以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態のスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、かつ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役及びその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
<全体構成>
まず、図1及び図2を用いてスロットマシン100の全体構成について説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。図3(a)は、入賞ラインを示す図である。
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110~112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110~112が構成されている。リール110~112上の図柄は、遊技者から見ると、各リール110~112の手前に設けられたリール窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。図3(a)を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置;図柄位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置;図柄位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置;図柄位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置;図柄位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置;図柄位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置;図柄位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置;図柄位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置;図柄位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置;図柄位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110~112のそれぞれの図柄はリール窓113を通して各リール110~112にそれぞれ縦方向に3つ、合計9つ表示される。そして、各リール110~112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110~112は、複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110~112の背面には、リール窓113に表示される個々の図柄を照明するためのリールバックライト(図示省略)が配置されている。リールバックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110~112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110~112を停止させる。
本実施形態では左リール中段図柄(図柄位置2)、中リール中段図柄(図柄位置5)及び右リール中段図柄(図柄位置8)で構成される中段入賞ラインL1の一つの入賞ライン114が設けられている。入賞ライン114とは、リール窓113を介して視認可能となる図柄の停止位置に設定されるラインであり、入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことである。図3(a)には、この入賞ラインL1が示されている。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)114は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。本実施形態のスロットマシン100は3枚賭け専用機であり、メダルの投入枚数が3枚未満の場合には、入賞ライン114は有効とならず、メダルの投入枚数が3枚の場合に入賞ライン114は有効になる。入賞ライン114が有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。
なお、有効ライン(入賞ライン)は、上述した中段入賞ラインL11つに限らず、例えば、左リール上段図柄(図柄位置1)、中リール上段図柄(図柄位置4)及び右リール上段図柄(図柄位置7)で構成される上段有効ライン1つでもよく、左リール下段図柄(図柄位置3)、中リール下段図柄(図柄位置6)及び右リール下段図柄(図柄位置9)で構成される下段有効ライン1つでもよい。また、左リール上段図柄(図柄位置1)、中リール中段図柄(図柄位置5)及び右リール下段図柄(図柄位置9)で構成される右下がり有効ライン1つでもよく、左リール下段図柄(図柄位置3)、中リール中段図柄(図柄位置5)及び右リール上段図柄(図柄位置7)で構成される右上がり有効ライン1つでもよい。また、左リール中段図柄(図柄位置2)、中リール中段図柄(図柄位置5)及び右リール上段図柄(図柄位置7)で構成される変則的な有効ライン1つでもよい。また、入賞ライン114の数については1ラインに限定されるものではない。例えば、中段入賞ラインL1のほか、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がり入賞ラインや、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がり入賞ラインの計3ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する入賞役内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス役)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役(詳細は後述する)に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタンともいう)130~132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン130~132に対する操作をベット操作ともいい、ベットボタン132をMAXベットボタンともいう。本実施形態では、ベットボタン130~132の内部に発光体(ベットボタンランプという)が設けられており、ベットボタン130~132の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることができる。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130~132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、及び払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
スタートレバー135は、リール110~112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130~132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110~112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作という。
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137~139が設けられている。ストップボタン137~139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110~112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110~112に対応づけてそれぞれ設けられている。より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。
以下、ストップボタン137~139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。さらに、回転中の各リール110~112を全て停止させるためにストップボタン137~139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。第1停止リールを左リール110とし、第2停止リールを中リール111とする停止操作の操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止リールを左リール110とし、第2停止リールを右リール112とする停止操作の操作順序を「順挟み」と呼び、第1停止リールを中リール111とする停止操作の操作順序を「中押し操作順序」または単に「中押し」と呼び、第1停止リールを右リール112とし、第2停止リールを中リール111とする停止操作の操作順序を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼び、第1停止リールを右リール112とし、第2停止リールを左リール110とする停止操作の操作順序を「逆挟み」と呼ぶ。本実施形態では、各ストップボタン137~139の内部に発光体(停止ボタンランプという)が設けられており、ストップボタン137~139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることができる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。音孔145はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部にはタイトルパネル160および音孔143が設けられている。
リール窓113およびその周囲を含む領域には、液晶表示装置(演出画像表示装置)157が設けられている。このうち、リール窓113の内側の領域(リール窓113を覆う領域)においては、リール窓113を介してリール110~112が視認可能な所謂透過型液晶になっている。
PUSHボタン192は、所定の演出を実行する場合に操作可能なボタンである。本実施形態では、PUSHボタン192の操作に基づいて、これまでのAT状態の獲得枚数履歴を表示することができる。なお、本実施形態では、PUSHボタン192の内部に発光体(PUSHボタンランプという)が設けられており、PUSHボタン192の操作が可能(有効操作として受付可能)である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることができる。
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264及び背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110~112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110~112の側方、すなわち、向って左側の側面板260には、内部に第1副制御部400を構成する第1副制御基板を収納した第1副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、すなわちリール110~112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源スイッチ244は前面扉102を開けることで操作可能となり、閉じた状態では操作が困難または不能である。
電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、液晶表示装置157の上部には、第2副制御部500を構成する第2副制御基板を収容する第2副基板ケース230、上部スピーカ272を設けている。液晶表示装置157の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔145に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
図1と図2を参照して、液晶表示装置157は、カラーフィルタを備えた透過型のカラー液晶パネル157Aと、カラー液晶パネル157Aを背面側から白色光で照明するバックライト157Bと、を備えた液晶ディスプレイである。液晶パネル157Aは、リール窓113の内側の領域と外側の領域の双方に延在する矩形のパネルであり、周知の液晶パネルを採用できる。液晶パネル157Aは、例えば、画素毎のR、G、B(赤、緑、青)のフィルタを備えると共に、信号線、スイッチング素子、画素電極等が形成されたガラスなどの透明基板間に液晶を封入して液晶層が構成され、この液晶層が偏光板間に挟まれて構成される。入賞ラインを示すは、液晶パネル157Aは、ノーマリ・ホワイト型でもよいが、本実施形態ではノーマリ・ブラック型である。
バックライト157Bは、導光板、導光板に光を照射するLED等の光源、拡散シート等の光学部材等を備える。光源は、例えば、導光板の端部に沿って配置され、導光板の内部を伝搬する光が液晶パネル157Aへ反射される。本実施形態の場合、バックライト157は、リール窓113の内側の領域に、その厚み方向に貫通する開口部157bが形成されており、遊技者は導光板等を介さずに各リール110~112を視認可能である。本実施形態では、液晶パネル157Aと開口部157bとが重なる部分の背後からの照明は、各リール110~112に備えられたバックライトを用いる。リール帯が白色(あるいは乳白色)を有していることにより、バックライト157と大差のない照明を各リール110~112により実現可能であり、各リール110~112のバックライトはバックライト157の一部またはこれら全体をバックライトユニットということもできる。
本実施形態の場合、開口部157bはリール窓113に輪郭を適合させた一つの矩形としているが、リール110~112の各リール間の隙間を埋めるように、各リール110~112に対応した三つの矩形としてもよい。リール間の隙間の位置に表示する画像の鮮明度を向上できる。
液晶パネル157Aにおいて、光の透過を遮ることで、遊技者から見ると黒色の画像が表示されているように見えることになる。また、バックライト光をR、G、Bで均等に透過させることで、遊技者から見ると白色の画像が表示されているように見えることになる。白色の画像を表示している場合とは、液晶パネル157Aの透過性が高まった状態であるということもでき、R、G、Bをそれぞれ最高輝度に制御した場合、最も光の透過性が高い状態であるということができる。このような黒色、白色あるいは他の色の表示は画素単位で制御可能である。
この液晶表示装置157の動作について、図3(b)~(d)を用いて説明する。同図は、液晶表示装置157の動作の一例を示す図である。
図3(b)には、スロットマシン100に電力供給がされていない場合における、液晶表示装置157の状態が示されている。上記のとおり、本実施形態の場合、液晶表示装置157はノーマリ・ブラック型の液晶ディスプレイであり、電源断の状態では遊技者から見ると黒色の画像が表示されているように見え、リール110~112が視認困難な状態となっている。
図3(c)には、液晶表示装置157の動作の一例が示されている。この図では、液晶表示装置157全体を用いて画像を表示していることが示されている。このとき、リール窓113の内側の領域では、リール110~112からの光等がバックライトの役割を果たし、この領域において液晶表示装置157の画像が視認可能な状態となる。但し、液晶表示装置157の画像表示により、リール110~112の図柄の視認性は低下する(見えにくくなる)ことになる。
図3(d)には、図3(c)とは異なる液晶表示装置157の動作の一例が示されている。この図では、リール窓113の内側の領域が、上記(c)の例とは異なる。具体的には、リール窓113の内側の領域において白色の画像を表示することにより、リール110~112の視認性を確保した状態にしている。本実施形態では、1遊技内においてメダルの投入があってからはこの状態となる。すなわち、リール110~112の視認性を確保するため、少なくとも、リール110~112の回転開始から停止までの間は、図3(d)に示す状態を維持する。
この後に説明する液晶表示装置157の演出表示の例では、液晶パネル157Aにおける、リール窓113よりも上側の部分に表示された例になる。
なお、リール窓113の左側には貯留枚数表示部125Lが設けられており、反対の右側には払出枚数表示部127Lが設けられている。貯留枚数表示部125Lには、貯留枚数表示器125に表示される貯留枚数と同じ値が表示され、払出枚数表示部127Lには、払出枚数表示器127に表示される払出枚数と同じ値が表示される。
以上説明したように、本実施形態では、液晶表示装置157についてリール窓113を覆う領域を設け、白色の画像を表示してリール110~112を視認可能にするとともに、白色以外の画像を表示した場合はリール110~112の視認性を低下させるようにしている。なお、リール110~112の視認性を向上させるために、リール窓113を覆う領域の画像を構成する各画素に透過率を設定可能とし、透過率を100%(透過状態)とする設定を行ってもよい。
なお、画像を表示する装置については、液晶表示装置に限らず、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認できるように構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部の回路構成>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの図柄配列等を記憶したROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様であるが、本実施形態では、データを不揮発的に記憶する記憶領域を備える記憶デバイスであるROMと、データを一時的に記憶する記憶領域を備える記憶デバイスであるRAMとを併用している。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0~65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、右ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、右リール112のインデックスセンサ、PUSHボタン192センサ等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、および、右ストップボタン139センサは、各々対応するストップボタン137~139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、対応するメダル投入ボタン130~132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、および、右リール112のインデックスセンサは、各リール110~112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。一旦Lレベルになってから次にLレベルになるまでの間、リールが基準位置からどのくらい回転しているかを示す回転位置情報は、水晶発振器315bが出力するクロック信号をカウントした値に基づいて算出される。CPU304は、上記Lレベルの信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。この回転位置情報は、主制御部300のRAM308に格納されている。
主制御部300は、リール110~112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ339(告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態を示す情報)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS-ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、遊技メダル投入可能ランプ124、ベットボタンランプ、リールバックライト、ストップボタン137~139ランプ、PUSHボタンランプ等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、センサ回路423が設けられ、CPU404は、前面扉102の開放を検知する扉センサ421の検知結果を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、液晶表示装置157の表示制御を行う。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、液晶表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
図5を用いて、上述の各リール110~112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110~112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0~19の20コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0~19は、各リール110~112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号0のコマには「ベル図柄」、中リール111の番号1のコマには「リプレイ図柄」、右リール112の番号1のコマには「スイカ1図柄」がそれぞれ配置されている。
なお、「青セブン2図柄」と「スイカ2図柄」には星マークが施されているが、これは、「青セブン2図柄」と「スイカ2図柄」が、「青セブン1図柄」と「スイカ1図柄」と同様のデザインであるが異なる図柄(同種の図柄とも言う)であることを意味している。「同様のデザイン」とは、描かれているキャラクタは同じであるが表情は違ったり、描かれている対象物(スイカ)は同じであるが模様が違ったりする等が該当する。そして、本実施形態では同種の図柄の見分けをしやすくするために星マークを付している。
<入賞役の種類>
次に、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。
スロットマシン100の入賞役には、再遊技役(リプレイ)、小役がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。本実施形態における入賞役のうち、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる再遊技役として、入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合がある。本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、再遊技役の入賞も含まれる。
再遊技役(リプレイ)は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、当該遊技で設定された賭数で次遊技を行うことができ、メダルの払出は行われない。小役は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
遊技において入賞する役は、内部当選役に対応する役のいずれかである。これらの内部当選役は遊技の開始操作時の抽選(入賞役内部抽選)によって決定される。
図6(a)は、図1に示すスロットマシン100の内部当選役をまとめて示した図である。
内部当選役の当選確率は、各々の内部当選役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、後述する内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(本実施形態では65536)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の内部当選役やハズレを対応付けしている。後述する入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの内部当選役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの内部当選役の当選確率を異ならせた設定1~設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
なお、設定値については、内部当選役の当選確率を各設定値で共通とする一方で、後述するATの当選確率(ATへの移行のしやすさ)を設定1~設定6で異ならせてもよく、例えば、設定1では或る内部当選役が決定された場合のAT抽選確率を確率Aとする一方で、設定6では或る内部当選役が決定された場合のAT抽選確率を確率Aよりも高い確率Bとするようにしてもよい。
図6(a)では、抽選データの範囲(抽選値)をアルファベットで示している。リプレイ4~リプレイ7には、いずれも(g)が示されているが、これは抽選値が同じであることを表す。例えば、(g)=3000/65535である。1枚役1~1枚役8には、いずれも(m)が示されているが、これも抽選値が同じであることを表す。ベルCLR1~ベルRCL3には、いずれも(n)が示されているが、これも抽選値が同じであることを表す。
アルファベットで示す抽選値の関係は、(a)+(b)+(c)+(d)<(e)+(f)+(g)+(h)+(i)+(j)+(k)+(l)+(m)+(n)の関係になる。
なお、スイカ役やチェリー役は、抽選値が小さなレア役になる。
<内部当選役の種類>
次に、図6(b)を用いて、スロットマシン100の内部当選役(条件装置)について説明する。
図6(b)は、内部当選役のうち、共通ベルと押し順役の操作内容ごとの表示態様と払出枚数を示す表である。押し順役とは、停止操作の内容(本実施形態では、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序)に応じて入賞役(リール110~112の表示態様)が異なる内部当選役をいう。
なお、本実施形態では、(1)左中右(第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112とする停止操作)の停止操作をLCR操作、(2)左右中(第1停止リールを左リール110、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを中リール111とする停止操作)の停止操作をLRC操作、(3)中左右(第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112とする停止操作)の停止操作をCLR操作、(4)中右左(第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを左リール110とする停止操作)の停止操作をCRL操作、(5)右左中(第1停止リールを右リール112、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを中リール111とする停止操作)の停止操作をRLC操作、(6)右中左(第1停止リールを右リール112、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを左リール110とする停止操作)の停止操作をRCL操作と表記する場合がある。
例えば、入賞役内部抽選において押し順ベル_CLR1~3が内部当選した場合であって、(1)LCR操作又はLRC操作が行われた場合には、ハズレまたは1枚役の入賞となり、0枚又は1枚のメダルが払い出され、(2)CLR操作が行われた場合には、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出され、(3)CRL操作が行われた場合には、1枚役に入賞し、1枚のメダルが払い出され、(4)RLC操作又はRCL操作が行われた場合には、ハズレまたは1枚役の入賞となり、0枚又は1枚のメダルが払い出される。つまり、押し順ベル_CLR1~3は、CLR操作が行われた場合にベルに入賞し、最大数のメダル払出しが行われる。以下、押し順役に内部当選した場合において、最大数のメダルが払い出されるときの操作内容を「正解の操作」と表記する場合がある。本実施形態では、正解の操作とは、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序が正解であることをいう。
同様にして、押し順ベル_CRL1~3は、CRL操作が正解の操作であり、CRL操作の場合、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出される。また、押し順ベル_RLC1~3は、RLC操作が正解の操作であり、RLC操作の場合、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出され、押し順ベル_RCL1~3は、RCL操作が正解の操作であり、RCL操作の場合、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出される。
一方、例えば、入賞役内部抽選において共通ベルが内部当選した場合、操作内容に関わらず、ベルに入賞し、9枚のメダルが払い出される。以下、上述した押し順ベル_CLR1~3、押し順ベル_CRL1~3、押し順ベル_RLC1~3および押し順ベル_RCL1~3を総称して「押し順ベル」という。なお、これら「押し順ベル」のうち、押し順ベル_CLR1~3および押し順ベル_CRL1~3を説明の便宜上「中第一ベル」と呼び、押し順ベル_RLC1~3および押し順ベル_RCL1~3を「右第一ベル」と呼ぶことがある。また、共通ベルの払い出し枚数については押し順ベルと同数の9枚としたが、これに限らず、押し順ベルよりも少ない枚数であってもよく、共通ベルの枚数を減らすことで、通常状態のメダル払出を抑制することができる。
本実施形態では、LCR操作又はLRC操作(順押し又は順挟み)を正解とする押し順ベルは存在せず、CLR操作又はCRL操作(中押し)及びRLC操作又はRCL操作(逆押し又は逆挟み)を正解とする押し順ベルが存在する仕様となっている。すなわち、偏りベルと称される仕様である。偏りベルとすることで、通常状態(非AT状態)の出玉を下げてAT状態での出玉を高めることができる。なお、偏りベルとは、左第1停止よりも左第1停止以外の押し順の方が、遊技にとって有利である(例えば、払出枚数が多い、あるいは当選確率が高くなっている)仕様である。
なお、内部当選役(条件装置)が1枚役1~8及びリプレイ1~7の場合の操作内容ごとの表示態様と払出枚数は、図6(b)に示す通りである。図6(b)中の「S青7/BAR」は、「青セブン1図柄」がシングル(1ライン)の入賞ラインで揃うか「BAR図柄」が揃うかを意味している。「フェイク」とは、狙うべき図柄が報知されて目押しを行っても、報知された図柄が揃わないことを意味している。「リプレイ(桃7/W青7フェイク)」は、桃セブン図柄を狙えあるいはダブル(2ライン)の入賞ラインで青セブン図柄を狙えといった報知がなされるが、目押ししてもリプレイ図柄が揃うことを意味している。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類及び遷移について説明する。図7は、スロットマシン100の主制御部300の遊技状態(詳しくは、AT系の遊技状態)の遷移図である。AT系の遊技状態は、演出に関連する遊技状態である。
スロットマシン100の遊技状態は、通常状態と、AT状態と、に大別される。通常状態は、操作ナビが実行されない状態であり、AT状態は、操作ナビが実行される場合がある状態である。ここで、操作ナビとは、停止操作態様(停止操作の内容に関する情報)を報知する報知演出であり、操作ナビの報知内容に従った停止操作を行うと遊技者に有利な結果がもたらされるようになっている。操作ナビは、大別して、(1)停止操作の操作順序(押し順)を含んだ情報を報知する押し順ナビと、(2)操作タイミング(例えば、停止目標の図柄など)を含んだ情報を報知する図柄ナビと、がある。換言すれば、押し順ナビは、目押しタイミングを含まない操作ナビであり、図柄ナビは、目押しタイミングを含む操作ナビである。本実施形態の場合、例えば、AT状態において、押し順ベルに内部当選した場合、正解の操作内容(操作順序)を報知する場合がある。
通常状態は、通常ステージと、チャレンジゾーン(以下、CZと略記する)と、引き戻しゾーンと、を備える。AT状態は、ボーナス状態と、AT通常状態と、上乗せゾーンと、エンディング状態と、を備える。
また、上述した7つの遊技状態とは別に、有利区間と、非有利区間と、いう概念を設けている。非有利区間は、通常ステージの一部の期間と、引き戻しゾーンの一部の期間で構成されており、有利区間は、それら以外の期間である。したがって、AT状態は、有利区間のモードである。本実施形態の有利区間は上限差枚数が設定されている期間である。具体的には、上限差枚数は2400枚である。ここで、差枚数とは、一回の遊技におけるメダルの投入枚数と払出枚数との差(払出枚数-投入枚数)の累積値である。有利区間の上限差枚数は有利区間の終了を判定する値であり、差枚数は一回の遊技結果により更新される。なお、有利区間は、上限差枚数とともに上限ゲーム数が設定されている期間であってもよいが、本実施形態のスロットマシン100における有利区間には、ゲーム数の上限はない。また、有利区間は、上限差枚数に到達すれば終了させなければならないが、上限差枚数に到達しなくても終了させることができる。さらに、有利区間として上限差枚数を設けているが、メダルなどの遊技媒体を使わないメダルレス遊技機にも本実施形態における技術的思想は適用可能である。
非有利区間では、通常状態からAT状態に移行するか否かを決定する抽選が行われない。このため、操作ナビが実行されない区間となる。一方、有利区間では、通常状態からAT状態に移行するか否かを決定する抽選が行われる。このため、その抽選に当選し、AT状態に移行すれば、操作ナビが実行される場合がある。有利区間とは、AT状態に移行することが可能な区間であり、非有利区間とは、AT状態に移行することが不可能な区間である。
設定変更が行われると、非有利区間に設定され、通常ステージになる。非有利区間の通常ステージにおいてハズレ以外の役に当選すると、有利区間に移行する。有利区間で、上記上限ゲーム数または上記上限差枚数のいずれか一方に到達すると、非有利区間に移行する。有利区間から移行した非有利区間(引き戻しゾーン)でも、ハズレ以外の役に当選すると、有利区間に移行する。
一般的に、AT状態などの遊技者に有利な状態においてメダル払出を増やす遊技性を実現するためには、通常状態のメダル払出を抑制する必要がある。また、遊技台の停止操作に関しては、遊技者に対して第1停止操作を左とする停止操作(順押しや順挟み)が推奨されていることが多い。そのため、押し順役を設ける場合、通常状態のメダル払出を抑制する遊技性を実現する方法として、本実施形態では、図6に示すような、偏りベル仕様の押し順ベル(第1停止操作左を正解とする押し順ベルは存在せず、第1停止操作中又は右を正解とする押し順ベルが存在する)を採用している。
なお、本実施形態では、第1停止操作左を正解とする押し順ベルは存在しなかったが、これとは別に設けてもよい。この場合には、第1停止操作左を正解とする押し順ベルの内部当選確率は、第1停止操作中を正解とする押し順ベルの内部当選確率と第1停止操作右を正解とする押し順ベルの内部当選確率の合計よりも低く設定すればよい。
また、本実施形態では、AT状態が終了した後の通常状態のゲーム数が所定の閾値(以下、天井ゲーム数という)に到達したときにはAT状態に移行するという遊技性を採用している。
さらに、本実施形態では、通常状態において第1停止操作を左とする停止操作(順押しや順挟み)が推奨されており、有利区間の通常状態(非AT状態)で押し順ベルに内部当選した遊技では、第1停止操作左以外(具体的には、第1停止操作中、第1停止操作右)の停止操作が行われた場合、ペナルティが付与されるようになっている。ここで、ペナルティとは、具体的には、通常状態からAT状態への移行に関するペナルティであり、本実施形態では、(1)当該遊技において通常状態からAT状態に移行するか否かを決定する抽選が行われない。なお、抽選は行われても、AT状態に移行することに当選しないペナルティであってもよい。また、(2)通常状態のゲーム数を天井ゲーム数までカウントするカウンタ(以下、天井カウンタという)の値を更新しない(加算しない)。本実施形態では、これらの(1)と(2)のペナルティの内容を採用しているが、これらに限定されず、通常状態からAT状態への移行に関するペナルティであれば他の内容であってもよい。例えば、ATが既に決定している前兆中(いわゆる、本前兆中)に内部当選役に応じてストック抽選をする場合に、そのストック抽選をしないという例であったり、本前兆中に内部当選役に応じてより良いATに移行するようなAT格上げ抽選をする場合に、その格上げ抽選をしないという例であったり等の優遇処理を抑制するまたは実行しないペナルティであってもよい。また、AT状態への移行に関するペナルティとしたが、CZへの移行に関するペナルティを備えてもよい。
図7には、上記説明した7つの遊技状態が示されており、これらの移行条件が矢印上に記載されている。各矢印に対応する移行条件が成立すると、その矢印方向に向かって遊技状態が遷移する。
通常ステージは、設定変更後の初期状態である。通常ステージにおいて条件Aが成立した場合(詳しくは、初期状態である非有利区間の通常ステージにおいてハズレ以外の役に当選して有利区間に移行した後、有利区間の通常ステージにおいて、レア役(例えば、強チェリー)当選に基づく特定演出抽選に当選し、特定演出が開始され該特定演出が終了した場合、AT通常状態に移行する。特定演出としては、本実施形態では、複数ゲームにわたる連続演出である。連続演出としては、例えば、決闘演出であってもよいし、フリーズ演出であってもよい。また、連続演出は、複数ゲームにわたる演出であればよく、AT状態移行前であることから前兆演出と称される場合もある。上記特定演出抽選には100%当選する態様であってもよいし、レア役に当選した段階でAT通常状態に移行することが確定する態様であってもよい。
通常ステージにおいて条件Bが成立した場合(詳しくは、初期状態である非有利区間の通常ステージにおいてハズレ以外の役に当選して有利区間に移行した後、有利区間の通常ステージにおいて、当選役に基づくCZ移行抽選に当選した場合)、CZに移行する。CZは、ゲーム数が固定(例えば、10ゲーム)された有限期間の遊技状態となっている。CZにおいて条件Dが成立した場合(詳しくは、CZにおいて、当選役に基づくボーナス移行抽選に当選した場合)、ボーナス状態に移行し、CZにおいて条件Cが成立した場合(詳しくは、CZにおいてボーナス移行抽選に当選しなかった場合)、通常ステージに移行する。
ボーナス状態は、ゲーム数が固定(例えば、30ゲーム)された有限期間の遊技状態となっている。なお、ここにいうボーナスは疑似ボーナスである。ボーナス状態において条件Fが成立した場合(詳しくは、ボーナス状態において、当選役に基づくAT抽選に当選した場合)、AT通常状態に移行する。AT抽選に当選すると、AT通常状態に滞在することができるゲーム数(以下、AT付与ゲーム数という)が付与される。一方、ボーナス状態において条件Eが成立した場合(詳しくは、ボーナス状態においてAT抽選に当選しなかった場合)、通常ステージに移行する。
本実施形態のスロットマシン100は、AT通常状態で出玉を増やす仕様になっている。AT通常状態において条件Gが成立した場合(詳しくは、当選役に基づく上乗せゾーン移行抽選に当選した場合)、上乗せゾーンに移行する。上乗せゾーンは、AT付与ゲーム数を上乗せする上乗せ抽選を実行する状態である。すなわち、AT通常状態では、AT抽選に当選した直後に付与された初期のAT付与ゲーム数に、この上乗せゾーンで付与されたゲーム数が上乗せされたゲーム数分の遊技を実行することができる。上乗せゾーンは、ゲーム数が固定(例えば、10ゲーム)された有限期間の遊技状態である。上乗せゾーンにおいて条件Hが成立した場合(詳しくは、ゲーム数消化により上乗せゾーンが終了した場合)、AT通常状態に移行する。なお、AT抽選に当選した直後にAT付与ゲーム数が付与されず、上乗せゾーンにおいてAT通常状態の初期ゲーム数を決定するような構成としてもよい。
また、AT通常状態において条件Jが成立した場合(詳しくは、エンディング移行条件が成立した場合)、エンディング状態に移行する。ここで、エンディング移行条件が成立した場合とは、有利区間の差枚数が規定差枚数(ここでは2200枚)以上となった場合のことである。すなわち、有利区間が終了となる上限差枚数(ここでは2400枚)に到達するまでの残差枚数が所定枚数(ここでは200枚)以下になると、条件Jは成立する。
エンディング状態は、AT状態(有利区間)の最終状態である。エンディング状態において条件Lが成立した場合(詳しくは、有利区間終了条件が成立しかつ引き戻しゾーン移行抽選に当選した場合)、引き戻しゾーンに移行する。有利区間終了条件が成立した場合とは、有利区間の差枚数が上限差枚数である2400枚に到達した場合である。なお、差枚数の上限が2400枚であるため、AT状態に至るまでのマイナス分を考慮して、2400枚を超えて有利区間が終了することも可能である。
図8(a)は、引き戻しゾーン移行抽選の移行当選確率を示した図である。
主制御部300のRAM308には、有利区間における上限差枚数をカウントする差枚数カウンタや、上述の天井カウンタや、AT付与ゲーム数をカウントするカウンタ等の他に、AT通常状態における獲得枚数をカウントするAT獲得枚数カウンタが設けられている。主制御部300のCPU304は、このAT獲得枚数カウンタが、所定の第二の値(ここでは500枚)に到達すると、引き戻しゾーン移行抽選を実行する。この場合には、図8(a)に示すように、引き戻しゾーン移行抽選における移行当選確率は10%程度であり、引き戻しゾーンに移行する場合もある。なお、厳密には、移行当選確率(移行する確率)は25/256の確率であり、移行しない確率は231/256になる。この段階で引き戻しゾーン移行抽選に当選した場合には、AT通常状態において、有利区間が終了になる上限差枚数に到達する前にAT付与ゲーム数をすべて消化した時点で条件Kが成立し、引き戻しゾーンに移行する。こうして引き戻しゾーンに移行した場合は、有利区間のままである。一方、AT通常状態における獲得枚数が所定の第二の値(500枚)に到達しない場合には、引き戻しゾーン移行抽選は実行されない。したがって、この場合には、引き戻しゾーン移行抽選の当選確率は0%ということになる。AT通常状態における獲得枚数が所定の第二の値(500枚)に到達する前に、AT付与ゲーム数をすべて消化した時点で条件Iが成立し、通常ステージに戻る。こうして通常ステージに戻った場合は、有利区間のままである。
また、AT獲得枚数カウンタが所定の第二の値(ここでは500枚)に到達した際の引き戻しゾーン移行抽選にはハズレ、AT獲得枚数カウンタが所定の第一の値(有利区間が終了になる上限差枚数未満の値であって、ここでは1000枚)に到達すると、引き戻しゾーン移行抽選が再度実行される。図8(a)に示すように、1000枚到達時の当選確率は100%である。AT通常状態における獲得枚数が所定の第一の値(1000枚)に到達し(引き戻しゾーン移行抽選に当選し)た後、AT通常状態において、有利区間が終了になる上限差枚数に到達する前にAT付与ゲーム数をすべて消化した時点で条件Kが成立し、引き戻しゾーンに移行する。こうして引き戻しゾーンに移行した場合も、有利区間のままである。また、エンディング状態に移行し、有利区間が終了になる上限差枚数(2400枚)に到達した場合には、条件Lが成立し、引き戻しゾーンに移行する。エンディング状態から引き戻しゾーンに移行した場合には、非有利区間に移行する。有利区間の差枚数が上限差枚数である2400枚に到達しているということは、AT通常状態における獲得枚数が1000枚に到達していることになり、エンディング状態からは引き戻しゾーンに必ず移行することになる。
また、AT通常状態における獲得枚数が第二の値(500枚)に到達した場合、引き戻しゾーン移行抽選にハズレる確率は90%程度もある。AT通常状態における獲得枚数が、第二の値に到達した時点の抽選にはハズレ、第一の値に到達する前に、AT付与ゲーム数をすべて消化してしまった場合にも、条件Iが成立し、通常ステージに戻る。こうして通常ステージに戻った場合にも、有利区間のままである。
以上説明したように、引き戻しゾーン移行抽選は、AT通常状態における獲得枚数が、500枚に到達していなければ実行されず、500枚に到達していれば実行され、1000枚に到達していれば引き戻しゾーンに必ず移行する。これにより、遊技者に、AT通常状態中の遊技目標を持たせることができるとともに、「たくさん出たらもっと出るかも」といった期待感も持たせることができる。なお、ここではAT獲得枚数カウンタは、AT通常状態における獲得枚数をカウントしているが、AT通常状態とボーナス状態を合わせた獲得枚数をカウントしてもよいし、AT状態全体における獲得枚数をカウントしてもよい。また、引き戻しゾーン移行抽選の当選確率は、設定値の応じて異なるようにしてもよく、低設定(例えば設定1)よりも高設定(例えば設定6)の方が引き戻しゾーン移行抽選の当選確率が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、高設定であればより一層多くの遊技価値を獲得できるようにすることができる。一方で、高設定(例えば設定6)よりも低設定(例えば設定1)の方が引き戻しゾーン移行抽選の当選確率が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、低設定であっても多くの遊技価値を獲得できるようにすることができる。
また、AT通常状態では「1000枚到達で引き戻しゾーン確定かも」というような表示をして、AT中の遊技目標を視認できるようにしてもよい。あるいは、引き戻しゾーン移行抽選に当選し、引き戻しゾーンへの移行権利を得た以降のAT通常状態では、引き戻しゾーンへこの後に移行することを遊技者が特定可能な表示を行うことで、遊技者の遊技継続意欲を高めることができる。
なお、引き戻しゾーン移行抽選は、有利区間が終了になる上限差枚数に到達したタイミングや、AT付与ゲーム数をすべて消化したタイミングで実行されてもよい。この場合には、AT通常状態における、その実行タイミングでの獲得枚数が、所定の第二の値(500枚)に到達しているか、所定の第一の値(1000枚)に到達しているかで、図8(a)に示すように移行当選確率が異なってくる。あるいは、引き戻しゾーン移行抽選は、AT通常状態における獲得枚数が、所定の第二の値および所定の第一の値に到達したそれぞれのタイミングとAT付与ゲーム数をすべて消化したタイミングとで実行されてもよい。
また、所定の第二の値(500枚)や所定の第一の値(1000枚)に到達した後にAT付与ゲーム数をすべて消化してから引き戻しゾーンへ移行する場合においては、非有利区間へは移行せずに有利区間は継続したままであったが、AT付与ゲーム数をすべて消化した時点において、現在滞在している有利区間の残りの期間で十分な枚数を獲得可能であるか否かに応じて有利区間を終了させて非有利区間へ移行するか否かを決定するようにしてもよい。十分な枚数としては、例えば、2400枚でもよく、2400枚よりも少ない1500枚であってもよい。すなわち、十分な枚数を獲得可能でなければ、現在の有利区間を終了させて非有利区間へ移行させ、新たな有利区間を開始できるようにしてもよい。これは、引き戻しゾーンでATに当選してATに復帰したにも関わらず、該復帰したATでの獲得枚数が少ないのにエンディング状態へすぐに移行してしまい遊技者の不満を買うような事象の発生を防ぐためである。
引き戻しゾーンは、ゲーム数が固定(例えば、15ゲーム)された有限期間の遊技状態となっている。引き戻しゾーンのゲーム数は、ボーナス状態のゲーム数よりは少ないが、上乗せゾーンのゲーム数よりは多い。
図8(b)は、引き戻しゾーンにおいて実行される引き戻しゾーン中AT抽選のAT当選確率を示した図である。
15ゲームのうちに全役で行われるAT抽選によりAT当選すれば(図7に示す条件Mの成立)、引き戻しゾーン終了後にAT通常状態へ再度移行し、AT非当選であれば(図7に示す条件Nの成立)、通常ステージへ移行する。引き戻しゾーンに移行したばかりであると、非有利区間に戻っているため、ハズレに当選した場合には、AT抽選が行われない。あるいは、AT抽選が行われてAT当選しても無効扱いされる。ハズレ以外の役に当選して有利区間に移行した後であれば、ハズレに当選した場合であっても、AT当選する可能性がある。図8(b)に示す図は一例であって、他に、スイカ、弱チェリーを弱レア役とし、強チェリー、チャンス目を強レア役とし、AT当選確率を弱レア役では45%、強レア役では100%のような振り分け等にしてもよい。また、引き戻しゾーン中のAT抽選は、設定値の応じて異なるようにしてもよく、低設定(例えば設定1)よりも高設定(例えば設定6)の方がAT当選確率が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、高設定であればより一層多くの遊技価値を獲得できるようにすることができる。一方で、高設定(例えば設定6)よりも低設定(例えば設定1)の方がAT当選確率が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、低設定であっても多くの遊技価値を獲得できるようにすることができる。
なお、AT当選しても15ゲームが消化されるまで引き戻しゾーンは維持されるが、AT当選した次のゲームからAT通常状態へ移行してもよい。また、エンディングから引き戻しゾーンに移行する前に、数ゲーム分の引き戻しゾーン準備状態を設け、この引き戻しゾーン準備状態で、非有利区間から有利区間に戻す機会を与えてもよい。この場合、引き戻しゾーン準備状態であることを特定可能または示唆する準備中演出を実行してもよい。そして、準備状態にて有利区間へ移行すると引き戻しゾーンが開始されることとなる。
図9は、引き戻しゾーンを経由した場合の差枚数の増減の一例を示すグラフである。
図9では、縦軸が遊技媒体の数(メダルの枚数)を表し、横軸が時間経過を表す。図9のグラフが表す差枚数とは、上述のごとく、一回の遊技におけるメダルの投入枚数と払出枚数との差(払出枚数-投入枚数)の累積値になる。設定変更が行われ、差枚数が0にリセットされる。また、設定変更が行われたことで、遊技状態は通常状態になっている。通常状態の間、差枚数は減少するが、AT状態(1回目)に移行すると、増加に転じる。AT通常状態においてAT付与ゲーム数が消化された時点の、AT通常状態における獲得枚数は500枚に達しており、引き戻しゾーン移行抽選が実行される。しかしながら、図8(a)に示す10%程度の当選確率にハズレ(図7に示す条件Iの成立)、2回目の通常状態に移行する。2回目の通常状態の間も、差枚数は減少するが、AT状態(2回目)に移行すると、増加に転じ、差枚数は正の値まで増加する。やがて、AT状態(2回目)でもAT付与ゲーム数が消化される。AT通常状態における獲得枚数は1000枚を超えており(図7に示す条件Kの成立)、引き戻しゾーンへ移行する。引き戻しゾーンは、通常状態であって操作ナビが実行されない状態であるため、差枚数は減少する。引き戻しゾーン中AT抽選に当選し、15ゲームの引き戻しゾーン終了後に、AT状態(3回目)に移行する。AT状態(3回目)では、差枚数が上限差枚数である2400枚に到達する。この結果、図7に示す条件Lが成立し、引き戻しゾーンへ移行する。また、有利区間はリセットされ、非有利区間になる。引き戻しゾーンでは、差枚数は減少し、引き戻しゾーン中AT抽選に当選することができず、15ゲームの引き戻しゾーン終了後に、通常状態に移行する。
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン100では、1回のAT状態で獲得枚数が1000枚以上になれば引き戻しゾーンに必ず移行することになる。また、引き戻しゾーン移行抽選は、有利区間終了条件が成立した場合と、AT通常状態においてAT付与ゲーム数が消化された場合に実行されるが、この他、AT通常状態に移行した段階や、獲得枚数が500枚になった段階でも引き戻しゾーン移行抽選を行うようにして、当選した場合には、引き戻しゾーンに移行する権利を、AT付与ゲーム数が消化されるまで保留できるようにしてもよい。こうすることで、獲得枚数が1000枚に到達しなくても、引き戻しゾーンに移行する権利を獲得することができる機会が増え、AT状態の途中やAT付与ゲーム数が消化された段階で、煽り演出を行いやすくなる。煽り演出としては、例えば、引き戻しゾーン移行抽選に当選した場合に引き戻しゾーンに移行されることを特定可能または示唆する演出を実行してもよく、また、獲得枚数が500枚に近づいた場合(例えば、450枚に到達した場合)に、AT状態の画面上における獲得枚数表示が点滅や色が変化するようにしてもよく、500枚に達した場合に点滅や色が変化するようにしてもよい。
なお、1回のAT状態における獲得枚数に代えて、1回の有利区間における獲得枚数としてもよい。また、AT付与ゲーム数が一度も上乗せされずにAT付与ゲーム数が消化された場合には、引き戻しゾーン移行当選確率を10%前後よりも高めてもよい。
なお、獲得枚数は、実際の獲得枚数ではなく仮想差枚数を参照してもよい。ここにいう仮想差枚数とは、遊技台の想定通りの遊技価値の獲得を行ったとする見込み枚数のことである。例えば、通常状態(非AT状態)では、順押しで実際に獲得した枚数が計数される。通常状態で変則押しを行い獲得した枚数は0枚として扱う(計数しない)。推奨されない打ち方をして得た遊技価値を計数しないので公正な遊技台を提供することができる。AT状態で操作ナビに従わなかった場合でも正解の操作順序で操作して獲得することができる枚数を計数する。すなわち、押し順ナビを無視しても、押し順ナビに従ったとして枚数を計数する。AT状態中に押し順を間違ってしまっても、引き戻しゾーン移行抽選では、正確の操作を行ったとして移行抽選を行ってくれることになる。この結果、実際は1000枚を超えていたのに、押し順を間違えたことにより990枚しか獲得することができず、引き戻しゾーン移行抽選にハズレて引き戻しゾーンへ移行することができなくなってしまうことがなくなり、遊技者に不利益とならないようにすることができる。
遊技台には、純粋な差枚数を計数する差枚数カウンタの他、仮想差枚数を計数するカウンタ(仮想差枚数カウンタ)も設けられている。この仮想差枚数カウンタは、初期値が0よりも大きい。カウント値が遊技状況で初期値を下回っても、マイナス域までには余裕があり、マイナスを考慮せずに計数する期間が長くなる。また、仮想差枚数カウンタの初期値よりもマイナス側の絶対値(第二の絶対値)は初期値よりもプラス側の絶対値(第一の絶対値)よりも大きい。遊技者の遊技状況によって獲得差数が初期値から第一の絶対値を減じた値を超えたとしても、遊技者が挽回できる余地を残すことができる。
さらに、差枚数カウンタは、プラス域の差数を計数(払出枚数-投入枚数のマイナス分は無視してプラス分のみを計数)するものであり、マイナス分も含めた一日の実際の払出枚数-投入枚数を計数する実測カウンタも設けられている。差枚数カウンタや仮想差枚数カウンタは、電断復電では初期化されないが、実測カウンタは電断復電で初期化される。差枚数カウンタや仮想差枚数カウンタを、電断復電で初期化されないようにすることで、開店前の電源投入でも初期化されず、前日のカウント値を引き継ぐことで、開店直後の遊技台の稼動が良くなる場合を期待することができる。
以上の記載によれば、
『 停止操作によって回転を停止するリール[例えば、左リール110、中リール111、右リール112]と、
報知手段[例えば、液晶表示装置157]と、
遊技状態の移行を制御する制御手段[例えば、主制御部300]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、遊技状態を、前記停止操作における遊技者にとって有利な操作態様[例えば、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを左リール110とする停止操作]を前記報知手段によって報知することが可能な報知遊技状態[例えば、AT状態(AT通常状態、エンディング状態)]へ移行可能な手段であり、
前記制御手段は、前記報知遊技状態において第一の条件[例えば、AT状態における遊技媒体の獲得枚数が1000枚以上]を満足している場合には、該報知遊技状態が終了したあとに、該報知遊技状態へ移行可能な特別遊技状態[例えば、引き戻しゾーン]へ移行させる手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、遊技者は、前記報知遊技状態において、前記第一の条件の成立を目標とする場合があり、遊技者の参加意欲が向上することを期待することができる。また、報知遊技状態が終了しても前記特別遊技状態が用意されていることにより、遊技者に遊技を継続する動機を与え、遊技者の遊技意欲を積極的に高めることができる。
また、
『 前記制御手段は、前記報知遊技状態において前記第一の条件を満足しなかった場合であっても、該報知遊技状態が終了すると、前記特別遊技状態へ移行させる場合がある手段である[例えば、AT状態における遊技媒体の獲得枚数が1000枚未満であっても500枚以上であれば移行抽選に当選する場合がある]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の条件は、前記報知遊技状態における遊技価値[例えば、メダル]の獲得状況が所定の第一の状況[例えば、1000枚以上]であると成立する条件である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
遊技価値の獲得状況が前記所定の第一の状況であればさらに出玉を増やすことができるかもしれないという期待感を与えることができる。
また、
『 前記制御手段は、前記報知遊技状態において前記第一の条件は満足しなかったが第二の条件を満足した場合には、該報知遊技状態が終了すると、前記特別遊技状態へ移行させる手段であり、
前記第二の条件は、前記報知遊技状態における遊技価値の獲得状況が前記所定の第一の状況を満たさない所定の第二の状況[例えば、500枚以上1000枚未満]であって移行抽選[例えば、引き戻しゾーン移行抽選]に当選[例えば、図8(a)に示す約10%の当選確率]すると成立する条件である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記所定の第一の状況を満たさなくても前記特別遊技状態への移行の機会を与えられるため、遊技の興趣減退を抑えることができる。
また、
『 遊技者にとって有利な有利区間を備え、
前記報知遊技状態は、前記有利区間における遊技状態の一つであり、
前記有利区間は、該有利区間における遊技価値の獲得状況が所定の第三の状況[例えば、2400枚以上]に達すると終了する場合がある区間であり、
前記報知遊技状態は、前記有利区間における遊技価値の獲得状況が前記所定の第三の状況に達すると終了する場合がある状態であり、
前記所定の第三の状況は、前記所定の第一の状況を超える状況であり、
前記有利区間が終了して前記報知遊技状態から前記特別遊技状態[例えば、引き戻しゾーン]に移行する場合[例えば、図7に示す条件Lが成立した場合]は、該特別遊技状態は新たな有利区間における遊技状態である場合がある[例えば、ハズレ以外の役に内部当選]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記特別遊技状態において新たな有利区間が開始されれば、当該有利区間において獲得可能な遊技価値の量を最大限担保することができる。
以上の記載によれば、
『 遊技が可能な遊技台であって、
前記遊技台は、
停止操作によって回転を停止するリール[例えば、左リール110、中リール111、右リール112]と、
報知手段[例えば、液晶表示装置157]と、
遊技の結果として遊技者に実際に付与された遊技価値[例えば、メダル]の獲得状況[例えば、一回の遊技におけるメダルの投入枚数と払出枚数との差(払出枚数-投入枚数)の累積値]を更新する第一の更新手段[例えば、AT獲得枚数カウンタ]と、
遊技の結果として遊技者に実際に或る数量[例えば、遊技台の想定通りの遊技価値の獲得を行ったとする見込み枚数]の遊技価値が付与されなくても、該或る数量の遊技価値が付与されたとして獲得想定状況[例えば、一回の遊技におけるメダルの投入枚数と見込み枚数との差の累積値]を更新する第二の更新手段[例えば、見込み枚数カウンタ]と、
を備え、
遊技者に有利な有利遊技状態[例えば、AT状態]があり、
前記有利遊技状態に移行可能な特別遊技状態[例えば、引き戻しゾーン]があり、
前記有利遊技状態は、遊技者に有利な前記停止操作の操作態様を前記報知手段により報知することが可能な状態であり、
第一の条件を満足すると前記有利遊技状態が終了したあとに前記特別遊技状態へ移行する場合があるよう構成され、
前記第一の条件は、前記獲得想定状況が所定の第一の状況[例えば、500枚以上の状況]となることであり、
前記特別遊技状態へ移行する前には該特別遊技状態へ移行することを特定可能な演出[例えば、引き戻しゾーンへこの後に移行することを遊技者が特定可能な表示]が行われる場合があるよう構成される、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
また、
『 遊技が可能な遊技台であって、
前記遊技台は、
停止操作によって回転を停止するリール[例えば、左リール110、中リール111、右リール112]と、
報知手段[例えば、液晶表示装置157]と、
遊技の結果として遊技者に実際に付与された遊技価値[例えば、メダル]の獲得状況[例えば、一回の遊技におけるメダルの投入枚数と払出枚数との差(払出枚数-投入枚数)の累積値]を更新する第一の更新手段[例えば、AT獲得枚数カウンタ]と、
遊技の結果として遊技者に実際に或る数量[例えば、遊技台の想定通りの遊技価値の獲得を行ったとする見込み枚数]の遊技価値が付与されなくても、該或る数量の遊技価値が付与されたとして獲得想定状況[例えば、一回の遊技におけるメダルの投入枚数と見込み枚数との差の累積値]を更新する第二の更新手段[例えば、見込み枚数カウンタ]と、
を備え、
遊技者に有利な有利区間があり、
前記有利区間における遊技状態の一つであって遊技者に有利な有利遊技状態[例えば、AT状態]があり、
前記有利遊技状態に移行可能な特別遊技状態[例えば、引き戻しゾーン]があり、
前記有利遊技状態は、遊技者に有利な前記停止操作の操作態様を前記報知手段により報知することが可能な状態であり、
第一の条件を満足すると前記有利遊技状態が終了したあとに前記特別遊技状態へ移行する場合があるよう構成され、
前記第一の条件は、前記獲得想定状況が所定の第一の状況[例えば、500枚以上の状況]となることであり、
前記特別遊技状態へ移行する前には該特別遊技状態へ移行することを特定可能な演出[例えば、引き戻しゾーンへこの後に移行することを遊技者が特定可能な表示]が行われる場合があるよう構成され、
前記有利区間は、所定の上限[例えば、上限差枚数2400枚]が定められた区間であり、
前記有利区間の終了を伴い前記有利遊技状態が終了する場合があり、
前記有利区間の終了を伴い前記有利遊技状態が終了したあとに移行する前記特別遊技状態[例えば、図7に示す条件Lが成立して移行する引き戻しゾーン]は、新たな有利区間における遊技状態である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
<スロットマシンの動作>
次に、主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図10に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101において主制御部初期設定処理を行う。この主制御部初期設定処理では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS103では、遊技開始処理を実行する。この処理では、メダルの投入(手入れ又はベットボタン130~132の操作)の有無をチェックし、メダルが投入された場合にはこれを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技でリプレイに入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、規定数(2or3枚)のメダルが使用された状態でスタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があれば、投入されたメダル枚数および有効な入賞ラインを確定し、遊技を開始する。
ステップS105では、内部当選役抽選処理等を含む各種抽選処理を実行する。
ステップS107では、内部当選役抽選の結果に基づき、第一停止操作に対応するリール停止データが準備される。このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。
ステップS109では、遊技間隔タイマ(後述するタイマ更新処理で減算)が0であることを条件としてリール110~112の回転を開始させるとともに、遊技間隔タイマに初期値が設定される。また、リール110~112の回転開始時にはリール回転開始コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。その後、リール110~112が所定の回転速度になり、各リールに設けられた光学式センサを検知し、各リールの図柄位置を把握すると、ストップボタン137~139に対する停止操作が有効化される。なお、上記遊技間隔カウンタによって、一遊技に要する最低の時間(本実施形態では、4.1s)を担保し、射幸性を抑えている。
ステップS111は、リール停止制御処理が実行される。この処理では、停止操作が有効化された後、いずれかのストップボタン137~139が押されると、押されたストップボタン137~139に対応するリール110~112を停止させる。具体的には、停止操作がされる毎に、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従って停止操作に対応するリール110~112を停止させる。また、第一停止操作については第二停止操作に対応するリール停止データを準備し、第二停止操作については第三停止操作に対応するリール停止データを準備する。なお、停止操作毎に、対応するコマンド(第一~第三押下コマンド)を第1副制御部400に送信するための準備を行い、リール110~112が停止する毎に、対応するコマンド(第一~第三停止コマンド)を第1副制御部400に送信するための準備を行う。全リール110乃至112が停止するとステップS113へ進む。
ステップS113では、入賞判定処理を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、何らかの入賞役に対応する図柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。なお、入賞役の判定を行った後に、入賞コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS115では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを付与(払出し)し、その付与数を払出枚数表示器127を用いて表示する。
ステップS117では、スロットマシン100における各種状態を更新する状態更新処理を実行する。例えば、主制御部300のRAM308に設けられた、有利区間における上限差枚数をカウントする差枚数カウンタの更新や、上述の天井カウンタの更新や、AT付与ゲーム数をカウントするカウンタの更新や、上述のAT獲得枚数カウンタの更新等が行われる。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部300タイマ割込処理>
次に、図11を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。なお、光学式センサの状態はこの処理で確認される。
ステップS207では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。例えば、遊技間隔タイマを減算する、というような、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する処理を実行する。
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、主制御部300のメイン処理やタイマ割込処理等で送信準備されていた各種のコマンドを第1副制御部400に送信する。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は、ストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、コマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、投入コマンド、スタートレバー受付コマンド、内部当選コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転の開始に伴うリール回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う第一~第三押下コマンド、リール110乃至112の停止に伴う第一~第三停止コマンド、入賞コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、状態更新コマンド、アイテム追加コマンド、獲得ポイントコマンド、設定変更コマンド、復電コマンド)、コマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS213では、外部信号設定処理を行う。この外部信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルブロッカ171、各種ランプ339、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号を受信した場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号を受信していない場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
ステップS219では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定する等の処理を行う。その後、図10に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタ等の退避が必要な情報をRAM308の所定の領域に退避し、RAM308の使用領域を少なくとも含む所定領域に対するチェックサム値を導出してRAM308に記憶させ、電断処理が行われたことを示す電源フラグをオンに設定する。
<第1副制御部の処理>
次に、図12を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図12(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図12(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図12(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図12(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報であるRT更新情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
ステップS302では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS303の処理に移行する。
ステップS303では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS304では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。
ステップS305では、演出制御処理を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS306では、ステップS305の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS305で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS307では、ステップS305の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS305で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS309では、ステップS305の処理結果に基づいて第2副制御部500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS305で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS302へ戻る。
次に、図12(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図12(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS501では、図12(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS302において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS302において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS502では、ステップS309で設定された第2副制御部500へのコマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部の処理>
次に、図13を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図13(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図13(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図13(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図13(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図13(a)のステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理や、VRAM518内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS602では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS603の処理に移行する。
ステップS603では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS604では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404から受信した各コマンドを判別する。
ステップS605では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS604で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データをROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS606では、ステップS605の処理結果に基づいて画像制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS605で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、表示画像(報知画像、背景画像)に関する画像制御が実行される。この画像制御処理が終了すると、ステップS602へ戻る。
次に、図13(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS701では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図13(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS801では、図13(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS602において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS602において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS802では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図13(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS606の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS901では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が液晶表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS902では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS903に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS903では、演出シナリオ構成テーブル及びアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS901でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP516に指示する。VDP516はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS904では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS905では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS906に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS906では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
続いて、連続演出からAT状態に移行する演出例について説明する。
主制御部300のRAM308には前兆G数Aカウンタが設けられ、第1副制御部400のRAM408には前兆G数Bカウンタが設けられている。図7に示す条件Aでは、連続演出が終了することを条件にAT状態(AT通常状態)に移行する。ここでは、連続演出は決闘演出になり、4ゲームに亘って実行され、その決闘演出が終了すると、AT状態に移行する。連続演出実行中のゲームは、AT状態へ移行する前兆となるゲームに相当する。前兆G数Aカウンタにしても前兆G数Bカウンタにしても、AT状態移行前の前兆となるゲームの残りゲーム数をカウントするカウンタである。なお、前兆G数Aカウンタは、出玉を稼ぐためのAT状態への移行を管理するためのカウンタであって、主制御部300によって管理されている。一方、前兆G数Bカウンタは、演出管理のためのカウンタであって、第1副制御部400によって管理されている。
図14は、従来のスロットマシンにおいて、連続演出が開始され、その後、AT状態に移行する一例における問題点を指摘するための図である。この図14では、上段の図14(a)にしても、下段の図14(b)にしても左から右に向けて進行していく。
図14には、遊技数(ゲーム数)、当選役、押し順、液晶表示装置157の表示画面、ペナルティの発生、演出進行、前兆G数Aカウンタのカウント値、前兆G数Bカウンタのカウント値それぞれが示されている。液晶表示装置157の表示画面は、第1副制御部400によって管理されている前兆G数Bカウンタの値に基づいて制御される。
上段に示す図14(a)では、レア役(例えば、強チェリー)に当選し、Nゲーム目の遊技から連続演出が開始されている。すなわち、連続演出のうちの演出1が実行され、液晶表示装置157の表示画面には、決闘演出が開始されることを報知する報知画像(「剣豪を倒せ」のミッション画像)が表示されている。レア役(例えば、強チェリー)に当選した段階で、前兆G数Aカウンタにも前兆G数Bカウンタにも「4」の値がセットされる。このNゲーム目における前兆G数Aカウンタのカウント値は、「4」から更新されて「3」であり、前兆G数Bカウンタのカウント値も同じく「4」から更新されて「3」である。
N+1ゲーム目の遊技では、連続演出のうちの演出2が実行され、液晶表示装置157の表示画面には、敵役の剣豪が登場したシーンが表示されている。このN+1ゲーム目における前兆G数Aカウンタのカウント値は、更新により1つ減って「2」であり、前兆G数Bカウンタのカウント値も同じく「2」である。
N+2ゲーム目の遊技では、連続演出のうちの演出3が実行され、液晶表示装置157の表示画面には、主人公の殿様と敵役の剣豪が対峙しているシーンが表示されている。このN+2ゲーム目における前兆G数Aカウンタのカウント値は、更新によりさらに1つ減って「1」であり、前兆G数Bカウンタのカウント値も同じく「1」である。なお、ここでの当選役は、これまでの当選役がハズレであったのに対して押し順ベルであるが、通常状態(AT状態ではない)ため、操作ナビは実行されず、第1停止操作を左とする順押しの停止操作が行われている。
N+3ゲーム目(連続演出が開始されてから4ゲーム目)の遊技では、連続演出のうちの演出4(最後の演出に相当)が実行され、液晶表示装置157の表示画面には、主人公の殿様が敵役の剣豪に勝利したシーンが表示され、AT移行が告知されている。このN+3ゲーム目における前兆G数Aカウンタのカウント値は更新された結果「0」であり、前兆G数Bカウンタのカウント値も同じく更新された結果「0」である。
N+4ゲーム目の遊技では、通常状態からAT状態(AT通常状態)に移行している。液晶表示装置157には、前兆G数Bカウンタのカウント値が「0」であったことに基づいて、AT状態に移行したことを報知する報知画面(「AT開始」が表示されたAT開始画面)が表示されている。また、前兆G数Aカウンタのカウント値が「0」であったことに基づいて、主制御部300から第1副制御部400に、当選役の操作順に関する情報の送信が許可されるようになる。この結果、液晶表示装置157の表示画面には、当選役である押し順ベルの正解の操作を報知する「321」の表示(逆押しの操作ナビ表示)が表示されている。
下段に示す図14(b)では、上段の同図(a)と同じく連続演出が実行され、その連続演出の途中のゲームでペナルティが発生した例を示す図である。以下、上段の図14(a)に示す例との相違点を中心に説明する。
ここでもう一度、ペナルティに関してまとめておく。まず、(a)有利区間の通常状態であること(非有利区間ではないこと、AT状態でもないこと)、(b)押し順ベルに内部当選したゲームであること、(c)第1停止操作左以外(具体的には、第1停止操作中、第1停止操作右)の停止操作(いわゆる変則押し)が行われたこと、の(a)~(c)の条件が全て満たされた場合の行為が、ペナルティの対象行為になる。すなわち、変則押しが行われただけではペナルティにならない。これは、変則押しを繰り返して攻略法を見つけ出すことの防止になるとともに過度なペナルティになることの防止にもなる。ただし、押し順ベルといった当選役に関わらずペナルティを付与してもよい((a)+(c)でペナルティ付与)。また、後述するように、変則押しが行われると、ペナルティ付与の有無に関わらず、液晶表示装置157に「左押し推奨です」といった操作推奨表示を表示し、推奨押しの遊技者への周知を図る。
また、非有利区間ではペナルティは発生しない。これは、非有利区間で変則押しが行われた場合に有利区間への移行を禁止してしまうと、非有利区間で変則押しを連続して行いメダルを多く獲得することが可能になってしまうため、このようなことを防止する意味もある。また、非有利区間から有利区間へ移行するタイミングとしては設定変更後の1ゲーム目が考えられるが、設定変更後の1ゲーム目は遊技店の開店時が多い。朝一番ではリールが温まっておらず、リールの加速に時間がかかり、停止操作を受付可能になるタイミングが僅かに遅くなる傾向にある。そのため、遊技者は第1操作で左ストップボタン137を押下したのに、上記タイミングがズレて実際は中ストップボタン138を押下したタイミングが上記タイミングになるおそれがある。こういった場合にもペナルティを付与するのは遊技者に酷であることから、非有利区間ではペナルティは発生しないようにしている。
ペナルティの対象行為が行われると、(1)当該遊技において通常状態からAT状態に移行するか否かを決定する抽選が行われない。(2)通常状態のゲーム数を天井ゲーム数までカウントする天井カウンタの値が更新されない。さらにこの例では、(3)前兆G数Aカウンタのカウント値も更新されない。といったペナルティが発生する。
図14(b)に示す例では、N+2ゲーム目の遊技(連続演出のうちの演出3)において、第1停止操作を右とする停止操作が行われる。第1停止操作を右とする停止操作は、変則押しである。ここでは、有利区間の通常状態で押し順ベルに内部当選していることから、ペナルティの対象行為になり、ペナルティが発生し、次ゲームのN+3ゲーム目が開始されても、前兆G数Aカウンタのカウント値は「1」のままである。一方、前兆G数Bカウンタのカウント値は更新され「0」になっている。
この例でも、N+4ゲーム目の遊技で、通常状態からAT状態(AT通常状態)に移行している。液晶表示装置157には、前兆G数Bカウンタのカウント値が「0」であったことに基づいてAT開始画面が表示されている。一方、前兆G数Aカウンタのカウント値が「0」でなかったため、主制御部300から第1副制御部400には、当選役の操作順に関する情報が送信されてきておらず、液晶表示装置157の表示画面には、当選役である押し順ベルの正解の操作を報知する操作ナビ表示は表示されていない。このように、従来のスロットマシンでは、ペナルティの発生によって、操作ナビの開始と、演出とでズレが生じてしまう問題がある。
本実施形態のスロットマシン100では、この問題を解決するための工夫がなされている。
図15は、図14(a)を用いて説明したN+2ゲーム目とN+3ゲーム目の詳しいタイミングチャートと、各タイミングにおける液晶表示装置157の表示画面を示す図である。
この図15では、左から右に向かって時間が経過していく。また、図15には、「遊技進行」として、スタートレバー135の操作である「開始操作」、「第1停止」、「第2停止」、「第3停止」が示されている。その下には、左ストップボタン137センサである「左停止Sw」、中ストップボタン138センサである「中停止Sw」、右ストップボタン139センサである「右停止Sw」それぞれの受付可能状態も示されている。各Swは、開始操作後に受付可能状態になり、受付可能状態で停止操作を受け付けると、受付可能状態が終了する。その下には、左リール110、中リール111および右リール112それぞれの回転中状態も示されている。さらにその下には、液晶表示装置157である「液晶表示装置」の表示内容も示されている。この例では、連続演出において、次ゲームへ演出が続くことを表す「NEXT」の文字表示NTGが、液晶表示装置157の表示画面の右下部分に表示される期間(第3停止から次ゲーム開始までの期間)がある。さらに、液晶表示装置157の表示画面の左下には、ゲーム数表示GMVが表示される。このゲーム数表示GMVの値は、第1副制御部400が管理しているゲーム数であって、例えば、電源投入後、主制御部300からスタートレバー受付コマンドを受信する度に1ずつ増加する値である。以上説明した事項は、図16及び図17においても同様である。
開始操作が行われたタイミングが(A1)のタイミングであり、N+2ゲーム目が開始され、連続演出のうちの演出3の実行が開始される。N+2ゲーム目では、押し順ベルに内部当選する。(A1)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面では、主人公の殿様のアップ画面が表示されている。また、遊技開始により、ゲーム数表示GMVが「99G」から「100G」に更新される。以降、断りがあるまで、ゲーム数表示GMVには「100G」が表示され続ける。
通常状態におけるN+2ゲーム目では、最初に左ストップボタン137が操作され第1停止が行われる。最初に左ストップボタン137が操作されたことにより変則押しではなく、ここでの第1停止行為は、ペナルティの対象行為ではない。第1停止操作が行われたタイミングが(A2)のタイミングであり、左リール110が停止する。(A2)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面では、敵役の剣豪のアップ画面が表示されている。
次に中ストップボタン138が操作され第2停止が行われ中リール111が停止し、最後に右ストップボタン139が操作され第3停止が行われる。第3停止操作が行われたタイミングが(A3)のタイミングであり、右リール112が停止する。(A3)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面では、図14のN+2ゲーム目の液晶表示装置157の表示画面に示したシーンと同じ、主人公の殿様と敵役の剣豪が対峙しているシーンが表示されている。さらにこの例では、第3停止操作を契機に右下に「NEXT」の文字表示NTGが追加されている。
第3停止後、次ゲームが開始されるまでの間のタイミングが(A4)のタイミングである。この(A4)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面は、先の(A3)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面と同じである。
そして、スタートレバー135が操作され開始操作が行われたことにより、次ゲーム(N+3ゲーム)が開始され、今度は、連続演出のうちの演出4の実行が開始される。N+3ゲームが開始されたタイミングが(A5)のタイミングである。N+3ゲーム目では、リプレイに内部当選する。(A5)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面では、上半分に主人公の殿様が表示され下半分に敵役の剣豪が表示されている。また、遊技開始により、「NEXT」の文字表示NTGは消え、ゲーム数表示GMVが「100G」から「101G」に更新される。
N+3ゲーム目でも、最初に左ストップボタン137が操作され第1停止が行われる。第1停止操作が行われたタイミングが(A6)のタイミングであり、左リール110が停止する。(A6)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面では、主人公の殿様と敵役の剣豪とが斬り合った後のシーンが表示されている。また、「101G」のゲーム数表示GMVは継続して表示されている。
次に中ストップボタン138が操作され第2停止が行われ中リール111が停止し、最後に右ストップボタン139が操作され第3停止が行われる。第3停止操作が行われたタイミングが(A7)のタイミングであり、右リール112が停止する。(A7)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面では、敵役の剣豪が斬られたシーンが表示されている。第3停止が行われても、このN+3ゲーム目は連続演出の最後のゲーム(4番目のゲーム)であるため、次に続く連続演出はなく、「NEXT」の文字表示NTGは追加表示されていない。ただし、「101G」のゲーム数表示GMVは継続して表示されている。
第3停止後、次ゲームが開始されるまで(AT状態に移行するまで)の間のタイミングが(A8)のタイミングである。この(A8)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面は、図14のN+3ゲーム目の液晶表示装置157の表示画面に示したシーンと同じ、主人公の殿様が敵役の剣豪に勝利したシーンが表示され、AT移行が告知されている。なおここでも、「101G」のゲーム数表示GMVは継続して表示されている。
図16は、図14(b)を用いて説明したN+2ゲーム目とN+3ゲーム目の詳しいタイミングチャートと、各タイミングにおける液晶表示装置157の表示画面を示す図である。以下、図15との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する場合がある。
N+2ゲーム目が開始され、連続演出のうちの演出3の実行が開始される。このN+2ゲーム目では、押し順ベルに内部当選する。液晶表示装置157の表示画面におけるゲーム数表示GMVは、「100G」に更新されている。この例では、通常状態におけるN+2ゲーム目で、最初に右ストップボタン139が操作され第1停止が行われる。ここでの第1停止行為は、変則押しであって、有利区間の通常状態で押し順ベルに内部当選していることから、ペナルティの対象行為である。第1停止操作が行われた(A2)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面には、敵役の剣豪のアップ画面にオーバーラップするように、「左押し推奨です」といった操作推奨表示RECが表示される。操作推奨表示RECが表示されたタイミングでは、ゲーム数表示GMVは「100G」の表示のままである。
次に中ストップボタン138が操作され第2停止が行われ中リール111が停止し、最後に右ストップボタン139が操作され第3停止が行われる。第3停止操作が行われた(A3)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面には暗転表示が加わる。すなわち、図15における(A3)と同じように、液晶表示装置157の表示画面には、主人公の殿様と敵役の剣豪が対峙しているシーンが表示されているが、暗転表示が加わり、そのシーンが視認困難になっている。暗転表示が加わることで、そのゲームでペナルティが発生したことが示唆される。また、「NEXT」の文字表示NTGは追加表示されていないか、追加表示されていたとしても暗転表示によって視認困難である。一方、操作推奨表示RECとゲーム数表示GMVには、暗転表示は加わっておらず、それらの表示REC,GMVは視認容易である。第3停止が行われたタイミング(暗転表示が加わるタイミング)で第1副制御部400が管理しているゲーム数は1ゲーム分戻され、ゲーム数表示GMVは「99G」の表示に切り替わっている。
第3停止後、次ゲームが開始されるまでの間の(A4)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面は、先の(A3)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面と同じである。すなわち、暗転表示が継続しているが、操作推奨表示RECと「99G」のゲーム数表示GMVは視認可能である。
そして、スタートレバー135が操作され開始操作が行われたことにより、次ゲーム(N+3ゲーム)が開始される。N+3ゲームが開始された(A5)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面では、暗転表示の表示が終了するとともに操作推奨表示RECの表示も終了している。上述のごとく、第1副制御部400が管理しているゲーム数が1ゲーム分戻されたことにより、ゲーム数表示GMVは「100G」に更新されている。すなわち、ペナルティが発生したゲームで1戻され、次ゲーム開始で1進められている。このため、連続演出も、第1副制御部400が管理しているゲーム数に従い、連続演出のうちの演出3が再実行される。液晶表示装置157の表示画面には、(A1)のタイミングと同じ表示画面が表示されている。
N+3ゲーム目では、リプレイに内部当選しており、最初に左ストップボタン137が操作され第1停止が行われる。ここでの第1停止行為は、ペナルティの対象行為ではない。この第1停止操作が行われた(A6)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面には、(A2)のタイミングと同じ表示画面が表示されているが、操作推奨表示RECは表示されていない。
次に中ストップボタン138が操作され第2停止が行われ中リール111が停止し、最後に右ストップボタン139が操作され第3停止が行われる。第3停止操作が行われた(A7)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面では、図15における(A3)のタイミングと同じ表示画面が表示されている。すなわち、主人公の殿様と敵役の剣豪が対峙しているシーンが表示され、右下に「NEXT」の文字表示NTGが追加されている。また、左下には、「100G」のゲーム数表示GMVが継続して表示されている。
第3停止後、次ゲームが開始されるまで(AT状態に移行するまで)の間の(A8)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面は、先の(A7)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面と同じである。
本実施形態のスロットマシン100では、上述のごとく、第1副制御部400が管理しているゲーム数が、ペナルティが発生したゲームで1戻され、次ゲーム開始で1進められている。この結果、ペナルティが発生したゲームにおけるゲーム数と、次ゲームにおけるゲーム数は同じになる。これは、図14を用いて説明した、主制御部300が管理している前兆G数Aカウンタと同じであり、ペナルティが発生したゲームの演出が再実行されることで、この後の操作ナビの開始と演出とでズレが生じてしまう問題が解消される。しかも、ペナルティが発生したゲームの中で、暗転表示の表示が行われ、ゲーム数表示GMVも1戻されるため、ペナルティが発生したゲームがわかりやすく、次のゲームでもペナルティが発生したかのような誤解を遊技者に与えることがなく、遊技の興趣が減衰しにくい。
なお、暗転表示の表示開始のタイミングは、操作推奨表示RECの表示開始のタイミングと同じであってもよい。あるいは、暗転表示の表示開始のタイミングが(A2)のタイミングで、操作推奨表示RECの表示開始のタイミングが(A3)のタイミングであってもよい。さらには、暗転表示の表示開始のタイミングが第2停止のタイミングであってもよいし、操作推奨表示RECの表示開始のタイミングが第2停止のタイミングであってもよい。また、暗転表示が終了するタイミングは、(A5)のタイミングに限らず、変則押しを行った遊技の第3停止操作からしばらく経過したタイミングであってもよく、次遊技に係る賭数設定操作が行われたタイミングであってもよい。また、ゲーム数表示GMVの値が1戻されるタイミングは、ペナルティが発生したゲーム内であればよく、(A2)のタインミングであってもよいし、(A4)のタインミングであってもよいし、第2停止のタイミングであってもよい。なお、ペナルティが発生したゲームにおいてゲーム数表示GMVの値が1戻されても、後述のように演出自体はそのまま進行し、ペナルティとなったゲーム数分の待機遊技を、一連の演出終了後に発生するようにしてもよいし、AT状態が開始される前に発生するようにしてもよい。
図17は、変則押しが行われたがペナルティが発生しなかったN+2ゲーム目と、N+3ゲーム目の詳しいタイミングチャートと、各タイミングにおける液晶表示装置157の表示画面を示す図である。以下、図16との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する場合がある。
N+2ゲーム目が開始され、連続演出のうちの演出3の実行が開始される。このN+2ゲーム目では、押し順ベルではなくハズレに内部当選する。この例でも、通常状態におけるN+2ゲーム目で、最初に右ストップボタン139が操作され第1停止が行われる。ここでの第1停止行為は、変則押しであり、有利区間の通常状態ではあるが、押し順ベルに内部当選していないので、ペナルティの対象行為ではない。第1停止操作が行われた(A2)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面には、変則押しが行われたことにより、敵役の剣豪のアップ画面にオーバーラップするように、「左押し推奨です」といった操作推奨表示RECが表示される。
次に中ストップボタン138が操作され第2停止が行われ中リール111が停止し、最後に右ストップボタン139が操作され第3停止が行われる。第3停止操作が行われた(A3)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面には、ペナルティが発生したわけではないため暗転表示は加わらず、図15における(A3)と同じように、主人公の殿様と敵役の剣豪が対峙しているシーンが表示されている。ただし、操作推奨表示RECがオーバーラップするように表示されている。また、左下にはゲーム数表示GMVが「100G」のまま表示され続けており、右下には第3停止操作を契機とした「NEXT」の文字表示NTGが追加されている。
第3停止後、次ゲームが開始されるまでの間の(A4)のタイミングにおける液晶表示装置157の表示画面では、操作推奨表示RECが消え(非表示になり)、図15における(A4)のタイミングと同じ表示画面が表示されている。操作推奨表示RECが消えるタイミングは、第3停止後しばらくたってからでもよいし、第3停止と同時であってもよいし、第2停止と同時であってもよい。あるいは、操作推奨表示RECは、操作とは無関係に表示開始から所定時間が経過すると消えてもよい。ただし、操作推奨表示RECが一瞬だけ表示されると停止操作契機の演出と見分けがつかないため、操作推奨表示RECは、少なくとも第3停止までは継続表示されることが好ましい。また、連続演出中の変則押しでは、当選役によって操作推奨表示RECの表示の態様が異なる。すなわち、この図17に示す例のように押し順ベルに非当選の場合には、変則押しが行われると操作推奨表示RECが表示されるが、第3停止を契機する演出が実行され、第3停止後しばらくして操作推奨表示RECは非表示になる態様である。一方、図16に示す例のように押し順ベルに当選の場合には、変則押しが行われると操作推奨表示RECが表示され、第3停止を契機する演出は実行されず(暗転表示によって視認困難になり)、操作推奨表示RECは次ゲームが開始される直前まで表示され続ける態様である。
以降((A5)~(A8)の各タイミング)は、図15における例と同じである。
この例のように、ペナルティの発生の有無に関わらず、変則押しが行われた場合には、操作推奨表示RECが表示される。ペナルティが発生した場合は、図16に示す例のように変則押しが行われたゲームが終了するまで(次ゲームが開始されるまで)、操作推奨表示RECは継続表示されるが、ペナルティが発生しなかった場合は、ペナルティが発生した場合よりも早めに消える。あるいは、操作推奨表示RECの表示期間の長さが定まっており、遊技者の操作が行われなくても消える。また、変則押しが行われた場合であっても、ペナルティが発生しなかった場合には、第1副制御部400が管理しているゲーム数に変化はなく(1戻されず)、ゲーム数表示GMVの値も変わらずに継続表示される。
次に、連続演出中において変則押しが行われた場合と、非連続演出中において変則押しが行われた場合との比較を行う。
図18は、連続演出中において変則押しが行われた場合の一例と、非連続演出中において変則押しが行われた場合の一例をそれぞれ示した図である。
上段の図18(a)が、連続演出中において変則押しが行われた場合の一例を示す図であり、下段の図18(b)が、非連続演出中において変則押しが行われた場合の一例を示す図である。上段の図18(a)にしても、下段の図18(b)にしても左から右に向けて進行していく。また、上段の図18(a)にしても、下段の図18(b)にしても、
この図18では、遊技数(ゲーム数)、当選役、押し順、液晶表示装置157の表示画面、ペナルティの発生、演出進行、液晶表示装置157の表示画面における左下に表示されるゲーム数表示GMVの値それぞれが示されている。なお、ゲーム数表示GMVの値は、第1副制御部400が管理しているゲーム数の値になる。
上段に示す図18(a)の例は、これまでの説明した例と同じであり、連続演出は決闘演出である。レア役(例えば、強チェリー)に当選し、Nゲーム目の遊技から連続演出が開始されている。すなわち、連続演出のうちの演出1が実行され、液晶表示装置157の表示画面には、決闘演出が開始されることを報知する報知画像(「剣豪を倒せ」のミッション画像)が表示されている。ゲーム数表示GMVは「98G」が表示されている。
N+1ゲーム目の遊技では、連続演出のうちの演出2が実行され、液晶表示装置157の表示画面には、敵役の剣豪が登場したシーンが表示されている。ゲーム数表示GMVは値が更新されており「99G」が表示されている。
N+2ゲーム目の遊技では、押し順ベルに内部当選し、最初に右ストップボタン139が操作され第1停止が行われる。ここでの第1停止行為は、変則押しであり、有利区間の通常状態で押し順ベルに内部当選していることから、ペナルティの対象行為であって、ペナルティが発生する。N+2ゲーム目の遊技では、連続演出のうちの演出3が実行され、液晶表示装置157の表示画面には、主人公の殿様と敵役の剣豪が対峙しているシーンが表示されている。また、変則押しが行われたことで「左押し推奨です」といった操作推奨表示RECが、上記シーンの表示にオーバーラップして表示されている。また、ペナルティが発生したことから、第1副制御部400が管理しているゲーム数が1ゲーム分戻され、ゲーム数表示GMVの値が「100G」から「99G」になる。なお、この例では、暗転表示が表示されていないが、この後、表示されてもよいし、暗転表示が表示されない変形例であってもよい。
N+3ゲーム目の遊技は、連続演出が開始されてから4ゲーム目の遊技になるが、N+2ゲーム目で第1副制御部400が管理しているゲーム数が1ゲーム分戻されたことにより、ゲーム数表示GMVは値が更新されてもう一度「100G」が表示されている。また、連続演出も、第1副制御部400が管理しているゲーム数に従い、連続演出のうちの演出3が再実行されている。液晶表示装置157の表示画面には、N+2ゲーム目と同じ、主人公の殿様と敵役の剣豪が対峙しているシーンが表示されている。操作推奨表示RECは非表示である。
なお、演出の再実行とは、全く同じ演出を実行してもよいが、複数種類の演出を用意しておき、抽選で演出を選択する態様の場合には、演出の再抽選を行うようにしてもよい。
N+4ゲーム目では、連続演出のうちの演出4(最後の演出に相当)が実行され、液晶表示装置157の表示画面には、主人公の殿様が敵役の剣豪に勝利したシーンが表示され、AT移行が告知されている。ゲーム数表示GMVは値が更新されており「101G」が表示されている。
下段に示す図18(b)の例は、有利区間の通常状態において連続演出が実行されていない状態(非連続演出中の状態)になる。より具体的には、図7に示す通常ステージにおける例になる。
Nゲーム目の遊技では、小役のうちの一つであるチェリーに内部当選し、小役演出1が実行される。液晶表示装置157の表示画面には、殿様がチェリーの出現に驚くシーンが表示されている。ゲーム数表示GMVは「99G」が表示されている。
N+1ゲーム目の遊技が開始されると、ゲーム数表示GMVは更新され「100G」になる。このN+1ゲーム目では、押し順ベルに内部当選し、通常演出が実行される。このゲームでは、第1停止操作を右とする変則押しが行われ、液晶表示装置157の表示画面には操作推奨表示RECが表示される。ここでは、有利区間の通常状態で押し順ベルに内部当選していることから、この変則押しはペナルティの対象行為になり、ペナルティが発生し、第1副制御部400が管理しているゲーム数が1ゲーム分戻され、ゲーム数表示GMVの値が「100G」から「99G」になる。
N+2ゲーム目の遊技が開始されると、ゲーム数表示GMVは更新され「100G」に再びなる。このN+2ゲーム目では、小役のうちの一つであるスイカに内部当選し、小役演出2が実行される。連続演出ではないため、演出自体は再実行されず(N+1ゲーム目の通常演出に戻されず)、液晶表示装置157の表示画面には、殿様がスイカの出現に驚くシーンが表示されている。
N+3ゲーム目の遊技が開始されると、ゲーム数表示GMVは更新され「101G」になる。このN+3ゲーム目では、チェリーに内部当選し、小役演出1が実行される。このゲームでも、第1停止操作を右とする変則押しが行われ、液晶表示装置157の表示画面には操作推奨表示RECが表示される。ここでは、有利区間の通常状態ではあるが押し順ベルではなくチェリーに内部当選していることから、この変則押しはペナルティの対象行為にならず、ペナルティは発生しない。このため、第1副制御部400が管理しているゲーム数は戻されず、ゲーム数表示GMVの値も変化しない。
N+4ゲーム目の遊技が開始されると、ゲーム数表示GMVは更新され「102G」になる。このN+4ゲーム目では、ハズレに内部当選し、通常演出が実行される。なお、N+3ゲーム目の変則押しでペナルティは発生しておらず、連続演出でもないため、演出自体は再実行されることはない(N+3ゲーム目の小役演出1に戻されることはない)。
N+5ゲーム目の遊技が開始されると、ゲーム数表示GMVは更新され「103G」になる。このN+5ゲーム目では、リプレイに内部当選し、通常演出が実行される。このゲームでも、第1停止操作を右とする変則押しが行われ、液晶表示装置157の表示画面には操作推奨表示RECが表示される。このゲームでは、有利区間の通常状態ではあるが押し順ベルではなくリプレイに内部当選していることから、この変則押しはペナルティの対象行為にならず、ペナルティは発生しない。このため、第1副制御部400が管理しているゲーム数は戻されず、ゲーム数表示GMVの値も変化しない。
上段に示す図18(a)の例におけるN+2ゲーム目の操作推奨表示RECと、下段に示す図18(b)の例における、N+1ゲーム目の操作推奨表示RECと、N+3ゲーム目の操作推奨表示RECと、N+5ゲーム目の操作推奨表示RECはいずれも共通の態様で表示されている。操作推奨表示RECは、実行されている演出の種類に関わらず共通の態様で表示する。また、操作推奨表示RECは、演出ステージが異なっても共通の態様で表示する。こうすることで、操作推奨表示RECが、期待感演出の一種であると誤認されてしまうことを防止することができる。
以上、比較したように、通常状態であれば、押し順ベルが当選したゲームにおける変則押しはペナルティの対象行為であり、連続演出中では次ゲームに演出の再実行が行われるが、非連続演出中では次ゲームに演出の再実行は行われない。AT状態へ移行する直前の連続演出(前兆演出)では、図14(b)を用いて説明したように、操作ナビの開始と、演出とでズレが生じてしまう問題があるが、連続演出(前兆演出)中でなければ、このような問題は生じないため、演出の再実行は行わない。ただし、ペナルティが発生した場合は、主制御部300が管理する天井カウンタの値が更新されないため、天井カウンタに合わせて、第1副制御部400が管理しているゲーム数も、次ゲームの段階で更新されなかったようにしている。天井カウンタは、第3停止で更新される。一方、第1副制御部400が管理しているゲーム数は、ゲームの開始を表すリール回転開始コマンドを受信すると更新される。このため、第1副制御部400が管理しているゲーム数では、ペナルティが発生したゲーム内でゲーム数を一旦1ゲーム分戻し、次ゲームでは、通常と同じようにゲーム開始でゲーム数を更新し、結果として、次ゲームの第3停止時に天井カウンタの値と一致することになる。
次に、設定変更が行われた場合や電断復電した場合の、天井カウンタとゲーム数表示GMVの関係について説明する。
図19は、設定変更が行われた場合や電断復電した場合の、天井カウンタとゲーム数表示GMVの関係について示した図である。この図19では、白抜きの太い矢印が順押し(推奨操作)が行われた場合の流れを示し、黒抜きの太い矢印が変則押し(非推奨操作)が行われた場合の流れを示す。
天井カウンタは、第3停止時にカウント値を更新するか否かが決定される。なお、一ゲーム内の、第1停止が行われた以降のタイミングであれば、第3停止時に限られない。主制御部300のCPU304は、第1停止が行われた以降であれば、ペナルティの発生の有無がわかり、カウント値を更新するか否かを決定することができる。天井カウンタは、ペナルティが発生した場合にはカウント値が更新されず(カウント値はそのまま)、ペナルティが発生しなかった場合にはカウント値が更新される(カウント値は+1)。一方、第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からリール回転コマンドを受信するとゲーム数表示GMVを更新(+1)する。
図19(a)は、設定変更が行われて1ゲーム目から有利区間に移行することが決定した場合の例を示す図である。
設定変更が行われると、主制御部300に設けられた天井カウンタは0Gになり、液晶表示装置157におけるゲーム数表示GMVも0Gになる。また、遊技状態は、非有利区間の遊技状態である。
1ゲーム目が開始され、ハズレ以外の役に当選し、2ゲーム目から有利区間に移行する。以下、有利区間に移行することが決定した遊技のことを有利区間移行遊技と称する。なお、有利区間移行遊技は非有利区間における遊技になる。天井カウンタは、非有利区間では更新されないが、非有利区間であっても有利区間移行遊技であれば、第3停止のタイミングで更新される。ゲーム数表示GMVも、非有利区間では更新されないが、非有利区間であっても有利区間移行遊技であれば、ゲーム開始のタイミングで更新される。
有利区間移行遊技で順押しが行われた場合には、白抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に1Gに更新され、ゲーム数表示GMVは1Gのままである。変則押しが行われた場合にも、黒抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に1Gに更新され、ゲーム数表示GMVは1Gのままである。当選役は、押し順ベルであってもよいし、押し順ベルでなくてもよい。有利区間移行遊技では、変則押しを行ってもペナルティにならない。この結果、天井カウンタは、第3停止時に通常通り更新される。また、ゲーム開始時に更新されたゲーム数表示GMVは、第3停止時に1Gのままである。
2ゲーム目が開始されると、有利区間に移行するが、通常状態である。2ゲーム目開始のタイミングでゲーム数表示GMVは2Gに更新される。順押しが行われた場合には、白抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に2Gに更新され、ゲーム数表示GMVは2Gのままである。押し順ベルに当選した状態で変則押しが行われた場合には、ペナルティが発生し、黒抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に更新されず1Gのままである。また、ゲーム数表示GMVは1G戻されて1Gになっている。なお、押し順ベル以外に当選した状態で変則押しが行われた場合には、天井カウンタは第三停止時に更新されて2Gになり、ゲーム数表示GMVは2Gのままである。
図19(b)は、設定変更が行われて1ゲーム目が有利区間移行遊技でなかった場合の例を示す図である。
1ゲーム目が開始され、ハズレの役に当選し、2ゲーム目でも非有利区間のままである。天井カウンタは、非有利区間では有利区間移行遊技を除き更新されない。ゲーム数表示GMVも、非有利区間では有利区間移行遊技を除き更新されない。また、非有利区間ではペナルティも発生せず、変則押しが行われても、黒抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に更新されず0Gのままであり、ゲーム数表示GMVも0Gのままである。
2ゲーム目が開始され、ハズレ以外の役に当選し、2ゲーム目は有利区間移行遊技になる。2ゲーム目開始のタイミングでゲーム数表示GMVは1Gに更新される。また、順押しが行われた場合には、白抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に1Gに更新され、ゲーム数表示GMVは1Gのままである。また、上述のごとく有利区間移行遊技では、当選役に関係なく変則押しを行ってもペナルティにならないため、黒抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に1Gに更新され、ゲーム数表示GMVは1Gのままである。
図19(c)は、電断復電した時点で天井カウンタが1G以上あった場合の例を示す図である。
この例では、電断復電した時点で天井カウンタは100Gである。一方、電断復電すると、ゲーム数表示GMVは0Gになる。なお、電断復電した時点の遊技状態は、有利区間の通常状態である。
1ゲーム目が開始され、ゲーム数表示GMVは1Gに更新される。順押しが行われた場合には、白抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に更新され101Gになり、ゲーム数表示GMVは1Gのままである。押し順ベルに当選した状態で変則押しが行われた場合(ペナルティ発生の場合)には、黒抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に更新されず100Gのままである。一方、ゲーム開始時に更新されたゲーム数表示GMVは1Gのままである。復電後の1ゲーム目でペナルティが発生しても、ゲーム数表示GMVの数値は戻されない。なお、押し順ベル以外に当選した状態で変則押しが行われた場合には、天井カウンタは第三停止時に更新され101Gになり、ゲーム数表示GMVは1Gのままである。
2ゲーム目が開始されると、ゲーム数表示GMVは1G増える。順押しが行われた場合には、白抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に1G増え、ゲーム数表示GMVは1G増えたままである。押し順ベルに当選した状態で変則押しが行われた場合(ペナルティ発生の場合)には、黒抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に更新されず100Gのままである。また、ゲーム数表示GMVは1G分戻されて1Gになっている。なお、押し順ベル以外に当選した状態で変則押しが行われた場合には、天井カウンタは第三停止時に更新され101Gになり、ゲーム数表示GMVは2Gのままである。
図19(d)は、電断復電した時点で天井カウンタが0Gであった場合の例を示す図である。なお、電断復電した時点の遊技状態は、有利区間の通常状態である。
1ゲーム目が開始され、ゲーム数表示GMVは1Gに更新される。順押しが行われた場合には、白抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に更新され1Gになり、ゲーム数表示GMVは1Gのままである。押し順ベルに当選した状態で変則押しが行われた場合(ペナルティ発生の場合)には、黒抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に更新されず0Gのままである。一方、上述のごとくが、復電後の1ゲーム目でペナルティが発生しても、ゲーム数表示GMVの数値は戻されないことからゲーム数表示GMVは1Gのままである。なお、押し順ベル以外に当選した状態で変則押しが行われた場合には、天井カウンタは第三停止時に更新され1Gになり、ゲーム数表示GMVは1Gのままである。
2ゲーム目が開始されると、ゲーム数表示GMVは1G増える。順押しが行われた場合には、白抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に1G増え、ゲーム数表示GMVは1G増えたままである。押し順ベルに当選した状態で変則押しが行われた場合(ペナルティ発生の場合)には、黒抜きの太い矢印が示すように、天井カウンタは第三停止時に更新されず0Gのままである。また、ゲーム数表示GMVは1G分戻されて1Gになっている。なお、押し順ベル以外に当選した状態で変則押しが行われた場合には、天井カウンタは第三停止時に更新され1Gになり、ゲーム数表示GMVは2Gのままである。
開店前に設定変更を行った場合には、図19(a)又は(b)のようになる。一方、開店前に設定変更を行わなかった場合には、電源投入だけとなり、図19(c)又は(d)のようになる。設定変更が行われていないことが遊技者に分かると、そのスロットマシンの開店直後の稼動が下がる場合があるため、ゲーム数表示GMVの表示を設定変更の有りの場合と無しの場合で揃えることが好ましい。そこで、設定変更を行った遊技台では、店員が開店前に有利区間移行遊技で遊技を行っておけば、ゲーム数表示GMVは0Gにはならないため、設定変更の有無が遊技者に分からなくなる。また一方で、設定変更が行われると、有利区間における差枚数カウンタ(仮想差枚数カウンタ含む)がリセットされてしまい、当該有利区間で獲得可能な遊技価値の期待枚数が少なくなってしまうことから、設定変更を良くない印象として捉える遊技者も想定され、開店直後の遊技機の稼働が延びないおそれがある。このような場合であっても、設定変更を伴うときと、伴わないときとでゲーム数表示GMVの挙動を合わせることで設定変更されたかどうかの見分けがし難くなり、開店直後の稼働低下を防ぐことができる。
続いて、これまで説明した例の変形例について説明する。
図20(a)は、これまで説明した、連続演出中にペナルティが発生した場合の概要図である。
連続演出中にペナルティが発生すると、次ゲームで演出の再実行を行う態様である。この態様では、AT状態に移行するまでのゲーム数を主制御部300側と第1副制御部400側の両方で管理している場合(いわゆる、ゲーム数管理型・モード管理型)に、主制御部300側が管理するゲーム数に、第1副制御部400側が管理するゲーム数を合わせることができる。また、ガゼの連続演出(連続演出が終わってもAT状態に移行しない連続演出)でもゲーム数管理を行っている場合に相性がよい態様である。
図20(b)は、これまで説明した、ペナルティが発生した場合の、ゲーム数表示GMVの表示の例を示す図である。
ゲーム数表示GMは、ゲーム開始で更新され、ゲーム数が1増加する。ペナルティが発生すると、ゲーム数表示GMは、ペナルティが発生したゲームの第3停止のタイミングで1ゲーム分戻る。そして、次ゲームが開始されると、ゲーム数表示GMは1増加する。ここで、ペナルティが発生した場合でも、ゲーム数表示GMに変化はなく、次ゲームが開始されると、ゲーム数表示GMが1増加する態様が考えられる。しかしながら、ペナルティが発生すると、主制御部300が制御する天井カウンタは更新されないため、天井カウンタとのズレが生じてしまう。また、次ゲームが開始された時点でゲーム数表示GMが進まない態様も考えられる。しかしながら、これでは、次ゲームでペナルティが付与されたと誤解される恐れがある。これらに対して、ゲーム数表示GMは、ペナルティが発生したゲーム内で1ゲーム分戻るようにしておくと、ペナルティが当該ゲームで完結していると示唆することができるとともに、天井カウンタとのズレも生じることがないといった効果を奏する。
図20(c1)は、連続演出中にペナルティが発生した場合の第1変形例の概念図である。
第1変形例では、ペナルティが発生しても連続演出をそのまま最後まで実行し、連続演出に続いて実行される確定演出(AT確定画面を表示する演出)を繰り返し実行する。すなわち、AT状態に移行する直前(通常状態の最後)で余分に演出を行うことで、天井カウンタとのズレを無くす態様である。余分に確定演出を行っている間は、表示画面に「待機中」等の文字を表示する。
図20(c2)は、連続演出中にペナルティが発生した場合の第2変形例を説明するための図である。
第2変形例では、ペナルティが発生しても連続演出をそのまま最後まで実行し、連続演出の最後の演出4(勝利演出)を繰り返し実行する。余分に勝利演出を行っている間は、液晶表示装置157における勝利演出の表示画面に「待機中」等の文字を表示する。
なお、ガゼの連続演出の場合も同様に連続演出をそのまま最後まで実行し、どこかで余分に演出を行うことはない。
また、AT状態に移行するまでのゲーム数を、主制御部300側と第1副制御部400側のうち主制御部300側のみで管理していたり、ガゼの連続演出ではゲーム数管理を行っていなかったりする場合に相性がよい態様である。また、ゲーム数やモードに依存してAT状態への移行が決定される仕様ではなく、当選役に基づいてAT抽選が行われるような仕様に相性がよい態様である。
なお、変則押しが行われペナルティが発生した場合、ペナルティが発生した次のゲームでレア役に内部当選した場合は、そのレア役に入賞しないように押し順ナビを行う特殊処理(レア役回避ナビ)を実行してもよい。暗転表示等によってペナルティ発生を認識した遊技者は、そのペナルティの直後にレア役に入賞すると、レア役により得られる利益に先のペナルティが影響して損をしてしまったと落胆する場合があるため、あえてレア役回避ナビを実行し、遊技者が落胆することがないようにしている。
また、ペナルティが発生したゲームでは、AT抽選が行われないが、その次のゲームではAT抽選が行われる。ただし、AT抽選で当選した場合に実行されることがあるATに関する優遇処理(例えば、AT付与ゲーム数の上乗せ抽選)は、ペナルティが発生したゲームの次のゲームでは行われない。
次に、操作推奨表示RECの表示態様について説明する。
図21は、液晶表示装置157の表示画面に表示される操作推奨表示RECの表示態様について複数の例を示した図である。
図21(a)は、リール110~112が回転を開始する前の液晶表示装置157の表示画面であり、表示画面全体を用いて画像が表示されている。
図21(a)から続く同図(b)は、スタートレバー135が操作され、3つのリール110~112全てが回転中の液晶表示装置157の表示画面である。この表示画面には、通常演出の演出画像(天守閣で殿様に爺が書状を読み上げているシーン)が表示されている。
図21(b)から続く同図(c1)では、「好機の気配がしておる」といった殿様のセリフ表示SPEが表示されている。3つのリール110~112は全て回転を継続している。
図21(c1)から続く同図(c2)では、3つのリール110~112のうち、中リール111のみが停止している。すなわち、第1停止操作として中ストップボタン138が操作され、変則押しが行われている。図21(c2)に示す液晶表示装置157の表示画面には、「好機の気配がしておる」といったセリフ表示SPEよりも上方の位置に操作推奨表示RECが表示されている。すなわち、操作推奨表示RECとセリフ表示SPEは重なっていない。また、操作推奨表示RECと左側の貯留枚数表示部125Lも重なっておらず、操作推奨表示RECと右側の払出枚数表示部127Lも重なっていない。
なお、操作推奨表示RECの表示態様は、実行されている演出の種類(例えば、通常演出、小役演出、決闘演出、フリーズ演出等)に関わらず共通の表示態様である。
図21(c3)は、操作推奨表示RECの別の表示態様を示す図である。この図に示す操作推奨表示RECは、3つのリール110~112を除いた全画面表示になっている。すなわち、灰色の背景に「左押し推奨です」といった文字が表示されている。
図21(c4)は、操作推奨表示RECとエラー表示の関係を示す図である。
灰色の背景に「エラー」といった文字が表示されたエラー表示ERRは、3つのリール110~112を除いた全画面表示になっている。このエラー表示ERRよりも先に操作推奨表示RECが表示されていた場合であっても、エラー表示ERRよりも後に操作推奨表示RECが表示される場合であっても、操作推奨表示RECにエラー表示ERRはオーバーラップし、操作推奨表示RECが視認困難になっている。この図21(c4)では、エラー表示ERRにオーバーラップされた操作推奨表示RECを点線で表している。なお、この例では、操作推奨表示RECは、全画面表示のエラー表示ERRに全部がオーバーラップされているが、少なくとも一部がオーバーラップされていてもよい。エラー表示ERRの具体的エラーとしては、扉開放エラーや、ホッパー詰まりエラーや、ホッパー空エラーや、メダル通過枚数エラー等があげられる(以下の説明においても同じ)。
以上説明したように、操作推奨表示RECは、エラー表示ERRとは重畳するが、セリフ表示SPEとは重畳しない領域に表示し、演出の一部は把握できるようにする。また、操作推奨表示RECは、表示画面のほぼ中央に表示される。
なお、メダルレス遊技機では、いつでも計数ができるため、操作推奨表示RECであっても計数が可能であり、計数中に操作推奨表示RECが表示される場合もある。
続いて、操作推奨表示RECが表示されている状態でエラー表示ERRが表示され、エラー復帰した場合の例について説明する。
図22は、操作推奨表示RECが表示されている状態で、エラー表示ERRが表示された場合や、電断復電が生じた場合の例を示す図である。図22では、液晶表示装置157の表示画面を左から右に向けて時系列的に示す。
これまでに説明したように、操作推奨表示RECは、変則押しが検知されると表示される表示であるが、変則押しを行っても、ペナルティになる場合とならない場合とがある。操作推奨表示RECは、ペナルティが発生した場合には、第3停止時以降も表示され、次ゲームが開始されると消える(図16に示す例参照)が、ペナルティが発生しなかった場合には、ペナルティが発生した場合よりも早いタイミングで消える(図17に示す例参照)。
図22(a1)は、変則押しを行ってペナルティが発生した場合の例を示す図である。
一番左端に示す液晶表示装置157の表示画面には、通常演出の表示にオーバーラップして操作推奨表示RECが表示されている。操作推奨表示RECが表示されている状態でエラーが検知され、表示画面全体に、エラー表示ERRが表示され、操作推奨表示RECは見えなくなる(非表示になる)。すなわち、ペナルティが発生したゲームでエラーが検知される。その後、ペナルティが発生したゲームでエラーが解消されてエラー復帰し、エラー表示ERRは消え、操作推奨表示RECが再び表示された状態に戻る。スタートレバー135が操作れて次ゲームが開始されると、操作推奨表示RECは消え、表示画面には、次ゲームの演出表示(小役演出の表示)が表示されている。
図22(a2)は、変則押しを行ったがペナルティは発生しなかった場合の例を示す図である。
一番左端に示す液晶表示装置157の表示画面には、通常演出の表示にオーバーラップして操作推奨表示RECが表示されている。第3停止が行われる前にエラーが検知され、表示画面全体に、エラー表示ERRが表示され、操作推奨表示RECは見えなくなる(非表示になる)。その後、第3停止が行われ、第3停止から所定時間が経過する以前にエラーが解消されてエラー復帰した場合には、エラー表示ERRが消えて操作推奨表示RECが再び表示された状態に戻る。一方、第3停止から所定時間が経過した後にエラーが解消されてエラー復帰した場合には、エラー表示ERRが消えた後の表示画面に操作推奨表示RECは表示されていない。
なお、この例のおけるエラー検知のタイミングは、第3停止以降、上記所定時間が経過する以前の期間内であってもよい。
以上説明したように、操作推奨表示RECの表示中にエラーが発生すると、エラー表示ERRが全画面表示され、操作推奨表示RECの表示期間内にエラー復帰した場合は、操作推奨表示RECが残っているが、その表示期間を超えてからエラー復帰した場合には、操作推奨表示RECは残っていない。
次いで、操作推奨表示RECが表示されている状態で電断復電が生じた場合の例について説明する。
図22(b1)は、第3停止後であって次ゲームが開始される前に電断復電が発生した場合の一例を示す図である。
一番左端に示す液晶表示装置157の表示画面は、第3停止後(リール停止中)の表示画面であって、通常演出の表示にオーバーラップして操作推奨表示RECが表示されている。スタートレバー135が操作される前(次ゲームが開始される前)に、電断復電が発生し、復電後の表示画面には起動画面(「起動中」の文字が表示された画面)が表示されている。この例は、操作推奨表示RECが表示された状態のリール停止中に電断復電が生じると、起動画面の後にデモ画面が表示される例である。デモ画面では、操作推奨表示RECは消えており、デモ画面が表示されている状態でスタートレバー135が操作されると、次ゲームが開始され、表示画面には次ゲームの演出表示(小役演出の表示)が表示されている。したがって、復電後に電断直前の操作推奨表示RECが表示されることはない。なお、デモ画面に代えて、復電時の専用画面(例えば、「復帰」の文字が表示された復帰画面等)が表示されてもよい。
図22(b2)は、操作推奨表示RECが表示されている第3停止前に電断復電が発生した場合の第一例を示す図である。
一番左端に示す液晶表示装置157の表示画面は、変則押し後であって第3停止前(リール回転中)の表示画面であり、通常演出の表示にオーバーラップして操作推奨表示RECが表示されている。リール回転中に電断復電が発生し、復電後の表示画面には起動画面が表示されている。この第一例は、操作推奨表示RECが表示された状態のリール回転中に電断復電が生じると、起動画面の後に復電時の専用画面である復帰画面が表示される例である。復帰画面では、操作推奨表示RECは消えており、復帰画面が表示されている状態でスタートレバー135が操作されると、次ゲームが開始され、表示画面には次ゲームの演出表示が表示されている。したがって、この第一例でも、復電後に電断直前の操作推奨表示RECが表示されることはない。
図22(b3)は、操作推奨表示RECが表示されている第3停止前に電断復電が発生した場合の第二例を示す図である。
この第二例では、操作推奨表示RECが表示された状態のリール回転中に電断復電が生じると、起動画面の後に電断直前の演出表示が表示される。ここでは、通常演出の表示が表示されている。起動画面後の演出表示の表示では、操作推奨表示RECは消えており、この状態でスタートレバー135が操作されると、次ゲームが開始され、表示画面には次ゲームの演出表示が表示されている。したがって、この例でも、復電後に電断直前の操作推奨表示RECが表示されることはない。
図22(b4)は、操作推奨表示RECが表示されている第3停止前に電断復電が発生した場合の第三例を示す図である。
この第三例では、操作推奨表示RECが表示された状態のリール回転中に電断復電が生じると、起動画面の後に電断直前の画面が表示される。ここでは、通常演出の表示にオーバーラップして操作推奨表示RECが表示されている。したがって、この第三例では、復電後に電断直前の操作推奨表示RECが表示される。なお、次ゲームが開始されると、操作推奨表示RECは消え、次ゲームの演出表示が表示される。
以上の記載によれば、
『 遊技者にとって有利となる第二の処理[例えば、AT移行抽選、天井カウンタの更新]を実行可能な制御手段[例えば、主制御部300]と、
遊技の進行に基づいた値を表す値表示[例えば、ゲーム数表示GMV]を表示可能な表示手段[例えば、液晶表示装置157]と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、所定の実行条件[例えば、有利区間の通常状態(非AT状態)において押し順ベルに当選している状態で変則押しが行われたこと]が成立した場合に、遊技者にとって不利となる第一の処理[例えば、ペナルティの処理(AT移行抽選を行わない、天井カウンタの更新を行わない)]を実行する手段であり、
前記表示手段は、或る遊技における第一のタイミング[例えば、ゲーム開始のタイミング]で前記値表示を第一の態様[例えば、1G更新した表示態様]で表示可能な手段であり、
前記表示手段は、前記第一の態様で表示したあとに前記所定の実行条件が成立した場合には、前記第一のタイミングよりも遅い第二のタイミング[例えば、第3停止のタイミング]で前記値表示を第二の態様[例えば、1G戻した表示態様]で表示する場合がある手段であり、
前記表示手段は、前記第一の態様で表示したあとに前記所定の実行条件が成立しなかった場合には、前記第二のタイミングであっても前記値表示を前記第二の態様で表示しない手段であり[例えば、第一の態様で表示を継続]、
前記第二の態様は、前記第一の態様とは異なる態様である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、前記第二の処理よりも有利ではない前記第一の処理を伴う場合には、当該或る遊技における前記第一のタイミングの後の前記第二のタイミングにおいて、前記第一の態様で表示が行われた前記値表示に対して前記第二の態様で表示を行うことで、該第一の処理が当該或る遊技で完結したことを遊技者に把握させることができ、該第一の処理が次遊技に及ぶのではないかという遊技者の不安を防ぐことができる。
なお、遊技者にとって不利な処理とは、前記有利な遊技状態への移行を妨げる処理であったり、遊技者とって有利な優遇処理(例えば、上乗せ抽選であったり、ATの初期付与G数が優遇される処理であったり、AT状態における特化ゾーンへの移行権利を獲得する処理等)を行わない処理であってもよい。
所定の実行条件が成立した場合とは、例えば、(a)有利区間の通常状態であること(非有利区間ではないこと、AT状態でもないこと)、(b)所定の役(例えば、押し順ベル)に内部当選した遊技であること、(c)推奨操作とは異なる操作が行われたこと、の(a)~(c)の条件が全て満たされた場合のことである。なお、(a)~(c)の条件のいずれか1つ以上の条件が満たされた場合であってもよい
なお、前記値表示は、ゲーム数と一対一の関係にある表示(例えば、遊技回数表示)であってもよいし、ゲーム数と一対一の関係にない表示であってもよい。
前記表示手段は、前記第一の態様で表示したあとに前記所定の実行条件が成立しなかった場合には、前記第二のタイミングであっても、前記値表示は表示するが、前記第二の態様では表示しないようにしてもよく、前記第一の態様でも表示しない場合があってもよく、あるいは前記値表示を表示しない場合があってもよい。
また、
『 前記第一の態様とは、前記値表示の第一の更新表示[例えば、+1Gの更新表示]を行うことで表示される態様のことであり、
前記第二の態様とは、前記値表示の第二の更新表示[例えば、-1Gの更新表示]を行うことで表示される態様のことである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一の処理を伴う場合は当該或る遊技内で、前記第一の更新表示が表示された後に前記第二の更新表示が表示されるため、当該或る遊技内で該第一の処理が行われたと遊技者は把握することができる。
なお、前記第二の更新表示は、前記第一の更新表示で更新した値を更新前の値に戻す更新表示であってもよい。
また、
『 前記第一の更新表示とは、前記表示手段に表示された前記値表示[例えば、ゲーム数]が表す前記値を所定数分[例えば、1ゲーム分]更新する表示のことであり、
前記第二の更新表示とは、前記第一の更新表示で更新された前記値を更新される前の値に戻す表示のことである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一のタイミングで所定数分更新された遊技数を、不利な前記第一の処理を伴う場合には更新される前の遊技数に戻すことで不利な処理が当該或る遊技で完結したと把握することができる。
また、
『 前記所定の実行条件のうちの一の条件は、特定事象[例えば、変則押し]が発生した場合に成立する条件である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記特定事象は遊技者の或る操作であってもよく、この遊技台が推奨する操作以外の操作(非推奨操作)であってもよい。
また、
『 停止操作によって回転を停止するリール[例えば、リール110~112]を備え、
前記停止操作には、推奨する推奨停止操作[例えば、順押しの停止操作]があり、
前記特定事象とは、前記推奨停止操作とは異なる停止操作[例えば、変則押しの停止操作]が行われたことである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
不利になるかもしれない停止操作を定めることで遊技者に対して推奨停止操作での遊技を推奨することができる。
また、
『 所定の移行条件[例えば、ハズレ以外の役に内部当選すること]が満足されると、非有利区間[例えば、AT状態に移行することが不可能な区間]から、該非有利区間よりも遊技者にとって有利な有利区間[例えば、AT状態に移行することが可能な区間]に移行する構成であり、
前記制御手段は、前記非有利区間では前記一の条件が成立した場合であっても前記第一の処理は実行しない手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
例えば、前記非有利区間から前記有利区間へ移行するタイミングとしては設定変更後の1遊技目が考えられるが、設定変更後の1遊技目は開店時が多い。朝一番ではリールが温まっておらず加速に時間がかかり停止操作を受付可能になるタイミングが僅かに遅くなる。そのため、遊技者は第1操作で左ストップボタンを押下したのに、上記タイミングがズレて実際は中ストップボタンを押下したタイミングが上記タイミングになるおそれがある。こういった場合にもペナルティを付与するのは遊技者に酷であり、前記非有利区間では前記一の条件が成立した場合であっても前記第一の処理は実行しないことにすることで、遊技者が不利益を被るのを防ぐことができる。
なお、前記有利区間とは、前記停止操作における遊技者にとって有利な操作態様を報知する報知遊技状態(AT状態)に移行することが可能な区間のことであり、非有利区間とは、該報知遊技状態に移行することが不可能な区間のことであってもよい。
前記制御手段は、遊技の進行に基づいた値を管理する手段であってもよい。より具体的には、前記有利区間において、前記報知遊技状態に移行するまでの遊技数をカウントするカウンタ(天井カウンタ)を有する手段であってもよい。
また、前記制御手段は、前記非有利区間から前記有利区間に移行する直前の該非有利区間の遊技[例えば、有利区間移行遊技]においては、前記カウンタの値を更新する手段であり、前記表示手段は、前記遊技の開始に応じて前記値表示を更新表示する手段[例えば、図19(a)の有利区間移行遊技における白抜きの太い矢印参照]であってもよい。
また、
『 前記表示手段は、復電後の初回の遊技において前記所定の実行条件が成立した場合であっても、該遊技において前記値表示を前記第二の態様で表示しないものである[例えば、図19(c)及び同図(d)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
設定変更が行われた否かを遊技者に分からないようにすることができる。
以上の記載によれば、
『 遊技状態の移行を制御する制御手段[例えば、主制御部300]と、
遊技の進行に基づいて値を更新する値更新手段[例えば、主制御部300のRAM308に設けられた天井カウンタ]と、
前記値更新手段による更新に応じて値表示[例えば、ゲーム数表示GMV]を表示可能な表示手段[例えば、液晶表示装置157]と、
停止操作によって回転を停止するリール[例えば、リール110~112]と、を備えた遊技台であって、
前記遊技台には前記停止操作において推奨する推奨停止操作[例えば、順押しの停止操作]があり、
前記制御手段は、前記値更新手段が更新した値が或る値[例えば、101であったり1000あるいは500]になると遊技者に有利な遊技状態[例えば、AT状態]に移行するよう制御する手段であり、
前記表示手段は、或る遊技における第一のタイミング[例えば、ゲーム開始のタイミング]で前記値表示を第一の態様[例えば、1G更新した表示態様]で表示可能な手段であり、
前記表示手段は、前記第一の態様で表示したあとに所定の実行条件[例えば、有利区間の通常状態(非AT状態)において押し順ベルに当選している状態で変則押しが行われたこと]が成立した場合には、前記第一のタイミングよりも遅い第二のタイミング[例えば、第3停止のタイミング]で前記値表示を第二の態様[例えば、1G戻した表示態様]で表示する場合がある手段であり、
前記表示手段は、前記第一の態様で表示したあとに前記所定の実行条件が成立しなかった場合には、前記第二のタイミングであっても前記値表示を前記第二の態様で表示しない手段であり[例えば、第一の態様で表示を継続]、
前記第二のタイミングは、前記或る遊技におけるタイミングであり、
前記第二の態様は、前記第一の態様とは異なる態様であり、
前記第一の態様とは、前記値表示の第一の更新表示[例えば、+1Gの更新表示]を行うことで表示される態様のことであり、
前記第二の態様とは、前記値表示の第二の更新表示[例えば、-1Gの更新表示]を行うことで表示される態様のことであり、
前記第一の更新表示とは、前記値表示[例えば、ゲーム数]が表す値を所定数分[例えば、1ゲーム分]更新する表示のことであり、
前記第二の更新表示とは、前記第一の更新表示で更新された前記値表示が表す値を更新される前の値に戻す表示のことであり、
前記所定の実行条件は、特定事象[例えば、変則押し]が発生した場合に成立する条件であり、
前記特定事象とは、前記推奨停止操作とは異なる停止操作[例えば、変則押しの停止操作]が行われたことである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
続いて、主制御部300のROM306に記憶されている当選役データについて説明する。
図23(a)は、主制御部300のROM306に記憶されている当選役データを示す図である。
図23(a)に示す左側の当選役情報は、図6(a)に示した当選役情報と同じである。押し順役であるベル(押し順ベル)は、停止操作態様(押し順)が異なる4パターン(CLR、CRL、RLC、RCL)が用意されている。さらに、各パターンごとに3つの役(1~3)が用意されている。すなわち、同じ押し順でそれぞれ3つずつ役が用意されている。同じ押し順の役では、遊技者の利益は同じであるが、3つずつ用意しておくことで、出目を多彩にすることができる。例えば、1つの押し順に対して1つの役だけであると、特定の押し順である場合に特定の出目しか表示されず単調になってしまうところ、1つの押し順に対して複数の役を設けることで、同じ押し順でも役が表示される形を異ならすことができて出目が単調になるのを防ぐことができる。
各当選役には、当選役と1対1で対応した「00」~「34」といった自然数の連続番号(当選役番号)が付されている。
これまでの説明では、非有利区間から有利区間への移行は、ハズレ以外の役に当選することで移行していた。すなわち、リプレイ3に対応付けられた「01」以上の役に内部当選すると有利区間に移行することになる。
ここでの例では、リプレイ1に対応付けられた「04」以上の役に内部当選すると有利区間に移行する。「04」以上の当選役番号、すなわち「04」~「34」の範囲に属する当選役番号が有利区間番号である。一方、「04」未満の当選役番号、すなわち「01」~「03」の範囲に属する当選役番号が非有利区間番号になる。このように、有利区間への移行が許容される役と許容されない役とを分けて当選役番号を定めることで、後述する有利区間移行処理において簡素な処理で実現することができる。
図23(a)に示す当選役データには、左側の当選役情報の他に小役グループの情報とレア役グループの情報も含まれている。
小役グループの情報には、押し順役のうちの、全ての押し順ベル役と1枚役7と1枚役8からなる押し順役グループが含まれている。この押し順役グループに含まれない小役は、小役ごとに連続番号(自然数)が付されている。すなわち、小役と1対1で対応した「01」~「21」の小役番号が付されている。このため、小役番号で小役を識別することができる。一方、押し順役グループでは、そのグループ全体にグループ番号(「00」)が付され、各ベル役や1枚役ごとには番号が付されていない。このため、グループ番号で押し順役といった種類は識別することができるが、小役(押し順ベル_CLR、押し順ベル_CRL、押し順ベル_RLC、押し順ベル_RCL、1枚役7、1枚役8)を区別することができず、停止操作態様(押し順)は識別することができない。すなわち、グループ番号では、押し順役であるか否かはわかるが、いずれが正確の操作(遊技者にとって最も有利になる場合がある操作態様)であるかまではわからない。また、押し順役であることは特定できても、いずれの種類の押し順役であるか(ベル_CLR1であるか、ベル_CRL1であるか等)は特定できない情報とも言える。AT状態では、主制御部300は、第1副制御部400に内部当選コマンドを送信する場合に、当選役情報(当選役番号)を含めて送信し、第1副制御部400のCPU404は、その当選役情報(当選役番号)を用いてAT演出等の演出に関する抽選を行う。また、主制御部300は、当選役情報(当選役番号)の代わりに、あるいは一緒に、押し順が分かる情報を第1副制御部400のCPU404に送信するようにしてもよい。一方、通常状態(非AT状態)では、第1副制御部400のCPU404は、AT演出を行う必要がなく、当選役番号の「00」~「34」の35個を参照するよりも、「00」~「21」の22個を参照する方が、処理が速くなり、プログラム容量も小さくて済む。このため、主制御部300は、第1副制御部400に、内部当選コマンドを送信する場合に、通常状態(非AT状態)では、当選役情報(当選役番号)は含めず、小役グループの情報を含めて送信し、第1副制御部400のCPU404は、小役グループの情報を用いて演出抽選等(例えば、示唆演出の実行可否抽選や、期待度の報知演出等)の処理を行う。また、第1副制御部400のCPU404は、小役グループの情報から新たな情報(小役グループの情報をさらにグループ化しているが、押し順役・リプレイ・共通ベル・チェリー・スイカ・チャンス目を識別する情報)を生成し、該新たな情報で演出抽選や演出処理を行ってもよく、このような仕様であっても、小役グループの情報を用いていると言える。
レア役グループは、小役グループをさらにグループ化したものであり、その情報は、弱レア役のグループ、強レア役のグループ、レア役ではないグループ(その他のグループ)に分けられた情報である。弱レア役のグループには、そのグループ全体に固有のグループ番号(「01」)が付され、各レア役(スイカ、弱チェリー)ごとには番号が付されていない。強レア役のグループには、そのグループ全体に固有のグループ番号(「02」)が付され、各レア役(強チェリー、チャンス目)ごとには番号が付されていない。その他のグループには、そのグループ全体に固有のグループ番号(「03」)が付され、各役ごとには番号が付されていない。したがって、グループ番号によって、レア役であるかレア役でないかの区別がすることができ、さらに、弱レア役や強レア役といったレア役の種類も識別することができる。しかしながら、グループ番号では、小役までは識別することはできず、どの図柄を目押しすればよいかまではわからない。主制御部300のCPU304は、役抽選結果に応じてAT抽選や後述する高確率状態への移行抽選を行う場合に、「リプレイ?→ベル?→弱チェリー?→強チェリー→スイカ?→チャンス目?」のような抽選処理を行うよりも、「その他?→弱レア役?→強レア役?」の抽選処理を行う方が処理が軽くなるため、レア役グループを用いて抽選処理を行う場合もある。また、第1副制御部400のCPU404における抽選処理においても同様であり、主制御部300は、内部当選コマンドにレア役グループの情報を含めて第1副制御部400に内部当選コマンドを送信する場合もある。
主制御部300は、AT状態へ移行させるかを決定するAT抽選、高確率状態への移行抽選、CZへ移行させるかを決定するCZ抽選を、当選役情報を用いて行ってもよいが、小役グループを用いて行ってもよいし、レア役グループを用いてもよいし、抽選対象に応じて小役グループを用いたり、レア役グループを用いたりしてもよい。例えば、AT抽選が、強チェリーに当選した場合のみ当り(AT状態へ移行)であれば、主制御部300のCPU304は小役グループを用いて抽選処理を行うことができ、強チェリーあるいはチャンス目に当選した場合のみ当り(AT状態へ移行)であれば、主制御部300のCPU304はレア役グループを用いて抽選処理を行うことができる。
なお、以上説明した、当選役番号、小役番号およびグループ番号は、プログラム上では2進数や16進数で表されている(以下の説明においても同様)。
図23(b)は、主制御部300のCPU304が実行する有利区間移行処理のフローチャートである。
この有利区間移行処理は、図10に示す各種抽選処理ステップS105の中で、当選役が決定された後に実行される。
まず、CPU304は、当該遊技における当選役に対応付けられた、図23(a)に示す「00」~「34」のいずれかの当選役番号(当選役情報)をレジスタにセットし、その当選役番号が、リプレイ1に対応付けられた当選役番号である「04」以上であるか否かを判定する(ステップS251)。なお、判定方法としては、「CP命令」等の比較命令を用いることができ、キャリーフラグの成否に応じて(キャリーフラグ=1であれば有利区間へ移行しない)有利区間への移行判定処理を行うことができる。当選役情報のように符号を持たない数値の場合、キャリーフラグの成否に応じた処理をするだけで済むので比較命令を用いることで簡素な命令を用いつつ処理負荷を軽減することができる。
当選役に対応付けられた当選役番号が「04」以上であれば、遊技状態を有利区間に設定する(ステップS252)。ここで、AT抽選の当選確率が相対的に高い高確率状態と、相対的に低い低確率状態とがあり、有利区間中に、低確率状態から高確率状態に移行したり、高確率状態から低確率状態に移行する。また、天井ゲーム数が、第1のゲーム数(例えば、1000ゲーム)に設定される場合と、第2のゲーム数(例えば、500ゲーム)に設定される場合とがある。高確率状態の移行タイミングと天井ゲーム数を組み合わせた複数種類の有利区間が用意されており、ステップS252で設定する有利区間は、これら複数種類の有利区間の中から抽選で選択された有利区間になる。
一方、当選役に対応付けられた当選役番号が「04」未満であれば、有利区間移行処理は終了になり、非有利区間が継続される。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、当選役が、「04」~「34」の範囲に属する当選役か、すなわち、当選役に対応した当選役番号が4以上であるかの判定を行うだけですむ。これは、プログラム命令的には、非有利区間継続の場合に、所定のレジスタ(例えば、Aレジスタ)に当選役番号を設定し、所定のレジスタの内容とリプレイ1の内容(「04」)とを比較し、当選役番号が4未満で終了という簡単なプログラムですみ、当選役ごとに有利区間移行役か否かを判定するよりも、プログラムの容量を減らすことができる。また、有利区間移行役でない役を確実に排除することができる。
図24は、主制御部300のCPU304が制御する指示モニタに関する説明の図である。
主制御部300のCPU304は、AT状態では、図1に示す遊技情報表示器126を用いて、ストップボタン137~139の押し順を表す表示を行う場合がある。ボーナス遊技中のメダル払出枚数等を表示する場合がある遊技情報表示器126は、指示モニタとして機能する。
図24(a)は、7セグメント表示が左右に並べられた遊技情報表示器126を示す図である。
図24(a)の一番左にはCLR(中左右)操作を指示する場合の指示表示(数字の7の表示)が示され、その右横にはCRL(中右左)操作を指示する場合の指示表示(数字の8の表示)が示され、中央にはRLC(右左中)操作を指示する場合の指示表示(数字の9の表示)が示され、その右横にはRCL(右中左)操作を指示する場合の指示表示(数字の10の表示)が示され、一番右には、1枚役7と1枚役8に対応した、いずれの押し順を行っても遊技者の利益は同じであることを表す押し順共通の表示(数字の11の表示)が示される。
図24(b)は、主制御部300のCPU304が実行する指示モニタ設定処理のフローチャートである。
この指示モニタ設定処理は、図10に示す各種抽選処理ステップS105の中で、当選役が決定された後に実行される。
まず、CPU304は、当選役が、図23(a)に示す小役グループの押し順役のグループに属する役か否かを判定する(ステップS261)。プログラム命令的には、当選役が対応する小役グループの番号(「01」~「21」の小役番号か「00」のグループ番号)が、押し順役のグループに対応付けたグループ番号「00」であるか否かを判定する。CPU304は、当選役番号では、「00」~「34」といった35個の番号を参照しなければならないが、小役グループでは、22個の番号を参照するだけですみ処理速度が速くなる。また、プログラムの容量も小さくなる。
当選役が押し順役のグループに属していなければ、この指示モニタ設定処理は終了する。一方、当選役が押し順役のグループに属していれば、現在の遊技状態が、AT状態であるか否かを判定する(ステップS262)。図7に示す各種遊技状態のうち、通常ステージには「01」、CZには「02」、引き戻しゾーンには「03」、ボーナス状態には「04」、AT通常状態には「05」、上乗せゾーンには「06」、エンディング状態には「07」といった遊技状態番号が付与されている。CPU304のレジスタ(例えば、Aレジスタ)には、現在の遊技状態を表す遊技状態番号がセットされている。ステップS262では、そのレジスタにセットされている遊技状態番号が「04」以上であるか否かを判定し、「04」未満であれば、この指示モニタ設定処理は終了し、「04」以上であれば、ステップS263において指示情報値を算出する。すなわち、現在の遊技状態がAT状態であればステップS263に進む。
ステップS263では、ステップS261で用いた小役グループの情報ではなく、当選役情報(当選役番号)を用いて処理を行う。すなわち、当選役に対応付けられた当選役番号を3で除算し、除算した結果の商の値を指示情報値として決定する。例えば、ベル_CLR2に当選していた場合は、当選役番号「22」を3で除算し、商の値が「7」であるため、この「7」を指示情報値として決定する。ここで用いる“3”は、同じ押し順の役で用意してある役の数に相当する。すなわち、出目を多彩にするために同じ押し順の役でも3つ用意したことにより当選役番号も3つあり、これら3つの当選役番号につき共通な処理にするために3で除算し、余りは考慮せず、商の値を指示情報値として決定する。こうすることで、簡素な処理になっている。
続くステップS264では、ステップS263で算出された指示情報値に基づいて指示モニタ情報を設定し、この指示モニタ設定処理は終了する。指示モニタとして機能する遊技情報表示器126には、設定された指示モニタ情報が表示される。
なお、CPU304は、AT抽選や、AT抽選の当選確率が相対的に高い高確率状態の抽選等にも、上述した処理速度の速さとプログラム容量の小ささから、小役グループの情報やレア役グループの情報を用いて処理する。
図24(c)は、図24(b)に示す指示モニタ設定処理のフローチャートの変形例である。
これまでの説明では、指示モニタとして機能する遊技情報表示器12には、図24(a)に示すように数字の7の表示~数字の11の表示が表示されたが、この変形例では、数字の0の表示~数字の4の表示が表示される。
ステップS271およびステップS272は、先に説明したステップS261およびステップS262と同じため説明は省略する。
当選役が押し順役であって現在の遊技状態がAT状態であればステップS273において、CPU304は、当選役に対応付けられた当選役番号(当選役情報)の値から、図23(a)に示す小役グループの押し順役のグループの先頭に位置する押し順役であるベル_CLR1に対応付けられた当選役番号の値である「21」を減算し、当選役情報減算値を求める。ステップS274では、その当選役情報減算値を3で除算し、除算した結果の商の値を当選役情報減算除算値とする。ステップS275では、その当選役情報減算除算値に「1」の値を加算し、加算した結果の値が「4」を超えていれば0を指示情報値として決定し、「4」を超えていなければ、を加算した結果の値指示情報値として決定する。例えば、ベル_CLR2に当選していた場合は、まず、当選役番号「22」から「21」を減算し、「1」の当選役情報減算値を得る(ステップS273)。次いで、「1」を3で除算し、商の値が「0」であるため、この「0」を当選役情報減算除算値とする(ステップS274)。最後に、「0」に「1」を加算し、加算値が「4」を超えていないことから、「1」を指示情報値として決定する。一方、1枚役7に当選していた場合は、まず、当選役番号「33」から「21」を減算し、「12」の当選役情報減算値を得る(ステップS273)。次いで、「12」を3で除算し、商の値が「4」であるため、この「4」を当選役情報減算除算値とする(ステップS274)。最後に、「4」に「1」を加算し、加算値が「4」を超えていることから、「0」を指示情報値として決定する。
続くステップS276では、ステップS275で決定した指示情報値に基づいて指示モニタ情報を設定し、この指示モニタ設定処理は終了する。この結果、指示モニタとして機能する遊技情報表示器126には、CLR操作を指示する場合には数字の1の表示が示され、CRL操作を指示する場合には数字の2の表示が示され、RLC操作を指示する場合には数字の3の表示が示され、RCL操作を指示する場合には数字の4の表示が示される。また、1枚役7と1枚役8に対応した、いずれの押し順を行っても遊技者の利益は同じであることを表す押し順共通の表示は数字の0の表示が示される。
以上説明した、図24(b)に示す指示モニタ設定処理では、除算処理した商をそのまま指示モニタに表示する処理になり、一度の除算処理で指示モニタに表示する情報が決定することになり、処理が軽くなる。一方、当選役と当選役の種類の数によっては、遊技情報表示器126に表示される指示モニタ情報が「1」以外から表示されることになる。この例では、図24(a)に示すように「7」から表示されている。これに対して、図24(b)に示す指示モニタ設定処理では、遊技情報表示器126に表示される指示モニタ情報を「1」から表示することができ、遊技者に理解しやすくすることができる。
図25は、図23(a)に示す当選役データの別例を示す図である。以下、図23(a)に示す当選役データとの相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する場合がある。
図25(a)には、当選役データの別例1が示されている。この別例1でも、当選役情報は、図23(a)に示す当選役データの当選役情報と同じである。すなわち、図23(a)に示す当選役情報と同じ35個の当選役(小役)が同じ順番で並んでおり、当選役と1対1で対応した「00」~「34」といった自然数の連続番号(当選役番号)が付されている。
この別例1における35個の当選役(小役)のうちの、共通ベルと押し順役の操作内容ごとの表示態様と払出枚数の関係は、図6(b)に示す関係と同じである。
別例1では、リプレイ2に対応付けられた「05」以上の役に内部当選すると有利区間に移行する。「05」以上の当選役番号、すなわち「05」~「34」の範囲に属する当選役番号が有利区間番号である。一方、「05」未満の当選役番号、すなわち「01」~「04」の範囲に属する当選役番号が非有利区間番号になる。
別例1における小役グループの情報は、図23(a)に示す当選役データにおける小役グループの情報の押し順役グループと同じ押し順役グループの他、別の押し順役であるリプレイ群のグループも設けられている。押し順役グループにもリプレイ群のグループにも含まれない小役は、小役と1対1で対応した「01」~「04」と、「06」~「16」の小役番号が付されている。このため、小役番号で小役を識別することができる。一方、リプレイ群のグループでは、そのグループ全体に固有のグループ番号(「05」)が付され、各リプレイ役ごとには番号が付されていない。このため、グループ番号でリプレイ役といった役の種類は識別することができるが、各リプレイ役を区別することができず、停止操作態様(押し順)は識別することができない。
別例1では、有利区間に移行させないリプレイ1もリプレイ群(「05」)にグループ化されているため、図23(b)に示す有利区間移行処理では、小役グループではなく当選役情報を参照した方が都合がよい。
なお、別例1の当選役データにも、図示省略したが、図23(a)に示す当選役データにおけるレア役グループと同じレア役グループが含まれている。
図25(b)には、当選役データの別例2が示されている。この別例2でも、当選役情報は、図23(a)に示す当選役データの当選役情報と同じである。すなわち、図23(a)に示す当選役情報と同じ35個の当選役(小役)が同じ順番で並んでおり、当選役と1対1で対応した「00」~「34」といった自然数の連続番号(当選役番号)が付されている。
この別例2における35個の当選役(小役)のうちの、共通ベルと押し順役の操作内容ごとの表示態様と払出枚数の関係は、図6(b)に示す関係と同じである。
別例2では、押し順ベル_CLR1に対応付けられた「21」以上の役に内部当選すると有利区間に移行する。「21」以上の当選役番号、すなわち「21」~「34」の範囲に属する当選役番号が有利区間番号である。一方、「21」未満の当選役番号、すなわち「01」~「20」の範囲に属する当選役番号が非有利区間番号になる。
別例2における小役グループの情報には、押し順役のうちの、全ての押し順ベル役と1枚役6と1枚役7と1枚役8からなる押し順役グループが含まれている。この押し順役グループに含まれない小役は、小役ごとに連続番号(自然数)が付されている。すなわち、小役と1対1で対応した「01」~「20」の小役番号が付されている。このため、小役番号で小役を識別することができる。一方、押し順役グループでは、そのグループ全体にグループ番号(「00」)が付され、各ベル役や1枚役ごとには番号が付されていない。このため、グループ番号で押し順役といった種類は識別することができるが、小役(押し順ベル_CLR、押し順ベル_CRL、押し順ベル_RLC、押し順ベル_RCL、1枚役6、1枚役7、1枚役8)を区別することができず、停止操作態様(押し順)は識別することができない。すなわち、グループ番号では、いずれが正確の操作(遊技者にとって最も有利になる場合がある操作態様)であるかはわからない。
別例2でも、有利区間に移行させない1枚役6も押し順役フループ(「00」)にグループ化されているため、図23(b)に示す有利区間移行処理では、小役グループではなく当選役情報を参照した方が都合がよい。
なお、別例2の当選役データにも、図示省略したが、図23(a)に示す当選役データにおけるレア役グループと同じレア役グループが含まれている。
以上の記載によれば、
『 遊技者にとって有利な有利区間に移行する移行条件[例えば、ハズレ、リプレイ3、RB中1枚、RB中ベル以外の役に当選]が満足されているか否かの判定を行い、該移行条件が満足されている場合には該有利区間に設定する有利区間設定手段[例えば、図23(b)に示す有利区間移行処理を実行するCPU304]と、
複数の当選結果のうち何れかの当選結果を決定する当選結果決定手段[例えば、図10に示す各種抽選処理(ステップS105)において内部当選役抽選処理を実行するCPU304]と、
を備えた遊技台であって、
前記複数の当選結果[例えば、図23(a)に示す当選役情報の当選役]それぞれには第一の数値情報[例えば、図23(a)に示す当選役情報の当選役番号]が対応づけられており、
前記有利区間設定手段は、前記当選結果決定手段により決定された当選結果に対応する前記第一の数値情報が特定の値[例えば、「04」あるいは2進数で表された「0100」あるいは16進数で表された4]以上であれば[例えば、図23(b)に示すステップS251でYesの判定結果]、前記移行条件が満たされ前記有利区間を設定する手段であり[例えば、図23(b)に示すステップS252]、
前記有利区間設定手段は、前記当選結果決定手段により決定された当選結果に対応する前記第一の数値情報が前記特定の値未満であれば[例えば、図23(b)に示すステップS251でNoの判定結果]、前記移行条件が満たされず前記有利区間を設定しない手段である[例えば、図23(b)に示す有利区間移行処理の終了]、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、前記当選結果決定手段により決定された当選結果に対応する前記第一の数値情報が特定の値以上であるか否かを判定することで前記有利区間を設定することができ、当選結果ごとに有利区間移行役か否かを判定するよりも、処理プログラムの容量が削減される。また、データ容量も膨大なものにならないですむ。
なお、前記複数の当選結果それぞれに対応づけられた複数の前記第一の数値情報は、連続した値であってもよいし、間隔をあけて並べられた値であってもよい。あるいは離散的な値であってもよい。ただし、前記複数の当選結果それぞれに複数の前記第一の数値情報が、前記有利区間を設定する当選結果と、該有利区間を設定しない当選結果とが前記特定の値を境に区別できるように対応づけられている必要がある。
さらに、
遊技者にとって有利な有利区間に移行する移行条件が満足されているか否かの判定を行い、該移行条件が満足されている場合には該有利区間に設定する有利区間設定手段と、
当選結果を決定する当選結果決定手段と、
を備えた遊技台であって、
前記当選結果には第一の情報が対応づけられており、
前記有利区間設定手段は、前記当選結果決定手段により決定された当選結果に対応する前記第一の情報が所定の条件を満たしているものであれば前記有利区間を設定する手段であり、
前記有利区間設定手段は、前記当選結果決定手段により決定された当選結果に対応する前記第一の情報が前記所定の条件を満たしていないものであれば前記有利区間を設定しない手段であり、
前記第一の情報は、前記所定の条件を満たすものと、該所定の条件を満たさないものとが区分されている情報である、
ことを特徴とする遊技台。
であってもよい。
また、
『 前記第一の数値情報が前記特定の値以上になる当選結果[例えば、図23(a)における31個]の方が、該第一の数値情報が該特定の値未満になる当選結果[例えば、図23(a)における4個]よりも多い、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
こうすることで、早い段階で前記有利区間を設定することができ、処理の高速化が図られる。
また、
『 前記第一の数値情報が前記特定の値以上になる当選結果の当選確率の合計値[例えば、図6(a)における(a)+(b)+(c)+(d)]は、該第一の数値情報が該特定の値未満になる当選結果の当選確率の合計値[例えば、図6(a)における(e)+(f)+(g)+(h)+(i)+(j)+(k)+(l)+(m)+(n)]よりも高い、ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
こうすることでも、早い段階で前記有利区間を設定することができ、処理の高速化が図られる。
また、
『 停止操作によって回転を停止するリール[例えば、リール110~112]と、
特典付与手段[例えば、主制御部300]と、
を備え
前記複数の当選結果には、前記停止操作における遊技者にとって有利な操作態様[例えば、いわゆる正解の操作]が対応づけられた複数種類[例えば、ベルCLR、ベルCRL、ベルRLC、ベルRCL、1枚役7、1枚役8]の操作態様結果[例えば、押し順役]が含まれており、
前記特典付与手段は、前記第一の数値情報とは異なる第二の情報[例えば、小役グループの情報]を用いて特典[例えば、AT状態]の付与に関する処理[例えば、AT状態移行抽選]を行う場合[例えば、通常状態(非AT状態)の場合]がある手段であり、
前記第二の情報は、前記当選結果決定手段により決定された当選結果が前記操作態様結果[例えば、押し順役]であることは特定可能であるが、前記複数種類のうちいずれかの種類であるか[例えば、ベルCLRなのかベルCRLなのかベルRLCなのかベルRCLなのか1枚役7なのか1枚役8なのか]は特定不能な情報である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記抽選手段にしてみれば、前記有利な操作態様までは必要でない遊技状態の場合もあり、逆に、前記第二の情報を用いた抽選の方が、処理プログラムの容量が少なくてすむ場合もある。
以上の記載によれば、
『 停止操作によって回転を停止するリール[例えば、リール110~112]と、
複数の当選結果のうち何れかの当選結果を決定する当選結果決定手段[例えば、図10に示す各種抽選処理(ステップS105)において内部当選役抽選処理を実行するCPU304]と、
前記停止操作における操作態様に対応する報知情報[例えば、指示モニタ情報]を決定する報知情報決定手段[例えば、指示モニタ設定処理を実行するCPU304]と、
前記報知情報の報知を行う報知手段[例えば、指示モニタとして機能する遊技情報表示器126]と、
を備えた遊技台であって、
前記当選結果決定手段は、遊技者にとって有利な操作態様[例えば、いわゆる正解の操作]が対応づけられた複数種類の特定の当選結果[例えば、押し順役]のうち何れかの種類の特定の当選結果[例えば、ベルCLR1~3、ベルCRL1~3、ベルRLC1~3、ベルRCL1~3、1枚役7、1枚役8]を決定する場合がある手段であり、
前記報知情報決定手段は、前記複数種類の特定の当選結果のうち何れかの種類の特定の当選結果が決定された場合、所定の演算処理[例えば、当選役番号を3で除算する演算処理]により求められた演算結果[例えば、指示情報値]に基づいて前記報知情報を決定する手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、いずれの前記特定の当選結果が決定された場合であっても、所定の演算処理により求められた演算結果に基づいて前記報知情報を決定することで、処理の共通化が図られ、遊技者にとって有利な操作内容の報知に関する処理プログラムの容量を抑えることができる。
また、
『 前記当選結果[例えば、図23(a)に示す当選役情報の当選役]には第一の情報[例えば、図23(a)に示す当選役情報の当選役番号]が対応づけられており、
前記報知情報決定手段は、前記第一の情報を用いた前記所定の演算処理により求められた演算結果に基づいて前記報知情報を決定する手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記当選結果に応じた前記報知情報を決定することができる。
また、
『 遊技の進行を制御する第一の制御手段[例えば、主制御部300]と、
演出を制御する第二の制御手段[例えば、第1副制御部400]と、
を備え、
前記報知情報決定手段は、前記第一の制御手段によって制御される手段であり、
前記第一の制御手段は、前記第二の制御手段に、前記第一の情報とは異なる第二の情報[例えば、小役グループの情報]を送信する手段であり、
前記第二の情報は、前記当選結果決定手段により決定された当選結果が、前記特定の当選結果[例えば、押し順役]であることは特定可能であるが、前記複数種類のうちいずれかの種類[例えば、ベルCLR1なのかベルCLR2なのかベルCLR3なのか等]であるかは特定不能な情報であり、
前記第二の制御手段は、前記第二の情報を用いて演出を制御する手段である、
ことを特徴すると遊技台。』
についても説明した。
前記第二の制御手段にしてみれば、前記有利な操作態様までは必要でない遊技状態の場合もあり、逆に、前記第二の情報を用いて演出を制御する方が、処理プログラムの容量が少なくてすむ場合もある。
なお、前記第一の制御手段は、前記当選結果決定手段を含む手段であり、前記第一の制御手段は、前記報知情報決定手段を含む手段であってもよい。
また、
『 前記所定の演算処理は、除算処理であり、
前記第一の情報は、前記当選結果に1対1で対応した対応値[例えば、当選役番号の値]が含まれた情報であり、
前記報知情報決定手段は、前記対応値を所定の値[例えば、3]で前記除算処理をすることにより求められた演算結果に基づいて[例えば、該演算結果をそのまま用いたり(ステップS264)、該演算結果にさらに処理を施して(ステップS275)]前記報知情報を決定する手段である[例えば、図24(b)又は(c)に示す指示モニタ設定処理を実行するCPU304]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
いずれの前記特定の当選結果が決定された場合であっても、所定の値で除算処理を行うことにより求められた演算結果に基づいて前記報知情報を決定することで、処理の共通化が図られ、処理プログラムの容量を抑えることができる。
また、
『 前記報知情報決定手段は、前記対応値を前記所定の値で前記除算処理をした結果の商の値を表す情報を前記報知情報として決定する手段[例えば、図24(b)に示す指示モニタ設定処理を実行するCPU304]である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記除算処理した結果の商の値を用いることで、該除算処理の余りの値を考慮することなく前記報知情報を決定することができるため、処理プログラムの容量をより抑えることができる。
また、
『 前記複数種類の特定の当選結果には、前記有利な操作態様を同じとする当選結果[例えば、ベル_CLR]が第一の数[例えば、3]ずつ設けられ、
前記所定の値は、前記第一の数である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一の数は2以上の値であり、出目が異なる同一の前記有利な操作態様の特定の当選結果を複数用意することができる。その一方で、特定の当選結果の数が増えるため扱う値が大きくなるが、前記第一の数で前記除算処理するため、前記特定の当選結果の数が増えた分をキャンセルすることができ、処理プログラムの容量が増大することや、処理に時間を要することを抑えることができる。
なお、
「 停止操作によって回転を停止するリール[例えば、リール110~112]と、
複数の当選結果のうちから当選結果を決定する当選結果決定手段[例えば、図10に示す各種抽選処理(ステップS105)において内部当選役抽選処理を実行するCPU304]と、
前記停止操作における操作態様に対応する報知を行う報知手段[例えば、指示モニタとして機能する遊技情報表示器126]と、
を備えた遊技台であって、
前記当選結果決定手段は、遊技者にとって有利な操作態様[例えば、いわゆる正解の操作]が対応づけられた複数の特定の当選結果[例えば、押し順役]のうちから該特定の当選結果を決定する場合がある手段であり、
前記複数の特定の当選結果には、第一の特定の当選結果[例えば、ベル_CLR1]と第二の特定の当選結果[例えば、ベル_CLR2]が含まれており、
前記第一の特定の当選結果は、前記有利な操作態様として第一の操作態様[例えば、中左右の押し順]が対応づけられており、
前記第二の特定の当選結果は、前記有利な操作態様として前記第一の操作態様[例えば、中左右の押し順]が対応づけられており、
前記報知手段は、前記当選結果決定手段による当選結果として前記第一の特定の当選結果が決定された場合、前記第一の操作態様に対応する第一の情報を報知可能な手段であり、
前記報知手段は、前記当選結果決定手段による当選結果として前記第二の特定の当選結果が決定された場合、前記第一の操作態様に対応する第二の情報を報知可能な手段であり、
前記第一の情報と前記第二の情報は、同じ情報[例えば、図24(a)の一番左に示す数字の「7」の表示]である、
ことを特徴とする遊技台。」
であってもよい。
以上説明した実施の形態に記載された作用および効果は、最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、ここに記載されたものに限定されるものではない。また、以上説明した、実施形態や実施例や変形例や各種の例等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例等に適用してもよい。すなわち、適用させることを妨げる要因がない限りは、実施形態や実施例や変形例や各種の例等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例等に適用しても、一つのまとまりのある技術的思想として成り立つ。