JP7487623B2 - 過電流スイッチ及びこの過電流スイッチを備えた回路遮断器 - Google Patents

過電流スイッチ及びこの過電流スイッチを備えた回路遮断器 Download PDF

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Description

本発明は、過電流スイッチ及びこの過電流スイッチを備えた回路遮断器に関する。
配線用遮断器や漏電遮断器などの回路遮断器は、操作ハンドルのON/OFF操作で電流路に配置した接触子の開閉動作を行う開閉機構部を備えているとともに、電流路に過電流(過負荷電流)が流れた際に、接触子が開状態となるように開閉機構部を連動させる感温動作機構部と、電流路に短絡電流、瞬時動作電流が流れた際に、接触子が開状態となるように開閉機構部を連動させる磁力による過電流スイッチを有している。
過電流スイッチとして、例えば特許文献1、2の回路遮断器に組み込まれているものが知られている。
例えば特許文献1の回路遮断器は、熱動-電磁式の感温動作機構部を備えており、電流路に過負荷電流が流れると、バイメタルが過負荷電流で発生するジュール熱で湾曲してトリップレバーが回動し、開閉機構部の開動作を行う(長限時動作)。また、電流路に短絡電流、瞬時動作電流が流れると、電磁石のアーマチュアが固定鉄心側に瞬時に移動してトリップレバーが回動し、開閉機構部の開動作を行う(瞬時動作)。
また、例えば特許文献2の回路遮断器における完全電磁式の感温動作機構部は、非磁性のパイプ状のポットに、可動鉄心、制動油、制動スプリングが封入されて固定鉄心で封印された、オイルダッシュポットが使用されている。そして、過負荷電流が流れると、可動鉄心が制動スプリングに打ち勝って固定鉄心に接近し、電磁石の電磁力が増大し、トリップレバーに連動するアーマチュアが固定鉄心に吸引され、トリップレバーが回動して開閉機構部の開動作を行う(長限時動作)。また、短絡電流が流れると、電磁石の電磁力がさらに増大することでアーマチュアが瞬時に固定鉄心に吸引され、トリップレバーが瞬時に回動して開閉機構部の開動作を行う(瞬時動作)。
特開2008-210742号公報 特開2010-176906号公報
しかし、特許文献1で示した熱動-電磁式の感温動作機構部は、長限時動作におけるバイメタルの動作温度がバイメタルのバラツキ、取り付け状態により、外乱温度の影響を受けやすく動作温度を調整する上で時間と労力を要するという問題がある。
また、特許文献2で示した完全電磁式の過電流スイッチのオイルダッシュポットは、動作温度設定のために材質、材料サイズ、組立精度を綿密に設計し組立精度で補正する必要があった。そのため、回路遮断器の内部に感温動作機構部のオイルダッシュポットを高精度に組み立てなければならず、調整に時間と労力を要するという問題がある。
そこで、本発明は上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、組み立て調整に時間及び労力の削減を図ることができる過電流スイッチ及びこの過電流スイッチを備えた回路遮断器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る過電流スイッチは、電流路に接触子が配置され、電流路の電流を検知し過電流が流れた際に、開閉機構部を介して接触子を開状態とする過電流スイッチであって、電流路に接続されたヒータと、ヒータに加熱される感温動作機構部品と、を備え、ヒータは、感温動作機構部品の外周に配置されるコイル状のヒータであり、感温動作機構部品は、感温フェライトが内蔵されており、電流路の過負荷電流によるコイル状のヒータの発熱により感温フェライトがキュリー温度に達したときに非磁性体に変化して長限時動作を開閉機構部に伝達するとともに、電流路の短絡電流、或いは瞬時動作電流によりコイル状のヒータに発生する誘導磁界が前記感温動作機構部品の内部に作用して磁気飽和状態となることで、瞬時動作を前記開閉機構部に伝達して前記接触子を開状態とする。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、上述した過電流スイッチを備えている。
本発明に係る過電流スイッチ及びこの過電流スイッチを備えた回路遮断器によると、製造上の組み立て調整に時間及び労力の削減を図ることができる。
本発明に係る第1実施形態の過電流スイッチを備えた回路遮断器を示す1極部分の断面図である。 本発明に係る第1実施形態の過電流スイッチを備えた回路遮断器の3極品の斜視図である。 第1実施形態の過電流スイッチのコイル状のヒータに定格電流が流れ、感温動作機構部品が初期状態であることを示す図である。 第1実施形態の過電流スイッチのコイル状のヒータに過負荷電流、短限動作電流、瞬時動作電流のいずれかが流れ、感温動作機構部品が動作状態であることを示す図である。 時延時間を調整することが可能な感温動作機構部品を備えた第1実施形態の過電流スイッチを示す図である。 第2実施形態の過電流スイッチのコイル状のヒータに定格電流が流れ、感温動作機構部品が初期状態であることを示す図である。 第2実施形態の過電流スイッチのコイル状のヒータに過負荷電流、短限動作電流、瞬時動作電流のいずれかが流れ、感温動作機構部品が動作状態であることを示す図である。 ヒータが平板形状である第3実施形態の感温動作機構部品の初期状態を示す図である。 第3実施形態の感温動作機構部品が動作状態であることを示す図である。
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態]
先ず、図1から図4を参照して本発明に係る第1実施形態を説明する。
図1は、回路遮断器1の断面図を示しており、モールド樹脂製のユニットケース2内に、固定接触子3、可動接触子4、消弧装置(不図示)、感温動作機構部品5、トリップ機構部6、及び開閉機構部7を備えている。また、図2は、図1の断面構造が3極の回路遮断器1の斜視図である。
図1に示すように、固定接触子3は電源側端子8に接続され、一側面に固定接点3aを備えている。
負荷側端子11は、後述する感温動作機構部品5の円筒状ケース16の外周に配置されているコイル状のヒータ10の一端に接続され、コイル状のヒータ10の他端は、負荷側導電部材9に接続されている。負荷側導電部材9は、導通線(不図示)により、可動接触子4と繋がっている。可動接触子4は、固定接点3aに接触する可動接点4aを備えている。
開閉機構部7は、可動接触子4の可動接点4aを固定接触子3の固定接点3aから開極動作し、或いは可動接点4aを固定接点3aに閉極動作をさせるものである。開閉機構部7は、図1においてハンドル12が実線位置のオン位置のときに、可動接触子4の可動接点4aを固定接触子3の固定接点3aに閉極動作させ、電源側端子8と負荷側端子11との間を通電状態にする。また、開閉機構部7は、ハンドル12をオン位置から2点鎖線で示すオフ位置に移動させると、可動接触子4の可動接点4aを固定接触子3の固定接点3aから開極動作させ、電源側端子8と負荷側端子11との間を非通電状態にする。また、開閉機構部7は、トリップ機構部6からトリップ動作が伝達されると、可動接触子4の可動接点4aを固定接触子3の固定接点3aから開極動作させ、電源側端子8と負荷側端子11との間を非通電状態とする。
トリップ機構部6は、感温動作機構部品5の揺動によりプランジャ動作伝達部品13が動作したときに、開閉機構部7にトリップ動作を伝達する。そして、感温動作機構部品5と、トリップ機構部6と、コイル状のヒータ10と、プランジャ動作伝達部品13とで、本発明に係る過電流スイッチ14が構成されている。
感温動作機構部品5は、図3に示すように、円筒状ケース16の内部に配置された磁石固定台17、永久磁石18、感温フェライト19、プランジャ20及びコイルスプリング21を備えている。
円筒状ケース16は、長手方向の一端に開口部が形成され、長手方向の他端にプランジャ20の通る貫通孔16bが形成されている。
磁石固定台17は、円筒状ケース16の長手方向の一端の開口部に磁石固定台17、永久磁石18と共に磁気吸着もしくは接着により固定され、円筒状ケース16の内部の一端側に固定されている。
感温フェライト19は、永久磁石18に隣接して円筒状ケース16の内部に長手方向に移動自在に配置されている。この感温フェライト19は、キュリー温度を下回る温度の場合は、軟磁性体であり、キュリー温度以上で加熱されると非磁性体に変化する特性を有するフェライト系磁性材料である。
感温フェライト19のキュリー温度は、コイル状のヒータ10に過負荷電流(例えば、定格電流の200%A以上)が流れて発熱した際に熱伝導により感温フェライト19が、感温動作機構部品5が動作する際の感温フェライト19の温度に設定されている。
プランジャ20は、感温フェライト19に固定され円筒状ケース16の内部に長手方向に移動自在に配置されている。
コイルスプリング21は、感温フェライト19が軟磁性状態のときに、永久磁石18により磁性吸引を受け縮まっている。
コイルスプリング21は、感温フェライト19がコイル状のヒータ10による熱を受け非磁性状態となった時に、永久磁石18による磁性吸引の影響を受けなくなり、伸びた状態となる。
プランジャ動作伝達部品13は支点13aを有し、トリップ機構部6に、感温フェライト19の軟磁性状態、非磁性状態によるコイルスプリング21の伸縮を伝達している。
次に、本実施形態の過電流スイッチ14及び回路遮断器1の動作について、図1から図4を参照して説明する。
回路遮断器1は、ハンドル12をオン位置(図1の実線位置)として開閉機構部7が可動接触子4の可動接点4a及び固定接触子3の固定接点3aを閉極動作し、電源側端子8と負荷側端子11との間の通電路に定格電流が流れて通電状態としているものとする。
このとき、感温動作機構部品5の感温フェライト19は、定格電流が流れているコイル状のヒータ10からキュリー温度を下回る温度が熱伝導されているので軟磁性体となっている。このため、感温動作機構部品5の初期状態は、図3に示すように、永久磁石18により軟磁性体の状態の感温フェライト19が磁気吸着されている。感温フェライト19に固定されているプランジャ20はプランジャ動作伝達部品13を回動させず、プランジャ動作伝達部品13を介してトリップ機構部6にコイルスプリング21の力を伝えていない。
電源側端子8と負荷側端子11との間の通電路に過負荷電流(長限時動作電流)が流れると、コイル状のヒータ10からキュリー温度を上回る温度が熱伝導されるので感温フェライト19は、非磁性体と変化する。感温動作機構部品5の全部品の熱容量があるため感温フェライト19がキュリー温度に到達する迄に時延時間を持っている。この時延時間は、長限時動作と同一で、通電路に過負荷電流(長限時動作電流)が流れ、感温動作機構部品5の熱容量の設定による長限時動作の時間が設定可能となる。
プランジャ20には、非磁性体に変化した感温フェライト19により永久磁石18との磁気吸着が解除されたコイルスプリング21の伸びる力が作用して永久磁石18から離間する方向に移動する(感温動作機構部品5の揺動)。同時に、プランジャ20はプランジャ動作伝達部品13を支点13a回りに回動させるので、トリップ機構部6に感温動作機構部品5の揺動動作が伝達される。
トリップ機構部6は、感温動作機構部品5の揺動がプランジャ動作伝達部品13を介して伝達される事により開閉機構部7の可動接触子4の可動接点4aを固定接触子3の固定接点3aから開極動作させる(長限時動作)。これにより、回路遮断器1は、電源側端子8と負荷側端子11との間が非通電状態のトリップ状態となる。
電源側端子8と負荷側端子11との間の通電路に短絡電流(短限動作電流、瞬時動作電流)が流れた場合、熱伝導による動作では、早い動作が見込めない、感温動作機構部品5は、コイル状のヒータ10から発生する磁界を使用し動作する。短絡電流とコイル状のヒータ10により大きな磁界が発生し、軟磁性体である感温フェライト19が磁性反転を行う。
磁性反転をしている感温フェライト19は、永久磁石18との磁気吸着が低下するため、コイルスプリング21の伸びる力が作用して永久磁石18から離間する方向に移動する。同時に、プランジャ20はプランジャ動作伝達部品13を支点13a回りに回動させるので、トリップ機構部6に感温動作機構部品5の揺動動作が伝達される。
トリップ機構部6は、動作が伝達されたことにより開閉機構部7の可動接触子4の可動接点4aを固定接触子3の固定接点3aから開極動作させる(短限動作電流、瞬時動作)。これにより、回路遮断器1は、電源側端子8と負荷側端子11との間が非通電状態のトリップ状態となる。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の感温動作機構部品5に組み込まれている感温フェライト19は、-10~130℃までの分解能1℃±3℃の精度で作ることが可能で、従来の熱動式の過電流スイッチで使用していたバイメタルの動作温度と比較して、動作温度設定が容易である。長限時動作の時間設定に於いても、バイメタル品は、他の部品への熱伝導漏れがあったが、感温動作機構部品5は、熱伝導漏れが少なく、部品全体の熱容量に依存するため長限時動作の時延時間の設定も容易である。
また、本実施形態の過電流スイッチ14は、従来の完全電磁式の過電流スイッチで使用していたオイルダッシュポット付き電磁石のように高精度に組み立てる必要がないので、回路遮断器1の組み立て調整に時間及び労力の削減を図ることができる。
また、本実施形態の感温動作機構部品5の時延時間は、コイル状のヒータ10の発熱量と、円筒状ケース16、磁石固定台17の厚みや大きさを変更して熱容量を変更するだけで、自由に調整することができる。
図5に示すものは、図3及び図4で示した感温動作機構部品5の時延時間を調整することができる第1実施形態を示すものである。
図5は、感温動作機構部品5の上部側の外周が、筒形状の熱容量調整キャップ23で覆われている。
感温動作機構部品5の上方には、ユニットケース2の内部に設けたキャップ支持部24が配置されている。このキャップ支持部24に、調整ねじBがねじ込まれているとともに、調整ねじBの下端が熱容量調整キャップ23の頂部23aに固定されている。
調整ねじBのねじ込み量を変化させると、感温動作機構部品5の熱容量が熱容量調整キャップ23により増減し、コイル状のヒータ10から感温フェライト19への熱伝達率が変わり、時延時間である長限時動作の時間の調整が可能となる。
なお、第1実施形態の感温フェライト19と永久磁石18の上下位置を入れ替えても動作が可能である。
[第2実施形態]
次に、図6及び図7は、第2実施形態の過電流スイッチ51を示すものである。
第2実施形態の過電流スイッチ51は、感温動作機構部品53と、トリップ機構部6と、コイル状のヒータ54と、プランジャ動作伝達部品13とで構成されている。
感温動作機構部品53は、磁性材料による円柱状ケース62、磁石固定部材56、永久磁石57、磁気ヨーク58、感温フェライト59、プランジャ60、及びコイルスプリング61を備え、円柱状ケース62の外周にコイル状のヒータ54が巻かれて配置されている。
円柱状ケース62は、長手方向の両端が開口している磁性材料で中心に貫通孔63bが形成されている。
磁石固定部材56は磁性材料で、永久磁石57、円柱状ケース62、磁気ヨーク58と合わせ他端の開口を閉塞して固定されている。
プランジャ60は、感温フェライト59に固定されており感温動作機構部品53の内部に長手方向に移動自在に配置され貫通孔63bに挿通しているプランジャ接触子60aを備えている。
コイルスプリング61は、感温フェライト59に対して永久磁石57から離間する方向に押し付け力を付与している。
次に、本実施形態の過電流スイッチ51を備えた回路遮断器1の動作について説明する。
感温動作機構部品53の感温フェライト59は、電源側端子8と負荷側端子11との間の通電路に定格電流が流れているときは、定格電流が流れているコイル状のヒータ54からキュリー温度を下回る温度が熱伝導されているので軟磁性体となっており、永久磁石57から円柱状ケース62を経由した磁力と永久磁石57から磁気ヨーク58を経由した磁力により図6の位置に感温フェライト59が位置する定格電流通電時の状態である。
感温動作機構部品53の定格電流通電時は、プランジャ60が円柱状ケース62の内部に収納されている。
これにより、感温動作機構部品53の初期状態では、永久磁石57、磁石固定部材56、円柱状ケース62、感温フェライト59、磁気ヨーク58を通過する磁界Mにより位置が維持されている。
ここで、電源側端子8と負荷側端子11との間の通電路に過負荷電流が流れると、コイル状のヒータ54で発生した熱が感温動作機構部品53を介して感温フェライト59に伝達され、感温フェライト59は、キュリー温度まで所定の時延時間で加熱されて非磁性体に変化する。
当該感温動作機構部品53は、図7に示すように、非磁性体に変化した感温フェライト59は磁気吸着が無くなり、コイルスプリング61の伸びる力が作用して永久磁石57による磁界Mから離間する方向に移動する。同時に、プランジャ60が感温フェライト59とともに移動し、プランジャ接触子60aが貫通孔63bを通過して外部に突出する。
コイル状のヒータ54に過負荷電流が流れることで感温動作機構部品53が機械的に動作し、プランジャ動作伝達部品13が支点13a回りに回動することでトリップ機構部6が動作し、開閉機構部7は可動接触子4の可動接点4aを固定接触子3の固定接点3aから開極動作させる(長限時動作)。
電源側端子8と負荷側端子11との間の通電路に短絡電流(短限動作電流、瞬時動作電流)が流れた場合、熱伝導による動作では、早い動作が見込めないため、感温動作機構部品53は、コイル状のヒータ10から発生する磁界を使用し動作する。短絡電流とコイル状のヒータ10により大きな磁界が発生し、円柱状ケース62、磁気ヨーク58が磁気飽和状態となる。
磁気ヨーク58が磁気飽和状態となったため磁界Mを維持することができなくなり、吸着が低下してコイルスプリング21の伸びる力が作用して永久磁石57から離間する方向に移動し同時に、プランジャ60が、プランジャ動作伝達部品13が支点13a回りに回動することでトリップ機構部6に力を伝える。感温フェライト59も、コイル状のヒータ10から発生する磁界により、磁界Mから離間する方向に磁化される。
トリップ機構部6は、動作が伝達された事により開閉機構部7の可動接触子4の可動接点4aを固定接触子3の固定接点3aから開極動作させる(短限動作電流、瞬時動作)。これにより、回路遮断器1は、電源側端子8と負荷側端子11との間が非通電状態のトリップ状態となる。
第2実施形態の過電流スイッチ51では、コイル状のヒータ54に短絡電流(短限動作電流、瞬時動作電流)が流れてコイル状のヒータ54の周囲に発生する誘導磁界が、感温動作機構部品53の初期状態で磁気吸着している磁界Mを断つことで瞬時引外し動作が行われるので、瞬時引外し動作の装置構成の簡便化を図ることができる。
第2実施形態の過電流スイッチ51の時延時間は、コイル状のヒータ54の発熱量や、
磁石固定部材56、円柱状ケース62の厚みや大きさを変更して熱容量を変更するだけで、自由に調整することができる。
さらに、瞬時引外し動作の動作感度は、円柱状ケース62、磁気ヨーク58の体積、感温フェライト59及びプランジャ60を磁性材や、非磁性材にする事で容易に調整することができる。
[第3実施形態]
次に、図8及び図9に示すものは、平板状ヒータ27を使用した第3実施形態の感温動作機構部品25を示すものである。本実施形態の感温動作機構部品25は、第1実施形態の感温動作機構部品5の円筒状ケース16から平板状のケース伝熱部28が外方に延在しているが、感温動作機構部品25の他の内部構造は、第1実施形態の感温動作機構部品5と同一構造である。なお、感温動作機構部品25の内部構造を、第2実施形態の感温動作機構部品53と同一構造にしてもよい。
平板状ヒータ27は、ケース伝熱部28が面接触して固定される平坦な面接触部27aと、負荷側導電部材9に接続されている第1接続部27bと、負荷側端子11に接続されている第2接続部27cと、を備えている。
本実施形態の感温動作機構部品25は、平板状ヒータ27を使用して長限時動作のみを行うものであり、平板状ヒータ27の発熱量を調整する事により、長限時動作の時間の調整が可能となる。なお、短限動作、瞬時動作を付加するためには、従来の過電流スイッチに搭載されている、アーマチュアと呼ばれる、短限動作、瞬時動作に必要な構造が必要となる。
本実施形態の感温動作機構部品25は、従来のバイメタルを使用した熱動-電磁式の過電流スイッチ(例えば特開2008-210742号公報)のバイメタルに替えて使用することができる。すなわち、本実施形態の感温動作機構部品25の平板状ヒータ27を電流路の間に配置し、従来装置ではトリップレバーに連動するバイメタルに替えて、プランジャ20(プランジャ接触子20b)をトリップレバーに近接して配置する。そして、電流路に過負荷電流が流れるときに、プランジャ20がトリップレバーを回動して長限時動作を行うようにし、電流路に短絡電流が流れるときには、従来装置と同様に、電磁石のアーマチュアが固定鉄心側に瞬時に移動してトリップレバーが回動して瞬時引外し動作を行うようにしてもよい。
1 回路遮断器
2 ユニットケース
3 固定接触子
3a 固定接点
4 可動接触子
4a 可動接点
5 感温動作機構部品
6 トリップ機構部
7 開閉機構部
8 電源側端子
9 負荷側導電部材
10 コイル状のヒータ
11 負荷側端子
12 ハンドル
13 プランジャ動作伝達部品
13a 支点
14 過電流スイッチ
16 円筒状ケース
16b 貫通孔
17 磁石固定台
18 永久磁石
19 感温フェライト
20 プランジャ
20b プランジャ接触子
21 コイルスプリング
23 熱容量調整キャップ
23a 熱容量調整キャップの頂部
24 キャップ支持部
25 感温動作機構部品
27 平板状ヒータ
27a 面接触部
27b 第1接続部
27c 第2接続部
28 ケース伝熱部
51 過電流スイッチ
51 過電流スイッチ
53 感温動作機構部品
54 コイル状のヒータ
56 磁石固定部材
57 永久磁石
58 磁気ヨーク
59 感温フェライト
60 プランジャ
60a プランジャ接触子
61 コイルスプリング
62 円柱状ケース
63b 貫通孔
M 磁界

Claims (7)

  1. 電流路に接触子が配置され、前記電流路の電流を検知し過電流が流れた際に、開閉機構部を介して前記接触子を開状態とする過電流スイッチであって、
    前記電流路に接続されたヒータと、当該ヒータに加熱される感温動作機構部品と、を備え、
    前記ヒータは、前記感温動作機構部品の外周に配置されるコイル状のヒータであり、
    前記感温動作機構部品は、感温フェライトが内蔵されており、前記電流路の過負荷電流による前記コイル状のヒータの発熱により前記感温フェライトがキュリー温度に達したときに非磁性体に変化して長限時動作を前記開閉機構部に伝達するとともに、前記電流路の短絡電流、或いは瞬時動作電流により前記コイル状のヒータに発生する誘導磁界が前記感温動作機構部品の内部に作用して磁気飽和状態となることで、瞬時動作を前記開閉機構部に伝達して前記接触子を開状態とすることを特徴とする過電流スイッチ。
  2. 前記感温動作機構部品は、前記感温フェライトを内蔵する部品の熱容量と、前記感温フェライトに到達する前記コイル状のヒータによるキュリー温度に到達するまでの熱伝導時間とを調節することで、前記長限時動作の時間を調整することができることを特徴とする請求項1記載の過電流スイッチ。
  3. 前記感温動作機構部品は、ケース内に、永久磁石と、プランジャと、前記永久磁石及び前記プランジャの間に配置され、磁性体として前記永久磁石に磁気吸着している前記感温フェライトと、前記プランジャの移動方向に押圧している弾性部材と、が配置されており、
    前記コイル状のヒータに過電流が流れて前記感温フェライトが非磁性体に変化したときに、前記感温フェライトに固定された前記プランジャが、前記弾性部材の押圧により移動して長限時動作を前記開閉機構部に伝達することを特徴とする請求項1又は2に記載の過電流スイッチ。
  4. 前記感温動作機構部品は、ケース内に、永久磁石、磁気ヨーク、前記感温フェライト及びプランジャの順で直列に配置されているとともに、前記プランジャの移動方向に押圧している弾性部材が配置されており、
    前記コイル状のヒータに過電流が流れて前記感温フェライトが非磁性体に変化したときに、前記感温フェライトに固定された前記プランジャが、前記弾性部材の押圧により移動して長限時動作を前記開閉機構部に伝達するとともに、
    前記コイル状のヒータに短絡電流、或いは瞬時動作電流が流れて前記コイル状のヒータに誘導磁界が発生し、前記永久磁石及び前記感温フェライトの間が磁気飽和状態となることで、前記プランジャが、前記弾性部材の押圧により移動して瞬時動作を前記開閉機構部に伝達することを特徴とする請求項1又は2に記載の過電流スイッチ。
  5. 電流路に接触子が配置され、前記電流路の電流を検知し過電流が流れた際に、開閉機構部を介して前記接触子を開状態とする過電流スイッチであって、
    前記電流路に接続された平板状のヒータと、当該平板状のヒータに加熱される感温動作機構部品と、を備え、
    前記感温動作機構部品は、ケース内に、永久磁石と、プランジャと、前記永久磁石及び前記プランジャの間に配置され、磁性体として前記永久磁石に磁気吸着している感温フェライトと、前記プランジャの移動方向に押圧している弾性部材と、が配置されており、
    前記平板状のヒータに過電流が流れて前記感温フェライトがキュリー温度に達して非磁性体に変化したときに、前記感温フェライトに固定された前記プランジャが、前記弾性部材の押圧により移動して長限時動作を前記開閉機構部に伝達することを特徴とする過電流スイッチ。
  6. 電流路に接触子が配置され、前記電流路の電流を検知し過電流が流れた際に、開閉機構部を介して前記接触子を開状態とする過電流スイッチであって、
    前記電流路に接続された平板状のヒータと、当該平板状のヒータに加熱される感温動作機構部品と、を備え、
    前記感温動作機構部品は、ケース内に、永久磁石、磁気ヨーク、感温フェライト及びプランジャの順で直列に配置されているとともに、前記プランジャの移動方向に押圧している弾性部材が配置されており、
    前記平板状のヒータに過電流が流れて前記感温フェライトがキュリー温度に達して非磁性体に変化したときに、前記感温フェライトに固定された前記プランジャが、前記弾性部材の押圧により移動して長限時動作を前記開閉機構部に伝達することを特徴とする過電流スイッチ。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項記載の過電流スイッチを備えていることを特徴とする回路遮断器。
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