JP7447344B1 - 炭素固定化支援システム、炭素固定化支援装置、及び車両 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、製材所や木材市場では、バーク(木の樹皮)が大量に発生する。また、森林、公園、河川では、草刈りや剪定等により、大量の枝葉が発生する。これらを廃棄処理することなく回収してバイオ炭等のバイオ燃料を生成して資源化することで、廃棄処理のための費用を削減できるとともにCO2削減を図ることができる。
例えば、特許文献1には、全国に散在する廃棄材業者から加工業者に対して廃棄材を安定的に供給し、加工業者において廃棄材を炭化物(例えば、木材炭化物粉粒)に加工することで、廃棄材の有効利用を実現する廃棄材のリサイクルシステムが開示されている。
バイオマス原料の有効利用に際し、バイオマス原料を効率的に回収することは重要である。
図1は、本実施形態に係る炭素固定化支援システム1の構成を概略的に示したシステム構成図である。図1に示すように、ネットワーク8には、複数の車両10(具体的には、車両10に搭載される炭化管理装置20(図3参照))と、炭素固定化支援装置50とが接続されている。図1に示した例では、3台の車両10が図示されているが、車両10の接続台数はこれに限られない。各車両10と炭素固定化支援装置50とは、例えば、ネットワーク8を介して互いに通信が可能な構成とされている。
また、車両10は、バイオ製品製造システム2にバイオマス原料を供給する原料搬送手段として、コンベヤ3を備えていてもよい。
ドローン5は、例えば、バイオマス原料の回収作業を支援する装置として機能する。例えば、ドローン5は、バイオマス原料の回収場所を探索し、回収場所に関する情報を取得するために用いられる。また、ドローン5は、例えば、バイオ製品製造システム2によって製造されたバイオ製品(例えば、バイオ炭)を農地などに散布または漉き込む作業を支援する装置として機能してもよい。例えば、ドローン5は、バイオ炭を漉き込む土地を探索し、バイオ炭を漉き込む土地に関する情報を取得するために用いられてもよい。
回収装置は、公知の技術を用いればよい。例えば、ドローン5に固定されたウインチから繰り出された支持ワイヤの先端に運搬物を掴みこむ爪状の支持具が設けられており、支持具が開閉することにより、運搬物の回収や散布等を可能とする構成が挙げられる。
乾燥装置11は、例えば、コンベヤ3から投入されたバイオマス原料を乾燥させる。バイオマス原料は、例えば、木材からなる木質バイオマス(生物資源)であり、樹木の伐採や造材のときに発生した枝、葉などの林地残材、製材工場などから発生する樹皮(バーク)、樹皮(バーク)や鋸屑等から生成される木質ペレット、木質チップ等である。
乾燥装置11として、例えば、ベルト上に載置されたバイオマス原料に高温のガスを接触させて乾燥させるベルト乾燥機を採用することが可能である。また、乾燥装置11として、ベルト乾燥機に代えて、ロータリーキルン式乾燥機、ディスク乾燥機等を採用することが可能である。乾燥装置11の加熱方式は間接加熱、直接加熱のいずれでもよい。
熱分解炉13は、例えば、バイオマス原料を熱分解してバイオ炭、バイオ燃料等のバイオ製品を生成する。熱分解炉13は、燃焼室14を備えている。燃焼室14は、燃料を燃焼させ、熱を発生させる。また、燃焼室14には、粉砕機12によって粉砕されたバイオマス原料の一部が燃料として投入されてもよい。熱分解炉13は、燃焼室14から供給される熱によってバイオマス原料を間接的に加熱し、熱分解やガス化反応を起こさせる。熱分解の進行により、バイオマス原料は熱分解ガスを発生しながら炭化される。生成されたバイオ燃料(例えば、バイオ炭等)は、例えば、所定の回収容器(図示略)に排出され、収容される。また、バイオ炭等のバイオ燃料は、上述したように、粉砕機12によって粉砕された後に、回収容器に収容されてもよい。
熱分解炉13の加熱方式は、間接加熱、直接加熱のいずれでもよい。熱分解炉13の一例として、間接加熱式ロータリーキルン、直接加熱式ロータリーキルン、流動床炉、スクリュー型炭化炉等が挙げられる。
通信部(送信手段・受信手段)21は、ネットワーク8等を介して外部装置と接続し、外部装置との間で情報の授受を行う。外部装置の一例として、炭素固定化支援装置50、ドローン5、他の車両10等が挙げられる。
位置情報取得部22は、車両10の位置を取得する。位置情報取得部22は、例えば、GPSなどであり、種々の公知のデバイスや技術を適宜採用すればよい。
原料情報取得部23は、重量計測装置31によって計測されたバイオマス原料の重量及び組成分析装置32による分析結果、具体的には、バイオマス原料の単位重量当たりの炭素含有率を取得する。
原料炭素量演算部24は、バイオマス原料の組成分析結果及び重量を用いて、バイオマス原料に含まれる炭素量である原料炭素量を演算する。具体的には、バイオマス原料の単位重量当たりの炭素含有率を重量に乗じることにより、バイオマス原料に含まれる炭素量を演算する。
エリア情報生成部25は、バイオマス原料を回収した位置情報と原料炭素量とを関連付けた炭素固定化エリア情報を生成する。エリア情報生成部25によって生成された炭素固定化エリア情報は、通信部21を介して炭素固定化支援装置50に送信される。
排出炭素量演算部26は、例えば、車両10に搭載されている車両制御装置36と通信し、バイオマス原料を回収するために排出された排出炭素量を演算する。例えば、排出炭素量は、燃料消費量(例えば、電気消費量、軽油消費量、ガソリン消費量)から演算することが可能である。排出炭素量演算部26は、例えば、燃料消費量を排出炭素量に換算するための換算式を有しており、換算式に燃料消費量を代入することで排出炭素量を演算する。また例えば、燃料消費量は車両に給油を行う際の給油量から求めることも可能であり、この給油量を排出炭素量演算部26に入力することによって排出炭素量を演算してもよい。
通信部21は、炭素固定化情報を炭素固定化支援装置50に送信する。
製品情報取得部28は、製品重量計測装置34によって計測されたバイオ製品の重量及び製品組成分析装置35による分析結果、具体的には、バイオ製品の単位重量当たりの炭素含有率を取得する。
製品炭素量演算部29は、バイオ製品の組成分析結果及び重量を用いて、バイオ製品に含まれる炭素量である製品炭素量を演算する。具体的には、バイオ製品の単位重量当たりの炭素含有率を重量に乗じることにより、バイオ製品に含まれる炭素量を演算する。
規格適合判定部30は、製品炭素量演算部29によって演算されたバイオ製品に含まれる炭素量が規格情報に適合しているか否かを判定する。例えば、規格適合判定部30は、製造されたバイオ製品(例えば、バイオ炭やバイオ燃料等)などがそれぞれ設けられた所定の規格を満たしているか否かを判定することにより、販売等が可能な品質を有しているか否かを判定する。
炭素固定化支援装置50は、コンピュータであり、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)、主記憶装置(Main Memory)、二次記憶装置(Secondary storage:メモリ)、外部インターフェース、通信インターフェースなどを備えている。後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)が主記憶装置に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置に予めインストールされている形態や、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
エリア情報取得部52は、各車両10から炭素固定化エリア情報を取得し、取得した炭素固定化エリア情報をエリア情報データベース53に格納する。
ここで、エリア情報送信要求には、車両10の位置情報に代えて、車両10を特定可能な車両識別情報が含まれていてもよい。この場合、車両識別情報と、車両10が担当する対象エリアとが関連付けられた情報を有しており、この情報に基づいて車両識別情報に対応する対象エリアを特定すればよい。
これにより、車両10の運転手は、受信した回収エリアマップに基づいて、効率的にバイオマス原料を回収することが可能となる。
炭素情報取得部56は、車両10から炭素固定化情報を取得し、取得した炭素固定化情報を炭素情報データベース57に格納する。これにより、炭素情報データベース57には、各車両10から受信した炭素固定化情報が蓄積される。
炭素クレジット申請部58は、炭素情報データベース57に蓄積された炭素固定化情報に基づいて炭素クレジットの認証機関に対して炭素クレジットの申請を行う。
例えば、車両10は、バイオマス原料の回収を開始する場合に、位置情報取得部22によって取得された現在の位置情報とともにエリア情報送信要求を炭素固定化支援装置50に送信する。
炭素固定化支援装置50は、エリア情報送信要求を受信すると、エリア情報送信要求に含まれる位置情報に基づいて対象エリアを特定し、特定した対象エリアに該当する回収エリアマップを取得し、取得した回収エリアマップを、当該エリア情報送信要求の送信元である車両10に送信する。
続いて、演算された炭素量と回収場所とが関連付けられた炭素固定化エリア情報が生成され、炭素固定化支援装置50に送信される。
そして、複数の車両10がバイオマス原料の各回収場所において、炭素固定化エリア情報を生成して、炭素固定化支援装置50に送信することで、エリア情報データベース53には新しい情報が随時蓄積され、これに伴い、回収エリアマップが随時更新されることとなる。
炭素固定化支援装置50は、炭素固定化情報を受信すると、これを炭素情報データベース57に蓄積する。そして、所定のタイミングにおいて、炭素情報データベース57に格納されている炭素固定化情報に基づいて炭素クレジットの申請が認証期間に対して行われる。申請のタイミングは、炭素固定化情報を受信する度に行うこととしてもよいし、所定の時間間隔(例えば、1日毎、1か月毎、数か月毎など)でまとめて行うこととしてもよい。
これにより、バイオマス原料の回収場所について多くのデータを蓄積し、管理することが可能となる。
また、炭素固定化エリア情報に基づいて作成される回収エリアマップについては、例えば、これらの情報が数値でそれぞれ示されてもよいし、数値に対応した色別や濃淡で表示されるヒートマップとして示されてもよい。
更に、車両から位置情報又は該車両を特定可能な車両識別情報を含むエリア情報送信要求を受信した場合に、車両の位置情報又は車両識別情報から特定される対象エリアを特定し、特定した対象エリアに対応する炭素固定化エリア情報をエリア情報データベースから取得して、車両に送信する。これにより、車両の現在位置周辺に存在するバイオマス原料の回収場所を通知することが可能となる。これにより、バイオマス原料の効率的な回収を支援することができる。更に、炭素固定化エリア情報には、回収場所の位置情報だけでなく、その回収場所で回収したバイオマス原料に含まれる炭素量又はそれらバイオマス原料から製造されたバイオ製品に含まれる炭素量の情報が関連付けられているので、炭素量を多く回収できる回収場所を特定することができ、回収効率を更に向上させることが可能となる。
2 :バイオ製品製造システム
5 :ドローン(飛行体)
8 :ネットワーク
10 :車両
20 :炭化管理装置
21 :通信部(送信手段)
22 :位置情報取得部
23 :原料情報取得部(原料情報取得手段)
24 :原料炭素量演算部(原料炭素量演算手段)
25 :エリア情報生成部(エリア情報生成手段)
26 :排出炭素量演算部(排出炭素量演算手段)
27 :炭素化情報生成部(炭素化情報生成手段)
28 :製品情報取得部(製品情報取得手段)
29 :製品炭素量演算部(製品炭素量演算手段)
30 :規格適合判定部(規格適合判定手段)
31 :重量計測装置
32 :組成分析装置
34 :製品重量計測装置
35 :製品組成分析装置
36 :車両制御装置
50 :炭素固定化支援装置
51 :通信部
52 :エリア情報取得部(エリア情報取得手段)
53 :エリア情報データベース
54 :マップ作成部(マップ作成手段)
55 :エリア情報提供部(エリア情報提供手段)
56 :炭素情報取得部(炭素情報取得手段)
57 :炭素情報データベース
58 :炭素クレジット申請部(炭素クレジット申請手段)
Claims (12)
- バイオマス原料を回収する車両と通信可能に構成された炭素固定化支援装置であって、
バイオマス原料を回収した位置情報と、回収した前記バイオマス原料に含まれる炭素量である原料炭素量に関する情報又は回収した前記バイオマス原料から製造されたバイオ製品に含まれる炭素量である製品炭素量に関する情報とを関連付けた炭素固定化エリア情報を前記車両から取得するエリア情報取得手段と、
取得した前記炭素固定化エリア情報を蓄積するエリア情報データベースと、
前記車両から位置情報又は前記車両を特定可能な車両識別情報を含むエリア情報送信要求を受信した場合に、前記車両の位置情報又は前記車両識別情報から特定される対象エリアを特定し、特定した対象エリアに対応する炭素固定化エリア情報を前記エリア情報データベースから取得して、前記車両に送信するエリア情報提供手段と
を備える炭素固定化支援装置。 - 前記エリア情報データベースに蓄積された前記炭素固定化エリア情報に基づいてバイオマス原料の回収場所を示す回収エリアマップを作成するマップ作成手段を備え、
前記エリア情報提供手段は、前記エリア情報送信要求を受信した場合に、前記車両の位置情報又は前記車両識別情報から特定される対象エリアに対応する回収エリアマップを前記車両に送信する請求項1に記載の炭素固定化支援装置。 - 前記原料炭素量と前記バイオマス原料を回収するために前記車両から排出された排出炭素量とに基づいて生成された炭素固定化情報を取得する炭素情報取得手段と、
前記炭素情報取得手段によって取得された前記炭素固定化情報を蓄積する炭素情報データベースと
を備える請求項1に記載の炭素固定化支援装置。 - 前記炭素情報データベースに蓄積された前記炭素固定化情報に基づいて炭素クレジットの認証機関に対して炭素クレジットの申請を行う炭素クレジット申請手段を備える請求項3に記載の炭素固定化支援装置。
- バイオマス原料の回収場所を管理する炭素固定化支援装置と通信可能に構成されるとともに、バイオマス原料を回収する車両であって、
前記バイオマス原料の組成分析結果及び前記バイオマス原料の重量を取得する原料情報取得手段と、
前記組成分析結果及び前記重量を用いて、前記バイオマス原料に含まれる炭素量である原料炭素量を演算する原料炭素量演算手段と、
前記バイオマス原料を回収した位置情報と前記原料炭素量とを関連付けた炭素固定化エリア情報を生成するエリア情報生成手段と、
前記炭素固定化エリア情報を前記炭素固定化支援装置に送信する送信手段と
を備える車両。 - 前記バイオマス原料からバイオ製品を製造するバイオ製品製造システムと、
製造された前記バイオ製品の組成分析結果及び前記バイオ製品の重量を取得する製品情報取得手段と、
前記製品情報取得手段によって取得された組成分析結果及び前記重量を用いて、前記バイオ製品に含まれる炭素量である製品炭素量を演算する製品炭素量演算手段と
を備え、
前記エリア情報生成手段は、前記バイオマス原料を回収した位置情報と、前記原料炭素量及び前記製品炭素量の少なくともいずれか一つとを関連付けた前記炭素固定化エリア情報を生成する請求項5に記載の車両。 - バイオマス原料の回収場所を探索し、又は、バイオマス原料を回収し、運搬するための飛行体が発着する発着ポートを有するとともに、前記飛行体と通信可能に構成された請求項5に記載の車両。
- 前記バイオマス原料から製造されたバイオ製品の組成分析結果に基づいて、前記バイオ製品が製品規格に適合しているか否かを判定する規格適合判定手段を備える請求項5に記載の車両。
- 前記バイオマス原料を回収するために排出された排出炭素量を演算する排出炭素量演算手段と、
前記原料炭素量と前記排出炭素量とに基づいて炭素固定化情報を生成する炭素化情報生成手段と
を備え、
前記送信手段は、前記炭素固定化情報を前記炭素固定化支援装置に送信する請求項5に記載の車両。 - 前記炭素固定化情報は、前記原料炭素量から前記排出炭素量を減算した正味炭素量を含む請求項9に記載の車両。
- 請求項1に記載の炭素固定化支援装置と請求項5に記載の車両とを備える炭素固定化支援システム。
- バイオマス原料を回収する車両と、バイオマス原料の回収場所を管理する炭素固定化支援装置との間で情報を授受することにより炭素固定化を支援する炭素固定化支援方法であって、
前記車両は、バイオマス原料を回収した位置情報と、回収した前記バイオマス原料に含まれる炭素量である原料炭素量又は回収した前記バイオマス原料から製造されたバイオ製品に含まれる炭素量である製品炭素量とを関連付けた炭素固定化エリア情報を前記炭素固定化支援装置に送信し、
前記炭素固定化支援装置は、前記炭素固定化エリア情報をエリア情報データベースに蓄積するとともに、前記車両から位置情報又は前記車両を特定可能な車両識別情報を含むエリア情報送信要求を受信した場合に、前記車両の位置情報又は前記車両識別情報から対象エリアを特定し、特定した前記対象エリアに対応する炭素固定化エリア情報を前記エリア情報データベースから取得して、前記車両に送信する炭素固定化支援方法。
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