図面全体を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に説明される例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図していない。
概要
仮想コンテンツを装着者に提示し得る、ウェアラブルデバイスは、保健医療設定において、いくつかの用途を有することができる。そのような用途は、限定ではないが、患者医療記録のアクセス、表示、および修正および患者医療記録を認可された保健医療提供者(HCP)間で共有することを含むことができる。患者医療記録は、中央場所に記憶され、そのサービスを患者が使用し得る、種々のHCP組織(例えば、病院、診療所、医師のオフィス)によってではなく、患者によって所有されることができる。ウェアラブルデバイスは、患者の医療記録にアクセスし、認可された人員に、その一部を表示することができる。患者の医療記録は、患者が手技または治療を受ける度、中央で記憶および修正されるため、医療記録は、実質的に完全なままであることができる(患者を治療する各HCP組織が患者と関連付けられたその独自の医療記録を記憶および修正する、現在一般的である断片的シナリオと比較して)。加えて、患者の医療記録が、患者が手技または治療を受ける度、実質的にリアルタイムで記憶および更新されるため、医療記録は、実質的に不偏、正確、かつ客観的なままであることができる(各HCPが、患者を治療後、ある時点で、患者の記録を記憶および更新し、不正確な記憶に起因して、主観的情報を医療記録に含め得る、現在一般的シナリオと比較して)。
医療手技または治療の間、ウェアラブルデバイスは、執刀HCPに、患者または患者の医療記録と関連付けられた仮想コンテンツを表示することができる。HCPは、ウェアラブルデバイスを使用して、患者の医療記録を更新し、手技または治療の結果を検討することができる。HCPは、ウェアラブルデバイスを使用して、患者の医療記録の一部または全部を他の認可されたHCPと共有することができる(例えば、外科医は、患者上での手術の間、医療記録を病理医と共有することができる)。患者医療手術の間の患者に対する危険として、外科医が異物(例えば、メス等の医療器具)を患者の身体の内側に残す可能性がある。ウェアラブルデバイスの外向きに面したカメラは、手術の間に使用される医療器具を結像することができ、ウェアラブルデバイスは、医療器具の場所を追跡することができる。異物が、患者の身体の内側に残されそうになる場合、ウェアラブルシステムは、手術が完了される前に、異物が患者の身体から除去され得るように、アラートを外科医に表示することができる。
保健医療設定におけるウェアラブルシステムのこれらおよび他の有利な用途は、下記に説明されるであろう。
(3Dディスプレイの実施例)
ウェアラブルシステム(本明細書では、拡張現実(AR)システムとも称される)は、2Dまたは3D仮想画像をユーザに提示するために構成されることができる。画像は、組み合わせまたは同等物における、静止画像、ビデオのフレーム、またはビデオであってもよい。ウェアラブルシステムの少なくとも一部は、ユーザ相互作用のために、単独で、または組み合わせて、VR、AR、またはMR環境を提示し得る、ウェアラブルデバイス上に実装されることができる。ウェアラブルデバイスは、ARデバイス(ARD)と同義的に使用されることができる。さらに、本開示の目的のために、用語「AR」は、用語「MR」と同義的に使用される。
図1Aは、人物によって視認される、ある仮想現実オブジェクトおよびある物理的オブジェクトを伴う、複合現実シナリオの例証を描写する。図1Aでは、MR場面100が、描写され、MR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、およびコンクリートプラットフォーム120を特徴とする、実世界公園状設定110が見える。これらのアイテムに加え、MR技術のユーザはまた、実世界プラットフォーム120上に立っているロボット像130と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ140とが「見える」と知覚するが、これらの要素は、実世界には存在しない。
3Dディスプレイが、真の深度感覚、より具体的には、表面深度のシミュレートされた感覚を生成するために、ディスプレイの視野内の点毎に、その仮想深度に対応する遠近調節応答を生成することが望ましい。ディスプレイ点に対する遠近調節応答が、収束および立体視の両眼深度キューによって決定されるようなその点の仮想深度に対応しない場合、ヒトの眼は、遠近調節衝突を体験し、不安定な結像、有害な眼精疲労、頭痛、および遠近調節情報の不在下では、表面深度のほぼ完全な欠如をもたらし得る。
図1Bは、人物の視野(FOV)および動眼視野(FOR)を図示する。FOVは、所与の時間においてユーザによって知覚される、ユーザの環境の一部を備える。本視野は、人物が動き回る、その頭部を移動させる、またはその眼または視線を移動させるにつれて変化し得る。
FORは、ユーザによってウェアラブルシステムを介して知覚されることが可能なユーザの周囲の環境の一部を備える。故に、頭部搭載型拡張現実デバイスを装着しているユーザに関して、動眼視野は、装着者が、その身体、頭部、または眼を移動させ、空間内の実質的に任意の方向を知覚し得るため、装着者を囲繞する4πステラジアン立体角の実質的に全てを含み得る。他のコンテキストでは、ユーザの移動は、より抑制され得、故に、ユーザの動眼視野は、より小さい立体角に対し得る。図1Bは、中心および周辺領域を含む、そのような視野155を示す。中心視野は、人物に、環境ビューの中心領域内のオブジェクトの対応するビューを提供するであろう。同様に、周辺視野は、人物に、環境ビューの周辺領域内のオブジェクトの対応するビューを提供するであろう。この場合、中心と見なされる対象および周辺と見なされる対象は、人物が見ている方向、故に、その視野の関数である。視野155は、オブジェクト121、122を含んでもよい。本実施例では、中心視野145は、オブジェクト121を含む一方、他のオブジェクト122は、周辺視野内にある。
視野(FOV)155は、複数のオブジェクト(例えば、オブジェクト121、122)を含有することができる。視野155は、ARシステムのサイズまたは光学特性、例えば、それを通して光がユーザの正面の実世界からユーザの眼に通過する、頭部搭載型ディスプレイの透明ウィンドウまたはレンズのクリア開口サイズに依存し得る。いくつかの実施形態では、ユーザ210の姿勢(例えば、頭部姿勢、身体姿勢、および/または眼姿勢)が変化するにつれて、視野155も、対応して変化し得、視野155内のオブジェクトもまた、変化し得る。本明細書に説明されるように、ウェアラブルシステムは、動眼視野165内のオブジェクトおよび視野155内のオブジェクトを監視または結像する、カメラ等のセンサを含んでもよい。いくつかのそのような実施形態では、ウェアラブルシステムは、ユーザに、ユーザの視野155内で生じる、および/またはユーザの視野の外側であるが、動眼視野165内で生じる、気づかれていないオブジェクトまたはイベントをアラートしてもよい。いくつかの実施形態では、ARシステムはまた、ユーザ210が注意を向けているまたは向けていない対象を区別することができる。
FOVまたはFOR内のオブジェクトは、仮想または物理的オブジェクトであってもよい。仮想オブジェクトは、例えば、コマンドを入力するための端末、ファイルまたはディレクトリにアクセスするためのファイルマネージャ、アイコン、メニュー、オーディオまたはビデオストリーミングのためのアプリケーション、オペレーティングシステムからの通知等、例えば、オペレーティングシステムオブジェクトを含んでもよい。仮想オブジェクトはまた、例えば、アバタ、ゲーム内の仮想オブジェクト、グラフィック、または画像等、アプリケーション内のオブジェクトを含んでもよい。仮想オブジェクトは、患者のデータ(生理学的データまたは既往歴等)および手術室の温度等の環境データを含んでもよい。いくつかの仮想オブジェクトは、オペレーティングシステムオブジェクトおよびアプリケーション内のオブジェクトの両方であることができる。ウェアラブルシステムは、仮想要素を、頭部搭載型ディスプレイの透明光学を通して視認される、既存の物理的オブジェクトに追加し、それによって、ユーザが物理的オブジェクトと相互作用することを可能にすることができる。例えば、ウェアラブルシステムは、部屋内の医療モニタと関連付けられた仮想メニューを追加してもよく、仮想メニューは、ウェアラブルデバイスを使用して、ユーザに、医療結像機器または投薬制御装置をオンにする、または調節するオプションを与えてもよい。故に、ウェアラブルシステムは、ユーザの環境内のオブジェクトに加え、付加的仮想画像コンテンツを装着者に提示してもよい。
図1Bはまた、動眼視野(FOR)165を示し、これは、例えば、その頭部を旋回させる、またはその視線を再指向することによって、人物210によって知覚されることが可能な人物210の周囲の環境の一部を備える。人物210の眼の視野155の中心部分は、中心視野145と称され得る。視野155内であるが、中心視野145外の領域は、周辺視野と称され得る。図1Bでは、動眼視野165は、オブジェクトのグループ(例えば、オブジェクト121、122、127)を含有することができ、これは、ウェアラブルシステムを装着しているユーザによって知覚されることができる。
いくつかの実施形態では、オブジェクト129は、ユーザの視覚的FOR外にあり得るが、それにもかかわらず、潜在的に、ウェアラブルデバイス上のセンサ(例えば、カメラ)によって知覚され(それらの場所および視野に応じて)、オブジェクト129と関連付けられた情報は、ユーザ210のために表示される、または別様に、ウェアラブルデバイスによって使用され得る。例えば、オブジェクト129は、オブジェクト129がユーザによって視覚的に知覚可能ではないように、ユーザの環境内の壁の背後にあり得る。しかしながら、ウェアラブルデバイスは、オブジェクト129と通信し得る、センサ(無線周波数、Bluetooth(登録商標)、電波、または他のタイプのセンサ等)を含んでもよい。
(ウェアラブルシステムの実施例)
VR、AR、およびMR体験は、複数の深度平面に対応する画像が視認者に提供されるディスプレイを有する、ディスプレイシステムによって提供されることができる。画像は、深度平面毎に異なってもよく(例えば、場面またはオブジェクトの若干異なる提示を提供する)、視認者の眼によって別個に集束され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面に関する異なる画像特徴に合焦させるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または合焦からずれている異なる深度平面上の異なる画像特徴を観察することに基づいて、ユーザに深度キューを提供することに役立ち得る。本明細書のいずれかに議論されるように、そのような深度キューは、信用できる深度の知覚を提供する。
図2Aは、ウェアラブルシステム200の実施例を図示し、これは、AR/VR/MR場面を提供するように構成されることができる。ウェアラブルシステム200は、ウェアラブルデバイス(ユーザ相互作用のために、単独で、または組み合わせて、VR、AR、またはMR環境を提示することができるもの等)の一部であってもよい。ウェアラブルシステム200は、ディスプレイ220と、ディスプレイ220の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含むことができる。ディスプレイ220は、ユーザ、装着者、または視認者210によって装着可能である、フレーム230に結合されてもよい。ディスプレイ220は、ユーザ210の眼の正面に位置付けられることができる。ディスプレイ220は、AR/VR/MRコンテンツをユーザに提示するができる。ディスプレイ220は、ユーザの頭部上に装着される、頭部搭載型ディスプレイ(HUD)を備えることができる。図2Aでは、スピーカ240が、フレーム230に結合され、ユーザの外耳道に隣接して位置付けられる(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音響制御を提供する)。
図12-26を参照してさらに説明されるように、ウェアラブルシステム200は、ユーザが、仮想および物理的オブジェクトと相互作用することを可能にするように構成されることができる。実施例として、医師は、ARDを装着することができ、これは、医師が患者を検査している、または手技または手術をその上で実施している間、患者の医療記録または生理学的データ(例えば、心電図)の仮想表現等の仮想コンテンツを医師に提示することができる。仮想コンテンツは、ユーザと医師の環境内の物理的オブジェクトの相互作用に基づいて、提示されてもよい。例えば、医師が、外科手術を患者上で実施している間、ウェアラブルシステムは、医師によって使用される外科手術機器に関連する仮想情報を表示し、例えば、医師(または外科手術チーム)によって使用される外科手術器具の場所またはステータスを追跡することができる。
ウェアラブルシステム200はまた、ユーザの周囲の環境内の世界を観察する、外向きに面した結像システム464(図4に示される)を含むことができる。ウェアラブルシステム200はまた、ユーザの眼移動を追跡することができる、内向きに面した結像システム462(図4に示される)を含むことができる。内向きに面した結像システムは、一方の眼の移動または両方の眼の移動のいずれかを追跡してもよい。内向きに面した結像システムは、フレーム230に取り付けられてもよく、内向きに面した結像システムによって入手された画像情報を処理し、例えば、ユーザ210の眼の瞳孔直径および/または配向、眼の移動、または眼姿勢を決定し得る、処理モジュール260および/または270と電気通信してもよい。
実施例として、ウェアラブルシステム200は、外向きに面した結像システム464および/または内向きに面した結像システム462を使用して、ユーザの姿勢の画像を入手することができる。画像は、静止画像、動画、ビデオのフレーム、またはビデオ、その組み合わせ、または同等物であってもよい。ユーザの姿勢は、頭部姿勢、眼姿勢、手のジェスチャ、足姿勢、または他の身体姿勢を含んでもよい。1つ以上の姿勢は、患者の受診の音声記録をアクティブ化またはオフにするために使用されてもよい。例えば、医師は、ある手のジェスチャを使用して、患者の診断の口述記録を開始するかどうかを示してもよい。
ウェアラブルシステム200はまた、オーディオセンサ(例えば、マイクロホン232)を含むことができる。マイクロホン232は、図2Bをさらに参照して説明されるような環境センサであってもよい。マイクロホンは、フレーム230、ディスプレイ220(またはウェアラブルシステム200の他のコンポーネント)に(固定してまたは除去可能に)取り付けられる、ユーザ210に除去可能に、物理的オブジェクト(医療機器等)または別の人物(例えば、ユーザの患者等)に固定してまたは除去可能に取り付けられてもよい。マイクロホン232は、ウェアラブルシステム200のユーザのオーディオデータまたはユーザの環境内の音(ユーザの患者が話しているとき等)を受信するために使用されてもよい。マイクロホン232によって受信されたオーディオデータは、本明細書に説明される口述記録特徴をアクティブ化またはオフにするために使用されてもよい。例えば、ウェアラブルシステム200は、キーワードを検出することができ、これは、ウェアラブルシステム200をトリガし、マイクロホン232によって受信されたオーディオを記録することができる。いくつかの実施形態では、示されない、1つ以上の他のオーディオセンサが、ステレオ音受信を提供するために位置付けられる。ステレオ音受信は、音源の場所を決定するために使用されることができる。ウェアラブルシステム200は、音声または発話認識をオーディオストリームに実施することができる。
ディスプレイ220は、有線導線または無線接続等によって、フレーム230に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ210に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載され得る、ローカルデータ処理モジュール260に動作可能に結合されることができる(250)。
ローカル処理およびデータモジュール260は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、(例えば、フレーム230に動作可能に結合される、または別様にユーザ210に取り付けられ得る)環境センサから捕捉されるデータ(a)、および/または場合によっては処理または読出後にディスプレイ220への通過のために、遠隔処理モジュール270および/または遠隔データリポジトリ280を使用して入手および/または処理されるデータ(b)を含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール260は、これらの遠隔モジュールがローカル処理およびデータモジュール260へのリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク262および/または264によって遠隔処理モジュール270および/または遠隔データリポジトリ280に動作可能に結合されてもよい。加えて、遠隔処理モジュール280および遠隔データリポジトリ280は、相互に動作可能に結合されてもよい。
いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール270は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ280は、デジタルデータ記憶設備を備え得、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュール260において実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
遠隔データリポジトリ280は、種々のデータを記憶するように構成されることができる。例えば、遠隔データリポジトリ280は、環境のマップ(例えば、診療所または手術室のマップ等)を記憶することができる。図9および12を参照してさらに説明されるように、マップは、複数のウェアラブルシステムによって収集されたデータに基づいて、経時的に生成されてもよい。環境のマップは、1つのウェアラブルシステムから別のウェアラブルシステムにパスされてもよい。例えば、手術室のマップは、外科手術の際、外科医と看護師との間で共有されてもよい。遠隔データリポジトリ280はまた、医療記録を記憶することができる。これらの医療記録は、検査または手術を患者上で実施する特定のHCPによって所有されるのではなく、患者によって所有されてもよい。したがって、患者は、有利には、患者の医療記録内に含有される患者の取り扱いに注意を要する患者情報へのアクセスを制御することができる。病院での患者の受診の間、患者の医師は、患者を検査する際、ウェアラブルデバイスを装着してもよい。ウェアラブルデバイスは、医療記録を3Dユーザインターフェース上に提示することができる。ウェアラブルデバイスはまた、患者の医師が、既存の医療記録に追加することを可能にするように構成されることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、医師が、患者の写真を撮影する、仮想フラグを腫瘍の周囲に置く、音声制御を使用して、診断を入力すること等を可能にすることができる。追加された情報はまた、遠隔データリポジトリ280に記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、医療記録またはマップの一部は、ローカル処理およびデータモジュール260内に記憶されてもよい。
(例示的環境センサ)
ウェアラブルシステム200は、環境センサを含み、ユーザの周囲の世界のオブジェクト、刺激、人々、動物、場所、または他の側面を検出することができる。環境センサは、画像捕捉デバイス(例えば、カメラ、内向きに面した結像システム、外向きに面した結像システム等)、マイクロホン、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、コンパス、全地球測位システム(GPS)ユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、高度計、気圧計、化学センサ、湿度センサ、温度センサ、外部マイクロホン、光センサ(例えば、露出計)、タイミングデバイス(例えば、クロックまたはカレンダ)、またはそれらの任意の組み合わせまたは副次的組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、環境センサはまた、種々の生理学的センサを含んでもよい。これらのセンサは、心拍数、呼吸数、ガルバニック皮膚応答、血圧、脳波状態等のユーザの生理学的パラメータを測定または推定することができる。環境センサはさらに、レーザ、可視光、光の不可視波長、または音(例えば、聴覚的音、超音波、または他の周波数)等の信号を受信するように構成される、放射デバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の環境センサ(例えば、カメラまたは光センサ)は、環境の周囲光(例えば、輝度)を測定するように構成されてもよい(例えば、環境の照明条件を捕捉するため)。歪みゲージ、縁石検出器、または同等物等の物理的接触センサもまた、環境センサとして含まれてもよい。
図2Bは、環境センサを備えるウェアラブルシステムの種々のコンポーネントの実施例の概略図を示す。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム202は、図2に図示されるウェアラブルシステム200の一部であってもよい。ディスプレイシステム202は、いくつかの実装では、複合現実ディスプレイシステムであってもよい。システム202は、種々の環境センサ、例えば、センサ24、28、30、32、および34を含むことができる。環境センサは、ウェアラブルシステムのユーザに関するデータを検出するように構成される(ユーザセンサとも称される)、またはユーザの環境に関するデータを収集するように構成されてもよい(外部センサとも称される)。例えば、生理学的センサは、ユーザセンサの実施形態であり得る一方、気圧計は、外部センサであり得る。いくつかの状況では、センサは、ユーザセンサおよび外部センサの両方であってもよい。例えば、外向きに面した結像システムは、ユーザが反射表面(例えば、鏡等)の正面に居るとき、ユーザの環境の画像およびユーザの画像を入手してもよい。別の実施例として、マイクロホンが、マイクロホンがユーザおよび環境からの音を入手し得るため、ユーザセンサおよび外部センサの両方としての役割を果たしてもよい。図2Bに図示される実施例では、センサ24、28、30、および32は、ユーザセンサであり得る一方、センサ34は、外部センサであり得る。
図示されるように、ディスプレイシステム202は、種々のユーザセンサを含んでもよい。ディスプレイシステム202は、視認者結像システム22を含んでもよい。視認者結像システム22は、図4に説明される内向きに面した結像システム462および/または外向きに面した結像システム464の実施形態であってもよい。視認者結像システム22は、ユーザ(例えば、ユーザの眼201a、201bおよび/または周囲組織)に指向され、それを監視するように構成される、光源26(例えば、赤外線光源)とペアリングされる、カメラ24(例えば、赤外線、UV、および/または可視光カメラ)を含んでもよい。カメラ24および光源26は、ローカル処理モジュール260に動作可能に結合されてもよい。そのようなカメラ24は、個別の眼の瞳孔(瞳孔サイズを含む)または虹彩および/または眼瞼または眉毛等の眼を囲繞する組織の配向、形状、および対称性のうちの1つ以上のものを監視し、本明細書に開示される種々の分析を行うように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、眼の虹彩および/または網膜の結像は、ユーザのセキュアな識別のために使用されてもよい。図2Bを継続して参照すると、カメラ24はさらに、中心窩等の網膜特徴または眼底の特徴の場所に基づいて、診断目的および/または配向追跡等のために、個別の眼の網膜を結像するように構成されてもよい。虹彩および網膜結像または走査は、例えば、ユーザデータと特定のユーザを正しく関連付けるためのユーザのセキュアな識別のために、および/または私的情報を適切なユーザに提示するために、実施されてもよい。いくつかの実施形態では、カメラ24に加えて、またはその代替として、1つ以上のカメラ28が、ユーザのステータスの種々の他の側面を検出および/または監視するように構成されてもよい。例えば、1つ以上のカメラ28は、内向きに面し、ユーザの眼以外の特徴、例えば、1つ以上の顔特徴の形状、位置、移動、色、および/または他の性質(例えば、顔の表情、随意的移動、不随意的チック)を監視するように構成されてもよい。別の実施例では、1つ以上のカメラ28は、下向きに面し、または外向きに面し、ユーザ、ユーザのFOV内の別の人物の腕、手、脚、足、および/または胴体、FOV内のオブジェクト等の位置、移動、および/または他の特徴または性質を監視するように構成されてもよい。カメラ28は、環境を結像するために使用されてもよく、そのような画像は、ウェアラブルデバイスによって分析され、ウェアラブルデバイスがユーザに提示されている視覚的または聴覚的コンテンツが提示(またはミュートに)されるべきであるようなトリガイベントが生じているかどうかを決定することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるように、ディスプレイシステム202は、ファイバスキャナ(例えば、図4における画像投入デバイス420、422、424、426、428)を通して、光ビームをユーザの網膜を横断して可変に投影し、画像を形成する、空間光変調器を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ファイバスキャナは、カメラ24または28と併せて、またはその代わりに使用され、例えば、ユーザの眼を追跡または結像してもよい。例えば、光を出力するように構成される、走査ファイバの代替として、またはそれに加えて、健康システムは、別個の受光デバイスを有し、ユーザの眼から反射された光を受光し、その反射された光と関連付けられたデータを収集してもよい。
図2Bを継続して参照すると、カメラ24、28および光源26は、フレーム230(図2Aに示される)上に搭載されてもよく、これもまた、導波管スタック205、206を保持してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム202のセンサおよび/または他の電子デバイス(例えば、カメラ24、28および光源26)は、通信リンク262、264を通してローカル処理およびデータモジュール260と通信するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、ユーザに関するデータを提供することに加え、カメラ24および28の一方または両方は、眼を追跡し、ユーザ入力を提供するために利用されてもよい。例えば、視認者結像システム22は、本明細書に開示される種々の試験および分析におけるユーザ応答を提供するため等、仮想メニュー上のアイテムを選択し、および/または他の入力をディスプレイシステム202に提供するために利用されてもよい。
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム202は、1つ以上の加速度計、ジャイロスコープ、ジェスチャセンサ、歩行センサ、平衡センサ、および/またはIMUセンサ等の運動センサ32を含んでもよい。センサ30は、音と、検出された音の強度およびタイプ、複数の信号の存在、および/または信号場所を含む、それらの音の種々の性質とを検出するように構成される、1つ以上の内向きに指向される(ユーザに指向される)マイクロホンを含んでもよい。
センサ30は、フレーム230に接続されるように図式的に図示される。本接続は、フレーム230への物理的取付の形態をとってもよく、ユーザの耳にわたって延在する、フレーム230のつるの端部を含む、フレーム230上の任意の場所にあってもよいことを理解されたい。例えば、センサ30は、フレーム230とユーザとの間の接触点において、フレーム230のつるの端部に搭載されてもよい。いくつかの他の実施形態では、センサ30は、フレーム230から離れるように延在し、ユーザ210に接触してもよい(図2Aに示される)。さらに他の実施形態では、センサ30は、フレーム230に物理的に取り付けられなくてもよく、むしろ、センサ30は、フレーム230から離間されてもよい。
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム202はさらに、ユーザの周囲の世界のオブジェクト、刺激、人々、動物、場所、または他の側面を検出するように構成される、1つ以上の環境センサ34を含んでもよい。例えば、環境センサ34は、1つ以上のカメラ、高度計、気圧計、化学センサ、湿度センサ、温度センサ、外部マイクロホン、光センサ(例えば、露出計)、タイミングデバイス(例えば、クロックまたはカレンダ)、またはそれらの任意の組み合わせまたは副次的組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数(例えば、2つ)のマイクロホンが、離間され、音源場所決定を促進してもよい。環境感知カメラを含む、種々の実施形態では、カメラは、ユーザの通常の視野の少なくとも一部に類似する画像を捕捉するように、例えば、外向きに面するように位置してもよい。環境センサはさらに、レーザ、可視光、光の不可視波長、音(例えば、聴覚的音、超音波、または他の周波数)等の信号を受信するように構成される、放射デバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の環境センサ(例えば、カメラまたは光センサ)は、環境の周囲光(例えば、輝度)を測定するように構成されてもよい(例えば、環境の照明条件を捕捉するために)。歪みゲージ、縁石検出器、または同等物等の物理的接触センサもまた、環境センサとして含まれてもよい。
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム202はさらに、GPS場所データ、天候データ、日付および時間、または他の利用可能な環境データ等の他の環境入力を受信するように構成されてもよく、これは、インターネット、衛星通信、または他の好適な有線または無線データ通信方法から受信されてもよい。処理モジュール260は、花粉数、人口統計、空気汚染、環境毒性、スマートサーモスタットからの情報、生活習慣統計、または他のユーザ、建物、または医療従事者との近接度等、ユーザの場所を特性評価するさらなる情報にアクセスするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、場所を特性評価する情報は、クラウドベースまたは他の遠隔データベースを使用してアクセスされてもよい。処理モジュール70は、そのようなデータを取得し、および/または環境センサの任意の1つまたはその組み合わせからのデータをさらに分析するように構成されてもよい。
ディスプレイシステム202は、長期間にわたって、上記に説明されるセンサおよび/または入力のいずれかを通して取得されるデータを収集および記憶するように構成されてもよい。デバイスにおいて受信されたデータは、ローカル処理モジュール260および/または遠隔(例えば、図2Aに示されるように、遠隔処理モジュール270または遠隔データリポジトリ280)で処理および/または記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、日付および時間、GPS場所、または他のグローバルデータ等の付加的データは、直接、ローカル処理モジュール260において受信されてもよい。画像、他の視覚的コンテンツ、または聴覚的コンテンツ等のユーザにシステムによって送達されるコンテンツに関するデータも同様に、ローカル処理モジュール260において受信されてもよい。
(深度平面を伴う3Dディスプレイの実施例)
ヒト視覚系は、複雑であって、深度の現実的知覚を提供することは、困難である。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動(vergence)と遠近調節(accmmodation)の組み合わせに起因して、オブジェクトを3次元として知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の輻輳・開散運動(すなわち、瞳孔が、相互に向かって、またはそこから離れるように移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような瞳孔の回転)は、眼の水晶体の合焦(または「遠近調節」)と緊密に関連付けられる。通常条件下、焦点を1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに変化させるための眼のレンズの焦点の変化または眼の遠近調節は、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、輻輳・開散運動の整合変化を自動的に同一距離に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動の変化は、通常条件下、遠近調節の整合変化を誘起するであろう。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
図3は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。図3を参照すると、z-軸上の眼302および304からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが合焦するように、眼302および304によって遠近調節される。眼302および304は、特定の遠近調節された状態をとり、オブジェクトをz-軸に沿った異なる距離に合焦させる。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が、眼がその深度平面に対して遠近調節された状態にあるとき、合焦するように、関連付けられた焦点距離を有する、深度平面306のうちの特定の1つと関連付けられると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼302および304毎に、画像の異なる提示を提供することによって、また、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって、シミュレートされてもよい。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼302および304の視野は、例えば、z-軸に沿った距離が増加するにつれて、重複し得ることを理解されたい。加えて、例証を容易にするために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態における眼と合焦するように、物理的空間内で湾曲され得ることを理解されたい。理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。
(導波管スタックアセンブリ)
図4は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ウェアラブルシステム400は、複数の導波管432b、434b、436b、438b、440bを使用して、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ480を含む。いくつかの実施形態では、ウェアラブルシステム400は、図2のウェアラブルシステム200に対応してもよく、図4は、そのウェアラブルシステム200のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ480は、図2のディスプレイ220の中に統合されてもよい。
図4を継続して参照すると、導波管アセンブリ480はまた、複数の特徴458、456、454、452を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴458、456、454、452は、レンズであってもよい。他の実施形態では、特徴458、456、454、452は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサであってもよい(例えば、空気間隙を形成するためのクラッディング層および/または構造)。
導波管432b、434b、436b、438b、440bおよび/または複数のレンズ458、456、454、452は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス420、422、424、426、428は、それぞれ、眼410に向かって出力するために、各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成され得る、導波管440b、438b、436b、434b、432bの中に画像情報を投入するために利用されてもよい。光は、画像投入デバイス420、422、424、426、428の出力表面から出射し、導波管440b、438b、436b、434b、432bの対応する入力縁の中に投入される。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼410に向かって指向される、クローン化されたコリメートビームの場全体を出力してもよい。
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス420、422、424、426、428は、それぞれ、それぞれの対応する導波管440b、438b、436b、434b、432bの中への投入のための画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス420、422、424、426、428は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像投入デバイス420、422、424、426、428のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。
コントローラ460が、スタックされた導波管アセンブリ480および画像投入デバイス420、422、424、426、428の動作を制御する。コントローラ460は、導波管440b、438b、436b、434b、432bへの画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性コンピュータ可読媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ460は、単一一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ460は、いくつかの実施形態では、処理モジュール260および/または270(図2に図示される)の一部であってもよい。
導波管440b、438b、436b、434b、432bは、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管440b、438b、436b、434b、432bはそれぞれ、主要な上部および底部表面およびそれらの主要上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管440b、438b、436b、434b、432bはそれぞれ、光を再指向させ、各個別の導波管内で伝搬させ、導波管から画像情報を眼410に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、光抽出光学要素440a、438a、436a、434a、432aを含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、光抽出光学要素はまた、外部結合光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光再指向要素に衝打する場所において出力される。光抽出光学要素(440a、438a、436a、434a、432a)は、例えば、反射および/または回折光学特徴であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管440b、438b、436b、434b、432bの底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、光抽出光学要素440a、438a、436a、434a、432aは、上部および/または底部主要表面に配置されてもよく、および/または導波管440b、438b、436b、434b、432bの容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素440a、438a、436a、434a、432aは、透明基板に取り付けられ、導波管440b、438b、436b、434b、432bを形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管440b、438b、436b、434b、432bは、モノリシック材料部品であってもよく、光抽出光学要素440a、438a、436a、434a、432aは、その材料部品の表面上および/または内部に形成されてもよい。
図4を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管440b、438b、436b、434b、432bは、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管432bは、そのような導波管432bの中に投入されるにつれて、コリメートされた光を眼410に送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管434bは、眼410に到達し得る前に、第1のレンズ452(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。第1のレンズ452は、眼/脳が、その次の上方の導波管434bから生じる光を光学無限遠から眼410に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管436bは、眼410に到達する前に、その出力光を第1のレンズ452および第2のレンズ454の両方を通して通過させる。第1および第2のレンズ452および454の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の上方の導波管436bから生じる光が次の上方の導波管434bからの光であった光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
他の導波管層(例えば、導波管438b、440b)およびレンズ(例えば、レンズ456、458)も同様に構成され、スタック内の最高導波管440bを用いて、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ480の他側の世界470から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ458、456、454、452のスタックを補償するために、補償レンズ層430が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック458、456、454、452の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の光抽出光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(例えば、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
図4を継続して参照すると、光抽出光学要素440a、438a、436a、434a、432aは、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する、異なる構成の光抽出光学要素を有してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、光抽出光学要素440a、438a、436a、434a、432aは、具体的角度において光を出力するように構成され得る、立体または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素440a、438a、436a、434a、432aは、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。回折格子等の光抽出光学要素は、2015年6月25日に公開された米国特許公開第2015/0178939号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
いくつかの実施形態では、光抽出光学要素440a、438a、436a、434a、432aは、回折パターンまたは「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)を形成する、回折特徴である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差点を用いて眼410に向かって偏向される一方、残りが、全内部反射を介して、導波管を通して移動し続けるように、比較的に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、複数の場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼304に向かって非常に均一なパターンの出射放出となる。
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
いくつかの実施形態では、深度平面または被写界深度の数および/または分布は、視認者の眼の瞳孔サイズおよび/または配向に基づいて、動的に変動されてもよい。被写界深度は、視認者の瞳孔サイズと反比例して変化してもよい。その結果、視認者の眼の瞳孔のサイズが減少するにつれて、被写界深度は、その平面の場所が眼の焦点深度を越えるため判別不能である1つの平面が、判別可能となり、瞳孔サイズの低減および被写界深度の相当する増加に伴って、より合焦して現れ得るように増加する。同様に、異なる画像を視認者に提示するために使用される、離間される深度平面の数は、減少された瞳孔サイズに伴って減少されてもよい。例えば、視認者は、一方の深度平面から他方の深度平面への眼の遠近調節を調節せずに、第1の深度平面および第2の深度平面の両方の詳細を1つの瞳孔サイズにおいて明確に知覚することが可能ではない場合がある。しかしながら、これらの2つの深度平面は、同時に、遠近調節を変化させずに、別の瞳孔サイズにおいてユーザに合焦するには十分であり得る。
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、瞳孔サイズおよび/または配向の決定に基づいて、または特定の瞳孔サイズおよび/または配向を示す電気信号の受信に応じて、画像情報を受信する導波管の数を変動させてもよい。例えば、ユーザの眼が、2つの導波管と関連付けられた2つの深度平面間を区別不能である場合、コントローラ460は、これらの導波管のうちの1つへの画像情報の提供を停止するように構成またはプログラムされてもよい。有利には、これは、システムへの処理負担を低減させ、それによって、システムの応答性を増加させ得る。導波管のためのDOEがオンおよびオフ状態間で切替可能である実施形態では、DOEは、導波管が画像情報を受信するとき、オフ状態に切り替えられてもよい。
いくつかの実施形態では、出射ビームに視認者の眼の直径未満の直径を有するという条件を満たさせることが望ましくあり得る。しかしながら、本条件を満たすことは、視認者の瞳孔のサイズの変動性に照らして、困難であり得る。いくつかの実施形態では、本条件は、視認者の瞳孔のサイズの決定に応答して出射ビームのサイズを変動させることによって、広範囲の瞳孔サイズにわたって満たされる。例えば、瞳孔サイズが減少するにつれて、出射ビームのサイズもまた、減少し得る。いくつかの実施形態では、出射ビームサイズは、可変開口を使用して変動されてもよい。
ウェアラブルシステム400は、世界470の一部を結像する、外向きに面した結像システム464(例えば、デジタルカメラ)を含むことができる。世界470の本部分は、視野(FOV)と称され得、結像システム464は、時として、FOVカメラとも称される。視認者による視認または結像のために利用可能な領域全体は、動眼視野(FOR)と称され得る。FORは、ウェアラブルシステム400を囲繞する4πステラジアンの立体角を含んでもよい。ウェアラブルシステム400のいくつかの実装では、FORは、ユーザが、その頭部または眼を移動させ、ユーザの周囲(ユーザの背後、上方、下方、または側面)のオブジェクトを見ることができるため、ディスプレイシステム400のユーザの周囲の立体角の実質的に全てを含んでもよい。外向きに面した結像システム464から得られた画像は、ユーザによって行われるジェスチャ(例えば、手または指のジェスチャ)を追跡し、ユーザの正面における世界470内のオブジェクトを検出する等のために、使用されることができる。
ウェアラブルシステム400はまた、眼移動および顔移動等のユーザの移動を観察する、内向きに面した結像システム466(例えば、デジタルカメラ)を含むことができる。内向きに面した結像システム466は、眼410の画像を捕捉し、眼304の瞳孔のサイズおよび/または配向を決定するために使用されてもよい。内向きに面した結像システム466は、ユーザが見ている方向(例えば、眼姿勢)を決定する際に使用するため、またはユーザのバイオメトリック識別(例えば、虹彩認識または網膜走査等)のため、画像を得るために使用されることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのカメラが、眼毎に、独立して、各眼の瞳孔サイズおよび/または眼姿勢を別個に決定し、それによって、各眼への画像情報の提示がその眼に対して動的に調整されることを可能にするために利用されてもよい。いくつかの他の実施形態では、片眼410のみの瞳孔直径および/または配向(例えば、対の眼あたり単一カメラのみを使用して)が、決定され、ユーザの両眼に関して類似すると仮定される。内向きに面した結像システム466によって得られる画像は、ユーザに提示されるべきオーディオまたは視覚的コンテンツを決定するためにウェアラブルシステム400によって使用され得る、ユーザの眼姿勢および/または気分を決定するために分析されてもよい。ウェアラブルシステム400はまた、IMU、加速度計、ジャイロスコープ等のセンサを使用して、頭部姿勢(例えば、頭部位置または頭部配向)を決定してもよい。
ウェアラブルシステム400は、ユーザが、コマンドをコントローラ460に入力し、ウェアラブルシステム400と相互作用し得る、ユーザ入力デバイス466を含むことができる。例えば、ユーザ入力デバイス466は、トラックパッド、タッチスクリーン、ジョイスティック、多自由度(DOF)コントローラ、容量感知デバイス、ゲームコントローラ、キーボード、マウス、指向性パッド(Dパッド)、ワンド、触知デバイス、トーテム(例えば、仮想ユーザ入力デバイスとして機能する)等を含むことができる。ある場合には、ユーザは、指(例えば、親指)を使用して、タッチセンサ式入力デバイスを押下またはその上でスワイプし、入力をウェアラブルシステム400に提供してもよい(例えば、ユーザ入力をウェアラブルシステム400によって提供されるユーザインターフェースに提供するために)。ユーザ入力デバイス466は、ウェアラブルシステム400の使用の間、ユーザの手によって保持されてもよい。ユーザ入力デバイス466は、ウェアラブルシステム400と有線または無線通信することができる。
図5は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を示す。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ480内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ480は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光520が、導波管432bの入力縁432cにおいて導波管432bの中に投入され、TIRによって導波管432b内を伝搬する。光520がDOE432aに衝突する点において、光の一部が、出射ビーム510として導波管から出射する。出射ビーム510は、略平行として図示されるが、それらはまた、導波管432bと関連付けられた深度平面に応じて、ある角度で眼410に伝搬するように再指向されてもよい(例えば、発散出射ビーム形成)。略平行出射ビームは、眼410からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、光抽出光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の光抽出光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼410がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼410に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
図6は、導波管装置と、光を導波管装置へまたはそこから光学的に結合するための光学結合器サブシステムと、多焦点立体ディスプレイ、画像、またはライトフィールドの生成において使用される制御サブシステムとを含む、光学システムを示す、概略図である。光学システムは、導波管装置と、光を導波管装置にまたはそこから光学的に結合するための光学結合器サブシステムと、制御サブシステムとを含むことができる。光学システムは、多焦点立体、画像、またはライトフィールドを生成するために使用されることができる。光学システムは、1つ以上の一次平面導波管632a(1つのみのが図6に示される)と、一次導波管632aの少なくともいくつかのそれぞれと関連付けられた1つ以上のDOE632bとを含むことができる。平面導波管632bは、図4を参照して議論される導波管432b、434b、436b、438b、440bに類似することができる。光学システムは、分散導波管装置を採用し、光を第1の軸(図6の図では、垂直またはY-軸)に沿って中継し、第1の軸(例えば、Y-軸)に沿って光の有効射出瞳を拡張させてもよい。分散導波管装置は、例えば、分散平面導波管622bと、分散平面導波管622bと関連付けられた少なくとも1つのDOE622a(二重破線によって図示される)とを含んでもよい。分散平面導波管622bは、少なくともいくつかの点において、それと異なる配向を有する一次平面導波管632bと類似または同じであってもよい。同様に、少なくとも1つのDOE622aは、少なくともいくつかの点において、DOE632aと類似または同じであってもよい。例えば、分散平面導波管622bおよび/またはDOE622aは、それぞれ、一次平面導波管632bおよび/またはDOE632aと同一材料から成ってもよい。図6に示される光学ディスプレイシステム600の実施形態は、図2に示されるウェアラブルシステム200の中に統合されることができる。
中継され、射出瞳が拡張された光は、分散導波管装置から1つ以上の一次平面導波管632bの中に光学的に結合される。一次平面導波管632bは、好ましくは、第1の軸に直交する、第2の軸(例えば、図6の図では、水平またはX-軸)に沿って、光を中継する。着目すべきこととして、第2の軸は、第1の軸に対して非直交軸であることができる。一次平面導波管632bは、その第2の軸(例えば、X-軸)に沿って、光の有効射出瞳を拡張させる。例えば、分散平面導波管622bは、光を垂直またはY-軸に沿って中継および拡張させ、光を水平またはX-軸に沿って中継および拡張させる、一次平面導波管632bにその光を通過させることができる。
光学システムは、単一モード光ファイバ640の近位端の中に光学的に結合され得る、1つ以上の着色光源(例えば、赤色、緑色、および青色レーザ光)610を含んでもよい。光ファイバ640の遠位端は、圧電材料の中空管8を通して螺合または受容されてもよい。遠位端は、固定されない可撓性カンチレバー644として、管642から突出する。圧電管642は、4つの象限電極(図示せず)と関連付けられることができる。電極は、例えば、管642の外側、外側表面または外側周縁、または直径に鍍着されてもよい。コア電極(図示せず)もまた、管642のコア、中心、内側周縁、または内径に位置する。
例えば、ワイヤ660を介して電気的に結合される、駆動電子機器650は、対向する対の電極を駆動し、圧電管642を独立して2つの軸において屈曲させる。光ファイバ644の突出する遠位先端は、機械的共鳴モードを有する。共鳴の周波数は、光ファイバ644の直径、長さ、および材料性質に依存し得る。圧電管8をファイバカンチレバー644の第1の機械的共鳴モードの近傍で振動させることによって、ファイバカンチレバー644は、振動させられ、大偏向を通して掃引し得る。
2つの軸において共振振動を刺激することによって、ファイバカンチレバー644の先端は、2次元(2-D)走査を充填する面積内において2軸方向に走査される。光源610の強度をファイバカンチレバー644の走査と同期して変調させることによって、ファイバカンチレバー644から発せられる光は、画像を形成する。そのような設定の説明は、米国特許公開第2014/0003762号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に提供されている。
光学結合器サブシステムのコンポーネントは、走査ファイバカンチレバー644から発せられる光をコリメートする。コリメートされた光は、鏡面表面648によって、少なくとも1つの回折光学要素(DOE)622aを含有する、狭分散平面導波管622bの中に反射される。コリメートされた光は、全内部反射(TIR)によって分散平面導波管622bに沿って(図6の図に対して)垂直に伝搬し、そうすることによって、DOE622aと繰り返し交差する。DOE622aは、好ましくは、低回折効率を有する。これは、光の一部(例えば、10%)をDOE622aとの交差点の各点においてより大きい一次平面導波管632bの縁に向かって回折させ、光の一部をTIRを介して分散平面導波管622bの長さを辿ってそのオリジナル軌道上で継続させる。
DOE622aとの交差点の各点において、付加的光が、一次導波管632bの入口に向かって回折される。入射光を複数の外部結合セットに分割することによって、光の射出瞳は、分散平面導波管622b内のDOE4によって垂直に拡張される。分散平面導波管622bから外部結合された本垂直に拡張された光は、一次平面導波管632bの縁に進入する。
一次導波管632bに進入する光は、TIRを介して、一次導波管632bに沿って(図6の図に対して)水平に伝搬する。光は、複数の点においてDOE632aと交差するにつれて、TIRを介して、一次導波管632bの長さの少なくとも一部に沿って水平に伝搬する。DOE632aは、有利には、線形回折パターンおよび半径方向対称回折パターンの総和である、位相プロファイルを有し、光の偏向および集束の両方を生成するように設計または構成され得る。DOE632aは、有利には、ビームの光の一部のみが、DOE632aの各交差点において視認者の眼に向かって偏向される一方、光の残りが、TIRを介して、一次導波管632bを通して伝搬し続けるように、低回折効率(例えば、10%)を有し得る。
伝搬する光とDOE632aとの間の交差点の各点において、光の一部は、一次導波管632bの隣接面に向かって回折され、光がTIRから逃散し、一次導波管632bの面から発せられることを可能にする。いくつかの実施形態では、DOE632aの半径方向対称回折パターンは、加えて、ある焦点レベルを回折された光に付与し、個々のビームの光波面を成形(例えば、曲率を付与する)し、かつビームを設計される焦点レベルに合致する角度に操向することの両方を行う。
故に、これらの異なる経路は、異なる角度におけるDOE632aの多重度、焦点レベル、および/または射出瞳において異なる充填パターンをもたらすことによって、光を一次平面導波管632bの外部で結合させることができる。射出瞳における異なる充填パターンは、有利には、複数の深度平面を伴うライトフィールドディスプレイを生成するために使用されることができる。導波管アセンブリ内の各層またはスタック内の層のセット(例えば、3層)が、個別の色(例えば、赤色、青色、緑色)を生成するために採用されてもよい。したがって、例えば、第1の3つの隣接する層のセットが、それぞれ、赤色、青色、および緑色光を第1の焦点深度において生成するために採用されてもよい。第2の3つの隣接する層のセットが、それぞれ、赤色、青色、および緑色光を第2の焦点深度において生成するために採用されてもよい。複数のセットが、種々の焦点深度を伴うフル3Dまたは4Dカラー画像ライトフィールドを生成するために採用されてもよい。
(ウェアラブルシステムの他のコンポーネント)
多くの実装では、ウェアラブルシステムは、上記に説明されるウェアラブルシステムのコンポーネントに加えて、またはその代替として、他のコンポーネントを含んでもよい。ウェアラブルシステムは、例えば、1つ以上の触知デバイスまたはコンポーネントを含んでもよい。触知デバイスまたはコンポーネントは、触覚をユーザに提供するように動作可能であってもよい。例えば、触知デバイスまたはコンポーネントは、仮想コンテンツ(例えば、仮想オブジェクト、仮想ツール、他の仮想構造)に触れると、圧力および/またはテクスチャの触覚を提供してもよい。触覚は、仮想オブジェクトが表す物理的オブジェクトの感覚を再現してもよい、または仮想コンテンツが表す想像上のオブジェクトまたはキャラクタ(例えば、ドラゴン)の感覚を再現してもよい。いくつかの実装では、触知デバイスまたはコンポーネントは、ユーザによって装着されてもよい(例えば、ユーザウェアラブルグローブ)。いくつかの実装では、触知デバイスまたはコンポーネントは、ユーザによって保持されてもよい。
ウェアラブルシステムは、例えば、1つ以上の物理的オブジェクトを含んでもよく、これは、ユーザによって操作可能であって、ARシステムへの入力またはそれとの相互作用を可能にする。これらの物理的オブジェクトは、本明細書では、トーテムと称され得る。いくつかのトーテムは、例えば、金属またはプラスチック片、壁、テーブルの表面等、無生物オブジェクトの形態をとってもよい。ある実装では、トーテムは、実際には、任意の物理的入力構造(例えば、キー、トリガ、ジョイスティック、トラックボール、ロッカスイッチ)を有していなくてもよい。代わりに、トーテムは、単に、物理的表面を提供してもよく、ARシステムは、ユーザにトーテムの1つ以上の表面上にあるように見えるように、ユーザインターフェースをレンダリングしてもよい。例えば、ARシステムは、トーテムの1つ以上の表面上に常駐するように見えるように、コンピュータキーボードおよびトラックパッドの画像をレンダリングしてもよい。例えば、ARシステムは、トーテムとしての役割を果たす、アルミニウムの薄い長方形プレートの表面上に見えるように、仮想コンピュータキーボードおよび仮想トラックパッドをレンダリングしてもよい。長方形プレート自体は、任意の物理的キーまたはトラックパッドまたはセンサを有していない。しかしながら、ARシステムは、仮想キーボードおよび/または仮想トラックパッドを介して行われた選択または入力として、長方形プレートを用いたユーザ操作または相互作用またはタッチを検出し得る。ユーザ入力デバイス466(図4に示される)は、トラックパッド、タッチパッド、トリガ、ジョイスティック、トラックボール、ロッカスイッチ、マウス、キーボード、多自由度コントローラ、または別の物理的入力デバイスを含み得る、トーテムの実施形態であってもよい。ユーザは、単独で、または姿勢と組み合わせて、トーテムを使用し、ウェアラブルシステムおよび/または他のユーザと相互作用してもよい。
本開示のウェアラブルデバイス、HMD、ARD、およびディスプレイシステムと併用可能な触知デバイスおよびトーテムの実施例は、米国特許公開第2015/0016777号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
(例示的ウェアラブルシステム、環境、およびインターフェース)
ウェアラブルシステムは、高被写界深度をレンダリングされたライトフィールド内で達成するために、種々のマッピング関連技法を採用してもよい。仮想世界をマッピングする際、実世界内の全ての特徴および点を把握し、仮想オブジェクトを実世界に関連して正確に描くことが有利である。この目的を達成するために、ウェアラブルシステムのユーザから捕捉されたFOV画像が、実世界の種々の点および特徴についての情報を伝達する新しい写真を含むことによって、世界モデルに追加されることができる。例えば、ウェアラブルシステムは、マップ点(2D点または3D点等)のセットを収集し、新しいマップ点を見出し、世界モデルのより正確なバージョンをレンダリングすることができる。第1のユーザの世界モデルは、第2のユーザが第1のユーザを囲繞する世界を体験し得るように、(例えば、クラウドネットワーク等のネットワークを経由して)第2のユーザに通信されることができる。
図7は、MR環境700の実施例のブロック図である。MR環境700は、入力(例えば、ユーザのウェアラブルシステムからの視覚的入力702、室内カメラ等の定常入力704、種々のセンサからの感覚入力706、ユーザ入力デバイス466からのジェスチャ、トーテム、眼追跡、ユーザ入力等)を1つ以上のユーザウェアラブルシステム(例えば、ウェアラブルシステム200またはディスプレイシステム220)または定常室内システム(例えば、室内カメラ等)から受信するように構成されてもよい。ウェアラブルシステムは、種々のセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、温度センサ、移動センサ、深度センサ、GPSセンサ、内向きに面した結像システム、外向きに面した結像システム等)を使用して、ユーザの環境の場所および種々の他の属性を決定することができる。本情報はさらに、異なる視点からの画像または種々のキューを提供し得る、部屋内の定常カメラからの情報で補完されてもよい。カメラ(室内カメラまたは外向きに面した結像システムのカメラ等)によって入手された画像データは、マッピング点のセットに低減されてもよい。
1つ以上のオブジェクト認識装置708が、受信されたデータ(例えば、点の集合)を通してクローリングし、点を認識および/またはマッピングし、画像をタグ付けし、マップデータベース710を用いて、意味論情報をオブジェクトに結び付けることができる。マップデータベース710は、経時的に収集された種々の点およびその対応するオブジェクトを備えてもよい。種々のデバイスおよびマップデータベースは、ネットワーク(例えば、LAN、WAN等)を通して相互に接続され、クラウドにアクセスすることができる。
本情報およびマップデータベース内の点集合に基づいて、オブジェクト認識装置708a-708nは、環境内のオブジェクトを認識してもよい。例えば、オブジェクト認識装置は、患者、患者の身体部分(例えば、四肢、胴体、頭部、器官等)、医療機器(例えば、外科手術ツールまたは医療デバイス等)、および部屋内の他のオブジェクト(例えば、窓、壁等)または部屋内の他の人物(例えば、執刀医、看護師等)を認識することができる。1つ以上のオブジェクト認識装置が、ある特性を伴うオブジェクトのために特殊化されてもよい。例えば、オブジェクト認識装置708aは、顔を認識するために使用されてもよい一方、別のオブジェクト認識装置は、メスを認識するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、オブジェクト認識装置708が、オブジェクトを識別することが不可能である場合、オブジェクトは、未知としてマークされてもよい。
オブジェクト認識は、種々のコンピュータビジョン技法を使用して実施されてもよい。例えば、ウェアラブルシステムは、外向きに面した結像システム464(図4に示される)によって入手された画像を分析し、場面再構成、イベント検出、ビデオ追跡、オブジェクト認識、オブジェクト姿勢推定、学習、インデックス化、運動推定、または画像復元を実施することができる。1つ以上のコンピュータビジョンアルゴリズムが、これらのタスクを実施するために使用されてもよい。コンピュータビジョンアルゴリズムの非限定的実施例は、スケール不変特徴変換(SIFT)、スピードアップロバスト特徴(SURF)、配向FASTおよび回転BRIEF(ORB)、バイナリロバスト不変スケーラブルキーポイント(BRISK)、高速網膜キーポイント(FREAK)、Viola-Jonesアルゴリズム、Eigenfacesアプローチ、Lucas-Kanadeアルゴリズム、Horn-Schunkアルゴリズム、Mean-shiftアルゴリズム、視覚的同時位置推定およびマッピング(vSLAM)技法、シーケンシャルベイズ推定器(例えば、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ等)、バンドル調節、適応閾値化(および他の閾値化技法)、反復最近傍点(ICP)、セミグローバルマッチング(SGM)、セミグローバルブロックマッチング(SGBM)、特徴点ヒストグラム、種々の機械学習アルゴリズム等を含む。
オブジェクト認識は、加えて、または代替として、種々の機械学習アルゴリズム(例えば、サポートベクトルマシン、k-最近傍アルゴリズム、単純ベイズ、ニューラルネットワーク(畳み込みまたは深層ニューラルネットワークを含む)、または他の教師あり/教師なしモデル等)等によって実施されることができる。いったん訓練されると、機械学習モデルは、ウェアラブルデバイスによって記憶されることができる。機械学習アルゴリズムのいくつかの実施例は、教師ありまたは教師なし機械学習アルゴリズムを含むことができ、回帰アルゴリズム(例えば、通常の最小2乗回帰等)、インスタンスベースのアルゴリズム(例えば、学習ベクトル量子化等)、決定ツリーアルゴリズム(例えば、分類および回帰ツリー等)、ベイズアルゴリズム(例えば、単純ベイズ等)、クラスタリングアルゴリズム(例えば、k-平均クラスタリング等)、関連付けルール学習アルゴリズム(例えば、アプリオリアルゴリズム等)、人工ニューラルネットワークアルゴリズム(例えば、Perceptron等)、深層学習アルゴリズム(例えば、Deep Boltzmann Machineまたは深層ニューラルネットワーク等)、次元低減アルゴリズム(例えば、主成分分析等)、アンサンブルアルゴリズム(例えば、Stacked Gneralization等)、および/または他の機械学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、個々のモデルは、個々のデータセットのためにカスタマイズされることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、基本モデルを生成または記憶することができる。基本モデルは、開始点として使用され、データタイプ(例えば、テレプレゼンスセッション内の特定のユーザ)、データセット(例えば、テレプレゼンスセッション内のユーザの取得される付加的画像のセット)、条件付き状況、または他の変数に特有の付加的モデルを生成してもよい。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、複数の技法を利用して、集約されたデータの分析のためのモデルを生成するように構成されることができる。他の技法は、事前に定義された閾値またはデータ値の使用を含んでもよい。
1つ以上のオブジェクト認識装置708はまた、種々のテキスト認識アルゴリズムを実装し、テキストを画像から識別および抽出することができる。いくつかの例示的テキスト認識アルゴリズムは、光学キャラクタ認識(OCR)アルゴリズム、深層学習アルゴリズム(深層ニューラルネットワーク等)、パターンマッチングアルゴリズム、事前処理のためのアルゴリズム等を含む。
ウェアラブルシステムはまた、認識されたオブジェクトを意味論情報で補完し、生命をオブジェクトに与えることができる。例えば、オブジェクト認識装置が、点のセットがドアであることを認識する場合、システムは、いくつかの意味論情報を結び付けてもよい(例えば、ドアは、ヒンジを有し、ヒンジを中心として90度移動を有する)。オブジェクト認識装置が、点のセットが鏡であることを認識する場合、システムは、鏡が、部屋内のオブジェクトの画像を反射させ得る、反射表面を有するという意味論情報を結び付けてもよい。別の実施例として、オブジェクト認識装置は、例えば、認識されたメスとあるタイプの外科手術において使用される医療器具のデータベースを比較することによって、そのタイプの外科手術を実施するための外科手術ツールのセットに属するものとして、メスを認識してもよい。医療器具データベースは、外科医のウェアラブルデバイス内のデータリポジトリ260にローカルでまたは遠隔データリポジトリ264内(例えば、図12を参照して説明されるデータ記憶装置1238等のクラウド内)に記憶されてもよい。
経時的に、マップデータベースは、システム(ローカルに常駐し得る、または無線ネットワークを通してアクセス可能であり得る)がより多くのデータを世界から蓄積するにつれて成長する。いったんオブジェクトが認識されると、情報は、1つ以上のウェアラブルシステムに伝送されてもよい。例えば、MR環境700は、Californiaで起こっている場面についての情報を含んでもよい。環境700は、New Yorkにおける1人以上のユーザに伝送されてもよい。FOVカメラおよび他の入力から受信されたデータに基づいて、オブジェクト認識装置および他のソフトウェアコンポーネントは、場面が世界の異なる部分に存在し得る第2のユーザに正確に「パス」され得るように、種々の画像から収集された点をマッピングし、オブジェクトを認識すること等ができる。環境700はまた、位置特定目的のために、トポロジマップを使用してもよい。別の実施例として、MR環境700は、外科医が外科手術を患者上で実施する、手術室であってもよい。MR環境700は、同一手術室内または手術室の外側の人物と共有されてもよい。例えば、外科医は、そのARDのそのFOV内の画像を教室内の医学生と共有してもよい。別の実施例として、MR環境700は、病理学研究室内の医師が、仮想フラグを外科医によって患者の身体内において見出される腫瘍の周囲に設置し得るように、病理学研究室と共有されてもよい。
図8は、認識されたオブジェクトに関連して仮想コンテンツをレンダリングする方法800の実施例のプロセスフロー図である。方法800は、仮想場面がMRシステム(例えば、ウェアラブルシステム)のユーザに表され得る方法を説明する。ユーザは、その場面から地理的に遠隔に存在してもよい。例えば、ユーザは、New Yorkに存在し得るが、Californiaで現在起こっている場面を視認することを所望し得る、またはCaliforniaに居住する友人と散歩に行くことを所望し得る。
ブロック810では、ウェアラブルシステムは、ユーザの環境に関する入力をユーザおよび他のユーザから受信してもよい。これは、種々の入力デバイスおよびマップデータベース内にすでに保有されている知識を通して達成されてもよい。ユーザのFOVカメラ、センサ、GPS、眼追跡等が、ブロック810において、情報をシステムに伝達する。システムは、ブロック820において、本情報に基づいて、疎点を決定してもよい。疎点は、ユーザの周囲における種々のオブジェクトの配向および位置を表示および理解する際に使用され得る、姿勢データ(例えば、頭部姿勢、眼姿勢、身体姿勢、および/または手のジェスチャ)を決定する際に使用されてもよい。オブジェクト認識装置708a、708nは、ブロック830において、これらの収集された点を通してクローリングし、マップデータベースを使用して、1つ以上のオブジェクトを認識してもよい。本情報は、次いで、ブロック840において、ユーザの個々のウェアラブルシステムに伝達されてもよく、所望の仮想場面が、ブロック850において、適宜、ユーザに表示されてもよい。例えば、所望の仮想場面(例えば、CAにおけるユーザ)が、New Yorkにおけるユーザの種々のオブジェクトおよび他の周囲に関連して、適切な配向、位置等において表示されてもよい。
図9は、ウェアラブルシステムの別の実施例のブロック図である。本実施例では、ウェアラブルシステム900は、マップ920を備え、これは、世界に関するマップデータ(マップデータベース710の一部であってもよい)を含んでもよい。マップは、部分的に、ウェアラブルシステム上にローカルに常駐してもよく、部分的に、有線または無線ネットワークによってアクセス可能なネットワーク化された記憶場所(例えば、クラウドシステム内)に常駐してもよい。姿勢プロセス910が、ウェアラブルコンピューティングアーキテクチャ(例えば、処理モジュール260またはコントローラ460)上で実行され、ウェアラブルコンピューティングハードウェアまたはユーザの位置および配向を決定するために、マップからのデータを利用してもよい。姿勢データは、ユーザが、システムを体験し、その世界内で動作するにつれて、オンザフライで収集されたデータから算出されてもよい。データは、実または仮想環境内のオブジェクトに関する画像、センサ(概して、加速度計およびジャイロスコープコンポーネントを備える、慣性測定デバイス等)からのデータ、および表面情報を備えてもよい。
疎点表現は、同時位置特定およびマッピング(例えば、入力が画像/視覚のみである構成を指す、SLAMまたはV-SLAM)プロセスの出力であってもよい。システムは、世界内の種々のコンポーネントの場所だけではなく、世界が構成される内容も見出すように構成されることができる。姿勢は、マップへの取込およびマップからのデータの使用を含む、多くの目標を達成する、構築ブロックであり得る。
一実施形態では、疎点位置は、それ自体では完全に適正であり得ず、さらなる情報が、多焦点AR、VR、またはMR体験を生成するために必要とされ得る。概して、深度マップ情報を指す、稠密表現が、少なくとも部分的に、本間隙を充填するために利用されてもよい。そのような情報は、立体視940と称されるプロセスから算出されてもよく、深度情報は、三角測量または飛行時間感知等の技法を使用して決定される。画像情報およびアクティブパターン(アクティブプロジェクタを使用して生成される赤外線パターン等)が、立体視プロセス940への入力としての役割を果たし得る。有意な量の深度マップ情報が、ともに融合されてもよく、このうちのいくつかは、表面表現を用いて要約されてもよい。例えば、数学的に定義可能な表面は、ゲームエンジンまたは医療デバイス(例えば、医療結像デバイス等)のような他の処理デバイスへの効率的(例えば、大規模点群に対して)かつ要約しやすい入力である。したがって、立体視プロセス(例えば、深度マップ)940の出力は、融合プロセス930において組み合わせられてもよい。姿勢は、同様に、本融合プロセス930への入力であってもよく、融合930の出力は、マップ取込プロセス920への入力となる。サブ表面が、トポグラフィマッピング等において、相互に接続し、より大きい表面を形成し得、マップは、点および表面の大規模ハイブリッドとなる。
複合現実プロセス960における種々の側面を解決するために、種々の入力が、利用されてもよい。例えば、図9に描写される実施形態では、医療デバイスの場所およびタイプが、追跡され、入力として使用され、看護師が医師に正しい医療デバイスを手渡したかどうかを決定し得る。別の実施例として、MR現実プロセス960は、医師が、患者を検査またはその上で手術を行っている間、ウェアラブルシステムが、患者の医療記録(既往歴、アレルギー、治療推奨、画像(例えば、X線、ECG、MRI等)、オーディオ(例えば、医療検査等から)等)を提示することを可能にしてもよい。医療記録は、ローカルでまたは遠隔で記憶され、装着者への表示のためにアクセスされてもよい。世界マップは、物理的および仮想オブジェクトが相互に相対的である場所に関する情報を含んでもよい。本相対的場所情報は、複合現実への別の有用な入力となり得る。世界に対する姿勢は、同様に、入力となり、ほぼあらゆる双方向システムに対して重要な役割を果たす。
ユーザからの制御または入力は、ウェアラブルシステム900への別の入力である。本明細書に説明されるように、ユーザ入力は、視覚的入力、ジェスチャ、トーテム、オーディオ入力、感覚入力、頭部または眼姿勢等を含むことができる。動き回るまたはゲームをプレーするために、例えば、ユーザは、ウェアラブルシステム900に、行うことを所望する対象に関して命令する必要があり得る。空間内で自ら移動するだけではなく、利用され得る種々の形態のユーザ制御が、存在する。一実施形態では、トーテム、ユーザ入力デバイス、または玩具銃等のオブジェクトが、ユーザによって保持され、システムによって追跡されてもよい。システムは、好ましくは、ユーザがアイテムを保持していることを把握し、ユーザがアイテムと行っている相互作用の種類を理解するように構成されるであろう(例えば、トーテムまたはオブジェクトが、銃である場合、システムは、場所および配向だけではなく、ユーザが、そのようなアクティビティがカメラのいずれかの視野内にないときでも、生じている状況を決定することを補助し得る、IMU等のセンサを装備し得る、トリガまたは他の感知ボタンまたは要素をクリックしているかどうかも理解するように構成されてもよい。)
手のジェスチャ追跡または認識もまた、入力情報を提供してもよい。ウェアラブルシステム900は、ボタン押下のため、左または右、停止、握持、保持等をジェスチャするために、手のジェスチャを追跡および解釈するように構成されてもよい。例えば、1つの構成では、ユーザは、非ゲーム環境において電子メールまたはカレンダを通して捲る、または別の人物またはプレーヤと「フィストバンプ」を行うことを所望し得る。ウェアラブルシステム900は、動的である場合とそうではない場合がある、最小量の手のジェスチャを活用するように構成されてもよい。例えば、ジェスチャは、停止を示すために手を広げる、OKを示すために親指を上げる、OKではないことを示すために親指を下げる、または指向性コマンドを示すために左右または上下に手をフリップする等、単純な静的ジェスチャであってもよい。
眼追跡は、別の入力である(例えば、ユーザが見ている場所を追跡し、ディスプレイ技術を制御し、具体的深度または範囲においてレンダリングする)。一実施形態では、眼の輻輳・開散運動が、三角測量を使用して決定されてもよく、次いで、その特定の人物のために開発された輻輳・開散運動/遠近調節モデルを使用して、遠近調節が、決定されてもよい。頭部追跡は、別の入力となることができる(例えば、ユーザの頭部の方向を追跡し、ユーザが見ている仮想または物理的オブジェクトを決定する)。
カメラシステムに関して、図9に示される例示的ウェアラブルシステム900は、3つの対のカメラ、すなわち、ユーザの顔の側面に配列される、相対的広FOVまたは受動SLAM対のカメラと、立体視結像プロセス940をハンドリングし、また、ユーザの顔の正面の手のジェスチャおよびトーテム/オブジェクト追跡950を捕捉するようにユーザの正面に配向される、異なる対のカメラとを含むことができる。3つの対のカメラ内のカメラは、外向きに面した結像システム464(図4に示される)の一部であってもよい。ウェアラブルシステム900は、眼ベクトルおよび他の情報を三角測量するために、ユーザの眼に向かって配向される、眼追跡カメラ(図4に示される内向きに面した結像システム462の一部であってもよい)を含むことができる。ウェアラブルシステム900はまた、1つ以上のテクスチャ化光プロジェクタ(赤外線(IR)プロジェクタ等)を備え、テクスチャを場面の中に投入してもよい。
図10は、ウェアラブルシステムへのユーザ入力を決定するための方法1000の実施例のプロセスフロー図である。本実施例では、ユーザは、トーテムと相互作用してもよい。ユーザは、複数のトーテムを有してもよい。例えば、ユーザは、1つのトーテムをソーシャルメディアアプリケーション用、別のトーテムをゲームをプレーするため用等と指定していてもよい。ブロック1010では、ウェアラブルシステムは、トーテムの運動を検出してもよい。トーテムの移動は、ユーザのFOVカメラを通して認識されてもよい、またはセンサ(例えば、触知グローブ、画像センサ、手追跡デバイス、眼追跡カメラ、頭部姿勢センサ等)を通して検出されてもよい。
少なくとも部分的に、検出されたジェスチャ、眼姿勢、頭部姿勢、またはトーテムを通した入力に基づいて、ウェアラブルシステムは、ブロック1020において、基準フレームに対するトーテム(またはユーザの眼または頭部またはジェスチャ)の位置、配向、および/または移動を検出する。基準フレームは、マップ点のセットであってもよく、それに基づいて、ウェアラブルシステムは、トーテム(またはユーザ)の移動をアクションまたはコマンドに変換する。ブロック1030では、ユーザとトーテムの相互作用は、マッピングされる。基準フレーム1020に対するユーザの相互作用のマッピングに基づいて、システムは、ブロック1040において、ユーザ入力を決定する。
例えば、ユーザは、トーテムまたは物理的オブジェクトを往復して移動させ、仮想ページを捲り、次のページに進む、または1つのユーザインターフェース(UI)ディスプレイ画面から別のUI画面に移動させることを示してもよい。別の実施例として、ユーザは、その頭部または眼を移動させ、ユーザのFOR内の異なる実または仮想オブジェクトを見てもよい。特定の実または仮想オブジェクトにおけるユーザの注視が、閾値時間より長い場合、実または仮想オブジェクトは、ユーザ入力として選択されてもよい。いくつかの実装では、ユーザの眼の輻輳・開散運動が、追跡されることができ、遠近調節/輻輳・開散運動モデルが、ユーザの眼の遠近調節状態を決定するために使用されることができ、これは、ユーザが合焦している深度平面に関する情報を提供する。いくつかの実装では、ウェアラブルシステムは、レイキャスティング技法を使用して、ユーザの頭部姿勢または眼姿勢の方向に沿った実または仮想オブジェクトを決定することができる。種々の実装では、レイキャスティング技法は、実質的に殆ど横方向幅を伴わない細い光束を投光するステップまたは実質的横方向幅(例えば、円錐または錐台)を伴う光線を投光するステップを含むことができる。
ユーザインターフェースは、本明細書に説明されるようなディスプレイシステム(図2におけるディスプレイ220等)によって投影されてもよい。また、1つ以上のプロジェクタ等の種々の他の技法を使用して表示されてもよい。プロジェクタは、画像をキャンバスまたは地球儀等の物理的オブジェクト上に投影してもよい。ユーザインターフェースとの相互作用は、システムまたはシステムの一部の外部に1つ以上のカメラを使用して(例えば、内向きに面した結像システム462または外向きに面した結像システム464等を使用して)追跡されてもよい。
図11は、仮想ユーザインターフェースと相互作用するための方法1100の実施例のプロセスフロー図である。方法1100は、本明細書に説明されるウェアラブルシステムによって実施されてもよい。
ブロック1110では、ウェアラブルシステムは、特定のUIを識別してもよい。UIのタイプは、ユーザによって事前に決定されてもよい。ウェアラブルシステムは、ユーザ入力(例えば、ジェスチャ、視覚的データ、オーディオデータ、感覚データ、直接コマンド等)に基づいて、特定のUIが取り込まれる必要があることを識別してもよい。ブロック1120では、ウェアラブルシステムは、仮想UIのためのデータを生成してもよい。例えば、UIの境、一般的構造、形状等と関連付けられたデータが、生成されてもよい。加えて、ウェアラブルシステムは、ウェアラブルシステムがユーザの物理的場所に関連してUIを表示し得るように、ユーザの物理的場所のマップ座標を決定してもよい。例えば、UIが、身体中心である場合、ウェアラブルシステムは、リングUIがユーザの周囲に表示され得る、または平面UIが壁上またはユーザの正面に表示され得るように、ユーザの物理的体勢、頭部姿勢、または眼姿勢の座標を決定してもよい。UIが、手中心である場合、ユーザの手のマップ座標が、決定されてもよい。これらのマップ点は、FOVカメラ、感覚入力を通して受信されたデータ、または任意の他のタイプの収集されたデータを通して、導出されてもよい。
ブロック1130では、ウェアラブルシステムは、データをディスプレイにクラウドから送信してもよい、またはデータは、ローカルデータベースからディスプレイコンポーネントに送信されてもよい。ブロック1140では、UIは、送信されたデータに基づいて、ユーザに表示される。例えば、ライトフィールドディスプレイは、仮想UIをユーザの眼の一方または両方の中に投影することができる。いったん仮想UIが、作成されると、ウェアラブルシステムは、ブロック1150において、単に、さらなる仮想コンテンツを仮想UI上に生成するユーザからのコマンドを待機してもよい。例えば、UIは、ユーザの身体の周囲の身体中心リングであってもよい。ウェアラブルシステムは、次いで、コマンド(ジェスチャ、頭部または眼移動、ユーザ入力デバイスからの入力等)を待機してもよく、それが認識される場合(ブロック1160)、コマンドと関連付けられた仮想コンテンツが、ユーザに表示されてもよい(ブロック1170)。
ARシステム、UI、およびユーザ体験(UX)の付加的実施例は、米国特許公開第2015/0016777号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
(頭部搭載型デバイスの例示的医療用途)
本明細書に説明されるウェアラブルデバイスは、種々の医療用途を実施するように構成されることができる。図2Aを参照して説明されるように、ウェアラブルデバイスは、AR/MR/VRコンテンツをHMDの装着者に提示するように構成される、HMDを含んでもよい。ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスのユーザに基づいてカスタマイズされた医療関連用途を提供することができる。例えば、ウェアラブルデバイスのユーザは、患者であってもよく、ウェアラブルデバイスは、患者または認可されたHCPによって使用されるための医療記録管理システムを提供することができる。
図12は、複数のウェアラブルデバイスおよび医療記録管理システムが、保健医療設定において相互に相互作用し、医療記録管理を提供し得る、例示的コンピューティング環境を図示する。ウェアラブルシステムは、データセキュリティ管理システム1212と、記録更新システム1214とを含む、医療記録管理システムを含むことができる(図12に示される)。図12、14A、および14Bを参照してさらに説明されるように、医療記録管理システムは、ユーザ(例えば、認可されたHCP)が、例えば、その医療記録を追加/編集する、その既往歴およびその家族の既往歴を入力する、その医療記録と関連付けられたアクセス権限(許可とも称される)を設定すること等、その医療記録を管理することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、医療記録は、仮想医療記録とも称される。
医療記録管理システムはまた、患者が、その医療記録を閲覧することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、医療記録管理システムは、患者が、例えば、その既往歴およびその家族既往歴を追加/編集する、その医療記録と関連付けられたアクセス権限を設定すること等、その医療記録のいくつかの部分を管理することを可能にし得る。医療記録管理システムはまた、医療記録の完全性および正確度を保つために、患者が、例えば、医師のメモ、医師の診断、試験結果等を追加/編集すること等、その医療記録のいくつかの部分を管理することを禁止することができる。故に、いくつかの実施形態では、システムは、異なるアクセス権限と医療記録の異なる部分を関連付ける。例えば、アクセス権限は、医療記録のいくつかの部分への読取専用アクセスと、他の部分への編集アクセスとを含んでもよい。異なるユーザは、医療記録の同一部分への異なるアクセス権限を有してもよい。例えば、上記に説明されるように、患者は、その医療または家族履歴に関しては編集権限を有し得るが、診断、試験結果等に関しては読取専用権限を有する一方、HCPは、患者の家族履歴に関しては読取専用権限を有し得るが、HCP自身のメモまたは診断に関しては編集権限を有する(但し、別のHCPのメモまたは診断に関しては編集権限を有していない)。
ウェアラブルデバイスのユーザは、例えば、患者の医療記録にアクセスする、または治療または診断を患者に提供する、保健医療提供者(HCP)であってもよい。HCPは、種々のエンティティを含むことができる。例えば、HCPは、医師または医師と連携する他の認可された当事者であってもよい。用語「医師」は、医学博士(MD)、整骨治療学における博士(DO)、医療資格者(PA)、看護師、検眼医(OD)、足病医(DPM)、歯科医(DDSまたはDDM)、獣医(DVM)、上級実践看護師(APRN)、臨床薬剤師、開業医または診療看護師、医療心理医、または薬を処方する、医療手技を実施する、病状を診断する、医療記録を分析する等のために認可またはライセンス付与された任意の他の人物を含むことができる。HCPは、患者の保健医療記録内の情報にアクセスする、それを精査する、またはそれを打ち込む、医療受付係またはアシスタントを含むことができる。加えて、または代替として、コンテキストに応じて、HCPは、例えば、医療診療所、病院、保険提供者、薬局、または医療関連サービスを提供する他のエンティティ等、ヒトHCPと関連付けられたエンティティまたは組織を指し得る。
ウェアラブルデバイスのユーザが、HCPである場合、ウェアラブルデバイスは、保健医療提供者システム1230(図12に示される)を含み、ユーザが、患者の医療記録にアクセスし、医療記録を使用して、医療検査または手術を実施する、患者との相互作用に基づいて、患者の医療記録を更新する、HCPが正しい処置を提供している(例えば、外科手術の間、正しい四肢上で手術を行っている等)かどうかを決定すること等を可能にすることができる。ウェアラブルデバイスは、例えば、あるタイプの外科手術において使用されるべき外科手術ツール等の他の医療情報を、単独で、または患者の医療記録と組み合わせて、使用して、処置の品質を向上させ、医療事故の尤度を低減させることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域の中に進入した外科手術ツールを追跡し、正しい外科手術ツールが使用されている、または異物(例えば、外科手術ツール等の医療器具)が偶発的に患者の身体の内側に残されていないことを確実にすることができる。
その個別のウェアラブルデバイスのユーザは、ウェアラブルデバイスを使用して、医療記録を共有し、協働することができる。例えば、その医療記録の異なる部分へのアクセス権限に基づいて、患者は、そのウェアラブルデバイスを使用して、保健医療データベース内のその医療記録のいくつかの部分を編集し得る一方、その医療記録の他の部分を読み取ることが可能である(但し、編集することは不可能である)。患者が、診療所を受診するとき、診療所における医師のウェアラブルデバイスは、患者の疾患履歴を読み出し、疾患履歴の関連部分を2Dまたは3Dユーザインターフェース内に提示し、医師の診断、分析、および患者との相互作用を促進することができる。医師のウェアラブルデバイスはまた、医師と患者の相互作用を記録し(視覚的または聴覚的に)、患者の関連情報を抽出し、関連情報に基づいて、患者の医療記録を更新することができる。別の実施例として、外科医のウェアラブルデバイスは、外科医が外科手術を患者上で実施している間、静止またはビデオ画像、オーディオ、または手術室および患者上の外科手術部位内の医療デバイスからの入力を捕捉することができる。外科医のウェアラブルデバイスは、手術室および患者の情報をある医学生のグループのウェアラブルデバイスにパスすることができ、これは、外科手術が生じている間またはそれが終わった後、医学生が、外科手術を観察することを可能にする。
(医療環境におけるウェアラブルデバイスのユーザ間の相互作用のための例示的コンピューティング環境)
図12は、複数のウェアラブルデバイスが保健医療設定において相互に相互作用し得る、例示的コンピューティング環境1200を図示する。図12における例示的コンピューティング環境1200は、保健医療提供者システム(例えば、保健医療提供者システムA1230a-保健医療提供者システムN1230n)と、患者システム(例えば、患者システムA1210a-患者システムN1210n)と、保健医療データベースシステム1220とを含む。HCPシステム、患者システム、および保健医療データベースシステム1220は、ネットワーク1290を使用して、相互に通信することができる。ネットワーク1290は、LAN、WAN、ピアツーピアネットワーク、無線周波数、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、クラウドベースのネットワーク、または任意の他のタイプの通信ネットワークであってもよい。ある実装では、コンピューティング環境1200は、ウェアラブルデバイスのユーザのために、中央保健医療データベースを提供することができる。コンピューティング環境1200は、ウェアラブルデバイスのユーザが、データを中央保健医療データベース内に入力し、それを編集し、編成し、かつそれにアクセスすることを可能にすることができる。
議論を簡略化するために、本開示を限定するわけではないが、図12は、1つのHCPシステムおよび1つの患者システムのみを詳細に図示する。他のHCPシステムも、HCPシステムA1230aと類似の機能性を含んでもよい。他の患者システムもまた、患者システムA1210aと類似の機能性を含んでもよい。
(保健医療提供者システムの実施例)
HCPシステム1230aの少なくとも一部は、ウェアラブルデバイスの一部であってもよい。HCP1230aは、1つ以上のオブジェクト認識装置708と、環境センサ1232と、データ管理システム1234と、データ処理システム1236と、データ記憶装置1238とを含む。HCPシステム1210aは、説明されるものより少ないまたはより多いシステムおよびコンポーネントを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、HCPシステム1230aは、データ処理システム1236を有していなくてもよい。むしろ、データ処理システム1236は、保健医療データベースシステム1220の一部であってもよい。他の実施形態では、HCPシステム1230aは、患者の健康医療を促進する、より多いシステムまたは機能性を含んでもよい。HCPシステムA1230aの1つ以上のシステムは、組み合わせられる、または別のシステムの一部であってもよい。例えば、オブジェクト認識装置708は、データ処理システム1236の一部であってもよい。
(オブジェクト認識装置)
オブジェクト認識装置708は、ユーザの環境内のオブジェクトを認識するために使用されることができる。図7を参照して説明されるように、オブジェクト認識装置708は、コンピュータビジョンアルゴリズム(機械学習アルゴリズムに加え、またはその代替として)を適用し、ユーザの環境内の医療機器、ドキュメント、顔等を識別することができる。ウェアラブルデバイスはまた、意味論情報をオブジェクトに結び付けてもよい。図25を参照してさらに説明されるように、ウェアラブルデバイスは、オブジェクト認識装置を使用して、ウェアラブルデバイスまたはウェアラブルデバイスのユーザのFOV内の外科手術器具または医療デバイスを検出または追跡することができる。加えて、ウェアラブルデバイスは、医療デバイス(例えば、超音波プローブ)を識別し、有線または無線ネットワークを介して、デバイスに接続することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、その近傍内のネットワーク対応医療デバイスによってブロードキャストされるメッセージを走査し、そのようなデバイスに無線で接続することができる。ウェアラブルデバイスは、データを医療デバイスから受信し、受信されたデータに関連する情報(例えば、結像デバイスからの画像、プローブ(例えば、温度計)からのセンサデータ等)をデバイスの装着者に提示することができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、装着者(例えば、外科医)が、医療デバイスにアクセスする、またはそれを制御することを可能にする、ユーザインターフェース(UI)を提供してもよい。加えて、または代替として、ウェアラブルデバイスは、短距離(例えば、約10cm)にわたって、NFC対応医療デバイスと通信し、情報を交換する、相互を識別する、より高い帯域幅を伴って無線接続にブートストラップ等するように構成される、近距離通信(NFC)インターフェースを含んでもよい。NFCインターフェースおよびNFC対応医療デバイスは、受動または能動モードで動作してもよい。
外科手術器具は、意味論情報と関連付けられてもよい。例えば、意味論情報は、外科手術器具が切断のために使用される器具セットの一部であることのインジケーションを含んでもよい。意味論情報はまた、例えば、血液が飛沫しないように止める、開放創傷を縫合する等、外科手術器具の機能を含むことができる。
(環境センサ)
環境センサ1232は、図2A、2B、および4を参照して説明される、種々のセンサを含むことができる。例えば、環境センサ1232は、図2Bに説明される、ユーザセンサ24、28、30、32、外部センサ34、図2Aにおける、マイクロホン232、図4における、外向きに面した結像システム464内のセンサおよび内向きに面した結像システム462内のセンサ等を含んでもよい。環境センサ1232は、ユーザの環境のデータおよびユーザのデータを入手するように構成されることができる。例えば、マイクロホン232は、HCPまたは患者によって発話された語句と関連付けられたオーディオデータを入手することができる。別の実施例として、外向きに面した結像システム464は、患者またはユーザの環境を結像することができる。1つ以上の環境センサ1232によって入手されたデータは、ユーザの環境内の物理的オブジェクトを識別するためのオブジェクト認識装置708または関連医療情報を抽出するためのデータ処理システム1236等、別のシステム(またはセンサ)に通信されることができる。
(データ処理システム)
HCPシステムA1230aはまた、データ処理システム1236を含むことができる。データ処理システム1236は、関連情報を環境センサ1232によって入手されたデータ、患者システム1210から受信されたデータ、または保健医療データベースシステム1220またはデータ記憶装置1238からアクセスされるデータから抽出するように構成されることができる。データ処理システム1236は、オーディオデータ(例えば、マイクロホン232から入手された)を処理することができる。例えば、データ処理システム1236は、オーディオデータを解析し、例えば、隠れマルコフモデル、動的時間伸縮法(DTW)ベースの発話認識、ニューラルネットワーク、ディープフィードフォワードおよび再帰ニューラルネットワーク等の深層学習アルゴリズム、エンドツーエンド自動発話認識、機械学習アルゴリズム(図7を参照して説明される)、または音響モデル化または言語モデル化等を使用する、他のアルゴリズム等、種々の発話認識アルゴリズムを適用することによって、発話の内容を識別することができる。データ処理システム1236はまた、音声認識アルゴリズムを適用することができ、これは、話者がある患者または患者の医師であるかどうか等、話者の識別を識別することができる。データ処理システム1236は、図7を参照して説明される、種々の機械学習アルゴリズムを使用して、音声認識を実施することができる。
データ処理システム1236はまた、画像を処理するように構成されることができる。例えば、データ処理システム1236は、オブジェクト認識装置708を参照して説明される、1つ以上のコンピュータビジョンアルゴリズムを適用し、画像内のオブジェクトまたは人物を識別することができる。いくつかの実施形態では、オブジェクト認識装置708は、データ処理システム1236の一部であってもよい。
データ処理システム1236はまた、テキスト認識を実施することができる。例えば、画像は、患者の既往歴の走査コピーを含んでもよい。データ処理システム1236は、例えば、文字認識アルゴリズム、深層学習アルゴリズム(深層ニューラルネットワーク等)、パターンマッチングアルゴリズム、事前処理のためのアルゴリズム等、1つ以上のテキスト認識アルゴリズムを使用して、画像内のテキストを抽出することができる。
いくつかの実施形態では、データ処理システム1236は、関連情報を環境センサによって入手されたデータから抽出することができる。例えば、データ処理システム1236によって入手された画像は、看護師の顔および患者の顔を含んでもよい。データ処理システム1236は、顔認識技法を使用して、画像内の顔を検出することができる。データ処理システム1236はさらに、例えば、患者の以前の画像に基づいて、患者の顔を識別することができる。別の実施例として、データ処理システム1236は、機械学習アルゴリズムを使用して、ユーザによって発話されたキーワードを検出し、キーワードを含む文を識別することができる。
ウェアラブルデバイスによって取得または処理されたオーディオ、視覚的、抽出されたテキスト、または他の情報の一部または全部は、患者の医療記録内に記憶されることができる。例えば、医師による患者の検査の視聴覚記録が、医療記録内に記憶されることができる。別の実施例として、患者は、自身が被っている医療問題を説明してもよく、医師のウェアラブルデバイスは、患者オーディオデータを記録および処理し、医療問題に関連する情報を患者の医療記録内に記憶する、または情報を医師に表示してもよい(例えば、図15参照)。さらに別の実施例として、HCPのウェアラブルデバイスは、検査の間、兆候(例えば、眼移動、患者の皮膚上の症状等)を検出および記録してもよい。
例示的コンピューティング環境1200は、データ管理システム1234がHCPシステムA1230aの一部であることを示すが、いくつかの実施形態では、データ処理システム1236の少なくとも一部は、保健医療データベースシステム1220の一部である。
(データ管理システム)
データ管理システム1234は、患者の医療記録を更新および管理するように構成されることができる。ある実装では、データ管理システム1234は、2Dまたは3Dユーザインターフェースを含むことができる。図10および11を参照して説明されるように、ウェアラブルデバイスのユーザは、2Dまたは3Dユーザインターフェースを使用して、患者の医療記録を閲覧することができる。ユーザはまた、例えば、頭部姿勢、ジェスチャ、音声入力、トーテム等、姿勢またはユーザ入力デバイス466を使用して、医療記録を編集することができる。
データ管理システム1234は、データをデータ処理システム1236、オブジェクト認識装置708、または環境センサ1232から受信することができる。データ管理システム134は、保健医療データベースシステム1220と通信し、受信されたデータに基づいて、患者の仮想医療記録を更新することができる。例えば、データ管理システム1234は、患者の診断を医師から受信してもよい。データ管理システム1234は、命令をデータベース管理システム1220に通信し、診断を患者の医療記録に追加することができる。
データ管理システム1234はまた、患者システムまたは別の保健医療提供者システム等の別のシステムと共有するデータを管理することができる。例えば、HCPシステムA1230aは、外科手術を手術室において実施している、外科医と関連付けられてもよい。データ処理システム1236は、顔認識技法を使用して、手術室内の人々(例えば、看護師または他の医師等)を識別することができる。データ管理システム1234は、手術室内の人々の識別をデータ処理システム1236から受信することができる。データ管理システム1234は、外科医のウェアラブルデバイスの2Dまたは3Dユーザインターフェース上の1つ以上の仮想アイテム(例えば、患者の生理学的データ等)を識別された人々と自動的に共有することができる。データ管理システム1234はまた、外科医のウェアラブルデバイスの外向きに面した結像システム464によって入手された画像または外科医のウェアラブルデバイスによって収集された他の情報(例えば、オーディオ)を手術室内の識別された人々のウェアラブルデバイスと共有することができる。
図12におけるデータ管理システム1234は、HCPシステムA1230aの一部として図示されるが、いくつかの実施形態では、データ管理システム1234の少なくとも一部は、保健医療データベースシステム1220の一部である。
(データ記憶装置)
データ記憶装置1238は、コンピュータビジョンアルゴリズム、発話認識アルゴリズム、音声認識アルゴリズム、テキスト認識アルゴリズム、機械学習アルゴリズム等、種々のアルゴリズム(例えば、コンピュータ実行可能コードによって実装されるような)を記憶するように構成されることができる。データ処理システム1236を参照して説明されるように、これらのアルゴリズムは、データ処理システム1236によって適用され、環境センサ1232によって入手されたデータを処理してもよい。ある実施形態では、データ記憶装置1238は、患者の仮想医療記録のコピーを含んでもよい。例えば、大ファイルサイズに起因して、HCPシステムA1230aは、HCPを受診する患者のスケジュールされた時間の前に、患者の以前の医療画像の一部をデータ記憶装置1238内に事前ロードすることができる。患者がHCPを受診すると、HCPは、データ記憶装置1238に事前にロードされた仮想医療記録を閲覧し、画像を医療データ記憶装置1222等の遠隔場所から読み出すための遅延を回避することができる。
データ記憶装置1238はまた、HCP提供者システムA1230aの他のシステムによって入手または生成されたデータを記憶することができる。例えば、データ記憶装置1238は、患者がHCPと相互作用する間、環境センサ1232によって入手されたデータを記憶することができる。データ記憶装置1238はまた、データ処理システム1236と関連付けられたデータを記憶することができる。例えば、データ処理システム1236は、患者とHCPとの間の会話の書き起こし記録を生成し、データ記憶装置1238による記憶のために、書き起こし記録を通信することができる。データ記憶装置1238はまた、患者のウェアラブルデバイスによって入手された患者データを記憶することができる。患者データは、患者の習慣、歩行、心拍数、血圧等の生理学的情報等を決定するために、種々の機械学習アルゴリズムを使用して、分析されることができる。患者データはまた、図2A、2B、および4を参照して説明されるように、眼追跡または頭部姿勢追跡を実施するために使用されることができる。
データ記憶装置1238によって記憶されるデータの一部は、保健医療データベースシステム1220に通信されてもよい。例えば、患者とHCPとの間の会話の書き起こし記録が、保健医療データベースシステム1220の医療データ記憶装置1222内に記憶される、患者の仮想医療記録に追加されることができる。別の実施例として、患者データ(例えば、患者のウェアラブルデバイスによって入手されるような)は、患者またはHCPによる後の分析または精査のために、患者データ管理システム(保健医療データベースシステム1220または保健医療提供者システム1230の一部であってもよい)の中に自動で取り込まれることができる。本明細書に説明されるように、患者データへのアクセス権限は、患者が、その独自の個人データの全てへのアクセスを所有し、それを共有する人物および共有される程度を選択し得るように、カスタマイズされることができる。
(患者システムの実施例)
患者システムA1210aは、データセキュリティ管理システム1212と、記録更新システム1214とを含む。患者システムA1210aは、説明されるものより少ないまたはより多いシステムおよびコンポーネントを含んでもよい。例えば、患者システムA1210aは、患者システムA1210aによって入手または生成されたデータを記憶するために、ローカルデータ記憶装置または遠隔データ記憶装置(例えば、クラウドベースのデータ記憶装置)を含むことができる。他の実施形態では、患者システムA1210aは、患者の健康医療を促進する、さらなるシステムおよび/または機能性を含んでもよい。患者システムA1210aの1つ以上のシステムは、組み合わせられる、または別のシステムの一部であってもよい。例えば、記録更新システム1214の一部は、保健医療データベースシステム1220の一部であってもよい。
患者システムA1210aは、患者と関連付けられたウェアラブルデバイスの一部であってもよい。図12には図示されないが、患者システムA1210aはまた、患者および患者の環境の情報を入手するための環境センサを含むことができる。患者システムA1210aはまた、ユーザが、ユーザ入力デバイス466または姿勢を介して、物理的オブジェクトまたは仮想オブジェクトと相互作用することを可能にするように構成される、3Dユーザインターフェースを含むことができる。
(データセキュリティ管理システム)
患者医療記録情報は、特定の患者にとって非常に個人的かつ機密性が高い。患者は、そのような情報の一部のみをあるHCPと共有することを所望し得る。例えば、患者は、医師のオフィスにおける受付係が、患者名、住所、および予約情報のみにアクセスし、オフィス受診をスケジューリングすることを許可することを所望し得る一方、患者は、主治医が、医師の専門分野に関する情報のみにアクセスすることを許可することを所望し得る(例えば、心臓専門医は、患者の心臓および身体機能に関連する記録にアクセスすることを許可されるが、心理士との患者の受診に関連する情報にアクセスすることは許可されないであろう)。本明細書に説明されるデータセキュリティ管理システムの実施形態は、患者医療記録の機密性を保ち(例えば、HIPAA等の州または連邦ライセンス付与法によって要求されるように)、知る必要性に基づいて、医療記録の一部のみへのアクセスを許可するために使用されることができる。
データセキュリティ管理システム1212は、患者が、その医療記録と関連付けられたアクセス権限を管理するように構成されることができることを可能にする。患者は、3Dユーザインターフェースを介して、アクセス権限を規定することができる。アクセス権限は、仮想医療記録(または仮想医療記録の一部)が、ユーザのアカウントによって、閲覧、編集、追加、または削除され得るかどうかを決定するために使用されてもよい。ユーザは、例えば、HCP、医療保険提供者、患者の家族、患者等のエンティティであってもよい。例えば、患者は、患者が患者の仮想医療記録にアクセスするための許可を与えることを所望する、保健医療提供者を追加、削除、または編集することができる。
アクセス権限はまた、アカウントが別のデバイスまたはアカウントのアクセス権限(本明細書では、委任アクセスとも称される)を管理するための認可を有するかどうかを伴うことができる。例えば、患者は、そのかかりつけ医に、患者の全医療記録に対する許可を与えてもよい。医師は、順に、その看護師が、患者の医療記録の一部(患者の住所および医療保険情報等)を閲覧することを可能にすることができる。アクセス権限は、時間制限と関連付けられることができ、これは、ユーザが患者の医療記録にアクセスするための許可を有する時間を示す。患者は、時間制限を編集してもよい。患者は、ユーザのアクセス権限が切れそうになると、通知を受信してもよい。患者は、時間制限を延長する、またはそのユーザのアクセス権限を更新するかどうかを決定することができる。例えば、患者のかかりつけ医は、5年の周期にわたって、患者の医療記録にアクセスするための許可を有してもよい。患者は、5年周期の終了時に、患者が医師のアクセス権限を延長することを所望するかどうかを尋ねる通知を受信してもよい。患者が、その医師への受診を止めている場合、患者は、医師の5年アクセス権限を延長しないことを選定することができ、医師は、もはや患者の医療記録へのアクセスを有し得ない。別の実施例として、患者は、整形外科医に、その骨折した足首を治療するためのアクセス権限を与えてもよい。アクセス権限は、最初の予約から最終予約まで継続し得る。最終予約時、整形外科医が、患者に、患者の骨折した足首を治療するためにさらなる時間を必要とすることを知らせる場合、患者は、整形外科医のアクセス権限と関連付けられた時間制限を別の時間周期にわたって延長することができる。そうでなければ、時間制限は、終了し、患者の医療ファイルへの整形外科医のアクセス権限は、切れるであろう。故に、アクセス権限は、時間制限またはアクション制限(例えば、医療手技の正常完了)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、患者は、あるエンティティがアクセスを別のエンティティに委任すると、通知を受信してもよい。例えば、患者の一次HCPは、患者を、専門医であり得る、二次HCPに紹介することができる。一次HCPは、患者の医療記録のそのアクセス権限を二次HCPに委任してもよい。データセキュリティ管理システム1212は、二次HCPが現時点で患者の記録へのアクセスを有することを示す通知を一次HCPまたは保健医療データベースシステム1220から受信してもよい。患者は、一次HCPの委任権を上書きすることができる。例えば、一次HCPは、最初に、二次HCPが患者の完全医療記録にアクセスすることを可能にしてもよい。しかし、患者は、二次HCPがその仮想医療記録の一部へのアクセのみスを有することを規定することによって、本委任権を編集してもよい。別の実施例として、患者は、二次HCPがある基準を満たさない限り、二次HCPのアクセス権限を無効にすることができる。ある実装では、患者は、HCPがアクセスをあるエンティティに委任することを所望する場合、HCPが患者の承認を求める必要があり得ることを規定することができる。例えば、患者は、病院がアクセスを薬品販売員に委任する場合、病院が、患者に知らせる、または患者の承認を取得することを要求してもよい。
種々のレベルのアクセス権限が、仮想医療記録に結び付けられてもよい。例えば、アクセス権限のレベルは、第1のレベルのアクセス権限と、第2のレベルのアクセス権限とを含んでもよい。第1のレベルのアクセス権限は、患者の医療記録全体を閲覧、編集、追加、および削除するための許可を含み得るが、第1のレベルのアクセス権限は、アクセスを委任する許可を含み得ない。第2のレベルのアクセス権限は、患者の医療記録全体を閲覧するための許可を含み得る。
異なるエンティティは、異なるレベルのアクセス権限を有してもよい。(患者またはHCPの)ウェアラブルデバイスまたは保健医療データベースシステム1220は、アクセス権限の階層を記憶してもよい。実施例として、医師のアクセス権限のレベルは、看護師のものより高くあり得、これは、順に、オフィス受診をスケジューリングする受付係のアクセス権限より高い。故に、医師は、看護師より多くの患者の仮想医療記録の情報を閲覧することが可能であり得る。実施例として、医師は、患者のMRI検査から取得される画像およびMRI検査の日付を閲覧することが可能であり得る。しかし、看護師は、MRI検査の日付が、看護師が患者の次の受診をスケジューリングするために十分な情報を有し得るため、MRI検査の日付のみを閲覧することが可能であり得る。また、受付係は、患者の氏名、連絡先情報、およびオフィス受診スケジュールのみを閲覧することが可能であり得る。
アクセス権限のレベルは、1つ以上のアクセス基準と関連付けられてもよい。アクセス基準は、仮想医療記録の特性に基づいてもよい。仮想医療記録の特性は、タイプ、内容、日付、医療記録を作成したエンティティ等を含んでもよい。例えば、患者は、エンティティが、過去12ヶ月以内のその医療記録を編集することのみを可能にしてもよい。別の実施例として、患者は、その保険提供者が、ある病院における患者の外科手術と関連付けられた記録を閲覧することのみを可能にしてもよい。さらに別の実施例として、患者は、医療記録の一部がある単語を含む場合、その部分をプライベート(例えば、患者自身のみがアクセスを有する)として設定してもよい。ある実装では、アクセス権限は、仮想医療記録の特性があるアクセス基準を満たす場合、自動的に結び付けられてもよい。例えば、患者が、HCPが過去12ヶ月以内に作成されたその医療記録にアクセスすることを可能にする場合、今日の患者の検査と関連付けられた新しい医療画像は、HCPに自動的にアクセス可能になってもよい。
加えて、または代替として、アクセス基準はまた、例えば、エンティティのタイプ(例えば、病院対薬品販売員)、エンティティの場所(例えば、エンティティがある地理的領域外または内にあるかどうか)等のエンティティの特性に基づいてもよい。例えば、いったん患者が、患者の医療記録にアクセスするための許可をHCPに付与すると、HCPは、順に、別のエンティティがHCP自体によって作成された医療記録を閲覧することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、認可されたユーザのウェアラブルデバイスは、ユーザのアクティビティを監視し、仮想医療記録を表示し続けるべきであるかどうかを決定することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスが、ユーザがもはやウェアラブルデバイスを装着していないことを検出後、医療記録を自動的に保存し、停止記録の表示を停止することができる。これは、有利には、非認可人物が、ウェアラブルデバイスを装着し、患者の医療記録を閲覧しないように防止することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、眼追跡カメラを使用して、装着者の眼(または両眼)を結像し、虹彩または網膜走査とウェアラブルデバイスの認可されたユーザのデータベースを比較し、患者(かつ第三者ではない)がウェアラブルデバイスを装着していることを決定することができる。第三者が、ウェアラブルデバイスを装着している場合、ウェアラブルデバイスは、医療記録の表示を停止する、医療記録へのアクセスを防止する、医療記録への非認可のアクセスが試行され得ることのアラートを通信すること等を行うことができる。
実施例では、仮想医療記録のアクセス権限は、ユーザと関連付けられるが、アクセス権限はまた、コンピューティングデバイスと関連付けられてもよい。例えば、検査室内のコンピュータは、医師のオフィス内のコンピュータと異なるレベルのアクセス権限を有してもよい。検査室内のコンピュータは、患者の以前の検査の情報のみにアクセスすることが可能であり得る一方、医師のオフィス内のコンピュータは、患者の家族既往歴および患者の以前の検査へのアクセスを有し得る。
(記録更新システム)
患者は、記録更新システム1214を使用して、その医療記録と相互作用することができる。記録更新システム1214は、データ処理システム1236およびデータ管理システム1234と同様に実施される機能性を含むように構成されてもよい。例えば、記録更新システム1214は、ユーザとその医師の会話を書き起こし、医療データ記憶装置1222による記憶のために、書き起こされた会話を通信することができる。別の実施例として、患者は、そのウェアラブルデバイスの3Dユーザインターフェースを介して、その既往歴を入力することができる。記録更新システム1214は、入力された既往歴を、保健医療データベースシステム1220内に記憶される患者の仮想医療記録に追加することができる。いくつかの実施形態では、患者の医療記録が、還付のために保険企業に提出される前に、医療記録は、HCPによって精査または承認されることができる。HCPは、HCPシステム1230を使用して、医療記録を精査、更新、または承認することができる。
(保健医療データベースシステムの実施例)
保健医療データベースシステム1220は、例えば、患者の仮想医療記録および医療検査/手技に関連する情報(例えば、ある医療検査を実施するプロセス、医療検査または外科手術において要求される医療機器/器具等)等、医療関連データを記憶および管理するように構成されることができる。保健医療データベースシステム1220は、1つ以上のサーバの一部として実装されてもよい。いくつかの実施形態では、保健医療データベースシステム1220は、ウェアラブルデバイスのユーザのための中央保健医療データベースを含む。例えば、保健医療データベースシステム1220は、患者の仮想医療記録を記憶するための医療データ記憶装置1222を含むことができる。有利には、いくつかの実施形態では、仮想医療記録は、患者(HCPではなく)によって所有される。故に、患者は、その医療記録にアクセスする、またはそれを修正する人物を制御することができ、HCPによって行われる任意の更新が、別個のHCP所有記録ではなく、患者の医療記録となるであろうため、その医療記録が完全であることを確実にすることができる。図14Aおよび14Bを参照してさらに説明されるように、患者は、その仮想医療記録と関連付けられたアクセス権限のレベルを管理することができる。
保健医療データベースシステム1220は、仮想医療記録を追加する、それを編集する、それにアクセスする、またはそれを編成するための制御命令を含むことができる。例えば、データベースシステム1220は、入力をウェアラブルデバイスのユーザから受信することができる。ユーザは、HCPまたは患者であってもよい。入力は、仮想記録への更新(例えば、追加する、削除する、編集すること等によって)を含んでもよい。入力に応答して、保健医療データベースシステム1220は、更新される必要がある仮想記録を識別し、適宜、更新を実装することができる。別の実施例として、保健医療データベースシステム1220は、アクセス権限設定を患者システム1210から受信することができる。保健医療データベースシステム1220は、アクセス権限設定を患者の医療記録に自動的に結び付けることができる。さらに別の実施例として、保健医療データベースシステム1220は、HCPシステム1230から、仮想医療記録を読み出すための要求を受信することができる。保健医療データベースシステム1220は、要求に基づいて、仮想医療記録を識別し、仮想医療記録をHCPシステム1230に返すことができる。いくつかの実施形態では、保健医療データベースシステム1220は、HCPシステム1230が仮想医療記録と関連付けられたアクセス権限の要求されるレベルを満たすかどうかをチェックする。保健医療データベースシステム1220は、HCPシステム1230が、アクセス権限の要求されるレベルを満たす場合、仮想医療記録を返すことができる。ある実装では、HCPシステム1230が、アクセス権限の要求されるレベルを満たさない場合、保健医療データベースシステム1220は、HCPシステム1230によってアクセス可能な仮想医療記録の一部のみを返してもよい。例えば、HCPシステム1230は、患者の検査と関連付けられた全ての情報を要求してもよい。しかしながら、HCPシステム1230は、検査日および場所を閲覧することのみを可能にされ得、検査の画像を閲覧することを可能にされない。故に、保健医療データベースシステム1220は、検査の画像をHCPシステム1230に提供せずに、検査の日付および場所のみをHCPシステム1230に返し得る。
保健医療データベースシステム1220はまた、医療データ記憶装置1222またはHCPシステム1230または患者システム1210と関連付けられたデータ記憶装置内に記憶される、データを編成することができる。データは、種々の方法において編成されることができる。例えば、データは、患者、HCP、医療設定、手技のタイプ、ユーザアクセス許可/プライバシ設定、場所、データと関連付けられたアクションアイテム等に基づいて、単独で、または組み合わせて、編成されてもよい。
患者またはHCPに基づいてデータを編成する実施例として、同一患者または同一HCPの仮想医療記録は、ともにグループ化されてもよい。医療設定に基づいてデータを編成する実施例として、放射線医学と関連付けられたデータは、ともに記憶されてもよい一方、外科手術と関連付けられたデータは、ともにコンパイルされてもよい。手技のタイプに基づいてデータを編成する実施例として、心血管外科手術を受けた患者の医療記録が、ともに編成されてもよい。
保健医療データベースシステム1220はまた、ユーザアクセス許可/プライバシ設定に基づいて、データを管理することができる。例えば、患者によってプライベートとしてマークされるデータは、データの残りから分離されてもよい。保健医療データベースシステム120はまた、プライベートとしてマークされるデータにアクセスするために、余剰セキュリティ特徴(例えば、パスワード認証の余剰層またはバイオメトリック情報(例えば、虹彩または網膜セキュリティ特徴)による認証を要求する等)を実装することができる。
加えて、または代替として、保健医療データベースシステム1220は、時間または場所に基づいて(例えば、ウェアラブルデバイス内のGPSセンサによって取得される場所情報に基づいて)、データを管理することができる。場所は、データが入手された場所、患者の位置等であってもよい。例えば、保健医療データベースシステム1220は、分散型データ記憶装置を含んでもよく、保健医療データベースシステム1220は、データが入手された地理的場所の近くでデータを記憶することができる。実施例として、患者は、南California内の病院においてX線を受け得る。保健医療データベース1220は、患者がCalifornia外に居住し得る場合でも、X線と関連付けられた情報をCalifornia内のデータ記憶装置に記憶することができる。保健医療データベースシステム1220はまた、患者の場所に基づいて、データを編成することができる。X線実施例では、患者がNew Yorkに居住していると仮定して、保健医療データベースシステム1220は、X線と関連付けられたデータを、California内のデータ記憶装置ではなく、New Yorkの近くのデータ記憶装置に記憶してもよい。
データと関連付けられたアクションアイテムは、任意の経過観察が必要とされるかどうか、経過観察を実施するであろう場所および人物、必要とされる経過観察のタイプ等を含んでもよい。データと関連付けられたアクションアイテムは、加えて、または代替として、ユーザに、経過観察等に関連する通知(例えば、アラート、リマインダ等)を含んでもよい。例えば、そのかかりつけ医への患者の受診の間、かかりつけ医は、専門医を受診するように患者を紹介してもよい。故に、患者の仮想医療記録のアクションアイテムは、ある病院に常駐する専門医による検査をスケジューリングすることを含んでもよい。保健医療データベースシステム1220は、アクションアイテムに基づいて、データをグループ化することができる。例えば、ある病院において撮像検査を要求する全ての患者の情報は、保健医療データベースシステム1220によってコンパイルされてもよい。
いくつかの実施形態では、保健医療データベースシステム1220は、データ処理システム1236、データ管理システム1234、データセキュリティ管理システム1212、または記録更新システム1214等の少なくとも一部を含んでもよい。例えば、HCPのウェアラブルデバイスは、HCPと患者との間の会話を記録してもよい。ウェアラブルデバイスは、記録された会話を保健医療データベースシステム1220に通信することができる。保健医療データベースシステム1220は、そのデータ処理システムを使用して、記録された会話を分析してもよい。
(保健医療データベースと相互作用するための例示的プロセス)
図13A、13B、13C、および13Dは、保健医療データベースシステムと相互作用するための例示的プロセスを図示する。図13A-13Dにおける例示的プロセスは、図12に示される保健医療データベースシステム1220またはウェアラブルデバイスによって実施されてもよい。
図13Aにおける例示的プロセス1300のブロック1310では、保健医療データベースシステムまたはウェアラブルデバイスは、例えば、1つ以上のデータ記憶装置内の医療関連データの記憶を制御する等、医療関連データを管理することができる。
ブロック1320では、ウェアラブルデバイスのユーザは、データにアクセスすることを所望し、保健医療データベースシステムに、データにアクセスするための要求を送信してもよい。保健医療データベースシステムは、データにアクセスするための要求をウェアラブルデバイスから受信することができる。保健医療データベースシステムは、ウェアラブルデバイスの要求を解析し、要求がデータと関連付けられた要求されるアクセス権限を満たすかどうかを決定することができる。アクセス権限は、ウェアラブルデバイスのユーザが、データを編集、追加、または閲覧することができるかどうかを決定してもよい。
ブロック1330では、ウェアラブルデバイスは、仮想コンテンツを表示することができる。ウェアラブルデバイスは、要求を保健医療データベースシステムから受信することができる。ウェアラブルデバイスは、要求されたデータを仮想コンテンツとしてウェアラブルデバイスの3Dユーザインターフェースに表示することができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、データの一部のみを閲覧する許可を有し得る。その結果、ウェアラブルデバイスは、3Dユーザインターフェース上での許可を有する、データの一部のみを提示し得る。
ブロック1340では、ウェアラブルデバイスのユーザは、保健医療データベースシステム内のデータを編集する、またはデータを保健医療データベースシステムに追加することができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ブロック1340において、ユーザが操作を実施することを許可する前に、健康データベースシステムと通信し、ユーザが要求されるアクセス権限を有するかどうかを照合してもよい。いくつかの実装では、ユーザが、データに関する編集アクセス権限を有していない場合、ブロック1340および1350は、随意であって、本方法によってスキップされてもよい。
ブロック1350では、保健医療データベースシステムは、そのデータを自動的に更新することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、ユーザから受信された入力を送信することができる。入力は、新しい仮想医療記録または既存の仮想医療記録への更新を含んでもよい。保健医療データベースシステムは、入力をウェアラブルデバイスから受信することができる。保健医療データベースは、新しい仮想医療記録の記憶または既存の仮想医療記録への更新を自動的に開始することができる。随意に、ブロック1330、1340、または1350では、保健医療データベースシステムは、ブロック1320に戻り、ユーザが、依然として、データにアクセスすることを許可されているかどうかを決定してもよい。認可されている場合、本方法は、上記に説明される後続ブロックに継続するが、認可されていない場合、本方法は、終了することができる(例えば、本方法は、ユーザへの仮想コンテンツの表示を中止することができる)。
図13Bは、図13Aにおけるブロック1320のための例示的サブプロセスを図示する。ブロック1322では、ユーザが、医療ファイルへのアクセスを要求する。医療ファイルは、保健医療データベースシステムの医療データ記憶装置内に記憶されてもよい。ユーザのウェアラブルデバイスは、医療ファイルにアクセスするための要求をユーザの保健医療データベースシステムに送信してもよい。
ブロック1324では、保健医療データベースシステムまたはユーザのウェアラブルデバイスは、図14Aを参照して説明される技法によって、ユーザの識別を照合することができる。図14Aおよび14Bを参照してさらに説明されるように、ユーザの識別は、ユーザ入力(例えば、ユーザ名およびパスワード等)またはユーザのバイオメトリック情報に基づいて、照合されることができる。いくつかの実施形態では、保健医療データベースシステムまたはウェアラブルデバイスは、要求される医療ファイルと関連付けられた所有者または患者識別子(ID)を決定することができる。保健医療データベースシステムまたはウェアラブルデバイスは、所有者または患者IDを使用して、医療ファイルと関連付けられたアクセス権限を読み出すことができる。実施例として、患者は、その医療記録を全ての病院によって閲覧可能であるように設定してもよい。別の実施例として、患者は、その医療記録を緊急状況では任意のHCPによって閲覧可能であるように設定してもよい。故に、ウェアラブルデバイスのユーザが、病院内の医師である場合、ウェアラブルデバイスは、アクセスを医師に与えてもよい。
ブロック1326では、保健医療データベースシステムは、医療ファイルの所有者が所与のユーザアクセスを与えられていない場合、ユーザのアクセスを否認することができる。医療ファイルの所有者は、医療ファイルと関連付けられた患者であってもよい。ブロック1328では、保健医療データベースシステムは、所有者が許可をユーザに与えている場合、アクセスを医療ファイルの関連部分に与えることができる。例えば、診療所における看護師は、患者の全ての医療記録へのアクセスを有し得るが、看護師のウェアラブルデバイスは、看護師が、予約を行うために、以前の医療検査からの画像等の他の情報を必要としないため、看護師が患者のために次の予約を行うために、患者の氏名、住所、および社会保障番号のみを表示してもよい。
図13Cは、図13Aにおけるブロック1330のための例示的サブプロセスを図示する。ブロック1332では、ウェアラブルデバイスは、ユーザIDおよび所有者/患者IDをアクセス照合(図13Bにおけるサブプロセス1320を参照して説明される)から決定することができる。
ブロック1334では、システムは、時間または場所を決定することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、その環境センサからのデータを使用して、ユーザの現在の場所を決定することができる。ブロック1334は、ブロック1332に加え、またはその代替として、実施されることができる。
ブロック1336では、デフォルトディスプレイ画面が、現れる。デフォルトディスプレイ画面は、ユーザと関連付けられた情報(例えば、ユーザのスケジュールされた予約等)またはユーザの患者(例えば、患者の医療記録等)を提示することができる。図21-24を参照してさらに説明されるように、ウェアラブルデバイスは、コンテキスト情報に基づいて、ディスプレイ画面を提示することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、医療ファイル要求に基づいて、またはユーザの場所に基づいて、ディスプレイ画面を提示することができる。実施例として、ウェアラブルデバイスは、医療画像を図2Aに説明されるディスプレイシステムの異なる深度平面に表示することができる。直近の画像は、ユーザの最も近くに現れる深度平面に提示されてもよい一方、以前の画像は、ユーザからより遠く離れた深度平面に提示されてもよい。
ブロック1338では、ユーザは、必要に応じて、ディスプレイを修正することができる。例えば、ユーザは、姿勢またはユーザ入力デバイス466を使用して、以前の画像をより近い深度平面に移動させることができる。
図13Dは、図13Aにおけるブロック1340のための例示的サブプロセス1340aおよび1340bを図示する。ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサを使用して、その環境を監視することができる。例えば、ウェアラブルデバイスのマイクロホンは、ユーザがウェアラブルデバイスを装着している間、環境内のオーディオデータを持続的に入手してもよい。
サブプロセス1340aのブロック1342aでは、ウェアラブルデバイスは、データ捕捉トリガを認識することができる。図15における開始条件を参照してさらに説明されるように、データ捕捉トリガは、キーワード、ジェスチャ、オブジェクト、またはユーザ入力デバイスからの入力であってもよい。トリガは、ウェアラブルデバイスに、1つ以上の環境センサを用いてデータの捕捉を開始させることができる。
ブロック1344aでは、ウェアラブルデバイスは、捕捉要件が満たされるまで、データを持続的に捕捉することができる。例示的捕捉要件は、図16における終了条件を参照して説明される。
図13Aにおけるブロック1340のためのサブプロセスの別の実施例として、ブロック1342bでは、保健医療提供者は、例えば、「写真1を撮影する」と述べることによって、データ捕捉トリガをアクティブ化することができる。本実施例では、保健医療提供者は、ウェアラブルデバイスのユーザであって、トリガは、キーワード「写真1を撮影する」を含む。
ブロック1344bでは、ウェアラブルシステム(例えば、保健医療提供者のウェアラブルデバイス)は、トリガに基づいて、第1の写真を撮影することができる。トリガは、写真番号1を伴うため、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスによって撮影された写真を番号1として標識化することができる。加えて、写真は、患者の腫瘍を含むため、ウェアラブルデバイスは、写真を分析し(例えば、オブジェクト認識装置708を使用して)、写真内の腫瘍を識別することができる。故に、ウェアラブルデバイスは、命令を保健医療データベースシステムに自動的に送信し、写真を患者のファイルの腫瘍切除部分に入れることができる。ウェアラブルデバイスはまた、他の情報(例えば、写真が撮影された時間、写真が撮影された場所、写真を撮影したユーザ等)を保健医療データベースシステムに送信してもよい。データ捕捉は、単一画像が撮影されると、完了されてもよい。
(アクセス権限に基づいて仮想医療記録にアクセスする実施例)
仮想医療記録は、アクセス権限と関連付けられることができる。図12を参照して説明されるように、患者は、データセキュリティ管理システム1232を使用して、その医療関連データに関するアクセス権限を設定することができる。患者およびユーザからの許可を伴う指定された人物は、患者の仮想医療記録の全部または一部にアクセスし、それにアクセスするための許可を他者に付与することができる。
図14Aは、仮想医療記録と関連付けられたアクセス権限に基づいて仮想医療記録にアクセスする実施例を図示する。図14Aでは、外科医1402が、手術室内で患者の心臓1406上で手術を行なっている。患者の心臓上で手術を行ないながら、外科医1402は、環境センサによって入手された患者の生理学的データを閲覧することができる。外科医1402は、ウェアラブルデバイスを装着することができ、外科医のウェアラブルデバイスのディスプレイ上に示される仮想要素1404によって要約される、患者の生理学的データを閲覧することができる。
外科医は、2人の医学生、すなわち、学生1412および学生1414を伴ってもよい。しかしながら、学生1412および1414は、患者の生理学的データを閲覧する許可を有していない。学生が、ユーザデバイス(例えば、本明細書に説明されるウェアラブルデバイスを含み得る、図17におけるユーザデバイス1730参照)から患者の生理学的データにアクセスすることを試みると、ユーザデバイスは、生理学的データが閲覧されることができないことのインジケーションを受信してもよい。故に、ユーザデバイスは、学生が生理学的データにアクセスするための許可を有していないことを示す通知1420を提供してもよい。通知1420は、患者の医療記録内に記憶されることができる。外科医のウェアラブルデバイスはまた、学生が患者の生理学的データにアクセスすることを要求したことの別の通知を外科医に提供してもよい。いくつかの実施形態では、外科医または学生のウェアラブルデバイスは、焦点インジケータを通知1420の近傍に提供することができる。焦点インジケータは、後光、色、知覚されるサイズまたは深度の変化(例えば、選択されると、仮想オブジェクトをより近くおよび/またはより大きく現れさせる)、ユーザインターフェース要素の変化(例えば、カーソルの形状を円形からエクスクラメーションマークに変化させる)、メッセージ(テキストまたはグラフィックを伴う)、またはユーザの注意を引き付ける、他の可聴、触覚的、または視覚的効果を備えることができる。
患者の医療関連データを要求する、ユーザのウェアラブルデバイスは、種々の技法を使用して、ユーザの識別を照合し、仮想医療記録へのユーザのアクセス権限を決定することができる。ウェアラブルデバイスはまた、そのユーザに、ユーザの識別の照合のために、ある入力を提供することを要求してもよい。入力は、パスワード、セキュリティ質問への回答等を含んでもよい。ウェアラブルデバイスは、入力が正しいかどうかに基づいて、ユーザを認証することができる。ウェアラブルデバイスはまた、ユーザのバイオメトリック情報に基づいて、ユーザの識別を照合することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、顔認識、指紋、虹彩コード、眼色、網膜パターン等を使用して、ユーザを識別してもよい。バイオメトリック情報はまた、ユーザのアカウントと関連付けられたパスワードとして使用されてもよい。有利には、いくつかの実施形態では、バイオメトリック情報は、あるバイオメトリック特徴(例えば、指紋、虹彩パターン、網膜パターン等)が各人物に一意であるため、データアクセスのためのより強度の高い形態の認証およびより高いレベルのセキュリティを提供する(英数字文字列の形態のパスワードと比較して)。
いったんユーザの識別が、照合されると、ウェアラブルデバイスは、ユーザと関連付けられた情報に基づいて、ユーザが仮想医療記録へのアクセスを有するかどうかを決定することができる。例えば、ユーザは、アカウント識別子(ID)と関連付けられてもよい。ウェアラブルデバイスは、保健医療データベースシステム1220と通信し、アカウントIDが患者のデータと関連付けられた承認されたアカウントIDのリスト内にあるかどうかを決定することができる。別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、アカウントIDを使用して、ユーザの特性にアクセスし、ユーザの特性が患者によって設定されたアクセス基準を満たすかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態では、患者は、患者ID(所有者IDとも称される)と関連付けられてもよい。ユーザのウェアラブルデバイスは、患者IDを使用して保健医療データベースシステム1220にクエリすることによって、アクセス基準または承認されたアカウントIDのリストを読み出すことができる。
ユーザのアクセス権限に基づいて仮想医療記録を提示する実施例として、ユーザのウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルデバイスの光学センサ等)は、光をユーザの眼の中に光輝させ、網膜認識(本明細書では、網膜走査とも称される)を実施することができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザの網膜と関連付けられた一意のパターンを識別することができる。一意のパターンは、ユーザの識別を決定するために使用されてもよい。例えば、網膜パターンは、パスワードとして使用されることができる。ウェアラブルデバイスは、識別された網膜パターンが、仮想医療記録へのアクセスを求めているユーザアカウントIDと関連付けられた網膜パターンに合致するかどうかを決定することができる。ある実装では、ウェアラブルデバイスは、保健医療データベースシステム1220(図12に示される)とともに、ユーザのIDを照合することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、ユーザの眼の画像を撮影することができる。保健医療データベースシステム1220は、網膜走査を実施し、網膜走査から識別された網膜パターンに基づいて、ユーザの識別を認証することができる。いくつかの実施形態では、ユーザの識別が、照合されると、ユーザは、仮想医療記録を別のユーザと共有する、または他のユーザによって共有される仮想医療記録を受信してもよい。
ウェアラブルデバイスが、ユーザの網膜パターンが、仮想医療記録へのアクセスを求めているユーザアカウントIDに合致することを決定すると、ウェアラブルデバイスは、ユーザが仮想医療記録へのアクセスを有するかどうか、ユーザがアクセスを有する仮想医療記録の部分、およびユーザが仮想医療記録を編集することができるかどうかを決定することができる。加えて、ウェアラブルデバイスは、病院の予約スケジューリングシステム、現在の外科手術のステータス、医療機器と関連付けられた情報(例えば、機器が使用中であるかどうか)等、他の保健医療関連仮想コンテンツのユーザのアクセス権限を決定することができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザがアクセスを有する、仮想コンテンツのみをユーザに提示することができる。有利には、いくつかの実施形態では、増加されたデータプライバシが、アクセス権限のユーザのレベルに基づいて、ウェアラブルデバイスを用いて仮想コンテンツを提示することによって、達成されることができる。例えば、医療販売員等の訪問者が、プライベート情報がコンピュータモニタまたは紙上に表示され得るため、診療所または病院に居る間、プライベート患者情報に暴露され得る。ウェアラブルデバイスは、プライベート情報を頭部搭載型ディスプレイ上に提示することによって、情報をコンピュータモニタまたは紙上に表示する必要性を低減させることができる。訪問者は、訪問者が要求されるレベルのアクセス権限を有していない限り、これまでは紙またはコンピュータモニタ上にあったプライベート患者情報へのアクセスを得ることが不可能であり得る。ウェアラブルデバイスのいくつかの実施形態は、網膜走査に加え、または代替として、虹彩コードを使用して、装着者の虹彩の画像を分析し、虹彩コード(例えば、米国特許第5,291,560号に説明されるDaugman虹彩コード等)を決定し、アカウント認可を実施し、患者医療記録にアクセスしてもよい。
いくつかの実施形態では、ユーザが、仮想医療記録へのアクセスを有していない場合、ユーザは、別のエンティティに、許可を与えるように要求してもよい。他のエンティティは、仮想医療記録の所有者であってもよい。例えば、ユーザのウェアラブルデバイスは、要求を仮想医療記録を所有する患者のウェアラブルデバイスに自動的に送信し、患者にアクセスを付与することを求めることができる。他のエンティティはまた、アクセスを委任することができる、ユーザを含んでもよい。
エンティティと関連付けられたアクセス権限のレベルは、患者とエンティティの相互作用に基づいて、変化してもよい。例えば、医師のオフィス内のフロントの受付係は、患者のスケジューリングを担当し得る。新しい患者が、医師のオフィスを受診すると、フロントの受付係は、最初に、氏名および生年月日等の新しい患者の基本情報へのアクセスを有し得る。新しい患者の最初の医師による診察の後、医師は、受付係のアクセス権限を増加させ、受付係が、例えば、患者の診断、治療、手技情報等、患者についてのさらなる情報を閲覧することを可能にすることができる。医師は、医師のウェアラブルデバイスを使用して、受付係のアクセス権限を更新することができる。例えば、医師は、ユーザ入力デバイス466または姿勢を使用して、受付係ウェアラブルデバイスと関連付けられたアカウントIDをより高いレベルのアクセス権限と関連付けられたアカウントIDのリストに追加することができる。アクセス権限の増加されたレベルの結果、受付係は、患者のさらなる情報を取得し、患者の次の受診を適切にスケジューリングすることができる。例えば、受付係は、医師の診断に基づいて、次の予約の持続時間およびタイプを決定することができる。受付係は、適宜、適切な検査室を予約し、次の予約のための正しい時間枠を確保することができる。ユーザの識別を照合し、ユーザのアクセス権限を決定する実施例は、ユーザのウェアラブルデバイスを参照して説明されるが、いくつかの実施形態では、保健医療データベースシステム1220はまた、ウェアラブルデバイスに加え、またはその代替として、単独で、または別のユーザデバイスと組み合わせて、照合を実施し、アクセスレベルを決定することができる。
(アクセス権限に基づいて仮想医療記録にアクセスする例示的プロセス)
図14Bは、アクセス権限に基づいて仮想医療記録にアクセスするための例示的プロセス1480を示す、フローチャートを図示する。プロセス1480は、保健医療データベースシステム1220(図12に示される)によって実施されてもよい。
ブロック1482では、保健医療データベース管理システムが、仮想医療記録にアクセスするための要求をHCPシステムから受信する。仮想医療記録は、仮想医療記録と関連付けられた患者によって所有されてもよい。仮想医療記録は、医療データ記憶装置1222内に記憶されてもよい。
ブロック1484では、保健医療データベース管理システムは、仮想医療記録と関連付けられたアクセス権限を決定する。例えば、保健医療データベース管理システムは、医療データ記憶装置1222にアクセスし、アクセス権限を識別することができる。いくつかの実施形態では、保健医療データベース管理システム1222は、仮想医療記録の特性を識別し、ユーザによって提供されるアクセス基準(図12に説明される)に基づいて、仮想医療記録に結び付けられるべきアクセス権限のレベルを決定することができる。
ブロック1490では、保健医療データベースシステムは、HCPシステムが仮想医療記録にアクセスすることを認可されているかどうかを決定することができる。例えば、保健医療データベースシステムは、HCPの識別を照合し、HCPが仮想医療記録を読み出すために要求されるアクセス権限を有するかどうかを決定することができる。
HCPシステムが、仮想医療記録にアクセスすることを認可されている場合、ブロック1492では、保健医療データベースシステムは、提示のために、仮想中間記録をHCPと関連付けられたウェアラブルデバイスに通信する。いくつかの実施形態では、HCPは、仮想医療記録の一部のみにアクセスすることを認可され、保健医療データベースシステムは、HCPシステムがアクセスするための許可を有する、仮想医療記録の部分を返してもよい。
HCPシステムが、仮想医療記録にアクセスすることを認可されていない場合、保健医療データベースシステムは、HCPシステムが仮想医療記録にアクセスすることを認可されていないことを示す、通知(例えば、図14Aに示される通知1420等)を提供することができる。いくつかの実施形態では、HCPシステムは、仮想医療記録を閲覧することができるが、HCPシステムは、仮想医療記録を編集することが不可能である場合がある。故に、HCPシステムが、仮想医療記録を修正することを試みる場合、保健医療データベースシステムはまた、HCPシステムが仮想医療記録を修正することを認可されていないことを示す、通知をHCPシステムに提供することができる。いくつかの実施形態では、保健医療データベースシステムは、HCPシステムが仮想医療記録を閲覧または更新したことのメモを医療記録内に付けることができる。メモはまた、HCPシステムが仮想医療記録を閲覧した場所、時間、または長さに関する情報を含んでもよい。メモはまた、HCPシステムが仮想医療記録内で閲覧または更新した部分を含んでもよい。そのようなメモは、医療記録または別のデータベース内のアクセスログ内に記憶されてもよい。アクセスログは、非認可ユーザが、患者医療記録を編集し、次いで、アクセスログを編集し、非認可アクセスの任意の痕跡を除去し、その痕跡を隠すことができないように、限定された編集アクセス権限を有してもよい。
(患者と保健医療提供者との間の相互作用をドキュメント化する実施例)
複数のエンティティが、多くの場合、HCPへの患者の受診に関わる。例えば、診療所への患者の受診の際、患者は、最初に、問診表を記入し得る。看護師は、問診表に基づいて、患者情報をコンピュータシステムの中に入力し、例えば、患者のアレルギー、患者の以前の診療所受診の情報、他の医療情報等、患者と関連付けられた付加的情報を読み出し得る。医師は、患者を診察し、会話および患者上で実施される検査に基づいて、メモを付け得る。しかしながら、HCPによって取得される情報は、完全ではない場合がある。例えば、医師のメモは、患者との会話の一部を欠失している場合がある。加えて、多くの場合、患者が診療所を受診するときと、患者の受診の間に取得される情報を反映するように患者の医療記録が更新されるときとの間には、遅延が存在する。遅延は、医療記録が、複数のエンティティによって更新される必要があり、いくつかのエンティティのみが、周期的に、更新を通信し得るため、生じ得る。
これらの問題に対処するために、ウェアラブルデバイスは、患者とHCPとの間の相互作用をドキュメント化し、相互作用の間に入手された情報を処理し、患者がHCPと相互作用するにつれて、患者の医療記録を実質的にリアルタイムで自動的に更新するように構成されることができる。患者とHCPとの間の相互作用は、患者とHCPとの間の会話、患者上で実施される検査または手術、患者によってHCPに提供される情報(例えば、既往歴等)、HCPによって患者に提供される情報(例えば、診断等)等、それらの組み合わせ、または同等物を含んでもよい。ウェアラブルデバイスは、患者とHCPとの間の相互作用の間に取得される情報に基づいて、患者の仮想医療記録を更新することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、検査の際の医療画像、患者の症状(患者と医師との間の会話に基づいて抽出されるような)、または医師のメモおよび診断等を患者の医療記録に追加することができる。
(患者とHCPとの間の相互作用を記録および処理する実施例)
ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサ(図2Aおよび2Bを参照して説明される)を使用して、患者とHCPとの間の相互作用のデータを記録することができる。相互作用のデータは、オーディオおよび視覚的データを含んでもよい。
ウェアラブルデバイスは、記録されたデータ(例えば、ローカル処理モジュール260、遠隔処理モジュール270、データ処理システム1236等を使用して)を処理し、関連情報を抽出することができる。ウェアラブルデバイスは、口述記録プログラム(図12を参照して説明される種々の発話認識技法を実装してもよい)を使用して、記録された会話中の患者またはHCPによって発話された単語を識別することができる。ウェアラブルデバイスはまた、1つ以上のオブジェクト認識装置708を使用して、相互作用の際に関わったオブジェクトまたは人物を識別することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、顔認識アルゴリズムを使用して、患者の顔を自動的に検出してもよい。別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、コンピュータビジョンアルゴリズムを使用して、ユーザの身体の一部(患者が問題を被っている四肢等)を検出することができる。さらに別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、テキスト認識技法を使用して、外向きに面した結像システム464によって入手された画像内のテキストを抽出することができる。
ウェアラブルデバイスは、記録データの一部を関連部分として識別することができる。例えば、記録されたデータは、患者の受診の間の患者と医師との間の会話全体を含んでもよい。しかしながら、会話の開始は、患者の疾患を診断することに関連しない、社交的挨拶のやりとりを伴い得る。ウェアラブルデバイスは、症状の説明または医療情報に関連しない会話の部分を識別するように構成されてもよい。ウェアラブルデバイスは、種々の機械学習アルゴリズムを使用して、関連部分(または非関連)を決定することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、オーディオデータまたは単語記述内のあるキーワードを識別するように訓練される、機械学習モデルを適用することができる。別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、コンピュータビジョンアルゴリズムを適用し、関連オブジェクト(瘤を有する患者の身体の部分等)を含む、画像の一部を識別することができる。ウェアラブルデバイスはまた、種々の機械学習アルゴリズムを使用して、患者の症状を識別することができる(例えば、患者の発話を介して、またはウェアラブルデバイスの外向きに面した結像システム464によって捕捉されるような患者/環境の画像から)。ウェアラブルデバイスは、識別された症状に関する通知をユーザに提供することができる。例えば、ユーザが患者の左脚上で物理的検査を実施する際、検査の間、ユーザが、患者が痛みで顔をしかめていることに気づかない(例えば、ユーザと患者との間に、患者の左脚上の痛みを訴える会話が存在しない)場合、ウェアラブルデバイスは、患者の左脚上に圧痛が存在し得ることのメモを医療ファイル内に付ける、または通知(例えば、視覚的アラート)を提供することができる。
ある実装では、ウェアラブルデバイスは、非関連部分を処理しないように構成されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、天候の議論を伴う、オーディオデータの一部を識別することができる。ウェアラブルデバイスは、発話認識をオーディオデータの本部分に適用しないことを選定してもよい。別の実施例として、ウェアラブルデバイスが、オーディオデータを書き起こした後、ウェアラブルデバイスは、患者の症状を伴う説明の部分を関連部分としてマークしてもよい。書き起こし記録に基づいて、ウェアラブルデバイスは、機械学習モデルを関連部分に適用し、患者の症状の説明内の重要点を識別することができる。しかしながら、ウェアラブルデバイスは、機械学習モデルを天候の議論に適用しないように構成されてもよい。
図15は、患者1502とHCPとの間の相互作用と関連付けられたオーディオデータを記録および処理する実施例を図示する。HCPは、ウェアラブルデバイスを装着し得る、医師であってもよい。ウェアラブルデバイスは、口述記録プログラムをバックグラウンドで実行することができる。口述記録プログラムは、図12に説明されるデータ処理システム1236の実施形態であってもよい。口述記録プログラムは、オーディオデータをウェアラブルデバイスのマイクロホン232から受信することができる。いくつかの実装では、口述記録プログラムは、オーディオデータの内容を監視するが、患者とHCPとの間の会話の一部のみを記録することができる。他の実施形態では、口述記録プログラムは、会話全体を記録する。ウェアラブルデバイスは、患者とHCPとの間の相互作用の一部を記録することができる(例えば、単独で、またはマイクロホン232と組み合わせて、外向きに面した結像システム464を介して)。ウェアラブルデバイスは、種々の技法を使用して、記録されるべき相互作用の部分を決定することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、開始条件が存在することの決定に応答して、記録を開始し、終了条件が存在すると、記録を停止することができる。加えて、または代替として、ウェアラブルデバイスは、(例えば、外向きに面した結像システムによって)手技の間に撮影された患者の画像を処理してもよい。画像(または画像の分析)は、患者医療記録内に記憶されることができ、これは、手技のより包含的かつ正確な記録を提供することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、患者の骨折した四肢(例えば、骨折の角度を決定するため)または患者の皮膚の色(例えば、発疹または過熱の存在を決定するため)を示す画像を分析してもよい。
(開始条件および終了条件の実施例)
開始条件および終了条件は、キーワード、ユーザ入力デバイス466からの入力、または姿勢(例えば、頭部姿勢、手のジェスチャ、または別の身体姿勢等)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、キーワードまたは姿勢は、アクティブ化コマンドと称され得る。実施例として、キーワードは、「具合が悪い」、「痛みがある」、「痛めている」、「糖尿病」、「癌」、「停止」、「開始」等を含んでもよい。キーワードは、単独で、または組み合わせて、ウェアラブルデバイスの中に事前にプログラムされるデフォルトキーワード、ウェアラブルデバイスのユーザによって指定される単語、機械学習アルゴリズムを使用して識別された単語を含んでもよい。
ウェアラブルデバイスは、キーワードを検出し、音声または発話認識技法を適用し、開始条件の存在を識別することができる。HCPは、開始条件を具体的ユーザによって述べられたあるキーワードとなるように指定してもよい。例えば、医師は、医師自身によって述べられた語句「ドキュメント化を開始する」を開始条件として指定してもよい。故に、医師のウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスが、医師(かつ看護師ではない)が「ドキュメント化を開始する」と述べたことを検出する場合、マイクロホン上で受信されたオーディオデータの記録を開始することができる(随意に、外向きに面したカメラによって取得される視覚的記録を伴う)。同様に、医師のウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスが、「ドキュメント化を停止する」等の語句を検出すると、オーディオの(または視覚的)記録を停止することができる。
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、検出されたキーワードと関連付けられたコンテキストを提供することができる。例えば、ウェアラブルデバイスのローカル処理およびデータモジュール260は、バッファを含んでもよい。ウェアラブルデバイスが、ユーザの環境を監視する際、相互作用のオーディオ/視覚的データは、バッファ内に一時的に記憶されてもよい。いったんウェアラブルデバイスが、開始/終了条件の存在を検出すると、ウェアラブルデバイスは、キーワードに関するコンテキストを提供するためのアクティブ化コマンド前/後に、オーディオ/視覚的データを読み出し(例えば、バッファから)、分析することができる。別の実施例として、ウェアラブルデバイスが、アクティブ化コマンドの存在を検出すると、ウェアラブルデバイスは、アクティブ化コマンド前後のオーディオ/視覚的データの一部の記憶を開始してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、アクティブ化コマンドの2分前またはアクティブ化コマンドの5分後から会話を記録(または記憶を開始する)ことができる。記録された会話は、HCPの後の閲覧のために処理および記憶されてもよい。有利には、いくつかの実施形態では、開始コマンド前後のオーディオ/視覚的データを記録することによって、ウェアラブルデバイスは、キーワードのコンテキストを提供することができる。HCPは、必要とされる場合、後に、テキストを編集することができるが、コンテキストは、HCPが患者によって述べられた内容を思い出すことに役立ち得る。加えて、ハードウェア記憶空間を節約するために、ウェアラブルデバイスは、後に、例えば、アクティブ化コマンドの2分より前またはアクティブ化コマンドの5分より後に入手されたオーディオ/視覚的データを消去または上書きすることができる。
加えて、または代替として、医師のウェアラブルデバイスは、医師と患者との間の会話全体をウェアラブルデバイスのメモリ内に記録することができる。いったんウェアラブルデバイスが、開始条件または終了条件を検出すると、ウェアラブルデバイスは、開始条件または終了条件前後の会話の一部を含むコンテキストを読み出し、医師に提示することができる。医師は、コンテキストを精査または編集し、コンテキストがウェアラブルデバイスによってドキュメント化されるべきかどうかを決定することができる。
キーワードに加え、またはその代替として、開始条件または終了条件の存在はまた、ユーザ入力デバイス(例えば、ユーザ入力デバイス466参照)からの入力に基づいて、検出されてもよい。HCPは、例えば、マウスをクリックする、タッチパッドをタップする、タッチスクリーンをスワイプする、容量ボタンに手をかざすまたはタッチする、キーボードまたはゲームコントローラ(例えば、5方向Dパッド)上のキーを押下する、ジョイスティック、ワンド、またはトーテムをオブジェクトに向かってポインティングする、リモコン上のボタンを押下する、またはユーザ入力デバイスとの他の相互作用等、種々の方法を使用して、ユーザ入力デバイスを作動させることができる。実施例として、HCPは、トーテムを使用して、口述記録プログラムをオンまたはオフにすることができる。ウェアラブルデバイスが、HCPがトーテム上のあるボタンを押下したことを検出すると、ウェアラブルデバイスは、口述記録プログラムの実行を開始してもよい。ウェアラブルデバイスが、後に、同一ボタンが再び押下されたことを検出すると、ウェアラブルデバイスは、口述記録プログラムを停止してもよい。
ウェアラブルデバイスはまた、HCPの姿勢を検出し、開始条件または終了条件が存在するかどうかを決定することができる。ウェアラブルデバイスは、その環境センサによって入手されたデータを使用して、HCPの姿勢を検出することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、IMUを使用して、ユーザの頭部姿勢が変化したかどうかを決定することができる。ウェアラブルデバイスはまた、コンピュータビジョンアルゴリズムを外向きに面した結像システムによって入手された画像に適用し、ユーザの手のジェスチャを検出することができる。ウェアラブルデバイスは、検出された手のジェスチャと開始/終了条件と関連付けられたジェスチャを合致させることができる。開始/終了条件と関連付けられたジェスチャは、HCPによって設定されてもよい。例えば、保健医療提供者は、「左手を指でタップする」をオーディオデータの記録の開始条件として、「右手を指でタップする」をオーディオデータの記録の終了条件として指定してもよい。HCPのウェアラブルデバイスは、患者がHCPに話しかけると、口述記録プログラムをバックグラウンドで起動してもよい。ウェアラブルデバイスは、外向きに面した結像システムによって入手された画像に基づいて、HCPがその右人差し指で左手をタップしたことを検出してもよい。本手のジェスチャは、開始条件と関連付けられるため、ウェアラブルデバイスは、患者およびHCPが会話すると、口述記録プログラムを使用して、オーディオデータの記録を開始してもよい。ウェアラブルデバイスが、HCPがその左手の指のうちの1本で右手をタップしたことを検出すると、ウェアラブルデバイスは、オーディオデータの記録を停止してもよいが、口述記録プログラムは、依然として、バックグラウンドで起動していてもよい。
一部の患者は、誰かが、患者の会話を記録している、または明らかに患者を撮像しているとき、不快に感じ得る。有利には、いくつかの実施形態では、開始条件および終了条件は、患者が記録または撮像されていることに気づかないであろうように、目立たないものであってもよい。例えば、開始条件のためのキーワードは、語句「記録を開始する」の代わりに、語句「痛みがある」であってもよい。別の実施例として、開始条件と関連付けられたジェスチャは、HCPの腕をHCPのウェアラブルデバイスの正面で振るのではなく、指でテーブルを2回タップすることであってもよい。
(オーディオデータを記録および処理する実施例)
図15に図示されるように、患者ABC1502は、その医療状況をHCPに説明する(図15には図示せず)。医療状況は、患者の症状、患者がその症状を有する期間、個人的既往歴、家族既往歴等を含んでもよい。本実施例では、患者の症状は、左腰痛を伴い、これは、1週間にわたって持続している。加えて、患者は、HCPに、その母親が関節炎を有することを伝える。口述記録プログラムは、患者が発話するにつれて、患者の説明を書き起こすことができる。HCPのウェアラブルデバイスは、仮想アイテム1520を生成することができ、これは、患者の説明の関連部分を要約する。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサを使用してもよい、または別のコンピューティングシステムと通信し、患者の説明によって提供されない付加的情報を入手してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、顔認識アルゴリズムを適用し、外向きに面した結像システムによって入手された画像内の患者の顔を検出し、患者の識別を決定することができる。ウェアラブルデバイスは、検出された顔を使用して、保健医療データベースシステム1220にクエリすることができる。患者の情報が、保健医療データベースシステム1220内にある場合、保健医療データベースシステム1220は、患者の氏名または他の情報をウェアラブルデバイスに返すことができる。本実施例では、患者の氏名は、ABCである。ウェアラブルデバイスは、保健医療データベースシステム1220から読み出された情報を仮想アイテム1520の中に組み込むことができる。本実施例では、患者の氏名は、仮想アイテム1520に追加される。ある場合には、患者は、検査の間、ウェアラブルデバイスを装着してもよく、患者のウェアラブルデバイス上のユーザセンサによって入手された患者情報は、HCPのウェアラブルデバイスに通信される、または患者医療記録内に記憶されてもよい。例えば、眼追跡カメラは、ユーザの眼についての情報を決定することができ、ウェアラブルデバイス上の生理学的センサは、例えば、患者の心拍数、呼吸数、血圧等についての情報を決定することができる。
仮想アイテム1520は、HCPのウェアラブルデバイスによって表示されることができる。いくつかの状況では、患者1502もまた、ウェアラブルデバイスを装着する。仮想アイテム1520はまた、患者のウェアラブルデバイスによって表示されてもよい。
記録または処理されたデータは、患者の医療記録に追加されてもよい。ウェアラブルデバイスは、データを患者の医療記録に追加する前に、図12-14Bを参照して説明される種々の識別照合技法を使用して、患者の識別を照合することができる。
HCPのウェアラブルデバイスは、患者とHCPとの間の相互作用をドキュメント化するが、患者のウェアラブルデバイスもまた、単独で、またはHCPのウェアラブルデバイスと組み合わせて、相互作用をドキュメント化することができる。例えば、患者は、そのウェアラブルデバイス上の口述記録プログラムを使用して、その医療状況を口述記録することができる。
加えて、本実施例は、口述記録プログラムを使用するが、相互作用をドキュメント化するための他の入力技法もまた、使用されてもよい。例えば、HCPは、ウェアラブルデバイスの仮想または物理的キーボードを使用して、患者の説明をタイプすることによって、相互作用をドキュメント化してもよい。HCPはまた、HCPのウェアラブルデバイスの外向きに面した結像システムを使用して、相互作用を結像することによって、相互作用ドキュメント化することができる。
(結像データを記録および処理する実施例)
HCPのウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサを使用して、患者の画像を取得することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、外向きに面した結像システム464を使用して、患者の写真またはビデオを撮影することができる。有利には、いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ハンズフリー記録方法を提供し、それによって、滅菌問題を最小限にすることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサによって入手されたデータを使用して、ウェアラブルデバイスのユーザが手術室の中に進入したかどうかを決定することができる。ウェアラブルデバイスは、オブジェクト認識装置708を使用して、決定を行い、手術室内に典型的に存在するアイテムを識別する、または「手術室」と記載された看板を識別してもよい。ユーザが手術室内に居ることの決定に応答して、ウェアラブルデバイスは、手術室内で生じる手技のオーディオ/視覚的データを記録することができる。加えて、または代替として、ウェアラブルデバイスは、終了条件が検出されるまで、数秒毎に、ユーザの周囲の写真またはビデオを撮影することができる。
別の実施例として、HCPのウェアラブルデバイスは、HCPによって発話されたジェスチャまたはキーワードに応答して、患者または患者上の医療手技の画像の記録を開始することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、医師によって発話された語句「開始記録」の検出に応じて、手技の一部の記録を開始し、語句「停止記録」の検出に応じて、記録を停止してもよい。医師はまた、患者の画像を撮影するためのアクティブ化コマンドとして、ウェアラブルデバイスの正面のその右手を3回振ることができる。
姿勢、音声コマンド、またはオブジェクト認識装置を使用することによって、ウェアラブルデバイスは、HCPが、医療手技/検査の際、非滅菌デバイス(例えば、パーソナルデバイス、カメラ、またはスマートフォン等)に接触することを回避することに役立ち得る。加えて、ウェアラブルデバイスは、記録されたオーディオ/視覚的データに基づいて、患者の仮想医療記録(例えば、患者カルテ等)を自動的に更新し、それによって、従来の技法において、データをパーソナルデバイスまたはデジタル顕微鏡等からアップロードする必要性を低減させることができる。
(仮想医療記録を記録されたデータで自動的に更新する実施例)
現在、患者の医療画像は、病院の写真アーカイブおよび通信システム(PACS)によって、管理および記憶されている。患者の新しい医療画像を追加するために、HCPは、新しい画像を病院のPACSシステムに電子メール送信する必要がある。しかしながら、患者の記録を更新する本技法は、画像が、誤った人物に偶発的に結び付けられ得る、または電子メール送信の際に紛失され得るため、信頼性がない場合がある。
本明細書に説明されるウェアラブルデバイスは、患者の医療記録(例えば、患者カルテ等)を更新するためのより高速かつより正確な方法を提供することができる。ウェアラブルデバイスは、更新される必要があり得る、患者のファイルを識別することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、HCP(例えば、医師等)によって、一連の患者のファイルを受信することができる。ウェアラブルデバイスはまた、患者の顔認識、音声認識、または他のバイオメトリック情報を使用して、患者を識別することができる。有利には、本明細書に説明される種々の識別照合技法を使用することによって、ウェアラブルデバイスは、患者のデータが別の患者のファイルに偶発的に結び付けられる、尤度を低減させることができる。
いったんウェアラブルデバイスが、患者を識別すると、ウェアラブルデバイスは、更新するために、患者のファイルを開くことができる。故に、患者のファイルは、患者がHCPと相互作用する間、HCPにアクセス可能となる。HCPが、患者と関連付けられたオーディオ/視覚的データを捕捉するにつれて、これらのデータは、近リアルタイムで患者のファイルに結び付けられてもよい。HCPのウェアラブルデバイスは、保健医療データベース管理システムと通信し、更新を患者のファイルに保存することができる。有利には、いくつかの実施形態では、患者がHCPと相互作用する間、患者のファイルを自動的に更新することによって、HCPは、PACS(または別のHCP)と往復して画像を電子メール送信する必要はなく、それによって、画像が紛失される尤度を低減させる。加えて、患者のファイルへの更新は、患者の受診/相互作用の間に生じることができ、これは、患者の記録を更新する際の遅延を低減させることができる。
ある実装では、患者の医療記録が、閲覧または編集のために開かれると、ウェアラブルデバイスの複数のユーザが、集合的に、仮想医療記録を閲覧および更新することができる。図17-20を参照してさらに説明されるように、ウェアラブルデバイスの第1のユーザは、医療記録を更新することができる一方、ウェアラブルデバイスの第2のユーザは、第1のユーザが医療記録を更新すると、更新された仮想医療記録を閲覧することができる。ウェアラブルデバイスは、仮想医療記録との各ユーザの相互作用および仮想医療記録にアクセスした人物のインジケーション(例えば、上記に説明されるアクセスログ)を提供および記憶することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、第1のユーザの仮想アバタおよび単語「編集」を仮想医療記録内の画像のセットの近傍に示すことができる。ウェアラブルデバイスはまた、第2のユーザの氏名および単語「閲覧」を画像のセットの近傍に示すことができる。
(患者と保健医療提供者との間の相互作用をドキュメント化する例示的プロセス)
図16は、ウェアラブルデバイスによって医療事象をドキュメント化するための例示的プロセス1600を示す、フローチャートである。医療事象は、HCPと患者との間の相互作用、患者上で実施される検査または手技、または相互作用/検査/手技の一部等を含んでもよい。プロセス1600は、ウェアラブルデバイスによって実施されることができる。ウェアラブルデバイスのユーザは、HCPまたは患者であってもよい。
ブロック1610では、ウェアラブルデバイスが、ユーザの環境を監視する。ウェアラブルデバイスは、本明細書に説明される1つ以上の環境センサを使用して、ユーザの環境を監視することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、マイクロホンを使用して、ユーザの環境の音を入手することができ、外向きに面した結像システムを使用して、ユーザの環境の画像を入手することができる。環境センサによって入手されたデータは、ユーザまたはユーザの物理的環境と関連付けられたデータを含んでもよい。
ブロック1620では、ウェアラブルデバイスは、ユーザの環境と関連付けられたデータを分析し、開始条件を検出する。ユーザの環境と関連付けられたデータは、1つ以上の環境センサによって入手されたデータ、ウェアラブルデバイス上に記憶されるデータ、遠隔データリポジトリ280から読み出されたデータ等を含んでもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、発話認識アルゴリズムを使用して、オーディオデータ内で入手された単語を検出してもよい。ウェアラブルデバイスはまた、保健医療データベースシステム1220からの開始条件と関連付けられたキーワードにアクセスすることができる。ウェアラブルデバイスは、オーディオデータが開始条件と関連付けられたキーワードを含むかどうかを決定することができる。
ブロック1630では、ウェアラブルデバイスは、ブロック1620におけるデータの分析に基づいて、開始条件が存在するかどうかを決定することができる。開始条件が、存在しない場合、プロセス1600は、ブロック1610に進み、ウェアラブルデバイスは、環境を持続的に監視する。
開始条件が、検出される場合、ブロック1640では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサを使用して、医療事象をドキュメント化してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、マイクロホン232を使用して、患者とHCPとの間の会話を記録することができる。ウェアラブルデバイスはまた、外向きに面した結像システム464を使用して、患者の写真を撮影することができる。ウェアラブルデバイスは、オーディオおよび視覚的データを処理し、関連情報を識別することができる。
ブロック1650では、ウェアラブルデバイスは、終了条件が存在するかどうかを決定してもよい。ウェアラブルデバイスは、ユーザの環境と関連付けられるデータに基づいて、終了条件を検出することができる。終了条件が、存在しない場合、ウェアラブルデバイスは、ブロック1640に示されるように、医療事象を持続的にドキュメント化することができる。終了条件が、存在する場合、ブロック1660では、ウェアラブルデバイスは、医療事象のドキュメント化を終了してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサによって入手されたデータの処理を停止する、環境センサをオフにする、環境センサにスリープモードに入るように命令すること等を行なってもよい。
随意に、ブロック1670では、ウェアラブルデバイスは、データ記憶装置を医療事象と関連付けられた情報で更新するための命令を生成することができる。医療事象と関連付けられた情報は、医療事象の一部または医療事象全体をドキュメント化する、オーディオまたは視覚的データを含んでもよい。命令は、保健医療データベースシステムに、医療事象と関連付けられた情報を患者の仮想医療記録に追加させることができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスが医療事象をドキュメント化している間、データ記憶装置を更新することができる。加えて、または代替として、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスが医療事象のドキュメント化を終えた後、データ記憶装置を更新することができる。
(医療情報を保健医療提供者間で共有する実施例)
図17は、相互に相互作用する複数のデバイスを描写する、全体的システム図を図式的に図示する。コンピューティング環境1700は、ユーザデバイス1730と、ウェアラブルデバイス210aおよび210bとを含む。ユーザデバイスは、単独で、または組み合わせて、ウェアラブルデバイス(装着可能デバイス等)、コンピュータ、モバイルデバイス、または任意の他のデバイスであってもよい。
ユーザデバイス1730およびウェアラブルデバイス210a、210bは、ネットワーク1290(図12に示される)を通して、相互に通信することができる。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス1730およびウェアラブルデバイス210a、210bはまた、有線または無線ネットワークを介してウェアラブルデバイスと接続される、別のデバイス(例えば、超音波プローブ等の医療デバイス)と通信することができる。例えば、オブジェクト認識装置708は、ウェアラブルデバイスによって捕捉された画像を分析し、医療デバイス(例えば、超音波プローブ)が存在することを決定することができる。ウェアラブルデバイスは、医療デバイスに接続し(例えば、医療デバイスによってブロードキャストされるアドバタイズメントイベントをリッスンすることによって)、デバイスとウェアラブルデバイスとの間の通信リンクを模倣するように試みてもよい。コンピューティング環境1700はまた、1つ以上の遠隔コンピューティングシステム1720を含むことができる。遠隔コンピューティングシステム1720は、クラスタ化され、異なる地理的場所に位置する、サーバコンピュータシステムを含んでもよい。いくつかの実装では、遠隔コンピューティングシステム1720は、図12に示される保健医療データベースシステム1220の実施形態を含んでもよい。コンピューティングデバイス1730およびウェアラブルデバイス210a、210bは、ネットワーク1290を介して、遠隔コンピューティングシステム1720と通信することができる。
遠隔コンピューティングシステム1720は、遠隔データリポジトリ280(また、図2に示される)を含むことができ、これは、物理的および/または仮想世界についての情報を維持することができる。遠隔コンピューティングシステム270はまた、遠隔処理モジュール270(また、図2に示される)を含むことができる。遠隔処理モジュール270は、1つ以上のプロセッサを含むことができ、これは、ユーザデバイス1730、ウェアラブルデバイス210aおよび210b、および遠隔データリポジトリ1280と通信することができる。いくつかの実装では、処理または記憶の少なくとも一部は、ローカル処理およびデータモジュール260(図2に示されるように)によって提供されることができる。
ウェアラブルデバイスのユーザ210a、210bおよびユーザデバイス1730は、環境の情報を共有し、ネットワークを介して、環境内の仮想および物理的オブジェクトと相互作用することができる。例えば、医師は、ウェアラブルデバイス210aを装着し、手術室内で外科手術を患者上で実施してもよい。ウェアラブルデバイス210aは、仮想コンテンツ画面を生成し、医師に表示することができる。仮想コンテンツ画面は、医師のみが閲覧し得る、仮想コンテンツの第1の部分を含んでもよい。仮想コンテンツ画面はまた、部屋内の他のユーザが閲覧し得る、仮想コンテンツの第2の部分を含んでもよい。医師は、仮想コンテンツの第1の部分の一部または第1の部分全体を他のユーザと共有してもよい。ウェアラブルデバイス210aは、外向きに面した結像システムを使用して、患者および医師の周囲を結像することができる。医師によって入手された画像は、手術室外のウェアラブルデバイス210bを装着している医学生に通信されてもよい。いくつかの実施形態では、医学生のウェアラブルデバイス210bは、手術室と関連付けられた世界マップ920を受信してもよい。世界マップ920は、手術室内の仮想および物理的オブジェクトを含んでもよい。例えば、医学生は、210bを介して、患者の仮想医療記録および手術室内の医療機器を知覚することができる。いくつかの状況では、ウェアラブルデバイスのユーザ210bおよびウェアラブルデバイスのユーザ210aは、世界マップ920内の仮想または物理的オブジェクトと相互作用することができる。例えば、医師および医学生(異なる場所にもかかわらず)の両方が、診療所への患者の受診の間、同時に、患者を検査することができる。また、医師によって行われる検査は、患者の医療記録内にドキュメント化されることができる。検査の記録は、後に、ユーザまたは別の認可されたユーザ(例えば、医療教育のための研究の場合のように)によって精査されることができる。
世界マップ920の情報は、経時的に展開されてもよく、異なるユーザデバイスによって収集された情報に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、世界マップはまた、本明細書では、世界モデルとも称され得る。仮想世界のモデルもまた、経時的に展開され、異なるユーザの入力に基づいてもよい。図7および9を参照して説明されるように、ユーザデバイスによって入手された情報は、世界マップ920を構成するために使用されてもよい。種々のオブジェクト認識装置(例えば、708a、708b、708c…708n)が、オブジェクトを認識し、画像にタグ付けし、意味論情報をオブジェクトに結び付けるために使用されてもよい。加えて、ウェアラブルデバイス210a、210bは、有線または無線ネットワークを介してウェアラブルデバイス210a、210bと接続される、医療デバイス(例えば、超音波プローブ)を識別し、それと通信することができる。これらのオブジェクト認識装置は、図7に示される、オブジェクト認識装置708aおよび708nを含んでもよい。
ウェアラブルデバイスおよび遠隔コンピューティングシステム1720は、1つ以上のウェアラブルデバイスから取得される情報を使用して、画像、点、および他の情報の集合を構成、更新、および構築することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、入手された未加工情報を処理し、さらなる処理のために、処理された情報を遠隔コンピューティングシステム1720に送信してもよい。ウェアラブルデバイスはまた、処理するために、未加工情報を遠隔コンピューティングシステム1720に送信してもよい。ウェアラブルデバイスは、処理された情報を遠隔コンピューティングシステム1720から受信し、ユーザに投影する前に、最終処理を提供してもよい。ウェアラブルデバイスはまた、取得された情報を処理し、処理された情報を他のウェアラブルデバイスにパスしてもよい。ユーザデバイスは、入手された情報を処理する間、遠隔データリポジトリ1280と通信してもよい。複数のウェアラブルデバイスおよび/または複数のサーバコンピュータシステムが、入手された画像の構成および/または処理に関わってもよい。
物理的世界に関する情報は、経時的に展開されてもよく、異なるユーザデバイスによって収集された情報に基づいてもよい。仮想世界のモデルもまた、経時的に展開され、異なるユーザの入力に基づいてもよい。そのような情報およびモデルは、時として、本明細書では、世界マップまたは世界モデルと称されるであろう。図7および9を参照して説明されるように、ユーザデバイスによって入手された情報は、世界マップ920を構成するために使用されてもよい。種々のオブジェクト認識装置は、オブジェクトを認識し、画像にタグ付けし、かつ意味論情報をオブジェクトに結び付けるために使用されてもよい。これらのオブジェクト認識装置は、オブジェクト認識装置708aおよび708n(また、図7に説明される)を含んでもよい。
遠隔データリポジトリ280は、データを記憶し、世界マップ920の構成を促進するために使用されることができる。ウェアラブルデバイスは、常に、ユーザの環境についての情報を更新し、世界マップ920についての情報を受信することができる。世界マップ920は、ウェアラブルデバイスによって、または別のコンピューティングデバイスと組み合わせて、作成されてもよい。遠隔ウェアラブルデバイス210a、210b、ユーザデバイス1730、およびコンピューティングシステム1720は、単独で、または組み合わせて、世界マップ920を構成および/または更新してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、遠隔処理モジュール270および遠隔データリポジトリ280と通信してもよい。ウェアラブルデバイスは、ユーザおよびユーザの環境についての情報を入手および/または処理してもよい。遠隔処理モジュール270は、遠隔データリポジトリ280と通信し、ユーザおよびユーザの環境についての情報を処理してもよい。遠隔コンピューティングシステム1720は、例えば、アクセス権限を仮想オブジェクトに結び付ける、ウェアラブルデバイスによって入手された画像の一部を拡大する、関連医療情報をウェアラブルデバイス210aの画像から抽出する等、ウェアラブルデバイス210aによって入手された情報を修正することができる。遠隔コンピューティングシステム1720は、処理された情報をウェアラブルデバイス210aまたは別のコンピューティングデバイスに送信することができる。
(アクセス権限)
図14A-17を参照して説明されるように、患者と関連付けられた医療情報をユーザ間で共有するために、ユーザは、患者の医療記録にアクセスするためのアクセス権限、または少なくとも第1のユーザが第2のユーザと共有する医療情報にアクセスするためのアクセス権限を有することができる。図12を参照して説明されるように、第1のウェアラブルデバイスは、医療情報を閲覧するために、データ共有システム1238を使用して、要求を第2のウェアラブルデバイスに送信することができる。第2のウェアラブルデバイスが、要求を第1のウェアラブルデバイスから受信後、第2のウェアラブルデバイスは、患者の医療記録にアクセスを試み、データ記憶装置1220内の医療情報にアクセスしてもよい。患者システムはまた、第2のユーザが医療情報にアクセスすることを試みていることの要求を第1または第2のウェアラブルデバイスから得ることができる。患者システムは、次いで、図14A-14Bを参照して説明されるように、第2のユーザが医療情報へのアクセス権限を有するかどうかを決定することができる。上記に説明されるように、アクセス権限は、患者医療記録の異なる部分または異なるユーザに特有であることができる。例えば、患者は、完全医療記録への読取アクセスを有し得るが、患者および家族履歴セクションへの編集アクセスを有していない。HCPは、完全医療記録への読取アクセスおよびHCPの専門分野に関連する部分への編集アクセスを有し得るが、他のHCP専門分野に特有の部分への編集アクセスを有していない(例えば、心臓専門医は、医療記録の心臓関連部分への編集アクセスを有し得るが、患者の歯科記録への編集アクセスを有していない)。
(共有医療情報)
ユーザ間で共有される医療情報は、例えば、図15-16を参照して説明されるように、患者との任意の相互作用であることができる。医療情報は、ユーザが患者上での試験の間に収集した試験結果または以前に記憶された患者データまたは分析(例えば、患者の健康状態の傾向)を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のユーザは、第2のユーザと共有することを所望する医療情報を定義することができる。例えば、第1のユーザが、患者を診察している場合、第1のユーザは、患者の左腕または患者の他の部分に関する画像のみが第2のユーザに与えられるように、第2のユーザのアクセス権限を構成することができる。第1のユーザのウェアラブルデバイスは、第1のユーザによる観察(例えば、外向きに面した結像システムによって捕捉された画像を介して)を第2のユーザのウェアラブルデバイスとリアルタイムで共有してもよい。
第1のユーザの第1のウェアラブルデバイスが、医療情報を第2のウェアラブルデバイスと共有する前に、第1のウェアラブルデバイスは、通知を第1のユーザにプロンプトし、第1のユーザが送信されている医療情報を編集することを所望するかどうかを尋ねてもよい。第1のウェアラブルデバイスは、第1のユーザに、医療情報が共有されることになることを示すように提示することができる。第1のウェアラブルデバイスは、第1のユーザに、例えば、姿勢またはユーザ入力デバイス466を介して、医療情報を修正するオプションを与えてもよい。第1のユーザはまた、インジケーションを第1のユーザが修正された医療情報を共有することを所望する1人以上の他のユーザに提供することができる。第1のユーザのウェアラブルデバイスから受信されたインジケーションに基づいて、他のユーザは、第1のユーザの「招待」を承認し、第1のユーザの環境内の医療情報を共有することができる。
ある実装では、第1のユーザは、アクセス権限と医療情報を結び付けることができる。第1のユーザは、医療情報が他のユーザと共有されないであろうように、一部の医療情報をプライベートとして設定することができる。一実施例として、第1のウェアラブルデバイスは、患者の腹部および患者の顔を観察することができる(例えば、外向きに面した結像システムを介して)。第1のウェアラブルデバイスは、患者の腹部に関連する画像の部分を別の医師と共有し、病気の診断を促進することができる。しかしながら、第1のウェアラブルデバイスは、患者の顔を有する画像の部分を共有せず、患者のプライバシを保護するように構成されてもよい。医療情報の共有と関連付けられたアクセス権限は、閲覧者に基づいてもよい。例えば、外科手術手技の間、外科医の視野内のコンテンツ(仮想または物理的)は、同一手術室内の全員と共有されてもよい。しかしながら、手術室外の別のユーザとは、コンテンツのサブセットのみが、共有されてもよい。例えば、物理的コンテンツ(例えば、外向きに面した結像システムによって観察されるような)は、病理学研究室内の学生または医師と共有される一方、外科医によって見られるような仮想コンテンツは、病理学研究室内の学生または医師と共有されない。
(医療情報を共有するための例示的トリガイベント)
本明細書に説明されるウェアラブルデバイスは、複数のユーザ間の医療情報の共有を促進することができる。保健医療環境内のウェアラブルデバイスの使用は、複数のユーザが、同時に、医療手技に関する情報にアクセスし、それを閲覧することを可能にすることができる。リアルタイムで仮想コンテンツを生成し、ユーザに表示することによって、ウェアラブルデバイスは、ユーザが、保健医療環境内を歩き回り、モニタ、ディスプレイ等の多くの機器に関する情報を閲覧することを要求しない。ウェアラブルデバイスは、全ての情報を中央場所に集め、各ユーザが、同一情報または同一情報の修正されたバージョンを閲覧することを可能にすることができる。例えば、ユーザは、患者の心臓についての情報(心拍数または他の統計等)を医療デバイスから見出す代わりに、ディスプレイ220を介して、そのようなデータを閲覧することができる。ウェアラブルデバイスはさらに、各ユーザが、必要に応じて、情報を操作または編集することを可能にすることができる。更新された情報は、共有セッションの間、他のユーザに自動的に送信されてもよい。
図15を参照して説明されるように、複数のユーザが、許可を有する場合、患者の医療記録を閲覧および更新することができる。ユーザが、患者の医療記録を閲覧するとき、ユーザは、同一患者記録を閲覧する、他のユーザを把握し得る。ユーザはまた、患者の医療記録に関する他の情報(例えば、ファイル履歴)も把握し得る。例えば、ユーザは、患者の医療記録に更新を行った人物を把握し得る。故に、ユーザは、患者の記録に「ログイン」した他の人物についての情報を入手し得る。
ユーザは、仮想コンテンツ画面の共有を構成することができ、これは、患者の記録内の情報に基づいて作成されることができる。ウェアラブルデバイスは、仮想コンテンツ画面をユーザの視野内に表示することができる。ユーザは、次いで、仮想コンテンツ画面内で閲覧することを所望する情報を編集または選定することができる。ユーザはまた、他のユーザと共有するための仮想コンテンツのセクションを構成することができる。加えて、または代替として、ユーザはまた、その視野を他のユーザに複製することを選定することができる。他のユーザは、したがって、単独で、またはユーザの視野内の他の仮想コンテンツと組み合わせて、仮想コンテンツ画面を知覚することができる。
第1のウェアラブルデバイスは、医療情報を第2のウェアラブルデバイスと共有するためのユーザ命令を受信することができる。命令は、キーワードの検出に応じて、提供されることができる、またはトーテムまたはジェスチャを介して、提供されてもよい。例えば、第1のユーザは、語句「医療情報を共有する」を、そのウェアラブルデバイスに仮想コンテンツ画面(ディスプレイ220によって提示される)を他のユーザのウェアラブルデバイスと共有させるためのトリガとして定義してもよい。別の実施例として、トリガは、ボタンの作動または手のジェスチャであってもよい。第1のユーザが、第1のウェアラブルデバイスと関連付けられたトーテム上のボタンを押下する、またはその右親指で左手をタップすると、ウェアラブルデバイスは、第1のウェアラブルデバイスによって提示される仮想コンテンツ画面を他のユーザのウェアラブルデバイスと共有することができる。
第2のユーザのウェアラブルデバイスは、第2のユーザが、医療情報を共有するための第1のユーザの要求を承認することを所望するかどうか、または第2のユーザが、第2のユーザがその個別のウェアラブルデバイスを介して仮想体験を第1のユーザと共有することができる、共有セッションに参加することを所望するかどうかを尋ねる、通知を生成することができる。第2のユーザのウェアラブルデバイスは、共有セッションに参加するための第2のユーザからのインジケーションの受信に応答して、第1のユーザによって共有される情報を提示してもよい。
いくつかの実施形態では、有利には、ウェアラブルデバイスは、環境センサが収集したデータを分析することができ、環境センサから集められたデータの分析に基づいて、共有セッションのためのトリガを決定することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、他のデバイスが近傍に存在するかどうかを決定することができる(例えば、コンピュータビジョン技法を使用して、入手された画像を分析することによって、または近傍のデバイスと通信することによって)。近傍のデバイスが、発見される場合、ユーザのウェアラブルデバイスは、ユーザが一部の医療情報を他のデバイスと共有することを所望しているかどうかを尋ねる、通知をユーザに提供してもよい。
情報を共有するためのトリガはまた、ユーザと関連付けられた相互作用に基づくことができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスのユーザと患者との間の相互作用を分析することができる。ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスが、相互作用が別のユーザの参加を必要とすることを決定する場合、共有セッションのためのトリガの存在を検出することができる。例えば、ウェアラブルデバイスが、ユーザが外科手術を患者の肝臓上で実施しており、ユーザが、肝臓上の疾患が癌性であり得ることをメモまたは注解を付けたことを決定する場合、ウェアラブルデバイスは、肝臓の画像を腫瘍を分析するであろう別のユーザ(例えば、病理学研究室内の医師)と共有することを所望するかどうかを尋ねる、ユーザに表示されるアラートを生成してもよい(図19を参照して下記に説明される)。別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、以前の相互作用において収集されたデータを分析し、情報を共有するためのトリガが存在するかどうかを決定することができる。例えば、医師のウェアラブルデバイスは、患者の過去の受診に関連するデータを分析し、専門医が患者の病気を診断するために推奨されることを見出すことができる。ウェアラブルデバイスは、患者の受診後、適宜、患者の医療情報の一部を専門医と共有することができる。医師のウェアラブルデバイスはまた、医師および専門医の両方が患者の病気を診断し得るように、患者の次の受診の間、患者に関連する情報(例えば、医師によって知覚されるような)を共有することができる。
いくつかの実施形態では、複数のユーザ間で共有されるための仮想コンテンツは、患者の血圧、脳活動(例えば、患者が覚醒している)、体温等、患者パラメータを含むことができる。パラメータは、医療デバイスまたはユーザのウェアラブルデバイスによって収集されてもよい。医療デバイスは、ウェアラブルデバイスが患者パラメータを医療デバイスから受信し得るように、有線または無線ネットワークを介して、ウェアラブルデバイスと通信することができる。ユーザのウェアラブルデバイスは、インターネット、Bluetooth(登録商標)、無線共有能力を介して、データを近傍の複数の外部デバイス(例えば、心臓モニタ、麻酔モニタ等)から収集し、それを分析することができる。ウェアラブルデバイスは、次いで、全てのデバイスからのパラメータを中央プラットフォーム上に提示し、ユーザに表示することができる。ウェアラブルデバイスは、患者と接続される(物理的にまたは無線で)全ての外部デバイスからのパラメータを表示するための中央プラットフォームとして作用することができる。図23を参照して後に説明される、いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ユーザの場所を決定してもよい(例えば、GPSセンサからの場所データを分析することによって)。環境センサが収集したデータを分析後、ウェアラブルデバイスは、医療情報を1人以上の他のユーザと共有することを所望するかどうかを尋ねる、通知をユーザに提供してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスが、ユーザが手術室内に居て、他のユーザも手術室内に存在することを決定する場合、ウェアラブルデバイスは、知覚される医療情報を同一手術室内の他のユーザと共有するためのオプションをユーザに提供することができる。ユーザが、手術室内の全ての他のユーザが、その視野を閲覧することを可能にする場合、他のユーザのウェアラブルデバイスは、共有体験のために、ユーザの視野を含む仮想コンテンツ画面を提示してもよい。
(医療情報を共有するタイミング)
ユーザ間の医療情報の共有は、共有するための要求直後に生じることができる、または後の時間まで遅延されることができる。例えば、ユーザのウェアラブルデバイスは、その視野内に見えるものをリアルタイムで他のユーザと共有するための要求を受信してもよい。別の実施例では、ウェアラブルデバイスは、過去のある時間周期にわたって(例えば、5分前に)その視野内に見えたものを他のユーザと共有するためのユーザの要求を受信してもよい。ユーザは、そのウェアラブルデバイスを使用して、具体的持続時間または開始/終了時間を定義してもよい。いくつかの実施形態では、複数のユーザが、同時に、患者の医療記録にアクセスする場合、ユーザのうちの1人以上の者のためのウェアラブルデバイスは、患者の医療記録を能動的に閲覧している別のユーザが存在することを示す、通知を生成することができる。ウェアラブルシステムは、医療記録完全性を提供するために、アクセスロックを医療記録上に提供し、2人(以上の)ユーザが、同時に、記録を編集しないように防止してもよい。他の状況では、ウェアラブルシステムは、複数のユーザが、同時に、医療記録を編集することを可能にすることができ、ウェアラブルシステムは、異なるユーザによって行われる編集を同期させ、一貫性を維持してもよい。
(医療情報を共有する方法)
ユーザのウェアラブルデバイスはまた、医療情報が他のユーザと共有されるであろう方法を構成することができる。例えば、ユーザ(HCPまたは患者であってもよい)は、患者の医療記録の具体的部分を第2のユーザに具体的時間(例えば、2017年1月6日(金)午前12時)に電子メール送信することを所望することを確立してもよい。ウェアラブルデバイスは、2017年1月6日(金)午前12時に、他のユーザに、患者の医療記録の具体的部分を含有する電子メールを送信することができる。電子メールは、相互作用の任意のドキュメント化、メモまたは注解、試験結果等を含む、ユーザが他のユーザと共有することを所望する、任意の情報を含んでもよい。電子メールは、やりとりを開始した当事者を記録するメタデータ、タイムスタンプ等を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、共有仮想コンテンツ(例えば、ディスプレイ220を介して)を生成し、ユーザに表示してもよく、ユーザは、仮想コンテンツ内の情報を編集または修正してもよい。例えば、第2のユーザのウェアラブルデバイスは、第1のユーザによって知覚される仮想コンテンツと同一情報を含有する、仮想コンテンツを第2のユーザに提示することができる。第1のユーザのウェアラブルデバイスが、仮想コンテンツへの修正を第1のユーザから受信する場合、同一修正は、第2のユーザのウェアラブルデバイスに通信されることができ、第2のユーザのウェアラブルデバイスによって反映されることができる。本実施例では、第1のユーザおよび第2のユーザのウェアラブルデバイスは、同一患者ファイルに能動的に「ログイン」している別のユーザが存在することのインジケーションを提供してもよい。
ウェアラブルデバイスは、ユーザによって知覚されたコンテンツの一部のみを共有するように構成されることができる。例えば、第1のユーザのウェアラブルデバイスは、第2のユーザを識別し、第1のユーザによって知覚される情報を共有することができる。第1のユーザのウェアラブルデバイスは、コンテンツを共有するための要求を第2のユーザのウェアラブルデバイスから受信することができる。ウェアラブルデバイスは、第2のユーザのアクセス権限を決定し、第2のユーザがアクセスを有する、第1のユーザのFOV内の情報の一部のみを共有することができる。第2のユーザのウェアラブルデバイスは、適宜、第2のユーザに、第1のユーザのFOV内の情報のサブセットを提示することができる。
ウェアラブルデバイスはまた、医療デバイスから受信されたデータを共有および記録することができる。いくつかの実施形態では、データを医療デバイスから受信する間、ウェアラブルデバイスは、ユーザに、外部医療デバイスから読み出されたデータと関連付けられた医療情報を提示することができる(例えば、ディスプレイ220を介して)。例えば、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがデータを患者に取り付けられる対応する監視するデバイスから受信するにつれて、患者の心電図(ECG)を提示することができる。データ(またはデータのサブセット)は、本明細書に説明される技法を使用して、他のユーザと共有されることができる。ユーザはまた、他のユーザと共有する前に、医療情報を編集することができる。
図18は、医療情報を複数のユーザ間で共有する実施例を図示し、これは、図17を参照して説明されるコンピューティング環境1700下で実施されてもよい。図18における実施例では、外科医1802が、患者の心臓1804上で手術を行っている。外科医1802は、2人の看護師1820および1822によって補助されることができる。手術室はまた、心臓1804のリアルタイム状態または患者の他の生理学的パラメータを監視する、1つ以上の医療デバイス(例えば、ECG/EKG機械)を含んでもよい。医療デバイスは、患者の心臓の状態を物理的ディスプレイ1824に出力することができる。
本実施例では、外科医1802および2人の看護師1820、1822は、その個別のウェアラブルデバイスを装着することができる。外科医1802は、ウェアラブルデバイスを通して、患者の心臓1804を見ることができる一方、2人の看護師1820および1822は、ウェアラブルデバイスを介して、物理的ディスプレイ1824を知覚することができる。しかしながら、外科医1802は、その視野内に存在しないため、物理的ディスプレイ1824を知覚することが不可能である場合があり、2人の看護師1820、1822は、2人の看護師1820、1822の視野外にある、心臓1804を知覚していない場合がある。
有利には、図18に図示されるように、外科医1802および2人の看護師1820、1822は、ウェアラブルデバイスを介して、その個別の視野を相互に共有することができる。例えば、外科医1802および2人の看護師1820、1822は、共有セッションに参加することができる。外科医1802は、2人の看護師の視野内であるが、外科医1802の視野外にある、物理的画面1824によって表示される情報を含む、仮想画面1810を知覚することができる。仮想画面1810に関する情報は、看護師1820または1822によって装着されるウェアラブルデバイスの外向きに面した結像システムによって捕捉された画像に基づいて、レンダリングされることができる。いくつかの状況では、医療デバイスはまた、有線または無線通信チャネルを介して、ウェアラブルデバイスと通信することができ、ウェアラブルデバイスは、仮想画面1810を介して、患者の状態をリアルタイムで提示することができる。
外科医1802はまた、その視野の少なくとも一部を看護師1820、1822と共有することができる。例えば、外科医1802のウェアラブルデバイスは、外向きに面した結像システムによって観察されるような心臓1804の画像を看護師1820、1822のウェアラブルデバイスに通信することができる。
いくつかの実装では、看護師または外科医は、共有セッションを部屋内の他の人々と開始することのインジケーションをウェアラブルデバイスに提供してもよい。例えば、看護師1802または1804からのインジケーションの受信に応じて(または上記に議論される任意の他のトリガイベントの検出に応じて)、看護師のウェアラブルデバイスは、看護師が外科手術モニタ上で見ているものを外科医のウェアラブルデバイスと共有するための要求を外科医のウェアラブルデバイスに送信してもよい。看護師のウェアラブルデバイスからの要求の受信に応じて、外科医のウェアラブルデバイスは、外科医1802が患者上で手術を行っている間、仮想コンテンツ画面1810を外科医に提示してもよい(例えば、看護師によって知覚される情報を物理的ディスプレイ1824上に示すため)。仮想コンテンツ画面1810は、医療デバイスがリアルタイムで収集する、データと関連付けられた情報を含有することができる。故に、外科医のウェアラブルデバイスは、そのようなECGモニタが外科医1802の視野内に物理的にない場合でも、外科医1802に、ECGモニタに示されるように、患者の心臓の状況についてのリアルタイム医療情報を与えることができる。
外科医のウェアラブルデバイスは、手術の間、外科医のウェアラブルデバイスが、環境情報(例えば、手術室内の医療デバイスから受信された情報等)に基づいて、患者の心臓に異常が存在することを決定する場合、アラートを外科医に生成することができる。いくつかの実施形態では、外科医のウェアラブルデバイスは、ECGモニタが、患者の心臓の状態が正常であることを示す場合、患者の心臓の状況についてのリアルタイム医療情報を示す仮想画面1810を生成および表示しなくてもよい。外科医のウェアラブルデバイスは、外科手術モニタに関する情報に基づいて、患者の心臓内に異常が存在するとき、仮想コンテンツ画面のみを生成し、外科医1804に表示してもよい。外科医1802または看護師1820、1822は、その個別のウェアラブルデバイス上の視野外の情報を閲覧するための設定を構成することができる。例えば、外科医1802または看護師1802,1822は、看護師のウェアラブルデバイスが、患者の心臓データ内に異常が存在するときのみ、物理的ディスプレイ画面1824に関する情報を外科医1802と共有するように、設定を構成することができる。ある場合には、看護師のウェアラブルデバイスは、単独で、または遠隔コンピューティングシステム1720と組み合わせて、1つ以上の医療デバイスから収集されたデータを分析し、異常が存在するかどうかを決定することができる。
別の実施例として、外科医は、トリガイベントの存在に基づいて、患者の心臓1804の画像を看護師1820および1824と共有することができる。外科医のウェアラブルデバイスは、心臓の画像を共有するための要求を看護師のウェアラブルデバイスに送信してもよい。看護師のウェアラブルデバイスは、外科医のウェアラブルデバイスからの要求の受信に応じて、外科医によって見られるような患者の心臓1804の画像を示す、仮想コンテンツ画面1826を提示することができる。
図18における実施例は、ECG/EKGデータを参照して説明されるが、ウェアラブルデバイスはまた、他のタイプの医療情報を仮想画面上に提示することができる。例えば、仮想画面1810はまた、患者の血圧、脳活動、体温等、他のデバイスによって収集された患者の他のパラメータの医療情報を含んでもよい。図18の実施例における看護師1820および1822はまた、他の外科医、前期研修医、後期研修医、学生、患者等、任意の他のタイプのユーザであることができる。外科医のウェアラブルデバイス(または別のユーザのウェアラブルデバイス)はまた、認可されたユーザ(例えば、外科医自身、患者、患者の一次保健医療提供者等)による後の精査のために、手術を記録してもよい。図18の実施例では、外科医1802は、心臓外科手術を実施している。他の実施例では、第1の保健医療提供者は、任意のタイプの医療手技(または図15に図示されるような患者との任意のタイプの相互作用)を行うことができる。さらに、看護師1820および1822は、外科医が手術を行っている手術室に位置する必要はない。例えば、看護師は、隣接する部屋に位置し得る。別の実施例では、外科医は、心臓に関する情報を、それぞれ、手術室から遠隔(例えば、病院内の他の場所または完全に別個の地理的場所)に位置し得る、顧問医師または病理医と共有してもよい。
(医療情報の管理)
図15および18を参照して説明されるように、第1のユーザは、そのデバイスが患者との相互作用をドキュメント化しているとき、メモまたは注解を付けることができる。第1のユーザは、同様にそのデバイスを通して、メモまたは注解を第2のユーザと共有することができる。第1のユーザはまた、そのウェアラブルデバイスに、メモまたは注解をプライベートに保つように命令することができる。いくつかの実施形態では、第1のユーザは、そのデバイスを通して、メモまたは注解を付けている間、メモまたは注解を第2のユーザと共有してもよい。図15を参照して説明されるように、患者と相互作用する間、ウェアラブルデバイスは、患者の画像を撮影することができる。ユーザは、画像を拡大する、または画像を編集するための要求をウェアラブルデバイスに送信するためのオプションを有してもよい。画像を編集する際、ユーザは、画像の一部を仮想的に分離する、画像の異なる位置にフラグを付ける、画像のいくつかの部分を除去すること等を行ってもよい。
図19は、仮想コンテンツを医療手技の間に撮影された画像に追加する実施例を図示する。有利には、いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ユーザが、医療手技が進行中の間または医療手技後、医療情報(例えば、画像情報、カメラ配向、画像または手技の場所、時間等)を他のユーザに送信することを可能にすることによって、医療手技における効率を改良することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、腫瘍切除手技における腫瘍配向を病理学研究室に送信することができる。ウェアラブルデバイスはまた、付加的査定または分析のために、情報を異なる場所、グループ、または研究室に送信することができる。医療情報は、具体的器官の画像、症状等を含んでもよい。いくつかの実装では、ウェアラブルデバイスは、物理的マークが必要とされないように、受信者または送信者が、仮想環境内の医療情報をマークすることを可能にすることができる。例えば、腫瘍の物理的サンプル上にマークするのではなく、病理学研究室内の医師は、病理学研究室から遠隔の病院内で生じている手術の間、腫瘍の画像(例えば、2Dまたは3D画像)をマークすることができる。
ウェアラブルデバイスはまた、医療情報を分析するための効率的かつ非侵襲的方法を促進することができる。例えば、腫瘍切除の間、医師は、典型的には、物理的フラグを腫瘍内に設置し、上方向を示す。有利には、ウェアラブルシステムは、ユーザが仮想フラグ(単独で、またはテキストまたは他の視覚性と組み合わせて)を腫瘍に追加し得るように構成されることができる。ウェアラブルデバイスは、次いで、インターネット、Bluetooth(登録商標)、無線共有能力を使用して、仮想コンテンツ(例えば、仮想マーカを伴う腫瘍の画像)を患者のカルテまたは病理学研究室等の別のユーザに送信することができ、これは、情報を転送するためのより高速の方法(例えば、サンプルを放射線医師に郵送することとは対照的に)および物理的サンプルにマークするための非侵襲的方法(例えば、腫瘍を突き刺すことは、必要とされない)を提供する。
第1のユーザによって知覚可能なコンテンツを第2のユーザと共有するために、ウェアラブルデバイスは、第1のユーザによって知覚された仮想画面を第2のユーザのウェアラブルデバイスと共有することができる。仮想画面は、第1のユーザによって入力される情報(例えば、テキスト、図面、注解、物理的または仮想オブジェクトの注釈)を含んでもよい。例えば、外科医は、手術の際、患者上の腫瘍を見ている間、その仮想画面を放射線医師と共有することができる。外科医は、仮想画面上の腫瘍の領域をマークし、そのようなマークを放射線医師に通信することができる。ウェアラブルデバイスはまた、仮想コンテンツを仮想マーカとともに患者の医療記録内に保存し、その注意が必要とされることの通知を別の場所に居るユーザに送信することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、仮想フラグを仮想腫瘍画像上に置き、基点方向(例えば、上向き)である方向、画像を捕捉したカメラの配向、コンテキスト情報(例えば、画像に関連する外科医からのメモまたは注解、腫瘍等の身体部分等)等を示すことができる。ウェアラブルデバイスは、仮想コンテンツを共有することによって、仮想腫瘍画像を仮想フラグとともに、直接、病理学研究室内のユーザに送信することができる。ウェアラブルデバイスはまた、患者の医療記録内の仮想腫瘍画像を仮想フラグで更新し、病理学研究室内の通知をユーザに送信することができる。外科医からの情報の受信に応じて、病理学研究室内のユーザはまた、その個別のウェアラブルデバイスを使用して、付加的注釈を仮想コンテンツとして付けることができる。そのような付加的注釈はまた、外科医のウェアラブルデバイスに通信されることができる。
図19の実施例では、外科医1902が、医療手技を患者の器官1904上で実施している。外科医1902は、器官1904がいくつかの異常を含有することを決定してもよい。外科医1904のウェアラブルデバイスは、器官1904の画像を撮影してもよい。画像を撮影後、ウェアラブルデバイスは、器官の画像を含有する第1の仮想コンテンツ画面1910を生成および表示する。外科医は、器官1904が、2つの部分、すなわち、正常部分と、除去される必要がある異常部分とを含有することを決定してもよい。外科医は、第1の仮想コンテンツ画面1910内において、部分A(正常部分)と、部分B(異常部分)とをマークしてもよい。切除の位置を確認するために、外科医1902は、そのウェアラブルデバイスに、画像1910の部分Aおよび部分Bを仮想的に分離するように命令してもよい(キーワード、トーテム、またはジェスチャアクティブ化のいずれかによって)。部分Aおよび部分Bを仮想的に分離するための要求の受信に応じて、外科医のウェアラブルデバイスは、画像内のデータを処理および分析してもよい。外科医のウェアラブルデバイスは、次いで、第2の仮想コンテンツ画面1920を生成し、外科医1902に表示してもよく、外科医のウェアラブルデバイスは、分離された部分Aおよび部分Bを示し、これは、異常部分の検査または切除を補助し得る。
ウェアラブルデバイスはまた、ユーザが、腫瘍の画像を操作することを可能にすることができる。例えば、外科医1902は、そのウェアラブルデバイスに異常部分Bの画像を拡大するように命令することができる、(例えば、手のジェスチャまたは音声コマンドを使用して)。そのような命令の受信に応じて、外科医のウェアラブルデバイスは、仮想画面1930に示されるように、異常部分Bの画像を生成および表示してもよい。本拡大された画像に基づいて、外科医は、部分Bを器官1904から除去すべき位置をより良好に決定することができる。外科医はまた、腫瘍と関連付けられた注解またはマーカを入力することができる。例えば、外科医は、仮想画面1930に示されるように、2つのフラグ(フラグ1およびフラグ2)を腫瘍の画像上に設置してもよい。フラグ1およびフラグ2は、例えば、腫瘍の方向または配向、切除の位置、異常の場所、身体に対する部分Bの方向(例えば、フラグ1は、フラグ2に対して前方位置にある)等を示すことができる。
いくつかの実装では、外科医はまた、腫瘍の画像をウェアラブルデバイスの別のユーザと共有することができる。外科医は、フラグ1およびフラグ2の位置を確認するために、第1、第2、または第3の仮想画面内の情報を第2のユーザと共有することができる。第2のユーザは、異常部分Bを分析するであろう、病理医であることができる。外科医は、3つの仮想コンテンツ画面を患者の医療記録内に保存することができ、第2のユーザは、次いで、患者の医療報告内の仮想コンテンツ画面を閲覧することができる。外科医はまた、図18を参照して上記に図示されるように、3つの仮想コンテンツ画面を第2のユーザと共有することができる。外科医はまた、外科医が外科手術を実施するにつれて3つの仮想コンテンツ画面を第2のユーザにリアルタイムで送信するためのオプションを有してもよい。いくつかの実施形態では、有利には、外科医1902が、ある所見を付ける(例えば、フラグ1および2を設置する)と、外科医のウェアラブルデバイスは、外科医1902に、外科医が仮想画面または注釈を別のユーザに送信することを所望するかどうかを尋ねる通知を送信してもよい。
別の実施例として、外科医1902のウェアラブルデバイスは、外科医が作業しているエリアの仮想コンテンツを生成し、示してもよい。仮想コンテンツ画面1910、1920、および1930は、外科手術の間の異なる時点における、手術が行われているエリアを示し得る。例えば、第1の仮想画面1910は、異常が除去される前の器官1904を示し得る。第2の仮想画面1920は、外科医が異常部分を除去した後の器官1904を示し得、部分A(正常部分)と、部分B(除去された異常部分)とを含む。外科医は、次いで、異常部分Bを第3の仮想画面上で拡大し、外科医がさらなる試験を行うことを所望する部分に仮想的にフラグを付けることができる。例えば、フラグ1およびフラグ2は、外科医が病理学試験が実施されることを所望する部分を示してもよい。別の実施例として、フラグ1および2は、腫瘍の配向を示すことができる(例えば、腫瘍と関連付けられた上向き方向を示すこと等によって)。外科医は、第1、第2、または第3の仮想コンテンツ画面を第2のユーザ(例えば、病理医)と共有することができる。これらの画面のうちの1つ以上のものを共有することによって、第2のユーザは、病理学試験を行うとき、異常部分Bが生じた器官内の場所、患者の身体内に位置付けられる器官または異常の状態、器官の付加的切除必要とされ得るかどうかまたはその場所等に関して、さらなるコンテキストを有することができる。また、仮想フラグの使用は、実際の物理的フラグが異常部分Bの中に設置されないため、分析前に異常部分の完全性を保つことに役立ち得る。
図19の実施例では、外科医のみが、仮想画像を編集する、またはそれにフラグを付けているが、いくつかの実施形態では、複数のユーザが、第1、第2、または第3の仮想コンテンツ画面を共有するとき、画像を編集する、またはそれにフラグを付けることができる。異なるユーザによる種々の編集およびフラグ付けは、患者の医療記録内に記録されることができ、他のユーザは、更新された画像を自動的に得ることができる。例えば、フラグ1または2は、外科医によって提供される腫瘍画像を受信する、別の医師によって設置されてもよい。
図20は、仮想コンテンツを複数のユーザ間で共有する、例示的プロセス2000を図示する、フローチャートである。例示的プロセス2000は、本明細書に説明されるウェアラブルシステム200によって実施されることができる。例えば、例示的プロセス2000は、単独で、または遠隔処理モジュール270と組み合わせて、1つ以上のウェアラブルデバイスのローカル処理およびデータモジュール260によって実施されることができる。
ブロック2010では、プロセス2000は、第1のユーザの第1のウェアラブルデバイスによって、仮想コンテンツを提示する。第1のユーザのウェアラブルデバイスは、仮想コンテンツを第1のユーザに提示してもよい。仮想コンテンツは、1つ以上の仮想画面を介して提示されてもよい。
ブロック2020では、プロセス2000は、第2のウェアラブルデバイスを介して、仮想コンテンツを第2のユーザと共有するためのトリガイベントを検出する。トリガイベントは、仮想コンテンツを別のユーザと共有するための第1のユーザによる要求であってもよい、または第1のユーザによって知覚可能な情報を閲覧するための第2のユーザによる要求であってもよい。要求は、キーワード、トーテム上の入力、またはジェスチャであってもよい。トリガイベントはまた、第1または第2のユーザの環境内の条件に基づいてもよい。例えば、コンテンツ共有は、患者の緊急状態(例えば、突然の出血または心拍数の異常等)の検出に応答してトリガされてもよい。
ブロック2030では、プロセス2000は、第2のユーザと関連付けられたアクセス権限を照合する。アクセス権限の照合は、図12に示されるデータセキュリティ管理システム1212によって行われてもよい。アクセス権限は、保健医療データベースシステム1220によって照合されてもよく、これは、医療記録と関連付けられた第2のユーザのプロファイルに基づいて、第2のユーザのアクセス権限を照合することができる。ある実装では、患者は、その医療記録へのアクセスを有する人物を制御してもよい。患者は、照合のために、保健医療データベースシステム1220におけるアクセスルールを設定することができる。患者システム自体もまた、第2のウェアラブルデバイスのアクセス権限を照合してもよい。
ブロック2040では、プロセス2000は、第2のウェアラブルデバイスが仮想コンテンツにアクセスするための十分なアクセス権限を有するかどうかを決定することができる。例えば、第1または第2のウェアラブルデバイスは、第2のユーザが仮想コンテンツへのアクセス権限を有するかどうかに関するインジケーションを保健医療データベースシステム1220から受信することができる。第2のユーザが、仮想コンテンツへのアクセス権限を有する場合、プロセス2000は、ブロック2050に移動し、第1のウェアラブルデバイスによって知覚されるような仮想コンテンツは、第2のユーザのウェアラブルデバイスと共有される。いくつかの状況では、第1のユーザは、第2のユーザのウェアラブルデバイスと共有することを所望する、仮想コンテンツの部分(例えば、仮想コンテンツの具体的部分または仮想コンテンツ全体)を示すことができる。第2のユーザのウェアラブルデバイスは、第1のウェアラブルデバイスから受信された仮想コンテンツを示す、第2の仮想コンテンツ画面を生成および表示することができる。
随意のブロック2060では、第2のウェアラブルデバイスは、仮想コンテンツへの修正を受信することができる。第2のユーザは、第2の仮想コンテンツ画面内の仮想コンテンツを修正することができ、第2のユーザのウェアラブルデバイスは、そのような修正を記録することができる。そのような修正は、第1のウェアラブルデバイスに通信されることができる。
随意のブロック2070では、第1のウェアラブルデバイスは、修正された仮想コンテンツを第1のユーザに提示することができる。第2のユーザのウェアラブルデバイスは、患者の医療記録内の修正された仮想コンテンツを更新し、修正についての通知を第1のユーザに送信してもよい。第1のユーザのウェアラブルデバイスは、次いで、第1の仮想コンテンツ画面を更新し、修正された仮想コンテンツを第1のユーザに示すことができる。
第2のユーザが、ブロック2040において決定されるように、仮想コンテンツへのアクセス権限を有していない場合、プロセス2000は、第2のユーザが仮想コンテンツへのアクセス権限を有していないことのインジケーションを第1のユーザのウェアラブルデバイスに提供することができる。プロセス2000はまた、医療記録の患者に、第2のユーザが仮想コンテンツにアクセスしようと試みたことのインジケーションを送信してもよい。患者システムへのインジケーションは、ユーザの氏名、仮想コンテンツと関連付けられた情報を含んでもよい。プロセス2000は、否認されたアクセスの本出来事を患者の医療報告内に記憶してもよい。
図18-20におけるいくつかの実施例は、仮想コンテンツ画面を使用して、仮想コンテンツを共有する、または仮想コンテンツを表示することを説明するが、ウェアラブルデバイスは、任意のタイプの技法を使用して、仮想コンテンツを3D空間内に表示および共有することができる。仮想コンテンツは、仮想コンテンツ画面上にレンダリングされることを要求されない。仮想コンテンツは、異なるタイプの仮想オブジェクトとして現れる、または仮想コンテンツ画面の一部であるように現れない、他のグラフィカル外観を有することもできる。
(コンテキスト情報に基づいて、仮想コンテンツにアクセスし、それを提示する実施例)
ウェアラブルデバイスは、コンテキスト情報に基づいて、仮想コンテンツを提示することができる。コンテキスト情報は、例えば、ユーザの場所、ユーザの姿勢、ユーザの感情状態、アクセス権限のレベル等、ウェアラブルデバイスのユーザと関連付けられた情報を含むことができる。コンテキスト情報はまた、例えば、ユーザの環境内の物理的オブジェクト、仮想オブジェクト、人物等、ユーザの環境と関連付けられた情報を含むことができる。
ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサによって入手されたデータ、遠隔データリポジトリ280または保健医療データベースシステム1220からアクセスされるデータ、それらの組み合わせ、または同等物に基づいて、コンテキスト情報を決定することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のオブジェクト認識装置を使用して、外向きに面した結像システム464によって入手されたデータを分析し、ユーザの環境内の物理的オブジェクトまたは人物を識別することができる。1つ以上のオブジェクト認識装置は、種々のコンピュータビジョンアルゴリズム(例えば、顔認識アルゴリズムまたはオブジェクト認識アルゴリズムを含む)を適用し、物理的オブジェクトを識別することができる。別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、IMUを使用して、ユーザの姿勢を決定し、GPSから入手されたデータを使用して、ユーザの場所を決定することができる。
ウェアラブルデバイスは、コンテキスト情報に基づいて、仮想コンテンツにアクセスし、仮想コンテンツを3Dディスプレイ上に提示することができる。仮想コンテンツは、患者の仮想医療記録からの情報または場所に特有の仮想情報を含んでもよい。仮想コンテンツはまた、アラートを含んでもよい。アラートは、単独で、または組み合わせて、視覚的焦点インジケータ、メッセージ、音等を含んでもよい。焦点インジケータは、アラートをトリガした物理的または仮想コンテンツの近傍にあってもよい。アラートメッセージは、アラートをトリガしたイベントを説明する、簡単な説明を含むことができる。コンテキスト情報に基づいて仮想コンテンツを提示する実施例は、図21-24をさらに参照して説明される。
(ユーザの環境と関連付けられたコンテキスト情報)
HCPのウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサによって入手されたデータに基づいて、周囲の人物を認識してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、図12および14Aを参照して説明される技法(例えば、顔認識、音声認識等)を使用して、人物(例えば、患者)を認識することができる。ウェアラブルデバイスは、患者の情報を3Dディスプレイ上に提示することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、例えば、患者の氏名、手技、診断、手術されている解剖学的部位、薬等、患者特有の情報を提示することができる。有利には、いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、顔認識技法を使用して、患者の識別を認識し、適宜、患者特有の情報を提示することによって、患者処置の効率を改良し、品質を増加させることができる。例えば、医師は、多くの場合、そのオフィス内で多くの患者カルテを取り扱う必要がある。顔認識を用いることで、医師は、患者と相互作用する必要なく、患者を見て、患者の情報を自動的に知覚することができる。いくつかの実施形態では、顔認識は、外向きに面した結像システムから入手されたデータと併用される。例えば、ウェアラブルデバイスは、外向きに面した結像システムによって入手された画像に基づいて、患者カルテを識別し、患者カルテ内で識別された患者が顔認識技法を用いて認識された同一患者であることを決定することができる。別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、顔認識を用いて決定された患者の識別を手術室のスケジューリング情報に対してチェックし、ウェアラブルデバイスのHCPが正しい患者上で手術を行うであろう(または行っている)ことを確実にすることができる。
図21は、ユーザの環境と関連付けられたコンテキスト情報に基づいて仮想コンテンツを提示する実施例を図示する。本実施例では、外科医2102は、ウェアラブルデバイスを装着することができる。ウェアラブルデバイスは、顔認識技法に基づいて、患者を識別することができる。ウェアラブルデバイスは、患者と関連付けられた仮想医療記録を読み出すことができる。ウェアラブルデバイスは、仮想オブジェクト2106、2108、および2110によって示されるように、仮想医療記録の関連部分を3Dユーザインターフェース上に提示することができる。
ウェアラブルデバイスは、患者の仮想医療記録または手術室と関連付けられた情報に基づいて、外科手術のタイプを決定することができる。本実施例では、ウェアラブルデバイスは、手術室のスケジューリング情報に基づいて、外科医2102が低侵襲的心臓外科手術を実施していることを決定することができる。故に、ウェアラブルデバイスは、患者の心臓のモデル2104を3D空間内に提示し、外科医2102が、外科医が手術を行うべき関連領域を識別することに役立てることができる。ウェアラブルデバイスはまた、呼吸数を仮想オブジェクト2108上におよびECGデータを仮想オブジェクト2110上に等、患者の生理学的データを提示し、かつ年齢、既往歴、アレルギー等の患者の個人情報を仮想オブジェクト2106上に提示することができる。
加えて、または代替として、HCPのウェアラブルデバイスは、外向きに面した結像システムから入手されたデータに基づいて、四肢または器官等のユーザの身体の一部を認識することができる。ウェアラブルデバイスは、仮想医療記録にアクセスし、HCPがユーザの身体の正しい部分上で手術を行っているかどうかを決定することができる。ウェアラブルデバイスは、HCPが、ユーザの身体の誤った部分上で手術を行おうとしている、または行っている場合、アラートを提示することができる。
図22Aおよび22Bは、ユーザの環境と関連付けられたコンテキスト情報に基づいてアラートを提示する実施例を図示する。図22Aの実施例では、外科医2202が、手術室内に居る。外科医2202は、ウェアラブルデバイスを介して、患者の脚部2214r、2214lの画像を含む、仮想オブジェクト2210を知覚することができる。図21を参照して説明されるように、コンテキスト情報に基づいて、外科医のウェアラブルデバイスは、外科医が患者上で実施しようとしている手術のタイプに関連する情報を決定することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、手術室のスケジューリング情報にアクセスし、患者のためにスケジュールされた外科手術が患者の右脚2204r上における手技を伴うことを決定することができる。ウェアラブルデバイスは、患者の医療記録にクセスし、手術が右脚部2204r上で実施されるべきであることを確認することができる。ウェアラブルデバイスは、外科医に、焦点インジケータを提示し(仮想オブジェクト2210内に)、手術のための正しい脚部が右脚2204rであることを示すことができる。例えば、図22Aでは、ウェアラブルデバイスは、患者の右脚の画像2214rポインティングする矢印2216aを表示し、これは、手術のための正しい脚部に関する視覚的インジケーションを外科医2202に提供する。
ウェアラブルデバイスは、外科医と患者の相互作用を監視することができる。外向きに面した結像システム464によって入手されたデータに基づいて、ウェアラブルデバイスは、外科医2202がメス2204を保持していることを検出することができる。図22Aにおける実施例では、メスは、正しい脚部である、右脚2204r上で操作されている。
図22Aに示される実施例とは対照的に、図22Bに示される実施例では、患者の左脚2204lが、手術のための正しい脚部である(仮想オブジェクト2210内の左脚2214lをポインティングする矢印2216bによって示されるように)。本実施例では、ウェアラブルデバイスは、メスが右脚2204r上で操作されている、またはメスが患者の右脚2204rに向かって移動していることを決定する。例えば、ウェアラブルデバイスの外向きに面した結像システムは、患者の下肢を結像し、コンピュータビジョン技法を使用して、患者の四肢、外科医の手の位置、外科医の手中のメスの存在および場所等を識別することができる。ウェアラブルデバイスは、外科医が、図22Bでは、外科手術のための正しい脚部ではない、患者の右脚2204r上で手術を行おうとしている(または行っている)ことを決定することができる。ウェアラブルデバイスは、外科医2202が右脚2204r上で手術を行うべきではないことの視覚的アラート警告2218を提示することができる。アラートは、外科医2202に誤った脚部上で手術を行おうとしていることを知らせる、メッセージを含んでもよい。アラート警告2218は、患者の左脚2204lの近傍に現れるように提示され、左脚2204lが正しい脚部であることを強調することができる。他の実施形態では、アラート警告2218は、患者の右脚2204rにわたって表示され、それによって、少なくとも部分的に、正しくない脚部の外科医のビューをオクルードしてもよく、これは、問題が生じている場合があることの付加的視覚的インジケーションを外科医に提供する。いくつかの実施形態では、アラートはまた、外科医の過誤を補正するための推奨される措置(例えば、外科医左脚2204l上で手術を行うべきであることのリマインダ等)を含む。加えて、または代替として、アラートは、焦点インジケータを含んでもよい。例えば、矢印2216bは、色を変化させる(例えば、緑色から赤色に)、または左脚2204lが正しい脚部であることを強調し得るように点滅し始めてもよい。アラート警告2218は、可聴アラートを伴ってもよく、例えば、ウェアラブルデバイスのスピーカシステムは、図22に示されるメッセージを再生し、外科医が患者の正しくない脚部上で手術を行う試みを継続しないことを確実にすることに役立ててもよい。本実施例は、患者の脚部上の手技を説明するが、これは、例証のためのものであって、本明細書に説明されるアラート警告の範囲を限定することを意図するものではない。さらに、アラートの使用は、外科手術に限定されず、他のHCPによって使用されるウェアラブルデバイスに提供されることもできる(例えば、実際には左腰痛を訴えているとき、患者上で皮膚発疹を検査するように試みる、検査医師にアラートするため(例えば、図15参照))。
(ユーザと関連付けられたコンテキスト情報)
コンテキスト情報は、ウェアラブルデバイスのユーザに特有である情報を含むことができる。複数のユーザが、同一ウェアラブルデバイスを使用してもよいため、ウェアラブルデバイスは、ユーザに特有であるコンテキスト情報を決定するために、ユーザの識別を照合する必要があり得る。ウェアラブルデバイスは、図14Aおよび14Bを参照して説明される種々の技法を使用して、ユーザの識別を決定および照合することができる。実施例として、ウェアラブルデバイスは、ユーザプロファイルを作成し、医療データ記憶装置1222内に記憶することができる。ウェアラブルデバイスが、ユーザによって作動されると、ウェアラブルデバイスは、ユーザのバイオメトリック情報を取得する、またはユーザにユーザの識別を照合するためのある入力を提供するように要求することができる。バイオメトリック情報またはユーザ入力に基づいて、ウェアラブルデバイスは、適切なプロファイルにアクセスし、ユーザのアクセス権限を決定することができる。プロファイルは、例えば、氏名、生年月日、卒業学校名、卒業年、専門分野、病院情報、アクセス権限等、ユーザについての情報を含むことができる。
有利には、いくつかの実施形態では、プロファイルは、ユーザの音声特性またはユーザの眼特性(例えば、虹彩または網膜パターン)を含む。ウェアラブルデバイスは、内向きに面した結像システム462(例えば、眼追跡カメラ)によって入手されたデータに基づいて、人物の眼特性を収集および分析することができる。例えば、人物の眼の画像は、セグメント化され、虹彩を識別することができ、次いで、虹彩コードが、生成されることができ、これは、人物を一意に識別する。ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスによって収集された眼特性とプロファイル内の眼特性を合致させることができる。ウェアラブルデバイスが、合致が存在することを決定する場合、ウェアラブルデバイスは、ユーザの識別が照合されたことを決定することができる。ウェアラブルデバイスが、合致を見出さない場合、ウェアラブルデバイスは、アラートを生成し、ユーザがウェアラブルデバイスを使用することを認可されていないことを示すことができる。ユーザは、次いで、異なる識別方法を試みることができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、通知をウェアラブルデバイスを使用することを認可された1人以上のユーザに送信してもよい。通知は、非認可アクセスのデータ、時間、または場所を含むことができる。ウェアラブルデバイスはまた、非認可アクセスに関する通知を患者の医療記録内に記憶してもよい。
開心外科手術の間、ユーザの情報に基づいて仮想コンテンツを提示する実施例として、HCPのウェアラブルデバイスは、HCPの姿勢(例えば、視線方向等)を分析し、HCPが現在相互作用しているオブジェクトを決定することができる。例えば、HCPが、長時間周期(例えば、5分、10分等)にわたって、心臓ではなく、手術室の窓を凝視している場合、ウェアラブルデバイスは、ユーザの注意が散漫であることを決定してもよい。その結果、ウェアラブルデバイスは、HCPの注意を外科手術に戻すようにアラートを生成することができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、外科手術の間の全てのアラートをコンパイルし、報告を生成する。
ユーザの情報に基づいて仮想コンテンツを提示する別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、ユーザが受付係であって、その職務が予約のスケジューリングを伴うことを決定することができる。故に、ウェアラブルデバイスは、予約スケジューリングツールを3Dユーザインターフェース上に自動的に提示することができる。しかしながら、医師が、同一ウェアラブルデバイスを使用するとき、ウェアラブルデバイスは、予約をスケジューリングするためのツールではなく、医師の週間スケジュールを提示してもよい。
図23は、ユーザの場所に基づいて仮想コンテンツを提示する実施例を図示する。ユーザの場所は、ウェアラブルデバイスの1つ以上の環境センサに基づいて決定されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、GPSによって入手されたデータに基づいて、ユーザの場所を決定することができる。ウェアラブルデバイスはまた、外向きに面した結像システムによって入手された画像に基づいて、ユーザの場所を決定することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、コンピュータビジョンアルゴリズムを使用して、建物を検出することができる。ウェアラブルデバイスはさらに、画像が単語「病院」を伴う看板または他の特性目印を含むため、建物が病院であることを決定することができる。
図23は、2つの場面2310および2330を示す。場面2310の場所は、病院2312である一方、場面2330の場所は、診療所2314である。ユーザ2302は、両場面において、ウェアラブルデバイスを装着している。
実施例として、ユーザ2302は、患者であってもよい。場面2310では、ウェアラブルデバイスの場所センサ(例えば、GPS等)は、患者の場所データを入手することができる。ウェアラブルデバイスは、場所データを処理し、ユーザが病院2312に居ることを決定することができる。ウェアラブルデバイスは、例えば、保健医療データベースシステム1220と通信することによって、患者の仮想医療記録にアクセスすることができる。ウェアラブルデバイスは、患者の仮想医療記録を分析し、患者が病院2312において手術がスケジューリングされていることを決定することができる。故に、ウェアラブルデバイスは、病院2312の建物マップを提示することができ、これは、手術室までの経路を含む。医師が、建物の内側に移動するにつれて、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスの外向きに面した結像システム464(またはGPSデータ)によって入手されたデータを分析し、病院の内側の医師の位置を決定し、適宜、経路情報を更新することができる。ウェアラブルデバイスはまた、手術室の情報2320を3Dディスプレイ上に提示することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、例えば、手技のリスク等の手技に関する情報を3Dディスプレイ上に提示することができる。
場面2330では、ウェアラブルデバイスは、ユーザの場所情報に基づいて、患者が診療所2314に居ることを決定することができる。ウェアラブルデバイスは、故に、例えば、予約の時間および患者が診療所2314において診察を受けるであろう医師等、診療所2314における患者のスケジューリング情報を表示することができる。
別の実施例として、ユーザ2302は、病院2312および診療所2314に勤務している、医師であってもよい。医師が、病院2312に居るとき、ウェアラブルデバイスは、医師が手術室Aにおいて外科手術を実施するであろうことを決定することができる。故に、ウェアラブルデバイスは、手術室Aの情報(例えば、手術室内の医療機器等)を提示することができる。ウェアラブルデバイスはまた、医師の現在の場所から手術室Aまでのマップまたは経路情報を提示することができる。ウェアラブルデバイスはまた、患者に、医師が手術を行うであろうことを知らせることができる。患者情報は、病院のネットワーク(例えば、病院のサーバ)上、ファイルキャビネット内、または保健医療データベースシステム1220内に記憶されてもよい。ウェアラブルデバイスは、患者のファイルの記憶場所を自動的に識別し、記憶場所からファイルにアクセスすることができる。患者のファイルがファイルキャビネット内に記録されている、いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、患者のファイルの場所のインジケーションを提供し、医師が患者のファイルを見出すことに役立ててもよい。
医師が、そのウェアラブルデバイスを診療所2314においてオンにすると、ウェアラブルデバイスは、医師の現在の場所が診療所2314である(病院2312ではなく)ことを検出することができる。ウェアラブルデバイスは、診療所のデータベースと通信し、例えば、医師が診察を行うであろう患者、医師が診療所で実施するであろう手技、検査室、営業時間後に診療所で受信されたボイスメールメッセージ等、医師の案件の関連情報を読み出すことができる。ウェアラブルデバイスは、Bluetooth(登録商標)または無線技術を使用して、診療所のクラウドネットワークと通信することによって、関連情報を取得することができる。医師の案件の情報は、前日にアシスタントによってクラウドネットワークにアップロードされてもよい。
場所情報に基づいて仮想コンテンツを提示する別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、ユーザの環境およびユーザが病院内の具体的手術室の中に進入したことを監視することができる。ウェアラブルデバイスは、本特定の手術室と関連付けられた世界マップ920(例えば、内部外科ユニットマップ等)にアクセスし、手術室と関連付けられたオブジェクトを決定することができる。本手術室の世界マップは、複数のユーザによって作成および更新されてもよい。世界マップの更新および構築に関する詳細は、図9および17を参照して説明される。ウェアラブルデバイスはまた、例えば、次の手技に関する時間および患者等、本特定の手術室のためのデフォルトパラメータを表示することができる。ウェアラブルデバイスは、病院ネットワークにアップロードされた看護師のスケジュールにアクセスし、本特定の手術室のデフォルトパラメータを決定することができる。
(コンテキスト情報に基づいて仮想コンテンツにアクセスし、それを提示する例示的プロセス)
図24は、コンテキスト情報に基づいて仮想コンテンツにアクセスし、それを提示するための例示的プロセス2400を図示する、フローチャートである。プロセス2400は、ウェアラブルデバイスによって実施されてもよい。
ブロック2410では、ウェアラブルデバイスが、ウェアラブルデバイスの1つ以上の環境センサによって入手されたデータにアクセスする。入手されたデータは、ユーザまたはユーザの環境と関連付けられたデータを含んでもよい。
ブロック2420では、ウェアラブルデバイスは、少なくとも、1つ以上の環境センサによって入手されたデータの分析に基づいて、コンテキスト情報を決定する。コンテキスト情報は、HCP、患者、仮想医療記録、検査または手術室、検査または手術室内のオブジェクト、ウェアラブルデバイスのユーザの場所、ユーザと患者との間の相互作用等と関連付けられた情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスはまた、遠隔データリポジトリ280または保健医療データベースシステム1220内のデータにアクセスし、アクセスされたデータに基づいて、コンテキスト情報を決定することができる。
ブロック2430では、ウェアラブルデバイスは、少なくとも部分的に、コンテキスト情報に基づいて、ウェアラブルデバイスのユーザのためのFORと関連付けられた仮想オブジェクトを識別する。仮想オブジェクトは、ユーザ間で共有される仮想コンテンツ、患者の医療記録内の過去の試験結果、ユーザと患者との間の相互作用のドキュメント化、ユーザのスケジューリング情報等を含んでもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、ユーザの現在の場所を決定し、現在の場所と関連付けられた仮想オブジェクトを識別することができる。
ブロック2440では、ウェアラブルデバイスは、仮想オブジェクトのうちの1つ以上のものをユーザのFOV内に提示することができる。例えば、医師が病院に居るとき、医師のFORと関連付けられた仮想オブジェクトは、病院のマップ(またはある場所までの経路)およびその日の医師のスケジュールを含んでもよい。しかしながら、ウェアラブルデバイスは、その日の医師のスケジュールのみをFOV内に提示してもよい。医師が、病院のマップを閲覧することを所望する場合、医師は、ユーザ入力デバイス466を作動させる、または姿勢を使用することができる。
随意に、ウェアラブルデバイスは、ブロック2450において、コンテキスト情報に基づいて、アラートを生成するための閾値条件が満たされるかどうかを決定することができる。閾値条件は、医療手技における過誤を含んでもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、患者上で実施される外科手術の標準ステップを決定することができる。標準ステップは、プロセスA、B、およびCを含んでもよい。ウェアラブルデバイスは、外科医のアクションを監視し、外科医がプロセスBをスキップしたことを検出することができる。プロセスBが欠けていることの検出に応答して、ウェアラブルデバイスは、閾値条件が満たされたことを決定することができる。別の実施例として、ウェアラブルデバイスは、手術が患者の右脚2204r上で行われるべきであるとき、外科医のメスが患者の左脚2204lまでの閾値距離未満であると、閾値条件が満たされたことを決定することができる。
閾値条件が、随意のブロック2460において満たされる場合、ウェアラブルデバイスは、アラートをウェアラブルデバイスのユーザに提示することができる。アラートは、過誤、閾値条件、または過誤の補正措置等を示す、焦点インジケータまたはアラートメッセージを含んでもよい。
閾値条件が、満たされない場合、プロセス2400は、ブロック2410に戻る。
(医療器具を追跡する実施例)
HCPは、医療手技または検査の際に関わる医療器具を追跡する必要があり得る。器具追跡は、外科手術/検査の際に関わる医療器具を計数する、または異物(例えば、医療器具)が患者の滅菌領域に進入した、またはそこから退出したかどうかを把握することを含むことができる。正しい医療器具が使用されたかどうか、または医療器具が正しい位置にあるかどうかを把握することは、医療過誤を回避し、健康医療の品質を改良するために非常に重要である。例えば、外科医は、ある器具を要求し得るが、異なるものが、看護師によって手渡される。その結果、外科医は、誤った器具を患者上で使用し得、これは、医療事故を生じさせ得る。別の実施例として、患者は、器具が誤算される場合、その手術からの異物(例えば、ガーゼ、医療用布、携帯電話等)とともに閉鎖され得る。
これらの問題を改善するために、現在の技法は、手術室の中に進入した全ての器具を計数し(例えば、看護師等によって)、器具(およびその場所/機能)が、外科手術の終了時に適切に考慮されていることを確実にすることを含む。しかしながら、医療手技における器具追跡は、看護師にとって手間のかかるタスクである。加えて、現在の技法は、複数のHCP(例えば、複数の外科医、看護師等)が手術の際に関わり得るため、エラーを被りやすい。全員のアクションおよび医療器具の使用を考慮することは、困難であり得る。さらに、手術室の環境は、HCPにとって、高ストレスであって、時間的制約があり、かつ疲労困憊させ得るものである。したがって、HCPは、手術室内の医療器具のうちのいくつかを偶発的に忘れ得る。
これらの問題を回避し、既存の技法を改良するために、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサを使用して、ユーザの環境内の医療器具を識別し、医療器具が正しい位置にあるかどうかを決定することができる(例えば、外科手術後、患者の腹部の内側ではなく)。ウェアラブルデバイスはまた、1つ以上のセンサによって入手されたデータに基づいて、正しい医療器具が滅菌野の中に進入したかどうかを決定することができる。
(医療器具を識別および追跡する実施例)
ウェアラブルデバイスは、単独で、または遠隔データリポジトリ280内に記憶されるデータと組み合わせて、1つ以上の環境センサによって入手されたデータを使用して、異物(例えば、医療器具)を識別し、異物と関連付けられた意味論情報を決定することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、外向きに面した結像システム464を使用して、ユーザの環境の画像を取得することができる。オブジェクト認識装置708は、画像内の医療器具を検出することができる。ウェアラブルデバイスはまた、遠隔データリポジトリ280と通信し(またはローカル処理データモジュール260を使用して)、例えば、器具の名称、タイプ、用途、機能、器具が器具のセット内にあるかどうか等、検出された医療器具と関連付けられた意味論情報を決定することができる。
ウェアラブルデバイスはまた、医療器具を識別するために、1つ以上の光学センサを使用することができる。例えば、医療器具は、例えば、クイックレスポンスコード(QR)またはバーコード等の光学ラベルを含んでもよい。光学ラベルは、医療器具の外部表面上に設置されてもよい。光学ラベルは、医療器具の識別(例えば、医療器具と関連付けられた識別子等)をエンコードしてもよい。光学ラベルはまた、医療器具と関連付けられた意味論情報をエンコードしてもよい。ウェアラブルデバイスの1つ以上の光学センサは、光学ラベルを走査することができる。ウェアラブルデバイスは、光学ラベル内にエンコードされた情報を解析することができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、遠隔データリポジトリ280と通信し、光学ラベルの付加的情報を取得することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、医療器具の識別子を抽出し、遠隔データリポジトリと通信し、医療器具の意味論情報を得ることができる。ウェアラブルデバイスはまた、電磁追跡センサを組み込む。または利用して、環境内のオブジェクトの場所を追跡してもよい。
光学ラベルに加えて、またはその代替として、医療器具はまた、例えば、RFIDタグ等の電磁ラベルを有してもよい。電磁ラベルは、ウェアラブルデバイスによって検出され得る、信号を放出することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、ある周波数を伴う信号を検出することが可能であるように構成されてもよい。いくつかの実装では、ウェアラブルデバイスは、信号を医療器具に送信することができる。医療器具から受信されたフィードバックに基づいて、ウェアラブルデバイスは、医療器具を識別することができる。ウェアラブルデバイスは、有線または無線ネットワークを介して、医療器具と通信してもよい。
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスが、医療器具を識別すると、ウェアラブルデバイスは、焦点インジケータを医療器具の近傍に提供してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、医師の隣のガーゼを識別し、緑色後光をガーゼの周囲に表示することができる。ウェアラブルデバイスは、医療器具の意味論情報に基づいて、焦点インジケータを割り当てることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、緑色後光をガーゼの周囲に割り当てる一方、青色後光をメスの周囲に割り当てることができる。
ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサによって入手されたデータに基づいて、医療器具の位置を追跡することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、外向きに面した結像システム464によって入手されたデータに基づいて、医療器具の位置を経時的に決定することができる。実施例として、ウェアラブルデバイスは、時間1において、メスをトレイ内で識別し、後の時間において、同一メスを外科医の手中で識別することができる。有利には、いくつかの実施形態では、器具追跡は、各ウェアラブルデバイスが、限定されたFOVを有し得、手術室全体を観察することができないため、複数のウェアラブルデバイスから収集されたデータに基づいて達成されてもよい。例えば、メスは、看護師のウェアラブルデバイスによって入手された画像に基づいて、時間1では、トレイ内に現れ得る。メスの位置は、後に、外科医のウェアラブルデバイスによって入手された画像に基づいて、外科医の手中にあるように更新され得るが、看護師のウェアラブルデバイスは、外科医がメスを取り上げたことを知覚していない場合がある。
実施例は、医療器具を識別および追跡することを参照して説明されるが、類似技法もまた、携帯電話、ペン等の他の物理的オブジェクトに適用されることができる。
(滅菌領域内のオブジェクトを識別する実施例)
図25は、滅菌領域2510を有する手術室内で生じる医療手技の実施例を図式的に図示する。本実施例では、2人の外科医2504および2506が、手技の際に関わる。2人の外科医は、外科手術を実施する間、その個別のウェアラブルデバイスを装着し得る。
滅菌領域(滅菌野とも称される)2510は、物理的環境またはユーザのFOR内のユーザ定義エリアであってもよい。滅菌領域2510は、外科手術に先立って消毒された患者(または手術室)の領域と関連付けられてもよい。例えば、滅菌領域2510は、外科手術中に切断されるであろう、または切断されて開放されている、領域であってもよい。
ウェアラブルデバイスは、手術室の世界マップ920をHCP(例えば、外科医2504、2506、看護師、または別のHCP等)に提示することができる。HCPは、世界マップ920上に、滅菌領域2510である手術室内の領域をマークすることができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、患者の仮想医療記録または外科手術と関連付けられた情報に自動的にアクセスし、滅菌領域を決定することができる。滅菌領域2510の一部は、外科医2504のFOVの一部または外科医2506のFOVの一部と重複してもよい。
外科医2504は、仮想オブジェクト2520、2512、2514、2518および医療器具2530をそのFOR内で知覚することができる。本実施例では、医療器具2530もまた、滅菌領域2510内にあって、これは、外科医2504のFORの一部であってもよい。仮想オブジェクト2512、2514、2518は、患者の仮想医療記録、患者の生理学的データ(心拍数、呼吸数等)、外科手術と関連付けられた情報(例えば、外科医のステップ、手術されている器官の拡大図等)等と関連付けられてもよい。仮想オブジェクト2520は、滅菌領域2510内の医療器具2530のリストを含む。医療器具2530は、2つの器具A、1つの器具B、1つの器具C、1つの器具D、および2つのスポンジを含むことができる。
外科医2504は、そのFOV内において、そのFOR内の仮想および物理的オブジェクトの少なくともサブセットを知覚することができる。例えば、外科医2504が、患者上で手術を行っている間、外科医2504は、そのウェアラブルデバイスの3Dユーザインターフェースを介して、仮想オブジェクト2514および2つのスポンジを知覚することができる。ウェアラブルデバイスは、FOV内の物理的オブジェクトを監視することができる。例えば、外科医2504のウェアラブルデバイスは、常に、外科医の2504FOV内の認識されたオブジェクトを走査することができる。ウェアラブルデバイスはまた、FOVの中に進入する新しいオブジェクトを走査することができる。例えば、手技の間、外科医は、メスをFOVの内側に持って来る可能性がある。ウェアラブルデバイスは、メスがそのFOVの中に進入したことを検出することができる。本メスが、ウェアラブルデバイスによって以前に識別されていない場合、ウェアラブルデバイスは、コンピュータビジョン技法を使用する、またはメスと関連付けられた光学/電磁ラベルを走査し、新しいオブジェクトがFOVに進入したことを認識することができる。
(正しい医療器具が使用されていることを確認する実施例)
ウェアラブルデバイスは、滅菌領域(またはHCPのFOV)の中に進入した医療器具が正しい医療器具であるかどうかを確認することができる。ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサによって入手されたデータに基づいて、そのような確認を実施することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、マイクロホン232を使用して、オーディオデータを収集することができる。HCPのウェアラブルデバイスは、オーディオデータを分析し、オーディオデータ内で述べられた医療器具を識別することができる。ウェアラブルデバイスはまた、HCPのFOVの中に進入したオブジェクトを監視し、FOVの中に進入した医療器具がオーディオデータ内で識別された医療器具に合致するかどうかを決定することができる。FOVの中に進入した医療器具が、オーディオデータ内で識別された医療器具に合致しない場合、ウェアラブルデバイスは、アラートをHCPに提供することができる。アラートは、焦点インジケータであってもよい。焦点インジケータは、FOVの中に進入した非合致医療器具の周囲に表示されてもよい。アラートはまた、アラートメッセージであってもよく、これは、非合致医療器具がFOVの中に進入したことを説明する、簡単な説明を含むことができる。例えば、アラートは、非合致医療器具の名称および要求される正しい医療器具および誤った医療器具がFOVの中に進入したことの陳述を含んでもよい。アラートは、ウェアラブルデバイスの3D仮想ユーザインターフェース上に提示される、またはウェアラブルデバイスのスピーカ240を介して提示されてもよい。
実施例として、外科医2504は、外科手術において、看護師に、メスを手渡すように求め得る。しかしながら、看護師は、鋏を手渡す。ウェアラブルデバイスは、発話認識を使用して、単語「メス」を識別し、医師がメスを要求したことを決定することができる。ウェアラブルデバイスはまた、コンピュータビジョン技法を使用して、鋏が看護師によって手渡されたことを検出することができる。鋏は、外科医によって要求されるメスではないため、ウェアラブルデバイスは、赤色後光を鋏の周囲に提供し、鋏が正しい医療器具ではないことを示すことができる。
ウェアラブルデバイスはまた、環境センサから入手されたデータおよび遠隔データリポジトリ280(またはデータをからローカル処理およびデータモジュール260)からアクセスされるデータに基づいて、正しい医療器具がFOVまたは滅菌領域の中に進入したかどうかを確認することができる。遠隔データリポジトリ280は、あるタイプの外科手術において使用される外科手術器具のセットに関する情報を含んでもよい。外科手術器具のセットに関する情報は、外科手術のそのタイプにおいて使用される外科手術器具のタイプ、名称、数量、位置、機能等を含んでもよい。器具についての情報はまた、患者カルテにアップロードされることができる(例えば、部品番号および製造業者情報等とともに、使用されたステント、挿入されたインプラント)。そのような情報は、患者の医療記録内の手技ファイルに追加されることができる。
ウェアラブルデバイスは、患者の仮想医療記録に基づいて、患者上で実施されるであろう、または実施されている、外科手術のタイプを決定することができる。ウェアラブルデバイスは、遠隔データリポジトリ280内に記憶されるデータに基づいて、外科手術のタイプと関連付けられた外科手術器具のセットを識別することができる。ウェアラブルデバイスはまた、入手された画像に基づいて、滅菌領域内の外科手術器具を識別し、滅菌領域が外科手術器具の識別されたセットに属していない外科手術器具を含むかどうかを決定することができる。外科手術の間、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域または個別の外科医2504、2506のFOVの中に進入した(またはそこから退出した)オブジェクトを持続的に監視し、仮想オブジェクト2520上の外科手術器具のリストを更新し、誤った外科手術器具が滅菌領域(またはFOV)の中に進入した場合、外科医2504、2506にアラートすることができる。
実施例として、虫垂切除術のための外科手術器具のセットは、種々の鋏、鉗子、開創器、薬壷、膿盆、布鉗子等を含んでもよい。図25に示される滅菌領域2510内の医療器具2530は、2つの鋏、1つの鉗子、1つの開創器、および1つの骨鋭匙を含んでもよい。ウェアラブルデバイスは、仮想オブジェクト2520によって示されるように、滅菌領域2510内の外科手術器具のリストを提示することができる。しかしながら、骨鋭匙は、虫垂切除術のための外科手術ツールのセット内にはない。その結果、ウェアラブルデバイスは、アラートを外科医2504に提供し、骨鋭匙が滅菌領域2510に進入したことを示してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、語句「骨鋭匙」を異なる色で仮想オブジェクト2520上に示すことができる。アラートメッセージに応答して、外科医は、骨鋭匙を滅菌領域2510から除去することができる。いったんウェアラブルデバイスが、骨鋭匙が滅菌領域外に移動されたことを観察すると、ウェアラブルデバイスは、語句「骨鋭匙」を仮想オブジェクト2520から除去することができる。
(滅菌領域内の医療器具を追跡および計数する実施例)
ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサおよびローカル処理およびデータモジュール260を使用して、滅菌領域2510に進入し、そこから退出したオブジェクトを追跡することができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスはまた、遠隔処理モジュール270および遠隔データリポジトリ280と通信し、医療器具を追跡および計数することができる。
例えば、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域2510内の医療器具をリストにすることができる。ウェアラブルデバイスが、医療器具が滅菌領域の中に進入したことを検出する場合、ウェアラブルデバイスは、医療器具をリストに追加することができる。医療器具が、滅菌領域から除去される場合、ウェアラブルデバイスは、除去された医療器具をリストから外すことができる。ウェアラブルデバイスは、図25に示される仮想オブジェクト2520を使用して、滅菌領域内の器具の現在のリストを提示することができる。いくつかの実装では、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の焦点インジケータを表示し、ユーザによって現在使用されている医療器具が滅菌領域内(または外)にあることを示すことができる。
医療器具の追跡と関連付けられたデータは、分析され、滅菌領域の中に進入した全ての器具が適切に考慮されたかどうかを決定してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域内の全ての医療器具滅菌領域から退出したかどうかを決定することができる。滅菌領域から退出していない医療器具に関しては、ウェアラブルデバイスは、それらが滅菌領域内に残されるべきであるかどうかを決定することができる。実施例として、追跡データに基づいて、ウェアラブルデバイスは、ガーゼおよび外科手術用糸が、外科手術の終了時に、依然として、滅菌領域内にあることを識別してもよい。ウェアラブルデバイスはさらに、外科手術縫合が、外科手術後、身体組織をともに保持するために使用されたため、外科手術用糸の位置が適切であることを決定することができる。しかしながら、外科医が患者を閉鎖した後、患者の身体の内側に残されるべきではないため、ガーゼの位置は、適切ではない。その結果、ウェアラブルデバイスは、アラートを外科医2504に提供し、ガーゼが、依然として、滅菌領域内にあることを示してもよい。
複数のウェアラブルデバイスが、集合的に、医療器具が滅菌領域2510に進入またはそこから退出したことの正確度を維持するために使用されてもよい。例えば、遠隔コンピューティングシステム1720(図17に示される)は、滅菌野内の器具のリストを維持することができる(仮想オブジェクト2520によって示されるように)。遠隔コンピューティングシステム1720は、外科医2504のウェアラブルデバイスおよび外科医2506のウェアラブルデバイスによって入手されたデータに基づいて、器具のリストを更新することができる。複数のウェアラブルデバイスからのデータに基づく器具追跡は、複数のユーザが医療器具を滅菌野内外に持ち込み得るため、有益であり得る。加えて、ユーザのウェアラブルデバイスのFOVは、滅菌領域2510の一部のみを網羅し得、滅菌領域2510内の全てのオブジェクトを追跡することが不可能である場合がある。さらに、ユーザが、滅菌領域2510から眼を逸らす、または手術室から離れ得るとき、滅菌領域2510と相互作用する他のユーザが、滅菌領域2510に進入またはそこから退出する医療器具を追跡し続けることができる。
実施例は、医療器具を参照して説明されるが、類似技法もまた、他の物理的オブジェクトを識別、追跡、および確認するために使用されることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、携帯電話を識別し、携帯電話の位置を追跡し、携帯電話が患者の身体の内側に偶発的に残されないことを確実にすることができる。さらに、実施例は、滅菌領域を使用して説明されるが、類似技法もまた、例えば、手術室またはHCPのFOV等の他の領域内のオブジェクトを監視および追跡するために使用されることができる。
(医療器具を追跡する例示的プロセス)
図26は、滅菌領域内の医療オブジェクトを追跡する例示的プロセス2600を図示する、フローチャートである。例示的プロセス2600は、単独で、または遠隔コンピューティングシステム1720と組み合わせて、ウェアラブルデバイス210によって実施されてもよい。ウェアラブルデバイス210は、装着可能デバイスであってもよい。
ブロック2610では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスと関連付けられたFOR内の滅菌領域を識別する。滅菌領域は、例えば、データベースシステム1220または遠隔データリポジトリ280等の外部データベースから取得されるデータに基づいて、決定されることができる。例えば、滅菌領域は、手術室と関連付けられた病院プロトコル、患者上で実施される外科手術のタイプ、患者の身体等に基づいて、決定されてもよい。滅菌領域はまた、HCPによってマークされることができる。
ブロック2620では、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域の中に進入したオブジェクトを識別することができる。ウェアラブルデバイスは、1つ以上の環境センサから入手されたデータを使用して、オブジェクトを識別することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、コンピュータビジョンアルゴリズムを使用してオブジェクトを検出する、またはオブジェクトと関連付けられた光学ラベルを走査することができる。
ブロック2630では、ウェアラブルデバイスは、オブジェクトと関連付けられた情報にアクセスすることができる。ウェアラブルデバイスは、遠隔データリポジトリ280または保健医療データベース管理システム1220と通信し、オブジェクトと関連付けられた意味論情報を決定することができる。例えば、オブジェクトと関連付けられた情報は、オブジェクトの名称、オブジェクトのタイプ、オブジェクトの位置等を含んでもよい。
ブロック2640では、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域内のオブジェクトの位置を追跡することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、コンピュータビジョンアルゴリズムを使用して、メスがトレイから外科医の手に移動したことを検出することができる。
ウェアラブルデバイスは、滅菌領域の中に進入し、滅菌領域から退出した全てのオブジェクトの記録を付けることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域内に現在あるオブジェクトのリストを維持することができる。ブロック2650では、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域内のオブジェクトと関連付けられた異常を検出することができる。ウェアラブルデバイスは、オブジェクトと関連付けられた情報または医療手技と関連付けられた情報(外科手術のタイプ、外科手術のために要求される外科手術器具等)に基づいて、検出を行うことができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域がウェアラブルデバイスのユーザによって実施されている外科手術に関連しない医療器具を含むかどうかを決定することができる。ウェアラブルデバイスはまた、ウェアラブルデバイスのユーザが要求されない外科手術器具を受け取ったかどうかを決定することができる。
加えて、または代替として、ブロック2660では、ウェアラブルデバイスは、オブジェクトが滅菌領域に残されていることを検出することができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、滅菌領域の第1の画像内の器具A、B、およびCを検出することができる。しかしながら、滅菌領域内の第2の画像では、ウェアラブルデバイスは、器具BおよびCのみを検出する。故に、ウェアラブルデバイスは、器具Aが滅菌領域に残されていることを決定し、器具Aを滅菌領域内に現在あるオブジェクトのリストから除去することができる。
随意に、ブロック2670では、ウェアラブルデバイスは、オブジェクトが滅菌領域に残されている場合でも、ウェアラブルデバイスのFOR内のオブジェクトの位置を追跡し続けることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、針の位置を追跡することによって、針が適切に配置されたかどうかを決定することができる。
(付加的側面)
第1の側面では、仮想保健医療コンテンツを装着者に提示するように構成される、ウェアラブルデバイスであって、仮想コンテンツを装着者に提示するように構成される、ディスプレイであって、その少なくとも一部が、透明であって、装着者がウェアラブルデバイスを装着すると、透明部分が、装着者の正面の環境の一部からの光を装着者の眼に透過させ、装着者の正面の環境の一部のビューを提供するように、装着者の眼の正面の場所に配置される、ディスプレイと、ディスプレイと通信する、ハードウェアプロセッサであって、患者に関する患者医療記録の少なくとも一部と関連付けられたアクセス権限を受信し、少なくとも部分的に、アクセス権限に基づいて、患者医療記録の少なくとも一部にアクセスし、ディスプレイに、患者医療記録の少なくとも一部に関連する仮想コンテンツを装着者に提示するように命令するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える、ウェアラブルデバイス。
第2の側面では、ウェアラブルデバイスは、装着者の眼の眼画像を捕捉するように構成される、内向きに面した結像システムを備え、プロセッサは、眼画像を分析し、バイオメトリック識別要素を決定し、バイオメトリック識別要素が装着者に関する認可されたバイオメトリック識別要素に合致することの確認を受信するようにプログラムされる、側面1に記載のウェアラブルデバイス。
第3の側面では、バイオメトリック識別要素は、虹彩走査または網膜走査を含む、側面2に記載のウェアラブルデバイス。
第4の側面では、ウェアラブルデバイスはさらに、装着者の場所を決定するためのセンサを備え、アクセス権限は、少なくとも部分的に、装着者の場所に基づく、側面1-3のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第5の側面では、ウェアラブルデバイスはさらに、環境センサを備え、ハードウェアプロセッサは、環境データを環境センサから取得し、データ捕捉トリガを取得された環境データから認識し、ウェアラブルデバイス上に配置される少なくとも1つのデータ捕捉要素からのデータ捕捉を開始するようにプログラムされる、側面1-4のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第6の側面では、環境センサは、マイクロホンを備え、環境データは、オーディオ記録を含み、データ捕捉トリガは、発話された開始コマンドを含む、側面5に記載のウェアラブルデバイス。
第7の側面では、環境センサは、外向きに面した結像システムを備え、環境データは、環境の画像を含み、データ捕捉トリガは、装着者によって行われるジェスチャを含む、側面5または側面6に記載のウェアラブルデバイス。
第8の側面では、ハードウェアプロセッサは、データ終了トリガを取得された環境データから認識し、少なくとも1つのデータ捕捉要素からのデータ捕捉を終了するようにプログラムされる、側面5-7のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第9の側面では、データ捕捉要素は、マイクロホンまたは外向きに面した結像システムを備える、側面5-8のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第10の側面では、ハードウェアプロセッサは、仮想ユーザインターフェースを装着者に表示するようにプログラムされ、仮想ユーザインターフェースは、装着者が、データを患者医療記録の少なくとも一部に入力する、患者医療記録の少なくとも一部を更新する、患者医療記録の少なくとも一部を編成する、または変更を患者医療記録の少なくとも一部に保存することを可能にするための機能性を備える、側面1-9のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第11の側面では、ハードウェアプロセッサは、患者医療記録の少なくとも一部をデータ記憶装置に通信するようにプログラムされる、側面1-10のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第12の側面では、データ記憶装置は、ウェアラブルデバイスの外部にあって、通信は、無線ネットワークを経由する、側面11に記載のウェアラブルデバイス。
第13の側面では、保健医療コンピューティング環境であって、側面1-12のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイスと、ウェアラブルデバイスと通信するように構成される、ネットワークインターフェースと、患者医療記録を記憶するように構成される、非一過性データ記憶装置とを備える、保健医療データベースシステムとを備える、保健医療コンピューティング環境。
第14の側面では、ウェアラブルデバイスは、患者によって装着されるように構成され、環境はさらに、保健医療提供者(HCP)ウェアラブルデバイスを備え、仮想コンテンツをHCPに提示するように構成される、第2のディスプレイであって、その少なくとも一部は、透明であって、HCPがHCPウェアラブルデバイスを装着すると、透明部分がHCPの正面の環境の一部からの光をHCPの眼に透過させ、HCPの正面の環境の一部のビューを提供するように、HCPの眼の正面の場所に配置される、ディスプレイと、環境センサと、第2のディスプレイと通信する、第2のハードウェアプロセッサであって、環境センサからのデータを分析するように構成される、オブジェクト認識装置と、HCPが患者医療記録の少なくとも一部にアクセスすることを可能にするように構成される、データ管理システムとを含むようにプログラムされる、第2のハードウェアプロセッサとを備える、側面13に記載の保健医療コンピューティング環境。
第15の側面では、アクセス権限は、読取権限または編集権限を含む、側面1-14のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第16の側面では、ハードウェアプロセッサは、患者医療記録の少なくとも一部へのアクセス試行をアクセスログ内に記憶するようにプログラムされる、側面1-15のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第17の側面では、ハードウェアプロセッサは、装着者の識別を照合するようにプログラムされる、側面1-16のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第18の側面では、装着者の識別を照合するために、ハードウェアプロセッサは、虹彩コードまたは網膜走査を利用するようにプログラムされる、側面17に記載のウェアラブルデバイス。
第19の側面では、装着者の識別が照合されないことに応答して、ハードウェアプロセッサは、患者医療記録の少なくとも一部へのアクセスを否認するようにプログラムされる、側面17または18のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第20の側面では、装着者の識別が照合されないことに応答して、ハードウェアプロセッサは、患者医療記録の一部の表示を中止するようにプログラムされる、側面17-19のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第21の側面では、保健医療設定におけるユーザの環境を監視する方法であって、仮想コンテンツをウェアラブルデバイスのユーザに提示するように構成される、ディスプレイと、環境センサと、ディスプレイおよび環境センサと通信する、ハードウェアプロセッサとを備える、ウェアラブルデバイスの制御下で、環境センサによって入手されたデータを分析し、開始条件を検出するステップと、開始条件が存在することを決定するステップと、環境センサを使用して、保健医療事象をドキュメント化し、保健医療ドキュメント化を提供するステップと、環境センサによって入手されたデータを分析し、終了条件を検出するステップと、終了条件が存在することを決定するステップと、環境センサを使用した保健医療事象のドキュメント化を中止するステップとを含む、方法。
第22の側面では、環境センサは、マイクロホンまたは外向きに面した結像システムを備える、側面21に記載の方法。
第23の側面では、環境センサは、第1の環境センサと、第1の環境センサと異なる、第2の環境センサとを備え、環境センサによって入手されたデータを分析し、開始条件を検出するステップは、第1の環境センサによって入手されたデータを分析するステップを含み、環境センサを使用して、保健医療事象をドキュメント化するステップは、第2の環境センサを使用して、保健医療事象をドキュメント化するステップを含む、請求項21または請求項22に記載の方法。
第24の側面では、環境センサは、外向きに面した結像システムを備え、保健医療事象をドキュメント化するステップは、保健医療事象のビデオ記録を捕捉するステップを含む、側面21-23のいずれか1項に記載の方法。
第25の側面では、環境センサは、マイクロホンを備え、保健医療事象をドキュメント化するステップは、保健医療事象のオーディオ記録を捕捉するステップを含む、側面21-24のいずれか1項に記載の方法。
第26の側面では、保健医療事象をドキュメント化するステップは、オーディオ記録を分析し、患者によって患者状態について発話された情報を決定するステップを含む、側面25に記載の方法。
第27の側面では、保健医療ドキュメント化の少なくとも一部をデータ記憶装置に通信するステップをさらに含む、側面21-26のいずれか1項に記載の方法。
第28の側面では、保健医療ドキュメント化の少なくとも一部を含むように患者医療記録を更新するステップをさらに含む、側面21-27のいずれか1項に記載の方法。
第29の側面では、仮想保健医療コンテンツを装着者に提示するように構成される、ウェアラブルデバイスであって、仮想コンテンツを装着者に提示するように構成される、ディスプレイであって、その少なくとも一部が、透明であって、装着者がウェアラブルデバイスを装着すると、透明部分が、装着者の正面の環境の一部からの光を装着者の眼に透過させ、装着者の正面の環境の一部のビューを提供するように、装着者の眼の正面の場所に配置される、ディスプレイと、ディスプレイと通信する、ハードウェアプロセッサであって、仮想保健医療コンテンツを第2のウェアラブルデバイスと共有するためのトリガイベントを検出し、第2のウェアラブルデバイスが仮想保健医療コンテンツを提示するための十分なアクセス権限を有するかどうかを照合し、第2のウェアラブルデバイスが十分なアクセス権限を有する場合、仮想保健医療コンテンツを第2のウェアラブルデバイスと共有し、第2のウェアラブルデバイスが不十分なアクセス権限を有する場合、装着者に、第2のウェアラブルデバイスが不十分なアクセス権限を有することのインジケーションを提示するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える、ウェアラブルデバイス。
第30の側面では、ハードウェアプロセッサは、第2のウェアラブルデバイスによって行われた仮想保健医療コンテンツの修正を受信し、修正された仮想保健医療コンテンツをウェアラブルデバイスの装着者に提示するようにプログラムされる、側面29に記載のウェアラブルデバイス。
第31の側面では、仮想保健医療コンテンツは、患者医療記録を含む、側面29または30に記載のウェアラブルデバイス。
第32の側面では、仮想保健医療コンテンツは、医療デバイスから取得される情報を含む、側面29-31のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第33の側面では、仮想保健医療コンテンツは、患者の一部の画像を含む、側面29-32のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第34の側面では、ハードウェアプロセッサは、装着者入力を承認し、仮想保健医療コンテンツを修正するようにプログラムされる、側面29-33のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第35の側面では、仮想保健医療コンテンツを装着者に提示するように構成される、ウェアラブルデバイスであって、仮想コンテンツを装着者に提示するように構成される、ディスプレイであって、その少なくとも一部が、透明であって、装着者がウェアラブルデバイスを装着すると、透明部分が、装着者の正面の環境の一部からの光を装着者の眼に透過させ、装着者の正面の環境の一部のビューを提供するように、装着者の眼の正面の場所に配置される、ディスプレイと、装着者の環境についての環境データを取得するように構成される、環境センサと、ディスプレイおよび環境センサと通信する、ハードウェアプロセッサであって、環境センサによって取得される環境データにアクセスし、少なくとも部分的に、環境データに基づいて、コンテキスト情報を決定し、少なくとも部分的に、コンテキスト情報に基づいて、ウェアラブルデバイスの装着者の視野(FOV)と関連付けられた仮想オブジェクトを識別し、仮想オブジェクトに関連する仮想コンテンツをウェアラブルデバイスの装着者のFOV内に提示するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える、ウェアラブルデバイス。
第36の側面では、環境センサは、マイクロホン、外向きに面した結像システム、内向きに面した眼追跡システム、バーコード読取機、またはGPSセンサを備える、側面35に記載のウェアラブルデバイス。
第37の側面では、コンテキスト情報は、装着者の場所、装着者の姿勢、装着者の感情状態、アクセス権限のレベル、装着者のFOV内の患者の症状または状態、または装着者のFOV内の患者の識別を含む、側面35または側面36に記載のウェアラブルデバイス。
第38の側面では、コンテキスト情報は、装着者の環境内の物理的オブジェクトまたは装着者に提示される仮想オブジェクトと関連付けられた情報を含む、側面35-37のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第39の側面では、環境センサは、結像システムを備え、コンテキスト情報を決定するために、ハードウェアプロセッサは、コンピュータビジョンアルゴリズム、顔認識アルゴリズム、またはニューラルネットワークを使用して、結像システムによって捕捉された画像を分析するようにプログラムされる、側面35-38のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第40の側面では、仮想コンテンツは、患者医療記録の一部、アラート、焦点インジケータ、またはメッセージを含む、側面35-39のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第41の側面では、ハードウェアプロセッサは、コンテキスト情報が閾値条件に達するかどうかを決定し、閾値条件に達する場合、更新された仮想コンテンツをウェアラブルデバイスの装着者に表示するようにプログラムされる、側面35-40のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第42の側面では、コンテキスト情報は、患者上での医療手技の間に使用される医療器具についての情報を含み、仮想コンテンツは、医療器具の場所に関連する情報を含む、側面35-41のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第43の側面では、仮想コンテンツはさらに、医療器具が患者の身体内に残っていることを示す、アラートを含む、側面42に記載のウェアラブルデバイス。
第44の側面では、仮想コンテンツは、装着者のFOV内の医療器具が医療手技のために不適切または不要であることのアラートを含む、側面42または側面43に記載のウェアラブルデバイス。
第45の側面では、コンテキスト情報は、患者身体部分についての情報を含む、側面35-44のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第46の側面では、仮想コンテンツは、患者身体部分と関連付けられた仮想フラグを含む、側面45に記載のウェアラブルデバイス。
第47の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、仮想コンテンツをデータリポジトリに通信するようにプログラムされる、側面35-46のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第48の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、患者医療記録を仮想コンテンツで更新するようにプログラムされる、側面35-47のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第49の側面では、仮想保健医療コンテンツを装着者に提示するように構成される、ウェアラブルデバイスであって、仮想コンテンツを装着者に提示するように構成される、ディスプレイであって、その少なくとも一部が、透明であって、装着者がウェアラブルデバイスを装着すると、透明部分が、装着者の正面の環境の一部からの光を装着者の眼に透過させ、装着者の正面の環境の一部のビューを提供するように、装着者の眼の正面の場所に配置される、ディスプレイと、装着者の環境についての環境データを取得するように構成される、環境センサと、ディスプレイおよび環境センサと通信する、ハードウェアプロセッサであって、ウェアラブルデバイスの動眼視野(FOR)内の滅菌領域を識別し、滅菌領域の中に進入したオブジェクトを識別し、オブジェクトと関連付けられた情報にアクセスし、滅菌領域内のオブジェクトの位置を追跡するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える、ウェアラブルデバイス。
第50の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、少なくとも部分的に、オブジェクトと関連付けられた情報に基づいて、滅菌領域内のオブジェクトと関連付けられた異常を検出するようにプログラムされる、側面49に記載のウェアラブルデバイス。
第51の側面では、ハードウェアプロセッサは、少なくとも部分的に、異常の検出に基づいて、アラートを装着者に提示するようにプログラムされる、側面50に記載のウェアラブルデバイス。
第52の側面では、ハードウェアプロセッサは、オブジェクトが滅菌領域に残っていることを検出するようにプログラムされる、側面49-51のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第53の側面では、ハードウェアプロセッサは、オブジェクトと関連付けられた仮想コンテンツを装着者に提示するようにプログラムされる、側面49-52のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第54の側面では、仮想コンテンツは、滅菌領域内に存在するオブジェクトのリストを含む、側面53に記載のウェアラブルデバイス。
第55の側面では、リストはさらに、オブジェクトの位置を含む、側面54に記載のウェアラブルデバイス。
第56の側面では、環境センサは、マイクロホン、外向きに面した結像システム、バーコード読取機、または電磁追跡システムを備える、側面49-55のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第57の側面では、医療情報を管理するためのウェアラブルシステムであって、仮想コンテンツをユーザに提示するように構成されるディスプレイを備える、頭部搭載型ディスプレイ(HMD)と、ユーザの環境と関連付けられたデータを取得するように構成される、1つ以上の環境センサと、ディスプレイおよび1つ以上の環境センサと通信し、1つ以上の環境センサを介して、ユーザの環境を監視し、少なくとも部分的に、1つ以上の環境センサによって入手された第1のデータに基づいて、開始条件を検出し、開始条件の検出に応答して、環境センサを介して、患者との相互作用の少なくとも一部をドキュメント化し、相互作用の一部は、環境センサによって入手された第2のデータを含み、第2のデータを分析し、コンテキスト情報に基づいて、患者との相互作用に関連する関連医療情報を抽出し、保健医療データベースシステムへの関連医療情報の記憶を開始するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える、ウェアラブルシステム。
第58の側面では、1つ以上の環境センサは、少なくとも、外向きに面したカメラまたはマイクロホンを備える、側面57に記載のウェアラブルシステム。
第59の側面では、第2のデータを分析し、関連医療情報を抽出するために、ハードウェアプロセッサは、患者またはウェアラブルシステムのユーザによって発話されたオーディオストリームを決定し、オーディオストリームをテキストに変換し、テキストを解析し、患者の病状または病歴を説明する語句を識別するようにプログラムされる、側面57または58に記載のウェアラブルシステム。
第60の側面では、関連医療情報の記憶を開始するために、ハードウェアプロセッサは、少なくとも部分的に、1つ以上の環境センサによって入手されたデータに基づいて、患者の識別を照合し、保健医療データベース内に記憶される医療記録を患者とユーザとの間の相互作用から捕捉された関連医療情報で更新するようにプログラムされる、側面57-59のいずれか1項に記載のウェアラブルシステム。
第61の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、保健医療情報を第2のウェアラブルシステムと共有するためのトリガイベントを検出し、第2のウェアラブルシステムと関連付けられたアクセス権限を決定し、第2のウェアラブルシステムがアクセス権限を有することの決定に応答して、保健医療情報の少なくとも一部を第2のウェアラブルシステムに通信させるようにプログラムされる、側面57-60のいずれか1項に記載のウェアラブルシステム。
第62の側面では、ハードウェアプロセッサは、第2のウェアラブルシステムが不十分なアクセス権限を有することの決定に応答して、インジケーションを第2のウェアラブルシステムに提供するようにプログラムされる、側面61に記載のウェアラブルシステム。
第63の側面では、第2のウェアラブルシステムと関連付けられたアクセス権限は、患者によって構成される、側面61または62に記載のウェアラブルシステム。
第64の側面では、保健医療情報は、外向きに面したカメラによって捕捉されるようなユーザの視野(FOV)の少なくとも一部を含む、側面61-63のいずれか1項に記載のウェアラブルシステム。
第65の側面では、ハードウェアプロセッサは、保健医療情報および保健医療情報と関連付けられた注釈を第2のウェアラブルシステムと共有するようにプログラムされる、側面61-64のいずれか1項に記載のウェアラブルシステム。
第66の側面では、コンテキスト情報は、ユーザの場所、ユーザの姿勢、ユーザのアクセス権限のレベル、ユーザのFOV内の患者の症状または状態、またはユーザのFOV内の患者の識別のうちの少なくとも1つを含む、側面57-65のいずれか1項に記載のウェアラブルシステム。
第67の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、頭部搭載型ディスプレイを患者との相互作用に関連する仮想コンテンツをユーザに提示させるようにプログラムされる、側面57-66のいずれか1項に記載のウェアラブルシステム。
第68の側面では、仮想コンテンツは、患者医療記録の一部または医療デバイスから受信された患者の生理学的パラメータに関連する情報のうちの少なくとも1つを含む、側面67に記載のウェアラブルシステム。
第69の側面では、コンテキスト情報は、患者上での医療手技の間に使用される医療器具についての情報を含み、仮想コンテンツは、医療器具の場所に関連する情報を含む、側面67または68に記載のウェアラブルシステム。
第70の側面では、仮想コンテンツは、ユーザのFOV内の医療器具が医療手技に不適切または不要であることのアラートを含む、側面69に記載のウェアラブルシステム。
第71の側面では、医療情報を管理するための方法であって、ハードウェアプロセッサの制御下で、環境センサを備えるウェアラブルデバイスによって入手されたデータに基づいて、ユーザの環境を監視するステップと、少なくとも部分的に、ウェアラブルデバイスによって入手された第1のデータに基づいて、開始条件を検出するステップと、開始条件の検出に応答して、ウェアラブルデバイスの環境センサを介して、患者と保健医療提供者(HCP)との間の相互作用をドキュメント化するステップであって、相互作用は、環境センサによって入手された第2のデータを含む、ステップと、第2のデータを分析し、コンテキスト情報に基づいて、患者との相互作用に関連する関連医療情報を抽出するステップと、保健医療データベースシステムへの関連医療情報の記憶を開始するステップとを含む、方法。
第72の側面では、環境センサは、マイクロホンを備え、第2のデータを分析し、関連医療情報を抽出するステップは、マイクロホンを介して、患者またはHCPによって発話されたオーディオストリームを入手するステップと、オーディオストリームをテキストに変換し、テキストを解析し、患者の病状または病歴を説明する語句を識別するステップとを含む、側面71に記載の方法。
第73の側面では、関連医療情報の記憶を開始するステップは、少なくとも部分的に、ウェアラブルデバイスによって入手されたデータに基づいて、患者の識別を照合するステップと、保健医療データベース内に記憶される医療記録を患者とHCPとの間の相互作用から捕捉された関連医療情報で更新するステップとを含む、側面71または72に記載の方法。
第74の側面では、保健医療情報を第2のウェアラブルデバイスと共有するためのトリガイベントを検出するステップと、第2のウェアラブルデバイスと関連付けられたアクセス権限を決定するステップと、第2のウェアラブルデバイスがアクセス権限を有することの決定に応答して、保健医療情報の少なくとも一部を第2のウェアラブルデバイスに通信させるステップとをさらに含む、側面71-73のいずれか1項に記載の方法。
第75の側面では、第2のウェアラブルデバイスと関連付けられたアクセス権限は、患者によって構成される、側面74に記載の方法。
第76の側面では、保健医療情報は、外向きに面した結像システムによって捕捉されるようなユーザの視野(FOV)の少なくとも一部を含む、側面74または75に記載の方法。
第77の側面では、保健医療情報および保健医療情報と関連付けられた注釈を第2のウェアラブルシステムと共有するステップをさらに含む、側面76に記載の方法。
第78の側面では、コンテキスト情報は、ユーザの場所、ユーザの姿勢、ユーザのアクセス権限のレベル、ユーザのFOV内の患者の症状または状態、またはユーザのFOV内の患者の識別のうちの少なくとも1つを含む、側面71-77のいずれか1項に記載の方法。
第79の側面では、ウェアラブルデバイスに、頭部搭載型ディスプレイを介して、患者医療記録の一部または医療デバイスから受信された患者の生理学的パラメータに関連する情報のうちの少なくとも1つを含む、仮想コンテンツを表示させるステップをさらに含む、側面71-78のいずれか1項に記載の方法。
第80の側面では、仮想コンテンツは、ユーザのFOV内の医療器具が医療手技に不適切または不要であることのアラートを含む、側面79に記載の方法。
第81の側面では、医療情報を管理するための第1のウェアラブルデバイスであって、ユーザの環境を結像するように構成される、外向きに面した結像システムと、仮想コンテンツをユーザに提示するように構成される、頭部搭載型ディスプレイと、外向きに面した結像システムから受信されたデータを介して、ユーザの環境内のオブジェクトを監視し、頭部搭載型ディスプレイを通して知覚されるようなユーザの視野内のオブジェクトを決定し、セッションを第2のウェアラブルデバイスと共有するためのトリガイベントを検出し、セッションの共有は、ユーザの視野内の第1の物理的オブジェクトと関連付けられた少なくとも第1の情報を第2のウェアラブルデバイスと共有することを含み、第1の情報は、第2のウェアラブルデバイスの視野外のものであって、第1の情報を第2のウェアラブルデバイスに通信し、仮想コンテンツを第2のウェアラブルデバイスから受信し、仮想コンテンツは、ユーザの視野外の第2の物理的オブジェクトと関連付けられた第2の情報を含み、頭部搭載型ディスプレイを介して、第2のウェアラブルデバイスから受信された仮想コンテンツをユーザに提示するようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える、第1のウェアラブルデバイス。
第82の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、第1のウェアラブルデバイスを介して、ユーザの視野内の第1の物理的オブジェクトと関連付けられた注釈を受信するようにプログラムされ、第1の情報を第2のウェアラブルデバイスに通信するために、ハードウェアプロセッサは、第1のオブジェクトの注釈および画像を第2のウェアラブルデバイスに通信するようにプログラムされる、側面81に記載の第1のウェアラブルデバイス。
第83の側面では、注釈は、患者の身体部分の一部上に設置された1つ以上の仮想フラグを含み、1つ以上の仮想フラグは、患者の身体部分の一部の配向を示す、側面82に記載の第1のウェアラブルデバイス。
第84の側面では、セッションの共有は、ユーザと患者との間の相互作用の一部であって、ハードウェアプロセッサはさらに、外向きに面した結像システムまたはマイクロホンのうちの少なくとも1つを使用して、ユーザと患者との間の相互作用の少なくとも一部をドキュメント化し、関連医療情報を相互作用から識別し、患者の医療記録を関連医療情報で更新するようにプログラムされる、側面81-83のいずれか1項に記載の第1のウェアラブルデバイス。
第85の側面では、医療情報を管理するための方法であって、外向きに面した結像システム、ハードウェアプロセッサ、および頭部搭載型ディスプレイを備える、第1のウェアラブルデバイスの制御下で、外向きに面した結像システムを介して、ユーザの環境内のオブジェクトを監視するステップと、頭部搭載型ディスプレイを通して知覚されるようなユーザの視野内のオブジェクトを決定するステップと、セッションを第2のウェアラブルデバイスと共有するためのトリガイベントを検出するステップであって、セッションを共有するステップは、ユーザの視野内の第1の物理的オブジェクトと関連付けられた少なくとも第1の情報を第2のウェアラブルデバイスと共有するステップを含み、第1の情報は、第2のウェアラブルデバイスの視野外のものである、ステップと、第1の情報を第2のウェアラブルデバイスに通信するステップと、仮想コンテンツを第2のウェアラブルデバイスから受信するステップであって、仮想コンテンツは、ユーザの視野外の第2の物理的オブジェクトと関連付けられた第2の情報を含む、ステップと、頭部搭載型ディスプレイを介して、第2のウェアラブルデバイスから受信された仮想コンテンツをユーザに提示するステップとを含む、方法。
第86の側面では、第1のウェアラブルデバイスを介して、ユーザの視野内の第1の物理的オブジェクトと関連付けられた注釈を受信するステップをさらに含み、第1の情報を第2のウェアラブルデバイスに通信するステップは、第1のオブジェクトの注釈および画像を第2のウェアラブルデバイスに通信するステップを含む、側面85に記載の方法。
第87の側面では、注釈は、患者の身体部分の一部上に設置された1つ以上の仮想フラグを含み、1つ以上の仮想フラグは、患者の身体部分の一部の配向、画像を捕捉したカメラの配向、または画像または患者の身体部分の一部と関連付けられたコンテキスト情報を示す、側面86に記載の方法。
第88の側面では、セッションを共有するステップは、ユーザと患者との間の相互作用の一部であって、本方法はさらに、外向きに面した結像システムまたはマイクロホンのうちの少なくとも1つを使用して、ユーザと患者との間の相互作用をドキュメント化するステップと、関連医療情報を相互作用から識別するステップと、患者の医療記録を関連医療情報で更新するステップと、を含む、側面85-87のいずれか1項に記載の方法。
第89の側面では、第2のウェアラブルデバイスのアクセス権限を照合するステップと、第2のウェアラブルデバイスのアクセス権限が十分である、第1の情報の少なくとも一部を共有するステップとをさらに含む、側面85-88のいずれか1項に記載の方法。
第90の側面では、アクセス権限は、患者によって管理され、その医療情報は、第1のウェアラブルデバイスと第2のウェアラブルデバイスとの間で共有されている、側面89に記載の方法。
第91の側面では、ウェアラブルデバイスであって、ユーザの動眼視野(FOR)を結像するように構成される、外向きに面したカメラであって、FORは、ウェアラブルデバイスを介して、ユーザによって知覚されることが可能である、ユーザの周囲の環境の一部を含む、外向きに面したカメラと、仮想コンテンツをユーザに提示するように構成される、頭部搭載型ディスプレイであって、その少なくとも一部は、透明であって、透明部分が、装着者の正面の環境の一部からの光を装着者の眼に透過させ、装着者の正面の環境の一部のビューを提供するように構成される、ディスプレイと、ディスプレイおよび環境センサと通信する、ハードウェアプロセッサであって、FOR内の滅菌領域を決定し、滅菌領域は、医療手技に先立って消毒されたエリアを含み、外向きに面したカメラによって入手されたデータを分析し、滅菌領域の中に進入した物理的オブジェクトを識別し、物理的オブジェクトと関連付けられた情報にアクセスし、外向きに面したカメラによって入手されたデータを介して、滅菌領域内の物理的オブジェクトの位置を追跡し、頭部搭載型ディスプレイに、医療手技と関連付けられた仮想コンテンツを提示させるようにプログラムされる、ハードウェアプロセッサとを備える、ウェアラブルデバイス。
第92の側面では、滅菌領域は、患者の身体の少なくとも一部を含む、側面91に記載のウェアラブルデバイス。
第93の側面では、滅菌領域の境界は、手のジェスチャを介して、ウェアラブルデバイスのユーザによって境界される、側面91または92に記載のウェアラブルデバイス。
第94の側面では、物理的オブジェクトと関連付けられた情報は、物理的オブジェクトの機能または医療手技のタイプのうちの少なくとも1つを含む、側面91-93のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第95の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、少なくとも部分的に、物理的オブジェクトと関連付けられた情報に基づいて、滅菌領域内の物理的オブジェクトと関連付けられた異常を検出するようにプログラムされる、側面91-94のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第96の側面では、検出された異常は、物理的オブジェクトが医療手技のために不要または不適切であることの決定を備え、ハードウェアプロセッサは、少なくとも部分的に、検出された異常に基づいて、アラートを装着者に提示するようにプログラムされる、側面95に記載のウェアラブルデバイス。
第97の側面では、ハードウェアプロセッサはさらに、物理的オブジェクトが滅菌領域に残されているかどうかを決定するようにプログラムされる、側面91-96のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第98の側面では、医療手技と関連付けられた仮想コンテンツは、医療手技のための医療命令のリストを含む、側面91-97のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第99の側面では、仮想コンテンツはさらに、少なくとも部分的に、物理的オブジェクトの追跡に基づいて、滅菌領域内における1つ以上の医療命令を示す、焦点インジケータを含む、側面91-98のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
第100の側面では、方法であって、ハードウェアプロセッサの制御下で、ウェアラブルデバイスのユーザの動眼視野(FOR)内の滅菌領域を決定するステップであって、FORは、ウェアラブルデバイスを介してユーザによって知覚されることが可能なユーザの周囲の環境の一部を含む、ステップと、ウェアラブルデバイスの外向きに面したカメラによって入手されたデータを分析し、滅菌領域の中に進入した物理的オブジェクトを識別するステップと、物理的オブジェクトと関連付けられた情報にアクセスするステップと、外向きに面したカメラによって入手されたデータに基づいて、滅菌領域内の物理的オブジェクトの位置を追跡するステップと、視覚的インジケーションをウェアラブルデバイスの頭部搭載型ディスプレイによって提供させるステップであって、視覚的インジケーションは、物理的オブジェクトの位置と関連付けられる、ステップとを含む、方法。
第101の側面では、滅菌領域は、患者の身体の少なくとも一部を含む、側面100に記載の方法。
第102の側面では、物理的オブジェクトと関連付けられた情報は、物理的オブジェクトの機能または医療手技のタイプのうちの少なくとも1つを含む、側面100または101に記載の方法。
第103の側面では、少なくとも部分的に、物理的オブジェクトと関連付けられた情報に基づいて、滅菌領域内の物理的オブジェクトと関連付けられた異常を検出するステップをさらに含む、側面100-102のいずれか1項に記載の方法。
第104の側面では、検出された異常は、物理的オブジェクトが医療手技のために不要または不適切であることの決定を含み、本方法はさらに、少なくとも部分的に、検出された異常に基づいて、アラートを装着者に提示するステップを含む、側面100-103のいずれか1項に記載の方法。
第105の側面では、物理的オブジェクトが滅菌領域に残されているかどうかを決定するステップと、物理的オブジェクトが滅菌領域に残されていることの決定に応答して、物理的オブジェクトと関連付けられた計数を減少させるステップであって、計数は、滅菌領域内の物理的オブジェクトの数を表す、ステップとをさらに含む、側面100-104のいずれか1項に記載の方法。
第106の側面では、仮想インジケーションは、滅菌領域内の物理的オブジェクトのリストを含む、側面100-105のいずれか1項に記載の方法。
(付加的考慮点)
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写されるプロセス、方法、およびアルゴリズムはそれぞれ、具体的かつ特定のコンピュータ命令を実行するように構成される、1つ以上の物理的コンピューティングシステム、ハードウェアコンピュータプロセッサ、特定用途向け回路、および/または電子ハードウェアによって実行される、コードモジュールにおいて具現化され、それによって完全または部分的に自動化され得る。例えば、コンピューティングシステムは、具体的コンピュータ命令を用いてプログラムされた汎用コンピュータ(例えば、サーバ)または専用コンピュータ、専用回路等を含むことができる。コードモジュールは、実行可能プログラムにコンパイルおよびリンクされる、動的リンクライブラリ内にインストールされる、またはインタープリタ型プログラミング言語において書き込まれ得る。いくつかの実装では、特定の動作および方法が、所与の機能に特有の回路によって実施され得る。
さらに、本開示の機能性のある実装は、十分に数学的、コンピュータ的、または技術的に複雑であるため、(適切な特殊化された実行可能命令を利用する)特定用途向けハードウェアまたは1つ以上の物理的コンピューティングデバイスは、例えば、関与する計算の量または複雑性に起因して、または結果を実質的にリアルタイムで提供するために、機能性を実施する必要があり得る。例えば、ビデオは、多くのフレームを含み得、各フレームは、数百万のピクセルを有し、具体的にプログラムされたコンピュータハードウェアは、商業的に妥当な時間量において所望の画像処理タスクまたは用途を提供するようにビデオデータを処理する必要がある。
コードモジュールまたは任意のタイプのデータは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、光学ディスク、揮発性または不揮発性記憶装置、同一物の組み合わせ、および/または同等物を含む、物理的コンピュータ記憶装置等の任意のタイプの非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。本方法およびモジュール(またはデータ)はまた、無線ベースおよび有線/ケーブルベースの媒体を含む、種々のコンピュータ可読伝送媒体上で生成されたデータ信号として(例えば、搬送波または他のアナログまたはデジタル伝搬信号の一部として)伝送され得、種々の形態(例えば、単一または多重化アナログ信号の一部として、または複数の離散デジタルパケットまたはフレームとして)をとり得る。開示されるプロセスまたはプロセスステップの結果は、任意のタイプの非一過性有形コンピュータ記憶装置内に持続的または別様に記憶され得る、またはコンピュータ可読伝送媒体を介して通信され得る。
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写されるフロー図における任意のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、プロセスにおいて具体的機能(例えば、論理または算術)またはステップを実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードモジュール、セグメント、またはコードの一部を潜在的に表すものとして理解されたい。種々のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、組み合わせられる、再配列される、追加される、削除される、修正される、または別様に本明細書に提供される例証的実施例から変更されることができる。いくつかの実施形態では、付加的または異なるコンピューティングシステムまたはコードモジュールが、本明細書に説明される機能性のいくつかまたは全てを実施し得る。本明細書に説明される方法およびプロセスはまた、任意の特定のシーケンスに限定されず、それに関連するブロック、ステップ、または状態は、適切な他のシーケンスで、例えば、連続して、並行して、またはある他の様式で実施されることができる。タスクまたはイベントが、開示される例示的実施形態に追加される、またはそれから除去され得る。さらに、本明細書に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、例証を目的とし、全ての実装においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。説明されるプログラムコンポーネント、方法、およびシステムは、概して、単一のコンピュータ製品においてともに統合される、または複数のコンピュータ製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。多くの実装変形例が、可能である。
本プロセス、方法、およびシステムは、ネットワーク(または分散)コンピューティング環境において実装され得る。ネットワーク環境は、企業全体コンピュータネットワーク、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、クラウドコンピューティングネットワーク、クラウドソースコンピューティングネットワーク、インターネット、およびワールドワイドウェブを含む。ネットワークは、有線または無線ネットワークまたは任意の他のタイプの通信ネットワークであり得る。
本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されない。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。本開示に説明される実装の種々の修正が、当業者に容易に明白であり得、本明細書に定義される一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の実装に適用され得る。したがって、請求項は、本明細書に示される実装に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。
別個の実装の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実装における組み合わせにおいて実装されることができる。逆に、単一の実装の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実装において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることができる。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態が、ある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図される。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「~を備える(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(having)」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。
本明細書で使用されるように、項目のリスト「~のうちの少なくとも1つ」を指す語句は、単一の要素を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。ある実施例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、およびA、B、およびCを網羅することが意図される。語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」等の接続文は、別様に具体的に記載されない限り、概して、項目、用語等がX、Y、またはZのうちの少なくとも1つであり得ることを伝えるために使用されるような文脈で別様に理解される。したがって、そのような接続文は、概して、ある実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在するように要求することを示唆することを意図されない。
同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実装において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実装におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。