JP7469703B2 - 予測方法、学習方法、予測装置、学習装置、予測プログラム及び学習プログラム - Google Patents

予測方法、学習方法、予測装置、学習装置、予測プログラム及び学習プログラム Download PDF

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Description

本発明は、予測方法、学習方法、予測装置、学習装置、予測プログラム及び学習プログラムに関する。
地震シミュレーションにおいて、任意の地震に関する情報、例えば震源の位置や地震の規模等の情報から任意の地点における地震波を予測すること及びその予測の精度を向上させることは重要な課題である。予測対象地点に到達する地震波を予測する手法として、例えば非特許文献1に示されるように、以下の2つの手法が知られている。
第1の手法として、震源のマグニチュードと、震源から予測対象地点までの距離とを距離減衰式に適用することにより、予測対象地点に到達する地震波を予測するという手法が知られている。第2の手法として、震源と予測対象地点との間の地層の情報をモデル化して、予測対象地点に到達する地震波を予測するという手法が知られている。ここで、地層の情報とは、地層の性質を示す要素であり、例えば、地盤特性、伝搬特性、卓越周波数特性、インピーダンス特性などの情報である。
"強震動予測方法、震源断層を特定した地震の強震動予測手法(「レシピ」)"、[online]、令和2年3月6日、地震調査研究推進本部、[令和2年6月29日検索]、インターネット(URL: https://www.jishin.go.jp/evaluation/strong_motion/strong_motion_recipe/)
しかしながら、第1の手法である距離減衰式を用いる手法では、震源から予測対象地点までの地層の情報が考慮されていないため予測精度が低くなるという問題がある。第2の手法では、地層の情報をモデル化するためには、膨大な地層の情報が必要であり、情報の収集に多大な労力と時間を要してしまうなど多くの問題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、簡易に任意の地点における地震波に関する情報を高い精度で予測することができる技術の提供を目的としている。
本発明の一態様は、所望の地点の地震波に関する情報を予測する予測方法であって、所望の地点を示す所望地点情報を入力する入力ステップと、少なくとも前記所望地点情報と、震源の位置情報と、地震の規模情報とを用いて前記所望の地点における地震波に関する情報を予測する予測ステップと、を有し、前記予測ステップにおいて、前記震源の位置と前記所望の地点との間の地層の情報を用いない予測方法である。
本発明の一態様は、地震波に関する情報の予測の学習に用いられる学習対象地震関連データであって、少なくとも震源の位置情報及び地震の規模情報を含み前記震源の位置と所望の地点との間の地層の情報を含まない学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データの地震によって発生した地震波を測定した地点を示す学習対象地点データと、前記学習対象地点データが示す地点において測定された前記地震波を示す地震波ベクトルとを入力する入力ステップと、前記地震波ベクトルを、振幅値と、波形ベクトルとに分離するデータ分離ステップと、前記学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データに対応する前記学習対象地点データとを入力データと、学習により更新される係数とに基づいて得られる前記振幅値の推定値及び前記波形ベクトルの推定ベクトルと、前記入力データに対応する前記地震波ベクトルから得られた前記振幅値及び前記波形ベクトルとに基づいて、前記係数を更新する学習ステップと、を含む学習方法である。
本発明の一態様は、所望の地点の地震波に関する情報を予測する予測装置であって、所望の地点を示す所望地点情報を入力する入力部と、少なくとも前記所望地点情報と、震源の位置情報と、地震の規模情報とを用いて前記所望の地点における地震波に関する情報を予測する予測部と、を備え、前記予測部は、前記地震波を予測する際、前記震源の位置と前記所望の地点との間の地層の情報を用いない予測装置である。
本発明の一態様は、地震波に関する情報の予測の学習に用いられる学習対象地震関連データであって、少なくとも震源の位置情報及び地震の規模情報を含み前記震源の位置と所望の地点との間の地層の情報を含まない学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データの地震によって発生した地震波を測定した地点を示す学習対象地点データと、前記学習対象地点データが示す地点において測定された前記地震波を示す地震波ベクトルとを入力する入力部と、前記地震波ベクトルを、振幅値と、波形ベクトルとに分離するデータ分離部と、前記学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データに対応する前記学習対象地点データとを入力データと、学習により更新される係数とに基づいて得られる前記振幅値の推定値及び前記波形ベクトルの推定ベクトルと、前記入力データに対応する前記地震波ベクトルから得られた前記振幅値及び前記波形ベクトルとに基づいて、前記係数を更新する学習部と、を備える学習装置である。
本発明の一態様は、コンピュータに、所望の地点を示す所望地点情報を入力する入力ステップと、少なくとも前記所望地点情報と、震源の位置情報と、地震の規模情報とを用いて前記所望の地点における地震波に関する情報を予測する予測ステップと、を実行させ、前記予測ステップにおいて、前記震源の位置と前記所望の地点との間の地層の情報を用いない予測プログラムである。
本発明の一態様は、コンピュータに、地震波に関する情報の予測の学習に用いられる学習対象地震関連データであって、少なくとも震源の位置情報及び地震の規模情報を含み前記震源の位置と所望の地点との間の地層の情報を含まない学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データの地震によって発生した地震波を測定した地点を示す学習対象地点データと、前記学習対象地点データが示す地点において測定された前記地震波を示す地震波ベクトルとを入力する入力ステップと、前記地震波ベクトルを、振幅値と、波形ベクトルとに分離するデータ分離ステップと、前記学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データに対応する前記学習対象地点データとを入力データと、学習により更新される係数とに基づいて得られる前記振幅値の推定値及び前記波形ベクトルの推定ベクトルと、前記入力データに対応する前記地震波ベクトルから得られた前記振幅値及び前記波形ベクトルとに基づいて、前記係数を更新する学習ステップと、を実行させるための学習プログラムである。
この発明によれば、簡易に任意の地点における地震波に関する情報を高い精度で予測することが可能となる。
実施形態における学習装置の構成を示すブロック図である。 実施形態における学習装置が行う学習処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における予測装置の構成を示すブロック図である。 実施形態における予測装置が行う予測処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態におけるシミュレーション結果(その1)を示した図である。 実施形態におけるシミュレーション結果(その2)を示した図である。 実施形態におけるシミュレーション結果(その3)を示した図である。 実施形態におけるシミュレーション結果(その4)を示した図である。 実施形態におけるシミュレーション結果(その5)を示した図である。 実施形態におけるシミュレーション結果(その6)を示した図である。 実施形態におけるシミュレーション結果(その7)を示した図である。 実施形態におけるシミュレーション結果(その8)を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本発明の実施形態では、簡易に任意の地点における地震波に関する情報を高い精度で予測する。より具体的には、本発明の実施形態では、所望する地点に到達することが想定される地震波に関するベクトルを算出することにより、結果として所望する地点に到達することが想定される地震波を予測する。そのために、図1に示す学習装置1が学習処理を行う。次に、図3に示す予測装置2が、学習処理によって生成された学習済みの係数を用いて予測を所望する地点における地震波に関する情報を予測する予測処理を行う流れで実施される。
(学習装置の構成)
図1は、実施形態における学習装置1の構成を示すブロック図である。
学習装置1は、入力部11、データ分離部12及び学習部13を備える。入力部11は、N個の学習対象地震関連データI0~(N-1)、K個の学習対象地点データL0~(K-1)及びN×K個の地震波ベクトルw0~(N-1),0~(K-1)(t)を入力する。ここで、N,Kは、いずれも1以上の整数である。tは、時刻を示すパラメータである。tは、0~T-1の何れかの整数値であり、Tは1以上の整数である。tの単位は、例えば、「ミリ秒」程度の単位である。tは、「1ミリ秒」毎であってもよいし、「10ミリ秒」毎であってもよい。以下、0~(N-1)の中の任意の整数値を「n」で表し、0~(K-1)の中の任意の整数値を「k」で表す。本明細書において、「入力する」は、「取り込む」の意味で用いるものとする。
学習対象地震関連データIは、過去に発生した地震に関するデータであり、例えば過去に発生した地震の震源の位置を示す震源位置データと、当該地震のマグニチュード等の地震の規模を示す地震規模データとを含んでいる。なお、震源位置データとは、例えば、地球の表面における1点である震央の座標に、震央の位置から震源の位置までの深さが加えられた三次元の座標データである。
学習対象地点データLは、地球の表面における任意の地点の座標を示す座標データであり、例えば二次元の座標データである。なお、学習対象地点データLが示す座標及び上記の学習対象地震関連データIに含まれる震源位置データの震央の座標は、同一の二次元座標系における座標であり、例えば、震央の座標を原点とする二次元座標系における座標であってもよい。
地震波ベクトルwn,k(t)は、学習対象地震関連データIが示す過去に発生した地震の地震波を示す地震波ベクトルであって、学習対象地点データLが示す地点で測定された地震波ベクトルである。なお、tが時刻を示すパラメータであることから、地震波ベクトルwn,k(t)は、時系列のベクトルであり、wn,k(0),wn,k(1),…,wn,k(T-2),wn,k(T-1)というT個のベクトルから構成される。
学習対象地震関連データIと、学習対象地点データLと、地震波ベクトルwn,k(t)とは、以下のような関連性がある。例えば、入力部11に与える1つの学習対象地震関連データIを任意に選択した場合、選択した学習対象地震関連データIには、複数の地点で測定された複数の地震波ベクトルが存在する。選択した学習対象地震関連データIに対応する複数の地震波ベクトルの中から入力部11に与える地震波ベクトルwn,k(t)を選択する。そうすると、選択された地震波ベクトルwn,k(t)が測定された地点が自ずと入力部11に与える学習対象地点データLとして選択されるという関連性がある。
入力部11は、0~(N-1)の整数値の中から何れか1つの「n」と、0~(K-1)の整数値の中から何れか1つの「k」をランダムに選択する。入力部11は、選択した「n」と「k」に対応する地震波ベクトルwn,k(t)をデータ分離部12に出力する。入力部11は、選択した「n」と「k」に対応する学習対象地震関連データI及び学習対象地点データLを、学習部13の振幅予測部21と波形予測部31とに出力する。
データ分離部12は、入力部11が出力する地震波ベクトルwn,k(t)から次式(1)に基づいて振幅値pn,kを算出する。
Figure 0007469703000001
データ分離部12は、次式(2)に、入力部11が出力する地震波ベクトルwn,k(t)と、式(1)に基づいて算出した振幅値pn,kとを適用して波形ベクトルvn,k(t)を算出する。
Figure 0007469703000002
式(1)から分かるように、振幅値pn,kは、地震波ベクトルwn,k(t)の絶対値の時間軸方向の総和であり、スカラーである。式(2)から分かるように、波形ベクトルvn,k(t)は、地震波ベクトルwn,k(t)を振幅値pn,kで除算することにより求められるベクトルである。そのため、波形ベクトルvn,k(t)は、地震波ベクトルwn,k(t)と同様に時系列のベクトルであり、vn,k(0),vn,k(1),…,vn,k(T-2),vn,k(T-1)というT個のベクトルから構成される。
学習部13は、振幅予測部21、第1係数記憶部22、振幅誤差算出部23、波形予測部31、第2係数記憶部32、波形誤差算出部33及び最適化部41を備える。
第1係数記憶部22は、振幅予測部21が内部に備える関数近似器に適用される係数を記憶する。ここで、第1係数記憶部22が記憶する係数とは、例えば、振幅予測部21が内部に備える関数近似器が多層パーセプトロン等のニューラルネットワークである場合、重みの値及びバイアスの値である。初期状態では、第1係数記憶部22は、ランダム値で初期化された係数を記憶する。
振幅予測部21は、入力部11が出力する学習対象地震関連データI及び学習対象地点データLを入力データとして取り込み、1つの出力データを出力する関数近似器を内部に備える。ここで、振幅予測部21の関数近似器が出力する出力データは、次式(3)で示される振幅値pn,kの推定値である。
Figure 0007469703000003
以下、式(3)で示される振幅値pn,kの推定値を推定振幅値^pn,kとして示す。振幅予測部21は、第1係数記憶部22から係数を読み出し、読み出した係数を内部に備える関数近似器に適用する。振幅予測部21は、係数を適用した関数近似器に入力データを与え、入力データを与えることにより関数近似器が出力する推定振幅値^pn,kを振幅誤差算出部23に出力する。
第2係数記憶部32は、波形予測部31が内部に備える関数近似器に適用される係数を記憶する。ここで、第2係数記憶部32が記憶する係数とは、例えば、波形予測部31が内部に備える関数近似器が多層パーセプトロン等のニューラルネットワークである場合、重みの値及びバイアスの値である。初期状態では、第2係数記憶部32は、ランダム値で初期化された係数を記憶する。
波形予測部31は、入力部11が出力する学習対象地震関連データI及び学習対象地点データLを入力データとして取り込み、T個の出力データを出力する関数近似器を内部に備える。ここで、波形予測部31の関数近似器が出力するT個の出力データは、次式(4)で示される波形ベクトルvn,k(t)の推定ベクトルである。
Figure 0007469703000004
以下、式(4)で示される波形ベクトルvn,k(t)の推定ベクトルを推定波形ベクトル^vn,k(t)として示す。なお、式(4)において、tが時刻を示すパラメータであることから、推定波形ベクトル^vn,k(t)は、時系列のベクトルとなり、波形予測部31の関数近似器は、^vn,k(0),^vn,k(1),…,^vn,k(T-2),^vn,k(T-1)というT個のベクトルを出力データとして出力する。
波形予測部31は、第2係数記憶部32から係数を読み出し、読み出した係数を内部に備える関数近似器に適用する。波形予測部31は、係数を適用した関数近似器に入力データを与え、入力データを与えることにより関数近似器が出力する推定波形ベクトル^vn,k(t)を波形誤差算出部33に出力する。
振幅誤差算出部23は、次式(5)に示すように、振幅値pn,kと、推定振幅値^pn,kとに基づいて振幅誤差Eを算出する。
Figure 0007469703000005
波形誤差算出部33は、次式(6)に示すように、波形ベクトルvn,k(t)と、推定波形ベクトル^vn,k(t)とに基づいて波形誤差Eを算出する。
Figure 0007469703000006
最適化部41は、振幅誤差Eと、波形誤差Eとに基づいて定められる目的関数についての最小化問題を解くことにより、振幅予測部21の関数近似器に適用する新たな係数と、波形予測部31の関数近似器に適用する新たな係数とを算出する。
最適化部41は、算出した振幅予測部21の関数近似器に適用する新たな係数を第1係数記憶部22に上書きして係数を更新する。最適化部41は、算出した波形予測部31の関数近似器に適用する新たな係数を第2係数記憶部32に上書きして係数を更新する。
(学習装置による処理)
図2は、学習装置1による学習処理の流れを示すフローチャートである。入力部11は、N個の学習対象地震関連データI0~(N-1)と、K個の学習対象地点データL0~(K-1)と、N×K個の地震波ベクトルw0~(N-1),0~(K-1)(t)とを入力する(ステップS101)。入力部11は、内部に備える学習ステップ数をカウントする学習ステップ数カウンタrを「1」に初期化する(ステップS102)。
ステップS103からステップS108の処理を繰り返すループ処理が、M回繰り返し行われる。ここで、Mは、予め定められるバッチサイズであり、例えば、「64」程度の値が適用される。
入力部11は、0~(N-1)の整数値の中から何れか1つの「n」と、0~(K-1)の整数値の中から何れか1つの「k」をランダムに選択する。入力部11は、選択した「n」と「k」に対応する地震波ベクトルwn,k(t)をデータ分離部12に出力する。入力部11は、選択した「n」と「k」に対応する学習対象地震関連データI及び学習対象地点データLを、学習部13の振幅予測部21と波形予測部31とに出力する(ステップS103)。
データ分離部12は、式(1)と式(2)に基づいて、地震波ベクトルwn,k(t)を振幅値pn,kと、波形ベクトルvn,k(t)とに分離する。データ分離部12は、分離した振幅値pn,kを振幅誤差算出部23に出力し、分離した波形ベクトルvn,k(t)を波形誤差算出部33に出力する(ステップS104)。
振幅予測部21は、入力部11が出力した学習対象地震関連データI及び学習対象地点データLを取り込む。振幅予測部21は、第1係数記憶部22から係数を読み出し、読み出した係数を内部に備える関数近似器に適用する(ステップS105-1)。
振幅予測部21は、読み出した係数を適用した関数近似器に、学習対象地震関連データI及び学習対象地点データLを入力データとして与える。振幅予測部21の関数近似器は、与えられた入力データと、係数とに基づいて推定振幅値^pn,kを算出する。振幅予測部21の関数近似器は、算出した推定振幅値^pn,kを出力データとして出力する。振幅予測部21は、関数近似器が出力した推定振幅値^pn,kを振幅誤差算出部23に出力する(ステップS106-1)。
振幅誤差算出部23は、データ分離部12が出力した振幅値pn,kと、振幅予測部21が出力した推定振幅値^pn,kとを取り込む。振幅誤差算出部23は、式(5)にしたがって、振幅値pn,kと、推定振幅値^pn,kとから振幅誤差Eを算出する。振幅誤差算出部23は、算出した振幅誤差Eを最適化部41に出力する(ステップS107-1)。
波形予測部31は、入力部11が出力した学習対象地震関連データI及び学習対象地点データLを取り込む。波形予測部31は、第2係数記憶部32から係数を読み出し、読み出した係数を内部に備える関数近似器に適用する(ステップS105-2)。
波形予測部31は、読み出した係数を適用した関数近似器に、学習対象地震関連データI及び学習対象地点データLを入力データとして与える。波形予測部31の関数近似器は、与えられた入力データと、係数とに基づいて推定波形ベクトル^vn,k(t)を算出する。波形予測部31の関数近似器は、算出した推定波形ベクトル^vn,k(t)を出力データとして出力する。波形予測部31は、関数近似器が出力した推定波形ベクトル^vn,k(t)を波形誤差算出部33に出力する(ステップS106-2)。
波形誤差算出部33は、データ分離部12が出力する波形ベクトルvn,k(t)と、波形予測部31が出力する推定波形ベクトル^vn,k(t)とを取り込む。波形誤差算出部33は、式(6)にしたがって、波形ベクトルvn,k(t)と、推定波形ベクトル^vn,k(t)とから波形誤差Eを算出する。波形誤差算出部33は、算出した波形誤差Eを最適化部41に出力する(ステップS107-2)。
最適化部41は、振幅誤差算出部23が出力した振幅誤差Eと、波形誤差算出部33が出力した波形誤差Eとを取り込む。ここで、ループLa1s~La1eの処理における処理の回数をmで表すとする。mは、1~Mまでの間の整数値となり、以下の説明ではm回目の振幅誤差EをEp,mとして示し、m回目の波形誤差EをEv,mとして示す。最適化部41は、振幅誤差Ep,mと、波形誤差Ev,mと内部の記憶領域に書き込んで記憶させる(ステップS108)。
mが、M未満である場合、すなわちM回の繰り返しが終わっていない場合、最適化部41は、処理の継続を示す処理継続指示信号を入力部11に出力する。入力部11は、最適化部41から処理継続指示信号を受けると、再びステップS103の処理を行い、それに伴いステップS104~S108の処理が行われる。一方、mが、Mに一致した場合、すなわちM回の繰り返しが終了した場合、ループLa1s~La1eの処理は終了する(ループLa1e)。
ループ処理La1s~La1eが終了した場合、最適化部41は、内部の記憶領域が記憶するM回分の振幅誤差Ep,1~M及び波形誤差Ev,1~Mを読み出す。最適化部41は、読み出した振幅誤差Ep,1~M及び波形誤差Ev,1~Mに基づいて、次式(7)を目的関数とする最小化問題を解くことにより、振幅予測部21の関数近似器に適用する新たな係数と、波形予測部31の関数近似器に適用する新たな係数を算出する。最小化問題の解法としては、例えば最急降下法等の勾配法が適用される。
Figure 0007469703000007
最適化部41は、算出した振幅予測部21の関数近似器に適用する新たな係数を第1係数記憶部22に上書きして係数を更新する。最適化部41は、算出した波形予測部31の関数近似器に適用する新たな係数を第2係数記憶部32に上書きして係数を更新する(ステップS109)。
最適化部41は、係数を更新したことを通知する係数更新通知信号を入力部11に出力する。入力部11は、最適化部41から係数更新通知信号を受けると、学習ステップ数カウンタrが、予め定められる学習ステップ上限回数に一致するか否かを判定する(ステップS110)。ここで、予め定められる学習ステップ上限回数には、式(7)の目的関数によって示される誤差Eが十分に収束する程度の学習回数の値が適用され、例えば、「10000」程度の値が適用される。
入力部11は、学習ステップ数カウンタrが学習ステップ上限回数に一致していないと判定した場合(ステップS110-No)、学習ステップ数カウンタrに1を加算する(ステップS111)。その後、再びループLa1s~La1eの処理が行われる。
一方、入力部11は、学習ステップ数カウンタrが学習ステップ上限回数に一致していると判定した場合(ステップS110-Yes)、処理を終了する。処理が終了した段階で、第1係数記憶部22と、第2係数記憶部32とには、式(7)の目的関数によって示される誤差Eが十分収束した学習済みの係数が記憶されることになる。
なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS104の処理と、ステップS105-1,S106-1,S107-1の一連の処理と、ステップS105-2,S106-2,S107-2の一連の処理とは並列に行われ、ステップS103の処理は、少なくともステップS107-1,S107-2の処理が開始されるまでに完了するように行われる。
ステップS104の処理、ステップS105-1,S106-1,S107-1の一連の処理及びステップS105-2,S106-2,S107-2の一連の処理は、必ずしも並列に行われなくてもよい。例えば、ステップS104の処理、ステップS105-1,S106-1,S107-1の一連の処理、ステップS105-2,S106-2,S107-2の一連の処理の順に行われてもよく、ステップS105-1,S106-1,S107-1の一連の処理と、ステップS105-2,S106-2,S107-2の一連の処理の順番が入れ替わってもよい。
ステップS105-1,S105-2の係数を関数近似器に適用する処理は、ループ処理La1s~La1eのM回の処理の間、係数は更新されない。そのため、係数を関数近似器に適用する処理は、ループ処理La1s~La1eの毎回において行うのではなく、初回に一度だけ行われるようにしてもよい。
(予測装置の構成)
図3は、予測装置2の構成を示すブロック図である。なお、予測装置2において、学習装置1と同一の構成については同一の符号を付し、以下、異なる構成について説明する。予測装置2は、入力部51と、予測部52とを備える。入力部51は、式(8)の記号で示される予測対象地震関連データと、式(9)の記号で示される所望地点データとを入力する。以下、式(8)の記号を“~I”として示し、式(9)の記号を“~L”として示す。
Figure 0007469703000008
Figure 0007469703000009
予測対象地震関連データ“~I”は、予測の対象となる地震に関するデータであり、例えば予測の対象となる地震の震源の位置を示す震源位置データと、当該地震のマグニチュード等の地震の規模を示す地震規模データを含んでいる。
所望地点データ“~L”は、予測対象地震関連データ“~I”の地震によって発生する地震波の予測を所望する地点の座標を示す座標データであり、例えば二次元の座標データである。
予測部52は、振幅予測部21、学習済み第1係数記憶部62、波形予測部31、学習済み第2係数記憶部72及びデータ合成部81を備える。
学習済み第1係数記憶部62は、図2に示した学習装置1による学習処理において最終的に第1係数記憶部22に書き込まれている学習済みの係数を記憶する。最終的に第1係数記憶部22に書き込まれている学習済みの係数は、ステップS110において入力部11が、「Yes」の判定を行って処理を終了した時点の係数である。
学習済み第2係数記憶部72は、図2に示した学習装置1による学習処理において最終的に第2係数記憶部32に書き込まれている学習済みの係数を記憶する。最終的に第2係数記憶部32に書き込まれている学習済みの係数は、ステップS110において入力部11が、「Yes」の判定を行って処理を終了した時点の係数である。
データ合成部81は、振幅予測部21の出力データと、波形予測部31の出力データとに基づいて、予測対象地震関連データ“~I”の地震によって発生する地震波であって所望地点データ“~L”が示す地点に到達する地震波を算出する。
(予測装置による処理)
図4は、予測装置2による予測処理の流れを示すフローチャートである。
入力部51は、予測対象地震関連データ“~I”及び所望地点データ“~L”を入力し、入力した予測対象地震関連データ“~I”及び所望地点データ“~L”を振幅予測部21と、波形予測部31とに出力する(ステップS201)。
振幅予測部21は、入力部51が出力する予測対象地震関連データ“~I”及び所望地点データ“~L”を取り込む。振幅予測部21は、学習済み第1係数記憶部62から学習済みの係数を読み出し、読み出した学習済みの係数を内部に備える関数近似器に適用する(ステップS202-1)。
振幅予測部21は、学習済みの係数を適用した関数近似器に、予測対象地震関連データ“~I”及び所望地点データ“~L”を入力データとして与える。振幅予測部21の関数近似器は、与えられた入力データと、係数とに基づいて次式(10)の記号で示される予測振幅値を算出する。
Figure 0007469703000010
以下、式(10)の記号を“~p”として示す。振幅予測部21の関数近似器は、算出した予測振幅値“~p”を出力データとして出力する。振幅予測部21は、関数近似器が出力した予測振幅値“~p”をデータ合成部81に出力する(ステップS203-1)。
波形予測部31は、入力部51が出力する予測対象地震関連データ“~I”及び所望地点データ“~L”を取り込む。波形予測部31は、学習済み第2係数記憶部72から学習済みの係数を読み出し、読み出した学習済みの係数を内部に備える関数近似器に適用する(ステップS202-2)。
波形予測部31は、学習済みの係数を適用した関数近似器に、予測対象地震関連データ“~I”及び所望地点データ“~L”を入力データとして与える。波形予測部31の関数近似器は、与えられた入力データと、係数とに基づいて次式(11)の記号で示される予測波形ベクトルを算出する。
Figure 0007469703000011
以下、式(11)の記号を“~v”(t)として示す。波形予測部31の関数近似器は、算出した予測波形ベクトル“~v”(t)を出力データとして出力する。なお、tが時刻を示すパラメータであることから、予測波形ベクトル“~v”(t)は、時系列のベクトルであり、“~v”(0),“~v”(1),…,“~v”(T-2),“~v”(T-1)というT個のベクトルから構成される。波形予測部31は、関数近似器が出力した予測波形ベクトル“~v”(t)をデータ合成部81に出力する(ステップS203-2)。
データ合成部81は、振幅予測部21が出力する予測振幅値“~p”と、波形予測部31が出力する予測波形ベクトル“~v”(t)とに基づいて、次式(12)の右辺に示される演算を行い、式(12)の左辺に示される予測地震波ベクトル“~w”(t)を算出する(ステップS204)。予測地震波ベクトル“~w”(t)は、所望の地点における地震波に関する情報の一態様である。
Figure 0007469703000012
式(12)から分かるように、予測地震波ベクトル“~w”(t)は、予測波形ベクトル“~v”(t)に予測振幅値“~p”を乗算することにより求められるベクトルである。そのため、予測地震波ベクトル“~w”(t)は、予測波形ベクトル“~v”(t)と同様に時系列のベクトルであり、“~w”(0),“~w”(1),…,“~w”(T-2),“~w”(T-1)というT個のベクトルから構成される。
なお、ステップS202-1,S203-1の一連の処理及びステップS202-2,S203-2の一連の処理は、並列に行われるように示しているが、必ずしも並列に行われなくてもよい。ステップS202-1,S203-1の一連の処理、ステップS202-2,S203-2の一連の処理の順に処理が行われてもよいし、逆の順序で処理が行われてもよい。
(シミュレーション結果)
図5から図12は、8通りの異なる予測を所望する地点における8通りの異なる地震により発生した地震波の波形を示すグラフである。なお、本実施形態の学習装置1と、予測装置2との比較のために、以下に示すような構成の地震波ベクトルwn,k(t)を振幅値pn,kと波形ベクトルvn,k(t)に分離しない学習装置と、当該学習装置に対応する予測装置とを用いたシミュレーションを行っている。説明の便宜上、当該学習装置を「分離なし学習装置」といい、当該予測装置を「分離なし予測装置」という。
分離なし学習装置は、学習対象地震関連データIと、学習対象地点データLとを入力データとし、地震波ベクトルwn,k(t)の推定ベクトルを出力データとする関数近似器を備えている。分離なし学習装置は、地震波ベクトルwn,k(t)の推定ベクトルと、入力データに対応する地震波ベクトルwn,k(t)との誤差を算出し、算出した誤差を減少させるように関数近似器に適用する係数を更新する学習処理を行う。分離なし予測装置は、分離なし学習装置と同一の関数近似器を備えており、予測対象地震関連データ“~I”と、所望地点データ“~L”とを入力データとして与えることにより、関数近似器は、分離なし学習装置が学習処理によって生成した学習済みの係数を利用して、予測地震波ベクトル“~w”(t)を算出する。
図5から図12における(a)のグラフは、正解データ、すなわち実際に測定された地震波のグラフを示している。図5から図12における(b)のグラフは、上記の分離なし学習装置が生成した学習済み係数が適用された分離なし予測装置を利用したシミュレーションの結果であり、分離なし予測装置が算出した予測地震波ベクトル“~w”(t)のグラフである。図5から図12における(c)のグラフは、本実施形態の学習装置1と予測装置2を利用したシミュレーションの結果であり、予測装置2が算出した予測地震波ベクトル“~w”(t)のグラフである。なお、図5から図12における(b)と(c)は、バッチサイズMを「64」とし、学習ステップ上限回数を「10000」とした場合のグラフである。
図5から図12のグラフにおいて、横軸は、時間であり、tの単位は、「10ミリ秒」である。縦軸は、地震波の振幅である。図5から図12の(b)のグラフから分かるように、地震波ベクトルwn,k(t)を振幅値pn,kと、波形ベクトルvn,k(t)に分離せずに学習処理を行った場合、予測地震波ベクトル“~w”(t)は全て、ほぼ同一の波形になっていることが分かる。これらの波形は、図5から図12の(a)の正解データのグラフとも異なっており、学習処理が上手くいっていないことが分かる。
これに対して、図5から図12の(a)と(c)のグラフの対比から分かるように、本実施形態の予測装置2が算出した予測地震波ベクトル“~w”(t)の波形の特徴は、正解データの波形の特徴と類似しており、学習処理が適切に行われており、予測精度が向上していることが分かる。
上記の実施形態の学習装置1において、入力部11は、学習対象地震関連データIと、学習対象地震関連データIの地震によって発生した地震波を測定した地点を示す学習対象地点データLと、学習対象地点データLが示す地点において測定された地震波を示す地震波ベクトルwn,k(t)とを入力する。データ分離部12は、地震波ベクトルwn,k(t)を、振幅値pn,kと、波形ベクトルvn,k(t)とに分離する。学習部13は、学習対象地震関連データIと、学習対象地点データとを入力データとして振幅予測部21が備える関数近似器に与えることにより得られる推定振幅値^pn,kと、振幅値pn,kとの誤差Eを算出する。学習部13は、入力データを波形予測部31が備える関数近似器に与えることにより得られる推定波形ベクトル^vn,k(t)と、波形ベクトルvn,k(t)との誤差Eを算出する。学習部13は、誤差Eと、誤差Eとに基づいて、振幅予測部21が備える関数近似器の係数と、波形予測部31が備える関数近似器の係数とを更新する。
上記の実施形態の予測装置2において、入力部51は、予測対象の地震に関するデータである予測対象地震関連データ“~I”と、予測対象地震関連データ“~I”の地震によって発生する地震波の予測を所望する地点を示す所望地点データ“~L”とを入力する。予測部52は、予測対象地震関連データ“~I”と、所望地点データ“~L”とを入力データとし、学習装置1による学習処理によって得られた学習済みの係数を用いて、予測振幅値“~p”と、予測波形ベクトル“~v”(t)とを算出し、算出した予測振幅値“~p”と、予測波形ベクトル“~v”(t)とに基づいて、予測地震波ベクトル“~w”(t)を算出する。予測地震波ベクトル“~w”(t)は、予測対象地震関連データ“~I”の地震によって発生する地震波であって所望の地点に到達する地震波の波形の特徴と類似する特徴を有する。
上記の学習装置1の構成により、学習対象地震関連データIと、学習対象地震関連データIの地震によって発生した地震波を測定した地点を示す学習対象地点データLと、学習対象地点データLにおいて測定された学習対象地震関連データIの地震の地震波ベクトルwn,k(t)との関係を振幅予測部21と波形予測部31が備える関数近似器においてモデル化することができる。このモデルは、学習対象地震関連データIに含まれている震源の位置から、学習対象地点データLが示す地点まので間の地層のモデルを間接的に示していることになる。そのため、予測装置2は、学習装置1の学習処理によって得られた学習済みの係数を用いることで、簡易に地層のモデルを構築して、高い予測精度で地震波に関する情報を予測することができる。そのため、簡易に任意の地点における地震波に関する情報を高い精度で予測することが可能となる。
学習装置1は、地震波ベクトルwn,k(t)を、予測が困難な振幅成分と、予測が容易な波形成分とに分離して学習処理を行っている。そのため、学習効率が向上し、上記のシミュレーション結果において示したように、地震波ベクトルを直接予測するよりも、高い精度で予測を行うことが可能になる。
一般的に、地震が発生した際における各地の影響は、各地に設置された地震計により計測された地震動に基づき判定されている。地震動は当該地震計に到達した地震波により発生するため、当然のことながら原則として地震計が設置された地点の地震波しか取得することができない。ここで、地震計を設置することができる場所は、細かに設定された条件が満たされた場所のみである。そのため、地震計を設置する基準を満たさない地点においては、地震波を測定することができないという問題がある。地震計等の機器を設置することができる地点であっても、地震発生後、すぐに地震計等の機器を設置することは時間的に困難である。これに対して、学習装置1及び予測装置2は、地震計等の機器を設置することなく、任意の地点における地震波に関する情報を予測することができる。これは、学習装置1において、学習対象地震関連データI、学習対象地点データL、及び地震波ベクトルwn,k(t)という観測データから地震の伝達関数を連続空間でモデル化しているからである。それにより、予測装置2では、このモデル化された伝達関数を用いることにより任意の地震の任意の地点における地震波の予測を可能にしている。そのため、学習装置1及び予測装置2を用いることで、地震計を設置する基準を満たさない地点や、予め地震計等の機器を設置しておくことができない地点に到達することが想定される地震波を予測することができる。
なお、上記の実施形態において、学習対象地震関連データIは、震源の位置を示す震源位置データと、当該地震のマグニチュード等の地震の規模を示す地震規模データとを含んでいるとしているが、それ以外の情報を含むようにしてもよい。なお、学習対象地震関連データIは、それ以外の情報として、震源の位置と学習対象地点データLが示す地点との間の地形の形状の種類や海の深さ等の収集に多大なコストを要しない情報を含んでいてもよいが、震源の位置と学習対象地点データLが示す地点との間の地層の情報のように収集に多大なコストを要する情報は含まないものとする。ここで、地層の情報とは、地層の性質を示す要素であり、例えば、地盤特性、伝搬特性、卓越周波数特性、インピーダンス特性などの個々の地震と無相関な情報である。ただし、地層の情報であっても、個々の地震と相関のある情報、例えば湿度や地面の温度などの個々の地震に関連付けられる情報については、学習対象地震関連データIに含めるようにしてもよい。
上記したように、学習装置1と、予測装置2において、振幅予測部21及び波形予測部31の各々の関数近似器に与える入力データに含まれるデータの種類が一致している必要がある。そのため、学習対象地震関連データIが、震源位置データと地震規模データ以外の種類のデータを含む場合、予測対象地震関連データ“~I”も同様に当該種類のデータを含むことになる。
上記の実施形態において、地震の規模として、例えば、マグニチュードを示しているが、マグニチュード以外の地震の規模を示す指標、例えば、地震モーメントなどを適用してもよい。
上記の実施形態において、学習装置1は、バッチサイズMを「64」程度の値とし、学習ステップ上限回数を「10000」程度の値とする、いわゆるミニバッチ学習を行っているが、これらの値は任意に変更してもよい。式(7)に示される誤差Eが十分収束した際に図2に示した学習処理を終了するようにしてもよい。図2に示す学習処理は、バッチサイズMを「64」としているが、全ての「n」と「k」の組み合わせが終了するまでループLa1s~La1eの処理を繰り返し行うバッチ学習を行ってもよい。最適化部41が、ステップS209に替えて、ステップS208のタイミングで得られた振幅誤差Eと、波形誤差Eとに基づいて、ステップS208の処理の中で、係数を更新するオンライン学習を行うようにしてもよい。
上記の実施形態において、振幅予測部21及び波形予測部31の各々が備える関数近似器の例として、多層パーセプトロン等のニューラルネットワークであるとしているが、多層パーセプトロン等のニューラルネットワーク以外の機械学習で用いられる手段が適用されてもよく、係数を含んだ数式で示される関数を適用してもよい。なお、ニューラルネットワークを用いる場合、学習処理が終了した関数近似器は学習済みモデルとなる。また、振幅と波形をそれぞれ非線形関数で表現してもよい。要は、学習対象地震関連データIと、学習対象地点データLと、学習対象地点データLが示す位置で観測された地震波を示す地震波ベクトルwn,k(t)を用いて所望の地点に到来する地震波を予測しようとする場合、分離した振幅と波形を個別に予測する点がポイントである。ここで、所望の地点とは、学習対象地点データLが示す地点を含む任意の地点である。
上記の実施形態では、学習装置1の振幅予測部21及び波形予測部31の各々が関数近似器を備えるようにしているが、2つの関数近似器ではなく、1つの関数近似器を用いてもよい。すなわち、入力データとして学習対象地震関連データIと学習対象地点データLを取り込み、出力データとして、推定振幅値^pn,kと、推定波形ベクトル^vn,k(t)とを出力する関数近似器を用いるようにしてもよい。この場合、学習装置1による学習処理によって得られる係数は、1つの関数近似器に適用する係数となる。そのため、予測装置2も学習装置1と同一の関数近似器を1つ備えて、学習済みの係数を当該関数近似器に適用し、入力データとして予測対象地震関連データ“~I”と所望地点データ“~L”を関数近似器に与えることにより、出力データとして予測振幅値“~p”と、予測波形ベクトル“~v”(t)とが得られることになる。
上述した実施形態における学習装置1及び予測装置2をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
任意の地点に到達する地震の地震波の予測に用いることができる。
1…学習装置、11…入力部、12…データ分離部、13…学習部、21…振幅予測部、22…第1係数記憶部、23…振幅誤差算出部、31…波形予測部、32…第2係数記憶部、33…波形誤差算出部、41…最適化部、2…予測装置、51…入力部、52…予測部、62…学習済み第1係数記憶部、72…学習済み第2係数記憶部、81…データ合成部

Claims (8)

  1. (削除)
  2. 地震波に関する情報の予測の学習に用いられる学習対象地震関連データであって、少なくとも震源の位置情報及び地震の規模情報を含み前記震源の位置と所望の地点との間の地層の情報を含まない学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データの地震によって発生した地震波を測定した地点を示す学習対象地点データと、前記学習対象地点データが示す地点において測定された前記地震波を示す地震波ベクトルとを入力する入力ステップと、
    前記地震波ベクトルを、振幅値と、波形ベクトルとに分離するデータ分離ステップと、
    前記学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データに対応する前記学習対象地点データとを入力データと、学習により更新される係数とに基づいて得られる前記振幅値の推定値及び前記波形ベクトルの推定ベクトルと、前記入力データに対応する前記地震波ベクトルから得られた前記振幅値及び前記波形ベクトルとに基づいて、前記係数を更新する学習ステップと、
    を含む学習方法。
  3. 前記学習ステップは、
    前記学習対象地震関連データと、前記学習対象地点データとを入力データとして第1の関数近似器に与えることにより得られる前記振幅値の推定値と、前記入力データに対応する前記地震波ベクトルから得られた前記振幅値との誤差である第1の誤差を算出し、前記入力データを第2の関数近似器に与えることにより得られる前記波形ベクトルの推定ベクトルと、前記入力データに対応する前記地震波ベクトルから得られた前記波形ベクトルとの誤差である第2の誤差とを算出し、前記第1の誤差と、前記第2の誤差とに基づいて、前記第1の関数近似器の係数と、前記第2の関数近似器の係数とを更新する、
    請求項2に記載の学習方法。
  4. 所望の地点の地震波を予測する予測装置であって、
    予測対象の地震に関するデータである予測対象地震関連データであって、少なくとも前記予測対象の地震の震源の位置情報及び前記予測対象の地震の規模情報を含み、前記震源の位置と前記所望の地点との間の地層の情報を含まない予測対象地震関連データを取得する取得部と、
    前記予測対象地震関連データと前記所望の地点の位置情報とを用いて前記所望の地点における振幅を予測する振幅予測部と、
    前記予測対象地震関連データと前記所望地点の位置情報とを用いて前記所望の地点における波形ベクトルを予測する波形予測部と、
    予測された前記振幅と予測された前記波形ベクトルとを用いて、前記所望の地点における地震波を予測する地震波予測部と、
    を有する予測装置。
  5. 所望の地点の地震波に関する情報を予測する予測装置であって、
    所望の地点を示す所望地点情報を入力する入力部と、
    少なくとも前記所望地点情報と、震源の位置情報と、地震の規模情報とを用いて前記所望の地点における地震波に関する情報を予測する予測部と、
    を備え、
    前記予測部は、前記地震波を予測する際、前記震源の位置と前記所望の地点との間の地層の情報を用いない予測装置。
  6. 地震波に関する情報の予測の学習に用いられる学習対象地震関連データであって、少なくとも震源の位置情報及び地震の規模情報を含み前記震源の位置と所望の地点との間の地層の情報を含まない学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データの地震によって発生した地震波を測定した地点を示す学習対象地点データと、前記学習対象地点データが示す地点において測定された前記地震波を示す地震波ベクトルとを入力する入力部と、
    前記地震波ベクトルを、振幅値と、波形ベクトルとに分離するデータ分離部と、
    前記学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データに対応する前記学習対象地点データとを入力データと、学習により更新される係数とに基づいて得られる前記振幅値の推定値及び前記波形ベクトルの推定ベクトルと、前記入力データに対応する前記地震波ベクトルから得られた前記振幅値及び前記波形ベクトルとに基づいて、前記係数を更新する学習部と、
    を備える学習装置。
  7. コンピュータに、
    所望の地点を示す所望地点情報を入力する入力ステップと、
    少なくとも前記所望地点情報と、震源の位置情報と、地震の規模情報とを用いて前記所望の地点における地震波に関する情報を予測する予測ステップと、
    を実行させ、
    前記予測ステップにおいて、前記震源の位置と前記所望の地点との間の地層の情報を用いない予測プログラム。
  8. コンピュータに、
    地震波に関する情報の予測の学習に用いられる学習対象地震関連データであって、少なくとも震源の位置情報及び地震の規模情報を含み前記震源の位置と所望の地点との間の地層の情報を含まない学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データの地震によって発生した地震波を測定した地点を示す学習対象地点データと、前記学習対象地点データが示す地点において測定された前記地震波を示す地震波ベクトルとを入力する入力ステップと、
    前記地震波ベクトルを、振幅値と、波形ベクトルとに分離するデータ分離ステップと、
    前記学習対象地震関連データと、前記学習対象地震関連データに対応する前記学習対象地点データとを入力データと、学習により更新される係数とに基づいて得られる前記振幅値の推定値及び前記波形ベクトルの推定ベクトルと、前記入力データに対応する前記地震波ベクトルから得られた前記振幅値及び前記波形ベクトルとに基づいて、前記係数を更新する学習ステップと、
    を実行させるための学習プログラム。
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