以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて詳細に説明する。
図1は実施の形態1のケーブル接続ユニット(ケーブル無)を示す斜視図を、図2は図1のケーブル接続ユニット(アダプタ無)のA矢視図を、図3は図2のケーブル接続ユニット(アダプタ有)のB-B線に沿う断面図を、図4は一次側ケーブルおよび二次側ケーブルの配置状態を説明する正面図を、図5はアダプタを単体で示す斜視図を、図6はケーブル保持部材を単体で示す斜視図を、図7(a),(b),(c)は二次側ケーブルに対する固定部の取り付け手順を説明する説明図を、図8はケーブル接続ユニットの組み立て手順の一例を示すフローチャートをそれぞれ示している。
図1ないし図4に示されるように、実施の形態1のケーブル接続ユニット10は、キャビネット(筐体)20の内部に設置され、複数の一次側ケーブル(光ケーブル)30と複数の二次側ケーブル(光ケーブル)40とを互いに通信可能に接続(中継)する機能を有している。なお、キャビネット20には、例えば、汎用性に優れた19インチラック等を用いることができる。なお、本実施の形態1においては、二次側ケーブル(光ケーブル)40を向かって右側に配置することにより、右利きの作業者による二次側ケーブル40のメンテナンス性の向上が図られている。
キャビネット20はスチール製であって、データセンタ等の建物の内部の床面FLに平行に設けられたフリーアクセスフロア50上に固定されている。そして、床面FLとフリーアクセスフロア50との間に、複数の一次側ケーブル30および複数の二次側ケーブル40が配置されている。すなわち、実施の形態1では、一次側ケーブル30および二次側ケーブル40を、それぞれキャビネット20の下部からキャビネット20の内部に導入する「下部導入構造」を採用している。
キャビネット20は、フリーアクセスフロア50上に縦長となるように起立して設置されており、一対の短尺となった底板21および天板22と、一対の長尺となった左側板23および右側板24と、を備えている。ここで、底板21,天板22,左側板23および右側板24は、それぞれ略長方形形状に形成されており、左側板23および右側板24の長さ寸法L1は、底板21および天板22の長さ寸法L2の略3倍となっている(L1≒3×L2)。
底板21は、複数の固定ボルト(図示せず)を用いて、フリーアクセスフロア50に対してがたつかないように強固に固定されている。底板21の長手方向一側(図中左側)には、キャビネット20の内部に複数の一次側ケーブル30を導入するための第1開口部21aが設けられている。一方、底板21の長手方向他側(図中右側)には、キャビネット20の内部に複数の二次側ケーブル40を導入するための第2開口部21bが設けられている。
また、天板22は、底板21に対して鏡像対称となるように略同様の形状に形成されている。そして、天板22の長手方向一側(図中左側)には、キャビネット20の内部に複数の一次側ケーブル30を導入するための第3開口部22aが設けられている。一方、天板22の長手方向他側(図中右側)には、キャビネット20の内部に複数の二次側ケーブル40を導入するための第4開口部22bが設けられている。
ただし、実施の形態1のケーブル接続ユニット10では、上述のように「下部導入構造」を採用するため、第3開口部22aおよび第4開口部22bは使用しない。したがって、第3開口部22aの一部および第4開口部22bの全部は、それぞれ蓋部材LDによって塞がれている。ここで、第3開口部22aおよび第4開口部22bは、図9の実施の形態2(上部導入構造)に示されるように、データセンタ等の建物の内部の天井CLに吊り下げられたケーブルラックCRに保持された複数の一次側ケーブル30および複数の二次側ケーブル40を、キャビネット20の内部に導入する部分となっている。この「上部導入構造」を採用する図9の実施の形態2については、後で詳述する。
底板21と天板22との間には、左側板23と右側板24とが設けられている。左側板23の長手方向両側の部分は、底板21および天板22の長手方向一側の部分に、複数の固定ボルトや溶接等の固定手段により強固に固定されている。一方、右側板24の長手方向両側の部分は、底板21および天板22の長手方向他側の部分に、複数の固定ボルトや溶接等の固定手段により強固に固定されている。
そして、底板21,天板22,左側板23および右側板24で囲まれた収容空間SPの奥側の部分(図1および図4の奥側)には、背板25が設けられている。背板25は、底板21,天板22,左側板23および右側板24のそれぞれに対して、複数の固定ボルトや溶接等の固定手段により強固に固定されている。
ここで、底板21,天板22,左側板23および右側板24で囲まれた収容空間SPの手前側(図1および図4の手前側)は、メンテナンス用の大きな開口部OPが形成されており、当該開口部OPは、開閉ドアDRによって開閉自在となっている。なお、開閉ドアDRは、右側板24の長手方向両側に固定された一対のヒンジ(蝶番)HGに対して、回動自在に装着されている。
キャビネット20の背面側に設けられる背板25は、略長方形形状に形成されており、床面FL(フリーアクセスフロア50)に沿って延び、対向する一対の短辺部(第1辺部)25aと、床面FL(フリーアクセスフロア50)に直交し、対向する一対の長辺部(第2辺部)25bと、を有する取付面25cを備えている。そして、取付面25cは、背板25の収容空間SP側(図1および図4の手前側)に向けられ、閉じられた状態の開閉ドアDRと対向している。つまり、取付面25cは、背板25の一次側ケーブル30,二次側ケーブル40およびアダプタ(光アダプタ)60が配置される側に設けられている。ここで、背板25は、本発明におけるベース部材を構成している。
図2および図3に示されるように、背板25の取付面25cには、プラスチック等の樹脂材料により略長方形の平板状に形成されたアダプタ保持部材26が取り付けられている。アダプタ保持部材26は、取付面25cに取り付けられた基端部26aと、開口部OP寄りに配置された先端部26bとを備えている。なお、アダプタ保持部材26の基端部26aは、取付面25cの短手方向(図中左右方向)における略中央部に、複数の固定ねじ(図示せず)により強固に固定されている。
アダプタ保持部材26は、取付面25cの長手方向(図中上下方向)に延在されており、取付面25cを、一次側ケーブル30が配置される一次側ケーブル配置面25dと二次側ケーブル40が配置される二次側ケーブル配置面25eとに分けている。つまり、取付面25cは、アダプタ保持部材26を中心として、一次側ケーブル配置面25dと二次側ケーブル配置面25eとに区画されている。
また、アダプタ保持部材26の基端部26aと先端部26bとの間には、取付面25cから開口部OPに向けて所定角度α°で傾斜された本体部26cが設けられている。具体的には、本体部26cは、その先端側が背板25から左側板23に向けて約70°の傾斜角度で傾斜されている。
図2に示されるように、本体部26cには、アダプタ保持部材26の長手方向に間隔寸法Tで並ぶようにして、複数のアダプタ取付孔26dが設けられている。そして、本体部26cのアダプタ取付孔26dの部分で、かつ本体部26cの表面26e側の部分に、一次側ケーブル30と二次側ケーブル40とを接続するアダプタ60が、それぞれ複数のリベット(図示せず)により固定されている(図3参照)。すなわち、アダプタ保持部材26は、取付面25cの長辺部25bが延びる方向に複数のアダプタ60を並べて保持している。
ここで、本体部26cは、表面26e側をキャビネット20の正面側(開口部OP側)に向けるようにして所定角度α°(45≦α<90、好ましくは60≦α≦80)で傾斜されているため、それぞれのアダプタ60の二次側ケーブル40側が、キャビネット20の正面側に向けられる(図3参照)。これにより、作業者は、二次側ケーブル40の抜き差しを容易に実施可能となっている。具体的には、作業者は、アダプタ60に設けられる複数のコネクタ(光コネクタ)62の二次側ケーブル40が接続される二次側ケーブル接続開口62a(図5参照)を、取付面25c(キャビネット20)の正面から目視可能となっている。
その一方で、複数のコネクタ62の一次側ケーブル30が接続される一次側ケーブル接続開口(図示せず)は、二次側ケーブル接続開口62a側とは反対側に向けられている。ここで、一次側ケーブル30は予め定められた固定ケーブルのため、作業者は一次側ケーブル30を抜き差しすることは殆ど無い。したがって、一次側ケーブル接続開口が、二次側ケーブル接続開口62a側とは反対側を向いていても、メンテナンス性を低下させることは殆ど無い。
図5に示されるように、アダプタ60は、アダプタ保持部材26の本体部26c(図3参照)に固定される固定ベース61を備えている。固定ベース61は、鋼板等をプレス加工等することで略長方形の板状に形成されており、その長手方向に合計6個のコネクタ62を等間隔で並べて保持している。
コネクタ62は、プラスチック等の樹脂材料により略直方体形状に形成されており、その長手方向一側には、一対の二次側ケーブル接続開口62aが設けられている。これらの二次側ケーブル接続開口62aは、本発明における接続開口を構成しており、二次側ケーブル接続開口62aのそれぞれには、二次側ケーブル40の接続端部(図示せず)が接続されるようになっている。また、コネクタ62の長手方向他側には、一対の二次側ケーブル接続開口62aに対応した一対の一次側ケーブル接続開口(図示せず)が設けられている。これらの一次側ケーブル接続開口には、一次側ケーブル30の接続端部(図示せず)が接続されるようになっている。
さらに、図5に示されるように、アダプタ60には、コネクタ62に対する二次側ケーブル40の接続作業または取り外し作業に伴って作動するスイッチングユニット63が一体に設けられている。スイッチングユニット63は、長尺の略箱形状に形成されたケース体63aを備えており、当該ケース体63aには、合計12個のオンオフスイッチ63bが設けられている。
合計12個のオンオフスイッチ63bは、二次側ケーブル接続開口62aのそれぞれに対応して設けられ、二次側ケーブル接続開口62aの近傍に設置されている。そして、二次側ケーブル40の接続端部を二次側ケーブル接続開口62aに差し込むことで、当該差し込み動作によりオンオフスイッチ63bは「オン」となる。一方、二次側ケーブル40の接続端部を二次側ケーブル接続開口62aから取り外すことで、当該取り外し動作によりオンオフスイッチ63bは「オフ」となる。これにより、管理者(顧客)は接続ユニット内の在庫数を容易に管理することができる。
また、ケース体63aには、それぞれの二次側ケーブル接続開口62aに対応した合計12個の発光ダイオード63cが設けられている。そして、これらの発光ダイオード63cは、外部に設けられたPC等の監視装置(図示せず)によって発光状態を制御される。二次側ケーブル40を接続または取り外す際には、監視装置から対象となる二次側ケーブル接続開口62aに対応する発光ダイオード63cの発光状態を制御する(例えば、点灯させる)ことにより、作業者に接続作業または取り外し作業の指示を行うことができる。
さらに、ケース体63aの長手方向先端側(図5中左側)には、コネクタ部CNを介してハーネス63dの一端側が接続されている。これに対し、ハーネス63dの他端側は、キャビネット20の背板25に固定されたケーブル検知装置64(図2および図4参照)に電気的に接続されている。なお、アダプタ保持部材26に保持された全てのアダプタ60が、上述と同様の構成となっている。
ケーブル検知装置64は、本発明における接続状態検知装置を構成しており、背板25の長手方向において天板22寄りの部分、つまり一次側ケーブル30および二次側ケーブル40が配置されないデッドスペース(図4参照)に設けられている。ケーブル検知装置64は、キャビネット20の内部に設けられた全てのスイッチングユニット63のオンオフスイッチ63bからのオンオフ信号(矩形波信号)が入力され、それぞれのアダプタ60に対する二次側ケーブル40の接続状態を把握(検知)する。この接続状態を把握(検知)した結果は、外部の監視装置に送信される。そして、この監視装置において、二次側ケーブル40の接続状態を目視等によって把握可能となっており、二次側ケーブル40の接続作業または取り外し作業の指示と、この指示通りに作業が行われたかの確認を行うことができる。なお、ケーブル検知装置64として、例えば特開2015-200706に記載の通信光検知構造を用い、二次側ケーブル40の使用/不使用の状態を監視装置で確認できるようにしてもよい。
ここで、複数の一次側ケーブル30は、キャビネット20の底板21に設けられた第1開口部21a(図1参照)から、キャビネット20の収容空間SPに導入される。そして、収容空間SPに導入された複数の一次側ケーブル30は、図4に示されるように、ケーブル群A(実線),ケーブル群B(破線),ケーブル群C(一点鎖線)およびケーブル群D(二点鎖線)に分けられて、一次側ケーブル配置面25d上にそれぞれ分散配置される。これらの複数の一次側ケーブル30からなるケーブル群A~Dは、それぞれ背板25の一次側ケーブル配置面25dに取り付けられた第1~第4ケーブルクランプCP1~CP4によって束ねられている。
具体的には、図4に示されるように、一次側ケーブル30のケーブル群Aは、一次側ケーブル配置面25d上の天板22寄りの部分で、第1ケーブルクランプCP1により束ねられている。一次側ケーブル30のケーブル群Bは、一次側ケーブル配置面25d上の中央部よりも若干天板22寄りの部分で、第2ケーブルクランプCP2により束ねられている。一次側ケーブル30のケーブル群Cは、一次側ケーブル配置面25d上の中央部よりも若干底板21寄りの部分で、第3ケーブルクランプCP3により束ねられている。一次側ケーブル30のケーブル群Dは、一次側ケーブル配置面25d上の底板21寄りの部分で、第4ケーブルクランプCP4により束ねられている。これにより、それぞれのケーブル群A~Dは、背板25の取付面25cを形成する一次側ケーブル配置面25d上において、長辺部25bが延びる方向(キャビネット20の高さ方向)に分散配置されている。
なお、第1~第4ケーブルクランプCP1~CP4によって分散配置されたケーブル群A~Dの接続端部(図示せず)は、一次側ケーブル30の本体部分にある程度の弛みを持たせた状態で、それぞれの高さ位置に対応して設けられたアダプタ60にそれぞれ接続されている。これにより、一次側ケーブル30とアダプタ60(コネクタ62)との接続部分に、大きな負荷が掛かることが防止される。
図1および図4に示されるように、複数の二次側ケーブル40は、キャビネット20の底板21に設けられた第2開口部21bから、キャビネット20の収容空間SPに導入される。そして、これらの二次側ケーブル40においても、一次側ケーブル30と同様に、ケーブル群A(実線),ケーブル群B(破線),ケーブル群C(一点鎖線)およびケーブル群D(二点鎖線)に分けられて、二次側ケーブル配置面25e上にそれぞれ分散配置される。複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群A~Dは、それぞれ背板25の二次側ケーブル配置面25eに取り付けられた第1~第4ケーブル保持部材71~74によって保持されている。
なお、図3に示されるように、キャビネット20の収容空間SPの内部において、一次側ケーブル30が収容される一次側ケーブルスペースCS1の容積よりも、二次側ケーブル40が収容される二次側ケーブルスペースCS2の容積の方が大きくなっている。より具体的には、一次側ケーブルスペースCS1の開閉ドアDR側の幅寸法W1は、二次側ケーブルスペースCS2の背板25側の幅寸法W2の略半分となっている(W1≒W2/2)。この点においても、作業者による二次側ケーブル40のメンテナンス性の向上が図られている。
ここで、第1~第4ケーブル保持部材71~74は、本発明におけるケーブル保持部材を構成しており、いずれも同じ構造となっている。したがって、重複する説明を避けるために、以下、単に、ケーブル保持部材70として、その詳細構造について説明する。
図6に示されるように、ケーブル保持部材70は、鋼板等をプレス加工等することで、細長の略U字形状に形成されている。ケーブル保持部材70は、背板25の二次側ケーブル配置面25eに固定される固定板部70aと、当該固定板部70aの両端からそれぞれ突出された第1保持板部70bおよび第2保持板部70cと、を備えている。
ここで、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cは、図3に示されるように、固定板部70aを二次側ケーブル配置面25eに固定した状態において、背板25(二次側ケーブル配置面25e)に対して傾斜されており、本発明における保持部を構成している。具体的には、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cは、背板25から開口部OPに向けて、アダプタ保持部材26の本体部26cと同様に所定角度α°で傾斜されている。すなわち、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの先端側は、左側板23に向けて約70°の傾斜角度で傾斜されている。
これにより、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cのそれぞれに設けられた複数の固定穴70dが、キャビネット20の正面側に向けられる(図2参照)。よって、作業者は、目標となる固定穴70dを目視しつつ、ケーブル保持部材70に対する二次側ケーブル40の固定作業を容易に実施可能となっている。すなわち、作業者は、固定穴70dに固定される固定部80(図3および図6参照)を、二次側ケーブル配置面25eの正面、つまり取付面25c,キャビネット20の正面から目視可能となっている。
また、図6に示されるように、固定板部70aの長さ寸法S1は、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの長さ寸法S2の略1/4となっている(S1≒S2/4)。具体的には、固定板部70aの長さ寸法S1は、第1保持板部70bと第2保持板部70cとの間に、作業者の手が余裕を持って入り得る長さ寸法となっている。これにより、作業者は、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cに保持された二次側ケーブル40における固定部80の取り付けや取り外しを、容易に行うことができる。
なお、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cは、互いに平行に設けるに限らず、作業者によるメンテナンス性をより向上させるために、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの間隔を広げるように折り曲げても良い。ここで、ケーブル保持部材70は、比較的薄い鋼板等を折り曲げて形成されている。よって、作業者は、第1保持板部70bと第2保持板部70cとの間隔を、必要に応じて容易に調整可能となっている。
第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの長手方向基端側(固定板部70a側)から長手方向先端側の略全域に亘って、それぞれ複数の固定穴70dが設けられている。具体的には、複数の固定穴70dは、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの短手方向(図6中上下方向)に、上段および下段で並んで配置されている。また、上段の複数の固定穴70dと下段の複数の固定穴70dとは、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの長手方向に互いにずれて設けられている。
これにより、1つの固定穴70dに対して、二次側ケーブル40の1本毎に設けられた1つの固定部80を個別に固定することができ、かつ隣り合う二次側ケーブル40を互いに非接触の状態で近接して配置可能となっている(ケーブル保持効率アップ)。ただし、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cに対する二次側ケーブル40の固定強度を高めるために、例えば、1本の二次側ケーブル40に2つの固定部80を設けることもできる。この場合には、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの短手方向に対して、上段および下段で一対の固定穴70dを真っ直ぐになるように並べて設ければ良い。
なお、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cには、双方で合計25個の固定穴70dが設けられている。言い換えれば、1つのケーブル保持部材70は、合計50本もの二次側ケーブル40を、図6に示されるように整然と並べて保持可能となっている。
また、本実施の形態では、図6に示されるように、二次側ケーブル40に設けられた固定部80を、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの内側面からそれぞれ固定穴70dに固定しているが、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの外側面から固定穴70dに固定することもできる。また、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cのうちのいずれか一方は内側面から固定し、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cのうちのいずれか他方は外側面から固定することもできる。このような固定穴70dに対する固定部80の固定方法は、メンテナンス性を考慮して作業者が任意に決定すれば良い。
本実施の形態では、図2および図3に示されるように、上述のように形成されたケーブル保持部材70を合計4つ(第1~第4ケーブル保持部材71~74)備えている。以下、第1~第4ケーブル保持部材71~74の二次側ケーブル配置面25eに対する固定構造について説明する。
第1~第4ケーブル保持部材71~74は、取付面25cの長辺部25bが延びる方向、つまりキャビネット20の起立方向に対して、互いに隙間L3を介して取り付けられている。具体的には、第1~第4ケーブル保持部材71~74は、長辺部25bが延びる方向において互いに等間隔で配置されており、隙間L3の長さ寸法は、アダプタ60が概ね4段入り得る長さ寸法となっている。
そして、図2に示されるように、二次側ケーブル配置面25eの上方でかつ第1ケーブル保持部材71の上方には、比較的大きな第1スペースSC1が形成されている。また、二次側ケーブル配置面25eの下方でかつ第4ケーブル保持部材74の下方には、比較的大きな第2スペースSC2が形成されている。ここで、第1スペースSC1には、複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群Aが分散して配置されている。また、第2スペースSC2には、キャビネット20の第2開口部21b(図1および図3参照)から導入された複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群A~Dが纏めて配置されている。
また、図2に示されるように、第1~第4ケーブル保持部材71~74は、取付面25cの短辺部25aが延びる方向(図2中左右方向)を基準として、所定角度β°(20≦β≦40、本実施の形態1においてβは約30°)で傾斜されている。具体的には、第1~第4ケーブル保持部材71~74は、それぞれの第1保持板部70bおよび第2保持板部70c(図6参照)が、固定部80に固定された二次側ケーブル40のアダプタ60寄りの部分、つまり第1~第4ケーブル保持部材71~74の図2中上側にある部分を、アダプタ60(アダプタ保持部材26)に向けるように傾斜されている。
これにより、二次側ケーブル40のアダプタ60寄りの部分が無理に折り曲げられること等が防止されて、二次側ケーブル40の断線等が確実に防止される。なお、二次側ケーブル40(ケーブル群A~D)の接続部分は、二次側ケーブル40の本体部分にある程度の弛みを持たせた状態で、それぞれの高さ位置に対応して設けられたアダプタ60にそれぞれ接続されている。これにより、二次側ケーブル40とアダプタ60(コネクタ62)との接続部分に、大きな負荷が掛かることが防止される。
さらに、図2に示されるように、第1~第4ケーブル保持部材71~74は、短辺部25aが延びる方向にそれぞれずれて設けられ、背板25の二次側ケーブル配置面25eを正面から見たときに略階段状に配置されている。
具体的には、図3に示されるように、図中左右側にある一対の長辺部25bのうち、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25b(図中右側)と、第1ケーブル保持部材71の長手方向基端部との間の距離R1は略ゼロ(R1≒0)となっている。また、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第2ケーブル保持部材72の長手方向基端部との間の距離R2はR1よりも長くなっている。さらに、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第3ケーブル保持部材73の長手方向基端部との間の距離R3はR2よりも長くなっている。また、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第4ケーブル保持部材74の長手方向基端部との間の距離R4はR3よりも長くなっている(R1<R2<R3<R4)。
さらに、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第1ケーブル保持部材71の長手方向先端部との間の距離F1は距離R3と略同じ長さ(F1≒R3)となっている。また、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第2ケーブル保持部材72の長手方向先端部との間の距離F2はF1よりも長くなっている。さらに、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第3ケーブル保持部材73の長手方向先端部との間の距離F3はF2よりも長くなっている。また、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第4ケーブル保持部材74の長手方向先端部との間の距離F4はF3よりも長くなっている(F1<F2<F3<F4)。
このように、第1~第4ケーブル保持部材71~74は、長辺部25bの長手方向一側(図2中上側)から長辺部25bの長手方向他側(図2中下側)に向かうに連れて、ヒンジHGが設けられた右側板24側の長辺部25b、つまり二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと、それぞれの第1~第4ケーブル保持部材71~74との間の距離が長くなっている。言い換えれば、第1ケーブル保持部材71が右側板24の最も近くに配置され、第4ケーブル保持部材74が右側板24から最も離れた位置に配置されている。
このように、第1~第4ケーブル保持部材71~74を略階段状に配置することで、図2および図4に示されるように、第1ケーブル保持部材71の上方の第1スペースSC1および第4ケーブル保持部材74の下方の第2スペースSC2に加えて、第2ケーブル保持部材72の上方に第3スペースSC3、第3ケーブル保持部材73の上方に第4スペースSC4および第4ケーブル保持部材74の上方に第5スペースSC5が形成される。
したがって、図4に示されるように、第1スペースSC1にケーブル群Aを形成する二次側ケーブル40が分散して配置され、第3スペースSC3にケーブル群Bを形成する二次側ケーブル40が分散して配置され、第4スペースSC4にケーブル群Cを形成する二次側ケーブル40が分散して配置され、第5スペースSC5にケーブル群Dを形成する二次側ケーブル40が分散して配置される。
また、第4ケーブル保持部材74と右側板24側の長辺部25b(二次側ケーブル配置面25eの長辺部25b)との間の最も広いスペースに、複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群A~Cが配置され、第3ケーブル保持部材73と右側板24側の長辺部25bとの間の次に広いスペースに、複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群AおよびBが配置され、第2ケーブル保持部材72と右側板24側の長辺部25bとの間の狭いスペースに、複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群Aのみが配置される。
これにより、複数の二次側ケーブル40を、第1~第4ケーブル保持部材71~74や右側板24に接触させること無く、キャビネット20の収容空間SPの内部で、かつ二次側ケーブル配置面25e上に効率良く分散して配置することが可能となっている。
次に、1本1本の二次側ケーブル40に固定される固定部80について、図7(a),(b),(c)を用いて詳細に説明する。なお、図7(c)は、図7(b)のC矢視図を示している。
図7(a),(b),(c)に示されるように、固定部80は、プラスチック等の樹脂材料により紐状に形成された所謂「結束バンド」によって形成されている。固定部80は、表面に複数の凹凸(図示せず)が形成され、かつ二次側ケーブル40を保持する紐状本体81を備えている。また、固定部80は、紐状本体81が差し込まれるとともに、紐状本体81の凹凸が引っ掛けられる固定本体82を備えている。さらに、固定本体82には、ケーブル保持部材70の固定穴70dに係合される一対のロック爪83が設けられている。
そして、二次側ケーブル40に固定部80を固定するには、まず、図7(a)に示されるように、固定本体82の部分を二次側ケーブル40の所定の位置に当接させる。次いで、破線矢印M1に示されるように、紐状本体81を湾曲させて、二次側ケーブル40の周囲に紐状本体81を巻き掛ける。
その後、図7(b)の破線矢印M2に示されるように、紐状本体81を固定本体82に差し込み、これにより、紐状本体81を固定本体82に対して抜け止めされた状態とする。このとき、二次側ケーブル40の損傷を防ぐためにも、紐状本体81により二次側ケーブル40を締め付け過ぎないようにする。
そして、破線矢印M3に示されるように、ハサミ等の切断治具(図示せず)により、紐状本体81の余計な部分を切り落とす。これにより、二次側ケーブル40に対する固定部80の固定が完了する。
ここで、二次側ケーブル40に固定された固定部80を固定穴70dに固定するには、図7(c)の破線矢印M4に示されるように、固定部80を所定圧で押し付けながら固定穴70dに差し込むようにする。これにより、一対のロック爪83が弾性変形を伴って固定穴70dに係合される。
これに対し、メンテナンス等により二次側ケーブル40をケーブル保持部材70から取り外すには、破線矢印M5に示されるように、作業者は一対のロック爪83をつまむ。そして、一対のロック爪83をつまんだ状態で、固定部80を固定穴70dから引き抜くようにする。
次に、以上のように形成されたケーブル接続ユニット10の組み立て手順について、図2,図4および図8を用いて詳細に説明する。
[ステップS10]
まず、ケーブル接続ユニット10が内部に設置されるキャビネット20を準備し、床面FLに設置されたフリーアクセスフロア50上に、キャビネット20を複数の固定ボルト(図示せず)で固定する。これにより、「キャビネットの床面への据付工程」が終了する。
[ステップS11]
次いで、キャビネット20の背板25の二次側ケーブル配置面25eに固定されたアダプタ保持部材26に、必要とする数のアダプタ60を装着する。このとき、作業性を向上させるためにも、キャビネット20の収容空間SPに、一次側ケーブル30および二次側ケーブル40をできる限り分散して配置可能とすべく、アダプタ60もアダプタ保持部材26に対して分散して装着するようにする。これにより、「アダプタの取り付け工程」が終了する。
[ステップS12]
次に、キャビネット20の背板25に固定されたケーブル検知装置64と、それぞれのアダプタ60とを、互いにハーネス63d(図5参照)により電気的に接続する。これにより、「ケーブル検知装置への配線工程」が終了する。
[ステップS20]
その後、床面FLとフリーアクセスフロア50との間に配置された複数の一次側ケーブル30を、キャビネット20の第1開口部21aから収容空間SPの内部で、かつ一次側ケーブル配置面25d上に導入する。そして、一次側ケーブル30の接続端部を、コネクタ62の一次側ケーブル接続開口(図示せず)に接続する。これにより、「一次側ケーブルの導入およびアダプタへの接続工程」が終了する。
なお、ステップS20の工程は、複数の一次側ケーブル30からなるケーブル群A~Dのそれぞれに対応して繰り返し行う。また、ステップS20では、ケーブル群A~Dを、それぞれ第1~第4ケーブルクランプCP1~CP4により束ねる作業も行う。
[ステップS30]
次に、床面FLとフリーアクセスフロア50との間に配置された複数の二次側ケーブル40の1本1本に対して、固定部80を固定する。なお、固定部80の二次側ケーブル40への固定方法は、上述した図7(a),(b)の手順に従う。これにより、「二次側ケーブルへの固定部の固定工程」が終了する。
[ステップS31]
その後、固定部80が設けられた複数の二次側ケーブル40を、キャビネット20の第2開口部21bから収容空間SPの内部で、かつ二次側ケーブル配置面25e上に導入する。これにより、「二次側ケーブルの導入工程」が終了する。
[ステップS32]
次いで、収容空間SPに導入された複数の二次側ケーブル40の固定部80を、所定のケーブル保持部材70の固定穴70dに対して1つ1つ個別に固定する。なお、作業性を向上させるためにも、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの長手方向基端側(固定板部70a側)の固定穴70dから、順次固定部80を固定していくのが望ましい。また、固定部80の固定穴70dへの固定方法は、上述した図7(c)の手順に従う。これにより、「固定部のケーブル保持部材への固定工程」が終了する。
[ステップS33]
そして、二次側ケーブル40の接続端部を、コネクタ62の二次側ケーブル接続開口62aに接続する。このとき、作業者は、発光ダイオード63c(図5参照)の点灯具合や、外部モニターの表示等を確認しつつ、間違えないように確実に接続作業を実施する。これにより、「二次側ケーブルのアダプタへの接続工程」が終了する。
なお、ステップS30~S33の工程は、複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群A~Dのそれぞれに対応して繰り返し行う。
ここで、図8に示されるフローチャートは、あくまでも一例であって、作業者による作業性(メンテナンス性)を考慮して、順番を入れ替えることもできる。例えば、ステップS20(一次側ケーブル30の作業)と、ステップS30~S33(二次側ケーブル40の作業)と、を入れ替えても構わない。
また、ステップS12の「ケーブル検知装置への配線工程」を、ステップS33の「二次側ケーブルのアダプタへの接続工程」の後に行うようにし、最終的に発光ダイオード63cの点灯具合や、外部モニターの表示等を確認しても構わない。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、第1~第4ケーブル保持部材71~74を、長辺部25bが延びる方向に互いに隙間L3を介して取り付け、かつ一対の長辺部25bのうち、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと、それぞれの第1~第4ケーブル保持部材71~74との間の距離(図3のR1~R4およびF1~F4)を、長辺部25bの長手方向一側から他側に向かうに連れて長くなるようにした。
これにより、長辺部25bの長手方向他側において、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第4ケーブル保持部材74との間に比較的大きなスペースを確保することが可能となる。したがって、長辺部25bの長手方向他側から二次側ケーブル40を二次側ケーブル配置面25e上に導入する場合に、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第4ケーブル保持部材74との間のスペースに、より多くの二次側ケーブル40(ケーブル群A~C)を導入することができる。よって、背板25の二次側ケーブル配置面25e上に、二次側ケーブル40をより高密度で配置することが可能となる。
また、二次側ケーブル配置面25eを正面から見たときに、第1~第4ケーブル保持部材71~74が階段状に配置されるので、複数の二次側ケーブル40を、二次側ケーブル配置面25e上により満遍なく分散して配置することが可能となる。したがって、作業者は、二次側ケーブル40の1本1本を容易に確認することが可能となり、ひいては二次側ケーブル40のメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、長辺部25bの長手方向他側から二次側ケーブル配置面25e上に導入された二次側ケーブル40が、二次側ケーブル配置面25eの長辺部25bと第1~第4ケーブル保持部材71~74との間に配置されているので、複数の二次側ケーブル40(ケーブル群A~D)を、二次側ケーブル配置面25e上に整然と綺麗に設けることができる。よって、メンテナンス性をより向上させることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、ケーブル保持部材70(第1~第4ケーブル保持部材71~74)は、二次側ケーブル配置面25eから突出された第1保持板部70bおよび第2保持板部70cを備え、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cは、当該第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの突出方向に並べられた複数の固定穴70dを有し、固定穴70dのそれぞれに、二次側ケーブル40の1本毎に設けられた固定部80が個別に固定されている。
これにより、二次側ケーブル40を、1本1本容易に増設したり除去したりすることが可能となる。したがって、メンテナンス性をさらに向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cの先端側が、アダプタ60に向けて傾斜されており、固定部80のそれぞれが、二次側ケーブル配置面25eの正面から目視可能となっている。
これにより、作業者は、複数の二次側ケーブル40の状態を容易に確認することが可能となり、これによっても、メンテナンス性をさらに向上させることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、第1保持板部70bおよび第2保持板部70cが、固定部80に固定された二次側ケーブル40のアダプタ60寄りの部分を、アダプタ60に向けるように傾斜されている。
これにより、二次側ケーブル40のアダプタ60寄りの部分が無理に折り曲げられること等が防止され、ひいては二次側ケーブル40の断線等を確実に防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、アダプタ60は、二次側ケーブル40が接続されるコネクタ62を備え、コネクタ62の二次側ケーブル接続開口62aが、取付面25cの正面から目視可能となっている。
これにより、作業者は、複数の二次側ケーブル40のコネクタ62との接続部分を容易に確認することが可能となり、これによっても、メンテナンス性をさらに向上させることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、背板25に、アダプタ60に対する二次側ケーブル40の接続状態を検知するケーブル検知装置64が設けられている。
これにより、作業者は、目視確認とは別に、より確実に二次側ケーブル40の接続状態を確認することが可能となる。よって、さらなるメンテナンス性の向上に加えて、顧客に対する信頼性の向上を図ることが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、背板25が、床面FL上のフリーアクセスフロア50に設置されるキャビネット20を形成しており、キャビネット20の内部に、アダプタ60、アダプタ保持部材26および第1~第4ケーブル保持部材71~74が収容されている。
これにより、一次側ケーブル30および二次側ケーブル40の互いの接続部分(ケーブル接続パターン)の耐塵性を向上させて、ケーブル接続ユニット10を容易に管理することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態2について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は実施の形態2のケーブル接続ユニットを示す図4に対応した図を示している。
上述の実施の形態1では、図4に示されるように、床面FLとフリーアクセスフロア50との間の一次側ケーブル30および二次側ケーブル40を、キャビネット20の下部から収容空間SPに導入するようにした、所謂「下部導入構造」であるものを示した。
これに対し、実施の形態2では、図9に示されるように、天井CLに吊り下げられたケーブルラックCRに保持された一次側ケーブル30および二次側ケーブル40を、それぞれキャビネット20の上部から収容空間SPに導入するようにした、所謂「上部導入構造」を採用している。
具体的には、複数の一次側ケーブル30は、キャビネット20の第3開口部22a(図1参照)から収容空間SPの内部で、かつ一次側ケーブル配置面25d上に導入されている。また、複数の二次側ケーブル40は、キャビネット20の第4開口部22b(図1参照)から収容空間SPの内部で、かつ二次側ケーブル配置面25e上に導入されている。そして、二次側ケーブル配置面25eに対する第1~第4ケーブル保持部材71~74の固定構造が、実施の形態1に比して異なっている。
より具体的には、図9に示されるように、実施の形態2では、図4(実施の形態1)で示した第1~第4ケーブル保持部材71~74をそれぞれ上下で反転させるようにして、第1~第4ケーブル保持部材71~74をそれぞれ背板25の二次側ケーブル配置面25eに取り付けている。
なお、長辺部25bが延びる方向における第1~第4ケーブル保持部材71~74の隙間は、実施の形態1と同じ隙間L3(図2参照)に設定されている。また、第1~第4ケーブル保持部材71~74の傾斜角度は、実施の形態1と同様に、短辺部25aが延びる方向を基準として、所定角度β°(図2参照)に設定されている。
これにより、二次側ケーブル配置面25eの下方でかつ第4ケーブル保持部材74の下方には、比較的大きな第1スペースSC1が形成されている。また、二次側ケーブル配置面25eの上方でかつ第1ケーブル保持部材71の上方には、比較的大きな第2スペースSC2が形成されている。ここで、第1スペースSC1には、複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群Dが分散して配置されている。また、第2スペースSC2には、キャビネット20の第4開口部22bから導入された複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群A~Dが纏めて配置されている。
さらに、第4ケーブル保持部材74の下方の第1スペースSC1および第1ケーブル保持部材71の上方の第2スペースSC2に加えて、第3ケーブル保持部材73の下方に第3スペースSC3、第2ケーブル保持部材72の下方に第4スペースSC4および第1ケーブル保持部材71の下方に第5スペースSC5が形成される。
したがって、図9に示されるように、第1スペースSC1にケーブル群Dを形成する二次側ケーブル40が分散して配置され、第3スペースSC3にケーブル群Cを形成する二次側ケーブル40が分散して配置され、第4スペースSC4にケーブル群Bを形成する二次側ケーブル40が分散して配置され、第5スペースSC5にケーブル群Aを形成する二次側ケーブル40が分散して配置される。
また、第1ケーブル保持部材71と右側板24側の長辺部25b(二次側ケーブル配置面25eの長辺部25b)との間の最も広いスペースに、複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群B~Dが配置され、第2ケーブル保持部材72と右側板24側の長辺部25bとの間の次に広いスペースに、複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群CおよびDが配置され、第3ケーブル保持部材73と右側板24側の長辺部25bとの間の狭いスペースに、複数の二次側ケーブル40からなるケーブル群Dのみが配置される。
ここで、図9に示される実施の形態2では、長辺部25bの長手方向一側が図9の下側となり、長辺部25bの長手方向他側が図9の上側となる。すなわち、実施の形態2(図9)においては、実施の形態1(図4)に比して、長辺部25bの長手方向一側と他側とが反転した関係になっている。
以上のように形成した実施の形態2においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の実施の形態3について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10は実施の形態3のケーブル接続ユニット(ケーブル無)を示す斜視図を示している。
上述の実施の形態1では、図1に示されるように、ケーブル接続ユニット10を、筐体としてのキャビネット20の内部に収容していたが、実施の形態2では、ケーブル接続ユニット10を、データセンタ等の建物の内部の表面壁WL1に形成された壁面収容部WSの内部に収容した点が異なっている。
表面壁WL1は、床面FLに沿う方向と交差する方向に広がっており、壁面収容部WSは、表面壁WL1から深さ寸法がDPとなるように窪ませて設けられている。具体的には、壁面収容部WSの深さ寸法DPは、左側板23および右側板24の奥行寸法(図1参照)と略同じ大きさに設定されている。これにより、壁面収容部WSの内部の収容空間SPの大きさ(容積)と、実施の形態1のキャビネット20の内部の収容空間SPの大きさ(容積)とは、略同じ大きさとなっている。
ここで、実施の形態1の背板25に相当する部分は、実施の形態2ではベース板PLとなっており、当該ベース板PLは、表面壁WL1と平行となった底面壁WL2に設置されている。なお、底面壁WL2においても、表面壁WL1と同様に、床面FLに沿う方向と交差する方向に広がっている。つまり、実施の形態2では、ベース板PLが本発明におけるベース部材を構成し、底面壁WL2が本発明における壁面を構成している。
そして、複数の一次側ケーブル30および複数の二次側ケーブル40(何れも図示せず)は、表面壁WL1の内部の隠れた部分にそれぞれ配置されており、壁面収容部WSの内部の収容空間SPに対して、実施の形態1と同様に第1開口部21aおよび第2開口部21b(網掛部分)からそれぞれ導入される。
なお、実施の形態2と同様に所謂「上部導入構造」を採用することもできる。この場合には、図10において、第1~第4ケーブル保持部材71~74をそれぞれ上下で反転させるようにして、第1~第4ケーブル保持部材71~74をそれぞれ二次側ケーブル配置面25eに取り付けるようにする。また、複数の一次側ケーブル30および複数の二次側ケーブル40を、実施の形態2と同様に第3開口部22aおよび第4開口部22b(網掛部分)からそれぞれ導入するようにする。
以上のように形成した実施の形態3においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。上記実施の形態1では、一次側ケーブル30および二次側ケーブル40の双方をキャビネット20の下部から導入し、上記実施の形態2では、一次側ケーブル30および二次側ケーブル40の双方をキャビネット20の上部から導入したものを示したが、本発明はこれに限らない。つまり、本発明は、一次側ケーブル30を下部から導入し、二次側ケーブル40を上部から導入するものや、一次側ケーブル30を上部から導入し、二次側ケーブル40を下部から導入するものにも適用することができる。言うまでもなく、これらのケーブル導入パターン(複合形)は、実施の形態3にも適用することができる。
また、上記各実施の形態では、一次側ケーブル30および二次側ケーブル40が、何れも光ケーブルであるものを示したが、本発明はこれに限らず、一次側ケーブルおよび二次側ケーブルが、何れも電線ケーブルであるものや、光ケーブルと電線ケーブルとが混在しているもの等にも適用することができる。
その他、上記各実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記各実施の形態に限定されない。