JP7450639B2 - 低積層欠陥エネルギー超合金、構造部材及びその使用 - Google Patents

低積層欠陥エネルギー超合金、構造部材及びその使用 Download PDF

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Description

関係出願の相互参照
本出願は、2021年04月22日に中国専利局に提出された、出願番号が2021104333653であり、名称が「低積層欠陥エネルギー超合金、構造部材及びその使用」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その全ての内容が、参照により本出願に組み込まれる。
本出願は、超合金の技術分野に属し、殊に、低積層欠陥エネルギー超合金、構造部材及びその使用に関する。
航空用エンジンは、飛行機の「心臓」であり、ハイエンド製造業「王冠の宝石」としていわれている。超合金材料が航空用エンジンの基であるとともに、宇宙航行体、船舶用ガスタービンなどの重要な兵器装備の肝心な材料でもある。特に汎用超合金は、使用に性能が優れ、プロセス適用性も良いため、多用途が実現でき、コストパフォーマンスが高く、航空、宇宙航行、船舶などの分野に広く応用されている。
現在、汎用超合金の代表であるGH4169合金は、各分野で使用量が最も大きく、用途が最も広い中堅超合金材料となっている。近年、航空用エンジン、宇宙航行体の性能レベルに対する要求がますます高まって、一方、新世代超合金材料に対して耐熱性を100℃向上させることが要求され、他方、構造のより複雑な部品を製造して、軽量化と効果向上の目標を実現するように、良好なプロセス特性も要求される。新世代航空用エンジンを例として、高圧コンプレッサ最終段ブリスクの作動温度が750℃に達したが、GH4169合金は、安定使用温度が650℃しかなく、その耐熱性及び性能レベルが使用要求を満たすことができなくなる。
合金の耐熱性及び力学的特性を向上させるため、主に材料の合金化度を高めることにより強化相のメルトバック温度及び体積分率を高める。しかしながら、この方法であれば、合金の偏析傾向が増大し、熱間加工のプロセスウィンドウが狭くなって、熱間加工が難しくなり、溶接中及び溶接後に亀裂ができやすくなるため、その適用範囲が大きく制限される。一方、付加製造(3Dプリント)技術は、複雑な部材の成形能力及び単品生産効率を著しく向上させることができ、近年急速に発展している先進な製造技術であり、特に高速飛行体に多く適用されている。しかし、該技術は、合金材料のプロセス性、特に溶接性に大きく依存する。現在、プリント成形可能な合金の強度及び耐熱性が不足で、高性能の超合金に亀裂ができやすく、プリント困難であるため、設計に使える材料がなかなかない。このため、本出願は、高性能及び良好なプロセス性能の両方を兼ねる汎用超合金の開発を図る。
これに鑑みて、本出願を提出する。
本出願は、従来技術における、使用性能と調製プロセス特性の両方に配慮を加えることができなかった技術問題を解決できる低積層欠陥エネルギー超合金を提供することを目的とする。
本出願は、さらに低積層欠陥エネルギー超合金で製造された構造部材を提供することを目的とする。
本出願は、さらに前記低積層欠陥エネルギー超合金で製造された構造部材の使用を提供することを目的とする。
本出願の上記の目的を実現するため、下記の技術案を用いる。
低積層欠陥エネルギー超合金は、質量分率で、C 0.01%~0.09%、Co 23.5%~27.5%、Cr 11%~15%、W 0.1%~1.8%、Al 2.2%~2.6%、Ti 3.5%~5.5%、Nb 0%~2%、Ta 0%~2%、Mo 2.1%~3.5%、B 0.0001%~0.05%、Zr 0.0001%~0.05%、Fe 0%~2.5%、Mg 0%~0.04%を含み、残部がNiであり、
ただし、NbとTaとの質量分率の合計が0.8%以上である。
高性能超合金の強化方式として、総合的な高温特性を得るように、析出相強化を主として、固溶強化及び結晶粒界強化と合わせる。しかし、上記の強化方式のみを利用する場合、合金の性能をさらに向上させるため、一般的に材料の合金化度を高める手段を用いるが、該手段を用いれば、プロセス性能が低下し、高性能及び良好なプロセス性能の要求をともに満たすことができない。
本出願の研究過程で、超合金における母相の積層欠陥エネルギーが低下するとき、変形の過程において、マイクロツインなどのミクロ構造が生じやすく、使用過程において、マイクロツインなどと析出相とが相乗的に作用すれば、合金の力学的特性を顕著に向上させることができ、任意選択で、強化相元素を同期して調整すれば、高性能と良好なプロセス性能の両方を兼ねる汎用超合金を得ることができることがわかった。
本出願に係る低積層欠陥エネルギー超合金は、750℃以上の使用性能と良好な熱間加工、溶接、3Dプリントなどの特性を兼ねることができ、タービンディスク、ブレード、ケーシング、燃焼室などの構成部材にして長期使用ができる。
本出願において、NbとTaとを添加することにより、強化相の析出速度を下げるとともに、強化相のメルトバック温度を下げ、γ単相領域を拡大し、したがって、合金が優れた熱変形プロセス性能を有するようになる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Coの質量分率は、23.5%~26.5%であり、24%~26%であることが好ましい。
超合金におけるCoの含有量を高めることにより、γ母相の積層欠陥エネルギーを効果的に低下させることができ、マイクロツインが生じやすく、マイクロツインとγ’相とが相乗的に高まるとき、材料の性能を効果的に向上させることができる。しかしながら、多すぎるCo元素を添加すると、積層欠陥エネルギーの更なる顕著な低下がなく、合金のコストの上昇を招くこともある。本出願は、上記の含有量のCoを他の成分と合わせることにより、積層欠陥エネルギーを低下させ、良好な性能を得ることができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Cの質量分率が0.01%~0.06%であり、0.01%~0.04%であることが好ましく、0.01%~0.02%であることがより好ましい。
C元素が超合金に添加されると、結晶粒界に偏在し、結晶粒界強度を高めることができ、そして、MC、又はM6C、又はM23C6などの炭化物を形成し、高温条件下で転位の運動を阻害して、高温強化作用を発揮することができる。しかしながら、Cの含有量が高すぎると、炭化物が結晶粒界に析出して連続炭化膜を形成し、合金の力学的特性に不利である。本出願において、含有量を上記の範囲内に収めるCを他の元素と合わせることにより、合金の高温強化作用及び力学的特性などを保証することができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Crの質量分率は、12%~14%であり、12%~13%であることが好ましい。
Cr元素の添加により、合金母相の積層欠陥エネルギーを効果的に低下させることができるとともに、固溶強化の効果を発揮することもできるため、材料の高温時の力学的特性を向上させることができる。そして、Cr元素の添加により、高温条件下で金属の表面に緻密な酸化膜を形成して、合金の耐酸化性を向上させることができる。しかし、Crの含有量が16%を超えると、有害な二次相の析出が大きく促進され、合金の高温時の力学的特性が影響される。したがって、本出願において、多くの性能を兼ねるように、Crの含有量を12%~13%に収めることが好ましい。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、WとMoとの質量分率の合計が3%以上であり、4%以上であることが好ましい。
本出願の具体的な実施形態として、Wの質量分率は、1%~1.8%であり、1%~1.5%であることが好ましく、1.1%~1.3%であることがさらに好ましく、Moの質量分率は、2.1%~3.0%がであり、2.5%~3.0%であることがより好ましく、2.7%~2.9%であることがさらに好ましい。
Wの添加は、γ相、γ’相に対して固溶強化作用を有する。Wの含有量が高すぎると、一方、μ相などの有害相の析出の傾向が高まり、他方、合金全体の密度が高まり、合金の応用が制限される。このため、本出願において、性能を保証するように、Wの含有量を上記の範囲内に収める。Wの作用と類似し、Moが優先してγ相に入り、Ni基超合金において固溶強化の作用を発揮する。Moの含有量が高すぎると、σ相、μ相など有害相の析出の傾向が高まり、合金性能の低下を招く。TCP相の析出及び粗化を避けるとともに、良好な固溶強化の効果を得るように、WとMoの含有量を上記の範囲内に収める。
本出願の具体的な実施形態として、Alと、Tiと、Nbと、Taとの質量分率の合計が7%以上である。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Alの質量分率は2.3%~2.5%である。
超合金において、Al元素がγ’強化相の構成元素であり、Al元素の含有量の高まりに従って、一方、γ’強化相の体積分率を高めて優れた高温特性を得ることができ、他方、合金の密度を低下させて、その応用範囲を拡大することができる。しかし、比較的に高いAlの含有量であれば、γ’相のメルトバック温度が上昇し、熱間加工のプロセスウィンドウが狭くなるため、合金の熱間加工特性を損なう。このため、本出願において、Alの含有量を2.3%~2.5%範囲内に収めることにより、高温特性を向上させ、密度を低下させるとともに、合金の熱間加工特性を保証することができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Tiの質量分率は4.4%~4.6%である。超合金において、Ti元素もγ’強化相の構成元素であり、Ti元素の含有量の高まりに従って、γ’強化相の体積分率を高めて優れた高温特性を得ることができる。しかし、Tiの含有量がさらに高まればη相が析出し、合金性能が低下するリスクが増大する。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、NbとTaとの質量分率の合計と、Al元素の質量分率との比が0.4以上であり、TiとAlとの質量分率の比が2.1以下である。任意選択で、Nbの質量分率が0.5%~1.5%であり、Taの質量分率が0.1%~2.0%である。Nb元素の添加により、γ’強化相の析出速度を効果的に低減することができるとともに、γ’強化相のメルトバック温度を効果的に低下させることができるため、熱変形プロセスに寄与できる。しかし、Nbの含有量が高すぎると、材料の耐亀裂伸展性に不利である。Ta元素について、Ta元素の添加により、逆位相境界エネルギーを向上させて合金強度レベルを上げることができるとともに、γ’のメルトバック温度を低下させて、合金の熱間加工性能に有利である。しかし、Taは、TCP相の析出のリスクを増加させるとともに、合金密度及びコストを上昇させる。上記のAl元素及びTi元素の該合金系における作用に合わせて、Nbの含有量を0.5%~1.5%にし、Taの含有量を0.1%~2.0%にし、NbとTaとの質量分率の合計と、Al元素の質量分率との比を0.4以上にし、TiとAlとの質量分率の比を2.1以下にコントロールすることにより、合金の熱間加工性能及び合金の力学的特性などの多くの面からの改善を兼ねることができる。
本出願に係る合金において、添加したFe元素の質量分率を2.5%以下にすることにより、合金の総合的な性能レベルを大きく影響しない前提で、合金のコストを効果的に低減することができ、合金製造プロセスにおいて固形廃棄物や加工屑などの返り材の添加が許される。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Bの質量分率が0.001%~0.03%であり、Zrの質量分率が0.001%~0.03%である。B及びZr元素がいずれも結晶粒界に偏在され、合金の熱可塑性及び高温クリープ強度を向上させることができるが、B元素がホウ化物の低融点相を形成しやすく、Zr元素の含有量が高すぎると、均一な鋳造インゴットを得るプロセス難易度が上がる。特定の含有量のB及びZrを採用すれば、合金性能の向上及び加工プロセスの改善を兼ねることができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、γ’強化相の体積分率は、30%以上であり、40%~55%であることが好ましく、40%~50%であることがより好ましい。
γ’強化相の体積分率は、例えば55%以上のように高すぎると、より高い高温強度を得ることができるが、その熱変形プロセス性能が低下し、大型の鍛造品の調製に適しない。本出願において、合金の高温特性レベルと熱変形プロセス性能とを総合的に考慮し、γ’強化相の体積分率が40%以上であることが好ましく、そして、マイクロツインなどの強化に合わせ、γ’相とマイクロツインとを相乗的に強化させて、高温特性の優れた超合金を得ることができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金は、質量分率で、C 0.01%~0.04%、Co 24%~26%、Cr 12%~14%、W 1%~1.5%、Mo 2.5%~3.0%、Al 2.3%~2.5%、Ti 4.4%~4.6%、Nb 0.5%~1.5%、Ta 0.1%~2.0%、B 0.001%~0.03%、Zr 0.001%~0.03%、Fe 0%~2.5%、Mg 0%~0.04%を含み、残部がNiである。好ましくは、低積層欠陥エネルギー超合金は、質量分率で、C 0.01%~0.02%、Co 24%~26%、Cr 12%~14%、W 1%~1.5%、Mo 2.5%~3.0%、Al 2.3%~2.5%、Ti 4.4%~4.6%、Nb 0.5%~1.5%、Ta 0.1%~2.0%、B 0.001%~0.03%、Zr 0.001%~0.03%、Fe 0%~2.5%、Mg 0%~0.04%を含み、残部がNiである。より好ましくは、低積層欠陥エネルギー超合金は、質量分率で、C 0.01~0.02%、Co 24%~26%、Cr 12%~13%、W 1.1%~1.3%、Mo 2.7%~2.9%、Al 2.3%~2.5%、Ti 4.4%~4.6%、Nb 0.5%~1.5%、Ta 0.1%~2.0%、B 0.001%~0.03%、Zr 0.001%~0.03%、Fe 0%~2.5%を含み、残部がNiである。
本出願は、上記のいずれか1種の前記低積層欠陥エネルギー超合金で製造された構造部材をさらに提供する。
本出願の具体的な実施形態として、前記構造部材は、鍛造品、鋳造品及び付加製造の構造部材のうちのいずれか1種を含む。
本出願の具体的な実施形態として、前記鍛造品の調製方法は、以下のステップを含む。
(a)前記低積層欠陥エネルギー超合金の成分で材料を配合し、溶製し、鋳造インゴットを得る。
(b)前記鋳造インゴットに対して、均一化処理したあと、鍛造成形し、熱処理を行う。
本出願の具体的な実施形態として、前記鋳造品の調製方法は、
前記低積層欠陥エネルギー超合金の成分で原料を配合し、真空誘導溶解を行い、注型して熱処理を行うことを含む。
本出願の具体的な実施形態として、前記付加製造の構造部材の調製方法は、以下のステップを含む。
(a)前記低積層欠陥エネルギー超合金の成分で原料を配合し、溶製して電極棒を得、そして、粉末を製造し、所定モデルで3Dプリントを行う。
(b)3Dプリントで得られた形材に対して、熱間等方圧加圧処理と熱処理を行う。
本出願は、上記のいずれか1種の前記構造部材の航空宇宙装備における使用をさらに提供する。
従来技術に比べて、本出願は、下記の有益効果を有する。
(1)本出願に係る低積層欠陥エネルギー超合金は、Coの含有量をある程度で上げ、Mo、Wなどの固溶元素を最適化し、Al、Ti、Nb、Taの強化相元素の配合比を調整し、適量のC及びBなどの微量元素を添加することにより、母相の積層欠陥エネルギーを効果的に低下させることができ、後の熱変形プロセスにおけるマイクロツインの導入に寄与でき、マイクロツインとγ’相とが相乗的な強化作用に、結晶粒界強化効果を合わせることにより、合金の耐熱性及び高温強度を効果的に向上させることができる。また、強化相元素を調整することにより、十分な強化相を有することを保証するとともに、強化相の析出速度を効果的に下げ、強化相のメルトバック温度を下げ、熱間加工のプロセスウィンドウを拡大し、合金のプロセス性能を効果的に向上させることができ、したがって、該合金が、750℃以上の使用性能と良好な熱間加工、溶接、3Dプリントなどの特性を兼ねることができる。
(2)本出願に係る低積層欠陥エネルギー超合金は、鋳造、鍛造、溶接、プリンティングが可能であり、プロセス性能が優れ、航空宇宙装備における構造部材の製造に適し、例えば、タービンディスク、ブレード、ケーシング、燃焼室などの構造部材にして長期使用ができる。
本出願における具体的な実施形態又は従来技術の技術案をより明瞭に説明するため、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面をもとに、他の図面を得ることが可能である。
本出願の実施例による超合金のミクロ組織写真である。
以下、図面と具体的な実施形態を用いて本出願の技術案を明瞭且つ完全に説明し、以下で説明される実施例が本出願を説明するための一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではなく、本出願の範囲を限定するものとみなすべきではない。本出願の実施例をもとに、当業者が発明能力を用いなくて得たすべての他の実施例も、本出願の保護範囲に属する。実施例において、具体的な条件を明記しないことについて、従来の条件又はメーカーの勧めの条件下で行うことが可能である。使用する試剤又は機械の、製造メーカーが明記されていないものは、市販の従来品を使用することが可能である。
低積層欠陥エネルギー超合金は、質量分率で、C 0.01%~0.09%、Co 23.5%~27.5%、Cr 11%~15%、W 0.1%~1.8%、Al 2.2%~2.6%、Ti 3.5%~5.5%、Nb 0%~2%、Ta 0%~2%、Mo 2.1%~3.5%、B 0.0001%~0.05%、Zr 0.0001%~0.05%、Fe 0%~2.5%、Mg 0%~0.04%を含み、残部がNiであり、
ただし、NbとTaとの質量分率の合計が0.8%以上である。
本出願に係る低積層欠陥エネルギー超合金は、750℃以上の使用性能と良好な熱間加工、溶接、3Dプリントなどの特性を兼ねることができ、タービンディスク、ブレード、ケーシング、燃焼室などの構造部材にして長期使用ができる。
実施形態によって、各成分の質量分率がそれぞれ下記から選択できる。
Cの質量分率は0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%などであってもよく、
Coの質量分率は23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%などであってもよく、
Crの質量分率は11%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、15%などであってもよく、
Wの質量分率は0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%などであってもよく、
Moの質量分率は2.1%、2.2%、2.5%、2.8%、3%、3.2%、3.5%などであってもよく、
Alの質量分率は2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%などであってもよく、
Tiの質量分率は3.5%、3.8%、4%、4.2%、4.5%、4.8%、5%、5.2%、5.5%などであってもよく、
Nbの質量分率は0.5%、0.8%、1%、1.2%、1.5%、1.8%、2%などであってもよく、
Taの質量分率は0.1%、0.2%、0.5%、0.8%、1%、1.2%、1.5%、1.8%、2%などであってもよく、
Bの質量分率は0.0001%、0.0005%、0.001%、0.005%、0.01%、0.015%、0.02%、0.025%、0.03%、0.035%、0.04%、0.045%、0.05%などであってもよく、
Zrの質量分率は0.0001%、0.0005%、0.001%、0.005%、0.01%、0.015%、0.02%、0.025%、0.03%、0.035%、0.04%、0.045%、0.05%などであってもよく、
Feの質量分率は0%、0.1%、0.2%、0.5%、0.8%、1%、1.2%、1.5%、1.8%、2%、2.2%、2.5%などであってもよく、
Mgの質量分率は0%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%などであってもよい。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Coの質量分率は、23.5%~26.5%であり、24%~25%であることが好ましい。
超合金におけるCoの含有量を高めることにより、γ母相(matrix)の積層欠陥エネルギーを効果的に低下させることができ、マイクロツインが生じやすく、マイクロツインとγ’相とが相乗的に高まるとき、材料の性能を効果的に向上させることができる。しかしながら、多すぎるCo元素を添加すると、積層欠陥エネルギーの更なる顕著な低下がなく、合金のコストの上昇を招くこともある。本出願は、上記の含有量のCoを他の成分と合わせることにより、積層欠陥エネルギーを低下させ、良好な性能を得ることができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Cの質量分率は0.01%~0.06%であり、0.01%~0.04%であることが好ましく、0.01%~0.02%であることがより好ましい。
C元素が超合金に添加されると、結晶粒界に偏在し、結晶粒界強度を高めることができ、そして、MC、又はM6C、又はM23C6などの炭化物を形成し、高温条件下で転位の運動を阻害して、高温強化作用を発揮することができる。しかしながら、Cの含有量が高すぎると、炭化物が結晶粒界に析出して連続炭化膜を形成し、合金の力学的特性に不利である。本出願において、含有量を上記の範囲内に収めるCを他の元素と合わせることにより、合金の高温強化作用及び力学的特性などを保証することができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Crの質量分率は、12%~14%であり、12%~13%であることが好ましい。
Cr元素の添加により、合金母相の積層欠陥エネルギーを効果的に低下させることができるとともに、固溶強化の効果を発揮することもできるため、材料の高温時の力学的特性を向上させることができる。そして、Cr元素の添加により、高温条件下で金属の表面に緻密な酸化膜を形成して、合金の耐酸化性を向上させることができる。しかし、Crの含有量が16%を超えると、有害な二次相の析出が大きく促進され、合金の高温時の力学的特性が影響される。したがって、本出願において、多くの性能を兼ねるように、Crの含有量を12%~13%に収めることが好ましい。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、WとMoとの質量分率の合計が3%以上であり、4%以上であることが好ましい。
本出願の具体的な実施形態として、Wの質量分率は、1%~1.8%であり、1%~1.5%であることが好ましく、1.1%~1.3%であることがさらに好ましく、Moの質量分率は、2.1%~3.0%であり、2.5%~3.0%であることがより好ましく、2.7%~2.9%であることがさらに好ましい。
Wの添加は、γ相、γ’相に対して固溶強化作用を有する。Wの含有量が高すぎると、一方、μ相などの有害相の析出の傾向が高まり、他方、合金全体の密度が高まり、合金の応用が制限される。このため、本出願において、性能を保証するように、Wの含有量を上記の範囲内に収める。Wの作用と類似し、Moが優先してγ相に入り、Ni基超合金において固溶強化の作用を発揮する。Moの含有量が高すぎると、σ相、μ相など有害相の析出の傾向が高まり、合金性能の低下を招く。TCP相の析出及び粗化を避けるとともに、良好な固溶強化の効果を得るように、WとMoの含有量を上記の範囲内に収める。
本出願の具体的な実施形態として、Alと、Tiと、Nbと、Taとの質量分率の合計が7%以上である。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Alの質量分率は2.3%~2.5%である。
超合金において、Al元素がγ’強化相の構成元素であり、Al元素の含有量の高まりに従って、一方、γ’強化相の体積分率を高めて優れた高温特性を得ることができ、他方、合金の密度を低下させて、その応用範囲を拡大することができる。しかし、比較的に高いAlの含有量であれば、γ’相のメルトバック温度が上昇し、熱間加工のプロセスウィンドウが狭くなるため、合金の熱間加工特性を損なう。このため、本出願において、Alの含有量を2.3%~2.5%範囲内に収めることにより、高温特性を向上させ、密度を低下させるとともに、合金の熱間加工特性を保証することができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Tiの質量分率は4.4%~4.5%である。超合金において、Ti元素もγ’強化相の構成元素であり、Ti元素の含有量の高まりに従って、γ’強化相の体積分率を高めて優れた高温特性を得ることができる。しかし、Tiの含有量がさらに高まればη相が析出し、合金性能が低下するリスクが増大する。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、NbとTaとの質量分率の合計と、Al元素の質量分率との比が0.4以上であり、TiとAlとの質量分率の比が2.1以下である。任意選択で、Nbの質量分率が0.5%~1.5%であり、Taの質量分率が0.1%~2.0%である。Nb元素の添加により、γ’強化相の析出速度を効果的に低減することができるとともに、γ’強化相のメルトバック温度を効果的に低下させることができるため、熱変形プロセスに寄与できる。しかし、Nbの含有量が高すぎると、材料の耐亀裂伸展性に不利である。Ta元素について、Ta元素の添加により、逆位相境界エネルギーを向上させて合金強度レベルを上げることができるとともに、γ’のメルトバック温度を低下させて、合金の熱間加工性能に有利である。しかし、Taは、TCP相の析出のリスクを増加させるとともに、合金密度及びコストを上昇させる。上記のAl元素及びTi元素の該合金系における作用に合わせて、Nbの含有量を0.5%~1.5%にし、Taの含有量を0.1%~2.0%にし、NbとTaとの質量分率の合計と、Al元素の質量分率との比を0.4以上にし、TiとAlとの質量分率の比を2.1以下にコントロールすることにより、合金の熱間加工性能及び合金の力学的特性などの多くの面からの改善を兼ねることができる。
本出願に係る合金において、添加したFe元素の質量分率を2.5%以下にすることにより、合金の総合的な性能レベルを大きく影響しない前提で、合金のコストを効果的に低減することができ、合金製造プロセスにおいて固形廃棄物や加工屑などの返り材の添加が許される。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、Bの質量分率が0.001%~0.03%であり、Zrの質量分率が0.001%~0.03%である。B及びZr元素がいずれも結晶粒界に偏在され、合金の熱可塑性及び高温クリープ強度を向上させることができるが、B元素がホウ化物の低融点相を形成しやすく、Zr元素の含有量が高すぎると、均一な鋳造インゴットを得るプロセス難易度が上がる。特定の含有量のB及びZrを採用すれば、合金性能の向上及び加工プロセスの改善を兼ねることができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金において、γ’強化相の体積分率は、30%以上であり、40%~55%であることが好ましく、40%~50%であることがより好ましい。
γ’強化相の体積分率は、例えば55%以上のように高すぎると、より高い高温強度を得ることができるが、その熱変形プロセス性能が低下し、大型の鍛造品の調製に適しない。本出願において、合金の高温特性レベルと熱変形プロセス性能とを総合的に考慮し、γ’強化相の体積分率が40%以上であることが好ましく、そして、マイクロツインなどの強化に合わせ、γ’相とマイクロツインとを相乗的に強化させて、高温特性の優れた超合金を得ることができる。
本出願の具体的な実施形態として、低積層欠陥エネルギー超合金は、質量分率で、C 0.01%~0.04%、Co 24%~26%、Cr 12%~14%、W 1%~1.5%、Mo 2.5%~3.0%、Al 2.3%~2.5%、Ti 4.4%~4.6%、Nb 0.5%~1.5%、Ta 0.1%~2.0%、B 0.001%~0.03%、Zr 0.001%~0.03%、Fe 0%~2.5%、Mg 0%~0.04%を含み、残部がNiである。より好ましくは、低積層欠陥エネルギー超合金は、質量分率で、C 0.01%~0.02%、Co 24%~26%、Cr 12%~13%、W 1.1%~1.3%、Mo 2.7%~2.9%、Al 2.3%~2.5%、Ti 4.4%~4.6%、Nb 0.5%~1.5%、Ta 0.1%~2.0%、B 0.001%~0.03%、Zr 0.001%~0.03%、Fe 0%~2.5%を含み、残部がNiである。
本出願は、上記のいずれか1種の前記低積層欠陥エネルギー超合金で製造された構造部材をさらに提供する。
本出願の具体的な実施形態として、前記構造部材は、鍛造品、鋳造品及び付加製造の構造部材のうちのいずれか1種を含む。
本出願の具体的な実施形態として、前記鍛造品の調製方法は、以下のステップを含む。
(a)前記低積層欠陥エネルギー超合金の成分で材料を配合し、溶製し、鋳造インゴットを得る。
(b)前記鋳造インゴットに対して、均一化処理したあと、鍛造成形し、熱処理を行う。
本出願の具体的な実施形態として、前記均一化処理の条件として、1100~1150℃で24~36h保温処理し、さらに、1170~1190℃で36~48h保温処理する。
本出願の具体的な実施形態として、前記鋳造品の調製方法は、
前記低積層欠陥エネルギー超合金の成分で原料を配合し、真空誘導溶解を行い、注型して熱処理を行い、鋳造品を得ることを含む。
本出願の具体的な実施形態として、前記付加製造の構造部材の調製方法は、以下のステップを含む。
(a)前記低積層欠陥エネルギー超合金の成分で原料を配合し、溶製して電極棒を得、そして、粉末を製造し、所定モデルで3Dプリントを行う。
(b)3Dプリントで得られた形材に対して、熱間等方圧加圧処理と熱処理を行う。
実際の操作において、溶製による粉末製造の方式は、真空水平連続鋳造又は真空誘導溶解技術により母合金を調製し、そして真空ガスアトマイズ方法で粉末を製造することを含む。任意選択で、粉末噴射式又は粉末敷き式の選択的レーザ溶融技術(Selective Laser Melting)により3Dプリントを行う。
本出願の具体的な実施形態として、前記熱間等方圧加圧処理の条件として、温度が1150~1200℃であり、圧力が120~140MPa以上であり、保温保圧時間が2h以上である。
本出願の具体的な実施形態として、前記熱処理の条件として、1050~1120℃で2~6hの固溶化処理を行い、室温まで空冷させ、そして、600~700℃に加熱して20~30hの時効処理を行い、室温まで空冷させ、さらに700~800℃に加熱して10~20hの時効処理を行い、室温まで空冷させる。
本出願は、上記のいずれか1種の前記構造部材の、航空宇宙装備における使用をさらに提供する。
実施例1~7
実施例1~7は、超合金1#~7#及び調製方法をそれぞれ提供する。超合金の実測成分は、表1で示される。また、比較1#~比較3#における合金調製方法は、実施例1~7における調製方法と同じであり、超合金の成分が異なることが相違する。
超合金の調製方法は、下記のステップを含む。
(1)超合金の元素配合比でC、Co、Cr、W、Al、Ti、Nb、Ta、Mo、B、Zr、Fe、Mg、Hf及びNi元素を得られる所定量の製錬原料を秤量し、そのうち、基剤と揮発しやすい元素とが含まれ、基剤を真空誘導炉坩堝内に入れ、揮発しやすい元素などをフィーダに入れ、真空引きして、真空誘導溶解を行った。真空度が3Pa未満になったとき、通電して昇温させ、完全に融解したあと、電源が切れるまで40min精錬する(パワーを漸減する)。溶鋼が所定温度に降温したとき、Al、C、Ti、B、Hf、Mgなどを入れて合金化し、十分撹拌したあと、電源を切って降温し、適切な温度になったら、通電して合金インゴットを鋳造した。
(2)合金インゴットに対して高温均一化処理したあと、分塊圧延、型鍛造成形、熱処理を行って、相応の鍛造品を得た。
ここで、高温均一化処理の条件として、1100~1150℃で24h保温し、1170~1190℃で36h保温し、熱処理の条件として、1050~1100℃で2hの固溶化処理を行い、室温まで空冷させ、そして、600~680℃に加熱して20hの時効処理を行い、室温まで空冷させ、さらに、750~800℃に加熱して10hの時効処理を行い、室温まで空冷させる。
Figure 0007450639000001
実施例8
本実施例は、低積層欠陥エネルギー超合金鋳造品を提供する。その調製方法は、下記のステップを含む。
実施例1における超合金1#の元素配合比に参照して原料を配合し、真空誘導溶解技術により特定の金型で注型し、熱処理して、超合金鋳造品を得た。その熱処理条件として、1100~1150℃で2h保温したあと室温まで空冷させ、そして1050~1100℃で2h保温したあと室温まで空冷させ、そして、600~680℃に加熱して20h保温したあと空冷させ、さらに、750~800℃に加熱して10h保温したあと室温まで空冷させた。
実施例9
本実施例は、低積層欠陥エネルギー超合金の付加製造の構造部材を提供する。その調製方法は、下記のステップを含む。
実施例1における超合金1#の元素配合比に参照して原料を配合し、真空誘導溶解により母合金電極を調製し、真空ガスアトマイズ方法により粉末を調製し、粒度範囲が15~53μmである粉末を取って選択的レーザ溶融技術(SLM)により調製して、超合金試料を得た。プリンティング過程において、160~280Wのレーザパワー、800~1300mm/sのレーザ走査速度、80~100μmのスポット径、90~110μmのレーザ間隔、30~60μmの粉末敷き厚さにした。その後、熱間等方圧加圧と熱処理を行い、付加製造の構造部材を調製した。
ここで、熱間等方圧加圧の条件として、1180~1120℃、120~140MPaの条件下で4~6h保温保圧した。熱処理の条件として、1050~1100℃で2hの固溶化処理を行い、室温まで空冷させ、そして、600~680℃に加熱して20hの時効処理を行い、室温まで空冷させ、さらに、750~800℃に加熱して10hの時効処理を行い、室温まで空冷させた。
試験例1
高分解能透過型電子顕微鏡を用いて超合金のミクロ組織を観察し、超合金の典型組織をキャラクタリゼーションした。
1#超合金を例にして、そのミクロ組織写真は、図1で示される。写真から分かるように、本出願に係る超合金の積層欠陥エネルギーが低く、マイクロツインなどのミクロ構造が生じやすい。
試験例2
《GB/T 228.2-2015金属材料引張試験第2部分:高温試験方法》及び《GB/T2039-2012金属材料単軸引張クリープ試験方法》標準に参照して、実施例1-7で調製できた1#~7#超合金鍛造品、その比較合金1#~3#超合金鍛造品、実施例8及び実施例9のそれぞれで調製できた1#合金の鋳造品、及び付加製造の構造部材の力学的特性及び異なる合金の1150℃での塑性を測定し、測定結果は、表2で示される。合金の、熱間加工プロセスにおけるプロセス性能を高温塑性でキャラクタリゼーションした。
Figure 0007450639000002
最後に注意を要するのは、上記の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのものにすぎず、それを限定するものではない。上記の各実施例を用いて本出願を詳細に説明したが、当業者にとって、上記の各実施例に記載された技術案を変更し、又はその一部或いは全部の技術的特徴に対して均等置換を行うこともできる。これらの変更又は置換は、該当技術案の本質を本出願の各実施例による技術案の範囲から逸脱させない。
産業上の利用可能性
本出願は、低積層欠陥エネルギー超合金、低積層欠陥エネルギー超合金を含む構造部材及びその使用を提供する。該低積層欠陥エネルギー超合金は、鋳造、鍛造、溶接、プリンティングが可能であり、プロセス性能が優れ、航空宇宙装備における構造部材の製造に適し、例えば、タービンディスク、ブレード、ケーシング、燃焼室などの構造部材にして長期使用ができる。
なお、本出願に係る低積層欠陥エネルギー超合金及び低積層欠陥エネルギー超合金を含む構造部材は、工業用途に適するとともに、再現できるものである。

Claims (8)

  1. 質量分率で、C 0.01%~0.09%、Co 23.5%~27.5%、Cr 12%~15%、W 0.1%~1.8%、Al 2.2%~2.6%、Ti 3.5%~5.5%、Nb 0%~2%、Ta 0%~2%、Mo 2.1%~3.5%、B 0.0001%~0.05%、Zr 0.0001%~0.05%、Fe 0%~2.5%、Mg 0%~0.04%を含み、残部がNiであり、
    ただし、NbとTaとの質量分率の合計が0.8%以上であり、
    NbとTaとの質量分率の合計)/(Al元素の質量分率)≧0.4であり、Ti質量分率)/(Alの質量分率)≦2.1であり、
    γ’強化相の体積分率は40%~55%である
    ことを特徴とする低積層欠陥エネルギー超合金。
  2. Coの質量分率は23.5%~26.5%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の低積層欠陥エネルギー超合金。
  3. WとMoとの質量分率の合計は3%以上であり、
    Wの質量分率が1%~1.8%であり、Moの質量分率が2.1%~3.0%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の低積層欠陥エネルギー超合金。
  4. Alと、Tiと、Nbと、Taとの質量分率の合計は7%以上である
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の低積層欠陥エネルギー超合金。
  5. 質量分率で、C 0.01%~0.04%、Co 24%~26%、Cr 12%~14%、W 1%~1.5%、Mo 2.5%~3.0%、Al 2.3%~2.5%、Ti 4.4%~4.6%、Nb 0.5%~1.5%、Ta 0.1%~2.0%、B 0.001%~0.03%、Zr 0.001%~0.03%、Fe 0%~2.5%、Mg 0%~0.04%を含み、残部がNiである
    ことを特徴とする請求項4に記載の低積層欠陥エネルギー超合金。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の低積層欠陥エネルギー超合金により製造された構造部材であり、
    鍛造品、鋳造品及び付加製造の構造部材のうちの任意の1種を含む
    ことを特徴とする構造部材。
  7. タービンディスク、ブレード、ケーシング、燃焼室のうちの任意の1種を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の構造部材。
  8. 請求項6又は7に記載の構造部材の航空宇宙装備における使用。
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