JP7517625B2 - 電磁接触器 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁接触器に関するものである。
電磁接触器の遮断性能を向上させる技術として、例えば特許文献1に示されるように、対向した一対の側板、及び側板同士の間に設けられた間板によりコ字状に形成されたグリッドを設けているものがある。この構成によれば、接点部を開くときに生じるアークがグリッドに引き込まれることで、アーク電圧を高めて遮断することができる。
特開平11-162319号公報
接点部に発生したアークは、グリッドの内周面のうち、側板における先端側の縁部やコーナ部の下端部といった局所に停滞する傾向があるため、その熱によってグリッドに隣接した樹脂製の隔壁が消耗する可能性があった。
本発明の目的は、電磁接触器において、グリッドに隣接した隔壁の消耗を抑制することである。
本発明の一態様に係る電磁接触器は、フレームと、固定接触子と、可動接触子と、グリッドと、を備える。フレームは、絶縁樹脂製である。固定接触子は、フレームに固定され、固定接点が形成されている。可動接触子は、フレームに保持され、可動接点が形成され、予め定めた奥行方向に変位するときに、固定接点及び可動接点で構成される接点部を開閉する。グリッドは、フレームの隔壁に隣接し互いに対向した一対の側板、及び側板における基端同士の間に設けられた間板によって、奥行方向から見てコ字状に形成された金属板であり、内側に接点部が配置される。フレームには、グリッドの内周面のうち、側板における先端側の縁部を覆う保護壁が形成されている。
本発明によれば、グリッドの内周面のうち、側板における先端側の縁部を樹脂製の保護壁で覆っているので、接点に発生したアークが、側板における先端側の縁部といった局所に飛ぶことを抑制できる。したがって、グリッドに隣接した樹脂製の隔壁がアークの熱によって消耗することを抑制できる。
電磁接触器の外観を示す図である。 電磁接触器の平面図である。 電磁接触器の断面図である。 消弧カバーを外した状態を示す図である。 グリッドを示す図である。 消弧カバーの裏側を示す図である。 上部フレームを示す図である。 上部フレームに嵌り合っているグリッドを示す図である。 接点部及びグリッドの断面図である。 比較例を示す図である。 比較例を示す図である。 第二実施形態の固定接触子を示す図である。 第二実施形態における接点部及びグリッドの断面図である。 第三実施形態の固定接触子を示す図である。 第三実施形態における接点部及びグリッドの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
《第一実施形態》
《構成》
以下の説明では、互いに直交する三方向を、便宜的に、縦方向、幅方向、及び奥行方向とする。
図1は、電磁接触器11の外観を示す図である。
ここでは、電磁接触器11を縦方向の他方、幅方向の他方、及び奥行方向の手前側から見た状態を示す。電磁接触器11は、下部フレーム12と、上部フレーム13と、消弧カバー14と、を備えている。下部フレーム12、上部フレーム13、及び消弧カバー14は、何れも電気絶縁性を有する樹脂製である。
図2は、電磁接触器11の平面図である。
ここでは、電磁接触器11を奥行方向の手前側から見た状態を示す。電磁接触器11には、主端子ねじ15、補助端子ねじ16、及びコイル端子ねじ17が嵌め合わされている。主端子ねじ15は、U相・V相・W相の主回路に接続され、補助端子ねじ16は、a接点又はb接点を構成する補助回路に接続され、コイル端子ねじ17は、オン/オフを切り替える操作回路に接続される。
図3は、電磁接触器11の断面図である。
ここでは、図2に示した電磁接触器11において、V相の主端子ねじ15の中心を通る縦方向及び奥行方向に沿ったA-A断面を、幅方向の他方から見た状態を示す。
電磁接触器11は、一相ごとに、一対の固定接触子21と、可動接触子22と、を備えている。
固定接触子21は、導電性を有する金属であり、縦方向に延び、縦方向及び幅方向に沿った平板状に形成され、上部フレーム13に固定されている。固定接触子21は、縦方向の内側が外側よりも段差を介して奥行方向の手前側になるように、幅方向から見てクランク状に曲げ加工されている。縦方向の内側となる一端側には、奥行方向における手前側の面に固定接点23が形成されており、縦方向の外側となる他端側には、主端子ねじ15が嵌め合わされている。
可動接触子22は、導電性を有する金属であり、縦方向に延び、縦方向及び幅方向に沿った平板状に形成されている。可動接触子22は、縦方向の外側が中央よりも段差を介して奥行方向の手前側になるように、幅方向から見てクランク状に曲げ加工されている。縦方向の外側には、奥行方向の奥側の面に可動接点24が形成されている。
可動接触子22は、電気絶縁性を有する樹脂製の接点支え31によって支持され、接点支え31は、電磁石部32の動作に応じて奥行方向に沿って変位可能である。可動接触子22は、接点支え31と共に変位し、奥行方向の手前側から奥側に変位するときに、固定接点23に可動接点24を接触させ、奥行方向の奥側から手前側に変位するときに、固定接点23から可動接点24を離間させる。したがって、固定接点23、及び可動接点24によって接点部25が構成され、可動接触子22は、奥行方向の変位によって接点部25を開閉する。
電磁石部32は、スプール41と、固定鉄心42と、可動鉄心43と、を備えている。スプール41は、電気絶縁性を有する樹脂製の巻き枠であり、巻線となるコイル44が巻かれている。固定鉄心42は、薄板状の磁性体を幅方向に積層した構造であり、幅方向から見て奥行方向の手前側に開いたE字状に形成されている。固定鉄心42は、下部フレーム12の内部に収容され、スプール41が嵌め合わされている。可動鉄心43は、薄板状の磁性体を幅方向に積層した構造であり、幅方向から見て奥行方向の奥側に開いたE字状に形成されている。可動鉄心43は、固定鉄心42に対向し、図示しないバックスプリングを介してスプール41に弾性支持されており、奥行方向の手前側に接点支え31が連結されている。
上記より、コイル44に通電がない非励磁の状態では、図示しないバックスプリングの反発力によって可動鉄心43が奥行方向の手前側へと変位する。これにより、接点支え31も奥行方向の手前側へと変位するので、一対の固定接点23から可動接点24の夫々が離間して接点部25が開く(遮断状態)。
一方、コイル44への通電によって励磁された状態では、可動鉄心43が固定鉄心42に吸着されることで、図示しないバックスプリングの反発力に逆らって可動鉄心43が奥行方向の奥側へと変位する。これにより、接点支え31も奥行方向の奥側へと変位するので、一対の固定接点23に可動接点24の夫々が接触して接点部25が閉じる(投入状態)。
次に、グリッド構造について説明する。
消弧カバー14は、上部フレーム13における奥行方向の手前側に嵌り合い、接点部25を覆っている。
図4は、消弧カバー14を外した状態を示す図である。
ここでは、電磁接触器11を縦方向の他方、幅方向の他方、及び奥行方向の手前側から見た状態を示す。図には表れていないが、奥行方向の消弧カバー14を取り外すと、上部フレーム13における奥行方向の手前側に接点部25が露出することになる。消弧カバー14の裏側には、各接点部25に対応する位置、つまり各相の一次側及び二次側で合計六箇所に、グリッド51が一つずつ嵌め合わされている。
図5は、グリッド51を示す図である。
各グリッド51の構成は全て共通であり、ここでは、縦方向の他方側に配置される一つのグリッド51を、縦方向の外側、幅方向の他方、及び奥行方向の手前側から見た状態を示す。グリッド51は、金属板を曲げ加工して成形されており、一対の側板52と、間板53と、を備えている。一対の側板52は、縦方向及び奥行方向に沿った平板状であり、幅方向に沿って互いに対向している。側板52は、縦方向の外側を基端側とし、縦方向の内側を先端側とする。間板53は、側板52における基端同士の間を塞ぐように設けられている。すなわち、グリッド51は、奥行方向から見て縦方向の内側に向かって開いたコ字状又はU字状に形成されている。側板52には、奥行方向の手前側に突出した差込み片54が形成されている。間板53には、幅方向の略中央に、奥行方向における手前側の端部から奥側に向かって延びるスリット状の凹溝55が形成されている。凹溝55は、間板53を厚さ方向に貫通しており、縦方向から見て細長いU字状に形成されている。
図6は、消弧カバー14の裏側を示す図である。
ここでは、消弧カバー14を、縦方向の他方側、幅方向の他方側、及び奥行方向の奥側から見た状態を示す。また、三相のうち一相のグリッド51を取り外した状態を示す。消弧カバー14の裏側には、グリッド51を嵌め合わせる位置に、夫々、一対の差込み穴57が形成されている。差込み穴57に差込み片54が差込まれることで、消弧カバー14にグリッド51が固定される。差込み穴57に差込み片54を差込むだけの構造であるため、消弧カバー14からグリッド51が容易に脱落しないように、嵌め合いは締まり嵌め(圧入)としている。
図7は、上部フレーム13を示す図である。
ここでは、上部フレーム13における縦方向の他端側にて、グリッド51が嵌り合う部分を、縦方向の他方、幅方向の他方、及び奥行方向の手前側から見た状態を示す。上部フレーム13には、各相の接点部25を仕切る縦方向及び奥行方向に沿った隔壁61が形成されている。上部フレーム13には、隔壁61に対して側板52が入る程度の隙間を開けて、保護壁62及び保護突起63が形成されている。保護壁62は、縦方向の内側に配置され、縦方向の外側に向かって僅かに出っ張る縦方向及び奥行方向に沿った袖壁であり、奥行方向の高さが側板52より僅かに低くされている。保護突起63は、縦方向の外側に配置され、奥行方向の手前側に向かって僅かに出っ張る突起である。
図8は、上部フレーム13に嵌り合っているグリッド51を示す図である。
ここでは、縦方向の他端側において、上部フレーム13に嵌り合っているグリッド51を、奥行方向の手前側から見た状態を示す。保護壁62及び保護突起63の夫々は、一つのグリッド51に対して幅方向の両側に一対ずつ設けられている。グリッド51の側板52は、上部フレーム13の隔壁61と、保護壁62及び保護突起63との間に嵌り合っている。保護壁62は、グリッド51の内周面のうち、側板52における先端側の縁部64を覆っている。保護突起63は、グリッド51の内周面のうち、側板52と間板53とを繋ぐコーナの下端部65を覆っている。
図9は、接点部25及びグリッド51の断面図である。
ここでは、図2に示した電磁接触器11の接点部25及びグリッド51において、主端子ねじ15の中心を通る縦方向及び奥行方向に沿ったA-A断面を、幅方向の他方から見た状態を示す。間板53に形成された凹溝55の深さ、つまり底面の位置は、遮断位置にある可動接触子22と奥行方向の位置が略同じである。消弧カバー14は、間板53に対して縦方向の外側に隣接した幅方向及び奥行方向に沿った隔壁66を備えている。消弧カバー14には、隔壁66における奥行方向の手前側に、アークガスの排出口67が形成されている(図4、図6)。排出口67には、奥行方向に延びる一本の格子が形成されることで、通気を確保しつつ外部からの視界を遮っている。図中の太い点線矢印は、アークガスの流れを示す。
《作用効果》
次に、第一実施形態の主要な作用効果について説明する。
電磁接触器11は、上部フレーム13と、固定接触子21と、可動接触子22と、グリッド51と、を備える。上部フレーム13は、絶縁樹脂製である。固定接触子21は、上部フレーム13に固定され、固定接点23が形成されている。可動接触子22は、上部フレーム13に保持され、可動接点24が形成され、予め定めた奥行方向の手前側から奥側に変位するときに、固定接点23及び可動接点24で構成される接点部25を閉じ、奥行方向の奥側から手前側に変位するときに接点部25を開く。グリッド51は、上部フレーム13の隔壁61に隣接し互いに対向した一対の側板52、及び側板52における基端同士の間に設けられた間板53によって、奥行方向から見てコ字状に形成された金属板であり、内側に接点部25が配置される。上部フレーム13には、グリッド51の内周面のうち、側板52における先端側の縁部64を覆う保護壁62が形成されている。このように、グリッド51の内周面のうち、側板52における先端側の縁部64を樹脂製の保護壁62で覆っているので、接点部25に発生したアークが、側板52における先端側の縁部64といった局所に飛ぶことを抑制できる。したがって、グリッド51に隣接した樹脂製の隔壁61がアークの熱によって消耗することを抑制できる。
上部フレーム13には、グリッド51の内周面のうち、コーナにおける奥行方向奥側の下端部65を覆う保護突起63が形成されている。これにより、接点部25に発生したアークが、コーナにおける奥行方向奥側の下端部65といった局所に飛ぶことを抑制できる。したがって、グリッド51に隣接した樹脂製の隔壁66がアークの熱によって消耗することを抑制できる。
電磁接触器11は、消弧カバー14を備える。消弧カバー14は、グリッド51を覆っており、間板53に隣接した隔壁66における奥行方向の手前側にアークガスの排出口67が形成されている。間板53には、奥行方向における手前側の端部から奥側に向かって延びるスリット状の凹溝55が形成されている。これにより、接点部25に発生したアークが、凹溝55といった局所に誘導され、アーク電圧を高めて遮断性能を向上させることができる。また、凹溝55が延びた先には排出口67があるため、アークガスを排出しやすくなる。
グリッド51は、消弧カバー14に固定される。これにより、各相に設けられる複数(六つ)のグリッド51を消弧カバー14に一体化させることができ、取り扱いが容易になる。
固定接触子21は、一端側が他端側よりも段差を介して奥行方向の手前側に配置されており、一端側に固定接点23が形成されている。これにより、固定接点23が奥行方向の手前側に持ち上げられ、固定接点23及び可動接点24で構成される接点部25がグリッド51における奥行方向の中央に近づくことになる。すなわち、接点部25をグリッド51で囲める範囲が拡大するため、接点部25に発生したアークを、より効果的にグリッド51に引き込み、冷却によってアーク電圧を高めることができる。
次に、比較例について説明する。
比較例となる電磁接触器71では、保護壁62及び保護突起63を省略してあり、それ以外は第一実施形態の電磁接触器11と同様の構成であるため、共通する部分については同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図10は、比較例を示す図である。
ここでは、縦方向の他端側において、上部フレーム13に嵌り合っているグリッド51を、奥行方向の手前側から見た状態を示す。
図11は、比較例を示す図である。
ここでは、接点部25及びグリッド51において、主端子ねじ15の中心を通る縦方向及び奥行方向に沿った断面を、幅方向の他方から見た状態を示す。
接点部25に発生したアークは、グリッド51の内周面のうち、側板52における先端側の縁部64や、コーナにおける奥行方向奥側の下端部65といった局所に停滞する傾向がある。したがって、アークの熱によって側板52に隣接する隔壁61が消耗する可能性があった。
《変形例》
第一実施形態では、グリッド51の凹溝55において、奥行方向に沿って延びる幅方向の隙間を一定にし、縦方向から見てU字状に形成する構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、凹溝55における幅方向の隙間を、奥行方向の手前側に向かうほど大きくし、縦方向から見てV字状、又は上下を逆さにした凸字状に形成してもよい。このように、凹溝55における幅方向の隙間を、奥行方向の奥側よりも手前側で大きくすることで、いっそうアークガスを排出しやすくなる。
《第二実施形態》
《構成》
第二実施形態は、固定接触子21の他の態様を示すものであり、それ以外は前述した第一実施形態と同様の構成であるため、共通する部分については同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図12は、第二実施形態の固定接触子21を示す図である。
各固定接触子21の構成は全て共通であり、ここでは、縦方向の他方側に配置される一つの固定接触子21を、縦方向の外側、幅方向の他方、及び奥行方向の手前側から見た状態を示す。固定接触子21には、縦方向のうち奥行方向の手前側から奥側に曲がり始める位置で、且つ幅方向の中央に、先端が縦方向の外側、及び奥行方向の手前側に向かって斜めに突出した切曲げ部81が形成されている。
図13は、第二実施形態における接点部25及びグリッド51の断面図である。
ここでは、図2に示した電磁接触器11の接点部25及びグリッド51において、主端子ねじ15の中心を通る縦方向及び奥行方向に沿ったA-A断面を、幅方向の他方から見た状態を示す。固定接触子21の切曲げ部81は、グリッド51の間板53と固定接点23との間に配置され、先端が間板53に向かって突出している。切曲げ部81は、下面側の先端が間板53の下端よりも奥行方向の手前側になり、且つ上面側の先端が固定接点23の上面に近い位置まで持ち上がるように曲げ加工されている。
他の構成については、前述した第一実施形態と同様である。
《作用効果》
次に第二実施形態の主要な作用効果について説明する。
固定接触子21には、間板53と固定接点23との間に、間板53に向かって突出した切曲げ部81が形成されている。これにより、接点部25に発生したアークを、切曲げ部81を介してグリッド51の間板53に向かって誘導することができる。したがって、より効果的にアークをグリッド51に引き込み、冷却によってアーク電圧を高めることができる。
他の作用効果については、前述した第一実施形態と同様である。
《第三実施形態》
《構成》
第三実施形態は、固定接触子21の他の態様を示すものであり、それ以外は前述した第一実施形態と同様の構成であるため、共通する部分については同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図14は、第三実施形態の固定接触子21を示す図である。
各固定接触子21の構成は全て共通であり、ここでは、縦方向の他方側に配置される一つの固定接触子21を、縦方向の外側、幅方向の他方、及び奥行方向の手前側から見た状態を示す。固定接触子21には、縦方向のうち奥行方向の手前側から奥側に曲がり始める位置で、且つ幅方向の両側に、奥行方向の手前側に向かって凸となる一対の凸部82が形成されている。凸部82は、例えば絞り加工によって成形されている。
図15は、第三実施形態における接点部25及びグリッド51の断面図である。
ここでは、図2に示した電磁接触器11の接点部25及びグリッド51において、主端子ねじ15の中心を通る縦方向及び奥行方向に沿ったA-A断面を、幅方向の他方から見た状態を示す。固定接触子21の凸部82は、グリッド51の間板53と固定接点23との間に配置される。凸部82は、上面が間板53の下端よりも奥行方向の手前側になり、且つ固定接点23の上面に近い位置まで持ち上がるように加工されている。
他の構成については、前述した第一実施形態と同様である。
《作用効果》
次に第三実施形態の主要な作用効果について説明する。
固定接触子21には、間板53と固定接点23との間に、奥行方向の手前側に向かって凸となる凸部82が形成されている。これにより、接点部25に発生したアークを、凸部82を介してグリッド51の間板53に向かって誘導することができる。したがって、より効果的にアークをグリッド51に引き込み、冷却によってアーク電圧を高めることができる。
凸部82は、固定接触子21における幅方向の両側に形成されている。これにより、幅方向の端部に移りやすいアークを、凸部82を介してグリッド51の間板53に向かって誘導することができる。したがって、より効果的にアークをグリッド51に引き込み、冷却によってアーク電圧を高めることができる。
他の作用効果については、前述した第一実施形態と同様である。
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
11…電磁接触器、12…下部フレーム、13…上部フレーム、14…消弧カバー、15…主端子ねじ、16…補助端子ねじ、17…コイル端子ねじ、21…固定接触子、22…可動接触子、23…固定接点、24…可動接点、25…接点部、31…接点支え、32…電磁石部、41…スプール、42…固定鉄心、43…可動鉄心、44…コイル、51…グリッド、52…側板、53…間板、54…差込み片、55…凹溝、57…差込み穴、61…隔壁、62…保護壁、63…保護突起、64…縁部、65…下端部、66…隔壁、67…排出口、71…電磁接触器、81…切曲げ部、82…凸部

Claims (8)

  1. 絶縁樹脂製のフレームと、
    前記フレームに固定され、固定接点が形成された固定接触子と、
    前記フレームに保持され、可動接点が形成され、予め定めた奥行方向に変位するときに、前記固定接点及び前記可動接点で構成される接点部を開閉する可動接触子と、
    前記フレームの隔壁に隣接し互いに対向した一対の側板、及び前記側板における基端同士の間に設けられた間板によって、前記奥行方向から見てコ字状に形成された金属板であり、内側に前記接点部が配置されるグリッドと、を備え、
    前記フレームには、前記接点部の側を向いた前記グリッドの内周面のうち、前記側板における先端側の縁部を覆う保護壁が形成されていることを特徴とする電磁接触器。
  2. 前記フレームには、前記グリッドの内周面のうち、コーナにおける前記奥行方向奥側の端部を覆う保護突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。
  3. 前記グリッドを覆っており、前記間板に隣接した隔壁における前記奥行方向の手前側にアークガスの排出口が形成されている樹脂製の消弧カバーを備え、
    前記間板には、前記奥行方向における手前側の端部から奥側に向かって延びるスリット状の凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。
  4. 前記グリッドは、前記消弧カバーに固定されることを特徴とする請求項3に記載の電磁接触器。
  5. 前記固定接触子には、前記間板と前記固定接点との間に、前記間板に向かって突出した切曲げ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。
  6. 前記固定接触子には、前記間板と前記固定接点との間に、前記奥行方向の手前側に向かって凸となる凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。
  7. 前記凸部は、前記固定接触子における幅方向の両側に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の電磁接触器。
  8. 前記固定接触子は、一端側が他端側よりも段差を介して前記奥行方向の手前側に配置されており、一端側に前記固定接点が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁接触器。
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