本願の明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面において、用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、異なる対象を区別することを意図しているが、特定の順序を示すものではない。さらに、用語「含む、有する(inclduing)」、「有する、含む(having)」、及びその他の任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、又は装置は、列挙したステップ又はユニットに限定されず、オプションで、列挙していないステップ又はユニットをさらに含み、又はオプションで、プロセス、方法、製品、又は装置の別の固有のステップ又はユニットをさらに含む。
本明細書で言及する「一実施形態」は、実施形態を参照して説明する特定の特性、構造、又は特徴が、本願の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所に示される語句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らず、別の実施形態から排他的な独立した又はオプションの実施形態ではない。本明細書に説明する実施形態を別の実施形態と組み合わせることができることは、当業者によって明示的及び黙示的に理解される。
本願において、「少なくとも1つの(アイテム)」は1つ又は複数を意味し、「複数の」は2つ以上を意味し、「少なくとも2つの(アイテム)」は2つ又は3つ又は3つより多いことを意味する。「及び/又は」という用語は、関連付けられたオブジェクトを説明するための関連付け関係を説明するために使用され、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、「A及び/又はB」は、次の3つのケース:Aのみが存在する、Bのみが存在する、及びAとBとの両方が存在するケースを表し得、A及びBは単数又は複数であり得る。文字「/」は、通常、関連付けられたオブジェクト同士の間の「又は」関係を示す。「以下のアイテム(ピース)のうちの少なくとも1つ」又はこれに類する表現は、これらのアイテムの任意の組合せを示し、単数のアイテム(ピース)又は複数のアイテム(ピース)の任意の組合せを含む。例えば、a、b、又はcのうちの少なくとも1つのアイテム(ピース)は、a、b、c、「a及びb」、「a及びc」、「b及びc」、又は「a、b、及びc」を表し得、a、b、及びcは単数又は複数であり得る。
以下に、本願の実施形態について添付の図面を参照して説明する。
本願で提供する方法は、NTN通信システムに適用することができる。図3に示されるように、通信システムは、端末装置、衛星(又は、衛星基地局と呼ばれる)、及び地上局(又は、ゲートウェイ局又はゲートウェイ(gateway)と呼ばれる)を含み得る。
端末装置は、ユーザ機器(user equipment, UE)、又は端末等とも呼ばれ得る。端末装置は、無線送受信機能を有する装置である。端末装置は、屋内、屋外、ハンドヘルド、ウェアラブル、又は車載を含む、陸上に展開することができ、又は水面の船等に展開することができ、又は飛行機、気球、又は人工衛星等、空中に展開することができる。端末装置は、携帯電話(mobile phone)、タブレット型コンピュータ(Pad)、無線送受信機能付きコンピュータ、仮想現実(virtual reality, VR)端末装置、拡張現実(augmented
reality, AR)端末装置、産業用制御(industrial control)の無線端末、自動運転(self driving)の無線端末、遠隔医療(remote medical)の無線端末、スマートグリッド(smart grid)の無線端末、交通安全(transportation safety)の無線端末、スマートシティ(smart city)の無線端末、又はスマートホーム(smart home)の無線端末等であり得る。端末装置は、代替的に、将来の5Gネットワークの端末装置、又は将来の進化型公衆陸上移動ネットワーク(public land mobile network, PLMN)の端末装置等であり得ることが理解されよう。説明を容易にするために、以下では、端末装置がUEである例を使用して、本願の実施形態における方法について説明する。
オプションで、図3に示される通信システムにおいて、装置間(device to device, D2D)、車両と全てのモノの間(vehicle-to-everything,
V2X)、又はマシン間(machine to machine, M2M)等の通信技術が、端末同士の間の通信に使用され得る。端末装置の通信方法は、本願の実施形態では限定されない。
衛星は、端末装置に無線アクセスサービスを提供し、アクセスした端末装置に対して無線リソースをスケジュールし、信頼できる無線伝送プロトコル、及びデータ暗号化プロトコル等を提供することができる。人工地球衛星及び航空機等は、無線通信基地局、例えば、進化型NodeB(evolved NodeB, eNB)及び5G基地局(gNB)として使用され得る。あるいはまた、衛星をこれらの基地局の中継として使用して、これらの基地局の無線信号を端末装置にトランスペアレントに(transparently)送信することができる。この場合に、地上局は無線通信基地局とみなされ得る。従って、本願の実施形態では、いくつかの実施形態において、例えば、衛星の再生シナリオでは、ネットワーク装置は、図3に示される衛星基地局であり得る。他の実施形態では、例えば、衛星のトランスペアレントシナリオでは、ネットワーク装置は、図3に示される地上局であり得る。従って、説明を容易にするために、以下では、ネットワーク装置が基地局である例を使用して、本願の方法について説明する。
本願の実施形態では、ネットワーク装置は、前述の基地局を含み得るが、これに限定されない。例えば、基地局は第6世代通信システム等の将来の通信システムにおける基地局であってもよい。オプションで、ネットワーク装置は、代替的に、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless fidelity, Wi-Fi)システムにおけるアクセスノード、ワイヤレス中継ノード、又はワイヤレスバックホールノード等であってもよい。オプションで、ネットワーク装置は、代替的に、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network, CRAN)シナリオにおける無線コントローラであってもよい。オプションで、ネットワーク装置は、代替的に、ウェアラブル装置、又は車載装置等であってもよい。オプションで、ネットワーク装置は、代替的に、スモールセル、又は送受信ポイント(transmission receive point, TRP)等であってもよい。ネットワーク装置は、代替的に、将来の進化型PLMN等における基地局であってもよいことが理解されよう。
オプションで、衛星は、静止地球軌道(geostationary earth orbit, GEO)衛星、非静止地球軌道(none-geostationary
earth orbit, NGEO)の中間地球軌道(medium earth orbit, MEO)衛星又は低地球軌道(low earth orbit, LEO)衛星、又は高高度プラットフォームステーション(High
Altitude Platform Station, HAPS)であってもよい。
地上局は、衛星をコアネットワークに接続するように構成され得る。例えば、衛星が無線通信基地局として働く場合に、地上局は、衛星とコアネットワークとの間でシグナリングをトランスペアレントに送信することができる。あるいはまた、地上局を無線通信基地局として使用してもよく、衛星が、端末装置と地上局との間でシグナリングをトランスペアレントに送信してもよい。例えば、通信中に、地上局は、フィードバックリンク(又はフィーダリンク(feeder link)と呼ばれる)を介して、シグナリングをコアネットワークから衛星に送信することができる。衛星は、衛星と端末装置との間のサービスリンク(service link)を介してシグナリングを端末装置に送信する。それに対応して、端末装置は、サービスリンクを介してシグナリングを衛星に送信することができ、衛星は、地上局を介してシグナリングをコアネットワークに送信する。
図3は、1つの衛星及び1つの地上局のみを示していることが理解されよう。実際の運用においては、必要に応じて、複数の衛星及び/又は複数の地上局を含むアーキテクチャが使用され得る。各衛星は1つ又は複数の端末装置にサービスを提供し得、各衛星は1つ又は複数の地上局に対応し得、各地上局は1つ又は複数の衛星に対応し得る。これは、本願において特に限定されない。
本願に示される方法を完全に理解するために、以下では、図4に示される本願の実施形態に関連する4ステップのランダムアクセス方法について詳細に説明する。
401:UEは第1のメッセージ(Msg1)とも呼ばれ得るランダムアクセスプリアンブル(random access
preamble)を基地局に送信する。ランダムアクセスプリアンブルを使用して、ランダムアクセス要求があることを基地局に通知し、基地局が基地局とUEとの間の送信遅延を推定できるようにするため、基地局はアップリンクタイミング(uplink timing)を較正し、及びタイミングアドバンス(timing
advance, TA)コマンド(timing advance command)を使用して、較正情報をUEに通知する。
402:ランダムアクセスプリアンブルを検出した後に、基地局は第2のメッセージ(Msg2)とも呼ばれ得るランダムアクセス応答(random access response,
RAR)をUEに送信する。ランダムアクセス応答には、上記401で受信したランダムアクセスプリアンブルのシーケンス番号、タイミングアドバンスコマンド、アップリンクリソース割当て情報、及び一時的なセル-無線ネットワーク一時識別子(temporary cell-radio network temporary identifier, TC-RNTI)等が含まれ得る。
403:UEは、ランダムアクセス応答を受信する。ランダムアクセス応答内のランダムアクセスプリアンブルのシーケンス番号によって示されるランダムアクセスプリアンブルが、ステップ401でUEが基地局に送信したランダムアクセスプリアンブルと同じである場合に、UEは、ランダムアクセス応答がこのUEのためのランダムアクセス応答であると見なす。つまり、UEは、このUEのランダムアクセス応答を受信する。ランダムアクセス応答を受信した後に、UEは、ランダムアクセス応答によって示されるアップリンクリソースでアップリンクメッセージを送信し、例えば、物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel, PUSCH)でアップリンクデータを送信し、ここで、アップリンクメッセージは第3のメッセージ(Msg3)とも呼ばれる。Msg3は、一意のユーザ識別子を搬送することができる。
404:基地局は、UEのアップリンクメッセージを受信し、成功したアクセスを行う(performs successful access:アクセスに成功した)UEに競合解決メッセージを返し、ここで、競合解決メッセージは第4のメッセージ(Msg4)とも呼ばれる。基地局は、成功したアクセスを行うUEを示すために、一意のユーザ識別子を競合解決メッセージのMsg3に含める。アクセスに失敗した他のUEは、ランダムアクセスを再度開始する。
前述の説明から、アップリンク信号が衛星基地局に到着するときにアップリンク信号とダウンリンク信号との間のタイミング調整を可能にするために、図5aに示されるように、UEは、アップリンク信号を送信するときにタイミングアドバンス調整を行う必要があることが分かり得る。NTNにおける比較的大きな往復遅延は、衛星基地局側で受信するアップリンク信号のタイミングと、ダウンリンク信号のタイミングとの間に比較的大きな差を生じさせる。従って、NTNシステムでは、アップリンク信号に対するタイミングアドバンス調整量は比較的大きい。
本願において解決する必要がある課題を導き出すために:例えば、基地局が送信した物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel, PDSCH)データをUEが受信した後に、UEは、ハイブリッド自動再送要求(hybrid automatic repeat request, HARQ)-肯定応答(acknowledge,
ACK)(HARQ-ACK)メッセージを基地局に送信して、PDSCHを正しく受信したことをフィードバックする必要がある。
例えば、UEがPDSCHデータをスロット(slot)nで受信する場合に、UEは、HARQ-ACKメッセージをスロットn+K1でフィードバックする必要がある。すなわち、UEが実行できるタイミングアドバンス調整の最大値はK1スロットである。一般に、K1の最大値は15である。サブキャリア間隔(subcarrier spacing, SCS)が30KHzであり、1スロットが0.5msである場合に、UEが実行できるタイミングアドバンス調整の最大値は7.5msである。図2から、NTNにおけるUEと基地局との間の往復遅延が、7.5msよりはるかに大きいことが分かり得る。従って、K1スロットは、UEがタイミングアドバンス調整を行うのに十分な時間を提供できない、つまり、NTNにおけるビーム又はセルの往復遅延を補償するためのタイミングアドバンス要件を満たすことができない。具体的には、図5bに示されるように、UEが送信したアップリンクデータのタイミングアドバンス調整量がK1スロット(slot)よりも大きい場合に、UEは、HARQ-ACKメッセージを時間通りに送信することができない。
この課題に対する解決策は、UEがPDSCHデータを受信する瞬間と、UEがHARQ-ACKメッセージを送信する瞬間との間に十分な時間が存在して、タイミングアドバンス調整を行えるように、タイミングオフセット(timing offset)Koffsetを導入することである。すなわち、衛星基地局側では、HARQ-ACKメッセージがスロットn+K1+Koffsetで受信される。図5cに示されるように、Koffset値が導入され、UEは、Koffset値を使用して、UEがHARQ-ACKメッセージを送信するスロットを調整することができるので、UEは、タイミングアドバンス調整を行うのに十分な時間を有する。
従って、以下では、以下の態様から本願で提供する方法について説明する。第1に、本願におけるタイミングオフセットを更新する方法について説明する。第2に、その方法に含まれる第1のタイミングオフセットを送信する方法、第2のタイミングオフセットを送信する方法、有効時間、及び更新方法等について説明する。次に、本願に係る切替えシナリオについて説明する。最後に、本願においてタイミングオフセットを更新する別の方法について説明する。
図6は、本願によるタイミングオフセットを更新する方法の概略フローチャートである。オプションで、この方法は、4ステップのランダムアクセスシナリオに適用できる。図6に示されるように、この方法は、具体的には以下のステップを含む。
603:UEは第1のタイミングオフセットKoffset1に基づいて第3のメッセージ(Msg3)を基地局に送信する。第1のタイミングオフセットは、UEによる第3のメッセージの送信遅延の遅延度を示すために使用され、第3のメッセージには指標情報が含まれ、指標情報は第2のタイミングオフセットを指示するために使用され、第2のタイミングオフセットは、更新した第1のタイミングオフセットである。
それに対応して、基地局は、第1のタイミングオフセットに基づいて、UEが送信した第3のメッセージを受信する。第1のタイミングオフセットは、基地局による第3のメッセージの受信の遅延の遅延度を示すために使用される。
UEが第1のタイミングオフセットに基づいて第3のメッセージを基地局に送信することは、以下のように理解され得る。例えば、基地局が信号を送信するスロットnにおいてUEがRARメッセージを受信する場合に、UEは、信号を送信するスロットn+K2+Δ+Koffset1において第3のメッセージを基地局に送信する。同様に、基地局は、UEが信号を送信するスロットn+K2+Δ+Koffset1において第3のメッセージを受信する。K2は、ブロードキャスト又はダウンリンク制御情報(downlink control information, DCI)を通じて基地局がUEに指示するパラメータであり、Δは、システムが事前に合意した値である。K2及びΔの特定の値又はソースは、本願では限定されない。
第1のタイミングオフセットは、初期(initial)タイミングオフセットとも呼ばれ得る。オプションで、UEは、ブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得することができる。あるいはまた、UEは、ブロードキャストメッセージでブロードキャストした関連する調整パラメータに基づいて、第1のタイミングオフセットを決定することができる。関連する調整パラメータに基づいてUEが第1のタイミングオフセットを取得する方法については、以下を参照すべきことが理解されよう。詳細については、ここでは説明しない。UEが第2のタイミングオフセットを基地局にどの様に指示するかについては、以下の説明を参照されたい。
オプションで、前述のステップ603の前に、図6に示される方法は、以下のステップをさらに含む。
601:UEは第1のメッセージ(Msg1)を基地局に送信し、第1のメッセージにはランダムアクセスプリアンブルが含まれる。
それに対応して、衛星基地局は、UEが送信した第1のメッセージを受信する。
本願の実施形態では、衛星のトランスペアレントシナリオにおいて、基地局は、図3に示される地上局に相当する。衛星の再生シナリオでは、基地局は、図3に示される衛星基地局に相当する。
602:基地局は第2のメッセージ(Msg2)をUEに送信し、第2のメッセージにはランダムアクセス応答(random
access response, RAR)メッセージが含まれる。
それに対応して、UEは、基地局が送信した第2のメッセージを受信する。
オプションで、ステップ605の前に、図6に示される方法は以下のステップをさらに含む。
604:基地局は第4のメッセージをUEに送信し、第4のメッセージにはランダムアクセス競合解決メッセージが含まれる。
それに対応して、UEは第4のメッセージを受信する。
具体的には、基地局が送信した第2のメッセージをUEが受信した後に、UEは、第2のメッセージに含まれるタイミングアドバンスコマンド及び共通のタイミングアドバンス(又はUEが以前に使用したタイミングアドバンス)に基づいて、タイミングアドバンス(すなわち、TA値又はTA_New)を得ることができる。さらに、UEは、タイミングアドバンスに基づいて、送信された信号に対してタイミングアドバンス調整を行う。さらに、UEは、タイミングアドバンスに基づいて第2のタイミングオフセットを決定することができる。オプションで、タイミングアドバンスTA_New及び第2のタイミングオフセットは、以下の式(1)を満たすことができる。
TA_Newは、UEが第3のメッセージを送信するときに使用されるタイミングアドバンスであり、slot_durationは期間の単位であり、記号
は切り上げを示す。期間の単位は、アップリンクデータのスロット長又はダウンリンクデータのスロット長等のスロット長であり得ることが理解されよう。あるいはまた、期間の単位は、0.5ms、1ms、シンボル長、サブフレーム長、又はフレーム長等のいずれであってもよい。
オプションで、処理遅延の影響及びUEが位置する高度を考慮すると、第2のタイミングオフセットを計算しているときに、Δt等の固定値がTA_Newに加算又はTA_Newから減算され得る、すなわち、
である。Δtは、時間値であり、プロトコルを使用して事前に指定した値であり得る。Δtの次元は、TA_Newの次元とは異なり得る。あるいはまた、K
offset2に基づいてΔD等の固定値を加算又は減算する、すなわち、
である。ΔDは、整数であり、プロトコルを使用して事前に指定した値であり得る。
式(1)において、タイミングアドバンスと第2のタイミングオフセットとの間の関係を説明するための例として切り上げを使用することが理解されよう。特定の実施態様では第2のタイミングオフセットは、代替的に、切り捨て方式で決定してもよい。
切り上げ及び切り下げの前述の説明は、以下にも適用可能であることが理解されよう。
UEが式(1)に従って第2のタイミングオフセットを取得した後に、いくつかの実施形態では、UEは、更新閾値に基づいて、第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定することができる。例えば、更新閾値は1である。式(1)に従って得られたタイミングオフセットと第1のタイミングオフセットとの間の差が1未満である場合に、UEは、第1のタイミングオフセットを更新しないと決定することができる。逆に、式(1)に従って得られたタイミングオフセットと第1のタイミングオフセットとの間の差が1以上である場合に、UEは、第1のタイミングオフセットを更新すると決定し、式(1)に従って得られたタイミングオフセットは第2のタイミングオフセットである。更新閾値が1である場合に、UEが第1のタイミングオフセットを更新するかどうかに関する説明は、本願において限定されないことが理解されよう。別の例として、更新閾値は2等であってもよい。更新閾値の値が比較的大きい場合に、第1のタイミングオフセットを更新する頻度が減少する。従って、シグナリングオーバーヘッドを削減することができ、RRC接続フェーズで第3のメッセージ及び別のメッセージを使用して指標情報を頻繁に搬送することを回避することができる。
さらに、UEが第1のタイミングオフセットを更新すると決定した後に、UEは指標情報を基地局に送信し、基地局はUEが送信した指標情報を受信する。
更新閾値は、基地局によって予め設定されるか、又はプロトコルに従って予め設定され得ることが理解されよう。あるいはまた、UEは、ブロードキャストメッセージを使用して更新閾値を取得することができる。ブロードキャストメッセージは、システム情報ブロック(system information block, SIB)1、マスター情報ブロック(master
information block, MIB)、又は他のシステム情報(other system
information, OSI)のうちのいずれか1つ又は複数を含み得る。あるいはまた、UEは、無線リソース制御(radio resource control, RRC)メッセージ、ダウンリンク制御情報(downlink control information, DCI)、グループDCI、メディアアクセス制御(media access control, MAC)、又はタイミングアドバンスコマンド(timing
advance command, TAC)のうちのいずれか1つ又は複数を使用して更新閾値を取得することができる。オプションで、ブロードキャストメッセージ又はユニキャストメッセージを使用して更新閾値を取得することに加えて、UEは、マルチキャスト方式で更新閾値をさらに取得することができる。オプションで、更新閾値は、代替的に、データと共に送信されるか、又は別個に割り当てられたPDSCHで搬送され得る。
上記は一例にすぎない。UEが更新閾値を取得する方法及び更新閾値の特定の値は、本願では限定されない。
UEが式(1)に従って第2のタイミングオフセットを取得した後に、他の実施形態では、UEが指標情報を基地局に送信した後に、基地局は、更新閾値に基づいて、第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかをさらに決定することができる。基地局が更新をどのように行うかについては、UEの説明を参照されたい。詳細については、ここでは再び説明しない。
オプションで、基地局が第1のタイミングオフセットを更新すると決定した後に、基地局は、Msg4メッセージを使用して、第2のタイミングオフセット、第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動、又は第2のタイミングオフセットを指示するために使用される調整パラメータをUEにさらに送信することができる。参照タイミングオフセットは、UEが使用しているタイミングオフセット、又は基地局が設定したタイミングオフセット(例えば、ブロードキャストメッセージを使用して設定したタイミングオフセット)、又は予め設定した固定タイミングオフセットである。UEが現在使用しているタイミングオフセットは、例えば、前述の第1のタイミングオフセットである。予め設定したタイミングオフセットは、次のように理解され得る。参照タイミングオフセットは、基地局によって予め設定されるか、又はプロトコル等に従って予め設定される。参照タイミングオフセットの説明は、本願において以下に現れる参照タイミングオフセットにも適用可能であることが理解されよう。
例えば、参照タイミングオフセットが20であり、第2のタイミングオフセットが21である場合に、変動は+1であり得る。別の例として、参照タイミングオフセットが20であり、第2のタイミングオフセットが19である場合に、変動は-1であり得る。あるいはまた、変動は0であってもよい。前述の例は、例として第2のタイミングオフセットから参照タイミングオフセットを差し引いたものを使用して示される。しかしながら、本願の実施形態では、変動は、代替的に、参照タイミングオフセットから第2のタイミングオフセットを差し引いたものを使用して取得することができる。
メッセージ4に含まれ、且つ第2のタイミングオフセットを指示する調整パラメータは、第3のメッセージに含まれ、且つ第2のタイミングオフセットを指示するために使用される調整パラメータとは異なり得ることに留意されたい。例えば、第3のメッセージ内にあり、且つ第2のタイミングオフセットを指示するために使用される第1の調整パラメータは、第3のメッセージを送信するためにUEが使用するタイミングアドバンスであり得、Msg4に含まれ、且つ第2のタイミングオフセットを指示する調整パラメータは、第2のタイミングオフセットと第1のタイミングオフセットとの間の差に関連するいくつかの調整パラメータであり得る。さらに、第2のタイミングオフセット、第2のタイミングオフセットを指示する調整パラメータ、又は第2のタイミングオフセットとMsg4に含まれる参照タイミングオフセットとの間の変動を受信した後に、UEは、第1のタイミングオフセットを更新することができる。第2のタイミングオフセットが有効になった後に、UEは、第2のタイミングオフセットに基づいて第5のメッセージを送信することができる。
UE又は基地局が、更新閾値に基づいて、第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する方法のより鮮明な説明のために、以下では、説明のために例を使用する。
例えば、式(1)に従ってUEが取得する第2のタイミングオフセットは15であり、第1のタイミングオフセットは14であり、更新閾値は2である。UEが第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定するときに、第1のタイミングオフセットと第2のタイミングオフセットとの間の差が2未満であるため、UEは、第1のタイミングオフセットを更新しないと決定することができる。従って、シグナリングオーバーヘッドを減らすために、UEは、指標情報を基地局に送信しない場合がある。基地局が第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する場合に、端末は、指標情報を使用して第2のタイミングオフセットが15であると指示することができる。従って、基地局が指標情報を受信した後に、基地局は、第1のタイミングオフセットと第2のタイミングオフセットとの間の差が2未満であり、更新閾値が2であるという事実に基づいて、第1のタイミングオフセットを更新しないと決定することができる。さらに、Msg4は第2のタイミングオフセットを含まない場合がある。
例えば、式(1)に従ってUEが取得する第2のタイミングオフセットは17であり、第1のタイミングオフセットは14であり、更新閾値は2である。UEが第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定するときに、第1のタイミングオフセットと第2のタイミングオフセットとの間の差が2より大きいので、UEは、第1のタイミングオフセットを更新すると決定することができる。さらに、UEは、指標情報を基地局に送信する。基地局が第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する場合に、UEは、指標情報を使用して第2のタイミングオフセットが17であると指示することができる。従って、基地局が指標情報を受信した後に、基地局は、第1のタイミングオフセットと第2のタイミングオフセットとの間の差が2よりも大きく、更新閾値が2であるという事実に基づいて、第1のタイミングオフセットを更新すると決定することができる。さらに、メッセージ4は、第2のタイミングオフセットを含む場合がある。
上記は単なる例であり、上記の数が本願の限定として理解すべきではないことが理解されよう。
605:UEは、第2のタイミングオフセットに基づいて、第5のメッセージを基地局に送信する。
それに対応して、基地局は第5のメッセージを受信する。
第5のメッセージは、HARQ-ACKメッセージを含み得、HARQ-ACKメッセージは第4のメッセージのHARQ-ACKメッセージであり得る。あるいはまた、第5のメッセージには、アップリンクデータメッセージ、又はアップリンク参照信号(例えば、サウンディング参照信号)等がさらに含まれ得る。
第2のタイミングオフセットに基づいて、UEが第5のメッセージを基地局に送信することの説明については、第1のタイミングオフセットに基づいて、UEが第3のメッセージを基地局に送信することの説明を参照すべきことが理解されよう。詳細については、ここでは再び説明しない。第2のタイミングオフセットの有効時間の説明については、以下を参照されたい。
本願で提供する技術的解決策によれば、一態様では、UEがタイミングアドバンス調整を行うのに十分な時間を有するように、タイミングオフセットが設定される。別の態様では、UEが適切なタイミングオフセットを使用できるように、タイミングオフセットが更新され、例えば、第1のタイミングオフセット又は第2のタイミングオフセットが更新される。タイミングオフセットが更新されない方法と比較して、本願の実施形態は、UEがタイミングアドバンス調整を行うのに十分な時間を確保することに基づいて、エンドツーエンド遅延を低減し、リソース浪費を回避することができる。
例えば、NTNシステムでは、LEO衛星とUEとの間の相対距離は常に変化し、これは往復遅延も常に変化することを意味する。タイミングオフセットKoffsetが更新されない場合に、UEは、正常な通信を保証するために比較的大きなKoffset値を使用する必要がある。従って、Koffsetが更新されない場合に、UEがフィードバックメッセージの送信を遅延させる遅延長(図7aに示されるK1+Koffset)は、タイミングアドバンスよりもはるかに大きくなる可能性がある。図7aに示されるように、データ1を送信した後に、基地局は、データ1のHARQ-ACK(図中、A/NはACK又はNACKを表す)を受信する前にデータ2~10を送信し続け、時間ドメインリソース全体を埋める。従って、基地局は、時間ドメインリソースの浪費を避けるために10個のプロセスを使用する必要がある。
Koffsetを更新することができる場合に、UEがHARQ-ACKの送信を遅延させる遅延の長さは、UEが使用するタイミングアドバンスよりもはるかに大きくはない。図7bに示されるように、UEは、比較的適切なKoffsetを使用する。この場合に、基地局側のダウンリンクプロセスの回数を7回に減らすことができる。また、Koffsetを更新した後に、基地局は、データ1を送信した後に6データ長を待機することで、HARQ-ACKフィードバックを受信することができる。更新前に9データ長を待機する場合と比較して、エンドツーエンドの遅延が減少する。従って、本願の解決策は、基地局がダウンリンクデータを送信するためのプロセスの回数を削減し、エンドツーエンドの遅延を減らすことができる。
本願に示されるタイミングオフセットKoffsetが特に指定されない場合に、タイミングオフセットは、第1のタイミングオフセットKoffset1、第2のタイミングオフセットKoffset2、又は更新した第2のタイミングオフセット等を含み得ることが理解されよう。すなわち、タイミングオフセットKoffsetは一般的な用語であり、特別な意味はない。
以下では、図6に示される方法に関与し得る別の方法について詳細に説明する。
以下の方法は相互に参照することができ、又は方法をさらに組み合わせることができ、解決策は本願の保護範囲内にあることが理解されよう。
UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得する方法は以下の通りである。
例えば、基地局は、最大往復遅延、例えば、
に基づいてタイミングオフセットを決定する。
ここで、max_RTDは、基地局がカバーするビーム又はセル領域において、基地局から最も離れた地点の往復遅延、すなわち、最大往復遅延を表す。この場合に、異なるシナリオにおいてタイミングオフセットを送信するためのビット(bit)数は以下のように示される。
以下の例では、サブキャリア間隔が120KHzであることが理解されよう。期間の単位slot_durationがスロット長である場合に、期間の単位は0.125msである。
GEOのトランスペアレント(transparent)シナリオでは、セル直径D=200kmであり、最大往復遅延は541.1msであり、指示する必要があるKoffsetの最大値は541.1/0.125=4329=13ビットである。
GEOの再生(regenerative)シナリオでは、セル直径D=200kmであり、最大往復遅延は270.5msであり、指示する必要があるKoffsetの最大値は270.5/0.125=2164=12ビットである。
LEO-1200のトランスペアレントシナリオでは、セル直径D=100kmであり、最大往復遅延は25.8msであり、指示する必要があるKoffsetの最大値は41.7/0.125=334=9ビットである。
LEO-1200の再生シナリオでは、セル直径D=100kmであり、最大往復遅延は12.9msであり、指示する必要があるKoffsetの最大値は20.9/0.125=168=8ビットである。
LEO-600のトランスペアレントシナリオでは、セル直径D=100kmであり、最大往復遅延は25.8msであり、指示する必要があるKoffsetの最大値は25.8/0.125=207=8ビットである。
LEO-600の再生シナリオでは、セル直径D=100kmであり、最大往復遅延は12.9msであり、指示する必要があるKoffsetの最大値は12.9/0.125=104=7ビットである。
上に示したトランスペアレントシナリオの最大往復遅延は、参照点、衛星、及び地上局の間の最大往復遅延を表し得ることが理解されよう。上に示した再生シナリオの最大往復遅延は、参照点と衛星との間の最大往復遅延を表し得る。参照点は、ビーム又はセルのカバレッジエリア内の参照点であり得る。
オプションで、基地局は、第1のタイミングオフセットの値をブロードキャスト方式でUEに送信することができる。例えば、基地局は、式
を使用した計算によって第1のタイミングオフセットの値を得ることができる。処理遅延の影響及びUEが位置する高度を考慮して、第1のタイミングオフセットを計算しているときに、Δt等の固定値を、max_RTDに加算又は除算してもよい、すなわち、
である。Δtは、時間値であり、プロトコルを使用して事前に指定した値であり得る。Δtの次元は、max_RTDの次元と異なる場合がある。あるいはまた、K
offset1に基づいてΔD等の固定値を加算又は除算する、すなわち、
である。ΔDは、整数であり、プロトコルを使用して事前に指定した値であり得る。Δt及びΔDの値又はソースは、本願では限定されないことが理解されよう。
前述の例から、異なるシナリオでは、基地局がKoffset1の特定の値を直接ブロードキャストするために比較的大量のビットを必要とすることが分かり得る。従って、シグナリングオーバーヘッドを削減するために、UEは、ブロードキャストメッセージから関連する調整パラメータを取得し、それによって、関連する調整パラメータに基づいて第1のタイミングオフセットを取得することができる。
ブロードキャストメッセージでブロードキャストした関連する調整パラメータに基づいて、第1のタイミングオフセットを決定する方法は以下の通りである。
本願の方法では、第1のタイミングオフセットを取得するために、UEは、Sk、ΔKoffset、ΔKoffset_time、α、及びβ等の1つのパラメータ又はいくつかのパラメータを取得する必要があり、基地局は、以下のシグナリング方式でパラメータをUEに送信することができることが理解されよう。
基地局は、ブロードキャストメッセージを使用して前述のパラメータをUEに送信し、ブロードキャストメッセージには、システム情報ブロック(system information block, SIB)、マスター情報ブロック(master
information block, MIB)、又は他のシステム情報(other system
information, OSI)のうちのいずれか1つ又は複数が含まれ得る。あるいはまた、無線リソース制御(radio
resource control, RRC)接続フェーズにおいて、基地局が、別のセル又はビームの第1のタイミングオフセットをUEに通知する必要がある場合に、基地局は、RRCメッセージ、ダウンリンク制御情報(downlink control information, DCI)、グループDCI、メディアアクセス制御(media access control, MAC)、又はタイミングアドバンスコマンド(timing
advance command, TAC)のいずれか1つ又は複数を使用して前述のパラメータをUEにさらに送信することができる。オプションで、基地局は、代替的に、データ送信と共に、又は別個に割り当てられたPDSCHで前述のパラメータを送信することができる。オプションで、ブロードキャストメッセージ又はユニキャストメッセージを使用して前述のパラメータを送信することに加えて、基地局は、前述のパラメータをマルチキャスト方式でさらに送信することができる。各パラメータの前述の説明は、本願の他の実施形態にも適用可能であることが理解されよう。
方法1:
一般に、UEは、予め設定した受信ウィンドウを使用して、基地局が配信したRAR関連情報を受信する。しかしながら、衛星通信の往復遅延は比較的大きい。従って、ランダムアクセスプリアンブルを送信した後に、UEは、特定の時間遅延の後に、RAR関連情報を検出するための受信ウィンドウを起動させる。理論的には、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、基地局がカバーするビーム/セル内の基地局に最も近いポイントの往復遅延、つまり最小往復遅延に関連している。タイミングオフセットは、基地局がカバーするビーム/セルの最大往復遅延に関連している。RAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、基地局によってUEに通知され得る。従って、シグナリングオーバーヘッドを減らすために、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間に基づいて、第1のタイミングオフセットを決定することができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、以下の式(2)を満たすことができる。
Koffset1は第1のタイミングオフセットであり、Skはスケール係数であり、スケール係数は負でない数値である。RAR_delayは、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間である。slot_durationは期間の単位である。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、以下の式(3)を満たすことができる。
ΔKoffsetはタイミングオフセット差であり、タイミングオフセット差は整数である。
例えば、基地局は、ビーム/セルのカバレッジエリアに基づいて、例えば前述の式
に従って、第1のタイミングオフセットK
offset1の値を決定することができる。次に、基地局は、基地局がUEにブロードキャストしたRAR_delayの値に基づいて、式(3)にK
offset1及びRAR_delayを代入し、ΔK
offsetの値を求める。基地局は、ブロードキャスト方式でΔK
offsetの値をUEに送信することができる。それに対応して、UEは、RAR_delay及びΔK
offsetの値を受信し、RAR_delay及びΔK
offsetの値を式(3)に代入して、第1のタイミングオフセットの値を求める。ここで、slot_durationは、プロトコルに従って事前に指定してもよく、又はプロトコルによって規定してもよい。基地局及びUEがΔK
offsetを取得及び使用するための前述の方法は、パラメータS
k、及び以下で説明する式において第1のタイミングオフセットを導出するために使用されるパラメータにも適用可能であることが理解されよう。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、以下の式(4)を満たすことができる。
ΔKoffset_timeは期間の差であり、期間の差は、正の数、負の数、又は0であってもよい。さらに、期間の差の次元は、RAR_delayとは異なり得るので、シグナリングオーバーヘッドを削減することができる。
期間の差の値は、正の数、負の数、又は0等の任意の値であてもよいことが理解されよう。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、以下の式(5)を満たすことができる。
式(5)におけるパラメータの説明については、式(2)、(3)、及び(4)を参照すべきことが理解されよう。
第1のタイミングオフセットとRAR受信ウィンドウの起動遅延期間との間の関係は、前述のパラメータに基づいて異なる形式であり得ることが理解されようが、これは本願において限定されない。例えば、式(2)及び式(3)によれば、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、例えば、
の式をさらに満たすことができる。
方法2:
UEは、予め設定した受信ウィンドウを使用して、基地局が配信したRAR関連情報を受信する。従って、基地局は、RAR受信ウィンドウ(RAR_window)の期間をUEに通知する必要がある。プリアンブルを送信した後に、UEは、RAR受信ウィンドウの期間中にRAR関連情報を検出する。理論的には、RAR受信ウィンドウの期間は、基地局がカバーするビーム/セルの往復遅延差に関連している。従って、シグナリングオーバーヘッドを減らすために、RAR受信ウィンドウの期間に基づいて、第1のタイミングオフセットを決定することができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの期間は、以下の式(6)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの期間は、以下の式(7)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの期間は、以下の式(8)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの期間は、以下の式(9)を満たすことができる。
第1のタイミングオフセットとRAR受信ウィンドウの期間との間の関係は、前述のパラメータに基づいて異なる形式であり得ることが理解されようが、これは本願において限定されない。例えば、別の導出式が得られ、第1のタイミングオフセット及びRAR受信ウィンドウの期間は、例えば、
の式を満たすことができる。
方法2の式におけるパラメータの説明については、方法1に示されるパラメータを参照すべきことが理解されよう。
方法3:
方法1及び方法2に関して、基地局は、RAR受信ウィンドウの期間をUEに通知する必要があるだけでなく、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間もUEに通知する必要があるため、第1のタイミングオフセットは、代替的に、RAR受信ウィンドウの期間及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間に基づいて決定され得る。
オプションで、第1のタイミングオフセット、RAR受信ウィンドウの期間、及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、以下の式(10)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット、RAR受信ウィンドウの期間、及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、以下の式(11)を満たすことができる。
第1のタイミングオフセットを導出する別の方法は、方法1及び方法2に示されるパラメータに基づいて式(10)及び式(11)を修正することによって取得され得る、例えば、
又は
であることが理解されよう。
方法3の式におけるパラメータの説明については、方法1及び方法2に示されるパラメータを参照すべきことが理解されよう。
方法4:
4ステップのランダムアクセスプロセスにおいて、メッセージ3を送信した後に、UEは、ランダムアクセス競合解決タイマ(ra-ContentionResoultionTimer)を開始し、メッセージ4の検出を開始する。ランダムアクセス競合解決タイマが期限切れになる前にMsg4を成功裏に受信した場合に、アクセスは成功したと見なされる。例えば、ランダムアクセス競合解決タイマの値の範囲は、{8ms、16ms、24ms、32ms、40ms、48ms、56ms、64ms}を含む。NTNにおける往復遅延は比較的大きく、例えば、GEOシナリオでの往復遅延は約250msである。この場合に、タイマが期限切れになる前にMsg4を確実に受信するために、ランダムアクセス競合解決タイマに開始遅延時間を導入する必要がある。理論的には、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間は、基地局がカバーするビーム/セル内の基地局に最も近いポイントの往復遅延、つまり最小往復遅延に関連する。一般に、基地局は、SIB 1を使用して、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間RCR_offsetをUEに送信することができる。シグナリングオーバーヘッドを減らすために、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間に基づいて、第1のタイミングオフセットを決定することができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間は、以下の式(12)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間は、以下の式(13)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間は、以下の式(14)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間は、以下の式(15)を満たすことができる。
第1のタイミングオフセットとランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間との間の導出関係について、前述のパラメータを使用して、別の導出式、例えば、
の式が取得され得ることが理解されよう。
方法4の式におけるパラメータの説明については、前述の方法で示されたパラメータを参照すべきことが理解されよう。
方法5:
同様に、基地局は、ランダムアクセス競合解決タイマの期間RCR_timerをUEに通知する。理論的には、ランダムアクセス競合解決タイマの期間は、基地局がカバーするビーム/セルの往復遅延差に関連している。従って、オーバーヘッドを減らすために、ランダムアクセス競合解決タイマの期間に基づいて、第1のタイミングオフセットを決定することができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びランダムアクセス競合解決タイマの期間は、以下の式(16)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びランダムアクセス競合解決タイマの期間は、以下の式(17)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びランダムアクセス競合解決タイマの期間は、以下の式(18)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びランダムアクセス競合解決タイマの期間は、以下の式(19)を満たすことができる。
第1のタイミングオフセットとランダムアクセス競合解決タイマの期間との間の導出関係については、前述のパラメータを使用して、別の導出式、例えば、
の式が取得され得ることが理解されよう。
方法5の式におけるパラメータの説明については、前述の方法で示されたパラメータを参照すべきことが理解されよう。
方法6:
方法4及び方法5に関して、基地局は、ランダムアクセス競合解決タイマの期間をUEに通知する必要があるだけでなく、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間もUEに通知する必要があるため、第1のタイミングオフセットは、代替的に、ランダムアクセス競合解決タイマの期間及びランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間に基づいて決定され得る。
オプションで、第1のタイミングオフセット、ランダムアクセス競合解決タイマの期間、及びランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間は、以下の式(20)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット、ランダムアクセス競合解決タイマの期間、及びランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間は、以下の式(21)を満たすことができる。
第1のタイミングオフセットを導出する別の方法は、方法1及び方法2に示されるパラメータに基づいて式(20)及び式(21)を修正することによって取得され得る、例えば、
又は
であることが理解されよう。
方法6の式におけるパラメータの説明については、前述の方法で示されたパラメータを参照すべきことが理解されよう。
方法7:
初期アクセスフェーズでは、測位機能を有さないUEにランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用されるタイミングアドバンスを提供するために、基地局は、共通のタイミングアドバンス(common TA)をビーム又はセルにブロードキャストし、UEは、共通のタイミングアドバンスを使用して、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用されるタイミングアドバンスを決定する。共通のタイミングアドバンスは、以下の方法で計算することができる:ビーム又はセルのカバレッジエリア内の参照点を選択し(基地局に最も近いポイントを選択できる)、参照点と衛星(衛星の再生シナリオ)との間の往復遅延、又は参照点、衛星、及び地上局の間の往復遅延(衛星のトランスペアレントシナリオ)を計算し、共通のタイミングアドバンスは、往復遅延に等しいか、又は往復遅延プラス/マイナス固定値に等しい。参照点は、サービスリンク上の点又はフィーダリンク上の点であり得るが、これは本明細書では限定されない。同様に、基地局は、参照点位置の座標をUEに送信することができ、UEは、衛星位置と参照点位置との間の往復遅延に基づく計算によって、共通のタイミングアドバンスを取得する。共通のタイミングアドバンスは、正の値又は負の値であってもよい。
測位機能を有するUEの場合に、UEは、UEの位置情報及び衛星の位置情報(エフェメリス(天体暦)情報から取得され得る)に基づく計算によって、ランダムアクセスプリアンブルの送信に使用され得るタイミングアドバンスを取得することができる。しかしながら、測位機能を有するUEは、基地局がビーム又はセルにブロードキャストする共通のタイミングアドバンスを依然として得ることができる。
従って、第1のタイミングオフセットは、共通のタイミングアドバンスTA_commonに基づいて取得され得る。
オプションで、第1のタイミングオフセット及び共通のタイミングアドバンスTA_commonは、以下の式(22)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及び共通のタイミングアドバンスは、以下の式(23)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及び共通のタイミングアドバンスは、以下の式(24)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及び共通のタイミングアドバンスは、以下の式(25)を満たすことができる。
第1のタイミングオフセットと共通のタイミングアドバンスとの間の導出関係について、前述のパラメータを使用して、別の導出式、例えば、
の式がさらに取得され得ることが理解されよう。
方法7の式におけるパラメータの説明については、前述の方法を参照すべきことが理解されよう。
方法8
第1のタイミングオフセットは、代替的に、衛星の軌道高度Hに基づいて決定してもよい。衛星の軌道高度は、基地局のカバレッジエリアの最小往復遅延に関連している。軌道高度は、図8aのサブ衛星ポイントの往復遅延であり得る。衛星の軌道高度は、エフェメリス情報から取得できる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及び軌道高さHは、以下の式(26)を満たすことができる。
Hは軌道高度であり、cは光速である。
オプションで、第1のタイミングオフセット及び軌道高さHは、以下の式(27)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及び軌道高さHは、以下の式(28)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及び軌道高さHは、以下の式(29)を満たすことができる。
第1のタイミングオフセットと軌道高との間の導出関係について、前述のパラメータを使用して、別の導出式、例えば、
の式がさらに取得され得ることが理解されよう。
トランスペアレントモードの場合に、フィーダリンクでの遅延とサービスリンクでの遅延との2つの遅延があり得ることが理解されよう。従って、式(26)~式(29)及び変形式をさらに最適化する、すなわち、2×H/cを4×H/cに置き換えることができる。
方法8の式におけるパラメータの説明については、前述の方法を参照すべきことが理解されよう。
方法9:
基地局は、カバレッジビーム/セルに対応するサービスリンクの参照角度及び/又はフィーダリンクの参照角度をUEに送信する。図8aに示されるように、サービスリンクの参照角度は、サービスリンクの参照角度の参照点、衛星、及びサブ衛星ポイントによって形成される角度に基づいて決定され得、サービスリンクの参照角度の参照点は、衛星から最も遠く、且つカバレッジビーム/セル範囲内にある点であり得る(又は、参照点の位置は、特定のネットワーク展開に基づいて決定される)。サブ衛星ポイントとは、衛星と地球の中心を結ぶ線が地表と交わる点である。従って、UEは、サービスリンクの参照角度αに基づいて、サービスリンク上の往復遅延:2×H/cos(α)/cを計算することができる。
同様に、図8aに示されるように、基地局は、フィーダリンクの往復遅延を計算するために、フィーダリンクの参照角度をUEに送信することができる。フィーダリンクの参照角度は、フィーダリンクの参照角度の参照点、衛星、及びサブ衛星ポイントによって形成される角度に基づいて決定することができる。フィーダリンクの参照角度の参照点は、地上局の位置とすることができる。従って、UEは、フィーダリンクの参照角度βに基づいて、フィーダリンク上の往復遅延:2×H/cos(β)/cを計算することができる。
最後に、UEは、基地局によって送信されるサービスリンクの参照角度α及び/又はフィーダリンクの参照角度βに基づいて、Koffset1を計算することができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びサービスリンクの参照角度αは、以下の式(30)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット及びフィーダリンクの参照角度βは、以下の式(31)を満たすことができる。
オプションで、第1のタイミングオフセット、サービスリンクの参照角度α、及びフィーダリンクの参照角度βは、以下の式(32)を満たすことができる。
第1のタイミングオフセットと参照角度との間の導出関係について、前述の方法における他のパラメータを使用して、別の導出式、例えば、
及び
の式が取得され得ることが理解されよう。
前述の式のパラメータの説明については、前述の方法を参照すべきことが理解されよう。
図6に示される方法では、指標情報は、第2のタイミングオフセットを指示するために使用され得、UEが第2のタイミングオフセットを基地局に指示する方法は、以下の方法を含む。
方法1:
指標情報には第2のタイミングオフセットが含まれる。例えば、前述の例に示されるように、第2のタイミングオフセットは、第1のタイミングオフセットと同じビット数を占めることができ、ビット数は、13ビット、12ビット、9ビット、8ビット、又は7ビットであり得る。
方法2:
指標情報には第1の調整パラメータセットが含まれ、第1の調整パラメータセットを使用して、第2のタイミングオフセットを決定する。すなわち、指標情報には第1の調整パラメータセットが含まれ、基地局は、第1の調整パラメータセットに基づいて第2のタイミングオフセットを決定する。
第1の調整パラメータセットには、
第2のタイミングオフセットKoffset2及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間RAR_delayに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2及びRAR受信ウィンドウの期間RAR_windowに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間RAR_delay、及びRAR受信ウィンドウの期間RAR_windowに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2及びランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間RCR_offsetに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2及びランダムアクセス競合解決タイマの期間RCR_timerに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間RCR_offset、及びランダムアクセス競合解決タイマの期間RCR_timerに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2及び共通のタイミングアドバンスTA_commonに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2及びネットワーク装置の軌道高度Hに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2、及び端末装置とネットワーク装置との間の往復遅延に基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2及びサービスリンクの参照角度αに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2及びフィーダリンクの参照角度βに基づいて決定されるパラメータ、又は
第2のタイミングオフセットKoffset2、サービスリンクの参照角度α、及びフィーダリンクの参照角度βに基づいて決定されるパラメータ、又は
UEが第3のメッセージを送信するために使用するタイミングアドバンス(異なるシナリオでは、UEが最近使用したタイミングアドバンスとも理解され得る)、又は
タイミングオフセット同士の間の差であって、第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の差であり得るタイミングオフセット同士の間の差、のうちのいずれか1つ又は複数が含まれ得る。参照タイミングオフセットは、UEが現在使用しているタイミングオフセット又は予め設定したタイミングオフセットである。UEが現在使用しているタイミングオフセットは、前述の第1のタイミングオフセットであり得る。
例えば、第1の調整パラメータセットは、UEが第3のメッセージを送信するために使用するタイミングアドバンスTA_Newを含む。TA_Newを受信した後に、基地局は、
の式に従って第2のタイミングオフセットを決定することができる。
UEがTA_Newを基地局に送信する方法は以下の通りである。例えば、UEは、使用したTAの量子化値NTAを基地局に送信する。NTAを受信した後に、基地局は、合意した量子化係数SをNTAに乗じて、UEが実際に使用するTA値(単位:秒又はミリ秒)を取得する。このようにして、TAを表すシグナリング長を減らすことができ、シグナリングオーバーヘッドを削減することができる。例えば、量子化係数Sが100/(15000*2048)≒3.25usであるとする。TA_New=4msである。量子化値NTA=4ms/3.25us≒1231である。11ビットが必要である。LTEで使用されるTs=32.5nsをTA値の量子化に使用すると、4ms/32.5ns≒123077となり、17ビットが必要となる。6ビット減らされることが分かり得る。
別の例では、シグナリングオーバーヘッドを減らすために、UEは、衛星の軌道高度の往復遅延に基づくパラメータ値を基地局に送信し、それによって、基地局は、パラメータ値を使用して、UEが実際に使用するTA値を計算することがでする。例えば、UEは、時間量VTA(VTAは正の値でも負の値でもよい)を基地局に送信し、基地局は、サブ衛星ポイントの往復遅延を時間量VTAに加算するか、又はサブ衛星ポイントの往復遅延から時間量VTAを減算して、UEが使用するTA値を取得する。衛星の軌道高度をH(単位:m)とすると、サブ衛星ポイントの往復遅延は2×H/cであり、ここで、cは光速3×108m/sを示す。基地局は、TA_New=2*H/c+VTAの式に従って、UEが使用するTA値を計算によって取得することができる。
別の例では、UEは、衛星の軌道高度に関連する倍数値(multiple value)又はスケール係数MTA(例えば、衛星のサブ衛星ポイントの往復遅延)を基地局に送信する。基地局は、サブ衛星ポイントの往復遅延に倍数値を乗算して、UEが使用するTA値を取得する。すなわち、基地局は、TA_New=2*H/c*MTAの式に従って、UEが使用するTA値を計算によって得ることができる。例えば、衛星の軌道高度が600kmである場合に、衛星の軌道高度の往復遅延は600e3*2/3e8=4msである。UEが使用するTA値が4.2msである場合に、VTA=2msの時間量だけを基地局に送信する必要がある。基地局は、4+0.2=4.2msに基づいて、UEが実際に使用するTA値を計算する。この方法を使用しない場合に、UEは、4.2msを基地局に送信する必要があり、より多くのビットを占有する。あるいはまた、UEは、サブ衛星ポイントの往復遅延に基づく多値MTAを基地局に送信し、ここで、MTA=4.2/4=1.05である。4.2(ms)を基地局に送信する必要がないため、これはシグナリングオーバーヘッドを減らす。
別の例では、UEは、予め設定した受信ウィンドウを使用して、基地局が配信したRAR関連情報を受信する。衛星通信の往復遅延は比較的大きいため、プリアンブルを送信した後に、UEは、特定のRAR_delayの後にのみ受信ウィンドウを起動し、RAR関連情報の検出を開始する。RAR受信ウィンドウの遅延時間RAR_delayは、基地局側からUEに通知される。従って、シグナリングオーバーヘッドを減らすために、UEは、RAR受信ウィンドウの遅延期間RAR_delayに基づくパラメータ値を基地局に送信し、それによって基地局側で、UEが実際に使用するTA値を計算することができる。
別の例では、シグナリングオーバーヘッドを減らすために、UEは、共通TAに基づくパラメータ値を基地局に送信し、それによって、基地局側で、UEが実際に使用するTA値を計算することができる。前述の方法を一緒に使用してもよいことが理解されよう。本願において、UEが、UEが使用するタイミングアドバンスを基地局に送信する方法は、以下の同じ方法に適用可能であることが理解されよう。例えば、後続の通信プロセスにおいて、UEが第2のタイミングオフセットを更新する必要がある場合に、この方法を使用して、UEが使用するタイミングアドバンスを基地局に送信することができる。
例えば、UEが基地局に送信する指標情報は、ΔK=Koffset2-Koffset1を含む。すなわち、ΔKは、タイミングオフセット同士の間の差を表す。それに対応して、ΔKを受信した後に、基地局は、Koffset2=Koffset1+ΔKの式に従ってKoffset2の値を取得する。
オプションで、UEは、本願におけるUEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得する方法を使用して、第1の調整パラメータセットを基地局に送信することができる。UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得する方法におけるKoffset1を、更新したKoffset1(すなわち、第2のタイミングオフセットKoffset2)に置き換える必要があり、この方法は式(2)~式(32)及び列挙されている別の式を含むことに留意されたい。UEは、Sk、ΔKoffset、ΔKoffset_time、α、β等のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータ値を基地局に送信する。これに対応して、基地局は、UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得する方法において、式(2)~式(32)の方法を使用して計算により第2のタイミングオフセットを取得する。
例えば、式(11)のK
offset1がK
offset2に置き換えられる場合に、UEは、
の式を参照してΔK
offsetの値を決定する。指標情報にはΔK
offsetの値が含まれ、UEはΔK
offsetの値を基地局に送信する。それに対応して、ΔK
offsetを受信した後に、基地局は、
の式に従った計算によってK
offset2の値を取得する。
例えば、式(27)のK
offset1がK
offset2に置き換えられる場合に、UEは、
の式を参照して、ΔK
offsetの値を決定する。指標情報にはΔK
offsetの値が含まれ、UEはΔK
offsetの値を基地局に送信する。それに対応して、ΔK
offsetを受信した後に、基地局は、
の式に従った計算によってK
offset2の値を取得する。ここでの式の使用は一例であり、他の式にも適用可能である。
ΔKoffsetの記号は上記(3)と同じであるが、意味が異なることが理解されよう。式(3)におけるΔKoffsetの値は、基地局によってブロードキャストしてもよい。本願の方法では、ΔKoffsetは、前述の式(11)及び式(27)に従った変形によって得られ、UEは、ΔKoffsetの値を基地局に送信する。
オプションで、UEは、Sk、ΔKoffset、ΔKoffset_time、α、及びβ等のパラメータの少なくとも1つのパラメータ値の変動値を基地局に送信し、基地局は、変動値を使用した計算によって第2のタイミングオフセットを得る。
例えば、UEが基地局に送信したパラメータS
kの変動値は0.2であり、最後にUEが基地局に送信したS
kは1.3であるか、又は最後に基地局がUEに送信したS
kは1.3であるか、又は合意した参照S
kは1.3である。この場合に、基地局は、S
kの更新値:1.3+0.2=1.5を得ることができる。基地局は、
の式に従った計算によって第2のタイミングオフセットを取得する。ここでの式の使用は一例であり、使用される式は限定されない。
オプションで、指標情報には、例えば001等のΔKoffsetのインデックス番号がさらに含まれ得る。すなわち、異なるΔKoffsetは、異なるインデックス番号に対応し得る。例えば、以下の方法3のテーブルクエリの方法を参照されたい。
オプションで、指標情報には、UEの最新の位置情報がさらに含まれ得、最新の位置情報には、最新の三次元位置座標が含まれ得る。このようにして、基地局側は、衛星の位置及びUEの位置を使用して衛星とUEとの間の往復遅延を計算し、UEが使用しているTA値TA_Newを取得し、最新のタイミングオフセット、すなわち、
の式に従って、K
offset2を取得することができる。
方法3:
前述の方法では、Koffset又はKoffsetと参照タイミングオフセットとの間の差は、例えば、Koffset∈{1,3,5,7}又はKoffset∈{1.5,3.5,5.5,7.5}の固定した離散値であり得る。Koffsetのシグナリングオーバーヘッドは、離散したタイミングオフセットを設定することで削減できる。ここでのタイミングオフセットは、第1のタイミングオフセット、第2のタイミングオフセット、更新した第2のタイミングオフセット等を含み得ることが理解されよう。
図8bに示されるように、基地局がカバーするビームの最大往復遅延差は2.28msである。スロットを期間の単位として使用してK
offsetを表す場合に、サブキャリア幅を120KHzとし、最小スロット長を0.125msとすると、K
offset=2.28/0.125=18.24となる。この場合に、UE又は基地局は、K
offsetを送信するために5ビットを必要とする。K
offsetは量子化され、例えば、K
offset∈{0、3、6、9、12、15、18、21}であり、UE又は基地局がK
offsetを送信するために3ビットを必要とする。例えば、UE又は基地局は、表1に示されるように、マッピング関係に基づいてK
offset、すなわち100を送信することができる。
前述のマッピング関係は、単なる例であり、本願のこの実施形態に対する限定として解釈すべきではないことが理解されよう。同様に、Koffsetと参照タイミングオフセットとの間の差も離散値を使用して表現することができる。
基地局が、更新した第1のタイミングオフセットをUEに示すための方法は、以下を含む:
上述したように、「基地局が第1のタイミングオフセットを更新すると決定した後に、基地局はさらに、Msg4メッセージを使用して、第2のタイミングオフセット、第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動、又は第2のタイミングオフセットを指示するために使用される調整パラメータをUEに送信することができる。
第1のタイミングオフセットを更新すると決定した後に、基地局は、第2のタイミングオフセットを指示するために使用される調整パラメータをUEに送信する。調整パラメータの送信については、UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得する前述の方法と、UEが第2のタイミングオフセットを基地局に指示する方法を参照されたい。UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得する方法におけるKoffset1を、更新したKoffset1(すなわち、第2のタイミングオフセットKoffset2)に置き換える必要があり、この方法は式(2)~式(32)及び列挙されている別の式を含むことに留意されたい。基地局は、Sk、ΔKoffset、ΔKoffset_time、α、β等のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータ値をUEに送信する。これに対応して、UEは、「UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得する方法」における式(2)~式(32)の方法を使用して、計算により第2のタイミングオフセットを取得する。
例えば、基地局がUEに送信し、且つ第2のタイミングオフセットを指示するために使用される調整パラメータは、Sk、ΔKoffset、ΔKoffset_time、α、及びβ等のパラメータの少なくとも1つのパラメータ値の変動値を含む。それに対応して、UEは、変動値を受信し、変動値を使用して第2のタイミングオフセットを計算する。UEが第2のタイミングオフセットを基地局に指示する方法2の特定の例を参照されたい。
第2のタイミングオフセットの有効時間を決定する方法は、以下の方法を含む。
方法1:
基地局は有効情報をUEに送信し、有効情報は、第2のタイミングオフセットの有効時間、すなわち、UE及び基地局が第2のタイミングオフセットの使用を開始する時間を指示するために使用される。それに対応して、UEは有効情報を受信する。
オプションで、第3のメッセージ(指標情報を含む)を受信した後に、基地局は、有効情報をUEに送信する。例えば、有効情報は、ACK又はNACK情報であり得る。ACK情報を受信した後に、UEは、指定した時間にタイミングオフセットを更新する。例えば、タイミングオフセットは、UEがACK情報を受信した直後に更新されると合意され得る。あるいはまた、UEが、ACK情報を受信した後のqスロット後にタイミングオフセットを更新すると合意され得、ここで、qは負でないの整数である。
オプションで、有効情報は、代替的に、第2のタイミングオフセットの更新完了情報(Koffset2更新完了)であってもよい。この方法の例については、有効情報がACKである前述の方法を参照されたい。
あるいはまた、UEは、更新したタイミングオフセットを基地局に送信する。UEが送信した更新されたタイミングオフセットを受信した後に、基地局は、有効情報をUEに送信することができる。更新したタイミングオフセットは、更新した第1のタイミングオフセット、すなわち第2のタイミングオフセット又は更新した第2のタイミングオフセットを含む。
オプションで、有効情報を第4のメッセージに含めることができる。
オプションで、第3のメッセージを受信する前に、基地局はさらに、有効時間をUEに最初に指示し得、有効時間は、第2のタイミングオフセットの有効時間を決定するために適用され得る、又は更新した第2のタイミングオフセット等に適用され得る。
オプションで、基地局は、ブロードキャストメッセージを使用して有効情報をUEに送信することができ、ブロードキャストメッセージには、システム情報ブロック(system information block, SIB)1、マスター情報ブロック(master
information block, MIB)、又は他のシステム情報(other system
information, OSI)のうちのいずれか1つ又は複数が含まれ得る。あるいはまた、無線リソース制御(radio
resource control, RRC)接続フェーズにおいて、基地局は、RRCメッセージ、ダウンリンク制御情報(downlink control information, DCI)、グループDCI、メディアアクセス制御(media access control, MAC)、又はタイミングアドバンスコマンド(timing
advance command, TAC)のうちのいずれか1つ又は複数を使用して、有効情報をUEにさらに送信することができる。オプションで、基地局は、代替的に、有効情報をデータ送信と共に、又は別個に割り当てられたPDSCHで送信することができる。オプションで、ブロードキャストメッセージ又はユニキャストメッセージを使用して有効情報を送信することに加えて、基地局は、有効情報をマルチキャスト方式でさらに送信することができる。
本願のこの実施形態は、基地局が有効情報をUEにいつ送信するかについて制限を設定しないことが理解されよう。有効情報の特定の形式も、本願のこの実施形態では限定されない。
方法2:
UEは有効情報を基地局に送信し、有効情報は、第2のタイミングオフセットの有効時間を指示するために使用される。それに対応して、基地局は有効情報を受信する。
オプションで、UEは、第3のメッセージを基地局に送信した後に(又は送信する前に)有効情報を基地局に送信してもよい。あるいはまた、UEは、基地局が送信した第4のメッセージを受信した後に(又は受信する前に)、有効情報を基地局に送信してもよい。
オプションで、有効情報を第3のメッセージに含めることができる。
オプションで、有効情報を、物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel, PUCCH)情報等に含めることができる。
方法2の具体的な方法については、方法1の説明を参照されたい。詳細については、ここでは再び説明しない。
方法3:
UEの場合に、第2のタイミングオフセットは、UEが第3のメッセージを送信した後のmスロット後に有効になり、mは予め設定した整数である。あるいはまた、第2のタイミングオフセットは、UEが第4のメッセージを受信した後のnスロット後に有効になり、nは予め設定した整数である。
基地局の場合に、第2のタイミングオフセットは、第3のメッセージを受信した後のmスロット後に有効になり得る。あるいはまた、第2のタイミングオフセットは、基地局が第4のメッセージを送信した後のnスロット後に有効になる。
スロットのユニットが、本明細書の説明のための例として使用されることが理解されよう。これは限定されない。例えば、m個のサブフレーム又はフレームの時間長の後に第2のタイミングオフセットが有効になることが合意され得る。あるいはまた、mの単位は、ミリ秒、マイクロ秒等とすると合意され得る。
図9を例として使用する。第2のタイミングオフセット又は更新した第2のタイミングオフセットは、UEが第3のメッセージを送信した後のm番目のスロットで有効になり始める。すなわち、UEは、第3メッセージを送信した後のm番目のスロットで第2のタイミングオフセット又は更新した第2のタイミングオフセットを使用して信号を基地局に送信し始める。それに対応して、第2のタイミングオフセット又は更新した第2のタイミングオフセットは、基地局が第3のメッセージを受信した後のm番目のスロットで有効になり始める。すなわち、第3のメッセージを受信した後のm番目のスロットで、基地局は、第2のタイミングオフセット又は更新した第2のタイミングオフセットを使用して、UEが送信した信号の受信を開始する。
前述のm又はnは、基地局によって予め設定してもよく、又はプロトコル等で予め設定してもよいことが理解されよう。これは、本願のこの実施形態では限定されない。m又はnが基地局によって予め設定される場合に、基地局は、ブロードキャストメッセージ、マルチキャストメッセージ、又はユニキャストメッセージを使用して、m又はnの値をUEに送信することができる。例えば、m又はnの値は、前述の方法1において有効情報を送信する方法、すなわち、有効情報にm又はnの値を含める方法を使用して、UE又は基地局に通知してもよい。
有効時間は、チャネル遅延に関連し、一方向又は往復遅延に関連する値であり得ることが理解されよう。従って、方法2及び方法3で説明した有効情報を送信する方法を使用して有効時間をUE又は基地局に通知することに加えて、一方向又は往復遅延に関連する既知のパラメータを使用して有効時間に合意することができる。例えば、プロトコル合意計算方法によれば、UE及び基地局は同じ方法を用いて有効時間を取得する。有効時間の計算方法は以下の通りである。
前述の計算方法に基づいて、例えば、補正値ΔTが追加される(補正値は、プロトコルを使用して合意されるか、又は基地局がUEに送信してもよく、ΔTは整数である)。例えば:
例えば、基地局及びUEが、
の式を使用して有効時間を計算することに合意する場合に、UE及び基地局は、RAR_window及びRAR_offset(ブロードキャストメッセージから取得され得る)を式に代入し、同じ値のmを別々に計算し、mの値を使用して、更新したタイミングオフセットの有効時間を取得する。この方法は、mの値を指示するための新しいシグナリングを追加するのを回避することができる。さらに、mの値は、ビーム/セルと基地局との間の往復遅延に基づいて調整することができ、これはより高い柔軟性を有する。
m又はnの前述の値について、有効時間は、信号を送信及び受信する時間に基づいて指定されることが理解されよう。有効時間を指定するために絶対時間を使用してもよい。例えば、基地局は有効情報をUEに送信し、有効情報には有効時間が含まれ、有効時間は、UEが、信号を送信するために98番目のフレームの最初のスロットで更新したタイミングオフセットの使用を開始するように指示する。それに対応して、基地局は、更新したタイミングオフセットを使用して、UEが送信した信号を受信するために98番目のフレームの最初のスロットで信号を受信し始める。絶対時間の有効時間は、m又はnの値を送信する前述の方法でUEに送信され得る。詳細については、ここでは再び説明しない。
UEが最新のタイミングオフセット、すなわち第2のタイミングオフセットを取得した後に、UEは、第2のタイミングオフセットが有効になった後に第2のタイミングオフセットを使用して、基地局によってスケジューリングされるデータ情報、又は制御チャネル情報等を送信することができる。以下では、第5メッセージに含まれるタイプについて具体的に説明する。
方法1:
第5のメッセージには、第4のメッセージ(Msg4)のHARQ-ACKメッセージ等、物理ダウンリンク共有チャネル(physical
downlink shared channel, PDSCH)データのHARQ-ACKフィードバックメッセージが含まれる。図6に示されるように、ステップ605は以下のようになり得る。UEは、第2のタイミングオフセットに基づいてHARQ-ACKメッセージを基地局に送信し、HARQ-ACKメッセージは、競合アクセスメッセージを正しく受信したことを確認するために使用される。それに対応して、基地局はHARQ-ACKメッセージを受信する。例えば、UEによるPDSCH信号の受信がスロットxで終了する場合に、UEは、スロットx+K1+Koffsetで対応するHARQ-ACKフィードバックを送信する。
方法2:
第5のメッセージにはアップリンクデータが含まれる。図6に示されるように、ステップ605は以下のようになり得る。UEは、第2のタイミングオフセットに基づいて、基地局によってスケジューリングされるアップリンクデータを基地局に送信する(基地局は、RARグラント(grant:承認)及びDCIを使用して、スケジューリングされるアップリンクデータを指示する)。それに対応して、基地局はアップリンクデータを受信する。例えば、基地局は、DCI命令を使用して、物理アップリンク共有チャネルPUSCHデータを送信するようにUEをスケジュールし、ここで、DCIシグナリングはスロットxにあり、UEはPUSCHデータをスロット
で送信する。ここで、μ
PUSCHはPUSCHのサブキャリア間隔に関連し、μ
PUSCH=0のときに、PUSCHのサブキャリア間隔は15KHzである。μ
PDCCHは、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHのサブキャリア間隔に関連し、μ
PDCCH=0のときに、PDCCHのサブキャリア間隔は15KHzである。
方法3:
第5のメッセージには、サウンディング参照信号(sounding reference signal, SRS)が含まれ、基地局は、スロットxでDCIシグナリングを送信して、非定期的なSRS信号をトリガする。UEがトリガ・シグナリングを受信した後に、非定期的なSRS信号がスロット
で送信される。ここで、μ
SRSはSRS信号のサブキャリア間隔に関連し、μ
PDCCH=0のとき、SRS信号のサブキャリア間隔は15KHzである。
更新したタイミングオフセットを使用する前述の通信ステップは説明のための例にすぎず、更新したタイミングオフセット又はタイミングオフセットを使用する通信ステップは限定されないことが理解されよう。例えば、チャネル状態情報の参照リソースタイミング情報を送信すると決定するときに、基地局は、更新したタイミングオフセット又はタイミングオフセットを使用する。
以下では、システムにアクセスした後に、後続の通信でUEがどの様にタイミングオフセットを更新するかについて説明する。
UEと基地局との間の後続の通信プロセス(つまり、UEが基地局にアクセスした後)では、UEと衛星との間で相対運動が発生する(これにより、UEと基地局との間の往復遅延も変化する)。従って、UEが使用するタイミングアドバンスを調整する必要がある。従って、1つの方法では、UEは、基地局が送信したタイミングアドバンス調整命令(TA調整)に基づいて、タイミングアドバンスを取得することができる。1つの方法では、UEは、UEの位置情報及び基地局の位置情報に基づいて、タイミングアドバンスを取得することができる。
後続の通信でタイミングオフセットを更新する方法には、以下の2つの方法がある。
2つの方法の違いは、使用中のタイミングオフセットを更新するかどうかをUE側で決定するか、又は基地局側で決定するかである(使用するタイミングオフセットには第2のタイミングオフセットが含まれる)。
方法1:UE側は、以下のステップを含むタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する。
基地局が送信したタイミングアドバンス調整命令(例えば、タイミングアドバンス変更レート又はタイミングアドバンス調整値)を受信すると、UEは、タイミングアドバンス調整命令を使用して、信号を送信するためにUEが使用するタイミングアドバンスを調整し、調整したタイミングアドバンスに基づいて、第2のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定することができる。あるいはまた、UEは、UEの位置情報、及びエフェメリス情報等に基づいて、使用するタイミングアドバンスを調整し、タイミングアドバンスに基づいて、第2のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する。
ここで、第2のタイミングオフセットは、UEがシステムにアクセスした後に使用しているタイミングオフセットの総称であり、UE及び基地局が使用しているタイミングオフセットとして理解することができる。この特徴は、本願の別の実施形態にも適用可能である。
UEは、調整したタイミングアドバンス(すなわち、UEが使用する最新のタイミングアドバンス調整値)に基づいて、第2のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定することができる。UEは、式(1)に従って得られたタイミングオフセットと、使用しているタイミングオフセットとの間の差を参照して、タイミングオフセットを更新するかどうかを決定することができる(この場合に、TA_Newは最新のタイミングアドバンス調整値に置き換えられる)。具体的な動作については、UEが、更新閾値に基づいて、第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する図6の説明を参照されたい。詳細については、ここでは説明しない。UEがタイミングオフセットを更新すると決定した場合に、UEは、更新した第2のタイミングオフセット、更新した第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動、又は第2の調整パラメータセットを基地局に送信する。具体的な送信方法及び具体的なパラメータについては、前述の「UEが第2のタイミングオフセットを基地局に指示する方法」を参照されたい。この方法における第2のタイミングオフセットを、更新した第2のタイミングオフセットで置き換える必要があり、別の関連する対応する置換が実行されることに留意されたい。
例えば、式(11)のK
offset1は、更新したK
offset2に置き換えられ、UEは、更新した
を参照することによって、ΔKoffsetの値を決定する。この場合に、第2の調整パラメータセットにはΔK
offsetが含まれ、UEはΔK
offsetを基地局に送信する。それに対応して、ΔK
offsetを受信した後に、基地局は、
の式に基づいて更新したK
offset2を計算する。
例えば、UEは、Sk、ΔKoffset、ΔKoffset_time、α、及びβ等のパラメータのうちの少なくとも1つを基地局に送信し、基地局は、式(2)~(32)において前述の方法を使用して、対応する更新した第2のタイミングオフセットを計算する。あるいはまた、UEは、Sk、ΔKoffset、ΔKoffset_time、α、及びβの少なくとも1つのパラメータの変動値を基地局に送信し、基地局は、変動値を使用した計算によって更新したタイミングオフセット(すなわち、更新した第2のタイミングオフセット)を取得する。具体例については、前述の方法2の「UEが第2のタイミングオフセットを基地局に指示する方法」を参照されたい。
さらに、UEが更新した第2のタイミングオフセット又は第2の調整パラメータを基地局に送信した後に、基地局は、UEが送信した更新された第2のタイミングオフセット又は第2の調整パラメータを受信する。更新した第2のタイミングオフセットが有効になった後に、UEは、更新した第2のタイミングオフセットに基づいて、基地局によってスケジューリングされるアップリンクデータを基地局に送信する。
更新した第2のタイミングオフセットの有効時間に関連する方法については、第2のタイミングオフセットの有効時間を決定する方法の説明を参照すべきことが理解されよう。詳細については、ここでは再び説明しない。
方法2:基地局側は、以下を含むタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する:
UEが、基地局が送信したタイミングアドバンス調整命令(例えば、タイミングアドバンス変更レート又はタイミングアドバンス調整値)を受信するときに、タイミングアドバンス調整命令は、UEにタイミングアドバンスを更新するように命令するために使用され、UEは、タイミングアドバンス調整命令に従って、信号を送信するためにUEが使用するタイミングアドバンスを調整して、調整したタイミングアドバンスを取得することができる。
UEは、調整したタイミングアドバンスに基づいて、第2のタイミングオフセット、更新した第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動、又は第2の調整パラメータセット基地局に送信する(前述の方法1を参照)。それに対応して、基地局は、UEが送信した対応する情報を受信し、第2のタイミングオフセットを取得し、タイミングオフセットを更新するかどうか、つまり第2のタイミングオフセットを更新するかどうかをさらに決定する。具体的な動作については、基地局が、更新閾値に基づいて、第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する図6の説明を参照されたい。詳細については、ここでは説明しない。
基地局が、タイミングオフセットを更新する必要があると決定した場合に、基地局は、更新した第2のタイミングオフセット、更新した第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動、又は更新した第2のタイミングオフセットを指示するために使用される調整パラメータをUEに送信する。基地局がUEに送信した前述のパラメータの関連する設計については、UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得するための前述の方法、UEが第2のタイミングオフセットを基地局に指示する方法、及び基地局が更新した第1のタイミングオフセットをUEに指示する方法を参照されたい。詳細については、ここでは再び説明しない。
例えば、UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得する方法におけるKoffset1は、更新したKoffset2(すなわち、更新した第2のタイミングオフセット)に置き換えられ、方法には式(2)~式(32)及び列挙されている別の式が含まれる。基地局は、Sk、ΔKoffset、ΔKoffset_time、α、β等のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータ値をUEに送信する。これに対応して、UEは、「UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得する方法」における式(2)~式(32)の方法を使用して、計算によって更新した第2のタイミングオフセットを取得する。
さらに、UEは、更新した第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の受信した変動、又は更新した第2のタイミングオフセットを指示するために使用される調整パラメータに基づいて、更新した第2のタイミングオフセットを取得する。更新した第2のタイミングオフセットが有効になった後に、UEは、更新した第2のタイミングオフセットに基づいて、基地局によってスケジューリングされるアップリンクデータを基地局に送信する。
更新した第2のタイミングオフセットの有効時間に関する方法については、第2のタイミングオフセットの有効時間を決定する方法の説明を参照すべきことが理解されよう。詳細については、ここでは再び説明しない。
前述の2つの方法におけるアップリンクデータは単に総称であり、UEが送信した任意の情報であり得ることが理解されよう。
以下のシナリオでは、UEは第2のタイミングオフセットも更新する必要がある。シナリオは、例えば、UEがセルにハンドオーバされる場合、UEがビームを切り替える場合、又はUEが帯域幅部分BWPを切り替える場合である。
帯域幅部分(bandwidth part, BWP)、送信構成インジケータ(transmission
configuration indicator, TCI)、又は同期信号ブロック(synchronization
signal block, SSB)に基づくプロトコルで、異なるビームを区別することができることを理解されたい。換言すれば、ビームは、BWP、TCI、又はSSBに基づいて指示され得る。従って、UE及び基地局に対して、BWP、TCI、又はSSBの切替えを通じてビーム切替えが指示され得る。従って、UE及び/又は基地局にとって、実際の切替えは、BWP、TCI、又はSSBの切替えであり得る。従って、本願で説明するビームは、BWP、TCI、又はSSBに置き換えることもできる。
ビーム切替えシナリオについて、本願のこの実施形態では、切替え前のビームはサービングビームと呼ばれ、切替え後のビームはターゲットビームと呼ばれる。また、サービングビームを送信する基地局をサービング基地局と呼び(又は、サービング基地局とは、サービングビームが属する基地局である)、ターゲットビームを送信する基地局をターゲット基地局と呼ぶことがある(又は、ターゲット基地局は、ターゲットビームが属する基地局である)。図3を例として使用する。現在の端末装置は、ビーム#2のカバレッジ内にある。ビーム#2は、端末装置のサービングビームである。切替え後にUEが使用するビーム#3(又はビーム#1)がターゲットビームである。サービングビームは、サービングBWP、サービングTCI、又はサービングSSBに置き換えられ得ることが理解されよう。従って、ターゲットビームは、ターゲットBWP、ターゲットTCI、又はターゲットSSBに置き換えられ得る。説明を容易にするために、以下ではビームを例として使用して、本願の実施形態について説明する。
ハンドオーバのシナリオでは、サービングビーム又はターゲットビームで使用するタイミングオフセットが異なる場合がある。従って、UEは、第2のタイミングオフセットを更新する必要がある。本明細書における更新した第2のタイミングオフセットは、ターゲットビームが使用するタイミングオフセットとして理解され得ることが理解されよう。以下では、ターゲットビームが使用するタイミングオフセットを例として使用して、このアプリケーションについて説明する。
基地局は、ハンドオーバの前に、以下の2つの方法で、ターゲットビームで使用するタイミングオフセットを事前にUEに通知する。
(1)ターゲットビーム又はセルにおいてUEが使用するタイミングオフセットと、サービングビーム又はセルにおいてUEが使用するタイミングオフセットとの間の差をUEに送信する。
(2)UEは、基地局がターゲットビーム又はセルで使用するように通知するタイミングアドバンスを使用して、タイミングオフセットを計算する。つまり、
である。TA_valueは、UEがターゲットセル又はビームで使用するタイミングアドバンスであり、K
offsetは、UEがターゲットセル又はビームで使用するタイミングオフセットを指示する。基地局は、代替的に、式に従って、UEが使用するタイミングオフセットを計算することができる。
いくつかのシナリオでは、UEは、ターゲットビーム又はセルにおいて使用するタイミングオフセットを基地局に通知する必要がある。例えば、UEが衛星間ハンドオーバを実行する場合に、UEは、UEの位置情報及びターゲット衛星の位置情報(エフェメリス情報から取得され得る)を使用して、ハンドオーバ後に使用されるタイミングアドバンスを計算することができる。この場合に、UEは、UEがターゲットビーム又はセルにおいて使用するタイミングオフセットを報告する必要がある。以下の2つの方法が含まれる。
(1)UEは、基地局がターゲットビーム又はセルにおいて使用するタイミングオフセット値を基地局に通知する。
(2)UEは、UEがターゲットビーム又はセルにおいて使用するタイミングアドバンスを基地局に送信する。基地局は、UEが送信したタイミングアドバンスを受信し、式
に基づいて、UEがターゲットビーム又はセルにおいて使用するタイミングオフセットを計算によって取得する。UEは、代替的に、この式に従って、UEが使用するタイミングオフセットを計算してもよい。
UEは、ブロードキャストメッセージを使用して、ターゲットビーム又はセルにおいて使用するタイミングオフセット、又はタイミングオフセット同士の間の差を取得することができ、ブロードキャストメッセージには、SIB 1、MIB、又はOSIのうちのいずれか1つ又は複数が含まれ得る。あるいはまた、UEは、RRCメッセージ、DCI、グループDCI、MAC、又はTACのうちのいずれか1つ又は複数を使用して、ターゲットビームが使用するタイミングオフセットを取得することができる。オプションで、ブロードキャストメッセージ又はユニキャストメッセージを使用して、ターゲットビームで使用するタイミングオフセットを取得することに加えて、UEは、ターゲットビームで使用するタイミングオフセットをマルチキャスト方式でさらに取得することができる。オプションで、ターゲットビームによって使用されるタイミングオフセットは、代替的に、データとともに送信されるか、又は別個に割り当てられたPDSCHで送信され得る。UEは、代替的に、前述の方法を使用して、ターゲットビームで使用するタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動を取得することができることが理解されよう。
さらに、UEがビーム切替えを実行するときに、UEがターゲットビームにおいて使用するタイミングオフセットは、初期BWPシグナリング、BWPダウンリンク共通シグナリング(BWP-DownlinkCommon)、BWPアップリンク共通シグナリング(BWP-UplinkCommon)、BWPダウンリンク専用シグナリング(BWP-DownlinkDedicated)、BWPアップリンク専用シグナリング(BWP-UplinkDedicated)、又は測定シグナリング(MeasObjectNR)で送信され得る。以下に、いくつかの具体例を示す。
例えば、UEがビーム切替えを実行するときに、UEが初期BWPに切り替える場合に、Koffsetは、BWPに対応するRRCシグナリングで配信される。UEが非初期BWPに切り替わる場合に、Koffsetは、BWP-DownlinkCommon又はBWP-UplinkCommonで配信される。ここで、Koffsetは、代替的に、タイミングオフセットの取得に関する情報、例えば、タイミングオフセット値、Sk、ΔKoffset、ΔKoffset_time、α、β等のパラメータ値又はパラメータ差であり得る。
例えば、UEがビーム切替えを実行するときに、基地局は、BWP-DownlinkDedicated及びBWP-UplinkDedicatedシグナリングを使用して、ターゲットビームにおいて使用するKoffsetをUEに送信することができる;又は、ターゲットビームにおいて使用するKoffsetとサービングビームにおいて使用するKoffsetとの差をUEに送信する。例は以下の通りである。
例えば、基地局が配信するシグナリングフォーマットは以下の通りである。
BWP-DownlinkDedicated::=
SEQUENCE {
pdcch-Config
SetupRelease { PDCCH-Config }
pdsch-Config
SetupRelease { PDSCH-Config }
sps-Config
SetupRelease { SPS-Config }
radioLinkMonitoringConfig SetupRelease { RadioLinkMonitoringConfig
}
Koffset
INTEGER (0...m)
...
}
Alternatively,
BWP-UplinkDedicated
::=
SEQUENCE {
pucch-Config
SetupRelease { PUCCH-Config }
pusch-Config
SetupRelease { PUSCH-Config }
configuredGrantConfig
SetupRelease { ConfiguredGrantConfig }
srs-Config
SetupRelease { SRS-Config }
beamFailureRecoveryConfig SetupRelease {
BeamFailureRecoveryConfig }
Koffset
INTEGER (0...m)
…
}
パラメータKoffsetは、UEがターゲットビームにおいて使用するKoffsetを表し得るか、又はターゲットビームにおいて使用するKoffsetとサービングビームにおいて使用するKoffsetとの間の差を表し得る。上記シグナリングにおいて、mは正の整数を表し、例えばm=16である。例えば、UEは、基地局が送信したBWP-DownlinkDedicatedシグナリングを受信し、次にシグナリングのKoffsetを読み取り、ここで、Koffsetの値は、基地局が0~16の整数から決定した値である。
BWP又はビーム又はセルのハンドオーバを開始する前に、測定手順をトリガする必要がある。従って、基地局は、測定構成及びハンドオーバで対応するRRCシグナリングを使用して、UEがターゲットビームにおいて使用するKoffset、又はターゲットビームにおいて使用されるKoffsetとサービングビームにおいて使用されるKoffsetとの差をさらにUEに送信することができる。
例えば、基地局が配信するシグナリングフォーマットは以下の通りである。
MeasObjectNR ::= SEQUENCE {
carrierFreq
ARFCN-ValueNR,
Koffset
INTEGER (0...m)
…
}
セル間ハンドオーバシグナリング手順によれば、ターゲットビームにおいて使用されるKoffsetは、RRC再構成(Reconfiguration)メッセージを使用して、サービングセルのビームでUEに送信される。そして、ターゲットビームにおいて使用されるKoffsetとサービングビームにおいて使用されるKoffsetの差がUEに送信される。
前述の分類方法を相互に組み合わせることができることが理解されよう。例えば、本願の一実施形態は、図10a及び図10bに示されるように、タイミングオフセットを更新する方法を提供する。
図10aに示されるように、タイミングオフセットを更新する方法は、以下のステップを含む。
1001. 基地局は、共通のタイミングアドバンス(common TA)及び第1のタイミングオフセット(Koffset1)をブロードキャストする。
1002. UEは、ランダムアクセスプリアンブルを基地局に送信する。それに対応して、基地局はランダムアクセスプリアンブルを受信する。
オプションで、測位機能を有さないUEは、共通のタイミングアドバンスを使用してランダムアクセスプリアンブルを送信することができる。測位機能を有するUEは、UEの位置情報及び衛星情報に基づいて得られたタイミングアドバンスを使用して、ランダムアクセスプリアンブルを送信することができる。あるいはまた、測位機能を有するUEは、共通のタイミングアドバンスを使用して、ランダムアクセスプリアンブルを送信することができる。
1003. 基地局は、タイミングアドバンスコマンドを含むランダムアクセス応答をUEに送信する。それに対応して、UEはランダムアクセス応答を受信する。
1004. UEは、例えば式(1)に従って、使用するタイミングアドバンス(すなわち、最新のタイミングアドバンス)に基づいて第2のタイミングオフセットを決定する。
オプションで、UEは、式(1)に従って第2のタイミングオフセットを取得し、前述の更新閾値を使用して、第2のタイミングオフセットを用いて第1のタイミングオフセットを更新すると決定し得る。
1005. UEは、ブロードキャストされた第1のタイミングオフセットに基づいて、Msg3メッセージを基地局に送信する。それに対応して、基地局は、第1のタイミングオフセットに基づいてMsg3メッセージを受信する。Msg3には第2のタイミングオフセットが含まれる。
1006. 基地局は、競合(contention)解決メッセージ又は衝突(conflict)解決メッセージをUEに送信する。それに対応して、UEは、競合解決メッセージ又は衝突解決メッセージを受信する。
1007. 基地局は、タイミングアドバンス調整命令をUEに送信する。それに対応して、UEは、タイミングアドバンス調整命令を受信する。
1008. UEは、タイミングアドバンス調整命令、又はUEの位置情報及び衛星の位置情報に基づいて、最新のタイミングアドバンスを決定する。さらに、最新のタイミングアドバンスを決定した後に、UEは、最新のタイミングアドバンスに基づいて、更新した第2のタイミングオフセットを計算することができる。UEは、更新した第2のタイミングオフセットを基地局に送信する。
1009. UEは、第2のタイミングオフセットに基づいて、基地局によってスケジューリングされるアップリンクデータを基地局に送信する。それに対応して、基地局は、第2のタイミングオフセットに基づいてアップリンクデータを受信する。
オプションで、更新した第2のタイミングオフセットが有効になった後に、UEは、更新した第2のタイミングオフセットに基づいて、基地局によってスケジューリングされるアップリンクデータを基地局にさらに送信することができる。
例を使用して、本願に示す方法について説明する。アップリンクのサブキャリア間隔が15kHzであると仮定する。ランダムアクセスプロセスにおいて、基地局側がビームカバレッジ範囲に基づいて計算によって得た最大往復遅延は20.87msであり、その値に基づいて計算によって得たK
offset1は21である。基地局側はK
offset1=21をブロードキャスト又はMsg2を介してUEに送信し、UEは、K
offset1=21を使用してMsg3を送信する。さらに、UEは、Msg3を送信する際に使用される最新のTA値に基づく計算により、K
offset1を更新する必要があるかどうかを決定する。UEがMsg3を送信する際に使用されるTA値が19.9ms、すなわち、TA_New=19.9msであると仮定する。この場合に、
と計算される。K
offset1が変化する場合に、UEは、Msg3で新しいK
offset2=20を基地局に送信する。
UEがシステムに成功裏にアクセスした後に、UEと基地局との間の後続の通信プロセスにおいて、UEと衛星との間の距離が変化し、それに対応してUEのタイミングアドバンスも変化する。UEが、基地局側によって配信されるTA調整命令又はTAレート命令に基づいて、或いはUEの位置情報及びエフェメリス情報に基づいて、最新のタイミングアドバンスを計算により取得した後に、UEがアップリンクデータを送信するためのタイミングアドバンスが変化する。この時点でUEが使用するTA値が18.9msであり、UEが、
に基づいて、TA値が現在使用しているK
offset2と異なることを見出した場合に、UEは、K
offset2を基地局に報告する。
繰り返しを避けるために、以下では、図10bに示される方法と、図10aに示される方法との間の相違のみを示す。
ステップ1101~ステップ1103については、対応するステップ1001~ステップ1003を参照されたい。
1104. UEは、ブロードキャストされた第1のタイミングオフセットに基づいて、Msg3を基地局に送信する。それに対応して、基地局は、第1のタイミングオフセットに基づいてメッセージ3を受信する。Msg3には、UEが使用するタイミングアドバンスが含まれる。
1105. 基地局は、UEが使用するタイミングアドバンスに基づいて、第2のタイミングオフセットを決定する。
オプションで、基地局が、UEが使用するタイミングアドバンスに基づいて第2のタイミングオフセットを取得した後に、基地局は、前述の更新閾値を使用して、第2のタイミングオフセットを用いて第1のタイミングオフセットを更新するとさらに決定することができる。
1106. 基地局は、競合解決メッセージ又は衝突解決メッセージをUEに送信する。それに対応して、UEは、競合解決メッセージ又は衝突解決メッセージを受信する。競合解決メッセージ又は衝突解決メッセージには、第2のタイミングオフセットが含まれる。
1107. 基地局は、タイミングアドバンス調整命令をUEに送信する。それに対応して、UEは、タイミングアドバンス調整命令を受信する。
さらに、UEは、タイミングアドバンス調整命令、又はUEの位置情報及び基地局の位置情報に基づいて、最新のタイミングアドバンスを決定する。
1108. UEは、最新のタイミングアドバンスを基地局に送信する。それに対応して、基地局は最新のタイミングアドバンスを受信する。
さらに、基地局は、最新のタイミングアドバンスに基づいて更新される第2のタイミングオフセットを決定し、基地局は、更新した第2のタイミングオフセットをUEに送信する。
1109. UEは、第2のタイミングオフセットに基づいて、アップリンクデータを基地局に送信する。それに対応して、基地局は、第2のタイミングオフセットに基づいてアップリンクデータを受信する。
オプションで、更新した第2のタイミングオフセットが有効になった後に、UEは、更新した第2のタイミングオフセットに基づいて、アップリンクデータを基地局にさらに送信することができる。
図10a及び図10bは単に2つの例であることが理解されよう。本願に示される分類方法は、内部ロジックに基づいてさらに組み合わせることができ、その解決策は本願の保護範囲に含まれる。
前述の方法はシナリオに適用され得る:基地局がカバーするエリア(ビーム/セル、又はBWP)に、測位機能を有するUEが含まれ得るか、又は測位機能を有さないUEが含まれ得るか、又は測位機能を使用しないUEが含まれ得る。あるいはまた、前述の方法は、基地局がカバーするエリア内のUEが測位機能を有さないか、又は測位機能を使用しないシナリオに適用され得る。例えば、UEが測位機能を有さないか、又は測位機能を使用しないため、UEは、基地局によってブロードキャストされた共通のタイミングアドバンスに基づいて第1のタイミングオフセットを決定する必要がある。また、上記式(1)は、以下の式(33)に置き換えられる。
TA_commonは、共通のタイミングアドバンスであり、TA_commandは、ランダムアクセス応答に含まれるタイミングアドバンス調整量である。
さらに、前述の方法はシナリオにさらに適用され得る。UEは、基地局によって送信されたタイミングアドバンスコマンドに従って、タイミングアドバンスを厳密に調整し、UEは、基地局のタイミングアドバンス調整命令に従って、タイミングアドバンスを厳密に調整する。従って、UEと基地局との両方が、リアルタイムで、UEが使用するタイミングアドバンス調整値を知っている。この場合に、UEが、基地局によって指示される方法に従って、タイミングアドバンスを厳密に調整するため、基地局が送信したMsg2をUEが受信した後に、UEが送信したMsg3には、指標情報が含まれない場合がある。基地局がタイミングアドバンス調整命令をUEに送信した後に、UEは、更新した第2のタイミングオフセット、又は第2の調整パラメータセット等を基地局に送信しない。すなわち、このシナリオでは、UEは、基地局が送信したタイミングアドバンスコマンド(Msg2に含まれる)及びタイミングアドバンス調整命令に従って、タイミングアドバンスを厳密に調整する。従って、基地局とUEとの両方がタイミングオフセットの変化を知っている。基地局及びUEは、タイミングオフセットを更新するための式に同意することができ、基地局及びUEは、式及び更新閾値に従ってタイミングオフセットを更新することができる。
従って、UEが測位機能を有さないか、又は測位機能を使用しない場合に、この方法は、シグナリングの相互作用なしにタイミングオフセットを更新する方法を提案し、これはシグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。この方法は、具体的には以下を含む。
UEは、基地局のタイミングアドバンス調整命令に従って、使用するタイミングアドバンスを調整する。UEが使用するタイミングアドバンス調整量が変化する場合に、UEは、式(1)に従って得られたタイミングオフセットと現在使用しているタイミングオフセットとの間の差を参照して、タイミングオフセットを更新するかどうかを決定する(この場合に、最新のタイミングアドバンス調整量はTA_Newに置き換えられる)。具体的な動作については、UEが、更新閾値に基づいて、第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する図6の説明を参照されたい。詳細については、ここでは説明しない。UEがタイミングオフセットを更新すると決定した場合に、有効時間に基づいて、新しいタイミングオフセットが使用される。更新したタイミングオフセットの有効時間の関連する設計については、第2のタイミングオフセットの有効時間を決定する方法の説明を参照されたい。詳細については、ここでは再び説明しない。
タイミングアドバンス調整命令をUEに送信している間に、基地局は、現時点でUEが使用しているタイミングアドバンスを計算することができる。従って、式(1)に従って得られたタイミングオフセットと、使用しているタイミングオフセットとの間の差を使用して、タイミングオフセットを更新するかどうかを決定することができる。具体的な動作については、基地局が、更新閾値に基づいて、第2のタイミングオフセットを使用して第1のタイミングオフセットを更新するかどうかを決定する図6の説明を参照されたい。詳細については、ここでは説明しない。基地局がタイミングオフセットを更新すると決定した場合に、有効時間に基づいて、新しいタイミングオフセットが使用される。更新したタイミングオフセットの有効時間の関連する設計については、第2のタイミングオフセットの有効時間を決定する方法の説明を参照されたい。詳細については、ここでは再び説明しない。
この方法は、UE及び基地局が同じ式を使用してタイミングオフセットを計算及び更新できるようにすることによって、シグナリングを減らす。方法は、式(1)を例として使用して説明したものであり、式の具体的な形式は限定されないことが理解されよう。
すなわち、UE及び基地局は、同じ式又は方法に従って更新されるタイミングオフセットを別々に決定することができるので、更新したタイミングオフセットは、指定した時間又は予め設定した時間又はプロトコルで指定した時間に直ぐに有効になり得る。この方法では、UEと基地局との間のシグナリングの相互作用が回避され、シグナリングオーバーヘッドを減らす。
以下では、本願に従ってタイミングオフセットを更新する別の方法について説明する。
アクセス遅延及びシグナリングオーバーヘッドを削減するために、現在、2ステップのランダムアクセスプロセスが提案されている。図11に示されるように、第1のステップにおいて、端末装置は、ランダムアクセスプリアンブル(preamble)及びデータを基地局に同時に送信する。第2のステップにおいて、基地局は、ランダムアクセス応答を端末装置に送信する。2ステップのランダムアクセスプロセスにおいて、一態様では、端末装置は、第1のステップでランダムアクセスプリアンブル及びデータを送信し、それによりアップリンクデータ送信の遅延を減少させる。別の態様では、基地局は、Msg3に対応するスケジューリング情報を端末装置に送信する必要がないため、シグナリングオーバーヘッドを削減することができる。一般に、MsgAを使用して、2ステップのランダムアクセスの最初の対話メッセージを表すことができる。MsgAは、端末装置によって基地局に送信される。MsgAには、MsgAプリアンブル部分及びMsgAデータ部分が含まれる。プリアンブルは、MsgAの物理ランダムアクセスチャネル(physical random access channel, PRACH)で搬送され、データ部分は、MsgAのPUSCH物理チャネルで搬送される。
図12は、本願の一実施形態によるタイミングオフセットを更新する方法の概略フローチャートである。オプションで、この方法は、2ステップのランダムアクセスに適用され得る。図12に示されるように、この方法は以下のステップを含む。
1201. 基地局は第1のタイミングオフセットKoffset1をブロードキャストする。あるいはまた、基地局は、共通のタイミングアドバンス(common TA)、基地局が位置する軌道高度、MsgB受信ウィンドウの期間、及びMsgB受信ウィンドウの起動遅延期間のいずれか1つ又は複数をブロードキャストする。この方法については、UEがブロードキャストメッセージから第1のタイミングオフセットを取得するための前述の方法を参照されたい。詳細については、ここでは再び説明しない。
1202. UEは、システムへのアクセスを申請するために、ブロードキャストされた共通TA又はUEが計算したTA値を使用してMsgAを基地局に送信する。それに対応して、基地局はMsgAを受信する。
1203. 基地局は、MsgBをUEに送信する。それに対応して、UEはMsgBを受信する。
MsgBには、タイミングアドバンスコマンド、及びプリアンブルID等が含まれる。
1204. UEは、第1のタイミングオフセットKoffset1に基づいて、MsgBのHARQ-ACKメッセージを基地局に送信する。それに対応して、基地局はHARQ-ACKメッセージを受信する。
オプションで、UEは、使用するタイミングアドバンスに基づいて、第2のタイミングオフセットKoffset2をさらに決定することができる。Koffset2とKoffset1との間の関係については、前述の図6の更新閾値を参照されたい。この場合に、UEが使用するタイミングアドバンスは、MsgBに含まれるタイミングアドバンスコマンドに従って決定されるタイミングアドバンスとして理解され得る。
1205. UEは、指標情報を基地局に送信する。それに対応して、基地局は、指標情報を受信する。
指標情報は、第2のタイミングオフセットを指示するために使用される。第2のタイミングオフセットをどの様に指示するかについては、UEが第2のタイミングオフセットを基地局に指示する前述の方法を参照すべきことが理解されよう。
UEが指標情報を基地局に送信した後に、基地局は、UEが送信した指標情報を受信し、第2のタイミングオフセットを取得する。第2のタイミングオフセットが有効になった後に、UEは、更新した第2のタイミングオフセットに基づいて、基地局によってスケジューリングされるアップリンクデータを基地局に送信する。
第2のタイミングオフセットの有効時間に関する方法については、第2のタイミングオフセットの有効時間を決定する方法の説明を参照すべきことが理解されよう。詳細については、ここでは再び説明しない。
オプションで、前述のステップ1201において、基地局は、共通のタイミングアドバンス(common TA)のみをブロードキャストすることができる。この場合に、測位機能を有さない端末は、共通TAを使用してプリアンブルを送信し、アクセスを申請することができる。測位機能を有するUEは、UEの位置情報及び衛星の位置情報(エフェメリス情報から取得され得る)に基づいて比較的正確なTA値を取得し、次に、タイミングアドバンス調整を行ってプリアンブルを送信する。従って、MsgAを送信する場合に、測位機能を有するUEは、PUSCHデータを使用して、UEが使用するTA値を搬送することができる。TA値を送信する方法については、4ステップのランダムアクセスにおけるMsg3でUEが使用する最新のTA値を報告する方法を参照されたい。TA値を受信した後に、基地局は、UEの最新のTA値に基づいて、タイミングオフセットを更新するかどうかを決定することができ、更新を行うかどうかを決定する関連する設計については、前述の図6の更新閾値を参照されたい。
オプションで、基地局が、UEが測位機能を使用しているかどうかを区別することができる場合に、いくつかの実施形態では、測位機能を有さないUEは、MsgAにおいてUEが使用するTA値を搬送しなくてもよい。UEが測位機能を使用するかどうかを区別する方法は、例えば、異なるプリアンブルグループに基づいて、アップリンク信号内の識別子に基づいて、又はUEが使用するTA値をMsgAで搬送するかどうかに基づいて、UEが測位機能を有する/使用するかを区別することである。
オプションで、基地局が、UEが測位機能を有するかどうかを区別できない場合に、測位機能を有さないUEも、MsgAを送信するときに、PUSCHデータにおいてUEが使用するTA値を搬送する。TA値を送信する方法については、4ステップのランダムアクセスにおけるMsg3でUEが使用する最新のTA値を報告する方法を参照されたい。
いくつかの実施形態では、基地局がMsgAを受信した後に、MsgAによって、UEが使用するTA値が搬送される場合に、基地局は、式
又は
に従って、例えば前述の更新閾値に基づいて、K
offset1を更新する必要があるかどうかを決定する。TAC_valueは、基地局がUEに送信するタイミングアドバンス調整命令に含まれる調整値である。MsgAで搬送されるUEによって使用されるTA値は、第2のタイミングオフセットK
offset2を決定するために使用され得るか、又はタイミングオフセットを更新する必要があるかどうかを決定するために使用され得ることが理解されよう。あるいはまた、基地局は、MsgBを使用してK
offset2値をUEに送信する。
他の実施形態では、MsgAによって、UEが使用するTA値が搬送されない場合に、それは、UEがブロードキャストされた共通TA値を使用してプリアンブルを送信することを示す。従って、UEと基地局との両方が、式
又は
を使用して、K
offset2を取得する。この場合に、基地局側とUE側との両方が、UEが使用するK
offset2を知っている。この場合に、基地局がUEに送信するMsgBによって、K
offset2が搬送されない場合がある。しかしながら、衛星の移動及びUEが使用するTAの変化を考慮すると、基地局側は、MsgBを使用してK
offset2をUEに通知することができる。
指示方法及び第2のタイミングオフセットの有効時間の具体的な説明については、前述の方法を参照すべきことが理解されよう。
オプションで、図12に示される方法は、以下をさらに含み得る。
基地局は、タイミングアドバンス調整命令をUEに送信し、UEは、タイミングアドバンス調整命令を受信する。
UEは、タイミングアドバンス調整命令に従ってデータ情報を基地局に送信する。データ情報には、更新した第2のタイミングオフセットが含まれる、又はデータ情報には、第2の調整パラメータセットが含まれ、第2の調整パラメータセットは、更新される第2のタイミングオフセットを決定するために使用される。
2ステップのランダムアクセス方法においてタイミングオフセットを更新する前述の方法は、基地局がカバーするエリア内で、測位機能を有さないか又は測位機能を使用しないUEに適用され得、また、基地局が送信したタイミングアドバンスコマンドに従ってタイミングアドバンスを厳密に調整するために、UEに適用され得ることが理解されよう。従って、UEと基地局との両方が、リアルタイムで、UEが使用するタイミングアドバンス調整値を知っている。
前述の方法では、タイミングアドバンス調整はUEによって行われる。しかしながら、基地局側が遅延の一部を補償し、UEが残りの遅延に対してタイミングアドバンス調整を行うシナリオが存在し得る。
この場合に、UEがタイミングオフセットを決定するときに、基地局側でアップリンク信号に対して遅延補償を行う値は、タイミングアドバンスに関連する前述のパラメータから差し引かれ得る。
例えば、前述の式
は、以下の式に置き換えられ得る。
ここで、max_RTDDは、衛星がカバーするビーム又はセルの最大往復遅延差を表す。delay_compensatedは、基地局側でアップリンク信号に対して遅延補償を行う値を示す。最大往復遅延差は、ビーム又はセル内のUEと基地局との間の最大往復遅延と、基地局側の遅延補償値との間の差であることが分かり得る。
例えば、前述の式(11)は、以下の式(36)に置き換えられ得る。
例えば、前述の式(33)は、以下の式(37)に置き換えられ得る。
上記は、本願の実施形態を詳細に説明し、以下では、本願における通信機器について説明する。
図13は、本願の一実施形態による通信機器の構造の概略図である。図13に示されるように、通信機器は、処理ユニット1301、送信ユニット1302、及び受信ユニット1303を含む。
一実施形態では、処理ユニット1301は、第3のメッセージを生成するように構成される。第3のメッセージには指標情報が含まれ、指標情報は第2のタイミングオフセットを指示するために使用され、第2のタイミングオフセットは更新した第1のタイミングオフセットであり、第1のタイミングオフセットは、通信機器が第3のメッセージを送信する遅延の遅延度を示すために使用される。
送信ユニット1302は、第1のタイミングオフセットに基づいて第3のメッセージをネットワーク装置に送信するように構成される。送信ユニット1302は、第2のタイミングオフセットに基づいて第5のメッセージをネットワーク装置に送信するようにさらに構成される。
可能な実施態様では、送信ユニット1302は、ランダムアクセスプリアンブルを含む第1のメッセージをネットワーク装置に送信するようにさらに構成される。受信ユニット1303は、ネットワーク装置が送信した、ランダムアクセス応答メッセージを含む第2のメッセージを受信するようにさらに構成される。受信ユニット1303は、ネットワーク装置が送信した、ランダムアクセス競合解決メッセージを含む第4のメッセージを受信するようにさらに構成される。
可能な実施態様では、指標情報を使用して第2のタイミングオフセットを指示することは、指標情報に、第2のタイミングオフセットを含めることを含む。
可能な実施態様では、指標情報を使用して第2のタイミングオフセットを指示することには、指標情報に、第1の調整パラメータセットを含め、第1の調整パラメータセットを使用して第2のタイミングオフセットを決定することを含む。
可能な実施態様では、第1の調整パラメータセットには、ランダムアクセス応答RAR受信ウィンドウの起動遅延期間及びRAR受信ウィンドウの期間に基づいて決定されるパラメータ;又は、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間及びランダムアクセス競合解決タイマの期間に基づいて決定されるパラメータ;又は、共通のタイミングアドバンスに基づいて決定されるパラメータ;又は、ネットワーク装置の軌道高度に基づいて決定されるパラメータ;又は、通信機器とネットワーク装置との間の往復遅延に基づいて決定されるパラメータ;のうちのいずれか1つ又は複数が含まれる。
可能な実施態様では、第4のメッセージには第2のタイミングオフセットが含まれる;又は、第4のメッセージには第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動が含まれ、参照タイミングオフセットは、通信機器が現在使用しているタイミングオフセット又は予め設定したタイミングオフセットである。
可能な実施態様では、受信ユニット1303は、ネットワーク装置が送信した有効情報を受信するようにさらに構成され、有効情報は、第2のタイミングオフセットの有効時間を指示するために使用される。あるいはまた、送信ユニット1302は、有効情報をネットワーク装置に送信するようにさらに構成され、有効情報は、第2のタイミングオフセットの有効時間を指示するために使用される。あるいはまた、第2のタイミングオフセットは、通信機器が第3のメッセージを送信した後のmスロット後に有効になり、mは予め設定した整数である。あるいはまた、第2のタイミングオフセットは、通信機器が第4のメッセージを受信した後のnスロット後に有効になり、nは予め設定した整数である。
可能な実施態様では、受信ユニット1303は、ネットワーク装置が送信したブロードキャストメッセージを受信するようにさらに構成される。ブロードキャストメッセージには、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間及びRAR受信ウィンドウの期間;又は、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間及びランダムアクセス競合解決タイマの期間;又は、共通のタイミングアドバンス;又は、ネットワーク装置の軌道高度;のいずれか1つ又は複数が含まれる。
可能な実施態様では、ブロードキャストメッセージに、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間及びRAR受信ウィンドウの期間が含まれる場合に、第1のタイミングオフセットは以下の条件を満たす。
Koffset1は第1のタイミングオフセットの値である。RAR_windowはRAR受信ウィンドウの期間であり、RAR受信ウィンドウの期間は、通信機器がRARを受信する期間を指示するために使用される。RAR_offsetはRAR受信ウィンドウの起動遅延期間であり、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、通信機器が第1のメッセージを送信した後にRAR受信ウィンドウの起動を遅延させる遅延期間を指示するために使用される。slot_durationは期間の単位である。ΔKoffsetは、タイミングオフセット差であり、整数である。
可能な実施態様では、ブロードキャストメッセージに、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間及びランダムアクセス競合解決タイマの期間が含まれる場合に、第1のタイミングオフセットは次の条件を満たす。
RCR_timerはランダムアクセス競合解決タイマの期間であり、ランダムアクセス競合解決タイマの期間は、通信機器が第3のメッセージを送信した後にランダムアクセス競合解決タイマを開始する瞬間と、第4のメッセージを受信する瞬間との間に許容される最大時間間隔を示す。RCR_offsetはランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間であり、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間は、通信機器が第3のメッセージを送信した後にランダムアクセス競合解決タイマの起動を遅らせる遅延期間を指示するために使用される。slot_durationは期間の単位である。ΔKoffsetは、タイミングオフセット差であり、整数である。
可能な実施態様では、第5のメッセージには、データ情報、フィードバックメッセージ、又はサウンディング参照信号SRSのうちのいずれか1つが含まれる。
可能な実施態様では、受信ユニット1303は、ネットワーク装置が送信したタイミングアドバンス調整命令を受信するようにさらに構成され、タイミングアドバンス調整命令は、第2のタイミングオフセットを更新するように指示するために使用される。送信ユニット1302は、第2のタイミングオフセットに基づいて、更新した第2のタイミングオフセット又は第2の調整パラメータセットをネットワーク装置に送信するようにさらに構成され、第2の調整パラメータセットは、更新される第2のタイミングオフセットを決定するために使用される。
可能な実施態様では、送信ユニット1302は、通信機器がセルを切り替える;又は、通信機器がビームを切り替える;又は、通信機器が帯域部分BWPを切り替える;条件のいずれか1つ又は複数が満たされるときに、ネットワーク装置から、更新した第2のタイミングオフセット、又は更新した第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動を受信するようにさらに構成される。
通信機器が端末装置又は端末装置内の前述の機能を実現する構成要素である場合に、処理ユニット1301は1つ又は複数のプロセッサであり得、送信ユニット1302は送信機であり得、及び受信ユニット1303は受信機であり得る、又は送信ユニット1302及び受信ユニット1303は、トランシーバ等の1つの構成要素に統合してもよい。
前述の通信機器がチップである場合に、処理ユニット1301は、1つ又は複数のプロセッサ、又は論理回路等であり得、送信ユニット1302は出力インターフェイスであり得、受信ユニット1303は入力インターフェイスであり得る、又は送信ユニット1302及び受信ユニット1303は、1つのユニット、例えば、入出力インターフェイス又は通信インターフェイスに統合される。
本願のこの実施形態における通信機器は、前述の方法における端末装置のあらゆる機能を有し、詳細については、ここでは再び説明しない。
図13を再び使用する。別の実施形態では、受信ユニット1303は、第1のタイミングオフセットに基づいて、端末装置が送信した第3のメッセージを受信するように構成される。第1のタイミングオフセットは、ネットワーク装置が第3のメッセージを受信する遅延の遅延度を示すために使用される。第3のメッセージには指標情報が含まれ、指標情報は第2のタイミングオフセットを指示するために使用され、第2のタイミングオフセットは更新した第1のタイミングオフセットである。受信ユニット1303は、端末装置が送信した第5のメッセージを受信するようにさらに構成される。
可能な実施態様では、受信ユニット1303は、端末装置が送信した、ランダムアクセスプリアンブルを含む第1のメッセージを受信するように構成される。送信ユニット1302は、ランダムアクセス応答メッセージを含む第2のメッセージを端末装置に送信するように構成される。送信ユニット1302は、ランダムアクセス競合解決メッセージを含む第4のメッセージを端末装置に送信するようにさらに構成される。
可能な実施態様では、指標情報を使用して第2のタイミングオフセットを指示することは、指標情報に第2のタイミングオフセットを含めることを含む。
可能な実施態様では、指標情報を使用して第2のタイミングオフセットを指示することは、指標情報に第1の調整パラメータセットを含め、第1の調整パラメータセットを使用して、第2のタイミングオフセットを決定することを含む。
可能な実施態様では、第1の調整パラメータセットには、ランダムアクセス応答RAR受信ウィンドウの起動遅延期間及びRAR受信ウィンドウの期間に基づいて決定されるパラメータ;又は、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間及びランダムアクセス競合解決タイマの期間に基づいて決定されるパラメータ;又は、共通のタイミングアドバンスに基づいて決定されるパラメータ;又は、通信機器の軌道高度に基づいて決定されるパラメータ;又は、端末装置と通信機器との間の往復遅延に基づいて決定されるパラメータ;のうちのいずれか1つ又は複数が含まれる。
可能な実施態様では、第4のメッセージには第2のタイミングオフセットが含まれる;又は、第4のメッセージには第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動が含まれ、参照タイミングオフセットは、端末装置が現在使用しているタイミングオフセット又は予め設定したタイミングオフセットである。
可能な実施態様では、送信ユニット1302は、有効情報を端末装置に送信するようにさらに構成され、有効情報は、第2のタイミングオフセットの有効時間を指示するために使用される。あるいはまた、受信ユニット1303は、端末装置が送信した有効情報を受信するようにさらに構成され、有効情報は、第2のタイミングオフセットの有効時間を指示するために使用される。あるいはまた、第2のタイミングオフセットは、通信機器が第3のメッセージを受信した後のmスロット後に有効になり、mは予め設定した整数である;又は、第2のタイミングオフセットは、通信機器が第4のメッセージを送信した後のnスロット後に有効になり、nは予め設定した整数である。
可能な実施態様では、送信ユニット1302は、ブロードキャストメッセージを送信するようにさらに構成される。ブロードキャストメッセージには、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間及びRAR受信ウィンドウの期間;又は、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間及びランダムアクセス競合解決タイマの期間;又は、共通のタイミングアドバンス;又は、通信機器の軌道高度;のいずれか1つ又は複数が含まれる。
可能な実施態様では、ブロードキャストメッセージに、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間及びRAR受信ウィンドウの期間が含まれる場合に、第1のタイミングオフセットは以下の条件を満たす。
Koffset1は第1のタイミングオフセットの値である。RAR_windowはRAR受信ウィンドウの期間であり、RAR受信ウィンドウの期間は、端末装置がRARを受信する期間を指示するために使用される。RAR_offsetはRAR受信ウィンドウの起動遅延期間であり、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間は、端末装置が第1のメッセージを送信した後にRAR受信ウィンドウの起動を遅延させる遅延期間を指示するために使用される。slot_durationは期間の単位である。ΔKoffsetは、タイミングオフセット差であり、整数である。
可能な実施態様では、ブロードキャストメッセージに、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間及びランダムアクセス競合解決タイマの期間が含まれる場合に、第1のタイミングオフセットは以下の条件を満たす。
RCR_timerはランダムアクセス競合解決タイマの期間であり、ランダムアクセス競合解決タイマの期間は、端末装置が第3のメッセージを送信した後にランダムアクセス競合解決タイマを開始する瞬間と、第4のメッセージを受信する瞬間との間に許容される最大時間間隔を示す。RCR_offsetはランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間であり、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間は、端末装置が第3のメッセージを送信した後にランダムアクセス競合解決タイマの起動を遅延させる遅延期間を指示するために使用される。slot_durationは期間の単位である。ΔKoffsetは、タイミングオフセット差であり、整数である。
可能な実施態様では、第5のメッセージには、データ情報、フィードバックメッセージ、又はサウンディング参照信号SRSのうちのいずれか1つが含まれる。
可能な実施態様では、送信ユニット1302は、タイミングアドバンス調整命令を端末装置に送信するようにさらに構成され、タイミングアドバンス調整命令は、第2のタイミングオフセットを更新するように命令するために使用される。受信ユニット1303は、更新した第2のタイミングオフセット又は端末装置が送信した第2の調整パラメータセットを受信するようにさらに構成され、第2の調整パラメータセットは、更新される第2のタイミングオフセットを決定するために使用される。
可能な実施態様では、送信ユニット1302は、端末装置がセルを切り替える;又は、端末装置がビームを切り替える;又は、端末装置が帯域部分BWPを切り替える;条件のいずれか1つ又は複数が満たされるときに、更新した第2のタイミングオフセット、又は更新した第2のタイミングオフセットと参照タイミングオフセットとの間の変動を端末装置に送信するようにさらに構成される。
通信機器が、ネットワーク装置又はネットワーク装置内の前述の機能を実現する構成要素である場合に、処理ユニット1301は1つ又は複数のプロセッサであり得、送信ユニット1302は送信機であり得、及び受信ユニット1302は受信機であり得る、又は送信ユニット1302及び受信ユニット1303は、トランシーバ等の1つの構成要素に統合してもよい。
前述の通信機器がチップである場合に、処理ユニット1301は、1つ又は複数のプロセッサ、又は論理回路等であり得、送信ユニット1302は出力インターフェイスであり得、受信ユニット1303は入力インターフェイスであり得る、又は送信ユニット1302及び受信ユニット1303は、1つのユニット、例えば、入出力インターフェイス又は通信インターフェイスに統合される。
本願のこの実施形態における通信機器は、前述の方法におけるネットワーク装置のあらゆる機能を有し、詳細については、ここでは再び説明しない。
さらに、前述の処理ユニットがプロセッサを使用して実装される場合に、図14に示されるように、受信ユニット及び送信ユニットは、1つのユニットに統合され、トランシーバを使用して実装される。通信機器140は、少なくとも1つのプロセッサ1420を含み、このプロセッサ1420は、本願の実施形態で提供する方法で端末装置の機能を実現するように構成される、又は、本願の実施形態で提供する方法でネットワーク装置の機能を実現するように構成される。通信機器140は、トランシーバ1410をさらに含み得る。トランシーバは、伝送媒体を使用して別の装置/機器と通信するように構成される。プロセッサ1420は、トランシーバ1410を使用してデータ及び/又はシグナリングを送受信し、前述の方法の実施形態における対応する方法を実施するように構成される。
オプションで、通信機器140は、プログラム命令及び/又はデータを格納するように構成された少なくとも1つのメモリ1430をさらに含み得る。メモリ1430は、プロセッサ1420に結合される。本願のこの実施形態における結合は、機器、ユニット、又はモジュール間の情報交換のための機器、ユニット、又はモジュール間の間接結合又は通信接続であり、電気的、機械的、又は他の形態であり得る。プロセッサ1420は、メモリ1430と協働して動作し得る。プロセッサ1420は、メモリ1430に格納したプログラム命令を実行することができる。少なくとも1つのメモリのうちの少なくとも1つがプロセッサに含まれ得る。
トランシーバ1410、プロセッサ1420、及びメモリ1430の間の特定の接続媒体は、本願のこの実施形態では限定されない。本願のこの実施形態では、メモリ1430、プロセッサ1420、及びトランシーバ1410は、図14のバス1440を使用して接続される。バスは、図14において太線を用いて表されている。他の構成要素同士の間の接続の方法は説明のための一例であり、これに限定されるものではない。バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等に分類される。表現を容易にするために、図14ではバスを表すために1本の太線だけを使用しているが、これはバスが1つしかない、又はバスのタイプが1つしかないことを意味するものではない。
本願の実施形態では、プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ又は別のプログラマブル論理装置、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理装置、又は別個のハードウェアコンポーネントであり得、本願の実施形態で開示した方法、ステップ、及び論理ブロック図を実施又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、又は任意の従来のプロセッサ等であり得る。本願の実施形態を参照して開示した方法のステップは、ハードウェアプロセッサによって直接実行及び完了してもよく、又はプロセッサ内のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組合せを使用して実行及び完了してもよい。
図14に示される通信機器の特定の実施態様については、図13に示した端末装置の機能を参照すべきことが理解されよう。あるいはまた、図14に示した通信機器の具体的な実現方法については、図13に示したネットワーク装置の機能を参照されたい。
本願で提供するいくつかの実施形態において、開示するシステム、装置、及び方法は、他の方法で実施し得ることを理解すべきである。例えば、前述の機器の実施形態は単なる例である。例えば、ユニットの分割はあくまで論理的な機能分割であり、実際の実施態様では別の分割になる場合もある。例えば、複数のユニット又は構成要素を別のシステムに結合又は統合することができ、又はいくつかの機能を無視するか又は実行しないことがある。さらに、表示又は議論する相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェイスを介して実装され得る。機器又はユニットの間の間接結合又は通信接続は、電気的、機械的、又は別の形態で実現することができる。
別個の部品として説明するユニットは、物理的に分離していてもしていなくてもよく、ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであってもなくてもよく、1つの位置に配置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分散していてもよい。ユニットのいくつか又は一部は、本願の実施形態における解決策の目的を達成するための実際の要件に基づいて選択され得る。
さらに、本願の実施形態における機能ユニットを、1つの処理ユニットに統合してもよく、各ユニットは物理的に単独で存在してもよく、又は2つ以上のユニットを1つのユニットに統合してもよい。統合ユニットは、ハードウェアの形態で実装してもよく、又はソフトウェア機能ユニットの形態で実装してもよい。
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売又は使用される場合に、統合ユニットは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。このような理解に基づいて、本願の技術的解決策は本質的に、又は従来技術に寄与する部分、又は技術的解決策の全部又は一部が、ソフトウェア製品の形態で実現され得る。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、本願の実施形態の方法のステップの全て又は一部を実行するようにコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク装置等であり得る)に命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体には、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(random
access memory, RAM)、磁気ディスク、又は光ディスク等、プログラムコードを記憶できる任意の媒体が含まれる。
さらに、本願の実施形態で提供するタイミングオフセットを更新する方法によれば、本願はコンピュータプログラムをさらに提供し、コンピュータプログラムは、本願で提供する方法において端末装置によって実行される動作及び/又は処理を実行するように構成される。
本願は、コンピュータプログラムをさらに提供し、コンピュータプログラムは、本願で提供する方法においてネットワーク装置によって実行される操作及び/又は処理を実行するために使用される。
本願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ命令を記憶する。コンピュータ命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、本願で提供する方法において端末装置が実行する動作及び/又は処理を実行できるようになる。
本願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ命令を記憶する。コンピュータ命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、本願で提供する方法においてネットワーク装置によって実行される動作及び/又は処理を実行できるようになる。
本願は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータコード又は命令を含む。コンピュータコード又は命令がコンピュータ上で実行されると、本願の方法の実施形態における方法が実施される。
本願は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータコード又は命令を含む。コンピュータコード又は命令がコンピュータ上で実行されると、本願の方法の実施形態における方法が実施される。
本願は、本願の実施形態における端末装置及びネットワーク装置を含む無線通信システムをさらに提供する。
前述の説明は、本願における特定の実施態様にすぎないが、本願の保護範囲はその実施態様に限定されない。本願に開示する技術的範囲内で当業者が容易に想起するあらゆる変形又は置換は、本願の保護範囲内にあるものとする。従って、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図6の上記の説明及び関連する方法に基づいて、Msg2は、調整パラメータΔKを搬送することができ、ΔKは、UEが位置するビーム(beam)のカバレッジエリアを使用して決定される。同様に、Koffsetの調整パラメータΔK値も、UEが位置するセル(cell)のカバレッジエリアに基づいて決定することができる。それに対応して、それは、Koffset決定式(K
offset=f{Max_RTD_cell/time_duration})、例えば、
に従って取得され、Max_RTD_cellは、セルのカバレッジエリア内のUEと基地局との間の最大往復遅延である。
UEが送信した信号を受信するときに基地局側が遅延補償を行う場合に、Koffsetの決定式は、前述の方法及び式に基づいて書き直される。例えば、オプションで、Koffsetはビームのカバレッジエリアを使用して決定され、
である。同様に、オプションで、Koffsetは、セルのカバレッジエリアに基づいて決定され、前述の式は、
に変更され得る。
ΔKは、Msg2で搬送されることから、RRCsetupシグナリングで送信されること、すなわち、Msg4で送信されることに変更され得る。好ましくは、RRCsetupシグナリング(Msg4)によってΔK関連情報が搬送されるときに、UEがMsg3を送信するときに使用されるKoffsetが機能することができる(すなわち、ブロードキャストメッセージに基づいてUEが取得した初期Koffsetが、最大往復遅延より大きい)。
オプションで、前述の関連する方法において、Koffsetは、Msg2のみで搬送され得る、すなわち、UEは、Msg2によって送信されたKoffsetを使用して、Msg3を直接送信する。この場合に、Koffsetは、ビームレベル又はセルレベルでのKoffsetであり得る。
前述の図6及び関連する方法において、Koffsetは、4ステップ(four-step)のランダムアクセスプロセスに基づいて送信される。2ステップ(two-step)のランダムアクセスプロセスでは、MsgBを使用してΔK又はKoffsetを送信することができる。設計には前述の式を使用する。UEは、ブロードキャストパラメータ及びΔKを併用して、合意した式に従ってKoffsetを取得する。
前述の式は説明の例にすぎず、Koffset及びΔKを得るための特定の式の形式は限定されないことが理解されよう。例えば、ブロードキャストパラメータは、RAR受信ウィンドウの期間、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間、ランダムアクセス競合解決タイマの期間、及びランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間をさらに使用することができる。
例えば、オプションで、Koffset及びΔKは、以下の式を使用して取得される。
ここで、RAR_windowはRAR受信ウィンドウの期間であり、RAR_delayはRAR受信ウィンドウの起動遅延期間である。あるいはまた、
ここで、RCR_timerはランダムアクセス競合解決タイマの期間であり、RCR_offsetはランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間である。
ここで、TA_commonはブロードキャストされる共通のタイミングアドバンスである。
Koffset値をUEに直接送信することと比較して、シグナリングオーバーヘッドは、一緒にブロードキャストされるパラメータ及びΔKを使用して削減することができる。さらに、表2に示されるように、セルレベルのKoffset、ビームレベルのKoffset、及びUEレベルのKoffsetが、シグナリングオーバーヘッド及びンドツーエンドの遅延に関して比較される。ビームレベルのKoffsetはセルレベルのKoffsetよりもエンドツーエンドの遅延が小さく、ビームレベルのKoffsetはUEレベルのKoffsetよりもシグナリングオーバーヘッドが少ないことが分かり得る。
図15は、本願による参照点ベースのNTN通信システムの概略図である。タイミングオフセットは、参照点ベースのNTN通信システムで更新され得る。オプションで、タイミングオフセットを更新する方法は4ステップのランダムアクセスシナリオに適用可能であり、この方法は具体的には以下のステップを含む。
1501. 衛星(gNB)は、複数のKoffset値情報をセルのカバレッジエリアにブロードキャストする。
1502. ブロードキャストメッセージを受信した後に、UEは、受信したSSBインデックス(SSB index)番号に基づいて、対応するKoffset値を決定する。
オプションで、ステップ1501における複数のKoffset値情報は、Koffset番号又はID、例えば、Koffset1、Koffset2、又はKoffset3であり得る。ステップ1502において、例えば、UEが受信したSSBインデックス番号が1である場合に、Koffset1が使用される。UEが受信したSSBインデックス番号が3である場合に、Koffset3が使用される。Koffset値とSSBインデックス番号との間の関係(例えば、マッピング関係)を確立することによって、方法は、UEがビームレベルのKoffset値を使用することを可能にし、それによりエンドツーエンド遅延を減らすことができる。
あるいはまた、衛星は、Koffset1、ΔKoffset2、ΔKoffset3、ΔKoffset4等の情報をブロードキャストすることができる。UEは、以下の式を使用して、対応するKoffset値を取得することができる。
Koffset1=Koffset1
Koffset2=Koffset1+△Koffset2
Koffset3=Koffset1+△Koffset3
Koffset4=Koffset1+△Koffset4
… (basic value+specific variable)
あるいはまた、
Koffset1=Koffset1
Koffset2=Koffset1+△Koffset2
Koffset3=Koffset1+△Koffset2+△Koffset3
Koffset4=Koffset1+△Koffset2+△Koffset3+△Koffset4
… (basic value+accumulated variables)
表3-同期ブロードキャストブロックの数量、サブキャリア間隔、及びキャリア周波数の間の関係から、キャリア周波数が6GHzより大きい場合に、最大64個の同期ブロードキャストブロック(SSB)をブロードキャストすることができることが分かり得る。SSBインデックスは、64個の同期ブロードキャストブロックインデックスであり、これらのインデックスは、PBCHの3ビットと、PBCHスクランブリングモードで暗示的に示される3ビットによって一緒に示される。
オプションで、ステップ1501における複数のKoffset値情報は、複数のKoffset参照点座標、例えば、Koffset参照点座標1、Koffset参照点座標2、及びKoffset参照点座標3であり得る。ステップ1502において、ブロードキャストメッセージを受信した後に、UEは、受信したSSBインデックス番号(SSB index)に基づいて、対応するKoffset参照点座標を使用して、使用すべきKoffset値を計算する。
例えば、図16に示される、参照点座標に基づいてKoffset値を置換するNTNシステムアーキテクチャ図において、UEが受信したSSBインデックス番号が3である場合に、Koffset参照点座標3を使用して、使用すべきKoffset値を取得する。UEは、Koffset参照点座標3及び衛星位置座標(エフェメリス情報を用いて取得され得る)に基づいて、Koffset参照点3と衛星との間の往復遅延RTD_referenceを計算し、次に、往復遅延に基づいて使用すべきKoffset値を計算する。オプションで、以下の式を使用できる。
オプションで、Koffsetの計算に対するサービスリンク(service link)遅延及びフィーダリンク(feeder link)遅延の影響が考慮される場合に、例えば、衛星がトランスペアレント(transparent)モードで動作する場合に、各UEは、2つの参照点を使用して、使用すべきKoffset値を計算する。
ステップ1501において、複数のKoffset値情報は、複数のKoffset参照点座標及び1つのKoffsetフィーダリンク参照点座標であってもよく(図8aに記載の設計及びその方法を参照)、例えば、Koffsetフィーダリンク参照点座標、Koffset参照点座標1、Koffset参照点座標2、Koffset参照点座標3等であってもよい。
ステップ1502において、UEが、ブロードキャストメッセージを受信した後に、受信したSSBインデックス(SSB index)番号に基づいて対応するKoffset値を決定することは、受信したSSBインデックス(SSB index)番号に基づいて、Koffsetフィーダリンク参照点座標及び対応するKoffset参照点座標を使用して、使用すべきKoffset値を計算することを含む。例えば、UEが受信したSSBインデックス番号が1である場合に、Koffsetフィーダリンク参照点座標及び対応するKoffset参照点座標1を使用して、使用すべきKoffset値を取得する。UEは、Koffset参照点座標1及び衛星位置座標(エフェメリス情報から取得され得る)に基づいて、Koffset参照点と衛星との間の往復遅延RTD_referenceを計算する。UEは、Koffsetフィーダリンク参照点座標及び衛星位置座標に基づいて、Koffsetフィーダリンク参照点と衛星との間の往復遅延RTD_reference_feederを計算する。次に、RTD_reference及びRTD_reference_feederに基づいて、使用すべきKoffset値を計算する。オプションで、以下の式を使用できる。
オプションで、ネットワーク側でブロードキャストKoffset値又はKoffset参照点を柔軟に構成するために、複数のKoffset値又は複数のKoffset参照点座標を送信するかどうかを指示するインジケータが追加される。図17のKoffset値/Koffset参照点座標インジケータの概略図に示されるように、少なくとも1つのKoffset値又は少なくとも1つのKoffset参照点座標を後で送信するかどうかを示すために、Koffset値/Koffset参照点座標インジケータが導入される。例えば、0のインジケータは、少なくとも1つのKoffset値が後で送信されることを示し、1のインジケータは、少なくとも1つのKoffset参照点座標が後で送信されることを示す。インジケータが0である場合に、後で送信されるKoffset値は、Koffset1、Koffset2、Koffset3等であり得る。インジケータが1である場合に、後に送信されるKoffset参照点座標は、Koffset参照点座標1、Koffset参照点座標2、Koffset参照点座標3等であり得る。Koffset値及び参照点の具体的な使用方法については、前述の実施形態を参照されたい。Koffset値の決定に対するフィーダリンク遅延の影響が考慮される場合に、図18のKoffset値/Koffset参照点座標インジケータの概略図に示されるように、Koffsetフィーダリンク参照点座標は、Koffset参照点座標とともに送信され得る。
ブロードキャストされるKoffset値及び/又はKoffset参照点の柔軟な構成は、様々なモードでシステムに利益をもたらす。
1. 凝視(Gaze)モード(操縦可能):システムが凝視モードで動作するときに、衛星ビームのカバレッジエリアは一定期間不変のままであり、ブロードキャストされるKoffset参照点は変化しない。システムは、インジケータを使用してブロードキャストされるKoffset参照点を構成することができる。従って、システムは値を更新する必要がないため、システムブロードキャスト更新の複雑さが軽減される。
2. 非凝視モード:システムが非凝視モードで動作するときに、衛星ビームのカバレッジエリアは、衛星の動きとともに移動する。この場合に、ビームのKoffset値は変わらない。従って、システムは、インジケータを使用してブロードキャストKoffset値を構成することができる。
オプションで、前述の同様の考えに基づいて、Koffset値又はKoffset参照点は、対応するKoffset角度値にさらに置き換えられ得る。UEは、Koffsetの角度値を使用して往復遅延値を計算し、次に前述の方法を使用してKoffset値を取得する。
図19のKoffset角(Koffsetフィーダリンク角)の概略図に示されるように、衛星の移動方向の速度をVとすると、衛星(gNB)は、少なくとも1つのKoffset角(ビームに相当)とKoffsetフィーダリンク角をUEにブロードキャストする。Koffset角度は、上記のKoffset値又はKoffset参照点を置き換えることができ、Koffsetフィーダリンク角度は、上記のKoffset値又はKoffsetフィーダリンク参照点を置き換えることができる。
UEが、SSBインデックスに基づいて対応するKoffset角度
α及びKoffsetフィーダリンク角度
を取得した後に、オプションで、使用すべきKoffsetは、以下の式に従って計算され得る(別の式記号については、前述の実施形態を参照されたい)。
UEがSSBインデックスに基づいて対応するKoffset角度
αのみを取得する場合に、オプションで、UEは、以下の式に従って、使用すべきKoffsetを計算することができる。
凝視モードでは、Koffsetは、Koffset角度方式を使用して表される。Koffset値方式と比較して、頻繁な更新を避けることができ、システムブロードキャスト手順の複雑さが軽減される。
以上、セルレベルの初期タイミングオフセット及びビームレベルの初期タイミングオフセットを決定する方法、及びタイミングオフセットを更新する方法等について説明した。以下では、ビームレベルの初期タイミングオフセットを決定する方法、及びセルレベルの初期タイミングオフセットを決定する方法についてさらに説明する。
ビームレベル(例えば、ビーム固有又はビーム特有)の初期タイミングオフセットを決定する方法は、以下の通りである。
例えば、上記の図15で説明したように、基地局は、複数のKoffset(本明細書ではKoffsetとも表記する)値情報をセルカバレッジエリアにブロードキャストし、次に、UEは、SSBインデックス番号、TCI番号、又はビーム番号等に基づいて、対応するKoffset値を決定する。基地局が複数のKoffset値情報をセルカバレージエリアにブロードキャストすることには、基地局がSIB 1メッセージを使用して複数のタイミングオフセットKoffset値をブロードキャストすること、又は基地局がSIB 1メッセージ等のブロードキャストメッセージを使用して、複数のビームにそれぞれ対応するKoffset値をブロードキャストすることが含まれる。ビームレベルタイミングオフセットは、UEがオフセットに対応するビームで同じタイミングオフセット値を使用すること、すなわち、ビームレベルのタイミングオフセットを使用することを意味する。例えば、ビームレベルのタイミングオフセットは、ビームにおけるgNBとUEとの間の最大往復遅延を使用して決定され得る。ビームレベルタイミングオフセットは、ビームレベル初期タイミングオフセットを含む。初期タイミングオフセットの「初期」は、ビームに最初にアクセスするために使用するパラメータ(又は最初のn回、例えば1回目又は2回目)又はビームで使用される基本パラメータを表す。
可能な実施態様では、基地局は、SIB 1メッセージ内のランダムアクセス構成ジェネリックRACH-ConfigGenericシグナリング又は同様の機能を有するシグナリングを使用して、複数のKoffset値をブロードキャストすることができる。RACH-ConfigGenericシグナリングは、端末がシステムにランダムにアクセスする過程で使用されるパラメータセットに含まれる。あるいはまた、SIB 1信号中のRACH-ConfigGenericパラメータ(又はシグナリング等と呼ばれる)に複数のKoffset値を追加するものと理解してもよい。例えば、RACH-ConfigGenericシグナリングは、1つ又は複数の可変フィールドを含むことができ、1つ又は複数の可変フィールドは、前述の複数のKoffset値を示すために使用される。
例えば、RACH-ConfigGenericパラメータは、可変フィールドKoffset-listを含み得、可変フィールドKoffset-listは、複数のKoffset値を表し得る、すなわち、複数のビームに対応するタイミングオフセット量の値を示し得る。別の例として、可変フィールドKoffset-listは、2つの可変フィールドKoffset1及びKoffset-diffを含むことができ、可変フィールドKoffset1は、ビーム1のタイミングオフセット値を表し、可変フィールドKoffset-diffは、別のビームのタイミングオフセットとビーム1のタイミングオフセットとの間の差を表す。別の例では、最大63個のタイミングオフセット差が存在する場合がある。つまり、可変フィールドKoffset-listは64個のビームのKoffsetを表す場合があり、つまり、63個のタイミングオフセット差を使用して、63個のビームに対応するタイミングオフセットを決定する。そして、Koffset1は、1つのビームに対応するタイミングオフセットを決定するために使用され得る。
換言すると、本願のこの実施形態における可変フィールドKoffset-diffは、前述の実施形態におけるΔKoffset2、ΔKoffset3、ΔKoffset4等として理解され得る。
例えば、SIB 1メッセージにおけるRACH-ConfigGenericシグナリングフォーマットは、以下のように示される。
本願のこの実施形態では、可変フィールドKoffset1及び可変フィールドKoffset-diffの値の範囲は、標準プロトコルによってサポートされる通信シナリオにおけるセル又はビームの間の最大往復遅延(例えば、軌道高度及び最小通信仰角に関連する)、セル又はビームの間の最大往復遅延差、及びタイミングオフセット期間の単位slot_durationの計算に関連し得る。
例えば、GEOのトランスペアレントシナリオでは、最小通信仰角が10度である場合に、最大往復遅延は541.46msであり、期間の単位slot_durationは、例として最小スロット長、すなわち0.125e-3秒を使用する。以下の他の部分のシグナリング例では、最小スロット長も期間の単位の例として使用され、詳細については、再び説明しない。541.46e-3/0.125e-3=4331.68のため、変数フィールドKoffset1は、0~4332を示すために13ビットを必要とする。変数フィールドKoffset1の13ビットは、0~8191の範囲を示すことができる。前述のシグナリングの例では、0~4332の範囲のみを使用し、4333~8191の未使用の範囲はリザーブ(reserved:予約)されるか、又は別の指示用途にリザーブされ得る。
可変フィールドKoffset-diffの値の範囲は、ビーム同士の間の最大往復遅延差、衛星の軌道高度、セルサイズ、又は最小通信仰角に基づいて決定され得る。
例えば、GEOのトランスペアレントシナリオでは、セル直径は450kmであり、最小通信仰角は10度であり、セル内の最大往復遅延差は2.933e-3秒である。2.933e-3/0.125e-3=23.464であるため、-24~+24の値の範囲を示すのに6ビットが必要であり、可変フィールドKoffset-diffのタイミングオフセット差の6ビットは、-31~+31を示すことができる。前述のシグナリングの例では、-24~+24の範囲のみが使用され、-31~-25及び+25~+31の未使用の範囲は、リザーブ(reserved)されるか、又は別の指示用途にリザーブされ得る。
例えば、Koffset-listシグナリングを取得した後に、UEは、可変フィールドKoffset1及び可変フィールドKoffset-diffに基づいて、Koffset1に対応するビーム1のKoffset値を別々に取得することができる。Koffset-diffが63個のタイミングオフセット差を有する場合に、UEは、ビーム2のKoffset値がKoffset1+第1のKoffset-diff値(つまり、Koffset1+第1のタイミングオフセット差)であること、ビーム3のKoffset値がKoffset1+第2のKoffset-diff値(つまり、Koffset1+第2のタイミングオフセット差)等であることをさらに得ることができる。上述したように、ビーム1、ビーム2等のビーム番号は、SSBインデックス番号又はTCI番号と関係を有し得、例えば、SSBインデックス番号又はTCI番号は、ビーム番号である。このようなシグナリング送信方法は、柔軟性を提供し、マルチビームシナリオでシグナリングビットバーヘッドを減らすことができる。
オプションで、Koffset-diff値を受信した後に、UEが、固定値を差し引いて、UEが使用し得るビームに対応するタイミングオフセット同士の間の差を取得することが合意され得る。UEに直接使用できるタイミングオフセット差を直接送信する前述の解決策と比較して、この方法では、UEは、使用できるビームに対応するタイミングオフセット同士の間の差を計算によって取得し、UEに対する計算量を残し、それにより、基地局側での計算の複雑さが軽減される。例えば、Koffset-diff変数フィールドは、0~48を表すために6ビットを使用し、これは、UEがKoffset-diff値を受信した後に、固定値(24の固定値を想定)だけ差し引かれ、それによって、UEは、-24~+24のオフセット差分表現範囲を使用する。特定の例として、Koffset-diff変数フィールドの値は8である。値を受信した後に、UEは、値8から固定値24を引いて-16を得る。UEは、この値に対応するビームのタイミングオフセット差として-16を使用する。
セルレベル(セル固有又はセル特有)の初期タイミングオフセットを決定する方法は以下の通りである。
基地局は、ブロードキャストメッセージ(SIB 1等)を使用してセルの初期Koffset値をブロードキャストするか、又はRRCシグナリング(RRCセットアップRRCsetupシグナリング、RRC再構成RRCReconfigurationシグナリング、又はRRC再開RRCResumeシグナリング等)を使用して初期Koffset値をUEに送信する。換言すると、基地局は、セル内のUEが前述の方法を使用して初期Koffset値を取得できるようにし得、それによって、セル内のUEは初期Koffset値を使用する。セルレベルのタイミングオフセットは、セル内のUEがタイミングオフセットに対応する同じタイミングオフセット値を使用すること、すなわち、セルレベルのタイミングオフセットを使用することを意味する。例えば、セルレベルのタイミングオフセットは、セル内のgNBとUEとの間の最大往復遅延を使用して決定され得る。セルレベルのタイミングオフセットは、セルレベルの初期タイミングオフセットを含む。初期タイミングオフセットの「初期」は、セルに最初にアクセスするために使用するパラメータ、又はセルで使用する基本的なパラメータを示す。
可能な実施態様では、基地局は、SIB 1メッセージでRACH-ConfigGenericシグナリングを使用して、セル(cell)に対応するKoffset値をブロードキャストすることができる。例えば、RACH-ConfigGenericシグナリングは、1つ又は複数の可変フィールドを含むことができ、1つ又は複数の可変フィールドを使用して、前述のKoffset値を示すことができる。例えば、1つ又は複数の可変フィールドは、以下の実施形態における可変フィールドKoffset_initial、Koffset-LEO及びKoffset-complement、Koffset-LEO-600、Koffset-LEO-1200及びKoffset-GEOであり得る。
RACH-ConfigGenericシグナリングの具体的な説明は、以下の通りであり得る。
方法1
UEがセル内で使用する初期タイミングオフセットを示すために、新しい変数フィールドKoffset_initialが、RACH-ConfigGenericパラメータに追加される。例えば、変数フィールドKoffset_initialの値の範囲は、標準プロトコルによってサポートされる通信シナリオにおける最大往復遅延(例えば、軌道高度及び最小通信仰角に関連する)に基づいて決定され得る。変数フィールドKoffset_initialの値の範囲の説明については、変数フィールドKoffset1の前述の説明を参照すべきことが理解されよう。このシグナリング送信方法は、ビームレベルのKoffsetシグナリング送信よりも多くのシグナリングオーバーヘッドを減らす。
例えば、SIB 1メッセージにおけるRACH-ConfigGenericシグナリングフォーマットは、以下のように示される。
方法2
2つの新しい変数フィールドKoffset-LEO及びKoffset-complementが、RACH-ConfigGenericパラメータに追加され、初期タイミングオフセットを決定するために使用することができる。例えば、Koffset-LEO及びKoffset-complementの値の範囲(表現範囲及び/又は表現されるビット数を含む)は、衛星の軌道高度範囲及び最小通信仰角に基づいて決定され得る。従って、シグナリングビットをさらに減らすために、軌道高度範囲に基づいて、初期タイミングオフセットに対して組合せ指示を実行することができる。
例えば、SIB 1メッセージにおけるRACH-ConfigGenericシグナリングフォーマットは、以下のように示される。
新たに追加した可変フィールドKoffset-complementはオプション(optional)であり、可変フィールドKoffset-complementを送信しても送信しなくてもよいことを示す。変数フィールドKoffset-complementを送信するかどうか、又は変数フィールドKoffset-complementを送信する条件については、以下の例を参照されたい。
例えば、軌道高度が1200km以下のシナリオでは、最小通信仰角が10度である場合に、最大往復遅延は41.745895msであり、初期タイミングオフセットは41.745895e-3/0.125e-3=333.9672であり、対応するビット数は9ビットである。従って、ネットワーク側はKoffset-LEOシグナリング(9ビット)のみを送信でき、つまり、Koffset-complementは送信しない。この場合に、タイミングオフセットパラメータを示すために送信する必要があるのは9ビットのシグナリングだけである。値の範囲は0~+334である。9ビットによって指示できる範囲は0~+511である。前述のシグナリングの例では、0~+334の範囲のみが使用され、+335~+511の未使用の範囲はリザーブ(reserved)されるか、又は別の指示用途にリザーブされ得る。
別の例では、軌道高度が1200kmを超えるシナリオでは、ネットワーク側は、Koffset-LEO及びKoffset-complementシグナリング(4ビット)をUEに送信することができ、Koffset-complementは上位ビットを表し、Koffset-LEOは下位ビットを表す。Koffset-LEO及びKoffset-complementは13ビットのシグナリングを構成し、これは0~4332の範囲を示す。13ビットで表すことができる範囲は0~8191である。前述のシグナリングの例では、0~4332の範囲のみが使用され、4333~8191の未使用の範囲はリザーブ(reserved)されるか、又は別の指示用途にリザーブされ得る。Koffset-LEO及びKoffset-complementの組合せの指示範囲については、前述の可変フィールドKoffset1の説明を参照されたい。
従って、Koffset-LEO又はKoffset-LEO及びKoffset-complementシグナリングを取得した後に、UEは、シグナリングに基づいて、使用すべきタイミングオフセットを取得することができる。このシグナリング送信方法は、柔軟性を提供し、軌道高度が高くないシナリオでいくつかのシグナリングビットを減らすことができる。
前述の例のシグナリングにおけるKoffset範囲は単なる例であることが理解されよう。本願において、Koffsetの値の範囲は限定されず、Koffsetの値の範囲は、実際の配置条件に基づいて合意され得る。
方法3
UEがセル内で使用するタイミングオフセットを示すために、3つの新しい変数フィールドKoffset-LEO-600、Koffset-LEO-1200、及びKoffset-GEOが、RACH-ConfigGenericパラメータに追加される。Koffset-LEO-600、Koffset-LEO-1200、又はKoffset-GEOの値の範囲(表現範囲及び/又は表現されるビット数を含む)は、衛星の軌道高度の範囲及び最小通信仰角に基づいて決定され得る。Koffset-LEO-600は、600km以下の軌道高度に対応するタイミングオフセット関連パラメータを表し、Koffset-LEO-1200は、600kmを超えるが1200km以下の軌道高度に対応するタイミングオフセット関連パラメータを表し、Koffset-GEOは、36000km以下の軌道高度に対応するタイミングオフセット関連パラメータを表す。Koffset-LEO-600、Koffset-LEO-1200、又はKoffset-GEOパラメータは、オプション(optional)に設定できる。シグナリングの送信方法については、以下の例を参照されたい。
例えば、軌道高度が600km以下であるシナリオでは、ネットワーク側は、Koffset-LEO-600シグナリングのみを送信することができ、すなわち、Koffset-LEO-1200又はKoffset-GEOを送信しない。最小仰角が10度である場合に、LEO-600シナリオの最大往復遅延は25.755msであり、最大タイミングオフセットは25.755e-3/0.125e-3=206.04であり、対応するビット数は8ビット(前述の実施形態におけるLEO-600トランスペアレントシナリオにおける説明に対応する)である。この場合に、UEがタイミングオフセットを決定するために送信する必要があるのは8ビットのシグナリングのみであり、タイミングオフセットを指示するために使用する範囲は0...+207である。8ビットによって指示できる範囲は0~+255である。前述のシグナリングの例では、0~+207の範囲のみが使用され、208~255の未使用の範囲はリザーブ(reserved)されるか、又は別の指示用途にリザーブされ得る。
別の例では、軌道高度が600kmを超えるが1200kmを超えないシナリオでは、ネットワーク側は、Koffset-LEO-1200シグナリングをUEに送信することができ、すなわち、Koffset-LEO-600又はKoffset-GEOを送信しない。この場合に、UEがタイミングオフセットを決定するように構成されるように、9ビットのシグナリング(前述の実施形態のLEO-1200トランスペアレントシナリオの説明に対応する)を送信する必要がある。Koffset-LEO-1200シグナリングの値の範囲の説明については、Koffset-LEOの前述の説明を参照すべきことが理解されよう。詳細については、ここでは再び説明しない。
別の例として、軌道高度が1200kmを超えるシナリオでは、ネットワーク側はKoffset-GEO信号だけを送信することができ、すなわち、Koffset-LEO-600及びKoffset-LEO-1200を送信しない。この場合に、UEがタイミングオフセットを決定するように構成されるように、13ビットのシグナリング(前述の実施形態におけるGEOトランスペアレントシナリオの説明に対応する)を送信する必要があり、タイミングオフセットを表すために使用する範囲は、0~+4332である。Koffset-GEOシグナリングの値の範囲の説明については、Koffset-LEO、Koffset-complement、及びKoffset-LEO-600の前述の説明を参照すべきことが理解されよう。詳細については、ここでは再び説明しない。
例えば、SIB 1メッセージにおけるRACH-ConfigGenericシグナリングフォーマットは、以下のように示される。
前述のシグナリングフォーマットの値は、一例に過ぎず、本願のこの実施形態の限定として理解すべきではないことが理解されよう。
本願のこの実施形態では、基地局は、タイミングオフセットに対応する新しい可変フィールドを、SIB 1のPUSCH-ConfigCommon物理層アップリンク共有チャネル共通構成シグナリング又はRRCシグナリングのPUSCH-Config物理層アップリンク共有チャネル構成シグナリングにさらに追加することができる。タイミングオフセットに対応する新しい可変フィールドを、SIB 1のPUSCH-ConfigCommon物理層アップリンク共有チャネル共通設定シグナリング又はRRCシグナリングのPUSCH-Config物理層アップリンク共有チャネル設定シグナリングに追加する具体的な説明については、上記の方法1~方法3を参照されたい。詳細については、ここでは再び説明しない。
本願のこの実施形態に示されるシグナリングの値は単なる例であり、本願のこの実施形態に対する限定として解釈すべきではないことが理解されよう。
前述の方法及び実施形態は互いに組み合わせることができ、異なるシナリオでタイミングオフセットを更新する方法及び手順を組み合わせることができる。例えば、以下では、異なるシナリオを参照して、セルレベルのタイミングオフセット、ビームレベルのタイミングオフセット、又はUEレベルのタイミングオフセットの組合せを更新する。
換言すると、上に示したセルレベルのKoffset、ビームレベルのKoffset、又はUEレベルのKoffsetを一緒に使用することができる。
UEレベル(UE固有又はUE特有)タイミングオフセットは、セル/ビーム内のUE同士の間で異なるタイミングオフセット値を使用できることを示すことが理解されよう。
例えば、UEは、初期アクセス中にブロードキャストメッセージを使用してセルレベルのKoffset値を取得する。UEがランダムアクセスを開始した後に、基地局は、UEが位置するビームに基づいて、UEが使用するKoffset値をビームレベルに更新する。表2に示されるように、Koffsetをセルレベルからビームレベルに更新すると、エンドツーエンドの遅延を減らすことができる。さらに、低遅延が要求されるシナリオ等、UEがより高い遅延を要求する場合に、基地局及びUEは、使用するKoffsetをUEレベルのKoffset値に更新することができる。表2に示されるように、KoffsetをUEレベルに更新した後のセルレベル及びビームレベルのKoffsetよりも小さいエンドツーエンド遅延(スケジューリング遅延を含む)は、低遅延要件のシナリオに適している。
例えば、UEは、初期アクセス中にブロードキャストメッセージを使用してセルレベルのKoffset値を取得する。UEがランダムアクセスを開始した後に、gNBは、UEのサービスタイプ及び/又は異なる遅延要件に基づいて、UEが使用するKoffset値を更新する必要があるかどうかを決定する。
(1)UEが、高い遅延性能を必要とせず、遅延に鈍感である場合に、基地局は、このタイプのUEがセルレベルのKoffsetを使用し続けるか又はビームレベルのKoffsetに更新できるようにし得る。
(2)UEが、高い遅延性能を要求し、低遅延を要求する場合に、基地局は、UEが使用するタイミングオフセット値をUEレベルでのKoffsetに更新することができる。解決策のプロセスでは、gNBがUEにシグナリングを送信して、Koffsetをビームレベルに更新するか、又はKoffsetをUEレベルに更新するかを指示する必要がある、或いはUEが、Koffsetをビームレベルに更新するか、又はKoffsetをUEレベル更新するようにgNBに申し込む必要がある。
例えば、UEが低遅延を必要とする場合に、UEは、セルレベルのKoffset値をUEレベルのKoffset値に更新することを自律的に決定し、基地局に報告することができる。あるいはまた、UEは、ビームレベルのKoffset値をUEレベルのKoffset値に更新することを自律的に決定し、基地局に報告することができる。
別の例では、UEが遅延性能を要求する場合に、UEは指標情報を基地局に送信することができ、ここで指標情報は、UEの遅延要件を示すか、又はUEが使用する必要があるタイミングオフセットのレベル(例えば、セルレベル、ビームレベル、又はUEレベル)を示すために使用され得る。従って、基地局は、指標情報を受信し、指標情報に基づいて、UEが使用するタイミングオフセット値を更新するかどうかを決定する。Koffsetを更新すべき場合に、基地局は、Koffset値を更新するように指示するために使用される情報を送信する。例えば、基地局は、KoffsetをビームレベルのKoffset値又はUEレベルのKoffset値に更新するようにUEに指示することができる。
オプションで、基地局は、Koffset更新メカニズムを有効にするかどうか、又はどのKoffset更新メカニズムを使用しているかをUEに指示することができる。有効にされない場合に、セルレベルのKoffsetは、ビームレベルのKoffset又はUEレベルのKoffsetに更新されず、UEは使用すべきTA又は遅延要件又はKoffsetレベルを報告する必要はない。例えば、基地局は以下のシグナリングをUEに送信することができ、又はUEは、以下のシグナリングを基地局に送信して、Koffset更新メカニズムを有効にするかどうかを指示することができる。
シグナリングは、UE固有のKoffset更新メカニズムを有効にするかどうかを示す。有効にされる場合に、それは、基地局及びUEが、Koffsetをセルレベル又はビームレベルからUEレベルのKoffsetに更新できることを示す。有効にされない場合に、それは、UEが使用中のKoffsetレベルを使用し続けることを示す。利点は、UEのサービス要件及びスケジューリング遅延要件に基づいて、異なるKoffset更新メカニズムを選択することができ、Koffsetシグナリングの余分なオーバーヘッドを回避することができることである。
シグナリングは、ビーム固有のKoffset更新メカニズムを有効にするかどうかを示す。有効にされる場合に、それは、基地局及びUEが、Koffsetをセルレベル又はUEレベルからビームレベルKoffsetに更新できることを示す。有効にされない場合に、それは、UEが使用中のKoffsetレベルを使用し続けることを示す。利点は、UEのサービス要件及びスケジューリング遅延要件に基づいて、異なるKoffset更新メカニズムを選択することができ、Koffsetシグナリングの余分なオーバーヘッドを回避することができることである。
シグナリングは、ビーム固有のKoffset又はUE固有のKoffset更新メカニズムを使用するか、又はKoffsetを別のレベルに更新することをサポートしないかを示す。シグナリング指示方法は、このシナリオでは、基地局及び/又はUEが、Koffsetのレベルをビームレベル又はUEのレベルに更新することをサポートするか、又はKoffsetの使用レベルを変更する/変更しないことを指示することである。シグナリング指示により、基地局とUEとの間のKoffset更新メカニズムの曖昧さを回避することができる。さらに、利益には、UEのサービス要件及びスケジューリング遅延要件に基づいて、異なるKoffset更新メカニズムを選択することが含まれ、それにより、Koffsetシグナリングを更新することに関する追加のオーバーヘッドが回避される。
以下は、前述の方法及び実施形態の組合せを、説明のための特定のシナリオにおける例として使用する。
シナリオ1:セルレベルのKoffset値をビームレベルのKoffset値に更新する。
このシナリオでは、UEに最初にアクセスするときに、セルレベルのKoffset値が取得されると仮定される。
例えば、UEがシステムへのアクセスを要求した後に、gNB等の基地局は、タイミングオフセット差ΔKoffsetをMsg2又はMsg4又はRRCsetupシグナリングで送信する。ΔKoffsetを受信した後に、UEは、Koffse、すなわち、Koffset_new=Koffset_old+ΔKoffsetを更新することができる。Koffset_oldは、gNB及びUEが使用しているKoffset値又は参照タイミングオフセット値又は初期Koffsetを表す。Koffset_newは、gNB及びUEが使用する更新したKoffset値、すなわち、Koffset_oldに基づいて得られるタイミングオフセット値を表す。gNBは、ここではビームレベルKoffsetに基づいてΔKoffset値を決定することができる。すなわち、gNBは、UEが位置するビームに基づいて、UEが、更新したKoffset値Koffset_newを使用する必要があることを決定し(例えば、gNBは、UEと、UEが位置するビームカバレッジエリア内のgNBと間の最大往復遅延に基づいてKoffset_new値を決定し)、次に、ΔKoffset=Koffset_old-Koffset_newに基づいてΔKoffset値を取得する。gNBは、Msg2、Msg4、又はRRCsetup等のシグナリングを使用してΔKoffsetを送信することができ、シグナリングはオプション(ΔKoffsetを送信しても送信しなくてもよいことを示す)に設定される。ネットワーク側がKoffsetを更新しないことを決定した場合に、gNBは、ΔKoffsetをUEに送信しない、つまり、gNB及びUEは使用中のKoffsetを更新しないと考えられる。
可能な実施態様では、基地局は、RRCsetupシグナリングにおいてサービングセルを使用して、ΔKoffsetを送信するようにServingCellConfigシグナリングを設定することができ、RRCReconfiguration及びRRCResumeシグナリングは、ServingCellConfigシグナリングも含むか、又はRRCReconfiguration及びRRCResumeシグナリングを使用してΔKoffset値を送信することができる。例えば、サービングセル構成ServingCellConfigシグナリングは、1つ又は複数の可変フィールドを含み、1つ又は複数の可変フィールドは、ΔKoffsetを示すために使用され得る。
方法1
タイミングオフセット差ΔKoffsetを示すために、新しい変数フィールドKoffset-differenceをサービングセル構成ServingCellConfigパラメータに追加する。UEは、タイミングオフセット差Koffset-differenceを使用してKoffsetを更新することができる。Koffset-differenceの値の範囲(例えば、表現範囲又は対応するビット数)は、ビーム同士の間の最大往復遅延差、衛星の軌道高度、セルサイズ、及び最小通信仰角に基づいて決定され得る。
例えば、GEOトランスペアレント/再生シナリオにおけるセルの最大往復遅延差は、10.3msであり、10.3e-3/0.125e-3=82.4であり、可変フィールドKoffset-differenceは、-83~83を示すために8ビットを必要とする。Koffset-differenceの8ビットは、-127~+127を示すことができる。前述のシグナリングの例では、-83~83の範囲のみが使用され、-127~-84及び+84~+127の未使用の範囲はリザーブ(reserved)されるか、又は別の指示用途にリザーブされ得る。送信タイミングオフセット差分スキームは、直接送信Koffset完全値と比較してシグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
例えば、前述のシグナリングフォーマットは、以下の通りであり得る。
方法2
UEがセル内の複数のビームにおいて使用するKoffset値とセルレベルKoffsetとの間の差を示すために、新しい変数フィールドKoffset-difference-listが、ServingCellConfigパラメータ又は同様の機能を有するパラメータに追加される。すなわち、Koffset-difference-listは、複数のKoffset差を表し、例えば、最大64個のビームに対応するKoffset値と、ビームが位置するセルに対応するセルレベルKoffsetとの間の差を表し得る。
例えば、前述のシグナリングフォーマットは、以下の通りであり得る。
本願のこの実施形態では、可変フィールドKoffset-difference-listの値の範囲は、標準プロトコルによってサポートされる通信シナリオにおけるセル又はビームの(例えば、軌道高度及び最小通信仰角に関連する)最大往復遅延、セルとビームとの間の最大往復遅延差、及び計算タイミングオフセット期間の単位slot_durationに関連し得る。
例えば、GEOトランスペアレントシナリオでは、セル直径は450kmであり、最小通信仰角は10度であり、セル内の最大往復遅延差は2.933e-3秒である。2.933e-3/0.125e-3=23.464であるため、-24~+24の値の範囲を示すのに6ビットが必要であり、可変フィールドKoffset-difference-listのタイミングオフセット差の6ビットは、-31~+31を示すことができる。前述のシグナリングの例では、-24~+24の範囲のみが使用され、-31~-25及び+25~+31の未使用の範囲は、リザーブ(reserved)されるか、又は別の指示用途にリザーブされ得る。
例えば、Koffset-difference-listシグナリングを取得した後に、UEは、使用中のKoffset値(又は以前に受信したKoffset値又は使用中のセルレベルKoffset値)と、可変フィールドKoffset-difference-listによって示されるKoffset値との間の差に基づいて、UEが位置するビームに対応するビームレベルKoffset値を決定することができる。例えば、Koffset-difference-listが64個のKoffset差を示す場合に、UEは、UEが位置するビーム番号(例えば、ビーム番号とSSB番号又はTCI番号との間の対応関係に基づいて決定される)に基づいて、Koffset-difference-list内の対応するKoffset差を選択し、例えば、ビーム番号が5である場合に、Koffset-difference-listによって示される5番目のKoffset差(ビーム番号が1から始まると仮定)、又はKoffset-difference-listによって示される4番目のKoffset差(ビーム番号が0から始まると仮定)が選択される。UEは、UEが使用しているKoffset値+選択したKoffset-difference-list値(つまり、UEが使用しているKoffset値+ビーム番号に基づいて選択したタイミングオフセット差)に基づいて、UEが位置するビームに対応するビームレベルKoffset値を取得することができる。UEとgNBとの両方が、この方法に従ってビームレベルKoffset値を使用して計算及び更新する。このようなシグナリング送信方法は、柔軟性を提供し、マルチビームシナリオにおけるシグナリングビットバーヘッドを減らすことができる。
方法3
異なるトラック(track)範囲に使用されるタイミングオフセット差ΔKoffsetを示すために、2つの新しい変数フィールドKoffset-difference-GEO及びKoffset-difference-LEOが、ServingCellConfigパラメータに追加され、UEは、タイミングオフセット差を使用してKoffsetを更新することができる。gNBは、通信シナリオ(軌道高度範囲)に基づいて、Koffset-difference-GEO又はKoffset-difference-LEOの送信を選択する。従って、Koffset-difference-GEO又はKoffset-difference-LEOを取得した後に、UEは、ΔKoffset値を取得し、次に、Koffset_new=Koffset_old+ΔKoffsetに基づいてKoffset値を更新することができる。
Koffset-difference-GEOは、通信シナリオにおいて軌道高度が1200kmを超え36000km未満である場合に使用されるタイミングオフセット差を表し、Koffset-difference-GEOの表現範囲は、ビーム同士の間の最大往復遅延差に基づいて決定され、最大往復遅延差は、衛星軌道高、セルサイズ、最小通信仰角に関係する。具体的な説明については、前述のKoffset-differenceの説明を参照されたい。通信シナリオの軌道高度が1200kmを超え36000km未満である場合に、ネットワーク側は、Koffset-difference-GEOシグナリングだけを送信する必要があり、つまり、Koffset-difference-LEOシグナリングを送信しない。この場合に、端末がタイミングオフセットを決定するために、8ビットのシグナリングを送信する必要がある。
Koffset-difference-LEOは、軌道高度が1200km以下であるタイミングオフセット差パラメータを示す。表現範囲は、ビーム同士の間の最大往復遅延差に基づいて決定される。例えば、LEO-1200のシナリオでは、セル内の最大往復遅延差は、3.18msであり、3.18e-3/0.125e-3=25.44であり、変数フィールドKoffset-difference-LEOは、-26~26の範囲を示すのに6ビットが必要である。Koffset-difference-LEOの6ビットは、-31~+31を示すことができる。前述のシグナリングの例では、-26~26の範囲のみが使用され、-31~-27及び+27~+31の未使用の範囲は、リザーブ(reserved)されるか、又は別の指示用途にリザーブされ得る。送信タイミングオフセット差の解決策は、柔軟性を提供し、軌道高度が高くないシナリオでいくつかのシグナリングビットを減らすことができる。
例えば、前述のシグナリングフォーマットは以下の通りであり得る。
オプションで、gNBは、MAC CEシグナリングを使用して、タイミングオフセット差ΔKoffset値、すなわちKoffset差をUEにさらに送信することができる。従って、Koffset差を受信した後に、UEは、Koffset_new=Koffset_old+ΔKoffsetに基づいてKoffsetを更新する。例えば、MAC CEシグナリングを使用して、前述の8ビットのKoffset-differenceシグナリング又は6ビットのKoffset-difference-LEOシグナリングをUEに送信して、ΔKoffset値を表すことができる。MAC CEシグナリングの具体的な説明については、前述の説明を参照されたい。詳細については、ここでは再び説明しない。
シナリオ2:ビームレベルのKoffset値を更新する。
凝視モードでは、衛星がUEに対して変化するにつれて、UEが位置するビームのビームレベル(ビーム固有)Koffsetが変化する。
システムがビームレベルの初期Koffsetを使用する場合に、gNBは、ビーム固有のKoffsetを以下のシグナリング方式で更新することができる。すなわち、gNB及びUEは、依然としてビーム固有のKoffsetを使用するが、特定のKoffset値は変化し、更新される。つまり、可能な実施態様では、ネットワーク装置は、RRCシグナリング、RRC再構成シグナリング、又はMAC CEシグナリングを使用して、更新したKoffset(つまり、ビーム固有のKoffset)を示すことができる。例示的に、RRC再構成シグナリングは、1つ又は複数の可変フィールド(Koffset-list等)を含み、1つ又は複数の可変フィールドは、更新したKoffsetを指示するために使用される。例えば、RRCシグナリングServingCellConfigにはΔKoffsetが含まれる。例えば、MAC CEシグナリングには、ΔKoffsetが含まれる。以下に詳しく説明する。
方法1:RRC再構成(RRCReconfiguration)シグナリング:例えば、RRC再構成(RRCReconfiguration)シグナリングは、Koffsetを更新するために使用される。従って、基地局は、RRC再構成シグナリングをUEに送信する。RRC再構成シグナリングを受信した後に、UEは、UEが位置するビームに基づいて対応するKoffset値を選択し、使用しているKoffset値を更新する。例えば、RRC再構成シグナリングには、Koffset-list変数フィールドの前述の更新した値が含まれる。特定のシグナリング長の設計については、Koffset-list可変フィールドパラメータの前述の説明を参照されたい。
方法2:RRCシグナリング:例えば、ΔKoffset等のKoffset差がRRCシグナリングのServingCellConfigに追加される。ΔKoffsetは、更新すべきKoffset値Koffset_newに基づいて決定してもよく、例えば、gNBは、UEが位置するビーム、衛星、及びゲートウェイの間の最新の位置関係に基づいて、UEが使用すべき更新されるKoffset値Koffset_newを決定し(例えば、gNBは、gNBと、UEが位置するビームカバレッジエリア内のUEとの間の最大往復遅延に基づいてKoffset_new値を決定する)、次に、ΔKoffset=Koffset_old-Koffset_newに基づいてΔKoffset値を取得する。従って、基地局は、RRCシグナリングをUEに送信する。RRCシグナリングを受信した後に、UEは、Koffset_new=Koffset_old+ΔKoffsetに基づいてKoffsetを更新する。Koffset-differenceのシグナリング設計については、上記のKoffset-difference可変フィールドパラメータの説明を参照されたい。
方法3:MAC CEシグナリング:例えば、gNBは、MAC CEシグナリングを使用して、タイミングオフセット差ΔKoffset値、すなわちKoffset差をUEに送信することができる。Koffset差のシグナリング設計については、Koffset-differenceパラメータの説明を参照されたい。
前述のシナリオ1において、gNB及びUEがセルレベルの初期Koffsetソリューションを使用する場合に、UEがシステムへのアクセスを申請した後に、gNB及びUEは、Koffsetをセルレベルからビームレベルに更新する。衛星及びUE及びゲートウェイとの間の相対位置が変化すると、UEが位置するビームのビームレベルKoffsetも変化する。つまり、ビームレベルKoffset値は、変化し、更新する必要がある。gNBは、以下の2つのシグナリングモードでビーム固有のKoffset値を更新することができる。
ΔKoffsetは、RRCシグナリング、例えば、RRCシグナリングにおけるServingCellConfigシグナリングで搬送される。
Koffset-difference可変フィールドの説明については、新しい可変フィールドKoffset-differenceをServingCellConfigパラメータに追加する説明を参照されたい。
gNBは、MAC CEシグナリングを使用して、ΔKoffset値、すなわち差分値KoffsetをUEに送信する。
シナリオ3:UEレベルのKoffset値を更新する。
UEがTAを報告できる場合に、それは、UEがこの時点でgNBとの接続を確立したことを示し、使用できるKoffset値が得られる。従って、gNBは、この値に基づいてKoffsetを更新するだけでよい。
例えば、図6に示される実施形態では、UEは、Msg3を使用してTA値を報告し、第2のタイミングオフセットを示すことができる。すなわち、UEは、UEがRACHプロセスにおいてMsg3(又は、タイミングオフセットを後で更新する必要があるときに送信されるメッセージ等の別のメッセージ)で使用するTA情報又は位置情報をgNBに送信することができる。TA値が送信される場合に、TA値は、TA値又は量子化したTA値、又は更新したKoffset値又はKoffset差であり得る。システムにアクセスした後に、UEは、別のアップリンクメッセージで、UEが使用するTA値に関連する値を報告することもでき、gNBを使用して更新したKoffset値を決定する。
例えば、UEが第2のタイミングオフセットを指示するために指標情報を送信する前述の方法では、UEはTA相関値をgNBに送信し、UEが使用しているTA値から共通TA(ここで共通TA値は正の値、負の値、又はゼロ値であり得る)を差し引くことができ、又はUEが使用しているTA値から共通TAの絶対値を差し引くことができ(つまり、使用しているTAの絶対値と共通TAとの間の差を求める)、つまり、TA_applied(例えば、TA_applied=TA_use-TA_common)がgNBに送信されるか、又はTA_applied値の半分がgNBに送信される(gNBがTA_applied値を受信した後に、TA_applied値を取得するために2を乗算する)。TA_useはUEが使用中又は使用予定のTA値を表し、TA_commonは共通TA値を表し、TA_appliedはTA_useとTA_commonとの間の差を表す。UEが送信したTA相関値を受信した後に、gNBは、TA_use=TA_applied+TA_commonに基づいて、UEが使用している又は使用しようとしているTA値を取得する。
例えば、TA値を送信するために16Ts/2
uが時間次元として使用され、TA_use-TA_commonが16Ts/2
uの整数倍でない場合に、UE又はgNBは、計算によって、
又は
に基づいて、UEがgNBに送信するTA相関値を得ることができる。Tsは1/(15e3*2048)秒を表し、μはサブキャリア間隔に関係し、つまりサブキャリア間隔は2
μ・15kHzである。
可能な実施態様では、UEは、第3のメッセージ又は第5のメッセージ又は別のアップリンクメッセージ(例えば、認可されたPUSCHリソース、又はアップリンク物理層制御チャネルメッセージ等)を使用してTA又はTA関連値を示すことができる。例示的に、第3のメッセージ、第5のメッセージ、又は別のアップリンクメッセージには、1つ又は複数の可変フィールド(TA-applied、TA-applied-LEO-600、TA-applied-LEO-1200、TA-applied-GEO、Koffset_difference_UE、及び以下のもの等)が含まれ得、1つ又は複数の可変フィールドを使用して、TA又はTAの相関値を示すことができる。
方法1
UEが報告したTA相関値を示すために、可変フィールドTA-applied(使用するタイミングアドバンス)が追加される。TA-appliedを受信した後に、gNBは、UEが使用する、又は使用予定のTA値を決定する。TA-appliedシグナリングの表現範囲及びビット数は、通信シナリオにおける軌道高度、最小通信仰角、及び時間次元によって決定される。
例えば、衛星の軌道高度がGEO軌道以下であり、最小仰角が10度である場合に、時間次元単位として16Ts/2uが使用され、TA-appliedの表現範囲は0~4155513である必要があり、22ビットを表す必要がある。22ビットは、0~4194303の範囲を表すことができる。前述のシグナリングの例では、0~4155513の範囲のみが使用され、4155514~4194303の未使用の範囲はリザーブ(reserved:予約)されるか、又は別の指示用途にリザーブされ得る。例えば、TA-appliedパラメータを受信した後に、gNBは、TA-appliedパラメータを共通TA(量子化した共通TA値)に加算し、共通TAパラメータを時間次元単位で乗算して、UEが使用しているTA値を得ることができる、又はTA-appliedは、UEが使用しているTA値、すなわち、TA-appliedパラメータを時間次元単位によって乗算した後にUEが使用しているTAの時間長を表す。プロトコルが、異なる衛星の軌道高度、最小通信高度、及び時間次元単位をサポートし、TA-appliedがサポートする必要がある指示範囲が異なる場合があることが理解されよう。TA-appliedの指示範囲及びビット量は、特定の通信シナリオに基づいて規定することができる。
例えば、前述のTA-appliedのシグナリングフォーマットは、以下のように示される。
方法2
3つの新しい変数フィールド、TA-applied-LEO-600、TA-applied-LEO-1200、及びTA-applied-GEOが追加され、UEが現在使用しているタイミングアドバンス値を決定するためにgNBによって使用される。TA-applied-LEO-600、TA-applied-LEO-1200、及びTA-applied-GEOの表現範囲及びビット数は、衛星の軌道高度範囲、可能な最小通信仰角、及び時間次元単位に基づいて決定され得る。TA-applied-LEO-600は、軌道高度が600km以下の通信シナリオでUEが使用するタイミングアドバンス値に関連するパラメータを表し、TA-applied-LEO-1200は、軌道高度が1200km以下の通信シナリオでUEが使用するタイミングアドバンス値に関連するパラメータを表し、TA-applied-GEOは、軌道高度が36000km以下の通信シナリオにおいてUEが使用するタイミングアドバンス値に関連するパラメータを表す。前述のパラメータTA-appliedの表現範囲及びビット数の設計原理を参照して、TA-applied-LEO-600、TA-applied-LEO-1200、TA-applied-LEO-1200 及びTA-applied-GEOの表現範囲及びビット数が取得され得る。
例えば、UEがTAを報告するための関連シグナリング、TA-applied-LEO-600/TA-applied-LEO-1200/TA-applied-GEOが、Msg3のRRCsetupRequestシグナリングに追加される。UEは、エフェメリス情報又は衛星軌道情報に基づいて衛星の軌道高度を取得し、対応するTA-applied-LEO-600/TA-applied-LEO-1200/TA-applied-GEOシグナリングのいずれかを選択して、TA値を送信する。軌道高度が600km以下のシナリオでは、UEは、TA-applied-LEO-1200及びTA-applied-GEOを送信する代わりに、TA-applied-LEO-600シグナリングを使用することができる。これの利点は、UEがより短いシグナリング長を使用して、TA相関値を低軌道衛星通信システムで送信できることである。
例えば、TA-applied-LEO-600、TA-applied-LEO-1200、及びTA-applied-GEOのシグナリングフォーマットは以下の通りである。
方法3
例えば、UEが第2のタイミングオフセットを指示するために指標情報を送信する前述の方法では、UEは、TA相関値を報告する代わりに、更新すべきKoffset値又はKoffset差を報告することができる。例えば、Koffset差を例として使用する。UEがgNBに報告するタイミングオフセット差、及びUEが更新するKoffset値と使用中のKoffsetとの間の差を示すために、新しい変数フィールドKoffset_difference_UEが追加される。UEは、別のアップリンクメッセージでKoffset差を報告することもできることが理解されよう。
Koffset_difference_UE指示範囲は、占有ビット数と、UEが報告した更新したKoffsetの頻度及び閾値とに関連する。ここでは、Koffsetの差が7以下の例を使用して、Koffset_difference_UEは3ビットを占有する必要がある。Koffset_difference_UEを受信した後に、gNBは、Koffset_new=Koffset_old+Koffset_difference_UEに基づいて、gNB、及びUEによって更新されるKoffset値を取得することができる。
例えば、前述のKoffset_difference_UEのシグナリングフォーマットは、以下のように示される。
例えば、UEが、第2のタイミングオフセットを指示するために指標情報を送信する前述の方法では、UEは、UEの位置情報をgNBに報告することができる。例えば、地心座標系(地球中心、地球固定、ECEF)を使用することができる。表される範囲を地表から最大20kmとし、地球の半径が6371kmであると仮定する。この場合に、3次元座標位置の各次元は、-6391~6391kmを表す必要がある。3次元座標の各次元の表現分解能を0.125mとすると、27ビットが必要となり、次に3次元では27*3=81ビットが必要となる。3次元座標の各次元の表現分解能を0.25mとすると、26ビットが必要となり、次に3次元では26*3=78ビットが必要となる。例えば、可変フィールドUE-Positionを追加すると、UEの位置座標が表される。変数フィールドUE-Positionには、UEの三次元座標相関値を表す3つの変数値が含まれる。UE-Positionシグナリングの指示範囲及び占有ビット数は、地球の半径、UEが水平面に存在し得る最大距離、及び位置座標によって表される解像度に関連している。例えば、UEが送信した位置情報シグナリングは、次のように表すことができる。
例えば、RRCsetupRequestメッセージは、前述のTA-applied-LEO-600、TA-applied-LEO-1200、TA-applied-GEO、UE-Position、又はKoffset_difference_UEシグナリングを搬送することができる。
UE-Positionシグナリングを受信した後に、gNBは、受信した3次元座標相関値を座標解像度に乗算する。例えば、座標分解能が0.125mであり、gNBが受信したUE-Positionシグナリング値が(50976000、1688000、1592000)であり、UEの実際のECEF三次元座標がgNBによって(50976000*0.125=6372km、1688000*0.125=211km、1592000*0.125=199km)として取得され得ると仮定される。
オプションで、シグナリングオーバーヘッドを削減するために、UEが送信した位置座標を1つの固定値から差し引いて座標差を送信し得ることに同意することができる。例えば、UEが送信した三次元座標の各緯度から6371kmを差し引いた後に、座標差を送信する。gNBが座標差を受信した後に、各緯度に6371kmを加算して、UEの座標値を取得する。前述の設計シグナリングは、シグナリングオーバーヘッドを減らすことができる。
方法4
gNB及びUEは、アップリンク物理層制御チャネル(PUCCH)メッセージを使用して、UEがTA関連パラメータをgNBに報告することに同意することができる。例えば、UEは、アップリンク物理層制御チャネルメッセージを使用して、本願の方法及び実施形態においてUEが送信したTA関連のシグナリングパラメータ又は指標情報(第2のタイミングオフセットを示すために使用される)を送信することができる。この方法では、UEは、TA関連パラメータを報告するためにアップリンクリソースを申請することを回避することができ、それにより、アップリンクリソースを申請するスケジューリング時間を節約することができる。
本願のこの実施形態では、UEがシステムにアクセスした後に、UEは、アップリンクMAC CEメッセージ又はPUSCHを使用してTA値をgNBに送信することができる。詳細については、前述のTA関連のシグナリング長の設計方法を参照されたい。
前述の方法及び実施形態は、セルハンドオーバ(Cell handover)においてKoffsetを更新する方法を説明している。以下では、特定の通信シナリオにおけるシグナリングプロセスの例を使用する。
(1)ハンドオーバプロセスでは、RRCReconfigurationシグナリングが最初に測定され、次にソースgNBによってUEに送信される。セルレベル又はビームレベルKoffsetがRRCReconfigurationに存在することは、前述のシグナリングから知ることができる。従って、UEは、RRCReconfigurationを使用してターゲットセル/ビームのKoffset値を取得することができる。RACHlessハンドオーバ(RACHless handover)である場合に、ソースセルは、RRCReconfigurationシグナリングもUEに送信する。UEは、ターゲットセルのSIB 1を受信し、ターゲットセル/ビームのKoffsetも得ることができる。
(2)ハンドオーバの完了後に、UEは、Koffsetをセルレベルからビームレベルに更新することができる。あるいはまた、Koffsetは、UEがセルにランダムにアクセスした後にシグナリングプロセスと同じであるUEレベルに更新される。
衛星スイッチ(satellite switch)は、セルハンドオーバと同等であり得る。前述のハンドオーバシグナリングプロセスを参照されたい。
前述の方法及び実施形態は、ビームスイッチ(Beam switch)におけるKoffsetを更新する方法を説明している。以下は、特定の通信シナリオにおけるシグナリングプロセスの例を使用している。
ソースビーム及びターゲットビームが同じセルに属するときに、衛星はビームスイッチで切り替えないで、次にUEは、現在使用しているセルレベル又はUEレベルのKoffsetを使用し続けることができる。
UEが使用するKoffsetがビームレベルに関するものである場合に、2つのタイプの議論がある。
1. システムがビームレベルの初期Koffset解を使用する場合に、gNBは、ビーム固有のKoffsetを以下の2つのシグナリング方法で更新することができる。
(1)RRCシグナリングを使用して、例えば、RRCReconfigurationシグナリングを使用して、Koffset-listリストを更新する。UEは、UEが位置するビームに基づいて、対応するKoffset値を選択する、すなわち、使用中のKoffset値を更新する。
あるいはまた、UEは、ブロードキャスト信号で送信されたKoffsetグループ(例えば、Koffset-listメッセージ)に基づいて、対応するターゲットビームに使用されるKoffset値を選択する必要がある。
(2)gNBは、MAC CEシグナリングを使用して、ΔKoffset値、すなわちKoffset差をUEに送信することができる。メッセージを受信した後に、UEは、Koffset_new=Koffset_old+ΔKoffsetに基づいてKoffsetを更新する。例えば、前述の8ビット又は6ビットのシグナリングは、ΔKoffset値を表すために、MAC CEシグナリングを使用してUEに送信され得る。
2. システムがセルレベルの初期Koffset解を使用し、UEがビームレベルのKoffsetを使用してシステムにアクセスする場合に、gNBは、ビーム固有のKoffsetを以下の2つのシグナリング方法で更新することができる。
(1)ΔKoffsetは、RRCシグナリング、例えば、RRCシグナリングにおけるServingCellConfigシグナリングにおいて搬送される(例えば、Koffset-differenceシグナリングが使用される)。
(2)gNBは、MAC CEシグナリングを使用して、ΔKoffset値、すなわちKoffset差をUEに送信する。
ゲートウェイスイッチ(Gateway switch):
ソフトゲートウェイスイッチ(soft gateway switch)が発生すると、UEは、2つのゲートウェイ信号を同時に受信することができ、これはセルハンドオーバプロセスと同等であり得る。
ハードゲートウェイスイッチ(hard gateway switch)が発生すると、UEは同時に1つのゲートウェイ信号しか受信できず、UEはソースゲートウェイからターゲットゲートウェイに一時的に切り替わる。この場合に、フィーダリンクの部分的な遅延が変化する。gNBは、ターゲットゲートウェイで使用するKoffset、又はターゲットゲートウェイで使用するKoffsetと現在のKoffsetとの差、すなわちΔKoffsetをUEに送信することができる。
ビーム全体又はセル全体のUEがKoffset値を更新する必要があるため、RRCReconfigurationシグナリングを使用してΔKoffsetを搬送し、Koffsetを更新することができる。
あるいはまた、gNBは、MAC CEシグナリングを使用して、ターゲットゲートウェイのKoffset又はΔKoffsetをUEに送信する。
ΔKoffsetが送信される場合に、完全なKoffsetと同じビット数も必要とされ得る。例えば、いくつかの特別なシナリオでは、ネットワーク側が切替え前にアップリンク信号に対してタイミング補償を実行し、ネットワーク側が切替え後のアップリンク信号に対してタイミング補償を実行しない場合に、ΔKoffsetには完全な往復遅延を含める必要がある。この場合に、ΔKoffsetが必要とするビット数は、完全なKoffsetを指示するのに必要なビット数と同じである。プロトコルがこの特別なシナリオをサポートしていない場合に、ΔKoffsetを指示するために必要なビット数は、完全なKoffsetのビット数よりも少なく、こうしてシグナリングビットを減らすことができる。
UEが第2のタイミングオフセットを指示するために指標情報を送信する前述の方法では、UEは、TA相関値をgNBに送信する。以下では、例を使用して、UEが、UEが使用しているTA又はTA相関値を報告する方法について説明する。
UEは、UEが使用しているTA又はTA相関値を報告し、gNBは、UEのTA値を決定し、従って、UEが更新する必要があるKoffset値を決定する。詳細については、前述の説明:
を参照されたい。その結果、UEが使用しているTAを基地局に指示するためのいくつかの方法を以下に示す。
方法1:UEはTAレートを報告する。
UEがTA値を報告するためのシグナリングオーバーヘッドを減らすために、UEは、UEが使用しているTA変化率(TAレート)TA_R及びUEが使用しているTA値TA_VaをgNBに報告することができる。UEは、UEの位置、衛星の位置、速度方向、及び速度サイズ等の情報に基づく計算によってTA変化率を得ることができる。UEとgNBとの両方が、TA_R及びTA_Vaに基づいて、UEがその後に使用するTA値を計算し、次に、Koffset値を計算することができる。例えば、
であり、ここで、tはKoffsetを計算又は使用する瞬間を表し、t0はUEがTA_Va値を使用する瞬間を表す。その後、gNBがTA値を調整するためにTAC命令をUEに送信する場合に、Koffsetの計算式は、
に調整され得、ここで、TAC_acは、gNBがUEに送信するTAC命令の値累積を表す。例えば、gNBはTACをUEに2回送信し、2つのTAC調整の合計がTAC_acである。UEとgNBとの両方が前述の式に従ってKoffset値を計算し、Koffset値を最新のKoffset値に更新することに同意することができる。あるいはまた、gNBは、前述の式に従ってKoffset値を計算し、Koffset値を更新する必要がある場合に、gNBは、更新した最新のKoffset値、又は最新のKoffset値と元のKoffsetとの差をUEに示す。
方法2:TA差を報告する。
UEがTAを報告するためのシグナリングオーバーヘッドを減らすために、UEが使用しているTA値を報告する度に、UEは、使用しているTA値と以前に報告されたTA値との間の差、又は使用しているTA値とgNBが以前に指示したTA値との間の差をUEに報告することができ、それにより、TAを報告するのに必要な指示範囲及びシグナリングビットを減らすことができる。例えば、UEがgNBに報告するTA値はTA1であり、この場合に、UEが使用しているTA値はTA2である。この場合に、UEがgNBに報告するTA値はTA2-TA1である。UEが報告した(TA2-TA1)値を受信すると、gNBは、それをUEが前回報告したTA値TA1に加算して、UEが使用しているTA値TA2を得ることができる。
方法3:TA値を報告する
UEはTA値を定期的に報告し、gNBはTAをUEに定期的に報告するためのリソースを設定する。従って、UEは、基地局が設定したTAを報告するためのリソースに基づいて、UEが使用しているTAを報告することができる(報告方法については、前述の実施形態を参照されたい)。例えば、gNBは、RRCシグナリングでUEに対して、8秒のTA報告周期と、周期が8秒である時間ドメインリソース及び周波数ドメインリソースとを設定する。UEはリソースのTA値を定期的に報告する。
UEは半静的な方法でTA値を報告する。UEへのTA定期報告のリソースを設定することに加えて、gNBは、さらに、活性化又は非活性化(無効化)シグナリングをUEに送信し、TA定期報告機能を開始するかどうかをUEに指示する必要がある。例えば、gNBは、MAC CEを使用してTA定期報告機能を活性化又は非活性化することができる。活性化又は非活性化(無効化)されたシグナリングを受信した後に、UEは、TA値の定期的な報告を開始又は停止する。
UEはTA値を非定期的に報告する。gNBは、TA値をUEに報告するためのアップリンクリソースを設定し、トリガレポートTA値命令をUEに送信する。命令(又はシグナリング)を受信した後に、UEは使用中のTA値をgNBに報告する。例えば、gNBは、DCI命令を使用して、UEにTA値を報告するようにトリガすることができる。トリガ命令を受信した後に、UEはTA値を直ぐに報告するか、指定した期間後にTA値を報告する。具体的には、例えば、UEは、ダウンリンクスロットnでDCIトリガ命令を受信し、UEは、アップリンクスロットn+Mで、UEが使用しているTA値を報告することができる。Mはゼロ以外の整数であり、Mは、UEが使用するTA値、例えば、
又は
に関連しており、delta(デルタ)は、処理遅延gNBとUEとの間で合意されるか、又はgNBによってUEに設定される非負の整数変数である。
TA及びTA相関値を報告するための前述の方法は一緒に使用することができ、詳細については、ここでは再び説明しない。
本願のこの実施形態では、Koffsetは、ネットワーク側でアップリンクデータを受信するタイミングが、対応するダウンリンクデータを送信するタイミングよりも遅いという問題を解決することができる。例えば、図20に示されるように、gNBは、アップリンクスロットnで、MAC-CE命令(又はMAC CEシグナリング)を搬送するPDSCHに対応するアップリンクHARQ-ACKを受信する。MAC-CE命令はダウンリンク信号設定命令であり、UEは、ダウンリンクスロット
の後の最初のスロット、すなわちスロット
でダウンリンク構成が有効になると想定する。ここで、
は、サブキャリア間隔が2
μ*15KHzである場合にサブフレーム(subflame)に含まれるスロットの数量であり、Xは、プロトコルで指定されるか、又はX=3等のパラメータを使用して構成された非負の整数である。
例えば、PDSCHで搬送されるダウンリンク信号のMAC CE設定指示は、ダウンリンクZP CSI-RSのリソース設定であってもよく、既に非活性化(deactivation)されたダウンリンクZP CSI-RSのリソース設定であってもよい。別の例として、PDSCHで搬送される命令は、DCIドメインにおけるTCIステータスとコードポイント(送信設定指示)との間のマッピング関係であり得る。別の例では、PDSCHで搬送される命令は、活性化/非活性化の半静的CSI報告設定であってもよい。別の例では、PDSCHで搬送される命令は、活性化/非活性化のCSI-RS/CSI-IM構成であってもよい。
図20から、ネットワーク側又はgNBによって実行されるアップリンクデータのタイミング補償が
以上である場合に、UEが送信し、且つPDSCHで搬送される命令に関するものであり、ネットワーク側が受信したHARQ ACK/NACKが、ダウンリンク信号を設定する有効時間よりも早くない場合に、gNBは、UEが命令のためのPDSCH又はMAC CEを正しく復号化したかどうかをタイムリーに知ることができない、すなわち、MAC CEがダウンリンクデータに設定されている場合、ネットワーク側は、UEがフィードバックしたMAC CEのHARQ-ACK/NACKを受信しないことが分かり得る。UEがスロットnでHARQ ACKを送信した後に、命令がダウンリンクスロット
から有効になると考えられるため、これはUEとgNBとの両側で命令の有効時間の解釈を異ならせ、通信競合が発生する。本明細書で説明するアップリンクデータに対するネットワーク側又はgNBのタイミング補償値は、ネットワーク側又はgNBが、アップリンクデータを受信するときに補償値を遅延させるために受信ウィンドウを遅延させることを示す。
前述の問題を改善するために、ネットワーク側のアップリンクデータタイミング補償値に関連するKoffsetが導入され得る。UEは、ダウンリンク構成がスロット
で有効になると想定する。図21に示されるように、適切なKoffset値を使用した後に(ダウンリンク信号設定命令の有効時間が遅延され、gNBが対応するACKを受信した後のみ命令が有効になることを確実にするため、すなわち、Koffsetによって示された時間の長さが、アップリンクデータに関してネットワーク側のタイミング補償値によって示される時間の長さ以上である場合に)、ダウンリンク設定命令は、UEが送信したダウンリンク設定命令に対応するHARQ-ACKをgNBが受信した後に有効になり、UEとgNBとの両方がダウンリンク設定命令を同じダウンリンクスロットで有効にできるようにすることが分かり得る。
例えば、この実施形態におけるKoffsetは、以下の式を使用して得ることができる。
ここで、time_compensatedは、UEが送信したアップリンクデータを受信するためにネットワーク側によって使用されるタイミング補償値であり、単位は、秒、ミリ秒、マイクロ秒、スロット長、シンボル長、又は別の時間単位であってもよい。time_compensateはdelay_compensatedと同等である。gNBは、Koffset値をUEに送信することができる。このようにして、gNBとUEとの両方がKoffset値を取得し、Koffset値に基づいてダウンリンク信号設定命令の有効時間を決定することができる。
あるいはまた、gNBは、以下の式に従ってKoffsetをさらに計算することができる。
ここで、ΔKは、Koffset値を調整するためにプロトコルで合意した整数を表す(計算誤差又は/及び処理遅延が考慮される)。
あるいはまた、gNBは、
値及びΔK値をUEに送信することができ、gNBは、システムエラー又は/及び処理遅延に基づいてΔKを決定する。UE及びgNBは、以下の式Koffset_newに基づいて、使用すべきタイミングオフセット値を計算する。
Koffset_new=Koffset+ΔK
UEがKoffset及びΔKを受信した後に、gNBとUEとの両方が、Koffset_newに基づいてダウンリンク信号設定命令の有効時間を取得する。つまり、UEは、ダウンリンク設定がスロット
で有効になると想定する。
あるいはまた、gNBは、time_compensated値をUEに送信することができ、UE及びNBは、以下の式に従った計算によって、使用すべきKoffset値を取得することができる。
オプションで、Koffsetを計算しているときに、本願で与えられた式に基づいて固定値を加算/減算することができる。例えば、
等のタイミングオフセット値TA_offsetは、異なるデュプレックスモード(時分割デュプレックス(time-division
duplex, TDD)及び周波数分割デュプレックス(frequency-division duplex,
FDD))、又はネットワーク装置の位置/測位エラー等の影響を考慮して、計算される。FDDを使用する場合に、TA_offset=0であり、TDDを使用する場合に、TA_offset=624である。別の例として、
である。
あるいはまた、gNBは、time_compensated値及びΔK値をUEに送信することができ、UE及びgNBは、以下の式に従った計算によって、使用すべきKoffset値を取得することができる。
ここで、time_compensatedは、時間量であってもよく、又は量子化した時間量であってもよく、すなわち、time_compensatedの時間単位は、実際の使用状況に基づいて決定されてもよく、本明細書では限定されない。
あるいはまた、gNBは、time_compensated値及びΔtiming_offset値をUEに送信することができ、UE及びgNBは、以下の式に従った計算によって、使用すべきKoffset値を取得することができる。
ここで、Δtiming_offsetは、gNBによる処理遅延、及び計算誤差等を考慮して得たtime_compensatedの調整値である。調整値は、時間量であってもよく、又は量子化した時間量であってもよい。つまり、Δtiming_offsetの時間単位は、実際の使用状況に基づいて決定してもよい。
シグナリングオーバーヘッドを減らし、Koffset関連情報を送信するための情報ビット数を削減するために、gNBは、別の時間のtime-related(時間関連)量値に基づいてタイミングオフセットΔKoffsetを送信することができる(UEとgNBとの両方が、time_related量値、例えば、gNB及びUEが合意したtime_related量値、又はgNBがUEに送信したtime_related量値、又はUEがgNBに送信したtime_related量値を知っている)。UE及びgNBは、合意した式に従って、使用すべきKoffsetを計算によって取得する。
あるいはまた、Koffsetは、time_relatedパラメータを使用した計算、つまり、以下の式によって直接得られる。
あるいはまた、gNBは、別の時間に関連する量値に基づいて、時間差成分Δtiming(Δtimingは時間の長さの値である)を送信することができ、UE及びgNBは、合意した式、つまり以下の式に従って計算によって、使用すべきKoffset取得することができる。
あるいはまた、gNBは、別の時間に関連する量値に基づいてスケール係数S(Sは非負の数)を送信することができ、UE及びgNBは、合意した式、つまり以下の式に従って、使用すべきKoffsetを取得する。
あるいはまた、gNBは、ΔKoffset及び/又はΔtiming及び/又はSを一緒に送信することができる。UE及びgNBは、合意した式、例えば以下の式に従って、使用すべきKoffsetを取得する。
例えば、time_relatedパラメータは2H/c又は4H/cとすることができ、ここでHは衛星の軌道高度を表し(UEはネットワーク側が送信したエフェメリス情報から取得することができる)、cは光速を表す。
あるいはまた、time_relatedパラメータは、共通のタイミングアドバンス(common TA)量であり得る。共通のタイミングアドバンスは、ビーム又はセルのカバレッジエリア内の参照点を選択し(例えば、基地局に最も近い点が選択され得る)、衛星の参照点を計算することによって取得できる。あるいはまた、参照点、衛星、及び地上局の間の往復遅延の一般的なタイミングは、往復遅延に固定値をプラス/マイナスした値に等しいか、又は等しくなる(固定値は、衛星位置情報又は処理遅延の不正確さ、TAを使用する場合のUEの位置の高さの影響を考慮し、及び固定値は、期間に対して固定されるか、又は変更され得る)。参照ポイントは、サービスリンク上のポイント又はフィーダリンク上のポイントであり得る。異なる参照点位置に基づいて、送信されるcommonTA値は、正の値、負の値、又はゼロであり得るが、これは本明細書では限定されない。同様に、基地局は、参照点位置の座標をUEに送信することができ、UEは、衛星位置と参照点位置との間の往復遅延に基づく計算によって、共通のタイミングアドバンスを取得する。
あるいはまた、time_relatedパラメータは、タイマ時間長及び受信ウィンドウ時間長パラメータが、UE及びgNBの往復遅延、及び処理遅延等に関連するため、前述の方法及び実施形態における既存のタイマ又は受信ウィンドウパラメータ、及びそれらの複数の組合せであってもよい。さらに、gNBは、ブロードキャスト、又はユニキャスト等の方法で、これらのパラメータをUEに送信する。このようにして、UEとgNBとの両方がタイマ時間長及び受信ウィンドウ時間長を知っている。例えば、UEとgNBとの間で合意又は送信される往復遅延に関連するいくつかのタイマ時間長を、以下のようにtime_relatedパラメータとして使用又は形成することができる:
間欠受信ダウンリンク再送往復時間タイマ(drx-HARQ-RTT-TimerDL)の起動遅延時間(タイマオフセット)offset_of_drx-HARQ-RTT-TimerDL;
間欠受信アップリンク再送往復時間タイマ(drx-HARQ-RTT-TimerUL)の起動遅延時間(タイマオフセット)offset_of_drx-HARQ-RTT-TimerUL;
ランダムアクセス競合解決タイマ(ra-ContentionResolutionTimer)の起動遅延期間(タイマオフセット)offset_of_ra-ContentionResolutionTimer又はRCR_offset;
スケジューリング要求禁止タイマ(sr-ProhibitTimer)timer_sr-ProhibitTimer;
再構成タイマ(t-Reassembly)timer_t-Reassembly;
廃棄タイマ(discardTimer)timer_discardTimer;
受信RAR(ランダムアクセス応答、Random Access Response)信号受信ウィンドウ長(ra-ResponseWindow)timer_ra-ResponseWindow。
time_relatedパラメータは、前述のパラメータのうちの1つ又は複数を含み得る。例えば、time_relatedパラメータは、offset_of_drx-HARQ-RTT-TimerDLで表される時間長であり得る。gNBが送信したΔKoffsetをUEが受信した後に、gNBとUEとの両方が、以下の式に従った計算によって、使用すべきKoffsetを取得することができる。
同様に、gNBが送信したSをUEが受信した後に、gNBとUEとの両方が、以下の式に従った計算によって、使用すべきKoffsetを取得することができる。
別の例では、time_relatedパラメータは、offset_of_drx-HARQ-RTT-TimerDL及びtimer_t-Reassemblyによって表される時間の長さの合計であり得る。gNBが送信したΔKoffsetをUEが受信した後に、gNBとUEとの両方が、以下の式に従った計算によって、使用すべきKoffsetを取得することができる。
前述の導入によれば、「基地局が、RAR受信ウィンドウの期間をUEに通知する必要があるだけでなく、RAR受信ウィンドウの起動遅延期間もUEに通知する必要があるため、第1のタイミングオフセットは、代替的に、RAR受信ウィンドウの期間及びRAR受信ウィンドウの起動遅延期間に基づいて決定され得る」と理解され得るので、Koffsetは、RAR受信ウィンドウの期間と、RAR受信ウィンドウの起動遅延時間によって示される期間との合計に基づく計算、つまり、
によって取得され得ることが分かり得る。この方法は、本明細書でも適用可能である。また、上記式(10)又は(11)を使用してKoffsetを求める方法も本明細書に適用可能である。例えば、ΔKoffset_time又はΔKoffsetは0に等しくてもよく、もちろん、ΔKoffset_tim又はΔKoffsetは0に等しくなくてもよく、これは本明細書では限定されない。
前述の導入によれば、「基地局が、ランダムアクセス競合解決タイマの期間をUEに通知する必要があるだけでなく、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間もUEに通知する必要があるため、第1のタイミングオフセットは、代替的に、ランダムアクセス競合解決タイマの期間と、ランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間とに基づいて決定され得る」と理解され得るので、Koffsetは、ランダムアクセス競合解決タイマの期間とランダムアクセス競合解決タイマの起動遅延期間との合計に基づく計算、つまり、
により取得され得ることが分かり得る。この方法は本明細書でも適用できる。また、上記式(20)又は(21)を使用してKoffsetを求める方法も本明細書に適用可能である。
Koffsetを取得するための異なる解は、前述の方法、ならびに実施形態における式、パラメータ、及び方法を使用して取得され得る。詳細については、ここでは再び説明しない。
シグナリングオーバーヘッドを減らし、Koffsetに関連する情報を送信するための情報のビット数を削減するために、Koffsetは、UEに送信された情報を使用して取得され得、gNB及びUEは、Koffsetを計算するための式に同意する。ネットワーク側のアップリンク補償値、UE側で使用されるTA値、及びUEとgNBとの間の往復遅延の関係は、以下の式を使用して記述することができる。
time_compensated=RTD(UE, gNB)-TA_related
TA_relatedパラメータは、UEが使用するTA値に関するパラメータを表す。例えば、TA_relatedは、UEが使用するTA値に等しくてもよい。RTD(UE, gNB)は、UEとgNBとの間の往復遅延、又はUEと衛星との間の往復遅延である。例えば、前述のパラメータRCR_offsetは、gNBと、UEが位置するビーム/セルとの間の最小往復遅延に関連する。RCR_offsetによって表される時間長は、RTD(UE, gNB)の代わりに前述の式に代入されて、time_compensated値を取得することができ、Koffsetは、前述の式、例えば、式
を使用して計算される。あるいはまた、TA_related、UEによって使用され、且つアップリンクスケジューリング遅延に関連するタイミングオフセットscheduling_offsetであり得る。UEがスロットnでアップリンクスケジューリング命令を受信すると、UEは、スロットn+K2+scheduling_offsetでアップリンクデータを送信する。この場合に、scheduling_offsetによって表される時間の長さは、TA_relatedを置き換えることができ、前述の式に代入されて、time_compensated値を取得する。また、Koffsetは、上式を使用して、例えば、上式
を使用して計算により求める。RTD(UE, gNB)に関連付けられた量子化値(量子化にslot_durationを使用)及びTA_relatedに関連付けられた量子化値(量子化にslot_durationを使用)を上記の式に代入すると、このとき得られるtime_compensatedもslot_durationに基づく量子化値であるので、Koffset値を直接取得することができる。
本願の実施形態における各パラメータ(Koffset、Δ、time_compensated、Δtiming_offset、Δtiming、及びSを含む)は、システム情報ブロック(system information block, SIB)1、他のシステム情報(other
system information, OSI)、又はマスターシステム情報ブロック(master
information block, MIB)等を含む少なくとも1つのブロードキャスト情報パラメータを使用して、ブロードキャスト方式でネットワーク装置によって端末に送信され得ることが理解されよう。代替的に、ユニキャスト又はマルチキャストを介してパラメータを端末に送信することもできる。パラメータが無線リソース制御(radio resorce control, RRC)接続フェーズで送信される場合に、ネットワーク装置は、RRC情報、RRCReconfigurationメッセージ、ダウンリンク制御情報(downlink
control information, DCI)、グループDCI、メディアアクセス制御(media
access control, MAC)制御要素(control elemet, CE)、又はタイミングアドバンスコマンド(timing advance command, TAC)のうちの少なくとも1つで情報を搬送又は示すことができ、又は情報は、データ送信又は個別に割り当てられたPDSCHでUEに送信される。
前述の実施形態で説明したように、UEが最新のタイミングオフセット、すなわち第2のタイミングオフセットを取得した後に、UEは、基地局によってスケジューリングされるデータ情報、又は制御チャネル情報等を、第2のタイミングオフセットが有効になった後に第2のタイミングオフセットを使用して基地局に送信することができる。前述の3つの方法において、例えば、方法1において、K
1は、DCIにおけるPDSCH-to-HARQ-timing-indicator命令インデックステーブル(dl-DataToUL-ACKシグナリングを使用して送信されるテーブル)を使用して得られる値である。方法2において、K
2=0,…,32であり、DCI命令はK
2の値を示す。PUSCHサブキャリア間隔=
であり、及びPDCCHサブキャリア間隔=
である。方法3において、SRS信号のサブキャリア間隔が
に等しく、μ
SRS=0のときに、SRS信号のサブキャリア間隔は15KHzである。k値は、SRSリソースグループの上位層パラメータスロットオフセット(slotOffset)をトリガする度に設定される。
前述の3つの方法に加えて、本願の実施形態は、以下に示されるように、いくつかの方法をさらに提供する。
(1)DCIによってスケジューリングしたPUSCH送信タイミング
UEがダウンリンクスロットnでアップリンク・グラント/スケジュール情報を受信する場合に、UEのPUSCHデータを、アップリンクスロット
で送信する必要がある。ここで、K
2=0,…,32である。DCI命令はK
2の値を示す。μ
PUSCH及びμ
PDCCHは、PUSCHとPDCCHとの間のサブキャリア間隔に関連し、すなわち、PUSCHサブキャリア間隔=
であり、及びPDCCHサブキャリア間隔=
である。
DCIに加えて、別の方法、設定グラント(configured grant)でPUSCHをスケジュールすることもできる。このスケジューリング方法では、Koffsetを使用する必要があり、本発明におけるKoffsetを自動的に更新する解を使用することができる。
(2)RAR grantによってスケジューリングしたPUSCH送信タイミング
UEは、RARメッセージを搬送するPDSCHデータをダウンリンクスロットnで受信する。UEは、ランダムアクセスメッセージ3(Msg3)をアップリンクPUSCHスロットn+K2+Δ+Koffsetで送信する必要がある。ここで、Δはプロトコルによって指定される値である。
(3)CSIを搬送するPUSCH送信タイミング
UEが、ダウンリンクスロットnで、チャネル状態情報(channel state information, CSI)によって要求されたDCIを受信すると、UEは、アップリンクPUSCHのスロットn+K+KoffsetでCSIを送信する必要がある。K値は、DCI命令によって指示される。
(4)CSI参照リソースのタイミング
UEがアップリンクスロットn’でCSIレポートを送信する必要がある場合に、ダウンリンクスロットn-n
CSI_ref-KoffsetでCSI参照リソースをUEに送信する必要がある。ここで、
nCSI_refは、CSIレポートタイプに関連する値であり、プロトコルを使用して合意される。μ
DL及びμ
ULは、アップリンクとダウンリンクのサブキャリア間隔に関連し、つまり、ダウンリンクのサブキャリア間隔=
及びアップリンクのサブキャリア間隔=
である。
(5)MAC CE有効タイミング
gNBは、アップリンクスロットnで、MAC-CE命令を搬送するPDSCHに対応するアップリンクHARQ-ACKを受信する。ここで、MAC-CE命令はダウンリンク信号の構成であり、UEは、ダウンリンク構成のMAC-CE命令が、ダウンリンクスロット
の後の最初のスロットで有効になると想定する。ここで、
は、サブキャリア間隔が2
μ*15KHzである場合のサブフレーム(subflame)に含まれるスロットの数であり、Xは、プロトコルで指定される又はパラメータを使用して設定される非負の整数である。例えば、PDSCHで搬送されるダウンリンク信号のMAC CE設定指示は、ダウンリンクZP CSI-RSのリソース設定、又は既に非活性化(deactivation)されたダウンリンクZP CSI-RSのリソース設定であってもよい。
gNBは、アップリンクスロットnで、命令を搬送するPDSCHに対応するアップリンクHARQ-ACKを受信する。ここで、命令はアップリンク信号の設定であり、UEは、アップリンク設定の命令が、アップリンクスロット
の後の最初のスロットで有効になると想定する。ここで、
は、サブキャリア間隔が2
μ*15KHzである場合のサブフレーム(subflame)に含まれるスロットの数であり、Xは、プロトコルで指定される又はパラメータを使用して設定される非負の整数である。例えば、PDSCHで搬送される命令は、活性化/非活性化SRSリソース設定であってもよい。
前述の実施形態において、初期タイミングオフセットの表現はまた、第1のタイミングオフセット、Koffset1、Koffset1等によって表され得ることが理解されよう。Koffset及びKoffsetは同じパラメータとして理解され得、time_duration及びslot_durationは同じパラメータとして理解され得、ΔKoffset及びΔKも同じパラメータとして理解され得る。さらに、前述の実施形態において、Koffset又はタイミングオフセットは、初期タイミングオフセット、又は更新したタイミングオフセット等として理解され得る。具体的には、初期タイミングオフセット又は更新したタイミングオフセットは、特定の実施形態の特定のケースに基づいて決定され得る。前述のMax_RTD_beamは、基地局と、UEが位置するビームカバレッジエリアとの間の最大往復遅延として理解され得る。
タイミングオフセットを更新し、タイミングオフセットを使用する前述の示される実行シーケンスは、本願のこの実施形態に限定されないことが理解されよう。例えば、タイミングオフセットを更新するために使用されるメッセージを送信するときに、UE又はネットワーク装置は、タイミングオフセットに基づいてタイミングオフセットを更新するために使用されるメッセージを送信しなくてもよい。別の例では、UE又はネットワーク装置がタイミングオフセットに基づいてメッセージを送信するときに、メッセージは、更新したタイミングオフセットを指示するために使用される情報を含まなくてもよい。図10aを例として使用する。例えば、UEが第2のタイミングオフセットに基づいてアップリンクメッセージを基地局に送信するときに、アップリンクメッセージは更新した第2のタイミングオフセットを含まなくてもよい。
前述の方法及び実施形態は、4ステップランダムアクセス及び2ステップのランダムアクセスを例として使用して説明していることが理解されよう。タイミングオフセットを取得して更新する方法等の前述の方法は、ランダムアクセスステップで使用されることに限定されず、通信の任意の段階で使用され得る。例えば、本願で説明した第2のメッセージ及び第3のメッセージは、ダウンリンクメッセージ及びアップリンクメッセージに置き換えることができる。
ある実施形態において説明していない実施態様については、別の実施形態等を参照し、詳細についてはここでは再び説明しないことが理解されよう。