上記および下記で言及される非芳香族炭素環式基は、飽和または不飽和であり、好ましくは、4~30個の環C原子を有する。上記および下記で言及される非芳香族複素環式基は、好ましくは、4~30個の環C原子を有し、ここで、環C原子の1つ以上が、好ましくは、N、O、P、S、SiおよびSeから選択されるヘテロ原子で、または-S(O)-もしくは-S(O)-基で任意に置き換わっている。非芳香族炭素環式基および非芳香族複素環式基は、単環式または多環式であり、縮合環も含んでいてもよく、好ましくは、1、2、3または4つの縮合環または非縮合環を含み、1つ以上の基Lで任意に置換される。
Lが、F、Cl、-CN、-NO、-NC、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、-R、-OR、-SR、-C(=O)X、-C(=O)R、-C(=O)-OR、-O-C(=O)-R、-NH、-NHR、-NR00、-C(=O)NHR、-C(=O)NR00、-SO、-SO、-OH、-CF、-SF、または任意に置換されるシリル、または1~30個、好ましくは、1~20個のC原子を有するカルビルもしくはヒドロカルビル(これは、任意に置換され、任意に、1つ以上のヘテロ原子を含む)から選択される。Xは、ハロゲン、好ましくはFまたはClであり、R、R00はそれぞれ独立して、H、または、任意にフッ素化される、1~20個(好ましくは1~12個)の原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルを示す。
好ましくは、Lは、F、-CN、R、-OR、-SR、-C(=O)-R、-C(=O)-OR、-O-C(=O)-R、-O-C(=O)-OR、-C(=O)-NHRおよび-C(=O)-NR00から選択される。
さらに好ましくは、Lは、F、または、1~16個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、オキサアルキル、チオアルキル、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、または、2~16個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニルから選択される。
好ましい非芳香族炭素環式基または複素環式基は、テトラヒドロフラン、インダン、ピラン、ピロリジン、ピペリジン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジヒドロ-フラン-2-オン、テトラヒドロ-ピラン-2-オンおよびオキセパン-2-オンである。
上記および下記で言及されるアリール基は、好ましくは4~30個(特に好ましくは5~20個)の環C原子を有し、単環式または多環式であり、縮合環も含んでいてもよく、好ましくは、1、2、3または4つの縮合環または非縮合環を含み、上記に定義される1つ以上の基Lで任意に置換される。
上記および下記で言及されるヘテロアリール基は、好ましくは4~30個(特に好ましくは5~20個)の環C原子を有する。環C原子の1つ以上は、好ましくは、N、O、S、SiおよびSeから選択されるヘテロ原子で置き換わっており、単環式または多環式であり、縮合環も含んでいてもよく、好ましくは、1、2、3または4つの縮合環または非縮合環を含み、上記に定義される1つ以上の基Lで任意に置換される。
上記および下記で言及されるアリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基は、好ましくは、-(CH-アリールまたは-(CH-ヘテロアリールを示す。aは1~6の整数(好ましくは1)であり、「アリール」および「ヘテロアリール」は、上記および下記に示される意味を有する。好ましいアリールアルキル基は、Lで任意に置換されるベンジルである。
本明細書で使用するとき、「アリーレン」は二価アリール基を意味することが理解され、「ヘテロアリーレン」は二価ヘテロアリール基を意味することが理解され、これらは、上記および下記に示されるアリールおよびヘテロアリールの全ての好ましい意味を含む。
好ましいアリールおよびヘテロアリール基は、フェニル(さらに、1つ以上のCH基がNで置き換わっていてもよい)、ナフタレン、チオフェン、セレノフェン、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、フルオレンおよびオキサゾールである。これらは全て、非置換であるか、上記に定義されるLで一置換または多置換され得る。特に好ましいアリール基およびヘテロアリール基は、ピロール(好ましくは、N-ピロール)、フラン、ピリジン(好ましくは、2-または3-ピリジン)、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チオフェン(好ましくは、2-チオフェン)、セレノフェン(好ましくは、2-セレノフェン)、2,5-ジチオフェン-2’,5’-ジイル、チエノ[3,2-b]チオフェン、チエノ[2,3-b]チオフェン、フロ[3,2-b]フラン、フロ[2,3-b]フラン、セレノ[3,2-b]セレノフェン、セレノ[2,3-b]セレノフェン、チエノ[3,2-b]セレノフェン、チエノ[3,2-b]フラン、インドール、イソインドール、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[1,2-b;4,5-b’]ジチオフェン、ベンゾ[2,1-b;3,4-b’]ジチオフェン、キノール、2-メチルキノール、イソキノール、キノキサリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアジアゾール、4H-シクロペンタ[2,1-b;3,4-b’]ジチオフェン、7H-3,4-ジチア-7-シラ-シクロペンタ[a]ペンタレンから選択され、これらは全て、非置換であるか、上記に定義されるLで一置換または多置換され得る。アリール基およびヘテロアリール基のさらなる例は、以下に示される基から選択されるものである。
アルキル基またはアルコキシ基(すなわち、末端CH基が-O-で置き換わっている)は、直鎖または分枝鎖であり得る。特に好ましい直鎖は、2、3、4、5、6、7、8、12または16個の炭素原子を有し、したがって、好ましくは、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ドデシルまたはヘキサデシル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ドデコキシまたはヘキサデコキシ、さらに、メチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシを示す。
アルケニル基(すなわち、1つ以上のCH基がそれぞれ-CH=CH-で置き換わっている)は、直鎖または分枝鎖であり得る。好ましくは、直鎖であり、2~10個のC原子を有し、したがって、好ましくは、ビニル、プロパ-1-、またはプロパ-2-エニル、ブタ-1-、2-またはブタ-3-エニル、ペンタ-1-、2-、3-またはペンタ-4-エニル、ヘキサ-1-、2-、3-、4-またはヘキサ-5-エニル、ヘプタ-1-、2-、3-、4-、5-またはヘプタ-6-エニル、オクタ-1-、2-、3-、4-、5-、6-またはオクタ-7-エニル、ノナ-1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-またはノナ-8-エニル、デカ-1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-またはデカ-9-エニルである。
特に好ましいアルケニル基は、C~C-1E-アルケニル、C~C-3E-アルケニル、C~C-4-アルケニル、C~C-5-アルケニルおよびC-6-アルケニル、特に、C~C-1E-アルケニル、C~C-3E-アルケニルおよびC~C-4-アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E-プロペニル、1E-ブテニル、1E-ペンテニル、1E-ヘキセニル、1E-ヘプテニル、3-ブテニル、3E-ペンテニル、3E-ヘキセニル、3E-ヘプテニル、4-ペンテニル、4Z-ヘキセニル、4E-ヘキセニル、4Z-ヘプテニル、5-ヘキセニル、6-ヘプテニル等である。最大5個のC原子を有する基が一般的に好ましい。
オキサアルキル基(すなわち、1つのCH基が-O-で置き換わっている)は、直鎖であり得る。特に好ましい直鎖は、例えば、2-オキサプロピル(=メトキシメチル)、2-オキサブチル(=エトキシメチル)もしくは3-オキサブチル(=2-メトキシエチル)、2-、3-、もしくは4-オキサペンチル、2-、3-、4-、もしくは5-オキサヘキシル、2-、3-、4-、5-、もしくは6-オキサヘプチル、2-、3-、4-、5-、6-もしくは7-オキサオクチル、2-、3-、4-、5-、6-、7-もしくは8-オキサノニル、または、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-もしくは9-オキサデシルである。
1つのCH基が-O-で置き換わっており、1つのCH基が-C(O)-で置き換わっているアルキル基において、これらのラジカルは、好ましくは隣接している。したがって、これらのラジカルは一緒に、カルボニルオキシ基-C(O)-O-またはオキシカルボニル基-O-C(O)-を形成する。好ましくは、この基は、直鎖であり、2~6個のC原子を有する。したがって、それは、好ましくは、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2-アセチルオキシエチル、2-プロピオニルオキシエチル、2-ブチリルオキシエチル、3-アセチルオキシプロピル、3-プロピオニルオキシプロピル、4-アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2-(メトキシカルボニル)エチル、2-(エトキシカルボニル)エチル、2-(プロポキシカルボニル)エチル、3-(メトキシカルボニル)プロピル、3-(エトキシカルボニル)プロピル、4-(メトキシカルボニル)-ブチルである。
2つ以上のCH基が-O-および/または-C(O)O-で置き換わっているアルキル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。それは、好ましくは、直鎖であり、3~12個のC原子を有する。したがって、それは、好ましくは、ビス-カルボキシ-メチル、2,2-ビス-カルボキシ-エチル、3,3-ビス-カルボキシ-プロピル、4,4-ビス-カルボキシ-ブチル、5,5-ビス-カルボキシ-ペンチル、6,6-ビス-カルボキシ-ヘキシル、7,7-ビス-カルボキシ-ヘプチル、8,8-ビス-カルボキシ-オクチル、9,9-ビス-カルボキシ-ノニル、10,10-ビス-カルボキシ-デシル、ビス-(メトキシカルボニル)-メチル、2,2-ビス-(メトキシカルボニル)-エチル、3,3-ビス-(メトキシカルボニル)-プロピル、4,4-ビス-(メトキシカルボニル)-ブチル、5,5-ビス-(メトキシカルボニル)-ペンチル、6,6-ビス-(メトキシカルボニル)-ヘキシル、7,7-ビス-(メトキシカルボニル)-ヘプチル、8,8-ビス-(メトキシカルボニル)-オクチル、ビス-(エトキシカルボニル)-メチル、2,2-ビス-(エトキシカルボニル)-エチル、3,3-ビス-(エトキシカルボニル)-プロピル、4,4-ビス-(エトキシカルボニル)-ブチル、または5,5-ビス-(エトキシカルボニル)-ヘキシルである。
チオアルキル基(すなわち、1つのCH基が-S-で置き換わっている)は、好ましくは、直鎖チオメチル(-SCH)、1-チオエチル(-SCHCH)、1-チオプロピル(=-SCHCHCH)、1-(チオブチル)、1-(チオペンチル)、1-(チオヘキシル)、1-(チオへプチル)、1-(チオオクチル)、1-(チオノニル)、1-(チオデシル)、1-(チオウンデシル)または1-(チオドデシル)であり、ここで、好ましくは、sp混成ビニル炭素原子に隣接するCH基が置き換わっている。
フルオロアルキル基は、パーフルオロアルキルC2i+1(式中、iが1~15の整数である)、特に、CF、C、C、C、C11、C13、C15またはC17、特に好ましくは、C13であるか、または好ましくは、1~15個のC原子を有する部分フッ素化アルキル、特に、1,1-ジフルオロアルキルであり得、上記は全て、直鎖または分枝鎖である。
好ましくは、「フルオロアルキル」は、部分フッ素化(すなわち、非過フッ素化)アルキル基を意味する。
アルキル、アルコキシ、アルケニル、オキサアルキル、チオアルキル、カルボニルおよびカルボニルオキシ基は、アキラルまたはキラル基であり得る。特に好ましいキラル基は、例えば、2-ブチル(=1-メチルプロピル)、2-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-エチルヘキシル、2-ブチルオクチル、2-ヘキシルデシル、2-オクチルドデシル、3,7-ジメチルオクチル、3,7,11-トリメチルドデシル、2-プロピルペンチル、特に、2-メチルブチル、2-メチルブトキシ、2-メチルペントキシ、3-メチル-ペントキシ、2-エチル-ヘキソキシ、2-ブチルオクトキシ、2-ヘキシルデコキシ、2-オクチルドデコキシ、3,7-ジメチルオクトキシ、3,7,11-トリメチルドデコキシ、1-メチルヘキソキシ、2-オクチルオキシ、2-オキサ-3-メチルブチル、3-オキサ-4-メチル-ペンチル、4-メチルヘキシル、2-ヘキシル、2-オクチル、2-ノニル、2-デシル、2-ドデシル、6-メトキシ-オクトキシ、6-メチルオクトキシ、6-メチルオクタノイルオキシ、5-メチルへプチルオキシ-カルボニル、2-メチルブチリルオキシ、3-メチルバレロイルオキシ、4-メチルヘキサノイルオキシ、2-クロロ-プロピオニルオキシ、2-クロロ-3-メチルブチリルオキシ、2-クロロ-4-メチル-バレリル-オキシ、2-クロロ-3-メチルバレリルオキシ、2-メチル-3-オキサペンチル、2-メチル-3-オキサ-ヘキシル、1-メトキシプロピル-2-オキシ、1-エトキシプロピル-2-オキシ、1-プロポキシプロピル-2-オキシ、1-ブトキシプロピル-2-オキシ、2-フルオロオクチルオキシ、2-フルオロデシルオキシ、1,1,1-トリフルオロ-2-オクチルオキシ、1,1,1-トリフルオロ-2-オクチル、および2-フルオロメチルオクチルオキシである。特に好ましいのは、2-メチルブチル、2-エチルヘキシル、2-ブチルオクチル、2-ヘキシルデシル、2-オクチルドデシル、3,7-ジメチルオクチル、3,7,11-トリメチルドデシル、2-ヘキシル、2-オクチル、2-オクチルオキシ、1,1,1-トリフルオロ-2-ヘキシル、1,1,1-トリフルオロ-2-オクチルおよび1,1,1-トリフルオロ-2-オクチルオキシである。
好ましいアキラル分枝鎖基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3-メチルブチル)、tert.ブチル、イソプロポキシ、2-メチル-プロポキシおよび3-メチルブトキシである。
好ましい実施形態において、アリールまたはヘテロアリール環上の置換基は、互いに独立して、1~30個のC原子を有する第一級、第二級もしくは第三級アルキル、アルコキシ、オキサアルキル、チオアルキル、アルキルカルボニルまたはアルコキシカルボニル(ここで、1つ以上のH原子が、Fで任意に置き換わっている)、またはアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ(これは、任意に、アルキル化、アルコキシ化、アルキルチオール化またはエステル化され、4~30個(好ましくは5~20個)の環原子を有する)から選択される。さらなる好ましい置換基は、以下の式からなる群から選択される。
Figure 0007518087000010

Figure 0007518087000011
式中、RSub1~3が、上記および下記に定義されるLを示し、少なくとも基RSub1~3の好ましくは全てが、1~24個のC原子、好ましくは、1~20個のC原子を有する、アルキル、アルコキシ、オキサアルキル、チオアルキル、アルキルカルボニルまたはアルコキシカルボニル(これは、任意にフッ素化される)であり、破線が、これらの基が結合される環への結合を示す。これらの置換基の中で特に好ましいのは、全てのRSub1~3部分基が同一であるものである。
本明細書で使用するとき、アリール(オキシ)またはヘテロアリール(オキシ)基が、「アルキル化またはアルコキシ化」されている場合、これは、アリール(オキシ)またはヘテロアリール(オキシ)基が、1~24個のC原子を有し、かつ直鎖または分枝鎖である1つ以上のアルキルまたはアルコキシ基で置換されていることを意味し、ここで、1つ以上のH原子が、F原子で任意に置換される。
上記および下記において、YおよびYは、互いに独立して、H、F、ClまたはCNである。
本明細書で使用するとき、-CO-、-C(=O)-および-C(O)-は、カルボニル基、すなわち、以下の構造を有する基を意味することが理解されるであろう。
Figure 0007518087000012
本明細書で使用するとき、C=CRは、以下の構造を有する基を意味することが理解されるであろう。
Figure 0007518087000013
本明細書で使用するとき、「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはI、好ましくは、F、ClまたはBrを含む。環または鎖上の置換基を表すハロゲン原子は、好ましくは、FまたはCl、特に好ましくはFである。モノマーまたは中間体中の反応性基を表すハロゲン原子は、好ましくはBrまたはIである。
上記および下記において、「鏡像」という用語は、ある部分を、外部の対称面またはこの部分を通って延びる対称面にわたって垂直にまたは水平に反転させることによって、この部分から得られる別の部分を意味する。例えば、部分
Figure 0007518087000014

は、鏡像
Figure 0007518087000015

および
Figure 0007518087000016

も含む。
発明の詳細な説明
本発明のポリマーは、合成が容易であり、かつ有利な効果の提示が容易である。本発明のポリマーはデバイス製造プロセスにおける良い加工性、有機溶媒への高い溶解性を示し、溶解処理法を用いた大規模生産に特に適している。
加えて、本発明の共重合体は、低バンドギャップ、高荷電粒子移動性、BHJ太陽電池中での高外部量子効率、p/n型ブレンド中で、例えばフラーレンと用いた場合に良い形態、高酸化安定性、電子デバイス中での長寿命を示し、有機電子OEデバイス、特に高電力変換効率(PCE)のOPVデバイスに有望な材料である。
本発明のポリマーは、BHJ光起電性デバイス中での使用に適しているp型およびn型半導体のブレンドの調製における、p型またはn型半導体、特にp型半導体として適している。
さらに、本発明のポリマーは以下の有利な特性を示す:
i)高PCE、
ii)有機溶媒への高い溶解性および特に溶解処理に基づいたデバイス製造における良好な加工性、
iii)可溶化基の修飾により達成され、上昇した充填比(FF)へとつながり得る、BHJの改善された形態。
本発明の好ましい実施形態では、式Iの単位およびその部分式において、RおよびRは、直鎖もしくは分岐アルキル、アルコキシまたはチオアルキルからなる群A)から選択され、好ましくはアルキルであり、上記のそれぞれは1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有し、かつ任意でフッ素化しており、特に好ましくは上記の式SUB1~SUB6から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態では、式Iの単位およびその部分式において、RおよびRは、単環式もしくは多環式アリールまたはヘテロアリールからなる群B)から選択され、それぞれが任意に1つ以上の基L(式Iに定義される)で置換され、かつ5~20個の環原子を有し、2つ以上の環が互いに縮合しているか共有結合により互いに結合していることができ、特に好ましくは、好ましくは4-位、2,4-位、2,4,6-位もしくは3,5-位で、1~16個のC原子を有するアルキル、アルコキシまたはチオアルキルによって任意に置換されているフェニルから、もしくは、好ましくは5-位、4,5-位もしくは3,5-位で、1~16個のC原子を有するアルキル、アルコキシまたはチオアルキルによって任意に置換されているチオフェンから選択され、最も好ましくは上記の式SUB7~SUB18から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態では、式Iの単位およびその部分式において、RおよびRは、F、Cl、CN、-C(=O)-R、-C(=O)-OR、-C(=O)-NHRおよび-C(=O)-NRからなる群C)から選択され、RおよびRは互いに独立して、任意でフッ素化した1~28個、好ましくは1~18個のC原子を有する直鎖または分岐アルキルであり、RおよびRは、特に好ましくはFまたはCl、最も好ましくはClである。
好ましくは、式Iの単位およびその部分式において、aは1であり、式IIの単位およびその部分式において、bは1である。
式Iの単位およびその部分式において、XおよびXは、好ましくはH、FまたはCl、特に好ましくはFまたはCl、最も好ましくはClを示す。
好ましくは、式IIの単位およびその部分式において、Arは以下の式およびそれらの鏡像から選択される。
Figure 0007518087000017

式中、R7~10は上記および下記の1つの意味を有する。
式A1aおよびA1a1において、好ましくはRおよびRの一方もしくは両方はHと異なり、上記で定義した群A)、B)またはC)から選択され、特に好ましくは群A)から選択される。
式A1bおよびA1b1において、好ましくはRおよびRの一方もしくは両方はHと異なり、上記で定義した群A)、B)またはC)から選択される。好ましくは、Rは上記で定義した群A)から選択され、Rは上記で定義した群C)から選択され、最も好ましくはClを示す。さらに好ましくは、RおよびRは上記で定義した群A)から選択される。
式A1cにおいて、R7~10のうち好ましくは1つ以上、特に好ましくは1つまたは2つはHと異なり、上記で定義した群A)、B)またはC)から選択され、特に好ましくは群A)から選択される。
好ましくは、Arは式A1a、A1b、A1a1またはA1b1から選択され、特に好ましくは式A1aまたはA1a1から選択される。
好ましくは、式IおよびIIの単位ならびにそれらの部分式において、Arは、式A2a、A2cおよびA2eならびにそれらの鏡像から選択され、特に好ましくは式A2aおよびA2cから選択され、最も好ましくは式A2aである。
式IおよびIIの好ましい単位は、以下の部分式から選択される:
Figure 0007518087000018

Figure 0007518087000019

Figure 0007518087000020
式中、Ar、X1,2、Z、R1~6、aおよびbは、互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、上記および下記の意味を有する。XおよびXは好ましくはClを示す。RおよびRは好ましくはHを示す。RおよびRは好ましくは上記で定義した群A)から選択される。RおよびRは好ましくはHを示し、さらに好ましくは、Rおよび/またはRは上記で定義した群A)から選択される。
式IおよびIIのさらなる好ましい単位は、以下の部分式から選択される:
Figure 0007518087000021

Figure 0007518087000022

Figure 0007518087000023
式中、R1~8は互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、上記および下記の意味を有する。および下記。RおよびRは好ましくは上記で定義した群A)から選択される。RおよびRは好ましくはHを示し、さらに好ましくはRおよび/またはRは上記で定義した群A)から選択される。RおよびRは好ましくはHと異なる。式II1-1、II2-1およびII3-1において、好ましくはRおよびRは上記で定義した群A)から選択される。式II1-2、II2-2およびII3-2において、好ましくは、RはClであり、Rは上記で定義した群A)から選択され、さらに好ましくはRおよびRは上記で定義した群A)から選択される。
本発明の好ましい実施形態では、式Iの単位およびその部分式において、RおよびRはHを示す。
本発明の別の好ましい実施形態では、式Iの単位およびその部分式において、Rおよび/またはRはHと異なる。
本発明の好ましい実施形態では、式IおよびIIの単位ならびにその部分式において、RおよびRはHを示す。
本発明の別の好ましい実施形態では、式IおよびIIの単位ならびにその部分式において、RおよびRはHと異なり、さらに好ましくはRおよびRのうち一方はHと異なり他方はHである。
本発明の好ましい実施形態では、式Iの単位およびその部分式において、R7~10はHを示す。
本発明の別の好ましい実施形態では、式IIの単位およびその部分式において、R7~10の1つ以上はHと異なる。
本発明の好ましい実施形態では、式IおよびIIの単位ならびにそれらの部分式において、R3~10は、Hと異なるとき、それぞれ独立して上記で定義した群A)から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態では、式IおよびIIの単位ならびにそれらの部分式において、R3~10は、Hと異なるとき、それぞれ独立して上記で定義した群B)から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態では、式IおよびIIの単位ならびにそれらの部分式において、R3~10は、Hと異なるとき、それぞれ独立して上記で定義した群C)から選択される。
好ましいアリールおよびヘテロアリール基R1-10は、Hと異なるとき、それぞれ独立して以下の式から選択される:
Figure 0007518087000024

Figure 0007518087000025
式中、R11~17は、互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、式IのRの1つの意味を有する。
特に好ましいアリールおよびヘテロアリール基R1~10は、Hと異なるとき、それぞれ独立して以下の式から選択される:
Figure 0007518087000026
式中、R11~15は上記で定義した通りである。最も好ましいアリールおよびヘテロアリール基R1~10は、それぞれ独立して上記で定義した式SUB7~SUB18から選択される。
別の好ましい実施形態では、R1~10の1つ以上は、Hと異なるとき、1~50個、好ましくは2~50個、特に好ましくは2~30個、より好ましくは2~24個、最も好ましくは2~16個のC原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル基を示し、CHまたはCH基の1つ以上がカチオン性基またはアニオン性基で置き換わっている。
カチオン性基は、好ましくはホスホニウム、スルホニウム、アンモニウム、ウロニウム、チオウロニウム、グアニジニウムから構成される群、またはイミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、トリアゾリウム、モルホリニウムもしくはピペリジニウムカチオン等の複素環カチオンから選択される。
好ましいカチオン性基は、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、N-アルキルピリジニウム、N,N-ジアルキルピロリジニウム、1,3-ジアルキルイミダゾリウムから構成される群から選択される。「アルキル」は好ましくは1~12C原子の直鎖または分岐アルキル基を示し、特に好ましくは式SUB1~6から選択される。
さらに好ましいカチオン性基は、以下の式から構成される群から選択される。
Figure 0007518087000027

Figure 0007518087000028
式中、R’、R’、R’およびR’は、互いに独立して、H、1~12個のC原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、または非芳香族炭素環式もしくは複素環式基またはアリールもしくはヘテロアリール基(上記の基はそれぞれ、3~20個、好ましくは、5~15個の環原子を有し、単環式または多環式であり、上記に定義される1つ以上の同一のまたは異なる置換基Lで任意に置換される)を示し、またはそれぞれの基R1~6への結合を示す。
上記式の上記カチオン性基において、基R’、R’、R’およびR’(それらがCH基と置き換わっている場合)のいずれもがそれぞれの基R1~6への結合を示し得、または隣接する2つの基R’、R’、R’またはR’(それらがCH基と置き換わっている場合)がそれぞれの基R1~6への結合を示し得る。
アニオン性基は、好ましくはホウ酸塩、イミド、リン酸塩、スルフォン酸塩、硫酸塩、コハク酸塩、ナフテン酸塩またはカルボン酸塩から構成される群から選択され、特に好ましくはリン酸塩、スルフォン酸塩またはカルボン酸塩から選択される。
上記および下記の式において、Lは好ましくは以下の群から選択される:
、-ORおよび-SRから構成される群、ここでRは、任意にフッ素化されている1~25個、好ましくは1~18個のC原子の直鎖または分岐アルキルである、
F、Cl、CN、-C(=O)-R、-C(=O)-OR、-OC(=O)-R、-C(=O)-NHRおよび、-C(=O)-NRLLから構成される群、ここでRおよびRLLは互いに独立して、任意にフッ素化されている1~25個、好ましくは1~18個のC原子の直鎖または分岐アルキルである。
本発明は、式Iから選択される1つ以上の単位および式IIから選択される1つ以上の単位を含む、好ましくはそれらから構成される、ランダム共重合体である、共役ポリマーにも関する。共役ポリマーは、好ましくは式I1、I2およびI3から選択される1つ以上の単位ならびに式II1、II2およびII3から選択される1つ以上の単位から構成され、特に好ましくは式I1-1、I2-1およびI3-1から選択される1つ以上の単位ならびに式II1-1、II1-2、II2-1、II2-2、II3-1およびII3-2から選択される1つ以上の単位から構成される。
好ましくは、共役ポリマーは式IIIのランダム共重合体である:
Figure 0007518087000029

個々のラジカルは、互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、
Aは、上記および下記に定義されている、式I、I1、I2、I3、I1-1、I2-1またはI3-1の単位を意味し、
Bは、上記および下記に定義されている、式II、II1、II2、II3、II1-1、II1-2、II2-1、II2-2、II3-1またはII3-2の単位を意味し、
x、yは>0および<1を意味し、x+y=1であり、
nは1より大きい整数(好ましくは5以上)を意味する。
特に好ましくは、共役ポリマーは下記部分式から選択されるランダム共重合体である:
Figure 0007518087000030

Figure 0007518087000031

Figure 0007518087000032

Figure 0007518087000033

Figure 0007518087000034

Figure 0007518087000035
式中、x、yおよびnは式IIIの意味を有し、Rはそれぞれの出現において同一でありまたは異なり、上記および下記でRおよびRに与えられる意味のうちの一つを有し、R’はそれぞれの出現において同一でありまたは異なり、上記および下記でRおよびRに与えられる意味のうちの一つを有し、Rはそれぞれの出現において同一でありまたは異なり、上記および下記でRおよびRに与えられる意味のうちの一つを有する。Rは好ましくは、上記で定義した群A)から選択され、Rは好ましくは、Hまたは上記の群A)から選択され、特に好ましくはHであり、R’は好ましくは、上記で定義した群A)から選択される。
別の好ましい実施形態では、共役ポリマーは1つ以上の単位Arをさらに含む。Arは式IおよびIIからは異なっており、5~20環原子を有し、単環式または多環式であり、任意で縮合環を含む、アリーレンまたはヘテロアリーレンからそれぞれ独立して選択され、非置換であるか、1つ以上の同一であるまたは異なった基L(上記で定義)によって置換されている。
好ましい実施形態では、共役ポリマーは、好ましくは電子供与体特性を有し、以下の式から構成される群から選択される、1つ以上の単位Arをさらに含む。
Figure 0007518087000036

Figure 0007518087000037

Figure 0007518087000038

Figure 0007518087000039

Figure 0007518087000040

Figure 0007518087000041

Figure 0007518087000042

Figure 0007518087000043

Figure 0007518087000044

Figure 0007518087000045

Figure 0007518087000046

Figure 0007518087000047

Figure 0007518087000048

Figure 0007518087000049

Figure 0007518087000050
式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は互いに独立して、式Iで与えられるRの意味の1つまたは上記もしくは下記のその好ましい意味の1つを有する。
好ましい単位Arは、式D1、D7、D10、D11、D19、D22、D29、D30、D35、D36、D37、D44、D55、D84、D87、D88、D89、D93、D94、D106、D111、D139、D140、D141、D146またはD150から選択され、好ましくはR11、R12、R13およびR14の少なくとも1つはHと異なる。
別の好ましい実施形態では、共役ポリマーは、好ましくは電子受容体特性を有し、以下の式から構成される群から選択される、1つ以上の単位Arをさらに含む。
Figure 0007518087000051

Figure 0007518087000052

Figure 0007518087000053

Figure 0007518087000054

Figure 0007518087000055

Figure 0007518087000056

Figure 0007518087000057

Figure 0007518087000058

Figure 0007518087000059
式中、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は互いに独立して、式Iで与えられるRの意味の1つまたは上記および下記のその好ましい意味の1つを有する。
好ましい単位Arは、A1、A6、A7、A15、A16、A20、A36、A74、A84、A88、A92、A94、A98またはA103から選択され、好ましくはR11、R12、R13およびR14の少なくとも1つはHと異なる。
別の好ましい実施形態では、共役ポリマーは-CY=CY-および-C≡C-から選択される1つ以上の単位をさらに含み、YおよびYは互いに独立してH、F、ClまたはCNである。
さらに好ましくは、共役ポリマーは式IVから選択される。
21-鎖-R22 IV
式中、「鎖」は、式IIIおよびIII1~III10から選択されるポリマー鎖を示し、R21およびR22は互いに独立し、上記に定義されているLの意味の1つを有する、または、互いに独立し、H、F、Br、Cl、I、-CHCl、-CHO、-CR=CR 、-SiR、-SiR、-SiR、-SnR、-BR、-B(OR)(OR)、-B(OH)、-O-SO-R、-C≡CH、-C≡C-SiR 、-ZnXまたはエンドキャップ基を示し、XおよびXはハロゲンを示し、R、RおよびRは、互いに独立し、式1に記載のRの意味の1つを有し、好ましくは1~12個のC原子を有するアルキルを示し、R、RおよびRのうちの2つはまた、それらが結合されるそれぞれのヘテロ原子と一緒に、2~20個のC原子を有する、シクロシリル、シクロスタンニル、シクロボランまたはシクロボロネート基を形成してもよい。
好ましいエンドキャップ基R21およびR22は、H、C1~20アルキル、または任意に置換されているC6~12アリールもしくはC2~10ヘテロアリール、特に好ましくはHまたはフェニルである。
本発明の共役ポリマーには、式IIIおよびIII1~III10のポリマーが含まれるがこれらに限定されない。指数xおよびyは対応する繰り返し単位のモル分率を示し、例えばAまたはBであり、nは重合度または繰り返し単位の総数を示す。
本発明の共役ポリマーには、式IIIおよびIII1~III10のポリマーが含まれるがこれらに限定されない。好ましくはxおよびyは互いに独立して0.1~0.9であり、特に好ましくは0.3~0.7であり、より好ましくは0.4~0.6であり、最も好ましくは0.5である。
本発明の共役ポリマーにおいて、繰り返し単位nの総数は好ましくは2~10,000であり、特に好ましくは5~10,000である。繰り返し単位nの総数は好ましくは≧5であり、特に好ましくは≧10であり、最も好ましくは≧50であり、かつ好ましくは≦500であり、特に好ましくは≦1,000であり、最も好ましくは≦2,000であり、上記のnにおける上限および下限の任意の組合せを含む。
本発明の共役ポリマーは、式V1、V2およびV3の対応するモノマーから調製され得る:
Figure 0007518087000060

Figure 0007518087000061

23-Ar-R24 V3
式中、Ar、Ar、X、ZおよびR1~4は、式IおよびIIの意味を有するか、上記および下記の好ましい意味の一つを有し、R23およびR24は互いに独立して、H、活性化C-H結合、Cl、Br,I、O-トシラート、O-トリフラート、O-メシラート、O-ノナフラート、-SiMeF、-SiMeF、-O-SO、-B(OZ、-CZ=C(Z、-C≡CH、-C≡CSi(Z、-ZnXおよび-Sn(Zで構成される群から選択され、ここでMeはメチルであり、Xはハロゲン、好ましくはCl、BrまたはIであり、Za~dはアルキルおよびアリールで構成される群、好ましくはそれぞれが任意に置換されているC1-10アルキルおよびC6-12アリールから選択され、2つの基ZはBおよびO原子とともに2~20個のC原子を有するシクロボロネート基を形成してもよく、R23およびR24の少なくとも1つはHと異なり、好ましくはR23およびR24の両方ともHと異なる(Hは活性化C-H結合を含まない)。
式V1およびV2の好ましいモノマーは、以下の部分式から選択される。
Figure 0007518087000062

Figure 0007518087000063

Figure 0007518087000064
式中、R、R23およびR24ならびにRは上記および下記に与えられる意味を有する。
さらに好ましいのは、式V1、V2、V3およびそれらの部分式のモノマーであり、R23およびR24はBr、-B(OZおよびSn(Zならびに活性化H結合から選択される。
式I、II、III、V1~V3およびそれらの部分式のさらに好ましい単位、モノマーおよびポリマーは、以下の実施形態から選択され、それらの任意の組み合わせを含む:
n≧5;
nは5~2,000、最も好ましくは10~1,000である;
およびRは直鎖または分岐のアルキルから選択され、1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有し、かつ任意にフッ素化されている;
およびRは式SUB1~SUB6から選択される;
3~10はHを示す;
3~10の1つ以上はHと異なり、アルキル、アルコキシまたはチアアルキルから選択され、それらのすべては直鎖または分岐であり、1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有し、かつ任意にフッ素化されている;
3~10の1つ以上はHと異なり、F、Cl、CN、-C(=O)-R、-C(=O)-OR、-C(=O)-NHRおよび-C(=O)-NRから選択され、RおよびRは互いに独立して、任意にフッ素化されている1~28個、好ましくは1~18個のC原子を有する直鎖または分岐アルキルである;
3~10の1つ以上はHと異なり、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルから構成される群から選択され、それぞれが4~20個の環原子を有し、任意に縮合環を含み、かつ非置換であるか、1つ以上の基L(式Iにおいて定義されている)で置換されている;
11~18の1つ以上はHと異なり、アルキル、アルコキシまたはチアアルキルから選択され、それらのすべては直鎖または分岐であり、1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有し、かつ任意にフッ素化されている;
11~18の1つ以上はHと異なり、F、Cl、CN、-C(=O)-R、-C(=O)-OR、-C(=O)-NHRおよび-C(=O)-NRから選択され、RおよびRは互いに独立して、任意にフッ素化されている1~28個、好ましくは1~18個のC原子を有する直鎖または分岐アルキルである;
11~18の1つ以上はHと異なり、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルから構成される群から選択され、それぞれが4~20個の環原子を有し、任意に縮合環を含み、かつ非置換であるか、1つ以上の基L(式Iにおいて定義されている)で置換されている;
RおよびRは、任意にフッ素化されている1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有する直鎖または分岐アルキルを示す;
RおよびRは、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルを示し、それぞれが4~20環原子を有し、任意に縮合環を含み、かつ非置換であるか、1つ以上の基L(式Iにおいて定義されている)で置換されている;
R’は、任意にフッ素化されている1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有する直鎖または直鎖または分岐アルキルである;
R’はF、ClまたはCN、好ましくはClである;
Lはアルキル、アルコキシまたはチアアルキルから選択され、それらのすべては直鎖または分岐であり、1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有し、かつ任意にフッ素化されている;
LはF、Cl、CN、-C(=O)-R、-C(=O)-OR、-C(=O)-NHRおよび-C(=O)-NRから選択され、RおよびRは互いに独立して、任意にフッ素化されている1~28個、好ましくは1~18個のC原子を有する直鎖または分岐アルキルである;
Lはハロゲン、好ましくはFまたはClである;
LはCN、FまたはClである;
21およびR22は、H、C1~20アルキル、または任意に置換されているC6~12アリールもしくはC2~10ヘテロアリール、特に好ましくはHまたはフェニルである;
23およびR24は、Br、B(OZまたはSn(Zを示し、ZおよびZは式V1に定義される通りである。
本発明の共役ポリマーは、当業者に公知であり文献に記載の方法に従って、または類似して合成され得る。他の調製方法は実施例から得られる。
本発明はさらに、本発明の共役ポリマーを調製する方法に関する。本方法は、式V1の1つ以上のモノマー、式V2の1つ以上のモノマー、および任意に式V3の1つ以上のモノマー、またはそれらのそれぞれの部分式V1、V1b、V2a、V2b、V2c、V3a、V3b、V3c、V3d、V3e、をアリール-アリールカップリング反応で互いにカップリングする。
好ましい方法において、式V1、V2および任意のV3、またはそれらのそれぞれの部分式のモノマーは、アリール-アリールカップリング反応において互いに、式MIの1つ以上のモノマーとカップリングする。
23-Ar-R24 MI
式中、Ar、R23およびR24は上記および下記の意味を有する。
例えば、ポリマーは山本カップリング、C-H活性化カップリング、鈴木カップリング、スティルカップリング、薗頭カップリング、ヘックカップリングまたはバックワルドカップリング等のアリール-アリールカップリング反応によって好適に調製し得る。鈴木カップリング、スティルカップリングおよび山本カップリングが特に好ましい。重合されてポリマーの繰り返し単位を形成するモノマーは、当業者に公知の方法で調製され得る。
好ましくは、ポリマーは上記の式V1、V2、V3、V1a~dおよびMIから選択されるモノマーから調製される。
本発明の別の態様は、式V1、V2、V1a~dから選択される1つ以上の同一であるまたは異なったモノマーを互いにおよび/または1つ以上の共モノマー、好ましくは式MIのものと、重合反応、好ましくはアリール-アリールカップリング反応でカップリングしてポリマーを調製する方法である。
上記および下記の方法で用いられる好ましいアリール-アリールカップリングおよび重合反応は、山本カップリング、熊田カップリング、根岸カップリング、鈴木カップリング、スティルカップリング、薗頭カップリング、ヘックカップリング、C-H活性化カップリング、ウルマンカップリングまたはバックワルドカップリングである。特に好ましいのは鈴木カップリング、根岸カップリング、スティルカップリングおよび山本カップリングである。鈴木カップリングは例えばWO00/53656A1に記載されている。根岸カップリングは例えばJ. Chem. Soc., Chem. Commun., 1977, 683-684に記載されている。山本カップリングは例えばT. Yamamoto et al., Prog. Polym. Sci., 1993, 17, 1153-1205またはWO 2004/022626 A1に記載されている。スティルカップリングは例えばZ. Bao et al., J. Am. Chem. Soc., 1995, 117, 12426-12435に記載されている。C-H活性化は例えばM. Leclerc et al, Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 2068-2071に記載されている。例えば、山本カップリングを用いるとき、2つの反応性ハロゲン化物基を有するモノマーが好ましく使われる。鈴木カップリングを用いるとき、2つの反応性ボロン酸もしくはボロン酸エステル基、または2つの反応性ハロゲン化物基を有するモノマーが好ましく使われる。根岸カップリングを用いるとき、2つの反応性有機亜鉛基または2つの反応性ハロゲン化物基を有するモノマーが好ましく使われる。C-H活性化重合によって直鎖ポリマーを合成する場合、好ましくは上記のモノマーが用いられ、少なくとも1つの反応性基は活性化水素結合である。
特に、鈴木、根岸またはスティルカップリングに好ましい触媒は、Pd(0)錯体またはPd(II)塩から選択される。好ましいPd(0)錯体は、少なくとも1つのホスフィンリガンドを有し、例えばPd(PhP)である。別の好ましいホスフィンリガンドはトリス(オルト-トリル)ホスフィン、すなわちPd(o-TolP)である。好ましいPd(II)塩は酢酸パラジウムを含み、すなわちPd(Oac)またはtrans-ジ(μ-アセタト)-ビス[o-(ジ-o-トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)である。または、Pd(0)錯体は、Pd(0)ジベンジリデンアセトン錯体、例えばトリス(ジベンジル-イデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、またはPd(II)塩、例えば酢酸パラジウムと、ホスフィンリガンド、例えばトリフェニルホスフィン、トリス(オルト-トリル)ホスフィン、トリス(o-メトキシフェニル)ホスフィンまたはトリ(tert-ブチル)ホスフィンとを混合することで調製し得る。鈴木重合(Suzuki polymerisation)は、塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、リン酸カリウム、または有機塩基、例えば炭酸テトラエチルアンモニウムもしくは水酸化テトラエチルアンモニウムの存在下で行われる。山本重合(Yamamoto polymerisation)は、Ni(0)錯体、例えばビス(1,5-シクロオクタジエニル)ニッケル(0)を使用する。
鈴木、スティルまたはC-H活性化カップリング重合は、ホモポリマーだけでなく統計、交互およびブロックランダム共重合体を調製することに用いられ得る。統計、ランダムブロック共重合体またはブロック共重合体は、例えば上記のモノマーから調製され得、反応性基の一つはハロゲンであり、他の反応性基はC-H活性化結合、ボロン酸、ボロン酸誘導体基またはアルキルスタンナンである。統計、交互およびブロック共重合体の合成は、例えばWO 03/048225 A2またはWO 2005/014688 A2に詳述されている。
上記のハロゲンの代替物としては、式-O-SOの脱離基が使用され得、Zは上記で定義した通りである。そのような脱離基の特定の例としては、トシレート、メシレートおよびトリフラートがある。
好ましい重合条件は、OTFT用途に特に好ましい交互ポリマーをもたらし、統計ブロック共重合体はOPVおよびOPD用途に好ましく調製される。好ましい重縮合は鈴木カップリング、スティルカップリング、薗頭カップリング、ヘックカップリングまたはバックワルドカップリング、根岸カップリングまたはC-H活性化カップリングである。反応性基の第1のセットは、-Cl、-Br、-I、O-トシラート、O-トリフラート、O-メシラートおよびO-ノナフラートから構成される。反応性基の第2のセットは、-H、-SiMeF、-SiMeF、-B(OZ、-CZ=CHZ、-C≡CH、-ZnX、-MgXおよび-Sn(Z)から構成され、Z、Z、ZおよびXは上記で定義された通りである。ポリマーを調製するのに山本カップリング反応が用いられる場合、反応性モノマー末端は、ともに独立して、-Cl、-Br、-I、O-トシラート、O-トリフラート、O-メシラートおよびO-ノナフラートから構成される。
本発明のモノマーおよびポリマーを調製するための好適であり好ましい方法は、以下の反応スキームにおいて例示され、個々のラジカルは上記で定義される通りである。
Figure 0007518087000065

Figure 0007518087000066
R、R’、RおよびRは上記および下記で与えられる意味を与え、XはFまたはClを示す。
ポリマーは、上記のようなアリール-アリールカップリング反応によって、またはそれに類似して、これらのモノマーから合成され得る。特に、共役ポリマーは、ジブロモ対照物で用いたPd触媒直接アリール化重合法(M. Wakioka, et al., Macromol., 2015, 48, 8382)または末端臭素化誘導体を用いたPd触媒重縮合法、例えば山本反応(Yamamoto et al., Bull., Chem. Soc. Jpn., 1978, 51(7), 2091; Yamamo to et al., Macromolecules, 1992, 25(4), 1214)、鈴木-宮浦反応(Miyaura et al., Chem. Rev., 1995, 95, 2457)およびスティル反応(Bao et al., J. Am., Chem., Soc., 1995, 117(50), 12426)によって作製され得る。
上記および下記のモノマーまたはポリマーを調製する新規方法、ならびに当該方法で使用される新規モノマーおよび中間体は、本発明のさらなる態様である。
本発明のポリマーはまた、組成物またはポリマーブレンドで使用され得る。例えば、電荷輸送、半導体、導電性、光導電性および/もしくは発光半導体特性を有する小分子もしくは他のポリマーとともに、または例えば、OLEDデバイス、OPVデバイスもしくはペロブスカイト系太陽電池の内層、電荷ブロッキング層、電荷輸送層として用いるための正孔ブロッキング、電子ブロッキング特性を有するポリマーとともに使用し得る。
本発明の別の態様は、組成物に関し、本発明の1つ以上のポリマー、ならびに、電荷輸送、半導体、導電性、光導電性、正孔ブロッキングおよび電子ブロッキング特性のうちの1つ以上を有する、1つ以上の小分子化合物および/またはポリマーを含む、ポリマーブレンドでもあってもよい。
これらの組成物は、従来技術に記載され当業者に公知である従来の方法によって調製され得る。典型的には、個々の成分は互いに混合されるか、適切な溶媒に溶解され溶液が混合される。
本発明の別の態様は、上記および下記の1つ以上のポリマー、ポリマーブレンドまたは組成物と、1つ以上の有機溶媒とを含む配合物に関する。
好ましい溶媒は、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテルおよびそれらの混合物である。使用し得るさらなる溶媒には、1,2,4-トリメチルベンゼン、1,2,3,4-テトラメチルベンゼン、ペンチルベンゼン、メシチレン、クメン、シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、デカリン、2,6-ルチジン、2-フルオロ-m-キシレン、3-フルオロ-o-キシレン、2-クロロベンゾトリフルオリド、N,N-ジメチルホルムアミド、2-クロロ-6-フルオロトルエン、2-フルオロアニソール、アニソール、2,3-ジメチルピラジン、4-フルオロアニソール、3-フルオロアニソール、3-トリフルオロ-メチルアニソール、2-メチルアニソール、フェネトール、4-メチルアニソール、3-メチルアニソール、4-フルオロ-3-メチルアニソール、2-フルオロベンゾニトリル、4-フルオロベラトロール、2,6-ジメチルアニソール、3-フルオロベンゾ-ニトリル、2,5-ジメチルアニソール、2,4-ジメチルアニソール、ベンゾニトリル、3,5-ジメチル-アニソール、N,N-ジメチルアニリン、安息香酸エチル、1-フルオロ-3,5-ジメトキシ-ベンゼン、1-メチルナフタレン、N-メチルピロリジノン、3-フルオロベンゾ-トリフルオリド、ベンゾトリフルオリド、ジオキサン、トリフルオロメトキシ-ベンゼン、4-フルオロベンゾトリフルオリド、3-フルオロピリジン、トルエン、2-フルオロ-トルエン、2-フルオロベンゾトリフルオリド、3-フルオロトルエン、4-イソプロピルビフェニル、フェニルエーテル、ピリジン、4-フルオロトルエン、2,5-ジフルオロトルエン、1-クロロ-2,4-ジフルオロベンゼン、2-フルオロピリジン、3-クロロフルオロ-ベンゼン、1-クロロ-2,5-ジフルオロベンゼン、4-クロロフルオロベンゼン、クロロ-ベンゼン、o-ジクロロベンゼン、2-クロロフルオロベンゼン、p-キシレン、m-キシレン、o-キシレンまたはo-、m-、およびp-異性体の混合物が含まれる。比較的低い極性を有する溶媒が一般に好ましい。インクジェット印刷のためには、高沸点を有する溶媒および溶媒混合物が好ましい。スピンコーティングのためには、キシレンおよびトルエンのようなアルキル化ベンゼンが好ましい。
特に好ましい溶媒の例としては、限定されないが、ジクロロメタン、トリクロロメタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、2,4-ジメチルアニソール、1-メチルナフタレン、1,2,4-トリメチルベンゼン、モルホリン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、1,4-ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、酢酸エチル、n-ブチルアセテート、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,5-ジメチルテトラリン、プロピオフェノン、アセトフェノン、テトラリン、2-メチルチオフェン、3-メチルチオフェン、デカリン、インダン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、メシチレンおよび/またはそれらの混合物が挙げられる。
溶液中のポリマーの濃度は、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%である。任意に、溶液はまた、例えばWO 2005/055248 A1に記載されているように、レオロジー特性を調整するために、1つ以上のバインダーを含む。
適切な混合およびエージングの後、溶液は、以下のカテゴリーの1つとして評価される:完全溶液、境界溶液または不溶性。等高線は、溶解性と不溶性とを分ける溶解性パラメータ-水素結合限界値の概略を示すために描かれている。溶解性領域内に入る「完全」溶媒は、"Crowley, J.D., Teague, G.S. Jr and Lowe, J.W. Jr., Journal of Paint Technology, 1966, 38 (496), 296"に公開されているような文献値から選択され得る。溶媒ブレンドもまた用いてもよく、"Solvents, W.H.Ellis, Federation of Societies for Coatings Technology, p9-10, 1986"に説明されるように同定され得る。このような手順は、ブレンド中に少なくとも1つの真溶媒を有することが望ましいが、本発明の両方のポリマーを溶解する「非」溶媒のブレンドをもたらしてもよい。
本発明のポリマーはまた、上記および下記のように、デバイスのパターン化OSC層においても用いられ得る。現代のマイクロエレクトロニクスにおける適用のために、コスト(より多くのデバイス/単位面積)、および電力消費を低減するために小さな構造またはパターンを生成することが一般に望ましい。本発明のポリマーを含む薄層のパターニングは例えば、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィーまたはレーザーパターニングによって行うことができる。
電子または電気光学デバイスの薄層として用いるために、本発明のポリマー、組成物または配合物は任意の適切な方法で堆積され得る。デバイスの液体コーティングは真空蒸着技術よりも望ましい。溶液堆積法が特に好ましい。本発明の配合物は、多くの液体コーティング技術の使用を可能にする。好ましい堆積技術としては、限定されないが、ディップコーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、ノズル印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィ印刷、ドライオフセットリソグラフィ印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、スプレーコーティング、カーテンコーティング、ブラシコーティング、スロットダイコーティングまたはパッド印刷が挙げられる。
インクジェット印刷は、高解像度の層およびデバイスを調製する必要がある場合に特に好ましい。本発明の選択配合物は、インクジェット印刷またはマイクロディスペンシングによって、予め製造されたデバイス基材に適用してもよい。好ましくは、限定されるものではないがAprion、日立工機、インクジェットテクノロジー、オンターゲットテクノロジー、ピコジェット、Spectra、Trident、Xaar等によって供給される工業用圧電プリントヘッドを用いて、有機半導体層を基板に適用してもよい。また、ブラザー、エプソン、コニカ、セイコーインスツルメント東芝テック製等の半工業ヘッドまたは、MicrodropおよびMicrofab製等のシングルノズルマイクロディスペンサーを使用してもよい。
インクジェット印刷またはマイクロディスペンシングによって適用されるためには、ポリマーは最初に適切な溶媒に溶解されるべきである。溶媒は、上記の要件を満たさなければならず、選択されたプリントヘッドに有害な影響を及ぼしてはならない。さらに、プリントヘッド内部の溶液乾燥によって引き起こされる操作性の問題を防止するために、溶媒は>100℃、好ましくは>140℃、およびより好ましくは>150℃の沸点を有するべきである。上記の溶媒とは別に、好適な溶媒としては、置換および非置換キシレン誘導体、ジ-C1~2-アルキルホルムアミド、置換および非置換アニソールならびに他のフェノール-エーテル誘導体、置換ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピロリジノン、置換および非置換N,N-ジ-C1~2-アルキルアニリンならびに他のフッ素化または塩素化芳香族等の置換複素環が挙げられる。
インクジェット印刷によって本発明の化合物を堆積させるための好ましい溶媒は、1つ以上の置換基によって置換されているベンゼン環を有するベンゼン誘導体を含み、1つ以上の置換基のうちの炭素原子の総数は、少なくとも3である。例えば、ベンゼン誘導体は、プロピル基または3つのメチル基で置換されていてもよく、いずれの場合も、合計で少なくとも3つの炭素原子が存在する。そのような溶媒は、化合物またはポリマーを有する溶媒を含むインクジェット流体を形成することを可能にし、噴霧中のジェットの目詰まりおよび成分の分離を低減または防止する。溶媒は、以下の例のリストから選択されるものを含み得る:ドデシルベンゼン、1-メチル-4-tert-ブチルベンゼン、テルピネオール、リモネン、イソデュレン、テルピノレン、シメン、ジエチルベンゼン。溶媒は、2つ以上の溶媒の組み合わせである溶媒混合物であってもよく、各溶媒は好ましくは>100℃、より好ましくは>140℃の沸点を有する。このような溶媒はまた、堆積された層中の膜形成を増強し、層中の欠陥を減少させる。
インクジェット流体(すなわち、溶媒、バインダーおよび半導体化合物の混合物)は、好ましくは20℃で1~100mPa・s、より好ましくは1~50mPa・s、最も好ましくは1~30mPa・sの粘性を有する。
本発明のポリマー、組成物および配合物は例えば、界面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性改良剤、消泡剤、脱気剤、反応性または非反応性であってもよい希釈剤、助剤、着色剤、色素もしくは顔料、増感剤、安定剤、ナノ粒子または阻害剤から選択される1つ以上のさらなる成分または添加剤をさらに含み得る。
本発明のポリマーおよび組成物は、光学的、電気光学的、電子的、エレクトロルミネセンスもしくは光ルミネセンス成分またはデバイスにおける電荷輸送、半導体、導電性、光導電性または発光材料として有用である。これらのデバイスにおいて、本発明の化合物または組成物は、典型的には薄層または薄膜として適用される。
したがって、本発明はまた、電子デバイスにおける化合物、組成物または層の使用を提供する。配合物は、様々なデバイスおよび装置において高移動度半導体材料として使用することができる。配合物は例えば、半導体層または薄膜の形態で使用してもよい。したがって、別の態様では、本発明は、電子デバイスに使用するための半導体層であって、本発明のポリマー、組成物またはポリマーブレンドを含む層を提供する。層または薄膜は、約30ミクロン未満であってもよい。種々の電子デバイス用途では、厚さは約1ミクロン未満の厚さであってもよい。層は、上記の溶液コーティングまたは印刷技術のいずれかによって、例えば電子デバイスの一部に堆積されてもよい。
本発明はさらに、本発明のポリマー、ポリマーブレンド、組成物または有機半導体層を含む電子デバイスを提供する。特に好ましいデバイスは、OFET、TFT、IC、論理回路、キャパシタ、RFIDタグ、OLED、OLET、OPED、OPV、OPD、太陽電池、色素増感太陽電池(DSSC)、ペロブスカイト系太陽電池、レーザダイオード、光電体、光検出器、電子写真デバイス、電子写真記録デバイス、有機メモリデバイス、センサデバイス、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止膜、導電性基板および導電パターンである。
特に好ましい電子デバイスは、OFET、OLED、OPVおよびOPDデバイス、特にOPDおよびバルクヘテロ接合(BHJ)OPVデバイスである。OFETでは例えば、ドレインとソースとの間の活性半導体チャネルは本発明の層を含み得る。別の例として、OLEDデバイスにおいて、電荷(正孔または電子)注入または輸送層は、本発明の層を含み得る。
OPVまたはOPDデバイスに使用するために、本発明のポリマーは、好ましくは1つ以上のp型半導体および1つ以上のn型半導体を備えるか含み、好ましくはこれらからなる組成物に使用される。
好ましい実施形態では、組成物中のp型半導体の少なくとも1つは本発明の化合物であり、好ましくは共役ポリマーである。この好ましい実施形態では、n型半導体が好ましくはフラーレンまたは置換フラーレンである。
別の好ましい実施形態では、組成物中のn型半導体の少なくとも1つは本発明の化合物であり、好ましくは小分子、特に好ましくは式VIの化合物である。この好ましい実施形態では、p型半導体は共役ポリマーであることが好ましい。
別の好ましい実施形態では、OPVまたはOPDデバイスは、第1のn型半導体として本発明の化合物を含み、共役ポリマーのようなp型半導体、および好ましくはフラーレンまたは置換フラーレンである第2のn型半導体をさらに含む、組成物を含む。
上記実施形態の組成物におけるn型半導体または第2のn型半導体は例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛スズ(ZTO)、酸化チタン(TiO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化ニッケル(NiO)、もしくはセレン化カドミウム(CdSe)等の無機物、またはグラフェンもしくはフラーレン等の有機材料、共役ポリマーまたはフラーレンもしくは置換フラーレンである。
フラーレンは例えば、ICBAのようなインデン-C60-フラーレンビスアダクト、または、例えばG. Yu, J. Gao, J.C. Hummelen, F. Wudl, A.J. Heeger, Science 1995, Vol. 270, p. 1789 ffに開示されており、下記の構造を有する「PCBM-C60」または「C60PCBM」としても知られている(6,6)-フェニル-酪酸メチルエステル誘導体化メタンC60フラーレン、または、例えば、C61フラーレングループ、C70フラーレングループ、もしくはC71フラーレングループ、もしくは、有機ポリマーを含む類似した構造の化合物である(例えば、Coakley, K. M. and McGehee, M. D. Chem. Mater. 2004, 16, 4533参照)。
Figure 0007518087000067
好ましくは、フラーレンは、PCBM-C60、PCBM-C70、bis-PCBM-C60、bis-PCBM-C70、ICMA-c60(1’,4’-ジヒドロ-ナフト[2’,3’:1,2][5,6]フラーレン-C60)、ICBA、oQDM-C60(1’,4’-ジヒドロ-ナフト[2’,3’:1,9][5,6]フラーレン-C60-Ih)、またはbis-oQDM-C60である。
さらに好ましくは、上記実施形態の組成物におけるn型半導体または第2のn型半導体は、式XIIのフラーレンまたは置換フラーレンである、
Figure 0007518087000068
Cnは、任意に1個以上の原子が内部に捕捉されている、n個の炭素原子から構成されるフラーレンを示し、
付加物は、任意の結合性でフラーレンCに付加される第1付加物であり、
付加物は、任意の結合性でフラーレンCに付加される、第2付加物または第2付加物の組合せであり、
kは1以上の整数であり、かつ、
lは、0、1以上の整数、または0より大きい非整数である。
式XIIおよびその部分式において、kは、好ましくは1、2、3または4、特に好ましくは1または2を示す。
式XIIおよびその部分式中のフラーレンCは、任意の数nの炭素原子から構成されてもよく、好ましくは、式XIIおよびその部分式の化合物中、フラーレンCを構成する炭素原子の数nは60、70、76、78、82、84、90、94または96、特に好ましくは60または70である。
式XIIおよびその部分式中のフラーレンCは、好ましくは炭素系フラーレン、内包フラーレン、またはそれらの混合物から、特に好ましくは炭素系フラーレンから選択される。
好適であり好ましい炭素系フラーレンとしては、限定されないが、(C60-Ih)[5,6]フラーレン、(C70-D5h)[5,6]フラーレン、(C76-D2*)[5,6]フラーレン、(C84-D2*)[5,6]フラーレン、(C84-D2d)[5,6]フラーレン、または上記の炭素系フラーレンの2つ以上の混合物が挙げられる。
内包フラーレンは金属フラーレンであることが好ましい。好適であり好ましい金属フラーレンは、限定されないが、La@C60、La@C82、Y@C82、ScN@C80、YN@C80、Sc@C80、または上記の金属フラーレンの2つ以上の混合物を含む。
好ましくは、フラーレンCは[6,6]および/または[5,6]結合で置換され、好ましくは少なくとも1つの[6,6]結合で置換される。
式XIIおよびその部分式において「付加物」と命名される第1付加物および第2付加物は、好ましくは以下の式から選択される。
Figure 0007518087000069

Figure 0007518087000070

Figure 0007518087000071
式中、Cは式XIIで定義される通りであり、
ArS1、ArS2は、互いに独立して、単環式または多環式であり、上記および下記で定義されるLの意味の1つを有する1つ以上の同一のまたは異なる置換基によって任意に置換される、5~20個、好ましくは5~15個の環原子を有するアリーレンまたはヘテロアリーレン基を意味し、
S1、RS2、RS3、RS4、RS5およびRS6は、互いに独立して、H、CNを意味する、または、上記および下記で定義されるLの意味の1つを有し、
iは1~20(好ましくは1~12)の整数である。
式XIIの好ましい化合物は、以下の部分式から選択される:
Figure 0007518087000072

Figure 0007518087000073

Figure 0007518087000074

Figure 0007518087000075
式中、C、kおよびlは式XIIで定義される通りであり、
S1、RS2、RS3、RS4S5およびRS6は、互いに独立してHを示すか、または上記および下記で定義されるLの意味の1つを有する。
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、p型半導体として式Iのポリマーと、フラーレン部分を含まない小分子(以下、「非フラーレン受容体」またはNFAとも呼ばれる)から選択される有機n型半導体とを含む。
好ましくは、NFAは、多環式コアを含み、多環式コアに対して電子吸引性である2つの末端基に結合し、場合により、多環式コアと末端基との間に位置し、多環式コアに対して電子吸引性または電子供与性であり得る、1つ以上の芳香族またはヘテロ芳香族スペーサー基をさらに含む。結果として、これらの好ましいNFAは受容体-供与体-受容体(A-D-A)構造を有し、多環式コアは供与体として作用し、そして末端基は任意にスペーサー基と一緒に、受容体として作用する。
好適であり好ましいNFAの例は、Y. Lin, J. Wang, Z.-G. Zhang, H. Bai, Y. Li, D. Zhu and X. Zhan, Adv. Mater. 2015, 27, 1170-1174に開示される通り、以下に示した化合物ITIC、およびH. Lin, S. Chen, Z. Li, J. Y. L. Lai, G. Yang, T. McAfee, K. Jiang, Y. Li, Y. Liu, H. Hu, J. Zhao, W. Ma, H. Ade and H. Yan, Zhan, Adv. Mater., 2015, 27, 7299に開示される通り、以下に示した化合物IEICである。
Figure 0007518087000076
好適であり好ましいNFAのさらなる例は、WO 2018/007479 A1、WO 2018/036914 A1、WO 2018/065350 A1、WO 2018/065352 A1、WO 2018/065356 A1およびEP 3306690 A1に開示されている。
好ましいNFAは、式Nから選択される。
T1-(Ar11n11-コア-(Ar12n12-RT2
式中、個々の基は、互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、
Ar11、Ar12は、5~20個の環原子を有し、単環式または多環式であり、任意に縮合環を含み、非置換であるか、または1個以上の同一のもしくは異なった基RN1、もしくは-CY=CY-もしくは-C≡C-で置換されている、アリーレンまたはヘテロアリーレンを意味し、
コアは、8~30個の環原子を有し、非置換であるか、1個以上の同一のまたは異なった基RN1で置換されている、多環、縮合アリーレンまたはヘテロアリーレンを意味し、
N1は、式Iで与えられているRについての意味のうちの1つ、または上記で与えられているその好ましい意味の1つを意味し、
、YはH、F、ClまたはCNを意味し、
T1、RT2は電子求引基を意味し、
n11、n12は0、1、2、または3を意味する。
好ましくは、式N中の基RT1およびRT2はそれぞれ独立して以下の式からなる群から選択される。
Figure 0007518087000077

Figure 0007518087000078
式中、個々の基は、互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、
は、それぞれが4~30個、好ましくは5~20個の環原子を有し、任意で縮合環を含み、非置換であるか、または1個以上の基LもしくはLについて与えられる意味の1つと置換されている、アリールまたはヘテロアリールを意味し、
Lは、F、Cl、-NO、-CN、-NC、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、R、OR、SR、-C(=O)X、-C(=O)R、-C(=O)-OR、-O-C(=O)-R、-NH、-NHR、-NR00、-C(=O)NHR、-C(=O)NR00、-SO、-SO、-OH、-NO、-CF、-SF、もしくは任意に置換されているシリル、または、任意に置換され任意に1個以上のヘテロ原子、好ましくはF、-CN、R、OR、SR、-C(=O)R、-C(=O)-OR、-O-C(=O)-R、-O-C(=O)-OR、-C(=O)NHR、-C(=O)NR00を含む、1~30個、好ましくは1~20個のC原子を有する、カルビルもしくはヒドロカルビルを意味し、
L’はH、またはLの意味の1つを意味し、
、R00はH、または1~20個、好ましくは1~12個のC原子を有し、任意にフッ素化されている直鎖または分岐アルキルを意味し、
rは0、1、2、3または4を意味し、
sは0、1、2、3、4または5を意味し、
uは0、1または2を意味する。
特に好ましい基RT1およびRT2は、それぞれ独立して以下の式から選択される。
Figure 0007518087000079

Figure 0007518087000080
式中、L、L’、R、r、sおよびuは上記および下記で与えられる意味を有し、L’はHであるか、またはLについて与えられる意味の1つを有する。好ましくはこれらの式中、L’はHである。さらに好ましくはこれらの式中、rは0である。
好ましくは、式N中のAr11およびAr12は、上記のArで与えられる意味の一つを有する。特に好ましくは、式N中のAr11およびAr12は、以下の群から選択される。
a)式D1~D151、特に好ましくは式D1、D7、D10、D11、D19、D22、D29、D30、D35、D36、D37、D44、D55、D84、D87、D88、D89、D93、D94、D106、D111、D139、D140、D141、D146およびD150からなる群、
b)式A1~A103、特に好ましくは式A1、A6、A7、A15、A16、A20、A36、A74、A84、A88、A92、A94、A98およびA103からなる群、
c)式Sp1~Sp18、特に好ましくは式Sp1、Sp2、Sp6、Sp10、Sp11、Sp12、Sp13およびSp14からなる群。
式S2のさらなる好ましい化合物は、ArN1およびArN2がそれぞれ独立して、以下の式およびそれらの鏡像から、それぞれの出現において同一にまたは異なって選択される化合物である。
Figure 0007518087000081
式中、X21、X22、X23およびX24は、H、F、Cl、-CN、R、ORまたはC(=O)ORを示し、Rは、上記および下記で定義される通りである。
式N中の基「コア」は、好ましくは以下の式から選択される。
Figure 0007518087000082

Figure 0007518087000083

Figure 0007518087000084

Figure 0007518087000085

Figure 0007518087000086
式中、R1~10は、式Iまたは上記および下記に与えられる好ましい意味の1つを有し、RおよびRの対、および/またはRおよびRの対はまた、それらが結合されるC原子と共に、単環式または多環式であり、任意で縮合環を含み、非置換であるか1つ以上の同一であるまたは異なる基Lによって置換されている、5~20個の環原子を有するスピロ基を形成してもよい。
好ましいコア基は式C2、C3、C9およびC10から選択され、最も好ましくは式C2、RおよびRがHを示すC3、RおよびRがFを示すC3、ならびにC10から選択される。
式Nのさらなる好ましい化合物は、以下の好ましい実施形態から選択され、それらの任意の組み合わせを含む:
T1およびRT2は、式T1、T9a、T9b、T9c、T13およびT19から選択される;
「コア」は、式C2、RおよびRがHを示すC3、RおよびRがFを示すC3、ならびにC10から選択される;
n11、n12は0または1であり、好ましくは0である;
Ar11およびAr12は、式Sp1、Sp2、Sp6、Sp10、Sp11、Sp12、Sp13およびSp14から選択される;
Ar11およびAr12は、チオフェン、チアゾール、チエノ[3,2-b]チオフェン、チアゾロ[5,4-d]チアゾール、ベンゼン、1,2,3-ベンゾチアジアゾール、チエノ[3,4-b]チオフェン、ベンゾトリアゾールまたはチアジアゾール[3,4-c]ピリジンから選択され、これらは上記で定義したようにX、X、XおよびXで置換されている;
およびRの一方または両方、ならびにRおよびRの一方または両方は、Hとは異なる;
、R、RおよびRは、Hと異なっているとき、H、F、Clまたは直鎖もしくは分岐アルキル、アルコキシ、スルファニルアルキル、スルホニルアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシからそれぞれ独立に選択され、それぞれ1~20個のC原子を有し、非置換であるか1個以上のF原子によって置換され、過フッ素化されていないか、または任意にフッ素化される1~12個のC原子を有するアルキルもしくはアルコキシである;
、R、RおよびRは、Hと異なっているとき、それぞれ独立にアリールまたはヘテロアリールから選択され、それぞれが、任意に1つ以上の基L(式Iにおいて定義されている)で置換され、4~30個の環原子を有し、好ましくは、1~20個のC原子、好ましくは1~16個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシによって、好ましくは4-位、または2,4-位、または2,4,6-位、または3,5-位で任意に置換されているフェニルから選択され、特に好ましくは、アルキルがC1~16アルキルである4-アルキルフェニルから、最も好ましくは4-メチルフェニル、4-ヘキシルフェニル、4-オクチルフェニルもしくは4-ドデシルフェニルから選択され、またはアルコキシがC1~16アルコキシである4-アルコキシフェニルから、最も好ましくは4-ヘキシルオキシフェニル、4-オクチルオキシフェニルもしくは4-ドデシルオキシフェニルから選択され、またはアルキルがC1~16アルキルである2,4-ジアルキルフェニルから、最も好ましくは2,4-ジヘキシルフェニルもしくは2,4-ジオクチルフェニルから選択され、またはアルコキシがC1~16アルコキシである2,4-ジアルコキシフェニルから、最も好ましくは2,4-ジヘキシルオキシフェニルもしくは2,4-ジオクチルオキシフェニルから選択され、またはアルキルがC1~16アルキルである3,5-ジアルキルフェニルから、最も好ましくは3,5-ジヘキシルフェニルもしくは3,5-ジオクチルフェニルから選択され、またはアルコキシがC1~16アルコキシである3,5-ジアルコキシフェニルから、最も好ましくは3,5-ジヘキシルオキシフェニルもしくは3,5-ジオクチルオキシフェニルから選択され、またはアルキルがC1~16アルキルである2,4,6-トリアルキルフェニルから、最も好ましくは2,4,6-トリヘキシルフェニルもしくは2,4,6-トリオクチルフェニルから選択され、またはアルコキシがC1~16アルコキシである2,4,6-トリアルコキシフェニルから、最も好ましくは2,4,6-トリヘキシルオキシフェニルもしくは2,4,6-トリオクチルオキシフェニルから選択され、またはチオアルキルがC1~16チオアルキルである4-チオアルキルフェニルから、最も好ましくは4-チオヘキシルフェニル、4-チオオクチルフェニルもしくは4-チオドデシルフェニルから選択され、またはチオアルキルがC1~16チオアルキルである2,4-ジチオアルキルフェニルから、最も好ましくは2,4-ジチオヘキシルフェニルもしくは2,4-ジチオオクチルフェニルから選択され、またはチオアルキルがC1~16チオアルキルである3,5-ジチオアルキルフェニルから、最も好ましくは3,5-ジチオヘキシルフェニルもしくは3,5-ジチオオクチルフェニルから選択され、またはチオアルキルがC1~16チオアルキルである2,4,6-トリチオアルキルフェニルから、最も好ましくは2,4,6-トリチオヘキシルフェニルもしくは2,4,6-トリチオオクチルフェニルから選択される;
L’はHである;
5~10は、Hと異なっているとき、それぞれ独立して、F、Clまたは直鎖もしくは分岐アルキル、アルコキシ、スルファニルアルキル、スルホニルアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択され、それぞれが20個までのC原子を有し、非置換であるか、または1個以上のF原子で置換されており、過フッ素化されておらず、好ましくはFから、または任意にフッ素化されている最大16個のC原子を有するアルキルもしくはアルコキシから選択される。
式Nの特に好ましい化合物は、以下の部分式から選択される。
Figure 0007518087000087

Figure 0007518087000088
式中、XおよびXはH、FまたはCl、YおよびYはHまたはFを示し、Lは任意にフッ素化されている1~16個のC原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルまたはアルコキシであり、RはLの意味の1つを有し、vは1または2であり、シクロペンタジエン環に付加したベンゼン環は、好ましくは4-位(vが1の場合)または3-位および5-位(vが2の場合)のLで置換される。
さらに好ましいNFAは、ナフタレンまたはペリレン誘導体から選択される。n型化合物として使用するための好適であり好ましいナフタレンまたはペリレン誘導体は例えば、Adv. Sci. 2016, 3, 1600117, Adv. Mater. 2016, 28, 8546-8551, J. Am. Chem. Soc., 2016, 138, 7248-7251 and J. Mater. Chem. A, 2016, 4, 17604に記載されている。
さらに好ましくは、上記の実施形態の組成物中のn型半導体または第2のn型半導体は、グラフェン、例えばZnOx、TiOx、ZTO、MoOx、NiOxのような金属酸化物、例えばCdSeもしくはCdSのような量子ドット、または例えばWO2013142841 A1に記載されているような例えばポリナフタレンジイミドもしくはポリペリレンジイミドのような共役ポリマーから選択される。
本発明のOPVまたはOPDデバイスは、好ましくは活性層の一方の側に透明または半透明基板上の第1の透明または半透明電極と、活性層の他方の側に第2の金属または半透明電極とを備える。
好ましくは、本発明のOPVまたはOPDデバイス中の光活性層は、デバイス特性を向上させるために、さらなる有機および無機化合物とさらにブレンドされる。例えば、Adv. Mater. 2013, 25 (17), 2385-2396 and Adv. Ener. Mater. 10.1002/aenm.201400206に記載されるような近接場効果(すなわち、プラズモン効果)による光捕集の増強のための、例えばAuもしくはAgナノ粒子、またはAuもしくはAgナノプリズム等の金属粒子、例えばAdv. Mater. 2013, 25(48), 7038-7044に記載されているような光伝導性の増強のための2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタンのような分子ドーパント、またはWO2012095796 A1およびWO2013021971 A1に記載されている2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、シュウ酸アニリド、ヒドロキシフェニルトリアジン、メロシアニン、ヒンダードフェノール、N-アリール-チオモルホリン、N-アリール-チオモルホリン-1-オキシド、N-アリール-チオモルホリン-1,1-ジオキシド、N-アリール-チアゾリジン、N-アリール-チアゾリジン-1-オキシド、N-アリール-チアゾリジン-1,1-ジオキシドおよび1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のUV吸収剤および/または抗ラジカル剤からなる安定化剤である。
デバイスは好ましくは、例えば、J. Mater. Chem. 2011, 21, 12331に記載されているようなUVから可視光への光変換層または、例えば、J. Appl. Phys. 2013, 113, 124509に記載されているような、NIRから可視光またはIRからNIRへの光変換層をさらに含むことができる。
さらに好ましくは、OPVまたはOPDデバイスは、活性層と第1または第2の電極との間に、正孔輸送層および/または電子ブロッキング層として作用する1つ以上のさらなるバッファ層を含む。バッファ層は例えば、ZTO、MoO、NiO等の金属酸化物、例えばPEDOT:PSSおよびポリピロール-ポリスチレンスルホン酸(PPy:PSS)等のドープ共役ポリマー、例えばポリトリアリールアミン(PTAA)等の共役ポリマー、例えばN,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(1-ナフチル)(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(NPB)、N,N’-ジフェニル-N,N’-(3-メチルフェニル)-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン(TPD)等の置換トリアリールアミン誘導体、例えば酸化グラフェンおよびグラフェン量子ドット等のグラフェン系材料、といった有機化合物を材料として含み、または代替的に正孔ブロッキング層および/または電子輸送層として、例えばZnO、TiO、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)等の金属酸化物、例えばLiF、NaF、CsFのような塩、例えばポリ[3-(6-トリメチルアンモニウムヘキシル)チオフェン]、ポリ(9,9-ビス(2-エチルヘキシル)フルオレン]-b-ポリ[3-(6-トリメチルアンモニウムヘキシル)チオフェン]、もしくはポリ[(9,9-ビス(3’-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル)-2,7-フルオレン)-alt-2,7-(9,9-ジオクチルフルオレン)]のような共役ポリマー電解質、例えばポリ(エチレンイミン)のようなポリマー、またはトリス(8-キノリノラト)-アルミニウム(III)(Alq)、フェナントロリン誘導体のような架橋N含有化合物誘導体もしくは有機化合物、または例えばAdv. Energy Mater. 2012, 2, 82-86に記載されているようなC60もしくはC70ベースのフラーレンといった材料を含む。
本発明の小分子化合物を含み、さらにポリマーを含む組成物において、ポリマー:小分子化合物の比率は、好ましくは重量で5:1~1:5、より好ましくは重量で1:1~1:3、最も好ましくは重量で1:1~1:2である。
本発明のポリマー化合物を含み、フラーレンまたは変性フラーレンをさらに含む組成物において、ポリマー:フラーレンの比率は、好ましくは重量で5:1~1:5、より好ましくは重量で2:1~1:3、最も好ましくは重量で1:1~1:2である。
本発明の組成物はまた、好ましくは5~95重量%のポリマーバインダーを含んでもよい。バインダーの例としては、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリジメチルシラン(PDMS)、およびポリメチルメタクリレート(PMMA)が挙げられる。
BHJ OPVデバイスにおいて薄層を生成するために、本発明の化合物、組成物および配合物は、任意の適切な方法によって堆積され得る。デバイスの液体コーティングは真空蒸着技術よりも望ましい。溶液堆積法が特に好ましい。本発明の配合物は、多くの液体コーティング技術の使用を可能にする。好ましい堆積技術としては、これらに限定されないが、ディップコーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、ノズル印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィ印刷、ドライオフセットリソグラフィ印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、スプレーコーティング、カーテンコーティング、ブラシコーティング、スロットダイコーティングまたはパッド印刷が挙げられる。OPVデバイスおよびモジュールの製造のためには、フレキシブル基板と互換性のあるエリア印刷法、例えばスロットダイコーティング、スプレーコーティング等が好ましい。
本発明の配合物の調製において、好適な溶媒は、好ましくはp型およびn型成分の両方の完全な溶解を確実にし、選択された印刷方法によって導入される境界条件(例えば、レオロジー特性)を考慮に入れるように選択される。
この目的のために、有機溶媒が一般に使用される。典型的な溶媒は、芳香族溶媒、ハロゲン化溶媒、または塩素化芳香族溶媒を含む塩素化溶媒であり得る。例としては、クロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタン、四塩化炭素、トルエン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アニソール、2,4-ジメチルアニソール、1-メチルナフタレン、モルホリン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、1,4-ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、酢酸エチル、n-ブチルアセテート、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,5-ジメチルテトラリン、プロピオフェノン、アセトフェノン、テトラリン、2-メチルチオフェン、3-メチルチオフェン、デカリン、インダン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、メシチレンおよびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
OPVデバイスは、例えば、文献から公知の任意の種類のデバイスであり得る(例えば、Waldauf et al., Appl. Phys. Lett., 2006, 89, 233517を参照されたい)。
本発明の第1の好ましいOPVデバイスは、(下から上への順序で)以下の層を含む:
任意に、基板;
アノードとして機能する、例えばITOおよびFTOのような金属酸化物を好ましくは含む、高仕事関数電極;
例えば、PEDOT:PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレン-スルホネート)、置換トリアリルアミン誘導体(例えば、TBD(N,N’-ジフェニル-N-N’-ビス(3-メチルフェニル)-1,1’ビフェニル-4,4’-ジアミン)またはNBD(N,N’-ジフェニル-N-N’-ビス(1-ナフチルフェニル)-1,1’ビフェニル-4,4’-ジアミン)の有機ポリマーまたはポリマーブレンドを好ましくは含む、任意に、伝導性ポリマー層または正孔輸送層;
例えば、p型/n型二重層もしくは異なるp型およびn型層として、またはブレンドもしくはp型およびn型半導体として存在することができ、BHJを形成する、p型およびn型有機半導体を含む、「光活性層」とも呼ばれる層;
例えば、LiF、TiOx、ZnOx、PFN、ポリ(エチレンイミン)または架橋窒素含有化合物誘導体またはフェナントロリン誘導体を含む、任意に、電子輸送特性を有する層;
好ましくは、カソードとして機能する、例えば、アルミニウムのような金属を含む低仕事関数電極。
少なくとも1つの電極(好ましくはアノード)が可視光および/またはNIR光に対して透過性であり、p型またはn型半導体は本発明の化合物である。
本発明の第2の好ましいOPVデバイスは、逆型OPVデバイスであり、(下から上への順序で)以下の層を含む:
任意に、基板;
カソードとして機能する、例えば、ITOおよびFTOを含む、高仕事関数の金属または金属酸化物電極;
好ましくは、TiOもしくはZnOのような金属酸化物、または、ポリ(エチレンイミン)のようなポリマーもしくは架橋窒素含有化合物誘導体もしくはフェナントロリン誘導体等の有機化合物を含む、正孔ブロッキング特性を有する層;
例えば、p型/n型二重層もしくは異なるp型およびn型層として、またはブレンドもしくはp型およびn型半導体として存在し得る、BHJを形成し、電極間に位置する、p型およびn型有機半導体を含む光活性層;
好ましくは、有機ポリマーまたはポリマーブレンド、例えばPEDOT:PSS、ナフィオンまたは置換トリアリールアミン誘導体、例えばTBDまたはNBD、を含む、任意の、伝導性ポリマー層または正孔輸送層、
アノードとして機能する、例えば銀のような高仕事関数の金属を含む電極;
少なくとも1つの電極(好ましくはカソード)が可視光および/またはNIR光に対して透過性であり、p型またはn型半導体は本発明の化合物である。
本発明のOPVデバイスにおいて、p型およびn型半導体材料は、好ましくは、上記の化合物/ポリマー、または、化合物/ポリマー/フラーレン系のような材料から選択される。
光活性層を基板上に堆積させるとき、ナノスケールレベルで相分離するBHJが形成される。ナノスケール相分離の説明については、Dennler et al, Proceedings of the IEEE, 2005, 93 (8), 1429またはHoppe et al, Adv. Func. Mater, 2004, 14(10), 1005を参照されたい。その際、ブレンドモルホロジー、ひいてはOPVデバイス性能を最適化するために、任意のアニール工程が必要となってもよい。
デバイス性能を最適化するための別の方法は、相分離を適切な方法で促進するために高沸点添加剤を含んでいてもよいOPV(BHJ)デバイスの作製のための配合物を調製することである。1,8-オクタンジチオール、1,8-ジヨードオクタン、ニトロベンゼン、1-クロロナフタレン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドおよび他の添加剤が、高効率の太陽電池を得るために使用されている。例が、J. Peet, et al, Nat. Mater., 2007, 6, 497またはFrechet et al. J. Am. Chem. Soc., 2010, 132, 7595-7597に開示されている。
本発明の別の好ましい実施形態は、DSSCまたはペロブスカイト系太陽電池における色素、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、電子輸送層および/または電子ブロッキング層としての本発明の化合物または組成物の使用、ならびに、本発明の化合物、組成物またはポリマーブレンドを含むDSSCまたはペロブスカイト系太陽電池に関する。
DSSCおよびペロブスカイト系太陽電池は、文献、例えば、Chem. Rev. 2010, 110, 6595-6663、Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 2-15またはWO2013171520A1に記載されるように製造され得る。
本発明のポリマーおよび組成物はまた、OFETの半導体チャネルに使用するのに好適である。したがって、本発明は、ゲート電極、絶縁(またはゲート絶縁体)層、ソース電極、ドレイン電極ならびにソースおよびドレイン電極を接続する有機半導体チャネルを含むOFETも提供する。有機半導体チャネルは、本発明の化合物および組成物を含む。OFETの他の特徴は、当業者に周知である。
ゲート誘電体と、ドレインおよびソース電極との間の薄膜としてOSC材料が配置されたOFETは、一般に知られている。例えば、US 5,892,244、US 5,998,804、US 6,723,394および背景技術セクションに引用される参考文献に記載されている。本発明のポリマーの溶解特性、ひいてはより大きい表面の加工性を用いる低コストの製造のような利点のため、これらのOFETの好ましい用途は、集積回路、TFTディスプレイおよびセキュリティ用途等である。
OFETデバイスにおけるゲート、ソースおよびドレイン電極ならびに絶縁および半導体層は、任意の順序で配置してもよい。ただし、ソースおよびドレイン電極は、絶縁層によってゲート電極から隔てられ、ゲート電極および半導体層は両方とも絶縁層に接触し、ソース電極およびドレイン電極は両方とも、半導体層に接触する。
本発明のOFETデバイスは、好ましくは、
ソース電極、
ドレイン電極、
ゲート電極、
半導体層、
1つ以上のゲート絶縁体層、
任意に、基板、を含む。
半導体層は、本発明の化合物または組成物を含む。
OFETデバイスは、トップゲート型デバイスまたはボトムゲート型デバイスであり得る。OFETデバイスの好適な構造および製造方法は、当業者に公知であり、文献、例えば、US 2007/0102696 A1に記載されている。
ゲート絶縁体層は、好ましくは、例えば、市販のCytop809M(登録商標)またはCytop107M(登録商標)(Asahi Glass製)のようなフルオロポリマーを含む。好ましくは、ゲート絶縁体層は、例えば、スピンコーティング、ドクターブレーディング、ワイヤバーコーティング、スプレーもしくはディップコーティングまたは他の公知の方法によって、絶縁体材料と、1つ以上のフルオロ原子を含む1つ以上の溶媒(フルオロ溶媒)、好ましくは、パーフルオロ溶媒とを含む配合物から堆積される。好適なパーフルオロ溶媒は、例えば、FC75(登録商標)(Acrosから入手可能、カタログNo. 12380)である。例えば、パーフルオロポリマーTeflon(登録商標)AF(登録商標)1600または2400(DuPont製)またはFluoropel(登録商標)(Cytonix製)またはパーフルオロ溶媒FC 43(登録商標)(Acros、No.12377)のような他の好適なフルオロポリマーおよびフルオロ溶媒が先行技術において知られている。特に好ましいのは、例えば、US 2007/0102696 A1またはUS 7,095,044に開示されるように、1.0~5.0、特に好ましくは、1.8~4.0の低い誘電性(または誘電率)を有する有機誘電材料(「低k材料」)である。
セキュリティ用途において、トランジスタまたはダイオードのような、本発明の半導体材料を有するOFETおよび他のデバイスは、紙幣のような有価証券、クレジットカードもしくはIDカード、国家身分証明書、免許証、または、切手、チケット、株式、小切手等のような金銭的価値を有する任意の製品を証明し、その偽造を防止するために、RFIDタグまたはセキュリティマーキングに使用され得る。
あるいは、本発明のポリマーおよび組成物は、OLEDにおいて、例えば、フラットパネルディスプレイ用途におけるアクティブディスプレイ材料として、または例えば液晶ディスプレイのようなフラットパネルディスプレイのバックライトとして使用し得る。一般的なOLEDは、多層構造を用いて実現される。
発光層は一般に、1つ以上の電子輸送層および/または正孔輸送層の間に挟まれる。電圧を印加することによって、電荷キャリアとしての電子および正孔が、発光層に向かって移動し、そこでそれらの再結合が、励起、ひいては、発光層に含まれるルモフォア(lumophor)単位のルミネセンスを引き起こす。
本発明のポリマーおよび組成物は、それらの電気的および/または光学的特性に応じて、バッファ層、電子または正孔輸送層、電子または正孔ブロッキング層および発光層のうちの1つ以上の層において使用され得る。さらに、本発明のポリマーが、それ自体でエレクトロルミネセント特性を示すか、またはエレクトロルミネセント基もしくは化合物を含む場合、発光層内でのそれらの使用が、特に有利である。OLEDに使用するための好適なモノマー、オリゴマーおよびポリマー化合物または材料の選択、特性評価および加工は、一般に、当業者に公知である。例えば、Muller et al, Synth. Metals, 2000, 111-112, 31-34、Alcala, J. Appl. Phys., 2000, 88, 7124-7128およびそれらの中に引用される文献を参照されたい。
別の使用によれば、本発明のポリマーおよび組成物、特に、フォトルミネセント特性を示すものは、EP 0 889 350 A1において、またはC. Weder et al., Science, 1998, 279, 835-837によって記載されるように、例えば、ディスプレイデバイスにおける光源の材料として用いられ得る。
本発明のさらなる態様は、本発明の化合物の酸化型および還元型の両方に関する。電子の損失または獲得は、高伝導性を有する高度に非局在化されたイオン形態の形成をもたらす。これは、一般的なドーパントへの曝露の際に起こり得る。好適なドーパントおよびドーピング方法は、例えば、EP 0 528 662、US 5,198,153またはWO 96/21659から、当業者に公知である。
ドーピングプロセスは、典型的に、酸化還元反応において、半導体材料を、酸化剤または還元剤で処理して、材料中に非局在化されたイオン中心を形成することを意味し、対応する対イオンは、適用されたドーパントから得られる。好適なドーピング方法は、例えば、大気圧もしくは減圧でのドーピング蒸気への曝露、ドーパントを含む溶液中での電気化学的ドーピング、ドーパントを半導体材料と接触させて、熱的に拡散させること、および半導体材料中へのドーパントのイオン注入を含む。
電子をキャリアとして使用するとき、好適なドーパントは、例えばハロゲン(例えば、I、Cl、Br、ICl、ICl、IBrおよびIF)、ルイス酸(例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、SbCl、BBrおよびSO)、プロトン酸、有機酸、またはアミノ酸(例えば、HF、HCl、HNO、HSO、HClO、FSOHおよびClSOH)、遷移金属化合物(例えば、FeCl、FeOCl、Fe(ClO、Fe(4-CHSO、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、MoCl、WF、WCl、UFおよびLnCl(Lnはランタノイドである)、アニオン(例えば、Cl、Br、I、I 、HSO 、SO 2-、NO 、ClO 、BF 、PF 、AsF 、SbF 、FeCl 、Fe(CN) 3-、およびアリール-SO 等の様々なスルホン酸のアニオン)である。正孔をキャリアとして使用するとき、ドーパントの例は、カチオン(例えば、H、Li、Na、K、RbおよびCs)、アルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、およびCs)、アルカリ土類金属(例えば、Ca、Sr、およびBa)、O、XeOF、(NO )(SbF )、(NO )(SbCl )、(NO )(BF )、AgClO、HIrCl、La(NO・6HO、FSOOOSOF、Eu、アセチルコリン、R(Rはアルキル基である)、R(Rはアルキル基である)、RAs(Rはアルキル基である)、およびR(Rはアルキル基である)である。
本発明の化合物の伝導性形態は、OLED用途における電荷注入層およびITO平坦化層、フラットパネルディスプレイおよびタッチスクリーン用のフィルム、帯電防止フィルム、印刷された伝導性基板、プリント回路基板およびコンデンサ等の電子用途におけるパターンまたはトラクトを含むがこれらに限定されない用途において、有機「金属」として使用され得る。
本発明のポリマーおよび組成物はまた、例えば、Koller et al., Nat. Photonics, 2008, 2, 684に記載されるように、有機プラズモン発光ダイオード(OPED)に使用するのに好適であってもよい。
別の使用によれば、本発明のポリマーは、例えば、US 2003/0021913に記載されるように、LCDまたはOLEDデバイス中の配向層においてまたはそのような配向層として、単独でまたは他の材料と一緒に使用され得る。電荷輸送材料としての本発明のポリマーの使用は、配向層の導電性を増大し得る。LCDにおいて使用されるとき、この導電性の増大は、切り替え可能なLCD電池における有害な残留dc効果を低減し、画像の固着を抑制し、または例えば強誘電体LCDにおいて、強誘電体LCの自発分極電荷の切り替えによって生じる残留電荷を低減し得る。配向層上に設けられた発光材料を含むOLEDデバイスに使用されるとき、この導電性の増大は、発光材料のエレクトロルミネセンスを促進し得る。本発明のポリマーはまた、US 2003/0021913 A1に記載されているように、光配向層に使用するために、または光配向層として使用するために、光異性化合物および/または発色団と組み合わせてもよい。
別の使用によれば、本発明のポリマーおよび組成物、特に、それらの水溶性誘導体(例えば、極性またはイオン性側基を有する)またはイオン的にドープされた形態は、DNA配列を検出および識別するための化学センサまたは材料として用いられ得る。このような使用は、例えば、L. Chen, D. W. McBranch, H. Wang, R. Helgeson, F. Wudl and D. G. Whitten, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 1999, 96, 12287;D. Wang, X. Gong, P. S. Heeger, F. Rininsland, G. C. Bazan and A. J. Heeger, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 2002, 99, 49;N. DiCesare, M. R. Pinot, K. S. Schanze and J. R. Lakowicz, Langmuir, 2002, 18, 7785;D. T. McQuade, A. E. Pullen, T. M. Swager, Chem. Rev., 2000, 100, 2537に記載されている。
文脈上明白に他の意味を示さない限り、本明細書において使用される際、本明細書の用語の複数形は、単数形を含むものと解釈されるべきであり、逆もまた同様である。
本明細書の説明および特許請求の範囲の全体を通して、「含む(comprise)」および「含む(contain)」という用語ならびにこれらの用語の変化形、例えば「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むがこれらに限定されない(including but not limited to)」を意味し、他の構成要素を除外することは意図されていない(除外しない)。
本発明の上記の実施形態に対する変形が、本発明の範囲内に依然として含まれながら行われ得ることが理解されるであろう。本明細書に開示される各特徴は、特に記載されない限り、同一、同等または類似の目的を果たす代替的な特徴によって置き換わってもよい。したがって、特に記載されない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の同等または類似の特徴の一例に過ぎない。
本明細書に開示される特徴の全ては、このような特徴および/または工程の少なくともいくつかが互いに排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明の全ての態様に適用可能であり、任意の組合せで使用してもよい。同様に、非本質的な組合せで記載される特徴は、別々に(組み合わせずに)使用してもよい。
上記および以下において、特に記載されない限り、パーセンテージは、重量パーセントであり、温度は、℃で示される。誘電率(dielectric constant)ε(「誘電率(permittivity)」)の値は、20℃および1,000Hzで測定した値を指す。
本発明は以下の実施例を参照することによってより詳細に記載され、これらは例示的なものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
〔実施例1〕
ポリマー1を以下のように調製した。
Figure 0007518087000089
5,11-ジブロモ-2,8-ビス[4-クロロ-5-(2-エチルヘキシル)チオフェン-2-イル]-4,10-ジチアトリシクロ[7.3.0.0,7]ドデカ-1,3(7),5,8,11-ペンタエン(216.28mg;0.27mmol)、4,6-ジブロモ-10,12-ビス(2-ブチルオクチル)-5,11-ジチアトリシクロ[7.3.0.0,7]ドデカ-1(12),3,6,9-テトラエン-2,8-ジオン(191.86mg;0.27mmol)、トリメチル[5-(トリメチルスタニル)チオフェン-2-イル]スタンナン(220.00mg;0.54mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.92mg;0.01mmol)およびトリ(o-トリル)ホスフィン(13.07mg;0.04mmol)。反応混合物を10分間脱気し、110℃において40分間加熱した後、ブロモ-ベンゼン(1.1cm)を添加して反応を停止させる。混合物を110℃においてさらに1時間加熱する。混合物を60℃に冷却し、メタノール(200cm)に注ぎ、濾別する。粗生成物を、アセトン、石油エーテル(40~60)、シクロヘキサンおよびクロロホルムを使用するソックスレー抽出によって精製する。クロロホルム画分を真空中で濃縮し、メタノール(300cm)中に沈殿させる。黒色固体(305mg、収率91%)を濾過によって回収する。GPC(50℃、クロロベンゼン):Mn=103.6kDa;Mw=394.1kDa;PDI=3.80。
〔実施例2~6〕
実施例1と同様にして以下に示すポリマーを調製した。
Figure 0007518087000090
ポリマー2~6の調製における反応条件を以下に示す。
〔実施例7〕
(化合物1の調製)
Figure 0007518087000093

氷浴中で0℃に冷却したジクロロメタン(8cm)中のジブロモチオフェン-3,4-ジカルボニルジクロリド(0.8g;2.18mmol)の溶液に、トリクロロアルミニウム(1.16g;8.72mmol)を単一部分として添加する。ジクロロメタン(5cm)に溶解させた2-(2-ブチルオクチル)-3-クロロチオフェン(0.63g;2.18mmol)の溶液を少しずつ添加する。溶液を3時間撹拌し、次いで氷上に注ぐ。水相をジクロロメタン(10cm)で抽出し、一体化した有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮する。残渣を、40:60の石油エーテル中の40~60%ジクロロメタンの勾配で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色ワックス状固体(60mg、5%)として標題化合物を得る。H NMR(400MHz、CDCl)2.79(2H,d,J 7.0),1.76-1.66(1H,m),1.28-1.17(16H,m),0.85-0.72(6H,m).
(ポリマー7の調製)
Figure 0007518087000094

5,11-ジブロモ-2,8-ビス[4-クロロ-5-(2-エチルヘキシル)チオフェン-2-イル]-4,10-ジチアトリシクロ[7.3.0.0,7]ドデカ-1,3(7),5,8,11-ペンタエン(88.36mg;0.11mmol),10,12-ジブロモ-5-(2-ブチルオクチル)-6-クロロ-4,11-ジチアトリシクロ[7.3.0.0,7]ドデカ-1(12),3(7),5,9-テトラエン-2,8-ジオン(63.70mg; 0.11mmol)トリメチル[5-(トリメチルスタニル)チオフェン-2-イル]スタンナン(89.88mg;0.22mmol)トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.00mg;0.00mmol)およびトリ(o-トリル)ホスフィン(2.67mg;0.01mmol)をトルエン(7cm)に溶解する。反応混合物を10分間脱気し、110℃まで25分間加熱する。トルエン(5cm)を添加し、続いてブロモベンゼン(0.7cm)を添加する。混合物を60分間撹拌する。40℃に冷却後、粗ポリマーをメタノール(150cm)に沈殿させる。粗ポリマーをアセトン、石油エーテル(40~60)、シクロヘキサン、クロロホルムおよびクロロベンゼンで抽出した。クロロベンゼン画分を真空中で濃縮し、メタノール(150cm)中に沈殿させ、濾過によって回収する。ポリマーは黒色固体として得られる(15mg;22%収率)。ポリマーは、50℃においてGPC分析を実施するのに十分なほど水溶性ではなかった。
〔比較例1および2〕
実施例1と同様にして、交互重合体(交互ポリマー)C1およびC2を調製した(R、R’=2-エチルヘキシル)。
Figure 0007518087000095
〔使用例A〕
電流-電圧特性をKeithley 2400 SMUを使用して測定する。一方、太陽電池に100mW cm-2白色光をNewportソーラシミュレータによって照射する。ソーラシミュレータにはAM1.5Gフィルタが装備されている。照射強度は、Siフォトダイオードを用いて較正される。全てのデバイスの調製および特徴付けを、乾燥窒素雰囲気中で行う。
電力変換効率は、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007518087000096
FFは以下のように定義される。
Figure 0007518087000097
(A1:逆バルクヘテロ接合有機光起電デバイス)
有機光起電(OPV)素子を、LUMTEC社から購入した予めパターン化したITOガラス基板(13Ω/sq.)上に作製した。基板は、超音波浴中で一般的な溶媒(アセトン、イソプロパノール、脱イオン水)を用いて洗浄する。市販の酸化アルミニウム亜鉛(AlZnO、ナノグレード)の層を、40℃でドクターブレードによって均一なコーティングとして塗布した。次いで、AlZnO膜を大気中、100℃において10分間アニールする。活性物質溶液(すなわち、ポリマー+受容体)は、25mg・cm-3の溶液濃度で溶質を完全に溶解して調製する。薄膜を、空気雰囲気中でブレードコーティングし、プロフィロメータを用いて測定した場合、50~800nmの活性層の厚さを達成する。短い乾燥期間を続け、残留溶媒の除去を確実にする。
典型的には、ブレードコーティングしたフィルムをホットプレート上で60℃において2分間乾燥させる。次に、デバイスを空気雰囲気に移す。活性層上に、ポリ(スチレンスルホン酸)をドープした導電性ポリマーポリ(エチレンジオキシチオフェン)[PEDOT:PSS HTL 4083(Heraeus)]0.1mLを塗布し、70℃でドクターブレードによって均一にコーティングした。その後、Ag(100nm)カソードを、シャドーマスクを通して熱蒸着し、電池を画定する。
表1は、本発明のポリマーを電子供与体成分として、および非フラーレン受容体(NFA)を電子受容体成分として含む、それぞれの光活性材料溶液の配合特性を示す。溶媒は、o-キシレン、またはo-キシレンと2,4-ジメチルアニソールとが80:20の割合(v/v)である混合物のいずれかである。
配合物に使用したNFA化合物の構造を以下に示す。
Figure 0007518087000098

Figure 0007518087000099
(A2:逆型デバイス特性)
表2は、表1の活物質(受容体/ポリマー)溶液から形成されたBHJを有する光活性層を含む個々のOPVデバイスのデバイス特性を示す。
表2から、レジオランダム供与体ポリマー1~7を含む全てのデバイスが良好な性能を示すことが分かる。レジオランダム供与体ポリマー1または4を含むデバイス1、3、5および7は、それらのレジオレギュラー類似体C1およびC2を含むデバイス2、4、6および8と比較して、主に高短絡電流によって、優れた性能を示すことも分かる。

Claims (20)

  1. ポリマー骨格に沿ってランダム配列で分布する、1つ以上の式Iの単位および1つ以上の式IIの単位を含み、


    個々のラジカルは、互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、
    Arは以下の式およびそれらの鏡像から選択される基を意味し、

    Arは以下の式およびそれらの鏡像から選択される基を意味し、

    、Xは、H、F、Cl、または、任意にフッ素化されている1~20個のC原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルを意味し、
    WはS、O、Se、CR1R2またはNRを意味し、
    R1~10は、H、F、Cl、1~30個のC原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルを意味し、
    前記直鎖、分岐または環状アルキルにおいて、
    1つ以上のCH基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合されないように、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=S)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-NR-、-SiR00-、-CF-、-CR=CR00-、-CY=CY2-または-C≡C-によって任意に置き換わっており、
    1つ以上のH原子はF、Cl、Br、IまたはCNによって任意に置き換わっており、1つ以上のCH基またはCH基はカチオン基もしくはアニオン基、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルによって任意に置き換わっており、
    前記アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルのそれぞれは5~20個の環原子を有し、単環式または多環式であり、縮合環を任意に含み、非置換であるまたは1つ以上の同一のもしくは異なる基Lによって置換され、
    Lは、F、Cl、-CN、-NC、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、R、OR、SR、-C(=O)X、-C(=O)R、-C(=O)-OR、-O-C(=O)-R、-NH、-NHR、-NR00、-C(=O)NHR、-C(=O)NR00、-SO、-SO、-OH、-NO、-CF、-SF、または、任意に置換されているシリル、または、1~30個のC原子を有するカルビルもしくはヒドロカルビルを意味し、前記カルビルもしくはヒドロカルビルは任意に置換され、1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、
    、Yは、H、F、ClまたはCNを意味し、
    はハロゲンを意味し、
    Z1はSを意味し、
    、R00は、Hまたは任意にフッ素化されている1~20個のC原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルを意味し、
    a、bは1または2を意味する、共役ポリマー。
  2. 前記式Iの単位において、R1およびR2が、1~30個のC原子を有し、任意にフッ素化されている直鎖または分岐アルキル、アルコキシまたはチオアルキルからなる群A)から選択される、請求項1に記載の共役ポリマー。
  3. 前記式IIの単位およびその部分式において、Arが以下の式およびそれらの鏡像から選択され、R7~10が請求項1に記載の意味の1つを有する、請求項1または2に記載の共役ポリマー。
  4. 前記式IおよびIIの単位は以下の部分式から選択され、



    Ar、X1、2、Z、R1~6、aおよびbは、互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、請求項1または2に記載の意味を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の共役ポリマー。
  5. 前記式IおよびIIの単位が以下の部分式から選択され、




    1~8は、互いに独立し、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、請求項1に記載の意味を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の共役ポリマー。
  6. 式IIIのランダム共重合体であり、

    個々のラジカルは、互いに独立し、それぞれの出現において同一または異なり、
    Aは、請求項1、4および5に定義されている、式I、I1、I2、I3、I1-1、I2-1またはI3-1の単位を意味し、
    Bは、請求項1、4および5に定義されている、式II、II1、II2、II3、II1-1、II1-2、II2-1、II2-2、II3-1またはII3-2の単位を意味し、
    x、yは>0および<1を意味し、x+y=1であり、
    nは1より大きい整数を意味する、請求項1~5のいずれか1項に記載の共役ポリマー。
  7. 以下の部分式から選択され、







    x、yおよびnは請求項6に記載される意味を有し、
    Rは、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、請求項1または2に記載されるRおよびRの意味の1つを有し、
    R'は、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、請求項1に記載されるR7およびR8の意味の1つを有し、
    は、それぞれの出現において同一でありまたは異なり、請求項1に記載されるRおよびRの意味の1つを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の共役ポリマー。
  8. 以下の式IVから選択され、
    21-鎖-R22 IV
    式中、
    鎖は、請求項6および7に定義されている式IIIおよびIII1~III10から選択されるオリゴマー鎖またはポリマー鎖を示し、
    21 および22は、
    互いに独立し、-CN、-NC、-NCO、-NCS、-OCN、-SCN、R、OR、SR、-C(=O)X、-C(=O)R、-C(=O)-OR、-O-C(=O)-R、-NH、-NHR、-NR00、-C(=O)NHR、-C(=O)NR00、-SO、-SO、-OH、-NO、-CF、-SF、または、任意に置換されているシリル、または、1~30個のC原子を有するカルビルもしくはヒドロカルビルを意味し、前記カルビルもしくはヒドロカルビルは任意に置換され、1つ以上のヘテロ原子を任意に含み、 、X 、R 00 は、請求項1に記載の意味を有し、または、
    互いに独立し、H、F、Br、Cl、I、-CHCl、-CHO、-CR=CR 、-SiR、-SiR、-SiR、-SnR、-BR、-B(OR)(OR)、-B(OH)、-O-SO-Ra、-C≡CH、-C≡C-SiR 、-ZnXまたはエンドキャップ基を示し、
    およびXはハロゲンを示し、
    、RおよびRは、互いに独立し、請求項1に記載のRの意味の1つを有し、
    、RおよびRのうちの2つはまた、それらが結合されるそれぞれのヘテロ原子と一緒に、2~20個のC原子を有する、シクロシリル、シクロスタンニル、シクロボランまたはシクロボロネート基を形成してもよい、請求項1~7のいずれか1項に記載の共役ポリマー。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の共役ポリマーと、
    半導体、電荷輸送、正孔もしくは電子輸送、正孔もしくは電子ブロッキング、導電性、光導電性または発光特性のうちの1つ以上を有する1つ以上のさらなる化合物と、を含む組成物。
  10. 1つ以上のp型半導体を含み、
    前記p型半導体の少なくとも1つが、請求項1~8のいずれか1項に記載の共役ポリマーであり、
    1つ以上のn型半導体をさらに含む、請求項9に記載の組成物。
  11. フラーレン部分を含まない小分子から選択される1つ以上のn型半導体を含む、請求項9または10に記載の組成物。
  12. 請求項9~11のいずれか1項に記載の組成物から形成される、バルクヘテロ接合(BHJ)。
  13. 請求項1~8のいずれか1項に記載の共役ポリマー、または、請求項9~11のいずれか1項に記載の組成物を含み、
    有機溶媒から選択される1つ以上の溶媒をさらに含む、配合物。
  14. 電子デバイスもしくは光電子デバイスにおける、または、当該デバイスの構成要素もしくは当該デバイスを含むアセンブリにおける、請求項1~8のいずれか1項に記載の共役ポリマー、または、請求項9~11のいずれか1項に記載の組成物の、使用。
  15. 請求項1~8のいずれか1項に記載の共役ポリマー、または、請求項9~11のいずれか1項に記載の組成物を含む、電子デバイスもしくは光電子デバイス、またはその構成要素、またはそれを含むアセンブリ。
  16. 有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、有機光起電デバイス(OPV)、有機光検出器(OPD)、有機太陽電池、色素増感太陽電池(DSSC)、ペロブスカイト系太陽電池(PSC)、レーザダイオード、ショットキーダイオード、光伝導体、光検出器、および熱電デバイスから選択される、請求項15に記載の電子デバイス
    または光電子デバイス。
  17. 電荷注入層、電荷輸送層、中間層、平坦化層、帯電防止フィルム、ポリマー電解質膜(PEM)、導電性基板および導電性パターンから選択される、請求項15に記載の構成要素。
  18. 集積回路(IC)、無線認識(RFID)タグ、セキュリティマーキング、セキュリティデバイス、フラットパネルディスプレイ、フラットパネルディスプレイのバックライト、電子写真デバイス、電子写真記録デバイス、有機メモリデバイス、センサデバイス、バイオセンサおよびバイオチップから選択される、請求項15に記載のアセンブリ。
  19. 式V1の1つ以上のモノマー、式V2の1つ以上のモノマー、および式V3の1つ以上のモノマーをアリール-アリールカップリング反応において互いにカップリングさせ、


    23-Ar-R24 V3
    Ar、Ar、X、X、ZおよびR1~4は請求項1に記載の意味を有し、
    23およびR24は、互いに独立し、活性化C-H結合、Cl、Br、I、O-トシレート、O-トリフレート、O-メシレート、O-ノナフレート、-SiMeF、-SiMeF、-O-SO、-B(OZ、-CZ=C(Z、-C≡CH、-C≡CSi(Z、-ZnXおよび-Sn(Zからなる群から選択され、
    Meはメチルであり、
    はハロゲンであり、
    a~dはアルキルおよびアリールからなる群から選択され、任意に置換され、Zの2つの基はまた、B原子およびO原子と一緒に、2~20個のC原子を有するシクロボロネート基を形成してもよい、請求項1~8のいずれか1項に記載の共役ポリマーの調製方法。
  20. 式V1、V2およびV3のモノマーが、以下の部分式から選択され、



    R、R23、R24およびRは、請求項7および19に記載される意味を有する、請求項19に記載の方法。
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