以下、パチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、島設備(遊技島)において、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10と、管理装置の一例である管理ユニット100とは、交互に並ぶように設置される。管理ユニット100は、外部ユニットの一例である。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10に併設される。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と通信可能に接続される。
管理ユニット100について説明する。
管理ユニット100は、管理媒体を挿入可能な媒体挿入部101を備える。一例として、管理媒体は、ICカード、又はICコインといったデータ記憶媒体である。管理媒体は、投入金の残額、及び遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第1管理球数PAと示す)を記憶可能である。第1管理球数PAは、管理ユニット100が管理するデータである。管理媒体は、遊技者の個人情報、又は支払金の残額(プリペイド残額)を記憶可能であってもよい。管理ユニット100は、現金を投入可能な現金投入部102を備える。現金投入部102への投入金額は、管理媒体に記憶された残額に加算される。一例として、現金は、紙幣及び硬貨の何れであってもよい。
管理ユニット100は、操作パネル110を備える。操作パネル110は、玉貸操作部111、払出操作部112、返却操作部113、第1球数表示部114、及び残額表示部115を備える。玉貸操作部111は、管理媒体に記憶された残額に基づいて、遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第2管理球数PBと示す)を増加させるときに操作される。第2管理球数PBは、パチンコ遊技機10が管理するデータである。払出操作部112は、第1管理球数PAに基づいて、第2管理球数PBを増加させるときに操作される。管理球数PA,PBは、持ち球数の一例である。
返却操作部113は、管理ユニット100に挿入された管理媒体の返却を受けるときに操作される。第1球数表示部114には、第1管理球数PAを特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。残額表示部115には、支払金の残額を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。
管理ユニット100は、管理ユニット制御基板120(以下、CU制御基板と示す)を備える。CU制御基板120は、CPU120aと、ROM120bと、RAM120cと、を備える。CPU120aは、管理ユニット制御プログラムを実行することにより、所定の制御を行う。ROM120bは、管理ユニット制御プログラムを記憶している。RAM120cは、管理ユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM120cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子120dを備える。
CU制御基板120は、媒体挿入部101と接続される。CPU120aは、媒体挿入部101に挿入された管理媒体の記憶内容を書換え可能に構成される。CU制御基板120は、現金投入部102と接続される。CPU120aは、現金投入部102に現金が投入されたときに出力する投入信号を入力可能に構成される。投入信号は、現金投入部102への投入金額を特定可能な信号である。
CU制御基板120は、操作パネル110と接続される。CPU120aは、玉貸操作部111が操作されたときに出力する玉貸信号を入力可能に構成される。CU制御基板120は、払出操作部112が操作されたときに出力する払出信号を入力可能に構成される。CPU120aは、返却操作部113が操作されたときに出力する返却信号を入力可能に構成される。CPU120aは、第1球数表示部114の表示内容を制御可能に構成される。CPU120aは、残額表示部115の表示内容を制御可能に構成される。
CU制御基板120は、通信端子120dを介してパチンコ遊技機10と接続される。CPU120aは、パチンコ遊技機10が出力する各種の制御信号(制御情報)を入力可能に構成される。CPU120aは、パチンコ遊技機10に対して各種の制御信号(制御情報)を出力可能に構成される。管理ユニット100は、通信端子120dからパチンコ遊技機10へと接続信号を出力する。なお、接続信号は、CU制御基板120(CPU120a)が生成するコマンドや電文であってもよく、CPU120aとは異なる出力回路(例えば電源回路)が生成する信号であってもよい。
管理ユニット100は、パチンコ遊技機10及び管理ユニット100とは別に用意された外部管理機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部管理機器は、遊技場に設置される。一例として、外部管理機器(不図示)は、遊技場に設置されたホールコンピュータである。一例として、外部管理機器は、遊技場外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータである。この場合、管理コンピュータと管理ユニット100とは、双方向に通信可能に接続されることが好ましい。
管理ユニット100にて行われる処理について説明する。
CPU120aは、媒体挿入部101に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶された残額、及び第1管理球数PAを読み出し、RAM120cに記憶させる。そして、CPU120aは、管理媒体が挿入されている場合に、以下に説明する処理を行う。
CPU120aは、現金投入部102から投入信号を入力すると、投入信号から特定可能な投入金額を残額に加算する。CPU120aは、残額が0ではないとき、玉貸操作部111から玉貸信号を入力すると、残額を規定額だけ減算するとともに、当該規定額に対応する数の遊技球の貸出を特定可能な貸出情報をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CPU120aは、残額が0であるとき、玉貸信号を入力しても貸出情報を出力しない。
CPU120aは、第1管理球数PAが1以上であるとき、払出操作部112から払出信号を入力すると、第1管理球数PAを所定数だけ減算し、当該所定数の遊技球の貸出を特定可能な貸出情報をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CPU120aは、第1管理球数PAが0であるとき、払出信号を入力しても、貸出情報を出力しない。このように、貸出情報は、貸出球数を特定可能である。CPU120aは、パチンコ遊技機10から計数情報を入力すると、当該計数情報から特定可能な遊技球の個数を第1管理球数PAに加算する。詳しくは後述するが、計数情報は、遊技者がパチンコ遊技機10での遊技を終了するときに出力される情報である。計数情報は、管理ユニット100へと管理を移管する遊技球の個数を特定可能な情報である。
CPU120aは、第1球数表示部114を制御し、その時々の第1管理球数PAを特定可能な情報を表示させる。第1管理球数PAは、第1球数表示部114においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、残額表示部115を制御し、その時々の残額を特定可能な情報を表示させる。残額は、残額表示部115においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、返却操作部113から返却信号を入力すると、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを管理媒体に記憶させるとともに、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを初期化する。CPU120aは、管理媒体が媒体挿入部101から排出されるように、媒体挿入部101を制御する。
パチンコ遊技機10について説明する。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、規定数P0の遊技球が機内部に封入された封入式の遊技機である。パチンコ遊技機10は、機内部において遊技球を循環させる循環型の遊技機の一例である。遊技球は、磁性体及び非磁性体の何れであってもよい。パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留する貯留部を備えない。パチンコ遊技機10は、原則として、遊技者が遊技球に触れ得ない構造である。
パチンコ遊技機10は、貸し玉数Pb、獲得球数Pc、発射球数Pd、及び戻り球数Peに基づいて、第2管理球数PBを電磁的に管理する。貸し玉数Pbは、遊技者に貸し出された遊技球の個数である。獲得球数Pcは、遊技者が獲得した遊技球の個数である。発射球数Pdは、遊技者が発射した遊技球の個数である。発射球数Pdは、後述する供給部61から発射部65へ供給された遊技球の個数ともいえる。戻り球数Peは、遊技者が発射した遊技球のうち、後述する遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数である。戻り球数Peは、発射部65から遊技領域20aに向けて発射された遊技球のうち、遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数ともいえる。戻り球は、所謂「ファール球」である。
パチンコ遊技機10は、枠11を備える。枠11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、保護枠11cと、を備える。搭載枠11bは、外枠11aに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに搭載された遊技部品を保護する保護ガラス(不図示)を有する。パチンコ遊技機10は、枠11b,11cを施錠する施錠装置(不図示)を備える。パチンコ遊技機10は、施錠装置に適合する鍵を用いて解錠しなければ、外枠11aに対して枠11b,11cを開放できないように構成される。
パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする演出音声部12を備える。演出音声部12は、搭載枠11bの前面側に配設される。演出音声部12は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)、及び所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、効果音、及び所定の文字列を読み上げる人の声等である。パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする報知音声部13を備える。報知音声部13は、音声報知を実行可能である。一例として、演出音声部12及び報知音声部13は、搭載枠11bに配設される。
パチンコ遊技機10は、演出発光部14を備える。演出発光部14は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。演出発光部14は、発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、発光報知と示す)を実行可能である。一例として、演出発光部14は、搭載枠11bに配設される。演出発光部14は、後述の遊技盤20に配設されていてもよい。
パチンコ遊技機10は、遊技球を発射させる操作を可能な発射操作部15を備える。発射操作部15は、搭載枠11bの前面側に配設される。パチンコ遊技機10は、発射操作部15の操作に応じた発射強度にて遊技球を打ち出すように構成される。一例として、発射操作部15は、回動操作を可能なハンドルレバー15aと、タッチセンサD01と、発射停止スイッチD02と、ハンドルボリュームD03と、を備える(図9参照)。
タッチセンサD01は、発射操作部15の側面を囲うように配設された通電リング15cに接続される。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15を把持し、遊技者の手指が通電リング15cに触れるとタッチ信号を出力する。タッチ信号は、遊技者の手指が通電リング15cに触れているときにオン状態となり、触れていないときにオフ状態となる。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15に触れていることを検知する手段の一例である。
発射停止スイッチD02は、発射操作部15の側方に突出する発射停止ボタン15bが押し込まれるとストップ信号を出力する。ストップ信号は、発射停止ボタン15bが操作されるとオン状態となり、操作されていないとオフ状態となる。発射停止ボタン15bは、遊技球の発射を停止させる操作が可能な手段の一例である。ハンドルボリュームD03は、ハンドルレバー15aが回動操作されると、その回動操作量に応じた電圧のボリューム信号を出力する。
パチンコ遊技機10は、演出操作部16を備える。演出操作部16は、遊技者が操作可能な手段の一例である。演出操作部16は、押下操作を可能なボタン型、表示装置を兼用するタッチセンサ型、又はレバー型であるとよい。
図1及び図3に示すように、パチンコ遊技機10は、第2管理球数PBを特定可能な情報を表示する第2球数表示部17を備える。一例として、第2球数表示部17は、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。第2球数表示部17は、所定の文字、及び数字を表示する態様で、所定の報知を実行可能である。
パチンコ遊技機10は、計数操作部18を備える。計数操作部18は、主に遊技者がパチンコ遊技機10における遊技を終了するときに操作される。計数操作部18は、予め定めた計数可能状態である場合に、計数操作部18を用いた計数操作が許容される。計数操作部18は、押込み操作がされると計数信号を出力する。パチンコ遊技機10は、計数報知部18aを備える。計数報知部18aは、計数可能状態であるか否かを報知する手段の一例である。一例として、演出操作部16、第2球数表示部17、計数操作部18、及び計数報知部18aは、搭載枠11bの前面側に配設される。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20を備える。遊技盤20は、搭載枠11bに組み付けられている。遊技盤20の前面には、正面視で略円形状の遊技領域20aが画成される。つまり、遊技盤20は、遊技領域20aを有する。遊技領域20aの略中央には、表示窓口20bが形成される。遊技領域20aの左方には、発射操作部15の操作によって発射された遊技球を遊技領域20aへと案内する打出通路20cが形成される。遊技領域20a及び打出通路20cは、保護枠11cの保護ガラス(不図示)によって覆われている。
遊技盤20は、各種の情報を表示する情報表示装置21を備える。情報表示装置21は、第1特別図柄表示部21a、第2特別図柄表示部21b、第1保留表示部21c、第2保留表示部21d、普通図柄表示部21e、及び普通保留表示部21fを含む。一例として、複数の表示部21a~21fは、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されるが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されていてもよい。
第1特別図柄表示部21aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。第2特別図柄表示部21bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄は、大当り図柄と、はずれ図柄と、を含む。特別図柄は、小当り図柄を含んでもよい。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選で大当りに当選すると、特別ゲームで大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。
第1保留表示部21cは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示部21dは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
普通図柄表示部21eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。パチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
普通保留表示部21fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置21には、右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示部や、ラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部が含まれていてもよい。
パチンコ遊技機10は、演出表示部19を備える。演出表示部19は、画像を表示可能な画像表示領域19aを有する。演出表示部19は、表示窓口20bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。例えば、演出表示部19は、液晶装置である。演出表示部19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。演出表示部19は、所定の画像を表示する報知(以下、表示報知と示す)を実行可能である。
ここで、演出音声部12、演出発光部14、及び演出表示部19は、何れも所定の演出を実行可能な演出部であり、複数の演出部からなる演出装置ESを構成する。演出音声部12、演出発光部14、及び演出表示部19は、何れも所定の報知を実行可能な報知部の一例である。演出装置ESは、報知装置として把握することも可能である。演出装置ESに含まれる演出部及び報知部は、演出音声部12、演出発光部14、及び演出表示部19であることに限定されず、これらの演出部の一部を省略した構成であってもよい。演出装置ESは、これらの演出部及び報知部に加えて、又は任意に選択できる1つまたは複数に代えて、可動演出を実行する演出可動部を備えてもよく、振動演出を実行する演出振動部を備えてもよい。
例えば、演出表示部19における表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。演出ゲームは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームとともに実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
遊技盤20には、遊技球が入球可能な複数の入賞口23が形成されている。これら複数の入賞口23は、遊技領域20aに開口する。複数の入賞口23は、第1始動口23Aと、第2始動口23Bと、大入賞口23Cと、普通入賞口23Dと、を含む。複数の入賞口は、これらの入賞口23とは異なる入賞口を含んでもよい。
第1始動口23Aは、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動口23Aは、演出表示部19の下方にある。第1始動口23Aは、常に遊技球を入球させ得るように開口される。遊技盤20は、第1始動口23Aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサD11を備える(図9参照)。
第2始動口23Bは、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動口23Bは、第1始動口23Aの右方にある。第2始動口23Bは、扉状であることを一例とする普通開閉片23Baを備える。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、第2始動口23Bを開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(図9参照)。また、遊技盤20は、第2始動口23Bへ入球した遊技球を検知する第2始動センサD12を備える(図9参照)。普通開閉片23Baは、所謂「普通電動役物」である。
大入賞口23Cは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口23Cは、演出表示部19の右下方にある。大入賞口23Cは、扉状であることを一例とする特別開閉片23Caを備える。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、大入賞口23Cを開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(図9参照)。また、遊技盤20は、大入賞口23Cへ入球した遊技球を検知するカウントセンサD13を備える(図9参照)。
普通入賞口23Dは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、普通入賞口23Dは、演出表示部19の左下方、及び演出表示部19の右下方にそれぞれある。普通入賞口23Dは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤20は、普通入賞口23Dへ入球した遊技球を検知する普通センサD14を備える(図9参照)。
遊技盤20は、ゲート24を備える。一例として、ゲート24は、遊技領域20aの右方領域であって、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの上方にある。ゲート24には、ゲート口24aが形成されている。ゲート口24aは、常に遊技球を入球させることができるように開放される。ゲート24は、ゲート口24aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサD15を有する(図9参照)。ゲート24は、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート24は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
遊技盤20には、アウト口25が形成されている。一例として、アウト口25は、遊技領域20aの最も下部において開口する。遊技球は、第1始動口23A、第2始動口23B、大入賞口23C、及び普通入賞口23Dの何れにも入球しなかった場合に、アウト口25へ入球する。複数の入賞口23、及びアウト口25は、遊技領域20aから遊技球を排出するための排出口、又は遊技領域20aから遊技球を回収するための回収口として把握できる。遊技球は、複数の入賞口23、又はアウト口25へ入球すると、遊技盤20から排出される。以下、複数の入賞口23又はアウト口25を介して遊技盤20から排出される遊技球をアウト球と示す場合がある。
また、搭載枠11bは、異常な電波として所定の強度を超える電波を検知する電波センサD16を備える(図9参照)。電波センサD16は、異常な電波を検知すると電波検知信号を出力する。遊技盤20は、搭載枠11bにある電波センサD16に加えて、電波センサを備えてもよい。パチンコ遊技機10は、遊技盤20にて異常な電波を検出できる構成であってもよい。パチンコ遊技機10は、異常な磁気として所定の強度を超える磁気を検知する磁気センサを備えない。これに限らず、パチンコ遊技機10は、搭載枠11b及び遊技盤20の一方又は両方に磁気センサを備えてもよい。パチンコ遊技機10は、磁石の接近を検知できる構成であってもよい。
搭載枠11bは、搭載枠11bに対して保護枠11cが開放されたことを検知する第1扉開放スイッチD17を備える(図9参照)。第1扉開放スイッチD17は、保護枠11cの開放を検知した場合に第1扉開放信号を出力する。搭載枠11bは、外枠11aに対して搭載枠11bが開放されたことを検知する第2扉開放スイッチD18を備える(図9参照)。第2扉開放スイッチD18は、搭載枠11bの開放を検知した場合に第2扉開放信号を出力する。
遊技者は、発射操作部15を操作することにより、遊技球の発射強度を調整することができる。つまり、遊技者は、表示窓口20bより左方にある左方領域と、表示窓口20bより右方にある右方領域と、に遊技球を打ち分けることができる。遊技球は、右方領域を流下する場合に、第2始動口23B、大入賞口23C、普通入賞口23D、又はゲート24へ入球する可能性がある。遊技球は、左方領域を流下する場合に、第1始動口23A、又は普通入賞口23Dへ入球する可能性がある。
枠11(搭載枠11b)は、遊技球の流通機構29を備える。
図4に示すように、流通機構29は、回収機構30と、循環機構50と、発射機構60と、球抜き機構70と、を含む。回収機構30は、搭載枠11bに形成される。回収機構30は、遊技盤20(遊技領域20a)から排出された遊技球を循環機構50へ案内する。回収機構30は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成される。遊技球は、遊技盤20から回収機構30に受け入れられた場合に、回収機構30を構成する通路を流下することにより、循環機構50へ到達し得る。
循環機構50は、搭載枠11bに形成される。循環機構50は、回収機構30から受け入れた遊技球を、所定の方向へ搬送する。一例として、循環機構50は、遊技球を上方へ向かって搬送する。発射機構60は、搭載枠11bに形成される。遊技球は、循環機構50によって搬送された場合に、発射機構60に受け入れられる。発射機構60は、循環機構50によって搬送された遊技球を、遊技領域20aに向けて発射し得る。球抜き機構70は、搭載枠11bに形成される。球抜き機構70は、回収機構30、循環機構50、及び発射機構60にある遊技球を抜き取るための機構である。
流通機構29における遊技球の流れについて説明する。遊技球が、発射機構60によって発射されたとする。遊技球は、遊技領域20aへ到達し得る。遊技球は、遊技領域20aに到達すると、複数の入賞口23又はアウト口25へ入球する。遊技球は、遊技盤20に形成された排出口(不図示)から、回収機構30へ排出される。遊技球は、回収機構30を通って、循環機構50へ到達する。遊技球は、循環機構50によって、搬送される。遊技球は、発射機構60へ戻る。つまり、循環機構50は、遊技盤20から回収された遊技球を循環させる。以下、各機構について、詳しく説明する。
回収機構30について詳しく説明する。
搭載枠11bには、1以上の入賞受入口30a、1以上の非入賞受入口30b、及び1以上のファール受入口30cが形成されている。入賞受入口30aは、遊技盤20の下端部に形成された排出口(不図示)のうち、複数の入賞口23へ入球した遊技球を排出する排出口の下方に形成されている。入賞受入口30aは、複数の入賞口23を介して遊技盤20から排出される遊技球を受け入れる。非入賞受入口30bは、遊技盤20の下端部に形成された排出口(不図示)のうち、アウト口25へ入球した遊技球を排出する排出口の下方に形成されている。非入賞受入口30bは、アウト口25を介して遊技盤20から排出される遊技球を受け入れる。ファール受入口30cは、打出通路20cの下方に形成されている。ファール受入口30cは、打出通路20cから落下する遊技球(以下、ファール球と示す)を受け入れる。ファール球は、発射機構60によって発射されたが、遊技領域20aへ到達しなかった遊技球である。
搭載枠11bには、入賞受入口30aに繋がる入賞通路31と、非入賞受入口30bに繋がる非入賞通路32と、ファール受入口30cに繋がるファール通路33と、が形成されている。入賞通路31及び非入賞通路32は、第1合流部34において合流する。搭載枠11bには、第1合流部34に繋がる合流通路35が形成されている。合流通路35と、ファール通路33とは、第2合流部36において合流する。搭載枠11bには、第2合流部36と循環機構50とを繋ぐ流通通路37が形成されている。入賞通路31、非入賞通路32、ファール通路33、合流通路35、及び流通通路37は、遊技領域20aから排出されたアウト球を含む遊技球が流通可能な排出球通路40の一例を構成する。なお、以下の説明において、単に「上流側」及び「下流側」と示す場合、それぞれ、排出球通路40における遊技球の流通方向(流下方向)における上流側及び下流側を示すものとする。
搭載枠11bは、ファール通路33を流通する遊技球(ファール球)を検知するファールセンサD21を備える。ファールセンサD21は、ファール通路33又はファール通路33に隣接する部分に設けられる。ファールセンサD21は、遊技球を検知した場合に、ファール信号を出力する。ファール信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
搭載枠11bは、入賞通路31を流通する遊技球を検知する入賞通路カウントセンサD25を備える。入賞通路カウントセンサD25は、入賞通路31又は入賞通路31に隣接する部分に設けられる。入賞通路カウントセンサD25は、遊技球を検知した場合に、入賞通路信号を出力する。入賞通路信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
搭載枠11bは、非入賞通路32を流通する遊技球を検知する非入賞通路カウントセンサD26を備える。非入賞通路カウントセンサD26は、非入賞通路32又は非入賞通路32に隣接する部分に設けられる。非入賞通路カウントセンサD26は、遊技球を検知した場合に、非入賞通路信号を出力する。非入賞通路信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
搭載枠11bは、合流通路35を流通する遊技球を検知するアウトセンサD30を備える。アウトセンサD30は、合流通路35又は合流通路35に隣接する部分に設けられる。アウトセンサD30は、遊技球を検知した場合に、アウト信号を出力する。アウト信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
搭載枠11bは、流通通路37を流通する遊技球を検知する球詰り監視センサD27を備える。球詰り監視センサD27は、流通通路37又は流通通路37に隣接する部分に設けられる。球詰り監視センサD27は、遊技球を検知すると、流通検知信号を出力する。流通検知信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
ファールセンサD21、入賞通路カウントセンサD25、非入賞通路カウントセンサD26、アウトセンサD30、及び球詰り監視センサD27は、排出球通路40にある遊技球を検知可能な遊技球検知部の一例である。アウトセンサD30は、入賞通路31と非入賞通路32とが合流した後の通路である合流通路35にある遊技球を検知するから、アウト球を検知可能なアウト球検知部の一例である。また、ファールセンサD21は、ファール通路33にある遊技球を検知するから、ファール球を検知可能な検知部の一例である。球詰り監視センサD27は、流通球検知部の一例である。
循環機構50について詳しく説明する。
図4に示すように、循環機構50は、搬送入口側通路38aと、搬送入口センサD28と、搬送部52と、搬送出口側通路38cと、搬送出口センサD29と、を含んで構成される。搬送入口側通路38aは、流通通路37を流通してきた遊技球を受け入れる。搬送入口センサD28は、流通通路37から搬送入口側通路38aに受け入れられた遊技球を検知する。搬送部52は、搬送入口側通路38aを流通してきた遊技球を搬送する。搬送出口側通路38cは、搬送部52によって搬送された遊技球を受け入れる。搬送出口センサD29は、搬送部52によって搬送され、搬送出口側通路38cに受け入れられた遊技球を検知する。そして、遊技球は、循環機構50から流出し、発射機構60へと供給される。以下、循環機構50の構成について、より具体的な一例を説明する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、搬送入口側通路38aは、流通通路37と接続されている。搬送入口側通路38aは、左方から右方に向かって下方へ下るように傾斜して延びる。搬送入口側通路38aは、流通通路37を流通してきた遊技球を受け入れる。搬送入口側通路38aに受け入れられた遊技球は、搬送部52に到達する。
搬送入口センサD28は、搬送入口側通路38aにおいて、流通通路37から受け入れた遊技球を検知する。つまり、搬送入口センサD28は、搬送部52に受け入れられる遊技球を検知可能である。搬送入口センサD28は、搬送入口側通路38a又は搬送入口側通路38aに隣接する部分に設けられる。つまり、搬送入口センサD28は、搬送入口側通路38aにある遊技球を検知可能である。搬送入口センサD28は、受入球検知部の一例である。搬送入口センサD28は、第1球検知部の一例である。搬送入口センサD28は、遊技球を検知した場合に、搬送入口信号を出力する。搬送入口信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
搬送部52は、通路部材52hと、スクリュー52cと、搬送モータ52aと、動力伝達部52dと、位置検知機構52bと、を含んで構成される。通路部材52hは、搬送部52による遊技球の搬送方向(一例として上方向)に沿って延びる筒状の部材である。通路部材52hによって囲われる内部空間は、搬送部通路38bとなる。搬送部通路38bの下端側の部分又は下端部分は、搬送入口側通路38aと接続されている。つまり、遊技球は、搬送部通路38bの下端側の部分又は下端部分に受け入れられる。
スクリュー52cは、搬送部52による遊技球の搬送方向に沿って延びる軸部52caと、当該軸部52caの外周面に設けられた螺旋状の凸条である係止部52cbと、を有する。スクリュー52cは、通路部材52hに囲われている。スクリュー52cは、搬送部通路38b内に配設されている。スクリュー52cが軸部52caの軸線周りで回転されると、遊技球は、搬送入口側通路38aから搬送部通路38bへ流入するとともに、係止部52cbに係止された状態で、搬送部通路38bを搬送方向(一例として上方向)に搬送される。以下の説明では、スクリュー52cの回転方向のうち、遊技球が搬送方向に向かって搬送される方向を「正方向」と示し、当該正方向に回転することを「正転」と示し、逆方向に回転することを「逆転」と示す。
一例として、動力伝達部52dは、第1ギア52daと、第2ギア52dbと、第3ギア52dcと、を含んで構成される。第3ギア52dcは、スクリュー52cの軸部52caの下端部に固定されている。第3ギア52dcは、軸部52caと一体となって回転可能に構成される。第2ギア52dbは、第3ギア52dcと噛み合うように配設される。第1ギア52daは、第2ギア52dbと噛み合うように配設される。
一例として、搬送モータ52aは、ステッピングモータである。前述した第1ギア52daは、搬送モータ52aの出力軸(回転軸)に固定されている。搬送モータ52aの駆動に伴って出力軸が回転すると、当該出力軸の回転運動は、互いに噛み合うギア52da~52dcによって、スクリュー52cへ伝達される。つまり、搬送モータ52aの動力が、スクリュー52cへ伝達される。以下の説明では、搬送モータ52aの回転方向のうち、スクリュー52cを正転させる方向を「正方向」と示し、当該正方向に回転することを「正転」と示し、逆方向に回転することを「逆転」と示す。搬送モータ52aは、駆動モータの一例である。
一例として、位置検知機構52bは、第2ギア52dbの回転軸方向に突出する突起部52baと、当該突起部52baを検知する位置センサ52bbと、を含んで構成される。位置センサ52bbは、突起部52baを検知すると、位置検知信号を出力する。位置検知信号は、突起部52baが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
一例として、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移する時におけるスクリュー52cの回転位置は、スクリュー52cの原位置として定められている。スクリュー52cが原位置にある状態は、スクリュー52cの基準状態の一例である。スクリュー52cが原位置にない状態は、基準状態ではない状態(以下、非基準状態と示す)の一例である。一例として、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移する時における搬送モータ52aの回転位置は、搬送モータ52aの原位置として定められている。位置センサ52bbは、突起部52baを検知することにより、スクリュー52cの状態を検知可能である。位置センサ52bbは、状態検知部の一例である。
一例として、ギア52da~52dcは、全て同じ形状及び大きさの歯車であるとよい。この場合に、第1ギア52daが1回転すると、第2ギア52db及び第3ギア52dc(スクリュー52c)も1回転する。つまり、スクリュー52cが1回転するごとに位置センサ52bbが突起部52baを1回検知する。また、搬送モータ52aの駆動時における出力軸の回転方向は、スクリュー52cの回転方向と一致する。これに限らず、搬送部52は、位置センサ52bbが突起部52baを1回検知するごとに、スクリュー52cが複数回にわたって回転するように構成されてもよい。つまり、搬送部52は、位置センサ52bbが突起部52baを1回検知するごとに、スクリュー52cがn回転するように構成されていてもよい(但し、nは1以上の自然数)。これに限らず、nは自然数でなくてもよい。即ち、スクリュー52cは、n回転するごとに基準状態になるともいえる。
スクリュー52cの正転が継続された場合に、スクリュー52cは、一定又は略一定の間隔で原位置に戻る。つまり、スクリュー52cの状態は、基準状態と非基準状態とで交互に変化する。搬送部52は、スクリュー52cが原位置にあるときに搬送入口側通路38aから遊技球を受け入れるとともに、スクリュー52cが正転することで受け入れた遊技球を搬送する。なお、搬送部52は、スクリュー52cが1回転するごとに1球の遊技球を搬送入口側通路38aから受け入れるように構成される。これに限らず、搬送部52は、スクリュー52cがp回転するごとにm球の遊技球を受け入れるように構成されてもよい。搬送部52は、スクリュー52cがp回転するごとにm球の遊技球を搬送出口側通路38cに排出する。一例として、p=1かつm=1であるが、これに限らず、p及びmは、それぞれ1又は2以上の任意の値であってもよい。スクリュー52cの状態が基準状態と非基準状態とで交互に変化されることに伴って遊技球を搬送する動作は、搬送動作の一例である。スクリュー52cは、搬送部通路38bにおいて遊技球を搬送する動作を可能な搬送部材の一例である。
なお、ある遊技球が搬送入口側通路38aから搬送部通路38bへ流入した場合、当該遊技球は、スクリュー52cがr回転すると搬送出口側通路38cに排出される。一例として、r=10であるが、これに限らない。rは、発射部65までに搬送が必要な長さや搬送部52を構成する部材に応じて適宜変更してもよい。
搬送出口側通路38cは、搬送部通路38bの上端側の部分又は上端部分と接続されている。搬送出口側通路38cは、右方から左方に向かって下方へ下るように傾斜して延びる。搬送出口側通路38cは、搬送部52によって搬送されてきた遊技球を受け入れる。搬送出口側通路38cは、後述する供給入口側通路62aと接続されている。搬送出口側通路38cが受け入れた遊技球は、搬送出口側通路38cを流通して供給入口側通路62aに受け入れられる。供給入口側通路62aに受け入れられた遊技球は、発射機構60に到達する。以上のように、搬送部52は、排出球通路40から遊技球を受け入れて発射部65に搬送する。
搬送出口センサD29は、搬送出口側通路38cにおいて、搬送部52によって搬送されてきた遊技球を検知する。つまり、搬送入口センサD28は、搬送部52から排出された遊技球を検知可能である。搬送出口センサD29は、搬送出口側通路38c又は搬送出口側通路38cに隣接する部分に設けられる。つまり、搬送入口センサD28は、搬送出口側通路38cにある遊技球を検知可能である。搬送出口センサD29は、第2球検知部の一例である。搬送出口センサD29は、遊技球を検知した場合に、搬送出口信号を出力する。搬送出口信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
搬送入口側通路38a、搬送部通路38b、及び搬送出口側通路38cは、遊技球が流通する通路である搬送通路38の一例を構成する。搬送通路38は、循環機構通路の一例である。搬送入口センサD28は、搬送出口センサD29よりも上流側において、搬送通路38にある遊技球を検知可能である。搬送出口センサD29は、搬送入口センサD28よりも遊技球の流通方向における下流側において、搬送通路38にある遊技球を検知可能である。
排出球通路40及び搬送通路38を流通する遊技球を検知可能なセンサの位置関係について説明する。
ファールセンサD21は、球詰り監視センサD27よりも上流側にある遊技球を検知可能である。球詰り監視センサD27は、ファールセンサD21よりも下流側の遊技球を検知可能である。入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26は、アウトセンサD30よりも上流側にある遊技球を検知可能である。アウトセンサD30は、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26よりも下流側の遊技球を検知可能である。
アウトセンサD30は、球詰り監視センサD27よりも上流側にある遊技球を検知可能である。球詰り監視センサD27は、アウトセンサD30よりも下流側の遊技球を検知可能である。球詰り監視センサD27は、搬送部52よりも上流側にある遊技球を検知可能である。球詰り監視センサD27は、搬送入口センサD28よりも上流側の遊技球を検知可能である。つまり、球詰り監視センサD27は、搬送入口センサD28よりもアウトセンサD30側にある遊技球を検知可能である。搬送入口センサD28は、球詰り監視センサD27よりも下流側の遊技球を検知可能である。
発射機構60について詳しく説明する。
図4に示すように、発射機構60は、供給部61と、発射部65と、を備える。供給部61は、搬送部52によって搬送された遊技球を1球ずつ切り出すことにより、発射部65へ供給する。発射部65は、供給された遊技球を遊技領域20aに向けて発射する。
図6及び図7に示すように、供給部61には、供給入口側通路62aと、切出し機構63と、供給出口側通路62bと、が形成されている。供給入口側通路62aは、搬送部52によって搬送された遊技球Kを受け入れる。供給入口側通路62aは、受け入れられた遊技球Kを一列に整列する。供給入口側通路62aは、切出し機構63がある部分に向かって下るように延びる通路である。
切出し機構63は、遊技球Kの供給動作を可能に構成された可動片63aと、可動片63aを駆動する供給ソレノイド63bと、を備える。可動片63aが供給動作をしていない場合に、可動片63aは、供給入口側通路62aから供給出口側通路62bへと流出しないように、遊技球Kを塞き止める。図6→図7の流れで示すように、可動片63aが1回の供給動作を実行すると、供給入口側通路62aにおいて一列に並ぶ遊技球Kのうち、先頭の遊技球Kだけが、供給出口側通路62bへと放出される。供給出口側通路62bは、発射部65へ向かって下るように延びる通路である。
供給部61は、供給部61の入口側において、供給入口側通路62aへ受け入れられた遊技球Kを検知する供給入口センサD22を備える。供給入口センサD22は、供給入口側通路62a又は供給入口側通路62aに隣接した部分に設けられる。供給入口センサD22は、遊技球Kを検知した場合に、供給入口信号を出力する。供給入口信号は、遊技球Kが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
供給部61は、供給部61の出口側において、供給出口側通路62bへ放出された遊技球Kを検知する供給出口センサD23を備える。供給出口センサD23は、供給出口側通路62b又は供給出口側通路62bに隣接した部分に設けられる。供給出口センサD23は、遊技球Kを検知した場合に、供給出口信号を出力する。供給出口信号は、遊技球Kが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
図8に示すように、発射部65は、遊技球の発射動作を可能に構成された発射ハンマー66と、発射ハンマー66を駆動する発射ソレノイド66aと、を備える。発射ソレノイド66aは、モータであってもよい。供給部61の供給出口側通路62bを流下した遊技球Kは、発射部65の打撃位置67に到達する。一例として、発射ハンマー66の発射動作は、打撃位置67にある遊技球を打撃することにより、遊技球を打出通路20cに向けて打ち出す動作である。図中において実線及び二点鎖線で示すように、発射ハンマー66が1回の発射動作を実行すると、打撃位置67にある1球の遊技球が打出通路20cへ打ち出される。矢印Y1に示すように、遊技球は、十分な発射強度がある場合に、打出通路20cを飛翔し、遊技領域20aへ到達し得る。矢印Y2,Y3に示すように、遊技球は、発射強度が不足する場合に、打出通路20cにおいて失速し、落下する。この場合、遊技球は、ファール球となって、ファール受入口30cからファール通路33へと流入する。
図4に示すように、流通機構29は、メンテナンス部55を備える。
一例として、メンテナンス部55は、搭載枠11bに形成される。一例として、メンテナンス部55は、循環機構50に設けられている。メンテナンス部55は、メンテナンスの一例として、研磨部材と遊技球とを接触させることにより、遊技球を研磨できるように構成される。研磨部材は、環状のベルトであってもよく、巻取り式のベルトであってもよい。一例として、遊技球は、搬送入口センサD28によって検知された後であって、搬送部52によって搬送される前に、メンテナンス部55によって所定のメンテナンスが実施されるとよい。一例として、遊技球は、搬送部52によって搬送されながら、所定のメンテナンスが実施されてもよい。一例として、メンテナンス部55は、研磨部材と当該研磨部材を駆動するための機構とが一体化されたユニットとして構成されてもよい。この場合、メンテナンス部55は、ユニットとして交換可能となるように、搭載枠11bに対して組み付けられるとよい。
流通機構29は、球抜き機構70を備える。
一例として、球抜き機構70は、搭載枠11bに形成される。球抜き機構70は、第1球抜き部71と、第2球抜き部72と、球抜き通路73と、を含んで構成される。
第1球抜き部71は、流通通路37に続く搬送入口側通路38aのうち、搬送入口センサD28によって遊技球が検知される部分と、搬送部52(メンテナンス部55)との間の部分(以下、第1接続部71aと示す)に形成されている。第1接続部71aには、その壁又は底を所定の方向へ貫通する球抜き孔71bが形成されている。球抜き孔71bは、遊技球の排出通路が第1接続部71aに開口する部分であってもよい。一例として、所定の方向は、後方であるが、これに限らず、前方であってもよく、下方であってもよい。
第1球抜き部71は、球抜き孔71bを封止する封止位置と、球抜き孔71bを開放する開放位置とに変位可能な開閉片71cを有する。開閉片71cは、付勢機構(不図示)の付勢力により、封止位置に位置する。レバーなどの操作部(不図示)が操作されるなどして、開閉片71cが外力によって開放位置へ変位されると、球抜き孔71bが開放される。一例として、流通通路37に続く搬送入口側通路38aは、第1接続部71aに向かって下るように傾斜する。よって、流通通路37に存在する遊技球は、球抜き孔71bが開放されている場合に、当該球抜き孔71bから機外へと排出され得る。
図4、及び図6~図8に示すように、第2球抜き部72は、発射機構60に形成されている。
上述のように、遊技球は、可動片63aが供給動作をしていない場合に、当該可動片63aによって、供給入口側通路62aに塞き止められる。供給入口側通路62aのうち、塞き止められた遊技球の中で先頭の遊技球Kがある部分(以下、第2接続部72aと示す)には、球抜き通路73が接続されている。つまり、第2接続部72aには、球抜き通路73が球抜き孔72bとして開口している。球抜き孔72bは、第2接続部72aの壁又は底を所定の方向へ貫通する孔である。一例として、所定の方向は、下方であるが、これに限らず、前方であってもよく、後方であってもよい。
第2球抜き部72は、球抜き孔72bを封止する封止位置と、球抜き孔72bを開放する開放位置とに変位可能な開閉片72cを有する。開閉片72cは、付勢機構(不図示)の付勢力により、封止位置に位置する。レバーなどの操作部(不図示)が操作されるなどして、開閉片72cが外力によって開放位置へ変位されると、球抜き孔72bが開放される。一例として、供給入口側通路62aは、切出し機構63(可動片63a)に向かって下るように傾斜する。よって、供給入口側通路62aに存在する遊技球は、球抜き孔72bから球抜き通路73へ流入する。
球抜き通路73は、第1接続部71aに接続されている。球抜き通路73は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって下るように傾斜する通路を組み合わせて構成される。よって、球抜き通路73へ流入した遊技球は、第1接続部71aへ流入する。遊技球は、球抜き孔71bが開放されている場合に、球抜き孔71bから機外へと排出され得る。これに限らず、球抜き機構70は、球抜き通路73を備えない構成であってもよい。この場合、球抜き孔72bは、第2接続部72aの壁又は底を所定の方向へ貫通するように形成されるとよい。一例として、所定の方向は、後方であるが、これに限らず、前方であってもよく、下方であってもよい。
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口23Cを開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口23Cは、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能と示す)を搭載している。
確率変動機能は、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、第2始動口23Bへの入球率を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、第2始動口23Bへの入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高まり、第2始動口23Bへの遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」であり、低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口23Bの1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
遊技状態は、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって規定される。以下の説明では、低確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図9に示すように、パチンコ遊技機10は、複数の制御基板を備える。複数の制御基板は、遊技制御基板(主制御基板)80、演出制御基板(副制御基板)81、枠制御基板82、及び発射制御基板83を含む。枠制御基板82は、所定の制御を実行可能な制御部の一例である。複数の制御基板は、施錠装置(不図示)を解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセス、及び視認できない位置に設けられている。
遊技制御基板80と、演出制御基板81とは、遊技制御基板80から演出制御基板81へ一方向に通信を行うことが可能に接続される。遊技制御基板80は、所定の制御を実行し、演出制御基板81へ制御情報を送信する。例えば、制御情報は、信号、コマンド、又は電文である。演出制御基板81は、遊技制御基板80から受信した制御情報に基づいて所定の制御を実行する。遊技制御基板80と、枠制御基板82とは、双方向に通信を行うことが可能に接続される。遊技制御基板80は、所定の制御を実行し、枠制御基板82へ制御情報を送信する。枠制御基板82は、所定の制御を実行し、遊技制御基板80へ制御情報を送信する。枠制御基板82と、発射制御基板83とは、双方向に通信を行うことが可能に接続される。枠制御基板82は、所定の制御を実行し、発射制御基板83へ制御情報を送信する。発射制御基板83は、枠制御基板82へ制御情報を送信する。
パチンコ遊技機10の枠制御基板82と、管理ユニット100のCU制御基板120とは、パチンコ遊技機10に設けられた接続端子板98を介して、双方向に通信を行うことが可能に接続される。枠制御基板82は、所定の制御を実行し、CU制御基板120へ制御情報を送信する。CU制御基板120は、所定の制御を実行し、枠制御基板82へ制御情報を送信する。
パチンコ遊技機10は、電源ユニット99を機裏側に備える。電源ユニット99は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、演出制御基板81及び枠制御基板82に対して供給する。枠制御基板82に供給された電力は、さらに遊技制御基板80及び発射制御基板83に対して供給される。電源ユニット99は、供給ソレノイド63b、発射ソレノイド66a、各種のセンサ、及びスイッチに対して電力を供給する。電源ユニット99は、メインスイッチ99aを備える。パチンコ遊技機10は、メインスイッチ99aをオン状態としたまま電源ユニット99に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のままメインスイッチ99aをオン状態とすることにより、電源投入が可能に構成される。
遊技制御基板80について詳しく説明する。
図10に示すように、遊技制御基板80は、CPU80aと、ROM80bと、RAM80cと、乱数生成回路80dと、を備える。CPU80aは、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する制御を実行する。ROM80bは、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM80bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。
RAM80cは、CPU80aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM80cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。RAM80cは、情報を記憶可能な手段の一例である。乱数生成回路80dは、ハードウェア乱数を生成する。遊技制御基板80は、CPU80aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されてもよい。
遊技制御基板80は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、普通センサD14、及びゲートセンサD15と接続される。CPU80aは、各センサD11~D15が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。遊技制御基板80は、各表示部21a~21fと接続される。CPU80aは、各表示部21a~21fの表示内容を制御可能である。遊技制御基板80は、各ソレノイドSL1,SL2と接続される。CPU80aは、各ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することにより、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの開放態様を制御可能である。
演出制御基板81について詳しく説明する。
演出制御基板81は、CPU81aと、ROM81bと、RAM81cと、を備える。CPU81aは、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。ROM81bは、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。ROM81bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。また、ROM81bは、表示報知に用いる表示報知データ、発光報知に用いる発光報知データ、及び音声報知に用いる音声報知データを記憶している。RAM81cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM81cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。演出制御基板81は、CPU81aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成される。演出制御基板81は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
演出制御基板81は、演出表示部19と接続される。CPU81aは、演出表示部19の表示内容を制御可能である。演出制御基板81は、演出音声部12と接続される。CPU81aは、演出音声部12の出力内容を制御可能である。演出制御基板81は、演出発光部14と接続される。CPU81aは、演出発光部14の発光態様を制御可能である。このように、演出表示部19、演出音声部12、及び演出発光部14は、演出制御基板81(CPU81a)によって制御される。
枠制御基板82について詳しく説明する。
図9に示すように、枠制御基板82は、CPU82a、ROM82b、RAM82c、性能表示モニタ82d、球抜きスイッチ82e、エラー解除スイッチ82f、遊技球クリアスイッチ82g、RAMクリアスイッチ82h、バックアップ電源82j、バックアップ回路82k、及び発射許可回路82mを備える。エラー解除スイッチ82fは、特定の操作部の一例である。CPU82aは、枠制御プログラムを実行することにより、搭載枠11bの搭載部品の動作に関する処理を行う。ROM82bは、枠制御プログラムなどを記憶している。RAM82cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM82cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
性能表示モニタ82dは、一例として、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。性能表示モニタ82dは、所定の文字、及び数字を表示する態様で、所定の報知を実行可能な報知部の一例である。性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する。ベース値は、通常遊技時における有効球の総数に対する通常遊技時における賞球の総数の割合(比率)を示す値である。通常遊技は、低確低入球率状態であって、かつ大当り遊技が行われていないときの遊技である。有効球は、発射部65から発射された遊技球のうち、遊技領域20aへと到達した遊技球である。ベース値は、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって求められる。性能表示モニタ82dは、遊技球の性能(一例としてベース)に関する情報を表示可能な手段の一例である。
球抜きスイッチ82eは、パチンコ遊技機10の機内部にある遊技球を機外に排出可能となる状態(以下、球抜き状態と示す)を生起させるために操作される球抜き操作部の一例である。球抜き状態は、流通機構29から遊技球を排出することが可能となる状態である。球抜きスイッチ82eは、押込み操作がされると球抜き信号を出力する。球抜き信号は、球抜きスイッチ82eの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。球抜き信号は、CPU82aに出力される。
エラー解除スイッチ82fは、所定のエラーが設定された場合に、エラーの設定を解除する操作が可能な特定の操作部の一例である。エラーの設定は、当該エラーが検知された場合に行われる。エラー解除スイッチ82fは、押込み操作がされるとエラー解除信号を出力する。エラー解除信号は、エラー解除スイッチ82fの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。エラー解除信号は、CPU82aに出力される。
遊技球クリアスイッチ82gは、RAM82cにデータとして記憶された第2管理球数PB(以下、第2管理球数情報と示す)を0に初期化するために操作される手段の一例である。遊技球クリアスイッチ82gは、押込み操作がされると遊技球クリア信号を出力する。遊技球クリア信号は、遊技球クリアスイッチ82gの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。遊技球クリア信号は、CPU82aに出力される。
RAMクリアスイッチ82hは、RAM80cに記憶される情報、及びRAM82cに記憶される情報の初期化(以下、RAMクリアと示す)を行うときに操作されるスイッチである。RAMクリアスイッチ82hは、押込み操作がされるとRAMクリア信号を出力する。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチ82hの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。RAMクリア信号は、CPU82aに出力されるとともに、遊技制御基板80(CPU80a)に出力される。
バックアップ電源82jは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、RAM82cのほか、遊技制御基板80(RAM80c)に対してバックアップ電力を供給する。以下の説明では、外部からの電力供給が遮断されることを電源断と示す場合がある。RAM80c,82cは、バックアップ電源82jからバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時におけるRAM80c,82cの記憶内容を電源断後にも保持可能である。つまりパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載する。これに限らず、RAM80c,82cの一方又は両方は、電力供給が停止された状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断後にも情報を保持可能であってもよい。
一例として、バックアップ電源82jは、外部からの電力供給によって蓄電する蓄電装置である。バックアップ電源82jは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、少なくとも発射制御基板83(発射制御回路83a)及び発射ソレノイド66aが所定の動作を完了するのに要する所定の時間(以下、供給時間と示す)が経過する迄の間、これらに対してバックアップ電力を供給する。なお、供給時間は、発射制御基板83及び発射ソレノイド66aに供給するために蓄電した電力容量に関連し、当該電力の放出に要する時間であってもよく、所定の回路によって規定される時間であってもよい。
発射制御基板83(発射制御回路83a)及び発射ソレノイド66aは、バックアップ電源82jからバックアップ電力の供給を受けることにより、外部からの電力供給が遮断された後にも所定の動作を実行することができる。発射部65は、通常の発射動作(発射シーケンス)が行われている期間、及び特別な発射動作(空打ちシーケンス)が行われている期間のうち、少なくとも一方において、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、外部からの電力供給が遮断された後にn回の発射動作を可能に構成される。一例として、n=1であるが、これに限らず、n=2でもよく、n≧3であってもよい。
RAM80cに記憶される情報は、全てバックアップの対象となる。一例として、RAM80cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、メイン情報がある。メイン情報は、遊技の進行に関する情報である。一例として、メイン情報には、大当り状態(ラウンド遊技の回数を含む)に関する情報、遊技状態に関する情報、保留数に関する情報、普通図柄及び特別図柄に関する情報、及びエラーに関する情報がある。
RAM82cに記憶される情報は、全てバックアップの対象となる。一例として、RAM82cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、第2管理球数情報と、遊技情報と、性能情報と、がある。第2管理球数情報は、第2管理球数PBを特定可能な情報である。遊技情報は、遊技の進行状況に応じて遊技制御基板80から通知される情報である。一例として、遊技情報には、始動口入賞の発生、普通入賞の発生、大当り遊技における大入賞口入賞の発生、ゲート通過、特別図柄の確定(変動ゲームの終了)、大当りの発生、及び現在の遊技状態などを特定可能な情報がある。性能情報は、ベース値、及び当該ベース値の演算に係る情報である。ベース値の演算に係る情報には、通常遊技時における獲得賞球総数、及び通常遊技時における有効球総数がある。
バックアップ回路82kは、電源ユニット99から供給される電源電圧が規定電圧よりも低下すると電源断検出信号をCPU82aに出力するとともに、遊技制御基板80のCPU80aに出力する。発射許可回路82mは、発射制御基板83に対し、遊技球の発射を許容する発射許可状態にあることを特定可能な信号(以下、発射許可信号と示す)を出力する。発射許可信号の出力条件については後述する。
枠制御基板82は、計数操作部18と接続される。CPU82aは、計数操作部18が出力する計数信号を入力可能に構成される。枠制御基板82は、電波センサD16、第1扉開放スイッチD17、第2扉開放スイッチD18、ファールセンサD21、供給入口センサD22、供給出口センサD23、入賞通路カウントセンサD25、非入賞通路カウントセンサD26、及び球詰り監視センサD27と接続される。また、枠制御基板82は、搬送入口センサD28、搬送出口センサD29、及びアウトセンサD30と接続される。CPU82aは、これらのセンサ及びスイッチが出力する電波検知信号、第1扉開放信号、第2扉開放信号、ファール信号、供給入口信号、供給出口信号、入賞通路信号、非入賞通路信号、流通検知信号、搬送入口信号、搬送出口信号、及びアウト信号を入力可能に構成される。枠制御基板82は、第1扉開放信号及び第2扉開放信号を遊技制御基板80に出力する。
枠制御基板82は、報知音声部13と接続される。CPU82aは、報知音声部13の出力内容を制御可能である。枠制御基板82は、第2球数表示部17と接続される。CPU82aは、第2球数表示部17の表示内容を制御可能に構成される。枠制御基板82は、メンテナンス部55と接続される。CPU82aは、メンテナンス部55のメンテナンス動作を制御可能に構成される。枠制御基板82は、搬送モータ52aと接続される。CPU82aは、搬送部52の搬送動作を制御可能に構成される。枠制御基板82は、位置センサ52bbと接続される。CPU82aは、位置センサ52bbが出力する位置検知信号を入力可能に構成される。枠制御基板82は、供給ソレノイド63bと接続される。CPU82aは、供給ソレノイド63bに対する通電を制御することにより、可動片63aを変位させることができる。つまり、CPU82aは、供給部61による遊技球の供給動作を制御可能に構成される。
枠制御基板82は、管理ユニット100と接続される。CPU82aは、CU制御基板120が出力する各種の電文を受信可能に構成される。なお、管理ユニット100が出力する接続信号は、接続端子板98からCPU82aを経由せずに発射許可回路82mへと入力される。発射許可回路82mには、遊技制御基板80が出力する発射停止信号、及びCPU82aが出力するエラー信号も入力される。
発射制御基板83は、発射部65の動作を制御するための発射制御回路83aを備える。発射制御回路83aは、枠制御基板82から入力する制御信号、センサやスイッチから入力する信号に基づき、発射ソレノイド66aに対して駆動信号を出力する。
発射制御基板83は、タッチセンサD01、発射停止スイッチD02、及びハンドルボリュームD03と接続される。発射制御回路83aは、これらのスイッチやセンサが出力するタッチ信号、ストップ信号、及びボリューム信号を入力可能に構成される。発射制御基板83は、発射ソレノイド66aと接続される。発射制御回路83aが発射ソレノイド66aに対して駆動信号を出力することにより、発射ソレノイド66aが駆動し、発射ハンマー66が遊技球を打撃する。つまり、発射制御基板83は、発射部65による遊技球の発射動作を制御可能に構成される。
発射制御回路83aは、動作判定部、パルスクロック生成部、タイミングパルス生成部、保持回路、及びソレノイド駆動部を有する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であり、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であり、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることで動作可能条件が成立している場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であること、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であること、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることの一部又は全部が満たされていないことにより動作可能条件が成立していない場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力しない。
タイミングパルス生成部は、動作信号を入力している場合、当該動作信号とパルスクロック生成部から入力するパルス信号とを合成し、発射タイミングパルスをソレノイド駆動部に出力する。ソレノイド駆動部は、発射タイミングパルスを入力する毎に、ハンドルボリュームD03から入力するボリューム信号(電圧)に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイド66aへ供給(出力)する。これにより、発射ソレノイド66aは、ハンドルレバー15aの回動操作量に応じた強度にて駆動し、遊技球が発射される。発射制御回路83aは、所定のタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。保持回路は、動作可能条件が成立しているときに駆動電流が出力される場合、その時点におけるボリューム信号の電圧(電圧値)を保持する。発射制御回路83a(ソレノイド駆動部)は、後述する空打ちシーケンスにおいて、ボリューム信号の電圧値ではなく、保持回路に保持(記憶)された電圧値に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイド66aへ供給する。
枠制御基板82(CPU82a)が実行する処理について説明する。
枠側電源断処理について説明する。
CPU82aは、バックアップ回路82kが出力する電源断検出信号を入力すると、電源断処理を実行する。枠側電源断処理において、CPU82aは、RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM82cに記憶させる。また、CPU82aは、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRAM82cに記憶させる。その後、CPU82aは、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときにRAM82cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
枠側電源投入処理について説明する。
CPU82aは、電源投入に伴って、枠制御基板82への供給電圧がCPU82aの動作に必要な電圧に達して起動すると、枠側球抜き処理を実行する。枠側球抜き処理において、CPU82aは、球抜き状態へ移行するための条件(以下、球抜き移行条件と示す)が成立しているか否かを判定する。
一例として、CPU82aは、第2管理球数情報に示される第2管理球数PBが0であるか否かを特定する。一例として、CPU82aは、操作有効期間が経過する迄の間に、球抜き信号がオン状態となっているか否かに基づき、球抜きスイッチ82eが操作されているか否かを特定する。CPU82aは、電源投入に伴って起動すると、所定期間にわたって操作有効期間を設定する。つまり、操作有効期間は、電源投入後の所定期間にわたって設定され得る。操作有効期間は、40msなどのように、実質的に、球抜きスイッチ82eを操作しながら電源投入することを要求する長さであってもよい。これに限らず、操作有効期間は、5000msなどのように、電源投入後に管理者等が球抜きスイッチ82eを操作し得る長さであってもよい。操作有効期間は、タイマ処理等によって計測される期間として設定されることに限定されず、単に電源投入から予め定めた判定タイミングまでの期間として定められてもよい。
CPU82aは、第2管理球数PBが0であり、かつ、球抜きスイッチ82eが操作されている場合に、球抜き移行条件が成立したと判定する。球抜き移行条件には、パチンコ遊技機10の機内部にある遊技球数を含まない。つまり、球抜き状態は、機内部にある遊技球が零又は所定数未満であっても移行可能である。CPU82aは、第2管理球数PBが0ではない場合、又は、球抜きスイッチ82eが操作されていない場合に、球抜き移行条件が成立していないと判定する。CPU82aは、球抜き移行条件が成立していない場合に、球抜き状態を設定せず、枠側球抜き処理を終了する。
一方、球抜き移行条件が成立している場合に、CPU82aは、球抜き状態であることを特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。つまり、CPU82aは、球抜き状態を設定する。このように、球抜き状態は、予め定めた操作有効期間中に、球抜き操作部の一例である球抜きスイッチ82eが操作されると移行可能である。球抜き状態における制御内容については後述する。なお、球抜き状態は、電力供給を遮断しなければ解除できない。球抜き状態へ移行した場合に、CPU82aは、球抜き状態への移行を示す制御情報(以下、球抜き開始コマンドと示す)を遊技制御基板80へ出力する。なお、遊技制御基板80(CPU80a)は、球抜き開始コマンドを演出制御基板81へ出力する。
球抜き状態において、CPU82aは、後述する各種のエラーのうち一部のエラーを検知するための処理を実行しない。つまり、球抜き状態では、各種のセンサが無効化され得る。また、CPU82aは、球抜き状態である場合に、管理ユニット100との通信を行わない。つまり、球抜き状態では、パチンコ遊技機10と管理ユニット100との通信が無効化される。
球抜き状態中、CPU82aは、第1搬送処理を実行する。第1搬送処理は、球抜き状態中に、搬送部52による搬送動作を制御するための処理である。ここで、第1搬送処理について、詳細に説明する。
図11に示すように、第1搬送処理において、CPU82aは、搬送入口センサD28から出力される搬送入口信号の状態、及び搬送出口センサD29から出力され得る搬送出口信号の状態をそれぞれ監視する。CPU82aは、搬送入口信号の状態、及び搬送出口信号の状態に応じて、搬送部52が有する搬送モータ52aの動作を制御する。
一例として、CPU82aは、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオフ状態である状況において、スクリュー52cによる搬送動作が行われるように搬送モータ52aを作動させる。以下の説明において、単に「搬送モータ52aを作動させる」と示す場合、スクリュー52cによる搬送動作が行われるように搬送モータ52aを作動させることを意味する。例えば、時点T1において、CPU82aは、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオフ状態である状況から、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況に変化した場合に、待機時間を設けずに搬送モータ52aを作動させてもよい。なお、説明の便宜のため、この状況の変化が発生してから搬送モータ52aを作動させるまでの時間を、待機時間t0と示す場合がある。一例として、待機時間t0は、0であるが、0を超える時間が設定されていてもよい。
CPU82aは、搬送モータ52aを作動させる場合、予め定められた回転速度でスクリュー52cが回転するように搬送モータ52aを制御する。CPU82aは、スクリュー52cが規定時間t10で1回転するように搬送モータ52aを制御する。搬送入口側通路38aから搬送部通路38bへ流入した遊技球は、スクリュー52cがr回転すると搬送出口側通路38cから排出される。搬送入口側通路38aから搬送部通路38bへ流入した遊技球は、時間tdが経過すると搬送出口側通路38cから排出される。時間tdは、「t10×r」の関係式に基づいて算出できる。一例として、t10=270ms/回、r=10回とした場合に、時間tdは、2700msとなる。
時点T2において、搬送モータ52aが作動中であり、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオフ状態である状況から、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオン状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、時点T3において、搬送出口信号のオン状態が待機時間t1(一例として120ms)にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。時点T4において、搬送モータ52aが停止中であり、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオン状態である状況から、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ搬送出口信号がオン状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、搬送モータ52aを停止させたままとする。時点T5において、搬送モータ52aを停止中であり、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ搬送出口信号がオン状態である状況から、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオン状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、搬送モータ52aを停止させたままとする。
時点T6において、搬送モータ52aを停止中であり、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオン状態である状況から、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、時点T7において、搬送出口信号のオフ状態が待機時間t2(一例として30ms)にわたって維持されると、搬送モータ52aを作動させる。なお、CPU82aは、搬送出口信号がオフ状態となってから待機時間t2が経過する前に、搬送入口信号がオン状態となってから待機時間t3(一例として200ms)が経過していない場合、当該待機時間が経過してから、搬送モータ52aを作動させる。
時点T8において、搬送モータ52aを作動中であり、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況から、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオフ状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、時点T9において、搬送入口信号及び搬送出口信号のオフ状態が待機時間t4(一例として3000ms)にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。つまり、CPU82aは、遊技領域20aから回収された遊技球を搬送入口センサD28が検知しないまま規定時間が経過した場合に、搬送モータ52aを停止させるといえる。
時点T9において、CPU82aは、球抜きの完了を示す制御情報(以下、球抜き完了コマンドと示す)を遊技制御基板80に出力する。なお、遊技制御基板80(CPU80a)は、球抜き完了コマンドを演出制御基板81へ出力する。CPU82aは、遊技領域20aから回収された遊技球を搬送入口センサD28が検知しなくなったこと、又は、搬送モータ52aが停止したことに基づいて、球抜きが完了したと特定する。
一例として、待機時間t0~t4は、t0<t2<t1<t3<t4の順に長い。これに限らず、待機時間t0~t4は、上述の具体例とは異なる時間を設定してもよく、その長短関係を変更してもよい。
CPU82aは、電源投入に伴って起動すると、通信チェック処理を実行する。通信チェック処理は、枠側球抜き処理と並行して実行され、枠側電源断処理が実行されるまで実行される。
通信チェック処理において、CPU82aは、遊技制御基板80から起動時情報を受信したか否かを判定する。一例として、起動時情報は、遊技機設置情報である。一例として、遊技機設置情報は、遊技機の種類、CPU80aのID番号、及びCPU80aの製造者などを特定可能な情報である。CPU82aは、起動時情報を正常に受信すると、応答情報を遊技制御基板80に送信する。その後、CPU82aは、起動時情報を受信したことを特定可能な情報(以下、起動時受信フラグと示す)をRAM82cに記憶させる。
CPU82aは、電源投入によって起動してから所定時間ta(一例として3分)が経過するまでの間に起動時情報を受信しない場合、管理遊技機内通信エラーの発生を特定可能なフラグをRAM82cに記憶させる。つまり、CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定する。
以下の説明において、CPU82aが行う処理におけるエラーについて「設定する」と示す場合、そのエラーを特定可能な情報(一例としてフラグ)をRAM82cに記憶させることを意味する。CPU82aが行う処理におけるエラーについて「設定を解除する」と示す場合、そのエラーを特定可能な情報(一例としてフラグ)をRAM82cから消去させることを意味する。
その後、CPU82aは、起動時情報を受信するまで待機する。CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定中、遊技制御基板80から起動時情報を正常に受信すると、管理遊技機内通信エラーの設定を解除し、起動時情報をRAM82cに記憶させる。これに限らず、CPU82aは、起動時情報の受信と応答情報の送信が複数回(一例として3回)にわたって成功しなかったとき管理遊技機内通信エラーを設定してもよい。この場合、複数回にわたって受信する起動時情報は、1回目を遊技機設置情報とし、2回目以降には、遊技機設置情報とは異なる情報(一例として遊技機情報)としてもよい。このように、枠制御基板82は、遊技制御基板80との通信に異常があることを管理遊技機内通信エラーとして検知可能である。
CPU82aは、球抜き状態を設定せずに枠側球抜き処理を終了し、かつ、RAM82cに起動時受信フラグが記憶されている場合に、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。ここで、CPU82aは、枠側球抜き処理を終了しても、起動時受信フラグが記憶されていない場合には、起動時受信フラグが記憶されるまで待機する。CPU82aは、RAM82cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、CPU82aは、RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、枠側電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU82aは、バックアップフラグが記憶されており、かつチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされている情報が異常と判定した場合、CPU82aは、RAM82cに記憶された第2管理球数情報及び遊技情報を初期化する。このとき、CPU82aは、性能情報を初期化しない。その後、CPU82aは、初期化又はバックアップされた第2管理球数情報、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
一方、バックアップされている情報が正常と判定した場合、CPU82aは、遊技球クリア信号がオン状態であるか否かに基づき、遊技球クリアスイッチ82gが操作されているか否かを判定する。CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが操作されているとき、RAM82cに記憶された第2管理球数情報を初期化する。このとき、CPU82aは、遊技情報及び性能情報を初期化しない。CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが操作されていないとき、第2管理球数情報を初期化しない。
CPU82aは、RAMクリア信号がオン状態であるか否かに基づき、RAMクリアスイッチ82hが操作されたか否かを判定する。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されているとき、RAM82cに記憶される遊技情報を初期化する。このとき、CPU82aは、第2管理球数情報及び性能情報を初期化しない。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されていないとき、遊技情報を初期化しない。つまり、性能情報は、遊技球クリアスイッチ82gの操作に応じて第2管理球数情報が初期化される状況、及びRAMクリアスイッチ82hの操作に応じて遊技情報が初期化される状況の何れであっても初期化されない。その後、CPU82aは、初期化又はバックアップされた第2管理球数情報、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
枠制御基板82の枠側通常処理について説明する。
枠側通常処理のうち遊技情報記憶処理について説明する。
遊技情報生成処理は、遊技制御基板80から受信する遊技情報をRAM82cに記憶する処理である。CPU82aは、遊技状態を特定可能な遊技情報を受信すると、当該遊技情報をRAM82cに記憶させる。CPU82aは、RAM82cに記憶された遊技情報を参照することにより、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否かを特定可能である。その他、CPU82aは、各種の遊技情報を受信すると、受信した遊技情報を特定可能な情報を生成し、RAM82cに記憶させる。
枠側通常処理のうち第2搬送処理について説明する。
第2搬送処理は、球抜き状態中以外において、搬送部52による搬送動作を制御するための処理である。第2搬送処理は、上述した第1搬送処理と同様の内容の処理である。
図11に示すように、CPU82aは、時点T2において、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオン状態となった場合、当該状態が待機時間t1にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。CPU82aは、時点T6において、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオフ状態となった場合、当該状態が待機時間t2にわたって維持されると、搬送モータ52aを作動させる。CPU82aは、時点T8において、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ、搬送出口信号がオフ状態となった場合、当該状態が待機時間t4にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。また、CPU82aは、搬送モータ52aの動作中、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ、搬送出口信号がオン状態となった場合、当該状態が所定の待機時間にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。
以上のように、CPU82aは、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況に変化したことを搬送条件として、搬送モータ52aを作動させる。搬送条件は、搬送入口センサD28が遊技球を検知することを含む。搬送条件は、搬送出口センサD29が遊技球を検知しないことを含む。CPU82aは、予め定めた搬送条件の成立に応じて、発射部65に遊技球を搬送するように、搬送部52を制御する。つまり、CPU82aは、予め定めた搬送条件の成立に応じて、スクリュー52cによる搬送動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。スクリュー52cによる搬送動作が行われるように搬送モータ52aを制御することは、第1制御の一例である。
枠側通常処理のうち性能情報生成処理について説明する。
性能情報生成処理は、性能情報としてベース値を演算する処理である。CPU82aは、遊技状態フラグを参照し、大当り遊技中ではなく、かつ現在の遊技状態が低確低入球率状態であるか否か(つまり通常遊技時であるか否か)を判定する。通常遊技時である場合、CPU82aは、始動口入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、始動口入賞情報と示す)、又は普通入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、普通入賞情報と示す)を受信すると、通常遊技時における獲得賞球総数を加算する。獲得賞球総数は、性能情報の1つとしてRAM82cに記憶される。CPU82aは、入賞通路信号又は非入賞通路信号を入力すると、通常遊技時における有効球総数を加算する。有効球総数は、性能情報の1つとしてRAM82cに記憶される。CPU82aは、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって、ベース値を演算する。CPU82aは、1分間毎に区切って獲得賞球総数及び有効球総数を計数し、ベース値の演算を1分毎に行ってもよい。CPU82aは、有効球総数が所定数になる毎に区切って獲得賞球総数を計数し、ベース値の演算を有効球総数が所定数になる毎に行ってもよい。一例として、所定数は、60000球であってもよく、発射部65によって1分当りに発射可能な最大個数(例えば100球)であってもよい。CPU82aは、演算したベース値を特定可能な情報を表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。
CPU82aは、性能情報として役物比率及び連続役物比率を演算し、性能表示モニタ82dにて表示可能に構成されてもよい。役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、電動役物作動による獲得賞球総数の割合である。電動役物作動による獲得賞球総数とは、普通当り遊技(普通電動役物作動)による第2始動口23Bへの入賞に伴う獲得賞球総数、及び大当り遊技(特別電動役物作動)による大入賞口23Cへの入賞に伴う獲得賞球総数の和である。連続役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、連続役物作動による獲得賞球総数の割合である。連続役物作動による獲得賞球総数とは、大当り遊技による大入賞口23Cへの入賞に伴う獲得賞球総数である。
枠側通常処理のうち第2管理球数情報生成処理について説明する。
第2管理球数情報生成処理は、第2管理球数PBを生成(管理)するための処理である。CPU82aは、遊技制御基板80から獲得賞球数情報を受信すると、当該獲得賞球数情報から特定可能な獲得賞球数を第2管理球数PBに加算する。獲得賞球数情報は、所定の入賞口への入賞に伴い、賞球の付与条件が成立すると遊技制御基板80が出力する制御情報であって、当該入賞口に設定された賞球数を特定可能に構成される。CPU82aは、CU制御基板120から貸出情報を受信すると、貸出情報に示される貸出球数を第2管理球数PBに加算する。
CPU82aは、ファールセンサD21が出力するファール信号に基づき、1球の遊技球がファール球として回収されたこと検知すると、第2管理球数PBを加算する。一例として、CPU82aは、ファール信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球がファール球として回収されたことを検知する。
CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する。換言すれば、CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて遊技領域20aに向けて遊技球が発射されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する。一例として、CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が供給されたことを検知する。これにより、電磁的に管理する遊技球(第2管理球数PB)が実球に変換される。このように、CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて第2管理球数PBを減少させる。
また、CPU82aは、発射ソレノイド66aの駆動により第2管理球数PBを減算してもよく、打出通路20cにセンサを設け、当該センサにより発射部65から発射された遊技球を検知したときに第2管理球数PBを減算する構成であってもよい。このように、第2管理球数PBは、発射部65による発射動作、及び、供給部61による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して減算される。つまり、CPU82aは、遊技球の発射に応じて第2管理球数PBを減少させる。なお、第2管理球数情報生成処理が実行されるとき、球抜きスイッチ82eが操作されても、操作有効期間外であることから、球抜き状態へ移行しない。
第2管理球数情報生成処理は、枠側通常処理として実行される一方、球抜き状態では実行され得ない。つまり、球抜き状態であるときには、持ち球数管理制御が無効である。つまり、球抜き状態である場合に、所定の入賞口へ遊技球が入球したとしても、球抜き状態中以外であれば加算されるべき賞球が第2管理球数PBに加算されない。また、後述するように、球抜き状態である場合に、遊技球を発射可能となる場合がある。しかしながら、球抜き状態であるときには、遊技球が発射された場合であっても、第2管理球数PBが減算されない。つまり、球抜き状態において、遊技球の発射操作は、球抜き作業の一環として把握できる。
CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数操作部18から計数信号を入力すると、計数球数を特定可能な計数情報を管理ユニット100に出力するとともに、第2管理球数PBから計数球数を減算する。CPU82aは、第2管理球数PBを減算してから計数情報を出力してもよく、計数情報を出力してから第2管理球数PBを減算してもよい。一例として、計数可能状態は、必要な電力が供給されており、かつ第2管理球数PBが0ではない状態である。CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数報知部18aが点灯するように、計数報知部18aに内蔵された発光体を制御する。持ち球(第2管理球数PB)の管理は、計数情報を管理ユニット100へ出力することにより、パチンコ遊技機10から管理ユニット100へ移管される。上述のように、第2管理球数情報生成処理は、枠側通常処理として実行される一方、球抜き状態では実行され得ない。つまり、球抜き状態であるときには、持ち球に関する操作の一例である計数操作部18の操作が無効である。
CPU82aは、加算又は減算した更新後の第2管理球数PBを特定可能な情報を表示するように、第2球数表示部17を制御する。第2球数表示部17は、枠制御基板82にて設定(検知)したエラーを特定可能な情報を表示可能な装置として兼用されてもよい。
枠側通常処理のうち枠側エラー設定処理について説明する。
図12に示すように、枠側エラー設定処理は、エラーを設定する処理である。一例として、枠側エラー設定処理において、枠制御基板82(CPU82a)が設定可能なエラーは、不正電波検知エラー、管理遊技機内通信エラー、遊技球循環機構異常エラー、排出球通路異常エラー、遊技球循環機構通路異常エラー、循環球数過少エラー、循環球数過多エラー及び扉開放エラーを含む。また、枠側エラー報知処理は、枠側エラー設定処理にてエラーを検出した場合に、所定の報知態様にてエラーを報知させる処理である。なお、枠側エラー設定処理及び枠側エラー報知処理に関する処理内容は後に詳しく説明する。
次に、遊技制御基板80(CPU80a)が行う各種の処理について説明する。
盤側電源断処理について説明する。
CPU80aは、枠制御基板82(バックアップ回路82k)から電源断検出信号を入力すると、電源断処理を実行する。盤側電源断処理において、CPU80aは、発射停止信号を枠制御基板82へ出力する。CPU80aは、RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM80cに記憶させる。また、CPU80aは、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRAM80cに記憶させる。その後、CPU80aは、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときにRAM80cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
盤側電源投入処理について説明する。
CPU80aは、電源投入に伴って、遊技制御基板80への供給電圧がCPU80aの動作に必要な電圧に達して起動すると、タイマ割込み処理を禁止する。続けて、CPU80aは、通信確認処理を実行する。
通信確認処理において、CPU80aは、起動時情報を枠制御基板82へ送信する。CPU80aは、起動時情報を送信してから応答情報を受信することなく所定時間tb(一例として108ms)が経過すると、起動時情報を枠制御基板82へ再送信する。以降、CPU80aは、枠制御基板82から応答情報を受信しない場合、所定時間tbが経過するごとに起動時情報を枠制御基板82へ送信する。複数回にわたって送信する場合の起動時情報は、同じ情報であってもよく、送信回数を特定可能なように異なる情報であってもよい。
CPU80aは、起動時情報を枠制御基板82へ送信するごとに、起動時情報の送信回数を特定可能な情報(以下、起動送信回数と示す)に1加算してRAM80cに記憶させる。CPU80aは、応答情報を受信すると、起動送信回数を初期化する。CPU80aは、起動送信回数が規定回数(一例として10回)に達すると通信回線断エラーを検知し、通信回線断エラーの発生を特定可能な情報をRAM80cに記憶させる。つまり、CPU80aは、通信回線断エラーを設定する。CPU80aは、通信回線断エラーを設定すると、通信回線断エラーの発生を特定可能な制御情報(以下、通信回線断エラーコマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、電源断がされるまで待機する。一方、CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を受信すると、通信回線が正常であると判定する。この場合に、CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を受信したことを特定可能な情報(以下、起動時応答受信フラグと示す)をRAM80cに記憶させる。
CPU80aは、電源投入に伴って起動すると、盤側球抜き処理を実行する。盤側球抜き処理は、通信確認処理と並行して実行される。
盤側球抜き処理において、CPU80aは、枠制御基板82から球抜き開始コマンドを入力したか否かを判定する。球抜き開始コマンドを入力していない場合、CPU80aは、球抜き状態を設定せずに、盤側球抜き処理を終了する。この場合には、球抜き処理の終了後に、通信確認処理が継続されている可能性がある。球抜き開始コマンドを入力した場合、CPU80aは、球抜き状態を検知し、球抜き状態の発生を特定可能な情報をRAM80cに記憶させる。つまり、CPU80aは、球抜き状態を設定する。CPU80aは、球抜き状態を設定すると、球抜き状態への移行を特定可能な制御情報として、球抜き開始コマンドを演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、電源断がされるまで待機する。待機中、CPU80aは、球抜き完了コマンドを入力した場合、球抜きの完了を特定可能な制御情報(以下、球抜き完了コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。このように、通信回線断エラーは、球抜き状態である期間、及び球抜き状態ではない期間の両方を確認区間として検知され得る。一例として、通信回線断エラーは、電源が投入されてから、電源が遮断されるまで、常時、検出される。
CPU80aは、球抜き状態を設定せずに盤側球抜き処理を終了し、かつ、RAM80cに起動時応答受信フラグが記憶されている場合に、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。ここで、CPU80aは、盤側球抜き処理を終了しても、起動時応答受信フラグが記憶されていない場合には、起動時応答受信フラグが記憶されるまで待機する。CPU80aは、RAM80cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。CPU80aは、RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU80aは、バックアップフラグが記憶されており、かつ、チェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされた情報が異常と判定された場合、CPU80aは、RAM80cに記憶されるメイン情報を初期化する。CPU80aは、各種の情報が初期化されたことを特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
バックアップされた情報を正常と判定した場合、CPU80aは、枠制御基板82(RAMクリアスイッチ87)からRAMクリア信号を入力しているか否かを判定する。RAMクリア信号を入力している場合、CPU80aは、RAM80cに記憶されているメイン情報を初期化する。この場合、CPU80aは、初期化コマンドを演出制御基板81へ出力する。一方、RAMクリア信号を入力していない場合、CPU80aは、バックアップされたメイン情報に基づいて復帰することを特定可能な制御コマンド(以下、復電コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
CPU80aは、盤側電源投入処理を終了すると、タイマ割込み処理を許可する。つまり、CPU80aは、遊技を進行させるための処理(以下、盤側通常処理と示す)を実行可能となる。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されておれば、初期化後のメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU80aは、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも零であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが何れも実行中ではなく、大当り遊技も付与されていない状態に基づいて、盤側通常処理に含まれる各種処理を実行する。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されていなければ、バックアップされているメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU80aは、第1特別保留数及び第2特別保留数が電源断時の保留数であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが実行されておれば当該特別ゲームを実行させる処理へ復帰し、大当り遊技を付与中であれば、大当り遊技を付与する処理へ復帰する。
CPU80aは、所定の制御周期(一例として4ms)毎に行うタイマ割込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを盤側通常処理として実行する。
盤側通常処理のうち特別図柄入力処理について説明する。
CPU80aは、第1始動センサD11から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口23Aへ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口23Aへ入球した場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第1保留数を1加算して更新する。続けて、CPU80aは、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD11によって検知されると成立する。
次に、CPU80aは、乱数生成回路80dが生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報をRAM80cに記憶させた場合、遊技球が第1始動口23Aへ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサD12から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口23Bへ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口23Bへ入球している場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第2保留数を1加算して更新する。CPU80aは、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示部21dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD12によって検知されると成立する。
次に、CPU80aは、遊技制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。CPU80aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、特別ゲームに用いる乱数情報をRAM80cに記憶させておくことで、当該特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報をRAM80cに記憶させた場合、遊技球が第2始動口23Bへ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。
盤側通常処理のうち特別図柄開始処理について説明する。
最初に、CPU80aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU80aは、大当り遊技中ではなく、かつ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定と判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定と判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、CPU80aは、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、CPU80aは、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
第1保留数が零よりも大きい場合、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、CPU80aは、第1保留数を1減算して更新する。CPU80aは、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM80cから取得する。CPU80aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。CPU80aは、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
大当りに当選した場合、CPU80aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、CPU80aは、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
大当りに当選しなかった場合、CPU80aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、CPU80aは、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
第2保留数が零よりも大きい場合、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、CPU80aは、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
CPU80aは、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを演出制御基板81へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンドである。変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
特別図柄開始処理を終了すると、CPU80aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。一例として、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
一例として、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを演出制御基板81に出力する。以上のように、パチンコ遊技機10は、CPU80aが特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することにより、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行い、当該当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成される。
盤側通常処理のうち大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。CPU80aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU80aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU80aは、特定した種類の大当り遊技を付与するように構成される。
最初に、CPU80aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、CPU80aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口23Cを開状態とする。CPU80aは、カウントセンサD13による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口23Cを閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。CPU80aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU80aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。CPU80aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を演出制御基板81に出力してもよい。
盤側通常処理のうち状態移行処理について説明する。
CPU80aは、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットする。つまり、CPU80aは、高確率状態に制御する。CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一方、CPU80aは、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットしない。つまり、CPU80aは、低確率状態に制御する。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
CPU80aは、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、RAM80cに作動フラグをセットする。つまり、CPU80aは、高入球率状態に制御する。CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、RAM80cに記憶される実行カウンタの値を更新することにより、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。CPU80aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、RAM80cに記憶される作動フラグを消去する。つまり、CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
演出制御基板81(CPU81a)が実行する各種の処理について説明する。
演出復電処理について説明する。
CPU81aは、初期化コマンドを入力すると、演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御し、RAMクリア報知(初期化報知)を実行させる。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列を読み上げる人の声など、RAMクリアの実行を特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、RAMクリア専用の発光パターンにて演出発光部14を発光させる態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行される。CPU81aは、RAMクリア報知を開始してから所定時間が経過すると、RAMクリア報知を終了するように演出装置ESを制御する。また、CPU81aは、初期化コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び所定の演出図柄の組合せを表示するように演出表示部19を制御する。
CPU81aは、復電コマンドを入力すると、演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御し、復電報知を実行させる。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列を読み上げる人の声など、RAMクリアの実行を特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、復電報知は、復電専用の発光パターンにて演出発光部14を発光させる態様にて実行される。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行される。CPU81aは、復電報知を開始してから所定時間が経過すると、復電報知を終了するように演出装置ESを制御する。これに限らず、CPU81aは、復電報知を実行させない構成であってもよい。また、CPU81aは、復電コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び上記所定の演出図柄の組合せとは異なる演出図柄の組合せを表示するように演出表示部19を制御する。
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。CPU81aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置ESを制御する。CPU81aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置ESを制御する。CPU81aは、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置ESを制御する。CPU81aは、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置ESを制御する。
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。CPU81aは、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。具体的に、CPU81aは、変動開始コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、CPU81aは、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。なお、CPU81aは、リーチ演出を実行させる場合、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。
CPU81aは、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示部19を制御する。つまり、CPU81aは、演出ゲームを開始させる。また、CPU81aは、演出ゲームに関連して所定の演出を実行させる場合、当該演出を実行するように、演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。CPU81aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定で停止表示させる。なお、CPU81aは、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
以下、枠制御基板82(CPU82a)が検知可能なエラーについて説明する。
図12に示すように、枠制御基板82(CPU82a)は、枠側エラー設定処理を実行することにより、各種のエラーを検知して設定することが可能である。エラーの検知は、球抜き状態であるときに制限される。枠側エラー設定処理は、枠側通常処理の1つである。
不正電波検知エラーは、異常な電波を所定回数k1(一例として10回)検知したことを検知条件とする。CPU82aは、異常な電波が発生したことを不正電波検知エラーとして検知する。CPU82aは、電波センサD16から電波検知信号を入力すると、電波検知回数を加算する。具体的に、CPU82aは、電波検知信号がオフ状態→オン状態のように遷移する場合、電波検知回数に1加算する。CPU82aは、更新した電波検知回数を特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。CPU82aは、電波検知回数が所定回数k1に達した場合、不正電波検知エラーを設定する。所定回数k1は、10回であることに限らない。2回~9回のうち何れかであってもよく、11回以上であってもよい。所定回数k1は、1回であってもよいが、複数回であることが好ましい。
不正電波検知エラーは、電波を用いた不正(ゴト行為)が行われている可能性が高い状態である。不正電波検知エラーは、電源復帰を解除条件とする。CPU82aは、不正電波検知エラーの設定を電力供給が停止するまで解除しない。つまり、不正電波検知エラーの設定は、電源復帰以外に解除する方法がない。例えば、不正電波検知エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fの押込み操作がされても解除されない。例えば、不正電波検知エラーの設定は、電波センサD16が異常な電波を検知しなくなったとしても解除されない。不正電波検知エラーの設定は、不正電波検知エラーが設定されることとなる原因が解消されても解除されない。
CPU82aは、電源断を経て電源投入されると、不正電波検知エラーの設定を解除する。CPU82aは、電源断時に不正電波検知エラーの設定を解除してもよく、電源投入時に不正電波検知エラーの設定を解除してもよい。不正電波検知エラーの設定を解除する場合、CPU82aは、RAM82cに記憶されている電波検知回数を初期化する。不正電波検知エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
管理遊技機内通信エラーは、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信が正常に行われないことを検知条件とする。CPU82aは、上述した通信チェック処理において、管理遊技機内通信エラーを検知可能である。CPU82aは、電源投入によって起動してから所定時間ta(一例として3分)が経過するまでの間に起動時情報を受信しない場合、遊技制御基板80との通信が正常に行われないことを特定する。具体的に、CPU82aは、電源投入によって起動した後、起動時情報を受信するまで、電源投入されてからの起動後時間を計測する。CPU82aは、起動時情報を受信すると、起動後時間の計測を終了する。CPU82aは、起動後時間が所定時間taに達した場合、管理遊技機内通信エラーを設定する。
管理遊技機内通信エラーは、通信が正常に行われることを解除条件とする。CPU82aは、起動時情報を受信すると、管理遊技機内通信エラーの設定を解除する。つまり、管理遊技機内通信エラーの設定は、管理遊技機内通信エラーが設定されることとなる原因が解消されると解除される。管理遊技機内通信エラーは、球抜き状態中及び球抜き状態中以外の何れも確認区間として検出される。一例として、管理遊技機内通信エラーは、電源が投入されてから、電源が遮断されるまで、常時、検出される。
遊技球循環機構異常エラーは、スクリュー52cが搬送動作を行う場合において、位置センサ52bbが突起部52baを検知することなく、基準時点からの経過時間が所定時間t11(一例として504ms)に達することを検知条件とする。当該検知条件は、第1特別条件の一例である。つまり、第1特別条件は、スクリュー52cが搬送動作を行っている場合に、スクリュー52cが基準状態となったことが検知されることなく所定時間t11が経過することで成立する。一例として、基準時点は、スクリュー52cによる搬送動作が開始された時点、及び、スクリュー52cが搬送動作を行っている場合において、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移した時点の何れかである。所定時間t11は、第1時間の一例である。
遊技球循環機構異常エラーは、スクリュー52cが搬送動作を行っている場合に、位置センサ52bbが突起部52baを検知してから、所定時間t20(一例として204ms)が経過する前に再び位置センサ52bbが突起部52baを検知したことを検知条件とする。当該検知条件は、第2特別条件の一例である。つまり、第2特別条件は、スクリュー52cが基準状態となったことが検知されてから、所定時間t20が経過する前に再び基準状態となったことが検知されたことで成立する。一例として、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移してから所定時間t20が経過する前に、再び位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移した場合には、第2特別条件が成立する。所定時間t20は、第2時間の一例である。第1特別条件及び第2特別条件は、特別条件の一例である。
CPU82aは、第1特別条件が成立した場合に、遊技球循環機構異常エラーを設定する。CPU82aは、第2特別条件が成立した場合に、遊技球循環機構異常エラーを設定する。以下、第1特別条件及び第2特別条件の何れかの成立に基づいて遊技球循環機構異常エラーが設定される場合の処理の流れについて説明する。パチンコ遊技機10は、第1特別条件及び第2特別条件の何れかが成立した場合に、スクリュー52cによって搬送動作とは異なるリトライ動作が行われるように構成されている。
最初に、第1特別条件の成立に基づいて遊技球循環機構異常エラーが設定される場合の処理の流れについて説明する。
図13に示すように、時点T11において、CPU82aは、搬送条件が成立したことによって、搬送動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。時点T12において、位置センサ52bbは、突起部52baを検知したとする。つまり、時点T12では、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したとする。この時点におけるスクリュー52cの状態は、基準状態である。
時点T12から所定時間t11が経過するまでに、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移しなかったとする。つまり、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移した時点T12から所定時間t11が経過するまでに、再び位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移しなかったことにより第1特別条件が成立したとする。時点T12から所定時間t11が経過した時点T13において、CPU82aは、搬送動作とは異なるリトライ動作がスクリュー52cによって行われるように搬送モータ52aを制御する。以下、搬送動作とは異なるリトライ動作がスクリュー52cによって行われるように搬送モータ52aを制御することをリトライ制御と示す。このように、CPU82aは、搬送動作が行われるように搬送モータ52aを制御している場合、第1特別条件の成立に応じて、スクリュー52cによるリトライ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。リトライ制御は、第2制御の一例である。
リトライ動作は、搬送モータ52aが正転、停止、逆転することにより、搬送部52の異常を解消しようとする動作である。例えば、第1ギア52daと、第2ギア52dbと、の噛み合わせに異常がある場合には、リトライ動作が行われることによって、噛み合わせが正常になり得る。例えば、搬送入口側通路38aから遊技球を受け入れる搬送部通路38bの下端側の部分において、通路部材52hと、係止部52cbと、の間に遊技球が挟まることによってスクリュー52cが動かなくなった場合には、リトライ動作が行われることによって、遊技球の挟まりを解消し得る。
時点T13において、CPU82aは、搬送動作を終了して、1回目のリトライ動作を開始するように搬送モータ52aを制御する。この場合、CPU82aは、第1特別条件の成立に応じて実行されるリトライ動作の実行回数を特定可能な情報(以下、第1リトライ回数と示す)を1加算してRAM82cに記憶させる。時点T13において、CPU82aは、リトライ動作の開始に伴い搬送モータ52aを停止させる。時点T13から停止時間t12(一例として12ms)が経過した時点Taにおいて、CPU82aは、搬送モータ52aを逆転させる。時点Taから逆転時間t13(一例として240ms)が経過した時点Tbにおいて、CPU82aは、搬送モータ52aを停止させる。時点Tbから停止時間t14(一例として12ms)が経過した時点Tcにおいて、CPU82aは、搬送モータ52aを正転させる。時点Tcから正転時間t15(一例として240ms)が経過した時点T14において、CPU82aは、リトライ制御を終了する。つまり、CPU82aは、1回目のリトライ動作を終了させる。このように、CPU82aは、1回のリトライ動作として、停止→逆転→停止→正転のように搬送モータ52aを制御する。リトライ動作は、特別動作の一例である。
時点T14において、CPU82aは、リトライ動作に続けて、搬送動作を開始するように搬送モータ52aを制御する。時点T14から所定時間t11が経過するまでに、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移しなかったとする。つまり、搬送動作が開始した時点T14から所定時間t11が経過するまでに、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移しなかったことにより第1特別条件が成立したとする。時点T14から所定時間t11が経過した時点T15において、CPU82aは、2回目のリトライ制御を実行する。つまり、CPU82aは、2回目のリトライ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。CPU82aは、前述した1回目のリトライ動作と同じ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。この場合、CPU82aは、第1リトライ回数に1加算してRAM82cに記憶させる。
その後、2回目のリトライ動作を終了させると、CPU82aは、2回目のリトライ動作に続けて、搬送動作を開始するように搬送モータ52aを制御する。時点T16から所定時間t11が経過するまでに、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移しなかったとする。時点T16から所定時間t11が経過した時点T17において、CPU82aは、3回目のリトライ制御を実行する。つまり、CPU82aは、3回目のリトライ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。CPU82aは、1回目のリトライ動作及び2回目のリトライ動作と同じ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。この場合、CPU82aは、第1リトライ回数に1加算してRAM82cに記憶させる。
その後、3回目のリトライ動作を終了させると、CPU82aは、3回目のリトライ動作に続けて、搬送動作を開始するように搬送モータ52aを制御する。時点T18から所定時間t11が経過するまでに、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移しなかったとする。この場合、CPU82aは、遊技球循環機構異常エラーを検知する。具体的に、CPU82aは、RAM82cに記憶された第1リトライ回数によってリトライ動作の実行回数を特定する。CPU82aは、リトライ動作の実行回数が3回であり、かつ、3回目のリトライ動作が行われた後における搬送動作において第1特別条件が成立した場合に、遊技球循環機構異常エラーを検知する。
CPU82aは、時点T18から所定時間t11が経過した時点T19において遊技球循環機構異常エラーを検知すると、搬送モータ52aを停止させる。時点T19から停止時間t12が経過した時点T20において、CPU82aは、搬送モータ52aを逆転させる。時点T20から逆転時間t13が経過した時点T21において、CPU82aは、搬送モータ52aを停止させる。時点T21において、CPU82aは、遊技球循環機構異常エラーを設定する。遊技球循環機構異常エラーは、循環機構異常エラーの一例である。
ここで、例えば、リトライ制御(リトライ動作)の実行後において、搬送動作が開始してから所定時間t11が経過するまでに、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移した場合、CPU82aは、第1リトライ回数を初期化するとともに、搬送動作を継続させる。CPU82aは、リトライ動作の実行後において第1特別条件が成立しなかった場合、遊技球循環機構異常エラーを設定しない。このように、CPU82aは、第1特別条件の成立に応じて所定回数k2(一例として3回)のリトライ制御を実行した場合であって、かつ、第1特別条件が成立する場合に、遊技球循環機構異常エラーを設定する。所定回数k2は、第1回数の一例である。所定回数k2は、3回であることに限らない。2回であってもよく、4回以上であってもよい。つまり、所定回数k2は、1回ではなく、複数回である。
時点T21において遊技球循環機構異常エラーが設定された後、時点T22において、エラー解除スイッチ82fが押込み操作されたとする。時点T22からエラー解除スイッチ82fが押込み操作されたままの状態で、所定時間t16(一例として2000ms)が経過した時点T23において、CPU82aは、遊技球循環機構異常エラーの設定を解除する。
次に、第2特別条件の成立に基づいて遊技球循環機構異常エラーが設定される場合の処理の流れについて説明する。
図14に示すように、時点T31において、CPU82aは、搬送条件が成立したことによって、搬送動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。時点T32において、位置センサ52bbは、突起部52baを検知したとする。つまり、時点T32では、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したとする。この時点におけるスクリュー52cの状態は、基準状態である。
時点T32から所定時間t20(一例として204ms)よりも短い時間である時間t21(一例として100ms)が経過した場合において、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したとする。つまり、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移した時点T32から所定時間t20が経過する前に、再び位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したことにより第2特別条件が成立したとする。時点T32から所定時間t20が経過する前の時点T33において、CPU82aは、リトライ制御を実行する。つまり、CPU82aは、リトライ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。このように、CPU82aは、搬送動作が行われるように搬送モータ52aを制御している場合、第2特別条件の成立に応じて、スクリュー52cによるリトライ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。
時点T33において、CPU82aは、搬送動作を終了して、1回目のリトライ動作を開始するように搬送モータ52aを制御する。この場合、CPU82aは、第2特別条件の成立に応じて実行されるリトライ動作の実行回数を特定可能な情報(以下、第2リトライ回数と示す)を1加算してRAM82cに記憶させる。なお、この場合のリトライ動作は、上述したリトライ動作の同じ動作である。つまり、時点T33から時点34において、CPU82aは、停止→逆転→停止→正転のように搬送モータ52aを制御する。
時点T34において、CPU82aは、1回目のリトライ動作に続けて、搬送動作を開始するように搬送モータ52aを制御する。搬送動作が開始した後の時点T35において、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したとする。時点T35から所定時間t20よりも短い時間である時間t21が経過した場合において、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したことにより第2特別条件が成立したとする。時点T35から所定時間t20が経過する前の時点T36において、CPU82aは、2回目のリトライ制御を実行する。つまり、CPU82aは、2回目のリトライ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。CPU82aは、1回目のリトライ動作と同じ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。この場合、CPU82aは、第2リトライ回数に1加算してRAM82cに記憶させる。
その後、時点T37において2回目のリトライ動作を終了させると、CPU82aは、2回目のリトライ動作に続けて、搬送動作を開始するように搬送モータ52aを制御する。搬送動作が開始した後の時点T38において、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したとする。時点T38から所定時間t20よりも短い時間である時間t21が経過した場合において、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したことにより第2特別条件が成立したとする。時点T38から所定時間t20が経過する前の時点T39において、CPU82aは、3回目のリトライ制御を実行する。つまり、CPU82aは、3回目のリトライ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。CPU82aは、1回目のリトライ動作及び2回目のリトライ動作と同じ動作が行われるように搬送モータ52aを制御する。この場合、CPU82aは、第2リトライ回数に1加算してRAM82cに記憶させる。
その後、時点T40において3回目のリトライ動作を終了させると、CPU82aは、3回目のリトライ動作に続けて、搬送動作を開始するように搬送モータ52aを制御する。搬送動作が開始した後の時点T41において、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したとする。時点T41から所定時間t20よりも短い時間である時間t21が経過した場合において、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移したことにより第2特別条件が成立したとする。この場合、CPU82aは、遊技球循環機構異常エラーを検知する。具体的に、CPU82aは、RAM82cに記憶された第2リトライ回数によってリトライ動作の実行回数を特定する。CPU82aは、リトライ動作の実行回数が3回であり、かつ、3回目のリトライ動作が行われた後における搬送動作において第2特別条件が成立した場合に、遊技球循環機構異常エラーを検知する。
CPU82aは、時点T41から所定時間t20よりも短い時間である時間t21が経過した時点T42において遊技球循環機構異常エラーを検知すると、搬送モータ52aを停止させる。時点T42から停止時間t12が経過した時点T43において、CPU82aは、搬送モータ52aを逆転させる。時点T43から逆転時間t13が経過した時点T44において、CPU82aは、搬送モータ52aを停止させる。時点T44において、CPU82aは、遊技球循環機構異常エラーを設定する。
ここで、例えば、リトライ動作の実行後において、搬送動作の実行中に位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移してから所定時間t20が経過した場合、CPU82aは、第2リトライ回数を初期化するとともに、搬送動作を継続させる。CPU82aは、リトライ動作の実行後において第2特別条件が成立しなかった場合、遊技球循環機構異常エラーを設定しない。このように、CPU82aは、第2特別条件の成立に応じて所定回数k3(一例として3回)のリトライ制御を実行した場合であって、かつ、第2特別条件が成立する場合に、遊技球循環機構異常エラーを設定する。所定回数k3は、第2回数の一例である。所定回数k3は、3回であることに限らない。2回であってもよく、4回以上であってもよい。つまり、所定回数k3は、1回ではなく、複数回である。
時点T44において遊技球循環機構異常エラーが設定された後、時点T45において、エラー解除スイッチ82fが押込み操作されたとする。時点T45からエラー解除スイッチ82fが押込み操作されたままの状態で、所定時間t16が経過した時点T46において、CPU82aは、遊技球循環機構異常エラーの設定を解除する。
以上のように、遊技球循環機構異常エラーは、エラー解除スイッチ82fの押込み操作が所定時間t16(一例として2000ms)行われたことを解除条件とする。つまり、遊技球循環機構異常エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fが操作されたまま所定時間t16が経過したときに解除される。CPU82aは、エラー解除信号がオン状態のまま所定時間t16が経過した場合に遊技球循環機構異常エラーの設定を解除する。第1特別条件又は第2特別条件の成立に基づいた遊技球循環機構異常エラーの設定を解除する場合、CPU82aは、RAM82cに記憶されている第1リトライ回数及び第2リトライ回数を初期化する。遊技球循環機構異常エラーの設定は、電力供給を停止しなくても、エラー解除スイッチ82fが操作されたことに基づいて解除することができる。
上述のように、球抜き状態では、第1搬送制御が実行される。球抜き状態中以外では、第2搬送制御が実行される。リトライ制御は、球抜き状態中及び球抜き状態中以外の何れにおいても実行される。遊技球循環機構異常エラーは、球抜き状態中及び球抜き状態中以外の何れも確認区間として検出される。一例として、遊技球循環機構異常エラーは、電源が投入されてから、電源が遮断されるまで、常時、検出される。つまり、遊技球循環機構異常エラーは、球抜き状態中に設定されうる。遊技球循環機構異常エラーは、球抜き状態中以外でも設定されうる。
枠側エラー設定処理の説明に戻る。
図12に示すように、遊技球循環機構通路異常エラーは、スクリュー52cが搬送動作を行っている場合に、搬送入口センサD28がオン状態を検知しており、かつ、搬送出口センサD29がオフ状態を検知している状態が所定時間tc(一例として7500ms)にわたって維持されたことを検知条件とする。このような状況は、搬送部52が遊技球を搬送できていない可能性が高い。
上述したように、搬送入口側通路38aから搬送部通路38bへ流入した遊技球は、スクリュー52cがr回転(一例として10回転)すると搬送出口側通路38cから排出される。よって、搬送入口側通路38aから搬送部通路38bへ流入した遊技球が搬送出口側通路38cから排出されるまでの時間は、規定時間t10(一例として270ms)に、r回を乗算した時間td(一例として2700ms)となる。所定時間tcは、時間tdよりも長い時間である。
CPU82aは、搬送動作が行われるように搬送モータ52aを制御している場合、搬送出口センサD29が遊技球を検知しておらず、かつ、搬送入口センサD28が遊技球を検知している状態となってから所定時間tcが経過した場合に、遊技球循環機構通路異常エラーを設定する。つまり、搬送入口側通路38aに遊技球があり、搬送動作が行われているものの、時間tdよりも長い時間である所定時間tcが経過しても遊技球が搬送出口側通路38cから排出されない場合に、遊技球循環機構通路異常エラーが設定される。所定時間tcは、第3時間の一例である。遊技球循環機構通路異常エラーは、循環機構通路異常エラーの一例である。CPU82aは、遊技球循環機構通路異常エラーを設定すると、搬送モータ52aを停止させる。つまり、CPU82aは、搬送動作を終了させる。
遊技球循環機構通路異常エラーは、エラー解除スイッチ82fの押込み操作が所定時間t16(一例として2000ms)行われたことを解除条件とする。つまり、遊技球循環機構通路異常エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fが操作されたまま所定時間t16が経過したときに解除される。CPU82aは、エラー解除信号がオン状態のまま所定時間t16が経過した場合に遊技球循環機構通路異常エラーの設定を解除する。遊技球循環機構通路異常エラーの設定は、搬送出口センサD29が遊技球を検知しても解除されない。遊技球循環機構通路異常エラーの設定は、搬送入口センサD28が遊技球を検知しなくなっても解除されない。遊技球循環機構通路異常エラーの設定は、電力供給を停止しなくても、エラー解除スイッチ82fが操作されたことに基づいて解除することができる。そして、遊技球循環機構異常エラーの設定、及び、遊技球循環機構通路異常エラーの設定は、同じエラー解除スイッチ82fを操作することにより解除することができる。遊技球循環機構通路異常エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。つまり、遊技球循環機構通路異常エラーは、球抜き状態中に設定されない。
排出球通路異常エラーは、アウトセンサD30、球詰り監視センサD27、及び搬送入口センサD28のうち、アウトセンサD30のみオン状態を検知する状態が、所定時間te(一例として5000ms)にわたって維持されたことを検知条件とする。
上述したように、アウトセンサD30は、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28よりも上流側の遊技球を検知可能である。CPU82aは、アウトセンサD30が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していない状態となってから所定時間teが経過した場合に排出球通路異常エラーを設定する。よって、排出球通路異常エラーが設定される状況は、アウトセンサD30の近傍で球詰りが発生して、アウトセンサD30よりも下流側に遊技球が流通していない可能性が高い。アウトセンサD30が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことは、特定条件の一例である。これに限らず、特定条件は、アウトセンサD30が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。特定条件は、アウトセンサD30が遊技球を検知しており、かつ、搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。
具体的に、CPU82aは、特定条件が成立した場合、当該特定条件が成立してからの計測時間を計測する。CPU82aは、特定条件が成立してからの計測時間が所定時間teに達すると排出球通路異常エラーを設定する。CPU82aは、特定条件が成立してからの計測時間が所定時間teに達する前に、特定条件が成立しなくなった場合に当該計測時間を初期化する。つまり、CPU82aは、特定条件が成立してからの計測時間が所定時間teに達する前に、アウトセンサD30が遊技球を検知しなくなった場合、当該計測時間を初期化する。CPU82aは、特定条件が成立してからの計測時間が所定時間teに達する前に、球詰り監視センサD27が遊技球を検知した場合、当該計測時間を初期化する。CPU82aは、特定条件が成立してからの計測時間が所定時間teに達する前に、搬送入口センサD28が遊技球を検知した場合、当該計測時間を初期化する。所定時間teは、特定時間の一例である。
排出球通路異常エラーは、エラー解除スイッチ82fの押込み操作が所定時間tf(一例として2000ms)行われたことを解除条件とする。つまり、排出球通路異常エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fが操作されたまま所定時間tfが経過したときに解除される。CPU82aは、エラー解除信号がオン状態のまま所定時間tfが経過した場合に排出球通路異常エラーの設定を解除する。排出球通路異常エラーの設定は、特定条件が成立しなくなっても解除されない。つまり、排出球通路異常エラーの設定は、アウトセンサD30が遊技球を検知しなくなった場合、球詰り監視センサD27が遊技球を検知した場合、及び搬送入口センサD28が遊技球を検知した場合の何れにおいても解除されない。遊技球循環機構通路異常エラーの設定は、電力供給を停止しなくても、エラー解除スイッチ82fが操作されたことに基づいて解除することができる。
CPU82aは、排出球通路異常エラーの設定が解除されても、特定条件が成立している場合には、所定時間teの経過後に排出球通路異常エラーを再設定する。つまり、CPU82aは、特定条件が成立しているときにおいて排出球通路異常エラーの設定を解除した場合、当該排出球通路異常エラーの設定を解除した後も特定条件が成立したまま所定時間teが経過したときに、排出球通路異常エラーを設定する。排出球通路異常エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。つまり、排出球通路異常エラーは、球抜き状態中に設定されない。
循環球数過少エラーは、発射停止状態において、アウトセンサD30及び球詰り監視センサD27がオフ状態を検知する状態が、所定時間tg(一例として30000ms)にわたって維持されたことを検知条件とする。詳しくは後述するが、このような状況は、パチンコ遊技機10の機内部を循環する遊技球数が不足している可能性が高い。
発射停止状態は、発射部65から遊技球が発射されていない状態である。上述したように、CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に基づき発射部65から遊技球が発射されたことを特定する。CPU82aは、供給出口センサD23から供給出口信号を入力しない時間を計測する。CPU82aは、供給出口センサD23から供給出口信号を入力しない時間が所定時間th(一例として1000ms)に達すると発射停止状態であることを特定する。CPU82aは、発射停止状態において、供給出口信号を入力すると発射状態であることを特定する。つまり、発射状態は、発射部65から遊技球が発射されている状態である。
CPU82aは、発射停止状態において、アウトセンサD30が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していない状態となってから所定時間tgが経過した場合に、循環球数過少エラーを設定する。アウトセンサD30が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していないことは、所定条件の一例である。これに限らず、所定条件は、アウトセンサD30が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。
具体的に、CPU82aは、所定条件が成立した場合、当該所定条件が成立してからの計測時間を計測する。CPU82aは、所定条件が成立してからの計測時間が所定時間tgに達すると循環球数過少エラーを設定する。CPU82aは、所定条件が成立してからの計測時間が所定時間tgに達する前に、所定条件が成立しなくなった場合に当該計測時間を初期化する。つまり、CPU82aは、所定条件が成立してからの計測時間が所定時間tgに達する前に、アウトセンサD30が遊技球を検知した場合、当該計測時間を初期化する。CPU82aは、所定条件が成立してからの計測時間が所定時間tgに達する前に、球詰り監視センサD27が遊技球を検知した場合、当該計測時間を初期化する。所定時間tgは、特別時間の一例である。
循環球数過少エラーは、発射状態が所定時間ti(一例として20000ms)にわたって維持されたことを解除条件とする。CPU82aは、発射状態となってから発射停止状態とならずに所定時間tiが経過した場合に、循環球数過少エラーの設定を解除する。所定時間tiは、第2所定時間の一例である。発射状態が所定時間tiにわたって維持される状況は、遊技が行われている可能性が高い。つまり、循環球数過少エラーの設定は、遊技が行われることにより解除され得る。
循環球数過少エラーは、アウトセンサD30がオフ状態を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27がオン状態を検知する状態が所定時間tj(一例として2000ms)にわたって維持されたことを解除条件とする。CPU82aは、アウトセンサD30が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知している状態となってから所定時間tjが経過した場合に、循環球数過少エラーの設定を解除する。所定時間tjは、第1所定時間の一例である。アウトセンサD30が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知している状況は、パチンコ遊技機10の機内部を循環する遊技球数が増加した可能性が高い。つまり、循環球数過少エラーの設定は、パチンコ遊技機10の機内部を循環する遊技球数を増やすことにより解除され得る。循環球数過少エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。つまり、循環球数過少エラーは、球抜き状態中に設定されない。
循環球数過多エラーは、発射停止状態において、アウトセンサD30がオン状態を検知しており、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28がオン状態を検知する状態が、所定時間tk(一例として30000ms)にわたって維持されたことを検知条件とする。詳しくは後述するが、このような状況は、パチンコ遊技機10の機内部を循環する遊技球数が過剰である可能性が高い。
CPU82aは、発射停止状態において、アウトセンサD30が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知している状態となってから所定時間tkが経過した場合に、循環球数過多エラーを設定する。アウトセンサD30が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していることは、特殊条件の一例である。これに限らず、特殊条件は、アウトセンサD30が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していることによって成立してもよい。特殊条件は、アウトセンサD30が遊技球を検知しており、かつ、搬送入口センサD28が遊技球を検知していることによって成立してもよい。
具体的に、CPU82aは、特殊条件が成立した場合、当該特殊条件が成立してからの計測時間を計測する。CPU82aは、特殊条件が成立してからの計測時間が所定時間tkに達すると循環球数過多エラーを設定する。CPU82aは、特殊条件が成立してからの計測時間が所定時間tkに達する前に、特殊条件が成立しなくなった場合に当該計測時間を初期化する。つまり、CPU82aは、特殊条件が成立してからの計測時間が所定時間tkに達する前に、アウトセンサD30、球詰り監視センサD27、及び搬送入口センサD28の何れかが遊技球を検知しなくなった場合、当該計測時間を初期化する。所定時間tkは、特殊時間の一例である。
循環球数過多エラーは、アウトセンサD30がオフ状態を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28がオン状態を検知する状態が所定時間tl(一例として2000ms)にわたって維持されたことを解除条件とする。CPU82aは、アウトセンサD30が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知している状態となってから所定時間tlが経過した場合に、循環球数過多エラーの設定を解除する。アウトセンサD30が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知している状況は、パチンコ遊技機10の機内部を循環する遊技球数が減少した可能性が高い。つまり、循環球数過多エラーの設定は、パチンコ遊技機10の機内部を循環する遊技球数を減らすことにより解除され得る。循環球数過多エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。つまり、循環球数過多エラーは、球抜き状態中に設定されない。
扉開放エラーは、第1扉開放スイッチD17及び第2扉開放スイッチD18の何れかのオフ状態を検知したことを検知条件とする。CPU82aは、第1扉開放スイッチD17が保護枠11cが開放されたことを検知した場合に、扉開放エラーを設定する。CPU82aは、第2扉開放スイッチD18が搭載枠11bが開放されたことを検知した場合に、扉開放エラーを設定する。
扉開放エラーは、第1扉開放スイッチD17及び第2扉開放スイッチD18の両方のスイッチのオン状態を検知したことを解除条件とする。CPU82aは、第1扉開放スイッチD17が保護枠11cが開放されたことを検知しておらず、かつ、第2扉開放スイッチD18が搭載枠11bが開放されたことを検知していない場合に、扉開放エラーの設定を解除する。扉開放エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。つまり、扉開放エラーは、球抜き状態中に設定されない。
次に、枠側エラー設定処理において、エラーが設定されたときと、エラーの設定が解除されたときに出力される制御コマンドについて説明する。
図12に示すように、枠制御基板82(CPU82a)は、エラーを設定した場合、又は、エラーの設定を解除した場合、枠エラーコマンドを遊技制御基板80に出力する。枠エラーコマンドには、エラーが設定されたことを特定可能な制御コマンド(以下、枠エラー設定コマンドと示す)と、エラーの設定が解除されたことを特定可能な制御コマンド(以下、枠エラー解除コマンドと示す)と、がある。枠エラー設定コマンドは、設定されたエラーの種類を特定可能な制御コマンドでもある。枠エラー解除コマンドは、設定が解除されたエラーの種類を特定可能な制御コマンドでもある。CPU82aは、枠エラーコマンドとして、「A0xxH」~「AFxxH」の制御コマンドを出力する。
枠エラーコマンドは、上位バイト「A0」~「AF」のうち上位4ビット「A」により、枠制御基板82におけるエラーに係るコマンドであることを特定可能である。枠エラーコマンドは、上位バイト「A0」~「AF」のうち下位4ビット「0」~「F」により、エラーの種類を特定可能である。枠エラーコマンドは、下位バイト「xx」により、エラーを設定、及び、エラーの設定を解除のうち何れが行われたかを特定可能である。一例として、エラーが設定されたときには「01」が設定され、エラーの設定が解除されたときには「02」が設定される。
CPU82aは、エラーの種類に応じて、枠エラー設定コマンド及び枠エラー解除エラーコマンドを遊技制御基板80に出力する。一例として、CPU82aは、枠側エラー設定処理において、不正電波検知エラーを設定した場合、枠エラー設定コマンドとして、「A001H」を遊技制御基板80に出力する。CPU82aは、枠側エラー設定処理において、不正電波検知エラーの設定を解除した場合、枠エラー解除コマンドとして、「A002H」を遊技制御基板80に出力する。なお、管理遊技機内通信エラーが設定されている状況は、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信が正常に行われていないことから、枠エラーコマンドが遊技制御基板80に出力されない。CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定しているときに、枠エラーコマンドを遊技制御基板80に出力しない。CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定しているときに、枠エラーコマンドを遊技制御基板80に出力してもよい。
遊技制御基板80(CPU80a)は、枠エラー設定コマンドを入力すると、入力した枠エラー設定コマンドに基づき、枠制御基板82において設定中のエラーを特定可能な情報としてRAM80cに記憶されている情報(以下、枠エラー情報と示す)を更新する。CPU80aは、枠エラー解除コマンドを入力すると、入力した枠エラー解除コマンドに基づき、RAM80cに記憶されている枠エラー情報を更新する。これにより、CPU80aは、枠制御基板82において設定中のエラーを特定可能である。CPU80aは、入力した枠エラー設定コマンド及び枠エラー解除コマンドを演出制御基板81に出力する。
演出制御基板81(CPU81a)は、枠エラー設定コマンドを入力すると、入力した枠エラー設定コマンドに基づき、パチンコ遊技機10において設定中のエラーを特定可能な情報としてRAM81cに記憶されている情報(以下、演出エラー情報示す)を更新する。CPU81aは、枠エラー解除コマンドを入力すると、入力した枠エラー解除コマンドに基づき、RAM81cに記憶されている演出エラー情報を更新する。これにより、CPU81aは、パチンコ遊技機10において設定中のエラーを特定可能である。
次に、枠側通常処理のうち枠側エラー報知処理について説明する。
図15に示すように、CPU82aは、枠側エラー報知処理において、パチンコ遊技機10で設定されているエラーの報知を実行するように性能表示モニタ82dを制御する。CPU82aは、設定されたエラーに応じて当該エラーの報知を実行させる。例えば、CPU82aは、不正電波検知エラー報知を、不正電波検知エラーの設定に応じて実行させる。CPU82aは、遊技球循環機構異常エラー報知を、遊技球循環機構異常エラーの設定に応じて実行させる。CPU82aは、遊技球循環機構通路異常エラー報知を、遊技球循環機構通路異常エラーの設定に応じて実行させる。
具体的な一例として、CPU82aは、エラーを設定している場合に、当該設定中であるエラーを特定可能な情報の一例であるエラーコードを表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。エラーコードは、エラーに固有の情報である。図中における「性能表示モニタ」の欄は、性能表示モニタ82dにおいてエラー報知として表示されるエラーコードの一例を示す。なお、丸括弧内には、エラー報知の終了条件の一例が示されている。一例として、不正電波検知エラー報知では[E10]、遊技球循環機構異常エラーでは[E15]、排出球通路異常エラー報知では[E16]、循環球数過少エラー報知では[E19]が性能表示モニタ82dにおいて表示される。
一例として、球抜き状態には、エラーコードとして[E00]が表示される。球抜き状態は、厳密にはエラーではないが、パチンコ遊技機10の管理者等に認識させるべき事象であるため、エラーの1つと見做して報知を行うようになっている。これに限らず、性能表示モニタ82dに表示可能なエラーコードは、球抜き状態を示すエラーコードを含まなくてもよい。
CPU82aは、エラーコードとベース値(性能情報)とを交互に表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。CPU82aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、設定されているエラーの報知の中で優先度が最も高いエラーコードとベース値とを交互に表示させる。一例として、図中における「優先度」の欄に示すように、複数種類のエラーが設定されている場合の優先度は、数が小さいほど高く設定されている。
一例として、CPU82aは、遊技球循環機構異常エラー及び遊技球循環機構通路異常エラーを設定している場合、遊技球循環機構異常エラー報知のエラーコード[E15]とベース値とを交互に表示させる。一方、CPU82aは、遊技球循環機構通路異常エラー報知のエラーコード[E17]を表示させない。つまり、遊技球循環機構異常エラーの報知は、性能表示モニタ82dにおいて、遊技球循環機構通路異常エラーの報知よりも優先して実行される。
CPU82aは、枠制御基板82及び遊技制御基板80においてエラーが設定されている場合に、エラーコードを表示させるが、ベース値を表示させない構成であってもよい。また、CPU82aは、エラーコード、第2管理球数PB、及びベース値を切り替えながら、性能表示モニタ82dに表示させる構成であってもよい。このように、性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する手段であり、エラーコードを表示する手段として兼用される。
CPU82aは、エラーの設定が解除されると、当該設定が解除されたエラーを示すエラーコードの表示を終了するように、性能表示モニタ82dを制御する。具体的に、CPU82aは、エラーの設定を解除した場合に、当該設定を解除したエラーのエラーコードの表示を終了するように、性能表示モニタ82dを制御する。
このように、性能表示モニタ82dでは、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行される。つまり、性能表示モニタ82dでは、エラーが設定された場合にエラー報知が開始され、エラーの設定が解除された場合にエラーの報知が終了する。そして、性能表示モニタ82dにおいて報知されるエラーコードは、エラーに固有の情報である。つまり、性能表示モニタ82dにおいて報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
CPU82aは、枠制御基板82においてエラーが設定されている場合に、当該設定されているエラーを示すエラーコードを表示するように、第2球数表示部17を制御してもよい。つまり、エラーコードは、性能表示モニタ82d及び第2球数表示部17の両方に表示されてもよい。CPU82aは、エラーコードと第2管理球数PBとを交互に表示するように、第2球数表示部17を制御してもよい。第2球数表示部17に表示可能なエラーコードは、球抜き状態を示すエラーコードを含んでもよい。第2球数表示部17に表示可能なエラーコードは、球抜き状態を示すエラーコードを含まなくてもよい。
CPU82aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、優先度が最も高いエラーコードと第2管理球数PBとを交互に表示させてもよい。CPU82aは、エラーが設定されている場合に、エラーコードを表示させるが、第2管理球数PBを表示させない構成であってもよい。また、CPU82aは、エラーコード、第2管理球数PB、及びベース値を切り替えながら、第2球数表示部17に表示させる構成であってもよい。CPU82aは、エラーの設定が解除されると、設定が解除されたエラーを示すエラーコードの表示を終了するように、第2球数表示部17を制御してもよい。第2球数表示部17は、第2管理球数PBを表示する手段であり、エラーコードを表示する手段として兼用されてもよい。CPU82aは、性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示と、第2球数表示部17におけるエラーコードの表示と、を同じ又は略同じタイミングで開始させてもよい。
このように、第2球数表示部17では、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行されてもよい。第2球数表示部17では、エラーが設定されると設定されたエラーの報知が開始され、エラーの設定が解除されると設定が解除されたエラーの報知が終了してもよい。そして、第2球数表示部17において報知されるエラーコードは、エラーに固有の情報である。つまり、第2球数表示部17において報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
CPU82aは、枠制御基板82においてエラーが設定されている場合に、設定されているエラーを特定可能な情報の一例として、エラー音声を出力するように、報知音声部13を制御してもよい。つまり、CPU82aは、設定されているエラーを報知する音声報知(以下、エラー音声報知と示す)を実行させてもよい。
エラー音声報知の音声パターンは、エラーに応じてそれぞれ異なる内容であり、設定されているエラーの概要を特定可能な内容であるとよい。一例として、エラー音声は、遊技球循環機構異常エラー報知であれば、「エラーコードE15が発生しました、係員を呼んでください」の文字列を読み上げる人の声である。
CPU82aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、優先度が最も高いエラーを報知するエラー音声報知を実行させてもよい。これに限らず、CPU82aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、エラー音声報知を順に切り替えながら実行させる構成であってもよい。CPU82aは、エラーの設定が解除されると、設定が解除されたエラーを示すエラー音声報知を終了するように、報知音声部13を制御する。
このように、報知音声部13では、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行されてもよい。報知音声部13では、エラーが設定されると設定されたエラーの報知が開始され、エラーの設定が解除されると設定が解除されたエラーの報知が終了してもよい。そして、報知音声部13において報知されるエラー音声報知は、エラーに応じてそれぞれ異なる。つまり、報知音声部13において報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
演出制御基板81(CPU81a)が実行する演出側エラー報知処理について説明する。
図15に示すように、CPU81aは、演出側エラー報知処理において、パチンコ遊技機10で設定されているエラーの報知を実行するように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。例えば、CPU81aは、不正電波検知エラー報知を、不正電波検知エラーの設定に応じて実行させる。CPU81aは、遊技球循環機構異常エラー報知を、遊技球循環機構異常エラーの設定に応じて実行させる。CPU81aは、遊技球循環機構通路異常エラー報知を、遊技球循環機構通路異常エラーの設定に応じて実行させる。
CPU81aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、優先度が最も高いエラー報知を実行させる。なお、優先度は、上述した性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示と同じものである。
一例として、CPU81aは、遊技球循環機構異常エラー及び遊技球循環機構通路異常エラーが設定されている場合、遊技球循環機構異常エラー報知を実行させる。一方、CPU82aは、遊技球循環機構通路異常エラー報知を実行させない。つまり、遊技球循環機構異常エラーの報知は、演出装置ESにおいて、遊技球循環機構通路異常エラーの報知よりも優先して実行される。
CPU81aは、RAM81cに記憶されている演出エラー情報に基づいて、エラーが設定されたことを特定した場合、演出表示部19を制御し、設定されたエラーに応じたエラー報知を実行させる。図中における「演出表示部」の欄は、演出表示部19においてエラー報知として表示される情報(文字列)の一例を示す。なお、丸括弧内には、エラー報知の終了条件の一例が示されている。一例として、遊技球循環機構異常エラーは、「遊技球循環機構異常」の文字列など、遊技球循環機構異常エラーが設定されていることを特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行される。一例として、遊技球循環機構通路異常エラー報知は、「遊技球循環機構通路異常」の文字列など、遊技球循環機構通路異常エラーが設定されていることを特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行される。
CPU81aは、演出エラー情報に基づいて、エラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出表示部19を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる場合がある。具体的に、CPU81aは、遊技球循環機構異常エラー、排出球通路異常エラー、遊技球循環機構通路異常エラー、循環球数過少エラー、循環球数過多エラー、及び扉開放エラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出表示部19を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる。演出表示部19において実行中のエラー報知は、電源断時に全て終了する。
CPU81aは、演出エラー情報に基づいて、エラーが設定されたことを特定した場合、演出音声部12を制御し、設定されたエラーに応じたエラー報知を実行させる。図中における「演出音声部」の欄は、演出音声部12においてエラー報知として出力される情報(音声)の一例を示す。なお、丸括弧内には、エラー報知の終了条件の一例が示されている。一例として、遊技球循環機構通路異常エラー報知は、「係員をお呼びください」の文字列を読み上げる人の声など、複数種類のエラーのうち何れかのエラーが設定されていることを特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。
CPU81aは、演出エラー情報に基づいて、エラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出音声部12を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる場合がある。具体的に、CPU81aは、遊技球循環機構異常エラー、排出球通路異常エラー、遊技球循環機構通路異常エラー、循環球数過少エラー、循環球数過多エラー、及び扉開放エラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出音声部12を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる。
演出音声部12において実行中のエラー報知は、当該エラー報知が開始してから所定時間tm(一例として30000ms)が経過した場合に終了する。つまり、CPU81aは、エラー報知を開始させてから所定時間tmが経過した場合に、演出音声部12におけるエラー報知を終了させる。演出音声部12において実行中のエラー報知は、電源断時に全て終了する。
CPU81aは、演出エラー情報に基づいて、エラーが設定されたことを特定した場合、演出発光部14を制御し、設定されたエラーに応じたエラー報知を実行させる。図中における「演出発光部」の欄は、演出発光部14においてエラー報知として用いられる発光パターンの一例を示す。なお、丸括弧内には、エラー報知の終了条件の一例が示されている。一例として、遊技球循環機構通路異常エラー報知は、発光体を緑色で点灯させるなど、複数種類のエラーのうち何れかのエラーが設定されていることを特定可能な発光パターンにて演出発光部14を発光させる態様にて実行される。
CPU81aは、演出エラー情報に基づいて、エラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出発光部14を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる場合がある。具体的に、CPU81aは、遊技球循環機構異常エラー、排出球通路異常エラー、遊技球循環機構通路異常エラー、循環球数過少エラー、循環球数過多エラー、及び扉開放エラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出発光部14を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる。
演出発光部14において実行中のエラー報知は、当該エラー報知が開始してから所定時間tmが経過した場合に終了する。つまり、CPU81aは、エラー報知を開始させてから所定時間tmが経過した場合に、演出発光部14におけるエラー報知を終了させる。演出発光部14において実行中のエラー報知は、電源断時に全て終了する。
このように、演出装置ESでは、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行される。演出装置ESでは、エラーが設定されると設定されたエラーの報知が開始される。演出装置ESにおけるエラーの報知は、エラーの設定の解除、所定時間tmの経過、及び電源断の何れかにより終了する。そして、演出装置ESにおいて報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
CPU81aは、球抜き開始コマンドを入力すると、演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御し、球抜き状態の報知を実行させる。一例として、球抜き状態の報知は、「球抜きを開始します」又は「球抜き状態です」の文字列を読み上げる人の声など、球抜き状態への移行を特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。CPU81aは、球抜き完了コマンドを入力すると、球抜き状態の報知を終了させる。
CPU81aは、球抜き状態の報知を開始させてから所定時間tmが経過した場合に、演出音声部12を制御し、球抜き状態の報知を終了させる。CPU81aは、電源断時に演出音声部12を制御し、球抜き状態の報知を終了させる。なお、CPU81aは、電源断を経て電源投入されても、球抜き状態の報知を実行させない。
以上のように、パチンコ遊技機10は、各種のエラーが設定された場合、性能表示モニタ82d、及び演出装置ESにおいて、設定中のエラーを報知することが可能である。性能表示モニタ82dは、枠制御基板82に設けられている。そして、枠制御基板82は、搭載枠11bを開放しなければ視認できない位置に設けられている。このため、性能表示モニタ82dは、例えば、遊技を行う遊技者が視認し難い。一方、演出装置ESは、パチンコ遊技機10を正面視したときに視認可能であるから、遊技を行う遊技者が視認し易い。よって、性能表示モニタ82dにおいて実行されるエラーの報知は、遊技者が認識し難い。一方、演出装置ESにおいて実行されるエラーの報知は、遊技者が視認し易い。
次に、遊技球を発射させるときの動作について説明する。
遊技球の発射と供給は、枠制御基板82(CPU80a)による供給部61の制御、及び発射制御基板83(発射制御回路83a)による発射部65の制御の組合せによって実現される。以下、発射制御回路83aが遊技球を発射させるために実行する一連の動作(以下、発射シーケンスと示す)と、枠制御基板82の処理とについて詳細に説明する。
発射制御基板83(発射制御回路83a)の動作について説明する。
発射制御回路83aは、遊技球の発射条件が成立している場合に、発射シーケンスを繰り返し実行する。遊技球の発射条件は、第1から第4までの全ての条件が満たされることで成立する。第1条件は、遊技球の発射が許容される発射許可状態であることで満たされる。第2条件は、タッチ信号がオン状態となり、発射操作部15への接触が検知されている接触検知状態であることで満たされる。第3条件は、ボリューム信号の電圧がしきい値を超えることにより、発射操作部15(ハンドルレバー15a)の操作量が所定量を超えていることが検知されている操作検知状態であることで満たされる。第4条件は、ストップ信号がオフ状態であることにより、遊技球の発射を停止させる操作が検知されていない非停止状態であることにより満たされる。
発射シーケンスにおいて、発射制御回路83aは、最初に規定時間t31(一例として37.5ms)にわたって待機する。規定時間t31が経過した場合に、発射制御回路83aは、発射タイミングパルスに応じて駆動電流を発射ソレノイド66aに供給する。発射制御回路83aは、ボリューム信号の電圧を参照して発射強度を設定する。発射制御回路83aの保持回路は、このときのボリューム信号の電圧値を新たに保持する。発射制御回路83aは、駆動電流を出力するタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力してから規定時間t32(一例として562.5ms)が経過するまで待機する。以上により、1回の発射シーケンスが終了する。
発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力してから規定時間t32が経過した時点(以下、判定時点T50と示す)において、発射条件が成立しているか否かに応じて、その後の動作が異なる。判定時点T50は、1回の発射シーケンスが終了する時点ともいえる。判定時点T50において、発射条件が成立している場合に、発射制御回路83aは、新たな発射シーケンスを開始する。判定時点T50は、発射シーケンスが終了する毎に到来する。よって、発射シーケンスは、遊技球の発射条件が成立している場合に、繰り返し実行される。これにより、遊技球の発射周期tpは、規定時間t31と規定時間t32の和に等しい。一例として、発射周期tpは、600msである。
一方、判定時点T50において、発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、空打ちシーケンスを実行する。空打ちシーケンスにおいて、発射制御回路83aは、最初に、規定時間t31にわたって待機する。規定時間t31が経過した場合に、発射制御回路83aは、発射タイミングパルスに応じて駆動電流を発射ソレノイド66aに供給する。このときの駆動電流の電圧は、発射制御回路83aの保持回路に保持されたボリューム信号の電圧に応じた電圧となる。また、発射制御回路83aの保持回路は、このときのボリューム信号の電圧値を新たに保持する。発射制御回路83aは、駆動電流を発射ソレノイド66aに供給しても、減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力してから規定時間t32が経過するまで待機する。以上により、1回の空打ちシーケンスが終了する。
発射制御回路83aは、空打ちシーケンスとして、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力してから規定時間t32が経過した時点(以下、判定時点T51と示す)において、発射条件が成立しているか否かによって、その後の動作が異なる。判定時点T51は、1回の空打ちシーケンスが終了する時点ともいえる。判定時点T51において、発射条件が成立している場合に、発射制御回路83aは、上述した発射シーケンスを開始する。一方、判定時点T51において、発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、2回目の空打ちシーケンスを実行する。2回目の空打ちシーケンスにおいても、発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力するが、減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。
発射制御回路83aは、2回目の空打ちシーケンスが終了した時点(以下、判定時点T52と示す)において、発射条件が成立しているか否かによって、その後の動作が異なる。判定時点T52において、発射条件が成立している場合に、発射制御回路83aは、上述した発射シーケンスを開始する。一方、判定時点T52において、発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、空打ちシーケンスを実行しないとともに、発射シーケンスを実行しない。つまり、発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力せず、かつ減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。
枠制御基板82(CPU82a)の制御について説明する。
CPU82aは、減算基準信号がオン状態に遷移すると、規定時間t33にわたって待機する。規定時間t33は、発射ソレノイド66aの駆動時間と等しい時間(一例として16ms)である。次に、CPU82aは、供給ソレノイド63bに駆動電流を供給し、供給ソレノイド63bを駆動させる。つまり、可動片63aは、1回の供給動作を実行する。可動片63aが1回の供給動作を実行すると、供給入口側通路62aにおいて一列に並ぶ遊技球Kのうち先頭の遊技球は、供給出口側通路62bへ放出される。
上述のように、減算基準信号は、発射シーケンスが実行される場合に出力される。減算基準信号は、空打ちシーケンスが実行されても出力されない。つまり、遊技球の発射条件が成立しなくなることに伴って、発射部65において2回の空打ちが実行される場合には、遊技球が発射部65へ供給されない。よって、パチンコ遊技機10では、遊技球の発射条件が成立しなくなった場合に、遊技球が打撃位置67に残ってしまうことが抑制される。つまり、発射条件が成立しなくなった場合に、遊技球は、原則として切出し機構63よりも下流側に存在しない状態となる。
パチンコ遊技機10における球抜き作業について説明する。
球抜き作業は、球抜き状態において行うことが好ましい。球抜き状態は、球抜き状態中以外を確認区間として検出し得る種類のエラーが検知されず、当該エラーが設定されず、当該エラーの報知がされることもない。つまり、球抜き状態は、球抜き状態中以外においてエラーの検知に使用される各種センサが無効化される状態、又は各種センサの検知結果が受け付けられない状態であるといえる。
上述の通り、回収機構30は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成されている。つまり、入賞通路31、非入賞通路32、ファール通路33、合流通路35、及び流通通路37は、何れも下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路である。そして、流通通路37に続く搬送入口側通路38aは、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路である。よって、遊技球は、遊技盤20から、受入口30a~30cの何れかに受け入れられると、重力の作用によって通路を流下して、最終的に搬送部52へと到達し得る。搬送入口センサD28によって遊技球が検知され得る部分と、第1球抜き部71とは、搬送部52よりも上流側において、この順番に並んでいる。よって、遊技球は、搬送入口センサD28によって検知され得る部分、及び第1球抜き部71の順に、これらを流通することになる。
球抜き状態において、第1球抜き部71のレバー(不図示)が操作され、開閉片71cが開放位置へ変位されたとする。第1接続部71aにおいて、球抜き孔71bは、開放される。これにより、第1接続部71aにある遊技球は、球抜き孔71bから機外へと排出される。また、第1球抜き部71において、遊技球が球抜き孔71bから順に機外へと排出されることに伴い、回収機構30を構成する通路31~33,35,37にある遊技球は、搬送部52へ向けて前進する。そして、最終的に、通路31~33,35,37にある遊技球は、全て、開放状態とされた球抜き孔71bから、機外へと排出される。
また、第2球抜き部72のレバー(不図示)が操作され、開閉片72cが開放位置へ変位されたとする。第2接続部72aにおいて、球抜き孔72bは、開放される。これにより、第2接続部72aにある遊技球は、球抜き孔72bから、球抜き通路73へと排出される。また、第2接続部72aにおいて、遊技球が球抜き孔72bから順に球抜き通路73へと排出されることに伴い、供給入口側通路62aにある遊技球は、第2接続部72aへ向けて前進する。また、球抜き状態では、搬送部52が駆動される。つまり、搬送部52の内部にある遊技球は、供給入口側通路62aへと排出され、さらに第2接続部72aへ向けて前進する。そして、第2接続部72aへと到達した遊技球は、球抜き孔72bから球抜き通路73へと流入する。
球抜き通路73は、下方に向かって延びる通路、又は下方に下るように傾斜する通路を組み合わせて構成される。よって、遊技球は、球抜き通路73へ流入すると、球抜き通路73を流通し、第1球抜き部71へと到達する。遊技球は、球抜き孔71bが開放状態であれば、当該球抜き孔71bから、機外へと排出される。そして、最終的に、循環機構50及び発射機構60にある遊技球は、第2接続部72aから、球抜き通路73及び第1球抜き部71を経由して、機外へと排出される。
上述したように、遊技球の発射条件が成立しなくなった場合に、空打ちシーケンスが実行される。空打ちシーケンスが実行されることによって、遊技球は、打撃位置67に残存しない。つまり、電源投入後、球抜き状態が開始される状況において、遊技球は、切出し機構63よりも下流側に存在しない。よって、上述した手順に従って球抜きが実行された場合に、パチンコ遊技機10に封入された遊技球は、全て機外へと排出され得る。これには、発射部65の動作によって、遊技球を打ち出すことは、必要とされない。このため、遊技球は、遊技盤20が枠11に組み付けられていない状態であっても、枠11に形成された流通機構29から排出され得る。
ここで、発射許可状態は、管理ユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されており、枠制御基板82にて特定のエラー(一例として扉開放エラー)が発生していない状態である。発射禁止状態は、管理ユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されていないこと、及び枠制御基板82にて特定のエラーが設定されていること、のうち1つ又は複数が生じている状態である。なお、同じ扉開放エラーであっても、第2扉開放信号を入力している場合は、上記特定のエラーに該当せず、その発生によっては発射禁止状態とならないようにしてもよい。
発射許可状態は、必要な上記条件が満たされれば、球抜き状態であっても生起され得る。つまり、球抜き状態であっても、遊技球の発射条件が成立し得る。よって、仮に、遊技球が打撃位置67に残存していたとしても、発射操作部15が操作されることによって、遊技領域20aへと発射させることができる。遊技領域20aに発射された遊技球は、回収機構30を介して、機外へと排出される。なお、管理遊技機内通信エラーが設定されている場合は、発射許可状態とならないで、発射禁止状態となる構成であってもよい。例えば、遊技盤20が枠11に組み付けられていない場合に、発射禁止状態となって、遊技球を発射できない構成であってもよい。
パチンコ遊技機10の管理者等は、球抜き状態において球抜きを完了した場合に、メンテナンス部55の交換作業等のメンテナンスを行い得る。メンテナンス作業の完了後、管理者等は、受入口30a~30cから遊技球を流通機構29へ流入させるとよい。そして、パチンコ遊技機10の電源を遮断してから、再投入させることで、パチンコ遊技機10を起動させ得る。
次に、パチンコ遊技機10の機内部において循環させる遊技球数である規定数P0について説明する。
例えば、パチンコ遊技機10の管理者等は、メンテナンス作業の完了後において、受入口30a~30cから遊技球を流通機構29へ流入させることができる。パチンコ遊技機10の管理者等は、流通機構29へ任意の遊技球数を流入させることができる。これにより、パチンコ遊技機10の機内部において循環させる遊技球数を増やすことができる。また、上述のように、パチンコ遊技機10の管理者等は、球抜き状態を利用して、流通機構29から遊技球を抜き取ることができる。
上述したように、パチンコ遊技機10は、発射周期tpで遊技球を発射することができるように構成される。したがって、遊技球が発射部65から発射されてから発射部65に戻るまでに要する平均の時間を平均時間toとした場合に、最初に発射された遊技球が発射部65へ戻るまでの間に発射される遊技球数Nは、「平均時間to/発射周期tp/個」となる。一例として、発射周期tp=600ms、平均時間to=12000msとした場合に、遊技球数Nは、20個である。
ここで、平均時間toは、発射部65から発射された遊技球が、再び発射部65に戻るまでに要する時間の平均である。つまり、発射部65から発射された遊技球が、再び発射部65に戻るまでに要する時間は、発射された遊技球ごとに異なり得る。仮に、遊技球が発射部65にない状況になると、遊技球を発射することができず、遊技を継続できない。よって、発射部65から発射された遊技球が、再び発射部65に戻るまでに要する時間が平均時間toよりも長くなった状況であっても、発射部65に遊技球が無い状況が発生しないように、「N個+n個(一例として、20個+5個)」が、機内部において少なくとも循環させるべき第1循環球数N1として定められている。
パチンコ遊技機10は、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態であるときに遊技球を搬送する。このため、パチンコ遊技機10では、発射部65に近い側から順に遊技球が滞留され得る。発射停止状態になった場合には、新たに遊技球が遊技領域20aへ流入しない。また、発射停止状態となる前に遊技領域20aへ流入した遊技球は、遊技領域20aから順次排出される。つまり、機内部の遊技球は、最終的に全て排出球通路40側へ戻る。
球詰り監視センサD27は、発射停止状態であって、かつ発射部65に近い側から順に遊技球が滞留している状態において、第1循環球数N1個目の遊技球を検知できる位置に設けられる。つまり、球詰り監視センサD27及びアウトセンサD30において遊技球が検知されない状況は、機内部を循環する遊技球数が第1循環球数N1未満となっている状況である。換言すれば、循環球数過少エラーが設定されている状況は、機内部を循環する遊技球数が第1循環球数N1未満となっている状況である。このような状況は、遊技球の挙動によっては、発射部65に遊技球がない状況が発生し、連続して遊技を継続できなくなる虞がある。
アウトセンサD30は、アウト球のみを検知するために、球詰り監視センサD27よりも上流側の遊技球を検知可能な位置に設けられる。球詰り監視センサD27は、搬送入口センサD28よりも上流側の遊技球を検知可能な位置に設けられる。アウトセンサD30は、発射部65に近い側から順に遊技球が滞留しており、かつアウトセンサD30まで遊技球が滞留してしまうと、アウト球を適切に検知することができなくなる虞がある。
発射停止状態において、発射部65に近い側から順に遊技球が滞留しており、かつアウトセンサD30まで遊技球が滞留する遊技球数は、機内部において循環する遊技球が過剰である第2循環球数N2として定められている。一例としてN2は、35個である。つまり、搬送入口センサD28、球詰り監視センサD27、及びアウトセンサD30において遊技球が検知されている状況は、機内部を循環する遊技球数が第2循環球数N2以上となっている状況である。換言すれば、循環球数過多エラーが設定されている状況は、機内部を循環する遊技球数が第2循環球数N2以上となっている状況である。一例として、規定数P0は、第1循環球数N1を超えて、第2循環球数N2を超えない数に定められるとよい。一例として、規定数P0は、30個である。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)パチンコ遊技機10では、例えば、スクリュー52cや搬送モータ52aの故障など、スクリュー52cや搬送モータ52aの動作に何等かの異常があったときにはリトライ動作が行われ、所定回数のリトライ動作が行われても異常が解消しない場合に遊技球循環機構異常エラーが設定される。これにより、遊技球循環機構異常エラーが設定されたときには、リトライ動作によって解消できないような異常が発生していることを理解させることができる。このため、適切な処置を行い易い。さらに、パチンコ遊技機10は、スクリュー52cや搬送モータ52aの動作結果だけではなく、搬送通路38にある遊技球の検知状況によって、遊技球循環機構通路異常エラーを設定する。これにより、遊技球が正常に搬送されているか否かを特定し易くすることができる。このような構成により、本実施形態によれば、循環機構50が正常に動作しているか否かと、遊技球が正常に搬送されているか否かと、を特定し易くすることで、エラーの原因を特定し易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(2)遊技球循環機構異常エラーと遊技球循環機構通路異常エラーとは、設定される原因が異なるものの、同じ循環機構50に関連するエラーである。本実施形態によれば、遊技球循環機構異常エラーの設定、及び、遊技球循環機構通路異常エラーの設定を同じエラー解除スイッチ82fの操作により解除することができる。よって、遊技機の管理者等は、循環機構50の修理などを行うことにより2つのエラーの原因を解消させるとともに、エラーの設定を解除させる手段として、同じエラー解除スイッチ82fを用いて2つのエラーの設定を解除させることができ、利便性を高めることができる。
(3)球抜き状態中は、例えば、循環機構50において搬送される遊技球を機外に排出させること(所謂、球抜き作業)が考えられる。このような場合において、遊技球が正常に搬送されているにもかかわらず、遊技球循環機構通路異常エラーが設定されてしまっては、球抜き作業を行う管理者等に、煩わしく感じさせてしまう。ここで、遊技球循環機構異常エラーは、循環機構50に異常があり、球抜き状態中に遊技球を機外に排出できない虞がある。本実施形態によれば、球抜き状態中に、遊技球循環機構通路異常エラーを設定しない一方、遊技球循環機構異常エラーを設定するようにした。これにより、球抜き状態中に、機内部にある遊技球を機外に排出させる作業を行い易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(4)パチンコ遊技機10では、スクリュー52cによるリトライ動作が行われて循環機構50の異常が解消される可能性がある。遊技球循環機構異常エラーが設定されるまでには複数回のリトライ動作が行われることから、遊技球循環機構異常エラーが設定されたときには、例えば、遊技機の管理者等によって修理などの作業を行う必要性が高いことを理解させ易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(5)パチンコ遊技機10は、遊技領域20aから排出された遊技球(つまりアウト球)は、排出球通路40を流通するとともに、搬送部52によって発射部65へと搬送され、遊技機全体としての循環経路が構成され得る。そして、遊技領域20aから排出された遊技球は、排出球通路40を流通することによって、アウトセンサD30により検知され、さらに流通して球詰り監視センサD27により検知される。このような構成により、アウトセンサD30が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していない状態となってから所定時間が経過する場合としては、遊技領域20aから排出された遊技球がアウトセンサD30の辺りで滞留して搬送部52に流通していないことが考えられる。このため、発射部65に遊技球が搬送されずに、遊技を行うことができない状況になることが考えられる。このような状況において、本実施形態では、排出球通路異常エラーが設定されるから、アウトセンサD30が配設されている付近について処置を行うことにより発射部65に遊技球が搬送されない状況を解消し易い。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(6)遊技領域20aから排出された遊技球は、排出球通路40を流通することによって、アウトセンサD30により検知された後、流通して球詰り監視センサD27により検知され、さらに流通して搬送入口センサD28により検知される。このような構成により、遊技領域20aから排出された遊技球が、排出球通路40を流通して搬送部52まで到達したかを特定することができる。そして、本実施形態によれば、排出球通路異常エラーが設定される条件として、搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことが含まれるから、搬送部52まで遊技球が流通していないことを、より確実に特定することができる。よって、適切な処置を行い易い。
(7)パチンコ遊技機10では、アウトセンサD30、球詰り監視センサD27、及び搬送入口センサD28の検知状態によって特定条件が成立して排出球通路異常エラーが設定され得る。この3つの検知部の何れかの検知状態が変わったときには、特定条件が成立しなくなり排出球通路異常エラーが設定されない。そして、特定条件が成立しなくなったときには、特定条件が成立してからの計測時間が初期化される。このため、遊技領域20aから排出された遊技球がアウトセンサD30の辺りで滞留して搬送部52に流通していない状況において、排出球通路異常エラーを設定し易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(8)パチンコ遊技機10では、排出球通路異常エラーの設定を解除するためにエラー解除スイッチ82fを所定時間tf、操作する必要があることから、解除方法を理解している者によって解除されるようにすることができる。よって、適切な処置を行うことができる。
(9)遊技領域20aから排出された遊技球(つまりアウト球)は、排出球通路40を流通するとともに、搬送部52によって発射部65へと搬送され、発射部65から遊技領域20aに向けて発射される。これにより、循環型のパチンコ遊技機10として遊技環境が提供される。発射停止状態になると、新たに遊技球が遊技領域20aへ流入しない。また、発射停止状態となる前に遊技領域20aへ流入した遊技球は、遊技領域20aから順次排出される。つまり、機内部の遊技球は、最終的に全て排出球通路40側へ戻る。本実施形態によれば、このような発射停止状態において、アウトセンサD30及び球詰り監視センサD27が遊技球を検知しない所定条件が成立したまま、所定時間が経過した場合に、循環球数過少エラーを設定するようにした。つまり、循環球数過少エラーは、機内部の遊技球が全て排出球通路40側へ戻った状態であるにもかかわらず、球詰り監視センサD27が遊技球を検知できない状況として設定される。換言すれば、循環球数過少エラーは、機内部を循環する遊技球数が不足している可能性が高い状態であるといえる。よって、適切な処置を行い易い。
(10)遊技領域20aから排出された遊技球は、排出球通路40を流通することによって、アウトセンサD30により検知された後、流通して球詰り監視センサD27により検知され、さらに流通して搬送入口センサD28により検知される。このような構成により、遊技領域20aから排出されてから搬送部52に到達するまでの遊技球の流れを適切に把握できる。
(11)循環球数過少エラーの設定は、例えば、機内部における遊技球の数が増加したことにより、球詰り監視センサD27が遊技球を検知している状態となったときに解除され得る。つまり、循環球数過少エラーが設定された原因を解消することにより解除される。このため、循環球数過少エラーの設定が解除されるまで遊技球を増やすことにより、機内部における遊技球の数を適切な数にし易くすることができる。よってエラーに応じて処置を行い易い。
(12)循環球数過少エラーの設定は、遊技者等による遊技が開始された状況となることで解除される。ここで、例えば、循環球数過少エラーの設定が解除された後、遊技者等による遊技が終了して所定時間が経過した場合には、循環球数過少エラーが設定され得る。これにより、遊技機の管理者等に対して「機内部を循環する遊技球数が不足していること」を認識させ易くしつつも、遊技者等に対して遊技を阻害することを抑制できる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(13)本実施形態によれば、発射停止状態において、アウトセンサD30及び球詰り監視センサD27が遊技球を検知する特殊条件が成立したまま、所定時間が経過した場合に、循環球数過多エラーを設定するようにした。つまり、循環球数過多エラーは、機内部の遊技球が全て排出球通路40側へ戻った状態で、アウトセンサD30及び球詰り監視センサD27が遊技球を検知する状況として設定される。換言すれば、循環球数過多エラーが設定される状態は、排出球通路40に溜まった遊技球がアウトセンサD30による検知位置まで達するというように、機内部を循環する遊技球数が過剰にある可能性が高い状態であるといえる。よって、適切な処置を行い易い。
(14)遊技領域20aから排出された遊技球は、排出球通路40を流通することによって、アウトセンサD30により検知された後、流通して球詰り監視センサD27により検知され、さらに流通した結果、搬送部52に受け入れられるときに、搬送入口センサD28により検知される。循環球数過多エラーは、搬送入口センサD28により遊技球が検知されていることが含まれるから、アウトセンサD30から搬送部52までの間で遊技球が隙間なく貯留された状態であることを条件に設定され易くなる。つまり、機内部において循環する遊技球の数が多い状態であることを、より確実に特定することができる。よって、適切な処置を行い易い。
(15)循環球数過多エラーの設定は、アウトセンサD30が遊技球を検知していない状態となったときに解除され得る。つまり、循環球数過多エラーの設定は、例えば、機内部における遊技球の数が減少したことにより、その設定された原因を解消することにより解除される。このため、循環球数過多エラーの設定が解除されるまで遊技球を減らすことにより、機内部における遊技球の数を適切な数にし易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(16)パチンコ遊技機10では、遊技球循環機構異常エラーの設定、及び、遊技球循環機構通路異常エラーの設定を解除するためにエラー解除スイッチ82fを所定時間t16、操作する必要があることから、解除方法を理解している者によって解除されるようにすることができる。よって、適切な処置を行うことができる。
(17)パチンコ遊技機10は、処置すべきエラーの優先度に応じて報知を実行できる。即ち、遊技球を正常に搬送できない原因として、循環機構50に異常が発生している場合には、循環機構50の異常を解消しなければ、遊技球を正常に搬送し難い。つまり、遊技球循環機構異常エラーの原因を解消しなければ、遊技球循環機構通路異常エラーを解消し難い。そして、遊技球循環機構異常エラーの報知は、遊技球循環機構通路異常エラーの報知よりも優先して実行される。このため、先に遊技球循環機構異常エラーを解消すべきであることを理解させ易くできる。よって、適切な処置を行い易くすることができる。
(18)排出球通路異常エラーの設定は、特定条件が成立しなくなっても解除されない。よって、排出球通路異常エラーが設定されていたことを、例えば、アウトセンサD30の辺りで遊技球が滞留しなくなった後にも把握させ得る。よって、適切な処置を行い易くすることができる。
(19)パチンコ遊技機10では、排出球通路異常エラーの設定が解除された場合であっても、排出球通路異常エラーが設定されることとなる原因が解消されていなければ、再び排出球通路異常エラーが設定される。よって、遊技機の管理者等にエラーに応じた適切な処置を行うことを促すことができる。
(20)遊技領域20aから排出された遊技球は、排出球通路40を流通することによって、アウトセンサD30により検知された後、流通して球詰り監視センサD27により検知され、さらに流通して搬送入口センサD28により検知される。このような構成により、遊技領域20aから排出されてから搬送部52までの遊技球の流れを把握し易くすることができ、機内部において循環する遊技球の数が少ないか否かを特定し易くすることができる。よって、適切な処置を行い易い。
(21)球詰り監視センサD27が遊技球を検知していない状況において、アウトセンサD30が遊技球を検知していないときには循環球数過少エラーが設定され得る一方、アウトセンサD30が遊技球を検知しているときには排出球通路異常エラーが設定され得る。よって、同じ球詰り監視センサD27が遊技球を検知していない状況であっても、発生している事象によって、それぞれに適した処理を行うことができる。
(22)排出球通路異常エラーの設定は、解除するためにエラー解除スイッチ82fを操作する必要がある。一方、循環球数過少エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fを操作しなくても、所定条件が成立しなくなることで解除され得る。このように、同じアウトセンサD30及び球詰り監視センサD27の検知状態によって設定されるエラーであっても、遊技を行うことができる状態であるか否かによって解除方法が異なる。よって、状況に応じた処置を行い易くできる。
(23)これによれば、搬送条件は、搬送入口センサD28により遊技球が検知されていることを含む。つまり、遊技球の搬送は、排出球通路40を流下した遊技球が、搬送部52に受け入れ可能な位置まで到達していることを条件として行われる。一方、循環球数過多エラーが設定されるための特殊条件は、搬送入口センサD28が遊技球を検知していることを含む。このため、アウトセンサD30から搬送部52までの間に、遊技球が隙間なく貯留された状態であることを前提として、循環球数過多エラーを設定し易くなる。つまり、機内部を循環する遊技球数が過剰にあることをより確実に特定できる。
(24)パチンコ遊技機10は、アウトセンサD30及び球詰り監視センサD27の検知状態によって、異なるエラーを設定することができる。これにより、それぞれ専用の検知部を設ける構成と比較して、構成の複雑化を抑制しつつも、複数種類のエラーを設定することができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(25)パチンコ遊技機10において、循環機構50は、スクリュー52c及び搬送モータ52aを含んで構成されている。例えば、遊技球循環機構異常エラーが設定されており、かつ、遊技球循環機構通路異常エラーが設定されているときには、搬送部52が正常に搬送動作を行えていないことが原因で、遊技球が搬送されていないことが考えられる。例えば、遊技球循環機構異常エラーが設定されておらず、かつ、遊技球循環機構通路異常エラーが設定されているときには、搬送部52が正常に搬送動作を行えているものの、搬送部52へ遊技球が入ることを阻害する物があるなどの何かしらの影響により遊技球が搬送されていないことが考えられる。例えば、遊技球循環機構異常エラーが設定されており、かつ、遊技球循環機構通路異常エラーが設定されていないときには、搬送部52が正常に搬送動作を行えていないものの、遊技球が搬送されていることが考えられる。その他、例えば、遊技球循環機構異常エラーが設定されているときには、位置センサ52bbが故障又は誤検知していることも考えられる。例えば、遊技球循環機構通路異常エラーが設定されているときには、搬送入口センサD28又は搬送出口センサD29が故障又は誤検知していることも考えられる。このように、設定されているエラーに応じて、その原因を特定し易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(26)機内部を循環する遊技球数が不足している場合には、発射部65から発射した遊技球が再び発射部65へと戻ってくるまでの時間のうちに、排出球通路40側にある遊技球が尽きてしまうことが想定できる。つまり、遊技球を発射できず、遊技を行うことができない期間が生じてしまう。本実施形態では、循環球数過少エラーが設定されるから、機内部において循環する遊技球の数を増やす処置を行うことにより、遊技を正常に行うことができる遊技環境を提供することができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
(27)循環球数過少エラーが設定される条件には、アウトセンサD30が遊技球を検知していないことが含まれる。これにより、例えば、アウトセンサD30の辺りで遊技球が滞留したことにより球詰り監視センサD27まで遊技球が到達しないことで循環球数過少エラーが設定されることを抑制することができる。よって、本実施形態では、機内部において循環する遊技球の数が少ない状態であることを、より確実に特定することができる。
(28)機内部を循環する遊技球数が過剰にある場合には、アウトセンサD30によるアウト球の検知が適切に行われなくなったり、意図しない箇所での球詰りを誘発したりすることも想定できる。このような状況では、正常な遊技を行えない虞がある。また、不正な意図をもって遊技球を追加するような行為が行われている可能性もある。本実施形態では、循環球数過多エラーが設定されるから、機内部において循環する遊技球の数を減らす処置を行うことにより、遊技を正常に行うことができる遊技環境を提供することができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・遊技球循環機構異常エラーが設定される場合において、第1特別条件の成立に応じてリトライ制御が実行される回数と、第2特別条件の成立に応じてリトライ制御が実行される回数とは、同じ回数であったが、これに限らない。第1回数(所定回数k2)と、第2回数(所定回数k3)とは、異なる回数であってもよい。一例として、第1回数は、第2回数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
・排出球通路異常エラーは、アウトセンサD30、球詰り監視センサD27、及び搬送入口センサD28のうち、アウトセンサD30のみオン状態を検知する状態が、所定時間te(一例として5000ms)にわたって維持されたことを検知条件としたが、これに限らない。これに加えて、又は代えて、排出球通路異常エラーは、ファールセンサD21、球詰り監視センサD27、及び搬送入口センサD28のうち、ファールセンサD21のみオン状態を検知する状態が、所定時間teにわたって維持されたことを検知条件としてもよい。つまり、特定条件は、ファールセンサD21が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。特定条件は、ファールセンサD21が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。特定条件は、ファールセンサD21が遊技球を検知しており、かつ、搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。
また、排出球通路異常エラーは、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26の何れかがオン状態を検知する状態であり、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28がオフ状態を検知する状態が、所定時間teにわたって維持されたことを検知条件としてもよい。つまり、特定条件は、入賞通路カウントセンサD25が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。特定条件は、入賞通路カウントセンサD25が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。特定条件は、入賞通路カウントセンサD25が遊技球を検知しており、かつ、搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。特定条件は、非入賞通路カウントセンサD26が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。特定条件は、非入賞通路カウントセンサD26が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。特定条件は、非入賞通路カウントセンサD26が遊技球を検知しており、かつ、搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。
・循環球数過少エラーは、発射停止状態において、アウトセンサD30及び球詰り監視センサD27がオフ状態を検知する状態が、所定時間tg(一例として30000ms)にわたって維持されたことを検知条件としたが、これに限らない。これに加えて、又は代えて、循環球数過少エラーは、アウトセンサD30、ファールセンサD21、及び球詰り監視センサD27がオフ状態を検知する状態が、所定時間tgにわたって維持されたことを検知条件としてもよい。つまり、所定条件は、アウトセンサD30及びファールセンサD21が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。これに限らず、所定条件は、アウトセンサD30及びファールセンサD21が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。
また、循環球数過少エラーは、発射停止状態において、入賞通路カウントセンサD25、非入賞通路カウントセンサD26、及び球詰り監視センサD27がオフ状態を検知する状態が、所定時間tgにわたって維持されたことを検知条件としてもよい。つまり、所定条件は、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。これに限らず、所定条件は、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26が遊技球を検知しておらず、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していないことによって成立してもよい。
・循環球数過多エラーは、発射停止状態において、アウトセンサD30がオン状態を検知しており、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28がオン状態を検知する状態が、所定時間tk(一例として30000ms)にわたって維持されたことを検知条件としたが、これに限らない。これに加えて、又は代えて、循環球数過多エラーは、ファールセンサD21がオン状態を検知しており、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28がオン状態を検知する状態が、所定時間tkにわたって維持されたことを検知条件としてもよい。つまり、特殊条件は、ファールセンサD21が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していることによって成立してもよい。特殊条件は、ファールセンサD21が遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していることによって成立してもよい。特殊条件は、ファールセンサD21が遊技球を検知しており、かつ、搬送入口センサD28が遊技球を検知していることによって成立してもよい。
また、循環球数過多エラーは、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26の何れかがオン状態を検知しており、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28がオン状態を検知する状態が、所定時間tkにわたって維持されたことを検知条件としてもよい。つまり、特殊条件は、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26の何れかが遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27及び搬送入口センサD28が遊技球を検知していることによって成立してもよい。特殊条件は、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26の何れかが遊技球を検知しており、かつ、球詰り監視センサD27が遊技球を検知していることによって成立してもよい。特殊条件は、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26の何れかが遊技球を検知しており、かつ、搬送入口センサD28が遊技球を検知していることによって成立してもよい。
・CPU82aは、複数種類のエラーが設定されている場合、性能表示モニタ82dにおいて、複数のエラー報知を実行させてよい。一例として、遊技球循環機構異常エラー及び遊技球循環機構通路異常エラーが設定されている場合、性能表示モニタ82dでは、遊技球循環機構異常エラー報知と遊技球循環機構通路異常エラー報知とが交互に実行されてもよい。この場合、性能表示モニタ82dでは、遊技球循環機構異常エラー報知のエラーコード[E15]が、遊技球循環機構通路異常エラー報知のエラーコード[E17]よりも表示時間が長くてもよい。つまり、複数のエラー報知を同時に実行させる場合には、優先度が高いほうのエラー報知の実行時間を長くしてもよい。このため、優先度が高いエラーのほうが気付かれ易いことから、優先度の高いエラーの報知が優先して実行されているといえる。
・CPU81aは、複数種類のエラーが設定されている場合、演出表示部19において、複数のエラー報知を実行させてよい。一例として、遊技球循環機構異常エラー及び遊技球循環機構通路異常エラーが設定されている場合、演出表示部19では、遊技球循環機構異常エラー報知と遊技球循環機構通路異常エラー報知とが交互に実行されてもよい。この場合、演出表示部19では、「遊技球循環機構異常」の文字列が、「遊技球循環機構通路異常」の文字列よりも表示時間が長くてもよい。つまり、複数のエラー報知を同時に実行させる場合には、優先度が高いほうのエラー報知の実行時間を長くしてもよい。このため、優先度が高いエラーのほうが視認性が高くなり、管理者等に気付かれ易いことから、優先度の高いエラーの報知が優先して実行されているといえる。
一例として、遊技球循環機構異常エラー及び遊技球循環機構通路異常エラーが設定されている場合、演出表示部19では、遊技球循環機構異常エラー報知と遊技球循環機構通路異常エラー報知とが同時に実行されてもよい。この場合、演出表示部19の画像表示領域19aにおいて、「遊技球循環機構異常」の文字列が表示される領域は、「遊技球循環機構通路異常」の文字列が表示される領域よりも広くてもよい。つまり、複数のエラー報知を同時に実行させる場合には、優先度が高いほうのエラー報知の表示領域を広くしてもよい。このため、優先度が高いエラーのほうが気付かれ易いことから、優先度の高いエラーの報知が優先して実行されているといえる。
・搭載枠11bに備わる電波センサD16は、1つでもよく、複数であってもよい。電波センサD16は、アウトセンサD30による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能であってもよい。電波センサD16は、球詰り監視センサD27による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能であってもよい。電波センサD16は、搬送入口センサD28による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能であってもよい。電波センサD16は、搬送出口センサD29による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能であってもよい。一例として、電波センサD16は、アウトセンサD30、球詰り監視センサD27、搬送入口センサD28、又は搬送出口センサD29に隣接又は近接する部分に設けられてもよい。つまり、電波センサD16は、電波センサD16は、アウトセンサD30、球詰り監視センサD27、搬送入口センサD28、又は搬送出口センサD29の近傍に設けられてもよい。
・演出装置ESでは、球抜き状態が終了されることに応じて、球抜き状態に関する状況報知が実行されてもよい。一例として、球抜き状態が電源の再投入によって解除された場合に、演出装置ESにおいて、球抜き状態終了報知が実行される構成であってもよい。球抜き状態終了報知は、球抜き状態の終了を特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行されてもよい。一例として、球抜き状態終了報知は、球抜き状態終了報知に専用の発光パターンにて演出発光部14を発光させる態様にて実行されてもよい。一例として、球抜き状態終了報知は、「球抜きが終了しました」又は「球抜き状態が終了しました」の文字列など、球抜き状態の終了を特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行されてもよい。このように、演出装置ESでは、球抜き状態が開始されること、球抜き状態であること、及び、球抜き状態が終了されることのうち少なくとも1つに応じて、球抜き状態に関する状況報知が実行されてもよい。
・性能表示モニタ82dにおけるエラー報知と、第2球数表示部17におけるエラー報知とは、開始タイミングが異なっていてもよい。例えば、第2球数表示部17は、性能表示モニタ82dに比して、先にエラー報知を開始する構成であってもよい。この構成によれば、機表側にて、遊技者等に対して速やかにエラー状態を把握させることができる。例えば、性能表示モニタ82dは、第2球数表示部17に比して、先にエラー報知を開始する構成であってもよい。この構成によれば、管理者が搭載枠11bを開放してメンテナンスを実施している場合など、機表側を視認する遊技者等よりも先に管理者にエラー状態を把握させることができる。
・性能表示モニタ82dにおいてエラーコードの表示を開始するタイミングは、演出装置ESにおいてエラー報知を開始するタイミングと同じ又は略同じタイミングであってもよい。また、性能表示モニタ82dにおいてエラーコードの表示を開始するタイミングは、演出装置ESにおいてエラー報知を開始するタイミングよりも先のタイミングであってもよい。
・演出音声部12において実行されるエラーの報知態様は、エラーに応じて、それぞれ異なる態様でよく、それぞれ専用の音声であってもよい。
・演出発光部14において実行されるエラーの報知態様は、エラーに応じて、それぞれ異なる態様でよく、それぞれ専用の発光パターンであってもよい。
・演出音声部12におけるエラー報知が終了するタイミングは、演出発光部14におけるエラー報知が終了するタイミングと異ならせてもよい。一例として、演出音声部12におけるエラー報知が終了するタイミングは、演出発光部14におけるエラー報知が終了するタイミングよりも先のタイミングであってもよい。例えば、CPU81aは、エラーの設定が解除されたことを特定した後、所定時間tn(一例として、10000ms)が経過した場合に、演出発光部14におけるエラー報知を終了させてもよい。例えば、CPU81aは、エラー報知を開始させてから所定時間tmが経過した後、さらに所定時間tnが経過した場合に、演出発光部14におけるエラー報知を終了させてもよい。
・CPU80aは、通信回線断エラーを設定すると、通信回線断エラーコマンドを枠制御基板82へ出力してもよい。CPU82aは、通信回線断エラーコマンドを入力すると、通信回線断エラーコマンドが設定されたことを特定可能なエラーコードを性能表示モニタ82dにおいて表示させてもよい。
・アウト球の検知は、アウトセンサD30による検知に代えて、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26による検知にしてもよい。アウト球の数は、入賞通路カウントセンサD25が検知した数と非入賞通路カウントセンサD26が検知した数の合算数としてもよい。この場合、アウトセンサD30は、設けても設けなくてもよい。
・入賞通路カウントセンサD25と非入賞通路カウントセンサD26を設けず、アウトセンサD30のみで排出された遊技球を検知してもよい。
・アウトセンサD30は、遊技盤20に設けられていてもよいし、枠11に設けられていてもよい。
・CPU82a又はCPU80aは、球抜き状態中であってもエラーを検知してもよく、エラーを設定した場合にはエラー報知を実行させてもよい。この場合のエラー報知は、球抜き状態以外でエラーが設定されたときとは異なる態様で実行させてもよい。例えば、球抜き状態以外でエラーが設定されている場合にエラー報知を実行する報知部とは異なる報知部でエラー報知を実行してもよい。また、球抜き状態以外でエラーが設定されている場合にエラー報知を実行する場合には複数の報知部を用いるが、球抜き状態中にエラーが設定されている場合には前記複数の報知部のうちの一部の報知部でエラー報知を実行させてもよい。
・位置検知機構52bの構成を変更してもよい。例えば、第3ギア52dcは、その回転軸方向に突出する突起部52bcを備えてもよい。位置センサ52bbは、突起部52bcを検知すると、位置検知信号を出力してもよい。位置検知信号は、突起部52bcが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となってもよい。
・位置検知機構52bにおいて、位置センサ52bbは、突起部52baを検知するように構成されたが、これに限らない。一例として、第2ギア52dbは、回転軸方向に突出する環状突起を備えるとともに、当該環状突起は、その一部を切り欠いた切欠き部を有する。位置センサ52bbは、切欠き部を検知する構成であってもよい。この場合、位置検知信号は、切欠き部が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となってもよく、その逆であってもよい。
・パチンコ遊技機10は、位置検知信号がオフ状態からオン状態に遷移する時におけるスクリュー52cの回転位置を、スクリュー52cの原位置として定めていたが、これに限らない。例えば、上記変更例のように、位置センサ52bbを用いて前記切欠き部を検知する場合には、位置検知信号がオン状態からオフ状態に遷移する時におけるスクリュー52cの回転位置を、スクリュー52cの原位置として定めてもよい。
・CPU82aは、供給出口センサD23に代えて、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算してもよい。換言すれば、CPU82aは、供給入口センサD22による検知に応じて遊技領域20aに向けて遊技球が発射されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算してもよい。一例として、CPU82aは、供給入口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が供給されたことを検知する。
・発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、空打ちシーケンスを実行するときがあったが、これに限らない。発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、空打ちシーケンスを実行しなくてもよい。
・パチンコ遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
・特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
・パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
・CPU80a、ROM80b、RAM80c、及び乱数生成回路80dは、ワンチップに構成されていてもよい。CPU82a、ROM82b、及びRAM82cは、ワンチップに構成されていてもよい。
・遊技盤20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
・演出制御基板81をサブ統括制御基板とし、演出制御基板81とは別に演出表示部19を専門に制御する表示制御基板、演出発光部14を専門に制御する発光制御基板、演出音声部12を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板にCPU80a、及びCPU81aを搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
・性能表示モニタ82dは、枠制御基板82に備えられていなくてもよい。性能表示モニタ82dは、枠制御基板82とは別の基板に備えられていてもよい。この場合、枠制御基板82は、性能表示モニタ82dと接続されてもよい。CPU82aは、性能表示モニタ82dの表示内容を制御可能に構成されてもよい。
・所定量の遊技媒体(一例として遊技球)の全部を循環させる遊技機として構成したが、これに限らず、遊技媒体の一部又は全部について、遊技機の外部にある遊技媒体と交換可能な構成であってもよい。
・パチンコ遊技機10は、搭載枠11b及び遊技盤20の一方又は両方に磁気センサを備えていてもよい。この構成によれば、パチンコ遊技機10において本来あるべきではない磁性を有する異物を検知することができる。また、パチンコ遊技機10において通常使用される遊技媒体に該当しない磁石やワイヤなどのゴト器具が使用される可能性があることを検出できる。また、磁性を有する遊技球と磁石を用いて、遊技球が堆積した状態を意図的に作るような行為の発見にも寄与できる。
・パチンコ遊技機10は、凹みや傷などによって変形した遊技球を検知する構成を備えていてもよい。例えば、流通通路37にカメラなどのセンサを設置し、取得した画像から凹みや傷などがない正常な遊技球であるかを検出するようにしてもよい。このような凹みや傷などがある遊技球は通常使用されるべきものではなく、異常体に該当する。なお、凹みや傷などがある遊技球は、発射部65で正確に発射できるか不明であり、仮に発射されたとしても遊技領域20aで凹みや傷などがない遊技球と同じような動きになるかも不明であるから、使用しないことが好ましい。
・流通機構29は、その全部が搭載枠11bに形成されたが、一部が遊技盤20に形成されていてもよい。つまり、遊技盤20は、流通機構29の一部を構成してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(1)前記循環機構異常エラーの設定、及び、前記循環機構通路異常エラーの設定は、前記特定の操作部が操作されたまま所定時間が経過したときに解除される。
(2)報知部を備え、前記報知部では、前記循環機構異常エラーの設定に応じて前記循環機構異常エラーの報知が実行され、前記循環機構通路異常エラーの設定に応じて前記循環機構通路異常エラーの報知が実行され、前記循環機構異常エラーの報知は、前記報知部において、前記循環機構通路異常エラーの報知よりも優先して実行される。