JP7501791B2 - 予測装置 - Google Patents

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Description

本開示は、搬送システムの将来の状態を予測する予測装置に関する。
従来、例えば半導体製造工場等において、半導体ウェハが収納されるカセット等の物品を搬送する搬送車の走行を制御する搬送システムが知られている(特許文献1参照)。このような搬送システムでは、搬送車コントローラによって、搬送対象となる物品と、荷掴み位置(From地点)と、荷降ろし位置(To地点)と、の各々を示す情報を含む搬送指令が、搬送車に割り付けられる。これにより、搬送車による物品の搬送が実現される。例えば、特許文献1には、搬送車の搬送作業の遅れに関するイベントの発生に基づいて渋滞の発生を予測する手法が記載されている。
特開2010-282567号公報
上記特許文献1に記載の手法では、予め定義された搬送車の搬送作業の遅れに関するイベントが発生したことを契機として渋滞予測が実行される。このため、イベントが発生していない状況においては、将来の渋滞度合いの予測を行うことができない。一方、搬送システムの渋滞度合いに関する予測情報は、最適な搬送制御(例えば、搬送指令の割付先となる搬送車の選定、搬送車の走行ルートの選定等)を行う上で有用であるため、このような予測情報を任意のタイミングで容易に得たいというニーズが存在する。
本開示は、任意のタイミングで搬送システムの将来の渋滞度合いを容易に予測することが可能な予測装置を提供することを目的とする。
本開示に係る予測装置は、複数のエリアに区分けされた搬送路と、搬送路に沿って走行して物品を搬送する複数の搬送車と、搬送車に搬送指令を割り付ける搬送車コントローラと、を含む搬送システムにおける所定の対象エリアの将来の状態を予測する予測装置であって、所定の基準時点よりも前の第1期間における搬送指令の割付状況及び複数の搬送車の位置の少なくとも一方に関するログ情報に基づく入力データを入力して、基準時点よりも後の第2期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いの予測結果を示す出力データを出力するように機械学習された予測モデルを記憶する記憶部と、予測実行時点よりも前であって第1期間と同一の長さの過去期間におけるログ情報に基づいて、入力データに対応する予測用データを取得する取得部と、取得部により取得された予測用データを予測モデルに入力することにより、予測実行時点よりも後であって第2期間と同一の長さの将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いの予測結果を示す予測情報を取得する予測部と、を備える。
上記予測装置では、第1期間におけるログ情報(搬送指令の割付状況及び複数の搬送車の位置の少なくとも一方に関する情報)に基づく入力データを入力して、第2期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いの予測結果を示す出力データを出力するように構成された予測モデルが用意される。これにより、任意の予測実行時点において、当該予測実行時点よりも前の過去期間におけるログ情報から得られる予測用データを予測モデルに入力するだけで、当該予測実行時点よりも後の将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いの予測結果を得ることができる。従って、上記予測装置によれば、任意のタイミングで搬送システムの将来の渋滞度合いを容易に予測することができる。
入力データは、第1期間に観測された第1搬送車の数を示すデータを含んでもよく、予測用データは、過去期間に観測された第1搬送車の数を示すデータを含んでもよく、第1搬送車は、対象エリア内に存在する搬送車であってもよい。上記構成によれば、過去期間において対象エリア内に存在した搬送車の数を加味して、将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
入力データは、第1期間に観測された第2搬送車の数を示すデータを含んでもよく、予測用データは、過去期間に観測された第2搬送車の数を示すデータを含んでもよく、第2搬送車は、搬送指令に基づいて対象エリア内の荷積み位置に向かって走行中の搬送車であってもよい。上記構成によれば、過去期間において対象エリア内の荷積み位置へと走行中の搬送車の数を加味して、将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
入力データは、第1期間に観測された第3搬送車の数を示すデータを含んでもよく、予測用データは、過去期間に観測された第3搬送車の数を示すデータを含んでもよく、第3搬送車は、搬送指令に基づいて対象エリア内の荷降ろし位置に向かって走行中の搬送車であってもよい。上記構成によれば、過去期間において対象エリア内の荷降ろし位置へと走行中の搬送車の数を加味して、将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
入力データは、第1期間に観測された第4搬送車の数を示すデータを含んでもよく、予測用データは、過去期間に観測された第4搬送車の数を示すデータを含んでもよく、第4搬送車は、対象エリアから他エリアに向かって走行中の搬送車であってもよい。上記構成によれば、過去期間において対象エリアから他エリアへと走行中の搬送車の数を加味して、将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
入力データは、第1期間に観測された第5搬送車の数を示すデータを含んでもよく、予測用データは、過去期間に観測された第5搬送車の数を示すデータを含んでもよく、第5搬送車は、搬送指令に基づいて対象エリア内の特定地点に向かって走行中の搬送車であってもよい。上記構成によれば、過去期間において対象エリア内の特定地点へと走行中の搬送車の数を加味して、将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
入力データ及び予測用データは、第5搬送車が走行中のエリアと対象エリアとの近接度毎に第5搬送車を集計することにより得られた近接度毎の搬送車数を示すデータを含んでもよい。上記構成によれば、対象エリアとの近接度による対象エリア内の搬送車数に対する影響度の差を加味して、将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いをより精度良く予測することが可能となる。
入力データ及び予測用データは、第5搬送車の速度に関するデータを更に含んでもよい。上記構成によれば、第5搬送車の流入によって対象エリア内の搬送車数が増加すると想定される時期に関する手がかりとなる情報を入力データに加えることができる。その結果、将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いをより精度良く予測することが可能となる。
上記予測装置は、予測モデルを生成するモデル生成部を更に備えてもよい。モデル生成部は、互いに異なる複数の時点を基準時点として用いることにより、第1期間における入力データと第2期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いを示す正解ラベルとを含む複数の教師データを生成してもよく、生成された複数の教師データを用いて機械学習を実行することにより、予測モデルを生成してもよい。上記構成によれば、モデル生成部によって予測処理に用いるための予測モデルを適切に生成することができる。
モデル生成部は、基準時点における対象エリア内の搬送車数を基準値として、基準値からの搬送車数の増減度合いに応じた複数のレベルを設定してもよく、互いに異なる複数の時点を基準時点として用いることにより、第1期間における入力データと第2期間における対象エリアの平均搬送車数が属するレベルを示す正解ラベルとを含む複数の教師データを生成してもよい。予測部は、予測用データを予測モデルに入力することにより、予測実行時点における対象エリア内の搬送車数を基準値として、将来期間における対象エリア内の平均搬送車数が属するレベルの予測結果を示す情報を、予測情報として取得してもよい。上記構成によれば、予測実行時点の対象エリア内の搬送車数を基準として、対象エリア内の搬送車数が増加方向に向かうか、或いは減少方向に向かうかを、レベルの予測結果に基づいて容易に把握することが可能となる。
モデル生成部は、第2期間を時系列に沿った複数の小期間に区分けしてもよく、互いに異なる複数の時点を基準時点として用いることにより、第1期間における入力データと複数の小期間の各々における対象エリアの平均搬送車数が属するレベルを示す正解ラベルとを含む複数の教師データを生成してもよい。予測部は、予測用データを予測モデルに入力することにより、将来期間に含まれる複数の小期間の各々における対象エリア内の平均搬送車数が属するレベルの予測結果を示す情報を、予測情報として取得してもよい。上記構成によれば、将来期間に含まれる小期間毎にレベルの予測結果が得られるため、対象エリア内の将来の搬送車数の推移の傾向(例えば、増加し続ける傾向、減少し続ける傾向、減少した後に増加に転じる傾向、増加した後に減少に転じる傾向等のうちのいずれの傾向であるか)を予測することが可能となる。
モデル生成部は、所定の学習実行周期毎に予測モデルを生成するように構成されてもよい。モデル生成部は、前回の予測モデルの生成タイミングから今回の予測モデルの生成タイミングまでの対象期間に含まれる複数の時点を基準時点として用いることにより、複数の教師データを生成してもよく、生成された複数の教師データを用いて機械学習を実行することにより、今回の予測モデルを生成してもよい。記憶部は、モデル生成部により過去に生成された予測モデルを削除することなく、モデル生成部により生成された今回の予測モデルを対象期間に関連付けて記憶してもよい。上記構成によれば、対象期間の特徴(搬送システムの運用状況等)に応じた予測モデルを対象期間毎に生成及び保存することができる。これにより、予測に利用可能な予測モデルのバリエーションを確保することができる。
予測部は、記憶部に記憶された複数の予測モデルのうちから予測に用いるための予測モデルを任意に選択可能に構成されてもよい。
予測部は、記憶部に記憶された複数の予測モデルのうちから、直近の対象期間に関連付けられた予測モデルを選択してもよい。上記構成によれば、直近の対象期間について生成された最新の予測モデルを用いて予測を行うことにより、直近の時間帯の運用状況と同様の運用状況が継続される可能性が高い場合等において、精度良く予測を行うことが可能となる。
予測部は、記憶部に記憶された複数の予測モデルのうちから、予測実行時点を含む期間に対応する過去の対象期間に関連付けられた予測モデルを選択してもよい。上記構成によれば、予測実行時点を含む期間に対応する過去の対象期間に関連付けられた予測モデルを用いて予測を行うことにより、曜日周期性(例えば、曜日及び時間帯が同一の場合に搬送システムの運用状況がほぼ同一になる傾向)等が高い場合等において、精度良く予測を行うことが可能となる。
予測部は、第2期間よりも短い予測実行周期毎に、予測モデルを用いた予測処理を実行することにより予測情報を取得し、予測情報を搬送車コントローラに通知してもよい。上記構成によれば、搬送車コントローラに対象エリア内の搬送車数に関する予測結果を常に把握させることができる。その結果、予測結果を考慮した最適な搬送制御(例えば、搬送指令の割付先となる搬送車の選定、搬送車の走行ルートの選定等のうちの少なくとも一つ)を搬送車コントローラに継続的に実行させることが可能となる。
本開示によれば、任意のタイミングで搬送システムの将来の渋滞度合いを容易に予測することが可能な予測装置を提供することができる。
搬送システムのレイアウト例を示す図である。 一実施形態の予測装置及び搬送システムの機能構成を示すブロック図である。 (A)は搬送指令ログの一例を示す図であり、(B)は搬送車情報ログの一例を示す図である。 予測装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 モデル生成処理を説明するための図である。 入力データの一例を示す図である。 ある時点における対象エリアと複数の搬送車の一例を示す図である。 入力データの他の例を示す図である。 ある時点における対象エリアと複数の搬送車の一例を示す図である。 レベルの一例を示す図である。 記憶部に記憶される複数の予測モデルの一例を示す図である。 予測モデルの基本構造の一例を示す図である。 モデル生成処理の一例を示すフローチャートである。 予測処理を説明するための図である。 予測処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
図1に示されるように、本実施形態に係る搬送システム1は、搬送路4と、搬送路4に沿って走行可能な複数の搬送車2と、を含む。搬送路4は、例えば、工場内に敷設されたレール(軌道)等である。搬送車2は、物品を搬送する無人搬送車である。搬送車2は、例えば天井走行車、有軌道台車等である。一例として、搬送車2は、搬送路4に沿って走行可能に設けられた天井搬送車である。例えば、搬送車2は、天井走行式無人搬送車(OHT:Overhead Hoist Transfer)である。一例として、搬送車2によって搬送される物品は、複数枚の半導体ウェハが収容されるカセット(いわゆるFOUP(Front Opening Unified Pod))である。
搬送路4は、複数(図1の例では12個)の区画(ベイ)に分けられている。搬送路4は、ベイ内のルートであるイントラベイルート5と、異なるベイ間を接続するルートであるインターベイルート6と、を含む。搬送路4に沿って、処理装置7及びストッカ8が設けられている。処理装置7は、半導体ウェハに対する処理を実行する装置である。ストッカ8は、搬送車2が物品を仮置きできる地点であり、バッファとしての役割を果たす。合流部9は、搬送路4上において、複数の搬送車2が同時に進入することを排除する排他制御が必要となる地点である。
搬送路4は、複数のエリアMに区分けされている。図1では、一部のエリアMのみが破線枠で示されている。エリアはモジュールと呼ばれることもある。なお、図1に示したエリアMは、上述した区画(ベイ)と一致しているが、エリアMは、必ずしも上述した区画(ベイ)と一致していなくてもよい。例えば、1つの区画(ベイ)内の一部の領域がエリアMとして設定されてもよいし、複数の区画(ベイ)を合わせた領域がエリアMとして設定されてもよい。
処理装置7及びストッカ8には、物品を搬入するための入庫ポート(すなわち、搬送車2が物品を荷降ろしするための地点)と、物品を搬出するための出庫ポート(すなわち、搬送車2が物品を荷掴み(荷積み)するための地点)と、が設けられている。入庫ポート及び出庫ポートは、搬送路4の下方に配置されている。入庫ポートは、出庫ポートと兼用されてもよい。ストッカ8は、物品が載置される複数の棚を有する。
図2に示されるように、搬送システム1は、MCS(Material Control System)11と、搬送車コントローラ12と、ログDB13と、搬送車コントローラ12の制御対象である複数の搬送車2と、を有する。
MCS11は、上位コントローラからの搬送要求を取得する。本実施形態では一例として、上位コントローラは、製造業者等により管理されるMES(Manufacturing Execution System)3)である。MES3は、処理装置7と通信可能とされている。処理装置7は、処理が完了した物品の搬送要求(荷掴み要求、及び荷降ろし要求)をMES3に送信する。MES3は、処理装置7から受信した搬送要求をMCS11に送信する。
MCS11は、MES3から搬送要求を受けると、当該搬送要求を搬送指令に変換し、当該搬送指令を搬送車コントローラ12に送信する。これにより、搬送車コントローラ12を介して、搬送指令が特定の搬送車2に割り付けられる。搬送車コントローラ12は、予め定められた選択基準に基づいて、搬送指令の割付先となる搬送車2を決定する。また、搬送車コントローラ12は、予め定められたルート探索アルゴリズム(例えば公知の最短経路検索アルゴリズム等)を実行することにより、搬送指令を実行するための走行経路を決定し、当該走行経路を搬送車2に通知する。これにより、搬送車2は当該走行経路に基づいて走行する。
搬送車コントローラ12及び搬送車2は、ルートマップを記憶している。ルートマップは、図1に示したようなレイアウトの情報である。具体的には、ルートマップは、走行ルートの配置(すなわち、図1に示されるような搬送路4の配置)、原点として設定された位置、予め設定された基準位置、及び移載位置(上述した入庫ポート、出庫ポート等の位置)の座標等を示す情報である。また、搬送車2は、自機の現在位置の座標を示す位置情報を保持しており、ルートマップと位置情報とを比較することにより、上述のように決定された走行経路に基づく走行を行う。
搬送指令には、搬送対象の物品を荷掴みするための出庫ポート(Fromポート)を示す情報と、搬送対象の物品を荷降ろしするための入庫ポート(Toポート)を示す情報と、が含まれている。搬送指令が割り付けられた搬送車2は、Fromポートに向かって走行する。そして、当該搬送車2は、Fromポートで搬送対象の物品を荷掴みした後、当該物品をToポートに向かって搬送し、Toポートで当該物品を荷降ろしする。
ログDB13は、搬送システム1の状態を示す各種ログを記憶するデータベースである。ログDB13は、単一のデータベース装置によって構成されてもよいし、複数のデータベース装置によって構成されてもよい。本実施形態では、ログDB13は、搬送指令ログと、搬送車情報ログと、を格納している。
図3の(A)は、搬送指令ログの一例を示す図である。搬送指令ログは、搬送指令毎のレコード情報(1行分の情報)を含んでいる。例えば、搬送車コントローラ12によって搬送車2に対する搬送指令の割付が行われる毎に、搬送指令ログに当該搬送指令に関するレコードが追加される。一例として、搬送指令ログは、搬送指令の割付を実行する搬送車コントローラ12によって出力される。或いは、搬送指令ログの一部又は全部の情報は、搬送車コントローラ12以外の装置によって出力されてもよい。
搬送指令ログは、搬送車ID、指令実行開始時刻、Fromポート到着時刻、搬送完了時刻、Fromポートエリア名、及びToポートエリア名の情報を含み得る。「搬送車ID」は、搬送指令が割り付けられた搬送車2を特定するための識別情報である。「指令実行開始時刻」は、搬送車2によって搬送指令の実行(すなわち、Fromポートへの走行)が開始された時刻である。「Fromポート到着時刻」は、搬送車2がFromポートに到着した時刻である。「搬送完了時刻」は、搬送車2による搬送(すなわち、搬送対象の物品のToポートへの入庫(荷降ろし))が完了した時刻である。「Fromポートエリア名」は、Fromポートが存在するエリアを示す情報である。「Toポートエリア名」は、Toポートが存在するエリアを示す情報である。なお、搬送指令ログのうち「指令実行開始時刻」、「Fromポート到着時刻」、及び「搬送完了時刻」は、それぞれの時刻が確定した後に、搬送指令ログに書き込まれればよい。すなわち、「指令実行開始時刻」、「Fromポート到着時刻」、及び「搬送完了時刻」は、それぞれの時刻が確定する前には、空欄(或いは未確定であることを示す情報)とされてもよい。
図3の(B)は、搬送車情報ログの一例を示す図である。搬送車情報ログは、予め定められた単位時間毎に、搬送システム1に含まれる全ての搬送車2から通知される情報を集積した情報である。以下、この「単位時間」のことをタイムステップ(ts)という。本実施形態では一例として、1ts(1単位時間)は4秒である。
搬送車情報ログは、タイムスタンプ、搬送車ID、エリア名、及び通過予定エリアの情報を含み得る。「タイムスタンプ」は、搬送車2から情報が通知された時点(例えば、ある時点を基準(0ts)とした場合のタイムステップ数)を示す情報である。「搬送車ID」は、搬送指令ログに含まれる搬送車IDと同様である。「エリア名」は、タイムスタンプが示す時点において搬送車IDが示す搬送車2が走行中のエリアを示す情報である。「通過予定エリア」は、搬送車IDが示す搬送車2に搬送指令が割り付けられている場合に格納される情報である。具体的には、「通過予定エリア」は、搬送車2の走行予定ルートに含まれるエリアを通過予定順に並べた情報である。例えば、搬送車2がエリアM1、エリアM3、エリアM2をこの順に通過予定である場合には、「通過予定エリア」は、「エリアM1→エリアM3→エリアM2」を示す情報である。
予測装置20は、搬送システム1における所定の対象エリアMxの将来の状態を予測(推論)する。より具体的には、予測装置20は、任意の時点(予測実行時点)において、予測実行時点よりも後の将来期間における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いを予測する。
図4に示されるように、予測装置20は、一以上のCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ201と、主記憶装置である一以上のRAM(Random Access Memory)202及び一以上のROM(Read Only Memory)203と、オペレータが操作入力を行うためのキーボード等の入力装置204と、オペレータに情報を提示するディスプレイ等の出力装置205と、搬送システム1(例えば、MCS11、搬送車コントローラ12等)と通信を行うための通信モジュール206と、HDD及びSSD等の補助記憶装置207と、を含むコンピュータシステムとして構成され得る。予測装置20は、単一のサーバ装置によって構成されてもよいし、複数のサーバ装置によって構成されてもよい。また、本実施形態では、予測装置20は、搬送システム1のコントローラ群とは異なる装置として構成される。このようにコントローラ群の外部にある予測装置20で予測処理が実行される場合には、予測処理の計算負荷をコントローラ群が負担する必要がないという利点がある。すなわち、予測処理の実行によって、コントローラ群の処理負荷が増大しないという利点がある。ただし、予測装置20は、搬送システム1のコントローラ(例えば、MCS11、搬送車コントローラ12等)に組み込まれてもよい。
予測装置20の各機能は、例えば、RAM202等のメモリ上に所定のプログラムを読み込ませ、プロセッサ201の制御のもとで入力装置204及び出力装置205を動作させると共に通信モジュール206を動作させ、RAM202及び補助記憶装置207におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
図2に示されるように、予測装置20は、機能的構成要素として、モデル生成部21と、記憶部22と、取得部23と、予測部24と、を有する。本実施形態では、予測装置20は、モデル生成処理を実行する機能と、予測処理を実行する機能と、を有する。
モデル生成処理は、対象エリアMxの搬送車数の増減度合いを予測するために用いられる予測モデル30を生成する処理である。予測処理は、モデル生成処理によって生成された予測モデル30を用いて、実際に将来の対象エリアMxの搬送車数の増減度合いを予測する処理である。以下、モデル生成処理及び予測処理について詳細に説明する。
(モデル生成処理)
モデル生成処理は、主にモデル生成部21によって実行される。モデル生成部21によって生成された予測モデル30は、記憶部22に記憶される。図5は、モデル生成処理を説明するための図である。図5において、T0は基準時点を示し、P1は第1期間を示し、P2は第2期間を示す。以下、図5を適宜参照しつつ、モデル生成処理について説明する。
予測モデル30は、所定の入力データ(説明変数)を入力して、所定の出力データ(目的変数)を出力するように機械学習されたモデルである。予測モデル30は、例えば、ニューラルネットワーク、或いは深層学習(ディープラーニング)によって構築された多層ニューラルネットワーク等によって構成され得る。一例として、予測モデル30は、深層学習の一種であるRNN(Recurrent Neural Network)によって構築され得る。
予測モデル30の入力データは、所定の基準時点T0よりも前の第1期間P1における搬送指令の割付状況及び複数の搬送車2の位置の少なくとも一方に関するログ情報(本実施形態では、搬送指令ログ及び搬送車情報ログ)に基づくデータである。一例として、第1期間P1の長さは6時間である。例えば、基準時点T0が「12:00」である場合、第1期間P1は「6:00~12:00」である。
予測モデル30の出力データは、基準時点T0よりも後の第2期間P2における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いの予測値を示すデータである。一例として、第2期間P2の長さは5分である。例えば、基準時点T0が「12:00」である場合、第2期間P2は「12:00~12:05」である。
モデル生成部21は、上記入力データと上記出力データに対応する正解ラベルとを含むデータセットである教師データ(訓練データ)を用いて機械学習を実行することにより、予測モデル30を生成する。
本実施形態では、搬送指令ログ(図3の(A)参照)が、入力データの基となるログ情報(搬送指令の割付状況に関するログ情報)として用いられる。また、搬送車情報ログ(図3の(B)参照)が、入力データの基となるログ情報(複数の搬送車2の位置に関するログ情報)として用いられる。すなわち、本実施形態では、予測モデル30に対する入力データは、搬送指令ログ及び搬送車情報ログから得られる情報を加工することによって生成される。
図6は、入力データの一例を示す図である。図6に示される各データ(Mx_VHL、Mx_Fm、Mx_To、Mx_Dec、Mx_Inc)は、第1期間P1において1ts毎に集計された各時点の搬送車数を時間順に並べた時系列データ(ベクトルデータ)である。第1期間P1の長さが6時間であり、1tsが4秒である場合には、第1期間P1の長さは5400tsに相当する。この場合、図6に示される各データは、5400次元のベクトルとして表現され得る。なお、全てのデータを一度にまとめて入力するのではなく、複数のバッチに小分けにして入力するようにしてもよい。
Mx_VHLは、第1期間P1に観測された第1搬送車の数を示すデータである。第1搬送車は、対象エリアMx内に存在する搬送車2である。例えば、Mx_VHLは、1ts毎に観測された第1搬送車の数を示す時系列データである。Mx_VHLは、第1期間P1における搬送車情報ログ(すなわち、「タイムスタンプ」が第1期間P1内の時点を示す搬送車情報ログ)に基づいて作成され得る。例えば、モデル生成部21は、各時点において、「エリア名」が対象エリアMxである搬送車情報ログの数(レコード数)を集計することにより、各時点の第1搬送車数を算出することができる。モデル生成部21は、このようにして算出された各時点の第1搬送車数を時間順に並べることにより、Mx_VHLを作成することができる。
Mx_Fmは、第1期間P1に観測された第2搬送車の数を示すデータである。第2搬送車は、搬送指令に基づいて対象エリアMx内のFromポート(荷積み位置)に向かって走行中の搬送車2である。例えば、Mx_Fmは、1ts毎に観測された第2搬送車の数を示す時系列データである。Mx_Fmは、搬送指令ログに基づいて作成され得る。例えば、ある時点tpに第2搬送車に該当した搬送車2に割り付けられた搬送指令に対応する搬送指令ログについて考える。このような搬送指令ログにおいては、「指令実行開始時刻」は時点tpよりも前の時刻であり、「Fromポート到着時刻」及び「搬送完了時刻」は時点tpよりも後の時刻(或いは空欄)であり、「Fromポートエリア名」は対象エリアMxである。従って、モデル生成部21は、各時点について、上記条件に該当する搬送指令ログのレコード数を集計することにより、各時点の第2搬送車数を算出することができる。モデル生成部21は、このようにして算出された各時点の第2搬送車数を時間順に並べることにより、Mx_Fmを作成することができる。
Mx_Toは、第1期間P1に観測された第3搬送車の数を示すデータである。第3搬送車は、搬送指令に基づいて対象エリアMx内のToポート(荷降ろし位置)に向かって走行中の搬送車2である。例えば、Mx_Toは、1ts毎に観測された第3搬送車の数を示す時系列データである。Mx_Toは、搬送指令ログに基づいて作成され得る。例えば、ある時点tpに第3搬送車に該当した搬送車2に割り付けられた搬送指令に対応する搬送指令ログについて考える。このような搬送指令ログにおいては、「指令実行開始時刻」及び「Fromポート到着時刻」は時点tpよりも前の時刻であり、「搬送完了時刻」は時点tpよりも後の時刻(或いは空欄)であり、「Toポートエリア名」は対象エリアMxである。従って、モデル生成部21は、各時点について、上記条件に該当する搬送指令ログのレコード数を集計することにより、各時点の第3搬送車数を算出することができる。モデル生成部21は、このようにして算出された各時点の第3搬送車数を時間順に並べることにより、Mx_Toを作成することができる。
Mx_Decは、第1期間P1に観測された第4搬送車の数を示すデータである。第4搬送車は、対象エリアMxから他エリアに向かって走行中の搬送車2である。例えば、Mx_Decは、1ts毎に観測された第4搬送車の数を示す時系列データである。このような第4搬送車は、対象エリアMxで荷積み後、他エリアのToポートに向かって走行中の搬送車(以下「To搬送車」という。)と、対象エリアMx内で巡回待機した後に、搬送指令が割り付けられて他エリアのFromポートに向かって走行中の搬送車(以下「From搬送車」という。)と、に分類される。
各時点におけるTo搬送車の数は、搬送指令ログに基づいて算出され得る。例えば、ある時点tpにTo搬送車に該当した搬送車2に割り付けられた搬送指令に対応する搬送指令ログについて考える。このような搬送指令ログにおいては、「搬送実行開始時刻」及び「Fromポート到着時刻」は時点tpよりも前の時刻であり、「搬送完了時刻」は時点tpよりも後の時刻(或いは空欄)であり、「Fromポートエリア名」は対象エリアMxであり、「Toポートエリア名」は他エリアである。従って、モデル生成部21は、各時点について、上記条件に該当する搬送指令ログのレコード数を集計することにより、各時点のTo搬送車数を算出することができる。
各時点におけるFrom搬送車の数は、搬送指令ログ及び搬送車情報ログに基づいて算出され得る。例えば、ある時点tpにFrom搬送車に該当した搬送車2に対応する搬送車情報ログについて考える。このような搬送車情報ログ(すなわち、「タイムスタンプ」として時点tpが格納され、「搬送車ID」として当該搬送車2を示すIDが格納されているログ)においては、「エリア名」は対象エリアMxである。また、ある時点tpにFrom搬送車に該当した搬送車2に割り付けられた搬送指令に対応する搬送指令ログについて考える。このような搬送指令ログにおいては、「搬送車ID」は上述した搬送車情報ログの要件を満たす搬送車2を示すIDであり、「搬送実行開始時刻」は時点tpよりも前の時刻であり、「Fromポート到着時刻」及び「搬送完了時刻」は時点tpよりも後の時刻(或いは空欄)であり、「Fromポートエリア名」は他エリアである。従って、モデル生成部21は、各時点について、上記条件に該当する搬送指令ログのレコード数を集計することにより、各時点のFrom搬送車数を算出することができる。
モデル生成部21は、上記のように算出された各時点のTo搬送車数とFrom搬送車数とを足し合わせることにより、各時点の第4搬送車数を算出することができる。モデル生成部21は、このようにして算出された各時点の第4搬送車数を時間順に並べることにより、Mx_Decを作成することができる。
Mx_Incは、第1期間に観測された第5搬送車の数を示すデータである。第5搬送車は、搬送指令に基づいて対象エリアMx内の特定地点に向かって走行中の搬送車2である。特定地点は、予測装置20のオペレータ等によって任意に設定され得る。一例として、特定地点は、Fromポート及びToポートの両方を含む。この場合、第5搬送車は、上述した第2搬送車及び第3搬送車の両方を含む。すなわち、モデル生成部21は、Mx_FmとMx_Toとを足し合わせることにより、Mx_Incを作成することができる。
図7は、ある時点における対象エリアMxと複数の搬送車2a~2fの一例を示す図である。この例について、上述した入力データ(Mx_VHL、Mx_Fm、Mx_to、Mx_Dec、Mx_Inc)について具体的に説明する。
搬送車2aは、搬送指令に基づいて対象エリアMx内のFromポートに向かって走行中の搬送車2である。従って、搬送車2aは、上述した第2搬送車に該当し、Mx_Fm及びMx_Incの集計対象となる。また、搬送車2aが対象エリアMx内に入った後には、搬送車2aは、上述した第1搬送車にも該当し、Mx_VHLの集計対象にもなる。
搬送車2bは、搬送指令に基づいて第1の他エリア内のFromポートから第2の他エリア内のToポートに向かって走行中の搬送車2である。搬送車2bは、対象エリアMxを通過予定エリアとして含んでいる。この場合、搬送車2bが対象エリアMx内を走行中の間だけ、搬送車2bは、上述した第1搬送車に該当し、Mx_VHLの集計対象となる。
搬送車2cは、搬送指令に基づいて対象エリアMx内のFromポートに向かって走行中の搬送車2である。従って、搬送車2cは、上述した第2搬送車に該当し、Mx_Fm及びMx_Incの集計対象となる。また、搬送車2cは対象エリアMx内を走行中のため、上述した第1搬送車にも該当し、Mx_VHLの集計対象にもなる。
搬送車2dは、搬送指令に基づいて対象エリアMx内のToポートに向かって走行中の搬送車2である。従って、搬送車2dは、上述した第3搬送車に該当し、Mx_To及びMx_Incの集計対象となる。また、搬送車2dが対象エリアMx内に入った後には、搬送車2dは、上述した第1搬送車にも該当し、Mx_VHLの集計対象にもなる。
搬送車2eは、搬送指令に基づいて対象エリアMxで荷積み後、他エリアのToポートに向かって走行中の搬送車2である。従って、搬送車2eは、上述した第4搬送車(To搬送車)に該当し、Mx_Decの集計対象となる。また、搬送車2eが対象エリアMx内を走行中の間は、搬送車2eは、上述した第1搬送車にも該当し、Mx_VHLの集計対象にもなる。
搬送車2fは、対象エリアMx内で巡回待機した後に、搬送指令が割り付けられて他エリアのFromポートに向かって走行中の搬送車2である。従って、搬送車2fは、上述した第4搬送車(From搬送車)に該当し、Mx_Decの集計対象となる。また、搬送車2fが対象エリアMx内を走行中の間は、搬送車2fは、上述した第1搬送車にも該当し、Mx_VHLの集計対象にもなる。
ここで、対象エリアMxに向かって走行中の第5搬送車(すなわち、第2搬送車及び第3搬送車のいずれかに該当する搬送車2)は、対象エリアMxからどのくらい離れた位置を走行中であるか否かにかかわらず、等しくMx_Fm、Mx_To、及びMx_Incの集計対象となる。しかし、対象エリアMxから比較的遠い位置を走行中の第5搬送車(以下「遠方搬送車」という。)は、対象エリアMxに到着するまでの時間が比較的長い。また、遠方搬送車は、対象エリアMxに到着するまでの間に他エリア内の渋滞に嵌まるといった外乱要因の影響を受けやすい。これに対して、対象エリアMxから比較的近い位置を走行中の第5搬送車(以下「近隣搬送車」という。)は、対象エリアMxに到着するまでの時間が比較的短く、上記のような外乱要因の影響を受けにくい。このため、対象エリアMx内の将来の搬送車数に与える影響度は、近隣搬送車と遠方搬送車との間で異なると考えられる。一方、上述したMx_Fm、Mx_To、及びMx_Incは、対象エリアMxからの距離を考慮して搬送車数を集計したものではないため、上記のような近隣搬送車と遠方搬送車との間における影響度の違いが加味されていない。
そこで、モデル生成部21は、図8に示される入力データを更に作成してもよい。図8に示されるMx_Inc1~Mx_Inc3及びMx_Spd1~Mx_Spd3は、図6に示した各データと同様の時系列データである。
Mx_Inc1~Mx_Inc3は、第5搬送車が走行中のエリアと対象エリアMxとの近接度毎に第5搬送車を集計することにより得られた近接度毎の搬送車数を示すデータである。具体的には、Mx_Inc1は、対象エリアMxと1エリア分だけ離れた他エリア(すなわち、対象エリアMxと直接隣接する他エリア)から対象エリアMxに向かって走行中の第5搬送車のみを集計して得られた時系列データである。Mx_Inc2は、対象エリアMxと2エリア分だけ離れた他エリアから対象エリアMxに向かって走行中の第5搬送車のみを集計して得られた時系列データである。Mx_Inc3は、対象エリアMxと3エリア分だけ離れた他エリアから対象エリアMxに向かって走行中の第5搬送車のみを集計して得られた時系列データである。
モデル生成部21は、以下のようにして、Mx_Inc1の各時点の値を算出することができる。まず、モデル生成部21は、対象エリアMxと1エリア分だけ離れた他エリアを走行中の第5搬送車(以下「近距離搬送車」という。)を、以下のようにして抽出する。すなわち、モデル生成部21は、各第5搬送車に対応する搬送車情報ログの「エリア名」及び「通過予定エリア」を参照する。ここで、「通過予定エリア」には必ず対象エリアMxが含まれている。モデル生成部21は、搬送車情報ログの「エリア名」及び「通過予定エリア」を参照することにより、各第5搬送車が対象エリアMxよりも1つ前に通過する予定のエリアを走行中であるか否かを判定する。モデル生成部21は、上記判定処理において対象エリアMxよりも1つ前に通過する予定のエリアを走行中と判定された第5搬送車を近距離搬送車として抽出する。モデル生成部21は、各時点において、このように抽出された近距離搬送車数を集計することにより、Mx_Inc1の各時点の値を算出することができる。
Mx_Inc2及びMx_Inc3の各時点の値についても、上述した方法と同様の方法によって得られる。具体的には、モデル生成部21は、上記処理中の「各第5搬送車が対象エリアMxよりも1つ前に通過する予定のエリアを走行中であるか否かを判定する」処理における「1つ前」を「2つ前」(又は「3つ前」)に置き換えた処理を実行することにより、Mx_Inc2(又は「Mx_Inc3」)の各時点の値を得ることができる。
Mx_Spd1~Mx_Spd3は、第5搬送車の速度に関するデータである。具体的には、Mx_Spd1は、各時点においてMx_Inc1の集計対象とされた搬送車2の平均速度の時系列データである。Mx_Spd2は、各時点においてMx_Inc2の集計対象とされた搬送車2の平均速度の時系列データである。Mx_Spd3は、各時点においてMx_Inc3の集計対象とされた搬送車2の平均速度の時系列データである。例えば、各搬送車2は、上位コントローラ(搬送車コントローラ12等)に対して、1ts毎に、各搬送車2の詳細な位置情報(例えば、位置座標)を通知するように構成され得る。例えば、このように通知された位置情報を搬送車情報ログに含めることにより、モデル生成部21は、以下のようにして各時点における各搬送車2の速度を算出することができる。すなわち、モデル生成部21は、ある搬送車2からある時点に通知された位置座標と当該搬送車2から当該時点の1つ前の時点に通知された位置座標とを比較することにより、1tsの間に搬送車2が移動した距離を把握することができる。モデル生成部21は、当該距離を1ts(本実施形態では4秒)で割ることにより、ある時点における当該搬送車2の速度を算出することができる。モデル生成部21は、このようにして算出された各搬送車2の速度の平均を算出することにより、Mx_Spd1~Mx_Spd3の各時点の値を算出することができる。
図9は、ある時点における対象エリアMxと複数の搬送車2g~2oの一例を示す図である。この例について、上述した入力データ(Mx_Inc1~Mx_Inc3及びMx_Spd1~Mx_Spd3)について具体的に説明する。
この例では、対象エリアMxと直接隣接する4つのエリアMa1~Ma4の各々が、対象エリアMxと1エリア分だけ離れた他エリアに該当する。従って、これらのエリアMa1~Ma4のいずれかを走行中の搬送車2g、2h、及び2iが、当該時点において、Mx_Inc1の集計対象となる。また、これらの搬送車2g、2h、及び2iの平均速度がMx_Spd1の値(当該時点に対応する値)となる。
また、5つのエリアMb1~Mb5の各々が、対象エリアMxと2エリア分だけ離れた他エリアに該当する。エリアMb1及びMb2は、エリアMa1を介して隣接している。エリアMb3は、エリアMa2を介して対象エリアMxと隣接している。エリアMb4は、エリアMa3を介して対象エリアMxと隣接している。エリアMb5は、エリアMa4を介して対象エリアMxと隣接している。従って、これらのエリアMb1~Mb5のいずれかを走行中の搬送車2j、2k、2l、及び2mが、当該時点において、Mx_Inc2の集計対象となる。また、これらの搬送車2j、2k、2l、及び2mの平均速度がMx_Spd2の値(当該時点に対応する値)となる。
また、2つのエリアMc1及びMc2が、対象エリアMxと3エリア分だけ離れた他エリアに該当する。エリアMc1は、エリアMa4及びMb5を介して対象エリアMxと隣接している。エリアMc2は、エリアMa3及びMb4を介して対象エリアMxと隣接している。従って、これらのエリアMc1及びMc2のいずれかを走行中の搬送車2n及び2oが、当該時点において、Mx_Inc3の集計対象となる。また、これらの搬送車2n及び2oの平均速度がMx_Spd3の値(当該時点に対応する値)となる。
なお、本実施形態では、対象エリアMxとの近接度毎の集計を行う範囲を対象エリアMxから3エリア分離れた範囲までとしているが、対象エリアMxから4エリア分以上離れた範囲についての集計データが入力データとして用いられてもよい。
次に、教師データの正解ラベルを取得するための処理について説明する。本実施形態では、モデル生成部21は、基準時点T0における対象エリアMx内の搬送車数を基準値nとして、基準値nからの搬送車数の増減度合いに応じた複数のレベルを設定する。そして、モデル生成部21は、第2期間P2における対象エリアMxの平均搬送車数が属するレベルを正解ラベルとして設定する。第2期間P2における対象エリアMxの平均搬送車数は、以下のようにして得られる。例えば、モデル生成部21は、第2期間P2におけるMx_VHLを生成することにより、第2期間P2における単位時間毎(1ts毎)の対象エリアMx内の搬送車数を得ることができる。モデル生成部21は、このようにして得られた第2期間P2における単位時間毎の対象エリアMx内の搬送車数の平均を取ることにより、第2期間P2における対象エリアMxの平均搬送車数を算出することができる。
なお、本実施形態では、図5に示されるように、モデル生成部21は、第2期間P2を時系列に沿った複数の小期間P21~P25に区分けし、各小期間P21~P25における対象エリアMxの平均搬送車数を算出し、小期間P21~P25毎のレベルを特定する。一例として、モデル生成部21は、第2期間(5分間(75ts))を、1分(15ts)毎に区分けすることにより、5つの小期間P21~P25を設定する。例えば、第2期間P2が「12:00~12:05」である場合、小期間P21は「12:00~12:01」であり、小期間P22は「12:01~12:02」であり、小期間P23は「12:02~12:03」であり、小期間P24は「12:03~12:04」であり、小期間P25は「12:04~12:05」である。
図10は、上記レベルの一例を示す図である。本実施形態では、基準値nよりも搬送車数が少なくなる場合のレベルとして、減少度合いに応じたレベル1(Lv.1)及びレベル2(Lv.2)が設定されている。また、基準値nよりも搬送車数が多くなる場合のレベルとして、増加度合いに応じたレベル3(Lv.3)及びレベル4(Lv.4)が設定されている。
レベル1は、小期間内の平均搬送車数が「0≦平均搬送車数≦基準値n-N」に該当する場合に対応するレベルである。レベル2は、小期間内の平均搬送車数が「基準値n-N<平均搬送車数≦基準値n」に該当する場合に対応するレベルである。レベル3は、小期間内の平均搬送車数が「基準値n<平均搬送車数≦基準値n+N」に該当する場合に対応するレベルである。レベル4は、小期間内の平均搬送車数が「基準値n+N<平均搬送車数≦Nmax」に該当する場合に対応するレベルである。ここで、「N」は予め任意に設定された刻み幅である。「Nmax」は対象エリアMx内の最大許容搬送車数(すなわち、対象エリアMx内に同時に存在することが可能な最大の搬送車数)である。
例えば、基準値nが「30」であり、Nが「10」であり、Nmaxが「60」の場合、図10の例では、平均搬送車数が「0~20」である場合にはレベル1に該当し、平均搬送車数が「21~30」である場合にはレベル2に該当し、平均搬送車数が「31~40」である場合にはレベル3に該当し、平均搬送車数が「41~60」である場合にはレベル4に該当する。
以上述べたように、モデル生成部21は、搬送指令ログ及び搬送車情報ログに基づいて得られる第1期間P1における各種時系列データ(Mx_VHL、MX_Fm、MX_To、MX_Dec、Mx_Inc、Mx_Inc1~Mx_Inc3、Mx_Spd1~Mx_Spd3)を、予測モデル30の入力データとして取得する。
また、モデル生成部21は、第2期間P2における対象エリアMx内の平均搬送車数が属するレベルを、正解ラベルとして取得する。本実施形態では、モデル生成部21は、各小期間P21~P25における対象エリアMx内の平均搬送車数が属するレベルを、正解ラベルとして取得する。一例として、正解ラベルは、各小期間P21~P25と各レベル(レベル1~レベル4)との各組み合わせの確率値によって表される。図5の例では、小期間数が「5」であり、レベル数が「4」であるため、正解ラベルは、各組み合わせに対応する20個(=5×4)の値(確率値)を含む20次元のベクトルとして表現され得る。図5の例では、小期間P21における平均搬送車数がレベル2に属し、小期間P22における平均搬送車数がレベル3に属し、小期間P23における平均搬送車数がレベル3に属し、小期間P24における平均搬送車数がレベル4に属し、小期間P25における平均搬送車数がレベル4に属している。この場合、正解ラベルは、小期間P21とレベル2の組み合わせ、小期間P22とレベル3の組み合わせ、小期間P23とレベル3の組み合わせ、小期間P24とレベル4の組み合わせ、及び小期間P25とレベル4の組み合わせの各々の確率値として「1」が設定され、上記以外の組み合わせの確率値として「0」が設定されたデータとなる。
モデル生成部21は、ある基準時点T0について上述したようにして得られた入力データ及び正解ラベルの組(データセット)を、1つの教師データとして生成する。モデル生成部21は、互いに異なる複数の時点を基準時点として用いて、各基準時点に対応する教師データを生成することにより、複数の教師データを生成することができる。モデル生成部21は、このようにして生成された複数の教師データを用いて機械学習を実行することにより、予測モデル30を生成する。モデル生成部21によって生成された予測モデル30は、記憶部22に記憶(保存)される。
上述したモデル生成処理は、所定の学習実行周期毎に実行されてもよい。学習実行周期は、例えば6時間である。例えば、モデル生成部21は、前回の予測モデル30の生成タイミング(例えば、6:00)から今回の予測モデル30の生成タイミング(例えば、12:00)までの対象期間に含まれる複数の時点(例えば、6:00から12:00までを1ts(4秒)毎に区切った5400個の各時点)を基準時点として用いることにより、複数(この例では5400個)の教師データを生成する。モデル生成部21は、このようにして生成された複数の教師データを用いて機械学習を実行することにより、今回の予測モデル30を生成する。そして、記憶部22は、モデル生成部21により過去に生成された予測モデル30を削除することなく、モデル生成部21により生成された今回の予測モデル30を上記対象期間に関連付けて記憶する。上記構成によれば、対象期間の特徴(搬送システム1の運用状況等)に応じた予測モデル30を対象期間毎に生成及び保存することができる。これにより、予測に利用可能な予測モデル30のバリエーションを確保することができる。
なお、予測モデル30の生成タイミング(例えば、12:00)から5分以内の期間(11:55~12:00)に含まれる基準時点に対応する教師データ(正解ラベル)は、上記生成タイミングにおいては得られていない。例えば、生成タイミング(12:00)を基準時点とする教師データの正解ラベルは、生成タイミングから第2期間P2(本実施形態では5分)が経過した後(すなわち、「12:05」以降)でなければ得ることができない。従って、モデル生成部21は、生成タイミングにおいて直ちに予測モデル30の生成を開始するために、生成タイミングの時点において正解ラベルを得ることが可能な教師データ(例えば、6:00から11:55までの期間に含まれる基準時点に対応する教師データ)のみを用いて、機械学習を行ってもよい。
図11は、記憶部22に記憶される予測モデル30の一例を示す図である。表中の「MX-DW_No.h5」の表記は、予測モデル30のファイル名の一例である。この例では、上記表記における「X」は、時間帯を示している。具体的には、「0」は「0:00~6:00」を表し、「1」は「6:00~12:00」を表し、「2」は「12:00~18:00」を表し、「3」は「18:00~24:00」を表している。上記表記における「D」は、曜日を表している。上記表記における「W」は、所定時点を基準(0週目)として予測モデル30が何週目に生成されたかを表している。上記表記における「No」は、予測モデル30の番号を表している。例えば、「No」は、入力データ又は後述するハイパーパラメータの内容が互いに異なる複数の予測モデルを用いてアンサンブル学習を行う場合等に、各予測モデルの種類を特定するために用いられる。上記表記における「.h5」は、TensorFlow(登録商標)を用いて生成されたモデルに設定される拡張子である。図11の例では、現時点が10周目(w10)の月曜日(Mon)の6:00~12:00であり、直前の時間帯までの予測モデル30が生成及び保存されている。
図12は、予測モデル30の基本構造の一例を示す図である。図12に示されるように、一例として、予測モデル30は、入力層L1(Input Layer)と、畳み込み層L2(Convolution Layer)と、LSTM(Long short-term memory)層L3と、Dense層L4と、を含んで構成され得る。入力層L1は、予測モデル30に対する入力データを受け付ける層である。Dense層L4は、畳み込み層L2及びLSTM層L3により処理された結果を結合し、予測モデル30から最終的に出力するためのデータ(本実施形態では、各レベル(レベル1~4)と各小期間との全ての組み合わせに対応する20個の確率値)を生成及び出力する層である。これらの各層L1~L4は、上述した教師データを用いた機械学習の枠組みの中では調整(変更)されない外部パラメータ(ハイパーパラメータ)を含んでいる。例えば、入力層L1は、外部パラメータとして、入力データのサイズ(Input_dim、Input_length)、Batchサイズ(batch_size)等を含み得る。なお、括弧内に記載した変数名は、TensorFlow(登録商標)において定義されているAPI変数名である。以下の説明においても同様である。畳み込み層L2は、外部パラメータとして、Layerの使用の有無(Conv1D)、Filter数(filters)、Kernelサイズ(kernel_size)、Strides幅(strides)、Max Poolingの使用の有無(MaxPooling1D)、Max Poolingのpoolサイズ(pool_size)、Dropout割合(Dropout)等を含み得る。LSTM層L3は、外部パラメータとして、Layer数(LSTM)、Node数(units)、出力正規化(activity_regularizer)、重み正規化(recurrent_regularizer)、Dropout割合(Dropout)等を含み得る。Dense層L4は、外部パラメータとして、Layer数(Dense)、Node数(units)、出力正規化(activity_regularizer)、Dropout割合(Dropout)等を含み得る。これらのハイパーパラメータは、予測装置20のオペレータ等によって、任意に調整され得る。
図13は、モデル生成処理の一例を示すフローチャートである。モデル生成部21は、所定の学習実行周期に基づいて定められた生成タイミング(本実施形態では、0:00、6:00、12:00、18:00のいずれか)が到来すると(ステップS11:YES)、教師データを生成する(ステップS12)。例えば、モデル生成部21は、前回の予測モデル30の生成タイミングから今回の予測モデル30の生成タイミングまでの対象期間に含まれる複数の時点を基準時点T0(図5参照)とし、各基準時点に対応する教師データを生成することにより、複数の教師データを生成する。なお、複数の教師データのうち上記生成タイミングが到来する前に生成可能な教師データは、生成タイミングが到来する前に予め生成されてもよい。続いて、モデル生成部21は、生成された複数の教師データを用いた機械学習を実行し、予測モデル30を生成する(ステップS13)。図11に示されるように、モデル生成部21によって生成された予測モデル30は、上記対象期間に関連付けて記憶部22に記憶される(ステップS14)。
(予測処理)
予測処理は、主に取得部23及び予測部24によって実行される。図14は、予測処理を説明するための図である。図14において、T1は予測実行時点を示し、P3は過去期間(例えば6時間)を示し、P4は将来期間(例えば5分)を示す。P41~P45は、将来期間P4を1分(15ts)毎に区分けすることで得られる小期間を示す。
取得部23は、任意の予測実行時点T1よりも前の過去期間P3における予測用データを取得する。予測用データは、予測モデル30の学習に用いられた教師データから正解ラベルを除いた部分(入力データ)に対応するデータである。過去期間P3は、第1期間P1(図5参照)と同一の長さの期間である。すなわち、過去期間P3は、予測実行時点T1をモデル生成処理における基準時点T0(図5参照)とした場合に、第1期間P1に対応する期間である。取得部23は、上述したモデル生成部21と同様の処理を実行することにより、搬送指令ログ及び搬送車情報ログに基づいて得られる過去期間P3における各種時系列データ(Mx_VHL、MX_Fm、MX_To、MX_Dec、Mx_Inc、Mx_Inc1~Mx_Inc3、Mx_Spd1~Mx_Spd3)を、予測用データとして取得する。
予測部24は、取得部23により取得された予測用データを予測モデル30に入力することにより、予測実行時点T1よりも後の将来期間P4における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いの予測値を示す予測情報Rを取得する。本実施形態では、予測情報Rは、予測実行時点T1における対象エリアMx内の搬送車数を基準値nとして、将来期間P4における対象エリアMx内の平均搬送車数が属するレベルの予測結果を示す情報である。より具体的には、予測情報Rは、将来期間P4を1分(15ts)毎に区分けすることで得られる小期間P41~P45毎の予測結果を示す。すなわち、予測情報Rは、将来期間P4に含まれる複数の小期間P41~P45の各々における対象エリアMx内の平均搬送車数が属するレベルの予測結果を示す情報である。
予測情報Rは、予測モデル30の学習に用いられた教師データの正解ラベルに対応するデータである。すなわち、予測情報Rは、将来期間P4に含まれる5つの小期間P41~P45と各レベル(レベル1~4)との各組み合わせ(20通り)の確率値(予測値)である。例えば、予測部24は、各小期間P41~P45において、最も確率値が高いレベルを、対象エリアMx内の平均搬送車数が属すると予測されるレベル(予測結果)として得ることができる。
予測部24は、記憶部22に記憶された複数の予測モデル30(図11参照)のうちから予測に用いるための予測モデル30を任意に選択可能に構成されてもよい。
例えば、予測部24は、記憶部22に記憶された複数の予測モデル30のうちから、直近の対象期間に関連付けられた予測モデル30を選択してもよい。図11の例において、予測実行時点T1が10周目(w10)の月曜日(Mon)の6:00~12:00である場合、予測部24は、その直近の対象期間に関連付けられた最新の予測モデル30(M0-Mon10_1.h5)を選択してもよい。このように直近の対象期間について生成された最新の予測モデル30を用いて予測を行うことにより、直近の時間帯の運用状況と同様の運用状況が継続される可能性が高い場合等において、精度良く予測を行うことが可能となる。
或いは、予測部24は、記憶部22に記憶された複数の予測モデル30(図11参照)のうちから、予測実行時点を含む期間に対応する過去の対象期間に関連付けられた予測モデル30を選択してもよい。図11の例において、予測実行時点T1が10周目(w10)の月曜日(Mon)の6:00~12:00である場合、予測部24は、例えば、予測実行時点T1と同じ曜日の同じ時間帯である過去の対象期間に関連付けられた予測モデル30(M1-Mon9_1.h5)を選択してもよい。このように予測実行時点T1を含む期間に対応する過去の対象期間に関連付けられた予測モデル30を用いて予測を行うことにより、曜日周期性(例えば、曜日及び時間帯が同一の場合に搬送システム1の運用状況がほぼ同一になる傾向)が高い場合等において、精度良く予測を行うことが可能となる。また、他の例として、月次周期性(例えば、毎月において日及び時間帯が同一の場合に搬送システム1の運用状況がほぼ同一になる傾向)が高い場合等には、予測部24は、予測実行時点T1の前月の同じ日の同じ時間帯に関連付けられた予測モデル30を選択してもよい。例えば、予測実行時点T1が5月1日の6:00~12:00である場合、4月1日の6:00~12:00に関連付けられた予測モデル30が選択されてもよい。また、更に他の例として、年次周期性(例えば、毎年において月日及び時間帯が同一の場合に搬送システム1の運用状況がほぼ同一になる傾向)が高い場合等には、予測部24は、予測実行時点T1の前年の同じ月日の同じ時間帯に関連付けられた予測モデル30を選択してもよい。例えば、予測実行時点T1が2021年5月1日の6:00~12:00である場合、2020年5月1日の6:00~12:00に関連付けられた予測モデル30が選択されてもよい。
予測部24は、第2期間P2(すなわち、予測対象期間である将来期間P4)よりも短い予測実行周期毎に、予測モデル30を用いた予測処理を実行することにより予測情報Rを取得し、予測情報Rを搬送車コントローラ12に通知してもよい。予測実行周期は、例えば1分(15ts)である。上記構成によれば、搬送車コントローラ12に対象エリアMx内の搬送車数に関する予測結果を常に把握させることができる。その結果、予測結果を考慮した最適な搬送制御(例えば、搬送指令の割付先となる搬送車2の選定、搬送車2の走行ルートの選定等)を搬送車コントローラ12に継続的に実行させることが可能となる。その結果、搬送システム1における渋滞の発生を抑制し、搬送効率の向上を図ることができる。
図15は、予測処理の一例を示すフローチャートである。取得部23は、所定の予測実行周期に基づいて定められた生成タイミング(本実施形態では、1分毎のタイミング)が到来すると(ステップS21:YES)、予測用データを取得(生成)する(ステップS22)。なお、本実施形態のように、比較的短い予測実行周期で予測処理を繰り返し実行する場合、毎回の予測タイミングにおいては、取得部23は、前回の予測タイミングから今回の予測タイミングの期間に対応する予測用データのみを新たに取得(生成)すればよい。このため、取得部23は、ステップS22の予測用データの取得処理を、比較的短時間で完了させることができる。続いて、予測部24は、記憶部22に記憶された複数の予測モデル30(図11参照)のうちから、上述したような判断基準に基づいて、予測処理に用いる予測モデル30を選択する(ステップS23)。続いて、予測部24は、選択された予測モデル30に予測用データを入力することにより、予測モデル30から出力される予測情報Rを取得する(ステップS24)。予測部24は、取得された予測情報Rを搬送車コントローラ12に通知する(ステップS25)。
以上述べた予測装置20では、第1期間P1(図5参照)におけるログ情報(搬送指令の割付状況及び複数の搬送車2の位置の少なくとも一方に関する情報)に基づく入力データ(図6及び図8参照)を入力して、第2期間P2(図5参照)における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いの予測結果を示す出力データを出力するように構成された予測モデル30が用意される。これにより、任意の予測実行時点T1(図14参照)において、当該予測実行時点T1よりも前の過去期間P3(図14参照)におけるログ情報から得られる予測用データを予測モデル30に入力するだけで、当該予測実行時点T1よりも後の将来期間P4(図14参照)における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いの予測結果(予測情報R)を得ることができる。従って、予測装置20によれば、任意のタイミングで搬送システム1の将来の渋滞度合いを容易に予測することができる。
また、Mx_VHL(図6参照)を予測モデル30の入力データ(予測用データ)に含めることにより、過去期間P3において対象エリアMx内に存在した搬送車2(第1搬送車)の数を加味して、将来期間P4における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
また、Mx_Fm(図6参照)を予測モデル30の入力データ(予測用データ)に含めることにより、過去期間P3において対象エリアMx内の荷積み位置(Fromポート)へと走行中の搬送車2(第2搬送車)の数を加味して、将来期間P4における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
また、Mx_To(図6参照)を予測モデル30の入力データ(予測用データ)に含めることにより、過去期間P3において対象エリアMx内の荷降ろし位置(Toポート)へと走行中の搬送車2(第3搬送車)の数を加味して、将来期間P4における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
また、Mx_Dec(図6参照)を予測モデル30の入力データ(予測用データ)に含めることにより、過去期間P3において対象エリアMxから他エリアへと走行中の搬送車2(第4搬送車)の数を加味して、将来期間P4における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
また、Mx_Inc(図6参照)を予測モデル30の入力データ(予測用データ)に含めることにより、過去期間P3において対象エリアMx内の特定地点(本実施形態では、Fromポート及びToポート)へと走行中の搬送車2(第5搬送車)の数を加味して、将来期間P4における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いを精度良く予測することが可能となる。
また、Mx_Inc1~Mx_Inc3(図8参照)を予測モデル30の入力データ(予測用データ)に含めることにより、対象エリアMxとの近接度による対象エリアMx内の搬送車数に対する影響度の差を加味して、将来期間における対象エリアの搬送車数の増減度合いをより精度良く予測することが可能となる。すなわち、各第5搬送車を対象エリアMxからどの程度離れた位置を走行しているかに基づいてグループ分けし、グループ毎に区別して集計された第5搬送車数に関する情報を予測モデル30に与えることにより、上記近接度による影響度の差を加味して予測を行うことが可能となる。
例えば、搬送システム1には、処理装置7が主に配置されたプロセスエリア、ストッカ8が主に配置されたストッカエリア、主にバイパス(迂回路)として機能するバイパスエリア等、様々な種別のエリアが存在し得る。対象エリアMxがこれらのうちのいずれの種別のエリアであるかによって、対象エリアMxに直接隣接する一以上の他エリアが属する主な種別も異なり得る。そして、エリアの種別によって、搬送車2が当該エリアを通過するのに要する平均時間も異なり得る。例えば、バイパスエリアについては、搬送車2は基本的に当該エリアを通過するだけであるため、比較的短い時間で当該エリアを通過する可能性がある。一方、プロセスエリアについては、搬送車2が物品の荷掴み又は荷降ろし等を行うことによって、当該エリアを通過するのに比較的長い時間がかかる可能性がある。このため、対象エリアMxに隣接するバイパスエリアに比較的多くの搬送車2が存在する場合と対象エリアMxに隣接するプロセスエリアに比較的多くの搬送車2が存在する場合とでは、対象エリアMxの将来の搬送車数の増減に与える影響度が異なる可能性がある。上記のように対象エリアMxとの近接度毎の搬送車数を示すMx_Inc1~Mx_Inc3を予測モデル30の入力データとして用いることにより、副次的に、対象エリアMxがどのようなエリアであるか(すなわち、対象エリアMxに近接するエリアが主にどのような種類のエリアであるか)といった特徴も加味した上で予測を行うことが可能となる。
また、Mx_Spd1~Mx_Spd3(図8参照)を予測モデル30の入力データ(予測用データ)に含めることにより、第5搬送車の流入によって対象エリアMx内の搬送車数が増加すると想定される時期に関する手がかりとなる情報を入力データに加えることができる。その結果、将来期間P4における対象エリアMxの搬送車数の増減度合いをより精度良く予測することが可能となる。
また、予測装置20は、上述したモデル生成部21を備えることにより、予測処理に用いるための予測モデル30を適切に生成することができる。
また、モデル生成部21は、基準時点T0における対象エリアMx内の搬送車数を基準値nとして、基準値nからの搬送車数の増減度合いに応じた複数のレベルを設定する。モデル生成部21は、互いに異なる複数の時点を基準時点T0として用いることにより、第1期間P1における入力データと第2期間P2における対象エリアMxの平均搬送車数が属するレベルを示す正解ラベルとを含む複数の教師データを生成する。そして、モデル生成部21は、このような複数の教師データを用いて機械学習を実行することにより、予測モデル30を生成する。予測部24は、予測用データを予測モデル30に入力することにより、予測実行時点T1における対象エリアMx内の搬送車数を基準値nとして、将来期間P4における対象エリアMx内の平均搬送車数が属するレベルの予測結果を示す情報を、予測情報Rとして取得する。上記構成によれば、予測実行時点T1の対象エリアMx内の搬送車数を基準として、対象エリアMx内の搬送車数が増加方向に向かうか、或いは減少方向に向かうかを、レベルの予測結果に基づいて容易に把握することが可能となる。
また、モデル生成部21は、第2期間P2を時系列に沿った複数の小期間P21~P25に区分けし、互いに異なる複数の時点を基準時点T0として用いることにより、第1期間P1における入力データと複数の小期間P21~P25の各々における対象エリアMxの平均搬送車数が属するレベルを示す正解ラベルとを含む複数の教師データを生成する。そして、モデル生成部21は、このような複数の教師データを用いて機械学習を実行することにより、予測モデル30を生成する。予測部24は、予測用データを予測モデル30に入力することにより、将来期間P4に含まれる複数の小期間P41~P45の各々における対象エリアMx内の平均搬送車数が属するレベルの予測結果を示す情報を、予測情報Rとして取得する。上記構成によれば、将来期間P4に含まれる小期間P41~P45毎にレベルの予測結果が得られるため、対象エリアMx内の将来の搬送車数の推移の傾向(例えば、増加し続ける傾向、減少し続ける傾向、減少した後に増加に転じる傾向、増加した後に減少に転じる傾向等のうちのいずれの傾向であるか)を予測することが可能となる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、図6及び図8に示した全ての時系列データ(Mx_VHL、MX_Fm、MX_To、MX_Dec、Mx_Inc、Mx_Inc1~Mx_Inc3、Mx_Spd1~Mx_Spd3)が予測モデル30の入力データ(予測用データ)として用いられたが、これらの時系列データの一部が、予測モデル30の入力データとして用いられてもよい。また、予測モデル30の入力データ(予測用データ)には、図6及び図8に示した時系列データ以外のデータが含まれてもよい。
また、上記実施形態では、予測モデル30から5つの小期間P41~P45の各々の予測結果が出力されたが、小期間の数は4つ以下であってもよいし、6つ以上であってもよい。また、予測対象期間となる将来期間P4は、複数の小期間に分割されなくてもよい。すなわち、予測モデル30は、単一の将来期間P4についての予測結果(各レベルの確率値)を出力するように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、将来の対象エリアMx内の平均搬送車に応じた4つのレベルが設定されたが、3つ以下のレベルが設定されてもよいし、5つ以上のレベルが設定されてもよい。例えば、上記実施形態では、基準時点T0(予測実行時点T1)における対象エリアMx内の搬送車数(基準値n)から増加する方向に2つのレベル(レベル3,レベル4)を設定し、減少する方向に2つのレベル(レベル1,レベル2)が設定されたが、より単純化して、基準値nよりも増加することを示すレベル及び減少することを示すレベルの2つのレベルのみが設定されてもよい。
また、予測部24は、各小期間P41~P45において、「レベル1の確率+レベル2の確率」と「レベル3の確率+レベル4の確率」との大小を比較し、前者が大きい場合には搬送車数が現在よりも減少する可能性が高いことを示す予測結果を取得し、後者が大きい場合には搬送車数が現在よりも増大する可能性が高いことを示す予測結果を取得してもよい。なお、基準値nがNmaxに近く、レベル4が存在しない場合には、予測部24は、各小期間P41~P45について、「レベル1の確率+レベル2の確率」と「レベル3の確率」との大小を比較すればよい。同様に、基準値nが0に近く、レベル1が存在しない場合には、予測部24は、各小期間P41~P45について、「レベル2の確率」と「レベル3の確率+レベル4の確率」との大小を比較すればよい。
また、上記実施形態では、1つの対象エリアMxに着目して予測装置20の処理の一例を説明したが、予測装置20は、搬送システム1内の複数の対象エリアについて予測処理を実行してもよい。例えば、モデル生成部21は、対象エリア毎に予測モデル30を生成し、予測部24は、対象エリア毎に生成された予測モデル30を用いて、各対象エリアについての予測処理を実行すればよい。
また、上記実施形態では、入力データの種類及びハイパーパラメータの設定内容が固定された単一の予測モデル30が用いられたが、モデル生成部21は、ある対象エリアMx用の予測モデルとして、入力データの種類及びハイパーパラメータの設定内容の少なくとも一方が互いに異なる複数の予測モデル30を生成してもよい。そして、予測部24は、これらの複数の予測モデル30の各々に各予測モデル30に応じた予測用データを入力することで、各予測モデル30から出力される予測結果(予測情報R)を取得してもよい。すなわち、予測装置20は、上記のような複数の予測モデル30を用いたアンサンブル学習により、対象エリアMxの将来の搬送車数の予測を行ってもよい。上記の場合、各小期間P41~P45において、各レベルの確率が予測モデル30の数だけ得られることになる。予測部24は、各予測モデル30の出力結果(確率値)を小期間とレベルとの同一の組み合わせ毎に足し合わせることで、各組み合わせの値(各予測モデル30の確率値の和)を得ることができる。予測部24は、各小期間P41~P45において、最大の値を有するレベル(或いは、予め定められた閾値以上の値を有するレベル)を最終的な予測結果として取得し、搬送車コントローラ12に通知してもよい。
また、上記実施形態では、搬送車2によって搬送される物品(被搬送物)として、複数の半導体ウェハが収容されたFOUPを例示したが、物品はこれに限定されず、例えば、ガラスウェハ、レチクル等が収容されたその他の容器やその他の物品であってもよい。また、搬送システム1が設けられる場所は、半導体製造工場に限定されず、搬送システム1は、その他の施設に設けられてもよい。
1…搬送システム、2,2a~2o…搬送車、4…搬送路、12…搬送車コントローラ、20…予測装置、21…モデル生成部、22…記憶部、23…取得部、24…予測部、30…予測モデル、M,Ma1~Ma4,Mb1~Mb5,Mc1~Mc2…エリア、Mx…対象エリア、T0…基準時点、T1…予測実行時点、P1…第1期間、P2…第2期間、P3…過去期間、P4…将来期間、P21~P25,P41~P45…小期間。

Claims (15)

  1. 複数のエリアに区分けされた搬送路と、前記搬送路に沿って走行して物品を搬送する複数の搬送車と、前記搬送車に搬送指令を割り付ける搬送車コントローラと、を含む搬送システムにおける所定の対象エリアの将来の状態を予測する予測装置であって、
    所定の基準時点よりも前の第1期間における前記搬送指令の割付状況及び前記複数の搬送車の位置の少なくとも一方に関するログ情報に基づく入力データを入力して、前記基準時点よりも後の第2期間における前記対象エリアの搬送車数の増減度合いの予測結果を示す出力データを出力するように機械学習された予測モデルを記憶する記憶部と、
    予測実行時点よりも前であって前記第1期間と同一の長さの過去期間における前記ログ情報に基づいて、前記入力データに対応する予測用データを取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記予測用データを前記予測モデルに入力することにより、前記予測実行時点よりも後であって前記第2期間と同一の長さの将来期間における前記対象エリアの搬送車数の増減度合いの予測結果を示す予測情報を取得する予測部と、
    を備え
    前記入力データは、前記第1期間に観測された第2搬送車の数を示すデータを含み、
    前記予測用データは、前記過去期間に観測された前記第2搬送車の数を示すデータを含み、
    前記第2搬送車は、前記搬送指令に基づいて前記対象エリア内の荷積み位置に向かって走行中の前記搬送車である、予測装置。
  2. 前記入力データは、前記第1期間に観測された第1搬送車の数を示すデータを含み、
    前記予測用データは、前記過去期間に観測された前記第1搬送車の数を示すデータを含み、
    前記第1搬送車は、前記対象エリア内に存在する前記搬送車である、
    請求項1に記載の予測装置。
  3. 前記入力データは、前記第1期間に観測された第3搬送車の数を示すデータを含み、
    前記予測用データは、前記過去期間に観測された前記第3搬送車の数を示すデータを含み、
    前記第3搬送車は、前記搬送指令に基づいて前記対象エリア内の荷降ろし位置に向かって走行中の前記搬送車である、
    請求項1又は2に記載の予測装置。
  4. 前記入力データは、前記第1期間に観測された第4搬送車の数を示すデータを含み、
    前記予測用データは、前記過去期間に観測された前記第4搬送車の数を示すデータを含み、
    前記第4搬送車は、前記対象エリアから他エリアに向かって走行中の前記搬送車である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の予測装置。
  5. 前記入力データは、前記第1期間に観測された第5搬送車の数を示すデータを含み、
    前記予測用データは、前記過去期間に観測された前記第5搬送車の数を示すデータを含み、
    前記第5搬送車は、前記搬送指令に基づいて前記対象エリア内の特定地点に向かって走行中の前記搬送車である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の予測装置。
  6. 前記入力データ及び前記予測用データは、前記第5搬送車が走行中のエリアと前記対象エリアとの近接度毎に前記第5搬送車を集計することにより得られた前記近接度毎の搬送車数を示すデータを含む、
    請求項に記載の予測装置。
  7. 前記入力データ及び前記予測用データは、前記第5搬送車の速度に関するデータを更に含む、
    請求項又はに記載の予測装置。
  8. 前記予測モデルを生成するモデル生成部を更に備え、
    前記モデル生成部は、
    互いに異なる複数の時点を前記基準時点として用いることにより、前記第1期間における前記入力データと前記第2期間における前記対象エリアの搬送車数の増減度合いを示す正解ラベルとを含む複数の教師データを生成し、
    生成された前記複数の教師データを用いて機械学習を実行することにより、前記予測モデルを生成する、
    請求項1~のいずれか一項に記載の予測装置。
  9. 前記モデル生成部は、
    前記基準時点における前記対象エリア内の搬送車数を基準値として、前記基準値からの搬送車数の増減度合いに応じた複数のレベルを設定し、
    互いに異なる複数の時点を前記基準時点として用いることにより、前記第1期間における前記入力データと前記第2期間における前記対象エリアの平均搬送車数が属する前記レベルを示す正解ラベルとを含む複数の教師データを生成し、
    前記予測部は、前記予測用データを前記予測モデルに入力することにより、前記予測実行時点における前記対象エリア内の搬送車数を前記基準値として、前記将来期間における前記対象エリア内の平均搬送車数が属するレベルの予測結果を示す情報を、前記予測情報として取得する、
    請求項に記載の予測装置。
  10. 前記モデル生成部は、
    前記第2期間を時系列に沿った複数の小期間に区分けし、
    互いに異なる複数の時点を前記基準時点として用いることにより、前記第1期間における前記入力データと前記複数の小期間の各々における前記対象エリアの平均搬送車数が属する前記レベルを示す正解ラベルとを含む複数の教師データを生成し、
    前記予測部は、前記予測用データを前記予測モデルに入力することにより、前記将来期間に含まれる複数の小期間の各々における前記対象エリア内の平均搬送車数が属するレベルの予測結果を示す情報を、前記予測情報として取得する、
    請求項に記載の予測装置。
  11. 前記モデル生成部は、所定の学習実行周期毎に前記予測モデルを生成するように構成されており、
    前記モデル生成部は、
    前回の予測モデルの生成タイミングから今回の予測モデルの生成タイミングまでの対象期間に含まれる複数の時点を前記基準時点として用いることにより、複数の教師データを生成し、
    生成された前記複数の教師データを用いて機械学習を実行することにより、今回の予測モデルを生成し、
    前記記憶部は、前記モデル生成部により過去に生成された予測モデルを削除することなく、前記モデル生成部により生成された前記今回の予測モデルを前記対象期間に関連付けて記憶する、
    請求項10のいずれか一項に記載の予測装置。
  12. 前記予測部は、前記記憶部に記憶された複数の前記予測モデルのうちから予測に用いるための前記予測モデルを任意に選択可能に構成されている、
    請求項11に記載の予測装置。
  13. 前記予測部は、前記記憶部に記憶された複数の前記予測モデルのうちから、直近の前記対象期間に関連付けられた前記予測モデルを選択する、
    請求項12に記載の予測装置。
  14. 前記予測部は、前記記憶部に記憶された複数の前記予測モデルのうちから、前記予測実行時点を含む期間に対応する過去の前記対象期間に関連付けられた前記予測モデルを選択する、
    請求項12に記載の予測装置。
  15. 前記予測部は、前記第2期間よりも短い予測実行周期毎に、前記予測モデルを用いた予測処理を実行することにより前記予測情報を取得し、前記予測情報を前記搬送車コントローラに通知する、
    請求項1~14のいずれか一項に記載の予測装置。
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