JP7476317B2 - 非侵襲物質分析装置 - Google Patents

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Description

本開示は、非侵襲物質分析装置に関する。
特表2017-519214号公報(特許文献1)は、光学媒質と、赤外光源と、プローブ光源と、フォトダイオードとを備える非侵襲分析システムを開示している。具体的には、光学媒質上に生体サンプルが載置される。赤外光源は、赤外光を放射する。赤外光は、光学媒質を通って、生体サンプルに照射される。赤外光は生体サンプルに吸収されて、生体サンプルが発熱する。生体サンプルの吸収熱の程度は、サンプル中のまたはサンプルの表面上の生体成分の量または濃度に依存する。
プローブ光源は、可視光であるプローブ光を光学媒質に向けて放射する。プローブ光は、光学媒質と生体サンプルとの間の界面で内部全反射されて、光学媒質から出射する。生体サンプルの吸収熱は、光学媒質に伝わって、光学媒質の屈折率を変化させる。光学媒質の屈折率の変化は、光学媒質と生体サンプルとの間の界面におけるプローブ光の内部全反射に影響を与え、光学媒質から出射されるプローブ光の進行方向を変化させる。フォトダイオードは、光位置センサとして機能して、プローブ光の進行方向の変化を検出する。フォトダイオードで検出されたプローブ光の進行方向の変化から、生体成分の量または濃度を測定する。例えば、サンプルが患者の皮膚である場合、生体成分として患者の血糖値が測定される。
特表2017-519214号公報
しかし、特許文献1に開示された非侵襲分析システムでは、フォトダイオードは、プローブ光の進行方向の変化に対応し得るように、大きなサイズを有している。そのため、非侵襲分析システムの小型化が困難である。本開示は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化され得る非侵襲物質分析装置を提供することである。
本開示の非侵襲物質分析装置は、光導波回路と、励起光源と、プローブ光源と、第1光強度検出器とを備える。光導波回路は、サンプル載置領域を含む第1主面と、第1主面とは反対側の第2主面とを有する。励起光源は、サンプル載置領域上に載置されるサンプルに向けて励起光を放射する。プローブ光源は、プローブ光を放射する。光導波回路は、プローブ光が入射される第1光導波路と、第1光導波路に光学的に結合する導波路型リング共振器と、導波路型リング共振器に光学的に結合する第2光導波路とを含む。第1光強度検出器は、第2光導波路に光学的に結合しており、かつ、プローブ光のうち第2光導波路に光学的に結合する第1光の強度を検出する。
本開示の非侵襲物質分析装置では、第1光強度検出器は、励起光のオン/オフによるプローブ光の位置の変化ではなく、励起光のオン/オフによる、第2光導波路に結合するプローブ光の強度の変化を検出している。そのため、第1光強度検出器は小型化されて、非侵襲物質分析装置は小型化される。
実施の形態1の非侵襲物質分析装置の概略平面図である。 実施の形態1の非侵襲物質分析装置の、図1に示される断面線II-IIにおける概略断面図である。 実施の形態1の非侵襲物質分析装置の、図1に示される断面線III-IIIにおける概略断面図である。 導波路型リング共振器の位相と第1光導波路から導波路型リング共振器へのプローブ光の結合率との間の関係を示すグラフを示す図である。 実施の形態1の非侵襲物質分析方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態2の非侵襲物質分析装置の概略平面図である。 実施の形態2の非侵襲物質分析方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態3の非侵襲物質分析装置の概略平面図である。 実施の形態3の非侵襲物質分析装置の、図8に示される断面線IX-IXにおける概略断面図である。 導波路型リング共振器の位相と第1光導波路から導波路型リング共振器へのプローブ光の結合率との間の関係を示すグラフを示す図である。 実施の形態3の非侵襲物質分析方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態4の非侵襲物質分析装置の概略平面図である。 実施の形態5の非侵襲物質分析装置の概略平面図である。 実施の形態5の非侵襲物質分析装置の、図13に示される断面線XIV-XIVにおける概略断面図である。 実施の形態6の非侵襲物質分析装置の概略平面図である。 実施の形態6の非侵襲物質分析装置の、図15に示される断面線XVI-XVIにおける概略断面図である。 実施の形態7の非侵襲物質分析装置の概略平面図である。 実施の形態7の非侵襲物質分析装置の、図17に示される断面線XVIII-XVIIIにおける概略断面図である。 実施の形態7の変形例の非侵襲物質分析装置の概略断面図である。 実施の形態8の非侵襲物質分析装置の概略平面図である。 実施の形態8の非侵襲物質分析装置の、図20に示される断面線XXI-XXIにおける概略断面図である。
以下、実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1から図4を参照して、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1を説明する。図1から図3を参照して、非侵襲物質分析装置1は、光導波回路10と、励起光源23と、プローブ光源26と、光強度検出器30と、物質分析部33とを主に備える。
図1を参照して、プローブ光源26は、プローブ光27を放射する。プローブ光源26は、例えば、レーザダイオードのようなレーザ光源である。本実施の形態では、プローブ光源26は、光導波回路10の外側に配置されている。プローブ光源26は、基板15上に配置されてもよい。
プローブ光27の波長は、例えば、1100nm以上である。プローブ光27の波長は、1300nm以上であってもよい。プローブ光27の波長は、例えば、1700nm以下である。そのため、プローブ光源26として、InGaAsP系レーザダイオードまたはInGaNAs系レーザダイオードのような安価な光通信用レーザダイオードを用いることができる。さらに、プローブ光27は可視光ではないため、プローブ光27が人の眼に損傷を与えるリスクが低減され得る。プローブ光27の出力は、例えば、5mW以下である。そのため、プローブ光27が人の眼に損傷を与えるリスクが低減され得る。
図1から図3を参照して、光導波回路10は、主面10aと、主面10aとは反対側の主面10bとを有する。光導波回路10は、基板15と、第1光導波路11と、導波路型リング共振器12と、第2光導波路13と、クラッド層14とを含む。光導波回路10は、終端部16,17をさらに含んでもよい。
基板15は、第1光導波路11と、導波路型リング共振器12と、第2光導波路13と、クラッド層14とを支持している。基板15は、主面10bを有する。基板15は、例えば、シリコン基板である。
プローブ光27は、光導波回路10の第1光導波路11に入射される。第1光導波路11は、プローブ光27が入射される端11aと、端11aとは反対側の端11bとを含む。第1光導波路11は、クラッド層14よりも高い屈折率を有している。プローブ光27は、第1光導波路11を伝搬する。第1光導波路11は、例えば、シリコン導波路である。
導波路型リング共振器12は、第1光導波路11に光学的に結合している。導波路型リング共振器12は、クラッド層14よりも高い屈折率を有している。プローブ光27は、導波路型リング共振器12を伝搬する。導波路型リング共振器12は、熱光学効果を有している。導波路型リング共振器12は、例えば、シリコン導波路である。シリコンの熱光学係数は、2.3×10-4(K-1)である。シリコンは、光導波路用の光学材料の中で比較的大きな熱光学係数を有している。
第2光導波路13は、導波路型リング共振器12に光学的に結合している。第2光導波路13は、クラッド層14よりも高い屈折率を有している。プローブ光27は、第2光導波路13を伝搬する。主面10aの平面視において、第2光導波路13は、導波路型リング共振器12に関して、第1光導波路11に対称に配置されている。第2光導波路13は、光強度検出器30に光学的に結合されている端13aと、端13aとは反対側の端13bとを含む。端11a,13aは、導波路型リング共振器12に対して同じ側にある。端11b,13bは、導波路型リング共振器12に対して同じ側にある。
クラッド層14は、第1光導波路11、導波路型リング共振器12及び第2光導波路13を基板15から隔てている。クラッド層14は、第1光導波路11、導波路型リング共振器12及び第2光導波路13を覆っている。クラッド層14は、主面10aを有する。クラッド層14の熱伝導率は、基板15の熱伝導率よりも小さい。クラッド層14は、例えば、シリカ系ガラスで形成されている。
プローブ光源26から第1光導波路11に入射したプローブ光27は、主に、導波路型リング共振器12を介して第2光導波路13に光学的に結合する第1光27aと、導波路型リング共振器12に結合せずに第1光導波路11を伝搬する第2光27bとに分かれる。図4に、第1光導波路11から導波路型リング共振器12へのプローブ光27の結合率を示す。なお、導波路型リング共振器12から第2光導波路13へのプローブ光27の結合率は、第1光導波路11から導波路型リング共振器12へのプローブ光27の結合率と同様である。図4の横軸は、プローブ光27の波長を基準とする導波路型リング共振器12の位相であり、以下の式(1)によって定義される。
導波路型リング共振器12の位相=2π×(nL)/λ (1)
ここで、nは導波路型リング共振器12の屈折率を表し、Lは導波路型リング共振器12の長さを表す。nLは、導波路型リング共振器12の光路長を表す。また、λは、プローブ光27の波長を表す。図4において、mは自然数である。
導波路型リング共振器12の位相がπの偶数倍であるとき、第1光導波路11から導波路型リング共振器12へのプローブ光27の結合率が最大となる。また、導波路型リング共振器12の位相がπの奇数倍からπの偶数倍に近づくにつれて、第1光導波路11から導波路型リング共振器12へのプローブ光27の結合率はより急激に変化する。
導波路型リング共振器12の自由スペクトル領域Δf(すなわち、第1光導波路11から導波路型リング共振器12へのプローブ光27の結合率が最大となる周波数の間隔)は、式(2)によって与えられる。
Δf=c/(nL)=(fλ)/(nL) (2)
ここで、cは、真空中の光速を表す。
式(1)及び式(2)に照らして、導波路型リング共振器12の屈折率nまたはプローブ光27の波長λが変化すると、導波路型リング共振器12の位相及び自由スペクトル領域Δfが変化して、第1光導波路11から導波路型リング共振器12へのプローブ光27の結合率が変化する。
図1を参照して、終端部16は、第1光導波路11の端11bに設けられている。終端部17は、第2光導波路13の端13bに設けられている。終端部16,17は、プローブ光27を散乱する光散乱体またはプローブ光27を吸収する光吸収体である。終端部16,17は、プローブ光27を散乱または吸収して、導波路型リング共振器12、プローブ光源26及び光強度検出器30へ進むプローブ光27の戻り光を低減する。終端部16,17は、例えば、導波路の外に散乱しやすい先細りの導波路と、散乱光を吸収する電極(例えば、金属電極)とで形成されている。
図1から図3を参照して、光導波回路10の主面10aは、サンプル21が載置されるサンプル載置領域19を含む。サンプル21は、例えば、患者の皮膚または体液などである。主面10aの平面視において、サンプル載置領域19は、導波路型リング共振器12の内側にあり、導波路型リング共振器12によって囲まれている。
図2及び図3を参照して、励起光源23は、サンプル載置領域19上に載置されるサンプル21に向けて励起光24を放射する。励起光24の波長は、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の吸収波長に応じて定められる。励起光24の波長は、プローブ光27の波長よりも長くてもよい。励起光24は、例えば、中赤外光である。励起光24の波長は、例えば、6.0μm以上である。励起光24の波長は、8.0μm以上であってもよい。励起光24の波長は、例えば、13.0μm以下である。励起光24の波長は、11.0μm以下であってもよい。励起光24は、複数の波長を有する光であってもよい。例えば、非侵襲物質分析装置1を用いて患者の血糖値を測定する場合、励起光24の波長範囲は、糖の指紋スペクトルの波長を含む波長範囲(例えば、8.5μm以上10μm以下の波長範囲)である。励起光源23は、例えば、広帯域の中赤外光を放射し得る量子カスケードレーザである。サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質に吸収されない参照光が、励起光24とともにサンプル21に照射されてもよい。
励起光24は、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質に吸収される。物質による励起光24の吸収によって、サンプル21で吸収熱が発生する。サンプル21の吸収熱は、導波路型リング共振器12に伝導して、導波路型リング共振器12の温度が変化する。導波路型リング共振器12は熱光学効果を有している。そのため、導波路型リング共振器12の温度が変化すると、導波路型リング共振器12の屈折率が変化して、導波路型リング共振器12を介した第1光導波路11から第2光導波路13へのプローブ光27の結合率が変化する。
サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質は、例えば、生体成分である。具体的には、非侵襲物質分析装置1を用いて患者の血糖値を得る場合、非侵襲物質分析装置1によって分析される物質は、患者の表皮中の組織間質液中に存在している糖である。
本実施の形態では、励起光源23は主面10aに対向して配置されている。励起光24は、主面10aの側からサンプル21に入射する。励起光24は、基板15を通ることなく、サンプル21に入射する。基板15が励起光24に対して透明である場合には、励起光源23は光導波回路10の主面10bに対向して配置されてもよく、励起光24は、基板15を通って、サンプル21に入射してもよい。
図1を参照して、光強度検出器30は、第2光導波路13の端13aに光学的に結合している。光強度検出器30は、プローブ光27のうち第2光導波路13に光学的に結合する第1光27aの強度を検出する。光強度検出器30は、サンプル21に励起光24を照射していない時に光強度検出器30に入射する第1光27aの第1強度と、サンプル21に励起光24を照射している時に光強度検出器30に入射する第1光27aの第2強度とを測定する。上記のように、サンプル21に励起光24を照射していない時とサンプル21に励起光24を照射している時との間で、導波路型リング共振器12の温度が変化して、導波路型リング共振器12を介した第1光導波路11から第2光導波路13へのプローブ光27の結合率が変化する。そのため、第1光27aの第2強度は、第1光27aの第1強度と異なる。
光強度検出器30は、第1光27aの第1強度と第1光27aの第2強度とを物質分析部33に出力する。光強度検出器30は、例えば、SiGeフォトダイオードのようなフォトダイオードである。本実施の形態では、光強度検出器30は、基板15上に配置されている。光強度検出器30は、光導波回路10の外部に配置されてもよい。
非侵襲物質分析装置1は、プローブ光27のうち第2光導波路13に光学的に結合する第1光27aの強度に基づいて、物質を分析する。図1を参照して、物質分析部33は、光強度検出器30に接続されている。物質分析部33は、光強度検出器30から、第1光27aの第1強度と第1光27aの第2強度とを受信する。物質分析部33は、第1光27aの第1強度と第1光27aの第2強度とから、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の種類、量または濃度を得る。
物質分析部33は、例えば、プロセッサと、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような記憶装置とを含むマイクロコンピュータである。プロセッサとして、例えば、CPU(Central Processing Unit)が採用され得る。RAMは、プロセッサによって処理されるデータを一時的に記憶する作業用メモリとして機能する。記憶装置には、例えば、プロセッサで実行されるプログラムなどが記憶されている。本実施の形態では、記憶装置に記憶されているプログラムをプロセッサが実行することで、物質分析部33は、第1光27aの第1強度と第1光27aの第2強度とから、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の種類を特定する、または、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の量もしくは濃度を算出する。物質分析部33における各種処理は、ソフトウェアによって実行されることに限られず、専用のハードウェア(電子回路)によって実行されてもよい。
図5を主に参照して、非侵襲物質分析装置1を用いた本実施の形態の非侵襲物質分析方法を説明する。
本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、サンプル載置領域19上にサンプル21を載置すること(S1)を備える。光導波回路10の温度とサンプル21の温度との間に差があると、光導波回路10とサンプル21との間で熱の移動が発生する。この熱の移動は、サンプル21の吸収熱による導波路型リング共振器12を介した第1光導波路11から第2光導波路13へのプローブ光27の結合率の変化の検出を困難にして、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の分析を困難にする。そこで、光導波回路10とサンプル21との間に熱平衡状態が実現するまで、後述するステップS3を行わない。光導波回路10とサンプル21との間に熱平衡状態が実現すると、非侵襲物質分析装置1を用いて、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の分析を行う。
本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、励起光24をサンプル21に照射しないで、光強度検出器30に入射する第1光27aの第1強度を測定すること(S3)を備える。励起光24がサンプル21に照射されていない(励起光24のオフ状態)ため、サンプル21で吸収熱は発生しない。
本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、励起光24をサンプル21に照射しながら、光強度検出器30に入射する第1光27aの第2強度を測定すること(S4)を備える。励起光24がサンプル21に照射されている(励起光24のオン状態)ため、励起光24は、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質に吸収される。サンプル21で吸収熱が発生する。サンプル21の吸収熱は、導波路型リング共振器12に伝導する。導波路型リング共振器12の温度が変化して、導波路型リング共振器12の屈折率が変化する。導波路型リング共振器12を介した第1光導波路11から第2光導波路13へのプローブ光27の結合率が変化する。そのため、第1光27aの第2強度は、第1光27aの第1強度と異なる。
本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、第1光27aの第1強度と第1光27aの第2強度とから、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の量または濃度を得ること(S5)を備える。例えば、物質分析部33は、メモリ(図示せず)に接続されている。メモリは、励起光24の波長と物質の種類とが対応づけられているデータテーブルと、第1強度と第2強度との間の差と物質の量または濃度とが対応づけられているデータテーブルを格納している。物質分析部33は、これらデータテーブルを参照して、物質の種類を特定するとともに、物質の量または濃度を算出する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1の効果を説明する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1は、光導波回路10と、励起光源23と、プローブ光源26と、第1光強度検出器(光強度検出器30)とを備える。光導波回路10は、サンプル載置領域19を含む第1主面(主面10a)と、第1主面とは反対側の第2主面(主面10b)とを有する。励起光源23は、サンプル載置領域19上に載置されるサンプル21に向けて励起光24を放射する。プローブ光源26は、プローブ光27を放射する。光導波回路10は、プローブ光27が入射される第1光導波路11と、第1光導波路11に光学的に結合する導波路型リング共振器12と、導波路型リング共振器12に光学的に結合する第2光導波路13とを含む。第1光強度検出器は、第2光導波路13に光学的に結合しており、かつ、プローブ光27のうち第2光導波路13に光学的に結合する第1光27aの強度を検出する。
第1光強度検出器(光強度検出器30)は、励起光24のオン/オフによるプローブ光27の位置の変化ではなく、励起光24のオン/オフによる、第2光導波路13に結合する第1光27aの強度の変化を検出している。そのため、第1光強度検出器は小型化されて、非侵襲物質分析装置1は小型化される。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1では、第1主面(主面10a)の平面視において、サンプル載置領域19は、導波路型リング共振器12の内側にある。
第1主面(主面10a)の平面視において、サンプル載置領域19は、導波路型リング共振器12によって囲まれている。サンプル21の吸収熱は、導波路型リング共振器12に効率的に伝導する。励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなる。そのため、非侵襲物質分析装置1は、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1は、第1光27aの強度に基づいて、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析する物質分析部33をさらに備える。そのため、非侵襲物質分析装置1は小型化される。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1では、光導波回路10は、第1終端部(終端部17)を含む。第2光導波路13は、第1光強度検出器(光強度検出器30)に光学的に結合されている第1端(端13a)と、第1端とは反対側の第2端(端13b)とを含む。第1終端部は、第2光導波路13の第2端に設けられており、プローブ光27を散乱または吸収する。
第1終端部(終端部17)は、プローブ光27を散乱または吸収して、プローブ光27の戻り光が導波路型リング共振器12、プローブ光源26及び第1光強度検出器(光強度検出器30)に結合することを防止する。そのため、非侵襲物質分析装置1は、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1では、光導波回路10は、第2終端部(終端部16)を含む。第1光導波路11は、プローブ光27が入射される第3端(端11a)と、第3端とは反対側の第4端(端11b)とを含む。第2終端部は、第1光導波路11の第4端に設けられており、前記プローブ光27を散乱または吸収する。
第2終端部(終端部16)は、プローブ光27を散乱または吸収して、プローブ光27の戻り光が導波路型リング共振器12、プローブ光源26及び第1光強度検出器(光強度検出器30)に結合することを防止する。そのため、非侵襲物質分析装置1は、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1では、導波路型リング共振器12は、シリコン導波路である。
シリコンは、光導波路用の光学材料の中で比較的大きな熱光学係数を有している。そのため、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の量が少ない等の理由によりサンプル21の吸収熱が少なくても、励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなる。非侵襲物質分析装置1は、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
実施の形態2.
図6を参照して、実施の形態2の非侵襲物質分析装置1bを説明する。本実施の形態の非侵襲物質分析装置1bは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
非侵襲物質分析装置1bは、終端部16(図1を参照)に代えて、光強度検出器37を備えている。光強度検出器37は、第1光導波路11の端11bに光学的に結合している。光強度検出器37は、プローブ光27のうち導波路型リング共振器12に結合せずに第1光導波路11を伝搬する第2光27bの強度を検出する。
非侵襲物質分析装置1bは、プローブ光27のうち第2光導波路13に光学的に結合する第1光27aの強度とプローブ光27のうち導波路型リング共振器12に結合せずに第1光導波路11を伝搬する第2光27bの強度とに基づいて、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析する。例えば、非侵襲物質分析装置1bは、プローブ光27のうち第2光導波路13に光学的に結合する第1光27aの強度とプローブ光27のうち導波路型リング共振器12に結合せずに第1光導波路11を伝搬する第2光27bの強度との間の差に基づいて、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析する。
具体的には、光強度検出器37は、サンプル21に励起光24を照射していない時に光強度検出器37に入射する第2光27bの第3強度と、サンプル21に励起光24を照射している時に光強度検出器37に入射する第2光27bの第4強度とを測定する。実施の形態1において記載したように、サンプル21に励起光24を照射していない時とサンプル21に励起光24を照射している時との間で、導波路型リング共振器12の温度が変化して、導波路型リング共振器12を介した第1光導波路11から第2光導波路13へのプローブ光27の結合率が変化する。そのため、第2光27bの第4強度は、第2光27bの第3強度と異なる。
光強度検出器37は、第2光27bの第3強度と第2光27bの第4強度とを物質分析部33に出力する。光強度検出器37は、例えば、SiGeフォトダイオードのようなフォトダイオードである。本実施の形態では、光強度検出器37は、基板15上に配置されている。光強度検出器37は、光導波回路10の外部に配置されてもよい。
物質分析部33は、光強度検出器30に加えて光強度検出器37にも接続されている。物質分析部33は、光強度検出器30から、第1光27aの第1強度と第1光27aの第2強度とを受信するとともに、光強度検出器37から、第2光27bの第3強度と第2光27bの第4強度とを受信する。物質分析部33は、第1光27aの第1強度と第1光27aの第2強度と第2光27bの第3強度と第2光27bの第4強度とから、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の種類、量または濃度を得る。
図7を主に参照して、非侵襲物質分析装置1bを用いた本実施の形態の非侵襲物質分析方法を説明する。本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、実施の形態1の非侵襲物質分析方法と同様であるが、以下の点で実施の形態1の非侵襲物質分析方法と異なっている。
本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、ステップS1に続いて、励起光24をサンプル21に照射しないで、光強度検出器30に入射する第1光27aの第1強度と光強度検出器37に入射する第2光27bの第3強度とを測定すること(S13)を備える。励起光24がサンプル21に照射されていない(励起光24のオフ状態)ため、サンプル21で吸収熱は発生しない。
本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、励起光24をサンプル21に照射しながら、光強度検出器30に入射する第1光27aの第2強度と光強度検出器37に入射する第2光27bの第4強度とを測定すること(S14)を備える。励起光24がサンプル21に照射されている(励起光24のオン状態)ため、励起光24は、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質に吸収される。サンプル21で吸収熱が発生する。サンプル21の吸収熱は、導波路型リング共振器12に伝導する。導波路型リング共振器12の温度が変化して、導波路型リング共振器12の屈折率が変化する。導波路型リング共振器12を介した第1光導波路11から第2光導波路13へのプローブ光27の結合率が変化する。そのため、第1光27aの第2強度は、第1光27aの第1強度と異なる。第2光27bの第4強度は、第2光27bの第3強度と異なる。
本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、第1光27aの第1強度と第1光27aの第2強度と第2光27bの第3強度と第2光27bの第4強度とから、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質の量または濃度を得ること(S15)を備える。例えば、物質分析部33は、第1光27aの第1強度と第2光27bの第3強度との間の差を、励起光24のオフ時の第1差分信号として算出する。物質分析部33は、第1光27aの第2強度と第2光27bの第4強度との間の差を、励起光24のオン時の第2差分信号として算出する。メモリは、励起光24の波長と物質の種類とが対応づけられているデータテーブルと、第1差分信号との第2差分信号との間の差と物質の量または濃度とが対応づけられているデータテーブルを格納している。物質分析部33は、これらデータテーブルを参照して、物質の種類を特定するとともに、物質の量または濃度を算出する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1bは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1bは、第2光強度検出器(光強度検出器37)をさらに備える。第2光強度検出器は、第1光導波路11に光学的に結合しており、かつ、プローブ光27のうち導波路型リング共振器12に結合せずに第1光導波路11を伝搬する第2光27bの強度を検出する。
非侵襲物質分析装置1bは、第1光強度検出器(光強度検出器30)によって測定される第1光27aの強度と第2光強度検出器(光強度検出器37)によって測定される第2光27bの強度との間の差に基づいて、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。光導波回路10の小さな擾乱に起因して、第1光27aの強度が雑音成分を含むことがある。小さな擾乱は、例えば、製造プロセスに起因する光導波回路10の光入射面の荒れ及び光導波路の側壁の荒れである。第1光27aの強度と第2光27bの強度との間の差を得ることによって、第1光27aの強度の雑音成分は、第2光27bの強度の雑音成分によって打ち消される。そのため、第1光27aの強度と第2光27bの強度との間の差は、第1光27aの強度よりも高いS/N比を有している。非侵襲物質分析装置1bは、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1bは、第1光27aの強度と第2光27bの強度との間の差に基づいて、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析する物質分析部33をさらに備える。
第1光27aの強度と第2光27bの強度との間の差を得ることによって、第1光27aの強度の雑音成分は、第2光27bの強度の雑音成分によって打ち消される。そのため、第1光27aの強度と第2光27bの強度との間の差は、第1光27aの強度よりも高いS/N比を有している。非侵襲物質分析装置1bは、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
実施の形態3.
図8から図10を参照して、実施の形態3の非侵襲物質分析装置1cを説明する。本実施の形態の非侵襲物質分析装置1cは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
図8及び図9を参照して、本実施の形態の非侵襲物質分析装置1cは、導波路型リング共振器12の温度を調整する温度調整器40を備える。温度調整器40は、例えば、ヒータ電極のようなヒータである。ヒータに電流を印加することによってヒータは発熱して、導波路型リング共振器12の温度を変化させる。ヒータは、例えば、タンタル、白金またはチタンなどの高抵抗金属材料によって形成されている。温度調整器40は、導波路型リング共振器12よりも、主面10aの近くに配置されている。温度調整器40は、クラッド層14によって、導波路型リング共振器12から隔てられている。
主面10aの平面視において、導波路型リング共振器12の周方向に沿う帯形状を有している。主面10aの平面視において、導波路型リング共振器12の周方向における温度調整器40の長さは、例えば、導波路型リング共振器12の周方向における導波路型リング共振器12の長さの50%以下である。そのため、温度調整器40がサンプル21の吸収熱に比べて過大な熱を光導波回路10に供給することが防止される。温度調整器40に起因してサンプル21の吸収熱の検出感度が大幅に低下することを避けることができる。導波路型リング共振器12の周方向における温度調整器40の長さは、導波路型リング共振器12の周方向における導波路型リング共振器12の長さの20%以下であってもよい。
導波路型リング共振器12の位相は、実施の形態1の式(1)によって与えられる。そのため、図10に示されるように、温度調整器40を用いて導波路型リング共振器12の温度を変化させると、導波路型リング共振器12の初期位相(励起光24のオフ時における導波路型リング共振器12の位相)が変化する。本実施の形態では、励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなるように、温度調整器40の温度を設定する。こうして、導波路型リング共振器12の初期位相が設定される。
例えば、図10を参照して、温度調整器40がオフ状態である場合に、導波路型リング共振器12は、pの初期位相を有している。pの初期位相を有する導波路型リング共振器12では、励起光24のオン/オフによる第1光導波路11から導波路型リング共振器12へのプローブ光27の結合率の変化が小さく、励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化は小さい。
温度調整器40を用いて導波路型リング共振器12の温度を変化させて、導波路型リング共振器12の初期位相をpに設定する。pの初期位相を有する導波路型リング共振器12では、励起光24のオン/オフによる第1光導波路11から導波路型リング共振器12へのプローブ光27の結合率の変化が大きくなり、励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化は大きくなる。そのため、サンプル21の吸収熱をより高い精度で検出することができる。サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質をより高い精度で分析することができる。
図11を主に参照して、非侵襲物質分析装置1cを用いた本実施の形態の非侵襲物質分析方法を説明する。本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、実施の形態1の非侵襲物質分析方法(図5を参照)と同様であるが、以下の点で実施の形態1の非侵襲物質分析方法と異なっている。
本実施の形態の非侵襲物質分析方法は、ステップS1とステップS3との間に、温度調整器40を用いて、導波路型リング共振器12の初期位相を調整すること(S2)をさらに備える。具体的には、励起光24をサンプル21に照射することなく、温度調整器40を用いて導波路型リング共振器12の温度を変化させながら、光強度検出器30を用いて第1光27aの強度を測定する。温度調整器40の温度の変化(すなわち、導波路型リング共振器12の温度の変化)に対する第1光27aの強度変化の比が大きくなるように、好ましくは当該比が最大となるように、温度調整器40の温度を設定する。こうして、導波路型リング共振器12の初期位相が設定される。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1cは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1cは、導波路型リング共振器12の温度を調整する温度調整器40をさらに備える。
温度調整器40によって導波路型リング共振器12の温度を調整して、励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなるように、導波路型リング共振器12の初期位相(励起光24のオフ時における導波路型リング共振器12の位相)を設定することができる。そのため、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1cでは、第1主面(主面10a)の平面視において、導波路型リング共振器12の周方向における温度調整器40の長さは、導波路型リング共振器12の周方向における導波路型リング共振器12の長さの50%以下である。
そのため、温度調整器40がサンプル21の吸収熱に比べて過大な熱を光導波回路10に供給することが防止される。温度調整器40に起因してサンプル21の吸収熱の検出感度が大幅に低下することを避けることができる。より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
実施の形態4.
図12を参照して、実施の形態4の非侵襲物質分析装置1dを説明する。本実施の形態の非侵襲物質分析装置1dは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
非侵襲物質分析装置1dは、プローブ光源26の温度を調整する温度調整器42をさらに備える。温度調整器42は、例えば、ヒータまたはペルチェ素子である。温度調整器42によってプローブ光源26の温度を変化させると、プローブ光源26から放射されるプローブ光27の波長が変化する。
導波路型リング共振器12の位相は、実施の形態1の式(1)によって与えられるから、プローブ光27の波長が変化すると、導波路型リング共振器12の初期位相(励起光24のオフ時における導波路型リング共振器12の位相)が変化する。本実施の形態では、温度調整器42によってプローブ光源26の温度を調整して、プローブ光27の波長を調整する。励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなるように、プローブ光27の波長が設定される。こうして、導波路型リング共振器12の初期位相が設定される。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1dは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1dは、プローブ光源26の温度を調整する温度調整器42をさらに備える。
温度調整器42によってプローブ光源26の温度を調整して、プローブ光27の波長を調整する。プローブ光27の波長の調整によって、励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなるように、導波路型リング共振器12の初期位相(励起光24のオフ時における導波路型リング共振器12の位相)を設定することができる。そのため、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
実施の形態5.
図13及び図14を参照して、実施の形態5の非侵襲物質分析装置1eを説明する。本実施の形態の非侵襲物質分析装置1eは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態では、光導波回路10は、導波路型リング共振器12に対向する基板15の表面15aに、凹部15cが設けられている。凹部15cは、光導波回路10の厚さ方向(主面10aと主面10bとが互いに対向する方向)において、導波路型リング共振器12に対向している。凹部15cは、基板15を切削またはエッチングすることによって形成される。主面10aの平面視において、凹部15cは、導波路型リング共振器12にオーバーラップしている。
光導波回路10は、熱絶縁部材44を含む。凹部15cは、熱絶縁部材44によって充填されている。熱絶縁部材44は、基板15よりも小さな熱伝導率を有する。本実施の形態では、熱絶縁部材44は、クラッド層14と同じ材料(例えば、シリカ系ガラス)で形成されている。熱絶縁部材44は、基板15よりも小さな熱伝導率を有する材料で形成されていればよく、クラッド層14と異なる材料で形成されてもよい。熱絶縁部材44は、光導波回路10の厚さ方向(主面10aと主面10bとが互いに対向する方向)において、導波路型リング共振器12に対向している。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1eは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1eでは、光導波回路10は、導波路型リング共振器12を支持する基板15と、基板15よりも小さな熱伝導率を有する熱絶縁部材44とを含む。導波路型リング共振器12に対向する基板15の表面15aに、第1主面(主面10a)の平面視において導波路型リング共振器12にオーバーラップしている凹部15cが設けられている。凹部15cは、熱絶縁部材44によって充填されている。
熱絶縁部材44のため、サンプル21の吸収熱は、基板15に逃げ難くなる。励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなる。そのため、非侵襲物質分析装置1eは、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
実施の形態6.
図15及び図16を参照して、実施の形態6の非侵襲物質分析装置1fを説明する。本実施の形態の非侵襲物質分析装置1fは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
非侵襲物質分析装置1fでは、光導波回路10に貫通孔46が設けられている。貫通孔46は、サンプル載置領域19から主面10bまで延在しており、光導波回路10を貫通している。貫通孔46は、導波路型リング共振器12の内側にある。励起光24は、貫通孔46を通って、サンプル21に照射される。本実施の形態では、主面10aの平面視において、サンプル21の大きさは、貫通孔46の大きさよりも大きい。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1fは、実施の形態1の非侵襲物質分析装置1の効果に加えて、以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1fでは、サンプル載置領域19から第2主面(主面10b)まで延在する貫通孔46が光導波回路10に設けられている。励起光24は、貫通孔46を通って、サンプル21に照射される。
励起光24が通る貫通孔46が光導波回路10に設けられている。そのため、励起光24は、光導波回路10で吸収されることなく、より強い光強度でサンプル21に到達する。サンプル21の吸収熱が増加する。また、サンプル21の吸収熱が光導波回路10の厚さ方向(主面10aと主面10bとが互いに対向する方向)に逃げ難くなる。励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなる。そのため、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
光導波回路10(基板15)が励起光24に対して不透明な材料で形成されていても、励起光24を主面10bの側からサンプル21に向けて照射することが可能になる。光導波回路10(基板15)の材料の選択肢が拡がるとともに、励起光源23の配置の自由度が増加する。
実施の形態7.
図17及び図18を参照して、実施の形態7の非侵襲物質分析装置1gを説明する。本実施の形態の非侵襲物質分析装置1gは、実施の形態6の非侵襲物質分析装置1fと同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
非侵襲物質分析装置1gは、光学媒質50をさらに備える。光学媒質50は、励起光24を透過させる。励起光24に対する光学媒質50の透過率は、励起光24に対する光導波回路10(基板15)の透過率より大きい。励起光24は、光学媒質50を通って、サンプル21に照射される。励起光24が中赤外光である場合、光学媒質50は、例えば、ゲルマニウム(Ge)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)またはカルコゲナイドガラス(SSbSnGe)のような中赤外光に対して透明な材料で形成されている。
光学媒質50は、貫通孔46を閉塞する。サンプル載置領域19の少なくとも一部は、光学媒質50によって形成されている。サンプル21は光学媒質50上に載置され得る。貫通孔46は、光学媒質50によって充填されている。光学媒質50は、サンプル載置領域19から主面10bまで延在している。光学媒質50の熱伝導率は、空気の熱伝導率よりも大きい。そのため、サンプル21の吸収熱は、光学媒質50を通って、導波路型リング共振器12に効率的に伝わる。光学媒質50の熱伝導率は、クラッド層14の熱伝導率よりも大きくてもよい。光学媒質50の熱伝導率は、基板15の熱伝導率よりも小さい。そのため、サンプル21の吸収熱は、光導波回路10の厚さ方向(主面10aと主面10bとが互いに対向する方向)に逃げ難い。
図19を参照して、本実施の形態の変形例では、光学媒質50は、光導波回路10の厚さ方向(主面10aと主面10bとが互いに対向する方向)において、サンプル載置領域19から導波路型リング共振器12の内側面12aの高さまで延在している。すなわち、光学媒質50は、導波路型リング共振器12の内側面12aの少なくとも一部に対向している。光学媒質50は、光導波回路10の厚さ方向において、サンプル載置領域19から導波路型リング共振器12の下面12bの高さまで延在してもよい。すなわち、光学媒質50は、導波路型リング共振器12の内側面12a全体に対向してもよい。導波路型リング共振器12の下面12bは、主面10bに対向している。
貫通孔46のうち光学媒質50よりも主面10bに近位する部分は、光学媒質50によって充填されていない空洞である。励起光24は、空洞及び光学媒質50を通って、サンプル21に照射される。光学媒質50は基板15から離れており、サンプル21の吸収熱は、光学媒質50を通して基板15に逃げ難い。そのため、光学媒質50は、クラッド層14よりも大きな熱伝導率を有する材料で形成され得る。例えば、光学媒質50は、ゲルマニウム(Ge)、セレン化亜鉛(ZnSe)または硫化亜鉛(ZnS)のような10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料で形成され得る。そのため、サンプル21の吸収熱は、光学媒質50を通して導波路型リング共振器12に効率的に伝わる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1gは、実施の形態6の非侵襲物質分析装置1fの効果と同様の以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1gは、励起光24を透過させる光学媒質50をさらに備える。光学媒質50は、貫通孔46を閉塞する。励起光24は、光学媒質50を通って、サンプル21に照射される。
励起光24は光学媒質50を通るため、より強い光強度でサンプル21に到達する。また、サンプル21の吸収熱は、光学媒質50を通って、導波路型リング共振器12に効率的に伝わる。励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなる。より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
サンプル21は、光学媒質50上に載置され得る。そのため、サンプル21のサイズが貫通孔46のサイズよりも小さくても、あるいは、サンプル21が液体であっても、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1gでは、光学媒質50は、サンプル載置領域19から導波路型リング共振器12の内側面12aの高さまで延在している。貫通孔46のうち光学媒質50よりも第2主面(主面10b)に近位する部分は、光学媒質50によって充填されていない空洞である。
励起光24は空洞では減衰しないため、励起光24は、より強い光強度でサンプル21に到達する。サンプル21の吸収熱が増加する。また、空洞中の空気の熱伝導率は低いため、空洞は、サンプル21の吸収熱が導波路型リング共振器12から逃げ難くする。そのため、励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなる。より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
実施の形態8.
図20及び図21を参照して、実施の形態8の非侵襲物質分析装置1hを説明する。本実施の形態の非侵襲物質分析装置1hは、実施の形態7の非侵襲物質分析装置1gと同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1hは、光学媒質50に代えて、第1光学媒質51と、第2光学媒質52とを備える。第1光学媒質51と、第2光学媒質52とは、励起光24を透過させる。励起光24に対する第1光学媒質51の透過率は、励起光24に対する光導波回路10(特に、基板15)の透過率より大きい。励起光24に対する第2光学媒質52の透過率は、励起光24に対する光導波回路10(特に、基板15)の透過率より大きい。第1光学媒質51は、貫通孔46を閉塞する。第2光学媒質52は、貫通孔46を閉塞する。第2光学媒質52は、第1光学媒質51よりもサンプル載置領域19の近くに配置されている。サンプル載置領域19の少なくとも一部は、第2光学媒質52によって形成されている。サンプル21は第2光学媒質52上に載置され得る。励起光24は、第1光学媒質51と第2光学媒質52とを通って、サンプル21に照射される。
第1光学媒質51は、第2光学媒質52よりも低い熱伝導率を有する。第1光学媒質51は、第2光学媒質52を基板15から隔てている。そのため、サンプル21の吸収熱が光導波回路10の厚さ方向に逃げ難くなる。第1光学媒質51は、例えば、5W/(m・K)以下の熱伝導率を有してもよく、1W/(m・K)以下の熱伝導率を有してもよい。励起光24が中赤外光である場合、第1光学媒質51は、例えば、カルコゲナイドガラス(SSbSnGe)で形成されている。
第2光学媒質52は、第1光学媒質51よりも高い熱伝導率を有する。そのため、サンプル21の吸収熱は、第2光学媒質52を通って、導波路型リング共振器12に効率的に伝わる。第2光学媒質52は基板15から離れており、サンプル21の吸収熱は基板15に逃げ難い。そのため、第2光学媒質52は、クラッド層14よりも大きな熱伝導率を有する材料で形成され得る。例えば、第2光学媒質52は、例えば、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有してもよく、15W/(m・K)以上の熱伝導率を有してもよい。励起光24が中赤外光である場合、第2光学媒質52は、例えば、ゲルマニウム(Ge)、セレン化亜鉛(ZnSe)または硫化亜鉛(ZnS)で形成されている。
第2光学媒質52は、光導波回路10の厚さ方向(主面10aと主面10bとが互いに対向する方向)において、サンプル載置領域19から導波路型リング共振器12の内側面12aの高さまで延在している。すなわち、第2光学媒質52は、導波路型リング共振器12の内側面12aの少なくとも一部に対向している。第2光学媒質52は、光導波回路10の厚さ方向において、サンプル載置領域19から導波路型リング共振器12の下面12bの高さまで延在してもよい。すなわち、第2光学媒質52は、導波路型リング共振器12の内側面12a全体に対向してもよい。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1hは、実施の形態7の非侵襲物質分析装置1gの効果と同様の以下の効果をさらに奏する。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1hは、励起光24を透過させる第1光学媒質51と、励起光24を透過させる第2光学媒質52とをさらに備える。第1光学媒質51は、貫通孔46を閉塞する。第2光学媒質52は、貫通孔46を閉塞し、第1光学媒質51よりも高い熱伝導率を有し、かつ、第1光学媒質51よりもサンプル載置領域19の近くに配置されている。励起光24は、第1光学媒質51及び第2光学媒質52を通って、サンプル21に照射される。
サンプル21の吸収熱は、第2光学媒質52を通って、導波路型リング共振器12に効率的に伝わる。しかし、第1光学媒質51は、サンプル21の吸収熱が導波路型リング共振器12から逃げ難くする。励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなる。そのため、より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
サンプル21は、第2光学媒質52上に載置され得る。そのため、サンプル21のサイズが貫通孔46のサイズよりも小さくても、あるいは、サンプル21が液体であっても、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1hでは、第2光学媒質52は、サンプル載置領域19から導波路型リング共振器12の内側面12aの高さまで延在している。
サンプル21の吸収熱は、光学媒質50を通って、導波路型リング共振器12により一層効率的に伝わる。そのため、励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなる。より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
本実施の形態の非侵襲物質分析装置1hでは、第2光学媒質52は、サンプル載置領域19から導波路型リング共振器12の下面12bの高さまで延在している。導波路型リング共振器12の下面12bは、第2主面(主面10b)に対向している。
サンプル21の吸収熱は、光学媒質50を通って、導波路型リング共振器12により一層効率的に伝わる。そのため、励起光24のオン/オフによる第1光27aの強度の変化が大きくなる。より高い精度で、サンプル21中のまたはサンプル21の表面上の物質を分析することができる。
今回開示された実施の形態1-8はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態1-8の少なくとも二つを組み合わせてもよい。本開示の範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h 非侵襲物質分析装置、10 光導波回路、10a,10b 主面、11 第1光導波路、11a,11b,13a,13b 端、12 導波路型リング共振器、12a 内側面、12b 下面、13 第2光導波路、14 クラッド層、15 基板、15a 表面、15c 凹部、16,17 終端部、19 サンプル載置領域、21 サンプル、23 励起光源、24 励起光、26 プローブ光源、27 プローブ光、27a 第1光、27b 第2光、30,37 光強度検出器、33 物質分析部、40,42 温度調整器、44 熱絶縁部材、46 貫通孔、50 光学媒質、51 第1光学媒質、52 第2光学媒質。

Claims (16)

  1. 血糖値を調べるために人体内に埋め込まずに前記人体に含まれる物質を分析する非埋込型の非侵襲物質分析装置において、
    サンプル載置領域を含む第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを有する光導波回路と、
    前記サンプル載置領域上に載置されるサンプルに向けて、前記サンプル載置領域に対して垂直方向から励起光を放射する励起光源と、
    プローブ光を放射するプローブ光源と、
    第1光強度検出器と
    第2光強度検出器とを備え、
    前記光導波回路は、一端側から他端側へ前記プローブ光が入射される第1光導波路と、
    前記第1光導波路に光学的に結合する導波路型リング共振器と、前記導波路型リング共振器に光学的に結合し、かつ、前記他端側から前記一端側へ前記導波路型リング共振器を介した前記プローブ光を伝搬させる第2光導波路とを含み、
    前記第1主面の平面視において、前記励起光源から前記垂直方向に前記励起光が放射される前記サンプル載置領域は、前記導波路型リング共振器の内側に配置されており、
    前記プローブ光源および前記第1光強度検出器は、前記サンプル載置領域及び前記導波路型リング共振器よりも前記一端側に配置されており、
    前記第1光強度検出器は、前記第2光導波路に前記一端側で光学的に結合しており、かつ、前記プローブ光のうち前記第2光導波路に光学的に結合する第1光の強度を検出し、
    前記第2光強度検出器は、前記第1光導波路に光学的に結合しており、かつ、前記プローブ光のうち前記導波路型リング共振器に結合せずに前記第1光導波路を伝搬する第2光の強度を検出する、非侵襲物質分析装置。
  2. 前記第1光の前記強度と前記第2光の前記強度との間の差に基づいて、前記サンプル中のまたは前記サンプルの表面上の物質を分析する物質分析部をさらに備える、請求項に記載の非侵襲物質分析装置。
  3. 血糖値を調べるために人体内に埋め込まずに前記人体に含まれる物質を分析する非埋込型の非侵襲物質分析装置において、
    サンプル載置領域を含む第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを有する光導波回路と、
    前記サンプル載置領域上に載置されるサンプルに向けて、前記サンプル載置領域に対して垂直方向から励起光を放射する励起光源と、
    プローブ光を放射するプローブ光源と、
    第1光強度検出器と、
    第1温度調整器とを備え、
    前記光導波回路は、一端側から他端側へ前記プローブ光が入射される第1光導波路と、
    前記第1光導波路に光学的に結合する導波路型リング共振器と、前記導波路型リング共振器に光学的に結合し、かつ、前記他端側から前記一端側へ前記導波路型リング共振器を介した前記プローブ光を伝搬させる第2光導波路とを含み、
    前記第1主面の平面視において、前記励起光源から前記垂直方向に前記励起光が放射される前記サンプル載置領域は、前記導波路型リング共振器の内側に配置されており、
    前記プローブ光源および前記第1光強度検出器は、前記サンプル載置領域及び前記導波路型リング共振器よりも前記一端側に配置されており、
    前記第1光強度検出器は、前記第2光導波路に前記一端側で光学的に結合しており、かつ、前記プローブ光のうち前記第2光導波路に光学的に結合する第1光の強度を検出し、
    前記第1温度調整器は、前記導波路型リング共振器の温度を調整する、非侵襲物質分析装置。
  4. 前記第1主面の前記平面視において、前記導波路型リング共振器の周方向における前記第1温度調整器の長さは、前記周方向における前記導波路型リング共振器の長さの50%以下である、請求項に記載の非侵襲物質分析装置。
  5. 血糖値を調べるために人体内に埋め込まずに前記人体に含まれる物質を分析する非埋込型の非侵襲物質分析装置において、
    サンプル載置領域を含む第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面とを有する光導波回路と、
    前記サンプル載置領域上に載置されるサンプルに向けて、前記サンプル載置領域に対して垂直方向から励起光を放射する励起光源と、
    プローブ光を放射するプローブ光源と、
    第1光強度検出器とを備え、
    前記光導波回路は、一端側から他端側へ前記プローブ光が入射される第1光導波路と、
    前記第1光導波路に光学的に結合する導波路型リング共振器と、前記導波路型リング共振器に光学的に結合し、かつ、前記他端側から前記一端側へ前記導波路型リング共振器を介した前記プローブ光を伝搬させる第2光導波路と、前記導波路型リング共振器を支持する基板と、前記基板よりも小さな熱伝導率を有する熱絶縁部材とを含み、
    前記第1主面の平面視において、前記励起光源から前記垂直方向に前記励起光が放射される前記サンプル載置領域は、前記導波路型リング共振器の内側に配置されており、
    前記導波路型リング共振器に対向する前記基板の表面に、前記第1主面の前記平面視において前記導波路型リング共振器にオーバーラップしている凹部が設けられており、
    前記凹部は、前記熱絶縁部材によって充填されており、
    前記プローブ光源および前記第1光強度検出器は、前記サンプル載置領域及び前記導波路型リング共振器よりも前記一端側に配置されており、
    前記第1光強度検出器は、前記第2光導波路に前記一端側で光学的に結合しており、かつ、前記プローブ光のうち前記第2光導波路に光学的に結合する第1光の強度を検出する、非侵襲物質分析装置。
  6. 前記第1光の前記強度に基づいて、前記サンプル中のまたは前記サンプルの表面上の物質を分析する物質分析部をさらに備える、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の非侵襲物質分析装置。
  7. 前記プローブ光源の温度を調整する第2温度調整器をさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の非侵襲物質分析装置。
  8. 前記サンプル載置領域から前記第2主面まで延在する貫通孔が前記光導波回路に設けられており、
    前記励起光は、前記貫通孔を通って、前記サンプルに照射される、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の非侵襲物質分析装置。
  9. 前記励起光を透過させる光学媒質をさらに備え、
    前記光学媒質は、前記貫通孔を閉塞し、
    前記励起光は、前記光学媒質を通って、前記サンプルに照射される、請求項に記載の非侵襲物質分析装置。
  10. 前記光学媒質は、前記サンプル載置領域から前記導波路型リング共振器の内側面の高さまで延在しており、
    前記貫通孔のうち前記光学媒質よりも前記第2主面に近位する部分は、前記光学媒質によって充填されていない空洞である、請求項に記載の非侵襲物質分析装置。
  11. 前記励起光を透過させる第1光学媒質と、
    前記励起光を透過させる第2光学媒質とをさらに備え、
    前記第1光学媒質は、前記貫通孔を閉塞し、
    前記第2光学媒質は、前記貫通孔を閉塞し、前記第1光学媒質よりも高い熱伝導率を有し、かつ、前記第1光学媒質よりも前記サンプル載置領域の近くに配置されており、
    前記励起光は、前記第1光学媒質及び前記第2光学媒質を通って、前記サンプルに照射される、請求項に記載の非侵襲物質分析装置。
  12. 前記第2光学媒質は、前記サンプル載置領域から前記導波路型リング共振器の内側面の高さまで延在している、請求項11に記載の非侵襲物質分析装置。
  13. 前記第2光学媒質は、前記サンプル載置領域から前記導波路型リング共振器の下面の高さまで延在しており、
    前記導波路型リング共振器の前記下面は、前記第2主面に対向している、請求項11に記載の非侵襲物質分析装置。
  14. 前記光導波回路は、第1終端部を含み、
    前記第2光導波路は、前記第1光強度検出器に光学的に結合されている第1端と、前記第1端とは反対側の第2端とを含み、
    前記第1終端部は、前記第2光導波路の前記第2端に設けられており、前記プローブ光を散乱または吸収する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の非侵襲物質分析装置。
  15. 前記光導波回路は、第1終端部と第2終端部を含み、
    前記第2光導波路は、前記第1光強度検出器に光学的に結合されている第1端と、前記第1端とは反対側の第2端とを含み、
    前記第1終端部は、前記第2光導波路の前記第2端に設けられており、前記プローブ光を散乱または吸収し、
    前記第1光導波路は、前記プローブ光が入射される第3端と、前記第3端とは反対側の第4端とを含み、
    前記第2終端部は、前記第1光導波路の前記第4端に設けられており、前記プローブ光を散乱または吸収する、請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の非侵襲物質分析装置。
  16. 前記導波路型リング共振器は、シリコン導波路である、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の非侵襲物質分析装置。
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