以下、パチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
本明細書において示される上、下、左、右、前、及び後の各方向は、パチンコ遊技機で遊技を行う遊技者から見たときの各方向である。
パチンコ遊技機10の概略について説明する。
図1及び図2に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、機内部において所定数の遊技球が循環されるように構成された循環型の遊技機である。これに限らず、パチンコ遊技機10は、非循環型の遊技機であってもよい。つまり、パチンコ遊技機10は、島設備(不図示)から遊技球の供給を受けること、及び、島設備へ遊技球を返却することをできるように構成されてもよい。遊技媒体の一例である遊技球は、磁性体及び非磁性体の何れであってもよい。
パチンコ遊技機10は、枠体の一例である機体枠11と、遊技盤ユニット20と、を備える。機体枠11は、パチンコ遊技機10の機体を島設備に固定できるように構成される。機体枠11は、遊技盤ユニット20を保持できるように構成される。
機体枠11について説明する。
機体枠11は、外枠12と、中枠13と、前枠14と、を備える。外枠12は、釘等の固定具を使用して、島設備に対して固定される固定枠として機能する。中枠13は、各種の遊技部品を搭載できる搭載枠として機能する。中枠13は、遊技部品の1つである遊技盤ユニット20を保持する機構を有する。前枠14は、保護ガラス(不図示)を有する。保護ガラス(不図示)は、中枠13に搭載された遊技部品を保護する。つまり、前枠14は、保護枠として機能する。中枠13は、外枠12に対して開閉できるように支持される。前枠14は、中枠13に対して開閉できるように支持される。
機体枠11は、発射操作部15を備える。発射操作部15は、遊技球を発射させる操作を可能な手段の一例である。一例として、発射操作部15は、中枠13の前面側に設けられる。一例として、発射操作部15は、ハンドル型である。パチンコ遊技機10は、発射操作部15の操作量に応じた発射強度にて遊技球を打ち出すように構成される。パチンコ遊技機10は、演出操作部16を備える。演出操作部16は、遊技者が操作可能な操作手段の一例である。演出操作部16は、ボタン型、レバー型、及びタッチセンサ型の何れであってもよい。パチンコ遊技機10は、複数の演出操作部16を備えてもよく、1つの演出操作部16を備えてもよい。
機体枠11は、スピーカを一例とする音声演出装置17を備える。一例として、音声演出装置17は、中枠13の前面側に配設される。音声演出装置17は、音を出力する演出(以下、音演出と示す)、及び音を出力する報知(以下、音報知と示す)を実行可能である。例えば、スピーカから出力される音は、楽曲、効果音、及び所定の文字列を読み上げる人の声等である。音声演出装置17は、音を出力可能な音出力手段の一例である。
機体枠11は、発光演出装置18を備える。発光演出装置18は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。発光演出装置18は、発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、発光報知と示す)を実行可能である。一例として、発光演出装置18は、中枠13に配設される。これに限らず、発光演出装置18は、機体枠11に代えて、又は機体枠11に加えて、遊技盤ユニット20に配設されてもよい。
中枠13は、異常な電波として所定の強度を超える電波を検知する電波センサ(不図示)を備える。電波センサは、異常な電波を検知すると電波検知信号を出力する。遊技盤ユニット20は、電波センサを備え、遊技盤ユニット20にて異常な電波を検出できる構成であってもよい。パチンコ遊技機10は、異常な磁気として所定の強度を超える磁気を検知する磁気センサを備え、磁石の接近を検知できる構成であってもよい。
中枠13は、中枠13に対して前枠14が開放されたことを検知する扉開放スイッチ(不図示)を備える。扉開放スイッチは、前枠14の開放を検知した場合に扉開放信号を出力する。扉開放スイッチは、外枠12に対して中枠13が開放されたことも検知できるとよい。扉開放スイッチは、中枠13の開放を検知した場合に扉開放信号を出力できる。
遊技盤ユニット20について説明する。
図2に示すように、遊技盤ユニット20は、表示演出装置19と、遊技盤50と、情報表示装置60と、主制御基板80と、副制御基板90と、を有する。表示演出装置19、主制御基板80、及び副制御基板90は、遊技盤50の後側に固定されている。
遊技盤50について説明する。
遊技盤50は、四角板状の遊技板51を有する。例えば、遊技板51は、木製又はアクリル製である。遊技板51の前面には、正面視で略円形の遊技領域51aが画成されている。遊技領域51aには、釘や風車などが配置される。遊技領域51aの略中央には、遊技板51を前後方向に貫通するように、表示窓口51bが形成される。遊技領域51aの左方には、発射操作部15の操作によって発射された遊技球を遊技領域51aへと案内する打出通路51cが形成される。遊技領域51a及び打出通路51cは、前枠14の保護ガラス(不図示)によって覆われる。
遊技盤50には、遊技球が入球可能な複数の入賞口53が形成されている。複数の入賞口53は、遊技領域51aに開口する。複数の入賞口53は、第1始動口53Aと、第2始動口53Bと、第1大入賞口53Cと、第2大入賞口53Dと、普通入賞口53Eと、を含む。複数の入賞口は、これらの入賞口53とは異なる入賞口を含んでもよい。
第1始動口53Aは、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。第1特別ゲームについては後述する。一例として、第1始動口53Aは、表示演出装置19の下方にある。第1始動口53Aは、常に遊技球を入球させ得るように開口される。遊技盤ユニット20は、第1始動口53Aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサD1を備える(図5参照)。
第2始動口53Bは、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。第2特別ゲームについては後述する。一例として、第2始動口53Bは、第1始動口53Aの右方にある。第2始動口53Bは、扉状であることを一例とする普通開閉片53Baを備える。第2始動口53Bは、普通当り遊技が付与されていない場合に、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第2始動口53Bは、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤ユニット20は、第2始動口53Bを開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(図5参照)。また、遊技盤ユニット20は、第2始動口53Bへ入球した遊技球を検知する第2始動センサD2を備える(図5参照)。普通開閉片53Baは、所謂「普通電動役物」である。
第1大入賞口53Cは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1大入賞口53Cは、表示演出装置19の右下方にある。第1大入賞口53Cは、扉状であることを一例とする第1特別開閉片53Caを備える。第1大入賞口53Cは、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第1大入賞口53Cは、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤ユニット20は、第1大入賞口53Cを開放させる手段として、第1特別ソレノイドSL2を備える(図5参照)。また、遊技盤ユニット20は、第1大入賞口53Cへ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサD3を備える(図5参照)。
第2大入賞口53Dは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2大入賞口53Dは、表示演出装置19の右方にある。第2大入賞口53Dは、扉状であることを一例とする第2特別開閉片53Daを備える。第2大入賞口53Dは、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第2大入賞口53Dは、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤ユニット20は、第2大入賞口53Dを開放させる手段として、第2特別ソレノイドSL3を備える(図5参照)。
図3に示すように、遊技盤50の後側には、第2大入賞口53Dへ入球した遊技球を案内する球通路30が形成されている。球通路30は、第2大入賞口53Dに繋がる流入通路31と、分岐部32と、分岐部32に繋がる特定通路33と、分岐部32に繋がる非特定通路34と、を含む。遊技盤ユニット20は、振分シャッタ35を備える。振分シャッタ35は、分岐部32において、遊技球を特定通路33へ振り分ける第1状態と、非特定通路34へ振り分ける第2状態と、に動作可能である。遊技盤ユニット20は、振分シャッタ35を動作させる手段として、振分ソレノイドSL4を備える(図5参照)。
遊技盤ユニット20は、第2大入賞口53Dへ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサD4を備える。第2カウントセンサD4は、流入通路31を通過する遊技球を検知する。遊技盤ユニット20は、特定通路33へ振り分けられた遊技球を検知する特典センサD5を備える。特典センサD5は、特定通路33の一部である特定領域36を通過する遊技球を検知する。特定領域36は、特典の付与条件を成立させるために、遊技球を通過させる領域である。一例として、特典は、大当り遊技である。特定領域36は、所謂「Vゾーン」である。遊技球が特定領域36を通過することは、所謂「V入賞」である。遊技球が特定領域36を通過した場合に、役物当りが発生する。役物当りは、遊技球が特典センサD5によって検知された場合に発生する。
図2に示すように、普通入賞口53Eは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、普通入賞口53Eは、表示演出装置19の左下方及び右下方にそれぞれある。普通入賞口53Eは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤ユニット20は、普通入賞口53Eへ入球した遊技球を検知する普通センサD6を備える(図5参照)。
遊技盤50は、ゲート54を備える。一例として、ゲート54は、遊技領域51aの右方領域であって、第2始動口53B、第1大入賞口53C、第2大入賞口53D、及び普通入賞口53Eの上方にある。ゲート54には、ゲート口54aが形成されている。ゲート口54aは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。ゲート54は、ゲート口54aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサD7を有する(図8参照)。ゲート54は、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート54は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。普通ゲームについては後述する。
遊技盤50には、アウト口55が形成されている。一例として、アウト口55は、遊技領域51aの最も下部において開口する。遊技球は、第1始動口53A、第2始動口53B、第1大入賞口53C、第2大入賞口53D、及び普通入賞口53Eの何れにも入球しなかった場合に、アウト口55へ入球する。複数の入賞口53、及びアウト口55は、遊技領域51aから遊技球を排出するための排出口、又は遊技領域51aから遊技球を返却するための返却口として把握できる。遊技球は、複数の入賞口53、又はアウト口55へ入球すると、遊技盤ユニット20から排出される。遊技盤ユニット20から排出される遊技球は、所謂「アウト球」である。
情報表示装置60について説明する。
一例として、情報表示装置60は、遊技盤50に設けられる。情報表示装置60は、各種の情報を表示する。一例として、情報表示装置60は、第1特別図柄表示部61、第2特別図柄表示部62、第1保留表示部63、第2保留表示部64、普通図柄表示部65、及び普通保留表示部66を含む。一例として、複数の表示部61~66は、遊技盤50において、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されるが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されていてもよい。
特別図柄表示部61,62は、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を実行可能である。以下の説明では、第1特別図柄表示部61で実行される特別ゲームを「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄表示部62で実行される特別ゲームを「第2特別ゲーム」と示す。特別図柄は、特別図柄の当り抽選(以下、特別抽選と示す)の結果を報知するための図柄である。特別図柄は、大当り図柄と、小当り図柄と、はずれ図柄と、を含む。
パチンコ遊技機10は、特別抽選で大当りに当選した場合に、特別ゲームにおいて大当り図柄が停止表示されるように構成される。パチンコ遊技機10は、大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与されるように構成される。特別ゲームで大当り図柄が停止表示された場合に、図柄当りが発生する。図柄当りは、特別抽選で大当りに当選した場合に発生する。パチンコ遊技機10は、特別抽選で小当りに当選すると、特別ゲームにおいて小当り図柄が停止表示されるように構成される。パチンコ遊技機10は、小当りの特別ゲームの終了後、小当り遊技が付与されるように構成される。
第1保留表示部63は、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示部64は、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
普通図柄表示部65は、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通図柄変動ゲーム(以下、普通ゲームと示す)を実行可能である。普通図柄は、普通図柄の当り抽選の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。パチンコ遊技機10は、普通図柄の当り抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
普通保留表示部66は、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置60には、右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示部、及びラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部が含まれていてもよい。
表示演出装置19について説明する。
表示演出装置19は、画像を表示可能な画像表示領域19aを有する。表示演出装置19は、表示窓口51bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技盤50の後側に対して組み付けられている。一例として、表示演出装置19は、液晶ディスプレイである。表示演出装置19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)、及び所定の画像を表示する報知(以下、表示報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。表示演出装置19は、画像を表示可能な画像表示手段の一例である。
音声演出装置17、発光演出装置18、及び表示演出装置19は、所定の演出を実行する手段の一例である演出機器ESを構成する(図1参照)。音声演出装置17、発光演出装置18、及び表示演出装置19は、何れも所定の報知を実行できる。演出機器ESは、所定の報知を実行する手段の一例を構成する。演出機器ESに含まれる演出装置は、音声演出装置17、発光演出装置18、及び表示演出装置19であることに限定されず、これらの演出装置の一部を省略した構成であってもよい。演出機器ESは、これらの演出装置に加えて、又は任意に選択できる1つまたは複数に代えて、可動演出を実行する可動演出装置を含んでもよく、振動演出を実行する振動演出装置を含んでもよい。
一例として、表示演出装置19における表示演出は、複数列の演出図柄を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)を含む。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示されるとよい。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための飾り図柄である。一例として、演出ゲームは、左列、中列、及び右列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。演出ゲームは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。リーチは、「7↓7」などのように、複数列に同じ演出図柄が停止表示されており、かつ、1列以上の演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて小当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、小当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームとともに実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。第1特別ゲーム及びこれに対応する演出ゲームを纏めて「第1変動ゲーム」と示す。第2特別ゲーム及びこれに対応する演出ゲームを纏めて「第2変動ゲーム」と示す。
制御基板について説明する。
遊技盤50の後側には、主制御基板80と、副制御基板90と、が取り付けられている。これに限らず、主制御基板80及び副制御基板90は、表示演出装置19の後側に取り付けられていてもよい。主制御基板80及び副制御基板90は、施錠装置(不図示)を解錠して中枠13及び前枠14を開放しなければアクセスできない位置に設けられる。
図柄当りに基づく大当り遊技について説明する。
図4(a)に示すように、図柄当りに基づく大当り遊技(以下、図柄大当り遊技と示す)は、大当りに当選した場合に選択される大当り図柄の種類に応じて付与される。特別図柄の大当り図柄は、複数種類ある。大当り図柄は、大当り図柄A、大当り図柄B、大当り図柄a、及び大当り図柄bの何れかに分類される。各大当り図柄は、大当りの変動ゲームの終了後に付与する大当り遊技の種類が定められる。つまり、大当り図柄の種類は、大当りの種類といえる。以下の説明では、大当り図柄Xが選択される大当りを「大当りX」と示す(Xは、A、B、a、又はb)。以下の説明では、「大当りXに当選」と示す場合、特別抽選で大当りに当選し、かつ、大当り図柄Xが選択されることを意味する(Xは、A、B、a、又はb)。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、第1大入賞口53Cを開放するラウンド遊技が、予め定めたラウンド上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めたラウンド上限入球数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めたラウンド上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、第1大入賞口53Cは、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
一例として、特別抽選において、大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)は、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れであっても199分の1であるとよい。一例として、第1特別ゲームにおける大当り図柄の選択割合は、大当り図柄Aが1%であり、大当り図柄Bが99%であり、大当り図柄a及び大当り図柄bがそれぞれ0%であるとよい。一例として、第2特別ゲームにおける大当り図柄の選択割合は、大当り図柄aが1%であり、大当り図柄bが99%であり、大当り図柄A及び大当り図柄Bがそれぞれ0%であるとよい。
一例として、大当り図柄A及び大当り図柄Bには、ラウンド上限回数として、3回が定められる。一例として、大当り図柄a及び大当り図柄bには、ラウンド上限回数として、10回が定められる。一例として、複数の大当り図柄は、それぞれ同じラウンド上限時間、同じラウンド上限入球数、同じオープニング時間、及び同じエンディング時間が定められる。これに限らず、複数の大当り図柄は、そのうちの一部又は全部について、ラウンド上限回数、ラウンド上限時間、ラウンド上限入球数、オープニング時間、及びエンディング時間のうち少なくとも1つを異ならせてもよい。
役物当りに基づく大当り遊技について説明する。
図4(b)に示すように、役物当りに基づく大当り遊技(以下、役物大当り遊技と示す)は、小当りに当選した場合に選択される小当り図柄の種類に応じて付与される。特別図柄の小当り図柄は、複数種類ある。小当り図柄は、小当り図柄x、及び小当り図柄yに分類される。各小当り図柄は、小当りの変動ゲームの終了後に付与する小当り遊技の種類が定められる。つまり、小当り図柄の種類は、小当り遊技の種類といえる。以下の説明では、小当り図柄Xが選択される小当りを「小当りX」と示す(Xは、x又はy)。以下の説明では、「小当りXに当選」と示す場合、特別抽選で小当りに当選し、かつ、小当り図柄Xが選択されることを意味する(Xは、x又はy)。
小当り遊技では、最初に、オープニング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。小当り遊技では、オープニング時間の経過後に、第2大入賞口53Dを開放するラウンド遊技が1回だけ行われる。1回のラウンド遊技は、上述した個数条件、又は時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、第2大入賞口53Dは、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。小当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。小当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
小当り遊技では、特定のラウンド遊技が実行されている間に、振分シャッタ35が規定時間にわたって、第2状態から第1状態に動作する。特定のラウンド遊技が実行されている間に、第2大入賞口53Dへ入球した遊技球は、特定通路33へ振り分けられ得る。遊技球は、特典センサD5によって検知され得る。よって、役物当りは、小当り遊技の実行中に発生し得る。パチンコ遊技機10は、役物当りが発生した場合に、小当り遊技に続けて、役物大当り遊技が付与されるように構成される。役物大当り遊技は、小当り図柄の種類に応じた大当り遊技が付与される点を除いて、図柄大当り遊技と同様であるから、重複する説明を省略する。
一例として、特別抽選において、小当りに当選する確率(以下、小当り確率と示す)は、第1特別ゲームが0であり、第2特別ゲームが9分の1であるとよい。一例として、第2特別ゲームにおける小当り図柄の選択割合は、小当り図柄xが10%であり、小当り図柄yが90%であるとよい。
一例として、小当り図柄x及び小当り図柄yには、役物大当り遊技のラウンド上限回数として、10回が定められる。役物大当り遊技において、1回目のラウンド遊技は、小当り遊技に割り当てられる。つまり、役物大当り遊技は、ラウンド上限回数から1回だけ少ない上限回数を定めた大当り遊技と把握することもできる。一例として、複数の小当り図柄は、それぞれ同じラウンド上限時間、同じラウンド上限入球数、同じオープニング時間、及び同じエンディング時間が定められる。これに限らず、複数の小当り図柄は、そのうちの一部又は全部について、ラウンド上限回数、ラウンド上限時間、ラウンド上限入球数、オープニング時間、及びエンディング時間のうち少なくとも1つを異ならせてもよい。
パチンコ遊技機10の機能について説明する。
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を備える。入球補助機能は、第2始動口53Bへの入球率を変動させるための機能である。パチンコ遊技機10は、第2始動口53Bへの入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口53Bへ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球が第2始動口53Bへ入球する確率が高まり、第2始動口53Bへの遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、普通電動役物による第2始動口53Bへの入球サポートが行われ得る状態である。
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口53Bの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口53Bの開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口53Bの1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
一例として、遊技状態は、入球補助機能の作動の有無によって規定される。以下の説明では、高入球率状態を「電サポ状態」と示し、低入球率状態を「非電サポ状態」と示す。電サポ状態は、非電サポ状態と比べて、遊技者にとって有利な状態である。以下の説明では、大当り遊技が付与されている状態を「大当り状態」と示し、大当り遊技が付与されていない状態を「非大当り状態」と示す場合がある。非電サポ状態は、第1遊技状態の一例である。電サポ状態は、非電サポ状態に比べて第2始動口53Bへと遊技球を入球させ易い第2遊技状態の一例である。
電サポ状態は、作動開始条件が成立すると開始される。つまり、遊技状態は、非電サポ状態から電サポ状態へと移行する。一例として、作動開始条件は、図柄大当り遊技及び役物大当り遊技のうち、特定の大当り遊技が終了することである。これに限らず、作動開始条件は、非電サポ状態における特別ゲームの実行回数が所定の回数(所謂、天井回数)に達することを含んでもよい。作動開始条件は、大当り図柄及び小当り図柄とは異なる作動図柄が選択されることを含んでもよい。作動図柄は、はずれ図柄の一部であってもよく、はずれ図柄とは異なる図柄であってもよい。電サポ状態は、作動終了条件が成立すると終了される。つまり、遊技状態は、電サポ状態から非電サポ状態へと移行する。一例として、作動終了条件は、予め定めた作動回数の特別ゲームが実行された場合、又は新たな大当り遊技が付与された場合に成立する。
一例として、作動回数は、以下のように定めることができる。
作動回数は、大当り遊技の基礎となった大当り図柄、又は小当り図柄に応じて異なり得る。大当り図柄A及び大当り図柄aには、大当りに当選したときの遊技状態が電サポ状態及び非電サポ状態の何れであるかを問わず、作動回数として100回が定められる。大当り図柄Bには、大当りに当選したときの遊技状態が非電サポ状態である場合の作動回数として、1回が定められる。大当り図柄Bには、大当りに当選したときの遊技状態が電サポ状態である場合の作動回数として、10回が定められる。大当り図柄bには、大当りに当選したときの遊技状態が電サポ状態及び非電サポ状態の何れであるかを問わず、作動回数として10回が定められる。小当り図柄xには、小当りに当選したときの遊技状態が電サポ状態及び非電サポ状態の何れであるかを問わず、作動回数として100回が定められる。小当り図柄yには、小当りに当選したときの遊技状態が電サポ状態及び非電サポ状態の何れであるかを問わず、作動回数として10回が定められる。
パチンコ遊技機10の遊技性について説明する。
図2に示すように、遊技者は、発射操作部15を操作することによって、所望の発射強度で遊技球を発射できる。遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、遊技領域51aのうち表示演出装置19の左側領域を流下させる「左打ち」と、遊技領域51aのうち表示演出装置19の右側領域を流下させる「右打ち」と、が可能である。遊技領域51aのうち左側領域及び右側領域は、遊技領域51aを左右方向に二等分する中心線CLを基準として定められてもよい。左側領域は、右側領域よりも、打出通路51c側にある領域である。
図中において矢印R1で示すように、遊技球は、左打ちされると、第1始動口53A及び普通入賞口53Eへ入球し得る。図中において矢印R2で示すように、遊技球は、右打ちされると、第2始動口53B、第1大入賞口53C、第2大入賞口53D、普通入賞口53E、及びゲート54へ入球し得る。左打ちは、非大当り状態のうち非電サポ状態であるときに推奨される発射態様である。右打ちは、非大当り状態のうち電サポ状態であるとき、及び大当り状態(非電サポ状態)であるときに推奨される発射態様である。
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図5に示すように、主制御基板80と、副制御基板90とは、主制御基板80から副制御基板90へと、一方向に制御情報(制御コマンドなど)を出力可能となるように接続される。主制御基板80は、所定の処理を実行し、副制御基板90へ制御情報を出力する。副制御基板90は、主制御基板80から入力した制御情報に基づいて所定の処理を実行する。
主制御基板80について説明する。
主制御基板80は、CPU81と、ROM82と、RAM83と、乱数生成回路84と、を備える。CPU81は、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。ROM82は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM82は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの「変動時間」を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの「変動内容(演出内容)」を特定可能な情報である。一例として、変動パターンには、当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。一例として、当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで、最終的に大当り又は小当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。一例として、はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。
RAM83は、CPU81の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM83が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。RAM83は、情報を記憶可能な手段の一例である。乱数生成回路84は、ハードウェア乱数を生成する。主制御基板80は、CPU81による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されてもよい。
主制御基板80は、第1始動センサD1、第2始動センサD2、第1カウントセンサD3、第2カウントセンサD4、特典センサD5、普通センサD6、及びゲートセンサD7と接続される。CPU81は、各センサD1~D7が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主制御基板80は、電波センサ(不図示)と接続される。CPU81は、電波検知信号を入力可能である。主制御基板80は、扉開放スイッチ(不図示)と接続される。CPU81は、扉開放信号を入力可能である。
主制御基板80は、各表示部61~66と接続される。CPU81は、各表示部61~66の表示内容を制御可能である。主制御基板80は、各ソレノイドSL1~SL4と接続される。CPU81は、各ソレノイドSL1~SL3の動作を制御することにより、第2始動口53B、第1大入賞口53C、及び第2大入賞口53Dの開放態様を制御可能である。CPU81は、振分ソレノイドSL4の動作を制御することにより、振分シャッタ35の動作態様を制御可能である。
副制御基板90について説明する。
副制御基板90は、CPU91と、ROM92と、RAM93と、を備える。CPU91は、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。ROM92は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。ROM92は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。RAM93は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM93が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。副制御基板90は、CPU91による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成される。副制御基板90は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御基板90は、音声演出装置17と接続される。CPU91は、音声演出装置17の出力内容を制御可能である。副制御基板90は、音声演出装置17による音の出力状況を制御可能な音制御手段の一例である。副制御基板90は、発光演出装置18と接続される。CPU91は、発光演出装置18の発光態様を制御可能である。副制御基板90は、表示演出装置19と接続される。CPU91は、表示演出装置19の表示内容を制御可能である。一例として、CPU91は、複数のレイヤに対して、それぞれオブジェクト(画像)を配置するとともに、複数のレイヤに基づいて表示画面を生成する。CPU91は、生成された表示画面を、表示演出装置19に表示させる。ここで、CPU91は、異なるレイヤに配置されたオブジェクトが重なり合う場合に、当該重なり合う部分において、優先度が高いレイヤに配置されたオブジェクトを表示させる。副制御基板90は、表示演出装置19による画像の表示状況を制御可能な画像制御手段の一例である。副制御基板90は、演出操作部16と接続される。CPU91は、演出操作部16が操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。
主制御基板80(CPU81)が行う各種の処理について説明する。
CPU81は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理を実行する。タイマ割込み処理として実現される処理には、大当り遊技処理、小当り遊技処理、遊技状態移行処理、及びメインエラー処理等も含まれる。
特別図柄入力処理について説明する。
CPU81は、第1始動センサD1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口53Aへ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口53Aへ入球した場合、CPU81は、RAM83に記憶される第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、CPU81は、第1保留数を1加算して更新する。続けて、CPU81は、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部63を制御する。第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD1によって検知されると成立する。CPU81は、更新後の第1保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第1保留数コマンドと示す)を副制御基板90へ出力する。
次に、CPU81は、乱数生成回路84が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM83に記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。CPU81は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報をRAM83に記憶することによって、第1特別ゲームの開始条件が成立するまでの間、始動口への遊技球の入球を契機として変動ゲーム(第1特別ゲーム及び演出ゲーム)の実行を保留可能である。
続けて、CPU81は、乱数生成回路84から取得した乱数の値に基づいて、先読み処理を行う。先読み処理において、CPU81は、新たに保留された変動ゲームの変動内容を特定する。先読み処理において、CPU81は、特定された変動内容を示す制御コマンド(以下、先読みコマンドと示す)を生成する。先読み処理において、CPU81は、生成された先読みコマンドを副制御基板90へ出力させる。
一例として、先読みコマンドは、特別抽選の結果として、大当り、小当り、及びはずれの何れであるかを特定可能な情報である。先読み処理において、CPU81は、当り乱数の値が、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選する値であるか否かを判定することによって、大当りとなるか否かを特定する。先読み処理において、CPU81は、当り乱数の値が、特別図柄の当り抽選にて小当りに当選する値であるか否かを判定することによって、小当りとなるか否かを特定する。CPU81は、当り乱数の値が、大当りに当選する値、及び小当りに当選する値の何れでもない場合に、はずれであることを特定する。一例として、先読みコマンドは、変動パターンを特定可能な情報である。CPU81は、変動パターン乱数の値が各変動処理にて何れの変動パターンに当選する値であるかを判定することによって、新たに保留された変動ゲームの変動パターンを特定する。よって、副制御基板90(CPU91)は、先読みコマンドを入力した場合に、新たに保留された第1変動ゲームの変動内容を特定可能である。
CPU81は、第1特別ゲーム用の乱数情報をRAM83に記憶させた場合、遊技球が第1始動口53Aへ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合に、第2始動センサD2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口53Bへ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口53Bへ入球している場合、CPU81は、RAM83に記憶される第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、CPU81は、第2保留数を1加算して更新する。CPU81は、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示部64を制御する。CPU81は、更新後の第2保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第2保留数コマンドと示す)を副制御基板90へ出力する。第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD2によって検知されると成立する。
次に、CPU81は、主制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM83に記憶させる。CPU81は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報をRAM83に記憶することによって、第2特別ゲームの開始条件が成立するまでの間、始動口への遊技球の入球を契機として変動ゲーム(第2特別ゲーム及び演出ゲーム)の実行を保留可能である。続けて、CPU81は、乱数生成回路84から取得した乱数の値に基づいて、上述した先読み処理を行う。よって、副制御基板90(CPU91)は、先読みコマンドを入力した場合に、新たに保留された第2変動ゲームの変動内容を特定可能である。第2特別ゲーム用の乱数情報をRAM83に記憶させた場合、遊技球が第2始動口53Bへ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、CPU81は、特別図柄入力処理を終了する。
特別図柄開始処理について説明する。
最初に、CPU81は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU81は、大当り遊技中ではなく、かつ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定と判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定と判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU81は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、CPU81は、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、CPU81は、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、CPU81は、特別図柄開始処理を終了する。
第1保留数が零よりも大きい場合、CPU81は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、CPU81は、第1保留数を1減算して更新する。CPU81は、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部63を制御する。CPU81は、更新後の第1保留数を特定可能な第1保留数コマンドを副制御基板90へ出力する。CPU81は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM83から取得する。CPU81は、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。
大当りに当選した場合、CPU81は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、CPU81は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。CPU81は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU81は、特別図柄開始処理を終了する。
大当りに当選しなかった場合、CPU81は、当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、小当りに当選とするか否かの小当り抽選(小当り判定)を行う。小当りに当選した場合、CPU81は、小当り変動処理を行う。小当り変動処理において、CPU81は、当り図柄乱数を用いて小当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる小当り図柄を決定する。CPU81は、変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU81は、特別図柄開始処理を終了する。一例として、第1特別ゲームにおける小当り確率は、0であるから、小当り抽選に当選し得ない。これに限らず、CPU81は、第1特別ゲームの小当り抽選を実行しない構成であってもよい。
大当り及び小当りの何れにも当選しなかった場合、CPU81は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、CPU81は、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。CPU81は、変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU81は、特別図柄開始処理を終了する。
第2保留数が零よりも大きい場合、CPU81は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、CPU81は、第2保留数の減算、特別抽選(大当り抽選及び小当り抽選)、及び特別抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
CPU81は、大当り変動処理、小当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御基板90へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンドである。変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。以上のように、パチンコ遊技機10は、保留中の変動ゲームを、開始条件の成立に基づいて開始可能に構成される。
特別図柄開始処理を終了すると、CPU81は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。一例として、CPU81は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部61を制御する。CPU81は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU81は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示部61を制御する。また、CPU81は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御基板90に出力する。
一例として、CPU81は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部62を制御する。CPU81は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU81は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示部62を制御する。また、CPU81は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御基板90に出力する。以上のように、パチンコ遊技機10は、CPU81が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することにより、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行い、当該当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成される。
特別図柄開始処理によれば、第2特別ゲームは、第1特別ゲームと同時に実行されることがない。第2特別ゲームは、第1特別ゲームに優先して実行される。つまり、第1特別ゲームは、保留中の第2特別ゲームがない場合に開始され得る。上述のように、電サポ状態は、遊技球を第2始動口53Bへ入球させ易いから、原則として、第2特別ゲームのみが実行され得る。しかしながら、電サポ状態であっても、遊技者が遊技球の発射を中断したり、遊技球が第2始動口53Bへ入球し難かったりすると、第1特別ゲームが実行され状況も生じ得る。電サポ状態において、第1特別ゲームが実行される状況は、パチンコ遊技機10において予定しない状況である。電サポ状態において、当りの第1特別ゲームが保留される状況は、特殊状況の一例である。
大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。大当り遊技には、図柄大当り遊技と、役物大当り遊技と、がある。
CPU81は、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU81は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU81は、特定した種類の大当り遊技を付与するように構成される。CPU81は、小当り遊技において役物当り(V入賞)が発生した場合に、当該小当り遊技の終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU81は、特別図柄開始処理にて決定した小当り図柄(小当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU81は、特定した種類の大当り遊技を付与するように構成される。
最初に、CPU81は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御基板90に出力する。CPU81は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、CPU81は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて第1特別ソレノイドSL2を制御し、第1大入賞口53Cを開状態とする。CPU81は、第1カウントセンサD3による遊技球の検知数がラウンド上限入球数に達するか、又はラウンド上限時間が経過すると、第1大入賞口53Cを閉状態とするように第1特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。CPU81は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められたラウンド上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU81は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御基板90に出力する。CPU81は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副制御基板90に出力する。CPU81は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。CPU81は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副制御基板90に出力してもよい。
小当り遊技処理について説明する。
小当り遊技処理は、小当り遊技を付与するための処理である。CPU81は、特別ゲームにおいて小当り図柄を停止表示させると、小当りの特別ゲームの終了後に小当り遊技処理を実行する。CPU81は、特別図柄開始処理にて決定した小当り図柄(小当りの種類)に基づいて、小当り遊技の種類を特定する。CPU81は、特定した種類の小当り遊技を付与するように構成される。既に説明したように、小当り遊技は、役物大当り遊技における1回目のラウンド遊技として実行され得る。
最初に、CPU81は、オープニングコマンドを副制御基板90に出力する。CPU81は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、CPU81は、特定した小当り遊技用の開放制御データを用いて第2特別ソレノイドSL3を制御し、第2大入賞口53Dを開状態とする。CPU81は、第2カウントセンサD4による遊技球の検知数がラウンド上限入球数に達するか、又はラウンド上限時間が経過すると、第2大入賞口53Dを閉状態とするように第2特別ソレノイドSL3を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。CPU81は、特定のラウンド遊技において、振分制御データを用いて振分ソレノイドSL4を制御し、振分シャッタ35を所定時間にわたって第1状態に動作させる。CPU81は、ラウンド遊技を開始する場合に、ラウンドコマンドを副制御基板90に出力する。CPU81は、ラウンド遊技が終了すると、エンディング開始コマンドを副制御基板90に出力する。CPU81は、エンディング時間が経過すると、小当り遊技を終了する。CPU81は、エンディング終了コマンドを副制御基板90に出力してもよい。
遊技状態移行処理について説明する。
一例として、CPU81は、図柄大当り遊技又は役物大当り遊技が終了すると、RAM83に作動フラグをセットする。つまり、CPU81は、電サポ状態に制御する。CPU81は、大当り遊技の終了後、各特別ゲームを開始させる毎に、RAM83に記憶される実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。CPU81は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了した場合に、RAM83に記憶される作動フラグを消去する。つまり、CPU81は、大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると非電サポ状態に制御する。作動回数は、大当り遊技の基礎となった大当り図柄又は小当り図柄に定められる。CPU81は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。つまり、CPU81は、大当り遊技中、非電サポ状態に制御する。CPU81は、遊技状態を移行させた場合に、移行後の遊技状態を特定可能な制御コマンド(以下、遊技状態コマンドと示す)を副制御基板90に出力する。CPU81は、遊技状態を制御する遊技状態制御手段の一例である。
メインエラー処理について説明する。
メインエラー処理では、エラーの設定、及びエラーの設定の解除が行われる。以下の説明では、あるエラーについて「設定する」と示す場合、当該エラーを特定可能な情報(フラグなど)をRAMに記憶させることを意味する。また、あるエラーについて「設定を解除する」と示す場合、当該エラーを特定可能な情報(フラグなど)をRAMから消去させることを意味する。
一例として、CPU81は、電波センサ(不図示)から電波検知信号を入力した場合に、不正電波エラーを設定する。不正電波エラーの設定は、電源断がされるまで解除されない。不正電波エラーを設定した場合に、CPU81は、所定の制御情報(以下、不正電波エラー設定コマンドと示す)を副制御基板90へ出力する。
一例として、CPU81は、扉開放スイッチ(不図示)から扉開放信号を入力した場合に、扉開放エラーを設定する。扉開放エラーを設定した場合に、CPU81は、所定の制御情報(以下、扉開放エラー設定コマンドと示す)を副制御基板90へ出力する。CPU81は、扉開放信号を入力しなくなった場合に、扉開放エラーの設定を解除する。扉開放エラーの設定を解除した場合に、CPU81は、所定の制御情報(以下、扉開放エラー解除コマンドと示す)を副制御基板90へ出力する。CPU81は、エラーを検知するエラー検知手段の一例である。
副制御基板90(CPU91)が実行する各種の処理について説明する。
サブエラー処理について説明する。
サブエラー処理は、主制御基板80から入力したエラーに関するコマンドに応じて、エラーの報知を実行させるための処理である。CPU91は、不正電波エラー設定コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、不正電波エラーの報知を実行させる。一例として、不正電波エラーの報知は、「不正な電波を検知しました」の文字列など、不正な電波が検知されたことを特定可能なエラー情報(以下、不正電波エラー情報と示す)を、エラー画像Egとして表示演出装置19に表示することを含む。一例として、不正電波エラーの報知は、「不正な電波を検知しました」の文字列を読み上げる人の声など、不正電波エラー情報を音声演出装置17から出力することを含む。一例として、不正電波エラーの報知は、専用の発光パターンで発光するなどして、不正電波エラー情報を発光演出装置18において提示することを含む。つまり、不正電波エラーの設定時点において実行中であった音声演出及び発光演出は、中断又は終了される。不正電波エラーの報知は、電源断がされるまで解除されない。
CPU91は、扉開放エラー設定コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、扉開放エラーの報知を実行させる。一例として、扉開放エラーの報知は、「扉が開いています」の文字列など、中枠13及び前枠14のうち少なくとも1つが開放されていることを特定可能なエラー情報(以下、扉開放エラー情報と示す)を、エラー画像Egとして表示演出装置19に表示することを含む。一例として、扉開放エラーの報知は、「扉が開いています」の文字列を読み上げる人の声など、扉開放エラー情報を音声演出装置17から出力することを含む。一例として、扉開放エラーの報知は、専用の発光パターンで発光するなどして、扉開放エラー情報を発光演出装置18において提示することを含む。つまり、扉開放エラーの設定時点において実行中であった音声演出及び発光演出は、中断又は終了される。CPU91は、扉開放エラー解除コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、扉開放エラーの報知を全て終了させる。
サブエラー処理において、CPU91は、エラーの設定、及びエラーの設定の解除を行うことができる。一例として、CPU91は、可動演出装置(不図示)との接続がされていない場合に未接続エラーを設定する。ここで、可動演出装置は、各種の装飾が施された可動部を備える。可動演出装置は、CPU91の制御によって、原位置と演出位置との間で可動部を変位させる可動演出を実行可能に構成される。可動演出装置は、原位置にある可動部を検知可能に構成された原位置センサを備える。CPU91は、可動演出装置との接続がされた場合に未接続エラーの設定を解除する。一例として、CPU91は、可動演出装置との通電があるか否かによって、可動演出装置と接続されているか否かを特定するとよい。
未接続エラーを設定中、CPU91は、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、未接続エラーの報知を実行させる。一例として、未接続エラーの報知は、「可動部チェック」の文字列など、可動演出装置が未接続であることを特定可能なエラー情報(以下、未接続エラー情報と示す)を、エラー画像Egとして表示演出装置19に表示することを含む。一例として、未接続エラーの報知は、音声演出装置17及び発光演出装置18において実行されない。つまり、未接続エラーの設定時点において実行中であった音声演出及び発光演出が継続される。これに限らず、未接続エラーの報知は、音声演出装置17及び発光演出装置18において実行されてもよい。
一例として、CPU91は、演出可動装置(不図示)の動作に不具合が発生している場合に、可動部動作エラーを設定する。CPU91は、可動部が原位置から演出位置へ向けて変位するように制御を開始してから規定時間が経過しても、可動部が原位置から変位しない場合に、可動部動作エラーを設定する。CPU91は、可動部が原位置から変位すると、可動部動作エラーの設定を解除する。CPU91は、原位置センサから検知信号を入力しているか否かによって、可動部が原位置にあるか否かを特定するとよい。
可動部動作エラーを設定中、CPU91は、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、可動部動作エラーの報知を実行させる。一例として、可動部動作エラーの報知は、「可動部チェック」の文字列など、演出可動装置の動作に不具合が発生していることを特定可能なエラー情報(以下、可動部動作エラー情報と示す)を、エラー画像Egとして表示演出装置19に表示することを含む。一例として、可動部動作エラーの報知は、音声演出装置17及び発光演出装置18において実行されない。つまり、可動部動作エラーの設定時点において実行中であった音声演出及び発光演出が継続される。これに限らず、可動部動作エラーの報知は、音声演出装置17及び発光演出装置18において実行されてもよい。
CPU91は、エラーを検知するエラー検知手段の一例である。表示演出装置19では、CPU81又はCPU91によってエラーが検知された場合に、エラー画像Egが表示され得る。表示演出装置19に画像として表示され得る各種のエラー情報は、エラー画像の一例である。各種のエラー画像Egのうち、未接続エラー情報、及び可動部動作エラー情報としてのエラー画像Egは、所定のエラー画像の一例である。音声演出装置17では、表示演出装置19において所定のエラー画像Egが表示されても、特定音の一例である楽曲を継続して出力できる。また、表示演出装置19では、特定のエラーが検知された場合に、特定のエラー画像Egが表示されるようになっている。扉開放エラー及び不正電波エラーは、特定のエラーの一例である。各種のエラー情報のうち画像として表示される扉開放エラー情報及び不正電波エラー情報は、特定のエラー画像Egの一例である。そして、音声演出装置17では、表示演出装置19において特定のエラー画像Egが表示された場合に、特定音の出力が制限される。特定のエラーは、所定のエラーと比べて、ゴト行為が行われている可能性がある重篤なエラーであるから、パチンコ遊技機10の管理者等に対する報知の優先度が高い。
当り演出処理について説明する。
当り演出処理は、当り遊技中の演出(以下、当り演出と示す)を実行させるための処理である。CPU91は、オープニングコマンドを受信すると、オープニング演出を実行するように演出機器ESを制御する。CPU91は、ラウンドコマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように演出機器ESを制御する。CPU91は、エンディング開始コマンドを受信すると、エンディング演出を実行するように演出機器ESを制御する。CPU91は、エンディング終了コマンドを受信すると、エンディング演出を終了するように演出機器ESを制御する。
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。CPU91は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを受信すると、演出ゲームを実行するように、表示演出装置19を含む演出機器ESを制御する。CPU91は、変動開始コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。CPU91は、特別図柄コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。CPU91は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。CPU91は、特別図柄コマンドから小当り図柄を特定可能である場合、小当りの図柄組合せを決定する。CPU91は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。なお、CPU91は、リーチ演出を実行させる場合、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。
CPU91は、変動開始コマンドの入力を契機として、各列における演出図柄の変動表示を開始するように、表示演出装置19を制御する。つまり、CPU91は、演出ゲームを開始させる。CPU91は、リーチ演出を実行させる場合、当該リーチ演出を実行するように、表示演出装置19を含む演出機器ESを制御する。CPU91は、演出ゲームに関連して予告演出を実行させる場合、当該予告演出を実行するように、表示演出装置19を含む演出機器ESを制御する。予告演出は、実行中である演出ゲームが大当り又は小当りとなる期待度(以下、当り期待度と示す)を示唆又は報知する演出である。予告演出は、保留中の変動ゲームの当り期待度を示唆又は報知する演出であってもよい。
CPU91は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定で停止表示させる。なお、CPU91は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
変動パターンについて説明する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、パチンコ遊技機10は、複数の変動パターンH01~H11を備える。パチンコ遊技機10は、変動パターンH01~H11に加えて、別の変動パターンを備えてもよく、別の変動パターンを備えなくてもよい。
変動パターンH01、及び変動パターンH04は、はずれの変動パターンである。変動パターンH01は、変動内容として、通常はずれを特定する。変動パターンH04は、変動内容として、特定のリーチ演出が実行されることへの期待感を煽る演出(以下、発展煽り演出と示す)を特定する。
変動パターンH02,H03は、はずれの変動パターン、小当りの変動パターン、及び大当りの変動パターンを含む。変動パターンH05~H10は、はずれの変動パターン、及び小当りの変動パターンを含む。変動パターンH05~H08は、大当りの変動パターンを含まない。変動パターンH09、及び変動パターンH10は、大当りの変動パターンを含む。変動パターンH11は、大当りの変動パターンのみを含む。
変動パターンH02,H03,H05~H10は、変動内容として、リーチ演出を含む。変動パターンH02は、変動内容として、ノーマルリーチ演出(以下、NRリーチ演出と示す)を含む。変動パターンH03は、変動内容として、スーパーリーチ演出(以下、SPリーチ演出と示す)を含む。変動パターンH05~H10は、変動内容として、特定のリーチ演出を含む。特定のリーチ演出は、楽曲をモチーフとしたリーチ演出(以下、非選択型の楽曲リーチ演出と示す)である。一例として、変動パターンH05は、楽曲Aをモチーフとした楽曲Aリーチ演出を含む。一例として、変動パターンH06は、楽曲Bをモチーフとした楽曲Bリーチ演出を含む。一例として、変動パターンH07は、楽曲Cをモチーフとした楽曲Cリーチ演出を含む。一例として、変動パターンH08は、楽曲Dをモチーフとした楽曲Dリーチ演出を含む。一例として、変動パターンH09は、楽曲Eをモチーフとした楽曲Eリーチ演出を含む。以下の説明では、演出のモチーフとされた楽曲を「モチーフ楽曲」と示す。変動パターンH10は、モチーフとしての楽曲X及び楽曲Yの何れかを選択する選択型の楽曲リーチ演出を含む。各楽曲リーチ演出は、音声演出装置17における楽曲の出力を含む。楽曲リーチ演出の実行中、音声演出装置17から出力できる楽曲A~E,X,Yは、特定音の一例である。
楽曲リーチ演出は、楽曲Aリーチ演出<楽曲Bリーチ演出<楽曲Cリーチ演出<楽曲Dリーチ演出<楽曲Eリーチ演出の順に、変動ゲームにおける当り期待度が高い。選択型の楽曲リーチ演出の当り期待度は、楽曲Eリーチ演出と比べて低い。これに限らず、選択型の楽曲リーチ演出の当り期待度は、楽曲Eリーチ演出と同じであってもよく、楽曲Eリーチ演出と比べて高くてもよい。ある演出について当り期待度を高くするには、「当りの場合の選択割合」と「はずれの場合の選択割合」の全体に占める「当りの場合の選択割合」が高くなるように、上述した各変動処理を実行するとよい。楽曲A~E,X,Yは、特定のリーチ演出に伴って出力される音である。楽曲Eは、第2特定音の一例であり、楽曲A~D,X,Yは、第1特定音の一例である。つまり、特定音は、第1特定音と、第2特定音と、を含む。第2特定音を伴う特定のリーチ演出(一例として楽曲Eリーチ演出)は、第1特定音を伴う特定のリーチ演出(一例として楽曲A~D又は選択型の楽曲リーチ演出)に比べて、特典が付与される期待度が高い。小当り及び大当りは、特典の一例である。
変動パターンH11は、変動内容として、リーチ演出を含まない特殊当り演出を含む。特殊当り演出は、楽曲A~D,X,Yの何れとも異なる特殊楽曲の出力を伴う演出である。特殊楽曲は、特殊当り演出のモチーフ楽曲といえる。特殊楽曲は、特殊音の一例である。一例として、変動パターンH01~H03は、非電サポ状態である場合に選択可能となる変動パターンである(但し、電サポ状態が終了してから4回の変動ゲームを除く)。一例として、変動パターンH04~H11は、電サポ状態である場合、及び、電サポ状態の終了後に非電サポ状態へ移行してから4回の変動ゲームである場合に選択可能となる変動パターンである。特に、変動パターンH11は、第1変動ゲームを実行する場合にのみ選択可能な変動パターンである。
非選択型の楽曲リーチ演出の流れの一例について説明する。
図7において(a)→(b)の順に示すように、変動パターンH04が選択された場合には、発展煽り演出において発展失敗となり、楽曲リーチ演出が実行されない。図7において(a)→(c)→(d)の順に示すように、変動パターンH05~H09の何れかが選択された場合には、発展煽り演出において発展成功となり、楽曲リーチ演出が実行される。
一例として、発展煽り演出は、「楽曲〇ランクインなるか?」の文字列を表示演出装置19に表示する態様にて実行されるとよい(図7(a)参照)。但し、ここでいう「楽曲〇」は、楽曲A~楽曲Eのうちの何れかの楽曲のタイトルである。つまり、発展煽り演出は、楽曲A~Eの楽曲リーチ演出のうち、何れか1つの楽曲リーチ演出を煽り対象として実行される。発展煽り演出は、煽り対象とされた楽曲リーチ演出への発展を煽る内容で実行される。
発展煽り演出の実行中、音声演出装置17では、発展煽り演出において煽り対象とされた楽曲リーチ演出におけるモチーフ楽曲の一部(一例としてサビ部分)が出力される。これに限らず、音声演出装置17では、煽り対象とされた楽曲リーチ演出におけるモチーフ楽曲を識別可能な音であれば、モチーフ楽曲の一部であることに限定されない。例えば、楽曲を識別可能な音(以下、楽曲識別音と示す)は、モチーフ楽曲の全部(フルコーラス)であってもよく、モチーフ楽曲をアレンジした楽曲であってもよく、歌唱を省略した楽曲であってもよく、モチーフ楽曲のタイトルを読み上げる音声であってもよい。楽曲識別音は、通常音の一例である。
変動パターンH04が選択されている場合に、表示演出装置19では、発展煽り演出に続けて、特定のリーチ演出に発展しないことを示す情報(以下、失敗情報と示す)が表示される(図7(b)参照)。一例として、失敗情報は、「ランクインならず・・・残念」の文字列であるとよい。失敗情報の表示中、音声演出装置17では、楽曲リーチ演出へ発展しなかったことを示す音(以下、残念音と示す)が出力される。残念音は、モチーフ楽曲の何れとも異なる楽曲であるとよい。残念音は、煽り対象とされた楽曲リーチ演出におけるモチーフ楽曲を移調した楽曲であってもよい。その後、表示演出装置19では、はずれの図柄組み合わせが停止表示される。
変動パターンH05~H09のうち何れかが選択されている場合に、表示演出装置19では、発展煽り演出に続けて、特定のリーチ演出に発展することを示す情報(以下、発展情報と示す)が表示される(図7(c)参照)。一例として、発展情報は、「楽曲〇ランクイン!!」の文字列であるとよい。但し「楽曲〇」は、楽曲A~楽曲Eのうちの何れかである。発展情報の表示中、音声演出装置17では、楽曲リーチ演出へ発展することを示す音(以下、祝福音と示す)が出力される。一例として、祝福音は、モチーフ楽曲を歌唱する歌手の音声であるとよい。
その後、表示演出装置19では、特定のリーチ演出として、変動パターンに定められた楽曲リーチ演出が表示される(図7(d)参照)。楽曲リーチ演出の実行中、音声演出装置17では、モチーフ楽曲が出力される。一例として、図7(d)の例では、楽曲Aリーチ演出が実行される様子が示されている。音声演出装置17では、モチーフ楽曲である楽曲Aが出力される。その後、表示演出装置19では、最終的に、はずれの図柄組み合わせ、小当りの図柄組み合わせ、又は、大当りの図柄組み合わせが停止表示される。
選択型の楽曲リーチ演出の流れの一例について説明する。
図8において(a)→(b)の順に示すように、変動パターンH10が選択された場合には、演出操作部16の操作によって楽曲を選択させる演出(以下、楽曲選択演出と示す)が実行される。図8において(c)→(d)又は(e)→(f)の順に示すように、楽曲選択演出において、遊技者が楽曲を選択すると、その選択された楽曲をモチーフとする楽曲リーチ演出が実行される。楽曲選択演出で設定される操作有効期間中に演出操作部16が操作されなかった場合には、何れかの楽曲がランダムに選択されるとよい。
図8(a)に示すように、楽曲選択演出は、楽曲選択演出の開始を示す情報(以下、選択開始情報と示す)を、表示演出装置19に最初に表示する態様にて実行される。一例として、選択開始情報は、「楽曲選択」の文字列であるとよい。続けて、図8(b)に示すように、楽曲選択演出は、演出操作部16の操作により楽曲を選択することを促す情報(以下、選択促進情報と示す)を、表示演出装置19に表示する態様にて実行される。一例として、選択促進情報は、「ボタンで選択 楽曲XorY」の文字列であるとよい。選択開始情報の表示中、音声演出装置17では、楽曲選択演出の開始を示す効果音が出力される。選択促進情報の表示中、音声演出装置17では、演出操作部16の操作によって仮選択された楽曲を示す音(以下、仮選択報知音と示す)が出力される。一例として、仮選択報知音は、仮選択された楽曲であってもよく、仮選択された楽曲のアレンジ楽曲であってもよく、歌唱を省略した楽曲であってもよく、楽曲のタイトルを読み上げる音声であってもよい。
楽曲選択演出において楽曲が選択された場合に、表示演出装置19では、楽曲選択演出に続けて、選択された楽曲をモチーフとしたリーチ演出に発展することを示す内容にて、発展情報が表示される(図8(c)及び図8(e)参照)。続けて、表示演出装置19では、選択された楽曲をモチーフとした楽曲リーチ演出が表示される(図8(d)及び図8(f)参照)。その後、表示演出装置19では、最終的に、はずれの図柄組み合わせ、小当りの図柄組み合わせ、又は、大当りの図柄組み合わせが停止表示される。
演出モードについて説明する。
図9に示すように、パチンコ遊技機10は、複数の演出モードを備える。以下の説明において、単に「演出モード」と示す場合、大当り遊技ではないときに設定可能な演出モードを意味する。複数の演出モードは、通常モードMA、チャンスモードMB、及び特別モードMCを含む。複数の演出モードは、モードMA~MCとは異なるモードを含んでもよく、モードMA~MCとは異なるモードを含まなくてもよい。
モード移行処理について説明する。
副制御基板90(CPU91)は、モード移行処理を実行する。モード移行処理は、演出モードを移行させるための処理である。
CPU91は、遊技状態コマンドに基づいて、遊技状態が電サポ状態及び非電サポ状態の何れであるかを特定する。CPU91は、変動開始コマンドに基づいて、変動ゲームの開始を特定できる。CPU91は、変動終了コマンドに基づいて、変動ゲームの終了を特定できる。CPU91は、変動開始コマンド及び変動終了コマンドのうち一方又は両方に基づいて、非電サポ状態へ移行してからの変動ゲームの実行回数(以下、移行後実行回数と示す)を計数できる。CPU91は、オープニングコマンドに基づいて、大当り遊技の開始を特定できる。CPU91は、エンディングコマンドに基づいて、大当り遊技の終了を特定できる。CPU91は、特別図柄コマンドに基づいて、大当り図柄及び小当り図柄(大当り及び小当りの種類)を特定できる。
CPU91は、遊技状態が非電サポ状態である期間であって、かつ、非電サポ状態への移行後に4回の変動ゲームが終了してからの期間において、通常モードMAを設定する。つまり、演出モードは、遊技状態が電サポ状態である期間における1回以上の変動ゲーム、及び、電サポ状態の終了直後における4回の変動ゲームの何れにおいても当りに当選しなかった場合に、チャンスモードMB又は特別モードMCから、通常モードMAへ移行される。
CPU91は、非電サポ状態において大当りBに当選した場合であって、当該大当りBに基づく大当り遊技の終了後に、チャンスモードMBを設定する。CPU91は、電サポ状態である期間と、当該電サポ状態の終了に伴う非電サポ状態への移行後に4回の変動ゲームが終了するまでの期間とにおいて、チャンスモードMBを設定する。チャンスモードMBは、電サポ状態と非電サポ状態とに跨って設定され得る。チャンスモードMBは、所謂「初当り」が大当りBであるときに移行し得る演出モードである。初当りは、非電サポ状態における第1変動ゲームにおいて、大当りに当選することである。
CPU91は、役物大当り遊技の終了後に、特別モードMCを設定する。CPU91は、大当りA、大当りa、及び大当りbの何れかに当選した場合であって、これらの大当りに基づく大当り遊技の終了後に、特別モードMCを設定する。CPU91は、電サポ状態において大当りBに当選した場合であって、当該大当りBに基づく大当り遊技の終了後に特別モードMCを設定する。CPU91は、電サポ状態である期間と、当該電サポ状態の終了に伴う非電サポ状態への移行後に4回の変動ゲームが終了するまでの期間とにおいて、特別モードMCを設定する。特別モードMCは、電サポ状態と非電サポ状態とに跨って設定され得る。
複数の演出モード(モードMA~MC)は、表示演出装置19における表示画面を構成する要素のうち少なくとも一部の要素が異なる。遊技者は、1以上の要素の違いによって、複数の演出モードを互いに異なる演出モードとして認識し得る。一例として、表示画面を構成する要素は、画像表示領域19aにおける画面レイアウト、画像表示領域19aに表示する背景画像、及び演出図柄に施された装飾などである。以下、チャンスモードMBにおける画面レイアウトを説明する。
図10に示すように、表示演出装置19の画像表示領域19aには、通常表示領域Pと、複数の特定表示領域Q0~Q4と、が設定される。一例として、通常表示領域Pは、右打ち情報を表示するための領域P1、演出図柄を表示するための領域P2、及びキャラクタ等の装飾オブジェクトObを表示するための領域P3を含むとよい。
特定表示領域Q1は、保留数=0の第1変動ゲーム又は第2変動ゲームに対応する。保留数=0の変動ゲームは、実行中の変動ゲームである。特定表示領域Q1は、第2保留数=1の第2変動ゲームに対応する。特定表示領域Q2は、第2保留数=2の第2変動ゲームに対応する。特定表示領域Q3は、第2保留数=3の第2変動ゲームに対応する。特定表示領域Q4は、第2保留数=4の第2変動ゲームに対応する。第2保留数=1~4の第2変動ゲームは、保留中の第2変動ゲームである。
各特定表示領域Q0~Q4は、実行中又は保留中の変動ゲームを示すゲームアイコンIを表示するための領域Qaを含む。ゲームアイコンIは、特定画像の一例である。ゲームアイコンIが領域Qaに表示されることによって、当該領域Qaを含む特定表示領域に対応した変動ゲームの存在が報知される。ゲームアイコンIが領域Qaに表示されないことによって、当該領域Qaを含む特定表示領域に対応した変動ゲームの不存在が報知される。一例として、ゲームアイコンIは、実行中の変動ゲームを示す変動アイコンIC、又は保留中の変動ゲームを示す保留アイコンIcを含む。このように、表示演出装置19には、特定画像を表示するための領域として複数の特定表示領域があり、始動口への遊技球の入球を契機として変動ゲームの実行が保留された場合に、当該変動ゲームに対応させて特定表示領域に特定画像が表示され得るようになっている。
各特定表示領域Q0~Q4は、変動ゲームの実行順序又は保留順序を示す順序画像を表示するための領域Qbを含む。一例として、順序画像は、1~5のアラビア数字として表示される。各特定表示領域Q0~Q4は、変動ゲームの変動内容に関する情報の一例として、特定音画像を表示するための領域Qcを含む。一例として、特定音画像は、変動ゲームの変動内容として、楽曲リーチ演出のモチーフ楽曲を示す楽曲パネルMpとして表示され得る。一例として、楽曲パネルMpは、楽曲リーチ演出のモチーフとなり得る楽曲A~E,X,Yを識別可能な情報として、楽曲のタイトル(文字列)を含むとよい。これに限らず、楽曲パネルMpは、楽曲を識別可能な情報であれば、楽曲のタイトルを含むことに限らず、楽譜を含んでもよく、サビ部分の旋律のリズムを示す情報であってもよい。楽曲パネルMpは、楽曲のうち、楽曲A~E,X,Yとは異なる特殊楽曲を識別可能な情報を含む特殊楽曲パネルMpaを含む。
楽曲パネルMpは、保留中の変動ゲームの変動内容を事前判定した結果に基づいて表示される。つまり、楽曲パネルMpの表示は、所謂「先読み演出」の一つである。以下の説明では、楽曲パネルMpを表示する演出を「楽曲パネル演出」と示す。また、単に「楽曲〇パネル」と示す場合、「楽曲〇」を識別可能な情報を示す楽曲パネルMpを意味するものとする。例えば、楽曲AパネルMpは、楽曲Aを識別可能な情報を含むことによって、楽曲Aを示す。複数の特定表示領域のうち1又は複数の特定表示領域には、CPU81による判定結果に応じて、特定音を報知又は示唆する特定音画像が表示され得る。「特定音(一例として楽曲)を報知する」とは、対象となる特定音そのものを確定的に認識可能であることを意味し、「特定音(一例として楽曲)を示唆する」、対象となる特定音を確定的には認識できないが、特定音を推測できることを意味する。
各特定表示領域Q1~Q4には、保留中の変動ゲームに対応させて、特定画像の一例であるゲームアイコンIと、特定音画像の一例である楽曲パネルMpと、が表示される。つまり、楽曲パネルMpとゲームアイコンIとは、互いに対応付けて、又は互いに関連付けて表示されるともいえる。各特定表示領域Q0~Q4における特定画像及び特定音画像の表示態様は、各特定表示領域Q0~Q4の領域Qa,Qcにそれぞれ表示されることによって、互いに重ならないように離間し、かつ左右方向に沿って並ぶことに限定されない。
各特定表示領域Q0~Q4において、特定画像と特定音画像とは、一部が重なり合うように表示されてもよい。各特定表示領域Q0~Q4において、特定画像と特定音画像とは、全部が重なり合うように表示されてもよい。各特定表示領域Q0~Q4において、特定画像と特定音画像とは、一方の画像の全部が他方の画像に重なるが、他方の画像の一部のみが一方の画像と重なるように表示されてもよい。各特定表示領域Q0~Q4において、特定画像及び特定音画像は、互いに接するように表示されてもよい。各特定表示領域Q0~Q4において、特定画像及び特定音画像が並ぶ方向は、上下方向であってもよく、斜め方向であってもよい。
ここで、特定画像及び特定音画像は、何れの画像を優先度が高いレイヤに配置してもよい。また、特定画像及び特定音画像のうち、優先度が高いレイヤに配置された画像は、優先度が低いレイヤに配置された画像を視認できるように、半透明で表示されてもよい。また、特定画像及び特定音画像の表示態様は、特定表示領域Q0~Q4ごとに異なる態様であってもよい。特定表示領域Q0~Q4は、連続した1つの領域であることに限定されず、それぞれ複数の領域を組み合わせて構成されていてもよい。
第1演出処理について説明する。
第1演出処理は、楽曲パネル演出を実行させるための処理である。第1演出処理は、新たに変動ゲームの実行が保留されたときに実行される。CPU91は、第1始動口53Aへ遊技球が入球し、第1変動ゲームの実行が保留されると、第1保留数コマンド、及び先読みコマンドを入力する。CPU91は、第2始動口53Bへ遊技球が入球し、第2変動ゲームの実行が保留されると、第2保留数コマンド、及び先読みコマンドを入力する。
第1演出処理において、CPU91は、先読みコマンドに基づいて特定した第1変動ゲームの変動内容を示す情報(以下、ゲーム情報と示す)をRAM93に記憶させる。ゲーム情報は、当該ゲーム情報に対応する変動ゲームの変動内容として、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、特別図柄、及び変動パターンを特定可能である。CPU91は、ゲーム情報を記憶させると、当該ゲーム情報に対応する第1変動ゲームが終了する迄の間、RAM93に記憶させておく。CPU91は、RAM93に記憶されているゲーム情報を参照することによって、保留中である全ての第1変動ゲームの変動内容を特定可能である。ゲーム情報は、先読みコマンドの値そのものであってもよいし、先読みコマンドに基づいて生成する情報であってもよい。
第1演出処理において、CPU91は、先読みコマンドに基づいて特定した第2変動ゲームの変動内容を示すゲーム情報をRAM93に記憶させる。CPU91は、ゲーム情報を記憶させると、当該ゲーム情報に対応する第2変動ゲームが終了する迄の間、RAM93に記憶させておく。CPU91は、RAM93に記憶されているゲーム情報を参照することによって、保留中である全ての第2変動ゲームの変動内容を特定可能である。このように、CPU91は、保留中の変動ゲームの内容として、特定のリーチ演出の一例である楽曲リーチ演出を含むかを事前に判定可能である。CPU81は、保留中の変動ゲームの内容を事前に判定可能な事前判定手段の一例である。
CPU91は、先読みコマンドに基づいて、変動パターンH04を特定可能である場合に、楽曲A~Eのうち何れかを示す楽曲パネルMpを、所定の乱数を用いた抽選によって決定する。CPU91は、先読みコマンドに基づいて、変動パターンH05~H09の何れかを特定可能である場合に、変動パターンに特定される楽曲リーチ演出のモチーフ楽曲を示す楽曲パネルMpを決定する。CPU91は、先読みコマンドに基づいて、変動パターンH10を特定可能である場合に、楽曲X又は楽曲Yを識別可能な情報を含む楽曲パネルMpを決定する。一例として、楽曲X又は楽曲Yを識別可能な情報は、「楽曲選択?」の文字列のように、変動内容として楽曲を選択可能であることを示す情報であるとよい。
CPU91は、第1演出処理における決定結果を特定可能な情報をRAM93に記憶させる。一例として、CPU91は、ゲーム情報と対応付けて、楽曲パネルMpの種類を示す情報(以下、楽曲パネルフラグと示す)をRAM93に記憶させる。CPU91は、楽曲パネルフラグを参照することによって、保留中又は実行中の変動ゲームごとに、つまり、ゲームアイコンIごとに、当該ゲームアイコンIに対応させて表示すべき楽曲パネルMpの種類(表示態様)を特定できる。そして、CPU91は、特定表示領域Q1~Q4のうち、第2保留数コマンドに示される第2保留数に対応する領域に、ゲームアイコンIとしての保留アイコンIcと、楽曲パネルMpとを表示するように、表示演出装置19を制御する。
第2演出処理について説明する。
第2演出処理は、楽曲パネル演出を実行させるための処理である。第2演出処理は、変動開始コマンドの入力を契機として実行される。第2演出処理において、CPU91は、楽曲パネルフラグ等の各種情報に基づいて表示演出装置19を制御し、各特定表示領域Q0~Q4における各種画像の表示態様を制御する。
ゲームアイコンIを移動表示(シフト表示)させるための処理について説明する。CPU91は、変動開始コマンドを入力すると、特定表示領域Qnに表示されている保留アイコンIc及び楽曲パネルMpが特定表示領域Qn-1へ移動するように、表示演出装置19を制御する。CPU91は、特定表示領域Q1に表示されている保留アイコンIc及び楽曲パネルMpが、変動アイコンIC及び楽曲パネルMpとして、特定表示領域Q0へ移動するように、表示演出装置19を制御する。
そして、CPU91は、上述した演出ゲーム処理によって、変動パターンに応じた変動内容にて演出ゲームを実行させる。
一例として、CPU91は、変動パターンH04が選択されている場合に、発展煽り演出を経て失敗情報を表示するように、表示演出装置19を制御する。この場合に、CPU91は、第2保留数=0のゲーム情報に対応付けられた楽曲パネルフラグを参照し、楽曲パネルMpの種類を特定する。CPU91は、特定した楽曲パネルMpが示す楽曲に対応した楽曲リーチ演出を、発展煽り演出における煽り対象とする楽曲リーチ演出として設定する。そして、CPU91は、設定した煽り対象に応じた内容にて発展煽り演出が実行されるように、表示演出装置19を制御する。
例えば、楽曲AパネルMpが特定表示領域Q0に表示される場合に、楽曲Aリーチ演出を煽り対象として発展煽り演出が実行され得る。楽曲BパネルMpが特定表示領域Q0に表示される場合に、楽曲Bリーチ演出を煽り対象として発展煽り演出が実行され得る。楽曲CパネルMpが特定表示領域Q0に表示される場合に、楽曲Cリーチ演出を煽り対象として発展煽り演出が実行され得る。楽曲DパネルMpが特定表示領域Q0に表示される場合に、楽曲Dリーチ演出を煽り対象として発展煽り演出が実行され得る。楽曲EパネルMpが特定表示領域Q0に表示されるとき、楽曲Eリーチ演出を煽り対象として発展煽り演出が実行され得る。CPU91は、楽曲パネルMpの楽曲を示す楽曲識別音を出力するように、音声演出装置17を制御する。
一例として、CPU91は、変動パターンH05~H09の何れかが選択されている場合に、選択されている変動パターンに応じた内容の楽曲リーチ演出を実行するように、音声演出装置17及び表示演出装置19を制御する。CPU91は、変動パターンH05が選択されている場合に、発展煽り演出→発展情報の表示→楽曲Aリーチ演出の順に行われるように、音声演出装置17及び表示演出装置19を制御する。CPU91は、変動パターンH06が選択されている場合に、発展煽り演出→発展情報の表示→楽曲Bリーチ演出の順に行われるように、音声演出装置17及び表示演出装置19を制御する。CPU91は、変動パターンH07が選択されている場合に、発展煽り演出→発展情報の表示→楽曲Cリーチ演出の順に行われるように、音声演出装置17及び表示演出装置19を制御する。CPU91は、変動パターンH08が選択されている場合に、発展煽り演出→発展情報の表示→楽曲Dリーチ演出の順に行われるように、音声演出装置17及び表示演出装置19を制御する。CPU91は、変動パターンH09が選択されている場合に、発展煽り演出→発展情報の表示→楽曲Eリーチ演出の順に行われるように、音声演出装置17及び表示演出装置19を制御する。
CPU91は、変動パターンH10が選択されている場合に、楽曲選択演出→発展情報の表示→楽曲Xリーチ演出又は楽曲Yリーチ演出の順に行われるように、音声演出装置17及び表示演出装置19を制御する。楽曲選択演出の実行期間中、CPU91は、演出操作部16の操作を受付け可能な操作受付期間を設定する。操作受付期間中、CPU91は、演出操作部16から操作信号を入力するごとに、仮選択された楽曲リーチ演出を切り替える。CPU91は、操作信号を入力する前の初期状態では、楽曲Xリーチ演出を仮選択するとよい。CPU91は、操作受付期間が満了すると、CPU91は、その時点において仮選択されている楽曲リーチ演出の選択を確定する。その後、CPU91は、楽曲Xリーチ演出及び楽曲Yリーチ演出のうち、楽曲選択演出を経て選択された楽曲リーチ演出を実行するように、音声演出装置17及び表示演出装置19を制御する。
例えば、CPU91は、変動パターンH11が選択されている場合に、特殊当り演出が行われるように、音声演出装置17及び表示演出装置19を制御する。CPU91は、特殊当り演出を実行する場合に、リーチを形成することなく、大当りの図柄組み合わせを表示するように、表示演出装置19を制御する。特殊当り演出の実行中、CPU91は、特殊楽曲が出力されるように、音声演出装置17を制御する。
演出ゲームの具体的な実行態様の一例について説明する。
図11(a)~(h)は、次のような状況を示す。大当りBに基づく図柄大当り遊技の終了後であることによって、チャンスモードMBが設定されている。大当り遊技の終了後における1回目の変動ゲームの実行中、4回の第2変動ゲームが保留されている。第1変動ゲームは、保留されていない。1回目の変動ゲームの変動パターンは、変動パターンH04である。1回目の変動ゲームに対応する楽曲パネルMpは、煽り対象として楽曲Cリーチ演出が決定されている。2回目の変動ゲームの変動パターンは、変動パターンH05と事前判定されている。以降、3回目から5回目までの各変動ゲームの変動パターンは、それぞれ、変動パターンH10、変動パターンH09、及び変動パターンH06である。
図11(a)に示すように、1回目の変動ゲームの実行中、各特定表示領域Q0~Q4の領域Qaには、それぞれゲームアイコンIが表示される。また、各特定表示領域Q0~Q4の領域Qcには、それぞれ、「楽曲C」、「楽曲A」、「楽曲X又は楽曲Y」、「楽曲E」、及び「楽曲B」を示す楽曲パネルMpが表示される。また、音声演出装置17では、特定音及び通常音とは異なる通常変動音が出力されている。
図11(b)に示すように、表示演出装置19では、変動パターンH04が選択されていることに基づいて、楽曲Cリーチ演出を煽り対象とした発展煽り演出が行われる。音声演出装置17では、楽曲Cを識別可能な楽曲識別音が出力される。図11(c)に示すように、表示演出装置19では、失敗情報の表示が行われる。音声演出装置17では、残念音が出力される。その後、図11(d)に示すように、表示演出装置19では、失敗情報の表示が終了する。表示演出装置19では、はずれの図柄組み合わせの停止表示が行われる。
図11(e)に示すように、2回目の変動ゲームの開始に伴って、各特定表示領域Q1~Q4では、ゲームアイコンI及び楽曲パネルMpのシフト表示が行われる。これにより、各特定表示領域Q0~Q3には、ゲームアイコンIとともに、それぞれ、「楽曲A」、「楽曲X又は楽曲Y」、「楽曲E」、及び「楽曲B」を示す楽曲パネルMpが表示される。なお、特定表示領域Q4には、対応する保留中の第2変動ゲームが存在しないため、ゲームアイコンI及び楽曲パネルMpが表示されない。
図11(f)に示すように、表示演出装置19では、変動パターンH05が選択されていることに基づいて、楽曲Aリーチ演出を煽り対象とした発展煽り演出が行われる。音声演出装置17では、楽曲Aを識別可能な楽曲識別音が出力される。図11(g)に示すように、表示演出装置19では、変動パターンH05が選択されていることに基づいて、発展情報の表示が行われる。音声演出装置17では、祝福音が出力される。その後、図11(h)に示すように、表示演出装置19では、楽曲Aリーチ演出が表示される。音声演出装置17では、楽曲Aが出力される。2回目の変動ゲームにおいて、表示演出装置19では、最終的に、はずれ、小当り、又は大当りの図柄組み合わせが表示される。
このように、楽曲パネルMpが表示された後に、予め定めた発動条件が成立すると、音声演出装置17における音の出力状況は、当該楽曲パネルMpによって報知又は示唆される特定音が出力されている出力状況に変更され得る。特定のリーチ演出が開始されることは、予め定めた発動条件の一例である。つまり、発動条件は、特定のリーチ演出の開始時に成立し得る。そして、変動ゲームは、特定のリーチ演出の一例として楽曲リーチ演出を含むときがあり、特定のリーチ演出は、特定音の出力を伴う演出であるといえる。
チャンスモードMBは、複数の変動ゲームにわたって設定される。よって、チャンスモードMBにおける複数回の変動ゲームでは、特定音の一例である1種類以上の楽曲が複数の変動ゲームにおいて出力され得る。つまり、音出力手段の一例である音声演出装置17は、1種類以上の特定音を複数の変動ゲームにおいて出力する特定モード演出を実行可能である。チャンスモードMBは、特定モード演出の一例である。そして、特定音画像の一例である楽曲パネルMpは、特定モード演出の実行中に表示され得る。別の観点によれば、楽曲パネルMpは、遊技状態のうち少なくとも第2遊技状態の一例である電サポ状態において表示され得るといえる。音声演出装置17では、変動ゲームの実行中に、楽曲リーチ演出における楽曲A~E,X,Yとは異なる楽曲識別音を出力可能である。楽曲リーチ演出において楽曲A~E,X,Yの何れかが出力されるときには、楽曲識別音だけが出力される場合に比べて、特典が付与される期待度が高い。
ここで、2回目の変動ゲームの実行中に、可動部動作エラーが設定されたとする。
図11(f)に示すように、表示演出装置19では、可動部動作エラー情報の一例として、「可動部チェック」の文字列がエラー画像Egとして表示される。これにより、パチンコ遊技機10の管理者、及び遊技者は、可動演出装置(不図示)に不具合が発生していることを認識し得る。一方、音声演出装置17では、楽曲Aを識別可能な楽曲識別音の出力が継続される。音声演出装置17では、祝福音の出力が継続される。音声演出装置17では、特定音の一例である楽曲Aの出力が継続される。
選択型の楽曲リーチ演出が実行される場合の一例について説明する。
図8において(a)→(b)の順に示すように、変動パターンH10が選択された場合、表示演出装置19では、楽曲選択演出が実行される。音声演出装置17では、楽曲選択演出における楽曲の仮選択にあわせて、仮選択中の楽曲を示す仮選択報知音が出力される。図8において(c)→(d)の順に示すように、演出操作部16の操作によって楽曲Xが仮選択されて、又は初期状態の仮選択のまま、当該楽曲Xの選択が確定された場合に、表示演出装置19では、楽曲Xリーチ演出が行われる。音声演出装置17では、楽曲Xが出力される。一方、図8において(e)→(f)に示すように、演出操作部16の操作によって楽曲Yが仮選択されて、当該楽曲Yの選択が確定された場合に、表示演出装置19では、楽曲Yリーチ演出が行われる。音声演出装置17では、楽曲Yが出力される。
このように、音声演出装置17における音の出力状況は、演出操作部16の操作に応じて変更可能である。そして、特定音の一例である楽曲は、演出操作部16が操作されたときには楽曲Yとして出力され、演出操作部16が操作されなかった場合には楽曲Xとして出力され得る。楽曲Yが出力されることは、第1態様により楽曲が出力されることの一例である。楽曲Xが出力されることは、第2態様により楽曲が出力されることの一例である。
次に、特殊当り演出が実行される特殊状況について説明する。
図12(a)~(f)は、次のような状況を示す。1回目の変動ゲームの実行中、大当りの第1変動ゲームが保留されており、かつ、第2変動ゲームが保留されていない。その他の状況は、図11で説明した状況と同じである。つまり、図12は、電サポ状態において、当りの第1特別ゲームが実行されるといった特殊状況が発生する場面である。図12(a)~(d)に示すように、1回目の変動ゲームでは、楽曲CパネルMpが表示されるとともに、図11で説明した態様と同じ態様にて演出が進行される。
図12(e)に示すように、2回目の変動ゲーム(第2変動ゲーム)が開始されると、表示演出装置19では、特定表示領域Q0では、楽曲CパネルMpが消去されるとともに、代わりに、特殊楽曲パネルMpaが表示される。特定表示領域Q0では、1回目の変動ゲームに対応したゲームアイコンIが消去されるとともに、代わりに、2回目の変動ゲームに対応するゲームアイコンIが表示される。
図12(f)に示すように、表示演出装置19では、大当りであることを報知する情報(以下、大当り報知情報と示す)が表示される。一例として、大当り報知情報は、「おめでとう!大当り!」などの文字列であるとよい。特殊当り演出の実行中、音声演出装置17では、特殊楽曲が出力される。このように、特定音画像の一例である楽曲パネルMpが表示されているときに特殊状況が発生すると、音声演出装置17における音の出力状況は、当該楽曲パネルMpによって報知又は示唆された楽曲ではなく、特殊楽曲が出力されている出力状況に変更される。上述のように、変動ゲームは、第1始動口53Aへの遊技球の入球を契機として保留可能な第1変動ゲームと、第2始動口53Bへの遊技球の入球を契機として保留可能な第2変動ゲームと、を含む。第2変動ゲームは、第1変動ゲームに比べて優先的に実行される。そして、特殊状況の一例は、第2変動ゲームが保留されていないことによって第1変動ゲームが実行され得る状況である。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)保留中の変動ゲームに対応するゲームアイコンIに対応させて、楽曲を報知又は示唆する楽曲パネルMpが表示され得る。そして、楽曲パネルMpが表示された後に発動条件が成立すると、楽曲パネルMpによって報知又は示唆される楽曲が出力されている出力状況に変更され得る。よって、遊技者は、楽曲パネルMpが表示された状況から、将来の音の出力状況の変化を想像することによって、発動条件が成立するタイミングまで期待感を持ち続けることができる。特に「音」は、変動ゲームの実行に伴って連続的に、又は、断続的に出力され続けるものであるから、遊技者は、一連の流れとして音の出力状況を把握する。そのところ、遊技者は、そのような流れの変化を事前に把握することができるから、遊技者の興趣が向上できる。
(2)楽曲パネルMpの表示によって、特定のリーチ演出ではなく、特定のリーチ演出に含まれる楽曲そのものをダイレクトに報知又は示唆できるから、楽曲パネルMpが表示されたときの興趣をさらに高めることができる。
(3)楽曲パネルMpによって報知又は示唆される楽曲の種類によって、特典が付与される期待度が異なる。よって、楽曲パネルMpが表示されたときの興趣の起伏を大きくし、メリハリのある遊技を提供できる。
(4)1種類以上の楽曲を複数の変動ゲームに跨って出力するチャンスモードMBにおいて、楽曲パネルMpが表示され得る。よって、楽曲が出力される流れの中で、将来において出力され得る楽曲を報知又は示唆することができる。
(5)音声演出装置17では、楽曲とは異なる楽曲識別音を出力可能である。そして、楽曲が出力された場合には、楽曲識別音が出力されたときと比べて、特典が付与される期待度が高い。このため、これらの音の違いによって、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
(6)楽曲Eが出力される場合は、楽曲A~Dが出力されるときと比べて、特典が付与される期待度が高い。遊技者は、実際に楽曲が出力されるときだけでなく、楽曲パネルMpにて報知又は示唆されたときから期待度を認識できる。よって、変動ゲームが保留されてから実行されるまで、期待感を維持できる。
(7)所定のエラー(一例として未接続エラー及び可動部動作エラー)が検知され、所定のエラーに対応するエラー画像が表示されても、音声演出装置17では、楽曲の出力が継続され得る。よって、所定のエラーによっては、楽曲の出力が中断されず、遊技者の興趣の低下を抑制できる。
(8)演出操作部16の操作によって、音声演出装置17における特定音としての楽曲の出力状況を変更し得る。よって、遊技者は、好みの楽曲の出力状況による演出を積極的に楽しむことができる。
(9)楽曲は、演出操作部16が操作されたときと、操作されなかったときとで、異なる態様にて出力される。よって、遊技者は、好みの態様となるように、演出操作部16の操作をすることができる。
(10)所定のエラー(一例として未接続エラー及び可動部動作エラー)であれば、楽曲の出力が継続されるが、特定のエラー(一例として不正電波エラー及び扉開放エラー)であれば、楽曲の出力が制限される。したがって、エラーの種別(重要度)に応じて、楽曲の出力を調整することによって、効果的にエラー報知を行うことができる。
(11)楽曲パネルMpが表示されているときに特殊状況が発生すると、音声演出装置17における音の出力状況は、楽曲パネルMpによって報知又は示唆された楽曲ではなく、特殊楽曲が出力されている出力状況に変更される。したがって、特殊状況が発生したことを、より特別なものとして、遊技者に認識させることができる。
(12)第2変動ゲームが第1変動ゲームに比べて優先的に実行される前提のもと、特殊状況は、第2変動ゲームが保留されていないことによって第1変動ゲームが実行され得る状況である。例えば、遊技者が第1変動ゲームの実行を好ましく思わないときであっても、特殊楽曲の出力によって、興趣の低下を抑制できる。
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、発動条件は、特定のリーチ演出の開始によって成立したが、これに限らない。発動条件は、楽曲パネルMpが対応付けられた変動ゲームよりも先に保留された変動ゲームが開始されることであってもよい。発動条件は、楽曲パネルMpが対応付けられた変動ゲームが開始される前に、新たな変動ゲームが保留されることであってもよい。つまり、発動条件は、特定のリーチ演出を含む変動ゲームの開始前に成立する条件であってもよい。
発動条件は、楽曲パネルMpが対応付けられた変動ゲームの開始によって成立してもよい。発動条件は、楽曲パネルMpが対応付けられた変動ゲームにおいて、一部である特定列の演出図柄が停止表示されることで成立してもよい。つまり、発動条件は、特定のリーチ演出を含む変動ゲームの開始時から、特定のリーチ演出の開始時までの間に成立する条件であってもよい。
発動条件は、楽曲パネルMpが対応付けられた変動ゲームにおいて、リーチが形成されることで成立してもよい。発動条件は、特定のリーチ演出が開始してから、所定のタイミングが到来することで成立してもよい。つまり、発動条件は、特定のリーチ演出の実行中に成立する条件であってもよい。
・チャンスモードMBにおける複数回の変動ゲームでは、特定音の一例である1種類以上の楽曲が複数の変動ゲームに跨って出力されてもよい。つまり、音出力手段の一例である音声演出装置17は、1種類以上の特定音を複数の変動ゲームに跨って出力する特定モード演出を実行可能であるとよい。一例として、CPU91は、チャンスモードMBが開始されると、楽曲A~Eのうち、抽選によってランダムに選択された楽曲を初期楽曲として、音声演出装置17から出力させる。CPU91は、はずれの楽曲リーチ演出を実行させた場合に、当該楽曲リーチ演出のモチーフ楽曲を、チャンスモードMBにおける次回以降の変動ゲームにおいても、音声演出装置17から出力させるとよい。本変更例によれば、楽曲リーチ演出が実行されるまでは、所定の楽曲が複数回の変動ゲームに跨って出力され得る。遊技者は、楽曲の出力を、連続性をもって捉え易くなるから、楽曲の変化、及び楽曲パネルMpの表示による興趣の向上を促進できる。
・チャンスモードMBでは、新たな変動ゲームが保留された場合に、当該変動ゲームに対応させて楽曲パネルMpが必ず表示された。これに限らず、CPU91は、抽選によって楽曲パネルMpを表示するか否かを決定し、楽曲パネルMpの表示に当選したときにだけ、新たな変動ゲームに対応させて楽曲パネルMpを表示させてもよい。また、CPU91は、楽曲パネルMpの表示に当選した場合であっても、ゲームアイコンIのみを表示させ、新たに変動ゲームが実行されるときに、当選した楽曲パネルMpの表示を開始させてもよい。
・特定音の一例である楽曲の出力は、変動ゲームの実行中にのみ行われることに限定されない。一例として、CPU91は、大当り又は小当りとなる楽曲リーチ演出を実行させたとする。この場合に、CPU91は、楽曲リーチ演出のモチーフ楽曲を、変動ゲームの終了後における小当り遊技又は大当り遊技において継続して出力するように、音声演出装置17を制御してもよい。また、特定音は、小当り又は大当りの変動ゲームの実行中に行わず、当該変動ゲームの終了後における小当り遊技又は大当り遊技において出力されてもよい。つまり、特定音の出力は、大当り遊技又は小当り遊技における当り演出として実行されてもよい。
・表示演出装置19において、所定のエラー画像Eg及び特定のエラー画像Egは、特定表示領域Q0~Q4と重ならない位置に表示することに限定されない。所定のエラー画像Egは、特定表示領域Q0~Q4と重なる位置において、特定表示領域Q0~Q4の一部又は全部を覆うように表示されてもよい。特定のエラー画像Egは、特定表示領域Q0~Q4と重なる位置において、特定表示領域Q0~Q4の一部又は全部を覆うように表示されてもよい。つまり、所定のエラー画像Eg及び特定のエラー画像Egのうち少なくとも一方が表示されている場合に、特定音画像の表示の一部又は全部が制限され得てもよい。
・変動ゲームの実行順序は、第2変動ゲームが第1変動ゲームに優先して実行されることに限定されない。変動ゲームは、実行が保留された順序、つまり始動口に入賞した順序に従って実行されてもよい。本変更例によれば、初当りとしての「大当りB」を経由して移行するチャンスモードMBでは、第2変動ゲームよりも、非電サポ状態において保留されていた1又は複数の第1変動ゲームが実行される可能性が高い。つまり、電サポ状態へ移行してから新たに保留された第2変動ゲームについて、ゲームアイコンI及び楽曲パネルMpが表示されたとしても、保留済みであった第1変動ゲームが全て終了するまでは、第2変動ゲームが実行されない。本変更例において、チャンスモードMBにおいて、第1変動ゲームが実行される状況は、特殊状況の一例である。特殊状況において、第1変動ゲームは、楽曲パネルMpによって報知又は示唆されている楽曲が出力されず、リーチ演出を経ない特殊当り演出の実行により、特殊楽曲の出力が行われる。よって、遊技者に驚きを与え、興趣を向上させることができる。
・楽曲パネルMpは、通常モードMA、チャンスモードMB、及び特別モードMCのうち、任意に選択できる1つ又は複数の演出モードにおいて表示可能であればよい。例えば、チャンスモードMBにおける画面レイアウトは、通常モードMAにも適用できる。そして、通常モードMAにおいて、特定表示領域Q0~Q4には、第1変動ゲームに対応させてゲームアイコンIが表示されるとよい。そして、楽曲パネルMpは、通常モードMAにおいて表示することもできる。
本変更例において、特殊当りの変動パターンH11は、非電サポ状態であって、かつ電サポ状態が終了してから4回の変動ゲームの終了後における当りの第2変動ゲームでのみ選択できるようにするとよい。上述のように、第2変動ゲームは、第1変動ゲームに優先して実行される。したがって、通常モードMAの設定中、1以上の第1変動ゲームが保留されている状況であっても、新たに第2変動ゲームが保留された場合には、当該第2変動ゲームが他の第1変動ゲームの実行前に割り込むように実行される。このとき、第2変動ゲームは、変動パターンH11に基づいて、特殊楽曲の出力を伴う特殊当りの変動内容となる。よって、遊技者に驚きを与え、興趣の向上を図り得る。本変更例において、特殊状況は、ある特定表示領域にゲームアイコンIと楽曲パネルMpとが表示されており、かつ、当該ゲームアイコンIに対応する変動ゲームよりも先に保留された変動ゲームの中に当り内容の変動ゲームが含まれている状況であるといえる。
・ゲームアイコンIの表示態様は、保留中の変動ゲームの変動内容を事前判定した結果に基づいて変化させてもよい。また、楽曲パネルMpの表示態様は、対応する変動ゲームが終了する迄の間にわたって変化しないことに限定されず、保留中の変動ゲームの変動内容を事前判定した結果に基づいて変化してもよい。また、ゲームアイコンI及び楽曲パネルMpは、対応する変動ゲームの実行中に変化してもよい。
・選択型の楽曲リーチ演出は、楽曲を選択できることに限定されない。一例として、選択型の楽曲リーチ演出は、楽曲の出力態様として、アレンジの有無、歌唱の有無、及び音量の有無のうち1つ又は複数を選択できるとよい。一例として、選択型の楽曲リーチ演出は、演出操作部16の操作がされた場合には、歌唱を伴う楽曲を出力する一方、演出操作部16の操作がされなかった場合には、歌唱を省略した楽曲を出力するように構成されてもよい。
・パチンコ遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、遊技球が特定領域36を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。高確率状態は、低確率状態と比べて、大当り確率が高確率に変動する状態である。この場合に、高確率状態は、特典の一例といえる。
・パチンコ遊技機10は、通常の遊技状態と比べて、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
・パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
・CPU81、ROM82、RAM83、及び乱数生成回路84は、ワンチップに構成されていてもよい。
・遊技盤ユニット20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
・副制御基板90をサブ統括制御基板とし、副制御基板90とは別に表示演出装置19を専門に制御する表示制御基板、発光演出装置18を専門に制御する発光制御基板、音声演出装置17を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板にCPU81、及びCPU91を搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。