JP7473172B2 - 棒材の転造方法、及び棒材の転造方法に用いられるダイス - Google Patents

棒材の転造方法、及び棒材の転造方法に用いられるダイス Download PDF

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Description

本発明は、棒材の転造方法に関する。
従来、棒材としてのねじにあっては、断面が多角形状となっていたり、部分的に平面部が形成されていたりする構造のものが既に知られている(例えば特許文献1参照)。
ここで、かかる平面部を形成するには、旋盤を用いた切削加工により行われることが一般的であり、バイト数を変更することで例えば2面取り、4面取り、又は6面取りと呼ばれる加工が選択可能となっている。
公開実用昭51-137061号公報
しかしながら、切削加工は一般的に、金属繊維を分断してしまうため強度が下がる欠点があると共に、生産速度の向上に限界があるという欠点がある。
そこで本発明は、かかる問題点を解消することができる棒材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明における第一の発明は、丸棒形状の母材を転造加工することによって、4以上であるX個の稜部が前記母材における軸線に沿って形成されてなると共に、前記稜部のうち隣り合う稜部間に平面部又は湾曲面部が形成されてなる棒材を製造する棒材の転造方法であって、転造加工に用いる一対のダイスの各加工面には、前記加工面の断面形状において、母材側に突出して母材に圧接する余肉押し出し用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設されている初期区間部と、前記初期区間部より後に母材が通過する位置に配され、母材側に突出して前記母材に平面部又は湾曲面部を形成する面部形成用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設されていると共に、当該列設された面部形成用凸部間における谷部分が稜部形成部とされている面部形成区間部と、が設けられており、前記母材を前記一対のダイスで挟持して転造加工することで、前記初期区間部における余肉押し出し用凸部から前記面部形成区間部における前記面部形成用凸部にわたって母材を転動させながら前記母材の軸線周りにX個の平面部又は湾曲面部を形成すると共に、前記母材の各平面部又は湾曲面部の境界部を前記稜部形成部に圧接させて当該母材にX個の稜部を形成することを特徴とする棒材の転造方法である。
かかる構成にあっては、まず、初期区間部で母材の外周部に前記余肉押し出し用凸部が圧接すると、これにより他の部位へ余肉を流動開始する。そしてさらに、面部形成区間部では、前記面部形成用凸部に圧接された母材の外周部分が平面状又は湾曲面状に塑性変形すると共に、谷形状の稜部形成部に圧接された母材の外周部分が、外向きにとがった稜形状に塑性変形する。したがって、上述の構成とすることにより、表面に平面部、又は凸状若しくは凹状の湾曲面部が形成された棒材を転造加工によって製造することが可能となる。また、本発明は、転造加工に基づく製造方法であるため、棒材の強度が十分に確保できると共に、生産速度に優れる利点がある。なお、棒材における稜部の先端部形状は、厳密に鋭角形状である必要はなく、丸みのある形状であってもよい。
また、本発明における第二の発明は、丸棒形状の母材を転造加工することによって、4以上であるX個の稜部が前記母材における軸線に向かって傾斜状に形成されてなると共に、前記稜部のうち隣り合う稜部間に平面部又は湾曲面部が形成されてなる錐部を端部に有する棒材を製造する棒材の転造方法であって、転造加工に用いる一対のダイスの各加工面には、前記加工面の断面形状において、母材側に突出して母材に圧接する余肉押し出し用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設されている初期区間部と、前記初期区間部より後に母材が通過する位置に配され、母材側に突出して前記母材に平面部又は湾曲面部を形成する面部形成用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設されていると共に、当該列設された面部形成用凸部間における谷部分が稜部形成部とされている面部形成区間部と、が設けられており、前記母材を前記一対のダイスで挟持して転造加工することで、前記初期区間部における余肉押し出し用凸部から前記面部形成区間部における前記面部形成用凸部にわたって母材を転動させながら前記母材の軸線周りにX個の平面部又は湾曲面部を形成すると共に、前記母材の各平面部又は湾曲面部の境界部を前記稜部形成部に圧接させて当該母材にX個の稜部を形成しながら錐状の錐部を前記母材の中間部に形成し、その後、前記軸線の方向において当該錐部よりも端となる部位を除去することを特徴とする棒材の転造方法である。
かかる構成とすることにより、稜部と平面部又は稜部と湾曲面部とが形成された錐部を具備する棒材を転造加工によって製造することが可能となる。すなわち、本発明は、棒材の端部に錐部を形成するにあたり、まず母材の中間部に錐状部分を形成し、そのあとで不要部分を除去して所望形状の棒材を得ることを特徴としている。かかる構成とすることにより、初期区間部、および面部形成区間部での加工過程において、余肉を適正に流動させながら当該余肉を適正箇所に寄せ集めて、稜部と平面部とが形成された錐状部分を形成することができる。仮に、当初から錐状部分を母材の先端部に形成しようとすると、余肉が母材の先端側へ流出して逃げ出てしまい、稜部と平面部とを適正に形成することができなくなる。なお、当該第二の発明においても、上述の第一の発明と同様に、転造加工に基づく利点がある。また、自動車業界では、自動車の軽量化がますます求められており、金属製部品と樹脂製部品のような異素材を締結する締結部材の需要が増えることが予想されているところ、樹脂製部品側から圧入される締結部品の錘状の先端部を転造加工によって好適に作製することができる。なお、錐部における稜部の先端部形状は、厳密に鋭角形状である必要はなく、丸みのある形状であってもよい。
また、第三の発明は、第一の発明又は第二の発明にかかる棒材の転造方法に用いられるダイスであって、前記ダイスは、移動側ダイスと固定側ダイスとで構成されていることを特徴とする棒材の転造方法に用いられるダイスである。
かかる構成とすることにより、転造加工によって、上述の棒材を好適に製造することができる。なお、第一の発明及び第二の発明は共に、切削加工による製造方法に比して、切粉の発生を著しく抑制することができる利点がある。すなわち、本発明にかかる両発明は、被加工部分を全長方向に伸ばしながら形成するものであり、製品の最終寸法に対して切粉量が極めて少量となる。
本発明は、転造加工の利点を備えつつ、稜部と平面部又は湾曲面部を備えた棒材を適切に製造することができる優れた効果がある。
実施例1にかかる棒材の転造方法に用いられるダイスと母材の斜視図である。 実施例1にかかる四角柱用固定側ダイスを示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。 実施例1にかかる四角柱用固定側ダイスを示す説明図であり、(a)は図2(b)のA部分における断面形状を示し、(b)は図2(b)のB部分における断面形状を示し、(c)は図2(b)のC部分における断面形状を示し、(d)は図2(b)のD部分における断面形状を示している。 実施例1にかかる初期区間部における転造の過程を説明する説明図である。 図4から続く、実施例1にかかる初期区間部における転造の過程を説明する説明図である。 図5から続く、実施例1にかかる面部形成区間部における転造の過程を説明する説明図である。 実施例1にかかる棒材を部分的に示す斜視図である。 実施例2にかかる棒材の転造方法に用いられるダイスと母材の斜視図である。 実施例2にかかる四角錐用固定側ダイスを示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。 実施例2にかかる四角錐用固定側ダイスを示し、(a)は右側面図であり、(b)は左側面図である。 実施例2にかかる棒材を部分的に示す斜視図である。 実施例2にかかる母材が転造加工される過程を示す説明図である。 変形例にかかる棒材を部分的に示す斜視図である。 変形例にかかる棒材を製造する過程を示す説明である。 他の変形例にかかる棒材の断面を示す横断面図であり、(a)は凸状湾曲面部を有する例を示し、(b)は凹状湾曲面部を有する例を示している。 棒材の使用例を示す説明図である。
以下、本発明の棒材の転造方法を具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
〔実施例1〕
図1に示したように、転造ダイス1Aは、丸棒形状の母材W1に設けられた被加工部W1aに転造加工を施すことによって当該被加工部W1aを略四角柱形状に成形するために用いられる。なお、本実施例では、母材W1の中間部に被加工部W1aが定められている。
転造ダイス1Aは、図示しない台に固定された略直方体形状の四角柱用の固定側ダイス11と、四角柱用の移動側ダイス12とによって構成されている。なお、移動側ダイス12は、固定側ダイス11に対して転造方向に沿って移動する。
固定側ダイス11及び移動側ダイス12にはそれぞれ、互いに対向する面に固定側加工面15及び移動側加工面16が形成されている。なお、固定側加工面15及び移動側加工面16は、同一形状を有しているため、以下の説明では、固定側加工面15を中心に説明する。
図2に示すように、固定側加工面15は、初期区間部21と面部形成区間部22とを少なくとも備えている。
ここで、初期区間部21は、転造加工の初期に母材W1の被加工部W1aに圧接する区間となる。一方、面部形成区間部22は、転造加工の終了間際に被加工部W1aを最終的な所望の形状に成形する区間となる。
また、初期区間部21と面部形成区間部22との間には、中間加工区間部23が形成されている。ここで、中間加工区間部23は、初期区間部21から面部形成区間部22にわたって少しずつ母材W1の表面形状を変化させることによって母材W1の被加工部W1aが徐々に最終的な所望の形状へと塑性変形する区間となる。
次に、初期区間部21の具体的な構造について説明する。
図3(a)に示すように、初期区間部21には、転造加工される母材W1側に突出して母材W1に圧接する余肉押し出し用凸部31が転造方向に沿って間隔をおいて列設されている。また、この余肉押し出し用凸部31は、転造方向と直交する方向に長い単一の凸条部によって構成されている。なお、余肉押し出し用凸部31にあっては、互いに同形状で同じ高さの余肉押し出し用凸部31が2個で1組とされており、本実施例においては当該組が1組配されている。
ここで、被加工部W1aの最終形状である四角柱部分にあっては、稜部43の数が「4」であるところ、ダイス11,12に配された余肉押し出し用凸部31のうち一組当りの余肉押し出し用凸部31の数は、前記の稜部の数Xの1/2の数と等しくなる。なお、仮に被加工部W1の横断面形状が多角形である場合には、稜部(頂点)の数と平面部(辺部)の数とは等しくなることから、多角柱形状を有する被加工部W1aの稜部の数Xは、当該多角柱形状を構成する平面部の数Yと等しくなる(Y=X)。
また、被加工部W1aに形成される平面部は、固定側ダイス11の固定側加工面15と、移動側ダイス12の移動側加工面16とで同時に同数ずつ加工されることとなる。したがって、片方の加工面15,16に形成される余肉押し出し用凸部31の数Zは、平面部の数Y(=X)の半分の数となる(Z=Y÷2=X÷2)。
さらに、図3(a)等に示すように、一対の余肉押し出し用凸部31間には、平坦状の転動用平面部32が形成されている。転動用平面部32の機能については後述する。
次に、面部形成区間部22の具体的な構造について説明する。
面部形成区間部22には、図3(d)に示すように、凸条状の面部形成用凸部35が加工方向に沿って間隔をおいて、母材側に突出するように列設されている。具体的には、2個を1組として、5組列設されている。また、面部形成用凸部35間における谷部分が、稜部形成部36として凹溝状に設けられている。
そして、初期区間部21と面部形成区間部22との間に形成された中間加工区間部23には、凸条状の中間加工用凸部38が形成されている。かかる中間加工用凸部38は、図3(b),(c)に示すように、余肉押し出し用凸部31から面部形成用凸部35に向かうに従って徐々に突出量が増大している。
なお、本実施例における中間加工用凸部38は、2個を1組として17組列設されている。また、当該中間加工用凸部38の間にも転動用平面部32が各々形成されている。
ところで、初期区間部21において形成されている転動用平面部32は、面部形成区間部22に向かうに従って徐々に横幅が狭められており、面部形成区間部22においては稜部形成部36に置き換わっている。
以下に、転造ダイス1Aを用いて母材W1の被加工部W1aが略四角柱の形状に転造加工される過程を説明する。
まず、固定側加工面15及び移動側加工面16に挟持された母材W1の被加工部W1aは、図4(a)に示すように、移動側ダイス12が転造方向に沿って移動する過程で、初期区間部21に形成された余肉押し出し用凸部31に両側から挟まれて2箇所に凹部41が形成される。
2箇所に凹部41が形成された被加工部W1aは、図4(b)に示すように、移動側ダイス12が加工方向に沿って移動することによって、2個ある余肉押し出し用凸部31間の転動用平面部32を転動して次の余肉押し出し用凸部31に接する。すなわち、母材W1が転動する際に、転動用平面部32を、母材W1における凹部41間の部位が当接することとなる。
その後、さらに移動側ダイス12が加工方向に沿って移動することによって被加工部W1aが次の余肉押し出し用凸部31に接し、図5(a)に示すように、中心を挟んだ2箇所にさらに凹部41が形成される。これにより、図5(b)に示すように、被加工部W1aには、周方向に同じ間隔をおいて4個の凹部41が形成される。
そして、そのままさらに移動側ダイス12が加工方向に沿って移動することによって、被加工部W1aに形成された凹部41が、中間加工区間部23の中間加工用凸部38に順次圧接されながら塑性変形を繰り返していく。
最後に、面部形成区間部22に至った被加工部W1aは、図6(a)に示すように、面部形成用凸部35に圧接されて平面部42が形成されるとともに、図6(b)に示すように平面部42の境界部が稜部形成部36に圧接されて稜部43が形成される。
こうして、図7に示すように、母材W1の被加工部W1aに平面部42と稜部43とを備えた四角柱部分が形成された棒材W2が製造される。
〔実施例2〕
図8に示したように、実施例2にあっては、丸棒形状の母材W5の中間部に被加工部W5aが設けられている。そして、転造ダイス1Bは、この被加工部W5aに転造加工を施すことによって、当該被加工部W5aを略四角錐の形状の錐部89とするために用いられる。
転造ダイス1Bは、図示しない台に固定された略直方体形状の四角錐用の固定側ダイス51と、四角錐用の移動側ダイス52とによって構成されている。なお、移動側ダイス52は、固定側ダイス51に対して転造方向に沿って移動する。
固定側ダイス51及び移動側ダイス52にはそれぞれ、互いに対向する面に固定側加工面55及び移動側加工面56が形成されている。なお、固定側加工面55及び移動側加工面56は、互いに同一形状を有しているため、本実施例では固定側加工面55を中心に説明する。
図9,図10に示すように、固定側加工面55は、初期区間部61と、面部形成区間部62と、を備えている。ここで、初期区間部61は、転造加工の初期に母材W5の被加工部W5aに圧接し、面部形成区間部62は、転造加工の終了間際に被加工部W5aを最終的な所望の形状に成形する。
また、初期区間部61と面部形成区間部62との間には、中間加工区間部63が形成されている。ここで、中間加工区間部63は、初期区間部61から面部形成区間部62にわたって少しずつ表面形状を変化させることによって被加工部W1aを徐々に最終的な所望の形状へと塑性変形させる。
なお、図10に示すように、本実施例における固定側加工面55は、下に向かうに従って母材W5側へ突出した傾斜形状部分を有している。さらに、固定側加工面55は、面部形成区間部62側へ向かうに従って下側に延出されている。
次に、初期区間部61と面部形成区間部62の詳細について説明する。なお、実施例2においても、初期区間部61と面部形成区間部62の断面形状は実施例1と共通するため、図3を参照して以下説明する。
具体的には、図3(a)は、図9(b)のE部分における断面形状を示し、図3(b)は、図9(b)のF部分における断面形状を示し、図3(c)は、図9(b)のG部分における断面形状を示し、図3(d)は、図9(b)のH部分における断面形状を示している。
図3(a)に示すように、初期区間部61には、転造加工される母材W1側に突出して母材W1に圧接する余肉押し出し用凸部71が転造方向に沿って間隔をおいて列設されている。この余肉押し出し用凸部71は、転造方向に直交する方向に長い凸条部で構成されている。なお、余肉押し出し用凸部71にあっては、互いに同形状の余肉押し出し用凸部71が2個で1組とされており、本実施例においては当該組が1組配されている。
ここで、余肉押し出し用凸部71の数は、上記実施例1と同様の理由に基づいて定められている。
また、余肉押し出し用凸部71間には、平坦状の転動用平面部72が形成されている。
一方、面部形成区間部62には、図3(d)に示すように、凸条状の面部形成用凸部75が加工方向に沿って間隔をおいて、母材側に突出するように列設されている。具体的には、2個を1組として、5組列設されている。
また、面部形成用凸部75間における谷部分が、稜部形成部76として凹状に設けられている。
さらに、初期区間部61と面部形成区間部62との間に形成された中間加工区間部63には、図3(b),(c)に示すように、中間加工用凸部78が形成されている。ここで、中間加工用凸部78は、余肉押し出し用凸部71から面部形成用凸部75に向かうに従って徐々に突出量が増大している。
さらに、本実施例における中間加工用凸部78は、2個を1組として17組列設されている。また、当該中間加工用凸部78の間には、平坦状の転動用平面部72が形成されている。
ところで、初期区間部61において形成されている転動用平面部72は、面部形成区間部62に向かうに従って徐々に横幅が狭められており、面部形成区間部62においては稜部形成部76に置き換わっている。
これまでに述べた構成にあって、転造ダイス1Bを用いて母材W5の被加工部W5aに転造加工を施す場合にも、上記した実施例1において図4~図6を用いて説明したのと同様の過程を経ることで、当該被加工部W5aに、平面部82と稜部83とからなる四角錐形状の錐部89が成形される。
ここで、転造ダイス1Bの各加工面が、上記実施例1とは異なり下方向に向かうに従って母材W5側へ突出していることから、稜部43及び平面部42は下方向へ向かうに従って母材W5の軸線に向かって傾斜して形成されており、このため、下端部が尖った錐部89となる。そして、図11に示すように、実施例2においては被加工部W5aに一方が尖った錐部89が形成された棒材W6が得られる。
なお、仮に、母材W5の端部に被加工部W5aを定めると、固定側加工面55及び移動側加工面56に挟まれた母材W5が転造ダイス1Bの上側方向へ移動してしまって正確な転造加工を施すことができなくなってしまう。したがって、図12(a)~(d)において順に示すように、被加工部W5aを母材W5の中間部位に設定することにより、転造加工が施される際に母材W5の上部および下部に非錐部分を各々形成して母材W5が上下方向に移動することが防止される。このとき、図12(d)に示すように、錐部89の下側に母材W5の余剰部分91が発生するが、これは面部形成区間部62において被加工部W5aから後で切り離されて除去される。
なお、棒材W6における円柱部分と錐部89との境界部分の形状は、図10に示すグリップダイス95の位置を適宜定めることで、確定することができる。
次に、実施例2の変形例を説明する。
図13に示すように、錐部89の最大外径が、隣接する円柱部分の外径より大きい棒材W7としてもよい。すなわち、錐部89の上端部が、隣接する円柱部分よりも張り出した形状となる。
かかる棒材W6は、図14に示すように、ダイス51,56とは別体のグリップダイス95の位置を適宜調整し、当該グリップダイス95の外縁を、固定側加工面55よりも母材W5側に前進させた位置で位置決めして転造加工することにより製造することができる。
また、上記実施例1,2において、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
例えば実施例1において、被加工部を例えば6角柱形状とする場合には、余肉押し出し用凸部31、面部形成用凸部35、及び中間加工用凸部38を3個1組としてそれぞれ1組以上設ければよい。また、8角柱形状とする場合には4個1組とすればよい。実施例2の多角錐形状の場合も同様である。
ところで、4以上の偶数個であるX個の稜部が母材における軸線に沿って形成されてなると共に、前記稜部のうち隣り合う稜部間に平面部又は湾曲部が形成されてなる棒材を製造する棒材の転造方法では、転造加工に用いる一対のダイスの各加工面には、前記加工面の断面形状において、余肉押し出し用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設されており、かつ前記余肉押し出し用凸部の数は、(X÷2)個の互いに同形状の余肉押し出し用凸部を1組として当該組が少なくとも1組以上となる数とされている初期加工区間部と、前記初期加工区間部より後に母材が通過する位置に配され、面部形成用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設されており、かつ前記面部形成用凸部の数は、(X÷2)個の互いに同形状の面部形成用凸部を1組として当該組が少なくとも1組以上となる数とされていると共に、当該列設された面部形成用凸部間における谷部分が稜部形成部とされている面部形成区間部と、が設けられた加工面が望ましい。
また、棒材W2,W6にあっては、稜部43,83の数が4以上の奇数個であってもよい。
また、稜部43,83間に形成される平面部42,82は、図15に示すように、表面が平滑な湾曲面部44a,44bであってもよい。具体的には、図15(a)に示すように、外側へわずかに膨らむ凸状湾曲面部44aであってもよいし、図15(b)に示すように、内側へわずかに窪んだ凹状湾曲面部44bであってもよい。
各加工面には、従来の転造用ダイスと同様に初期区間部21,61より前に母材が接する部位に食付き部を設けたり、面部形成区間部22,62より後に逃げ部を設けたりしてもよい。
上述した棒材W6は、図16に示すように、異素材を締結する締結部材(ねじ)として使用することができる。具体的には、先端に錐部89が形成された締結部材mは、樹脂製部品kと金属製部品jとを互いに結合する場合に好適に使用可能である。
1A,1B 転造ダイス
11,51 固定側ダイス
12,52 移動側ダイス
15,55 固定側加工面
16,56 移動側加工面
21,61 初期区間部
22,62 面部形成区間部
23,63 中間加工区間部
31,71 余肉押し出し用凸部
32,72 転動用平面部
35,75 面部形成用凸部
36,76 稜部形成部
38,78 中間加工用凸部
41 凹部
42,82 平面部
43,83 稜部
44a,44b 湾曲面部
89 錐部
91 余剰部分
W1,W5 母材
W1a,W5a 被加工部
W2,W6,W7 棒材

Claims (3)

  1. 丸棒形状の母材に定められた被加工部を転造加工することによって、
    前記被加工部の横断面形状が略多角形であり、前記略多角形の角部を含みかつ前記母材における軸線に沿って形成された稜部が4以上であるX個形成されてなると共に、前記稜部のうち隣り合う稜部間であって前記横断面形状の略多角形の辺部に対応する部分が平面部又は湾曲面部として形成されてなる棒材を製造する棒材の転造方法であって、
    転造加工に用いる一対のダイスの各加工面には、
    前記加工面の断面形状において、母材側に突出して母材に圧接する余肉押し出し用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設され、前記余肉押し出し用凸部は、転造方向と直交する方向に長い単一の凸条部によって構成され、かつ前記余肉押し出し用凸部間には、平坦状の転動用平面部が形成されている初期区間部と、
    前記初期区間部より後に母材が通過する位置に配され、母材側に突出して前記母材に平面部又は湾曲面部を形成する面部形成用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設され、前記面部形成用凸部は、転造方向と直交する方向に長い単一の凸条部によって構成されると共に、当該列設された面部形成用凸部間における谷部分が稜部形成部として凹溝形状とされている面部形成区間部と、
    前記初期区間部と前記面部形成区間部との間に形成されており、母材側に突出した凸条状の中間加工用凸部が形成され、前記中間加工用凸部は、転造方向と直交する方向に長い単一の凸条部によって構成されている中間加工区間部と、
    が設けられており、
    さらに前記初期区間部の各転動用平面部における前記転造方向に沿う横幅は、前記面部形成区間部に向かうに従って徐々に狭められており、
    前記母材を前記一対のダイスで挟持して転造加工することで、各ダイスの前記初期区間部における余肉押し出し用凸部で両側から挟むことにより凹部を複数形成し、互いに隣り合う前記凹部の間の部位は各ダイスの余肉押し出し用凸部間の転動用平面部に当接して、被加工部において周方向に同じ間隔をおいてX個の凹部を形成し、さらに前記凹部が前記中間加工区間部の中間加工用凸部に順次圧接して塑性変形を繰り返し、さらに前記面部形成区間部における前記面部形成用凸部で前記互いに隣り合う凹部の間の部位を圧接して前記母材の軸線周りにX個の前記平面部又は湾曲面部を形成すると共に、前記母材の各平面部又は湾曲面部の境界部を、凹溝形状の前記稜部形成部に圧接させて当該母材にX個の稜部を形成する
    ことを特徴とする棒材の転造方法。
  2. 丸棒形状の母材に定められた被加工部を転造加工することによって、
    前記被加工部の横断面形状が略多角形であり、前記略多角形の角部を含みかつ前記母材における軸線に沿って形成された稜部が4以上であるX個形成されてなると共に、前記稜部のうち隣り合う稜部間であって前記横断面形状の略多角形の辺部に対応する部分が平面部又は湾曲面部として形成されてなり、かつ前記被加工部の形状が、前記母材における軸線方向を高さ方向とする角錐の形状であって前記被加工部の表面は前記母材の軸線に向かって傾斜状に形成されてなる棒材を製造する棒材の転造方法であって、
    転造加工に用いる一対のダイスの各加工面には、
    前記加工面の断面形状において、母材側に突出して母材に圧接する余肉押し出し用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設され、前記余肉押し出し用凸部は、転造方向と直交する方向に長い単一の凸条部によって構成され、かつ前記余肉押し出し用凸部間には、平坦状の転動用平面部が形成されている初期区間部と、
    前記初期区間部より後に母材が通過する位置に配され、母材側に突出して前記母材に平面部又は湾曲面部を形成する面部形成用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設され、前記面部形成用凸部は、転造方向と直交する方向に長い単一の凸条部によって構成されると共に、当該列設された面部形成用凸部間における谷部分が稜部形成部として凹溝形状とされている面部形成区間部と、
    前記初期区間部と前記面部形成区間部との間に形成されており、母材側に突出した凸条状の中間加工用凸部が転造方向に沿って間隔をおいて列設され、前記中間加工用凸部は、転造方向と直交する方向に長い単一の凸条部によって構成されている中間加工区間部と、
    が設けられており、
    また前記ダイスの加工面には、下方に向かうに従って前記母材側へ突出した傾斜形状部分を有し、
    さらに前記初期区間部の各転動用平面部における前記転造方向に沿う横幅は、前記面部形成区間部に向かうに従って徐々に狭められており、
    前記母材を前記一対のダイスで挟持して転造加工することで、各ダイスの前記初期区間部における余肉押し出し用凸部で両側から挟むことにより凹部を複数形成し、互いに隣り合う前記凹部の間の部位は各ダイスの余肉押し出し用凸部間の転動用平面部に当接して、被加工部において周方向に同じ間隔をおいてX個の凹部を形成し、さらに前記凹部が前記中間加工区間部の中間加工用凸部に順次圧接して塑性変形を繰り返し、さらに前記面部形成区間部における前記面部形成用凸部で前記互いに隣り合う凹部の間の部位を圧接して前記母材の軸線周りにX個の前記平面部又は湾曲面部を形成すると共に、前記母材の各平面部又は湾曲面部の境界部を、凹溝形状の前記稜部形成部に圧接させて当該母材にX個の稜部を形成しながら前記被加工部が前記傾斜形状部分に当接して当該被加工部に錐状の錐部を前記母材の中間部に形成し、その後、前記軸線の方向において当該錐部より下側に形成された余剰部分を除去する
    ことを特徴とする棒材の転造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載される棒材の転造方法に用いられるダイスであって、
    前記ダイスは、移動側ダイスと固定側ダイスとで構成されている
    ことを特徴とする棒材の転造方法に用いられるダイス。
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