JP7491857B2 - 貯湯式給湯機 - Google Patents

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Description

本発明は、停電時でも貯湯タンク内に蓄えられた湯水を使用することができる貯湯式給湯機に関するものである。
従来より、貯湯式給湯機のレジリエンス対応が求められており、雷や地震などで停電になってしまっても貯湯タンク内に溜まった湯を使用することができる貯湯式給湯機が求められている。
例えば、特許文献1のように、非常時は、タンクユニット上部に備えられている逃し弁を開き、タンクユニット下部に備えられている非常用取水栓を開くことで、逃し弁から貯湯タンク内に空気が流入させ、貯湯タンク内の湯水を非常用取水栓からバケツ等に取水することができるものが知られている(特許文献1)。
特開2013-217619号公報
しかし、特許文献1のような方法では、非常用取水栓から出る湯水の流量は少なく、取水に時間がかかり、使い勝手が不十分である問題がある。また、貯湯タンク内に貯湯された多量の湯水を取水するにはバケツの入れ替えが必要のため作業者は長時間外で待っていなければいけないという課題があった。
本発明は上記課題を解決するため、温水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク下部に接続された給水管と、浴槽に接続され、前記浴槽に湯水を供給する風呂回路と、前記貯湯タンク内の湯水を汲み上げて送出する汲み上げ式ポンプの吸い込み側ホースが接続可能とされた吸い込み側接続部と、前記汲み上げ式ポンプの送出側ホースが接続可能とされた送出側接続部と、一端が前記吸い込み側接続部に接続され、他端が前記給水管の途中に接続された吸い込み管と、一端が前記送出側接続部に接続され、他端が前記風呂回路の途中に接続された送出管とを有した。
また、前記汲み上げ式ポンプの使用時は、前記貯湯タンク内の湯水が前記貯湯タンクの下部の前記給水管から前記吸い込み管を介して吸い込まれ、前記送出管を介して前記風呂回路に送出されることで、前記浴槽に前記貯湯タンクの湯水が給湯されるようにした。
この発明によれば、雷や地震などで停電になってしまっても、貯湯タンクの下部から吸い込み側接続部までの経路が無事であれば容易に貯湯タンク内の湯水を取り出すことができると共に、汲み上げ式ポンプを駆動させることで、汲み上げ式ポンプの汲み上げを利用して短い時間で貯湯タンク内の湯水を取り出すことができるため使い勝手が良い貯湯式給湯機を提供することができる。
この発明の実施形態の概略説明図 この発明の実施形態の構成図 この発明の手動式の汲み上げ式ポンプの一例 この発明の電動式の汲み上げ式ポンプの一例
本発明の貯湯式給湯機の実施形態を図1に基づいて説明する。
図1において、1は貯湯式給湯機の湯水を貯湯する貯湯タンク、2は浴槽、3は貯湯タンク1底部に給水する給水管、4は貯湯タンク1頂部から出湯する出湯管、5は貯湯タンク1の水を加熱するヒートポンプ式の加熱手段、6は貯湯タンク1の下部と加熱手段5に接続する加熱往き管、7は加熱往き管6の途中に設けられた加熱循環ポンプ、8は加熱手段5と貯湯タンク1の上部を接続する加熱戻り管、9は加熱戻り管8途中に設けられた加熱バイパス弁、10は加熱バイパス弁9の切り替えにより分岐した加熱バイパス管である。この加熱バイパス管10は給水管3の途中に接続されている。
11は加熱手段5の器具に備えられた外気温度を検出する外気温度サーミスタ、12は貯湯タンク1の側面上下に複数設けられ貯湯タンク1内の貯湯温度を検出する貯湯温度サーミスタである。
14は給水管3からバイパスされた給水バイパス管、17は出湯管4からの高温湯と給水バイパス管13からの水とを混合し、その混合比を制御して所望の給湯設定温度及び風呂設定温度を給湯するための給湯混合弁、15は給湯混合弁14で混合された湯を給湯栓16に給湯するための給湯管である。
この給湯混合弁14は、内部に備えた弁の開度を高温側(出湯管4側)と水側(給水バイパス管13側)に切り替えることで、混合比率を変えて給湯混合弁14に混合水の温度を調整して出湯することができる。
17は給湯管15途中に設けられ給湯流量を内部の羽根車の回転数により検出する給湯流量センサ、18は給湯温度を検出する給湯温度サーミスタ、19は給水管3途中に設けられ市水を一定の給水圧に減圧する給水減圧弁、20は給水管3の途中に設けられ市水の温度を検出する給水サーミスタ、21は給水管3途中に設けられた給水を遮断する給水遮断弁、22は貯湯タンク1の上部に連通して設けられ手動で開閉可能な逃し弁である。
23は風呂循環回路で、貯湯タンク1内の湯水と循環する風呂の湯水とを熱交換させる風呂熱交換器24と浴槽2とを、浴槽2から風呂熱交換器24に向かう風呂往き管23a及び風呂熱交換器24から浴槽2に向かう風呂戻り管23bとで循環可能に接続するものである。
25は風呂循環回路23に設けられた風呂循環ポンプ、29は浴槽2への湯張り量を内部の羽根車の回転数により検出する風呂流量センサ、30は風呂循環回路23を流れる風呂の温度を検出する風呂温度サーミスタ、28は湯水の水圧から浴槽2内の水位を検出する水位センサであり、風呂循環回路23途中の風呂循環ポンプ25よりも上流側に設けられている。この水位センサ28は、湯水の水圧から浴槽2内の水位を検出しているので、浴槽2の循環口が露出してしまうと水位検出が行えないため、水位を検出するためには浴槽2の循環口よりも水位が上である必要がある。
30は給湯管15途中から分岐されて風呂循環回路23に接続され浴槽2への湯張りを行うための湯張り管、33はこの湯張り管29に設けられ浴槽2への湯張りの開始、停止を行う湯張り弁である。
また、風呂回路とは浴槽2に湯水を供給するための配管の総称であり、本発明では風呂循環回路23及び湯張り管29のことである。また、風呂循環回路23がなく、湯張り管29が直接浴槽2の循環口に接続されている場合は、湯張り管29を風呂回路としている。
31は給湯および風呂の制御を行う制御装置で、外気温度サーミスタ11、貯湯温度サーミスタ12、給湯流量センサ17、給湯温度サーミスタ18、給水サーミスタ20、風呂流量センサ26、風呂温度サーミスタ27、水位センサ28の検出値が入力され、加熱循環ポンプ7、給湯混合弁14、風呂循環ポンプ25、湯張り弁30を駆動するものである。
次に、沸き上げ運転について説明する。
沸き上げ要求があると、制御装置31は、貯湯タンク1と加熱手段5を繋ぐ配管の途中にある加熱循環ポンプ7を駆動して、貯湯タンク1内下部から水をくみ上げ、加熱手段5で温めて貯湯タンク1上部に戻す動作を続ける事により徐々に貯湯タンク1内の水が高温水へと沸き上げる。
次に、給湯運転ついて説明する。
給湯栓16が開かれると給水管3から給水され、貯湯タンク1下部に流入すると共に給水バイパス管13を通り、貯湯タンク1上部から押し出された高温水と給水バイパス管13の給水が給湯混合弁14で混ぜ合わされ、給湯設定温度と給湯温度サーミスタ18で検出された温度が同じなるように調整された湯水が給湯栓16から給湯される。
また、湯張り運転の各種器具の動作について説明する。
図示しないリモコンの湯張りスイッチが押されると制御装置31は湯張り弁30を開弁し、給水管3から給水を供給し、貯湯タンク1下部に流入すると共に給水バイパス管13を通り、出湯管4からの高温水と給水バイパス管13の給水が給湯混合弁14で混ぜ合わされ、風呂設定温度と風呂温度サーミスタ27で検出された温度が同じになるように調整された湯水が浴槽2に流入されることで湯張りが開始される。そして、風呂流量センサ26で流れた流量を検出して、流れた流量の合計積算値が湯張り設定量分流れたら制御装置31が湯張り弁30を閉状態にすることで湯張り運転を完了し、風呂温度を自動で保温する自動保温運転に移行する。
また、浴槽2の追い焚き運転について説明する。
自動保温運転中に風呂温度サーミスタ27で検出した風呂温度が所定追い焚き温度以下になるか、もしくは、リモコンの追い焚きスイッチが押されると、浴槽水を風呂循環回路23を介して浴槽2と風呂熱交換器24とを循環させて、貯湯タンク1内の湯と熱交換させ浴槽2の浴槽水を昇温する追い焚き運転を行う。風呂設定温度まで上昇したことを風呂温度サーミスタ27の検出値で確認すると追い焚き運転を完了させる。このとき、貯湯タンク1の中間層では追い焚き運転で浴槽水と熱交換したため中温水が貯まることになる。
次に本発明の特徴的な構成である停電時に貯湯タンク1内の湯水を取り出すための構成について図1及び図2に基づいて説明する。
32は貯湯タンク1を内包する貯湯ケースユニットであり、33は貯湯タンク1内の湯水を汲み上げて送出する汲み上げ式ポンプであり、汲み上げ式ポンプ33は、本体部34と、吸い込み側ホース35と、送出側ホース36とにより構成されており、吸い込み側ホース35から汲み上げた湯水を送出側ホース36から送出している。また、本体部34の駆動は手動式でも電動式でも良く、吸い込み側ホース35から送出側ホース36へと汲み上げるものであれば良い。
また、図2のように、貯湯タンク1を内包した貯湯ケースユニット32に設けられた汲み上げ式ポンプ33の吸い込み側ホース35を接続する吸い込み側接続部37と、汲み上げ式ポンプ33の送出側ホース36を接続する送出側接続部38であり、貯湯タンク1内の湯水を取り出す場合、汲み上げ式ポンプ33を吸い込み側接続部37及び送出側接続部38に接続する。
39は吸い込み管であり、一端を吸い込み側接続部37を介して、吸い込み側ホース35と接続し、他端を給水管3の上流側または吸い込み管39側に切り替え可能な第一取水三方弁40を介して給水管3に接続している。
41は送出管であり、一端を送出側接続部38を介して、送出側ホース36と接続し、他端を風呂回路(ここでは風呂循環回路23)の上流側または送出管41側に切り替え可能な第二取水三方弁42を介して風呂回路に接続している。
また、第一取水三方弁40と、第二取水三方弁42は手動による切り替えが可能であり、停電時でも容易に流路の切り替えを行うことができる。
次に貯湯タンク1内の湯水を取り出す場合の作業を説明する。
まず、汲み上げ式ポンプ33の吸い込み側ホース35を吸い込み側接続部37に接続し、汲み上げ式ポンプ33の送出側ホース36を送出側接続部38に接続し、第一取水三方弁40を吸い込み管側に切り替え、第二取水三方弁42を風呂循環回路23側に切り替える。
そして、汲み上げ式ポンプ33を駆動させることで、貯湯タンク1内の湯水は給水管3、給水管3途中に設けられた第一取水三方弁40、吸い込み管39、吸い込み側接続部37、吸い込み側ホース35、汲み上げ式ポンプ33に流入される。
さらに、汲み上げ式ポンプ33に流入された湯水は送出側ホース36、送出側接続部38、送出管41、第二取水三方弁42、風呂回路に送出されることで、貯湯タンク1内の湯水を浴槽2に貯めることができる。
次に手動式の汲み上げ式ポンプ33の一例を図3に基づいて説明すると、321は手動による上下に往復させることが可能はピストン部、322は開閉可能で吸い込み側から送出側にしか湯水が流れないように逆止弁の機能を有した蓋部、323は蓋部を備えたガスケット部である。
図3のように、ピストン部321を下方向に押し込むと、蓋部322が開き、吸い込み側の湯水が本体部34の上部に流入していく。その後ピストン部321を上方向に引っ張ると、蓋部322が閉まり、本体部34の上部に流入していた湯水が引っ張り上げられ、本体部34の最上部に溜まった空気圧により送出側ホース36から送出される。この動作を繰り返すことにより吸い込み側ホース35からの湯水が送出側ホース36へと汲み上げられる。
また、電動式の汲み上げ式ポンプ33の一例を図4に基づいて説明すると、324は電力により所定の範囲を駆動させる電源駆動部、325は電源駆動部324によりポンプシャフト326を介して上下左右に運動する膜であるダイヤフラム、327は吸い込み側からの湯水のみを通過させる吸込側逆止弁、328は送出側のみに湯水を送出させる送出側逆止弁である。
図4のように、電源駆動部324がポンプシャフト326を介してダイヤフラム325を引っ張ることにより、吸い込み側ホース35から湯水を吸い込む。その後電源駆動部324がポンプシャフト326を介してダイヤフラム325を押し込むことで、内部に流入していた湯水が送出側ホース36から送出される。この動作を繰り返すことにより吸い込み側ホース35からの湯水が送出側ホース36へと汲み上げられる。
このように、非常時、湯水を確保するために汲み上げ式ポンプ33を駆動させることで、短かい時間で浴槽2に貯湯タンク1内の湯水をためることができる。
ここで比較例として、貯湯タンク1内に空気をおくる加圧式ポンプを用いた場合を説明すると、貯湯タンク1及び配管が密閉でないと送り込んだ空気が非密閉個所から漏れてしまう可能性があり、貯湯タンク1内の湯水をためておくのは地震等の発生で停電してしまった場合のことであるため、地震により貯湯タンク1及び配管が破損してしまうと、貯湯タンク1内の湯水を取り出すことができない。
これに対して、汲み上げ式ポンプ33を用いる場合は、貯湯式給湯機とは別の機具の経路を介しているので、貯湯タンク1の下部から吸い込み側接続部37までの経路さえ無事なら貯湯タンク1の湯水を吸い込み、送出側から湯水を送出することで貯湯タンク1内の湯水を容易に取り出すことができるため信頼性の高い取水方法を提供することができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で改変する事を妨げるものではなく、例えば、第二取水三方弁42を風呂回路に設け、第二取水三方弁42を介して送出管を風呂回路に接続し、貯湯タンク1内の湯水を浴槽2に溜めていたが、これに限定されるものではなく、給湯管15に接続することで、貯湯タンク1内の湯水を給湯栓16から送出することも可能であり、また、送出側ホース36を送出側接続部38に接続せず、貯湯タンク1内の湯水を送出側ホース36から直接送出させることで、バケツ等に貯めておくことも可能である。
また、本発明では、浴槽2に湯水を供給する風呂回路は風呂循環回路23(風呂戻り管23b)であるため第二取水三方弁42を風呂循環回路23に設けているが、これに限定されるものではなく、追い焚き運転ができず風呂循環回路23がない場合は湯張り管29に湯張り管29(風呂回路)の上流側または送出管41側に切り替え可能な第二取水三方弁42を設けても良い。
また、本発明では、給水遮断弁21を設けているため、貯湯タンク1内の湯水を取り出すために汲み上げ式ポンプを接続し、第一取水三方弁40を吸い込み管側に切り替え、第二取水三方弁42を風呂回路側に切り替え、給水遮断弁21を閉じて、汲み上げ式ポンプ33を駆動すると、貯湯タンク1内の湯水だけを取水することができる。
また、本発明では、第一取水三方弁40の三方弁を設けているが、断水していないのであれば第一取水三方弁40を設けていなければ、給水源から水を汲み上げることも可能である。また、第二取水三方弁42を設けなくても方向に関係なく風呂循環回路23内に湯水が送出されれば浴槽2へ湯水を送出することになるが、貯湯式給湯機を通常使用しているとき、吸い込み管39及び送出管41には水漏れを防止するために開閉動作可能な弁が別途必要である。
また、本発明では、汲み上げ式ポンプ33の例として手動式の汲み上げ式ポンプ33と電動式の汲み上げ式ポンプ33を記したが、これに限られるものではなく、遠心力や回転を利用して吸い込み側ホース35からの水を送出側ホース36へ送出するものなどがある。なお、本発明は停電時に貯湯タンク1内の湯水を浴槽に貯めておくもののため、電動式の汲み上げ式ポンプ33の駆動源は予備電源等により供給可能なものが好ましい。
また、本発明では第一取水三方弁40は給水管3途中に設けているが、給水管3の途中に排水管が設けられている場合は、排水管に第一取水三方弁40を設けても良い。
1 貯湯タンク
2 浴槽
3 給水管
4 出湯管
5 加熱手段
14 給湯混合弁
15 給湯管
23 風呂循環回路
29 湯張り管
33 汲み上げ式ポンプ
35 吸い込み側ホース
36 送出側ホース
37 吸い込み側接続部
38 送出側接続部
39 吸い込み管
40 第一取水三方弁
41 送出管
42 第二取水三方弁

Claims (2)

  1. 温水を貯湯する貯湯タンクと、
    前記貯湯タンク下部に接続された給水管と、
    浴槽に接続され、前記浴槽に湯水を供給する風呂回路と、
    前記貯湯タンク内の湯水を汲み上げて送出する汲み上げ式ポンプの吸い込み側ホースが接続可能とされた吸い込み側接続部と、
    前記汲み上げ式ポンプの送出側ホースが接続可能とされた送出側接続部と、
    一端が前記吸い込み側接続部に接続され、他端が前記給水管の途中に接続された吸い込み管と
    一端が前記送出側接続部に接続され、他端が前記風呂回路の途中に接続された送出管とを有したことを特徴とする貯湯式給湯機。
  2. 前記汲み上げ式ポンプの使用時は、前記貯湯タンク内の湯水が前記貯湯タンクの下部の前記給水管から前記吸い込み管を介して吸い込まれ、前記送出管を介して前記風呂回路に送出されることで、前記浴槽に前記貯湯タンクの湯水が給湯されるようにしたことを特徴とする請求項記載の貯湯式給湯機。
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