JP7473223B2 - 推定器学習装置、推定器学習方法、及び、推定器学習プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、推定器学習装置、推定器学習方法、及び、推定器学習プログラムに関する。
病理診断は、がんのグレード診断や診療方針の決定など確定診断法として臨床で行われている。これに対して、新たな病理診断の情報提供法として病理標本へのハイパースペクトル(HS)カメラの応用が検討されている。
特許第6392476号公報 特開2017-203637号公報 特開2011-181015号公報 特開2013-113818号公報
Detecting brain tumor in pathological slides using hyperspectral imaging, Samuel Ortega, Himar Febelo, Rafael Camacho, Maria de la Luz Plaza, Gustavo M. Callico, Reberto Samiento, Biomedical Opt Express. 2018 Feb 1; 9(2): 818-831.
病理診断等で使用される細胞や組織の標本は、無色透明であることが多いため観察しにくいことがある。そこで、顕微鏡での観察を容易にするために、あらかじめ細胞や組織を染色してから、観察することが行われている。
染色された細胞をハイパースペクトルカメラで撮影することにより、複数のバンドの染色画像が得られる。複数のバンドの染色画像を用いて、がんか否かを推定することが望まれている。
本発明は、染色画像における細胞核が所定の状態であるか否かを推定できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
所定の染色液で染色した生体物質試料を複数の波長帯でそれぞれ撮影した染色画像を取得する画像取得部と、
それぞれの前記染色画像における前記生体物質試料に含まれる細胞核の領域を抽出する細胞核抽出部と、
それぞれの前記染色画像から、前記細胞核の領域における各波長帯の吸光度を算出する色情報取得部と、
前記各波長帯の吸光度と、前記生体物質試料に対応付けられる前記生体物質試料に含まれる前記細胞核が所定状態であるか否かの情報との関係とに基づいて、前記各波長帯の吸光度から前記細胞核が所定状態であるか否かを推定する推定器を学習する推定器学習部と、
を備える、
推定器学習装置である。
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。
本発明によれば、染色画像における細胞核が所定の状態であるか否かを推定できる技術を提供することができる。
図1は、実施形態の推定器学習のシステムの構成例を示す図である。 図2は、実施形態のがん推定のシステムの構成例を示す図である。 図3は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。 図4は、推定器学習装置におけるがん推定器の学習の際の動作フローの例を示す図である。 図5は、染色画像において選択された細胞核の例を示す図である。 図6は、染色画像の細胞核の領域における、透過率の波長依存性のグラフの例を示す図である。 図7は、染色画像の細胞核の領域における、REHの波長依存性のグラフの例を示す図である。 図8は、推定装置におけるがん推定の際の動作フローの例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
〔実施形態1〕
(構成例1)
図1は、本実施形態の推定器学習のシステムの構成例を示す図である。本実施形態の推定器学習のシステム10は、推定器学習装置100、ハイパースペクトルカメラ200を含む。推定器学習装置100は、画像取得部102、細胞核抽出部104、色情報取得部106、色素量算出部108、吸光度推定部110、推定器学習部112を含む。推定器学習装置100と、ハイパースペクトルカメラ200とは、直接、又は、ネットワーク等を介して、通信可能に接続されている。
推定器学習装置100は、ハイパースペクトルカメラ200からバンドごとの試料の染色画像を取得する。推定器学習装置100は、染色画像から、細胞核の領域を抽出し、細胞核の吸光度を求め、色素量を推定する。推定器学習装置100は、推定された色素量と、分光吸収係数から、吸光度を推定する。推定器学習装置100は、染色画像に基づく吸光度及び推定した色素量と、細胞核ががんであるか非がんであるかの情報に基づいて、がん推定器を生成する。試料は、例えば、細胞や組織などの生体物質試料である。がんの細胞核以外の細胞核は、非がんの細胞核である。推定器学習装置100で使用される、プログラム、データ及びテーブル等は、推定器学習装置100の記憶手段に格納される。
画像取得部102は、ハイパースペクトルカメラ200から試料の染色画像を取得する。
細胞核抽出部104は、画像取得部102で取得された試料の染色画像において、細胞核の領域を、利用者等に選択させることにより、染色画像における細胞核の領域を抽出する。細胞核抽出部104は、画像認識により、染色画像から細胞核の領域を抽出してもよい。
色情報取得部106は、試料の染色画像の細胞核の領域から、色情報(各バンドの吸光度)を算出する。
色素量算出部108は、取得されたマルチバンドの染色画像の細胞核の領域の色情報から、色素量を算出する。
吸光度推定部110は、分光吸収係数と色素量算出部108で算出された色素量とに基づいて、吸光度を推定する。
推定器学習部112は、染色画像の細胞核の吸光度及び吸光度推定部110で推定された吸光度と、細胞核ががんであるか非がんであるかの情報とに基づいて、がん推定器を学習する。推定器学習部112は、学習したがん推定器を記憶手段に格納する。がん推定器は、推定器の一例である。細胞核ががんであるか非がんであるかは、細胞核が所定状態であるか否かの一例である。所定状態であるか否かは、例えば、何らかの病気であるか否かなどである。
ハイパースペクトルカメラ200は、撮影対象を複数に分けられたバンド(周波数帯、波長帯)毎に撮影することができるカメラである。ハイパースペクトルカメラ200は、染色された試料をバンドごとに撮影する。ハイパースペクトルカメラ200における撮影対象の周波数(波長)は、例えば、赤外線領域から紫外線領域である。ハイパースペクトルカメラ200は、例えば、10以上の波長帯(バンド)で撮影することができる。ハイパースペクトルカメラ200は、RGBカメラよりも多い波長帯で撮影することができる。ハイパースペクトルカメラ200が撮影する波長帯(バンド)数は、17以上であることが好ましい。ハイパースペクトルカメラ200が撮影する波長帯(バンド)数は、51以上であることがより好ましい。
図2は、本実施形態のがん推定のシステムの構成例を示す図である。本実施形態のがん推定のシステム20は、ハイパースペクトルカメラ200、推定装置300を含む。推定装置300は、画像取得部302、細胞核抽出部304、色情報取得部306、色素量算出部308、吸光度推定部310、推定部312、推定器314を含む。ハイパースペクトルカメラ200は、図1のハイパースペクトルカメラ200と同様である。推定装置300と、ハイパースペクトルカメラ200とは、直接、又は、ネットワーク等を介して、通信可能に接続されている。
推定装置300は、ハイパースペクトルカメラ200からバンドごとの試料の染色画像を取得する。推定装置300は、染色画像から、細胞核の領域を抽出し、細胞核の吸光度を求め、色素量を推定する。推定装置300は、推定された色素量と、分光吸収係数から、吸光度を推定する。推定装置300は、染色画像に基づく吸光度及び推定した色素量と、推定器学習装置100で学習された推定器を用いて、染色画像内の細胞核ががんであるか否か(非がんであるか)の推定を行なう。試料は、例えば、細胞や組織などの生体物質である。推定装置300で使用される、プログラム、データ及びテーブル等は、推定装置300の記憶手段に格納される。
画像取得部302は、画像取得部302、細胞核抽出部304、色情報取得部306、色素量算出部308、吸光度推定部310は、図1の画像取得部102、細胞核抽出部104、色情報取得部106、色素量算出部108、吸光度推定部110と同様である。
推定部312は、染色画像の吸光度等に基づいて、推定器学習装置100によって学習されたがん推定器314を用いて、染色画像内の細胞核ががんであるか否かの推定を行なう。
がん推定器314は、それぞれ、推定器学習装置100で構築された、がん推定器である。
がん推定器の学習を行う推定器学習装置100とがん推定を行う推定装置300とは、一体化して1つの装置として動作してもよい。
図3は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図3に示す情報処理装置90は、一般的なコンピュータの構成を有している。推定器学習装置100は、図3に示すような情報処理装置90を用いることによって、実現される。図3の情報処理装置90は、プロセッサ91、メモリ92、記憶部93、入力部94、出力部95、通信制御部96を有する。これらは、互いにバスによって接続される。メモリ92及び記憶部93は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。情報処理装置のハードウェア構成は、図3に示される例に限らず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。
情報処理装置90は、プロセッサ91が記録媒体に記憶されたプログラムをメモリ92の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)である。
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。メモリ92は、主記憶装置とも呼ばれる。
記憶部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)である。また、記憶部93は、リムーバブルメディア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。記憶部93は、二次記憶装置とも呼ばれる。
記憶部93は、情報処理装置90で使用される、各種のプログラム、各種のデータ及び各種のテーブルを読み書き自在に記録媒体に格納する。記憶部93には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。記憶部93に格納される情報は、メモリ92に格納されてもよい。また、メモリ92に格納される情報は、記憶部93に格納されてもよい。
オペレーティングシステムは、ソフトウェアとハードウェアとの仲介、メモリ空間の管理、ファイル管理、プロセスやタスクの管理等を行うソフトウェアである。オペレーティングシステムは、通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、通信制御部96を介して接続される他の外部装置等とデータのやり取りを行うプログラムである。外部装置等には、例えば、他の情報処理装置、外部記憶装置等が含まれる。
入力部94は、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、タッチパネル等を含む。また、入力部94は、カメラのような映像や画像の入力装置や、マイクロフォンのような音声の入力装置を含むことができる。
出力部95は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)パネル、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置、プリンタ等の出力装置を含む。また、出力部95は、スピーカのような音声の出力装置を含むことができる。
通信制御部96は、他の装置と接続し、情報処理装置90と他の装置との間の通信を制御する。通信制御部96は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースボード、無線通信のための無線通信回路、有線通信のための通信回路である。LANインタフェースボードや無線通信回路は、インターネット等のネットワークに接続される。
情報処理装置90は、プロセッサが補助記憶部に記憶されたプログラムを主記憶部の作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器等の制御を行う。これにより、情報処理装置は、所定の目的に合致した機能を実現することができる。主記憶部及び補助記憶部は、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体である。
(動作例)
〈がん推定器学習〉
図4は、推定器学習装置におけるがん推定器の学習の際の動作フローの例を示す図である。
S101では、画像取得部102は、ハイパースペクトルカメラ200で撮影された染色された試料の染色画像をハイパースペクトルカメラ200から取得する。画像取得部102は、取得した染色画像を、記憶手段に格納する。試料は、例えば、細胞や組織等の生体物質の切片標本である。染色画像は、所定の染色液で試料を染色して撮影されたものである。試料に所定の染色液を添加することで、所定の部分が発色する。発色する部分、色は、染色液に依存する。ハイパースペクトルカメラ200では、複数のバンド(周波数帯)で染色画像が撮影される。染色液は、例えば、ヘマトキシリン(Hematoxylin)、エオジン(Eosin)である。染色液として、複数の染色液が使用されてもよい。ハイパースペクトルカメラ200を使用することで、試料を透過した透過光のより詳細な情報を得ることができる。ハイパースペクトルカメラ200で撮影された染色画像に含まれる細胞について、がんであるか非がんであるかは、既知である。各染色画像は、がんであるか、非がんであるかを対応付けられて、記憶手段に格納されている。
S102では、細胞核抽出部104は、S101で取得された試料の染色画像において、細胞核の領域を、利用者等に選択させることにより、染色画像における細胞核の領域を抽出する。細胞核抽出部104は、ディスプレイ等の表示手段に染色画像を表示して、利用者等にポインティングデバイス等の入力手段により染色画像における細胞核の領域を入力させる(選択させる)ことにより、染色画像における細胞核の領域を抽出する。細胞核抽出部104は、画像認識技術等により、染色画像から細胞核の領域を抽出してもよい。細胞核抽出部104は、細胞核の領域を染色画像とともに記憶手段に格納する。
図5は、染色画像において選択された細胞核の例を示す図である。図5(A)は、細胞や組織等の生体物質の切片標本を染色液で染色した染色画像の例である。図5(B)は、選択された細胞核の領域を含む染色画像の例である。図5(B)は、図5(A)の染色画像から細胞核の領域を選択されている。図5(B)において、各矢印で示される灰色領域が、細胞核の領域として選択された領域である。
S103では、色情報取得部106は、各バンドの染色画像の抽出された細胞核の領域から、各バンドの染色画像内の細胞核における各画素(位置)の吸光度を求める。ここで使用する細胞核における画素は、S102で抽出された細胞核の領域に含まれるすべての画素でなく、所定数の画素でもよい。吸光度は、光が媒質を通った際に光の強度がどの程度弱まるかを示す量である。各画素の吸光度は、各画素の明るさに依存する。色情報取得部106は、バンド毎に、染色画像における各画素の明るさから各画素の吸光度を求める。各バンドの吸光度は、試料に取り込まれた染色液の色素量及び染色液の分光吸収係数等に依存する。
S104では、色素量算出部108は、S103で求めた吸光度、既知である染色液の分光吸収係数に基づいて、画素毎に、試料に取り込まれた染色液の色素量を算出する。分光吸収係数は、光が媒質に入射したときに媒質がどの程度光を吸収するかを示す量である。染色液の分光吸収係数は、入射する光の波長に依存する。吸光度ベクトルをa、分光吸収係数行列をX、色素量をC、差分ベクトルをeとすると、ランバートベールの法則により、次のように表される。吸光度ベクトルaは、バンド毎の吸光度をベクトル表示したものである。分光吸収係数行列Xは、染色液毎、バンド毎の吸収係数を行列表示したものである。分光吸収係数行列Xは、あらかじめ、記憶手段に格納される。差分ベクトルeは、分光吸収係数Xと色素量Cとの組み合わせで吸光度ベクトルaを表せないベクトル(残差成分)である。色素量算出部108は、差分ベクトルeが最小となる推定色素量C′を最小二乗推定により算出する。
Figure 0007473223000001

色素量算出部108は、次のように、推定行列Xを吸光度ベクトルaに乗算することによって、試料に取り込まれた染色液毎の画素毎(位置毎)の推定色素量C′を求めることができる。Xは、Xの転置行列である。
Figure 0007473223000002
S105では、吸光度推定部110は、次のように、吸収分光係数XにS104で求めた推定色素量C′を乗算することで、推定された吸光度ベクトルa′を求めることができる。吸光度ベクトルa′は、染色液の分光吸収係数Xと試料に取り込まれた染色液の推定色素量C′とによって推定される吸光度ベクトル(推定吸光度)である。
Figure 0007473223000003

差分ベクトルeは、S103で算出された吸光度ベクトルaとここで推定された吸光度ベクトルa′とに基づいて、次のように表される。
Figure 0007473223000004

S106では、推定器学習部112は、S103で算出した染色画像の細胞核の吸光度ベクトルaと、S105で推定した染色画像の細胞核の吸光度ベクトルa′(差分ベクトルe)と、当該染色画像に含まれる細胞核ががんであるか非がんであるかの情報との関係を、機械学習等により分析する。分析には、ニューラルネットワークによるディープラーニング、Regression SVM、Regression Random Forest、多重回帰分析、Look Up Table等の学習空間を利用する手法等が使用され得る。また、分析には他の深層学習が利用されてもよい。推定器学習部112は、例えば、染色画像の吸光度ベクトルa及び差分ベクトルeを入力データとし、染色画像における細胞核のがんまたは非がんの情報を出力データとする。推定器学習部112は、吸光度ベクトルa及び差分ベクトルeを入力データとする際、それぞれ、正規化してもよい。推定器学習部112は、吸光度ベクトルを、例えば、エオジンのビーク波長である540nmの吸光度で割ることにより、正規化することができる。推定器学習部112は、当該入力データと当該出力データとが紐付けられた教師あり学習により、がん推定器を学習する。がん推定器は、より多くの吸光度ベクトルa及び差分ベクトルeと細胞核のがんまたは非がんの情報との組を用いることで最適化される。また、がん推定器は、染色液毎に学習することができる。推定器学習部112は、吸光度ベクトルa、吸光度ベクトルa′、及び、差分ベクトルeのうちいずれか1つと、細胞核ががんであるか非がんであるかの情報とを用いて、がん推定器を学習してもよい。がん推定器は、記憶手段に格納される。ベクトルの正規化は、例えば、ベクトルの成分のうち絶対値が最も大きい値で、当該ベクトルを割ったものを、新たなベクトル(正規化されたベクトル)とすることで実現できる。
また、推定器学習装置100は、試料を様々な染色液で染色した染色画像を用いて、がん推定器を学習することで、様々な染色液のがん推定器を学習することができる。
〈がん推定器学習の変形例〉
染色画像における細胞核には、色の濃い画素(透過率が低い、吸光度が高い)、色の薄い画素(透過率が高い、吸光度が低い)が存在する。また、色の濃い/薄い画素には、エオジンによる染色の色の濃い/薄い画素、及び、ヘマトキシリンによる染色の色の濃い/薄い画素がある。上記の例では、細胞核における透過率が高い部分と低い部分(吸光度の高い部分と低い部分)とを区別せずに、がん推定器を学習している。細胞核における透過率が高い部分と低い部分(吸光度が高い部分と低い部分)とでは、性質が異なると考えられるため、ここでは区別して学習する。なお、吸光度は、透過率の逆数の対数である(吸光度=-log(透過率))。透過率が増加すると、吸光度は単調減少する。吸光度の代わりに透過率が使用されてもよい。
推定器学習部112は、染色画像の細胞核の領域において、エオジンによる染色の色の波長である515nm-565nmの吸光度の最大値が閾値以上(透過率の最小値が閾値以下)である画素について、エオジンの濃い画素として抽出する。また、推定器学習部112は、染色画像の細胞核の領域において、エオジンによる染色の色の波長である515nm-565nmの吸光度の最大値が閾値未満(透過率の最小値が閾値超)である画素について、エオジンの薄い画素として抽出する。推定器学習部112は、染色画像の細胞核の領域を、エオジンの濃い画素、エオジンの薄い画素に分類して、それぞれについて、がん推定器を学習する。
推定器学習部112は、エオジンの濃い画素及び薄い画素を分ける、波長515nm-565nmの透過率の最大値の閾値を、例えば、0.15から0.40までの0.05刻みで変更して、それぞれについてがん推定器を学習する。推定器学習部112は、それぞれの閾値によるがん推定器について、精度を算出する。推定器学習部112は、精度が最も高くなる閾値を、エオジンの濃い画素及び薄い画素を分ける、波長515nm-565nmの吸光度の最大値の閾値とする。
また、推定器学習部112は、ヘマトキシリンによる吸光度(透過率)の違いで分類してもよい。この場合、推定器学習部112は、染色画像の細胞核の領域において、ヘマトキシリンによる染色の色の波長である585nm-635nmの吸光度の最大値が閾値以上(透過率の最小値が閾値以下)である画素について、ヘマトキシリンの濃い画素として抽出する。また、推定器学習部112は、染色画像の細胞核の領域において、ヘマトキシリンによる染色の色の波長である585nm-635nmの吸光度の最大値が閾値未満(透過率の最小値が閾値超)である画素について、ヘマトキシリンの薄い画素として抽出する。なお、推定器学習部112は、染色画像の細胞核の領域を、ヘマトキシリンの濃い画素、ヘマトキシリンの薄い画素に分類して、それぞれについて、がん推定器を学習する。
推定器学習部112は、ヘマトキシリンの濃い画素及び薄い画素を分ける、波長585nm-635nmの透過率の最大値の閾値を、例えば、0.30から0.70までの0.05刻みで変更して、それぞれについてがん推定器を学習する。推定器学習部112は、それぞれの閾値によるがん推定器について、精度を算出する。推定器学習部112は、精度が最も高くなる閾値を、ヘマトキシリンの濃い画素及び薄い画素を分ける、波長585nm-635nmの吸光度の最大値の閾値とする。
図6は、染色画像の細胞核の領域における、透過率の波長依存性のグラフの例を示す図である。図6のグラフの横軸は光の波長であり、縦軸は光の透過率である。図6のグラフでは、エオジンによる染色の色の波長である515nm-565nmの領域において、透過率は540nmで最小値となる。また、図6のグラフでは、ヘマトキシリンによる染色の色の波長である515nm-565nmの領域において、透過率は585nmで最小値となる。
また、推定器学習部112は、エオジンの吸光度とヘマトキシリンの吸光度との比で分類してもよい。ここでは、エオジンによる染色の色の濃さに対するヘマトキシリンによる染色の色の濃さで分類する。すなわち、エオジンによる染色の色に対して相対的にヘマトキシリンによる染色の色が濃いか薄いかで分類する。この場合、推定器学習部112は、染色画像の細胞核の領域において、吸光度を、エオジンのピーク波長である540nmの吸光度で割った値(REH: Ratio of Eosin to Hematoxylin)のうち、ヘマトキシリンによる染色の色の波長である585nm-635nmの最大値が閾値以上であるである画素について、相対的にヘマトキシリンの濃い画素として抽出する。また、推定器学習部112は、染色画像の細胞核の領域において、ヘマトキシリンによる染色の色の波長である585nm-635nmにおけるREHの最大値が閾値未満である画素について、相対的にヘマトキシリンの薄い画素として抽出する。推定器学習部112は、染色画像の細胞核の領域を、相対的にヘマトキシリンの濃い画素、相対的にヘマトキシリンの濃い画素に分類して、それぞれについて、がん推定器を学習する。吸光度を、エオジンのピーク波長である540nmの吸光度で割ることは、吸光度の正規化の一例である。
図7は、染色画像の細胞核の領域における、REHの波長依存性のグラフの例を示す図である。図7のグラフの横軸は波長であり、縦軸はREHである。REHは、吸光度をエオジンのピーク波長である540nmの吸光度で割ることで算出される。よって、REHは、波長540nmで1となる。また、図7のグラフにおいて、ヘマトキシリンによる染色の色の波長である585nm-635nmのREHの最大値は、波長585nmで0.50である。
推定器学習部112は、ヘマトキシリンによる染色の色がエオジンによる染色の色に対して相対的に濃い画素及び薄い画素を分ける、波長585nm-635nmのREHの最大値の閾値を、例えば、0.40から0.70までの0.05刻みで変更して、それぞれについてがん推定器を学習する。推定器学習部112は、それぞれの閾値によるがん推定器について、精度を算出する。推定器学習部112は、精度が最も高くなる閾値を、ヘマトキシリンの濃い画素及び薄い画素を分ける、波長585nm-635nmの吸光度の最大値の閾値とする。
さらに、推定器学習部112は、エオジンの透過率による分類、ヘマトキシリンの透過率による分類、エオジンとヘマトキシリンとの吸光度の比(REH)による分類によるがん推定器のうち、最も精度が高くなるがん推定器を、がん推定器として採用する。
染色画像を細胞核のエオジンやヘマトキシリンの透過率(吸光度)、REHの違いで分類することにより、がん推定器の性能をより向上させることができる。ここでは、がん推定器としているが、がん以外の病気や事象などであってもよい。がん推定器は、推定器の一例である。
〈がん推定〉
図8は、推定装置におけるがん推定の際の動作フローの例を示す図である。ここでは、推定装置300は、がん推定対象の細胞を染色した染色画像と、上記のがん推定器とを用いて、がん推定を行なう。
S201では、画像取得部302は、ハイパースペクトルカメラ200で撮影された染色された試料の染色画像をハイパースペクトルカメラ200から取得する。画像取得部302は、取得した染色画像を、記憶手段に格納する。試料は、がん推定の対象となる細胞や組織等の生体物質の切片標本である。染色画像は、所定の染色液で試料を染色して撮影されたものである。試料に所定の染色液を添加することで、所定の部分が発色する。発色する部分、色は、染色液に依存する。ハイパースペクトルカメラ200では、複数のバンド(周波数帯)で染色画像が撮影される。染色液は、例えば、ヘマトキシリン(Hematoxylin)、エオジン(Eosin)である。染色液として、複数の染色液が使用されてもよい。ハイパースペクトルカメラ200を使用することで、試料を透過した透過光のより詳細な情報を得ることができる。
S202からS205までは、図4のS102からS105までと同様である。
S206では、推定部312は、S203で算出した染色画像の細胞核の吸光度ベクトルaと、S205で推定した染色画像の細胞核の吸光度ベクトルa′(差分ベクトルe)等を入力データとして、がん推定器314を用いて、がんか非がんかを推定する。ここでは、推定部312は、推定器学習装置100で学習されたがん推定器314を用いることで、がんか否かを推定する。推定部312は、がんか否かの推定結果を記憶装置などの記憶手段に格納したり、ディスプレイなどの表示手段に出力したりする。入力データの項目(吸光度ベクトル、差分ベクトル等)は、がん推定器314を学習した際の入力データの項目と同じとする。
これにより、推定装置300は、がん推定の対象となる細胞核を含む染色画像と、推定器学習装置100で学習されたがん推定器314を用いて、がん推定を行うことができる。
(がん推定器によるがん推定の性能)
ここでは、非がん組織の切片の染色画像とがん組織の切片の染色画像を用いて、推定器学習装置100により学習したがん推定器の性能を示す。各組織の切片は、あらかじめ、病理医によってがんか非がんかが判定されている。比較対象として、ハイパースペクトルカメラ200の代わりにRGBカメラで撮影された染色画像を用いて、推定器学習装置100と同様に、学習したがん推定器の性能についても示す。RGBカメラでは、赤色を含むバンドの染色画像、緑色を含むバンドの染色画像、青色を含むバンドの染色画像が得られる。RGBカメラで撮影された染色画像を用いた場合、がん推定器の精度は79.8%、感度は82.8%、特異度は74.2%であった。感度は、がんの細胞をがんと推定した確率である。特異度は、非がんの細胞を非がんと推定した確率である。精度は、がんと判定したもののうち、がんの細胞である確率である。
推定器学習装置100において、正規化されていない吸光度ベクトルaを用いて、がん推定器を学習した場合、がん推定器の精度は83.3%、感度は88.4%、特異度は74.0%であった。ここでは、ハイパースペクトルカメラ200で撮影された染色画像を用いている。ハイパースペクトルカメラ200を用いることで、RGBカメラを用いた場合より、概ね、がん推定器の性能が向上している。
推定器学習装置100において、正規化された吸光度ベクトルa及び正規化された差分ベクトルeを用いて、がん推定器を学習した場合、がん推定器の精度は89.9%、感度は90.2%、特異度は89.2%であった。正規化された吸光度ベクトルa及び正規化された差分ベクトルeを用いることで、正規化されていない吸光度ベクトルaを用いた場合より、がん推定器の性能が向上している。
推定器学習装置100において、正規化された吸光度ベクトルa及び正規化された差分ベクトルeを用いて、かつ、エオジンの透過率による閾値を0.15から0.40までの0.05刻みで変更して分類して、がん推定器を学習した。このとき、濃い場合及び薄い場合を含めた全体のがん推定器の精度は、閾値が0.20のとき、91%で最も高くなった。また、推定器学習装置100において、正規化された吸光度ベクトルa及び正規化された差分ベクトルeを用いて、かつ、ヘマトキシリンの透過率による閾値を0.30から0.70までの0.05刻みで変更して分類して、がん推定器を学習した。このとき、濃い場合及び薄い場合を含めた全体のがん推定器の精度は、閾値が0.45のとき、90%で最も高くなった。さらに、推定器学習装置100において、正規化された吸光度ベクトルa及び正規化された差分ベクトルeを用いて、かつ、REHによる閾値を0.40から0.70までの0.05刻みで変更して分類して、がん推定器を学習した。このとき、濃い場合及び薄い場合を含めた全体のがん推定器の精度は、閾値が0.70のとき、88%で最も高くなった。よって、推定器学習装置100において、正規化された吸光度ベクトルa及び正規化された差分ベクトルeを用いて、かつ、エオジンの透過率による閾値0.20を用いて分類して、がん推定器を学習した場合に、精度が91%で最も高い結果となった。
推定器学習装置100において、正規化された吸光度ベクトルa及び正規化された差分ベクトルeを用いて、かつ、エオジンの透過率による閾値を用いて分類して、がん推定器を学習した。エオジンの透過率による閾値は、0.20(20%)とした。エオジンの透過率が閾値以下である場合(濃い場合)、がん推定器の精度は92.1%、感度は91.7%、特異度は92.5%であった。また、エオジンの透過率が閾値超である場合(薄い場合)、がん推定器の精度は90.0%、感度は91.2%、特異度は86.4%であった。また、閾値以下の場合及び閾値超の場合を含めた全体のがん推定器の精度は90.9%、感度は91.4%、特異度は89.9%であった。エオジンの透過率による閾値を用いて分類することで、濃い場合であっても、薄い場合であっても、分類しない場合より、がん推定器の性能が向上している。
(その他)
上記では、非がん組織の切片の染色画像とがん組織の切片の染色画像を用いて、推定器学習装置100により学習したがん推定器の性能を示した。非がん組織の切片とがん組織の切片とは、異なる被験者より採取した切片である。そのため、被験者Aの非がん組織の切片と被験者Bのがん組織の切片とでは、被験者の違いの影響で、色合いが異なる可能性がある。ここでは、同一切片の同一組織における陽性細胞核(増殖している細胞核)と陰性細胞核(正常な細胞核、陽性細胞核以外の細胞核)を用いて、推定器学習装置100により学習したがん推定器の性能を示す。ここでは、HE染色画像と、MIB1染色画像とが使用される。HE染色画像は、切片を、ヘマトキシリン(Hematoxylin)、エオジン(Eosin)の染色液で染色して撮影した画像である。ここでは、ハイパースペクトルカメラ200で51バンドで撮影されたHE染色画像を用いている。MIB1染色画像は、切片を、さらに、免疫染色においてKi-67をMIB-1抗体で染色して、茶色に染まる細胞核を陽性細胞核とし青色に染まる細胞核を陰性細胞核とした染色画像である。ここでは、陽性細胞核(Ki-67陽性核)を仮にがん細胞とみなす。推定器学習装置100は、51バンドで撮影したHE染色画像の各細胞核の吸光度ベクトルa及び差分ベクトルeと、MIB1染色画像の各細胞核の陽性細胞核または陰性細胞核の情報との組を用いて、がん推定器を学習する。ここでは、Support Vector Machineを用いてForward step wise法で特徴選択を行った。このとき、がん推定器の陽性細胞核推定の精度は、65%であった。陽性細胞核推定の精度は、陽性細胞核と推定した細胞核のうち、陽性細胞核である確率である。
比較対象として、51バンドで撮影したHE染色画像の細胞核の吸光度ベクトルaと、MIB1染色画像の各細胞核の陽性細胞核または陰性細胞核の情報との組を用いて、がん推定器を学習した場合、がん推定器の陽性細胞核推定の精度は63%であった。さらに、17バンドで撮影したHE染色画像の細胞核の吸光度ベクトルaと、MIB1染色画像の各細胞核の陽性細胞核または陰性細胞核の情報との組を用いて、がん推定器を学習した場合、がん推定器の陽性細胞核推定の精度は61%であった。よって、差分ベクトルeを用いてがん推定器を学習することで、推定の精度が向上することが分かる。
(実施形態の作用、効果)
推定器学習装置100は、ハイパースペクトルカメラ200でバンド毎に撮影された染色液で染色された細胞核を含む染色画像を取得する。ハイパースペクトルカメラ200を用いることで、多くのバンドの染色画像を得ることができる。推定器学習装置100は、取得された試料の染色画像において、細胞核の領域を、利用者等に選択させること等により、染色画像における細胞核の領域を抽出する。推定器学習装置100は、各バンドの染色画像の抽出された細胞核の領域から、染色画像内の細胞核における各画素(位置)の吸光度を求める。推定器学習装置100は、吸光度、既知である染色液の分光吸収係数に基づいて、画素毎に、試料に取り込まれた染色液の色素量を算出する。また、推定器学習装置100は、算出された色素量と染色液の分光吸収係数Xに基づいて、吸光度ベクトルを推定する。推定器学習装置100は、染色画像から求めた吸光度ベクトルと、推定された吸光度ベクトルとの差分である、差分ベクトルを算出する。推定器学習装置100は、染色画像の細胞核の吸光度ベクトルa及び推定した染色画像の細胞核の吸光度ベクトルa′と吸光度ベクトルとの差分である差分ベクトルeと、当該染色画像に含まれる細胞核ががんであるか非がんであるかの情報との関係を、機械学習等により分析し、がん推定器を学習する。がん推定器は、染色画像の細胞核の吸光度ベクトル等に基づいて、当該細胞核ががんであるか非がんであるかを推定することができる。推定器学習装置100は、より多くのバンドの染色画像を用いることで、より性能の高い、がん推定器を構築することができる。推定器学習装置100は、ランバートベールの法則に基づいて、差分ベクトルeを算出することができる。推定器学習装置100は、差分ベクトルeを用いて、がん推定器を学習することで、より性能の高い、がん推定器を構築することができる。
推定装置300は、ハイパースペクトルカメラ200でバンド毎に撮影された染色液で染色された細胞核を含む染色画像と、推定器学習装置100で学習されたがん推定器314とに基づいて、染色画像内の細胞核ががんであるか非がんであるかを推定する。
〈コンピュータ読み取り可能な記録媒体〉
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体内には、CPU、メモリ等のコンピュータを構成する要素を設け、そのCPUにプログラムを実行させてもよい。
また、このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
(その他)
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、各構成の組み合わせなど、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
10 :システム
100 :推定器学習装置
102 :画像取得部
104 :細胞核抽出部
106 :色情報取得部
108 :色素量算出部
110 :吸光度推定部
112 :推定器学習部
200 :ハイパースペクトルカメラ
300 :推定装置
302 :画像取得部
304 :細胞核抽出部
306 :色情報取得部
308 :色素量算出部
310 :吸光度推定部
312 :推定部
314 :がん推定器
90 :情報処理装置
91 :プロセッサ
92 :メモリ
93 :記憶部
94 :入力部
95 :出力部
96 :通信制御部

Claims (7)

  1. (削除)
  2. 所定の染色液で染色した生体物質試料を複数の波長帯でそれぞれ撮影した染色画像を取得する画像取得部と、
    それぞれの前記染色画像における前記生体物質試料に含まれる細胞核の領域を抽出する細胞核抽出部と、
    それぞれの前記染色画像から、前記細胞核の領域における各波長帯の吸光度を算出する色情報取得部と、
    前記各波長帯の吸光度と、前記生体物質試料に対応付けられる前記生体物質試料に含まれる前記細胞核が所定状態であるか否かの情報との関係とに基づいて、前記各波長帯の吸光度から前記細胞核が所定状態であるか否かを推定する推定器を学習する推定器学習部と、
    前記色情報取得部で算出された前記細胞核の領域の前記各波長帯の吸光度と、前記染色液の分光吸収係数に基づいて、前記細胞核の領域に取り込まれた前記染色液の色素量を推定する色素量算出部と、
    前記色素量と前記分光吸収係数とに基づいて、前記細胞核の領域における各波長帯の推定の吸光度である各波長帯の推定吸光度を推定する吸光度推定部と、を備え、
    前記推定器学習部は、前記各波長帯の吸光度及び前記各波長帯の吸光度と前記各波長帯の推定吸光度との差分と、前記生体物質試料に対応付けられる前記生体物質試料に含まれる前記細胞核が所定状態であるか否かの情報との関係とに基づいて、前記各波長帯の吸光度及び前記差分から前記細胞核が所定状態であるか否かを推定する前記推定器を学習する、
    推定器学習装置。
  3. 前記各波長帯の吸光度及び前記差分は、それぞれ、正規化されている、
    請求項2に記載の推定器学習装置。
  4. 前記推定器学習部は、所定の波長帯における前記吸光度が所定値以上であるもの及び前記所定値未満であるものうちいずれか一方を使用して、前記推定器を学習する、
    請求項2または3に記載の推定器学習装置。
  5. 前記細胞核が前記所定状態であるか否かは、前記細胞核ががんであるか非がんであるかである、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の推定器学習装置。
  6. 推定器学習装置が、
    所定の染色液で染色した生体物質試料を複数の波長帯でそれぞれ撮影した染色画像を取得し、
    それぞれの前記染色画像における前記生体物質試料に含まれる細胞核の領域を抽出し、
    それぞれの前記染色画像から、前記細胞核の領域における各波長帯の吸光度を算出し、
    前記各波長帯の吸光度と、前記生体物質試料に対応付けられる前記生体物質試料に含まれる前記細胞核が所定状態であるか否かの情報との関係とに基づいて、前記各波長帯の吸光度から前記細胞核が所定状態であるか否かを推定する推定器を学習し、
    算出された前記細胞核の領域の前記各波長帯の吸光度と、前記染色液の分光吸収係数に基づいて、前記細胞核の領域に取り込まれた前記染色液の色素量を推定し、
    前記色素量と前記分光吸収係数とに基づいて、前記細胞核の領域における各波長帯の推定の吸光度である各波長帯の推定吸光度を推定し、
    前記各波長帯の吸光度及び前記各波長帯の吸光度と前記各波長帯の推定吸光度との差分と、前記生体物質試料に対応付けられる前記生体物質試料に含まれる前記細胞核が所定状態であるか否かの情報との関係とに基づいて、前記各波長帯の吸光度及び前記差分から前記細胞核が所定状態であるか否かを推定する前記推定器を学習する、
    ことを実行する推定器学習方法。
  7. 推定器学習装置が、
    所定の染色液で染色した生体物質試料を複数の波長帯でそれぞれ撮影した染色画像を取得し、
    それぞれの前記染色画像における前記生体物質試料に含まれる細胞核の領域を抽出し、
    それぞれの前記染色画像から、前記細胞核の領域における各波長帯の吸光度を算出し、
    前記各波長帯の吸光度と、前記生体物質試料に対応付けられる前記生体物質試料に含まれる前記細胞核が所定状態であるか否かの情報との関係とに基づいて、前記各波長帯の吸光度から前記細胞核が所定状態であるか否かを推定する推定器を学習し、
    算出された前記細胞核の領域の前記各波長帯の吸光度と、前記染色液の分光吸収係数に基づいて、前記細胞核の領域に取り込まれた前記染色液の色素量を推定し、
    前記色素量と前記分光吸収係数とに基づいて、前記細胞核の領域における各波長帯の推定の吸光度である各波長帯の推定吸光度を推定し、
    前記各波長帯の吸光度及び前記各波長帯の吸光度と前記各波長帯の推定吸光度との差分と、前記生体物質試料に対応付けられる前記生体物質試料に含まれる前記細胞核が所定状態であるか否かの情報との関係とに基づいて、前記各波長帯の吸光度及び前記差分から前記細胞核が所定状態であるか否かを推定する前記推定器を学習する、
    ことを実行するための推定器学習プログラム。
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山口 雅浩,定量的病理診断に向けた病理画像解析技術,電子情報通信学会論文誌 D,2013年,Vol. J96-D No.4,pp.782-790
橋本 典明,マルチスペクトル画像を用いたH単染色標本からのディジタルH&E染色とその応用,電子情報通信学会論文誌 D,2013年,Vol. J96-D No.4,pp.844-852

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