JP7463395B2 - 光音響データを解析するためのデバイスおよび方法、光音響システムならびにコンピュータプログラム - Google Patents

光音響データを解析するためのデバイスおよび方法、光音響システムならびにコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、光音響(optoacoustic)データを解析するためのデバイスおよび方法、光音響データを生成し、解析するための光音響システム、ならびにコンピュータプログラムに関するものである。
光音響イメージングは、フォトアコースティック(photoacoustic)効果に基づくものであり、この効果に従って、物体、たとえば、生体組織による電磁放射線の吸収と、物体のその後の熱弾性膨張によって超音波が発生する。励起放射線、たとえば、レーザー光または高周波放射線は、短いパルス持続時間のパルス放射線、または振幅もしくは周波数を変化させる連続放射線とすることができる。
XuおよびWang、「Universal back-projection algorithm for photoacoustic computed tomography」、Phys. Rev. E 71、016706、2005年1月19日 Tzoumasら、「Un-mixing Molecular Agents From Absorbing Tissue in Multispectral Optoacoustic Tomography」、IEEE Transactions on Medical Imaging、Volume 33、Issue:1、2014年1月、48~60頁 X. L. Dean-Ben、A. Ozbek、およびD. Razansky、「Volumetric Real-Time Tracking of Peripheral Human Vasculature With GPU-Accelerated Three-Dimensional Optoacoustic Tomography」、IEEE Trans. Med. Imaging、vol. 32、no. 11、2050~2055頁、2013年11月 Ashish A. TamhaneおよびKonstantinos Arfanakis、「Motion Correction in PROPELLER and Turboprop-MRI」、Magn Reson Med、vol.62、no.1、174~182頁、2009年 R.Szeliski、Image Alignment and Stitching: A Tutorial、vol.2、no.1、2006年
本発明の目的は、特に診断目的に関して、光音響データの解析の改善を可能にするデバイス、方法、光音響システム、およびコンピュータプログラムを提供することである。
この目的は、独立請求項に記載のデバイス、方法、光音響システム、およびコンピュータプログラムによって達成される。
本発明の第1の態様による光音響データを解析するためのデバイスは、データ処理ユニットであって、2つまたはそれ以上の異なる照射波長の時間的に変化する電磁放射線を組織に照射することに応答して組織中に発生した音波に関係する光音響データ(たとえば、検出器信号)に基づき、筋肉組織、結合組織、臓器、腱、および/または病原性(たとえば、線維化)組織のうちの少なくとも1つを含む組織中のコラーゲンの濃度に関係する、少なくとも1つの第1の値(たとえば、任意単位[a.u.]での光音響コラーゲン信号)の空間分布を決定し、少なくとも1つの第1の値の空間分布の関心領域(ROI)内で少なくとも1つの第1の値の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータ(たとえば、mean/max)に対応するか、またはそのパラメータから導出される、少なくとも1つの第2の値(たとえば、collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_max)を、少なくとも1つの第1の値の空間分布から導出し、さらなる使用のために、特に少なくとも1つの第2の値および/または診断情報を表示ユニット上に表示するために、少なくとも1つの第2の値および/または少なくとも1つの第2の値から導出された診断情報を提供するように構成されているデータ処理ユニットを備える。
本発明の第2の態様による光音響データを生成し、解析するための光音響システムは、筋肉組織を含む組織に2つまたはそれ以上の異なる照射波長の電磁放射線を照射するように構成されている照射ユニットであって、前記電磁放射線は時間的に変化する、特にパルスの、強度を有する照射ユニットと、組織に異なる照射波長の電磁放射線を照射することに応答して組織内に発生した音波を検出し、それに応じた光音響データを生成するように構成されている検出ユニットと、本発明の第1の態様による光音響データを解析するためのデバイスとを備える。
本発明の第3の態様による光音響データを解析するための方法は、2つまたはそれ以上の異なる照射波長の時間的に変化する電磁放射線を組織に照射することに応答して組織中に発生した音波に関係する光音響データ(たとえば、検出器信号)に基づき、筋肉組織、結合組織、臓器、腱、および/または病原性(たとえば、線維化)組織のうちの少なくとも1つを含む組織中のコラーゲンの濃度に関係する、少なくとも1つの第1の値(たとえば、任意単位[a.u.]での光音響コラーゲン信号)の空間分布を決定するステップと、少なくとも1つの第1の値の空間分布の関心領域内で少なくとも1つの第1の値の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータ(たとえば、mean/max)に対応するか、またはそのパラメータから導出される、少なくとも1つの第2の値(たとえば、collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_max)を、少なくとも1つの第1の値の空間分布から導出するステップと、さらなる使用、特に少なくとも1つの第2の値および/または診断情報を表示ユニット上に表示するために、少なくとも1つの第2の値および/または少なくとも1つの第2の値から導出された診断情報を提供するステップとを含む。
筋疾患、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療方法は、
- 2つまたはそれ以上の異なる照射波長の時間的に変化する電磁放射線を組織に照射することに応答して組織中に発生した音波に関係する光音響データ(たとえば、検出器信号)に基づき、被験者の、筋肉組織、結合組織、臓器、腱、および/または病原性(たとえば、線維化)組織のうちの少なくとも1つを含む組織中のコラーゲンの濃度に関係する、少なくとも1つの第1の値(たとえば、任意単位[a.u.]での光音響コラーゲン信号)の空間分布を決定するステップと、
- 少なくとも1つの第1の値の空間分布の関心領域内で少なくとも1つの第1の値の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータ(たとえば、mean/max)に対応するか、またはそのパラメータから導出される、少なくとも1つの第2の値(たとえば、collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_max)を、少なくとも1つの第1の値の空間分布から導出するステップと、
- 少なくとも1つの第2の値を少なくとも1つの事前定義された基準値と比較することによって少なくとも1つの第2の値から導出された、また被験者の組織中の、筋疾患、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の有無および/または有無の可能性に関係する、少なくとも1つの第2の値および/または診断情報を出力する、特に表示ユニットに表示するステップと、
- 出力された少なくとも1つの第2の値および/または診断情報に応じて、好ましくは被験者に薬剤を投与することによって、被験者を治療する、特に薬剤で治療するステップとを含む。
本開示の態様は、好ましくは、組織、特に筋肉組織に2つまたはそれ以上の異なる照射波長の時間的に変化する電磁放射線を照射し、組織を照射したことに応答して組織中に発生した音響波を検出することによって得られるか、または得られた光音響データ、特に単一波長光音響画像を提供するアプローチに基づく。組織中のコラーゲン濃度に関係する、第1の値の空間分布、特に第1の値を示す画像は、2つまたはそれ以上の異なる照射波長で得られた、光音響データ、特に単一波長光音響画像に基づき決定される。さらに、少なくとも1つの第2の値は、第1の値の空間分布における関心領域(ROI)について、ROI内の第1の値の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータを決定することによって導出される。好ましくは、少なくとも1つの分布パラメータは、平均に対応する平均値、たとえば算術平均もしくは幾何平均、ROI内の第1の値の中央値(ROI内の第1の値を上位半分と下位半分とに分ける値)もしくは最頻値(ROI内で最も頻繁に出現する値)、および/またはROI内の最も高い第1の値に対応する最大値を含む。代替的に、またはそれに加えて、分布パラメータは、他の統計パラメータ、たとえば、分散、標準偏差、および/または四分位範囲などのばらつきパラメータを含んでいてもよい。代替的に、またはそれに加えて、少なくとも1つの第2の値は、少なくとも1つの分布パラメータから、たとえば、平均値および最大値から導出することができる。少なくとも1つの第2の値および/または少なくとも1つの第2の値から導出可能である診断情報は、さらなる使用のために、特に少なくとも1つの第2の値および/または診断情報を表示ユニット上に表示することによって、提供される。
驚くべきことに、このようにして得られた少なくとも1つの第2の値は、組織中の筋疾患、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の有無を推測するために使用できることがわかった。
要約すると、本発明は、特にDMDを診断し、監視し、および/または治療することなどの診断目的に関して、光音響データの解析を改善することを可能にする。
好ましくは、診断情報は、少なくとも1つの第2の値から、少なくとも1つの第2の値を対照コホート、たとえば健常者、治療を受けていない被験者(患者)、および/または寛解期にある被験者(患者)から導出されている、少なくとも1つの事前定義されている基準値と比較することによって、導出され得る。
代替的に、またはそれに加えて、診断情報は、少なくとも1つの第2の値から、少なくとも1つの第2の値を早い時点で、たとえば、被験者に薬剤を投与する前に、被験者について導出されている、少なくとも1つの事前定義された基準値と比較することによって導出され得る。このようにして、治療を開始する前の時点および/または治療中の時点に関して治療による可能な変化が監視され得る。
好ましくは、少なくとも1つの事前定義された基準値は、本発明の側面によるデバイス、方法、および/またはシステムを使用して、対照コホートから、または被験者についてそれぞれ導出されている、少なくとも1つの第2の値に対応する。
代替的に、またはそれに加えて、少なくとも1つの事前定義された基準値は、血中クレアチンキナーゼ値のような、臨床検査、または対照コホートもしくは被験者の6分歩行試験(6-MWT)または筋力試験のような、生理学的検査をそれぞれ考慮することによって導出され得る。
代替的に、またはそれに加えて、少なくとも1つの事前定義された基準値は、MRIまたは超音波検査のような他のモダリティを考慮することによって導出することができる。好ましくは、被験者を治療することは、被験者にコルチコステロイドおよび/またはスピンラザ(登録商標)(ヌシネルセン)および/またはゾルゲンスマ(登録商標)(オナセムノゲンアベパルボベック)を投与すること、および/または遺伝子治療を受けることを含む。コルチコステロイドによる薬物治療は、筋力を高め、進行を遅らせることを助けることができる。スピンラザ(登録商標)(ヌシネルセン)およびゾルゲンスマ(登録商標)(オナセムノゲンアベパルボベック)は、小児および成人患者の脊髄性筋萎縮症(SMA)を治療するために使用される処方薬であり、好ましくは注射療法によって投与される。さらに、遺伝子療法は、たとえば、本発明のExondys 51(登録商標)(eteplirsenまたはAVI-4658)による治療を含み得る。
代替的に、またはそれに加えて、被験者を治療することは、次のうちの少なくとも1つを含み、および/またはそれに基づくものとしてよい。
- ユートロフィン産生:ユートロフィンは、筋ジストロフィーの影響を受けないジストロフィンに類似するタンパク質である。ユートロフィン産生のアップレギュレーションがなされると、疾病は阻止されるか、または遅らされ得る。
- タンパク質産生の変化:ジストロフィン遺伝子がタンパク質合成機構によって読み取られており、突然変異に達した場合、これは停止し、タンパク質を完成しない。タンパク質製造機器が変異内容物をスキップしてそのままジストロフィンを作り続けることを行わせる薬物が好ましい。
- 筋肉衰弱を遅らせる薬物:筋ジストロフィーの背後で働いている遺伝子を標的にするのではなくむしろ、避けられない筋肉衰弱を遅らせることが可能である。筋肉は、標準的な環境では、自己修復することができる。これらの修復を制御するか、または増やす研究により、筋ジストロフィーの患者にとって有益であることがわかった。
- 幹細胞の研究:不足しているジストロフィンタンパク質を産生できる筋幹細胞が、使用される、特に挿入される。現在のプロジェクトでは、使用する細胞の最も有用な種類と、それらの細胞が骨格筋に送達される方法を探し求めている。
- 筋芽細胞移植:筋ジストロフィーの初期段階では、筋芽細胞(衛星細胞とも呼ばれる)が欠陥のある筋繊維を修復し、交換する。筋芽細胞が疲弊してくると、筋肉は徐々に結合組織に変わっていく。好ましくは、修飾筋芽細胞が筋肉内に挿入され、疲弊した自然筋芽細胞と交替する。
筋疾患、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療を監視する方法は、
- 被験者を薬剤で、好ましくは、被験者に薬剤を投与することによって治療するステップと、
- 被験者を薬で治療した後、好ましくは事前に定義された期間の後に、少なくとも1つの第2の値を導出し、および/または少なくとも1つの第2の値から診断情報を導出し、本発明の第1および/または第2および/または第3の態様によるデバイスおよび/またはシステムおよび/または方法を使用することによって少なくとも1つの第2の値および/または診断情報を出力する、特に表示ユニット上に表示するステップとを含む。
本発明のさらに別の態様によるコンピュータプログラム製品は、上で説明されている方法のうち少なくとも1つをコンピュータに実行させるように構成される。
好ましくは、被験者の治療は、筋ジストロフィーを患っている被験者が可能な限り長く可動性を維持することを可能にするように関節および脊椎の問題を防止するか、または軽減するのに役立ち得る。一般に、治療法の選択肢は、限定はしないが、薬剤、理学および作業療法、ならびに外科手術およびその他の手技を含む。
好ましくは、出力された少なくとも1つの第2の値および/または診断情報に応じて被験者を薬剤で治療することは、限定はしないが、
- 少なくとも1つの第2の値および/または診断情報に応じて薬剤および/または薬剤の活性剤を選択することと、
- 少なくとも1つの第2の値および/または診断情報に応じて薬剤に含まれる活性剤の用量を選択することと、
- 少なくとも1つの第2の値および/または診断情報に応じて薬剤を投与する時刻および/または持続時間を選択することとを含む。
好ましくは、薬剤で被験者を治療することは、デフラザコルトおよび/またはアタルレン(Translarna(商標)、PTC Therapeutics Inc.)および/またはスピンラザ(登録商標)(ヌシネルセン)および/またはゾルゲンスマ(登録商標)(オナセムノゲンアベパルボベック)または他の承認された薬物などの、少なくともコルチコステロイドまたは遺伝子治療薬を投与することを含む。
代替的に、またはそれに加えて、被験者を治療することは、
- Eteplirsen(Exondys 51(登録商標))を投与すること、
- プレドニゾンなどの、コルチコステロイドを投与すること、および/または
- アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはβブロッカーなどの心臓病治療薬の投与のうちの少なくとも1つを含み得る。
好ましくは、本開示の文脈において、用語「光音響」および「フォトアコースティック」は同義的に使用される。
好ましくは、少なくとも1つの第1の値の空間分布は、少なくとも1つの第1の値の2次元または3次元の空間分布である。
好ましくは、少なくとも1つの第2の値は、分布パラメータである、関心領域内の少なくとも1つの第1の値の空間分布の平均値、および/または関心領域内の少なくとも1つの第1の値の空間分布の最大値のうちの少なくとも1つに対応するか、またはこれらから導出される。
好ましくは、少なくとも1つの第2の値は、関心領域内の少なくとも1つの第1の値の空間分布の平均値および最大値から導出される。
好ましくは、少なくとも1つの第2の値は、関心領域内の少なくとも1つの第1の値の空間分布の平均値と最大値との比に対応する。
好ましくは、データ処理ユニットは、少なくとも1つの第2の値を少なくとも1つの事前定義された基準値と比較することによって、少なくとも1つの第2の値から診断情報を導出するようにさらに構成される。
好ましくは、導出された診断情報は、組織中の、筋障害、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の有無および/または有無の可能性に関するものである。
好ましくは、データ処理ユニットは、組織に当たった超音波に応答して組織によって反射された超音波に関係する超音波データ(検出器信号)に基づき組織の超音波画像を再構成し、組織の超音波画像を表示ユニットに表示するために組織の超音波画像を供給するようにさらに構成される。
好ましくは、デバイスは、情報を表示するように構成されている表示ユニットをさらに備え、データ処理ユニットは、表示ユニットを制御して、組織中のコラーゲンの濃度に関連する、少なくとも1つの第1の値の空間分布、および/または組織の超音波画像、および/または少なくとも1つの第2の値、および/または少なくとも1つの第2の値から導出される診断情報を表示するようにさらに構成される。
好ましくは、データ処理ユニットは、組織中のコラーゲンの濃度に関係する、少なくとも1つの第1の値の空間分布と、組織の超音波画像とをマージして、組織のマージされた光音響超音波画像を得て、表示ユニットを制御して、組織のマージされた光音響超音波画像を表示するようにさらに構成される。
好ましくは、表示ユニットおよび/またはデータ処理ユニットは、少なくとも1つの第1の値の表示された空間分布および/または組織の表示されているマージされた光音響超音波画像において少なくとも1つの第1の値の空間分布から少なくとも1つの第2の値が導出される関心領域(ROI)を使用者が選択することを可能にするようにさらに構成される。
好ましくは、データ処理ユニットは、光音響イメージングシステムの検出ユニットから光音響データを受信するように構成され、および/またはデータ処理ユニットは、光音響イメージングシステムの検出ユニットから光音響データを受信するように構成されているインターフェースを備える。
好ましくは、照射ユニットは、660nmから1300nmの間、好ましくは680nmから1100nmの間の波長範囲内にある2つまたはそれ以上の異なる照射波長の電磁放射線を組織に照射するように構成される。
代替的に、またはそれに加えて、本明細書において開示されている目的および/または利点は、好ましくは、次の態様a)からz)のうちの少なくとも1つの態様による光音響システム、光音響デバイス、方法、およびコンピュータプログラムによって達成され得る。
a. 光音響システムであって、
プローブ、特にハンドヘルドプローブであって、
- 組織、特に筋肉組織を含む組織に、2つまたはそれ以上の異なる照射波長(λ、k=1...K)の電磁放射線を照射するように構成されている照射ユニットであって、前記電磁放射線は時間的に変化する、特にパルスの、強度を有する照射ユニットと、
- プローブが、特に、組織に関して、プローブの異なる配置および/または配向を含む、複数の異なるプローブ位置に移動され、特に平行移動され、および/または回転されている間に、異なる照射波長の電磁放射線を組織に照射したことに応答して組織中に発生した音波を検出するように構成されているトランスデューサ要素の凹状、特に球状の形状の、マトリクスアレイを含む検出ユニットとを備えるプローブと、
処理ユニットであって、
- 異なる照射波長(λ、k=1...K)およびプローブ位置で検出された音波に基づき、特に3Dの、光音響画像(「単一波長光音響画像」または「単一波長MSOT画像」とも称される)を再構成して、異なる照射波長(λ、k=1...K)の各々に対して、異なるプローブ位置について取得された、光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)を取得し、
- 異なる照射波長の各々について、光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)から、合成された、特に3Dの、光音響画像(i)を、
i)シーケンスの初期光音響画像(i)に関するシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)の配置(T、n=2...N)および/または回転(Θ、n=2...N)を決定することと、
ii)シーケンスの初期光音響画像(i)に関するシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)の決定された配置(T)および/または回転(Θ)を考慮することによって合成光音響画像(i)を取得するようにシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)をシーケンスの初期光音響画像(i)と結合することとによって、生成し、
- 異なる照射波長について生成された合成光音響画像に基づき組織中の物質、特に、コラーゲンなどの構成要素および/またはバイオマーカーの、濃度(「第1の値」とも称される)の、特に3次元の、空間分布に関係する少なくとも1つの、特に3Dの、濃度画像(「MSP(マルチスペクトル処理)画像」とも称される)を決定するように構成されている処理ユニットとを備える光音響システム。
b. 態様a)に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、シーケンスの初期光音響画像(i)に関するシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)の配置(T)および/または回転(Θ)を決定することを、
i)シーケンスの少なくとも2つの連続する光音響画像間の平行移動(t)および/または回転(θ)を推定することと、
ii)シーケンスの少なくとも2つの連続する光音響画像間の推定された平行移動(t)および/または推定された回転(θ)を加算することとによって、行うようにさらに構成される、光音響システム。
c. 態様b)に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、シーケンスの2つの連続する光音響画像(たとえばi、i)の間の回転(θ)の回転角(θ、θ、θ)を推定することを、回転の前後で、x、y、およびz方向に沿った2つの連続した光音響画像(i、i)の最大強度投影(MIP)の2Dフーリエ変換(I1,MIP,I、I2,MIP,i)の間の正規化された相互相関関数に対応する回転相関関数(RCF(θ)、RCF(θ)、RCF(θ))を計算することによって、行うようにさらに構成されている、光音響システム。
d. 態様c)に記載の光音響システムであって、推定された回転角(θ’、θ’、θ’)は、回転相関関数(RCF(θ)、RCF(θ)、RCF(θ))のmaxima(argmax_θ{RCFx(θ)}、argmax_θ{RCF(θ)}、argmax_θ{RCF(θ)})の引数に対応する、光音響システム。
e. 態様b)からd)のいずれかに記載の光音響システムであって、処理ユニットは、シーケンスの2つの連続する光音響画像(たとえば、i、i)の間の平行移動(t)の平行移動成分(t、t、t)を推定することを、第1の光音響画像(i)の3次元フーリエ変換(I)と、第2の光音響画像(i)の3次元フーリエ変換(I)の複素共役(I )との間の正規化された位相相関関数(PCF)の逆フーリエ変換に対応する位相のみの相関(PoC)を計算することによって、行うようにさらに構成される、光音響システム。
f. 態様e)に記載の光音響システムであって、推定された平行移動成分(t’,t’,t’)は、位相のみの相関(PoC)のmaxima(argmax_x,y,z{PoC(x,y,z)})の引数に対応する、光音響システム。
g. 態様a)からf)のいずれか一項に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、濃度画像の関心領域(ROI)内の物質の濃度の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータ(たとえば、平均および/または最大濃度)を決定するようにさらに構成される、光音響システム。
h. 態様g)に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、i)少なくとも1つの分布パラメータおよび/またはii)少なくとも1つの分布パラメータから導出された値(「第2の値」とも称される)および/またはiii)少なくとも1つの分布パラメータからおよび/または値(「第2の値」)から導出された診断情報をさらなる使用のために提供するようにさらに構成される、光音響システム。
i. 情報を表示するように構成されている表示ユニットを備える態様a)からh)のいずれか一項に記載の光音響システムであって、データ処理ユニットは、表示ユニットを制御して、i)少なくとも1つの濃度画像および/またはii)少なくとも1つの分布パラメータおよび/またはiii)少なくとも1つの分布パラメータから導出された値(「第2の値」)および/またはiv)少なくとも1つの分布パラメータからおよび/または値(「第2の値」)から導出された診断情報を表示するようにさらに構成される、光音響システム。
j. 態様a)からi)のいずれか一項に記載の光音響システムであって、照射ユニットは、電磁放射線の2つまたはそれ以上の波長シーケンスを組織に照射するように構成され、各波長シーケンスにおいて、組織は2つまたはそれ以上の異なる照射波長(λ、k=1...K)の電磁放射線を連続的に照射され、処理ユニットは、
- 異なる照射波長(λ,k=1...K)の電磁放射線を組織に連続的に照射したことに応答して組織中に連続的に発生する、音波が検出されている間に、組織に関するプローブの移動を少なくとも部分的に補償するように異なる照射波長(λ,k=1...K)のうちの少なくとも1つについて取得された光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)のうちの少なくとも1つを補正し、
- 光音響画像の少なくとも1つの補正されたシーケンス(i、n=1...N)から、合成光音響画像(i)のうちの少なくとも1つを生成するように構成される、光音響システム。
k. 態様a)からj)のいずれか一項に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、
- 異なる照射波長(λ、k=1...K)について得られた光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)から、異なる照射波長のうちの1つについて得られた光音響画像のシーケンス(好ましくは血管の画像を含む画像)を選択し、光音響画像の選択されたシーケンスの画像は、他の照射波長について得られた光音響画像の非選択シーケンスの画像に比べて高い画像コントラストを示し、
- 光音響画像の選択されたシーケンスに基づき、プローブの軌跡を決定する(プローブが組織に関して移動されている間)ように構成される、光音響システム。
l. 態様k)に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、
- 異なる照射波長(λ,k=1...K)の電磁放射線を組織に連続的に照射したことに応答して組織中に連続的に発生する、音波が検出されている間に、組織に関するプローブの移動を少なくとも部分的に補償するようにプローブの軌跡を考慮することによって異なる照射波長(λ,k=1...K)のうちの少なくとも1つについて取得された光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)のうちの少なくとも1つを補正し、
- 光音響画像の少なくとも1つの補正されたシーケンス(i、n=1...N)から、合成光音響画像(i)のうちの少なくとも1つを生成するように構成される、光音響システム。
m. 態様k)またはl)のいずれか一項に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、
- 光音響画像の選択されたシーケンスに基づき、プローブの動きに関する動き情報、たとえば、速度および/または加速度および/または回転速度を決定するように構成される、光音響システム。
n. 態様k)からm)のいずれか一項に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、
- 表示ユニットを制御して、プローブの動きに関する軌跡および/または動き情報、たとえば、速度および/または加速度および/または回転速度に関する情報を表示するように構成される、光音響システム。
o. 態様k)からn)のいずれか一項に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、
- 表示ユニットを制御して、プローブの動きに関する動き情報、たとえば、速度および/または加速度および/または回転速度と、プローブの動きに関する事前定義された情報、たとえば、最高速度および/または加速度および/または回転速度との比較に基づきプローブの動き(使用者によって制御され、および/または実行される)を分類する指示情報(たとえば、緑色の光もしくは「velocity of probe ok」または、それぞれ、赤色の光もしくは「velocity of probe too high」)を表示するように構成される、光音響システム。
p. 態様k)からo)のいずれか一項に記載の光音響システムであって、処理ユニットは、
- 異なる照射波長(λ、k=1...K)の少なくとも1つについて得られた光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)の少なくとも1つの画像の相互の重なりおよび/または相関の程度に関する重なり情報を決定し、
- 表示ユニットを制御して、重なり情報に基づきプローブの動き(使用者によって制御され、および/または実行される)を分類する指示情報(たとえば、緑色の光もしくは「velocity of probe ok」または、それぞれ、赤色の光もしくは「velocity of probe too high」)を表示するように構成される、光音響システム。
x. 光音響デバイスであって、
光音響データをプローブ、特にハンドヘルドプローブ、から受信するように構成されているインターフェースであって、光音響データは、
- 特に筋肉組織を含む、組織中で、2つまたはそれ以上の異なる照射波長の時間的に変化する、特にパルスの、電磁放射線を組織に照射したことに応答して発生し、
- プローブが、特に、組織に関して、プローブの異なる配置および/または配向を含む、複数の異なるプローブ位置に移動され、特に平行移動され、および/または回転されている間に、プローブのトランスデューサ要素の凹状、特に球状の形状の、マトリクスアレイによって検出された、音波に関係する、インターフェースと、
処理ユニットであって、
- 異なる照射波長およびプローブ位置で検出された音波に関係する光音響データに基づき、特に3Dの、光音響画像(「単一波長光音響画像」または「単一波長MSOT画像」とも称される)を再構成して、異なる照射波長の各々に対して、異なるプローブ位置について取得された、光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)を取得し、
- 異なる照射波長の各々について、光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)から、合成された、特に3Dの、光音響画像(i)を、
i)シーケンスの初期光音響画像(i)に関するシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)の配置(T、n=2...N)および/または回転(Θ、n=2...N)を決定することと、
ii)シーケンスの初期光音響画像(i)に関するシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)の決定された配置(T)および/または回転(Θ)を考慮することによって合成光音響画像(i)を取得するようにシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)をシーケンスの初期光音響画像(i)と結合することとによって、生成し、
- 異なる照射波長について生成された合成光音響画像に基づき組織中の物質、特に、コラーゲンなどの構成要素および/またはバイオマーカーの、濃度(「第1の値」とも称される)の、特に3次元の、空間分布に関係する少なくとも1つの、特に3Dの、濃度画像(「MSP(マルチスペクトル処理)画像」とも称される)を決定するように構成されている処理ユニットとを備える光音響デバイス。
y. 光音響データを解析するための方法であって、
s1) 光音響データをプローブ、特にハンドヘルドプローブ、から受信するステップであって、光音響データは、
- 特に筋肉組織を含む、組織中で、2つまたはそれ以上の異なる照射波長の時間的に変化する、特にパルスの、電磁放射線を組織に照射したことに応答して発生し、
- プローブが、特に、組織に関して、プローブの異なる配置および/または配向を含む、複数の異なるプローブ位置に移動され、特に平行移動され、および/または回転されている間に、プローブのトランスデューサ要素の凹状、特に球状の形状の、マトリクスアレイによって検出された、音波に関係する、ステップと、
s2)異なる照射波長およびプローブ位置で検出された音波に関係する光音響データに基づき、特に3Dの、光音響画像(「単一波長光音響画像」または「単一波長MSOT画像」とも称される)を再構成して、異なる照射波長の各々に対して、異なるプローブ位置について取得された、光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)を取得するステップと、
s3)異なる照射波長の各々について、光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)から、合成された、特に3Dの、光音響画像(i)を、
i)シーケンスの初期光音響画像(i)に関するシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)の配置(T、n=2...N)および/または回転(Θ、n=2...N)を決定することと、
ii)シーケンスの初期光音響画像(i)に関するシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)の決定された配置(T)および/または回転(Θ)を考慮することによって合成光音響画像(i)を取得するようにシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)をシーケンスの初期光音響画像(i)と結合することとによって、生成するステップと、
s4)異なる照射波長について生成された合成光音響画像に基づき組織中の物質、特に、コラーゲンなどの構成要素および/またはバイオマーカーの、濃度(「第1の値」とも称される)の、特に3次元の、空間分布に関係する少なくとも1つの、特に3Dの、濃度画像(「MSP(マルチスペクトル処理)画像」とも称される)を決定するステップとを含む方法。
z. 前述の態様による方法をコンピュータに実行させるように構成されているコンピュータプログラム製品。
次に、上記態様a)からz)の代替的形態またはさらなる好ましい実施形態について説明される。
1. ある波長(理想的なコントラストを有する、たとえば血管)の配置情報を、取得したすべての波長に適用して、マルチスペクトルセットを取得すること。ここで、たとえば回転/平行移動後の重なり合う画像/ボリューム範囲の相関関係によるもっともらしさのチェックを含めることも可能である。
2. 記録内の配置情報をライブモーション表示として使用すること。この情報は、座標系、すなわちある種の統合ナビゲーションとして、使用者に対して表示され得る。これは、たとえば、運動記録中に静かにさせることを容易にすることもできる。
3. 正しくない縫い合わせ、およびしたがって誤診を回避するために使用者に信号機(たとえば、動きが速すぎ、重なり合いが不十分な場合は赤色)として表示されるライブ信頼度メトリックの計算。
4. それに加えて、準連続的移動を仮定することもできるので、3Dベクトル空間内の軌跡を補間することも可能であるか、または好ましい。したがって、その後、他の波長の画像に関する結論を導き出すことができ、必要ならば
- たとえば信号機のように、使用者に警告を出力し、
- コントラストが悪い画像に対して、「本来の」縫い合わせに頼る代わりに、曲線に従って画像を回転させることができる。上の1)で説明されているもっともらしさのチェックも、ここで適用できる。
5. 好ましくは、重なり合う画像は回転および平行移動の後に使用され、相関を用いてコントラスト/SNRを改善することができる。
6. 代替的に、遅延平均総和アプローチ--本発明の場合、好ましくは、平均に主眼を置いた平行移動/回転平均総和アプローチ--が使用される。特に画像境界領域(トモグラフィーカバレッジが低いので、ここではノイズが多い)では、著しく高いコントラストを達成することが可能である。また、平均解像度は、そこではさらに高い。
7. さらに、二部構成プロセスが好ましく、まず、高速再構成によって配置座標がライブで決定され、次いで、完全なモデルが高解像度で再構成される(モデルベース再構成)。メモリ制限があり得るが、5から100の記録位置が適切なハードウェアで動作し、所望の結果が達成され、これは、取得の断層効果が--たとえば、周辺領域の画像ノイズを加える代わりに--完全に利用されるので、多大な利点を有するであろう。
8. 7)において説明されているアプローチは、メモリ要件を低減する、すなわち、隣接する5~10枚の画像のみをまとめて中間ボリュームに再構成し、次いで、再び縫い合わせるための一種の「移動平均」アプローチとみなされてよい。
9. 好ましくは、上記の態様は、脂質などの他の発色団にも適用することができる。
10. 好ましくは、3D可視化は、たとえばシアワープ法、最大値投影法、または同様のものを使用するレンダリングによって達成される。
11. 代替的に、検出器の形状については、「所与の移動方向」を有する3D形状(球形ではなく)が、たとえば半球体ではなく、「切り開いた樽」の形態、すなわち、凹状の半円筒形マトリクスアレイにおいて好ましい場合がある。このようにすると、移動方向に垂直な(シリンダー軸に平行な)解像度は(球状検出器と同様に)高いままであるが、移動方向(シリンダー軸に平行な方向)では減少する。しかしながら、これは移動方向(シリンダー軸に平行な方向)の視野を増大させ、それにより、個別のボリュームの重なりが大きくなる。これは、縫い合わせの信頼度を高め、また、重なりがより大きくなることで、解像度は、トモグラフィーによって補償され得る(上記7)および8)を参照)。
12. 上記の態様による実施形態で得られる大きなイメージングボリュームは、診断アプリケーションに関連して特に有利であり、それは、そうでなければ全身イメージングでのみ可能である巨視的表示を可能にするからである。また、上記の可視化を参照するが、具体的には、拡張、腐食、開閉、したがってセグメント化が行われる可能性のある、大きな領域の統計的評価を再び精緻化することが可能である。特に発色団チャネルについては、DMDにおいてコラーゲンがフラットまたは面的効果として評価され得る。そのようなセグメント化された画像(場合によってはコラーゲンチャネルにおける閾値を用いて)上で、面積もしくは面積構成要素、または信号変化(STD、STDERR)を計算し、解析することができる。
代替的に、またはそれに加えて、本明細書において開示されている目的および/または利点は、好ましくは、次の態様AからSのうちの少なくとも1つの態様によるデバイス、光音響システム、コンピュータプログラム、および方法によって達成され得る。
A. 光音響データを解析するためのデバイスであって、
- 光音響イメージングシステムの検出ユニットから光音響データを受信するためのインターフェースであって、光音響データは、2つまたはそれ以上の異なる照射波長(λ)の時間的に変化する電磁放射線を組織に照射したことに応答して組織中に発生する音波に関係し、組織は、筋肉組織、結合組織、臓器、腱および/または病原性(線維化)組織のうちの少なくとも1つを含む、インターフェースと
- プロセッサであって、光音響データを解析して、(i)光音響データに基づき、組織中のコラーゲン濃度に関係する、光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値(任意単位)の空間分布を決定し、(ii)光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値の空間分布の関心領域(ROI)内で光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータ(たとえば、mean/max)に対応するか、またはそのパラメータから導出される少なくとも1つの第2の値(たとえば、collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_max)を導出し、(iii)さらなる使用のために少なくとも1つの第2の値および/または少なくとも1つの第2の値から導出された診断情報を、表示のために表示ユニットに供給するためのプロセッサとを備える、デバイス。
B. 態様A記載のデバイスであって、光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値の空間分布は、2次元または3次元である、デバイス。
C. 態様AまたはBに記載のデバイスであって、少なくとも1つの第2の値は、分布パラメータ、すなわち、
- 関心領域内の光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値の空間分布の平均値、および/または
- 関心領域内の光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値の空間分布の最大値、のうちの少なくとも1つに対応するか、またはそれらから導出されるデバイス。
D. 態様Cに記載のデバイスであって、少なくとも1つの第2の値は、関心領域内の光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値の空間分布の平均値および最大値から導出される、デバイス。
E. 態様CまたはDに記載のデバイスであって、少なくとも1つの第2の値は、関心領域内の光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値の空間分布の平均値と最大値との比に対応する、デバイス。
F. 先行する態様のいずれか一項に記載のデバイスであって、プロセッサは、少なくとも1つの第2の値を少なくとも1つの事前定義された基準値と比較することによって、少なくとも1つの第2の値から診断情報を導出するようにさらに構成される、デバイス。
G. 先行する態様のいずれか一項に記載のデバイスであって、導出された診断情報は、組織中の、筋障害、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の有無および/または有無の可能性に関係する、デバイス。
H. 先行する態様のいずれか一項に記載のデバイスであって、プロセッサは、
- 超音波が組織に当たったことに応答して組織で反射された超音波に関係する超音波データ(検出器信号)に基づき組織の超音波画像を再構成し、
- 組織の超音波画像を供給して、組織の超音波画像を表示ユニットに表示するようにさらに構成される、デバイス。
I. 先行する態様のいずれか一項に記載のデバイスであって、表示ユニットは、情報を表示するように構成され、プロセッサは、表示ユニットを制御して、
- 組織中のコラーゲン濃度に関係する、光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値の空間分布、および/または
- 組織の超音波画像、および/または
- 少なくとも1つの第2の値、および/または
- 少なくとも1つの第2の値から導出された診断情報を表示するようにさらに構成される、デバイス。
J. 態様Iに記載のデバイスであって、プロセッサは、組織中のコラーゲンの濃度に関係する、光音響コラーゲン信号の少なくとも1つの第1の値の空間分布と、組織の超音波画像とをマージして、組織のマージされた光音響超音波画像を得て、表示ユニットを制御して、組織のマージされた光音響超音波画像を表示するようにさらに構成される、デバイス。
K. 態様IまたはJに記載のデバイスであって、表示ユニットおよび/またはプロセッサは、少なくとも1つの第1の値の表示された空間分布および/または組織の表示されているマージされた光音響超音波画像において少なくとも1つの第1の値の空間分布から少なくとも1つの第2の値が導出される関心領域(ROI)を使用者が選択することを可能にするようにさらに構成される、デバイス。
L. 光音響データを生成し、解析するための光音響システムであって、
- 筋肉組織を含む組織に2つまたはそれ以上の異なる照射波長(λ)の電磁放射線を照射するように構成されている照射ユニットであって、前記電磁放射線は時間的に変化する、特にパルスの、強度を有する照射ユニットと、
- 組織に異なる照射波長(λ)の電磁放射線を照射することに応答して組織内に発生した音波を検出し、それに応じた光音響データを生成するように構成されている検出ユニットと、
- 任意の先行する態様に記載の光音響データを解析するためのデバイスとを備える、システム。
M. 態様Lに記載のシステムであって、照射ユニットは、650nmから1200nmの間、好ましくは680nmから1100nmの間の波長範囲内にある2つまたはそれ以上の異なる照射波長(λ)の電磁放射線を組織に照射するように構成される、システム。
N. 光音響データを解析するための方法であって、
- 2つまたはそれ以上の異なる照射波長(λ)の時間的に変化する電磁放射線を組織に照射したことに応答して組織中に発生する音波に関係する光音響データ(検出器信号)を受信するステップと、
- 筋肉組織、結合組織、臓器、腱、および/または病原性(たとえば、線維化)組織のうちの少なくとも1つを含む組織中のコラーゲンの濃度に関係し、光音響データに基づく、少なくとも1つの第1の値(任意単位での光音響コラーゲン信号)の空間分布を決定するステップと、
- 少なくとも1つの第1の値の空間分布の関心領域内で少なくとも1つの第1の値の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータ(たとえば、mean/max)に対応するか、またはそのパラメータから導出される、少なくとも1つの第2の値(たとえば、collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_max)を、少なくとも1つの第1の値の空間分布から導出するステップと、
- 少なくとも1つの第2の値および/または少なくとも1つの第2の値から導出された診断情報を、表示のために表示ユニットに供給するステップとを含む、方法。
O. 前述の態様に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム製品。
P. 患者の、筋疾患、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を診断する方法であって、
- 2つまたはそれ以上の照射波長(λ)の時間的に変化する電磁放射線を患者体内の組織に照射するステップであって、組織は、筋肉組織、結合組織、臓器、腱および/または病原性(線維化)組織のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
- 組織への照射に応答して組織中に発生した音波に関係する光音響データ(検出器信号)に基づき、組織中のコラーゲンの濃度に関係する、少なくとも1つの光音響コラーゲン信号(たとえば、任意単位の)の空間分布を決定するステップと、
- 少なくとも1つの光音響コラーゲン信号の空間分布の関心領域内の少なくとも1つの光音響コラーゲン信号の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータに対応するか、またはそのパラメータから導出される、少なくとも1つの第2の値(たとえば、collagen_mean、collagen_max、および/またはcollagen_mean/collagen_maxのいずれか)を導出するステップと、
- 少なくとも1つの第2の値を少なくとも1つの事前定義された基準値と比較することによって少なくとも1つの第2の値から導出された、また患者の組織中の、筋疾患、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の有無および/または有無の可能性に関係する、少なくとも1つの第2の値および/または診断情報を出力する、特に表示ユニットに表示するステップとを含む、方法。
Q. 患者の筋疾患、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療する方法であって、
- 2つまたはそれ以上の照射波長(λ)の時間的に変化する電磁放射線を患者体内の組織に照射するステップであって、組織は、筋肉組織、結合組織、臓器、腱および/または病原性(線維化)組織のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
- 組織への照射に応答して組織中に発生した音波に関係する光音響データ(検出器信号)に基づき、組織中のコラーゲンの濃度に関係する、少なくとも1つの光音響コラーゲン信号(たとえば、任意単位の)の空間分布を決定するステップと、
- 少なくとも1つの光音響コラーゲン信号の空間分布の関心領域内の少なくとも1つの光音響コラーゲン信号の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータに対応するか、またはそのパラメータから導出される、少なくとも1つの第2の値(たとえば、collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_maxのいずれか)を導出するステップと、
- 少なくとも1つの第2の値を少なくとも1つの事前定義された基準値と比較することによって少なくとも1つの第2の値から導出された、また被験者の組織中の、筋疾患、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の有無および/または有無の可能性に関係する、少なくとも1つの第2の値および/または診断情報を出力する、特に表示ユニットに表示するステップと、
- 診断情報に従って、好ましくは被験者に薬剤を投与することによって、被験者を治療するステップとを含む、方法。
R. 態様Qに記載の治療の方法であって、治療過程は、限定はしないが、
- 少なくとも1つの第2の値および/または診断情報に応じて薬剤および/または薬剤の活性剤を選択することと、
- 少なくとも1つの第2の値および/または診断情報に応じて薬剤に含まれる活性剤の用量を選択することと、
- 少なくとも1つの第2の値および/または診断情報に応じて薬剤を投与する時刻および/または持続時間を選択することとに依存する、方法。
S. 態様Rに記載の治療の方法であって、薬剤で被験者を治療することは、
- デフラザコルトおよび/またはアタルレン(Translarna(商標)、PTC Therapeutics Inc.)および/またはスピンラザ(登録商標)(ヌシネルセン)および/またはゾルゲンスマ(登録商標)(オナセムノゲンアベパルボベック)または他の承認された薬物などの、少なくとも1つのコルチコステロイドを投与すること、および/または
- Eteplirsen(Exondys 51(登録商標))、プレドニゾンなどのコルチコステロイド、および/またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはβブロッカーなどの心臓病治療薬のうちの1つまたは複数を投与することを含む、方法。
本発明の上記および他の要素、特徴、特性、利点、および/または代替的形態は、本発明の態様の好ましい実施形態を示し、および/または説明する次の図および付属物からより明らかになるであろう。
光音響システムの一例を示す図である。 システム「MSOT Acuity」の一例を示す図である。 2Dおよび3Dの光音響画像を取得するための好ましい検出器の例を示す図である。 方法の好ましいステップを例示する図である。 異なる組織の画像の例を示す図である。 好ましい検出ユニットの別の例を示す図である。 好ましい検出ユニットの応用の一例を示す図である。 新生豚のインビボ2D MSOTイメージングを例示する図である。 DMD患者および健康な有志被験者(HV)におけるインビボ2D MSOTイメージングおよびコラーゲン定量化を例示する図である。 DMD患者および健康な有志被験者におけるインビボ3D MSOTイメージングを例示する図である。 子豚2D-MSOTパラメータの概要を記載した表である。 領域を走査することによってソートされた平均および最大2D-MSOTコラーゲン信号の概要を記載した表である。 ヒト2D-MSOTパラメータの概要を記載した表である。 ヒト3D-MSOTパラメータの概要を記載した表である。 フーリエ変換ベースの3Dモーション推定の一例を示す概略図である。 ファントム走査に対する結果を合成した空間画像の例を示す概略図である。 スパイラルボリュメトリック光音響トモグラフィー(SVOT)走査に対するフーリエ変換ベースの空間合成の一例を示す概略図である。 ジグザグ走査パターンで実行されるヒトの腕のボリュメトリック光音響血管造影法の例示的な結果を示す概略図である。 任意の軌跡に沿ったヒトの掌のフリーハンド光音響ヒト血管造影法の例示的な結果を示す概略図である。
図1aは、光音響データを生成し、解析するためのシステム20の一例の概略図を示している。システム20は、組織T、特に筋肉組織に、2つまたはそれ以上の異なる照射波長λの電磁放射線を照射するように構成されている照射ユニット21、22であって、前記電磁放射線は時間的に変化する、特にパルスの、強度を有する照射ユニット21、22を備える。
照射ユニット21、22は、2つまたはそれ以上の異なる照射波長の電磁放射線を発生する放射線源21、たとえば、OPOレーザーのような波長可変レーザーと、放射線源21によって発生した電磁放射線を組織Tに誘導するように構成されているガイド要素22、たとえば、光ファイバーまたは光ファイバーバンドルとを備えることが好ましい。
さらに、システム20は、異なる照射波長λの電磁放射線を組織Tに照射したことに応答して組織T中に発生した、光音響波とも称される、音波を検出し、しかるべく光音響信号OAを生成するように構成され、それに基づき光音響画像が再構成され得る、第1の検出ユニット23を備える。
好ましくは、検出ユニット23は、2次元の凹面上に配置構成され、光音響波を検出するように構成されおよび/または制御される、複数の、たとえば256もしくは512個もしくはそれ以上の第1の超音波トランスデューサを備える。好ましくは、第1の超音波トランスデューサは、球状の形状のマトリクスアレイを形成する。
任意選択で、第2の検出ユニット24を設けることができ、この検出ユニットは、組織Tに向けて超音波を伝送し、組織Tによって反射された超音波を検出し、それをしかるべき超音波信号USに変換するように構成され、これに基づき、反射超音波コンピュータ断層撮影(RUCT)画像とも呼ばれる超音波画像が再構成され得る。
好ましくは、第2の検出ユニット24は、凹面の頂点もしくはその近くの領域に配置構成され、超音波の伝送および検出の両方を行うように構成され、および/または制御される第2の超音波トランスデューサのアレイ、好ましくは湾曲した、もしくはまっすぐな直線状のアレイを備える。
本発明の例では、1つまたは複数の遠位端セクション(破線)を含む誘導要素22の遠位端、第1の検出ユニット23および(任意選択の)第2の検出ユニット24が、ハンドヘルドプローブ25に組み込まれている。
本発明の例では、誘導要素22の光ファイバーの遠位端セクション(破線)は、第1の検出ユニット23の球状マトリクスアレイの周上領域に設けられている照明開口部22a内に設けられている。代替的に、またはそれに加えて、誘導要素22の遠位端および/または誘導要素22の光ファイバーの遠位端セクション(破線)は、それぞれ、第1の検出ユニット23の凹状マトリクスアレイの頂点の領域のところに、または領域内に配置されている。
図2(上)に例示的に示されているように、プローブ25が2D光音響画像に対する光音響信号を生成するように構成されているときに、第1の検出ユニット23は、好ましくは、トランスデューサ要素の円弧形状(凹状)直線状アレイを備える。
図2(下)に例示的に示されているように、プローブ25が3D光音響画像に対する光音響信号を生成するように構成されているときに、第1の検出ユニット23は、好ましくは、トランスデューサ要素の球形の形状(凹状)マトリクスアレイを備え、誘導要素22の遠位端は、凹状マトリクスアレイの頂点のところに配置されている。
図1aにさらに示されているように、第1の検出ユニット23によって生成された光音響信号OA、および任意選択で、第2の検出ユニット24によって生成された超音波信号USは、好ましくは任意選択のインターフェース26を介して、光音響信号OAおよび/または超音波信号USを処理し、および/または解析するように構成されている、データプロセッサ27、たとえばコンピュータシステムへと誘導される。
好ましくは、データプロセッサ27は、異なる照射波長λで得られた光音響信号OAに基づき、単一波長MSOT画像とも称される、光音響画像を再構成するように構成される。
光音響信号に基づき光音響画像を再構成するためのアルゴリズムは、当技術分野で知られている。たとえば、好ましく使用されている逆投影アルゴリズムは、参照により本明細書に組み込まれているXuおよびWang、「Universal back-projection algorithm for photoacoustic computed tomography」、Phys. Rev. E 71、016706、2005年1月19日で説明されている。
本開示の意味の範囲内で、「光音響データ」という用語は、好ましくは、異なる照射波長λで得られた光音響信号OAに基づき再構成される光音響画像、特に単一波長MSOT画像29(図3および以下のそれぞれの説明を参照)、および/または異なる照射波長λで得られた光音響信号OAに関係する。
好ましくは、データプロセッサ27は、光音響データに基づき、好ましくは、異なる照射波長で得られた光音響画像29(図3参照)に基づき、組織T中のコラーゲンの濃度に関係する少なくとも1つの第1の値の空間分布を決定するように構成される。
本開示の範囲内において、「組織中のコラーゲンの濃度に関係する第1の値」という言い回しは、「コラーゲン信号」とも称され、好ましくは、任意単位(a.u.)で与えられる。さらに、少なくとも1つの第1の値に関する「空間分布」という用語は、好ましくは、組織中のコラーゲンの濃度および/またはコラーゲン信号を示す、MSP(マルチスペクトル処理)画像30(図3参照)とも称される2Dまたは3D画像に関するものである。
データプロセッサ27は、少なくとも1つの第1の値の空間分布から少なくとも1つの第2の値を導出するようにさらに構成され、少なくとも1つの第2の値は、少なくとも1つの第1の値の空間分布の関心領域(ROI)内の少なくとも1つの第1の値の空間分布を特徴付ける少なくとも1つの分布パラメータ、たとえば、平均および/または最大値、に対応するか、またはそれから導出される。
好ましくは、少なくとも1つの第2の値は、組織中のコラーゲンの空間分布を示す、2Dまたは3D画像、特にMSP画像におけるROI内のコラーゲン信号またはコラーゲンの濃度の、「collagen_mean」とも称される、平均値、および/または「collagen_max」とも称される、最大値に対応する。
たとえば、平均値は、ROI内のコラーゲン信号値の平均値、たとえば算術平均値、または中央値とすることができる。
代替的に、またはそれに加えて、少なくとも1つの第2の値は、たとえば、collagen_mean/collagen_maxで除算された、2Dまたは3D画像、特にMSP画像における関心領域内のコラーゲン信号またはコラーゲンの濃度の、「collagen_mean」とも称される、平均値、および/または「collagen_max」とも称される、最大値から導出される。
さらに、データプロセッサ27は、特に少なくとも1つの第2の値および/または診断情報を表示ユニット28、たとえば、コンピュータモニタ上に表示することによって、さらなる使用のために、たとえば、診断目的で、少なくとも1つの第2の値、たとえば、collagen_mean、collagen_max、および/またはcollagen_mean/collagen_max、および/または少なくとも1つの第2の値から導出された診断情報を出力するように構成される。
本発明の例では、表示ユニット28は、組織Tの超音波画像33、好ましくはRUCT画像、および超音波画像33を組織T中の少なくともコラーゲンの空間分布を示す組織Tの少なくとも1つの光音響画像、特にMSP画像30(図3参照)とマージすることによって得られる、マージ画像34を表示する。
好ましくは、コラーゲン濃度の平均値および/または最大値が決定される、MSP画像の関心領域ROIは、好ましくは、RUCT画像33を用いて、および/またはRUCT画像33に基づき、および/または、RUCT画像33内で、決定され、および/または選択される。このようにして、治験責任医師は、特に、少なくとも1つの第2の値、特にcollagen_mean、colla-gen_maxおよび/またはcollagen_mean/collagen_maxが、組織の所望の関心領域について、たとえば、皮膚組織ではなくむしろ筋肉組織から、導出されることを有利に確実にするために、解剖学的に導かれる。
好ましくは、データプロセッサ27は、治験責任医師がROIを決定し、および/または選択できるように、表示ユニット28および/または選択ユニット(図示せず)を制御するように構成される。好ましくは、ROIは多角形の形状を有する。
本発明の例では、表示ユニット28は、少なくとも1つの第2の値、好ましくはcollagen_mean、collagen_max、および/またはcollagen_mean/collagen_maxをさらに表示し、そこから治験責任医師は、筋肉障害、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィーの有無および/または有無の可能性に関係する診断情報および/または結論を導き出すことができる。代替的に、またはそれに加えて、データプロセッサ27は、筋肉障害、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィーの有無および/または有無の可能性に関係する診断情報および/または結論を導出し、それを表示ユニット28に表示するように構成され得る。
図1bは、「MSOT Acuity」システムの一例を示す斜視図(左)、およびシステムの側面領域に配置されているインターフェースパネル6の拡大図(右)である。好ましくは、システムは、2つの検出器(たとえば、第1の検出ユニット23および第2の検出ユニット、図1a参照)を備え、特に、組織中のコラーゲンの濃度に関係する、少なくとも1つの第1の値の空間分布と、組織の超音波画像とをマージして、組織のマージされた光音響超音波画像を取得し、モニタ1を制御して組織のマージされた光音響超音波画像を表示することによって、生体組織の光音響および超音波イメージングを行うように、またハイブリッド光音響超音波画像を生成し、表示するように構成される。好ましくは、図1bに示されているシステムは、図1aを参照しつつ上で説明されている構成要素の少なくとも一部を含む。特に、図1bに示されているプローブ8およびモニタ1は、それぞれ、図1aを参照しつつ上で説明されているプローブ25および表示ユニット28に対応する。
図3は、次のような方法の好ましいステップを例示する図を示している。
1. 光音響効果:組織、特に皮膚の下にある筋肉組織は、パルスレーザー光を照射される。組織によるパルスレーザー光の吸収に応答して発生する超音波は、検出器によって検出される。
2. 画像再構成:660から1300nmの間の、本発明の例では、5つの異なる波長のパルスレーザー光を組織に照射したことに応答して検出された超音波に基づき、異なる波長における単一波長MSOT画像29が再構成される。さらに、組織に向けて伝送され、組織によって反射された超音波に基づき、超音波画像33が再構成される。
3. MSP(マルチスペクトル処理)画像:異なる波長の再構成された単一波長MSOT画像29および異なる波長の1つまたは複数のバイオマーカーの(知られている)吸収係数μに基づき、1つまたは複数のMSP画像30から32が、好ましくはいわゆるスペクトル分解を用いて導出され、MSP画像30から32の各々は、組織中の少なくとも1つのバイオマーカーの濃度に関する空間分布を表す。本発明の例では、図は、MSOT画像が得られた5つの照射波長(660から1300nmの間)を含むスペクトル領域内の波長からのメラニン、酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、コラーゲン、および脂質の吸収係数μの依存性を示す。本発明の例では、第1のMSP画像30はコラーゲンの濃度に関係し、第2のMSP画像31は脂質の濃度に関係し、第3のMSP画像32は組織中の酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの濃度に関係する。第1のMSP画像30は、本開示の一態様による「組織中のコラーゲンの濃度に関係する少なくとも1つの第1の値の空間分布」に対応する。
一般に、MSOTイメージングのコントラストは、組織に内在し得る光吸収部分、たとえば、コラーゲン、ヘモグロビン、メラニン、および/または脂質、または発現分子(たとえば、蛍光タンパク質)、または蛍光剤もしくはナノ粒子などの外来投与物に起因する。MSOTイメージングの一般的に高い解像度にも関わらず、これは、典型的には、物質を分子レベルで分解するほどには高くない。このような理由から、各MSOTピクセル(ボクセル)は、通常、複数の光吸収体に対応しており、これらすべての吸収体のスペクトル応答の線形結合であるスペクトル応答を有する。このピクセルごとのスペクトル混合により、MSOTピクセルは「混合ピクセル」と称され、注目する分子標的は「サブピクセル」標的と称され得る。標的は、典型的には、サブピクセルレベルに存在するので、いわゆるスペクトル分解法は、この問題に対するロバストな解決策となり得る。そこで、スペクトル分解は、マルチスペクトル測定値(たとえば、単一波長MSOT画像29)から、特徴的なスペクトルシグネチャ(たとえば、異なる波長の1つまたは複数の成分/バイオマーカーの吸収係数μ)を有する個別の材料成分を推定するプロセスである。
したがって、組織のコラーゲン、ヘモグロビン、メラニン、および/または脂質などの異なる部分の光音響イメージングは、好ましくは、それらの異なる吸収スペクトルを解決することを含む。これは、好ましくは、撮像された組織Tを複数の波長で照明し、収集された光音響データ(単一波長MSOT画像29)においてスペクトル分解操作を実行することによって達成される。このようにして、バイオマーカーの組織光吸収に関係し、したがって、組織T中のそれぞれのバイオマーカーの濃度に関係する、高い空間および時間分解能のMSP(マルチスペクトル処理)画像30から32が得られる。
好ましくは、収集された光音響データのスペクトル分解は、参照により本明細書に組み込まれている、Tzoumasら、「Un-mixing Molecular Agents From Absorbing Tissue in Multispectral Optoacoustic Tomography」、IEEE Transactions on Medical Imaging、Volume 33、Issue:1、2014年1月、48~60頁によって説明されているアルゴリズムアプローチのうちの少なくとも1つを適用することによって実行される。
図4は、コラーゲン、脂質、およびHb/HbO濃度の空間分布を明らかにする反射超音波コンピュータ断層撮影(RUCT)および光音響イメージングで得られる異なる組織の画像の例、さらには各々それぞれの組織のRUCT画像33および光音響画像30から32の両方を含むマージされた画像34(「OA-merge」)の例を示している。
図5は、本発明の好ましい態様によるデバイス、システム、および/または方法とともに、またはそれらにおいて好ましくは使用される、ハンドヘルドプローブ25とも称される、検出ユニットの一例の斜視図である。
ハンドヘルドプローブ25は、プローブケーシングセクション25aとセンサセクション25bとを備え、その中に、第1の検出ユニット23(球状マトリクスアレイ)と第2の検出ユニット24(直線状アレイセグメント)の両方が組み込まれている。さらに、第1の検出ユニット23の球状マトリクスアレイの周上領域に、照明開口部22aが設けられている。たとえば、照明開口部22aには、誘導要素22(図1a参照)の光ファイバーの端部セクションが設けられている。
図示されている例は、3D光音響とパルスエコー超音波イメージングを組み合わせ、深く高品質な光音響イメージングを達成することを可能にする新規性のあるトランスデューサに関係する。
同時光音響イメージングおよび超音波イメージング機能は、新しい診断イメージングアプローチを臨床に導入するのを成功させるために非常に重要である。この新規性のあるトランスデューサは、より広い照明パターンを有していながら2D超音波画像と平行して3D光音響画像を生成することができ、この新規性のあるトランスデューサを利用可能な臨床治療装置に組み込むこともできる。
好ましくは、超音波(US)イメージング機能は3D光音響イメージングプローブに組み込まれるが、これは多数の技術的課題を課す。
パルスエコー超音波とは対照的に、3D光音響イメージングの効率的画像取得は、専用設計の球状マトリクスアレイ(第1の検出ユニット23)を用いて達成され、撮像物体の周りを広く断層的にカバーする。比較的弱い光音響反応を検出する感度を高めるために、個別の素子は大きいサイズを有するように設計されており、したがって、高解像度でアーチファクトのない画像をレンダリングするために要素のピッチを小さくする必要がある、パルスエコー超音波検査法には適さなくなる。
これは、球状アレイセグメントと直線状アレイセグメントとを組み合わせたマルチセグメントアレイトランスデューサ幾何学的形状を提供することによって対処される。これは、MSOTとUSの両方のモードで最適なイメージング性能を可能にする。
検出器要素のサイズ、ピッチ、分布のようなパラメータ選択は、好ましくは、異なるレイアウトのシミュレーションによって駆動される。
好ましくは、超音波検出器アレイの開発(直線状アレイセグメントおよび球状アレイセグメントにより組み合わされたUSイメージング)は、特定の用途の要件、特に小型化の課題(直径数センチメートル以内に数百個の要素)、および活性面の球状幾何学的形状に制約されるイメージングアレイの一体化の課題に取り組む。
アレイの一般的な構成は、限定はしないが、アレイ幾何学的形状(開口、曲率半径、要素の数、要素のサイズ、およびピッチ)、その周波数、および要素の分布を含み得る。
光音響イメージング部分は、利用可能な角度トモグラフィーカバー率を最大化しながら広い周波数範囲にわたって高い信号対雑音比(SNR)により高感度検出を行うように最適化されている。パルスエコーUSイメージング専用のアレイセグメントは、サイドローブアーチファクトを最小限に抑え、画像内のコントラストを最大化しながら、高解像度イメージングを可能にするように設計されている。
好ましくは、使用される可能性のある能動的圧電性材料(ピエゾ複合材料)と受動的材料(バッキング、音響整合層)および電気部品(トランス、キャパシタンスまたはインダクタンス)の幾何学的形状および/または機械的/電気的特性が考慮される。最高の性能(帯域幅、SNR、受信モードでの受光角)を得るために能動的および受動的材料の特性が最適化される。
好ましくは、USイメージングアレイセグメント(第2の検出ユニット24)は、光音響イメージング専用のセグメント(第1の検出ユニット23)と密接に一体化されている。2つのアレイセグメントの間の不感帯は、好ましくは最小化されるが、それは、不感帯は全体的な画質に影響を及ぼす可能性があるからである。トランスデューサアレイの能動的開口と全体のサイズは、コンパクトな(小型化された)ハンドヘルド設計を可能にするために好ましくは最小化される。
好ましくは、ピエゾ複合材料は、プロトタイプを製造するために使用される。
次の構成が特に好ましい。
- 直線状アレイセグメント(第2の検出ユニット24)が同じピエゾ複合材料からなる球状マトリクスアレイ(第1の検出ユニット24)の中心に置かれ、2つの部分は同じ周波数を中心としており、したがって結果として最もコンパクトな構造が得られている。
- 代替的に、直線状アレイセグメント(第2の検出ユニット24)は別々に作製され、後から球状マトリクスアレイ(第1の検出ユニット23)内の専用窓内に組み込むことができる。この場合、直線状アレイセグメントは、より高い周波数を有することができ、したがって、より低い検出周波数帯においてMSOTモードで高解像度USイメージングおよびより深い侵入の両方を可能にすることができる。しかしながら、その場合には、2つのアレイセグメントの間のギャップ(不感帯)は大きくなる。
- 直線状アレイセグメント(第2の検出ユニット24)のアウトソーシングは、もう1つの選択肢であり、その場合、標準的な市販品がパルスエコーUSイメージングに適応され得る。これは、トランスデューサアレイ(第1の検出ユニット23)の3D OAイメージングの性能をさらに最適化することを可能にする。
球状アレイセグメント(第1の検出ユニット23)の正確な幾何学的形状は、好ましくは、シミュレーション研究に基づき決定することができるが、その開口は、好ましくは4cmを超えてはならない。これは、好ましくは、
- 複数の、たとえば512個以上の、個別の検出要素を比較的小さい、湾曲度の大きい表面上に組み込むこと、
- ノイズを最小限度に抑えるための遮蔽を含む、デジタル化電子機器との接続、によって対処され得る。
特に、アレイは、好ましくは、湾曲度の高い(半径<5cm)表面上に作られるが、その一方で、亀裂の発生が防止され、最終的なアレイの幾何学的形状は制御されてよく、要素間で一貫した性能が実現される。
専用照明アプローチも好ましく、第1の検出ユニット23の能動的アレイ表面内の複数の開口部22aは、誘導要素22のファイバーバンドルを挿入するために設けられている(図1a参照)。外側材料(前面、ハウジング)は、好ましくは、画像アーチファクトをもたらすであろう光吸収および寄生放射を防止する。
好ましくは、高結合係数圧電性材料(たとえば、単結晶)が、直線状アレイセグメントの有効帯域幅を改善するために使用される。好ましくは、高度なUS場シミュレーションが、意図された臨床イメージング用途に対する設計パラメータの関連性を評価するために採用され得る。これらの材料を使用してプロトタイプを実現することを可能にするために特定のプロセスが開発される。
好ましくは、アレイの電気インピーダンスは、電気的環境に合わせて選択される。
MSOTのイメージング部分については、受信モードでの電気音響的挙動が次のように調査され得る。
- 受信伝達関数(発生電圧と受信圧力との比)が測定され、その周波数スペクトルからバンド幅が推定される。
- 受光角が測定される。
- 雑音と受信伝達関数の測定結果から、最小検出可能圧力(MDP)が周波数および空間において推定される。
アレイのビームフォーミング能力は、最終システムに組み込む前に、実験室で電子機器を駆動して評価され得る。
望ましいハンドヘルドプローブの小型化およびより深い組織侵入は、超音波アレイ設計およびそれに付随するレーザー照明解決手段の両方にとって厳しい要件である。MSOTイメージングモードで有効な3cm侵入深さを達成するために、好ましくは、OPOレーザーの出力において最大100mJのパルスごとのレーザーエネルギーが使用され、トランスデューサの開口は深部組織領域からの検出用に最適化される。近赤外線領域における人体皮膚曝露に対するレーザー安全基準を満たすために、複数のファイバーバンドルを通して、またはピエゾ素子を介在させたファイバー照明を用いる、かのいずれかで、レーザーエネルギーが患者の皮膚表面上の>3cmの面積にわたって分配され得る。さらに、光伝搬経路全体の数値シミュレーションを行うことが好ましく、全体的な目標は散乱および吸収のある生体組織内深部の標的撮像領域への光照射を最適化することである。さらに、新たなイメージングプローブ25のための最適なケーシング25aが好ましく、このケーシングは、好ましくは、第1および第2の検出ユニット23、24を備える新しいアレイトランスデューサ、ならびにマルチアームおよび/またはトランスデューサ交互配置光照射システムとを組み込む。ケーシング設計は、好ましくは、音響的および光学的に透明な結合媒体を含み、これにより、信号損失および収差を軽減する。サイズおよび重量は、小児用小接触面積イメージングの特定の要件も満たしながら、ハンドヘルドイメージングのために最適化され得る。
好ましい検出ユニットを用いることで、高品質なボリュメトリックMSOTおよびパルスエコーUS画像の同時リアルタイム取得およびレンダリングが達成される。企図されているハイブリッドモードハンドヘルド超音波プローブ25および付随する電子機器は、好ましくは、多数の要素からのリアルタイムデータの記録を必要とする。このような記録の結果、特に非常に長いイメージングセッションの場合に、データ取得/転送速度、信号処理およびメモリ記憶に関して困難な要件をもたらす可能性がある。
これらの課題は、好ましくは、同時リアルタイムイメージングに必要なデータの量ならびに対応するデータ処理およびストレージ要件を劇的に低減する新しいクラスのスパース取得および圧縮センシング(CS)アルゴリズムによって満たされる。これらの画像再構成アプローチは、CS対応ランダムチャネル取得高速電子機器上に実装することによって円滑にされる。アルゴリズムを開発する際には、空間、時間、およびスペクトル領域における基礎となる高い信号冗長性およびスパース性が有益であり、結果として得られる画質および信号数量化能力を損なうことなくアンダーサンプリングデータを使用した高フレームレート(>25Hz)ボリュメトリックMSOTおよびパルスエコーUS画像のレンダリングが可能にされる。
好ましい検出ユニット25は、特にDMDを診断するために、筋肉組織および/または筋肉領域の幾何学的形状、音響、および/または光学特性を決定するのに特に適している。
好ましくは、好ましい検出ユニット25を使用するデバイス、システム、および/または方法は、コラーゲン、ヘモグロビン、ミオグロビン、および脂質などのバイオマーカーの検出に基づき高められた診断精度を提供することを可能にする。
それに加えて、非常に若い患者を診断するときの特定の物理的課題は、好ましくは、
(a)システムの機動性を高めるために著しく小さいフットプリントを有するOPO(光パラメトリックオシレータ)レーザーを使用することと、
(b)患者(特に乳児)がゴーグルをしなくても治療できるように、レーザー安全性要件を(新しいレーザークラス1cに)下げること、
(c)時間をかけて繰り返し測定するための新しいレーザーのキャリブレーション、照明の最適化、検出深度および感度の向上、
(d)単一プローブ25において3D光音響イメージングをパルスエコー超音波と組み合わせるようにトランスデューサの設計を高めること、
(e)小さい手足および身体との接触が確実になされ得るように、トランスデューサを物理的に小さくすること、
(f)システムデータ処理機能を強化すること(新しい検出器のための新しい再構成アルゴリズム、リアルタイム3D画像処理、アーチファクト除去による画像の改善)、ならびに
(g)自動化された画像改善のために人工知能を使用することによる後処理および解析の改善、画像領域内の関心領域(ROI)のセグメンテーションおよび選択、ビッグデータセットに対するバッチ解析アルゴリズムの開発、
(h)既存のパイロットスタディおよびMRIデータ、ならびに小規模縦断的臨床治療のフィージビリティスタディとの比較による異なる筋疾患の小規模コホートにおける新しいプロトタイプシステムのシステム性能の実証および検証によって扱われる。
特に、本発明は、治療的介入に対する患者の反応を監視することを可能にし、したがって、現実世界の状況においてより良い臨床的意思決定を伝えることを可能にする。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーにおける非侵襲的インビボ分子イメージングバイオマーカーとしてのコラーゲン
本発明のさらなる好ましい態様、特に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の評価および/または診断および/または治療および/または監視における非侵襲的インビボ分子イメージングバイオマーカーとしてのコラーゲンを使用することに関する態様が以下で開示される。
DMDは、最も一般的なX連鎖性致死的筋疾患であり、筋肉脂肪および線維形質転換を引き起こし、身体機能の進行性消失を生じる。これまで、治療反応評価は、個別身体検査にだけ基づいている。
本発明の好ましい適用例によれば、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの疾患評価のために、マルチスペクトル光音響トモグラフィー(MSOT)を使用して筋コラーゲン含有量を定量化することが可能である。DMDの患者およびマッチする健康な有志被験者を含む小児横断試験では、筋肉中の平均コラーゲン含有量は、グループ間で統計的に有意に異なることが判明した(15.29±2.36 a.u.対25.05±2.66 a.u.)。さらに、コラーゲン含有量は、6分間歩行試験(6-MWT)に基づくような臨床機能と有意に相関していた。したがって、MSOT由来コラーゲンは、DMDにおける病勢進展監視のための潜在的年齢独立イメージングバイオマーカーであり、今後の応用のための見本である。
特に、i)マルチスペクトル光音響トモグラフィー(MSOT)による拡張近赤外線イメージングがインビボでコラーゲンの検出を可能にし、ii)MSOT由来コラーゲンがデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の疾患増悪監視のための非侵襲的バイオマーカーとして使用できると決定されている。
トランスレーショナルフィージビリティスタディは、i)雌保菌豚(DMD+/-)の生後1から3日の子豚の盲検ケースコントロール研究、およびii)ファーストインペディアトリックモノセントリック(first-in-pediatric monocentric)、非盲検、並列化臨床試験を含んでいた。
研究に参加したのは、i)3つの異なる腹の子豚17匹(N=10匹の野生型(WT)およびN=7匹のDMD子豚)、ii)歩行可能な、男子、3歳から10歳のN=10人のDMD患者、およびN=10人の性別と年齢がマッチした健康な有志被験者(HV)であり、既存の筋疾患を有するHVは除外された。
すべての参加者は、定められた筋肉領域の1段階非侵襲的インビボ2Dおよび3D(子どものみ)マルチスペクトル光音響トモグラフィー(MSOT)を受けた。
主な比較は、WT/HV群とDMD群との間の筋コラーゲン含有量(平均値および最大値)であった。
その結果、2D MSOTは、対照群と比較して増大するcollagen_MEAN/collagen_MAX信号を用いてDMD子豚および患者の線維性筋変性を検出することができる。さらに、3D MSOTは、HVと比較して、DMD患者ではcollagen_MEAN/collagen_MAXが有意に増大し、HbRおよびHbO2信号が減少していることを示している。collagen_MEAN/collagen_MAXの程度は、実験組織病理学の結果に対応しており、また、人間の身体能力(たとえば、6分歩行テストとcollagen_2D-MEAN)は、年齢(たとえば、年齢とcollagen_2D-MEANの比較)から独立していることを示している。
好ましくは、この研究では、画像は、25HzのパルスNd:YAGレーザー、ならびに光音響および超音波検出のための2つの検出器ユニットを備えるハイブリッド超音波MSOTシステムにより取得された。マルチスペクトル光音響トモグラフィーの信号は、680、700、730、760、800、850、920、1000、1030、1064、1100nmで取得された。
好ましくは、30mmの視野および<150μmの空間分解能を有する2D凹型ハンドヘルド検出器(中心周波数4MHz、256個のトランスデューサ要素)が、断面画像を提供し、反射型超音波コンピュータ断層撮影(RUCT)ユニットと組み合わせて、検査中の光音響イメージングを解剖学的に誘導する。好ましくは、15mmの視野と100μmの空間分解能を有する3D半球型ハンドヘルド検出器(中心周波数8MHz、256個のトランスデューサ要素)が、等方的ボリュメトリック光音響画像を提供する。透明超音波ゲル(AQUASONIC clear(登録商標)、Parker Laboratories Inc.、米国ニュージャージー州フェアチャイルド所在)が、検出器と皮膚との間の結合に使用された。多角形関心領域(ROI)は、MSOT信号に応じて筋膜の直下に留置された。
MSOTデータは、直接逆投影で再構成され、2D検出器で取得した画像に対して空間的なフルエンス補正が適用された(μ=0.022、μ=10cm-1)。スペクトルアンミキシングを使用して、HbR、HbO2、およびコラーゲンに対するMSOT値が取得された。コラーゲンアンミキシングは、スペクトル域全体の取得された波長に基づいたが、HbR、HbO2信号は、より高い波長における水の吸収率が高くなるので、アンミキシングがより正確であるサブレンジ(730nmおよび850nm)から計算された。920nmの単一波長が、脂質信号を表すために使用された。
図7は、新生豚のインビボ2D MSOTイメージングを例示する図を示している。
図7Aは、ハンドヘルド2D凹型MSOT検出器プローブ(4MHz中心周波数)のスキームを示しており、i)ExNIRレーザー光は筋肉組織に放射され、ii)吸収体(たとえば、コラーゲン)の熱弾性膨張は超音波を発生させ、iii)超音波は、検出器プローブによって検出される。
図7Bは、健常(WT)子豚(上段)とDMD子豚(下段)の例示的な画像を示している。関心領域(ROI、ボックス)は、反射超音波コンピュータ断層撮影画像(RUCT、治験責任医師を解剖学的に誘導するために使用される)で決定される。WT子豚とDMD子豚との間のスペクトルアンミキシングされた光音響コラーゲン信号の質的な違いは、それぞれのMSOT画像に示されている。マージされたMSOT/RUCT画像は、それぞれ、筋肉およびROI内のコラーゲン分布の可視化である。スケールバーは5mmを示している。
図7Cは、撮像された子豚筋組織(上段がWT、下段がDMD子豚)からのヘマトキシリン&エオシン(H&E、10倍の倍率)、マッソンのトリクローム(TriC、10倍と40倍の倍率挿入)、およびジストロフィン(Dys1、40倍の倍率)免疫組織化学染色を示している。H&Eは、破壊筋肉構造、TriC増大コラーゲン含有量、およびDys1ジストロフィン発現パターンを示している。黒色ボックスはより高い倍率に対する部位を表している。スケールバーは100μmを示している。
図7Dは、WTとDMD子豚の間に統計的に有意な信号差のあることを示す両方のグループのプールされた平均および最大コラーゲン信号を示している。
N=17匹の子豚は、標準化されたMSOTイメージング、すなわち、肩(上腕三頭筋)と足(大腿二頭筋)の筋肉の横断走査を受けた。MSOTイメージング原理の概略的な説明が図7Aに提示されている。
DMDのトランスレーショナル豚モデルにおいて2Dイメージングアプローチが開発された。合計でN=112回走査(WTではN=64、およびDMDではN=48)が、N=17頭の子豚(WT、N=10頭、およびDMD、N=7頭)から取得された。超音波ガイドを使用して、関心領域(ROI)が調査される筋肉内に描かれ、それによりMSOTパラメータを定量化した(図7B)。罹患動物のエクスビボ組織病理学検査から、筋ジストロフィーおよびコラーゲン生成の質的な増大が確認された(図7C)。スペクトルアンミキシングを使用して、ROI内の平均および最大コラーゲン信号が計算された。WTと比較したときに、DMD子豚のすべての筋肉領域からのプールされたコラーゲン信号は、有意に増大していた(collagen_MEAN 14.22±1.96対22.68±3.48、collagen_MAX 27.69±1.68対40.84±4.88)。図7D参照。脱酸素化ヘモグロビン、酸素化ヘモグロビン、およびトータルヘモグロビンの信号レベルには差異はなかった。探索的受信者動作特性(ROC)解析は、MSOT由来コラーゲン信号が健康な子豚と病気の子豚とを区別でき、優れていることを示した。
図8は、DMD患者および健康な有志被験者(HV)におけるインビボ2D MSOTイメージングおよびコラーゲン定量化を例示する図を示している。
図8Aは、2D MSOT検出器プローブによる3歳のHVのリアルタイムイメージングの例示的な写真を示している。
図8Bは、5歳のDMD患者(DMD、右のパネル)と比較した7歳の健康な有志被験者(HV、左のパネル)の4つの解剖学的領域からの横断走査の例示的なRUCTおよびMSOT画像を示している。RUCT画像は、検査の際に解剖学的ガイドのために取得された。MSOT/RUCTマージ画像は、ヘモグロビンおよびコラーゲンのMSOT信号を、好ましくは、RUCT階調画像上に重ねられた色分けマップとして示している。コラーゲン信号強度の質的な差は、両方のグループの間のすべての筋肉領域において見られた。RUCT画像内のボックスは、信号定量化に使用された関心領域を示している。
図8Cは、DMD患者(c)のコラーゲンの正規化された光音響スペクトル、HV(b)、DMD患者とHVとの間の比率(a)、および文献(d)を示す。DMD患者で見つかったコラーゲンスペクトルは、文献に見られるスペクトルと一致していた(コラーゲンのピークは1000nmで示されている)。
図8Dは、HVとDMD患者を比較したときの有意差を示すプールされた平均および最大コラーゲン信号(a.u.)を示している。
図9は、DMD患者および健康な有志被験者におけるインビボ3D MSOTイメージングを例示する図を示している。
図9Aは、ハンドヘルド3D半球状MSOT検出器プローブ(8MHz中心周波数)のスキームを示している。
図9Bは、図8と同じ2人の少年の3D画像を示している。上段:7歳の健康な有志被験者(HV)。下段:5歳のDMD患者(DMD)。2つの軸(XZおよびYZ)の腓腹筋、および3Dボリュメトリック(体積)領域の最大投影画像が、HbT、collagen_MEAN、および脂質の色分けされたマップとともに描かれている。
図9Cは、3D MSOTパラメータ(HbR=脱酸素化ヘモグロビン、HbO2=酸素化ヘモグロビン、HbT=トータルヘモグロビン、C_MEAN=collagen_MEAN、C_MAX=collagen_MAX)の定量化の例を示している。黒いドットはHVを表し、灰色のドットはDMD患者を表す。
合計でN=320回の走査(参加者1人あたり8つの筋肉の横方向および縦方向の走査)が取得された。2Dおよび3D画像に対する平均走査時間は、DMD患者では6.3±0.8分、HVでは6.7±0.6分であった。
リアルタイムインビボ2D MSOTイメージングの一例が図8Aに提示されている。さらに、単一のHVおよびDMD患者の4つの解剖学的領域(前腕屈筋、二頭筋、四頭筋、および腓腹筋)の例示的な横断画像が図8Bに提示されている。患者のデータから抽出されたMSOT由来コラーゲンスペクトルは、文献に記載されている予想スペクトルとよく似ていた(図8C)。前臨床モデルに従って、各筋肉が、平均および最大コラーゲン含有量について解析された。すべての筋肉領域が、すべてのMSOTコラーゲンパラメータに対する両方のグループの間の統計的有意差を示した。ここでもまた、すべての解剖学的領域の信号レベルをプールした後、有意差が、平均コラーゲン含有量(collagen_MEAN 15.29±2.36 a.u.対25.05±2.66 a.u.)および最大コラーゲン含有量(collagen_MAX 27.62±3.06 a.u.対40.17±3.18 a.u.)に見られた(図8D参照)。両方のグループの間の脂質(68.47±4.92 a.u.対71.95±6.60 a.u.)、脱酸素化ヘモグロビン(HbR 30.55±6.49 a.u.対28.86±5.28 a.u.)、酸素化ヘモグロビン(HbO2 60.05±5.55 a.u.対60.86±3.61 a.u.)、およびトータルヘモグロビン(HbT 89.55±11.06 a.u.対89.72±7.85 a.u.)の信号に差は見られなかった。
合計でN=320枚の超音波画像が評価されたが、すべてのHVは低エコー、不均一で、中から粗までの粒状筋肉を示した(Heckmattスケール:1)。DMD患者では、N=68(42%)が高エコー、N=2(1%)が均質性、N=18(11%)が限局性、N=24(15%)が細粒状筋変化を示し、52(33%)の筋肉がHeckmattスケールで2以上のスコアを示した。超音波画像から導出されたコラーゲン(2D collagen_MEAN)とHeckmattスケールとの間に弱い相関が見られた(Pearson r=0.34)。
3D MSOTコラーゲンイメージングでは、合計N=160回の3D走査が取得された。皮下脂肪信号は類似しているが、コラーゲン信号は、グループ間で明確に異なる。皮下組織の検出は、3D検出器のプローブの設計によって可能にされる(図9Aおよび9B)。上述の2D解析アプローチと同様に、3Dデータセットは、すべての解剖学的領域内で平均および最大コラーゲン含有量の有意差を示した。各参加者に対するプールされた平均および最大コラーゲン信号が解析されたが、これは有意差を示した(collagen_MEAN 5.42±0.81 a.u.対11.39±1.02 a.u.、collagen_MAX 12.95±1.18 a.u.対23.84±3.13 a.u.)(図9C参照)。
注目すべきは、3D検出器で取得されたHbRおよびHbO2に対する光音響信号に有意な差が見られたことである。DMD筋肉において、HbRおよびHbO2は大幅に減少していた(HbR 9.13±2.38 a.u.対5.86±1.90 a.u.、HbO2 15.70±3.63 a.u.対7.47±1.18 a.u.)。(図9C参照)。平均コラーゲン含有量は、筋肉の脱酸素化ヘモグロビン含有量および酸素化ヘモグロビン含有量と負に相関した。
さらに、すべてのMSOTコラーゲンパラメータと6-MWTとの間に有意な負の相関が見られた(collagen_2D-MEAN -0.75、collagen2D-MAX -0.74、collagen_3D-MEAN -0.73、collagen_3D-MAX -0.73)。他のタイムド機能テスト(仰臥位からの立ち上がり、10mの歩行/走行、4段の階段昇降、8段の階段昇降、座って立つ)および徒手筋力テスト(MRC)は、椅子からの1回の立ち上がりおよび下肢遠端のMRCがcollagen_MAXと相関した以外は、一貫してコラーゲン信号との相関を示した。タイムド機能テストおよび徒手筋力テストは、MSOTコラーゲン信号と有意に相関していたが、個人の年齢に対する相関は観察されなかった。
図10は、子豚の2D-MSOTパラメータの概要、すなわち、プールされた(各子豚のすべての筋肉領域の)MSOT信号を与える表を示している。MSOTコラーゲンパラメータ(collagen_MEANおよびcollagen_MAX)に対するマルチスペクトルアンミキシングは、すべての取得された波長(680、700、730、760、800、850、920、1000、1030、1064、1100nm)から導出された。MSOTヘモグロビンパラメータ(HbR、HbO2、HbTotal)に対するマルチスペクトルアンミキシングは、より高い波長における水の吸収率が高くなるので、アンミキシングがより正確であるサブレンジ(730nmおよび850nm)から導出された。collagen_MEAN/collagen_MAXは、WTとDMD子豚の間で統計的有意差を示したが、hemoglobin_R/O2/Total含有量は、コホート間で差が見られなかった。
図11は、領域を走査することによってソートされた平均および最大2D-MSOTコラーゲン信号の概要を記載した表を示している。MSOTコラーゲンパラメータ(collagen_MEANおよびcollagen_MAX)に対するマルチスペクトルアンミキシングは、すべての取得された波長(680、700、730、760、800、850、920、1000、1030、1064、1100nm)から導出された。すべての領域は、HVとDMD患者との間に統計的有意差を示した。
図12は、ヒトの2D-MSOTパラメータの概要、すなわち、プールされた(各参加者のすべての筋肉領域の)MSOT信号を与える表を示している。MSOTコラーゲンパラメータ(collagen_MEANおよびcollagen_MAX)に対するマルチスペクトルアンミキシングは、すべての取得された波長(680、700、730、760、800、850、920、1000、1030、1064、1100nm)から導出された。MSOTヘモグロビンパラメータ(HbR、HbO2、HbTotal)に対するマルチスペクトルアンミキシングは、より高い波長における水の吸収率が高くなるので、アンミキシングがより正確であるサブレンジ(730nmおよび850nm)から導出された。920nmの単一波長が、脂質信号を表すために使用された。collagen_MEAN/collagen_MAXは、HVとDMD患者の間で統計的有意差を示したが、hemoglobinR/O2/Total含有量および脂質含有量は、コホート間で差が見られなかった。
図13は、ヒトの3D-MSOTパラメータの概要、すなわち、プールされた(各参加者のすべての筋肉領域の)MSOT信号を与える表を示している。MSOTコラーゲンパラメータ(collagen_MEANおよびcollagen_MAX)に対するマルチスペクトルアンミキシングは、すべての取得された波長(680、700、730、760、800、850、920、1000、1030、1064、1100nm)から導出された。MSOTヘモグロビンパラメータ(HbR、HbO2、HbTotal)に対するマルチスペクトルアンミキシングは、より高い波長における水の吸収率が高くなるので、アンミキシングがより正確であるサブレンジ(730nmおよび850nm)から導出された。すべてのMSOTパラメータは、HVとDMD患者との間に統計的有意差を示した。
要約すると、開示されているトランスレーショナルアプローチは、DMDにおけるバイオマーカーとしてのコラーゲンの定量的検出を行う、新規性のあるインビボ造影剤不使用、非侵襲的イメージングモダリティとしてのMSOTの潜在的役割を示唆している。
拡張近赤外領域(exNIR)の波長の利用は、これまで臨床現場では、特に小児科学では、なされていない。本明細書において開示されている研究結果は、大型動物モデルにおけるこの研究で示されているような、インビボの線維形成過程を伴う変性の監視のためにMSOTによる筋肉中のコラーゲン含有量の定量的評価を示唆している。抽出コラーゲンスペクトルは、以前に報告された光音響スペクトルと一致しており、コラーゲンの可視化および定量化は、すべての解剖学的領域で実現可能であり、病気の動物と健康な動物、さらにはヒトコホートの間で、統計的有意差を示した。DMD子豚では疾患増悪が加速され、早期に構造的な変化が起こることから、今回の研究で動物とヒトの研究結果を比較することが可能になった可能性がある。
現在、DMDに対するいくつかの新しい治療法が調査中であるが、現在までのところ、客観的監視技術および年齢独立バイオマーカーの確立の必要条件は臨床現場では満たされていない。これまでのところ、6-MWTは、DMDの疾患評価に対して最も一般的に使用されている主要評価項目であるが、本質的に、能動的患者コンプライアンスを必要とする。これらの検査を正確に遂行する複雑さおよび協力行動への依存性は、筋肉機能検査の意義をより若年の患者に限定する。最近の試験は、5~7歳以上の年齢のDMD患者に制限されており、早期の治療的介入に関する結論を出すことを妨げている。超音波イメージングおよびMRI(磁気共鳴イメージング)のような確立されたイメージングモダリティと比較して、MSOTは定量的非侵襲的ベッドサイドイメージングモダリティである。MRIは、治療監視の潜在的能力を示しているが、画像取得時間が長く、通常は不快感を伴い、固定および、幼児期には、鎮静を必要とする。開示されている研究では、MSOTが最低年齢3歳までの被験者に実施可能であることが示されており、最短走査時間は、任意の生後年齢であっても実施可能であることを示唆している。
2Dおよび3D検出器に対するわずかに異なるイメージング結果は、この研究において使用されている検出器の技術的な設計の違いを反映していることがあり得る。HV患者とDMD患者との間の筋肉の脱酸素化および酸素化ヘモグロビン含有量の違い、ならびにヘモグロビンとコラーゲンとの間の負の相関関係は、DMDの根底にある筋肉変性の病態生理学的機序と一致している。顕著なのは、可能性が高いこととして、皮下脂肪組織の吸収率が高いので、MSOTを使用したのでは脂肪変換が検出され得ないことであった。
開示されている研究は、マルチスペクトル光音響イメージングを小児に初めて使用したものであるので、実現可能性設計の制限があり、したがって、被験者の数でも制限される。それでもなお、この探求調査では、N=320の2D走査およびN=160の3D走査が記録され、これはDMDに対する特異性および感度が高い診断ツールとしてのMSOTの能力を明確にしている。
この研究は、MSOTコラーゲンパラメータと臨床筋肉機能との間に、年齢独立の、統計的に有意性の高い負の相関関係を示した。したがって、今後の研究では、損傷筋肉の超微形態的回復につながる新規性のある因果的治療アプローチが、MSOTを使用して直接可視化され得る。実験的組織から最初の入院患者適用に至るまでの開示されたアプローチは、MSOT由来コラーゲン検出および定量化をDMDにおける病勢進展を監視するための潜在的な年齢独立イメージングバイオマーカーとしてサポートする。
以下では、上で開示されている態様a)からz)の少なくとも1つに記載の光音響システム、光音響デバイス、方法、およびコンピュータプログラムの好ましい実施形態、要素、特徴、特性、利点、および/または代替的形態について説明する。
光音響トモグラフィーシステムは、前例のないボリュメトリックイメージング速度を達成し、それにより、迅速な生物学的ダイナミクスの洞察を可能にし、このモダリティの臨床応用におけるマイルストーンとなっている。高速なイメージング性能は、多くの場合に、視野制限という代償を伴い、より大きな組織体積を対象とする潜在的応用を妨げ得る。撮像視野が、潜在的に、スキャニングを介して、イメージングプローブの位置を追跡する追加のハードウェアを使用して、拡大され得る。しかしながら、このアプローチは、任意の軌跡に沿ってフリーハンドモードで実行される高解像度容積走査に対しては困難である。
したがって、微速度撮影光音響データの空間合成のための正確なフレームワークが、好ましくは、本明細書において開示されている光音響データを解析するためのデバイスおよび方法、光音響データを生成し、解析するための光音響システムの態様と組み合わせて、好ましくは使用される。
方法は、好ましくは、光音響画像中の構造物、好ましくは血管網、の周波数領域特性を利用し、イメージングプローブの相対的運動および配向を推定する。これは、追加の追跡ハードウェアなしで順次的ボリュメトリックフレームを大面積走査に迅速に組み合わせることを可能にする。このアプローチは、キャリブレーションされた走査システムで取得された2Dまたはボリュメトリック(3D)データを合成することに普遍的に適用可能であるが、最大6の自由度のフリーハンドモードでも使用できる。スパイラルボリュメトリック光音響トモグラフィーを用いたマウス全身イメージング、およびボリュメトリックイメージングプローブを使用したヒトの血管網のフリーハンド可視化について、ロバストな性能が実証されている。複数の空間および時間スケールでの血管造影観察の新たに導入された機能は、前臨床研究および臨床診断における光音響イメージング技術の使用を、特に本開示の態様と組み合わせて大きく促進することが期待される。この技術は、走査型蛍光顕微鏡、光コヒーレンストモグラフィー、または超音波検査法などの他の生物医学的イメージングモダリティにも同様に有益であり、したがって、高速イメージング性能と視野との間のトレードオフの関係を最適化することができる。
方法、システム、デバイス、およびしかるべきコンピュータプログラムは、好ましくは、光音響データを解析するアプローチに基づくものであり、これは、S1)プローブ、特にハンドヘルドプローブから光音響データを受信することであって、光音響データは、2つまたはそれ以上の異なる照射波長の時間的に変化する、特にパルスの電磁放射線を組織に照射したことに応答して組織、特に筋肉組織を含む、組織中に発生し、プローブが組織に関して、特にプローブの異なる配置および/または配向を含む、複数の異なるプローブ位置に、移動される、特に平行移動され、および/または回転されている間に、プローブのトランスデューサ要素の凹状、特に球状の形状のマトリクスアレイによって検出された音波に関係する、受信すること、s2)異なる照射波長およびプローブ位置で検出された音波に関係する光音響データに基づき、特に3Dの、光音響画像(本明細書において「単一波長光音響画像」または「単一波長MSOT画像」とも称される)を再構成して、異なる照射波長の各々に対して、異なるプローブ位置について取得された、光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)を取得すること、s3)異なる照射波長の各々について、光音響画像のシーケンス(i、n=1...N)から、合成された、特に3Dの、光音響画像(i)を、i)シーケンスの初期光音響画像(i)に関するシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)の配置(T、n=2...N)および/または回転(Θ、n=2...N)を決定することと、ii)シーケンスの初期光音響画像(i)に関するシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)の決定された配置(T)および/または回転(Θ)を考慮することによって合成光音響画像(i)を取得するようにシーケンスの少なくとも1つの光音響画像(i)をシーケンスの初期光音響画像(i)と結合することとによって、生成すること、s4)異なる照射波長について生成された合成光音響画像に基づき組織中の物質、特に、コラーゲンなどの構成要素および/またはバイオマーカーの、濃度(「第1の値」とも称される)の、特に3次元の、空間分布に関係する少なくとも1つの、特に3Dの、濃度画像(「MSP画像」とも称される)を決定することによるものである。
このアプローチにより、連続フレーム(画像)間のフリーハンドプローブの動きは、イメージングデータから推定され、それにより、調査対象の組織の大きな体積の合成光音響画像iを得ることができる。
以下では、大面積の容積走査を使用して取得された微速度撮影OAデータの空間合成のためのフレームワークについて詳細に説明する。この方法は、OA画像内の構造的、特に血管の、網の周波数領域特性を利用しており、これは、追加の追跡ハードウェアを使用せずに順次的ボリュームメトリックフレームを大面積走査に最適な形で組み合わせることを可能にする。
好ましくは、血管パターンは、通常、本明細書において開示されている球状アレイベース(3D)プローブによって取得されたボリュームメトリックOA画像内で識別され得る。
しかしながら、本明細書において開示されているOA画像の空間合成のためのフレームワークは、必ずしも血管構造を含む組織のOA画像を必要としないことに留意されたい。むしろ、撮像体積または組織内の任意の構造(すなわち、皮膚または皮膚層、脂肪組織、結合組織、筋肉など)は、以下でさらに詳細に説明されているように周波数領域特性に関して解析され得る。
図14は、フーリエ変換ベースの3Dモーション推定を例示する概略図を示している。(a)任意のフリーハンドモーションに対応する自由度6を示している、実験研究で使用された3D光音響トモグラフィープローブのレイアウト。(b)2D回転推定は、ボリュメトリック画像フレームの最大強度投影(MIP)に基づいており(ステップ1)、最も明るいピクセルに縮小される(ステップ2)。フーリエ変換(ステップ3)と解像度向上(ステップ4)を施した後、スペクトルは異なる回転角度について相関され、x軸、y軸、およびz軸に対してRCFを得る。回転パラメータは、RCFの最小二乗近似(LSA)後に抽出される(破線)。(c)それぞれ2つの連続する青のフレームiと赤のiに基づく平行移動推定(ステップ1)。フレームは、最も明るいボクセルで表される関連構造に縮小され(ステップ2)、その後PoCが計算される(ステップ3、式8および9)。最後に、ガウス雑音抑圧後、平行移動パラメータが抽出される(ステップ4)。
OA画像は、図14aに概略として示されている球状マトリクス超音波アレイにより取得され得る。簡単に言うと、直径8cmの球状アレイは256個以上の高密度分布するピエゾ複合材料素子からなり、これは4MHzの中心周波数および~100%の検出帯域幅(半値半幅)を有し、その結果、球状アレイ幾何学的形状の中心の周りでは200μmの有効点広がり関数(空間分解能)が得られる。光学的励起では、アレイの中心空洞を通してファイバーバンドルで誘導される光学パラメータ式発振器(OPO)レーザーが設けられた。レーザーは、1パルスあたり680~950nmの高速波長周波数同調性と、1064nmのビーム出力をさらにもたらす。レーザーのQスイッチ出力でトリガーされる、カスタムメイドのデータ収集システムは、さらなる処理および記憶のために、検出された個別の圧力波形を40メガサンプル/秒で2値化し、同時にそれらを1Gbps Ethernet接続を介してPCに転送するために使用された。取得された信号は、圧電検出要素の電気インパルス応答と逆畳み込みされ、カットオフ周波数0.1MHzおよび6.0MHzでバンドパスフィルタ処理され、その後、逆投影再構成手順で処理されたが、これについては、X. L. Dean-Ben、A. Ozbek、およびD. Razansky、「Volumetric Real-Time Tracking of Peripheral Human Vasculature With GPU-Accelerated Three-Dimensional Optoacoustic Tomography」、IEEE Trans. Med. Imaging、vol. 32、no. 11、2050~2055頁、2013年11月において説明されているとおりである。各取得されたフレームについて、120×120×120のボクセルを含む12mm×12mm×12mmの体積が再構成された。
任意の走査軌跡に従ってリアルタイムOAスキャナーで取得された連続する3D画像の相対的な位置および配向は,一般に、平行移動および回転の重ね合わせとして表すことができる。平行移動を、x、y、およびz方向の変位を記述するベクトルt=[t,t,tによって表し得るが、回転は、対応する軸の周りの回転角を記述するベクトルθ=[θx,θy,θz]で表され得る(図14a)。これは、任意の運動に対して合計6の自由度をもたらす。
後続の取得の間の回転は、回転されたフーリエスペクトルを相互相関させ、最良適合を達成する回転角度を選択することによって推定されてよく、これは、好ましくは、MRIで使用されるPROPELLER法に基づき、複数の軸の周りの3D画像および回転について一般化される。i(x,y,z)とi(x,y,z)を、それでも異なる位置および配向で取得される十分な空間重なり度を有する順次取得された画像とする。i(x,y,z)の3Dフーリエ変換I(f,f,f)は、異なる角度組合せθ=[θ,θ,θで回転され(I θ(f,f,f)で表される)、i(x,y,z)のフーリエ変換I(f,f,f)と相互相関される。類似度メトリックとして、正規化相互相関(NCC)は、Ashish A. TamhaneおよびKonstantinos Arfanakis、「Motion Correction in PROPELLER and Turboprop-MRI」、Magn Reson Med、vol.62、no.1、174~182頁、2009年に従って計算され、次のように回転相関関数(RCF)として参照される。
Figure 0007463395000001
ただし、P1およびP2は、それぞれ、フレームi(x,y,z)およびi(x,y,z)の画像パワー(平均二次画像強度)である。RCF(θ,θ,θ)は、平行移動シフトに伴う位相差の影響を受けない。フレーム間の任意の回転は、
Figure 0007463395000002
として正確に推定される。
式(1)および(2)は、大量の計算を必要とする完全3Dアプローチであり、高解像度データに対して困難な場合があるので、3D画像の最大強度投影(MIP)を入力として使用する、近似法が推奨される。オイラーの回転定理によれば、任意の方向に沿った回転は、対応する直交座標に沿った3つの後続の回転に相当する。小さい回転角(|θ|<5°、i={x,y,z})については、回転後の点(x,y,z)の座標(x’,y’,z’)は、簡略化された回転行列、すなわち、
Figure 0007463395000003
を使用して近似的に計算できる。
その後、任意の軸に沿った回転が、3つの直交座標軸に沿った物体のMIPビューにどのような影響を及ぼすかを推定するものとしてよい。一般性を失うことなく、最初に、3D構造の上面図(z方向に沿う)が考察される。式(3)により、画像内の任意の点の新しい座標(x’,y’)は、この点の(回転前の)前の(x,y,z)座標から
Figure 0007463395000004
を介して推定することができる。
式(4)の第1の項は、z軸の周りの回転を表す。第2の項は、特定の構造の配向に応じて異なる効果を有し得る。可視光および近赤外線励起スペクトルでは、内因性OAコントラストは、主にヘモグロビンによって支配されており、画像では血管がもっぱら見える構造として現れる。z方向の法線に分布している血管については、(4)の第2の項は一定であり、xおよびyに沿った平行移動のみを表している。zに沿って広がっている他の血管については、この第2の項は非剛体運動に対応し、上面図に見られるような形状の歪みが生じる。その結果、x-y平面内で支配的伝搬方向を有する血管は、回転の前後でz軸MIPにおいて主重なり合い構造となる。同様に、回転前後のxまたはy軸MIPの相関は、もっぱら、それぞれ、xおよびyに垂直に広がる血管に対するものである。(1)の回転相関関数は、
Figure 0007463395000005
を介してより高速なMIPベースの方法に適合され得る。ただし、I1,MIP,i(f,f)およびIθi 2,MIP,i(f,f)は、回転の前後のi番目の方向に沿ったMIPのそれぞれの2Dフーリエ変換である。(5)の相関関数は、一般的に、θ=[θ,θ,θに依存することに留意されたい。しかしながら、前にそれとなく述べたように、相関関係は、主に、MIPビューに対応する直交座標軸の周りの回転に関連付けられており、相関関数はこの角度にだけ依存しているとさらに仮定される。x、y、およびz方向に沿った回転角は、
Figure 0007463395000006
を介して推定される。
回転角の2次元フーリエベースの推定は、画像フィルタ処理のセクションで紹介した画像フィルタ処理ステップを含めて図14bに示されている。
2つの連続するフレーム間の回転が推定され、補償された後、平行移動推定は、好ましくはR.Szeliski、Image Alignment and Stitching: A Tutorial、vol.2、no.1、2006年による、位相相関法を適合させることによって実行され、フレームi(x,y,z)はフレームi(x,y,z)を単にシフトしたバージョンである。イメージングシステムの有効FOVに入るか、または出るかのいずれかのアーチファクトおよび過渡構造を表す、雑音n(x,y,z)および干渉成分d(x,y,z)をさらに考慮することによって、2つの画像の間の関係は
Figure 0007463395000007
のように表される。
この関係は、フーリエ領域に変換され、
Figure 0007463395000008
として定義される位相相関関数(PCF)を計算する。ただし、項I (f,f,f)は、I(f,f,f)の複素共役である。PCFの逆フーリエ変換は、位相のみの相関(PoC)をもたらし、これは、画像が雑音または干渉する過渡構造の影響を大きく受けない場合に、平行移動tにおけるディラックのデルタ関数に対応する。この場合、これらの項は、PoC内の攪乱成分
Figure 0007463395000009
および
Figure 0007463395000010
として再び現れる、すなわち、
Figure 0007463395000011
である。
干渉成分がディラックのデルタ関数δ(x-t)に比べて無視できると仮定すると、平行移動tは、PoCの最大値から推定することができる、すなわち
Figure 0007463395000012
である。
平行移動推定のための方法の概略説明は、画像フィルタ処理ステップを含めて、図14cに示されている。
OA画像は、画像のフーリエ変換内に伝搬する、雑音、視野が制限されるアーチファクトに関連する負の値、さらには反射および残響アーチファクトの影響を受けることが知られている。RCFおよびPoCの両方の計算の精度を向上させるために、3D画像は、閾値処理されており、すべての画像内の最も明るいボクセルのみ、すなわち、最も支配的な画像特徴を表す最高強度を有するボクセルの0.1%が考慮される。閾値レベル未満の雑音および望ましくないアーチファクトは破棄される(図14b~図14cのステップ2)。この対策は、画像の強度ではなく、閾値画像特徴に沿ったシャープなエッジなどの、幾何学的形状に従ってシフトおよび回転パラメータが決定されるので不均一なレーザー光分布に起因する歪みを排除できる利点をさらに有する。
画像内のスペクトルエネルギーの大半は低い周波数に集中しているので、回転推定にはスペクトル的に関連する成分のみが選択された。この領域内のスペクトル分解能は、MIPのゼロパディングを介してフーリエ領域内のサンプル数を人為的に増やすことによってさらに高められた(図14b、ステップ3および4)。RCFは、一般的に、大域的最大値を有する凹状の形状を有する。しかしながら、実際には、雑音の影響を典型的には受けており、これは最大値の実際の位置をシフトし得る。より正確でロバストな推定値を得るために、RCFの最小二乗近似(LSA)は、高次多項式を用いて実行された(図14b、ステップ5)。
好ましくは、
Figure 0007463395000013
および
Figure 0007463395000014
に関連する雑音を軽減するために、ガウスローパスフィルタが、PoCにさらに適用される。PoCがディラックのデルタ関数を表さないが、複数の空間的に隣接する位置に分布している場合、ローパスフィルタ処理では、分布エネルギーをその空間的焦点に集中させ、フィルタ処理されたPoCに基づくより正確な推定値をもたらす(図14c、ステップ4)。
全体で、後続フレームの間のN-1個の回転θと平行移動tは、N個の順次取得されたフレームi(n=1...N)を含むOAデータセットから合成画像iをレンダリングするために推定される必要がある。このために、初期フレームiは、座標T=[0,0,0]および配向Θ=[0,0,0]を割り当てられる。平行移動および回転は、重ね合わせることができるので、続くすべてのフレームi(n=2...N)は、座標T=Σi=2...nおよび配向Θ=Σi=2...n θを割り当てられる。要するに、Tは、トランスデューサの動きの3D軌跡を表している。
すべてのフレームの絶対位置および配向は、連続するフレーム間の相対的回転およびシフトによって表されるすべての以前の推定値に依存する。したがって、推定の不正確さおよび誤差伝播は、好ましくは、すべてのフレームと合成画像iとを比較する追加の推定ステップによってさらに軽減される。
フレームiの配置および配向が決定された後、iに追加される。このために、フレームiはまずΘの元の配向まで回転され、次いで、それの位置Tに応じてiと組み合わされる。ここで、画像強度は、重なり合うフレーム領域内の冗長強度値が他のいくつかの方法で組み合わされ得るとしても、単純に加算されている。
好ましくは、データ/画像処理および合成方法は、たとえば、64GBのRAMを搭載した3.4GHzのIntel i7 3820 CPU上で動作するMATLAB(Mathworks Inc、米国マサチューセッツ州ナティック所在の登録商標)で実装することができる。
図15は、ファントム走査に対する結果を合成した空間画像を示す概略図を示している。(a)プリントされた血管模倣構造物。(b)検出アレイの単一の位置について撮った単一の3D画像フレームの最大強度投影(MIP)。(c)合成された容積の対応するMIP。(d)明視野顕微鏡によって撮られたマイクロスフィアファントムの参照画像。単一の3Dフレームおよび複合画像の対応するMIPは、それぞれ、(e)と(f)に示されている。
上述のフーリエベースの動き推定法は、3つの独立した実験で実験的に検証された。最初に、動き推定法の精度を定性的に検証するために、ハンドヘルド実験において2つのファントムが撮像された。第1のファントムは、白い紙の上に黒インクで印刷され、寒天内に埋め込まれた30mm×30mmの近似的サイズの血管模倣構造物で構成された(図15a)。第2のファントムでは、直径~100μmの光吸収ポリエチレンマイクロスフィア(Cospheric BKPMS 90-106)が、寒天ベースの基板内にランダムに分散された(図15d)。このファントムは、ランダムな軌跡に追随することによってフリーハンドモードにおいて球状アレイプローブによって走査された。レーザーは、720nmの波長および10Hzのパルス繰り返し周波数で動作するように調整された。プローブは、数ミリメートル以下のフレーム間変位でゆっくりと移動し、それにより、連続するフレーム間の十分な重なりを確実にした。
図16は、スパイラルボリュメトリック光音響トモグラフィー(SVOT)走査に対するフーリエベースの空間合成を例示している。(a)球状マトリクス検出アレイの走査軌跡を示すSVOTシステムの概略図。この挿入図は1cmの近似的体積をカバーする1つの再構成画像フレームを示している。(b)画像フレームの中心の知られている、および推定される、走査位置は、走査の4つの異なるスライス(z座標)について、それぞれ青と赤のドットで示されている。スライスの正確な配置は、パネルf)およびg)に青い破線でラベル付けされている。(c)推定されたアレイ位置および配向に基づく合成容積のMIP画像(中心マウス軸に沿って)。(d)知られているアレイ位置および配向を使用してレンダリングされた対応するMIP。(e)2Dおよび3Dフーリエベースの空間合成アプローチに対するSVOT走査における回転推定精度の比較。度単位の標準偏差(STD)の値が提供される。(f)および(g)は、それぞれ、推定された、および知られている、アレイ位置および配向に基づく合成容積の3D画像である。(h)および(i)は、(f)および(g)の腎臓領域へのズームインである。
第2の実験では、提案された動き推定法の精度を評価するために、雌の無胸腺ヌードFox1nuマウス(Harlan Laboratories LTD、スイス、イティンゲン所在)のスパイラルボリュメトリック音響トモグラフィー(SVOT)走査が実行された。この場合、すべてのフレームの配向および位置は事前にわかっているので、アルゴリズムの性能を検証するためのゴールドスタンダード基準となる。この目的のために、球形マトリクストランスデューサアレイは、それぞれ、1.5mmおよび3°のステップで、キャリブレーションされたステージを使用してマウスの周りで平行移動され、回転された(図16a)。この走査は、合計21の仰角位置および61の角位置から成り立っていた。OA信号の励起には、パルスレーザーの1064nm出力が使用された。実験中、マウスは、34℃に加熱された水槽の中で垂直位置に固定されていた。
最後に、健康な有志被験者の腕と掌の撮影が実行された。このために、球状マトリクストランスデューサアレイは、最初に、隣接する格子点の間で距離を2mmとしたジグザグタイプのサンプリングパターンをカバーする機械的ステージを使用して撮像領域にわたって平行移動され、それにより、合計21×21のボリュメトリック画像フレームを取得した。フリーハンドスキャンが、その後、<2mmのフレーム間変位で任意の軌跡に沿って掌の上でゆっくり動かされるトランスデューサにより実行された。合計200個のボリュメトリックフレームが記録された。人体実験では、波長は800nmに設定され、レーザーは、10Hzのパルスの繰り返し周波数で動作させた。皮膚表面でのレーザーフルエンスおよび平均強度は、それぞれ15mJ/cmおよび150mW/cm未満に維持されたが、これは近赤外スペクトルにおけるヒト皮膚レーザー曝露に対する安全性限界より低い。
OA画像は、好ましくは、図14aに概略として示され、上で詳しく説明されている球状マトリクス超音波アレイにより取得された。任意の走査軌跡を辿る連続3D画像の相対的位置および配向は、平行移動と回転との重ね合わせで表された。合成OA容積をレンダリングするために、その後の取得の間の回転は、それらの回転されたフーリエスペクトルの相互相関を得ることによって推定されたが(図14b)、上で詳しく説明されたように、平行移動当てはめは位相相関法によって実行された(図14c)。
図15は、ファントム走査に対する空間合成手順の結果を例示している。血管模倣ファントムにおける有効FOVは、空間合成手順によって著しく高められており(図15c)、元々プリントされた構造(図15a)とよく一致していることをさらに示している。同様に、合成OA画像(図15f)とマイクロスフィアファントムの明視野顕微鏡画像(図15d)との間にも良好な一致が見られた。再構成されたOA画像内の球体配置は、グランドトゥルース画像とよく一致しているが、平均再構成サイズ(~300μm)は実際の球体直径(100μm)を大きく上回っていることに留意されたい。この不一致は、イメージングシステムの空間分解能(点広がり関数)との畳み込みに帰因し得る。
SVOT走査実験の結果は図16に示されている。この場合、プローブの動きは、平行移動ステージおよび回転ステージによって完全にキャリブレーションされているので、各ボリュメトリック画像フレームの配向および位置の両方について正確な基準が利用可能である(図16a)。円筒形走査幾何学的形状により、動きの推定は、平行移動座標を表すr、φ、およびz、ならびに円筒軸に関する回転角を表すθr、θφ、およびθzを有する円筒形座標にさらに変換された。空間合成性能のその後の解析で、それぞれ、r、φ、およびz方向で1.29ボクセル、1.10ボクセル、および1.06ボクセルの平行移動推定誤差の標準偏差(STD)が得られた(等方性ボクセルサイズは100μm)。r方向への平行移動は、物体からのプローブの距離のみが変化し、したがって撮像構造はほとんど変化せず、すなわち(7)のd項の寄与は重要でないことを意味することに留意されたい。逆に、φ-z平面内での平行移動の結果、物体の照明がより著しく変化し、したがって再構成画像への変化はより著しくなる。この結果、φ-z平面内の平行移動推定の精度はr軸に比べて低くなる。
われわれは、さらに、アレイの実際の位置が知られていることを考慮することによって、(2)を使用する3Dアプローチおよび(6)を使用する簡略化された2Dアプローチによる回転推定精度の定量的比較を実行した。誤差分布のSTD値(度を単位とする)は、図16の表に示されており、3Dアプローチがわずかにより正確な結果をもたらすことを示唆している。しかしながら、これは計算複雑度が非常に高くなることを引き換えとする。2つのフレームの間の回転角の推定は、典型的には、2Dアプローチでは0.08秒の時間を要し、3Dアプローチでは49.31秒の時間を要する。
したがって、マウスの体積全体を合成するために2Dアプローチが選択された。SVOT走査では、プローブはφ-軸に沿ってのみ回転されるので、r軸とz軸に対する配向推定および補正は無視された。平行移動推定は、上で詳しく説明された2ステッププロセスを使用して実行された。最初に、前のフレームin-1に基づき、フレームiの位置が推定された。その後、縫い合わされたフレームiに基づき推定位置に対して最終調整が実行された。さらに、PoCにおける探索範囲は限定された。図16bは、z軸に沿った4つの例示的なスライスについてr-φ平面内の球状アレイプローブの知られている位置(青色ドット)および推定位置(赤色ドット)を示している(スライスの正確な配置はパネルfおよびgにおいてラベル付けされている)。推定は、局所的スケールでは正確であることが証明されているが、蓄積誤差のせいで、知られている位置と推定された位置との間に比較的大きな偏差が生じ得る。プローブの軌跡の画像ベースの推定は、走査中の動物の動き(たとえば、呼吸による)にさらに依存することがあり、その場合、画像ベースの空間合成は、実際には、撮像物体の動きによって引き起こされるアーチファクトを部分的に補償し得ることに留意されたい。しかしながら、提案されたフーリエベースの空間合成手順を使用して得られたSVOT画像(図16dおよび図16g)と、すべての走査位置についてアレイの知られている位置および配向を使用してフレームを追加することによって得られる対応する(参照)画像(図16cおよび図16f)との間には、良好な一致が存在する。それでも、アレイの推定位置および配向を使用して得られる画像(図16i)および知られているアレイ位置を使用してレンダリングされた「グランドトゥルース」画像(図16h)における微細血管構造を比較したときに、いくつかのぼかし効果およびコントラスト喪失が認識され得る。レンダリングされた画像の直接比較は、補足動画1に示されている。定量的には、図16e示されている表にまとめられているように、3D回転推定法の性能は2D推定法よりもわずかに良い。
図17は、ジグザグ走査パターンで実行されるヒトの腕のボリュメトリック光音響血管造影法を例示する概略図を示している。(a)合成容積の上および横方向の最大強度投影。深度軸は色分けされている。白色破線は、走査時に球状アレイトランスデューサの軌跡を推定したものを表す。(b)ジグザグ走査中のトランスデューサの推定された一軸軌跡x(n)、y(n)、z(n)。フレームインデックスnは、t=nTを介して時間を表している。
図17は、ジグザグ走査に対する空間合成手順の結果を例示している。合成容積の上および横方向のMIPは、図17aに表示されており、さらには白色破線で示された投影推定3D軌跡も表示されている。有効FOVは、空間合成手順によって、15mm×15mm×15mm(単一ボリュメトリックフレーム)から500mm×500mm×18mm(合成ボリュメトリックフレーム)に著しく増大している。x-y平面内の画像および投影軌跡の傾斜は、球状マトリクスアレイの配向が平行移動経路の配向と正確には一致していないことを示している。このシナリオの下で、平行移動ステージの知られている位置だけに基づくボリュメトリック画像合成の結果、深刻なミスアライメントアーチファクトが生じることになる。その一方で、フーリエベースの合成手順は、キャリブレーションが不十分な配向の影響を受けず、正確に縫い合わされた容積をレンダリングする。球状マトリクスアレイは、平行移動ステージによって直線に沿って移動されたが、合成容積はミスアライメントの兆候を示さないという事実があるにもかかわらず、図17aの軌跡のいくつかは曲がっている。これは、取得時のヒトの腕の限界運動が、空間合成手順によって暗黙のうちに補正されていることをさらに示唆している。したがって、図17bの単一軸軌跡x(n)、y(n)、およびz(n)は、球状マトリクスアレイとヒトの腕の両方の動きの重ね合わせと解釈することができ、開発した空間合成手順の有効性をさらに強調している。
図18は、任意の軌跡に沿ったヒトの掌のフリーハンド光音響ヒト血管造影法を例示する概略図を示している。(a)合成容積の上および横方向の最大強度投影。深度軸は色分けされている。白色破線は、フリーハンドモードで動作する球状アレイトランスデューサの投影3D軌跡を表す。(b)走査時の推定回転角(左)および対応する推定トランスデューサ位置(右)。
人間の掌のフリーハンド走査からの結果が図18に示されている。この実験は、トランスデューサが6つの自由度すべてを有する任意の軌跡を辿る臨床イメージングシナリオを模倣したものである。図18aは、白色破線によって示されている投影された推定3D軌跡を有する合成容積のMIPを示している。この例では、有効FOVは、12mm×12mm×12mm(単一ボリュメトリックフレーム)から約50mm×70mm×15mm(合成容積)まで増大している。深度範囲は、約3mmである、垂直(z)方向の検出されたシフトをカバーするように変更された。図18bは、3つの方向のすべてのフレームについて推定されたトランスデューサ配向を示している。x軸およびy軸に関して配向は大部分一定のままであるが、z軸配向は-15°から+45°の間で変化する。平行移動パラメータは、図18cにおいてさらに推定される。トランスデューサは、主に、xおよびy方向に沿って移動されたが、z座標はほぼ一定のままである。これは、撮像領域内の比較的平坦な皮膚表面を考慮して予想される。この合成容積は、個別の血管内でミスアライメントの兆候が認められない実際の血管網を正確に表しているように見える。推定されたプローブ軌跡により、走査中にいくつかの組織領域が再訪されていることに留意されたい。それでも、これらの領域は、連続しないフレームを使用して合成されたという事実があるにもかかわらず、縫い目なく縫い合わされているように見える。
上記のアプローチは、キャリブレーションされた走査システムまたは最大6の回転および平行移動自由度を有するフリーハンドモード走査のいずれかを使用して取得されたボリュメトリック光音響データの空間合成のための普遍的な方法論に関係する。これは、好ましくは、検出アレイの位置および配向を追跡するための追加のハードウェアを使用することなく純粋に画像ベースのフーリエ領域動き推定法によって達成され、これは特に高解像度フリーハンド3D走査の場合には難しいものとなり得る。特に、ボリュメトリック画像シーケンスに対する回転および平行移動の両方の推定の組合せは、新規性があり、特に有利な態様であるとみなされる。さらに、このアプローチは、レジストレーションステップでの特徴一致の量が不十分であるため十分な信頼性および精度を提供できないことも多い、特徴ベースの技術よりも優れている。それでも、たとえば相互情報または平方差分和に基づく他のレジストレーション方法も考慮され得る。
フリーハンドリアルタイム3Dイメージング能力は、OAイメージング技術の臨床的利用を大幅円滑にし、いくつか代表例を挙げると、DMD、皮膚悪性腫瘍、乳房腫瘍、血管異常、炎症性疾患の臨床診断の多くの分野で現在応用が探索されている。この高速イメージング性能は、しばしば視野制限という代償を伴うが、開発されたトラッカーレス空間合成アルゴリズムによって効果的に補償され得る。
この方法の性能は、参照画像が利用可能であったファントムを用いた制御実験で検証され、さらに、トランスデューサアレイの位置が正確に知られており、参照として使用された、マウスとヒトの腕から取得されたインビボデータによって裏付けられた。すべての場合において、推定精度は、イメージングシステムの回折限界空間分解能より低いままであった。任意の(未知の)軌跡を使用するヒトの腕の2つのファントムおよび大規模血管樹のフリーハンド走査では、ミスアライメントまたは断絶の目に見える兆候のない合成画像容積を同様にレンダリングしている。
このアルゴリズムは、フレーム間変位について0.5~2mmのオーダーで最適に動作する。球状アレイプローブの有効視野が~12×12mmであることを考慮すると、これは2つの連続するフレームの間で重なり合う>85%のボクセルに対応し、これにより、もっぱら類似する構造を含むことを確実にする。しかし、変位が大きくなると、連続する位置について著しく異なる画像がレンダリングされるか、または画像が示差的特徴を欠いているときに、正確な平行移動推定ができなくなることがある。そこで、最高走査速度は、レーザーのパルス繰り返し周波数に依存する。後者は、ヒトの皮膚上での平均レーザー強度に関する安全性限界に適合するために、10~20Hzの範囲に保たれることが多い。次いで、走査速度が~2cm/s未満であれば、連続する画像の必要な重なりを保証するのに十分であろう。ここでは、隣接するフレームの画像強度値を単純に加算することによって、単純な重ね合わせアプローチを採用したことに留意されたい。この場合、たとえばプローブの動きの速度が変化することによる空間的サンプリング密度が不均一になり、その結果、合成画像の信号強度が不均一になり得る。たとえば、最終画像内の各ボクセルを、それを効果的にカバーする走査フレームの総数で重み付けすることによって、正確な画像形成を円滑にするために他の合成方法が代替的に適用され得る。しかしながら、これは、マトリクスアレイトランスデューサの実際の感度場、組織内の波長および組織依存ボリュメトリック光分布などを考慮するために、なおいっそう著しいモデリングおよび計算量を伴うであろう。別の重要な考慮事項は、効果的にカバーされるイメージング深度である。この点に関して、組織中でより弱い減衰を受ける光波長(たとえば、1064nm)が採用され、それにより、カバーされる深度範囲を広げることができ、延いては画像内でより多くの構造が見えるので画像コレジストレーションを円滑にし得る。しかしながら、それに加えて、注目している深度範囲をフリーハンド走査全体においてトランスデューサの視野内に維持することが好ましい。
SVOT走査では、その後のフレームの間のプローブ配向は、3つすべての軸に関して±3°の範囲内で変化した。理論的には、回転推定は、連続するフレームが十分な重なりを示している場合、任意の大きな回転角についても正確なままであり得る。しかしながら、現実的な光音響イメージングシナリオでは、トランスデューサ配向の急激な変化は、効果的に撮像された視野の非常に著しい変化に付随し、その結果、その後のフレームの間の十分な重なりを欠くことになる。これらの効果は、プローブは、フリーハンド走査中にゆっくりと安定して移動されている間に、数十Hzのオーダーのレーザーパルス繰り返し周波数を使用することによって軽減され、これにより配向の急激な跳躍または変化を回避することができる。実験は、毎秒数セントメートルを超えない比較的遅い速度を使用して実行された。経験では、速度は、レーザーパルス繰り返し周波数および効果的にカバーされるFOVとともに直線的に変化する。より高い解像度の光音響イメージングシステムを採用すると、動きの推定の精度が高められ得る。最近、25MHzの使用可能検出帯域幅を有する球状マトリクスアレイトランスデューサを使用することで35μm範囲の空間分解能を有するリアルタイム3D OAイメージングが実証された。この場合、有効FOVは、しかるべく縮小され、それにより、連続するフレームの間の許容可能変位を減らすことができる。
開発された方法は、フリーハンド走査とは必ずしも結び付きのない他の種類の動きを正確に推定することを可能にし得る。たとえば、呼吸または心拍に起因する動きアーチファクトが、画像シーケンス内にしばしば発生する。一般に、光音響励起は非常に短い(ナノ秒の持続時間)レーザーパルスで行われ、応答はすべてのアレイ要素によって同時に収集されるので、動きは、単一の光音響画像フレーム内にぼけを引き起こすことはない。それでもなお、動脈拍動などの多くの種類の動きは、しばしば、剛体運動を仮定することを正確には説明できない小さな空間スケールでの構造的組織の変形を伴う。後者の近似は、動きが単一のOA画像容積よりもかなり大きい領域に影響を及ぼし、変形は局所的スケールでは最小限にとどまるいくつかの場合(例:呼吸中)には依然として有効であり得る。そのような場合には、動きの補正は、造影剤灌流または生理活動に関連する信号などの、信号の時間的変化をより適切に識別するのを助け得る。動き補正が実行されないとしても、動きの影響を受けたフレームの検出および除去は、より効率的な信号平均化を円滑にし、画像の空間分解能およびコントラストノイズ比を向上させることができる。
異なる波長で取得された画像間の変位が、スペクトル的に異なる吸収体の正確な識別(アンミキシング)を妨げる可能性があるMSOTデータの処理に対して動き補正が好ましい。最新のパルスレーザーで利用可能な高速波長同調性があるにもかかわらず、異なる波長で撮像された画像間のわずかな動き(部分分解能)であっても、フリーハンド走査では著しいスペクトルアンミキシングアーチファクトを発生させ得る。
OA画像は、また、音響散乱または反射に関係するアーチファクトを免れ得ない。それらは軟組織のみを伴うこの実験では無視できるくらいに小さかったが、骨、肺、または不一致の度合いが強い他の領域を含む領域は、好ましくは、画像レジストレーションの前に切り取れ得る。
結論として、大面積ボリュメトリック走査を使用して取得された微速度撮影光音響データの空間合成のための新規性のあるフーリエベースフレームワークが本明細書において開示されている。この方法は、追加の追跡ハードウェアを使用することなく順次的ボリュメトリックフレームを大面積走査に迅速に組み合わせることを可能にする。この新しいアプローチは、キャリブレーションされた走査システムで取得されたボリュメトリックデータを合成することに普遍的に適用可能であるが、最大6の回転および平行移動自由度のフリーハンドモードでも使用できる。
好ましくは、説明されているフレームワークまたは方法は、上で詳しくに説明されたDMDの診断および/または解析および/または監視のためのデバイス、システム、および方法とともに使用される2Dおよび/またはボリュメトリック光音響画像を合成するために利用される。
スパイラルボリュメトリック光音響トモグラフィーを用いたマウス全身イメージング、さらには3Dイメージングプローブを使用したヒトの大規模血管網のフリーハンド可視化について、ロバストな性能が実証された。複数の空間および時間スケールでの血管造影観察の新たに導入された機能は、前臨床研究および臨床診断、特にDMD診断における光音響イメージング技術の使用を大きく促進する。ボリュメトリック合成技術は、同様に、走査型蛍光顕微鏡、光コヒーレンストモグラフィー、または超音波検査法などの、大規模血管網データを見る他の生物医学的イメージングモダリティにも同様に有益であり、したがって、高速イメージング性能と視野との間のトレードオフの関係を最適化することができる。
T 組織
1 モニタ
6 インターフェースパネル
8 プローブ
20 システム
21、22 照射ユニット
23 第1の検出ユニット
22a 照明開口部
24 第2の検出ユニット
25 ハンドヘルドプローブ
25a ケーシング
27 データプロセッサ
28 表示ユニット
29 単一波長MSOT画像
30から32 MSP画像
33 超音波画像
34 マージ画像

Claims (14)

  1. 光音響データを解析するためのデバイスであって、
    被験者の、筋肉組織、結合組織、臓器、腱、および/または病原性(たとえば、線維化)組織のうちの少なくとも1つを含む組織(T)中のコラーゲンの濃度に関係する、少なくとも1つの第1の値の空間分布(30)を、2つまたはそれ以上の異なる照射波長(λ)の時間的に変化する電磁放射線を前記組織(T)に照射したことに応答して前記組織(T)中に発生した音波に関係する光音響データ(OA、29)に基づき、決定し、
    - 少なくとも1つの第2の値(collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_max)を、前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)から導出し、前記少なくとも1つの第2の値は前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)の関心領域(ROI)内で前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布を特徴付ける以下の分布パラメータ(collagen_mean、collagen_max)のうちの少なくとも一つに対応するか、またはそのパラメータから導出され
    i)前記関心領域(ROI)内の前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)の平均値(collagen_mean)、および/または
    ii)前記関心領域(ROI)内の前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)の最大値(collagen_max)、および/または
    iii)前記関心領域(ROI)内の前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)のばらつきパラメータ、特に、分散、標準偏差、および/または四分位範囲
    - 前記少なくとも1つの第2の値を、被験者の対照コホートからおよび/または早い時点で被験者について導出されている、少なくとも1つの事前定義された基準値と比較することによって前記少なくとも1つの第2の値から診断情報を導出し、
    - さらなる使用のために、特に診断情報を表示ユニット(28)上に表示するために、前記少なくとも1つの第2の値から導出された診断情報を提供するように構成されているデータ処理ユニット(27)を備えるデバイス。
  2. 前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)は、前記少なくとも1つの第1の値の2次元または3次元の空間分布である請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記少なくとも1つの第2の値は前記関心領域(ROI)内の前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)の前記平均値(collagen_mean)および前記最大値(collagen_max)から導出される請求項1または2に記載のデバイス。
  4. 前記少なくとも1つの第2の値は前記関心領域(ROI)内の前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)の前記平均値(collagen_mean)と前記最大値(collagen_max)との比(collagen_mean/collagen_max)に対応する請求項3に記載のデバイス。
  5. 前記導出された診断情報は前記組織中の、筋障害、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の有無および/または有無の可能性に関係する請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 前記データ処理ユニット(27)は
    - 超音波が前記組織(T)に当たったことに応答して前記組織(T)によって反射された超音波に関係する超音波データ(US)に基づき前記組織(T)の超音波画像(33)を再構成し、
    - 前記組織(T)の前記超音波画像(33)を供給して、前記組織(T)の前記超音波画像(33)を表示ユニット(28)に表示するようにさらに構成される請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
  7. 情報を表示するように構成されている表示ユニット(28)を備え、前記データ処理ユニット(27)は、表示ユニット(28)を制御して、
    - 前記組織(T)中のコラーゲンの濃度に関係する、前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)、および/または
    - 前記組織(T)の前記超音波画像(33)、および/または
    - 前記少なくとも1つの第2の値(collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_max)、および/または
    - 前記少なくとも1つの第2の値から導出された前記診断情報を表示するようにさらに構成される請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 前記データ処理ユニット(27)は、前記組織(T)中のコラーゲンの濃度に関係する、前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)と、前記組織の前記超音波画像(33)とをマージして、前記組織(T)のマージされた光音響超音波画像を得て、前記表示ユニット(28)を制御して、前記組織(T)の前記マージされた光音響超音波画像(34)を表示するようにさらに構成される請求項に記載のデバイス。
  9. 前記表示ユニット(28)および/または前記データ処理ユニット(27)は前記少なくとも1つの第1の値の前記表示された空間分布(30)および/または前記組織(T)の前記表示されている超音波画像(33)および/または前記組織の前記表示されているマージされた光音響超音波画像(34)において前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)から前記少なくとも1つの第2の値(collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_max)が導出される前記関心領域(ROI)を使用者が選択することを可能にするようにさらに構成される請求項またはに記載のデバイス。
  10. 前記データ処理ユニット(27)は、光音響イメージングシステム(20)の検出ユニット(23)から光音響データ(OA、30)を受信するように構成され、および/または前記データ処理ユニット(27)は、光音響イメージングシステム(20)の検出ユニット(23)から前記光音響データ(OA、30)を受信するように構成されているインターフェース(26)を備える請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
  11. 光音響データを生成し、解析するための光音響システム(20)であって、
    - 筋肉組織を含む組織(T)に2つまたはそれ以上の異なる照射波長(λ)の電磁放射線を照射するように構成されている照射ユニット(21、22)であって、前記電磁放射線は時間的に変化する、特にパルスの、強度を有する、照射ユニット(21、22)と、
    - 前記組織(T)に前記異なる照射波長(λ)の前記電磁放射線を照射したことに応答して前記組織(T)内に発生した音波を検出し、それに応じた光音響データ(OA、30)を生成するように構成されている検出ユニット(23)と、
    - 請求項1から10のいずれか一項に記載の光音響データを解析するための前記デバイスと、
    を備える光音響システム(20)。
  12. 前記照射ユニット(21、22)は、660nmから1300nmの間、好ましくは680nmから1100nmの間の波長範囲内にある2つまたはそれ以上の異なる照射波長の電磁放射線を前記組織(T)に照射するように構成される請求項11に記載のシステム(20)。
  13. 光音響データを解析するための方法であって、
    被験者の、筋肉組織、結合組織、臓器、腱、および/または病原性(たとえば、線維化)組織のうちの少なくとも1つを含む組織(T)中のコラーゲンの濃度に関係する、少なくとも1つの第1の値の空間分布(30)を、2つまたはそれ以上の異なる照射波長(λ)の時間的に変化する電磁放射線を前記組織(T)に照射したことに応答して前記組織(T)中に発生した音波に関係する光音響データ(OA、29)に基づき、決定するステップと、
    - 少なくとも1つの第2の値(collagen_mean、collagen_max、collagen_mean/collagen_max)を、前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)から導出するステップであって、前記少なくとも1つの第2の値は前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)の関心領域(ROI)内で前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布を特徴付ける以下の分布パラメータ(collagen_mean、collagen_max)のうちの少なくとも一つに対応するか、またはそのパラメータから導出される、ステップと
    i)前記関心領域(ROI)内の前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)の平均値(collagen_mean)、および/または
    ii)前記関心領域(ROI)内の前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)の最大値(collagen_max)、および/または
    iii)前記関心領域(ROI)内の前記少なくとも1つの第1の値の前記空間分布(30)のばらつきパラメータ、特に、分散、標準偏差、および/または四分位範囲
    - 前記少なくとも1つの第2の値を、被験者の対照コホートからおよび/または早い時点で被験者について導出されている、少なくとも1つの事前定義された基準値と比較することによって前記少なくとも1つの第2の値から診断情報を導出するステップと、
    - さらなる使用のために、特に診断情報を表示ユニット(28)上に表示するために、前記少なくとも1つの第2の値から導出された診断情報を提供するステップと、
    を含む方法。
  14. 請求項13に記載の方法をコンピュータ(27)に実行させるコンピュータプログラム製品。
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