JP7477595B2 - 消費エネルギー算出システム - Google Patents
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Description
また、上記のような背景において、様々なメーカが冷暖房機の出力を自動制御し、エネルギー消費を抑制するシステムを販売しているが、これらのシステムは設定温度に対して、如何にエネルギー効率良く室内温度を調整するかを考慮したシステムであり、建物の構造、時間毎に変化する環境状況(室内状況(在籍する人数の増減)、外気温度等の外部の環境状況)に応じて、消費エネルギーを抑えるべく可変的に設定温度を自動調整するようなシステムでは無い。また、そのような制御の為の指標となる、環境状況に応じた消費エネルギーを推測するようなものではない。
そのため、冷暖房機を制御するシステムの管理者が、時間毎に変化する環境状況に応じ、冷暖房機の適切な温度を把握し消費エネルギーを推測できるシステムがあれば望ましいが、現状においてそのようなシステムは存在しない。
なお、上記の特許文献1に記載のシステムは、単に、空気調和機からの電流値または消費電力の情報を用いて電気代を算出して、目標電気代を超えないようにアラートを通知するものであり、時間毎に変化する環境状況に応じた冷暖房機の消費エネルギーを推測するものではない。
斥力エネルギー値が格納されており、前記消費エネルギー積算部は、前記取得した所定時間毎の環境情報を用いて、該環境情報に対応する前記消費エネルギーテーブルのセルの値を所定時間毎に積算していくことで、前記冷暖房機が設置された環境変化に合わせた斥力エネルギー積算値を算出し、前記冷暖房機の消費エネルギーの概算値として前記算出した該斥力エネルギー積算値を出力するようになっていることを特徴とする。
そして、例えば、冷暖房機が冷房設定になっており、室内温度を「30℃から25℃」に下げるべく動作している場合、外気温度は建物を温めることから、温度を下げる事に対する斥力エネルギーとして作用する。すなわち、環境情報は冷暖房機に対する斥力エネルギーの指標となり、冷暖房機の消費エネルギーと反作用の関係として平衡になる事から、取得した現在の環境情報と条件が一致するセルに格納された消費エネルギー算出の基になる値を参照することで、冷暖房機が温度を調整するために必要な消費エネルギー計算をすることが可能になる。その結果、本発明によれば、個別の空間における各設定温度に対する消費電力が予め推測可能になり、本発明を利用して冷暖房機の環境に応じた設定温度コントロールが可能になれば、脱酸素、エネルギー削減に大きく貢献することができる。
なお、冷暖房機が設置されている建物の近傍に温度センサーを設けておき、データ取得部がその温度センサーから外気温度を取得しても良いし、或いは、データ取得部がインターネット経由で建物の近傍のエリアの外気温度を取得するように構成されていても良い。また、データ取得部は、室内温度及び設定温度について、冷暖房機から取得するようにしても良いし、室内温度について、冷暖房機が設置された室内に設置した温度センサーから取得するようにしても良い。
なお、消費電力は、冷暖房機の出力に対して斥力エネルギーを示す数値になる。
このように本発明では、消費エネルギーテーブルの各セルには、冷暖房機の設置された建物の環境状況を反映した斥力エネルギー値が格納されていることになるため、取得した現在の環境情報と条件が一致するセルに格納された斥力エネルギー値を参照することで、冷暖房機の環境変化に合わせた消費エネルギーの概算値を算出することができ、また、同一環境において温度設定を変えた場合に削減可能な、消費電力量を算出する事が可能になる。
この構成によれば、例えば冷房設定の場合、室内温度を温める環境要因を反映させた斥力エネルギー値が格納されている消費エネルギーテーブルを作成することができる。そのため、冷暖房機の設置環境が、例えば、室内の人の増減が激しい等の特殊な事情があるケースにおいても、環境要因を反映した消費エネルギーの概算値を算出することができる。
また、前記消費エネルギー算出システムを利用し、冷暖房機の設置された環境に対してエネルギー効率が良い設定温度を算出し、その設定温度を時間と共に自動的に変化させていく事で、適切な室内温度に自動制御を行うことを特徴とする冷暖房機自動制御システムを提供することが望ましい。
ここで、図1は、本実施形態の消費エネルギー算出システムの構成を示した模式図である。図2は、本実施形態の消費エネルギー算出システムに設けられたデータテーブルのデータ構造の一例を示した模式図である。図3は、本実施形態の消費エネルギー算出システムに設けられた消費エネルギーテーブルのデータ構造の一例を示した模式図である。
また、オフィスA、nがあるビル・近傍の屋外には、外気温を計測する外気温度センサー1が設けられている。
なお、冷暖房機3a、3bに、室内温度を計測する温度センサーが内蔵されている場合には、各オフィスに室内温度センサー2を設けずに、所定時間毎に、冷暖房機3a,3bに内蔵された温度センサーが計測した室内温度を取得するようにしても良い。
また、多くのオフィスビルでは、ビルディング・マネージメント・システム(BMS(Building Management System))が導入されているため、ビルディング・マネージメント・システムを利用して「環境情報や各冷暖房機3の設定温度、及び消費電力」を取得するようにしても良い。
情報処理装置100は、冷暖房機3の設定温度や環境情報(環境値)を取得するデータ取得部110と、消費エネルギーテーブル200のセルの値(消費電力)を算出する消費エネルギー計算部120と、消費エネルギーを一定期間で積算し、期間毎の消費電力を求める消費エネルギー積算部130と、消費エネルギーテーブル210に格納する消費電力を算出するための方程式(後述する)のパラメータ(変数)を算出する変数関係計算部140と、電力の消費状況などを表示する為の表示部150と、記憶部160と、を有している。記憶部160には、所定時間毎の環境情報を記憶させるデータテーブル200と、消費エネルギーテーブル210と、演算データテーブル220が記憶されている。
そして、消費エネルギー積算部130が、データ取得部110が取得した所定時間毎の環境情報を用いて、その環境情報に対応する消費エネルギーテーブル210のセルの値を所定時間毎に積算していくことで、冷暖房機3が設置された環境変化に合わせた消費エネルギーの概算値を算出するようになっている。
同様に、表示部150もCPUが記憶部のデータ及び第1プログラムの結果に基づき、表示プログラムを読み出して実行する事で、ウェブブラウザーなどを通じて利用者が情報を参照する事が出来る。
また、メモリの所定領域には、データテーブル200及び消費エネルギーテーブル210と、演算データテーブル220が記憶されている。
以下、情報処理装置100の各構成部及びデータベース(データテーブル200、消費エネルギーテーブル210及び演算データテーブル220)の構成について説明する。
なお、データテーブル200に登録されているデータについては、消費エネルギー(消費電力)の概算値を算出する処理で行われる、消費エネルギーテーブル210の各セルに格納する消費電力の算出や、変数関係計算部140が行う方程式(後述する)のパラメータ(変数)の算出に用いられる。
データテーブル200は、冷暖房機3毎にテーブル形式のデータベースが設けられており、冷暖房機3毎のデータベースでは、時間帯(yn(〇時〇分-〇時〇分))毎に「環境情報(外気温度、室内温度、混雑状況、設定温度)、消費電力」を関連付けて格納できるようになっている。図示する例では、「冷暖房機3a」のためのデータベースを示しており、「10:00~10:05(y1)」の時間帯には、「外気温度(32.5℃)、室内温度(28℃)、設定温度(24℃)、混雑状況(60%)、その他(XX)、消費電力(1200W)」が登録されている。
なお、その他(XX)を登録するフィールドは、冷暖房機のファンスピードの設定情報が得られる場合や、冷暖房機3の設置エリアに、消費電力に影響を及ぼす特殊因子が有る場合に利用される。
また、消費電力に関して、BMS等のビル設備で冷暖房機3の個々の消費電力を取得できる場合や、各冷暖房機が独立して動作している場合に於いては、データテーブル200のように各冷暖房機のデータベースに消費電力は格納されるが、複数の冷暖房機に対する消費電力がまとめて取得される場合については、計測された消費電力は演算データテーブル220に格納される。
或いは、データ取得部110が、1分毎に「環境情報(外気温度、室内温度、混雑状況、設定温度)、消費電力」を取得するような運用をする場合には、各時間帯において、取得した「環境情報(外気温度、室内温度、混雑状況、設定温度)、消費電力」の平均値を算出し、時間帯毎に平均値を関連付けてデータテーブル200に登録するようにしても良い。
なお、図3は、本実施形態の消費エネルギー算出システムに設けられた消費エネルギーテーブル210のデータ構造の一例を示した模式図である。
消費エネルギーテーブル210では、縦軸のメモリが室内温度から設定温度(冷暖房機3の設定温度)を引いた温度差を示しており、横軸のメモリが外気温度から設定温度(冷暖房機3の設定温度)を引いた温度差を示している。
また、本実施形態で対象としている冷暖房機3は、自動制御機能を有しており、設定温度以上、又は設定温度以下に室温を温めたり冷やしたりしない。そのため、図示する消費エネルギーテーブル210では、冷房運転のときに利用する上部の表エリア210aに下部が設けられておらず、暖房運転のときに利用する下部の表エリア210bに上部が設けられていない。
また、室内に熱源が無い限り、外気温度と設定温度の差は、室内温度と設定温度の差の上下限になる為、図中では、通常利用されない表部分を塗りつぶした表記(グレー表記)にしている。但し、グレー表記部分を利用しても差し支えは無い。また、外気温度と設定温度の差は、室内温度と設定温度の差が15℃以上になる場合は、+-15℃以上の数値を用意しておき、利用するようにすれば良い。
ここで、図4は、本実施形態の消費エネルギー算出システムが行う消費エネルギーテーブルのセルに格納される消費電力の算出処理を説明するための模式図であり、(a)が所定時間(y1,y2,y3)に計測した環境情報を格納したデータテーブル200を示した表であり、(b)が消費エネルギー(消費電力)を算出する方程式を示した模式図であり、(c)が(b)に示す数式のパラメータの算出処理を説明するための模式図である。
また、図5は、図4に示した環境情報に示した消費電力と、消費エネルギーテーブルのセルの関係を説明するための模式図である。
なお、消費エネルギー計算部120による、下記の(式1)及び(式2)を用いた冷暖房機3の消費電力の算出処理は、冷暖房機3が電力計5により所定時間毎の消費電力を計測できる場合については、既述の通り電力計5の数値と同値となる。
上記の(式1)では、冷暖房機3が室内温度を設定温度に維持する為に利用される最大消費電力を「K」に代入する。これは即ち、図3の消費エネルギーテーブル210で説明すると、縦軸中央の「0行」の左右の端の値となる。
また、上記(式1)では、xが「外気温度と設定温度の差(外気温度-設定温度)」になっている。冷暖房機3が室内温度を設定温度に維持する為に利用される最大消費電力は、該当環境に於いてxが最大値となる場合の消費電力となる。「K」の値の算出に関しては、後程人工知能計算の部分で説明を行う。
例えば、混雑検知センサー4の計測値に応じて、上述した(式1)の方程式の「α」の値を加減算することにより、人の増減による動的熱源を反映させるようにしても良い。
しかし、オフィスでは、実際には環境内の熱源や人の状況は都度大きく変化する事は少なく、また冷暖房機のファンスピードを手動で設定するようなオフィスも少ないため、ここでは、オフセットを用いらずに、熱源を含めて該当環境(室内温度、設定温度等の室内環境)により消費エネルギーを計算する。また、本実施形態では、αの値の詳細な内容に関しては定義しない。
しかし、本実施形態では、5分間隔、10分間隔等の有効な計測間隔を前提にしている事から、「温度維持の為の消費エネルギー(温度維持エネルギー)」という説明を行う。
図6に示すように、外気温度と設定温度との差が大きいほど、消費されるエネルギー量は大きくなっていく。これは、外気温度との差が大きいほど、室内温度が温め、或いは冷やされる時間が速くなる事から、冷暖房機3の作動状態が長くなるからである。
上記(式2)の方程式は、冷暖房機3が室内温度を設定温度に変化させようと動作した場合に消費されるエネルギー計算に用いる計算式である。
上記(式2)の「A」の値には、上記(式1)の計算式の解の値、即ち、温度維持エネルギー計算の解が代入される。しかし、この「A」の値は、外気温度と設定温度の差毎に異なることから、消費エネルギーテーブル210の縦列毎に、(式2)の計算式は、異なる「A」の値を持つことになる。
上述した図6のグラフが室内温度を設定温度に維持する場合の消費エネルギー変化を表したものであるのに対して、図7のグラフは、室内温度を設定温度に変化させる場合の消費エネルギー変化を表したものである。図7のグラフは、図6のグラフとカーブの傾きが異なり、室内温度と設定温度の差が少ない場合にはグラフの傾きが緩やかになり、ある温度差により急激に消費電力値が増加し、一定以上の温度差を超えると、再度、グラフの傾きが緩やかになる傾向を示す事が多い。
その後、消費エネルギー積算部130は、消費エネルギーテーブル210を用いて、1日のセル値を積算することで得られた消費エネルギー(説明の便宜上、「推定消費エネルギー量」という)を算出する。
また、変数関係計算部140は、オフィスAの1日の実際の消費電力値(真値の消費エネルギー量)を取得することができれば、積算した「推定消費エネルギー量」と、取得した「真値の消費エネルギー量」とを照合することで、上述した(式1)及び(式2)の変数(b及びc)を逆算し、固定されていない変数(例えば、仮決めしている変数)の「b及びc」の組み合わせパターンの範囲を特定することが出来る。
なお、パラメータ(変数)を特定する消費エネルギー算出人口知能の処理は、情報処理装置100の変数関係計算部140により行われる。
この変数関係計算部140よる処理は、情報処理装置100のCPUが人工知能プログラムを実行することにより実現される。
なお、説明の都合上、再度、上述した(式1)及び(式2)を示す。
前過程で消費エネルギーテーブル210の多くのセルの値が取得できている場合、より適切に「K」の値を仮決めする事が出来る。一方、どうしても前過程で消費電力を計測出来ない場合に関しては、冷暖房機3の仕様から「K」の値を推測し、仮の固定値を入力するのも許容である。ここでは「K」の値の正確性は必ずしも重要では無く、あくまで前過程で仮の初期値を得る事が重要となる。
本実施形態での人工知能計算とは、変数関係計算部140が上記キー変数の範囲を自動的にコンピューター計算にて絞っていく事である。BMSが導入されているような大規模なオフィスの場合、BMSより所定時間毎、冷暖房機3毎の消費電力を取得する事で、比較的短時間の内に上記キー変数を絞り込み、各環境に於ける消費エネルギーテーブル210のセルの値の精度を高める事が出来る。
一方、BMSが無く、複数の冷暖房機3が混在している状況下では、最悪の場合、電気料金を元に人工知能計算にて上記キー変数を絞る事になる。但し、その場合については、消費エネルギーテーブル210のセル値の精度を上げるには長い時間を要する事になる。
次に、消費電力量が月に一度得られたタイミングで演算データテーブル220に消費電力と電力計測期間を入力する。消費エネルギー積算部130では、前記入力された消費電力値の該当期間内の対象の2機の冷暖房機3のデータテーブル200をそれぞれ参照し、図5の例のように、それぞれデータの示す環境状況に対応する消費エネルギーテーブル210内のセルのデータを積算し、冷暖房機3毎の積算結果を合計する。
合計結果は、即ち演算データテーブル220に入力された消費電力値と一致しなければならない為、消費電力値を解とし(式2)の上記キー変数の範囲を特定し、範囲内の値に自動調整する。
例えば、ある月の消費エネルギーテーブル210の環境情報が示す該当セルの推移が、前月より上方向への偏りを示し(図8に示す数値の偏り)、合わせて消費電力の消費が5%上昇している場合を仮定する。その場合であって、変数関係計算部140の比較計算で利用される、消費エネルギー積算部130で積算された値が、実際の消費電力より小さい値となった場合、図7のグラフ形状はより傾きを有したものに調整される事になる。
前例とは異なり環境情報が5分単位で取得され、同様に消費電力も5分単位で取得可能な状況にある場合については、変数関係計算部140での比較計算方法は同一手法になるものの、消費エネルギーテーブル210のセルの値は5分おきに特定され、おのずと図6、図7のグラフ形状も5分おきに変数関係計算部140にて補正されていく事になる。
しかし、上記周期が一致している場合については、同一セルに度々新しい値が格納される事になる。即ち、新しい計測値が前データに対して、どの程度乖離しているかも明確に取得する事が出来る。その場合、消費エネルギーの増加または軽減に寄与する新たなる環境要素が見つかる可能性も存在する。その場合は、上記(式1)のα値を利用し、より正確な消費電力の予測に繋げていく事が出来る。
即ち、前述の方法で消費エネルギーテーブル210の全てのセルの値の概算値が算出されれば、例えば、過去の時点において設定温度をどのように設定していれば、幾らの消費電力が削減できたのかのシュミレーションが可能になり、また、今後予想される環境変化について、どのように設定温度を設定すれば、消費電力が最小値に抑えられるのかを予め予想し運用する事が可能になる。同様に、それらの温度設定の運用を自動化する事も可能になる。
なお、温度維持エネルギー計算方程式及び温度変化エネルギー計算方程式の変数(a、b)以外の係数(K、A)の特定方法は、上述した実施形態と同じである。
2、2a、2b…室内温度センサー
3、3a、3b…冷暖房機
4、4a、4b…混雑検知センサー
5、5a、5b…電力計
100…情報処理装置
110…データ取得部
120…消費エネルギー計算部
130…消費エネルギー積算部
140…変数関係計算部
150…表示部
160…記憶部
200…データテーブル
210…消費エネルギーテーブル
220…演算データテーブル
Claims (9)
- 自動制御機能を備えた冷暖房機の消費エネルギーの概算値を算出する情報処理装置を備えた消費エネルギー算出システムであって、
前記情報処理装置は、
前記冷暖房機が設置された建物内部及び外部の環境情報を取得するデータ取得部と、
複数のセルがマトリックス状に形成されている消費エネルギーテーブルと、
前記消費エネルギーテーブルのセルの値を算出する消費エネルギー計算部と、
前記消費エネルギーテーブルのセルの値を積算し、前記冷暖房機の所定期間の消費エネルギーの概算値を算出する消費エネルギー積算部と、を有し、
前記データ取得部は、所定時間毎に、前記環境情報として、少なくとも、前記冷暖房機が設置されている建物・内部の室内温度と、前記冷暖房機が設置されている建物・外部の外気温度と、前記冷暖房機の設定温度とを取得し、
前記消費エネルギーテーブルの各セルには、前記外気温度と前記設定温度の差、及び前記室内温度と前記設定温度の差の両者に対応させて、前記冷暖房機が、設置されている建物の前記環境情報の値に対して温度を上昇又は下降させる動作に抗う斥力エネルギー値が格納されており、
前記消費エネルギー積算部は、前記取得した所定時間毎の環境情報を用いて、該環境情報に対応する前記消費エネルギーテーブルのセルの値を所定時間毎に積算していくことで、前記冷暖房機が設置された環境変化に合わせた斥力エネルギー積算値を算出し、前記冷暖房機の消費エネルギーの概算値として前記算出した該斥力エネルギー積算値を出力するようになっていることを特徴とする消費エネルギー算出システム。 - 前記消費エネルギーテーブルは、外気温度と設定温度の差の値により特定される列と、室内温度と設定温度の差の値により特定される行とを有し、列と行とが交わる前記セルには前記斥力エネルギー値が格納されていることを特徴とする請求項1に記載の消費エネルギー算出システム。
- 前記消費エネルギーテーブルの各セルには、
前記冷暖房機が電力計により所定時間毎の消費電力を計測できる場合、前記電力計により計測された前記冷暖房機の消費電力がそのまま斥力エネルギー値として格納され、
前記冷暖房機が電力計により所定時間毎の消費電力を計測できない場合、前記冷暖房機によりパラメータ値が決定される斥力エネルギー計算方程式と、前記取得した環境情報とを用いて算出された斥力エネルギー値が格納されていることを特徴とする請求項2に記載の消費エネルギー算出システム。 - 前記消費エネルギー計算部は、前記消費エネルギー積算部が前記斥力エネルギー積算値を算出する処理の前処理として、前記斥力エネルギー計算方程式と、前記取得した環境情報とを用いて前記冷暖房機の斥力エネルギー値を算出し、該算出に用いられた前記環境情報に応じて割り当てられた前記消費エネルギーテーブルのセルに該算出した斥力エネルギー値を格納することを特徴とする請求項3に記載の消費エネルギー算出システム。
- 前記データ取得部は、前記環境情報として、前記室内の混雑状況、気象状況、湿度を含む環境要因を取得できるようになっており、
前記斥力エネルギー計算方程式には、前記環境要因をオフセット値として設定できるようになっており、
前記消費エネルギー計算部は、前記環境要因がオフセット値として設定された前記斥力エネルギー計算方程式を用いて前記斥力エネルギーを算出するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の消費エネルギー算出システム。 - 前記消費エネルギー計算部は、
前記室内温度と前記設定温度の差が0の場合に参照する前記セルについては、前記斥力エネルギー計算方程式として、x軸が外気温度と設定温度の差を示し且つy軸が斥力エネルギー値を示している第1のグラフ形状を形成するパラメータを持つ温度維持エネルギー方程式を用いて消費電力を算出し、
前記外気温度と前記設定温度の差が0の以外の場合に参照する前記セルについては、前記斥力エネルギー計算方程式として、x軸が室内温度と設定温度の差を示し且つy軸が斥力エネルギー値を示している第2のグラフ形状を形成するパラメータを持つ温度変化エネルギー方程式を用いて消費電力を算出するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の消費エネルギー算出システム。 - 前記第1のグラフ形状を持つ温度維持エネルギー方程式は、環境毎に異なる2つの変数と設定温度を維持するための最大消費電力値を使ったゴンペルツ方程式に、前記冷暖房機の最低消費電力値及びオフセットを加えた方程式であり、
前記第2のグラフ形状を持つ温度変化エネルギー計算方程式は、前記温度維持エネルギー方程式の解、前記冷暖房機の最大消費電力値、及び前記2つの変数と異なる別の2つの変数により構成された方程式であることを特徴とする請求項6に記載の消費エネルギー算出システム。 - 前記温度維持エネルギー計算方程式及び前記温度変化エネルギー計算方程式の変数を特定する変数関係計算部を有し、
前記変数関係計算部は、
前記電力計により取得した前記冷暖房機の実際の消費電力と前記データ取得部が取得した環境情報を教師テータとして用い、前記環境情報と消費電力とを結びつける、前記温度維持エネルギー計算方程式及び前記温度変化エネルギー計算方程式の変数の関係を機械学習により絞り込んでいき、前記温度維持エネルギー計算方程式及び前記温度変化エネルギー計算方程式のそれぞれの変数を特定するようになっていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の消費エネルギー算出システム。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の消費エネルギー算出システムを利用し、冷暖房機の設置された環境に対してエネルギー効率が良い設定温度を算出し、その設定温度を時間と共に自動的に変化させていく事で、適切な室内温度に自動制御を行うことを特徴とする冷暖房機自動制御システム。
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