無線通信システムでは、ネットワーク装置への接続を確立し、ネットワーク装置によって端末装置に割り当てられる対応する専用資源を要求して通常のサービス伝送を行うために、端末装置は通例、まずネットワーク装置にランダムアクセスを実行する。端末装置は、セルへの接続を確立し、ランダムアクセス・プロセスを用いて上りリンク同期を取得し、次いで、その後の通信を実行する。
端末装置がランダムアクセスをトリガーするシナリオは、以下のシナリオのいずれかを含む。
シナリオ1:端末装置が初期無線資源制御(radio resource control、RRC)接続を確立する。端末装置がアイドル・モードから接続モードに切り替わると、端末装置はランダムアクセスを開始する。
シナリオ2:端末装置がRRC接続を再確立する。RRC接続が失敗した後に端末装置がRRC接続を再確立する必要がある場合、端末装置はランダムアクセスを開始する。
シナリオ3:端末装置がセルハンドオーバーを実行すると、端末装置はターゲットセルにおいてランダムアクセスを開始する。
シナリオ4:端末装置が接続モードにあるとき、ネットワーク装置が端末装置に下りリンク・データを送信する必要がある(つまり、下りリンク・データが到着する)。端末装置が上りリンクで同期していない場合、ネットワーク装置は、ランダムアクセスを開始するよう端末装置を制御する。ネットワーク装置は上りリンク・タイマーを維持する。上りリンク・タイマーが期限切れになり、ネットワーク装置が端末装置からの応答信号を受信しない場合、ネットワーク装置は端末装置が上りリンクで同期されていないと見なす。
シナリオ5:端末装置が接続モードにあるとき、端末装置がネットワーク装置に上りリンク・データを送信する必要がある(つまり、上りリンク・データが到着する)。端末装置が上りリンクで同期されていない場合、端末装置はランダムアクセスを開始する。端末装置は上りリンク・タイマーを維持する。上りリンク・タイマーが期限切れになり、端末装置が、ネットワーク装置から、最大進み時間(time advanced、TA)値を調整するコマンドを受信しない場合、端末装置は端末装置が上りリンクで同期されていないと見なす。
5G NRでは、2つの上りリンク・キャリア(1つの通常の上りリンクNULキャリアと1つの補足上りリンクSULキャリア)が構成されているサービング・セルについて、端末装置は、事前構成されたRSRP閾値とRSRP測定値の値に基づいて、NULキャリアまたはSULキャリアでランダムアクセスを実行することを決定してもよい。端末装置によって測定を通じて得られたRSRP測定値が、事前構成されたRSRP閾値よりも大きい場合、端末装置は、ランダムアクセスを実行するためにNULキャリアを選択する;それ以外の場合、端末装置は、ランダムアクセスを実行するためにSULキャリアを選択する。アクセスプロセスでは、端末装置の上りリンク送信は常に同じキャリアで実行される。つまり、ひとたび端末装置がランダムアクセス・プリアンブルを送信するために上りリンク・キャリアを選択すると、ランダムアクセス・プロセス全体における上りリンク送信がその上りリンク・キャリア上で完了される必要がある。上りリンク資源が限られていて、多数のユーザーがいる場合、複数の端末装置が同じ上りリンク・キャリアでランダムアクセスを実行することを選択すると、競合が発生し、端末装置の一部はアクセスに失敗する。
これに鑑み、本願は解決策を提供する。この解決策では、ネットワーク装置は、ネットワーク状態に基づいて、端末装置がランダムアクセス・プリアンブルを送信するための上りリンク・キャリアとは異なる別の上りリンク・キャリアで、ランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3を送信するようにスケジュールしてもよい。これは、上りリンク送信のために、より多くの上りリンク資源を提供し、アクセス遅延を減らし、高速ランダムアクセスを実装するのに役立つ。
以下では、当業者の理解を容易にするために、本願の実施形態におけるいくつかの用語について説明し、記述する。
(1)端末装置(ユーザー装置、UE)は、ネットワーク装置のスケジューリングおよび指示情報を受信できる無線端末装置であってもよい。無線端末装置は、ユーザーに音声および/またはデータ接続性を提供する装置、無線接続機能を有するハンドヘルド装置、または無線モデムに接続された処理装置であってもよい。
無線端末装置は、無線アクセス・ネットワーク(radio access network、RANなど)を通じて一つまたは複数のコア・ネットワークまたはインターネットと通信してもよい。無線端末装置は、モバイル端末装置であってもよく、たとえば、携帯電話(または「セルラー」電話またはモバイル電話(mobile phone)とも称される)、コンピュータおよびデータカードであってもよい。たとえば、無線端末装置は、無線アクセス・ネットワークと言語および/またはデータを交換するポータブル、ポケットサイズ、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵型、または車両搭載型の移動装置であってもよい。たとえば、端末装置は、パーソナル通信サービス(personal communication service、PCS)電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)電話、無線ローカルループ(wireless local loop、WLL)局、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、タブレットコンピュータ(パッド)または無線トランシーバ機能をもつコンピュータなどの装置であってもよい。無線端末装置はまた、システム、加入者ユニット(subscriber unit)、加入者局(subscriber station)、移動局(mobile station、MS)、リモート局(remote station)、アクセスポイント(access point、AP)、リモート端末装置(remote terminal)、アクセス端末装置(access terminal)、ユーザー端末装置(user terminal)、ユーザーエージェント(user agent)、加入者局(subscriber station、SS)、顧客構内設備(customer premises equipment、CPE)、端末(terminal)、ユーザー装置(user equipment、UE)、移動端末(mobile terminal、MT)などを含んでいてもよい。あるいはまた、無線端末装置は、ウェアラブル装置および次世代通信システム、たとえば5Gネットワークにおける端末装置、将来発展する公衆陸上移動ネットワーク(public land mobile network、PLMN)における端末装置、またはNR通信システムにおける端末装置であってもよい。
端末装置は、陸上で展開されてもよく、屋内または屋外の装置、ハンドヘルド装置、または車載装置を含み;水上で展開されてもよく;または、空中の航空機、ドローン、気球、または衛星に展開されてもよい。無線アクセス・ネットワーク装置および端末装置の適用シナリオは、本願の実施形態では限定されない。
(2)ネットワーク装置は、ネットワーク側で信号を送受信するためのエンティティ、たとえば次世代NodeB(generation NodeB、gNodeB)である。
ネットワーク装置は、モバイル装置と通信するように構成された装置であってもよい。ネットワーク装置は、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)におけるAP、グローバル移動通信システム(global system for mobile communications、GSM)または符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)における基地局(base transceiver station[ベーストランシーバステーション]、BTS)、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access、WCDMA)におけるノードB(NodeB、NB)、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)における進化型ノードB(evolved NodeB、eNBまたはeNodeB)、中継局、アクセスポイント、車載装置、ウェアラブル装置、将来の5Gネットワークにおけるネットワーク装置、将来の進化した公衆陸上移動ネットワーク(public land mobile network、PLMN)におけるネットワーク装置、NRシステムにおけるgNodeBなどであってもよい。また、本願の実施形態では、ネットワーク装置はセルにサービスを提供し、端末装置はセルによって使用される伝送資源(たとえば、周波数領域資源、すなわちスペクトル資源)を使用してネットワーク装置と通信する。セルは、ネットワーク装置(たとえば、基地局)に対応するセルであってもよい。セルは、マクロ基地局に属していてもよいし、または小セル(small cell)に対応する基地局に属していてもよい。ここでいう小セルは、メトロセル(Metro cell)、マイクロセル(Micro cell)、ピコセル(Pico cell)、フェムトセル(Femto cell)などを含みうる。これらの小セルは、カバレッジが小さく送信電力が低いという特徴を持ち、高速データ伝送サービスの提供に適用できる。また、別の可能なケースでは、ネットワーク装置は、端末装置のために無線通信機能を提供する別の装置であってもよい。ネットワーク装置によって使用される特定の技術および特定の装置形態は、本願の実施形態では限定されない。説明を容易にするため、本願の実施形態では、端末装置のために無線通信機能を提供する装置がネットワーク装置と呼ばれる。
(3)メッセージ3、すなわちMsg3は、競合ベースのランダムアクセスにおいて、衝突をなくすためにメッセージ3および4が使用されることを意味する。メッセージ3はPUSCHで搬送され、メッセージ3の初期の送信はRAR UL承認を使用してスケジュールされ、送信される。メッセージ3の再送信は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0によってスケジュールされる。この前に、UEは対応するRAR情報を受信することによってTC-RNTIを取得する。メッセージ4は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット1_0を使用してスケジュールされたPDSCHであり、PDSCHは競合解決IDを含む。
(4)スクランブルは、擬似ランダム・バイナリー・シーケンスに拡散コードを乗算することによって信号が暗号化されることを意味する。擬似ランダム・バイナリー・シーケンスは、本願ではスクランブル・コードとして理解されてもよく、スクランブル・コードはスクランブルおよびスクランブル解除のために使用されうる。さらに、下りリンク制御情報(downlink control information、DCI)または物理下りリンク制御チャネル(physical downlink control channel、PDCCH)をスクランブルすることは、下りリンク制御情報DCIにおけるCRCフィールドをスクランブルすることを示してもよい。対応して、端末装置がPDCCHをスクランブル解除することは、CRCフィールドが、対応するタイプの無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を使用してスクランブル解除され、DCIのフォーマット、タイプなどを判別することを示す。
(5)本願の「および/または」という用語は、関連付けられたオブジェクト間の関連付け関係を記述し、3つの関係が存在する可能性があることを表す。たとえば、Aおよび/またはBは、次の3つのケースを表しうる:Aのみが存在、AとBの両方が存在、Bのみが存在。記号"/"は、一般に、関連付けられたオブジェクト間の「または」関係を表す。
本願での「複数の」は、2つ以上を意味する。
また、本願の説明では、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、単に区別と説明のために使用されているだけであり、相対的な重要性の指示または含意として理解されるべきではなく、シーケンスの指示または含意として理解されるべきではないことを理解しておくべきである。
図2は、本願のある実施形態が適用される移動通信システムのアーキテクチャーの概略図である。
移動通信システムは、コア・ネットワーク装置210、無線アクセス・ネットワーク装置220、端末装置230(たとえば、図2の端末装置aと端末装置b)を含む。
コア・ネットワーク装置210と無線アクセス・ネットワーク装置220の両方がネットワーク装置と呼ばれうる。端末装置230は無線アクセス・ネットワーク装置に無線式に接続され、無線アクセス・ネットワーク装置はコア・ネットワーク装置に無線または有線で接続される。他のいくつかのシナリオでは、端末装置230は、図3に示されるように、複数の無線アクセス・ネットワーク装置に無線式に接続されてもよい。
コア・ネットワーク装置210と無線アクセス・ネットワーク装置220は、互いに独立した異なる物理装置であってもよいし、コア・ネットワーク装置210の機能と無線アクセス・ネットワーク装置220の論理機能が一つの物理的な装置に統合してもよいし、あるいはコア・ネットワーク装置210の機能の一部と無線アクセス・ネットワーク装置220の機能の一部が一つの物理的な装置に統合されてもよい。
端末装置230は、固定位置にあってもよく、あるいは可動であってもよい。図2および図3は単に概略図であり、通信システムはさらに他のネットワーク装置を含んでいてもよく、たとえば、図2には描かれていない無線中継装置および無線バックホール装置をさらに含んでいてもよい。移動体通信システムに含まれるコア・ネットワーク装置の数量、無線アクセス・ネットワーク装置の数量、および端末装置の数量は、本願の実施形態において限定されない。
本願の実施形態における技術的解決策は、さまざまな通信システム、たとえば、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システム、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(worldwide interoperability for microwave access、WiMAX)通信システムのための、ニューラジオアクセス技術(new radio access technology、NR)のような将来の第5世代(5th Generation、5G)システム、および6Gシステムのような将来の通信システムに適用されうることを理解しておくべきである。
また、本願の実施形態における「例」という単語は、例、例解、または記述を与えることを表すために使用される。本願において「例」として記述されているいかなる実施形態または実装解決策も、他の実施形態または実装解決策よりも好まれる、またはより多くの利点をもつものとして説明されるべきではない。まさに、「例」という言葉は具体的な仕方で概念を提示するために使われるのである。
本願の実施形態において記述されるネットワーク・アーキテクチャーおよびサービス・シナリオは、本願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明することを意図されており、本願の実施形態において提供される技術的解決策の制限を構成するものではない。当業者は、次のことを知りうる:ネットワーク・アーキテクチャーの進化および新しいサービス・シナリオの出現により、本願の実施形態において提供される技術的解決策は、同様の技術的問題にも適用できる。
本願の実施形態では、ネットワーク装置は、複数のランダムアクセス態様、たとえば、端末装置とネットワーク装置の両方によって現在サポートされている4ステップのランダムアクセス態様(4ステップRACH)をサポートすることができる。通信技術の発展に伴い、将来、より多くの他のランダムアクセス態様が出現する可能性があり、ここで説明する複数のランダムアクセス態様が含まれてもよい。また、本願における4ステップ・ランダムアクセス態様と4ステップ・ランダムアクセス・プロセスは、同じ意味を持つことに注意しておくべきである。
ランダムアクセス・プロセスにおいて複数の端末装置によって使用される資源の衝突のためランダムアクセスが失敗するという従来の解決策の問題を回避するために、本願の実施形態は、情報の送受信方法を提供する。この方法は、図2または図3に示される通信システムに適用できる。下記は、図4に示される情報送受信方法のフローチャートを参照して、この方法の具体的なステップを詳細に説明する。
S401:ネットワーク装置が、端末装置のために、ネットワーク装置にとって利用可能なプリアンブル集合を構成し、N個の上りリンク・キャリアのPRACH資源構成情報を、システム・メッセージを用いてセル全体において端末装置にブロードキャストする。PRACH資源構成情報は、ランダムアクセス・プリアンブル(preamble)のルート・シーケンスおよび巡回シフト・パラメータならびにPRACH送信パラメータを含む。PRACH送信パラメータは、たとえば、PRACHプリアンブル・フォーマットならびにPRACH送信のための時間領域資源および周波数領域資源を含む。Nは2以上の正の整数である。
ネットワーク装置は、システム・メッセージを使用して、セル内の端末装置に少なくとも1つの閾値をさらにブロードキャストしてもよい。端末装置は、受信されたシステム・メッセージに基づいて、ランダムアクセスのために使用されるランダムアクセス・プリアンブルを選択し、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアを決定し、次いで、ランダムアクセスを実行してもよい。システム・メッセージは、たとえば、より上位層のパラメータUplinkConfigCommon、UplinkConfigCommonSIB、またはRACH-configCommonであってもよく、送信されるランダムアクセス・プリアンブルは、ネットワーク装置によって構成されたプリアンブル集合から端末装置によって選択された任意のプリアンブルであることに注意しておくべきである。これは、本願では限定されない。
N個の上りリンク・キャリアは、ネットワーク装置によって同じセル内の諸端末装置のために構成され、通常の上りリンクNULキャリアおよび/または補足上りリンクSULキャリアを含みうる。SULキャリアの上りリンク・カバレッジは、NULキャリアの上りリンク・カバレッジを補うことができる。N個の上りリンク・キャリアは、適用シナリオ、サービス要件などに基づいて構成されうる。これは本願では限定されない。
一例では、N個の上りリンク・キャリアは、通常の上りリンクNULキャリアおよび/または補足上りリンクSULキャリアを含む、少なくとも2つの上りリンク・キャリアを含んでいてもよい。つまり、N個の上りリンク・キャリアが具体的にNULキャリアであるかSULキャリアであるかは区別されない。
別の例では、N個の上りリンク・キャリアは、少なくとも1つの通常の上りリンクNULキャリアと少なくとも1つの補足上りリンクSULキャリアを含んでいてもよく、たとえば、次のいずれかの組み合わせを含んでいてもよいが、それに限定されない。
1. 1つのNULキャリアと1つのSULキャリア;
2. 1つのNULキャリアと少なくとも1つのSULキャリア;
3. 1つのSULキャリアと少なくとも1つのNULキャリア;または
4. 少なくとも2つのNULキャリア、少なくとも2つのSULキャリアなど。
これらの組み合わせにおいて、NULキャリアは、3.5GHz Cバンドを含むがこれに限定されない高周波TDDキャリアを表すことができる。SULキャリアは、1.8GHzバンドまたはサブ1Gバンドを含むがこれに限定されない低周波FDD上りリンク・バンドを表すことができる。あるいはまた、SULキャリアは、たとえば2.0GHzまたは2.6GHzなどの低周波TDDバンドを表してもよい。あるいはまた、SULキャリアは、たとえば4.9GHzなどの高周波TDDバンドを表してもよい。
したがって、端末装置のために複数の上りリンク・キャリアが構成され、上りリンク・カバレッジを向上させ、上りリンク容量を増やし、上りリンク伝送のための上りリンク資源をより多く提供することで、対応する機能をもつ端末装置がランダムアクセス・プロセスにおいて上りリンク・キャリアを切り換えて、第1の上りリンク・キャリアの負荷が重い、またはチャネル品質が貧弱であるために発生する可能性のあるアクセス障害や長いアクセス遅延を回避する。
なお、異なる端末装置は異なる機能をもつため、強い機能をもつ端末装置(たとえば、2つ以上のアンテナ・ポートをサポートする端末)によってサポートされる2つ以上の上りリンク・キャリアの無線周波数チェーンがあらかじめ構成されており、端末装置の上りリンク伝送の無線周波数チェーンが切り換えられる際に切り換え時間が必要でないため、0 ms切り換えが実現できる。弱い機能をもつ端末(たとえば、1つのアンテナ・ポートのみをサポートする端末)の上りリンク伝送の無線周波数チェーンが切り換えられる際には、キャリア切り換えを実現するための中断時間、すなわち切り換え時間区間がある。そのため、異なる機能をもつ端末装置の上りリンク伝送は時間的に揃わない。端末装置は、ランダムアクセス・プロセスにおいてネットワーク装置に端末装置の能力を報告することができないため、ネットワーク装置は、対応して、端末装置の能力に基づいて端末装置の上りリンク伝送を取得することができない。したがって、本願のこの実施形態では、代替的に、メッセージ3が送信される時点より前の所定時間区間内では、端末装置が第1の上りリンク・キャリアまたは第2の上りリンク・キャリアでの上りリンク伝送の送信をスキップするように設計してもよい。この設計に基づき、端末装置が強い機能をもつか弱い機能をもつかにかかわらず、ランダムアクセス・プロセスにおいて、上りリンク・キャリアが切り換えられる際に、端末装置が、切り換え前後の所定の時間区間内では、2つの上りリンク・キャリアで上りリンク伝送を送信しないように設計される。これにより、ネットワーク装置は、異なる能力をもつ諸端末装置の上りリンク伝送を、最も低いUE能力に基づいて、一様に示すことができ、キャリア切り換えのための切り換え時間をリザーブすることができる。そのため、通信システムが弱い能力をもつ端末装置と互換性をもつのを助ける。以下の説明では、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおいて上りリンク・キャリアを切り換える際には、あらかじめ決められた時間区間内には、端末装置が、切り換えられる2つの上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送らないように設計される。以下では詳細は記述しない。
S402:端末装置は、少なくとも1つの閾値に基づいて、ランダムアクセス・プリアンブル(Random access preamble)を送信するための第1の上りリンク・キャリアとして、前記N個の上りリンク・キャリアから適切なキャリアを選択する。
S403:端末装置は、ランダムアクセス・プリアンブル、すなわちメッセージ1を第1の上りリンク・キャリアで送信する。
前記少なくとも1つの閾値は、参照信号受信電力(Reference Signal Received Power、RSRP)閾値であってもよい。端末装置は、下りリンク同期信号(たとえば、同期信号ブロック(synchronization signal block、SSB)またはチャネル状態情報参照信号(channel state information-reference signal、CSI-RS))を検出することにより、アクセスされるセルを選択し、下りリンク同期信号に基づく測定を通じて得られたRSRP測定値を得ることができる。次いで、RSRP測定値と前記少なくとも1つのRSRP閾値との値関係に基づいて、ランダムアクセス・プリアンブル(Random access preamble)を送信するための第1の上りリンク・キャリアとして、N個の上りリンク・キャリアから適切なキャリアが選択される。
あるいはまた、前記少なくとも1つの閾値は端末装置の位置とネットワーク装置の位置の間の距離閾値であってもよく、1つの距離閾値が1つの上りリンク・キャリアの最大カバレッジ領域してもよい。たとえば、端末装置は、測位技術を使用して端末装置の位置情報を取得し、次いで、端末装置の位置とネットワーク装置の位置の間の距離の測定値を得てもよい。次いで、距離の測定値と前記少なくとも1つの距離閾値の間の値関係に基づいて、ランダムアクセス・プリアンブル(Random access preamble)を送信するための第1の上りリンク・キャリアとして、前記N個の上りリンク・キャリアから適切なキャリアが選択される。
図5に示される上りリンク・キャリアの組み合わせに関し、下記は、端末装置が前記少なくとも1つの閾値に基づいて、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアをどのようにして決定するかを簡単に説明する。
図5に示されるように、N個の上りリンク・キャリアは、NULキャリア、SUL#1キャリア、SUL#2キャリアを含みうる。NULキャリア、SUL#1キャリア、SUL#2キャリアの周波数は順次減少し、NULキャリア、SUL#1キャリア、SUL#2キャリアの上りリンク・カバレッジは、セルの中心からセルの端まで徐々に広がる。図5は、限定ではなく、単に説明のための例であることを理解しておくべきである。別の実施形態では、N個の上りリンク・キャリアの上りリンク・カバレッジは、代替的に、たとえば、SULキャリアとNULキャリアの上りリンク・カバレッジが、セルの中心からセルの端まで徐々に広がるように呈示されてもよい。これは本願において限定されない。
一例では、前記少なくとも1つの閾値は、1つのRSRP閾値を含んでいてもよい。端末装置は、比較を通じて、RSRP測定値とRSRP閾値の間の値関係を判断し、端末装置がセルの中心にあるかセルの端にあるかを判断して、選択される第1の上りリンク・キャリアのキャリア・タイプがNULキャリアかSULキャリアかを決定する。次いで、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアとして、対応するタイプのキャリアから上りリンク・キャリアが選択される。具体的には、RSRP測定値がRSRP閾値より大きい場合、端末装置はNULキャリアでランダムアクセス・プリアンブルを送信することを決定し、そのため、第1の上りリンク・キャリアとしてNULキャリアを選択してもよい。RSRP測定値がRSRP閾値より小さい場合、端末装置はSULキャリアでランダムアクセス・プリアンブルを送信することを決定し、そのため、SUL#1キャリアまたはSUL#2キャリアを第1の上りリンク・キャリアとして選択してもよい。
別の例では、前記少なくとも1つの閾値はN-1個のRSRP閾値を含んでいてもよく、Nはネットワーク装置によって構成された上りリンク・キャリアの数であり、NULキャリアとSULキャリアの合計数である。隣接する2つの周波数帯域ごとに上りリンク・キャリアのために1つのRSRP閾値が設定され、合計でN-1個のRSRP閾値がある。端末装置は、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアが決定されるまで、RSRP測定値をN-1個のRSRP閾値とレベルごとに比較してもよい。
図5を参照されたい。前記少なくとも1つの閾値は、NULキャリア、SUL#1キャリア、およびSUL#2キャリアのために対応して構成されたRSRP閾値#1およびRSRP閾値#2を含む。NULキャリア、SUL#1キャリア、およびSUL#2キャリアに対応するRSRP値区間および構成されたRSRP閾値の間の値関係は次のとおりである:
SUL#2<RSRP閾値#2<SUL#1<RSRP閾値#1<NUL。
端末装置は、RSRP測定値をRSRP閾値#1およびRSRP閾値#2と比較して、RSRP測定値に対応するRSRP値間隔を決定し、対応する上りリンク・キャリアを決定することができる。
具体的には、RSRP測定値がRSRP閾値#1より大きい場合、端末装置はNULキャリアを第1の上りリンク・キャリアとして選択する。RSRP測定値がRSRP閾値#1より小さい場合、端末装置はSUL#1とSUL#2からの上りリンク・キャリアを第1の上りリンク・キャリアとして選択しうる。端末装置はRSRP測定値をRSRP閾値#2と比較する。RSRP測定値がRSRP閾値#2より大きく、RSRP閾値#1より小さい場合、端末装置はSUL#1キャリアを第1の上りリンク・キャリアとして選択する。RSRP測定値がRSRP閾値#2より小さい場合、端末装置はSUL#2キャリアを第1の上りリンク・キャリアとして選択する。
あるいはまた、端末装置は、RSRP測定値とN-1個のRSRP閾値の間の関係を判断し、N-1個のRSRP閾値から、RSRP測定値より大きい最小RSRP閾値と、RSRP測定値より小さい最大のRSRP閾値を決定し、RSRP値区間がそれら2つのRSRP閾値の間にある上りリンク・キャリアを第1の上りリンク・キャリアとして選択することもできる。
図5は、限定ではなく、単に、本願のこの実施形態において端末装置がどのようにして第1の上りリンク・キャリアを選択するかを説明するための例として使用されていることを理解しておくべきである。別の実施形態では、前記少なくとも1つの閾値は、1つの閾値またはN-1個の閾値に限定されなくてもよい。対応して、端末装置が第1の上りリンク・キャリアを選択する態様は、前述のレベルごとの比較態様または最大または最小の閾値を決定する前述の態様に限定されなくてもyい。詳細はここでは説明しない。
S404:ネットワーク装置は、第1の上りリンク・キャリアで端末装置によって送信されたランダムアクセス・プリアンブルを受信し、第1の上りリンク・キャリアに基づいて第1の情報を送信する。第1の情報は、ランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3によって使用される第2の上りリンク・キャリアを示すキャリア指示情報を含む。
S405:端末装置は第2の上りリンク・キャリアでメッセージ3を送信する。
S406:端末装置はネットワーク装置によって送信されたメッセージ4を受信する。ネットワーク装置は、衝突を解決し、衝突解消に成功した端末装置の情報を該端末装置に送信する。
本願のこの実施形態では、第2の上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアと同じであってもよく、または第2の上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアとは異なっていてもよい。端末装置は、ランダムアクセス・プロセスにおいてキャリア切り換え機能をもつ第1の装置であっても、ランダムアクセス・プロセスにおいてキャリア切り換え機能をもたない第2の装置であってもよい。端末装置は、ネットワーク装置に端末装置の機能情報を示してもよく、ネットワーク装置は、ランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3の上りリンク送信をスケジュールするために、端末装置の能力に基づいて、端末装置のためにキャリア指示情報および第1の情報を構成してもよい。端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもたない場合、第1の情報において搬送されるキャリア指示情報によって示される第2の上りリンク・キャリアは、端末装置によってランダムアクセス・プリアンブルを送信するために使用された第1の上りリンク・キャリアと同じである。端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもつ場合、第1の情報において搬送されるキャリア指示情報によって示される第2の上りリンク・キャリアは、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するために端末装置によって使用された第1の上りリンク・キャリアとは異なっていてもよい。
本願のこの実施形態では、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもつかどうか、またはメッセージ3を搬送する上りリンク・キャリアがランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアと異なっていてもよいかどうかを示す複数の態様がありうる。その指示は明示的な指示または暗黙的な指示でありうる。これは本願において限定されない。
一例では、端末装置は、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアを使用することによって、ネットワーク装置に対して、端末装置がメッセージ3を搬送する第2の上りリンク・キャリアが第1の上りリンク・キャリアと異なることをサポートまたは許容するかどうかを明示的または暗黙的に示してもよい。たとえば、第1の上りリンク・キャリアが第1のタイプの上りリンク・キャリアである場合、端末装置はランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもたないと見なされる。つまり、端末装置はランダムアクセス・プロセスにおいて上りリンク・キャリアが切り換えられることをサポートまたは許容せず、ネットワーク装置はメッセージ3によって使用される第2の上りリンク・キャリアが第1の上りリンク・キャリアと同じである必要があると判断する。第1の上りリンク・キャリアが第2のタイプの上りリンク・キャリアである場合、端末装置はランダムアクセス・プロセスにおいてキャリア切り換え機能をもつと見なされる。つまり、端末装置はランダムアクセス・プロセスにおいて上りリンク・キャリアが切り換えられることをサポートまたは許容し、ネットワーク装置はメッセージ3を搬送する第2の上りリンク・キャリアが第1の上りリンク・キャリアと異なる可能性があると判断する。第1のタイプの上りリンク・キャリアと第2のタイプの上りリンク・キャリアの両方が上りリンク伝送のために使用されるキャリアであり、次の情報:第1のタイプの上りリンク・キャリアの、参照資源ブロックの絶対周波数、周波数帯域、パラメータセット、または参照資源ブロックに対するキャリアオフセットのうちの少なくとも一つが、第2のタイプの上りリンク・キャリアのそれと異なる。一例では、第1のタイプの上りリンク・キャリアは、CバンドTDD ULキャリアまたは最低周波数をもつSULキャリア(たとえば、1.8G FDD ULキャリア)を含み、第2のタイプの上りリンク・キャリアは、CバンドTDD ULキャリアまたは最低周波数をもつSULキャリア(たとえば、1.8G FDD ULキャリア)以外の上りリンク・キャリアを含みうる。これは、本願では限定されない。上記は、限定ではなく、単に、端末装置が該端末装置の機能情報をどのようにしてネットワーク装置に通知するかを説明するための例であることを理解しておくべきである。別の実施形態では、端末装置は、代替的に、別の仕方で、該端末装置の機能情報をネットワーク装置に示してもよく、たとえば、メッセージ1における所定のフィールドを使用して端末装置の機能情報を示してもよく、またはネットワーク装置に送信される所定の指示メッセージを使用して端末装置の機能情報を示してもよい。ここでは詳細は記載しない。
例として、端末装置はPRACH資源のグループを取得し、端末装置はあるPRACH資源を選択することによって、ネットワーク装置に、ランダムアクセス・プロセスにおける無線周波数チェーン切り換えを端末装置がサポートするかどうかを暗黙的に通知する、または、端末装置は、あるPRACH資源を選択することによって、ネットワーク装置に、ランダムアクセス・プロセスにおける無線周波数チェーン切り換えの機能を端末装置がもつかどうかを暗黙的に通知する。PRACH資源のグループは、第1タイプのPRACH資源と第2タイプのPRACH資源を含む。端末装置がランダムアクセス・プロセスにおける無線周波数チェーン切り換えをサポートしない場合、またはランダムアクセス・プロセスにおける無線周波数チェーン切り換えの機能をもたない場合、端末装置は、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するために、1つの第1のタイプのPRACH資源を選択する。端末装置がランダムアクセス・プロセスにおける無線周波数チェーン切り換えをサポートしている、またはランダムアクセス・プロセスにおける無線周波数チェーン切り換えの機能をもつ場合、端末装置は、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するために、1つの第2のタイプのPRACH資源を選択する。ネットワーク装置は、端末装置によって送信されたランダムアクセス・プリアンブルを受信する。ランダムアクセス・プリアンブルを送信するためのPRACH資源が第1のタイプのPRACH資源である場合、PRACH資源の指示情報によって示されるメッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアは、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアと同じである必要があるとみなされてもよい。ランダムアクセス・プリアンブルを送信するためのPRACH資源が第2のタイプのPRACH資源である場合は、PRACH資源の指示情報によって示されるメッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアは、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアとは異なる可能性があるとみなされてもよい。第1のタイプのPRACH資源と第2のタイプのPRACH資源はいずれも、ランダムアクセスのために使用されるチャネル資源であり、第1のタイプのPRACH資源のPRACHプリアンブル・フォーマット、PRACH送信のための時間領域資源、周波数領域資源、または符号領域資源のうち少なくとも1つは、第2のタイプのPRACH資源のものとは異なる。実現可能なある実装では、PRACH資源は、代替的に、メッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアがランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアと異なっていてもよいかどうかを示す他の情報、たとえば、プリアンブル・シーケンスと該プリアンブル・シーケンスの指示情報、またはプリアンブル・フォーマットと該プリアンブル・フォーマットの指示情報などで置き換えられてもよい。ここでは詳細については説明しない。
一例では、図4の第1の情報は、具体的には、図6のステップS604aで送信されるランダムアクセス応答上りリンク承認(RAR UL承認)であってもよく、ランダムアクセス・プロセスにおいてメッセージ3の初期の送信をスケジュールするために使用されてもよい。RARには、メッセージ3の時間‐周波数資源割り当て、一時的セル無線ネットワーク一時識別子(Temporary Cell-Radio Network Temporary Identifier、TC-RNTI)などを含む。RA-RANTを使用してスクランブルされたDCIは共通DCIであり、セル内のすべての端末装置によって受信されうる。
ネットワーク装置が、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもたないと判断した場合、RAR UL承認は、ランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアを示すことができない、または、RAR UL承認によって示されるメッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアである。端末装置は、第1の上りリンク・キャリアでメッセージ3を送信する。ネットワーク装置が、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもつと判断した場合、RAR UL承認によって示されるメッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアは第2の上りリンク・キャリアであり、第2の上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアとは異なっていてもよい。RAR UL承認を受信した後、端末装置は、RAR UL承認の指示に基づいて、メッセージ3を第2の上りリンク・キャリアでネットワーク装置に送信できる。
実際のネットワーク環境では、ネットワーク装置がメッセージ3を正しく受信できない場合がありうる。たとえば、かかる場合は下記を含むがそれに限定されない:端末装置がメッセージ3をスケジュールするためのDCI/RARを受信しない、または正しく受信しない;メッセージ3を送信するための上りリンク・キャリアが強い干渉を受る;または端末装置が移動する(たとえば、セルの中心からセルの端に移動する、または、セルの端からセルの中心に移動する)。ネットワーク装置がメッセージ3を正しく受信できない場合、ネットワーク装置はさらにメッセージ3の再送信をスケジュールする。
一例では、図4の第1の情報は、具体的には図6のステップS604bで送信された下りリンク制御情報DCIであってもよく、DCIのフォーマットは0_0である。DCIフォーマット0_0は、メッセージ3の再送信をスケジュールするために使用されてもよく、端末装置は、DCIフォーマット0_0によって示された資源に基づいて、メッセージ3をネットワーク装置に再送信することができる。メッセージ3の再送信をスケジュールするためのDCIは、TC-RNTIを使用してスクランブルされてもよく、端末装置は、共通の探索空間で、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIを検出する。DCIは、共通DCIであり、セル内のすべての端末装置がそのDCIを検出できる。
ネットワーク装置が、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもたないと判断した場合、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0によって示されるメッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアである;またはDCI内のUL/SUL指示情報フィールドにおけるビット・リザーブが効果を発揮せず、DCIによってスケジュールされたPUSCHは、常に同じ伝送ブロック(transmission block、TB)の以前の伝送ブロックと同じ上りリンク・キャリア上である。ネットワーク装置が、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもつと判断した場合、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0によって示されるメッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアは第2の上りリンク・キャリアであり、第2の上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアとは異なる。TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0を受信した後、端末装置は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0の指示に基づいて、第2の上りリンク・キャリアでメッセージ3をネットワーク装置に再送信する。
一例では、ネットワーク装置は、端末装置の機能情報に基づいて、メッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアを示すために、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0の異なる位置でキャリア指示情報を構成してもよい。TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0を受信した後、端末装置は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における対応するビットを読むことによって、メッセージ3の再送信がスケジュールされるときにメッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアを決定する。
ネットワーク装置が、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもっていないと判断した場合、ネットワーク装置は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における第1のビットをUL/SUL指示フィールドとして構成し、該UL/SUL表示フィールドをキャリア指示情報として使用して、メッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアを示すことができる。端末装置のためにSUL関連の情報が構成されていて、0パディングの前のDCIフォーマット1_0におけるビット量がDCIフォーマット0_0におけるビット量よりも大きい場合、第1のビットは、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における最後の有効なビットであってもよい。ここで、有効なビットはDCIにおける0充填ビットを含まない。
ネットワーク装置が、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもつと判断した場合、ネットワーク装置は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における第2のビットをUL/SUL指示フィールドとして設定し、該UL/SUL指示フィールドをキャリア指示情報として使用して、メッセージ3によって使用される上りリンク・キャリアを示すことができる。端末装置のためにSUL関連の情報が構成されていて、0パディング前のDCIフォーマット1_0におけるビット量が、DCIフォーマット0_0におけるビット量よりも少なくとも2大きい場合、第2のビットは、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における最後のm個の有効なビットであってもよく、ここで、mは正の整数であり、m≧2である;または、第2のビットは、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における最後のn番目から(n-m)番目の有効なビットであってもよく、ここで、n≧2、m≧1、n>mであり、nとmは正の整数であり、有効なビットはDCIにおける0充填ビットは含まない。一例では、N=3の場合、第2のビットは、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における最後の2つの有効ビットを含んでいてもよく、またはTC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における最後から2番目の有効なビット、またはTC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における最後から2番目および最後から3番目の有効なビットである。N=4の場合、第2のビットは、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における最後から3番目の有効なビットを含んでいてもよく、またはTC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における最後から2番目および最後から3番目の有効なビット、またはTC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0における最後から2番目、最後から3番目、および最後から4番目の有効なビットである。
したがって、図4または図6に示される実施形態では、ネットワーク装置は、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもつかどうかに依存して、ランダムアクセス応答上りリンク承認および/またはTC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0においてキャリア指示情報を含めて、端末装置が第1の上りリンク・キャリアとは異なる別の上りリンク・キャリアでランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3を送信できるかどうかを示してもよい。これは、第1の上りリンク・キャリアの負荷を軽減し、第1の上りリンク・キャリアの負荷が思いという問題を解決するのに役立つ。また、端末装置は、ランダムアクセス・プロセスにおいて上りリンク・キャリアを切り換えることがサポートまたは許容されており、第1の上りリンク・キャリアが重度の干渉を受けた場合やチャネル品質が低い場合にメッセージ3が繰り返し再送信されるため伝送遅延が増加するという問題を回避するのに役立つ。さらに、ランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3についてキャリア切り換えが許容されるため、端末装置のランダムアクセスのためにより多くの上りリンク資源が提供でき、端末装置が高速アクセスを実装するのに役立つ。
なお、図4および図6に示されるフローチャートでは、ランダムアクセス・プロセスは、RAR UL承認に応答してのメッセージ3の初期送信と、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0に応答してのメッセージ3の再送信に関わる場合、区別を容易にするために、メッセージ3の初期送信と再送信のために使用される上りリンク・キャリアは異なる名前をもっていてもよい。たとえば、第1の情報がTC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0である場合、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0に応答してのメッセージ3の再送信のために使用される上りリンク・キャリアは第2の上りリンク・キャリアと呼ばれてもよく、メッセージ3の以前の送信(RAR UL承認に応答してのメッセージ3の初期送信を含む)のために使用される上りリンク・キャリアは第3の上りリンク・キャリアと呼ばれてもよい。端末装置の機能情報に基づいて、第3の上りリンク・キャリアは、第1の上りリンク・キャリアおよび/または第2の上りリンク・キャリアと同じであってもよく、または第1の上りリンク・キャリアおよび/または第2の上りリンク・キャリアとは異なっていてもよい。詳細については、前述の関連する説明を参照されたい。ここでは詳細については説明しない。
上記の実施形態に基づき、端末装置がランダムアクセスを実行するプロセスにおいて、ネットワーク装置は、ネットワーク状態と端末装置の機能情報に基づいて、ランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアとは異なる別の上りリンク・キャリア上で、ランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3を送信するよう端末装置をスケジュールすることができる。これは、上りリンク伝送のための上りリンク資源を増やし、アクセス遅延を減らし、高速アクセスを実装する助けになる。端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもたない場合、ひとたび端末装置がランダムアクセス・プリアンブルを送信するために上りリンク・キャリアを選択すると、ランダムアクセス・プロセス全体における上りリンク送信がその上りリンク・キャリアで完了される。端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもつ場合、端末装置はランダムアクセス・プロセス全体において上りリンク・キャリアを切り換えることができる。つまり、ランダムアクセス・プロセスにおける異なる上りリンク伝送が、異なる上りリンク・キャリアで完了される可能性がある。この場合、端末装置のランダムアクセス・プロセスは具体的に次のようなケースを含みうる。
ケース1:
。
第1の情報は、ランダムアクセス応答上りリンク承認RAR UL承認である。端末装置は、第1の上りリンク・キャリアでランダムアクセス・プリアンブルを送信し、RAR UL承認によって示された第2の上りリンク・キャリアでメッセージ3を送信する。第1の上りリンク・キャリアは、第2の上りリンク・キャリアとは異なる。端末装置は、第1の上りリンク・キャリアから第2の上りリンク・キャリアに切り換え、端末装置は、メッセージ3が送信される時点の前の所定の時間区間内では、第1の上りリンク・キャリアまたは第2の上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送らない。
ケース2:
。
第1の情報は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0である。端末装置は、第1の上りリンク・キャリアでランダムアクセス・プリアンブルを送信し、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0によって示される第2の上りリンク・キャリアでメッセージ3を送信する。第1の上りリンク・キャリアは、第2の上りリンク・キャリアとは異なる。端末装置は、第1の上りリンク・キャリアから第2の上りリンク・キャリアに切り換え、端末装置は、メッセージ3が送信される時点の前の所定の時間区間内では、第1の上りリンク・キャリアまたは第2の上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送らない。
ケース3:
。
第1の情報は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0である。端末装置は、第1の上りリンク・キャリアでランダムアクセス・プリアンブルを送信し、ランダムアクセス応答上りリンク承認RAR UL承認によって示された第3の上りリンク・キャリアでメッセージ3を送信し、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0によって示された第2の上りリンク・キャリアでメッセージ3を再送信する。第3の上りリンク・キャリアは第2の上りリンク・キャリアとは異なり、第1の上りリンク・キャリアは第3の上りリンク・キャリアと同じであってもよい。端末装置は、第3の上りリンク・キャリアから第2の上りリンク・キャリアに切り換え、端末装置は、前記所定の時間区間内では第3の上りリンク・キャリアまたは第2の上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送らない。
ケース4:
。
第1の情報は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0である。端末装置は、第1の上りリンク・キャリアでランダムアクセス・プリアンブルを送信し、第3の上りリンク・キャリアでメッセージ3の以前の送信を送信し、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0によって示される第2の上りリンク・キャリアでメッセージ3を再送信する。第3の上りリンク・キャリアは第2の上りリンク・キャリアとは異なり、第1の上りリンク・キャリアは第3の上りリンク・キャリアと同じであってもよい。端末装置は、第3の上りリンク・キャリアから第2の上りリンク・キャリアに切り換え、端末装置は、前記所定の時間区間内では第3の上りリンク・キャリアまたは第2の上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送らない。
ケース5:
。
第1の情報は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0である。端末装置は、第1の上りリンク・キャリアでランダムアクセス・プリアンブルを送信し、ランダムアクセス応答上りリンク承認RAR UL grantによって示された第3の上りリンク・キャリアでメッセージ3を送信し、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0によって示された第2の上りリンク・キャリアでメッセージ3を再送信する。第1の上りリンク・キャリアは第2の上りリンク・キャリアとは異なり、第2の上りリンク・キャリアは第3の上りリンク・キャリアとは異なる。端末装置が第1の上りリンク・キャリアから第3の上りリンク・キャリアに切り換えるとき、端末装置は前記所定の時間区間内では第1の上りリンク・キャリアまたは第3の上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送らない。端末装置が第3の上りリンク・キャリアから第2の上りリンク・キャリアに切り換えるときは、端末装置は前記所定の時間区間内では第3の上りリンク・キャリアまたは第2の上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送らない。
ケース6:
。
第1の情報は、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0である。端末装置は、第1の上りリンク・キャリアでランダムアクセス・プリアンブルを送信し、第3の上りリンク・キャリアでメッセージ3の以前の送信を送信し、TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0によって示される第2の上りリンク・キャリアでメッセージ3を再送信する。第1の上りリンク・キャリアは第2の上りリンク・キャリアとは異なり、第2の上りリンク・キャリアは第3の上りリンク・キャリアとは異なる。端末装置が第1の上りリンク・キャリアから第3の上りリンク・キャリアに切り換えるとき、端末装置は前記所定の時間区間内では第1の上りリンク・キャリアまたは第3の上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送らない。端末装置が第3の上りリンク・キャリアから第2の上りリンク・キャリアに切り換えるときは、端末装置は前記所定の時間区間内では第3の上りリンク・キャリアまたは第2の上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送らない。
したがって、上記の複数のケースにおいて、端末装置がランダムアクセスを行うプロセスにおいて、ネットワーク装置は、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもつかどうかに依存して、端末装置がランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアとは異なる別の上りリンク・キャリアでランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3を送信できるかどうかを示す。これは、第1の上りリンク・キャリアの負荷を軽減する助けとなり、第1の上りリンク・キャリアの負荷が重いという問題の解決に役立つ。また、端末装置は、ランダムアクセス・プロセスにおいて上りリンク・キャリアを切り換えることがサポートまたは許容され、第1の上りリンク・キャリアが重度の干渉を受ける場合やチャネル品質が貧弱である場合にメッセージ3が繰り返し再送信されるため、伝送遅延が増加する問題を回避するのに役立つ。さらに、ランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3についてキャリア切り換えが許容されるため、端末装置のランダムアクセスのためにより多くの上りリンク資源が提供でき、端末装置が高速アクセスを実装する助けとなる。
上記の実施形態では、単一伝送のケース、具体的には、単一の上りリンク・キャリアがランダムアクセス・プロセスにおけるランダムアクセス・プリアンブルおよびメッセージ3を搬送する場合が、記述のための例として主に使用される。いくつかの実施形態では、同時並行伝送のケースがさらに存在しうる。具体的には、ランダムアクセス・プロセスにおけるランダムアクセス・プリアンブルまたはメッセージ3が、2つ以上の上りリンク・キャリアで搬送される。2つの同時並行上りリンク・キャリアが存在するケースが例として使用される。端末装置のランダムアクセス・プロセスは、具体的には次のようなケースを含みうる。
ケースA:ランダムアクセス応答上りリンク承認(RAR UL承認)が、メッセージ3によって使用される第2の上りリンク・キャリアを示す。
A1:RAR UL承認は、1つの第2の上りリンク・キャリアを示す。
端末装置によって送信されたランダムアクセス・プリアンブルが位置する上りリンク・キャリアは、2つの第1の上りリンク・キャリアであり、RAR UL承認によって示される第2の上りリンク・キャリアは、前記2つの第1の上りリンク・キャリアとは異なる;または、RAR UL承認によって示される第2の上りリンク・キャリアは、前記2つの第1の上りリンク・キャリアのうちの一つとは異なる。
A2:RAR UL承認は、2つの第2の上りリンク・キャリアを示す。
端末装置によって送信されたランダムアクセス・プリアンブルが位置する上りリンク・キャリアは、1つの第1の上りリンク・キャリアであり、RAR UL承認によって示される2つの第2の上りリンク・キャリアのうちの1つは、第1の上りリンク・キャリアと同じである;またはRAR UL承認によって示される2つの第2の上りリンク・キャリアは、第1の上りリンク・キャリアとは異なる。
端末装置によって送信されたランダムアクセス・プリアンブルが位置する上りリンク・キャリアは、2つの第1の上りリンク・キャリアであり、RAR UL承認によって示される前記2つの第2の上りリンク・キャリアのうちの1つは、前記2つの第1の上りリンク・キャリアと同じである;またはRAR UL承認によって示される2つの第2の上りリンク・キャリアは、前記2つの第1の上りリンク・キャリアとは異なる。
ケースB:TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0は、メッセージ3によって使用される第2の上りリンク・キャリアを示す。
B1:TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0は、1つの第2の上りリンク・キャリアを示す。
RAR UL承認は、2つの第3の上りリンク・キャリアを示し、DCIフォーマット0_0によって示される第2の上りリンク・キャリアは、RAR UL承認によって示される前記2つの第3の上りリンク・キャリアとは異なる;または、DCIフォーマット0_0によって示される第2の上りリンク・キャリアは、RAR UL承認によって示される2つの第3の上りリンク・キャリアの1つとは異なる。
B2:TC-RNTIを使用してスクランブルされたDCIフォーマット0_0は、2つの第2の上りリンク・キャリアを示す。
RAR UL承認は1つの第3の上りリンク・キャリアを示し、DCIフォーマット0_0によって示される2つの第2の上りリンク・キャリアの1つは、RAR UL承認によって示される第3の上りリンク・キャリアと同じである;または、DCIフォーマット0_0によって示される2つの第2の上りリンク・キャリアは、RAR UL承認によって示される第3の上りリンク・キャリアとは異なる。
RAR UL承認は2つの第3の上りリンク・キャリアを示し、DCIフォーマット0_0によって示される2つの第2の上りリンク・キャリアのうちの1つは、RAR UL承認によって示される2つの第3の上りリンク・キャリアと同じである;または、DCIフォーマット0_0によって示される2つの第2の上りリンク・キャリアは、RAR UL承認によって示される2つの第3の上りリンク・キャリアとは異なる。
ケースC:DCIは、メッセージ3によって使用される第2の上りリンク・キャリアを示し、ここで、第2の上りリンク・キャリアはランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアとは異なる。
C1:DCIは1つの第2の上りリンク・キャリアを示す。
端末装置によって送信されたメッセージ3の前の送信が位置する上りリンク・キャリアは2つの第3の上りリンク・キャリアであり、DCIによって示される第2の上りリンク・キャリアは2つの第3の上りリンク・キャリアとは異なる;または、DCIで示される第2の上りリンク・キャリアは、2つの第3の上りリンク・キャリアのうちの1つと同じである。
C2:DCIは2つの第2の上りリンク・キャリアを示す。
端末装置によって送信されたメッセージ3の以前の送信が位置する上りリンク・キャリアは2つの第3の上りリンク・キャリアであり、DCIによって示される第2の上りリンク・キャリアは前記2つの第3の上りリンク・キャリアとは異なる;またはDCIによって示される第2の上りリンク・キャリアは前記2つの第3の上りリンク・キャリアのうちの1つと同じである。
端末装置によって送信したメッセージ3の以前の送信が位置する上りリンク・キャリアは1つの第3の上りリンク・キャリアであり、DCIによって示される2つの第2の上りリンク・キャリアは第3の上りリンク・キャリアとは異なる;またはDCIによって示される2番めの上りリンク・キャリアは、前記2つの第3の上りリンク・キャリアのうちの1つと同じである。
上記が2つだけの同時並行上りリンク・キャリアを使用しているのは限定ではなく記述のための例としてであることを理解しておくべきである。本願のこの実施形態におけるランダムアクセス解決策は、より複雑な同時並行伝送の場合や、単一伝送と同時並行伝送が共存する場合にも適用できる。ここでは詳細については説明しない。
したがって、上記の複数の場合において、端末装置がランダムアクセスを実行するプロセスにおいて、ネットワーク装置は、端末装置がランダムアクセス・プロセスにおけるキャリア切り換え機能をもつかどうかに依存して、端末装置がランダムアクセス・プリアンブルを送信するための第1の上りリンク・キャリアとは異なる他の上りリンク・キャリアのうちの少なくとも1つでランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3を送信できるかどうかを示す。これは、第1の上りリンク・キャリアの負荷を軽減する助けとなり、第1の上りリンク・キャリアの負荷が重いという問題の解決に役立つ。また、端末装置は、ランダムアクセス・プロセスにおいて上りリンク・キャリアを切り換えることがサポートまたは許容され、第1の上りリンク・キャリアが重度の干渉を受ける場合やチャネル品質が貧弱である場合にメッセージ3が繰り返し再送信されるため、伝送遅延が増加する問題を回避するのに役立つ。さらに、ランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3についてキャリア切り換えが許容されるため、端末装置のランダムアクセスのためにより多くの上りリンク資源が提供でき、端末装置が高速アクセスを実装する助けとなる。
上記は、主にネットワーク装置と端末装置の間の相互作用の観点から、本願で提供される解決策について記載している。上記の機能を実装するために、ネットワーク装置と端末装置は、機能を実行するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含まれていることが理解されうる。当業者は、本願に開示された実施形態に記載されている各例のユニットおよびアルゴリズムステップを参照すれば、本発明がハードウェアまたはハードウェアとコンピュータソフトウェアの組み合わせの形で実装できることを容易に認識するはずである。機能がハードウェアによって実行されるか、コンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるかは、技術的解決策の具体的な用途および設計上の制約に依存する。当業者は、それぞれの具体的な用途について、記述された機能を実装するために異なる方法を使用することができるが、その実装が本発明の範囲を超えると考えるべきではない。
図7は、本願による情報送信装置の可能な例示的なブロック図である。装置700は、ソフトウェアまたはハードウェアの形で存在してもよい。装置700は、通信ユニット710を含んでいてもよい。ある実装では、通信ユニット710は、受信ユニットおよび送信ユニットを含んでいてもよい。通信ユニット710は、装置700が別のネットワークエンティティと通信するのをサポートするように構成される。いくつかの実施形態では、装置700はさらに処理ユニット720および/または記憶ユニット730を含みうる。処理ユニット720は装置700の動作を制御するように構成され、記憶ユニット730は装置700のプログラムコードおよびデータを格納するように構成される。
処理ユニットは、汎用の中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、汎用のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェア・コンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせなどのプロセッサまたはコントローラであってもよい。プロセッサは、本願に開示された内容を参照して説明されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路を実装または実行することができる。あるいはまた、プロセッサは、計算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、たとえば、一つまたは複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、またはDSPとマイクロプロセッサの組み合わせであってもよい。記憶ユニットはメモリであってもよい。通信ユニットは、当該装置のインターフェース回路であり、他の装置から信号を受信するように構成される。たとえば、当該装置がチップの形で実装される場合、通信ユニットは、他のチップまたは装置から信号を受信するために当該チップによって使用されるインターフェース回路、または他のチップまたは装置に信号を送信するために当該チップによって使用されるインターフェース回路である。
装置700は、上記の実施形態のいずれか1つにおける端末装置であってもよく、または該端末装置のために使用されるチップであってもよい。たとえば、装置700が端末装置である場合、処理ユニットはたとえばプロセッサであってもよく、通信ユニットはたとえばトランシーバであってもよい。任意的に、トランシーバは、無線周波数回路を含んでいてもよく、記憶ユニットはたとえばメモリであってもよい。たとえば、装置700が端末装置のために使用されるチップである場合、処理ユニットはプロセッサであってもよく、通信ユニットはたとえば入力/出力インターフェース、ピン、回路などであってもよい。処理ユニットは、記憶ユニットに記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行することができる。任意的に、記憶ユニットは、チップ内の記憶ユニット、たとえばレジスタまたはキャッシュである。あるいはまた、記憶ユニットは、端末装置内にあり、チップの外に位置する記憶ユニットであり、たとえば、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、静的な情報および命令を記憶することができる別のタイプの静的記憶装置、または、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)でありうる。
ある実施形態では、通信ユニット710は、第1の上りリンク・キャリアでランダムアクセス・プリアンブルを送信するように構成される;通信ユニットは、第1の情報を受信するようにさらに構成され、ここで、第1の情報はキャリア指示情報を含み、キャリア指示情報は、ランダムアクセス・プロセスにおいてメッセージ3によって使用される第2の上りリンク・キャリアを示し、第2の上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアとは異なる;通信ユニットは、第2の上りリンク・キャリアのランダムアクセス・プロセスにおけるメッセージ3を送信するようにさらに構成される。
ある可能な実装では、第1の情報は下りリンク制御情報DCIであり、DCIのフォーマットは0_0である。
ある可能な実装では、第1の情報はランダムアクセス応答上りリンク承認である。
ある可能実装では、通信ユニットはさらに次のように構成される:第1の情報を受信する前に、メッセージ3の以前の送信を第3の上りリンク・キャリアで送信する。ここで、第3の上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアおよび/または第2の上りリンク・キャリアとは異なる。
ある可能な実装では、通信ユニットはさらに次のように構成される:第1の情報を受信する前に、ランダムアクセス応答上りリンク承認を受信する。ここで、ランダムアクセス応答上りリンク承認は、端末装置に、第3の上りリンク・キャリアでメッセージ3を送信することを示し、第3の上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアおよび/または第2の上りリンク・キャリアとは異なる。
ある可能な実装では、第1の情報は下りリンク制御情報DCIであり、キャリア指示情報はDCIフォーマット0_0における最後のm個の有効ビットであり、mは正の整数であり、m≧2である;または、キャリア指示情報はDCIフォーマット0_0における最後のn番目から(n-m)番目の有効ビットであり、n≧2、m≧1、n>mであり、nとmは正の整数である。有効ビットは、DCIにおける0充填ビットは含まない。
ある可能な実装では、通信ユニットは、メッセージ3を搬送する上りリンク・キャリアが第1の上りリンク・キャリアとは異なることを端末装置がサポートしていることをネットワーク装置に示すようにさらに構成される。
ある可能な実装では、第1の上りリンク・キャリアと第2の上りリンク・キャリアが位置するサービング・セルのセル識別子は同じである;または、第1の上りリンク・キャリアと第2の上りリンク・キャリアは、SIB 1を使用して構成される。
ある可能な実装では、第1の上りリンク・キャリア、第2の上りリンク・キャリア、および第3の上りリンク・キャリアが位置するサービング・セルのセル識別子は同じである;または、第1の上りリンク・キャリア、第2の上りリンク・キャリア、および第3の上りリンク・キャリアは、SIB 1を使用して構成される。
任意的な実装では、端末装置は、メッセージ3が送信される時点より前の所定の時間区間内では、第1の上りリンク・キャリアおよび第2の上りリンク・キャリアでの上りリンク送信を送ることをスキップする。
当該装置が上記の情報送信方法のために使用されるときの具体的な実装プロセスおよび対応する有益な効果については、上記の方法実施形態における関連する記述が参照されることが理解されうる。詳細はここでは記述しない。
図8は、本願による情報受信装置の可能な例示的なブロック図である。装置800は、ソフトウェアまたはハードウェアの形で存在してもよい。装置800は、通信ユニット810を含んでいてもよい。ある実装では、通信ユニット810は、受信ユニットおよび送信ユニットを含んでいてもよい。通信ユニット810は、装置800が別のネットワークエンティティと通信するのをサポートするように構成される。いくつかの実施形態では、装置800はさらに処理ユニット820および/または記憶ユニット830を含みうる。処理ユニット820は装置800の動作を制御するように構成され、記憶ユニットは装置800のプログラムコードおよびデータを格納するように構成される。
処理ユニットは、汎用の中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、汎用のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェア・コンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせなどのプロセッサまたはコントローラであってもよい。プロセッサは、本願に開示された内容を参照して説明されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路を実装または実行することができる。あるいはまた、プロセッサは、計算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、たとえば、一つまたは複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、またはDSPとマイクロプロセッサの組み合わせであってもよい。記憶ユニットはメモリであってもよい。通信ユニットは、当該装置のインターフェース回路であり、他の装置から信号を受信するように構成される。たとえば、当該装置がチップの形で実装される場合、通信ユニットは、他のチップまたは装置から信号を受信するために当該チップによって使用されるインターフェース回路、または他のチップまたは装置に信号を送信するために当該チップによって使用されるインターフェース回路である。
装置800は、上記の実施形態のいずれか1つにおけるネットワーク装置であってもよく、または該ネットワーク装置のために使用されるチップであってもよい。たとえば、装置800がネットワーク装置である場合、処理ユニットはたとえばプロセッサであってもよく、通信ユニットはたとえばトランシーバであってもよい。任意的に、トランシーバは、無線周波数回路を含んでいてもよく、記憶ユニットはたとえばメモリであってもよい。たとえば、装置800がネットワーク装置のために使用されるチップである場合、処理ユニットはたとえばプロセッサであってもよく、通信ユニットはたとえば入力/出力インターフェース、ピン、または回路などであってもよい。処理ユニットは、記憶ユニットに記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行することができる。任意的に、記憶ユニットは、チップ内の記憶ユニット、たとえばレジスタまたはキャッシュである。あるいはまた、記憶ユニットは、ネットワーク装置内にあり、チップの外に位置する記憶ユニットであり、たとえば、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、静的な情報および命令を記憶することができる別のタイプの静的記憶装置、または、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)でありうる。
ある実施形態では、通信ユニット810は、第1の上りリンク・キャリアで送信されたランダムアクセス・プリアンブルを受信するように構成される;通信ユニット810は、第1の情報を送信するようにさらに構成され、第1の情報はキャリア指示情報を含み、キャリア指示情報は、ランダムアクセス・プロセスにおいてメッセージ3によって使用される第2の上りリンク・キャリアを示し、第2の上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアとは異なる;通信ユニット810は、ランダムアクセス・プロセスにおける、第2の上りリンク・キャリアで送信されるメッセージ3を受信するようにさらに構成される。
ある可能な実装では、第1の情報は下りリンク制御情報DCIであり、DCIのフォーマットは0_0である。
ある可能な実装では、第1の情報はランダムアクセス応答上りリンク承認である。
ある可能な実装では、通信ユニット810はさらに下記のように構成される:第1の情報を送信する前に、第3の上りリンク・キャリアで送信されたメッセージ3を受信する。ここで、第3の上りリンク・キャリアは、第1の上りリンク・キャリアおよび/または第2の上りリンク・キャリアとは異なる。
ある可能な実装では、通信ユニット810はさらに下記のように構成される:第1の情報を送信する前に、ランダムアクセス応答上りリンク承認を端末装置に送信する。ランダムアクセス応答上りリンク承認は、第3の上りリンク・キャリアでメッセージ3を送信することを端末装置に示し、第3の上りリンク・キャリアは第1の上りリンク・キャリアおよび/または第2の上りリンク・キャリアとは異なる。
ある可能な実装では、第1の情報は下りリンク制御情報DCIであり、キャリア指示情報はDCIフォーマット0_0における最後のm個の有効ビットであり、mは正の整数であり、m≧2である;または、キャリア指示情報はDCIフォーマット0_0における最後のn番目から(n-m)番目の有効ビットであり、n≧2、m≧1、n>mであり、nとmは正の整数である。有効ビットは、DCIにおける0充填ビットは含まない。
ある可能な実装では、通信ユニットは、メッセージ3を搬送する第2の上りリンク・キャリアが第1の上りリンク・キャリアとは異なることを端末装置がサポートしているという、端末装置からの指示を取得するようにさらに構成される。
ある可能な実装では、第1の上りリンク・キャリアと第2の上りリンク・キャリアが位置するサービング・セルのセル識別子は同じである;または、第1の上りリンク・キャリアと第2の上りリンク・キャリアは、SIB 1を使用して構成される。
ある可能な実装では、第1の上りリンク・キャリア、第2の上りリンク・キャリア、および第3の上りリンク・キャリアが位置するサービング・セルのセル識別子は同じである;または、第1の上りリンク・キャリア、第2の上りリンク・キャリア、および第3の上りリンク・キャリアは、SIB 1を使用して構成される。
任意的な実装では、端末装置は、メッセージ3が送信される時点より前の所定の時間区間内では、第1の上りリンク・キャリアおよび第2の上りリンク・キャリアで上りリンク送信を送信することをスキップする。
当該装置が上記の情報受信方法のために使用されるときの具体的な実装プロセスおよび対応する有益な効果については、上記の方法実施形態における関連する記述が参照されることが理解されうる。詳細はここでは記述しない。
図9は、本願による装置の概略図である。本装置は、上記の実施形態における端末装置またはネットワーク装置であってもよく、または上記の実施形態における情報送信装置または情報受信装置であってもよい。装置900は、プロセッサ902、通信インターフェース903、メモリ901を含む。任意的に、装置900は通信線904をさらに含んでいてもよい。通信インターフェース903、プロセッサ902、およびメモリ901は、通信線904を使用して相互に接続されてもよい。通信線904は、周辺コンポーネント相互接続(peripheral component interconnect、略してPCI)バス、拡張業界標準アーキテクチャー(extended industry standard architecture、略してEISA)バスなどでありうる。通信線904は、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類されうる。表現の簡単のために、図9ではバスを表すために1本だけの太い線が使われているが、これはバスが1本しかないとか、バスの種類が1つしかないという意味ではない。
プロセッサ902は、本願の解決策においてプログラム実行を制御するように構成されたCPU、マイクロプロセッサ、ASIC、または一つ以上の集積回路であってもよい。
通信インターフェース903は、イーサネット、無線アクセス・ネットワーク(radio access network、RAN)、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)、または有線アクセス・ネットワークなどの、他の装置または通信ネットワークと通信するように構成されたトランシーバなどの任意の装置である。
メモリ901は、ROM、静的な情報および命令を格納できる別の種類の静的記憶装置、RAM、または情報および命令を格納できる別の種類の動的記憶装置であってもよく、または電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)または別のコンパクトディスク記憶、光ディスク記憶(コンパクトディスク、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスクなどを含む)、磁気ディスク記憶媒体または別の磁気記憶装置、または命令またはデータ構造の形式で期待されるプログラムコードを伝送または格納するように構成でき、コンピュータがアクセスできるその他の任意の媒体であってもよい。ただし、メモリ901はこれに限定されない。メモリは独立して存在してもよく、通信線904を使用してプロセッサに接続される。あるいはまた、メモリはプロセッサと統合されていてもよい。
メモリ901は、本願における解決策を実行するためのコンピュータ実行可能命令を格納するように構成され、プロセッサ902はコンピュータ実行可能命令の実行を制御する。プロセッサ902は、メモリ901に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するように構成され、本願の前述の実施形態で提供される情報送信方法および/または情報受信方法を実装する。
任意的に、本願のこの実施形態におけるコンピュータ実行可能命令は、アプリケーション・プログラム・コードと呼ばれることもある。これは、本願のこの実施形態では特に制限されない。
当業者は、本願における「第1」や「第2」などのさまざまな数字は、単に説明を容易にするための区別のために使用されているだけであり、本願の実施形態の範囲を限定する、またはシーケンスを表すために使用されているのではないことを理解することができる。用語「および/または」は、関連付けられたオブジェクト間の関連付け関係を表し、3つの関係が存在する可能性があることを表す。たとえば、Aおよび/またはBは、次の3つの場合を表しうる: Aのみが存在、AとBの両方が存在、Bのみが存在。記号"/"は、一般に、関連付けられたオブジェクト間の"または"関係を表す。"少なくとも1つ"は一つまたは複数を意味する。"少なくとも2つ"は2つ以上を意味する。"少なくとも1つ"、"任意の1つ"またはそれらの類似表現は、項目の任意の組み合わせを示し、単数の項目(ピース)または複数の項目(ピース)の任意の組み合わせを含む。たとえば、a、b、またはcの少なくとも1つの(ピースまたはタイプ)は、a、b、c、aとb、aとc、bとc、またはaとbとcを表しうる。複数という用語は2つ以上を意味し、別の量指定子もこれと同様である。また、単数形"a"、"an"、"the"で現れる要素(element)は、文脈で特に指定されない限り、「1つまたは1つのみ」を意味するのではなく、「一つまたは複数」を意味する。たとえば、「装置」は、一つまたは複数のそのような装置を意味する。
上記の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実装されうる。実施形態を実装するためにソフトウェアが使用される場合、実施形態の全部または一部がコンピュータ・プログラム・プロダクトの形で実装されうる。コンピュータ・プログラム・プロダクトは、一つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータ・プログラム命令がコンピュータにロードされて実行されると、本願の実施形態に従った手順または機能が全部または一部生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、またはその他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータの命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されていてもよく、またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から別のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に送信されていてもよい。たとえば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバー、またはデータセンターから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバー、またはデータセンターに有線(たとえば、同軸ケーブル、光ファイバー、デジタル加入者線(DSL))または無線(たとえば、赤外線、電波、またはマイクロ波)で送信されうる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータがアクセス可能な任意の使用可能な媒体、またはデータ記憶装置、たとえば一つまたは複数の使用可能な媒体を統合するサーバーまたはデータセンターであってもよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(たとえば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(たとえばDVD)、半導体媒体(たとえば、ソリッドステートドライブ(Solid-State Drive、SSD))等であってもよい。
本願の実施形態におけるさまざまな例示的な論理ユニットおよび回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラム可能な論理装置、離散ゲートまたはトランジスタロジック、離散ハードウェア・コンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせの設計を介して機能を実装するまたは動作させることができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよい。任意的に、汎用プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ステートマシンであってもよい。プロセッサは、デジタル信号プロセッサとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、一つまたは複数のマイクロプロセッサとデジタル信号プロセッサコア、または他の任意の同様の構成などのコンピューティング装置の組み合わせによって実装されてもよい。
本願の実施形態において説明されている方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアユニット、またはそれらの組み合わせに直接埋め込むことができる。ソフトウェアユニットは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、CD-ROM、または当技術分野の他の任意の形の記憶媒体に格納することができる。たとえば、記憶媒体はプロセッサに接続されてもよく、プロセッサは記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができる。任意的に、記憶媒体はプロセッサに統合されてもよい。プロセッサと記憶媒体はASICに配置されてもよい。
これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされてもよく、それにより、該コンピュータまたは他のプログラム可能な装置で一連の動作およびステップが実行され、コンピュータ実装される処理が生成される。したがって、該コンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実行される命令は、フローチャートにおける一つまたは複数のプロセスおよび/またはブロック図における一つまたは複数のブロックにおける特定の機能を実装するためのステップを提供する。
本願は、特定の機能およびその実施形態を参照して説明されているが、本願の精神と範囲を逸脱することなく、それにさまざまな修正および組み合わせを行うことができることは明らかである。対応して、仕様書と添付図面は、添付された請求項によって定義された本願の単なる例の説明であり、本願の範囲をカバーする修正、変形、組み合わせ、または同等物の任意のものまたはすべてと見なされる。当業者は、本願の範囲を逸脱することなく、本願にさまざまな修正および変形をなすことができることは明らかである。このように、本願は、本願のクレームおよびそれらの同等の技術の範囲内にある限り、本願のこれらの修正および変形をカバーすることを意図している。