JP7464727B2 - 神経システム障害を治療するための脳深部刺激(dbs)システムの配置 - Google Patents

神経システム障害を治療するための脳深部刺激(dbs)システムの配置 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
(政府支援による研究の声明)
本発明は、国家衛生研究院により付与されたNS100543の下で政府の支援を受けて行われたものである。政府は、本発明において一部の権利を有する。
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年1月23日に出願された発明の名称「DBSプログラミング及び制御のためのバイオマーカー」である米国仮出願番号62/964,710の優先権を主張する。あらゆる目的のために、当該仮出願の全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、一般に脳深部刺激(deep brain stimulation、DBS)に関し、より具体的には、患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激して患者体内の神経システム障害を治療するためにDBSシステムを配置するためのシステム及び方法に関する。
長年にわたって、脳深部刺激(DBS)は、例えばパーキンソン病や本態性振戦などの運動障害に関連する望ましくない運動を引き起こす偽脳活動を制御するために用いられてきた。DBS電極は、患者の脳において偽脳活動を経験することが知られている1つ以上の領域に埋め込まれており、これらのDBS電極のうちの1つ以上は、1つ以上の領域に電気刺激を伝送するために用いられることができる。電気刺激は、偽脳活動を変調するように特異的に構成することができ、それにより、望ましくない運動(例えば、振戦、硬直など)を減少させることができる。
医療従事者は、望ましくない運動がいつ停止するかを観察することができるため、DBSシステム及び電気刺激の配置は、簡単である。医療従事者は、一連の設定をテストし、望ましくない運動の症状に対応する改善又は悪化を観察する。これらの設定は、DBSシステムにプログラミングでき、長期間にわたって望ましくない運動を良好に管理することができる。しかしながら、DBSが望ましくない運動以外の目的に使用される場合、観察のみに基づいて刺激設定を選択することはできない。DBSを用いて脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激して異なる神経システム疾患を治療する場合、異なる方法で刺激配置を探す必要がある。
本開示は、患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激することで患者体内の神経システム障害を治療するために脳深部刺激(DBS)システムを配置するためのシステム及び方法に関する。
一態様では、本開示は、DBSシステムを配置するシステムを含むことができる。当該システムは、指示を記憶するメモリと、メモリにアクセスして指示を実行することで次の操作を実行するプロセッサとを含むことができ、患者が少なくとも1つの運動タスクを実行するか又は実行しようとすることに応答して、埋め込まれた複数のDBS電極(例えば、患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された少なくとも1つの小脳経路に埋め込まれる)から電気生理学データを受信し、複数の頭皮電極から少なくとも1つの頭皮脳波(electroencephalogram、EEG)に対応するEEGデータを受信し、電気生理学データに基づき、複数の電極のうち、少なくとも1つの運動タスクの制御に関与するニューロン群に最も近く埋め込まれた少なくとも1つの電極を潜在的な刺激電極として識別し、DBS電極からのEEGデータ及び/又は電気生理学データに基づき、どの潜在的な刺激電極がEEGデータ及び/又はDBS電極からのデータの変化を提供するかに基づいて、潜在的な刺激電極のうちの少なくとも1つを選択してDBSを伝送し、DBSのための最適パラメータを特定する。DBS及びDBSを伝送するための潜在的な刺激電極のうちの少なくとも1つのための最適パラメータは、患者のためのDBSシステムの配置をガイドするために出力される。
別の態様では、本開示は、DBSシステムを配置するための方法を含むことができる。当該方法は、患者が少なくとも1つの運動タスクを実行するか又は実行しようとするように指示することを含むことができる。患者が少なくとも1つの運動タスクを実行するか又は実行しようとすることに応答して、プロセッサを含むシステムは、当該方法のステップを実行することができ、患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された少なくとも1つの小脳経路に埋め込まれた複数のDBS電極から電気生理学データを受信することと、電気生理学データに基づき、システムによって、複数の電極のうち、少なくとも1つの運動タスクの制御に関与するニューロン群に最も近く埋め込まれた少なくとも1つの電極を潜在的な刺激電極として識別することと、患者が少なくとも1つの運動タスクを実行するか又は実行しようとすることに応答して、複数の頭皮電極から少なくとも1つの頭皮EEGに対応するEEGデータを受信し、及び/又は少なくとも1つのDBS電極からデータを受信することと、EEGデータ及び/又はDBS電極データに基づき、どの潜在的な刺激電極がEEGデータ及び/又はDBS電極データの変化を提供するかに基づいて、潜在的な刺激電極のうちの少なくとも1つを選択してDBSを伝送することと、潜在的な刺激電極のうちの少なくとも1つによってDBSのための最適パラメータを特定することと、を含む。DBS及びDBSを伝送する潜在的な刺激電極のうちの少なくとも1つのための最適パラメータは、患者のためのDBSシステムの配置をガイドするために出力される。
本開示の前述の特徴および他の特徴は、添付の図面を参照して以下の説明を読むことによって、当業者に明らかになるであろう。
本開示の一態様に係る患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激することで患者体内の神経システム障害を治療するためにDBSシステムを配置するためのシステムの例を示すものである。 図1のコントローラの例示の入力及び出力を示す。 コントローラがチューニングを如何に使用してDBSシステムを配置する例示である。 本開示の別の態様に係る患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激することで患者体内の神経システム障害を治療するためにDBSシステムを配置する方法のフロー図である。 実験的に使用されたDBSシステムの方法を示すフロー図である。 患肢を用いて運動タスクを実行する間に、小脳歯状核から記録された局所フィールド電位(local field potential、LFP)の変調を示す。 異なる患者における異なる電極のLFPの変調を示す。 異なる患者における異なる電極のLFPの変調を示す。 異なる患者における異なる電極のLFPの変調を示す。 異なる患者における異なる電極のLFPの変調を示す。 異なる患者における異なる電極のLFPの変調を示す。 異なる患者における異なる電極のLFPの変調を示す。 対側感覚運動野に配置された頭皮脳波(EEG)電極を用いて記録されたα及びβ帯域活動におけるタスク関連変化及びDBS治療関連変化を示す。 運動挙動又は指標で発生した異なる変化を示す。 運動挙動又は指標で発生した異なる変化を示す。 運動挙動又は指標で発生した異なる変化を示す。 DBSシステムのパラメータのうちのいくつかを選択する滴定の効果を示す。 DBSシステムのパラメータのうちのいくつかを選択する滴定の効果を示す。 DBSシステムのパラメータのうちのいくつかを選択する滴定の効果を示す。
I. 定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で使用されるように、単数形「一」、「1つ」及び「当該」は、文脈が明確に他を示さない限り、複数形を含むこともできる。
本明細書で使用されるように、用語「含む(comprises及び/又はcomprising)」は、述べられた特徴、ステップ、操作、要素、および/またはコンポーネントの存在を特定することができるが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはグループの存在または追加を排除するものではない。
本明細書で使用されるように、用語「及び/又は」は、関連する列挙項目の1つまたは複数の任意およびすべての組み合わせを含むことができる。
本明細書で使用されるように、用語「第1」、「第2」などは、これらの用語によって記述される要素を限定するものではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で論じる「第1」要素は、本開示の教示から逸脱することなく、「第2」要素と呼ぶこともできる。操作(または動作/ステップ)の順序は、特に断りのない限り、特許請求の範囲または図に示された順序に限定されない。
本明細書で使用されるように、略語DBSで示す用語「脳深部刺激」とは、特定の領域内に埋め込まれた電極によって脳の特定の領域内の標的部位に印加される電気刺激を指す。場合によっては、電気刺激を長期的に印加することができる。
本明細書で使用されるように、用語「神経システム障害」及び「神経システム疾患」とは、脳、脊髄、または末梢神経における構造的、生物学的、および/または電気的異常を指す。DBSで治療される神経システム疾患は、脳内の電気的異常であり得る。例えば、DBSは、脳幹、間脳、または大脳に接続された小脳経路を刺激して、一連の異なる神経システム疾患(例えば、卒中、癲癇、運動障害、精神障害、気分障害、外傷/外科的治療による神経学的欠損、脱髄、または神経変性など)を治療するために使用され得る。
本明細書で使用されるように、用語「配置」は、脳深部刺激とともに使用される場合、DBSを伝送するための(複数の)電極及びDBSを伝送するためのパラメータを選択することを指す。
本明細書で使用されるように、用語「電気生理学」とは、神経システムに関連する電気活動の測定を指す。電気生理学測定は、神経システムの1つ又は複数の部分に局所的に行うことができる。
本明細書で使用されるように、略語LFPで示される用語「局所フィールド電位」とは、脳組織の細胞外空間で記録された電位を指す。LFPは、電気生理学データの例示である。
本明細書で使用されるように、略語EEGで示される用語「脳波」とは、頭皮に付着する外部電極(EEG頭皮電極とも呼ぶ)によって記録される脳からの信号を指す。
本明細書で使用されるように、用語「運動タスク」とは、1つ又は複数の筋肉の運動又は動作を指す。
本明細書で使用されるように、用語「滴定」とは、可能な限り症状を軽減するとともに可能な限り副作用を回避するように刺激を配置するプロセスを指す。
本明細書で使用されるように、用語「最適」とは、最も好ましいものを指す。例えば、最適解は、否定的な結果はないか、又は少ない否定的な結果のみがある状態で、ほとんどまたはすべての条件を満たす。
本明細書で使用されるように、用語「使用者」及び「患者」は、互換的に使用されることができ、DBSで治療される神経システム障害に罹患し得る如何なる温血生物をいう。
本明細書で使用されるように、用語「医療従事者」は、医師、医学生、医師の助手、看護師、技術者などの訓練された介護者を指す。
II. 概説
従来、脳深部刺激(DBS)は、既に神経システム疾患(例えばパーキンソン病や本態性振戦)による運動障害に患っている患者に適用して運動障害を最小化することに用いられる。DBSのこれらの従来の応用では、医療従事者は、望ましくない運動がいつ減少するかを視覚的に観察することができる。よって、DBSシステムの配置には、医療従事者が一連の設定をテストし、望ましくない運動の症状の対応する改善又は悪化を観察することが含まれる。DBSの使用は、脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激して異なる神経システム障害(例えば、卒中とその後遺症、衰弱、癲癇、認知障害、運動障害、精神障害、気分障害、外傷/外科的治療による神経学的欠損、脱髄、神経変性など)を治療するまで広がるにつれて、刺激配置を選択するこのような従来の方法は、使用できなくなる。例示として、卒中による後遺症は、小脳視床皮質(cerebellothalamocortical、CTC)経路のDBSで治療できる多くの適応症の1つであるが、従来の方法で卒中患者用のDBSシステムを配置することが困難であることが証明されている。
脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激して患者体内の神経システム障害を治療するためにDBSを配置することに関連するこれらの課題を克服するために、本開示は、関連するニューラルネットワーク(例えば、卒中の小脳視床皮質経路)でのDBSの最適刺激パターンを特定するために使用されるバイオマーカーに基づきDBSシステムを配置するシステム及び方法に関する。バイオマーカーは、以下の電気生理学及び/又は生体力学技術の1つ又は複数に由来し、神経システム疾患に関連する神経経路の任意の構成要素の電気刺激、皮質下領域及び/又は脳深部組織の電気生理学の内部記録、一次運動野、二次運動野、一次感覚野及び/又は二次感覚野からの伝導の外部記録、及び運動を提供できる機械又はデジタル化して測定されるタスクコンポーネントを利用して少なくとも1つの運動タスクを実行するか又は実行しようとする時の機械メトリックを含み、肢体又は身体部分の変位/速度/加速度、肢体又は身体部分の柔軟性、肢体又は身体部分の強さ、肢体又は身体部分の抵抗(硬直または痙攣を含む)、及び筋電図を含む。本明細書では、これらのバイオマーカーのうちのいくつかを使用してDBSシステムを配置することで、患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激して、患者体内のある種の神経システム障害を治療することが記述されている。具体的には、電気生理学データの内部記録、EEGデータの外部記録及び機械メトリックがる。なお、必要に応じて他のバイオマーカーを使用して患者にDBSシステムのこのような配置を実現することができる。
III.システム
本開示の一態様は、システム10(図1)を含むことができ、当該システムは、DBSシステムを配置することで、患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激して患者体内の神経システム障害を治療するために用いることができる。システムは、コントローラ12を含むことができ、当該コントローラは、(1)神経刺激器14(それが身体内部及び/又は身体外部にあり得る)からの1つ又は複数の埋め込まれたDBS電極15によって記録されるデータに関する内部13データ、及び(2)患者がタスクコンポーネント18を利用して運動タスクを実行することに応答する1つ又は複数のEEG頭皮電極からの外部データ16を受信する。コントローラ12は、患者及び/又は医療従事者に指示を与え、及び/又はDBSシステムに出力配置をするように、1つ又は複数の出力機器19を含むことができる。
なお、内部13部分は、患者体内に埋め込まれ、そのうち、DBS電極15は、患者の脳にあり、且つ神経刺激器は、脳から離れ(身体外部にあり、又は患者の皮膚下に埋め込まれている)、且つ外部16部分は、患者内に埋め込まれていない。外部EEG頭皮電極は、複数の電極として図示されるが、患者の頭部のサイズに制限されかつ1つを超える任意の数の電極を含むと理解されるべきである。なお、図1の構成要素は、比例に応じて描画されず、且つそれらの正常の位置に示されていないと理解されるべきである。
図1の構成要素(例えば、少なくともコントローラ12)のうちの少なくとも1つは、配置のための指示(いくつかの場合にデータ)を記憶する非一時的メモリと、非一時的メモリにアクセスして指示を実行するプロセッサとを備えることができる。非一時的メモリ及びプロセッサは、単一の回路、例えば特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)として実装することができるが、非一時的メモリ及び関連するプロセッサの任意の可能な実装方式を呈することができる。入力機器(例えばマウス又はキーボード)は、コントローラ12又はシステム10の任意の他の構成要素とインタラクションするために、コントローラ12の構成要素とすることができる。
コントローラ12は、有線及び/又は無線通信に参与することができる。例えば、コントローラ12は、近距離無線通信装置(ここで任意の必要な追加回路システムが示されていない)によって患者の身体に埋め込まれた内部13の神経刺激器14と通信することができる。外部EEG頭皮電極は、有線通信に参与するために、コントローラに接続されることができる(図示されていない装置を介して)。コントローラ12は、有線又は無線接続によってタスクコンポーネント18及び/又は出力機器19に接続されることができる。
タスクコンポーネント18は、ユーザが実行するように指示されたタスクを実行する1つ又は複数の機械特性を測定するように配置される1つ又は複数の機器としてもよい。例示として、タスクコンポーネント18は、運動の機械的又はデジタル化された測定を提供することができ、動力計、デジタルプレート、関節レバー、ロボットアーム、または運動の他の機械的またはデジタル化された測定を含むことができる。この運動の測定には、例えば、肢体又は身体部分的変位/速度/加速度、肢体又は身体部分の柔軟性、強さ、抵抗(硬直又は痙攣)、筋電図などを含むことができる。
システム10は、患者の脳幹、間脳又は大脳に接続される小脳経路を刺激することで、患者体内の神経システム障害を治療するために、DBSシステムを配置するために用いることができる。コントローラ12は、配置に関するステップを実行可能であり、以下の1つ又は複数のステップを含み、神経システム疾患に関連する神経経路の任意の構成要素の電気刺激、皮質下領域及び/又は脳深部組織の電気生理学の内部記録、一次運動野、二次運動野、一次感覚野及び/又は二次感覚野からの伝導の外部記録、及びタスクコンポーネントを有する少なくとも1つの運動タスクを実行するか又は実行しようとする時の機械メトリックがある。例えば、システム10は、以下に説明するプロセス40(図4)(或いは神経システム疾患に関連する神経経路の任意の構成要素の電気刺激、皮質下領域及び/又は脳深部組織の電気生理学の内部記録、一次運動野、二次運動野、一次感覚野及び/又は二次感覚野からの伝導の外部記録、少なくとも1つの運動タスクを実行するか又は実行しようとする時の機械測定等の異なる組み合わせを使用する配置のための任意の他のプロセス)を実行するために用いることができる。
図2に示すように、コントローラ12は、指示及びデータを記憶する非一時的メモリ22とプロセッサ24を含むことができる。例えば、非一時的メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、磁性コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス及び/又は指示及び/又はデータを含む情報を記憶するための他の機器読取可能な媒体(換言すれば、プロセッサによって読み取り可能)とすることができる。非一時的メモリ22は、受信器26に関連付けることができる。プロセッサ24は、出力28に関連付けることができる。
受信器26は、内部13部分及び外部16部分から信号を受信することができ、当該信号は、内部データ(例えば、電気生理学データ)及び外部データ(例えば、EEGデータ)を含む。いくつかの場合に、受信器26は、タスクコンポーネント18から、ユーザが実行するように指示されたタスクを実行する1つ又は複数の機械特性に関連する情報などのデータを受信することもできる。プロセッサ24は、受信したデータの少なくとも一部を使用し、出力28に出力(配置、タスクなどを含む)を提供することができる。出力28は、出力機器19に出力を提供することができ、当該出力機器は、オーディオ及び/又はビジュアル出力を提供することができる。例えば、図3に示すように、プロセッサ24は、信号のうちの1つ又は複数から抽出された1つ又は複数の特徴(特徴抽出32)の間の比較30を実行することができ、比較器36によって1つ又は複数のテンプレート(生物物理学的テンプレート34)を比較することができ、この比較に基づき、38DBS刺激のパラメータをチューニングすることができる。チューニングされたパラメータは、出力28によって出力することができる。
IV.方法
本開示の別の態様は、患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された小脳経路を刺激して患者体内の神経システム障害を治療するために脳深部刺激(DBS)システムを配置する方法40を含むことができる(図4)。図1に示すシステム10を用いて方法40(図2及び図3に別の態様が示す)を実行することができる。
簡単のために、方法40は、直列に実行されるものとして示され、説明される。しかしながら、いくつかのステップは異なる順序で、および/または本明細書に示され、説明される他のステップと同時に発生する可能性があるため、本開示は図示の順序によって限定されないことを理解および認識すべきである。さらに、方法40を実施するために図示のすべての態様が必要とされるわけではなく、方法40が必ずしも図示の態様に限定されるわけでもない。さらに、1つまたは複数のステップを非一時的メモリに記憶し、プロセッサによってアクセスして実行することができる。
オプションの第1ステップ(図示せず)として、初期のモノポーラ検査(又は電気刺激)を行って、望ましくない副作用を引き起こす任意の(複数の)電極及び/又は刺激パラメータを特定することができる。これらの(複数の)電極及び/又は刺激パターンは、方法40の別のステップから除外することができる。除外する決定は、ユーザに固有のものとすることができる(例えば、症状及び/又は電極が埋め込まれた方式に基づく)。但し、除外する決定は、少なくとも1つの類似する患者を含む集団に固有のデータに基づくことができる(又はそれによって補足する)。
ステップ42では、患者が1つ又は複数の運動タスクを実行するように指示することができる。例えば、医療従事者によって、患者が1つ又は複数の運動タスクを実行するように指示することができる(例えば、患者の医療状況に基づいて所定の運動タスクから選択する)。別の例示として、コントローラ(図1の要素12)は、1つ又は複数の運動タスク(患者に関するデータ入力及び/又は患者及び/又は類似患者の集団に関する過去の動作に基づいて)を特定することができ、且つ、オーディオ及び/又はビデオによって(例えば、コントローラ12に関連する出力機器19によって)1つ又は複数の運動タスクに関連する指示を出力する。これに対する応答として、患者は、内部データ(例えば、ステップ44で使用される電気生理学データ)及び/又は外部データ(例えば、ステップ46で使用される脳波(EEG)データとして適切な電極によって記録され、(コントローラ12)に受信されることができる)として、1つ又は複数の運動タスクを実行するか、少なくとも実行しようとするか、或いは実行することを考えることができる。いくつかの場合に、運動タスクは、タスクコンポーネント(図1のユニット18)によって支援されることができ、当該タスクコンポーネントは、運動タスクに関するデータを記録することもできる。
ステップ44とステップ46の組み合わせによって、1つ又は複数の電極を選択して刺激を伝送する。これらのステップは、任意の順番で行うことができる。さらに、患者が同じ運動タスクを実行するか又は実行しようとすることに関連すると記載されているが、これらのステップは、同じ又は異なる複数の運動タスクで生じ得ると理解されるべきである。例えば、運動タスクは、腕、手、指、足又は脚などの影響を受けた肢体を動かすことを含み得る。一部の患者では、同じ肢体の異なる部分が影響を受ける可能性があり、及び/又は異なる肢体が影響を受ける可能性がある。
ステップ44では、(コントローラ12によって)内部データ(タスクの間に埋め込まれたDBS電極15によって記録/測定された電気生理学データ、例えば、埋め込まれたDBS電極によって測定された局所フィールド電位(LFP)記録であり得る)を受信/分析することができる。内部データは、(DBS電極15のうちの)どの電極が運動タスクに基づいて記録された最強信号を有するかを示すことができる。信号の強度は、各電気生理学信号(例えば、LFP信号)のθ、α、β及び/又はγ発振帯域におけるパワー及び/又はθ、α、β及び/又はγ発振帯域におけるパワー変化によって示すことができる。DBS電極(DBS電極15)は、脳幹、間脳又は大脳に接続された少なくとも1つ小脳経路に埋め込むことができる。電気生理学データに基づいて、電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの運動タスクの制御に関与するニューロン群に最も近く埋め込まれていると識別することができる。
ステップ46では、(コントローラ12によって)外部データ(少なくとも1つの外部EEG頭皮電極によって記録されたEEGデータであり得る。複数の外部EEG頭皮電極は、図1の要素17として示される)を受信/分析することができる。例えば、EEG頭皮電極(図1の要素17)は、ユーザの一次運動野、二次運動野、一次感覚野及び/又は二次感覚野に配置することができる。外部データは、どの電極が外部データの変化をもたらすかを示すことができる。例えば、EEGデータにおける変化は、事象関連脱同期化(ERD)及び/又は事象関連同期化(ERS)の方面の変化であってもよく、及び/又はEEGデータにおけるθ、α、β及び/又はγ帯域活動から見ることができる。EEGデータに基づいて、電極のうちの少なくとも1つは、変化を引き起こすと識別することができる。
少なくとも1つの運動タスクを制御するニューロン群に最も近いと識別される(複数の)電極と、変化を引き起こすと識別される(複数の)電極とを比較することができ、DBSを伝送する理想的な電極を選択することができる。いくつかの場合、少なくとも運動タスクを制御するニューロン群に最も近いと識別される(複数の)電極を識別することができ、変化を引き起こすと識別される(複数の)電極を(複数の)理想的な電極に絞り込むことができる。しかしながら、他の場合に、少なくとも運動タスクを制御するニューロン群に最も近いと識別される(複数の)電極と、変化を引き起こす(複数の)電極とを互いに比較して(複数の)理想的な電極を選択することができる。なお、異なる方式で少なくとも運動タスクを制御するニューロン群に最も近いと識別される(複数の)電極と、変化を引き起こすと識別される(複数の)電極とを比較して、DBS刺激を伝送する(複数の)電極を選択することができ、或いは、異なるデータを追加的に使用することができ、例えば、いくつかの場合に、重み付けにおいてタスクの実行中の計装ベースの運動挙動の変化をさらに加味することができる。
ステップ48では、DBSの最適パラメータを特定することができる。いくつかの場合に、最適パラメータは、振幅が最も小さい変調を示す応答を提供するパラメータである。例えば、最適パラメータは、最適刺激振幅、1つ又は複数の最適パルスバースト(burst)パラメータ、最適刺激周波数及び最適刺激パルス幅を含む。
DBS及びDBSを伝送する潜在的な刺激電極のうちの少なくとも1つのための最適パラメータ(例えば、コントローラ12によって出力機器19に出力される)を出力することができ、ユーザのためのDBSシステムの配置をガイドするために用いられる。いくつかの場合に、これらの選択された最適パラメータと理想的な電極は、医療従事者の検査又は指導として表われる(例えば、医療従事者は、最適パラメータ及び理想的な設定を最初に試すことができる)。しかしながら、他の場合に、配置は自動で行うことができる。
V.実験
以下の例示は、バイオマーカーに従って深部脳刺激(DBS)システムを配置するための統合アプローチを用いた例を示し、本明細書に記載されるとおりである。
脳深部刺激に基づいて神経システム障害(例えば、卒中及び他の非伝統的なDBSターゲットなど)のために新たな治療法を開発することにつれて、DBSシステムの配置に関連する新たな課題が生じており、これは、プログラミング中に鋭敏な改善が改善されないため、配置が理想的な電気刺激パラメータを選択するために、鋭敏な観察に頼ることができなくなるためである。代わりに、バイオマーカーは必要となり、これらのバイオマーカーは、異なる電気刺激設定に応答して急激に変化し、かつ長期的な結果を十分に予測する。
大脳皮質に接続された小脳経路を標的とするDBSの初めての臨床試験は、卒中後のリハビリテーションの結果を改善し、患者の生活の質を改善することを目的として実施されている。この研究から、この介入の実現可能性を裏付けるデータが収集され、DBSシステムの配置とプログラミングを容易にするようなバイオマーカーのうちのいくつかの特定が示された。
図5に示すように、DBSシステムを配置するための方法は、(1)モノポーラ検査を行って可能な治療設定を絞り込むことで、引っ張る感覚、運動変化又は任意の他の望ましくない症状などの急性副作用を引き起こす設定を除外することと(ステップ52-電極は副作用を引き起こす?このステップはオプションである)、(2)タスク(例えば、腕、手、指、足又は脚を移動させるか又は移動させてみる)の間にDBS電極から測定された電気生理学から取得られた情報(局所フィールド電位(LFP))を使用し、この情報は、運動制御に最も関与するニューロン群に最も近く埋め込まれた電極を示し、多電極リード線から刺激に最適な電極を選択するのに寄与することと(ステップ54-局所効果?)、(3)頭皮脳波(EEG)メトリックを用いて病変周囲皮質又は病変対側皮質に対するDBS設定の急性効果を測定することによって、どの設定が事象関連脱同期化及び事象関連同期化(ERDとERS)において最もロバストな変化を提供するかに基づいてDBS設定を選択又は改善し、これは、多電極リード線のうちのどの電極が刺激に最も適するかという別のインジケータであることと(ステップ56-急性効果?)、(4)いくつかの場合に、EEG測定と組み合わせて、単純な肉眼観察よりも高い正確性及び精度で運動パフォーマンス(例えば、運動速度、握力又は進展強度、柔軟性など)を示すことができる運動挙動タスクの結果が、DBSシステムをさらに配置するために用いることができることと(オプションとして、それがステップ56の一部であってもよく--急性効果?)、(5)刺激パラメータを最適化することができることと(ステップ58-滴定)を含む。目的は、病変周囲皮質にロバストな応答を生成する最小振幅値を選択して、変調を示すことである。同様な結果を生じる高い振幅は、変調の増加なしに副作用の可能性を増大させるため、望ましくないと考えられる。以下のデータは、ステップ(2)(図6~図8-3)、ステップ(3)(図9)、ステップ(4)(図10-1~図10-3)及びステップ(5)(図11-1~図11-3)に関連して示される。
ステップ(2)
図6~図9は、DBS電極から記録されたLFPを示す。このデータは、影響を受けた肢体を使用して運動タスクを実行する間に、小脳歯状核から記録されたLFPの変調を示す。
図6は、モータスクイーズタスク中にLFP(上段)からのα及びβ帯域パワー、ダイナモメーター力(中段)及び筋肉(下段)プロファイルから記録されたEMGエンベロープの全体的な変化を示す。全ての行のx軸は、全ての行の秒単位の時間である。一番上の行では、y軸は、LFP信号に存在する、従来定義されたα及びβ発振帯域内にあるパワーの量を示す。
時間0は、力の発生の開始である。図示されるように、力発生期間にLFPパワーの初期の適度な増加があったが、力の発生の約1秒後に開始するスクイーズ緩和中にLFPの最大変調が観察された。患者が手をリラックスしようとしたとき、β及びα帯域のパワーの顕著な変化に注意されたく、例えば、ダイナモメーター及びEMGからの活動の減少によって示される。
図7-1~図7-3及び図8-1~図8-3は、2人の異なる患者のどの特定の電極が、活動の最も顕著な変化を記録したかについての評価を提供する。これは、図6に示されるα及びβ帯域活動の全体的な変化に対する補いである。図7-1~図7-3では、影響を受ける(浅い色の線)上肢と影響を受けない(深い色の線)上肢が運動タスクを実行するとき、各接点ペア(使用される電極には8つの接点がある)について、LFP変調が分離してプロットされている。DBS接点A及びBでは、上肢が卒中の影響を受けたタスクの間に、強い変調が観察されたが、他の接点で観察されなかった。これは、A及びBが長期刺激に最適な接点選択であることを示している。図8-1~図8-3は、上肢が卒中の影響を受けた運動時に発生した強い活動の別の例示を示している。図7-1~図7-3の患者と同様に、図8-1~図8-3の患者について、接点A及びBで最も強い変調が観察された。
ステップ3
ステップ(3)で、さらにステップ(2)(及びステップ(1)(使用すれば))で識別された可能なDBS設定をテストすることができる。図9は、頭皮EEG指標にするDBSの急性効果を示す。具体的には、対側感覚運動野に配置された頭皮EEG電極を使用してα(8~12hz)及びβ(13~30hz)帯域活動におけるタスクに関連する変化を記録することができる。通常、タスク開始は、α/β帯域におけるパワーの一時的な変化(事象関連脱同期化(ERD))とそれに続くタスク完了時のそのパワーのリバウンド変化(事象関連同期化(ERS))によって特徴付けられる。これらの2つの現象は、運動性能に関するものとして示されている。
被検者は、DBSスイッチをオフ及びオンにした場合、運動タスクを実行し、同時に候補DBS設定のうちの1つ又は複数を特定する。DBSのオフとオンの場合のERD/ERS振幅を比較することにより、DBSが皮質興奮性を変調する能力に関する情報を提供する。図9は、病変周囲皮質上のEEG電極を用いて記録された時系列の時間-周波数図を示す。上段のDBS設定が無効であり(例えば、この設定は病変周囲皮質上のERSを変調しなかった)、下段のDBS設定が有効であると考えられる(例えば、この設定は、運動促進と一致する方法でERS振幅をうまく変調した)。
ステップ4(オプション)
EEGに基づく指標に対するDBSの急性効果をテストすることに加えて、運動挙動又は指標における顕著な改善を研究することができる。注意すべきことは、これらが運動障害に対するDBSプログラミングに典型的な肉眼観察ではないということである。逆に、それらは、計装ベースの、定量的、客観的な運動機能の指標である。
図10-1~図10-3は、様々な挙動指標におけるDBSによる変化を示す。上段は、スクイーズタスク中にダイナモメーターからのサンプルトレース、及び導出可能な対応メトリックを示す。応答時間は、提示実行から運動開始までの時間である。到達時間は、開始とターゲットの間の時間である。緩和時間は、ターゲット運動と運動完了の間の時間である。速度の変化に基づいて、緩和時間は、低速フェーズと高速フェーズに分割される。到達率と緩和率は、運動の大きさを時間で標準化して計算される。下段は、テストセッションからのデータを示す。左のパネルは、DBSのオフ及びDBSのオンの場合に平均力データ(複数回のテスト)を示す。中央のパネルは、DBSのオフと比べて、DBSのオン時の応答時間の%変化を示す。右のパネルは、DBSのオフに比べて、DBSのオン時の応答率の%変化を示す。
ステップ5
治療電荷(パルス振幅×パルス幅)伝送を滴定する手段として、小脳歯状領域を刺激することによって誘発された大脳皮質活動の変化の振幅を特徴付けて定量化することは、実現可能である。本発明者らは、小脳歯状領域の低周波電気刺激に対する応答がロック時間平均化されることによって、表面又は頭皮EEG電極を使用して記録された大脳皮質活動の再生可能な時空間パターンを生成することができることを見出した(図11-1のA)。図11-1のAは、記録セットアップの概要を示し、既存の埋め込み式パルス発生器及びDBSリード線インプラントを有する患者を描写し、当該患者は、既に頭皮記録電極が装着されている。刺激パルスは、埋め込み式パルス発生器によって伝送され、時間ロック信号として使用するために、EEG信号の電気的アーチファクトとして検出される。図11-1のAの右上に、頭皮上の複数のEEG電極部位にわたって記録された応答の例示的なマッピングが示されている。
刺激パルスは、外部パルス発生器によって(DBSリード線の近位端が外部化された場合)、又は予め埋め込まれたパルス発生器をソースとして使用することによって伝送することができる。これらの応答の時空間分布の分析は、刺激後の時間の関数である刺激パルスに応答して最も変調される皮質領域を識別するために用いることができる(図11-1のB)。パルス振幅、パルス幅及び刺激が伝送される電極/接点を含む刺激の具体的な特徴を変化させることにより、異なる定量的メトリック(例えば、RMSパワー、ピーク間振幅、ピーク遅延)を使用して皮質変調の程度をさらに特徴付けることができる。図11-1のBでは、上の図は、頭皮上の複数の部位から記録された平均脳波応答を単一セットのDBSパラメータに重ね合わせたバタフライプロットを示す。刺激パルス(星印で示される)は、刺激後100ms以上持続する複雑な多段階応答を引き起こす(設定:90マイクロ秒のパルス幅で2.0mAを伝送)。電流源密度マップ(底部)は、潜在的な関心領域を強調表示し、パルス振幅/幅の関数として誘発応答の変化をさらに特徴付けることに用いられ、DBS誘発電位応答を使用してDBSパラメータの変化が異なる皮質領域にわたって活動の変調をどのように操作するかを可視化する可能性をさらに強調表示する。
図11-2のCは、パルス幅が90マイクロ秒に維持され、かつ電極/接点とパルス幅がこの図において一致するように同じ電極/接点が使用された場合、単一の記録部位(EEG部位FC2)について、誘発応答の全体の大きさがパルス振幅の関数としてどのように変化するかを示す。図11-2のCでは、1.0mA~9.0mAの範囲の複数のパルス振幅の場合について、FC2記録部位から記録された平均化誘発応答(振幅(pV)対時間(ms))がプロットされている。説明の目的のために、2.0mA和6.0mAでの応答は、強調表示されており、パルス振幅の変化の関数としてピーク間振幅変化を計算するために使用されるピークは、強調表示されている(N1:第1負ピーク、P1:第1正ピーク、N2:第2負ピーク)。
なお、所定のパルス幅に対して、応答振幅とパルス振幅との関係は、非線形であり、かつ一般的に以下の段階によって表記される。すなわち、最初の急な段階であって、パルス振幅単位あたりの増加に伴って、誘発応答の振幅が急速に増加し、その後、振幅単位あたりの増加に伴って、振幅の増加が減少する段階である(図11-3のD)。実際、このような応答は、患者固有のレベルで、パルスパラメータを特定することができ、これらのパルスパラメータは、システムを飽和させることなく誘発された皮質変調を最大化することに用いられる。この特定を行うためのデータは、単一チャネル又は複数の記録電極からのデータの組み合わせから導き出すことができる。神経調節の程度を最適化することに加えて、当該システムは、無駄な電荷伝送(例えば、皮質応答を確実に増幅する追加電荷)のリスクを最小化することにより治療効率を向上させる。図11-3のDでは、P1からN1を差し引いたもの(左)及びN2からP1を差し引いたもの(右)について、誘発応答の主要成分のピーク間振幅は、小脳刺激パルス振幅の関数としてプロットされている。注意すべきことは、この2つの指標は、4.0mAを超えるパルス振幅でDBSの変調効果のプラトーの開始を示唆する。これは。最適な治療刺激振幅を特定するのに役立つ可能性がある。
上記の説明から、当業者は、改良、変更および修正を理解するであろう。このような改良、変更および修正は当業者の技術範囲内であり、添付の特許請求の範囲に包含されることを意図する。

Claims (6)

  1. 患者に脳深部刺激(DBS)システムを配置するためのシステムであって、
    前記システムは、
    指示を記憶するメモリと、プロセッサとを含み、
    前記プロセッサは、
    前記メモリにアクセスして前記指示を実行することによって、
    前記患者がなくとも1つの運動タスクを実行するか又は実行しようとすることに応答して、前記患者の脳幹、間脳又は大脳に接続された少なくとも1つの小脳経路に埋め込まれた複数のDBS電極から電気生理学データを受信し、複数の頭皮EEG電極から少なくとも1つの頭皮EEGに対応する脳波(EEG)データを受信することと、
    前記電気生理学データに基づき、前記複数のDBS電極のうちの、前記少なくとも1つの運動タスクの制御に関与するニューロン群に最も近く埋め込まれた少なくとも1つの電極を潜在的な刺激電極として識別することと、
    前記EEGに基づき、前記潜在的な刺激電極のうちのどれが前記EEGデータ及び/又はDBS電極データの変化を与えるかに基づいて、前記潜在的な刺激電極のうちの少なくとも1つを選択して前記DBSを伝送することと、
    前記潜在的な刺激電極のうちの前記少なくとも1つによって、前記DBSのための最適パラメータを特定することと、
    記DBS及び前記DBSを伝送するための前記潜在的な刺激電極のうちの前記少なくとも1つの最適パラメータを出力することによって前記患者のための前記DBSシステムの配置をガイドすることと、を実行することを特徴とするシステム。
  2. 前記プロセッサは、前記潜在的な刺激電極のうちの前記少なくとも1つが前記最適パラメータで前記DBSを伝送するように、さらに前記指示を実行して前記DBSシステムを配置することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記電気生理学データは、前記少なくとも1つの運動タスクの間に前記複数のDBS電極によって測定された1つ又は複数の局所フィールド電位(LFP)を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  4. 前記複数の頭皮EEG電極とタスクコンポーネントとをさらに含み、前記タスクコンポーネントは、前記患者が前記少なくとも1つの運動タスクを実行するか又は実行しようとすることを支援するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  5. 前記最適パラメータは、刺激振幅が最も小さい変調を示す応答を提供するパラメータであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  6. 前記プロセッサは、医療従事者、前記患者の挙動を監視する機器又は前記患者から受け取った入力に基づいて、望ましくない副作用を引き起こす前記複数のDBS電極及び/又は刺激パラメータのうちの少なくとも一部を除外するように、さらに前記指示を実行することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
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