JP7475568B2 - デバイストランスレータ、通信システム、通信方法、および通信プログラム - Google Patents
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Description
NW-TTとDS-TTが、SyncLockedモードでPTPメッセージを転送する場合、DS-TTはFollow_Upを受信してからSyncを送信する仕組みになっている。しかし、無線のソフト処理、あるいは、通信区間の環境悪化による再送といった要因により、Follow_UpがDS-TTに到着する時刻がSyncの到着時刻より大幅に遅れることがある。このようにFollow_UpがSyncより遅れる場合、DS-TTがFollow_Upの到着までSyncを送信できない。
非特許文献2で規定されたMDSyncsendSMステートマシンでは、先に到着したSyncが遅れて送信されると、次のSyncも同じく遅れて送信されてしまう。結局、たった1つのFollow_Upが遅れることで、DS-TT側のTSNブリッジ側でSyncのタイムアウトが起きる可能性が高くなる。特に、Syncの送信周期が短い場合は、Syncのタイムアウトが起きる可能性がさらに高くなる。DS-TT側のTSNブリッジはSyncタイムアウトになると、TSNグランドマスタに時刻同期せず、ローカル時刻で動作することになり、システム全体の時刻同期性能が悪くなる。
前記5G端末から、前記TSN機器間で通信される時刻同期メッセージのうち先に送信される第1時刻同期メッセージと、前記5Gネットワークの通信性能を評価する指標となる指標値とを取得し、前記指標値を用いて前記5Gネットワークの通信性能を評価する通信評価値を算出する5G送受信部と、
前記通信評価値に基づいて、前記第1時刻同期メッセージの送信タイミングを制御するTSN送受信部とを備える。
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る通信システム500のネットワーク構成例を示す図である。
本実施の形態に係る通信システム500は、5Gネットワークブリッジ10を介して、TSN機器同士の通信を行うシステムである。例えば、通信システム500は、TSNマスタ20mからTSNスレーブ20sへ時刻同期メッセージの送信を行う。
TSNマスタ20mおよびTSNスレーブ20sは、標準化されているTSN機能を用いて通信するTSN機器である。
ネットワークトランスレータ100は、5Gネットワーク220の側に配置され、TSN機能を有するトランスレータである。デバイストランスレータ400は、5G端末230の側に配置され、TSN機能を有するトランスレータである。
ネットワークトランスレータ100は、NW-TTとも称される。デバイストランスレータ400は、DS-TTとも称される。
TSNマスタ20mは、5Gネットワークブリッジ10を介して、時刻をTSNスレーブ20sに配信する。
TSN機器間で通信される時刻同期メッセージのうち先に送信されるSyncは、第1時刻同期メッセージ401の例である。また、第1時刻同期メッセージであるSyncの後に送信されるFollow_Upは、第2時刻同期メッセージ402の例である。
具体的には、NW-TT(ネットワークトランスレータ)とDS-TT(デバイストランスレータ)は、5Gネットワークのマスタに時刻同期する。これにより、NW-TTとDS-TTでは、同期した5G時刻を用いて、PTPメッセージのSyncが5Gネットワークブリッジの内部にいる滞留時間を計算する。
MDSyncsendSMステートマシンでは、先に到着したSyncが遅れて送信されると、次のSyncも同じく遅れて送信されてしまう。結局、たった1つのFollow_Upが遅れることで、DS-TT側のTSNブリッジ(B2)(図2ではTSN(B2)と記載)側でSyncのタイムアウトが起きる可能性が高くなる。特に、Syncの送信周期が短い場合は、Syncのタイムアウトが起きる可能性がさらに高くなる。DS-TT側のTSNブリッジ(B2)はSyncタイムアウトになると、TSNマスタに時刻同期せず、ローカル時刻で動作することになり、システム全体の時刻同期性能が悪くなる。
デバイストランスレータ400は、CPU制御部410、TSN送受信部420、5G送受信部430、時刻同期制御部440、TSN時刻同期部441、5G時刻同期部442、および、遅延測定部443を有する。CPUは、Central Processing Unitの略語である。
5G送受信部430は、5G端末230から受信した時刻同期メッセージと、チャネル性能指標および遅延指標とを処理するモジュールである。
5G送受信部430は、5G端末230から、第1時刻同期メッセージであるSyncと、5Gネットワークの通信性能を評価する指標となる指標値41とを取得する。そして、5G送受信部430は、指標値41を用いて5Gネットワークの通信性能を評価する通信評価値42を算出する。
5Gネットワークの複数の性能指標とは、後述する無線区間のチャネルの物理層性能指標である。
端末インタフェース431は、受信した時刻同期メッセージ40(SyncあるいはFollow_Up)を抽出し、出力部433に転送する。
物理層性能指標は、(SS-RSRP,CSI-RSRP,SS-RSRQ,CSI-RSRQ,SS-SINR,CSI-SINR)値である。SS-RSRP,CSI-RSRP,SS-RSRQ,CSI-RSRQ,SS-SINR,およびCSI-SINRは、以下の通りである。
・SS-RSRP(SS参照信号受信出力):SS reference signal received power
・CSI-RSRP(CSI基準信号受信出力):CSI reference signal received quality
・SS-RSRQ(SS基準信号受信品質):Secondary synchronization signal reference signal received quality
・CSI-RSRQ(CSI基準信号受信品質):CSI reference signal received quality
・SS-SINR(SS信号対雑音および干渉比):SS signal-to-noise and interference ratio
・CSI-SINR(CSI信号対雑音および干渉比):CSI signal-to-noise and interference ratio
なお、SSは、同期信号(Sync Signal)の略語、CSIは、チャネル状態情報(Cannel state information)の略語である。
上記の記載により、5G送受信部430の出力30には、時刻同期メッセージ40(SyncあるいはFollow_Up)と通信評価値42とが含まれる。時刻同期メッセージ40(SyncあるいはFollow_Up)は、SyncあるいはFollow_Upである。
時刻同期制御部440は、時刻同期メッセージ40(SyncあるいはFollow_Up)を、TSN時刻同期部441、5G時刻同期部442、遅延測定部443に送信する。
FUP_CORR_FLDは、Follow_UpのTLVフィールドに格納される、マスタとの間の遅延時間の総和である。
5G時刻同期部442は、5G送受信部430から受信した時刻同期メッセージに基づいて5G内部の時刻源に時刻同期を行う。
次に、本実施の形態に係るデバイストランスレータ400の動作について説明する。デバイストランスレータ400の動作手順は、通信方法に相当する。また、デバイストランスレータ400の動作を実現するプログラムは、通信プログラムに相当する。
TSN送受信部420は、通信評価値42に基づいて、第1時刻同期メッセージであるSyncの送信タイミングを制御する。
通信評価値42が閾値より小さければ、ステップS106に進む。
よって、ステップS103において、TSN送受信部420は、第1時刻同期メッセージ(Sync)に対応する第2時刻同期メッセージ(Follow_Up)であって、第1時刻同期メッセージの後に送信される第2時刻同期メッセージ(Follow_Up)の受信を待つ。具体的には、デバイストランスレータ400は、第2時刻同期メッセージであるFollow_Upの受信待ち状態に遷移する。
Syncの送信後、ステップS105において、TSN送受信部420は、Follow_Upを送信する。
具体的には、TSN送受信部420は、Follow_Upの受信後、SyncとFollow_Upを順番に送信する(ステップS104,S105)。
ステップS103からステップS105は、CSI-SINR値が大きい場合のステートマシンの例である。
ステップS106において、TSN送受信部420は、第2時刻同期メッセージ(Follow_Up)の受信を待たずに第1時刻同期メッセージ(Sync)を送信する。
TSN送受信部420は、第2時刻同期メッセージ(Follow_Up)の受信を待たずに第1時刻同期メッセージ(Sync)を送信した後、ステップS107において、第2時刻同期メッセージ(Follow_Up)の受信を待つ。
第2時刻同期メッセージ(Follow_Up)を受信すると、ステップS108において、TSN送受信部420は、受信した第2時刻同期メッセージ(Follow_Up)を送信する。なお、ここで、送信する第2時刻同期メッセージ(Follow_Up)は、遅延測定部443の遅延値33により更新された、送信用の第2時刻同期メッセージ(Follow_Up)である。
具体的には、以下の通りである。
デバイストランスレータ400が、Syncの送信タイムスタンプTOUTを遅延測定部443に通知し、Follow_Up受信待ち状態に遷移する(ステップS107)。
デバイストランスレータ400は、同じSequenceIDのFollow_Upを受信した際に、遅延測定部443の遅延値33により更新されたFollow_UpをTSN側に送信する(ステップS108)。
図6では、太字部分が通信評価値が小さい場合の状態遷移を示している。
Syncは受信後にすぐ送信する。Follow_Upは送信されたSyncと同じSequenceIDを持つことを確認次第、Follow_Upを生成して送信する。
図7に示すように、本実施の形態に係るデバイストランスレータ400では、無線区間の影響で発生したFollow_Upの遅れが、Syncの送信タイミングに影響しない。よって、デバイストランスレータ400から送信したSyncがTSNスレーブに到着するタイミングも影響されないため、TSNスレーブの安定的な時刻同期動作を期待できる。図7はCSI-SINRを通信評価値として使用する場合における時刻同期メッセージ40(SyncあるいはFollow_Up)の転送方法を示している。
図8は、本実施の形態に係るデバイストランスレータ400のハードウェア構成例を示す図である。
デバイストランスレータ400は、コンピュータである。デバイストランスレータ400は、プロセッサ901、メモリ902、および通信装置904により実現される。これらのプロセッサ901、メモリ902、および通信装置904は、バス903を介して接続されている。
メモリ902は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、またはEEPROMといった、不揮発性または揮発性の半導体メモリである。あるいは、メモリ902は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVDである。RAMは、Random Access Memoryの略語である。ROMは、Read Only Memoryの略語である。EPROMは、Erasable Programmable Read Only Memoryの略語である。EEPROMは、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略語である。DVDは、Digital Versatile Discの略語である。
TSN送受信部420、5G送受信部430、および時刻同期制御部440をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。TSN送受信部420、5G送受信部430、および時刻同期制御部440は、プロセッサ901が、TSN送受信部420、5G送受信部430、および時刻同期制御部440のそれぞれとして動作するためのプログラムをメモリ902から読み出して実行することにより実現される。デバイストランスレータ400は、その機能がプロセッサ901により実行されるときに、デバイストランスレータ400の動作を実施するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ902を備える。また、これらのプログラムは、デバイストランスレータ400が行う各種処理をコンピュータに実行させるものである。
通信プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、通信プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
また、通信システム500のその他の機器のハードウェア構成についても基本的に同様である。
本実施の形態に係る通信システムは、以下のようなデバイストランスレータを有する。
本実施の形態に係るデバイストランスレータは、5Gネットワークの無線遅延影響を抑え、5Gネットワークの外部にある時刻スレーブを安定的な同期時刻で動作させる機能を持つ。デバイストランスレータ5G送受信部は、5G端末と通信接続する。TSN送受信部は、5G送受信部により取得した5Gネットワークの性能指標に基づいた時刻同期メッセージの送信方式を有する。
よって、本実施の形態に係る通信システムによれば、5G無線区間における転送不安定の影響を抑え、TSNスレーブに安定的に動作させるため、新たなデバイストランスレータの転送機能を提供することができる。
また、本実施の形態に係るデバイストランスレータによるタイミング制御機能によれば、一般の無線端末でも接続できるため、実用性が高いという効果がある。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
Claims (9)
- 5G端末が接続された5Gネットワークにより構成され、ネットワークブリッジとして機能する5Gネットワークブリッジであって、標準化されているTSN(Time-Sensitive Networking)機能を用いたTSN機器同士の通信を中継する5Gネットワークブリッジに含まれるデバイストランスレータにおいて、
前記5G端末から、前記TSN機器間で通信される時刻同期メッセージのうち先に送信される第1時刻同期メッセージと、前記5Gネットワークの通信性能を評価する指標となる指標値とを取得し、前記指標値を用いて前記5Gネットワークの通信性能を評価する通信評価値を算出する5G送受信部と、
前記通信評価値に基づいて、前記第1時刻同期メッセージの送信タイミングを制御するTSN送受信部と
を備えるデバイストランスレータ。 - 前記TSN送受信部は、
前記通信評価値が閾値以上であれば、前記第1時刻同期メッセージに対応する第2時刻同期メッセージであって前記第1時刻同期メッセージの後に送信される第2時刻同期メッセージの受信を待ち、
前記通信評価値が閾値より小さければ、前記第2時刻同期メッセージの受信を待たずに前記第1時刻同期メッセージを送信する請求項1に記載のデバイストランスレータ。 - 前記TSN送受信部は、
前記通信評価値が閾値より小さければ、前記第2時刻同期メッセージの受信を待たずに前記第1時刻同期メッセージを送信して前記第2時刻同期メッセージの受信を待ち、前記第2時刻同期メッセージを受信すると、受信した前記第2時刻同期メッセージを送信する請求項2に記載のデバイストランスレータ。 - 前記5G送受信部は、
前記5Gネットワークの複数の性能指標、および、ユーザにより定義された前記複数の性能指標の組み合わせを、前記指標値として用いて前記通信評価値を算出する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデバイストランスレータ。 - 前記複数の性能指標には、SS-RSRP(SS reference signal received power)とCSI-RSRP(CSI reference signal received quality)とSS-RSRQ(Secondary synchronization signal reference signal received quality)とCSI-RSRQ(CSI reference signal received quality)とSS-SINR(SS signal-to-noise and interference ratio)とCSI-SINR(CSI signal-to-noise and interference ratio)と、が含まれる請求項4に記載のデバイストランスレータ。
- 前記5G送受信部は、
ユーザ定義のアルゴリズムにより前記通信評価値を算出する演算部を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデバイストランスレータ。 - 5G端末が接続された5Gネットワークを5Gネットワークブリッジとして、標準化されているTSN(Time-Sensitive Networking)機能を用いてTSNマスタからTSNスレーブへ時刻同期メッセージの送信を行う通信システムにおいて、
前記5Gネットワークブリッジは、
前記5Gネットワークの側に配置され、TSN機能を有するネットワークトランスレータと、前記5G端末の側に配置され、TSN機能を有するデバイストランスレータとを備え、
前記ネットワークトランスレータは、
前記時刻同期メッセージのうち先に送信される第1時刻同期メッセージと、前記第1時刻同期メッセージの後に送信される第2時刻同期メッセージとを前記5G端末に送信し、
前記デバイストランスレータは、
前記5G端末から、前記第1時刻同期メッセージと前記5Gネットワークの通信性能を評価する指標となる指標値とを取得し、前記指標値に基づいて前記5Gネットワークの通信性能を評価する通信評価値を算出し、前記通信評価値に基づいて、前記第1時刻同期メッセージの送信タイミングを制御する通信システム。 - 5G端末が接続された5Gネットワークにより構成され、ネットワークブリッジとして機能する5Gネットワークブリッジであって、標準化されているTSN(Time-Sensitive Networking)機能を用いたTSN機器同士の通信を中継する5Gネットワークブリッジに含まれるデバイストランスレータに用いられる通信方法において、
プロセッサが、前記5G端末から、前記TSN機器間で通信される時刻同期メッセージのうち先に送信される第1時刻同期メッセージと、前記5Gネットワークの通信性能を評価する指標となる指標値とを取得し、前記指標値を用いて前記5Gネットワークの通信性能を評価する通信評価値を算出し、
プロセッサが、前記通信評価値に基づいて、前記第1時刻同期メッセージの送信タイミングを制御する通信方法。 - 5G端末が接続された5Gネットワークにより構成され、ネットワークブリッジとして機能する5Gネットワークブリッジであって、標準化されているTSN(Time-Sensitive Networking)機能を用いたTSN機器同士の通信を中継する5Gネットワークブリッジに含まれるデバイストランスレータに用いられる通信プログラムにおいて、
前記5G端末から、前記TSN機器間で通信される時刻同期メッセージのうち先に送信される第1時刻同期メッセージと、前記5Gネットワークの通信性能を評価する指標となる指標値とを取得し、前記指標値を用いて前記5Gネットワークの通信性能を評価する通信評価値を算出する5G送受信処理と、
前記通信評価値に基づいて、前記第1時刻同期メッセージの送信タイミングを制御するTSN送受信処理と
をコンピュータに実行させる通信プログラム。
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