JP7507715B2 - テストストリップ - Google Patents

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Description

本発明は、テストストリップに関する。
例えば、特許文献1には、取込部から導入された血液(サンプル)を毛細管力により試薬部に流通させるための流路が形成されたスペーサ層(両面接着テープ)と、流路を覆うようにスペーサ層の両側に設けられた一組のカバー層と、を備えたテストストリップが開示されている。
特開平11-326321号公報
ところで、テストストリップでは、流路を形成する壁面の親水性を高めることにより、取込部から導入されたサンプルを試薬部に効率的に導くことができる。しかしながら、スペーサ層は比較的薄く、製造工程内で切断加工されるため、スペーサ層のうち流路を形成する壁面(流路側面)に親水性を高めるような処理を施すことは容易ではない。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、毛細管力により試薬部にサンプルを効率的に導くことができるテストストリップを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、取込部から導入されたサンプルを毛細管力によって試薬部に流通させるための流路が形成された本体部を備えるテストストリップであって、前記本体部は、中間流路溝が形成された中間スペーサ層と、前記中間スペーサ層の一方の面に設けられて前記中間スペーサ層に連通する第1流路溝が形成された第1スペーサ層と、前記中間スペーサ層の他方の面に設けられて前記中間スペーサ層に連通する第2流路溝が形成された第2スペーサ層と、を有し、前記流路は、前記第1流路溝、前記中間流路溝及び前記第2流路溝を含み、前記流路を形成する壁面は、前記第1スペーサ層、前記中間スペーサ層及び前記第2スペーサ層の積層方向と直交する方向の流路側面を有し、前記流路側面には、前記中間スペーサ層と前記第1スペーサ層との間に形成された第1段差部と、前記中間スペーサ層と前記第2スペーサ層との間に形成された第2段差部と、が設けられている、テストストリップである。
本発明によれば、流路側面に第1段差部及び第2段差部が設けられているため、段差部が設けられていない場合と比較して流路側面の表面積を広くすることができる。これにより、流路側面の親水性を向上させることができる。よって、毛細管力により試薬部にサンプルを効率的に導くことができる。
本発明の一実施形態に係るテストストリップを含む成分測定システムの全体構成を示す平面図である。 図1のテストストリップの斜視図である。 図2のテストストリップの分解斜視図である。 図2のテストストリップの縦断面図である。 図4のV-V線に沿った横断面図である。 図2のテストストリップの製造方法を示すフローチャートである。 図1の成分測定システムの一部省略断面図である。
以下、本発明に係るテストストリップについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態に係る成分測定システム12は、図1に示すように、サンプルを保持可能なテストストリップ10と、テストストリップ10が装着されることで、サンプルに含まれるアナライト量を測定する成分測定装置14とを備える。
テストストリップ10の内部には、試料が導入される。テストストリップ10は、その内部で、試料(サンプル)と試薬とを反応させて呈色させた状態(呈色状態)で、成分測定装置14内の検出対象位置に保持されるように構成される。一方、成分測定装置14は、テストストリップ10の検出対象位置で、試料と試薬との反応生成物を光学的に検出する。なお、テストストリップ10は、チップ、センサ等と称されることもある。「試料」は、全血(血液)であってもよく、分離された血漿であってもよい。また、試料は、他の体液や、アナライトを含む水溶液であってもよい。
以下では、サンプルを血液とした場合に、アナライト(ここではグルコース)の量を検出する成分測定システム12(血糖値測定システム)について代表的に説明していく。特に、成分測定装置14は、所定波長の測定光を検出対象位置に照射して、検出対象を透過した測定光(透過光)を検出する測定部18を備えることで、血糖値測定を行う血糖計16として構成されている。
テストストリップ10は試薬を備える。試薬には、試料に溶解し、かつ、試料中のアナライト量に応じて反応する発色試薬が含まれている。そのため、試薬とアナライトが接触すると、発色試薬が発色する呈色反応がおこり、呈色成分(反応生成物)が生成する。本実施形態の試薬は、グルコースと特異的に反応する。本実施形態の試薬としては、例えば、(i)グルコースオキシダーゼ(GOD)と(ii)ペルオキシダーゼ(POD)と(iii)1-(4-スルホフェニル)-2,3-ジメチル-4-アミノ-5-ピラゾロンと(iv)N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメチルアニリン,ナトリウム塩,1水和物(MAOS)との混合試薬、或いはグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)とテトラゾリウム塩との混合試薬等が挙げられる。さらに、試薬には、リン酸緩衝液のような緩衝剤やメディエータ、添加剤が含まれていてもよい。試薬の種類、成分については、これらに限定されない。本実施形態としては、血糖計16は、呈色成分(反応生成物)と試料との混合物を検出対象とする。特に、所定波長の測定光を検出対象位置に照射して、検出対象を透過した測定光(透過光)を検出する場合、調製した混合試薬溶液を、多孔質部材や担体を使用せずに、テストストリップ10内の所定の位置に、直接塗布し、乾燥させたものが好ましい。
また、成分測定システム12は、ユーザ(患者)が操作するパーソナルユースの測定システムとして用いられる。例えば、ユーザは、テストストリップ10及び血糖計16を使用して、血糖値を測定し、自身の血糖管理を行う。なお、成分測定システム12は、医療従事者が患者の血糖値を測定する装置として、医療施設等で用いられてもよい。
テストストリップ10は、血糖計16に装着された状態で、その一部が血糖計16の外側に突出する。テストストリップ10は、端面に開口部(取込部28)を有している。取込部28を介して、テストストリップ10内に血液を導入することで、血糖計16での血糖値測定を実行する。テストストリップ10は、1回の測定毎に廃棄する、ディスポーザブルに構成されている。
図2に示すように、テストストリップ10は、試験紙状(平板状)の本体部20と、本体部20に設けられた試薬片22(試薬部材)とを備える。本体部20は、血糖計16の挿入及び離脱方向が本体部20の長軸方向(矢印X方向)となっている。ここで、本体部20を血糖計16に装着した際には、本体部20の一端側(矢印X1方向)が血糖計16から露出し、本体部20の他端側(矢印X2方向)が血糖計16内に収容される。本体部20の一端部(矢印X1方向の端部)は、本体部20の厚さ方向から見て(矢印Z方向から見て)、略半円状に形成されている。本体部20の他端部(矢印X2方向の端部)は、本体部20の厚さ方向から見て(矢印Z方向から見て)、矩形状に形成されている。すなわち、本体部20の外形形状は厚さ方向から見て、一辺が円弧状に膨らむ略矩形状となっている。なお、本体部20を血糖計16に装着した際には、本体部20の他端(矢印X2方向の端)から、少なくとも試薬片22までを含む領域が、血糖計16内に収容される。
図2~図4に示すように、本体部20は、図3中の上方向(矢印Z1方向)から下方向(矢印Z2方向)に向かって、第1フィルム24A、第1接着剤層26A、第2フィルム24B、第2接着剤層26B、第3フィルム24C、第3接着剤層26C、第4フィルム24D、第4接着剤層26D、第5フィルム24Eを順次積層して一体化することにより形成されている。以下、第1フィルム24A、第2フィルム24B、第3フィルム24C、第4フィルム24D及び第5フィルム24Eを特に区別しない場合には、単に「フィルム24」と呼ぶことがある。また、第1接着剤層26A、第2接着剤層26B、第3接着剤層26C及び第4接着剤層26Dを特に区別しない場合には、単に「接着剤層26」と呼ぶことがある。
各フィルム24及び各接着剤層26の外縁は、矢印Z方向から見て、一端部に円弧を有する略矩形状に形成される。各フィルム24及び各接着剤層26には、空間部が適宜切り欠かれている。
本体部20には、血液を本体部20内に取り込むための取込部28と、取込部28に取り込まれた血液を試薬片22に導く流路30と、流路30に連通するバッファ空間32と、バッファ空間32に連通する排気孔34とが設けられている。
取込部28は、矢印Z方向の平面視で円弧状に形成されている本体部20の一端側(矢印X1方向)に設けられる。取込部28は、矢印Z1方向の一端が開放するとともに、矢印Z2方向の他端が第4フィルム24Dにより覆われている。ただし、取込部28の矢印Z2方向の他端は、第4フィルム24Dではなく第5フィルム24Eにより覆われてもよいし、第4フィルム24D及び第5フィルム24Eにより覆われてもよい。
取込部28には、流路30の一端側(矢印X1方向)が開放している。取込部28の幅方向の長さは、流路30の幅方向長さよりも長い。流路30は、毛細管力によって、血液を移送する。取込部28、流路30、バッファ空間32は、各フィルム24及び各接着剤層26に形成された空間部を積層して形成する。
図3及び図4に示すように、第1フィルム24Aは、テストストリップ10の厚さ方向一方側の端(矢印Z1方向の端)に配置される。第1フィルム24Aは、遮光性部材(例えば、黒色フィルム)により構成されている。第1フィルム24Aは、例えば、黒色顔料が添加されたポリエチレンテレフタレート(PET)により構成されている。つまり、第1フィルム24Aは、測定光の一部を遮光する遮光部36を有する。第1フィルム24Aの厚さは、例えば、150μm以上230μm以下に設定するのが好ましく、180μm以上200μm以下に設定するのがより好ましい。
第1フィルム24Aには、第1切り欠き部28a、第1貫通孔38a及び第1通気孔34aが形成されている。第1切り欠き部28aは、取込部28の一部を形成する。第1切り欠き部28aは、第1フィルム24Aの矢印X1方向の端部に形成されている。第1切り欠き部28aは、矢印Z方向からの平面視で一辺が開放された矩形状に形成されている。
第1貫通孔38aは、第1切り欠き部28aから、矢印X2方向に所定距離離れた位置に独立して設けられている。第1貫通孔38aは、第1フィルム24Aを矢印Z方向に貫通している。第1貫通孔38aは、第1フィルム24Aの幅方向(矢印Y方向)の略中央に位置する。第1貫通孔38aは、円形状に形成されている。
第1通気孔34aは、第1貫通孔38aから矢印X2方向に所定距離離れた位置に、独立して設けられている。第1通気孔34aは、第1フィルム24Aを矢印Z方向に貫通している。第1通気孔34aは、第1フィルム24Aの幅方向(矢印Y方向)の略中央に位置する。第1通気孔34aは、円形状に形成されている。
第1接着剤層26Aは、第1フィルム24Aに対してテストストリップ10の厚さ方向の他方側(矢印Z2方向)に積層されている。第1接着剤層26Aは、例えば、アクリル系粘着剤により構成されている。第1接着剤層26Aは、両面に接着機能を有する両面接着テープ(接着剤シート)である。第1接着剤層26Aの厚さは、15μm以上35μm以下に設定するのが好ましく、25μm程度に設定するのがより好ましい。
第1接着剤層26Aは、矢印Z方向からの平面視で第1フィルム24Aと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。具体的に、第1接着剤層26Aには、第2切り欠き部28b、第2貫通孔38b及び第2通気孔34bが形成されている。第2切り欠き部28bは、取込部28の一部を形成する。第2切り欠き部28bは、第1切り欠き部28aに対して矢印Z2方向に連通する。第2切り欠き部28bは、矢印Z方向からの平面視で第1切り欠き部28aと同じ大きさ及び同じ形状に形成されている。
第2貫通孔38bは、第1接着剤層26Aを矢印Z方向に貫通する。第2貫通孔38bは、第1貫通孔38aに対して矢印Z2方向に連通する。第2貫通孔38bは、矢印Z方向からの平面視で第1貫通孔38aと同じ大きさ及び同じ形状に形成されている。
第1貫通孔38aと第2貫通孔38bとは、互いに連通して、テストストリップ10の厚さ方向に測定光を通過させるための第1開口部38を形成する。このように第1フィルム24A及び第1接着剤層26Aに第1開口部38を形成することにより、試料と試薬との反応生成物(測定対象)の光学的検出に必要な量の測定光を、第1開口部38を通じて、検出対象に到達させることができる。加えて、第1フィルム24Aが遮光性部材により構成されているため、第1開口部38のみを測定光が通過できる。これにより、検出精度に影響する迷光を低減できる。
第2通気孔34bは、排気孔34の一部を形成する。第2通気孔34bは、第1接着剤層26Aを矢印Z方向に貫通する。第2通気孔34bは、第1通気孔34aに対して矢印Z2方向に連通する。第2通気孔34bは、矢印Z方向からの平面視で第1通気孔34aと同じ大きさ及び同じ形状に形成されている。第1通気孔34aと第2通気孔34bとで形成される排気孔34は、血液を取込部28から流路30に導く際に、流路30及びバッファ空間32の空気を、本体部20の外に排出するための孔である。
第1フィルム24A及び第1接着剤層26Aには、第1開口部38(第1貫通孔38a及び第2貫通孔38b)に代えて測定光が透過可能な透明部(導光部)が設けられてもよい。
第2フィルム24Bは、第1接着剤層26Aに対して矢印Z2方向に積層されている。第2フィルム24Bは、例えば、ポリエステル(PE)によって構成されている。第2フィルム24Bの矢印Z2方向の表面には、第1親水性処理部40(親水性コート)が設けられている。第1親水性処理部40は、接触角が20°未満に設定されるのが好ましい。第2フィルム24Bの厚さは、90μm以上110μm以下に設定するのが好ましく、100μm程度に設定するのがより好ましい。
第2フィルム24Bは、流路30を矢印Z1方向から覆う第1カバー層42である。第2フィルム24Bには、第3切り欠き部28c及び第1バッファ孔32aが形成されている。第3切り欠き部28cは、取込部28の一部を形成する。第3切り欠き部28cは、第2フィルム24Bの矢印X1方向の端部に形成されている。第3切り欠き部28cは、第2切り欠き部28bに対して矢印Z2方向に連通する。第3切り欠き部28cは、矢印Z方向からの平面視で第1及び第2切り欠き部28a、28bと同じ大きさ及び同じ形状に形成されている。
第1バッファ孔32aは、バッファ空間32の一部を形成する。第1バッファ孔32aは、第2フィルム24Bを厚さ方向に貫通する矩形状の貫通孔である。第1バッファ孔32aは、第2切り欠き部28bから矢印X2方向に所定距離離れた位置に独立して設けられている。第1バッファ孔32aは、第2フィルム24Bの幅方向の略中央に位置する。第1バッファ孔32aは、排気孔34(第2通気孔34b)に対向する位置に形成される。すなわち、第1バッファ孔32aは、排気孔34に対して矢印Z2方向に連通する。第1バッファ孔32aは、矢印Z方向からの平面視で排気孔34よりも大きく形成されている。
第2フィルム24Bのうち第3切り欠き部28cと第1バッファ孔32aとの間の壁部44は、第1開口部38を矢印Z2方向側から覆う(図4参照)。壁部44は、第1開口部38を通過した測定光が透過可能なように透明に形成されている。第2フィルム24Bは、その全体が透明(無色透明又は有色透明)に形成されている。ただし、第2フィルム24Bは、壁部44の部分のみが透明に形成され、壁部44以外の部分が不透明に形成されてもよい。第2フィルム24Bでは、壁部44の矢印Z2方向の面のみに第1親水性処理部40が設けられ、壁部44以外の部分には第1親水性処理部40が設けられていない。
第2接着剤層26Bは、第2フィルム24Bに対して矢印Z2方向に積層されている。第2接着剤層26Bは、例えば、アクリル系粘着剤により構成されている。第2接着剤層26Bは、両面に接着機能を有する両面接着テープ(接着剤シート)である。第2接着剤層26Bの厚さは、35μm以上55μm以下に設定するのが好ましく、45μm程度に設定するのがより好ましい。
第2接着剤層26Bは、流路30を形成するための第1スペーサ層46である。第2接着剤層26Bには、第4切り欠き部28d、第1流路溝30a及び第2バッファ孔32bが形成されている。第4切り欠き部28dは、取込部28の一部を形成する。第4切り欠き部28dは、第2接着剤層26Bの矢印X1方向の端部に形成されている。第4切り欠き部28dは、第3切り欠き部28cに対して矢印Z2方向に連通する。第4切り欠き部28dは、矢印Z方向からの平面視で第1~第3切り欠き部28a~28cと同じ大きさ及び同じ形状に形成されている。
第1流路溝30aは、流路30の一部を形成する。第1流路溝30aは、第2接着剤層26Bの長手方向(矢印X方向)に沿って直線状に延在している。第1流路溝30aは、第2接着剤層26Bを厚さ方向に貫通している。第1流路溝30aは、第2接着剤層26Bの幅方向の略中央に位置している。
第1流路溝30aを形成する第1溝側面31aは、第2接着剤層26Bの延在方向(矢印X方向)に対して略垂直に延在している(図4及び図5参照)。第1流路溝30aの一端(矢印X1方向の端、始端)は、第4切り欠き部28dに連通している。第1流路溝30aの他端(矢印X2方向の端、終端)は、第2バッファ孔32bに連通している。つまり、第4切り欠き部28d、第1流路溝30a及び第2バッファ孔32bは、1つの連続した空間を形成する。
第1流路溝30aは、第4切り欠き部28dよりも幅狭に形成されている。第1流路溝30aは、第2フィルム24Bの壁部44によって矢印Z1方向から覆われている(図4参照)。つまり、第2フィルム24Bの壁部44は、第1流路溝30aと第1開口部38との間を液密に遮断している。第2フィルム24Bの壁部44は、流路30の矢印Z1方向における天面である。
第2バッファ孔32bは、バッファ空間32の一部を形成する。第2バッファ孔32bは、第2接着剤層26Bを厚さ方向に貫通する矩形状の貫通孔である。第2バッファ孔32bは、第1バッファ孔32aに対向する位置に形成される。すなわち、第2バッファ孔32bは、第1バッファ孔32aに対して矢印Z2方向に連通する。第2バッファ孔32bは、矢印Z方向からの平面視で第1バッファ孔32aと同じ大きさ及び同じ形状に形成されている。
第3フィルム24Cは、第2接着剤層26Bに対して矢印Z2方向に積層されている。第3フィルム24Cは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)によって構成されている。第3フィルム24Cの厚さは、15μm以上35μm以下に設定するのが好ましく、25μm程度に設定するのがより好ましい。つまり、第3フィルム24Cの厚さ(矢印Z方向の長さ)は、第2接着剤層26Bの厚さよりも薄い。
第3フィルム24Cは、流路30を形成するための中間スペーサ層48である。第3フィルム24Cには、第5切り欠き部28e、中間流路溝30b、第1試薬配置孔50a及び第3バッファ孔32cが形成されている。第5切り欠き部28eは、取込部28の一部を形成する。第5切り欠き部28eは、第3フィルム24Cの矢印X1方向の端部に形成されている。第5切り欠き部28eは、第4切り欠き部28dに対して矢印Z2方向に連通する。第5切り欠き部28eは、矢印Z方向からの平面視で第1~第4切り欠き部28a~28dと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。
中間流路溝30bは、流路30の一部を形成する。中間流路溝30bは、第3フィルム24Cの長手方向に沿って直線状に延在している。中間流路溝30bは、第3フィルム24Cを厚さ方向に貫通している。中間流路溝30bは、第3フィルム24Cの幅方向の略中央に位置している。中間流路溝30bを形成する中間溝側面31bは、第3フィルム24Cの延在方向(矢印X方向)に対して略垂直に延在している(図4及び図5参照)。中間流路溝30bの一端(矢印X1方向の端、始端)は、第5切り欠き部28eに連通している。中間流路溝30bは、第1試薬配置孔50aの位置で終端する。
中間流路溝30bは、第5切り欠き部28eよりも幅狭に形成されている。中間流路溝30bは、第1流路溝30aに対向する位置に形成される。すなわち、中間流路溝30bは、第1流路溝30aに対して矢印Z2方向に連通する。中間流路溝30bの矢印Y方向に沿った幅は、第1流路溝30aの矢印Y方向に沿った幅と同じである。矢印X方向において、中間流路溝30bの全長は、第1流路溝30aの全長よりも短い(図4参照)。第1流路溝30aの矢印Z方向に沿った長さは、中間流路溝30bの矢印Z方向に沿った長さよりも長い。
第1試薬配置孔50aは、試薬片22を配置するための空間であって、中間流路溝30bと第3バッファ孔32cとの間に設けられる。第1試薬配置孔50aは、第3フィルム24Cを厚さ方向に貫通するとともに第3フィルム24Cの全幅(矢印Y方向の全長)に亘って矩形状に延在している。第1試薬配置孔50aは、第1流路溝30aの矢印X2方向の端に設けられている。
第3フィルム24Cは、第5切り欠き部28e、中間流路溝30b及び第1試薬配置孔50aによって第1部材52a、第2部材52b及び第3部材52cに分割されている。第1部材52aと第2部材52bとは、中間流路溝30bの矢印Y方向の両側に配置される。換言すれば、第1部材52a及び第2部材52bの中心軸側の側面は、中間流路溝30bを形成する中間溝側面31bである。第3部材52cは、第1試薬配置孔50aを挟んで、第1部材52a及び第2部材52bの矢印X2方向に配置される。
第3バッファ孔32cは、バッファ空間32の一部を形成する。第3バッファ孔32cは、第3フィルム24Cを厚さ方向に貫通する矩形状の貫通孔である。第3バッファ孔32cは、第2バッファ孔32bに対向する位置に形成される。すなわち、第3バッファ孔32cは、第2バッファ孔32bに対して矢印Z2方向に連通する。第3バッファ孔32cは、矢印Z方向からの平面視で第1及び第2バッファ孔32a、32bと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。
第3接着剤層26Cは、第3フィルム24Cに対して矢印Z2方向に積層されている。第3接着剤層26Cは、例えば、アクリル系粘着剤により構成されている。第3接着剤層26Cは、両面に接着機能を有する両面接着テープ(接着剤シート)である。第3接着剤層26Cの厚さは、15μm以上35μm以下に設定するのが好ましく、25μm程度に設定するのがより好ましい。つまり、第3接着剤層26Cの厚さは、第2接着剤層26Bの厚さよりも薄い。また、第3接着剤層26Cの厚さは、第3フィルム24Cの厚さと略同じである。
第3接着剤層26Cは、流路30を形成するための第2スペーサ層54である。第3接着剤層26Cは、矢印Z方向からの平面視で第3フィルム24Cと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。具体的に、第3接着剤層26Cには、第6切り欠き部28f、第2流路溝30c、第2試薬配置孔50b及び第4バッファ孔32dが形成されている。第6切り欠き部28fは、取込部28の一部を形成する。第6切り欠き部28fは、第5切り欠き部28eに対して矢印Z2方向に連通する。第6切り欠き部28fは、矢印Z方向からの平面視で第1~第5切り欠き部28a~28eと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。
第2流路溝30cは、流路30の一部を形成する。第2流路溝30cは、第3接着剤層26Cの長手方向に沿って直線状に延在している。第2流路溝30cは、第3接着剤層26Cを厚さ方向に貫通している。第2流路溝30cは、第3接着剤層26Cの幅方向の略中央に位置している。第2流路溝30cを形成する第2溝側面31cは、第3接着剤層26Cの延在方向(矢印X方向)に対して略垂直に延在している(図4及び図5参照)。第2流路溝30cの一端(矢印X1方向の端、始端)は、第6切り欠き部28fに連通している。第2流路溝30cは、第2試薬配置孔50bの位置で終端する。
第2流路溝30cは、第6切り欠き部28fよりも幅狭に形成されている。第2流路溝30cは、中間流路溝30bに対向する位置に形成される。すなわち、第2流路溝30cは、中間流路溝30bに対して矢印Z2方向に連通する。第2流路溝30cの矢印Y方向に沿った幅は、中間流路溝30bの矢印Y方向に沿った幅と同じである。矢印X方向において、第2流路溝30cの全長は、中間流路溝30bの全長と同じである(図4参照)。第1流路溝30aの矢印Z方向に沿った長さは、第2流路溝30cの矢印Z方向に沿った長さよりも長い。第2流路溝30cの矢印Z方向に沿った長さは、中間流路溝30bの矢印Z方向に沿った長さと略同じである。
第2試薬配置孔50bは、試薬片22を配置するための空間であって、第2流路溝30cと第4バッファ孔32dとの間に設けられる。第2試薬配置孔50bは、第1試薬配置孔50aに対して矢印Z2方向に連通している。第1試薬配置孔50aと第2試薬配置孔50bとは、互いに連通して試薬配置孔50を形成している。
第3接着剤層26Cは、第6切り欠き部28f、第2流路溝30c及び第2試薬配置孔50bによって第1部材56a、第2部材56b及び第3部材56cに分割されている。第1部材56aは、第3フィルム24Cの第1部材52aの矢印Z2方向に位置する。第2部材56bは、第3フィルム24Cの第2部材52bの矢印Z2方向に位置する。第3部材56cは、第3フィルム24Cの第3部材52cの矢印Z2方向に位置する。
第4バッファ孔32dは、バッファ空間32の一部を形成する。第4バッファ孔32dは、第3バッファ孔32cに対して矢印Z2方向に連通する。第4バッファ孔32dは、矢印Z方向からの平面視で第1~第3バッファ孔32a~32cと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。
第4フィルム24Dは、第3接着剤層26Cに対して矢印Z2方向に積層されている。第4フィルム24Dは、例えば、ポリエステル(PE)によって構成されている。第4フィルム24Dの矢印Z1方向の表面には、第2親水性処理部58(親水性コート)が設けられている。第2親水性処理部58は、接触角が20°未満に設定されるのが好ましい。第4フィルム24Dの厚さは、80μm以上120μm以下に設定するのが好ましく、90μm以上110μm以下に設定するのがより好ましく、100μm程度に設定するのがより一層好ましい。
第4フィルム24Dは、流路30を矢印Z2方向から覆う第2カバー層60である。第4フィルム24Dには、第1試薬挿入孔62a及び第5バッファ孔32eが形成されている。第1試薬挿入孔62aは、試薬配置孔50に対向する位置に形成されている。第1試薬挿入孔62aは、矢印Z方向から見て試薬配置孔50と同じ形状及び同じ大きさに形成されている。第1試薬挿入孔62aは、第4フィルム24Dを厚さ方向に貫通するとともに第4フィルム24Dの全幅(矢印Y方向の全長)に亘って延在している。
第4フィルム24Dは、第1試薬挿入孔62aによって第1部材64a及び第2部材64bに分割されている。第1部材64aは、第2部材64bに対して第1試薬挿入孔62aを挟むように矢印X1方向に配置されている。第1部材64aは、第6切り欠き部28f及び第2流路溝30cを矢印Z2方向から液密に覆う(図4参照)。第1部材64aの矢印X1方向の端部は、半円状に形成されている。
第5バッファ孔32eは、バッファ空間32の一部を形成する。第5バッファ孔32eは、第4フィルム24Dを厚さ方向に貫通する矩形状の貫通孔である。第5バッファ孔32eは、第4バッファ孔32dに対向する位置に形成される。すなわち、第5バッファ孔32eは、第4バッファ孔32dに対して矢印Z2方向に連通する。第5バッファ孔32eは、矢印Z方向からの平面視で第1~第4バッファ孔32a~32dと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。第4フィルム24Dでは、第1部材64aの矢印Z1方向の面のみに第2親水性処理部58が設けられ、第1部材64a以外の部分(第2部材64b)には第2親水性処理部58が設けられていなくてもよい。
第4接着剤層26Dは、第4フィルム24Dに対して矢印Z2方向に積層されている。第4接着剤層26Dは、例えば、アクリル系粘着剤により構成されている。第4接着剤層26Dは、両面に接着機能を有する両面接着テープ(接着剤シート)である。第4接着剤層26Dの厚さは、15μm以上35μm以下に設定するのが好ましく、25μm程度に設定するのがより好ましい。
第4接着剤層26Dは、矢印Z方向からの平面視で第4フィルム24Dと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。具体的に、第4接着剤層26Dには、第2試薬挿入孔62b及び第6バッファ孔32fが形成されている。第2試薬挿入孔62bは、第1試薬挿入孔62aに対して矢印Z2方向に連通している。第2試薬挿入孔62bは、矢印Z方向からの平面視で第1試薬挿入孔62aと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。第1試薬挿入孔62aと第2試薬挿入孔62bとは、互いに連通して試薬挿入孔62を形成する。
第4接着剤層26Dは、第2試薬挿入孔62bによって第1部材66a及び第2部材66bに分割されている。第1部材66aは、第4フィルム24Dの第1部材64aの矢印Z2方向に位置する。第2部材66bは、第4フィルム24Dの第2部材64bの矢印Z2方向に位置する。
第6バッファ孔32fは、バッファ空間32の一部を形成する。第6バッファ孔32fは、第5バッファ孔32eに対して矢印Z2方向に連通する。第6バッファ孔32fは、矢印Z方向からの平面視で第1~第5バッファ孔32a~32eと同じ形状及び同じ大きさに形成されている。
第5フィルム24Eは、第4接着剤層26Dに対して矢印Z2方向に積層されている。第5フィルム24Eは、テストストリップ10の厚さ方向の端(矢印Z2方向の端)に配置される。第5フィルム24Eは、テストストリップ10の一面を形成する。第5フィルム24Eは、第6バッファ孔32fを矢印Z2方向から液密に覆う(図4参照)。第5フィルム24Eには、第2開口部68が形成されている。
第2開口部68は、テストストリップ10の厚さ方向に測定光を透過させる円形状の貫通孔である。第2開口部68は、第1開口部38の矢印Z2方向に位置する。第2開口部68の直径は、第1開口部38の直径よりも大きい。換言すれば、第2開口部68は、矢印Z方向から見て、第1開口部38の全体が第2開口部68の内側に位置するように設けられている。なお、第5フィルム24Eには、第2開口部68に代えて測定光が透過可能な透明部(導光部)が設けられてもよい。
このように構成される本体部20において、取込部28は、第1~第6切り欠き部28a~28fによって形成される。流路30は、第1流路溝30a、中間流路溝30b及び第2流路溝30cによって形成される。バッファ空間32は、第1~第6バッファ孔32a~32fによって形成される。
図4において、流路30の始端は、取込部28に連通している。流路30の終端(第1流路溝30aの終端)は、バッファ空間32に連通している。流路30の始端と終端との間のいずれかの箇所に、アナライト検出のための試薬が配置される。すわなち、バッファ空間32は、試薬よりも流路30における試料が流れる方向の下流側に存在する。
図5に示すように、第1溝側面31aと中間溝側面31bとは、テストストリップ10の幅方向(矢印Y方向)に互いにずれて位置する。また、中間溝側面31bと第2溝側面31cとは、テストストリップ10の幅方向(矢印Y方向)に互いにずれて位置する。そのため、流路30を形成する壁面のうち積層方向(矢印Z方向)と直交する方向(矢印Y方向)の流路側面30sには、第1溝側面31aと中間溝側面31bとの間に形成された第1段差部70と、中間溝側面31bと第2溝側面31cとの間に形成された第2段差部72とが設けられている。
図3及び図4に示すように、試薬片22は、支持基体74と、支持基体74上に設けられた試薬部76とを含む。矢印Z方向からの平面視で、支持基体74は、長方形状に形成されている。試薬部76は、支持基体74の長手方向の略中央部に位置する。支持基体74の長手方向における試薬部76の両側は、試薬部76が第1流路溝30a内に位置するように第2接着剤層26Bの矢印Z2方向の表面に張り付けられる。試薬部76と第2フィルム24Bとの間には、サンプルが流通する適度な隙間が形成されている。
支持基体74は、テストストリップ10の短手方向(幅方向、すなわち矢印Y方向)に長く延在する一方で、長手方向(矢印X方向)に短く延在する矩形状に形成されている。支持基体74は、透明性を有するフィルム材料を使用できる。支持基体74のうち、流路30内に配置される部分や第2接着剤層26Bの厚みを調整することで、流路30の矢印Z方向の厚みを、流路30の途中で変化させてもよい。本実施形態においては、流路30内に試薬部76が配置された部分において、流路30の矢印Z方向における厚みが小さくなる。このため、流路30の矢印X方向に直交する断面の面積は、支持基体74上において最も狭くなっている。
試薬部76は、試料と反応する試薬を、流路30内の少なくとも一部に担持させたものである。試薬部76は、流路30内を閉塞させることなく、支持基体74に塗布されている。支持基体74には、試薬や測定系の性質に応じて、各種のポリマーや担体をさらに配置してもよい。試薬部76は、支持基体74が試薬配置孔50に配置された状態で、矢印Z方向から見て、第1開口部38に重なる(図4参照)。そのため、血糖計16の測定光は、試薬部76に向かって照射される。なお、検出対象を透過した測定光(透過光)を検出する場合は、多孔質部材等の担体を使用しないのが好ましい。この場合、試薬溶液を、インクジェット等の公知の手段を用いて、支持基体74に直接塗布し、乾燥させることで、試薬部76を形成する。
複数のフィルム24は、上述した材料で構成した例に限定されない。複数のフィルム24は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合(ABS)、シクロオレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)等の樹脂材料で構成することができる。成分測定装置14が、検出対象を透過した測定光(透過光)を検出するタイプの場合、測定光の通り道は、透明性を有する材料で構成する。フィルム24は、目的に応じて、顔料を混合してもよく、フィルム24を遮光性部材とする場合は、カーボンブラックを配合した樹脂材料を用いることができる。なお、遮光性部材の遮光率は、JIS K7605;1976(廃止規格)の測定法に基づき、90%以上であることが好ましく、99%以上の遮光率を有する黒色フィルム部材を好適に使用できる。
テストストリップ10において、流路30は、第1スペーサ層46、中間スペーサ層48及び第2スペーサ層54の3層に形成された例に限定されず、4層以上に亘って形成されてもよい。
上述したテストストリップ10は、適宜表面処理を施した複数のフィルム材と複数の接着剤シートを切断及び積層することにより製造される。具体的に、テストストリップ10の製造方法は、図6に示すように、加工工程、第1積層工程、試薬片配置工程、第2積層工程を備える。加工工程(ステップS1)では、フィルム材に切断ツールで加工(打ち抜き加工)を施すことにより第1~第5フィルム24A~24Eを成形し、接着剤シートに切断ツールで加工(打ち抜き加工)を施すことにより第1~第4接着剤層26A~26Dを成形する。
第1積層工程(ステップS2)では、第1フィルム24A、第1接着剤層26A、第2フィルム24B、第2接着剤層26B、第3フィルム24C、第3接着剤層26C、第4フィルム24D及び第4接着剤層26Dを順番に積層しながら貼り合わせる。第1積層工程の組立の際に、第1溝側面31aと中間溝側面31bとの間に第1段差部70を形成させるとともに中間溝側面31bと第2溝側面31cとの間に第2段差部72を形成させる。第1段差部70の幅方向の距離(流路30幅の一方における第2接着剤層26B、第3フィルム24Cのずれ)は、25μm~100μmが好ましい。第2段差部72の幅方向の距離(流路30幅の一方における第3フィルム24C、第3接着剤層26Cのずれ)は、25μm~100μmが好ましい。この範囲であれば、流路30を閉塞させることなく、流路側面30sの断面積を効率よく向上させられる。
試薬片配置工程(ステップS3)では、試薬挿入孔62から試薬配置孔50に試薬片22を挿入する。この際、支持基体74における試薬部76の両側を第2接着剤層26Bの矢印Z2方向の面に貼り付ける。これにより、第2接着剤層26Bに対して試薬片22が固定される。第2積層工程(ステップS4)では、第5フィルム24Eを第4接着剤層26Dに対して貼り合わせる。これにより、テストストリップ10が製造される。
テストストリップ10の製造方法は、上述した方法に限定されない。例えば、フィルム材に接着剤シートを張り合わせた後で所定形状に加工することにより第3フィルム24Cと第3接着剤層26Cを形成してもよい。この場合であっても、第3フィルム24C及び第3接着剤層26Cは互いに柔軟性が異なるため、打ち抜き加工時に中間溝側面31bと第2溝側面31cとの間に第2段差部72が形成される。
次に、テストストリップ10が装着される血糖計16について説明する。図1に示すように、血糖計16は、血糖測定を繰り返して実施することが可能なリユースタイプに構成されている。血糖計16の筐体80は、ユーザが把持操作し易い大きさでその内部に血糖計16の制御部82を収容する箱体部84と、箱体部84から突出して内部に光学系の測定部18を収容する筒状の測光部86とを有する。
箱体部84の上面には、電源ボタン88、操作ボタン90、ディスプレイ92が設けられ、測光部86の上面には使用後のテストストリップ10を取り外す操作部としてのイジェクトレバー94が設けられている。イジェクトレバー94は、測光部86の延在方向に沿って移動可能に設けられ、測光部86内に設けられるイジェクトピン96(図7参照)に接続されている。
図7に示すように、測光部86には、テストストリップ10が挿入される挿入孔98が設けられている。測定部18は、血液中のグルコースを光学的に検出する。測定部18は、発光部100及び受光部102を備える。発光部100及び受光部102は、挿入孔98を挟んで互いに対向するように配置されている。
発光部100としては、LED、有機EL、レーザダイオード等が用いられる。挿入孔98にテストストリップ10が装着された状態で、発光部100は、テストストリップ10の第1開口部38に向かって所定の波長の光を照射する。受光部102としては、例えば、フォトダイオードが用いられる。受光部102は、テストストリップ10(試薬部76)を透過した光を受光する。
血糖計16の制御部82は、図示しない変換器、プロセッサ、メモリ、入出力インターフェースを有する制御回路(コンピュータ)により構成される。制御部82は、例えば、ユーザの操作下に、測定部18を駆動させて血液中のグルコース量(或いは濃度)に応じた信号に基づき血糖値を算出する。算出した血糖値は、ディスプレイ92に表示される。
次に、本実施形態に係るテストストリップ10を用いた血糖値の測定について説明する。
図7に示すように、ユーザは、テストストリップ10を血糖計16の挿入孔98に挿入し、テストストリップ10の試薬部76を発光部100と受光部102との間に位置させる。次に、ユーザは、テストストリップ10の取込部28に、少量の血液を付着させる。血液は、毛細管力により、流路30内を、検出対象位置に向かって流動する。
血液が流路30内を進むにつれて、流路30及びバッファ空間32の空気は、排気孔34を通じて、本体部20の外側に排気される。試薬片22に到達した血液は、試薬部76上の空間に流入する。試薬部76に血液が到達すると、試薬部76は血液に速やかに溶解し、グルコースと試薬との反応が進行する。
次に、ユーザは、血糖計16の操作ボタン90を操作して血糖値の測定を開始する。そうすると、発光部100から発せられた測定光は、第1開口部38、第2フィルム24Bの壁部44、第1流路溝30a、試薬部76、支持基体74、試薬挿入孔62及び第2開口部68を透過して受光部102で受光される。血糖計16の制御部82は、受光部102からの出力信号に基づいて血糖値を算出し、ディスプレイ92に表示させる。これにより、血糖値の測定が終了する。
本実施形態は、以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、流路側面30sに第1段差部70及び第2段差部72が設けられているため、このような段差部が設けられていない場合と比較して流路側面30sの表面積を広くすることができる。特に、接触角が90°以下のフィルムを使用する場合、流路側面30sの表面積を大きくすることができるため、特別に親水化処理を施すことなく、親水性を向上させることができる。特に、連続的な生産を行う場合、各フィルム24及び各接着剤層26から切り出した断面に親水化処理を行うことは困難である。そのため、流路側面30sをこのような断面構成とすることで、流路側面30sの親水性を向上させることができる。よって、毛細管力により試薬部76にサンプル(血液)を効率的に導くことができる。
中間スペーサ層48は、接着性を有しない親水性を有する樹脂材料により構成されている。
このような構成によれば、中間スペーサ層48が親水性を有する樹脂材料であるため、流路側面30sの親水性を一層向上させることができる。
第1スペーサ層46及び第2スペーサ層54は、接着剤からなる接着剤層26である。第1流路溝30aは、第1スペーサ層46を積層方向(矢印Z方向)に貫通し、第2流路溝30cは、第2スペーサ層54を積層方向に貫通している。本体部20は、第1流路溝30aを覆うように第1スペーサ層46に積層された第1カバー層42と、第2流路溝30cを覆うように第2スペーサ層54に積層された第2カバー層60と、を含む。
このような構成によれば、第1スペーサ層46及び第2スペーサ層54が接着剤層26であるため、第1カバー層42、第1スペーサ層46、中間スペーサ層48、第2スペーサ層54及び第2カバー層60を積層により簡単に一体化することができる。試料が血液の場合、接触角20°未満の親水性表面が好ましいが、テストストリップ10を製造するための基材(親水性処理が施されていないフィルム)そのものや接着剤層26の接触角は、20°以上90°以下であるため、親水性に劣る。また、接着剤層26の断面においては、接着剤が流路側面30sに露出している。接着剤層26の接着剤は、通常、フィルム層に比べて親水性が低い。このため、接着剤層26のみで流路側面30sを形成した場合、流路側面30sの親水性は低下する。複数の接着剤層26を積層して流路側面30sを形成することで表面積を大きくできる。これにより、接着剤層26が流路側面30sに露出しても、流路側面30sの親水性を損なうことがない。
第1カバー層42の流路30に露出する面と第2カバー層60の流路30に露出する面とには、親水性処理が施された親水性処理部(第1親水性処理部40及び第2親水性処理部58)が設けられている。
このような構成によれば、親水性処理部によって流路30を形成する壁面の親水性を効率的に向上させることができる。
テストストリップ10は、試薬部76と当該試薬部76が設けられた支持基体74とを含む試薬片22を有する。中間スペーサ層48及び第2スペーサ層54には、試薬部76が第1流路溝30aに位置するように試薬片22が配置される試薬配置孔50が形成されている。積層方向に沿った第1流路溝30aの長さは、積層方向に沿った中間流路溝30bの長さと積層方向に沿った第2流路溝30cの長さとの各々よりも長い。試薬部76と第1カバー層42との間には、血液(サンプル)が流通する隙間が形成されている。
このような構成によれば、試薬部76と第1カバー層42との間にサンプル(血液)が流通する適度な隙間を簡単に形成することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
以上の実施形態をまとめると、以下のようになる。
上記実施形態は、取込部(28)から導入されたサンプルを毛細管力によって試薬部(76)に流通させるための流路(30)が形成された本体部(20)を備えるテストストリップ(10)であって、前記本体部は、中間流路溝(30b)が形成された中間スペーサ層(48)と、前記中間スペーサ層の一方の面に設けられて前記中間スペーサ層に連通する第1流路溝(30a)が形成された第1スペーサ層(46)と、前記中間スペーサ層の他方の面に設けられて前記中間スペーサ層に連通する第2流路溝(30c)が形成された第2スペーサ層(54)と、を有し、前記流路は、前記第1流路溝、前記中間流路溝及び前記第2流路溝を含み、前記流路を形成する壁面は、前記第1スペーサ層、前記中間スペーサ層及び前記第2スペーサ層の積層方向と直交する方向の流路側面(30s)を有し、前記流路側面には、前記中間スペーサ層と前記第1スペーサ層との間に形成された第1段差部(70)と、前記中間スペーサ層と前記第2スペーサ層との間に形成された第2段差部(72)と、が設けられている、テストストリップを開示している。
上記のテストストリップにおいて、前記中間スペーサ層は、接着性を有しない親水性を有する樹脂材料により構成されてもよい。
上記のテストストリップにおいて、前記第1スペーサ層及び前記第2スペーサ層は、接着剤からなる接着剤層(26)であり、前記第1流路溝は、前記第1スペーサ層を前記積層方向に貫通し、前記第2流路溝は、前記第2スペーサ層を前記積層方向に貫通し、前記本体部は、前記第1流路溝を覆うように前記第1スペーサ層に積層された第1カバー層(42)と、前記第2流路溝を覆うように前記第2スペーサ層に積層された第2カバー層(60)と、を含んでもよい。
上記のテストストリップにおいて、前記第1カバー層の前記流路に露出する面と前記第2カバー層の前記流路に露出する面とには、親水性処理が施された親水性処理部が設けられてもよい。
上記のテストストリップにおいて、前記試薬部と当該試薬部が設けられた支持基体(74)とを含む試薬片(22)を有し、前記中間スペーサ層及び前記第2スペーサ層には、前記試薬部が前記第1流路溝に位置するように前記試薬片が配置される試薬配置孔(50)が形成され、前記積層方向に沿った前記第1流路溝の長さは、前記積層方向に沿った前記中間流路溝の長さと前記積層方向に沿った前記第2流路溝の長さとの各々よりも長く、前記試薬部と前記第1カバー層との間には、前記サンプルが流通する隙間が形成されてもよい。
10…テストストリップ 20…本体部
22…試薬片 26…接着剤層
28…取込部 30…流路
30a…第1流路溝 30b…中間流路溝
30c…第2流路溝 30s…流路側面
40…第1親水性処理部 42…第1カバー層
46…第1スペーサ層 48…中間スペーサ層
50…試薬配置孔 54…第2スペーサ層
58…第2親水性処理部 70…第1段差部
72…第2段差部 74…支持基体
76…試薬部

Claims (5)

  1. 取込部から導入されたサンプルを毛細管力によって試薬部に流通させるための流路が形成された本体部を備えるテストストリップであって、
    前記本体部は、
    中間流路溝が形成された中間スペーサ層と、
    前記中間スペーサ層の一方の面に設けられて前記中間スペーサ層に連通する第1流路溝が形成された第1スペーサ層と、
    前記中間スペーサ層の他方の面に設けられて前記中間スペーサ層に連通する第2流路溝が形成された第2スペーサ層と、を有し、
    前記流路は、前記第1流路溝、前記中間流路溝及び前記第2流路溝を含み、
    前記流路を形成する壁面は、前記第1スペーサ層、前記中間スペーサ層及び前記第2スペーサ層の積層方向と直交する方向の流路側面を有し、
    前記流路側面には、前記中間スペーサ層と前記第1スペーサ層との間に形成された第1段差部と、前記中間スペーサ層と前記第2スペーサ層との間に形成された第2段差部と、が設けられている、テストストリップ。
  2. 請求項1記載のテストストリップであって、
    前記中間スペーサ層は、接着性を有しない親水性を有する樹脂材料により構成されている、テストストリップ。
  3. 請求項2記載のテストストリップであって、
    前記第1スペーサ層及び前記第2スペーサ層は、接着剤からなる接着剤層であり、
    前記第1流路溝は、前記第1スペーサ層を前記積層方向に貫通し、
    前記第2流路溝は、前記第2スペーサ層を前記積層方向に貫通し、
    前記本体部は、
    前記第1流路溝を覆うように前記第1スペーサ層に積層された第1カバー層と、
    前記第2流路溝を覆うように前記第2スペーサ層に積層された第2カバー層と、を含む、テストストリップ。
  4. 請求項3記載のテストストリップであって、
    前記第1カバー層の前記流路に露出する面と前記第2カバー層の前記流路に露出する面とには、親水性処理が施された親水性処理部が設けられている、テストストリップ。
  5. 請求項3又は4に記載のテストストリップであって、
    前記試薬部と当該試薬部が設けられた支持基体とを含む試薬片を有し、
    前記中間スペーサ層及び前記第2スペーサ層には、前記試薬部が前記第1流路溝に位置するように前記試薬片が配置される試薬配置孔が形成され、
    前記積層方向に沿った前記第1流路溝の長さは、前記積層方向に沿った前記中間流路溝の長さと前記積層方向に沿った前記第2流路溝の長さとの各々よりも長く、
    前記試薬部と前記第1カバー層との間には、前記サンプルが流通する隙間が形成されている、テストストリップ。
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