JP7455209B2 - 家畜管理システム、学習装置および推論装置 - Google Patents

家畜管理システム、学習装置および推論装置 Download PDF

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Description

本開示は、畜舎での家畜の行動を監視して家畜の状態を管理する家畜管理システム、学習装置および推論装置並びに生体見守りシステムに関する。
従来、家畜にセンサを取り付けて家畜の健康状態の異常を通報する通報システムが提案されている。特許文献1には、監視カメラが検出した家畜の行動情報から、家畜の行動が異常行動であるかを判定し、異常行動であると判定された場合に異常を通知する家畜監視システムが開示されている。特許文献1に記載の家畜監視システムでは、家畜にセンサを取り付けないことで、監視の対象となる家畜への負担をなくし、監視の対象からより多くの行動情報を読み取ることを可能にする。
特開2019-024482号公報
しかしながら、特許文献1に記載の家畜監視システムでは、予め定められたフレームレートで監視カメラによって撮像された連続するフレーム画像に基づいて判定を行うため、家畜の判定処理に時間がかかってしまう。また、畜舎内では家畜と床面との識別が困難であるという問題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、畜舎における家畜と床面との識別を容易にし、畜舎での家畜の健康管理を従来に比して容易に行うことができる家畜管理システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の家畜管理システムは、家畜が飼育される飼育領域を有する畜舎における家畜の行動から家畜の状態を管理する家畜管理装置と、畜舎に設けられ、飼育領域の温度を検知し、家畜管理装置に検知結果を送信する赤外線センサと、がネットワークを介して接続される。家畜管理システムは、畜舎に設置され、飼育領域に送風可能な送風機を備える。家畜管理装置は、家畜状態算出部と、異常個体判別部と、通知部と、送風機制御部と、を備える。家畜状態算出部は、赤外線センサからの検知結果を用いて生成された飼育領域の温度分布を示す情報に基づいて算出した飼育領域内における家畜の位置情報と、赤外線センサから検知結果を取得した時刻と、を含む家畜状態情報を生成する。異常個体判別部は、家畜状態情報の家畜の位置情報に基づいて、家畜のうち正常な行動の正常個体とは異なる行動をする異常個体を判別する。通知部は、異常個体が存在する場合に、畜舎に異常個体が存在することを示す異常個体情報をユーザに通知する。送風機制御部は、ネットワークを介して送風機の動作を制御する。家畜状態情報は、送風機の制御データをさらに含む。異常個体判別部は、家畜状態情報を参照して、送風機を動作させた後の家畜の位置情報の関係に基づいて異常個体を判別する。
本開示にかかる家畜管理システムは、畜舎における家畜と床面との識別を容易にし、畜舎での家畜の健康管理を従来に比して容易に行うことができるという効果を奏する。
実施の形態1による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図 給餌時ではないときの飼育領域の家畜の様子の一例を示す図 異常個体が存在しない場合の給餌時における飼育領域の様子の一例を示す図 異常個体が存在する場合の給餌時における飼育領域の様子の一例を示す図 実施の形態1による家畜管理装置における家畜管理方法の手順の一例を示すフローチャート 実施の形態2による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図 実施の形態2による家畜管理システムにおける学習装置の構成の一例を模式的に示すブロック図 実施の形態2で用いられるニューラルネットワークの一例を模式的に示す図 実施の形態2による家畜管理システムにおける推論装置の構成の一例を模式的に示すブロック図 実施の形態3による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図 実施の形態3による家畜管理システムの構成の他の例を模式的に示す図 実施の形態4による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図 実施の形態5による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図 実施の形態5による家畜管理システムにおける学習装置の構成の一例を模式的に示すブロック図 実施の形態5による家畜管理システムの学習装置における学習処理の手順の一例を示すフローチャート 実施の形態5による家畜管理システムにおける推論装置の構成の一例を模式的に示すブロック図 実施の形態5による家畜管理システムの推論装置における推論処理の手順の一例を示すフローチャート 実施の形態6による生体見守りシステムの構成の一例を模式的に示す図 異常個体が存在しない場合の喫食時における居住領域の様子の一例を示す図 異常個体が存在する場合の喫食時における居住領域の様子の一例を示す図 実施の形態1から5による家畜管理システムの家畜管理装置および実施の形態6による生体見守りシステムの生体見守り装置を実現するハードウェア構成の一例を模式的に示す図
以下に、本開示の実施の形態にかかる家畜管理システム、学習装置および推論装置並びに生体見守りシステムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図である。家畜管理システム10は、一例では、畜舎11で飼育される家畜21の行動から健康状態を含む家畜21の体調を管理するシステムである。家畜21の一例は、豚、牛、羊、犬、猫または鶏である。畜舎11は、床12と、側壁13と、天井14と、柵15と、を備える。この例では、柵15に囲まれた領域、あるいは柵15と側壁13とで囲まれた領域である飼育領域90で家畜21が飼育される。
家畜管理システム10は、赤外線センサ31と、送風機32と、家畜管理装置50と、を備える。赤外線センサ31と、送風機32と、家畜管理装置50と、の間は、ネットワーク40を介して接続され、互いに通信可能である。ネットワーク40は、有線であってもよいし、無線であってもよい。また、ネットワーク40には、インタネット回線が含まれていてもよい。これによって、赤外線センサ31と家畜管理装置50との間、および送風機32と家畜管理装置50との間で、ネットワーク40を介してデータの授受を行うことができる。
赤外線センサ31は、畜舎11に設置され、飼育領域90内に存在する物体の温度を検知し、検知結果を家畜管理装置50に送信する。図1の例では、赤外線センサ31は、畜舎11の天井14に設置される。
赤外線センサ31は、物体の表面温度を検知するセンサである検知部311と、検知部311を保持する円筒状の保持部312と、を備える。検知部311は、円筒状の保持部312の中心軸である円筒軸に平行に配置され、検知部311は、円筒軸に平行な線状の範囲を検知する。保持部312は、円筒軸を中心に回転可能である。保持部312が回転することによって、図1中の矢印Aに示されるように検知部311の位置が移動し、その結果、検知部311で平面状の範囲を検知することが可能となる。
赤外線センサ31は、畜舎11の予め定められた領域をスキャンして、スキャンした飼育領域90に存在する物体の温度を測定し、測定結果を家畜管理装置50に出力する。なお、ここでは、赤外線センサ31が天井14に設置される例を示したが、側壁13または柵15に設置されてもよい。また、赤外線センサ31が面状の範囲を検知できる赤外線アレイセンサであってもよい。この場合には、必ずしも保持部312は回転可能である必要はない。
送風機32は、飼育領域90内に風を送る機器である。図1の例では、送風機32は、柵15に設置されている。しかし、送風機32は、柵15ではなく、側壁13または天井14に設置されていてもよい。
家畜管理装置50は、赤外線センサ31からの検知結果であるデータを処理して、畜舎11内における家畜21の位置情報または体温情報を取得し、健康状態に異常があると思われる個体が存在するかを判別し、異常があると思われる個体が存在する場合に、ユーザに通知する。家畜管理装置50は、一例では、サーバなどの情報処理装置によって構成される。
家畜管理装置50は、入力データ処理部51と、送風機制御部52と、家畜状態算出部53と、家畜状態情報記憶部54と、異常個体判別部55と、通知部56と、を備える。
入力データ処理部51は、赤外線センサ31からの検知結果である入力データを処理し、一例では検知した飼育領域90における温度の分布を示す情報である熱画像を生成する。赤外線センサ31でスキャンされるエリアは、飼育領域90と対応している。つまり、赤外線センサ31から得られる熱画像上の位置は、撮像した飼育領域90内の位置と対応付けることができる。
送風機制御部52は、送風機32の風量および向きを含む動作を制御する。一例では、家畜21が体表面温度を上昇させることによっては、体温の調節をすることができない範囲の気温である場合に、送風機32を動作させる制御を行う。
家畜状態算出部53は、入力データ処理部51によって生成された飼育領域90の熱画像から飼育領域90に存在する家畜21の位置情報を算出する。通常、床12と家畜21とは温度が異なり、家畜21は熱を有するため、熱画像では、両者は異なる温度で表示されることになる。このため、家畜状態算出部53は、熱画像から検知エリアである飼育領域90における床12と家畜21との識別が容易になるので、家畜21等の生体の検出が容易になる。
家畜状態算出部53は、検出した家畜21の位置情報または体温情報を含む家畜管理データを算出し、家畜管理データを時刻と関連付けた家畜状態情報として家畜状態情報記憶部54に登録する。時刻は、一例では、赤外線センサ31からデータを取得した時刻とすることができる。熱画像は、飼育領域90と対応しているので、予め熱画像上の位置と飼育領域90内での位置との対応関係を求めておくことで、家畜状態算出部53は、熱画像から飼育領域90内での位置を算出することができる。つまり、位置情報は、飼育領域90内の位置となる。また、熱画像においては、温度情報を得ることができるので、家畜状態算出部53は、熱画像から家畜21の体温情報を得ることができる。このとき得られる体温情報は、家畜21の体表面温度である。なお、家畜状態算出部53が、家畜管理データとして何を算出するかは、観察する内容によって予め定められている。
家畜状態情報記憶部54は、家畜状態情報を記憶する。実施の形態1の例では、家畜状態情報は、時刻と、飼育領域90における家畜21の位置情報または体温情報と、を対応付けた情報である。
異常個体判別部55は、家畜状態情報に基づいて、飼育領域90内に正常な家畜21とは異なる行動をする家畜21である異常個体が存在するかを判別する。異常個体判別部55は、他の個体と異なる行動パターンを取る個体を異常個体であると判別する。異常個体判別部55は、ある特定の時刻における家畜管理データを用いて、他の個体と異なる行動パターンを取る個体を異常個体と判別してもよいし、時系列の家畜管理データを用いて、他の個体と異なる行動パターンを取る個体を異常個体と判別してもよい。そして、異常個体判別部55は、異常個体が存在する場合に、異常個体が存在することを示す異常個体情報を生成する。異常個体情報は、一例では、飼育領域90を識別する情報と、異常個体の位置情報と、を含む。場合によっては、異常個体情報は、異常個体の温度情報をさらに含んでいてもよい。
以下に、異常個体判別部55による異常個体を判別する方法の一例を(1)から(6)に示す。
(1)給餌時における異常個体の判別
図2は、給餌時ではないときの飼育領域の家畜の様子の一例を示す図である。図2に示されるように、給餌時ではない場合には、家畜21は、飼育領域90内の床面上にまばらに存在している。
図3は、異常個体が存在しない場合の給餌時における飼育領域の様子の一例を示す図である。図3に示されるように、給餌時になると、畜舎11の家畜21を管理する管理農家は、給餌場16に家畜21の餌を供給する。飼育領域90内の家畜21は、給餌場16に給餌されると、給餌場16に集まり、餌を食べる。家畜21がすべて正常個体である場合には、家畜21は給餌場16に集まる。すなわち、現在時刻と、時刻毎の家畜21の分布と、を解析することにより、個体の正常性を分析することができる。
図4は、異常個体が存在する場合の給餌時における飼育領域の様子の一例を示す図である。図4では、給餌時に、給餌場16に集まる家畜21と、集まらない家畜21と、が存在している。通常、給餌場16に集まらない家畜21は、病気等の異常状態にあり、食欲が減退しており、給餌時でも給餌場16に集まらないと考えられる。そのため、実施の形態1では、給餌場16に集まる家畜21は、健康状態が正常な家畜21であり、正常個体21Aであると判断される。また、給餌場16から離れた位置に居る家畜21は、反応が遅れた個体21Bであり、実施の形態1では、異常個体と判断される。正常個体21Aは、健康状態が正常な家畜21であり、異常個体は、健康状態が正常でない家畜21である。
そこで、異常個体判別部55は、給餌時における家畜状態情報を用いて、給餌場16から離れた家畜21、すなわち反応が遅れた個体21Bが存在する場合に、この個体21Bを異常個体として判別する。このように、異常個体判別部55は、正常個体21Aとは異なる行動を起こしやすい状況における家畜状態情報を用いて、他の個体と異なる行動パターンを取る個体が存在するか否かによって異常個体の有無を判別する。
(2)刺激に対する反応の遅さに注目した異常個体の判別
(1)では、給餌時に給餌場16から離れた位置に存在する、反応が遅れた個体21Bが異常個体であると判別された。しかし、給餌時のある時刻における行動だけでは、そのとき、偶然に反応が遅れただけである可能性もあり、異常個体であるとは言えない場合もある。そこで、反応が遅れた個体21Bに対して刺激を与えたときに、刺激に対して正常個体21Aと同様に予め定められた反応をする場合には、反応が遅れた個体21Bは、正常個体であると判別することができる。一方、刺激を与えても、正常個体21Aにおける反応に比して緩慢な反応をする場合には、反応が遅れた個体21Bは、異常個体であると判別することができる。
一例では、このような場合に、送風機制御部52は、反応が遅れた個体21Bの位置に向かって送風するように送風機32を制御する。家畜状態算出部53は、予め定められた時間間隔で、赤外線センサ31で測定された結果から生成された熱画像に基づいて、家畜管理データを算出し、家畜管理データを時刻と対応付けた家畜状態情報として家畜状態情報記憶部54に登録する。このとき、家畜状態算出部53は、送風機32の制御データを家畜状態情報に含める。これによって、いつ送風を開始したかを識別することができる。
異常個体判別部55は、家畜状態情報を参照して、送風機32による送風が開始された後の飼育領域90内の家畜21のうち、反応が遅れた個体21Bの行動が、送風による刺激によって予め定められた反応をしたかを判定する。一例では、正常個体では、風を受けると、予め定められた時間内に別の場所に移動するという習性がある場合には、異常個体判別部55は、家畜状態情報から、風を受けてから予め定められた時間内に移動したか否かを判定する。異常個体判別部55は、予め定められた時間内に移動した場合には、反応が遅れた個体21Bは正常個体であると判別し、予め定められた時間内に移動しなかった場合には、反応が遅れた個体21Bは異常個体であると判別する。このように、ある特定の時点において、他の個体とは異なる行動をした個体について、さらに刺激を与え、刺激を与えた後の反応を見て、異常個体であるか否かを判別することによって、異常個体を判別する精度をさらに向上させることができる。
特に、例えば送風機32の風速について、ゼロの状態から最大風速まで瞬間的に変化させ、最大風速による刺激を家畜21に与えることにより、正常個体では家畜21に大きな反応が得られるので、異常個体との判別が容易になる。また、送風のオンオフを短期間で繰り返す刺激を家畜21に与えてもよい。即ち、送風機32の送風量または送風間隔などの制御情報と、家畜21の反応とを対応付けることにより、異常個体を判別する精度をさらに向上させることができる。
(3)家畜21の体温情報を用いた異常個体の判別
異常個体は、体温が高い場合があるので、家畜21の体温情報を用いて異常個体を判別することもできる。体温情報として、熱画像から得られる家畜21の体表面温度を使用することができる。
家畜状態算出部53は、飼育領域90内における家畜21の体表面温度を含む家畜管理データを算出し、家畜管理データを時刻と対応付けた家畜状態情報として家畜状態情報記憶部54に登録する。異常個体判別部55は、家畜状態情報中の体表面温度が予め定められた判定基準値よりも高い家畜21を異常個体として判別し、体表面温度が予め定められた判定基準値よりも低い家畜21を正常個体であると判別する。体表面温度が判定基準と等しい場合には、異常個体と判別してもよいし、正常個体であると判別してもよい。
(4)家畜21の位置情報および体温情報を用いた異常個体の判別
家畜管理データは、家畜21の位置情報だけを含むものまたは、家畜21の体温情報だけを含むものだけでなく、家畜21の位置情報および体温情報を含むものであってもよい。(1)で例示したある特定のイベントが発生したときの家畜21の行動と、体表面温度と、を組み合わせて識別を行うことで、異常個体を判別する精度を向上させることができる。つまり、(1)で反応が遅れた個体21Bの体表面温度を測定し、体表面温度を用いて反応が遅れた個体21Bが異常個体であるか否かを判別することで、異常個体の判別の精度が向上する。また、体表面温度を用いて判別を行う場合には、予め定められた時刻に行うようにすることで、異常個体の判別時に時刻の変化による体温の変化の影響を抑えることができる。
(5)送風機32による送風後の家畜21の体温情報を用いた異常個体の判別
送風機32による送風を行った後の、家畜21の体温情報である体表面温度の計時変化に基づいて異常個体であるか否かを判別してもよい。正常個体に送風を行うと、体表面温度は低下する。そこで、送風後の体表面温度が下がらない家畜21を異常個体と判別することができる。
この場合、家畜状態算出部53は、赤外線センサ31から生成した熱画像を用いて、風当てを行った個体の体表面温度を含む家畜管理データと、送風機32の制御データと、時刻と、を対応付けた家畜状態情報を生成し、家畜状態情報記憶部54に登録する。そして、異常個体判別部55は、送風機32を動作させた後の体表面温度が、想定通りに低下していない個体を異常個体として判別する。
また、(1)で例示したある特定のイベントが発生したときの家畜21の行動と、(2)の刺激に対する家畜21の行動と、(5)の風当てによる体表面温度の計時変化と、を組み合わせて、異常個体を判別することもできる。一例では、図4で、反応が遅れた個体21Bに対して風当てを行う。この場合、体表面温度が低下していない個体に加えて、体表面温度が低下しているにもかかわらず、給餌場16に移動しない個体を異常個体と判別してもよい。体表面温度が低下しているにもかかわらず、給餌場16に移動しない個体は、飼料摂取量が少ない個体と判別することができる。
(6)過去の家畜状態情報を用いた異常個体の判別
正常個体の行動は時刻によって略定まったパターンを有するものと考えられる。そこで、家畜状態情報に、複数の日付にわたって家畜管理データを蓄積することで、各時刻における正常個体の平均的な行動パターンを得ることが可能となる。異常個体判別部55は、判別を行う時刻と同じ過去の時刻における平均的な家畜状態情報と比較することによって、異常個体を判別する。具体的には、異常個体判別部55は、家畜状態情報から判別を行うときに、過去の同時刻における家畜21の平均的な行動から求めた行動である正常行動情報を、蓄積された過去の家畜状態情報から生成する。また、異常個体判別部55は、判別時における家畜状態情報を、判別時と同じ時刻における正常行動情報と比較することで、家畜21の異常行動を判別する。このように、過去の家畜21の行動を示す正常行動情報と比較することで、多数の家畜21が同時に病気に罹ったような場合であっても、異常個体を判別することができる。
図1に戻り、通知部56は、異常個体判別部55によって異常個体情報が生成されるとユーザ、すなわち異常個体情報の対象となった家畜21の飼育領域90を管理している管理農家に異常個体情報を通知する。この場合、通知部56は、管理農家とこの管理農家が管理している飼育領域90とを対応付ける管理農家管理情報を参照して、異常個体情報に含まれる飼育領域90を管理する管理農家を特定することができる。異常個体情報は、飼育領域90を識別する識別情報と、異常個体の位置情報と、を含む。これによって、通知を受けた直後では、管理農家は、飼育領域90における異常個体の位置を特定することが容易となる。
家畜管理システム10は、ユーザ端末70を備えていてもよい。ユーザ端末70は、ネットワーク40を介して、家畜管理装置50と接続され、データの授受を行うことができる。ユーザ端末70は、畜舎11を管理する管理農家が保持する情報処理装置である。ユーザ端末70は、一例では、ユーザが所持する情報処理装置である。ユーザ端末70の一例は、携帯電話、スマートフォン、タブレットまたはパーソナルコンピュータである。ユーザ端末70は、通信部71と、出力部72と、を備える。通信部71は、家畜管理装置50との間で、ネットワーク40を介した情報の送受信を行う。ここでは、通信部71は、家畜管理装置50からの異常個体情報を受信する。出力部72は、異常個体情報を受信すると、異常個体情報を受信したことを通知したり、あるいは異常個体情報に含まれる内容を表示したりする。これによって、家畜管理装置50の通知部56は、異常個体情報をユーザ端末70に通知し、ユーザ端末70の出力部72は、異常個体情報の内容をユーザに通知したり、表示したりする。
図5は、実施の形態1による家畜管理装置における家畜管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。まず、入力データ処理部51は、赤外線センサ31からデータを取得し(ステップS11)、データから飼育領域90における熱画像を生成する(ステップS12)。ついで、家畜状態算出部53は、熱画像中から家畜21を抽出し、飼育領域90における家畜21の位置情報を含む家畜管理データを生成する(ステップS13)。さらに、家畜状態算出部53は、赤外線センサ31からデータを取得した時刻と家畜管理データとを対応付けた家畜状態情報を生成する(ステップS14)。なお、家畜21の体温は畜舎11の床12の温度に比して高いため、熱画像においては、家畜21と床12とを容易に区別することができる。
その後、異常個体判別部55は、家畜状態情報を参照し、他の個体と異なる行動パターンを取る個体が存在するかを判定する(ステップS15)。他の個体と異なる行動パターンを取る個体が存在しない場合(ステップS15でNoの場合)には、飼育領域90内には異常個体が居ないので、処理がステップS11に戻る。
また、他の個体と異なる行動パターンを取る個体が存在する場合(ステップS15でYesの場合)には、飼育領域90内には異常個体が存在するため、異常個体判別部55は、飼育領域90を識別する情報と異常個体の位置情報とを含む異常個体情報を生成する(ステップS16)。ついで、通知部56は、飼育領域90を管理する管理農家のユーザ端末70に異常個体情報を通知する(ステップS17)。以上によって、処理が終了する。
なお、実施の形態1による家畜管理システム10では、常に赤外線センサ31からのデータを用いて飼育領域90内の家畜21の状態を監視する必要はない。一例では、家畜21の種類にもよるが、動作が緩慢な家畜21の場合には、10分または15分に1回の割合で監視してもよい。また、例えば、他の個体と行動パターンに差異が生じやすいイベントの発生時に、赤外線センサ31からのデータを用いて家畜21の状態を監視するようにしてもよい。一例では、給餌のとき、飼育領域90内の風量を変更したときなどに、予め定められた時間間隔で赤外線センサ31からのデータを取得し、家畜21の状態を監視すればよい。そのため、カメラを用いて家畜21を監視する場合に比して、使用するデータ量を大幅に削減することができるとともに、家畜管理装置50にかかる負荷も大幅に削減することができる。
実施の形態1では、家畜状態算出部53は、赤外線センサ31からのデータを処理して得られる飼育領域90の熱画像を用いて飼育領域90内における家畜21の位置情報または体温情報を算出し、家畜21の位置情報または体温情報含む家畜状態情報を生成する。床12の温度と家畜21の体表面温度とは異なるため、熱画像から家畜21を容易に抽出することができる。また、カメラが撮像したフレーム画像を用いる場合に比して、被写体までの深度を画素単位で算出する処理を行わなくてよいので、家畜管理装置50にかかる負荷を低減することができる。特に、飼育領域90の熱画像から、家畜21の位置情報と赤外線センサ31から検知結果を取得した時刻と、を含む家畜状態情報を生成することで、赤外線センサ31に比して高額なカメラを用いずに、家畜21の時間の経過における行動を把握することが可能となる。また、家畜状態情報に家畜21の体温情報を含ませることで、赤外線センサ31とカメラとを設けず、赤外線センサ31のみで、家畜の21の時間の経過における行動と、家畜21の体温と、を含めて家畜21の異常を判定することができる。
さらに、異常個体判別部55は、家畜状態算出部53から正常個体の行動パターンと異なる行動パターンを有する個体を異常個体として判別し、畜舎11を管理する管理農家のユーザ端末70に、異常個体が存在する飼育領域90を含む異常個体情報を通知する。これによって、管理農家は、通知を受けた飼育領域90内の家畜21中の異常個体を素早く検知することができる。つまり、畜舎11における家畜21と床面との判別を容易にし、畜舎11での家畜21の健康管理を従来に比して容易に行うことができるという効果を有する。
実施の形態2.
実施の形態2では、異常個体情報の通知を受けた管理農家が、異常個体とされた個体を確認した結果を家畜管理装置に登録することができる家畜管理システムについて説明する。
図6は、実施の形態2による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図である。なお、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略し、実施の形態1と異なる部分について説明する。また、この例では、家畜状態算出部53は、家畜21の位置情報および体温情報を含む家畜状態情報を生成し、異常個体判別部55は、家畜21の位置情報と体温情報とを含む家畜状態情報を用いて家畜21の異常を検知する場合を例に挙げる。
実施の形態2による家畜管理システム10Aでは、ユーザ端末70Aが、管理農家からの情報の入力を受け付ける入力部73をさらに備える。実施の形態2では、異常個体情報の通知を受けた管理農家は、対応する飼育領域90内の家畜21の異常を確認し、対処する。その後、管理農家は、ユーザ端末70の入力部73から、確認結果である異常状態種類を、異常個体情報に対する返信である異常個体返信情報に入力する。異常状態種類は、異常個体情報が通知された異常個体の実際の状態を示すものであり、一例では、正常、胃炎または肺炎を含む。そして、管理農家は、通信部71を介して異常個体返信情報を家畜管理装置50Aへと送信する。
実施の形態2では、家畜管理装置50Aは、異常個体結果登録部57と、異常個体結果情報記憶部58と、学習装置61と、学習済モデル記憶部62と、推論装置63と、をさらに備える。
異常個体結果登録部57は、ユーザ端末70から受信した異常個体返信情報に含まれる異常状態種類を異常個体結果情報記憶部58中の異常個体結果情報に登録する。異常個体結果情報は、異常個体情報と異常状態種類とを関連付けた情報である。一例では、異常個体情報と異常個体返信情報とが、異常個体情報を一意に識別する識別情報によって関連付けされることによって、異常個体情報と異常状態種類とを関連付けることが可能である。その結果、異常個体結果登録部57は、受信した異常個体返信情報に含まれる異常状態種類を、対応する識別情報の異常個体情報に対応付けて登録することができる。
異常個体結果情報記憶部58は、異常個体結果情報を記憶する。
実施の形態2では、異常個体判別部55は、異常個体を判別すると、異常個体情報を識別する識別情報と、飼育領域90を識別する識別情報と、異常個体の位置情報および体温情報と、を含む異常個体情報を生成する。また、異常個体判別部55は、生成した異常個体情報の内容を異常個体結果情報記憶部58の異常個体結果情報に登録する。
異常個体結果情報記憶部58の異常個体結果情報に、異常個体情報に対する異常状態種類が蓄積されると、異常個体結果情報は、異常個体の位置情報および体温情報から異常個体の有無および異常個体がある場合の異常状態種類を予測する学習済モデルを構築するためのデータとすることができる。
学習装置61は、異常個体の位置情報および体温情報と、異常個体情報の対象となった個体の実際の状態である異常状態種類と、をセットにして学習し、異常個体の有無のみではなく、異常状態種類を含む異常個体予測結果を判別する学習済モデルを学習する。
学習済モデル記憶部62は、学習装置61で学習した学習済モデルを記憶する。
推論装置63は、学習済モデル記憶部62に記憶されている学習済モデルを利用して、入力される異常個体の位置情報および体温情報から、異常個体の有無および異常状態種類を推論した異常個体予測結果を生成する。推論装置63は、異常個体予測結果を異常個体判別部55に出力する。
図7は、実施の形態2による家畜管理システムにおける学習装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。学習装置61は、データ取得部611およびモデル生成部612を備える。
データ取得部611は、異常個体結果情報記憶部58に記憶されている異常個体結果情報中の異常個体の位置情報および体温情報と、異常状態種類と、を取得する。
モデル生成部612は、データ取得部611が取得した異常個体の位置情報、体温情報および異常状態種類の組み合わせに基づいて作成される学習用データに基づいて、異常個体予測結果を学習する。すなわち、モデル生成部612は、家畜21の位置情報および体温情報から最適な異常個体予測結果を推測する学習済モデルを生成する。ここで、学習用データは、異常個体の位置情報、体温情報および異常状態種類を互いに関連付けたデータである。
なお、図6の例では、家畜管理装置50Aが学習装置61を含む構成としたが、学習装置61が家畜管理装置50Aの外部に存在する構成としてもよい。すなわち、学習装置61は、例えば、ネットワーク40を介して家畜管理装置50Aに接続された機械学習装置で実現される構成であってもよい。この場合、学習装置61はクラウドサーバ上に存在していてもよい。
モデル生成部612が用いる学習アルゴリズムは教師あり学習、教師なし学習または強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、ニューラルネットワークを適用した場合について説明する。
モデル生成部612は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、いわゆる教師あり学習により、異常個体予測結果を学習する。ここで、教師あり学習とは、ある入力と結果であるラベルのデータの組を大量に機械学習装置に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習し、入力から結果を推定するモデルをいう。
図8は、実施の形態2で用いられるニューラルネットワークの一例を模式的に示す図である。ニューラルネットワーク400は、複数のニューロンであるノード411からなる入力層410と、複数のノード421からなる中間層420と、1以上のノード431からなる出力層430と、で構成される。中間層420は、1層または2層以上でもよい。中間層420は、隠れ層とも称される。
左端の入力層410に異常個体の位置情報および体温情報が入力され、右端の出力層430から異常個体予測結果が出力される。入力層410の各ノード411から中間層420の各ノード421に対する重み係数は全て独立に設定することができるが、図8ではこれらは全て同一の重み係数W1として表記されている。同様に、中間層420の各ノード421から出力層430のノード431に対する重み係数は、全て同一の重み係数W2として表記されている。
入力層410の各ノード411の出力値に対して重み係数W1が乗算され、乗算によって得られた結果の線形結合が中間層420の各ノード421に入力される。中間層420の各ノード421の出力値に対して重み係数W2が乗算され、乗算によって得られた結果の線形結合が出力層430のノード431に入力される。各層410,420,430の各ノード411,421,431では、例えばシグモイド関数といった非線形関数により入力値から出力値が計算されてもよい。入力層410および出力層430では、出力値は入力値の線形結合であってもよい。
モデル生成部612は、異常個体の位置情報および体温情報と、異常状態種類と、を用いて、ニューラルネットワーク400の重み係数W1と重み係数W2とを計算する。ニューラルネットワーク400の重み係数W1および重み係数W2は、一例では、誤差逆伝播法または勾配降下法を用いることで計算することができる。ただし、ニューラルネットワーク400の重み係数が得られる計算方法であれば、重み係数W1および重み係数W2の計算方法は上述の方法に限られない。
ニューラルネットワーク400の重み係数W1および重み係数W2が決定されれば、異常個体の位置情報および体温情報と異常状態種類との関係式が得られたことになる。
このように、モデル生成部612に適用されるニューラルネットワーク400においては、データ取得部611から入力される学習用データに従って、いわゆる教師あり学習により、異常個体予測結果を学習する。
モデル生成部612は、以上のような学習を実行することで学習済モデルを生成し、学習済モデル記憶部62に学習済モデルを出力する。
図9は、実施の形態2による家畜管理システムにおける推論装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。推論装置63は、データ取得部631および推論部632を備える。なお、図9に示す学習済モデル621は、学習済モデル記憶部62で記憶されている学習済モデルとする。
データ取得部631は、異常個体判別部55が異常個体であるかを判別しようとしているデータ、具体的には、家畜21の位置情報および体温情報を取得する。データ取得部631は、これらのデータを家畜状態情報記憶部54に記憶されている家畜状態情報から取得する。
推論部632は、学習済モデル記憶部62に記憶されている学習済モデル621を利用して、異常個体予測結果を推論する。すなわち、推論部632は、家畜21の位置情報および体温情報をデータ取得部631から受け取り、受け取った各データを学習済モデル記憶部62が記憶している学習済モデル621に入力する。推論部632は、学習済モデル621から出力される、家畜21の位置情報および体温情報から推論される異常個体予測結果を取得する。異常個体予測結果には、異常個体であるか否かと、異常個体である場合には、異常の種類まで含まれる。推論部632は、異常個体予測結果を異常個体判別部55に出力する。なお、異常個体判別部55は、推論装置63から異常個体予測結果を取得すると、異常個体予測結果に基づいて異常個体情報を生成する。
実施の形態2では、異常個体情報の通知を受けた管理農家が、飼育領域90の異常個体とされた家畜21を確認し、その結果を異常状態種類に入力して家畜管理装置50Aに返信する。家畜管理装置50Aでは、返信された異常状態種類を異常個体情報に対応付けて異常個体結果情報に登録する。また、学習装置61によって、異常個体の位置情報および体温情報と異常状態種類との間の関係を表す学習済モデル621が生成される。そして、推論装置63によって、家畜21の位置情報および体温情報から、異常個体の有無、および異常状態種類を含む異常個体予測結果が得られる。これによって、家畜管理システム10Aでは、異常個体が存在する場合に、異常の種類を含めたより精度の高い異常個体の判別を行うことができるという効果を有する。また、異常個体結果情報を用いて学習済モデル621を生成することで、管理農家に、異常個体に生じた異常がどのような種類であるのかを提供することができる。さらに、異常個体情報が通知された個体が実際には正常であった場合のデータを学習データとして用いることで、正常個体を異常個体と判別してしまう可能性を低減することもできる。
実施の形態3.
飼料摂取量は、家畜21の年齢および体重によって変化するが、このほかに飼料摂取量に影響する要因として、家畜21の体調が挙げられる。例えば、飼料摂取量が多いにもかかわらず体重が増えない場合、下痢等によって健康状態が悪化している可能性がある。そこで、家畜状態情報と、家畜21の飼料摂取量である飼料摂取量情報と、を用いることによって、家畜21の異常状態種類等の判別が容易になる。実施の形態3では、家畜21の体温情報と飼料摂取量との間に相関があることに着目して、家畜21の体温情報の検出値と飼料摂取量の検出値とに基づいて異常個体を判別する場合を説明する。
図10は、実施の形態3による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図である。なお、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略し、実施の形態1と異なる部分について説明する。
実施の形態3の家畜管理システム10Bでは、飼育領域90内で家畜21は略移動できない状態にあるものとする。畜舎11は、各家畜21が存在するスペースを区切る仕切柵17を有する。すなわち、飼育領域90は、仕切柵17によって区切られ、区切られたスペースに1頭または1羽の個体が収容される。以下では、区切られたスペースは、個体飼育領域95と称される。
家畜管理システム10Bは、個体飼育領域95の給餌場16に設けられる飼料測定部33をさらに備える。飼料測定部33は、給餌場16に供給された飼料の質量を測定し、家畜管理装置50Bに出力することができるものであればよい。この例では、各飼料測定部33は、ネットワーク40を介して家畜管理装置50Bに接続される。
実施の形態3の家畜管理装置50Bは、家畜個体情報記憶部65と、摂取基準量情報記憶部66と、飼料摂取量記憶部67と、をさらに備える。
家畜個体情報記憶部65は、飼育領域90で飼育される家畜21それぞれの個体に関する情報である家畜個体情報を記憶する。家畜個体情報は、家畜21が収容される個体飼育領域95を識別する個体飼育領域識別情報と、家畜21の年齢および体重と、を対応付けた情報である。家畜個体情報は、性別など飼料摂取量に影響を与え得る他の情報を含んでいてもよい。
摂取基準量情報記憶部66は、家畜21の年齢および体重の組み合わせに対して、家畜21の体温情報である体表面温度と基準となる飼料摂取量との関係を示す摂取基準量情報を記憶する。摂取基準量情報において、ある体表面温度での基準となる飼料摂取量は、基準摂取量と称される。
飼料摂取量記憶部67は、各個体飼育領域95における家畜21の飼料摂取量である飼料摂取量情報を記憶する。飼料摂取量情報は、個体飼育領域識別情報と飼料摂取量とを対応付けた情報である。
入力データ処理部51は、飼料供給時の飼料の質量と、予め定められた時間が経過後の飼料の質量と、を取得し、両者の差分を取ることによって、家畜21の飼料摂取量を算出する。予め定められた時間は、家畜21が飼料を摂取する時間の平均値とすることができる。また、入力データ処理部51は、算出した飼料摂取量に、個体飼育領域95の個体飼育領域識別情報を付して飼料摂取量記憶部67の飼料摂取量情報に登録する。
家畜状態算出部53は、熱画像から家畜21の位置情報と体温情報である体表面温度とを算出する。実施の形態3では、それぞれの家畜21が収容される個体飼育領域95は、1対1で対応しているので、家畜状態算出部53は、家畜21の位置情報から個体飼育領域識別情報を算出する。家畜状態算出部53は、家畜21の位置情報および体表面温度と、時刻と、個体飼育領域識別情報と、を家畜状態情報記憶部54の家畜状態情報に登録する。
異常個体判別部55は、家畜個体情報記憶部65の家畜個体情報から、判別する家畜21の個体飼育領域識別情報に対応する年齢および体重を取得し、取得した年齢および体重の組み合わせに対応する摂取基準量情報を、摂取基準量情報記憶部66から取得する。また、異常個体判別部55は、判別する家畜21についての体表面温度を家畜状態情報記憶部54から取得し、飼料摂取量を飼料摂取量記憶部67から取得する。そして、異常個体判別部55は、取得した飼料摂取量が、体表面温度から想定される基準摂取量と比較して予め定められた割合よりも離れているか否かを判定する。飼料摂取量が基準摂取量と比較して予め定められた割合よりも離れていない場合には、異常個体判別部55は、判別した家畜21は正常個体であると判別する。また、飼料摂取量が基準摂取量と比較して予め定められた割合よりも離れている場合には、判別した家畜21は異常個体であると判別する。
図11は、実施の形態3による家畜管理システムの構成の他の例を模式的に示す図である。なお、実施の形態1の図1および実施の形態3の図10と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略し、図1および図10と異なる部分について説明する。この家畜管理システム10Cでは、図10と比較して、家畜管理装置50Cの構成が異なる。家畜管理装置50Cは、図10の家畜管理装置50Bと比較して、飼料管理部68と、飼料購入量予測部69と、をさらに備える。
飼料管理部68は、各個体飼育領域95に収容される家畜21の年齢および体重から、家畜21の年齢および体重の組み合わせに対応する摂取基準量情報を取得する。飼料管理部68は、摂取基準量情報から家畜状態算出部53によって算出された体表面温度に対応する基準摂取量を推測する。管理農家は、推測した基準摂取量の飼料を個体飼育領域95の給餌場16に供給する。これによって、家畜21の体表面温度と飼料摂取量との関係に応じた体調管理を実施することができる。また、このとき、家畜21が飼料を残した場合には、飼料測定部33によって測定されるので、残した飼料の量に基づいて、異常個体判別部55が、異常個体であるか否かを判別することができる。
飼料購入量予測部69は、各個体飼育領域95に収容される家畜21の年齢、体重および家畜状態情報と、摂取基準量情報と、から1日などの単位期間あたりの飼料摂取量を推定し、飼料の購入量を予測する。管理農家は、予測された飼料の購入量に基づいて、飼料を購入する。
なお、実施の形態3では、実施の形態1の家畜管理システム10に、家畜21の体温情報の検出値と飼料摂取量の検出値とに基づいて異常個体を判別する機能を設ける場合を示したが、実施の形態2の家畜管理システム10Aに、家畜21の体温情報の検出値と飼料摂取量の検出値とに基づいて異常個体を判別する機能を設けてもよい。
実施の形態3では、家畜21の体温情報と飼料摂取量との間に相関があることに着目して、熱画像から得られる家畜21の体温情報のときの、正常個体の家畜21が摂取する飼料の量である基準摂取量と、飼料測定部33の測定結果から得られる実際の飼料摂取量と、を比較し、飼料摂取量が基準摂取量から予め定められた割合よりも離れている場合に、家畜21は異常個体であると判定する。これによっても、畜舎11での家畜21の健康管理を従来に比して容易に行うことができる。
また、家畜21の年齢、体重および家畜状態情報と、摂取基準量情報と、から単位時間当たりの飼料摂取量を推定することができるので、管理農家は、実際に必要となる飼料摂取量に近い量の飼料を購入することができる。その結果、飼料が足りなくなるなどの事態の発生を抑制することができる。
実施の形態4.
畜舎11の床面が濡れている場合には、家畜21の健康状態に悪影響を与える場合がある。そこで、実施の形態4では、飼育領域90の床面が濡れているか否かを判定し、濡れている場合に、乾燥させることができる家畜管理システムについて説明する。
図12は、実施の形態4による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図である。なお、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略し、実施の形態1と異なる部分について説明する。
実施の形態4による家畜管理システム10Dでは、家畜管理装置50Dが、床面判定部81をさらに備える。床面判定部81は、送風機32によって床面に向かって送風を開始した後の入力データ処理部51によって処理された時系列の熱画像を用いて、床面の温度の変化を観察することによって、床面が湿っているか否かを判定する。これは、濡れている箇所に風を当てると、気化熱によって温度が下がることを利用している。つまり、風を当てることによって、床面の温度が経時的に低下していく場合には、濡れていると判定し、床面の温度が経時的に低下していかない場合には、乾いていると判定する。
床面判定部81は、床面が濡れていると判定した場合には、床面が乾くまで送風機32による送風の継続を送風機制御部52に指示する。また、床面判定部81は、送風時の床面の温度の変化が予め定められた値よりも小さくなった場合に、床面が乾いたと判定し、送風機32による送風の停止を送風機制御部52に指示する。
なお、実施の形態4では、実施の形態1の家畜管理システム10に、床面判定部81を設ける場合を示したが、実施の形態2の家畜管理システム10Aまたは実施の形態3の家畜管理システム10B,10Cに床面判定部81を設けてもよい。
実施の形態4では、床面に向かって風を当て、その後の床面の温度の変化によって、床面が湿っているか否かを判定する。床面が湿っている場合には、床面が乾くまで送風を継続し、床面が乾いた場合には、送風を停止する。これによって、家畜21の健康状態に悪影響を与える床面が湿った状態を解消し、家畜21の健康面を改善することができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、異常個体の判別を機械学習により行う場合を説明する。
図13は、実施の形態5による家畜管理システムの構成の一例を模式的に示す図である。なお、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略し、実施の形態1と異なる部分について説明する。また、この例では、家畜状態算出部53は、家畜21の位置情報および体温情報を含む家畜状態情報を生成し、異常個体判別部55は、家畜21の位置情報と体温情報とを含む家畜状態情報を用いて家畜21の異常を検知する場合を例に挙げる。
実施の形態5による家畜管理システム10Eでは、家畜管理装置50Eは、学習装置61Eと、学習済モデル記憶部62Eと、推論装置63Eと、をさらに備える。
学習装置61Eは、家畜21の位置情報および体温情報の組み合わせから、異常個体情報を推論する学習済モデルを学習する。
学習済モデル記憶部62Eは、学習装置61Eで学習した学習済モデルを記憶する。
推論装置63Eは、学習済モデル記憶部62Eに記憶されている学習済モデルを利用して、入力される家畜21の位置情報および体温情報から、異常個体であるか否かの予測結果である異常個体予測結果を推論する。推論装置63Eは、推論結果を、異常個体判別部55に通知する。
以下に、学習装置61Eによる異常個体の判別を行う学習済モデルの学習と、推論装置63Eによる異常個体予測結果の推論と、について詳細に説明する。
まず、学習フェーズについて説明する。図14は、実施の形態5による家畜管理システムにおける学習装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。学習装置61Eは、データ取得部611Eと、モデル生成部612Eと、を備える。
データ取得部611Eは、家畜21の位置情報および家畜21の体温情報を学習用データとして取得する。家畜21の位置情報および体温情報は、一例では、異常個体情報の基となった家畜状態情報を監視することで取得することができる。
モデル生成部612Eは、データ取得部611Eから出力される家畜21の位置情報および体温情報の組み合わせに基づいて作成される学習用データに基づいて、異常個体予測結果を学習する。すなわち、家畜21の位置情報および体温情報から異常個体予測結果を推論する学習済モデルを生成する。ここで、学習用データは、家畜21の位置情報および体温情報を互いに関連付けたデータである。
モデル生成部612Eが用いる学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習または強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、教師なし学習であり、クラスタリングのアリゴリズムであるk平均法(k-means)を適用した場合について説明する。教師なし学習とは、結果であるラベルを含まない学習用データを学習装置61Eに与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習する手法をいう。
モデル生成部612Eは、例えば、k平均法によるグループ分け手法に従って、いわゆる教師なし学習により、異常個体情報を学習する。
k平均法とは、非階層型クラスタリングのアルゴリズムであり、クラスタの平均を用い、与えられたクラスタ数をk個に分類する手法である。
具体的に、k平均法は以下のような流れで処理される。まず、各データxiに対してランダムにクラスタを割り振る。次いで、割り振ったデータを基に各クラスタの中心Vjを計算する。次いで、各データxiと各クラスタの中心Vjとの距離を求め、各データxiを最も近い中心のクラスタに割り当て直す。そして、上記の処理で全てのデータxiのクラスタの割り当てが変化しなかった場合、あるいは変化量が事前に設定した一定の閾値を下回った場合に、収束したと判断して処理を終了する。
実施の形態5においては、データ取得部611Eによって取得される家畜21の位置情報および体温情報の組み合わせに基づいて作成される学習用データに従って、いわゆる教師なし学習により、異常個体情報を学習する。
モデル生成部612Eは、以上のような学習を実行することで学習済モデルを生成し、出力する。
学習済モデル記憶部62Eは、モデル生成部612Eから出力された学習済モデルを記憶する。
次に、学習装置61Eが学習する処理について説明する。図15は、実施の形態5による家畜管理システムの学習装置における学習処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、データ取得部611Eは、家畜21の位置情報および体温情報を取得する(ステップS31)。なお、家畜21の位置情報および体温情報を同時に取得するものとしたが、家畜21の位置情報および体温情報を関連づけて入力できればよく、家畜21の位置情報および体温情報のデータをそれぞれ別のタイミングで取得してもよい。
ついで、モデル生成部612Eは、データ取得部611Eによって取得される家畜21の位置情報および体温情報の組み合わせに基づいて作成される学習用データに従って、いわゆる教師なし学習により、異常個体予測結果を学習し、学習済モデルを生成する(ステップS32)。
その後、学習済モデル記憶部62Eは、モデル生成部612Eで生成された学習済モデルを記憶する(ステップS33)。以上によって、学習処理が終了する。
次に、活用フェーズについて説明する。図16は、実施の形態5による家畜管理システムにおける推論装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。推論装置63Eは、データ取得部631Eと、推論部632Eと、を備える。
データ取得部631Eは、家畜21の位置情報および体温情報を取得する。この家畜21の位置情報および体温情報は、家畜21が異常個体であるか否かを判定する対象となる情報であり、一例では、家畜状態算出部53から取得される。
推論部632Eは、学習済モデル記憶部62Eに記憶された学習済モデルを利用して異常個体予測結果を推論する。すなわち、推論部632Eは、学習済モデルにデータ取得部631Eで取得した家畜21の位置情報および体温情報を入力することで、家畜21の位置情報および体温情報がいずれのクラスタに属するかを推論し、推論結果を異常個体予測結果として出力することができる。
なお、実施の形態5では、家畜管理システム10Eのモデル生成部612Eで学習した学習済モデルを用いて異常個体予測結果を出力するものとして説明したが、家畜管理システム10Eではない他の家畜管理システム等の外部から学習済モデルを取得し、この学習済モデルに基づいて異常個体情報を出力するようにしてもよい。
このようにして、推論部632Eは家畜21の位置情報および体温情報に基づいて得られた出力である異常個体予測結果を家畜管理システム10Eの図示しない入出力部に対して出力する。なお、入出力部の一例は、ディスプレイまたは警報装置等である。あるいは、推論部632Eは、異常個体予測結果を異常個体判別部55に出力する。
図17は、実施の形態5による家畜管理システムの推論装置における推論処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、データ取得部631Eは、家畜21の位置情報および体温情報を取得する(ステップS51)。ついで、推論部632Eは、学習済モデル記憶部62Eに記憶された学習済モデルに、取得した家畜21の位置情報および体温情報を入力し、出力される異常個体予測結果を得る(ステップS52)。
その後、推論部632は、学習済モデルにより得られた異常個体予測結果を家畜管理システム10Eに出力する。一例では、推論部632は、家畜管理装置50Eの異常個体判別部55に、学習済モデルにより得られた異常個体予測結果を出力する(ステップS53)。そして、家畜管理システム10Eの入出力部は、推論装置63Eの推論部632Eから出力された異常個体予測結果を用いて、異常個体を判別する。ここでは、家畜管理装置50Eの異常個体判別部55は、出力された異常個体予測結果を用いて、異常個体を判別し(ステップS54)、通知部56は、管理農家のユーザ端末70に異常個体予測結果に基づいた異常個体情報を通知する(ステップS55)。以上によって、処理が終了する。このように、畜舎11での家畜21の健康管理を容易に行う家畜管理システム10Eを提供することができる。
なお、実施の形態5では、モデル生成部612Eおよび推論部632Eが用いる学習アルゴリズムに教師なし学習を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、教師なし学習以外にも、強化学習、教師あり学習、または半教師あり学習等を適用することも可能である。
また、学習装置61Eに用いられる学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する、深層学習(Deep Learning)を用いることもでき、他の公知の方法でもよい。
実施の形態5における教師なし学習を実現する場合、上記のようなk平均法による非階層型クラスタリングに限らず、クラスタリング可能な他の公知の方法であればよい。例えば、最短距離法等の階層型クラスタリングであってもよい。
実施の形態5において、学習装置61E、学習済モデル記憶部62Eおよび推論装置63Eは、家畜管理装置50Eに設けられる場合、すなわち家畜管理装置50Eに内蔵される場合を示したが、実施の形態がこれに限定されるものではない。例えば、学習装置61E、学習済モデル記憶部62Eおよび推論装置63Eは、ネットワーク40を介して家畜管理装置50Eに接続され、この家畜管理装置50Eとは別個の装置であってもよい。また、学習装置61Eおよび推論装置63Eは、クラウドサーバ上に存在していてもよい。
また、モデル生成部612Eは、複数の家畜管理装置50Eに対して作成される学習用データに従って、異常個体情報を学習するようにしてもよい。なお、モデル生成部612Eは、同一のエリアで使用される複数の家畜管理装置50Eから学習用データを取得してもよいし、異なるエリアで独立して動作する複数の家畜管理装置50Eから収集される学習用データを利用して異常個体情報を学習してもよい。また、学習用データを収集する家畜管理装置50Eを途中で対象に追加したり、対象から除去したりすることも可能である。さらに、ある家畜管理システム10Eに関して異常個体情報を学習した学習装置61Eを、これとは別の家畜管理システムに適用し、当該別の家畜管理システムに関して異常個体情報を再学習して更新するようにしてもよい。
なお、上記した説明では、家畜21の位置情報および体温情報から異常個体予測結果を推論する学習済モデルを生成する場合を示したが、家畜21の位置情報および体温情報と、送風機32の制御データと、から異常個体予測結果を推論する学習モデルを生成してもよい。
さらに、上記した説明では、実施の形態1の家畜管理システム10において異常個体の判別を機械学習により行う場合を説明したが、実施の形態3の家畜管理システム10B,10Cまたは実施の形態4の家畜管理システム10Dにおいて異常個体の判別を機械学習により行うようにしてもよい。
実施の形態5では、学習装置61Eは、家畜21の位置情報および体温情報をセットにして学習し、異常個体の発生の有無を推論する学習済モデルを生成する。推論装置63Eは、家畜21の位置情報および体温情報が入力されると、学習済モデルを用いて異常個体が発生したか否かを示す異常個体予測結果を推論し、異常個体予測結果を異常個体判別部55に出力する。異常個体判別部55は、異常個体予測結果に基づいて異常個体情報を生成し、通知部56は、異常個体情報を管理農家に通知する。これによって、家畜管理装置50Eは、より精度の高い異常個体の判別を行うことができる。
実施の形態6.
実施の形態1から5の家畜管理システム10,10A,10B,10C,10D,10Eでは、位置情報または体温情報に基づいて異常個体の有無を監視する対象を家畜21としていた。しかし、家畜21だけではなく人についても、位置情報または体温情報に基づく判定によって、伝染病への罹患等の体調不良を検知することは可能である。そこで、実施の形態6では、実施の形態1から5の家畜管理システム10,10A,10B,10C,10D,10Eを、人を含む生体の見守りを行う場合に適用した生体見守りシステムについて説明する。
図18は、実施の形態6による生体見守りシステムの構成の一例を模式的に示す図である。生体見守りシステム200は、一例では、監視対象の生体である居住者221が居住して活動する活動領域である居住領域210に導入される。居住領域210の一例は、高齢者介護施設などの見守り付き生活空間である。ここでは、居住領域210が高齢者介護施設である場合を例に挙げる。図18の例では、居住領域210は、食堂211と、複数の居室212と、を有する。食堂211には、複数の机235が設けられる。
生体見守りシステム200は、赤外線センサ231と、空調機232と、生体見守り装置250と、ユーザ端末70と、を備える。赤外線センサ231および空調機232と、生体見守り装置250と、ユーザ端末70と、の間は、ネットワーク40を介して接続され、互いに通信可能である。赤外線センサ231と生体見守り装置250との間、および空調機232と生体見守り装置250との間で、ネットワーク40を介してデータの授受を行うことができる。
赤外線センサ231は、居住領域210の食堂211および各居室212に設置され、食堂211および各居室212の温度を検知する。具体的には、赤外線センサ231は、食堂211および各居室212内に存在する物体の温度を検知し、検知結果を生体見守り装置250に送信する。赤外線センサ231は、食堂211および各居室212の天井または壁に設置される。赤外線センサ231は、食堂211および各居室212の予め定められた領域をスキャンして、スキャンした領域である食堂211および各居室212に存在する物体の温度を測定し、測定結果を生体見守り装置250に出力する。赤外線センサ231は、実施の形態1から5に示した赤外線センサ31と同様の構成を有するので、その説明を省略する。
空調機232は、食堂211および各居室212に設置され、食堂211内および各居室212内の空気調和を行う機器である。図18の例では、空調機232は、壁に設置される例が示されているが、天井に設置されていてもよい。
生体見守り装置250は、赤外線センサ231からの検知結果であるデータを処理して、居住領域210内における生体の位置情報および体温情報を取得し、健康状態に異常があると思われる個体が存在するかを判別し、異常があると思われる個体が存在する場合に、ユーザである見守り者が所持するユーザ端末70に通知する。生体見守り装置250は、一例では、サーバなどの情報処理装置によって構成される。
生体見守り装置250は、入力データ処理部251と、空調機制御部252と、生体状態算出部253と、生体状態情報記憶部254と、異常個体判別部255と、通知部256と、学習装置261Eと、学習済モデル記憶部262Eと、推論装置263Eと、を備える。
入力データ処理部251は、実施の形態1から5の入力データ処理部51に対応する。ただし、実施の形態6では、入力データ処理部251は、検知した居住領域210、具体的には食堂211および各居室212における温度の分布を示す情報である熱画像を生成する。赤外線センサ231でスキャンされるエリアは、食堂211および各居室212と対応している。つまり、赤外線センサ231から得られる熱画像上の位置は、撮像した食堂211内および各居室212内の位置と対応付けることができる。
空調機制御部252は、食堂211内および各居室212内の空調機232の動作を制御する。空調機制御部252は、冷房、暖房、ドライおよび送風の運転の種別、温度、風量、風向等を制御する。
生体状態算出部253は、実施の形態1から5の家畜状態算出部53に対応する。ただし、生体状態算出部253は、入力データ処理部251によって生成された居住領域210の熱画像から食堂211および各居室212に存在する生体の位置情報を算出する。生体状態算出部253は、算出した生体の位置情報および体温情報を含む生体見守りデータを生成し、生体見守りデータを時刻と関連付けた生体状態情報として生体状態情報記憶部254に登録する。
生体状態情報記憶部254は、実施の形態1から5の家畜状態情報記憶部54に対応し、生体状態情報を記憶する。実施の形態6の例では、生体状態情報は、時刻と、居住領域210における生体の位置情報および体温情報と、を対応付けた情報である。
異常個体判別部255は、実施の形態1から5の異常個体判別部55に対応する。ただし、実施の形態6では、異常個体判別部255は、生体状態情報に基づいて、居住領域210内に正常な生体とは異なる行動をする生体である異常個体が存在するかを判別する。異常個体判別部255は、他の個体と異なる行動パターンを取る個体を異常個体であると判別する。異常個体判別部255は、ある特定の時刻における生体の位置情報および体温情報を用いて、他の個体と異なる行動パターンを取る個体を異常個体と判別してもよいし、時系列の生体の位置情報および体温情報を用いて、他の個体と異なる行動パターンを取る個体を異常個体と判別してもよい。そして、異常個体判別部255は、異常個体が存在する場合に、異常個体が存在することを示す異常個体情報を生成する。異常個体情報は、一例では、居住領域210を識別する情報と、異常個体の位置情報と、を含む。居住領域210を識別する情報は、居住領域210内の居室212を識別する情報を含んでいてもよい。
以下に、異常個体判別部255による異常個体を判別する方法の一例を示す。図18には、喫食時ではないとき、すなわち通常時における居住領域210内の居住者221の様子の一例が示されている。図18に示されるように、通常時には、居住者221は、各居室212で生活する。そして、食堂211には、居住者221は存在しない。
図19は、異常個体が存在しない場合の喫食時における居住領域の様子の一例を示す図である。図19に示されるように、喫食時になると、各居室212の居住者221は、食堂211に移動して、机235で喫食する。居住者221がすべて正常個体である場合には、喫食時に、居住者221は食堂211に集まり、各居室212内は無人状態となる。このように、現在時刻と、時刻毎の居住者221の位置と、を解析することにより、個体の正常性を分析することができる。
図20は、異常個体が存在する場合の喫食時における居住領域の様子の一例を示す図である。図20では、喫食時に、食堂211に集まる居住者221と、食堂211には移動せずに居室212にとどまる居住者221と、が存在している。体調不良等の異常状態にある居住者221は、喫食時にも食堂211に移動できず、居室212で休息する場合がある。そのため、実施の形態6では、喫食時に食堂211に集まる居住者221は、健康状態が正常であり、正常個体221Aであると判断される。また、喫食時に食堂211に移動せず居室212にとどまる居住者221は、健康状態が異常であり、異常個体221Bであると判断される。正常個体221Aは、健康状態が正常な居住者221であり、異常個体221Bは、健康状態が正常でない居住者221である。
そこで、異常個体判別部255は、通常時および喫食時における生体状態情報を用いて、喫食時に食堂211に移動しなかった個体、すなわち喫食時にも居室212にとどまる個体が存在する場合に、この個体を異常個体221Bとして判別する。このように、異常個体判別部255は、正常個体221Aとは異なる行動を起こしやすい状況における生体状態情報を用いて、他の個体と異なる行動パターンを取る個体が存在するか否かによって異常個体221Bの有無を判別する。異常個体221Bと判別された居室212を異常個体情報の居住領域210を識別する情報に含めてもよい。
図18に戻り、通知部256は、実施の形態1から5の通知部56に対応する。通知部256は、異常個体判別部255によって異常個体情報が生成されるとユーザが所持するユーザ端末70に異常個体情報を通知する。ユーザの一例は、居住領域210内における居住者221の見守りを行う見守り者である。
学習装置261Eは、実施の形態5の学習装置61Eに対応し、居住者221の位置情報および体温情報の組み合わせから、異常個体情報を推論する学習済モデルを学習する。つまり、学習装置261Eは、居住領域210内の居住者221のうち正常な行動の正常個体221Aとは異なる行動をする異常個体221Bを学習する。
学習装置261Eは、図14に示される構成と同様の構成を有する。すなわち、学習装置261Eは、データ取得部と、モデル生成部と、を有する。データ取得部は、赤外線センサ231からの検知結果を用いて生成された活動領域である居住領域210の温度分布を示す情報に基づいて算出された異常個体221Bの位置情報および体温情報を含む学習用データを取得する。モデル生成部は、学習用データを用いて、異常個体221Bの位置情報および体温情報を入力とし、異常個体221Bの位置情報および体温情報から、居住領域210に異常個体221Bが存在することを示す出力である異常個体情報を推論するための学習済モデルを生成する。
なお、図18の例では、生体見守り装置250が学習装置261Eを含む構成としたが、学習装置261Eが生体見守り装置250の外部に存在する構成としてもよい。すなわち、学習装置261Eは、例えば、ネットワーク40を介して生体見守り装置250に接続された機械学習装置で実現される構成であってもよい。この場合、学習装置261Eはクラウドサーバ上に存在していてもよい。
学習済モデル記憶部262Eは、実施の形態5の学習済モデル記憶部62Eに対応し、学習装置261Eで学習した学習済モデルを記憶する。学習済モデルは、居住者221のうち正常個体221Aとは異なる行動をする異常個体221Bの位置情報および体温情報から居住領域210に異常個体221Bが存在することを示す異常個体情報を推論するためのモデルである。
推論装置263Eは、実施の形態5の推論装置63Eに対応し、居住領域210内の居住者221のうち正常個体221Aとは異なる行動をする異常個体221Bを推論する。具体的には、推論装置263Eは、学習済モデル記憶部262Eに記憶されている学習済モデルを利用して、入力される居住者221の位置情報および体温情報から、異常個体221Bであるか否かの予測結果である異常個体予測結果を推論する。推論装置263Eは、推論結果を、異常個体判別部255に通知する。
推論装置263Eは、図16に示される構成と同様の構成を有する。すなわち、推論装置263Eは、データ取得部と、推論部と、を有する。データ取得部は、居住領域210である食堂211および各居室212に設けられた赤外線センサ231からの検知結果を用いて生成された居住領域210の温度分布を示す情報に基づいて算出された居住領域210内における居住者221の位置情報および体温情報を含むデータを取得する。推論部は、学習済モデル記憶部262Eの学習済モデルを用いて、データ取得部で取得した居住者221の位置情報および体温情報から異常個体情報の予測結果である異常個体予測結果を出力する。
ユーザ端末70は、ネットワーク40を介して、生体見守り装置250と接続され、データの授受を行うことができる情報処理装置であり、実施の形態1から5のユーザ端末70に対応する。ユーザ端末70は、この例では、見守り者が保持する。
生体見守りシステム200における生体見守り方法は、実施の形態1から5で説明した家畜管理方法と同様であるので、その説明を省略する。また、学習装置261Eにおける学習方法および推論装置263Eによる推論方法は、実施の形態5で説明したものと同様であるので、その説明も省略する。
なお、見守り者等のユーザが、ユーザ端末70に通知された結果に基づき実際の居住者221の体調を確認し、確認した状態を生体見守りシステム200に入力してもよい。これによって、学習装置261Eで、教師データ付き強化学習を実施することができる。また、学習装置261Eによって学習された学習済モデルを用いた異常個体予測結果の精度を向上させることができる。
このように、実施の形態6にかかる生体見守りシステム200は、機械学習によって、体調不良等の異常な状態である異常個体221Bを推論するための学習モデルを生成しておき、学習モデルと赤外線センサ231で取得されるデータとに基づいて、活動領域に存在する生体における異常個体221Bの有無を推論することができる。
また、生体見守りシステム200は、異常個体予測結果を、例えば高齢者介護施設などの見守り者等のユーザのユーザ端末70等に通知することで、見守り者は居住者221の異常を容易に検知することができ、異常状態を示す居住者221に対して適切な介護サービスを迅速に提供することができる。
つぎに、家畜管理装置50,50A,50B,50C,50D,50Eおよび生体見守り装置250を実現するハードウェアの構成について説明する。図21は、実施の形態1から5による家畜管理システムの家畜管理装置および実施の形態6による生体見守りシステムの生体見守り装置を実現するハードウェア構成の一例を模式的に示す図である。家畜管理装置50,50A,50B,50C,50D,50Eおよび生体見守り装置250は、図21に示される処理回路100で実現可能である。
処理回路100は、プロセッサ101、メモリ102、入力回路103および出力回路104を有する。プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD(Digital Versatile Disc)等である。
家畜管理装置50,50A,50B,50C,50D,50Eおよび生体見守り装置250は、対応するプログラムをメモリ102から読み出してプロセッサ101が実行することにより実現できる。入力回路103は、プロセッサ101が処理する情報、メモリ102が記憶する情報などを外部から受け取る際に使用される。出力回路104は、プロセッサ101が生成した情報、メモリ102が記憶している情報を外部へ出力する際に使用される。
家畜管理装置50,50A,50B,50C,50D,50Eは、1台の装置で複数の畜舎11を管理してもよい。このとき、複数の畜舎11のデータと学習済モデルとを共有することで、学習精度を向上させることができる。また、家畜管理システム10A,10Eの新規導入時であっても学習済モデルを利用することができるので、農家が家畜管理システム10A,10Eを導入しやすくなる。また、生体見守り装置250は、1台の装置で複数の活動領域を管理してもよい。このとき、複数の活動領域のデータと学習済モデルとを共有することで、学習精度を向上させることができる。また、生体見守りシステム200の新規導入時であっても学習済モデルを利用することができるので、一例では高齢者介護施設の見守り者が生体見守りシステム200を導入しやすくなる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10,10A,10B,10C,10D,10E 家畜管理システム、11 畜舎、12 床、13 側壁、14 天井、15 柵、16 給餌場、17 仕切柵、21 家畜、21A,221A 正常個体、21B 個体、31,231 赤外線センサ、32 送風機、33 飼料測定部、40 ネットワーク、50,50A,50B,50C,50D,50E 家畜管理装置、51,251 入力データ処理部、52 送風機制御部、53 家畜状態算出部、54 家畜状態情報記憶部、55,255 異常個体判別部、56,256 通知部、57 異常個体結果登録部、58 異常個体結果情報記憶部、61,61E,261E 学習装置、62,62E,262E 学習済モデル記憶部、63,63E,263E 推論装置、65 家畜個体情報記憶部、66 摂取基準量情報記憶部、67 飼料摂取量記憶部、68 飼料管理部、69 飼料購入量予測部、70,70A ユーザ端末、71 通信部、72 出力部、73 入力部、81 床面判定部、90 飼育領域、95 個体飼育領域、200 生体見守りシステム、210 居住領域、211 食堂、212 居室、221 居住者、221B 異常個体、232 空調機、235 机、250 生体見守り装置、252 空調機制御部、253 生体状態算出部、254 生体状態情報記憶部、311 検知部、312 保持部、611,611E,631,631E データ取得部、612,612E モデル生成部、621 学習済モデル、632,632E 推論部。

Claims (13)

  1. 家畜が飼育される飼育領域を有する畜舎における前記家畜の行動から前記家畜の状態を管理する家畜管理装置と、前記畜舎に設けられ、前記飼育領域の温度を検知し、前記家畜管理装置に検知結果を送信する赤外線センサと、がネットワークを介して接続される家畜管理システムであって、
    前記畜舎に設置され、前記飼育領域に送風可能な送風機を備え、
    前記家畜管理装置は、
    前記赤外線センサからの前記検知結果を用いて生成された前記飼育領域の温度分布を示す情報に基づいて算出した前記飼育領域内における前記家畜の位置情報と、前記赤外線センサから前記検知結果を取得した時刻と、を含む家畜状態情報を生成する家畜状態算出部と、
    前記家畜状態情報の前記家畜の前記位置情報に基づいて、前記家畜のうち正常な行動の正常個体とは異なる行動をする異常個体を判別する異常個体判別部と、
    前記異常個体が存在する場合に、前記畜舎に前記異常個体が存在することを示す異常個体情報をユーザに通知する通知部と、
    前記ネットワークを介して前記送風機の動作を制御する送風機制御部と、
    を備え、
    前記家畜状態情報は、前記送風機の制御データをさらに含み、
    前記異常個体判別部は、前記家畜状態情報を参照して、前記送風機を動作させた後の前記家畜の前記位置情報の関係に基づいて前記異常個体を判別することを特徴とする家畜管理システム。
  2. 家畜が飼育される飼育領域を有する畜舎における前記家畜の行動から前記家畜の状態を管理する家畜管理装置と、前記畜舎に設けられ、前記飼育領域の温度を検知し、前記家畜管理装置に検知結果を送信する赤外線センサと、がネットワークを介して接続される家畜管理システムであって、
    前記家畜の飼料を測定し、前記ネットワークを介して前記家畜管理装置に測定結果を送信する飼料測定部を備え、
    前記家畜管理装置は、
    前記赤外線センサからの前記検知結果を用いて生成された前記飼育領域の温度分布を示す情報に基づいて算出した前記飼育領域内における前記家畜の位置情報と、前記赤外線センサから前記検知結果を取得した時刻と、を含む家畜状態情報を生成する家畜状態算出部と、
    前記家畜状態情報の前記家畜の前記位置情報に基づいて、前記家畜のうち正常な行動の正常個体とは異なる行動をする異常個体を判別する異常個体判別部と、
    前記異常個体が存在する場合に、前記畜舎に前記異常個体が存在することを示す異常個体情報をユーザに通知する通知部と、
    を備え、
    前記異常個体判別部は、前記飼料測定部からの前記測定結果に基づいて算出される前記家畜の飼料摂取量、前記家畜の年齢および体重と、前記家畜状態情報と、を対応させて分析することによって、前記異常個体を判別することを特徴とする家畜管理システム。
  3. 家畜が飼育される飼育領域を有する畜舎における前記家畜の行動から前記家畜の状態を管理する家畜管理装置と、前記畜舎に設けられ、前記飼育領域の温度を検知し、前記家畜管理装置に検知結果を送信する赤外線センサと、がネットワークを介して接続される家畜管理システムであって、
    前記家畜管理装置は、
    前記赤外線センサからの前記検知結果を用いて生成された前記飼育領域の温度分布を示す情報に基づいて算出した前記飼育領域内における前記家畜の位置情報と、前記赤外線センサから前記検知結果を取得した時刻と、を含む家畜状態情報を生成する家畜状態算出部と、
    前記家畜状態情報の前記家畜の前記位置情報に基づいて、前記家畜のうち正常な行動の正常個体とは異なる行動をする異常個体を判別する異常個体判別部と、
    前記異常個体が存在する場合に、前記畜舎に前記異常個体が存在することを示す異常個体情報をユーザに通知する通知部と、
    前記家畜の年齢、体重および前記家畜状態情報と、前記年齢および前記体重に対応する前記家畜の基準となる飼料摂取量と、に基づいて、単位期間あたりの前記家畜の飼料摂取量を推定して、飼料の購入量を予測する飼料購入量予測部と、
    を備えることを特徴とする家畜管理システム。
  4. 家畜が飼育される飼育領域を有する畜舎における前記家畜の行動から前記家畜の状態を管理する家畜管理装置と、前記畜舎に設けられ、前記飼育領域の温度を検知し、前記家畜管理装置に検知結果を送信する赤外線センサと、がネットワークを介して接続される家畜管理システムであって、
    前記ネットワークを介して前記家畜管理装置に接続され、前記畜舎を管理する管理農家が所持するユーザ端末を備え、
    前記家畜管理装置は、
    前記赤外線センサからの前記検知結果を用いて生成された前記飼育領域の温度分布を示す情報に基づいて算出した前記飼育領域内における前記家畜の位置情報と、前記赤外線センサから前記検知結果を取得した時刻と、を含む家畜状態情報を生成する家畜状態算出部と、
    前記家畜状態情報の前記家畜の前記位置情報に基づいて、前記家畜のうち正常な行動の正常個体とは異なる行動をする異常個体を判別する異常個体判別部と、
    前記異常個体が存在する場合に、前記畜舎に前記異常個体が存在することを示す異常個体情報をユーザ端末に通知する通知部と、
    を備え、
    前記ユーザ端末は、前記異常個体情報に対する返信であり、前記異常個体情報が通知された前記異常個体の実際の状態を示す異常状態種類を含む異常個体返信情報を前記家畜管理装置に送信する通信部を備え、
    前記家畜管理装置は、
    前記異常状態種類を前記異常個体情報と関連付けた異常個体結果情報を記憶する異常個体結果情報記憶部と、
    前記異常個体返信情報に含まれる前記異常状態種類を、前記異常個体返信情報に対応する前記異常個体結果情報に対応付けて前記異常個体結果情報に登録する異常個体結果登録部と、
    をさらに有することを特徴とする家畜管理システム。
  5. 前記家畜状態情報は、前記赤外線センサから算出した前記家畜の体温情報をさらに含み、
    前記異常個体判別部は、前記家畜状態情報の前記家畜の前記位置情報および前記体温情報を用いて、前記異常個体を判別することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の家畜管理システム。
  6. 前記ネットワークを介して前記家畜管理装置に接続され、前記畜舎を管理する管理農家が所持するユーザ端末をさらに備え、
    前記家畜管理装置の前記通知部は、前記異常個体情報を前記ユーザ端末に通知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の家畜管理システム。
  7. 前記家畜管理装置は、前記家畜状態情報を記憶する家畜状態情報記憶部をさらに備え、
    前記異常個体判別部は、判別を行う前記家畜状態情報を、判別を行う前記家畜状態情報の時刻と同じ過去の時刻における平均的な前記家畜状態情報と比較することによって、前記異常個体を判別することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の家畜管理システム。
  8. 前記家畜管理装置は、前記赤外線センサからの前記検知結果を用いて生成された前記飼育領域の温度分布を示す情報に基づいて、前記飼育領域の床面の温度が経時的に低下しているか否かによって前記床面が濡れているかを判定する床面判定部をさらに備え、
    前記送風機制御部は、前記飼育領域の床面に送風するように前記送風機を制御し、
    前記床面判定部は、前記床面が濡れていると判定している間は、前記飼育領域の床面への送風を継続するように前記送風機制御部に指示することを特徴とする請求項1に記載の家畜管理システム。
  9. 前記家畜状態情報は、前記飼育領域内における前記家畜の前記位置情報および体温情報と、前記時刻とを含み、
    前記異常個体判別部は、前記位置情報に基づく前記家畜の行動と、前記家畜の前記体温情報と、を用いて、前記異常個体を判別することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の家畜管理システム。
  10. 前記異常個体の前記位置情報および前記体温情報を含む学習用データを取得するデータ取得部と、
    前記学習用データを用いて、前記異常個体の前記位置情報および前記体温情報を入力とし、前記異常個体の前記位置情報および前記体温情報から、出力である前記異常個体情報を推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部と、
    を有する学習装置をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の家畜管理システム。
  11. 前記家畜の前記位置情報および前記体温情報を取得するデータ取得部と、
    前記異常個体の前記位置情報および前記体温情報から前記異常個体情報を推論するための学習済モデルを用いて、前記データ取得部で取得した前記家畜の位置情報および前記体温情報から前記異常個体情報の予測結果である異常個体予測結果を出力する推論部と、
    を有する推論装置をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の家畜管理システム。
  12. 家畜が飼育される畜舎の飼育領域に設けられる赤外線センサからの検知結果を用いて生成された前記飼育領域の温度分布を示す情報に基づいて算出された前記飼育領域内における前記家畜のうち正常な行動の正常個体とは異なる行動をする異常個体の位置情報および体温情報を含む学習用データを取得するデータ取得部と、
    前記学習用データを用いて、前記異常個体の前記位置情報および前記体温情報を入力とし、前記異常個体の前記位置情報および前記体温情報から、前記畜舎に前記異常個体が存在することを示す出力である異常個体情報を推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部と、
    を備え、
    前記学習用データは、前記飼育領域に送風可能な送風機の制御データをさらに含むことを特徴とすることを特徴とする学習装置。
  13. 家畜が飼育される畜舎の飼育領域に設けられる赤外線センサからの検知結果を用いて生成された前記飼育領域の温度分布を示す情報に基づいて算出された前記飼育領域内における前記家畜の位置情報および体温情報と、前記飼育領域に送風可能な送風機の制御データと、を取得するデータ取得部と、
    前記家畜のうち正常な行動の正常個体とは異なる行動をする異常個体の前記位置情報および前記体温情報と前記送風機の前記制御データとから前記畜舎に前記異常個体が存在することを示す異常個体情報を推論するための学習済モデルを用いて、前記データ取得部で取得した前記家畜の位置情報および前記体温情報と前記送風機の前記制御データとから前記異常個体情報の予測結果である異常個体予測結果を出力する推論部と、
    を備えることを特徴とする推論装置。
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