本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るドライバー及びドライバーの使用方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るドライバーの構成例を示す側面図である。図2(a)は、図1に示されたドライバーにより締結されるボルトの平面図であり、図2(b)は、図2(a)中のIIb-IIb線に沿う断面図である。図3(a)は、図1に示されたドライバーにより締結される他のボルトの平面図であり、図3(b)は、図3(a)中のIIIb-IIIb線に沿う断面図である。図4(a)は、図1に示されたドライバーにより締結される更に他のボルトの平面図であり、図4(b)は、図4(a)中のIVb-IVb線に沿う断面図である。図5(a)は、図1に示されたドライバーにより締結される更に別のボルトの平面図であり、図5(b)は、図5(a)中のVb-Vb線に沿う断面図である。図6は、図1に示されたドライバーに装着されるビットの例を示す図である。図7は、図1に示されたドライバーのビット装着部を示す図である。図8は、図1に示されたドライバーの構成を示すブロック図である。図9及び図10は、図1に示されたドライバーのカメラの視野等を示す側面図である。
実施形態1に係る図1に示すドライバー1は、図2、図3、図4及び図5に示された締結されるネジ200-1,200-2,200-3,200-4に応じたビット10が装着されて、ビット10を軸心回りに回転して、ネジ200-1,200-2,200-3,200-4を工業製品2のネジ孔3に締める工具である。ネジ200-1,200-2,200-3,200-4は、常磁性を有する金属(磁性体)により構成され、図2、図3、図4及び図5に示すように、ビット10の先端部に装着される頭201と、ネジ孔3にねじ込まれるネジ部202とを一体に備える。なお、実施形態1では、ネジ200-1,200-2,200-3,200-4は、金属製の磁性体により構成されているが、本発明では、金属製の磁性体で構成されなくても良い。
なお、本明細書は、以下、ネジ200-1,200-2,200-3,200-4同士を区別する際には、符号200-1,200-2,200-3,200-4を用い、ネジ200-1,200-2,200-3,200-4同士を区別しない際には、符号200を用いる。
また、実施形態1に係る図1に示すドライバー1は、締結されるネジ200に応じて、図6(a)、図6(b)及び図6(c)に示されたビット10-1,10-2,10-3が装着されて、それぞれ、ビット10-1,10-2,10-3を軸心回りに回転して、ネジを締結する工具である。
なお、本明細書は、以下、ビット10-1,10-2,10-3同士を区別する際には、符号10-1,10-2,10-3を用い、ビット10-1,10-2,10-3同士を区別しない際には、符号10を用いる。
ビット10は、図6(a)、図6(b)及び図6(c)に示すように、先端部15と、シャンク部16と、装着部17と、を備える。先端部15は、ビット10によって互いに異なっている。先端部15は、実施形態1では、永久磁石により構成され、先端部にネジ200を磁力により吸着して、保持することができる。なお、先端部15は、本発明では、永久磁石で構成されなくても良い。
シャンク部16は、先端部15と装着部17とを接続する柱状の柄である。装着部17は、図7に示すドライバー1のビット装着部14に装着される部分である。装着部17は、正常にビット装着部14に装着されたときに、図7に示すように、基端部で検出用スイッチ31の操作部37を押圧操作する。シャンク部16及び装着部17は、ICタグ18を除き、全ての種類のビット10に共通して形成されている部位である。
ICタグ18は、装着部17の基端側の領域の側面に張り付けられて固定されて設けられている。ICタグ18は、全ての種類のビット10に互いに異なる識別情報を示しており、その示している識別情報に基づいてビット10の種類を識別することができる。ICタグ18は、ビット10の装着部17が正常にビット装着部14に装着されたときに、ICタグ18を検出する検出ユニット33により検出できる位置に位置付けられる。
また、実施形態1において、工業製品2は、ネジ200が締められる複数のネジ孔3が設けられ、かつ複数のネジ孔3のネジ200が締められる順序が予め定められている。複数のネジ孔3は、それぞれ、締められるネジ200の種類、ネジ200が締められる時のトルク(回転トルク)が予め定められている。
ドライバー1は、電源であるバッテリ20に接続し、バッテリ20から供給される電力によりモータ21がビット10を軸心回りに回転させる、所謂電動ドライバーである。ドライバー1は、締めるネジ200に応じたビット10が装着される。ドライバー1は、装着されるビット10が変更されることにより、図2、図3、図4及び図5に示された様々なネジ200-1,200-2,200-3,200-4を工業製品2のネジ孔3に締結することができる。なお、実施形態では、ドライバー1は、電源としてバッテリ20に接続されるが、本発明では、バッテリ20に限定されることなく、商用電源(交流電源)に接続されても良い。
ドライバー1は、図1に示すように、ビット10が装着されるとともに、ドライバー1の外殻を構成する工具本体11と、前述したモータ21と、を備える。工具本体11は、ビット10が装着されるとともにモータ21を収容したドライバー本体12と、ドライバー本体12に連なりオペレータが把持することが可能な握り部13とを備える。実施形態1では、握り部13は、バッテリ20が装着される。
また、ドライバー1は、図1及び図8に示すように、カメラ30と、検出ユニット33と、検出用スイッチ35と、スタートボタン40と、表示ユニット50と、LEDユニット60と、送受信部70と、制御ユニット100とを備える。カメラ30は、図9に示すように、ビット10の先端部と、ビット10の先端部に保持されかつネジ孔3に締結されるネジ200と、ネジ200が締められる工業製品2のネジ孔3と、ネジ200を締める領域であるネジ孔3の周囲を撮影可能な視野31を有する。実施形態1では、カメラ30は、締結するネジ200と、ネジ200を締める領域であるネジ孔3の周囲を撮影可能であるが、本発明では、締結するネジ200又はネジ200を締める領域であるネジ孔3の周囲を撮影すれば良い。なお、本発明では、カメラ30は、締結中にネジ200を撮影できなくても良い。
実施形態1では、カメラ30は、工具本体11のドライバー本体12に取り付けられている。カメラ30は、ビット10の先端部と、ビット10の先端部に保持されたネジ200と、ネジ200が締められる工業製品2のネジ孔3と、ネジ孔3の周囲を撮影可能な視野31に設定されている。カメラ30は、撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。カメラ30は、撮像して得た画像を制御ユニット100に出力する。
実施形態1では、カメラ30は、本発明に係る読み取りユニットとして機能し、図10に示すように、視野31内に入れた2次元コード6を撮影して画像521を取得し、画像521に基づいて2次元コード6を読み取り、読み取って得たコード情報を制御ユニット100に出力する。2次元コード6は、実施形態1では、オペレータがドライバー1を用いて工業製品2の所定のネジ孔3に所定のネジ200を締めるという所定の作業の工程を示す情報が読み取られる。また、2次元コード6は、実施形態1では、オペレータが工業製品2の所定のネジ孔3に所定のネジ200を締める作業を開始する作業開始位置の近傍に設置されたフレーム5や装置の筐体部分等に、カメラ30により撮影可能に設置されている。なお、読み取りユニットとして機能するカメラ30は、本発明では、2次元コード6に代えて2次元コード6と同様の位置に設置されたバーコードを撮影して読み取っても良い。
検出ユニット33は、ビット装着部14の基端側に向けて設けられている。検出ユニット33は、図7に示すように、ビット10が奥まで正常に挿入されたときの装着部17に設けられたICタグ18の識別情報を検出して、検出して得た識別情報を制御ユニット100に出力する。検出ユニット33は、小型のICタグ読み取り機が好適に使用される。検出ユニット33は、他にも、CCD撮像素子、CMOS撮像素子、各種センサ等を使用することもできる。
検出用スイッチ35は、ビット装着部14にビット10が正常に挿入されて装着されたか否かを検出するスイッチである。検出用スイッチ35は、図7に示すように、ビット装着部14内に設けられ、押圧操作される操作部37がビット装着部14に正常に挿入されて装着されたビット10の装着部17により押圧されてスイッチ本体36に没する位置に配置されている。検出用スイッチ35は、操作部37が押圧されたことを示す信号及び操作部37が押圧されていないことを示す信号を制御ユニット100に出力する。
スタートボタン40は、オペレータにより操作されることで、モータ21を駆動して、ビット10を軸心回りに回転するものである。実施形態1では、スタートボタン40は、握り部13に設けられ、オペレータが押圧操作することが可能である。スタートボタン40は、押圧操作されると、モータ21を駆動して、モータ21がビット10を軸心回りに回転するための信号を制御ユニット100に向けて出力する。
表示ユニット50は、カメラ30が撮像した画像や、検出ユニット33の検出結果に基づくビット10の情報などを表示するものであり、実施形態1では、液晶表示装置などにより構成される。表示ユニット50は、工具本体11の外表面上に設置され、実施形態1では、ドライバー本体12のビット10から離れた側の基端部に取り付けられている。
LEDユニット60は、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を少なくとも一つ備え、実施形態1では、互いに異なる色の光を発するLED61,62を二つ備える。LED61,62は、工具本体11の外表面上に設置され、実施形態1では、ドライバー本体12の長手方向の中央部に取り付けられている。LED61,62は、ドライバー本体12の長手方向に沿って互いに間隔をあけて配置され、ビット10寄りの一方のLED61が青色の光を発し、ビット10から離れた側の他方のLED62が赤色の光を発する。
送受信部70は、外部の電気機器と無線で情報通信可能に接続する無線通信装置である。送受信部70は、制御ユニット100から出力された情報を外部の電子機器に向けて送信する。送受信部70は、外部の電気機器から受信した情報を制御ユニット100に出力する。なお、送受信部70は、送信部の一例である。送受信部70は、ネットワークを介して外部の電気機器と通信を行う機能を備えても良い。
制御ユニット100は、ドライバー1の各ユニットをそれぞれ制御して、ネジ200を締める動作をドライバー1に実施させるものである。制御ユニット100は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、ドライバー1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介してドライバー1の各ユニットに出力する。
次に、本明細書は、制御ユニット100を図面に基づいて説明する。図11及び図12は、図1に示されたドライバーの制御ユニットの基本情報登録部に登録される情報の一例を示す図である。図13は、図12に示された情報の基本情報の一例を示す図である。
図14は、図1に示されたドライバーの一状態を示す側面図である。図15は、図1に示されたドライバーの別の一状態を示す側面図である。図16は、図1に示されたドライバーのカメラが撮影して得た新たな画像情報の一例を示す図である。図17は、図1に示されたドライバーのカメラが撮影して得た新たな画像情報の他の例を示す図である。図18は、図1に示されたドライバーのカメラが撮影して得た締結画像の例を示す図である。図19は、図1に示されたドライバーの制御ユニットの情報記録部に記録される情報の一例を示す図である。図20は、図1に示されたドライバーのカメラがネジを締めている時に撮影して得た画像の一例を示す図である。
また、制御ユニット100は、図8に示すように、基本情報登録部101と、判定部102と、トルク調整部103と、作業履歴記録部としての機能を有する情報記録部104と、送信制御部105とを備える。
基本情報登録部101は、ビット装着部14に正常に挿入されて装着されたビット10の種類を判定するために必要な情報であるビット基本情報400を、ドライバー1を用いてネジを締める作業を行う前に予め制御ユニット100に登録する。基本情報登録部101は、図11に示すように、ビット10毎に設けられたICタグを読み取って取得されるICタグ情報と、ビット10の種類の情報であるビット種類とを1対1で対応付けて、ビット基本情報400に登録している。
また、基本情報登録部101は、工業製品2のネジ200を締める領域であるネジ孔3及びネジ孔3の周囲をカメラ30で予め撮影して得た画像情報を基本情報300(例えば、図13に一例を示す)として予め登録する。基本情報300は、ドライバー1がネジ孔3にネジ200を締める前に、カメラ30でネジ孔3及びネジ孔3の周囲を撮影して得られる。
実施形態1では、基本情報登録部101は、図12に示す情報450が登録され、基本情報300を複数登録している。基本情報登録部101は、図12に示すように、ネジ200を締める順序と、ネジ200を締める各順序のネジ孔3付近に設置された2次元コード6をカメラ30で読み取って得られるコード情報と、ネジ200を締める各順序で使用するビット種類と、ネジ200を締める各順序のネジ孔3及びネジ孔3の周囲の画像情報である基本情報300と、所定の位置である各ネジ孔3にネジ200を締める際のトルクと、各ネジ孔3に締めるネジ200の種類とを1対1で対応付けて、情報450に登録している。ここで、コード情報は、ネジ200を締める各順序の作業の工程を示す情報が含まれている。こうして、基本情報登録部101には、順序に対応してコード情報、ビット種類及び基本情報300が登録されており、基本情報300に対応してネジ孔3にネジ200を締める際のトルクが登録されている。また、実施形態1では、基本情報登録部101は、ネジ200の種類に加えて、ネジ200の頭201を撮像して得た画像、ネジ200を締める順序等と1対1で対応付けて、情報450に登録している。このように、情報450は、オペレータの作業の工程ごとに、作業を実行する順序、読み取る2次元コード6、ビット10のビット種類、撮影される画像に関する基本情報300、ネジ200を締める際のトルク、ネジ200の種類、頭の画像を規定しているものとなっており、オペレータの作業の工程ごとに設けられた作業規定としての機能を有する。
判定部102は、ドライバー1が各ネジ孔3にネジ200を締める作業を実行する直前に、付近に設置された2次元コード6をカメラ30で読み取ってコード情報を取得し、取得したコード情報を、取得した時刻(日時)とともに紐付けて情報記録部104に記録する。また、判定部102は、この取得したコード情報に基づいて、基本情報登録部101に登録された情報450を参照して、これから実行する作業の順序の情報を取得する。
判定部102は、検出用スイッチ35の操作部37が押圧操作された否かに基づいて、ビット10がビット装着部14に正常に挿入されて装着されたか否かを判定(装着判定)する。判定部102は、検出ユニット33が検出して得たICタグ18の識別情報に基づいて、基本情報登録部101に登録されたビット基本情報400を参照して、ビット装着部14に装着されたビット10の種類(ビット種類)を検出する。判定部102は、装着判定及びビット種類の検出を連続的にもしくは定期的(一定時間おき)に実行し、装着判定の結果及び検出したビット種類を、表示ユニット50に表示させる。
判定部102は、基本情報登録部101に登録された情報450を参照して、検出したビット種類が、直前に取得した作業の順序と対応付けられたビット種類と合致するか否かを判定する。判定部102は、検出したビット種類と直前に取得した作業の順序と対応付けられたビット種類とが合致すると判定した場合、図14に示すように、LEDユニット60のビット10寄りの一方のLED61を点灯し、他方のLED62を消灯する。また、判定部102は、検出したビット種類と直前に取得した作業の順序と対応付けられたビット種類とが合致しないと判定した場合、図15に示すように、LEDユニット60のビット10から離れた側の他方のLED62を点灯し、一方のLED61を消灯する。こうして、LEDユニット60は、点灯するLED61,62を切り換えることで、判定部102のビット種類の判定結果をオペレータに報知する報知部の機能を発揮する。
判定部102は、ドライバー1が各ネジ孔3にネジ200を締める直前に、ネジ孔3及びネジ孔3の周囲をカメラ30で新たに撮影して得た新たな画像情報501,502(図16及び図17に例を示す)が、基本情報300と合致するか否かを判定する。具体的には、判定部102は、ドライバー1が各ネジ孔3にネジ200を締める直前において、オペレータによりスタートボタン40が操作されてビット10が回転すると、カメラ30で動画又は定期的(一定時間おき)に静止画を撮影し、これらの動画又は静止画のうちネジ孔3が撮像された静止画を前述した新たな画像情報501,502として得る。なお、本発明では、カメラ30の撮影開始は、ビット10を回転するためのスタートボタン40の操作以外に、撮影専用のスタート/ストップボタンを設けて、撮影専用のスタート/ストップボタンで実施しても良い。
判定部102は、図12に示す情報450を参照して、次に締める順序に対応した基本情報300と、新たな画像情報501,502とを照合して、これらが合致するか否かを判定する。具体的には、判定部102は、基本情報300と新たな画像情報501,502とにパターンマッチング等の正規化相関を行い、相関値が予め定められた所定の値以上であると、基本情報300と新たな画像情報501,502とが合致したと判定し、所定の値未満であると、基本情報300と新たな画像情報501,502とが合致していないと判定する。
実施形態1では、判定部102は、パターンマッチングの際に、基本情報300と、新たな画像情報501,502のネジ孔3の周囲を特徴部分310,510(図13、図16及び図17中に四角で囲む)として抽出して、特徴部分310,510同士が合致しているか否かを判定する。こうして、判定部102は、基本情報300に合致しているか判定した新たな画像情報501,502が、基本情報登録部101に登録されたネジ200を示す順序に沿っているかを判定する。
また、判定部102は、新たな画像情報501,502からネジ200の頭201を含む領域511(図16及び図17に点線で囲む)を抽出する。判定部102は、図12に示された情報450を参照して取得した次にネジ200に締める順序に対応したネジ200の頭201の画像と、新たな画像情報501,502から抽出したネジ200の頭201を含む領域511とを照合して、これらが合致しているか否かを判定する。なお、判定部102は、領域511と情報400のネジ200の頭201の画像とを照合する際は、基本情報300と新たな画像情報501,502とを照合する際と同様に行う。
また、判定部102は、新たな画像情報501,502を取得すると、取得した画像情報501,502を表示ユニット50に出力し、表示ユニット50に新たな画像情報501,502を表示させる。
判定部102は、例えば、図13に示す基本情報300と図16に示す新たな画像情報501とを照合すると、実施形態1では、合致したと判定する。また、判定部102は、情報450の次にネジ200に締める順序に対応したネジ200の頭201の画像と新たな画像情報501から抽出したネジ200の頭201を含む領域511とを照合すると、合致したと判定する。すると、制御ユニット100は、図14に示すように、LEDユニット60のビット10寄りの一方のLED61を点灯し、他方のLED62を消灯する。
また、判定部102は、例えば、図13に示す基本情報300と図16に示す新たな画像情報502とを照合すると、合致していないと判定する。すると、制御ユニット100は、図15に示すように、LEDユニット60のビット10から離れた側の他方のLED62を点灯し、一方のLED61を消灯する。こうして、LEDユニット60は、点灯するLED61,62を切り換えることで、判定部102の基本情報300及び頭201の画像の判定結果をオペレータに報知する報知部の機能を発揮する。
また、判定部102は、ドライバー1が各ネジ孔3にネジ200を締めた後に、ネジ孔3及びネジ孔3の周囲をカメラ30で新たに撮影して新たな締結画像501-2(図18に例を示す)を得る。また、判定部102は、新たな締結画像501-2を取得すると、取得した締結画像501-2を表示ユニット50に出力し、表示ユニット50に締結画像501-2を表示させる。
トルク調整部103は、モータ21を制御して、判定部102が合致と判定した基本情報300に対して情報450に登録されたトルクでビット10を回転させるものである。実施形態1では、判定部102は、図13に示す基本情報300と図16に示す新たな画像情報501とが合致し、かつ次にネジ200に締める順序に対応したネジ200の頭201の画像と新たな画像情報501から抽出したネジ200の頭201を含む領域511とが合致したと判定すると、図12に示す情報450を参照して、合致した基本情報300と対応付けられたトルクを読み出す。トルク調整部103は、モータ21を制御して、読み出したトルクでビット10を回転させる。トルク調整部103は、例えば、モータ21のフィードバックの値等に基づく実際のトルクを示す情報を、ドライバー1に装着されたビット10のビット情報と合わせて、ビット10の回転時の時刻(日時)とともに紐付けて情報記録部104に記録する。なお、ビット10の回転時は、実施形態1では、ビット10の回転開始時、ビット10の回転終了時、またはビット10の回転開始時と回転終了時との丁度中間の時のいずれかに、適宜設定される。
情報記録部104は、図19に示すように、カメラ30が2次元コード6を読み取って取得したコード情報と、ドライバー1がネジ200の締結前及び締結中にカメラ30が撮像した画像と、ドライバー1に装着したビット10でネジ200を締結する際のドライバー1の稼働情報と、ドライバー1がネジ200の締結後にカメラ30が撮像した締結画像501-2とを、それぞれ、それらの各動作を実行した時刻(日時)とともに紐付けて、締結情報600として記録することで、作業履歴記録部としての機能を発揮する。ここで、ドライバー1の稼働情報は、実施形態1では、ビット10を回転した際のビット情報及び実際のトルクを示す情報である。実施形態1では、情報記録部104は、画像として図10及び図11に示す静止画である新たな画像情報501,502と、スタートボタン40が押圧操作されてから押圧操作の終了後所定時間までの間の動画又は定期的に撮像される複数の静止画からなる画像503(図20に一部を示す)とを合わせて、締結情報600に画像として記録する。
また、実施形態1では、情報記録部104は、基本情報300と新たな画像情報501とが合致し、かつ次にネジ200に締める順序に対応したネジ200の頭201の画像と新たな画像情報501から抽出したネジ200の頭201を含む領域511とが合致したと判定部102が判定すると、画像を記録するが、本発明では、これに限定されることなく、例えば、合致したと判定した場合に限らずに、合致していないと判定した場合も含めて、スタートボタン40が押圧操作されてから押圧操作の終了後所定時間までの間の画像を記録しても良い。
また、情報記録部104は、ドライバー1の識別情報を記録する。識別情報は、例えば、ドライバー1を識別可能なユニークな情報である。
送信制御部105は、送受信部70と外部の受信機器との通信を制御する。送信制御部105は、任意のタイミングで情報を外部の受信機器に送信する制御を行う。任意のタイミングは、例えば、送信すべき情報が作成されたタイミング、予め設定されたタイミング等を含む。送信制御部105は、送受信部70と外部の受信機器との通信状況に応じて、送受信部70の送信を制御する。例えば、送信制御部105は、受信機器との通信状況が通信可能である場合、送受信部70を介して受信機器に情報を送信する。例えば、送信制御部105は、受信機器との通信状況が不調の場合、情報の送信を停止する。通信状況が不調とは、例えば、受信機器の受信ができない状況、送受信部70で通信が不可能である状況等を含む。送信制御部105は、締結情報600を外部の受信機器に送信したことを確認すると、該締結情報600を情報記録部104から削除してもよい。
なお、基本情報登録部101の機能は、記憶装置が図11に示すビット基本情報400及び図12に示す情報450を記憶することで実現される。判定部102、トルク調整部103及び送信制御部105の機能は、演算処理装置が記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行して、ドライバー1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介してドライバー1の各ユニットに出力することで実現される。また、情報記録部104の機能は、記憶装置が図19に示す締結情報600を記録することで実現される。
前述したドライバー1は、工業製品2の複数のネジ孔3にネジ200を締める前に、図11に示すビット基本情報400と図12に示す情報450とが基本情報登録部101に登録される。ドライバー1は、判定部102が、ビット10の装着判定と、ビット基本情報400を参照しての装着されたビット10のビット種類の検出とを行う。ドライバー1は、判定部102が、基本情報登録部101に登録された情報450を参照して、検出したビット種類が直前に取得した作業の順序と対応付けられたビット種類と合致するか否かを判定し、判定結果をLEDユニット60のLED61,62を点灯して報知する。このため、ドライバー1は、直前に取得した作業の順序と対応付けられたビット種類と合致するビット10が正常に装着された場合のみを使用可能とし、当該ビット種類とは異なるビット10を使用することや、正常に装着されていない場合のビット10を使用することを抑制することができるという効果を奏する。
前述したドライバー1は、工業製品2の複数のネジ孔3にネジ200を締める前に、図12に示す情報450が基本情報登録部101に登録される。ドライバー1は、工業製品2の複数のネジ孔3にネジ200を締める際に、判定部102が、オペレータによりスタートボタン40が押圧操作されると、カメラ30で動画又は定期的(一定時間おき)に静止画を撮影し、判定部102が、新たな画像情報501,502を得る。ドライバー1は、判定部102が図12に示す情報450を参照して、最初に締める順序に対応した基本情報300と、新たな画像情報501,502とを照合して、これらが合致するか否かを判定し、判定結果をLEDユニット60のLED61,62を点灯して報知する。また、ドライバー1は、最初に締める順序に対応したトルクでビット10を軸心回りに回転して、ネジ200をネジ孔3に締結する。
ドライバー1は、情報記録部104が、ドライバー1がネジ200を締めた順序と紐付けられた2次元コード6のコード情報と、ネジ200の締結前、締結中及び締結後にカメラ30が撮像した画像及び締結画像501-2と、ビット10のビット情報と、実際のトルクと、ドライバー1の識別情報とを、それぞれ、それらの各動作を実行した時刻(日時)とともに紐付けて、締結情報600として記録する。ドライバー1は、最初の順序のネジ孔3にネジ200を締め終わると、次の順序のネジ孔3に同様にネジ200を締める。こうして、ドライバー1は、オペレータの操作により工業製品2の複数のネジ孔3に予め定められた順序にしたがってネジ200を締めることとなる。
前述した実施形態1に係るドライバー1は、ネジ孔3及びネジ孔3の周囲を撮影するカメラ30を備え、情報記録部104がカメラ30で撮影した画像及び締結画像501-2を締結情報600に記録するので、締結情報600の画像及び締結画像501-2を確認することで、予め定められた順序通りにネジ200が締結されているかを容易に確認することができるという効果を奏する。
また、ドライバー1は、締結情報600では画像及び締結画像501-2とネジ200を締めた順序とが対応付けられているので、複数のネジ200が締められた順序を容易に確認することができる。
また、ドライバー1は、基本情報登録部101が図12に示す情報450を予め登録し、判定部102が情報450の基本情報300と新たな画像情報501,502とを照合し、判定結果をLEDユニット60が報知するので、予め定められた順序通り即ち順序通りにネジ200を締めているか否かをオペレータが作業中に認識することができる。
また、ドライバー1は、基本情報登録部101が登録した情報450においてネジ200を示す順序とトルクとを対応付けているので、各ネジ200-1,200-2,200-3,200-4を締める際に、図12に示された情報450に規定されたトルクで締めることができる。
次に、本明細書は、制御ユニット100が情報を送信する一例を図面に基づいて説明する。図21は、図1に示されたドライバーが情報の送信可能な状況を示す図である。図22は、図1に示されたドライバーが情報の送信不可能な状況を示す図である。図23は、図1に示されたドライバーが情報を送信する処理手順の一例を示すフローチャートである。図24は、図1に示されたドライバーの情報の送信に関する動作の一例を示す図である。
図21に示す一例では、ドライバー1は、ネットワークを介して電気機器8と通信したり、ネットワークを介さずに直に電気機器8と通信したりすることが可能な構成となっている。ドライバー1は、例えば、前述した締結情報600等の情報を電気機器8に送信する機能を備える。
電気機器8は、例えば、複数のドライバー1から受信した情報を管理する機能を備える。電気機器8は、例えば、通信機能を備えるコンピュータ、クラウドサーバ等を用いることができる。電気機器8は、ドライバー1の外部の受信機器の一例である。電気機器8は、図21に示すように、無線通信装置85と、演算処理装置86と、記憶装置87と、報知装置88と、を備える。
無線通信装置85は、ドライバー1との間で情報の送受信を行う。例えば、無線通信装置85は、ドライバー1から受信した情報を演算処理装置86に供給する。例えば、無線通信装置85は、演算処理装置86が要求した送信元へ、応答等の情報を送信する。
演算処理装置86は、例えば、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する。演算処理装置86は、電気機器8の動作を制御する機能を備える。演算処理装置86は、ドライバー1から情報を受信すると、無線通信装置85を介して当該ドライバー1に肯定応答を送信する。これにより、ドライバー1は、情報を電気機器8に送信した場合、電気機器8から肯定応答の受信の有無に基づいて、情報を電気機器8に送信できたか否かを判断することができる。また、演算処理装置86は、記憶装置87が記憶する情報450と、ドライバー1から出力された締結情報600とを照合する。
記憶装置87は、各種データ及びプログラムを記憶する。記憶装置87は、例えば、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリ、ハードディスク等を含む。記憶装置87は、予め、オペレータの作業の工程ごとに設けられた作業規定としての機能を有する情報450を記憶している。記憶装置87は、複数のドライバー1から受信した情報を記憶する。
報知装置88は、演算処理装置86の照合結果をオペレータに報知する。報知装置88は、実施形態1では、例えば、ドライバー1の表示ユニット50と同様の表示ユニットや、ドライバー1のLEDユニット60と同様のLEDユニットを備えて構成される。
実施形態1に係るドライバー1は、図21に示すように、締結情報600を予め設定された電気機器8に送信する。電気機器8は、締結情報600を正常に受信すると、肯定応答700をドライバー1に送信する。これにより、ドライバー1は、締結情報600を電気機器8に送信した後、当該電気機器8から肯定応答700を受信すると、締結情報600の送信が完了したと判断する。換言すると、ドライバー1は、締結情報600を電気機器8に送信した後、肯定応答700を電気機器8から受信できない場合、電気機器8の通信状況が不調であると判断する。
また、ドライバー1は、図22に示すように、送受信部70の異常、ネットワークの異常等により通信不可である場合、電気機器8との通信が不調と判断する。さらに、ドライバー1は、締結情報600を電気機器8に送信した後、当該電気機器8から肯定応答700を所定の時間以内に受信できない場合、電気機器8との通信状況が不調であると判断する。電気機器8との通信状況が不調の場合、ドライバー1は、電気機器8への情報の送信を停止し、その後、電気機器8との通信状況が正常に戻ると、電気機器8への情報の送信を再開する。なお、ドライバー1は、電気機器8との通信状況が不調の間に電気機器8へ送信すべき情報を、情報記録部104で時系列順に保存しておき、通信状況の不調が解消すると、停止中に保存していた情報を電気機器8へ送信する。
次に、図23を参照しながら、ドライバー1が情報を電気機器8に送信する処理手順の一例を説明する。図23に示す処理手順は、制御ユニット100がプログラムを実行することで実現される。図23に示す処理手順は、制御ユニット100によって繰り返し実行される。
図23に示すように、ドライバー1は、情報の送信条件を満たすか否かを判定する(ステップ1011)。例えば、ドライバー1は、カメラ30の撮影に応じて締結情報600を情報記録部104に記録した場合に、送信条件を満たすと判定する。例えば、ドライバー1は、現在の日時が予め設定された送信日時となった場合に、送信条件を満たすと判定する。そして、ドライバー1は、送信条件を満たしていないと判定した場合(ステップ1011でNo)、図23に示す処理手順を終了させる。また、ドライバー1は、送信条件を満たすと判定した場合(ステップ1011でYes)、処理をステップ1012に進める。
ドライバー1は、電気機器8との通信が可能であるか否かを判定する(ステップ1012)。例えば、ドライバー1は、送受信部70が通信可能である場合に、電気機器8との通信が可能であると判定する。例えば、ドライバー1は、送受信部70を介して通信状況が復旧したことを検出した場合に、電気機器8との通信が可能であると判定する。そして、ドライバー1は、電気機器8との通信が可能ではないと判定した場合(ステップ1012でNo)、処理をステップ1013に進める。
ドライバー1は、送信を停止し、保留中の情報として情報記録部104に記録する(ステップ1013)。例えば、ドライバー1は、通信不可により送信保留中となったことを示す情報等を送信対象の情報に付加する。例えば、ドライバー1は、送信保留中の情報を既に情報記録部104に記録している場合、新た送信保留中の情報を情報記録部104に追加するように記録する。ドライバー1は、ステップ1013の処理が終了すると、図23に示す処理手順を終了させる。
また、ドライバー1は、電気機器8との通信が可能であると判定した場合(ステップ1012でYes)、処理をステップ1014に進める。ドライバー1は、送信を保留中の情報があるか否かを判定する(ステップ1014)。例えば、ドライバー1は、情報記録部104に記録されている情報の中に送信保留中を示す情報がある場合に、送信を保留中の情報があると判定する。ドライバー1は、送信を保留中の情報があると判定した場合(ステップ1014でYes)、処理をステップ1015に進める。
ドライバー1は、保留中の情報を、保留している順に送受信部70を介して電気機器8に送信する(ステップ1015)。例えば、ドライバー1は、保留中であることを解除した情報を電気機器8に送信するように、送受信部70を制御する。例えば、ドライバー1は、保留中の情報が複数存在する場合、最古の情報の保留中を解除し、該情報を電気機器8へ送信するように、送受信部70を制御する。ドライバー1は、ステップ1015の処理を終了すると、処理をステップ1016に進める。
ドライバー1は、送受信部70の受信結果に基づいて、所定時間以内に肯定応答700を受信したか否かを判定する(ステップ1016)。換言すると、ドライバー1は、情報を電気機器8に送信してから所定時間が経過するまでに電気機器8から肯定応答700を受信したか否かを判定する。ドライバー1は、所定時間以内に肯定応答700を受信したと判定した場合(ステップ1016でYes)、処理を既に説明したステップ1014に戻す。また、ドライバー1は、所定時間以内に肯定応答700を受信していないと判定した(ステップ1016でNo)、電気機器8との通信状況が不調であるので、処理をステップ1017に進める。
ドライバー1は、情報記録部104に記録している情報を保留中に更新する(ステップ1017)。例えば、ドライバー1は、保留中だった情報を送信できていないと見なし、送信の際に保留中を解除した情報が再び保留中を示すように、情報記録部104の情報を更新する。そして、ドライバー1は、電気機器8との通信状況が不調であるので、ステップ1017の処理が終了すると、図23に示す処理手順を終了させる。
また、ドライバー1は、送信を保留中の情報がないと判定した場合(ステップ1014でNo)、処理をステップ1018の処理に進める。ドライバー1は、今回の送信対象の情報を、送受信部70を介して電気機器8に送信する(ステップ1018)。例えば、ドライバー1は、今回の情報を電気機器8に送信するように、送受信部70を制御する。ドライバー1は、情報の送信が終了すると、処理をステップ1019に進める。
ドライバー1は、送受信部70の受信結果に基づいて、所定時間以内に肯定応答700を受信したか否かを判定する(ステップ1019)。換言すると、ドライバー1は、ステップ1018で情報を電気機器8に送信してから所定時間が経過するまでに電気機器8から肯定応答700を受信したか否かを判定する。ドライバー1は、所定時間以内に肯定応答700を受信したと判定した場合(ステップ1019でYes)、図23に示す処理手順を終了させる。
また、ドライバー1は、所定時間以内に肯定応答700を受信していないと判定した(ステップ1019でNo)、電気機器8の状況が不調であるので、処理をステップ1020に進める。そして、ドライバー1は、送信を停止し、電気機器8の不調による保留中の情報として情報記録部104に記録する(ステップ1020)。例えば、ドライバー1は、電気機器8の状況の不調により、送信保留中となったことを示す情報等を送信対象の情報に付加する。ドライバー1は、ステップ1020の処理が終了すると、図23に示す処理手順を終了させる。
実施形態1に係るドライバー1は、図23に示す処理手順を実行することで、制御ユニット100が送信制御部105として機能する。なお、図23に示す処理手順では、ドライバー1は、保留中の情報を電気機器8に送信した後に、今回の情報を電気機器8に送信する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ドライバー1は、今回の情報を電気機器8に送信した後に、保留中だった情報を電位機器8に送信する構成としてもよい。
次に、図24を参照しながら、ドライバー1の情報の送信に関する動作の一例を説明する。図24に示すように、時間T0において、ドライバー1は、最初の締結情報600-1が送信対象となっている。締結情報600-1は、図14に示したように、締める順序、画像、日時、及びトルクの情報と識別情報とを含む。時間T0では、送受信部70の通信状況は、通信可能な状態となっている。この場合、ドライバー1は、送受信部70を介して、最初の締結情報600-1を電気機器8に送信し、その後、電気機器8から肯定応答700を受信すると、締結情報600-1を送信したことを示す送信結果を情報記録部104に記録する。
その後、時間T1まで通信状況が通信可能な状態となっており、ドライバー1は、締結情報600-2及び締結情報600-3の2つの情報を電気機器8に送信したことを示している。そして、時間T1において、通信状況が通信可能な状態から通信不調な状態に変化し、通信不調な状態が時間T2まで継続している。そして、ドライバー1は、時間T1から時間T2までに発生した締結情報600-4及び締結情報600-5が送信対象となり、通信不調な通信状況のために、締結情報600-4及び締結情報600-5の電気機器8への送信を停止している。この場合、送信が保留中の締結情報600-4及び締結情報600-5は、情報記録部104に保存されている。
時間T2において、通信状況が通信不調な状態から通信可能な状態に変化している。ドライバー1は、新たに発生した締結情報600-6が新たな送信対象となっている。この場合、ドライバー1は、締結情報600-4及び締結情報600-5の電気機器8への送信を停止しているため、締結情報600-4及び締結情報600-5の電気機器8への送信を優先する。ドライバー1は、送受信部70を介して、締結情報600-4及び締結情報600-5を電気機器8へ順次送信した後に、締結情報600-6を電気機器8へ送信する。その結果、ドライバー1は、通信不調で送信を停止していた締結情報600-4及び締結情報600-5を、通信状況の復旧に応じて電気機器8に順次送信することができる。
実施形態1に係るドライバー1は、電気機器8との通信状況が不調の場合、電気機器8への締結情報600の送信を停止し、通信状況が通信可能な状態に変化した後に、送信を停止していた締結情報600を電気機器8に送信することができる。その結果、ドライバー1は、通信状況が不調となっても、締結情報600を電気機器8に確実に送信することができるので、ドライバー1で実施した作業の情報を当該締結情報600に基づいてドライバー1の外部で容易に確認することができるという効果を奏する。また、ドライバー1は、通信状況が不調であっても、締結情報600を電気機器8に確実に送信することで、電気機器8との連携を維持し、工業製品2の安全性を担保することができるという効果を奏する。
また、ドライバー1は、締結するネジ200及び該ネジ200を締める領域をカメラ30で撮影した画像を含む締結情報600を電気機器8に送信することができる。その結果、ドライバー1は、締結情報600の画像を外部の電気機器8で確認することで、予め定められた順序通りにネジ200が締結されているかを容易に確認することができる。
また、ドライバー1は、画像が撮影された日時及び撮影したカメラ30を有するドライバー1の識別情報を画像と共に情報記録部104に記憶し、送受信部70によって画像と共に該日時及び識別情報を外部の電気機器8に送信することができる。その結果、ドライバー1は、締結情報600の画像に日時又は識別情報が紐付けられているので、ネジ200を締結した日時やドライバー1を容易に確認することができる。
また、ドライバー1は、ネジ200を締結した際のトルクを画像と共に電気機器8に送信することができる。その結果、ドライバー1は、締結情報600の画像に実際のトルクが紐付けられているので、ネジ200を締結したトルクをドライバー1の外部で容易に確認することができる。
なお、実施形態1では、ドライバー1は、実施した作業の情報として、締結情報600を外部の電気機器8に送信する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ドライバー1は、判定部102の判定結果、該判定結果及び画像等の情報を、実施した作業の情報として外部の電気機器8に送信してもよい。
次に、本明細書は、実施形態1に係るドライバーの使用方法の一例を図面に基づいて説明する。図25は、実施形態1に係るドライバーの使用方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。実施形態1に係るドライバーの使用方法は、図25に示すように、読み取りステップ1021と、稼働記録ステップ1022と、記録出力ステップ1023と、照合ステップ1024と、を備える。
読み取りステップ1021は、ドライバー1を用いる作業の工程が含まれたバーコード又は2次元コード6を読み取りユニットで読み取り、作業履歴記録部に記録するステップである。読み取りステップ1021では、実施形態1では、ドライバー1は、フレーム5に設置された2次元コード6を読み取りユニットとして機能するカメラ30で読み取り、2次元コード6を読み取って得たコード情報を、読み取った時刻(日時)とともに紐付けて、作業履歴記録部として機能する情報記録部104に締結情報600として記録する。読み取りステップ1021では、実施形態1では、具体的には、ドライバー1は、図19の「日時01」の行に示すように、2次元コード6のコード情報「コード情報1」を「日時01」に紐付けて記録する。
稼働記録ステップ1022は、読み取りステップ1021の実施後、ドライバー1に装着したビット10でネジ200を締結する際の稼働情報を作業履歴記録部に記録するステップである。稼働記録ステップ1022では、実施形態1では、ドライバー1は、ドライバー1に装着したビット10でネジ200を締結する際の稼働情報であるビット10のビット情報及び実際のトルクを示す情報を、ビット10の回転時の時刻(日時)とともに紐付けて、作業履歴記録部として機能する情報記録部104に締結情報600として記録する。稼働記録ステップ1022では、実施形態1では、具体的には、ドライバー1は、図19の「日時03」の行に示すように、ビット種類「ビット1」と実際のトルク「トルク1」とを「日時03」に紐付けて記録する。
なお、稼働記録ステップ1022では、実施形態1では、稼働情報を記録する前に、ドライバー1がネジ200を締める直前にカメラ30で撮影して得た画像情報501,502を、撮影した時刻(日時)とともに紐付けて、情報記録部104に締結情報600として記録する。稼働記録ステップ1022では、実施形態1では、具体的には、ドライバー1は、図19の「日時02」の行に示すように、画像情報501,502を示す「画像1」を「日時02」に紐付けて記録する。
また、稼働記録ステップ1022では、実施形態1では、稼働情報を記録した後に、ドライバー1がネジ200を締めた後にカメラ30で撮影して得た締結画像501-2を、撮影した時刻(日時)とともに紐付けて、情報記録部104に締結情報600として記録する。稼働記録ステップ1022では、実施形態1では、具体的には、ドライバー1は、図19の「日時04」の行に示すように、締結画像501-2を示す「締結画像1」を「日時04」に紐付けて記録する。
稼働記録ステップ1022で記録した締結情報600では、図19に示すように、「コード情報1」は、最初の作業の工程を指す「順序1」の作業開始を示すトリガーとして機能する作業開始履歴として記憶され、次の「コード情報2」が記憶されるまでの間に記憶された「画像1」、「ビット1」、「トルク1」及び「締結画像1」は、「コード情報1」によって、最初の作業の工程を指す「順序1」の作業履歴として記憶される。また、稼働記録ステップ1022で記録した締結情報600では、図19に示すように、「コード情報1」に紐付けられた「日時01」から、次の「コード情報2」が記憶される直前に記憶された「締結画像1」に紐付けられた「日時04」までの時間が、最初の作業の工程である「順序1」の作業時間として認識することができる。稼働記録ステップ1022で記録した締結情報600では、以下同様に、「コード情報2」から「コード情報3」の直前までの各情報が2番目の作業の工程を指す「順序2」に紐付けられており、「コード情報3」から次のコード情報の直前までの各情報が3番目の作業の工程を指す「順序3」に紐付けられている。このように、稼働記録ステップ1022で記録した締結情報600は、各情報がそれぞれ作業の工程に紐付けられて記憶される。
記録出力ステップ1023は、作業履歴記録部に記録され、作業の工程に紐付けられた稼働情報をドライバー1から出力するステップである。記録出力ステップ1023では、実施形態1では、ドライバー1は、稼働記録ステップ1022で作業履歴記録部として機能する情報記録部104に記録され、各情報がそれぞれ作業の工程に紐付けられた稼働情報を含む締結情報600を、例えば電気機器8に送信することで出力する。
照合ステップ1024は、作業の工程ごとに設けられた作業規定と、作業履歴記録部に記録された稼働情報とを照合するステップである。照合ステップ1024では、実施形態1では、電気機器8は、記憶装置87が記憶し、オペレータの作業の工程ごとに設けられた作業規定としての機能を有する情報450と、ドライバー1から出力された稼働情報を含む締結情報600とを照合する。照合ステップ1024では、具体的には、電気機器8は、それぞれ作業の工程を指す順序ごとに、図19に示す締結情報600において所定の順序に紐付けられた各情報が、図12に示す情報450において同じ所定の順序に紐付けられた各情報と合致するか否かを判定し、判定結果(照合結果)を報知装置88によりオペレータに報知する。
なお、ドライバーの使用方法は、上記した実施形態1の例では、記録出力ステップ1023でドライバー1が電気機器8に締結情報600を出力し、電気機器8が照合ステップ1024を実施したが、本発明ではこれに限定されず、記録出力ステップ1023でドライバー1が情報記録部104から判定部102に締結情報600を出力し、ドライバー1の判定部102が情報450を参照して照合ステップ1024を実施してもよい。また、ドライバーの使用方法は、オペレータが目視で照合ステップ1024を実施してもよい。
前述したドライバー1は、バーコード又は2次元コード6を読み取る読み取りユニットとして機能するカメラ30と、カメラ30で読み取ったコード情報と、ビット10を回転した際の稼働情報とを、時刻(日時)とともに記録する作業履歴記録部として機能する情報記録部104と、を備える。このため、ドライバー1は、ドライバー1に装着したビット10でネジ200を締結する際の稼働情報を情報記録部104に記録する前に、カメラ30で当該締結に関する作業の工程の情報を示す2次元コード6を読み取って情報記録部104に記録することで、当該工程の作業開始を示すトリガーとして機能する作業開始履歴として、容易に作業の工程の情報を記録することができるという作用効果を奏する。また、ドライバー1は、作業開始履歴により、オペレータが、情報記録部104に記録された稼働情報がどの工程の作業なのかを容易に判断することができるという作用効果を奏する。これにより、ドライバー1は、オペレータが操作するだけで、各工程の作業を容易に記録でき、かつ、後から各作業の内容がどの工程のものであるかを確実に判別することができるという作用効果を奏する。また、実施形態1に係るドライバーの使用方法は、上記したドライバー1の使用方法であるので、上記したドライバー1と同様の作用効果を奏する。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係るドライバー1を図面に基づいて説明する。図26は、実施形態1に係るドライバーが読み取りユニットで読み取る2次元コードの一例を示す図である。なお、図26は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係るドライバー1は、読み取りユニットとして機能するカメラ30が読み取る2次元コード6の設置形態が異なること以外、実施形態1と同じである。実施形態2では、オペレータ800の作業の各工程を示す情報を含む複数(全て)の2次元コード6が、作業の各工程の順序と紐付けられて表形式で、オペレータ800が携帯するカード810に印刷されて設置されている。実施形態2では、オペレータ800は、作業の各工程を開始時に、当該工程の順序と紐付けられたカード810上の2次元コード6をカメラ30で読み込ませる。
実施形態2に係るドライバー1は、オペレータ800が携帯するカード810上の2次元コード6をカメラ30で読み込ませることで、作業の工程の情報を情報記録部104に記録するので、実施形態1と同様に、工程の作業開始を示すトリガーとして機能する作業開始履歴として、容易に作業の工程の情報を記録することができるという作用効果を奏する。
また、実施形態2に係るドライバー1は、オペレータ800が携帯するカード810上に2次元コード6が設置されるので、オペレータ800が2次元コード6を探す必要がなく、カメラ30で2次元コード6を確実に読み込ませることができるという作用効果を奏する。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係るドライバー1を図面に基づいて説明する。実施形態3に係るドライバー1は、判定部102が、各ネジ孔3にネジ200を締めた後に得た図18に示された新たな画像情報501-2が基本情報300と合致するか否かを判定すること以外、実施形態1又は実施形態2と同じである。実施形態3では、判定部102は、パターンマッチングの際に、基本情報300の特徴部分310及び図12に示された情報450のネジ200の頭201の画像と、新たな画像情報501-2のネジ孔3の周囲の特徴部分510-2とが合致しているか否かを判定する。
実施形態3に係るドライバー1は、ネジ孔3及びネジ孔3の周囲を撮影するカメラ30を備え、情報記録部104がカメラ30で撮影した画像を締結情報600に記録するので、実施形態1又は実施形態2と同様に、電気機器8で締結情報600の画像を確認することで、予め定められた順序通りにネジ200が締結されているかを容易に確認することができるという効果を奏する。
また、実施形態3に係るドライバー1は、判定部102が、各ネジ孔3にネジ200を締めた後に、新たな画像情報501-2を得て、新たな画像情報501-2が基本情報300と合致するか否かを判定し、判定結果をLED61,62が報知するので、予め定められた順序通り即ち順序通りにネジ200を締めたか否かをオペレータが認識することができる。
実施形態3に係るドライバー1は、判定部102の判定結果を示す情報を外部の電気機器8に送信する際に、電気機器8との通信状況が不調の場合、電気機器8への情報の送信を停止する。その後、ドライバー1は、通信状況が通信可能な状態に変化した場合に、送信を停止していた情報を外部の電気機器8に送信する。その結果、ドライバー1は、判定部102の判定結果を示す情報を外部の電気機器8に確実に送信することができるので、ドライバー1で実施した作業の情報をドライバー1の外部で確実に確認することができる。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4に係るドライバーを図面に基づいて説明する。図27は、実施形態4に係るドライバーと端末装置を示す図である。図28は、図27に示す端末装置が判定部の判定結果を表示する一例を示す図である。図29は、図27に示す端末装置が判定部の判定結果を表示する他の例を示す図である。図30は、図27に示す端末装置が新たな画像情報を表示する一例を示す図である。なお、図27、図28、図29及び図30は、実施形態1、実施形態2及び実施形態3と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態4に係るドライバー1は、前述した実施形態1、実施形態2又は実施形態3に加え、送受信部70が、制御ユニット100が制御されて、図10に一例を示す新たな画像情報501及び判定部102の判定結果を図27等に示す端末装置80に送信し、端末装置80が、図28及び図29に示すように、表示装置82に判定部102の判定結果を表示可能であるとともに、図30に示すように、表示装置82に新たな画像情報501を表示可能であること以外、実施形態1、実施形態2又は実施形態3と同じである。即ち、実施形態4では、端末装置80は、判定部102の判定結果を報知する報知部の機能を発揮する。
端末装置80は、オペレータが持ち運び可能な携帯端末である。端末装置80は、ドライバー1の外部の受信機器の一例である。すなわち、実施形態4では、ドライバー1は、ドライバー1で実施した作業に関する情報を端末装置80に送信する。実施形態4において、端末装置80は、図27、図28、図29及び図30に示すように、筐体81と、表示装置82と、入力装置と、無線通信装置と、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを備えるタブレット又は携帯型コンピュータであるが、オペレータが持ち運び可能な電子機器であれば、タブレット又は携帯型コンピュータに限定されない。
筐体81は、少なくとも端末装置80の無線通信装置と、演算処理装置と、記憶装置と、入出力インターフェース装置とを収容する。端末装置80の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、端末装置80を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して端末装置80の各ユニットに出力する。
表示装置82は、液晶表示装置等により構成される。表示装置82は、文字、静止画像、動画像、記号、及び図形を表示する。
入力装置は、オペレータからの操作入力を受け付ける。実施形態4において、入力装置は、表示装置82に重ねられ、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、超音波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、又は荷重検出方式を検出方式として採用したタッチスクリーンにより構成されたタッチスクリーンである。無線通信装置は、ドライバー1の送受信部70と無線で情報通信可能に接続する。
実施形態4では、ドライバー1は、送受信部70が判定部102の判定結果とともに、ドライバー1が締める直前又は直後の順序、ネジ200の種類及びトルクと、新たな画像情報501を端末装置80に送信する。端末装置80は、判定部102の判定結果及び新たな画像情報501を無線通信装置が受信すると、表示装置82に判定結果を示すアイコンと新たな画像情報501を示すアイコンを表示し、これらのアイコンのうちいずれかのオペレータによる操作入力を受け付けると、受け付けたものを表示装置82に表示する。
例えば、端末装置80は、判定結果を示すアイコンのオペレータによる操作入力を入力装置が受け付けると、図28及び図29に示すように、判定部102の判定結果を表示装置82に表示する。判定部102の判定結果が「合致したこと」である場合では、端末装置80は、図28に示すように、表示装置82に合致を示す印である「OK」と、順序、ネジ200の種類及びトルクを示す「メッセージ83」を表示装置82に表示する。また、判定部102の判定結果が「合致していないこと」である場合では、端末装置80は、図29に示すように、表示装置82に合致していないことを示す印である「NG」と、判定結果とともに受信した順序のネジ200が締められていないことを示す「メッセージ84」を表示装置82に表示する。また、端末装置80は、新たな画像情報501を示すアイコンのオペレータによる操作入力を入力装置が受け付けると、図30に示すように、新たな画像情報501を表示装置82に表示する。
実施形態4では、端末装置80は、表示装置82に表示する情報を切り換える操作入力を入力装置が受け付けると、表示装置82に表示する情報を図28及び図29に示す判定部102の判定結果と、図30に示す新たな画像情報501との間で切り換える。
実施形態4では、ドライバー1は、判定部102の判定結果を示す情報を外部の端末装置80に送信する際に、端末装置80との通信状況が不調の場合、端末装置80への判定結果を示す情報の送信を停止する。その後、ドライバー1は、通信状況が通信可能な状態に変化した場合に、送信を停止していた情報を外部の端末装置80に送信する。一方、端末装置80は、ドライバー1から受信した情報を表示装置82に順次表示する。その結果、ドライバー1は、判定部102の判定結果を示す情報を端末装置80に確実に送信することができるので、ドライバー1で実施した作業の情報をドライバー1の外部で確実に確認することができる。
実施形態4に係るドライバー1は、ネジ孔3及びネジ孔3の周囲を撮影するカメラ30を備え、情報記録部104がカメラ30で撮影した画像を締結情報600に記録するので、実施形態1と同様に、締結情報600の画像を確認することで、予め定められた順序通りにネジ200が締結されているかを容易に確認することができるという効果を奏する。
実施形態4に係るドライバー1は、端末装置80との通信状況が不調の場合、端末装置80への締結情報600の送信を停止し、通信状況が通信可能な状態に変化した場合に、送信を停止していた締結情報600を外部の端末装置80に送信することができる。その結果、ドライバー1は、通信状況が不調となっても、締結情報600を端末装置80に確実に送信することができるので、ドライバー1で実施した作業の情報を当該締結情報600に基づいて容易に確認することができるという効果を奏する。
また、実施形態4に係るドライバー1は、端末装置80を通して、新たな画像情報501及び判定部102の判定結果を視認することができるので、ドライバー1を操作するオペレータ以外の端末装置80のユーザが、オペレータによるドライバー1の使用中または使用後に、オペレータが予め定められた順序通りにネジ200を締結しているか又はしたかを容易に確認することができるという効果を奏する。
なお、実施形態4では、送受信部70が、図16に一例を示す新たな画像情報501及び判定部102の判定結果を端末装置80に送信し、端末装置80が表示装置82に新たな画像情報501と判定部102の判定結果との双方を表示可能としたが、本発明では、送受信部70が、図16に一例を示す新たな画像情報501及び判定部102の判定結果との一方を端末装置80に送信し、端末装置80が表示装置82に新たな画像情報501と判定部102の判定結果との一方を表示すれば良い。
また、実施形態4では、新たな画像情報501,502が基本情報300と合致するか否かという判定部102の判定結果を送信及び表示する例を挙げたが、これに限定されず、ビット10の装着判定、ビット10のビット種類の検出結果、ビット種類が作業の順序と対応付けられたものと合致するか否か、及び、照合ステップ1024における称号結果を送信及び表示してもよい。
本発明の実施形態1、実施形態2、実施形態3及び実施形態4に係るドライバー1は、通信状況の不調により、外部の電気機器8又は端末装置80への情報の送信を停止している場合、情報の送信を停止している旨をLEDユニット60によってオペレータ等に報知してもよい。さらに、ドライバー1は、通信状況の不調により、情報の送信を停止している場合、例えば、情報の送信の停止を報知すると共に、ドライバー1の作業を中断させることで、大容量の情報記録部104を用いる必要がなくなる。
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5に係るドライバー1を図面に基づいて説明する。図31は、実施形態5に係るドライバーに装着されるビットの例を示す図である。図32は、実施形態5に係るドライバーの制御ユニットの基本情報登録部に登録される情報の一例を示す図である。なお、図31及び図32は、実施形態1~実施形態4と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態5に係るドライバー1は、実施形態1~実施形態4に係るドライバー1において、検出ユニット33が図15に示されたビット10(10-4,10-5,10-6)の種類毎に異なる形状の形状識別部19を検出する形態に変更され、図11に示すビット基本情報400が図16に示すビット基本情報410に変更されたこと以外、実施形態1~実施形態4に係るドライバー1と同じである。
検出ユニット33は、実施形態5では、形状識別部19の形状を検出し、検出した形状識別部19の形状の情報を制御ユニット100に出力する。検出ユニット33は、実施形態5では、例えば、光センサ、圧力センサ、接触センサ等でもよく、形状識別部19を撮像する撮像装置でもよい。
基本情報登録部101は、実施形態5では、図32に示すように、ビット10毎の形状識別部19のビット形状の情報と、ビット10のビット種類とを1対1で対応付けて、ビット基本情報410に登録している。判定部102は、実施形態5では、検出ユニット33が検出した形状識別部19の形状の情報に基づいて、基本情報登録部101に登録されたビット基本情報410を参照して、ビット装着部14に装着されたビット10の種類(ビット種類)を検出する。
実施形態5に係るドライバー1は、判定部102が、基本情報登録部101に登録された情報450を参照して、検出したビット種類が直前に取得した作業の順序と対応付けられたビット種類と合致するか否かを判定し、判定結果をLEDユニット60のLED61,62を点灯して報知する。このため、実施形態5に係るドライバー1は、実施形態1と同様に、直前に取得した作業の順序と対応付けられたビット種類と合致するビット10が正常に装着された場合のみを使用可能とし、当該ビット種類とは異なるビット10を使用することや、正常に装着されていない場合のビット10を使用することを抑制することができるという効果を奏する。
〔変形例〕
本発明の実施形態1~実施形態5の変形例に係るドライバーを図面に基づいて説明する。図33は、実施形態1~実施形態5の変形例に係るドライバーの構成例を示す側面図である。図33は、実施形態1~実施形態5と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
変形例に係るドライバー1-2は、圧縮エアー源22に接続し、圧縮エアー源22から加圧された空気が供給されることでビット10を軸心回りに回転させるロータ23をモータ21の代わりに備える、所謂エアードライバーであること以外、実施形態1~実施形態5と同じである。
変形例に係るドライバー1-2は、ネジ孔3及びネジ孔3の周囲を撮影するカメラ30を備え、情報記録部104がカメラ30で撮影した画像を締結情報600に記録するので、実施形態1と同様に、締結情報600の画像を確認することで、予め定められた順序通りにネジ200が締結されているかを容易に確認することができるという効果を奏する。
また、変形例に係るドライバー1-2は、バーコード又は2次元コード6を読み取る読み取りユニットとして機能するカメラ30と、カメラ30で読み取ったコード情報と、ビット10を回転した際の稼働情報とを、時刻(日時)とともに記録する作業履歴記録部として機能する情報記録部104と、を備えるので、実施形態1と同様に、ドライバー1に装着したビット10でネジ200を締結する際の稼働情報を情報記録部104に記録する前に、カメラ30で当該締結に関する作業の工程の情報を示す2次元コード6を読み取って情報記録部104に記録することで、当該工程の作業開始を示すトリガーとして機能する作業開始履歴として、容易に作業の工程の情報を記録することができるという作用効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、上記実施形態では、基本情報登録部101にネジ200を締める順序に対応して複数の基本情報300を登録したが、本発明では、基本情報300を一つのみ登録しても良く、基本情報300を登録する順序が実施形態に記載されたものに限定されない。また、本発明では、ドライバー1,1-2は、基本情報登録部101、判定部102及び報知部であるLEDユニット60を備えずに、カメラ30と情報記録部104とを少なくとも備えれば良い。さらに、本発明では、ドライバー1,1-2は、報知部として、LEDユニット60の代わりに音を発生して、合致又は非合致を報知するスピーカーを備えても良い。
また、本発明では、ドライバー1,1-2は、カメラ30が撮影している位置を撮影者が認識出来るよう、撮影対象物を照らすライトやレーザーポインタ等をどこかに設けても良い。この場合、ドライバー1,1-2は、表示ユニット50を設けなくても良い。また、本発明では、ドライバー1,1-2は、カメラ30やCPU等を備える制御ユニット100がドライバー1,1-2の振動に対して免振されるような機構で固定されているのが好適である。