JP7467769B2 - エアロゾル生成装置の電源ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、エアロゾル生成装置の電源ユニットに関する。
特許文献1、2には、電力を昇圧及び/又は降圧する電圧変換ICを搭載したエアロゾル生成装置の電源ユニットが記載されている。これらのエアロゾル生成装置の電源ユニットでは、エアロゾルの生成効率を向上させるため、電源電圧を電圧変換ICで変換してからヒータへ供給する。電圧変換ICの入出力ラインに接続される素子のグランドは、電圧変動やノイズが生じるため、他の信号用のグランドとは分けることが好ましい。
電源用のグランドと信号用のグランドを分けた場合、これらのグランド間の電位のズレを解消するため共通グランドを設けることが考えられる。
中国特許出願公開第110547516号明細書 中国特許出願公開第104664605号明細書
しかし、共通グランドを設けると、電位のズレの解消に伴い熱やノイズが発生するため、回路基板上にどのように電子部品を配置するか検討の余地があった。
本発明は、回路基板上に適切に電子部品が配置されたエアロゾル生成装置の電源ユニットを提供する。
本発明のエアロゾル生成装置の電源ユニットは、
電源と、
前記電源から供給される電力を消費してエアロゾル源を加熱するヒータが接続されるヒータコネクタと、
前記ヒータコネクタへ接続され且つ入力される電圧を変換して出力する出力端子と、前記出力端子から出力される電圧を検出する検出端子と、を含む電圧変換ICと、
前記電圧変換ICが配置される第1面と、前記第1面の裏面である第2面とを含む回路基板と、
一端が前記出力端子へ接続されるコンデンサと、
前記回路基板の内部に設けられ、前記コンデンサの他端へ接続される第1グランドと、
前記回路基板の内部に設けられ、前記回路基板の内部で前記第1グランドから絶縁され、前記検出端子へ接続される第2グランドと、
前記第1グランドと前記第2グランドを電気的に接続する共通グランドと、を備え、
前記第2面には、前記回路基板に直交する方向から見て前記共通グランドと重なる共通グランド投影領域に電子部品が設けられていない。
本発明によれば、回路基板上に適切に電子部品を配置することができ、エアロゾル生成装置の電源ユニットの動作が安定する。
非燃焼式吸引器の斜視図である。 ロッドを装着した状態を示す非燃焼式吸引器の斜視図である。 非燃焼式吸引器の他の斜視図である。 非燃焼式吸引器の分解斜視図である。 非燃焼式吸引器の内部ユニットの斜視図である。 図5の内部ユニットの分解斜視図である。 電源及びシャーシを取り除いた内部ユニットの斜視図である。 電源及びシャーシを取り除いた内部ユニットの他の斜視図である。 吸引器の動作モードを説明するための模式図である。 内部ユニットの電気回路の概略構成を示す図である。 内部ユニットの電気回路の概略構成を示す図である。 内部ユニットの電気回路の概略構成を示す図である。 スリープモードにおける電気回路の動作を説明するための図である。 アクティブモードにおける電気回路の動作を説明するための図である。 加熱初期設定モードにおける電気回路の動作を説明するための図である。 加熱モードにおけるヒータの加熱時の電気回路の動作を説明するための図である。 加熱モードにおけるヒータの温度検出時の電気回路の動作を説明するための図である。 充電モードにおける電気回路の動作を説明するための図である。 MCUのリセット(再起動)時の電気回路の動作を説明するための図である。 昇圧DC/DCコンバータの周辺回路をより具体的に示した要部回路図である。 非燃焼式吸引器の断面図である。 レセプタクル搭載基板の主面を示す図である。 レセプタクル搭載基板の副面を示す図である。 レセプタクル搭載基板の内部構造を説明する図である。 MCU搭載基板の主面を示す図である。 MCU搭載基板の副面を示す図である。
以下、本発明におけるエアロゾル生成装置の一実施形態である吸引システムについて図面を参照しながら説明する。この吸引システムは、本発明の電源ユニットの一実施形態である非燃焼式吸引器100(以下、単に、「吸引器100」ともいう)と、吸引器100によって加熱されるロッド500と、を備える。以下の説明では、吸引器100が、加熱部を着脱不能に収容した構成を例に説明する。しかし、吸引器100に対し加熱部が着脱自在に構成されていてもよい。例えば、ロッド500と加熱部が一体化されたものを、吸引器100に着脱自在に構成したものであってもよい。つまり、エアロゾル生成装置の電源ユニットは、構成要素として加熱部を含まない構成であってもよい。なお、着脱不能とは、想定される用途の限りにおいて、取外しが行えないような態様を指すものとする。または、吸引器100に設けられる誘導加熱用コイルと、ロッド500に内蔵されるサセプタが協働して加熱部を構成してもよい。
図1は、吸引器100の全体構成を示す斜視図である。図2は、ロッド500を装着した状態を示す吸引器100の斜視図である。図3は、吸引器100の他の斜視図である。図4は、吸引器100の分解斜視図である。また、以下の説明では、互いに直交する3方向を、便宜上、前後方向、左右方向、上下方向とした、3次元空間の直交座標系を用いて説明する。図中、前方をFr、後方をRr、右側をR、左側をL、上方をU、下方をD、として示す。
吸引器100は、エアロゾル源及び香味源を含む充填物などを有する香味成分生成基材の一例としての細長い略円柱状のロッド500(図2参照)を加熱することによって、香味を含むエアロゾルを生成するように構成される。
<香味成分生成基材(ロッド)>
ロッド500は、所定温度で加熱されてエアロゾルを生成するエアロゾル源を含有する充填物を含む。
エアロゾル源の種類は、特に限定されず、用途に応じて種々の天然物からの抽出物質及び/又はそれらの構成成分を選択することができる。エアロゾル源は、固体であってもよいし、例えば、グリセリン、プロピレングリコールといった多価アルコールや、水などの液体であってもよい。エアロゾル源は、加熱することによって香味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物等の香味源を含んでいてもよい。香味成分が付加される気体はエアロゾルに限定されず、例えば不可視の蒸気が生成されてもよい。
ロッド500の充填物は、香味源としてたばこ刻みを含有し得る。たばこ刻みの材料は特に限定されず、ラミナや中骨等の公知の材料を用いることができる。充填物は、1種又は2種以上の香料を含んでいてもよい。当該香料の種類は特に限定されないが、良好な喫味の付与の観点から、好ましくはメンソールである。香味源は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、又はハーブ等)を含有し得る。用途によっては、ロッド500は香味源を含まなくてもよい。
<非燃焼式吸引器の全体構成>
続いて、吸引器100の全体構成について、図1~図4を参照しながら説明する。
吸引器100は、前面、後面、左面、右面、上面、及び下面を備える略直方体形状のケース110を備える。ケース110は、前面、後面、上面、下面、及び右面が一体に形成された有底筒状のケース本体112と、ケース本体112の開口部114(図4参照)を封止し左面を構成するアウターパネル115及びインナーパネル118と、スライダ119と、を備える。
インナーパネル118は、ケース本体112にボルト120で固定される。アウターパネル115は、ケース本体112に収容された後述する絶縁性のシャーシ150(図5参照)に保持されたマグネット124によって、インナーパネル118の外面を覆うようにケース本体112に固定される。アウターパネル115が、マグネット124によって固定されることで、ユーザは好みに合わせてアウターパネル115を取り替えることが可能となっている。
インナーパネル118には、マグネット124が貫通するように形成された2つの貫通孔126が設けられる。インナーパネル118には、上下に配置された2つの貫通孔126の間に、さらに縦長の長孔127及び円形の丸孔128が設けられる。この長孔127は、ケース本体112に内蔵された8つのLED(Light Emitting Diode) L1~L8から出射される光を透過させるためのものである。丸孔128には、ケース本体112に内蔵されたボタン式の操作スイッチOPSが貫通する。これにより、ユーザは、アウターパネル115のLED窓116を介して8つのLED L1~L8から出射される光を検知することができる。また、ユーザは、アウターパネル115の押圧部117を介して操作スイッチOPSを押し下げることができる。
図2に示すように、ケース本体112の上面には、ロッド500を挿入可能な開口132が設けられる。スライダ119は、開口132を閉じる位置(図1参照)と開口132を開放する位置(図2参照)との間を、前後方向に移動可能にケース本体112に結合される。
操作スイッチOPSは、吸引器100の各種操作を行うために使用される。例えば、ユーザは、図2に示すようにロッド500を開口132に挿入して装着した状態で、押圧部117を介して操作スイッチOPSを操作する。これにより、加熱部170(図5参照)によって、ロッド500を燃焼させずに加熱する。ロッド500が加熱されると、ロッド500に含まれるエアロゾル源からエアロゾルが生成され、ロッド500に含まれる香味源の香味が当該エアロゾルに付加される。ユーザは、開口132から突出したロッド500の吸口502を咥えて吸引することにより、香味を含むエアロゾルを吸引することができる。
ケース本体112の下面には、図3に示すように、コンセントやモバイルバッテリ等の外部電源と電気的に接続して電力供給を受けるための充電端子134が設けられている。本実施形態において、充電端子134は、USB(Universal Serial Bus) Type-C形状のレセプタクルとしているが、これに限定されるものではない。充電端子134を、以下では、レセプタクルRCPとも記載する。
なお、充電端子134は、例えば、受電コイルを備え、外部電源から送電される電力を非接触で受電可能に構成されてもよい。この場合の電力伝送(Wireless Power Transfer)の方式は、電磁誘導型でもよいし、磁気共鳴型でもよいし、電磁誘導型と磁気共鳴型を組み合わせたものでもよい。別の一例として、充電端子134は、各種USB端子等が接続可能であり、且つ上述した受電コイルを有していてもよい。
図1~図4に示される吸引器100の構成は一例にすぎない。吸引器100は、ロッド500を保持して例えば加熱等の作用を加えることで、ロッド500から香味成分が付与された気体を生成させ、生成された気体をユーザが吸引することができるような、様々な形態で構成することができる。
<非燃焼式吸引器の内部構成>
吸引器100の内部ユニット140について図5~図8を参照しながら説明する。
図5は、吸引器100の内部ユニット140の斜視図である。図6は、図5の内部ユニット140の分解斜視図である。図7は、電源BAT及びシャーシ150を取り除いた内部ユニット140の斜視図である。図8は、電源BAT及びシャーシ150を取り除いた内部ユニット140の他の斜視図である。
ケース110の内部空間に収容される内部ユニット140は、シャーシ150と、電源BATと、回路部160と、加熱部170と、通知部180と、各種センサと、を備える。
シャーシ150は、熱を通しにくい性質である絶縁性を有する材料、例えば樹脂から構成される。シャーシ150は、前後方向においてケース110の内部空間の略中央に配置され上下方向且つ前後方向に延設された板状のシャーシ本体151と、前後方向においてケース110の内部空間の略中央に配置され上下方向且つ左右方向に延びる板状の前後分割壁152と、上下方向において前後分割壁152の略中央から前方に延びる板状の上下分割壁153と、前後分割壁152及びシャーシ本体151の上縁部から後方に延びる板状のシャーシ上壁154と、前後分割壁152及びシャーシ本体151の下縁部から後方に延びる板状のシャーシ下壁155と、を備える。シャーシ本体151の左面は、上述したケース110のインナーパネル118及びアウターパネル115に覆われる。
ケース110の内部空間は、シャーシ150により前方上部に加熱部収容領域142が区画形成され、前方下部に基板収容領域144が区画形成され、後方に上下方向に亘って電源収容空間146が区画形成されている。
加熱部収容領域142に収容される加熱部170は、複数の筒状の部材から構成され、これらが同心円状に配置されることで、全体として筒状体をなしている。加熱部170は、その内部にロッド500の一部を収納可能なロッド収容部172と、ロッド500を外周または中心から加熱するヒータHTR(図10~図19参照)と、を有する。ロッド収容部172が断熱材で構成される、又は、ロッド収容部172の内部に断熱材が設けられることで、ロッド収容部172の表面とヒータHTRは断熱されることが好ましい。ヒータHTRは、ロッド500を加熱可能な素子であればよい。ヒータHTRは、例えば、発熱素子である。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。ヒータHTRとしては、例えば、温度の増加に伴って抵抗値も増加するPTC(Positive Temperature Coefficient)特性を有するものが好ましく用いられる。これに代えて、温度の増加に伴って抵抗値が低下するNTC(Negative Temperature Coefficient)特性を有するヒータHTRを用いてもよい。加熱部170は、ロッド500へ供給する空気の流路を画定する機能、及びロッド500を加熱する機能を有する。ケース110には、空気を流入させるための通気口(不図示)が形成され、加熱部170に空気が流入できるように構成される。
電源収容空間146に収容される電源BATは、充電可能な二次電池、電気二重層キャパシタ等であり、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。電源BATの電解質は、ゲル状の電解質、電解液、固体電解質、イオン液体の1つ又はこれらの組合せで構成されていてもよい。
通知部180は、電源BATの充電状態を示すSOC(State Of Charge)、吸引時の予熱時間、吸引可能期間等の各種情報を通知する。本実施形態の通知部180は、8つのLED L1~L8と、振動モータMと、を含む。通知部180は、LED L1~L8のような発光素子によって構成されていてもよく、振動モータMのような振動素子によって構成されていてもよく、音出力素子によって構成されていてもよい。通知部180は、発光素子、振動素子、及び音出力素子のうち、2以上の素子の組合せであってもよい。
各種センサは、ユーザのパフ動作(吸引動作)を検出する吸気センサ、電源BATの温度を検出する電源温度センサ、ヒータHTRの温度を検出するヒータ温度センサ、ケース110の温度を検出するケース温度センサ、スライダ119の位置を検出するカバー位置センサ、及びアウターパネル115の着脱を検出するパネル検出センサ等を含む。
吸気センサは、例えば、開口132の近傍に配置されたサーミスタT2を主体に構成される。電源温度センサは、例えば、電源BATの近傍に配置されたサーミスタT1を主体に構成される。ヒータ温度センサは、例えば、ヒータHTRの近傍に配置されたサーミスタT3を主体に構成される。上述した通り、ロッド収容部172はヒータHTRから断熱されることが好ましい。この場合において、サーミスタT3は、ロッド収容部172の内部において、ヒータHTRと接する又は近接することが好ましい。ヒータHTRがPTC特性やNTC特性を有する場合、ヒータHTRそのものをヒータ温度センサに用いてもよい。ケース温度センサは、例えば、ケース110の左面の近傍に配置されたサーミスタT4を主体に構成される。カバー位置センサは、スライダ119の近傍に配置されたホール素子を含むホールIC14を主体に構成される。パネル検出センサは、インナーパネル118の内側の面の近傍に配置されたホール素子を含むホールIC13を主体に構成される。
回路部160は、4つの回路基板と、複数のIC(Integrate Circuit)と、複数の素子と、を備える。4つの回路基板は、主に後述のMCU(Micro Controller Unit)1及び充電IC2が配置されたMCU搭載基板161と、主に充電端子134が配置されたレセプタクル搭載基板162と、操作スイッチOPS、LED L1~L8、及び後述の通信IC15が配置されたLED搭載基板163と、カバー位置センサを構成するホール素子を含む後述のホールIC14が配置されたホールIC搭載基板164と、を備える。
MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162は、基板収容領域144において互いに平行に配置される。具体的に説明すると、MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162は、それぞれの素子配置面が左右方向及び上下方向に沿って配置され、MCU搭載基板161がレセプタクル搭載基板162よりも前方に配置される。MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162には、それぞれ開口部が設けられる。MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162は、これら開口部の周縁部同士の間に円筒状のスペーサ173を介在させた状態で前後分割壁152の基板固定部156にボルト136で締結される。即ち、スペーサ173は、シャーシ150とともにケース110の内部におけるMCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162の位置を固定し、且つ、MCU搭載基板161とレセプタクル搭載基板162とを機械的に接続する。これにより、MCU搭載基板161とレセプタクル搭載基板162が接触し、これらの間で短絡電流が生じることを抑制できる。また、スペーサ173は導電性を有し、MCU搭載基板161のグランドとレセプタクル搭載基板162のグランドがスペーサ173を介して接続されてもよい。
便宜上、MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162の前方を向く面を、それぞれの主面161a、162aとし、主面161a、162aの反対面をそれぞれの副面161b、162bとすると、MCU搭載基板161の副面161bと、レセプタクル搭載基板162の主面162aとが、所定の隙間を介して対向する。MCU搭載基板161の主面161aはケース110の前面と対向し、レセプタクル搭載基板162の副面162bは、シャーシ150の前後分割壁152と対向する。MCU搭載基板161とレセプタクル搭載基板162は、フレキシブル配線板165を介して電気的に接続されている。レセプタクル搭載基板162の副面162bには後述する熱拡散部材300が設けられている。
LED搭載基板163は、シャーシ本体151の左側面、且つ上下に配置された2つのマグネット124の間に配置される。LED搭載基板163の素子配置面は、上下方向及び前後方向に沿って配置されている。換言すると、MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162それぞれの素子配置面と、LED搭載基板163の素子配置面とは、直交している。このように、MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162それぞれの素子配置面と、LED搭載基板163の素子配置面とは、直交に限らず、交差している(非平行である)ことが好ましい。なお、LED L1~L8とともに通知部180を構成する振動モータMは、シャーシ下壁155の下面に固定され、MCU搭載基板161に電気的に接続される。
ホールIC搭載基板164は、シャーシ上壁154の上面に配置される。
<吸引器の動作モード>
図9は、吸引器100の動作モードを説明するための模式図である。図9に示すように、吸引器100の動作モードには、充電モード、スリープモード、アクティブモード、加熱初期設定モード、加熱モード、及び加熱終了モードが含まれる。
スリープモードは、主にヒータHTRの加熱制御に必要な電子部品への電力供給を停止して省電力化を図るモードである。
アクティブモードは、ヒータHTRの加熱制御を除くほとんどの機能が有効になるモードである。吸引器100は、スリープモードにて動作している状態にて、スライダ119が開かれると、動作モードをアクティブモードに切り替える。吸引器100は、アクティブモードにて動作している状態にて、スライダ119が閉じられたり、操作スイッチOPSの無操作時間が所定時間に達したりすると、動作モードをスリープモードに切り替える。
加熱初期設定モードは、ヒータHTRの加熱制御を開始するための制御パラメータ等の初期設定を行うモードである。吸引器100は、アクティブモードにて動作している状態にて、操作スイッチOPSの操作を検出すると、動作モードを加熱初期設定モードに切り替え、初期設定が終了すると、動作モードを加熱モードに切り替える。
加熱モードは、ヒータHTRの加熱制御(エアロゾル生成のための加熱制御と、温度検出のための加熱制御)を実行するモードである。吸引器100は、動作モードが加熱モードに切り替わると、ヒータHTRの加熱制御を開始する。
加熱終了モードは、ヒータHTRの加熱制御の終了処理(加熱履歴の記憶処理等)を実行するモードである。吸引器100は、加熱モードにて動作している状態にて、ヒータHTRへの通電時間又はユーザの吸引回数が上限に達したり、スライダ119が閉じられたりすると、動作モードを加熱終了モードに切り替え、終了処理が終了すると、動作モードをアクティブモードに切り替える。吸引器100は、加熱モードにて動作している状態にて、USB接続がなされると、動作モードを加熱終了モードに切り替え、終了処理が終了すると、動作モードを充電モードに切り替える。図9に示したように、この場合において、動作モードを充電モードに切り替える前に、動作モードをアクティブモードへ切り替えてもよい。換言すれば、吸引器100は、加熱モードにて動作している状態にて、USB接続がなされると、動作モードを加熱終了モード、アクティブモード、充電モードの順に切り替えてもよい。
充電モードは、レセプタクルRCPに接続された外部電源から供給される電力により、電源BATの充電を行うモードである。吸引器100は、スリープモード又はアクティブモードにて動作している状態にて、レセプタクルRCPに外部電源が接続(USB接続)されると、動作モードを充電モードに切り替える。吸引器100は、充電モードにて動作している状態にて、電源BATの充電が完了したり、レセプタクルRCPと外部電源との接続が解除されたりすると、動作モードをスリープモードに切り替える。
<内部ユニットの回路の概略>
図10、図11、及び図12は、内部ユニット140の電気回路の概略構成を示す図である。図11は、図10に示す電気回路のうち、MCU搭載基板161に搭載される範囲161A(太い破線で囲まれた範囲)と、LED搭載基板163に搭載される範囲163A(太い実線で囲まれた範囲)とを追加した点を除いては、図10と同じである。図12は、図10に示す電気回路のうち、レセプタクル搭載基板162に搭載される範囲162Aと、ホールIC搭載基板164に搭載される範囲164Aとを追加した点を除いては、図10と同じである。
図10において太い実線で示した配線は、内部ユニット140の基準となる電位(グランド電位)と同電位となる配線(内部ユニット140に設けられたグランドに接続される配線)であり、この配線を以下ではグランドラインと記載する。図10では、複数の回路素子をチップ化した電子部品を矩形で示しており、この矩形の内側に各種端子の符号を記載している。チップに搭載される電源端子VCC及び電源端子VDDは、それぞれ、高電位側の電源端子を示す。チップに搭載される電源端子VSS及びグランド端子GNDは、それぞれ、低電位側(基準電位側)の電源端子を示す。チップ化された電子部品は、高電位側の電源端子の電位と低電位側の電源端子の電位の差分が、電源電圧となる。チップ化された電子部品は、この電源電圧を用いて、各種機能を実行する。
図11に示すように、MCU搭載基板161(範囲161A)には、主要な電子部品として、吸引器100の全体を統括制御するMCU1と、電源BATの充電制御を行う充電IC2と、コンデンサ、抵抗器、及びトランジスタ等を組み合わせて構成されたロードスイッチ(以下、LSW)3、4、5と、ROM(Read Only Memory)6と、スイッチドライバ7と、昇降圧DC/DCコンバータ8(図では、昇降圧DC/DC8と記載)と、オペアンプOP2と、オペアンプOP3と、フリップフロップ(以下、FF)16、17と、吸気センサを構成するサーミスタT2と電気的に接続されるコネクタCn(t2)(図では、このコネクタに接続されたサーミスタT2を記載)と、ヒータ温度センサを構成するサーミスタT3と電気的に接続されるコネクタCn(t3)(図では、このコネクタに接続されたサーミスタT3を記載)と、ケース温度センサを構成するサーミスタT4と電気的に接続されるコネクタCn(t4)(図では、このコネクタに接続されたサーミスタT4を記載)と、USB接続検出用の分圧回路Pcと、が設けられている。
充電IC2、LSW3、LSW4、LSW5、スイッチドライバ7、昇降圧DC/DCコンバータ8、FF16、及びFF17の各々のグランド端子GNDは、グランドラインに接続されている。ROM6の電源端子VSSは、グランドラインに接続されている。オペアンプOP2及びオペアンプOP3の各々の負電源端子は、グランドラインに接続されている。
図11に示すように、LED搭載基板163(範囲163A)には、主要な電子部品として、パネル検出センサを構成するホール素子を含むホールIC13と、LED L1~L8と、操作スイッチOPSと、通信IC15と、が設けられている。通信IC15は、スマートフォン等の電子機器との通信を行うための通信モジュールである。ホールIC13の電源端子VSS及び通信IC15のグランド端子GNDの各々は、グランドラインに接続されている。通信IC15とMCU1は、通信線LNによって通信可能に構成されている。操作スイッチOPSの一端はグランドラインに接続され、操作スイッチOPSの他端はMCU1の端子P4に接続されている。
図12に示すように、レセプタクル搭載基板162(範囲162A)には、主要な電子部品として、電源BATと電気的に接続される電源コネクタ(図では、この電源コネクタに接続された電源BATを記載)と、電源温度センサを構成するサーミスタT1と電気的に接続されるコネクタ(図では、このコネクタに接続されたサーミスタT1を記載)と、昇圧DC/DCコンバータ9(図では、昇圧DC/DC9と記載)と、保護IC10と、過電圧保護IC11と、残量計IC12と、レセプタクルRCPと、MOSFETで構成されたスイッチS3~S6と、オペアンプOP1と、ヒータHTRと電気的に接続される一対(正極側と負極側)のヒータコネクタCnと、が設けられている。
レセプタクルRCPの2つのグランド端子GNDと、昇圧DC/DCコンバータ9のグランド端子GNDと、保護IC10の電源端子VSSと、残量計IC12の電源端子VSSと、過電圧保護IC11のグランド端子GNDと、オペアンプOP1の負電源端子は、それぞれ、グランドラインに接続されている。
図12に示すように、ホールIC搭載基板164(範囲164A)には、カバー位置センサを構成するホール素子を含むホールIC14が設けられている。ホールIC14の電源端子VSSは、グランドラインに接続されている。ホールIC14の出力端子OUTは、MCU1の端子P8に接続されている。MCU1は、端子P8に入力される信号により、スライダ119の開閉を検出する。
図11に示すように、振動モータMと電気的に接続されるコネクタは、MCU搭載基板161に設けられている。
<内部ユニットの回路の詳細>
以下、図10を参照しながら各電子部品の接続関係等について説明する。
レセプタクルRCPの2つの電源入力端子VBUSは、それぞれ、ヒューズFsを介して、過電圧保護IC11の入力端子INに接続されている。レセプタクルRCPにUSBプラグが接続され、このUSBプラグを含むUSBケーブルが外部電源に接続されると、レセプタクルRCPの2つの電源入力端子VBUSにUSB電圧VUSBが供給される。
過電圧保護IC11の入力端子INには、2つの抵抗器の直列回路からなる分圧回路Paの一端が接続されている。分圧回路Paの他端はグランドラインに接続されている。分圧回路Paを構成する2つの抵抗器の接続点は、過電圧保護IC11の電圧検出端子OVLoに接続されている。過電圧保護IC11は、電圧検出端子OVLoに入力される電圧が閾値未満の状態では、入力端子INに入力された電圧を出力端子OUTから出力する。過電圧保護IC11は、電圧検出端子OVLoに入力される電圧が閾値以上(過電圧)となった場合には、出力端子OUTからの電圧出力を停止(LSW3とレセプタクルRCPとの電気的な接続を遮断)することで、過電圧保護IC11よりも下流の電子部品の保護を図る。過電圧保護IC11の出力端子OUTは、LSW3の入力端子VINと、MCU1に接続された分圧回路Pc(2つの抵抗器の直列回路)の一端と、に接続されている。分圧回路Pcの他端はグランドラインに接続されている。分圧回路Pcを構成する2つの抵抗器の接続点は、MCU1の端子P17に接続されている。
LSW3の入力端子VINには、2つの抵抗器の直列回路からなる分圧回路Pfの一端が接続されている。分圧回路Pfの他端はグランドラインに接続されている。分圧回路Pfを構成する2つの抵抗器の接続点は、LSW3の制御端子ONに接続されている。LSW3の制御端子ONには、バイポーラトランジスタS2のコレクタ端子が接続されている。バイポーラトランジスタS2のエミッタ端子はグランドラインに接続されている。バイポーラトランジスタS2のベース端子は、MCU1の端子P19に接続されている。LSW3は、制御端子ONに入力される信号がハイレベルになると、入力端子VINに入力された電圧を出力端子VOUTから出力する。LSW3の出力端子VOUTは、充電IC2の入力端子VBUSに接続されている。
MCU1は、USB接続がなされていない間、バイポーラトランジスタS2をオンにする。これにより、LSW3の制御端子ONはバイポーラトランジスタS2を介してグランドラインへ接続されるため、LSW3の制御端子ONにはローレベルの信号が入力される。
LSW3に接続されたバイポーラトランジスタS2は、USB接続がなされると、MCU1によってオフされる。バイポーラトランジスタS2がオフすることで、分圧回路Pfによって分圧されたUSB電圧VUSBがLSW3の制御端子ONに入力される。このため、USB接続がなされ且つバイポーラトランジスタS2がオフされると、LSW3の制御端子ONには、ハイレベルの信号が入力される。これにより、LSW3は、USBケーブルから供給されるUSB電圧VUSBを出力端子VOUTから出力する。なお、バイポーラトランジスタS2がオフされていない状態でUSB接続がなされても、LSW3の制御端子ONは、バイポーラトランジスタS2を介してグランドラインへ接続されている。このため、MCU1がバイポーラトランジスタS2をオフしない限り、LSW3の制御端子ONにはローレベルの信号が入力され続ける点に留意されたい。
電源BATの正極端子は、保護IC10の電源端子VDDと、昇圧DC/DCコンバータ9の入力端子VINと、充電IC2の充電端子batと、に接続されている。したがって、電源BATの電源電圧VBATは、保護IC10と、充電IC2と、昇圧DC/DCコンバータ9とに供給される。電源BATの負極端子には、抵抗器Raと、MOSFETで構成されたスイッチSaと、MOSFETで構成されたスイッチSbと、抵抗器Rbと、がこの順に直列接続されている。抵抗器RaとスイッチSaの接続点には、保護IC10の電流検出端子CSが接続されている。スイッチSaとスイッチSbの各々の制御端子は、保護IC10に接続されている。抵抗器Rbの両端は、残量計IC12に接続されている。
保護IC10は、電流検出端子CSに入力される電圧(抵抗器Raの両端に印加される電圧)から、電源BATの充放電時において抵抗器Raに流れる電流値を取得し、この電流値が過大になった場合(過電流)に、スイッチSaとスイッチSbの開閉制御を行って、電源BATの充電又は放電を停止させることで、電源BATの保護を図る。より具体的には、保護IC10は、電源BATの充電時に過大な電流値を取得した場合には、スイッチSbをオフすることで、電源BATの充電を停止させる。保護IC10は、電源BATの放電時に過大な電流値を取得した場合には、スイッチSaをオフすることで、電源BATの放電を停止させる。また、保護IC10は、電源端子VDDに入力される電圧から、電源BATの電圧値が異常になった場合(過充電又は過電圧の場合)に、スイッチSaとスイッチSbの開閉制御を行って、電源BATの充電又は放電を停止させることで、電源BATの保護を図る。より具体的には、保護IC10は、電源BATの過充電を検知した場合には、スイッチSbをオフすることで、電源BATの充電を停止させる。保護IC10は、電源BATの過放電を検知した場合には、スイッチSaをオフすることで、電源BATの放電を停止させる。
電源BATの近傍に配置されたサーミスタT1と接続されるコネクタには抵抗器Rt1が接続されている。抵抗器Rt1とサーミスタT1の直列回路は、グランドラインと、残量計IC12のレギュレータ端子TREGとに接続されている。サーミスタT1と抵抗器Rt1の接続点は、残量計IC12のサーミスタ端子THMに接続されている。サーミスタT1は、温度の増加に従い抵抗値が増大するPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタであってもよいし、温度の増加に従い抵抗値が減少するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタでもよい。
残量計IC12は、抵抗器Rbに流れる電流を検出し、検出した電流値に基づいて、電源BATの残容量、充電状態を示すSOC(State Of Charge)、及び健全状態を示すSOH(State Of Health)等のバッテリ情報を導出する。残量計IC12は、レギュレータ端子TREGに接続される内蔵レギュレータから、サーミスタT1と抵抗器Rt1の分圧回路に電圧を供給する。残量計IC12は、この分圧回路によって分圧された電圧をサーミスタ端子THMから取得し、この電圧に基づいて、電源BATの温度に関する温度情報を取得する。残量計IC12は、シリアル通信を行うための通信線LNによってMCU1と接続されており、MCU1と通信可能に構成されている。残量計IC12は、導出したバッテリ情報と、取得した電源BATの温度情報を、MCU1からの要求に応じて、MCU1に送信する。MCU1は、残量計IC12が取得した電源BATの残容量に基づき電源BATからヒータHTRへの放電を制御する。即ち、MCU1は、電源BATの残容量が所定値以下の場合、ヒータHTRへの放電を禁止し充電を促す表示を行う。なお、シリアル通信を行うためには、データ送信用のデータラインや同期用のクロックラインなどの複数の信号線が必要になる。図10-図19では、簡略化のため、1本の信号線のみが図示されている点に留意されたい。
残量計IC12は、通知端子12aを備えている。通知端子12aは、MCU1の端子P6と、後述するダイオードD2のカソードと、に接続されている。残量計IC12は、電源BATの温度が過大になった等の異常を検出すると、通知端子12aからローレベルの信号を出力することで、その異常発生をMCU1に通知する。このローレベルの信号は、ダイオードD2を経由して、FF17のCLR( ̄)端子にも入力される。
昇圧DC/DCコンバータ9のスイッチング端子SWには、リアクトルLcの一端が接続されている。このリアクトルLcの他端は昇圧DC/DCコンバータ9の入力端子VINに接続されている。昇圧DC/DCコンバータ9は、スイッチング端子SWに接続された内蔵トランジスタのオンオフ制御を行うことで、入力される電圧を昇圧して、出力端子VOUTから出力する電圧変換制御を行う。なお、昇圧DC/DCコンバータ9の入力端子VINは、電源BATに接続され昇圧DC/DCコンバータ9の高電位側の電源端子を構成している。昇圧DC/DCコンバータ9は、イネーブル端子ENに入力される信号がハイレベルとなっている場合に、昇圧動作を行う。USB接続されている状態においては、昇圧DC/DCコンバータ9のイネーブル端子ENに入力される信号は、MCU1によってローレベルに制御されてもよい。若しくは、USB接続されている状態においては、昇圧DC/DCコンバータ9のイネーブル端子ENに入力される信号をMCU1が制御しないことで、イネーブル端子ENの電位を不定にしてもよい。
昇圧DC/DCコンバータ9の出力端子VOUTには、Pチャネル型MOSFETにより構成されたスイッチS4のソース端子が接続されている。スイッチS4のゲート端子は、MCU1の端子P15と接続されている。スイッチS4のドレイン端子には、抵抗器Rsの一端が接続されている。抵抗器Rsの他端は、ヒータHTRの一端と接続される正極側のヒータコネクタCnに接続されている。スイッチS4と抵抗器Rsの接続点には、2つの抵抗器からなる分圧回路Pbが接続されている。分圧回路Pbを構成する2つの抵抗器の接続点は、MCU1の端子P18と接続されている。スイッチS4と抵抗器Rsの接続点は、更に、オペアンプOP1の正電源端子と接続されている。
昇圧DC/DCコンバータ9の出力端子VOUTとスイッチS4のソース端子との接続ラインには、Pチャネル型MOSFETにより構成されたスイッチS3のソース端子が接続されている。スイッチS3のゲート端子は、MCU1の端子P16と接続されている。スイッチS3のドレイン端子は、抵抗器Rsと正極側のヒータコネクタCnとの接続ラインに接続されている。このように、昇圧DC/DCコンバータ9の出力端子VOUTとヒータコネクタCnの正極側との間には、スイッチS3を含む回路と、スイッチS4及び抵抗器Rsを含む回路とが並列接続されている。スイッチS3を含む回路は、抵抗器を有さないため、スイッチS4及び抵抗器Rsを含む回路よりも低抵抗の回路である。
オペアンプOP1の非反転入力端子は、抵抗器Rsと正極側のヒータコネクタCnとの接続ラインに接続されている。オペアンプOP1の反転入力端子は、ヒータHTRの他端と接続される負極側のヒータコネクタCnと、Nチャネル型MOSFETにより構成されたスイッチS6のドレイン端子と、に接続されている。スイッチS6のソース端子はグランドラインに接続されている。スイッチS6のゲート端子は、MCU1の端子P14と、ダイオードD4のアノードと、昇圧DC/DCコンバータ9のイネーブル端子ENと、に接続されている。ダイオードD4のカソードは、FF17のQ端子と接続されている。オペアンプOP1の出力端子には抵抗器R4の一端が接続されている。抵抗器R4の他端は、MCU1の端子P9と、Nチャネル型MOSFETにより構成されたスイッチS5のドレイン端子と、に接続されている。スイッチS5のソース端子は、グランドラインに接続されている。スイッチS5のゲート端子は、抵抗器Rsと正極側のヒータコネクタCnとの接続ラインに接続されている。
充電IC2の入力端子VBUSは、LED L1~L8の各々のアノードに接続されている。LED L1~L8の各々のカソードは、電流制限ための抵抗器を介して、MCU1の制御端子PD1~PD8に接続されている。すなわち、入力端子VBUSには、LED L1~L8が並列接続されている。LED L1~L8は、レセプタクルRCPに接続されたUSBケーブルから供給されるUSB電圧VUSBと、電源BATから充電IC2を経由して供給される電圧と、のそれぞれによって動作可能に構成されている。MCU1には、制御端子PD1~PD8の各々とグランド端子GNDとに接続されたトランジスタ(スイッチング素子)が内蔵されている。MCU1は、制御端子PD1と接続されたトランジスタをオンすることでLED L1に通電してこれを点灯させ、制御端子PD1と接続されたトランジスタをオフすることでLED L1を消灯させる。制御端子PD1と接続されたトランジスタのオンとオフを高速で切り替えることで、LED L1の輝度や発光パターンを動的に制御できる。LED L2~L8についても同様にMCU1によって点灯制御される。
充電IC2は、入力端子VBUSに入力されるUSB電圧VUSBに基づいて電源BATを充電する充電機能を備える。充電IC2は、不図示の端子や配線から、電源BATの充電電流や充電電圧を取得し、これらに基づいて、電源BATの充電制御(充電端子batから電源BATへの電力供給制御)を行う。また、充電IC2は、残量計IC12からMCU1に送信された電源BATの温度情報を、通信線LNを利用したシリアル通信によってMCU1から取得し、充電制御に利用してもよい。
充電IC2は、更に、VBATパワーパス機能と、OTG機能とを備える。VBATパワーパス機能は、充電端子batに入力される電源電圧VBATと略一致するシステム電源電圧Vcc0を、出力端子SYSから出力する機能である。OTG機能は、充電端子batに入力される電源電圧VBATを昇圧して得られるシステム電源電圧Vcc4を、入力端子VBUSから出力する機能である。充電IC2のOTG機能のオンオフは、通信線LNを利用したシリアル通信によって、MCU1により制御される。なお、OTG機能においては、充電端子batに入力される電源電圧VBATを、入力端子VBUSからそのまま出力してもよい。この場合において、電源電圧VBATとシステム電源電圧Vcc4は略一致する。
充電IC2の出力端子SYSは、昇降圧DC/DCコンバータ8の入力端子VINに接続されている。充電IC2のスイッチング端子SWにはリアクトルLaの一端が接続されている。リアクトルLaの他端は、充電IC2の出力端子SYSに接続されている。充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)は、抵抗器を介して、MCU1の端子P22に接続されている。更に、充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)には、バイポーラトランジスタS1のコレクタ端子が接続されている。バイポーラトランジスタS1のエミッタ端子は、後述のLSW4の出力端子VOUTに接続されている。バイポーラトランジスタS1のベース端子は、FF17のQ端子に接続されている。更に、充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)には、抵抗器Rcの一端が接続されている。抵抗器Rcの他端は、LSW4の出力端子VOUTに接続されている。
昇降圧DC/DCコンバータ8の入力端子VINとイネーブル端子ENには抵抗器が接続されている。充電IC2の出力端子SYSから、昇降圧DC/DCコンバータ8の入力端子VINにシステム電源電圧Vcc0が入力されることで、昇降圧DC/DCコンバータ8のイネーブル端子ENに入力される信号はハイレベルとなり、昇降圧DC/DCコンバータ8は昇圧動作又は降圧動作を開始する。昇降圧DC/DCコンバータ8は、リアクトルLbに接続された内蔵トランジスタのスイッチング制御により、入力端子VINに入力されたシステム電源電圧Vcc0を昇圧又は降圧してシステム電源電圧Vcc1を生成し、出力端子VOUTから出力する。昇降圧DC/DCコンバータ8の出力端子VOUTは、昇降圧DC/DCコンバータ8のフィードバック端子FBと、LSW4の入力端子VINと、スイッチドライバ7の入力端子VINと、FF16の電源端子VCC及びD端子と、に接続されている。昇降圧DC/DCコンバータ8の出力端子VOUTから出力されるシステム電源電圧Vcc1が供給される配線を電源ラインPL1と記載する。
LSW4は、制御端子ONに入力される信号がハイレベルになると、入力端子VINに入力されているシステム電源電圧Vcc1を出力端子VOUTから出力する。LSW4の制御端子ONと電源ラインPL1は、抵抗器を介して接続されている。このため、電源ラインPL1にシステム電源電圧Vcc1が供給されることで、LSW4の制御端子ONにはハイレベルの信号が入力される。LSW4が出力する電圧は、配線抵抗等を無視すればシステム電源電圧Vcc1と同一であるが、システム電源電圧Vcc1と区別するために、LSW4の出力端子VOUTから出力される電圧を、以下ではシステム電源電圧Vcc2と記載する。
LSW4の出力端子VOUTは、MCU1の電源端子VDDと、LSW5の入力端子VINと、残量計IC12の電源端子VDDと、ROM6の電源端子VCCと、バイポーラトランジスタS1のエミッタ端子と、抵抗器Rcと、FF17の電源端子VCCと、に接続されている。LSW4の出力端子VOUTから出力されるシステム電源電圧Vcc2が供給される配線を電源ラインPL2と記載する。
LSW5は、制御端子ONに入力される信号がハイレベルになると、入力端子VINに入力されているシステム電源電圧Vcc2を出力端子VOUTから出力する。LSW5の制御端子ONは、MCU1の端子P23と接続されている。LSW5が出力する電圧は、配線抵抗等を無視すればシステム電源電圧Vcc2と同一であるが、システム電源電圧Vcc2と区別するために、LSW5の出力端子VOUTから出力される電圧を、以下ではシステム電源電圧Vcc3と記載する。LSW5の出力端子VOUTから出力されるシステム電源電圧Vcc3が供給される配線を電源ラインPL3と記載する。
電源ラインPL3には、サーミスタT2と抵抗器Rt2の直列回路が接続され、抵抗器Rt2はグランドラインに接続されている。サーミスタT2と抵抗器Rt2は分圧回路を構成しており、これらの接続点は、MCU1の端子P21と接続されている。MCU1は、端子P21に入力される電圧に基づいて、サーミスタT2の温度変動(抵抗値変動)を検出し、その温度変動量によって、パフ動作の有無を判定する。
電源ラインPL3には、サーミスタT3と抵抗器Rt3の直列回路が接続され、抵抗器Rt3はグランドラインに接続されている。サーミスタT3と抵抗器Rt3は分圧回路を構成しており、これらの接続点は、MCU1の端子P13と、オペアンプOP2の反転入力端子と、に接続されている。MCU1は、端子P13に入力される電圧に基づいて、サーミスタT3の温度(ヒータHTRの温度に相当)を検出する。
電源ラインPL3には、サーミスタT4と抵抗器Rt4の直列回路が接続され、抵抗器Rt4はグランドラインに接続されている。サーミスタT4と抵抗器Rt4は分圧回路を構成しており、これらの接続点は、MCU1の端子P12と、オペアンプOP3の反転入力端子と、に接続されている。MCU1は、端子P12に入力される電圧に基づいて、サーミスタT4の温度(ケース110の温度に相当)を検出する。
電源ラインPL2には、MOSFETにより構成されたスイッチS7のソース端子が接続されている。スイッチS7のゲート端子は、MCU1の端子P20に接続されている。スイッチS7のドレイン端子は、振動モータMが接続される一対のコネクタの一方に接続されている。この一対のコネクタの他方はグランドラインに接続されている。MCU1は、端子P20の電位を操作することでスイッチS7の開閉を制御し、振動モータMを特定のパターンで振動させることができる。スイッチS7に代えて、専用のドライバICを用いてもよい。
電源ラインPL2には、オペアンプOP2の正電源端子と、オペアンプOP2の非反転入力端子に接続されている分圧回路Pd(2つの抵抗器の直列回路)と、が接続されている。分圧回路Pdを構成する2つの抵抗器の接続点は、オペアンプOP2の非反転入力端子に接続されている。オペアンプOP2は、ヒータHTRの温度に応じた信号(サーミスタT3の抵抗値に応じた信号)を出力する。本実施形態では、サーミスタT3としてNTC特性を持つものを用いているため、ヒータHTRの温度(サーミスタT3の温度)が高いほど、オペアンプOP2の出力電圧は低くなる。これは、オペアンプOP2の負電源端子はグランドラインへ接続されており、オペアンプOP2の反転入力端子に入力される電圧値(サーミスタT3と抵抗器Rt3による分圧値)が、オペアンプOP2の非反転入力端子に入力される電圧値(分圧回路Pdによる分圧値)より高くなると、オペアンプOP2の出力電圧の値は、グランド電位の値と略等しくなるためである。つまり、ヒータHTRの温度(サーミスタT3の温度)が高温になると、オペアンプOP2の出力電圧はローレベルになる。
なお、サーミスタT3としてPTC特性を持つものを用いる場合には、オペアンプOP2の非反転入力端子に、サーミスタT3及び抵抗器Rt3の分圧回路の出力を接続し、オペアンプOP2の反転入力端子に、分圧回路Pdの出力を接続すればよい。
電源ラインPL2には、オペアンプOP3の正電源端子と、オペアンプOP3の非反転入力端子に接続されている分圧回路Pe(2つの抵抗器の直列回路)と、が接続されている。分圧回路Peを構成する2つの抵抗器の接続点は、オペアンプOP3の非反転入力端子に接続されている。オペアンプOP3は、ケース110の温度に応じた信号(サーミスタT4の抵抗値に応じた信号)を出力する。本実施形態では、サーミスタT4としてNTC特性を持つものを用いているため、ケース110の温度が高いほど、オペアンプOP3の出力電圧は低くなる。これは、オペアンプOP3の負電源端子はグランドラインへ接続されており、オペアンプOP3の反転入力端子に入力される電圧値(サーミスタT4と抵抗器Rt4による分圧値)が、オペアンプOP3の非反転入力端子に入力される電圧値(分圧回路Peによる分圧値)より高くなると、オペアンプOP3の出力電圧の値は、グランド電位の値と略等しくなるためである。つまり、サーミスタT4の温度が高温になると、オペアンプOP3の出力電圧が、ローレベルになる。
なお、サーミスタT4としてPTC特性を持つものを用いる場合には、オペアンプOP3の非反転入力端子に、サーミスタT4及び抵抗器Rt4の分圧回路の出力を接続し、オペアンプOP3の反転入力端子に、分圧回路Peの出力を接続すればよい。
オペアンプOP2の出力端子には抵抗器R1が接続されている。抵抗器R1には、ダイオードD1のカソードが接続されている。ダイオードD1のアノードは、オペアンプOP3の出力端子と、FF17のD端子と、FF17のCLR( ̄)端子と、に接続されている。抵抗器R1とダイオードD1との接続ラインには、電源ラインPL1に接続された抵抗器R2が接続されている。また、この接続ラインには、FF16のCLR( ̄)端子が接続されている。
ダイオードD1のアノード及びオペアンプOP3の出力端子の接続点と、FF17のD端子との接続ラインには、抵抗器R3の一端が接続されている。抵抗器R3の他端は電源ラインPL2に接続されている。更に、この接続ラインには、残量計IC12の通知端子12aと接続されているダイオードD2のアノードと、ダイオードD3のアノードと、FF17のCLR( ̄)端子と、が接続されている。ダイオードD3のカソードは、MCU1の端子P5に接続されている。
FF16は、ヒータHTRの温度が過大となり、オペアンプOP2から出力される信号が小さくなって、CLR( ̄)端子に入力される信号がローレベルになると、Q( ̄)端子からハイレベルの信号をMCU1の端子P11に入力する。FF16のD端子には電源ラインPL1からハイレベルのシステム電源電圧Vcc1が供給されている。このため、FF16では、負論理で動作するCLR( ̄)端子に入力される信号がローレベルにならない限り、Q( ̄)端子からはローレベルの信号が出力され続ける。
FF17のCLR( ̄)端子に入力される信号は、ヒータHTRの温度が過大となった場合と、ケース110の温度が過大となった場合と、残量計IC12の通知端子12aから異常検出を示すローレベルの信号が出力された場合のいずれかの場合に、ローレベルとなる。FF17は、CLR( ̄)端子に入力される信号がローレベルになると、Q端子からローレベルの信号を出力する。このローレベルの信号は、MCU1の端子P10と、スイッチS6のゲート端子と、昇圧DC/DCコンバータ9のイネーブル端子ENと、充電IC2に接続されたバイポーラトランジスタS1のベース端子と、にそれぞれ入力される。スイッチS6のゲート端子にローレベルの信号が入力されると、スイッチS6を構成するNチャネル型MOSFETのゲート-ソース間電圧が閾値電圧未満となるため、スイッチS6がオフになる。昇圧DC/DCコンバータ9のイネーブル端子ENにローレベルの信号が入力されると、昇圧DC/DCコンバータ9のイネーブル端子ENは正論理であるため、昇圧動作が停止する。バイポーラトランジスタS1のベース端子にローレベルの信号が入力されると、バイポーラトランジスタS1がオンになる(コレクタ端子から増幅された電流が出力される)。バイポーラトランジスタS1がオンになると、充電IC2のCE( ̄)端子にバイポーラトランジスタS1を介してハイレベルのシステム電源電圧Vcc2が入力される。充電IC2のCE( ̄)端子は負論理であるため、電源BATの充電が停止される。これらにより、ヒータHTRの加熱と電源BATの充電が停止される。なお、MCU1が端子P22から充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)に対してローレベルのイネーブル信号を出力しようとしても、バイポーラトランジスタS1がオンされると、増幅された電流が、コレクタ端子からMCU1の端子P22および充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)に入力される。これにより、充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)にはハイレベルの信号が入力される点に留意されたい。
FF17のD端子には電源ラインPL2からハイレベルのシステム電源電圧Vcc2が供給されている。このため、FF17では、負論理で動作するCLR( ̄)端子に入力される信号がローレベルにならない限り、Q端子からハイレベルの信号が出力され続ける。オペアンプOP3の出力端子からローレベルの信号が出力されると、オペアンプOP2の出力端子から出力される信号のレベルに拠らず、FF17のCLR( ̄)端子にはローレベルの信号が入力される。オペアンプOP2の出力端子からハイレベルの信号が出力される場合には、オペアンプOP3の出力端子から出力されるローレベルの信号は、ダイオードD1によってこのハイレベルの信号の影響を受けない点に留意されたい。また、オペアンプOP2の出力端子からローレベルの信号が出力される場合には、オペアンプOP3の出力端子からハイレベルの信号が出力されたとしても、ダイオードD1を介してこのハイレベルの信号はローレベルの信号に置き換わる。
電源ラインPL2は、MCU搭載基板161からLED搭載基板163及びホールIC搭載基板164側に向けて更に分岐している。この分岐した電源ラインPL2には、ホールIC13の電源端子VDDと、通信IC15の電源端子VCCと、ホールIC14の電源端子VDDと、が接続されている。
ホールIC13の出力端子OUTは、MCU1の端子P3と、スイッチドライバ7の端子SW2と、に接続されている。アウターパネル115が外れると、ホールIC13の出力端子OUTからローレベルの信号が出力される。MCU1は、端子P3に入力される信号により、アウターパネル115の装着有無を判定する。
LED搭載基板163には、操作スイッチOPSと接続された直列回路(抵抗器とコンデンサの直列回路)が設けられている。この直列回路は、電源ラインPL2に接続されている。この直列回路の抵抗器とコンデンサの接続点は、MCU1の端子P4と、操作スイッチOPSと、スイッチドライバ7の端子SW1と、に接続されている。操作スイッチOPSが押下されていない状態では、操作スイッチOPSは導通せず、MCU1の端子P4とスイッチドライバ7の端子SW1にそれぞれ入力される信号は、システム電源電圧Vcc2によりハイレベルとなる。操作スイッチOPSが押下されて操作スイッチOPSが導通状態になると、MCU1の端子P4とスイッチドライバ7の端子SW1にそれぞれ入力される信号は、グランドラインへ接続されるためローレベルとなる。MCU1は、端子P4に入力される信号により、操作スイッチOPSの操作を検出する。
スイッチドライバ7には、リセット入力端子RSTBが設けられている。リセット入力端子RSTBは、LSW4の制御端子ONに接続されている。スイッチドライバ7は、端子SW1と端子SW2に入力される信号のレベルがいずれもローレベルとなった場合(アウターパネル115が外されており、且つ、操作スイッチOPSが押下された状態)には、リセット入力端子RSTBからローレベルの信号を出力することで、LSW4の出力動作を停止させる。つまり、本来はアウターパネル115の押圧部117を介して押し下げられる操作スイッチOPSが、アウターパネル115が外れた状態でユーザによって直接押し下げられると、スイッチドライバ7の端子SW1と端子SW2に入力される信号のレベルがいずれもローレベルになる。
<吸引器の動作モード毎の動作>
以下、図13~図19を参照して、図10に示す電気回路の動作を説明する。図13は、スリープモードにおける電気回路の動作を説明するための図である。図14は、アクティブモードにおける電気回路の動作を説明するための図である。図15は、加熱初期設定モードにおける電気回路の動作を説明するための図である。図16は、加熱モードにおけるヒータHTRの加熱時の電気回路の動作を説明するための図である。図17は、加熱モードにおけるヒータHTRの温度検出時の電気回路の動作を説明するための図である。図18は、充電モードにおける電気回路の動作を説明するための図である。図19は、MCU1のリセット(再起動)時の電気回路の動作を説明するための図である。図13~図19の各々において、チップ化された電子部品の端子のうち、破線の楕円で囲まれた端子は、電源電圧VBAT、USB電圧VUSB、及びシステム電源電圧等の入力又は出力がなされている端子を示している。
いずれの動作モードにおいても、電源電圧VBATは、保護IC10の電源端子VDDと、昇圧DC/DCコンバータ9の入力端子VINと、充電IC2の充電端子batに入力されている。
<スリープモード:図13>
MCU1は、充電IC2のVBATパワーパス機能を有効とし、OTG機能と充電機能を無効とする。充電IC2の入力端子VBUSにUSB電圧VUSBが入力されないことで、充電IC2のVBATパワーパス機能は有効になる。通信線LNからOTG機能を有効にするための信号がMCU1から充電IC2へ出力されないため、OTG機能は無効になる。このため、充電IC2は、充電端子batに入力された電源電圧VBATからシステム電源電圧Vcc0を生成して、出力端子SYSから出力する。出力端子SYSから出力されたシステム電源電圧Vcc0は、昇降圧DC/DCコンバータ8の入力端子VIN及びイネーブル端子ENに入力される。昇降圧DC/DCコンバータ8は、正論理であるイネーブル端子ENにハイレベルのシステム電源電圧Vcc0が入力されることでイネーブルとなり、システム電源電圧Vcc0からシステム電源電圧Vcc1を生成して、出力端子VOUTから出力する。昇降圧DC/DCコンバータ8の出力端子VOUTから出力されたシステム電源電圧Vcc1は、LSW4の入力端子VINと、LSW4の制御端子ONと、スイッチドライバ7の入力端子VINと、FF16の電源端子VCC及びD端子と、にそれぞれ供給される。
LSW4は、制御端子ONにシステム電源電圧Vcc1が入力されることで、入力端子VINに入力されたシステム電源電圧Vcc1を、出力端子VOUTからシステム電源電圧Vcc2として出力する。LSW4から出力されたシステム電源電圧Vcc2は、MCU1の電源端子VDDと、LSW5の入力端子VINと、ホールIC13の電源端子VDDと、通信IC15の電源端子VCCと、ホールIC14の電源端子VDDと、に入力される。更に、システム電源電圧Vcc2は、残量計IC12の電源端子VDDと、ROM6の電源端子VCCと、充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)に接続された抵抗器Rc及びバイポーラトランジスタS1と、FF17の電源端子VCCと、オペアンプOP3の正電源端子と、分圧回路Peと、オペアンプOP2の正電源端子と、分圧回路Pdと、にそれぞれ供給される。充電IC2に接続されているバイポーラトランジスタS1は、FF17のQ端子からローレベルの信号が出力されない限りはオフとなっている。そのため、LSW4で生成されたシステム電源電圧Vcc2は、充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)にも入力される。充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)は負論理のため、この状態では、充電IC2による充電機能はオフとなる。
このように、スリープモードにおいては、LSW5はシステム電源電圧Vcc3の出力を停止しているため、電源ラインPL3に接続される電子部品への電力供給は停止される。また、スリープモードにおいては、充電IC2のOTG機能は停止しているため、LED L1~L8への電力供給は停止される。
<アクティブモード:図14>
MCU1は、図13のスリープモードの状態から、端子P8に入力される信号がハイレベルとなり、スライダ119が開いたことを検出すると、端子P23からLSW5の制御端子ONにハイレベルの信号を入力する。これにより、LSW5は入力端子VINに入力されているシステム電源電圧Vcc2を、システム電源電圧Vcc3として、出力端子VOUTから出力する。LSW5の出力端子VOUTから出力されたシステム電源電圧Vcc3は、サーミスタT2と、サーミスタT3と、サーミスタT4と、に供給される。
更に、MCU1は、スライダ119が開いたことを検出すると、通信線LNを介して、充電IC2のOTG機能を有効化する。これにより、充電IC2は、充電端子batから入力された電源電圧VBATを昇圧して得られるシステム電源電圧Vcc4を、入力端子VBUSから出力する。入力端子VBUSから出力されたシステム電源電圧Vcc4は、
LED L1~L8に供給される。
<加熱初期設定モード:図15>
図14の状態から、端子P4に入力される信号がローレベルになる(操作スイッチOPSの押下がなされる)と、MCU1は、加熱に必要な各種の設定を行った後、端子P14から、昇圧DC/DCコンバータ9のイネーブル端子ENにハイレベルのイネーブル信号を入力する。これにより、昇圧DC/DCコンバータ9は、電源電圧VBATを昇圧して得られる駆動電圧Vbstを出力端子VOUTから出力する。駆動電圧Vbstは、スイッチS3とスイッチS4に供給される。この状態では、スイッチS3とスイッチS4はオフとなっている。また、端子P14から出力されたハイレベルのイネーブル信号によってスイッチS6はオンされる。これにより、ヒータHTRの負極側端子がグランドラインに接続されて、スイッチS3をONにすればヒータHTRを加熱可能な状態になる。MCU1の端子P14からハイレベルの信号のイネーブル信号が出力された後、加熱モードに移行する。
<加熱モード時のヒータ加熱:図16>
図15の状態において、MCU1は、端子P16に接続されたスイッチS3のスイッチング制御と、端子P15に接続されたスイッチS4のスイッチング制御を開始する。これらスイッチング制御は、上述した加熱初期設定モードが完了すれば自動的に開始されてもよいし、さらなる操作スイッチOPSの押下によって開始されてもよい。具体的には、MCU1は、図16のように、スイッチS3をオンし、スイッチS4をオフして、駆動電圧VbstをヒータHTRに供給し、エアロゾル生成のためのヒータHTRの加熱を行う加熱制御と、図17のように、スイッチS3をオフし、スイッチS4をオンして、ヒータHTRの温度を検出する温度検出制御と、を行う。
図16に示すように、加熱制御時においては、駆動電圧Vbstは、スイッチS5のゲートにも供給されて、スイッチS5がオンとなる。また、加熱制御時には、スイッチS3を通過した駆動電圧Vbstが、抵抗器Rsを介して、オペアンプOP1の正電源端子にも入力される。抵抗器Rsの抵抗値は、オペアンプOP1の内部抵抗値と比べると無視できるほど小さい。そのため、加熱制御時において、オペアンプOP1の正電源端子に入力される電圧は、駆動電圧Vbstとほぼ同等になる。
なお、抵抗器R4の抵抗値は、スイッチS5のオン抵抗値よりも大きくなっている。加熱制御時にもオペアンプOP1は動作するが、加熱制御時にはスイッチS5がオンになる。スイッチS5がオンの状態では、オペアンプOP1の出力電圧が、抵抗器R4とスイッチS5の分圧回路によって分圧されて、MCU1の端子P9に入力される。抵抗器R4の抵抗値がスイッチS5のオン抵抗値よりも大きくなっていることで、MCU1の端子P9に入力される電圧は十分に小さくなる。これにより、オペアンプOP1からMCU1に対して大きな電圧が入力されるのを防ぐことができる。
<加熱モード時のヒータ温度検出:図17>
図17に示すように、温度検出制御時には、駆動電圧VbstがオペアンプOP1の正電源端子に入力されると共に、分圧回路Pbに入力される。分圧回路Pbによって分圧された電圧は、MCU1の端子P18に入力される。MCU1は、端子P18に入力される電圧に基づいて、温度検出制御時における抵抗器RsとヒータHTRの直列回路に印加される基準電圧Vtempを取得する。
また、温度検出制御時には、駆動電圧Vbst(基準電圧Vtemp)が、抵抗器RsとヒータHTRの直列回路に供給される。そして、この駆動電圧Vbst(基準電圧Vtemp)を抵抗器RsとヒータHTRによって分圧した電圧Vheatが、オペアンプOP1の非反転入力端子に入力される。抵抗器Rsの抵抗値はヒータHTRの抵抗値よりも十分に大きいため、電圧Vheatは、駆動電圧Vbstよりも十分に低い値である。温度検出制御時には、この低い電圧VheatがスイッチS5のゲート端子にも供給されることで、スイッチS5はオフされる。オペアンプOP1は、反転入力端子に入力される電圧と非反転入力端子に入力される電圧Vheatの差を増幅して出力する。
オペアンプOP1の出力信号は、MCU1の端子P9に入力される。MCU1は、端子P9に入力された信号と、端子P18の入力電圧に基づいて取得した基準電圧Vtempと、既知の抵抗器Rsの電気抵抗値と、に基づいて、ヒータHTRの温度を取得する。MCU1は、取得したヒータHTRの温度に基づいて、ヒータHTRの加熱制御を行う。ヒータHTRの加熱制御は、電源BATからヒータHTRへの放電の制御、ヒータHTRの温度が目標温度となるような制御などを含む。
なお、MCU1は、スイッチS3とスイッチS4をそれぞれオフにしている期間(ヒータHTRへの通電を行っていない期間)においても、ヒータHTRの温度を取得することができる。具体的には、MCU1は、端子P13に入力される電圧(サーミスタT3と抵抗器Rt3から構成される分圧回路の出力電圧)に基づいて、ヒータHTRの温度を取得する。
また、MCU1は、任意のタイミングにて、ケース110の温度の取得も可能である。具体的には、MCU1は、端子P12に入力される電圧(サーミスタT4と抵抗器Rt4から構成される分圧回路の出力電圧)に基づいて、ケース110の温度を取得する。
<充電モード:図18>
図18は、スリープモードの状態でUSB接続がなされた場合を例示している。USB接続がなされると、USB電圧VUSBが過電圧保護IC11を介してLSW3の入力端子VINに入力される。USB電圧VUSBは、LSW3の入力端子VINに接続された分圧回路Pfにも供給される。USB接続がなされた直後の時点では、バイポーラトランジスタS2がオンとなっているため、LSW3の制御端子ONに入力される信号はローレベルのままとなる。USB電圧VUSBは、MCU1の端子P17に接続された分圧回路Pcにも供給され、この分圧回路Pcで分圧された電圧が端子P17に入力される。MCU1は、端子P17に入力された電圧に基づいて、USB接続がなされたことを検出する。
MCU1は、USB接続がなされたことを検出すると、端子P19に接続されたバイポーラトランジスタS2をオフする。バイポーラトランジスタS2のゲート端子にローレベルの信号を入力すると、分圧回路Pfによって分圧されたUSB電圧VUSBがLSW3の制御端子ONに入力される。これにより、LSW3の制御端子ONにハイレベルの信号が入力されて、LSW3は、USB電圧VUSBを出力端子VOUTから出力する。LSW3から出力されたUSB電圧VUSBは、充電IC2の入力端子VBUSに入力される。また、LSW3から出力されたUSB電圧VUSBは、そのままシステム電源電圧Vcc4として、LED L1~L8に供給される。
MCU1は、USB接続がなされたことを検出すると、更に、端子P22から、充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)に対してローレベルのイネーブル信号を出力する。これにより、充電IC2は、電源BATの充電機能を有効化し、入力端子VBUSに入力されるUSB電圧VUSBによる電源BATの充電を開始する。このとき、MCU1は、スイッチS3とスイッチS4はオフとしたままエアロゾル生成のためのヒータHTRの加熱を行わない。言い換えると、MCU1は、端子P17に入力された電圧に基づいてUSB接続がなされたことを検出した場合、電源BATからヒータコネクタCnへの電力の供給を禁止する。したがって、充電時にのみ機能する電子部品であるレセプタクルRCP及び過電圧保護IC11は、加熱制御に伴う電圧変換制御が実行されていない時に機能する電子部品である。
なお、アクティブモードの状態でUSB接続がなされた場合には、MCU1は、USB接続がなされたことを検出すると、端子P19に接続されたバイポーラトランジスタS2をオフし、更に、端子P22から、充電IC2の充電イネーブル端子CE( ̄)に対してローレベルのイネーブル信号を出力し、更に、通信線LNを利用したシリアル通信によって、充電IC2のOTG機能をオフする。これにより、LED L1~L8に供給されるシステム電源電圧Vcc4は、充電IC2のOTG機能で生成されていた電圧(電源電圧VBATに基づく電圧)から、LSW3から出力されたUSB電圧VUSBに切り替わる。LED L1~L8は、MCU1によって内蔵トランジスタのオン制御がなされない限りは作動しない。このため、OTG機能のオンからオフへの過渡期における不安定な電圧がLED L1~L8に供給されるのは防がれる。
<MCUのリセット:図19>
アウターパネル115が外されてホールIC13の出力がローレベルとなり、操作スイッチOPSのオン操作がなされてMCU1の端子P4に入力される信号がローレベルになると、スイッチドライバ7の端子SW1と端子SW2が共にローレベルとなる。これにより、スイッチドライバ7は、リセット入力端子RSTBからローレベルの信号を出力する。リセット入力端子RSTBから出力されたローレベルの信号はLSW4の制御端子ONに入力される。これにより、LSW4は、出力端子VOUTからのシステム電源電圧Vcc2の出力を停止する。システム電源電圧Vcc2の出力が停止されることで、MCU1の電源端子VDDにシステム電源電圧Vcc2が入力されなくなるため、MCU1は停止する。
スイッチドライバ7は、リセット入力端子RSTBからローレベルの信号を出力している時間が既定時間に達するか、端子SW1と端子SW2のいずれかに入力される信号がハイレベルになると、リセット入力端子RSTBから出力する信号をハイレベルに戻す。これにより、LSW4の制御端子ONがハイレベルとなり、システム電源電圧Vcc2が各部に供給される状態に復帰する。
<昇圧DC/DCコンバータの周辺回路>
図20は、図10に示す電気回路のうち、昇圧DC/DCコンバータ9の周辺回路をより具体的に示した要部回路図である。
図20には、図10では図示又は符号を省略していた電子部品やノードとして、コンデンサC1~C12と、抵抗器R11~R14と、ノードN1、N2と、が示されている。
また、図20には、昇圧DC/DCコンバータ9の端子として、第1制御端子P31と、第2制御端子P32と、第3制御端子P33と、フィードバック端子FBと、が示されており、リアクトルLcの一端が接続されるスイッチング端子SW、及びヒータコネクタCnへ接続される出力端子VOUTが、それぞれ複数示されている。
さらに図20には、グランド端子GNDとして、後述するパワーグランドPGNDに接続されるパワーグランド端子PGPと、後述する信号グランドAGNDに接続される信号グランド端子AGPと、が示されている。図10に示したグランド端子GND及びグランドラインは、パワーグランド端子PGP及びパワーグランドPGNDであり、レセプタクル搭載基板162には、パワーグランドPGNDの他に信号グランドAGNDが設けられている。
ノードN1は、入力端子VINとリアクトルLcの一端とを接続している。ノードN1は電源BATと電気的に接続される電源コネクタ(図では、この電源コネクタに接続された電源BATを記載)に接続されている。コンデンサC1、C2の一端は、ノードN1と入力端子VINとの間に並列に接続され、コンデンサC1、C2の他端は、信号グランドAGNDに接続されている。一端が入力端子VINに接続されるコンデンサC1、C2は、入力端子VINへリップル電流やリップル電圧などが入力されないようにするバイパスコンデンサ(所謂、バスコン)である。以下、コンデンサC1、C2をバイパスコンデンサC1、C2とも称し、さらにコンデンサC1を第1バイパスコンデンサC1、コンデンサC2を第2バイパスコンデンサC2と称することがある。
コンデンサC3~C5の一端は、ノードN1とリアクトルLcの一端との間に並列に接続され、コンデンサC3~C5の他端は、パワーグランドPGNDに接続されている。一端がリアクトルLcに接続されるコンデンサC3~C5は、リアクトルLcへリップル電流やリップル電圧などが入力されないようにするリアクトル用コンデンサである。以下、コンデンサC3~C5をリアクトル用コンデンサと称することがある。
ノードN2は、スイッチS3のソース端子と、スイッチS4のソース端子とを接続している。ノードN2は、昇圧DC/DCコンバータ9の出力端子VOUTに接続されている。コンデンサC8~C12の一端は、出力端子VOUTとノードN2との間に並列に接続され、コンデンサC8~C12の他端は、パワーグランドPGNDに接続されている。一端が出力端子VOUTに接続されるコンデンサC8~C12は、出力端子VOUTから出力される電流や電圧のリップルを除去する出力コンデンサである。以下、コンデンサC8~C12を出力コンデンサと称することがある。
出力端子VOUTと出力コンデンサC8~C12との間には、2つの抵抗器R12、R13の直列回路からなる分圧回路Pgの一端が接続されている。分圧回路Pgの他端は信号グランドAGNDに接続されている。分圧回路Pgを構成する2つの抵抗器R12、R13の接続点は、フィードバック端子FBに接続されている。昇圧DC/DCコンバータ9は、フィードバック端子FBに入力された電圧に基づいて、入力端子VINへ入力される電圧を変換して出力端子VOUTから出力する電圧変換制御を実行する。即ち、昇圧DC/DCコンバータ9は、フィードバック端子FBに入力された電圧に基づいて、電源電圧VBATを昇圧して駆動電圧Vbstが目標電圧となるように制御する。
第1制御端子P31には、コンデンサC6の一端が接続され、コンデンサC6の他端は信号グランドAGNDに接続されている。第1制御端子P31は、例えばソフトスタートコントロール端子であり、コンデンサC6の容量に応じて昇圧DC/DCコンバータ9のソフトスタートを行う。
第2制御端子P32には、抵抗器R11の一端が接続され、抵抗器R11の他端は信号グランドAGNDに接続されている。第2制御端子P32は、例えば出力電流制限プログラミング端子であり、抵抗器R11の抵抗値に応じて出力電流の制限値をプログラムする。
第3制御端子P33には、抵抗器R14とコンデンサC7の直列回路の一端が接続され、抵抗器R14とコンデンサC7の直列回路の他端は、信号グランドAGNDに接続されている。第3制御端子P33は、例えば位相保障接続端子であり、抵抗器R14とコンデンサC7の直列回路は位相補償用の部品である。
<熱拡散部材>
図21に示すように、レセプタクル搭載基板162の副面162bには、シャーシ150との間に熱拡散部材300が設けられている。熱拡散部材300が配置されるレセプタクル搭載基板162の副面162bは、シャーシ150の前後分割壁152と対向するので、熱拡散部材300は、昇圧DC/DCコンバータ9とシャーシ150の間に位置することになる。
熱拡散部材300は、空気よりも高い熱拡散率を有する材料、例えば金属、セラミック、グラファイト、粘土等の熱拡散材料から構成される。放熱シートを、熱拡散部材300に用いてもよい。熱拡散部材300に用いる放熱シートは、その一部がゲル状でもよい。熱拡散部材300は、レセプタクル搭載基板162の副面162bに配置された複数の電子部品を全体的に又は部分的に覆い、熱を分散させて空気中に拡散させる。したがって、熱拡散部材300で覆われた電子部品は温度が高くなりにくくなる。また、熱拡散部材300で覆われた電子部品は、シャーシ150によって電源BATからの熱の影響も受けにくくなるので動作が安定する。一方、熱拡散部材300が拡散した熱は、シャーシ150により他の部品へ伝わることが抑制されるので、吸引器100の耐久性が向上する。
熱拡散部材300の形状は、特に限定されないが、平面視で正方形、長方形、円形、楕円形等の単純な形状であることがコストの観点から好ましい。熱拡散部材300は、2つ以上設けられていてもよい。本実施形態では、略矩形形状を有する1つの熱拡散部材300が設けられている。熱拡散部材300で覆われる電子部品については、MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162に搭載される素子及びICの説明とあわせて後述する。
図21に示すように、レセプタクル搭載基板162の副面162bに熱拡散部材300が設けられることで、ケース110の内部空間には、MCU搭載基板161、レセプタクル搭載基板162、熱拡散部材300、シャーシ150、及び電源BATが、前後方向において前方からこの順に並ぶように配置される。したがって、レセプタクル搭載基板162における局所的な熱が熱拡散部材300によって散逸され、散逸された熱が絶縁性のシャーシ150によって電源BATへ伝わらないようになる。また、電源BATにおける発熱も絶縁性のシャーシ150によってレセプタクル搭載基板162へ伝わらないようになるので、電源BATやレセプタクル搭載基板162の温度が高くなりにくくなり、吸引器100の動作が安定するようになる。
熱拡散部材300は、粘着、接着、溶着等の手段でレセプタクル搭載基板162の副面162bに配置される。熱拡散部材300とシャーシ150との間には所定の隙間が形成されていることが好ましい。
<基板の詳細説明>
次に、MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162に配置されたIC及び素子の配置について説明する。
[レセプタクル搭載基板]
図22は、レセプタクル搭載基板162の主面162aを示す図である。上下方向に延設されたレセプタクル搭載基板162の主面162aには、上端部近傍にヒータコネクタCnが配置され、下端部にレセプタクルRCPが配置され、ヒータコネクタCnとレセプタクルRCPとの間に昇圧DC/DCコンバータ9のリアクトルLc及びリアクトル用コンデンサC3~C5が配置されている。
また、レセプタクルRCPの近傍には、右側に正極側のバッテリコネクタ222(以下、正極側バッテリコネクタ222)が配置され、左側にスペーサ173を固定する開口部176が配置されている。さらにリアクトルLcの左側には、負極側のバッテリコネクタ224(以下、負極側バッテリコネクタ224)及び電源温度センサを構成するサーミスタT1に接続される電源温度検出用コネクタCn(t1)が配置される。正極側バッテリコネクタ222には、電源BATの正極端子から延びる正極側電源バスバー236(図7、8参照)が接続され、負極側バッテリコネクタ224には、電源BATの負極端子から延びる負極側電源バスバー238(図7、8参照)が接続される。
図23は、レセプタクル搭載基板162の副面162bを示す図である。レセプタクル搭載基板162の副面162bには、上下方向において略中央部に主要なICなどを搭載する略矩形状のIC搭載領域191が設けられ、このIC搭載領域191に昇圧DC/DCコンバータ9、残量計IC12、オペアンプOP1、及び保護IC10が配置されている。また、IC搭載領域191には、制御用素子である抵抗器R11、R12、R13及びコンデンサC1、C2、C6が配置されている。これらの制御用素子が昇圧DC/DCコンバータ9と同一面に配置されるので、配線パターンを簡略化することができる。なお、副面162bにおいて、IC搭載領域191以外の領域を残余領域192と称する。
上述したようにIC搭載領域191の少なくとも一部は、空気よりも高い熱拡散率を有する熱拡散部材300で覆われる。図23では、熱拡散部材300で覆われる領域を太い点線で示している。
熱拡散部材300は、副面162bのIC搭載領域191と残余領域192のうちIC搭載領域191のみを覆い、さらにIC搭載領域191のうち一部の領域のみを覆う。これにより、熱拡散部材300のサイズや重量を過大なものにしなくても、熱の集中を効果的に解消できるので、吸引器100のコストや重量の増加を抑制しつつ、その動作を安定させることができる。
より具体的には、熱拡散部材300は、昇圧DC/DCコンバータ9、残量計IC12、保護IC10、抵抗器R11、コンデンサC2、C6、オペアンプOP1の少なくとも一部を覆う。図20には、熱拡散部材300で覆われる電子部品が太い点線の内部に示されている。電子部品は、IC(集積回路)、素子(能動素子、受動素子)、レセプタクルを含む概念である。
熱拡散部材300がオペアンプOP1、残量計IC12、保護IC10を少なくとも部分的に覆うことで、これらの電子部品が熱の影響を受けにくくなるので、吸引器100の動作が安定するようになる。
熱拡散部材300が昇圧DC/DCコンバータ9の少なくとも一部を覆うことで、熱拡散部材300によって昇圧DC/DCコンバータ9の温度が高くなりにくくなり、昇圧DC/DCコンバータ9の動作が安定する。これにより、生成されるエアロゾルの量や香喫味を安定なものにできる。熱拡散部材300は昇圧DC/DCコンバータ9の全体を覆うことが好ましい。面積の大きい熱拡散部材300により、昇圧DC/DCコンバータ9などで生じた熱をより効果的に散逸できるばかりか、シャーシ150が局所的に熱くなることを抑制できるので、吸引器100の耐久性が向上する。
一方で、熱拡散部材300は、検出端子へ接続される抵抗器R12、R13を覆わない。抵抗器R12、R13は、上述したようにフィードバック端子FBが電圧を検出するために使用するものであり、昇圧DC/DCコンバータ9はフィードバック端子FBに入力された電圧に基づいて、出力端子VOUTから出力する電圧変換制御を実行する。抵抗器R12、R13はその電気抵抗値が温度によって殆ど変化しない固定抵抗器ではあるが、高温になるとその電気抵抗値は僅かながら変化する虞がある。熱拡散部材300が抵抗器R12、R13を覆わないことで、抵抗器R12、R13が熱の影響を受けにくくなり、抵抗器R12、R13が検出する出力電圧が安定する。
また、熱拡散部材300は、昇圧DC/DCコンバータ9のフィードバック端子FBとは異なる複数の制御端子に接続される複数の制御用素子のうち、半分を少なくとも部分的に覆う。本実施形態では、図20に示すように、昇圧DC/DCコンバータ9は、主な制御用端子として第1~第3制御端子P31、P32、P33を備え、これらの制御用端子に接続される制御用素子として、コンデンサC6、抵抗器R11、抵抗器R14、コンデンサC7が設けられる。熱拡散部材300は、これら4つの制御用素子のうち抵抗器R11及びコンデンサC6を少なくとも部分的に覆う。このように半分の制御用素子を覆うことで、熱拡散部材300の面積を稼ぎ、熱拡散の効果を高めることができる。なお、熱拡散部材300は、抵抗器R14とコンデンサC7の少なくとも一部を部分的に覆っていてもよい。このようにすれば、過半数の制御用素子が覆われるので、熱拡散部材300の面積をさらに稼ぎ、熱拡散の効果をさらに高めることができる。
また、熱拡散部材300は、昇圧DC/DCコンバータ9のリアクトルLcを覆わない。上述したように昇圧DC/DCコンバータ9のリアクトルLcは、レセプタクル搭載基板162の主面162aに配置される。昇圧DC/DCコンバータ9に接続されるリアクトルLcのサイズは、昇圧DC/DCコンバータ9が出力する電流に応じて大きくなる。吸引器100においてヒータHTRは最も消費電流及び消費電力が大きい部品であるため、リアクトルLcは昇圧DC/DCコンバータ9そのものよりも大きくなりやすい。また、昇圧時にスイッチングされるスイッチを内蔵する昇圧DC/DCコンバータ9に比べてリアクトルLcの発熱は少ない。したがって、熱拡散部材300がこのリアクトルLcを覆わないので、熱拡散部材300のサイズが大きくなり過ぎたり、形状が複雑になることを回避できる。このように簡易な形状の熱拡散部材300を用いて適切な電子部品を保護することで、吸引器100の動作を安定させることができる。また、基板上で多くの面積を占める昇圧DC/DCコンバータ9とリアクトルLcを回路基板の同一面に配置する場合に比べて、基板のサイズを小さくできるので、吸引器100のコストやサイズを削減できる。
また、熱拡散部材300は、リアクトル用コンデンサC3~C5を覆わず、リアクトルLcと同様にリアクトル用コンデンサC3~C5もレセプタクル搭載基板162の主面162aに配置される。熱拡散部材300が、発熱が比較的に少ないリアクトル用コンデンサC3~C5を覆わないようにすることで、熱拡散部材300のサイズが大きくなり過ぎたり、形状が複雑になることを回避できる。簡易な形状の熱拡散部材300を用いて適切な電子部品を保護することで、吸引器100の動作を安定させることができる。また、基板上で多くの面積を占める昇圧DC/DCコンバータ9とリアクトル用コンデンサC3~C5を同一面に配置する場合に比べて、基板のサイズを小さくできるので、吸引器100のコストやサイズを削減できる。
また、熱拡散部材300は、出力コンデンサC8~C12を覆わない。出力コンデンサC8~C12は、十分にリップル電流やリップル電圧が除去できるように、一般的に容量が大きなものが用いられる。コンデンサのサイズは、その容量におおよそ依存する。これら出力コンデンサC8~C12を覆うと熱拡散部材300が大型化してしまう。また、出力コンデンサC8~C12は電流や電圧のリップルを除去する際に発熱してしまう。このような出力コンデンサC8~C12を熱拡散部材300が覆わないようにすることで、昇圧DC/DCコンバータ9の発熱を効果的に拡散できると共に、吸引器100のコストを低減できる。
出力コンデンサC9~C12は、副面162bに配置される電子部品の中で高さが最も高い電子部品である。これら出力コンデンサC9~C12は、熱拡散部材300が配置されない残余領域192に配置され、熱拡散部材300によって覆われない。熱拡散部材300が、最も背が高い電子部品を覆わないようにすることで、熱拡散部材300のサイズが大きくなり過ぎたり、形状が複雑になることを回避できる。なお、図23に示すように、残余領域192には、出力コンデンサC9~C12の他に、コンデンサC7、出力コンデンサC8、抵抗器R14、及び過電圧保護IC11等が配置されている。
また、熱拡散部材300は、バイパスコンデンサC1、C2を部分的に覆う。より具体的には、熱拡散部材300は、複数のバイパスコンデンサC1、C2のうち第1バイパスコンデンサC1を覆わず、第2バイパスコンデンサC2を覆う。バイパスコンデンサC1、C2は、昇圧DC/DCコンバータ9の入力端子VINへリップル電流やリップル電圧などが入力されないようにする。十分に平滑化されるようにバイパスコンデンサとして複数の平滑コンデンサを設けることが好ましい。しかし、バイパスコンデンサC1、C2が高温になると、リップル電流やリップル電圧を十分に除去できない虞がある。一方で、熱拡散部材300が全てのバイパスコンデンサC1、C2を覆うと熱拡散部材300のサイズが大きくなり過ぎたり、形状が複雑になる。したがって、熱拡散部材300が複数のバイパスコンデンサC1、C2のうち一部のコンデンサ(本実施形態では、第2バイパスコンデンサC2)のみを少なくとも部分的に覆うことで、熱拡散部材300によって第2バイパスコンデンサC2が高温になることが抑制され、昇圧DC/DCコンバータ9が故障したり誤動作しにくくなる。さらに、第2バイパスコンデンサC2のみを覆うことで、熱拡散部材300のサイズが大きくなり過ぎたり、形状が複雑になることを回避できる。
ここで、第2バイパスコンデンサC2は第1バイパスコンデンサC1よりも容量が小さいコンデンサである。前述した通り、コンデンサのサイズは、その容量におおよそ依存する。つまり、容量が小さいコンデンサほど局所的な熱が発生しやすいといえる。したがって、容量の小さい第2バイパスコンデンサC2を、熱拡散部材300により優先して保護することが好ましい。このように簡易な形状の熱拡散部材300を用いて適切な電子部品を保護することがで、吸引器100の動作を安定させることができる。なお、本実施形態に代えて、熱拡散部材300は、複数のバイパスコンデンサC1、C2のうち第2バイパスコンデンサC2を覆わず、第1バイパスコンデンサC1を覆ってもよい。また、熱拡散部材300は、第1バイパスコンデンサC1の一部及び/又は第2バイパスコンデンサC2の一部のみを覆ってもよい。
[グランド]
次にレセプタクル搭載基板162のグランドについて図24を参照しながら説明する。図24は、レセプタクル搭載基板162の内部構造を説明する図であり、(A)部分は(B)部分のA-A線断面図である。また、(B)部分は、レセプタクル搭載基板162の前後方向における断面図である。
図24に示すように、レセプタクル搭載基板162は、複数の層が積層されて構成された多層基板であって、主面162aを構成する主面側表面層402と、互いに絶縁された2つのグランドPGND、AGNDが設けられたグランド層404と、副面162bを構成する副面側表面層406と、主面側表面層402とグランド層404との間に設けられた主面側電源層403と、副面側表面層406とグランド層404との間に設けられた副面側電源層405と、を備える。各層の間には、不図示のプリプレグが設けられ隣接する層同志が絶縁状態に維持される。
主面側電源層403と副面側電源層405は、不図示のビア(スルーホール)を介して適宜電気的に接続され、図12のレセプタクル搭載基板162に搭載される範囲162Aで示した細い実線で示した回路を構成する。昇圧DC/DCコンバータ9の周辺において、主面側電源層403及び副面側電源層405には、昇圧DC/DCコンバータ9の入力端子VIN、スイッチング端子SW、バイパスコンデンサC1、C2の一端、リアクトルLcの両端、リアクトル用コンデンサC3~C5の一端、出力コンデンサC8~C12の一端、出力端子VOUTが接続される。
グランド層404には、比較的大きな電流が流れる回路に接続されるパワーグランドPGNDと、比較的小さな電流が流れる回路に接続される信号グランドAGNDの2つのグランドが設けられる。グランド層404におけるパワーグランドPGNDと信号グランドAGNDとの間の領域は、絶縁材料から構成された絶縁部194である。
図20に示すように、パワーグランドPGNDには、昇圧DC/DCコンバータ9のパワーグランド端子PGP(図10の昇圧DC/DCコンバータ9のグランド端子GND)、一端がノードN1とリアクトルLcを結ぶ配線に接続されたリアクトル用コンデンサC3~C5の他端、及び一端が出力端子VOUTとノードN2を結ぶ配線に接続された出力コンデンサC8~C12の他端が接続される。
また、パワーグランドPGNDは、上記したように図10に示したグランドラインであり、パワーグランドPGNDには、図12のレセプタクル搭載基板162に搭載される範囲162Aに含まれる、保護IC10、過電圧保護IC11、残量計IC12、レセプタクルRCPの電源端子VSS及びグランド端子GNDが接続される。
さらに、図10に示すように、パワーグランドPGNDには、ヒータコネクタCn負極へ接続されるトランジスタであるスイッチS6が接続され、さらにレセプタクルRCPのグランド端子GNDが接続される。昇圧DC/DCコンバータ9の出力端子VOUTと、他のIC、スイッチS6、及びレセプタクルRCPが同じグランドへ接続されることで、これらは、共通の基準電位(=パワーグランドPGNDの電位)を有することになる。したがって、吸引器100の動作が安定し、またこれらの間で短絡が発生しにくくもなることで吸引器100の安全性も向上する。
また、レセプタクル搭載基板162のパワーグランドPGNDには、上記したようにスペーサ173を介してMCU搭載基板161のグランドが接続される。これにより、MCU搭載基板161とレセプタクル搭載基板162のグランド電位を揃えることができ、MCU搭載基板161とレセプタクル搭載基板162との間の充電用電力、動作用電力の供給及び通信を安定させることができる。一方、MCU搭載基板161のグランドは、信号グランドAGNDへは直接的に接続されない。したがって、信号グランドAGNDが、パワーグランドPGNDとMCU搭載基板161のグランドの電位を併せる際に生じる熱やノイズの影響を受けにくくなる。
信号グランドAGNDには、昇圧DC/DCコンバータ9の信号グランド端子AGP、一端が第2制御端子P32に接続された抵抗器R11の他端、一端がノードN1と入力端子VINとの接続ラインに接続されたバイパスコンデンサC1、C2の他端、一端が第3制御端子P33に接続された抵抗器R14とコンデンサC7の直列回路の他端、一端が出力端子VOUTと出力コンデンサC8~C12との接続ラインに接続され接続点がフィードバック端子FBに接続された分圧回路Pgの他端、一端が第1制御端子P31に接続されたコンデンサC6の他端が接続される。即ち、抵抗器R11~R14、コンデンサC6、C7、及びバイパスコンデンサC1、C2は、昇圧DC/DCコンバータ9と信号グランドAGNDの間の電力経路上に配置される。これらの電子部品は、昇圧DC/DCコンバータ9によって電圧変換制御が実行されている時に機能する電子部品である。
このように信号グランドAGNDへは、電圧変換制御が実行されている時に機能する電子部品が接続され、より好ましくは電圧変換制御が実行されている時に機能する電子部品のみが接続される。信号グランドAGNDには昇圧DC/DCコンバータ9とは関連性が低い電子部品が接続されないことで、信号グランドAGNDの電位が安定し、フィードバック端子FBが検出する電圧値も安定する。したがって、昇圧DC/DCコンバータ9がヒータHTRへ印加する電圧が安定し、生成されるエアロゾルの量や香喫味を安定なものにできる。反対に、レセプタクル搭載基板162に配置された電子部品のうち、電圧変換制御が実行されていない時に機能する電子部品であるレセプタクルRCP及び過電圧保護IC11は、パワーグランドPGNDに接続される(図10参照)。
なお、信号グランドAGNDへは、昇圧DC/DCコンバータ9とは関連性が低い電子部品が接続されてもよい。ただし、昇圧DC/DCコンバータ9によって電圧変換制御が実行されている時に機能し且つ信号グランドAGNDへ接続される電子部品の数は、電圧変換制御が実行されていない時に機能し且つ信号グランドAGNDへ接続される電子部品の数より多いことが好ましい。これにより、信号グランドAGNDの電位が安定し、フィードバック端子FBが検出する電圧値も安定するので、昇圧DC/DCコンバータ9がヒータHTRへ印加する電圧が安定し、生成されるエアロゾルの量や香喫味を安定なものにできる。
昇圧DC/DCコンバータ9と信号グランドAGNDの間の電力経路上に配置される素子である抵抗器R11~R14、コンデンサC6、C7、及びバイパスコンデンサC1、C2のうち、副面162bへ配置される素子の数は、主面162aへ配置される素子の数より多いことが好ましく、全ての素子が副面162bへ配置されることがさらに好ましい。本実施形態では、抵抗器R11~R14、コンデンサC6、C7、及びバイパスコンデンサC1、C2の全てが副面162bに配置される。これにより、信号グランドAGNDを、それぞれの面に配置された素子を接続するような形状にする状況を減らすことができるので、信号グランドAGNDを小型化し、基板の他の箇所からノイズが侵入する可能性を減らすことができる。また、パワーグランドPGNDを大面積化し、パワーグランドPGNDの電位を安定にすることができる。
また、これら抵抗器R11~R14、コンデンサC6、C7、及びバイパスコンデンサC1、C2は、集約して配置されることが好ましい。本実施形態では、図23に示すように、副面162bに直交する方向(本実施形態では前後方向)から見て四角形の昇圧DC/DCコンバータ9の中心を始点とし、昇圧DC/DCコンバータ9の頂点を含むように伸びる4本の対角線によって区画形成される回路基板上の4個の領域を第1領域AR1~第4領域AR4とすると、バイパスコンデンサC1、C2及びコンデンサC6が第1領域AR1に配置され、抵抗器R11、R12、R14、及びコンデンサC7が第3領域AR3に配置される。また、抵抗器R13は第2領域AR2に配置され、第4領域AR4にはいずれの素子も配置されていない。このように昇圧DC/DCコンバータ9と信号グランドAGNDの間の電力経路上に配置される素子が複数配置される領域と、素子が配置されない領域を設けて、信号グランドAGNDに接続される素子を基板上に集中して配置することで信号グランドAGNDの面積を小さくでき、基板の他の箇所からノイズが侵入する可能性を減らすことができる。また、パワーグランドPGNDを大面積化し、パワーグランドPGNDの電位を安定にすることができる。
図24に示すように、パワーグランドPGNDの面積((A)のドットでハッチングした領域)は、信号グランドAGNDの面積((A)の斜線でハッチングした領域)より広い。パワーグランドPGNDが広大な面積を有することで、パワーグランドPGNDの電位が安定する。これにより、昇圧DC/DCコンバータ9が出力する波形から電流や電圧のリップルをより効果的に除去できるので、昇圧DC/DCコンバータ9が出力する電圧の波形が理想的な定常波に近くなり、生成されるエアロゾルの量や香喫味を安定なものにできる。
また、信号グランドAGNDは、パワーグランドPGNDに少なくとも部分的に囲まれる。本実施形態では、パワーグランドPGNDが信号グランドAGNDの全周を囲むように配置されている。これにより、パワーグランドPGNDによって信号グランドAGNDが外部からのノイズなどから保護される。
また、本実施形態では、多層基板であるレセプタクル搭載基板162において、パワーグランドPGNDと信号グランドAGNDが同一の層に設けられたが、これに限らず異なる層に設けられてもよい。同一の層とすることで、多層基板の層数を削減できる。
また、パワーグランドPGNDと信号グランドAGNDは、共通グランドCGNDで電気的に接続される。共通グランドCGNDにより2つのグランドが共通の電位を有することになる。共通グランドCGNDは、レセプタクル搭載基板162に設けられてもよく、レセプタクル搭載基板162の外部に設けられてもよい。レセプタクル搭載基板162の外部に設けられることで、パワーグランドPGND及び信号グランドAGNDが共通グランドCGNDから離間され、パワーグランドPGND及び信号グランドAGNDが共通グランド由来の熱やノイズの影響を受けにくくなる。これにより、電位のズレの解消に伴って発生する熱やノイズの影響をパワーグランドPGND及び信号グランドAGNDへ接続される電子部品が受けにくくなり、吸引器100の動作が安定しやすくなる。本実施形態の共通グランドCGNDは、レセプタクル搭載基板162の外部の一例として、昇圧DC/DCコンバータ9の底面に設けられている。
ここで、レセプタクル搭載基板162の主面162aには、主面162aに直交する方向(本実施形態では前後方向)から見て共通グランドCGNDと重なる共通グランド投影領域167に電子部品が設けられていない。図22には、共通グランド投影領域167が記載されている。2つのグランドPGND、AGNDは回路基板内で絶縁されているため電位が異なりやすい。この電位のズレを解消するための共通グランドCGNDでは、電位のズレの解消に伴い熱やノイズが発生する。この熱やノイズは、共通グランドCGNDの近傍、例えば共通グランドCGNDの真裏まで伝達する虞がある。このような箇所に電子部品を配置しないことで、電位のズレの解消に伴って発生する熱やノイズの影響を電子部品が受けにくくなり、吸引器100の動作が安定しやすくなる。
一方、昇圧DC/DCコンバータ9の主面162aには、主面162aに直交する方向(本実施形態では前後方向)から見て昇圧DC/DCコンバータ9の底面のうち共通グランドCGNDに含まれない残余部90(図20参照)と重なる残余部投影領域168に電子部品が配置されていてもよい。図22には、共通グランド投影領域167とともに残余部投影領域168が記載されている。残余部投影領域168に電子部品を配置する場合、昇圧DC/DCコンバータ9の底面と重なる領域全体に電子部品を配置しない場合と比べて、回路基板における電子部品の配置の態様の自由度が向上するので、回路基板の利用効率が向上し、回路基板の大型化を回避できる。なお、この電子部品は、IC、スイッチ等の能動素子を含んでもよく、抵抗器、コンデンサ等の受動素子を含んでもよいが、電子部品の中でも精密なICとスイッチのうち少なくとも一方を含まないことが好ましく、ICとスイッチの両方を含まないことがより好ましく、電子部品のなかでもノイズや熱の影響を受けにくい受動素子であることがさらに好ましい。これにより、回路基板の利用効率しつつ吸引器100の動作が安定しやすくなる。
さらに、主面162aに配置される昇圧DC/DCコンバータ9のリアクトルLcは、共通グランド投影領域167に配置されないことが好ましく、共通グランド投影領域167及び残余部投影領域168に配置されないことがさらに好ましい。リアクトルLcが共通グランド投影領域167に配置されないことで、リアクトルLcが共通グランドCGND由来の熱やノイズの影響を受けにくくなるので、昇圧DC/DCコンバータ9における電圧変換が安定しやすくなり、結果として生成されるエアロゾルの量や香喫味も安定する。
[MCU搭載基板]
図25は、MCU搭載基板161の主面161aを示す図である。上下方向に延設されたMCU搭載基板161の主面161aには、上端部にヒータ温度センサを構成するサーミスタT3が導線を介して接続されるヒータ温度検出用コネクタCn(t3)が配置され、その下側に充電IC2が配置される。また、レセプタクル搭載基板162の開口部176に対応する位置には、スペーサ173を固定する開口部175が配置され、開口部175の近傍にMCU1が配置されている。
レセプタクルRCPが配置されたレセプタクル搭載基板162に対し、MCU1をMCU搭載基板161に配置することで、MCU1がレセプタクルRCPから離されるため、レセプタクルRCPから侵入する虞がある静電気などの影響を受けにくくなる。これにより、吸引器100の動作をより安定にすることができる。
また、MCU1は、主面161aよりもレセプタクル搭載基板162の副面162bから遠い副面161bに配置されるので、MCU1を、熱源と成り得るレセプタクル搭載基板162と電源BATから出来る限り離すことができ、吸引器100の動作が安定するようになる。
図26は、MCU搭載基板161の副面161bを示す図である。MCU搭載基板161の副面161bには、開口部175の上側に振動モータMが導線を介して接続されるモータコネクタ226が配置され、さらに上端部に、ケース温度センサを構成するサーミスタT4が導線を介して接続されるケース温度検出用コネクタCn(t4)、及び吸気センサを構成するサーミスタT2が導線を介して接続される吸気検出用コネクタCn(t2)が配置されている。
MCU搭載基板161とレセプタクル搭載基板162を電気的に接続するフレキシブル配線板165は、MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162のFPC接続部231、232同士を接続する。FPC接続部231、232は、MCU搭載基板161及びレセプタクル搭載基板162それぞれの右端部、且つ、上下方向において略中央部から下方に向かって開口部175、176近傍に至る箇所に位置する。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、上述の実施形態では、リアクトル用コンデンサC3~C5はノードN1とリアクトルLcの一端との間に並列に接続されていたが、リアクトルLcの他端とスイッチング端子SWとの間に並列に接続されていてよい。
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 電源(電源BAT)と、
前記電源から供給される電力を消費してエアロゾル源を加熱するヒータ(ヒータHTR)が接続されるヒータコネクタ(ヒータコネクタCn)と、
前記ヒータコネクタへ接続され且つ入力される電圧を変換して出力する出力端子(出力端子VOUT)と、前記出力端子から出力される電圧を検出する検出端子(フィードバック端子FB)と、を含む電圧変換IC(昇圧DC/DCコンバータ9)と、
前記電圧変換ICが配置される第1面(副面162b)と、前記第1面の裏面である第2面(主面162a)とを含む回路基板(レセプタクル搭載基板162)と、
一端が前記出力端子へ接続されるコンデンサ(出力コンデンサC8~C12)と、
前記回路基板の内部に設けられ、前記コンデンサの他端へ接続される第1グランド(パワーグランドPGND)と、
前記回路基板の内部に設けられ、前記回路基板の内部で前記第1グランドから絶縁され、前記検出端子へ接続される第2グランド(信号グランドAGND)と、
前記第1グランドと前記第2グランドを電気的に接続する共通グランド(共通グランドCGND)と、を備え、
前記第2面には、前記回路基板に直交する方向から見て前記共通グランドと重なる共通グランド投影領域(共通グランド投影領域167)に電子部品が設けられていない、
エアロゾル生成装置の電源ユニット(非燃焼式吸引器100)。
2つのグランドは、回路基板内で絶縁されているため電位が異なることがある。この電位のズレを解消するための共通グランドでは、電位のズレの解消に伴い熱やノイズが発生する。この熱やノイズは、共通グランドの近傍、例えば共通グランドの真裏まで伝達する虞がある。(1)によれば、このような箇所に電子部品を配置しないことで、電位のズレの解消に伴って発生する熱やノイズの影響を電子部品が受けにくくなり、エアロゾル生成装置の電源ユニットの動作が安定する。
(2) (1)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記共通グランドは、前記電圧変換ICの底面に設けられる、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(2)によれば、共通グランドが、他の電子部品から隔離された場所に設けられることで、他の電子部品が共通グランド由来の熱やノイズの影響を受けにくくなり、エアロゾル生成装置の電源ユニットの動作がより安定しやすくなる。
(3) (2)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記共通グランドは、前記電圧変換ICの底面の一部に設けられ、
前記第2面には、前記回路基板に直交する方向から見て前記電圧変換ICの底面のうち前記一部に含まれない残余部(残余部90)と重なる残余部投影領域(残余部投影領域168)に第1電子部品が配置される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(3)によれば、電圧変換ICの底面と重なる領域全体に電子部品を配置しない場合と比べて、回路基板における電子部品の配置の態様の自由度が向上するので、基板の利用効率が向上し、回路基板の大型化を回避できる。
(4) (3)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第1電子部品は、ICとスイッチのうち少なくとも一方を含まない、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(4)によれば、共通グランド投影領域ほどでは無いものの、多少なりともノイズや熱の影響を受ける虞のある残余部投影領域に、電子部品のなかでも精密なICやスイッチを配置しないことで、基板の大型化を回避しつつも、エアロゾル生成装置の動作が安定しやすくなる。
(5) (3)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第1電子部品は、受動素子である、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(5)によれば、共通グランド投影領域ほどでは無いものの、多少なりともノイズや熱の影響を受ける虞のある残余部投影領域に、電子部品のなかでもノイズや熱の影響を受けにくい受動素子を配置することで、エアロゾル生成装置の動作が安定しやすくなる。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記電圧変換ICと前記第2グランドの間の電力経路上に配置される複数の第1素子(抵抗器R11~R14、コンデンサC1、C2、C6、C7)を備え、
前記複数の第1素子のうち前記第1面へ配置される素子の数は、前記第1素子のうち前記第2面へ配置される素子の数より多い、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(6)によれば、第2グランドを、それぞれの面に配置された素子を接続するような形状にする状況を減らすことができるので、第2グランドを小型化し、基板の他の箇所からノイズが侵入する可能性を減らし、また第1グランドを大面積化し、第1グランドの電位を安定にすることができる。
(7) (6)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第1素子の全てが前記第1面に配置される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(7)によれば、第2グランドを、それぞれの面に配置された素子を接続するような形状にしなくてよいので、第2グランドを小型化し、基板の他の箇所からノイズが侵入する可能性を減らし、また第1グランドを大面積化し、第1グランドの電位を安定にすることができる。
(8) (6)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
電圧変換ICと前記第2グランドの間の電力経路上に配置され、前記回路基板上に配置される複数の第1素子(抵抗器R11~R14、コンデンサC1、C2、C6、C7)を備え、
前記電圧変換ICは、前記回路基板に直交する方向から見てN角形の形状を有し、
前記電圧変換ICの中心を始点とし、前記電圧変換ICの頂点を含むように伸びるN本の仮想線によって区画形成される、前記回路基板上のN個の領域(領域AR1~AR4)のうち少なく1つ(領域AR1、AR3)は、前記複数の第1素子のうち複数の素子を含む、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(8)によれば、第2グランドに接続される素子を基板上に集中して配置することで、第2グランドの面積を小さくできるので、基板の他の箇所からノイズが侵入する可能性を減らし、また第1グランドを大面積化し、第1グランドの電位を安定にすることができる。
(9) (8)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記N個の領域のうち少なく1つ(領域AR4)は、前記第1素子を含まない、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(9)によれば、第2グランドに接続される素子を基板上に集中して配置することで、第2グランドの面積を小さくできるので、基板の他の箇所からノイズが侵入する可能性を減らし、また第1グランドを大面積化し、第1グランドの電位を安定にすることができる。
(10) (1)から(9)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
一端が前記電源へ接続され、他端が前記電圧変換ICへ接続されるリアクトルを含み、
前記リアクトルは、前記第2面に配置される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(10)によれば、電圧変換ICとリアクトルは、電圧変換中に共に発熱する素子であり、これらを別の面に配置することで、熱の集中を回避できるので、エアロゾル生成装置の電源ユニットの耐久性を向上できる。
(11) (10)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記リアクトルは、前記回路基板に直交する方向から見て前記共通グランドと重なる共通グランド投影領域に含まれない領域に配置される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(11)によれば、リアクトルが共通グランド由来の熱やノイズの影響を受けにくくなるので、電圧変換ICにおける電圧変換が安定しやすくなり、結果として生成されるエアロゾルの量や香喫味も安定する。
なお、本出願は、2021年5月10日出願の日本特許出願(特願2021-079882)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
9 昇圧DC/DCコンバータ
90 残余部
100 非燃焼式吸引器(エアロゾル生成装置の電源ユニット)
162a 主面(第2面)
162b 副面(第1面)
162 レセプタクル搭載基板(回路基板)
167 共通グランド投影領域
168 残余部投影領域
R11 抵抗器(第1素子)
R12 抵抗器(第1素子)
R13 抵抗器(第1素子)
R14 抵抗器(第1素子)
C6 コンデンサ(第1素子)
C7 コンデンサ(第1素子)
C8 出力コンデンサ
C9 出力コンデンサ
C10 出力コンデンサ
C11 出力コンデンサ
C12 出力コンデンサ
BAT 電源
HTR ヒータ
Cn ヒータコネクタ
VOUT 出力端子
FB フィードバック端子(検出端子)
PGND パワーグランド(第1グランド)
AGND 信号グランド(第2グランド)
CGND 共通グランド

Claims (11)

  1. 電源と、
    前記電源から供給される電力を消費してエアロゾル源を加熱するヒータが接続されるヒータコネクタと、
    前記ヒータコネクタへ接続され且つ入力される電圧を変換して出力する出力端子と、前記出力端子から出力される電圧を検出する検出端子と、を含む電圧変換ICと、
    前記電圧変換ICが配置される第1面と、前記第1面の裏面である第2面とを含む回路基板と、
    一端が前記出力端子へ接続されるコンデンサと、
    前記回路基板の内部に設けられ、前記コンデンサの他端へ接続される第1グランドと、
    前記回路基板の内部に設けられ、前記回路基板の内部で前記第1グランドから絶縁され、前記検出端子へ接続される第2グランドと、
    前記第1グランドと前記第2グランドを電気的に接続する共通グランドと、を備え、
    前記第2面には、前記回路基板に直交する方向から見て前記共通グランドと重なる共通グランド投影領域に電子部品が設けられていない、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  2. 請求項1に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記共通グランドは、前記電圧変換ICの底面に設けられる、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  3. 請求項2に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記共通グランドは、前記電圧変換ICの底面の一部に設けられ、
    前記第2面には、前記回路基板に直交する方向から見て前記電圧変換ICの底面のうち前記一部に含まれない残余部と重なる残余部投影領域に第1電子部品が配置される、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  4. 請求項3に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記第1電子部品は、ICとスイッチのうち少なくとも一方を含まない、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  5. 請求項3に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記第1電子部品は、受動素子である、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記電圧変換ICと前記第2グランドの間の電力経路上に配置される複数の第1素子を備え、
    前記複数の第1素子のうち前記第1面へ配置される素子の数は、前記第1素子のうち前記第2面へ配置される素子の数より多い、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  7. 請求項6に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記第1素子の全てが前記第1面に配置される、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  8. 請求項6に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記電圧変換ICと前記第2グランドの間の電力経路上に配置され、前記回路基板上に配置される複数の第1素子を備え、
    前記電圧変換ICは、前記回路基板に直交する方向から見てN角形の形状を有し、
    前記電圧変換ICの中心を始点とし、前記電圧変換ICの頂点を含むように伸びるN本の仮想線によって区画形成される、前記回路基板上のN個の領域のうち少なく1つは、前記複数の第1素子のうち複数の素子を含む、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  9. 請求項8に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記N個の領域のうち少なく1つは、前記第1素子を含まない、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    一端が前記電源へ接続され、他端が前記電圧変換ICへ接続されるリアクトルを含み、
    前記リアクトルは、前記第2面に配置される、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  11. 請求項10に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記リアクトルは、前記回路基板に直交する方向から見て前記共通グランドと重なる共通グランド投影領域に含まれない領域に配置される、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
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