JP7469577B2 - 煙草エアロゾル曝露装置 - Google Patents

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Description

本発明は、煙草エアロゾル曝露装置に関する。
2020年4月から完全施行された改正健康増進法は、望まない受動喫煙をなくすために施設の類型・場所ごとに対策を実施することで対応している。しかし、加熱式煙草は経過措置として、飲食可能な喫煙室での使用が認められている(非特許文献1)。その理由として加熱式煙草は日本で販売が開始されてから期間も短く、喫煙者の健康影響、受動喫煙に関しても科学的な根拠の蓄積が少ない状況が挙げられる。この加熱式煙草は、加工された煙草葉を携帯型の装置で加熱することによって発生する煙(エアロゾル)を吸引する煙草製品である(非特許文献2)。この煙草製品は、燃焼を伴わないために紙巻煙草から発生する有害化学物質の発生量を抑制する。2014年に販売開始されたIQOSをはじめとする加熱式煙草の主流煙(エアロゾル)は、燃焼由来の有害化学物質が90%近く削減されている。
しかし、この加熱式煙草は従来から販売されている紙巻煙草と同様にニコチンを含んでおり依存性があると考えられる。加熱式煙草のエアロゾルを捕集すると、紙巻煙草ほどではないがタールが確認される。加熱式煙草のエアロゾルには、削減されてはいるものの、発がん性物質であるNNN、NNK、1,3-ブタジエン、ベンゼン、ホルムアルデヒド、ベンゾピレン、o-トルイジン、2-ナフチルアミン等が含有されている(非特許文献3,4,5)。
加熱式煙草の主流煙中の有害物質やタール量等を調査するための曝露装置がある。例えばBorgwaldt製の曝露装置(LM4E-Linear Vaping Machine for E-Cigarettes)を用いて加熱式煙草を吸引し主流煙を捕集することができる。捕集メソッドには3種類の吸煙プロトコルがあり、各プロトコルには吸煙プロフィールが設定されている。HCI法及びISO法においてはhumanというヒトの呼吸を再現したプロフィールが設定されており、CORESTA法では常に一定の流量で吸煙するbellというプロフィールが設定されている。
しかしながらこの曝露装置を使用して主流煙を捕集するとPuff数が増えるにつれてカルボニル化合物等の捕集量も増加する傾向は見られるものの直線関係にはならないことが報告されている(非特許文献6)。この原因は捕集時に曝露装置付属の吸引チューブ内部に微量な水滴が発生しその水滴の影響を受けたものと考えられる。
特許文献1には、煙草エアロゾルの細胞等への曝露試験を適切に行うための装置が開示されており、粒子状物質を含む煙を発生させるための発煙部と、この発煙部で発生された煙に気体を加えることによって希釈する希釈手段と、この希釈手段へ気体を供給するエアユニットと、内部に細胞付着面を有し、前記希釈手段で希釈された煙が導入される少なくとも1つの曝露用のチャンバと、このチャンバ内に前記煙が導入された後、このチャンバを密閉するように、気体の流れを遮断する遮断手段と、チャンバに導入された煙を排気させる排気手段と、を具備する曝露装置が記載されている。
しかしながらこの曝露装置であっても、細胞付着面を有するチャンバへ導入される煙は希釈手段で希釈されているため十分に曝露されていない虞があり、更には加熱式煙草の場合は細胞が煙草エアロゾルに適切に曝露されない可能性がある。
JP WO2003/031946 A1
厚生労働省.健康増進法の一部を改正する法律(平成30年法律第78号)概要.https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000469083.pdf (accessed 2020-04-10)Ministry of Health, Labour and Welfare. [Kenko zoshinhono ichibu o kaisei suru horitsu (heisei 30 nen horitsu dai78 go) gaiyo.] (in Japanese) (accessed 2020-04-10) Schaller JP, Keller D, Poget L, Pratte P, Kaelin E, McHughD, et al. Evaluation of the Tobacco Heating System 2.2.Part 2: Chem) 喫煙と健康問題に関する検討会.「 喫煙と健康喫煙の健康影響に関する検討会報告書」2016;55-81.https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000172687.pdf (accessed 2020-04-10)itsuen to Kenko Mondai ni kansuru Kentokai. [Kitsuento kenko Kitsuen no kenko eikyo ni kansuru kentokai hokokusho] 2016;55-81. https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000172687.pdf (in Japanese) (accessed 2020-04-10) 中村正和,田淵貴大,尾崎米厚,大和浩,欅田尚樹,吉見逸郎,他.加熱式たばこ製品の使用実態,健康影響,たばこ規制への影響とそれを踏まえた政策提言.日本公衆衛生雑誌.2020;67:3-14. doi:10.11236/jph.67.1_3Nakamura M, Tabuchi T, Osaki Y, Yamato H, Kunugita N,Yoshimi I, et al. [Policy recommendation for the regulation of heated tobacco products based on evidence review of their health effects and influence on tobacco control.] Nihon Koshu Eiseigaku Zasshi. 2020;67:3-14. doi:10.11236/jph.67.1_3 (in Japanese) World Health Organizat World Health Organization. Heated tobacco products(HTPs) information sheet. 2018. https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/272875/WHO-NMH-PND-17.6-eng.pdf?ua=1 (accessed 2020-04-10) A.A.Ruprecht: Aerosol Sci.Tec.51,674-684(2017)
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、加熱式煙草の煙草エアロゾルを適切に対象に曝露させることができる煙草エアロゾル曝露装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置(900)は、煙草葉を使用し加熱によりニコチンを包含する煙草エアロゾルを発生させる加熱式煙草を内部に収容する、上面が開口している収容容器(100)と、前記収容容器(100)内部に充填され、前記加熱式煙草を支持するケイ素含有無機粒子(200)と、前記収容容器(100)内部に空気を送り出す送風部(300)と、前記送風部(300)から送り出される空気を前記収容容器(100)の内部へ連絡する送風チューブ(310)と、前記加熱式煙草の吸入口から排出される煙草エアロゾルを実験対象に吸引させる吸引部(400)と、前記加熱式煙草から送り出される煙草エアロゾルを前記吸引部(400)へ連絡する煙草エアロゾルチューブ(410)と、前記収容容器(100)の上面の開口を塞ぐ蓋部(110)と、前記蓋部(110)に設けられ、前記送風チューブ(310)の先端部が取付可能であり、前記送風チューブ(310)からの空気を前記収容容器(100)の内部へ導入する、第1接続ポート(130)と、前記蓋部(110)に設けられ、前記煙草エアロゾルチューブ(410)の先端部が取付可能であるとともに、前記加熱式煙草の吸入口を差込み可能であり、前記加熱式煙草の吸入口から排出される煙草エアロゾルを前記煙草エアロゾルチューブ(410)へ導入する、第2接続ポート(120)と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、加熱式煙草の煙草エアロゾルを適切に対象に曝露させることができる。
本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置の概略を説明する図である。 本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置の平面写真図である。 本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置の側面写真図である。 比較例としての煙草エアロゾル曝露装置を示す図であり、そのうち(a)は写真図であり、(b)は概略図である。 タールによるフィルターへの着色を比較する写真図である。 煙草エアロゾルに曝露されたマウスの体表をIRカメラで測定した写真図である。 煙草エアロゾル又は空気に曝露されたマウスの体表を比較する写真図である。 マウス尿中のニコチン代謝物の量を測定した図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
図1に示されるように、本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置900は、収容容器100と、ケイ素含有無機粒子200と、送風部300と、吸引部400と、を有する。
収容容器100は上面が開口しており、煙草葉を使用し加熱によりニコチンを包含する煙草エアロゾルを発生させる加熱式煙草を内部に収容する。蓋部110は収容容器100の上面の開口を塞ぐ。収容容器100の側面部は視認性を担保する観点から透明又は半透明であることが好ましい。
収容容器100は300℃~350℃にて加熱する高温加熱の加熱式煙草を内部に収容する。高温加熱の加熱式煙草は、本体の中にヒートスティックを挿入して加熱板に突き刺し、300~350℃に加熱するとニコチンの沸点が247℃であるため発生したエアロゾルから喫煙者が満足する濃度のニコチンが摂取できる仕組みである。
ケイ素含有無機粒子200は、収容容器100内部に充填され、加熱式煙草を支持する。好ましくはケイ素含有無機粒子200は加熱式煙草を略鉛直方向に支持する。加熱式煙草のバッテリー側の端部と収容容器100の内側底面部との間にケイ素含有無機粒子200が充填された状態にて、加熱式煙草はケイ素含有無機粒子200により支持されている。
ケイ素含有無機粒子200は、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミノケイ酸塩及び金属担持アルミノケイ酸塩からなる群から選ばれる一種又は二種以上である。
ケイ素含有無機粒子200は、好ましくはゼオライトであり、特に好ましくは合成ゼオライトである。
合成ゼオライトは例えばLTA型ゼオライトであり、好ましくはモレキュラーシーブが使用される。モレキュラーシーブにはタイプ3A、4A、5A、13X等があるが好ましくはタイプ3Aである。
モレキュラーシーブは、収容容器100内において内容量の体積の例えば10%~40%充填されており、好ましくは15%~35%充填されており、更に好ましくは20%~30%充填されており、最も好ましくは25%充填されている。
モレキュラーシーブは、収容容器100内において、例えば0.005g/m2以上5.0g/m2以下含有されており、好ましくは0.01g/m2以上1.0g/m2以下含有されており、更に好ましくは0.05g/m2以上0.5g/m2以下含有されており、最も好ましくは1.0g/m2含有されている。
なおケイ素含有無機粒子は、ガラスビーズとすることも可能である。ガラスビーズはソーダガラスにて構成されることが好ましい。
送風部300は、収容容器100内部に空気を送り出す。送風部300から送り出される空気の流速は、特に限定されるものではないが加熱式煙草の吸引を効果的に実現させるために例えば1.55L/min~1.75L/minであり、好ましくは1.58L/min~1.72L/minであり、特に好ましくは1.55L/min~1.69L/minであり、最も好ましくは1.65L/minである。
送風部300は、カナダ保健省(HCI)法の捕集プロトコル(1Puffあたりの吸引量55mL、吸引間隔30秒、吸引時間2秒、通気孔100%閉鎖、フィルターなしの紙巻煙草の場合は吸い殻の長さ23mm、フィルター付き紙巻煙草の場合はフィルターのオーバーラップ部分の長さ+3mm)(HCI、2000年)を参照して決定することが可能であり、例えばPuff時間1~3秒、Puff間隔20秒~40秒にて空気を送り出し、好ましくは、送風部300は、Puff時間2秒、Puff間隔30秒にて空気を送り出す。
吸引部400は、加熱式煙草の吸入口から排出される煙草エアロゾルを実験対象に吸引させる。吸引部400の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、中央に煙草エアロゾルチューブ410との接続部である開口部を有する漏斗型形状である。
送風チューブ310は、送風部300から送り出される空気を前記収容容器100の内部へ連絡する。送風チューブ310は耐久性及び可撓性を有するものであることが好ましく例えばシリコンチューブにて形成される。
煙草エアロゾルを吸引させる実験対象は、特に限定されるものではなく例えばラット、マウス、ウサギ等の小動物又は細胞である。
煙草エアロゾルチューブ410は、加熱式煙草から送り出される煙草エアロゾルを吸引部400へ連絡する。煙草エアロゾルチューブ410は保温されていることが好ましい。保温されていることで煙草エアロゾルチューブ410内部をエアロゾルが通過する際にエアロゾルが水滴化することを防止できるからである。特に限定されるものではないが、例えば煙草エアロゾルチューブ410は35℃~40℃に加温されていることが好ましい。
第1接続ポート130は、蓋部110に設けられており、送風チューブ310の先端部が取付可能である。第1接続ポート130は送風チューブ310からの空気を収容容器100の内部へ導入する。
第2接続ポート120は、蓋部110に設けられており、煙草エアロゾルチューブ410の先端部が取付可能である。第2接続ポート120には加熱式煙草の吸入口を差込み可能であり、加熱式煙草の吸入口から排出される煙草エアロゾルを煙草エアロゾルチューブ410へ導入する。
(1)煙草エアロゾル曝露装置900の作製
収容容器100は、DURAN 広口ねじ口瓶 500ml品番2-8210-01を使用した。口内径65mm×胴径(最大外径)101mm×高さ148mmであった。ネジ口規格はGL-80であった。収容容器100の材質はDURAN(R)(ホウ珪酸ガラス-1)であった。収容容器100の上面の開口を塞ぐ蓋部110はポリプロピレン製であった。
収容容器100の内部に充填されるケイ素含有無機粒子200は、合成ゼオライトであるモレキュラーシーブ 3A, 8-12 mesh (Sigma-Aldrich商品番号208582)を使用した。ケイ素含有無機粒子200は収容容器100内部の体積の25%まで充填された。
送風部300はコンピュータで制御され一定間隔で一定量の空気を送りだすことができる装置であった。Puff容量55mL、Puff時間2秒、Puff間隔30秒にて試験を行った。
送風部300から送り出される空気を収容容器100の内部に送る送風チューブ310は、アズワン(株)のラボランチューブ 商品番号9-867-07を使用した。長さ600mm、内径4mm、外径6mmのシリコン製チューブであった。
煙草エアロゾルを実験対象に吸引させる吸引部400は、ポリプロピレン製であり漏斗型形状であった。
加熱式煙草から送り出される煙草エアロゾルを吸引部400へ連絡する煙草エアロゾルチューブ410はステンレス製のL字型形状のボルグワルド社(Borgwaldt 品番E109088を使用した。
第1接続ポート130は蓋部110に設けられており、送風チューブ310の先端部が取り付けられた。
第2接続ポート120は蓋部110に設けられており、煙草エアロゾルチューブ410の先端部が取り付けられた。
このようにして作製された煙草エアロゾル曝露試験装置900を図2及び図3に示す。
(2)フィルターを使用した煙草エアロゾル分析試験
収納容器100から蓋部110を取り外し、蓋部110の内側から第2接続ポート120に加熱式煙草の吸引口を差込みして取り付けた。使用した加熱式煙草はIQOS 3 DUOホルダーであり、煙草葉はマルボロレギュラーを使用した。次に蓋部110にて収納容器100の開口を塞いだ。
IQOSの加熱は行わずに、ヘルスカナダ法(Health Canada Intensive:ISO法よりもヒトの吸煙行動により近づけた方法として知られている方法)で1Puffの流量プロフィールを測定した。なおヘルスカナダ法は、2秒間で55ml、30秒間隔で吸引する方法であり、55ml/2秒間=1.65L/minに相当するものである。
比較例として、自動喫煙装置LM4E(Borgwaldt製 LM4E-Linear Vaping Machine for E-Cigarettes)を用いた。
また別の比較例として、図4(a)(b)に示される煙草エアロゾル曝露装置Type-1を使用した。このType-1装置は、煙草エアロゾルの吸引時は逆止弁Aで曝露側を閉じるにし、煙草エアロゾルが加熱式煙草からポンプ側に移動するようにする。次にもう一つの逆止弁Bで加熱式煙草側を閉じるにし、吸引した煙草エアロゾルがポンプから曝露側に移動するようにする。このようにして1puffごとに吸引と曝露を繰り返す装置である。
吸引部400にケンブリッジフィルターパッドを取り付けした。自動喫煙装置LM4E及びType-1装置の曝露側にある吸引部にもケンブリッジフィルターパッドを取り付けした。
結果を図5に示す。ここで本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置900はType-2として表記している。Blankとは未使用状態のパッドである。図5に示されるように本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置では、タールによる着色が著しいものであった。一方比較例にかかるType-1装置では本発明の約半分程度の着色であった。また比較例にかかる自動喫煙装置LM4Eでも本発明より着色が薄いことが認められた。
比較例にかかる自動喫煙装置LM4E、Type-1装置、及び、本発明にかかる蒸気曝露装置900のそれぞれにおいて、試験後にケンブリッジフィルターパッドに集積されたニコチン量、タール量、CO量を測定した。結果を下記表1に示す。
表1に示されるように、本発明にかかる蒸気曝露装置900では、自動喫煙装置LM4E、及び、Type-1装置と比較してケンブリッジフィルターパッドに集積されたニコチン量、タール量及びCO量の全てにおいて優れた値を示した。
(3)マウスを使用した煙草エアロゾル曝露試験
試験に使用したマウスは10~12週のオスC57BL/6マウスであり、マウスの頭部を煙草エアロゾル曝露装置900の吸引部400の漏斗型形状の先端内部付近に位置させて固定させた。
IQOSの加熱は行わずに、ヘルスカナダ法(前述したように、2秒間で55ml、30秒間隔で吸引する方法であり、55ml/2秒間=1.65L/minに相当するもの)で1Puffの流量プロフィールを測定した。
マウスの体表温度をIRカメラにて測定した。図6に示されるように、煙草エアロゾルに曝露直前のマウスの体表は37.6℃±0.8℃(mean±SD;N=7)でありIRカメラでは赤く表示されていた。曝露直後ではニコチンを吸入したことによる血管収縮作用によりやや体温の低下が見られた。その後、5分後、10分後、15分後と体温の低下が見られ、30分後には最大の体温の低下が見られ、マウスの体表は35.5℃±0.5℃であった。60分後、120分後においてはやや体温の上昇が見られた。このようにIRカメラによるマウス体表温度の観察結果によれば的確にマウスに対して煙草エアロゾルが到達していることが確認できた。
次に煙草エアロゾルではなく単なる空気に曝露されたShamと比較した結果を図7(a)(b)に示す。前述したように本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置900を使用した場合にあっては、マウスは的確に煙草エアロゾルを吸引するため、煙草エアロゾルの曝露直後から、5分後、10分後、15分後と体温の低下が見られ、30分後には最大の体温の低下が見られた。一方で空気に曝露された場合にあっては、マウスの体表温度には低下は見られなかった。実験開始から30分後において、本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置900を使用して煙草エアロゾルに曝露されたマウスと、空気に曝露されたマウスとを比較すると温度差は顕著なものであった。
(4)マウス尿中のニコチン代謝物の測定
ニコチンは、主に肝臓でコチニン、さらに一部は3’-ヒドロキシコチニンへ代謝される。本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置900を使用してC57BL/6マウスを煙草エアロゾルに曝露させ、1時間後、2時間後、4時間後、及び、6時間後に採取されたマウス尿中のコチニン及び3’-ヒドロキシコチニンをLC-MS/MSにて検出した。結果を図8(a)(b)に示す。マウス尿中のコチニン量は曝露から1時間後に最大となり、3’-ヒドロキシコチニン量は曝露から2時間後に最大となった。これにより本発明にかかる煙草エアロゾル曝露装置900は的確にマウスに対して煙草エアロゾルを到達させていることが確認できた。
副流煙等の煙草健康被害調査に利用できる。
100:収容容器
110:蓋部
120:第2接続ポート
130:第1接続ポート
200:ケイ素含有無機粒子
300:送風部
310:送風チューブ
400:吸引部
410:煙草エアロゾルチューブ
900:煙草エアロゾル曝露装置

Claims (20)

  1. 煙草葉を使用し加熱によりニコチンを包含する煙草エアロゾルを発生させる加熱式煙草を内部に収容する、上面が開口している収容容器(100)と、
    前記収容容器(100)内部に充填され、前記加熱式煙草を支持するケイ素含有無機粒子(200)と、
    前記収容容器(100)内部に空気を送り出す送風部(300)と、
    前記送風部(300)から送り出される空気を前記収容容器(100)の内部へ連絡する送風チューブ(310)と、
    前記加熱式煙草の吸入口から排出される煙草エアロゾルを実験対象に吸引させる吸引部(400)と、
    前記加熱式煙草から送り出される煙草エアロゾルを前記吸引部(400)へ連絡する煙草エアロゾルチューブ(410)と、
    前記収容容器(100)の上面の開口を塞ぐ蓋部(110)と、
    前記蓋部(110)に設けられ、前記送風チューブ(310)の先端部が取付可能であり、前記送風チューブ(310)からの空気を前記収容容器(100)の内部へ導入する、第1接続ポート(130)と、
    前記蓋部(110)に設けられ、前記煙草エアロゾルチューブ(410)の先端部が取付可能であるとともに、前記加熱式煙草の吸入口を差込み可能であり、前記加熱式煙草の吸入口から排出される煙草エアロゾルを前記煙草エアロゾルチューブ(410)へ導入する、第2接続ポート(120)と、
    を有することを特徴とする煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  2. 前記ケイ素含有無機粒子(200)が、活性炭、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミノケイ酸塩及び金属担持アルミノケイ酸塩からなる群から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  3. 前記ケイ素含有無機粒子(200)がゼオライトであることを特徴とする請求項1に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  4. 前記ゼオライトは合成ゼオライトであることを特徴とする請求項3に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  5. 前記合成ゼオライトはLTA型ゼオライトであることを特徴とする請求項4に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  6. 前記合成ゼオライトはモレキュラーシーブであることを特徴とする請求項4に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  7. 前記モレキュラーシーブは前記収容容器(100)内において内容量の体積の55%~65%充填されていることを特徴とする請求項6に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  8. 前記モレキュラーシーブは、前記収容容器(100)内において、0.005g/m2以上5.0g/m2以下含有されていることを特徴とする請求項6に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  9. 前記ケイ素含有無機粒子(200)がガラスビーズであることを特徴とする請求項1に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  10. 前記収容容器(100)は、300℃~350℃にて加熱する高温加熱式の煙草を内部に収容する収容容器であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  11. 前記煙草エアロゾルチューブ(410)は35℃~40℃に保温されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  12. 前記送風チューブ(310)はシリコンチューブであることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  13. 前記送風部(300)から送り出される空気の流速は、1.55L/min~1.75L/minであることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  14. 前記送風部(300)から送り出される空気の流速は、1.65L/minであることを特徴とする請求項13に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  15. 前記収容容器(100)の側面部は透明又は半透明であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  16. 前記吸引部(400)は、中央に煙草エアロゾルチューブ(410)との接続部である開口部を有する漏斗型形状であることを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  17. 前記ケイ素含有無機粒子(200)は前記加熱式煙草を略鉛直方向に支持することを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  18. 前記加熱式煙草のバッテリー側の端部と前記収容容器(100)の内側底面部との間に前記ケイ素含有無機粒子(200)が充填された状態にて、前記加熱式煙草はケイ素含有無機粒子(200)により支持されていることを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  19. 前記送風部(300)は、Puff時間1~3秒、Puff間隔20秒~40秒にて空気を送り出すことを特徴とする請求項1乃至18の何れか1項に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
  20. 前記送風部(300)は、Puff時間2秒、Puff間隔30秒にて空気を送り出すことを特徴とする請求項19に記載の煙草エアロゾル曝露装置(900)。
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