JP7461312B2 - 管路事故リスク評価装置および管路事故リスク評価方法 - Google Patents

管路事故リスク評価装置および管路事故リスク評価方法 Download PDF

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本発明は、入手できる漏水事故データ、管路データが大量にある場合に、データ加工や欠損データ処理などの前処理を工夫することで、モデル構築用の大量のデータセット(管路属性VS漏水事故率のセット)を生成し、それを活用して高精度、高信頼な事故リスク推定を可能とする管路事故リスク評価装置および管路事故リスク評価方法に関する。
水道は、欠かせないライフラインとして、また、産業上においてもなくてはならないインフラストラクチャーである。水道管路は、長期にわたって用いるため、その漏水事故のリスクを評価することが重要になる。
管路属性ごとに事故リスクを評価するものに、例えば、非特許文献1記載の漏水事故率モデルがある。これは、管路の事故リスク(管路の事故率[(事故件数/km)/年])を供用年数、管種、管タイプ(継手の種類、ポリエチレンスリーブ有無など)、口径、地盤状態に応じて計算するモデルを提供するものである。
また、特許文献1には、大量の管路データ、環境データ、漏水事故履歴データを用いて、管路の事故確率モデルを構築し、管路ごとに事故確率を計算し表示する技術が開示されている。さらに、この特許文献1には、欠損データが存在する管路属性と他の管路属性の相関により欠損データを補完する前処理技術が開示されている。
米国公開第2019/0303791号公報
(財)水道技術研究センター,「維持可能な水道サービスのための管路技術に関する研究」(e-Pipeプロジェクト)報告書(平成23年3月)
特許文献1には、欠損データを補完するためのデータ前処理の技術が開示されているが、モデル構築用の適切なデータを作成するための技術は提示されておらず、モデル構築用データを準備する段階の処理については、考慮されていない。
また、水道技術研究センター(JWRC)による非特許文献1では、大量の事故データを活用して、管種別、供用年数(供用年数は、0から5年、5年から10年というように5年ごとに区分)別の総延長、総事故件数を求め、さらに、総事故件数/総延長で、該当管種、供用年数の事故率を求めている。この非特許文献1の評価方法によれば、供用年数VS事故率のデータを用いて、tを供用年数として、推定事故率=a×ebt×(その他の補正係数)、または、推定事故率=a×b×(その他の補正係数)とし、管路種別に事故率を計算する式を提示している。また、その他の補正係数となる因子としては、管タイプ別、口径別、地盤別の事故件数の情報(比率など)であり、この推定事故率における管タイプ、口径、地盤による補正係数を求めている。
この非特許文献1の評価方法では、大量の事故データがある場合であっても、総延長、総事故件数(ミクロではなくマクロなデータ)をベースに事故率を求めているため、供用年数VS事故率のデータセットが、現実の事故データに適用した場合には、高々数10個のオーダとなり、そのわずかなデータにより、事故率の推定モデルの構築を行なうため、信頼性の高いモデル構築が行えずモデルを利用して計算した事故率も信頼性、精度にかけることになる。
本発明の目的は、、入手できる漏水事故データ、管路データが大量にある場合に、データ加工処理などの前処理を工夫して(それらのデータを集約することなく)、モデル構築用の大量のデータセット(管路属性VS漏水事故率のセット)を生成し、それを活用して高信頼な事故率推定モデルを構築、活用することで、高精度かつ信頼性高い事故リスクの評価を行なうことのできる管路事故リスク評価装置を提供することにある。
本発明の管路事故リスク評価装置の構成は、好ましくは、管路の供用年数と管路属性を変数として含み、期間ごと管路の長さあたりの予測事故率の数式モデルによって管路の漏水事故率を算出する管路事故リスク評価装置であって、布設年度と管路の延長を含む管路属性を、管路ごとに記憶する管路データテーブルと、管路ごとに事故年月日を含む事故情報を記憶する事故履歴データテーブルとを保持し、管路データテーブルと事故履歴データテーブルのデータより、各々の管路に対しての供用年数と事故件数を含むデータ統合テーブルを作成し、データ統合テーブルを参照して、管路属性ごとに、データ統合テーブルのレコードを表すIDを記憶する管路属性毎集約テーブルを作成し、管路属性別に、管路の延長単位ごとに各々の管路の事故率を記憶する管路属性・事故率対応テーブルとを作成し、管路属性・事故率対応テーブルのデータに基づいて、管路属性を含む予測事故率を算出する数式モデルにおける管路属性に対するパラメータを決定して、各々の管路に対する予測事故率を求めるようにしたものである。
本発明によれば、入手できる漏水事故データ、管路データが大量にある場合に、データ加工処理などの前処理を工夫して(それらのデータを集約することなく)、モデル構築用の大量のデータセット(管路属性VS漏水事故率のセット)を生成し、それを活用して高信頼な事故率推定モデルを構築、活用することで、、高精度かつ信頼性高い事故リスクの評価を行なうことのできる管路事故リスク評価装置を提供することができる。
実施形態1に係る管路事故リスク評価装置の機能構成図である。 実施形態1に係る管路事故リスク評価装置のハードウェア・ソフトウェア構成図である。 管路データテーブルの一例を示す図である。 事故履歴データテーブル202の一例を示す図である。 統合管路データテーブルの一例を示す図である。 管路属性毎集約テーブルの一例を示す図である。 管路属性・事故率対応テーブルの一例を示す図である。 管理事故リスク評価テーブルの一例を示す図である。 実施形態1のデータ統合処理を示すフローチャートである。 管路属性毎集約テーブルから事故率を求める処理を説明する図である。 モデル構築(最小二乗法による)処理を示すフローチャートである。 事故リスク評価処理を示すフローチャートである。 管路事故リスク表示画面の一例を示す図である。 欠損データ補完後の管路データテーブルの一例を示す図である。 実施形態2のデータ統合処理を示すフローチャートである。 実施形態3に係る管路事故リスク評価装置の機能構成図である。 ニューラルネットワークモデルを構築して事故率を予測する処理の概要を説明する図である。 モデル構築(ニューラルネットワークによる)処理を示すフローチャートである。 実施形態4に係る管路事故リスク評価装置の機能構成図である。 ハイブリッド手法によって事故率を予測する処理の概要を説明する図である。 モデル構築(ハイブリッド手法による)処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る各実施形態を、図1ないし図21を用いて説明する。
〔実施形態1〕
以下、本発明に係る実施形態1を、図1ないし図13を用いて説明する。
先ず、図1および図2を用いて実施形態1に係る管路事故リスク評価装置の構成について説明する。
管路事故リスク評価装置100は、水道事業者の提供する管路やその漏水事故に関するデータから、管路の事故リスクを評価するための数式モデルを構築し、各々の管路の経年における事故リスクを事前に評価するための装置である。管路事故リスク評価装置100は、図1に示されるように、機能構成として、データ統合処理部101、モデル構築(最小二乗法による)処理部102、事故リスク評価部110、ユーザインタフェース部120、記憶部200からなる。
データ統合処理部101、モデル構築(最小二乗法による)処理部102、事故リスク評価部110、ユーザインタフェース部120、記憶部200からなる。
データ統合処理部101は、水道事業者の提供する管路やその漏水事故に関する元データから、モデル構築のために用いられる計算のためのデータを生成する機能部である。モデル構築(最小二乗法による)処理部102は、非線形最小二乗法により、事故リスク評価のための数式モデルを構築する機能部である。非線形最小二乗法により、事故リスク評価のための数式モデルを構築する処理の詳細は、後述する。事故リスク評価部110は、各々の管路の経年における事故リスク(予測事故率)を評価する機能部である。ユーザインタフェース部120は、各々の管路の事故リスクをユーザに表示するためのユーザインタフェースを提供する機能部である。記憶部200は、管路事故リスクを評価するためのプログラムやデータを記憶する機能部である。
記憶部200には、図1に示されるように、管路データテーブル201、事故履歴データテーブル202、統合管路データテーブル203、管路属性毎集約テーブル204、管路属性・事故率対応テーブル205、管理事故リスク評価テーブル206が格納されている。なお、各テーブルの詳細は、後に説明する。
次に、図2を用いて管路事故リスク評価装置のハードウェア・ソフトウェア構成について説明する。
管路事故リスク評価装置100のハードウェア構成としては、例えば、図2に示されるパーソナルコンピュータのような一般的な情報処理装置で実現される。
管路事故リスク評価装置100は、CPU(Central Processing Unit)302、主記憶装置304、ネットワークI/F(InterFace)306、表示I/F308、入出力I/F310、補助記憶I/F312が、バスにより結合された形態になっている。
CPU302は、管路事故リスク評価装置100の各部を制御し、主記憶装置304に必要なプログラムをロードして実行する。
主記憶装置304は、通常、RAMなどの揮発メモリで構成され、CPU302が実行するプログラム、参照するデータが記憶される。
ネットワークI/F306は、ネットワークと接続するためのインタフェースである。
表示I/F308は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置230を接続するためのインタフェースである。
入出力I/F310は、入出力装置を接続するためのインタフェースである。図2の例では、キーボード330とポインティングデバイスのマウス332が接続されている。
補助記憶I/F312は、HDD(Hard Disk Drive)350やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を接続するためのインタフェースである。
HDD350は、大容量の記憶容量を有しており、本実施形態を実行するためのプログラムが格納されている。管路事故リスク評価装置100には、データ統合処理プログラム361、モデル構築(最小二乗法による)処理プログラム362、事故リスク評価プログラム370、ユーザインタフェースプログラム380がインストールされている。
データ統合処理プログラム361、モデル構築(最小二乗法による)処理プログラム362、事故リスク評価プログラム370、ユーザインタフェースプログラム380は、それぞれ、データ統合処理部101、モデル構築(最小二乗法による)処理部102、事故リスク評価部110、ユーザインタフェース部120の各機能を実現するためのプログラムである。
また、HDD350には、管路データテーブル201、事故履歴データテーブル202、統合管路データテーブル203、管路属性毎集約テーブル204、管路属性・事故率対応テーブル205、管理事故リスク評価テーブル206が格納されている。
次に、図3ないし図8を用いて管路事故リスク評価装置で使用されるデータ構造について説明する。
管路データテーブル201は、事業体における管路ネットワーク内の各管路の属性情報を保持するテーブルであり、各事業体の有するデータベースから取り込まれるか、入力されたデータに基づいて、管路事故リスク評価装置100が保持するテーブルである。
管路データテーブル201は、図3に示されるように、管路ID201a、管種201b、管タイプ201c、口径201d、地盤201e、布設年度201f、延長201gの各フィールドからなる。
管路ID201aには、同一の属性を有する管路につけた一意的なIDが格納される。なお、この例では、管路(管路ID)の数は5万となっている。管種201bには、管路を構成する管の管種が格納される。管種とは、管路を構成する管を管材料により分類した種別である。本実施形態では、管種の例として、代表的なダクタイル鋳鉄管(DIP)、普通鋳鉄管(CIP)、硬質塩化ビニル管(VP)、水道鋼管(SP)を採り上げて説明する。管タイプ201cには、管路の継手の種類、スリーブ(管を保護する筒状部材)の有無、管路の表面における被覆の有無の情報などの管路を構成する管のタイプを示す情報が格納される。口径201dには、管路の内径が、例えばmm単位で格納される。地盤201eには、管路を布設する地盤の評価が、例えば、「良い」、「悪い」などの表記で格納される。管路における地盤の評価は、通常、地震に対する耐性として評価される。布設年度201fには、管路を布施した年度が、西暦の年度で格納される。なお、管路によっては布設年度が不明の管路がある。そのような管路には、布設年の欄に「不明」と記されている。延長201gには、管路の布設の長さが、例えばm単位で格納される。
ここで、図3のテーブルの例は、ある事業体ある年度(例えば、2018年度末)のデータであり、これ以外の過去の年度のデータも同じフォーマットで記憶部200に格納されている。また、複数の他の事業体のデータも同じフォーマットで格納されている。
なお、以下では、多くの事業体の最新年度の管路に関するデータがあるものとして説明する。なお、事業体の数が多いほど、多くの年度のデータがあるほど、モデル構築用データの数は多くなり、精度の高いモデル構築という観点から望ましい。
事故履歴データテーブル202は、過去の漏水事故の履歴に関する情報を保持するテーブルであり、各事業体の有するデータベースから取り込まれるか、入力されたデータに基づいて、管路事故リスク評価装置100が保持するテーブルである。
事故履歴データテーブル202は、図4に示されるように、事故ID202a、事故年月日202b、住所202c、管種202d、管タイプ202e、口径202f、布設年度202g、管路ID202hの各フィールドを有する。
事故ID202aには、漏水事故を一意的に識別するための識別子が格納される。事故年月日202bには、漏水事故の年月日が、例えば、yyyy/mm/ddの形式で格納される。図4に示した例では、2018年度に起きた漏水事故の履歴データが格納されている。住所202cには、漏水事故の場所の情報が格納される。管種202dには、漏水事故を起こした管の管種が格納される。管タイプ202eには、漏水事故を起こした管の管タイプが格納される。口径202fには、漏水事故を起こした管の口径が格納される。布設年度202gには、漏水事故を起こした管の管路の布設の長さが、例えばm単位で格納される。管路ID202hには、漏水事故を起こした管路の図3の管路データテーブル201の管路ID200aに対応する値が格納される。
統合管路データテーブル203は、今回の管路事故リスク評価装置の事故リスク評価の対象となる複数の事業体の管路のデータを統合したテーブルである。図3に示す管路データテーブル201はある事業体のものであるが、本装置は複数の他の事業体のデータテーブルも保持しており、これらを全て統合して作成したものが図5のテーブルになる。図5に示したテーブルの例では、平均管路数5万の40事業体の管路データを統合した結果として、200万個の管路のレコードを有する例が示されている。管路一つの平均延長が50mとすれば、総延長10000万m(10万km)の管路に関するデータになる。
統合管路データテーブル203は、図5に示されるように、新管路ID203a、管種203b、管タイプ203c、口径203d、地盤203e、供用年数203f、延長203g、年間事故件数203hの各フィールドからなる。ここで、図3の管路データテーブル201の布設年度201fに代わり、供用年数203fのフィールドが設けられている。また、新たに年間事故件数203hのフィールドが設けられている。
管種203b、管タイプ203c、口径203d、地盤203e、延長203gは、それぞれ、図1に示した管路データテーブル201の該当する管種201b、管タイプ201c、口径201d、地盤201e、延長201gに対応するデータである。
新管路ID203aには、管路データテーブル201の管路ID201aの値の各レコードを統合して一意的になるようにつけなおしたIDが格納される。供用年数203fには、その管路が現在まで供用された年数が格納される。これは、管路データテーブル201の布設年度201fと現在の年度より計算できる数値である。年間事故件数203hは、該当する管路の年間における事故件数、すなわち、ある年度における事故件数の総和が格納される。該当管路(管路ID)のある年度における事故件数の総和は、同じ年度の事故履歴データテーブル202を参照し、該当管路の事故件数をカウントすることでで求めることができる。
管路属性毎集約テーブル204は、統合管路データテーブル203の情報を属性毎に編集して、集約したテーブルである。管路属性毎集約テーブル204は、図6に示されるように、属性ID204a、管種204b、管タイプ204c、口径204d、地盤204e、供用年数204f、新管路IDgの各フィールドからなる。
管種204b、管タイプ204c、口径204d、地盤204eは、それぞれ、図5に示した統合管路データテーブル203の管種203b、管タイプ203c、口径203d、地盤203e、延長203gに対応するデータである。
属性ID204aには、属性を一意に識別するIDが格納される。新管路IDgは、その属性を有する管路の図5に示した統合管路データテーブル203の新管路ID203aの値が格納される。同一の属性を有する管路が複数あるときには、例えば、図6に示されるように、例えば、カンマで区切ったリスト形式で格納される。供用年数204fには、各管路の供用年数の範囲(図6では、5年単位)を表す値が格納される。
管路属性・事故率対応テーブル205は、管路属性毎集約テーブル204により分類された管路属性と、ある延長単位ごとにおける事故率の対応を示した情報を格納するテーブルである。ここでは、10万kmの総延長を10kmごとに区切った単位としてデータを一レコードとして格納している。本実施形態の例では、10万kmの総延長を10kmごとに区切っているので、レコードの数は、1万となっている。
管路属性・事故率対応テーブル205は、図7に示されるように、データID205a、管種205b、管タイプ205c、口径205d、地盤205e、供用年数205f、事故率205gの各フィールドからなる。
管種205b、管タイプ205c、口径205d、地盤205e、供用年数205fは、それぞれ、管路属性毎集約テーブル204の管種204b、管タイプ204c、口径204d、地盤204e、供用年数204fに対応するデータである。
データID205aには、この管路属性・事故率対応テーブル205の示す属性と事故率のペアのデータを一意的に示すIDが格納される。事故率205gには、ある延長単位ごとに区切って集計したデータにおける年単位、km単位の事故件数が事故率として格納される。なお、事故率は、図6の管路属性毎集約テーブル204を参照して求められるデータであり、その求め方の詳細は、後述する。
管理事故リスク評価テーブル206は、管路毎に事故リスクを評価した結果を格納するテーブルである。
管理事故リスク評価テーブル206は、図8に示されるように、管路ID206a、管種206b、管タイプ206c、口径206d、地盤206e、布設年度206f、事故率206gの各フィールドからなる。
管路ID206a、管種206b、管タイプ206c、口径206d、地盤206e、布設年度206fは、それぞれ、図3の管路データテーブル201の管路ID201a、管種201b、管タイプ201c、口径201d、地盤201e、布設年度201fに対応するフィールドである。
事故率206gには、事故リスク評価処理により評価された各管路の予測される事故率、すなわち、年単位、Km単位の事故件数が格納される。
次に、図9ないし図13を用いて管路事故リスク評価装置の処理について説明する。
先ず、図9を用いて実施形態1のデータ統合処理について説明する。
実施形態1のデータ統合処理は、モデル構築(最小二乗法による)処理のためのデータを作成する処理である。
先ず、管路事故リスク評価装置100は、各事業体から提供される図3に示した複数の管路データテーブル201の全レコードを統合して、管路IDを新管路IDにして、図5に示した一つの統合管路データテーブル203を作成する(S401)。このときに、統合管路データテーブル203の新管路ID203は、重複がないように一意的に割り振られる。
なお、不明情報となっているフィールドを含む管路のレコードを予め除いた上で統合処理を行う。
次に、管路事故リスク評価装置100は、現在の年月日と管路データテーブル201の布設年度201fから供用年数を計算し、統合管路データテーブル203の供用年数203fに格納する(S402)。例えば、現時点が2018年(年度末)、布設年度が1960年であるなら、供用年数は2018-1960+1=59年と計算する。
次に、管路事故リスク評価装置100は、図4の事故履歴データテーブル202を参照し、各管路の過去1年間の事故件数(現時点を基準としている)を求め、統合管路データテーブル203の対応するレコードの年間事故件数203hに格納する(S403)。
図5の統合管路データテーブル203では、例えば、平均管路数5万の40事業体の管路データを統合した結果として、200万個の管路のレコードが生成されている。管路一つの平均延長が50mとすれば、総延長10000万m(10万km)の管路に関する情報を含むデータになる。
次に、管路事故リスク評価装置100は、S401~S403で作成した統合管路データテーブル203の各管路のレコードと、図5に示された統合管路データテーブル203の管路が保持する管路属性を対応付けて、図6に示される管路属性毎集約テーブル204を作成する(S404)。ここで、管路属性とは、管路データテーブル201で示される管種、管タイプ、口径、地盤情報、供用年数で定義されるものである。ただし、管路属性毎集約テーブル204の供用年数204fには、各管路の供用年数の範囲(図6では、5年単位)を表す値が格納される。
管路属性毎集約テーブル204の新管路ID204gには、その属性を有する統合管路データテーブル203の新管路ID203aの全ての値が格納される。
例えば、図6の例では、属性ID:14のレコードには、管種:DIP、管タイプ:一般継手スリーブなし、口径:75mm、地盤:良い(JWRCモデル定義の良い地盤に埋設)、供用年数:56~60年を示し、この属性に属する新管路ID:1,205,300,701,1020,…が設定されている。
次に、管路事故リスク評価装置100は、ある延長単位毎、管路属性毎に、事故率を算出し、図7に示される管路属性・事故率対応テーブル205を作成する(S405)。
以下では、図10を用いて、管路属性・事故率対応テーブル205の事故率の算出と設定について説明する。
先ず、図10に示すように、管路属性ごとに、その属性に属する管路の延長、事故件数のデータを取得し(図10では、新管路IDごとに各データを横につなげて図示している)、累積延長、累積事故件数を計算する。図10に示される例では、属性ID:14、すなわち、管種:DIP、管タイプ:一般継手スリーブなし、口径:75mm、地盤:良い、供用年数:56~60年の属性のデータを取得して示した例である。
そして、本実施形態の例では、管路延長約10kmごとに管路データを区切り、その単位で事故率を計算することにする。図10の例では、新管路ID:5001で初めて累積延長が10kmを越えることになるので、そこまでのデータ、すなわち、ブロック701のデータを利用して、この10kmの延長に対する事故率を計算する。ここでは、累積事故件数は1件なので、事故率=1/10.020=0.0998となる。そして、その続きとして、新管路ID:5793から同様の処理を続け、管路の10kmの延長ごとの属性ID:14に対する事故率を計算する。計算された事故率は、データごとにデータIDを割振られ、図7に示される管路属性・事故率対応テーブル205の事故率205gに格納される。
本実施形態では、10万kmの総延長を10kmごとに区切り事故率を計算するので、管路属性・事故率対応テーブル205の事故率205gのレコードは、1万個になる。
この例のように、1万個もの管路属性ごとの事故率のデータを利用することにより、柔軟かつ複雑な数式モデル化が可能になり、事故率予測精度の向上につなげることができる。なお、ここでは、1年間の事故データを利用したが、複数年のデータを活用することで、年数の数の倍数だけ(例えば、過去3年間のデータを活用すれば3倍)のデータを生成することができる。また、ここでは、10km単位で事故率を計算したが、総延長がより大きければ50km、100km単位で事故率を計算しても良い。このように、10kmなど所定の長さの単位で事故率を計算することは、数式モデルの構築に活用する一つ一つの事故率データの重要度を均等化する効果がある。これにより、より信頼性の高いモデル構築が可能になる。
次に、図11と各数式を用いてデータ統合処理に続いて行なわれるモデル構築(最小二乗法による)処理について説明する。
ここでは、以下の数式によって表現される事故率モデルを仮定して、各管路の事故率の予測を行う例について説明する。
Figure 0007461312000001
Figure 0007461312000002
Figure 0007461312000003
Figure 0007461312000004
ここで、(式1)は、管路を構成する管の管種が、DIP(ダクタイル鋳鉄管)、SP(水道鋼管)に関する評価式であり、(式2)は、管路を構成する管の管種が、CIP(普通鋳鉄管)、VP(硬質塩化ビニル管)に関する評価式である。また、y:漏水事故率[(件/km)/年]、t:供用年数、x:管タイプを表す変数(0でスリーブなし、1でスリーブあり)、w:口径[mm]、z:地盤の状態を表す変数(0で良い地盤、1で悪い地盤)、a,b,c,d,e,f,g:管種ごとに定めるパラメータである。
先ず、データ統合処理により設定された管路属性・事故率対応テーブル205のデータを読み込む(S1101)
次に、上記(式1)~(式5)と読み込んだ管路属性・事故率対応テーブル205のデータに基づき、非線形最小二乗法により、管種別の管路属性VS事故率のデータを活用し、管種ごとに最適なパラメータa,b,c,d,e,f,gを求め、記憶部200に格納する(S1102)。
この非線形最小二乗法では、以下の(式6)に基づいてパラメータa,b,c,d,e,f,gの数値シミュレーションにより、J(管種)(a,b,c,d,e,f,g)が最小になるようなパラメータの組(a,b,c,d,e,f,g)を求める。J(管種)は管種ごとに求められる。ある管種、例えばDIPのJ(管種)は、管種DIPに対応する管路属性・事故率対応テーブル205のデータを利用して計算される。
Figure 0007461312000005
ここで、管種が、DIP、SPのときには、y(t)に、(式1)を用い、管種が、CIP、VPのときは、(式2)を用いる。これらの評価式において、管タイプを表す変数x、口径w、地盤の状態を表す変数zには、それぞれ、管路属性・事故率対応テーブル205の管タイプ205c、口径205d、地盤205eの値が用いられる。
また、tは、管路属性・事故率対応テーブル205のレコードiの供用年数205fの値の平均値であり、例えば、供用年数0~5年は2.5年、6~10年は7.5年m、11~15年は12.5年、…と計算する。
非特許文献1に示される従来技術による数式モデルでは、口径を3分類し、各分類ごとのC値を求めて事故率計算に使用していた。
本実施形態では、C値は、口径に関する連続関数より与えられる口径に関する補正係数を使用しているため、事故率予測における精度改善が期待できる。
また、非線形最小二乗法により、全モデルパラメータの最適な値をシミュレーションで求めており、事故率予測精度向上が期待できる。
次に、図12および図13を用いて管路の事故率リスク評価処理と、その管路の事故率リスク評価した情報をユーザに表示する処理について説明する。
先ず、管路事故リスク評価装置100は、図3の管路データテーブル201のデータと、図11のS1102で格納した数式モデルに関する管種ごとのパラメータを読み込む(S1601)。
次に、管路データテーブル201のデータの管路ID201aごとに、(式1)~(式5)で表される数式モデルと、読み込んだ管種ごとのパラメータに基づいて、管種201bの値に従い、予測される事故率を計算する(S1602)。
次に、計算した予測事故率と、管路データテーブル201のデータに基づいて、図8に示される管理事故リスク評価テーブル206を作成する(S1603)。
次に、管理事故リスク評価テーブル206と管路のマップ情報(図示せず)に基づいて、管路事故リスク表示画面のデータを生成する(S1604)。
管路のマップ情報は、水道事業者などから提供された地図と予め各管路に対応付けられた位置情報を管路事故リスク評価装置が保持しているものとする。
次に、図13を用いて管路事故リスク表示画面のユーザインタフェースの一例について説明する。
管路事故リスク表示画面400は、管路ネットワークのマップと各々の管路に対する事故リスク評価の情報を表示する画面である。
管路事故リスク表示画面400には、管路ネットワークマップ401がそれぞれの管路のマップ上に対応付けて表示される。管路ネットワークマップ401の各々の管路は、事故率リスク評価処理の結果として各々の管路に設定された管理事故リスク評価テーブル206の予測された事故率206gの値に基づいて、例えば、管路が色分けや線の太さなど凡例402に従って、ユーザ(例えば、水道事業者の管路の施設計画者や管路の保守管理者)に識別できる形態で表示される。
また、各々の管路を選択して、マウスでクリックすることにより、属性メニュー410として、各管路の属性情報と事故率が表示されるようにもなっている。これにより、重点的に管理すべき事故リスク(事故率)の大きい管路を特定でき管路の管理を効率化できることが予想される。
〔実施形態2〕
以下、本発明に係る実施形態2を、図14および図15を用いて説明する。
実施形態1では、管路事業者から提供されるデータに対して、データ統合処理を行い、そのデータに基づいて、それぞれの管路に対する事故リスク評価を行なう管路事故リスク評価装置について説明した。
本実施形態では、同様の構成を有する管路事故リスク評価装置を前提として、データ統合処理の一部の処理を変更したものである。実施形態1では、例えば、布設年度が不明のフィールドのレコードがある場合には、そのようなフィールドを含む管路のレコードを予め除いた上で統合処理を行い、統合管路データテーブル203を作成していた(S401)。本実施形態では、そのような欠損データを補完して、ユーザのこれまでの知見を活かして、そのような欠損データを推定して欠損を穴埋めする処理を施した上で、統合管路データテーブル203を作成する処理を行うものである。
以下、実施形態1と異なる所を中心に説明する。
先ず、図14を用いて欠損データ補完後の管路データテーブルを説明する。
実施形態1の管路データテーブル201では、管路ID2003、3054、4498、6056の4レコードの管路の布設年度が不明であった。一方、この事業体では、管種がDIPの管路に対して、1970年から1972年ごろ記録が途絶えたという記録があるものとする。
このとき、図14に示されるように、欠損データ部分901に対して、例えば、欠損データを補う一つのアルゴリズムとして、欠損部分布設年度が不明の管路のレコードに対してID順に、1970,1971,1972,1970,1971,1972,…と順次、布設年度の値を設定していき、欠損データ補完後の管路データテーブル201を作成する。
次に、図15を用いて実施形態2のデータ統合処理について説明する。
実施形態2のデータ統合処理は、図9に示されるデータ統合処理に、S400が付け加わったものである。図15に示されるS401~S405は、図9に示されるS401~S405と同様である。
実施形態2のデータ統合処理では、データの入力者は、欠損データの値を推定し、管路事故リスク評価装置100にその値を入力し、欠損データ補完後の管路データテーブル201を作成する(S400)。
欠損データの値を推定するためには、例えば、状況を知悉する者に対してのインタビューや過去の保守資料の確認などにより行なう。管路の保守の現状では、布設年不明の管路は古い管理であることが多く、事故が起きやすいため、そのような補完を行うことにより、より精緻に事故データを扱うことができ、管路に対する事故率予測の精度向上につながるものと考えられる。
〔実施形態3〕
以下、本発明に係る実施形態3を、図16ないし図18を用いて説明する。
実施形態1では、管路事業者から提供されるデータに対して、データ統合処理を行い、そのデータに基づいて、それぞれの管路に対する事故リスク評価を、最小二乗法により行なう管路事故リスク評価装置について説明した。
本実施形態では、最小二乗法に変わり、ニューラルネットワークの手法により、それぞれの管路に対する事故リスク評価を行なう管路事故リスク評価装置について説明する。
以下、実施形態1と異なる所を中心に説明する。
先ず、図16を用いて実施形態3に係る管路事故リスク評価装置の構成について説明する。
実施形態3に係る管路事故リスク評価装置は、機能構成として、図1の実施形態1のモデル構築(最小二乗法による)処理部102の代わりに、モデル構築(ニューラルネットワークによる)処理部103を有している。
モデル構築(ニューラルネットワークによる)処理部103は、管種ごとに、ニューラルネットワークモデルを構築して事故率を予測する機能部である。
次に、図17を用いてニューラルネットワークモデルを構築して事故率を予測する処理の概要について説明する。
本実施形態では、図17に示されるように、入力データが、供用年数、管タイプ(DIPの場合、スリーブなしで0、スリーブありで1を入力とする)、口径、地盤情報(良い地盤で0、悪い地盤で1を入力とする)とし、出力が、事故率予測値Ypとするニューラルネットワークモデルを構築する。
そして、管路データを学習データとする学習段階で、ニューラルネットワークモデルの重みWを決定する。ニューラルネットワークモデルの重みWは、ニューラルネットワークのノードごとの重みのベクトル(w,w,w,…)である。このとき、ニューラルネットワークのノードの出力と入力の関係は、各ノードjの出力をx、入力をw+w+…+wとし、以下の(式7)で表される。
=σ(w+w+…+w) …(式7)
ここで、σは、ノードの作用を表現する関数であり、例えば、シグモイド関数がよく使用される。
例えば、学習過程では、以下の(式8)によるN(管種)の値が小さくなるように、ニューラルネットワークモデルの重みWが決定される。
Figure 0007461312000006
次に、図18を用いてモデル構築(ニューラルネットワークによる)処理について説明する。
先ず、データ統合処理により設定された管路属性・事故率対応テーブル205のデータを読み込む(S1301)
次に、管路属性・事故率対応テーブル205のデータを学習用データと、検証用データに分割する(S1302)
例えば、図7に示した例で、同じ属性の事故率データを2分割し、一つを学習用データ、他の一つを検証用データとする。図7に示した例では、データID:1とデータID:2、データID:19とデータID:20、データID:308からデータID:310は、それぞれ同じ属性であり、このように同じ属性のデータを2分割する。
次に、S1302の処理で分割された学習用データと、検証用データによりニューラルネットワークモデルを構築する(S1303)。すなわち。学習用データにより、図17に示したニューラルネットワークモデルの重みを同定し、検証用データでその精度を検証し、精度が一定の閾値より小さくなるまで、学習と検証のサイクルを繰り返す。
ニューラルネットワークモデルのモデル構築には、MATLAB(登録商標)ニューラルネットツールボックスなどの市販のパッケージを利用できる。構築したニューラルネットワークモデル(重み)は、管路事故リスク評価装置100の記憶部200に記憶される。
図17の例では、3層のシンプルなモデルで示されているが、より、多くの層を有する複雑なモデルを活用しても良い。また、ニューラルネットワークのほかランダムフォレストなど他の機械学習の方法を適用して管路の事故率予測のためのモデルを構築しても良い
〔実施形態4〕
以下、本発明に係る実施形態4を、図19ないし図21を用いて説明する。
実施形態1では、管路事業者から提供されるデータに対して、データ統合処理を行い、そのデータに基づいて、それぞれの管路に対する事故リスク評価を、最小二乗法により行ない、実施形態3では、実施形態では、最小二乗法に変わり、ニューラルネットワークの手法により、それぞれの管路に対する事故リスク評価を行なう管路事故リスク評価装置について説明した。
本実施形態は、数式モデルのベースパラメータと、補正係数に概念上分離し、ベースパラメータに対しては、最小二乗法、補正係数に対してニューラルネットワークを使用するというハイブリッド手法によって、それぞれの管路に対する事故リスク評価を行なう管路事故リスク評価装置である。
以下、実施形態1、実施形態3と異なる所を中心に説明する。
先ず、図19を用いて実施形態4に係る管路事故リスク評価装置の構成について説明する。
実施形態4に係る管路事故リスク評価装置は、機能構成として、図1の実施形態1のモデル構築(最小二乗法による)処理部102の代わりに、モデル構築(ハイブリッド手法による)処理部104を有している。
モデル構築(ハイブリッド手法による)処理部104は、管種ごとに、ベースパラメータに対しては、最小二乗法、補正係数に対してニューラルネットワークを使用して事故率を予測する機能部である。
次に、図20を用いてハイブリッド手法によって事故率を予測する処理の概要について説明する。
本実施形態の管路事故リスク評価装置100は、以下の管種ごとに定まる(式9)、(式10)の数式モデルにより事故率を予測する。
Figure 0007461312000007
ここで、(式9)は、管路を構成する管の管種が、DIP(ダクタイル鋳鉄管)、SP(水道鋼管)に関する評価式であり、(式10)は、管路を構成する管の管種が、CIP(普通鋳鉄管)、VP(硬質塩化ビニル管)に関する評価式である。また、y:漏水事故率[(件/年)/km]、t:供用年数、C(管タイプ、管種、地盤):管タイプ、管種、地盤により定まる補正係数、a,b:ベースパラメータである。
(式9)は、管種がDIP、SPのときに適用され、非特許文献1にも示されている事故率が供用年数に対して指数関数なっているモデルである。これは、供用年数に対する滑らかな事故率の上昇を確保することができる。
本実施形態のハイブリッド手法は、図20に示されるように、ベースパラメータa,bを非線形最小二乗法により定め、補正係数Cをニューラルネットワークモデルにより最適な値を同定しようとするものである。
先ず、図20の上段のブロックに示すように、図5の統合管路データテーブル203を利用して、以下の(式11)、(式12)により、実施形態1と同じロジックにより、非線形最小二乗法によりベースパラメータa,bを同定する。
これは、それぞれ(式9)、(式10)で、C=1と仮定して(Cは未知の関数のためC=1と仮定して)a,bを同定することに相当する。
Figure 0007461312000008
次に、中段のブロックに示すように、ニューラルネットワークを用いて補正係数Cを同定する。ここでは、ニューラルネットの出力である補正係数予測値Cpと実績補正係数Caの差が小さくなるようニューラルネットの重みWを学習する。
実績補正係数Caは、テーブルの事故率(実績事故率)をベースモデル(式11)(式12)を利用して計算したベース事故率で除算することで求められる。すなわち、以下の(式13)により求められる。
Figure 0007461312000009
次に、下段ブロックに示すように、図5の統合管路データテーブル203を用いて、求められた補正係数Cと、(式9)、(式10)を用いて計算される予測事故率が実績事故率に一致するようベースパラメータa,bを推定(同定)する。ここで、補正係数Cは固定値(定数値)として扱われる。
さらに、求められたベースパラメータa,bを用いて中段のニューラルネットワークにより、補正係数予測値Cpに関する重みWの学習処理を行う。重みWの学習には、実施形態3で述べたように、統合管路データテーブル203を学習用データと、検証用データに分割する。中段と下段の処理は、予め定めた所定回数(例えば10回)に到達するか、同定学習されるベースパラメータa,b、重みWの変化率が所定値より小さくなり値が収束するまで実施する。
最終的に得られたベースパラメータa,bと補正係数C(ニューラルネットによる関数)より、管路属性情報から事故率を予測することができる。
次に、図21を用いてモデル構築(ハイブリッド手法による)処理について説明する。
先ず、データ統合処理により設定された管路属性・事故率対応テーブル205のデータを読み込む(S1501)。
次に、最小二乗法により、ベースパラメータa,bを同定する(S1502)。ここで、図示しなかったが、ループに入る前では、補正係数Cは、C=1に初期化されているものとする。
次に、ニューラルネットワークにより、重みWを学習し、補正係数Cを同定する(1503)。
そして、S1501~S1503のループ回数が所定値に達するか、ベースパラメータa,b,重みWの変化率が所定値以下になり収束したか否かを判定し、この条件が満たされるまで、S1501~S1503のループの処理を繰り返す。
最終的に得られた、ベースパラメータと補正係数Cは、記憶部200に記憶される。これらのベースパラメータ、補正係数と(式9)、(式10)を用いて、管路属性ごとの事故率を計算できる。
〔各実施形態のモデル構築処理の関係〕
以下では、実施形態1、実施形態3、実施形態4において、三つのモデル構築処理を説明した。モデル構築に使用できるデータ数(図5の統合管路データテーブルのレコード数)が比較的小さい(例えば、2000未満の)場合は、実施形態1の処理を実行し、大きい場合(例えば、2000以上)は、実施形態3、実施形態4の処理を実行するのが好適である。また、実施形態3のニューラルネットワークよる手法において、供用年数増加に対して事故率が単調増加にならない場合には、実施形態4のハイブリッド手法を用いれば良い。
100…管路事故リスク評価装置、101…データ統合処理部、102…モデル構築(最小二乗法による)処理部、103…モデル構築(ニューラルネットワークによる)処理部、104…モデル構築(ハイブリッド手法による)処理部、110…事故リスク評価部、120…ユーザインタフェース部、200…記憶部、
201…管路データテーブル、202…事故履歴データテーブル、203…統合管路データテーブル、204…管路属性毎集約テーブル、205…管路属性・事故率対応テーブル、206…管理事故リスク評価テーブル

Claims (7)

  1. 管路の供用年数と管路属性を変数として含み、期間ごと管路の長さあたりの予測事故率の数式モデルによって管路の漏水事故率を算出する管路事故リスク評価装置であって、
    布設年度と管路の延長を含む管路属性を、管路ごとに記憶する管路データテーブルと、
    管路ごとに事故年月日を含む事故情報を記憶する事故履歴データテーブル202とを保持し、
    前記管路データテーブルと前記事故履歴データテーブル202のデータより、各々の管路に対して供用年数と事故件数を含むデータ統合テーブルを作成し、
    前記データ統合テーブルを参照して、管路属性ごとに、前記データ統合テーブルのレコードを表すIDを記憶する管路属性毎集約テーブルを作成し、
    管路属性別に、管路の延長単位ごとに各々の管路の事故率を記憶する管路属性・事故率対応テーブルとを作成し、
    前記管路属性・事故率対応テーブルのデータに基づいて、管路属性を含む予測事故率を算出する数式モデルにおける管路属性に対するパラメータを決定して、
    各々の管路に対する予測事故率を求めることを特徴とする管路事故リスク評価装置。
  2. 前記数式モデルの予測事故率は、供用年数に対する指数関数またはべき乗関数で表され、口径に対する連続関数として表されることを特徴とする請求項1記載の管路事故リスク評価装置。
  3. 前記数式モデルにおける管路属性に対するパラメータは、非線形最小二乗法により求めることを特徴とする請求項1記載の管路事故リスク評価装置。
  4. 前記数式モデルにおける管路属性に対するパラメータは、ニューラルネットワークにより求めることを特徴とする請求項1記載の管路事故リスク評価装置。
  5. 前記数式モデルにおける管路属性に対するパラメータに対して、管タイプ、口径、地盤にかかわる補正係数を、ニューラルネットワークにより求め、その他のベースパラメータは、非線形最小二乗法により求めることを特徴とする請求項1記載の管路事故リスク評価装置。
  6. 管路の供用年数と管路属性を変数として含み、期間ごと管路の長さあたりの予測事故率の数式モデルによって管路の漏水事故率を算出する管路事故リスク評価装置による管路事故リスク評価方法であって、
    前記管路事故リスク評価装置は、
    布設年度と管路の延長を含む管路属性を、管路ごとに記憶する管路データテーブルと、
    管路ごとに事故年月日を含む事故情報を記憶する事故履歴データテーブル202とを保持し、
    前記管路事故リスク評価装置が、前記管路データテーブルと前記事故履歴データテーブル202のデータより、各々の管路に対しての供用年数と事故件数を含むデータ統合テーブルを作成するステップと、
    前記データ統合テーブルを参照して、管路属性ごとに、前記データ統合テーブルのレコードを表すIDを記憶する管路属性毎集約テーブルを作成するステップと、
    管路属性別に、管路の延長単位ごとに各々の管路の事故率を記憶する管路属性・事故率対応テーブルとを作成するステップと、
    前記管路属性・事故率対応テーブルのデータに基づいて、管路属性を含む予測事故率を算出する数式モデルにおける管路属性に対するパラメータを決定するステップと、
    各々の管路に対する予測事故率を求めるステップとを有することを特徴とする管路事故リスク評価方法。
  7. 前記管路データテーブルのデータに欠損データがあるときに、その欠損データを補充したデータを、前記管路事故リスク評価装置に入力するステップを有することを特徴とする請求項6記載の管路事故リスク評価方法。
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