(5G NRシステムアーキテクチャ及びプロトコルスタック)
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新しい無線アクセス技術(NR)の開発を含む、単に5Gと称される第5世代セルラー技術についての次のリリースに取り組んでいる。3GPPは、緊急の市場ニーズ及びより長期的な要件の両方を適時に満たすNRシステムを成功裏に標準化するために必要な技術要素を特定して開発しなければならない。これを達成するために、無線インタフェース及び無線ネットワークアーキテクチャの発展が、検討項目「New Radio Access Technology」において考慮されている。結果及び合意事項は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる技術報告書TR38.804 v14.0.0に収集されている。
とりわけ、システムアーキテクチャ全体は、gNBを含むNG-RAN(次世代-無線アクセスネットワーク)を想定しており、これは、UEに向かうNG-無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)及び制御プレーン(RRC)プロトコル終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって互いに相互接続される。gNBはまた、次世代(NG)インタフェースによって、NGC(次世代コア)に、より具体的には、NG-Cインタフェースによって、AMF(アクセス及びモビリティ管理機能)(例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-Uインタフェースによって、UPF(ユーザプレーン機能)(例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、図1に示されている(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 v15.2.0、第4節を参照されたい)。
様々な異なる配置シナリオがサポートされ得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TR38.801 v14.0.0を参照されたい)。例えば、非集中配置シナリオ(例えば、TR38.801の第5.2節を参照されたい;集中配置は第5.4節に示されている)がそこに提示されており、非集中配置シナリオでは、5G NRをサポートする基地局を配置することができる。図2は、例示的な非集中配置シナリオを示しており(例えば、TR38.801の図5.2.-1を参照されたい)、gNB及びLTE eNBの両方に接続されるユーザ機器(UE)とLTE eNBとを追加的に示している。NR 5Gのための新しいeNBは、gNBと例示的に称されることがある。eLTE eNBは、EPC(発展型パケットコア)及びNGC(次世代コア)に対する接続をサポートする、eNBの発展形である。
NRについてのユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 v15.2.0、第4.4.1節を参照されたい)は、PDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル、TS38.300の第6.4節を参照されたい)、RLC(無線リンク制御、TS38.300の第6.3節を参照されたい)及びMAC(媒体アクセス制御、TS38.300の第6.2節を参照されたい)サブレイヤを含み、これらは、ネットワーク側ではgNBにおいて終端する。更に、新しいアクセス層(AS)サブレイヤ(SDAP(サービスデータ適応プロトコル))が、PDCPの上位に導入される(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 バージョン15.2.0の第6.5節を参照されたい)。制御プレーンプロトコルスタックも、NRについて定義されている(例えば、TS38.300、第4.4.2節を参照されたい)。レイヤ2機能の概要は、TS38.300の第6節において与えられている。PDCP、RLC及びMACサブレイヤの機能は、TS38.300の第6.4節、第6.3節、及び第6.2節においてそれぞれ挙げられている。RRCレイヤの機能は、TS38.300の第7節において挙げられている。TS38.300の上記の節は、参照により本明細書に組み込まれる。
例えば、媒体アクセス制御(MAC)レイヤは、論理チャネル多重化と、様々なニューメロロジーの処理を含むスケジューリング及びスケジューリング関連機能と、を処理する。
物理レイヤのために、MACレイヤは、トランスポートチャネルの形でサービスを使用する。トランスポートチャネルは、情報が無線インタフェースを介してどのように送信されるか、及び、情報がどのような特性で送信されるか、によって定義され得る。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、トランスポートブロックを運ばないが、MACによって処理されるトランスポートチャネルとしても定義される。MACレイヤによってサポートされる手順のうちの1つは、ランダムアクセス手順である。
物理レイヤ(PHY)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、及び、適切な物理時間-周波数リソースへの信号のマッピングを担う。物理レイヤはまた、物理チャネルへのトランスポートチャネルのマッピングを処理する。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形でMACレイヤにサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間-周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルにマッピングされる。1つの物理チャネルは、ランダムアクセスに使用されるPRACH(物理ランダムアクセスチャネル)である。
NRについてのユースケース/配置シナリオは、高度モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼・低遅延通信(URLLC)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)を含むことができ、これらは、データレート、遅延、及びカバレッジに関して多様な要件を有する。例えば、eMBBは、IMT-Advancedによって提供されるものの3倍のオーダーのピークデータレート(ダウンリンクでは20Gbps、アップリンクでは10Gbps)及びユーザ側で実感されるデータレートをサポートすることが期待される。一方、URLLCの場合、超低遅延(ユーザプレーン遅延についてUL及びDLでそれぞれ0.5ms)及び高信頼性(1ms以内で1-10-5)というより厳しい要件が課される。最後に、mMTCは、好ましくは、高接続密度(都市環境では1km2あたり1000000個のデバイス)、過酷な環境における広いカバレッジ、及び低コストデバイスのための極めて長寿命(15年)のバッテリを必要とし得る。
したがって、1つのユースケースに適したOFDMニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル期間、サイクリックプレフィックス(CP)期間、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)は、別のユースケースではうまく機能しない可能性がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル期間(したがって、大きなサブキャリア間隔)及び/又は少ないスケジューリング間隔あたりのシンボル(TTIとしても知られている)を必要とし得る。更に、大きなチャネル遅延拡散を伴う配置シナリオは、好ましくは、短い遅延拡散を伴うシナリオよりも長いCP期間を必要とし得る。同様のCPオーバーヘッドを保つために、サブキャリア間隔は、それに応じて最適化されるべきである。NRは、サブキャリア間隔の複数の値をサポートすることができる。これに対応して、15kHz、30kHz、60kHz...というサブキャリア間隔が現在検討されている。シンボル期間Tuとサブキャリア間隔Δfとは、Δf=1/Tuという式を通じて直接的に関連している。LTEシステムと同様に、用語「リソースエレメント」は、1OFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対して1サブキャリアで構成される最小のリソース単位を表すために使用され得る。
新しい無線システム5G-NRでは、各ニューメロロジー及びキャリアについて、サブキャリアとOFDMシンボルとからなるリソースグリッドが、アップリンク及びダウンリンクに対してそれぞれ定義される。リソースグリッドにおける各エレメントは、リソースエレメントと称され、周波数領域における周波数インデックス及び時間領域におけるシンボル位置に基づいて特定される(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.211 v15.2.0を参照されたい)。
(制御シグナリング/PDCCH/DCI/サーチスペース)
5G NRにおけるDCI(ダウンリンク制御情報)の主な目的は、LTEにおけるDCIと同じであり、すなわち、ダウンリンクデータチャネル(例えばPDSCH)又はアップリンクデータチャネル(例えばPUSCH)をスケジューリングする特別な情報のセットである。5G NRでは、複数の異なるDCIフォーマットが定義されている(例えば、参照により本明細書に組み込まれるTS38.212 v15.2.0 第7.3.1節を参照されたい)。概要が、以下の表によって与えられる。
PDCCHサーチスペースは、ダウンリンクリソースグリッド(時間-周波数リソース)における、PDCCH(DCI)を運ぶことができる領域である。広義には、無線リソース領域は、ダウンリンクにおける制御情報を1つ以上のUEに送信するために基地局によって使用される。UEは、PDCCHデータ(DCI)を発見しようとして、サーチスペースを通じてブラインド復号を実行する。概念的には、5G NRにおけるサーチスペースコンセプトは、LTEサーチスペースに類似しているが、細部に関しては多くの違いがある。
(同期信号ブロック測定タイミング設定(SMTC)-PSS/SSS,PBCH)
NRは、いわゆる同期信号ブロック(SSブロック(SSB))を導入しており、SSBは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、及び物理報知チャネル(PBCH)を含む。PSS及びSSSは、ネットワークを発見し、ネットワークに同期し、ネットワークを識別するために、UEによって使用され得る。PBCHは、残りのブロードキャストシステム情報が送信される指示を含む最小限のシステム情報を運ぶ。
LTEでも、これら3つの信号PSS、SSS、及びPBCHが使用されたが、1つのSSBの一部としてではない。NRでは、SSBのこれら3つの構成要素が常に一緒に送信され、例えば、これらは同じ周期を有する。所与のSSBは、SSバーストセット内で繰り返されてもよく、SSバーストセットは、gNBビームスウィーピング送信に使用できる可能性がある。SSバーストセットは、特定の期間(5msのウィンドウ等)に制限されてもよい。初期セル選択では、UEは、20msという、SSバーストセットのデフォルト周期を想定することができる。
5G NRのPSSは、無線フレーム境界を識別するための物理レイヤ固有信号であり、m系列の一種である。5G NRのSSSは、サブフレーム境界を識別するための物理レイヤ固有信号であり、これもまたm系列である(例えば、参照により本明細書に組み込まれるTS38.211 v15.2.0 第7.4.2節を参照されたい)。
(参照信号)
LTEと同様に、いくつかの異なるタイプの参照信号(RS)が、5G NRにおいて使用される(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.211 v15.3.0 第7.4.1節を参照されたい)。5G NRでは、少なくとも以下の参照信号が使用可能である。
・チャネル状態情報取得及びビーム管理に使用可能なCSI-RS(チャネル状態情報参照信号)
・PDSCH復調に使用可能なPDSCH DMRS(復調用参照信号)
・PDCCH復調に使用可能なPDCCH DMRS(復調用参照信号)
・PBCH復調に使用可能なPBCH DMRS(復調用参照信号)
・PDSCHの位相トラッキングに使用可能なPTRS(位相トラッキング用参照信号)
・時間トラッキングに使用可能なトラッキング用参照信号
更に、PBCH DMRSは、SSB参照信号の一部であると例示的にみなすことができる(3GPP TS38.215 v15.3.0 第5.1.1節「SS reference signal received power (SS-RSRP)」を参照されたい)。
5G NR通信システムにおける参照信号とLTEにおける参照信号との主な違いは、5G NRでは、セル固有参照信号が存在しないこと、時間/位相トラッキングのために新しい参照信号PTRSが導入されていること、ダウンリンクチャネル及びアップリンクチャネルの両方のためにDMRSが導入されていること、及び、NRでは、参照信号が必要なときにだけ送信されること、である。
DLのみの信号として、UEが受信するCSI-RSは、チャネルを推定し、チャネル品質情報をgNBに報告するために使用される。MIMO動作中、NRは、キャリア周波数に基づいて異なるアンテナ手法を用いることができる。低周波数では、システムは、MU-MIMOにそれほど多くない数のアクティブアンテナを使用し、FDD動作を追加する。この場合、UEは、CSI-RSを使用して、CSIを計算し、UL方向においてCSIを報告することができる。CSI-RSは、以下に従って更に特徴付けられ得る。
・これは、DL CSI取得に使用される。
・モビリティ及びビーム管理中のRSRP測定に使用される。
・周波数/時間トラッキング、復調、及びULレシプロシティベースプリコーディングにも使用される。
・CSI-RSは、UEに固有に設定されるが、複数のユーザは、同じリソースを共有することもできる。
・5G NR標準規格は、CSI-RS設定における高レベルのフレキシビリティを可能にし、リソースは、最大32ポートに対して設定できる。
・CSI-RSリソースは、スロットの任意のOFDMシンボルから始まることができ、通常は、設定されたポート数に応じて1/2/4OFDMシンボルを占有する。
・CSI-RSは、周期的であることもあるし、セミパーシステントであることもあるし、又は非周期的であることもある(DCIトリガに起因する)。
・時間/周波数トラッキングの場合、CSI-RSは、周期的又は非周期的のいずれかであり得る。これは、1スロット又は2スロットにわたって広がる2シンボル又は4シンボルのバーストにおいて送信される。
(ランダムアクセス手順)
LTEと同様に、5G NRは、RACH(ランダムアクセスチャネル)手順(又は単にランダムアクセス手順)を提供する。例えば、RACH手順は、UEが発見したセルにアクセスするために、UEによって使用されてよい。RACH手順は、例えば以下のような、NR内の他のコンテキストにおいて使用されることもある。
・ハンドオーバの場合、新しいセルに対する同期が確立されるべきとき。
・デバイスからのアップリンク送信がない非常に長い期間に起因して同期が失われた場合に、現在のセルに対するアップリンク同期を再確立するため。
・専用のスケジューリング要求リソースがデバイスに対して設定されていない場合に、アップリンクスケジューリングを要求するため。
RACH手順は、図3及び図4を参照して、以下においてより詳細に説明される。移動端末は、アップリンク送信が時間同期されている場合、アップリンク送信のためにスケジューリングされ得る。したがって、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順は、非同期移動端末(UE)とアップリンク無線アクセスの直交送信との間のインタフェースとしての役割を果たす。例えば、ランダムアクセスは、そのアップリンク同期をまだ得ていない、あるいは、失ったユーザ機器のためのアップリンク時間同期を達成するために用いられる。ユーザ機器がアップリンク同期を達成すると、基地局は、そのためのアップリンク送信リソースをスケジューリングすることができる。ランダムアクセスに関連する1つのシナリオは、その現在のサービングセルから新しいターゲットセルにハンドオーバするRRC_CONNECTED状態にあるユーザ機器が、ターゲットセルにおいてアップリンク時間同期を達成するためにランダムアクセス手順を実行する場合である。
アクセスが、競合ベース、すなわち、固有の衝突リスクを暗示するもの、又は、競合なし(非競合ベース)のいずれかであることを可能にする2つのタイプのランダムアクセス手順が存在し得る。
ランダムアクセス手順の例示的な定義は、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.321、v15.3.0、第5.1節において見出すことができる。
以下において、競合ベースのランダムアクセス手順が、図3に関連してより詳細に説明される。この手順は、4つの「ステップ」からなる。最初に、ユーザ機器は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)におけるランダムアクセスプリアンブルを基地局に送信する(すなわち、RACH手順のメッセージ1)。基地局は、RACHプリアンブルを検出した後、プリアンブルが検出された時間-周波数及びスロットを識別するRA-RNTI(ランダムアクセスRNTI)を含むPDCCHにおいてアドレッシングされたPDSCH(物理ダウンリンク共有チャネル)においてランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RACH手順のメッセージ2)を送信する。複数のユーザ機器が、同じPRACHリソースにおいて同じRACHプリアンブルを送信した場合(これは衝突とも称される)、これらのユーザ機器は、同じランダムアクセス応答メッセージを受信する。RARメッセージは、検出されたRACHプリアンブル、受信されたプリアンブルのタイミングに基づく後続のアップリンク送信の同期のためのタイミングアライメントコマンド(TAコマンド)、最初にスケジューリングされた送信のための初期アップリンクリソース割当て(グラント)、及び一時的なセル無線ネットワーク一時識別子(T-CRNTI)の割当てを運ぶことができる。このT-CRNTIは、RACH手順が終了するまで、検出されたRACHプリアンブルを送信した1つ以上の移動端末をアドレッシングするために、基地局によって使用される。なぜならば、この時点における移動端末の「真の」識別情報は、基地局によってまだ認識されていないからである。
ユーザ機器は、基地局によって設定され得る所与の時間ウィンドウ(例えば、RAR受信ウィンドウと称される)内で、ランダムアクセス応答メッセージを受信するためにPDCCHをモニタする。ユーザ機器は、基地局から受信したRARメッセージに応じて、ランダムアクセス応答内のグラントによって割当てられた無線リソースにおいて、最初にスケジューリングされたアップリンク送信を送信する。このスケジューリングされたアップリンク送信は、例えばRRC接続要求、RRC再開要求、又はバッファ状態報告のような実際のランダムアクセス手順メッセージを運ぶ。
RACH手順の1番目のメッセージにおいてプリアンブル衝突が発生した場合、すなわち、複数のユーザ機器が、同じPRACHリソースにおいて同じプリアンブルを送信した場合、衝突したユーザ機器は、ランダムアクセス応答内で同じT-CRNTIを受信し、RACH手順の3番目のステップにおいてそれらのスケジューリングされた送信を送信するときに同じアップリンクリソースで衝突する。1つのユーザ機器からのスケジューリングされた送信が基地局によって成功裏に復号された場合、競合は、1つ以上の他のユーザ機器については解決されないままである。このタイプの競合の解決のために、基地局は、C-RNTI又は一時的なC-RNTIにアドレッシングされた競合解決メッセージ(4番目のメッセージ)を送信する。これでこの手順は終了する。
図4は、競合ベースのランダムアクセス手順と比較して簡略化された、競合のないランダムアクセス手順を示している。基地局は、1番目のステップにおいて、衝突のリスクがないように、すなわち、同じプリアンブルを送信する複数のユーザ機器がないように、ランダムアクセスに使用するためのプリアンブルをユーザ機器に提供する。したがって、ユーザ機器は、その後、アップリンクにおいてPRACHリソースで、基地局によってシグナリングされたプリアンブルを送信する。複数のUEが同じプリアンブルを送信する場合は、競合のないランダムアクセスでは回避されるので、本質的に、競合のないランダムアクセス手順は、UEによってランダムアクセス応答を成功裏に受信した後に終了する。
3GPPはまた、5G NRのための2ステップRACH手順を検討しており、この手順では、4ステップRACH手順におけるメッセージ1及びメッセージ3に対応するメッセージ1が、最初に送信される。次いで、gNBは、LTE RACH手順のメッセージ2及びメッセージ4に対応するメッセージ2をもって応答する。低減されたメッセージ交換に起因して、2ステップRACH手順の遅延は、4ステップRACH手順と比較して低減され得る。これらのメッセージのための無線リソースは、オプションとして、ネットワークによって設定される。
一例に従うと、無線セル内で、ランダムアクセスプリアンブル送信は、設定可能なスロットのサブセット(RACHスロット)内で行われ得る。サブセットは、RACH設定期間ごとにそれ自体を繰り返す。更に、これらのRACHスロット内には、K*M個の連続するリソースブロックを一緒にカバーする複数の周波数領域RACHオケージョンが存在し得る。ここで、Mは、リソースブロックの数で測定されたプリアンブル帯域幅であり、Kは、周波数領域RACHオケージョンの数である。
ランダムアクセスプリアンブル送信及びランダムアクセス応答受信の例示的な実装が、以下において提示される(3GPP TS38.321 v15.3.0 第5.1.3節及び第5.1.4節を参照されたい)。
5.1.3 ランダムアクセスプリアンブル送信
MACエンティティは、ランダムアクセスプリアンブルごとに:
1>PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERが1より大きい場合;及び
1>中断しているパワーランピングカウンタの通知が下位レイヤから受信されていない場合;及び
1>選択されたSSBが変更されていない場合(すなわち、前のランダムアクセスプリアンブル送信と同じである場合):
2>PREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTERを1だけインクリメントする。
1>第7.3節に従って、DELTA_PREAMBLEの値を選択する;
1>PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERをpreambleReceivedTargetPower+DELTA_PREAMBLE+(PREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTER-1)×PREAMBLE_POWER_RAMPING_STEPに設定する;
1> ビーム障害回復要求のための競合のないランダムアクセスプリアンブルを除いて、ランダムアクセスプリアンブルが送信されるPRACHオケージョンに関連するRA-RNTIを計算する;
1>選択されたPRACH、対応するRA-RNTI(利用可能な場合)、PREAMBLE_INDEX、及びPREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERを使用してランダムアクセスプリアンブルを送信するように物理レイヤに指示する。
ランダムアクセスプリアンブルが送信されるPRACHに関連するRA-RNTIは、以下のように計算される:
RA-RNTI=1+s_id+14×t_id+14×80×f_id+14×80×8×ul_carrier_id
上記において、s_idは、指定されたPRACHの最初のOFDMシンボルのインデックス(0≦s_id<14)であり、t_idは、システムフレームにおける指定されたPRACHの最初のスロットのインデックス(0≦t_id<80)であり、f_idは、周波数領域における指定されたPRACHのインデックス(0≦f_id<8)であり、ul_carrier_idは、Msg1送信に使用されるULキャリア(NULキャリアの場合は0、SULキャリアの場合は1)である。
5.1.4 ランダムアクセス応答受信
ランダムアクセスプリアンブルが送信されると、測定ギャップの発生にかかわらず、MACエンティティは:
1>ビーム障害回復要求のための競合のないランダムアクセスプリアンブルがMACエンティティによって送信された場合:
2>ランダムアクセスプリアンブル送信の終わりから、TS38.213[6]において規定されているように、最初のPDCCHオケージョンにおいて、BeamFailureRecoveryConfigで設定されているra-ResponseWindowを開始する;
2>ra-ResponseWindowが動作している間、C-RNTIによって識別されるビーム障害回復要求に対する応答を対象として、SpCellのPDCCHをモニタする。
1>上記ではない場合:
2>ランダムアクセスプリアンブル送信の終わりから、TS38.213[6]において規定されているように、最初のPDCCHオケージョンにおいて、RACH-ConfigCommonで設定されているra-ResponseWindowを開始する;
2>ra-ResponseWindowが動作している間、RA-RNTIによって識別される1つ以上のランダムアクセス応答を対象として、SpCellのPDCCHをモニタする。
1>PDCCH送信の受信の通知が、プリアンブルが送信されたサービングセルにおいて下位レイヤから受信された場合;及び
1>PDCCH送信がC-RNTIにアドレッシングされた場合;及び
1>ビーム障害回復要求のための競合のないランダムアクセスプリアンブルがMACエンティティによって送信された場合:
2>ランダムアクセス手順が成功裏に完了したとみなす。
1>上記ではなく、ダウンリンク割当てが、RA-RNTIに対するPDCCHにおいて受信され、受信されたTBが成功裏に復号された場合:
2>ランダムアクセス応答が、バックオフインジケータを伴うMAC subPDUを含む場合:
3>PREAMBLE_BACKOFFを、表7.2-1を使用して、SCALING_FACTOR_BIとMAC subPDUのBIフィールドとを乗じた値に設定する。
2>上記ではない場合:
3>PREAMBLE_BACKOFFを0msに設定する。
2>ランダムアクセス応答が、送信されたPREAMBLE_INDEXに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子を伴うMAC subPDUを含む場合(第5.1.3節を参照されたい):
3>このランダムアクセス応答受信が成功したとみなす。
2>ランダムアクセス応答受信が成功したとみなされた場合:
3>ランダムアクセス応答が、RAPIDのみを伴うMAC subPDUを含む場合:
4>このランダムアクセス手順が成功裏に完了したとみなす;
4>SI要求の確認応答の受信を上位レイヤに示す。
3>上記ではない場合:
4>ランダムアクセスプリアンブルが送信されたサービングセルに対して以下のアクションを適用する:
5>受信されたタイミングアドバンスコマンドを処理する(第5.2節を参照されたい);
5>直近のランダムアクセスプリアンブル送信に適用されたパワーランピング量とpreambleReceivedTargetPowerとを下位レイヤに示す(すなわち、(PREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTER-1)×PREAMBLE_POWER_RAMPING_STEP);
5>ランダムアクセス手順のサービングセルがSRSのみのSCellである場合:
6>受信されたULグラントを無視する。
5>上記ではない場合:
6>受信されたULグラント値を処理し、それを下位レイヤに示す。
4>1つ以上の競合ベースのランダムアクセスプリアンブルのうち、ランダムアクセスプリアンブルがMACエンティティによって選択されなかった場合:
5>ランダムアクセス手順が成功裏に完了したとみなす。
4>上記ではない場合:
5>TEMPORARY_C-RNTIを、ランダムアクセス応答において受信された値に設定する;
5>これが、このランダムアクセス手順内で最初に成功裏に受信されたランダムアクセス応答である場合:
6>送信が、CCCH論理チャネルに対して行われていない場合:
7>後続のアップリンク送信にC-RNTI MAC CEを含めることを多重及びアセンブリエンティティに示す。
6>多重及びアセンブリエンティティから送信するMAC PDUを取得し、それをMsg3バッファに記憶する。
1>RACH-ConfigCommonで設定されているra-ResponseWindowが満了し、送信されたPREAMBLE_INDEXに合致するランダムアクセスプリアンブル識別子を含むランダムアクセス応答が受信されていない場合;又は
1>BeamFailureRecoveryConfigで設定されているra-ResponseWindowが満了し、C-RNTIにアドレッシングされたPDCCHが、プリアンブルが送信されたサービングセルにおいて受信されていない場合:
2>ランダムアクセス応答受信が成功しなかったとみなす;
2>PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERを1だけインクリメントする;
2>PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER=preambleTransMax+1である場合:
3>ランダムアクセスプリアンブルがSpCellにおいて送信された場合:
4>ランダムアクセスの問題を上位レイヤに示す;
4>このランダムアクセス手順がSI要求に対してトリガされた場合:
5>ランダムアクセス手順が成功裏に完了しなかったとみなす。
3>上記ではなく、ランダムアクセスプリアンブルがSCellにおいて送信された場合:
4>ランダムアクセス手順が成功裏に完了しなかったとみなす。
2>ランダムアクセス手順が完了していない場合:
3>0とPREAMBLE_BACKOFFとの間の均一な分布に従ってランダムなバックオフ時間を選択する;
3>競合のないランダムアクセスリソースを選択するための基準(第5.1.2節において定義されている)がバックオフ時間中に満たされた場合:
4>ランダムアクセスリソース選択手順を実行する(第5.1.2節を参照されたい);
3>上記ではない場合:
4>バックオフ時間後に、ランダムアクセスリソース選択手順を実行する(第5.1.2節を参照されたい);
MACエンティティは、送信されたPREAMBLE_INDEXに合致するランダムアクセスプリアンブル識別子を含むランダムアクセス応答の受信に成功した後、ra-ResponseWindow(したがって、1つ以上のランダムアクセス応答のモニタ)を停止し得る。
HARQ動作は、ランダムアクセス応答送信には適用できない。
(セル再選択)
アイドル状態及び非アクティブ状態におけるモビリティメカニズムの目的は、デバイスがネットワークによって到達可能であることを保証することである。ネットワークは、ページングメッセージを用いてデバイスに通知することによって、これを行う。このようなページングメッセージが送信される領域は、ページングメカニズムの重要な側面であり、アイドル状態及び非アクティブ状態において、デバイスは、この情報をいつ更新するかを制御する。これは、セル再選択と称されることがある(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.304 v15.1.0、第5.2節を参照されたい)。
本質的に、デバイスは、初期セルサーチと同様に、候補セルをサーチし、候補セルについて測定する。デバイスは、受信電力が現在のセルよりも十分に高いセルを発見すると、これを最良のセルとみなし、必要な場合には、ランダムアクセスを介してネットワークにコンタクトする。
(NRアンライセンス)
LTEをアンライセンス帯域に拡張する理由は、ライセンス帯域の量が限られていることに加えて、無線ブロードバンドデータの需要がますます増しているためである。したがって、アンライセンス周波数帯は、セルラーオペレータが自身のサービス提供を拡大するための補助的なツールとみなす傾向が強まっている。Wi-Fi(登録商標)等の他の無線アクセス技術(RAT)に依拠することと比較した、アンライセンス帯域におけるLTEの利点は、アンライセンス周波数帯へのアクセスを伴うLTEプラットフォームを補足することによって、オペレータ及びベンダが、無線・コアネットワークにおけるLTE/EPCハードウェアの既存の投資又は今後の投資を活用できることである。
しかしながら、アンライセンス周波数帯へのアクセスは、必然的にアンライセンス周波数帯においてWi-Fi(登録商標)等の他の無線アクセス技術(RAT)と共存することになるため、ライセンス周波数帯へのアクセスの品質には絶対に匹敵し得ないことを考慮しなければならない。したがって、アンライセンス帯域でのLTEの運用は、少なくとも最初は、アンライセンス周波数帯でのスタンドアロン運用としてではなく、ライセンス周波数帯でのLTEの補足とみなされていた。この想定に基づき、3GPPは、少なくとも1つのライセンス帯域と併用してアンライセンス帯域でLTEを運用することに対して、ライセンス補助アクセス(LAA)という用語を確立した。ただし、将来におけるアンライセンス周波数帯でのLTEのスタンドアロン運用(すなわち、ライセンスセルによって補助されない)が排除されるものではなく、現在では、5G NRにおいて、そのようなスタンドアロンアンライセンス運用が予測されている。
3GPPにおいて現在意図されている一般的なLAA手法は、すでに策定されているリリース12のキャリアアグリゲーション(CA)のフレームワークを最大限に利用することであり、ここで、CAのフレームワークの構成は、前述したように、いわゆるプライマリセル(PCell)キャリアと1つ以上のセカンダリセル(SCell)キャリアとを含む。CAは、一般的に、セルの自己スケジューリング(スケジューリング情報とユーザデータとが同じコンポーネントキャリアで送信される)、及び、セル間のクロスキャリアスケジューリング(PDCCH/EPDCCHに関するスケジューリング情報とPDSCH/PUSCHに関するユーザデータとが異なるコンポーネントキャリアで送信される)の両方をサポートする。
アンライセンス帯域の使用も、新しい5G-NR開発における1つの課題になるであろう。ベースラインとしてNRライセンス設計を使用することができ、以下のような展開シナリオを考慮することができる。
・LTE LAAに類似する、NRライセンスセル(例えばPCell)とNRアンライセンスセル(例えばSCell)との間のキャリアアグリゲーション
・(LTE及びNRとの)デュアルコネクティビティ;ENU-DCでは、マスタeNBがライセンス周波数帯で動作し、セカンダリgNBがアンライセンス周波数帯で動作する;NNU-DCでは、マスタNBがライセンス周波数帯で動作し、セカンダリgNBがアンライセンス周波数帯で動作する
・スタンドアロン(SA):NR-U SAでは、スタンドアロンNR PCellがアンライセンス周波数帯で動作する
・ダウンリンクがアンライセンス帯域であり、アップリンクがライセンス帯域であるNR無線セル
NRでは、アンライセンスキャリアに対してリッスンビフォアトーク(LBT)が実行される。特に、送信側エンティティがLBTを実行し、空きチャネル判定(CCA)に成功した後にのみチャネル占有が許可される。
図5は、非常に単純なシナリオを示しており、ライセンスPCellと、ライセンスSCell 1と、様々なアンライセンスSCell 2、3、及び4(スモールセルとして例示的に描かれている)と、が存在する。アンライセンスSCell 2、3、及び4の送信/受信ネットワークノードは、eNBによって管理されるリモート無線ヘッドであってもよいし、又は、ネットワークにアタッチされるがeNBによって管理されないノードであってもよい。簡潔にするため、これらのノードからeNB又はネットワークへの接続は、この図において明示的には示されていない。更に、アンライセンス無線セル5は、アンライセンス周波数帯で動作するNR PCellのスタンドアロンシナリオを示している。
最も重要な課題のうちの1つは、これらのアンライセンス帯域で動作するWi-Fi(登録商標)(IEEE802.11)等の他のシステムとの共存である。LTE、5G NR、及び、Wi-Fi(登録商標)等の他の技術との間の公正な共存をサポートするとともに、同じアンライセンス帯域における複数の異なるオペレータ間の公正性を保証する目的で、アンライセンス帯域におけるチャネルアクセスは、地理的領域及び特定の周波数帯域に応じて部分的に異なる可能性がある特定の規制ルールのセットに従わなければならない(例えば、3GPP技術報告書TR36.889、バージョン13.0.0を参照されたい)。領域及び帯域に応じて、LAA及び5G NR手順を設計するときに考慮しなければならない規制要件は、動的周波数選択(DFS)、送信電力制御(TPC)、リッスンビフォアトーク(LBT)、及び、限られた最大送信時間長(チャネル占有時間又はチャネル取得時間とも称される)を有する不連続送信を含む。システムを設計する場合、異なる領域及び5GHz帯域に関する全ての要件を考慮しなければならないことを基本的には意味するグローバルな単一の枠組みが目標にされ得る。
装置がチャネルを使用する前に空きチャネル判定(CCA)チェックを適用するためのメカニズムとして、リッスンビフォアトーク(LBT)手順が定義されている。例示的な一実施態様に従うと、CCAは、少なくともエネルギー検出を利用して、アンライセンスチャネルにおける他の信号の有無を判定し、チャネルが占有されているか又は空いているかを判定する。例えば欧州及び日本の規制は、アンライセンス帯域においてLBTを用いることを要求している。LBTを介したこのキャリア検知は、規制要件とは別に、アンライセンス周波数帯を公正に共有するための1つの方法であり、したがって、1つのグローバルな解決策の枠組みの中でのアンライセンス周波数帯における公正且つフレンドリーな運用のために不可欠な機能であると考えられる。
アンライセンス周波数帯では、チャネルの利用可能性を常に保証できるわけではない。加えて、欧州及び日本等の特定の領域は、連続的な送信を禁止しており、アンライセンス周波数帯における送信バーストの最大持続時間に対して制限を課している(最大チャネル占有期間)。したがって、送信の最大持続時間が限られた不連続送信は、LAA及び5G NRについての機能である。
LBTに関するこの欧州の規制に従って、装置は、無線チャネルをデータ送信によって占有する前に、空きチャネル判定(CCA)を実行しなければならない。そのような制限された例示的なシナリオにおいて、例えばエネルギー検出に基づいて、チャネルを、空いているものとして検出した後にのみ、アンライセンスチャネルにおける送信を開始することが許可される。装置は、特に、CCA中、特定の最小時間(例えば、欧州では20μs、ETSI 301 893、第4.8.3節を参照されたい)にわたりチャネルを監視しなければならない。検出されたエネルギーレベルが、設定されているCCA閾値(例えば、欧州では-73dBm/MHz、ETSI 301 893、第4.8.3節を参照されたい)を超えている場合、チャネルは占有されているとみなされ、逆に、検出された電力レベルが、設定されているCCA閾値より低い場合、チャネルは空いているとみなされる。チャネルが占有されていると判定された場合、次の固定フレーム期間の間、装置はそのチャネルにおいて送信しない。チャネルが空いているものと分類された場合、装置は、直ちに送信することが許可される。送信の最大持続時間は、同じ帯域で動作する他の装置との公正なリソース共有を促進する目的で、制限される。
CCAは、繰り返し実行されてよく、オプションとして間にバックオフ時間をはさむ。
CCAにおけるエネルギー検出は、チャネル帯域幅全体(例えば、5GHzのアンライセンス帯域において20MHz)にわたり実行されてよく、このことは、そのチャネル内のLTE OFDMシンボルの全てのサブキャリアの受信電力レベルが、CCAを実行した装置における評価されるエネルギーレベルに寄与することを意味する。
更に、装置が、所与のキャリアの利用可能性を再評価すること(すなわちLBT/CCA)なく、そのキャリアでの送信を有する合計時間は、チャネル占有時間(COT:Channel Occupancy Time)と定義されている(例えば、ETSI 301 893、第4.8.3.1節を参照されたい)。チャネル占有時間は、1ms~10msの範囲内であり、最大チャネル占有時間は、欧州において現在定義されているように例えば4msとすることができる。更に、アンライセンスセルにおける送信の後にUEに送信が許可されない最小アイドル時間も存在し、最小アイドル時間は、チャネル占有時間の少なくとも5%である。UEは、アイドル期間が終わる前に、例えば新たなCCAを実行することができる。
更に、CCAは、共有COTの一部としての、別のエンティティによって信号を受信した後の特定の期間内(例えば、16マイクロ秒内)では、必要とされないことがある。例えば、共有gNB COT内での、DLからULへの切り替え及びULからDLへの切り替えは、LBTを必要としない。
この送信挙動が、図6に概略的に示されている(例えば、ETSI EN 301 893を参照されたい)。
結果として、アンライセンス無線セルにおける動作は、いなかる送信機も、上述したように、リッスンビフォアトークを実行することを必要とする。このことは、ランダムアクセス手順(例えば、RACH手順のランダムアクセスプリアンブルの送信)にも適用される。
前述したように、ランダムアクセス手順は、4つのステップを例示的に含むことができ、1番目のステップは、ランダムアクセスプリアンブルの送信である。RACH手順は、PHYレイヤのサービスを使用して、MACレイヤによって処理される。より詳細には、ランダムアクセス手順を開始するときに、MACレイヤ(例えば、MACレイヤの1つのMACエンティティ)は、以下の例示的なステップを実行することができる。
1.UE MACエンティティは、プリアンブルを送信するようにUE PHYエンティティに指示する。
a.UE MACエンティティは、プリアンブル送信カウンタ(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER)を1に設定し、ランダムアクセス応答受信ウィンドウを開始する。
2.UE PHYエンティティは、(MACによって通知された)無線セルの対応するPRACHリソースを介してプリアンブルを送信しようと試みる。
3.UE MACエンティティは、(例えば、測定ギャップとの何らかの競合に起因して)プリアンブル送信がUE物理レイヤにおいて実行されない場合であっても、対応するランダムアクセス応答受信をモニタする。
a.UE MACエンティティは、RAR受信ウィンドウを開始して、gNBからのランダムアクセス応答(msg2)の受信をモニタする。RA-RNTI(ランダムアクセスRNTI)は、ランダムアクセスプリアンブルが送信されるPRACHに関連付けられる。
4.何らかの理由でプリアンブル送信がUE物理エンティティにおいてドロップされた場合、UE MACエンティティは、RAR受信ウィンドウの後に、次に利用可能なPRACH位置において再度ランダムアクセスプリアンブルの送信を実行できるだけである。
ランダムアクセスプリアンブル送信のこのシーケンスの例示的で簡略化された例が、図7において提供されている。この図から明らかなように、(測定ギャップ競合等の何らかの理由で)PRACHオケージョン1における最初のプリアンブル送信がスキップされると例示的に仮定する。一方、プリアンブルの再送は、RAR受信ウィンドウが満了する前ではなく、RAR受信ウィンドウが満了した後に行われる。図7の例示的なシナリオにおいて、UEは、最初に開始されたRAR受信ウィンドウの満了後、PRACHオケージョン4においてプリアンブルを送信することができる。これは、ランダムアクセス手順の遅延を増大させる。
プリアンブル送信カウンタが、増加し過ぎたかどうか(例えば、特定のプリアンブル送信閾値まで増加したかどうか)に関して、更にモニタされる。閾値に達した場合、UE MACエンティティは、ランダムアクセスの問題を上位レイヤ(RRC等の上位レイヤ)に示すことができ、上位レイヤは、その後、例えば、セル再選択を実行することができる。
図7に関連して説明されたこのシナリオは、ランダムアクセスプリアンブルの送信が、アンライセンス周波数帯において順守されるべきLBT制約によって更に制限され得る、アンライセンス周波数シナリオに特に関連する。例えば、UEは、通常、ランダムアクセスプリアンブルをそのサービング基地局に送信する前に、アンライセンス無線チャネルが空いているかどうかをチェックしなければならない(例えば、LBTの空きチャネル判定(CCA))。チャネルが空いている場合、UE PHYは、ランダムアクセスプリアンブルを送信する。しかしながら、チャネルが空いていない場合、UE PHYは、ランダムアクセスプリアンブルを送信しない。
図7に関連してすでに説明されているように、ランダムアクセスプリアンブルの再送は、最初に開始されたRAR受信ウィンドウの満了後に行われる。
更に、アンライセンス無線セルが過度に輻輳している場合、UEは、他のPRACHオケージョンにおいてランダムアクセスプリアンブルを再送できないことさえある。
更に、UE物理レイヤエンティティが、チャネルがビジーすぎることに起因してLBT失敗を連続的に経験するような場合、UEは、無線リンクの問題を上位レイヤに実際に通知する前に(例えば、ランダムアクセスプリアンブルカウンタがその最大に達した後)、ランダムアクセスプリアンブルを再送しようとするのに多くの時間を浪費することがある。
例えば、2つのケースがあり得る。第1のケースにおいて、UEは、PHYレイヤがLBTを理由としてプリアンブル送信をドロップした場合、プリアンブル送信カウンタを増加させない。しかしながら、このケースでは、チャネルがビジーすぎる場合、UE MACは、最大カウンタにほとんど達しない。結果として、UEは、無線リンクの問題を上位レイヤに実際に通知する前に、ランダムアクセスプリアンブルを再送しようとするのに多くの時間を浪費することがある。
第2のケースにおいて、UEは、PHYレイヤがLBTを理由としてプリアンブル送信をドロップした場合、プリアンブル送信カウンタを増加させる。しかしながら、このケースでは、チャネルがビジーすぎる場合、物理レイヤは、LBT失敗を連続的に経験することがある。したがって、UE MACは、非常に早く最大カウンタに達することがある。結果として、UE MACは、非常に早い段階で、ランダムアクセスの問題を上位レイヤに報告する。
その結果、本発明者らは、5G NR-U通信システム等のアンライセンスシナリオに(オプションとして、LTE(-A)通信システムにおけるアンライセンス動作にも)ランダムアクセス手順を適応させる可能性を識別した。
更に、アンライセンス無線セルにおける動作は、上述したように、いかなる送信機も、リッスンビフォアトークを実行することを必要とする。したがって、本発明者らによって識別されたように、このLBT要件は、様々なメカニズムに適用されなければならず、したがって、セル再選択等のモビリティ関連メカニズムに対する新しい課題をもたらしている。例えば、プリアンブル送信が繰り返し失敗するとき、UEが同じアンライセンス無線セル内に留まっても意味はない。
本発明者らは、セル再選択及びランダムアクセス手順がUEによってどのように実行されるかに関連してこのような問題を認識し、この点において、主にアンライセンス周波数キャリアにおいてそのような手順を実行するときに(ただし、このときに限定されるものではない)、改良された手順を規定するニーズを認識した。
以下において、このようなニーズを満たすUE、基地局、及び手順が、5G移動通信システムについて想定される新しい無線アクセス技術を対象として説明されるが、これらは、LTE移動通信システムにおいて使用されてもよい。様々な実施態様及び変形例も説明される。以下の開示は、上述した説明及び知見によって促進され、例えば、その少なくとも一部に基づき得る。
概して、本開示の基礎をなす原理を明確且つ理解できるように説明することが可能であるように、本明細書において、多くの仮定がなされていることに留意されたい。しかしながら、これらの仮定は、本開示の範囲を限定すべきではない例示の目的のために本明細書でなされている単なる例として理解されるべきである。当業者は、特許請求の範囲に記載されているような以下の開示の原理が、本明細書において明示的には記載されていない異なるシナリオに、本明細書において明示的には記載されていないやり方で適用されてもよいことを認識するであろう。
更に、次の3GPP 5G通信システムのための新しい無線アクセス技術のコンテキストにおいて使用される具体的な用語は、まだ完全に決定されていないとしても、以下において使用されている、手順、エンティティ、レイヤ等の用語の一部は、LTE/LTE-Aシステム又は3GPP 5Gの現在の標準化で使用されている用語に密接に関連している。したがって、用語は、実施形態の機能に影響を及ぼすことなく、将来変更される可能性がある。結果として、当業者は、実施形態及びその保護範囲が、より新しい用語又は最終的に合意される用語を欠くために、本明細書において例示的に使用されている特定の用語に限定されるべきではなく、本開示の機能及び原理の基礎をなす機能及び着想に関してより広く理解されるべきであることを認識するであろう。
例えば、移動局又は移動ノード又はユーザ端末又はユーザ機器(UE)は、通信ネットワーク内の物理エンティティ(物理ノード)である。1つのノードは、複数の機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、予め定められた機能のセットを実施する、且つ/又は、同じノード若しくは別のノード又はネットワークの他の機能エンティティに予め定められた機能のセットを提供するソフトウェアモジュール又はハードウェアモジュールを指す。ノードは、そのノードを、ノードが通信できる通信設備又は媒体に接続する1つ以上のインタフェースを有することができる。同様に、ネットワークエンティティは、機能エンティティを、他の機能エンティティ又は対応するノードと通信できる通信設備又は媒体に接続する論理インタフェースを有することができる。
ここで、用語「基地局」又は「無線基地局」は、通信ネットワーク内の物理エンティティを指す。移動局と同様に、基地局は、複数の機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、予め定められた機能のセットを実施する、且つ/又は、同じノード若しくは別のノード又はネットワークの他の機能エンティティに予め定められた機能のセットを提供するソフトウェアモジュール又はハードウェアモジュールを指す。物理エンティティは、スケジューリング及び設定のうちの1つ以上を含む、通信デバイスに対するいくつかの制御タスクを実行する。基地局の機能及び通信デバイスの機能は、単一のデバイス内に統合されてもよいことに留意されたい。例えば、移動端末は、他の端末のために基地局の機能も実装することができる。LTEにおいて使用されている用語はeNB(又はeNodeB)であるのに対し、5G NRにおいて現在使用されている用語はgNBである。
図8は、ユーザ機器(通信デバイスとも称される)と、(ここでは基地局(例えば、eLTE eNB(あるいは、ng-eNBと称される)又は5G NRにおけるgNB)内に位置すると例示的に想定される)スケジューリングデバイスと、の概括的で簡略化された例示的なブロック図を示している。UE及びeNB/gNBは、それぞれの送受信機を使用して、(無線)物理チャネルを介して互いと通信する。
通信デバイスは、送受信機及び処理回路を備えることができる。そして、送受信機は、受信機及び/又は送信機を含むことができる、且つ/又は、受信機及び/又は送信機として機能することができる。処理回路は、1つ以上のプロセッサ又は任意のLSI等の1つ以上のハードウェアであってよい。送受信機と処理回路との間には、入力/出力点(又は入力/出力ノード)が存在し、処理回路は、動作中、入力/出力点(又は入力/出力ノード)を介して、送受信機を制御することができる、すなわち、受信機及び/又は送信機を制御し、受信/送信データを交換することができる。送受信機は、送信機及び受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器等を含むRF(無線周波数)フロントエンドを含むことができる。処理回路は、処理回路によって提供されるユーザデータ及び制御データを送信するように、且つ/又は、処理回路によって更に処理されるユーザデータ及び制御データを受信するように送受信機を制御すること等の制御タスクを実施することができる。処理回路はまた、判定、判別、決定、計算、測定等といった他のプロセスを実行することを担うことができる。送信機は、送信するプロセス及び送信するプロセスに関連する他のプロセスを実行することを担うことができる。受信機は、チャネルをモニタすること等、受信するプロセス及び受信するプロセスに関連する他のプロセスを実行することを担うことができる。
以下において提供される解決策は、アンライセンス運用(例えば、スタンドアロン又はデュアルコネクティビティ)についての5G NR標準化に主に関連して説明される。それでも、上記においてすでに示唆されているように、本着想、アイディア、及び改良は、5G NRアンライセンス標準化に限定されるものではなく、5G NRのライセンス運用にも等しく適用可能であり、LTE(-A)通信システムにおけるアンライセンス運用及び/又はライセンス運用にも等しく適用可能である。また、将来の通信システムは、本出願において開示されている着想から恩恵を得ることができるであろう。
(実施形態1-改良されたセル再選択手順)
第1の実施形態が、図9及び図10に関連して、以下において説明される。
図9は、本解決策に従った簡略化された例示的なUEの構成であって、上記の図8に関連して説明された概括的なUEの構成に基づいて実装され得るUEの構成を示している。この図に示されているUEの様々な構成要素は、例えば、制御データ及びユーザデータ並びに他の信号を交換するために、例えば、対応する入力/出力ノード(図示せず)を用いて、互いとの間で相互接続され得る。例示のために図示されてはいないが、UEは、更なる構成要素を含んでもよい。
この図から明らかなように、UEは、以下において説明されるセル再選択を実行するための改良された手順に関与するために、参照信号受信部、参照信号モニタ回路、セル再選択決定回路、及びセル再選択回路を含むことができる。
本ケースにおいて、以下の開示から明らかになるように、プロセッサは、したがって、参照信号の受信をモニタして、連続的に欠落している参照信号の数を判別するステップと、セル再選択を実行するか否かを決定するステップと、セル再選択中に別の無線セルを選択するステップと、のうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するよう例示的に構成されてよい。
受信機は、参照信号を受信するステップと、システム情報又は設定メッセージ(RRCプロトコルの設定メッセージ等)を介して閾値に関する情報を受信するステップと、のうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行できるよう構成されてよい。
以下において、単純化されたNRアンライセンスシナリオが例示的に想定されており、その一例が図4に示されている。図4は、それぞれのgNBによってサービングされる様々なNRアンライセンス無線セルを示している。
図10は、この改良されたセル再選択手順に従ったUE挙動についてのシーケンス図である。
UEがアイドルモードにあると例示的に仮定するが、UEが接続モードにあることも可能である。更に、UEは、UEが現在キャンプしている無線セルから、またオプションとして、他の隣接無線セルからも、参照信号を受信するよう構成されていると仮定する。一例において、UEが現在キャンプしている無線セル(以下において、サービング基地局によって制御されるサービング無線セルと例示的に称される)は、アンライセンス無線セルである。
一般に、UEは、どの参照信号をUEがモニタできるか、及び、どのリソースにおいてこれらのそれぞれの参照信号をUEが予測できるかに関して、設定される。このようにして、UEは、参照信号を受信することができるとともに、参照信号が欠落しているか否かを判別することができる。例えば、ある参照信号は、例えば、対応する基地局がこの参照信号を送出できなかったために、完全に欠落している場合がある(例えば、このような参照信号は、欠落参照信号と称されてもよい)。サービング基地局が参照信号を送出できなかった1つの理由は、アンライセンス周波数帯に関して順守されるべきLBT要件を理由として(例えば、他の信号がアンライセンスキャリアをブロックしたことに起因して、空きチャネル判定が否定的であった)、基地局がアンライセンス無線チャネルを以前に取得できなかった、ということである。
UEは、(設定された参照信号に基づいて予測される、基地局から受信されるはずであった)欠落している参照信号を判別し、この判別に基づいて、どれくらい参照信号が連続的に欠落しているか(すなわち、連続的に欠落している参照信号の数)を判別することができる。
次いで、UEは、セル再選択を実行するか否かを決定するために、連続的に欠落している参照信号のこの判別された数を、特定の閾値と比較することができる。連続的に欠落している参照信号の判別された数が、特定の閾値に達している(例えば、閾値に等しい、又は、閾値以上である)場合、UEは、現在のアンライセンスサービング無線セルから別の無線セルへのセル再選択を実行することを決定することができる。別の無線セルは、現在のサービング無線セルで遭遇するのと同じLBT関連の問題を回避するために、アンライセンスサービング無線セルとは異なる周波数を有する。異なる周波数は、ライセンス無線周波数又はアンライセンス無線周波数であってよい。
UEは、例えば、UEによって定期的に実行される無線セル測定に基づいて(例えば、同一周波数内測定、異周波数間測定、又は異RAT(無線アクセス技術)間測定に基づいて)、その近傍の他の無線セルを認識する。
このような例示的な5G NR実装において使用される参照信号は、例えば、CSI-RS及び/又はSSB信号とすることができる。RRCアイドル状態にあるUEは、通常、CSI-RSではなくSSB参照信号をモニタするように指示される。なぜならば、CSI-RSは、狭ビームにビームフォーミングされ、したがって、UEに到達しないことがあるからである。
一実施態様に従うと、UEが連続的に欠落している参照信号の数を判別するためにどのように参照信号を使用し、どの参照信号を使用するかの固定された設定が存在する。例えば、これは、3GPP仕様を介して又はUEのUSIM内のネットワークオペレータ設定を介して、対応する指示を提供することによって、行われてよい。
この改良されたセル再選択手順の別の実施態様に従うと、UEが連続的に欠落している参照信号の数を判別するためにどの参照信号を使用するかは、サービング基地局によって設定及び更新されてもよい。例えば、UEは、SSB参照信号のみを使用するように指示されてもよく、この場合、欠落しているCSI-RS又は受信されたCSI-RSは、この改良されたセル再選択手順では無視される、すなわち、これらは、連続的に欠落している参照信号を増加させない、あるいは、中断しない。別のオプションに従うと、UEは、SSB参照信号及びCSI-RSの両方を使用するように指示されてもよく、その結果、連続的に欠落している参照信号は、SSB及びCSI-RSの両方を含む。
これは、サービング基地局によって、例えば、その無線セルにおいてシステム情報を介して、適切な情報を提供することにより、行われてもよい。これに対応して、システム情報は、この情報を運び、例えば、無線セル内の全てのUEは、この情報を読み取ることができる。RRCプロトコルのメッセージ等、この参照信号設定情報をアンライセンス無線セル内のUEのうちの1つ以上に運ぶための他のオプションも存在し得る。
例示的な一実施態様において、どの参照信号を使用するかの設定は、システム情報メッセージ内の接続モードRLM(無線リンクモニタ)ブロードキャストにおける設定として同様に実現されてよい(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.331 第6.3.3節「MeasAndMobParameters」を参照されたい)。例えば、サポートされるギャップパターンパラメータは、3つの異なるオプション(CSI-RS、SSB-RS、CSI-RS及びSSB-RS)を区別するための2ビットを有するように定義されてよい。
更に、UEは、セル再選択が実行されることを決定するために、連続的に欠落している参照信号の数が達し得る最大閾値の適切な値を有するように設定されてもよい。これは、サービング基地局によって、例えば、その無線セルにおいてシステム情報を介して、適切な情報を提供することによって、行われてもよい。RRCプロトコルの設定メッセージに基づく等、この最大閾値をUEに提供するための他のオプションも存在し得る。
最大閾値は、UEによってサポートされるサービス又はUEによって要求される遅延等、UEの特性を考慮して、基地局によって決定されてよい(遅延は、サービス及び配置シナリオ(例えばURLLC)にも依存し得る)。例えば、超高信頼・低遅延通信(URLLC)をサポートするUEは、新しいセルをより迅速に再選択し、したがって、不必要な遅延を回避するために、より小さい閾値を有するように、gNBによって設定されてよい。したがって、gNBは、例えば、ページングメッセージの送信を伴う、保留中のダウンリンクデータをUEに提供するために、UEにより迅速に到達することができる(新しいセルがライセンスセルである場合には、更により迅速に到達することができる)。
一方、高度モバイルブロードバンド(eMBB)(すなわち、低優先度トラフィック)をサポートするUEは、より長い遅延を許容することができるので、より大きい参照信号閾値を有するように設定されてよい。基地局においてダウンリンクデータが保留中であっても、基地局は、UEをページングすることにより、より長い間待つことができる。
例示的な一実施態様に従うと、5Gについて定義されている現在のセル再選択手順は、上述した改良に基づいて拡張されてよい(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.304 v15.1.0、第5.2.4.5節及び第5.2.4.6節を参照されたい)。特に、これらの第5.2.4.5節及び第5.2.4.6節は、以下の例示的な指示を含むように拡張されてよい。
「UEは、以下の条件が満たされる場合、新しいセルを再選択する:
UEが、サービングセルにおいてN個の連続的に欠落している参照信号を検出した場合。」
概して、改良されたセル再選択手順が容易にする1つの利点は、UEが、アンライセンス無線チャネルの輻輳に応じて、セル再選択手順をより早くトリガできることである。従来技術のセル再選択手順は、別のセルの選択をトリガするためのパラメータとして、アンライセンス無線セルの輻輳レベルを考慮していない。
(実施形態2-改良されたランダムアクセス手順)
第2の実施形態の様々な異なる変形例が、以下において説明される。
以下において、単純化されたNRアンライセンスシナリオが例示的に想定されており、その一例が図4に示されている。図4は、それぞれのgNBによってサービングされる様々なNRアンライセンス無線セルに加えて、これらのアンライセンス無線セル内に位置するUEを示している。これらのUEのうちの1つが、アンライセンス無線セルのgNBにキャンプしている又は接続されていると仮定することができる。何らかの適切な理由(RRC_IDLEからの初期アクセス、RRC接続再確立手順、ハンドオーバ、UL同期状態が「非同期」であるときのRRC_CONNECTED中のDL又はULデータ到着、RRC_INACTIVEからの遷移、他のSIの要求、ビーム障害回復等)で、ランダムアクセス手順がユーザ機器においてトリガされると例示的に仮定する。以下は、図3及び図4を参照して例示され説明されたような4ステップランダムアクセス手順に関連して説明されるが、以下は、前述したような2ステップランダムアクセス手順にも同様に適用されてもよい。
第2の実施形態の例示的な一実施態様が、以下において提示される。以下の原理に基づく対応する例示的な実施態様が、図11、図12、図13、及び図14に基づいて説明される。
アンライセンスシナリオにおけるランダムアクセス手順を加速するために、改良されたランダムアクセス手順は、ユーザ機器の物理レイヤからMACレイヤへのLBT失敗通知を導入する。LBT失敗通知は、チャネルが空いていないため(すなわち、LBTが失敗したため)、物理レイヤがプリアンブルを送信できなかったことを、MACレイヤに通知する。MACレイヤは、このLBT失敗通知を受信すると、最初の失敗したプリアンブル送信試行について開始されたランダムアクセス応答受信ウィンドウの満了を待つ必要なく、プリアンブル送信を繰り返すことに直ちに進むことができる。
更に、これらのLBT失敗の結果であるランダムアクセスの問題を上位レイヤに迅速に通知できるようにするために、MACレイヤは、多数のランダムアクセス応答受信ウィンドウ(具体的には、プリアンブル送信試行ごとに1つのウィンドウ(成功であっても失敗であっても)を同時に動作させることができる。これらは、多数のウィンドウであり、それぞれ、プリアンブル送信カウンタの増加をもたらし、プリアンブル送信カウンタは、最大に達すると、ランダムアクセスの問題の報告をトリガする。
図11は、本解決策に従った簡略化された例示的なUEの構成であって、上記の図8に関連して説明された概括的なUEの構成に基づいて実装され得るUEの構成を示している。この図に示されているUEの様々な構成要素は、例えば、制御データ及びユーザデータ並びに他の信号を交換するために、例えば、対応する入力/出力ノード(図示せず)を用いて、互いとの間で相互接続され得る。例示のために図示されてはいないが、UEは、更なる構成要素を含んでもよい。
この図から明らかなように、UEは、以下において説明されるランダムアクセスを実行するための改良された手順に関与するために、上位レイヤ(2つ以上であってもよい)、MACレイヤ(又はMACレイヤエンティティ)、物理レイヤ(又は物理レイヤエンティティ)、プリアンブル送信部、及びランダムアクセス応答受信部を含むことができる。
本ケースにおいて、様々な実施形態及びその変形例の以下の開示から明らかになるように、プロセッサは、したがって、ランダムアクセス手順を開始するステップと、MACレイヤ及び物理レイヤを動作させるステップと、ランダムアクセス応答受信ウィンドウを動作させるステップと、アンライセンス無線チャネルが空いているか否かを判定するステップと、MACレイヤと物理レイヤとの間で指示及び通知を交換するステップと、プリアンブル送信カウンタを動作させるステップと、ランダムアクセス失敗をUEの上位レイヤに通知するステップと、のうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するよう例示的に構成されてよい。
送信機は、ランダムアクセスプリアンブル等、ランダムアクセス手順のメッセージを少なくとも部分的に送信することができるよう構成されてよい。受信機は、参照信号を受信するステップと、システム情報又は設定メッセージ(RRCプロトコルの設定メッセージ等)を介して設定情報を受信するステップと、サービング基地局からランダムアクセス応答メッセージを受信するステップと、のうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行できるよう構成されてよい。
図12は、この改良されたランダムアクセス手順に従ったUE挙動のシーケンス図である。図13は、図7と同様に、UEのMACレイヤ及び物理レイヤ並びにgNBの間のやり取りを示している。
改良されたランダムアクセス手順は、UEのMACレイヤによって開始され、次いで、UEのMACレイヤは、ランダムアクセス手順の1番目のステップとして、ランダムアクセスプリアンブルを送信するようにUEの物理レイヤに指示する(例えば、図3を参照されたい)。更に、MACレイヤは、対応するランダムアクセス応答(RAR)を受信するために、対応するランダムアクセス応答(RAR)受信ウィンドウを開始する。
プリアンブルの実際の送信を担うUEの物理レイヤは、まず、プリアンブルを送信するために使用されるアンライセンス無線チャネルが実際に空いているかどうかを判定しなければならない。より具体的には、一例において、物理レイヤは、MACレイヤから受信した指示に従ってプリアンブルを送信することができる前に、アンライセンス周波数帯に対するLBT要件を順守するために、空きチャネル判定を実行する。この判定の結果に応じて、プリアンブルは、送信されることもあるし(チャネルが空いている場合)、送信されないこともある(チャネルが空いていない場合)。
プリアンブルの送信のために無線チャネルが空いていないと判定された場合(すなわち、LBT失敗)、UEの物理レイヤは、それに応じて、例えば、LBT失敗通知を送信することによって、UEのMACレイヤに通知する。したがって、MACレイヤは、物理レイヤから、プリアンブルを実際に送信できたか否かに関するフィードバックを得る。このLBT失敗通知を受信すると、UE MACは、ランダムアクセスプリアンブル送信を再度行うことを決定し、それに応じて、プリアンブルを送信するように物理レイヤに指示するとともに、別のRAR受信ウィンドウを開始することに進む。ここで、以前に開始されたRAR受信ウィンドウは、LBT失敗通知を受信したときに停止されず、維持されることに留意されたい。換言すれば、このRAR受信ウィンドウが開始された対象のプリアンブルは、実際には送信されなかったが、また、基地局からのランダムアクセス応答メッセージを予測できないが、MACレイヤは、RAR受信ウィンドウを継続する。
オプションの実施態様に従うと、LBT失敗通知を受信したとき、RAR受信ウィンドウは停止されないが、UEは、ランダムアクセス応答をモニタすることを停止する。RAR受信ウィンドウは、その満了の際にプリアンブル送信カウンタを増加させるために、動作し続ける。
結果として、多数のRAR受信ウィンドウが、繰り返し生成され得る(プリアンブル送信試行ごとに1つのウィンドウ(成功であっても失敗であっても))。これらのRAR受信ウィンドウの各々は、(前に停止されていない場合には)最終的に満了し得る。この満了は、それぞれ、プリアンブル送信カウンタの増加をもたらす。プリアンブル送信カウンタは、プリアンブル送信(実際にはプリアンブルを送信する試み(試行))を追跡し、ランダムアクセス手順を制限し、下位レイヤがランダムアクセスの問題を上位レイヤに通知することを可能にするために、閾値と比較され得る。これに対応して、UEのMACレイヤは、プリアンブル送信カウンタが最大に達したかどうかを判定し、最大に達した場合、ランダムアクセス失敗をUEの上位レイヤに通知することができる。オプションとして、UEは、RACHの問題を上位レイヤに報告する前に、まず、進行中のランダムアクセス手順の終了を待ってもよい。
次いで、UEの上位レイヤは、セル再選択手順を実行することによって、どのように更に進むかについて決定する(例えば、別のセルに変更することを決定する)ことができる。例えば、新しい無線セルは、同じLBT問題を有することを回避するために、現在の問題とは別の周波数にあるように選択されてよい。更に、再選択プロセスは、この別のアンライセンス周波数無線セルも輻輳するリスク(例えば、多くのLBT失敗をもたらす)を低減するために、例えば、アンライセンス周波数ではなくライセンス周波数を有する無線セルを優先することができる。上述したUE挙動が、図13に基づいて例示的に説明される。プリアンブルを送信する3回の試みが、LBTに起因して失敗し、一方で、4回目の試みが成功すると仮定する。これらの例示的な仮定に対応して、図13は、物理レイヤからのLBT失敗通知の受信に加えて、UE MACレイヤがプリアンブル送信カウンタ及びRAR受信ウィンドウをどのように動作させるかと、物理レイヤへのプリアンブル送信指示と、を示している。図13から明らかなように、RACH手順が開始され、これは、プリアンブル送信指示及びRAR受信ウィンドウ1の開始をもたらし、また、例えば、値1に設定されたプリアンブル送信カウンタの開始を伴い得る。失敗した各LBT及び対応するLBT失敗通知によって、新しいプリアンブル送信がトリガされ、更なるRAR受信ウィンドウが、UEのMACレイヤによって開始される(図13におけるRAR受信ウィンドウ2、RAR受信ウィンドウ3、及びRAR受信ウィンドウ4を参照されたい)。これに対応して、複数のRAR受信ウィンドウが、並列に動作し、例えば、これらは、図示されているようにオーバーラップし得る。例えば、RAR受信ウィンドウ2は、RAR受信ウィンドウ1が満了する前に開始する。RAR受信ウィンドウがオーバーラップするかどうか、及び、RAR受信ウィンドウがどれくらいオーバーラップするかは、例えば、PRACHオケージョン間の期間(PRACH周期)と、RAR受信ウィンドウの開始点及び長さと、にも依存し得る。
また、図13に示されているように、これらの受信ウィンドウの各々の満了は、プリアンブル送信カウンタを1だけ増加させること(図13における「+1」をそれぞれ参照されたい)をもたらし、その結果、プリアンブル送信カウンタの値は、図13における例示的なシナリオの終わりにおいて、1から5に増加している。
プリアンブル送信カウンタの最大閾値が5であると例示的に仮定すると、UE MACレイヤは、(RAR受信ウィンドウ4が満了して)プリアンブル送信カウンタの最大閾値に達したと判定した後、ランダムアクセスの問題を上位レイヤに通知することに進む。
プリアンブル送信カウンタの最大閾値は、例えば、gNBによって設定されてよい。一例において、gNBは、そのアンライセンス無線セルにおいてシステム情報として、対応する設定情報を送信することができる。無線セル内の全てのUEは、システム情報を受信することができる。システム情報は、上述した改良されたランダムアクセス手順に従ってプリアンブル送信カウンタを動作させるために使用されてよい。特定の一実施態様は、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.331、v15.3.0、第6.3.2節「RACH-ConfigGeneric information element」において5G NRによってすでに提供されている設定を再使用することができる。
これまで述べていないが、RAR受信ウィンドウは、例えば、送信されたプリアンブルに対する対応する応答を受信したときに停止され得る。ランダムアクセス応答又はランダムアクセス手順バックオフインジケータは、サービング基地局から受信され得るものであり、これらは両方とも、RAR受信ウィンドウを停止するように作用する。RACHバックオフインジケータは、いくつかの理由で、サービング基地局によって送信され得る。例えば、多数のUEによる同時RA手順に起因してセルが過負荷である場合、gNBは、過負荷状況に対処するために、RA応答を通じてバックオフパラメータを送信することができる。このバックオフパラメータは、UEが競合ベースのRA手順を実行する場合にのみ適用可能である。UEがバックオフパラメータを受信すると、RA応答が受信されない又は競合解決が成功しない場合、UEは、0とバックオフパラメータによって示される値との間のランダムな値を選択する。次いで、UEは、RA手順の次の試みの前に、選択された値を適用する。すなわち、UEは、少なくとも、選択された値と同等の時間、次のRA手順を開始する前に待つ必要がある。バックオフパラメータを用いて、RA手順におけるいくつかのUEの試みを遅らせることによって、gNBは、RA手順を同時に試みるUEの数を低減させる。所与の時間にRA手順を試みるUEの数が減少するにつれて、RA手順の成功率が上がり、最終的に過負荷状況を解決する。
より具体的には、送信されたランダムアクセスプリアンブルに関連するランダムアクセス応答の受信によって、1つ以上の受信ウィンドウが停止される2つのオプションが存在し得る。1つのオプションに従うと、ランダムアクセス応答の受信は、成功裏に送信されたランダムアクセスプリアンブル、すなわち、ランダムアクセス応答が実際に意図されているランダムアクセスプリアンブルについて開始されたRAR受信ウィンドウを停止するだけである。図13の例を取り上げ、ランダムアクセス応答が基地局から直ちに受信される(例えば、RAR受信ウィンドウ2、RAR受信ウィンドウ3、及びRAR受信ウィンドウ4は依然として動作中である)と仮定すると、ランダムアクセス応答は、RAR受信ウィンドウ4の停止をもたらすだけである。RAR受信ウィンドウ2及びRAR受信ウィンドウ3は、最終的には満了し、したがって、プリアンブル送信カウンタを増加させる。この挙動は、プリアンブル送信カウンタが、ランダムアクセスプリアンブルを送信するための失敗した試みをより正確に反映することを可能にし、したがって、ランダムアクセスの問題を上位レイヤにより早く通知することを可能にする。
一方、このことは、RARが受信されるが、停止されずに最終的には満了する他のRAR受信ウィンドウが、上位レイヤへの、ランダムアクセスの問題が存在することの報告をトリガする可能性がある、例外的な状況につながる可能性がある。更なる例示的な一実施態様において、このことは、ランダムアクセス応答が実際に以前に受信された場合に、そのようなランダムアクセスの問題の報告を禁じることによって防止され得る。
別のオプションに従うと、ランダムアクセス応答の受信は、動作している全てのRAR受信ウィンドウを停止し、失敗したランダムアクセスプリアンブル送信試行について開始されたウィンドウも停止する。再び図13の例を取り上げ、ランダムアクセス応答が基地局から直ちに受信される(例えば、RAR受信ウィンドウ2、RAR受信ウィンドウ3、及びRAR受信ウィンドウ4は依然として動作中である)と仮定すると、ランダムアクセス応答は、RAR受信ウィンドウ2、RAR受信ウィンドウ3、及びRAR受信ウィンドウ4の停止をもたらす。ランダムアクセス応答の受信の際のこれらのRAR受信ウィンドウのこの動作は、ランダムアクセス応答を成功裏に受信した後にランダムアクセスの問題の報告をトリガする上述した問題を回避する。
上述したような例示的な一実施態様に従ったUE挙動のより詳細な例が、図14において提供されている。図12を参照して例示して説明したことに加えて、図14は、UEが、RAR受信ウィンドウ中、ランダムアクセス応答の受信をどのようにモニタするかを示している。RAR受信ウィンドウは、サービング基地局からランダムアクセス応答を受信すると停止され得る。更に、図14に従ったUE挙動では、ランダムアクセスの問題が発生したとの判定に応じて、(例えば、別のアンライセンス周波数又はライセンス周波数への)セル再選択が実行されることも想定される。
ランダムアクセス手順の更なる過程に関して、改良されたランダムアクセス手順は、例えば、既存の手順に依拠し得る。例えば、図3及び図4に関連して説明したように、これは、ランダムアクセス応答(すなわち、メッセージ2)を成功裏に受信すると、ランダムアクセス手順の3番目のメッセージのUEによる送信を含むことができる。更に、これは、例えば、ランダムアクセス手順の3番目のメッセージを送信するときに発生する競合を解決するために、ランダムアクセス手順の4番目のメッセージの受信も含むことができる。更に、そのような例示的な一実施態様において、競合解決タイマの満了(例えば、4番目のメッセージが時間内に受信されないとき)は、プリアンブル送信カウンタの増加をもたらし、したがって、(プリアンブル送信カウンタの最大に達した場合)RACHの問題の報告をもたらす可能性がある。
現在定義されているように、5G NR通信システムにおいて上述した改良されたランダムアクセス手順を実施する場合、RACHスロットが、UEに対して設定され、RACHスロットは、RACH設定期間ごとにそれ自体を繰り返す。これらのRACHスロットの各々は、複数のRACHオケージョンを含む(この点についての更なる詳細は上述されている)。したがって、図13における斜線のボックスは、RACHスロットと例示的に理解することができ、送信に用いられる実際のRACHオケージョンは、このRACHスロット内でわずかに変わり得る。これはまた、図13に例示的に示されており、最初のプリアンブル送信試行についてのRACHオケージョンは、後続のRACHスロットと比較して、むしろこの最初のRACHスロットの始めにあると想定される。これに対応して、最初のLBTチェック(図13においてLBT失敗と仮定されている)は、結果として、残りのRACHスロットと比較して、このRACHスロットの始めよりも前である。
更に、RAR受信ウィンドウが実際にいつ開始されるかに関する具体的な実装に応じて、LBT失敗通知は、対応するランダムアクセス応答受信ウィンドウが開始される前であっても、UE MACレイヤによって受信されることもある。
図13から明らかなように、例示的な一実施態様において、RAR受信ウィンドウは、プリアンブルを送信するようにPHYレイヤに指示すると直ちに開始されるのではなく、後の時点に(例えば、PHYレイヤがプリアンブルを送信するために実際に用いることができる最初のPRACHオケージョンの時点又は後に)開始され得る。ランダムアクセス応答の受信は、MACレイヤの観点から、プリアンブルを送信するためにPHYレイヤによって用いられることが予測される次のPRACHの後であると予測される。
上述した改良されたランダムアクセス手順は、LBT失敗の場合にランダムアクセスの問題を上位レイヤに迅速に報告することを可能にするために既存のRAR受信ウィンドウ概念を再使用するので、5G NRの現在の仕様に容易に組み込むことができる。3GPP 38.321 v15.3.0、第5.1節において定義されている既存の5G NRランダムアクセス手順は、例示的な一実施態様に従って、以下のように拡張されてよい。
「ランダムアクセス手順がNRアンライセンスに対して開始され、UE MACが、UE PHYからLBT失敗通知を受信した場合:
・UE MACは、RAR受信ウィンドウを動作させ続ける。RAR受信ウィンドウが満了すると、UEは、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERを増加させ、そうでない場合、
・UE MACは、RARメッセージをモニタするために、RAR受信ウィンドウを動作させる。
ランダムアクセス手順がNRアンライセンスに対して開始される場合、UE MACは、RAR受信ウィンドウが動作している場合であっても、プリアンブル送信を送信するようにUE PHYに指示する。」
第2の実施形態の更なる例示的な実施態様が、以下において提示される。以下の原理に基づく対応する例示的な実施形態が、図15~図21に基づいて説明される。
以下の第2の実施形態において採用されている1つの基礎をなす原理は、失敗したLBTに起因する失敗したプリアンブル送信試行が、実際にはプリアンブル送信カウンタの増加をもたらさないことであり、このことは、例えば、RAR受信ウィンドウが満了せず、したがって、プリアンブル送信カウンタを増加させないように、適切な方法でRAR受信ウィンドウを動作させることによって実現される。RAR受信ウィンドウの動作は、プリアンブルが、LBT失敗に起因して、送信されたか又は送信されなかったかに関する、下位レイヤからの適切なフィードバックによって、支援され得る。
更に、これらのLBT失敗の結果であるランダムアクセスの問題を上位レイヤに迅速に通知できるようにするために、無線アクセスタイマが、例えば、ランダムアクセス手順が成功裏に完了したかどうかを制御するために実施され得る。ランダムアクセスが完了しなかった場合、それに応じて、ランダムアクセスの問題を上位レイヤに通知することができる。
図15は、本解決策に従った簡略化された例示的なUEの構成であって、上記の図8に関連して説明された概括的なUEの構成に基づいて実装され得るUEの構成を示している。この図に示されているUEの様々な構成要素は、例えば、制御データ及びユーザデータ並びに他の信号を交換するために、例えば、対応する入力/出力ノード(図示せず)を用いて、互いとの間で相互接続され得る。例示のために図示されてはいないが、UEは、更なる構成要素を含んでもよい。
この図から明らかなように、UEは、以下において説明されるランダムアクセスを実行するための改良された手順に関与するために、上位レイヤ(2つ以上であってもよい)、MACレイヤ(又はMACレイヤエンティティ)、物理レイヤ(又は物理レイヤエンティティ)、プリアンブル送信部、ランダムアクセス応答受信部、及びランダムアクセスタイマを含むことができる。
本ケースにおいて、様々な実施形態及びその変形例の以下の開示から明らかになるように、プロセッサは、したがって、ランダムアクセス手順を開始するステップと、MACレイヤ及び物理レイヤを動作させるステップと、ランダムアクセス応答受信ウィンドウを動作させるステップと、アンライセンス無線チャネルが空いているか否かを判定するステップと、MACレイヤと物理レイヤとの間で指示及び通知を交換するステップと、プリアンブル送信カウンタを動作させるステップと、ランダムアクセスタイマを動作させるステップと、ランダムアクセス失敗をUEの上位レイヤに通知するステップと、のうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するよう例示的に構成されてよい。
送信機は、ランダムアクセスプリアンブル等、ランダムアクセス手順のメッセージを少なくとも部分的に送信することができるよう構成されてよい。受信機は、参照信号を受信するステップと、システム情報又は設定メッセージ(RRCプロトコルの設定メッセージ等)を介して設定情報を受信するステップと、サービング基地局からランダムアクセス応答メッセージを受信するステップと、のうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行できるよう構成されてよい。
図16は、この改良されたランダムアクセス手順に従ったUE挙動のシーケンス図である。図17は、図7と同様に、UEのMACレイヤ及び物理レイヤ並びにgNBの間のやり取りを示している。
改良されたランダムアクセス手順は、UEのMACレイヤによって開始され、次いで、UEのMACレイヤは、このランダムアクセス手順のためのランダムアクセスタイマを開始することができる。ランダムアクセスタイマは、ランダムアクセス手順の長さをモニタし、その長さに応じることができるように開始される。ランダムアクセスタイマの値は、それに応じて決められる。
MACレイヤは、更に、ランダムアクセス手順の1番目のステップとして、ランダムアクセスプリアンブルを送信するようにUEの物理レイヤに指示する(例えば、図3を参照されたい)。
プリアンブルの実際の送信を担うUEの物理レイヤは、まず、MACレイヤから受信した指示に従ってプリアンブルを送信することができる前に、プリアンブルを送信するために使用されるアンライセンス無線チャネルが、送信のために実際に空いているか否かを判定しなければならない。このことは、(図18及び図19並びに図20及び図21に関連して以下においてより詳細に説明されるように)具体的な実装に応じて、UEが、空きチャネル判定を実行すること、又は、UEが、UEがプリアンブル送信を行うためにgNBがアンライセンス無線チャネルを取得したかどうかを判定すること、のいずれかを含むことができる。この判定の結果に応じて、プリアンブルは、送信されることもあるし(チャネルが空いている場合)、送信されないこともある(チャネルが空いていない場合)。
成功又は失敗に関する適切なフィードバック通知が、UEの物理レイヤによってUEのMACレイヤに送信され得る。このステップの実際の実装は異なってもよく、例えば、これは、肯定的フィードバック通知(プリアンブルを送信できた場合)及び否定的フィードバック通知(プリアンブルを送信できなかった場合)が、MACレイヤに提供されることを含んでもよい。しかしながら、これら2つの通知のうちの1つの通知(否定的通知(例えば、図18及び図19を参照されたい)又は肯定的通知(例えば、図20及び図21を参照されたい))だけが、MACレイヤに提供されれば十分であり得る。
したがって、いずれにせよ、MACレイヤは、物理レイヤから、プリアンブルを実際に送信できたか否かに関するフィードバックを得る。この通知(図17における「プリアンブル送信通知」)を受信すると、UE MACは、再度ランダムアクセスプリアンブル送信を行うことを決定し、それに応じて、プリアンブルを送信するように物理レイヤに指示することに進む。
前述したように、MACレイヤは、ランダムアクセス応答の受信をUEがモニタする期間を制御するために一般に使用されるRAR受信ウィンドウを動作させることも担う。改良されたランダムアクセス手順は、RAR受信ウィンドウの動作のために、物理レイヤからのプリアンブル送信フィードバックを考慮する。例えば、ウィンドウ動作は、LBT失敗に起因して失敗したプリアンブル送信試行が、プリアンブル送信カウンタの増加をもたらさないようにすることができる。これは、様々な方法で、例えば、プリアンブル送信が実際に成功したときにのみ(例えば、肯定的フィードバック(図20及び図21))タイマを開始することによって、又は、プリアンブル送信が実際に成功しなかったときに(例えば、否定的フィードバック(図18及び図19))ウィンドウを停止することによって又はウィンドウの開始を中止することによって、実施されてよい。
図17は、この改良されたランダムアクセス手順の例示的な実施態様に従った、ランダムアクセスプリアンブルの送信のために、UE内のレイヤ及びメカニズムがどのように動作するかを示している(図16も参照されたい)。詳細には、図17は、RAR受信ウィンドウ及びランダムアクセスタイマの動作と、UEのMACレイヤと物理レイヤとの間の通知の交換と、を示している。この図から明らかなように、RACH手順が開始され、これは、ランダムアクセスタイマの開始と、MACレイヤから物理レイヤへのプリアンブル送信指示(図17の「プリアンブル送信」とラベル付けされた矢印を参照されたい)と、の両方をもたらす。プリアンブルが送信されるべき無線チャネルが空いているか否かの判定の結果は、「空いていない」というボックス及び「空いている」というボックスで示されている。プリアンブルの送信の成功(失敗)に関する、物理レイヤからMACレイヤへの対応するフィードバックも、「プリアンブル送信情報」とラベル付けされた矢印に基づいて図17に示されている。
RAR受信ウィンドウの動作は、MACレイヤからPHYレイヤへのプリアンブル送信指示と、物理レイヤからの送信フィードバック(例えば、失敗したLBTに起因してプリアンブル送信が失敗したこと)と、の両方に依存し得る。図17に示されているように、成功したプリアンブル送信の後のRAR受信ウィンドウのみが、UEによって動作させられ続ける。以前の失敗したプリアンブル送信試行についてのRAR受信ウィンドウは、動作させられ続けず(例えば、開始されず又は単に停止され)、プリアンブル送信カウンタが増加し、したがって、ランダムアクセスの問題の報告が加速されることを回避する。
ランダムアクセスの問題の報告は、依然として、(例えば、上記で一般に行われるように)プリアンブル送信カウンタの最大閾値によって制御されてよい。オプションとして、UEは、RACHの問題を上位レイヤに報告する前に、まず、進行中のランダムアクセス手順の終了を待ってもよい。
ランダムアクセスの問題を上位レイヤに報告するための別のメカニズムは、図17の上部に示されているランダムアクセスタイマである。ランダムアクセスタイマは、残りのメカニズムと並列して動作し、満了の際に、上位レイヤへの、ランダムアクセスの問題があることの報告をトリガする。
プリアンブル送信カウンタの最大閾値は、例えば、すでに上述しているのと同じ方法で、gNBによって例示的に設定されてよい。簡潔に述べると、gNBは、システム情報を使用して、適切な設定情報をUEに送信することができる。
更に、ランダムアクセスタイマの値は、例えば、事前に(例えば、仕様によって又はネットワークオペレータによるパラメータとして)固定されてよい。追加的に又は代替的に、ランダムアクセスタイマ動作の値は、例えば、システム情報又はRRC設定メッセージを使用して、gNBによって設定されてもよい。特定の一実施態様は、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.331、v15.3.0、第6.3.2「RACH-ConfigGeneric information element」において5G NRによってすでに提供されている設定を再使用することができる。
通常のランダムアクセス手順及び改良されたランダムアクセス手順について上述したように、RAR受信ウィンドウは、送信されたプリアンブルに対する対応する応答を受信したときに例示的に停止され得る。ランダムアクセス応答又はランダムアクセス手順バックオフインジケータは、サービング基地局から受信され得るものであり、これらは両方とも、RAR受信ウィンドウの停止をもたらす。
以下において、上述した改良されたランダムアクセス手順(図15、図16、及び図17を参照されたい)の2つの異なる例示的な変形例が説明される。
第1の変形例が、図18及び図19を参照して説明される。図18は、図16のUE挙動に基づくが、より特定的であるUE挙動を示している。図19は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するためにUEのレイヤ及びgNBの間の例示的なやり取りを示している。図18から明らかなように、UE挙動は、UEが、アンライセンス無線チャネル自体に対して義務的なLBTの空きチャネル判定を実行することに例示的に基づく(代替的に、LBTは、第2の変形例について説明されるように、UEのためにgNBによって実行されてもよい(図20及び図21を参照されたい))。更に、図18及び図19の例示的な実施態様は、LBTが失敗し、プリアンブルを送信できなかったときに、物理レイヤから否定的フィードバックが提供されることも想定している(追加的に又は代替的に、第2の変形例について説明されるように、肯定的フィードバックが使用されてもよい(図20及び図21を参照されたい))。
否定的フィードバックは、RAR受信ウィンドウを動作させるために使用されてよい。例えば、MACレイヤが、プリアンブルを送信するようにUE PHYレイヤに指示するとき、UE MACレイヤは、RAR受信ウィンドウの開始もトリガする(例えば、プリアンブルを送信するためにUE PHYによって用いられる次のPRACHオケージョンの後に開始する)と仮定する。具体的な実装、PHYレイヤからのフィードバックのタイミング、及びRAR受信ウィンドウの実際の開始に応じて、RAR受信ウィンドウが、否定的フィードバックを受信すると停止される(RAR受信ウィンドウがすでに動作していた場合)、又は、RAR受信ウィンドウの開始が中止される(RAR受信ウィンドウがトリガされたがまだ動作していなかった場合)。
更に、否定的フィードバックは、以前の試みが失敗したことを考慮して、MACレイヤが別のプリアンブル送信を開始するための(例えばランダムアクセスプリアンブルを再送するための)トリガとして使用されてもよい。これは、より長く(例えば、RAR受信ウィンドウの満了まで)待つ必要性を回避する。
前述したように、プリアンブル送信カウンタは、RAR受信ウィンドウの満了に基づいて動作し得る。その結果、プリアンブル送信カウンタは、RAR受信ウィンドウが満了するたびに増加される。更に、プリアンブル送信カウンタが最大(閾値)に達すると、UE MACレイヤは、ランダムアクセスの問題を上位レイヤに報告することに進むことができ、上位レイヤは、その後、キャンプする別の無線セルを再選択することによって、この問題を解決しようと試みることができる(例えば、新しい無線セルは、現在の輻輳しているアンライセンス無線セルとは異なる周波数を有することができ、新しい無線セルは、ライセンス無線セル又はアンライセンス無線セルである)。
上述した変形例に従った例示的なイベントのシーケンスが図19に示されており、ここでも、最初の3回のプリアンブル送信試行が、LBT失敗に起因して失敗すると例示的に仮定する。ここでも、PHYレイヤが指示されたランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いることができる次のPRACHオケージョンの直後に開始するようにRAR受信ウィンドウをMACレイヤがトリガすると例示的に仮定する。LBTのCCAがUE PHYにおいてどのように実施されるかに応じて、否定的フィードバックは、RAR受信ウィンドウが実際に開始する前又は後に受信され得る。最初のPRACHオケージョン及び2番目のPRACHオケージョンにおける図19の例示的な例において、否定的フィードバックは、RAR受信ウィンドウの開始が中止されるように受信される。したがって、RAR受信ウィンドウは開始されない(そうでなければRAR受信ウィンドウが開始されていたであろう破線のあいているボックスで示されている)。一方、3番目の否定的フィードバックは、対応するRAR受信ウィンドウがすでに動作しているときに受信され、したがって、RAR受信ウィンドウを停止するようにMACレイヤをトリガする(実線のボックスで示されている)。
更なるRAR受信ウィンドウが、4番目のPRACHオケージョン(すなわち、4回目のプリアンブル送信試行)について開始され、これは、プリアンブルを送信するために成功裏に用いられている。これに対応して、否定的フィードバックはMACレイヤによって受信されず、したがって、MACレイヤは、RAR受信ウィンドウを動作中のまま維持し、ランダムアクセス応答の受信をモニタする。ランダムアクセス応答が(時間内に)受信されないと仮定すると、RAR受信ウィンドウは、満了し、プリアンブル送信カウンタを増加させる(図19における「+1」を参照されたい)。
図19はまた、(プリアンブル送信カウンタがその最大に達していない場合であっても)UE MACレイヤがランダムアクセスの問題について報告することを別個にもたらし得る、ランダムアクセスタイマの並列動作を示している。
特定の実施態様に従うと、ランダムアクセスタイマは、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答としてのバックオフインジケータの受信に、異なるように適応され得る。上述したように、gNBによって送信されたバックオフインジケータは、RAR受信ウィンドウを停止することができる。1つのオプションは、バックオフインジケータを受信すると、プリアンブルの更なる再送がUEによって実行されるまで、ランダムアクセスタイマが中断されることである。別のオプションは、ランダムアクセス応答におけるバックオフタイマを受信すると、ランダムアクセスタイマを動作中のまま維持することである。更に、この2番目のオプションでは、ランダムアクセスタイマの値は、バックオフ指示を補償するように、gNBによってより高く設定されてよい。
第2の変形例が、図20及び図21を参照して説明される。図20は、図16のUE挙動に基づくが、より特定的であるUE挙動を示している。図21は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するためにUEのレイヤ及びgNBの間の例示的なやり取りを示している。図20から明らかなように、UE挙動は、UEが空きチャネル判定を実行せず、gNBが、UEの代わりに、送信のためにチャネルが空いているかどうかをチェックすることを例示的に想定している。より詳細には、gNBは、CCAを定期的に実行することができ、その結果を、そのセル内の1つ以上のUEに通知することができる。例えば、gNBは、例えば、共通サーチスペース内の共通DCIを使用して、そのアンライセンス無線セル内の全てのUEにダウンリンク制御を送信することができる。ダウンリンク制御情報は、例えばプリアンブルの送信のために無線チャネルが空いていることをUEが導出するための適切な情報を含むことができる。
例示的な一実施態様において、UEは、gNBから、無線チャネルがUEに利用可能であることを示すDCIを受信した後の短い期間内に、ランダムアクセスプリアンブルを送信する。例えば、(DCIの)ダウンリンクとアップリンク(PRACHリソースの送信)との間の切り替え間隔が短時間(例えば16マイクロ秒)未満である場合、UEは、最初にアンライセンス周波数帯を取得するためにリッスンビフォアトークを実行する必要がない。換言すれば、DCIの受信は、UEがCCAを実行することを回避するために、ランダムアクセスプリアンブルの送信を(特定の期間内に)実行するための時間トリガ(又は期間)をUEに提供する。
無線チャネルが空いているか否かを示す対応するDCIがUEにおいて受信されたか否かに基づいて、UEは、プリアンブルを送信することに進む(送信のためにチャネルが空いている場合)、又は、プリアンブルを送信しない(送信のためにチャネルが空いていない場合)。例えば、UEは、無線チャネルが空いているとみなされている時間において、対応するPRACH無線リソースが利用可能であるかどうかをチェックする。これは、基地局が無線チャネルを取得している間のチャネル占有時間(COT)として理解することができる。
プリアンブルを送信できなかった場合、例示的なUE挙動は、UEがプリアンブルを送信するために次のPRACHオケージョンを待つことを提供し得る。これは、ここでも、UEが、そのサービング基地局から、送信のために無線チャネルが空いているかどうかに関するDCIを受信することを伴い得る。このような場合、UE MACレイヤは、失敗したプリアンブル送信試行の後に、ランダムアクセスプリアンブルを送信(再送)することに関する更なる指示をPHYレイヤに送信する必要がない。
更に、図20及び図21の例示的な変形例において、UE PHYからUE MACレイヤへのフィードバックは、肯定的フィードバックとして、すなわち、プリアンブルを成功裏に送信できたことを示すフィードバックとして、実現される(チャネルが空いているかどうかに関するDCIチェックも肯定的であった)。プリアンブルを送信できなかった場合、フィードバックは、UE MACレイヤに送信されない。しかしながら、UE MACレイヤは、肯定的フィードバックがないことから、プリアンブルが送信されなかったと判定することができる。
第1の変形例について説明したように、フィードバックは、RAR受信ウィンドウを動作させるためにUE MACレイヤによって使用されてよい。これは、例えば、UE物理レイヤから肯定的フィードバック情報を受信したときにRAR受信ウィンドウを開始することによって、例示的に実現され得る。したがって、プリアンブル送信指示の送信に基づいてRAR受信ウィンドウを動作させる(に過ぎない)のではなく、UE MACレイヤは、下位レイヤからの肯定的フィードバックを待って、RAR受信ウィンドウを開始することができる。これは、RAR受信ウィンドウの動作を単純化する。なぜならば、失敗したプリアンブル送信試行についてトリガされたRAR受信ウィンドウを中止又は停止する必要がないからである。
前述したように、プリアンブル送信カウンタは、RAR受信ウィンドウの満了に基づいて動作し得る。その結果、プリアンブル送信カウンタは、RAR受信ウィンドウが満了するたびに増加される。更に、プリアンブル送信カウンタが最大(閾値)に達すると、UE MACレイヤは、ランダムアクセスの問題を上位レイヤに報告することに進むことができ、上位レイヤは、その後、キャンプする別の無線セルを再選択することによって、この問題を解決しようと試みることができる(例えば、新しい無線セルは、現在の輻輳しているアンライセンス無線セルとは異なる周波数を有することができ、新しい無線セルは、ライセンス無線セル又はアンライセンス無線セルである)。
上述した変形例に従った例示的なイベントのシーケンスが図21に示されており、ここでは、最初の3回のプリアンブル送信試行が、LBT失敗に起因して失敗すると例示的に仮定する。この図から明らかなように、BS(例えばgNB)は、空きチャネル判定を実行し、空きチャネル判定に成功した場合、DCI等の対応する指示(図21における「channel clear」)を送信する。UEは、DCIに基づいて、例えば、ランダムアクセスプリアンブルの送信のために、無線チャネルが空いていると判定する。例えば、UEは、無線チャネルが基地局によって取得されている時間中に適切なPRACHリソースがあるかどうかを判定することができる。図21の例において、基地局は、2番目のPRACHオケージョンの直後に無線チャネルを取得し、対応する指示(「channel clear」)をUEに送信する。しかしながら、基地局によって取得されたチャネル占有時間中、UEは、いかなるPRACHオケージョンも有さず、したがって、ここでも、指示されたランダムアクセスプリアンブルを送信することができない。一方、4番目のPRACHオケージョンでは、無線チャネルが基地局によって取得され、対応する指示がUEによって受信され、UEは、次いで、プリアンブルをサービング基地局に送信する。
これに対応して、UE PHYは、MACレイヤから、プリアンブルを送信する対応する指示を受信した後、(LBTが失敗したために)対応するDCIがBSから受信されないことをチェックし、プリアンブルを送信することができないと判定する。この実施態様に従うと、否定的フィードバックはMACレイヤに送信されず、UE PHYは、次のPRACHオケージョンを待って、ランダムアクセスプリアンブルを送信しようと試みる。その結果、例えば、第1の変形例(図19を参照されたい)と比較すると、特に、プリアンブルを送信するために無線チャネルが過度に輻輳している場合には、UE MACレイヤとUE物理レイヤとの間のインタラクションがより少なくて済む。
gNBは、LBTを実行することを続け、4番目のPRACHオケージョンにおいて、LBTが成功する(図11における「LBT OK」)。対応する指示が、gNBからUEによって受信される。したがって、UEは、自身でCCA/LBTを実行する必要なく、そこから、アンライセンス無線チャネルが空いていることを認識する。次いで、UEは、ランダムアクセスプリアンブルを送信することに進むことができる。プリアンブル送信が成功したことが、UE MACレイヤに通知され、このことは、RAR受信ウィンドウが、基地局からのランダムアクセス応答の受信をモニタするために開始されることをもたらす。
RAR受信ウィンドウ及びプリアンブル送信カウンタの動作も図21に示されている。明らかなように、RAR受信ウィンドウが満了すると、プリアンブル送信カウンタが増加される。最終的に、プリアンブル送信カウンタがその最大に達すると、上位レイヤへの、ランダムアクセスの問題の報告が、トリガされ得る。
ランダムアクセスタイマは、並列に動作し続け、このことは、(プリアンブル送信カウンタがその最大に達していない場合であっても)UE MACレイヤがランダムアクセスの問題について報告することを別個にもたらし得る。
第1の変形例についてすでに述べているように、ランダムアクセスタイマは、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答としてのバックオフインジケータの受信に、異なるように適応され得る。1つのオプションは、バックオフインジケータを受信すると、プリアンブルの更なる再送がUEによって実行されるまで、ランダムアクセスタイマが中断されることである。別のオプションは、ランダムアクセス応答におけるバックオフタイマを受信すると、ランダムアクセスタイマを動作中のまま維持することである。更に、この2番目のオプションでは、ランダムアクセスタイマの値は、バックオフ指示を補償するように、gNBによってより高く設定されてよい。
本変形例において、RAR受信ウィンドウは、プリアンブルが実際に送信されたという肯定的フィードバックが受信されると開始されるので、UE MACエンティティは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するためにUE PHYによって用いられるPRACHオケージョンを認識する必要さえない。この場合、肯定的フィードバックは、使用されたPRACHリソースに関する情報も含むことができ、その結果、UEは、ランダムアクセス応答(msg2)をモニタすることができるように、RA-RNTI(ランダムアクセスRNTI)の正しい値を計算することができる。
上記の説明において、ランダムアクセスプリアンブルを送信するための無線リソース(例えば、PRACHオケージョン)は、事前に設定されていると仮定しており、その結果、UE物理レイヤは、それらの事前に設定されている無線リソースを使用してプリアンブルを送信することに進むことができる。追加的に又は代替的に、プリアンブルを送信するための無線リソースは、より動的に設定されてもよい。例えば、プリアンブルの送信のために無線チャネルが空いていることを示すためにgNBによって送信されるDCIは、UEがランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用できる無線リソースに関する指示を含むこともできる。例えば、DCIによって示される無線リソースは、DLとULとの間の切り替え間隔が16μsec未満であるように設定されてよく、その結果、UEは、自身でLBTを実行する必要がない。
ランダムアクセス手順の更なる過程に関して、改良されたランダムアクセス手順は、例えば、既存の手順に依拠し得る。例えば、図3及び図4に関連して説明したように、これは、ランダムアクセス応答(すなわち、メッセージ2)を成功裏に受信すると、ランダムアクセス手順の3番目のメッセージのUEによる送信を含むことができる。更に、これは、例えば、ランダムアクセス手順の3番目のメッセージを送信するときに発生する競合を解決するために、ランダムアクセス手順の4番目のメッセージの受信も含むことができる。更に、そのような例示的な一実施態様において、競合解決タイマの満了(例えば、4番目のメッセージが時間内に受信されないとき)は、プリアンブル送信カウンタの増加をもたらし、したがって、(プリアンブル送信カウンタの最大に達した場合)RACHの問題の報告をもたらす可能性がある。
更なる実施態様に従うと、UEの物理レイヤは、COT情報をMACレイヤに提供する。MACレイヤは、物理レイヤからのこの情報に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルを送信するように物理レイヤに指示する。その結果、このオプションでは、物理レイヤは、肯定的フィードバック又は否定的フィードバックをMACレイヤに提供する必要がない。UE MACレイヤは、gNBがチャネルを占有していると判定すると、プリアンブルを送信するように物理レイヤに指示するだけである。この場合、残りの挙動は、例えば、従来技術のようにすることができる。
また、図11~図14に関連して説明した第2の実施形態の改良されたランダムアクセス手順に関して説明したように、図15~図21に関連して説明した改良されたランダムアクセス手順は、5G NR通信システムにおいて実施されてよい。複数のRACHオケージョンを伴うRACHスロットが定義され、このようなRACHスロットは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するためにUEによって選択されてよい。上述した改良されたランダムアクセス手順は、LBT失敗の場合にランダムアクセスの問題を上位レイヤに迅速に報告することを可能にするために既存のRAR受信ウィンドウ概念を再使用するので、5G NRの現在の仕様に容易に組み込むことができる。3GPP 38.321 v15.3.0、第5.1節において定義されている既存の5G NRランダムアクセス手順は、例示的な一実施態様に従って、以下のように拡張されてよい。
「ランダムアクセス手順が、NRアンライセンスサービングセルにおいて開始されるとき、MACエンティティは:
・RACHタイマを開始し、
RACHタイマが満了した場合、
・ランダムアクセスの問題を上位レイヤに示す。」
改良されたランダムアクセス手順のための更なる実施形態に従うと、ランダムアクセスの問題を上位レイヤに報告するための更なる条件を定義することができる。第1の実施形態について詳細に説明したように、輻輳している無線セルは、無線セルにおける連続的に欠落している参照信号の数に基づいてUEによって識別され得る。そのような輻輳している無線セルでは、UE又はgNBは、ランダムアクセスプリアンブルの送信を可能にする無線チャネルを全く又はまれにしか取得することができない。その結果、第1の実施形態について説明した多くの変形例のうちの1つに従った、セル再選択を実行するための追加のトリガが、本ケースにおいて、UEがランダムアクセスの問題を上位レイヤに報告するためのトリガとして使用されてよい。したがって、ランダムアクセスの問題を報告するためのこのトリガは、例えば、eNBがチャネルを取得することに問題があり、したがって、参照信号を送信できない場合に、UEによって適用されてよい。
(更なる態様)
第1の態様に従うと、ユーザ機器(UE)であって、UEがキャンプしているサービング基地局であって、UEが位置するアンライセンスサービング無線セルを制御するサービング基地局から、参照信号を受信する受信部を備えるUEが提供される。UEの処理回路は、参照信号の受信をモニタして、連続的に欠落している参照信号の数を判別する。連続的に欠落している参照信号の判別された数が閾値を超えている場合、処理回路は、UEがキャンプしているアンライセンスサービング無線セルから、アンライセンスサービング無線セルとは異なる周波数を有する別の無線セルへのセル再選択を実行することを決定する。
第1の態様に加えて提供される第2の態様に従うと、受信部は、サービング基地局によって送信されたシステム情報内で閾値を受信する。追加的に又は代替的に、受信部は、サービング基地局によって送信された設定メッセージ内で閾値を受信する。オプションの実施態様において、設定メッセージは、無線リソース制御(RRC)プロトコルの設定メッセージである。
第1の態様又は第2の態様に加えて提供される第3の態様に従うと、参照信号は、3GPP第5世代新無線通信システムに従ったチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)及び/又は同期信号ブロック(SSB)参照信号である。1つのオプションにおいて、サービング基地局が、アンライセンスサービング無線セルにおいて空きチャネル判定を成功裏に実行しなかったため、欠落している参照信号は、サービング基地局によって送信されない。1つのオプションにおいて、UEはアイドルモードにあり、UEの受信部は、連続的に欠落している参照信号の数を判別するためにCSI-RS及び/又はSSB参照信号を使用するかどうかの設定情報を受信する。
第1の態様~第3の態様のうちのいずれかに加えて提供される第4の態様に従うと、処理回路は、別の無線セルについてUEによって実行された無線セル測定に基づいて、別の無線セルを選択する。オプションの実施態様において、別の無線セルの異なる周波数は、アンライセンス周波数又はライセンス周波数である。
第5の態様に従うと、ユーザ機器(UE)によって実行される次のステップを含む方法が提供される。UEは、UEがキャンプしているサービング基地局から、参照信号を受信する。サービング基地局は、UEが位置するアンライセンスサービング無線セルを制御する。UEは、参照信号の受信をモニタして、連続的に欠落している参照信号の数を判別する。連続的に欠落している参照信号の判別された数が閾値を超えている場合、UEは、UEがキャンプしているアンライセンスサービング無線セルから、アンライセンスサービング無線セルとは異なる周波数を有する別の無線セルへのセル再選択を実行することを決定する。
第6の態様に従うと、ユーザ機器(UE)であって、ランダムアクセス手順が開始されると、開始されたランダムアクセス手順のランダムアクセスプリアンブルを送信するようにUEの物理レイヤに指示するように、UEの媒体アクセス制御(MAC)レイヤを動作させ、ランダムアクセス応答(RAR)を受信するためのRAR受信ウィンドウを開始するように、MACレイヤを動作させる処理回路を備えるUEが提供される。処理回路は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するためにアンライセンス無線チャネルが空いているかどうかを判定するように、物理レイヤを動作させる。アンライセンス無線チャネルが空いていないと判定すると、処理回路は、ランダムアクセスプリアンブルの送信のためにアンライセンス無線チャネルが空いていないことに関する失敗通知をMACレイヤに送信するように、物理レイヤ及びUEの送信部を動作させる。失敗通知を受信すると、処理回路は、開始されたランダムアクセス手順のランダムアクセスプリアンブルを再送するように物理レイヤに指示するように、MACレイヤを動作させ、サービング基地局から更なるRARを受信するための更なるRAR受信ウィンドウを開始するように、MACレイヤを動作させる。処理回路は、RAR受信ウィンドウが満了した場合に増加されるようにプリアンブル送信カウンタを動作させる。プリアンブル送信カウンタが最大プリアンブル送信閾値を超えていると判定すると、処理回路は、ランダムアクセス失敗をUEの上位レイヤに通知するように、MACレイヤを動作させる。
第6の態様に加えて提供される第7の態様に従うと、アンライセンス無線チャネルが空いていると判定すると、処理回路は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するように、物理レイヤ及びUEの送信部を動作させる。オプションの実施態様において、処理回路は、RAR受信ウィンドウの期間中、RARの受信をモニタする。処理回路は、RAR受信ウィンドウの期間中に失敗通知が受信された場合には、RAR受信ウィンドウの期間中、RARの受信をモニタしない。
第6の態様又は第7の態様に加えて提供される第8の態様に従うと、RAR又はランダムアクセス手順バックオフインジケータを受信すると、処理回路は、受信されたRARに対応するランダムアクセスプリアンブルについて開始されたRAR受信ウィンドウを停止するように、MACレイヤを動作させる。代替的に、RAR又はランダムアクセス手順バックオフインジケータを受信すると、処理回路は、動作している全てのRAR受信ウィンドウを停止するように、MACレイヤを動作させる。
第6の態様~第8の態様のうちのいずれかに加えて提供される第9の態様に従うと、UEの受信部は、システム情報を介して、最大プリアンブル送信閾値を示す設定情報を受信し、オプションとして、システム情報は、サービング基地局から受信される。
第10の態様に従うと、ユーザ機器(UE)によって実行される次のステップを含む方法が提供される。ランダムアクセス手順が開始されると、UEは、開始されたランダムアクセス手順のランダムアクセスプリアンブルを送信するようにUEの物理レイヤに指示するように、UEの媒体アクセス制御(MAC)レイヤを動作させ、ランダムアクセス応答(RAR)を受信するためのRAR受信ウィンドウを開始するように、MACレイヤを動作させる。UEは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するためにアンライセンス無線チャネルが空いているかどうかを判定するように、物理レイヤを動作させる。アンライセンス無線チャネルが空いていないと判定すると、UEは、ランダムアクセスプリアンブルの送信のためにアンライセンス無線チャネルが空いていないことに関する失敗通知をMACレイヤに送信するように、物理レイヤ及びUEの送信部を動作させる。失敗通知を受信すると、UEは、開始されたランダムアクセス手順のランダムアクセスプリアンブルを再送するように物理レイヤに指示するように、MACレイヤを動作させ、サービング基地局から更なるRARを受信するための更なるRAR受信ウィンドウを開始するように、MACレイヤを動作させる。UEは、RAR受信ウィンドウが満了した場合に増加されるようにプリアンブル送信カウンタを動作させる。プリアンブル送信カウンタが最大プリアンブル送信閾値を超えていると判定すると、UEは、ランダムアクセス失敗をUEの上位レイヤに通知するように、MACレイヤを動作させる。
第11の態様に従うと、ユーザ機器(UE)であって、ランダムアクセス手順が開始されると、ランダムアクセス手順を成功裏に完了するためのランダムアクセスタイマを開始するよう動作し、開始されたランダムアクセス手順のランダムアクセスプリアンブルを送信するようにUEの物理レイヤに指示するように、UEの媒体アクセス制御(MAC)レイヤを動作させる処理回路を備えるUEが提供される。処理回路は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するためにアンライセンス無線チャネルが空いているかどうかを判定するように、物理レイヤを動作させる。アンライセンス無線チャネルが空いていると判定すると、処理回路は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するように、物理レイヤ及びUEの送信部を動作させる。処理回路は、ランダムアクセスプリアンブルの送信の成功又は失敗に関する通知をMACレイヤに送信するように、物理レイヤを動作させる。処理回路は、受信された通知に基づいて、ランダムアクセス応答(RAR)を受信するためのRAR受信ウィンドウを動作させるように、MACレイヤを動作させる。ランダムアクセスタイマが満了したと判定すると、処理回路は、ランダムアクセス失敗をUEの上位レイヤに通知するように、MACレイヤを動作させる。
第11の態様に加えて提供される第12の態様に従うと、処理回路は、RAR受信ウィンドウが満了した場合に増加されるようにプリアンブル送信カウンタを動作させる。プリアンブル送信カウンタが最大プリアンブル送信閾値を超えていると判定すると、処理回路は、ランダムアクセス失敗を上位レイヤに通知するように、MACレイヤを動作させる。
第11の態様又は第12の態様に加えて提供される第13の態様に従うと、UEの受信部は、システム情報を介して、ランダムアクセスタイマの値を示す設定情報であって、オプションとして、最大プリアンブル送信閾値を示す設定情報を受信する。オプションの実施態様において、設定情報は、サービング基地局から受信される。
第11の態様~第13の態様のうちのいずれかに加えて提供される第14の態様に従うと、ランダムアクセス手順が開始されると、処理回路は、RAR応答を受信するためのRAR受信ウィンドウを開始するように、MACレイヤを動作させる。アンライセンス無線チャネルが空いていないと判定すると、処理回路は、ランダムアクセスプリアンブルの送信のためにアンライセンス無線チャネルが空いていないことに関する失敗通知をMACレイヤに送信するように、物理レイヤを動作させる。失敗通知を受信すると、処理回路は、動作中、
以前に開始されたRAR受信ウィンドウを停止するように、又は、RAR受信ウィンドウの開始を中止するように、MACレイヤを動作させ、
開始されたランダムアクセス手順のランダムアクセスプリアンブルを再送するように物理レイヤに指示するように、MACレイヤを動作させ、
サービング基地局から更なるRARを受信するための更なるRAR受信ウィンドウを開始するように、MACレイヤを動作させる。
オプションの実施態様において、処理回路は、アンライセンス無線チャネルが空いているかどうかを判定するとき、アンライセンス無線チャネルに対して空きチャネル判定を実行する。
第11の態様~第14の態様のうちのいずれかに加えて提供される第15の態様に従うと、UEの受信部は、ランダムアクセス手順バックオフインジケータを受信する。ランダムアクセス手順バックオフインジケータを受信すると、処理回路は、ランダムアクセスタイマを中断し、ランダムアクセスプリアンブルの再送を行うときに、ランダムアクセスタイマを再開する。代替的に、ランダムアクセス手順バックオフを受信すると、処理回路は、ランダムアクセスタイマを継続する。オプションの実施態様において、ランダムアクセスタイマは、ランダムアクセス手順バックオフインジケータを考慮するように設定される。
第11の態様~第13の態様のうちのいずれかに加えて提供される第16の態様に従うと、アンライセンス無線チャネルが空いていると判定すると、処理回路は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するように、且つ、ランダムアクセスプリアンブルの送信のためにアンライセンス無線チャネルが空いていることに関する成功通知をMACレイヤに送信するように、物理レイヤ及びUEの送信部を動作させる。成功通知を受信すると、処理回路は、RARを受信するためのRAR受信ウィンドウを開始するように、MACレイヤを動作させる。
第11の態様~第13の態様及び第16の態様のうちのいずれかに加えて提供される第17の態様に従うと、UEの受信部は、UEがキャンプしているサービング基地局から、ダウンリンク制御情報を受信する。ダウンリンク制御情報は、サービング基地局がアンライセンス無線チャネルを成功裏に取得したかどうかに関する情報を提供する。処理回路は、受信されたダウンリンク制御情報に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルを送信する前にUEがアンライセンス無線チャネルに対して空きチャネル判定を実行する必要がないと判定する。オプションの実施態様において、ランダムアクセスプリアンブルの送信は、ダウンリンク制御情報を受信した後の定められた期間内に行われ、期間中、UEは、アンライセンス無線チャネルにおいて送信を行うためにアンライセンス無線セルにおいて空きチャネル判定を実行する必要がない。
第11の態様~第13の態様、第16の態様、及び第17の態様のうちのいずれかに加えて提供される第18の態様に従うと、ダウンリンク制御情報は、共通ダウンリンク制御情報である。追加的に又は代替的に、ダウンリンク制御情報は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用される無線リソースに関する情報を含む。
第6の態様~第9の態様及び第11の態様~第18の態様のうちのいずれかに加えて提供される第19の態様に従うと、処理回路は、参照信号の受信をモニタして、連続的に欠落している参照信号の数を判別する。連続的に欠落している参照信号の判別された数が閾値を超えていると判定すると、処理回路は、ランダムアクセス失敗をUEの上位レイヤに通知するように、MACレイヤを動作させる。
第20の態様に従うと、ユーザ機器(UE)によって実行される次のステップを含む方法が提供される。ランダムアクセス手順が開始されると、UEは、ランダムアクセス手順を成功裏に完了するためのランダムアクセスタイマを開始するよう動作し、開始されたランダムアクセス手順のランダムアクセスプリアンブルを送信するようにUEの物理レイヤに指示するように、UEの媒体アクセス制御(MAC)レイヤを動作させる。UEは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するためにアンライセンス無線チャネルが空いているかどうかを判定するように、物理レイヤを動作させる。アンライセンス無線チャネルが空いていると判定すると、UEは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するように、物理レイヤ及びUEの送信部を動作させる。UEは、ランダムアクセスプリアンブルの送信の成功又は失敗に関する通知をMACレイヤに送信するように、物理レイヤを動作させる。UEは、受信された通知に基づいて、ランダムアクセス応答(RAR)を受信するためのRAR受信ウィンドウを動作させるように、MACレイヤを動作させる。ランダムアクセスタイマが満了したと判定すると、UEは、ランダムアクセス失敗をUEの上位レイヤに通知するように、MACレイヤを動作させる。
第20の態様に加えて提供される第21の態様に従うと、UEは、RAR応答を受信するためのRAR受信ウィンドウを開始するように、MACレイヤを動作させる。アンライセンス無線チャネルが空いていないと判定すると、UEは、ランダムアクセスプリアンブルの送信のためにアンライセンス無線チャネルが空いていないことに関する失敗通知をMACレイヤに送信するように、物理レイヤを動作させる。失敗通知を受信すると、UEは、
以前に開始されたRAR受信ウィンドウを停止するように、又は、RAR受信ウィンドウの開始を中止するように、MACレイヤを動作させ、
開始されたランダムアクセス手順のランダムアクセスプリアンブルを再送するように物理レイヤに指示するように、MACレイヤを動作させ、
サービング基地局から更なるRARを受信するための更なるRAR受信ウィンドウを開始するように、MACレイヤを動作させる。
オプションの実施態様において、方法は、アンライセンス無線チャネルが空いているかどうかを判定するとき、アンライセンス無線チャネルに対して空きチャネル判定を実行するステップを更に含む。
第20の態様に加えて提供される第22の態様に従うと、UEは、UEがキャンプしているサービング基地局から、ダウンリンク制御情報を受信する。ダウンリンク制御情報は、サービング基地局がアンライセンス無線チャネルを成功裏に取得したかどうかに関する情報を提供する。UEは、受信されたダウンリンク制御情報に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルを送信する前にUEがアンライセンス無線チャネルに対して空きチャネル判定を実行する必要がないと判定する。オプションの実施態様において、ランダムアクセスプリアンブルの送信は、ダウンリンク制御情報を受信した後の定められた期間内に行われ、期間中、UEは、アンライセンス無線チャネルにおいて送信を行うためにアンライセンス無線セルにおいて空きチャネル判定を実行する必要がない。
第23の態様に従うと、アンライセンス無線セルの空きチャネル判定を実行する処理回路を備える基地局が提供される。アンライセンス無線セルの空きチャネル判定が成功した場合、処理回路は、ランダムアクセスプリアンブルの送信のためにアンライセンス無線セルが空いていることを示すダウンリンク制御情報を生成する。基地局の送信部は、ランダムアクセス手順のランダムアクセスの問題を送信するために使用されるように、ダウンリンク制御情報をユーザ機器に送信する。
(本開示のハードウェア及びソフトウェアによる実現)
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、又はハードウェアと協働するソフトウェアによって、実現可能である。上述した各実施形態の説明において使用されている各機能ブロックは、その一部又は全てを、集積回路等のLSIによって実現可能であり、各実施形態において説明された各プロセスは、その一部又は全てを、同じLSI又はLSIの組み合わせによって制御可能である。LSIは、チップとして個別に形成可能である、又は、機能ブロックの一部又は全てを含むように1つのチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、ここでは、集積度の違いに応じて、IC(集積回路)、システムLSI、スーパーLSI、又はウルトラLSIと称されることがある。しかしながら、集積回路を実現する技術は、LSIに限定されるものではなく、専用回路、汎用プロセッサ、又は専用プロセッサを使用することによって実現可能である。更に、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続及び設定を再設定できるリコンフィギャラブル・プロセッサを使用することもできる。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現可能である。半導体技術又は別の派生技術の進歩の結果として、LSIが将来の集積回路技術に置き換わる場合、その将来の集積回路技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジを適用することもできる。
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム(通信装置と総称)によって実現可能である。
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピュータ(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ネットブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されるものではなく、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター、コントロール・パネル等)、自動販売機、及びその他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(things)」をも含む。
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置には、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、及びその他あらゆる装置、デバイス、又はシステムが含まれる。
更に、様々な実施形態は、プロセッサによって実行される又はハードウェアで直接実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装とを組み合わせることもできる。ソフトウェアモジュールは、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVD等のあらゆる種類のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。更に、異なる実施形態の個々の特徴は、個別に又は任意の組み合わせで、別の実施形態の主題であり得ることに留意されたい。
当業者であれば、具体的な実施形態に示されているような本開示に対して多数の変形及び/又は変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。