JP7476536B2 - 粉粒体回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体の液面に浮遊する粉粒体と、同液体中で沈降する粉粒体とを含有するスラリー状物質から粉粒体を回収するための粉粒体回収装置に関する。
一般に、石炭等の粒状体を取り扱う設備(例えば、火力発電設備等)においては、その搬送にベルトコンベアが多用されている。
そして、このような粒状体には、通常粒径がより小さい粉粒体が含まれている。このような粉粒体も利用価値のある資源の一部であるため、搬送設備等に付着した粉粒体は、例えば水等の液体により洗浄した後に回収して再利用されている。
また、上記粉粒体は、水等の液体に混合された場合、流動性を有するスラリー状物質となる。このスラリー状物質は、沈殿槽等で静置することで液体の一部を上澄み液として分離させることができるため、粉粒体を回収することができる。
上述のようなスラリー状物質から粉粒体を沈降分離する装置の先願としては、例えば下記のようなものが知られている。
特許文献1には「固液分離装置、固液分離方法および無灰炭の製造方法」という名称で、重力沈降法と濾過法とを組み合わせて採用した重力沈降-濾過併用式固液分離装置および固液分離方法に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明である「固液分離装置」は、スラリー中の固形分を沈降させて上澄み液と固形分濃縮液とを分離する固液分離装置であり、スラリーを収容して固形分を沈降させる沈降槽と、この沈降槽内の上澄み液を流入させる開口部を有し、流入した上澄み液を沈降槽外に排出させる上澄み液排出管と、この上澄み液排出管の開口部に設置され、上澄み液中の固形分を捕捉するフィルタであって、固形分捕捉面がスラリー液面に対向し、かつ水平面に対して傾斜するように配置されたフィルタと、このフィルタの下端に配置された固形分受け部材とを備えてなるものである。
上記構成の特許文献1に開示される固液分離装置によれば、フィルタの長寿命化を達成する重力沈降-濾過併用式の固液分離装置を提供することができる。
特許文献2には「沈殿池におけるスラリー処理装置」という名称で、粉粒状鉄鉱石、石炭、その他の粉粒体のスラリーを沈殿池の全域に、均一に貯蔵させるための装置に関する考案が開示されている。
特許文献2に開示される考案である「沈殿池におけるスラリー処理装置」は、粉粒状鉄鉱石、石炭、その他の粉粒体のスラリーを貯蔵する沈殿池の一側に設けた支柱に、上面にスラリー分配管を固設したフロートを水平動及び上下摺動可能に装着した単位装置を上記沈殿池に一つあるいは二つ設けてなることを特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に開示される考案によれば、粉粒体のスラリーを沈殿池に供給する際に、沈殿池上に浮遊し、かつその上面にスラリー分配管が固設されたフロートを水平方向に移動させることで、沈殿池の全域に粉粒体のスラリーを散布することができる。
特許文献3にも同じく「沈殿池におけるスラリー処理装置」という名称で、粉粒状鉄鉱石、石炭、その他の粉粒体のスラリーを沈殿池の全域に、均一に貯蔵させるための装置に関する考案が開示されている。
特許文献3に開示される考案である「沈殿池におけるスラリー処理装置」は、粉粒状鉄鉱石、石炭、その他の粉粒体のスラリーを貯蔵する円形の沈殿池において、この沈殿池の中央に支柱を設け、この支柱に複数個の放射状のフロートを旋回可能かつ上下摺動可能に設け、このフロート上にドーナツ状のスラリー受箱と連通するスラリー分配管をそれぞれ設け、上記支柱の上部に、上記スラリー受け箱に、スラリーを供給するスラリー供給箱をスラリー供給管と連通せしめて設け、上記フロート及び分配管を旋回せしめる装置を設けてなるものである。
上記構成の特許文献3に開示される考案によれば、粉粒体のスラリーを沈殿池に供給する際に、沈殿池上に浮遊し、かつその上面にスラリー分配管が載置されたフロートが沈殿池上を回転することで、沈殿池の全域に粉粒体のスラリーを散布することができる。
特開2009-214000号公報 実全昭48-86462号公報 実全昭48-76247号公報
石炭の粉粒体を含有するスラリー状物質から粉粒体を沈降分離する装置では、上述の特許文献1に開示されるように、スラリー状物質を供給する送給配管の排出口を沈殿槽内の液面下に水封することが一般的である。
上述のようにスラリー状物質を供給する送給配管の排出口が、沈殿槽内の液面下に水封される場合で、かつポンプ等を利用してスラリー状物質が連続的に圧送される場合は、送給配管が閉塞するリスクはさほど高くないと考えられる。
その一方で、特許文献1に開示されるような装置において、送給配管中を流動するスラリー状物質が例えば、液体に浮遊する粉粒体と、同液体中で沈降する粉粒体の両者を含有しており、かつこのようなスラリー状物質がポンプ等によらず重力を利用して送給配管に間欠的に送給されるような場合は、送給配管の排出口で閉塞が起こり易いという課題があった。
この点をより具体的に説明すると、スラリー状物質を送給する送給配管の排出口が沈殿槽内の液体中に水封されている場合、沈殿槽内の液体が送給配管内に浸入して、その液面が送給配管内に存在することになる。
この場合、スラリー状物質は、送給配管の上流側から流下してきて排出口に到達する前に、送給配管内に存在する液面と衝突することになる。
このとき、送給配管内を流下するスラリー状物質の運動エネルギーが、送給配管内に存在する液面との衝突により緩衝されることで、スラリー状物質中に含有されている液体に浮遊する粉粒体の一部が送給配管内の液面に浮遊して、排出口から排出されることなく滞留する。
さらに、送給配管にスラリー状物質が間欠的に供給される場合、スラリー状物質を構成する粉粒体の性質によっては、送給配管にスラリー状物質が供給されない間に、送給配管内の液面に滞留する粉粒体の一部が送給配管内に固着してしまう。
この場合、送給配管の排出口近傍において固着した粉粒体により次第に送給配管が狭まっていき、最終的に送給配管の閉塞が起きていた。
これに対して、特許文献2,3に開示される考案では、スラリー状物質を送給する送給配管の排出口が沈殿槽(沈殿池)の水面上に配置されている。このため、特許文献2,3を参照する場合は、特許文献1に開示される発明の場合のような送給配管の排出口近傍における閉塞は生じ難いと考えられる。
その一方で、特許文献2,3に開示される考案では、沈殿槽(沈殿池)の水面と略平行にスラリー状物質の送給配管が配設されている。このため、特許文献2,3に開示される考案において、送給配管中を流動するスラリー状物質が例えば、液体に浮遊する粉粒体と、同液体中で沈降する粉粒体の両者を含有しており、かつこのようなスラリー状物質がポンプ等によらず重力を利用して送給配管に間欠的に送給されるような場合は、送給配管内をスラリー状物質が流動する際に、送給配管内において液体中で沈降する粉粒体の残存が起こり、最終的に送給配管の閉塞が起こる懸念があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、送給配管中を流動するスラリー状物質が、液体に浮遊するする粉粒体と、同液体中で沈降する粉粒体の両者を含有し、かつこのようなスラリー状物質を間欠的に送給して沈殿槽においてスラリー状物質中の粉粒体を回収する場合に、送給配管の排出口近傍において閉塞が起こり難い粉粒体回収装置を提供することである。
さらに、本発明は上記目的に加えて、沈殿槽の外にスラリー状物質が飛散又は付着し難い粉粒体回収装置を提供すことである。
上記課題を解決するための第1の発明である粉粒体回収装置は、液体と粉粒体とを少なくとも含有してなるスラリー状物質から粉粒体を回収するための装置であって、上部に開口を有する中空容器体からなり、その中空部内にスラリー状物質を収容し、このスラリー状物質から分離した液体を排出する排出部を備えている沈殿槽と、この沈殿槽の開口上において、水平方向に対する角度θが45度以上になるように配置されている領域を有し、スラリー状物質を沈殿槽に送給する送給配管と、を備え、スラリー状物質を構成する粉粒体は、液体の液面に浮遊する第1の粉粒体と、同液体中で沈降する第2の粉粒体とを含有し、送給配管の排出口と、沈殿槽の排出部から液体が溢れ出ている時の液面(以下、この液面を「基準液面P」という。)の間は空隙Hを有していることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、沈殿槽はその中空部内にスラリー状物質を収容するという作用を有する。さらに、沈殿槽の排出部は、沈殿槽の中空部内に収容されたスラリー状物質から分離した液体を、沈殿槽の外に排出するという作用を有する。また、送給配管は、沈殿槽の開口上において、水平方向に対する角度θが45度以上に設定されていることで、送給配管内を流動するスラリー状物質を重力により付勢するという作用を有する。これにより、送給配管内を流動するスラリー状物質を、送給配管内に滞留させることなく沈殿槽にスムーズに送給するという作用を有する。
さらに、第1の発明では、送給配管の排出口と、沈殿槽における基準液面Pとの間に空隙Hを有していることで、送給配管内に沈殿槽内の液面が存在しない状態にするという作用を有する。これにより、送給配管から沈殿槽にスラリー状物質が送給された際に、スラリー状物質中の第1の粉粒体(液体の水面に浮遊する粉粒体)は、送給配管内に滞留することなく沈殿槽の液面に分散する。この結果、送給配管から導出されたスラリー状物質中の第1の粉粒体が送給配管内に付着するのを妨げるという作用を有する。
第2の発明である粉粒体回収装置は、上述の第1の発明において、排出部の最下位置と送給配管の排出口の下端位置のエレベーションの差をLとすると、空隙Hとエレベーションの差Lの関係は、
0<H<L
であることを特徴とするものである。
上述の第1の発明における基準液面Pは、スラリー状物質の性質(スラリー状物質の粘性や、スラリー状物質中の液体及び/又は粉粒体を構成する分子の極性等)や、送給配管から送給されるスラリー状物質の量などにより変動するため、一様でない。
また、基準液面Pが常時、排出部の最下位置よりもやや鉛直上方側に位置しているから、空隙Hとエレベーションの差Lの関係は上記のように特定される。
さらに、沈殿槽における基準液面Pは、排出部の最下位置から大きく変動することはない。
このため、第2の発明では沈殿槽において排出部の最下位置が特定されることで、基準液面Pの位置が間接的に特定される。
また、上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。
第3の発明である粉粒体回収装置は、上述の第1又は第2の発明において、沈殿槽の開口は矩形状に形成され、開口の長手方向における中央よりも長手方向一方側に送給配管の排出口を配置し、沈殿槽の排出部は開口の長手方向における中央よりも長手方向他方側に配置されることを特徴とするものである。
上記構成の第3の発明は、上述の第1又は第2の発明による作用と同じ作用を有する。加えて第3の発明では、送給配管の排出口と沈殿槽の排出部の配置が上記のとおり特定されることで、送給配管の排出口から導出されるスラリー状物質の勢いで沈殿槽の底に沈んだ粉粒体(特に第2の粉粒体)が分離液(上澄み液)中に舞い上がり、そのまま分離液とともに沈殿槽の排出部から排出されてしまうのを抑制するという作用を有する。
第4の発明である粉粒体回収装置は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明において、空隙Hは5~30cmの範囲内であることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明による作用と同じ作用に加えて、空隙H(基準液面Pから送給配管の排出口までの最短距離)が少なくとも5cm以上に設定されていることで、沈殿槽内の液位が基準液面Pと同じかそれに近い場合に、この液面で跳ね返ったスラリー状物質の一部が送給配管の内側に付着するのを抑制するという作用を有する。
また、空隙Hが30cm以下に設定されていることで、沈殿槽内の液位が基準液面Pと同じかそれに近い場合に、この液面で跳ね返ったスラリー状物質の一部が沈殿槽の外に飛散して汚損するのを抑制するという作用を有する。
第5の発明である粉粒体回収装置は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明において、沈殿槽の開口は、送給配管から導出されるスラリー状物質の飛散を防止するカバーを備え、このカバーは、沈殿槽の開口に立設される平板体又は折曲板からなるカバー本体と、このカバー本体を沈殿槽の開口に着脱可能に取設する固定構造と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第5発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明による作用と同じ作用に加えて、カバー本体は送給配管から導出された後、沈殿槽の水面において跳ね返ったスラリー状物質の一部が、沈殿槽の開口を超えて沈殿槽の外に飛散するのを妨げるという作用を有する。
また、このカバー本体に取設される固定構造は、沈殿槽の開口にカバー本体を着脱可能に固定するという作用を有する。
第6の発明である粉粒体回収装置は、上述の第5の発明において、固定構造はカバー本体に固設され、沈殿槽の開口に掛止されるフックを備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第6の発明は、上述の第5の発明による作用と同じ作用に加えて、カバー本体が固定構造としてフックを備えていることで、沈殿槽の開口にワンタッチでカバーを着脱させるという作用を有する。
第7の発明である粉粒体回収装置は、上述の第5又は第6の発明において、固定構造は、カバー本体を沈殿槽の開口に着脱可能に固定するクランプを備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第7の発明は、上述の第5又は第6の発明による作用と同じ作用に加えて、固定構造に設けられるクランプは、第7の発明が例えば屋外又は半屋外に設置される場合に、風等の外力により沈殿槽の開口からカバー本体が容易に外れるのを妨げるという作用を有する。
第8の発明である粉粒体回収装置は、上述の第1乃至第7のそれぞれの発明において、沈殿槽は、その外形が略直方体状をなし、その上面の全域が開口であるコンテナであり、この沈殿槽の開口は、水平方向に対して傾斜しており、送給配管の排出口は、沈殿槽の開口において高低差が高い側に配置されていることを特徴とするものである。
上記構成の第8の発明は、上述の第1乃至第7のそれぞれの発明による作用と同じ作用に加えて、沈殿槽として従来公知の市販品であるコンテナをそのまま転用可能にするという作用を有する。また、沈殿槽であるコンテナの開口を水平方向に対して傾斜させておくことで、沈殿槽内においてスラリー状物質から分離した液体(分離液又は上澄み液)をコンテナの開口における高低差の低い側から外部に排出させるという作用を有する。さらに、送給配管の排出口を沈殿槽であるコンテナの開口において高低差が高い側に配置することで、送給配管から沈殿槽に導出されたスラリー状物質を沈殿槽の高低差が高い側から低い側に緩やかに流動させるという作用を有する。これにより、沈殿槽内の全域にスラリー状物質を行き渡らせるという作用を有する。この結果、沈殿槽内の局所にのみスラリー状物質中の第2の粉粒体が沈殿するのを抑制するという作用を有する。
第9の発明である粉粒体回収装置は、上述の第1乃至第8のそれぞれの発明において、沈殿槽内に、排出部との間に隙間Sを有しつつ、下端部を排出部の最下位置よりも下方に配置して立設される堰板を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第9の発明は、上述の第1乃至第8のそれぞれの発明による作用と同じ作用に加えて、堰板は、スラリー状物質から分離して沈殿槽内の液面に浮遊する第1の粉粒体が、分離液とともに排出部から沈殿槽の外に排出されるのを妨げるという作用を有する。この時、堰板の下端部が排出部の最下位置よりも下方に配置しておくことで、分離液中において液面側に浮上途中の粉粒体(主に第1の粉粒体)や、沈降途中の粉粒体(主に第2の粉粒体)が分離液とともに沈殿槽の排出部から排出されてしまうのを好適に抑制することができる。
したがって、沈殿槽が堰板を備えていることで、スラリー状物質から分離した第1の粉粒体及び第2の粉粒体を効率良く沈殿槽内に留置して濃縮するという作用を有する。
上述のような第1,第2の発明によれば、送給配管から沈殿槽に導出されたスラリー状物質中に含有する第1の粉粒体の一部が、送給配管の排出口近傍の内側面に固着するのを防止することができる。
この結果、第1の粉粒体及び第2の粉粒体を含有するスラリー状物質を、送給配管に間欠的に送給して、沈殿槽においてスラリー状物質中の粉粒体を回収する場合に、送給配管が排出口近傍において閉塞するのを防止することができる。
この場合、送給配管の排出口近傍における閉塞を防止するためのメンテナンスに要するコスト、及び閉塞した送給配管を復旧させるのに要するコストを削減できる上、送給配管の閉塞に伴ってその上流側の設備が使用できなくなることで生じる損失の発生の防止できる。
さらに、第1,第2の発明において、沈殿槽が排出部を備えていることで、沈殿槽内に貯留されるスラリー状物質から分離した分離液を沈殿槽の外に排出することができる。これにより、沈殿槽内に沈殿する第2の粉粒体を濃縮することができる。
したがって、第1,第2の発明によれば、スラリー状物質を構成する第2の粉粒体を効率良く回収することができるという効果も有する。
第3の発明は、上述の第1又は第2の発明による効果と同じ効果に加えて、沈殿槽内において生じたスラリー状物質からの分離液を沈殿槽の外に排出する際に、分離液とともに粉粒体(特に第2の粉粒体)が排出されてしまうのを好適に防止できる。
この場合、第1又は第2の発明を用いる場合に比べて、粉粒体回収装置により一層効率良く粉粒体を回収することができる。
第4の発明は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明による効果と同じ効果を有する。加えて、第4の発明は、空隙Hが5~30cmの範囲内に設定されていることで、送給配管から導出されたスラリー状物質が沈殿槽内の液面で跳ねて送給配管の内側面に付着するのを抑制しつつ、同じく跳ねたスラリー状物質が沈殿槽の外に飛散するのを抑制することができる。
よって、第4の発明によれば、送給配管の排出口近傍における閉塞を防止しつつ、沈殿槽の周囲がスラリー状物質で汚損され難くすることができる。
第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明による効果と同じ効果に加えて、沈殿槽の開口にカバーを設けることで、送給配管から沈殿槽にスラリー状物質を導出する際に、沈殿槽内の液面で跳ねたスラリー状物質が沈殿槽の外に飛散するのを一層確実に防止することができる。この場合、沈殿槽の周囲がスラリー状物質で汚損されるのを一層確実に防止することができる。
また、第5の発明では、固定構造によりカバーを沈殿槽の開口に着脱可能に取設することができる。この場合、沈殿槽の清掃時に、沈殿槽からカバーを分離することができるので、その作業性を向上させることができる。
また、沈殿槽からカバーを分離できることで、カバーの清掃又は洗浄も容易に行うことができる。
第6の発明は、上述の第5の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第6の発明によれば、カバー本体に設けられる固定構造がフックを備えていることで、沈殿槽の開口にカバー本体をワンタッチで着脱させることができる。
この場合、沈殿槽の開口へのカバーの着脱作業を、迅速かつ容易に行うことができる。
第7の発明は、上述の第5の又は第6発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第7の発明によれば、カバー本体を、必要に応じてクランプにより沈殿槽の開口に強固に固定することができる。
この場合、例えば第7の発明の設置場所が屋外又は半屋外である場合に、風等の外力により沈殿槽の開口からカバーが外れるのを防止できる。
この結果、沈殿槽の開口から意図せずカバーが外れてしまい、沈殿槽内の液面で跳ねたスラリー状物質が沈殿槽の周囲に飛散してしまうのを防止することができる。
第8の発明は、上述の第1乃至第7のそれぞれの発明による効果と同じ効果に加えて、市販品のコンテナを、改造や加工を一切行うことなくそのまま沈殿槽として使用することができる。このため、第8の発明によれば、粉粒体回収装置の形態を極めてシンプルなものにできる。これにより、第8の発明を新設する場合や、沈殿槽の容量を変更する必要がある場合、あるいは、沈殿槽の汚損又は破損に伴って沈殿槽を交換する必要がある場合に、沈殿槽の設置に要するコストを大幅に低減することができる。
さらに、第8の発明では、沈殿槽の開口を水平方向に対して傾斜させておくことで、沈殿槽の開口の所望の位置から沈殿槽内に生じた分離液を外部に排出することができる。この場合、沈殿槽内の分離液を外部に排出するための排出部を形成すべく沈殿槽を改造又は加工する必要がないので、沈殿槽の調達や設置に要するコストを削減することができる。
加えて、第8の発明では、沈殿槽の開口において高低差が高い側に送給配管の排出口が配置されていることで、送給配管から沈殿槽に導出されたスラリー状物質を沈殿槽内の全域に行き渡らせることができる。
この場合、沈殿槽の中空部内の略全域に第2の粉粒体を収容することができる。この結果、第8の発明により第2の粉粒体を効率良く回収することができる。
第9の発明は、上述の第1乃至第8のそれぞれの発明による効果と同じ効果に加えて、沈殿槽の排出部が堰板を備えていることで、沈殿槽内の液面側において第1の粉粒体を濃縮しながら貯留しつつ、沈殿槽の底側では第2の粉粒体を濃縮しながら貯留することができる。しかも、第9の発明によれば、沈殿槽内において濃縮された第1の粉粒体及び第2の粉粒体が、分離液とともに沈殿槽の外に排出されてしまうのを抑制することができる。
よって、第9の発明によれば、その構造がシンプルで、かつスラリー状物質中に含有される第1及び第2の粉粒体の両者を効率良く回収することができる粉粒体回収装置を提供することができる。
本発明の実施例1に係る粉粒体回収装置の断面概念図である。 本発明の実施例1に係る粉粒体回収装置の要部の斜視図である。 (a)本発明の実施例1に係る粉粒体回収装置におけるカバーを外側から見た斜視図であり、(b)同カバーを内側から見た斜視図である。 本発明の実施例2に係る粉粒体回収装置の要部の断面図である。 沈殿槽の排出部に堰板を備えた状態を示す部分斜視図である。 本発明の実施例2の変形例に係る粉粒体回収装置の要部の断面図である。
本発明の実施の形態に係る粉粒体回収装置について実施例1,2を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例1に係る粉粒体回収装置について図1乃至図3を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施例1に係る粉粒体回収装置の断面概念図である。
図1に示すように、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aは、スラリー状物質6中に含有される粉粒体8を回収するための装置である。
はじめに、本実施形態に係る粉粒体回収装置において取り扱うスラリー状物質6について説明する。
本実施形態に係る粉粒体回収装置において取り扱うスラリー状物質6は、例えば水等の液体7(常温下)と、粉粒体8を含有してなるものである。
なお、本実施形態に係るスラリー状物質6を構成する粉粒体8としては、例えば石炭や、鉄鉱石などの鉱物類、あるいは焼却灰等の様々なものが想定される。
さらに、上述のようなスラリー状物質6を構成する粉粒体8は、液体7の液面に浮遊する第1の粉粒体8aと、同液体7中に沈降する第2の粉粒体8bの両者を含有してなるものである。
なお、本実施形態において液体7の液面に第1の粉粒体8aが浮遊する要因としては、第1の粉粒体8aの比重が液体7よりも小さいことのみならず、第1の粉粒体8aが液体7に対して親和性を有しないこと、あるいは液体7中に生じた気泡表面に第1の粉粒体8aが付着して第1の粉粒体8aが液体7の液面に浮遊する場合などがある。
そして、本実施形態では上記要因のいずれか、又は2つ以上の上記要因の組み合わせ、により第1の粉粒体8aが液体7の液面に浮遊する場合の全てを本発明の技術範囲に含むものとする。
上述のような第1の粉粒体8a及び第2の粉粒体8bを含有する粉粒体8としては、例えば石炭の粉粒体がある。
一般に、石炭の比重は1.4であり、産地によってその性質が様々に異なっている。また、石炭の粉粒体の一部は疎水性を有しており、粒子サイズによっては水面に浮遊する。他方、石炭において鉱物多く含む粉粒体は、水中で容易に沈降する。
よって、石炭の粉粒体8は第1の粉粒体8a及び第2の粉粒体8bの両者を含有している。
また、粉粒体8が鉱物や焼却灰等である場合で、かつ例えば液体7が洗剤等を含む洗浄水や水以外の液体であり、さらに液体7が気泡を包含する場合は、粉粒体8の比重が液体7の比重よりも大きくても、粉粒体8の一部が液体7中の気泡に付着するなどして液面に浮遊する場合がある。
このような場合、液体7の液面に浮遊しているものは第1の粉粒体8aであり、液体7中に沈降するものは第2の粉粒体8bである。
次に、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aの構造について説明する。
実施例1に係る粉粒体回収装置1Aは、図1に示すように、上部に開口2aを有する中空容器体からなり、その中空部内にスラリー状物質6を収容し、かつこのスラリー状物質6から分離した液体7を排出する排出部2bを備えている沈殿槽2と、この沈殿槽2の開口2a上において、水平方向に対する角度θが45度以上になるように配置されている領域を有し、かつスラリー状物質6を沈殿槽2に送給する送給配管3を備えてなるものである。
さらに、上記構成の実施例1に係る粉粒体回収装置1Aでは、図1に示すように、送給配管3の排出口と、沈殿槽2の排出部2bから液体(分離液7a)が溢れ出ている時の液面(基準液面P)の間は、空隙Hを有している。
さらに、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aの沈殿槽2における基準液面Pは、常時、排出部2bの最下位置よりもやや鉛直上方側に位置している。
このため、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aでは、沈殿槽2の排出部2bの最下位置と送給配管3の排出口3aの下端位置(図1では排出口3aと同じ)のエレベーションの差をLとした場合に、先の空隙Hとこのエレベーションの差Lの関係を、
0<H<L
上記のように特定することができる。また、この基準液面Pは、沈殿槽2の排出部2bの最下位置から大幅に変動することはない。
したがって、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aにおいて、空隙Hの範囲を特定する際の基準は厳密には基準液面Pであるものの、上述のような理由により基準液面Pを特定し難いことから、本実施形態では沈殿槽2の排出部2bの最下位置を便宜上基準液面Pと見なして特定することができる。
なお、本実施の形態において参照する図では、基準液面Pを明示できるため、送給配管3の排出口3aから沈殿槽2内の液面までの最短距離を空隙Hとしている。
上述のような実施例1に係る粉粒体回収装置1Aによれば、沈殿槽2の開口2a上に配される送給配管3が水平に対して45度以上となるよう設定されていることで、送給配管3内を流動するスラリー状物質6を重力により付勢して排出口3aから沈殿槽2に送り出すことができる。
この場合、送給配管3の中空部内においてスラリー状物質6を流動させる際に、送給配管3内にスラリー状物質6を残存し難くすることができる。
なお、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aにおける送給配管3の内径としては、15~35cm程度のものを想定しているが、粉粒体8の粒径や液体7の性質、あるいは、取り扱うスラリー状物質6の流量に応じて上記範囲を超えて設定してもよい。
特に実施例1に係る粉粒体回収装置1Aを、例えば石炭や鉄鉱石などの礫塊体9の搬送や保管設備の洗浄後の廃液として得られるスラリー状物質6から粉粒体8を回収するための設備として用いる場合は、送給配管3の内径は18~27cmに設定される。
また、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aでは、送給配管3の排出口3aと、沈殿槽2の基準液面Pとの間に空隙Hを有している。
このため、沈殿槽2内がスラリー状物質6で満杯でも、送給配管3内に沈殿槽2内の液面が進入しない。
このことは、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aの送給配管3では、スラリー状物質6が送給配管3内において液面と衝突しないことを意味している。つまり、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aでは、送給配管3内を流動するスラリー状物質6が、送給配管3の排出口3aに到達されるまでの間に、液面と衝突してその運動エネルギーが緩衝されることがない。
この場合、送給配管3内を流動するスラリー状物質6の略全量が確実に排出口3aから沈殿槽2に排出されるため、送給配管3内には残存しない。この場合、スラリー状物質6中に含まれる第1の粉粒体8aは、沈殿槽2の水面上に分散する。
このため、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aでは、送給配管3の排出口3aが沈殿槽2内の液中に水封される場合(例えば、特許文献1を参照)とは異なり、スラリー状物質6中に含有される第1の粉粒体8aが、送給配管3内の排出口3a近傍に留置されることがない。
これにより、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aでは、スラリー状物質6中に含有される第1の粉粒体8aが、送給配管3内の排出口3a近傍に付着するのを好適に防止することができる。
そして、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aでは、送給配管3の排出口3a近傍にスラリー状物質6の一部が固着し難くなるため、スラリー状物質6による送給配管3の閉塞を防止することができる。
また、図1に示すように、沈殿槽2の基準液面Pと送給配管3の排出口3aの間の空隙Hの大きさは、5~30cmの範囲であることが望ましく、さらに好ましくは10~15cmの範囲内であることが望ましい。
この理由として、上述の空隙Hの大きさが5cmよりも小さいと、送給配管3の排出口3aから導出されたスラリー状物質6が、沈殿槽2内の液面で跳ねた際に送給配管3の内側面に付着しやすくなり、これにより送給配管3が排出口3a近傍において閉塞が起きやすくなる。
さらに、スラリー状物質6が気泡を含んでいる場合、第1の粉粒体8aが付着した気泡が沈殿槽2内の液面上に浮遊するため、空隙Hの大きさが5cmよりも小さいと、気泡に付着した第1の粉粒体8aを送給配管3の排出口3aの外にスムーズに排出できなくなってしまう可能性がある。この場合、第1の粉粒体8aが付着した気泡が送給配管3内に残存してしまい、送給配管3が閉塞するリスクが高まるため好ましくない。
他方、上述の空隙Hの大きさが30cmを超える場合は、沈殿槽2内の液面で跳ねたスラリー状物質6の一部が送給配管3の内側面に付着する可能性を低減できる一方で、液面で跳ねたスラリー状物質6が沈殿槽2の外に飛散し易くなる。
この場合、送給配管3が閉塞するリスクは低減するものの、沈殿槽2の周囲がスラリー状物質6により激しく汚損される上、沈殿槽2の周囲に飛散したスラリー状物質6は回収して再利用することができないので好ましくない。
なお、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aにおいて、送給配管3内を流動するスラリー状物質6の具体的態様の一例としては、例えば図1に示すように、粉粒体8を含む礫塊体9(ただし、礫塊体9の平均粒径は粉粒体8の平均粒径よりも大きい)を搬送するベルトコンベア10等の搬送設備に付着した粉粒体8を、例えば液体供給管11から噴射される水等の液体7により洗浄した際に排出される廃液等が挙げられる。
また、礫塊体9及び粉粒体8はともに、例えば石炭や、鉱物(例えば鉄鉱石等)等のように燃料や、何らかの素材を抽出するための原料として用いられる。あるいは、焼却灰等の廃棄物である。このため、ベルトコンベア10などの搬送装置や、礫塊体9及び粉粒体8の保管庫等の洗浄時に生じる廃液中に含まれる粉粒体8を、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aにより回収することは有益である。
つまり、礫塊体9及び粉粒体8が燃料や加工原料である場合は粉粒体8を回収して再利用することができ、また、礫塊体9及び粉粒体8が廃棄物である場合は、粉粒体8を回収することで粉粒体8を含む排水(スラリー状物質6)による環境汚染を防止できる。
また、図1では、送給配管3内においてスラリー状物質6を重力のみにより付勢して流動させる場合を例に挙げて説明しているが、送給配管3の流路が長い場合は、送給配管3の上流側に必要に応じてポンプ等を設けてスラリー状物質6を圧送してもよい。
さらに、本実施形態では送給配管3にスラリー状物質6が連続的に供給される場合と、間欠的に送給される場合が想定されるが、特に後者の方が送給配管3の閉塞が起こり易い。
この理由は、送給配管3にスラリー状物質6が送給されない間に、特に送給配管3の排出口3aの近傍において、送給配管3内に残存したスラリー状物質6が乾燥するあるいは化学変化等により固着してしまうためである。
また、粉粒体8が例えば石炭である場合は、送給配管3の排出口3aに粉粒体8(主に第1の粉粒体8a)が固着した状態で時間が経過すると、ハンマー等で衝撃を加えても固着した粉粒体8を送給配管3から除去することができない。
このため、万一送給配管3が閉塞してしまった場合は、送給配管3の交換を余儀なくされるため、その復旧に要するコストが高くなってしまう。
したがって、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aは、特に送給配管3内にスラリー状物質6を、ポンプ等を利用して圧送しない場合や、送給配管3にスラリー状物質6を間欠的に送給する場合に、送給配管3内に残存するスラリー状物質6によって送給配管3が閉塞するのを防止することができる。
さらに、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aでは、沈殿槽2内に導出されたスラリー状物質6は、沈殿槽2内の液面に第1の粉粒体8aが浮遊する一方で、液体7内では第2の粉粒体8bが沈降するため、液面側に分離液7a(上澄み液)が生じる(図1を参照)。
このため、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aは沈殿槽2に、より詳細には沈殿槽2の開口2aに、分離液7a及びその液面に浮遊する第1の粉粒体8aを沈殿槽2の外に排出するための排出部2bを備えている。
この場合、沈殿槽2の開口2aに設けられる排出部2bから第1の粉粒体8aを含有する分離液7aを沈殿槽2の外に排出することができる。この場合、第1の粉粒体8aを含んだ分離液7aが沈殿槽2の開口2aの任意の場所から外部に排出されるのを防止できる。
この結果、分離液7a中に含まれる第1の粉粒体8aにより沈殿槽2の外側面及び沈殿槽2の設置場所の周囲が汚損されるのを防止することができる。
なお、分離液7a中に含まれる第1の粉粒体8aについても回収する必要がある場合は、沈殿槽2の排出部2bに第1の粉粒体8aを回収するための設備を別途接続すればよい。
あるいは、スラリー状物質6中の粉粒体8を回収する際に、第1の粉粒体8aと第2の粉粒体8bを分ける必要がない場合は、後段において詳細に説明する実施例2に係る粉粒体回収装置を用いることで、第1の粉粒体8aと第2の粉粒体8bを併せて回収することができる。
なお、沈殿槽2の開口2aに形成する排出部2bは、図1,2に示すように、例えば沈殿槽2の開口2aの一部を切欠いてなるものでもよい。あるいは、沈殿槽2の排出部2bは、沈殿槽2の開口2aの一部を切欠くことに代えて、沈殿槽2自体を傾斜させるなどして、水平方向に対して沈殿槽2の開口2aを傾斜させておき、傾斜した開口2aにおいて高低差が低い側を排出部2bとして用いてもよい。
前者の場合は、すなわち沈殿槽2がその開口2aの一部を切欠いてなる排出部2bを備える場合は、沈殿槽2の開口2aにおいて分離液7a及び第1の粉粒体8aが排出される部位を特定することができる。
この結果、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aの使用時に、分離液7aとともに排出される第1の粉粒体8aにより、沈殿槽2の側面及び沈殿槽2の設置面の周囲の汚損される領域を狭くすることができる。この場合、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aを使用する際のメンテナンス作業を簡素化できる。
他方、後者の場合は、すなわち沈殿槽2の開口2aが水平方向に対して傾斜している場合は、上述の前者の場合に比べて分離液7aとともに排出される第1の粉粒体8aにより、沈殿槽2の側面及び沈殿槽2の設置面の周囲の汚損される領域が広くなるものの、沈殿槽2の開口2aに排出部2bを形成すべく改造又は加工を施す必要がなくなる。この場合は、沈殿槽2の設置又は交換の際に要するコストを安価にできるというメリットがある。
さらに、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aでは、沈殿槽2の開口2aの平面形状が例えば矩形状をなしている場合(例えば、後段における図2を参照。)、この開口2aの長手方向における中央よりも長手方向一方側(図1中の紙面右側)に送給配管3の排出口3aを配置するとともに、沈殿槽の排出部2bを開口2aの長手方向における中央よりも長手方向他方側(図1中の紙面左側)に配置してもよい(任意選択構成要素)。
これにより、例えば沈殿槽2の開口2aを平面視した場合に、送給配管3の排出口3aと沈殿槽2の排出部2bとが近接して配設されるのを防止できる。
この場合、送給配管3の排出口3aから導出されたスラリー状物質6の衝撃で、沈殿槽2の底側に沈殿していた第2の粉粒体8bが分離液7a中に舞い上がってしまい、分離液7a中に舞い上がった第2の粉粒体8bが分離液7aとともに排出部2bから排出されてしまうのを抑制することができる。
したがって、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aにおいて沈殿槽2の開口2aに対する送給配管3の排出口3a及び沈殿槽2の排出部2bの配設位置を上述のように特定することで、沈殿槽2内に収容される第2の粉粒体8bを効率良く濃縮することができる。
この場合、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aにおける粉粒体8(主に第2の粉粒体8b)の回収効率を向上させることができる。
次に、図1乃至図3を参照しながら実施例1に係る粉粒体回収装置1Aの変形例について説明する。
図1に示すように、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aは、沈殿槽2の開口2aに立設されるカバー4を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
このように、沈殿槽2がその開口2aにカバー4を備える場合は、送給配管3の排出口3aから導出されたスラリー状物質6が、沈殿槽2内の液面で跳ねたスラリー状物質6が沈殿槽2の外に飛散するのを防止することができる。
この場合、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aの使用時に、沈殿槽2の周囲がスラリー状物質6により汚損されるのを防止できる。この結果、沈殿槽2の周辺の床面の清掃に要する手間とコストを削減することができる。
よって、カバー4を備えた実施例1に係る粉粒体回収装置1Aによれば、その使用時の維持管理に要するコストを削減することができる。
なお、図1では、送給配管3の排出口3aとより接近している沈殿槽2の開口2aにカバー4を立設する場合を例に挙げて説明しているが、カバー4は沈殿槽2の開口2aの全域に設けてもよい。
また、特に図示しないが、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aを複数並設する場合は、隣接する他の沈殿槽2内にスラリー状物質6が飛散しても問題にはならない。このような場合は、所望の沈殿槽2の開口2aにおける必要箇所にのみカバー4を設ければよい。
ここで、図1に示すカバー4の形態の一例について図2,3を参照しながら説明する。
図2は粉粒体回収装置の要部の斜視図である。また、図3(a)は本発明の実施例1に係る粉粒体回収装置におけるカバーを外側から見た斜視図であり、(b)は同カバーを内側から見た斜視図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例1の変形例に係る粉粒体回収装置1Aに用いられるカバー4は、図2及び図3(a),(b)に示すように、例えば金属製又は合成樹脂製の平板体を折曲してなり、かつ沈殿槽2の開口2aに立設されるカバー本体4aと、このカバー本体4aを沈殿槽2の開口2aの所望箇所に着脱可能に取設するための固定構造5を備えてなるものである。
このように、カバー4が固定構造5を備えていることで、必要に応じて沈殿槽2の開口2aにカバー4を着脱させることができる。この場合、例えば沈殿槽2が回収済の液体7及び粉粒体8で満杯になった場合で、かつこの粉粒体8を吸引作業車等(例えば、プロベスター車など)により移送する場合、あるいはその後の沈殿槽2の清掃時に、作業の妨げにならないよう沈殿槽2の開口2aからカバー4を取り外すことができる。
よって、カバー4が固定構造5を備えていることで、沈殿槽2に対してメンテナンス等の作業を行う際の作業性を向上させることができる。
さらに、上述のカバー4の固定構造5の具体的態様は、図1乃至図3に示すように、例えばカバー本体4aの外側面4cに固設されて、沈殿槽2の開口2aに掛着可能なフック5aでもよい(任意選択構成要素)。
この場合、沈殿槽2の開口2aに、カバー本体4aをワンタッチで着脱させることができる。これにより、実施例1の変形例に係る粉粒体回収装置1Aにおけるカバー4の操作性を向上させることができる。
加えて、上述のカバー4の固定構造5は、図1乃至図3に示すように、クランプ5bを備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、沈殿槽2の開口2aに立設したカバー本体4aを、必要に応じてクランプ5bにより開口2aに強固に固定することができる。
この場合、例えば実施例1の変形例に係る粉粒体回収装置1Aを、屋外又は半屋外に設置して用いる場合に、風等の外力により沈殿槽2の開口2aからカバー4が意図せず外れてしまうのを防止できる。
よって、カバー4の固定構造5がクランプ5bを備える場合は、カバー4の使用時の粉粒体回収装置1Aの信頼性を向上させることができる。
なお、図1乃至図3では、固定構造5であるフック5aに一体にクランプ5bを設ける場合を例に挙げて説明しているが、固定構造5がフック5a以外の形態を有する場合は、クランプ5bはフック5a以外の形態の固定構造5に設ければよい。
さらに、図2では、矩形状をなす沈殿槽2の開口2aのうち、一の短辺とこの短辺につながる2つの長辺の一部にカバー本体4aを立設する場合を例に挙げて説明しているが、沈殿槽2の開口2aにおけるカバー本体4aの立設位置は、図2に示す位置に特定される必要はなく、沈殿槽2の開口2aにおいてスラリー状物質6の飛散を防止したい部分にカバー本体4aを立設すればよい。より具体的には、必要であれば沈殿槽2の開口2aの全周にカバー本体4aを立設してもよい。
また、図2ではカバー本体4aの形態が、折曲板である場合を例に挙げて説明しているが、カバー本体4aはシンプルな平板体でもよい(図示せず)。
この場合、複数枚の平板体からなるカバー本体4aのそれぞれに固定構造5を設けて複数個のカバー4を作成し、沈殿槽2の開口2aの所望の位置に複数個のカバー4を組み合わせて設置して用いてもよい。この場合、粉粒体8の特性によって、その飛散方向が変わる場合に、必要箇所にカバー4を移動することができる。この結果、実施例1の変形例に係る粉粒体回収装置1Aにおけるカバー4の汎用性を向上させることができる。
なお、複数のカバー4を組み合わせて用いる場合、隣り合うカバー本体4a同士が重なり部を有するように配置することで、カバー本体4a同士の隙間からスラリー状物質6が沈殿槽2の外に飛散するのを防止することができる。
また、例えば実施例1の変形例に係る粉粒体回収装置1Aを複数台並設する場合で、かつ沈殿槽2同士を隙間なく並設する場合は、沈殿槽2同士の間にカバー4を設ける必要がない場合もある。このような場合は、並設された複数台の沈殿槽2群の外周部分の所望の位置にのみカバー4を設ければよい。
さらに、沈殿槽2の開口2aにカバー4を設ける場合、カバー本体4aは沈殿槽2の外側面又は内側面のいずれに配置してもよい。
特に、沈殿槽2の開口2aの内側にカバー4のカバー本体4aを配設する場合(図1,2を参照)、すなわち、カバー本体4aの下端が沈殿槽2内に収容されるようにカバー4を設置する場合は、スラリー状物質6による開口2a自体の汚損を防止することができる。
また、カバー4のカバー本体4aを沈殿槽2の開口2aの外側に配設する場合は、特に図示しないが、カバー本体4aの内側面4bに固定構造5を設けてもよい。
あるいは、カバー本体4aに固定構造5を設けることに代えて、沈殿槽2の外側面にカバー本体4aを固定するための固定構造(図示せず;例えば固定構造5のようなフック状の形態のものや、クランプを備えたもの等)を設けてもよい。
この場合は、沈殿槽2にカバー本体4aを固定するための固定構造を付加する必要があるので、沈殿槽2として中空容器体を特注で作製する場合に特に適している。
また、上述のようにカバー本体4aを沈殿槽2に取設するための固定構造を、沈殿槽2側に設ける場合は、カバー本体4aに固定構造5を設ける必要がなくなる。これにより、カバー4自体の構造をシンプルにできるので、カバー本体4aを耐用品でなく消耗品にすることができる。この場合、カバー本体4aが汚損した場合に、カバー本体4aを交換すればよい。この場合は、スラリー状物質6が容易に除去できない成分を含有する場合や、強い臭気を発する場合に特に便利である。
あるいは、カバー4においてカバー本体4aと固定構造5をそれぞれ別体としてもよい。この場合、沈殿槽2又はカバー本体4aに固定構造5を設けるべく改造又は加工を行う必要がなくなる。また、この場合は、例えば固定構造5にカバー本体4aを着脱可能に取設すべく、クランプ5bとは別のクランプや挟持具を備えていてもよい。このようにカバー本体4aと固定構造5が別体に構成される場合は、カバー本体4a及び沈殿槽2の両方を消耗品とすることができる。
また、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aの沈殿槽2としては、上部に開口2aを有する中空容器体であればどのようなものでも使用可能であるが、例えば外形が略直方体状をなし、かつその上面の全域が開口である従来公知のコンテナを沈殿槽2として使用することもできる。
この場合、必要に応じてコンテナの開口の所望箇所を切欠いて排出部2bを形成してもよい。
このように沈殿槽2として従来公知のコンテナを用いることで、沈殿槽2を特注して作製する場合に比べてその調達が容易になる。また、この場合は、実施例1に係る粉粒体回収装置1Aの設置や改修に要するコストを安価にできる。
続いて、本発明の実施例2に係る粉粒体回収装置について図4,5を参照しながら説明する。
図4は本発明の実施例1の変形例に係る粉粒体回収装置の要部の断面図である。また、図5は沈殿槽の排出部に堰板を備えた状態を示す部分斜視図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係る粉粒体回収装置1Bは、図4に示すように、沈殿槽2の開口2aに形成される切欠き状の排出部2bに、堰板12を備えたものである。
この堰板12は、沈殿槽2の開口2aに形成される排出部2bとの間に隙間Sを有しながら立設されるものである。さらに、堰板12は、図4,5に示すように、沈殿槽2内の液面(図4では基準液面P)と、この液面に連続して形成され、かつ排出部2bを通過する際の鉛直方向最上位液面Fとを略分断するように設けられている。
これにより、実施例2に係る粉粒体回収装置1Bによれば、スラリー状物質6中に含有される第1の粉粒体8aが、分離液7aとともに排出部2bから排出されるのを抑制することができる。この結果、実施例2に係る粉粒体回収装置1Bによれば、沈殿槽2内の液面側に第1の粉粒体8aを濃縮した状態で留置することができる。
よって、実施例2に係る粉粒体回収装置1Bによれば、スラリー状物質6を構成する第1の粉粒体8a及び第2の粉粒体8bの両方を回収することができる。
なお、沈殿槽2内で濃縮されたスラリー状物質6(第1の粉粒体8a及び第2の粉粒体8b)は、例えば吸引作業車等(例えば、プロベスター車など)を利用することで容易に目的地に移送することができる。
この場合、スラリー状物質6を構成する粉粒体8(第1の粉粒体8a及び第2の粉粒体8b)を効率良く回収して再利用、又は、廃棄することができる。
したがって、実施例2に係る粉粒体回収装置1Bによれば、シンプルな構造を有しながらスラリー状物質6中の第1の粉粒体8a及び第2の粉粒体8bを効率良く回収することができる粉粒体回収装置を提供することができる。
また、実施例2に係る粉粒体回収装置1Bにおける堰板12は、例えば図4,5に示すように、金属製又は合成樹脂製の平板体を所望に折曲してなる堰板本体12aと、この堰板本体12aを沈殿槽2の開口2aに着脱可能に取設するための固定構造12b(例えば、先のカバー4における固定構造5等)により構成されていてもよい。
このような堰板12によれば、必要に応じて沈殿槽2の排出部2bに堰板本体12aを着脱させることができる。
さらに、堰板本体12aに設けられる固定構造12bとして、上述のカバー4に設けられる固定構造5と同じ構造を採用する場合は、上述の固定構造5による効果と同じ効果が期待できる。
加えて、堰板本体12aに設けられる固定構造12bは、図4,5に示すように、クランプ5bを備えていてもよい。この場合も、カバー4の固定構造5に設けられるクランプ5bと同様の効果を発揮させることができる。
最後に、実施例2の変形例に係る粉粒体回収装置について図6を参照しながら説明する。
図6は本発明の実施例2の変形例に係る粉粒体回収装置の要部の断面図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図6に示すように、実施例2の変形例に係る粉粒体回収装置1Cは、先の図4,5に示すように沈殿槽2の開口2aの一部を切欠いて排出部2bを形成することに代えて、沈殿槽2の開口2aを水平方向に対して傾斜させるとともに、このような開口2aにおいて高低差が低い側を排出部2bとして利用するものである。
さらに、実施例2の変形例に係る粉粒体回収装置1Cは、沈殿槽2の開口2aにおいて排出部2bとして使用される部分の全域に堰板12を備えている(図示せず)。
上述のような実施例2の変形例に係る粉粒体回収装置1Cによれば、上記粉粒体回収装置1Bと比較して、より大きなサイズの堰板12が必要になる反面、沈殿槽2の開口2aに排出部2bを形成すべく改造又は加工を行う必要がなくなる。このため、市販品のコンテナを無加工でそのまま沈殿槽2として使用することができる。
この場合、実施例2の変形例に係る粉粒体回収装置1Cの新設や改修にかかるコストを安価にできる。
また、実施例2及びその変形例に係る粉粒体回収装置1B,1Cでは、図4乃至図6に示すように、堰板12の下端部を、沈殿槽2の排出部2bの最下位置よりも下方に配置しておくとよい。
この場合、特に沈殿槽2の排出部2b近傍において、液面側に浮遊しながら貯留される第1の粉粒体8aが、分離液7aとともに沈殿槽2の外に排出されてしまうのを一層効果的に抑制することができる。
この場合、沈殿槽2内に第1の粉粒体8a及び第2の粉粒体8bを収容しつつ、これらを効率良く濃縮することができる。この結果、実施例2及びその変形例に係る粉粒体回収装置1B,1Cによる粉粒体8の回収率を向上させることができる。
なお、図6では、載置面Q上に傾斜部材13を配置し、この傾斜部材13上に沈殿槽2の底面の一部を載置することで、その開口2aを水平方向に対して傾斜させる場合を例に挙げて説明しているが、沈殿槽2の開口2aを傾斜させる方法は、図6に示される方法に特定されなくともよい。
より具体的には、沈殿槽2の設置面Q上に、傾斜部材13と同等の機能を有する突条を設けておき、この突条上に沈殿槽2の底面の一部を載置してもよい(図示せず)。
あるいは、特に図示しないが設置面Q自体を予め傾斜させておいてもよい。
さらには、図示しないが、水平方向に対する沈殿槽2の開口2aの成す角度を所望に変更可能な台座を沈殿槽2の下に設けてもよい。
また、本実施形態においては沈殿槽2として、例えば平面視した際の長辺が1.5~6m程度のものを想定しているが、取り扱うスラリー状物質6の性質や量に応じて沈殿槽2は所望のサイズに設定されてよい。なお、沈殿槽2のサイズが小さいほど、従来公知の市販品のコンテナをそのまま流用することが容易になる。
以上説明したように本発明は、送給配管中を流動するスラリー状物質が、液体に浮遊するする粉粒体と、同液体中で沈降する粉粒体の両者を含有し、かつこのようなスラリー状物質を送給配管から沈殿槽に間欠的に送給する場合に、送給配管の排出口近傍の閉塞を防止することができる粉粒体回収装置であり、石炭等の燃料や、鉄鉱石等の鉱物原料、あるいは焼却灰等の廃棄物等を取り扱う設備において利用可能である。
1A~1C…粉粒体回収装置 2…沈殿槽(中空容器体) 2a…開口 2b…排出部 3…送給配管 3a…排出口 4…カバー 4a…カバー本体 4b…内側面 4c…外側面 5…固定構造 5a…フック 5b…クランプ 6…スラリー状物質 7…液体 7a…分離液 8…粉粒体 8a…第1の粉粒体 8b…第2の粉粒体 9…礫塊体 10…ベルトコンベア 10a…搬送ベルト 11…液体供給管 12…堰板 12a…堰板本体 12b…固定構造13…傾斜部材 H…空隙 L…エレベーションの差 P…基準液面 Q…設置面 S…隙間

Claims (8)

  1. 液体と粉粒体とを少なくとも含有してなるスラリー状物質から前記粉粒体を回収するための装置であって、
    上部に開口を有する中空容器体からなり、その中空部内に前記スラリー状物質を収容し、このスラリー状物質から分離した前記液体を排出する排出部を備えている沈殿槽と、
    前記沈殿槽の前記開口上において、水平方向に対する角度θが45度以上になるように配置されている領域を有し、前記スラリー状物質を前記沈殿槽に送給する送給配管と、を備え、
    前記スラリー状物質を構成する前記粉粒体は、前記液体の液面に浮遊する第1の粉粒体と、前記液体中で沈降する第2の粉粒体とを含有し、
    前記送給配管の排出口と、前記排出部から前記液体が溢れ出ている時の前記液面の間の距離が5~30cmの範囲内である空隙Hを有し、
    前記沈殿槽は、前記液面を水深方向に揺動させる機構を前記中空部内に有しない、ことを特徴とする粉粒体回収装置。
  2. 前記沈殿槽の前記開口から底までの距離は一様であり、
    前記沈殿槽の前記開口を平面視した際の短手方向の幅は一様であり
    前記送給配管の前記排出口を前記開口の長手方向における中央よりも長手方向一方側に配置するとともに、
    前記沈殿槽の前記排出部前記開口の長手方向における中央よりも長手方向他方側に配置ることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体回収装置。
  3. 前記排出部の最下位置と前記送給配管の前記排出口の下端位置のエレベーションの差をLとすると、前記空隙Hと前記エレベーションの差Lの関係は、
    0<H<L
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粉粒体回収装置。
  4. 液体と粉粒体とを少なくとも含有してなるスラリー状物質から前記粉粒体を回収するための装置であって、
    上部に開口を有する中空容器体からなり、その中空部内に前記スラリー状物質を収容し、このスラリー状物質から分離した前記液体を排出する排出部を備えている沈殿槽と、
    前記沈殿槽の前記開口上において、水平方向に対する角度θが45度以上になるように配置されている領域を有し、前記スラリー状物質を前記沈殿槽に送給する送給配管と、
    前記沈殿槽の前記開口に設けられ、前記送給配管から導出される前記スラリー状物質の飛散を防止するカバーを備え、
    前記スラリー状物質を構成する前記粉粒体は、前記液体の液面に浮遊する第1の粉粒体と、前記液体中で沈降する第2の粉粒体とを含有し、
    前記送給配管の排出口と、前記排出部から前記液体が溢れ出ている時の前記液面の間は空隙Hを有し、
    前記カバーは、前記開口に立設される平板体又は折曲板からなるカバー本体と、
    前記カバー本体を前記沈殿槽の前記開口に着脱可能に取設する固定構造と、を備えていることを特徴とする粉粒体回収装置。
  5. 前記固定構造は、前記カバー本体に固設され、前記沈殿槽の前記開口に掛止されるフックを備えていることを特徴とする請求項に記載の粉粒体回収装置。
  6. 前記固定構造は、前記カバー本体を前記沈殿槽の開口に着脱可能に固定するクランプを備えていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の粉粒体回収装置。
  7. 液体と粉粒体とを少なくとも含有してなるスラリー状物質から前記粉粒体を回収するための装置であって、
    上部に開口を有する中空容器体からなり、その中空部内に前記スラリー状物質を収容し、このスラリー状物質から分離した前記液体を排出する排出部を備えている沈殿槽と、
    前記沈殿槽の前記開口上において、水平方向に対する角度θが45度以上になるように配置されている領域を有し、前記スラリー状物質を前記沈殿槽に送給する送給配管と、を備え、
    前記スラリー状物質を構成する前記粉粒体は、前記液体の液面に浮遊する第1の粉粒体と、前記液体中で沈降する第2の粉粒体とを含有し、
    前記送給配管の排出口と、前記排出部から前記液体が溢れ出ている時の前記液面の間は空隙Hを有し、
    前記沈殿槽は、その外形が略直方体状をなし、その上面の全域が前記開口であるコンテナであり、
    前記沈殿槽の前記開口は、水平方向に対して傾斜しており、
    前記送給配管の前記排出口は、前記沈殿槽の前記開口において高低差が高い側に配置されていることを特徴とする粉粒体回収装置。
  8. 前記沈殿槽内に、前記排出部との間に隙間Sを有しつつ、下端部を前記排出部の最下位置よりも下方に配置して立設される堰板を備え
    前記液体は、前記堰板の前記下端部の下を通過して前記排出部から排出されることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の粉粒体回収装置。
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