JP7485465B2 - 電力制御装置、及び電力制御方法 - Google Patents

電力制御装置、及び電力制御方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、電力制御装置、及び電力制御方法に関する。
電力系統から供給される電力と、電力系統と比較して発電電力の変動がより大きい再生可能エネルギー発電装置の電力とを用いて、水素を製造する水素生成システムが一般に知られている。このような水素システムでは、電力系統から供給される電力の需給バランスを調整しつつ、水素需要を満す水素量の製造が行われる。
一方で、需給バランスの調整では、エネルギー管理システムが気象等の情報を元に再生可能エネルギーの発電電力を予測し、予めある時間帯でどれだけ売電(または買電)するか申告する。そして、申告した時間帯になると各装置を制御して申告した計画と売電電力量[kWh](または買電電力量[kWh])の実績を一致させる必要がある。一般的には需給バランスの調整は30分単位で行われ、30分間の電力量[kWh](=瞬時電力の積算値)を一致させる。ところが、水素製造装置の制御応答は再生可能エネルギー発電装置の変動と比較すると一般的に遅くなってしまう。
また、これまでは、一般に発電所(火力発電所など)が主に需給バランスの調整を実施していた。しかし、近年、再生可能エネルギーの普及が進んでおり、今後は再生可能エネルギーによる需給バランスの調整が求められる。
特開2020-058168号公報
しかし、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーによる発電は、天候等により発電量が急変することが考えられる。このため、30分以内の短期変動が大きいケースも頻発し、計画した売電電力量と実際に売電した売電電力量がずれてしまう恐れがある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、再生可能エネルギー発電装置における売電電力量の計画値と実績値のずれを抑制可能な電力制御装置、及び電力制御方法を提供することである。
本実施形態に係る水素システムの電力制御装置は、再生可能エネルギー発電装置が生成する発電電力の供給を制御する電力制御装置であって、取得部と、制御部と、を備える。取得部は、所定期間における売電電力量に関する情報を取得する。制御部は、所定期間における時系列な売電電力の積算値が前記売電電力量となるように、発電電力のなかから電力を売電させる制御を再生可能エネルギー発電装置の電力供給部に行う。制御部は、所定期間内における第1期間の売電電力の平均値を第1期間よりも後の所定期間内における第2期間の平均値よりも大きくする。
本実施形態によれば、売電電力量の計画値と実績値のずれを抑制できる。
水素生成システムの構成を示すブロック図。 水素製造プラントの構成を示すブロック図。 電力制御装置の構成を示すブロック図。 売電電力量計画値の情報を含む指令信号の情報例を示す表。 リアルタイム目標値を平均売電電力量計画値とした場合の制御例を示す図。 リアルタイム目標値を発電電力から減じた値にした制御例を示す図。 リアルタイム目標値を(4)式に従い生成した制御例を示す図。 リアルタイム目標値を(5)式に従い生成した制御例を示す図。 電力制御装置の制御例を示すフローチャート。 第2実施形態に係る電力制御装置の構成例を示すブロック図。 予測発電電力とリアルタイム目標値との関係を示す図。 予測発電電力をベースにリアルタイム目標値の値を変更した例を示す図。 第2実施形態に係る電力制御装置の制御例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態に係る水素制御装置、及び水素制御方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る水素生成システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る水素生成システム1は、水素を生成するシステムであり、水素製造プラント10と、エネルギー管理システム20と、電力制御装置30とを備えて構成されている。図1では、更に電力系統Epsが図示されている。
本実施形態では、電力供給状況に応じて水素製造プラント10の電力消費パターンを変化させることをディマンドリスポンス(以下、単にDRと記す場合がある)と称する。ディマンドリスポンスには、「需要削減」としての所謂「下げDR」と、「需要増加」としての所謂「上げDR」の2通りがある。所謂「下げDR」には、水素製造プラント10の電力消費量の抑制、および電力生産量の増加の少なくともいずれかが行われる。例えば、この電力生産量の増加時には、水素製造プラント10が生成した電力を売電することが行われる。
所謂「上げDR」には、水素製造プラント10の電力消費量の増加、および電力生産量の抑制の少なくともいずれかが行われる。これにより、「下げDR」では、効果的に電力系統Epsのピークカットを行うことが可能となる。「上げDR」では、電力の供給過多状態に陥った際に、需要家に対し電力の消費増加を促すことで、電圧や周波数等の電気の品質安定化を行うことが可能となる
水素製造プラント10は、水素製造プラント10内の再生可能エネルギー発電装置が生成する発電電力pv(t)の中から余乗した電力を瞬時売電電力x(t)として売電することが可能である。つまり、瞬時売電電力x(t)を電力系統Eps側へ逆潮流させて電力を売電する。ここで、tは時間を示す。なお、本実施形態に係る瞬時売電電力x(t)が、売電電力に対応する。
また、水素製造プラント10は、再生可能エネルギー発電装置が生成する発電電力pv(t)と、電力系統Epsから供給される電力とにより水素を製造する。この水素製造プラント10は、発電電力pv(t)及び瞬時売電電力x(t)の情報を含む測定信号を電力制御装置30に出力する。
エネルギー管理システム20は、所定の期間における売電電力量計画値svの情報を含む指令信号を電力制御装置30に出力する。また、売電電力量計画値svが設定された所定の時間区間は、ディマンドリスポンス期間に対応する。ディマンドリスポンス期間では、売電電力量計画値svが例えば電力会社との取り決めにより設定される。
このため、ディマンドリスポンス期間における売電電力量計画値svに売電電力量が達しないと、例えば売電電力量計画値svに達しない売電電力量に対して、契約によってはペナルティが課せられる可能性がある。ディマンドリスポンス期間は、例えば30分単位であり、その期間は例えば30~120分である。このように、エネルギー管理システム20は、水素製造プラント10の運転計画を作成するシステムである。運用計画は、一般的には1日を30分単位で分割した48分割の運転計画である。
電力制御装置30は、エネルギー管理システム20が作成する運転計画に基づき、水素製造プラント10を制御する制御装置である。より具体的には、電力制御装置30は、水素製造プラント10から供給される発電電力pv(t)及び瞬時売電電力x(t)の情報を含む測定信号と、売電電力量計画値svの情報を含む指令信号とに基づき、水素製造プラント10の入力電力指示値u(t)と、パワーコンディショナの出力電力p(t)の情報を含む指令信号を水素製造プラント10に出力する。
電力系統Epsは、例えば電力会社が管理する送配電網である。
図2は、水素製造プラント10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、水素製造プラント10は、再生可能エネルギー発電装置10a、パワーコンディショナ10b、水素製造装置10c、水素貯蔵装置10dを備える。図2では、さらに水素負荷HRが図示されている。なお、本実施形態では、交流電力値を基準値として説明するが、これに限定されず直流電力値を基準値としてもよい、例えば、本実施形態に係る発電電力pv(t)は交流電力値であるが、これに限定されず直流電力値で発電電力pv(t)を示してもよい。
再生可能エネルギー発電装置10aは、自然エネルギー由来の発電設備を有する。この再生可能エネルギー由来の発電設備は、例えば太陽光を用いた太陽光発電装置(PV)であり、発電電力pv(t)を生成する。例えば、本実施形態に係る再生可能エネルギー発電装置10aは、発電電力pv(t)を売電側と水素製造装置10cを分岐し、再生可能エネルギー発電装置10aが有する電力供給部が直流交流変換する。上述のように、再生可能エネルギー発電装置10aは、発電電力の交流電力値である発電電力pv(t)及び瞬時売電電力x(t)の情報を含む測定信号を電力制御装置30に出力する。なお、本実施形態では、再生可能エネルギー発電装置10aが発電する電力をPV発電電力と称する場合がある。
再生可能エネルギー発電装置10aは、化石燃料などの燃料が不要であるが、その発電量は天候などの環境の影響を受けるため不安定である。なお、再生可能エネルギー発電装置10aは、風力発電設備でもよく、或いはバイオマスやバイオマス由来廃棄物などの新エネルギーを利用した発電設備でもよい。なお、本実施形態に係る水素製造プラント10は、水素製造プラント10内の再生可能エネルギー発電装置を有するが、これに限定されない。例えば、水素製造プラント10は、再生可能エネルギー発電装置10aを有さない構成としてもよい。この場合、電力制御装置30は、水素製造プラント10と、再生可能エネルギー発電装置10aとを、それぞれ制御してもよい。
パワーコンディショナ10bは、例えばコンバータを含んで構成される。このコンバータは、再生可能エネルギー発電装置10aが出力した発電電力pv(t)を所定の出力電力p(t)に変換する。より具体的には、パワーコンディショナ10bは、電力制御装置30から入力された出力電力p(t)の情報を含む指令信号に従い、発電電力pv(t)の大きさを調整した出力電力p(t)を水素製造装置10cに供給する。すなわち、パワーコンディショナ10bが出力する出力電力p(t)の大きさは発電電力pv(t)以下に調整される。なお、本実施形態では、直流電力を売電側と水素製造装置10cを分岐し、再生可能エネルギー発電装置10aが有する電力供給部が直流交流変換する構成としているがこれに限定されない。例えば、パワーコンディショナ10bは、再生可能エネルギー発電装置10aが有する構成としてもよい。この場合、パワーコンディショナ10bからの電力供給を売電側と水素製造装置10c側とに分岐して供給するように構成し、制御してもよい。このような構成では、再生可能エネルギー発電装置10aが有するワーコンディショナ10bが電力供給部に対応する。
水素製造装置10cは、電気と水から、水電解により水素を製造する。水素製造装置10cは、例えば、アルカリ性の溶液に電流を流すことにより、水素及び酸素を製造する電気水分解装置である。また、水素製造装置10cは、水素配管を介して、生成した水素量H(t)を、水素貯蔵装置10dに蓄える。また、水素製造装置10cは、水素製造量h(t)の情報を含む測定信号を電力制御装置30に出力する。
水素製造装置10cは、電力制御装置30から入力された入力電力指示値u(t)の情報を含む指令信号に従い、入力電力指示値u(t)に対応する水素量H(t)を製造する。発電電力pv(t)の余乗電力の売電時には、一般に電力系統Epsから電力供給を受けないため、パワーコンディショナ10bが出力する出力電力p(t)と入力電力指示値u(t)は同等の値である。このため、以下では、売電時の制御例として、入力電力指示値u(t)について説明する。なお、本実施形態では、売電時の制御例として、入力電力指示値u(t)について説明するがこれに限定されない。例えば、出力電力p(t)も入力電力指示値u(t)と同様に制御可能である。
水素貯蔵装置10dは、水素製造装置10cにより製造された水素を蓄える。この水素貯蔵装置10dは、水素製造装置10cと、水素負荷HRと、に配管を介して接続される。また、水素貯蔵装置10dは、配管を介して、水素負荷HRに水素を供給する。なお、再生可能エネルギー発電装置10a及びパワーコンディショナ10bは水素製造プラント10外に配置してもよい。すなわち、水素製造プラント10は、再生可能エネルギー発電装置10a及びパワーコンディショナ10bを含まない構成でもよい。
水素負荷HRは、例えば、燃料電池発電装置や燃料電池自動車などである。或いは、水素負荷HRは、水素を各需要家へ配送するためのトレーラでもよい。
図3は、電力制御装置30の構成を示すブロック図である。図3に示すように、電力制御装置30は、記憶部30aと、インターフェース部30bと、制御部30cとを有する。
記憶部30aは、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク等により実現される。この記憶部30aは、制御部30cが実行するプログラム、各種の制御用のデータ、及び制御用のパラメータを記憶する。例えば、後述するリアルタイム目標値生成部302が用いる設定パラメータを記憶する。
インターフェース部30bは、再生可能エネルギー発電装置10a(図2)、水素製造プラント10(図2)、及びエネルギー管理システム20(図2)と通信する。これにより、インターフェース部30bは、瞬時売電電力x(t)、発電電力pv(t)、売電電力量計画値svなどを取得する。なお、本実施形態に係るインターフェース部30bが取得部に対応する。
また、インターフェース部30bは、エネルギー管理システム20(図2)から、制御の時間区間毎に、PV発電電力量予測値PreP、プラント消費電力量(=最小)、及びPV発電量信頼区間などの情報を含む指令信号を受信することが可能である。PV発電量信頼区間は、予測発電電力PrePの確率分布を示す情報である。例えば、確率分布は、標準偏差σの正規分布により示される。この、標準偏差σが大きくなるに従い、PV発電電力量予測値PrePの予測精度が低下することを示す。
制御部30cは、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、記憶部30aに記憶されるプログラムに基づき、制御を実行する。この制御部30cは、積算目標値生成部300と、リアルタイム目標値生成部302と、指令値演算部304と、指令値出力部306とを、有する。なお、積算目標値生成部300、リアルタイム目標値生成部302、指令値演算部304、及び値出力部306をそれぞれ、回路で構成してもよい。また、本実施形態では、ディマンドレスポンス期間などの制御の時間区間における開始時刻はコマ開始時刻と称し、終了時刻はコマ終了時刻と称する。また、ディマンドレスポンス期間の単位時間をコマと称する。なお、本実施形態に係るリアルタイム目標値生成部302が目標値生成部に対応し、後述するリアルタイム目標値sv(t)が目標値に対応する。
積算目標値生成部300は、エネルギー管理システム20から取得した売電電力量計画値svを用いて、現在のコマの積算目標値sv_Iを生成する。制御部30cは、ディマンドレスポンスでは、この積算目標値sv_Iと、30分間における瞬時売電電力x(t)の積算値を一致させるように水素製造プラント30を制御する。なお、本実施形態に係る積算目標値sv_Iが所定期間における売電電力量に対応する。
図4は、エネルギー管理システム20から取得する売電電力量計画値svの情報を含む指令信号の情報例を示す表である。PV発電電力量予測値Prepは、1コマ分、すなわち30分間での再生可能エネルギー発電装置10aの発電電力量の予測値である。図4では、PV発電電力量予測値が6000kwhであり、30分間の平均PV発電電力量予測値が12000kwである。プラント消費電力量(=最小)が1000kwhであり、30分間の平均プラント消費電力量(=最小)が2000kwである。このプラント消費電力量(=最小)は、例えば水素製造プラント10の水素非製造時の電力を示す。また、売電電力量計画値svが5000kwhであり、30分間の平均売電電力量計画値が10000kwである。
積算目標値生成部300は、売電電力量計画値svに基づき、例えば(1)式にしたがい現在のコマの積算目標値sv_Iを生成する。この積算目標値sv_Iは、コマの中では不変の値のため、コマ開始時に計算する。
Figure 0007485465000001
リアルタイム目標値生成部302は、記憶部30aに記憶された設定パラメータと積算目標値生成部300で生成した積算目標値sv_Iを用いて、1秒や1分などの制御周期における制御目標である瞬時売電電力x(t)のリアルタイム目標値sv(t)を生成する。リアルタイム目標値生成部302の詳細な制御例は後述する。
指令値演算部304は、リアルタイム目標値生成部302で生成されたリアルタイム目標値sv(t)を制御周期毎における制御目標として、水素製造装置10cの入力電力指示値u(t)を演算する。そして、指令値出力部306は、入力電力指示値u(t)を水素製造装置10cに出力する。
より具体的には、指令値演算部304は、(2)、(3)式に従い、リアルタイム目標値sv(t)と瞬時売電電力x(t)が一致するように、PID制御により入力電力指令値u(t)を演算する。KP、KI、KDはそれぞれPIDコントローラの制御パラメータである。
Figure 0007485465000002
Figure 0007485465000003
図5は、比較例として、リアルタイム目標値sv(t)を平均売電電力量計画値である10000kw(図4参照)とした場合の制御例を示す図である。縦軸は電力を示し、横軸は1コマ内の時間を示す。
図5に示すように、指令値演算部304は、(2)、(3)式に従い、瞬時売電電力x(t)がリアルタイム目標値sv(t)と一致するように、入力電力指令値u(t)を生成する。発電電力pv(t)の余剰量が発生する場合は、売電電力の実績x(t)とリアルタイム目標値sv(t)との誤差e(t)が大きくなるため、入力電力指令値u(t)が増加する。つまり、発電電力pv(t)の余剰量が発生すると、PID制御によって余分に水素を製造することができ、効率的な運転が可能となる。なお、本実施形態に係る指令値演算部304が指令値生成部に対応する。
一方で、図5では、発電電力pv(t)が1コマの後半では、リアルタイム目標値sv(t)よりも低下してしまう例を示している。このような場合には、プラント消費電力は最小値(図4参照)より減少することができないため、瞬時売電電力x(t)がリアルタイム目標値sv(t)を下回ってしまう。これにより、30分間における売電電力量計画値svに基づく積算目標値sv_Iと、瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値とが一致せず、ディマンドレスポンスに失敗することとなる。
このように、30分先のPV発電電力が不明のため瞬時売電電力x(t)のリアルタイム目標値sv(t)を30分間一定とした場合、30分間の前半にPVの余剰分が発生すると余剰に水素を製造して瞬時売電電力を目標値と一致させることができるが、30分間の後半にPV発電電力が減少すると瞬時売電電力が減少し目標値と一致させることができない。
そこで、本実施形態に係るリアルタイム目標値生成部302は、リアルタイム目標値sv(t)を一定にするのではなく、状況に応じて変化するリアルタイム目標値sv(t)を生成する。これにより、積算目標値sv_I((1)式参照)と瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値を一致させるように制御する。
図6は、リアルタイム目標値sv(t)を発電電力pv(t)から減じた値にした制御例を示す図である。縦軸は電力を示し、横軸は1コマ内の時間を示す。図6では、後半で、入力電力指令値u(t)を増加させ、積算目標値sv_Iと瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値とを一致させる。仮に、1コマ分の発電電力pv(t)が高精度に予測できた場合にはこのような制御が可能である。ただし、発電電力pv(t)を誤差なく推定することは困難である。このため、リアルタイム目標値生成部302は、例えば(4)式に従い、リアルタイム目標値を生成する。
図7は、リアルタイム目標値sv(t)を(4)式に従い生成した制御例を示す図である。縦軸は電力を示し、横軸は1コマ内の時間を示す。(4)式は、リアルタイム目標値sv(t)が時間経過に対して直線状に変換する線形式を示す。T_COUNTはコマ内の経過時間(秒)を示し、Aは直線の傾きを示す。(4)式で示すリアルタイム目標値sv(t)を1コマ分の時間である1800秒で積算すると、積算目標値sv_Iになる。すなわち、15分経過時のsv(t)が売電計画値svの30分間平均売電電力(10000kw)と一致する。
Figure 0007485465000004
リアルタイム目標値sv(t)は、例えば傾きA=-0.5(kW/s)とすると、コマ開始時(T_COUNT=0)のときはsv(t)=10450kW、15分経過時(T_COUNT=900)のときはsv(t)=10000kW、コマ終了時(T_COUNT=1800)のときはsv(t)=9550kWとなる。このように、30分間の前半に、瞬時売電電力x(t)を増加させることにより、前半の瞬時売電電力x(t)の積算値を増加させることが可能となる。すなわち、所定期間内である1コマ内における第1期間(前半)の瞬時売電電力x(t)の平均値を第1期間よりも後の1コマ内における第2期間(後半)の平均値よりも大きくする。これにより、後半にPV発電電力pv(t)が減少した場合にも、1コマ分の瞬時売電電力x(t)の積算値を積算目標値sv_Iと一致させることが可能となる。すなわち、第2期間に発電電力pv(t)が減少した場合にも、第1期間の瞬時売電電力x(t)により第2期間の瞬時売電電力x(t)の低下分を予め補うことが可能となる。このため、30分間における積算目標値sv_Iと瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値がずれる可能性を低減できる。
また、リアルタイム目標値生成部302は、予測値の予測精度に応じて前記直線の傾きをPV発電電力量予測値Prepの予測精度に応じて変更してもよい。すなわち、予測精度に関する情報である標準偏差σが小さくなるにしたがい傾きAを小さくする。
また、PV発電電力量予測値Prepの予測を、ディマンドリスポンスの取り決め前にエネルギー管理システム20から取得可能である場合がある。このような場合には、PV発電電力量予測値Prepの予測精度が低下するのに応じて、例えば電力会社等との取り決めに従い(1)式で示す売電電力量計画値svを低減させるとともに、積算目標値sv_Iを低下させてもよい。すなわち、売電電力量計画値sv(図4参照)を低減させる。これにより、30分間における積算目標値sv_Iと瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値がずれる可能性をより低減可能となる。
さらにまた、PV発電電力量予測値Prepの予測が、ディマンドリスポンスの取り決め前に取得可能(?)である場合には、予測精度が低下するに従い、積算目標値sv_Iを下げるとともに、傾きAを大きくしてもよい。これにより、より前の期間に瞬時売電電力x(t)の積算値を増加させることが可能となり、30分間における積算目標値sv_Iと瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値がずれる可能性をさらに低減できる。
記憶部30aは、時間帯別に(4)式における傾きAを予め記憶してもよい。一日の時間帯別にPV発電電力量予測値Prepの予測精度は時間帯別に周期性を有している場合がある。このため、リアルタイム目標値生成部302は、PV発電電力量予測値Prepの予測精度が不明である場合にも、(4)式における傾きAを設定可能となる。
図8は、リアルタイム目標値sv(t)を(5)式に従い生成した制御例を示す図である。縦軸は電力を示し、横軸は1コマ内の時間を示す。(5)式は、リアルタイム目標値sv(t)が時間経過に対して階段状に変化させる式を示す。(5)式で示すリアルタイム目標値sv(t)を1コマ分の時間である1800秒で積算すると、積算目標値sv_Iになる。比率αは、(0≦α≦1)である。
Figure 0007485465000005
このように、所定期間内である1コマ内の経過時間の閾値TIME_LIMIT及び比率αが予め定められており、リアルタイム目標値生成部302は、1コマ内の経過時間に応じて、時系列なリアルタイム目標値sv(t)を閾値TIME_LIMIT前後で比率αに応じて変化させる。
図8に示すように、30分間の前半に、瞬時売電電力x(t)を増加させることにより、前半の瞬時売電電力x(t)の積算値を増加させることが可能となる。すなわち、所定期間内である1コマ内における閾値TIME_LIMITより前の第1期間の瞬時売電電力x(t)の平均値を閾値TIME_LIMITよりも後の第2期間の平均値よりも大きくする。これにより、後半に発電電力pv(t)が減少した場合にも、1コマ分の瞬時売電電力x(t)の積算値を積算目標値sv_Iと一致させることが可能となる。このため、30分間における積算目標値sv_I((1)式参照)と瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値がずれる可能性を低減できる。このように、リアルタイム目標値sv(t)を時間経過に対して階段状に減少させる場合にも、30分間における積算目標値sv_Iと瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値がずれる可能性を低減できる。
(5)式に従う制御例においても、PV発電電力量予測値prepの予測精度が低下するにしたがい、比率αを増加させてもよい。積算目標値sv_Iを下げると共に、比率αを大きくすることにより、閾値TIME_LIMITより前の期間に瞬時売電電力x(t)の積算値を増加させることが可能となり、30分間における積算目標値sv_Iと瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値がずれる可能性をさらに低減できる。
なお、記憶部30aは、(1)~(5)式の各係数などをパラメータとして記憶する。そして、リアルタイム目標値生成部302は、記憶部30aに記憶される各パラメータにしたがい、リアルタイム目標値sv(t)を生成する。
また、本実施形態では、水素製造装置10cへの入力電力指令値u(t)を調整して瞬時売電電力x(t)を制御するが、これに限定されない。上述のように、発電電力pv(t)の出力を抑制することができるパワーコンディショナ10bへの出力指令値を制御してもよい。或いは、瞬時売電電力x(t)を調整できる制御指令値があれば、同様の制御によりその制御指令値を出力してもよい。また、本実施形態では、入力電力指令値u(t)水素製造装置10cの制御に用いてるがこれに限定されない。例えば、入力電力指令値u(t)にしたがった電力を、蓄電池などに供給してもよい。
図9は、電力制御装置30の制御例を示すフローチャートである。ここでは、1コマ分のディマンドレスポンスに対応する制御例を説明する。
まず、インターフェース部30bは、売電電力量計画値svを取得する(ステップS100)。続けて、インターフェース部30bは、売電電力量計画値svを積算目標値生成部300に供給する。
次に、インターフェース部30bは、水素製造プラント10から発電電力pv(t)を取得する(ステップS102)。次に、積算目標値生成部300は、売電電力量計画値svに基づき、の積算目標値sv_Iを生成する(ステップS104)。
次に、リアルタイム目標値生成部302は、リアルタイム目標値sv(t)を生成するための各パラメータを生成し、記憶部30aに記憶する(ステップS106)。
次に、リアルタイム目標値生成部302は、エネルギー管理システム20からの入力情報にしたがい、ディマンドレスポンスのコマが開始したか否かを判定する(ステップS108)。ディマンドレスポンスのコマが開始したと判定する場合(ステップS108のYES)、リアルタイム目標値生成部302はリアルタイム目標値sv(t)を生成する(ステップS110)。一方で、ディマンドレスポンスのコマが開始したと判定しない場合(ステップS108のNO)、リアルタイム目標値生成部302はリアルタイム目標値sv(t)を生成しない。
次に、指令値演算部304は、リアルタイム目標値sv(t)が存在する場合には、リアルタイム目標値sv(t)を用いたPID制御により入力電力指令値u(t)を演算する(ステップS112)。一方で、リアルタイム目標値sv(t)が生成されていない場合には、通常の運転計画値にしたがった入力電力指令値u(t)を生成する(ステップS114)。
そして、指令値出力部306は、入力電力指令値u(t)を水素製造装置10cに出力する(ステップS116)。次に、制御部30Cは、全体処理を終了するか否かを判定する(ステップS116)。全体処理を終了すると判定しない場合(ステップS116のNO)、ステップS100からの処理を繰り返す。一方で、全体処理を終了すると判定する場合(ステップS116のYES)、全体処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、制御部30cは、所定期間内である1コマにおける第1期間の瞬時売電電力x(t)の平均値を第1期間よりも後の1コマ内における第2期間の平均値よりも大きくする制御を行う。これにより、第2期間に発電電力pv(t)が減少した場合にも、第1期間の瞬時売電電力x(t)により第2期間の瞬時売電電力x(t)の低下分を予め補うことが可能となる。このため、30分間における積算目標値sv_I((1)式参照)と瞬時売電電力x(t)の1コマ分の積算値である実績値がずれる可能性を低減できる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電力制御装置30は、発電電力の短期予測が可能である点で第1実施形態に係る電力制御装置30と相違する。以下では、第1実施形態に係る電力制御装置30と相違する点を説明する。
図10は、第2実施形態に係る電力制御装置30の構成例を示すブロック図である。図10に示すように、予測部308を更に備える点で、第1実施形態に係る電力制御装置30と相違する。
予測部308は、再生可能エネルギー発電装置10aの短期予測を行う。例えば、この予測部308は、ディマンドレスポンス期間1コマ分の再生可能エネルギー発電装置10aの予測発電電力y(t)を生成する。
より詳細には、予測部308は、例えば時系列分析手法の一つであるARMAモデル(自己回帰移動平均モデル)を利用して、予測発電電力y(t)を生成する。ARMAモデルはARモデル(自己回帰モデル)とMAモデル(移動平均モデル)を組み合わせたものとなり、(6)式で表すことができる。
Figure 0007485465000006
ここで、y(t)は時刻tにおける再生可能エネルギー発電装置10aの予測発電電力であり、c,φ1~φp,θ1~θqはパラメータ、ε(t)は時刻tにおけるホワイトノイズである。pはARモデルの次数、qはMAモデルの次数を表す。予測部308は、実際に推定する前に予めデータベースに保存しているPV発電電力の過去データを用いて、(6)式の各種パラメータと2つの次数を決定し、記憶部30aに記憶する。
図11は、予測発電電力y(t)とリアルタイム目標値sv(t)との関係を示す図である。縦軸は電力を示し、横軸は1コマ内の時間を示す。
図11に示すように、リアルタイム目標値生成部302は、例えば(7)式に従い、リアルタイム目標値sv(t)を生成する。ypre_meanは、プラント最小消費電力に対応するオフセット値を減算した後の1コマ分の予測発電電力y(t)の平均値である。
Figure 0007485465000007
時刻tにおける予測発電電力y(t)に対して、30分先までの予測発電電力y(t)の平均値ypre_meanと積算目標値sv_Iの比をかけることで、生成されるリアルタイム目標値の積算値が積算目標値に一致する。
図12は、予測発電電力y(t)をベースにリアルタイム目標値sv(t)の値を変更した例を示す図である。縦軸は電力を示し、横軸は1コマ内の時間を示す。図12に示すように、リアルタイム目標値生成部302は、第1実施形態と同様に、予測発電電力y(t)をベースとして、直線1200に沿うように、前半のリアルタイム目標値sv(t)を後半のリアルタイム目標値sv(t)よりも大きな値をとるように生成してもよい。この場合も、リアルタイム目標値sv(t)の積算値は、積算目標値sv_Iと一致するように調整される。
このように、実施形態1と同様の効果が得られる。また、過去データを用いた予測発電電力y(t)の時系列予測を行うことで、発電電力pv(t)の変動に応じたリアルタイム目標値sv(t)を生成することができ、30分間の売電電力量の実績をDRの目標値と一致させる制御性能をより向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、時系列分析手法のARMAモデルを用いたが、これに限定されない。例えば、予測モデルにARモデル、MAモデル、ARIMAモデル、SARIMAモデルなどを用いてもよい。或いは、予測モデルにニューラルネットワークやLSTMなど深層学習の予測手法を用いてもよい。ニューラルネットワークや深層学習では、様々な種類のデータを入力データとして利用できる。例えば、日射量、気温、風速、時刻など、PV発電電力に関係する様々なデータを入力することで予測精度をより向上させることが可能となる。また、図10に示すように、インターフェース部30bにおいてエネルギー管理システム20から30分単位のPV発電電力量予測値Ppを取得し、これをニューラルネットワークや深層学習の入力データとして利用して30分未満のPV発電電力の短期予測を行ってもよい。現在コマである30分間のPV発電電力量予測値Prep
と、30分後のコマのPV発電電力量予測値Prepを利用することで、PV発電電力の増加/減少の傾向を考慮することができ、より精度の高いPV発電電力の短期予測が可能となる。また、30分間のPV発電電力量予測値Prepと、30分後のコマのPV発電電力量予測値Prepを利用して直線1200を生成してもよい。これにより、より精度の高いリアルタイム目標値sv(t)が生成可能となる。
また、上述のように、エネルギー管理システム20からPV発電電力量予測値Prepに、予測精度の指標となる偏差値や信頼度などのデータが付与される場合がある。これらの情報を、エネルギー管理システム20から取得可能である場合がある。このような場合には、PV発電電力量予測値Prepの予測精度が低下するにしたがい、例えば電力会社等との取り決めにより、(1)式で示す売電電力量計画値svを低減させるとともに、積算目標値sv_Iを低下させてもよい。これにより、積算目標値sv_Iと実績値のずれを抑制できる。
また、上述のようにPV発電電力量予測値Prepの予測精度が低下するにしたがい、積算目標値sv_Iを低下させるとともに、更に前半のリアルタイム目標値sv(t)が後半のリアルタイム目標値sv(t)よりもより大きな値をとるように生成してもよい。これにより、積算目標値sv_Iと実績値のずれをより抑制できる。
また、本実施形態では、予測部308において再生可能エネルギー発電装置10aの発電電力y(t)を予測したがこれに限定されない。例えば、予測対象は日射量などの再生可能エネルギー発電装置10aの発電電力の関連データの予測でもよい。例えば日射量を予測する場合、予測した日射量から物理式を用いた計算で再生可能エネルギー発電装置10aの発電電力を計算する。または、日射量と再生可能エネルギー発電装置10aの発電電力の関係を統計的手法により記憶しておき、予測した日射量から再生可能エネルギー発電装置10aの発電電力を計算してもよい。
本実施形態では、コマ開始時に30分先までの発電電力y(t)の短期予測を行ってリアルタイム目標値sv(t)を生成したが、例えば1分毎に再予測を行って都度リアルタイム目標値sv(t)を生成してもよい。ただし、1分毎に発電電力y(t)を再予測する場合においても、リアルタイム目標値sv(t)の積算値を積算目標値と一致させる必要がある。
例えば、コマ開始から5分後にリアルタイム目標値sv(t)を生成する場合は、コマ開始時から5分間のリアルタイム目標値を考慮した上で、5分~30分までのリアルタイム目標値sv(t)を生成する必要がある。このため、リアルタイム目標値生成部302は、例えば(8)~(10)式に従い、リアルタイム目標値sv(t)を生成する
より具体的には、コマ開始時から5分間経過しているため、その間のリアルタイム目標値sv(t)を用いて、現在の時刻tからコマ終了時までの生成するリアルタイム目標値の平均値(tmp_kW_mean)を計算する。次に、現在の時刻tからコマ終了時までの発電電力予測値y(t)の平均値(tmp_ypre_mean)を計算する。そして、発電電力予測値y(t)に、現在からコマ終了時までのリアルタイム目標値sv(t)の平均値と発電電力予測値y(t)の平均値の比をかけえることで、生成されるリアルタイム目標値sv(t)の積算値が積算目標値sv_Iに一致する。なお、以下の式においてkはコマ開始時の時刻を表している。
Figure 0007485465000008
Figure 0007485465000009
Figure 0007485465000010
コマ開始時だけでなくコマの途中で発電電力pv(t)を再予測することで、発電電力pv(t)に急激な変動が発生して予測誤差が大きくなった場合でも対応が可能となる。上記では1分毎などの更新周期になった場合に発電電力pv(t)を再予測してリアルタイム目標値を生成しているが、記憶部30aで発電電力予測値y(t)の誤差に関する閾値を記憶しておき発電電力予測値y(t)の誤差が閾値を超えた場合に発電電力pv(t)を再予測してリアルタイム目標値sv(t)を生成してもよい。
なお、本実施形態では、インターフェース部30bにおいてエネルギー管理システム20から30分単位のPV発電電力量予測値を取得したが、これに限るものではない。水素製造プラント10の電力制御装置30の中で30分単位のPV発電電力量を予測してもよい。或いは、30分単位のPV発電電力量を、インターネットを介して別装置から取得してもよい。
図13は、第2実施形態に係る電力制御装置30の制御例を示すフローチャートである。図13に示すように、判定ステップS108の後に判定ステップS118が追加される点で、図9に示したフローチャートと相違する。
リアルタイム目標値生成部302がディマンドレスポンスのコマが開始したと判定する場合(ステップS108のYES)、リアルタイム目標値生成部302はPV発電予測更新周期か否かを判定する(ステップS118)。予測更新周期と判定する場合(ステップS118のYES)、リアルタイム目標値生成部302は、発電予測値y(t)に基づくリアルタイム目標値sv(t)を生成する(ステップS118)。このように、予測更新周期では、リアルタイム目標値生成部302は、発電予測値y(t)に基づくリアルタイム目標値sv(t)を生成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、予測部308において再生可能エネルギー発電装置10aの発電電力y(t)を予測することとした。これにより、発電電力pv(t)の変動に応じたリアルタイム目標値sv(t)を生成することができ、30分間の売電電力量の実績をディマンドレスポンス(DR)の目標値と一致させる制御性能をより向上させることが可能となる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置、方法及びプログラムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置、方法及びプログラムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。
1:水素生成システム、10:水素製造プラント、10a:再生可能エネルギー発電装置、30:電力制御装置、30a:記憶部、30b:インターフェース部、30c:制御部、302:リアルタイム目標値生成部、304:指令値演算部、306:指令値出力部。

Claims (17)

  1. 再生可能エネルギー発電装置が生成する発電電力の供給を制御する電力制御装置であって、
    所定期間における売電電力量に関する情報を取得する取得部と、
    前記所定期間における時系列な売電電力の積算値が前記売電電力量となるように、前記発電電力のなかから電力を売電させる制御を前記再生可能エネルギー発電装置の電力供給部に行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記所定期間内における第1期間の売電電力の平均値を前記第1期間よりも後の前記所定期間内における第2期間の平均値よりも大きくする、電力制御装置。
  2. 前記制御部は、前記所定期間における時系列な売電電力の前記所定期間における時系列な目標値を予め生成する目標値生成部を有し、
    前記制御部は、前記時系列な目標値に応じて、前記売電電力を制御する、請求項1に記載の電力制御装置。
  3. 前記目標値生成部は、前記時系列な目標値の時間経過に対する変化が所定の傾きを有する直線に沿うように生成する、請求項2に記載の電力制御装置。
  4. 前記目標値生成部は、前記直線に対応する前記目標値は、前記時間経過に対して低下する、請求項3に記載の電力制御装置。
  5. 前記売電電力量は、前記所定期間における前記再生可能エネルギー発電装置が生成する発電電力量の予測値に基づき設定される、請求項3又は4に記載の電力制御装置。
  6. 前記目標値生成部は、前記予測値の予測精度に応じて前記直線の傾きを変更する、請求項5に記載の電力制御装置。
  7. 時間帯別の前記傾きを記憶する記憶部を更に備え、
    前記目標値生成部は、前記記憶部に記憶される現在の時間帯の傾きを用いて、前記所定期間における前記時系列な目標値の積算値が前記売電電力量と一致する時系列な目標値を生成する、請求項6に記載の電力制御装置。
  8. 前記目標値生成部は、前記時系列な目標値の時間経過に対する変化が段階的に低減するように生成する、請求項2に記載の電力制御装置。
  9. 前記所定期間内の経過時間の閾値及び比率が予め定められており、
    前記目標値生成部は、前記所定期間内の経過時間に応じて、前記時系列な目標値を前記閾値前後で前記比率に応じて変化させる、請求項8に記載の電力制御装置。
  10. 前記目標値生成部は、前記所定期間内の前記時系列な目標値の積算値が前記売電電力量と一致するように生成する、請求項9に記載の電力制御装置。
  11. 前記制御部は、
    前記所定期間内の経過時間に対する前記発電電力を時系列に予測する予測部を更に有し、
    前記目標値生成部は、前記発電電力を時系列な予測に基づき、前記時系列な目標値を生成する、請求項2乃至10のいずれか一項に記載の電力制御装置。
  12. 前記予測部は、日射量、気温、風速、及び時刻のすくなくともいずれかの情報を用いて前記発電電力を時系列に予測する、請求項11に記載の電力制御装置。
  13. 前記予測部は、前記所定期間内における発電電力量の予測値を用いて前記発電電力を時系列に予測する、請求項11又は12に記載の電力制御装置。
  14. 前記目標値生成部は、前記発電電力の時系列な予測の誤差が所定の閾値を超える場合に、前記予測部が新たに予測した時系列な前記発電電力を用いて、前記時系列な目標値が前記売電電力量と一致するように目標値を更新する、請求項11乃至請求項13のいずれか一項に記載の電力制御装置。
  15. 前記所定期間は、前記再生可能エネルギー発電装置の前記売電電力量を調整するディマンドレスポンスを行う期間に対応する、請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の電力制御装置。
  16. 前記制御部は、
    時系列な前記発電電力と前記時系列な目標値とに基づき、水素製造プラントの水素製造量に対応する電力値の情報を含む指令値を生成する指令値生成部と、
    前記指令値を前記水素製造プラントに出力する指令値出力部と、
    を更に有する、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の電力制御装置。
  17. 再生可能エネルギー発電装置が生成する発電電力により水素を製造する水素製造プラントを制御する水素制御方法であって、
    所定期間における売電電力量に関する情報を取得する取得工程と、
    前記所定期間における時系列な売電電力の積算値が前記売電電力量となるように、前記発電電力のなかから電力を売電させる制御を前記再生可能エネルギー発電装置の電力供給部に行う制御工程と、を備え、
    前記制御工程は、前記所定期間内における第1期間の売電電力の平均値を前記第1期間よりも後の前記所定期間内における第2期間の平均値よりも大きくする、電力制御方法。
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