JP7510709B2 - 絨毛膜板隣接絨毛由来幹細胞及びそれを含む組織再生用細胞治療剤 - Google Patents

絨毛膜板隣接絨毛由来幹細胞及びそれを含む組織再生用細胞治療剤 Download PDF

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本発明は、絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞及びそれを含む細胞治療剤に関する。
幹細胞(stem cell)とは、自己複製能力を有しながら二つ以上の細胞に分化する能力を有する細胞をいい、万能幹細胞(totipotent stem cell)、全能性(全分化能)幹細胞(pluripotent stem cell)、多能性(多分化能)幹細胞(multipotent stem cell)に分類できる。万能幹細胞(totipotent stem cell)は、一つの完全な個体に発生して行くことのできる万能の性質を有する細胞であり、卵子と精子の受精以後8細胞期までの細胞がこのような性質を有し、この細胞を分離して子宮に移植すれば一つの完全な個体に発生して行くことができる。全分化能幹細胞(pluripotent stem cells)は、外胚葉、中胚葉、内胚葉由来の多様な細胞と組織に発生できる細胞であり、受精4-5日後に現れる胚盤胞(blastocyst)の内側に位置した内細胞塊(inner cell mass)に由来し、これを胚性幹細胞といい、多様な他の組織細胞に分化するが、新たな生命体を形成することはできない。多分化能幹細胞(multipotent stem cells)は、この細胞が含まれている組織及び器官に特異的な細胞にのみ分化できる幹細胞である。前記のような多分化能幹細胞のソースとしては、成体骨髄、皮膚、血管、筋肉等が知られており、組織工学、遺伝子治療分野及び細胞治療剤分野等にもこのような幹細胞が急速に適用されており、その他にも様々な組織から幹細胞を得て、これに対する多様な応用が切実に要求されている状況である。
胎盤は、女性が妊娠したとき、子宮壁で発生する臓器であり、血管組織が豊富な円盤形の形態を示し、胎児の栄養摂取と呼吸、排泄等が全て胎盤を通してなされる。一生の健康が胎児時期に決定されるという科学的研究結果が報告されるにつれ、妊娠期間中の胎盤の重要性が浮上しており、これに関連した様々な物質の相互関係を糾明しようと多くの努力が試みられている。胎盤は、週数別、位置別に多様な形態の細胞で構成されているが、未だその活用範囲が極めて制限的になされている。
近年は、胎盤組織から分離された幹細胞に関する研究も進行している。従来の胎盤組織由来幹細胞は、出産時に得ることのできる臨月胎盤の一部の組織から由来した幹細胞がほとんどであった。しかし、胎盤は、子宮に付いている基底膜、胎盤の中心組織であって母体と胎児血液間に物質交換を媒介する絨毛組織、胎盤の内側であって胎盤を覆っていながら胎児と羊膜を包んでいる絨毛膜等、多様な組織からなっており、未だにこれらの細部組織に対する研究は広く知られていない。一方、大韓民国特許登録第818214号には、NAC(N-acrtyl-L-cysteine)含有培地を利用して羊膜または脱落膜から幹細胞を分離する方法が開示されており、大韓民国特許登録第871984号には、bFGF(Basic Fibroblast Growth Factor)含有培地を利用して羊膜、漿膜、基底脱落膜及び胎盤組織から由来した幹細胞の多分化能に関して開示している。
しかし、従来の解剖学的に知られている胎盤構造区別方法にこだわらず胎盤を細分化し、細分化された部位から得られる幹細胞及びその効果については未だに広く報告されていない。
そこで、本発明者らは、従来の胎盤組織区別法にこだわらず、新たな胎盤の細部部位を定義し、これによる幹細胞の特性を研究していた中で、絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を収得し、これより分離された幹細胞が全体胎盤、全体絨毛及び全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除いた残りの部分の絨毛由来幹細胞と比較してCDマーカー発現パターンが異なり、軟骨、骨及び脂肪への分化能に全て顕著に優れることを確認して本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞を提供することであり、前記絨毛膜板隣接絨毛は、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位であり、絨毛基底部位を含むものである。また、本発明のまた他の目的は、前記絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞を利用した細胞治療剤、組織再生用組成物、これらの分離方法を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞であって、前記絨毛膜板隣接絨毛は、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、全体絨毛長さのうち絨毛膜板隣接部位から30%の長さまでである部位であり、絨毛基底部位を含むものである幹細胞を提供する。
また、本発明は、1)全体絨毛のうち、絨毛膜板隣接部位から、全体絨毛長さのうち絨毛膜板隣接部位から1/3地点までである部位を切断して絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を得るステップ;及び2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;を含む絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞の分離収得方法を提供する。
また、本発明は、1)全体絨毛のうち、絨毛膜板隣接部位から、全体絨毛長さのうち絨毛膜板隣接部位から1/3地点までである部位を切断して絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を得るステップ;及び2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;を含む絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記幹細胞を有効成分として含む組織再生用細胞治療剤を提供する。
また、本発明は、幹細胞を有効成分として含む組織再生用組成物を提供する。
また、本発明は、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位であり、絨毛基底部位を含むことを特徴とする絨毛膜板隣接絨毛組織から由来した、絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞をこれを必要とする個体に処理するステップ;を含む組織再生方法を提供する。
また、本発明は、1)全体絨毛のうち、絨毛膜板隣接部位から、全体絨毛長さのうち絨毛膜板隣接部位から1/3地点までである部位を切断して絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を得るステップ;2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;及び3)前記収得された絨毛膜板隣接絨毛由来幹細胞をこれを必要とする個体に処理するステップ;を含む組織再生方法を提供する。
本発明に係る全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位であり、絨毛基底部位を含むことを特徴とする絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞は、他の胎盤組織由来幹細胞と比較して均質な成長特性、優れた増殖特性を示し、軟骨、骨及び脂肪への分化能に顕著に優れるので、軟骨、骨及び脂肪の再生が必要な多様な組織再生治療、特に軟骨再生及び骨関節炎治療に効果的に活用され得る。
絨毛膜板(Chorionic plate)及び全体絨毛(CV)及び絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を図式化して示した図である。 胎盤全体由来幹細胞(Pla)、絨毛全体由来幹細胞(CV)、絨毛膜板隣接絨毛(VCP)由来幹細胞(CV1)、全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除外(CV-VCP)した絨毛由来幹細胞(CV2)を培養した後、細胞形態を顕微鏡で観察した結果を示した図である。 Aは、胎盤全体由来幹細胞(Pla)、絨毛全体由来幹細胞(CV)、絨毛膜板隣接絨毛(VCP)由来幹細胞(CV1)、全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除いた部位(CV-VCP)由来幹細胞(CV2)の集落形成能を確認した結果を示した図である。Bは、CV1の集落大きさを示した図である。 P2乃至P6継代培養による胎盤全体由来幹細胞(Pla)、絨毛全体由来幹細胞(CV)、絨毛膜板隣接絨毛(VCP)由来幹細胞(CV1)、全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除いた部位(CV-VCP)由来幹細胞(CV2)の集団倍加時間を比較した結果を示した図である。 胎盤全体由来幹細胞(Pla)、絨毛全体由来幹細胞(CV)、絨毛膜板隣接絨毛(VCP)由来幹細胞(CV1)、全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除いた部位(CV-VCP)由来幹細胞(CV2)の軟骨細胞分化能を確認した結果を示した図である。Aは、 Safranin O染色結果を示した図である。Bは、タイプIIコラーゲン染色結果を示した図である。Cは、GAG含量測定結果を示した図である。 胎盤全体由来幹細胞(Pla)、絨毛全体由来幹細胞(CV)、絨毛膜板隣接絨毛(VCP)由来幹細胞(CV1)、全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除いた部位(CV-VCP)由来幹細胞(CV2)の骨細胞分化能を確認した結果を示した図である。Aは、ALP染色結果を示した図である。Bは、Alizarin red S染色結果を示した図である。Cは、カルシウム含量測定結果を示した図である。 胎盤全体由来幹細胞(Pla)、絨毛全体由来幹細胞(CV)、絨毛膜板隣接絨毛(VCP)由来幹細胞(CV1)、全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除いた部位(CV-VCP)由来幹細胞(CV2)の脂肪細胞分化能を確認した結果を示した図である。Aは、Oil red O染色結果を示した図である。Bは、Oil red O染色結果を定量化して示したグラフである。 軟骨損傷動物モデルでCV1を投与した後、軟骨再生程度を確認した結果を示した図である。 軟骨損傷動物モデルでCV1を投与した後、OARSI scoreを測定して関節炎進行過程で軟骨保護及び再生効果を確認した結果を示した図である。
本発明は、絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞及びそれを含む組織再生用細胞治療剤、組織再生用組成物を提供する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において「幹細胞」とは、自己複製能力を有しながら二つ以上の互いに異なる種類の細胞に分化する能力を有する細胞を意味する。幹細胞は、分化能によって、万能幹細胞(totipotent stem cell)、全分化能幹細胞(pluripotent stem cells)、多分化能(多能性)幹細胞(multpotent stem cells)に分類できる。
本発明において「胎盤(placenta)」とは、妊娠中に胎児のために作られる生体内組織を意味するが、重さ500-600g、直径15-20cm、厚さ2-3cm程度の円盤形態である。胎盤の一方は母体と当たっており、他の一方は胎児と当接しており、その間で母体の血液と胎児の血管との間に栄養分及び酸素の伝達がなされるようになる。胎盤は、大きく、羊膜、絨毛膜、脱落膜の3層に区分でき、より詳細には、羊膜上皮、羊膜、絨毛膜、栄養膜、脱落膜に区分できる。
本発明の「絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)」は、絨毛基底部位を含む部位であり、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位であってよく、より具体的に、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/10、1/9、1/8、1/7、1/6、1/5、1/4、1/3地点までに該当する絨毛膜板隣接部位側から始まる連続的な部位までであってよく、好ましくは、絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/5地点まで乃至1/3地点までである部位、即ち、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位を開始点として全体絨毛長さのうち20%まで乃至33%の長さまでである連続的な部位、例えば、絨毛膜板隣接部位を開始点として全体絨毛長さの20%まで、21%まで、22%まで、23%まで、24%まで、25%まで、26%まで、27%まで、28%まで、29%まで、30%までであってよい。本発明の絨毛膜板隣接絨毛を図1に図式化して示した。
本発明は、前記絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞であって、前記絨毛膜板隣接絨毛は、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位であり、絨毛基底部位を含むことを特徴とする、絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞を提供する。
本発明の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞は、CD273、CD275および/またはCD321に対して陰性の表面因子発現特性を有することを特徴とし、これは、全体胎盤(Pla)由来幹細胞、全体絨毛(CV)由来幹細胞及び全体絨毛から本発明において定義された絨毛膜板隣接絨毛を除いた残りの部分の絨毛(CV-VCP)由来幹細胞がCD273、CD275及びCD321に対して陽性の表面因子発現特性を示すこととは異なる固有の特徴であり、本発明の幹細胞が他の幹細胞と区別される幹細胞であることを示すことができる。
また、本発明の幹細胞は、CD49e、CD140bおよび/またはCD142に対しては、陽性の表面因子発現特性を有することを特徴とし得る。
本発明の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞は、総合的に、i)CD44、CD73、CD90及びCD105に対して陽性;ii)CD49e、CD140bまたはCD142に対して陽性;iii)CD31、CD34、CD45及びHLA-DRに対して陰性;及びiv)CD273、CD275またはCD321に対して陰性;の表面因子マーカー発現特性を有することを特徴とし得、例えば、CD44、CD73、CD90、CD105に対して陽性、CD31、CD34、CD45及びHLA-DRに対して陰性の表面因子マーカー発現特定を示しながら、CD49e、CD140b及びCD142からなる群から選択された1種以上のマーカーに対して陽性であってよく、CD273、CD275及びCD321からなる群から選択された1種以上のマーカーに対して陰性であってよい。一例として、CD49e、CD140b及びCD142に対して全て陽性、CD273、CD275及びCD321に対して全て陰性の表面因子マーカー発現特性を示すことを特徴とし得る。
また、本発明の幹細胞は、胎児細胞起源(cell origin)の幹細胞であることを特徴とし得る。胎盤は、胎児と母体由来の特性を示す固有の組織であって子宮に付いている基底膜、胎盤の中心組織であって母体と胎児血液間に物質交換を媒介する絨毛組織、胎盤の内側であって胎盤を覆っていながら胎児と羊膜を包んでいる絨毛膜等、個別的特性を示す組織からなっている。従って、胎盤由来幹細胞であるとしても収得位置によって細胞の起源が異なるように示され得、栄養膜由来幹細胞は母体細胞起源、絨毛由来幹細胞は胎児細胞起源、全体胎盤由来幹細胞の場合、胎児及び母体全てから起源する幹細胞であると知られている。本発明の絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞は、染色体型分析を通して確認した結果、胎児由来の細胞染色体型を有することを確認した。これは、絨毛膜板隣接絨毛を除いた残りの部分の絨毛(CV-VCP)由来幹細胞が母体由来の染色体型を示すという点で、同じ絨毛由来幹細胞であっても細部的な収得部位位置によって細胞起源を異にし、異なる特性を示す細胞であることを示すことができる結果である。
また、本発明の幹細胞は、1)全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位を切断して絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を得るステップ;及び2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;を通して収得されることを特徴とする幹細胞であってよい。
また、本発明は、1)全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位である絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織を得るステップ;及び2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;を含む絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞の分離収得方法に関する。
また、本発明において、前記分離収得方法は、絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞の製造方法と同じ意味で使用され得、本発明は、1)全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位である絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織を得るステップ;及び2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;を含む絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞の製造方法を提供することができる。
前記方法のうち1)ステップは、絨毛膜板隣接絨毛を全体絨毛から収得するステップであり、当分野に知られている方法を制限なく使用して絨毛膜板隣接絨毛を収得できる。このとき、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位を滅菌されたフォーセップとメスで切断して絨毛膜板隣接絨毛を収得でき、より具体的に、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/10、1/9、1/8、1/7、1/6、1/5、1/4、1/3地点までに該当する部位を切断して絨毛膜板隣接部位側から始まる連続的な部位を収得できる。好ましくは、絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/5地点まで乃至1/3地点までである部位、即ち、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位を開始点として全体絨毛長さのうち20~33%の長さまでである連続的な部位を切断して収得でき、このような切断によって全体絨毛を絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)と全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除いた残りの絨毛であるCV-VCP部位に分離することができる。絨毛膜板隣接絨毛は、絨毛基底部位を含み、CV-VCP部位は、絨毛の末端部位を含む。
前記2)ステップは、1)ステップで収得された絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)から幹細胞を収得するステップであり、絨毛膜板隣接絨毛組織に酵素溶液を加えて酵素反応を遂行して得られた細胞を、成長因子を使用せず、ウシ胎児血清及び抗生剤が添加された培地で培養した後、回収することで収得され得る。前記酵素には、トリプシン(Trypsin)、コラゲナーゼ(collagenase)、ディスパーゼ(dispase)、DNase、RNase、プロテアーゼ(protease)、リパーゼ(lipase)、ヒアルロニダーゼ(hyaluronidase)及びエラスターゼ(elastase)等が含まれるが、これに制限されない。前記コラゲナーゼは、コラゲナーゼA、I、II、IIIまたはIV等を含む。
本発明の方法によれば、絨毛の中でも絨毛膜板隣接絨毛部位から特異的に幹細胞を分離することができ、このような方法で分離された幹細胞は、全体絨毛、CV-VCP絨毛、胎盤由来幹細胞とは異なりCD273、CD275及びCD321に対して陰性の表面因子発現特性を有することを特徴とし得る。本発明の方法を通して収得された幹細胞は、他の組織由来幹細胞と比較して線維芽細胞形状の形態的特性を示し、単一の細胞だけを特異的に維持でき、集落形成能に優れ、優れた増殖能を示すことができる。
本発明に係る絨毛膜板隣接絨毛部位に由来した幹細胞は、互いに異なる種類の細胞に分化でき、例えば、脂肪細胞、軟骨細胞、骨細胞、神経細胞、靭帯細胞または腱細胞(tenocyte)等、多様な種類の細胞に分化でき、これに制限されない。
本発明において、「分化(differentiation)」とは、一般に、比較的に単純な系が二以上の質的に異なる部分系に分離される現象を意味するが、具体的に、細胞が分裂増殖して成長する間に互いに構造や機能が特殊化する現象、即ち、生物の細胞、組織等がそれぞれに与えられたことを遂行するために形態や機能が変わっていく現象を意味する。相対的に、「未分化」とは、上述した分化が起こっていない、まだ幹細胞としての特徴を含有している状態を意味する。
幹細胞を分化させる方法は、従来公知になった方法によって遂行され得、特に制限されない。例えば、前記幹細胞をデキサメタゾン(dexamethasone)、インドメタシン(indomethacin)、インスリン及びIBMX(3-isobutyl-1-methylxanthine)を含む培地で培養して脂肪細胞に分化させる方法;前記幹細胞をデキサメタゾン、BMP-6(bone morphogenetic protein 6)、TGF-βfactor beta)、アスコルビン酸(ascorbic acid)及びL-プロリン(L-proline)を含む培地で培養して軟骨細胞に分化させる方法;前記幹細胞をデキサメタゾン、アスコルビン酸、βグリクロホスフェート(β及びアスコルビン酸-2-ホスフェート(ascorbic acid-2-phosphate)を含む培地に培養して骨細胞に分化させる方法等を使用することが好ましい。
前記方法で分化された絨毛膜板隣接絨毛部位に由来した幹細胞の分化程度を測定する方法は、特にこれに制限されないが、当該分野に公知になった技法である流細胞分析方法、免疫細胞化学的方法、PCRまたは遺伝子-発現プロファイルを使用して細胞表面標識または形態の変化を測定する方法、光学顕微鏡または共焦点顕微鏡を使用して細胞の形態変化を調査する方法、遺伝子発現プロファイルの変化を測定する方法等を使用することができ、好ましくは、RT-PCR、Oil-red O染色法、Safranin O染色法、Type II collagen免疫組織化学染色法、ALP(alkaline phosphate)染色法またはAlizarin red S染色法等を利用することができる。
また、本発明は、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位であり、絨毛基底部位を含むことを特徴とする絨毛膜板隣接絨毛組織から由来した、絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞を有効成分として含む組織再生用細胞治療剤または組織再生用組成物を提供する。
また、本発明は、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位であり、絨毛基底部位を含むことを特徴とする絨毛膜板隣接絨毛組織から由来した、絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞をこれを必要とする個体に処理するステップ;を含む組織再生方法を提供する。
また、本発明は、1)全体絨毛のうち、絨毛膜板隣接部位から、全体絨毛長さのうち絨毛膜板隣接部位から1/3地点までである部位を切断して絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を得るステップ;2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;及び3)前記収得された絨毛膜板隣接絨毛由来幹細胞をこれを必要とする個体に処理するステップ;を含む組織再生方法を提供する。
本発明において、前記処理は、投与、投薬等の行為を全て含み、好ましくは、治療を必要とする個体の組織再生が必要な部位に直接的に注入する行為を意味し得る。
本発明の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞は、集落形成能に優れ、優れた増殖能を示すだけではなく、脂肪細胞、軟骨細胞、骨細胞、神経細胞、靭帯細胞または腱細胞(tenocyte)等、多様な種類の細胞に分化できるので、組織再生を目的とする細胞治療剤及び組織再生用組成物として活用され得る。
本発明において、「細胞治療剤(cellular therapeutic agent)」とは、ヒトから分離、培養及び特殊な操作を通して製造された細胞及び組織で治療、診断及び予防の目的で使用される医薬品(米国FDA規定)であって、細胞あるいは組織の機能を復元させるために生きている自家、同種、または異種細胞を体外で増殖選別するか他の方法で細胞の生物学的特性を変化させる等の一連の行為を通して、このような細胞が疾病の治療、診断及び予防の目的で使用される医薬品を意味する。
本発明の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞は、身体の組織または器官が目的とする細胞群集、例えば、幹細胞または分化細胞群集の生着、移植または注入により調整、強化、治療または代替される多様な種類の治療プロトコルに使用され得る。本発明の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞は、存在する組織を代替または強化させて、新しいか変化した組織となるようにするか生物学的組織または構造と結合させることができる。
好ましくは、本発明の細胞治療剤は、脂肪、軟骨、骨、神経、靭帯及び腱からなる群から選択された1種以上の組織を再生するための用途に使用され得る。また、本発明において、軟骨は、遊離軟骨、繊維軟骨または弾性軟骨を制限なく含むことができ、前記軟骨は、関節軟骨(articular Cartilage)、耳軟骨、鼻軟骨、肘軟骨、半月状軟骨(meniscus)、膝軟骨、肋軟骨、足首軟骨、管軟骨、喉頭軟骨及び脊椎軟骨からなる群から選択されることを特徴とし得る。
従って、本発明の細胞治療剤は、骨欠損、腱-靭帯欠損、脂肪組織欠損、軟骨壊死、骨軟骨炎、軟骨破裂、軟骨外傷、関節炎、軟骨欠乏または先天性気管軟化治療用であってよい。
また、本発明の細胞治療剤または組織再生用組成物は、関節内または関節腔に直接投与され得、この場合、注射剤の形態で投与され得る。本発明の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞は、軟骨、骨、脂肪等に分化できる分化能に優れた幹細胞であるので、関節、軟骨、腱または靭帯部位に投与することで、多様な病変、例えば、関節軟骨の病変を治療または予防できる。特に本発明の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞を関節内投与すれば軟骨表面を軟らかく損傷がほとんどない状態に再生させることができ、関節炎が進行しないように軟骨を保護及び再生できる。
特に本発明の細胞治療剤または組織再生用組成物は、絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞を直接投与するために注射剤の形態に剤形化され得、この場合、注射剤に適するようにヒドロゲルをさらに含むことができる。
本発明の細胞治療剤に使用できるヒドロゲルは、注射剤に適した当分野に公知になったヒドロゲルを制限なく含むことができ、小腸粘膜下組織、ヒアルロン酸(hyalurinic acid)、カルボキシメチルセルロース(CMC、carboxymethylcellulose)、アルジネート(alginate)、キトサン(chitosan)、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(poly(N-isopropylacrylamide))、βグリセロホスフェート(βプルロニック(Poly(ethylene oxide)poly(propylene oxide)poly(ethyleneoxide)、Pluronic)、フィブリン、ポリエチレンオキシド(PEO)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)とポリエチレンイミン(PEI)の混合物からなる群から選択された1種以上であってよく、本発明の好ましい実施例においては、ヒアルロン酸及びプルロニックを絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞と混合して使用した。
本発明の細胞治療剤の好ましい投与量は、個体の状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び期間によって異なるが、当業者により適切に選択され得る。投与は、一日に一度投与してもよく、数回分けて投与してもよく、前記投与量は、いかなる面でも本発明の範囲を限定するものではない。
また、本発明は、絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞であって、前記絨毛膜板隣接絨毛は、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位であり、絨毛基底部位を含むことを特徴とする、絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞の組織再生治療剤製造のための用途を提供する。
また、本発明は、絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞であって、前記絨毛膜板隣接絨毛は、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/3地点までである部位であり、絨毛基底部位を含むことを特徴とする、絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞の組織再生用途を提供する。
前記絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞は、軟骨、骨、脂肪等に分化できる分化能に優れた幹細胞であるので、関節、軟骨、腱または靭帯部位に投与することで、多様な病変、例えば、関節軟骨の病変を治療または予防できる。特に本発明の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞を関節内投与すれば軟骨表面を軟らかく損傷がほとんどない状態に再生させることができ、関節炎が進行しないように軟骨を保護及び再生できる。従って、前記組織再生治療剤は、骨欠損、腱-靭帯欠損、脂肪組織欠損、軟骨壊死、骨軟骨炎、軟骨破裂、軟骨外傷、関節炎、軟骨欠乏または先天性気管軟化治療用であってよく、前記組織再生用途は、軟骨再生であってよい。
また、本発明は、1)全体絨毛のうち、絨毛膜板隣接部位から、全体絨毛長さのうち絨毛膜板隣接部位から1/3地点までである部位を切断して絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を得るステップ;及び2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;を含む絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞の分離収得方法または製造方法により収得される絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞を含む組織再生用細胞治療剤;または1)全体絨毛のうち、絨毛膜板隣接部位から、全体絨毛長さのうち絨毛膜板隣接部位から1/3地点までである部位を切断して絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を得るステップ;及び2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;を含む絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞の分離収得方法または製造方法により収得される絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞を含む組織再生用組成物;を提供する。
また、本発明は、1)全体絨毛のうち、絨毛膜板隣接部位から、全体絨毛長さのうち絨毛膜板隣接部位から1/3地点までである部位を切断して絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を得るステップ;2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;及び3)前記収得された絨毛膜板隣接絨毛由来幹細胞をこれを必要とする個体に処理するステップ;を含む組織再生方法を提供する。
本発明に係る絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞は、増殖能と分化能に優れて組織再生効果に優れ、組織再生用細胞治療剤で記述された内容と重複する内容は、明細書記載の複雑性を避けるために省略する。
以下、下記実施例を通して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を詳細に説明するためのものであり、本発明の範囲は、これらの実施例によって制限されるものではない。
実施例1:胎盤絨毛膜板隣接絨毛分離及び幹細胞収得
胎盤組織から羊膜を剥がし、脱落膜を滅菌されたはさみを利用して除去した後、約5*5*3cm大きさの全体栄養膜層(chorion)を得て150mmディッシュに移した後、PBSを利用して5回以上洗滌して血液及び血球細胞を除去した。絨毛だけを分離するために、全体栄養膜をvilliとintervillousにまた分離した後、分離された絨毛をPBSを利用して残っている血液及び血球細胞を除去するために5回以上洗滌した。洗滌された全長絨毛のうち絨毛膜板から約20%までの長さ(全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/5地点までの長さ)に該当する絨毛膜板(chorionic plate)隣接部位に該当する絨毛組織だけを切断して滅菌されたフォーセップとメスを利用して収得した。このように得た、絨毛の基底部分を含む切断部絨毛組織を全体絨毛(chorionic villi、CV)と区別するために絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)と定義した。絨毛膜板隣接絨毛を図式化して図1に示した。
絨毛膜板隣接絨毛(以下、VCP)を50mlチューブに移した後、0.2%コラゲナーゼを添加したa-MEM培地を加え、37℃の条件で撹拌機を利用して2時間程度反応させ、VCPから由来した細胞を収得した。収得したVCPから由来した細胞を100μmメッシュにろ過して分解されていない組織を除去し、ウシ胎児血清及び抗生剤が添加されたa-MEM培地を加えた後、25℃、1500rpmで4分間遠心分離した。上清液を除去して残った沈殿した細胞に成長因子を含まず、ウシ胎児血清及び抗生剤が添加されたa-MEM培地を加え、37℃、5%COの条件下で培養した。前記培養物で培養容器の底に付着した細胞を選別してVCPから由来した幹細胞を収得した。収得された幹細胞は、「CV1」と称した。
比較例1:他組織由来幹細胞の収得
1-1.胎盤全体から由来した幹細胞の収得
全体胎盤組織を約5*5*3cm程度を細切りし、PBSで洗滌して胎盤組織から血液及び血球細胞を除去した。前記洗滌された胎盤組織に0.2%コラゲナーゼを添加したa-MEM培地を加え、37℃の条件で撹拌機を利用して反応させ、胎盤細胞を収得した。前記収得した胎盤細胞を100μmメッシュにろ過して分解されていない組織を除去し、ウシ胎児血清及び抗生剤が添加されたa-MEM培地を加えた後、25℃、1000rpmで4分間遠心分離した。上清液を除去して残った沈殿した細胞に成長因子を含まず、ウシ胎児血清及び抗生剤が添加されたa-MEM培地を加え、37℃、5%COの条件下で培養した。前記培養物で培養容器の底に付着した細胞を選別して胎盤全体(Whole placenta、Pla)由来幹細胞を収得した。

1-2.胎盤細部組織から由来した幹細胞の収得
胎盤組織から羊膜を剥がして脱落膜を除去した後、約5*5*3cm大きさの栄養膜層全体を得て150mmディッシュに移した後、PBSを利用して5回以上洗滌して血液及び血球細胞を除去した。絨毛だけを分離するために、栄養膜全体をvilliとintervillousにまた分離した後、分離された絨毛をPBSを利用して残っている血液及び血球細胞を除去するために5回以上洗滌した。全体絨毛(chorionic villi、CV)から実施例1に記載の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を除いた残りの組織部分を全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除いた意味でCV-VCPと定義した。全体絨毛またはCV-VCP組織を50mlチューブに移した後、0.2%コラゲナーゼを添加したa-MEM培地を加え、37℃の条件で撹拌機を利用して2時間程度反応させ、それぞれの組織から由来した細胞を収得した。収得した細胞は、100μmメッシュにろ過して分解されていない組織を除去し、ウシ胎児血清及び抗生剤が添加されたa-MEM培地を加えた後、25℃、1500rpmで4分間遠心分離した。上清液を除去して残った沈殿した細胞に成長因子を含まず、ウシ胎児血清及び抗生剤が添加されたa-MEM培地を加え、37℃、5%COの条件下で培養した。前記培養物で培養容器の底に付着した細胞を選別して栄養膜層全体絨毛に由来した幹細胞を「CV」と、CV-VCPから由来した幹細胞を「CV2」と称した。
実施例2:絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1培養及び細胞形態
前記実施例1で収得したCV1幹細胞をPBSで洗滌した後、成長因子を含まず、ウシ胎児血清及び抗生剤が添加されたa-MEM培地を2~3日毎に取り替えながら培養した。前記幹細胞が80%以上成長した時点でトリプル(TryPLE)を処理して幹細胞を培養容器から分離し、分離された幹細胞を1/5の比率で希釈した後、他の培養容器で培養する方法で継代培養を遂行した。培養した以後の細胞形態を顕微鏡で観察した。また、前記比較例1で収得した胎盤全体(Whole placenta、Pla)及び他の細部組織由来幹細胞を利用して、同様の方法で継代培養を遂行した後、培養した以後の細胞形態を顕微鏡で観察した。その結果を各図2に示した。
図2に示したように、本発明に係るCV1幹細胞は、線維芽細胞形状の形態的特性を示し、単一の細胞だけを特異的に維持することを確認することができた。これに対して、胎盤全体(Whole placenta、Pla)及び他の細部組織由来幹細胞は、線維芽細胞形状の形態的特性を示したが、多数の互いに異なる形態の細胞が混合されていることを確認することができた。
即ち、本発明に係るCV1幹細胞と比較すると、継代培養前後にCV1幹細胞は単一細胞だけを特異的に維持したが、胎盤全体及び他の細部組織由来幹細胞から由来した幹細胞は、互いに異なる形態の細胞が混合されていることを確認した。
実施例3:絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1の集落形成能分析
前記実施例1でCV1幹細胞の集落形成能を確認した。より具体的に、前記実施例1で収得したCV1幹細胞を前記実施例2の方法で一番目の継代培養を遂行し、前記継代培養が終了する時点で100mmディッシュに5×10個ずつ接種(seeding)した後、14日間、成長因子を含まず、ウシ胎児血清及び抗生剤が添加されたa-MEM培地で培養した。その後、各幹細胞でいくつの集落が形成されるかを計数した。また、前記比較例1で収得した胎盤全体及び他の胎盤細部組織由来幹細胞を利用して、同様の方法で集団倍加時間及び集落形成能を測定した。集落形成能の場合、胎盤全体由来幹細胞の結果値を100%として換算した。その結果を図3及び図4に示した。
図3Aに示したように、VCPから由来したCV1幹細胞は、胎盤全体(Pla)、全体絨毛由来(CV)、全体絨毛から絨毛膜板隣接絨毛を除いた絨毛CV-VCP由来CV2幹細胞と比較して集落形成能に顕著に優れることを確認し、図3Bに示したように、VCPから由来したCV1幹細胞は、集落の大きさが3~4mm以上形成されることを確認した。
これを通して、CV1は、CV2幹細胞と比較して2倍以上の集落形成能を示し、全体絨毛及び他の絨毛部位由来幹細胞と比較して集落形成能に非常に優れた幹細胞であることを確認した。
また、図4に示したように、集団倍加時間は、P2乃至P4までは類似するように維持されたが、P5以後には、本発明のCV1幹細胞が最も低い集団倍加時間を示すことを確認した。このような結果を通して、絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1が優れた増殖能を有する幹細胞であることを確認した。
実施例4:絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1の表面マーカー分析
前記実施例1で収得したCV1の免疫学的特性を確認するために、242個Human Cell Surface Marker Screening Panelを利用して表面マーカーを分析した。
まず、実施例1によって絨毛膜板隣接絨毛を収得し、これをPBSで洗滌し、トリプル処理した後、幹細胞を回収して1200rpmで5分間遠心分離した。上清液を除去した後、PBSで幹細胞を洗滌した後、1200rpmで5分間遠心分離した。上清液を除去した後、幹細胞をPBSに浮遊させて40μm cell strainerを通過させ、細胞及びBD Pharmingen Stain Buffer+EDTAを準備して混合する。Falcon(登録商標)丸底96ウェルプレート(Cat.353910)各wellに100μlずつ分注した(100,000個/well)。その後、各wellに該当するantibodyを20μlずつ分注した。4℃で30分間インキュベーションした後、洗滌のためにBD Pharmingen Stain Buffer+EDTAを各wellに添加した後、1200rpmで5分間遠心分離した。さらに用心深く上清液を除去した後、BD Pharmingen Stain Buffer+EDTAで洗滌し、1200rpmで5分間遠心分離した。その後、2次抗体を各wellに100μlずつ分注した。洗滌のためにBD Pharmingen Stain Buffer+EDTAを各wellに添加した後、1200rpmで5分間遠心分離し、上清液を除去し、PBSを利用して用心深く洗滌過程を2回繰り返した。上清液を除去し、BD Pharmingen Stain Buffer+EDTA各wellに150μlずつ分注した。1Well当たり最小10,000個以上の細胞をフローサイトメーター(FACS)を利用して表面マーカーを分析した。また、同様の方法で前記比較例1で収得した胎盤全体及び他の胎盤細部組織由来幹細胞の表面マーカーを分析した。その結果を表1、2に示した。
[表1]
[表2]
表面マーカー発現量が5%未満である場合、陰性マーカーに分類し、6%以上である場合、陽性マーカーに分類した。陽性マーカーは、その発現量によって、6%以上30%未満である場合low、30~70%未満である場合middle、70%以上である場合Highに分類し、このような基準によって表1及び2のマーカー発現値を基準に整理して表3及び4にマーカー発現を表示した。
[表3]
[表4]
前記表3に示したように、本発明のCV1は、全体胎盤及び絨毛由来幹細胞CVとは異なりCD273、CD275、CD321マーカーが陰性であると確認され、特に、このような発現は、絨毛膜板隣接絨毛を除いた絨毛CV-VCP由来幹細胞であるCV2とも異なる結果であるところ、他の比較幹細胞とは完全に異なるCDマーカー発現特性を示す新たな幹細胞であることを確認した。
また、前記のような結果は、絨毛全体から由来した幹細胞は、多様なCDマーカー発現パターンを示す幹細胞が混在している状態であることを示す結果であり、本願発明のように絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を細分化して分離する場合、より均一な幹細胞を収得できるという事実を確認することができる。
実施例5:絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1の細胞起源比較
前記実施例1で収得したCV1が全体胎盤または絨毛由来幹細胞、絨毛膜板隣接絨毛を除いた絨毛CV-VCP由来幹細胞であるCV2と比較して細胞の起源が異なる他の細胞群に属するかを確認するための実験を遂行した。
胎盤は、母体及び胎児由来の細胞が混在している特殊な器官であり、胎盤は母体及び胎児に由来した細胞が全て存在し、通常、栄養膜は母体起源であると、絨毛は胎児由来であると知られている。これによって実施例1で収得したCV1と比較例1の細胞の細胞起源を確認するための実験を遂行し、臨床に多く適用されると知られているP5で収得した細胞をスライドに塗抹し、ここにCy3(red)及びfluorescein isothiocyanate(green)でそれぞれラベリングされたX及びY染色体probeを使用して染色した(Vysis、Downers Grove、IL、USA)。スライド分析は、細胞核にDAPIを染色した後、×1000倍率下にスペクトルred及びgreenフィルタを利用して確認した後、細胞に発現されるX、Y染色体をカウントして細胞起源を確認し、結果を表5に示した。
[表5]
表5に示したように、Plaの場合、初期passageではXXとXYが混在し得るが、P5では100%XXであるか100%XYが現れることを確認し、CVとCV1の場合、XYであることを確認した。これに対して、CV2は、P5で100%XX細胞起源であることを確認した。
即ち、表5に示したように、CV1細胞は、母体でない胎児由来の細胞染色体型を示したのに対し、CV2は、母体由来の染色体型を示して、互いに異なる起源を有する幹細胞であることを確認した。
実施例6:絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1の軟骨細胞分化能確認
前記実施例1で収得した絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1の軟骨細胞への分化能を確認するために、幹細胞を公知になった軟骨細胞分化誘導培地(0.1μMデキサメタゾン、50μg/mlアスコルビン酸、40μg/ml L-プロリン、10ng/ml TGF-β3、500ng/ml BMP-6、50mg/ml ITS premixが含まれたDMEM培地)で3週間培養して軟骨細胞への分化を誘導した。前記幹細胞の軟骨細胞への分化程度を測定するために、従来公知になった方法によってSafranin-O染色及びType IIコラーゲンを利用した免疫化学染色法を遂行した。また3週間培養後、Glycan sulfated GAG assay kit(Biocolor Ltd.,Carrickfergus、County Antrim、UK)を使用してSulfated glycosaminoglycan(GAG)含量を測定した。吸光度は、マイクロプレートリーダーを使用して波長656nmで96-ウェルプレートで測定し、結果を図5に示した。
図5に示したように、本発明に係るCV1幹細胞は、CVとCV2に比して優れた軟骨細胞分化能を有していることを確認した。
実施例7:絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1の骨細胞への分化能確認
前記実施例1で収得した絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1幹細胞の骨細胞への分化能を確認するために、幹細胞を公知になった骨細胞分化誘導培地(10%FBS、1%anti-biotics、100μMデキサメタゾン、50mMアスコルビン酸-2-ホスフェート、10μM β-グリクロホスフェート、250μMアスコルビン酸が含まれたDMEM培地)で4週間培養して骨細胞への分化を誘導した。このとき、分化誘導開始後2週が経過した時点では、従来公知になった方法によってALP(Alkaline phosphate)染色法で染色し、4週が経過した時点では、従来公知になった方法によってAlizarin red S染色法で染色することで、骨細胞への分化程度を分析した。また、同様の方法で前記比較例1で収得した胎盤全体及び他の胎盤細部組織由来幹細胞の骨細胞への分化能を4週が経過した時点で細胞内カルシウム測定をするために24時間の間0.6M HClを処理して37℃で保管後、o-cresolphthalein complexone method(Pointe Scientific、Canton、MI、USA)を利用して565nmで吸光度を測定後、カルシウム濃度を標準化し、定量化した。その結果を図6に示した。
図6に示したように、本発明に係る絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1は、CVとCV2に比して骨細胞に分化できる優れた骨細胞分化能を有していることを確認した。
実施例8:絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1の脂肪細胞への分化能確認
実施例1で収得した絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1幹細胞の脂肪細胞への分化能を確認するために、幹細胞を公知になった脂肪細胞分化誘導培地1(10%FBS、1%Anti-biotics、1μMデキサメタゾン、20μMインドメタシン、10μMインスリン、50μM 3-isobutyl-1-methylxanthine(IBMX)が含まれたDMEM培地)及び脂肪細胞分化誘導培地2(10%FBS、1%Anti-biotics、10μMインスリンが含まれたDMEM培地)を3~4日ずつ交互に加えて3週間培養して脂肪細胞への分化を誘導した。前記幹細胞の脂肪細胞への分化程度を測定するために、従来公知になった方法によってOil red O染色を遂行した。また、同様の方法で前記比較例1で収得した胎盤全体、他の胎盤細部組織由来及び他組織由来幹細胞の脂肪細胞への分化能を100%イソプロパノール溶液を処理して脂質を溶解させて500nmでの吸光度を測定し、その結果を図7に示した。
図7に示したように、本発明に係るCV1幹細胞は、CVとCV2に比して優れた脂肪細胞分化能を有していることを確認した。
実施例9:絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1の関節炎動物モデルで細胞治療剤としての効果検証
前記実施例1で収得した絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1から由来した幹細胞の軟骨損傷動物モデルで細胞治療剤としての効果を検証するために、下記のような実験を遂行した。より具体的に、wistarラット(rat、male、12週齢)に関節炎動物モデルを製作するために、健常なラットを選択して体重による適切な量のケタミンとロンプンで注射麻酔した後、ラットが十分に全身麻酔されたことを確認し、両方下肢の膝関節部位をシェービングした後、姿勢を維持させながら絆創膏で固定した。両側膝関節部位をポビドンで消毒し、膝蓋骨を触診して位置を確認した後、膝関節の上、下、膝蓋骨の内側を通る切開線に沿って傍正中接近(paramedian approach)で膝関節内に達し、膝蓋骨を外側に反らしながら膝関節を屈曲させて関節内部を観察した。特異な病的所見がないことを確認した後、半月状軟骨板に損傷を与えてdestabilization of the medial meniscus(DMM)モデルを作った。前記のように損傷を誘発して8週後に、注射器を利用してCV1幹細胞懸濁液1mlをヒアルロン酸5%及びプルロニック10%と混合した後、20μlを前記動物モデルの関節腔に注入した。ラットが麻酔から覚めることを確認した後、自由に動けるように許容し、手術後3日間、感染を防ぐために鎮痛剤と抗生剤を投与した。投与後8週と12週が経過した後、各ラットから損傷及び治療を遂行した関節部位の切片を得てH&E染色とSafranin O染色を遂行し、OARSI scoreを利用した定量化を通して新たに形成された軟骨再生程度を分析した。その結果を図8及び図9にそれぞれ示した。
図8に示したように、CV1幹細胞を注入して8週と12週後にsalineを注入した対照群に比して軟骨表面が軟らかく、軟骨損傷がほとんどなく再生されることを確認した。
また、図9に示したように、OARSI score結果では、8週後、対照群(8.6±0.5)に比してCV1幹細胞を注入した群(3.8±0.8)で低いscoreを示し、16週でも対照群(9.6±0.5)に比してCV1幹細胞を注入した群(3.0±0.7)で低いscoreを示した。従って、CV1幹細胞は、関節炎進行過程でそれ以上関節炎が進行しないように軟骨を保護及び再生させる役割を果たすものと示されることが分かった。

以上の実験結果を通して、従来の胎盤全体から由来した幹細胞が多様な特性を有する細部組織から由来した幹細胞が混合されており、互いに異なる細胞に分化する能力が均一に現れないのに対し、本発明に係る胎盤の細部組織である絨毛膜板隣接絨毛から由来した幹細胞CV1幹細胞は、優れた分化能とその他の幹細胞の様々な特性に対する均質性の側面から見るとき、従来の胎盤全体由来幹細胞に比して優れた特性を示すことを確認することができた。特に、本発明に係るCV1幹細胞は、他の胎盤細部組織由来幹細胞より成長、増殖、形態及び分化の特性で一貫した様相を示し、最も優れた幹細胞の特性を示した。従って、前記CV1幹細胞を利用する場合、目的とする細胞への分化効率を向上させることができ、多様な疾患で細胞治療剤として有用に利用できることを確認した。

Claims (15)

  1. 絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織由来幹細胞であって、前記絨毛膜板隣接絨毛は、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/5地点までである部位であり、絨毛基底部位を含むことを特徴とする、絨毛膜板隣接絨毛組織由来幹細胞。
  2. 前記幹細胞は、CD273、CD275またはCD321に対して陰性の表面因子発現特性を有することを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞。
  3. 前記幹細胞は、
    i)CD44、CD73、CD90及びCD105に対して陽性;
    ii)CD49e、CD140bまたはCD142に対して陽性;
    iii)CD31、CD34、CD45及びHLA-DRに対して陰性;及び
    iv)CD273、CD275またはCD321に対して陰性;の表面因子マーカー発現特性を有することを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞。
  4. 前記幹細胞は、胎児細胞起源(cell origin)の幹細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞。
  5. 前記幹細胞は、
    1)全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/5地点までである部位を切断して絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)を得るステップ;及び
    2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;を通して収得されることを特徴とする、請求項1に記載の幹細胞。
  6. 1)in vitroで、全体絨毛のうち絨毛膜板隣接部位から、絨毛膜板隣接部位から絨毛末端までの距離の1/5地点までである部位である絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)組織を得るステップ;及び
    2)絨毛膜板隣接絨毛から幹細胞を収得するステップ;を含む、絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞の分離収得方法。
  7. 前記絨毛膜板隣接絨毛から収得された幹細胞は、CD273、CD275またはCD321に対して陰性の表面因子発現特性を有することを特徴とする、請求項6に記載の絨毛膜板隣接絨毛(villi adjacent to chorionic plate、VCP)由来幹細胞の分離収得方法。
  8. 請求項1に記載の幹細胞を有効成分として含む、脂肪、軟骨または骨組織再生用細胞治療剤。
  9. 前記軟骨は、遊離軟骨、繊維軟骨または弾性軟骨であることを特徴とする、請求項8に記載の組織再生用細胞治療剤。
  10. 前記軟骨は、関節軟骨(articular Cartilage)、耳軟骨、鼻軟骨、肘軟骨、半月状軟骨(meniscus)、膝軟骨、肋軟骨、足首軟骨、管軟骨、喉頭軟骨及び脊椎軟骨からなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の組織再生用細胞治療剤。
  11. 前記細胞治療剤は、骨欠損、脂肪組織欠損、軟骨壊死、骨軟骨炎、軟骨破裂、軟骨外傷、関節炎、軟骨欠乏または先天性気管軟化治療用であることを特徴とする、請求項8に記載の組織再生用細胞治療剤。
  12. 前記組織再生用細胞治療剤は、注射剤であることを特徴とする、請求項8に記載の組織再生用細胞治療剤。
  13. 前記組織再生用細胞治療剤は、ヒドロゲルをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の組織再生用細胞治療剤。
  14. 前記ヒドロゲルは、小腸粘膜下組織、ヒアルロン酸(hyalurinic acid)、カルボキシメチルセルロース(CMC、carboxymethylcellulose)、アルジネート(alginate)、キトサン(chitosan)、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(poly(N-isopropylacrylamide))、β-グリセロホスフェート(β-glycerophosphate)、プルロニック(Poly(ethylene oxide)poly(propylene oxide)poly(ethyleneoxide)、Pluronic)、フィブリン、ポリエチレンオキシド及びカルボキシメチルセルロース(CMC)とポリエチレンイミン(PEI)の混合物からなる群から選択された1種以上からなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の組織再生用細胞治療剤。
  15. 請求項1に記載の幹細胞を有効成分として含む、脂肪、軟骨または骨組織再生用組成物。
JP2022518175A 2019-09-19 2020-09-15 絨毛膜板隣接絨毛由来幹細胞及びそれを含む組織再生用細胞治療剤 Active JP7510709B2 (ja)

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Stem Cell Research & Therapy,2018年,Vol.9, No.28,p.1-17

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