JP7463196B2 - 液体吐出モジュール及び液体吐出ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、インクなどの液体を吐出することが可能な液体吐出モジュール及び液体吐出ヘッドに関する。
インクジェット記録装置などで用いられる液体吐出ヘッドでは、液体の小液滴化や液体を吐出する吐出口の高密度化が進んでいる。特許文献1には、高密度に多数の吐出口が配されたオリフィスプレートの強度を高めるために、個々の吐出口まで液体を導くための流路内に柱を設ける構成が開示されている。
特開2018-108691号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、形成された柱が液体の流れを抑制し、各吐出口における吐出性能を低下させてしまうことがあった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものである。よって、その目的とするところは、オリフィスプレートの強度を高めつつ、各吐出口で良好な吐出動作を行うことが可能な液体吐出モジュール及び液体吐出ヘッドを提供することである。
そのために本発明は、第1の方向に配列された複数のエネルギ発生素子と、前記複数のエネルギ発生素子の列から前記第1の方向とは交差する第2の方向に離れた位置に配された第1の開口と、を有する第1の層と、前記第1の層の上に設けられ、前記複数のエネルギ発生素子のそれぞれに対応する位置に配された複数の圧力室と、前記複数の圧力室のそれぞれと連通する第1個別流路と、前記第1の開口に連通し前記複数の第1個別流路に共通して接続する第1共通流路と、前記第1共通流路を形成し前記第1の方向に延びる第1の流路壁と、を有する流路形成層と、前記流路形成層の上に設けられ、前記複数の圧力室のそれぞれと連通する複数の吐出口を有するオリフィスプレートと、を備え、前記第1の開口より供給された液体が、前記第1共通流路及び前記第1個別流路を経由して前記圧力室に収容され、前記エネルギ発生素子に電圧が印加されることによって前記吐出口から吐出されるように構成された液体吐出モジュールであって、前記第2の方向において、前記複数のエネルギ発生素子の列と前記第1の開口と前記第1の流路壁とがこの順に並び、前記流路形成層の前記第1共通流路には、前記第1共通流路の前記第1の流路壁から前記第1個別流路に向かって前記第2の方向に延在し、前記オリフィスプレートの前記第1の開口と対向する領域を支持するように構成された梁が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、オリフィスプレートの強度を高めつつ、各吐出口で良好な吐出動作を行うことが可能な液体吐出モジュール及び液体吐出ヘッドを提供することが可能となる。
インクジェット記録装置の記録部の概略構成図及び制御ブロック図 液体吐出ヘッド100の斜視図 一般的な素子基板の構造を説明するための拡大図 第1の実施形態の素子基板の構造を説明するための図 比較例の素子基板の構造を説明するための図 応力比と流量比を比較する図 液体供給口の近傍の等流速分布図 梁のサイズに対する応力比及び流量比の関係を示す図 液体供給口及び液体排出口の形状の変形例を示す図 第2の実施形態の素子基板の構造を説明するための図 第3の実施形態の素子基板の構造を説明するための図 対向領域に作用する応力比を比較する図 素子基板における流れの方向と流速比の関係を示す図 第1の梁の別例を示す図 第1の梁の別例を示す図 第1の変形例を示す図 第2の変形例を示す図 対向領域からはみ出た梁の例を示す図
(第1の実施形態)
<液体吐出装置の概略構成>
図1(a)及び(b)は、本実施形態の液体吐出装置として使用可能なインクジェット記録装置700(以下、単に記録装置700とも言う)の記録部の概略構成図及び制御ブロック図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の記録装置700は、シートPの幅に対応する記録領域を有する液体吐出ヘッド100を用いたフルライン型のインクジェット記録装置である。図中、X方向は記録媒体となるシートPの搬送方向、Y方向はシートPの幅方向、Z方向は液体吐出ヘッド100に配された吐出口(図1(a)では不図示)が液体を吐出する方向を示す。シートPは、ベルト状の搬送手段702に搭載され、搬送ローラ703の回転に伴って、所定の速度でX方向に搬送される。
搬送経路の途中には、インクを吐出可能な複数の吐出口を備える液体吐出ヘッド100が配されている。液体吐出ヘッド100が、シートPの搬送速度に対応する周波数で個々の吐出口から吐出データに従ってインクを吐出することにより、シートPの表面に所望の画像が記録される。
図1(b)は、記録装置700の制御の構成を説明するためのブロック図である。CPU500は、ROM501に記憶されたプログラムに従いRAM502をワークエリアとして使用しながら、記録装置700全体を制御する。
例えば、CPU500は、外部に接続されたホスト装置600より受信した画像データに対し、ROM501に記憶されているプログラム及びパラメータに従って所定の画像処理を施し、液体吐出ヘッド100が対応可能な吐出データを生成する。そして、この吐出データに従って液体吐出ヘッド100を駆動し、個々の吐出口より所定の周波数でインクを吐出させる。更に、このような液体吐出ヘッド100による吐出動作を行いながら、搬送モータ503を駆動して搬送ローラ703を回転させ、吐出周波数に対応した速度でシートPをX方向に搬送する。
液体循環ユニット504は、液体吐出ヘッド100においてインクを循環させるためのユニットである。液体循環ユニット504は、不図示の圧力制御ユニットや切替え機構などを備え、所定の圧力のもとで、液体吐出ヘッド100に対しインクを供給したり、液体吐出ヘッド100で使用されなかったインクを液体吐出ヘッド100から回収したりする。
<液体吐出ヘッドの構成>
図2は、液体吐出ヘッド100の斜視図である。本実施形態の液体吐出ヘッド100は、フルライン型のインクジェット記録ヘッドであり、液体吐出モジュールとなるチップ状の素子基板20がA4サイズ幅に対応する数だけY方向に配列されている。液体吐出ヘッド100には、複数の素子基板20の他、電気配線基板102、及び各素子基板20を電気配線基板102に接続するための複数のフレキシブル配線基板101が設けられている。電気配線基板102には、記録装置700の本体から電力を受容するための電力供給端子103と、吐出データを受信するための信号入力端子104とが設けられている。電気配線基板102の背面には、液体吐出ヘッド100におけるインクの循環を制御するための液体循環ユニット504の一部が搭載されている。
<一般的な素子基板の構造>
図3(a)及び(b)は、インクを循環させることが可能な、一般的な素子基板20の構造を説明するための拡大図である。図3(a)は吐出口2の側から見た平面図であり、同図(b)は断面図である。図3(b)に示すように、素子基板20は、例えばシリコンから成る基板1の上に、機能層3、流路形成層10、及びオリフィスプレート11がこの順に積層されて構成される。流路形成層10とオリフィスプレート11とは、同じ材料で一体的に構成されていてもよい。
オリフィスプレート11には、複数の吐出口2が、1200dpi(ドット/インチ)の密度即ち約21μmの間隔でY方向に配列されている。基板1、機能層3及び流路形成層10には、液体循環ユニット504(図1(b)参照)より液体が供給される液体供給口8と、液体循環ユニット504へと液体が排出される液体排出口9とが貫通口として形成されている。液体供給口8と液体排出口9において、X方向の長さはW0=75μm、Y方向の長さはL0=101μmとする。また、液体供給口8と液体排出口9は、Y方向に151個/インチのピッチで配置されるものとする。
流路形成層10には、吐出口2のそれぞれに連通する圧力室5と、各圧力室5に個別に液体を供給するための個別流路6aと、各圧力室5から個別に液体を排出するための個別流路6bとが形成されている。また、流路形成層10には、液体供給口8から供給された液体を複数の個別流路6aに共通して供給するための共通流路7aと、複数の個別流路6bから共通して液体を排出するための共通流路7bが形成されている。共通流路7a及び共通流路7bは、流路形成層10の共通流路壁13に沿って、吐出口2が配列する方向と平行にY方向に延在している。
基本的に空洞となる共通流路7a、7bには、オリフィスプレート11と機能層3とを接続するいくつかの柱14が設けられ、オリフィスプレート11全体の強度を向上させている。また、共通流路7aと個別流路6aの間及び共通流路7bと個別流路6bの間には、柱状のフィルタ12が設けられ、圧力室5へ気泡や異物が混入するのを防いでいる。
機能層3において、吐出口2と対向する位置には、圧力室5に収容されたインクに熱エネルギを付与するための電気熱変換素子4(以下、ヒータ4と言う)が設けられている。また、機能層3には、個々のヒータ4に吐出信号や電力を供給するための不図示の配線も形成されている。
以上の構成の下、液体循環ユニット504から液体供給口8を介して供給された液体は、共通流路7a及び個別流路6aを経由して、圧力室5に収容される。そして、吐出データに従ってヒータ4に電圧が印加されると、圧力室5内のインクに膜沸騰が発生し、生成された泡の成長エネルギによって、インク滴が吐出口2から吐出される。吐出されなかったインクは、個別流路6b、共通流路7bを経由し、液体排出口9を介して液体循環ユニット504に回収される。
このように、インク循環型の液体吐出ヘッド100では、液体循環ユニット504を用いて、圧力室5内のインクを定常的に循環させている。これにより、個々の圧力室5において、吐出頻度によらずに常に新鮮なインクを収容させておくことができ、良好な吐出状態を維持することが可能となる。
液体供給口8と液体排出口9は、全てのヒータ4が上限の駆動周波数で駆動された場合でも、全ての圧力室5に安定してインクが供給できるように十分な大きさを有していることが好ましい。その一方で、機能層3においては配線を形成する領域も必要であり、配線の占有面積は、Y方向におけるヒータ4の配列密度に応じて大きくなる。更に、複数の素子基板20を一括して製造する半導体プロセスにおいては、1枚のウェハ上になるべく多数の素子基板20がレイアウトされていることが求められる。以上のことを考慮し、本例では、X方向にW0=75μm、Y方向にL0=101μmの大きさを有する液体供給口8と液体排出口9を、Y方向に151個/インチのピッチで設けるものとする。
しかしながら、オリフィスプレート11において、液体供給口8や液体排出口9と対向する領域は、フィルタ12や柱14を設けることができないため、他の領域に比べてどうしても強度が弱くなってしまう。図3(a)では、このように、液体供給口8や液体排出口9と対向する領域を対向領域15として破線で示している。そして、液体供給口8と液体排出口9が大きいほど対向領域15の強度は弱くなり、液体吐出ヘッド100のメンテナンス処理の際に、オリフィスプレート11が破損する可能性が高くなってしまう。具体的には、オリフィスプレート11の表面をワイピングしたり、オリフィスプレート11の表面にキャップ部材を押し当てて吸引動作を行ったりすると、対向領域15がワイピングや吸引動作の加圧に耐えられず、破損してしまう。このため、本実施形態では、対向領域15を支持可能な梁構造を流路形成層10に設け、対向領域15を補強する。
図4(a)及び(b)は、本実施形態の素子基板20の構造を説明するための図である。図4(a)が吐出口2の側から見た平面図であり、同図(b)は断面図である。図3(a)及び(b)と同じ符号は同じ部材を示す。以下、図3(a)及び(b)と異なる点を説明する。
本実施形態の共通流路7a及び7bには、対向領域15に対応する領域の一部に梁16を設けている。梁16は、対向領域15においてY方向のほぼ中央の位置に、共通流路壁13から圧力室5に向けてX方向に延在するように設けられ、オリフィスプレート11をZ方向に支持している。梁16は、流路形成層10と同じ部材で構成されていてもよいし、共通流路壁13に固定された共通流路壁13とは別の部材で構成されていてもよい。本実施形態において、梁16のX方向の長さはW1=31μm、Y方向の長さはL1=20μmとする。
このような梁16が、フィルタ12や柱14で支持されていないオリフィスプレート11の対向領域15を支持することにより、図3(a)及び(b)で説明した従来の構成に比べ、オリフィスプレート11全体の強度を高めることができる。
図5(a)及び(b)は、共通流路7a及び7bに、特許文献1に開示されるような柱17を設けた構造を比較例として示す図である。図3(a)及び(b)や図4(a)及び(b)と異なる点は、対向領域15に、オリフィスプレート11からZ方向に延在する柱17を2つずつ設けたことである。2つの柱17は、対向領域15においてX方向のほぼ中央の位置に、Y方向には中央線に対して対称な位置に設けられ、オリフィスプレート11をZ方向に支持している。ここでは、2つの柱17がオリフィスプレートと11と接触する面積が、図4(a)及び(b)で示した本実施形態の梁16がオリフィスプレートと11と接触する面積とほぼ同等となるように、各柱17の直径をφ1=20μmとしている。
図6は、オリフィスプレート11の対向領域15に作用する応力比と流量比を、上述した図3、図4及び図5の3つの構成で比較する図である。
ここで、各値を算出するためのシミュレーション方法を簡単に説明する。まず、オリフィスプレート11の表面に一定荷重を付加し、有限要素法にて静解析を実施し、対向領域15に生じる最大応力を求め、これを応力値とした。そして、図3の構成で得られた応力値に対する各構成で得られた応力値の比を、各構成の応力比として示した。
また、図3~図5の各構成についての3次元モデルを作成し、液体供給口8から液体排出口9に液体を循環させた系において有限要素法にて時刻歴解析を実施した。そして、液体供給口8の機能層3側の開口部の流量を求め、これを流量値とした。更に、図3の構成で得られた流量値に対する各構成で得られた流量値の比を、各構成の流量比として示した。
ここで、図6の応力比に着目すると、図5で示す比較例の応力比が0.9であるのに対し、本実施形態の応力比は0.7である。即ち、本実施形態の構成の方が図5で示す比較例の構成よりも、応力を小さく抑えることができる。これは、機能層3や基板1に支持された共通流路壁13から延在する梁16の方が、共通流路壁13から分離されている柱17よりも、機械的な強度を高めることができるためである。
一方、流量比に着目すると、柱17を設けた図5の構成では、構造物を設けない図3の構成に対し流量が3%減少しているのに対し、梁16を設けた本実施形態の構成では流量の減少を2%に抑えている。これは、圧力室5から遠い位置に設けられた梁16の方が、圧力室5に近い位置に設けられた柱17よりも、循環する液体の流れに与える影響を小さく抑えることができるためである。以下、詳しく説明する。
図7は、梁16や柱17のような構造物を設けない図3の構成で液体を循環させた場合における、液体供給口8の近傍の等流速分布図をXY平面で示した図である。図中、流速の等しい位置を同じ線で結んでいる。圧力室5は図の左側に配列し、共通流路壁13は図の右側に位置する。Z方向(図の手前側)に流入した液体は、左側の圧力室5に向けて移動する。液体供給口8においては、直左に位置する圧力室5にも液体を供給するが、隣の液体供給口8との間に配された左上や左下に位置する圧力室5にも液体を供給することになる。このため、図中、左上と左下の領域は、他の領域よりも流れが速い高流速領域となる。一方、Y方向の中央線近傍は、比較的低速に液体が流れる低流速領域となる。なお、液体排出口9については、図7とは左右が反転された流速分布が形成される。
このような流速分布内に新たに梁や柱を設ける場合、液体の流れに与える影響をなるべく小さく抑えるためには、これら梁や柱は流速がなるべく遅い領域に設けることが好ましい。即ち、比較例(図5)のように対向領域15の中央に2つの柱17を設けるよりも、本実施形態(図4)のように対向領域15の中央に共通流路壁13からX方向に延びる梁16を設ける方が、圧力室5に供給される液体に与える影響を小さく抑えることができる。更に、梁16を設けることで減少した2%の流量についても、基板1や機能層3の厚み、液体供給口8と液体排出口9の形状や開口面積、更には液体循環ユニット504からの液体の出力等を調整することによってある程度回復させることもできる。
以上説明したように、本実施形態によれば、液体供給口8及び液体排出口9それぞれの対向領域15におけるY方向の中央の位置に、共通流路壁13から圧力室5に向けてX方向に延在する梁16を設けている。これにより、循環する液体の流れに大きな影響を与えることなく、オリフィスプレート11の強度を従来よりも効果的に高めることが可能となる。
なお、図3~5の説明では、図の右側の開口を液体供給口8とし左側の開口を液体排出口9としたが、無論これらは逆転させてもよい。即ち、液体循環ユニット504から供給される液体を図の左側の開口から流入させ、図中液体を左から右方向に流動させ、図の右側の開口を介して液体循環ユニット504に液体を流出させる構成としてもよい。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態に対し、更に梁のサイズの適正化を行う。
図8(a)~(c)は梁のサイズに対する応力比及び流量比の関係を示す図である。各値の算出方法については、図6で説明した方法と同様である。各図において、横軸は、X方向における、対向領域15の長さW0に対する梁16の長さW1の比(W1/W0)を示す。また、縦軸は、Y方向における、対向領域15の長さL0に対する梁の長さL1の比(L1/L0)を示す。横軸(L1/L0=0)、縦軸(W1/W0=0)自体は、応力比や流量比が1である場合、即ち対向領域に梁や柱などの構造物を設けていない場合の応力比や流量比に相当する。
図8(a)は、応力比の等高線を示している。例えば凡例0.9は、0.9の応力比が得られる梁の寸法条件を示している。つまり、凡例0.9が示す実線上にある点に対応する寸法比(W1/W0、L1/L0)で梁を形成した場合、オリフィスプレート11の対向領域15において、0.9の応力比が得られることになる。そして、縦軸及び横軸と凡例0.9の実線の間の領域に対応する寸法比で梁を形成した場合、0.9~1.0の間の応力比が得られることになる。
また、凡例0.8が示す破線上にある点に対応する寸法比で梁を形成した場合、オリフィスプレート11の対向領域15において、0.8の応力比が得られることになる。そして、凡例0.9の実線と凡例0.8の破線の間の領域に対応する寸法比で梁を形成した場合、0.8~0.9の間の応力比が得られることになる。0.7以下の凡例についても同様である。
図8(a)のグラフより、梁のサイズ(W1、L1)が大きくなるほど、応力比が小さくなること即ち強度が強くなることが分かる。但し、応力比は0.3で飽和するため、凡例0.3で示した破線より右上の領域の応力比は、全て0.3となる。
ここで、図5で説明した比較例よりも応力比を小さく抑える条件を考える。この場合、図5の構成における応力比は0.9であるから(図6参照)、凡例0.9の実線よりも右上の領域に対応する寸法比で梁を形成すればよい。
具体的には、下記に示す(式1)が満たされていればよいことになる。
L1/L0>7.5×10^(-4)×exp((W0/W1)^0.6)+0.045・・(式1)
また、図8(a)を見ると分かるように、応力比が0.9~0.6では等高線の間隔が狭い。これは、応力比が0.6以上の領域で梁を製造した場合、製造誤差が応力比に与える影響が大きいことを意味している。この場合、個体差やロット差によって素子基板20の強度がばらつき、液体吐出ヘッドの寿命が不安定になるおそれが生じる。一方、応力比が0.6以下の領域では等高線の間隔が広くなっており、当該領域で梁を製造すれば製造誤差が応力比に与える影響が小さく、強度や寿命のばらつきも抑えられる。以上のことより、梁は、応力比が0.6以下となる領域で形成することが好ましいと言える。
具体的には、下記に示す(式2)が満たされていればよい。
L1/L0≧9.4×10^(-3)×exp((W0/W1)^0.7)+0.15・・(式2)
次に、好ましい流量比について説明する。図8(b)は、流量比の等高線を示している。例えば凡例0.9は、0.9の流量比が得られる梁の寸法条件を示している。つまり、凡例0.9が示す実線上にある点に対応する寸法比で梁を形成した場合、オリフィスプレート11の対向領域15において、0.9の流量比が得られることになる。そして、縦軸及び横軸と凡例0.9の実線の間の領域に対応する寸法比で梁を形成した場合、0.9~1.0の間の流量比が得られることになる。
また、凡例0.8は、0.8の流量比が得られる梁の寸法条件を示している。つまり、凡例0.8の破線上にある点に対応する寸法比で梁を形成した場合、オリフィスプレート11の対向領域15では、0.8の流量比が得られることになる。そして、凡例0.9の実線と凡例0.8の破線の間の領域に対応する寸法比で梁を形成した場合、0.8~0.9の間の流量比が得られることになる。0.7以下の凡例についても同様である。
図8(b)のグラフより、梁のサイズ(W1、L1)が大きくなるほど、流量比が小さくなることが分かる。これは、梁が大きくなるほど流路抵抗が増大するためである。また、流量比は、0.9を下回ると急激に減少することも分かる。これは、流量比が0.9以下になるような梁を製造した場合、製造誤差が流量比に与える影響が大きくなり、素子基板20の個体差やロット差に応じて吐出状態がばらつくことを意味する。
よって、流量比の観点で考えると、梁は、凡例0.9の実線よりも左下の領域に対応する寸法で形成することが好ましい。
具体的には、下記に示す(式3)が満たされていればよい。
L1/L0≦0.75×((2×10^(-5))×exp(8×(W0/W1))+0.45)・・(式3)
図8(c)は、応力比と流量比の観点から見た、梁の寸法比の適正領域を示す図である。即ち、応力比が0.6以下且つ流量比が0.9以上である図中斜線で示す領域が、梁の寸法比として好ましい適正領域となる。このような領域の下で梁を作成すれば、各吐出口で良好な吐出動作を行いつつ、オリフィスプレート11の強度を効果的に高めることが可能となる。
ここで、図8(a)~(c)を求めるためのシミュレーションの条件を、図4(a)を参照しながら簡単に説明する。まず、対向領域15は、X方向の長さW0とY方向の長さL0が等しい正方形(W0/L0=1)と仮定した。そして、正方形以外(W0/L0≠1)については、実測の寸法比から補正した値を、縦軸の値(L1/L0)及び横軸の値(W1/W0)とした。具体的には、実測の寸法がW0/L0<1の場合、X方向については実測の寸法比(W1/W0)を横軸の値とし、Y方向については実測の寸法比(L1/L0)に(W0/L0)を乗算した値を縦軸の値とした。また、W0/L0>1の場合、X方向については実測の寸法比(W1/W0)に(L0/W0)を乗算した値を横軸の値とし、Y方向については実測の寸法比(L1/L0)を縦軸の値とした。本実施形態(図4)は、前者(W0/L0<1)の場合に相当することになる。
この際、液体供給口8や液体排出口9の形状は正確な長方形でなくてもよい。例えば、図9(a)に示すような四隅の角が取れた形状であってもよく、同図(b)に示すような円形であってもよい。図9(a)の場合、対向領域15は、開口のX方向の最大幅W0と、Y方向の最大幅L0とで定義すればよい。また、図9(b)の場合、対向領域15は、円形状の開口と同等の面積となる正方形の1辺の長さを、W0=L0と定義すればよい。但し、機能層3における各ヒータへの配線を考慮すると、液体供給口8や液体排出口9の形状は単純な多角形であることが好ましい。
図10(a)及び(b)は、上記条件を満たす梁23を形成した本実施形態の素子基板20の構造を説明するための図である。図10(a)が吐出口2の側から見た平面図であり、同図(b)は断面図である。図4(a)及び(b)で示した第1の実施形態の構造に対し、対向領域15のサイズは同等であるが梁23のサイズを異ならせている。本実施形態において、梁23のX方向の長さはW1=38μm、Y方向の長さはL1=85μmとする。
この場合、図8(a)~(c)における横軸の値(W1/W0)は0.51(=38/75)となり、縦軸の値(L1/L0)は、0.63(=85/101×(75/101))となる。よって、図8(a)より、応力比は0.3~0.4の間にあることが分かる。また、図8(b)より、流量比は0.9~1.0の間にあることが分かる。即ち、図10(a)及び(b)で示した本実施形態の構造によれば、梁23のサイズは図8(c)に示す斜線の適正領域に含まれることになる。
一方、梁16のサイズがW1=31μm及びL1=20μmである第1の実施形態の場合、横軸の値(W1/W0)は0.41(=31/75)となり、縦軸の値(L1/L0)は、0.15(=20/101×(75/101))となる。そして、この座標を図8(c)にプロットすると、斜線の適正領域に含まれていない。
即ち、本実施形態によれば、図8(c)に示す適正領域に含まれるような梁23を設けることにより、オリフィスプレート11の強度を第1の実施形態よりも更に効果的に高めることが可能となる。
(第3の実施形態)
図11(a)及び(b)は、本実施形態の素子基板20の構造を説明するための図である。図11(a)が吐出口2の側から見た平面図であり、同図(b)は断面図である。図4(a)及び(b)と同じ符号は同じ部材を示す。
本実施形態の素子基板20において、ヒータ4の列と吐出口2の列は配列方向とは交差するX方向に2つ並列している。そして、これら2列の吐出口列の内側に、それぞれの吐出口列に液体を共通して供給するための共通流路7aが配され、2列の吐出口列の外側に、それぞれの吐出口列から液体を排出するための共通流路7bが配されている。共通流路7aは、液体循環ユニット504から液体を供給するための液体供給口8と連通し、共通流路7bは、液体循環ユニット504へ液体を排出するための液体排出口9と連通している。
以上の構成の下、液体供給口8を介して供給された液体は、共通流路7a及び個別流路6aを経由して、2列それぞれの圧力室5に収容される。そして、吐出データに従ってヒータ4に電圧が印加されると、圧力室5内のインクに膜沸騰が発生し、生成された泡の成長エネルギによって、インク滴が吐出口2から吐出される。吐出されなかったインクは、個別流路6b、共通流路7bを経由し、両側に配された液体排出口9を介して液体循環ユニット504に排出される。
本実施形態の共通流路7aにおいて、対向領域15に対応する領域には、Y方向に延在する第1の梁26が設けられている。第1の梁26のX方向の長さはW2=9μm、Y方向の長さはL2=101μmとする。一方、液体を排出するための2つの共通流路7bのそれぞれには、共通流路壁13から圧力室5に向けてX方向に延在する第2の梁27が左右対称に設けられている。第2の梁27のX方向の長さはW3=38μm、Y方向の長さはL3=30μmとする。第1の梁26及び第2の梁27は、流路形成層10と同じ部材で構成されていてもよいし、別の部材で構成されていてもよい。
図12は、第1の梁26及び第2の梁27を設けた場合と設けなかった場合とで、対向領域15に作用する応力比を比較する図である。各値の算出方法については、図6で説明した方法と同様である。梁を設けない構成の応力値に対する第1の梁26を設けた構成の応力値の比と、梁を設けない構成の応力値に対する第2の梁27を設けた構成の応力値の比を、応力比としてそれぞれ示している。図によれば、梁を設けない構成に対し、第1の梁26を設けた構成では応力比が0.61となり、第2の梁27を設けた構成では応力比が0.58となっている。第1の梁26や第2の梁27を設けることにより、対向領域15の応力を抑えオリフィスプレート11の強度が高められることが分かる。
なお、以上では中央の液体供給口8から液体を供給し、両側の液体排出口9から液体を排出する構成で説明したが、本実施形態の素子基板20において、液体の流れは逆転させてもよい。即ち、液体循環ユニット504から供給される液体を、両側の開口(液体排出口9)から素子基板20に流入させ、中央の開口(液体供給口8)から液体を流出させてもよい。
図13は、素子基板20における流れの方向と流速比の関係を示す図である。本図における流速比とは、吐出口2の近傍を流れる液体の最大流速と最小流速の比を示している。流速比の値が1に近いほど、吐出口2の近傍を流れる液体の流速ばらつきが小さく、流れが安定していることを意味する。なお、流速は、図11に示す構成についての3次元モデルを作成し、有限要素法にて時刻歴解析を実施することによって取得した。
図13によれば、液体供給口8から液体を流入させ液体排出口9から液体を排出させた場合の流速比が0.94であるのに対し、逆の方向で液体を流した場合の流速比が0.90であることが分かる。これは、本実施形態の素子基板20においては、中央の液体供給口8から液体を供給し両側の液体排出口9から液体を排出する方が、吐出口2の近傍を流れる流体の流速を安定させることができることを意味している。但し、このような流れの方向は本実施形態を限定するものではない。両側の液体排出口9(開口)から液体を流入させ、中央の液体供給口8(開口)から液体を流出させる構成であっても、オリフィスプレート11の強度を高めるという十分な効果を得ることはできる。
以上説明したように、本実施形態によれば、中央の開口の対向領域15にY方向に延在する第1の梁26を設け、両側の2つの開口の対向領域15のそれぞれに共通流路壁13から圧力室5に向けてX方向に延在する第2の梁27を設ける。これにより、循環する液体の流れに大きな影響を与えることなく、オリフィスプレート11の強度を従来よりも効果的に高めることが可能となる。
なお、以上の説明では、第1の梁26において、X方向の長さをW2=9μm、Y方向の長さをL2=101μとした。即ち、対向領域15のY方向の長さをカバーできる長さとした。しかしながら、無論、このような値は適宜変更可能である。
図14(a)及び(b)は、第1の梁の別例を示す図である。本例では、第1の梁28のX方向の長さをW4=75μm、Y方向の長さをL4=9μとし、X方向の両端でフィルタ12と一体化させている。このような第1の梁28は、図13(a)及び(b)で説明した第1の梁26の形状に比べ、応力比は増大するものの流速比は低減させることができる。
図15は、本実施形態における第1の梁の更に別例を示す図である。本例の第1の梁29は、対向領域15の中心より±X方向に延在する2つの梁と±Y方向に延在する2つの梁とを有する。このように、1つの対向領域15に対し複数の梁を設けることにより、流速比は増大するものの、応力比は低減させることができる。
本実施形態においては、図11、図14及び図15のいずれの構成も採用することができる。また、第2の梁27についても、必ずしも左右対称に設けなくてもよい。いずれにしても、応力比と流量比が適切な範囲に収まるように、梁の形状やサイズは適宜調整されることが好ましい。
(その他の実施形態)
以上説明した実施形態では、ほぼ矩形で構成される梁について説明した。しかしながら、梁の形状は様々に変更することができる。
図16(a)及び(b)は、第1の変形例を示す図である。図16(a)が吐出口2の側から見た平面図であり、同図(b)は断面図である。両図共に、素子基板20の対向領域15の部分を拡大して示している。第1の変形例の梁30は、図4(a)及び(b)で説明した第1の実施形態の梁16に対し、共通流路壁13の側を更に広くしている。本例のような梁形状とすることにより、図4(a)及び(b)と同等の流速比を保ちながら、応力を更に低減させることができる。
図17(a)及び(b)は、第2の変形例を示す図である。図17(a)が吐出口2の側から見た平面図であり、同図(b)は断面図である。両図共に、素子基板20の対向領域15の部分を拡大して示している。第2の変形例の梁31は、図4(a)及び(b)で説明した第1の実施形態の梁16に対し、Y方向の長さを更に大きくしオリフィスプレート11との接触面積を増大させている(図17(a)参照)。その一方で、圧力室5に近い側においては、Z方向の厚みを薄くしている(図17(b)参照)。オリフィスプレート11との接触面積を増大させることにより、オリフィスプレート11の強度は高まるが、共通流路7bの容積が減ることに伴い流量の減少が懸念される。本例の様に、梁31の厚みを圧力室5に近い側に段階的に薄くすることにより、液体供給口8から個別流路6aへの流れや、個別流路6bから液体排出口9への流れを促すことができる。
また、以上では、XY平面において、梁の全領域が対向領域15に含まれる形態で説明したが、梁は対向領域15からはみ出ていてもよい。
図18(a)は、梁40の一部が対向領域15からX方向にはみ出た形態を示している。このような場合、図8(b)で説明した流量比については、梁40のX方向の大きさW1を、梁40が対向領域15に含まれる部分の大きさW1´に置き換えて、横軸の値(W1´/W0)とすればよい。また、図18(b)は、梁41の一部が対向領域15からY方向にはみ出した場合を示している。このような場合、図8(b)で説明した流量比については、梁41のY方向の大きさL1を、梁41が対向領域15に含まれる部分の大きさL1´に置き換えて、縦軸の値(L1´/L0)とすればよい。
また、以上ではヒータに電圧が印加されることにより、圧力室内のインクに膜沸騰が発生し、生成された泡の成長エネルギによって、インク滴が吐出口から吐出される構成の液体吐出ヘッドを例に説明したが、インクを吐出するための構成は上記に限らない。例えば、ヒータの代わりに電圧を印加することによって体積が変化する圧電素子を配し、当該圧電素子の体積変化に応じて吐出口より液体を吐出する構成としてもよい。いずれにしても、圧力室に対応する位置にインクを吐出するためのエネルギを生成するエネルギ発生素子が配されていれば上記実施形態の効果を得ることはできる。
更に、以上説明した実施形態では、素子基板20と液体循環ユニット504との間で液体を循環させる構成を前提として説明したが、液体吐出ヘッド100内で液体を循環させることは必須の要件ではない。特許文献1のように、吐出されなかった液体を排出するための構成は備えず、吐出動作によって消費された量の液体を、液体供給口を介して補充するのみの構成としてもよい。この場合、例えば図4(a)及び(b)の構成であれば、液体供給口8及び液体排出口9として説明した2つの開口を、いずれも液体を供給するための開口として利用すればよい。また、図11(a)及び(b)の構成であれば、両側の開口9と中央の開口8の全てを、液体を供給するための開口として利用すればよい。但し、以上説明した実施形態の様に、液体吐出ヘッド100内で液体を循環させる構成であれば、素子基板20における液体の流れの状態が、液体吐出ヘッドの吐出性能により大きな影響を与えるため、梁を設けることで一層の効果が得られると言える。
更にまた、以上では、図1及び図2を用い、フルライン型のインクジェット記録装置を例に説明したが、無論、上記実施形態で説明した素子基板20は、シリアル型のインクジェット記録装置で採用される液体吐出ヘッドにも使用可能である。シリアル型のインクジェット記録装置の場合、液体吐出ヘッドには、1つの素子基板20のみが配された構成であってもよいし、2つ以上の素子基板20が配された構成であってもよい。
いずれにしても、複数の圧力室に液体を供給する流路を備えた素子基板において、液体が供給される開口に対応する領域にオリフィスプレートを支持する梁を設けることにより、オリフィスプレートの強度を高めつつ、良好な吐出動作を行うことが可能となる。
2 吐出口
3 機能層
4 ヒータ(エネルギ発生素子)
5 圧力室
6a 個別流路(第1の個別流路)
7a 共通流路(第1の共通流路)
8 液体供給口
10 流路形成層
11 オリフィスプレート
13 流路壁
16 梁
20 素子基板(液体吐出モジュール)

Claims (19)

  1. 第1の方向に配列された複数のエネルギ発生素子と、前記複数のエネルギ発生素子の列から前記第1の方向とは交差する第2の方向に離れた位置に配された第1の開口と、を有する第1の層と、
    前記第1の層の上に設けられ、前記複数のエネルギ発生素子のそれぞれに対応する位置に配された複数の圧力室と、前記複数の圧力室のそれぞれと連通する第1個別流路と、前記第1の開口に連通し前記複数の第1個別流路に共通して接続する第1共通流路と、前記第1共通流路を形成し前記第1の方向に延びる第1の流路壁と、を有する流路形成層と、
    前記流路形成層の上に設けられ、前記複数の圧力室のそれぞれと連通する複数の吐出口を有するオリフィスプレートと、
    を備え、
    前記第1の開口より供給された液体が、前記第1共通流路及び前記第1個別流路を経由して前記圧力室に収容され、前記エネルギ発生素子に電圧が印加されることによって前記吐出口から吐出されるように構成された液体吐出モジュールであって、
    前記第2の方向において、前記複数のエネルギ発生素子の列と前記第1の開口と前記第1の流路壁とがこの順に並び、
    前記流路形成層の前記第1共通流路には、前記第1共通流路の前記第1の流路壁から前記第1個別流路に向かって前記第2の方向に延在し、前記オリフィスプレートの前記第1の開口と対向する領域を支持するように構成された梁が形成されていることを特徴とする液体吐出モジュール。
  2. 前記梁は、前記第1の方向において前記第1の開口の中央に位置し、前記第1の方向に対称な形状を有する請求項1に記載の液体吐出モジュール。
  3. 前記第1の開口及び前記梁は、前記第1の方向の長さが前記第2の方向の長さよりも長い形状を有する請求項2に記載の液体吐出モジュール。
  4. 前記第1の層は、前記第1の方向に配列された複数の前記第1の開口を有し、少なくとも1つの前記第1の開口に対応して前記梁が形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  5. 前記第1の方向において、前記第1の開口の大きさをL0、前記梁の大きさをL1とし、前記第2の方向において、前記第1の開口の大きさをW0、前記梁の大きさをW1とした場合、
    L1/L0>7.5×10^(-4)×exp((W0/W1)^0.6)+0.045
    の関係が満たされる請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  6. 前記第1の方向において、前記第1の開口の大きさをL0、前記梁の大きさをL1とし、前記第2の方向において、前記第1の開口の大きさをW0、前記梁の大きさをW1とした場合、
    L1/L0≦0.75×(2×10^(-5)×exp(8×(W0/W1))+0.45)
    の関係が満たされる請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  7. 前記流路形成層は、前記複数の圧力室のそれぞれと連通する複数の第2個別流路と、前記複数の第2個別流路に共通して接続する第2共通流路と、前記第2共通流路を形成し前記第1の方向に延びる第2の流路壁を更に有し、
    前記第1の層は前記第2共通流路と連通する第2の開口を更に有し、
    前記流路形成層の前記第2共通流路には、前記第2共通流路の前記第2の流路壁から前記第2個別流路に向かって前記第2の方向に延在し、前記オリフィスプレートの前記第2の開口と対向する領域を支持する梁を更に有する請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  8. 前記第1の開口、前記第1共通流路及び前記第1個別流路と、前記第2の開口、前記第2共通流路及び前記第2個別流路とは、前記複数のエネルギ発生素子の配列に対し前記第2の方向に対称に配置されている請求項7に記載の液体吐出モジュール。
  9. 前記第1の開口、前記圧力室、前記第2の開口の順に液体が流れるように構成された請求項7に記載の液体吐出モジュール。
  10. 複数のエネルギ発生素子が第1の方向に配列して成り、前記第1の方向とは交差する第2の方向に離れて配置された2列のエネルギ発生素子の列と、前記第2の方向において、前記2列のエネルギ発生素子の列の外側に配された第1の開口と、前記2列のエネルギ発生素子の列の内側に配された第2の開口と、を有する第1の層と、
    前記第1の層の上に設けられ、前記複数のエネルギ発生素子のそれぞれに対応する位置に配された複数の圧力室と、前記第1の開口に連通する第1共通流路と、前記第1共通流路を形成し前記第1の方向に延びる第1の流路壁と、前記第2の開口に連通する第2共通流路と、前記第2共通流路を形成し前記第1の方向に延びる第2の流路壁と、前記複数の圧力室のそれぞれと前記第1共通流路を接続する複数の第1個別流路と、前記複数の圧力室のそれぞれと前記第2共通流路を接続する複数の第2個別流路と、を有する流路形成層と、
    前記流路形成層の上に設けられ、前記複数の圧力室のそれぞれと連通する複数の吐出口を有するオリフィスプレートと、
    を備え、
    前記第1の開口または前記第2の開口の少なくとも一方より供給された液体が、前記圧力室に収容され、前記エネルギ発生素子に電圧が印加されることによって前記吐出口から吐出されるように構成された液体吐出モジュールであって、
    前記第2の方向において、前記複数のエネルギ発生素子の列と前記第1の開口と前記第1の流路壁とがこの順に並び、
    前記流路形成層の前記第1共通流路には、前記第1共通流路の前記第1の流路壁から前記第1個別流路に向かって前記第2の方向に延在し、前記オリフィスプレートの前記第1の開口と対向する領域を支持するように構成された梁が形成されていることを特徴とする液体吐出モジュール。
  11. 前記流路形成層の前記第2共通流路には、前記オリフィスプレートの前記第2の開口と対向する領域を支持するように構成された第2の梁が形成されている請求項10に記載の液体吐出モジュール。
  12. 前記梁は、前記第1の方向の幅、又は前記吐出口から液体が吐出される方向の厚みの少なくとも一方が、前記第1共通流路の流路壁から前記第1個別流路に向かって、段階的に小さくなる請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  13. 前記梁の前記第2の方向における先端は、平面視で前記第1の開口と対向する前記領域内に含まれる請求項1から12のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  14. 前記第1の方向又は前記第2の方向において、前記梁は前記第1の開口と対向する前記領域からはみ出している請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  15. 前記オリフィスプレートにおいて、複数の前記吐出口は1200dpiの密度で前記第1の方向に配列されている、請求項1から14のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  16. 前記流路形成層と前記オリフィスプレートとが一体に形成されている、請求項1から15のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  17. 前記エネルギ発生素子に電圧が印加されることによって、前記圧力室内の液体に膜沸騰が発生し、生成された泡の成長エネルギによって、前記圧力室内の液体が前記吐出口から吐出されるように構成された請求項1から16のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  18. 前記第1の層の下に設けられ、前記第1の方向に並んだ複数の前記第1の開口と連通する液体供給口を有する基板を更に備える請求項1から17のいずれか1項に記載の液体吐出モジュール。
  19. 請求項1から18のいずれか1項に記載の液体吐出モジュールが複数、前記第1の方向に配列された液体吐出ヘッド。
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