以下、本開示の実施形態に係るモジュール駆動装置MDを含む光学装置ODについて図面を参照して説明する。光学装置ODは、放熱部材HR、光学モジュールOM、及びモジュール駆動装置MDを含む装置であり、例えば、スマートフォン等の携帯機器に搭載される。
モジュール駆動装置MDは、光学モジュールOMを傾けることができるように構成されている。図1は、放熱部材HR、光学モジュールOM、及びモジュール駆動装置MDの斜視図である。具体的には、図1の上図(ブロック矢印の上側にある図)は、光学モジュールOMが取り付けられて放熱部材HR内に配置された状態のモジュール駆動装置MDの斜視図であり、図1の下図(ブロック矢印の下側にある図)は、放熱部材HRから取り出され、且つ、光学モジュールOMが取り外された状態のモジュール駆動装置MDの斜視図である。図2は、光学モジュールOM及びモジュール駆動装置MDの分解斜視図である。図3は、モジュール駆動装置MDのより詳細な分解斜視図である。
図1、図2、及び図3において、X1は三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2はX軸の他方向を表す。また、Y1は三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2はY軸の他方向を表す。同様に、Z1は三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2はZ軸の他方向を表す。図1、図2、及び図3では、モジュール駆動装置MDのX1側はモジュール駆動装置MDの前側(正面側)に相当し、モジュール駆動装置MDのX2側はモジュール駆動装置MDの後側(背面側)に相当する。また、モジュール駆動装置MDのY1側はモジュール駆動装置MDの左側に相当し、モジュール駆動装置MDのY2側はモジュール駆動装置MDの右側に相当する。また、モジュール駆動装置MDのZ1側はモジュール駆動装置MDの上側(被写体側)に相当し、モジュール駆動装置MDのZ2側はモジュール駆動装置MDの下側(撮像素子側)に相当する。他の図においても同様である。
光学モジュールOMは、光学素子を駆動する光学素子駆動装置を含むモジュールである。図示例では、光学モジュールOMは、光学素子の一例であるレンズ体LSを駆動する光学素子駆動装置の一例であるレンズ駆動装置LDを含む。レンズ体LSは、例えば、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルであり、その中心軸線が光軸OAに沿うように構成されている。
具体的には、光学モジュールOMは、図2に示すように、レンズ体LS、レンズ駆動装置LD、撮像素子IS、撮像素子保持体SH、及び、基板部材SBを含む。
レンズ駆動装置LDは、コイル及び磁石で構成されるボイスコイルモータを利用してレンズ体LSを少なくとも光軸方向(Z軸方向)に沿って移動させることができるように構成されている。すなわち、レンズ駆動装置LDは、オートフォーカス用駆動部AD(図11参照)を有するように構成されている。なお、光軸方向は、光軸OAの軸線方向、及び、光軸OAの軸線方向に平行な方向を含む。また、図示例では、レンズ駆動装置LDは、ボイスコイルモータを利用してレンズ体LSを動かすように構成されているが、形状記憶合金ワイヤ又は圧電素子等、ボイスコイルモータ以外の部材又は機構を利用してレンズ体LSを動かすように構成されていてもよい。また、オートフォーカス用駆動部ADは省略されてもよい。この場合、光学装置ODは、手振れ補正機能付きの固定焦点型カメラとして機能する。
レンズ駆動装置LDは、可動側カバー部材4及び可動側ベース部材28を含む。可動側カバー部材4及び可動側ベース部材28は、レンズ駆動装置LDを構成する各部材を覆う可動側筐体として機能する。図示例では、可動側カバー部材4は、オーステナイト系ステンレス等の非磁性金属で形成されている。但し、可動側カバー部材4は、磁性金属で形成されていてもよい。
具体的には、可動側カバー部材4は、図2に示すように、収納部4Sを定める無底箱状の外形を有する。また、可動側カバー部材4は、矩形筒状の側板部4Aと、側板部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の天板部4Bとを有する。天板部4Bの中央には、略円形の開口4Kが形成されている。側板部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。そして、第1側板部4A1及び第3側板部4A3は、第2側板部4A2及び第4側板部4A4に対して垂直に延びている。
可動側ベース部材28は、合成樹脂で形成された略矩形枠状の部材であり、基板部材SBの上に実装される撮像素子保持体SHの上に取り付けられる。
撮像素子保持体SHは、撮像素子ISを収容して保持できるように構成されている。図示例では、撮像素子保持体SHは、合成樹脂で形成された略矩形枠状の部材であり、その上面が接着剤によって可動側ベース部材28の下面に接合されている。撮像素子保持体SHには、撮像素子ISを露出させる開口SHKが形成されている。開口SHKを囲む撮像素子保持体SHの下面には、下側を開放させた上方に窪む凹状部が形成されており、凹状部(図示せず)内において撮像素子ISが配置されている。
基板部材SBは、モジュール駆動装置MD及びレンズ駆動装置LDのそれぞれと制御部CTR等のモジュール駆動装置MDの外部にある装置との間の電気的な接続を実現するための部材である。図示例では、制御部CTRは、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置等を有するマイクロコンピュータである。また、基板部材SBは、フレキシブルプリント基板であり、モジュール駆動装置MDに固定される外側部分SB1と、撮像素子保持体SHに固定される内側部分SB2と、外側部分SB1と内側部分SB2とを繋ぐ連結部分SB3とを有する。そして、連結部分SB3は、左側連結部分SB3L及び右側連結部分SB3Rを含む。
撮像素子ISは、内側部分SB2に実装されている。具体的には、撮像素子ISは、導電性接着剤又は半田によって内側部分SB2に固定されている。また、撮像素子保持体SHは、開口SHKから撮像素子ISの撮像面を露出させた状態で撮像素子ISを収容し、内側部分SB2の上面に接着剤によって接合されている。撮像素子ISの外形の少なくとも一部は、撮像素子保持体SHによって保持される。すなわち、撮像素子保持体SHは、内側部分SB2とレンズ駆動装置LD(可動側ベース部材28)との間に配置されるスペーサ部材として機能する。また、内側部分SB2には、撮像素子ISの温度を検出するサーミスタ等の温度センサSRが取り付けられている。基板部材SBは、撮像素子ISが実装されるリジット基板とそのリジット基板に接続されるフレキシブルプリント基板との組み合わせであってもよい。
放熱部材HRは、撮像素子ISが発生させる熱を放熱する部材であり、例えば、アルミニウム又は銅合金等で形成されている。図示例では、放熱部材HRは、基板部材SBと接触し、基板部材SBを介して撮像素子ISの熱を外部に放出できるように構成されている。図示例では、モジュール駆動装置MDに取り付けられた光学モジュールOMは、図1の上図に示すように、モジュール駆動装置MDとともに、放熱部材HRに形成された凹部HC内に収容されている。そして、基板部材SBの外側部分SB1の下面は、接着剤によって凹部HCの底面に固定されている。なお、放熱部材HRは、スマートフォン等の携帯機器の筐体の一部であってもよい。
モジュール駆動装置MDは、図1及び図2に示すように、放熱部材HRに対して相対移動不能に設けられる固定側部材FBの一部であるカバー部材1を含む。カバー部材1は、モジュール駆動装置MDを構成する各部材を覆う筐体HSの一部として機能するように構成されている。図示例では、カバー部材1は、オーステナイト系ステンレス等の非磁性金属で形成されている。但し、カバー部材1は、磁性金属で形成されていてもよい。
具体的には、カバー部材1は、図2に示すように、収納部1Sを定める無底箱状の外形を有する。また、カバー部材1は、矩形筒状の側板部1Aと、側板部1Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の天板部1Bとを有する。天板部1Bの中央には、略矩形の開口1Kが形成されている。側板部1Aは、第1側板部1A1~第4側板部1A4を含む。第1側板部1A1と第3側板部1A3とは互いに対向し、第2側板部1A2と第4側板部1A4とは互いに対向している。そして、第1側板部1A1及び第3側板部1A3は、第2側板部1A2及び第4側板部1A4に対して垂直に延びている。
カバー部材1内には、図2及び図3に示すように、モジュール保持体2、金属部材5、可撓性金属部材6、埋設金属部材7、可動側導電部材8、磁石9、固定側埋設部材10、ベース部材18、及び形状記憶合金ワイヤSA等が収容されている。モジュール保持体2は、可動側部材MBを構成し、ベース部材18は固定側部材FBを構成している。そして、カバー部材1は、図1に示すように、接着剤によってベース部材18に接合されている。
モジュール保持体2は、光学モジュールOMを保持する矩形枠状の部材であり、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することによって形成される。図示例では、モジュール保持体2は、図3に示すように、枠部2A及び台座部2Dを有する。
枠部2Aは、矩形の開口2Kを囲む四つの延在部(第1延在部2A1~第4延在部2A4)によって構成されている。台座部2Dは、枠部2Aから径方向外側に突出する部分であり、枠部2Aの右後側の角部に配置される第1台座部2D1と、枠部2Aの左前側の角部に配置される第2台座部2D2とを含む。
埋設金属部材7は、光学モジュールOMと接触できるように一部がモジュール保持体2の表面から露出し、残りの部分がモジュール保持体2内に埋設される金属部材である。本実施形態では、埋設金属部材7は、ステンレス又は銅等の金属で形成される部材であり、インサート成形によってモジュール保持体2の枠部2A内に部分的に埋設されている。
図示例では、埋設金属部材7は、モジュール保持体2の枠部2Aの内周面(第1延在部2A1~第4延在部2A4のそれぞれの内周面)に露出する露出部7Cを有する。光学モジュールOMの可動側カバー部材4の側板部4Aの外周面は、図1に示すように、モジュール保持体2の枠部2Aの内周面に接着剤で接合されるように構成されている。具体的には、側板部4Aの外周面は、接着剤によって少なくとも一部が露出部7Cに接合されるように構成されている。そのため、この構成は、モジュール保持体2に埋設金属部材7が埋設されていない構成に比べ、側板部4Aとモジュール保持体2との間の接着強度を高めることができる。金属同士の接着強度は、金属と合成樹脂材との間の接着強度よりも高いためである。
可動側導電部材8は、金属部材5及び可撓性金属部材6と接触できるように一部がモジュール保持体2から露出し、残りの部分がモジュール保持体2内に埋設される部材である。本実施形態では、可動側導電部材8は、ステンレス又は銅等の金属で形成される部材であり、インサート成形によってモジュール保持体2の台座部2D内に部分的に埋設されている。図示例では、可動側導電部材8は、第1台座部2D1内に部分的に埋設される第1可動側導電部材8A、及び、第2台座部2D2内に部分的に埋設される第2可動側導電部材8Bを含む。
磁石9は、光軸方向に沿ってモジュール保持体2を付勢する付勢手段EGを構成する部材である。本実施形態では、磁石9は、光軸方向においてベース部材18の上面に対向するモジュール保持体2の対向部2F(図8参照)に形成された凹部2R(図8参照)内に収容され且つ固定されている。なお、付勢手段EGを構成する磁石は、レンズ駆動装置LDにおけるボイスコイルモータを構成する磁石であってもよい。この場合、磁石9は省略されてもよい。
固定側埋設部材10は、固定側部材FBに埋設される部材である。本実施形態では、固定側埋設部材10は、フェライト系ステンレス鋼又は鉄等の磁性を有する金属で形成される部材であり、インサート成形によってベース部材18内に部分的に埋設されている。
モジュール駆動装置MDは、図2に示すように、第1軸線AX1及び第2軸線AX2のそれぞれの回りでモジュール保持体2を回転(揺動)させる駆動部DMを有する。図示例では、第1軸線AX1及び第2軸線AX2は、撮像素子ISの上面視における中心点で光軸OAと交差するように配置されている。
駆動部DMは、形状記憶アクチュエータの一例である形状記憶合金ワイヤSAによって構成されている。図示例では、形状記憶合金ワイヤSAは、図3に示すように、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含む。形状記憶合金ワイヤSAは、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。駆動部DMは、形状記憶合金ワイヤSAの収縮を利用してモジュール保持体2を揺動させることができる。
ベース部材18は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。図示例では、ベース部材18は、図3に示すように、上面視で略矩形状の外形を有し、中央に開口18Kを有する。具体的には、ベース部材18は、略矩形の開口18Kを囲むように配置される矩形環状の基部18Bを有する。基部18Bは、第1基部18B1~第4基部18B4を含む。
ベース部材18の被写体側の面(Z1側の面)である上面には、台座部18Dが形成されている。台座部18Dは、第1基部18B1及び第2基部18B2から上方に延びる上面視でL字状の第1台座部18D1、及び、第3基部18B3及び第4基部18B4から上方に延びる上面視でL字状の第2台座部18D2を含む。第1台座部18D1及び第2台座部18D2は、光軸OAを挟んで対向するように配置されている。
可撓性金属部材6は、固定側部材FB(ベース部材18)と可動側部材MB(モジュール保持体2)とを連結できるように構成されている。本実施形態では、可撓性金属部材6は、モジュール保持体2とベース部材18とを繋ぐ導電性の連結部材(板ばね)であり、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板で形成される。
具体的には、可撓性金属部材6は、モジュール保持体2に固定される内側部分6Nと、ベース部材18に固定される外側部分6Eと、内側部分6Nと外側部分6Eとを繋ぐ弾性腕部6Gとを有する。図示例では、可撓性金属部材6は、図3に示すように、第1可撓性金属部材6A及び第2可撓性金属部材6Bを含む。そして、第1可撓性金属部材6Aは、第1内側部分6N1、第1外側部分6E1、及び第1弾性腕部6G1を有し、第2可撓性金属部材6Bは、第2内側部分6N2、第2外側部分6E2、及び第2弾性腕部6G2を有する。また、内側部分6Nは、カシメによってモジュール保持体2の台座部2Dの上端面に接合され、外側部分6Eは、カシメによってベース部材18の台座部18Dの上端面に接合される。なお、可撓性金属部材6とモジュール保持体2及びベース部材18のそれぞれとの接合は、接着剤によって実現されてもよい。
このように、可撓性金属部材6は、モジュール保持体2の台座部2Dの上面と、ベース部材18の台座部18Dの上面とを繋ぐように構成されている。具体的には、可撓性金属部材6は、第1可撓性金属部材6Aが第1台座部2D1及び第2台座部2D2のそれぞれの上面と第1台座部18D1の上面とを繋ぎ、第2可撓性金属部材6Bが第1台座部2D1及び第2台座部2D2のそれぞれの上面と第2台座部18D2の上面とを繋ぐように構成されている。
金属部材5は、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定される部材である。本実施形態では、金属部材5は、リン青銅等の非磁性金属で形成される部材であり、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mを含む。固定側金属部材5Fは、ベース部材18に固定されるように構成され、可動側金属部材5Mは、モジュール保持体2に固定されるように構成されている。
より具体的には、固定側金属部材5Fは、固定側ターミナルプレートとも称され、第1固定側金属部材5F1~第8固定側金属部材5F8を含む。可動側金属部材5Mは、可動側ターミナルプレートとも称され、第1可動側金属部材5M1~第4可動側金属部材5M4を含む。
第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、一端が圧着又は溶接等により固定側金属部材5Fに固着され、且つ、他端が圧着又は溶接等により可動側金属部材5Mに固着される。そして、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、電流が流れたときに、モジュール保持体2の枠部2Aの外面に沿うように直線状となり、固定側部材FB(カバー部材1及びベース部材18)に対して可動側部材MB(モジュール保持体2)を揺動させることができるように構成されている。
次に、図4を参照し、モジュール保持体2と可動側金属部材5M、可撓性金属部材6、埋設金属部材7、及び可動側導電部材8のそれぞれとの間の位置関係について説明する。図4は、モジュール保持体2、可動側金属部材5M、可撓性金属部材6、埋設金属部材7、可動側導電部材8、及び磁石9の斜視図である。具体的には、図4の上図(ブロック矢印の上側にある図)は、分離された状態のモジュール保持体2、可動側金属部材5M、可撓性金属部材6、埋設金属部材7、可動側導電部材8、及び磁石9の斜視図であり、図4の下図(ブロック矢印の下側にある図)は、可動側金属部材5M、可撓性金属部材6、及び磁石9が取り付けられ、且つ、埋設金属部材7及び可動側導電部材8が埋め込まれたモジュール保持体2の斜視図である。
図示例では、第1可動側金属部材5M1は、溶接によってモジュール保持体2の第2台座部2D2に埋設されている第2可動側導電部材8Bの前側露出部8B1に接合される。第2可動側金属部材5M2は、溶接によってモジュール保持体2の第1台座部2D1に埋設されている第1可動側導電部材8Aの右側露出部8A1に接合される。第3可動側金属部材5M3は、溶接によってモジュール保持体2の第1台座部2D1に埋設されている第1可動側導電部材8Aの後側露出部8A2に接合される。第4可動側金属部材5M4は、溶接によってモジュール保持体2の第2台座部2D2に埋設されている第2可動側導電部材8Bの左側露出部8B2に接合される。この構成により、可動側金属部材5Mを台座部2Dに固定する接着剤は省略されてもよい。
また、第1可撓性金属部材6Aにおける二つの第1内側部分6N1のうちの一方は、溶接によってモジュール保持体2の第1台座部2D1に埋設されている第1可動側導電部材8Aの上右側露出部8A3に接合され、第1可撓性金属部材6Aにおける二つの第1内側部分6N1のうちの他方は、溶接によってモジュール保持体2の第2台座部2D2に埋設されている第2可動側導電部材8Bの上前側露出部8B3に接合される。同様に、第2可撓性金属部材6Bにおける二つの第2内側部分6N2のうちの一方は、溶接によってモジュール保持体2の第1台座部2D1に埋設されている第1可動側導電部材8Aの上後側露出部8A4に接合され、第2可撓性金属部材6Bにおける二つの第2内側部分6N2のうちの他方は、溶接によってモジュール保持体2の第2台座部2D2に埋設されている第2可動側導電部材8Bの上左側露出部8B4に接合される。
埋設金属部材7は、モジュール保持体2の枠部2Aに埋設される埋設部7Eと、モジュール保持体2の枠部2Aの内周面に露出する露出部7Cとを有する。埋設金属部材7は、一枚の金属板に打ち抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成される。図示例では、露出部7Cは、第1延在部2A1の内周面に露出する第1露出部7C1、第2延在部2A2の内周面に露出する第2露出部7C2、第3延在部2A3の内周面に露出する第3露出部7C3、及び第4延在部2A4の内周面に露出する第4露出部7C4を含む。
磁石9は、略立方体の二極着磁の永久磁石である第1磁石9A及び第2磁石9Bを含む。そして、第1磁石9Aは、モジュール保持体2の対向部2F(図8参照)の一部である第1台座部2D1の下面に形成された第1凹部2R1に嵌め込まれて接着剤で固定され、第2磁石9Bは、対向部2Fの別の一部である第2台座部2D2の下面に形成された第2凹部2R2に嵌め込まれて接着剤で固定される。
次に、図5を参照し、ベース部材18と固定側金属部材5F、可撓性金属部材6、及び固定側埋設部材10のそれぞれとの間の位置関係について説明する。図5は、固定側金属部材5F、可撓性金属部材6、固定側埋設部材10、及びベース部材18の斜視図である。具体的には、図5の上図(ブロック矢印の上側にある図)は、分離された状態の固定側金属部材5F、可撓性金属部材6、固定側埋設部材10、及びベース部材18の斜視図であり、図5の下図(ブロック矢印の下側にある図)は、固定側金属部材5F及び可撓性金属部材6が取り付けられ、且つ、固定側埋設部材10が埋設されたベース部材18の斜視図である。
固定側埋設部材10は、固定側部材FBに埋設される部材である。本実施形態では、固定側埋設部材10は、鉄等の磁性を有する金属で形成され、ベース部材18の表面から部分的に露出するようにベース部材18に埋設されている。図示例では、固定側埋設部材10は、固定側金属部材5F及び可撓性金属部材6のそれぞれと基板部材SBとを電気的に接続するための部材である第1固定側埋設部材10A~第10固定側埋設部材10Jと、付勢手段EGを構成する磁性部材MGを含む第11固定側埋設部材10K及び第12固定側埋設部材10Lとを含む。
具体的には、第1台座部18D1に埋設される第1固定側埋設部材10Aは、第1台座部18D1の前側面に露出する第1露出部10APを有する。第1固定側金属部材5F1は、溶接によって第1露出部10APに接合され、第1固定側埋設部材10Aを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第1台座部18D1に埋設される第2固定側埋設部材10Bは、第1台座部18D1の前側面に露出する第2露出部10BPを有する。第2固定側金属部材5F2は、溶接によって第2露出部10BPに接合され、第2固定側埋設部材10Bを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第1台座部18D1に埋設される第3固定側埋設部材10Cは、第1台座部18D1の右側面に露出する第3露出部10CPを有する。第3固定側金属部材5F3は、溶接によって第3露出部10CPに接合され、第3固定側埋設部材10Cを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第1台座部18D1に埋設される第4固定側埋設部材10Dは、第1台座部18D1の右側面に露出する第4露出部10DPを有する。第4固定側金属部材5F4は、溶接によって第4露出部10DPに接合され、第4固定側埋設部材10Dを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第2台座部18D2に埋設される第5固定側埋設部材10Eは、第2台座部18D2の後側面に露出する第5露出部10EPを有する。第5固定側金属部材5F5は、溶接によって第5露出部10EPに接合され、第5固定側埋設部材10Eを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第2台座部18D2に埋設される第6固定側埋設部材10Fは、第2台座部18D2の後側面に露出する第6露出部10FPを有する。第6固定側金属部材5F6は、溶接によって第6露出部10FPに接合され、第6固定側埋設部材10Fを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第2台座部18D2に埋設される第7固定側埋設部材10Gは、第2台座部18D2の左側面に露出する第7露出部10GPを有する。第7固定側金属部材5F7は、溶接によって第7露出部10GPに接合され、第7固定側埋設部材10Gを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第2台座部18D2に埋設される第8固定側埋設部材10Hは、第2台座部18D2の左側面に露出する第8露出部10HPを有する。第8固定側金属部材5F8は、溶接によって第8露出部10HPに接合され、第8固定側埋設部材10Hを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第1台座部18D1に埋設される第9固定側埋設部材10Iは、第1台座部18D1の上面に露出する第9露出部10IPを有する。第1可撓性金属部材6Aの第1外側部分6E1は、溶接によって第9露出部10IPに接合され、第9固定側埋設部材10Iを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第2台座部18D2に埋設される第10固定側埋設部材10Jは、第2台座部18D2の上面に露出する第10露出部10JPを有する。第2可撓性金属部材6Bの第2外側部分6E2は、溶接によって第10露出部10JPに接合され、第10固定側埋設部材10Jを介して基板部材SBに電気的に接続される。
第11固定側埋設部材10Kは、間隔を空けて第1磁石9Aと対向するように、ベース部材18の上面に露出する第11露出部10KPを有する。第11露出部10KPは、付勢手段EGを構成する磁性部材MGのうちの一つである第1金属板MG1として機能する。同様に、第12固定側埋設部材10Lは、間隔を空けて第2磁石9Bと対向するように、ベース部材18の上面に露出する第12露出部10LPを有する。第12露出部10LPは、付勢手段EGを構成する磁性部材MGのうちの別の一つである第2金属板MG2として機能する。
ベース部材18は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの一端を支持するワイヤ支持部材として機能するように構成されている。この構成により、可動側部材MBは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8によって、第1軸線AX1及び第2軸線AX2のそれぞれの回りで揺動可能な状態で支持される。なお、第1軸線AX1の軸線方向と第2軸線AX2の軸線方向とは互いに垂直である。
次に、図6を参照し、形状記憶合金ワイヤSAが取り付けられた金属部材5について説明する。図6は、第1固定側金属部材5F1、第2固定側金属部材5F2、第1可動側金属部材5M1、第1ワイヤSA1、及び第2ワイヤSA2の正面図である。具体的には、図6の上図に示す各部材の位置関係は、モジュール駆動装置MDが組み立てられ且つ第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2のそれぞれに電流が供給されて第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2のそれぞれが直線状となっているときの位置関係に対応している。また、図6の下図に示す各部材の位置関係は、モジュール駆動装置MDが組み立てられ且つ第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2のそれぞれに電流が供給されていないために第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2のそれぞれが弛んだ状態になっているときの位置関係に対応している。そして、図6では、明瞭化のため、他の部材の図示が省略されている。また、図6を参照する以下の説明は、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2の組み合わせに関するが、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4の組み合わせ、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6の組み合わせ、並びに、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8の組み合わせについても同様に適用され得る。
具体的には、第1ワイヤSA1の一端は、第1固定側金属部材5F1の保持部J1のところで第1固定側金属部材5F1に固定され、第1ワイヤSA1の他端は、第1可動側金属部材5M1の下側(Z2側)の保持部J2のところで第1可動側金属部材5M1に固定されている。同様に、第2ワイヤSA2の一端は、第2固定側金属部材5F2の保持部J3のところで第2固定側金属部材5F2に固定され、第2ワイヤSA2の他端は、第1可動側金属部材5M1の上側(Z1側)の保持部J4のところで第1可動側金属部材5M1に固定されている。
保持部J1は、第1固定側金属部材5F1の一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、第1固定側金属部材5F1の一部は、第1ワイヤSA1の端部(一端)を挟み込んだ状態でカシメられて保持部J1を形成している。なお、第1ワイヤSA1の端部(一端)は、保持部J1によって挟み込まれる前に被膜が剥離されている。そして、第1ワイヤSA1の端部(一端)は、溶接によって保持部J1に固定されている。その後、第1ワイヤSA1の端部(一端)は保護樹脂で保護されてもよい。保持部J2~保持部J4についても同様である。
また、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、電流が供給されているときに、互いにねじれの位置となるように配置されている。すなわち、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、電流が供給されているときに、互いに接触しない(非接触となる)ように配置されている。具体的には、図6の上図に示すように、X1側(第1固定側金属部材5F1の板面に垂直な方向)から見たとき、第1ワイヤSA1と第2ワイヤSA2とは交差するように配置されている。
次に、図7を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流の経路について説明する。図7は、金属部材5、可撓性金属部材6、可動側導電部材8、固定側埋設部材10、及び形状記憶合金ワイヤSAの斜視図である。
第1固定側埋設部材10Aの第1端子部10ATが高電位に接続され、第9固定側埋設部材10Iの第9端子部10ITが低電位に接続されると、電流は、第1端子部10ATを通って第1固定側金属部材5F1に流れる。その後、電流は、第1ワイヤSA1を通り、更に、第1可動側金属部材5M1を通る。その後、電流は、第2可動側導電部材8Bの前側露出部8B1及び上前側露出部8B3を通り、第1可撓性金属部材6Aの左前側の第1内側部分6N1、前側の第1弾性腕部6G1、及び第1外側部分6E1を通り、そして、第9固定側埋設部材10Iの第9露出部10IPを通って第9端子部10ITに流れる。
第2固定側埋設部材10Bの第2端子部10BTが高電位に接続され、第9固定側埋設部材10Iの第9端子部10ITが低電位に接続されると、電流は、第2端子部10BTを通って第2固定側金属部材5F2に流れる。その後、電流は、第2ワイヤSA2を通り、更に、第1可動側金属部材5M1を通る。その後、電流は、第2可動側導電部材8Bの前側露出部8B1及び上前側露出部8B3を通り、第1可撓性金属部材6Aの左前側の第1内側部分6N1、前側の第1弾性腕部6G1、及び第1外側部分6E1を通り、そして、第9固定側埋設部材10Iの第9露出部10IPを通って第9端子部10ITに流れる。
第3固定側埋設部材10Cの第3端子部10CTが高電位に接続され、第9固定側埋設部材10Iの第9端子部10ITが低電位に接続されると、電流は、第3端子部10CTを通って第3固定側金属部材5F3に流れる。その後、電流は、第3ワイヤSA3を通り、更に、第2可動側金属部材5M2を通る。その後、電流は、第1可動側導電部材8Aの右側露出部8A1及び上右側露出部8A3を通り、第1可撓性金属部材6Aの右後側の第1内側部分6N1、右側の第1弾性腕部6G1、及び第1外側部分6E1を通り、そして、第9固定側埋設部材10Iの第9露出部10IPを通って第9端子部10ITに流れる。
第4固定側埋設部材10Dの第4端子部10DTが高電位に接続され、第9固定側埋設部材10Iの第9端子部10ITが低電位に接続されると、電流は、第4端子部10DTを通って第4固定側金属部材5F4に流れる。その後、電流は、第4ワイヤSA4を通り、更に、第2可動側金属部材5M2を通る。その後、電流は、第1可動側導電部材8Aの右側露出部8A1及び上右側露出部8A3を通り、第1可撓性金属部材6Aの右後側の第1内側部分6N1、右側の第1弾性腕部6G1、及び第1外側部分6E1を通り、そして、第9固定側埋設部材10Iの第9露出部10IPを通って第9端子部10ITに流れる。
第1端子部10AT及び第2端子部10BTの何れが高電位に接続された場合においても、第1可動側金属部材5M1から第9固定側埋設部材10Iの第9端子部10ITへ流れる電流の経路は同じである。また、第3端子部10CT及び第4端子部10DTの何れが高電位に接続された場合においても、第2可動側金属部材5M2から第9固定側埋設部材10Iの第9端子部10ITへ流れる電流の経路は同じである。
同様に、第10固定側埋設部材10Jの第10端子部10JTが低電位に接続された状態で、第5端子部10ET、第6端子部10FT、第7端子部10GT、第8端子部10HTが高電位に接続されると、電流は、それぞれ、第5ワイヤSA5、第6ワイヤSA6、第7ワイヤSA7、第8ワイヤSA8に流れる。
上述のようなモジュール駆動装置MDの外部にある制御部CTR(図1参照)は、第1端子部10AT~第10端子部10JTのそれぞれに印加される電圧を制御することにより、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの収縮を個別に制御できる。なお、第1端子部10AT~第10端子部10JTのそれぞれは、ジェットハンダ等によって基板部材SBの外側部分SB1にある導体パターンに電気的に接続されている。また、制御部CTRは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの抵抗値を検出して第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの収縮量をフィードバック制御するように構成されていてもよい。この場合、制御部CTRは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの抵抗値に基づいてモジュール保持体2の位置及び姿勢を導き出すことができる。また、制御部CTRは、モジュール駆動装置MD内に配置されていてもよい。また、制御部CTRは、モジュール駆動装置MDの構成要素であってもよい。
このような構成により、制御部CTRは、駆動部DMとしての形状記憶合金ワイヤSAの収縮による駆動力を利用し、第1軸線AX1及び第2軸線AX2のそれぞれの回りでモジュール保持体2を揺動させることができる。
次に、図7を参照し、駆動部DM(形状記憶合金ワイヤSA)によるモジュール保持体2(図7では不図示)の揺動について説明する。以下の説明におけるモジュール保持体2に取り付けられた可動側金属部材5Mの揺動は、モジュール保持体2の揺動に相当する。
制御部CTRは、典型的には、同じ有効長を有する八本の形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8)のそれぞれに電流を供給し、モジュール駆動装置MDの中立状態を実現する。モジュール駆動装置MDの中立状態は、例えば、モジュール保持体2が互いに直交する三軸方向(X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向)のそれぞれにおける移動可能範囲の中間に位置している状態である。典型的には、モジュール駆動装置MDの中立状態では、モジュール保持体2は、三軸方向のそれぞれの移動可能範囲の中央に位置している。
その後、制御部CTRは、例えば、国際公開第2022/219984号に開示されているような方法で、八本の形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8)のうちの一部に対して、残りの形状記憶合金ワイヤSAに供給している電流よりも大きな電流を供給することにより、モジュール保持体2(可動側金属部材5M)を揺動させる。このとき、典型的には、八本の形状記憶合金ワイヤSAのうちの一部は収縮し、残りの形状記憶合金ワイヤSAは伸張する。
具体的には、制御部CTRは、第2ワイヤSA2、第3ワイヤSA3、第4ワイヤSA4、及び第5ワイヤSA5のそれぞれを収縮させることにより、第1軸線AX1の回りで矢印AR1が示す方向に可動側金属部材5Mを揺動させることができる。
また、制御部CTRは、第1ワイヤSA1、第6ワイヤSA6、第7ワイヤSA7、及び第8ワイヤSA8のそれぞれを収縮させることにより、第1軸線AX1の回りで矢印AR2が示す方向に可動側金属部材5Mを揺動させることができる。
また、制御部CTRは、第1ワイヤSA1、第2ワイヤSA2、第4ワイヤSA4、及び第7ワイヤSA7のそれぞれを収縮させることにより、第2軸線AX2の回りで矢印AR3が示す方向に可動側金属部材5Mを揺動させることができる。
また、制御部CTRは、第3ワイヤSA3、第5ワイヤSA5、第6ワイヤSA6、及び第8ワイヤSA8のそれぞれを収縮させることにより、第2軸線AX2の回りで矢印AR4が示す方向に可動側金属部材5Mを揺動させることができる。
次に、図8を参照し、付勢手段EGを構成する磁石9と磁性部材MGとの間の位置関係について説明する。磁石9は、モジュール保持体2の下面に形成された第1凹部2R1に嵌め込まれる第1磁石9A、及び、モジュール保持体2の下面に形成された第2凹部2R2に嵌め込まれる第2磁石9Bを含む。磁性部材MGは、固定側埋設部材10の一つである第11固定側埋設部材10Kの第11露出部10KPとしての第1金属板MG1、及び、固定側埋設部材10の別の一つである第12固定側埋設部材10Lの第12露出部10LPとしての第2金属板MG2を含む。図8は、モジュール駆動装置MDの中立状態における、モジュール保持体2に取り付けられている磁石9(第1磁石9A及び第2磁石9B)と、ベース部材18に埋設されている固定側埋設部材10(第11固定側埋設部材10K及び第12固定側埋設部材10L)との位置関係を示す。具体的には、図8の上図は、モジュール保持体2及び磁石9の下方斜視図であり、図8の中央図は、磁石9及び固定側埋設部材10の上方斜視図であり、図8の下図は、磁石9、固定側埋設部材10、及びベース部材18の上方斜視図である。
磁性部材MGは、モジュール保持体2に取り付けられる磁石9との間で磁気的な吸引力を発生させるための部材である。図8に示す例では、磁性部材MGは、第1金属板MG1及び第2金属板MG2を含む。第1金属板MG1及び第2金属板MG2は何れも磁性金属で形成されている。具体的には、第1金属板MG1は、第11固定側埋設部材10Kの一部として形成され、第2金属板MG2は、第12固定側埋設部材10Lの一部として形成されている。但し、磁性部材MGは、磁石9との間で磁気的な吸引力を発生させることができるのであれば磁性金属でなくてもよい。この場合、磁性部材MGは磁石であってもよい。また、磁性部材MGは、固定側埋設部材10から独立した部材として構成されていてもよい。この場合、固定側埋設部材10は、非磁性金属等の非磁性材料で形成されていてもよい。また、磁性部材MGは、ベース部材18に埋設されている必要はなく、ベース部材18に貼り付けられていてもよい。
モジュール駆動装置MDの中立状態では、図8の中央図及び図8の下図に示すように、磁石9は、磁性部材MGから所定距離だけ離れた状態で、磁性部材MGの真上に位置するように、モジュール保持体2の下面に形成された凹部2R内に配置されている。
そして、図8の下図に示すように、付勢手段EG(磁石9及び磁性部材MG)は、磁性部材MGに対向する磁石9の下面の面積が、磁石9に対向する磁性部材MGの上面の面積に略等しくなるように構成されている。磁石9の下面の面積と磁性部材MGの上面の面積とが顕著に異なる場合、磁石9と磁性部材MGとの間に生成される磁気的な吸引力によって磁石9が磁性部材MGに引き寄せられて静止するときの磁石9と磁性部材MGとの間の位置関係がばらついてしまうためである。
具体的には、図8の下図に示すように、第1磁石9A及び第1金属板MG1は、第1金属板MG1に対向する第1磁石9Aの下面の面積が、第1磁石9Aに対向する第1金属板MG1の上面の面積に略等しくなるように構成されている。また、第2磁石9B及び第2金属板MG2は、第2金属板MG2に対向する第2磁石9Bの下面の面積が、第2磁石9Bに対向する第2金属板MG2の上面の面積に略等しくなるように構成されている。
また、図8に示す例では、磁石9は、略立方体の外形を有するが、円柱又は六角柱等の他の外形を有していてもよい。すなわち、図8に示す例では、磁石9の下面は、矩形の外形を有するが、円形又は六角形等の他の外形を有していてもよい。この場合、磁性部材MGの上面は、望ましくは、磁石9の下面と同じ外形を有するように構成される。
次に、図9及び図10を参照し、付勢手段EGの作用について説明する。図9は、光学装置ODの上面図である。具体的には、図9の上図は、レンズ駆動装置LDがモジュール駆動装置MDに取り付けられた状態の光学装置ODの上面図であり、図9の下図は、レンズ駆動装置LDがモジュール駆動装置MDから取り外された状態の光学装置ODの上面図である。図10は、光学装置ODの断面図であり、図9の下図における一点鎖線L1を含むXY平面に垂直な仮想平面における光学装置ODの断面を示す。具体的には、図10の左図は、形状記憶合金ワイヤSAに電流が供給されていないときの状態を示し、図10の右図は、形状記憶合金ワイヤSAに電流が供給されてモジュール駆動装置MDが中立状態にあるときの状態を示す。
モジュール駆動装置MDの中立状態では、図10の右図に示すように、撮像素子ISが実装されている基板部材SBの内側部分SB2の中心点CPは、光軸方向(Z軸方向)において放熱部材HRから距離GP1だけ離れた位置にある。すなわち、内側部分SB2は、放熱部材HRとは接触しておらず、浮き上がった状態になっている。なお、図示例では、内側部分SB2の中心点CPは、内側部分SB2の下面と光軸OAとの交点である。このとき、モジュール保持体2の凹部2Rに嵌め込まれている磁石9は、光軸方向(Z軸方向)において磁性部材MGから距離DS1だけ離れた位置にある。
形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給が停止されると、付勢手段EGは、基板部材SBの内側部分SB2と放熱部材HRとが互いに近接し或いは接触するようにモジュール保持体2を下方に付勢する。内側部分SB2と放熱部材HRとが近接することは、例えば、内側部分SB2の中心点CPと放熱部材HRとの間の距離が、モジュール駆動装置MDが中立状態にあるときの内側部分SB2の中心点CPと放熱部材HRとの間の距離よりも小さくなることを意味する。具体的には、付勢手段EGを構成している磁石9と磁性部材MGとは磁力によって互いを引き付け合うように接近する。電流の供給によって収縮して直線状になっていた形状記憶合金ワイヤSAが電流供給の停止によって図6の下図に示すように弛んだ状態となり、モジュール保持体2を持ち上げる力が消失するためである。換言すれば、駆動部DMを構成する形状記憶合金ワイヤSAは、電流が供給されたときに、付勢手段EGを構成する磁石9と磁性部材MGとの間に作用する磁力(吸引力)に抗してモジュール保持体2を持ち上げる。
図示例では、形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給が停止されると、図10の左図に示すように、内側部分SB2の下面と放熱部材HRの上面とは接触した状態になる。すなわち、内側部分SB2の中心点CPと放熱部材HRとの間の距離はゼロとなる。このとき、モジュール保持体2の凹部2Rに嵌め込まれている磁石9は、光軸方向(Z軸方向)において磁性部材MGから距離DS2だけ離れた位置まで磁性部材MGに接近している。すなわち、図示例では、形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給が停止された場合であっても、磁石9と磁性部材MGとが接触することはない。形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給が再開されたときのモジュール保持体2の上方への移動が磁力(吸着力)によって過度に妨げられてしまうのを抑制するためである。なお、距離DS2は、距離DS1から距離GP1を差し引いた値である。また、モジュール保持体2とベース部材18とが接触することもない。モジュール保持体2とベース部材18との間の接触によって摩耗粉が発生してしまうのを抑制するためである。
具体的には、内側部分SB2は、図10の左図に示すように、その下面全体が放熱部材HRの上面と接触する。その結果、内側部分SB2の上面に実装されている撮像素子ISが発生させる熱は、内側部分SB2の下面全体を通じて放熱部材HRに伝えられ、放熱部材HRを通じて外部に放出される。なお、撮像素子ISの放熱が効率的に実現されるのであれば、光学装置ODは、形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給が停止されたときに内側部分SB2の下面と放熱部材HRの上面とが僅かな間隔を空けた状態で対向するように構成されていてもよい。すなわち、内側部分SB2と放熱部材HRとは必ずしも接触する必要はない。
このように、磁石9及び磁性部材MGで構成される付勢手段EGは、形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給が停止されたときに内側部分SB2の下面と放熱部材HRの上面とが互いに近接し或いは接触するように可動側部材MB(モジュール保持体2)を下方に移動させることができる。そのため、付勢手段EGは、形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給が停止されたときに、撮像素子ISが発生させた熱を、基板部材SB及び放熱部材HRを通じて外部に放出することができる。
次に、図11及び図12を参照し、制御部CTRがモジュール駆動装置MDの動作モードを切り換える処理(以下、「動作モード切り換え処理」とする)について説明する。図11は、光学装置ODの機能ブロック図である。図12は、動作モード切り換え処理の流れの一例を示すフローチャートである。制御部CTRは、撮像素子ISに電力が供給されている際に、所定の制御周期で繰り返しこの動作モード切り換え処理を実行する。
図11に示すように、制御部CTRは、モジュール駆動装置MDの駆動部DM、光学モジュールOMを構成する基板部材SBに実装された温度センサSR、及び、光学モジュールOMを構成するレンズ駆動装置LDのオートフォーカス用駆動部ADのそれぞれに電気的に接続されている。
最初に、制御部CTRは、撮像素子ISの温度が所定の上限温度を上回ったか否かを判定する(ステップST1)。図示例では、制御部CTRは、基板部材SBの内側部分SB2の上面において撮像素子ISの近くに実装された温度センサSRの出力に基づいて撮像素子ISの温度を計測する。そして、制御部CTRは、計測した撮像素子ISの温度と、制御部CTRの不揮発性記憶装置に記憶されている第1閾温度とを比較し、計測した撮像素子ISの温度が第1閾温度を上回っている場合、撮像素子ISの温度が所定の上限温度を上回ったと判定する。
撮像素子ISの温度が所定の上限温度を上回っていないと判定した場合(ステップST1のNO)、制御部CTRは、撮像素子ISの温度の計測を継続する。一方、撮像素子ISの温度が所定の上限温度を上回ったと判定した場合(ステップST1のYES)、制御部CTRは、モジュール駆動装置MDの動作モードを高温モードに切り換える(ステップST2)。図示例では、制御部CTRは、レンズ駆動装置LDのオートフォーカス用駆動部ADを構成しているコイルに対する電流の供給を許容しながら、モジュール駆動装置MDの駆動部DMを構成している形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給を停止する。すなわち、制御部CTRは、オートフォーカス機能を利用可能としながら、手振れ補正機能を停止させることができる。
形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給が停止されると、付勢手段EGは、図10の左図に示すように、基板部材SBの内側部分SB2と放熱部材HRとが互いに接触するようにモジュール保持体2を下方に付勢する。すなわち、モジュール保持体2の凹部2Rに嵌め込まれている磁石9が磁性部材MGに引き寄せられ、モジュール保持体2によって保持されている光学モジュールOMを構成している基板部材SBの内側部分SB2は、放熱部材HRと接触する。そのため、制御部CTRは、基板部材SB及び放熱部材HRを通じた撮像素子ISの放熱を開始させることができる。撮像素子ISの放熱が開始されると、撮像素子ISの温度は低下する。
その後、制御部CTRは、撮像素子ISの温度が所定の下限温度を下回ったか否かを判定する(ステップST3)。図示例では、制御部CTRは、温度センサSRの出力に基づいて撮像素子ISの温度を計測する。そして、制御部CTRは、計測した撮像素子ISの温度と、制御部CTRの不揮発性記憶装置に記憶されている第2閾温度とを比較し、計測した撮像素子ISの温度が第2閾温度を下回っている場合、撮像素子ISの温度が所定の下限温度を下回ったと判定する。なお、第2閾温度は、第1閾温度よりも低い温度である。
撮像素子ISの温度が所定の下限温度を下回っていないと判定した場合(ステップST3のNO)、制御部CTRは、撮像素子ISの温度の計測を継続する。一方、撮像素子ISの温度が所定の下限温度を下回ったと判定した場合(ステップST3のYES)、制御部CTRは、モジュール駆動装置MDの動作モードを通常モードに切り換える(ステップST4)。図示例では、制御部CTRは、レンズ駆動装置LDのオートフォーカス用駆動部ADを構成しているコイルに対する電流の供給を許容しながら、モジュール駆動装置MDの駆動部DMを構成している形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給を許容する。すなわち、制御部CTRは、オートフォーカス機能を利用可能としながら、手振れ補正機能を利用可能とすることができる。
形状記憶合金ワイヤSAに対する電流の供給が再開されると、形状記憶合金ワイヤSAは、図10の右図に示すように、基板部材SBの内側部分SB2と放熱部材HRとが互いから離れるようにモジュール保持体2を上方に移動させる(浮き上がらせる)。そのため、制御部CTRは、モジュール保持体2によって保持された光学モジュールOMを第1軸線AX1及び第2軸線AX2のそれぞれの回りで揺動させることができる。
このように、制御部CTRは、撮像素子ISの温度に応じてモジュール駆動装置MDの動作モードを通常モードと高温モードとで切り換えることができる。そのため、制御部CTRは、撮像素子ISの温度が所定の上限温度を上回った場合には、手振れ補正機能を停止させながらも、オートフォーカス機能を継続させることができる。また、制御部CTRは、手振れ補正機能を停止させた後、撮像素子ISの温度が所定の下限温度を下回った場合には、手振れ補正機能を再開させることができる。
上述のように、本開示の実施形態に係るモジュール駆動装置MDは、図1及び図2に示すように、レンズ体LSと、基板部材SBと、光軸方向においてレンズ体LSと対向するように基板部材SBの上面(Z1側の面)に実装された撮像素子ISとを有する光学モジュールOMを保持可能なモジュール保持体2を含む可動側部材MBと、撮像素子ISが発生させる熱を放熱する放熱部材HRと相対移動不能に設けられた固定側部材FBと、固定側部材FBと可動側部材MBとの間に設けられる複数の形状記憶合金ワイヤSAを利用して固定側部材FBに対して可動側部材MBを移動させる駆動部DMと、を備えている。また、モジュール駆動装置MDは、図3に示すように、基板部材SBの下面(Z2側の面)に対向する放熱部材HRの側(Z2側、下側)にモジュール保持体2を付勢する付勢手段EGを更に備えている。付勢手段EGは、形状記憶合金ワイヤSAが通電されているときに互いに離間している基板部材SB(内側部分SB2)と放熱部材HRとが、形状記憶合金ワイヤSAが通電されていないときには互いに近接し或いは接触するようにモジュール保持体2を付勢するように構成されている。
この構成は、撮像素子ISの温度が高くなった際、形状記憶合金ワイヤSAへの通電を止めることで、基板部材SB(内側部分SB2)と放熱部材HRとを接近させ或いは当接させることができる。そのため、この構成は、基板部材SBに実装される撮像素子ISが発生させた熱を、基板部材SB(内側部分SB2)及び放熱部材HRを通じて外部に放熱することができる。そのため、この構成は、放熱部材HRを移動させる駆動機構を別に必要としない。また、この構成は、放熱部材HRを移動させることがないため、放熱部材HRを移動させる駆動機構を備える構成に比べ、放熱部材HRのサイズを大きくしやすい(放熱効果を高めやすい)という効果をもたらす。
また、付勢手段EGは、可動側部材MB又は光学モジュールOMと固定側部材FBとのうちの一方に設けられた磁石9、及び、可動側部材MB又は光学モジュールOMと固定側部材FBとのうちの他方に設けられた磁性部材MG、を含んで構成されていてもよい。図示例では、付勢手段EGは、可動側部材MB(モジュール保持体2)に設けられた磁石9と、固定側部材FB(ベース部材18)に設けられた磁性部材MG(第1金属板MG1(第11固定側埋設部材10Kの第11露出部10KP)及び第2金属板MG2(第12固定側埋設部材10Lの第12露出部10LP))を含んで構成されている。但し、付勢手段EGは、オートフォーカス用駆動部ADを構成するボイスコイルモータの磁石等、光学モジュールOMに設けられた磁石を含んで構成されていてもよい。
この構成は、簡易な構造の付勢手段EGを実現できるという効果をもたらす。
また、固定側部材FBは、ベース部材18を含んでいてもよい。この場合、モジュール保持体2は、光軸方向においてベース部材18の上面に対向する対向部2Fを有していてもよい。そして、光軸方向に沿った平面視(上面視)において、複数の磁石9は、対向部2Fにおける異なる複数の位置に設けられていてもよい。そして、磁性部材MGは、複数の磁石9に対向して複数設けられるとともに、ベース部材18に埋設されていてもよい。図示例では、磁石9は、図8の上図に示すように、対向部2Fの一部である第1台座部2D1の下面に形成された第1凹部2R1に嵌め込まれて接着剤で固定された第1磁石9Aと、対向部2Fの別の一部である第2台座部2D2の下面に形成された第2凹部2R2に嵌め込まれて接着剤で固定された第2磁石9Bとを含む。そして、磁性部材MGは、ベース部材18に埋設された第11固定側埋設部材10Kの一部であって、第1磁石9Aと対向するようにベース部材18の上面から露出する第1金属板MG1と、ベース部材18に埋設された第12固定側埋設部材10Lの一部であって、第2磁石9Bと対向するようにベース部材18の上面から露出する第2金属板MG2とを含む。
この構成は、付勢手段EGによるモジュール保持体2の付勢をより確実なものとすることができるという効果をもたらす。
また、駆動部DMは、モジュール保持体2を光軸OAと交差する二軸回りに揺動させるように構成されていてもよい。なお、この二軸は、物理的な回転軸ではない。図示例では、駆動部DMは、図2に示すように、仮想線である第1軸線AX1及び第2軸線AX2のそれぞれの回りでモジュール保持体2を揺動させることができるように構成されている。
この構成は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにモジュール保持体2を平行移動させることによって実現される手振れ補正機能に比べ、より大きな手振れに対応できるという効果をもたらす。
また、駆動部DMは、図7に示すように、八本の形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8)によって構成されていてもよい。
この構成は、より少ない数の形状記憶合金ワイヤSAによって駆動部が構成される場合に比べ、手振れ補正機能の応答速度を高めることができるという効果をもたらす。
また、付勢手段EGは、図10の右図に示すように撮像素子ISの温度が所定温度以下のときに互いに離間している基板部材SB(内側部分SB2)と放熱部材HRとが、撮像素子ISの温度が所定温度を上回ったときには互いに近接し或いは接触するようにモジュール保持体2を付勢するように構成されていてもよい。図10の左図に示す例では、付勢手段EGは、撮像素子ISの温度が所定温度を上回ったときに基板部材SBの内側部分SB2と放熱部材HRとが互いに接触するようにモジュール保持体2を下方に付勢している。
この構成は、撮像素子ISの温度が高い状態が継続してしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
また、撮像素子ISの温度は、基板部材SBに設けられた温度センサSR(図2参照)によって検出されてもよい。
この構成は、撮像素子ISの近傍に温度センサSRを設置できるという効果をもたらす。また、この構成は、撮像素子ISの温度を簡単に計測できるという効果をもたらす。
また、形状記憶合金ワイヤSAに対する通電は、撮像素子ISの温度が所定温度を上回ったときに中止されてもよい。
この構成は、撮像素子ISの温度が所定温度を上回ったときに、撮像素子ISが実装されている基板部材SB(内側部分SB2)をより確実に放熱部材HRに近接させ或いは接触させることができるという効果をもたらす。そのため、この構成は、撮像素子ISの更なる発熱を抑制できるという効果をもたらす。
また、光学モジュールOMは、レンズ体LSを保持するレンズ保持体LH(図2参照)と、レンズ保持体LHを撮像素子ISに対して光軸方向へ移動させるオートフォーカス用駆動部AD(図11参照)とを有していてもよい。そして、付勢手段EGは、オートフォーカス用駆動部ADが作動可能か否かにかかわらず、形状記憶合金ワイヤSAが通電されていないときには、基板部材SBと放熱部材HRとが互いに近接し或いは接触するようにモジュール保持体2を付勢するように構成されていてもよい。
この構成は、手振れ補正機能が一時的に利用できなくなっている場合であっても、オートフォーカス機能を継続的に利用できるようにするため、長時間に亘る撮影が可能になるという効果をもたらす。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
例えば、上述の実施形態では、付勢手段EGは、磁石9と磁性部材MGとで構成されているが、ばねで構成されていてもよい。すなわち、上述の実施形態では、付勢手段EGは、磁力を利用できるように構成されているが、ばねの復元力を利用できるように構成されていてもよい。