JP7480460B2 - 作物搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作物搬送装置に関する。
トマトなどの施設園芸ハウスでは、収穫した作物の選果機への投入作業や箱詰め作業に多大な労力、人員を要しており、省力化が望まれている。例えば、選果機への投入作業は、傷のつきやすい軟弱な果実を1個ずつコンテナから取り出して選果機に投入する単調な作業である。また、箱詰め作業についても選果機で選果された果実を1個ずつ箱に投入する単調な作業である。従来、共同選果場で利用される自動箱詰め装置が知られているが、コンベア上のトレイ(パン)に載せられ、整列された状態の果実しか自動で箱詰めすることができず、また、大型であり、高コストなため、大規模施設生産者は導入することが難しい。
また、現時点では、果実を選果機に投入する作業や果実を箱詰めする作業に用いるロボットは知られておらず、物体を保持するロボットとして、例えば特許文献1~4等に記載のロボットが知られている。
特許文献1には、菓子などの被搬送物を損なうことなく保持して、容器内に確実に詰め込むための装置が開示されている。この装置が有する保持具の被搬送物を保持する面にはクッション材が設けられている。また、特許文献2には、パン生地を側面から把持して移載するためのロボット用エンドエフェクタが開示されている。また、特許文献3には、ワークの把持に用いるロボットハンドが開示されている。更に、特許文献4には、梱包箱の中に複数の対象物を密着させて収納させるためのロボットハンドが開示されている。
特開2019-55859号公報 特開2018-69353号公報 実開昭63-79189号公報 特開2019-93520号公報
上記特許文献1~4に開示されているロボット等を、コンテナ内に多数収容された軟弱な果実の搬送作業に転用することも考えられる。しかしながら、上記特許文献1~4のロボット等では、ハンド等を搬送対象の果実に対して近づける場合に、ハンドの一部が搬送対象の果実や隣接する果実に接触し、果実の表面を傷つけるおそれがある。
そこで、本発明は、作物の表面の損傷を抑制することが可能な作物搬送装置を提供することを目的とする。
本発明の作物搬送装置は、第1方向を長手方向とし、前記第1方向の一端部近傍に作物を保持する保持面が設けられた複数のフィンガと、前記複数のフィンガを離間した状態と接近した状態との間で遷移させる遷移部と、を有するハンドと、前記ハンドを、前記作物を保持する位置と前記作物の搬送先との間で移動させる移動部と、前記ハンド及び前記移動部の動作を制御する制御部と、を備え、前記ハンドは、前記フィンガの前記第1方向への移動を許容する許容部と、前記フィンガの前記第1方向への移動を検知し、検知結果を前記制御部に出力する検知部と、を有し、前記制御部は、前記検知部から出力された前記第1方向へ移動している前記フィンガの組み合わせが前記複数のフィンガの少なくとも一部によって前記作物を保持できる条件を満たすか否かに基づいて、前記ハンド及び前記移動部の動作を制御する、作物搬送装置である。
本発明の作物搬送装置は、作物の表面の損傷を抑制することができるという効果を奏する。
作物搬送装置を示す斜視図である。 ハンドを拡大して示す図である。 図3(a)、図3(b)は、フィンガ機構を-Z側から見た状態を模式的に示す図である。 フィンガ機構の1つを取り出して、拡大して示す図である。 図4の状態からフィンガが上方に移動した状態を示す図である。 作物搬送装置の制御ブロック図である。 図7(a)は、制御装置のハードウェア構成を示す図であり、図7(b)は、制御装置の機能ブロック図である。 作物搬送装置の動作を示すフローチャートである。 図9(a)は、ハンドが最高点の上方の所定高さに位置した状態を模式的に示す図であり、図9(b)は、ハンドを開いた状態を模式的に示す図である。 図10(a)は、図9(b)の状態からハンドを下降させた状態を模式的に示す図であり、図10(b)は、ハンドによりトマトが把持された状態を模式的に示す図である。 接近・把持動作の停止条件を示す表である。 接近・把持動作の停止条件を満たす場合を模式的に示す図(その1)である。 接近・把持動作の停止条件を満たす場合を模式的に示す図(その2)である。 図14(a)、図14(b)は、第1の実施形態の変形例を説明するための図である。 図15(a)、図15(b)は、第2の実施形態のハンドを模式的に示す図である。 図16(a)~図16(c)は、第3の実施形態におけるフィンガ機構の1つを模式的に示す図である。 第3の実施形態における駆動制御部の処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における把持動作の停止条件を示す表である。 作物搬送装置を収穫に用いる場合を示す図である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態に係る作物搬送装置100について、図1~図12に基づいて詳細に説明する。図1には、作物搬送装置100が斜視図にて示されている。本第1の実施形態の作物搬送装置100は、図1に示すように、作物(本実施形態ではトマト)が収容されたコンテナ110から、不図示の選果機に接続されたベルトコンベア120上に作物(トマト)を搬送する装置である。
作物搬送装置100は、コンテナ110近傍に設けられた、移動部としてのロボット本体90と、ロボット本体90の先端に設けられたハンド10と、を備える。
ロボット本体90は、多関節ロボットであり、制御装置190(図6参照)の指示の下で駆動し、ハンド10を6自由度方向に移動させる。ロボット本体90の各関節には、関節の角度を検出するためのエンコーダ94(図6参照)が設けられており、制御装置190は、エンコーダ94の情報から、ロボット本体90の姿勢をモニタリングすることができる。図1では不図示であるが、作物搬送装置100の上方(例えばコンテナ110の1m上方)には、グローバルセンサ92(図6参照)が設けられている。グローバルセンサ92は、例えば、コンテナ110近傍に投光した赤外線が反射して戻ってくる時間から深度情報を得るTime of Flight(TOF)方式の深度センサを含み、コンテナ110内において最も高い位置(トマトの最高点)を検出し、検出した位置の3次元座標を制御装置190に対して出力する。
ハンド10は、図2に拡大して示すように、複数(本実施形態では6つ)のフィンガ機構12A、12B、12C、14A、14B、14Cを有する(フィンガ機構14Bについては、図2では不図示)。なお、以降においては、図2における紙面内上下方向をZ軸方向とし、紙面内左右方向をY方向、紙面直交方向をX軸方向として、説明する。
図3(a)、図3(b)は、フィンガ機構12A~12C、14A~14Cを-Z側から見た状態を模式的に示す図である。図2、図3(a)に示すように、フィンガ機構12A~12Cは、スライダ16Aに設けられている。スライダ16Aは、図2に示す電動シリンダ18によって、X軸方向へ移動可能となっている。このスライダ16AのX軸方向への移動により、フィンガ機構12A~12Cが一体的にX軸方向に移動する。また、フィンガ機構14A~14Cは、図3(a)に示すように、スライダ16Bに設けられている。スライダ16Bは、スライダ16Aと同様、電動シリンダ18によってX軸方向へ移動可能となっている。このスライダ16BのX軸方向への移動により、フィンガ機構14A~14Cが一体的にX軸方向に移動する。本第1の実施形態では、図3(a)に示すように、スライダ16A、16Bが接近した状態では、フィンガ機構12A~12C、14A~14Cが閉じた状態となる。一方、図3(b)に示すように、スライダ16A、16Bが離間した状態では、フィンガ機構12A~12C、14A~14Cが開いた状態となる。本第1の実施形態では、電動シリンダ18により、複数のフィンガ20を離間した状態と接近した状態との間で遷移させる遷移部としての機能が実現されている。
図4は、フィンガ機構12Aを取り出して、拡大して示す図である。図4に示すように、フィンガ機構12Aは、薄板状のフィンガ20を有する。フィンガ20の材料としては、例えばバネ鋼を用いることができる。フィンガ20は、例えば厚さ0.8mm程度、幅15mm程度とすることができる。また、フィンガ20の下端から上端部近傍に設けられたネジ留め用の貫通穴までの長さは200mm程度とすることができる。フィンガ20は、球状に近い形状の果実をバネの弾性力により保持できるようにするため、薄板状の部材の2か所を互いに逆向きに折り曲げた形状を有している。例えば、フィンガ20の下端部から50mmの第1箇所と、上端部から50mmの第2箇所を折り曲げ部とし、第1箇所よりも下側の部分の延びる方向とZ軸とがなす角度αを5°、第1箇所と第2箇所の間の部分が延びる方向とZ軸とがなす角度βを5°とすることができる。フィンガ20に対して外部からの力(矢印Fa、Fb参照)が作用したときには、フィンガ20は力が作用した方向に変形し、力が作用しなくなると元の状態に戻る。図4における、フィンガ20の第1箇所の近傍の部分の+Y側の面は、トマトを保持する保持面となっている。
フィンガ20の-Z側の端部(第1箇所近傍)には、柔軟物22が被覆されている。本第1の実施形態では、フィンガ20の保持面(+Y側の面)のみならず、保持面の裏側の面(-Y側の面)も柔軟物22で被覆されている。柔軟物22の材料としては、例えば、ゴムを用いることができる。柔軟物22の厚さは、1.5~2.0mm程度である。また、柔軟物22の下端部を、フィンガ20の下端部よりも2.0~3.0mm程度下側に位置させている。柔軟物22を上記のように設けることで、フィンガ20の下端部近傍が搬送対象のトマトや隣接するトマトに接触した場合でも、トマトの損傷を抑制することができる。ここで、フィンガ20の保持面側に設ける柔軟物22と保持面の裏側の柔軟物22は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、保持面側の柔軟物22として、摩擦係数が高い材料を用い、保持面の裏側の柔軟物22として、摩擦係数が低い材料を用いることができる。このようにすることで、保持面側でトマトを保持したときの保持力を高めることができるとともに、把持対象のトマトと隣接するトマトとの間にフィンガ20を入り込ませやすくすることができる。
また、フィンガ20の+Z側の端部は、逆L字状に折り曲げられた板状の保持部材24にねじ止め等により固定されている。
保持部材24は、スライド機構26のスライド部材28Aに固定されている。スライド機構26は、保持部材24が固定されたスライド部材28Aと、Z軸方向に延びるガイド28Bとを有する。ガイド28Bは、スライダ16Aに固定されており(図9(a)、図9(b)等参照)、スライド部材28Aは、ガイド28Bに係合し、ガイド28Bに沿ってZ軸方向にスライド可能となっている。すなわち、スライド機構26は、フィンガ20の+Z方向(第1方向)への移動を許容する許容部として機能する。スライド部材28Aとガイド28Bとの間には、ボールベアリングが設けられているため、スライド部材28Aはガイド28Bに沿ってスムーズにスライドできるようになっている。
また、保持部材24には、貫通孔24aが形成されており、貫通孔24aには、軸部材30が貫通した状態となっている。軸部材30の+Z側端部は、スライダ16Aに固定されている(図2、図9(a)、図9(b)等参照)。保持部材24がスライド機構26を介してZ軸方向にスライド移動する際には、保持部材24が軸部材30に対してスライド移動するようになっている。軸部材30には、付勢部材としての圧縮コイルバネ32が設けられている。圧縮コイルバネ32は、保持部材24に対して-Z方向の力を常時付勢している。
図5には、フィンガ20(柔軟物22)に対して下側(-Z側)から上向きの力Fcが作用し、圧縮コイルバネ32の付勢力に抗して、フィンガ20や保持部材24が上方(+Z方向)に移動した状態が示されている。図5に示すように、スライド部材28Aがガイド28Bの上端部近傍まで移動すると、ガイド28Bの上端部近傍に設けられている検知部としてのリミットスイッチ34に接触するようになっている。リミットスイッチ34は、接触を検知すると(ONになると)、その検知結果を制御装置190(図6)に送信する。本第1の実施形態では、リミットスイッチ34は、フィンガ20が平均的なトマトの高さの80%程度(例えば50mm程度)上方に移動したときにONになるように設定されているものとする。
なお、フィンガ20が上方に移動するときの力Fcは、圧縮コイルバネ32の弾性力により異なる。したがって、どの程度の力を受けたときにフィンガ20を上方に移動させたいかに応じて、圧縮コイルバネ32を選択するようにすればよい。本実施形態では、フィンガ20がトマトに上側から接触した場合でも、トマトに傷をつけずにフィンガ20が上方に移動する(逃げる)ように、圧縮コイルバネ32を選択することとする。
図2に戻り、その他のフィンガ機構12B、12C、14A~14Cについても、フィンガ機構12Aと同様の構成となっている。
ハンド10は、更に、特定部としてのローカルセンサ36を有している。ローカルセンサ36は、深度計測が可能なステレオビジョン等の深度カメラを含み、撮影した画像から、把持対象(搬送対象)のトマトの外形形状(外接円)を特定し、特定した外接円の中心(外心)の位置座標と、外接円の径の情報を制御装置190に送信する。なお、深度カメラは単眼のカメラであってもよい。
図6には、作物搬送装置100の制御ブロック図が示されている。図6に示すように、作物搬送装置100においては、制御装置190が、グローバルセンサ92、ローカルセンサ36、リミットスイッチ34、エンコーダ94が検出した結果を取得し、これに基づいて、電動シリンダ18及びロボット本体90の駆動を制御する。
図7(a)には、制御装置190のハードウェア構成が示されている。図7(a)に示すように、制御装置190は、CPU(Central Processing Unit)189、ROM(Read Only Memory)192、RAM(Random Access Memory)194、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))196、入出力インタフェース197、及び可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。これら制御装置190の構成各部は、バス198に接続されている。制御装置190では、ROM192あるいはHDD196に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ199が可搬型記憶媒体191から読み取ったプログラムをCPU189が実行することにより、図7(b)に示す各部の機能が実現される。なお、図7(b)の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
図7(b)には、制御装置190の機能ブロック図が示されている。制御装置190では、CPU189がプログラムを実行することで、図7(b)に示す、最高点取得部202、果実情報取得部204、検出結果取得部206、エンコーダ情報取得部208、及び制御部としての駆動制御部210、としての機能が実現されている。
最高点取得部202は、グローバルセンサ92で検出されるコンテナ110内の最高点(コンテナ110内に存在するトマトの最高点)の3次元座標情報を取得する。最高点取得部202は、取得した3次元座標情報を駆動制御部210に通知する。
果実情報取得部204は、ローカルセンサ36で検出される把持対象のトマトの外心の位置と径の情報を取得する。果実情報取得部204は、取得した情報を駆動制御部210に通知する。
検出結果取得部206は、リミットスイッチ34の検出結果(ON/OFF情報)を取得する。検出結果取得部206は、取得した情報を駆動制御部210に通知する。
エンコーダ情報取得部208は、ロボット本体90の各関節に設けられたエンコーダ94から各関節の角度情報を取得し、駆動制御部210に通知する。
駆動制御部210は、最高点取得部202、果実情報取得部204、検出結果取得部206、及びエンコーダ情報取得部208から取得した情報に基づいて、作物搬送装置100全体を制御する。
(作物搬送装置100の動作について)
次に、作物搬送装置100の動作について、図8のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。図8の処理は、駆動制御部210により実行される処理である。図8の処理が開始される際には、駆動制御部210は、ハンド10を初期位置に位置決めしているものとする。
ステップS10では、駆動制御部210が、グローバルセンサ92によって検出されるコンテナ110内の最高点の3次元座標情報を最高点取得部202を介して取得する。なお、最高点を有するトマトが把持対象(搬送対象)のトマトとなる。
次いで、ステップS12では、駆動制御部210が、ハンド接近動作を開始する。具体的には、駆動制御部210は、エンコーダ情報取得部208が取得するエンコーダ情報(ロボット本体90の各関節の角度情報)に基づいて、ロボット本体90を制御し、ハンド10の下端部が最高点の上方の所定高さ(例えば15cm)の位置に位置決めされるように、ハンド10を駆動する。
次いで、ステップS14では、駆動制御部210が、ハンド10が最高点の上方の所定高さに位置するまで待機する。駆動制御部210は、エンコーダ情報から、ハンド10が最高点の上方の所定高さに位置したと判断すると、ステップS16に移行する。なお、図9(a)には、ハンド10が、最高点の上方の所定高さに位置した状態が模式的に示されている。なお、図9(a)の状態では、ハンド10が閉じた状態(フィンガ機構12A~12Cと、フィンガ機構14A~14Cを接近させた状態)となっている。
ステップS16に移行すると、駆動制御部210は、ローカルセンサ36による果実位置・径検出を実行する。具体的には、駆動制御部210は、ローカルセンサ36に指示を出し、ハンド10直下のトマトを撮影する。そして、駆動制御部210は、果実位置として、ローカルセンサ36によって検出された、画角中央に位置するトマトの外心(外接円の中心)の、コンテナ110内における2次元位置(XY面内位置)及び高さ位置を、果実情報取得部204を介して取得する。また、駆動制御部210は、ローカルセンサ36によって検出された、トマトの径(外接円の直径)を、果実情報取得部204を介して取得する。なお、駆動制御部210は、ステップS10においてグローバルセンサ92によって検出されたコンテナ110内の最高点の3次元座標情報(XYZ座標)を、ローカルセンサ36によって検出された果実位置を用いて補正する。
次いで、ステップS18では、駆動制御部210が、検出されたトマトの径の大きさだけ、ハンド10を開く。この場合、駆動制御部210は、電動シリンダ18を制御して、スライダ16A、16Bを互いに離れる方向に駆動する。図9(b)には、ハンド10を開いた状態(フィンガ機構12A~12Cの下端部と、フィンガ機構14A~14Cの下端部を検出されたトマトの径だけ離間させた状態)が示されている。
次いで、ステップS20では、駆動制御部210が、把持対象のトマトを把持可能な位置に向けてハンド10の移動を開始する。すなわち、駆動制御部210は、ロボット本体90を制御して、ハンド10の下端部がローカルセンサ36により検出されたトマトの外心の高さよりも所定高さ(平均的なトマトの高さの80%程度、例えば50mm)だけ低い位置になるように駆動する。この場合、駆動制御部210は、図10(a)に示すような状態になるように、ハンド10を駆動する。
次いで、ステップS22では、駆動制御部210が、リミットスイッチ34の検出結果が所定条件を満たしたか否かを判断する。ここで、所定条件とは、図11に示すような接近・把持動作の停止条件であるものとする。図11に示すように、接近・把持動作の停止条件は、リミットスイッチ34の検出結果(ONの数)で定義される。例えば、図11のNo.1のように、フィンガ機構14A~14Cの3つのリミットスイッチ34の全てがOFFであり、フィンガ機構12A~12Cの3つのリミットスイッチ34の全てがONである場合には、停止条件を満たす。また、図11のNo.2のように、フィンガ機構14A~14Cの3つのリミットスイッチ34のうちの1つがONであり、フィンガ機構12A~12Cの3つのリミットスイッチ34の全てがONである場合には、停止条件を満たす。また、図11のNo.3のように、フィンガ機構14A~14Cの3つのリミットスイッチ34のうちの2つがONであり、フィンガ機構12A~12Cの3つのリミットスイッチ34の全てがON又は2つがONである場合には、停止条件を満たす。更に、図11のNo.4のように、フィンガ機構14A~14Cの3つのリミットスイッチ34のうちの全てがONの場合には、停止条件を満たす。すなわち、図11の例では、「フィンガ機構14A~14Cのうちの少なくとも1つのリミットスイッチ34がOFFであり、フィンガ機構12A~12Cのうちの少なくとも1つのリミットスイッチ34がOFFであり、全体で3つ以上のリミットスイッチ34がOFFである」という把持可能条件を満たさない場合に、停止条件を満たすことになる。把持可能条件を満たす場合には、少なくとも3つのフィンガ機構によりトマトを把持できることを意味する。一方、停止条件を満たす場合には、図12に示すように、フィンガ機構12A~12C、14A~14Cの一部が把持対象のトマトに接触し、トマトを3つのフィンガ機構で把持できない状態であることを意味する。あるいは、図13に示すように、フィンガ機構12A~12C、14A~14Cの一部が把持対象のトマトに隣接するトマトに接触し、ハンド10をこれ以上下方に移動させるとトマトに傷がつく状態であることを意味する。なお、図13のような状態は、グローバルセンサ92が正しく機能せず、トマトの位置を正確に把握できなかったときに生じる。
ステップS22の判断が肯定された場合、すなわち、図11の停止条件を満たしている場合には、駆動制御部210は、ステップS24に移行する。ステップS24に移行すると、駆動制御部210は、接近・把持動作を停止し、図8の全処理を終了する。なお、図8の処理が終了すると、駆動制御部210は、ハンド10を初期位置に戻す。
一方、ステップS22の判断が否定された場合には、ステップS26に移行する。ステップS26では、駆動制御部210が、把持対象のトマトを把持可能な位置までハンド10が移動したか否か、すなわち、図10(a)の状態になったかを判断する。駆動制御部210は、ロボット本体90のエンコーダ94から得られる情報に基づいて、図10(a)の状態になったかを判断する。このステップS26の判断が否定された場合には、ステップS22に戻る。その後、ステップS22の判断が肯定されずに、ステップS26の判断が肯定されると、駆動制御部210は、ステップS28に移行する。
ステップS28に移行すると、駆動制御部210は、把持動作を実行する。この場合、駆動制御部210は、複数のフィンガ20によって把持対象のトマトを把持するために、図10(b)に示すように、フィンガ機構12A~12C、14A~14Cを所定量だけ閉じることで、フィンガ20同士を近づける。ここで、所定量とは、例えば、ローカルセンサ36によって検出された、把持対象のトマトの径(外接円の直径)から定まる量などとすることができる。これにより、フィンガ機構12A~12B、14A~14Cのうちの少なくとも3つのフィンガ機構により、把持対象のトマトが把持されるようになっている。本実施形態においては、フィンガ20が上述したように薄板状の部材を折り曲げた形状を有していることから、トマトとフィンガ20(柔軟物22)との接触面積を大きくすることができる。これにより、作物搬送装置100によりトマトを搬送している間における、ハンド10からのトマトの落下を抑制することができる。
次いで、ステップS30では、駆動制御部210が、トマトの搬送動作を実行する。すなわち、駆動制御部210は、エンコーダ情報に基づいてロボット本体90を制御して、ハンド10をトマトの搬送先であるベルトコンベア120の上方に移動し、ハンド10を開く(フィンガ機構12A~12Bとフィンガ機構14A~14Cとを離間させる)。これにより、ハンド10が把持していたトマトが、ベルトコンベア120上に載置される。
以上により、図8の全処理が終了する。図8の全処理が終了すると、駆動制御部210は、ハンド10を初期位置に戻す。なお、駆動制御部210は、図8の処理を繰り返し実行することにより、コンテナ110内のトマトをベルトコンベア120上に載置する処理を繰り返す。
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によると、ハンド10は、下端部近傍にトマトを保持する保持面が設けられた複数のフィンガ20と、複数のフィンガ20を接近又は離間させる電動シリンダ18と、を有する。また、ハンド10は、フィンガ20の上方への移動を許容するスライド機構26と、フィンガ20の上方への移動を検知して、駆動制御部210に検知結果を出力するリミットスイッチ34を有する。そして、駆動制御部210は、リミットスイッチ34の検知結果に基づいて、ハンド10やロボット本体90の動作を制御する。これにより、本第1の実施形態では、ハンド10が下降した際に、フィンガ20とトマトが接触しても、フィンガ20が上方に移動する(逃げる)ことで、トマトを損傷するのを抑制することができる。また、駆動制御部210は、リミットスイッチ34の検知結果から、フィンガ20がトマトを損傷してしまう可能性があると判断される場合に、ハンド10のトマトへの接近動作を停止するので、トマトの損傷を効果的に防ぐことができる。また、駆動制御部210は、リミットスイッチ34の検知結果から、ハンド10がトマトを確実に保持できる状態にあるかを判断し、これに基づいてトマトの把持動作を継続するか、停止するかを決める。したがって、駆動制御部210は、確実にトマトを把持できるときにトマトの把持動作を行うため、ハンド10からトマトが落下するのを抑制し、落下による損傷の発生を防ぐことができる。
また、本第1の実施形態では、ハンド10は、フィンガ20に対して、上方への移動を阻害する方向の付勢力を付与する圧縮コイルバネ32を有している。これにより、フィンガ20の下端部に上向きの力がかかっていない状態で、フィンガ20の位置を固定することができるため、トマトを安定的に保持することができる。また、圧縮コイルバネ32の弾性力を調整することで、フィンガ20を上方に移動させるために必要な力を調整することができる。
また、本第1の実施形態では、駆動制御部210は、グローバルセンサ92とローカルセンサ36とによる検出結果に基づいて、ロボット本体90及びハンド10の駆動を制御している。すなわち、駆動制御部210は、トマトから離れた位置に設けられたグローバルセンサ92の検出結果から、把持対象のトマトの位置(XYZ座標)を取得して、これに基づいて、ロボット本体90を把持対象のトマトの上方に位置決めする。そして、駆動制御部210は、位置決め後に、ローカルセンサ36の検出結果に基づいて、グローバルセンサ92の検出結果から得られた把持対象のトマトの位置(XYZ座標)を補正するとともに、把持対象のトマトの径を検出し、これらに基づいて把持動作を行う。これにより、ハンド10によるトマトの把持動作を精度よく実行することができる。
また、本第1の実施形態のフィンガ20は、薄板状の部材であり、フィンガ20のトマトを保持する面と、その裏側の面に柔軟物22を設けている。この場合、フィンガ20が薄板状の部材であることから、コンテナ110内に多数設けられたトマトの隙間にフィンガ20を挿入しやすくなる。また、フィンガ20のトマトを保持する面と、その裏側の面に柔軟物22を設けていることから、フィンガ20をトマトに近づける際に、フィンガ20のいずれの箇所がトマトと接触しても、トマトの損傷を抑制することができる。
また、本第1の実施形態では、フィンガ20が、下端部に付与される力(Fa、Fb)に応じて弾性変形するため、ハンド10をトマトに近づけるときにフィンガ20とトマトが接触してもフィンガ20が変形するため、トマト表面への傷付きを防止することができる。また、フィンガ20の弾性変形により、適度な力でトマトを把持することができるため、搬送時のトマトの落下を効果的に抑制することができる。
なお、上記第1の実施形態では、フィンガ20が、薄板状の部材を2か所で折り曲げた形状を有する場合について説明したが、これに限られるものではない。フィンガ20の形状等は、上記第1の実施形態と異なっていてもよい。
なお、上記第1の実施形態では、フィンガ20を常時付勢する付勢部材として圧縮コイルバネ32を用いる場合について説明したがこれに限られるものではない。例えば、付勢部材としてはその他のバネを用いてもよいし、フィンガ20に鉛直方向下向きの力を常時付与する錘部材であってもよい。錘部材を用いる場合、軸部材30は省略してもよい。
なお、上記第1の実施形態では、グローバルセンサ92とローカルセンサ36を併用する場合について説明したが、いずれか一方のみを用いることとしてもよい。例えば、グローバルセンサ92のみを用いる場合には、図8の処理において、ステップS16の処理を省略し、ステップS10において、グローバルセンサ92がトマトの外心や径を検出するようにすればよい。
なお、上記実施形態のステップS26(図8)においては、駆動制御部210が把持対象のトマトを把持可能な位置にハンド10が位置したか否かを、エンコーダ94の角度情報に基づいて判断する場合について説明した。しかしながら、これに限らず、ハンド10とトマトとの位置関係が、フィンガ20によってトマトを把持可能な位置関係になったことを検出する位置関係検出部をハンド10に設けることとしてもよい。例えば、位置関係検出部として、図14(a)、図14(b)に示すような触覚スイッチ130をハンド10に設けてもよい。この場合、触覚スイッチ130の検出結果に基づいて、駆動制御部210が、把持対象のトマトを把持可能な位置にハンド10が到達したか否かを判断する。触覚スイッチ130は、例えば電動シリンダ18の下側に設けられた棒状部分132と、棒状部分132の-Z端部から突出している接点部材134と、を有する。触覚スイッチ130は、接点部材134の-Z端部に物体(トマト)が接触したことを検知できるものであり、例えば、オムロン株式会社の触覚スイッチD5B等である。この場合、駆動制御部210は、図14(a)のように最高点の上方にハンド10を位置決めした状態から、ハンド10を下方に移動する。そして、図14(b)に示すように触覚スイッチ130がトマトに接触した段階で、駆動制御部210は、トマトを把持可能な位置にハンド10が位置したと判断すればよい。このようにすることで、トマトが確実に把持できる位置までハンド10を移動させる処理を簡素化することができる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図15に基づいて詳細に説明する。
本第2の実施形態に係る作物搬送装置のハンド10においては、3つのフィンガ機構12A、12B、12Cに対して、1つのリミットスイッチ234が設けられ、3つのフィンガ機構14A、14B、14Cに対して、1つのリミットスイッチ234が設けられている。図15(a)には、3つのフィンガ機構12A、12B、12Cと、これに対応して設けられたリミットスイッチ234が模式的に示されている。各フィンガ機構12A、12B、12Cについては、リミットスイッチ34を有さない点以外は、上記第1の実施形態と同様の構成となっている。また、各フィンガ機構12A、12B、12Cの保持部材24の上面には、板部材236が設けられている。板部材236と、各保持部材24との間は、固定されておらず、3つの貫通孔236aが貫通形成され、貫通孔236aそれぞれには、軸部材30及び圧縮コイルバネ32が挿通されている。すなわち、フィンガ機構12A、12B、12Cの保持部材24のうち、最も高い位置にある1以上の保持部材24によって、板部材236は下側から支持される。
したがって、例えば、図15(b)に示すように、フィンガ機構12Cのフィンガ20が上方に移動した場合には、フィンガ機構12Cの保持部材24によって、板部材236が支持される。そして、フィンガ機構12Cのフィンガ20が図15(b)の位置よりも更に上昇すると、保持部材24がリミットスイッチ234に接触するため、リミットスイッチ234から検出結果(ON)が駆動制御部210に出力される。すなわち、リミットスイッチ234によると、フィンガ機構12A~12Cに含まれる3本のフィンガのいずれかが上方に所定量移動したことを検知することができる。なお、フィンガ機構14A~14Cについても同様となっている。
リミットスイッチ234から検出結果(ON)が出力された場合、ハンド10をそれ以上下方に移動させると、フィンガ20がトマトの表面に傷をつける可能性が高いことを意味している。したがって、駆動制御部210は、ハンドを用いたトマトの把持、搬送処理を実行している間に、リミットスイッチ234から検出結果(ON)を受信すると、ハンド10の接近動作及びトマトの把持動作を停止する。これにより、ハンド10によるトマトの損傷を抑制することができる。
以上、詳細に説明したように、本第2の実施形態によると、2つのリミットスイッチ234で、6本のフィンガ20のうちの少なくとも1本が上方へ移動したことを検知することができる。これにより、少なくとも1本のフィンガ20がトマトを傷つける可能性がある場合に、駆動制御部210は、ハンド10によるトマトの把持動作を停止することで、トマトの損傷を効果的に抑制することができる。また、リミットスイッチ234の数がフィンガ20の本数よりも少ないため、ハンド10の構造の簡素化、コストダウンを図ることができる。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態について、図16~図18に基づいて説明する。本第3の実施形態においては、1つのフィンガ機構が、2つのリミットスイッチを有している点に特徴を有している。
図16(a)は、本第3の実施形態に係るフィンガ機構12Aの模式図である。本第3の実施形態に係るフィンガ機構12Aは、第1の実施形態と同様、リミットスイッチ34を有しており、更に、リミットスイッチ34の下側(-Z側)において、別のリミットスイッチ35を有している。リミットスイッチ35は、フィンガ20が図16(b)に示す位置(第1位置)よりも高い位置にある場合に、検出結果(ON)を駆動制御部210に出力する第1センサとして機能する。また、リミットスイッチ34は、フィンガ20が図16(c)に示す位置(第1位置よりも高い第2位置)に到達した場合に、検出結果(ON)を駆動制御部210に出力する第2センサとして機能する。
なお、その他のフィンガ機構12B、12C、14A~14Cについても同様に、リミットスイッチ34、35を有している。
ここで、リミットスイッチ34は、フィンガ20がトマトの損傷を防止するためにハンド10の下降(トマトへの接近)を停止するか否かの判断に用いられる。したがって、以下においては、リミットスイッチ34を「損傷防止リミットスイッチ34」と呼ぶものとする。また、リミットスイッチ35は、ハンド10を用いてトマトを把持できるか否かを判断するために用いられる。したがって、以下においては、リミットスイッチ35を「把持可能判定リミットスイッチ35」と呼ぶものとする。
図17には、本第3の実施形態における駆動制御部210の処理がフローチャートにて示されている。図17の処理においては、まず、図8のステップS10~S20と同様の処理が実行される。すなわち、駆動制御部210は、グローバルセンサ92やローカルセンサ36の検出結果に基づいて、ハンド10を把持対象のトマトを把持可能な位置まで移動させる。
そして、図17のステップS21Aに移行すると、駆動制御部210は、損傷防止リミットスイッチ34のいずれかがONであるかを判断する。このステップS21Aの判断が肯定された場合には、フィンガ20のいずれかによってトマトが損傷する可能性が高い。したがって、駆動制御部210は、ステップS21Bに移行し、それ以上の接近動作を停止して、図17の処理を終了する。
一方、ステップS21Aの判断が否定された場合には、駆動制御部210は、ステップS21Cに移行し、把持対象のトマトを把持可能な位置まで到達したか否かを判断する。ここでは、駆動制御部210は、ローカルセンサ36の出力に基づいて、把持対象のトマトを把持可能な位置まで到達したか否かを判断する。このステップS21Cの判断が否定されている間は、ステップS21A、S21Cを繰り返し実行し、ステップS21Cの判断が肯定されると、ステップS21Dに移行する。
ステップS21Dに移行すると、駆動制御部210は、把持可能判定リミットスイッチ35の検出結果が所定条件を満たしたか否かを判断する。このステップS21Dの所定条件は、図18に示すような把持動作の停止条件である。図18の条件は、基本的には、第1の実施形態の図11の条件と同様となっている。すなわち、フィンガ機構12A~12Cの少なくとも1つ及びフィンガ機構14A~14Cの少なくとも1つを含む3つのフィンガ機構によりトマトを把持できる場合には、ステップS21Dの判断が否定され、ステップS28に移行する。その後は、ステップS28、S30を経て、図17の全処理を終了する。
一方、ステップS21Dの判断が肯定された場合には、駆動制御部210は、ステップS21Eに移行する。ステップS21Eでは、駆動制御部210は、把持動作を停止し、図17の全処理を終了する。
以上、詳細に説明したように、本第3の実施形態によると、各フィンガ機構は、フィンガ20が第1位置に移動したことを検知する把持可能判定リミットスイッチ35と、フィンガ20が第1位置とは異なる第2位置に移動したことを検知する損傷防止リミットスイッチ34と、を有している。そして、駆動制御部210は、各リミットスイッチ34,35の検知結果に基づいて、ハンド10の接近動作や、把持動作を停止する。これにより、本第3の実施形態では、フィンガ20とトマトが接触することによるトマトの損傷を防止することができるとともに、フィンガ20によりトマトを確実に把持できるようになる。
なお、上記においては言及していないが、作物搬送装置100においては、ハンド10を、図2のZ軸回りに回転させることもできる。したがって、把持対象のトマトの形状や他のトマトとの位置関係を考慮して、ハンド10を把持対象のトマトに接近させる前に又は接近させながら、ハンド10を回転させることとしてもよい。
なお、上記各実施形態では、搬送対象の作物がトマトである場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、トマトと同様の球状作物であれば、リンゴ、モモ、ミカン、キャベツ、スイカ、などであってもよい。また、円筒状作物、例えばキュウリ、ズッキーニ、ナスなどであってもよい。
なお、上記各実施形態では、作物搬送装置100が、コンテナ110からベルトコンベア120に作物を搬送する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、作物搬送装置100は、ミニトマト等を多数収容するトレイから、弁当箱の所定位置に向けてミニトマト等をハンドリングする装置(具材盛り付け装置)であってもよい。
なお、上記各実施形態では、ハンド10が有するフィンガ機構の個数が6個である場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、4個などであってもよい。また、上記各実施形態では、トマトを把持するときに、3つのフィンガ機構を一体的に駆動する場合について説明したが、これに限られるものではなく、各フィンガ機構を独立に駆動することとしてもよい。
なお、上記各実施形態では、ローカルセンサ36が、画像を撮影しているため、撮影した画像から、搬送対象のトマトの形状、大きさ、色を特定し、特定結果に基づいて選果を行うこととしてもよい。この場合、選果結果に基づいて、各トマトの搬送位置を異ならせてもよい。また、ハンド10において把持したトマトの重量を検出できる場合には、検出された重量に基づいて、各トマトの搬送位置を異ならせてもよい。なお、ハンド10においてトマトの重量を検知する装置としては、ロードセルを用いることができる。
なお、上記各実施形態の作物搬送装置100は、トマト等の果実の収穫に用いることもできる。例えば、図19に示すように、収穫対象のトマトに対して、横方向(水平方向)からハンド10を接近させ、上記各実施形態と同様にトマトを把持させる。そして、把持完了後に、ハンド10を退避させることで、トマトをもぎ取るようにする。このようにすることで、トマト等の果実の収穫が可能となる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
10 ハンド
18 電動シリンダ(遷移部)
20 フィンガ
26 スライド機構(許容部)
32 圧縮コイルバネ(付勢部材)
34 リミットスイッチ(検知部、第2センサ)
35 リミットスイッチ(第1センサ)
36 ローカルセンサ(特定部)
90 ロボット本体(移動部)
100 作物搬送装置
130 触覚スイッチ(位置関係検出部)
210 駆動制御部(制御部)

Claims (10)

  1. 第1方向を長手方向とし、前記第1方向の一端部近傍に作物を保持する保持面が設けられた複数のフィンガと、前記複数のフィンガを離間した状態と接近した状態との間で遷移させる遷移部と、を有するハンドと、
    前記ハンドを、前記作物を保持する位置と前記作物の搬送先との間で移動させる移動部と、
    前記ハンド及び前記移動部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記ハンドは、
    前記フィンガの前記第1方向への移動を許容する許容部と、
    前記フィンガの前記第1方向への移動を検知し、検知結果を前記制御部に出力する検知部と、を有し、
    前記制御部は、前記検知部から出力された前記第1方向へ移動している前記フィンガの組み合わせが前記複数のフィンガの少なくとも一部によって前記作物を保持できる条件を満たすか否かに基づいて、前記ハンド及び前記移動部の動作を制御する、
    ことを特徴とする作物搬送装置。
  2. 前記フィンガに対し、前記第1方向への移動を阻害する方向に付勢力を付与する付勢部材を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の作物搬送装置。
  3. 前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記複数のフィンガを用いた前記作物を保持する動作を停止する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の作物搬送装置。
  4. 前記検知部は、前記フィンガが第1位置に移動したことを検知する第1センサと、前記フィンガが前記第1位置とは異なる第2位置に移動したことを検知する第2センサと、を有し、
    前記制御部は、前記第1センサ及び前記第2センサの検知結果に基づいて、前記ハンド及び前記移動部の動作を制御する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の作物搬送装置。
  5. 前記作物の位置を特定する特定部を更に備え、
    前記制御部は、前記特定部の特定結果に基づいて前記ハンド及び前記移動部の動作を制御する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の作物搬送装置。
  6. 前記特定部は、画像を撮影し、撮影した画像から前記作物の位置と形状を特定することを特徴とする請求項5に記載の作物搬送装置。
  7. 前記フィンガは、薄板状の部材であり、前記保持面と、前記保持面の裏側の面に柔軟物が設けられている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の作物搬送装置。
  8. 前記フィンガは、前記一端部に付与される力に応じて弾性変形する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の作物搬送装置。
  9. 前記ハンドと前記作物との位置関係が、前記複数のフィンガによって前記作物を保持可能な位置関係になったことを検出する位置関係検出部を更に備え、
    前記制御部は、前記位置関係検出部の検出結果に基づいて、前記ハンド及び前記移動部の動作を制御する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の作物搬送装置。
  10. 第1方向を長手方向とし、前記第1方向の一端部近傍に作物を保持する保持面が設けられた複数のフィンガと、前記複数のフィンガを離間した状態と接近した状態との間で遷移させる遷移部と、前記フィンガの前記第1方向への移動を許容する許容部と、を有するハンドと、
    前記ハンドを、前記作物を保持する位置と前記作物の搬送先との間で移動させる移動部と、を備え、
    前記フィンガの前記保持面と、前記保持面の裏側の面に柔軟物が設けられ、
    前記保持面の裏側の面に設けられた柔軟物は、前記保持面に設けられた柔軟物よりも摩擦係数が低い、ことを特徴とする作物搬送装置。
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