JP7494128B2 - フレグランス送達デバイス - Google Patents

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Description

本開示は、香料の分野に関するものであり、より詳細には、周囲の空間に活性組成物をディスペンスするためのデバイスおよび関連する消費者物品に関するものである。
発明の背景
周囲の空間に活性組成物をディスペンスするためのデバイスが知られている。例えば、ゲルとして調製された活性組成物を利用するデバイスなどの特定のデバイスは、ゲルが時間の経過とともに蒸発することで、収縮してしまう可能性がある。この収縮は、周囲の空間への少なくとも1種の活性組成物のディスペンスに悪影響を及ぼす可能性がある。
したがって、周囲の空間への少なくとも1種の活性組成物のディスペンスに及ぼす悪影響が少ない、活性組成物のための単純で効率的な送達デバイスの必要性が存在する。
発明の概要
本明細書に提示される一態様は、
a)ボディ部分であって、ここで、
ボディ部分は、体積と少なくとも1つの表面とを有し、
体積は、流体的に接続された複数の通路の少なくとも1つのネットワークを含み、
流体的に接続された通路の少なくとも1つのネットワークは、少なくとも1つの第1の端部と少なくとも1つの第2の端部とを有し、
少なくとも1つの第1の端部と少なくとも1つの第2の端部とは、距離を隔てて離間されており、
第1の端部または第2の端部の少なくとも一方は、少なくとも1つの表面に流体的に接続されており、
複数の通路のうちの各個別の通路は、断面を有し、
距離と、複数の通路のうちの各通路の断面とは、表面を画定する、
ボディ部分と、
b)少なくとも1種の活性組成物と
を含むデバイスであって、ここで、
少なくとも1種の活性組成物は、流体的に接続された複数の通路の少なくとも1つのネットワーク内に配置されており、
表面は、少なくとも1種の活性組成物を分散させるように構成されている、
デバイスを提供する。
一態様では、複数の通路のうちの各個別の通路は、一つ以上の分岐部を有する。
一態様では、ボディ部分は、多孔質材料を含む。
一態様では、表面は、三重周期極小曲面形状(a triply periodic minimal surface geometry)を含む。一態様では、三重周期極小曲面形状は、ジャイロイド形状、リディノイド形状、シュワルツD「ダイヤモンド」形状、またはシュワルツP「プリミティブ」形状からなる群から選択される。
一態様では、表面は、方程式1に従って定義される:
F(x,y,z)=sin(x)・cos(y)+sin(y)・cos(z)+sin(z)・cos(x)=T 方程式1
一態様では、Tの値は、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つにおいて変化する。一態様では、Tの値は、ボディ部分の周縁部におけるTの値よりもボディ部分の中心部におけるTの値の方が大きい。別の態様では、Tの値は、ボディ部分の中心部におけるTの値よりもボディ部分の周縁部におけるTの値の方が大きい。一態様では、Tの値は、0~1.43の数値から選択される。別の態様では、Tの値は、0~-1.43の数値から選択される。
一態様では、複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分のX方向、Y方向、またはZ方向の少なくとも1つにおいて変化する。一態様では、複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分の周縁部における複数の通路のうちの各個別の通路の断面よりもボディ部分の中心部の方が大きい。別の態様では、複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分の中心部における複数の通路のうちの各個別の通路の断面よりもボディ部分の周縁部の方が大きい。
一態様では、ボディ部分は、不規則形、正方形、長方形、円形、楕円形、斜方形、半円、および台形からなる群から選択される断面形状を有する。
一態様では、ボディ部分は、流体的に接続された複数の通路の2つのネットワークを含む。一態様では、第1の活性組成物が第1のネットワーク内に配置され、第2の活性組成物が第2のネットワーク内に配置される。
一態様では、第1のネットワークと第2のネットワークとは相互に接続されていない。
一態様では、第1のネットワークまたは第2のネットワークの少なくとも一方は、中空ではない。
一態様では、ボディ部分は、流体的に接続された複数の通路の3つのネットワークを含む。一態様では、第1の活性組成物が第1のネットワーク内に配置され、第2の活性組成物が第2のネットワーク内に配置され、第3の活性組成物が第3のネットワーク内に配置される。
一態様では、第1のネットワーク、第2のネットワークおよび第3のネットワークは、相互に接続されていない。
一態様では、第1のネットワーク、第2のネットワークまたは第三のネットワークの少なくとも1つは、中空ではない。
一態様では、少なくとも1種の活性組成物は、ワックスを含む活性組成物、ヒドロゲルを含む活性組成物、オレオゲルを含む活性組成物、オルガノゲルを含む活性組成物、またはそれらの混合物からなる群から選択される。
一態様では、デバイスはさらに、気流シールドを含む。
本明細書に提示される一態様は、本明細書に提示される一態様に従ったデバイスの構造体と、活性組成物とを含むキットを提供する。
本明細書に提示される2つの態様に従ったデバイスへの活性組成物の組み込みを示す図であり、上段は、熱溶解積層法を介して作製されたボディ部分を示し、下段は、光造形法を介して作製されたボディ部分を示す。 本明細書に提示される態様に従った芳香剤を組み込んだデバイスを示す図である。 ジャイロイド三重周期極小曲面形状を有する少なくとも1つの表面によって画定された構造体を有する、本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示されるいくつかの態様に従った三重周期極小曲面形状を有する表面によって画定された構造体を有するデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される2つの態様に従ったジャイロイド三重周期極小曲面形状を有する少なくとも1つの表面によって画定された構造体を有する、本明細書に提示される態様に従ったデバイスを示す図である。 ジャイロイド三重周期極小曲面形状を有する少なくとも1つの表面によって画定された構造体を有し、複数の通路のうちの各個別の通路の断面が、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向のうちの少なくとも1つにおいて変化する、本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 2つの異なる三重周期極小曲面形状のブレンドを有する少なくとも1つの表面によって画定された構造体を有する、本明細書に提示される態様に従ったデバイスを示す図である。 ボディ部分の構造体が、ワイヤーフレーム操作を用いて形成された少なくとも1つの有孔表面によって画定される、本明細書に提示される2つの態様に従ったデバイスを示す図である。 ボディ部分の構造体が、多孔質フィラメントから形成された少なくとも1つの有孔表面によって画定される、本明細書に提示される2つの態様に従ったデバイスを示す図である。 ボディ部分の構造体が、モザイク状構造体から形成された少なくとも1つの有孔表面によって画定される、本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 第1の活性組成物が、複数の中空通路の第1のネットワーク内に配置され、第2の活性組成物が、複数の中空通路の第2のネットワーク内に配置される、本明細書に提示される態様に従ったデバイスを示す図である。 第1の活性組成物および第2の活性組成物が乾燥した後の、図11に示される態様に従ったデバイスを示す図である。 本明細書に提示されるいくつかの態様に従ったデバイスと気流シールドとを組み込んだ芳香剤デバイスの例示的な断面の画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスと気流シールドとを組み込んだ芳香剤デバイスを図示したものである。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスと気流シールドとを組み込んだ芳香剤デバイスの断面を図示したものである。 本明細書に提示されるいくつかの態様に従ったデバイスからの水の蒸発に及ぼす、異なるd/rの気流シールドの効果を示す図である。 蒸発した少なくとも1種の活性組成物を含む、本明細書に提示される態様に従ったデバイスを示す図である。 シングルジャイロイド(左)、勾配を有する肥厚ジャイロイド(中心)、および勾配を有する充填ジャイロイド(右)を含む、本明細書に提示される態様に従ったデバイスを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスを注入成形するために使用される3Dプリントされた付属品を示す図であり、左から右に向かって:両方ともカップの内側にある、台座に静止しているデバイス;蓋付きカップの内側にあるデバイスと台座;台座スタンドの上にあるデバイスである。 対照ヒドロゲルを注入成形するために使用される3Dプリントされた付属品を示す図である。 実施例2に記載のデバイスおよび対照サンプルを示す図である。 実施例2に記載の試験デバイスおよび対照デバイスの経時的な質量損失を示す図である。 実施例2に記載の対照デバイスの外観の経時変化を示す図である。 実施例2に記載の試験デバイスの外観の経時変化を示す図である。 MathModを使用して設計され,その後、SLAプリンターを使用して3Dプリントされた4つの構造体の画像レンダリングを示す図である。 MathModを使用して設計され、その後、SLAプリンターを使用して3Dプリントされた、オレオゲルベースの活性組成物を組み込んだ4つの構造体を示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの表面積の数学的推定を概説する画像レンダリングを示す図である。 実施例2および6に記載のデバイスの構造体および表面積、ならびにそれらの近似的に計算された表面積の画像レンダリングを示す図である。 本明細書で提示される態様に従ったデバイスを示す図である。 本明細書で提示される態様に従ったデバイスを示す図である。 実施例6に記載の対照デバイスおよび試験デバイスの経時的な質量損失を示す図である。 実施例6に記載の対照デバイスおよび試験デバイスの経時的な質量損失を示す図である。 実施例6に記載の対照デバイスおよび試験デバイスからの表示された機能性成分の経時的なヘッドスペース分析を示す図であり、ピーク面積カウント値10,000付近またはそれを下回る点は、分光計の検出閾値を下回っており、したがって、検出不可能であると考えられる。 実施例6に記載の対照デバイスおよび試験デバイスの経時的な平均官能強度スコアを示す図であり、「ジャイロイド高質量」および「ジャイロイド低質量」は、2つの対照デバイスに対応する。 実施例6に記載の対照デバイスおよび試験デバイスの経時的な平均官能強度スコアを示す図である(エラーバーは、信頼区間を表し、α=0.05)。 実施例6に記載のデバイスの外観の経時的な変化を示す図である。 実施例6に記載のデバイスの外観の経時的な変化を示す図である。 実施例6に記載のデバイスの外観の経時的な変化を示す図である。 実施例6に記載のデバイスの外観の経時的な変化を示す図である。 実施例6に記載の対照デバイスの外観の経時的な変化を示す図である。 実施例6に記載の対照デバイスの外観の経時的な変化を示す図である。 3つの個々の体積を分離した二重ジャイロイド曲面を有する、本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの断面の画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの断面の画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの断面の画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 本明細書に提示される態様に従ったデバイスの画像レンダリングを示す図である。 (a)足場の正面図および(b)側面図を示す図である。 「対照」足場および「フリップ」足場の断面を示す図である。 「フリップ」足場および「対照」足場の画像を示す図である。 「対照」足場および「フリップ」足場の経時的な質量損失を示すグラフである。 「対照」足場の経時的な画像を示す図である。 「フリップ」足場の経時的な画像を示す図である。 「対照」足場および「フリップ」足場の経時的な平均官能強度を示す棒グラフである。 コンピューターレンダリングおよび高次の足場の3Dプリントを示す図である。 湾曲した設計を示す図である。 単純な足場の設計を示す図である。
詳細な説明
以下の説明では、実例として示される、実施され得る特定の実施形態に言及している。これらの実施形態は、本明細書に記載の発明を当業者が実施することがきるように詳細に記載されており、他の実施形態が利用されてもよく、本明細書に提示される態様の範囲から逸脱することなく論理的な変更が行われてもよいことを理解すべきである。したがって、例示的な実施形態の以下の説明は、限定的な意味でとられるべきではなく、本明細書に提示される様々な態様の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
要約は、技術的開示の性質と要旨とを読者が迅速に確認できるように、37C.F.R.§1.72(b)に準拠して提供される。要約は、特許請求の範囲や意味を解釈したり制限したりするために使用されないことを理解した上で提出される。
周囲の空間に活性組成物をディスペンスするためのデバイスが知られている。特定のデバイス、例えば、ゲルとして調製された活性組成物を利用するデバイスは、ゲルが時間の経過とともに蒸発することで、収縮してしまう可能性がある。この収縮は、周囲の空間への少なくとも1種の活性組成物のディスペンスに悪影響を及ぼす可能性がある。いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものはないが、蒸発プロセスは、ゲルの表面積の減少、移動度の減少、および/または少なくとも1種の活性組成物の限定的な蒸発をもたらす可能性がある。したがって、結果生じる乾燥ヒドロゲルは、事実上、香りを「閉じ込め」、望ましくない視覚効果を有する。
現在の市場製品は、典型的なゲル芳香剤の周囲のカバーの使用によって、少なくとも1種の活性組成物の乾燥速度を変更することを可能にする。カバーを上げたり下げたりすることによって、ユーザーは蒸発率を変更することができ、したがって、少なくとも1種の活性組成物内の機能性成分の放出率に影響を及ぼすことができる。例えば、乾燥開始時には開口部を小さくしておき、毎日徐々に開口部を開いていくことも可能である。しかしながら、こうした手動調節はユーザーにとって面倒であり、「作り付けの」放出制御機構を備えた芳香剤が望ましい。
デバイス
本明細書に提示される態様に従ったデバイスは、少なくとも1種の活性組成物で充填された内部構造体を有するボディ部分を含む。少なくとも1種の活性組成物が蒸発すると、少なくとも1種の活性組成物は収縮し、質量を失い、機能性成分を放出する。いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、ボディ部分の内部構造体は、少なくとも1種の活性組成物が蒸発し得る表面を提供する。さらに、表面は、少なくとも1種の活性組成物の蒸発の速度を制御し、かつ/または少なくとも1種の活性組成物からの機能性成分の放出の量および/または速度を制御するように構成されていてもよい。追加的に、または代替的に、ボディ部分は、少なくとも1種の活性組成物の支持体として機能してもよい。
例えば、少なくとも1種の活性組成物の蒸発率は、ボディ部分の内部構造体の表面積を変化させることによって制御されてもよい。実例として、少なくとも1種の活性組成物が蒸発して収縮するにつれて、少なくとも1種の活性組成物は、ボディ部分の外縁から後退してもよい。そのような収縮は、少なくとも1種の活性組成物の表面積の減少をもたらし得る。そのような減少した表面積は、ボディ部分の内部構造体によって相殺されてもよい。例えば、内部構造体の表面積は、少なくとも1種の活性組成物が後退する経路に沿って増加してもよい。これ以外に、内部構造体は、少なくとも1種の活性組成物が後退する速度を減少させてもよい「アンカーポイント」を提供してもよい。これ以外に、内部構造体は、少なくとも1種の活性組成物が後退するのを防止するか、または妨げてもよい「アンカーポイント」を提供してもよい。
いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、本明細書に提示される態様に従ったデバイスは、少なくとも1種の活性組成物の質量損失を、少なくとも1種の活性組成物単独の質量損失と比較して変化させるように構成された特定の形状で生成されてもよい。あるいは本明細書に提示される態様に従ったデバイスは、少なくとも1種の活性組成物の知覚量を、少なくとも1種の活性組成物単独の知覚量と比較して変化させるように構成された特定の形状で生成されてもよい。あるいは本明細書に提示される態様に従ったデバイスは、周囲の空間における少なくとも1種の活性組成物の量を、周囲の空間における少なくとも1種の活性組成物単独の量と比較して変化させるように構成された特定の形状で生成されてもよい。
本明細書に提示される態様に従ったデバイスは、ヒドロゲル芳香剤だけでなく、任意の固体、半固体、またはさらに粘性液体の形態の芳香剤にも拡張することができ、好適であり得る。例えば、自己支持性のない配合物に香りのレベルを最大化することが望ましくあり得る。そのような場合、これらの足場は更なる利点を提供するであろう。
したがって、本明細書に提示される一態様は、
a)ボディ部分であって、ここで、
ボディ部分は、体積と少なくとも1つの表面とを有し、
体積は、流体的に接続された複数の通路の少なくとも1つのネットワークを含み、
流体的に接続された通路の少なくとも1つのネットワークは、少なくとも1つの第1の端部と少なくとも1つの第2の端部とを有し、
少なくとも1つの第1の端部と少なくとも1つの第2の端部とは、距離を隔てて離間されており、
第1の端部または第2の端部の少なくとも一方は、少なくとも1つの表面に流体的に接続されており、
複数の通路のうちの各個別の通路は、断面を有し、
距離と、複数の通路のうちの各通路の断面とは、表面を画定する、
ボディ部分と、
b)少なくとも1種の活性組成物と
を含むデバイスであって、ここで、
少なくとも1種の活性組成物は、流体的に接続された複数の通路の少なくとも1つのネットワーク内に配置されており、
表面は、少なくとも1種の活性組成物を分散させるように構成されている、
デバイスを提供する。
いくつかの態様では、複数の通路のうちの各個別の通路は、一つ以上の分岐部を有する。いくつかの態様では、第1の端部または第2の端部の少なくとも一方は、開放されている。
いくつかの態様では、デバイスはさらに、気流シールドを含む。
デバイスのボディ部分は、任意の断面形、例えば、不規則形、正方形、長方形、円形、楕円形、斜方形、半円形、台形の形状などを有していてもよい。本明細書で提供されるいくつかの態様に従ったデバイスの例は、図1~図5および図43~図61に示される。
いくつかの態様では、表面は、三重周期極小曲面形状を含む。一態様では、三重周期極小曲面形状は、ジャイロイド形状、リディノイド形状、シュワルツD「ダイヤモンド」形状、またはシュワルツP「プリミティブ」構造体形状からなる群から選択される。
本明細書に提示される態様に従って使用するのに適した三重周期極小曲面形状の例は、Gyroid and Gyroid-Like Surfaces: Rudolf, M., & Scherer, J. (2013), S. I. Publishing (Ed.), Double-Gyroid-Structured Functional Materials (pp. 7-19)に開示されている。本明細書に提示される態様に従って使用するのに適した三重周期極小曲面形状の追加の例は、S. Andersson K. Larsson M. Larsson M. Jacob. (1999). Biomathematics, Mathematics of Biostructures and Biodynamics. Elsevier Scienceに開示されている。
いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、表面は、少なくとも1種の活性組成物を分散させるように構成されていてもよい、気孔率、表面積および体積を有する構造体を有するボディ部分を提供する。
いくつかの態様では、表面は、三重周期極小曲面形状によって画定される。図3および4を参照して、いくつかの態様では、三重周期極小曲面形状によって画定される表面は、方程式1に従って定義される:
F(x,y,z)=sin(x)・cos(y)+sin(y)cos(z)+sin(z)・cos(x)=T 方程式2
実例として、Tの数値を変化させることで、ボディ部分の気孔率、表面積および/または体積を変化させることができる。例えば、T=0の場合、ボディ部分は、図3に描写されているような2つの別個の鏡像関係を持つ相互貫入型のシングルジャイロイド体積(両方とも50%)や図4に描写される左上のボディ部分に正確に分割される。2つの別個の相互貫入型のシングルジャイロイド体積は、それぞれ複数の中空通路(本明細書では「A」および「B」と称する)の別個のネットワークを含む。
図4を参照して、Tの値が0~1.413である場合、体積Aの体積は増加し、体積Bの体積は減少する。同様に、Tの値が0~-1.413である場合、逆に、体積Aの体積は減少し、体積Bの体積は増加するという現象が起こる。
Tの絶対値の値が1.413~1.5である場合、表面はもはや接続されていない。1.5を超えるTの絶対値の場合、方程式1の現実解は存在しない。
代替的な態様では、ボディ部分の気孔率、表面積および/または体積は、複数の中空通路のネットワーク内に充填されることによって変更されてもよい。図4を参照して、いくつかの態様では、体積Aまたは体積Bのいずれか一方は、固体であってもよい。そのような態様の例は、図4の右2列に示されている。
図62を参照して、いくつかの態様では、三重周期極小曲面形状によって画定される少なくとも1つの表面は、方程式2に従って定義される:
F(x,y,z)=(Asin(Bx+C)+D)・(Acos(By+C)+D)+(Asin(By+C)+D)・(Acos(Bz+C)+D)+(Asin(Bz+C)+D)・(Acos(Bx+C)+D)=T 方程式2
式中、A=振幅;B=周波数;C=位相シフト;D=垂直シフトであり、ここで、A、B、C、またはDの少なくとも1つは、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つにおいて変化してもよい。
方程式2を例にとると、y=sin(x)の基本正弦波は、以下のように変更することができる:y=Asin(Bx+C)+D、式中、A~Dは、それぞれ振幅、周波数、位相シフトおよび垂直シフトを変化させるパラメーターを表す。方程式2(または類似の方程式)の三角関数の1つまたは全てにおいて、これらの変数を変化させることによって、図62に示される異なる形状を得ることができる。
代替的な態様では、表面は、三重周期極小曲面形状を画定する2つ以上の方程式を組み合わせることによって定義されてもよい。そのような態様は、Venkatesh, V., Reddy, K. A. K., & Sreekanth, E. (2014). Design of Mathematically Defined Heterogeneous Porous Scaffold Architecture for Tissue Engineering, 10(24), 1169-1174に開示されている。
例えば、三重周期極小曲面形状は、方程式3および方程式4に従って定義されてもよい:
Φ=ジャイロイド=sin(x)・cos(y)+sin(y)・cos(z)+sin(z)・cos(x)=0 方程式2
Φ=シュワルツダイヤモンド=sin(x)・sin(y)・sin(z)+sin(x)・cos(y)・cos(z)+cos(x)・sin(y)・cos(z)+cos(x)・cos(y)・sin(z)=0 方程式3
さらに:
Φmix=μ・Φ+(1-μ)・Φ=0 方程式4
いくつかの態様では、μは0~1の範囲である。図7は、μ=0.5のボディ部分を描写する。
一態様では、複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つにおいて変化する。一態様では、複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分の周縁部における複数の通路のうちの各個別の通路の断面よりもボディ部分の中心部の方が大きい。別の態様では、複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分の中心部における複数の通路のうちの各個別の通路の断面よりもボディ部分の周縁部の方が大きい。いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、複数の通路の内の各個別の通路の断面のばらつきは、少なくとも1種の活性組成物の蒸発率を変化させてもよく、少なくとも1種の活性組成物が後退する速度を変化させてもよく、少なくとも1種の活性組成物から放出される機能性成分の量を変化させてもよく、またはそれらの任意の組み合わせを変化させてもよい。
いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つにおいて変更されてもよく、それによって、半径方向の気孔率勾配を有するボディ部分が生成される。この例では、「気孔率勾配」という用語は、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つの方向における複数の通路のうちの各個別の通路の断面のばらつきを指す。そのようなボディ部分の例は、図6に示されており、ここでは、ボディ部分は、水平方向に気孔率勾配を有する。いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、少なくとも1種の活性組成物が蒸発して収縮するにつれて、少なくとも1種の活性組成物は、ボディ部分の外縁から後退してもよく、ひいては、調節的に蒸発の速度を変化させることを可能にする気孔サイズの変化が現れる。少なくとも1種の活性組成物の蒸発に及ぼす、本明細書に提示される態様に従ったデバイスの効果は、図12に示されている(2種の活性組成物が乾燥した後の図11のデバイスを描写する)。実施例6を参照して、いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、外側に最小の穴を有するデバイスは、少なくとも1種の活性組成物の蒸発率を減少させるのにより効率的であるように思われた。これは、少なくとも1種の活性組成物から放出された水分がデバイス内に「閉じ込められ」、相対湿度/香りの勾配を減少させ、全体的な質量移動速度を減少させる「境界効果」によって引き起こされ得る。
あるいは複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つにおいて、方程式1~4のいずれか1つの周波数パラメーターを変化させることによって変化させてもよい。
あるいは複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つにおいて、方程式1~4のいずれか1つの振幅パラメーターを変化させることによって変化させてもよい。
あるいは複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つにおいて、方程式1~4のいずれか1つの位相シフトパラメーターを変化させることによって変化させてもよい。
あるいは複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つにおいて、方程式1~4のいずれか1つの垂直シフトパラメーターを変化させることによって変化させてもよい。
あるいは複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つにおける距離の関数として、上記方程式4のμを変化させることによって変化させてもよい。
あるいは複数の通路のうちの各個別の通路の断面は、方程式4のμを変化させ、ボディ部分のx方向、y方向、またはz方向の少なくとも1つに気孔率勾配を導入することによって変化させてもよい。
図11を参照して、いくつかの態様では、ボディ部分は、流体的に接続された複数の通路の2つのネットワークを含む。一態様では、第1の活性組成物が第1のネットワーク内に配置され、第2の活性組成物が第2のネットワーク内に配置される。いくつかの態様では、第1のネットワークと第2のネットワークとは相互に接続されていない。
いくつかの態様では、第1のネットワークまたは第2のネットワークの少なくとも一方は、中空ではない。
いくつかの態様では、第1の活性組成物と第2の活性組成物とは同じである。あるいはいくつかの態様では、第1の活性組成物と第2の活性組成物とは異なる。例えば、実例として、第1の活性組成物は、第1の嗅覚ノートを有してもよく、第2の活性組成物は、第1の嗅覚ノートとは異なる第2の嗅覚ノートを有してもよい。いくつかの態様では、デバイスは、第1の活性組成物を第2の活性組成物とは異なる速度で放出するように構成されてもよい。いくつかの態様では、デバイスは、特定の嗅覚ノートの知覚を経時的に安定したレベルで維持する速度で第1の活性組成物および第2の活性組成物を放出するように構成されてもよい。
いかなる特定の理論に限定されることも意図するものではないが、デバイスは、体積Aにおいて、体積Bと比較して増加した表面積を有する構造体を提供することによって、第1の活性組成物を第1の活性組成物とは異なる速度で放出するように構成されていてもよい。あるいはデバイスは、体積Aにおいて、体積Bと比較して減少した気孔サイズを有する構造体を提供することによって、第1の活性組成物を第1の活性組成物とは異なる速度で放出するように構成されていてもよい。あるいはデバイスは、体積Aにおいて、体積Bと比較して増加した表面積:体積の比を有する構造体を提供することによって、第1の活性組成物を第1の活性組成物とは異なる速度で放出するように構成されていてもよい。
いくつかの態様では、デバイスの中心部を通って引かれたランダムな直線は、少なくとも1つの表面と平均して少なくとも2回、または少なくとも3回、または少なくとも4回、またはそれ以上交差する。
いくつかの態様では、デバイスは、少なくとも1のcm:cm、または少なくとも2のcm:cm、または少なくとも3のcm:cm、または少なくとも4のcm:cm、または少なくとも5のcm:cmの表面積:体積の比を有する。
図42を参照して、いくつかの態様では、ボディ部分は、流体的に接続された複数の通路の3つのネットワークを含む。一態様では、第1の活性組成物が第1のネットワーク内に配置され、第2の活性組成物が第2のネットワーク内に配置され、第3の活性組成物が第3のネットワーク内に配置される。いくつかの態様では、第1のネットワーク、第2のネットワークおよび第3のネットワークは、相互に接続されていない。
いくつかの態様では、第1のネットワーク、第2のネットワーク、または第3のネットワークの少なくとも1つは、中空ではない。
いくつかの態様では、ボディ部分は、不規則形、正方形、長方形、円形、楕円形、斜方形、半円、および台形からなる群から選択される断面形状を有する。
いくつかの態様では、ボディ部分は多孔質材料を含む。ボディ部分のための適切な多孔質材料としては、多孔質磁器材料、プラスチック、成形セラミック、ガラス繊維、粘土、活性炭、セルロースなどが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様では、多孔質材料は、チャコール、セラミック、プラスチック、粘土、セルロース、およびそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの態様では、多孔質材料はチャコールである。
いくつかの態様では、多孔質材料は、プラスチック、金属、紫外線硬化ポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
いくつかの態様では、材料は、Wohler, T. (2016). Wohlers Report 2016 3D Printing and Additive Manufacturing State of the Industry. Annual Worldwide Progress Report. (Wohlers Associates, Inc.)に開示された材料から選択される。
いくつかの態様では、材料はワックスを含む。
いくつかの態様では、材料は、国際特許出願公開第2016/172699号に開示された材料から選択される。
ボディ部分は、当業者であれば容易に選択される任意の適切な方法で形成することができる。ボディ部分を形成する方法の非限定的な例としては、注入成形、押出成形、3Dプリント、焼結などが挙げられる。
図1~7を参照して、いくつかの態様では、ボディ部分の構造体は、少なくとも1つの固体表面によって画定されてもよい。あるいは図8~図10を参照して、いくつかの態様では、ボディ部分の構造体は、少なくとも1つの有孔表面によって画定されてもよい。有孔表面の例としては、ワイヤーフレーム、モザイク状形状、繊維、骨梁構造体などが挙げられるが、これらに限定されない。
少なくとも1種の活性組成物
本明細書で使用される「活性組成物」という用語は、少なくとも部分的に揮発性であり、すなわち蒸発することができ、周囲の空間に香りまたは他の利点を付与することができるゲル、または粘性液体を指す。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物は、ワックスを含む活性組成物、ヒドロゲルを含む活性組成物、オレオゲルを含む活性組成物、オルガノゲルを含む活性組成物、またはそれらの混合物からなる群から選択される。
少なくとも1種の活性組成物は、例えば、少なくとも1種の活性組成物をボディ部分に注ぎ込むか、または流し込むなどの任意の適切な方法によって、ボディ部分の構造体内に配置されてもよい。あるいは少なくとも1種の活性組成物は、少なくとも1種の活性組成物中にボディ部分を浸漬することによって、ボディ部分の構造体内に配置されてもよい。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物は、ボディ部分を含む材料に直接組み込まれてもよい。
本明細書に提示される態様に従ったデバイスでの使用に適した少なくとも1種の活性組成物の例は、国際特許出願公開第2017/017251号に開示されている少なくとも1種の活性組成物である。
本明細書に提示される態様に従ったデバイスでの使用に適した少なくとも1種の活性組成物の別の例は、国際特許出願公開第2013/030153号に開示されている少なくとも1種の活性組成物である。
本明細書に提示される態様に従ったデバイスでの使用に適した少なくとも1種の活性組成物の別の例は、国際特許出願公開第02/055516号に開示されている少なくとも1種の活性組成物である。
本明細書に提示される態様に従ったデバイスでの使用に適した少なくとも1種の活性組成物の別の例は、欧州出願公開第1177799号明細書に開示されている少なくとも1種の活性組成物である。
本明細書に提示される態様に従ったデバイスでの使用に適した少なくとも1種の活性組成物の別の例は、米国特許第6,039,266号明細書に開示されている少なくとも1種の活性組成物である。
本明細書に提示される態様に従ったデバイスでの使用に適した少なくとも1種の活性組成物の別の例は、米国特許出願公開第2002/0041860号明細書に開示されている少なくとも1種の活性組成物である。
本明細書に提示される態様に従ったデバイスでの使用に適した少なくとも1種の活性組成物の別の例は、国際特許出願公開第2017/017251号に開示されている少なくとも1種の活性組成物である。
少なくとも1種の活性組成物は、0.1重量%~100重量%のフレグランス-化学物質またはエッセンシャルオイルを含んでもよく、あるいは40重量%~100重量%のフレグランス-化学物質またはエッセンシャルオイルを含んでもよく、あるいは60重量%~100重量%のフレグランス-化学物質またはエッセンシャルオイルを含んでもよい。これらの配合バランスには、当業者に一般的に知られているように、水、ゲル化剤、溶剤、染料、着色剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、苦味剤などが含まれてもよい。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物は、香料である。香料として、香水類に現在使用されている任意の成分または成分の混合物を使用することができ、すなわち香気作用を果たすことができる。しかしながら、より多くの場合、香料は、天然または合成由来の成分の事実上の複雑な混合物となる。成分の性質と種類とは、ここでより詳細な説明を保証するものではないが、いずれにしても網羅的ではなく、当業者であれば、一般的な知識に基づき、そして目的の使用や用途および所望の官能効果に応じて成分を選択することができる。一般的には、これらの付香成分は、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、エーテル類、酢酸塩、亜硝酸塩、テルペン系炭化水素類、窒素または硫黄の複素環式化合物、天然または合成由来のエッセンシャルオイルなどの化学クラスに属する。これらの成分の多くは、S. Arctander著の書籍、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, N.J., USA、もしくはその最新版、または他の類似の著述のほか、香料の分野で豊富な特許文献などの参照テキストにいずれにしても記載されている。
いくつかの態様では、付香作用は、感覚的および/または感情的な利益を提供することをさらに含んでもよく、または代替的に、付香作用は、香水へのユーザーの慣れを防ぐように構成されてもよい。いくつかの態様では、感覚的および/または感情的な利益は、少なくとも1種の活性組成物への追加の薬剤の添加によって提供されてもよい。例えば、実例として、少なくとも1種の活性組成物は、冷却感覚をユーザーに付与する冷却化合物をさらに含んでもよい。
本開示のデバイスによって発揮され得る付香効果について、特別な言及が本明細書でなされているが、悪臭中和蒸気、または消臭もしくは除菌蒸気の拡散のための類似のデバイスにも同じ原理が適用され、香料は、悪臭中和組成物、脱臭組成物、抗菌剤、殺虫剤、防虫剤または昆虫誘引剤で置き換えられる。本明細書で使用される「除菌蒸気」という用語は、観察者を取り囲む空気の受容度を高めることができる物質の蒸気を指すが、それ以外にも、特定の種の昆虫、例えば、ハエまたは蚊に対して誘引または忌避効果を発揮することができる物質、あるいは殺菌活性または静菌活性を有することができる物質を指す。いくつかの態様では、そのような薬剤の混合物も使用することができる。
「悪臭中和成分」という用語は、悪臭、すなわち人間の鼻に不快または嫌な臭いの知覚を減少させることができるものとして理解される。「昆虫誘引剤または忌避剤」という用語は、昆虫に対してプラスまたはマイナスの効果を有する化合物として理解される。昆虫誘引成分または忌避成分の例は、参照テキストまたは他の類似の著述、例えばA. M. El-Sayed, The Pherobase 2005, http://www.pherobase.net.に見出すことができる。
したがって、いくつかの態様では、ボディ部分は、ボディ部分から蒸発する活性組成物の量が、少なくとも1種の活性組成物が周囲の空間において所望の効果を達成するのに必要な量以上であることを保証するのに十分な量であるように構成される。
いくつかの態様では、複数の中空通路のネットワークの総表面積は、通路内に配置される少なくとも1種の活性組成物の量が、デバイスから周囲の空間に放出される少なくとも1種の活性組成物の量が、デバイスの寿命を通して相対的に一定であることを保証するのに十分な量であり、かつ/または周囲の空間において所望の効果を達成するのに必要な量を上回ることを保証するのに十分な量であるように構成される。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物はまた、例えば、溶剤、増粘剤、酸化防止剤、染料、苦味剤および紫外線防止剤として作用する任意の成分を含んでもよい。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物は、1種以上の溶剤をさらに含む。いくつかの態様では、1種以上の溶剤は、単相液体を有すること、および/または周囲の空気中への少なくとも1種の活性組成物の蒸発率を調節することに有用であり得る。溶剤は、イソパラフィン類、パラフィン類、炭化水素類、グリコール類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、エステル類またはケトン類のファミリーに属してもよい。
本開示での使用に適した市販されている溶剤の例としては、Isopar(登録商標)H、J、K、L、M、PもしくはV(イソパラフィン類;製造元:Exxon Chemical)、Norpar(登録商標)12もしくは15(パラフィン類;製造元:Exxon Chemical)、Exxsol(登録商標)D155/170、D40、D180/200、D220/230、D60、D70、D80、D100、D110もしくはD120(脱芳香族炭化水素;製造元:Exxon Chemical)、Dowanol(登録商標)PM、DPM、TPM、PnB、DPnB、TPnB、PnPまたはDPnP(グリコールエーテル類:製造元:Dow Chemical Company)、Eastman(登録商標)EP、EB、EEH、DM、DE、DPもしくはDB(グリコールエーテル類;製造元:Eastman Chemical Company)、Dowanol(登録商標)PMAもしくはPGDA(グリコールエーテルエステル類;製造元:Dow Chemical Company)、またはEastman(登録商標)EBアセテート、Eastman(登録商標)DEアセテート、Eastman(登録商標)DBアセテート、Eastmanm EEP(すべてのグリコールエーテルエステル類;すべての製造元:Eastman Chemical Company)の商品名で知られている溶剤が挙げられる。
本開示での使用に適した他の溶剤としては、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ミリスチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル、酢酸2-エチルヘキシル、メチルN-アミルケトンまたはジイソブチルケトンが挙げられる。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物中に存在する溶媒の総量は、0.0%~99.9%で変化してもよく、あるいは30%~70%で変化してもよく、その割合は、少なくとも1種の活性組成物の重量に対するものである。
有用な増粘剤成分の非限定的な例としては、エチルセルロース(その商業的な例はHercules Inc.から入手可能である)、ヒュームドシリカ(その商業的な例はDegussaから入手可能である)およびスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(その商業的な例はShellから入手可能である)が挙げられる。他の非限定的な例としては、ガムおよびヒドロコロイド、例えばカラギーナンおよび他のゲル化剤(芳香剤デバイスで一般的に使用されるものを含む)が挙げられる。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物中に存在する増粘剤の総量は、0.0%~10%で変化してもよく、あるいは1%~4%で変化してもよく、その割合は、少なくとも1種の活性組成物の重量に対するものである。
有用な酸化防止剤成分の非限定的な例としては、立体的障害アミン、すなわち、2,2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの誘導体、例えばUvinul(登録商標)(製造元:BASF AG)またはTinuvin(登録商標)(製造元:Ciba Specherity Chemicals)の商品名で知られているもののほか、アルキル化ヒドロキシアレン誘導体、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物中に存在する酸化防止剤の総量は、0.0%~10%で変化してもよく、あるいは1%~4%で変化してもよく、その割合は、少なくとも1種の活性組成物の重量に対するものである。
少なくとも1種の活性組成物の他の任意成分は染料を含む。適切な染料は、油溶性であってもよく、The Society of Dyers and Colouristが発行するColour Index Internationalに見出すことができる。適切な染料の非限定的な例としては、アントラキノン、メチン、アゾ、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、アジン、アミノケトン、スピロオキサジン、チオキサンテン、フタロシアニン、ペリレン、ベンゾピランまたはペリノンのファミリーの誘導体が挙げられる。市販されている染料の例としては、Sandoplast(登録商標)Violet RSB、Violet FBL、Green GSB、Blue 2B、Savinyl(登録商標)Blue RS(アントラキノン誘導体;製造元:Clariant Huningue S.A.)、Oilsol(登録商標)Blue DB(アントラキノン;製造元:Morton International Ltd.)、Sandoplast(登録商標)Yellow 3G(メチン;製造元:Clariant Huningue S.A.)、Savinyl(登録商標)Scarlet RLS(アゾ金属錯体;製造元:Clariant Huningue S.A.)、Oilsol(登録商標)Yellow SEG(モノアゾ;製造元:Morton International Ltd.)、Fat Orange(登録商標)R(モノアゾ;製造元:Hoechst AG)、Fat Red(登録商標)SB(ジアゾ;製造元:Hoechst AG)、Neozapon(登録商標)Blue 807(フタロシアニン;製造元:BASF AG)、Fluorol(登録商標)Green Golden(ペリレン;製造元:BASF AG)が挙げられる。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物中に存在する染料の総量は、0.0%~0.5%で変化してもよく、あるいは0.005%~0.05%で変化してもよく、その割合は、少なくとも1種の活性組成物の重量に対するものである。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物が、特に幼い子供によって摂取される可能性を低くして、製品を味気ないものにするために、苦味剤が好ましい場合がある。苦味剤の非限定的な例としては、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルn-ブチルケトン、またはさらにBitrexTM(製造元:Mac Farlan Smith Ltd.)の商標でも知られているデナトニウム塩、例えば安息香酸デナトニウムが挙げられる。
苦味剤は、少なくとも1種の活性組成物中に0.0%~5%の総量で組み込まれてもよく、その割合は、少なくとも1種の活性組成物の総重量に対するものである。BitrexTMの場合、その量は、少なくとも1種の活性組成物の総重量に対して0.0%~0.1%で変化してもよく、あるいは0.001%~0.05%で変化してもよい。
有用な紫外線防止剤成分の非限定的な例としては、ベンゾフェノン、ジフェニルアクリレートまたはシナメート、例えばUvinul(登録商標)(製造元:BASF AG)の商品名で入手可能なものが挙げられる。
いくつかの態様では、少なくとも1種の活性組成物中に存在する紫外線防止剤の総量は、0.0%~0.5%で変化してもよく、あるいは0.01%~0.4%で変化してもよく、その割合は、少なくとも1種の活性組成物の総重量に対するものである。
本明細書に提示されるいくつかの態様に従ったデバイスを利用する方法
いくつかの態様は、本明細書に提示されるいくつかの態様に従ったデバイスを提供し、デバイスを空間に配置し、デバイスから少なくとも1種の活性組成物を蒸発させることを含む、少なくとも1種の活性組成物を周囲の空間にディスペンスする方法を提供する。
図2を参照して、いくつかの態様では、本明細書に提示されるデバイスは、芳香剤に組み込まれる。いくつかの態様では、芳香剤はさらに、デバイスの周囲に気流シールドを含む。そのような気流シールドは、少なくとも1種の活性組成物の分散を変化させてもよい。
図13を参照して、一態様では、気流シールドは、
構造体を有する第2のボディ部分を含み、ここで、
第2のボディ部分は、本明細書に提示される態様に従ったデバイスのボディ部分を囲むように構成されており、
ボディ部分の構造体は、少なくとも1つの表面によって画定されており、
構造体は厚みを有し、
少なくとも1つの表面は、複数の中空チューブのネットワークを画定し、
複数の中空チューブのうちの各個別の中空チューブは、断面、少なくとも1つの第1の端部、および少なくとも1つの第2の端部を有し、
少なくとも1つの第1の端部と前記第2の端部とは、距離を隔てて離間されており、
距離と、複数の中空チューブのうちの各個別のチューブの断面とは、複数の中空チューブのうち各個別のチューブ内の表面を画定し、
複数の中空チューブのうちの各個別のチューブ内の表面と、複数の中空チューブのうちの各個別のチューブの距離と、断面と、第1の端部、および第2の端部とは、体積を画定し、
少なくとも1つの第1の端部または第2の端部の少なくとも一方が、構造体の外表面と交差している。
図14を参照して、一実施形態では、気流シールドは、本明細書に提示される態様に従ったデバイスのボディ部分を囲むように構成された垂直スリットを含む構造を含む。
図13~図15を参照して、いくつかの実施形態では、気流シールドは、本明細書に提示される態様に従ったデバイスのボディ部分からバッファーゾーンによって切り離されている。
いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、気流シールドは、本明細書に提示される態様に従ったデバイスのボディ部分の上を一部の空気が通過することを可能にし、空気が芳香剤を通って流れることを可能にする量を制御することを可能にし、それによって少なくとも1種の活性組成物の蒸発率を制御することができる。
図15は、図14に描写される芳香剤の断面図を示し、中央の円は、本明細書に提示される態様に従ったデバイスのボディ部分を含む。本明細書に提示される態様に従ったデバイスのボディ部分の半径はrであり、空気流バッファーゾーンの厚さはtであり、スリット開口部のサイズはdである。
気流シールドおよびその設計パラメーターの効果は、数値流体力学(CFD)を使用して実証されてもよい。本明細書に提示される態様に従ったデバイスのボディ部分からの水の蒸発率(単位面積当たり)は、グリッド上の有限要素法を介して解かれた質量輸送方程式と結合したナビエ・ストークス流方程式から計算されてもよい。
例えば、図13および図14に描写される芳香剤デバイスは、乾燥空気の模擬層流に供されてもよい。本明細書に提示される態様に従ったデバイスのボディ部分からの水の蒸発率は、バッファーゾーンの厚さ(t)と気流シールドのスリット開口部のサイズ(d)との異なる値についてCFDから計算した。一般的に、後者は、バッファーゾーンの厚さが(t/r)として与えられ、スリット開口部のサイズが(t/d)として与えられるように、本明細書に提示される態様に従ったデバイスのボディ部分のサイズ(r)によってスケーリングされる。さらに、本明細書に提示される態様に従ったデバイスの、気流シールドを欠いたボディ部分からの蒸発率は、気流シールドなしで、100%と考えられる。理論的な結果を図16に示す。
キット
いくつかの態様は、本明細書に提示されるいくつかの態様に従ったデバイスと、少なくとも1種の活性組成物とを含むキットを提供し、ここで、ユーザーは、少なくとも1種の活性組成物から特定の少なくとも1種の活性組成物を選択し、本明細書に提示される態様に従って選択された少なくとも1種の活性組成物を利用することができる。
本発明を最もよく例示するが、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例
実施例1:κ-カラギーナンベースのヒドロゲルとして配合された少なくとも1種の活性組成物を含む、本明細書に提示される態様に従ったデバイス
構造体の3Dプリント:構造体を、三重周期極小曲面形状を含むMathMod(General Public License version 3.0)を使用して設計した。Abderrahman Taha氏が開発したスクリプト(TicknessGenerator-1.0 by Abderrahman Taha 24/08/2015 https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=772823949501730&id=529510253833102)に部分変更を加えることによって、プログラムで構造体の表面を厚くした。ファイルをエクスポートし、Formlabs SLAプリンターでプリントするためのSTLファイルに再フォーマットした。得られた構造体をイソプロピルアルコールで洗浄した後、室温で空気乾燥させた。
ヒドロゲルの調製:κ-カラギーナン粉末約5.8gを85℃で18MΩの水180gに撹拌しながらゆっくりと添加し、粉末が完全に溶解するまで(約5分)混合物を撹拌し続けた。次に、Neolone(商標)(殺菌剤)0.2gを添加し、少量の染料(Blue 1 Dualcert)を添加した。次いで、フレグランス(2.1g-組成物については下記を参照)を添加し、撹拌を続けた。得られた高温ヒドロゲル溶液を構造体に流し込んだ。構造体は円筒形で、直径50mm、高さ50mmおよび内部口径16mmであった。わずかな半径方向の勾配を気孔サイズに適用し、この形状に関するMathModスクリプトを下記に提供する。中心部の内腔により、カバー付きの市販のコーン型芳香剤スタンドに構造体を配置することが可能であった。
Figure 0007494128000001
Figure 0007494128000002
Figure 0007494128000003
この構造体を定期的に評価し、これは良好な嗅覚性能を有していた。乾燥表面は構造体の中に後退し、明らかに表面積の増加につながった(図17-実施例1a(左)および実施例1b(右)を参照)。
これらのデータは、本明細書に提示される態様に従ったデバイスが、これらのシステムの正常な機能を妨げることなく、ヒドロゲル芳香剤デバイスの支持体として機能し得ることを示唆している。
付録I:Mathmodのスクリプト例
Figure 0007494128000004
Figure 0007494128000005
付録II:わずかな勾配を有するMathmodのスクリプト例
Figure 0007494128000006
Figure 0007494128000007
次の実施例では、デバイスを使用した活性組成物の放出率の調節を示す。
実施例2:κ-カラギーナンベースのヒドロゲルとして配合された少なくとも1種の活性組成物を含む、本明細書に提示される態様に従ったデバイスの比較
構造体の3Dプリント:図18を参照して、三重周期極小曲面形状を含むMathMod(General Public License version 3.0)を使用して構造体を設計した。この構造体はFormlabsクリアレジン(GPCL04)を使用してFormlabs Form 2プリンターで3Dプリントした。構造体は円筒形で、直径50mmおよび高さ50mmで中心部の内腔はなかった。
8つのゲルを試験した:3つの異なる構造体の2つのレプリカのほかに2つの対照。3つの異なる構造体は、図18に示すように、シングルジャイロイド(ジャイロイドと呼ばれる)、勾配を有する肥厚ジャイロイド、および2つの体積の一方が充填された勾配を有するジャイロイドであった。温度/湿度の小さなばらつきの影響を最小限に抑えるために、8つのサンプルをすべて同時に試験した。
ゲル注入成形の付属品とホルダーの準備:カップ、蓋、台座、および支柱といった様々な付属品とホルダーとを3Dプリントした。各カップは、円盤状の台座とデバイスとを保持するために設計しており、底面にはデバイスを押し出すための穴が開いていた。円盤状の台座は、カップからのデバイスの取り外しを容易にするために、デバイスの下にあるカップの中に置かれるように設計した。カップの蓋は、各ゲルの上面を平らで均一に保つために、ゲルを流し込んだ後にカップの上に乗るように設計した。台座スタンドは、完成したゲルデバイスのプロトタイプを試験中に乗せるために設計した。台座スタンドは、デバイスの底面の大部分を空気に開放するようにした。これらの3D付属品とホルダーとを図19に示す。
支柱を対照として設計した。それらはジャイロイド構造体と同じ体積を有しているが、ジャイロ形状の代わりに、円筒形状に凝縮した。これにより、対照とジャイロのデバイスとで同じ量のゲルを使用することが可能になった。底面には、切り欠きのある円盤状の台座に嵌め込むための取付け部品が付いていた。これらは、デバイスおよび台座と同じようにカップの中に置かれる。この切り欠きにより、支柱をカップ内の中心に配置することが可能になった。これらの3Dプリントを図20に示す。すべての付属品はOnshapeソフトウェアを使用して設計し、Formlabsクリアレジン(GPCL04)を使用してFormlabs Form 2 SLAプリンターでプリントした。
ヒドロゲルの調製:Neolone(商標)(殺菌剤)1gを、約300rpmで撹拌しながら、約79℃で960.5gのDI水浴に添加した。次いで、浴を80℃より高く加熱し(80.5~87℃)、κ-カラギーナンを主成分とする市販のゲル化配合物28.50gを、約435rpmで撹拌しながらゆっくりと添加した。この混合物を約520rpmで約30分間連続的に撹拌し、カラギーナン粉末を完全に溶解した。次いで、加熱を停止し、ミキシング力を約430rpmまで下げてフレグランスを添加した。フレグランス組成物2(下記参照)10gを、混合物に温度72~76℃で添加した。次いで、加熱を再開し、ミキサーを約575rpmまで約2分間上昇させた。次いで、加熱を停止し、混合プロセス中の水の蒸発を考慮して、混合物全体を計量し、約960.5グラムの水が存在するようになるまで水を戻した。次いで、混合物を約515rpmで2分間混合した。次いで、得られた高温ヒドロゲル溶液を3Dプリント構造体に流し込んだ。
ゲル注入成形と対照:円盤状の台座を各カップの中に入れ、台座の上に高温のゲルをいくらか流し込んだ。次いで、デバイスをいくらかのゲルとともにカップの中に入れ、カップが一杯になるまでデバイスの上にさらに高温のゲルを流し込んだ。次いで、図21に示すように、カップに蓋をした。
対照については、切り欠きのある円盤状の台座と支柱とを空のカップに入れた。次いで、高温ゲルをカップに流し込んで一杯にし、カップに蓋をした。次いで、対照とゲル付きのデバイスとをパラフィンおよびアルミ箔で密封し、一晩冷蔵庫に入れてゲル注入成形を完成させた。注入成形後、ゲルをカップから取り除くと、残ったのはゲル付きのデバイスまたはゲル付きの支柱であった。次いで、図21に示すように、それらを試験のために台座スタンドの上に置いた。
Figure 0007494128000008
図21を参照して、試験注入成形物と対照注入成形物とを、蒸発のために3Dプリントされた台座に置いた。ゲルを定期的に制御室から取り出し、計量、写真撮影、および評価を行った。
結果:試験開始時点では、デバイスに組み込まれたゲルの香りの特徴と強度は、対照ゲルと同じか、それに近いものであった。しかしながら、対照ゲルは、カラギーナンベースからのマリンノートを放っていたが、デバイスに組み込まれたゲルには無かった。試験終了に近づいて、デバイスに組み込まれたゲルはかぐわしい匂いを持続していたが、対照はほとんど香りを放っていなかった。具体的には、シングルジャイロイドと肥厚ジャイロイドのデバイスは、試験終了に近づいて最も強い香りの強度を放つことがわかった。
重量損失:水と香りの蒸発による重量損失を、乾燥カラギーナンの質量あたりの液体の質量を経時的にプロットした図22に示す。図22は、試験開始時点では、デバイスに組み込まれたゲルと対照ゲルとが、すべて同様に機能していたことを示す。しかしながら、時間の経過とともに、デバイスに組み込まれたゲルは、対照ゲルよりも遅い速度で水と香りとを失った。100時間と150時間とでは、充填ジャイロイドデバイスは、対照の液体含有量が横ばいになっている一方で、質量を失い続けた。また、100時間から200時間までの時点では、対照が質量を失わなくなったときに、シングルジャイロイドと肥厚ジャイロイドデバイスのゲルは液体を失い続けた。
200時間後、対照のゲルと充填デバイスに組み込まれたゲルは質量の失わなくなったのに対し、シングルジャイロイドまたは肥厚ジャイロイドのデバイスのいずれかに組み込まれたゲルは質量を失い続けた。また、シングルジャイロイドまたは肥厚ジャイロイドのデバイスのいずれかに組み込まれたゲルは、対照および充填デバイスに組み込まれたゲルよりも高い割合で液体重量を失うことができた。
y軸の値は、カラギーナン粉末の含水量のほかに最終ゲル混合物の水と香りの含有量を考慮して計算した。水と香りの蒸発による質量損失を測定した。足場と対照の性能は、後の時点でほとんどが異なっており、これらの違いをより簡単に見ることができるため、対数スケールを使用した。わずかな負の値は取り除き(乾燥カラギーナン1gあたりの液体量が-0.09g未満のものはなし)、0.01未満のデータポイントは、重要でないと考えられた。再現実験からのデータは示していないが、このプロットに示される結果に類似している。
目視による結果:デバイスに組み込まれたゲルと対照ゲルとは、乾燥するにつれて全く異なる外観を呈した。対照ゲルは時間の経過とともに一様に収縮し(円筒形を維持)、デバイスに組み込まれたゲルは構造体表面の形状にまで乾燥し、最終的にはゲルの内部が空気に開放されたまま穴が開いた状態になった。対照およびシングルジャイロイドデバイスに組み込まれたゲルの時系列を図23および図24に示す。
結論:試験デバイスに使用した形状は、より典型的な先行技術のゲル芳香剤と比較すると、ゲルからの液体の放出機構を変化させた。試験デバイスは、3Dプリントされた構造体を有しないゲルよりも長い間、空気中への液体の送達を維持することができた。この例では約100~200時間で示される芳香剤の寿命のこの中間から終わりまでの時間は、先行技術の芳香剤が香りを送達する速度を遅らせる傾向にあるときである。しかしながら、デバイスは、この期間に水と香りの蒸発を十分に拡張する。
対照芳香剤もまた、ゲル内に液体をいくらか閉じ込めているように思われたが、試験デバイス形状のいくつかが、ゲル内に閉じ込められた液体の量を減少させた。全体的に、3Dプリントされた数学的表面をゲルのデバイスとして使用することは、ゲルからの水と香りの放出の仕方に有利な影響を与える。
実施例3:κ-カラギーナンベースのヒドロゲルとして配合された2種の活性組成物を含む、本明細書に記載される態様に従った二重放出性デバイス
以下の2種のヒドロゲルを、上記の方法に従って配合した:
Figure 0007494128000009
Figure 0007494128000010
Figure 0007494128000011
例示的なデバイスを図11に示す。このヒドロゲル芳香剤の性能は、はっきりと2つのユニークな香り、2つの異なる色を提供し、ユニークな審美的に好ましい芳香剤デバイスを提供するという点で、先行技術のゲル芳香剤とは明らかに異なっていた。3Dプリントされたデバイスが提供する柔軟性がはっきりと実証されている。他の方程式(例えば、ダブルジャイロイド)を使用して、一度に3つ以上の香りを提供することが可能になり得るとイメージしている。
実施例4:オレオゲルとして配合された少なくとも1種の活性組成物を含む、本明細書に提示される態様に従ったデバイス
図25は、MathModを使用して設計され、SLAプリンター(クリアレジンGPCL04付きFormlabs Form 2)を使用して3Dプリントされた4つの構造体を示す。香油(約65~80℃)を混合・加熱し、オレオゲル化剤を添加し、それを撹拌しながら溶解し、下記の表に提供される配合物に従って、4つの異なるオレオゲルを調製した。下記の実施例4-1~4-4に少量の着色剤(例えば、Yellow Lake5および/またはYellow Lake6)を添加した。
Figure 0007494128000012
Figure 0007494128000013
プリントされたデバイスをガラスビーカーに入れ、暖かいオレオゲル液をデバイスの上に流し込んだ。次いで、これをパラフィルムで覆い、冷蔵庫に入れた。サンプルを瓶から取り出し、表面上の余分なオレオゲルを取り除いた。次いで、プロトタイプを市販のコーン型芳香剤ホルダーに入れた(図26を参照)。
結果:これらのオレオゲルベースの芳香剤デバイスは、ヒドロゲル芳香剤よりもはるかに高いフレグランス含有量(60~80質量%)であるため、非常に強力であった。これらの高いオイルレベルでは、これらのオレオゲルのいくつかから、バターのような、石油ゼリー様のコンシステンシーを有するゲルまたは粘性の液体が生じた。これらの配合物は、従来のコーン型芳香剤には適していない。意外なことに、これらの3Dプリントされた構造体とともに、これらのオレオゲル配合物を使用して、オレオゲルがたるみや他の変形の兆候を示すことなく、物体の形状に適合することが可能になった。
結論:3Dプリントされたデバイスは、ヒドロゲル芳香剤に適しているだけでなく、フレグランスの任意の固体、半固体またはさらに粘性液体の形態にも拡張することができる。例えば、自己支持性のない配合物に香りのレベルを最大化することが望ましくあり得る。そのような場合、これらの足場は更なる利点を提供するであろう。
実施例5:本明細書に提示される態様に従ったデバイスの表面積の推定
図27は、本明細書に提示される態様に従ったデバイスの表面積を推定することができるプロセスを示す。要するに、コンピュータースクリプトは、デバイスをいくつかの同心円状の「コア」に分割し、次いで、それらから足場のおおよその表面積(cm)を計算することができる。
図28と30とを参照して、構造体は、一般的に以下のジャイロイド方程式に従う。
cos(x)・sin(y)+cos(y)・sin(z)+cos(z)・sin(x)=0 方程式5
方程式5は、半径rを有する物体の気孔率および周波数勾配を許容するように一部変更を加えた。図29に示されるすべてのデバイスは、本質的に以下の一般化された方程式によって記述することができる:
Figure 0007494128000014
図28の表には、中心部(f)と表面(f)の周波数、気孔率オフセット(Poffset)とその勾配(Pgradient)の様々な値が提供される。
同図のトップチャートからもわかるように、上記の実施例2で使用した3つのプロトタイプは、比較的大きな穴を含み、表面積が約1.5~3cm/cmで、軽度の勾配しかないものであった。下記の実施例6で使用したプロトタイプは、かなり高い表面積(約3~5cm/cm)を有し、勾配ははるかに顕著であり、その結果、大きな表面積(例えば、8cm/cm)を有する領域が得られる。
評価した別のメトリックは、ランダムな高さ(z軸)でランダムに角度をつけた線に沿って、中心部を通るある表面の点から別の表面まで直線で移動するときに現れる表面の数のカウントである。これは、対象物の煩雑さ、複雑さ、または屈曲度の半定量的な尺度と考えることができる。図28に描写される断面の線に沿って、z値に応じて、外形を抜ける前に2つまたは3つの表面が現れた。ジャイロイド15の青い線は、(選択された高さに応じて)抜ける前に6つ以上の表面に簡単に遭遇することを示す。方程式6がゼロになると表面が発生するため(別名、関数の根)、Rでは、表面または根の数の最小値、最大値、平均値、中央値を見つけるために、根探索アルゴリズムを採用した(下記の表を参照)。なお、ジャイロイド3、20および21は、ゲルで占有されている体積が1つしかないため、プラスチックで占有されている体積を除外し、したがって表面の数を2で割っている。
Figure 0007494128000015
足場15および21が最も入り組んだものであるのに対し、実施例2(ジャイロイド1、2および3)の足場は精巧さに欠けることは明らかである。
実施例6:本明細書に提示される態様に従ったデバイスからの質量損失および香りの放出
デバイスは、MathMod(https://sourceforge.net/projects/mathmod/)を使用して設計し、上記で説明し、図27に示される(ジャイロイド15、16、20および21)。デバイスは、Formlabsクリアレジン(GPCL04)を使用してFormlabs Form 2プリンターで3Dプリントした(図30を参照)。デバイスは円筒形で、直径50mmおよび高さ50mmであった。6つのフレグランスゲルを試験した:4つの異なるデバイスのほかに2つの対照。官能評価のために設計され、気流、温度および相対湿度を合理的に一定に維持するためのアクティブ制御を備えた別個のシンクブースで、これらの試験を同時に行った。
実施例2と同様に、カップ、蓋、台座および支柱をといった様々な付属品およびホルダーを3Dプリントした。4つのデバイスはすべてゲル注入成形中に同じサイズのカップに収まるが、材料の量、したがってプラスチックの体積はそれぞれわずかに異なっていた。円筒形の支柱は、デバイスの塑性体積の範囲をカバーするための対照として設計した。ControlHiの支柱は、試験される最大の足場として、他のControlLoの支柱は試験される最小の足場として、同じゲル体積と質量を変位させるように設計した。しかしながら、データを調べてみると、ジャイロイド15は、実際にはこのエンベロープからわずかに外れていることが観察された(ゲルの含有量が少ない)。これは大きな問題ではないと考えられており、活性物質の含有量が少ないながらも対照より明らかに性能が上回っていたため、この足場の性能は一層驚くべきものである。サイズ以外は、支柱の設計は、実施例2に記載したものと同じであった。
ビーカー中の青色に染まった純水960.5gにNeolone(商標)(殺菌剤)1gを約200rpmで撹拌しながら添加し、温度調節された浴中に保持した。次いで、浴を80℃より高く加熱し(80.6~87℃)、約290rpmで撹拌しながら、κ-カラギーナン(Ticaloid 710H)を主成分とするゲル化配合物28.6gをゆっくりと添加した。この混合物を約600rpmで約23分間連続的に撹拌し、カラギーナン粉末を完全に溶解した。次いで、加熱を中止し、ミキシング力を約60rpmまで下げてフレグランスを添加した。フレグランス(下記の表を参照)10gを約79℃で添加した。次いで、ミキサーを約600rpmまで約1分間上昇させた。混合プロセス中の水の蒸発を考慮するために、次いで、混合物全体を計量し、約960.5gの水が存在するようになるまで水を戻した。次いで、混合物を約600rpmで約1分間混合した。得られた高温ヒドロゲル溶液を3Dプリントデバイスに流し込んだ。
Figure 0007494128000016
Figure 0007494128000017
ゲル注入成形と対照:円盤状の台座を各カップの中に入れ、台座の上に高温のゲルをいくらか流し込んだ。次いで、デバイスをいくらかのゲルとともにカップの中に入れ、カップが一杯になるまでデバイスの上にさらに高温のゲルを流し込んだ。次いで、実施例2に記載されるように、カップに蓋をした。
対照については、切り欠きのある円盤状の台座と支柱を空のカップに入れた。次いで、高温ゲルをカップに流し込んで一杯にし、カップに蓋をした。次いで、対照とゲル付きのデバイスとをパラフィンおよびアルミ箔で密封し、一晩冷蔵庫に入れてゲル注入成形を完成させた。注入成形後、ゲルをカップから取り除くと、残ったのはゲル付きのデバイスまたはゲル付きの支柱だけであった。余分なゲルの薄い層を対照と足場から取り除き、デバイスがゲル表面と正確に「同じ高さに」位置するようにした。次いで、図30の1つのサンプルで示されるように、それらを試験のために台座スタンドの上に置いた。
ゲルを注入成形した後、それらを官能評価ブースの床の3Dプリントされた台座に置いて、典型的な芳香剤の使用シナリオの間に官能評価ができるようにした。ゲルを定期的にブースから取り出し、計量および写真撮影を行った。図65を参照。
さらに、小さな環境の違いに基づくいかなるバイアスも排除するために、サンプルを個々のブース間で定期的に入れ替えた。5つのチャンバーのうちの2つのチャンバーの温度は、温度/湿度ロガー(iButton、DS1923 Hygrochron)を用いて10分ごとに独立して記録した。2つのチャンバーの平均温度は19.1℃±0.9および19.4℃±0.9であり、相対湿度はそれぞれ55.1%±3.4および55.1%±3.4であった。
重量損失の結果:水と香料の蒸発による重量損失を図31と32に示す。図31は、無次元の質量損失を時間に対してプロットした図である。図32では、x軸は、ヒドロゲルの重量の小さな個体差が本質的に排除され、蒸発率を対等に比較することがきるように正規化され、スケーリングされている。
2つの対照が非常に素早く質量を失ったことが、このデータから明らかである。芳香剤を含むデバイスは、当初、非常に類似した放出率を有していた。約3~7日後に、この速度は減少し始めて、より持続的な放出につながり、対照よりも徐々に乾燥していった。約3週間後にすべての芳香剤が本質的に完全に乾燥していたことも明らかである。外側に最小の穴を有する2つのデバイスが、乾燥速度を減少させるのに最も効率的であるように思われる。これは、ゲルから放出された水分がデバイス内に「閉じ込められ」、水分/香りの勾配を減少させ、全体的な質量移動速度を減少させる「境界効果」によって引き起こされ得る。これは、必ずしもヒドロゲルをさらに追加しなくても、芳香剤の寿命を調節することができるため、役立つ機能である。
SPMEヘッドスペースを用いたフレグランス放出測定:官能パネルと同じ日にヘッドスペース(SPME)をサンプリングすることによって、シンクブース内のフレグランス濃度を測定した。SPMEファイバーを、ドアを閉めた状態で、各ブース内に35分間配置した。ファイバーで回収した化合物を、Agilent 5975C質量分析計(MSD)を搭載したAgilent 7890Aガスクロマトグラフ(GC)に直ちに注入した。GCカラムは、Agilent HP5MS 5%フェニルメチルシロキサン;30m×250μm×025μmであった。直接注入法は、サンプルにインキュベーションを使用しないという意味で使用した。使用したGCオーブン法は、合計25分の測定時間において10℃/分で50℃~280℃、280℃で2分間保持した。4つの特定の化合物:酢酸ベンジル、コラノール(coranol)、プロピオン酸ベルジルおよびフロロール(florol)を経時的にモニターし、結果を図33にまとめている。
フレグランス放出データは、質量損失データに非常に密接に追従している。それは、先行技術のヒドロゲル芳香剤について、水分損失と香りの損失とが、前で実証されているように本質的に関連づけられていることを示す。ゲルの含水量が低下すると、ゲル中の移動度が低下し、香りの損失が減少し、時間の経過とともに芳香剤の性能が低下する。試験デバイスは、この典型的な性能傾向から驚くほどの乖離を示している。試験デバイスは、サンプルが完全に乾燥した場合でも、ヘッドスペース中のフレグランス化合物の高いレベルを実証した。試験した4つの化合物については、10~20日の間に有意に高いヘッドスペース濃度が見られ、レベルはこの後期段階でのみ徐々に低下しているように見える。定量化の最低閾値は、図33の各化合物について示される。
官能評価:本明細書に提示されるいくつかの態様に従ったデバイスの香りの強度は、3週間の期間にわたりパネリストによって評価された。評価セッションは、サンプルを調製したばかりのときに開始した。6つのサンプルを、t=0、2、5、7、9、15および19(t=日数)で評価した。サンプルには、4つの試験デバイス(ジャイロイド15、ジャイロイド16、ジャイロイド20、ジャイロイド21)と2つの対照デバイス(ControlHi、ControlLo)が含まれていた。
各サンプルは、1.78mの別個のガラスキャビンの床に置き、目視によるサンプルの違いによるバイアスを防ぐためにシールドの後ろに隠した。各ブースには、各セッションにおいて異なる3桁のブラインドコードが貼られていた。パネリストは訓練を受けていないが、香りの強度を評価した経験があった。各セッションには29~35名のパネリストが参加した。パネリストは、キャビンのハッチを開け、一嗅ぎし、キャビンを閉じ、全体的な香りの強度を評価することによって、各サンプルのヘッドスペースを評価するように指示された。サンプルは、パネリストごとにランダムな順番で提示された。評価は、0~10の連続したラインスケールで行い、0は「なし」、10は「非常に強い」を示した。
パネリストは、各サンプル評価の間に休憩を取るように求められた。すべての回答は、Fizz Formsの投票用紙に記録された。用紙はスキャンされ、Fizz Calculations 2.50(Biosystemes)を使用してデータ分析が行われた。各サンプルの総合的な強度評価を平均化し、α=0.05とダンカン検定を用いた一方向分散分析(ANOVA)をセッションごとに行い、香りの強度に及ぼす製品の効果を比較した。その結果を図34および図35に示す。
これらのデータは、当初、すべての芳香剤が同じ性能を発揮していることを明確に示している。これにより、実験設定の厳格さを良好に確認できる。当初、ゲル表面と体積が対照とほぼ同じであるため、デバイスはまだ寄与していない。最初の1週間の間に、すべてのプロトタイプで強度のわずかな低下が見られ、サンプル間ではわずかな違いしか見られない。1週間後には、3Dプリントされたデバイスと対照との間に明確な違いが見られる。対照は強度スコアを著しく低下させたのに対し、試験デバイスは高い強度ランキングを継続した。ほぼ3週間後に、デバイス16は特に、初期の強度レベル(約5)からわずかに低下しただけであるのに対し、対照は平均して1を下回るスコアを獲得している。
このデータは、前で提示したヘッドスペース解析のデータを補完するものであり、試験芳香剤デバイスが驚くべき芳香性能効果を提供することが確認される。これらの芳香剤が水をほとんど放出してしまった場合でも、空気中の高い香り濃度(ヘッドスペースデータ)と際立った香り性能(官能データ)で性能を発揮し続ける。
また、官能データに基づくデバイス性能にはおおよその順位があると思われる(図34の挿入画像を参照)。このデータに基づいて、同じ基本的なジャイロイド方程式のバージョンが異なると、放出特性がわずかに異なるデバイスが作製されることがはっきりとわかる。なお、デバイス15、16、20および21はすべて単位体積あたりの大きな表面積(例えば、>3~4cm/cm)を有する少なくとも1つの領域を有する。
異なる時点でのすべての芳香剤の写真を図36~図41に示す。このデバイスは、後退するゲル表面が新たな表面を生み、構造外形が表面をその形状に強制的に適合させ、表面が望むように自由に動くことを許容しないことを示している。また、対照が暗くなるように見えるのに対し、試験デバイスの芳香剤は外観が明るくなる傾向がある点に留意されたい。対照の芳香剤は、時間の経過とともに表面積が減少しながら均一に収縮することをはっきりと示している。試験デバイスの芳香剤には、より安定した性能にマッチした後の寿命において、より安定した/魅力的な外観を有しているという利点がある。
乾燥の終わりに、すべての芳香剤を詳細に検査し、サンプルのコアも同様に検査するために鋸で半分に切断した。すべてのデバイスは非常に乾燥したフィルムを示し、これは水分(および移動度)のほとんどが失われたことを示唆していた。しかしながら、試験デバイスのプロトタイプは、対照では全く香りがしなかったのに対し、嗅いだときに香りが意外なことに強かった。芳香剤を含むデバイスは、香りを非常に効果的に放出すると思われる、薄くて、準脆性の、硬いフィルムを生成していたことが観察された(約0.1mmの厚さ)。また、これらのフィルムは構造体から分離する箇所が多く、フィルムの両面が空気に曝されていた。対照フィルムはかなり厚く(約0.5~0.9mm)、中心の支柱にしっかりと張り付いており、表面積をさらに制限していた。注目すべき点は、対照フィルムが支柱から取り除かれると、それらは次第に香りを帯びるようになり、対照フィルムにはまだ香りが残っていることを示しているが、移動度の低さと比較的大きな浸透距離の組み合わせのためであるのか、香りが著しく閉じ込められていることであった。
いかなる特定の理論にも限定されることを意図するものではないが、本明細書に提示される特定の態様に従ったデバイスは、従来のゲルベースの芳香剤と比較して、増加した表面積を有する構造体を提供する。本実施例に提示されたデータは、より小さい気孔を有する構造体が、より大きい気孔を有する構造体よりも優れた性能を発揮することを示している。この性能向上は、部分的には、増加した表面積、デバイスを通る気流の増加または均一化、デバイスを通る気流のための経路の数の増加、気流の変化、少なくとも1種の活性組成物の蒸発を遅らせる境界層の発生、少なくとも1種の活性組成物のための接着点に起因していてもよく、その結果、後退速度が低下するか、または蒸発中に少なくとも1種の活性組成物の表面積が増加するか、少なくとも1種の活性組成物の薄膜が形成される(その結果、フレグランス分子が拡散して表面に達して放出されるのに必要な距離が減少する)か、またはそれらの任意の組み合わせが得られる。
さらに、より小さい気孔を有する構造体で観察された性能向上は、構造体の中心部でより小さい気孔を有し、構造体の周縁部に向かってサイズが大きくなる気孔率勾配を有する構造体、または構造体の中心部でより大きい気孔を有し、構造体の周縁部に向かってサイズが小さくなる気孔率勾配を有する構造体と比較して、構造体全体に均一に小さい気孔を有するデバイスにおいても同様であるように思われた。
実施例7:デュアルフレグランス放出の足場
2つの等しい体積Aと体積Bとに立方体(7.5cm辺)を分離する2つの鏡像関係を有する足場である「対照」と「フリップ」を設計した。図63を参照。Thurman15!
Thurman1515!
いずれもx方向にのみ開口し、y方向とz方向とに壁を有している。設計は、以下の陰状方程式によって支配されている。
対照:(cos(x)sin(y)+cos(y)sin(z)+cos(z)sin(x))(abs(y)-9.8)(abs(z)-9.8)=0
フリップ:(cos(x)sin(y)+cos(y)sin(z)+cos(z)sin(x)+(90/100)(-0.2abs(x)+1))(abs(y)-9.8)(abs(z)-9.8)=0
足場「対照」は、体積Aと体積Bとが表面から中心部に向かって均等に分布するジャイロイド方程式に基づいている。足場「フリップ」は、体積Aが表面で大きくなり、中心部付近では小さくなり、体積Bが逆になるような勾配を利用している。足場の代表的な断面を図64に示す。体積Aと体積Bとのバランスは、対象物全体で50/50とした。周囲のすべての表面は、水平方向を除いて隔離されていた。これらの2つの体積に、2つの異なる香り付きのヒドロゲルを充填した。芳香剤官能試験のために評価する化合物として、シトラール(シトラス)およびイソプロピルキノリン(アーシーモス/ウッディ)を選択した。
3Dプリントされた足場型芳香剤「対照」および「フリップ」を充填するためのヒドロゲルの調製:
着色水を使用して、香り付きのヒドロゲルを調製することで、3Dプリントされた足場においてヒドロゲルが可視化され、簡単に写真撮影することができた。シトラールヒドロゲルには青色を使用し、イソプロピルキノリンヒドロゲルには赤色を使用した。水500ミリリットルにBlue 1 Dual Cert Dye(ロット番号1000477153)5.27mgを添加し、水500mlにColor Red Lake 40(ロット番号1000200607)80.5ミリグラムを添加し、しっかりと振った。
シトラールヒドロゲル-水480.97gをビーカーに加え、オーバーヘッドスターラーで撹拌しながら75~80℃に加熱した。75~80℃に達した後、カラギーナン粉末14.28gを水に添加し、溶解するまで撹拌した(約5分)。この時間の後、シトラール5.015gとNeolone5.084ミリグラムとを添加し、混合物を約2~3分間撹拌した。この時間の後、材料を3Dプリントされた足場に添加するために調製した。
イソプロピルキノリンヒドロゲル-水480.98gをビーカーに加え、オーバーヘッドスターラーで撹拌しながら75~80℃に加熱した。75~80℃に達した後、カラギーナン粉末14.26gを水に添加し、溶解するまで撹拌した(約5分)。この時間の後、イソプロピルキノリン5.018gとNeolone5.005ミリグラムとを添加し、混合物を約2~3分間撹拌した。この時間の後、材料を3Dプリントされた足場に添加するために調製した。
官能試験用の3Dプリントされた足場の充填と維持の手順:
空の3Dプリントされた足場を計量した。次いで、足場をパラフィルムで覆い、ダクトテープで包み、高温のヒドロゲルを加えたときに漏れないように5辺をシュリンク包装した。60ミリリットルのシリンジに、調製したばかりの香り付きの高温ヒドロゲルを充填し、2つの異なる体積の足場を同時に充填した。足場1(対照)には、187.92gのシトラール青色ヒドロゲルと193.42gのイソプロピルキノリン赤色ヒドロゲルとを充填した。足場2(フリップ)には、シトラール青色ヒドロゲル191.24gとイソプロピルキノリン赤色ヒドロゲル200.59gとを充填した。
この研究では、体積Aと体積Bとの間、および対照足場とフリップ足場との間の小さな重量差は、重要ではないと考えられた。充填後、ヒドロゲルが固化するように、足場を換気フードに入れたまま約1時間冷却した。この後、足場をアルミホイルで包み、水の蒸発を抑えるためにプラスチック袋に入れ、換気フードに一晩放置して硬化させた。翌朝、3Dプリントされた足場から完全に包みを取った。足場の外側から余分なゲルを取り除いた。重量を記録した。閉じられた4つの側面(それらは小さな口穴部を有していた)を再びパラフィルムで覆い、足場の重量を記録した。官能試験が予定されている所定の日に、足場をフードから外し、計量し、写真撮影した。
重量損失の結果と目視による結果:
図66、図67および図68は、両方の芳香剤からの質量損失がほぼ同一であったことを示している。したがって、これらのデバイスからの質量移動を著しく変化させず、両方とも等しく行った。
官能評価の手順:
3Dプリントされた2つの芳香剤の香りの強度は、3週間の期間にわたりパネリストによって評価された。評価セッションは、サンプルを調製したばかりのときに開始した。2つのサンプルを、t=0、3、7および17(t=日数)で評価した。サンプルには、対照足場と試験足場が含まれていた。各サンプルを、ヘッドスペースが平衡化するように、試験の約30~45分前に、別個のガラス水槽(体積=5.5ガロン)の底面に置いた。水槽のガラス蓋には、各評価時に開けるためのスライド式の蓋で覆われた円形の嗅ぎ口が設けられていた。水槽は、目視によるサンプルの違いによるバイアスを防ぐために、不透明な密着紙で覆われていた。加えて、サンプルをさらに不明瞭にするために、不透明な計量皿を各芳香剤の上に置いた。各槽には、各セッションにおいて異なる3桁のブラインドコードが貼られていた。パネリストは訓練を受けていないが、香りの強度を評価した経験があった。各セッションには23~24名のパネリストが参加した。試験の前に、パネリストには対照足場と試験足場とを充填するのに使用したのと同じゲルを入れた3つの参照用の瓶が渡された。これらの参照用の瓶には、「シトラス」(シトラールを含む)、「アーシー/モス-ウッディ」(イソプロピルキノリンを含む)、「混合物」(50:50シトラール:イソプロピルキノリンを含む)とラベルが貼られていた。パネリストは、各瓶を評価し、参照用の品質に慣れるように指示された。その後、各サンプルのヘッドスペースを評価するために、タンクの蓋をスライドして開け、円形の開口部の上で匂いを嗅ぎ、蓋を閉め、シトラスの強度とアーシー/モス-ウッディの強度を、0~10の連続したラインスケールで評価するように求められ、0は「なし」、10は「非常に強い」を示した。サンプルは、パネリストごとにランダムな順番で提示された。パネリストは、各サンプル評価の間に短い休憩を取るように求められた。すべての回答は、Fizz Acquisition 2.51(Biosystemes)を使用して記録された。
官能結果:
結果(図69を参照)は、当初、露出した表面が約50/50であったとしても、対照足場は最初にシトラスが支配的であったことを示している。その後の試験(17日目)では、対照の官能強度はアーシーモス/ウッディノートに支配され、対照はフリップしていた。意外なことに、対照ではフリップ効果が観察されたのに対し、他の足場ではその設計のためにフリップ効果は打ち消されていた。
これは、組成が同じ(例えば、香りAと香りBの量が同じ)で、乾燥速度が等しい2つのデュアル放出芳香剤の場合、足場の形状を操作することによって、経時的な香りの特性が調整できることを実証している。
実施例8:高次の足場
高次またはn次の足場は、様々なオフセットを有する様々な三重周期極小曲面を乗算することによって作製することができる。例えば、以下の4つの方程式を乗算することによって、5つの体積を互いに分離した、交差しない4つの表面を得ることができる:
G1=sinxcosy+sinycosz+sinzcosx+1=0
G2=sinxcosy+sinycosz+sinzcosx+0.2=0
G3=sinxcosy+sinycosz+sinzcosx-0.5=0
G4=sinxcosy+sinycosz+sinzcosx-1.1=0
図70を参照。
実施例9:SLA足場を有する香り付きのPEBAX
ヒドロゲルの代わりにPEBAXベースのゲル(米国特許第7,708,982号明細書を参照)を用いた足場型芳香剤を作製した。
PEBAX SA01(20.17g)を、オーバーヘッドスターラーを備えた400mlビーカー内で市販のフレグランス(80.17g)と組み合わせた。所望の青色になるように、少量のコバルトブルー液状染料D1960(約5mg)を添加した。次いで、材料を約140℃に加熱してPEBAXを溶融させた。SLA 3Dプリントされた足場を紙コーヒーカップに入れ、香り付きの溶融させたPEBAX溶液を、足場の上に完全にそれを覆うように流し込んだ。それを換気フード内でそっと一晩冷却させた。翌日、紙コップを足場から取り外し、3Dプリントされた足場の形状を明らかにするために香り付きの余分なPEBAXをメスでトリミングした。フレグランスを含むPEBAXと足場とは芳香剤として機能し、それはヒュームフードに配置されていたため、経時的にモニターした。
PEBAX SA01(20.17g)を、オーバーヘッドスターラーを備えた400mlビーカー内で市販のフレグランス[これは我々が開示できる配合物ではないことに留意されたい。これは問題でしょうか?](80.17g)と組み合わせた。所望の青色になるように、少量のコバルトブルー液体染料D1960(約5mg)を添加した。次いで、材料を約140℃に加熱してPEBAXを溶融させた。SLA 3Dプリントされた足場を紙コーヒーカップに入れ、香り付きの溶融させたPEBAX溶液を、足場の上に完全にそれを覆うように流し込んだ。それを換気フード内でそっと一晩冷却させた。翌日、紙コップを足場から取り外し、3Dプリントされた足場の形状を明らかにするために香り付きの余分なPEBAXをメスでトリミングした。フレグランスを含むPEBAXと足場は芳香剤として機能し、それはヒュームフードに配置されていたため、経時的にモニターした。それは、PEBAXが収縮の兆候をあまり示さないため、あまり目立ったものではなかったが、本発明の望ましい特徴のいくつかを示した。それは、フレグランスを含むPEBAXが本発明に適合することを単に実証しているにすぎない。出願書類中にゲル化剤として記載されていること、それに類似する他の化合物として記載されていることを確認するのが賢明であり得る。
例10:芳香剤-単純な足場
本実施例の目的は、水(ひいては香り)の放出時間の延長とゲル表面積の最大化(膜形成)とを同時に行うことであった。これにより、ケースの硬化を防ぎ、水分と香りを最終的に閉じ込め、ペイロード体積を最大化/足場の体積を最小化することができる。課題は、芳香剤の機能性寿命を延ばすために全体の放出率を遅らせる一方で、全体の体積が縮小する中でより多くの表面積を生み出す方法を見つけ出すことであった。
指向性の設計ガイダンスを得るために、設計体に標準的な芳香剤ゲル(香りなし)を充填し、フード(約200ft/min)に吊した。ゲルを充填した設計体の画像と重量を、ゼロ時とその後1日2回(午前中に1回、午後に1回)取得した。試験エンドポイントは、2つの連続したサンプル期間において足場重量が0.1g未満に低下した時点として特定した。
ゲルを調製し、次いで、ビーカー内の足場(の上)に流し込み、一晩冷却し、水分損失を防ぐために密封した(パラフィルム)。翌朝、ゲル/足場をビーカーから取り出した。余分なゲルを、直刃のナイフですべての側面の表面平面にトリミングした。ゼロ時の重量および画像を取得し、足場をフード気流中に吊り下げた(サッシを閉じた状態);所定の設計体の側面が完全に平らでない場合は、その平面に対して一番上にある表面にトリミングした。
一般的に言えば、すべての立方体ベースの設計はほぼ同じ方式で行われ、同じ乾燥の進行またはゲルの退縮パターンが示された。
第1のパターンは、第1の(最外部の)ゲル表面が、立方体の「足場セル」の第1の層を通って後退し、第2の「足場セル」の第2の層の面で停止するというものであった。これは、ゲルの第1の最外部表面が位置を特定して留まる場所である。
ゲルの水分損失が構造体の深部に進むにつれて、複数の二次的な「ゲルフロント(「gel fronts」)」が、内部の「足場セル」の膜によって画定される離散的な内部の「ゲルセル(「gel cells」)」に展開した。
当初、「足場セル」は完全にゲルで充填されているが、その後、状態は2つの離散的な体積へと変化する。「足場セル」のゲル体積は、水分が失われると、「足場セル」フレームワークの内側のエッジからわずかに後退し、次いで、「ゲルセル」が最初に所定の「足場セル」の残りのゲル体積を画定して、その位置で安定化するように思われる。これらは、一般的に、1つの「ゲルセル」が1つの「足場セル」に割り当てられるように配置されるが、常にではなく、または排他的ではなく、場合によっては、単一の「ゲルセル」が複数の「足場セル」を包含することもできる。したがって、この「ゲルセル」は、水分(および香り)の位置を規定する。乾燥プロセスのこの時点で、「ゲルセル」の角の少なくとも1つの「ゲルセル」膜において、離散的なギャップまたは「ポート」が展開した。これらの「連絡ポート」は、最外部の第1次ゲル表面からの様々な深さで発生した。
これらの「連絡ポート」は、内部に配置された「ゲルセル」が次の浅い層の「ゲルセル」と連絡することを可能にした。このようにして、逐次輸送方式で、水分が構造体の内部から外部に向かってポートからポートへ、層から層へと移動することができ、最終的に水分はシステムによってゆっくりと周囲の大気に放出されることになる。
最終的に、膜は、「ゲルセル」壁面の形態で生成され、表面積の増加をもたらした。しかしながら、半径方向に複数の層を介して「セル」から「セル」への水分輸送を制限する「ポート」があるため、水分損失(および潜在的に香りの放出)が抑制され、ケース硬化状態で発生するようなことは除外されないと考えられる。この特徴は、「足場セル」のサイズ、形状、または試験された設計体積に依存しないように思われた。
立方体ベースの足場設計はすべて同様の方式で性能を発揮したが、わずかな性能の違いに気付いた。いくつかの立方体設計では、クロスバーに「インヒビター・タブ」が設計されていた。1つ目の変形例では、4つのタブが90°刻みでクロスバーの周りに半径方向に配置されており、2つ目の変形例も同様であるが、4つのタブはすべてクロスバーから半径方向にオフセットするように45°回転されていた。両方の変形例の着想は、膜形成をさらに促進するために、ゲルフロントが後退するのを「抑制」することであった。このアプローチは、より単純な立方体のみをベースとした設計よりもわずかに性能が高い。
ゲルは水分が失われていく動的な状態にあるため、多くの要因が関与していると想定された。ゲルの表面で粘度が上昇するのは、そこが最初に乾燥する場所であり、所定の「ゲルセル」の中に残っているゲルの水分損失の速度が遅くなるからである。ゲルの粘度が上昇すると、ゲルの表面張力も変化し、また、ゲルが所定の設計の構造的なクロスバーと相互作用する仕方に影響を与えるはずである。「足場セル」の角には構造体によって提示される表面積が多く、ほとんどの「ゲルセル」の角は、少なくともある時間にわたって「足場セル」のクロスバーに結合されたままであった。角と角との間の領域は常に結合されたままではなく、これは主にクロスバーの中央よりも角での表面積接触が多いことが原因であると推測されるが、局所的な含水量の違いにも影響を受けている可能性がある(ゲルがクロスバーと接する場所、角で結合しているか、それに対して中心部で分離されている)。
交絡されたフープに基づいて、異なる形状が開発された。このアプローチは、乾燥中に「ゲルセル」の含水量が低下すると、「ゲルセル」膜の中で常に曲線が形成されるという観察から導き出されたものである。ゲルが乾燥するにつれて、曲線は自然の好みになっていくと思われるので、試してみる価値がありそうであった。乾燥中に角と角との距離を人為的に長くすることで、ゲル膜を「足場セル」のクロスバーから遠ざけるのは、明らかにこれらの曲線であった。この距離が変化すると、クロスバーに面したゲル表面を介して角の結合に張力を与え、潜在的にゲルを角から引き離すことによって角での「連絡ポート」の生成を促進するであろう。歯の有無にかかわらず、2つの設計が試みられた。「歯」は、先の着想である「インヒビター」のスピンオフであり、ゲル膜ができるだけ後退してしまわないようにする良好な保持手段である。これは「歯状フープ」として実施した。図71を参照。
72時間後、最外(一次)膜形成が、以前に見られたように、内部の第2の「足場セル」層の最外縁ではなく、足場の最も外側の表面で主に示された。
最終的な分析では、内部の「ゲルセル」に閉じ込められた水分はゆっくりと周囲の環境に放出され、結果として、水分損失速度は遅延した。ケース硬化は、ゲルコーンの内部に水分(および香り)が閉じ込められてアクセスできないままになる従来の芳香剤のゲルコーンと同様の方式で発生することが観察されなかった。ゲルおよび足場表面への水分(および香り)の連絡を可能にする膜で構成された内部の「ゲルセル」による大表面積の生成が成功しているように思われる。これらの構想はまた、立方体は本質的に円筒形や円錐形と比較して体積に対する表面積の比率が高いため、同じような条件では円筒形や円錐形よりも早く乾燥してしまうという「最悪のケース」のシナリオでもある。したがって、ここで見出された基本的な後退パターンが、フレグランスを添加しても安定していれば、フレグランスの放出がより完全になるだけでなく、最終的にはフレグランスの放出時間が長くなると考えられる。別の仮定は、類似しているが異なるゲル配合物を使用した場合にも、同様の後退パターンが観察されるということである(香料の含量だけで、導入された変化は除く)。
図72は、研究された単純な足場設計を示している。
本明細書全体で引用されている刊行物は、その全体を参照することによって組み込まれる。本発明の様々な態様は、例示および好ましい実施形態を参照して上述してきたが、本発明の範囲は、前記の説明によってではなく、特許法の原則の下で適切に解釈される以下の請求項によって定義されることが理解されるであろう。

Claims (15)

  1. a)ボディ部分であって、ここで、
    前記ボディ部分は、体積と少なくとも1つの表面とを有し、
    前記体積は、流体的に接続された複数の通路の少なくとも1つのネットワークを含み、
    前記流体的に接続された通路の少なくとも1つのネットワークは、少なくとも1つの第1の端部と少なくとも1つの第2の端部とを有し、
    前記少なくとも1つの第1の端部と前記少なくとも1つの第2の端部とは、距離を隔てて離間されており、
    前記第1の端部または前記第2の端部の少なくとも一方は、前記少なくとも1つの表面に流体的に接続されており、
    前記複数の通路のうちの各個別の通路は、断面を有し、
    前記距離と、前記複数の通路のうちの各通路の断面とは、表面を画定する、
    ボディ部分と、
    b)少なくとも1種の活性組成物と
    を含むデバイスであって、ここで、
    前記少なくとも1種の活性組成物は、前記流体的に接続された複数の通路の少なくとも1つのネットワーク内に配置されており、
    前記表面は、前記少なくとも1種の活性組成物を分散させるように構成されており、
    前記表面が三重周期極小曲面形状を含み、
    前記活性組成物は、香料、悪臭中和組成物、脱臭組成物、抗菌剤、殺虫剤、防虫剤および昆虫誘引剤からなる群より選択される少なくとも1つを含むゲルまたは粘性液体である
    デバイス。
  2. 前記複数の通路のうちの各個別の通路が1つ以上の分岐部を含む、請求項1記載のデバイス。
  3. 前記ボディ部分が多孔質材料を含む、請求項1記載のデバイス。
  4. 前記三重周期極小曲面形状が、ジャイロイド形状、リディノイド形状、シュワルツD「ダイヤモンド」形状、またはシュワルツP「プリミティブ」構造体形状からなる群から選択される、請求項記載のデバイス。
  5. 前記表面が、xyz座標系において方程式1
    in(x)・cos(y)+sin(y)・cos(z)+sin(z)・cos(x)=T 方程式
    に従って定義され、ここで、Tは定数である、請求項1記載のデバイス。
  6. Tの値が0~1.43の数値から選択される、請求項記載のデバイス。
  7. Tの値が0~-1.43の数値から選択される、請求項記載のデバイス。
  8. 前記複数の通路のうちの各個別の通路の断面が変化する、請求項1記載のデバイス。
  9. 前記複数の通路のうちの各個別の通路の断面が、前記ボディ部分の周縁部における前記複数の通路のうちの各個別の通路の断面よりも前記ボディ部分の中心部の方が大きい、請求項記載のデバイス。
  10. 前記複数の通路のうちの各個別の通路の断面が、前記ボディ部分の中心部における前記複数の通路のうちの各個別の通路の断面よりも前記ボディ部分の周縁部の方が大きい、請求項記載のデバイス。
  11. 前記ボディ部分が、不規則形、正方形、長方形、円形、楕円形、斜方形、半円、および台形からなる群から選択される断面形状を有する、請求項1記載のデバイス。
  12. 前記ボディ部分が、流体的に接続された複数の通路の2つのネットワークを含む、請求項1記載のデバイス。
  13. 第1の活性組成物が第1のネットワーク内に配置され、第2の活性組成物が第2のネットワーク内に配置される、請求項12記載のデバイス。
  14. 前記デバイスがさらに気流シールドを含む、請求項1記載のデバイス。
  15. 前記少なくとも1種の活性組成物が、ワックスを含む活性組成物、ヒドロゲルを含む活性組成物、オレオゲルを含む活性組成物、オルガノゲルを含む活性組成物、またはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載のデバイス。
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