JP7454358B2 - 到着時間制約下で巡航垂直プロファイルを最適化するためのシステム及び方法 - Google Patents

到着時間制約下で巡航垂直プロファイルを最適化するためのシステム及び方法 Download PDF

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Description

本開示は、概して、航空機の巡航プロファイルを最適化するためのシステム及び方法に関する。航空機の巡航プロファイルは、巡航フェーズ中における計画飛行経路に沿った速度の変化を示す巡航速度プロファイル、及び、巡航フェーズ中における計画飛行経路に沿った高度の変化を示す巡航垂直プロファイルを含む。本開示は、特に、航空機の巡航垂直プロファイルを最適化するためのシステム及び方法に関する。
本明細書において、「航空機軌道」とは、航空機の四次元(第四次元として時間を含む)の飛行経路を意味する。航空機軌道は、以下のように分解することができる。すなわち、
(1)横経路。これは、飛行計画(ウェイポイントを繋げたもの)が飛行管理システム(flight management system: FMS)に既知となると、(多かれ少なかれ)飛行管理システムによって固定される。ウェイポイントにおけるコースの変更を伴う旋回半径は、速度及び高度に(多少は)依存するが、これらによって大きく変化しない。
(2)残りの距離の関数としての垂直プロファイルまたは高度。これは、垂直方向の制約、及び、マニュアル的又は自動的な巡航最適化によって巡航フェーズ中に導入されるステップに依存する。上昇及び降下における垂直プロファイルは、(多少は)スケジュール速度にも依存する。
(3)速度スケジュール。これは、軌道の各地点における対気速度を示す。速度スケジュールは、さらに縦経路、横経路、天候条件、ならびに、変化する重量や飛行モードを含む航空機のパフォーマンスに依存しうる。
天候条件も含めたこれらすべての結果が、要求到着時刻(required time-of-arrival: RTA)ウェイポイントまでの距離ごとの対地速度値となり、これらを総合することにより推定到着時刻(ETA)が得られる。
飛行管理システム(FMS)は、出発空港から目的地空港までの飛行計画を表すパイロット入力データを受け入れる。飛行計画は、水平飛行経路を構成する一連のウェイポイントを含んでいる。最初の巡航高度も、指定される。FMSは、通常、コスト(後に説明する燃料コストと時間コストとの組み合わせ)を最小限に抑えることができる、最適化された巡航垂直プロファイル(以下、「最適垂直プロファイル」と称する)を算出する。最適高度は、航空機の総重量、速度、風、及び、大気温度に依存する。ただし、航空機は、通常、航行分離を維持するため、許可された高度(すなわち法定高度)で飛行するように規制される。1つの法定高度から別の法定高度に変わることを、「ステップ上昇」又は「ステップ降下」という。航空分野におけるステップ上昇は、航空機の総重量が減少するにつれて密度の低い空気中に移動することによって燃費を改善する、一連の高度上昇である。一般的に、燃料が燃焼されて航空機の重量が減少するにつれて、最適巡航高度(飛行コストを最小限に抑える高度)は高くなる。長距離飛行の場合は、新たな巡航高度へのステップ上昇を開始する地点も、指定される。
飛行動作の計画速度スケジュールは、航空会社/乗務員によって選択された所望の巡航モードに基づいて、FMSによって決定される。代表的な巡航モードは、経済(ECON)モードであり、このモードでは、航空会社によって選択され、時間コストと燃料コストとの特定のトレードオフによって決定されたコストインデックス(CI)に基づいて、最も経済的な速度を求める。単位距離当たりの瞬間コストは、次のように表すことができる。
コスト(lb/NM)=(燃料流量(lb/hr)+100*CI)/対地速度(kts)
ここで、コストインデックスCIとは、その特定のフライトに関して航空会社が最適と判断した、運用コストと燃料コストとの比率である。コストインデックスは、通常、航空機が離陸する前に、パイロットによって、FMSのコントロールディスプレイユニット(CDU)を用いて、定数として設定される。他の巡航モードとして、長距離巡航(LRC)や、選択速度モード(SEL)がある。
速度計画モードと組み合わせて、いくつかの飛行管理システムは、巡航垂直プロファイル最適化機能(以下、「巡航最適化」と称する)も提供する。この機能は、巡航中に飛行条件が変化する、すなわち、高度や場所によって上空での好適な風や温度が変化したり、航空機の重量の減少に伴って最適な航空機パフォーマンスが変化したりするため、(上に列記したうちの有効な飛行モードに応じて)トリップコスト又はトリップ燃料を最小限に抑えることができる、その飛行条件に合ったステップ(上昇/降下)を計画する機能である。飛行管理コンピュータ(flight management computer:FMC)は、ステップ上昇又はステップ降下を開始するのに最適なダウンパス三次元位置(緯度、経度、高度)を決定することによって、巡航垂直プロファイルを最適化するようにプログラムされている。巡航最適化の一例を図1に示している。この例では、初期航空機重量600,000ポンド、CI=0、現実的な風における6000NMの巡航において、3つの上昇ステップが計画されており、結果として、この特定のフライトにおいて、少なくとも5000ポンドの燃料が節約される。
乗務員が、飛行計画にマニュアル的に巡航ステップを導入することもでき、この場合、当該機能は、最後のマニュアル的ステップ以降の追加のステップだけを計算する。巡航最適化は、飛行計画が地上で有効になった瞬間から巡航の終了まで有効であり、巡航フェーズの残りの期間について、最適垂直プロファイルを定期的に再計算する。
いくつかの飛行管理システムで利用可能な代替の速度計画モードとして、要求到着時刻(required time-of-arrival:RTA)機能があり、これは、ダウンパス・ウェイポイントにおける時間制約を達成するために、新たな速度プロファイルを決定するものである。航空交通管制(ATC)によって要求される、あるいは、航空会社のオペレーションセンターによって規定されるRTA制約を固守することを、フライトが要求されている場合は、常にこのモードが用いられる。いったんRTA機能が有効にされると、航空会社が希望する経済的な最適条件は無視され、飛行コストは増大することになる。
RTA速度モードは、巡航最適化と組み合わせることが可能である。しかしながら、そのような組み合わせでは、其々のモードが互いに干渉する。いくつかの飛行管理システムでは、RTA動作中に計画巡航速度が大幅に変化するにもかかわらず、最後の有効な最適化ステップ上昇プロファイルは固定され、さらなる巡航最適化は行われない。このような手法は、RTA速度プロファイルが変更される際に、最適ステップ位置が変動することを回避するために取られている。
いくつかの飛行管理システムは、RTAと巡航最適化とを、ほぼ別々の機能として扱い、FMSは、巡航最適化よりもRTA速度プロファイル生成を優先する。ある既知のFMSは、風、温度、及び重量変化を考慮した上で、一連の上昇ステップにおいて垂直プロファイルを最適化することを模索する。この機能は、RTAが有効になった際に巡航垂直プロファイルを変更することもでき、この場合、FMSは、最適のステップ上昇プロファイルに近似させようとするが、常に、RTA目標を優先する。いずれの場合も、この機能は、巡航最適化を、全体として行う(ステップ上昇による利益を、全軌道について評価する)のではなく、局所的に行う(ステップ上昇による利益を、次の250~500NMについてのみ評価する)。また、この機能は、垂直方向の自由度(例えば、計画された巡航垂直プロファイル)を、達成可能なRTAの解空間(solution space)/ウィンドウを広げるための手段と考えていない。
以下に詳述する主題は、要求到着時刻(RTA)制約と組み合わせて、コスト的に最適な巡航垂直プロファイルを計画して飛行するためのシステム及び方法に関する。当該方法は、飛行管理システム(FMS)内の単一の機能として実施することができる。FMSは、時間制約を守りつつ、飛行コスト(例えば燃料燃焼)を最小限に抑えるように最適化された巡航垂直プロファイル及び速度プロファイルを有する航空機軌道を計画する。状況によっては、この統合機能は、達成可能なRTAのウィンドウを広げてRTA成功率を向上させるために、巡航垂直プロファイルについて妥協する(degrade)こともできる。実際の飛行条件が予測飛行条件と異なる可能性があるので、当該方法では、さらに、計画軌道に沿った飛行の進行状況をモニタリングして、推定到着時刻がRTA制約から特定の閾値以上ずれる場合は、巡航速度プロファイルを再び適合化する。
本明細書に提示の方法は、より経済的な高度/速度の組み合わせで飛行することによってトリップ燃料を節約しつつ、時間制約を達成するために、FMSの巡航最適化機能とRTA機能とを統合する、しっかりした解決策を提供する。提示の方法は、垂直方向の自由度を利用して達成可能なRTAのウィンドウを広げ、RTAの成功率を向上させる。シミュレーションにより、典型的な巡航範囲の場合、RTA中に垂直プロファイルの最適化を継続しつつ、RTA動作の燃料コストを1%~10%下げることができることが実証された。
いくつかの実施形態によれば、巡航最適化機能とRTA機能とを、飛行管理コンピュータ(FMC)の内部構成の一部を構成する最適化モジュール内に統合することができる。本明細書に記載の機能ユニットのいくつかは、特にその実装の独立性を強調するために、モジュールと名付けている。例えば、モジュールは、集積回路又はゲートアレイ、論理チップなどの既製の半導体、トランジスタ、又はその他のディスクリート部品を含むハードウェア回路として実現することができる。また、モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック(programmable array logic)、プログラマブル論理デバイスなどのプログラム可能なハードウェアデバイスとして実現することもできる。また、モジュールは、各種のプロセッサで実行されるソフトウェアとして実現することもきる。コンピュータ可読プログラムコードの特定モジュール(identified module)は、例えば、コンピュータ命令の1つ又は複数の物理ブロック又は論理ブロックからなり、これらのコンピュータ命令は、例えば、オブジェクト、プロシージャ(procedure)、又は関数としてのまとまりである。ただし、特定モジュールの実行ファイルは、物理的に一緒に配置する必要はなく、別々の位置に保存された異種の命令を含んでもよい。これらの命令は、論理的に結合されてモジュールを構成し、そのモジュールの指定された目的を達成する。
RTA制約と組み合わせてコスト的に最適な巡航垂直プロファイルを計画し飛行するためのシステム及び方法の様々な実施形態を、以下に詳述するが、これらの実施形態のうちの1つ以上は、以下の側面のうちの1つ以上によって特徴付けることができる。
以下に詳述する主題の一側面は、巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるための方法であって、(a)ウェイポイントにおける要求到着時刻(RTA)を達成する速度スケジュールと、燃料効率を最適化する垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求める工程と、(b)前記巡航フェーズ中に前記最適軌道に沿って前記航空機を飛行させる工程と、を含み、工程(a)は、コンピュータによって実行される統合された機能であり、前記統合機能は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されている。工程(a)は、RTA速度モード及び巡航最適化の両方が有効であり、且つ、前記最適軌道の前記垂直プロファイルが前記燃料効率を大幅に改善するか、あるいは前記要求到着時刻が達成不可能である場合にのみ、行われる。
直前の段落に記載した方法のいくつかの実施形態によれば、工程(a)は、要求到着時刻を達成するための第1コストインデックス(CIRTA,est)を推定することと、前記第1コストインデックスに対する最適垂直プロファイルを求めることと、最大コストインデックス及び最小コストインデックスを用いて、前記最適垂直プロファイルの推定到着時刻ウィンドウを計算することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記第1コストインデックスに対する前記最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成する推定到着時刻を生み出す第2コストインデックス(CIRTA)を得ることと、前記第2コストインデックスに基づいて前記最適軌道を計算することと、を含む。
以下に詳述する主題の別の側面は、巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるためのシステムであって、前記システムは、以下の操作、すなわち、(a)ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を最適化する垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求める操作と、(b)前記巡航フェーズ中に前記最適軌道に沿って飛行するように前記航空機を制御する操作と、を行うように構成されたコンピュータシステムを含み、操作(a)は、前記第1コンピュータによって実行される統合された機能であり、前記統合機能は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されている。
以下に詳述する主題の別の側面は、巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるための方法であって、(a)最大コストインデックスに対する第1最適垂直プロファイルを求める工程と、(b)前記第1最適垂直プロファイルの第1推定到着時刻を計算する工程と、(c)最小コストインデックスに対する第2最適垂直プロファイルを求める工程と、(d)前記第2最適垂直プロファイルの第2推定到着時刻を計算する工程と、(e)要求到着時刻が、前記第1推定到着時刻及び前記第2推定到着時刻によって画定される推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定する工程と、(f)前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を改善する妥協(degraded)垂直プロファイルと、を含む、妥協最適軌道を求める工程と、(g)前記巡航フェーズ中に、前記妥協最適軌道に沿って前記航空機を飛行させる工程と、を含み、工程(f)は、コンピュータによって実行される統合された機能であり、前記統合機能は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されている。
直前の段落に記載した方法のいくつかの実施形態によれば、工程(f)は、最大コストインデックス又は最小コストインデックスに対する妥協最適垂直プロファイルを求めることと、最大コストインデックス及び最小コストインデックスを用いて、前記妥協最適垂直プロファイルの推定到着時刻ウィンドウを計算することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記第1コストインデックスに対する前記最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記妥協最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成するコストインデックス(CIRTA)を得ることと、前記コストインデックスに基づいて前記妥協最適軌道を計算することと、を含む。
以下に詳述する主題のさらに別の側面は、巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるためのシステムであって、前記システムは、以下の操作、すなわち、(a)最大コストインデックスに対する第1最適垂直プロファイルを求める操作と、(b)前記第1最適垂直プロファイルの第1推定到着時刻を計算する操作と、(c)最小コストインデックスに対する第2最適垂直プロファイルを求める操作と、(d)前記第2最適垂直プロファイルの第2推定到着時刻を計算する操作と、(e)要求到着時刻が、前記第1推定到着時刻及び前記第2推定到着時刻によって画定される推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定する操作と、(f)前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を改善する妥協最適垂直プロファイルと、を含む、妥協最適軌道を求める操作と、(g)前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、前記巡航フェーズ中に、前記妥協最適軌道に沿って飛行するように前記航空機を制御する操作と、を行うように構成されたコンピュータシステムを含み、前記コンピュータシステムは、操作(a)~(f)を行うように構成された第1コンピュータを含み、操作(f)は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されている統合された機能であり、前記第2コンピュータは、前記妥協最適垂直プロファイル及び前記第2コストインデックスに従って飛行するように、前記航空機を制御するよう構成されている。
RTA制約と組み合わせて、コスト的に最適な巡航垂直プロファイルを計画し飛行するためのシステム及び方法の他の態様を、以下に述べる。
上記セクションで説明した特徴、機能、及び利点は、様々な実施形態において個々に実現可能であるが、他の実施形態においては、個別に達成可能であり、また、他の実施形態との組み合わせも可能である。上述した態様及び他の態様を説明するために、様々な実施形態を、図面を参照しつつ以下に説明する。このセクションで簡単に説明する図は、いずれも、正確な縮尺率で描かれたものではない。
一連の上昇ステップにおいて最適化された巡航垂直プロファイルの一例における、高度対飛行距離を示すグラフである。 典型的な飛行管理システムの全体構造を示すブロック図である。 複数の制御システムを含む航空機の飛行制御構造を示す図である。 図4は、別々のページに示した図4A、図4B、図4Cの関係を示す図であり、図4A~図4Cは、併せて、本明細書に提示する統合されたFMC機能の起動後に、巡航最適化を取り入れたRTA軌道を最初に決定するためのアルゴリズムのロジックを示すフローチャートを形成している。 RTAウェイポイントにおける推定到着時刻‐対‐コストインデックスを示すグラフであり、このグラフを用いて、本明細書に開示の巡航最適化を行うための方法において、RTAコストインデックスの初期推定値を得ることができる。 図6は、別々のページに示した図6A、図6B、図6Cの関係を示す図である。図6A~図6Cは、併せて、本明細書に提示する統合されたFMC機能が有効である間、巡航最適化と併せてRTA軌道をモニタリングするためのアルゴリズムのロジックを示すフローチャートを形成している。 巡航垂直プロファイルのいくつかの例における、高度対飛行距離を示すグラフであり、これらの巡航垂直プロファイルの例は、当該方法によって、コストインデックスCI=ゼロ、すなわち、遅いETAを生み出す遅い軌道についての、代表的な航空機シミュレーションに基づいて構築されたものであり、最適巡航垂直プロファイル#1、2つの最適ではない巡航垂直プロファイル#2及び#3、ならびに、一定飛行高度巡航垂直プロファイル#4を含む。 最適巡航垂直プロファイル#1(図7Aに示す)に対する、シミュレーションされた巡航フェーズの終点での到着時刻の遅延(ΔTime、秒)を示すグラフである。 最適巡航垂直プロファイル#1(図7Aに示す)に対する、シミュレーションされた巡航フェーズの終点での燃料コストの増加(Δ燃料、ポンド)を示すグラフである。 第1ステップ上昇、第2ステップ上昇、及び第3ステップ上昇を含む最適巡航垂直プロファイル(図8A)、第1ステップ上昇及び第2ステップ上昇を有するが第3ステップ上昇は有しない巡航垂直プロファイル(図8B)、第1ステップ上昇のみを有する巡航垂直プロファイル(図8C)、及び、ステップ上昇を有しない一定高度巡航垂直プロファイル(図8D)を含む、例示的な巡航垂直プロファイルの其々における、高度対飛行距離を示すグラフである。 本明細書で提示した、RTA制約機能と共に巡航最適化機能を行うようにプログラムされた飛行管理コンピュータ内の様々なソフトウェアモジュールを表すブロック図である。
以下、図面を参照して説明する。同様の要素には、異なる図面においても、同じ参照数字を付している。
RTA制約と組み合わせて、コスト的に最適な巡航垂直プロファイルを計画し飛行するためのシステム及び方法の例示的な実施形態を、以下に詳述する。ただし、実際の実施態様の特徴の全てを、本明細書で説明するわけではない。当業者であればわかるように、このような実際の実施形態のいずれの開発においても、システム関連及びビジネス関連の制約の遵守などの開発者固有の目的を達成するために、その実施態様固有の多くの決定を行わなければならず、そのような決定は、実施態様によって異なる。また、このような開発努力は、複雑で時間がかかるかもしれないが、それでも本開示からの利益を享受する当業者にとっては、日常的な作業となるであろう。
航空機に搭載された飛行管理システム(FMS)は、さまざまな飛行中のタスクを自動化する専用のコンピュータシステムである。FMSの主要な機能は、飛行計画の飛行中の管理である。FMSは、航空機の位置を判定する様々なセンサ及びオートパイロットシステムを用いて、飛行計画に従って航空機を誘導することができる。典型的には、FMSは、飛行計画を構成する要素を含んだナビゲーションデータベースを含んでいる。FMSは、飛行計画及び航空機の位置を与えられると、取るべきコースを計算する。パイロットがマニュアル的にこのコースを取ることもできるし、このコースを取るようにオートパイロットを設定することもできる。
飛行計画は、航空機が取るべき縦軌道、横軌道、時間、及び、速度スケジュールを、其々の公差と共に含み、これにより、航空機を目的地に到着させることができる。飛行計画の計算は、航空機の特徴、乗務員によって提供されるデータ、及び、システムの環境に基づいて行われる。次に、FMSによって決定された軌道を航空機が維持できるように、位置特定機能と誘導機能とが協働する。取るべき軌道は、高度、速度、時間、モード、機首方向などの様々な飛行ポイント、及びその他のポイントと関連付けられた一連の「ウェイポイント」によって構成される。「ウェイポイント」という用語は、二次元、三次元又は四次元を用いて規定される、対象となる任意のポイントを包含する。軌道は、出発地点から到着地点までのウェイポイントの組を繋ぐ一連のセグメント又は曲線によって構成される。セグメント又は一連のセグメントは、1つ以上の経済的な制約(例えば、時間、燃料、及び/又は、コスト、もしくはこれらの組み合わせ)による制限を受ける。速度スケジュールは、航空機が飛行軌道に沿って飛行する際に、経時的に維持すべき速度及び速度モードを表す。
図2は、1つ以上の飛行管理コンピュータ12及び1つ以上コントロールディスプレイユニット14を含むタイプの、典型的な飛行管理システム10の全体構造を示すブロック図である。図2には、1つの飛行管理コンピュータ12(以下、「FMC12」という)、及び、1つのコントロールディスプレイユニット14(以下、「CDU14」という)のみを示している。CDUは、FMCとパイロットとの間の主要なインターフェイスである。
FMCソフトウェアは、例えば、其々の飛行機情報管理システムキャビネット内の其々のコアプロセッサにある。FMCソフトウェアは、例えば、以下のもの、すなわち、飛行管理機能、ナビゲーション機能18、推力管理機能20、及び、ベースラインパフォーマンスデータベース30(例えば、空力および推進データを含む航空/エンジンデータベース)を含む。飛行管理機能は、ガイダンス22、飛行計画24、データリンク26、パフォーマンス管理機能28、CDUインターフェイス、ベースラインパフォーマンスデータベース30に対するインターフェイス、及び、その他の機能を提供する。ナビゲーション機能は、センサ選択(内部、無線、衛星)、位置解決定、及び、その他の機能を提供する。ナビゲーション機能は、総称的に飛行機状態と称される、飛行機の位置、速度、航跡角およびその他の飛行機パラメータを計算して、飛行計画、誘導、及び表示などのFMC機能をサポートする。
飛行管理システム10は、航空データ及び慣性基準装置、ナビゲーションセンサ、エンジン及び燃料センサ、ならびにその他の飛行機システム(図2に図示せず)からの情報と、内部データベース及び乗務員入力データとを統合することにより、複数の機能を実行する。飛行管理コンピュータは、例えば、ナビゲーションデータベース(図2に示さず)及びベースラインパフォーマンスデータベース30を含む。
パフォーマンス管理機能28のために、飛行管理システム10は様々な内部アルゴリズムを有しており、これらのアルゴリズムは、ベースラインパフォーマンスデータベース30に保存された空力および推進パフォーマンスデータを用いて、予測される飛行プロファイル、及び、推定到着時刻や予測燃料消費量などの関連するトリップ予測パラメータを算出するものである。パフォーマンス管理機能28は、空力及び推進モデルならびに最適化アルゴリズムを用いて、選択されたパフォーマンスモードに対応するとともに航空交通管制によって課された飛行計画制約を満たす、総飛行レジーム(full flight regime)の垂直プロファイルを作成する。パフォーマンス管理機能28に対する入力は、燃料流量、総燃料、フラップ位置、エンジンのデータ及びリミット、高度、対気速度、マッハ数、気温、垂直速度、飛行経路に沿った進行の状況、およびCDU14からのパイロット入力を含む。出力は、マッハ数の目標値、飛行機の最適制御のための較正された対気速度と推力、及び、乗務員に対する助言データである。
エコノミー上昇、エコノミー巡航、及び、長距離巡航などの各種の飛行フェーズのための様々なパフォーマンスモードを、パイロットが、CDU14を用いて選択することができる。巡航飛行フェーズに対して、複数のパフォーマンスモードを指定することができる。デフォルトのモードは、速度が制限されるエコノミープロファイルである。エコノミープロファイルは、コストインデックス係数に従って、燃料コスト又は時間コストを最適化するように計算される。
空力モデル及び推進モデルを用いることにより、選択されたパフォーマンスモード用に最適化された垂直プロファイルを作成することができる。パフォーマンス管理機能28の自動制御にオートスロットル又はオートパイロットが関与しない場合、パイロットが、CDU14及びスピードテープ上の対気速度バグを参照することにより、マニュアル的に、最適化された速度スケジュールで飛行することができる。
ベースラインパフォーマンスデータベース30は、飛行機の空力モデルならびにエンジンのエンジンパフォーマンスモデル及び推力定格モデルに関する、事前に保存されたデータを含む。ベースラインパフォーマンスデータベース30は、パフォーマンス管理機能28によって用いられ、これにより、速度制限や速度目標などのリアルタイムのパラメータが算出されるとともに、飛行計画予測などの予測計算が行われる。また、ベースラインパフォーマンスデータベース30は、推力管理機能20によっても用いられ、これにより推力限界が算出される。
いくつかの場合において、飛行計画機能24は、飛行計画/ルートプロセッサを含むFMC12内の飛行計画モジュールによって実行される。飛行計画/ルートプロセッサは、ナビゲーションデータベースから取得したデータを用いて、飛行計画/ルート情報を、(例えばデコード及びトランスレーションを行うことにより)ウェイポイントのリスト及び関連する飛行情報を含む飛行計画/ルートに変換する。デコード及び変換された飛行計画/ルートの要素は、(航空機の種類及び装備とともに)飛行オブジェクトのフィールドに保存され、これらを、飛行計画/ルートプロセッサ及び飛行軌道プレディクタ(predictor)(これも飛行計画モジュールの一部である)が使用することができる。飛行オブジェクトは、飛行オブジェクトを管理する別のプロセッサにあってもよい。
いくつかの実施形態によれば、(同じくプロセッサである)飛行軌道プレディクタは、飛行計画/ルートプロセッサから、飛行計画/ルートを構成するウェイポイントのリストを含む飛行オブジェクトを受け取り、この飛行計画/ルート、元の飛行軌道(入手可能な場合)、航空機の種類及びその装備、環境データベースから取得される現在の環境条件及び/又は予測環境条件、ならびにその他の情報に基づいて、更新された予測飛行軌道を計算する。軌道予測プロセスは、飛行の任意のフェーズにおける任意の時点に開始することができ、入手可能な航空機状態及び飛行の情報に応じて、そのプロセスの方法/コンポーネントを、適宜修正する。環境データを適用した後、軌道予測は、再計算される。飛行軌道プレディクタの出力が、垂直プロファイルを含む予測軌道である。予測軌道は、飛行オブジェクトに保存される。パイロット又はオートパイロットは、できるだけ予測軌道に従って、航空機を飛行させる。
航空機の飛行制御システムによって、航空機を安定化するとともに制御することが可能となる。飛行制御システムの2つの重要な要素は、誘導コマンドを生成する飛行誘導システムと、これらのコマンドを実行するオートパイロットである。図3に示すように、飛行誘導システム31は、コックピットグラフィカル表示システム15又は他の信号表示器(図示せず)のような表示装置、制御入力装置16、飛行誘導コンピュータ32、及び、複数の制御システム34を含む。飛行誘導コンピュータ32及び制御システム34は、例えば、図2に示した飛行管理コンピュータ12と通信する航空機飛行制御システムのコンポーネントである。一例において、複数の制御システム34は、横運動/方向運動(又はロール/ヨー(roll/yaw))制御システム34a、縦運動(又はピッチ)制御システム34b、及び、対気速度(又はオートスロットル/エンジン)制御システム34cを含む。横運動/方向運動制御システム34aは、横運動及び方向運動制御に影響を与える操縦翼面36に接続することができ、操縦翼面は、典型的には、航空機42のエルロン及び/又は方向舵である。縦運動制御システム34bは、ピッチ制御面38に接続することができ、ピッチ制御面は、典型的には、航空機の昇降舵である。最後に、対気速度制御システム34cは、いくつかの経路ベースのモードの動作では、航空機42のエンジン40に接続することができ、いくつかの上昇モード及び降下モードの動作では、昇降舵に接続することができる。
本明細書に開示する改善された技術は、要求到着時刻(RTA)制約と組み合わせて、コスト的に最適な巡航垂直プロファイルを計画して飛行するための方法を含む。当該方法は、FMC12内の、単一の統合された垂直プロファイル最適化/RTA機能として実施することができる。FMC12は、RTA制約を守りつつ、飛行コスト(例えば燃料燃焼)を最小限に抑える垂直プロファイル及び速度プロファイルを有する航空機巡航軌道を計画あるいは予測するように構成(例えばプログラム)される。この統合機能は、状況によっては、達成可能なRTAのウィンドウを広げてRTAの成功率を上げるために、巡航垂直プロファイルについて妥協するようにも構成されている。実際の飛行条件が予測飛行条件と異なる場合があるので、当該方法は、さらに、計画軌道に沿った飛行の進行状況をモニタリングして、推定到着時刻がRTA制約から特定の閾値以上ずれる場合は、巡航速度プロファイルを再び適合化する。
RTA機能と最適化巡航ステップ上昇機能とを、飛行管理システム(FMC12を含む)の単一の機能に完全に統合することは、次のような利点がある。
(1)分離されたアルゴリズムの場合とは異なり、本明細書に提示した方法は、RTAに合致するとともに、全体にわたって最適又は最適に近い垂直プロファイルを飛行することによって燃料効率が最適化される軌道を、見つけることができる。
(2)また、本明細書に記載の統合された飛行管理機能は、最適垂直プロファイルに沿うとRTAが達成できない場合に、最適垂直プロファイルを変更することができる。このような場合、提示の統合飛行管理機能は、RTAが達成可能となるまで、燃料的に最適な垂直プロファイルを徐々に妥協させるように構成されている。この方法によれば、一定飛行レベル(一定高度)の巡航プロファイルに切り替えるという、容易に実施できる旧来型のアプローチに比べて、燃料の大幅な節約を実現することができる。
提示の方法は、2ステップのアプローチを取る。すなわち、(1)RTAに近い時刻にフライトを到着させられそうな最適な巡航のプロファイルとコストインデックスとの組み合わせを、大まかに探索し、(2)次に、(垂直プロファイルは固定したまま)巡航コストインデックスのみを調整する緻密な探索を行い、RTA制約下の到着時刻の精度を向上させる。以下により詳しく説明するこの方法が有効であるのは、飛行時間が、対気速度(コストインデックス)の変化よりも垂直プロファイルの変化による影響を受けやすく、一方で、最適な垂直プロファイルは、対気速度(コストインデックス)の変化から受ける影響が少ないからである。
RTA制約と組み合わせてコスト的に最適な巡航垂直プロファイルを計画し飛行するための、提示される2つの方法を、其々、図4及び図6を参照して、以下に詳細に説明する。RTA機能が関与している場合の最初の(第1の)RTA軌道決定(図4A~図4Cに示したフローチャートで表される方法)と、RTA機能のモニタリング中に必要な、次の(第2の)RTA軌道変更(図6A~図6Cに示したフローチャートで表される方法)とは、本明細書において区別される。例示を目的として、これらのフローチャートは、巡航垂直プロファイルの最適化(以下、「巡航最適化」という)が、FMC12においてデフォルトで有効となっているものと仮定している。本明細書に提示する手法では、巡航最適化とRTA決定とを組み合わせて、一緒に最適化された高度対時間の解を得る。場合によっては、巡航最適化機能は、行わない設定とすることができ、あるいは、航空会社が購入していない場合もある。フローチャートは、巡航最適化を無効とするオプションを有するFMSの実施態様を表す。
図4A~図4Cは、併せて、本明細書に提示する統合機能をFMC12によって開始した後に、巡航最適化を取り入れたRTA軌道を最初に決定するためのアルゴリズム60を示すフローチャートを形成している。本明細書において、「RTA軌道」という用語は、関連する要求到着時刻に特定のウェイポイントに到着することが予測される軌道を意味する。本明細書において、「ルックアップテーブル」という用語は、出力値に入力値をマッピングして数学関数を近似するデータ配列のことをいう。入力値が与えられると、「ルックアップ」演算により、テーブルから対応する出力値が得られる。ルックアップテーブルが入力値を明示的に定義していない場合、適当なソフトウェアを用いて補間、外挿、又は丸めを行うことにより、出力値を推定することができる。本明細書において、「ブレークポイントデータセット」とは、ルックアップテーブルの特定の次元にインデックスを付ける入力値のベクトルを意味する。ルックアップテーブルは、ブレークポイントデータセットを用いて、返される出力値に入力値を関連付ける。ここで、「ブレークポイント」という用語は、ブレークポイントデータセットの1つの要素を意味する。ブレークポイントは、テーブルデータ内の対応する出力値がマッピングされる特定の入力値を表す。
図4Aを参照すると、FMC12は、まずノミナルな(nominal)コストインデックス(CInominal)をそのまま当てはめて、計画軌道を管理する(工程62)ように構成(例えばプログラム)されている。FMC12は、さらに、巡航最適化機能が有効か否かを判定する(工程64)ように、構成されている。工程64において、巡航最適化機能が有効でないと判定された場合、FMC12は、次に、RTA速度モードが有効か否かを判定する(工程66)。工程66においてRTA速度モードが有効でないと判定された場合、FMC12は、ノミナル・コストインデックスCInominalに対する計画軌道を維持する。
工程66においてRTA速度モードが有効である(RTA有効、巡航最適化無し)と判定された場合、FMC12は、達成可能な推定到着時間のウィンドウ(ETAwindow)を算出する(工程70)。次の工程71において、FMC12は、RTAがETAウィンドウ外である(すなわち、RTAが達成不可能である)かどうかを判定する。工程71において、RTAがETAウィンドウ外ではないと判定された場合、FMC12は、軌道の予測を伴ったコストインデックスの探索反復を行う。一実施形態によれば、レギュラ・ファルシ(Regula Falsi)探索アルゴリズムを用いて、コストインデックスについての探索反復を行うことにより、その時点の飛行経路に沿ったダウンパス・ウェイポイントでRTAを実現できる正確なコストインデックスCIRTAに収束させる(工程72)。一実施態様によれば、イリノイ変数を有するレギュラ・ファルシアルゴリズム(求根ニュートン法又はセカント法に類似するアルゴリズム)を用いて、コストインデックス探索を行う。数学において、レギュラ・ファルシアルゴリズムは、1つの未知数がある方程式を解く方法である。簡単に言えば、この方法は、変数にテスト(「偽(false)」)値を使用し、結果に応じてテスト値を調整する、トライアル・アンド・エラー法である。他の数学的最適化アルゴリズムを用いることもできる。FMC12は、次に、コストインデックスCIRTAに従ってRTA軌道を計算する(工程74)。工程71において、RTAがETAウィンドウ外であると判定された場合は、最も速い軌道又は最も遅い軌道が選択され、FMC12によって「RTA不可能」メッセージが作成される(工程73)。
工程64において、巡航最適化機能が有効であると判定された場合、FMC12は、ECON速度モードに従って動作し、このモードでは、乗務員によって設定されたノミナル・コストインデックスCInominalに基づいて、巡航垂直プロファイルが最適化される(工程76)。この計算は、RTA速度モードが無効の状態において、巡航垂直プロファイル最適化のために定期的に行われるものと同じである。次に、FMC12は、RTA速度モードが有効か否かを判定する(工程78)。工程78においてRTA速度モードが有効でないと判定された場合、ノミナル・コストインデックスCInominalに従って、その時点の飛行条件に合わせて最適化軌道が再計算される(工程80)。
工程78(図4A参照)においてRTA速度モードが有効であると判定された場合、FMC12は、図4Bに示すように、一組の最適垂直プロファイルについて、達成可能なETAのウィンドウを計算する(工程82)。このETAウィンドウは、最小コストインデックスCImin及び最大コストインデックスCImaxの其々の場合(其々、工程82a及び工程82b)について、垂直方向に関し最適化された、最も遅い軌道と最も速い軌道とを考慮して、計算される。より具体的には、ETAウィンドウETAwindowOptimは、CImaxに対応する1つのETA(以下、「ETA CImax」)と、CIminに対応する別のETA(以下、「ETA CImin」)によって、範囲が画定される。FMC12は、次に、このウィンドウETAwindowOptimを用いて、RTAがウィンドウETAwindowOptim外である(すなわち、RTAが最適化巡航軌道では達成できない)か否かを判定する(工程84)。なお、飛行時間はRTAによって制限されているため、コストを最小限に抑えることは、結果的に、燃料を最小限に抑えることと同じになる。
CImax及びCIminのパラメータは、コストインデックス‐対‐対気速度ルックアップテーブルとともに、その航空機モデルのベースラインパフォーマンスデータベース30(図2参照)に、事前に指定されている。このデータは、例えば、テスト飛行データ及び本明細書に記載のコストインデックスの式に基づいて、構築される。CImax及びCIminは、コストインデックスの限界値であり、航空機のモデルによって異なる。(CImax及びCIminは、所与の航空機モデルの絶対的な定数である。高度、重量、風などの飛行条件によって、コストインデックスの限界値が変わることもあり得る。しかしながら、Cl限界値に最も影響を与えるのは、航空機モデルであり、特にそのサイズである。)CImaxパラメータ及びCIminパラメータは、其々、「燃料は問題にせずに出来るだけ高速で飛行する」場合、及び、「燃料燃焼を最小限に抑える」場合を表す。これらの最小限/最大限は、最低動作速度又は最高動作速度となって表れる。すなわち、コストインデックスが小さくなると、対気速度が下げられ、コストインデックスが大きくなると、対気速度も上がる。CImax及びCIminは、その航空機モデルについて予め計算されており、これらが選択されると、その時の条件(重量、高度、大気、風)下での、最高の飛行可能対気速度と最低の飛行可能対気速度に近い対気速度を、其々提示するようになっている。
再び図4Bを参照すると、FMC12は、次に、燃料コストができるだけ最適に近い、RTA動作に対する巡航垂直プロファイルを求めるように、さらに構成されている。工程84において、RTAが、ウィンドウETAwindowOptim外ではない(RTAが達成可能である)と判定された場合、FMC12は、RTA軌道の最適垂直プロファイルを探索する。RTAに対するCIの推定は、CI対ETAの線形ルックアップテーブルに基づいて、行われる。ルックアップテーブル内の複数のブレークポイントには、少なくとも、ETAウィンドウの限界値CImin及びCImaxとノミナル・コストインデックスCInominalとが含まれ、当該複数のブレークポイントは、CI対ETA曲線の形状をより正しくキャプチャするために、任意の数の事前に規定されたコストインデックスで拡張することができる。工程85において、追加されたコストインデックスブレークポイントについて巡航最適化が行われ、ETAが計算される。工程85に続いて、アルゴリズム60は、図4Cに示した工程86に進む。FMC12は、まず、RTAコストインデックスの初期最良推定値CIRTA,estを計算する(図4Cの工程86)。実験により、RTA動作に用いるべきコストインデックスの良好な初期推定値は、以下の式を用いた線形補間によって計算できることが実証されている。
CIRTA,est = CImax - (RTA - ETAfast) × (CImax - CImin)/(ETAslow - ETAfast) (1)
ここで、CImaxは、パフォーマンスの制限に基づいてRTAについて考慮した最大コストインデックスであり、ETAfastは、CImaxに対する最適垂直プロファイルに沿った可能な限り早いETAであり、CIminは、パフォーマンスの制限に基づいてRTAについて考慮した最小コストインデックスであり、ETAslowは、CIminに対する最適垂直プロファイルに沿った可能な限り遅いETAである。得られる推定コストインデックスCIRTA,estは、RTA軌道にそのまま使用できるほど正確ではないが、最適に近いコストとなるRTA動作に対する最適垂直プロファイルを求めるには、十分に近似したものである。
その時点のコストインデックスCInominal及びその時点のETAnominalが利用可能であれば、さらに良好なCIRTA,estの近似値を得ることができる。
CIRTA,est = CIlim - (RTA - ETAlim)×(CIlim - CInominal)/(ETAnominal - ETAlim) (2)
ここで、下付き文字「lim」は、制限条件(limiting condition)を示し、RTAがETAnominalより早いか遅いかによって、其々、CImax及び対応する最も早いETAfast、あるいは、CImin及び対応する最も遅いETAslowである。この線形探索を、図5に示している。同図は、RTAウェイポイントの推定到着時間‐対‐コストインデックスを示すグラフである。このグラフを用いることにより、本明細書に開示の巡航最適化を行う方法において、RTAコストインデックスの初期推定値を求めることができる。図5における破線は、すべてのコストインデックスの範囲についての、RTAウェイポイントにおけるETAの解空間を表しており、ここで、各コストインデックスに対して独自の最適化垂直プロファイルが適用されている。位置及び候補高度が離散化されているので、実際上のこの解空間は、ETA内に限られた数の小さな不連続/ジャンプを有する。
式(1)は、ブレークポイントが2つだけの場合の、ルックアップテーブルの線形補間を表している。式(2)は、ブレークポイントが3つの場合である。より多くのブレークポイントを用いることにより、全CI-ETA曲線をより正確にカバーすることができる。線形補間式のより一般的なものは、以下のように表すことができる。
CIRTA,est = CIbp_up - (RTA - ETAbp_dn)×(CIbp_up - CIbp_dn)/(ETAbp_dn - ETAbp_up
ここで、下付き文字「bp_up」は、高い方のブレークポイントを示し、下付き文字「bp_dn」は、低い方のブレークポイントを示す。
FMC12は、CIRTA,estの最適垂直プロファイルを計算する(図4Cの工程88)ように、さらに構成されている。これにより得られる軌道は、ターゲットウェイポイントにおいてRTAに近付くが、まだ一致しない。FMC12は、工程88で得られた最適巡航垂直プロファイルのETAウィンドウETAwindow,newを計算し(工程89)、次に、RTAがETAwindow,new外であるかどうかを判定する(工程90)ように、さらに構成されている。工程90において、RTAがETAwindow,new外であると判定された場合は、当該コストインデックスCIRTA,estをルックアップテーブルにブレークポイントとして追加し、工程86が繰り返される。
工程90において、RTAがETAwindow,new外ではないと判定された場合、FMC12は、コストインデックスCIRTA,estの最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、その時点の飛行経路に沿ったダウンパス・ウェイポイントでRTAを達成する正確なコストインデックスCIRTAを得る(工程91)。巡航垂直プロファイルは、この段階では、これ以上変更されない。前述したように、コストインデックス探索は、イリノイ変数を有するレギュラ・ファルシアルゴリズムを用いて行うことができる。コストインデックス探索の後、FMC12は、得られたコストインデックスCIRTAに基づいて、最適なRTA軌道を計算する(工程92)。本実施形態では、FMC12は、RTAを実現できるように、飛行のコストインデックスを変更することによって航空機の速度スケジュールを操作するが、他の方法で速度を変更することも可能である。例えば、米国特許第9,213,335号に開示されているように、巡航中のコストインデックスと降下中のコストインデックスとを、分けてもよい。最終的な解が、新たなRTA軌道となり、関連する速度が、自動的に航空機に指示される。
一旦図4Bに戻って説明すると、工程84においてRTAがウィンドウETAwindowOptim外である(RTAが達成不可能である)と判定された場合、FMC12は、RTAを達成可能とするより広いETAウィンドウを有する、新たな「妥協させた」最適垂直プロファイルを見つける(工程94)ように、構成されている。1つの方法は、一定の飛行高度で航空機を飛行させることであり、これは、実験によれば、ほとんどの条件下で、ずっと広いETAウィンドウを有する。ただし、この一定飛行レベル(一定高度)の方法では、特に長距離のRTA動作の場合、燃料が高額になる。より巧妙なアプローチは、巡航垂直プロファイルを部分的に平坦化する(つまり、1つ以上の計画ステップ上昇を、計画飛行軌道から削除する)ことにより、燃料コストの上昇を最小限に抑えつつRTAを達成する、折中(intermediate)解を探すことである。この方法を、以下により詳しく説明する。
FMC12は、工程94で得られた、妥協最適巡航垂直プロファイルのETAウィンドウETAwindow,newを計算し(工程95)、次に、RTAがETAwindow,new外であるかどうかを判定する(工程96)ように、さらに構成されている。工程96において、RTAがETAwindow,new外ではないと判定された場合、FMC12は、当該妥協最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、その時点の飛行経路に沿ったダウンパス・ウェイポイントでRTAを達成する、当該妥協巡航垂直プロファイルの新たな正確なコストインデックスCIRTA,newを得る(工程97)。次に、FMC12は、この新たなコストインデックスCIRTA,newに基づいて、妥協最適RTA軌道を計算する(工程98)。工程96において、RTAがETAwindow,new外であると判定された場合は、最も速い軌道又は最も遅い軌道が選択され、FMC12によって「RTA不可能」メッセージが作成される(工程99)。最終的な解が、新たなRTA軌道となり、関連する速度が、飛行誘導コンピュータ32(図3参照)によって自動的に航空機に指示される。
本明細書に開示の飛行管理システムのさらなる側面によれば、RTA動作が有効である間、航空機の変化が定期的にモニタリングされる。その時点のRTA速度スケジュール(CIRTA)及び巡航垂直プロファイルに対して、最新の天候及びパフォーマンスデータを用いて、RTAウェイポイントのETA及びETAウィンドウが、定期的に予測される。RTA誤差(ETA-RTA偏差)が望ましい範囲内の場合、何も行わない。RTA誤差が所望の範囲を超えている場合は、新たなコストインデックスが求められる。
図6A~図6Cは、併せて、巡航最適化がある場合及び無い場合についての、RTA速度モードがアクティブである間、RTA軌道をモニタリングするためのアルゴリズム130のロジックを示すフローチャートを形成している。図6は、図6A、図6B、及び図6Cの関係を示す図であり、これらの図は別々のページに示されている。
図6Aを参照すると、FMC12は、当初は、RTAコストインデックス(CIRTA)に従って計画軌道を管理する(図6Aの工程132)ように構成(例えばプログラム)されている。FMC12は、さらに、RTAに対するETAの許容可能な偏差(以下、「RTA誤差」という)を定めた、事前に保存されたマージン(以下、「ファネル(funnel)と称する)を表すデジタルデータを、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体から取得し、これらの所望マージンを、定期的に、RTA誤差と比較するように構成されている。この定期的なチェックを、図6Aでは、ファネルチェック134としている。
工程136において、FMC12は、RTA誤差がファネル外か否かを判定する。工程136において、RTA誤差がファネル外ではないと判定された場合、FMC12は、RTAコストインデックスCIRTAに従った計画軌道の管理を継続する(工程138)。工程136においてRTA誤差がファネル外であると判定された場合、新たなコストインデックスCIRTA,newが求められる。一旦ファネル外となると、巡航最適化が有効であろうとなかろうと、新たなRTA軌道が決定されることになる。
さらに図6Aを参照すると、FMC12は、巡航最適化機能が有効か否かを判定する(工程140)ように、さらに構成されている。工程140において、巡航最適化機能が有効でないと判定された場合、FMC12は、達成可能な推定到着時刻のウィンドウ(ETAwindow,new)を算出する(工程142)。次の工程(図6には図示せず)において、FMC12は、ETAウィンドウを用いて、新たなRTAがETAウィンドウ外である(すなわち、新たなRTAが達成不可能である)かどうかを判定する。新たなRTAがETAウィンドウ外ではない場合、FMC12は、軌道の予測を伴ったコストインデックスの探索反復を行い、これにより、その時点の飛行経路に沿ったダウンパス・ウェイポイントで新たなRTAを達成する正確なコストインデックスCIRTA,newを得る(工程144)。FMC12は、次に、コストインデックスCIRTA,newに従ってRTA軌道を計算する(工程146)。RTAがETAウィンドウ外であると判定された場合は、図4Aを参照して前述したように、最も速い軌道又は最も遅い軌道が選択され、FMC12によって「RTA不可能」メッセージが作成される。
工程140において、巡航最適化機能が有効であると判定された場合、FMC12は新たな巡航垂直プロファイルを計算するが、これは、その新たな巡航垂直プロファイルが動作効率を大幅に改善する場合か、RTAが達成不可能(ETAウィンドウ外)になる場合にのみ、行われる。コストインデックスの僅かな変更が期待されるだけで垂直プロファイルを更新すると、RTA軌道探索の不安定化につながり、結果として、燃料消費を増大させるおそれすらある。
まず、FMC12は、その時点のETAのコストインデックスCIETAに対する、RTAを達成するために必要なコストインデックスの変化量(ΔCIest)を推定する(工程148)。FMC12は、新たなコストインデックスに従って航空機を飛行させるか否かを決定するように、さらに構成されている。燃料効率を目的として、再計算された巡航垂直プロファイルに従って航空機を飛行させるかどうかの決定は、RTAを達成するためのコストインデックスの予想変化量ΔCIestに対して最小の閾値を設定することにより、行うことができる。このRTAコストインデックスの予想変化量ΔCIestは、式(2)と同様の式を用いて求められるが、ここでは、RTAに対するコストインデックス(CIRTA)と、その時点のETAに対する推定コストインデックス(CIETA,est)とを用いる。
ΔCIest = CIRTA - CIETA,est (3)
ここで、
CIETA,est = CIlim - (ETA-ETAlim)×(CIlim - CIRTA)/(ETAnominal - ETAlim) (4)
これらの線形補間式のより一般的なものは、以下のように表すことができる。
CIETA,est=CIbp_up - (ETA - ETAbp_dn)×(CIbp_up - CIbp_dn)/(ETAbp_dn-ETAbp_up
FMC12は、コストインデックスの予想変化量ΔCIestが特定の閾値より大きいか否かを判定する(工程150)ように、構成されている。工程150において、コストインデックスの予想変化量ΔCIestが特定の閾値より大きくないと判定された場合、この段階では、FMC12は、以前に算出した最適巡航垂直プロファイルのステップを維持する。RTAに対応するよう再調整することでコストインデックスが大きく変化することが期待できない場合(ΔCIestが特定の閾値より大きくない場合)、RTA解の不安定性を回避するために、追加の巡航最適化はスキップして、以前に算出した巡航ステップに据え置くことが最善である。FMC12は、さらに、以下の工程を実行するように構成されている。すなわち、ETAウィンドウを計算し(工程152)、RTAがETAウィンドウ外であるか否かを判定し(工程153)、RTAがETAウィンドウ外ではない場合、据え置かれた巡航垂直プロファイルに基づきRTA CI探索を行うことにより、RTAを達成する対気速度を含むコストインデックスCIRTA,newを求め、(工程154)、次に、以前に計算された最適巡航垂直プロファイルを維持しつつ、CIRTA,newに基づいて最適なRTA軌道を計算する。なお、次回の定期的なRTAモニタリングアクションでは、有効な最適巡航垂直プロファイルが計算されたCIについて、すなわち、CIRTA,newではなくCIRTAについて、コストインデックスの予想変化量ΔCIestを求めなければならない。
工程150において、コストインデックスの予想変化量ΔCIestが特定の閾値より大きいと判定された場合、FMC12は、新たな最適巡航垂直プロファイルを計算する巡航最適化ルーティン(アルゴリズム130の一部)を実行するように、さらに構成されている。同様に、工程153において、RTAがETAウィンドウ外であると判定された場合、FMC12は、同様の巡航最適化ルーティンを実行して、最適に近い新たな巡航垂直プロファイルを計算する。
図6Bを参照すると、FMC12は、一組の最適垂直プロファイルについて、達成可能なETAのウィンドウを計算する(工程160)。このETAウィンドウは、最小コストインデックスCImin及び最大コストインデックスCImaxの其々の場合(其々、工程160a及び工程160b)について垂直方向に最適化された、最も遅い軌道と最も速い軌道とを考慮して、計算される。より具体的には、ETAウィンドウETAwindowOptimは、CImaxに対応する1つのETA(以下、「ETA CImax」)と、CIminに対応する別のETA(以下、「ETA CImin」)によって、範囲が画定される。FMC12は、次に、このウィンドウETAwindowOptimを用いて、RTAがウィンドウETAwindowOptim外である(すなわち、RTAが最適化巡航軌道では達成できない)か否かを判定する(工程162)。
さらに図6Bを参照すると、FMC12は、次に、燃料コストができるだけ最適に近い、RTA動作に対する巡航垂直プロファイルを求めるように、さらに構成されている。工程162において、RTAが、ウィンドウETAwindowOptim外ではない(RTAが達成可能である)と判定された場合、FMC12は、RTA軌道の最適垂直プロファイルを探索する。RTAに対するCIの推定は、CI対ETAの線形ルックアップテーブルに基づいて、行われる。ルックアップテーブル内の複数のブレークポイントは、少なくとも、ETAウィンドウの限界値CImin及びCImaxとノミナル・コストインデックスCInominalとを含み、CI対ETA曲線の形状をより正しくキャプチャするために、任意の数の事前に規定されたコストインデックスで拡張することができる。工程158において、追加のコストインデックスブレークポイントについて巡航最適化が行われる。
工程158に続いて、アルゴリズム130は、図6Cに示した工程164に進む。FMC12は、まず、RTAコストインデックスの初期最良推定値CIRTA,estを計算する(図6Cの工程164)。得られる推定コストインデックスCIRTA,estは、RTA軌道にそのまま使用できるほど正確ではないが、最適に近いコストとなるRTA動作に対する最適垂直プロファイルを求めるには、十分に近似しているものである。
FMC12は、CIRTA,estの最適垂直プロファイルを計算する(図6Cの工程165)ように、さらに構成されている。これにより得られる軌道は、ターゲットウェイポイントにおいてRTAに近付くが、まだ一致しない。FMC12は、工程165で得られた最適巡航垂直プロファイルのETAウィンドウETAwindow,newを計算し(工程166)、次に、RTAがETAwindow,new外であるかどうかを判定する(工程167)ように、さらに構成されている。工程167において、RTAがETAwindow,new外であると判定された場合は、当該コストインデックスCIRTA,estをルックアップテーブル内にブレークポイントとして追加し、工程164が繰り返される。
工程167において、RTAがETAwindow,new外ではないと判定された場合、FMC12は、コストインデックスCIRTA,estの最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、その時点の飛行経路に沿ったダウンパス・ウェイポイントでRTAを達成する正確なコストインデックスCIRTAを得る(工程168)。巡航垂直プロファイルは、この段階では、これ以上変更されない。前述したように、イリノイ変数を有するレギュラ・ファルシアルゴリズム(求根ニュートン法又はセカント法に類似するアルゴリズム)を用いて、コストインデックス探索を行う。FMC12は、次に、この新たなコストインデックスCIRTA,newに基づいて、最適なRTA軌道を計算する(工程170)。FMC12は、RTAを実現できるように、飛行のコストインデックスを変更することによって航空機の速度スケジュールを操作するが、他の方法で速度を変更することも可能である。最終的な解が、新たなRTA軌道となり、関連する速度が、自動的に航空機に指示される。
一旦図6Bに戻って説明すると、工程162においてRTAがウィンドウETAwindowOptim外である(RTAが達成不可能である)と判定された場合、FMC12は、RTAを達成可能とするより広いETAウィンドウを有する、新たな妥協最適垂直プロファイルを見つける(工程171)ように、構成されている。FMC12は、工程171で得られた、妥協最適巡航垂直プロファイルのETAウィンドウETAwindow,newを計算し(工程172)、次に、RTAがETAwindow,new外であるかどうかを判定する(工程173)ように、さらに構成されている。工程173において、RTAがETAwindow,new外ではないと判定された場合、FMC12は、当該妥協最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、その時点の飛行経路に沿ったダウンパス・ウェイポイントでRTAを達成する、当該妥協巡航垂直プロファイルの新たな正確なコストインデックスCIRTA,newを得る(工程174)。次に、FMC12は、この新たなコストインデックスCIRTA,newに基づいて、妥協最適RTA軌道を計算する(工程176)。工程173において、RTAがETAwindow,new外であると判定された場合は、最も速い軌道又は最も遅い軌道が選択され、FMC12によって「RTA不可能」メッセージが作成される(工程177)。
本明細書に開示のコンピュータ機能の一側面によれば、最適垂直プロファイルについて妥協することにより、要求到着時刻を達成することができる。最適垂直プロファイルによるとRTAが達成できない場合、最も単純な解決策は、一定巡航垂直プロファイルを維持し、あらゆる垂直プロファイル最適化を避けることである。巡航中に、より低い一定高度で飛行することにより、はるかに大きいウィンドウを得、航空機がより遅い時刻に到着する(はるかに遅い速度で飛行する)ことが許容される。また、巡航中に、より低い一定高度で飛行することにより、一般的に、(パフォーマンス速度エンベロープによって)より高速で飛行し、ひいては、より早い時刻に到着するための、より多くのマージンを得ることもできる。ただし、この場合に得られる時間マージンは、通常、(あるとしても)はるかに小さい。最適垂直プロファイルから、一定高度に切り替えることの欠点は、このような切り替えが、高い燃料消費という代償を伴うという点である。
RTA機能と垂直プロファイル作成機能とを同じ機能に統合することで作成が可能な、折中垂直プロファイルがある。その出発点は、適用可能な限界コストインデックス(すなわち、RTAが達成可能なETAウィンドウよりも早い場合、最小コストインデックス)用に最適化された垂直プロファイルである。この最適化された垂直プロファイルについて妥協するための、可能性のある1つの手法は、以下の操作を含む。
(1)最も高い上昇ステップ(the top climb step)を、ダウンパス方向、すなわち、巡航の終点寄りに、徐々にスライドさせる。最も高い巡航セクション(the top cruise section)の距離が短くなるにつれて、達成可能な最も遅いETAが、さらに遅くなる。最も早いETAも、さらに先に延ばすことができる。
(2)上昇ステップが、巡航の終点に十分に近い場合、このステップ全体を削除する。
(3)降下ステップを扱う場合は、上昇ステップと相殺させる(collapse)か現在の位置に到達するまで、降下ステップをアップパス方向にスライドさせる。
(4)より多くのETAマージンが必要な場合は、次に低いステップを、巡航の終点寄りにスライドさせる。(あるいは、降下ステップを、前の上昇ステップ又は現在位置寄りにスライドさせる。)
(5)上記の操作を、巡航垂直プロファイル内のすべてのステップに対して行った場合、達成可能なETAのウィンドウが最も広い、一定高度のプロファイルとなるが、燃料消費が最も大きいという欠点もある。
図7Aは、上述の方法によって作成することができる折中垂直プロファイルのいくつかの例を示しており、これらは、コストインデックスがゼロ、すなわち、遅いETAを生み出す遅い軌道についての、代表的なシミュレーションに基づいた例である。図7Aは、コストインデックスCI=0の場合の、最適巡航垂直プロファイル#1、2つの最適ではない巡航垂直プロファイル#2及び#3、ならびに、一定飛行高度巡航垂直プロファイル#4を含む、4つの巡航垂直プロファイルの高度対飛行距離を示すグラフである。
図7Bは、シミュレーションで作成された、代替的なシミュレーション巡航垂直プロファイルの其々、及び、最適巡航垂直プロファイル#1(図7Aに示す)の巡航フェーズの終点における、到着時刻の遅延(ΔTime、秒)を示すグラフである。図7Cは、図7Bに示したデータを作成したのと同じシミュレーションで作成された、代替的なシミュレーション巡航垂直プロファイルの其々、及び、最適巡航垂直プロファイル#1(図7Aに示す)の巡航フェーズの終点における、燃料コストの増加(ΔFuel、ポンド)を示すグラフである。より大きい追加遅延マージンを実現するプロファイルは、一定高度プロファイル#4であり、約半時間の遅延が可能になる。しかしながら、この一定高度プロファイルで飛行すると、約5000ポンドの燃料分が犠牲になる。
図8A~図8Dは、第1ステップ上昇、第2ステップ上昇、及び第3ステップ上昇を含む最適巡航垂直プロファイル(図8A)、第1ステップ上昇及び第2ステップ上昇を有するが第3ステップ上昇は有しない巡航垂直プロファイル(図8B)、第1ステップ上昇のみを有する巡航垂直プロファイル(図8C)、及び、ステップ上昇を有しない一定高度巡航垂直プロファイル(図8D)を含む、例示的な巡航垂直プロファイルの其々における、高度対飛行距離を示すグラフである。
図8A~図8Dに示したグラフは、シミュレーションによる4つのプロファイルを表している。図8Aに示した第1プロファイルは、3つの最適巡航ステップを有するものであり(以下、「プロファイル#1」)、図8Bに示した第2プロファイルは、最も高い位置での降下(the top of descent)に最も近い、最も高いステップを削除したもの(以下、「プロファイル#2”」)であり、図8Cに示した第3プロファイルは、別のステップを削除したもの(以下、「プロファイル#3」であり、図8Dに示した第4プロファイルは、すべてのステップを削除したもの(一定飛行高度)(以下、「プロファイル#4」)である。
図8Bを参照すると、パイロットがプロファイル#2に沿って航空機を飛行させるとすると、より遅い時刻に目的地に到着することをパイロットが希望した場合に、75秒の追加遅延マージンを得ることができる。このマージンは、できるだけ遅い速度で飛行することにより達成され、この速度は、プロファイル#1に沿って飛行する場合よりも、プロファイル#2に沿って飛行する場合の方がさらに遅くなる。パイロットは、この75秒の追加遅延を利用してRTAを達成することができ、これは、航空機がプロファイル#1に沿って飛行していたら達成できなかったものである。その代償として、もはや最適ではない垂直プロファイルを用いたために、150ポンドの燃料が余分に燃焼される。
図8Cを参照すると、パイロットがプロファイル#3に沿って航空機を飛行させるとすると、航空機は、速度マージン内でさらに低速で飛行することができるので、プロファイル#1に比べて360秒の追加遅延マージンを得ることができる。しかしながら、本来の最適化されたプロファイル#1の高度(図8Aに示す)よりも低い高度で飛行することにより、最大で1275ポンドの燃料が余分に燃焼されることになる。
図8Dを参照すると、パイロットが航空機をプロファイル#4に沿って(一定飛行レベルで)飛行させるとすると、パイロットは、最大1800秒の遅延を実現することができるが、最大で4813ポンドの燃料が余分に消費される。さらにずっと低い高度では、航空機ははるかに低速で飛行することができるが、民間航空機のエンジンは、高度が高い方がはるかに効率的に働くため、大量の燃料が消費される。
実際には、上述した解の手法は、以下の反復法によって実施することができる。すなわち、多くの折中解でETAをプロットした後に、必要なETAを検査によって探し出すことは、実際的ではない。これに代えて、要求到着時刻を実現できる最善の折中プロファイルを探索するために、反復アルゴリズムを用いることができる。この概念は、任意の折中解を、ステップの移動を累積することにより得られる単一の変数、すなわち、X=sum(降下の終わりに向かう方向に移動させた上昇ステップの距離)+sum(先の上昇ステップ又は現在位置に向かう方向に移動させた降下ステップの距離)に対して、マッピングすることによって構成される。変数Xと、任意の折中垂直プロファイルとの間には、1対1の対応関係がある。求根法(レギュラ・ファルシアルゴリズムなど)によりETAmax(X)=RTAを解くことにより、要求到着時刻を達成するための、最も遅い軌道で十分な追加遅延を与える第1プロファイルを得ることができるであろう。同様に、最適化された垂直巡航では実現できない予測到着時刻をRTAが求めている場合、求根アルゴリズムによってETAmin(X)=RTAを解くことにより、要求到着時刻を達成することができる第1プロファイルを得ることができるであろう。
上述した解の手法をより進歩させた変形例も、可能である。例えば、まず、最も少ない燃料消費でETAに最も大きな変化をもたらすステップ上昇をスライドさせ、次に、残りのステップ上昇を、燃料消費に影響が大きい順に、スライドさせてもよい。
また、単純化されたアルゴリズムが必要な場合は、他の変形例を適用することができる。例えば、(1)上述したようなステップごとではなく、すべてのステップの同時の移動として、徐々に且つ比例して折中解を構築し、一定高度プロファイルに収束させる、あるいは、(2)すべてのステップをスライドさせずに平坦化して、1つずつ消去する。この代替的な手法では、非常に少ない折中プロファイル(我々の場合には、2つの折中解のみ)しか得られないが、その実装はトリビアルである。さらなる変形も適用することができる。
航空機は、飛行高度が下がるほど、より広い予測マージンを得ることもできるので、このことから、より多くの燃料を消費すれば、より低い高度でより速く飛行できると推測できる。しかしながら、典型的な予測ゲイン(anticipation gain)のマージンは、遅延のマージンよりはるかに小さい。また、変化する風の影響で、これらの予測ゲインは、簡単になくなるおそれがある。
いずれにしても、航空交通管制は、特定時間の遅延を命じることが頻繁にある(例えば、混雑した空港や天候の厳しい空港への到着を予定より遅らせることを航空交通管制が要求する確率は、予測より高くなる)ため、要求到着時刻を達成するために低高度を用いることには、正当化される。
上述したシミュレーション結果を要約すると、速度制限を課されたETAマージン内で航空機がRTAを達成することができる場合、パイロットは、例えばプロファイル#1に沿って航空機を飛行させる。0~75秒の追加遅延が望まれる場合、この制約は、プロファイル#1に沿って最低速度で達成することができ、この場合、飛行管理システムは、最も高い位置での降下に最も近いステップを削除し、このプロファイルを用いてRTA速度を探索する(プロファイル#2)。75~360秒の追加遅延が望まれる場合、この制約は、プロファイル#1での最低速度で(at minimum speeds over Profile #1)達成することができ、この場合、飛行管理システムは、最も高い位置での降下に最も近い2つのステップを削除し、得られたプロファイルを用いてRTA速度を探索する(プロファイル#3)。最後に、360~1800秒の追加遅延が望まれる場合、この制約は、より多くの燃料を消費して航空機を一定高度(ステップ無し)で飛行させることによって、達成される。1800秒以上の追加遅延が望まれる場合、航空機は、(この方法を用いて)RTAを実現することはできない。
また、FMC12が最適プロファイルを計算する場合、コンピュータは、多くの様々な巡航高度における飛行の最短時間及び最長時間ならびに対応するコストを算出することができる。従って、特定の遅延又は予測を実現するために、(高度の)ステップの最善の位置を探索することは、比較的容易であり、(計算を適切な方法で行えば)計算的には安価である。図7B及び図7Cに示したΔ時間及び追加燃料消費(円で表す)の連続曲線に基づいて、最も高い位置での降下に向かってアルゴリズムが一度に1ステップ移動する際の達成可能な最短/最長時間及び追加燃料消費のテーブルを作成することができる。(これらは、本発明の開示において、円で表れる曲線である。)単純にルックアップテーブルを探索することによって、最少の燃料消費で所望の遅延を実現できるステップの位置(高度)を特定することができる。この解によれば、フライトコストの増大をできるだけ抑えつつ、必要な追加時間マージンをもたらすプロファイルを見つけることができる。
上述した方法は、FMC12で実行されるソフトフェア、または、計算を行うために必要データにアクセスが可能な同様の電子データ処理装置として、実現することができる。一実施形態によれば、本明細書に開示の新たな機能は、上述した工程を含む実行可能アルゴリズムの形態で、FMC12に設けられる。当該方法は、最新のルートデータ、利用可能な最善の航空機重量推定、及び、利用可能な最善の風及び温度予測(実際の風/温度及び混ざった(blend)風/温度を含む)を考慮する。
図9は、本明細書で提示した、RTA制約機能と共に巡航最適化を用いて飛行軌道を作成するようにプログラムされた、FMC12内の様々なソフトウェアモジュールを表すブロック図である。飛行管理コンピュータ12は、航空機ルートに関する大気状況(リアルタイム状況及び/又は予測状況、好ましくは風の状況を含む)を受信するためのデータ管理モジュール44を含む。データ管理モジュール44は、航空機の動作制約に関するデータ、及び、リアルタイムの航空機の状態及びパフォーマンスも、(例えば図2に示したベースラインパフォーマンスデータベース30から)受信する。
FMC12はまた、最適化モジュール46も含み、これは、例えば、プロセッサ及び非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体で実現することができる。最適化モジュール46は、データ管理モジュール44から取得したデータ、到着時刻制御(TOAC)制約、及び、1つ以上の飛行軌道最適化パラメータを受信する。最適化パラメータは、少なくとも巡航高度を含み、航空機の対気速度も含む。TOAC制約は、通常、飛行計画内の少なくとも1つのウェイポイントのRTAを含む。RTAは、パイロットが、CDU14又はその他の入力装置(例えばタッチスクリーン)を用いて、設定することができる。最適化パラメータは、事前に設定した上でFMC12の非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体に保存することもできるし、データを入力するための手段を用いてパイロットが選択することもできる。
最適化モジュール46は、1つ以上の飛行軌道最適化パラメータの値の組を複数生成する飛行軌道生成器48を含み、生成された値の組のすべては、その時点の航空機高度とは異なる巡航高度を含む。例えば、最適化パラメータが巡航高度及び航空機対気速度を含む場合、生成される値は、(高度と速度の)値のペアであり、ここでの高度は、その時点の航空機高度とは異なるものである。飛行軌道生成器48は、生成された飛行軌道最適化パラメータの値の組について、受信した大気状況、ならびに、航空機の動作制約及びリアルタイムの航空機の状態やパフォーマンスに関するデータを考慮して、航空機の飛行軌道を算出する。
飛行軌道生成器48は、コスト関数を用いて、1つ以上の最適化基準に基づいて、到着時刻制約に適合する算出飛行軌道と共に、1つ以上の最適巡航高度を選択する。最適化基準は、例えば、燃料の節約、速度制御マージン及び/又は時間制御マージンを含む。
FMC12は、選択された1つ以上の最適巡航高度に関して、軌道変更注意喚起52を生成する注意喚起生成モジュール50も含む。注意喚起生成モジュール50は、例えば、コックピットグラフィカル表示システム15のスクリーンに、軌道変更注意喚起52を表示し、燃料の節約又はTOACの堅牢性の向上が実現できる代替の最適巡航高度と、これらにより見込める利益(例えば新たな高度では250kgの燃料の節約が期待できること)を指摘する。すると、パイロットは、巡航高度が異なり、場合によっては航空機対気速度も異なる、提案された飛行軌道のうちのいずれかを受け入れるか否かを決定する。
提示の発明の重要な利点の1つは、大気状況が変化するにつれて、RTA動作の進行中に節約の機会が発生した場合には、パイロットに助言できることである。このためには、FMC12の最適化モジュール46は、その時点の風のプロファイル、動作上の制約、及び、リアルタイムの航空機の状態を考慮に入れて、速度領域と高度領域との両方においてRTA制約に対して連続的に反復適用し、より効率的な軌道を確立できるかどうかを判定する。この場合、パイロットは、正しく通知され、推奨された飛行軌道をとるか否かを判断する。従って、本明細書に開示された技術によれば、パイロットは、RTAについての処理の際に、潜在的な節約の機会に確実に気付くことができる。
RTA制約と組み合わせてコスト的に最適な巡航垂直プロファイルを計画し飛行するためのシステム及び方法を、様々な実施形態を参照して説明したが、当業者であれば分かるように、本明細書の開示の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことが可能であり、構成要素は、その均等物で代替することができる。さらに、本明細書の開示を特定の状況に適用するために、請求の範囲から逸脱することなく多くの改変を行うことが可能である。従って、本明細書に開示の特定の実施形態に請求の範囲が限定されることは、意図していない。
本明細書に記載の方法は、非一時的な有形のコンピュータ可読媒体に組み込まれる実行可能命令として符号化することができ、このような媒体には、限定するものではないが、記憶装置及び/又はメモリデバイスが含まれる。このような命令は、処理又はコンピューティングシステムによって実行されると、本明細書に記載の方法の少なくとも一部を、システム装置に実行させる。詳細に上述した実施形態は、例えば、プログラム可能なコンピュータによって実行されるルーティンなどのコンピュータ実行可能命令を含む。例えば、以下に述べるコンピュータ実行可能命令のうちの1つ以上を実行するように特別にプログラム、設定、又は構成された、専用コンピュータやデータプロセッサなどの他のコンピュータシステム構成を用いることもできる。従って、本明細書において概括的に用いられる「コンピュータ」という用語は、コックピットディスプレイシステムのコンピュータ、飛行管理コンピュータ、飛行制御コンピュータ、電子フライトバッグ、ラップトップ、又は他の手持ち式装置を含め、コックピットに使用できる任意のデータプロセッサのことをいう。
以下に記載するプロセスに関する請求項は、その工程のうちのいくつか又はすべてが実行される特定の順序を示す条件を、請求項の文言が明示的に述べていない限り、それらの工程を、アルファベット順又は記載順に実行することを要求していると解釈されるべきではない。(請求項におけるアルファベットを用いた順序付けは、先に述べた工程に言及する目的のみで用いられている。)また、プロセスの請求項は、2つ以上の工程の任意の部分を同時に実行することや、交互に実行することを排除すると解釈されるべきではない。ただし、請求項の文言がこの考え方を排除する状況を明示的に述べている場合は、この限りではない。
本開示は、さらに、以下の付記に記載の例示的且つ非排他的な実施例を含み、これらの付記には、請求の範囲に記載されたものも記載されていないものも含まれている。
付記A1: 巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるための方法であって、(a)ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を最適化する垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求める工程と、(b)前記巡航フェーズ中に前記最適軌道に沿って前記航空機を飛行させる工程と、を含み、工程(a)は、コンピュータによって実行される統合された機能であり、前記統合機能は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されている、方法。
付記A2: 工程(a)は、RTA速度モード及び巡航最適化の両方が有効であり、且つ、前記最適軌道の前記垂直プロファイルが前記燃料効率を大幅に改善するか、あるいは前記要求到着時刻が達成不可能である場合にのみ、行われる、付記A1に記載の方法。
付記A3: 前記コンピュータは、前記航空機に搭載された飛行管理コンピュータである、付記A1又はA2に記載の方法。
付記A4: 前記最適軌道を求めることは、飛行中の燃料効率を高める、前記巡航フェーズ中の高度のステップ位置を、特定することを含む、付記A1~A3のいずれか1つに記載の方法。
付記A5: 工程(a)は、要求到着時刻を達成するための第1コストインデックス(CIRTA,est)を推定することと、前記第1コストインデックスに対する最適垂直プロファイルを求めることと、最大コストインデックス及び最小コストインデックスを用いて、前記最適垂直プロファイルの推定到着時刻ウィンドウを計算することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記第1コストインデックスに対する前記最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成する推定到着時刻を生み出す第2コストインデックス(CIRTA)を得ることと、前記第2コストインデックスに基づいて前記最適軌道を計算することと、を含む、付記A1~A4のいずれか1つに記載の方法。
付記A6: 工程(b)は、前記最適垂直プロファイル及び前記第2コストインデックスに従って前記航空機を飛行させることを含む、付記A5に記載の方法。
付記A7: 工程(a)は、前記第1コストインデックスを推定する前に行われる以下の工程、すなわち、最大コストインデックスに対する第1最適垂直プロファイルを求めることと、前記第1最適垂直プロファイルの第1推定到着時刻を計算することと、最小コストインデックスに対する第2最適垂直プロファイルを求めることと、前記第2最適垂直プロファイルの第2推定到着時刻を計算することと、前記要求到着時刻が、前記第1推定到着時刻及び前記第2推定到着時刻によって画定される推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、をさらに含み、付記A5に記載の工程は、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外ではない場合にのみ、行われる、付記A6に記載の方法。
付記A8: 巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるためのシステムであって、前記システムは、以下の操作、すなわち、(a)ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を最適化する垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求める操作と、(b)前記巡航フェーズ中に前記最適軌道に沿って飛行するように前記航空機を制御する操作と、を行うように構成されたコンピュータシステムを含み、前記コンピュータシステムは、第1コンピュータを含み、操作(a)は、前記第1コンピュータによって実行される統合された機能であり、前記統合機能は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されている、システム。
付記A9: 操作(a)は、要求到着時刻を達成するための第1コストインデックス(CIRTA,est)を推定することと、前記第1コストインデックスに対する最適垂直プロファイルを求めることと、最大コストインデックス及び最小コストインデックスを用いて、前記最適垂直プロファイルの推定到着時刻ウィンドウを計算することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記第1コストインデックスに対する前記最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成する第2コストインデックス(CIRTA)を得ることと、前記第2コストインデックスに基づいて前記最適軌道を計算することと、を含む、付記A8に記載のシステム。
付記A10: 前記コンピュータシステムは、前記最適垂直プロファイル及び前記第2コストインデックスに従って飛行するように前記航空機を制御するよう構成された、第2コンピュータをさらに含む、付記A9に記載のシステム。
付記A11: 巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるための方法であって、(a)最大コストインデックスに対する第1最適垂直プロファイルを求める工程と、(b)前記第1最適垂直プロファイルの第1推定到着時刻を計算する工程と、(c)最小コストインデックスに対する第2最適垂直プロファイルを求める工程と、(d)前記第2最適垂直プロファイルの第2推定到着時刻を計算する工程と、(e)要求到着時刻が、前記第1推定到着時刻及び前記第2推定到着時刻によって画定される推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定する工程と、(f)前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を改善する妥協垂直プロファイルと、を含む、妥協最適軌道を求める工程と、(g)前記巡航フェーズ中に、前記妥協最適軌道に沿って前記航空機を飛行させる工程と、を含み、工程(f)は、コンピュータによって実行される統合された機能であり、前記統合機能は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されている、方法。
付記A12: 前記妥協最適軌道を求めることは、飛行中の燃料効率を高める、前記巡航フェーズ中の高度のステップ位置を、特定することを含む、付記A11に記載の方法。
付記A13: 工程(f)は、最大コストインデックス又は最小コストインデックスに対する妥協最適垂直プロファイルを求めることと、最大コストインデックス及び最小コストインデックスを用いて、前記妥協最適垂直プロファイルの推定到着時刻ウィンドウを計算することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記第1コストインデックスに対する前記妥協最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記妥協最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成するコストインデックス(CIRTA)を得ることと、前記コストインデックスに基づいて前記妥協最適軌道を計算することと、を含む、付記A11又はA12に記載の方法。
付記A14: 工程(f)は、前記妥協最適垂直プロファイル及び前記コストインデックスに従って前記航空機を飛行させることを含む、付記A13に記載の方法。
付記A15: 巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるためのシステムであって、前記システムは、以下の操作、すなわち、(a)最大コストインデックスに対する第1最適垂直プロファイルを求める操作と、(b)前記第1最適垂直プロファイルの第1推定到着時刻を計算する操作と、(c)最小コストインデックスに対する第2最適垂直プロファイルを求める操作と、(d)前記第2最適垂直プロファイルの第2推定到着時刻を計算する操作と、(e)要求到着時刻が、前記第1推定到着時刻及び前記第2推定到着時刻によって画定される推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定する操作と、(f)前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を改善する妥協最適垂直プロファイルと、を含む、妥協最適軌道を求める操作と、(g)前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、前記巡航フェーズ中に、前記妥協最適軌道に沿って飛行するように前記航空機を制御する操作と、を行うように構成されたコンピュータシステムを含み、前記コンピュータシステムは、操作(a)~(f)を行うように構成された第1コンピュータを含み、操作(f)は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されている統合された機能である、システム。
付記A16: 前記コンピュータシステムは、前記妥協最適垂直プロファイル及び前記第2コストインデックスに従って飛行するように前記航空機を制御するよう構成された、第2コンピュータをさらに含む、付記A15に記載のシステム。
付記A17: 前記第1コンピュータは、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記ウェイポイントにおける前記要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を最適化する最適垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求めるようにさらに構成されており、前記第2コンピュータは、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記巡航フェーズ中に前記最適軌道に沿って飛行するように前記航空機を制御するよう、さらに構成されている、付記A16に記載のシステム。
付記A18: 前記ウェイポイントにおける前記要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、前記燃料効率を最適化する最適垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求める操作は、前記要求到着時刻を達成するための第1コストインデックス(CIRTA,est)を推定することと、前記第1コストインデックスに対する最適垂直プロファイルを求めることと、最大コストインデックス及び最小コストインデックスを用いて、前記最適垂直プロファイルの新たな推定到着時刻ウィンドウを計算することと、前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記第1コストインデックスに対する前記最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成する第2コストインデックス(CIRTA)を得ることと、前記第2コストインデックスに基づいて前記最適軌道を計算することと、を含む、付記17に記載のシステム。
付記A19: 前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、前記第1コンピュータは、以下の操作、すなわち、(h)前記最大コストインデックス又は最小コストインデックスに対する妥協最適垂直プロファイルを求める操作と、(i)前記最大コストインデックス及び前記最小コストインデックスを用いて、前記妥協最適垂直プロファイルの新たな推定到着時刻ウィンドウを計算する操作と、(j)前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定する操作と、(k)前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記妥協最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記妥協最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成するコストインデックス(CIRTA)を得る操作と、(l)前記コストインデックスに基づいて前記妥協最適軌道を計算する操作と、を行うようにさらに構成されている、付記A15に記載のシステム。
付記A20: 前記第1コンピュータは、前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外である場合、前記要求到着時刻を達成する最適軌道を前記統合機能が見つけることができないことを示す信号を出すように、さらに構成されている、付記A19に記載のシステム。

Claims (13)

  1. 巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるための方法であって、
    (a)ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を最適化する垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求める工程と、
    (b)前記巡航フェーズ中に前記最適軌道に沿って前記航空機を飛行させる工程と、を含み、
    工程(a)は、コンピュータによって実行される統合された機能であり、前記統合機能は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されており
    工程(a)は、RTA速度モード及び巡航最適化の両方が有効であり、且つ、前記最適軌道の前記垂直プロファイルが前記燃料効率を大幅に改善するか、あるいは前記要求到着時刻が達成不可能である場合にのみ、行われる、方法。
  2. 工程()は、前記航空機の要素としての複数の制御システムによって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記コンピュータは、前記航空機に搭載された飛行管理コンピュータである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記最適軌道を求めることは、飛行中の燃料効率を高める、前記巡航フェーズ中の高度のステップ位置を、特定することを含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるための方法であって、
    (a)ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を最適化する垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求める工程と、
    (b)前記巡航フェーズ中に前記最適軌道に沿って前記航空機を飛行させる工程と、を含み、
    工程(a)は、コンピュータによって実行される統合された機能であり、前記統合機能は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されており、
    工程(a)は、
    要求到着時刻を達成するための第1コストインデックス(CIRTA,est)を推定することと、
    前記第1コストインデックスに対する最適垂直プロファイルを求めることと、
    最大コストインデックス及び最小コストインデックスを用いて、前記最適垂直プロファイルの推定到着時刻ウィンドウを計算することと、
    前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、
    前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記第1コストインデックスに対する前記最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成する推定到着時刻を生み出す第2コストインデックス(CIRTA)を得ることと、
    前記第2コストインデックスに基づいて前記最適軌道を計算することと、を含む、方法。
  6. 工程(b)は、前記最適垂直プロファイル及び前記第2コストインデックスに従って前記航空機を飛行させることを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 工程(a)は、前記第1コストインデックスを推定する前に行われる以下の工程、すなわち、
    最大コストインデックスに対する第1最適垂直プロファイルを求めることと、
    前記第1最適垂直プロファイルの第1推定到着時刻を計算することと、
    最小コストインデックスに対する第2最適垂直プロファイルを求めることと、
    前記第2最適垂直プロファイルの第2推定到着時刻を計算することと、
    前記要求到着時刻が、前記第1推定到着時刻及び前記第2推定到着時刻によって画定される推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、をさらに含み、
    請求項5に記載の工程は、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外ではない場合にのみ、行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 巡航フェーズ中に、到着時刻制約を受けて、軌道に沿って航空機を飛行させるためのシステムであって、前記システムは、以下の操作、すなわち、
    (a)最大コストインデックスに対する第1最適垂直プロファイルを求める操作と、
    (b)前記第1最適垂直プロファイルの第1推定到着時刻を計算する操作と、
    (c)最小コストインデックスに対する第2最適垂直プロファイルを求める操作と、
    (d)前記第2最適垂直プロファイルの第2推定到着時刻を計算する操作と、
    (e)要求到着時刻が、前記第1推定到着時刻及び前記第2推定到着時刻によって画定される推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定する操作と、
    (f)前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、ウェイポイントにおける要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を改善する妥協最適垂直プロファイルと、を含む、妥協最適軌道を求める操作と、
    (g)前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、前記巡航フェーズ中に、前記妥協最適軌道に沿って飛行するように前記航空機を制御する操作と、を行うように構成されたコンピュータシステムを含み、
    前記コンピュータシステムは、操作(a)~(f)を行うように構成された第1コンピュータを含み、操作(f)は、要求到着時刻機能と巡航最適化とによって構成されている統合された機能である、システム。
  9. 前記コンピュータシステムは、前記妥協最適垂直プロファイルに従って飛行するように前記航空機を制御するよう構成された、第2コンピュータをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記第1コンピュータは、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記ウェイポイントにおける前記要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、燃料効率を最適化する最適垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求めるようにさらに構成されており、前記第2コンピュータは、前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記巡航フェーズ中に前記最適軌道に沿って飛行するように前記航空機を制御するよう、さらに構成されている、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記ウェイポイントにおける前記要求到着時刻を達成する速度スケジュールと、前記燃料効率を最適化する最適垂直プロファイルと、を含む最適軌道を求める操作は、
    前記要求到着時刻を達成するための第1コストインデックス(CIRTA,est)を推定す
    ることと、
    前記第1コストインデックスに対する最適垂直プロファイルを求めることと、
    最大コストインデックス及び最小コストインデックスを用いて、前記最適垂直プロファイルの新たな推定到着時刻ウィンドウを計算することと、
    前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定することと、
    前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記第1コストインデックスに対する前記最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成する第2コストインデックス(CIRTA)を得ることと、
    前記第2コストインデックスに基づいて前記最適軌道を計算することと、を含む、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記要求到着時刻が前記推定到着時刻ウィンドウ外である場合、前記第1コンピュータは、以下の操作、すなわち、
    (h)前記最大コストインデックス又は最小コストインデックスに対する妥協最適垂直プロファイルを求める操作と、
    (i)前記最大コストインデックス及び前記最小コストインデックスを用いて、前記妥
    協最適垂直プロファイルの新たな推定到着時刻ウィンドウを計算する操作と、
    (j)前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外であるか否かを判定する操作と、
    (k)前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外でない場合、前記妥協最適垂直プロファイルを含む軌道の予測を伴った、コストインデックスの探索反復を行い、これにより、前記妥協最適垂直プロファイルに沿った飛行のための、前記要求到着時刻を達成するコストインデックス(CIRTA)を得る操作と、
    (l)前記コストインデックスに基づいて前記妥協最適軌道を計算する操作と、を行うようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
  13. 前記第1コンピュータは、前記要求到着時刻が前記新たな推定到着時刻ウィンドウ外である場合、前記要求到着時刻を達成する最適軌道を前記統合機能が見つけることができないことを示す信号を出すように、さらに構成されている、請求項12に記載のシステム。
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