JP7456063B2 - 船舶上の風力推進装置の制御方法 - Google Patents

船舶上の風力推進装置の制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、概して風力推進装置に関し、より詳細には船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法に関する。
背景
近年、海運業界では、タンカー船、貨物船、旅客船、及びボート等の船舶の推進に風力エネルギーを利用するため重要な開発が進められている。水中プロペラ等の従来の推進システムを補助する目的で、マグナスロータ又はエアロフォイルセイル等の風力推進装置を使用することが増えている。具体的には、そのような風力推進装置は、船舶上に垂直に設置され、風の流れに対して垂直な揚力(又は推力)を発生させる。その揚力が船舶の推進力として働く。
一般に、このような風力推進装置の効率を最適に保つために、風力推進装置を精密に制御する必要がある。マグナスロータの回転数及び回転方向、又はエアロフォイルセイルの迎え角等の制御パラメータが、船舶周辺の風況に基づいて定期的にモニタされて調整される点に留意すべきである。このような制御パラメータの調整は、一般に、船上に配置された風向(又は風角度)及び風速を測定するためのウェザーマスト、風速計、及び専用風速センサ等の複数の測定装置からの情報に基づいて行われる。しかし、このような測定装置は、一般に、設置された地点の風況を測定するものであり、船舶上の各種構造体による風の鉛直分布や気圧分布の変化を考慮したものではない。さらに、測定装置は、通常、風力推進装置の近傍には設置されない。そのため、測定装置で記録された風況は、風力推進装置で観測される風況と比べて大きく異なる場合がある。また、風力推進装置に近接して測定装置が設置されている場合、風力推進装置の動作により、測定装置による風況測定に誤りが生じる可能性がある。そのため、このような測定技術を使用して決定された風力推進装置の動作制御パラメータでは、通常、風力推進装置が最適でない動作をする。
また、風力推進装置で発生する揚力や力を測定するために、歪みに基づく測定が採用されることもある。具体的には、風力推進装置の構造の撓みを測定することで、タワーに作用する風による力を算出する場合がある。しかし、船舶の船体による乱流又は環境条件の変化により風力推進装置に伝わる力は大きく変化し、その結果として風力推進装置の構造に生じる撓みが変化する可能性がある。また、一般的な歪みに基づく測定技術は、風力推進装置で発生する歪よりも大きな歪の測定を想定して設計されている。そのため、このような歪みに基づく測定では十分な精度が得られないこともある。
上述の議論を踏まえれば、風力推進装置の制御パラメータ最適化に関連する前述の欠点を克服する必要がある。
摘要
本開示は、風力推進装置の制御方法を提供することを意図する。本開示は、不正確で信頼性の低い測定技術によって風力推進装置の動作が非効率的になるという既存の問題に対する解決策を提供することを意図する。そのため、本開示の目的は、従来技術で直面した問題を少なくとも部分的に克服する解決策を提供し、風力推進装置に関する制御パラメータを最適化する効率的な方法を提供することである。
一態様では、本開示の実施形態は、船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法を提供する。この方法は、
・ 前記風力推進装置の表面において前記船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置された少なくとも第1の圧力センサから圧力情報を提供することと、
・ 前記少なくとも第1の圧力センサからの前記圧力情報に基づいて、前記風力推進装置の前記表面上の圧力分布を推定することと、
・ 前記風力推進装置の制御パラメータを最適化するために、前記推定された圧力分布を閉ループ制御法のフィードバックとして使用することと、
を含む。
別の態様では、本開示の実施形態は、船舶上に配置された複数の風力推進装置のシステムを制御する方法を提供する。この方法は、
・ 船舶上に配置された風力推進装置を制御する前記方法によって、前記複数の風力推進装置それぞれの制御パラメータを最適化することと、
・ それぞれの性能差の測定により前記複数の風力推進装置間の相互作用を考慮することで、前記複数の風力推進装置の全体効率を最適化することと、
を含む。本方法においては、前記複数の風力推進装置は前記船舶の長さ方向においてそれぞれ異なる位置に配置される。
さらに別の態様では、本開示の実施形態は、少なくとも2つの風力推進装置を備える船舶を提供する。前記風力推進装置はそれぞれ少なくとも第1の圧力センサを備える。前記第1の圧力センサは、前記船舶の甲板に対して第1の高さH1に前記風力推進装置それぞれの表面上に配置され、前記船舶は、船舶上に配置された風力推進装置を制御する前記方法を実施する手段をさらに備える。
さらに別の態様では、本開示の実勢形態は、非一時的な機械可読データ記憶媒体に記録されるソフトウェア製品であって、船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法を実施するために演算処理ハードウェア上で実行可能なソフトウェア製品を提供する。
本開示の実施形態は、従来技術における前述の問題を実質的に排除するか、又は少なくとも部分的に解決し、風力推進装置の動作制御パラメータを最適化することで、その効率的な動作を可能にするものである。
本開示のさらなる態様、利点、特徴及び目的は、添付の請求項と併せて理解される図面及び例示的な実施形態の詳細説明から明らかになるであろう。
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、様々に組み合わせることが可能であることが理解されよう。
上記の摘要及び下記の例示的な実施形態の詳細説明は、添付の図面と併せて読むことで、さらに良く理解される。本開示を説明する目的で、本開示の例示的な構造を図面に示す。しかしながら、本開示は、本明細書に開示される特定の方法及び手段に限定されるものではない。さらに、当業者であれば、図面が縮尺どおりでないことを理解するであろう。可能な限り、同種の要素は同一の番号で示す。
次に、以下の図を参照して、本開示の実施形態を例としてのみ説明する。
本開示の一実施形態に係る、船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法のステップを示す説明図である。 本開示の例示に係る、制御パラメータ最適化に使用される閉ループ制御法のブロック図である。 本開示の一実施形態に係る、風力推進装置としてのマグナスロータを示す説明図である。 マグナスロータにおける風の流入を示す模式図である。 不均一な流入によるマグナスロータの複数の異なる高さにおける圧力分布を示す模式図である。 本開示の一実施形態に係る、風力推進装置としてのエアロフォイルセイルを示す説明図である。 本開示の一実施形態に係る、風力推進装置をマグナスロータとして実施した場合の回転数と純便益との関係を表すグラフである。 マグナスロータに作用する力を示す説明図である。 本開示の一実施形態に係る、風力推進装置のシステムを制御する方法のステップを示す説明図である。 本開示の例示的な実施態様に係る、制御パラメータ最適化についての異なる実施例における船舶の模式図である。
図中、下線付きの番号は、その番号が配置されている要素、その番号が隣接している要素を表している。下線のない番号は、その番号と要素を結ぶ線によって識別される要素に関連する。番号に下線がなく、かつ矢印が関連付けられている場合、その番号は、矢印が指し示す全体的な要素を識別するために使用される。
実施形態の詳細説明
以下の詳細説明は、本開示の実施形態と、それらを実施できる方法とを示す。本開示を実施するいくつかの形態を開示したが、当業者であれば、本開示を実施又は実践するための他の実施形態も含まれることが分かるであろう。
一態様では、本開示の実施形態は、船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法を提供する。この方法は、
・ 前記風力推進装置の表面において前記船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置された少なくとも第1の圧力センサから圧力情報を提供することと、
・ 前記少なくとも第1の圧力センサからの前記圧力情報に基づいて、前記風力推進装置の前記表面上の圧力分布を推定することと、
・ 前記風力推進装置の制御パラメータを最適化するために、前記推定された圧力分布を閉ループ制御法のフィードバックとして使用することと、
を含む。
本明細書に記載の風力推進装置を制御する方法によれば、風力推進装置の動作に関する制御及び最適化を改良できる。本開示は、風力推進装置の表面全体の圧力分布をリアルタイムで推定できるようにし、さらに風力推進装置の周囲の風角度や風速等の風況を推定できるようにする圧力測定を利用して、改良された方法を提供する。このような圧力測定方法は、風況を測定する複数の測定装置が不要になるという利点がある。本方法には、風力推進装置に作用する圧力分布と力を決定するために使用される直接圧力測定が採用される。さらに、本開示に記載の方法は、大幅な改変を必要とせずに複数種類の風力推進装置に適用可能である。本開示の方法が、船舶上に配置された風力推進装置の効率を著しく高め、それによって、船舶の全体的な推進に対する風力推進装置の寄与を高める点に留意すべきである。
本開示は、船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法を提供する。ここでいう「船舶」とは、貨物や旅客の輸送、海洋探査等の目的で使用される船又は船艇を指す。通常、船舶はエンジンやタービンを使って推進する。船舶は、当該船舶の推進においてエンジンを補助する風力推進装置をさらに備える。本明細書では、「風力推進装置」は、エンジン又はタービン等の主推進手段による船舶の移動を補助することで、船舶の燃料消費量を削減するために用いられる装置を指す。このような風力推進装置は、船舶の唯一の推進手段として使用される場合もある。具体的には、風力推進装置は、船舶の周りに吹く風の運動エネルギーを取り込み、船舶の推進を補助する。風力推進装置の例としては、マグナスロータ(フレットナーロータ等)、エアロフォイルセイル(ウイングセイル等)があるが、これらに限定されない。エアロフォイルセイルは、例えば、ウイングセイル、リジッドセイル、又はサクションウイングセイル(ターボセイルと呼ばれることもある)とすることができる。風力推進装置からの最適な推進出力を確保するために、大気圧、船舶周辺の風の速度、船舶の速度、風の流れ方向、船舶の移動方向等の1つ以上の外部要因に応じて風力推進装置の制御パラメータが調整される点に留意すべきである。本開示は、このような制御パラメータを最適化するための風力推進装置の制御方法を提供する。
本方法は、風力推進装置の表面において船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置された少なくとも第1の圧力センサから圧力情報を提供することを含む。具体的には、第1の圧力センサは、風力推進装置の表面の空気圧を測定する。船舶が動いているとき、船舶の周りの風の流れは、船舶の動きを助けるために利用される風力推進装置に力を及ぼすことが理解されよう。風力推進装置の表面に配置された第1の圧力センサから受信する圧力情報は、風が風力推進装置に及ぼすそのような力に関する情報を意味する。圧力センサの例としては、差圧センサ、圧力風速計、圧電式圧力センサが挙げられるが、これらに限定されない。また、第1の圧力センサが配置される第1の高さH1は、風力推進装置の高さ、船舶の大きさ、当該船舶の通常の動作環境における大気及び気象条件等の要因に基づいて選択される。第1の圧力センサが、風力推進装置の高さH1における断面の圧力情報を提供する点に留意すべきである。一例として、風力推進装置はマグナスロータであり、その表面には1つの圧力センサが配置されている。このような例では、マグナスロータが回転すると、マグナスロータとともに回転する1つの圧力センサが、圧力センサが配置された部分の断面における複数の異なる領域に関する圧力情報を測定する。別の例では、風力推進装置はエアロフォイルセイルであり、好ましくは、複数の圧力センサ(2つ、3つ、4つ等)がエアロフォイルセイルの表面に配置される。このような例では、複数の圧力センサのそれぞれが、エアロフォイルセイルの表面上の配置領域に関連する圧力情報を提供する。このように、使用する圧力センサの数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、又は40個でもよい。
本方法は、少なくとも第1の圧力センサからの圧力情報に基づいて、風力推進装置の表面上の圧力分布を推定することを含む。風が風力推進装置の表面に与える圧力が、風の流れ方向と速度とによって変化する点に留意すべきである。風力推進装置の表面に配置された少なくとも第1の圧力センサは、風力推進装置の表面の複数の異なる部分の圧力のこのような変化に関する情報を提供する。その結果、少なくとも第1の圧力センサから提供される圧力情報に基づいて、風力推進装置の表面上の圧力分布が推定される。具体的には、風力推進装置の表面の圧力分布により、風力推進装置の前方側と後方側の圧力差を推定できる。風力推進装置がマグナスロータの場合、マグナスロータが回転するため、この形態は1つの圧力センサで実現できる。風力推進装置がエアロフォイルセイルの場合、エアロフォイルセイルの表面の複数の異なる領域に関する圧力情報が、配置された少なくとも2つの圧力センサにより提供されることが好ましい。風力推進装置の表面上の複数の異なる領域に関するこのような圧力情報を用いて、風力推進装置の表面上の圧力分布が推定される。
任意で、風力推進装置を制御する本方法は、風力推進装置の角度位置情報を提供することを含んでもよい。風力推進装置の角度位置情報が、風力推進装置の位置情報及び動作情報に関連するパラメータであって、風力推進装置によって与えられる推進力に影響を与えるパラメータを指す点に留意すべきである。具体的には、風力推進装置の角度位置情報は、船舶の進行方向や速度に大きく影響する。一実施形態において、風力推進装置がマグナスロータである場合、角度位置情報としては、マグナスロータの寸法情報(高さ、直径等)、マグナスロータの回転数、及びマグナスロータの回転方向が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、風力推進装置がエアロフォイルセイルである場合、角度位置情報としては、エアロフォイルセイルの種類、エアロフォイルセイルの寸法情報(コード長、高さ、前縁及び後縁の曲率等)、及びエアロフォイルセイルの迎え角が挙げられるが、これらに限定されない。
本方法は、さらに、風力推進装置の角度位置情報及び風力推進装置の表面上の推定された圧力分布に基づいて見かけの風角度を推定することを含んでいてもよい。具体的には、見かけの風角度とは、風力推進装置に対する風の流れ方向を指す。見かけの風角度を、船舶の中央前後線に沿った船体中央部等船舶の船体中央部の1つを基準として測定してよい点に留意すべきである。推定圧力情報により、風力推進装置の表面上において他の領域より高い圧力を受ける領域に関連する情報が得られることが理解されよう。その結果、高い圧力を受ける領域は、風の流れの影響を直接受けていると判断してよく、そのような領域の方向に風の流れ方向があると推定してよい。そのため、角度位置情報に基づいて、船体中央部の1つを基準とした風力推進装置上の当該領域の位置が決定され、その結果、見かけの風角度が推定される。
風力推進装置の表面に配置された圧力センサが淀み点に一致したとき、圧力センサの測定圧力が最大となる。淀み点とは、風の運動エネルギーがすべて圧力(位置エネルギー)に変換される点である。一般に、セイルの形状や動作状態が既知の場合、淀み点の位置は迎え角と関係がある。したがって、淀み点が決まれば迎え角を推定できる。つまり、迎え角は、最大圧力が測定された点と関係がある。
本方法は、制御パラメータの初期近似値を決定するために、推定された見かけの風角度を追加で使用することを含む場合がある。制御パラメータが、船舶に配置される風力推進装置の種類に応じて異なる点に留意すべきである。一例として、マグナスロータの制御パラメータは、マグナスロータの回転数及び/又はマグナスロータの回転方向でよい。別の例では、エアロフォイルセイルの制御パラメータは、エアロフォイルセイルの迎え角であってよい。推定された見かけの風角度から得られるのは、制御パラメータの初期近似値のみであることが理解されよう。このような制御パラメータは、風力推進装置に実装され、最適化と効率化のために定期的に調整される。
以下、風力推進装置がマグナスロータである例示的な実施形態について説明する。適切な場合であれば、同様の内容及び実施形態が異なるタイプの風力推進装置に適用される。
本開示全体を通して、「マグナスロータ」という用語は、タワー等の縦長な構造体であって、長手方向軸に沿って回転し、長手方向軸及び風の流れ方向に垂直な力を発生させる縦長構造物を指す。このような力はマグナス効果によって発生し、船の周りの風の流れを利用して船に推進力を与える。さらに、マグナスロータは、その安定化のためにディスクエンドプレートを含んでよい。一般的に、マグナスロータは、フレットナーロータのような円筒形であるが、マグナスロータの断面は、円形、正方形、長方形等どのような多角形でもよい。
任意で、角度位置測定装置により角度位置情報が提供される。本明細書では、角度位置情報は、マグナスロータの回転数、マグナスロータの回転角度、マグナスロータの回転方向の少なくとも1つを含む。任意で、角度位置情報はマグナスロータの寸法情報(高さ、直径等)を含む。さらに、角度位置測定装置は、ロータリエンコーダ、タコメータ、又はジャイロスコープ等であってよい。具体的には、ロータリエンコーダは、マグナスロータの角度位置を決定するために動作可能な位置センサである。正確な結果を得るには、角度位置情報を高周波数で高精度に測定することが好ましいことが理解されよう。そのため、角度位置情報を測定するために、ロータリエンコーダのような専用の装置が採用される。また、制御パラメータは、マグナスロータの最適な回転数を含む。船舶に与える推進力が最大となる最適な回転数が、見かけの風角度に基づいて決定される点に留意すべきである。
任意で、本方法は、風速uを算出することをさらに含む。風速uを算出するために、まず空気密度ρを算出する。式(1)は、空気密度を求める数式を示す。
Figure 0007456063000001
ここで、R(specific)は乾燥空気に対する比ガス定数、pは船舶周辺の大気圧、Tは船舶周辺の温度である。なお、乾燥空気の比ガス定数R(specific)の値は、乾燥空気の平均モル質量28.9645g/molに基づいて、通常287.058J・kg-1・K-1である。ただし、R(specific)の値は、特定の場所の空気の分子組成によって若干変化することがある。
また、大気圧pは、ロータ背面の圧力により、又は専用のセンサを使用することにより近似する。ここで、ロータ背面とは、ロータにおいて直接風が流入しない側を指す。そのため、ロータ背面側の圧力は風の流れの影響を受けず、したがって、実質的に大気圧に近い圧力となる。あるいは、大気圧の測定には、大気圧センサ等の専用センサを使用する。さらに、温度Tは、通常、温度計又はサーミスタ等の温度センサを用いて決定される。
続いて、マグナスロータ表面の最大圧力から大気圧pを減算することで、マグナスロータ表面の最大動圧qを算出する。マグナスロータ表面の最大圧力は、通常、マグナスロータ表面に配置された少なくとも第1圧力センサからの圧力情報を用いて決定される。続いて、算出された空気密度ρと最大動圧qを式(2)に入力し、風速uを算出する。
Figure 0007456063000002
その後、本方法は、マグナスロータの最適な回転方向を決定するために推定された見かけの風角度を使用することをさらに含む。マグナスロータの回転方向は時計回りでも反時計回りでもよい点に留意すべきである。一例として、見かけの風角度は、船舶の右舷側から左舷側へ流れる風を示す。このような例では、マグナスロータの最適な回転方向は、船首方向にマグナス力を発生させるために反時計回りでよい。
さらに、本方法は、制御パラメータの初期近似値を決定するために、推定された見かけの風角度に加え、算出された風速を使用することを含む。前述したように、マグナスロータの制御パラメータは、マグナスロータの最適な回転数を含む。マグナスロータの回転数を調整することで、回転数と風速との比を最適化し、その結果としてマグナス効果による推進力を最適化する点に留意すべきである。マグナスロータの回転数が上がると推進力が増すことが理解されよう。しかし、マグナスロータでは、回転を発生させるために燃料が消費され、回転数の上昇とともに燃料消費量も増加する。したがって、マグナスロータの回転によって発生する推進力から得られる便益が、その回転のために消費される燃料よりも大きくなるように、マグナスロータの回転数を最適化する。
任意で、本方法は、少なくとも第2の圧力センサから圧力情報を提供することをさらに含み、
・ 第2の圧力センサは、船舶の甲板に対して第2の高さH2に配置され、
・ 第1の高さH1と第2の高さH2との差がマグナスロータの全高Hの20%以上であり、
・ 少なくとも第1の圧力センサ及び第2の圧力センサからの圧力情報に基づいてマグナスロータの表面上の圧力分布を内挿及び外挿することによって圧力分布の推定が行われる。
この点においては任意で、第2の圧力センサが、第1の圧力センサのみからの圧力情報を使用する場合と比較してより高い精度でマグナスロータ表面の圧力分布を推定する目的で船舶上に配置される。風の流れは均一でないため、マグナスロータの高さによって圧力分布が異なることが理解されよう。したがって、高さH2に配置され、第1の圧力センサの高さH1と全高Hの20%以上の高低差がある第2の圧力センサは、第1の圧力センサが提供する圧力情報とは異なる圧力情報を提供する。その結果、高さの異なる2つの圧力センサからの情報で圧力情報の内挿及び外挿を行える。具体的には、異なる高さH1及びH2にそれぞれ配置された第1の圧力センサ及び第2の圧力センサによって、高さの違いによる圧力分布の異なり方が把握される。このような圧力分布の異なり方を外挿及び内挿して、マグナスロータの表面の圧力分布を推定することができる。マグナスロータの2つの終端部に第1の圧力センサと第2の圧力センサを設置した場合、マグナスロータ表面の圧力分布の推定は内挿のみでよいことが理解されよう。簡略化した例示では、圧力のばらつきは、線形関数又はべき乗関数のような高さの関数として推定される。また、複数の圧力センサから得られる圧力情報に基づいて、高度な流体力学モデルを算出し、マグナスロータ表面上の圧力分布を推定してもよい。
任意で、本方法は、マグナスロータ表面に少なくとも第3の圧力センサを配置することをさらに含み、この第3の圧力センサは、船舶のデッキに対して第3の高さH3に配置され、第1の高さH1、第2の高さH2、及び第3の高さH3の間の差がマグナスロータの全高Hのそれぞれ10%以上である。
任意で、本方法は、マグナスロータ表面に所定の数のさらなる圧力センサを配置することをさらに含み、これら圧力センサのそれぞれは船舶の甲板に対して所定の高さに配置され、圧力センサの高さ間の差がマグナスロータの全高Hの少なくとも5%であり、その数が少なくとも4つである。
この点においては任意で、前述したように、風の流れは均一でないためマグナスロータの高さによって圧力分布が異なる。そこで、複数の圧力センサを複数の異なる高さに設置し、マグナスロータの表面上の圧力分布をより高い精度で推定する。さらに、圧力センサの各高さに差を設けることにより、実質的に様々な高さの圧力情報の記録が可能となり、マグナスロータの全高における圧力分布のより正確な推定が得られるようになる。圧力情報の内挿及び外挿によって推定される圧力分布の精度は、圧力情報を提供する圧力センサの数が増えるほど向上することが有益である。
任意で、複数の圧力センサがマグナスロータの回転軸に実質的に平行な線に沿って配置される。前述したように、マグナスロータは、縦軸を回転軸とする縦型の構造体である。そこで、複数の圧力センサが、マグナスロータの表面に回転軸と実質的に平行な直線状に配置される。
あるいは、任意で、圧力センサが螺旋状の線に沿って配置される。具体的には、マグナスロータの表面に仮想の螺旋状の線を引く。
任意で、本方法は、歪みの測定結果と、下部軸受け点の変位の測定結果とを組み合わせることによりマグナスロータの力を測定することをさらに含む。マグナスロータにより発生するマグナス力Fは、マグナスロータ支持構造に配置された上部軸受けと、下部軸受け点からの力によって相殺されることが理解されよう。マグナス力を相殺する際に、マグナスロータには屈曲及び軸受け点の変位が生じることがある。上部軸受けが、反力Fmbを与えることによりマグナスロータの屈曲を制約する点に留意すべきである。ここで、マグナスロータには、ΔL/Lとして測定可能な歪みを引き起こす屈曲が生じる。Lは、長さ変化量ΔLが屈曲後に測定される特定の基準長さである。上部軸受け荷重と歪みの相関を知るためには、測定システムを較正する必要がある。この相関値は、感度と呼ばれる。感度Sseは、式(3)で求められる。
Figure 0007456063000003
ここで、Fmbは測定された又は既知の上部軸受け力であり、ΔL/Lは対応する歪み値である。その後、感度が分かれば、測定された歪み値を感度に乗じることで上部軸受け力が求められる。Fmbは、歪み値に対してリニアな挙動を示す。また、下部軸受け点の変位は、式(4)で算出される力Flbによって制約される。
Figure 0007456063000004
ここでxは下部軸受け点の変位、klbは下部軸受け点のばね係数の較正後測定値である。Klbは変位xの関数である。マグナス力の合計は、FmbとFlbの合計となる点に留意すべきである。本方法は、さらに、測定されたマグナスロータの力をマグナスロータ動作の最適化におけるフィードバックとして使用することを含む。歪みに基づくマグナスロータ力測定は、圧力に基づく測定の結果を相互検証するために使用できるという利点があることに留意すべきである。また、マグナスロータで観測される屈曲や変位の大きさは著しく小さい。そのため、マグナスロータの両端に設置された2つの歪みゲージ抵抗ブリッジを電気的に接続して歪み信号を増幅する仕様等の、高度な測定仕様が採用される。このようなセンサによる直径方向に対向する測定は、マグナスロータの熱膨張の影響を排除する点で有益である。以下、風力推進装置がエアロフォイルセイルである例示的な実施形態について説明する。適切な場合であれば、同様の内容及び実施形態が異なるタイプの風力推進装置に適用される。
本開示全体を通して、「エアロフォイルセイル」という用語は、船舶に配置される構造体であって、その断面が空気中を移動するときに空気力学的な力を生み出すエアロフォイルの形状である構造体を指す。エアロフォイルセイルは、空気又は風の中を移動する際に、空気中を貫通して空気力を発生させる点に留意すべきである。ここで、セイルのエアロフォイル構造及びエアロフォイルに沿った風の動きにより、エアロフォイルセイルの凸側の圧力は、エアロフォイルセイルの凹面側の圧力と比較して低くなることが観察される。あるいは、対称的なエアロフォイル外形の場合、圧力差は迎え角によって発生する。その結果、そのような圧力差によって、高圧の領域から低圧の領域へと力が発生する。圧力差によって発生するこのような力は、少なくともある程度は船舶の推進力として利用される。本明細書では、風の流れの中を直接貫通するエアロフォイルセイルの最も前方の縁を前縁、前縁と反対側のセイル船尾側縁(後方の縁)を後縁と称する。さらに、前縁と後縁とを結ぶ直線をエアロフォイルセイルのコードラインと称する。同様に、帆の表面を通る前縁と後縁とを結ぶ線をエアロフォイルセイルのコードと呼ぶ。所与のエアロフォイルセイルでは、複数の異なる高さに複数の異なるコードとコードラインが存在し得ることが理解されよう。コードラインがエアロフォイルセイルの迎え角を決定するために利用される点に留意すべきである。具体的には、迎え角は、エアロフォイルセイルによって発生する空気力を制御するために利用され、コードラインと風の流れ方向を表すベクトルとの間の角として定義される。エアロフォイルセイルの例としては、ソフトウイングセイル、リジッドウイングセイル、サクションウイングセイル(ターボセイルとも呼ばれる)が挙げられるが、これらに限定されない。
任意で、船舶の甲板に対する高さH1に、エアロフォイルセイルの表面に配置された第2の圧力センサから圧力情報が追加的に提供される。第2の圧力センサが第1の圧力センサと同じ高さH1に配置され、エアロフォイルセイルの同じ高さではあるが、その断面の複数の異なる領域で圧力情報を測定する点に留意すべきである。具体的には、第1の圧力センサと第2の圧力センサは、互いにコード長の20%以上の距離D1で、エアロフォイルセイルのコード方向において互いに異なる位置に配置される。ここで、コード長とは、前縁と後縁とを結ぶコードラインの長さを指す。第1の圧力センサと第2の圧力センサをエアロフォイルセイルの実質的に異なる領域に配置して、エアロフォイルセイルの断面の複数の異なる領域における圧力情報を取得し、エアロフォイルセイルの表面上の圧力分布をより高い精度で推定する点に留意すべきである。また、第1及び第2の圧力センサは、エアロフォイルセイルの両側の各面に配置されている。ここで、エアロフォイルセイルの両側の各面とは、エアロフォイルセイルの前縁と後縁を結ぶ異なる面を指す。前述したように、エアロフォイルセイルの両側の各面では、複数の異なる圧力が観測される。このような圧力差は、エアロフォイルセイルによってもたらされる推進力を示すことが理解されよう。そこで、このような圧力差を推定するために、エアロフォイルセイルの両側の各面に第1及び第2の圧力センサを配置する。あるいは、第1の圧力センサをエアロフォイルセイルの片側の面に配置し、第2の圧力センサを翼の前縁に配置する。前述したように、エアロフォイルの前縁は、風の流れの中を直接貫通する最も前方の縁である。前縁で観測された圧力から、エアロフォイルセイルが与える推進力と船舶の速度に対するエアロフォイルセイルの迎え角の効果に関して、さらなる理解が得られる場合もある。あるいは、第1及び第2の圧力センサは、エアロフォイルセイルの同じ側の面に配置される。
あるいは、第1及び第2の圧力センサは、エアロフォイルセイルのコードに沿って、互いにコード長の20%以上の距離D1で配置される。
本方法は、マグナスロータについて前述したように、エアロフォイルセイルについても同様に風速uを算出することをさらに含む。まず、空気密度ρを算出する。式(5)は、空気密度を求める数式を示す。
Figure 0007456063000005
ここで、R(specific)は乾燥空気に対する比ガス定数、pは船舶周辺の大気圧、Tは船舶周辺の温度である。大気圧pには専用のセンサを使用している点に留意すべきである。あるいは、好ましい実施形態では、大気圧の測定に大気圧センサ等の専用のセンサが使用される。続いて、エアロフォイルセイル表面の最大圧力から大気圧pを減算することで、エアロフォイルセイル表面の最大動圧qを算出する。エアロフォイルセイル表面の最大圧力は、エアロフォイルセイル表面に配置された少なくとも第1圧力センサからの圧力情報を用いて決定される。続いて、算出された空気密度ρと最大動圧qを式(6)に入力し、風速uを算出する。
Figure 0007456063000006
続いて、本方法は、推定された見かけの風角度を使用してエアロフォイルセイルの最適な迎え角を決定することをさらに含む。ここで、エアロフォイルセイルについては、迎え角が、エアロフォイルセイルの発生する空気力(すなわち揚力)に著しい、かつ、主要な影響を与える。そのため、推定された見かけの風角度に対応して迎え角が最適化される。本方法は、制御パラメータの初期近似値を決定するために、推定された見かけの風角度に加え、算出された風速を使用することをさらに含む。ここで、制御パラメータに含まれるのは、主にエアロフォイルセイルの迎え角である。エアロフォイルセイルにより発生する空気力には風角度だけでなく風速も大きく影響するため、迎え角は、さらに風速に基づき最適化される。したがって、本方法は、風力推進装置の制御パラメータを最適化し続けるために様々なパラメータの再算出と再推定を繰り返す工程を含む。
任意で、本方法は、少なくとも第3の圧力センサから圧力情報を提供することをさらに含み、この第3の圧力センサは第3のコード方向位置に配置される。あるいは、第3の圧力センサは、第1及び第2の圧力センサと同じコードに沿って配置される。エアロフォイルセイルは、その複数のコードを、それぞれエアロフォイルセイルの異なる高さに有する点に留意すべきである。例えば、高さH1において前縁と後縁を結ぶ線は、高さH2等において前縁と後縁を結ぶ線とは異なるコードである。ここで、第3の圧力センサは、第1及び第2の圧力センサと同じコードに沿って配置されている。任意で、第1、第2及び第3の圧力センサは、それぞれ、互いに10%以上の距離でエアロフォイルセイルのコードに沿って配置される。風の流れが不均一なため、エアロフォイルセイルのコードに沿って異なる場所で圧力分布が異なる点に留意すべきである。そこで、より高い精度でエアロフォイルセイル表面の圧力分布を推定するため、3つの圧力センサがコード上の異なる距離に設置される。任意で、第3のセンサは、第1の圧力センサ及び第2の圧力センサの一方又は両方に対して、エアロフォイルセイルの反対側に配置される。
任意で、本方法は、エアロフォイルセイル表面に、エアロフォイルセイルの少なくとも2つの異なるコードに沿って、所定の数のさらなる圧力センサを配置することをさらに含み、これら圧力センサは、エアロフォイルセイルの2つの面及び前縁との間で分けて配置される。本明細書では、エアロフォイルセイル表面全体における圧力分布を正確に推定するために、エアロフォイルセイルの両側及び前縁上において、エアロフォイルセイル表面上の複数の異なるコードに所定の数のさらなる圧力センサを配置する。エアロフォイルセイルのために算出流体力学モデルをモデル化してもよく、そのようなモデルは、迎え角等の制御パラメータの変更及び推進力に対するそれらの効果がリアルタイムで推定されるエアロフォイルセイルの実用モデルをシミュレートするために圧力センサからの圧力情報を内挿及び外挿してもよい点に留意すべきである。したがって、エアロフォイルセイル表面上で要所要所に配置された複数の圧力センサからの圧力情報により、極めて正確な内挿及び外挿が可能となり、その結果、エアロフォイルセイルの実際の挙動に近いシミュレーションが得られる。一例として、エアロフォイルセイル上には6つの圧力センサが配置されてよく、第1、第2及び第3の圧力センサは、同じコードに沿って配置され、第1及び第2の圧力センサは、エアロフォイルセイルの両側の各面に配置され、第3の圧力センサはエアロフォイルセイルの後縁に配置される。6つの圧力センサのうち第4の圧力センサは、エアロフォイルセイルの後縁に配置され、第5及び第6の圧力センサは、エアロフォイルセイルの別のコードに沿って、エアロフォイルセイルの一方側と他方側の面それぞれに配置される。このように、使用する圧力センサの数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、又は40個でもよい。
任意で、本方法は、
・ 屈曲の測定結果と、エアロフォイルセイルとその土台との接続部に配置された軸受けの変位の測定結果とを組み合わせることでエアロフォイルセイルの力を測定することと、
・ 測定されたエアロフォイルセイルの力を、エアロフォイルセイルの動作最適化のためのフィードバックとして使用することと、
をさらに含む。
エアロフォイルにより発生する空気力Fは、支持構造に配置された軸受けからの力によって相殺されることが理解されよう。空気力を相殺する際に、エアロフォイルには、屈曲及び軸受け点の変位が生じることがある。ここで、エアロフォイルの屈曲は、ΔL/Lとして測定可能な歪みを引き起こす。Lは、長さ変化量ΔLが屈曲後に測定される特定の基準長さである。荷重と歪みの相関を知るためには、測定システムを較正する必要がある。この相関値は、感度と呼ばれる。感度Sseは、式(7)で求められる。
Figure 0007456063000007
ここで、Fは測定された又は既知の力であり、ΔL/Lは対応する歪み値である。その後、感度が分かれば、感度に測定した歪み値を乗じることで空気力が求められる。Fは、歪み値に対してリニアな挙動を示す。本方法は、測定された空気力を、セイル動作の最適化におけるフィードバックとして使用することをさらに含む。歪みに基づく空気力測定は、圧力に基づく測定結果を相互検証するために使用できるという利点があることに留意すべきである。
マグナスロータやエアロフォイルセイル以外でも、本明細書で上述した方法が適用できる風力推進装置の実施が可能であることが理解されよう。さらに、前述のマグナスロータに関して開示された様々な実施形態及び変形例は可能な限りエアロフォイルセイルに準用され、逆もまた然りである。
船舶上に配置された風力推進装置を制御する本方法は、推定された圧力分布を閉ループ制御法のフィードバックとして使用して風力推進装置の制御パラメータを最適化することを含む。制御パラメータの初期近似値を決定した後に、その制御パラメータを風力推進装置に実施する点に留意すべきである。制御パラメータが変化すると、風力推進装置の表面の圧力分布は大きく変動することが理解できるだろう。このような圧力分布の変動を推定し、制御パラメータ変化の影響を分析する。変化した制御パラメータの実施後に推定されたこのような圧力分布は、風力推進装置の制御パラメータを最適化するために、本明細書に記載の方法においてフィードバックとして使用される。一例として、制御パラメータの初期近似の結果、圧力分布が変動し、風力推進装置が提供する推進力が減少する。そこで、このような圧力分布の変動をフィードバックし、風力推進装置の制御パラメータの別の近似値を決定する。
以下では、船舶上に配置された風力推進装置のシステムを制御する方法について開示する。船舶が、その上に少なくとも2つの風力推進装置を備える点に留意すべきである。それらの風力推進装置は、船舶の長さに対して船舶上の複数の異なる位置に配置される。一例として、船舶の長さLに対して、マグナスロータ等の第1の風力推進装置が、船舶の船首から船舶の中心前後線に沿った船体中心部に沿ってL/4の距離に配置され、第2のマグナスロータ等の第2の風力推進装置が前記船体中心部に沿って3L/4の距離に配置される。
風力推進装置のそれぞれが本明細書に記載された方法を使用して決定された最適化後の制御パラメータで動作している場合であっても、ある風力推進装置の動作によって発生する乱流後流が他の風力推進装置の動作に干渉し打ち消すことで、風力推進装置のシステムが最適効率で動作しない場合があることが理解されよう。以下では、ある風力推進装置の運転が他の風力推進装置の運転に悪影響を与えないように、複数の風力推進装置を制御する改良された方法を提供する。そのような方法により、複数の風力推進装置のシステムによる効果がシステムの全体効率を高めるように各風力推進装置を最適に制御できるようになる。
船舶上に配置された複数の風力推進装置のシステムを制御する方法は、本明細書に記載の船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法に従って各風力推進装置の制御パラメータを最適化することを含む。まず、各風力推進装置の制御パラメータを個別に最適化する。前述のように、各風力推進装置の表面上の圧力分布を推定することで、風力推進装置の見かけの風角度を推定する。その結果、推定された圧力分布を閉ループ制御法のフィードバックとして使用して風力推進装置の最適化された制御パラメータの初期近似値が決定される。
本方法は、さらに、個々の性能差を測定することによって各風力推進装置間の相互作用を考慮し、閉ループ制御を用いて風力推進装置の全体効率を最適化することを含む。第2の風力推進装置に対して風上に配置された第1の風力推進装置は、第2の風力推進装置の効率に干渉し悪影響を及ぼす可能性がある点に留意すべきである。あるいは、風力推進装置間の干渉が、それらの圧力領域の重なりによって起こることもある。特に、第1の風力推進装置の低圧領域と第2の風力推進装置の高圧領域が重なると、第2の風力推進装置の動作に悪影響が出る。そこで、船舶の風上に配置された第1の風力推進装置の制御パラメータを調整して、第1の推進装置の周囲に流入する風が第2の風力推進装置の圧力分布にどう干渉するかが変更される。風力推進装置が他の風力推進装置に到達する風の流れを乱すことは理解されよう。このような風の流れに生じる乱れや変化を、ある風力推進装置の流入と称する。多くの場合、風力推進装置は、その動作中に、他の風力推進装置に到達する風の層流を乱す乱流後流をさらに発生させる。そのため、風上に配置された第1の風力推進装置の動作は、第1の風力推進装置の流入と乱流後流が第2の風力推進装置の動作に影響を与えないように変更される(一般的には引き下げられる)。特に、風上に配置された第1の風力推進装置の回転数を低下させて、流入面積及び発生する乱流後流の面積を小さくしてもよい。
各風力推進装置の性能を測定し、その差を求めることで、ある風力推進装置が他の風力推進装置に与える影響を分析する。具体的には、第1の風力推進装置の制御パラメータを変化させ、第2の風力推進装置の効率に与える影響を分析する。さらに、各風力推進装置の圧力分布を分析し、推定された見かけの風角度と各風力推進装置の角度位置情報とを組み合わせて、風力推進装置のシステムの最適な制御パラメータを決定し、システムの全体効率を向上させる。風力推進装置のシステムの制御パラメータをさらに最適化するために、第1の風力推進装置の制御パラメータの変化が第2の風力推進装置に与える影響が閉ループ制御法におけるフィードバックとして利用される点に留意すべきである。
例示的な実施態様では、船舶上に配置された複数の風力推進装置のシステムは、船舶の長さに沿って異なる位置に配置された第1のマグナスロータと第2のマグナスロータとを備える。第1の例では、マグナスロータの制御パラメータ(回転数等)に対し、上記で説明した風力推進装置を制御する方法に基づく最適化が行われない。このような例では、マグナスロータの回転数は2つのマグナスロータ間で等しく、例えば、毎分180回転と決定される。このような例では、マグナスロータの圧力領域が大きく重なっていることが観察される。第2の例では、制御パラメータが、上記で説明した風力推進装置を制御する方法に基づいて最適化される。このような方法に基づいて、第2のマグナスロータの回転数が毎分140回転に最適化される。このような最適化により、燃料消費量が大幅に削減される。しかし、制御パラメータに対し各マグナスロータ間の相互作用に基づいた最適化はしないため、マグナスロータの圧力領域は依然として大きな重なりを示す。第3の例では、船舶上に配置された風力推進装置のシステムを制御する方法に関して上記で説明したように、各マグナスロータ間の相互作用に基づいて制御パラメータが最適化される。そのため、第1マグナスロータの回転数は毎分150回転に減速するように最適化され、第2のマグナスロータの回転数は毎分130回転に最適化される。このようにマグナスロータの回転数を下げることで、2つのマグナスロータ間で圧力領域が重ならなくなり、マグナスロータの効率が大幅に向上し、燃料消費量が削減される。
本明細書はまた、船舶に配置されたマグナスロータを制御する方法に関する。この方法は、
・ 少なくとも第1の圧力センサから、第1の圧力センサの経路に沿った圧力分布である圧力情報を提供することであって、
・ 第1の圧力センサは、上記マグナスロータの表面に配置され、
・ 第1の圧力センサは、船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置される、提供することと、
・ 少なくとも第1の圧力センサからの圧力情報に基づいて、上記マグナスロータの表面上の圧力分布を内挿及び外挿することと、
・ ロータリエンコーダからマグナスロータの角度位置情報を提供することと、
・ マグナスロータの角度位置情報と推定された圧力分布とに基づいて、見かけの風角度を推定することと、
・ 風速uを算出することであって、
・ 大気圧p及び温度Tに基づいて空気密度ρを算出することであって、この大気圧は専用のセンサを用い、R(specific)が乾燥空気の比ガス定数である数式(8)を用いることにより近似される、空気密度ρを算出することと、
Figure 0007456063000008
・ マグナスロータ表面の最大圧力から大気圧を減ずることにより、マグナスロータ表面の最大動圧qを算出することと、
・ 式(9)を用いて風速uを算出することと、
Figure 0007456063000009
によって風速uを算出することと、
・ マグナスロータの最適な回転方向を決定するために、推定された見かけの風角度を使用することと、
・ マグナスロータの最適な回転数の初期近似値を決定するために、算出された風速を使用することと、
・ 内挿及び外挿された圧力分布をフィードバックに含む閉ループ制御法により、マグナスロータをロータ固有の最適な毎分回転数で動作させることと、
を含む。
本明細書はまた、船舶上に配置されたマグナスロータを制御する別の方法に関する。この方法は、
・ 屈曲の測定結果と、マグナスロータとその土台との接続部に配置された軸受けの変位の測定結果とを組み合わせてマグナスロータの力を測定することと、
・ 測定されたマグナスロータの力をフィードバックに含む閉ループ制御法により、マグナスロータをロータ固有の最適な毎分回転数で動作させることとと、
を含む。
このように、マグナスロータを船舶に使用する場合に、上記方法で説明した圧力情報を使用することなく、測定したマグナスロータの力のみでマグナスロータを制御することもできる。
マグナスロータにより発生するマグナス力Fは、マグナスロータ支持構造に配置された上部軸受けと、下部軸受け点からの力によって相殺される。マグナス力を相殺する際に、マグナスロータには屈曲及び軸受け点の変位が生じることがある。上部軸受けが、反力Fmbを与えることによりマグナスロータの屈曲を制約する点に留意すべきである。ここで、マグナスロータには、ΔL/Lとして測定可能な歪みを引き起こす屈曲が生じる。Lは、長さ変化量ΔLが屈曲後に測定される特定の基準長さである。上部軸受け荷重と歪みの相関を知るためには、測定システムを較正する必要がある。この相関値は、感度と呼ばれる。感度Sseは、式(10)で求められる。
Figure 0007456063000010
ここで、Fmbは測定された又は既知の上部軸受け力であり、ΔL/Lは対応する歪み値である。その後、感度が分かれば、測定された歪み値を感度に乗じることで上部軸受け力が求められる。Fmbは、歪み値に対してリニアな挙動を示す。また、下部軸受け点の変位は、式(11)で算出される力Flbによって制約される。
Figure 0007456063000011
ここでxは下部軸受け点の変位、klbは下部軸受け点のばね係数の較正後測定値である。Klbは変位xの関数である。マグナス力の合計は、FmbとFlbの合計となる点に留意すべきである。本方法は、さらに、測定されたマグナスロータの力をマグナスロータ動作の最適化におけるフィードバックとして使用することを含む。歪みに基づくマグナスロータ力測定は、圧力に基づく測定の結果を相互検証するために使用できるという利点があることに留意すべきである。また、マグナスロータで観測される屈曲や変位の大きさは著しく小さい。そのため、マグナスロータの両端に設置された2つの歪みゲージ抵抗ブリッジを電気的に接続して歪み信号を増幅する仕様等の、高度な測定仕様が採用される。このようなセンサによる直径方向に対向する測定は、マグナスロータの熱膨張の影響を排除する点で有益である。
本開示では、数式に対して(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、及び(11)の付番表記を用いる。数式(1)、(5)、及び(8)は各実施形態について空気密度値を算出するために使用される。数式(2)、(6)、及び(9)は各実施形態について風速を算出するために使用される。数式(3)及び(10)はマグナスロータに関する実施形態について感度値を、数式(7)はエアロフォイルについて感度値を算出するために使用される。数式(4)及び(11)は各実施形態について力Flbを算出するために使用される。
本開示は、少なくとも2つの風力推進装置を備える船舶をさらに提供し、各風力推進装置は、少なくとも第1の圧力センサを備え、第1の圧力センサは、船舶の甲板に対して第1の高さH1に各風力推進装置の表面上に配置され、船舶は、上記に記載の方法を実施する手段をさらに備える。以上説明した実施形態及び変形例は、この船舶に準用される。
上述のとおり、本開示は、さらに、非一時的な機械可読データ記憶媒体に記録されるソフトウェア製品であって、船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法を実施するために演算処理ハードウェア上で実行可能であるソフトウェア製品を提供する。
図面の詳細説明
図1を参照すると、本開示の一実施形態に係る、船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法100のステップの説明図を示す。ステップ102では、風力推進装置の表面において船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置された少なくとも第1の圧力センサから圧力情報が提供される。ステップ104では、少なくとも第1の圧力センサからの圧力情報に基づいて、風力推進装置の表面上の圧力分布が推定される。ステップ106では、風力推進装置の角度位置情報が提供される。ステップ108では、風力推進装置の角度位置情報と風力推進装置の表面上における推定された圧力分布とに基づいて、見かけの風角度が推定される。ステップ110では、推定された見かけの風角度を用いて、制御パラメータの初期近似値が決定される。ステップ112では、推定された圧力分布が、風力推進装置の制御パラメータを最適化するための閉ループ制御法におけるフィードバックとして使用される。
ステップ102及び116は例示に過ぎず、1つ以上のステップが追加される、1つ以上のステップが省かれる、又は1つ以上のステップが異なる順序で提供される代替案も、本開示の特許請求の範囲から逸脱することなく提供することができる。
図2を参照すると、制御パラメータ最適化に使用される、本開示の例示に係る閉ループ制御法のブロック図である。ここで、図1で説明したように、ステップ110では、推定された見かけの風角度を用いて制御パラメータの初期近似値が決定される。見かけの風角度は、風力推進装置の角度位置情報と風力推進装置の表面上の推定された圧力分布とに基づいて推定されるものである。ステップ202では、制御パラメータの初期近似値が風力推進装置に実装される。続いて、ステップ204では、制御パラメータの実装後、風力推進装置の表面において船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置された少なくとも第1の圧力センサから圧力情報が提供される。ステップ206では、少なくとも第1の圧力センサからの圧力情報に基づいて、風力推進装置の表面上の圧力分布が推定される。その後、ステップ112では、風力推進装置の制御パラメータを最適化するために、制御パラメータの別の近似値を決定するための閉ループ制御法におけるフィードバックとして、風力推進装置の表面上で推定された圧力分布が使用される。
図3を参照すると、本開示の一実施形態に係る風力推進装置としてのマグナスロータ300を示す。図示のように、第1の圧力センサ302がマグナスロータ300の表面において船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置される。第2の圧力センサ304が船舶の甲板に対して第2の高さH2に配置される。第1の高さH1と第2の高さH2との差は、マグナスロータの全高Hの20%以上である。同様に、第3の圧力センサ306が船舶のデッキに対して第3の高さH3に配置され、第1の高さH1、第2の高さH2、及び第3の高さH3の間の差は、マグナスロータの全高Hのそれぞれ10%以上である。マグナスロータ300が回転すると、マグナスロータ300とともに回転する圧力センサ302、304、及び306がマグナスロータ300の表面上の異なる領域に関する圧力情報を測定することが理解されよう。
図4を参照すると、マグナスロータ400における風の流入を示す。このようにマグナスロータ400によって風の流入が大きく変化している点に留意すべきである。図中の線は、速度等値線を表す。
図5を参照すると、不均一な流入によるマグナスロータ500の複数の異なる高さにおける圧力分布を示す模式図である。図中の線は、圧力等値線を表す。
図6を参照すると、本開示の一実施形態に係る、風力推進装置としてのエアロフォイルセイル600を示す。エアロフォイルセイル600は凸面602と凹面604とを有するキャンバー構造を有し、セイル600のエアロフォイル構造及びエアロフォイルに沿った風の移動により、エアロフォイルセイル600の凸面602上の圧力がエアロフォイルセイル600の凹面604上の圧力と比較して低いことが観察される点に留意すべきである。図示のように、エアロフォイルセイル600は、風の流れの中を直接貫通する前縁606と、後縁608とを有する。エアロフォイルセイル600は、異なる高さにあるコード610、612、614等の複数の異なるコードを含む点に留意すべきである。さらに、第1の圧力センサ616が、エアロフォイルセイル600の表面において船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置される。また、第2の圧力センサ618が、エアロフォイルセイル600の表面において船舶の甲板に対して高さH1に、第1の圧力センサ616と同じコード610に沿って配置される。
図7を参照すると、本開示の一実施形態に係る、風力推進装置をマグナスロータとして実施した場合の回転数と純便益との関係を表すグラフを示す。ここで、グラフのX軸は回転数、Y軸はマグナスロータの純便益を表す。純便益とは、マグナスロータの推進力によるエネルギーの節約又は燃料消費量の削減を指す点に留意すべきである。グラフに示すように、マグナスロータの回転数を上げると、その回転を発生させるために消費されるエネルギーが、発生する推進力から受ける便益を上回る変曲点まで、純便益が増加する。
図8を参照すると、マグナスロータ800に作用する力を示す。マグナスロータ800の回転により、マグナス力Fが発生する点に留意すべきである。力Fは、マグナスロータ800に配置された上部軸受けからの力と、マグナスロータ800とマグナスロータ800の土台との接続部に配置された下部軸受け点からの力とによって相殺される。マグナス力が相殺される際に、マグナスロータ800には屈曲及び軸受け点の変位が生じることがある。上部軸受けが、反力Fmbを与えることによってマグナスロータ800の屈曲を制約している点に留意すべきである。さらに、下部軸受け点、すなわちマグナスロータ800とその土台との接続部に配置された軸受けの変位は、力Flbによって制約される。
図9を参照すると、本開示の一実施形態に係る、風力推進装置のシステムを制御する方法900の工程の説明図を示す。ここでは、方法900を、第1の推進装置が第2の推進装置よりも船舶の風上に配置される、第1の風力推進装置及び第2の風力推進装置に関して説明する。ステップ902では、船舶上に配置された風力推進装置を制御する方法(図1で説明した方法100等)を用いて、第1の推進装置に関する制御パラメータが最適化される。ステップ904では、前述の方法100を用いて、第2の推進装置に関する制御パラメータが最適化される。ステップ906では、第1の推進装置と第2の推進装置の圧力分布の間の相互作用が比較され、第2の推進装置の圧力分布に対する第1の推進装置の効果が求められる。ステップ908では、風力推進装置のシステムの全体効率が求められ、その結果がステップ906において第1の推進装置及び第2の推進装置の制御パラメータ最適化のためのフィードバックとして提供される。
図10を参照すると、本開示の例示的な実施態様に係る、制御パラメータ最適化の異なる実施例における船舶の模式図を示す。船舶は、船舶の長さに沿って異なる位置に配置された第1のマグナスロータと第2のマグナスロータとを備える。第1の例1010では、マグナスロータの制御パラメータ(回転数等)に対して、上記で説明した風力推進装置の制御方法100に基づく最適化が行われない。このような例1010では、マグナスロータの回転数は2つのマグナスロータ間で等しく、例えば、毎分180回転と決定される。このような例1010では、マグナスロータの圧力領域が大きく重なっていることが観察される。第2の例1020では、制御パラメータが、上記で説明した風力推進装置を制御する方法100に基づいて最適化される。このような方法100に基づいて、第2のマグナスロータの回転数が毎分130回転に最適化される。このような最適化により、燃料消費量が大幅に削減される。しかし、制御パラメータに対し各マグナスロータ間の相互作用に基づいた最適化はしないため、マグナスロータの圧力領域は依然として大きな重なりを示す。第3の例1030では、船舶上に配置された風力推進装置のシステムを制御する方法900に関して上記で説明したように、各マグナスロータ間の相互作用に基づいて制御パラメータが最適化される。そのため、第1マグナスロータの回転数は毎分150回転に減速するように最適化され、第2のマグナスロータの回転数は毎分140回転に最適化される。このようにマグナスロータの回転数を下げることで、2つのマグナスロータ間で圧力領域が重ならなくなり、マグナスロータの効率が大幅に向上し、燃料消費量が削減される。
前述した本開示の実施形態への変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく可能である。本開示を説明しその権利を主張するために使用される「備える」、「含む」、「含有する」、「有する」、「ある」等の表現は、非排他的に、すなわち明示的に説明されていない項目、構成部分、又は構成要素も存在することを許容するように解釈されることを意図している。また、単数形での言及は、複数形にも関すると解釈される。

Claims (12)

  1. 船舶上に配置されたマグナスロータを制御する方法であって、
    ・ 前記マグナスロータの表面において前記船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置され前記マグナスロータと共に回転する第1の空気圧センサから、前記マグナスロータの水平断面の複数の異なる領域に関する圧力情報を提供することと、
    ・ 前記第1の空気圧センサからの前記圧力情報に基づいて、前記マグナスロータの前記表面上の圧力分布を推定することと、
    ・ 前記マグナスロータの制御パラメータを最適化するために、前記推定された圧力分布を閉ループ制御法のフィードバックとして使用することと、
    を含む、方法。
  2. ・前記マグナスロータの角度位置情報を提供することと、
    ・ 前記マグナスロータの前記角度位置情報と前記マグナスロータの前記表面上の前記推定された圧力分布とに基づいて、見かけの風角度を推定することと、
    ・ 前記制御パラメータの初期近似値を決定するために、前記推定された見かけの風角度を使用することと、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. ・ 前記角度位置情報は角度位置測定装置から提供され、
    ・ 前記制御パラメータは前記マグナスロータの最適な回転数を含み、
    前記方法は、
    ・ 風速uを算出することであって、
    ・ 大気圧p及び温度Tに基づいて空気密度ρを算出することであって、前記大気圧は、前記ロータの後方側の圧力により又は専用のセンサを用い、R(specific)が乾燥空気の比ガス定数である数式(1)を用いることにより近似される、空気密度ρを算出することと、
    Figure 0007456063000012
    ・ 前記マグナスロータの表面の最大圧力から大気圧を減ずることにより、前記マグナスロータの表面の最大動圧qを算出することと、
    ・ 式(2)を用いて風速uを算出することと、
    Figure 0007456063000013
    によって風速uを算出することと、
    ・ 前記マグナスロータの最適な回転方向を決定するために、前記推定された見かけの風角度を使用することと、
    ・ 前記制御パラメータの初期近似値を決定するために、前記推定された見かけの風角度に加え、前記算出された風速を使用することと、
    をさらに含む、請求項に記載の方法。
  4. 少なくとも第2の圧力センサから圧力情報を提供することをさらに含み、
    ・ 前記第2の圧力センサは、前記船舶の前記甲板に対して第2の高さH2に配置され、
    ・ 前記第1の高さH1と前記第2の高さH2との差が前記マグナスロータの全高Hの20%以上であり、
    ・ 前記圧力分布の推定は、前記第1の空気圧センサ及び第2の圧力センサからの前記圧力情報に基づいて前記マグナスロータの前記表面上の前記圧力分布を内挿及び外挿することにより実施される、
    請求項3に記載の方法。
  5. 前記マグナスロータの前記表面に少なくとも第3の圧力センサを配置することをさらに含み、
    前記第3の圧力センサは、前記船舶の前記甲板に対して第3の高さH3に配置され、
    前記第1の高さH1、前記第2の高さH2、及び前記第3の高さH3の間の差はそれぞれ前記マグナスロータの前記全高Hの10%以上である、
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記マグナスロータの前記表面に所定の数のさらなる圧力センサを配置することをさらに含み、
    前記さらなる圧力センサそれぞれは、前記船舶の前記甲板に対して所与の高さに配置され、
    前記圧力センサの各高さの差が前記マグナスロータの全高Hの5%以上であり、
    前記所定の数は4以上である、
    請求項3から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記圧力センサは、前記マグナスロータの回転軸に平行な線に沿って配置される、請求項4から6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記圧力センサは、螺旋状の線に沿って配置される、請求項4から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記マグナスロータの屈曲の測定結果と、前記マグナスロータとその土台との接続部に配置された軸受けの変位の測定結果とを組み合わせてマグナスロータの力を測定することと、
    ・ 測定した前記マグナスロータの力を前記マグナスロータの動作の最適化においてフィードバックとして使用することと、
    をさらに含む、請求項3から8のいずれかに記載の方法。
  10. 船舶上に配置された複数のマグナスロータのシステムを制御する方法であって、
    ・ 請求項1から9のいずれかに記載の方法によって、前記複数のマグナスロータそれぞれの制御パラメータを最適化することと、
    ・ それぞれの性能差の測定により前記複数のマグナスロータ間の相互作用を考慮することで、閉ループ制御により前記複数のマグナスロータの全体効率を最適化することと、
    を含み、
    前記複数のマグナスロータは、前記船舶の長さ方向において異なる位置に配置される、方法。
  11. 少なくとも2つのマグナスロータを備え、前記マグナスロータはそれぞれ第1の空気圧センサを備える船舶であって、
    前記第1の空気圧センサは、前記マグナスロータそれぞれの表面において前記船舶の甲板に対して第1の高さH1に配置され、
    前記船舶は、請求項1から10のいずれかに記載の方法を実施する手段をさらに備える、
    船舶。
  12. 非一時的な機械可読データ記憶媒体に記録されるソフトウェア製品であって、請求項1から10のいずれかに記載の方法を実施するために演算処理ハードウェア上で実行可能なソフトウェア製品。
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