JP7466789B2 - スイッチング装置、直流遮断装置および直流遮断システム - Google Patents

スイッチング装置、直流遮断装置および直流遮断システム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、スイッチング装置、直流遮断装置および直流遮断システムに関する。
プラズマスイッチを利用したスイッチング装置がある。プラズマスイッチの電流容量を向上させることにより、応用範囲を拡大させることが期待されている。
米国特許第5828176号明細書 特許第6430294号公報
実施形態は、高性能なスイッチング装置、直流遮断装置および直流遮断システムを提供する。
実施形態に係るスイッチング装置は、第1電極と、前記第1電極から離れて設けられた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられた第1グリッドと、前記第1グリッドと前記第2電極の間に設けられた第2グリッドと、を含むプラズマスイッチと、前記プラズマスイッチの外側に設けられ、前記プラズマスイッチとの間に密閉空間を形成する外郭部と、を備える。前記第1電極は、前記プラズマスイッチがグロー放電時に負グローを生成するホローカソード部と、前記ホローカソード部の周囲に設けられ、前記負グローと前記第1電極との間の電界に交差する磁界を発生する磁界発生部と、を含む。前記ホローカソード部は、B、C、Al、SiおよびGaのうち少なくとも1つの材料を含む。
第1の実施形態に係るスイッチング装置を例示する模式的な断面図である。 図1のAA’線における模式的な矢視平面図である。 第1の実施形態のスイッチング装置の一部を例示する模式的な拡大断面図である。 第1の実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式的な拡大断面図である。 第1の実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための図4のB部の模式的な拡大断面図である。 図6(a)~図6(c)は、第1の実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式的な等価回路図である。 第1の実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式的な等価回路図である。 第2の実施形態に係るスイッチング装置の一部を例示する模式的な断面図である。 図9(a)は、第2の実施形態のスイッチング装置の一部を例示する模式的な平面図である。図9(b)は、図9(a)のCC’線における模式的な矢視断面図である。 第2の実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式的な拡大断面図である。 第3の実施形態に係るスイッチング装置の一部を例示する模式的な断面図である。 図12(a)は、図11のDD’線における模式的な矢視断面図である。図12(b)は、図11のFF’線における模式的な矢視断面図である。図12(c)は、図11のGG’線における模式的な矢視断面図である。 第3の実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための図12(a)のJ部の模式的な拡大断面図である。 図14(a)~図14(d)は、第3の実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式図である。 第4の実施形態に係る直流遮断装置を例示する模式的なブロック図である。 第4の実施形態の直流遮断装置の一部を例示する模式的な等価回路図である。 第4の実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なブロック図である。 第4の実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なタイミングチャートの例である。 図19(a)および図19(b)は、第4の実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なブロック図である。 図20(a)および図20(b)は、第4の実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なブロック図である。 第5の実施形態に係る直流遮断装置を例示する模式的なブロック図である。 第6の実施形態に係る直流遮断システムを例示する模式的なブロック図である。 第7の実施形態に係る直流遮断システムを例示する模式的なブロック図である。 第8の実施形態に係る直流遮断装置を例示する模式的なブロック図である。 第8の実施形態の直流遮断装置を例示する模式的な斜視図である。 第9の実施形態に係る直流遮断装置を例示する模式的なブロック図である。 第10の実施形態に係る直流遮断装置を例示する模式的なブロック図である。 第10の実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るスイッチング装置を例示する模式的な断面図である。
以下の説明において、X軸、Y軸およびZ軸を含む3次元座標軸を用いることがある。後述する絶縁容器10の天板12および底板13は、ドーナツ状の平板部材であり、天板12および底板13は、XY平面にほぼ平行となるように設けられるものとする。絶縁容器10やプラズマスイッチ20は、円筒状をなしており、この円筒はZ軸方向に沿って延伸しているものとする。中心線C10は、これら絶縁容器10やプラズマスイッチ20の円筒の中心線である。
また、以下の説明において、便宜上、Z軸の正方向を上や上方、Z軸の負方向を下や下方のようにいう場合があるが、Z軸の方向は、重力の方向に限定されるものではない。
本実施形態のスイッチング装置1は、プラズマスイッチ20を備える。プラズマスイッチ20は、絶縁容器10および水素貯蔵金属20Hをさらに備える。プラズマスイッチ20の少なくとも一部は、絶縁容器10に収容されている。絶縁容器10は、スイッチング装置1の外郭部であり、その一例である。
絶縁容器10は、例えば、絶縁筒11、天板12および底板13を含む。絶縁筒11は、筒状の絶縁体である。絶縁筒11は、十分な強度を有する絶縁性の材料で形成されており、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics)製またはセラミック製等である。
天板12は、開口12Hを含むXY平面視でドーナツ状の平板部材である。開口12Hは、中心線C10に交差する中心の周囲に設けられている。図示しないが、底板13も天板12と同様に、開口を含むドーナツ状の平板部材である。これらの開口の径は、プラズマスイッチ20のXY平面視での径に応じて設けられている。天板12は、絶縁筒11の上端に接続されている。底板13は、絶縁筒11の下端に接続されている。
天板12および底板13は、導電性を有しており、例えば金属製である。底板13には、第1端子T1が接続され、天板12には、第2端子T2が接続されている。天板12と底板13との間に絶縁筒11が介在されることにより、天板12と底板13との間は、絶縁される。天板12および底板13の開口にプラズマスイッチ20が設けられることによって、絶縁容器10とプラズマスイッチ20との間に密閉された空間が形成される。密閉された空間には、絶縁ガス10Gが充填され、絶縁容器10は、絶縁ガス10Gが充填された圧力容器として機能する。絶縁ガス10Gは、例えば、六フッ化硫黄(SF)ガス等である。
絶縁容器10は、例えば絶縁筒11、天板12および底板13をろう付け溶接によって接合して気密容器として製造される。
絶縁筒11の外周部には、絶縁ひだ14が設けられている。絶縁ひだ14は、例えば、ポリマー沿面を有する。絶縁ひだ14は、例えば、蛇腹状をなすフレキシブル管である。絶縁ひだ14は、容易に変形可能であり、絶縁筒11の外周を保護するとともに、天板12と底板13との間の沿面距離を確保している。
絶縁容器10の内部には、支持部材17が設けられている。支持部材17は、開口12Hの周にわたって設けられた封止フランジ30を介して天板12に接続されている。支持部材17および封止フランジ30は、導電体であり、例えば金属製である。
プラズマスイッチ20は、底板13の開口から挿通され、上部電極21Uを介して支持部材17に接続されている。プラズマスイッチ20は、底板13の開口の周にわたって設けられた封止フランジ31を介して底板13に接続されている。封止フランジ30,31は、導電体であり、プラズマスイッチ20の第1電極22は、底板13を介して第1端子T1に電気的に接続され、第2電極23は、天板12を介して第2端子T2に電気的に接続されている。
プラズマスイッチ20は、側壁21Sと、第1電極22と、第2電極23と、第1グリッド26と、第2グリッド27と、を含む。側壁21Sは、円筒状の部材である。側壁21Sは、絶縁容器10の内部に設けられている。側壁21Sの上端は、第2電極23に接続され、側壁21Sの下端は、第1電極22に接続されている。側壁21Sは、絶縁性の材料で形成されており、例えばセラミック製である。第1電極22および第2電極23は、絶縁容器10の内部で、側壁21Sによって、絶縁されている。
第1電極22は、Z軸に沿って延伸する有底円筒状の導電性部材である。第1電極22のXY平面視での円の径は、側壁21SのXY平面視での円の径とほぼ等しい。第1電極22の上部は、底板13の開口に挿通されている。第1電極22の上端は、絶縁容器10内で側壁21Sに接続されている。
第2電極23は、Z軸方向に延伸する有底円筒状の導電性部材である。第2電極23のXY平面視での円の径は、第1電極22および側壁21SのXY平面視での円の径よりも小さく設定されている。第2電極23の上端部は、円周の外側に向かってなめらかに曲げられたつば状の部分を含んでおり、つば状に曲げられXY平面にほぼ平行な面状の部分で上部電極21Uに接続されている。
第1電極22、側壁21Sおよび第2電極23は、中心線C10がほぼ一致するように互いの位置が決められる。第1電極22および第2電極23は、互いに対向して配置される。
第1電極22は、第1層22Aおよび第2層22Dを含んでいる。第1層22Aは、第2層22D上に形成されている。第1層22Aは、有底円筒状の第1電極22の内側に設けられている。第2層22Dは、有底円筒状の第1電極22の外側に設けられている。第1電極22の上端部は、底板13の開口に挿通されており、封止フランジ31によって、底板13に接続されている。第1層22Aは、導電体であるが、厚さが薄いため、図示の煩雑さを回避するために細い破線で図示するものとする。
第1層22Aは、例えば、B、C、Al、SiおよびGaのうち少なくとも1つの材料を含む。第1電極22は、例えば、これらの原料を用いた気相成長などによって形成されている。第2電極23は、例えば、Ni、Cr、Mo、Cu、Ag、Au、Fe、Ir、およびPtのうち少なくとも1つの材料を含む。
第1電極22の第1層22Aは、例えば、AlやGa等の窒化物半導体や酸化物半導体、ダイヤモンド、黒鉛(グラファイト)、焼結ダイヤモンド、アルミナセメント等でもよい。第2電極23は、例えば、高融点伝導体のグラファイトなどでもよい。
第1電極22のうち、絶縁容器10から露出されている部分には、電流密度増大部60が設けられている。電流密度増大部60は、ホローカソード部62と、永久磁石64と、を含む。ホローカソード部62は、第1電極22のXY平面視での円の円周にわたって設けられ、径方向に張り出す2つのひだ状の電極によって形成されている。2つのひだ状の電極は対向しており、ホローカソードを形成する。この例では、ホローカソード部62は、Z軸方向に積層するように複数箇所設けられている。永久磁石64は、隣接する2つのホローカソード部62の間に設けられている。
永久磁石64は、例えば希土類磁石である。永久磁石64は、例えば、ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石等である。
図2は、図1のAA’線における模式的な矢視平面図である。
図2には、ホローカソード部62上に設けられた永久磁石64の配置例が示されている。
図2に示すように、複数の永久磁石64は、第1電極22のうち、XY平面視での円の円周から外側にひだ状に張り出した第2層22D上に設けられている。永久磁石64は、放射状に配置されている。永久磁石64は、一方の磁極が円の外側を向き、他方の磁極が円の内側を向くように配置されている。この例では、外側を向く磁極はN極とされ、内側を向く磁極はS極とされているが、これに限らず、S極を外側に向け、N極を内側に向けてもよい。
図3は、本実施形態のスイッチング装置の一部を例示する模式的な拡大断面図である。
図3には、電流密度増大部60の拡大図が示されている。
図3に示すように、電流密度増大部60では、第1電極22は、複数のホローカソード部62を含み、複数のホローカソード部62は、Z軸方向に積層されるように形成されている。複数のホローカソード部62は、2つの対向する電極22A1,22A2をそれぞれ含んでいる。これらの電極22A1,22A2は、第1電極22が屈曲されて形成されており、電気的に接続されている。電極22A1,22A2は、ほぼ平行に間隔a0で配置されている。電極22A1,22A2のZ軸方向の間隔a0は、グロー放電時のイオンシースの長さの2倍程度とされる。グロー放電時のイオンシースとは、陰極である第1電極22の付近に生成される暗部をいい、イオンシースは、ほとんど放電ガス20Gのイオンによって形成される。
永久磁石64は、第1電極22の周囲に設けられており、Z軸方向に隣接する2つのホローカソード部62の間に設けられている。図示しないが、永久磁石64は、例えば絶縁性の接着剤等により、隣接する2つのホローカソード部62の間に固定される。
ホローカソード部62において、ホローカソードが形成された面は、第1電極22のうち、第1層22Aが形成された面であり、ホローカソードは、プラズマスイッチ20の内部に形成される。永久磁石64は、第1電極22のうち、第2層22Dが設けられた面の側に設けられ、第1電極22の外側に設けられている。
永久磁石64の配置は、それぞれの永久磁石64が生成する磁力線がホローカソード部62内の磁界を強め合うように設定される。例えば、永久磁石64の配置は、実験やシミュレーション等を用いて、ホローカソード部62内の磁界の大きさや方向が適切になるように設定される。
図1に戻って説明を続ける。
プラズマスイッチ20では、第1電極22、第2電極23および側壁21Sで囲まれた空間は、密閉空間とされ、プラズマスイッチ20は、第1電極22の外側の空間から気密状態とされている。第1電極22の下部には、開口が設けられており、封止管21Pが開口に接続されている。プラズマスイッチ20の内側の密閉空間には、封止管21Pを介して、放電ガス20Gが封入される。放電ガス20Gは、水素や重水素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスの希薄ガスである。封止管21Pは、プラズマスイッチ20の内部が所定の圧力Pとなるように放電ガス20Gが導入された後に気密封止される。所定の圧力Pは、1気圧未満であり、例えば1Torr以下とされる。プラズマスイッチ20の内部は、減圧状態とされる。1Torrは、1/760気圧に等しく、133Paにほぼ等しい。
プラズマスイッチ20において、圧力Pと放電ギャップdとの積であるpd積に対し耐圧をプロットすると、プロットされたカーブは、U字形となる。U字形のカーブは、パッシェンカーブと呼ばれ、プラズマスイッチ20は、U字形のカーブの最小値の左側で動作する。pd積が小さいときには、放電開始電圧は高くなり、プラズマがオフ状態となりやすい。また、U字形のパッシェンカーブの最小値の近くでは、プラズマスイッチをオン状態としやすい。
第1電極22と第2電極23との間には、第1グリッド26が配置されている。第1グリッド26と第2電極23との間には第2グリッド27が配置されている。第1グリッド26および第2グリッド27において、第1電極22と第2電極23との間に設けられた部分は、いずれもメッシュ状とされている。
第1グリッド26と第1電極22との間では放電ギャップdを大きくとり、パッシェンカーブの最小値付近で動作させることで、大電流のプラズマ源を持続的に保持させる。このプラズマ源から電子を引き出すために、第2グリッド27が設けられている。
オフ状態では、第2グリッド27の電位は、ゼロまたは負電位とされている。第2グリッド27の電位を、例えば第1グリッド26と同じ電位まで上げることによって、電子は、第1グリッド26と第1電極22との間のプラズマ源から第2グリッド27を通り抜けて第2電極23まで到達できるようになる。そのため、プラズマスイッチ20はオン状態になる。その後、第2グリッド27の電位をゼロまたは負電位に下げることによって、プラズマスイッチ20は、オフ状態とされる。プラズマスイッチ20をオフにできるのは、第2グリッド27と第2電極23との間の放電ギャップdが小さく、pd積が小さいため、放電開始電圧を高くすることができ、非持続放電となっているからである。プラズマ源からの電子の注入がないと、第2グリッド27と第2電極22との間の放電は維持できないように放電ギャップdは適切に設計される。
この例では、側壁21Sは、4つの部分からなっている。すなわち、側壁21Sは、第1側壁部21S1、第2側壁部21S2、第3側壁部21S3および第4側壁部21S4を含んでおり、第1電極22の上端から第2電極23の上端に向かって、この順に設けられている。第1電極22の上端および第1側壁部21S1は、接合部D11によって接続されている。第1側壁部21S1および第2側壁部21S2は、接合部D12によって接続されている。第2側壁部21S2および第3側壁部21S3は、接合部D13によって接続されている。第3側壁部21S3および第4側壁部21S4は、接合部D15によって接続されている。第4側壁21S4および第2電極23の上端は、接合部D14によって接続されている。第1電極22、第2電極23および側壁21Sの各部は、接合部D11~D15によって気密性を保持するように接続されている。接合部D11~D15の形成には、例えば、ろう付けが用いられる。
第1グリッド26は、接合部D12を介して、気密性を保持しつつ、第1シールド26Sに接続されている。第1シールド26Sは、絶縁容器10の内部でプラズマスイッチ20の周囲を取り巻くように設けられている。第2グリッド27は、接合部D13を介して、気密性を保持しつつ、第2シールド27Sに接続されている。第2シールド27Sは、絶縁容器10の内部でプラズマスイッチ20を取り巻くように設けられている。
第1シールド26Sおよび第2シールド27Sは、2本のリード13Lにそれぞれ接続され、底板13に設けられた貫通孔を介して、スイッチング装置1の外部に引き出される。第1グリッド26は、第1シールド26Sを介して、外部回路接続用の第3端子T3に電気的に接続される。第2グリッド27は、第2シールド27Sを介して、外部回路接続用の第4端子T4に電気的に接続される。
第2グリッド27の上方には、浮遊電位シールド28が設けられている。浮遊電位シールド28は、プラズマスイッチ20の密閉空間内に設けられた、Z軸方向に肉厚のトーラス状の中実の導電性部材である。浮遊電位シールド28は、第1電極22、第2電極23、第1グリッド26および第2グリッド27のいずれの電位にも接続されない浮遊電位のシールドである。浮遊電位の外部シールド28Kは、接合部D15を介して、浮遊電位シールド28に接続されている。外部シールド28Kは、絶縁容器10の内部で、プラズマスイッチ20を取り巻くように設けられている。
上部電極21Uと支持部材17との間には、上部シールド32が設けられている。上部シールド32は、絶縁容器10の気密性を保持しつつ、絶縁容器10の内部に引き出されて、上部電極21Uを取り巻くように設けられている。
これらのシールド構造は、プラズマスイッチ20内および絶縁容器10内の電界を緩和するために設けられている。
水素貯蔵金属20Hは、プラズマスイッチ20の下部に設けられている。第1電極22の下部には、封止管21Pのための開口とは別に開口が設けられており、開口には、連結管21Hが接続されている。水素貯蔵金属20Hは、連結管21Hの端部に設けられている。水素貯蔵金属20Hは、プラズマスイッチ20の密閉空間内に導入された放電ガス20Gの雰囲気を生成する水素を貯蔵する。
水素貯蔵金属20Hは、図示しないが、例えば、水素を貯蔵する金属本体および金属本体を加熱するヒータを含んでいる。ヒータの両端には、リード50Lを介して第5端子T5および第6端子T6が接続されている。水素貯蔵金属20Hは、水素貯蔵部の一例である。
本実施形態のスイッチング装置1の動作について説明する。
図4は、本実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式的な拡大断面図である。
図4には、電流密度増大部60が拡大して示されており、永久磁石64によって生成される磁力線が曲線の矢印で示されている。直線で示された矢印は、ホローカソード部62に生成される磁界Hの方向を模式的に示している。
図4に示すように、永久磁石64は、プラズマスイッチ20の中心線C10に向かうようにS極が配置され、中心線C10から外側に向かうようにN極が配置されている。永久磁石64の磁力線は、N極から出てS極に入るように生成される。永久磁石64は、Z軸方向に隣接する2つのホローカソード部62の間に配置されるので、ホローカソード部62の内部には、少なくとも上下2つの永久磁石64の磁力線によって合成された磁界Hが生成される。
本実施形態のスイッチング装置1では、プラズマスイッチ20の陰極である第1電極22が第1層22Aを含んでいる。第1層22Aは、B、C、Al、SiおよびGaのうち少なくとも1つの材料を含んでおり、例えば、AlN、GaN等の窒化物半導体やダイヤモンド等である。第1層22Aは、このような負の電子親和力を有する材料で形成されており、2次電子放出係数を高めることができる。したがって、これらの材料を用いない陰極によるグロー放電の場合よりも高い電流密度が実現される。
本実施形態のスイッチング装置1では、第1電極22は、電流密度増大部60を含んでいる。電流密度増大部60は、ホローカソード部62を含む。図3に関連して説明したように、ホローカソード部62は、ほぼ平行に対向する電極22A1,22A2を含んでおり、電極22A1,22A2の間隔a0は、グロー放電時のイオンシースの2倍程度とされている。したがって、電極22A1,22A2は、ホローカソードとして機能し、ホローカソード部62に負グローGNが形成されるので、電流密度を向上させることができる。
図5は、本実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための図4のB部の模式的な拡大断面図である。
図5には、2つの対向する電極22A1,22A2の間に形成された負グローGNが示されている。図5には、負グローGNと電極22A1との間に生成される電界E、負グローと電極22A2との間に生成される電界Eも合わせて示されている。
図5に示すように、負グローGNは、電極22A1,22A2に、ほぼ平行に対向して生成される。したがって、負グローGNと電極22A1,22A2との間に生成される電界Eは、電極22A1,22A2にほぼ垂直な方向にそれぞれ生成される。生成された電界Eは、負グローGNから電極22A1,22A2に向かう方向に生成される。
磁界Hは、電界Eの方向に交差するように、永久磁石64の配置が調整される。好ましくは、磁界Hは、電界Eに直交する方向となるように、永久磁石64の配置が設定される。
電界Eおよび磁界Hは交差しているので、電界E中を走行する電子は、電界Eおよび磁界Hに直交する方向にローレンツ力を受ける。そのため、電子は、らせん状に回転しながら、電極22A1,22A2から負グローGNに到達するので、電子の走行距離が伸びる。このことは、負グローGNと電極22A1,22A2との間の距離が実質的に長くなったことと同じである。したがって、電流密度増大部60は、プラズマスイッチ20内の圧力を上げることなく、パッシェンカーブにおけるpd積を大きくすることができるので、電子衝突による電離を増やして、電流密度を向上させることができる。
図6(a)~図7は、本実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式的な等価回路図である。
図6(a)~図6(c)には、第1電極22、第2電極23、第1グリッド26および第2グリッド27を含むプラズマスイッチ20が等価回路図として示されている。
図6(a)に示すように、プラズマスイッチ20は初期状態であり、第1端子T1~第4端子T4には、何らの電位も印加されていない。
図6(b)は、第1状態ST1のプラズマスイッチ20を示す模式図である。第1端子T1は第1電位V1に設定され、第2端子T2が第2電位V2に設定され、第3端子T3が、第3電位V3に設定され、第4端子T4が、第4電位V4に設定される。第1状態ST1は、非導通状態であり、プラズマスイッチ20はオフしている。
第1状態ST1では、第1電位V1、第2電位V2、第3電位V3および第4電位V4の関係は以下のように設定される。第2電位V2は、第1電位V1よりも高い。すなわち、V1<V2である。第3電位V3は、第1電位V1と第2電位V2との間の電位である。すなわち、V1<V3<V2である。第4電位V4は、第3電位V3よりも低い。すなわち、V4<V3である。第1電位V1は、例えば、負電位またはグランド電位である。第2電位V2は、例えば、正電位である。第3電位V3は、例えば、中間電位である。第4電位V4は、例えば、負電位である。
図6(c)は、第2状態ST2のプラズマスイッチ20を示す模式図である。
図6(c)は、第2状態ST2のプラズマスイッチ20を示す模式図である。第1端子T1、第2端子T2および第3端子T3の電位は、第1状態ST1の場合と同じ電位とされる。すなわち、第1端子T1は第1電位V1に設定され、第2端子T2は第2電位V2に設定され、第3端子T3は第3電位V3に設定される。
第2状態ST2では、第4端子T4が、第5電位V5に設定される。第5電位V5は、第3電位V3よりも高い。すなわち、V3<V5である。第5電位V5は、例えば正電位である。第2状態ST2は、導通状態であり、プラズマスイッチ20はオンする。
第1状態ST1において第1端子T1と第2端子T2との間に流れる電流よりも、第2状態ST2において第1端子T1と第2端子T2との間に流れる電流は大きい。第1状態ST1は、例えば、高抵抗状態である。第2状態ST2は、例えば、低抵抗状態である。
つまり、プラズマスイッチ20では、第1端子T1~第3端子T3の電位をV1~V3に設定し、第4端子T4の電位をV4とV5との間で切り換えることによって、非導通状態と導通状態とをスイッチングすることができる。
スイッチング装置1は、例えば、大電流の高電圧直流遮断器である。第1電極22は例えば陰極であり、第2電極23は例えば陽極である。
プラズマスイッチ20が第1状態ST1である場合、第1電極22と第1グリッド26との間の第1空間SP1に第1プラズマSP1Pが生成される。このとき、第1グリッド26と第2電極23の間は絶縁状態である。このため、第1状態ST1のプラズマスイッチ20は、第1端子T1と第2端子T2の間で非導通状態となる。
プラズマスイッチ20が第2状態ST2である場合、第1グリッド26と第2グリッド27の間の第2空間SP2に第2プラズマSP2Pが生成され、第2グリッド27と第2電極23の間の第3空間SP3に第3プラズマSP3Pが生成される。このため、第2状態のプラズマスイッチ20は、第1端子T1と第2端子の間で導通状態となる。
プラズマスイッチ20内に水素を補填する手順について説明する。
図7は、本実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式的な等価回路図である。
プラズマスイッチ20の内部は、高電圧化や還元雰囲気にしたい、あるいは、ダイヤモンド半導体の水素終端の消耗の補填などの目的で、プラズマスイッチ20の内部には、アルゴン等のガスとともに水素が予め封入されている。
水素貯蔵金属20Hは、プラズマスイッチ20内の水素を補填する。水素貯蔵金属20Hを、図示しないヒータで加熱することにより、水素貯蔵金属20Hから水素を取り出して、プラズマスイッチ20内の水素を補填する。第5端子T5および第6端子T6は、水素貯蔵金属20Hに設けられたヒータに電力を供給するための端子である。水素貯蔵金属20Hを加熱して水素を供給するので、例えば、弁などを用いた水素の供給などと比較して、プラズマスイッチ20内の圧力を安定的に維持させやすくすることができる。
本実施形態のスイッチング装置1の効果について説明する。
本実施形態のスイッチング装置1は、第1電極22が第1層22Aを含むプラズマスイッチ20を備えている。第1電極22は、プラズマスイッチ20の陰極であり、第1層22Aは、B、C、Al、SiおよびGaのうち少なくとも1つの材料を含んでおり、例えば、AlN、GaN等の窒化物半導体やダイヤモンド、黒鉛(グラファイト)、焼結ダイヤモンド等のワイドバンドギャップ半導体であり、負の電子親和力を有する材料で形成されている。そのため、陰極である第1電極22の2次電子放出係数を高めることができ、プラズマスイッチ20の電流密度を向上させることができる。ワイドバンドギャップ半導体をp形あるいはn形とするためのドーピングを行うことにより、電子あるいはホールといった電流の担い手を増やすことができ、電流密度をさらに向上させることができる。
第1電極22は、電流密度増大部60を含んでいる。電流密度増大部60は、ホローカソード部62を含んでいる。ホローカソード部62は、対向する電極22A1,22A2によるホローカソードを構成する。ホローカソード部62では、グロー放電時に負グローGNが形成され、ホローカソード部62は、ホローカソードとして機能するので、プラズマスイッチ20の電流密度を向上させることができる。
電流密度増大部60は、永久磁石64による磁界発生手段を含んでいる。永久磁石64は、ホローカソード内に形成された負グローGNと電極22A1,22A2との間に生成される電界Eに交差する磁界Hを生成する。ホローカソード内を走行する電子は、電界Eおよび磁界Hに直交するローレンツ力を受けてらせん状に走行する。そのため、電子の走行距離は、延長され、プラズマスイッチ20内の圧力を高めることなく、パッシェンカーブにおけるpd積を実質的に大きくすることができるので、プラズマスイッチ20の電流密度を向上させることができる。
ホローカソード部62は、Z軸方向に積層するように複数設けることができ、積層数に応じてプラズマスイッチ20の電流密度をさらに向上させることが可能になる。
本実施形態のスイッチング装置1は、水素貯蔵金属20Hをさらに備える。水素貯蔵金属20Hは、外部から電力を供給し、プラズマスイッチ20内に水素ガスを補填することができる。機械式のガス補填方式に比べて、ガス補填を容易に行うことができるとのメリットがある。
本実施形態のスイッチング装置1は、絶縁容器10をさらに備える。絶縁容器10は、プラズマスイッチ20の周囲を絶縁ガス10Gとすることによって、プラズマスイッチ20の気密構造との絶縁協調をとることが可能になり、スイッチング装置1を高電圧の用途に適用することを容易にする。
直流送電システムが注目されている。例えば、遠方で、かつ分散配置された風力発電や太陽光発電の電力を集積して送電するシステムとして直流多端子送電システムが有力視されている。直流多端子送電システムでは、例えば、直流地絡や直流短絡などの万一の事故が発生した場合に、直流送電系の高速な切り離し保護を行うための直流遮断装置が設けられる。
直流遮断装置には、機械遮断と半導体素子遮断とを組み合わせたハイブリッド方式が開発されている(例えば、特許文献2等参照)。ハイブリッド方式の直流遮断装置は、高耐圧化と大電流化を実現する必要から、以下に説明するように、巨大な構造物となる場合がある。
直流送電システムは、送電効率を確保するため、数100kVの送電電圧で設計される。このようなシステムに適用できるように、直流遮断装置の構成要素は、高電圧化される必要がある。ハイブリッド方式の直流遮断装置において、半導体素子遮断用回路は、例えば、IEGTやIGBTなどのパワー半導体素子や、コンデンサ、抵抗、基板などを実装したユニットとされる場合がある。パワー半導体素子の耐電圧は数kVであるため、数100kVの耐電圧を有する直流遮断装置に適用するには、半導体素子や半導体素子を含むユニットを直列に接続する必要がある。
このような直列接続構造を有する半導体素子による遮断用回路は、一般に、所定の絶縁を確保するために、棚段を積み上げるようなタワー構成の装置となり、極めて巨大な装置となる場合がある。このような直流遮断装置を小型化するために、半導体素子をプラズマスイッチに置き換えることが検討されている。
プラズマスイッチの内部の放電特性は、パッシェン特性に準じたコンパクトなギャップ設計が可能であり、数100kVの高電圧化を比較的容易に行うことができる。一方で、直流遮断装置に適用可能な電流容量を確保することが課題とされてきた。
本実施形態のスイッチング装置1は、上述のように、プラズマスイッチ20がワイドバンドギャップ半導体のような負の電子親和力を有する材料で形成された陰極となる第1電極22を有する。また、第1電極22は、電流密度増大部60を有している。そのためプラズマスイッチ20では、飛躍的に電流密度を向上させ、直流遮断装置に適用可能な電流容量を実現することができる。
プラズマスイッチ20の周囲を大気とする場合には、数百kVに高電圧化していくと、大気に接する外部沿面の絶縁協調をとるためには、プラズマスイッチ20を支持する誘電支持体を伸長させなければならず、装置が極端に長くなる傾向にある。このため、装置として大型化する問題がある。
本実施形態のスイッチング装置1では、内部に絶縁ガス10Gを封入した絶縁容器10の内部にプラズマスイッチ20の少なくとも一部を収納する。そのため、絶縁容器10およびプラズマスイッチ20の気密性を保持しつつ絶縁協調をとって大型化することなく高電圧化を実現することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態の場合には、電流密度増大部260の構成が上述の他の実施形態の場合と相違する。他の実施形態の場合と同一の構成要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略する。
図8は、本実施形態に係るスイッチング装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図8には、本実施形態のスイッチング装置を構成するプラズマスイッチ220の模式的な断面図が示されている。この図では、高電圧化を実現する上述の他の実施形態の場合の絶縁容器10や水素貯蔵金属20Hに対応する構成要素が示されていないが、他の実施形態の場合と同様に設けることができる。
図8に示すように、プラズマスイッチ220は、側壁221Sと、第1電極222と、第2電極223と、第1グリッド226と、第2グリッド227と、を含む。側壁221Sは、円筒状の絶縁性の部材である。側壁221Sの上端は、第2電極223に接続され、側壁21Sの下端は、底板215に接続されている。底板215には、プラズマスイッチ220の内部に突出するように第1電極222が設けられている。第1電極222は、電流密度増大部260を含んでいる。電流密度増大部260は、プラズマスイッチ220の内部の密閉空間内に設けられている。
第1電極222、第2電極223および底板215は、XY平面視で円形の導電性部材である。側壁221S、第1電極222および底板215は、XY平面視で径がほぼ等しい円形であり、第2電極222のXY平面視での円の径は、側壁221S、第1電極222および底板215の径よりも小さい。側壁221S、第1電極222、第2電極223および底板215は、Z軸に平行な中心が中心線C20にほぼ一致するように互いの位置が決められる。
側壁221S、第1電極222、第2電極223および底板215によって形成されるプラズマスイッチ220の内部空間は、密閉されており、放電ガス20Gが封入されて気密状態とされている。図示しないが、底板215には、プラズマスイッチ220の内部空間に放電ガス20Gを封入するための封止管が設けられており、封止管から放電ガス20Gが封入される。好ましくは、底板215には、上述の他の実施形態の場合と同様に水素貯蔵金属が連結される。
第1電極222と第2電極223との間には、第1グリッド226が配置されている。第1グリッド226と第2電極223との間には第2グリッド227が配置されている。第1グリッド226および第2グリッド227において、第1電極222と第2電極223との間に設けられた部分は、いずれもメッシュ状とされている。
第1電極222および底板215は、互いに接続されている。底板215には第1端子T1が接続され、第1電極222は、底板215を介して第1端子T1に接続されている。第2電極223には、第2端子T2が接続されている。第1グリッド226および第2グリッド227は、2本のリード13Lにそれぞれ接続され、第3端子T3および第4T4に接続されている。
第2電極223は、プラズマスイッチ220の内部の電界を緩和するように、XY平面視における円の円周の近傍では、なめらかにプラズマスイッチ220の内部にせりだしている。
第1電極222の構成について説明する。
図9(a)は、本実施形態のスイッチング装置の一部を例示する模式的な平面図である。図9(b)は、図9(a)のCC’線における模式的な矢視断面図である。
図9(a)および図9(b)に示すように、第1電極222は、XY平面視で有底円筒状の導電性の部材である。この例では、底にあたる平坦部222Eは、円筒部の上端に設けられ、プラズマスイッチ220の内部の密閉空間に収納される。なお、底にあたる部分は、必ずしも平坦でなくてもよい。
第2電極222の上部の平坦部222Eには、複数の凹部262が設けられている。凹部262は、この例では、XY平面視でほぼ正方形をしており、2つの電極222A1,222A2が対向して配置されている。電極222A1,222A2に隣接する電極222A3,222A4も対向して配置されている。この例では、電極222A1~222A4の下端は電気的に接続されている。電極222A1,222A2の間隔a0は、グロー放電状態のときに形成されるイオンシースの長さの2倍程度とされるのは、上述の他の実施形態の場合と同様である。凹部262は、ホローカソードとして機能する。
凹部262は、この例では、XY平面視でほぼ正方形であるとしたが、正方形に限らずほぼ円形や楕円形等としてもよい。凹部262のXY平面視での形状をほぼ円形とした場合には、円の径は、イオンシースの長さの2倍程度とされる。この例では、2組の対向電極としたが、対向電極は1組であってもよい。
第1電極222は、第1層222Aおよび第2層222Dを含む。第1層222Aは、第2層222D上に形成されている。第1層222Aは、少なくとも、第1電極222の上端の平坦部222Eおよび電極222A1~222A4上にわたって設けられている。第1層222Aは、プラズマスイッチ220の内部の側に設けられており、他の部分は、この例のように、第2層222Dが露出していてもよい。第1層222Aおよび第2層222Dは、上述の他の実施形態の場合の第1層22Aおよび第2層22Dと同じ材料で形成される。
凹部262のプラズマスイッチ220の外側となる部分には、導線が巻回されており、巻回された導線によりコイル266が形成されている。この例では、XY平面視で、反時計回りに電流が流れるように電源が接続される。
本実施形態のスイッチング装置の動作について説明する。
本実施形態のスイッチング装置では、凹部262に形成されたコイルによって生成された磁界Hの方向を凹部262内で生成された電界Eに交差させることにより、電界E中を走行する電子の走行距離を実質的に延長する。
図10は、本実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式的な拡大断面図である。
図10には、第1電極222に形成された凹部262および凹部262の周囲に設けられたコイル266の構成が詳細に示されている。図10において、●印および×印でコイル266を構成する導線に流れる電流の向きが示されている。●印は、Y軸の負方向、×印は、Y軸の正方向であることを表している。
図10に示すように、グロー放電が開始されると、凹部262に負グローGNが入り込む。負グローGNと電極222A1,222A2との間には、電界Eが生成される。電極222A1,222A2は、Z軸にほぼ平行に設けられているので、この図において、電界Eは、X軸にほぼ平行に生成される。
コイル266には、図の向きの直流電流が流れる。凹部262の左側の導線では、各導線のまわりに反時計回りに磁力線が生成される。凹部262の右側の導線では、各導線のまわりに時計回りに磁力線が生成される、凹部262内には、これらの磁力線が合成された磁界Hが生成される。
磁界Hは、電界Eに交差するように生成され、好ましくは、磁界Hが電界Eに直交するように、コイル266の構成が調整される。複数の凹部262のXY平面視での間隔は、凹部262内で生成される磁界Hが電界Eに直交するように実験やシミュレーション等を用いて適切に設定される。
本実施形態のスイッチング装置の動作および効果について説明する。
本実施形態では、第1電極222に設けられた凹部262がホローカソードとして機能するので、凹部262内に形成された負グローGNによって、プラズマスイッチ220の電流密度が向上される。
凹部262の周囲に設けられたコイル266に、負グローGNと電極222A1,222A2との間に生成された電界Eに交差する磁界Hを生成することができる。電界E中を走行する電子は、電界Eおよび磁界Hに直交するローレンツ力を受けるので、らせん状に走行する。そのため、電界中の走行距離が実質的に長くなるので、パッシェンカーブにおけるpd積を大きくすることができ、プラズマスイッチ220内の電流密度を向上させることができる。
第1層222Aは、上述の他の実施形態の場合と同様に負の電子親和力を有する材料で形成されているので、2次電子放出係数を高めることができ、プラズマスイッチ220内の電流密度を向上させることができる。
本実施形態では、第1電極222および第2電極223を円形平板状とすることができるので、これらの部材の加工や組み立てをより容易にすることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態の場合には、第2電極322の構成が上述の他の実施形態の場合と相違する。同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図11は、本実施形態に係るスイッチング装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図11には、本実施形態のスイッチング装置を構成するプラズマスイッチ320の模式的な断面図が示されている。この図では、高電圧化を実現する上述の第1の実施形態の場合の絶縁容器10や水素貯蔵金属20Hに対応する構成要素が示されていないが、第1の実施形態の場合と同様に設けることができる。
図11に示すように、プラズマスイッチ320は、第1電極322と、第2電極323と、第1グリッド326と、第2グリッド327と、天板321Uと、底板321Lと、を含む。第1電極322は、後述するように、XY平面視で星形の筒状体である。第1電極322の上端は、接続部330を介して天板321Uに接続されている。接続部330および天板321Uは、絶縁性の材料で形成されており、第1電極322とは絶縁されている。第1電極322の下端は、接続部331を介して底板321Lに接続されている。接続部331および底板321Lは、導電性の材料で形成されており、第1電極322は、底板321Lに接続された第1端子T1に、接続部331および底板321Lを介して電気的に接続されている。
第1電極322、天板321Uおよび底板321Lで囲まれた空間は、密閉空間とされ、放電ガス20Gが導入されている。図示しないが、底板321Lには、プラズマスイッチ320の内部空間に放電ガス20Gを封入するための封止管が設けられており、封止管から放電ガス20Gが封入される。好ましくは、底板321Lには、上述の他の実施形態の場合と同様に水素貯蔵金属が連結される。
図12(a)は、図11のDD’線における模式的な矢視断面図である。図12(b)は、図11のFF’線における模式的な矢視断面図である。図12(c)は、図11のGG’線における模式的な矢視断面図である。
図12(a)~図12(c)に示すように、第1電極322は、XY平面視で星形をしており、電流密度増大部360を含んでいる。星形とは、中心線C30に交差する中心を有する円形の径方向に放射状に突出する部分が円周にわたって設けられている形状である。放射状に突出する部分を星形の突出部分ということがある。Z軸方向に延伸する筒状の第1電極322および第2電極323は、XY平面視での中心がZ軸に平行な中心線C30にほぼ一致するように互いの位置が決められている。
電流密度増大部360は、ホローカソード部362と、コイル366と、を含む。ホローカソード部362は、第1電極322の星形の突出部分に設けられている。つまり、ホローカソード部362は、中心線C30交差する中心を有する円形の円周にわたって、複数設けられている。
第1電極322は、第1層322Aおよび第2層322Dを含んでおり、第1層322Aは、第2層322D上に設けられている。第1層322Aは、プラズマスイッチ320の内部にわたって設けられており、第2層322Dは、プラズマスイッチ320の外部に設けられている。第1層322Aおよび第2層322Dの材料は、上述の第1の実施形態の場合の第1層22Aおよび第2層22Dの材料とそれぞれ同じである。
コイル366は、複数のホローカソード部362のそれぞれに設けられている。コイル366は、ホローカソード部362の周囲を取り巻くように設けられている。
図11に戻って説明を続ける。
第2電極323は、支持部材323Uにより、プラズマスイッチ320の内部で天板321Uに接続されている。第1電極323には、リード電極315Lが接続されており、リード電極315Lは、天板321Uからプラズマスイッチ320の外部に引き出されている。リード電極315Lには、外部回路接続用の第2端子T2が接続されている。
第2電極323は、円筒状の導電性の部材であり、XY平面視で中心線C30に交差する中心を有する円形である。第1グリッド326は、第1電極322と第2電極323との間に設けられている。第2グリッド327は、第1グリッド326と第2電極323との間に設けられている。第1グリッド326および第2グリッド327は、半径の異なる円筒形状をしており、第2電極323を取り巻くように設けられている。
第1グリッド326および第2グリッド327は、2本のリード13Lにそれぞれ接続され、底板321Lを貫通してプラズマスイッチ320の外部に引き出される。第1グリッド326は、外部回路接続用の端子T3に接続され、第2グリッド327は、外部回路接続用の端子T4に接続される。
本実施形態のスイッチング装置の動作について説明する。
図13は、本実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための図12(a)のJ部の模式的な拡大断面図である。
図14(a)~図14(d)は、本実施形態のスイッチング装置の動作を説明するための模式図である。
図13に示すように、第1電極322は、XY平面視で星形に形成されており、放射状に突出する部分にホローカソード部362が形成される。ホローカソード部362は、2つの対向する電極322A1,322A2を有する。電極322A1,322A2は、もっとも突出した部分で接続されている。電極322A1,322A2の間隔は、グロー放電状態のときに形成されるイオンシースの長さの2倍程度とされるのは、上述の他の実施形態の場合と同様である。
グロー放電状態となると、ホローカソード部362には、負グローGNが形成される。電界Eは、負グローGNと電極322A1,322A2との間に形成される。ホローカソード部362内に負グローGNが形成されることにより、プラズマスイッチ320の電流密度が向上される。
図14(a)~図14(d)に示すように、コイル366を構成する導線に流れる電流の方向に応じて右ねじの法則により、導線のまわりに磁力線が生成される。紙面の手前から紙面の奥に向かって電流が流れる場合には、時計回りの向きに磁力線は生成される(図14(a))。このような導線を1次元に配列すると、各導線の磁力線の合成により、1次元に配列された導線の上方には、右向きの磁界Hが生成され、導線の下方には、左向きの磁界Hが生成される(図14(b))。電流の向きを逆にすると、磁界Hの方向は逆となる(図14(c)および図14(d))。したがって、ホローカソード部362内では、同じ向きの磁界Hが生成される。
コイル366によって生成されるホローカソード部362内の磁界Hは、電界Eと交差するように生成される。そのため、電界Eによって走行する電子は、ローレンツ力を受けて、負グローGNと電極322A1,322A2との間をらせん状に走行する。したがって、電子に走行距離は、実質的に延長され、パッシェンカーブにおけるpd積を実質的に大きくすることとなり、プラズマスイッチ320の内部の電流密度を向上させることができる。
第1層322Aおよび第2層322Dの材料は、上述の他の実施形態の場合と同じであり、他の実施形態の場合と同様に、プラズマスイッチ320の電流密度が向上される。
本実施形態のスイッチング装置の効果について説明する。
本実施形態のスイッチング装置は、上述の構成のプラズマスイッチ320を備えており、上述の他の実施形態の場合と同様に、飛躍的に電流密度が向上されたスイッチング装置を実現することができる。
本実施形態のスイッチング装置では、プラズマスイッチ320の第1電極322がXY平面視で星形の筒状とされている。ホローカソード部362を形成する複数の突出部となるように波板状に成形された基材をまるめて端部を接合することによって、容易に第1電極322とすることができるとのメリットもある。
このようにして、本実施形態のスイッチング装置を実現することができる。
上述において、第1の実施形態の場合では、ホローカソード部62への磁界発生手段として永久磁石64を用い、他の実施形態の場合では、磁界発生手段としてコイルを用いる。磁界発生手段は、これら各実施形態の例に限らず、相互に置き換えて適用することができる。例えば、第1の実施形態の場合について、永久磁石64に代えてコイルを用いてもよい。コイルは、永久磁石64が生成するXY平面視での中心から外側に向かう方向の磁界を生成するように設けることができる。例えば、第2の実施形態および第3の実施形態の場合の場合において、コイル266,366に代えて、永久磁石を用いてもよい。
永久磁石によって磁界発生する場合に、個別の永久磁石を配置する場合に限らず、一体として成形された永久磁石としてもよい。一体とされた永久磁石とすることによって、プラズマスイッチの製造工程をより簡素にすることが可能になる。
(第4の実施形態)
以下では、上述の他の実施形態のスイッチング装置のうち少なくとも1つを用いた直流遮断装置について説明する。
直流遮断装置は、例えば、直流系統において、系統事故などが生じたときに、直流系統を遮断する装置である。以下の説明において、通常時とは、直流系統において正常な電流が流れている状態をいい、事故時とは、雷等に起因して、過大な電流が流れた状態をいうものとする。直流系統は、例えば、直流送電等を含むことができる。
図15は、本実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なブロック図である。
図15には、本実施形態の直流遮断装置400のほか、直流遮断装置400を含む直流送電系統K1の構成が示されている。
図15に示すように、直流送電系統K1は、例えば、第1直流送電網1200Aと第2直流送電網1200Bを正側でつなぐ正側送電線1300と、負側でつなぐ負側送電線1400と、を含む。
本実施形態の直流遮断装置400は、上述した他の実施形態のスイッチング装置1と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施形態において、直流遮断装置400は、直流送電系統K1の正側送電線1300に設けられている。ここでは、正側送電線1300において、第1直流送電網1200Aから第2直流送電網1200Bへ送電される例を主に説明する。
直流遮断装置400は、機械式断路器410と、機械式遮断器420と、並列回路430と、Hブリッジ回路440と、を備える。直流遮断装置400は、第1端子401および第2端子402を含む。直流遮断装置400は、第1端子401を介して、第1直流送電網1200Aに接続される。直流遮断装置400は、第2端子402を介して、第2直流送電網1200Bに接続される。
機械式遮断器420は、機械式断路器410に直列に接続されている。並列回路430は、機械式断路器410および機械式遮断器420の直列回路に並列に接続されている。
より具体的には、並列回路430は、プラズマスイッチングユニット431とリアクトル432とを含む。プラズマスイッチングユニット431およびリアクトル432は、直列に接続されている。プラズマスイッチングユニット431に並列にアレスタ450が接続されている。
Hブリッジ回路440の一端は、機械式断路器410と機械式遮断器420との接続ノードに接続されている。Hブリッジ回路440の他端は、プラズマスイッチングユニット431とリアクトル432との接続ノードに接続されている。
機械式断路器410は、公知の種々の構成を用いることができる。本実施形態では、後述するように並列回路430を用いて直流電流を遮断するため、機械式断路器410自体に電流遮断能力は不要である。このため、機械式断路器410は、機械接点を持つものであって、接点が切り離された状態で、事故点を切り離すのに必要な直流電圧に耐える絶縁耐圧を持つものであれば足りる。機械式断路器410は、例えば、回路の端子間に回動接触子を設け、この回動接触子が回動して各端子に取り付けられた固定接触子と接離することによって、回路の切り離しを行う構成とすることができる。
機械式断路器410は、通常時には導通状態、すなわち接点が接触した状態になるように制御される。第1直流送電網1200Aからの電流は、機械式断路器410を通過して第2直流送電網1200Bへ流れる。事故時は、後述するが、並列回路430に電流が流れるように制御が行われ、機械式断路器410を流れる電流が略ゼロになったところで、非導通状態に切り換えられ、回路が切り離される。
機械式遮断器420は、公知の種々の構成を用いることができる。機械式遮断器420は、機械接点を持つものであって、接点を開くことにより小電流を遮断する能力を有するものであれば足りる。機械式遮断器420は、例えば、回路の端子間に回動接触子を設け、この回動接触子が回動して各端子に取り付けられた固定接触子と接離することによって、小電流の遮断を行う構成とすることができる。
機械式遮断器420は、通常時には導通状態、すなわち接点が接触した状態になるように制御される。第1直流送電網1200Aからの電流は、機械式断路器410および機械式遮断器420を通過して第2直流送電網1200Bへ流れる。事故時には、機械式遮断器420に流れる電流が増大する。機械式遮断器420には、図示しない電流センサが取り付けられている。直流送電系統K1において発生する事故は、例えば、機械式遮断器420に流れる電流を電流センサで測定し、事故を示すしきい値と比較することで検出される。詳細は後述するが、事故時に、Hブリッジ回路440に電流が流れ、機械式遮断器420を流れる電流が略ゼロになる制御が行われる。機械式遮断器420は、流れる電流が略ゼロになったところで非導状態に切り換えられ、回路が切り離される。
プラズマスイッチングユニット431は、第1スイッチング装置431Aと第2スイッチング装置431Bとを含む。第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bは、いずれも例えば上記第1から第3の実施形態のスイッチング装置のいずれかとすることができる。
第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bは、逆並列に接続されている。第1スイッチング装置431Aでは、第1電極22は第2端子402に接続され、第2電極23は第1端子401に接続されている。第2スイッチング装置431Bでは、第1電極22は第1端子401に接続され、第2電極23は第2端子402に接続されている。
第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bは、いずれも直流送電系統K1の地絡事故や短絡事故等の場合に動作し、通常時には非導通状態であり動作しない。リアクトル432は、第1スイッチング装置431Aと、第2スイッチング装置431Bの双方に対して直列に接続される。
本実施形態では、第1スイッチング装置431Aは、第1直流送電網1200Aから第2直流送電網1200Bへ流れる電流の遮断を担当する。第2スイッチング装置431Bは、第2直流送電網1200Bから第1直流送電網1200Aへ流れる電流の遮断を担当する。以下では、第2スイッチング装置431Bによる電流の遮断動作について説明するが、遮断すべき電流が流れる方向を変えることにより、第1スイッチング装置431Aによる電流の遮断動作についても同様に説明することが可能である。
第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bは、いずれもプラズマスイッチ20を備えるスイッチング装置(以下、プラズマスイッチング装置という)である。プラズマスイッチング装置は、第1から第3の実施形態で説明したように、第3端子T3と第4端子T4の電位に基づいて第1状態ST1、あるいは第2状態ST2となる。第1状態ST1は非導通状態であり、第2状態ST2は導通状態である。プラズマスイッチング装置は、第4端子T4の電位を切り換えることにより、第1状態ST1から第2状態ST2に移行し、第2状態ST2から第1状態ST1に移行するスイッチング装置である。
第1スイッチング装置431Aと逆並列に接続された第2スイッチング装置431Bは、第3端子T3と第4端子T4の電位をそれぞれ制御することによって、導通状態である第2状態と非導通状態である第1状態とが切り換えられる。
アレスタ450は、プラズマスイッチングユニット431が導通状態から非導通状態に切り換えられたときに、プラズマスイッチングユニット431の両端に発生するサージ電圧を吸収して安全な電流遮断を可能とする。リアクトル432は、電流変化率を低減するために設けられている。リアクトル432は、Hブリッジ回路440による電流制御を可能とする。
Hブリッジ回路440は、複数のHブリッジユニット441を含む。複数のHブリッジユニット441は、直列に接続されている。
図16は、本実施形態の直流遮断装置の一部を例示する模式的な等価回路図である。
図16には、Hブリッジユニット441の回路構成例が示されている。Hブリッジユニット441は、スイッチング素子442、ダイオード444およびコンデンサ445を含む。Hブリッジ回路440は、出力電圧制御により機械式遮断器420に流れる電流を制御する。
スイッチング素子442は、直列に接続されている。ダイオード444は、スイッチング素子442にそれぞれ逆並列に接続されている。直列に接続されたスイッチング素子442は、レグ443を構成する。Hブリッジユニット441では、2つのレグ443およびコンデンサ445が並列に接続されている。スイッチング素子442は、自己消弧能力を有する半導体素子であり、例えば、IEGT(Injection Enhanced Gate Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)等である。コンデンサ445は、定常動作時に正側送電線1300を流れる電流によって充電される。
本実施形態の直流遮断装置400の動作について、図17~図20(b)を参照して説明する。動作の説明では、通常時と事故時に分けて説明する。通常時は、機械式断路器410および機械式遮断器420は導通状態とされ、プラズマスイッチングユニット431およびHブリッジ回路440は非導通状態とされる。図17、図19(a)~図20(b)は、直流送電系統K1において、通常状態から事故発生時の保護動作に至るまでの流れを説明する図である。
図17に示すように、通常時では、第1直流送電網1200Aから第2直流送電網1200Bに流れる電流は、図の矢印のように、第1端子401を介して直流遮断装置400に流入し、第2端子402から流出する。直流遮断装置400では、電流は、機械式断路器410および機械式遮断器420に流れ、並列回路430およびHブリッジ回路440には流れない。
図18は、本実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なタイミングチャートの例である。
例えば、シミュレーション等を活用することにより、図18のようなタイミングチャートを得ることが可能である。
以下では、第1直流送電網1200Aを模擬した回路構成の中に、図17に示した直流遮断装置400の回路モデルを接続し、直流遮断装置400に直流電圧320kVを印加した状態とした後、正側送電線1300に雷などに起因する地絡事故を発生させる。
図19(a)~図20(b)に示すように、シミュレーションでは、事故地点FPで地絡事故が発生したものと想定している。事故地点FPは、正側送電線1300における直流遮断装置400と第2直流送電網1200Bとの間である。
図18中の実線LN1は機械式遮断器420を流れる電流を示す。一点鎖線LN2はHブリッジ回路440を流れる電流を示す。二点鎖線LN3はプラズマスイッチングユニット431を流れる電流を示す。
事故発生時においては、事故電流は時間とともに増大していく。直流遮断装置400は、全体として見ると2段階の遮断動作を行う。まず、事故電流の小さい初期の段階で、機械式遮断器420の遮断動作を行って事故電流を並列回路430に転流させ、事故電流の増大した後期の段階で、プラズマスイッチングユニット431による遮断動作を行う。以下、詳細に説明する。
図18および図19(a)に示すように、時間t1において、事故地点FPで地絡事故が発生すると、実線LN1で示す機械式遮断器420に流れる電流は、増大する。機械式遮断器420に取り付けられた電流センサは、機械式遮断器420に流れる電流Idc_Mを検出し、電流Idc_Mは、予め設定された事故発生検出しきい値Idc_Jと比較される。
図18の実線LN1および図19(b)に示すように、時間t2において、電流Idc_Mは、事故発生検出しきい値Idc_Jを超過する。第2スイッチング装置431Bの第4端子T4の電位は、第4電位V4から第5電位V5に遷移されて、第2スイッチング装置431Bは、導通状態となる。同時に、Hブリッジ回路440の出力電圧制御が開始される。
具体的には、Hブリッジ回路440の出力電圧V_Hは以下の(1)式により演算される。
V_H=G(s)×(Idc_M-0)・・・(1)
上記(1)式において、G(s)はラプラス変換された制御ゲインである。制御ゲインG(s)は、例えば一般的な比例積分制御による伝達関数を表している。
各Hブリッジユニット441のスイッチング素子442は、パルス幅変調制御され、Hブリッジ回路440は、(1)式の出力電圧VHを機械式遮断器420の両端に印加する。パルス幅変調のデューティ比は、例えば、予め設定されている。機械式遮断器420に流れる電流Idc_Mは、式(1)の出力電圧VHが印加されたことによって、略ゼロとなるように制御される。
このようなHブリッジ回路440による制御により、図18の実線LN1で示したように、期間P1では、機械式遮断器420に流れる電流Idc_Mは、略ゼロになるまで制御される。時間t3において、機械式遮断器420は、非導通状態に移行される。機械式遮断器420に流れる電流は、略ゼロとなっているため、接点を非導通状態に移行させても、接点間にアークを生じさせることなく電流を遮断することができる。そのため、高速に電流を遮断することができる。
Hブリッジユニット441による出力電圧制御を行う場合は、ほぼ導通抵抗ゼロの機械式遮断器420にHブリッジユニット441の出力電圧が直接印加され、短絡電流が流れて、電流制御ができなくなるおそれがある。本実施形態では、並列回路430にリアクトル432が設けられており、Hブリッジ回路440は、このリアクトル432に直列に接続されている。このリアクトル432によって、機械式遮断器420にHブリッジユニット441の出力電圧印加による電流の急峻な変化が抑制されるため、機械式遮断器420に流れる電流の制御が可能となる。
具体的に説明すると、機械式遮断器420に流れる電流Idc_Mの電流変化率dIdc_M/dtは、リアクトル432のインダクタンス値Lを用いて以下の(2)式で表される。
dIdc_M/dt=V_H/L・・・(2)
リアクトル432がない場合、インダクタンス値L=0となるため、Hブリッジユニット441の出力電圧V_Hがゼロでない限り、電流変化率dIdc_M/dtは無限大となってしまい、機械式遮断器420に流れる電流Idc_Mの制御ができなくなる。本実施形態では、並列回路430にリアクトル432を設けることによって、上記式においてインダクタンス値Lが挿入されるため、電流変化率dIdc_M/dtが有限となる。したがって、Hブリッジユニット441の出力電圧V_Hの大きさに応じて電流変化率dIdc_M/dtを制御することが可能となる。これによって、機械式遮断器420にHブリッジユニット441の出力電圧が直接印加されることを防止し、機械式遮断器420を流れる電流Idc_Mを略ゼロにする電流制御が可能となる。
Hブリッジ回路440による出力電圧制御により、機械式遮断器420に流れる電流Idc_Mは、略ゼロになるまで制御される。時間t3の経過後、図20(a)に示すように、正側送電線1300を流れる電流は、機械式遮断器420を通らずにHブリッジ回路440を通り、さらにHブリッジ回路440に接続された並列回路430を通って、正側送電線1300に戻る。このため、機械式遮断器420に流れる電流Idc_Mが略ゼロになる。この状態で機械式遮断器420を非導通状態に移行させる。機械式遮断器420に流れる電流は略ゼロとなっているため、接点を非導通状態に移行させても通常の直流電流導通時のように、アークを引いて電流が流れ続けることがない。そのため、高速に電流を遮断することができる。
図18の一点鎖線LN2に示したように、Hブリッジユニット441のスイッチング素子442をすべてオフにする。すると、Hブリッジユニット441のコンデンサ445に予め蓄えていた電圧が、機械式断路器410を流れ続ける事故電流を減少させる方向に印加される。これによって、機械式断路器410を流れる事故電流は減少する。機械式断路器410に流れる事故電流が減少した分、機械式断路器410に並列に接続された並列回路430に事故電流が転流される。
図18の二点鎖線LN3で示したように、時間t3において、プラズマスイッチングユニット431に流れる電流が増大し、期間P2の経過により、最終的に時間t4において、機械式断路器410に流れる電流はゼロになり、すべての事故電流がプラズマスイッチングユニット431を流れるようになる。この動作状態を図20(b)に示す。このタイミングで、機械式断路器410はオフに遷移される。電流は、機械式断路器410にはほとんど流れていないため、機械式断路器410は、接点間にアークを生じることなく、電流を遮断することができる。
最後に、図20(b)に示した動作状態において、時間t5が経過すると、第2スイッチング装置431Bの第4端子T4の第5電位V5を第4電位V4に切り換えて、並列回路430に流れる事故電流を遮断する。このとき発生するサージ電圧はアレスタ450に吸収され、電流遮断が完了する。
本実施形態の直流遮断装置400の効果について説明する。
本実施形態の直流遮断装置400においては、通常時には、電流が機械式断路器410および機械式遮断器420を流れるため、導通損失をほぼゼロとすることができる。そのため、高い送電効率が実現される。事故時には、Hブリッジ回路440を用いた出力電圧制御により、並列回路430に電流を誘導して機械式断路器410を流れる電流を、機械式断路器410の接点間にアークを生じさせずに回路の切り離しを行うことができる。そのため、電流遮断能力のない機械式断路器410であっても、安全に事故点の切り離しを行うことができる。さらに、並列回路430は、プラズマスイッチングユニット431を含んでいるので、高速の電流遮断を実現することができる。
さらに、プラズマスイッチングユニット431は、プラズマスイッチング装置で構成されている。このため、並列回路を半導体素子によって構成した場合に比べて、極めてコンパクトな装置とすることができる。したがって、送電効率向上させるとともに、直流多端子送電設備における直流遮断器の設備の設置面積および容積を大幅に縮小し、設備コストの低減に寄与することができる。
(第5の実施形態)
図21は、本実施形態に係る直流遮断装置を例示する模式的なブロック図である。
図21には、本実施形態の直流遮断装置500のほか、直流遮断装置500を構成する直流送電系統K2が示されている。
図21に示すように、直流送電系統K2は、第1直流送電網1200Aと第2直流送電網1200Bとの間に、直流遮断装置500が接続されている点で、上述の第4の実施形態の場合と相違する。直流遮断装置500は、複数の機械式断路器410を含む点、および並列回路530が複数のプラズマスイッチングユニット431を含む点で、上述の第4の実施形態の場合と相違する。上述の他の実施形態の場合と同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
直流遮断装置500は、第1端子501および第2端子502を含む。直流遮断装置500では、第1端子501を介して第1直流送電網1200Aに接続され、第2端子502を介して第2直流送電網1200Bに接続される。直流遮断装置500は、複数の機械式断路器410と、並列回路530と、を備える。複数の機械式断路器410は、直列に接続されている。直列に接続された複数の機械式断路器410は、機械式遮断器420に直列に接続されている。複数の機械式断路器410および機械式遮断器420の直列回路は、第1端子501と第2端子502との間に接続されている。
並列回路530は、複数のプラズマスイッチングユニット431を含む。複数のプラズマスイッチングユニット431は、直列に接続されている。複数のプラズマスイッチングユニット431のそれぞれには、アレスタ450が並列に接続されている。並列回路530は、リアクトル432を含んでいる。リアクトル432は、プラズマスイッチングユニット431の直列回路に直列に接続されている。
本実施形態の直流遮断装置500の動作においては、直列接続された機械式断路器410は、同じタイミングで開閉される。直列接続されたプラズマスイッチングユニット431も同じタイミングで開閉される。したがって、本実施形態の直流遮断装置500は、上述の第4の実施形態の場合の直流遮断装置400と同様に動作する。
本実施形態の直流遮断装置500の効果について説明する。
本実施形態の直流遮断装置500は、上述した第4の実施形態の直流遮断装置400と同様の効果を奏する。さらに、直流遮断装置500は、直列に接続された複数の機械式断路器410および複数のプラズマスイッチングユニット431を備えている。このため、これらの直列回路の直列接続数を適切に設定することにより、直流送電系統K2における各所の電圧に対して適切に対応することができる。具体的には、同じ規格のプラズマスイッチングユニット431を製造し、設置する直流送電網に応じて直列接続数を設定することができるので、装置の標準化をはかることが可能になり、標準化による生産性の向上に寄与することができる。
(第6の実施形態)
図22は、本実施形態に係る直流遮断システムを例示する模式的なブロック図である。
図22には、第1直流送電網1200A、第2直流送電網1200B、正側送電線1300および負側送電線1400が図示されていないが、直流遮断装置400の第1端子401に正側送電線1300を介して第1直流送電網1200Aを接続し、第2端子402に正側送電線1300を介して第2直流送電網1200Bを接続することができる。これにより、直流送電系統K3を構成することができる。
本実施形態の直流遮断システム600は、制御装置601を備える点で、上述した第4、第5の実施形態の場合と相違する。同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図22に示すように、直流遮断システム600は、直流遮断装置400と、制御装置601と、を備える。制御装置601は、直流遮断装置400に接続されている。
制御装置601は、通信部610と、判定部620と、操作部630と、を含む。判定部620および操作部630は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラムやソフトウェアを実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めコントローラのHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。プログラムは、記憶部に記憶されていてもよい。
制御装置601は、例えば、直流送電系統K3での事故発生時に、プラズマスイッチングユニット431およびHブリッジユニット441を導通状態に移行させ、Hブリッジ回路440の出力電圧制御により機械式遮断器420に流れる電流を制限して機械式遮断器420を非導通状態に移行させる。
制御装置601は、Hブリッジユニット441を非導通状態に移行させ、Hブリッジ回路440におけるコンデンサ445の電圧印加により並列回路430に事故電流を転流させて機械式断路器410を非導通状態に移行させる。制御装置601は、プラズマスイッチングユニット431で事故電流を遮断する。制御装置601は、制御部の一例である。
通信部610は、例えば、各種情報を送信および受信するための無線通信モジュールである。通信部610は、例えば、管理センターなどにより送信される事故情報を受信し、判定部620に出力する。通信部610は、例えば、操作部630が生成する制御信号を、直流遮断装置400に含まれる各種機器に送信する。
判定部620は、通信部610により出力される事故情報に基づいて、直流送電系統K3における事故の発生を判定する。判定部620は、直流送電系統K3に事故が発生したと判定した場合、事故の発生および事故の状況を含む事故発生情報を操作部630に通知する。
操作部630は、判定部620により通知された事故発生情報に基づいて、断路器操作信号、遮断機操作信号、スイッチ操作信号およびブリッジ操作信号を生成する。断路器操作信号は、機械式断路器410を操作する信号である。遮断機操作信号は、機械式遮断器420を操作する信号である。スイッチ操作信号は、プラズマスイッチングユニット431を操作する信号である。ブリッジ操作信号は、Hブリッジユニット441を操作する信号である。
操作部630は、生成した断路器操作信号、遮断機操作信号、スイッチ操作信号およびブリッジ操作信号を、それぞれ機械式断路器410、機械式遮断器420、プラズマスイッチングユニット431およびHブリッジユニット441に向けて、通信部610に送信させる。
スイッチ操作信号には、第1スイッチ操作信号から第4スイッチ操作信号が含まれる。第1スイッチ操作信号は、第1スイッチング装置431Aの第1グリッド26に対応する第3端子T3の電位を切り換える情報である。第2スイッチ操作信号は、第1スイッチング装置431Aの第2グリッド27に対応する第4端子T4の電位を切り換える情報である。第3スイッチ操作信号は、第2スイッチング装置431Bの第1グリッド26に対応する第3端子T3の電位を切り換える情報である。第4スイッチ操作信号は、第2スイッチング装置431Bの第2グリッド27に対応する第4端子T4の電位を切り換える情報である。
事故発生情報は、例えば、直流送電の送電方向、および直流系統での事故の発生の情報を含む。判定部620は、直流送電の送電方向は認識する機能および直流系統での事故発生を判断する機能を含む。判定部620は、例えば、送電方向が第1端子401から第2端子402である場合には、事故発生時に最終的に電流を遮断する手段として、第1スイッチング装置431Aを選択する。判定部620は、例えば、送電方向が第2端子402から第1端子401である場合には、事故発生時に最終的に電流を遮断する手段として、第2スイッチング装置431Bを選択する。
直流遮断装置400は、例えば、正極側の直流送電線に接続される。このため、直流遮断装置400は、大地から相応の絶縁を確保して構成される。制御装置601は、例えば、直流遮断装置400の各種機器の近くに設置されるが、大地電位の地上に据え付けられる。このため、制御装置601は、絶縁トランスを介した電線ケーブル手段や、光信号によって電気的な絶縁をとった光ファイバーケーブル手段により、各機器に操作信号を送信する。
本実施形態の直流遮断システム600の効果について説明する。
本実施形態の直流遮断システム600は、上述した第4の実施形態の直流遮断装置400と同様の作用効果を奏する。本実施形態の直流遮断システム600は、制御装置601を備えているので、送電方向を判断し、事故が発生した場合に、第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bのいずれを遮断するかを選択する。このため、双方向の事故電流を遮断することができる。
(第7の実施形態)
図23は、本実施形態に係る直流遮断システムを例示する模式的なブロック図である。
図23には、第1直流送電網1200A、第2直流送電網1200B、正側送電線1300および負側送電線1400が図示されていないが、直流遮断装置400の第1端子401に正側送電線1300を介して第1直流送電網1200Aを接続し、第2端子402に正側送電線1300を介して第2直流送電網1200Bを接続することができる。これにより、直流送電系統K4を構成することができる。
本実施形態の直流遮断システム700は、上述した第6の実施形態の制御装置601とは異なる制御装置701を備える。同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図23に示すように、直流遮断システム700は、直流遮断装置400と、制御装置701と、を備える。制御装置701は、水素量制御部740を含む。
制御装置701において、通信部610、判定部620および操作部630は、上述した第6の実施形態の場合と同様に機能し、動作する。
通信部610は、第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bの動作回数を受信し、水素量制御部740に出力する。
水素量制御部740は、出力された動作回数に基づいて、第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bのそれぞれにおける第1電極22の表面終端の水素消費の監視、水素濃度の監視、耐電圧レベルの監視を行う。水素量制御部740は、これらの監視結果に基づいて、第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bのそれぞれにおけるプラズマスイッチ20に水素を補填するか必要があるか否かを判定する。
水素量制御部740は、水素を補填する必要があると判定した場合に、第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bに向けて補填操作信号を通信部610に送信させる。補填操作信号は、水素貯蔵金属20Hを加熱して水素を放出させ、プラズマスイッチ20内に水素を補填させるための信号である。
本実施形態の直流遮断システム700は、上述の第4の実施形態の直流遮断装置400と同様の効果のほか以下の効果を奏する。
すなわち、直流遮断システム700は、第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bにおけるプラズマスイッチ20内の水素濃度が低下した際に、プラズマスイッチ20内の減圧圧力を阻害することなく、水素を供給することができる。
(第8の実施形態)
図24は、本実施形態に係る直流遮断装置を例示する模式的なブロック図である。
図25は、本実施形態の直流遮断装置を例示する模式的な斜視図である。
図24には、第1直流送電網1200A、第2直流送電網1200B、正側送電線1300および負側送電線1400が図示されていないが、直流遮断装置800の第1端子に正側送電線1300を介して第1直流送電網1200Aを接続し、第2端子に正側送電線1300を介して第2直流送電網1200Bを接続することができる。これにより、直流送電系統K5を構成することができる。
図24に示すように、本実施形態の直流遮断装置800は、機械遮断バルブ801と、プラズマスイッチバルブ802と、Hブリッジバルブ803と、を備える。
機械遮断バルブ801は、機械式断路器410と機械式遮断器420を含む。この例の機械遮断バルブ801では、複数の機械式断路器410が直列に接続され、機械式断路器410の直列回路に機械式遮断器420が直列に接続されている。機械遮断バルブ801は、端子801a,801b,801cを有している。機械式断路器410および機械式遮断器420の直列回路は、端子801a,801cの間に接続されている。
プラズマスイッチバルブ802は、プラズマスイッチングユニット431とアレスタ450とを含む。この例のプラズマスイッチバルブ802では、複数のプラズマスイッチングユニット431が直列に接続され、複数のプラズマスイッチングユニット431のそれぞれにアレスタ450が並列に接続されている。プラズマスイッチバルブ802は、端子802a,802bを有している。プラズマスイッチングユニット431の直列回路は、端子802a,802bの間に接続されている。
Hブリッジバルブ803は、Hブリッジユニット441とリアクトル432とを含む。この例のHブリッジバルブ803では、複数のHブリッジユニット441は、直列に接続されている。Hブリッジバルブ803は、端子803a,803b,803cを有している。Hブリッジユニット441の直列回路は、端子803a,803cの間に接続されている。リアクトル432は、端子803a,803bの間に接続されている。
機械遮断バルブ801の端子801aは、プラズマスイッチバルブ802の端子802aに電気的に接続されている。プラズマスイッチバルブ802の端子802bは、Hブリッジバルブ803の端子803aに電気的に接続されている。Hブリッジバルブ803の端子803b,803cは、機械遮断バルブ801の端子801c,801bにそれぞれ接続されている。
図25に示すように、機械遮断バルブ801、プラズマスイッチバルブ802およびHブリッジバルブ803は、それぞれ異なる筐体800a~800cに収納されており、互いに独立して配設される。機械遮断バルブ801は、例えば図示しない独立した架台上に載置されている。機械遮断バルブ801、プラズマスイッチバルブ802およびHブリッジバルブ803は、上述した例えば第4の実施形態の直流遮断装置400と同様に動作する。
本実施形態の直流遮断装置800の効果について説明する。
本実施形態の直流遮断装置800は、上述の第4の実施形態や第5の実施形態の場合の直流遮断装置400,500と同様の効果のほか、以下の効果を奏する。すなわち、直流遮断装置800では、機械遮断バルブ801は、独立した架台に載置される。このため、機械遮断バルブ801に実装されている機械式断路器410および機械式遮断器420の電極開閉に伴う操作振動が、プラズマスイッチバルブ802とHブリッジバルブ803に伝わらないようにすることを容易に実現できる。したがって、耐久性などの信頼性を向上させることができる。
本実施形態の直流遮断装置800では、機械遮断バルブ801、プラズマスイッチバルブ802およびHブリッジバルブ803はそれぞれ独立して配設されている。このため、直流遮断装置800の設置後であっても、各バルブの側方からの作業が可能となり、メンテナンスを容易にすることができる。
例えば、1つの筐体や基材に機械式断路器410、機械式遮断器420、プラズマスイッチングユニット431およびHブリッジユニット441を配置し収納すると、筐体や基材の設置面積が広くなり、直流遮断装置の奥の方へのアクセスが難しくなる。また、1つの筐体や基材で負担する機器重量も増加するため、筐体や基材を強固に構成する必要があり、全体重量が増加し、コストも高くなる。
この点、本実施形態の直流遮断装置800では、機械遮断バルブ801、プラズマスイッチバルブ802およびHブリッジバルブ803はそれぞれ独立して配設されている。このため、構成用品の取り扱いに対する注意項目が限定され組立性を向上させることができる。さらに、バルブ単位での試験による品質向上をはかることができる。したがって、プラズマスイッチング装置を用いた直流遮断装置800の耐久性、保守性、組立性、品質を向上させることができる。
(第9の実施形態)
図26は、本実施形態に係る直流遮断装置を例示する模式的なブロック図である。
図26には、本実施形態の直流遮断装置900のほか、直流遮断装置900を含む直流送電系統K6の構成が示されている。
図26に示すように、直流送電系統K6は、第1直流送電網1200Aと第2直流送電網1200Bとの間に、直流遮断装置900が接続されている点で、上述の第4の実施形態の場合と相違する。上述の他の実施形態の場合と同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
直流遮断装置900は、Hブリッジ回路440を備えていない点で第4の実施形態の場合と相違する。すなわち、直流遮断装置900は、機械式断路器410と、機械式遮断器420と、並列回路430と、を備える。
機械式断路器410および機械式遮断器420は、直列に接続されている。並列回路430は、機械式断路器410および機械式遮断器420の直列回路に並列に接続されている。直流遮断装置900は、第1端子901および第2端子902を有しており、機械式断路器410、機械式遮断器420および並列回路430は、第1端子901と第2端子902との間に接続されている。並列回路430に直列にリアクタンスを接続して、機械式断路器410および機械式遮断器420の直列回路に並列接続するようにしてもよい。
本実施形態の直流遮断装置900は、第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bのプラズマスイッチ20が導通状態である第2状態のときの電圧降下が大幅に改良できたものである。
本実施形態の直流遮断装置900の動作について、通常時の動作と事故時と動作とに分けて説明する。事故時については、第2直流送電網1200Bで直流短絡事故が発生した場合について説明する。
通常時は、機械式断路器410は導通状態とされ、第1スイッチング装置431Aおよび第2スイッチング装置431Bは非導通状態である第1状態ST1とされている。このとき、第1直流送電網1200Aからの電流は、機械式断路器410および機械式遮断器420を介して、第2直流送電網1200Bへ流れ、並列回路430には流れない。
事故発生時には、機械式断路器410に取り付けられた電流センサが事故発生検出しきい値Idc_Jを超える電流Idc_Mを検出した場合には、第2スイッチング装置431Bを第2状態ST2に切り換える。
機械式断路器410に取り付けられた電流センサが電流Idc_Mの検出と同時に、機械式断路器410は、接点電極が開く方向に動作を開始する。機械式断路器410の接点電極が離れ始めると接点電極間にはアークが発生し、同時にアーク電圧が発生する。電流は継続して流れ続けようとするが、機械式断路器410を流れる事故電流は、並列回路430に分流する。
プラズマスイッチングユニット431の第2状態ST2における電圧降下が十分に低い場合には、機械式断路器410を流れる事故電流は、ほとんどが並列回路430に転流する。さらに、機械式断路器410の接点電極が離れる部位に圧縮ガスを吹き付けて接点電極やその周囲のプラズマ化を抑制し、接点電極の開極動作を最大ギャップに向けて継続する動作とすることで、アーク電圧が高くなり、さらに並列回路430に事故電流が流れやすくなり、機械式断路器410のアークが消え、電流がゼロになる。
機械式断路器410の電流がゼロとなった後、機械式遮断器420が持つ絶縁回復時間を待って、プラズマスイッチングユニット431の第2スイッチング装置431Bを導通状態である第2状態ST2から非導通状態である第1状態ST1に切り換えて、並列回路430に流れる電流を遮断する。こうして、直流遮断装置900による事故電流遮断が完了する。
本実施形態の直流遮断装置900の効果について説明する。
本実施形態の直流遮断装置900は、上述した例えば第4の実施形態の直流遮断装置400と同様の効果のほか、以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の直流遮断装置900は、Hブリッジ回路を備える必要がないので、低コスト化、小型化に寄与することができる。さらに、装置部品点数を削減したことによる、保守性、生産性、信頼性を向上させることができる。
(第10の実施形態)
図27は、本実施形態に係る直流遮断装置を例示する模式的なブロック図である。
図27には、複数の直流送電網および複数の直流遮断装置を含む直流送電系統K7が示されている。
図27に示すように、直流送電系統K7は、第1直流遮断装置1000A~第3直流遮断装置1000Cを含む。本実施形態の直流遮断装置1000A~1000Cは、同一の構成を備えている。直流遮断装置1000A~1000Cは、プラズマスイッチングユニット1030を備える。プラズマスイッチングユニット1030は、第2スイッチング装置431Bで構成され、第1スイッチング装置431Aは設けられていない点で、第4の実施形態の場合のプラズマスイッチングユニット431と相違する。他の点では、直流遮断装置1000A~1000Cの構成は、第4の実施形態の場合の直流遮断装置400の構成と同じである。同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
直流送電系統K7は、第1直流送電網1200A、第2直流送電網1200Bおよび第3直流送電網1200Cの3つの直流送電網を含む。第1直流送電網1200A、第2直流送電網1200Bおよび第3直流送電網1200Cは、いずれも図示しない交直電力変換装置を含んでいる。
第1直流遮断装置1000Aの正側送電線1300には、第1直流送電網1200A側に第1端子1001aが設けられ、第1直流送電網1200Aの反対側に第2端子1002aが設けられている。第2直流遮断装置1000Bの正側送電線1300には、第2直流送電網1200B側に第1端子1001b設けられ、第2直流送電網1200Bの反対側に第2端子1002bが設けられている。第3直流遮断装置1000Cの正側送電線1300には、第3直流送電網1200C側に第1端子1001cが設けられ、第3直流送電網1200Cの反対側に第2端子1002cが設けられている。
第1~第3直流遮断装置1000A~1000Cの動作について、複数の事故ケースを例示して説明する。
図28は、本実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なブロック図である。
以下の説明において、直流送電系統K7では、第2直流送電網1200Bに向けて、第1直流送電網1200Aと第3直流送電網1200Cから、正側送電線1300と負側送電線1400により直流送電しているものとする。
まず、事故ケース1について説明する。事故ケース1は、第1直流送電網1200Aと第1直流遮断装置1000Aとの間の正側送電線1300の第1事故点FP1で地絡事故が発生したケースである。
第1事故点FP1で地絡事故が発生することにより、第1事故点FP1の電圧は大地電位となる。このため、事故電流は、第1事故点FP1に向けて流れる。すなわち、第1直流送電網1200A側から第1事故点FP1に向けて、そして、第2直流送電網1200B側と第3直流送電網1200C側からの電流が第1事故点FP1に向けて流れ込む。
このとき、第1直流遮断装置1000Aが保護動作し、事故電流を遮断して、第1事故点FP1を正側送電線1300から切り離す。第2直流送電網1200Bおよび第3直流送電網1200Cは、第1事故点FP1が正側送電線1300から切り離されたことで、第2直流送電網1200Bに向けて第3直流送電網1200Cから送電を継続、または、再開できる。
次に、事故ケース2について説明する。事故ケース2は、第1直流送電網1200A、第2直流送電網1200Bおよび第3直流送電網1200Cを接続する正側送電線1300の第2事故点FP2で地絡事故が発生したケースである。
第2事故点FP2で地絡事故が発生することにより、第2事故点FP2の電圧は大地電位となる。このため、事故電流は第2事故点FP2に向けて流れる。すなわち、第1直流送電網1200A側から第2事故点FP2に、第2直流送電網1200B側から第2事故点FP2に、そして、第3直流送電網1200C側から第2事故点FP2に向けて、事故電流が流れ込む。
このとき、第1直流遮断装置1000A~第3直流遮断装置1000Cのそれぞれが保護動作し、事故電流を遮断して、第2事故点FP2を正側送電線1300から切り離す。保護動作とは、第1~第3直流遮断装置1000A~1000Cのプラズマスイッチを第1状態(非導通状態)から第2状態(導通状態)に切り換える動作である。事故ケース2では、第2事故点FP2を復旧しない限り、第1直流送電網1200A~第3直流送電網1200Cのいずれとも連系できないこととなる。
次に、事故ケース3について説明する。事故ケース3は、第2直流送電網1200Bと第2直流遮断装置1000Bの間の正側送電線1300の第3事故点FP3で地絡事故が発生したケースである。
第3事故点FP3で地絡事故が発生することにより、第3事故点FP3の電圧は大地電位となる。このため、事故電流は第3事故点FP3に向けて流れる。すなわち、第2直流送電網1200B側から第3事故点FP3に向けて、そして、第1直流送電網1200A側と第3直流送電網1200C側から第3事故点FP3に向けて、事故電流が流れ込む。
このとき、第2直流遮断装置1000Bが保護動作し、事故電流を遮断して、第3事故点FP3を正側送電線1300から切り離す。第1直流送電網1200Aと第3直流送電網1200Cは、第3事故点FP3が正側送電線1300から切り離されたことで、連系可能状態となる。
次に、事故ケース4について説明する。事故ケース4は、第3直流送電網1200Cと第3直流遮断装置1000Cとの間の正側送電線1300の第4事故点FP4で地絡事故が発生したケースである。
第4事故点FP4で地絡事故が発生することにより、第4事故点FP4の電圧は大地電位となる。このため、事故電流は、第4事故点FP4に向けて流れる。すなわち、第1直流送電網1200A側と第2直流送電網1200B側から第4事故点FP4に向けて、そして、第3直流送電網1200C側からの電流が第4事故点FP4に向けて流れ込む。
このとき、第3直流遮断装置1000Cが保護動作し、事故電流を遮断して、第4事故点FP4を正側送電線1300から切り離す。第1直流送電網1200Aおよび第2直流送電網1200Bは、第4事故点FP4が正側送電線1300から切り離されたことで、第2直流送電網1200Bに向けて第1直流送電網1200Aから送電を継続、または、送電を再開できる。
本実施形態の直流遮断装置の効果について説明する。
本実施形態の直流遮断装置1000A~1000Cは、上述の他の実施形態の場合直流遮断装置と同様の効果のほか、以下の効果を奏する。すなわち、直流遮断装置1000A~1000Cは、片方向遮断の直流遮断器であっても、直流多端子送電線の事故点を切り離し、事故の拡大を抑制することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、第1端子が接続された第1電極、第2端子が接続され、前記第1電極と離れて配置された第2電極、第3端子が接続され、前記第1電極と前記第2電極の間に配置された第1グリッド、および、第4端子が接続され、前記第1グリッドと前記第2電極の間に配置された第2グリッド、を有するプラズマスイッチと、前記プラズマスイッチの外側に設けられ、前記プラズマスイッチとの間に密閉空間を形成する外郭部と、を備え、前記密閉空間に絶縁ガスが充填されている、スイッチング装置であることにより、小型のスイッチング装置および直流遮断装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (18)

  1. 第1電極と、前記第1電極から離れて設けられた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられた第1グリッドと、前記第1グリッドと前記第2電極の間に設けられた第2グリッドと、を含むプラズマスイッチと、
    前記プラズマスイッチの外側に設けられ、前記プラズマスイッチとの間に密閉空間を形成する外郭部と、
    を備え、
    前記第1電極は、
    前記プラズマスイッチがグロー放電時に負グローを生成するホローカソード部と、
    前記ホローカソード部の周囲に設けられ、前記負グローと前記第1電極との間の電界に交差する磁界を発生する磁界発生部と、
    を含み、
    前記ホローカソード部は、B、C、Al、SiおよびGaのうち少なくとも1つの材料を含むスイッチング装置。
  2. 前記ホローカソード部は、ダイヤモンド、黒鉛、窒化物半導体およびアルミナセメントのうち少なくとも1つの材料を含む請求項1記載のスイッチング装置。
  3. 前記磁界発生部は、前記負グローと前記第1電極との間の電界に直交する磁界を発生する請求項1記載のスイッチング装置。
  4. 前記第1電極は、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向を含む平面視で円形であり、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に延伸する円筒形状をなし、
    前記ホローカソード部は、前記円形の径方向に延伸して設けられた請求項3記載のスイッチング装置。
  5. 前記ホローカソード部は、複数個設けられ、
    前記複数のホローカソード部は、前記第3方向に積層されるように設けられた請求項4記載のスイッチング装置。
  6. 前記第1電極は、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向を含む平板に形成され、
    前記ホローカソード部は、前記平板に、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に向かって設けられた凹部に設けられた請求項3記載のスイッチング装置。
  7. 前記ホローカソード部は、複数設けられた請求項6記載のスイッチング装置。
  8. 前記ホローカソード部は、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向を含む平面視での円の径方向に突出して設けられた請求項3記載のスイッチング装置。
  9. 前記ホローカソード部は、前記円の周にわたって放射状に複数設けられた請求項8記載のスイッチング装置。
  10. 前記磁界発生部は、永久磁石を含む請求項1記載のスイッチング装置。
  11. 前記磁界発生部は、前記ホローカソード部を取り巻く導線で形成されたコイルを含む請求項1記載のスイッチング装置。
  12. 前記外郭部は、
    前記プラズマスイッチの外側に配置された絶縁筒と、
    前記絶縁筒の開口をそれぞれ閉塞する端板と、
    前記プラズマスイッチにおける前記第1電極、前記第2電極、前記第1グリッドおよび前記第2グリッドを接合する接合部と、
    を含む圧力容器を含む請求項1記載のスイッチング装置。
  13. 機械式断路器と、
    前記機械式断路器に直列に接続された機械式遮断器と、
    請求項1~12のいずれか1つに記載のスイッチング装置と、
    を備え、
    前記スイッチング装置は、前記機械式断路器および前記機械式遮断器の直列回路に並列に接続され、
    前記スイッチング装置は、前記機械式遮断器が開放された後に導通し、
    前記機械式断路器は、前記スイッチング装置が導通後に遮断される直流遮断装置。
  14. 前記スイッチング装置に直列に接続されたリアクトルと、
    前記機械式断路器および前記機械式遮断器の接続ノードと前記スイッチング装置および前記リアクトルの接続ノードとの間に接続されたHブリッジ回路と、
    をさらに備え、
    前記Hブリッジ回路は、前記機械式遮断器が開放された後に動作を開始し、
    前記スイッチング装置は、前記Hブリッジ回路が動作を開始した後に導通する請求項13記載の直流遮断装置。
  15. 前記スイッチング装置は、複数設けられ、
    前記複数のスイッチング装置は、直列に接続された請求項13記載の直流遮断装置。
  16. 第1筐体と、
    前記第1筐体とは異なる第2筐体と、
    前記第1筐体および前記第2筐体とは異なる第3筐体と、
    をさらに備え、
    前記第1筐体は、前記機械式断路器および前記機械式遮断器の直列回路を収納し、
    前記第2筐体は、前記スイッチング装置を収納し、
    前記第3筐体は、前記リアクトルおよび前記Hブリッジ回路を収納した請求項14記載の直流遮断装置。
  17. 機械式断路器と、
    前記機械式断路器に直列に接続された機械式遮断器と、
    請求項1から11のいずれか1つに記載のスイッチング装置と、
    前記スイッチング装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記スイッチング装置は、前記機械式断路器および前記機械式遮断器の直列回路に並列に接続され、
    前記制御装置は、前記機械式遮断器が開放された後に前記スイッチング装置を導通させ、
    前記スイッチング装置が導通後に前記機械式断路器を遮断する直流遮断システム。
  18. 前記スイッチング装置は、前記プラズマスイッチの内部に水素を供給する水素貯蔵金属を含み、
    前記制御装置は、前記水素貯蔵金属から前記プラズマスイッチの内部に水素を供給する指令を生成する請求項17記載の直流遮断システム。
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