JP7486145B2 - 音響クロストーク抑圧装置および音響クロストーク抑圧方法 - Google Patents

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Description

本開示は、音響クロストーク抑圧装置および音響クロストーク抑圧方法に関する。
特許文献1には、車室内の状況として乗員の配置パターンを予め想定し、各配置パターンそれぞれに対して音の伝達特性を測定し、その測定により得られメモリ等に記憶された各伝達特性を用いて、スピーカから出力される音声信号に含まれる音響を推定して除去する音響除去装置が開示されている。この音響除去装置によれば、乗員の配置が配置パターンのいずれかを満たす限り、音響の除去または抑圧が可能である。
特開2009-216835号公報
特許文献1の構成では、ドライバーの発話音声を収音することを目的としたマイクがドライバーの前に1つ配置されているだけであり、例えば他の乗員の前に各乗員の声を収音することを目的としたマイクが配置されていない。車室内には複数人の乗員が存在することが十分に考えられるため、ドライバーだけでなく他の乗員がドライバーとほぼ同時に発話した場合、ドライバーのマイクにはドライバー以外の他の乗員の発話音声も収音される。したがって、特許文献1の構成では、ドライバーのマイクが収音した音声信号に含まれる他の乗員の発話に基づくクロストーク成分を抑圧することはできない。これは、ドライバーのマイクでは他の乗員の発話するクリアな音声の収音が難しく、その他の乗員の発話音声をクロストーク成分として抑圧するための適応フィルタのフィルタ係数の学習ができないためである。
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、車室等の閉空間に存在する複数の乗員の話者状況に応じて、メイン話者の発話音声に含まれ得る音響的なクロストーク成分を適応的に抑圧し、メイン話者の発話音声の音質を改善する音響クロストーク抑圧装置および音響クロストーク抑圧方法を提供することを目的とする。
本開示は、メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析する話者分析部と、前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持するフィルタ更新部と、前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットするリセット部と、前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧するクロストーク抑圧部と、を備え、前記フィルタ更新部は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて前記フィルタのパラメータを更新し、前記話者分析部は、前記複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号のレベルと閾値との比較に応じて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無を分析する、音響クロストーク抑圧装置を提供する。
また、本開示は、メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析する話者分析部と、前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記フィルタのパラメータを更新し、その更新結果を前記話者状況と関連付けてメモリに保持するフィルタ更新部と、前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧するクロストーク抑圧部と、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記他の話者の発話によるクロストーク成分の第2抑圧信号を生成する第2フィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記第2フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持する第2フィルタ更新部と、前記第2フィルタにより生成された前記第2抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧する第2クロストーク抑圧部と、前記クロストーク抑圧部からの第1出力信号と前記第2クロストーク抑圧部からの第2出力信号とのうちいずれかを選択して出力する出力選択部と、を備え、前記フィルタ更新部は、前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記話者状況の分析結果に対応する前記フィルタのパラメータを用いて、前記フィルタにより前記抑圧信号を生成する、音響クロストーク抑圧装置を提供する。
また、本開示は、音響クロストーク抑圧装置により実行される音響クロストーク抑圧方法であって、メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析し、前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持し、前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットし、前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、前記パラメータの更新は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて実行され、前記分析では、前記複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号のレベルと閾値との比較に応じて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無が分析される、音響クロストーク抑圧方法を提供する。
また、本開示は、音響クロストーク抑圧装置により実行される音響クロストーク抑圧方法であって、メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析し、前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持し、前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットし、前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、前記パラメータの更新は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて実行され、前記分析では、前記フィルタのパラメータの時間軸上の変動量に基づいて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無が分析される、音響クロストーク抑圧方法を提供する。
本開示によれば、車室等の閉空間に存在する複数の乗員の話者状況に応じて、メイン話者の発話音声に含まれ得る音響的なクロストーク成分を適応的に抑圧でき、メイン話者の発話音声の音質を改善できる。
実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置が搭載される車両の車室内の乗員およびマイクの配置例を示す図 実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置の機能的構成例を示すブロック図 変化量が小さい場合におけるフィルタ係数の時間変化例を示すグラフ 変化量が小さい場合におけるフィルタ係数の時間変化例を示すグラフ 変化量が大きい場合におけるフィルタ係数の時間変化例を示すグラフ 変化量が大きい場合におけるフィルタ係数の時間変化例を示すグラフ 実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置の動作手順例を示すフローチャート 実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置の機能的構成例を示すブロック図 実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置の動作手順例を示すフローチャート 実施の形態1の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置の機能的構成例を示すブロック図 実施の形態1の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置の動作手順例を示すフローチャート 実施の形態2の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置の機能的構成例を示すブロック図 実施の形態2の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置の動作手順例を示すフローチャート 実施の形態3に係る音響クロストーク抑圧装置の機能的構成例を示すブロック図 実施の形態3に係る音響クロストーク抑圧装置の動作手順例を示すフローチャート
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る音響クロストーク抑圧装置および音響クロストーク抑圧方法を具体的に開示した実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105が搭載される車両108の車室108z内の乗員およびマイクの配置例を示す図である。車両108は、車室108z内において、例えば、運転席、助手席、2列目の後部座席および3列目の後部座席を含む、最大7~8人乗りのミニバンである。なお、車両108は、最大7~8人乗りのミニバンに限定されず、例えば5人乗りの乗用車あるいはバス等、特に積載人数あるいは車種は限定されない。
図1では、車両108のドライバーに相当する乗員Aが着座する運転席の前方にマイクmAが配置される。乗員Dが着座する3列目の後部座席の左側前方にマイクmDが配置される。なお、乗員の数と配置およびマイクの数と配置は、任意に変更可能である。例えば図1において、助手席の前方および3列目の後部座席の右側前方等にマイクがそれぞれ配置されることでマイクの数は4個であってもよい。
マイクmAは、主に乗員Aが発話する音声を収音するためのマイクである。マイクmDは、主に乗員Dが発話する音声を収音するためのマイクである。なお、図1では、説明を分かり易くするために、助手席、2列目の後部座席、および3列目の後部座席の右側には、乗員が着座していない例が示されているが、それぞれの座席に乗員が着座していても構わない。
マイクmA,mDは、例えば指向性マイクおよび無指向性マイクのうちいずれでもよい。また、マイクmA,mDは、例えば高音質小型エレクトレットコンデンサーマイクロホン(ECM:Electret Condenser Microphone)の単体、複数のECMで構成されるマイクアレイ等で構成されてもよい。マイクmA,mDは、音響クロストーク抑圧装置105に接続されるが、図1の複雑化を避けるためにマイクmA,mDと音響クロストーク抑圧装置105との配線の図示を省略している。
音響クロストーク抑圧装置105は、各種の電子部品を収容する筐体を有し、例えば車両108の車室108z内のダッシュボードの内側に配置される。音響クロストーク抑圧装置105は、マイクmAあるいはマイクmDで収音される音声のうち、音声認識の対象となる乗員以外の乗員が発話する音声(いわゆるクロストーク成分)を抑圧する。音声認識の対象となる乗員が発話している音声に対し、対象外の乗員が発話する音声は、音声認識の対象となる音声に含まれるクロストーク成分となる。例えば、乗員Aが発話する音声を認識する必要がある場合に、乗員Aが発話する音声を収音するためのマイクmAで収音される音に含まれるクロストーク成分は、マイクmAで収音された乗員Dが発話する音声である。
(音響クロストーク抑圧装置の構成)
図2は、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105の機能的構成例を示すブロック図である。音響クロストーク抑圧装置105は、マイクmAで収音される、音声認識したい乗員Aが発話する音声の音声信号に含まれる、マイクmDで収音された乗員Dが発話する音声の音声信号を畳み込み処理することで、マイクmAで収音される乗員Dの発話によるクロストーク成分を再現したクロストーク抑圧信号(抑圧信号の一例)を生成する。音響クロストーク抑圧装置105は、マイクmAで収音された音声信号から乗員Dのクロストーク抑圧信号を抑圧(具体的には、除去あるいは減算)することで、クロストーク抑圧後の音声信号を生成する。ここで、音響クロストーク抑圧装置105が音声認識する対象となるメインの乗員の発話による音声信号を主信号と称し、クロストーク抑圧信号が生成される元の音声信号(つまり、クロストーク成分の発声源となるメインの乗員以外の他の乗員の発話による音声信号)を参照信号と称する。
音響クロストーク抑圧装置105は、ハードウェア構成として、例えばDSP110(Digital Signal Processor)およびメモリ150,152により構成される。なお、音響クロストーク抑圧装置105は、DSP110およびメモリ150,152の他、マイクmA,mDを含んで構成されてもよい。また、ここでは、マイクmAに対する音響クロストーク抑圧装置105を例示するが、マイクmDに対する音響クロストーク抑圧装置105についても同様である。つまり、マイクmAで収音されるメインの乗員Aの音声信号を主信号とし、マイクmDで収音されるサブの乗員Dの音声信号を参照信号として例示して説明するが、反対にマイクmDで収音されるメインの乗員Dの音声信号を主信号とし、マイクmAで収音されるサブの乗員Aの音声信号を参照信号としてもよい。
メモリ150は、音響クロストーク抑圧装置105のワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、音響クロストーク抑圧装置105の処理に関するプログラムを格納するROM(Read Only Memory)とを含む。メモリ150は、例えばマイクmDで収音されたサブの乗員Dの発話による音声の音声信号を参照信号として保持する。また、メモリ152は、音声認識部146による音声認識結果(例えば音声認識データおよびスコア値を含む)、フィルタ更新部125で更新されるフィルタ係数を記憶する。音声認識データは、例えばメインの乗員A(メイン話者の一例)の発話による音声の内容をテキスト化したテキストデータである。スコア値は、音声認識部146で行われた音声認識の処理結果であるテキストデータの信頼度(精度)を示す評価値である。
DSP110は、例えばマイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声の音声信号から、サブの乗員Dの発話による音声のクロストーク成分を抑圧する処理を行うプロセッサである。また、DSP110は、クロストーク抑圧後の音声信号の音声認識処理を行う。ここでは、プロセッサとして、DSPを用いるが、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)等が用いられてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で設計された専用の電子回路あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等、再構成可能に設計された電子回路が用いられてもよい。
DSP110は、加算器122、フィルタ更新部125、ディレイ129、音圧分析部142、抑圧量分析部143、話者分析部144、フィルタリセット部145、および音声認識部146を有する。
クロストーク抑圧部の一例としての加算器122は、マイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声の音声信号から、フィルタ更新部125で生成されたクロストーク抑圧信号を減算することで、マイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声に含まれるクロストーク成分を抑圧する。なお、上述したとおり、加算器122が行う処理は厳密には減算であるが、クロストーク抑圧信号を減算する処理であっても、クロストーク抑圧信号を反転させた上で加算器122において加算する処理と実質的に等価と考えることができる。このため、本明細書では、このクロストーク成分の抑圧処理は、加算器122が行う処理として記載する。
フィルタ更新部125の処理を詳細に説明する。音響クロストーク抑圧装置105が抑圧するクロストーク成分は、例えば音声認識の対象となるメイン話者が乗員Aである場合に、他の乗員Dが発話した声が乗員Aの前方に配置されたマイクmAに到達した音声である。この音声は、車室108z内の伝達経路を経由して、マイクmAに到達する。したがって、マイクmAが収音する音声は、乗員Dが発話した声が伝達経路を通過するために要した時間(いわゆる遅延時間)分ずれて、乗員Aが発話する声と混合される音声である。
フィルタ更新部125は、マイクmAで収音されたクロストーク抑圧後の音声信号とマイクmDで収音されて遅延時間分ずれた参照信号とに基づいて、マイクmAで収音された音声に含まれるクロストーク成分を抑圧(減算)するためのクロストーク抑圧信号を生成する。フィルタ更新部125は、畳み込み信号生成部123、フィルタ係数監視部141、更新量計算部126、非線形変換部127およびノルム算出部128を有する。
フィルタの一例としての畳み込み信号生成部123は、例えば適応フィルタにより構成され、更新量計算部126で計算されるフィルタ係数(パラメータの一例)を用いて参照信号に対し畳み込み処理を行い、参照信号を用いてクロストーク抑圧信号を生成する処理を行う。この適応フィルタには、例えば、特許文献1あるいは特開2007-19595号公報等に記載されているFIR(Finite Impulse Response)フィルタが用いられる。適応フィルタは、マイクmAとマイクmDとの間の伝達特性を再現し、参照信号を処理することによりクロストーク抑圧信号を生成する。ただし、車室108z内の伝達特性は定常的なものではないため、適応フィルタの特性も随時変化させる必要がある。実施の形態1では、適応フィルタの係数またはタップ数を制御することによって、適応フィルタの特性が、マイクmAとマイクmDの間の最新の伝達特性に近づくよう変化させる。以下、適応フィルタの更新を、学習と表現することもある。
マイクmAで収音されるサブの乗員Dの音声は、マイクmDで収音されるサブの乗員Dの音声に対し、マイクmDからマイクmAに伝わる時間分遅延する。参照信号は、マイクmDで収音されてメモリ150に保持されるので、マイクmDからマイクmAまでの遅延時間が反映されていない。このため、実施の形態1では、遅延器としてのディレイ129がこの時間差を吸収する。つまり、ディレイ129が前述した時間差(要は、マイクmDからマイクmAまでの音声の伝達経路に要する時間)の分だけ、参照信号に遅延処理を施してフィルタ更新部125に出力する。これにより、フィルタ更新部125は、マイクmAで収音されたタイミングに合致する参照信号を得ることができる。ディレイ129の値は、概ねマイクmDとマイクmAの間の距離を実測し、それを音速で除算することによって得ることができる。例えば、車室108z内での温度に基づく音速を340m/sとし、かつマイクmDとマイクmAの間の距離が3.4m程度である場合、ディレイ129の値は約10msecである。
より正確には、ディレイの値(遅延時間)は、参照信号ごとに異なり、次のように求められる。例えば、マイクmAが乗員Aの正面に配置され、マイクmDが乗員Dの正面に配置された車室108z内を想定する。乗員Dが発話しており、マイクmAに含まれる乗員Dの音声を抑圧する場合、マイクmDで収音される音声を参照信号とすると、ディレイの値は、乗員Dの口元からマイクmDまでの距離と、乗員Dの口元からマイクmAまでの距離との差分から計算される。一方、乗員Aが発話しており、マイクmDに含まれる乗員Aの音声を抑圧する場合、マイクmAで収音される音声を参照信号とすると、ディレイの値は、乗員Aの口元からマイクmAまでの距離と、乗員Aの口元からマイクmDまでの距離との差分から計算される。
非線形変換部127は、クロストーク成分の抑圧後の音声信号に対して非線形変換を行う。この非線形変換は、クロストーク成分の抑圧後の音声信号を適応フィルタの更新すべき方向(正か負)を指し示す情報へと変換する処理である。非線形変換部127は、非線形変換した後の信号を更新量計算部126に出力する。
ノルム算出部128は、マイクmDで収音された音声の音声信号のノルムを算出する。音声信号のノルムとは、過去の所定時間内の音声信号の大きさの総和であり、この時間内の信号の大きさの度合いを示す値である。更新量計算部126は、過去にマイクmDで収音された音声の音量の影響を正規化するためにノルムを用いる。一般に、音量が大きいほど適応フィルタの更新量も大きく算出されてしまうため、正規化を行わなくては、適応フィルタの特性が大きな音声の特性に過剰に影響されてしまう。実施の形態1では、ディレイ129から出力された音声信号を、ノルム算出部128が算出したノルムを用いて正規化することで適応フィルタの更新量を安定させている。
更新量計算部126は、非線形変換部127、ノルム算出部128およびディレイ129から受け取る信号を用いて、畳み込み信号生成部123の適応フィルタ特性の更新量(具体的には、適応フィルタの係数またはタップ数の更新量)を計算する。更新量計算部126は、ディレイ129を経由した、マイクmDで収音された音声の音声信号をノルム算出部128で算出したノルムに基づき正規化する。更新量計算部126は、マイクmDで収音された音声の音声信号を正規化した結果に、非線形変換部127から得られた情報に基づき正または負の情報を付加することで更新量を決定する。実施の形態1では、更新量計算部126は、ICA(Independent Component Analysis、独立成分解析)アルゴリズムによりフィルタ特性の更新量を計算する。なお、ここでは、更新量計算部126は、適応フィルタの係数(以下、フィルタ係数という)を更新する場合を示すが、フィルタ係数の代わりに、あるいはフィルタ係数と共にタップ数を更新してもよい。
フィルタ更新部125は、更新量計算部126、非線形変換部127およびノルム算出部128の処理を随時実行していくことで、畳み込み信号生成部123の特性を、マイクmDとマイクmAの間の伝達特性に近づける。
フィルタ係数監視部141は、更新量計算部126で計算される、畳み込み信号生成部123のフィルタ係数(例えばフィルタ係数の変動幅)を監視し、話者分析部144に出力する。話者分析部144は、フィルタ係数の変化量、例えばフィルタ係数の時間軸上の一定時間における変動幅を監視し、この変化量が、話者が切り替わった場合の変化量の値に相当する第1閾値を超えた場合、話者の切り替わりが起きたことを判断する。
音圧分析部142は、マイクmAで収音される音声、およびマイクmDで収音される音声を入力し、これらの音圧を話者分析部144に出力する。話者分析部144は、マイクmAで収音される音声の音圧、およびマイクmDで収音される音声の音圧の少なくとも一方の話者が切り替わった場合の変化量の値に相当する第2閾値を超えて変化した場合、話者の切り替わりが起きたことを判断する。
抑圧量分析部143は、加算器122から出力されるクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、マイクmAで収音された音声の音声信号とを基に、これらの差分を抑圧量として算出し、話者分析部144に出力する。話者分析部144は、抑圧量のデータを所定期間保持しておき、新たに算出された抑圧量が過去分の抑圧量から、話者状況が切り替わったことを示す第3閾値を超えて変化した場合、話者の切り替わりが起きたことを判断する。この判断は、話者が切り替わると、その瞬間から直前に使用していたフィルタ係数では、クロストークの抑圧量が下がることに基づく。
話者分析部144は、フィルタ係数監視部141、音圧分析部142および抑圧量分析部143からの少なくも1つの入力を基に、話者の切り替わり、つまり話者状況の変化を判断し、その判断結果をフィルタリセット部145に出力する。
ここで、話者状況(シーン)の数は、車室108z内に配置されるマイクの数が2つである場合、4(=2)通りである。音声認識の対象となる乗員Aが発話しているシーンに限ると、他の乗員による話者状況の数は、乗員Dが発話している場合と乗員Dが発話していない場合の2(=2)通りである。
なお、話者分析部144には、乗員を撮像する車室108z内のカメラ(図示略)による撮像画像が入力されてもよい。話者分析部144は、この撮像画像に対し、顔認識を行い、例えば口を開けている乗員を話者と識別し、話者の切り替わりが起きたことを判断してもよい。また、話者分析部144は、この撮像画像に基づく話者の切り替わり情報と、フィルタ係数監視部141、音圧分析部142および抑圧量分析部143から入力した少なくも1つ以上の話者の切り替わり情報とを組み合わせて、話者の切り替わりが起きたことを総合的に判断してもよい。また、撮像画像に基づく話者の切り替わり情報を用いる場合、フィルタ係数監視部141、音圧分析部142および抑圧量分析部143の全てあるいは少なくとも1つが省かれてもよい。
リセット部の一例としてのフィルタリセット部145は、話者分析部144から話者の切り替わりの判断結果を入力すると、畳み込み信号生成部123のフィルタ係数を初期値(例えば値0)にリセットする。フィルタ更新部125は、フィルタリセット部145によるリセット後に、初期値にリセットされた、畳み込み信号生成部123の学習を再開する。
音声認識部146は、加算器122から出力されるクロストーク成分の抑圧後の音声信号を基に、音声認識を行い、音声認識結果として音声認識データ(例えばテキストデータ)および評価値(スコア値)を出力し、メモリ152に記憶する。例えば、音声認識部146がモニタ(図示略、例えば車両108に搭載されているカーナビゲーション装置のディスプレイ)に接続される場合、音声認識結果は、テキストとして画面に表示される。また、音声認識部146が通信装置に接続される場合、音声認識結果は、通信データとして送信される。また、音声認識部146がスピーカに接続される場合、音声認識結果は、音声として出力される。
なお、音響クロストーク抑圧装置105は、音声認識部146を備える代わりに、ネットワークに接続可能な通信部を備え、このネットワークを介してクラウドサーバ(図示略)に対しクロストーク成分の抑圧後の音声信号に基づく音声データを送信し、クラウドサーバが音声認識を行い、クラウドサーバから音声認識結果を受信してモニタ、スピーカ等に出力してもよい。
図3Aおよび図3Bは、変化量AR1が小さい場合におけるフィルタ係数の時間変化例を示すグラフである。グラフの縦軸はフィルタ係数を示し、横軸は時間(言い換えると、畳み込み信号生成部123を構成する適応フィルタのタップ長)を示す。更新量計算部126で計算される、畳み込み信号生成部123のフィルタ係数は、フィルタ係数監視部141によって監視される。例えば、マイクmAで収音される乗員Aの音声信号が主信号である場合、マイクmAで収音される乗員Dの音声は、マイクmAで収音される音声のクロストーク成分となる。図3Aおよび図3Bに示す特性g2は、マイクmAで収音される音声のクロストーク成分として、マイクmDで収音される乗員Dの音声を基に、マイクmAで収音される乗員Dの音声を減算するための時刻(t-Δt)でのフィルタ係数を表す。図3Aおよび図3Bに示す特性g1は、マイクmAで収音される音声のクロストーク成分として、マイクmDで収音される乗員Dの音声を基に、マイクmAで収音される乗員Dの音声を減算するための時刻tでのフィルタ係数を表す。つまり、図3Aおよび図3Bでは、特性g1,g2はともに、フィルタ係数の更新が開始された時点からフィルタ係数の更新が収束した時点までの期間(言い換えると、残響時間分)のフィルタ係数の波形として時間軸の値が一致するように示されている。なお、Δtは、設定値としての一定時間であり、例えば、少なくとも1回分の適応フィルタのフィルタ係数の更新に要する時間を示し、以下同様とする。
図3Bでは、時刻(t-Δt)~tの間において、フィルタ係数の変化量AR1は、話者の切り替わりがあった場合の第1閾値よりも小さい。話者分析部144は、フィルタ係数の変化量AR1が第1閾値より小さいことから、話者が切り替わっておらず、つまり乗員Dが発話しておらず、話者状況は変化していないことを判断できる。
図4Aおよび図4Bは、変化量AR2が大きい場合におけるフィルタ係数の時間変化例を示すグラフである。グラフの縦軸はフィルタ係数を示し、横軸は時間(言い換えると、畳み込み信号生成部123を構成する適応フィルタのタップ長)を示す。図4Aおよび図4Bに示す特性g4は、マイクmAで収音される音声のクロストーク成分として、マイクmDで収音される乗員Dの音声を基に、マイクmAで収音される乗員Dの音声を減算するための時刻(t-Δt)でのフィルタ係数を表す。図4Aおよび図4Bに示す特性g3は、マイクmAで収音される音声のクロストーク成分として、マイクmDで収音される乗員Dの音声を基に、マイクmAで収音される乗員Dの音声を減算するための時刻tでのフィルタ係数を表す。つまり、図4Aおよび図4Bでは、特性g3,g4はともに、フィルタ係数の更新が開始された時点からフィルタ係数の更新が収束した時点までの期間(言い換えると、残響時間分)のフィルタ係数の波形として時間軸の値が一致するように示されている。
図4Bでは、時刻(t-Δt)~tの間における特性g3,g4間のフィルタ係数の変化量AR2は、図3Bに示される時刻(t-Δt)~tの間における特性g1,g2間のフィルタ係数の変化量AR1と比べ、第1閾値を超えて大きい。話者分析部144は、フィルタ係数の変化量AR2が第1閾値より大きいことから、話者が切り替わった、つまり乗員Dが発話したことで、マイクmAで収音される音声のクロストーク成分である、乗員Dの音声を減算するためのフィルタ係数の変化量が大きくなったと判断できる。したがって、話者分析部144は、話者状況が変化したと判断できる。
(音響クロストーク抑圧装置の動作)
次に、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105の動作を説明する。
ここでは、前述したように、マイクmAで収音されるメイン話者である乗員Aが発話する音声を音声認識の対象とし、マイクmAで収音されるサブの乗員Dが発話する音声をクロストーク成分とする場合を例示して説明する。なお、マイクmDで収音される乗員Dが発話する音声を音声認識の対象とし、マイクmDで収音される乗員Aが発話する音声をクロストークとしてもよい。また、どの乗員の発話音声が音声認識対象であるかを指示するためのボタンが車両108内に配置されてよいし、他には、例えば乗員が所持するスマートフォンあるいはタブレット端末等にインストールされた専用のアプリケーションにおいて、音声認識対象の乗員を指示する操作が行われることで、音声認識対象の乗員が指定されても構わない。
図5は、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105の動作手順例を示すフローチャートである。図5の処理は、音響クロストーク抑圧装置105を構成するDSP110により実行され、マイクmAで収音されて音響クロストーク抑圧装置105に入力される音声の音声信号の1サンプルごとに繰り返して実行される。
図5において、DSP110は、マイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声の音声信号を、音声認識したい主信号として取得する(S101)。音圧分析部142は、マイクmAの主信号を入力し、主信号の音圧レベルを話者分析部144に出力する。
DSP110は、マイクmDで収音されたサブの乗員Dの発話による音声の音声信号を、参照信号として取得する(S102)。DSP110は、マイクmDで収音された音声のデータをメモリ150に記憶する。また、音圧分析部142は、マイクmDの参照信号を入力し、参照信号の音圧レベルを話者分析部144に出力する。
話者分析部144は、主信号の音圧レベルと第2閾値(上述参照)とを比較し、また、参照信号の音圧レベルと第2閾値(上述参照)とを比較し、話者状況を分析する(S103)。
フィルタ係数監視部141は、更新量計算部126で計算される、畳み込み信号生成部123のフィルタ係数を取得する(S104)。
話者分析部144は、ステップS103で分析された話者状況とステップS104で取得されたフィルタ係数とを基に、話者が切り替わったか否かを判別する(S105)。話者が切り替わっている場合(S105、YES)、フィルタリセット部145は、畳み込み信号生成部123のフィルタ係数を初期値にリセットする(S106)。一方、S105で話者状況が切り替わっていない場合(S105、NO)、DSP110は、そのままステップS107の処理に進む。
畳み込み信号生成部123は、更新量計算部126で計算されるフィルタ係数を用いてディレイ129により遅延時間分の遅延処理が施された参照信号を用いて畳み込み処理を行い、クロストーク抑圧信号を生成する(S107)。加算器122は、マイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声の音声信号から、畳み込み信号生成部123により生成されたクロストーク抑圧信号を減算し、マイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声に含まれるクロストーク成分を抑圧する。
続けて、音響クロストーク抑圧装置105は、フィルタ学習期間であるか否かを判別する(S108)。フィルタ学習期間は、例えば、メイン話者である乗員Aの音声に含まれるクロストーク成分を抑圧するためのフィルタ係数を学習するために、メイン話者である乗員A以外の誰かが発話している期間となる。また、フィルタ学習期間でない期間は、乗員A以外の乗員が誰も発話していない期間である。フィルタ学習期間である場合(S108、YES)、フィルタ更新部125は、更新量計算部126で計算されるフィルタ係数で畳み込み信号生成部123のフィルタ係数を更新し、その更新結果をメモリ152に記憶する(S109)。一方、フィルタ学習期間でない場合(S108、NO)、音響クロストーク抑圧装置105は、そのまま図5の処理を終了する。
実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105は、車両108内の環境において話者が切り替わったと判定された場合に、そのタイミングでフィルタ係数を初期値(例えば値0)にリセットし、フィルタ係数を再学習して使用する。これにより、新しい話者状況に応じたフィルタ係数を再学習でき、その話者状況に応じたクロストーク成分の抑圧を高精度に行うことができ、メイン話者(例えば乗員A)の発話による音声の音質が改善可能となる。また、車両108内の環境と話者状況とによっては、話者の切り替わる前に学習していたフィルタ係数を、話者の切り替わり後においても学習しながら継続使用する場合と比べ、話者の切り替わり後のフィルタ係数が収束するまでの時間が短くなることが期待できる。したがって、音響クロストーク抑圧装置105は、メイン話者(例えば乗員A)の発話音声に含まれる、他の乗員(例えば乗員D)の発話によって生じるクロストーク成分を適応的に抑圧でき、音声認識対象となる乗員Aの出力音声の音質を向上できる。
このように、音響クロストーク抑圧装置105は、メイン話者である乗員Aを含む複数の乗員(複数人)がいる車室108z内(閉空間内)に配置された2個のマイクmA,mDのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、車室108z内での話者状況を話者分析部144において分析する。音響クロストーク抑圧装置105は、メイン話者である乗員Aの音声信号に含まれる他の乗員Dの発話によるクロストーク成分の抑圧信号(つまりクロストーク抑圧信号)を生成する畳み込み信号生成部123を有し、クロストーク成分を抑圧するための畳み込み信号生成部123のフィルタ係数を更新し、その更新結果をフィルタ更新部125においてメモリ152に保持する。音響クロストーク抑圧装置105は、話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、メモリ152に保持されているフィルタ係数をフィルタリセット部145においてリセットする。音響クロストーク抑圧装置105は、畳み込み信号生成部123により生成されたクロストーク成分の抑圧信号を用いて、乗員Aの音声信号に含まれるクロストーク成分を加算器122において抑圧する。フィルタ更新部125は、畳み込み信号生成部123のフィルタ係数がリセットされた後、乗員Dの音声信号に基づいてフィルタ係数を更新する。
これにより、音響クロストーク抑圧装置105は、車室108z内にいる複数の乗員(例えば乗員A,D)の話者状況に応じて、メイン話者である乗員Aの発話音声に含まれ得る音響的なクロストーク成分を適応的に抑圧でき、乗員Aの発話音声の音質を改善できる。また、リセットすることなくフィルタ係数を継続して使用する場合と比べ、話者状況が切り替わったと判定される度にフィルタ係数をリセットすることで、更新によるフィルタ係数の収束が早まることが期待できる。
また、畳み込み信号生成部123は、話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わっていないと判定された場合に、メモリ150に保持されている最新のフィルタ係数を用いて、クロストーク成分の抑圧信号を生成する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105は、同様の話者状況が継続する場合には、その話者状況に応じて既に算出された適応的なクロストーク成分を継続して求めることができるのでメイン話者の発話音声に含まれるクロストーク成分を効果的に抑圧できる。
また、話者分析部144は、2個のマイクmA,mDのそれぞれにより収音された各音声信号の音圧レベルと第2閾値(閾値の一例)との比較に応じて、車室108z(閉空間内)での話者状況の変更の有無を分析する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105は、マイクmA,mDの配置箇所と車両108内の乗員の位置とを考慮して、マイクmA,mDのそれぞれにより収音された各音声信号の大きさに応じて、話者状況が切り替わったかだけでなく、メイン話者を高精度に推定できる。
また、話者分析部144は、畳み込み信号生成部123のフィルタ係数の時間軸上の変動量に基づいて、車室108zでの話者状況の変更の有無を分析する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105は、新たな発話(言い換えると、切り替わった新しい話者状況下でのメイン話者の発話)によりフィルタ係数が大きく変化している場合(例えば、フィルタ係数の時間軸上の一定時間における変動幅が第1閾値を超えた場合)、話者の切り替わりが起きたことを高精度に判断できる。
また、話者分析部144は、乗員Aの音声信号に含まれるクロストーク成分の抑圧量と第3閾値(閾値の一例)との比較に応じて、車室108z内での話者状況の変更の有無を分析する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105は、新たな発話(言い換えると、切り替わった新しい話者状況下でのメイン話者の発話)によりクロストーク成分の抑圧量が下がっている(言い換えると、これまでのクロストーク抑圧信号が効果的ではない)として、話者の切り替わりが起きたことを高精度に判断できる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、話者が切り替わったと判断されたタイミングで学習済みのフィルタ係数をリセットしフィルタ係数を初期値から再学習して使用した。実施の形態2では、話者の切り替わり後の話者状況に対応するフィルタ係数をメモリから読み出して使用する例を説明する。
(音響クロストーク抑圧装置の構成)
図6は、実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aの機能的構成例を示すブロック図である。実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aにおいて、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105と同一の構成要素については同一の符号を用いることで、その説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aは、同様にDSP110Aにより構成されている。音響クロストーク抑圧装置105Aは、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105と比べ、フィルタリセット部145を省き、フィルタ係数読込部151を有する。また、フィルタ更新部125Aは、フィルタ更新部125と比べ、フィルタ係数収束判定部154およびフィルタ係数保存部153を更に含む。
フィルタ係数収束判定部154は、更新量計算部126で計算される、フィルタ係数が収束しているか否かを判定する。フィルタ係数は、例えば一定期間におけるフィルタ係数の変動幅が所定値以内に収まっている場合、収束していると判定される。これにより、音響クロストーク抑圧装置105Aは、フィルタ係数の変動が収まった段階でフィルタ係数が収束したと判定でき、適切なタイミングでフィルタ係数の収束を把握できる。なお、フィルタ係数は、音声認識部146がクロストーク成分の抑圧後の音声に対して音声認識を行った結果、スコア値が閾値を超える場合に収束していると判定されてもよい。
メモリの一例としてのフィルタ係数保存部153は、フィルタ係数収束判定部154によって収束していると判定されたフィルタ係数を、話者状況と関連付けて記憶する。フィルタ係数保存部153は、例えばキャッシュメモリにより構成される。ここで、乗員の前に配置されるマイクの数が2個である場合、話者状況(シーン)の数は4通りである。したがって、フィルタ係数保存部153は、4通りのフィルタ係数を記憶する。
フィルタ係数読込部151は、話者分析部144によって分析された話者状況に対応するフィルタ係数をフィルタ係数保存部153から読み込み、フィルタ更新部125で逐次更新されるフィルタ係数の値とする。
(音響クロストーク抑圧装置の動作)
次に、実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aの動作を説明する。
図7は、実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aの動作手順例を示すフローチャートである。図7の説明において、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105の動作と同一の処理については、同一のステップ番号を付すことで、その説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図7において、ステップS104の後、話者分析部144によって話者状況が変化していると判別された場合(S105、YES)、フィルタ係数読込部151は、フィルタ係数保存部153に記憶されている、話者状況に対応するフィルタ係数を読み込む(S106A)。
ステップS106Aの後、畳み込み信号生成部123は、ステップS106Aにおいて読み込まれた話者状況に対応するフィルタ係数を用いて、参照信号に畳み込み処理を行い、クロストーク抑圧信号を生成する。加算器122は、マイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声の音声信号から、畳み込み信号生成部123により生成されたクロストーク抑圧信号を減算し、マイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声に含まれるクロストーク成分(ここでは、乗員Dの音声)を抑圧する。
クロストーク成分の抑圧後、ステップS109において畳み込み信号生成部123のフィルタ係数が更新された後、フィルタ係数収束判定部154は、更新されたフィルタ係数の収束の有無を判定する(S110)。フィルタ係数収束判定部154は、判定の結果、フィルタ係数が収束しているか否かを判別する(S111)。フィルタ係数が収束している場合(S111、YES)、フィルタ係数保存部153は、更新された話者状況に対応するフィルタ係数を保存する(S112)。フィルタ係数は、上書きで保存されるが、上書きでなく追加的に保存されてもよい。一方、フィルタ係数が収束していない場合(S111、NO)、フィルタ係数保存部153は、フィルタ係数を保存しない。この後、DSP110は、図7の処理を終了する。
実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aは、話者が切り替わった直後、切り替わった後の話者状況に関連付けて過去に学習済みのフィルタ係数を読み込み、畳み込み信号生成部123のフィルタ係数として使用する。これにより、話者の切り替わり直後から、ある程度のクロストーク成分の抑圧が期待できる。また、一定期間、フィルタ係数の変動幅が所定値以下である場合等、フィルタ係数が収束すると、音響クロストーク抑圧装置105Aは、次回、読み込まれるフィルタ係数の候補として、収束したフィルタ係数をフィルタ係数保存部153に保存する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105Aは、フィルタ係数保存部153に保存されるフィルタ係数を、話者状況に対応する最新の学習済みのフィルタ係数として登録できる。したがって、話者の切り替わり直後から、クロストーク成分の抑圧がより一層期待できる。
このように、音響クロストーク抑圧装置105Aは、メイン話者である乗員Aを含む複数の乗員(複数人)がいる車室108z内(閉空間内)に配置された2個のマイクmA,mDのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、車室108z内での話者状況を話者分析部144において分析する。音響クロストーク抑圧装置105Aは、メイン話者である乗員Aの音声信号に含まれる他の乗員Dの発話によるクロストーク成分の抑圧信号(つまりクロストーク抑圧信号)を生成する畳み込み信号生成部123を有し、クロストーク成分を抑圧するための畳み込み信号生成部123のフィルタ係数を更新し、その更新結果をフィルタ更新部125Aにおいて話者状況と関連付けてフィルタ係数保存部153に保持する。音響クロストーク抑圧装置105Aは、話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、畳み込み信号生成部123により生成されたクロストーク成分の抑圧信号を用いて、乗員Aの音声信号に含まれるクロストーク成分を加算器122において抑圧する。フィルタ更新部125Aは、話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、話者状況の分析結果に対応するフィルタ係数を用いて、畳み込み信号生成部123によりクロストーク成分の抑圧信号を生成する。
これにより、音響クロストーク抑圧装置105Aは、車室108z内にいる複数の乗員(例えば乗員A,D)の話者状況に応じて、メイン話者である乗員Aの発話音声に含まれ得る音響的なクロストーク成分を適応的に抑圧でき、乗員Aの発話音声の音質を改善できる。また、話者状況に対応するフィルタ係数をキャッシュメモリから読み込むことで、話者状況に拘わらずに同一のフィルタ係数を継続して更新する場合と比べ、話者状況に応じたフィルタ係数の使用によりメイン話者の発話音声の音質の改善が期待され、更に、更新されるフィルタ係数の収束が早まることが期待できる。
また、フィルタ更新部125Aは、他の乗員Dの音声信号に基づいてフィルタ係数の更新の収束を判定した場合に、話者分析部144からの現在の話者状況と関連付けてフィルタ係数の更新の収束結果をフィルタ係数保存部153に保持する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105Aは、次回、同じ話者状況となった場合、収束しているフィルタ係数を用いてクロストーク成分をリアルタイムに抑圧できる。
また、フィルタ係数収束判定部154は、フィルタ係数の時間軸上の一定期間における変動幅に基づいて、フィルタ係数の更新の収束の有無を判定する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105Aは、フィルタ係数の変動が収まった適切なタイミングでフィルタ係数の収束を判断できる。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1では、話者が切り替わった場合、必ずフィルタ係数をリセットしたが、車両108等の閉空間内の環境下での話者状況によっては、フィルタ係数を必ずしもリセットしない方が良い場合が想定される。例えば、乗員Aの声が音声認識対象であり、乗員Dの声がクロストーク成分となる話者状況において、別の乗員Cが小声で加わった場合等が挙げられる。このような話者状況の変化があった場合、実施の形態1の変形例では、フィルタ係数をリセットすることなく、話者状況が変化する前のフィルタ係数を用いてクロストーク成分の抑圧が可能である。
(音響クロストーク抑圧装置の構成)
図8は、実施の形態1の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Bの機能的構成例を示すブロック図である。実施の形態1の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Bにおいて、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105と同一の構成要素については、同一の符号を付すことで、その説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
実施の形態1の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Bは、同様にDSP110Bにより構成される。音響クロストーク抑圧装置105Bは、実施の形態1に係るDSP110の機能的構成の他に、加算器222、フィルタ更新部225、および出力選択部230を更に有する。
クロストーク抑圧部の一例としての加算器222は、加算器122と同様に、マイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声の音声信号から、フィルタ更新部225で生成されたクロストーク抑圧信号を減算することで、マイクmAで収音されたメインの乗員Aの発話による音声に含まれるクロストーク成分(例えば乗員Dの音声)を抑圧する。
フィルタ更新部225は、マイクmAで収音されたクロストーク抑圧後の音声信号と、マイクmDで収音されて遅延時間分ずれた参照信号とに基づいて、マイクmAで収音された音声に含まれるクロストーク成分を抑圧(減算)するためのクロストーク抑圧信号を生成する。フィルタ更新部225は、畳み込み信号生成部223、更新量計算部226、非線形変換部227、およびノルム算出部228を有する。
畳み込み信号生成部223、更新量計算部226、非線形変換部227、およびノルム算出部228の機能は、それぞれ畳み込み信号生成部123、更新量計算部126、非線形変換部127、およびノルム算出部128と同様であるため、それぞれの説明を省略する。ただし、フィルタ更新部225は、話者の切り替わりがあったと判定された場合でも、畳み込み信号生成部223のフィルタ係数をリセットすることなく使用する。
出力選択部230は、話者が切り替わっていないと判定された場合に、フィルタ更新部125またはフィルタ更新部225で生成されるクロストーク抑圧信号を用いて抑圧された、クロストーク抑圧後の音声信号を選択する。出力選択部230は、話者が切り替わったと判定された場合に、切り替わった後の話者状況を基に、フィルタ係数をリセットする実施の形態1に係るフィルタ更新部125を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号、またはフィルタ係数をリセットしないフィルタ更新部225を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択する。
クロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択する際、出力選択部230は、所定の判断基準を基に、フィルタ更新部225を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部125を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを選択する。例えば、出力選択部230は、音声認識部146による音声認識の結果、スコア値が高い方のクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択してもよい。また、出力選択部230は、フィルタ係数が収束するまでの時間が短い方のクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択してもよい。なお、出力選択部230は、ユーザの切替操作にしたがい、フィルタ更新部225を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部125を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを事前に選択してもよい。
また、出力選択部230は、話者状況によってクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択してもよい。例えば、乗員Aの声が音声認識対象であり、乗員Dの声がクロストークである話者状況において、別の乗員Cが小声で加わった場合等では、出力選択部230は、フィルタ更新部225で生成されるクロストーク抑圧信号を用いて抑圧された、クロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択する。一方、乗員Cと乗員Dの声の音量に大きな差が無い場合、出力選択部230は、フィルタ更新部125で生成されるクロストーク抑圧信号を用いて抑圧された、クロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択する。
(音響クロストーク抑圧装置の動作)
図9は、実施の形態1の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Bの動作手順例を示すフローチャートである。図9の説明において、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105の動作と同一の処理については、同一のステップ番号を付すことで、その説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図9において、ステップS102の後、話者分析部144によって話者状況が分析されると、音響クロストーク抑圧装置105Bは、実施の形態1と同様、ステップS104~S109の一連の処理を実行する。つまり、音響クロストーク抑圧装置105Bは、話者状況が変化した(切り替わった)と判定された場合にフィルタ係数を初期値にリセットし、切り替わった話者状況に応じてフィルタ係数を再学習しながら畳み込み信号生成部123を使用してマイクmAで収音された音声信号(主信号)からクロストーク成分の抑圧を行う。
また、音響クロストーク抑圧装置105Bは、ステップS104~S109の一連処理と並行してステップS121~S124の処理を行う。つまり、音響クロストーク抑圧装置105Bは、話者状況が変化した(切り替わった)と判定された場合でも、フィルタ係数をリセットすることなくフィルタ係数を必要に応じて学習しながら畳み込み信号生成部223を使用してマイクmAで収音された音声信号(主信号)からクロストーク成分の抑圧を行う。
具体的には、フィルタ更新部225は、更新量計算部226で計算される、畳み込み信号生成部223のフィルタ係数を取得する(S121)。畳み込み信号生成部223は、更新量計算部226で計算されるフィルタ係数を用いて参照信号に畳み込み処理を行い、クロストーク抑圧信号を生成する(S122)。加算器222は、マイクmAで収音された音声の音声信号から、畳み込み信号生成部223により生成されたクロストーク抑圧信号を抑圧(減算)し、マイクmAで収音された音声に含まれるクロストーク成分を抑圧する。
続けて、音響クロストーク抑圧装置105Bは、フィルタ学習期間であるか否かを判別する(S123)。フィルタ学習期間は、例えば、メイン話者である乗員Aの音声に含まれるクロストーク成分を抑圧するためのフィルタ係数を学習するために、メイン話者である乗員A以外の誰かが発話している期間となる。また、フィルタ学習期間でない期間は、乗員A以外の乗員が誰も発話していない期間である。フィルタ学習期間である場合(S123、YES)、フィルタ更新部225は、更新量計算部226で計算されるフィルタ係数で畳み込み信号生成部223のフィルタ係数を更新し、その更新結果をメモリ152に記憶する(S124)。一方、フィルタ学習期間でない場合(S123、NO)、音響クロストーク抑圧装置105Bは、畳み込み信号生成部223のフィルタ係数を更新しない。
出力選択部230は、畳み込み信号生成部123を使用したクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、畳み込み信号生成部223を使用したクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを選択する(S125)。この後、音響クロストーク抑圧装置105Bは、図9の動作を終了する。
実施の形態1の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Bは、フィルタ更新部225を用いたクロストーク抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部125を用いたクロストーク抑圧後の音声信号とのいずれかを選択できる。したがって、例えば、音響クロストーク抑圧装置105Bは、音声認識部146による音声認識の結果、スコア値が高い方のクロストーク抑圧後の音声信号を選択することで、音声認識率を高めることができ、発話音声の音質が向上する。また、音響クロストーク抑圧装置105Bは、フィルタ係数が収束するまでの時間が短い方のクロストーク抑圧後の音声信号を選択することで、対象となる音声の音質が安定するまでの時間を短縮できる。
このように、音響クロストーク抑圧装置105Bは、乗員Aの音声信号に含まれる乗員Dの発話によるクロストーク抑圧信号(クロストーク成分の第2抑圧信号の一例)を生成する畳み込み信号生成部223(第2フィルタの一例)を有し、クロストーク成分を抑圧するための畳み込み信号生成部223のフィルタ係数を更新し、その更新結果をフィルタ更新部225(第2フィルタ更新部の一例)においてメモリ152に保持する。音響クロストーク抑圧装置105Bは、畳み込み信号生成部223により生成されたクロストーク抑圧信号を用いて、乗員Aの音声信号に含まれるクロストーク成分を加算器222(第2クロストーク抑圧部の一例)において抑圧する。音響クロストーク抑圧装置105Bは、加算器122からのクロストーク抑圧後の音声信号(第1出力信号の一例)と加算器222からのクロストーク抑圧後の音声信号(第2出力信号の一例)とのうちいずれかを出力選択部230において選択して出力する。
これにより、音響クロストーク抑圧装置105Bは、話者状況が変化した時にリセットされたフィルタ係数を使用してクロストーク成分が抑圧されたクロストーク抑圧後の音声信号と、話者状況が変化した時にリセットされないフィルタ係数を使用してクロストーク成分が抑圧されたクロストーク抑圧後の音声信号とを選択して出力できる。したがって、音響クロストーク抑圧装置105Bは、例えば、乗員Aの音声の音質が良い方のクロストーク抑圧後の音声信号を選択可能である。
また、出力選択部230は、クロストーク成分が抑圧された乗員Aの音声信号を音声認識した結果を基に、クロストーク抑圧後の音声信号を選択して出力する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105Bは、音声認識のスコア値が高い方の信号を選択できる。したがって、乗員Aの発話音声の音質が高くなる。
(実施の形態2の変形例)
実施の形態2の変形例では、実施の形態1の変形例と同様、車両108等の閉空間内の環境下での話者状況によっては、話者の切り替わりがあったと判定された場合に、音響クロストーク抑圧装置105Cは、変化後の話者状況に対応したフィルタ係数をフィルタ係数保存部153B(図12参照)から読み込むことなく、話者状況の変化前のフィルタ係数を用いてクロストーク成分を抑圧することも可能である。
(音響クロストーク抑圧装置の構成)
図10は、実施の形態2の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Cの機能的構成例を示すブロック図である。実施の形態2の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Cにおいて、実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105A、および実施の形態1の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Bと同一の構成要素については、同一の符号を付すことで、その説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
実施の形態2の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Cは、同様にDSP110Cにより構成される。音響クロストーク抑圧装置105Cは、実施の形態2に係るDSP110Aの機能的構成の他に、実施の形態1の変形例と同様、加算器222、フィルタ更新部225、および出力選択部230を更に有する。
出力選択部230は、実施の形態1の変形例と同様の方法で、フィルタ更新部225を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部125Aを用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを選択する。
出力選択部230は、所定の判断基準を基に、フィルタ更新部225を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部125Aを用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを選択する。例えば、出力選択部230は、音声認識部146による音声認識の結果、スコア値が高い方のクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択してもよい。また、出力選択部230は、フィルタ係数が収束するまでの時間が短い方のクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択してもよい。また、出力選択部230は、実施の形態1の変形例と同様、話者状況によってクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択してもよい。なお、出力選択部230は、ユーザの切替操作にしたがい、フィルタ更新部225を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部125Aを用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを事前に選択してもよい。
(音響クロストーク抑圧装置の動作)
図11は、実施の形態2の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Cの動作手順例を示すフローチャートである。図11の説明において、実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aの動作あるいは実施の形態1の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Bの動作と同一の処理については、同一のステップ番号を付すことで、その説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図11において、ステップS102の後、話者分析部144によって話者状況が分析されると、音響クロストーク抑圧装置105Cは、実施の形態2と同様に、ステップS104~S112の一連の処理を実行する。つまり、音響クロストーク抑圧装置105Cは、話者状況が変化した(切り替わった)と判定された場合に過去に学習済みのフィルタ係数を読み込み、畳み込み信号生成部123を使用してクロストーク成分の抑圧を行う。また、音響クロストーク抑圧装置105Cは、ステップS104~S112の一連の処理と並行し、実施の形態1の変形例と同様に、ステップS121~S124の一連の処理を行う。つまり、音響クロストーク抑圧装置105Cは、過去に学習済みのフィルタ係数を読み込むことなく、畳み込み信号生成部223を使用してクロストーク成分の抑圧を行う。
ステップS125において、出力選択部230は、フィルタ更新部125Aを用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部225を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを選択する。
実施の形態2の変形例に係る音響クロストーク抑圧装置105Cは、フィルタ更新部125Aを用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部225を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを選択できる。したがって、例えば、音響クロストーク抑圧装置105Cは、音声認識部146による音声認識の結果、スコア値が高い方のクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択することで、音声認識率を高めることができ、発話音声の音質が向上する。また、音響クロストーク抑圧装置105Cは、フィルタ係数が収束するまでの時間が短い方のクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択することで、音声認識対象となるメイン話者(例えば乗員A)の発話による音声の音質が安定するまでの時間を短縮できる。
このように、音響クロストーク抑圧装置105Cは、乗員Aの音声信号に含まれる乗員Dの発話によるクロストーク抑圧信号(クロストーク成分の第2抑圧信号の一例)を生成する畳み込み信号生成部223(第2フィルタの一例)を有し、クロストーク成分を抑圧するための畳み込み信号生成部223のフィルタ係数を更新し、その更新結果をフィルタ更新部225においてメモリ152に保持する。音響クロストーク抑圧装置105Cは、畳み込み信号生成部223により生成されたクロストーク抑圧信号を用いて、乗員Aの音声信号に含まれるクロストーク成分を加算器222において抑圧する。音響クロストーク抑圧装置105Cは、加算器122からのクロストーク抑圧後の音声信号(第1出力信号の一例)と加算器222からのクロストーク抑圧後の音声信号(第2出力信号の一例)とのうちいずれかを出力選択部230において選択して出力する。
これにより、音響クロストーク抑圧装置105Cは、話者状況が変化した時にフィルタ係数保存部153(例えばキャッシュメモリ)に保持された話者状況に対応するフィルタ係数を使用してクロストーク成分が抑圧されたクロストーク抑圧後の音声信号と、話者状況が変化した時に読み込まれないフィルタ係数を使用してクロストーク成分が抑圧されたクロストーク抑圧後の音声信号とを選択して出力できる。したがって、音響クロストーク抑圧装置105Cは、例えば乗員Aの音声の音質が良い方のクロストーク抑圧後の音声信号を選択可能である。
また、出力選択部230は、クロストーク成分が抑圧された乗員Aの音声信号を音声認識した結果を基に、クロストーク抑圧後の音声信号を選択して出力する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105Cは、音声認識のスコア値が高い方の信号を選択できる。したがって、乗員Aの発話音声の音質が高くなる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1に示した、話者が切り替わった場合にフィルタ係数を初期値にリセットして再学習する方法と、実施の形態2に示した、過去に学習済みのフィルタ係数を読み込む方法とを、音響クロストーク抑圧装置が選択可能である場合を示す。
(音響クロストーク抑圧装置の構成)
図12は、実施の形態3に係る音響クロストーク抑圧装置105Dの機能的構成例を示すブロック図である。音響クロストーク抑圧装置105Dは、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105および実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aの機能的構成の他に、出力選択部230を更に有する。音響クロストーク抑圧装置105Dにおいて、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105および実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aと同一の構成要素については、同一の符号を付すことで、その説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。例えば、実施の形態2の加算器122と、実施の形態3の加算器122Bとは、同一の構成である。また、実施の形態2のフィルタ更新部125Aと、実施の形態3のフィルタ更新部125Bとは、同一の構成である。その他の各部においても同様であるとして説明を省略する。
出力選択部230は、所定の判断基準を基に、フィルタ更新部125を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部125Bを用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを選択する。例えば、出力選択部230は、音声認識部146による音声認識の結果、スコア値が高い方のクロストーク抑圧後の音声信号を選択してもよい。また、出力選択部230は、フィルタ係数が収束するまでの時間が短い方のクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択してもよい。また、出力選択部230は、実施の形態1の変形例と同様、話者状況によってクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択してもよい。なお、出力選択部230は、ユーザの切替操作にしたがい、フィルタ更新部125を用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、フィルタ更新部125Bを用いたクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを事前に選択してもよい。
(音響クロストーク抑圧装置の動作)
図13は、実施の形態3に係る音響クロストーク抑圧装置105Dの動作手順例を示すフローチャートである。図13の説明において、実施の形態1に係る音響クロストーク抑圧装置105の動作あるいは実施の形態2に係る音響クロストーク抑圧装置105Aの動作と同一の処理については、同一のステップ番号を付することで、その説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図13において、ステップS102の後、話者分析部144によって話者状況が分析されると、音響クロストーク抑圧装置105Dは、実施の形態1のステップS104~S109の一連の処理を実行する。つまり、音響クロストーク抑圧装置105Dは、話者状況が変化した(切り替わった)と判定された場合にフィルタ係数を初期値にリセットしてファイル係数を再学習しながら畳み込み信号生成部123を使用してクロストーク成分の抑圧を行う。また、音響クロストーク抑圧装置105Dは、ステップS104~S109の一連の処理と並行し、実施の形態2と同様に、ステップS104B~S112Bの一連の処理を実行する。つまり、音響クロストーク抑圧装置105Dは、話者状況が変化した(切り替わった)と判定された場合に過去に学習済みのフィルタ係数を読み込み、畳み込み信号生成部123Bを使用してクロストーク成分の抑圧を行う。
ステップS125において、出力選択部230は、畳み込み信号生成部123を使用した、実施の形態1のクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、畳み込み信号生成部123Bを使用した、実施の形態2のクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを選択する。
実施の形態3に係る音響クロストーク抑圧装置105Dは、実施の形態1のクロストーク成分の抑圧後の音声信号と、実施の形態2のクロストーク成分の抑圧後の音声信号とのいずれかを選択できる。したがって、例えば、音響クロストーク抑圧装置105Dは、スコア値が高い方のクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択することで、音声認識率を高めることができ、発話音声の音質が向上する。また、音響クロストーク抑圧装置105Dは、フィルタ係数が収束するまでの時間が短い方のクロストーク成分の抑圧後の音声信号を選択することで、対象となる音声の音質が安定するまでの時間を短縮できる。
このように、音響クロストーク抑圧装置105Dは、乗員Aの音声信号に含まれる乗員Dの発話によるクロストーク抑圧信号(クロストーク成分の第2抑圧信号の一例)を生成する畳み込み信号生成部123B(第2フィルタ)を有し、クロストーク成分を抑圧するための畳み込み信号生成部123Bのフィルタ係数を更新し、その更新結果をフィルタ更新部125Bにおいて話者状況と関連付けてフィルタ係数保存部153B(第2メモリの一例)に保持する。音響クロストーク抑圧装置105Dは、畳み込み信号生成部123Bにより生成されたクロストーク抑圧信号を用いて、乗員Aの音声信号に含まれるクロストーク成分を加算器122B(第2クロストーク抑圧部の一例)において抑圧する。音響クロストーク抑圧装置105Dは、加算器122からのクロストーク抑圧後の音声信号(第1出力信号の一例)と加算器122Bからのクロストーク抑圧後の音声信号(第2出力信号の一例)とのうちいずれかを出力選択部230において選択して出力する。フィルタ更新部125Bは、話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、話者状況の分析結果に対応する畳み込み信号生成部123Bのフィルタ係数を用いて、畳み込み信号生成部123Bによりクロストーク抑圧信号を生成する。
これにより、音響クロストーク抑圧装置105Dは、話者状況が変化した時にリセットされたフィルタ係数を使用してクロストーク成分が抑圧されたクロストーク抑圧後の音声信号と、話者状況が変化した時にキャッシュメモリに保持された話者状況に対応するフィルタ係数を使用してクロストーク成分が抑圧されたクロストーク抑圧後の音声信号と、を選択して出力できる。したがって、音響クロストーク抑圧装置105Dは、例えば、乗員Aの音声の音質が良い方のクロストーク抑圧後の音声信号を選択可能である。
また、出力選択部230は、クロストーク成分が抑圧された乗員Aの音声信号を音声認識した結果を基に、クロストーク抑圧後の音声信号を選択して出力する。これにより、音響クロストーク抑圧装置105Dは、音声認識のスコア値が高い方の信号を選択できる。したがって、乗員Aの発話音声の音質が高くなる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施の形態では、車室内に配置されるマイクの数が2個である場合を示したが、3個以上の数のマイクが車室内に配置されてもよい。この場合、音響クロストーク抑圧装置105,105A,105B,105C,105Dは、主信号を入力するマイクを除く、マイクの数だけディレイおよびフィルタ更新部の組を備える。例えば、マイクの数が4個である場合、音響クロストーク抑圧装置105,105A,105B,105C,105Dには、3組のディレイおよびフィルタ更新部の組み合わせに相当する構成が設けられる。
本開示は、音響クロストーク抑圧装置において、車室等の閉空間に存在する複数の乗員の話者状況に応じて、メイン話者の発話音声に含まれ得る音響的なクロストーク成分を適応的に抑圧し、メイン話者の発話音声の音質を改善する音響クロストーク抑圧装置および音響クロストーク抑圧方法として有用である。
105、105A、105B、105C、105D 音響クロストーク抑圧装置
108 車両
108z 車室
122、222 加算器
123、123B、223 畳み込み信号生成部
125、125A、125B、225 フィルタ更新部
126、126B、226 更新量計算部
127、127B、227 非線形変換部
128、128B、228 ノルム算出部
129 ディレイ
141、141B フィルタ係数監視部
142 音圧分析部
143 抑圧量分析部
144 話者分析部
145 フィルタリセット部
146 音声認識部
150、152 メモリ
151、151B フィルタ係数読込部
153 フィルタ係数保存部
154、154B フィルタ係数収束判定部
230 出力選択部
mA、mD マイク

Claims (14)

  1. メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析する話者分析部と、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持するフィルタ更新部と、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットするリセット部と、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧するクロストーク抑圧部と、を備え、
    前記フィルタ更新部は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて前記フィルタのパラメータを更新し、
    前記話者分析部は、前記複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号のレベルと閾値との比較に応じて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無を分析する、
    音響クロストーク抑圧装置。
  2. メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析する話者分析部と、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持するフィルタ更新部と、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットするリセット部と、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧するクロストーク抑圧部と、を備え、
    前記フィルタ更新部は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて前記フィルタのパラメータを更新し、
    前記話者分析部は、前記フィルタのパラメータの時間軸上の変動量に基づいて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無を分析する
    響クロストーク抑圧装置。
  3. メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析する話者分析部と、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持するフィルタ更新部と、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットするリセット部と、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧するクロストーク抑圧部と、を備え、
    前記フィルタ更新部は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて前記フィルタのパラメータを更新し、
    前記話者分析部は、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分の抑圧量と閾値との比較に応じて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無を分析する
    響クロストーク抑圧装置。
  4. メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析する話者分析部と、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持するフィルタ更新部と、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットするリセット部と、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧するクロストーク抑圧部と、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる前記他の話者の発話によるクロストーク成分の第2抑圧信号を生成する第2フィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記第2フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持する第2フィルタ更新部と、
    前記第2フィルタにより生成された前記第2抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧する第2クロストーク抑圧部と、
    前記クロストーク抑圧部からの第1出力信号と前記第2クロストーク抑圧部からの第2出力信号とのうちいずれかを選択して出力する出力選択部と、を備え
    前記フィルタ更新部は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて前記フィルタのパラメータを更新する、
    響クロストーク抑圧装置。
  5. メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析する話者分析部と、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記フィルタのパラメータを更新し、その更新結果を前記話者状況と関連付けてメモリに保持するフィルタ更新部と、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧するクロストーク抑圧部と、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる前記他の話者の発話によるクロストーク成分の第2抑圧信号を生成する第2フィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記第2フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持する第2フィルタ更新部と、
    前記第2フィルタにより生成された前記第2抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧する第2クロストーク抑圧部と、
    前記クロストーク抑圧部からの第1出力信号と前記第2クロストーク抑圧部からの第2出力信号とのうちいずれかを選択して出力する出力選択部と、を備え、
    前記フィルタ更新部は、前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記話者状況の分析結果に対応する前記フィルタのパラメータを用いて、前記フィルタにより前記抑圧信号を生成する、
    音響クロストーク抑圧装置。
  6. メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析する話者分析部と、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持するフィルタ更新部と、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットするリセット部と、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧するクロストーク抑圧部と、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の第2抑圧信号を生成する第2フィルタを有し、前記クロストーク成分を抑圧するための前記第2フィルタのパラメータを更新し、その更新結果を前記話者状況と関連付けて第2メモリに保持する第2フィルタ更新部と、
    前記第2フィルタにより生成された前記第2抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧する第2クロストーク抑圧部と、
    前記クロストーク抑圧部からの第1出力信号と前記第2クロストーク抑圧部からの第2出力信号とのうちいずれかを選択して出力する出力選択部と、を備え、
    前記フィルタ更新部は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて前記フィルタのパラメータを更新し、
    前記第2フィルタ更新部は、前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記話者状況の分析結果に対応する前記第2フィルタのパラメータを用いて、前記第2フィルタにより前記第2抑圧信号を生成する
    響クロストーク抑圧装置。
  7. 前記出力選択部は、前記クロストーク成分が抑圧された前記メイン話者の音声信号を音声認識した結果を基に、前記第1出力信号または前記第2出力信号を選択して出力する、
    請求項のうちいずれか一項に記載の音響クロストーク抑圧装置。
  8. 音響クロストーク抑圧装置により実行される音響クロストーク抑圧方法であって、
    メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析し、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持し、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットし、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、
    前記パラメータの更新は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて実行され
    前記分析では、前記複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号のレベルと閾値との比較に応じて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無が分析される、
    音響クロストーク抑圧方法。
  9. 音響クロストーク抑圧装置により実行される音響クロストーク抑圧方法であって、
    メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析し、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持し、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットし、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、
    前記パラメータの更新は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて実行され、
    前記分析では、前記フィルタのパラメータの時間軸上の変動量に基づいて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無が分析される、
    音響クロストーク抑圧方法。
  10. 音響クロストーク抑圧装置により実行される音響クロストーク抑圧方法であって、
    メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析し、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持し、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットし、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、
    前記パラメータの更新は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて実行され、
    前記分析では、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分の抑圧量と閾値との比較に応じて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無が分析される、
    音響クロストーク抑圧方法。
  11. 音響クロストーク抑圧装置により実行される音響クロストーク抑圧方法であって、
    メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析し、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持し、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットし、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる前記他の話者の発話によるクロストーク成分の第2抑圧信号を生成する第2フィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持し、
    前記第2フィルタにより生成された前記第2抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、
    前記フィルタに基づく前記クロストーク成分の抑圧後の第1出力信号と前記第2フィルタに基づく前記クロストーク成分の抑圧後の第2出力信号とのうちいずれかを選択して出力し、
    前記パラメータの更新は、前記フィルタのパラメータがリセットされた後、前記他の話者の音声信号に基づいて実行される、
    音響クロストーク抑圧方法。
  12. 音響クロストーク抑圧装置により実行される音響クロストーク抑圧方法であって、
    メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析し、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタのパラメータを更新し、その更新結果を前記話者状況と関連付けてメモリに保持し、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる前記他の話者の発話によるクロストーク成分の第2抑圧信号を生成する第2フィルタのパラメータを更新し、その更新結果を前記メモリに保持し、
    前記第2フィルタにより生成された前記第2抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、
    前記フィルタに基づく前記クロストーク成分の抑圧後の第1出力信号と前記第2フィルタに基づく前記クロストーク成分の抑圧後の第2出力信号とのうちいずれかを選択して出力し、
    前記抑圧信号の生成は、前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記話者状況の分析結果に対応する前記フィルタのパラメータを用いて、前記フィルタにより実行される、
    音響クロストーク抑圧方法。
  13. 音響クロストーク抑圧装置により実行される音響クロストーク抑圧方法であって、
    メイン話者を含む複数人がいる閉空間内に配置された複数のマイクのそれぞれにより収音された各音声信号に基づいて、前記閉空間内での話者状況を分析し、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の抑圧信号を生成するフィルタのパラメータを更新し、その更新結果をメモリに保持し、
    前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記メモリに保持されている前記フィルタのパラメータをリセットし、
    前記フィルタにより生成された前記抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、
    前記メイン話者の音声信号に含まれる他の話者の発話によるクロストーク成分の第2抑圧信号を生成する第2フィルタのパラメータを更新し、その更新結果を前記話者状況と関連付けて第2メモリに保持し、
    前記第2フィルタにより生成された前記第2抑圧信号を用いて、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分を抑圧し、
    前記フィルタに基づく前記クロストーク成分の抑圧後の第1出力信号と前記第2フィルタに基づく前記クロストーク成分の抑圧後の第2出力信号とのうちいずれかを選択して出力し、
    前記分析では、前記メイン話者の音声信号に含まれる前記クロストーク成分の抑圧量と閾値との比較に応じて、前記閉空間内での話者状況の変更の有無が分析され、
    前記第2抑圧信号の生成は、前記話者状況の分析結果が直前の話者状況から切り替わったと判定された場合に、前記話者状況の分析結果に対応する前記第2フィルタのパラメータを用いて、前記第2フィルタにより実行される、
    音響クロストーク抑圧方法。
  14. 前記出力は、前記クロストーク成分が抑圧された前記メイン話者の音声信号を音声認識した結果を基に、前記第1出力信号または前記第2出力信号が選択されて出力される、
    請求項11~13のうちいずれか一項に記載の音響クロストーク抑圧方法。
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