以下、本明細書の多様な実施形態を添付した図面を参照して記載する。しかし、これは本明細書に記載された技術を特定の実施形態に限定するものではなく、本明細書の実施形態の多様な変更(modifications)、均等物(equivalents)、および/または代替物(alternatives)を含むものと理解しなければならない。図面の説明で、類似の構成要素に対しては同一の参照符号が用いられる。
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図面に示されたところに限定されない。図面において、様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。また、対象部分の「上に」というのは、対象部分の上または下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
本明細書において、「有する」、「有し得る」、「含む」、または「含み得る」などの用語は相応する特徴(例えば、数値、機能、動作または部品のような構成要素)の存在を示し、追加機能の存在を排除しない。
本明細書において、「AまたはB」、「Aまたは/およびBのうちの少なくとも1つ」、または「Aまたは/およびBのうちの1つまたはそれ以上」などの用語はそれらと共に列挙された項目のすべての可能な組み合わせを含む。例えば、「AまたはB」、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、または「AまたはBのうちの少なくとも1つ」は(1)少なくとも1つのAを含むか、(2)少なくとも1つのBを含むか、(3)少なくとも1つのAおよび少なくとも1つのBを含むことを意味する。
本明細書で使用される「第1」および「第2」のような用語は手順および/または重要度にかかわらず多様な構成要素を用いることができ、構成要素を制限せず1つの構成要素を他の構成要素と区別するために用いられる。例えば、第1ユーザ装置および第2ユーザ装置は手順または重要度にかかわらず互いに他のユーザ装置を示す。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながら第1構成要素は第2構成要素で命名されることができ、同様に、第2構成要素も第1構成要素で命名されることができる。
構成要素(例えば、第1構成要素)が他の構成要素(例えば、第2構成要素)と「(作動的または通信的に)結合される((operatively or communicatively)coupled with/to)」、または「連結される(connected to)」場合、構成要素は他の構成要素と直接結合されることができ、他の構成要素(例えば、第3構成要素)を介して連結されることを理解するだろう。反対に、ある構成要素(例えば、第1構成要素)が他の構成要素(例えば、第2構成要素)と「直接結合されて」いるか、「直接接続されて」いる時、構成要素と他の構成要素の間に他の構成要素(例えば、第3構成要素)が中間に存在しないことが理解されるだろう。
本明細書で使用される「構成される(または設定される)(configured to)」という表現は状況に応じて、例えば、「適合な(suitable for)」、「能力を有する(having the capacity to)」、「設計された(designed to)」、「適応する(adapted to)」、「作られる(made to)」、または「可能である(capable of)」と相互交換的に用いられる。「構成(または設定)」という用語は必ずしもハードウェア水準で「特別に設計された(specifically designed to)」を意味するものではない。代わりに、「~から構成された装置」という表現は装置が特定状況で他の装置または部品と共に「可能である」ということを意味する。例えば、「A、BおよびCを行うように構成された(または設定された)プロセッサー」は当該動作を行うための専用プロセッサー(例えば、エンベデッドプロセッサー)、またはメモリ装置に記憶された1つ以上のソフトウェアプログラムを実行することによって当該動作を行うことができる汎用プロセッサー(generic-purpose processor)(例えば、CPUまたはアプリケーションプロセッサー(application processor))を意味する。
本明細書で使用される用語は単に特定の実施形態を説明するためのことで他の実施形態の範囲を限定しようとするものではない。単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。技術的や科学的な用語を含んでここで用いられる用語は、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書で使用される用語中、一般的に用いられる辞典に定義されている用語は関連技術の文脈上で有する意味と同一または類似の意味を有することと解釈すべきであり、本明細書で明白に定義されない限り、理想的や過度に形式的な意味に解釈されない。場合によっては、本明細書で定義された用語であっても本明細書の実施形態を排除するように解釈してはいけない。
本明細書の多様な実施形態による電子デバイスは、例えば、スマートフォン、タブレットPC(tablet personal computer)、携帯電話(mobile phone)、ビデオフォン、電子書籍リーダー(e-book reader)、ラップトップPC(laptop personal computer)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、モバイル医療機器、カメラ(camera)、またはウェアラブル装置(wearable device)のうちの少なくとも一つを含み得る。多様な実施形態によれば、ウェアラブル装置はアクセサリータイプ(例えば、時計、指輪、腕輪、アンクレット、ネックレス、メガネ、コンタクトレンズまたはヘッドマウントディスプレイ(head mounted device、HMD)、織物または衣類一体型(例えば、電子衣類)、身体装着型(例えば、スキンパッド(skin pad)またはタトゥー)、および生体移植型(例えば、植込み型回路(implantable circuit))のうちの少なくとも一つを含み得る。
以下、図面を参照して実施形態による電子デバイスおよびその駆動方法について説明する。
図1は、スタイラスペンと電子デバイスを示す概念図であり、図2は、電子デバイスを概略的に示すブロック図であり、図3は、実施形態によるスタイラスペンを示す図である。
図1に示すように、スタイラスペン10は、電子デバイス2のタッチスクリーン20の周りで電子デバイス2またはタッチスクリーン20から出力される信号を受信し、タッチスクリーン20に信号を送信することができる。
電子デバイス2は、無線通信部210、メモリ220、インターフェース部230、電源供給部240、ディスプレイ部250、タッチモジュール260、および制御部270などを含む。図2に示した構成要素は電子デバイスを具現するために必ずしも必要なものではないので、本明細書で説明する電子デバイスは、前記に列挙された構成要素より多いか、または少ない構成要素を有する。
より具体的には、前記構成要素のうち、無線通信部210は、電子デバイス2と無線通信システムの間、電子デバイス2と他の電子デバイス2の間、または電子デバイス2と外部サーバの間の無線通信を可能にする一つ以上のモジュールを含み得る。また、前記無線通信部210は、電子デバイス2を一つ以上のネットワークに連結する一つ以上のモジュールを含み得る。
このような無線通信部210は、無線インターネットモジュール211および近距離通信モジュール212などを含み得る。
無線インターネットモジュール211は、無線インターネット接続のためのモジュールであって、電子デバイス2に内蔵される。無線インターネットモジュール211は、無線インターネット技術による通信網から無線信号を送受信するように構成される。無線インターネット技術としては、例えば、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)Direct、DLNA(Digital Living Network Alliance)、WiBro(Wireless Broadband)、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、NR(New Radio)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution-Advanced)などがあり、前記無線インターネットモジュール211は前記に列挙されていないインターネット技術まで含む範囲で少なくとも一つの無線インターネット技術によりデータを送受信することになる。
近距離通信モジュール212は、近距離通信(Short range communication)のためのものであって、ブルートゥース(BluetoothTM)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association;IrDA)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBee、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi、Wi-Fi Direct、Wireless USB(Wireless Universal Serial Bus)の技術のうちの少なくとも一つを使用して近距離通信を支援することができる。このような、近距離通信モジュール212は、近距離無線通信網(Wireless Area Networks)を介して電子デバイス2と無線通信システムの間、電子デバイス2と無線通信可能なデバイスの間、または電子デバイス2と外部サーバが位置したネットワークの間の無線通信を支援することができる。前記近距離無線通信網は近距離無線個人通信網(Wireless Personal Area Networks)であり得る。
ここで、無線通信可能なデバイスは、本発明に係る電子デバイス2とデータを相互交換可能な(または連動可能な)移動端末(mobile terminal、例えば、スマートフォン、タブレットPC、ノートブック(notebook)など)であり得る。近距離通信モジュール212は、電子デバイス2周辺に前記電子デバイス2と通信可能な無線通信可能デバイスを感知(または認識)することができる。さらに、制御部270は、前記感知された無線通信可能なデバイスが一実施形態による電子デバイス2と通信するように認証されたデバイスの場合、電子デバイス2で処理されるデータの少なくとも一部を、前記近距離通信モジュール212を介して無線通信可能なデバイスに伝送できる。したがって、無線通信可能なデバイスの使用者は、電子デバイス2で処理されるデータを、無線通信可能なデバイスを介して利用することができる。
また、メモリ220は、電子デバイス2の多様な機能を支援するデータを保存する。メモリ220は、電子デバイス2で駆動される多数の応用プログラム(application program)またはアプリケーション(application))、電子デバイス2の動作のためのデータ、命令語を保存できる。
インターフェース部230は、電子デバイス2に連結される多様な種類の外部機器との通路の役割を果たす。このようなインターフェース部230は、有/無線ヘッドセットポート(port)、外部充電器ポート(port)、有/無線データポート(port)、メモリカード(memory card)ポート、識別モジュールが備えられた装置を連結するポート(port)、オーディオI/O(Input/Output)ポート(port)、ビデオI/Oポート(port)、イヤホンポート(port)のうちの少なくとも一つを含み得る。
電源供給部240には制御部270の制御下で外部の電源、内部の電源が印加され、電子デバイス2に含まれている各構成要素に電源を供給する。このような電源供給部240はバッテリーを含み、前記バッテリーは、内蔵型バッテリーまたは取り外し可能なバッテリーであり得る。
ディスプレイ部250は、電子デバイス2で処理される情報を表示(出力)する。例えば、ディスプレイ部250は、電子デバイス2で駆動される応用プログラムの実行画面情報、またはこのような実行画面情報によるUI(User Interface)、GUI(Graphic User Interface)情報を表示することができる。
ディスプレイ部250は、LCDディスプレイ(liquid crystal displayay)、OLED(organic light emitting diode)ディスプレイ、電子インクディスプレイ(e-ink display)、量子ドット(quantum dot)発光ディスプレイ、マイクロLED(Light emitting diode)ディスプレイなどを含み得る。
ディスプレイ部250は、映像を表示するディスプレイパネル251と、ディスプレイパネル251と連結されて映像を表示するための信号をディスプレイパネル251に供給するディスプレイコントローラー252と、を含む。例えば、ディスプレイパネル251には複数のスキャン線、複数のデータ線などの信号線で連結された複数の画素と、スキャン線でスキャン信号を供給するスキャン駆動/受信部が配置され、ディスプレイコントローラー252は、データ線に印加するデータ信号を生成するデータ駆動ICと映像信号を処理してディスプレイ部250の全般的な動作を制御するタイミングコントローラー、電源管理(power management)ICなどを含み得る。
タッチモジュール260は、静電容量方式を利用してタッチ領域に加わるタッチ(またはタッチ入力)を感知する。一例として、タッチモジュール260は、特定部位に発生する静電容量、電圧、または電流などの変化を電気的な入力信号に変換するように構成される。タッチモジュール260は、タッチ領域上にタッチを加えるタッチ客体がタッチモジュール260上にタッチされる位置、面積、タッチ時の静電容量などを検出できるように構成される。ここで、タッチ客体は、前記タッチセンサーにタッチを印加する物体であって、例えば、使用者の身体部位(指、手のひらなど)、パッシブ(passive)またはアクティブ(active)方式のスタイラスペン10などであり得る。
タッチモジュール260は、タッチ電極が位置するタッチセンサー261と、タッチセンサー261に駆動信号を印加し、タッチセンサー261から感知信号を受信して、制御部270および/またはディスプレイコントローラー252にタッチデータを伝達するタッチコントローラー262と、を含む。
タッチコントローラー262は、複数の第1タッチ電極のうちの少なくとも一つに連結されて駆動信号を印加し、感知信号を受信する第1駆動/受信部、複数の第2タッチ電極のうちの少なくとも一つに連結されて駆動信号を印加し、感知信号を受信する第2駆動/受信部、および第1駆動/受信部と第2駆動/受信部の動作を制御し、第1および第2駆動/受信部から出力される感知信号を使用してタッチ位置を取得するMCU(micro control unit)を含み得る。
ディスプレイパネル251はタッチセンサー261と相互レイヤー構造をなすか、または一体型に形成され、タッチスクリーン20と称することもある。
タッチモジュール260は、ループコイル264と、ループコイル264に駆動信号を印加するコイルドライバー263とをさらに含む。ループコイル264は、タッチスクリーン20の周りに配置されるか、または電子デバイス2内の任意の位置に配置され得る。ループコイル264は、RFID、NFCなどの近距離通信モジュール212のアンテナで構成することもできる。駆動信号は、所定の周波数を有する交流電圧または交流電流を含む。
制御部270は電子デバイス2の駆動を制御し、電子デバイス2のタッチ感知結果に対応してタッチ座標情報を出力することができる。また、制御部270は、タッチ感知結果に対応して駆動信号の周波数を変更することができる。
制御部270は前記応用プログラムに関連した動作以外にも、通常、電子デバイス2の全般的な動作を制御する。制御部270は、上述した構成要素を介して入力または出力される信号、データ、情報などを処理するか、またはメモリ220に貯蔵された応用プログラムを駆動することによって、使用者に適切な情報または機能を提供または処理することができる。
また、制御部270は、メモリ220に貯蔵された応用プログラムを駆動するために、図2と共に見た構成要素のうちの少なくとも一部を制御することができる。さらに、制御部270は前記応用プログラムの駆動のために、電子デバイス2に含まれている構成要素のうちの少なくとも二つ以上を互いに組み合わせて動作させることができる。
図3は、実施形態によるスタイラスペンを示す図である。スタイラスペン10a、10b、10cは、導電性チップ11と共振回路部12とを含む。
導電性チップ11は、少なくとも一部が導電性物質(例えば、金属、導電性ゴム、導電性織物、導電性シリコーンなど)で形成されることができ、これらに限定されない。
共振回路部12はLC共振回路であって、ループコイル264から出力される駆動信号に共振できる。駆動信号は、共振回路部12の共振周波数に対応する周波数を有する信号(例えば、サイン波、矩形波など)を含み得る。共振のため、共振回路部12の共振周波数と駆動信号の周波数は同一または極めて類似しなければならない。スタイラスペン10a、10b、10cの共振周波数は、スタイラスペン10a、10b、10cの共振回路部12の設計値による。ループコイル264が駆動信号による磁場を発生させると、スタイラスペン10の共振回路部12は、磁場の変化によって受信した信号を利用して共振する。
スタイラスペン10a、10b、10cの素子はハウジングに収容される。ハウジングは、円柱、多角柱、少なくとも一部分が曲面である柱形態、エンタシス(entasis)形態、角錐台(frustum of pyramid)形態、円錐台(circular truncated cone)形態などを有してもよく、その形態に限定されない。ハウジングは内部が空いているので、その内部に導電性チップ11、共振回路部12のようなスタイラスペン10a、10b、10cの素子を収容できる。このようなハウジングは非導電性物質からなる。
図3の(a)に示したスタイラスペン10aは、導電性チップ(tip)11と導電性チップ11に直接連結されている共振回路部12とを含み得る。共振回路部12は、ループコイル264から伝達されるエネルギーを使用して共振し、共振されたエネルギーが直接導電性チップ11を通じて出力される。
ループコイル264に駆動信号が入力される区間およびその後の区間の間、共振による共振信号が導電性チップ11を通じてタッチスクリーン20に出力される。共振回路部12はハウジング内に位置し、接地部に電気的に連結されている。
図3の(b)に示したスタイラスペン10bは、導電性チップ11と、共振回路部12と、整流器13と、電力ストレージ14と、アクティブ回路部15とを含む。また、スタイラスペン10は、センサー(図示せず)および/または通信モジュール(図示せず)をさらに含んでもよい。
共振回路部12は、ループコイル264から伝達されるエネルギーを使用して共振し、共振されたエネルギーは整流器13で整流され、電力ストレージ14を充電するために使用することができる。電力ストレージ14は、充電が可能なバッテリーまたはEDLC(electric double layered capacitor)などのキャパシタを含む。
アクティブ回路部15には電力ストレージ14から電力が伝達され、タッチスクリーン20に伝達する共振信号の大きさ、周波数、位相などを変更することができる。また、アクティブ回路部15は、電子デバイス2の近距離通信モジュール212にタッチ入力以外の追加的な信号を伝送できる。
図3の(c)に示したスタイラスペン10cは、導電性チップ11と、共振回路部12と、共振回路部12に連結されて電力を貯蔵するバッテリー50と、導電性チップ11に連結されているアクティブスタイラスモジュール60とを含む。
共振回路部12は、ループコイル264から伝達されるエネルギーを使用して共振し、共振されたエネルギーはバッテリー50を充電するために使用することができる。アクティブスタイラスモジュール60にはバッテリー50から電力が伝達され、タッチスクリーン20に信号を伝送できる。
図4は、一実施形態による電子デバイスにスタイラスペンを使用する場合を示す図である。
図4に示すように、電子デバイスのタッチスクリーン20は、ディスプレイパネル251、ディスプレイパネル251上のタッチセンサー261、およびディスプレイパネル251の下のループコイル264を含む。
タッチセンサー261は、基板23、基板上のタッチ電極層21、およびタッチ電極層21上のウィンドウ22を含んでもよい。
基板23は、ディスプレイパネル251の封止基板またはディスプレイパネル251のカラーフィルター基板であってもよく、これは透明な材質からなることが好ましい。
タッチ電極層21は、第1方向のタッチ座標を検出するための複数の第1タッチ電極と、第1方向と交差する第2方向のタッチ座標を検出するための複数の第2タッチ電極とを含む。図4においてはタッチ電極層21を1つの層として示しているが、第1タッチ電極と第2タッチ電極は互いに異なる層にそれぞれ配置されてもよく、互いに重畳して配置されてもよく、互いに重畳せずに配置されてもよく、第1タッチ電極と第2タッチ電極の間に別の層を介してもよいが、これらに限定されない。
タッチ電極層21上にはウィンドウ22が位置し得る。タッチ電極層21、導電性チップ11、およびウィンドウ22はキャパシタンスを形成することができる。したがって、スタイラスペン10で生成された信号(共振信号またはアクティブタッチ信号)は、前記キャパシタンスを介してタッチ電極層21に伝達される。
ループコイル264は、アンテナループが配置された基板24およびフェライトシート25を含む。アンテナループは、銅、銀などの導体材料からなる。後述するように、図14~図19においてアンテナループは、基板24以外にもタッチ電極層21と同一層に位置することができ、この場合、アンテナループは、ITO、グラフェン、銀ナノワイヤなどの高い透過率、低インピーダンスを示す導体材料からなる。また、アンテナループはウィンドウ22の下に位置し、この場合、基板24はループコイル264に含まれないことがある。
基板24は、ディスプレイパネル251の後面に取り付けられる。基板24は、ディスプレイパネル251の後面に位置し得る。基板24は、単層PCB(single layer FPCB)、例えば、片面PCB(single side FPCB)、両面PCB(double side FPCB)、または多層PCB(multilayer FPCB)であってもよいが、好ましくは、タッチスクリーン20の薄型化および小型化を実現するために、単層FPCBである片面FPCBまたは両面FPCBであってもよい。このような片面FPCBは薄型化が可能であるので、ベンダブル(bendable)、フォルダブル(foldable)、およびストレッチャブル(stretchable)電子デバイスにも用いられる。図4においての基板23、24はFPCBまたはリジッド(rigid)PCBであってもよい。
基板24が両面FPCBで構成される場合、アンテナループが位置する一面の他面に導電性レイヤーが位置し得る。導電性レイヤーは導電性物質からなり、例えば、銅箔(copper clad layer)であってもよい。
基板24はベースフィルムを含んでもよい。ベースフィルムは、ポリイミド樹脂、エポキシ系樹脂、または可撓性を有する公知の他の材料からなる。ベースフィルムは、可撓性(flexible)を有していてもよい。ベースフィルムには、少なくとも1つの配線で形成されたアンテナループが少なくとも1つで形成されていてもよい。
基板24に形成されたアンテナループ241に関連して、図5を参照して説明する。
図5は、基板上の一面にアンテナパターンが具現された一例を示す図である。
図5を参照すると、アンテナループ241は、ベースフィルム242に導電性配線で形成される。例えば、ベースフィルム242には、アンテナループがフォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされてもよい。ベースフィルム242上にアンテナループを位置させるための方式は前記した説明に制限されない。
アンテナループ241のインダクタンスの設計値、アンテナループ241の放射性能などにより、アンテナループ241はスパイラル(spiral)パターンを有する。しかし、ベースフィルム242の一面上のみにスパイラルパターンを実現する場合、アンテナループ241の配線は、ベースフィルム242の一面上の一地点(SP)で互いに短絡(short)される問題がある。両面PCBを使用してこのようなスパイラルパターンを実現することが考慮される。例えば、開口(opening)またはホール(hole)がベースフィルム242に形成され、一面上に位置した配線が開口またはホールを通して他面上に位置した配線と連結される。しかし、両面PCBの他面に銅箔を貼り付ける場合、他面上に位置した配線と銅箔が互いに接触するか、または電気的に連結される問題が発生することがある。
次に、図6~図13を参照して、スタイラスペンと電子デバイスが信号を送受信する例を説明する。
図6~図11は、スタイラスペンと電子デバイスを示す概略的な回路図である。
図3においての共振回路部12は、抵抗Rp、インダクタLp、およびキャパシタCpを含む等価回路または抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsを含む等価回路で表すことができる。
図6および図7に示すように、駆動信号を伝達する電源40によってループコイルL0が磁場を形成すると、スタイラスペン10のインダクタLpに電流が誘導されて共振回路部12が共振する。
図8~図11に示すように、駆動信号を伝達する電源40によってループコイルと内部キャパシタが共振すると、スタイラスペン10の共振回路部12もループコイルと内部キャパシタが相互共振することができる。
図8は、ループコイルLdpと内部キャパシタCdpが並列に連結され、共振回路部12の抵抗Rp、インダクタLp、およびキャパシタCpが並列に連結されている場合を示す。
図9は、ループコイルLdpと内部キャパシタCdpが並列に連結され、共振回路部12の抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsが直列に連結されている場合を示す。
図10は、ループコイルLdsと内部キャパシタCdsが直列に連結され、共振回路部12の抵抗Rp、インダクタLp、およびキャパシタCpが並列に連結されている場合を示す。
図11は、ループコイルLdsと内部キャパシタCdsが直列に連結され、共振回路部12の抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsが直列に連結されている場合を示す。
次に、図12~図22を参照して、本発明により1つの平面上で具現されたスパイラルパターンのアンテナループについて説明する。以下、図4で説明した構成要素と同一の構成要素については説明を省略する。
図12~図14は、第1実施形態によるアンテナモジュールおよびこれを含む電子デバイスの一部を示す図である。
図12に示すように、複数のサブアンテナループ241a、241bがベースフィルム242上に位置する。アンテナループ241は、ITO、グラフェン、銀ナノワイヤなどの高い透過率、低インピーダンスを示す導体材料で形成されてもよい。
図13は、図12のA-A’線に沿って切断した断面図である。図13に示すように、複数のサブアンテナループ241a、241bがフェライトシート25に離隔したベースフィルム242上の一面に位置していることを示しているが、これに限定されない。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、ベースフィルム242の一面上で互いに離隔しており、直接接触しない。第1サブアンテナループ241aは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243aに一端が連結されており、対応する他のパッド243bに他端が連結されている。第2サブアンテナループ241bは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243cに一端が連結されており、対応する他のパッド243dに他端が連結されている。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは全体的に長方形状であることを示しているが、円形、楕円形、多角形、角の丸い多角形などの形態を有してもよく、これらに限定されない。
また、第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの外角に位置する。第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの周りに沿って延長された形態を有してもよい。隣接した第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bが互いに離隔した最短距離は、ベースフィルム242の一面上で同じであってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bは互いに同じ幅の配線であってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aおよび第2サブアンテナループ241bは同一物質で製造することができるが、これに限定されない。
フレキシブル回路基板27は、ベースフィルム242の複数のパッド243a、243b、243c、243dと連結される。フレキシブル回路基板27は、フレキシブル印刷回路基板(FPCB:flexible printed circuit boardd)であってもよい。フレキシブル回路基板27にコイルドライバー263が実装されている。
フレキシブル回路基板27は、複数のパッド243a、243b、243c、243dに電気的に連結される。一例として、複数の信号伝達配線271a、271bと連結配線272に連結されているフレキシブル回路基板27上の複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dとコネクタ26を通じて結合される。コネクタ26は、ZIFコネクタ(zero insertion force connector)、BTBコネクタ(board-to-board connector)などであってもよいが、これらに限定されない。基板24にコネクタ26のソケットが形成され、コネクタ26のソケットにフレキシブル回路基板27を挿入することによって、複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dが互いに電気的に連結される。
他の例として、フレキシブル回路基板27の複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dにボンディング(bonding)され得る。例えば、複数の信号伝達配線271a、271bと連結配線272に連結されているフレキシブル回路基板27上の複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dが異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)によってアウターリードボンディング(OLB;Outer Lead Bonding)方式で連結される。
その他にも、フレキシブル回路基板27の複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dの電気的および物理的連結のための多様な連結方法が用いられる。
フレキシブル回路基板27は、基板の一面上に位置する複数の信号伝達配線271a、271bと他面上に位置する連結配線272とを含む。このような配線271a、271b、272は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされ得る。フレキシブル回路基板27上に配線271a、271b、272を位置させるための方式は前記した説明に限定されない。また、上記で信号伝達配線271a、271bと連結配線272が1つの基板の両面にそれぞれ配置されていることで説明したが、異なる基板にそれぞれ配置されてもよく、これに限定されない。
信号伝達配線271aはそれぞれ、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243aとコイルドライバー263を連結し、信号伝達配線271bは、第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243dとコイルドライバー263とを連結する。
連結配線272は、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243bと第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243cとを互いに連結する。つまり、第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bはフレキシブル回路基板27に配置された連結配線272を通じて電気的に互いに連結される。したがって、コイルドライバー263から信号伝達配線271aを通じてパッド243aに引き込まれた電流は、第1サブアンテナループ241a、パッド243b、連結配線272、パッド243c、第2サブアンテナループ241b、パッド243d、および信号伝達配線271bの順に流れる。
つまり、一実施形態によるアンテナモジュールによると、ベースフィルム242上にスパイラルパターンで配線を形成せずとも、スパイラルパターンで形成されたアンテナループと実質的に同じ効果を有する。このようなアンテナモジュールは、ベースフィルム242の一面上に配線が全部形成されているので、他面上に銅箔層を形成することができ、これによって製造コストが削減され、タッチスクリーン20が薄型化、小型化される効果がある。
上記の説明では2つのサブアンテナループを使用してスパイラルパターンを実現する例について説明したが、設計によりフレキシブル回路基板27の多層基板に形成された連結配線272を用いて各サブアンテナループを連結することによって、3つ以上のサブアンテナループを使用してスパイラルパターンを実現することもできる。
図14に示すように、タッチスクリーン20に複数のアンテナループが配置され得る。第1サブアンテナループ241a、連結配線272a、および第2サブアンテナループ241bは、スパイラルパターンの第1アンテナループを形成する。第3サブアンテナループ241c、連結配線272b、および第4サブアンテナループ241dはスパイラルパターンの第2アンテナループを形成する。第1アンテナループと第2アンテナループはy軸方向に互いに離隔している。ここでフェライトシート25は、第1アンテナループが配置される領域と第2アンテナループが配置される領域それぞれに個別的に配置され得る。
コイルドライバー263は、第1アンテナループと第2アンテナループに同一または類似した位相を有する駆動信号を印加するか、逆位相を有する駆動信号を印加するか、または選択的に駆動することができる。
図15および図16は、第2実施形態によるアンテナモジュールおよびこれを含む電子デバイスの一部を示す図である。
図15および図16には、タッチセンサー261がon-cellタイプのタッチセンサーで具現される場合、タッチ電極層21と同一層に配置されるアンテナループ241を含むループコイル264を示している。
図15および図16に示すように、ループコイル264は、タッチ電極層21に位置するアンテナループ241とディスプレイパネル251の下に位置するフェライトシート25とを含む。
図16は、図15のB-B’線に沿って切断した断面図である。図16に示すように、ディスプレイパネル251の封止基板23上にアンテナループ241a、241bとタッチ電極層21が同一層に配置される。アンテナループ241a、241bは、タッチ電極層21の第1タッチ電極および第2タッチ電極と同一物質で製造することもできる。例えば、アンテナループ241a、241bは、ITO、グラフェン、銀ナノワイヤなどの高い透過率、低インピーダンスを示す導体材料で形成される。しかし、アンテナループ241a、241bはタッチ電極層21と異なる層に位置することができ、第1タッチ電極および第2タッチ電極と異なる物質で製造することができる。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、封止基板23の一面上で互いに離隔しており、直接接触しない。第1サブアンテナループ241aは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243aに一端が連結されており、対応する他のパッド243bに他端が連結されている。第2サブアンテナループ241bは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243cに一端が連結されており、対応する他のパッド243dに他端が連結されている。一方、第1タッチ電極および第2タッチ電極はパッド243eに連結されている。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、全体的に長方形状であることを示しているが、円形、楕円形、多角形、角の丸い多角形などの形態を有してもよく、これらに限定されない。
また、第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの外角に位置する。第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの周りに沿って延長された形態を有してもよい。隣接した第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bが互いに離隔した最短距離は、封止基板23の一面上で同じであってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bは互いに同じ幅の配線であってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aおよび第2サブアンテナループ241bは同一物質で製造することができるが、これに限定されない。
フレキシブル回路基板27は、封止基板23の複数のパッド243a、243b、243c、243dと連結される。
複数の信号伝達配線271a、271bと連結配線272に連結されているフレキシブル回路基板27の複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dに電気的に連結される。複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dにボンディング(bonding)され得る。例えば、複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dが異方性導電フィルム(ACF)などによってアウターリードボンディング(OLB)方式で連結される。
その他にも、複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dの電気的および物理的連結のための多様な連結方法が用いられる。
フレキシブル回路基板27は、基板の一面上に位置する複数の信号伝達配線271a、271bと他面上に位置する連結配線272とを含む。このような配線271a、271b、272は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされ得る。フレキシブル回路基板27上に配線271a、271b、272を位置させるための方式は前記した説明に限定されない。また、前記で信号伝達配線271a、271bと連結配線272が1つの基板の両面にそれぞれ配置されていることで説明したが、異なる基板にそれぞれ位置することもでき、これに限定されない。
信号伝達配線271aはそれぞれ、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243aとコイルドライバー263を連結し、信号伝達配線271bは、第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243dとコイルドライバー263とを連結する。
連結配線272は、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243bと第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243cを互いに連結する。つまり、第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bがフレキシブル回路基板27に配置された連結配線272を通じて電気的に互いに連結される。したがって、コイルドライバー263から信号伝達配線271aを通じてパッド243aに引き込まれた電流は、第1サブアンテナループ241a、パッド243b、連結配線272、パッド243c、第2サブアンテナループ241b、パッド243d、および信号伝達配線271bの順に流れる。
つまり、一実施形態によるアンテナモジュールによると、封止基板23上にスパイラルパターンで配線を形成せずとも、スパイラルパターンで形成されたアンテナループと実質的に同じ効果を有する。このようなアンテナモジュールは、封止基板23の一面上に配線が全部形成されているので、製造コストが削減され、タッチスクリーン20が薄型化、小型化される効果がある。
図17および図18は、第3実施形態によるアンテナモジュールおよびこれを含む電子デバイスの一部を示す図である。
図17および図18には、タッチセンサー261がin-cellタイプのタッチセンサーで具現される場合、タッチ電極層21と同一層に位置するアンテナループ241を含むループコイル264を示している。
図17および図18に示すように、ループコイル264は、タッチ電極層21に位置するアンテナループ241とディスプレイパネル251の下に位置するフェライトシート25とを含む。
図18は、図17のC-C’線に沿って切断した断面図である。図18に示すように、ディスプレイパネル251のカラーフィルター基板23とディスプレイパネル251のTFT基板との間にアンテナループ241a、241bとタッチ電極層21が同一層に位置し得る。カラーフィルター基板23の上下部にタッチ電極層21およびアンテナループ241a、241bが全て位置し得る。
アンテナループ241a、241bは、タッチ電極層21の第1タッチ電極および第2タッチ電極と同一物質で製造することもできる。例えば、アンテナループ241a、241bは、ITO、グラフェン、銀ナノワイヤなどの高い透過率、低インピーダンスを示す導体材料で形成される。しかし、アンテナループ241a、241bはタッチ電極層21と異なる層に配置されてもよく、第1タッチ電極および第2タッチ電極と異なる物質で製造することができる。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、カラーフィルター基板23の一面上で互いに離隔しており、直接接触しない。第1サブアンテナループ241aは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243aに一端が連結されており、対応する他のパッド243bに他端が連結されている。第2サブアンテナループ241bは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243cに一端が連結されており、対応する他のパッド243dに他端が連結されている。一方、第1タッチ電極および第2タッチ電極はパッド243eに連結されている。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは全体的に長方形状であることを示しているが、円形、楕円形、多角形、角の丸い多角形などの形態を有してもよく、これらに限定されない。
また、第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの外角に位置する。第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの周りに沿って延長された形態を有してもよい。隣接した第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bが互いに離隔した最短距離はカラーフィルター基板23の一面上で同じであってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bは互いに同じ幅の配線であってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aおよび第2サブアンテナループ241bは同一物質で製造することができるが、これに限定されない。
フレキシブル回路基板27は、カラーフィルター基板23の複数のパッド243a、243b、243c、243dと連結される。
複数の信号伝達配線271a、271bと連結配線272に連結されているフレキシブル回路基板27の複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dに電気的に連結される。複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dにボンディング(bonding)され得る。例えば、複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dが異方性導電フィルム(ACF)などによってアウターリードボンディング(OLB)方式で連結される。
その他にも、複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dの電気的および物理的連結のための多様な連結方法が用いられる。
フレキシブル回路基板27は、基板の一面上に位置する複数の信号伝達配線271a、271bと他面上に位置する連結配線272とを含む。このような配線271a、271b、272は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされ得る。フレキシブル回路基板27上に配線271a、271b、272を位置させるための方式は前記した説明に限定されない。また、前記で信号伝達配線271a、271bと連結配線272が1つの基板の両面にそれぞれ配置されていることで説明したが、異なる基板にそれぞれ位置することもでき、これに限定されない。
信号伝達配線271aはそれぞれ、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243aとコイルドライバー263を連結し、信号伝達配線271bは、第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243dとコイルドライバー263とを連結する。
連結配線272は、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243bと第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243cを互いに連結する。つまり、第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bがフレキシブル回路基板27に配置された連結配線272を通じて電気的に互いに連結される。したがって、コイルドライバー263から信号伝達配線271aを通じてパッド243aに引き込まれた電流は、第1サブアンテナループ241a、パッド243b、連結配線272、パッド243c、第2サブアンテナループ241b、パッド243d、および信号伝達配線271bの順に流れる。
つまり、一実施形態によるアンテナモジュールによると、カラーフィルター基板23上にスパイラルパターンで配線を形成せずとも、スパイラルパターンで形成されたアンテナループと実質的に同じ効果を有する。このようなアンテナモジュールは、カラーフィルター基板23の一面上に配線が全部形成されているので、製造コストが削減され、タッチスクリーン20が薄型化、小型化される効果がある。
図19および図20は、第4実施形態によるアンテナモジュールおよびこれを含む電子デバイスの一部を示す図である。
図19および図20に示すように、ループコイル264は、ウィンドウ22の下に位置するアンテナループ241a、241b、ディスプレイパネル251の下に位置するフェライトシート25a、およびアンテナループ241a、241bの下に位置するフェライトシート25bを含む。
図20は、図19のD-D’線に沿って切断した断面図である。図20に示すように、アンテナループ241a、241bは、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でウィンドウ22上にプリンティングされるか、シート(sheet)にフォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされてウィンドウ22に取り付けられ、ウィンドウ22上にアンテナループ241a、241bを位置させるための方式は前記した説明に限定されない。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、ウィンドウ22の一面上で互いに離隔しており、直接接触しない。第1サブアンテナループ241aは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243aに一端が連結されており、対応する他のパッド243bに他端が連結されている。第2サブアンテナループ241bは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243cに一端が連結されており、対応する他のパッド243dに他端が連結されている。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは全体的に長方形状であることを示しているが、円形、楕円形、多角形、角の丸い多角形などの形態を有してもよく、これらに限定されない。
また、第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの外角に位置する。第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの周りに沿って延長された形態を有してもよい。隣接した第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bが互いに離隔した最短距離は、ウィンドウ22の一面上で同じであってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bは互いに同じ幅の配線であってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aおよび第2サブアンテナループ241bは同一物質で製造することができるが、これに限定されない。
フレキシブル回路基板27は、複数のパッド243a、243b、243c、243dと連結される。フレキシブル回路基板27は、フレキシブル印刷回路基板(FPCB)またはチップオンフィルム(COF)であってもよい。フレキシブル回路基板27にコイルドライバー263が実装されているので、以下、フレキシブル回路基板27はチップオンフィルム(COF)であるものを説明する。
フレキシブル回路基板27は、複数のパッド243a、243b、243c、243dに電気的に連結される。一例として、複数の信号伝達配線271a、271bと連結配線272に連結されているフレキシブル回路基板27上の複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dとコネクタ26を通じて結合される。コネクタ26は、ZIFコネクタ(zero insertion force connector)、BTBコネクタ(board-to-board connector)などであってもよいが、これらに限定されない。ウィンドウ24にコネクタ26のソケットが形成され、コネクタ26のソケットにフレキシブル回路基板27を挿入することによって、複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dが互いに電気的に連結される。
他の例として、フレキシブル回路基板27の複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dにボンディング(bonding)され得る。例えば、複数の信号伝達配線271a、271bと連結配線272に連結されているフレキシブル回路基板27上の複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dが異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)によってアウターリードボンディング(OLB;Outer Lead Bonding)方式で連結される。
その他にも、複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dの電気的および物理的連結のための多様な連結方法が用いられる。
フレキシブル回路基板27は、基板の一面上に位置する複数の信号伝達配線271a、271bと他面上に位置する連結配線272とを含む。このような配線271a、271b、272は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされ得る。フレキシブル回路基板27上に配線271a、271b、272を位置させるための方式は前記した説明に限定されない。また、上記で信号伝達配線271a、271bと連結配線272が1つの基板の両面にそれぞれ配置されていることで説明したが、異なる基板にそれぞれ配置されてもよく、これに限定されない。
信号伝達配線271aはそれぞれ、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243aとコイルドライバー263を連結し、信号伝達配線271bは、第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243dとコイルドライバー263とを連結する。
連結配線272は、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243bと第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243cとを互いに連結する。つまり、第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bはフレキシブル回路基板27に配置された連結配線272を通じて電気的に互いに連結される。したがって、コイルドライバー263から信号伝達配線271aを通じてパッド243aに引き込まれた電流は、第1サブアンテナループ241a、パッド243b、連結配線272、パッド243c、第2サブアンテナループ241b、パッド243d、および信号伝達配線271bの順に流れる。
つまり、一実施形態によるアンテナモジュールによると、ベースフィルム242上にスパイラルパターンで配線を形成せずとも、スパイラルパターンで形成されたアンテナループと実質的に同じ効果を有する。このようなアンテナモジュールは、ウィンドウ22の一面上に配線が全部形成されているので、製造コストが削減され、タッチスクリーン20が薄型化、小型化される効果がある。
図21および図22は、第5実施形態によるアンテナモジュールおよびこれを含む電子デバイスの一部を示す図である。
図21および図22に示すように、ループコイル264は、ディスプレイパネル251の下に位置するアンテナループ241a、241b、およびアンテナループ241a、241bとディスプレイパネル251の下に位置するフェライトシート25を含む。
図22は、図21のD-D’線に沿って切断した断面図である。図22に示すように、アンテナループ241a、241bは、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でディスプレイパネル251上にプリンティングされ得、ディスプレイパネル251上にアンテナループ241a、241bを位置させるための方式は前記した説明に限定されない。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、ディスプレイパネル251の一面上で互いに離隔しており、直接接触しない。第1サブアンテナループ241aは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243aに一端が連結されており、対応する他のパッド243bに他端が連結されている。第2サブアンテナループ241bは、複数のパッド中の対応する1つのパッド243cに一端が連結されており、対応する他のパッド243dに他端が連結されている。複数のパッド243a、243b、243c、243dはディスプレイパネル251の一面上に形成される。
複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは、表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。複数のサブアンテナループ241a、241bそれぞれは全体的に長方形状であることを示しているが、円形、楕円形、多角形、角の丸い多角形などの形態を有してもよく、これらに限定されない。
また、第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの外角に位置する。第1サブアンテナループ241aは、第2サブアンテナループ241bの周りに沿って延長された形態を有してもよい。隣接した第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bが互いに離隔した最短距離はディスプレイパネル251の一面上で同じであってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bは互いに同じ幅の配線であってもよいが、これに限定されない。第1サブアンテナループ241aおよび第2サブアンテナループ241bは同一物質で製造することができるが、これに限定されない。
フレキシブル回路基板27は、複数のパッド243a、243b、243c、243dと連結される。フレキシブル回路基板27は、フレキシブル印刷回路基板(FPCB)またはチップオンフィルム(COF)であってもよい。フレキシブル回路基板27にコイルドライバー263が実装されているので、以下、フレキシブル回路基板27はチップオンフィルム(COF)であるものを説明する。
フレキシブル回路基板27は、複数のパッド243a、243b、243c、243dに電気的に連結される。一例として、複数の信号伝達配線271a、271bと連結配線272に連結されているフレキシブル回路基板27上の複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dとコネクタ26を通じて結合される。コネクタ26は、ZIFコネクタ(zero insertion force connector)、BTBコネクタ(board-to-board connector)などであってもよいが、これらに限定されない。ディスプレイパネル251にコネクタ26のソケットが形成され、コネクタ26のソケットにフレキシブル回路基板27を挿入することによって、複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dが互いに電気的に連結される。
他の例として、フレキシブル回路基板27の複数のパッド(図示せず)は、複数のパッド243a、243b、243c、243dにボンディング(bonding)され得る。例えば、複数の信号伝達配線271a、271bと連結配線272に連結されているフレキシブル回路基板27上の複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dが異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)によってアウターリードボンディング(OLB;Outer Lead Bonding)方式で連結される。
その他にも、複数のパッド(図示せず)と複数のパッド243a、243b、243c、243dの電気的および物理的連結のための多様な連結方法が用いられる。
フレキシブル回路基板27は、基板の一面上に位置する複数の信号伝達配線271a、271bと他面上に位置する連結配線272とを含む。このような配線271a、271b、272は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされ得る。フレキシブル回路基板27上に配線271a、271b、272を位置させるための方式は前記した説明に限定されない。また、前記で信号伝達配線271a、271bと連結配線272が1つの基板の両面にそれぞれ配置されていることで説明したが、異なる基板にそれぞれ位置することもでき、これに限定されない。
信号伝達配線271aはそれぞれ、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243aとコイルドライバー263を連結し、信号伝達配線271bは、第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243dとコイルドライバー263とを連結する。
連結配線272は、第1サブアンテナループ241aに連結されているパッド243bと第2サブアンテナループ241bに連結されているパッド243cを互いに連結する。つまり、第1サブアンテナループ241aと第2サブアンテナループ241bがフレキシブル回路基板27に配置された連結配線272を通じて電気的に互いに連結される。したがって、コイルドライバー263から信号伝達配線271aを通じてパッド243aに引き込まれた電流は、第1サブアンテナループ241a、パッド243b、連結配線272、パッド243c、第2サブアンテナループ241b、パッド243d、および信号伝達配線271bの順に流れる。
つまり、一実施形態によるアンテナモジュールによると、ベースフィルム242上にスパイラルパターンで配線を形成せずとも、スパイラルパターンで形成されたアンテナループと実質的に同じ効果を有する。このようなアンテナモジュールは、ディスプレイパネル251の下面上にアンテナループ配線が全部形成されているので、製造コストが削減され、タッチスクリーン20が薄型化、小型化される効果がある。
以下、実施形態による電子デバイスがフォルダブルデバイスで具現されるフォルダブルの場合、電子デバイスおよびその駆動方法について説明する。
図23は、スタイラスペンとフォルダブル電子デバイスを示す概念図である。
フォルダブル電子デバイス2は、図2で説明した電子デバイスの構成を含み得る。
図23に示すように、長方形状のフォルダブル電子デバイス2またはそれに含まれるタッチスクリーン20などの部材において、平面上で左側に位置する長辺を第1長辺LS1、右側に位置する長辺を第2長辺LS2、上側に位置する短辺を第1短辺SS1、下側に位置する短辺を第2短辺SS2と称する。
フォルダブル電子デバイス2は、第1短辺SS1および第2短辺SS2を横切るフォールディング軸AXIS_Fを基準にして所定のフォールディング方向に沿ってフォールディングされる。つまり、フォルダブル電子デバイス2は、フォールディング軸AXIS_Fを基準にしてフォールディング方向に沿ってフォールド状態(folded state)とアンフォールド状態(unfolded state)の間の状態転換が可能となる。
次に、図24および図25を参照して、フォルダブル電子デバイスに従来方式のスタイラスペン、例えば、EMR方式のペンを使用した場合について説明する。
図24および図25は、従来方式によるスタイラスペンをフォルダブル電子デバイスに使用した場合を示す図である。
ここで説明されるフォルダブル電子デバイスは、図24に示すフラット状態(flat state)またはアンフォールド状態(unfolded state)、図25に示すフォールド状態(folded state)、およびフラット状態とフォールド状態の間の中間状態(intermediate state)を有する。ここでは特に明記しない限り、「フォールド状態(folded state)」とは、「fully folded state」を意味する。
図24に示すように、パッシブスタイラスペンのうちのEMR(Electro-Magnetic Resonance)方式のペンの場合、デジタイザ(digitizer)33がEMR方式のスタイラスペン30に電磁信号B1を伝達した後、デジタイザ33がEMR方式のスタイラスペン30から共振信号B2が入力される。
デジタイザ33は、ディスプレイパネル251の下に取り付けられ、導電性のアンテナループが複数本形成されているFPCB(Flexible Printed Circuit Boardd)34とアンテナループによって生成された磁場を遮断するフェライトシート(ferrite sheet)35とを含む。
FPCB34には、共振信号が入力される位置を感知するための複数のアンテナループが複数のレイヤーで構成される。1つのアンテナループは、少なくとも1つの他のアンテナループとZ軸方向に重畳した形態を有する。これによってFPCB34の厚さが厚くなる。
図25に示すように、フォールディング軸AXIS_Fを基準にしてフォルダブル電子デバイス2のフォールディングが発生する場合、フォールディングされる領域(以下、フォールディング領域)FAに取り付けられたFPCB34の変形が発生することがある。反復的なフォールディングによってアンテナループを形成する配線部材にストレスが加われ、結果的には配線部材の損傷をもたらす。フォールド状態(folded state)においてフォールディング領域FAは、少なくとも一部が所定の曲率を有する曲面からなる。
フェライトシート35は、アンテナループによって発生した磁場がフォルダブル電子デバイス2内部に及ぼす影響を遮断する。フェライトシート35も厚さが厚く、フォルダブル電子デバイス2のフォールディングが発生する場合変形が発生しやすく、反復的なフォールディングによって損傷をもたらすことになる。
したがって、フォルダブル電子デバイス2にEMR方式のスタイラスペン30を適用しにくい。また、EMR方式の場合、デジタイザ33によってのみ信号が送受信されるので、信号送信B1と信号受信B2を同時に行うことができず、時間を区分して信号送信と信号受信をそれぞれ行わなければならない問題がある。
図26および図27は、一実施形態によるフォルダブル電子デバイスを示す図である。
フォルダブル電子デバイスのタッチスクリーン20は、ディスプレイパネル251およびディスプレイパネル251上のタッチセンサー261、およびディスプレイパネル251の下のループコイル264を含む。
タッチセンサー261は、基板23、基板上のタッチ電極層21、およびタッチ電極層21上のウィンドウ22を含む。
基板23は、ディスプレイパネル251の封止基板またはディスプレイパネル251のカラーフィルター基板であってもよく、これは透明な材質で具現されることが好ましい。
タッチ電極層21は、第1方向のタッチ座標を検出するための複数の第1タッチ電極と、第1方向と交差する第2方向のタッチ座標を検出するための複数の第2タッチ電極とを含む。図26ではタッチ電極層21を1つの層として示しているが、第1タッチ電極と第2タッチ電極は互いに異なる層にそれぞれ配置されてもよく、互いに重畳して配置されてもよく、互いに重畳せずに配置されてもよく、第1タッチ電極と第2タッチ電極の間に別の層を介してもよいが、これらに限定されない。
タッチ電極層21上にはウィンドウ22が配置される。タッチ電極層21、導電性チップ11、およびウィンドウ22はキャパシタンスを形成することができる。したがって、スタイラスペン10で生成された信号(共振信号またはアクティブタッチ信号)は前記キャパシタンスを介してタッチ電極層21に伝達される。
ループコイル264は、アンテナループが位置した基板24およびフェライトシート25を含んでもよい。図28~図33で後述するように、アンテナループは基板24以外にもタッチ電極層21と同一層に位置するか、またはウィンドウ22の下に位置することができ、この場合、基板24はループコイル264に含まれないことがある。
基板24は、ディスプレイパネル251の後面に取り付けられる。基板24は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを含む領域に位置し得る。基板24は、片面FPCB(single side FPCB)、両面FPCB(double side FPCB)、または多層PCB(multilayer FPCB)であってもよいが、好ましくは、片面FPCBまたは両面FPCBである。したがって、フォールディング軸AXIS_Fを基準にしてフォールディング領域FAがフォールディングされても、基板24に加わる力によって基板24が損傷するおそれが減少する効果がある。
基板24は、可撓性を有するベースフィルムを含んでもよい。ベースフィルムは、ポリイミド樹脂、エポキシ系樹脂、または可撓性を有する公知の他の材料からなる。ベースフィルムには、少なくとも1つの配線で形成されたアンテナループが少なくとも1つで形成されてもよい。
アンテナループは、基板24に導電性配線で形成される。例えば、基板24には、アンテナループがフォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされ得る。基板24上にアンテナループを位置させるための方式は前記した説明に限定されない。
フェライトシート25は、XY平面上でフォールディング領域FAを除いた領域に位置し得る。ここでフォールディング領域FAを除いた領域は、フォルダブル電子デバイス2がフォールド状態であるとき、フェライトシート25に作用する力がフェライトシート25を損傷させない領域を意味し、フェライトシート25が完全にフォールディング領域FAに位置しないことを意味するものではない。例えば、フェライトシート25がフォールディング領域FA中の一部に位置しても、フォルダブル電子デバイス2がフォールド状態とフラット状態の間で反復的に変形するときフェライトシート25が損傷しないと、これもまたフォールディング領域FAを除いた領域に相当する。したがって、フォールディング軸AXIS_Fを基準にしてフォールディング領域FAがフォールディングされても、フェライトシート25が損傷するおそれが減少する効果がある。
ループコイル264がスタイラスペン10に電磁信号B1を伝達した後、タッチセンサー261にスタイラスペン10から共振信号E1が入力される。
スタイラスペン10の共振回路部12は、ループコイル264と相互共振することができ、共振回路部12のインダクタとループコイル264との間に発生する相互共振の程度は相互インダクタンスの影響を受ける。または、共振回路部12は、ループコイル264によって発生した磁場に共振することができる。これに関連して、図6~図11の説明を参照する。
図28~図33は、様々な実施形態でタッチパネルおよびループコイルの配置形態を示す図である。
図28の(a)に示すように、ループコイル264は、ディスプレイパネル251の下に位置する。ループコイル264は、基板24およびフェライトシート25を含む。基板24は、ベースフィルム242およびアンテナループ241を含む。
図28の(b)に示すように、アンテナループ241は、表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。アンテナループ241は全体的に長方形状であることを示しているが、円形、楕円形、多角形、角の丸い多角形などの形態を有してもよく、これらに限定されない。また、アンテナループ241は、ITO、グラフェン、銀ナノワイヤなどの高い透過率、低インピーダンスを示す導体材料で形成される。アンテナループ241は、フェライトシート25が位置する領域とXY平面上で重畳してもよい。
フェライトシート25は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置した第1シート25aと、フォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置した第2シート25bとを含む。フェライトシート25は、2つのシート以外に複数のシートを含んでもよく、この場合もフェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域に位置する。
図29の(a)に示すように、アンテナループ241は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でディスプレイパネル251の基板上に直接プリンティングされ得る。ディスプレイパネル251の基板にアンテナループ241を直接形成するための方式は前記した説明に限定されない。
図29の(b)に示すように、フェライトシート25は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置した第1シート25aと、フォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置した第2シート25bとを含む。フェライトシート25は、2つのシート以外に複数のシートを含んでもよく、この場合もフェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域に位置する。
アンテナループ241は、表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。アンテナループ241は全体的に長方形状であることを示しているが、円形、楕円形、多角形、角の丸い多角形などの形態を有してもよく、これらに限定されない。また、アンテナループ241は、ITO、グラフェン、銀ナノワイヤなどの高い透過率、低インピーダンスを示す導体材料で形成される。アンテナループ241は、フェライトシート25が位置する領域とXY平面上で重畳してもよい。
次に、図30は、on-cellタイプのタッチセンサーの場合、タッチ電極層21と同一層に位置するアンテナループ241を含むループコイル264を示す図であり、図31は、in-cellタイプのタッチセンサーの場合、タッチ電極層21と同一層に位置するアンテナループ241を含むループコイル264を示す図である。
アンテナループ241は、タッチ電極層21の第1タッチ電極および第2タッチ電極と同一物質で製造することもできる。しかし、アンテナループ241は、タッチ電極層21と異なる層に位置することができ、第1タッチ電極および第2タッチ電極と異なる物質で製造することができる。
図30の(a)および図31の(a)に示すように、ループコイル264は、タッチ電極層21に位置するアンテナループ241とディスプレイパネル251の下に位置するフェライトシート25とを含む。
図30の(b)に示すように、ディスプレイパネル251の封止基板23上にアンテナループ241とタッチ電極層21が同一層に位置する。
アンテナループ241は、表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。アンテナループ241は、フェライトシート25が位置する領域とXY平面上で重畳してもよい。
フェライトシート25は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置する第1シート25aおよびフォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する第2シート25bを含み得る。フェライトシート25は、2つのシート以外に複数のシートを含むことができ、この場合にもフェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域に位置する。
図31の(b)に示すように、ディスプレイパネル251は、タッチ電極層21およびループコイル264を含む。つまり、基板23は、ディスプレイパネル251のカラーフィルター基板であってもよく、カラーフィルター基板23とディスプレイパネル251のTFT基板の間にタッチ電極層21およびアンテナループ241が位置し得る。または、カラーフィルター基板23の上下部にタッチ電極層21およびアンテナループ241が全て位置し得る。
アンテナループ241は、表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。アンテナループ241は、フェライトシート25が位置する領域とXY平面上で重畳してもよい。
フェライトシート25は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置する第1シート25aおよびフォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する第2シート25bを含み得る。フェライトシート25は、2つのシート以外に複数のシートを含むことができ、この場合にもフェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域に位置する。
図28~図31において、アンテナループ241が表示領域DPの内部で表示領域DPの境界に沿って延長された形態を有するように示したが、アンテナループ241は、表示領域DPの外部に位置することもできる。また、アンテナループ241は、タッチ電極層21に位置したタッチ電極とXY平面上で重畳せず、タッチ電極が配置された領域の周りを囲むように位置し得る。
図32の(a)に示すように、アンテナループ241は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でウィンドウ22上にプリンティングされるか、またはシート(sheet)にフォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされてウィンドウ22に取り付けられ、ウィンドウ22上にアンテナループ241を位置させるための方式は前記した説明に限定されない。
フェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面に取り付けられ、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置する第1シート25aおよびディスプレイパネル251の後面に取り付けられ、フォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する第2シート25b以外にも長辺LS1側に位置し、かつウィンドウ22に取り付けられたアンテナループ241の下に位置する第3シート25cおよび長辺LS2側に位置し、かつウィンドウ22に取り付けられたアンテナループ241の下に位置する第3シート25dを含む。
図33の(a)に示すように、ループコイル264は、ディスプレイパネル251の下に位置する。ループコイル264は、基板24およびフェライトシート25を含む。基板24は、ベースフィルム242およびアンテナループ241a、241bを含む。
図33の(b)に示すように、フェライトシート25は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置する第1シート25aおよびフォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する第2シート25bを含み得る。フェライトシート25は、2つのシート以外に複数のシートを含むことができ、この場合にもフェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域に位置する。
アンテナループ241aは、長辺LS1側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよく、アンテナループ241bは、長辺LS2側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。アンテナループ241aは、第1シート25aが位置する領域とXY平面上で重畳してもよく、アンテナループ241bは、第2シート25bが位置する領域とXY平面上で重畳してもよい。
次に、図34および図35を参照して、本発明に係るアンテナモジュールを含むタッチモジュール260を駆動する方法について説明する。
図34は、一実施形態によるタッチモジュールの一部を概略的に示す図である。
一実施形態によるタッチモジュール260は、タッチセンサー261、ループコイル264、ループコイル264を駆動するコイルドライバー263、およびタッチセンサー261を制御するタッチコントローラー262を含む。タッチコントローラー262は、タッチセンサー261と信号を送受信する第1駆動/受信部2620、第2駆動/受信部2622、および制御部2624を含む。
タッチセンサー261は、第1方向のタッチ座標を検出するための複数の第1タッチ電極111-1~111-mと第1方向と交差する第2方向のタッチ座標を検出するための複数の第2タッチ電極121-1~121-nを含む。例えば、複数の第1タッチ電極111-1~111-mは第2方向に延長された形態を有し、複数の第2タッチ電極121-1~121-nは第1方向に延長された形態を有する。タッチセンサー261内で、複数の第1タッチ電極111-1~111-mは第1方向に沿って配列され、複数の第2タッチ電極121-1~121-nは第2方向に沿って配列される。
第1駆動/受信部2620は、複数の第1タッチ電極111-1~111-mに駆動信号を印加することができる。第2駆動/受信部2622は、複数の第2タッチ電極121-1~121-nに駆動信号を印加することができる。
第1駆動/受信部2620は、複数の第1タッチ電極111-1~111-mから感知信号を受信できる。第2駆動/受信部2622は、複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信できる。
前記でタッチセンサー261が相互キャパシタンス方式で具現されることで説明したが、タッチセンサー261はセルフキャパシタンス方式で具現することができ、相互キャパシタンス方式でのタッチ電極111-1~111-m、121-1~121-n、第1駆動/受信部2620、および第2駆動/受信部2622を適切に変形するか、または新たなコンポーネントを追加するか、一部の構成要素を省略してセルフキャパシタンス方式に適合するように修正することは通常の技術者にとっては容易であるだろう。
つまり、タッチセンサー261は、セルフキャパシタンス方式のタッチ電極を複数個含むことができ、この場合、タッチ電極はドット(dot)形態で配列されてもよく、上記で説明した通り、一方向に延長された形態で配列されてもよい。
コイルドライバー263は、ループコイル264に駆動信号を印加する。駆動信号は、共振回路部12の共振周波数に対応する周波数を有する信号(例えば、サイン波、矩形波など)を含むことができ、所定の周波数を有する交流電圧または交流電流であり得る。このような駆動信号の周波数および大きさは、制御部2624の制御により変更することができる。
制御部2624は、第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622のうちの少なくとも1つで受信されたタッチ信号を復調してスタイラスペン10からのセンサー入力を受信できる。また、制御部2624は、スタイラスペン10の共振信号周波数が変更されるように、ループコイル264に印加する駆動信号を変調することができる。このとき、制御部2624でのタッチ信号の復調方式および周波数変更要請駆動信号の変調方式は、OOK(On/Off Keying)、ASK(Amplitude Shift Keying)、およびFSK(Frequency Shift Keying)などの方式で行われる。同様に、スタイラスペン10でのタッチ信号の変調方式および周波数変更要請駆動信号の復調方式はOOK、ASKなどの方式で行われる。
前記駆動信号に関連して図35を参照して説明する。
図35は、一実施形態によるループコイルの駆動信号およびスタイラスペンの共振信号を示す図である。
図35に示すように、コイルドライバー263は、ループコイル264に駆動信号D_264を印加することができる。駆動信号D_264は所定の周波数、つまり、スタイラスペン10の共振回路部12の共振周波数に対応する周波数を有し、第1レベルIHと第2レベルILの間で発振する交流電流であってもよいが、これに限定されない。そうすると、駆動信号D_264によってループコイル264で生成された磁場によって、共振回路部12が共振する。共振回路部12によって共振された信号は、タッチセンサー261と形成されたキャパシタンスを介してタッチセンサー261に伝達され、複数のタッチ電極111および複数のタッチ電極121にはスタイラスペン10による感知信号が受信される。
次に、図36~図47を参照して、本発明の実施形態によるフォルダブル電子デバイスおよび駆動方法について説明する。
図36および図37は、他の実施形態によるフォルダブル電子デバイスを示す図である。
図24および図25で説明したフォルダブル電子デバイスと比較して、基板24がXY平面上にフォールディング領域FAを除いた領域に位置することを除いては同様であるので説明を省略する。
図36を参照すると、ループコイル264は、アンテナループが位置する基板24およびフェライトシート25を含む。図38~図41で後述するように、アンテナループは基板24以外にもタッチ電極層21と同一層に位置することができ、この場合、基板24はループコイル264に含まれないことがある。
ループコイル264は、XY平面上でフォールディング領域FAを除いた領域に位置し得る。ループコイル264は、少なくとも2つのサブループコイル24a、24bを含む。サブループコイル24aは、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置し、サブループコイル24bは、フォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する。2つのサブループコイル24a、24bには同一または類似した位相を有する駆動信号が印加されるか、逆位相を有する駆動信号が印加されるか、または選択的に駆動され得る。
これによってフォールディング軸AXIS_Fを基準にしてフォールディング領域FAがフォールディングされても、ループコイル264が損傷するおそれがさらに減少する効果がある。
図38~図41は、他のいくつかの実施形態によるタッチパネルおよびループコイルの配置形態を示す図である。
図38の(a)に示すように、ループコイル264は、ディスプレイパネル251の下に位置する。ループコイル264は、複数のサブループコイル24a、24bおよびフェライトシート25を含む。
サブループコイル24aは、ベースフィルム242aおよびアンテナループ241aを含み、サブループコイル24bは、ベースフィルム242bおよびアンテナループ241bを含む。サブループコイル24aは、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置し、サブループコイル24bは、フォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する。図38のベースフィルム242a、242bは、FPCBまたはリジッド(rigid)PCBであってもよい。
図38の(b)に示すように、フェライトシート25は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置する第1シート25aおよびフォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する第2シート25bを含む。フェライトシート25は、2つのシート以外に複数のシートを含んでもよく、この場合にもフェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域に位置する。
サブループコイル24aのアンテナループ241aは、長辺LS1側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよく、サブループコイル24bのアンテナループ241bは、長辺LS2側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。アンテナループ241aは、第1シート25aが位置する領域とXY平面上で重畳してもよく、アンテナループ241bは、第2シート25bが位置する領域とXY平面上で重畳してもよい。
図39の(a)に示すように、アンテナループ241a、241bは、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でディスプレイパネル251の基板上に直接プリンティングすることができる。ディスプレイパネル251の基板にアンテナループ241a、241bを直接形成するための方式は前記した説明に限定されない。
図39の(b)に示すように、フェライトシート25は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置する第1シート25aおよびフォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する第2シート25bを含む。フェライトシート25は、2つのシート以外に複数のシートを含んでもよく、この場合にもフェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域に位置する。
アンテナループ241aは、長辺LS1側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよく、アンテナループ241bは、長辺LS2側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。アンテナループ241aは、第1シート25aが位置する領域とXY平面上で重畳してもよく、アンテナループ241bは、第2シート25bが位置する領域とXY平面上で重畳してもよい。
次に、図40は、on-cellタイプのタッチセンサーの場合、タッチ電極層21と同一層に位置するアンテナループ241を含むループコイル264を示す図であり、図41は、in-cellタイプのタッチセンサーの場合、タッチ電極層21と同一層に位置するアンテナループ241を含むループコイル264を示す図である。
アンテナループ241は、タッチ電極層21の第1タッチ電極および第2タッチ電極と同一物質で製造することもできる。しかし、アンテナループ241は、タッチ電極層21と異なる層に位置することができ、第1タッチ電極および第2タッチ電極と異なる物質で製造することができる。
図40の(a)および図41の(a)に示すように、ループコイル264は、タッチ電極層21に位置したアンテナループ241とディスプレイパネル251の下に位置したフェライトシート25を含む。
図40の(b)に示すように、ディスプレイパネル251の封止基板23上にアンテナループ241とタッチ電極層21が同一層に位置する。
アンテナループ241aは、長辺LS1側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよく、アンテナループ241bは、長辺LS2側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。アンテナループ241aは、第1シート25aが位置する領域とXY平面上で重畳してもよく、アンテナループ241bは、第2シート25bが位置する領域とXY平面上で重畳してもよい。
フェライトシート25は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置する第1シート25aおよびフォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する第2シート25bを含む。フェライトシート25は、2つのシート以外に複数のシートを含んでもよく、この場合にもフェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域に位置する。
図41の(b)に示すように、ディスプレイパネル251は、タッチ電極層21およびループコイル264を含む。つまり、基板23は、ディスプレイパネル251のカラーフィルター基板であってもよく、カラーフィルター基板23とディスプレイパネル251のTFT基板の間にタッチ電極層21およびアンテナループ241が配置されてもよい。または、カラーフィルター基板23の上下部にタッチ電極層21およびアンテナループ241が全て配置されてもよい。
アンテナループ241aは、長辺LS1側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよく、アンテナループ241bは、長辺LS2側の表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有する導電性配線であってもよい。アンテナループ241aは、第1シート25aが位置する領域とXY平面上で重畳してもよく、アンテナループ241bは、第2シート25bが位置する領域とXY平面上で重畳してもよい。
フェライトシート25は、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域に位置する第1シート25aおよびフォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する第2シート25bを含む。フェライトシート25は、2つのシート以外に複数のシートを含んでもよく、この場合にもフェライトシート25は、ディスプレイパネル251の後面のフォールディング領域FAを除いた領域に位置する。
図38~図40において、アンテナループ241a、241bが表示領域DPとフォールディング領域FAの境界に沿って延長された形態を有するように示したが、アンテナループ241a、241bは表示領域DPの外部に配置されてもよい。また、アンテナループ241は、タッチ電極層21に位置したタッチ電極とXY平面上で重畳せず、タッチ電極が配置された領域の周りを囲むように配置されてもよい。
以下、図33、図38~図41のタッチパネルとループコイルの動作について図42~図47を参照して説明する。
図42は、一実施形態によるタッチモジュールの一部を概略的に示す図である。
図34で説明したフォルダブル電子デバイスと比較して、複数のループコイル264a、264bがフォールディング領域FAを除いた領域にそれぞれ位置することを除いては同様であるので説明を省略する。
ループコイル264aは、フォールディング軸AXIS_Fの左側に位置し、ループコイル264bは、フォールディング軸AXIS_Fの右側に位置する。ループコイル264a、264bは、コイルドライバー263に連結されている。
コイルドライバー263は、ループコイル264a、264bそれぞれに駆動信号を印加する。コイルドライバー263は、スタイラスペン10のタッチスクリーン20上の位置を使用して駆動信号を異にして印加することができる。これに関連して図43~図47を参照して説明する。
図43は、他の実施形態によるフォルダブル電子デバイスのいくつかの位置にスタイラスペンが近接する場合を示す図であり、図44は、スタイラスペンの位置に応じたループコイルの駆動信号とスタイラスペンの共振信号を示す図である。
図43の(a)および(c)のように、スタイラスペン10がXY平面上でループコイルで覆われる領域、つまり、フォールディング領域FAと長辺LS1との間の領域またはフォールディング領域FAと長辺LS2との間の領域に位置する場合、コイルドライバー263は、それぞれのアンテナループ241a、241bに駆動信号を印加することによって共振回路部12を共振させる。しかし、図43の(b)のように、スタイラスペン10がXY平面上でループコイルで覆われない領域、つまり、フォールディング領域FAに位置する場合、アンテナループ241a、241bに個別的に駆動信号を印加すると、共振回路部12によって共振される信号が減衰してタッチセンサー261によって検出されるタッチ入力の受信感度が低下することがある。
したがって、図44に示すように、スタイラスペン10がXY平面上でループコイルで覆われない領域に位置する場合、つまり、(b)区間の間、コイルドライバー263はアンテナループ241a、241bいずれも同じまたは類似の位相の駆動信号を印加する。ここで、スタイラスペン10の位置はタッチコントローラー262によって判断することができ、タッチコントローラー262は、スタイラスペン10がXY平面上でループコイルで覆われない領域に進入すると、(b)区間のような駆動信号がそれぞれのアンテナループ241a、241bに印加されるようにコイルドライバー263を制御することができる。
図45~図47は、図44の駆動信号が印加される場合生成される磁場を概略的に示す図である。
図45は、図44の(a)区間でのような駆動信号が印加されるときの磁場Baを表す。ループコイル264aに流れる電流I_264aによって磁場BaがXY平面上でループコイル264aで覆われる領域内に主に形成されるので、スタイラスペン10の共振回路12を共振させることができる。
図46は、図44の(b)区間でのような駆動信号が印加されるときの磁場Ba、Bb、Bcを表す。ループコイル264aに流れる電流I_264aおよびループコイル264bに流れる電流I_264bによってXY平面上でループコイル264a、264bで覆われる領域内に磁場Baおよび磁場Bcが形成されるだけでなく、磁場BbがXY平面上でループコイル264a、264bで覆われない領域内にも形成されるので、スタイラスペン10の共振回路12を共振させることができる。
図47は、図44の(c)区間でのような駆動信号が印加されるときの磁場Bcを表す。ループコイル264bに流れる電流I_264bによって磁場BcがXY平面上でループコイル264bで覆われる領域内に主に形成されるので、スタイラスペン10の共振回路12を共振させることができる。
次に、図48および図49を参照して、タッチセンサー内で受信感度が低い領域について説明する。
図48および図49は、タッチパネルおよびループコイルの配置形態を示す図である。
図48に示すように、タッチセンサー内のタッチ電極111、121は、タッチ領域の周縁に位置する周辺領域のトレース112、122に連結されている。第1タッチ電極111-1、111-2、111-3、...は、それぞれのトレース112に対応して連結されており、第2タッチ電極121-1、121-2、121-3、...は、それぞれのトレース122に対応して連結されている。
第1タッチ電極111-1、111-2、111-3、...は、第2タッチ電極121-1、121-2、121-3、...に比べて長さが長いのでRC遅延が発生する可能性があるので、第1タッチ電極111-1、111-2、111-3、...の一端および他端にいずれもトレース112が連結される。
図49に示すように、アンテナループ241に駆動信号DSによる電流が流れると、タッチセンサーの中央領域A1に形成される磁場と、タッチセンサーのコーナー領域C1、C2、C3、C4に形成される磁場の大きさは互いに異なる。
タッチセンサーの中央領域A1には、アンテナループ241に流れる電流によって全く同じ方向(図12においては-Z軸方向)に磁場が生成される。スタイラスペン10は、Z軸方向から少なくとも60度以内の角度をもって使用することができる。スタイラスペン10がZ軸方向に沿って位置する場合、スタイラスペン10の共振回路部12のインダクタのコイルはZ軸に垂直な方向に巻線されている。つまり、領域A1では磁場の方向(-Z軸)とコイルの巻線方向が垂直をなすので、共振回路部12に伝達されるエネルギーが大きい。これに比べて、タッチセンサーのコーナー領域C1、C2、C3、C4にはアンテナループ241によって生成された磁場の方向はZ軸に垂直である。共振回路部12のインダクタに巻かれているコイルの方向が、磁場の方向とはほぼ平行である。つまり、コーナー領域C1、C2、C3、C4では共振回路部12に伝達されるエネルギーが領域A1に比べてより小さい。
したがって、タッチセンサーのコーナー領域C1、C2、C3、C4に位置しているスタイラスペン10から出力される信号の大きさが減少するか、または信号出力が中止されることができる。
したがって、タッチセンサーのコーナー領域C1、C2、C3、C4に位置したスタイラスペン10に伝達される磁気エネルギーを増加させることができるアンテナモジュールの設計が求められる。
トレース層26は、タッチ電極層21と同一層で形成される。また、トレース層26は、銀ナノワイヤなどの高い透過率、低インピーダンスを示す導体材料で形成される。しかし、トレース層26はタッチ電極層21と異なる層に位置することができ、ITO、グラフェンで製造することができ、これらに限定されない。
そして、ベースフィルム242上にアンテナループ241が配置される。アンテナループ241は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でベースフィルム242上にプリンティングされてもよい。またはアンテナループ241は、ウィンドウ22上にフォトリソグラフィ、スパッタリングなどでプリンティングされてもよい。また、アンテナループ241が形成されたシートがウィンドウ22に取り付けることもできる。また、アンテナループ241は、タッチ電極層21と同一層に位置し得る。このとき、アンテナループ241は、タッチ電極層21のタッチ電極と同一物質で製造することもできる。しかし、アンテナループ241は、タッチ電極層21と異なる層に位置することができ、タッチ電極と異なる物質で製造することができる。また、図13においてはアンテナループ241が1つであることを示したが、アンテナループ241は2つ以上であってもよく、アンテナループ241をタッチスクリーン20に位置させるための方式は前記した説明に限定されない。
人体などのタッチオブジェクトがタッチセンサーの周辺領域にタッチされているとき、導電性のアンテナループ241とタッチオブジェクトの間にはキャパシタンスCcが形成される。そして、タッチオブジェクトとトレース112、122の間にもキャパシタンスCtが形成され、タッチオブジェクトとタッチ電極層21に位置したタッチ電極111、121の間にもキャパシタンスCeが形成される。
アンテナループ241に駆動信号DSが印加されると、前記電気的結合Cc、Ct、Ceによって、駆動信号DSがトレース112、122とタッチ電極111、121に影響を与える。
例えば、アンテナループ241に駆動信号DSが印加されている間、スタイラスペン10からの感知信号がタッチ電極111、121に受信されるときにタッチオブジェクトを通してタッチ電極111、121に伝達される駆動信号DSによってノイズが発生することがある。また、アンテナループ241に駆動信号DSが印加されている間、タッチ電極111、121に受信された感知信号がトレース112、122を通してタッチコントローラー262に伝達されるときにタッチオブジェクトを通してトレース112、122に伝達される駆動信号DSによってノイズが発生することがある。
また、タッチオブジェクトがタッチされていなくても、アンテナループ241、タッチ電極111、121およびトレース112、122は互いに電気的に影響を与える。例えば、タッチ電極111、121およびトレース112、122は、アンテナループ241と直接容量性結合を形成することができる。したがって、ループコイル264に所定の周波数の電圧が印加されると、タッチ電極111、121によって感知される感知信号またはトレース112、122によってタッチコントローラー262に伝達される感知信号にノイズが発生することがある。
また、アンテナループ241に電流が流れると、磁場Mcが発生し、このような磁場は、結果的にタッチ電極111、121およびトレース112、122に電流(例えば、渦電流(eddy current))を発生させることができる。つまり、電磁誘導によりタッチ電極111、121によって感知される感知信号またはトレース112、122によってタッチコントローラー262に伝達される感知信号にノイズが発生することがある。
特に、トレース112とタッチ電極111の延長された方向が同じタッチ電極の場合、このような電磁気的結合によるノイズがより大きい場合がある。これに関連して図14を参照して説明する。
図50は、図48のタッチパネルおよびループコイルの配置形態をより詳細に示す図である。
図50を参照すると、タッチ電極111-1、...、111-16は、それぞれトレース112-1、...、112-16に連結されており、タッチ電極121-1、...、121-28は、それぞれトレース122-1、...、122-28に連結されている。
このとき、互いに連結され、かつ隣接したトレースとタッチ電極との間でより大きいノイズが発生する可能性がある。
図50に示すように、Y軸方向に延長されているタッチ電極111-1とY軸方向に延長されているトレース112-1は互いに連結されている。タッチ電極111-1とトレース112-1は隣接して位置する。つまり、タッチ電極111-1とトレース112-1との間に他のトレースやタッチ電極が位置していない。このとき、タッチ電極111-1のX軸方向の最大幅内に位置している、Y軸方向に延長されたアンテナループ241の長さが、タッチ電極111-1のY軸方向の長さの2倍以上の場合、タッチ電極111-1およびトレース112-1はいずれもアンテナループ241に印加される駆動信号DSによって影響を受けることになる。
つまり、タッチ電極111-1とトレース112-1が位置した領域P1にタッチオブジェクトがタッチされている場合、感知信号を受信するタッチ電極111-1と受信された感知信号をタッチコントローラー262に伝達するトレース112-1は全てタッチ電極111-1のX軸方向の最大幅に対応する領域内に位置したアンテナループ241に印加される駆動信号DSによって影響を受けることになる。
しかし、領域P2にタッチオブジェクトがタッチされていても、タッチ電極111-2、...111-15、111-16は、アンテナループ241に印加される駆動信号DSによって影響を受けることができるが、互いに連結されながらも隣接していないトレース112-2、...112-15、112-16の場合、アンテナループ241に印加される駆動信号DSによる影響は少ない。
また、トレース112-1、...112-15、112-28に隣接してタッチオブジェクトがタッチされている場合、タッチ電極121-1、...121-28は、アンテナループ241に印加される駆動信号DSによって影響を受けることができるが、タッチ電極111-1、...111-16に比べて影響される面積が少ない。タッチ電極121-1、...121-28に隣接してタッチオブジェクトがタッチされている場合、タッチ電極121-1、...121-28は、アンテナループ241に印加される駆動信号DSによって影響を受けることができるが、トレース112-1、...112-15、112-28には駆動信号DSによる影響が少ない。
つまり、互いに連結されていながら隣接しており、同一または類似した方向に配列されているトレースとタッチ電極との間には、互いに連結されており、同一または類似した方向に配列されているが隣接していないトレースとタッチ電極との間と、互いに連結されており、隣接しているが同一または類似した方向に配列されていないトレースとタッチ電極との間よりさらに大きいノイズが発生することがある。
発明者らはY軸方向に延長されているトレースとタッチ電極が互いに連結されていながら隣接して位置する場合、タッチ電極のX軸方向の最大幅内でタッチ電極と重畳しているY軸方向に延長されたアンテナループの長さがタッチ電極のY軸方向の長さの2倍以上であれば、アンテナループの駆動によるノイズがタッチ電極に対する正常なタッチ信号よりさらに大きいことを確認した。
したがって、このようなノイズを減少させることができるアンテナモジュールの設計が求められる。
図51~図55は、一実施形態の様々な様態でタッチパネルおよびループコイルの配置形態を示す図である。
図51~図55でのタッチ電極111、121およびトレース112、122の配置は、図48および図50に示したタッチセンサーと同様のものと仮定する。アンテナループ241は実線または点線で示し、これは互いに異なる層に位置し得ることを示すためである。
図51~図55において、Y軸方向に延長されているトレース112-1とタッチ電極111-1が互いに連結されていながら隣接して位置している領域P1に、アンテナループ241の一部として、タッチ電極111-1のX軸方向の最大幅内でタッチ電極と重畳していながらY軸方向に延長されたアンテナループ241の一部の長さがタッチ電極111-1のY軸方向の長さの2倍未満である。つまり、領域P1に位置したアンテナループ241の密度が、領域P2に位置したアンテナループ241の密度よりさらに少ない。ここで密度は、同じ方向に延長されているタッチ電極とアンテナループ241がXY平面上で重畳する長さと仮定する。
図51および図52を参照すると、Y軸方向に延長されたタッチ電極111-1にY軸方向に沿って重畳する、Y軸方向に延長されたアンテナループ241のY軸方向の長さはタッチ電極111-1のY軸方向の長さの1倍以下である。アンテナループ241が巻線されているので、領域P1に位置したアンテナループ241の第1巻線と、領域P1に隣接したアンテナループ241の第2巻線とは互いに異なるY軸方向のタッチ電極上に位置し得る。
図51に示すように、アンテナループ241の第1巻線と第2巻線との間の離隔距離(X軸方向の離隔距離)と、アンテナループ241の第2巻線と第3巻線との間の最小離隔距離は実質的に同一であってもよい。
図52に示すように、アンテナループ241の第1巻線と第2巻線との間の離隔距離は、アンテナループ241の第2巻線と第3巻線との間の最小離隔距離よりさらに大きいことがある。アンテナループ241の第1巻線とアンテナループ241の第2巻線との間の離隔距離は、アンテナループ241の第3巻線と第4巻線との間の最小離隔距離と実質的に同一であってもよい。
図53および図54を参照すると、Y軸方向に延長されたタッチ電極111-1にY軸方向に沿って重畳する、Y軸方向に延長されたアンテナループ241のY軸方向の長さはタッチ電極111-1のY軸方向の長さの2倍未満である。
図53に示すように、アンテナループ241は、Y軸方向に延長された第1部分とY軸方向に沿って逆S字パターンが繰り返される第2部分とを含む。このとき、第2部分のうちの一部が領域P1に位置し得る。つまり、第2部分のうちの一部がY軸方向に延長されたタッチ電極111-1に重畳してもよい。
図54に示すように、アンテナループ241は、Y軸方向に延長された第1部分とY軸方向に沿って逆S字パターンが繰り返される第2部分とを含む構造が対称的に配置される形態であり得る。このとき、第2部分のうちの一部が領域P1に位置し得る。つまり、第2部分のうちの一部がY軸方向に延長されたタッチ電極111-1に重畳してもよい。
図55を参照すると、複数のアンテナループ241a、241bが位置し得る。Y軸方向に延長されたタッチ電極111-1に重畳する、Y軸方向に延長されたアンテナループ241aのY軸方向の長さとY軸方向に延長されたタッチ電極111-1に重畳する、Y軸方向に延長されたアンテナループ241bのY軸方向の長さの合計は、タッチ電極111-1のY軸方向の長さの1倍以下である。
それぞれのアンテナループ241a、241bは、互いに独立して駆動信号が印加される。したがって、アンテナループ241aにのみ駆動信号が印加されるか、またはアンテナループ241bにのみ駆動信号が印加される場合、タッチ電極111-1とトレース112-1に対する影響はさらに減少する。
図56を参照して、本発明の一実施形態によるアンテナループ241を使用する場合のノイズ低減効果について説明する。
図56は、一実施形態と比較例のタッチ信号とノイズ信号を比較したグラフである。
Y軸は、各タッチ電極で感知される信号の大きさを示し、X軸は、タッチ電極の番号を示す。1番目の電極がタッチ電極111-1であり、16番目の電極がタッチ電極111-16であることで説明する。
図50に示すようなアンテナループ241の構造で感知される信号2010、2012を説明する。タッチ電極111-2、...、111-16によって感知される、ノイズ信号2010とタッチ信号2012の差が臨界値以上であるので、タッチコントローラー262は、タッチ信号2012をタッチ入力として感知することができる。しかし、1番目の電極111-1の場合、タッチ信号2012の大きさがノイズ信号2020の大きさよりさらに小さいので、タッチコントローラー262は、タッチ信号2012をタッチ入力として感知することができない。
図51~図55に示すようなアンテナループ241の構造で感知される信号2020、2022を説明する。タッチ電極111-1、...、111-16によって感知されるタッチ信号2022の大きさがノイズ信号2020の大きさよりさらに大きいので、タッチコントローラー262は、タッチ信号2022をタッチ入力として感知することができる。
次に、図57~図59を参照して、タッチセンサーのコーナー領域C1、C2、C3、C4に位置したスタイラスペン10に伝達される磁気エネルギーを増加させることができるアンテナモジュールについて説明する。
図57~図60は、他のいくつかの実施形態でタッチパネルおよびループコイルの配置形態を示す図である。
図57および図58において、アンテナループ241のコーナー領域C1、C2、C3、C4で巻線された回数が、その他の領域に巻線された回数よりさらに多い。
図57に示すように、アンテナループ241は、互いに隣接したコーナー領域C1およびC2、C3およびC4を横切って2回巻線されてもよく、図58に示すように、アンテナループ241は、コーナー領域C1、C2、C3、C4それぞれに2回巻線されてもよい。
また、図58でのように、コーナー領域C1、C2、C3、C4それぞれに巻線された後、中央領域にも1回巻線されてもよい。
このようにコーナー領域C1、C2、C3、C4に巻線された回数を増加させる構造により、コーナー領域C1、C2、C3、C4に位置したスタイラスペン10に伝達する磁気エネルギーを増加させることができる。
図59を参照すると、コーナー領域C1、C2、C3、C4に頂点方向P1、P2、P3、P4に磁場を形成するために、コーナー領域C1、C2、C3、C4にコーナーパターン241xが位置し得る。コーナーパターン241xは、コーナー領域C1、C2、C3、C4それぞれにジグザグが繰り返されるパターンを有する。
図60を参照すると、ベースフィルム242が両面PCBの場合、コーナーパターン241xは、ベースフィルム242の両面に交互に位置し得る。ベースフィルム242が多層PCBの場合、コーナーパターン241xは、ベースフィルム242のいくつかの層に位置し得る。これはコーナーパターン241xでソレノイドを実現するためである。
コーナーパターン241xで具現されたソレノイドは、頂点方向または頂点方向とZ軸方向が結合した方向に磁場を形成することができる。したがって、アンテナループ241は、コーナー領域C1、C2、C3、C4で頂点方向に傾いたスタイラスペン10にも磁気エネルギーの伝達を増加させることができる。
実施形態によれば、タッチ入力の受信感度を向上させ、より正確なタッチ位置を算出することができる長所がある。
実施形態によれば、アンテナループのコーナー領域でスタイラスペンに伝達されるエネルギーを増加させることができる長所がある。
次に、図61および図62を参照して、スタイラスペンと一実施形態による電子デバイスが信号を送受信する例を説明する。
図61および図62は、スタイラスペンと電子デバイスを示す概略的な回路図である。
図61においての共振回路部12は、抵抗Rp、インダクタLp、およびキャパシタCpを含む等価回路または抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsを含む等価回路で表すことができる。
図61および図62に示すように、駆動信号を伝達する電源40によってループコイルと内部キャパシタが共振すると、スタイラスペン10の共振回路部12もループコイルと内部キャパシタが相互共振することができる。
図61は、ループコイルLdpと内部キャパシタCdpが並列に連結され、共振回路部12の抵抗Rp、インダクタLp、およびキャパシタCpが並列に連結されている場合を示す。
図62は、ループコイルLdpと内部キャパシタCdpが並列に連結され、共振回路部12の抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsが直列に連結されている場合を示す。
図61および図62において、遮断キャパシタCbが共振回路42と直列に連結されていない場合、駆動信号によって生成される磁場は次の通りである。
[数式1]
共振回路42によって生成された磁場の変化は下記式2のように、誘導起電力を生成する。
[数式2]
数式1をみると、電場による磁場誘導時には交流電流と直流電流が全て磁場を誘導するために寄与するが、数式2のように磁場による電場誘導時には時間によって変化する磁場によってのみ電場が誘導される。したがって、数式1の直流成分の電流Jは、共振回路部12の誘導起電力に寄与しないもかかわらず電力が消費される。
したがって、遮断キャパシタCbを共振回路42と直列に連結して、下記式3のように直流成分の電流が共振回路42に流れることを防止することができる。
[数式3]
これによって、共振回路42による消費電力を減少させることができる。
次に、図63を参照して、一実施形態による電子デバイス2のループコイル264およびコイルドライバー263の一例を説明する。
図63は、一実施形態によるアンテナモジュールとスタイラスペンを示す図である。
図63を参照すると、タッチセンサー261側に位置したループコイル264は、キャパシタCdpと共振回路をなす。共振回路と遮断キャパシタCbは直列に連結されている。
スタイラスペンの共振回路部12は、電源40によって印加される所定の周波数の駆動信号によって発生した磁場でループコイル264からエネルギーが伝達されなければ共振しない。そうすると、スタイラスペンは共振されたエネルギーを使用してタッチセンサー261にタッチ入力信号を伝達できる。例えば、図3の(a)および(b)のスタイラスペン10a、10bは、共振回路部12で共振された信号をタッチ入力としてタッチセンサー261に伝達できる。図3の(c)のスタイラスペン10cは、共振回路部12で共振された信号から生成された電力を使用してアクティブスタイラスモジュール60が信号を生成してタッチセンサー261に伝達できる。
次に、図64~図65を参照して、駆動信号を印加する方式によって増加した磁場に基づいた共振信号の振幅変化を説明する。
図64は、コイルドライバーがループコイルに印加される駆動信号とスタイラスペンの共振信号を示す図であり、図65は、一実施形態によりコイルドライバーがループコイルに印加される駆動信号とスタイラスペンの共振信号を示す図である。
図64に示すように、コイルドライバー263は、ループコイル264の両端それぞれに駆動信号を印加することができる。ループコイル264の他端にはグラウンドが連結されており、ループコイル264の一端には駆動信号、つまり、所定の周波数を有する電圧が印加される。ループコイル264の両端に互いに異なる大きさの電圧(両端の電圧差=(Vb-Va))が印加されるので、ループコイル264には電流Idが流れる。電圧の変化によって電流の強さが変化するか、その方向は一定である。前記数式1のように、電流(電流の強さ)の変化はループコイル264の周辺に磁場を形成する。
磁場の変化は、数式2のように共振回路部12に誘導起電力を誘導する。
共振回路部12で誘導起電力によって生成された共振信号のPP(peak to peak)電圧はV0である。
図65を参照すると、ループコイル264の両端には互いに逆相の駆動信号が印加される。このとき、駆動信号のPP電圧はVb-Vaであって、図64においてループコイル264に印加される駆動信号と同じである。ループコイル264の両端に互いに異なる大きさの電圧(両端の電圧差=2*(Vb-Va))が印加されるので、ループコイル264には電流Idが流れる。電圧の変化によって電流の強さと方向が変化する。
前記数式1のように、電流(電流の強さ)の変化はループコイル264周辺に磁場を形成する。磁場の変化は、前記数式2のように共振回路部12に誘導起電力を誘導する。共振回路部12で誘導起電力によって生成された共振信号のPP電圧はV1(V1>V0)である。
さらに大きな強さの交流電流はさらに大きな磁場変化を発生させ、さらに大きな磁場変化はさらに大きな誘導起電力を誘導する。本発明の電子デバイスの制御方法によれば、逆相の駆動信号をループコイル264の両端に同時に印加することによって同じ電圧でもコイルで生成される磁場を増幅させる効果がある。
つまり、本発明の電子デバイスの制御方法によれば、コイルドライバー263がPP電圧を増加させずに、スタイラスペン10の共振回路部12に伝達されるエネルギーを増加させることができる。
次に、図65の駆動信号を印加する方式が使用されるコイルドライバー263が遮断キャパシタCbを備えた場合について説明する。
図66は、図65のコイルドライバーを具体的に示す図である。
図66を参照すると、ループコイルLdpと内部キャパシタCdpが並列に連結され、内部キャパシタCdpの一電極には遮断キャパシタCb1の一電極が連結され、内部キャパシタCdpの他電極には遮断キャパシタCb2の一電極が連結される。
互いに異なる位相(例えば、逆位相)の駆動信号が遮断キャパシタCb1の他電極と遮断キャパシタCb2の他電極にそれぞれ印加される。例えば、遮断キャパシタCb1の他電極に印加される駆動信号と遮断キャパシタCb2の他電極に印加される駆動信号の位相は反対である。
図65で説明した通り、逆相の駆動信号をループコイル264の両端に同時に印加することによって、同じ電圧でもコイルで生成される磁場を増幅させる効果がある。
また、遮断キャパシタCb1、Cb2を共振回路42と連結して、前記数式3のように直流成分の電流が共振回路42に流れることを防止することができる。
上記によれば、アンテナモジュールとこれを含む電子デバイスの消費電力を減らすことができ、スタイラスペンに伝達されるエネルギーを増加させることができ、別途のワイヤレス充電が先行せずとも、スタイラスペンの使用と同時にスタイラスペンの使用に必要な電力を伝達できる効果がある。
図67~図69は、タッチセンサーおよびループコイルの配置形態を示す図である。
図67に示すように、ループコイル264はタッチセンサー261と重畳せず、タッチセンサー261の周りを囲むように位置し得る。ループコイル264には、駆動信号としてAC波形を有する電流IDが印加される。
図68に示すように、ループコイル264は、タッチセンサー261と重畳する領域に位置し得る。ループコイル264には、駆動信号によるAC波形を有する電流IDが印加される。
図69に示すように、ループコイル264は、複数のサブループコイル2640、2641、2642、2643を含んでもよい。複数のサブループコイル2640、2641、2642、2643はタッチセンサー261と重畳する領域に位置し得るが、これに限定されるものではない。複数のサブループコイル2640、2641、2642、2643には、駆動信号によるAC波形を有する電流ID0、ID1、ID2、ID3がそれぞれ印加される。
図70~図74は、電子デバイスにスタイラスペンが近接した状態を示す図である。
図70~図74に示すように、スタイラスペン10とタッチスクリーン20が互いに近接していてもよい。
図70~図74のスタイラスペン10は、タッチ電極層21のタッチ電極に印加される駆動信号に共振することによってタッチ入力(共振信号またはアクティブタッチ信号)を発生させることができる。
図70~図74のタッチスクリーン20は、ディスプレイパネル251およびディスプレイパネル251上のタッチセンサー261を含む。タッチセンサー261は、基板23、基板上のタッチ電極層21のタッチ電極、およびタッチ電極層21のタッチ電極上のウィンドウ22を含んでもよい。
基板23は、ディスプレイパネル251の封止基板であってもよく、これは透明な材質で具現されることが好ましい。
タッチ電極層21のタッチ電極は、第1方向に延長された形態を有し、第1方向と交差する第2方向に沿って配列される複数の第1タッチ電極と、第2方向に延長された形態を有し、第1方向に沿って配列される複数の第2タッチ電極とを含む。図においてはタッチ電極層21のタッチ電極を1つの層として示したが、第1タッチ電極と第2タッチ電極が互いに異なる層にそれぞれ位置することもでき、これに限定されない。
タッチ電極層21のタッチ電極上にはウィンドウ22が位置し得る。タッチ電極層21のタッチ電極、導電性チップ11、およびウィンドウ22はキャパシタンスCxを形成することができる。したがって、スタイラスペン10で生成された信号(共振信号またはアクティブタッチ信号)がタッチ電極層21のタッチ電極に伝達される。
図70~図74に示すように、共振回路部12は、ループコイル264と相互共振することができ、共振回路部12のインダクタとループコイル264との間に発生する相互共振の程度は相互インダクタンスMの影響を受ける。あるいは共振回路部12は、ループコイル264によって発生した磁場で共振することができる。
図71、図72および図73に示すように、タッチセンサー261と重畳しない領域にループコイル264が位置し得る。
図71を参照すると、ループコイル264は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でウィンドウ22上にプリンティングされるか、またはシート(sheet)にフォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされてウィンドウ22に取り付けられ、ウィンドウ22上にループコイル264を位置させるための方式は前記した説明に限定されない。
図72は、on-cellタイプのタッチセンサーの場合、タッチ電極層21のタッチ電極と同一層に位置するループコイル264の配置を示す図であり、図73は、in-cellタイプのタッチセンサーの場合、タッチ電極層21のタッチ電極と同一層に位置するループコイル264の配置を示す図である。
図72および図73を参照すると、ループコイル264は、タッチ電極層21のタッチ電極と同一層に位置し得る。ループコイル264は、タッチ電極層21のタッチ電極と同一物質で製造することもできる。しかし、ループコイル264は、タッチ電極層21のタッチ電極と異なる層に位置することができ、異なる物質で製造することができる。
図72において、ディスプレイパネル251の封止基板23の上にループコイル264とタッチ電極層21のタッチ電極が同一層に位置する。
図73において、ディスプレイパネル251は、タッチ電極層21のタッチ電極およびループコイル264を含む。つまり、基板23は、ディスプレイパネル251のカラーフィルター基板であってもよく、カラーフィルター基板23とディスプレイパネル251のTFT基板との間にタッチ電極層21のタッチ電極およびループコイル264が位置し得る。あるいはカラーフィルター基板23の上下部にタッチ電極層21のタッチ電極およびループコイル264が全て位置し得る。
図74および図75に示すように、タッチセンサー261と重畳する領域にループコイル264が位置し得る。ループコイル264は、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でディスプレイパネル251の基板上に直接プリンティングされるか、またはシート(sheet)にフォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングされてディスプレイパネル251の基板に取り付けられ、ディスプレイパネル251の基板にループコイル264を位置させるための方式は前記した説明に限定されない。
図74に示すように、ループコイル264は、タッチセンサー261の外角に近い位置にのみ配置されるか、または図75に示すように、ループコイル264は、タッチセンサー261の全体領域に対応して配置され得る。
また、ループコイル264は、タッチ電極層21のタッチ電極と異なる層に位置し得る。しかし、図71および72でのように、ループコイル264は、タッチセンサー261と重畳する領域でタッチ電極層21のタッチ電極と同一層に位置することもでき、同一物質で製造することもできる。
図75および図76は、電子デバイスにスタイラスペンが近接して信号を送受信する状態を示す図である。
図75に示すように、ループコイル264に駆動信号が印加されると、これにより生成された磁場Bによって共振回路部12が共振する。
そうすると、図76に示すように、スタイラスペン10からの信号RSは、導電性チップ11から直接タッチ電極層21のタッチ電極側に伝達されるか、または大気または非導電性のハウジングを通してタッチ電極層21のタッチ電極側に伝達される。
図77は、図3のスタイラスペンと図2の電子デバイスを具体的に示す概念図である。
スタイラスペン10は、導電性チップ11、共振回路部12、およびハウジング19を含む。共振回路部12は、キャパシタ部113とインダクタ部114とを含む。ハウジング19は、チップ11に隣接したホルダー部19aおよびチップ11から離隔している本体部19bを含む。
キャパシタ部113は、並列に連結された複数のキャパシタを含んでもよい。それぞれのキャパシタは、互いに異なるキャパシタンスを有することができ、製造工程内でトリミング(trimming)することができる。
インダクタ部114は、フェライトコア115と、フェライトコア115に巻かれているコイル116とを含む。
キャパシタ部113とインダクタ部114は並列に連結され、キャパシタ部113とインダクタ部114のLC共振により駆動信号に応答して共振信号が発生する。
図78は、図77においてのスタイラスペンのインダクタ部を具体的に示す概念図である。
図78を参照すると、インダクタ部114は、フェライトコア115と、フェライトコア115に巻かれているコイル116とを含む。
このとき、インダクタ部114のインダクタンス(inductance)は、下記式4によって決定される。
[数式4]
数式4から分かるように、インダクタンスは、フェライトコア115の透磁率(permeability)、コイル116の断面積、および巻線数の2乗に比例し、コイル116の巻線の長さに反比例する。
スタイラスペンに収容される共振回路部12でインダクタ部114の設計は非常に重要である。
図79は、周波数変化に応じたインダクタンスとQ値を示す図である。
図79に示すように、インダクタ部114の設計においてはインダクタンスLとQ値が非常に重要なパラメータである。ここで、Q値は、共振回路素子としてのコイルの特性を示す量として、Q=2dfL/Rで与えられる。ここでL、Rはそれぞれコイルのインダクタンスと抵抗値、fは周波数である。Qの値が大きいコイルを使用するほど鋭い共振特性を得ることができる。
スタイラスペンの設計において、Lは使用しようとする周波数に対して十分に大きい自己共振(self-resonance)周波数を有さなければならないし、Q値は使用しようとする周波数で最大値を有することが好ましい。これを満たすためにはフェライトコアの材質、コイルのワイヤーの種類、巻線方法(winding scheme)を最適化しなければならない。また、薄いペンの直径を維持し、かつ高い出力信号を得ることができる方法が必要である。
以下の実施形態では多数のフェライトコアの材質、コイルのワイヤーの種類、巻線方法(winding scheme)のうち最も最適化されたスタイラスペンの設計方案について説明する。
(1)フェライトコアの材質
本実施形態で使用したフェライトコアの材質としてはマンガン(Mn)、ニッケル(Ni)を使用した。
(2)ワイヤーの種類
本実施形態で使用したコイルのワイヤーの種類としてはエナメル線とリッツ線を使用した。
図80および図81は、それぞれエナメル線とリッツ線を示す図である。
図80に示すように、エナメル線100は、銅線101の表面に絶縁性エナメル102を被覆して高温で加熱して作った電線であって、電気機器、通信機器および電気計器などの巻線、配線に使用される。本実施形態では全体厚さTが0.2mm、電線直径Φが0.18mm、被覆厚さtが0.01mmのエナメル線を使用した。
図81に示すように、リッツ線(litz wire)200は、直径が0.1mm程度の細い絶縁電線100(例えば、エナメル線)を複数本より合わせて一つの線にし、その上にナイロンなどで絶縁被覆201をした特殊な絶縁電線である。リッツ線200は、表面積を大きくすることによって表皮効果を低減させることができ、高周波回路のコイルなどに使用する。
本実施形態では全体厚さTが0.2mm、電線直径Φが0.06mm、被覆厚さtが0.007mmのリッツ線を使用した。
(3)巻線方式
本発明の実施形態ではスタイラスペンという限定された空間で十分なインダクタンス値(つまり、十分な巻線数)を得るために、多層のワインディング構造を有する巻線方式を使用した。具体的には、図82の(A)および(B)に示すように、2つタイプの複数層の巻線方式を使用した。
図82は、複数層の巻線方式を示す図である。
図82の(A)の巻線方式は最も簡単な巻線方式であって、下層の巻線が終わったらすぐ上の層を巻線する、順次層巻線方式(sequential layer winding scheme)である。このとき、図82の(A)方式は、以前の層の巻線が終わる地点ですぐ上の層の巻線が始まる方式であって、以下、これをUタイプの巻線方式という。
図82の(B)の巻線方式は、隣接する巻線層が交互に巻線される方式(alternate layer winding scheme)であって、隣接する層の巻線がジグザグ状に傾斜して巻かれる方式である。以下、これをジグザグタイプの巻線方式という。このようなジグザグタイプの巻線方式は、隣接する層の巻線の間の電圧差を最小化することができ、巻線セルフキャパシタンス(winding self-capacitance)を減らすことができる長所がある。このとき、寄生キャパシタンスの一種である巻線セルフキャパシタンスは巻線内に貯蔵される電場エネルギー(electric field energy)を示すパラメータである。
比較実験1(材質別特性値比較)
コイルのワイヤーの種類をエナメル線、Uタイプの巻線方式で巻線した状態で、フェライトコアの材質をマンガン、ニッケル、マグネシウムに変更してQ値を測定した。
測定結果、各コアの材質別Q値の特性差は殆どなく、測定されたQ値も製品に実現するには非常に不足した水準であった。
比較実験2(巻線種類別特性値比較)
フェライトコアの材質をマンガン(Mn)、Uタイプの巻線方式で巻線した状態で、コイルのワイヤーの種類をそれぞれエナメル線とリッツ線にして製作したインダクタ1およびインダクタ2に対してQ値を測定した。
図83~図85は、比較実験の結果を示すグラフである。
図83は、KEYSIGHT TECHNOGIES社製のE4980A precision LCR meterを用いて周波数を変更して測定したインダクタ1およびインダクタ2のQ値を示す。
図83において、aはインダクタ1(マンガンコア/エナメル線/Uタイプ巻線方式)の周波数に対するQ値の変化を示す波形であり、bはインダクタ2(マンガンコア/リッツ線/Uタイプ巻線方式)の周波数に対するQ値の変化を示す波形である。
リッツ線で製作したインダクタ2においては、400kHz付近の周波数(周波数f1)でQ値がほぼ最大値を示し、エナメル線で製作したインダクタ1においては、150kHz付近の周波数(周波数f2)でQ値がほぼ最大値を示す。
図83においてのaとbを比較した結果、インダクタ2の最大Q値がインダクタ1の最大Q値よりほぼ1.5倍程度高いことが分かった。したがって、スタイラスペンの共振回路を形成するインダクタのコイルとしてはリッツ線がエナメル線より優れることが分かった。
しかし、比較実験2で測定されたインダクタ2の最大Q値も商用化に必要な目標値(Qtarget)の1/2程度に過ぎない水準であった。
比較実験3(巻線方式別特性値比較)
フェライトコアの材質をマンガン(Mn)にした状態で、ワイヤーの種類をエナメル線とリッツ線で巻線方式をUタイプとジグザグタイプに変更して製作したインダクタ3~インダクタ5に対してQ値を測定した。
図84は、KEYSIGHT TECHNOGIES社製のE4980A precision LCR meterを用いて周波数を変更して測定したインダクタ3~インダクタ5のQ値を示す図である。
図84において、aはインダクタ3(マンガンコア/エナメル線/Uタイプ巻線方式)の周波数に対するQ値の変化を示す波形であり、bはインダクタ4(マンガンコア/エナメル線/ジグザグタイプ巻線方式)の周波数に対するQ値の変化を示す波形であり、cはインダクタ5(マンガンコア/リッツ線/ジグザグタイプ巻線方式)の周波数に対するQ値の変化を示す波形である。
図84においてのc波形から分かるように、リッツ線/ジグザグ巻線方式で製作したインダクタ5においては、300kHz付近の周波数(周波数f3)でQ値がほぼ最大値を示す。エナメル線/ジグザグ巻線方式で製作したインダクタ4とエナメル線/Uタイプ巻線方式で製作したインダクタ3においては、150kHz付近の周波数(周波数f2)でQ値がほぼ最大値を示す
また、図84においてのa、b、cを比較した結果、インダクタ5の最大Q値がインダクタ4の最大Q値よりほぼ1.5倍程度高く、インダクタ3の最大Q値より2倍以上高いことが分かった。したがって、スタイラスペンの共振回路を形成するインダクタの巻線方式は、ジグザグタイプ巻線方式がUタイプ巻線方式より優れることが分かった。
しかし、比較実験2で測定されたインダクタ5(マンガンコア/リッツ線/ジグザグタイプ巻線方式)の商用化に必要な目標値(Qtarget)の3/4程度に過ぎない水準であった。
比較実験4(コア材質別特性値比較)
本実施形態ではフェライトコアの材質としてマンガンとニッケルを使用し、通常、ニッケルの透磁率は200~300であり、マンガンの透磁率は3000~5000であると知られている。
本実施形態で使用したマンガンがニッケルよりほぼ15倍程度透磁率が高いので、コイルの断面積および長さが同じであると仮定する場合、同じインダクタンス値を得るためにマンガンの巻線数がニッケルの巻線数よりほぼ4倍程度減らすことができる長所がある。したがって、巻線数の観点から見ると、ニッケルよりはマンガンを使用した方が効果的であることが分かった。
一方、インダクタ部114ではコアに巻線されたコイルを含む複雑な構造を有するので、寄生キャパシタンスがさらに形成される。このような寄生キャパシタンスによってQ値が減少するので、共振信号の振幅を減少させる問題がある。
インダクタ部114で形成された寄生キャパシタンスは巻線されたコイルの間と、コアとコイルの間で発生することがあるが、上述のようにジグザグタイプの巻線方式を採用することによって巻線されたコイルの間の寄生キャパシタンスを減らすことができる。
一方、本実施形態ではコアとコイルとの間の寄生キャパシタンスを減らすために、マンガンより低い誘電率を有するコア材質をテストし、テストの結果、ニッケルコアがフェライトコアの材質としては最適であることを確認することができた。フェライトコア素子として主に使用されるマンガンとニッケルで重要な物理的特性は透磁率(permeability)であり、これは数式4のようにインダクタンス値に重要な影響を及ぼす。しかし、フェライト素子としてのマンガンとニッケルにおいて、誘電率(permittivity)はほとんど関心を持たない物理的特性であり、実際にニッケルの場合はメーカーが提供するデータシートにも関連情報がないほどである。
本実施形態ではマンガンとニッケルの誘電率を確認するために、KEYSIGHT TECHNOGIES社製のE4980A precision LCR meterを用いて、マンガンとニッケルの誘電率(permittivity)を測定し、その測定結果は以下の表1の通りである。
測定1と測定2は同じKEYSIGHT TECHNOGIES社製のE4980A precision LCR meterを用いて測定したものであって、測定1は測定ソフトウェアで自動的に計算された誘電率を示す。測定1によると、マンガンの誘電率は2400であるが、ニッケルの誘電率は測定されていないことが分かった。測定2はフェライトコアの間のキャパシタンス、面積、距離を測定して誘電率を計算した方式であって、測定2によると、マンガンの誘電率は8300であり、ニッケルの誘電率は2であった。測定1と測定2の間には誘電率の結果に大きな差があり、特に、測定2の場合はキャパシタンス、面積、距離などによって相当な誤差があることが確認された。しかし、測定1および測定2の結果、マンガンに対してニッケルが少なくとも誘電率が1/1000以上小さいことが分かった。
比較実験4においては、フェライトコアの材質をニッケルにし、ワイヤーの種類をリッツ線にした状態で、巻線方式をUタイプとジグザグタイプに変更して製作したインダクタ6およびインダクタ7に対してQ値を測定した。
図85は、KEYSIGHT TECHNOGIES社製のE4980A precision LCR meterを用いて周波数を変更して測定したインダクタ6およびインダクタ7のQ値を示す図である。
図85において、aはインダクタ6(ニッケルコア/リッツ線/Uタイプ巻線方式)の周波数に対するQ値の変化を示す波形であり、bはインダクタ7(ニッケルコア/リッツ線/ジグザグタイプ巻線方式)の周波数に対するQ値の変化を示す波形である。
図85のb波形から分かるように、ニッケルコア/リッツ線/ジグザグ巻線方式で製作したインダクタ7においては、400kHz付近の周波数(周波数f5)でQ値がほぼ最大値を示す。ニッケルコア/リッツ線/Uタイプ巻線方式で製作したインダクタ6においては、200kHz付近の周波数(周波数f6)でQ値がほぼ最大値を示す。図85のaとbを比較した結果、インダクタ7の最大Q値がインダクタ6の最大Q値よりほぼ2倍程度高いことが分かった。
一方、比較実験4で測定されたインダクタ7(ニッケルコア/リッツ線/ジグザグタイプ巻線方式)の最大Q値は、商用化に必要な目標値(Qtarget)にほぼ到達していることが分かった。
以上で説明した比較実験1~4においては、フェライトコアの材質、コイルのワイヤーの種類、巻線方法(winding scheme)の組み合わせを変更してインダクタを製作してQ値をテストし、テストの結果、ニッケルコア、リッツ線、ジグザグタイプの巻線方式でスタイラスペンのインダクタ部を設計した場合、最も高いQ値が得られることが分かった。そして、このような組み合わせによって製作したインダクタの最大Q値は商用化のための目標値(Qtarget)に到達していることが分かった。
一方、本実施形態ではフェライトコアとしてニッケルコアを使用し、コアのワイヤーの種類としてリッツ線を使用して実験を行ったが、ニッケルコア以外にフェライトコアとして誘電率が1000以下である物質を使用し、リッツ線以外にも1つのコイルが2つ以上の絶縁電線(strand)を囲む形態のワイヤーを使用する場合はこれと類似した結果が得られる。
本実施形態ではコアとコイルとの間の寄生キャパシタンスをさらに減らすために、マンガンより低い誘電率を有するニッケルを使用したことを除いて、以下で説明するように、コアとコイルとの間にボビンを設けることによって、コアとコイルとの間の距離を増加する方式を使用することができる。
図86は、インダクタ部の他の例を示す図である。
図86を参照すると、インダクタ部114は、フェライトコア115、フェライトコア115の少なくとも一部を囲むボビン(bobbin)141、ボビン141の少なくとも一部に巻かれているコイル116を含む。ボビン141は、コイル116の巻線による力によってボビン141がフェライトコア115に密着して固定される。このようなボビン141は、ハウジング19と同一または異なる材料を含むことができ、例えば、プラスチックまたは表面が絶縁処理された金属を含み得る。具体的には、ボビン141は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリエステル(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびフェノール系樹脂などを使用することができる。
このように、ボビン141がフェライトコア115を囲み、ボビン141をコイル116で巻線する場合、フェライトコア115とコイル116との間の距離が増加することによって、図86においての寄生キャパシタンスCp2の値を図78においての寄生キャパシタンスCp1の値よりさらに小さく設定することができる。
図87および図88は、インダクタ部の構造による共振信号の大きさを示すグラフである。
図87を参照すると、インダクタ部114がフェライトコア115と、コイル116のみを含む場合、共振信号の最大振幅は約2V(+1V~-1V)であると測定された。図88を参照すると、インダクタ部114がフェライトコア115、ボビン141、およびコイル116を含む場合、共振信号の最大振幅は約4V(+2V~-2V)であると測定された。つまり、フェライトコア115の少なくとも一部をボビン141で囲み、ボビン141の上にコイル116を巻線すると、共振信号の振幅がさらに大きいことを確認することができる。
一方、本実施形態により最適なインダクタ部を設計するために、フェライトコアとしてニッケルを使用する場合には、上述のように、ニッケルがマンガンより1/15倍程度に透磁率が低いので、同じインダクタンス値を得るためにニッケルの巻線数がマンガンの巻線数よりほぼ4倍ほど増加しなければならない。これにより、同じインダクタンスを得るためにはマンガンより直径が大きくならなければならない短所がある。
本実施形態ではスタイラスペンの直径を薄くし、かつ高い出力信号を得るために、複数のインダクタを使用する方法を提案する。
図89および図90は、共振回路部の他の例を示す図である。
図89は、薄い直径の2個のインダクタを直列に連結し、2つのインダクタの両端の間にキャパシタを並列に連結する方式の等価回路を示す。以下、このような方式の共振回路を「LLC共振回路」と称する。図89においては2個のインダクタを直列に連結したことを示すが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、3個以上のインダクタを直列に連結することができる。LLC共振回路によれば、1つのインダクタとキャパシタを有する共振回路(以下、「LC共振回路」という)に比べて、インダクタンスLが2倍に大きくなるのでキャパシタンスを1/2に減らして設計しなければならない。つまり、LLC共振回路はLC共振回路に比べて直径を薄くすることはできるが、キャパシタンスに対する影響により敏感である短所がある。
一方、図90は、2個のLC共振回路を直列に連結した方式(以下、「LCLC共振回路」という)であって、2個の共振信号を併せて出力する方式の等価回路を示す図である。図90においては、2個のLC共振回路を直列に連結したことを示すが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、3個以上のLC共振回路を直列に連結することができる。
LCLC共振回路によれば、2個の共振回路の共振周波数が同一でなければならないので、製造工程上でそれぞれの共振回路の共振周波数が同一であるようにチューニングしなければならない短所がある。
以上で説明したように、フェライトコアとしてニッケルを使用することによって発生する巻線数の増加にもかかわらず、図89および図90のように2つ以上のインダクタを使用すると、インダクタ部の直径の増加を抑制して薄い直径のスタイラスペンを製作することができる。
図77に示すように、スタイラスペン10からの信号RSは、導電性チップ11から直接タッチ電極層21に伝達されるか、または大気または非導電性のハウジングを通してタッチ電極層21に伝達される。
スタイラスペン10がホバリング状態である場合にも、タッチ電極層21に伝達された信号RSによってタッチコントローラー262は感知信号を受信できる。このような感知信号によってタッチコントローラー262がタッチデータを生成すると、ユーザが意図しないタッチデータが生成されるか、不正確または不安定なタッチデータが生成される。
ホバリング状態での信号RS伝達によるタッチ入力に対して、図91を参照して説明する。
図91は、スタイラスペンのホバリングによるタッチ入力を示す図である。
例えば、筆記時に前画を描いてから次画を描くために、タッチスクリーン20内でスタイラスペン10は、前画の終了地点Aから次画の開始地点Cに移動できる。
スタイラスペン10の導電性チップ11は、一地点Aでウィンドウ22に接触し、他の地点Cでもウィンドウ22に接触する。ウィンドウ22に接触している導電性チップ11からの信号RS0、RS2がタッチ電極層21に伝達される。信号RS0によって一地点Aに対応するタッチデータが生成され、信号RS2によって他の地点Cに対応するタッチデータが生成される。
一地点Aと他の地点Cとの間の領域Bで、スタイラスペン10はウィンドウ22から離隔している。つまり、領域Bでスタイラスペン10はホバリング状態にある。ホバリング状態のスタイラスペン10の導電性チップ11からの信号RS0がタッチ電極層21に伝達される。信号RS1によって、領域Bの連結画NLに対応するタッチデータが生成される。つまり、ホバリング状態のスタイラスペン10から伝達された信号RS1によってタッチコントローラー262がタッチデータを生成すると、ユーザが意図しない連結画に対応するタッチデータが生成されてタッチスクリーン20上に表示される。
実施形態は、ホバリング状態のスタイラスペンでの信号伝達を防止するスタイラスペンを提供する。
一方、ユーザはスタイラスペン10を把持し、導電性チップ11でタッチスクリーン20をタッチする。これについて、図92~図94を参照して説明する。
図92は、スタイラスペンを把持した場合のスタイラスペンと電子デバイスを示す概念図であり、図93および図94は、スタイラスペンを把持した場合のスタイラスペンと電子デバイスを示す概略的な回路図である。
図92において、ユーザはスタイラスペン10を把持し、タッチスクリーン20にスタイラスペン10のチップを接触させてタッチを入力する。
スタイラスペン10はユーザの指先UFによって把持され、このとき、指先UFとスタイラスペン10の内部導電体(コイル116またはスタイラスペン10の各素子を連結している導線など)によって寄生キャパシタンスCf1、Cf2が形成される。
図93および図94は、ユーザの手による寄生キャパシタンスCfの影響を示す等価回路である。図93および図94を参照すると、寄生キャパシタンスCfにより、スタイラスペン10の共振周波数が変わる。そうすると、駆動信号を伝達する電源40の周波数とスタイラスペン10の共振周波数が一致しなくなり、スタイラスペン10の共振信号の大きさが減少する問題がある。
ユーザの把持による共振周波数の変化を防止するスタイラスペンについて図95を参照して説明する。
図95は、スタイラスペンを示す概念図である。
図95に示すスタイラスペン10’は、図92のスタイラスペン10と比較して、遮断部材17をさらに含む。
遮断部材17は、ハウジング19の少なくとも一部を囲む導電性部材またはハウジング19の少なくとも一部である導電性部材であって、ユーザの手による寄生キャパシタンスの形成を防止することができる。しかし、遮断部材17は、渦電流(eddy current)を発生させる問題がある。これに関連して図96を参照して共に説明する。
図96は、図95に示すスタイラスペンで発生する渦電流(eddy current)を示す例示図である。
図96の(a)に示すように、共振によって電流I1がコイル116に流れる。コイル116に流れる電流I1によって磁場M1が形成される。
磁場M1によって遮断部材17には一定方向への電流I2が形成される。電流I2は、インダクタ部140によって形成された磁場M1の方向に垂直な平面上に形成することができる。このような電流I2が合流して、図96の(b)に示すように時計回りの渦電流I3が発生する。
コイル116で発生した磁場M1はこのような渦電流I3によって抑制される。そうすると、インダクタ部114のインダクタンスが変化し、インダクタンス変化によってスタイラスペン10の共振周波数が変化する問題が発生する。
実施形態ではユーザの把持および渦電流の発生による共振周波数の変化をさらに防止するスタイラスペンを提供する。
図97~図105は、実施形態によるスタイラスペンの構造を示す概念図である。
図97は、ホバリング状態のスタイラスペンでの共振信号伝達を防止するスタイラスペンを示す図であり、図98は、ホバリング状態のスタイラスペンでの共振信号伝達と、渦電流の発生による共振周波数の変化をさらに防止するスタイラスペンを示す図であり、図99および図100は、ホバリング状態のスタイラスペンでの共振信号伝達と、ユーザの把持および渦電流の発生による共振周波数の変化をさらに防止するスタイラスペンを示す図であり、図101および図105は、ユーザの把持および渦電流の発生による共振周波数の変化をさらに防止するスタイラスペンを示す図である。
図97~図105のスタイラスペン10は、導電性チップ110、共振回路部、遮断部材170、接地部180、およびハウジング190を含み得る。説明の便宜のために、図97~図100には共振回路部のインダクタ部140のみを示したが、共振回路部はキャパシタ部を含み、キャパシタ部はハウジング190の内部に位置し得る。
図97~図105を参照すると、導電性チップ110の全体または一部は導電性物質(例えば、金属)で形成されるか、または導電性チップ110は非導電性ハウジング内部に存在し、かつ導電性チップ110の一部が、ハウジングに設けられた開口(opening)を通じて外部に露出した形態を有してもよく、これに限定されない。
キャパシタ部(図示せず)およびインダクタ部140は、ハウジング190内に位置する。キャパシタ部(図示せず)は、並列に連結された複数のキャパシタを含み得る。それぞれのキャパシタは、互いに異なるキャパシタンスを有し、製造工程内でトリミング(trimming)される。インダクタ部140は、導電性チップ110から第1距離d1ほど離隔して位置し得る。
ハウジング190は、スタイラスペン10の素子を収容することができる。ハウジング190は内部が空いているので、その内部に導電性チップ110、共振回路部、および接地部180を収容することができる。このようなハウジング190は、非導電性物質からなる。
ハウジング190は、導電性チップ110に隣接したホルダー部190aと導電性チップ110に離隔している本体部190bとを含む。ホルダー部190aと本体部190bは一体に形成することもできる。ホルダー部190aと本体部190bが一体に結合された形態を示したが、ホルダー部190aと本体部190bは分離することもできる。
ホルダー部190aは、図97の(a)に示した錐台または図97の(b)の柱形態であり得る。またはホルダー部190aは、図97の(c)のドーム(dome)192が結合した柱形態であり得る。またはホルダー部190aは、図97の(d)のパイプ(pipe)形態であり得る。
本体部190bは、円柱、多角柱、少なくとも一部分が曲面である柱形態、エンタシス(entasis)形態、角錐台(frustum of pyramid)形態、円錐台(circular truncated cone)形態などを有してもよく、その形態に限定されない。
遮断部材170aは、導電性チップ110が外部に露出しているハウジングの一部分に対応して位置し得る。例えば、遮断部材170aは、導電性チップ110が外部に露出しているホルダー部190aの開口から0mm~20mm内に位置し得る。具体的には、遮断部材170aは、ホルダー部190aの開口とホルダー部190aの開口から20mm離隔している部分の間に位置し得る。また、遮断部材170aは、ホルダー部190aの開口から0.1mm以上離隔した部分とホルダー部190aの開口から10mm離隔している部分の間に、開口から1mm以上離隔した部分とホルダー部190aの開口から5mm離隔している部分の間に位置し得る。つまり、遮断部材170aは、導電性チップ110が外部に露出しているハウジングの一部分と少なくとも25mm以内に隣接した領域に位置し得る。
遮断部材170aは、ホルダー部190aの少なくとも一部を囲む導電性部材であり得る。遮断部材170aは、ホルダー部190aの少なくとも一部である導電性部材であり得る。このような遮断部材170aは、導電性連結部材112を通じて接地部180に連結される。遮断部材170aは、接地部180に電気的に連結されて接地される。
遮断部材170aは、ホルダー部190aの内部または外部に位置し得る。図97において、導電性チップ110は、ホルダー部190aの内部に位置していることを示しているが、導電性チップ110が本体部190b内部に延長されている場合、遮断部材170aは本体部190bの内部または外部に位置し得る。
また、遮断部材170aは、キャパシタ部とインダクタ部140の位置によって、キャパシタ部とインダクタ部140の少なくとも一部を囲むこともできる。例えば、キャパシタ部とインダクタ部140がホルダー部190a内部に位置している場合、遮断部材170aは、キャパシタ部とインダクタ部140の少なくとも一部を囲むことができる。
図97に示すように、インダクタ部140が遮断部材170aから所定の距離以上離隔している場合、遮断部材170aは1つの導電性プレート(plate)の形態を有し得る。また、遮断部材170aはホルダー部190a内の導電性コイルであり得る。例えば、遮断部材170aは、ホルダー部190a内部と当接して巻かれている導電性のコイルであり得る。
遮断部材170aは、方向PDに沿ってインダクタ部140のフェライトコアから第1距離d1ほど離隔している。遮断部材170aが複数の遮断部で形成されていなくても、インダクタ部140のフェライトコアによって形成された磁場による影響が少ない。
図97の(a)において、遮断部材170aは、錐台形態のホルダー部190aの側面の少なくとも一部分を囲む形態を有し得る。例えば、遮断部材170aは、錐台形態のホルダー部190aの側面においてチップ110に隣接した部分のみを囲む形態であり得る。
図97の(b)において、遮断部材170aは、柱形態のホルダー部190aの側面の少なくとも一部分を囲む形態を有し得る。例えば、遮断部材170aは、柱形態のホルダー部190aの側面においてチップ110に隣接した部分のみを囲む形態であり得る。
図97の(c)において、遮断部材170aは、柱形態のホルダー部190aの側面とドーム192の外面の少なくとも一部分を囲む形態を有する。例えば、遮断部材170aは、ドーム192の外面と柱形態のホルダー部190aの側面においてチップ110に隣接した部分のみを囲む形態であり得る。
図97の(d)において、遮断部材170aは、パイプ形態のホルダー部190a内面の少なくとも一部分を囲む形態を有し得る。例えば、遮断部材170aは、パイプ形態のホルダー部190aの内面でチップ110に隣接した部分のみを囲む形態であり得る。
図98に示すように、インダクタ部140が遮断部材170aから第1距離d1より短い第2距離d2以下離隔している場合、遮断部材170aは複数の第1遮断部171aを含み得る。例えば、遮断部材170aは、ホルダー部190aの周り方向に閉ループを形成しながら互いに離隔した複数の第1遮断部171aを含み得る。
複数の第1遮断部171aは渦電流に垂直な方向PD、つまり、インダクタ部140内のフェライトコアの軸方向PDと平行な方向に延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。複数の第1遮断部171aは、渦電流の方向EDに沿って0.03mm以上の間隔で離隔し得る。遮断部材170が、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔した複数の第1遮断部171aを含むので、遮断部材170aに沿って渦電流が流れなくなり、渦電流の発生が遮断される。複数の第1遮断部171aが渦電流に垂直な方向PDに沿って延びていることを説明したが、複数の第1遮断部171aは方向PDに所定角度(0度超過90度未満)に傾いた方向に沿って伸びていてもよい。
複数の第1遮断部171aは、連結部174aを通じて電気的に連結されている。また、連結部174aが接地部180に電気的に連結される。つまり、複数の第1遮断部171aは、導電性連結部材112を通じて接地部180に連結される。遮断部材170aは接地部180に電気的に連結されて接地される。
図98の(a)において、遮断部材170aは、錐台形態のホルダー部190aの側面の少なくとも一部分を囲む形態を有し得る。例えば、遮断部材170aは、錐台形態のホルダー部190aの側面においてチップ110に隣接した部分のみを囲む形態であり得る。
図98の(b)において、遮断部材170aは、柱形態のホルダー部190aの側面の少なくとも一部分を囲む形態を有し得る。例えば、遮断部材170aは、柱形態のホルダー部190aの側面においてチップ110に隣接した部分のみを囲む形態であり得る。
図98の(c)において、遮断部材170aは、柱形態のホルダー部190aの側面とドーム192の外面の少なくとも一部分を囲む形態を有し得る。例えば、遮断部材170aは、ドーム192の外面と柱形態のホルダー部190aの側面においてチップ110に隣接した部分のみを囲む形態であり得る。
図98の(d)において、遮断部材170aは、パイプ形態のホルダー部190aの内面の少なくとも一部分を囲む形態を有し得る。例えば、遮断部材170aは、パイプ形態のホルダー部190aの内面でチップ110に隣接した部分のみを囲む形態であり得る。
図99に示すスタイラスペン10は、図97に示すスタイラスペン10に比べて遮断部材170bをさらに含む。図100に示すスタイラスペン10は、図26に示すスタイラスペン10に比べて遮断部材170bをさらに含む。遮断部材170bは、インダクタ部140を囲む導電性部材を含む。遮断部材170bは、複数の第1遮断部171bを含み得る。例えば、遮断部材170bは、本体部190bの周り方向に閉ループを形成しながら互いに離隔した複数の第2遮断部171bを含み得る。
遮断部材170bは、インダクタ部140の少なくとも一部を囲むように本体部190bの内部または外部に位置し得る。図99において、インダクタ部140は、本体部190b内部に位置していることを示しているが、インダクタ部140がホルダー部190a内部に延長されている場合、遮断部材170bは、ホルダー部190aの内部または外部に位置し得る。
複数の第1遮断部171bは渦電流に垂直な方向PD、つまり、インダクタ部140内のフェライトコアの軸方向PDと平行な方向に延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。遮断部材170bが、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔した複数の第1遮断部171bを含むので、遮断部材170bに沿って渦電流が流れなくなり、渦電流の発生が遮断される。複数の第1遮断部171bが渦電流に垂直な方向PDに沿って延びていることを説明したが、複数の第1遮断部171bは、方向PDに所定角度(0度超過90度未満)に傾いた方向に沿って伸びていてもよい。
遮断部材170aと遮断部材170bは互いに電気的に連結される。例えば、遮断部材170aと複数の第1遮断部171bがホルダー部190aおよび本体部190bの境界で電気的に連結されている。そして、複数の第1遮断部171bは、連結部174bを通じて電気的に連結されている。連結部174bが接地部180に電気的に連結される。つまり、複数の第1遮断部171bは、導電性連結部材112を通じて接地部180に連結される。遮断部材170aと遮断部材170bは全て接地部180に電気的に連結されて接地される。
図101の(a)を参照すると、スタイラスペン10は、導電性チップ110、導電性連結部材120、キャパシタ部130、インダクタ部140、遮断部材170、接地部180、およびハウジング190を含み得る。
遮断部材170は、キャパシタ部130とインダクタ部140を囲む導電性部材を含む。遮断部材170は接地部180に連結される。
また、遮断部材170の両端は渦電流の方向EDに沿って離隔している。これに関連して図101の(b)~(e)は、遮断部材170を詳細に示す図である。
図101の(b)を参照すると、遮断部材170は、渦電流の発生を遮断する1つのスリットGPを含む。スリットGPは渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されている。遮断部材170の両端1701、1702は、1つのスリットGPによって離隔している。実施形態で、スリットGPは、渦電流の方向EDに沿って0.03mm以上の幅を有し得る。
スリットGPが渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されていることを説明したが、スリットGPは方向PDに所定角度(0度超過90度未満)に傾いた方向に沿って伸びていてもよい。
遮断部材170の両端1701、1702は渦電流の方向EDに沿って離隔している。したがって、遮断部材170に沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
図101の(c)を参照すると、遮断部材170は複数の第1遮断部171を含む。複数の第1遮断部171は渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。同様に、遮断部材170が、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔した複数の第1遮断部171を含むので、遮断部材170に沿って渦電流が流れなくなり、渦電流の発生が遮断される。複数の第1遮断部171が渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されていることを説明したが、複数の第1遮断部171は方向PDに所定角度(0度超過90度未満)に傾いた方向に沿って伸びていてもよい。
図101の(d)を参照すると、遮断部材170は複数の第2遮断部172を含む。複数の第2遮断部172は渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔しており、複数の第2遮断部172それぞれの両端は渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。同様に、遮断部材170に含まれている複数の第2遮断部172それぞれの両端が、渦電流の方向EDに沿って離隔しているので、遮断部材170に沿って渦電流が流れなくなり、渦電流の発生が遮断される。
図101の(e)を参照すると、遮断部材170は複数の第3遮断部173を含む。複数の第3遮断部173は渦電流に垂直な方向PDおよび渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。同様に、遮断部材170に含まれている複数の第3遮断部173が渦電流の方向EDに沿って互いに離隔しているので、遮断部材170に沿って渦電流が流れなくなり、渦電流の発生が遮断される。
ハウジング190は錐台と柱が結合された形態を含み得る。ハウジング190は錐台部分と柱部分が一体に結合された形態を示したが、2つの部分が分離することもできる。柱部分は円柱、多角柱、少なくとも一部分が曲面である柱形態、エンタシス形態、角錐台形態、円錐台形態などを有してもよく、その形態に限定されない。このようなハウジング190は非導電性物質からなる。
遮断部材170は、ハウジング190の内面、外面、または内部に位置することができ、これについては図109~図111を参照して後述する。
次に、図102の(a)を参照すると、図101の(a)のスタイラスペン10と比較して、スタイラスペン10は、遮断部材170が接地部180に連結されているという差異点を有する。また、遮断部材170と接地部180はインダクタ部140から離隔した位置で連結され得る。
これに関連して、図102の(b)~(d)は、接地部180と連結される遮断部材170を詳細に示す図である。
図102の(b)を参照すると、遮断部材170は渦電流の発生を遮断する1つのスリットGPと遮断部材170の両端1701、1702を連結する連結部174を含む。スリットGPは渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されている。遮断部材170の両端1701、1702は、1つのスリットGPによって離隔している。遮断部材170の両端1701、1702は渦電流の方向EDに沿って離隔している。
連結部174は、インダクタ部140から渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔した位置で、遮断部材170の両端1701、1702を連結することができる。そして、連結部174の位置で、遮断部材170は接地部180に連結され得る。
図102の(c)を参照すると、遮断部材170は、複数の第1遮断部171と複数の第1遮断部171を互いに連結する第1連結部175とを含む。
複数の第1遮断部171は、渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。
第1連結部175は、インダクタ部140から渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔した位置で、複数の第1遮断部171を連結することができる。そして、連結部175の位置で、遮断部材170は接地部180に連結され得る。
図102の(d)を参照すると、遮断部材170は、複数の第2遮断部172、複数の第2遮断部172を互いに連結する第2連結部176、および追加の接地部177を含む。
複数の第2遮断部172は渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔しており、複数の第2遮断部172それぞれの両端は渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。
第2連結部176は、インダクタ部140から渦電流に垂直な方向PDに沿って延長され、複数の第2遮断部172と追加の接地部177を連結することができる。
追加の接地部177は接地部180に連結され得る。追加の接地部177と接地部180はインダクタ部140から離隔した位置で連結され得る。
次に、図103の(a)を参照すると、図102の(a)のスタイラスペン10と比較して、スタイラスペン10は、遮断部材170がインダクタ部140に対応して位置する第1遮断部材170aと、接地部180に連結されている第2遮断部材170bとを含むという差異点を有する。
第1遮断部材170aは、渦電流に垂直な方向PDに沿ってインダクタ部140のフェライトコア150の長さCL以上に延長され得る。第2遮断部材170bは、第1遮断部材170aと連結されている。
これに関連して、図103の(b)~(d)は、第1遮断部材170aと第2遮断部材170bとを含む遮断部材170を詳細に示す図である。
図103の(b)を参照すると、第1遮断部材170aは渦電流の発生を遮断する1つのスリットGPを含む。スリットGPは、渦電流に垂直な方向PDに沿って第2遮断部材170bの下端まで延長されている。第1遮断部材170aの長さES1は、インダクタ部140のフェライトコア150の長さCL以上であり得る。スリットGPの長さも第1遮断部材170aの長さES1に対応する。
第1遮断部材170aの両端1701、1702は1つのスリットGPによって離隔している。第1遮断部材170aの両端1701、1702は渦電流の方向EDに沿って離隔している。したがって、第1遮断部材170aに沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
第2遮断部材170bは第1遮断部材170aの上端に結合している。第2遮断部材170bは接地部180に連結され得る。第2遮断部材170bは、方向PDに沿ってインダクタ部140のフェライトコア150から離隔している。したがって、第2遮断部材170bにスリットが形成されていなくても、フェライトコア150によって形成された磁場による影響が少ない。
図103の(c)を参照すると、第1遮断部材170aは複数の第1遮断部171を含む。複数の第1遮断部171は渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。第1遮断部材170aの長さES2は、インダクタ部140のフェライトコア150の長さCL以上であり得る。複数の第1遮断部171の長さも第1遮断部材170aの長さES2に対応する。したがって、第1遮断部材170aに沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
第2遮断部材170bは第1遮断部材170aの上端に結合している。第2遮断部材170bは接地部180に連結され得る。第2遮断部材170bは、方向PDに沿ってインダクタ部140のフェライトコア150から離隔している。したがって、第2遮断部材170bが複数の遮断部で形成されていなくても、フェライトコア150によって形成された磁場による影響が少ない。
図103の(d)を参照すると、第1遮断部材170aは、複数の第2遮断部172および複数の第2遮断部172を互いに連結する第2連結部176を含む。複数の第2遮断部172は、渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔しており、複数の第2遮断部172それぞれの両端は渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。したがって、第1遮断部材170aに沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。第1遮断部材170aの長さES3は、インダクタ部140のフェライトコア150の長さCL以上であり得る。
第2連結部176は、インダクタ部140から渦電流に垂直な方向PDに沿って延長され、第1遮断部材170aと第2遮断部材170bを連結することができる。
第2遮断部材170bは第1遮断部材170aの上端に結合している。第2遮断部材170bは接地部180に連結され得る。第2遮断部材170bは、方向PDに沿ってインダクタ部140のフェライトコア150から離隔している。したがって、第2遮断部材170bが複数の遮断部で形成されていなくても、フェライトコア150によって形成された磁場による影響が少ない。
次に、図104の(a)を参照すると、スタイラスペン10は、導電性チップ110、導電性連結部材120、キャパシタ部130、インダクタ部140、遮断部材170、接地部180、およびハウジング190を含み得る。図102の(a)に示す構成要素と同一または類似の構成要素については説明を省略する。
スタイラスペン10のハウジング190内でインダクタ部140の位置は、図103の(a)のスタイラスペン10のハウジング190内でインダクタ部140の位置とは異なる。スタイラスペン10のハウジング190内でインダクタ部140は導電性チップ110から離隔している。
これに関連して、図104の(b)~(d)は、第1遮断部材170aと第2遮断部材170bとを含む遮断部材170を詳細に示す図である。
図104の(b)を参照すると、第1遮断部材170aは、渦電流の発生を遮断する1つのスリットGPを含む。スリットGPは、渦電流に垂直な方向PDの反対方向に沿って第2遮断部材170bの上端まで延長されている。第1遮断部材170aの長さES1は、インダクタ部140のフェライトコア150の長さCL以上であり得る。スリットGPの長さも第1遮断部材170aの長さES1に対応する。
第1遮断部材170aの両端1701、1702は1つのスリットGPによって離隔している。第1遮断部材170aの両端1701、1702は渦電流の方向EDに沿って離隔している。したがって、第1遮断部材170aに沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
第2遮断部材170bは、第1遮断部材170aの下端に結合している。第2遮断部材170bは、方向PDの反対方向に沿ってインダクタ部140のフェライトコア150から離隔している。したがって、第2遮断部材170bにスリットが形成されていなくても、フェライトコア150によって形成された磁場による影響が少ない。
図104の(c)を参照すると、第1遮断部材170aは複数の第1遮断部171を含む。複数の第1遮断部171は、渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。第1遮断部材170aの長さES1は、インダクタ部140のフェライトコア150の長さCL以上であり得る。複数の第1遮断部171の長さも第1遮断部材170aの長さES1に対応する。したがって、第1遮断部材170aに沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
第2遮断部材170bは第1遮断部材170aの下端に結合している。第2遮断部材170bは、方向PDの反対方向に沿ってインダクタ部140のフェライトコア150から離隔している。したがって、第2遮断部材170bが複数の遮断部で形成されていなくても、フェライトコア150によって形成された磁場による影響が少ない。
図104の(d)を参照すると、第1遮断部材170aは、複数の第2遮断部172および複数の第2遮断部172を互いに連結する第2連結部176を含む。複数の第2遮断部172は渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔しており、複数の第2遮断部172それぞれの両端は渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。したがって、第1遮断部材170aに沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
第2連結部176は、インダクタ部140から渦電流に垂直な方向PDに沿って延長され、第1遮断部材170aと第2遮断部材170bを連結することができる。
第2遮断部材170bは、第1遮断部材170aの下端に結合している。第2遮断部材170bは、方向PDの反対方向に沿ってインダクタ部140のフェライトコア150から離隔している。したがって、第2遮断部材170bが複数の遮断部で形成されていなくても、フェライトコア150によって形成された磁場による影響が少ない。
次に、図105の(a)を参照すると、スタイラスペン10は、導電性チップ110、導電性連結部材120、キャパシタ部130、インダクタ部140、遮断部材170、接地部180、およびハウジング190を含み得る。図102の(a)に示す構成要素と同一または類似の構成要素については説明を省略する。
スタイラスペン10のハウジング190内でキャパシタ部130の位置は、図101の(a)、図102の(a)、および図103の(a)のスタイラスペン10のキャパシタ部130の位置とは異なる。スタイラスペン10のハウジング190内でキャパシタ部130は導電性チップ110から離隔している。
同様に、スタイラスペン10のハウジング190内でインダクタ部140の位置は導電性チップ110から離隔している。
導電性チップ110と導電性連結部材120がスタイラスペン10の前部分に位置し、キャパシタ部130とインダクタ部140はスタイラスペン10の後部分に位置する。
導電性連結部材120に対するユーザの手による影響を最小化し、インダクタ部140による渦電流の発生を防止するために、スタイラスペン10は遮断部材170をさらに含む。
これに関連して、図105の(b)~(d)は、遮断部材170を詳細に示す図である。
図105の(b)を参照すると、遮断部材170は渦電流の発生を遮断する1つのスリットGPを含む。スリットGPは渦電流に垂直な方向PDの反対方向に沿って延長されている。遮断部材170の長さES1は、導電性連結部材120の長さに対応することができる。
遮断部材170の両端1701、1702は1つのスリットGPによって離隔している。遮断部材170の両端1701、1702は渦電流の方向EDに沿って離隔している。したがって、遮断部材170に沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
図105の(c)を参照すると、遮断部材170は、複数の第1遮断部171および複数の第1遮断部171を互いに連結する第1連結部175を含む。
複数の第1遮断部171は渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。遮断部材170の長さES2は、インダクタ部140のフェライトコア150の長さCL以上であり得る。複数の第1遮断部171の長さも遮断部材170の長さES2に対応する。したがって、遮断部材170に沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
第1連結部175は、複数の第1遮断部171を互いに連結することができる。そして、連結部175の位置で、遮断部材170は接地部180と電気的に連結され得る。
図105の(d)を参照すると、遮断部材170は、複数の第2遮断部172および複数の第2遮断部172を互いに連結する第2連結部176を含む。複数の第2遮断部172は渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔しており、複数の第2遮断部172それぞれの両端は渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。したがって、遮断部材170に沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
第2連結部176は、インダクタ部140から渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されている。
図106および図107は、実施形態によるスタイラスペンの遮断部材の構造を示す概念図である。
図106に示すように、遮断部材170aの両端は渦電流の方向EDに沿って離隔している。遮断部材170aは、メッキ、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でシート(sheet)上にプリンティングされてホルダー部190aに取り付けられるか、またはホルダー部190aに直接メッキ、フォトリソグラフィ(photolithography)、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングすることができ、これらに限定されない。
図106の(a)を参照すると、遮断部材170aは、渦電流の発生を遮断する1つのスリットGPと、遮断部材170aの両端1701a、1702aを連結する連結部174aとを含む。スリットGPは、渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されている。遮断部材170aの両端1701a、1702aは1つのスリットGPによって離隔している。遮断部材170aの両端1701a、1702aは渦電流の方向EDに沿って離隔している。連結部174aは、遮断部材170aの両端1701a、1702aを連結することができる。
図106の(b)を参照すると、遮断部材170aは、複数の第1遮断部171aおよび複数の第1遮断部171aを互いに連結する連結部174aを含む。複数の第1遮断部171aは渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。連結部174aは、複数の第1遮断部171aを連結することができる。
図106の(c)を参照すると、遮断部材170aは、複数の第2遮断部172aおよび複数の第2遮断部172aを連結する連結部174a、176aを含む。
複数の第2遮断部172aは渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔しており、複数の第2遮断部172aそれぞれの両端は渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。連結部176aは渦電流に垂直な方向PDに沿って延長され、複数の第2遮断部172aを連結することができる。
図107に示すように、遮断部材170bの両端は渦電流の方向EDに沿って離隔している。遮断部材170bは、メッキ、フォトリソグラフィ、スパッタリングなどの方法でシート上にプリンティングされて本体部190bに取り付けられるか、または本体部190bに直接メッキ、フォトリソグラフィ、スパッタリング(sputtering)などの方法でプリンティングすることができ、これらに限定されない。
図107の(a)を参照すると、遮断部材170bは、渦電流の発生を遮断する1つのスリットGPと遮断部材170bの両端1701b、1702bを連結する連結部174bとを含む。スリットGPは、渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されている。遮断部材170bの両端1701b、1702bは1つのスリットGPによって離隔している。遮断部材170bの両端1701b、1702bは、渦電流の方向EDに沿って離隔している。連結部174bは、遮断部材170bの両端1701b、1702bを連結することができる。
図107の(b)を参照すると、遮断部材170bは、複数の第1遮断部171bおよび複数の第1遮断部171bを互いに連結する連結部174bを含む。複数の第1遮断部171bは渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。連結部174bは、複数の第1遮断部171bを連結することができる。
図107の(c)を参照すると、遮断部材170bは、複数の第2遮断部172bおよび複数の第2遮断部172bを連結する連結部174b、176bを含む。
複数の第2遮断部172bは渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔しており、複数の第2遮断部172bそれぞれの両端は渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。連結部176bは渦電流に垂直な方向PDに沿って延長され、複数の第2遮断部172bを連結することができる。
図108は、実施形態によるスタイラスペンのホバリングによるタッチ入力を示す図である。
図91で説明した通り、筆記時に前画を描いてから次画を描くために、タッチスクリーン20内でスタイラスペン10は、前画の終了地点Aから次画の開始地点Cに移動できる。
スタイラスペン10の導電性チップ110は、一地点Aでウィンドウ22に接触し、他の地点Cでもウィンドウ22に接触する。ウィンドウ22に接触している導電性チップ110からの信号RS3、RS5がタッチ電極層21に伝達される。信号RS3によって一地点Aに対応するタッチデータが生成され、信号RS5によって他の地点Cに対応するタッチデータが生成される。
一地点Aと他の地点Cとの間の領域Bで、スタイラスペン10はウィンドウ22から離隔している。つまり、領域Bでスタイラスペン10はホバリング状態にある。ホバリング状態で、実施形態によるスタイラスペン10の導電性チップ110からの信号RS4はタッチ電極層21に非常に小さい値に伝達されるか、または伝えられない。タッチコントローラー262は、信号RS4によるタッチデータを生成しない。つまり、領域Bの連結画NLに対応するタッチデータが生成されない。
実施形態のうちの少なくとも1つによれば、ホバリング状態のスタイラスペンによる意図しないタッチ入力を防止するスタイラスペンを提供することができる長所がある。
実施形態のうちの少なくとも1つによれば、ユーザの把持などの外部要因に対して堅固なスタイラスペンを提供することができる長所がある。
実施形態のうちの少なくとも1つによれば、スタイラスペンのインダクタンス値とキャパシタンス値を一定に維持することができ、共振周波数が一定に維持するので、タッチセンサーに対するタッチ感度を向上させることができる長所がある。
次に、図109~図111を参照して、遮断部材170とハウジング190との間の位置関係について説明する。
図109~図111は、実施形態によるスタイラスペンの本体部の構造を示す図である。
まず、図109の(a)を参照すると、スタイラスペン10は、複数の第1遮断部171bを含む遮断部材170bおよび本体部190bを含む。
図109の(b)は、切断面A1-A2-A3-A4に沿って切断されたスタイラスペン10の断面を示す図である。一実施形態によれば、第1遮断部171bは本体部190bの内面1902に位置し得る。
次に、図110の(a)を参照すると、スタイラスペン10は、複数の第1遮断部171bを含む遮断部材170bおよび本体部190bを含む。
図110の(b)は、切断面B1-B2-B3-B4に沿って切断されたスタイラスペン10の断面を示す図である。一実施形態によれば、第1遮断部171bは、本体部190bの外面1900に位置し得る。
最後に、図111の(a)を参照すると、スタイラスペン10は、複数の第1遮断部171bを含む遮断部材170bおよび本体部190bを含む。
図111の(b)は、切断面CP-C2-C3-C4に沿って切断されたスタイラスペン10の断面を示す図である。一実施形態によれば、第1遮断部171bは、本体部190bの外面1900と内面1902との間に内蔵され得る。
図109~図111においては遮断部材170bのみを説明したが、遮断部材170aはまた、ホルダー部190aの内面または外面に位置し得るか、または外面と内面との間に内蔵され得る。
一方、寄生キャパシタンスCfの影響は、LC共振回路またはLCLC共振回路に比べて、図89に示すLLC回路がさらに大きい。これは同じ共振周波数で設計する場合、LLC共振回路のキャパシタンスがLC共振回路またはLCLC共振回路のキャパシタンスより1/2ほど小さいためである。したがって、図89のように、LLC方式の共振回路を使用する場合、1/2に減ったキャパシタンスに対する影響を最小化するために上述した構造を適用することができる。
図112は、LLC構造のスタイラスペンを示す概念図である。
図112に示すように、スタイラスペン10は、導電性チップ11、キャパシタ部113、2つのインダクタ部114、114’、遮断部材17、接地部18、およびハウジング19を含む。
インダクタ部114、114’は、それぞれ2つのフェライトコア115、115’と、フェライトコア115、115’に巻かれているコイル116、116’を含む。このとき、2つのインダクタ部114、114’は直列に連結される。
遮断部材17は、キャパシタ部113とインダクタ部114、114’を囲む導電性部材であって、ユーザの手UFによる寄生キャパシタンスの形成を防止することができる。
このとき、遮断部材117は、スタイラスペン10で発生する渦電流(eddy current)の影響を最小化するために、遮断部材17の両端は渦電流の方向EDに沿って離隔するように設計することができる。
これに関連して、図113の(a)~(d)を参照して、遮断部材17を詳細に説明する。
図113は、遮断部材の多様な例を示す図である。
図112に示すように、導電性チップ11から伝達された駆動信号によって、時計回りの電流がコイル116、16’に流れ、コイル116、116’に流れる電流によって磁場が形成される。このとき、コイルの電流によって生成された磁場の変化によってコイルの電流方向と逆方向である反時計回りに渦電流が形成され、遮断部材17には反時計回りの渦電流が流れる。
図113の(a)を参照すると、遮断部材17は渦電流の発生を遮断する1つのスリットGPを含む。スリットGPは、渦電流(図113での反時計回り)に垂直な方向PDに沿って延長されている。遮断部材17の両端17a、17bは1つのスリットGPによって離隔している。実施形態で、スリットGPは渦電流の方向EDに沿って0.03mm以上の幅を有し得る。
スリットGPが渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されていることを説明したが、スリットGPは方向PDに所定角度(0度超過90度未満)に傾いた方向に沿って伸びていてもよい。遮断部材17の両端17a、17bは渦電流の方向EDに沿って離隔している。したがって、遮断部材17に沿って渦電流が流れなくなるので、渦電流の発生が遮断される。
図113の(b)を参照すると、遮断部材17は複数の第1遮断部171を含む。複数の第1遮断部171は渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されており、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。同様に、遮断部材17が、渦電流の方向EDに沿って互いに離隔した複数の第1遮断部171を含むので、遮断部材17に沿って渦電流が流れなくなり、渦電流の発生が遮断される。複数の第1遮断部171が渦電流に垂直な方向PDに沿って延長されていることを説明したが、複数の第1遮断部171は方向PDに所定角度(0度超過90度未満)に傾いた方向に沿って伸びていてもよい。
図113の(c)を参照すると、遮断部材17は複数の第2遮断部172を含む。複数の第2遮断部172は渦電流に垂直な方向PDに沿って離隔しており、複数の第2遮断部172それぞれの両端は渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。同様に、遮断部材17に含まれている複数の第2遮断部172それぞれの両端が、渦電流の方向EDに沿って離隔しているので、遮断部材17に沿って渦電流が流れなくなり、渦電流の発生が遮断される。
図113の(d)を参照すると、遮断部材17は複数の第3遮断部173を含む。複数の第3遮断部173は渦電流に垂直な方向PDおよび渦電流の方向EDに沿って互いに離隔している。同様に、遮断部材17に含まれている複数の第3遮断部173が渦電流の方向EDに沿って互いに離隔しているので、遮断部材17に沿って渦電流が流れなくなり、渦電流の発生が遮断される。
さらに、LLC構造のスタイラスペンは、遮断部材17以外にも図97~図111の遮断部材170、170a、170bを含み得る。
図114は、一実施形態によるタッチセンサーの駆動タイミングを概略的に示す図である。
図114に示すように、電子デバイス2は、第1モードIN1と第2モードIN2で動作することができる。
第1モードIN1は、ユーザの身体部位(指、手のひらなど)によるタッチが主に入力されるモードである。第1モードIN1中において複数の第1タッチ電極111に駆動信号が印加され(FTX)、複数の第2タッチ電極121に駆動信号に応じた感知信号が受信される(FRX)。
第1モードIN1中にスタイラスペン10の共振回路部12を共振させる駆動信号をループコイル264に印加する期間STXが所定周期(例えば、60Hz、120Hzなど)で繰り返される。このとき、複数の第1タッチ電極111および複数の第2タッチ電極121は感知信号を受信できる(SRX)。さらに、第1モードIN1はユーザの身体部位による入力のみを受信するモードであってもよく、この場合、駆動信号がループコイル264に印加される期間(STX)を必要としない。
スタイラスペン10の共振回路部12の共振によってスタイラスペン10から出力された信号がタッチセンサー261によって感知されると、電子デバイス2は第2モードIN2で動作する。さらに、タッチセンサー261は、外部コントローラーによって第2モードIN2に進入して動作することもできる。例えば、スタイラスペン10によるタッチ入力を受信するように動作するアプリケーションプログラムが実行されるか、または他のセンサーによってスタイラスペン10によるタッチ入力が受信されると予想される場合、第2モードIN2で動作することができる。
第2モードIN2は、スタイラスペン10によるタッチが主に入力されるモードである。第2モードIN2中にループコイル264に駆動信号が印加され(STX)、複数の第1タッチ電極111と複数の第2タッチ電極121にスタイラスペン10から出力された信号が受信される(SRX)。スタイラスペン10から出力された感知信号の波形により、タッチセンサー261は図3のスタイラスペン10a、10b、10cをそれぞれ識別することができる。
第2モードIN2中に身体部位によるタッチが入力される期間(FTX/FRX)が所定周期(例えば、60Hz、120Hzなど)で繰り返される。このとき、複数の第1タッチ電極111に駆動信号が印加され(FTX)、複数の第2タッチ電極121に駆動信号に応じた感知信号が受信される(FRX)。図3のスタイラスペン10aまたはスタイラスペン10bであると識別された場合、駆動信号の印加による消費電力を節減するために、この期間中にループコイル264に駆動信号を印加しないことがある。図3のスタイラスペン10cであると識別された場合、この期間中にループコイル264に駆動信号を印加することができる。そうすると、身体部位によるタッチが入力される期間にもスタイラスペン10cに電力を充電することができる。さらに、第2モードIN2は、スタイラスペン10による入力のみを受信するモードであってもよく、この場合、身体部位によるタッチが入力される期間(FTX/FRX)を必要としない。
図115~図118は、実施形態によるタッチセンサーの駆動タイミングを示す図である。
図115および図116には、タッチセンサー261がミューチュアルキャパシタンス方式で動作する場合のタイミングを示し、図25および図26には、タッチセンサー261がセルフキャパシタンス方式で動作する場合のタイミングを示す。
図115に示すように、区間Taの間複数の第1タッチ電極111に駆動信号D_111が印加され、複数の第2タッチ電極121には駆動信号D_111に応じた感知信号が受信される。このとき、複数の第2タッチ電極121には駆動信号D_121が印加されない。
次に、区間Tbの間ループコイル264に駆動信号D_264が印加される。そうすると、共振回路部12で共振された信号が増加する。複数の第1タッチ電極111と複数の第2タッチ電極121にはスタイラスペン10による感知信号が受信される。
図116に示すように、区間Taの間複数の第1タッチ電極111に駆動信号D_111が印加され、複数の第2タッチ電極121には駆動信号D_111に応じた感知信号が受信される。このとき、複数の第2タッチ電極121には駆動信号D_121が印加されず、ループコイル264に駆動信号D_264が印加される。共振回路部12で共振された信号が増加する。
複数の第2タッチ電極121でのサンプリング周波数は駆動信号D_111に対応するので、タッチセンサー261は区間Taの間身体部位によるタッチを受信できる。
区間Tbの間ループコイル264にのみ駆動信号D_264が印加される。複数の第1タッチ電極111と複数の第2タッチ電極121にはスタイラスペン10による感知信号が受信される。
図117に示すように、第1~第2区間T1~T2の間複数の第1タッチ電極111に駆動信号D_111が印加され、複数の第2タッチ電極121に駆動信号D_121が印加され、ループコイル264に駆動信号D_264が印加される。
このとき、複数の第1タッチ電極111と複数の第2タッチ電極121のサンプリング周波数を駆動信号D_111に対応する周波数に設定して身体部位によるタッチを受信することもでき、スタイラスペン10から出力される信号に対応する周波数に設定してスタイラスペン10によるタッチを受信することもできる。
図118に示すように、区間Taの間複数の第1タッチ電極111に駆動信号D_111が印加されて身体部位によるタッチを受信し、複数の第2タッチ電極121にはスタイラスペン10による感知信号が受信される。このとき、複数の第2タッチ電極121には駆動信号D_121が印加されず、ループコイル264に駆動信号D_264が印加される。共振回路部12で共振された信号が増加する。
区間Tbの間複数の第1タッチ電極121に駆動信号D_121が印加されて身体部位によるタッチを受信し、複数の第1タッチ電極111にはスタイラスペン10による感知信号が受信される。このとき、複数の第1タッチ電極111には駆動信号D_111が印加されず、ループコイル264に駆動信号D_264が印加される。共振回路部12で共振された信号が維持される。
上記で説明した通り、本発明に係るタッチセンサーは、ループコイル264が電磁信号をスタイラスペン10a、10b、10cに伝達する間、タッチ電極111、121がスタイラスペン10a、10b、10cから共振信号を受信することができる。EMRおよびECR方式の場合、電磁信号の伝達を中止した後にスタイラスペンから共振信号が入力されるので、スタイラスペンでの共振信号が減衰する問題があった。減衰した共振信号に基づいてタッチ入力を判断したのでタッチ入力が不正確に認識され、これによってタッチ感度が低下する短所があった。
本発明に係るタッチセンサーにおいては、信号送信はループコイル264で行われ、信号受信はタッチ電極111、121で行われる。つまり、信号がループコイル264によって送信される間タッチ電極111、121に共振信号が入力されるので、スタイラスペン10aで共振された信号が減衰せず、タッチ電極111、121によって受信される。これによって信号のSNRが改善され、タッチ入力の受信感度が向上する。次に、図3のスタイラスペン10aまたはスタイラスペン10bであると識別された場合、駆動信号の印加による消費電力を節減するために、ループコイル264に印加される駆動信号の波形を変更することができる。
これに関連して119~図124を参照して説明する。
図119~図124は、一実施形態の多様な様態により駆動信号を示す波形図である。
図119を参照すると、スタイラスペン10の共振信号を所定レベルまで急速に到達させるための初期区間の間、コイルドライバー263は、所定の周波数の駆動信号をループコイル264に出力する。そうすると、スタイラスペン10の共振信号が所定レベルまで急速に到達できる。その後、有効区間の間コイルドライバー263は所定の周波数の駆動信号が変形した(例えば、デューティ比が減少した)駆動信号を出力する。そうすると、スタイラスペン10の共振信号が有効レベルに維持される。
つまり、有効区間の間所定の周波数の駆動信号に比べてデューティ比(またはデューティサイクル)が低くなる駆動信号がループコイル264に出力される。例えば、初期区間の間出力される駆動信号のデューティ比が1であれば、有効区間から出力される駆動信号のデューティ比は、パルススキップによるオフデューティの増加によって1/3に低くなる。
図120を参照すると、コイルドライバー263は、初期区間の間周期的な駆動信号をループコイル264の駆動信号に出力してスタイラスペン10の共振信号を所定レベルまで引き上げる。そして、続く有効区間では初期区間でループコイル264に出力される駆動信号と比較して2個のパルスが出力されるたびに次の1個のパルスが省略された形態の駆動信号をループコイル264に出力して、スタイラスペン10の共振信号を有効レベル状態に維持させる。つまり、有効区間では2個のパルスが出力されると、その次の1個のパルスが省略される形態で駆動信号が出力される。これにより、有効区間に出力される駆動信号は、初期区間の間出力されるパルスと同じデューティ比のパルス信号が出力される第1期間t1と、第1期間t1に比べてデューティ比が低いパルス信号が出力される第2期間T2が繰り返される。例えば、第1期間t1でのデューティ比が1であれば、第2期間T2でのデューティ比は、パルススキップによるオフデューティの増加によって1/3に低くなる。
有効区間でパルス出力がスキップされる区間が少ないほど、ループコイル264からスタイラスペン10に伝達されるエネルギーが増加し得る。したがって、有効区間でパルス出力がスキップされる区間が少ないほど、有効区間で発生するペンの共振信号の信号レベルが増加することになる。図119および図120を例に挙げると、図120の駆動信号は2個のパルスが出力されるたびに1個のパルスが省略されるので、1個のパルスが出力されるたびに1個のパルスが省略される図119の駆動信号に比べて対応するペンの共振信号の信号レベルが増加し得る。
また、有効区間でパルス出力がスキップされる区間が多いほど、駆動信号の出力のために消耗するエネルギーが減少し得る。したがって、有効区間でパルス出力がスキップされる区間が多いほど、タッチセンサー261が有効区間で消耗するエネルギーが減少し得る。図119および図120を例に挙げると、図119の駆動信号は1個のパルスが出力されるたびに1個のパルスが省略されるので、2個のパルスが出力されるたびに1個のパルスが省略される図120の駆動信号に比べてタッチセンサー261が消耗するエネルギーが減少し得る。
一方、図119および図120は、コイルドライバー263からループコイル264に出力される駆動信号の例を示す図であって、有効区間でパルス出力がスキップされる区間は多様に変更可能である。
図121を参照すると、有効区間の間ループコイル264に出力される駆動信号で、同じパルスが連続的に出力される区間の長さは多様に変更可能である。例えば、3個のパルスが出力されるたびに1個のパルスを省略することもでき、4個のパルスが出力されるたびに1個のパルスを省略することもできる。また、例えば、5個のパルスが出力されるたびに1個のパルスを省略することもでき、6個のパルスが出力されるたびに1個のパルスを省略することもできる。また、例えば、7個のパルスが出力されるたびに1個のパルスを省略するか、8個のパルスが出力されるたびに1個のパルスを省略することもでき、9個のパルスが出力されるたびに1個のパルスを省略することもできる。このように、周期的に1個のパルスを省略する場合、パルススキップ区間でのデューティ比は1/(2N+1)=1/3の値を有し得る。
一方、有効区間の間ループコイル264に出力される駆動信号で、連続的にスキップされるパルスの個数もまた、多様に変更可能である。例えば、図121においては、有効区間の間1個のパルスのみが周期的に省略される場合を例に挙げて示したが、有効区間で周期的に省略されるパルスの個数は2個以上に変更することもできる。図122を例に挙げると、有効区間では連続する複数のパルス(2個のパルス、3個のパルス、4個のパルスなど)が周期的にスキップされるように駆動信号が出力される。例えば、有効区間で連続する2個のパルスが周期的にスキップされる場合、初期区間から出力される駆動信号のデューティ比が1であれば、有効区間のパルススキップ区間でのデューティ比は1/(2N+1)=1/5の値を有し得る。また、例えば、有効区間で連続する3個のパルスが周期的にスキップされる場合、初期区間から出力される駆動信号のデューティ比が1であれば、有効区間のパルススキップ区間でのデューティ比は1/(2N+1)=1/7の値を有し得る。また、例えば、有効区間で連続する4個のパルスが周期的にスキップされる場合、初期区間から出力される駆動信号のデューティ比が1であれば、有効区間のパルススキップ区間でのデューティ比は1/(2N+1)=1/9の値を有し得る。
また、図119~図121においては、有効区間ではパルススキップ後、オフデューティほどの時間が経過した後にパルスが出力される場合を例に挙げて示したが、パルススキップ後新たなパルスが出力される時点も変更が可能である。図123を例に挙げると、有効区間ではパルススキップ期間(t3~t4区間)が終了する時点t3にパルスの出力を直ちに再開することもできる。これにより、パルススキップ後出力されるパルス信号は、パルススキップ前に出力されるパルス信号と位相が反対であり得る。この場合、初期区間から出力される駆動信号のデューティ比が1であれば、有効区間のパルススキップ区間でのデューティ比は1/2N=1/2の値を有し得る。
上述のように、有効区間でパルス出力がスキップされる区間が少ないほど、ループコイル264からスタイラスペン10に伝達されるエネルギーが増加するので、有効区間で連続的に出力されるパルスの個数が増加するほど、ループコイル264からスタイラスペン10に伝達されるエネルギーが増加し得る。したがって、3個のパルスが出力されるたびに1個のパルスが省略される駆動信号を使用する場合に比べて、9個のパルスが出力されるたびに1個のパルスが省略される駆動信号を使用する場合がループコイル264からスタイラスペン10に伝達されるエネルギーが増加して、対応するペンの共振信号の信号レベルが増加し得る。また、有効区間でパルス出力がスキップされる区間が多いほど、駆動信号の出力のために消耗するエネルギーが減少するので、有効区間で連続的に出力されるパルスの個数が減少するほどタッチセンサー261でのエネルギー消耗が減少し得る。したがって、9個のパルスが出力されるたびに1個のパルスが省略される駆動信号を使用する場合に比べて、3個のパルスが出力されるたびに1個のパルスが省略される駆動信号を使用する場合がタッチセンサー261の有効区間でのエネルギー消耗を減少させることができる。
一方、図119~図121においては、初期区間と有効区間から出力されるパルスの信号レベルが互いに同一の場合を例に挙げて示したが、初期区間と有効区間から出力されるパルスの信号レベルは互いに異なっていてもよい。例えば、タッチセンサー261はスタイラスペン10のペンの共振信号が所定レベルに到達するまでの時間を減らすために、初期区間から出力されるパルスの信号レベルを有効区間から出力されるパルスの信号レベルに比べて高く設定することができる。また、例えば、タッチセンサー261は有効区間でスタイラスペン10に伝達されるエネルギーを高めるために、初期区間から出力されるパルスの信号レベルより有効区間から出力されるパルスの信号レベルを高く設定することもできる。
図124を参照すると、初期区間の間ループコイル264にハイレベルIHのパルスが所定周期で繰り返される第1駆動信号が印加される。初期区間の間第1駆動信号によってスタイラスペン10の共振信号が所定電圧レベルまで急速に到達できる(つまり、飽和し得る)。
有効区間の間、ループコイル264にディセーブルレベル区間が異なる複数の区間を有する駆動信号が印加される。
例えば、初期区間から出力される第1駆動信号のデューティ比(繰り返される1つの周期P内でイネーブルレベル区間に対するディセーブルレベル区間の比)が1:1であれば、有効区間から出力される駆動信号はデューティ比がa:2b+1、a:2b+2、a:2b+3、a:2b+4、a:(3b+1)、a:2(b+3)+1、a:2(b+3)、a:(2b+1)などを有し得る。ここで、aおよびbは整数である。有効区間から出力される駆動信号の1つの周期Pに対応する期間は、イネーブルレベル区間とディセーブルレベル区間が少なくともn回繰り返される区間と、ディセーブルレベル区間が少なくとも2n回に維持される区間とを含み得る。イネーブルレベル区間は駆動信号がイネーブルレベルIHを有する区間に対応して、ディセーブルレベル区間は駆動信号がディセーブルレベルILを有する区間に対応する。前記駆動信号のデューティ比は一例に過ぎず、所定レベルに到達したスタイラスペン10の共振信号が有効レベルに維持されるようにする全ての比を含み得る。
初期区間での第1駆動信号によって所定レベルに到達したスタイラスペン10の共振信号が、有効区間での駆動信号によって有効レベルに維持される。ここで有効レベルは、タッチコントローラー262がスタイラスペン10の共振信号をタッチ信号として感知可能なレベルを意味する。
有効区間での駆動信号は、初期区間での第1駆動信号で少なくとも1つのパルスが周期的に省略された信号であり得る。上述のように、有効区間での駆動信号は初期区間での第1駆動信号に比べて少なくとも1つのパルスが周期的に省略された形態に出力されるので、初期区間での第1駆動信号と有効区間での駆動信号はパルス速度が互いに異なる。つまり、有効区間での駆動信号は、初期区間での第1駆動信号に比べてパルス速度が低いことがある。ここで、パルス速度は単位時間(例えば1秒)当たりに出力されるパルスの個数であり得る。
有効区間で駆動信号のスキップされるパルスの個数が少ないほど、タッチセンサー261からスタイラスペン10に伝達されるエネルギーが増加し得る。したがって、有効区間で駆動信号のスキップされるパルスの個数が少ないほど、有効区間で発生するペンの共振信号の信号レベルが増加することになる。また、有効区間で駆動信号のスキップされるパルスの個数が多いほど、駆動信号の出力のために消耗するエネルギーが減少し得る。したがって、有効区間で駆動信号のスキップされるパルスの個数が多いほど、タッチセンサー261が有効区間で消耗するエネルギーが減少し得る。
実施形態によれば、スタイラスペンから出力される信号のSNR(signal-noise-ratio)を改善することができ、タッチ入力の受信感度を向上させ、より正確なタッチ位置を算出できる長所がある。
実施形態によれば、パームリジェクションを行うことができる長所があり、スタイラスペンの共振のためにタッチセンサーに駆動信号を出力する区間でのエネルギー消費を減らして、タッチセンサーのエネルギー消費を減らすことができる長所がある。
次に、図125を参照して、一実施形態による電子デバイスの駆動方法を説明する。
図125は、一実施形態による電子デバイスの駆動方法を示すフローチャートである。
第1区間で、電子デバイス2は第1モードで駆動する(S10)。第1モードは、スタイラスペン10以外の他のタッチ客体によるタッチ入力を検出するための駆動信号をタッチセンサー261に印加するモードである。
例えば、第1モードで第1駆動/受信部2620は、複数の第1タッチ電極111-1~111-mに駆動信号を出力し、第2駆動/受信部2622は、複数の第2タッチ電極121-1~121-nからタッチに応じた感知信号を受信する。
制御部2624は、第1区間で取得される感知信号の信号の大きさが第1臨界値を超えているかどうかに基づいて、感知信号が有効タッチ信号であるかどうかを決定し、有効タッチ信号を用いてタッチ座標情報を取得することができる。
例えば、制御部2624は、第1区間で取得される感知信号の信号の大きさが第1臨界値を超えれば、感知信号を用いてタッチ座標を計算する。制御部2624は、第1区間で取得される感知信号の信号の大きさが第1臨界値以下であれば、信号の大きさが第1臨界値以下である感知信号に応じたタッチ座標を計算しない。また、制御部2624は、第1区間で取得される感知信号の信号の大きさが第1臨界値を超えれば、感知信号を用いてタッチ面積を計算できる。第1区間で取得される感知信号は、ユーザの身体部位(指、手のひらなど)による第1感知信号とスタイラスペン10による第2感知信号のうちの少なくとも1つを含む。第1臨界値は第1感知信号が有効タッチ信号と決定され、第2感知信号がフィルタリングされるように設定される。
第2区間の第1サブ期間で、電子デバイス2は第2モードで駆動する(S20)。第2モードは、スタイラスペン10によるタッチ入力を検出するための駆動信号をループコイル264に印加するモードである。例えば、コイルドライバー263は、ループコイル264に駆動信号を同時に印加する。
第1区間でタッチセンサー261に印加される駆動信号の周波数は、第1サブ期間でループコイル264に印加される駆動信号の周波数以下であると仮定する。また、第1サブ期間でループコイル264に印加される駆動信号の周波数は、信号制御部220の水平同期信号の周波数の2以上の定数倍である。
第2区間の第2サブ期間で、電子デバイス2は、駆動信号に基づいて共振された感知信号を少なくとも1回受信する(S30)。
例えば、スタイラスペン10の共振回路部12は駆動信号に共振し、これによって共振信号が発生して導電性チップ11を通じてタッチセンサー261に伝達される。
一実施形態で、第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mから伝達される感知信号を少なくとも1回受信し、また、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから伝達される感知信号を少なくとも1回受信する。このとき、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は感知信号を受信するタイミングが同じであり得る。そして、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は受信された感知信号を処理して制御部2624に伝達できる。
前記第2サブ期間で、第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mから伝達される感知信号を受信し、また、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから伝達される感知信号を受信することを説明したが、第2区間の第2サブ期間で、第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mのうちの少なくとも1つから伝達される感知信号を受信し、また、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nのうちの少なくとも1つから伝達される感知信号を受信するか、第2区間の第2サブ期間で、第1駆動/受信部2620のみが複数の第1タッチ電極111-1~111-mのうちの少なくとも1つから感知信号を受信するか、または第2区間の第2サブ期間で、第2駆動/受信部2622のみが複数の第2タッチ電極121-1~121-nのうちの少なくとも1つから感知信号を受信することもでき、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622の感知信号の受信動作は上記に限定されない。
また、第2サブ期間で、第1駆動/受信部2620は、複数の第1タッチ電極111-1~111-mのうちの少なくとも1つから感知信号を受信するか、または複数の第1タッチ電極111-1~111-m全てから感知信号を受信することもでき、同様に、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nのうちの少なくとも1つから感知信号を受信するか、または複数の第2タッチ電極121-1~121-n全てから感知信号を受信することもできる。
制御部2624は、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622によって少なくとも1回受信された感知信号中の水平同期信号に対応して決められた区間から受信された一部の感知信号を用いてタッチ情報を生成する。
他の実施形態で、第1駆動/受信部2620は水平同期信号に同期化され、複数の第1タッチ電極111-1~111-mから伝達される感知信号を受信し、第2駆動/受信部2622も水平同期信号に同期化され、複数の第2タッチ電極121-1~121-nから伝達される感知信号を受信する。そして、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は受信された感知信号を処理して制御部2624に伝達できる。
制御部2624は水平同期信号に同期化され、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622によって受信された感知信号を用いてタッチ情報を生成する。
制御部2624は、第2サブ期間で取得される感知信号の信号の大きさが第2臨界値を超えているかどうかに基づいて、感知信号が有効タッチ信号であるかどうかを決定し、有効タッチ信号を用いてスタイラスペン10のタッチが発生した地点のタッチ座標情報を取得することができる。
例えば、制御部2624は、第2サブ期間で取得される感知信号の信号の大きさが第2臨界値を超えれば、感知信号を用いてタッチ座標を計算する。制御部2624は、第2サブ期間で取得される感知信号の信号の大きさが第2臨界値以下であれば、信号の大きさが第2臨界値以下である感知信号に応じたタッチ座標を計算しない。また、制御部2624は、第2サブ期間で取得される感知信号の信号の大きさが第2臨界値を超えれば、感知信号を用いてタッチ面積を計算できる。
このとき、第2区間の第2サブ期間での駆動信号は、上述したように少なくとも1つのパルスが周期的に省略された信号であり得る。例えば、コイルドライバー263は、第1サブ期間の間周期的な駆動信号をループコイル264の駆動信号に出力してスタイラスペン10の共振信号を所定レベルまで引き上げる。そして、続く第2サブ期間では初期区間でループコイル264に出力される駆動信号と比較して2個のパルスが出力されるたびに次の1個のパルスが省略された形態の駆動信号をループコイル264に出力して、スタイラスペン10の共振信号を有効レベル状態に維持させる。
次に、図126を参照して、第1および第2区間で印加される駆動信号、スタイラスペン10の共振信号、および感知信号を説明する。
図126は、水平同期信号Hsyncと図125の駆動方法による駆動信号の一例を示すタイミング図である。
タッチレポートレート(touch report rate)による、1つのタッチレポートフレーム期間は第1区間T1と第2区間T2とを含む。タッチレポートレートは、タッチセンサー261がタッチ電極を駆動して取得されたタッチデータをレポーティングする制御部270に出力する速度または周波数(Hz)を意味する。
第1区間T1で、第1駆動/受信部2620は、複数の第1タッチ電極111-1~111-mおよび複数の第2タッチ電極121-1~121-nのうちの少なくとも一つのタッチ電極に駆動信号を出力する。第1駆動/受信部2620が複数の第1タッチ電極111-1~111-mに駆動信号を出力すると、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信できる。タッチコントローラー262は、感知信号の信号の大きさに基づいてタッチ座標情報を取得することができる。
第2区間T2内の第1サブ期間T21で、コイルドライバー263はループコイル264に駆動信号を印加する。
第1サブ期間T21でループコイル264に印加される駆動信号の周波数はスタイラスペン10の共振周波数に対応する。例えば、第1サブ期間T21の間ループコイル264に出力される駆動信号の周波数は水平同期信号の周波数の2以上の定数倍である。これに対して、第1区間T1で複数の第1タッチ電極111-1~111-mに出力される駆動信号の周波数はスタイラスペン10の共振周波数と異なる。
このような駆動信号の周波数設定は例示に過ぎず、上記とは異なる値に設定することができる。具体的には、タッチコントローラー262は、信号制御部(例えば、図24の2524)から水平同期信号Hsync、スキャン駆動制御信号、データ駆動制御信号などを受信できる。そうすると、タッチコントローラー262は、水平同期信号Hsyncに基づいてループコイル264に提供する駆動信号の周波数を設定し、駆動信号を水平同期信号Hsyncに同期化することができる。例えば、タッチコントローラー262は、水平同期信号Hsyncの周波数の2以上の定数倍で駆動信号の周波数を設定することができる。そうすると、スタイラスペン10の共振周波数は水平同期信号Hsyncの周波数の2以上の定数倍を有するように設計することもできる。タッチコントローラー262は、水平同期信号Hsyncのパルスに駆動信号を同期化することができる。
第2区間T2内の第2サブ期間T22で、水平同期信号Hsyncの各パルスに同期化され、第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mから感知信号を受信し、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信する。また、第2サブ期間T22で、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622それぞれは少なくとも1回感知信号を受信できる。
それ以上の駆動信号が印加されない第2サブ期間T22で、スタイラスペン10の共振回路部12によって出力される共振信号は、複数の第1タッチ電極111-1~111-mおよび複数の第2タッチ電極121-1~121-nのうちの少なくとも1つによって受信される。
水平同期信号Hsyncのパルス周期は、1行の画素PXにデータを書き込むために必要な1水平期間1Hである。水平同期信号Hsyncの各パルスが発生した後、データ書き込み(data writing)期間TAの間画素PXにデータ信号を書き込むことができる。データ書き込み期間は、画素PXにデータ信号を書き込むためにデータ線にデータ信号が印加され、スキャン線にスキャン信号が印加される期間を意味する。データ線とスキャン線はタッチ電極と寄生キャパシタンスを形成するので、データ書き込み期間TAの間データ線とスキャン線に印加される電圧はタッチ電極に伝達される感知信号にノイズを引き起こす。
一実施形態で、タッチコントローラー262は、データ書き込み期間TAを除いたノイズフリー(noise free)期間TBで受信された感知信号を用いてタッチ情報を生成することができる。このようなデータ書き込み期間TAとノイズフリー期間TBは表示装置および表示装置の駆動方式によって異なるように設定することができる。
具体的には、第2サブ期間T22の間複数のサンプリング時点それぞれで、第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mから感知信号を受信し、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信する。
タッチコントローラー262は、ノイズフリー期間TB内のサンプリング時点で受信された感知信号を用いて受信信号を生成する。
一例として、タッチコントローラー262が水平同期信号Hsyncのみを受信する場合、タッチコントローラー262は水平同期信号Hsyncのパルスが発生した時点から予め設定された第1時間以後から予め設定された第2時間までをデータ書き込み期間TAと決定することができ、予め設定された第2時間は予め設定された第1時間を超え、これはディスプレイ部250の駆動方式によって多様に設定することができ、これに限定されない。そうすると、タッチコントローラー262は、データ書き込み期間TAの間サンプリングされた感知信号を除いた残りの感知信号を用いて受信信号を生成する。
他の例として、タッチコントローラー262がスキャン駆動制御信号を受信する場合、タッチコントローラー262はスキャン駆動制御信号からスキャン信号がイネーブルレベルを有する期間をデータ書き込み期間TAと決定することができる。そうすると、タッチコントローラー262はデータ書き込み期間TAの間サンプリングされた感知信号を除いた残りの感知信号を用いて受信信号を生成する。
さらに他の例として、タッチコントローラー262がデータ駆動制御信号を受信する場合、タッチコントローラー262はデータ駆動制御信号からデータ信号がデータ線に印加される期間をデータ書き込み期間TAと決定することができる。そうすると、タッチコントローラー262は、データ書き込み期間TAの間サンプリングされた感知信号を除いた残りの信号を用いて受信信号を生成する。
他の実施形態で、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は、データ書き込み期間TAを除いたノイズフリー(noise free)期間TBに感知信号を受信することが好ましい。
具体的には、第1駆動/受信部2620は、データ書き込み期間TAを除いたノイズフリー期間TBの間複数の第1タッチ電極111-1~111-mから感知信号を受信する。同様に、第2駆動/受信部2622は、複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信する。
つまり、タッチコントローラー262は、水平同期信号Hsyncおよびスキャン駆動制御信号のうちの少なくとも1つに基づいて、スキャン信号がイネーブルレベルを有する期間を除いた期間の間タッチセンサー261から感知信号を受信できる。タッチコントローラー262がスキャン駆動制御信号を受信する場合、タッチコントローラー262は、スキャン駆動制御信号からスキャン信号がディセーブルレベルを有する期間を決定することができる。タッチコントローラー262が水平同期信号Hsyncのみを受信する場合、タッチコントローラー262は水平同期信号Hsyncのパルスが発生した時点から予め設定された第3時間以後から水平同期信号Hsyncのパルスが発生した時点から予め設定された第4時間までの期間をスキャン信号がイネーブルレベルを有する期間と決定することができ、予め設定された第4時間は予め設定された第3時間を超え、これはディスプレイ部250の駆動方式によって多様に設定することができ、これに限定されない。
また、タッチコントローラー262は、水平同期信号Hsyncおよびデータ駆動制御信号のうちの少なくとも1つに基づいて、データ信号がディスプレイパネル251のデータ線に印加される期間を除いた期間の間タッチセンサー261から感知信号を受信できる。タッチコントローラー262がデータ駆動制御信号を受信する場合、タッチコントローラー262は、データ駆動制御信号からデータ信号がデータ線に印加される期間を決定することができる。タッチコントローラー262が水平同期信号Hsyncのみを受信する場合、タッチコントローラー262は、水平同期信号Hsyncのパルスが発生した時点から予め設定された第5時間以後から予め設定された第6時間以後までをデータ信号がデータ線に印加される期間と決定することができ、予め設定された第5時間は予め設定された第6時間を超え、これはディスプレイ部250の駆動方式によって多様に設定することができ、これに限定されない。
第2区間T2は、第1サブ期間T21と第2サブ期間T22とを複数で含む。例えば、第2区間T2内で、第1サブ期間T21と第2サブ期間T22との組み合わせが8回繰り返される。
上記では第1区間T1以後に第2区間T2が存在することを説明したが、第2区間T2以後に第1区間T1が存在することもでき、第1区間T1と第2区間T2の時間の長さは複数のタッチレポートフレームの間それぞれ変更することができ、本実施形態の電子デバイス2の駆動方式はこれに限定されない。
次に、図127~図129を参照して、ディスプレイ部の一実施形態について説明する。
図127は、図2のディスプレイ部の一実施形態を概略的に示すブロック図であり、図128は、図127のディスプレイ部の画素を示す図であり、図129は、図127のディスプレイ部の駆動する駆動信号の一例を示すタイミング図である。
図127に示すように、ディスプレイ部は、複数の画素PXを含むディスプレイパネル251、データ駆動部2522、スキャン駆動部2520、および信号制御部2524を含む。
ディスプレイパネル251は、ほぼ行列状に配列された複数の画素PXを含む。特に限定されないが、複数のスキャン線S1~Siは画素の配列形態でほぼ行方向に対向して伸びて互いにほとんど平行であり、複数のデータ線D1~Djはほぼ列方向に伸びて互いにほとんど平行である。
複数の画素PXそれぞれは、ディスプレイパネル251に連結される複数のスキャン線S1~Siのうちの対応する1つのスキャン線および複数のデータ線D1~Djのうちの対応する1つのデータ線に連結されている。また、図127のディスプレイパネル251に直接示していないが、複数の画素PXそれぞれは、ディスプレイパネル251に連結される電源と接続されて第1電源電圧ELVDDおよび第2電源電圧ELVSSが供給される。
複数の画素PXそれぞれは、複数のデータ線D1~Djを通じて伝達される対応するデータ信号によって有機発光ダイオードに供給される駆動電流によって所定輝度で発光する。
スキャン駆動部2520は、複数のスキャン線S1~Siを通じて各画素に対応するスキャン信号を生成して伝達する。つまり、スキャン駆動部2520は、各画素行に含まれている複数の画素それぞれに対応するスキャン線を通じてスキャン信号を伝達する。
スキャン駆動部2520は、信号制御部2524からスキャン駆動制御信号CONT2が伝達されて複数のスキャン信号を生成し、各画素行に連結された複数のスキャン線S1~Siに順次スキャン信号を供給する。また、スキャン駆動部2520は共通制御信号を生成し、複数の画素PXに全て連結された共通制御線に共通制御信号を供給する。
データ駆動部2522は、複数のデータ線D1~Djを通じて各画素にデータ信号を伝達する。
データ駆動部2522は、信号制御部2524からデータ駆動制御信号CONT1が供給され、各画素行に含まれている複数の画素それぞれに連結された複数のデータ線D1~Djに対応するデータ信号を供給する。
信号制御部2524は、外部から伝達される映像信号を映像データDATAに変換してデータ駆動部2522に伝達する。信号制御部2524は、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、クロック信号、データイネーブル信号などの外部制御信号が伝達され、スキャン駆動部2520およびデータ駆動部2522の駆動を制御するための制御信号を生成してそれぞれに伝達する。つまり、信号制御部2524は、スキャン駆動部2520を制御するスキャン駆動制御信号CONT2とデータ駆動部2522を制御するデータ駆動制御信号CONT1をそれぞれ生成して伝達する。
図128に示すように、画素PX_lkは、有機発光ダイオード(OLED)、第1トランジスターTR1、第2トランジスターTR2、およびストレージキャパシタCstを含み得る。画素PX_lkは、1番目の画素行およびk番目の画素列に位置し得る。各トランジスターは、説明の便宜上、PMOSトランジスターとする。
第1トランジスターTR1は駆動トランジスターであり得る。一実施形態で、第1トランジスターTR1は、第1ノードN1に連結されたゲート、第1電源電圧ELVDDに連結されたソース、および有機発光ダイオード(OLED)のアノードに連結されたドレインを含み得る。
駆動電流は、第1トランジスターTR1のゲートとソースとの間の電圧差に対応する電流であって、データ線Dlに印加されるデータ信号に応じた電圧に対応して駆動電流が異なる。
第2トランジスターTR2は、スキャン線Skに印加されるスキャン信号のレベルによってターンオンされて第1ノードN1とデータ線Dlとを連結することができる。一実施形態で、第2トランジスターTR2は、スキャン線Skに連結されたゲート、データ線Dlに連結されたソース、および第1ノードN1に連結されたドレインを含み得る。第2トランジスターTR2は、k番目のスキャン線Skを通じて伝達される対応するスキャン信号S[k]に応答して1番目のデータ線D1を通じて伝達されるデータ信号D[1]に応じたデータ電圧を第1ノードN1に伝達する。
ストレージキャパシタCstは、第1電源電圧ELVDDおよび第1ノードN1の間に連結されている。一実施形態で、ストレージキャパシタCstは、第1電源電圧ELVDDに連結された一電極および第1ノードN1に連結された他電極を含み得る。
有機発光ダイオード(OLED)は、第1トランジスターTR1から流れる駆動電流によって発光することができる。一実施形態で、有機発光ダイオード(OLED)は、第1トランジスターTR1のドレインに連結されたアノードおよび第2電源電圧ELVSSに連結されたカソードを含み得る。
図129に示すように、垂直同期信号Vsyncのパルスの周期は、ディスプレイフレームレート(display frame rate)に応じたディスプレイパネル251の1フレーム期間(1 FRAME)であり得る。
1フレーム期間(1 FRAME)の間、データ駆動部2522は水平同期信号Hsyncに同期化され、複数のデータ線D1~Djにイネーブルレベルのデータ信号を印加することができる。例えば、水平同期信号Hsyncのパルスごとにデータ駆動部2522はローレベル電圧Lを有するスキャン信号が印加されるスキャン線に連結されている画素に対応するデータ信号を、複数のデータ線D1~Dj全てに印加する。
1フレーム期間(1 FRAME)の間、スキャン駆動部2520は、水平同期信号Hsyncに同期化され、複数のスキャン線S1~Siにローレベル電圧Lのスキャン信号(S[1]、S[2]、...、S[k-1]、S[k])を順次印加することができる。例えば、スキャン駆動部2520は、水平同期信号Hsyncのパルスごとに対応する1つのスキャン線にローレベル電圧Lのスキャン信号を印加する。
1水平期間(1H)、つまり、水平同期信号Hsyncのパルスの1周期内に、データ線にデータ信号を印加する期間dwpとスキャン信号がローレベル電圧Lである期間spがある。
期間dwpおよび期間spに関連して、スキャン線Skおよびデータ線Dlに連結されている画素を例に挙げて説明する。
t00で1水平期間(1H)が始まる。t01でデータ線Dlにデータ信号DATA[k]が印加される。t10でスキャン線Skに印加されるスキャン信号S[k]がローレベル電圧Lに変更される。
スキャン信号S[k]がローレベル電圧Lに変更される時点t10と、データ信号DATA[k]がデータ線Dlに印加され始める時点t01は同一または異なる。例えば、データ線DlのRC遅延を考慮して、スキャン信号S[k]がローレベル電圧Lに変更される前に、データ信号DATA[k]がデータ線Dlに印加される。
t11でスキャン信号S[k]がハイレベル電圧Hに変更される。t12でデータ線Dlへのデータ信号DATA[k]の印加が中断される。t22で1水平期間(1H)が終了する。
スキャン信号S[k]がハイレベル電圧Hに変更される時点t11と、データ線Dlへのデータ信号DATA[k]の印加が中断される時点t12は同一または異なる。例えば、スキャン信号S[k]がハイレベル電圧Hに変更された後、データ線Dlへのデータ信号DATA[k]の印加が中断される。
図126で説明したデータ書き込み期間TAは、期間dwpと期間spとを含む。具体的には、データ書き込み期間TAは、期間dwpが始まる時点と期間spが始まる時点のうちより早い時点から、期間dwpが終了する時点と期間spが終了する時点のうちより遅い時点までであり、例えば、データ書き込み期間TAはt01~t12の期間であり得る。
このようなディスプレイパネル251に結合したタッチセンサー261の動作について図27および図28を参照して説明する。
図130および図131は、一実施形態による電子デバイスが図125の駆動方法により、図126のディスプレイ部の水平同期信号に同期化されて感知信号を受信する時点を示すタイミング図である。
図130に示すように、第1サブ期間T21での駆動信号D_264の周波数は水平同期信号Hsyncの周波数の2倍であり得る。
第1サブ期間T21で印加される駆動信号D_264の周波数に対応して、第2サブ期間T22内で第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は感知信号をサンプリングすることができる。例えば、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は、所定の周波数を有するクロック信号によって少なくとも1つのサンプリング時点s00、s01、s02、s03、s10、s11、s12、s13、...で感知信号をサンプリングすることができる。図27に示すように、感知信号をサンプリングするためのクロック信号は、駆動信号D_264の周波数の4倍の周波数を有する。本発明での少なくとも1つのサンプリング時点s00、s01、s02、s03、s10、s11、s12、s13、...は、駆動信号D_264の周波数に関連して周期的に設定することができる任意のタイミングであり得る。
駆動信号が水平同期信号Hsyncのパルスと同期化された後、信号制御部220とタッチコントローラー262との間のインターフェースディレイなどによって水平同期信号Hsyncの周期が変更されるとき、駆動信号D_264の周波数により周期的に設定されたサンプリング時点(例えば、感知信号をサンプリングするためのクロック信号は駆動信号D_264の周波数の4倍の周波数を有する)と、周期が変更された水平同期信号Hsyncによる1水平期間(1H)の不一致が発生する可能性がある。
例えば、水平同期信号Hsyncの第1パルスと同期された後、水平同期信号Hsyncの周期が変更されると、感知信号をサンプリングするためのクロック信号は第1パルスと同期化されているので、1水平期間(1H)内でのサンプリング時点のタイミングが変更される。そうすると、1水平期間(1H)内でサンプリングされた感知信号が期間dwpおよび期間sp内でサンプリングされた感知信号であるかまたは期間dwpおよび期間sp以外の期間内でサンプリングされた感知信号であるかを区分しにくい。
したがって、駆動信号D_264は、水平同期信号Hsyncのパルスおよび垂直同期信号Vsyncのパルスのうちの少なくとも1つによって同期化される。つまり、所定周期の水平期間または所定周期のフレームごとに駆動信号のタイミングがリフレッシュされる。
一例として、駆動信号D_264は、所定周期の水平同期信号Hsyncのパルスに同期化される。例えば、水平同期信号Hsyncの第1パルスに同期化されて駆動信号D_264のパルスが開始された後、水平同期信号の第iパルスに再び同期化されて駆動信号D_264のパルスが開始される。これにより、駆動信号D_264の周波数により周期的に設定されたサンプリング時点は水平同期信号Hsyncの周期が変更されても、1水平期間(1H)内の所望する時点であり得る。
他の例として、駆動信号D_264は、所定周期のフレームごとに垂直同期信号Vsyncのパルスに同期化される。図129に示すように、垂直同期信号Vsyncのパルスは、1水平期間(1H)の水平同期信号Hsyncのパルスと同じタイミングにイネーブルレベルHに変更することができる。したがって、フレームごとに垂直同期信号Vsyncのパルスと駆動信号D_264を同期化することによって、当該フレーム内で水平同期信号Hsyncとサンプリング時点との間のずれを防止することができる。例えば、第1フレームの垂直同期信号Vsyncのパルスに同期化されて駆動信号D_264のパルスが開始された後、第2フレームの垂直同期信号Vsyncのパルスに再び同期化されて駆動信号D_264のパルスが開始される。これにより、駆動信号D_264の周波数により周期的に設定されたサンプリング時点は水平同期信号Hsyncの周期が変更されても、垂直同期信号Vsyncに同期化されたフレーム内での1水平期間(1H)内の所望する時点であり得る。
また、本発明での少なくとも1つのサンプリング時点s00、s01、s02、s03、s10、s11、s12、s13,...は、駆動信号D_264の周波数の1周期内で位相が互いに逆である2つの時点を少なくとも含み得る。前記した説明に限定されない。
また、本発明での少なくとも1つのサンプリング時点s00、s01、s02、s03、s10、s11、s12、s13、...は、駆動信号D_264の周波数の1周期内で位相が変更される2つの時点を少なくとも含み得る。前記した説明に限定されない。
タッチコントローラー262は、1水平期間(1H)内で期間dwpおよび期間sp以外の期間でサンプリングされた感知信号を用いてタッチ情報を生成する。つまり、タッチコントローラー262は、少なくとも1つのサンプリング時点s10、s11、s12、s13、...で第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622によってサンプリングされた感知信号を用いてタッチ座標、タッチ強さなどを示すタッチ情報を生成することができる。
このとき、タッチコントローラー262は、第1サンプリング時点s10でサンプリングされた信号値と第3サンプリング時点s12でサンプリングされた信号値との差分値を使用して感知信号の信号の大きさ、つまり、振幅(amplitude)を取得することができる。また、タッチコントローラー262は、第2サンプリング時点s11で受信された信号値と第4サンプリング時点s13で受信された信号値との差分値を使用して感知信号の信号の大きさを取得することができる。タッチコントローラー262は、感知信号の信号の大きさによりタッチの要否、タッチ座標などを決定することができる。
または、タッチコントローラー262は、1水平期間(1H)内で期間dwpおよび期間sp以外の期間で感知信号をサンプリングするように第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622とを制御することもできる。
図131に示すように、第1サブ期間T21での駆動信号D_264の周波数は、水平同期信号Hsyncの周波数の3倍であり得る。
一実施形態によれば、タッチコントローラー262は、第2サブ期間T22内で少なくとも1回サンプリングされた感知信号のうちの一部を水平同期信号に基づいて選択し、選択された一部の感知信号を用いてタッチ情報を生成する。つまり、タッチコントローラー262は、第2サブ期間T22内の1水平期間(1H)内で期間dwpおよび期間sp以外の期間でサンプリングされた感知信号をタッチ情報として使用する。
1水平期間(1H)内で、タッチコントローラー262がデータ線にデータ信号を印加する期間dwpとスキャン信号がローレベル電圧Lである期間spを除いた時間の間サンプリングされた感知信号を使用することによって、タッチ電極と寄生キャパシタンスを形成することができるデータ線およびスキャン線に印加される信号によってノイズが発生した感知信号をタッチ情報として使用しないので、SNRを向上させることができる効果がある。
他の実施形態によれば、第2サブ期間T22内の1水平期間(1H)内で、期間dwpおよび期間sp以外の期間で第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mから感知信号を受信し、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信する。
1水平期間(1H)内で、データ線にデータ信号を印加する期間dwpとスキャン信号がイネーブルレベル電圧Lである期間spを除いた時間の間、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622が感知信号をサンプリングすることによって、タッチ電極と寄生キャパシタンスを形成することができるデータ線およびスキャン線に印加される信号に応じた感知信号のノイズを防止できる効果がある。
次に、図132および図133を参照して、ディスプレイ部の他の実施形態について説明し、図134を参照して、図132のディスプレイ部の表示パネルに結合されたタッチセンサー部の動作について説明する。
図132は、図2のディスプレイ部の他の実施形態を概略的に示すブロック図であり、図133は、図132のディスプレイ部の画素を示す図であり、図134は、一実施形態による電子デバイスが、図125の駆動方法により図132のディスプレイ部の水平同期信号に同期化されて感知信号を受信する時点を示すタイミング図である。
図132に示すように、ディスプレイ部は、複数の画素PXを含むディスプレイパネル251、データ駆動部2522、スキャン駆動部2520、発光制御駆動部2526、および信号制御部2524を含む。
ディスプレイパネル251は、ほぼ行列状に配列された複数の画素PXを含む。特に限定されないが、複数のスキャン線S0~Siおよび複数の発光制御線E1~Eiは画素の配列形態でほぼ行方向に対向して伸びて互いにほとんど平行であり、複数のデータ線D1~Djはほぼ列方向に伸びて互いにほとんど平行である。
複数の画素PXそれぞれは、ディスプレイパネル251に連結される複数のスキャン線S0~Siのうち対応する2つのスキャン線、複数の発光制御線E1~Eiのうち対応する1つの発光制御線、および複数のデータ線D1~Djのうち対応する1つのデータ線にそれぞれ連結されている。また、図132のディスプレイパネル251に直接示していないが、複数の画素PXそれぞれは、ディスプレイパネル251に連結される電源と接続されて第1電源電圧ELVDD、第2電源電圧ELVSS、および初期化電圧VINTが供給される。
ディスプレイパネル251の複数の画素PXそれぞれは、2つの対応するスキャン線と連結されている。つまり、当該画素が含まれている画素行に対応するスキャン線と画素行の前の画素行に対応するスキャン線に連結されている。最初の画素行に含まれている複数の画素それぞれは、最初のスキャン線S1とダミースキャン線S0に連結される。そして、i番目の画素行に含まれている複数の画素それぞれは、当該画素行であるi番目の画素行に対応するi番目のスキャン線Siとその前の画素行であるi-1番目の画素行に対応するi-1番目のスキャン線Si-1に連結されている。
複数の画素PXそれぞれは、複数のデータ線D1~Djを通じて伝達された対応するデータ信号によって有機発光ダイオードに供給される駆動電流によって所定輝度の光を発光する。
スキャン駆動部2520は、複数のスキャン線S0~Siを通じて各画素PXに対応するスキャン信号を生成して伝達する。つまり、スキャン駆動部2520は、各画素行に含まれている複数の画素PXそれぞれに対応するスキャン線を通じてスキャン信号を伝達する。
スキャン駆動部2520は、信号制御部2524からスキャン駆動制御信号CONT2が伝達されて複数のスキャン信号を生成し、各画素行に連結された複数のスキャン線S0~Siに順次スキャン信号を供給する。
データ駆動部2522は、複数のデータ線D1~Djを通じて各画素にデータ信号を伝達する。
データ駆動部2522は、信号制御部2524からデータ駆動制御信号CONT1が供給されて各画素行に含まれている複数の画素それぞれに連結された複数のデータ線D1~Djに対応するデータ信号を供給する。
発光制御駆動部2526は、行列状に配列された複数の画素PXを含むディスプレイパネル251に連結された複数の発光制御線E1~Eiに連結されている。つまり、複数の画素それぞれにほぼ行方向に対向して互いにほぼ平行に伸びている複数の発光制御線E1~Eiが複数の画素PXそれぞれを発光制御駆動部2526に連結する。
発光制御駆動部2526は、複数の発光制御線E1~Eiを通じて各画素に対応する発光制御信号を生成して伝達する。発光制御信号が伝達された各画素は、発光制御信号の制御に応答して映像データ信号に応じた映像を発光するように制御される。つまり、対応する発光制御線を通じて伝達される発光制御信号に応答して各画素に含まれている発光制御トランジスター(図133のTR5、TR6)の動作が制御され、これにより、発光制御トランジスターと連結された有機発光ダイオードはデータ信号に対応する駆動電流に応じた輝度で発光するかまたは発光しないことがある。
ディスプレイパネル251の各画素PXには、第1電源電圧ELVDD、第2電源電圧ELVSS、初期化電圧VINTが供給される。第1電源電圧ELVDDは所定のハイレベル電圧であってもよく、第2電源電圧ELVSSは第1電源電圧ELVDDより低い電圧または接地電圧であってもよい。初期化電圧VINTは、第2電源電圧ELVSSと同一または低い電圧値に設定することができる。
第1電源電圧ELVDD、第2電源電圧ELVSS、および初期化電圧VINTの電圧値は特に限定されない。
信号制御部2524は、外部から伝達される複数の映像信号を複数の映像データ信号DATAに変換してデータ駆動部2522に伝達する。信号制御部2524は、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、およびクロック信号が伝達されてスキャン駆動部2520、発光制御駆動部2526、およびデータ駆動部2522の駆動を制御するための制御信号を生成してそれぞれに伝達する。つまり、信号制御部2524は、データ駆動部2522を制御するデータ駆動制御信号CONT1、スキャン駆動部2520を制御するスキャン駆動制御信号CONT2、および発光制御駆動部2526の動作を制御する発光駆動制御信号CONT3をそれぞれ生成して伝達する。
図133に示すように、画素PX_abは、有機発光ダイオード(OLED)、ストレージキャパシタCst、および第1~第7トランジスターTR1~TR7を含む。画素PX_abは、a番目の画素行およびb番目の画素列に位置し得る。各トランジスターは、説明の便宜上、PMOSトランジスターとする。
第1トランジスターTR1は、第1ノードN1に連結されたゲート、第5トランジスターTR5のドレインが連結された第2ノードN2に連結されているソース、および第3ノードN3に連結されたドレインを含む。対応するデータ信号D[b]によって駆動電流が第1トランジスターTR1を通じて流れる。
駆動電流は、第1トランジスターTR1のソースとゲートと間の電圧差に対応する電流であって、印加されるデータ信号D[b]に応じたデータ電圧に対応して駆動電流が異なる。
第2トランジスターTR2は、a番目のスキャン線Saに連結されたゲート、b番目のデータ線Dbに連結されたソース、および第1トランジスターTR1のソースと第5トランジスターTR5のドレインが共通に連結された第2ノードN2に連結されているドレインを含む。第2トランジスターTR2は、a番目のスキャン線Saを通じて伝達される対応するスキャン信号S[j]に応答してb番目のデータ線Dbを通じて伝達されるデータ信号D[b]に応じたデータ電圧を第2ノードN2に伝達する。
第3トランジスターTR3は、a番目のスキャン線Saに連結されたゲート、および第1トランジスターTR1のゲートとドレインにそれぞれ連結された両端を含む。第3トランジスターTR3は、a番目のスキャン線Saを通じて伝達される対応するスキャン信号S[j]に応答して動作する。ターンオンされた第3トランジスターTR3は、第1トランジスターTR1のゲートとドレインとを連結し、第1トランジスターTR1をダイオード接続(diode connection)する。
第1トランジスターTR1がダイオード接続されると、第1トランジスターTR1のソースに印加されたデータ電圧で第1トランジスターTR1のしきい値電圧ほど補償された電圧が第1トランジスターTR1のゲートに印加される。第1トランジスターTR1のゲートは、ストレージキャパシタCstの一電極に連結されているので、電圧はストレージキャパシタCstによって維持される。第1トランジスターTR1のしきい値電圧が補償された電圧がゲートに印加されて維持されるので、第1トランジスターTR1に流れる駆動電流は、第1トランジスターTR1のしきい値電圧による影響を受けない。
第4トランジスターTR4は、a-1番目のスキャン線Sa-1に連結されたゲート、初期化電圧VINTに連結されたソース、および第1ノードN1に連結されたドレインを含む。第4トランジスターTR4は、a-1番目のスキャン線Sa-1を通じて伝達されるa-1番目のスキャン信号S[a-1]に応答して初期化電圧VINTを通じて印加される初期化電圧VINTを第1ノードN1に伝達する。第4トランジスターTR4は、当該画素PX_abが含まれているj番目の画素行の前の画素行に対応するa-1番目のスキャン線Sa-1に予め伝達されるa-1番目のスキャン信号S[a-1]に応答して、データ信号D[b]が印加される前に初期化電圧VINTを第1ノードN1に伝達することができる。
このとき、初期化電圧VINTの電圧値は制限されないが、第1トランジスターTR1のゲート電圧を十分に低くして初期化できるように低いレベルの電圧値を有するように設定することができる。つまり、a-1番目のスキャン信号S[a-1]がゲートオン電圧レベルで第4トランジスターTR4のゲートに伝達される期間の間第1トランジスターTR1のゲートは初期化電圧VINTで初期化される。
第5トランジスターTR5は、j番目の発光制御線Ejに連結されたゲート、第1電源電圧ELVDDに連結されたソース、および第2ノードN2に連結されたドレインを含む。
第6トランジスターTR6は、j番目の発光制御線Ejに連結されたゲート、第3ノードN3に連結されたソース、および有機発光ダイオード(OLED)のアノード(Anode)に連結されているドレインを含む。
第5トランジスターTR5と第6トランジスターTR6は、j番目の発光制御線Ejを通じて伝達されるj番目の発光制御信号E[j]に応答して動作する。j番目の発光制御信号E[j]に応答して第5トランジスターTR5と第6トランジスターTR6がターンオンされたとき、駆動電流が流れるように第1電源電圧ELVDDから有機発光ダイオード(OLED)の方向に電流経路が形成される。そうすると、有機発光ダイオード(OLED)が駆動電流により発光して、データ信号の映像が表示される。
ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1に連結された一電極と第1電源電圧ELVDDが連結された他電極とを含む。ストレージキャパシタCstは、上述のように第1トランジスターTR1のゲートと第1電源電圧ELVDDとの間に連結されているので、第1トランジスターTR1のゲートに印加される電圧を維持することができる。
第7トランジスターTR7は、a-1番目のスキャン線Sa-1に連結されているゲート、有機発光ダイオード(OLED)のアノード(Anode)に連結されているソース、および初期化電圧VINTの電源に連結されているドレインを含む。
第7トランジスターTR7は、当該画素PX_abが含まれているj番目の画素行の前の画素行に対応するa-1番目のスキャン線Sa-1に予め伝達されるa-1番目のスキャン信号S[a-1]に応答して、初期化電圧VINTを有機発光ダイオード(OLED)のアノード(Anode)に伝達することができる。有機発光ダイオード(OLED)のアノード(Anode)は、伝達された初期化電圧VINTによって十分に低い電圧にリセットされる。
図133の画素PX_abの回路図に基づいて図134のタイミング図による画素PX_abの駆動動作および電子デバイスが感知信号を受信する動作を説明する。
図134に示すように、第1サブ期間T21での駆動信号D_264の周波数は水平同期信号Hsyncの周波数の2倍であり得る。
まず、画素PX_abの駆動動作について説明する。
a-1番目のスキャン線Sa-1を通じて伝達されるa-1番目のスキャン信号S[a-1]のローレベル電圧Lによって第4トランジスターTR4と一緒に第7トランジスターTR7がターンオンされる。そうすると、第4トランジスターTR4を通じて第1トランジスターTR1のゲート電極電圧を初期化させる初期化電圧VINTが第1ノードN1に伝達される。
期間spの間、a番目のスキャン線Saを通じて伝達されるa番目のスキャン信号S[a]のローレベル電圧Lによって第2トランジスターTR2と一緒に第3トランジスターTR3がターンオンされる。そうすると、ターンオンされた第2トランジスターTR2およびターンオンされた第3トランジスターTR3を通じて対応するデータ信号DATA[a]が第1ノードN1に伝達される。
t31で、ローレベル電圧Lの発光制御信号E[j]によって、第5トランジスターTR5および第6トランジスターTR6がターンオンされる。そうすると、ストレージキャパシタCstに貯蔵された電圧による駆動電流が有機発光ダイオード(OLED)に伝達されて有機発光ダイオード(OLED)が発光する。
次に、電子デバイスが感知信号を受信する動作について説明する。
1水平期間(1H)、つまり、水平同期信号Hsyncのパルスの1周期内にはデータ線にデータ信号を印加する期間dwpと、スキャン信号がローレベル電圧Lである期間spとがある。そして、1水平期間(1H)内で発光制御信号がローレベル電圧Lに変更される。
第2サブ期間T22内の少なくとも1つのサンプリング時点s00、s01、s02、s03、s10、s11、s12、s13、...で、第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mから感知信号をサンプリングし、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号をサンプリングすることができる。
一実施形態によれば、タッチコントローラー262は、第2サブ期間T22内で少なくとも1回サンプリングされた感知信号のうちの一部を水平同期信号に基づいて選択し、選択された一部の感知信号を用いてタッチ情報を生成する。つまり、タッチコントローラー262は、第2サブ期間T22内の1水平期間(1H)内で期間dwpおよび期間sp以外の期間でサンプリングされた感知信号をタッチ情報として使用する。
1水平期間(1H)内で、データ線にデータ信号を印加する期間dwpとスキャン信号がローレベル電圧Lである期間spとを除いた時間の間サンプリングされた感知信号を使用することによって、タッチ電極と寄生キャパシタンスを形成することができるデータ線およびスキャン線に印加される信号によってノイズが発生した感知信号をタッチ情報として使用しないので、SNRを向上させることができる効果がある。
他の実施形態によれば、第2サブ期間T22内の1水平期間(1H)内で、期間dwpおよび期間sp以外の期間で、第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mから感知信号を受信し、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信する。
1水平期間(1H)内で、データ線にデータ信号を印加する期間dwpとスキャン信号がローレベル電圧Lである期間spとを除いた時間の間感知信号をサンプリングすることによって、タッチ電極と寄生キャパシタンスを形成することができるデータ線およびスキャン線に印加される信号に応じた感知信号のノイズを防止できる効果がある。
さらに、少なくとも1つの時点s10、s11、s12、s13は、第2サブ期間T22内の1水平期間(1H)内で発光制御信号E[a]がローレベル電圧Lに変更される時点t31を除いた期間内にある。
つまり、1水平期間(1H)内で、発光制御信号E[a]がローレベル電圧Lに変更される時点t31を除いた期間にサンプリングされた感知信号を使用するか、または1水平期間(1H)内で、発光制御信号E[a]がローレベル電圧Lに変更される時点t31を除いた期間の間感知信号をサンプリングすることによって、タッチ電極と寄生キャパシタンスを形成することができる発光制御線に印加される信号に応じた感知信号のノイズを防止できる効果がある。
次に、図135を参照して、ループコイル264とタッチ電極111、121の間の電磁気的結合による感知ノイズを減少させるための、一実施形態による電子デバイスの制御方法を説明する。
図135は、一実施形態による電子デバイスの制御方法を示すフローチャートである。
第1区間で、コイルドライバー263は、ループコイル264に駆動信号を印加する(S110)。スタイラスペン10の共振回路部12は駆動信号に共振する。共振信号によって生成される電磁気的信号が導電性チップ11を通じてタッチセンサー261に伝達される。
第1区間後の第2区間で、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は複数の第1タッチ電極111-1~111-nから伝達される感知信号と、複数の第2タッチ電極121-1~121-mから伝達される感知信号を受信する(S120)。第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は受信された感知信号を処理してタッチコントローラー2624に伝達することができる。タッチコントローラー2624は、伝達された感知信号を用いてスタイラスペン10のタッチが発生した地点のタッチ座標情報を取得することができる。
本発明に係る電子デバイスおよびその制御方法によれば、ループコイル264を駆動する区間とタッチ電極111、121を通じて感知信号を受信する区間とを区分して、ループコイル264とタッチ電極111、121の間の電磁気的結合によるノイズを減少させる効果がある。これに関連して、図136を共に参照してノイズについて説明する。
図136は、一実施形態による電子デバイスのタッチパネルとループコイルの配置形態を示す図である。
アンテナループ241とタッチ電極層21は互いに電磁気的に影響を及ぼす。例えば、タッチ電極層21に位置したタッチ電極111、121は、アンテナループ241と容量性結合Caを形成することができる。したがって、アンテナループ241に所定の周波数の駆動信号DSが印加されると、タッチ電極111、121によって感知される感知信号にノイズが発生する可能性がある。また、アンテナループ241に電流が流れて磁場Mcが生成されると、電磁誘導によってタッチ電極111、121によって感知される感知信号にノイズが発生する可能性がある。
このようなタッチ検出方法を図137および図138を参照して一緒に説明する。
図137は、一実施形態によりコイルドライバーがループコイルに印加される駆動信号とスタイラスペンの共振信号を示す図であり、図138は、他の実施形態によりコイルドライバーがループコイルに印加される駆動信号とスタイラスペンの共振信号を示す図である。
図137を参照すると、第1サブ期間T21の間コイルドライバー263は駆動信号D_264をループコイル264に印加する。駆動信号D_264は、ハイレベルIHとロー(low)レベルILで発振する電流であって、共振回路部12の共振周波数と類似した周波数を有する。第1サブ期間T21で、駆動信号D_264が印加される時間に応じて共振回路部12で生成される共振信号の大きさは増加する。そして、一定時間が経過した後、共振信号の大きさは飽和状態にある。第1サブ期間T21で、複数の第1タッチ電極111-1~111-nと複数の第2タッチ電極121-1~121-mからの感知信号の受信は行われない。
第1サブ期間T21が終了した後、第2サブ期間T22の間コイルドライバー263は駆動信号D_264をループコイル264に印加しない。第2サブ期間T22の間第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622はタッチ電極111、121から感知信号を受信する。
第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は駆動信号D_264が印加されない第2サブ期間T22でスタイラスペン10から出力される信号を感知信号として受信できる。タッチコントローラー2624は、第2サブ期間T22で受信された感知信号を通じて、タッチセンサー261でのタッチ位置とタッチ客体の種類を決定することができる。一実施形態による電子デバイスおよびその制御方法によれば、第2サブ期間T22で複数の第1タッチ電極111-1~111-nと複数の第2タッチ電極121-1~121-m全てを通じて感知信号を受信するので、互いに交差する2つの軸によるタッチ座標を速い時間内に取得することができる長所がある。
図138を参照すると、第1サブ期間T21の間コイルドライバー263は駆動信号D_264をループコイル264に印加する。第1サブ期間T21で、駆動信号D_264が印加される時間に応じて共振回路部12で生成される共振信号の大きさは増加する。そして、一定時間が経過した後、共振信号の大きさは飽和状態にある。第1サブ期間T21で、複数の第1タッチ電極111-1~111-nと複数の第2タッチ電極121-1~121-mからの感知信号の受信は行われない。
第1サブ期間T21が終了した後、第2サブ期間T22の間コイルドライバー263は、第1サブ期間T21とは異なる駆動信号D_264をループコイル264に印加する。第2サブ期間T22の間第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622はタッチ電極111、121から感知信号を受信する。
第1サブ期間T21から出力される駆動信号D_264のデューティ比(繰り返される1つの周期P内でイネーブルレベル区間に対するディセーブルレベル区間の比)が1:1であれば、第2サブ期間T22から出力される駆動信号D_264は、デューティ比がa:2b+1、a:2b+2、a:2b+3、a:2b+4、a:(3b+1)、a:2(b+3)+1、a:2(b+3)、a:(2b+1)...などを有し得る。ここで、aおよびbは整数である。第2サブ期間T22から出力される駆動信号D_264の1つの周期Pに対応する期間は、イネーブルレベル区間とディセーブルレベル区間が少なくともn回繰り返される区間と、ディセーブルレベル区間が少なくとも2n回維持される区間とを含み得る。イネーブルレベル区間は、駆動信号がイネーブルレベルIHを有する区間に対応し、ディセーブルレベル区間は、駆動信号がディセーブルレベルILを有する区間に対応する。前記駆動信号のデューティ比は一例に過ぎず、所定レベルに到達したスタイラスペン10の共振信号を有効レベルに維持し得る全ての比を含み得る。
第1サブ期間T21での駆動信号D_264によって所定レベルに到達したスタイラスペン10の共振信号が、第2サブ期間T22での駆動信号D_264によって有効レベルに維持することができる。ここで、有効レベルは、タッチコントローラー262がスタイラスペン10の共振信号をタッチ信号として感知可能なレベルまたはスタイラスペン10の電力ストレージ14またはバッテリー50に作動可能な電力を保存できるレベルを意味する。
第2サブ期間T22での駆動信号D_264は、第1サブ期間T21での駆動信号D_264で少なくとも1つのパルスが周期的に省略された信号であり得る。上述のように、第2サブ期間T22での駆動信号D_264は、第1サブ期間T21での駆動信号D_264に比べて少なくとも1つのパルスが周期的に省略された形態で出力されるので、第1サブ期間T21での駆動信号D_264と第2サブ期間T22での駆動信号D_264はパルス速度が互いに異なる。つまり、第2サブ期間T22での駆動信号D_264は、第1サブ期間T21での駆動信号D_264に比べてパルス速度が低いことがある。ここで、パルス速度は、単位時間(例えば1秒)当たりに出力されるパルス数であり得る。
第2サブ期間T22で駆動信号D_264のスキップされるパルスの個数が少ないほどループコイル264からスタイラスペン10に伝達されるエネルギーが増加し得る。したがって、第2サブ期間T22で駆動信号D_264のスキップされるパルスの個数が少ないほど、第2サブ期間T22で発生する共振信号の信号レベルが増加することになる。また、第2サブ期間T22で駆動信号D_264のスキップされるパルスの個数が多いほど、駆動信号D_264の出力のために消耗するエネルギーが減少することができる。したがって、第2サブ期間T22で駆動信号D_264のスキップされるパルスの個数が多いほど、ループコイル264によって第2サブ期間T22で消耗するエネルギーが減少する。
第2区間の間、駆動信号D_264のパルスがスキップされた期間Ts1、...、ts6にタッチ電極111、121から感知信号が受信される。例えば、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は複数の第1タッチ電極111-1~111-nと複数の第2タッチ電極121-1~121-mのうちの少なくとも1つのタッチ電極から感知信号を受信できる。
このとき、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は複数の第1タッチ電極111-1~111-nのうちの少なくとも1つの第1タッチ電極と複数の第2タッチ電極121-1~121-mのうちの少なくとも1つのタッチ電極を通じて同時に感知信号を受信できる。これにより、一実施形態による電子デバイスおよびその制御方法は互いに交差する2つの軸によるタッチ座標を速い時間内に取得できる効果がある。
上記で説明した通り、一実施形態による電子デバイスおよびその制御方法はループコイル264に駆動信号を印加しない期間の間タッチ電極から感知信号を受信して、駆動信号によって発生し得る感知信号のノイズを減少させることができ、タッチ入力の感度を向上させることができる長所がある。
第1サブ期間T21と第2サブ期間T22での駆動信号波形は、図119~図124の駆動信号波形と同様であるので、その説明は省略する。第1サブ期間T21は図119~図124の初期区間に対応し、第2サブ期間T22は図119~図124の有効区間に対応する。
次に、図139を参照して、ノイズがタッチ感知に影響を及ぼす現像について説明する。
図139は、タッチセンサーのタッチ感知性能に対するノイズの影響を説明するための図面であって、スタイラスペン10の共振のためにループコイル264に印加される駆動信号と周波数が同一、または2倍、3倍の周波数を有するノイズ信号が発生する場合を示す。
図139を参照すると、タッチセンサー261では感知信号の信号の大きさ、つまり、振幅(amplitude)を取得するために、駆動信号の周波数のn倍、例えば、4倍の周波数を有するクロック信号に同期化されて複数のサンプリング地点s0~s7で感知信号の信号値をサンプリングする。そして、サンプリングされた信号値のうちの少なくとも一部を使用して感知信号の信号の大きさ(振幅)を取得する。図139を例に挙げると、s0地点でサンプリングされた信号値(1)と、s2地点でサンプリングされた信号値(-1)との間の差分値(ΔI)を利用して感知信号の信号の大きさを取得する。
図139に示すように、スタイラスペン10によってタッチパネル261がタッチされた場合、タッチされたタッチ電極から出力される感知信号の振幅(ΔI)は2となる。
これと同様に、駆動信号の周波数f1と同じ周波数を有するノイズ信号1もまたサンプリング時点s0でサンプリングされた信号値が1であり、サンプリング時点s2でサンプリングされた信号値が-1であり、2つの値間の差分値(ΔI)もまた2となる。また、駆動信号の周波数f1の3倍である周波数を有するノイズ信号3は、サンプリング時点s0でサンプリングされた信号値が-1であり、サンプリング時点s2でサンプリングされた信号値が1であり、2つの値間の差分値(ΔI)が-2となる。
したがって、ノイズ信号1またはノイズ信号3が駆動信号に時間的に同期化されて発生する場合、ノイズ信号1またはノイズ信号3の信号値が感知信号の振幅を取得することに影響を及ぼすことになり、これはタッチ感知性能を低下させる要因として作用することができる。
したがって、後述する実施例ではこのような問題を解決するために、図113の第2区間T2でループコイル264に出力される駆動信号が互いに位相の異なる2種類の駆動信号を含むようにし、感知信号の振幅を取得する過程で対応する駆動信号の位相に応じて互いに異なるコードを適用することによって、感知信号からノイズ信号の影響を除去する。
以下、図140および図141を参照して、タッチ検出方法についてより詳しく説明する。
図140は、実施形態によるタッチ検出方法を示すフローチャートであり、図141は、図140のタッチ検出方法でノイズをフィルタリングする方法を説明するための図である。
図140を参照すると、タッチセンサー261のタッチコントローラー262は、タッチセンサー261がスタイラスペン10のタッチを感知するためのタッチ駆動モードに進入することによって(S20)、スタイラスペン10の共振信号を発生させるための駆動信号をループコイル264に出力するようにコイルドライバー263を制御する。
これにより、コイルドライバー263は、スタイラスペン10の共振周波数と類似した周波数を有し、互いに位相の異なる第1および第2駆動信号のうちの1つをループコイル264に印加する(S21)。つまり、コイルドライバー263は、定められた順序またはパターンにより互いに位相が異なる、つまり、互いに位相が逆である第1および第2駆動信号のうちの1つを選択して、所定区間(図142の第1サブ期間T21参照)の間コイルドライバー263に出力する。
また、タッチコントローラー262は、タッチセンサー261から感知信号を受信する(S22)。例えば、前記S21段階での駆動信号の印加が終了した後、所定区間(図142の第2サブ期間T22参照)で、タッチコントローラー262はタッチセンサー261から感知信号を受信できる。このとき、タッチコントローラー262は、各タッチ電極から受信された感知信号を(差動)増幅し、デジタル信号である感知データに変換する。
ここで、感知データは、タッチコントローラー262のADC部(図示せず)を通じて感知信号の信号値をサンプリングしたデータである。図141を例に挙げると、タッチコントローラー262のADC部は駆動信号の周波数f1のn倍、例えば、4倍の周波数(4・f1)を有するクロック信号に同期化されて複数の時点s0~s3、s10~s13で感知信号をサンプリングすることができる。本発明での少なくとも1つのサンプリング時点s0~s3、s10~s13は、駆動信号の周波数に関連して周期的に設定できる任意のタイミングであり得る。
タッチコントローラー262は、各タッチ電極から受信された感知信号に対応する感知データが取得されると、これらを使用して各感知信号の信号の大きさ、つまり、振幅を取得する(S23)。
図141を例に挙げると、タッチコントローラー262はサンプリングされた信号値のうちの少なくとも一部を用いて対応する感知信号の信号の大きさ、つまり、振幅を算出する。例えば、タッチコントローラー262は、サンプリング時点s0およびs2でサンプリングされた信号値間の差と、サンプリング時点s4およびs6でサンプリングされた信号値間の差を利用して感知信号の信号の大きさを算出する。これにより、正位相の駆動信号に応答して受信された感知信号の振幅は、s0時点でサンプリングされた信号値1と、s2時点でサンプリングされた信号値-1との差分値である+2となる。これに対して、逆位相の駆動信号に応答して受信された感知信号の振幅は、s4時点でサンプリングされた信号値-1と、s6時点でサンプリングされた信号値1との差分値である-2となる。
コイルドライバー263は、ループコイル264に駆動信号を印加し(S220)、これに対応してタッチセンサー261から感知信号を受信して(S230)、感知信号の信号の大きさを取得する(S240)動作をN回繰り返して行う(S250)。つまり、タッチセンサー261が駆動される第2区間T2の間、駆動信号が印加される第1サブ期間T21と感知信号を受信する第2サブ期間T22との組み合わせがN回(例えば、8回)にわたって繰り返される。
前記段階S220~段階S240をN回繰り返した後、タッチコントローラー262は、下記の数式5によって各感知信号の最終の信号の大きさ、つまり、最終振幅を取得する(S260)。
[数式5]
上記式5中、iは前記段階S21~段階S23が行われた回数に対応して、ΔIiはi番目に行われた前記S21段階~段階S23によって取得された信号振幅を意味し、「# of samples」は、一回のタッチ駆動モードが行われる間感知信号から信号振幅が取得された回数(サンプリング回数)、つまり、前記S220段階~S240段階が行われた回数に対応する。
上記式5を参照すると、各タッチ電極に対応する感知信号の最終信号の大きさ(signal amplitude)は、タッチ駆動モードが行われる間何回かにわたって駆動信号を印加し取得した感知信号の振幅(ΔI
i)にそれぞれ対応するコード(code)を掛け合わせた値(
)を、サンプリング回数に分けて(# of samples)平均を求めた値に対応する。ここで、コード(code)は、絶対値が同じで、符号が互いに異なる第1値と第2値のうちの1つの値を有する。例えば、コードは1と-1のうちの1つの値を有し、対応する駆動信号の位相に応じて異にして適用することができる。図141を例に挙げると、正位相の駆動信号(第1駆動信号)をループコイル264に印加して取得した感知信号の信号の大きさにはコード1が掛けられ、逆位相の駆動信号(第2駆動信号)をループコイル264に印加して取得した感知信号の信号の大きさにはコード-1が掛けられる。
上述した方法により、各タッチ電極に対応する感知信号の最終信号の大きさが取得されると、タッチコントローラー262は、これを定められた臨界値と比較して感知信号のうちの有効タッチ信号を検出する。そして、有効タッチ信号が検出されたタッチ電極に対応してスタイラスペン10のタッチ座標などを含む第2タッチデータを取得する(S26)。
スタイラスペン10から発生する共振信号は、ループコイル264に印加される駆動信号の位相に対応して位相が異なる。したがって、スタイラスペン10の共振信号を感知して出力するループコイル264の感知信号もまた、ループコイル264に印加される駆動信号の位相に対応してその位相が異なる。
図141を例に挙げると、正位相の駆動信号が印加されて発生した感知信号と、逆位相の駆動信号が印加されて発生した感知信号は位相が互いに異なるように現れる。したがって、正位相の駆動信号を印加して受信された感知信号の振幅(例えば、サンプリング時点s0およびs2でサンプリングされた感知データ間の差分値(ΔI))は+2となり、逆位相の駆動信号を印加して受信された感知信号の振幅(例えば、サンプリング時点s4およびs6でサンプリングされた感知データ間の差分値(ΔI))は-2となる。このように取得された振幅値を上記式5に代入すると、振幅値間の相殺によって最終信号の大きさの値が小さくなる。つまり、正位相の駆動信号が印加されて発生した感知信号の振幅値が+2であり、逆位相の駆動信号が印加されて発生した感知信号の振幅値が-2であるので、コードを適用しない場合取得される最終信号の大きさは(2+(-2))/2=0となる。
したがって、タッチコントローラー262は、正位相の駆動信号が印加されて取得された感知信号の振幅にはコード1を掛け、逆位相の駆動信号が印加されて取得された感知信号の振幅にはコード-1を掛けることによって、振幅値間に相殺が発生することを防止する。つまり、駆動信号の位相に応じたコードを適用する場合感知信号の最終信号の大きさは、((2×1)+((-2)×(-1))/2=2となる。
一方、ノイズ信号は駆動信号に影響を受けない信号であるので、図139に示すように、駆動信号の位相変化に関係なく位相が維持される。したがって、ノイズ信号の信号の大きさを上記式5に代入して取得する場合、コードが掛けられた振幅値間の相殺が行われる。ノイズ信号1を例に挙げると、上記式5によって得られる最終信号の大きさは、((2×1)+((2×(-1))/2=0となり、フィルタリングされることができる。また、ノイズ信号3を例に挙げると、上記式5によって得られる最終信号の大きさは、((-2)×1)+((-2)×(-1))/2=0となり、フィルタリングされることができる。
一方、図141においては正位相の駆動信号と逆位相の駆動信号が連続的にループコイル264に印加されるように示したが、これは説明の便宜のためであって、1つの第1サブ期間T21では正位相の駆動信号と逆位相の駆動信号のうちのいずれか1つのみがタッチパネルに印加される。したがって、実際、正位相の駆動信号と逆位相の駆動信号が印加される区間内では少なくとも1つの第2サブ期間T21が配置される。
タッチセンサー261がタッチ駆動モードで駆動する間の位相が互いに異なる第1駆動信号が出力される区間および第2駆動信号が出力される区間の配列は多様に変形が可能である。
以下、図142および図145を参照して、駆動する間位相が互いに異なる第1および第2駆動信号が出力される実施形態について説明する。
図142~図145は、タッチセンサーが位相が互いに異なる第1および第2駆動信号を出力する例を示す波形図である。
図142~図144を参照すると、1フレーム区間は、タッチセンサー261が第1タッチ駆動モードで駆動する第1区間T1と、第2タッチ駆動モードで駆動する第2区間T2とに区分され、現在フレーム区間の第2区間T2が終了すると、次のフレーム区間の第1区間T1が開始される。
1フレーム区間内でタッチセンサー261が第2タッチ駆動モードで駆動する第2区間T2は、駆動信号が印加される第1サブ期間T21と第1サブ期間T21に続き駆動信号が印加されない第2サブ期間T22の組み合わせを複数(例えば、8回)含む。また、1つの第2区間T2には第1駆動信号が印加される第1サブ期間T21と第2駆動信号が印加される第1サブ期間T21が少なくとも1回含まれる。
図142を参照すると、コイルドライバー263は、正位相の第1駆動信号と逆位相の第2駆動信号を所定の周期により(例えば、第1サブ期間T21ごとに)交互に印加することができる。この場合、第2区間T2に含まれている第1サブ期間T21中の第1駆動信号が印加される区間の回数と、第2駆動信号が印加される区間の回数が互いに同一である。
一方、1つの第2区間T2内で第1駆動信号が印加される第1サブ期間T21は少なくとも2回連続され得る。これと同様に、1つの第2区間T2内で第2駆動信号が印加される第1サブ期間T21もまた、少なくとも2つ連続され得る。図144を例に挙げると、1つの第2区間T2内で初期4個の第1サブ期間T21では第1駆動信号が連続的に印加され、続く4個の第1サブ期間T21では第2駆動信号が連続的に印加される。図144ではまた、1つの第2区間T2内で第1駆動信号が印加される第1サブ期間T21が連続する回数(4回)と、第2駆動信号が印加される第1サブ期間T21が連続する回数(4回)が互いに同一である。
図145によれば、コイルドライバー263によって正位相の第1駆動信号と逆位相の第2駆動信号が印加されるパターンは不規則かつ非周期的であり得る。図144を参照すると、1つの第2区間T2に含まれている第1サブ期間T21中の第1駆動信号が印加される区間の回数と、第2駆動信号が印加される区間の回数が互いに異なる。また、1つの第2区間T2内で第1駆動信号が印加される第1サブ期間T21が連続する回数と、第2駆動信号が印加される第1サブ期間T21が連続する回数もまた互いに異なる。
一方、上記では駆動信号の位相変化が第1サブ期間T21単位で発生する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施形態によれば、駆動信号の位相変化は第2区間T2単位で発生することもある。図145を例に挙げると、最初のフレーム区間の第2区間T2内では正位相の第1駆動信号がループコイル264に印加され、2番目のフレーム区間の第2区間T2内では逆位相の第2駆動信号がループコイル264に印加される。この場合、タッチセンサー261は上記式5に基づいてフレーム区間ごとに第2区間T2でタッチセンサー261から受信された感知信号から感知信号の最終信号の大きさを取得し、これを用いて第2タッチデータを取得することができる。また、タッチセンサー261は、上記式5に基づいて最初のフレーム区間の第2区間T2でタッチセンサー261から受信された感知信号と2番目のフレーム区間の第2区間T2でタッチセンサー261から受信された感知信号から感知信号の最終信号の大きさを取得し、これに基づいて第2タッチデータを取得することもできる。
前記実施形態によれば、スタイラスペンの共振信号に類似した周波数帯域のノイズ環境でも感知信号に対するノイズ信号の影響を最小化することができ、スタイラスペンによるタッチ感知性能を向上させることができる長所がある。
一方、タッチセンサー261には多様な理由でノイズが存在し、このようなノイズはタッチセンサー261の感知性能を低下させる要因として作用することができる。特に、スタイラスペン10の場合スタイラスペン10の共振周波数と類似した周波数帯域のノイズが存在する場合、タッチ感知の精度が低くなる。
次に、図146を参照して、スタイラスペン10から信号を受信するタッチセンサー261について説明する。
図146は、スタイラスペンと感知信号を受信するタッチセンサーを示す等価回路図である。
図146の(a)に示すように、共振回路部12の共振信号RSは、キャパシタンスCxを通じて第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622のうちの少なくとも1つに伝達される。第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622のうちの少なくとも1つは増幅部2626を含む。
増幅部2626の第1電源入力端には第1電圧Vccが印加され、第2電源入力端には第2電圧GNDが印加される。増幅部2626は、2つの入力端のうちの少なくとも1つに入力される共振信号RSを第1電圧Vccと第2電圧GNDの電圧差を使用して増幅または差動増幅して出力することができる。
図146の(b)に示すように、ノイズNS1がタッチセンサー261の外部から流入するか、またはノイズNS2が増幅部2626の第2電源入力端として流入することができる。このとき、駆動信号によって生成された共振信号RSは駆動信号と同じであるか、または非常に類似した周波数を有する。そして、ノイズNS1、NS2は共振信号RSと同一であるか、または類似した周波数を有する。
共振信号RSが伝達される増幅部2626の入力端にノイズNS1が伝達されるか、共振信号RSが伝達されない増幅部2626の入力端にノイズNS1が伝達されるか、または増幅部2626の2つの入力端に全てノイズNS1がそれぞれ異なる大きさで伝達され得る。したがって、増幅部2626から出力される信号はノイズを有することになる問題がある。
また、増幅部2626に第2電源入力端にノイズNS2が伝達される。増幅部2626は第1電圧VccとノイズNS2の電圧差を使用して共振信号RSを増幅または差動増幅するので、増幅部2626から出力される信号はノイズを有することになる問題がある。
上記で説明した通り、駆動信号(または共振信号RS)と類似したノイズNS1、NS2がタッチセンサー261に入力されると、タッチセンサー261はスタイラスペン10によるタッチ入力を正確に検出しにくい。アクティブスタイラスペンの場合、ノイズNS1、NS2がタッチセンサー261に流入するとき、アクティブスタイラスペンで送信する信号の周波数を変更する周波数ホッピング方式でノイズを回避したが、パッシブスタイラスペンの場合タッチセンサー261からの駆動信号DSによる応答を感知信号としてタッチセンサー261に伝達するので、このような周波数ホッピング方式を実現することに困難があった。
本発明の一実施形態によるスタイラスペンについて、図147および図148を参照して説明する。
図147は、一実施形態によるスタイラスペンを示す概念図であり、図148は、異なる周波数を有する駆動信号にそれぞれ共振する共振回路を含むスタイラスペンを示す概念図である。
スタイラスペン10は、導電性チップ11、第1共振回路部12a、第2共振回路部12b、接地部18、およびハウジング19を含む。
導電性チップ11は、少なくとも一部が導電性物質(例えば、金属、導電性ゴム、導電性織物、導電性シリコーンなど)を含み、第1共振回路部12aに電気的に連結される。
第1および第2共振回路部12a、12bそれぞれはLC共振回路であって、導電性チップ11と接地部18との間で互いに直列に連結されている。
第1共振回路部12aと第2共振回路部12bの共振周波数は互いに異なる。第1共振回路部12aは導電性チップ11を通じて伝達された第1駆動信号に共振することができ、第2共振回路部12bは導電性チップ11を通じて伝達された第2駆動信号にそれぞれ共振することができる。
第1共振回路部12aと第2共振回路部12bそれぞれは、インダクタ(図148の(a)のL1、図148の(b)のL2)およびキャパシタ(図148の(a)のC1または図148の(b)のC2)を含み得る。インダクタL1は、第1フェライトコアおよび第1フェライトコアに巻線されたコイルを含み、インダクタL2は、第2フェライトコアおよび第2フェライトコアに巻線されたコイルを含み得る。ここで第1フェライトコアと第2フェライトコアは互いに別個のフェライトコアであって、ハウジング19内で所定の距離以上離隔している。フェライトコアは製造過程で変形または歪みが生じやすいので、より短い長さのフェライトコアを製造することが容易である。本実施形態のスタイラスペン10によれば、1つのフェライトコアではなく、分離されたフェライトコアを使用することで、スタイラスペン10の製造コストを減らすことができ、スタイラスペン10の製作が容易な効果が得られる。
第1共振回路部12aと第2共振回路部12bによって、スタイラスペン10は伝達される時間に応じて周波数が変化する電磁信号に応答して、時間に応じて周波数が変化する共振信号を出力する。例えば、電磁信号は時間に応じて第1駆動周波数を有する第1駆動信号から第1駆動周波数よりさらに高い第2駆動周波数を有する第2駆動信号に変化するか、または第2駆動信号から第1駆動信号に変化し、これに応答してスタイラスペン10から出力される共振信号の周波数も変化する。
図148の(a)を共に参照すると、ループコイル264に第1駆動信号DS1が印加されると、第1共振回路部12aに含まれているインダクタL1およびキャパシタC1は第2共振回路部12bに含まれているインダクタL2およびキャパシタC2に比べて非常に大きなインピーダンスを有するので、第2共振回路部12bと接地部18との間は短絡状態と同様である。実質的に共振が起こる場合、LC並列回路のリアクタンスXL=jwL、XC=1/jwCは互いに大きさは同一であり、符号が反対であるので(XL*XC)/(XL+XC)によって無限大のインピーダンスが示されるが、寄生抵抗、キャパシタンスなどによって有限のインピーダンスを示す。発明者らのシミュレーション結果、共振時のLC並列回路は1~2Mohm以内のインピーダンスを有することに比べて、共振していないLC並列回路は平均10ohm程度のインピーダンスを有するものと測定された。したがって、第1共振回路部12aによって共振された共振信号RS1が出力される。
同様に、図148の(b)を共に参照すると、ループコイル264に第2駆動信号DS2が印加されると、第2共振回路部12bに含まれているインダクタL2およびキャパシタC2は第1共振回路部12aに含まれているインダクタL1およびキャパシタC1に比べて非常に大きなインピーダンスを有するので、第1共振回路部12aと導電性チップ11との間は短絡状態と同様である。したがって、第2共振回路部12bによって共振された共振信号RS2が出力される。
共振信号RS1、RS2は導電性チップ11を通じてタッチセンサー261に出力される。ループコイル264に駆動信号が印加される区間およびそれ以後の区間で、共振信号RS1、RS2が導電性チップ11に伝達される。第1共振回路部12aおよび第2共振回路部12bはハウジング19内に位置し、接地部18に電気的に連結される。
このような方式のスタイラスペン10は、ループコイル264に印加される駆動信号DS1、DS2に応答して共振信号RS1、RS2を発生させることでタッチ入力を発生させることができる。
タッチ電極111-1~111-m、121-1~121-nのうちの少なくとも1つとスタイラスペン10の導電性チップ11によってキャパシタンスCxが形成される。タッチ電極111-1~111-m、121-1~121-nのうちの少なくとも1つと導電性チップ11の間のキャパシタンスCxを通じて、共振信号RS1、RS2がタッチセンサー261側に伝達される。
次に、図149および図150を参照して、前記スタイラスペン10を使用する電子デバイス2の制御方法の一実施形態を説明する。
図149は、一実施形態による電子デバイスの制御方法を示すフローチャートであり、図150は、図149の電子デバイスの制御方法による駆動信号および共振信号の一例を示す波形図である。
図149を参照すると、1つのタッチレポートフレーム期間の初期区間で、タッチセンサー261は第1サンプリング周波数でノイズをサンプリングする(S310)。
本実施形態で、タッチレポートレート(touch report rate)による1つのタッチレポートフレーム期間は、初期区間、n個の第1区間、およびn個の第2区間を含み得る。タッチレポートレートは、タッチセンサー261がタッチ電極を駆動して取得されたタッチデータをレポーティングする外部のホストシステムから出力する速度または周波数(Hz)を意味する。第1区間と第2区間は互いに交番する。つまり、連続する2つの第1区間の間には第2区間が存在する。初期区間が終了した後、第1区間が開始される。
上記で初期区間は、タッチレポートフレーム期間の初期期間であることを説明したが、ここで説明される初期区間は、少なくとも1回の第2区間が終了した後の期間であり得る。初期区間は、タッチデータをレポーティングする周期よりさらに小さい周期で繰り返されるか、またはタッチデータをレポーティングする周期以上の周期で繰り返されるが、これに限定されない。例えば、1つのタッチレポートフレーム期間内で初期区間が2回以上存在することがあり、または複数のタッチレポートフレーム期間内で初期区間が1回存在することもある。
第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622は、第1サンプリング周波数により周期的にサンプリングを行うことができる。
サンプリング周波数は、任意の駆動信号の周波数の所定倍数の周波数を有する。本発明での第1サンプリング周波数は、第1駆動信号の周波数に関連して設定できる周波数であり得る。
タッチセンサー261は、サンプリングされた信号を用いてノイズが受信されるかどうかを決定する(S320)。タッチセンサー261は、第1サンプリング周波数により周期的にサンプリングされた信号差を用いてノイズ信号が流入するかどうかを決定することができる。例えば、タッチセンサー261は、初期区間の間サンプリングされた信号の大きさの差が所定の大きさ以上であればノイズ信号がタッチセンサー261に流入すると決定する。
初期区間でノイズ信号が受信されると決定されると、タッチセンサー261は第1区間で、第2駆動周波数で駆動する(S330)。
例えば、第1区間で、コイル駆動部263はループコイル264に第2駆動信号を印加する。
第2区間で、タッチセンサー261は感知信号を受信する(S340)。タッチセンサー261は第2サンプリング周波数で感知信号をサンプリングすることができる。例えば、第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622は、第2サンプリング周波数により周期的にサンプリングを行うことができる。本発明での第2サンプリング周波数は、第2駆動信号の周波数に関連して設定できる周波数であり得る。
制御部2624は、第2サンプリング周波数により周期的にサンプリングされた感知信号を用いてタッチ座標、タッチ強さなどを示すタッチ情報を生成することができる。
このとき、制御部2624は、2つのサンプリング時点でサンプリングされた信号値の差分値を用いて感知信号の信号の大きさ、つまり、振幅(amplitude)を取得することができる。制御部2624は、感知信号の信号の大きさによりタッチの要否、タッチ座標などを決定することができる。
初期区間でノイズが受信されないと決定されると、タッチセンサー261は第1区間で、第1駆動周波数で駆動する(S332)。
例えば、第1区間で、コイル駆動部263はループコイル264に第1駆動周波数を有する第1駆動信号を同時に印加する。
タッチセンサー261は第2区間で、感知信号を受信する(S342)。タッチセンサー261は、第1サンプリング周波数で感知信号をサンプリングすることができる。例えば、第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622は第1サンプリング周波数により周期的にサンプリングを行うことができる。
次の1つのタッチレポートフレーム期間の初期期間で、タッチセンサー261は第2サンプリング周波数でノイズをサンプリングする(S350)。例えば、第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622は、第2サンプリング周波数により周期的にサンプリングを行うことができる。
タッチセンサー261はサンプリングされた信号を用いてノイズが受信されるかどうかを決定する(S360)。タッチセンサー261は、第2サンプリング周波数により周期的にサンプリングされた信号差を用いてノイズが流入するかどうかを決定することができる。同様に、タッチセンサー261は、初期区間の間サンプリングされた信号の大きさの差が所定の大きさ以上であればノイズ信号がタッチセンサー261に流入すると決定する。
初期区間でノイズが受信されると決定されると、タッチセンサー261は第1区間で、第1駆動周波数で駆動する(S370)。
第2区間で、タッチセンサー261は感知信号を受信する(S380)。タッチセンサー261は、第1サンプリング周波数で感知信号をサンプリングすることができる。例えば、第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622は、第1サンプリング周波数により周期的にサンプリングを行うことができる。
初期区間でノイズが受信されないと決定されると、タッチセンサー261は第1区間で、第2駆動周波数で駆動し(S372)、タッチセンサー261は第2区間で、感知信号を受信する(S382)。
次に、図150をさらに参照して、タッチセンサーの制御方法について具体的に説明する。
タッチレポートフレーム期間F1内の初期期間T10で、第1駆動信号の周波数に対応して、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は感知信号をサンプリングすることができる。
例えば、第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は、所定の周波数を有するクロック信号によって少なくとも1つのサンプリング時点で感知信号をサンプリングすることができる。このとき、感知信号をサンプリングするためのクロック信号は、第1駆動信号の周波数の4倍の周波数を有し得る。
初期区間でノイズが受信されないと決定されると、初期区間T10以後の第1区間T11で、コイル駆動部263はループコイル264に第1駆動信号を印加する。
第1区間T11で、ループコイル264に印加される第1駆動信号の周波数は、スタイラスペン10の第1共振回路部12aの共振周波数に対応する。
第2区間T12で、第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mから感知信号を受信し、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信する。
第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は所定の周波数を有するクロック信号によって少なくとも1つのサンプリング時点で感知信号をサンプリングすることができる。このとき、感知信号をサンプリングするためのクロック信号は、第1区間T11で印加された第1駆動信号の周波数の4倍の周波数を有し得る。
第1駆動信号の印加が終了した後にも、第2区間T12でスタイラスペン10の第1共振回路部12aによって出力される共振信号は、複数の第1タッチ電極111-1~111-mおよび複数の第2タッチ電極121-1~121-nのうちの少なくとも1つによって受信される。
タッチレポートフレーム期間F1は、第1区間T11と第2区間T12を複数で含む。例えば、タッチレポートフレーム期間F1内で、第1区間T11と第2区間T12との組み合わせが8回繰り返される。
タッチレポートフレーム期間F2内の初期期間T20で、第1駆動信号の周波数に対応して第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は感知信号をサンプリングすることができる。このとき、サンプリング周波数はタッチレポートフレーム期間F1内の第1期間t11で印加される駆動信号の周波数に対応する。
初期区間でノイズが受信されると決定されると、初期区間T20以後の第1区間T21で、コイル駆動部263はループコイル264に第2駆動信号を印加する。
第1区間T21で、ループコイル264に印加される第2駆動信号の周波数は、スタイラスペン10の第2共振回路部12bの共振周波数に対応する。
第2区間T22で、第1駆動/受信部2620は複数の第1タッチ電極111-1~111-mから感知信号を受信し、第2駆動/受信部2622は複数の第2タッチ電極121-1~121-nから感知信号を受信する。
第1駆動/受信部2620と第2駆動/受信部2622は所定の周波数を有するクロック信号によって少なくとも1つのサンプリング時点で感知信号をサンプリングすることができる。このとき、感知信号をサンプリングするためのクロック信号は、第1区間T21で印加された第2駆動信号の周波数の4倍の周波数を有し得る。
第2駆動信号の印加が終了した後にも、第2区間T22でスタイラスペン10の第2共振回路部12bによって出力される共振信号は、複数の第1タッチ電極111-1~111-mおよび複数の第2タッチ電極121-1~121-nのうちの少なくとも1つによって受信される。
タッチレポートフレーム期間F2は、第1区間T21と第2区間T22を複数で含む。例えば、タッチレポートフレーム期間F2内で、第1区間T21と第2区間T22との組み合わせが8回繰り返される。
前記電子デバイスの制御方法によれば、現在電子デバイスに印加されている外部ノイズと異なる周波数を有する駆動信号をタッチセンサー261に印加することによって、スタイラスペン10を共振させてノイズが減少した信号を受信できる効果がある。
次に、図151および図152を参照して前記スタイラスペン10を使用する電子デバイス2の制御方法の他の実施形態を説明する。
図151は、他の実施形態による電子デバイスの制御方法を示すフローチャートであり、図152は、図151の電子デバイスの制御方法による駆動信号を示す波形図である。
図151を参照すると、1つのタッチレポートフレーム期間のA個の第1区間で、タッチセンサー261は第1駆動周波数で駆動する(S410)。図149のタッチセンサーの制御方法に比べて、図151のタッチセンサーの制御方法は初期区間でのノイズサンプリングが行われない。
例えば、1つのタッチレポートフレーム期間内のA個の第1区間で、コイル駆動部263はループコイル264に第1駆動信号を印加する。
本実施形態で、タッチレポートレートによる1つのタッチレポートフレーム期間はn個の第1区間とn個の第2区間とを含み得る。第1区間と第2区間は互いに交番する。つまり、連続する2つの第1区間間には第2区間が存在する。A個の第1区間は、1つのタッチレポートフレーム期間に含まれている複数の第1区間のうちの少なくとも1つの第1区間(B個の第1区間)以外の第1区間を含み得る。つまり、n=A+B(ここで、A>0およびB>0)であり得る。
図151の制御方法で1つのタッチレポートフレーム期間の最初の第1区間はA個の第1区間に含まれる。1つのタッチレポートフレーム期間内でA個の第1区間の順序および配置は変更することができる。
1つのタッチレポートフレーム期間のA個の第2区間で、タッチセンサー261は感知信号を受信する(S420)。A個の第2区間は、A個の第1区間のすぐ次の第2区間を含む。
例えば、タッチセンサー261は、第1サンプリング周波数で感知信号をサンプリングすることができる。つまり、第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622は、第1サンプリング周波数により周期的にサンプリングを行うことができる。
制御部2624は、第1サンプリング周波数により周期的にサンプリングされた感知信号を用いてタッチ座標、タッチ強さなどを示すタッチ情報を生成することができる。
このとき、制御部2624は、2つのサンプリング時点でサンプリングされた信号値の差分値を用いて感知信号の信号の大きさ、つまり、振幅を取得することができる。制御部2624は、感知信号の信号の大きさによりタッチの要否、タッチ座標などを決定することができる。
1つのタッチレポートフレーム期間のB個の第1区間で、タッチセンサー261は第2駆動周波数で駆動する(S430)。
例えば、1つのタッチレポートフレーム期間内のB個の第1区間で、コイル駆動部263はループコイル264に第2駆動信号を同時に印加する。
1つのタッチレポートフレーム期間のB個の第2区間で、タッチセンサー261は感知信号を受信する(S440)。B個の第2区間は、B個の第1区間のすぐ次の第2区間を含む。
例えば、タッチセンサー261は、第2サンプリング周波数で感知信号をサンプリングすることができる。つまり、第1駆動/受信部2620および第2駆動/受信部2622は第2サンプリング周波数により周期的にサンプリングを行うことができる。
制御部2624は、第2サンプリング周波数により周期的にサンプリングされた感知信号を用いてタッチ座標、タッチ強さなどを示すタッチ情報を生成することができる。
このとき、制御部2624は、2つのサンプリング時点でサンプリングされた信号値の差分値を用いて感知信号の信号の大きさ、つまり、振幅を取得することができる。制御部2624は、感知信号の信号の大きさによりタッチの要否、タッチ座標などを決定することができる。
次に、タッチセンサー261は、A個の第2区間から受信された感知信号とB個の第2区間から受信された感知信号を用いてノイズ信号があるかどうかを決定し(S450)、ノイズ信号があると決定されると、制御部2624はノイズ信号の周波数を決定する(S460)。
例えば、制御部2624は、A個の第2区間のうちの1つの第2区間内の任意の2つのサンプリング時点でサンプリングされた信号値の差分値を用いて感知信号の信号の大きさ(第1の大きさと称する)を取得し、B個の第2区間のうちの1つの第2区間内の任意の2つのサンプリング時点でサンプリングされた信号値の差分値を用いて感知信号の信号の大きさ(第2の大きさと称する)を取得することができる。第1の大きさと第2の大きさとの差が臨界値以上であれば、制御部2624はノイズ信号があると決定することができる。第1の大きさが第2の大きさより臨界値以上よりも大きい場合、制御部2624は第2駆動信号の周波数と類似したノイズ信号が流入していると決定することができる。同様に、第2の大きさが第1の大きさより臨界値以上よりも大きい場合、制御部2624は第1駆動信号の周波数と類似したノイズ信号が流入していると決定することができる。
また、制御部2624は、それぞれの駆動信号によってスタイラスペン10から出力されて感知できる信号の大きさをメモリなどに予め貯蔵し、貯蔵された値よりもっと大きい信号が受信されると(つまり、第1の大きさがメモリに貯蔵された値より大きいか、または第2の大きさがメモリに貯蔵された値より大きい)、ノイズ信号が流入していると決定することができる。
つまり、制御部2624は、第1駆動信号によって第1共振回路部12aが共振されてタッチセンサー261によって受信された信号と第2駆動信号によって第2共振回路部12bが共振されてタッチセンサー261によって受信された信号とを比較して、外部から第1駆動信号の周波数と類似したノイズ信号または第2駆動信号の周波数と類似したノイズ信号が流入するかどうかを決定することができる。
ノイズ信号の周波数が第2駆動信号の周波数と類似した場合、タッチセンサー261は、タッチレポートフレーム期間内で第1駆動信号で駆動する第1区間の個数を増加させる(S470)。
そして、ノイズ信号の周波数が第1駆動信号の周波数と類似した場合、タッチセンサー261は、タッチレポートフレーム期間内で第2駆動信号で駆動する第1区間の個数を増加させる(S472)。
例えば、図152に示すように、最初のタッチレポートフレーム期間F1内で、4個の第1区間T11の間第1駆動信号f1を印加し、4個の第1区間T11の間第2駆動信号f2を印加し、流入されるノイズ信号の周波数が第2駆動信号の周波数と類似したものと決定された場合、制御部2624は、2番目のタッチレポートフレーム期間F2内で、6個の第1区間T21の間第1駆動信号f1を印加し、2個の第1区間T21の間第2駆動信号f2を印加することができる。このとき、制御部2624は、6個の第2区間T22の間受信される感知信号のみを用いてタッチ座標、タッチ強さなどを示すタッチ情報を生成することができる。
つまり、制御部2624は、A個の第2区間内でサンプリングされた信号のSNR(Signal-noise ratio)がB個の第2区間内でサンプリングされた信号のSNRよりも大きい場合、第1駆動信号で駆動する第1区間の個数を増加させ、B個の第2区間内でサンプリングされた信号のSNRがA個の第2区間内でサンプリングされた信号のSNRよりも大きいと、第2駆動信号で駆動する第1区間の個数を増加させる。
図152には、最初のタッチレポートフレーム期間F1内で、第1駆動信号f1を印加する第1区間T11と第2駆動信号f2を印加する第2区間T12とが互いに交番することを示されているが、第1駆動信号f1を印加する第1区間T11を4回持続した後、第2駆動信号f2を印加する第2区間T12を開始することができ、第1駆動信号f1を印加する第1区間T11と第2駆動信号f2を印加する第2区間T12の順序は本実施形態で限定されない。
制御部2624は2番目のタッチレポートフレーム期間F2内で、段階S410~段階S460を行い、ノイズ信号の有無とノイズ信号の周波数を再び決定することができる。
2番目のタッチレポートフレーム期間F2内で、流入されるノイズ信号の周波数が第2駆動信号の周波数と同様であると再び決定される場合、制御部2624は3番目のタッチレポートフレーム期間F3内で、7個の第1区間T31の間第1駆動信号f1を印加し、1個の第1区間T31の間第2駆動信号f2を印加することができる。
このとき、制御部2624は、7個の第2区間T32の間受信される感知信号のみを使用してタッチ座標、タッチ強さなどを示すタッチ情報を生成することができる。
前記タッチセンサーの制御方法によれば、現在タッチセンサーに印加されている外部ノイズを決定し、これと異なる周波数を有する駆動信号をタッチセンサー261に印加することによって、スタイラスペン10を共振させてノイズが減少した信号を受信できる効果がある。
実施形態によれば、タッチセンサー261はノイズ信号の有無を決定し、決定されたノイズ信号に対する情報を含むタッチデータをホスト装置に伝達することもできる。
次に、図153~図158を参照して、スタイラスペンと電子デバイスが信号を送受信する例を説明する。
図153~図158は、スタイラスペンと電子デバイスを示す概略的な回路図である。
図3の共振回路部12は、抵抗Rp、インダクタLp、およびキャパシタCpを含む等価回路または抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsを含む等価回路で表すことができる。
図153および図154に示すように、駆動信号を伝達する電源40によってループコイルL0が磁場を形成すると、スタイラスペン10のインダクタLpに電流が誘導され、共振回路部12が共振することができる。共振回路部12で共振された電圧は整流器13によって整流され、電力ストレージ14に貯蔵される。そうすると、電力ストレージ14に貯蔵された電力を使用してアクティブ回路部15を駆動することができる。
図155~図158に示すように、駆動信号を伝達する電源40によってループコイルと内部キャパシタが共振すると、スタイラスペン10の共振回路部12もループコイルと内部キャパシタと相互共振することができる。
図155は、ループコイルLdpと内部キャパシタCdpとが並列に連結され、共振回路部12の抵抗Rp、インダクタLp、およびキャパシタCpが並列に連結されている場合を示す図である。
図156は、ループコイルLdpと内部キャパシタCdpとが並列に連結され、共振回路部12の抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsが直列に連結されている場合を示す図である。
図157は、ループコイルLdsと内部キャパシタCdsとが直列に連結され、共振回路部12の抵抗Rp、インダクタLp、およびキャパシタCpが並列に連結されている場合を示す図である。
図158は、ループコイルLdsと内部キャパシタCdsとが直列に連結され、共振回路部12の抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsが直列に連結されている場合を示す図である。
次に、図159~図163を参照して、一実施形態によるスタイラスペン、電子デバイス、およびこれを含む入力システムについて説明する。
図159は、一実施形態によるスタイラスペンと電子デバイスの一部を示す図である。
以下、図153~図158で説明した構成要素と同一の構成要素については説明を省略する。
アクティブ回路部15は、DC/DCコンバータ150、バッテリー152、センサー154、および制御器156を含み得る。ここでDC/DCコンバータ150およびバッテリー152は設計によって含まれないこともある。
DC/DCコンバータ150は、電力ストレージ14に貯蔵された電力をブースティング(boosting)するか、またはダウンコンバーティング(down-converting)してバッテリー152に適切な充電電圧を供給することができる。アクティブ回路部15にバッテリー152が含まれていない場合、DC/DCコンバータ150は、コンバーティングされた電圧を制御器156の動作電圧として供給することができる。
バッテリー152はDC/DCコンバータ150で供給された電圧で充電し、充電された電圧を制御器156の動作電圧として供給することができる。アクティブ回路部15にDC/DCコンバータ150が含まれていない場合、バッテリー152は電力ストレージ14として機能する。
センサー154は、ペンチップ11の加圧に応じた圧力変化を取得するための筆圧センサー、スタイラスペン10の傾きの変化を取得するための加速度センサー(acceleration sensor)、機械式(mechanical)入力手段(またはメカニカルキー、例えば、スタイラスペン10の後面または側面に位置するボタン、ドームスイッチ(dome switch)、ジョグホイール、ジョグスイッチなど)、近接センサー(proximity sensor)、照度センサー(illumination sensor)、タッチセンサー(touch sensor)、磁気センサー(magnetic sensor)、ジャイロスコープセンサー(gyroscope sensor)、モーションセンサー(motion sensor)、RGBセンサー、赤外線センサー(IRセンサー:infrared sensor)、指紋認識センサー(finger scan sensor)、光センサー(optical sensor、例えばカメラ)、マイクロフォン(microphone)、バッテリーゲージ(battery gauge)、環境センサー(例えば、気圧計、湿度計、温度計、放射能感知センサー、熱感知センサー、ガス感知センサーなど)、化学センサー(例えば、電子鼻、ヘルスケアセンサー、生体認証センサーなど)のうちの少なくとも1つを含み得る。
制御器156は、スタイラスペン10の全般的な動作を制御する。
制御器156は、センサー154からの入力により共振信号の大きさを制御することによって、センサー入力を電子デバイス2側に伝達できる。制御器154は、センサーからの入力値によってスイッチSW0、SW1、SW2のオン/オフを制御することによって、OOK方式またはASK方式でセンサー入力値を変調することができる。図159においては総3個の抵抗が並列に連結されて4bitを表現することを示したが、これより多いかまたは少ない抵抗が含まれ得る。これに関連して図160および図161を共に参照して説明する。
図160は、一実施形態によるスタイラスペンと電子デバイスのセンサー入力動作を示すフローチャートであり、図161は、図160による駆動信号と共振信号の一例を示す波形図である。
図160に示すように、電子デバイス2は、駆動信号をスタイラスペン10に伝達する(S510)。駆動信号は、スタイラスペン10の電力ストレージ14、152を充電することができる。電力ストレージ14、152が十分に充電されている場合、該段階は省略することもできる。
センサー154は入力をセンシングする(S520)。入力は、センサー154の種類によって多様に入力することができる。
制御器156は、センシングされた入力により共振信号を変調する(S530)。そして、変調された共振信号は電子デバイス2に伝達される(S540)。図161に示すように、ASK方式で変調された共振信号が電子デバイス2側に伝達される。
電子デバイス2は伝達された共振信号を復調してセンサー154によってセンシングされたデータを取得し、共振信号としてタッチ入力を検出する(S550)。以下、センサー154の種類によって電子デバイス2に伝達されるデータについて説明する。
センサー154が筆圧センサーであり、ホバリング状態を感知すると、制御器156はスイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。一例として、制御器156は、第1ノードN1の電圧をバッテリー152のグラウンドに連結させてホバリング状態で共振信号の出力を中断させることができる。この場合、制御部2624は、タッチ電極21を通じて受信される共振信号の大きさが非常に小さくなるか、または共振信号自体が受信されないことを感知し、スタイラスペン10によるタッチ入力がないと決定することができる。他の例として、制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によってホバリング状態であることを示すデータを共振信号として出力することもできる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調してホバリング状態であることを示すデータを取得し、受信される共振信号をタッチ入力として処理しないことがある。
センサー154が加速度センサーであり、傾き角度を感知すると、制御器156はスイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によって傾き角度を示すデータを共振信号として出力することができる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調して傾き角度を示すデータを取得し、傾き角度に対応するようにタッチ面積を調整することができる。スタイラスペン10がZ軸(図4参照)から傾いた角度が大きいと、制御部2624は共振信号によって入力されたタッチ入力によるタッチ面積よりさらに大きい値を有するように調整してタッチデータを生成することができる。
センサー154がボタンまたはタッチセンサーであり、ユーザのボタン押しまたはタッチセンサーのタッチを感知すると、制御器156はスイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によってボタン押しまたはタッチ入力を示すデータを共振信号として出力することができる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調してボタン押しまたはタッチ入力を示すデータを取得し、ボタン押しまたはタッチ入力を示すタッチデータを生成することができる。電子デバイス2は、ボタン押しまたはタッチ入力を示すタッチデータを使用して電子デバイス2に受信されたユーザ入力で処理することができる。例えば、電子デバイス2がカメラをさらに含む場合、スタイラスペン10のボタン押しまたはタッチ入力を示すタッチデータが受信されると、制御部270はカメラとしてイメージを撮影する動作を行うことができる。また、電子デバイス2がスピーカーをさらに含む場合、スタイラスペン10のボタン押しまたはタッチ入力を示すタッチデータが受信されると、制御部270はスピーカーに出力される音響の大きさを制御するか、または音響の再生開始または再生中断の動作を行うことができる。
センサー154が照度センサーであり、周辺照度を感知すると、制御器156はスイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によって周辺照度を示すデータを共振信号として出力することができる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調して周辺照度を示すデータを取得し、これを制御部270またはディスプレイコントローラー252に伝達できる。そうすると、周辺照度によりディスプレイパネル251に表示される映像の輝度を調整することができる。
センサー154が磁気センサーであり、スタイラスペン10が向く方向を感知すると、制御器156はスイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によってスタイラスペン10が向く方向を示すデータを共振信号として出力することができる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調してスタイラスペン10が向く方向を示すデータを取得し、これを制御部270に伝達できる。そうすると、制御部270は、スタイラスペン10が向く方向をディスプレイパネル251にコンパス映像などで表示することができる。制御部270は、スタイラスペン10が向く方向に位置した他の外部機器を制御する信号を生成することもできる。この場合、電子デバイス2を基準にして外部機器が位置する方向はメモリ220に保存されていると仮定する。
センサー154がジャイロスコープセンサーまたはモーションセンサーであり、ユーザのモーション入力を感知すると、制御器156はスイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によってモーション入力を示すデータを共振信号として出力することができる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調してモーション入力を示すデータを取得し、これを制御部270に伝達できる。そうすると、制御部270はモーション入力による動作を行うことができる。
センサー154がRGBセンサー、光センサー、または赤外線センサーであり、外部光を感知すると、制御器156はスイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によって外部光の色、映像、または赤外線レベルを示すデータを共振信号として出力することができる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調して外部光の色、映像、または赤外線レベルを示すデータを取得し、これを制御部270に伝達できる。そうすると、制御部270は、外部光の色、映像、または赤外線レベルに応じた動作を行うことができる。
センサー154が指紋センサーであり、ユーザの指紋入力を感知すると、制御器156は入力された指紋イメージとアクティブ回路部15のメモリ(図示せず)などに貯蔵された指紋イメージを比較してユーザを認証することができる。そして、ユーザが認証されたユーザであれば、制御器156はスイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。
一例として、制御器156は、第1ノードN1の電圧をバッテリー152のグラウンドに連結させて認証されないユーザの使用中に共振信号の出力を中断させることができる。この場合、制御部2624は、タッチ電極21を通じて受信される共振信号の大きさが非常に小さくなるか、または共振信号自体が受信されないことを感知し、スタイラスペン10によるタッチ入力がないと決定することができる。他の例として、制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によって認証されないユーザの使用であることを示すデータを共振信号として出力することもできる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調して認証されないユーザの使用を示すデータを取得し、受信される共振信号をタッチ入力として処理しないことがある。
センサー154がマイクロフォンであり、外部音響を感知すると、制御器156は、スイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によって外部音響を示すデータを共振信号として出力することができる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調して外部音響を示すデータを取得し、これを制御部270に伝達できる。そうすると、制御部270は外部音響に応じた動作を行うことができる。
センサー154がバッテリーゲージであり、バッテリー14、152の充電状態(SOC、OCVなど)を感知すると、制御器156は、スイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によってバッテリーの充電状態を示すデータを共振信号として出力することができる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調してバッテリー14、152の充電状態を示すデータを取得し、ループコイル264に印加する駆動信号の大きさを調節することができる。制御部2624は、バッテリー14、152の充電状態が満充電状態の場合、駆動信号の大きさを減少させることができる。制御部2624は、バッテリー14、152の充電状態が臨界値以下である場合、駆動信号の大きさを増加させる。
センサー154が温度計であり、周辺温度を感知すると、制御器156は、スイッチSW0、SW1、SW2のうちの少なくとも1つを制御して共振信号の大きさを変更することができる。制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によって周辺温度を示すデータを共振信号として出力することができる。このとき、制御器156はスイッチSW3を制御して共振周波数を変更することもできる。例えば、制御器156は周辺温度が増加する場合、スイッチSW3を制御して共振周波数を増加させることができる。制御器156は周辺温度が減少する場合、スイッチSW3を制御して共振周波数を減少させることができる。そうすると、制御部2624は、駆動/受信部2620、2622に受信された共振信号を復調して周辺温度を示すデータを取得し、ループコイル264に印加する駆動信号の周波数を調節することができる。制御部2624は温度が増加すると判断される場合、駆動信号の周波数を減少させることができる。制御部2624は温度が増加すると判断される場合、駆動信号の大きさを減少させることができる。
また、センサー154の機能によりセンシングされたデータを多様なデータ変調方式によって変調して電子デバイス2側に伝達できる。そうすると、制御部2624、270は受信された共振信号を復調してセンサーデータを取得し、これに対応して適切な制御を行うことができる。
次に、制御器156は、タッチ電極21を通じて伝達された駆動信号を復調して共振回路部12の共振周波数を変更することができる。これに関連して図162および図163を共に参照して説明する。
図162は、一実施形態によるスタイラスペンと電子デバイスの共振周波数の変更動作を示すフローチャートであり、図163は、図162による駆動信号と共振信号の一例を示す波形図である。
電子デバイス2は、スタイラスペン10に内蔵された共振回路部の設計による共振周波数と類似した周波数を有するノイズに脆弱であり得る。したがって、制御部2624は駆動/受信部2622から受信された信号に、現在駆動信号の駆動周波数と同一または類似した周波数を有するノイズ成分が含まれているか、または現在駆動信号の駆動周波数と同一または類似のノイズ信号のみが存在する場合、駆動信号の駆動周波数を変更することができる。
図162に示すように、制御部2624は、共振周波数変更要請信号をスタイラスペン10に伝達する(S610)。制御部2624は、駆動信号の駆動周波数を変更する前に、共振周波数変更要請信号を駆動信号に変調してタッチ電極21に印加することができる。図163に示すように、制御部2624は、駆動信号の周波数f1を周波数f2に変更する前に、駆動信号に共振周波数変更要請信号をASK方式で変調してスタイラスペン10に伝達できる。
制御器156は、タッチ電極21を通じて伝達された駆動信号を復調することによって周波数変更要請信号が受信されるかどうかを判断する(S620)。
周波数変更要請があると、制御器156は、スイッチSW3を制御して共振回路部12の共振周波数を変更する(S630)。そして、スタイラスペン10は共振信号を電子デバイス2側に伝達する(S640)。このとき、共振周波数を変更しても、駆動信号の駆動周波数を変更しなければ共振信号の大きさは減少することができる。
制御部2624は、共振回路部12の共振周波数が変更されると、変更された共振周波数に駆動信号の周波数を変更し、タッチ入力を検出する(S650)。図163を再び参照すると、時点t1で制御部2624は駆動信号の駆動周波数をf2に変更する。このとき、共振回路部12の変更された共振周波数は予め設定されている周波数であり得る。一方、制御器156は、共振信号の大きさを用いた信号変調方式によって共振周波数が変更されたことを示すデータを共振信号として出力して、制御部2624が共振周波数の変更の有無を確認することもできる。あるいは制御部2624が周波数変更要請信号を伝達した後、受信される共振信号の大きさが減少するか、または周波数変更要請信号を伝達してから所定時間が経過すると、制御部2624は共振周波数が変更されたと判断することができる。
次に、図164~図166を参照して、他の実施形態によるスタイラスペン、電子デバイス、およびこれを含む入力システムについて説明する。
図164は、一実施形態によるスタイラスペンと電子デバイスの一部を示す図である。以下、図159で説明した構成要素と同一の構成要素については説明を省略する。
図164に示すように、スタイラスペン10は、外部通信モジュール212などと通信できる通信ユニット158をさらに含む。
通信ユニット158は、ブルートゥース(BluetoothTM)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association;IrDA)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBee、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、Wi-Fi Direct、Wireless USB(Wireless Universal Serial Bus)の技術のうちの少なくとも一つを使用して近距離無線通信を行うことができる。通信ユニット158の近距離通信方式は、上述した通信プロトコル以外の他の近距離通信プロトコルであってもよく、これらに限定されない。
制御器156は、センサー154からの入力を通信ユニット158を通じて電子デバイス2側に伝達できる。図165を参照して共に説明する。
図165は、他の実施形態によるスタイラスペンと電子デバイスのセンサー入力動作を示すフローチャートである。
示すように、電子デバイス2は、駆動信号をスタイラスペン10に伝達する(S710)。駆動信号は、スタイラスペン10の電力ストレージ14、152を充電することができる。電力ストレージ14、152が十分に充電されている場合、該段階は省略することもできる。
センサー154は、入力をセンシングする(S720)。入力は、センサー154の種類によって多様に入力することができる。
制御器156は、センシングされた入力によりセンシング信号を生成する(S730)。そして、生成されたセンシング信号は電子デバイス2に伝達される(S740)。
電子デバイス2は伝達された通信信号を受信してセンサー154によってセンシングされたデータを取得する(S750)。
これとは別に、スタイラスペン10は駆動信号に応じた共振信号を電子デバイス2に伝達し(S760)、電子デバイス2は共振信号としてタッチ入力を検出する(S770)。
次に、制御器156はタッチ電極21を通じて伝達された駆動信号を復調して共振回路部12の共振周波数を変更することができる。これに関連して図166を共に参照して説明する。
図166は、他の実施形態によるスタイラスペンと電子デバイスの共振周波数変更動作を示すフローチャートである。
示すように、制御部2624は、近距離通信モジュール212を通じて共振周波数変更要請信号をスタイラスペン10に伝達する(S810)。制御部2624は駆動信号の駆動周波数を変更する前に、共振周波数変更要請信号をスタイラスペン10に伝達できる。
通信ユニット158を通じて共振周波数変更要請信号が受信されると、制御器156はスイッチSW3を制御して共振回路部12の共振周波数を変更する(S820)。共振周波数が変更されるとき、通信ユニット158は共振周波数が変更されたことを示すデータを近距離通信モジュール212に伝達するか、または共振周波数が変更されるタイミングを示すデータを近距離通信モジュール212に伝達することができる。そして、スタイラスペン10は変更された共振信号を電子デバイス2側に伝達する(S830)。
制御部2624は、共振回路部12の共振周波数が変更されると、変更された共振周波数に駆動信号の周波数を変更し、タッチ入力を検出する(S840)。制御部2624が周波数変更要請信号を伝達した後、受信される共振信号の大きさが減少するか、または周波数変更要請信号を伝達してから所定時間が経過すると、制御部2624は共振周波数が変更されたと判断することができる。
次に、図167~図170を参照して、スタイラスペンと電子デバイスが信号を送受信する例を説明する。
図167および図168は、スタイラスペンと電子デバイスを示す概略的な回路図である。
図167に示すように、アクティブモジュール50は、抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsに直列に連結されている。
電子デバイス側で、電源40からの駆動信号によってループコイルLdpが磁場を形成すると、スタイラスペン10のインダクタLsに電流I1が誘導されて共振回路部12が共振する。ループコイルLdpによってインダクタLsに電流が誘導される程度は相互インダクタンスM0の影響を受ける。
また、電源40からの駆動信号によってループコイルLdpと内部キャパシタCdpが共振すると、スタイラスペン10の共振回路部12もループコイルと内部キャパシタと相互共振することができる。この場合、ループコイルLdpと内部キャパシタCdpおよび共振回路部12の相互共振の程度は相互インダクタンスM0の影響を受ける。
電子デバイス側で、伝達されるエネルギーは電圧源V1で表す。
V1は下記の数式6のように決定される。
[数式6]
ここで、f0は共振回路部12の共振周波数、L1はインダクタLdpのインダクタンス、L2はインダクタLsのインダクタンス、kはインダクタLdpとインダクタLsの結合係数である。L1は数十~数百μHであり、L2は数mHであり、kは0以上1未満である(例えば、kは0以上0.9未満であり得る)。
共振回路部12で共振されたエネルギーは整流器52によって整流され、電力ストレージ54に貯蔵される。そうすると、電力ストレージ54に貯蔵された電力を使用してアクティブIC56が駆動することができる。
アクティブモジュール50を等価抵抗RLで表すと、共振回路部12が共振するとき抵抗Rsと抵抗RLが同一でなければ、電子デバイス側から最大のエネルギーが伝達されない。抵抗Rsと抵抗RLが同一の場合ノードN1にかかる電圧はV1/2となる。
整流器52に含まれているダイオードD1~D4のしきい値電圧Vthを考慮して、電力ストレージ54の両端に伝達される電圧は下記式7のように計算される。
[数式7]
ここで、しきい値電圧Vthは0V超過0.5V以下であると仮定する。
発明者らは、電力ストレージ54に保存される電圧VCwがアクティブIC56を駆動するのに十分でないことを確認した。つまり、アクティブIC56を動作させる駆動電圧が電力ストレージ54に保存される電圧VCwよりさらに大きい。また、アクティブIC56を駆動するのに十分な電圧に変換するためには追加の素子が必要とされる問題があった。また、等価抵抗RLと抵抗Rsが同じ値を有しなければならないが、アクティブモジュール50の抵抗値は抵抗Rsよりさらに大きいので、インピーダンス変換が必要とされる問題があった。
そこで発明者らは、アクティブモジュール50を共振回路部12に並列に連結する構造を考慮した。
図168に示すように、アクティブモジュール50は、抵抗Rs、インダクタLs、およびキャパシタCsに並列に連結されている。
この場合、電子デバイス側から最大のエネルギーが伝達され得る抵抗RL値を計算するために、図169および図170でのようにスタイラスペン20の内部回路をノートンの定理を用いて変換した。
図169および図170は、図168のスタイラスペンをより具体的に示す回路図である。
図169の(a)でのように、従属電圧源V1は電流源Ipに変換され、抵抗RsおよびインダクタLsとキャパシタCsはノードN1で並列に連結されている。
このとき、電流源Ipの電流は下記式8のように計算される。
[数式8]
図169の(b)でのように、抵抗RsがノードN1でインダクタLsおよびキャパシタCsと並列に連結されている抵抗Rpに変換された。このとき、抵抗Rpは下記式9のように計算される。
[数式9]
図170に示すように、アクティブモジュール50が並列に連結されると、等価抵抗RLが抵抗Rpの抵抗値が同じ場合、スタイラスペン10には電子デバイス側から最大のエネルギーが伝達され得る。
しかし、共振周波数f0が数十~数百kHzであるので、抵抗Rpの値が等価抵抗RLよりさらに大きい。等価抵抗RLは数百Ωであり得る。したがって、等価抵抗RLと抵抗Rpが並列に連結された合成抵抗値は、抵抗Rpより等価抵抗RLに類似した値を有する。
この場合、ノードN1にかかる電圧はIp*RLで計算され、下記式10のように示す。
[数式10]
上記式10中、VN1はノードN1にかかる電圧である。上記式10中のインダクタンスL2が数mHであるので、ノードN1にかかる電圧VN1はその値が非常に小さい。発明者らは式7によって計算された電力ストレージ54に貯蔵される電圧VCwはアクティブIC56を駆動するのに十分でないことを確認した。また、アクティブIC56を駆動するのに十分な電圧に変換するためには追加の素子が必要とされる問題があった。
次に、図171~図173を参照して、本発明に係るスタイラスペン10について説明する。
図171は、一実施形態によるスタイラスペンと電子デバイスを示す概略的な回路図であり、図172および図173は、図171のスタイラスペンをより具体的に示す回路図である。
図171を参照すると、スタイラスペン10は、共振回路部12以外に、共振回路部12のインダクタLsと相互インダクタンスM1を通じて連結されたインダクタLkおよびインダクタLkに連結されたアクティブモジュール50をさらに含む。
アクティブモジュール50は、整流器52、電力ストレージ54、およびアクティブIC56を含み得る。
図172には、共振回路部12とインダクタLkおよびアクティブモジュール50の等価抵抗RLが等価回路で示されている。等価抵抗RLに伝達される電圧、つまり、ノードN2にかかる電圧を計算するために、共振回路部12から等価抵抗RL側をみるときの抵抗RL_effと等価抵抗RL側から共振回路部12をみるときの抵抗Rp_effを下記式11および式12のように計算することができる。
[数式11]
[数式12]
上記式11および式12中、n2はインダクタLsのターン数であり、n3はインダクタLkのターン数である。
図173に示すように、アクティブモジュール50に並列に等価抵抗RL側から共振回路部12をみるときの抵抗Rp_effが連結されており、共振回路部12の抵抗Rpに並列に共振回路部12から等価抵抗RL側をみるときの抵抗RL_effが連結されている。
ノードN2の電圧は、ノードN1の電圧とインダクタLsとインダクタLkのターン数(巻線数)で下記式13のように決定される。
[数式13]
そして、上記式9で計算された抵抗Rpと抵抗RL_effの合成抵抗は数百kΩであるので、上記式8で計算された電流Ipを乗算すると、ノードN1の電圧が数百Vと計算される。
n2とn3の比はa:1(10<a<300)であると仮定する。そうすると、ノードN2での電圧は少なくとも数Vと計算される。ダイオードD1~D4のしきい値電圧を考慮しても、ノードN2での電圧はアクティブIC56を駆動するのに十分な値を有する。
次に、図174~図176を参照して、本発明のスタイラスペン10およびループコイル264について説明する。
図174~図176は、一実施形態の多様な様態によるスタイラスペンと電子デバイスの一部を示す図である。
図174~図176を参照すると、共振回路部12はインダクタLsおよびキャパシタCsを含み、インダクタLsは、フェライトコア115とフェライトコア115に巻かれているコイル116とを含む。
図174に示すように、インダクタLkは、フェライトコア115と、コイル116(フェライトコア115に直接巻かれている)の外側に巻かれているコイル117とを含む。
図175に示すように、インダクタLkは、フェライトコア115と、コイル116の下(つまり、-Z軸方向)に位置しかつフェライトコア115に直接巻かれているコイル117とを含む。
図176に示すように、インダクタLkは、フェライトコア115と、コイル116の上(つまり、+Z軸方向)に位置しかつフェライトコア115に直接巻かれているコイル117とを含む。
図174~図176において、アクティブモジュール50はコイル117に連結されている。コイル116とコイル117は完全結合状態に近く、コイル116とコイル117との結合係数は1に近い値(例えば0.9以上1未満)を有する。
本発明のスタイラスペン10によると、共振回路部12とアクティブモジュール50をトランスフォ-マーで結合して、電子デバイス2から伝達されるエネルギーを通してアクティブモジュール50を駆動するために必要な電圧を供給できる長所がある。
また、スタイラスペン10がさらに速く充電できる長所がある。
また、スタイラスペン10の充電のための電子デバイス2での電力消費を減少させることができる長所がある。
図177は、タッチモジュールおよびホストを示すブロック図であり、図178は、タッチモジュールからホストに提供されるタッチデータの一例を示す図である。
図177を参照すると、ホスト270は、タッチモジュール260に含まれているタッチコントローラー262にタッチデータの提供を受けることができる。例えば、ホスト270は、モバイル向けSoC(System on Chip)、アプリケーションプロセッサー(AP:Application Processor)、メディアプロセッサー(Media Processor)、マイクロプロセッサー、中央処理装置(CPU:Central Processing Unitnit)、またはこれと類似した装置であり得る。
タッチモジュール260は、1フレームが終了した後、1フレーム中に入力されたタッチに関する情報をタッチデータで生成してホスト270に伝達できる。
図177および図178を参照すると、タッチデータ600はタッチモジュール260からホスト270に伝達され、タッチカウントフィールド610および少なくとも一つのタッチエンティティフィールド612、614を含む。また、タッチデータ600には、スタイラスペン10からのセンサー入力データ、共振信号変更を示すデータなどをさらに含み得る。
タッチカウントフィールド610には、1フレーム区間の間に入力されたタッチの個数を示す値を書き込むことができる。タッチエンティティフィールド612、614はそれぞれのタッチ入力に対する情報を示すフィールドを含む。例えば、タッチエンティティフィールド612、614はフラグフィールド620、X軸座標フィールド621、Y軸座標フィールド622、Z値フィールド623、面積フィールド624、タッチアクションフィールド625を含む。
タッチエンティティフィールド612、614の個数はタッチカウントフィールド610に書き込まれた値と同じ値でもよい。
フラグフィールド620にはタッチ客体を示す値が書き込まれる。例えば、指、手のひら、およびスタイラスペンは互いに異なる値がフラグフィールド620に書き込まれる。X軸座標フィールド621とY軸座標フィールド622には計算されたタッチ座標を示す値が書き込まれる。Z値フィールド623には感知信号の信号強度に対応する値が書き込まれる。面積フィールド624にはタッチされた領域の面積に対応する値が書き込まれる。
実施形態によれば、タッチデータ600が伝達されたホスト270は面積フィールド624の値を使用して、タッチ面積が臨界値より大きい場合タッチ客体が指であると判断し、タッチ面積が臨界値以下である場合タッチ客体がスタイラスペン10であると判断する。
実施形態によれば、タッチデータ600が伝達されたホスト270はフラグフィールド620の値を使用して、タッチ客体が指またはスタイラスペン10であるかを識別することもできる。
本明細書に開示された多様な実施形態による電子デバイスは多様な形態の装置であり得る。電子デバイスは、例えば、携帯用通信装置(例えば、スマートフォン)、コンピュータ装置、携帯用マルチメディア装置、携帯用医療機器、カメラ、ウェアラブル装置、または家電装置を含み得る。本発明の実施形態による電子デバイスは上述した装置に限定されない。
本明細書の多様な実施形態およびこれに使用された用語は本明細書に記載された技術的特徴を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、当該実施形態の多様な変更、均等物、または代替物を含むことに理解されなければならない。図面の説明で、類似の構成要素に対しては類似の参照符号が用いられる。アイテムに対応する名詞の単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「AまたはB」、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AまたはBのうちの少なくとも一つ、」「A、BまたはC、」「A、B、およびCのうちの少なくとも一つ」、および「A、B、またはCのうちの少なくとも一つ」などの用語それぞれは、それらと共に列挙された項目のすべての可能な組み合わせを含み得る。「第1」または「第2」のような用語は単に当該構成要素を他の構成要素と区別するために用いられ、当該構成要素は他の側面(例えば、重要性または手順)に限定されない。ある構成要素(例えば、第1構成要素)が他の構成要素(例えば、第2構成要素)と「(作動的または通信的に)という用語とともに、またはそのような用語の記載なく、「結合される」または「連結される」と言及された場合、それは、ある構成要素が他の構成要素と直接的に(例えば、有線で)、無線で、または第3構成要素を介して連結されることを意味する。
本明細書で使用される用語「モジュール」は、ハードウェア、ソフトウェアまたはファームウエアで具現されたユニットを含むことができ、例えば、ロジック、論理ブロック、部品、または回路などの用語と相互互換的に用いられる。モジュールは、一体に構成された部品または一つまたはそれ以上の機能を行う、前記部品の最小単位またはその一部であり得る。例えば、一実施形態によれば、モジュールはASIC(application-specific integrated circuit)の形態で具現される。
本明細書の多様な実施形態は、装置(machine)(例えば、電子デバイス)によって読み取られる記録媒体(Storage medium)(例えば、内装メモリまたは外装メモリ)に保存された一つ以上の命令語を含むソフトウェア(例えば、プログラム)として具現される。例えば、装置(例えば、電子デバイス)のプロセッサー(例えば、プロセッサー)は、記録媒体で保存された一つ以上の命令語のうちの少なくとも一つの命令を呼び出し、それを実行することができる。これは装置が、前記呼び出された少なくとも一つの命令語によって少なくとも一つの機能を実行ように運営されることを可能にする。前記一つ以上の命令語は、コンパイラによって生成されたコードまたはインタプリタによって実行できるコードを含み得る。装置で読み取られた記録媒体は、非一時的な(non-transitory)記録媒体の形態に提供される。ここで「非一時的」は、記録媒体が実体的な(tangible)装置であり、信号(Signal)(例えば、電磁波)を含まないことを意味し、この用語は、データが記録媒体に半永久的に保存される場合と一時的に保存される場合を区別しない。
一実施形態によれば、本明細書に開示された多様な実施形態による方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供される。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者と購買者の間で取引することができる。コンピュータプログラム製品は、装置で読み取られた記録媒体(例えば、compact disc read only memory(CD-ROM))形態で配布されるか、またはアプリケーションストア(例えば、プレイストアTM)を通じて、または2つの使用者装置(例えば、スマートフォン同士)同士で直接またはオンラインで配布(例えば、ダウンロードまたはアップロード)される。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、製造会社のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、または中継サーバのメモリなどの装置で読み取られた記録媒体に少なくとも一時的に保存または生成される。
多様な実施形態によれば、上述した構成要素のそれぞれの構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は単数または複数の個体を含み得る。多様な実施形態によれば、上述した当該構成要素のうちの一つ以上の構成要素または動作を省略または付加することができる。代替的または追加的に、複数の構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は一つの構成要素に統合することができる。このような場合、統合された構成要素は、複数の構成要素それぞれの構成要素の一つ以上の機能を統合以前に複数の構成要素のうちの当該構成要素によって行われるものと同一または類似して行うことができる。多様な実施形態によれば、モジュール、プログラムまたは他の構成要素によって行われる動作は、順次的、並列的、反復的、または発見的に行われるか、前記動作のうちの一つ以上を他の順に実行するか、省略または一つ以上の他の動作を追加することができる。