<第一実施形態>
以下、第一実施形態について説明する。まず、本発明を適用し得る画像形成装置について、図1及び図2を用いて説明する。
[画像形成装置]
図1において、画像形成装置100は装置本体100aの上部に原稿読取装置103を有する。原稿101は、原稿台ガラス102の上に置かれる。そして、原稿101の画像情報に応じた光像を原稿読取装置103の複数のミラーMとレンズLnにより、像担持体としての円筒状の感光体である感光ドラム104上に結像させることにより静電潜像を形成する。この静電潜像は乾式の現像器(1成分現像器)201により現像剤(乾式粉体)としてのトナー(1成分磁性トナー)を用いて可視化される。なお、本実施形態では、現像剤補給容器1(以下、単に補給装置と呼ぶ)から補給すべき現像剤として1成分磁性トナーを用いた例について説明するが、このような例だけではなく、後述するような構成としても構わない。
具体的には、1成分非磁性トナーを用いて現像を行う1成分現像器を用いる場合、現像剤として1成分非磁性トナーを補給することになる。また、磁性キャリアと非磁性トナーを混合した2成分現像剤を用いて現像を行う2成分現像器を用いる場合、現像剤として非磁性トナーを補給することになる。なお、この場合、現像剤として非磁性トナーとともに磁性キャリアも併せて補給する構成としても構わない。
図1に示す現像器201は、上述したように、原稿101の画像情報に基づいて感光ドラム104上に形成された静電潜像を、現像剤としてトナーを用いて現像するものである。また、現像器201には、現像剤補給システム200が接続されており、現像剤補給システム200は、補給容器1と、補給容器1が着脱可能な現像剤受入れ装置8とを有する。現像剤補給システム200については後述する。
現像器201は、現像剤ホッパ部201aの他に、現像ローラ201fが設けられている。この現像剤ホッパ部201aには、補給容器1から補給された現像剤を撹拌するための撹拌部材201cが設けられている。そして、この撹拌部材201cにより撹拌された現像剤は、搬送部材201dにより搬送部材201e側へと送られる。そして、搬送部材201e、201bにより順に搬送されてきた現像剤は、現像ローラ201fに担持され、最終的に感光ドラム104との現像部へと供給される。本実施形態では1成分現像剤を用いているため、補給容器1から現像剤としてのトナーを、現像器201へ補給する構成としているが、2成分現像剤を用いる場合、補給容器から現像剤としてのトナー及びキャリアを補給する構成としても構わない。
カセット105~108は、それぞれシートなどの記録材Sを収容する。画像形成時には、これらカセット105~108のうち、画像形成装置100の操作部100d(図2参照)から操作者(ユーザ)が入力した情報もしくは原稿101のサイズを基に最適な記録材Sを収容したカセットが選択される。ここで記録材Sとしては用紙に限定されずに、例えばOHPシート等適宜使用、選択できる。そして、給送分離装置105A~108Aにより搬送された1枚の記録材Sを、搬送部109を経由してレジストレーションローラ110まで搬送し、感光ドラム104の回転と、原稿読取装置103のスキャンのタイミングを同期させて搬送する。
レジストレーションローラ110の記録材搬送方向下流側で、感光ドラム104と対向する位置には、転写帯電器111及び分離帯電器112が設けられている。レジストレーションローラ110により搬送された記録材Sは、転写帯電器111によって、感光ドラム104上に形成された現像剤による画像(トナー画像)が転写される。そして、トナー画像が転写された記録材Sは、分離帯電器112によって感光ドラム104から分離される。この後、搬送部113により搬送された記録材Sは、定着部114において熱と圧力が加えられ、記録材上にトナーが定着される。その後、トナー像を定着した記録材Sは、片面コピーの場合、排出反転部115を通過し、排出ローラ116により排出トレイ117へ排出される。
他方、両面コピーの場合には、記録材Sは、排出反転部115を通り、一度、排出ローラ116により一部が装置外へ排出される。そして、この後、記録材Sの終端が切換部材118を通過し、排出ローラ116にまだ挟持されているタイミングで切換部材118の位置を切り換えると共に排出ローラ116を逆回転させることにより、記録材Sは再度、装置内へ搬送される。さらに、この後、記録材Sは、再給送搬送部119、120を経由してレジストレーションローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
上記構成の画像形成装置100において、感光ドラム104の周りには現像器201、クリーナ部202、一次帯電器203等の画像形成プロセス機器が設置されている。なお、現像器201は、原稿読取装置103により読み取った原稿101の画像情報などに基づき感光ドラム104に形成された静電潜像に現像剤を付着させることにより、静電潜像を現像するものである。また、一次帯電器203は、感光ドラム104上に所望の静電像を形成するため感光ドラム表面を一様に帯電するためのものである。また、クリーナ部202は感光ドラム104に残留している現像剤を除去するためのものである。
図2に示すように、画像形成装置100の装置本体100aの外装カバーの一部である交換用カバー100bを操作者が開けると、後述する現像剤受入れ装置8の一部が現れる。そして、この現像剤受入れ装置8に補給容器1を挿入することで、補給容器1は現像剤受入れ装置8へ現像剤を補給可能な状態に装着される。他方、操作者が補給容器1を交換する際は、装着動作とは逆の動作を行って現像剤受入れ装置8から補給容器1を離脱した後に、新たな補給容器1を装着する。なお、交換用カバー100bは補給容器1を着脱(交換)するための専用カバーであって、補給容器1を着脱するためだけに開閉される。他方、画像形成装置100のメンテナンスは、前面カバー100cを開閉することにより行われる。ここで、交換用カバー100bと前面カバー100cは一体であってもよく、その場合、補給容器1の交換や、画像形成装置100のメンテナンスは一体化されたカバー(不図示)を開閉することにより行われる。
[現像剤受入れ装置]
次に、現像剤補給システム200を構成する現像剤受入れ装置8について、図3(a)乃至図4(c)を用いて説明する。現像剤受入れ装置8には、図3(a)に示すように、補給容器1が着脱自在に装着される装着部8fが設けられている。装着部8fには、補給容器1を着脱方向に案内するための挿入ガイド8eが設けられている。本実施形態の場合、挿入ガイド8eにより補給容器1の装着方向が矢印A方向となるように、補給容器1の離脱方向が矢印A方向と逆方向(矢印B方向)となるように構成されている。
図3(a)乃至図4(a)に示すように、現像剤受入れ装置8は、補給容器1を駆動する駆動機構として機能する駆動ギア9を有している。この駆動ギア9は、駆動モータ500から駆動ギア列(不図示)を介して回転駆動力が伝達され、装着部8fに装着された状態にある補給容器1に対し回転駆動力を付与する機能を有している。駆動モータ500は、制御装置600によりその動作を制御される構成となっている。制御装置600は、駆動モータ500の制御の他、画像形成装置100全体の制御を行う。このような制御装置600は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラム読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。
現像剤受入れ装置8の装着部8fには、補給容器1から排出された現像剤を受入れるための現像剤受入れ部11が設けられている。現像剤受入れ部11は、補給容器1の装着時に補給容器1の容器排出口3a4(図5(b)参照)と接続され、容器排出口3a4から排出される現像剤を受け入れる受入れ口11aを有する。現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが容器排出口3a4に対して遠近動する方向に、本実施形態では現像剤受入れ装置8に対して鉛直方向に移動可能(変位可能)に取り付けられている。本実施形態の場合、図3(b)に示すように、現像剤受入れ部11は、付勢部材12(例えばコイルばね)により受入れ口11aが容器排出口3a4から遠ざかる方向(鉛直方向下方)に付勢されている。それ故、現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが容器排出口3a4に近づく方向(鉛直方向上方)へ移動する際に、付勢部材12による付勢力に抗して移動することとなる。
また、図4(a)に示すように、現像剤受入れ装置8の装着部8fには、現像剤受入れ部11よりも装着方向(矢印A方向)の上流側にシャッタストッパ部8a、8bが設けられている。シャッタストッパ部8a、8bは、現像剤受入れ装置8に対し相対移動する着脱中の補給容器1において、後述するシャッタ4(図13(a)参照)のみに関し現像剤受入れ装置8に対する相対移動を規制する。この場合、シャッタ4は後述する容器本体2などのシャッタ4以外の補給容器1の一部に対し相対移動することになる。
図3(b)及び図4(b)に示すように、現像剤受入れ装置8の鉛直方向下方には、補給容器1から補給された現像剤を一時的に溜めておくサブホッパ8cが設けられている。このサブホッパ8c内には、現像器201の一部である現像剤ホッパ部201a(図1参照)へ現像剤を搬送するための搬送スクリュー14と、現像剤ホッパ部201aと連通した開口8dが設けられている。
図4(c)に示すように、現像剤受入れ部11には、受入れ口11aを取り囲むように形成された本体シール13が配置されている。本体シール13は、弾性体、発泡体等で構成されている。本体シール13は、補給容器1が装着された状態で、補給容器1の容器排出口3a4を取り囲む開口シール3a5(図5(b)参照)との間でシャッタ4(図13(a)参照)を挟んで密着する。これにより、補給容器1の容器排出口3a4からシャッタ4のシャッタ開口4jを介して受入れ口11aへと排出される現像剤が、現像剤搬送経路である受入れ口11a外へ漏れないようにしている。
なお、受入れ口11aの直径は、装着部8f内が現像剤により汚れてしまうのを防止するために、シャッタ4のシャッタ開口4jの直径よりも略同径からやや大きくするのが望ましい。これは、シャッタ開口4jの直径よりも受入れ口11aの直径が小さい場合、シャッタ開口4jから排出された現像剤が本体シール13の上面に付着し易くなるためである。付着した現像剤は、補給容器1の着脱動作時に補給容器1の下面に付着することによって、現像剤による汚れの一因となる。この点に鑑み、受入れ口11aの直径は、シャッタ開口4jの直径に対して略同径~約2mm大きくすることが望ましい。例えば、シャッタ4のシャッタ開口4jの直径が約2mmの微細口(ピンホール)である場合、受入れ口11aの直径は約3mmに設定することが好ましい。
図4(c)に示すように、現像剤受入れ部11には、側面に中央側に向け突出した被支持部11bが設けられている。本実施形態の場合、この被支持部11bは、補給容器1に設けられた後述するリフト部30(図8(a)参照)に鉛直方向下方から支持される。詳しくは後述するが、本実施形態ではリフト部30が動作することで、現像剤受入れ部11が被支持部11bを介しリフト部30により移動される。リフト部30については後述する。
[補給容器]
次に、現像剤補給システム200を構成する補給容器1について、図5(a)乃至図13(b)を用いて説明する。まず、図5(a)乃至図5(c)を用いて補給容器1の全体構成について説明する。補給容器1は、主に容器本体2、フランジ部3、シャッタ4、ポンプ部5、往復部材6、カバー7、リフト部30を有する。容器本体2は、現像剤受入れ装置8内で図5(a)に示す回転軸線Pを中心に矢印R方向へ回転することにより、現像剤を現像剤受入れ装置8(図3(a)参照)へ補給する。以下に、補給容器1を構成する各要素について、詳細に説明する。
[容器本体]
容器本体2は、主に、図6に示すように内部に現像剤を収容する現像剤収容部2cを有する。また、容器本体2には、容器本体2が回転軸線Pに対して矢印R方向へ回転することによって現像剤収容部2c内の現像剤を搬送する螺旋状に形成された搬送溝2a(搬送部)が形成されている。また、図6に示すように、容器本体2の一端面側の外周面の全周に渡って、カム溝2bと、本体側から駆動を受ける駆動受け部(ギア)2dとが、一体的に形成されている。なお、本実施形態では、カム溝2bと駆動受け部2dが容器本体2に対して一体的に形成されているが、カム溝2bあるいは駆動受け部2dを別体として形成し、容器本体2に一体的に取り付けた構成であってもよい。また、本実施形態では現像剤として、例えば体積平均粒径が5μm~6μmのトナーが現像剤収容部2c内に収容されている。また、本実施形態では、現像剤収容部2cは容器本体2だけでなく、容器本体2と後述するフランジ部3及びポンプ部5の内部スペースを合わせたものである。
[フランジ部]
続いて、フランジ部3について、図5(a)乃至図8(b)を用いて説明する。フランジ部3は、容器本体2と回転軸線Pに関して相対回転可能に取り付けられる。そして、補給容器1が現像剤受入れ装置8(図3(a)参照)に装着されると、フランジ部3は装着部8fに対し矢印R方向の回転が不可となるように保持される。フランジ部3は組み立て性を考慮して、上フランジ部31と下フランジ部32とからなり、以下に説明するが、ポンプ部5、往復部材6、シャッタ4、カバー7、リフト部30が組み付けられている。
図5(a)に示すように、上フランジ部31の一端側にはポンプ部5がネジ接合され、他端側には容器本体2が不図示のシール部材を介して接合される。また、ポンプ部5を挟み込むようにして、往復部材6が配置され、往復部材6に設けられた係合突起6b(図10(a)参照)が容器本体2のカム溝2b(図6参照)に嵌め込まれる。さらに、上フランジ部31と下フランジ部32との間にはシャッタ4が組み込まれる。本実施形態では、フランジ部3とシャッタ4とで、現像剤収容部2cに収容された現像剤を排出する排出部700を構成している。シャッタ4が設けられている面は、フランジ部3の底面である。そして、外観上の見た目を向上させる目的と往復部材6、ポンプ部5を保護するために、上記したフランジ部3、ポンプ部5、往復部材6の全体を覆うようにカバー7が一体的に組み付けられ、図5(b)のように構成される。なお、後述するリフト部30は、図5(c)に示すように、回転軸線Pを含む平面Hよりも下方に配置される。回転軸線Pを含む平面Hは水平面であり、この水平面よりも下方に配置される。
[上フランジ部]
上フランジ部31について説明する。図7(a)に示す上フランジ部31は、ポンプ部5がネジ接合されるポンプ接合部3a1と、容器本体2が接合される容器本体接合部3a2と、容器本体2から搬送された現像剤を貯留する貯留部3a3を備えている。また、上フランジ部31には、貯留部3a3の現像剤を現像剤受入れ装置8へ排出する円形の容器排出口3a4が、図7(b)に示すように底面に形成されており、この容器排出口3a4を取り囲むように開口シール3a5が配設されている。ここで、開口シール3a5は例えば両面テープなどで上フランジ部31の下面に貼りつけられて、後述するシャッタ4と上フランジ部31とに挟持されることで、容器排出口3a4からの現像剤の漏れを防ぐことができるようにしている。
ここで、上述したように、補給容器1の現像剤受入れ装置8への着脱動作に伴うシャッタ4の開閉時に現像剤が不要に排出され、その周囲が現像剤で汚れてしまわないように、容器排出口3a4の直径は約2mmに設定されている。なお、本実施形態では補給容器1の下面側、具体的には上フランジ部31の底面に容器排出口3a4を形成した例を示したがこれに限らない。例えば、容器排出口3a4は、補給容器1の現像剤受入れ装置8への装着方向の上流側端面もしくは下流側端面以外の側面に形成されてもよい。その場合でも、本実施形態で示す接続構成は適用可能である。容器排出口3a4を側面に形成する場合、その形成位置は製品個別の事情を鑑みて設定し得る。
[下フランジ部]
下フランジ部32について説明する。下フランジ部32は、図7(a)に示すように、後述するシャッタ4(図13(a)参照)が挿入されるシャッタ挿入部3b1を備えている。下フランジ部32は、シャッタ4がシャッタ挿入部3b1に挿入された状態で上フランジ部31と一体化されている。
本実施形態の場合、補給容器1の着脱方向に交差し且つ鉛直方向に交差する幅方向で下フランジ部32の両側には、後述のリフト部30(図12(a)参照)を保持するための一対のリフト保持部3bが、鉛直方向下方から上方に向けて立設されている。図8(a)及び図8(b)に示すように、補給容器1の装着方向で対峙するように配置された一対のリフト保持部3bは、リフト部30を鉛直方向にスライド自在に保持する。本実施形態の場合、リフト保持部3bは凸状に形成されたリフト部30の嵌合部30a(図12(a)参照)と嵌合可能な凹状に形成されている。そして、一対のリフト保持部3bの下方には、一方から他方に向けて延びるリフトストッパ部3cが形成されている。リフトストッパ部3cは、リフト部30を鉛直方向上方に持ち上げる力がかかっていない場合に、自重などにより鉛直方向下方に下がるリフト部30に突き当たる。
[ポンプ部]
ポンプ部5について、図9(a)及び図9(b)を用いて説明する。ポンプ部5は、容器本体2の駆動受け部2dが受けた駆動力により(図6参照)、現像剤収容部2cの内圧が大気圧よりも低い状態と高い状態とに交互に繰り返し切り替わるように動作する。本実施形態では前述したように小さな容器排出口3a4から現像剤を安定的に排出させるために、補給容器1の一部にポンプ部5を設けている。ポンプ部5はその容積を変更可能な容積可変型ポンプである。具体的には、ポンプ部5として、伸縮可能な蛇腹状の伸縮部材で構成されているものを採用している。
このポンプ部5の伸縮動作により補給容器1内の圧力を変化させ、その圧力を利用して現像剤の排出を行っている。具体的には、ポンプ部5を縮める際には補給容器1内が加圧状態となり、その圧力に押し出される形で現像剤が補給容器1の容器排出口3a4から排出される。またポンプ部5を伸ばす際には補給容器1内が減圧状態になり、外部から容器排出口3a4を介してエアが取り込まれる。この取り込まれたエアにより容器排出口3a4や、フランジ部3の容器本体2から搬送された現像剤を貯留する貯留部3a3付近(図7(a)参照)の現像剤がほぐれ、次の排出がスムーズに行われるようになっている。即ち、このように補給容器1の容器排出口3a4や貯留部3a3付近は、補給容器1の運搬時などの振動で補給容器1内の現像剤が集まり、この部分で現像剤が固まってしまう場合がある。従って、上述のように容器排出口3a4を介してエアが取り込まれることで、このように固まってしまった現像剤をほぐすことができる。また、通常の現像剤の排出動作においては、このようにエアが取り込まれることで、エアと粉体である現像剤が混成されて、現像剤の流動性が良くなり、現像剤の詰まりが生じにくくなるという効果もある。
図9(a)に示すように、ポンプ部5は開口端側に、上フランジ部31と接合可能なように接合部5bを有している。ここでは、接合部5bとしてネジが形成された構成を例示している。また、図9(b)に示すように、ポンプ部5は他端側に、後述する往復部材6(図10(a)参照)と同期して変位させるために、往復部材6と係合する往復部材係合部5cを有する。
また、図9(b)に示すように、ポンプ部5は、「山折り」部と「谷折り」部が周期的に形成された蛇腹状の伸縮部(蛇腹部、伸縮部材)5aを有する。伸縮部5aは、その折り目に沿って(その折り目を基点として)、接合部5bに対して往復部材係合部5cを矢印B方向に移動させることで折り畳まれたり、矢印A方向に移動させることで伸びたりし得る。従って、本実施形態のような蛇腹状のポンプ部5を採用した場合には、伸縮量に対する容積変化量のばらつきを少なくすることができるので、安定した容積可変動作を行うことが可能となる。
なお、本実施形態ではポンプ部5の材料としてポリプロピレン樹脂を用いたが、これに限らない。ポンプ部5の材料(材質)に関しては、伸縮機能を発揮し容積変化によって現像剤収容部2cの内圧を変化させることができる材料であれば何でもよい。例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン等を用いてもよい。あるいは、ゴム、その他の伸縮性材料などを用いることも可能である。
[往復部材]
往復部材6について、図10(a)及び図10(b)を用いて説明する。図10(a)及び図10(b)に示すように、往復部材6は上述したポンプ部5の容積を可変するために、ポンプ部5に設けられた往復部材係合部5c(図9(b)参照)に係合するポンプ係合部6aを有する。また、往復部材6は、組み立ての際に上述したカム溝2b(図6参照)に嵌め込まれる係合突起6bを有する。係合突起6bは、ポンプ係合部6a近傍より着脱方向(図中矢印A、B方向)に延在するアーム6cの先端部に設けられている。また、往復部材6は、後述するカバー7の往復部材保持部7b(図11(b)参照)によってアーム6cの回転軸線P(図5(a)参照)中心の回転変位が規制されている。従って、容器本体2が駆動ギア9によって駆動受け部2dより駆動を受け、カム溝2bが一体となって回転する際に、カム溝2bに嵌め込まれた係合突起6bとカバー7の往復部材保持部7bの作用により、往復部材6は矢印A、B方向へ往復運動する。それに伴い、さらに、往復部材6のポンプ係合部6aと往復部材係合部5cを介して係合したポンプ部5が矢印A、B方向へ伸縮運動する。
[カバー]
カバー7について、図11(a)及び図11(b)を用いて説明する。上述したが、カバー7は、補給容器1の外観の見た目向上と、往復部材6やポンプ部5の保護を目的として、図5(b)に示すように設けられている。詳しくは、カバー7は、フランジ部3、ポンプ部5、往復部材6の全体を覆うように、上フランジ部31や下フランジ部32等と一体的に設けられている。図11(a)に示すように、カバー7には、現像剤受入れ装置8の挿入ガイド8e(図3(a)参照)にガイドされるガイド溝7aが設けられている。また、図11(b)に示すように、カバー7には、上述した往復部材6の回転軸線P(図5(a)参照)を中心とする回転変位を規制する往復部材保持部7bが設けられている。
[リフト部]
リフト部30について、図12(a)及び図12(b)を用いて説明する。支持部としてのリフト部30は、嵌合部30aと、シャッタ摺動部30bと、受入れ支持部30cと、リフト本体部30dとを有する。嵌合部30aは補給容器1の着脱方向に関しリフト本体部30dの両端部に形成され、フランジ部3のリフト保持部3b(図8(a)参照)と係合する。これにより、リフト部30はフランジ部3に対し鉛直方向にスライド自在に保持される。
リフト本体部30dには、図12(a)に示すように、受入れ支持部30cが幅方向に突出するように、また補給容器1の装着方向(矢印A方向)に延びるように形成されている。受入れ支持部30cは、現像剤受け入れ部11の被支持部11b(図4(c)参照)を鉛直方向下方から支持し得る。また、図12(b)に示すように、リフト本体部30dの受入れ支持部30cと反対側の面には、摺動部としてのシャッタ摺動部30bが幅方向に突出するように、また補給容器1の装着方向に延びるように形成されている。ただし、シャッタ摺動部30bは装着方向に関し、その長さが受入れ支持部30cよりも短く形成されており、またリフト本体部30dの中央よりも上流側に配置される。なお、本実施形態の場合、受入れ支持部30cは、装着方向あるいは回転軸線P(図5(a)参照)と略平行である構成としたが、これに限られず、傾斜した構成であってもよい。
さらに、シャッタ摺動部30bは装着方向(矢印A方向)の先端面30baが傾斜状に形成されている。詳しくは後述するように、シャッタ摺動部30bは補給容器1の着脱時に、シャッタ4のシャッタ傾斜部4f(図13(b)参照)と摺動する。その際にシャッタ傾斜部4fと滑らかに摺動させるため、シャッタ摺動部30bの先端面30baは傾斜状に形成され、その補給容器1の着脱方向に対する傾斜角はシャッタ傾斜部4fと略同じ傾斜角に設定される。
[シャッタ]
シャッタ4について、図13(a)及び図13(b)を用いて説明する。シャッタ4は下フランジ部32のシャッタ挿入部3b1上(図7(a)参照)を摺動するようにして、補給容器1の一部(フランジ部3)に対して相対移動可能に設けられている。シャッタ4はシャッタ開口4jを有し、補給容器1の着脱動作に伴い、補給容器1の排出口としての容器排出口3a4を開閉する。シャッタ4は補給容器1の装着動作に伴って補給容器1に対して移動することで、シャッタ開口4jと容器排出口3a4とが連通し、さらに現像剤受入れ部11の受入れ口11aとが連通する。これにより、補給容器1内部の現像剤を受入れ口11aへ排出可能となる。即ち、フランジ部3とシャッタ4とで現像剤を排出する排出部700(図5(b)参照)を構成し、排出部700のシャッタ4には、現像剤を排出する排出口としてのシャッタ開口4jが形成されている。
一方、図13(a)及び図13(b)に示すように、シャッタ4のシャッタ開口4jから外れた位置には現像剤封止部4aが設けられている。現像剤封止部4aは、補給容器1を離脱する動作に伴ってシャッタ4が補給容器1に対して移動することで、容器排出口3a4を塞ぐ。また、現像剤封止部4aは、補給容器1が現像剤受入れ装置8の装着部8f(図3(a)参照)に装着されていない時に、容器排出口3a4からの現像剤の漏れを防ぐ。現像剤封止部4aの背面側(現像剤受入れ部11側)には、フランジ部3のシャッタ挿入部3b1上を摺動する摺動面が設けられている。なお、シャッタ4は、現像剤封止部4aを上向きにした姿勢で、フランジ部3に係合している。
シャッタ4は、補給容器1がシャッタ4に対して相対移動することが可能となるように、現像剤受入れ装置8のシャッタストッパ部8a、8b(図4(a)参照)に保持されるストッパ部4b、4cを有している。このストッパ部4b、4cのうち、第一のストッパ部4bは、補給容器1の装着動作時に、現像剤受入れ装置8の第一のシャッタストッパ部8aと係合し、シャッタ4の現像剤受入れ装置8に対する位置を固定する。第二のストッパ部4cは、補給容器1の離脱動作時に、現像剤受入れ装置8の第二のシャッタストッパ部8bに係合する。
また、シャッタ4は、ストッパ部4b、4cを変位可能に支持する支持部4dを有している。支持部4dは、第一のストッパ部4bと第の2ストッパ部4cを変位可能に支持するために、現像剤封止部4aより延設されて弾性変形可能に設けられている。なお、第一のストッパ部4bと支持部4dが形成する角度αは鋭角となるよう、第一のストッパ部4bは傾斜している。それに対して、第二のストッパ部4cと支持部4dが形成する角度βは鈍角となるように、第二のストッパ部4cは傾斜している。
シャッタ開口4jは、補給容器1内の現像剤を外部に排出するための排出口であって、シャッタ4がフランジ部3に対してスライド移動することで、容器排出口3a4とシャッタ開口4jが連通した場合にのみ補給容器1内の現像剤を外部へ排出可能となる。容器排出口3a4とシャッタ開口4jが連通していない場合には、現像剤封止部4aが容器排出口3a4を塞ぎ、補給容器1外に現像剤が漏れることを防止している。
本実施形態では、リフト部30を動作させるためにシャッタ4を利用する。そうするために、図13(b)に示すように、シャッタ4には傾斜部としてのシャッタ傾斜部4fが支持部4dから突出するように形成されている。シャッタ傾斜部4fは、補給容器1の装着方向(矢印A方向)の上流側(手前側)から下流側(奥側)に向け鉛直方向長さが次第に長くなるように傾斜状に形成されている。言い換えれば、シャッタ傾斜部4fは、装着方向の下流側から上流側に向かう程、現像剤受入れ部側に向けて下がる傾斜面を有している。詳しくは後述するように、補給容器1がシャッタ4に対して相対移動すると、リフト部30もシャッタ4と相対移動する。その場合に、リフト部30のシャッタ摺動部30bがシャッタ傾斜部4fと摺動されることで、リフト部30はシャッタ傾斜部4fに沿って鉛直方向に上下動される。
なお、シャッタ傾斜部4fの傾斜面は、図13(b)に示すような、直線に形成されることに限定されない。シャッタ傾斜部4fの形状は、リフト部30を鉛直方向に移動させることが可能な形状であれば例えば湾曲した形状でもよい。ただし、補給容器1の着脱動作に伴う操作力を一定にするという観点においては、直線的な傾斜状に形成するのが望ましい。なお、シャッタ傾斜部4fの補給容器1の着脱方向に対する傾斜角は、例えば約10~50度に設定することが望ましい。本実施形態においては、約40度に設定した。
[現像剤受入れ部の動作]
リフト部30による現像剤受入れ部11の補給容器1への接続動作について、図12(a)乃至図13(b)等を参照しながら、図14(a)乃至図15(d)を用いて、補給容器1の現像剤受入れ装置8への装着動作の時系列順に説明する。図14(a)及び図15(a)は補給容器1の装着開始時、図14(b)及び図15(b)はリフト部30の上昇開始時、図14(c)及び図15(c)はリフト部30の上昇途中、図14(d)及び図15(d)は補給容器1の装着完了時を示す。図14(a)乃至図14(d)は、補給容器1と現像剤受入れ部11との接続部近傍を示した図である。図15(a)乃至図15(d)は、シャッタ4とリフト部30との関係に特化した図である。なお、装着動作とは、補給容器1から現像剤受入れ装置8に対して、現像剤が補給可能になるまでの動作のことを指す。
図14(a)に示すような補給容器1の装着開始時は、シャッタ4の第一ストッパ部4bが現像剤受入れ装置8の第一のシャッタストッパ部8aと当接する前であるので、補給容器1内においてシャッタ4とリフト部30とは相対移動せずに一体的に移動する。シャッタ4とリフト部30とが一体的に移動する場合、シャッタ4の傾斜部4fとシャッタ摺動部30bとは図15(a)に示すように互いが接触していない非接触状態に維持される。傾斜部4fとシャッタ摺動部30bとが非接触状態であれば、リフト部30はリフトストッパ部3cに突き当たった最下方位置にあり、またリフト部30の受入れ支持部30cは現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持していない。上述したように、現像剤受け入れ部11は付勢部材12により補給容器1から離れる方向に付勢されているので(図3(b)参照)、受入れ口11aが補給容器1の容器排出口3a4と離間した状態にある。なお、容器排出口3a4はシャッタ4の現像剤封止部4aによって封止されている。
図14(a)に示す状態から補給容器1が装着方向奥へと挿入されると、図14(b)に示すようになる。この場合、シャッタ4の第一のストッパ部4bと現像剤受入れ装置8の第一のシャッタストッパ部8aとが係合する。これにより、シャッタ4の現像剤受入れ装置8に対する位置が固定される。こうしてシャッタ4の位置が現像剤受入れ装置8に対して保持されることで、シャッタ4の現像剤受入れ部11に対する装着方向(矢印A方向)への移動は停止されるが、シャッタ4を除く補給容器1の現像剤受入れ部11に対する装着方向への移動は維持される。また、シャッタ傾斜部4fとシャッタ摺動部30bとが、図15(b)に示すように、接触を開始する。さらには、現像剤受入れ部11の被支持部11bがリフト部30の受入れ支持部30cによって鉛直方向下方から支持開始される。即ち、リフト部30は受入れ支持部30cが現像剤受入れ部11の被支持部11bを支持する位置(又は支持可能な位置)に移動される。この場合、容器排出口3a4がシャッタ4の現像剤封止部4aによって封止された状態に維持されたまま、シャッタ開口4jが現像剤受入れ部11の受入れ口11aの鉛直方向上方に到達する。ただし、現像剤受入れ部11は初期位置より変位しておらず、図14(b)に示すように、受入れ口11aは容器排出口3a4(シャッタ開口4j)と離間した状態にある。
続いて、図14(b)に示す状態から補給容器1がさらに装着方向奥へと挿入されると、図14(c)に示すように、補給容器1がシャッタ4に対して装着方向へ相対移動する。また、この場合には、図15(c)に示すように、補給容器1の装着動作に応じてシャッタ摺動部30bがシャッタ傾斜部4fに摺動しながら傾斜部4fに沿って上方に移動される。これにより、リフト部30は実質的に鉛直方向上方へと移動される。そして、リフト部30の受入れ支持部30cによって、現像剤受入れ部11の被支持部11bが鉛直方向下方から支持されていることから、現像剤受入れ部11は付勢部材12の付勢力に抗して鉛直方向上方へと移動される。
引き続き、図14(c)に示す状態から補給容器1がさらに装着方向奥へと挿入されると、図14(d)に示すように、先ほどと同様に補給容器1がシャッタ4に対して装着方向へ相対移動することで、補給容器1は装着完了位置へと到達する。装着完了位置における容器排出口3a4とリフト部30の位置関係は、図14(d)に示すように、容器排出口3a4を通る平面L(回転軸線Pに直交する平面)がリフト部30を通るような関係にある。また、リフト部30の受入れ支持部30c(図12(a)参照)を含む平面は、回転軸線Pと容器排出口3a4の間に配置される関係にある。そして、図15(d)に示すように、シャッタ摺動部30bがシャッタ傾斜部4fの頂点部に達した状態で、リフト部30は鉛直方向上方への移動が停止される。この場合、リフト部30に被支持部11bが支持される現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが補給容器1の容器排出口3a4と接続した状態にある。こうして、現像剤を補給可能な状態となる。詳しくは、容器本体2の現像剤収容部2c内の現像剤は上述したポンプ部5の往復動により、貯留部3a3より容器排出口3a4を経て、受入れ口11aを介してサブホッパ8cへと補給可能となる。
なお、図15(d)に示すように、補給容器1が現像剤受入れ装置8に対して装着完了位置まで到達した際に、現像剤受入れ部11の被支持部11bは付勢部材12の付勢力によって、リフト部30の受入れ支持部30cに押し付けられた状態となる。従って、現像剤受入れ部11の鉛直方向の位置は安定した状態で保たれる。
次に、現像剤受入れ装置8からの補給容器1の離脱動作に応じたリフト部30の動作について、説明する。なお、補給容器1の離脱動作は上述した装着動作の逆の手順で行われる。つまり、図14(d)及び図15(d)から図14(a)及び図15(a)の順に従って、補給容器1は現像剤受入れ装置8から離脱される。なお、離脱動作とは、補給容器1が現像剤受入れ装置8から取り出し可能な状態になる動作までを指す。
図14(d)に示す装着完了位置にて、補給容器1内の現像剤が少なくなると、画像形成装置100(図1参照)に設けられたモニタ(不図示)にて、操作者に補給容器1の交換を促すメッセージが表示される。新しい補給容器1を準備した操作者は図2に示した画像形成装置100の交換用カバー100bを開き、現像剤受入れ装置8から補給容器1を離脱方向(矢印B方向)へ抜き出す。この工程においては、シャッタ4の第二のストッパ部4cが現像剤受入れ装置8の第二のシャッタストッパ部8bに当接していることから、シャッタ4は補給容器1を離脱する動作に伴い離脱方向へ変位しない。つまり、補給容器1がシャッタ4に対して相対的に移動する。本実施形態では、図14(d)から図14(b)の位置まで補給容器1が取り出されるまで、シャッタ4は現像剤受入れ装置8に対して変位不可であり、補給容器1がシャッタ4に対して相対的に移動する。
このとき、図15(d)及び図15(b)に示すように、現像剤受入れ部11は補給容器1の離脱動作に応じて鉛直方向下方へ移動する。即ち、補給容器1とシャッタ4とが相対移動すると、リフト部30の自重及び付勢部材12の付勢力によって、シャッタ摺動部30bがシャッタ傾斜部4fを滑り下りるようにシャッタ傾斜部4fに沿って下方に移動される。これにより、リフト部30は実質的に鉛直方向下方へと移動され、リフト部30の受入れ支持部30cに被支持部11bが支持されている現像剤受入れ部11は鉛直方向下方へ移動する。そして、補給容器1のさらなる離脱動作に伴い、現像剤受入れ部11はリフト部30により鉛直方向下方へ移動され、図15(a)に示す位置に到達し、リフト部30による現像剤受入れ部11の補給容器1からの離間動作が終了する。
その後、補給容器1を離脱方向へさらに取り出すと、シャッタ4の第二のストッパ部4cが現像剤受入れ装置8の第二のシャッタストッパ部8bに当接する。これにより、シャッタ4の第二のストッパ部4cが第二のシャッタストッパ部8bの傾斜面に沿って弾性変形し、シャッタ4が補給容器1とともに現像剤受入れ装置8に対して離脱方向に変位可能となる。つまり、シャッタ4が容器排出口3a4を封止する。そして、補給容器1が現像剤受入れ装置8から取り出された時、シャッタ4は補給容器1が現像剤受入れ装置8へ未装着時の位置まで戻った状態となっている。従って、容器排出口3a4はシャッタ4によって確実に封止されており、現像剤受入れ装置8から離脱された補給容器1から現像剤が飛散することがない。
[従来例]
ここで、従来例による現像剤受入れ部11の接続動作について、図77(a)乃至図77(d)を用いて簡単に説明する。図77(a)乃至図77(d)に示すように、従来例では、フランジ部3の側面に現像剤受け入れ部11の被支持部11bと係合するガイド部310が設けられている。ガイド部310は、補給容器1から現像剤受入れ部11への補給が可能な互いが接続した状態となるように、矢印A方向への補給容器1の装着動作に伴い、現像剤受入れ部11を補給容器1に向けて変位させるようにガイドする。また、ガイド部310は、矢印B方向への補給容器1の離脱動作に伴い、補給容器1と現像剤受入れ部11との接続状態が断たれるように、現像剤受入れ部11が補給容器1から離間する方向へ変位するようにガイドする。そうするために、ガイド部310は補給容器1の装着方向の下流側から上流側に向け鉛直方向で次第に高くなるように傾斜されている。これは、着脱時に補給容器1にかけられる力を利用して、現像剤受入れ部11(詳しくは被支持部11b)をガイド部310に沿って移動させるためである。しかし、この場合、特に補給容器1の装着動作時に、現像剤受入れ部11の被支持部11bに対し、ガイド部310によって装着方向に変位させる力と鉛直方向に変位させる力とが同時にかかりやすい。それ故、それが負荷となり補給容器1の円滑な装着が妨げられやすかった。
これに対し、本実施形態の場合、補給容器1の装着動作に伴い、上述したように現像剤受入れ部11の被支持部11bに対しリフト部30によって鉛直方向上方(補給容器側)に持ち上げる力が働く。この場合、現像剤受け入れ部11に対して装着方向に変位させる力は、上述した従来例に比べると極めて小さくなる。従って、補給容器1の装着動作に伴って現像剤受入れ部11を移動させる際に、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減され、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる、という効果が得られる。
<第二実施形態>
上述の第一実施形態では、シャッタ4にシャッタ傾斜部4fを、リフト部30にシャッタ摺動部30bを設け、リフト部30に対し相対移動するシャッタ4を利用してリフト部30を動作させたが、リフト部30を動作させる機構はこれに限らない。例えば、シャッタとリフト部とを複数のギアによって連結し、リフト部とシャッタとの相対移動によりそれらのギアを駆動させ、リフト部を動作させるようにしてもよい。
こうした第二実施形態について、図16乃至図21(b)を用いて説明する。本実施形態では後述するように、リフト部30Aに第二のラックギア30eを、シャッタ4Aに第一のラックギア4gを設けておき、さらにそれらのギアを連結するピニオンギア40を下フランジ部32に配置している。その他の基本的な構成及び作用は上述の第一実施形態と同様であるため、同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
[フランジ部]
第二実施形態のフランジ部3Aを図16に示す。図16に示すように、本実施形態のフランジ部3Aは、下フランジ部32の側面に、上述したリフト保持部3bとリフトストッパ部3cに加えて、幅方向に突出するようにピニオンギア保持部3gが設けられている。ピニオンギア保持部3gは、図17に示すピニオンギア40を回転可能に保持する。図17に示すように、回転体としてのピニオンギア40は、第一ギア部40a、第一ギア部40aより直径の大きい第二ギア部40bを有し、その中央部には上記したピニオンギア保持部3gが通る貫通孔40cが形成されている。
[リフト部]
第二実施形態のリフト部30Aを、図18(a)乃至図18(b)に示す。図18(a)乃至図18(b)に示すように、リフト部30Aは第一実施形態のリフト部30と比較すると、シャッタ摺動部30bの代わりに、第二のラックギア30e(リフトギア)がリフト本体部30dの受入れ支持部30cと反対側の面に設けられている。変換伝達機構としての第二のラックギア30eは鉛直方向に延びるように設けられて、上述したピニオンギア40の第一ギア部40aと噛み合わされる。
[シャッタ]
第二実施形態のシャッタ4Aを、図19に示す。図19に示すように、シャッタ4Aは第一実施形態のシャッタ4Aと比較すると、支持部4dにシャッタ傾斜部4f(図13(b)参照)が形成されておらず、その代わりに第一のラックギア4gが設けられている。回転動作部としての第一のラックギア4gは補給容器1の装着方向に延びるように設けられて、上述したピニオンギア40の第二ギア部40bと噛み合わされる。
図20に、上述したリフト部30Aとシャッタ4Aとピニオンギア40とを組み合わせた本実施形態の補給容器1Aを示す。排出部700に設けられるピニオンギア40は、ピニオンギア保持部3gを回転中心として回転する。ピニオンギア40の回転は、リフト部30Aとシャッタ4Aとが相対移動する時に生じる。即ち、フランジ部3A(詳しくは下フランジ部32)は、移動を規制されたシャッタ4Aの第一のラックギア4g上を第二ギア部40bを介しピニオンギア40を回転させながら、シャッタ4Aに対し相対移動する。すると、ピニオンギア40の回転が第一ギア部40aに噛み合わされた第二のラックギア30eに伝達され、第二のラックギア30eを介してリフト部30Aが鉛直方向に移動される。つまり、第二のラックギア30eにより、ピニオンギア40の回転運動が直線運動に変換されてリフト部30Aに伝達されることで、リフト部30Aは動作される。
[現像剤受入れ部の動作]
リフト部30Aによる現像剤受入れ部11の補給容器1への接続動作について、図21(a)及び図21(b)を用いて説明する。図21(a)はリフト部30Aの上昇開始時、図21(b)は補給容器1Aの装着完了時を示す。なお、図21(a)及び図21(b)では説明を理解しやすくするために、実際にはリフト部30Aに重なって見えないギアを視覚化すべく図示している。
シャッタ4Aの装着方向(矢印A方向)への移動が規制されてから補給容器1が現像剤受入れ装置8(図3(a)参照)の装着方向奥へと挿入されると、リフト部30Aがシャッタ4Aに対して装着方向へ相対移動する。この場合、図21(a)に示すように、補給容器1の装着動作に応じて、ピニオンギア40がシャッタ4Aの第一のラックギア4gにより第二ギア部40bを介して回転される。そして、その回転が第一ギア部40aを介してリフト部30Aの第二のラックギア30eに伝達される。これにより、リフト部30Aは鉛直方向上方へと移動開始する。そして、リフト部30Aの受入れ支持部30cによって、現像剤受入れ部11の被支持部11bが鉛直方向下方から支持されていることから、現像剤受入れ部11は鉛直方向上方へと移動されることになる。続いて、図21(a)に示す状態から補給容器1がさらに装着方向奥へと挿入されると、図21(b)に示すように、先ほどと同様にリフト部30Aがシャッタ4Aに対し相対移動することで、補給容器1は装着完了位置へと到達する。
以上のように、第二実施形態では現像剤受入れ部11を移動させるために、補給容器1の装着動作に伴ってギアを介してリフト部30を動作させて、リフト部30によって現像剤受入れ部11の被支持部11bを鉛直方向上方(補給容器側)に持ち上げている。これによれば、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減され、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる、という第一実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、第二実施形態の場合、歯車による滑らかな回転を利用してリフト部30を動作させるため、補給容器1を装着する際の操作性が軽くなる。従って、操作者は従来に比べてより軽い力で補給容器1を円滑に装着できるようになる。
なお、上述した第二実施形態では、補給容器1の装着動作に伴ってリフト部30を動作させるためにラック&ピニオンギアを用いたが、これに限らない。回転体を用いて装着方向の直線運動(往復運動)を回転運動に変換し、さらにその回転運動を鉛直方向の直線運動(往復運動)に変換できれば、例えばスライダークランク機構等の他の機構を用いてもよい。
<第三実施形態>
上述の第一実施形態や第二実施形態では、シャッタを利用して現像剤受入れ部11の補給容器への接続動作を行うようにしたが、これに限らず、シャッタを利用しなくてもよい。シャッタを利用することなく、現像剤受入れ部11の補給容器1への接続動作を行うことを可能とした第三実施形態について、図22(a)乃至図31(b)を用いて説明する。なお、第三実施形態において上述の第一実施形態と同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第三実施形態の補給容器1Bについて、図22(a)及び図22(b)を用いて説明する。補給容器1Bは、主に容器本体2、フランジ部3B、シャッタ4B、ポンプ部5、往復部材6、カバー7、リフトユニット部300を有する。リフトユニット部300はリフト部30Bとリフト動作アーム部45とを有しており、リフトユニット部300はリフト動作アーム部45がカバー7から装着方向(矢印A方向)に突出するようにして補給容器1B内に配置されている。フランジ部3Bは上フランジ部31と下フランジ部32Bとからなり、図22(b)に示すように、上フランジ部31と下フランジ部32Bとはシャッタ4Bが挿入された状態で一体化されている。
[フランジ部]
フランジ部3Bについて、図23を用いて説明する。図23に示すように、フランジ部3Bを構成する下フランジ部32Bの幅方向の両側壁には、リフト部30B(図24(a)参照)を保持しリフト部30Bの移動方向を規制すると共に、リフト部30Bを案内する規制リブ3iが立設されている。本実施形態の場合、案内手段としての規制リブ3iは、リフト部30Bを鉛直方向に対し斜めにスライド自在に保持すべく、補給容器1Bの装着方向(矢印A方向)の上流側が下流側よりも高くなるようにして延在されている。なお、規制リブ3iでは、スナップフィット(不図示)によるリフト部30Bの脱落防止がなされている。また、下フランジ部32Bの幅方向の両側壁には、規制リブ3iよりも装着方向下流側に、リフト動作アーム部45を着脱方向に移動可能に保持する保持部材3nが設けられる。保持部材3nには、リフト動作アーム部45を通すことが可能な貫通孔が形成されている。さらに、下フランジ部32Bには、リフト動作アーム部45の一部を着脱方向にスライド自在に載置する載置溝3kと、リフト動作アーム部45を装着方向に付勢する付勢部材41(図24(a)参照)の一端を固定する固定部3pとが形成される。載置溝3kに載置されたリフト動作アーム部45は、カバー7A(図27参照)により補給容器1Bから脱落しないようになっている。
[リフトユニット部]
リフトユニット部300について、図24(a)乃至図25(b)を用いて説明する。図24(a)に示すように、リフトユニット部300は、リフト部30B、スライド動作部としてのリフト動作アーム部45、付勢部材41を有する。図24(b)に示すように、リフト部30Bは、現像剤受入れ部11(詳しくは被支持部11b)を支持し得る受入れ支持部30Baと、下フランジ部32Bの規制リブ3iと係合する係合孔30Bdが形成された本体部30Bbとを有する。保持部としての係合孔30Bdは、下フランジ部32Bの規制リブ3iと同様に、装着方向の上流側が下流側よりも高くなるように形成され、規制リブ3iと係合してリフト部30Bをスライド自在に保持する。他方、図24(c)に示すように、リフト動作アーム部45は、一方の端部が幅方向に二股に別れた形状に形成されている。二股に別れた一対のアーム45bは保持部材3nの貫通孔に通されて、図24(a)に示すように、その端面がリフト部30Bの当接面30Bcに当接する。なお、本実施形態の場合、リフト動作アーム部45とリフト部30Bとは摺動可能に形成されるがこれに限らず、リフト動作アーム部45とリフト部30Bとは一体形成されてもよい。ただし、その場合、リフト部30Bが規制リブ3iに沿って移動できるように、リフト動作アーム部45は弾性変形可能に形成される。
他方、二股に別れていないアーム45aは一部が載置溝3kに載置されるものであり、カバー7Aに当接させる当接面45dを形成すべく、異なる直径を有する段差のある形状に形成されている。アーム45aの細い側が、載置溝3kからはみ出してカバー7Aから突出する部分である。アーム45aは、先端部が補給容器1の装着時に現像剤受入れ装置8に突き当たる長さに形成される。アーム45aと一対のアーム45bとの分岐位置には、付勢部材41を取り付ける取付部45cが設けられている。図24(d)に示すように、付勢部材41は例えばコイルばねである。付勢部材41の付勢力により、リフト動作アーム部45は補給容器1が現像剤受入れ装置8へ装着されていない状態で、カバー7Aに当接面45dが突き当たった状態に維持される。
補給容器1Bの装着時、リフト動作アーム部45の先端部が現像剤受入れ装置8に突き当たるまでは、付勢部材41の付勢力によってリフト動作アーム部45に装着方向(矢印A方向)の力がかかる。その場合、リフト部30Bはリフト動作アーム部45によって装着方向と反対方向(矢印B方向)に押されないので、図25(a)に示すように、自重により下フランジ部32Bの規制リブ3iに係合孔30Bdの上端側で保持される。そして、リフト動作アーム部45の先端部が現像剤受入れ装置8に突き当たると、リフト動作アーム部45とリフト動作アーム部45を除く補給容器1とが相対移動し、リフト動作アーム部45に付勢部材41の付勢力に抗して装着方向と反対方向の力がかかる。その結果、リフト部30Bはリフト動作アーム部45によって装着方向と反対方向に押されて、図25(b)に示すように、下フランジ部32Bの規制リブ3iにより係合孔30Bdの下端側で保持される。即ち、リフト部30Bは規制リブ3iに沿って上昇する。
図26(a)及び図26(b)に、本実施形態で用いるシャッタ4Bを示す。シャッタ4Bは、上述した第一実施形態で用いたシャッタ4(図13(b)参照)と比較して、シャッタ傾斜部4fが形成されていない点が異なる。また、図27に、本実施形態で用いるカバー7Aを示す。カバー7Aは、上述した第一実施形態で用いたカバー7(図11(a)参照)と比較して、リフト動作アーム部45(詳しくはアーム45aの当接面45dよりも装着方向下流側)を通す孔7cが形成される点が異なる。
[現像剤受入れ部の動作]
リフト部30Bによる現像剤受入れ部11の補給容器1Bへの接続動作について、図28(a)乃至図31(b)を用い、補給容器1Bの装着動作の時系列順に説明する。図28(a)及び図28(b)は補給容器1Bの装着開始時、図29(a)及び図29(b)はリフト部30Bの上昇開始時、図30(a)及び図30(b)はリフト部30Bの上昇途中、図31(a)及び図31(b)は補給容器1Bの装着完了時を示す。なお、補給容器1Bの離脱動作に応じたリフト部30Bによる現像剤受入れ部11の補給容器1Bからの離間動作については、以下に説明する接続動作と反対の動作を辿ることから、ここでは説明を省略する。
図28(a)に示すような補給容器1Bの装着開始時、シャッタ4Bの第一のストッパ部4bと現像剤受入れ装置8の第一のシャッタストッパ部8aとは当接する前である。その場合、補給容器1B内においてリフト動作アーム部45とリフト部30Bとシャッタ4Bとは、相対移動せずに一体的に移動する。また、リフト動作アーム部45が現像剤受入れ装置8に突き当たっていないため、リフト部30Bはリフト動作アーム部45によって装着方向と反対方向(矢印B方向)に押されることがない。それ故、図28(b)に示すように、リフト部30Bは自重により下フランジ部32Bの規制リブ3iに係合孔30Bdの上端側で保持される。このとき、リフト部30Bは最下方位置にあり、またリフト部30Bの受入れ支持部30Baは現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持していない。上述したように、現像剤受け入れ部11は付勢部材12により補給容器1Bから離れる方向に付勢されているので、受入れ口11aが補給容器1Bの容器排出口3a4と離間した状態にある。なお、容器排出口3a4はシャッタ4Bの現像剤封止部4aによって封止されている。
図28(a)に示す状態から補給容器1Bが装着方向奥へと挿入されると、上述したように、シャッタ4Bの第一のストッパ部4bと現像剤受入れ装置8の第一のシャッタストッパ部8aとが係合する。これにより、シャッタ4Bの現像剤受入れ装置8に対する位置が固定されることで、シャッタ4Bの現像剤受入れ部11に対する装着方向(矢印A方向)への相対移動は停止される。その一方、シャッタ4Bを除く補給容器1Bの現像剤受入れ部11に対する装着方向への相対移動は維持される。そして、図29(b)に示すように、リフト動作アーム部45の先端部が現像剤受入れ装置8に突き当たると共に、現像剤受入れ部11の被支持部11bがリフト部30Bの受入れ支持部30Baに係合し支持される。リフト動作アーム部45の先端部が現像剤受入れ装置8に突き当たることにより、リフト動作アーム部45はリフト部30Bを装着方向と反対方向(矢印B方向)に押し始める。この場合、容器排出口3a4がシャッタ4Bの現像剤封止部4aによって封止された状態に維持されたまま、シャッタ開口4jが現像剤受入れ部11の受入れ口11aの鉛直方向上方に到達する。ただし、リフト動作アーム部45の突き当たり開始時において、現像剤受入れ部11は初期位置より変位しておらず、受入れ口11aは容器排出口3a4(シャッタ開口4j)と離間した状態のままである。
続いて、図29(a)に示す状態から補給容器1Bがさらに装着方向奥へと挿入されると、図30(a)に示すように、補給容器1Bがシャッタ4Bに対して装着方向へ相対移動する。ただし、リフト部30Bは、補給容器1Bの装着動作に応じてリフト動作アーム部45により装着方向と反対方向(矢印B方向)に押し返される。リフト部30Bはリフト動作アーム部45に押し返されることにより、当接面30Bc(図24(b)参照)がリフト動作アーム部45に摺動されながら、図30(b)に示すように、規制リブ3iに沿って上方に移動される。これにより、リフト部30Bは実質的に鉛直方向上方へと移動される。そして、リフト部30の受入れ支持部30Baによって、現像剤受入れ部11の被支持部11bが支持されていることから、現像剤受入れ部11は付勢部材12の付勢力に抗して鉛直方向上方へと移動開始される。ただし、受入れ口11aは補給容器1Bの容器排出口3a4と未だ離間した状態である。
引き続き、図30(a)に示す状態から補給容器1Bがさらに装着方向奥へと挿入されると、図31(a)に示すように、先ほどと同様に補給容器1Bがシャッタ4Bに対して装着方向へ相対移動することで、補給容器1Bは装着完了位置へと到達する。この場合、リフト部30Bはリフト動作アーム部45によって装着方向と反対方向にさらに押し返されて、図31(b)に示すように、規制リブ3iにより係合孔30Bdの下端側で保持された状態で、リフト部30Bは鉛直方向上方への移動が停止される。そして、リフト部30Bに被支持部11bが支持される現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが補給容器1Bの容器排出口3a4と接続した状態になる。こうして、現像剤を補給可能な状態となる。このとき、図31(b)に示すように、容器排出口3a4とリフト部30Bの位置関係は、容器排出口3a4を通る平面L(回転軸線Pに直交する平面)がリフト部30Bを通るような関係にある。また、リフト部30Bの受入れ支持部30Baを含む平面は、回転軸線Pと容器排出口3a4の間に配置される関係にある。
以上のように、第三実施形態では現像剤受入れ部11を移動させるため、補給容器1の装着動作に伴ってリフト動作アーム部45により動作されるリフト部30Bによって、現像剤受入れ部11の被支持部11bを鉛直方向上方(補給容器側)に持ち上げている。これによっても、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減され、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる、という第一実施形態と同様の効果が得られる。
<第四実施形態>
次に、第四実施形態について説明する。第四実施形態は、シャッタを利用することなく現像剤受入れ部11の補給容器への接続動作を行うことが可能な、上述した第三実施形態とは別の実施形態である。なお、第四実施形態において上述の第一実施形態と同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、ここではシャッタに例えば上述のシャッタ4B(図26(a)参照)を用いた場合を示した。
本実施形態の現像剤受入れ装置8Aを、図32(a)及び図32(b)に示す。本実施形態の現像剤受入れ装置8Aには、現像剤受入れ部11を挟んで装着部8fと反対側の装着方向下流側に、引き込み部材50が回動自在に設けられている。引き込み部材50は、補給容器1Cの装着動作に伴い補給容器1Cを係止した状態で回動することにより、補給容器1Cを装着方向の所定の装着完了位置まで引き込んで保持する。
図33に、引き込み部材50を示す。引き込み部材50は、リフト保持部50aと回転軸部50bと本体部50cと固定部50dとを有する。リフト保持部50aは本体部50cから装着方向(矢印A方向)の上流側に突出するように設けられ、補給容器1Cを係止するために先端部が鉤爪状に形成されている。引き込み部材50は、回転軸部50bを中心に回動する。本実施形態では、回転軸部50bをリフト保持部50aの屈曲部に設けることで、本体部50cが回動することに応じて、リフト保持部50aの先端部が本体部50cと反対向きに回動するようにしている。固定部50dは、引き込み部材50を回動させて補給容器1Cを装着方向側に引き込む力を得るために設けられる、後述の引き込み付勢部材51(例えばコイルばね、図37(a)参照)の一端を固定するように、本体部50cに設けられている。後述のように、引き込み部材50は補給容器1Cの装着時にカバー7を介して装着方向に押されることに応じて、付勢部材51の付勢力によってリフト保持部50aの先端部を上昇させるように回動する。
第四実施形態の補給容器1Cについて、図34を用いて説明する。補給容器1Cは、主に容器本体2、フランジ部3C、シャッタ4B、ポンプ部5、往復部材6、カバー7、リフト部30Cを有する。フランジ部3Cは上フランジ部31と下フランジ部32Cとからなり、上フランジ部31と下フランジ部32Cとはシャッタ4Bが挿入された状態で一体化されている。
[フランジ部とリフト部]
フランジ部3Cとリフト部30Cについて、図35(a)乃至図36(b)を用いて説明する。なお、図35(a)及び図35(b)は、補給容器1Cの装着完了時を示している。本実施形態のフランジ部3Cは、下フランジ部32Cの上面側にリフト部30Cが回動自在に設けられている。リフト部30Cは、下フランジ部32Cにおいて装着方向(矢印A方向)上流側(現像剤受入れ装置8Aの引き込み部材50と反対側)を起点に装着方向下流側を上下動可能なように、下フランジ部32Cに取り付けられている。具体的に、下フランジ部32Cにはリフト部30Cを回動自在に支持するため、リフト部30Cの回動軸30Cbを嵌合する嵌合部32Caが形成されている。
リフト部30Cは、図36(a)に示すように、装着方向に延びる一対の本体アーム30C1と、これら本体アーム30C1を連結する連結部30C2とを有する。本実施形態では、リフト部30Cが下フランジ部32Cの上面側に設けられることから、リフト部30Cによって補給容器1Cの容器排出口3a4が閉塞されないよう、一対の本体アーム30C1は幅方向に間隔を空けて対向配置される。そうなるように、連結部30C2の幅方向長さが設定されている。
本体アーム30C1には、装着方向上流側(連結部30C2と反対側)の先端側に一方から他方に向けて突出するように、回動軸30Cbが形成されている。また、本体アーム30C1には、装着方向下流の先端側(連結部30C2と同一側)に、回動軸30Cbとは反対側に向けて突出するようにして、回動動作部としての被係止部30Caが形成されている。被係止部30Caは、詳しくは後述するように、引き込み部材50(詳しくはリフト保持部50a)に係止され、引き込み部材50の引き込み動作に伴って回動軸30Cbを中心に回動して受入れ支持部30Ccを動作させる。
さらに、本体アーム30C1には、受入れ支持部30Ccが回動軸30Cbとは反対側に向けて突出するようにして、また装着方向に延びるように形成されている。受入れ支持部30Ccは本体アーム30C1において装着方向に関し、被係止部30Caと回動軸30Cbとの間に配置される。言い換えれば、本体アーム30C1において装着方向に関し、回動軸30Cbから受入れ支持部30Ccまでの長さに対し、回動軸30Cbから被係止部30Caまでの長さが長く設定されている。この場合、支点が回動軸30Cb、力点が受入れ支持部30Cc、作用点が被係止部30Caとなり、モーメントの関係から支点から作用点までの距離に対し支点から力点までの距離を長くできる。こうすると、現像剤受入れ部11を鉛直方向上方に移動させるために必要な力が低減され得る。
受入れ支持部30Ccは、現像剤受け入れ部11の被支持部11b(図32(a)参照)を鉛直方向下方から支持し得る。この受入れ支持部30Ccは、図36(b)に示すように、その上面が装着方向上流側よりも下流側で低くなるように、本体アーム30C1に対し傾斜して形成される。ただし、受入れ支持部30Ccは、補給容器1Cの装着完了時に略水平状態となるように、その補給容器1Cの装着方向に対する傾斜角が設定されている。
[現像剤受入れ部の動作]
リフト部30Cによる現像剤受入れ部11の補給容器1Cへの接続動作について、図37(a)乃至図40(b)を用い、補給容器1Cの装着動作の時系列順に説明する。図37(a)及び図37(b)は補給容器1Cの装着開始時、図38(a)及び図38(b)はリフト部30Cの回動開始時、図39(a)及び図39(b)はリフト部30Cの回動途中、図40(a)及び図40(b)は補給容器1Cの装着完了時を示す。なお、補給容器1Cの離脱動作に応じたリフト部30Cによる現像剤受入れ部11の補給容器1Cからの離間動作については、以下に説明する接続動作と反対の動作を辿ることから、ここでは説明を省略する。
図37(a)に示すような補給容器1Cの装着開始時、シャッタ4Bの第一のストッパ部4bと現像剤受入れ装置8の第一のシャッタストッパ部8aとは当接する前である。その場合、補給容器1C内においてリフト部30Cとシャッタ4Bとは、相対移動せずに一体的に移動する。また、引き込み付勢部材51により付勢されている引き込み部材50は回動開始しておらず、リフト部30Cは引き込み部材50によって持ち上げられていない。それ故、図37(b)に示すように、リフト部30Cは自重により略水平状態に維持されたまま、装着方向に移動される。このとき、リフト部30C(詳しくは受入れ支持部30Cc)は最下方位置にあり、またリフト部30Cの受入れ支持部30Ccは現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持していない。上述したように、現像剤受け入れ部11は付勢部材12により補給容器1Cから離れる方向に付勢されているので、受入れ口11aが補給容器1Cの容器排出口3a4と離間した状態にある。なお、容器排出口3a4はシャッタ4Bの現像剤封止部4aによって封止されている。
図37(a)に示す状態から補給容器1Cが装着方向奥へと挿入されると、上述した第三実施形態と同様に、シャッタ4Bの現像剤受入れ部11に対する装着方向(矢印A方向)への相対移動が停止される。そして、本実施形態の場合には、図38(a)に示すように、カバー7が引き込み部材50の本体部50cに当接開始する。これ以降、さらに補給容器1Cが装着方向奥へと挿入されることに応じ、補給容器1Cは引き込み部材50により装着方向に引き込み開始される。本実施形態の場合、それに加えて、引き込み部材50はカバー7を介して装着方向に押され、引き込み付勢部材51の付勢力に従ってリフト保持部50aの先端部を上昇させるように回動し得る。また、このときには、図38(b)に示すように、引き込み部材50のリフト保持部50aの先端部がリフト部30Cの被係止部30Caの鉛直方向下方に到達している。さらに、現像剤受入れ部11の被支持部11bがリフト部30Cの受入れ支持部30Ccによって鉛直方向下方から支持開始される。この場合、容器排出口3a4がシャッタ4Bの現像剤封止部4aによって封止された状態に維持されたまま、シャッタ開口4jが現像剤受入れ部11の受入れ口11aの鉛直方向上方に到達する。ただし、図38(a)に示すように、リフト部30Cは略水平状態に維持されたままであるので、現像剤受入れ部11は初期位置より変位しておらず、受入れ口11aが補給容器1Cの容器排出口3a4と離間した状態にある。
続いて、図38(a)に示す状態から補給容器1Cがさらに装着方向奥へと挿入されると、図39(a)に示すように、補給容器1Cがシャッタ4Bに対して装着方向へ相対移動する。また、引き込み部材50はカバー7を介し補給容器1Cにより装着方向に押され回動することにより、図39(b)に示すように、リフト部30Cの被係止部30Caを係止しリフト部30Cを持ち上げる。これにより、リフト部30Cの受入れ支持部30Ccが実質的に鉛直方向上方へと移動される。そして、リフト部30Cの受入れ支持部30Ccによって、現像剤受入れ部11の被支持部11bが支持されていることから、現像剤受入れ部11は付勢部材12の付勢力に抗して鉛直方向上方へと移動開始される。ただし、図39(a)に示すように、受入れ口11aは補給容器1Cの容器排出口3a4と未だ離間した状態である。
引き続き、図39(a)に示す状態から補給容器1Cがさらに装着方向奥へと挿入されると、図40(a)に示すように、先ほどと同様に補給容器1Cがシャッタ4Bに対して装着方向へ相対移動することで、補給容器1Cは装着完了位置へと到達する。この場合、リフト部30Cは、図40(b)に示すように、受入れ支持部30Ccが最大高さ位置まで持ち上げられた状態で、引き込み部材50による回動が停止される。そして、受入れ支持部30Ccに被支持部11bが支持される現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが補給容器1Cの容器排出口3a4と接続した状態になる。こうして、現像剤を補給可能な状態となる。このとき、図40(a)に示すように、容器排出口3a4とリフト部30Cの位置関係は、容器排出口3a4を通る平面L(回転軸線Pに直交する平面)がリフト部30Cを通るような関係にある。また、リフト部30Cの受入れ支持部30Cc(図36(b)参照)を含む平面は、回転軸線Pと容器排出口3a4の間に配置される関係にある。
以上のように、第四実施形態では現像剤受入れ部11を移動させるために、補給容器1Cの装着動作に伴うリフト部30Cの動作を引き込み部材50により行い、現像剤受入れ部11の被支持部11bを鉛直方向上方(補給容器側)に持ち上げている。本実施形態の場合、引き込み部材50は引き込み付勢部材51の付勢力により補給容器1Cを装着方向に引き込むだけでなく、リフト部30Cを回動させている。これによれば、リフト部30Cが現像剤受入れ部11を鉛直方向上方に移動させる際に、引き込み付勢部材51の付勢力が関与するため、上述した従来例に比べて少ない力で済む。つまり、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減されるので、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる。
なお、上述した第四実施形態では、引き込み部材50を用いてリフト部30Cを回動させる例を説明したが、リフト部30Cを回動させるのに引き込み部材50を用いなくてもよい。即ち、現像剤受入れ装置8Aの装着方向奥側の壁面にリフト部30Cの連結部30C2の端面を当接させて、リフト部30Cを現像剤受入れ装置8Aの壁面に摺動させて、リフト部30Cを回動軸30Cbを中心に回動させるようにしてもよい。
<第五実施形態>
次に、第五実施形態について、図41乃至図45(b)を用いて説明する。第五実施形態は、シャッタを利用することなく現像剤受入れ部11の補給容器への接続動作を行うことが可能な、上述した第三及び第四実施形態とはさらに別の実施形態である。なお、第五実施形態において上述の第一実施形態と同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
[リフト部]
第五実施形態の補給容器1Dは、図41に示すように、主に容器本体2、フランジ部3D、シャッタ4D、ポンプ部5、往復部材6、リフト部30D、不図示のカバー、さらに規制部材60、付勢手段としての付勢部材61を有する。フランジ部3Dは上フランジ部31と下フランジ部32Dとからなり、上フランジ部31と下フランジ部32Dとはシャッタ4Dが挿入された状態で一体化されている。本実施形態の下フランジ部32Dには、リフト部30Dが取り付けられている。リフト部30Dは、着脱方向(矢印A、B方向)に関し下フランジ部32Dと一体的に移動する。その一方で、リフト部30Dは、付勢部材61(例えばコイルばね)により鉛直方向に移動自在に下フランジ部32Dに取り付けられている。付勢部材61は一方の端部が下フランジ部32Dに固定され、他方の端部がリフト部30Dに固定されて、リフト部30Dを鉛直方向上方、つまりは現像剤受け入れ部11の前記受入れ口11aが容器排出口3a4と連通する方向に付勢している。本実施形態において、リフト部30Dはその上面に現像剤受け入れ部11の被支持部11b(図4(c)参照)を鉛直方向下方から支持し得る受入れ支持部30Daを有している。
[規制部材]
下フランジ部32Dの幅方向両端には、規制部材60が下フランジ部32Dに対し相対移動可能なように、着脱方向(矢印A、B方向)にスライド自在に取り付けられている。また、この規制部材60は、リフト部30Dを付勢部材61の付勢力に抗して鉛直方向上方から押さえ付けることが可能なように、下フランジ部32Dに配置されている。規制部材60によりリフト部30Dが押さえ付けられている間、付勢部材61は圧縮された状態にある。本実施形態では後述するように、補給容器1Dの装着動作に応じて下フランジ部32Dが規制部材60に対し相対移動し、その際に、リフト部30Dがその上面(受入れ支持部30Da)を規制部材60に摺動されながら装着方向に移動される。そして、規制部材60によるリフト部30Dの押圧状態が解除されると、付勢部材61の付勢力によりリフト部30Dは鉛直方向上方に移動される。詳しくは後述するが、規制部材60とリフト部30Dとを相対移動させるため、規制部材60には補給容器1Dの装着時に現像剤受入れ部11(詳しくは移動規制部11c(図42(a)参照))に当接させる当接部60aが形成されている。
[シャッタ]
本実施形態のシャッタ4Dについても、フランジ部3Dに対して相対移動可能に設けられている。ただし、本実施形態のシャッタ4Dは上述した第一から第四実施形態で示した各シャッタと異なり、現像剤受入れ部11によって現像剤受入れ装置に対する位置が固定されるようにしている。後述するように、本実施形態のシャッタ4Dは、現像剤受入れ部11によって装着方向の移動が規制される。そうするために、シャッタ4Dにはストッパ部4Dbが形成され、現像剤受入れ部11には移動規制部11c(図42(a)参照)が形成されている。補給容器1の装着動作時に、シャッタ4Dのストッパ部4Dbが現像剤受入れ部11の移動規制部11cに当接することによって、シャッタ4Dの移動が規制されて、現像剤受入れ装置に対する位置が固定される。
[現像剤受入れ部の動作]
リフト部30Dによる現像剤受入れ部11の補給容器1Dへの接続動作について、図42(a)乃至図45(b)を用い、補給容器1Dの装着動作の時系列順に説明する。図42(a)及び図42(b)は補給容器1Dの装着開始時、図43(a)及び図43(b)はリフト部30Dの上昇開始時、図44(a)及び図44(b)はリフト部30Dの上昇途中、図45(a)及び図45(b)は補給容器1Dの装着完了時を示す。
図42(a)に示すような補給容器1Dの装着開始時、シャッタ4Dのストッパ部4Dbと現像剤受入れ部11の移動規制部11cとは当接する前である。本実施形態の場合、現像剤受入れ部11において、受入れ口11aを有する略円筒状の基体部11dの略中央から略L字状に延在され、鉛直方向上方の先端側に被支持部11bを有するL字状アーム部が移動規制部11cを形成している。ストッパ部4Dbと移動規制部11cとが当接していない場合、補給容器1D内においてリフト部30Dとシャッタ4Dとは、相対移動せずに一体的に移動する。また、リフト部30Dは、鉛直方向から見て一部が規制部材60と重なり合ったままつまり規制部材60により押圧された状態に維持されたまま、規制部材60とも相対移動せずに一体的に移動する。このとき、リフト部30Dは最下方位置にあり、またリフト部30Dは現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持していない。上述したように、現像剤受け入れ部11は付勢部材12により補給容器1Dから離れる方向に付勢されているので、受入れ口11aが補給容器1Dの容器排出口3a4と離間した状態にある。なお、容器排出口3a4はシャッタ4Dの現像剤封止部4aによって封止されている。
図42(a)に示す状態から補給容器1Dが装着方向(矢印A方向)奥へと挿入されると、図43(a)及び図43(b)に示すように、シャッタ4Dのストッパ部4Dbと現像剤受入れ部11の移動規制部11cとが当接する。ただし、規制部材60の当接部60aと移動規制部11cとは、未だ当接していない。即ち、現像剤受入れ部11の移動規制部11cに対し、規制部材60の当接部60aはシャッタ4Dのストッパ部4Dbよりも遅れて当接する。これ以降は、さらに補給容器1Dが装着方向奥へと挿入されることに応じ、シャッタ4Dの現像剤受入れ部11に対する装着方向への相対移動は停止されるが、規制部材60の現像剤受入れ部11に対する装着方向への相対移動は停止されない。また、このときには、図43(b)に示すように、リフト部30Dが現像剤受入れ部11の被支持部11bの鉛直方向下方に到達し、現像剤受入れ部11の被支持部11bがリフト部30Dによって鉛直方向下方から支持開始される。この場合、容器排出口3a4がシャッタ4Dの現像剤封止部4aによって封止された状態に維持されたまま、シャッタ開口4jが現像剤受入れ部11の受入れ口11aの鉛直方向上方に到達する。ただし、リフト部30Dは規制部材60により押圧された状態に維持されたままであるので、現像剤受入れ部11は初期位置より変位しておらず、受入れ口11aが補給容器1の容器排出口3a4と離間した状態にある。
続いて、図43(a)に示す状態から補給容器1Dがさらに装着方向奥へと挿入されると、図44(a)及び図44(b)に示すように、規制部材60の当接部60aと現像剤受入れ部11の移動規制部11cとが当接する。これ以降は、さらに補給容器1Dが装着方向奥へと挿入されることに応じ、規制部材60の現像剤受入れ部11に対する装着方向への相対移動が停止される一方で、リフト部30Dの現像剤受入れ部11に対する装着方向への移動が続けられる。即ち、リフト部30Dは現像剤受入れ部11の被支持部11bを支持したまま規制部材60に対し相対移動する。すると、規制部材60によるリフト部30Dの押圧状態が解除され(つまり鉛直方向から見て規制部材60とリフト部30Dとが重なり合っていない)、付勢部材61による付勢力によってリフト部30Dが鉛直方向上方へと移動し得る。現像剤受入れ部11の被支持部11bはリフト部30Dに支持されていることから、現像剤受入れ部11はリフト部30Dの鉛直方向上方への移動に伴い付勢部材12の付勢力に抗して鉛直方向上方へと移動開始される。
図45(a)及び図45(b)に補給容器1Dの装着完了時を示した。上述したように、規制部材60による押圧状態が解除されたリフト部30Dは鉛直方向上方へと移動する。それに伴い、リフト部30Dに被支持部11bが支持される現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが補給容器1の容器排出口3a4と接続した状態、つまり現像剤を補給可能な状態となる。なお、本実施形態では、補給容器1Dの装着完了時における付勢部材61によるリフト部30Dの鉛直方向上方への移動が規制部材60により規制される。
以上のように、第五実施形態においても現像剤受入れ部11を移動させるために、リフト部30Dが動作されるので、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減され、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる、という効果が得られる。
また、本実施形態の場合、付勢部材61による付勢力によって受入れ口11aと容器排出口3a4とのシール性を向上させることができる。さらに、受入れ口11aが容器排出口3a4に接続される際に、付勢部材61による付勢力によって受入れ口11aが容器排出口3a4に一定の衝撃を加えることから、容器排出口3a4付近の現像剤を解すことができる、という効果も得られる。
<第六実施形態>
上述の第五実施形態では、シャッタ4Dとは独立して移動する規制部材60にリフト部30Dを押圧させるようにしたが、これに限らず、規制部材60をシャッタと共に移動させてリフト部30Dを動作させるようにしてもよい。こうした第六実施形態について、図46(b)乃至図52(b)を用いて説明する。なお、第六実施形態において上述の第五実施形態と同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第五実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図46(a)及び図46(b)に、第六実施形態の補給容器1Eを示す。本実施形態の補給容器1Eにおいては、後述する規制部材60E(図48参照)の一部がカバー7Eから幅方向に突出するように設けられている。規制部材60Eは下フランジ部に対し相対移動可能なように、着脱方向(矢印A、B方向)にスライド自在に取り付けられているため、カバー7Eの幅方向の両側壁には規制部材60Eの一部を通すための貫通孔7Eaが装着方向に沿って形成されている。
図47に示すように、現像剤受入れ装置8Eには、補給容器1Eの装着動作時に規制部材60Eの装着方向(矢印A方向)への移動を規制する規制部8Eaが、現像剤受入れ部11よりも装着方向上流側に形成されている。規制部材60Eは規制部8Eaに当接して装着方向への移動が規制されることにより、規制部材60Eの現像剤受入れ装置8Eに対する位置が固定される。こうして規制部材60Eの位置が現像剤受入れ装置8Eに対して保持されて、規制部材60Eの現像剤受入れ部11に対する装着方向への移動は停止されるが、規制部材60Eを除く補給容器1Eの現像剤受入れ部11に対する装着方向への移動は維持される。なお、本実施形態では、後述するように(図48参照)、シャッタ4Eに規制部材60Eが取り付けられることから、規制部材60Eの移動が規制部8Eaにより規制されると、シャッタ4Eの現像剤受入れ装置8Eに対する位置が固定される。
つまり、規制部材60Eはシャッタ4Eの現像剤受入れ装置8Eに対する相対移動を規制している。
[規制部材]
図48に、規制部材60Eとシャッタ4Eとを示す。図48に示すように、シャッタ4Eは現像剤を排出するシャッタ開口4jと、シャッタ4のシャッタ開口4jから外れた位置に現像剤封止部4aが設けられている。また、本実施形態の場合、シャッタ4Eを規制部材60Eと一体的に移動させるために、規制部材60Eを固定するための固定孔4Eaが形成されている。
規制部材60Eは、装着方向に延びる一対のリフト動作アーム部60Ebと、これらリフト動作アーム部60Ebを連結する連結部60Ecとを有する。本実施形態では、規制部材60Eとシャッタ4Eとを一体的に形成するため、連結部60Ecにはシャッタ4Eの固定孔4Eaに固定する固定部60Edが形成されている。また、規制部材60Eによってシャッタ4Eのシャッタ開口4jが閉塞されないよう、一対のリフト動作アーム部60Ebは幅方向に間隔を空けて対向配置される。そうなるように、連結部60Ecの幅方向長さが設定されている。
リフト動作アーム部60Ebには、ストッパ部60Eaが装着方向上流側(連結部60Ecと反対側)の先端側に形成されている。このストッパ部60Eaはカバー7Eの貫通孔7Ea(図46(b)参照)から突出し、補給容器1Eの装着動作時に現像剤受入れ装置8Eの規制部8Ea(図47参照)に当接するように、幅方向に互いに反対方向に突出するように形成されている。また、リフト動作アーム部60Ebは、リフト部30Dの押圧状態を生じさせる押圧部601と、リフト部30Dの押圧状態を解除する解除部602とを有する図示した形状に形成されている。図48に示すように、押圧部601は解除部602よりも装着方向上流側に設けられ、その幅方向長さは解除部602よりも長く形成される。言い換えるならば、解除部602は装着方向に関し押圧部601と連結部60Ecとの間に形成された凹部である。
[現像剤受入れ部の動作]
リフト部30Dによる現像剤受入れ部11の補給容器1Eへの接続動作について、図49(a)乃至図52(b)を用い、補給容器1Eの装着動作の時系列順に説明する。図49(a)及び図49(b)は補給容器1Eの装着開始時、図50(a)及び図50(b)はリフト部30Dの移動途中、図51(a)及び図51(b)はリフト部30Dの上昇開始時、図52(a)及び図52(b)は補給容器1Eの装着完了時を示す。なお、補給容器1Eの離脱動作に応じたリフト部30Dによる現像剤受入れ部11の補給容器1Eからの離間動作については、以下に説明する接続動作と反対の動作を辿ることから、ここでは説明を省略する。
図49(a)に示すような補給容器1Eの装着開始時、規制部材60Eのストッパ部60Eaと現像剤受入れ装置8Eの規制部8Eaとは当接する前である。その場合、補給容器1E内において、リフト部30Dは、鉛直方向から見て規制部材60Eの押圧部601と重なり合ったままつまり規制部材60Eにより押圧された状態に維持されたまま、規制部材60Eとともに一体的に移動する。このとき、リフト部30Dは最下方位置にあり、またリフト部30Dは現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持していない。上述したように、現像剤受け入れ部11は付勢部材12により補給容器1Eから離れる方向に付勢されているので、受入れ口11aが補給容器1Eの容器排出口3a4と離間した状態にある。なお、容器排出口3a4はシャッタ4Eの現像剤封止部4aによって封止されている。
図49(a)に示す状態から補給容器1Eが装着方向(矢印A方向)奥へと挿入されると、図50(a)及び図50(b)に示すように、規制部材60Eのストッパ部60Eaと現像剤受入れ装置8Eの規制部8Eaとが当接する。これ以降は、さらに補給容器1Eが装着方向奥へと挿入されることに応じ、規制部材60E及びシャッタ4Eの現像剤受入れ部11に対する装着方向への相対移動は停止される。他方、補給容器1E内において、リフト部30Dは規制部材60Eに対し装着方向に相対移動する。この場合、容器排出口3a4がシャッタ4Eの現像剤封止部4aによって封止された状態に維持されたまま、シャッタ開口4jが現像剤受入れ部11の受入れ口11aの鉛直方向上方に到達する。ただし、リフト部30Dは、鉛直方向から見て規制部材60Eの押圧部601と重なり合った状態である。つまり、リフト部30Dは規制部材60Eにより押圧された状態に維持されたままであるので、現像剤受入れ部11は初期位置より変位しておらず、受入れ口11aが補給容器1の容器排出口3a4と離間した状態にある。
続いて、図50(a)に示す状態から補給容器1Eがさらに装着方向奥へと挿入されると、図51(a)及び図51(b)に示すように、相対移動するリフト部30Dが規制部材60Eの解除部602に到達する。すると、規制部材60Eによるリフト部30Dの押圧状態が解除され、付勢部材61による付勢力によってリフト部30Dが鉛直方向上方へと移動し得る。また、このときには、リフト部30Dが現像剤受入れ部11の被支持部11bの鉛直方向下方に到達し、現像剤受入れ部11の被支持部11bがリフト部30Dによって鉛直方向下方から支持開始される。これにより、現像剤受入れ部11はリフト部30Dの鉛直方向上方への移動に伴い付勢部材12の付勢力に抗して鉛直方向上方へと移動開始される。
図52(a)及び図52(b)に補給容器1Eの装着完了時を示した。上述したように、規制部材60Eによる押圧状態が解除されたリフト部30Dは、付勢部材61の付勢力に従って鉛直方向上方へと移動する。それに伴い、リフト部30Dに被支持部11bが支持される現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが補給容器1の容器排出口3a4と接続した状態、つまり現像剤を補給可能な状態となる。
以上のように、第六実施形態においても現像剤受入れ部11を移動させるために、リフト部30Dが動作されるので、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減され、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる、という効果が得られる。
<第七実施形態>
上述の第一~第六実施形態では、補給容器の現像剤受入れ装置8への装着動作時に操作者により与えられる力を利用してリフト部を動作させて、リフト部による現像剤受入れ部の補給容器への接続動作を実現したが、リフト部を動作させる方法はこれに限らない。例えば、モータの駆動力や磁石の磁力などによりリフト部を動作させてもよい。そこで、まずモータを利用してリフト部を動作させる第七実施形態について、図53(a)乃至図55を用いて説明する。なお、第七実施形態において上述の第一実施形態と同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。また、ここではシャッタに例えば上述のシャッタ4B(図26(a)参照)を用いた場合を示した。さらに、図53(a)及び図53(b)では図示の都合上、現像剤受入れ装置の一部の図示を省略した。
[補給容器]
第七実施形態の補給容器1Fは、図53(a)や図53(b)に示すように、主に容器本体2、フランジ部3F、シャッタ4B、ポンプ部5、往復部材6、カバー7F、さらにリフト部30F、昇降機構Kを有する。補給容器1Fは、一部の図示を省略した現像剤受入れ装置8に着脱自在に装着され、補給容器1の装着時には、現像剤受入れ部11の受入れ口11aが補給容器1の容器排出口3a4(図5(b)参照)と接続される。現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが容器排出口3a4に対して遠近動する方向(鉛直方向)に移動可能に取り付けられている。現像剤受入れ装置8の鉛直方向下方には、補給容器1から補給された現像剤を一時的に溜めておくサブホッパ8Cが設けられている。このサブホッパ8c内には、現像剤を搬送するための搬送スクリュー14が設けられている。カバー7Fには、現像剤受入れ装置8に形成された突起部(不図示)が通る孔7Faが形成されている。駆動手段としての昇降機構Kは、上フランジ部31よりも装着方向(矢印A方向)下流側に配置され、フランジ部3F、ポンプ部5、往復部材6などと共にカバー7Fに覆われている。
[昇降機構]
昇降機構Kについて、図54(a)乃至図55を用いて説明する。図54(a)は昇降機構Kによるリフト部30Fの移動前を示し、図54(b)は昇降機構Kによるリフト部30Fの移動後を示している。また、図55は、昇降機構Kの第二スイッチ83の近傍を拡大して示している。
図54(a)及び図54(b)に示すように、昇降機構Kは、駆動モータ80、電源81、第一スイッチ82、第二スイッチ83、モータギア84、駆動ギア85、昇降ギア86から構成される。本実施形態では、駆動モータ80、電源81、第一スイッチ82、第二スイッチ83がエナメル線などの電線にて直列に接続されている。駆動モータ80は、下フランジ部32Fから立設された略L字状のモータ保持部Kaに保持されている。このモータ保持部Kaには駆動モータ80の他に、駆動モータ80を駆動する電力を供給する電源81、駆動モータ80を駆動開始させる第一スイッチ82、駆動モータ80を駆動停止させる第二スイッチ83が保持されている。第二スイッチ83は対向配置された2枚の弾性変形可能な導電性金属板で形成され、その2枚の金属板は互いに接触した位置と互いに離間した位置とに変位可能に設けられている。モータギア84は駆動モータ80のモータ軸に取り付けられ、駆動モータ80の回転にあわせ回転する。駆動ギア85はモータギア84に噛み合わされ、モータギア84の回転により回転する。また、駆動ギア85には回転軸の周りに螺旋溝を有する円筒型の昇降ギア86が鉛直方向上方に延設されており、昇降ギア86は駆動ギア85とともに矢印V方向に回転する。即ち、昇降ギア86にはモータギア84及び駆動ギア85を介して、駆動モータ80の回転力が伝達される。
本実施形態の場合、駆動モータ80は、第二スイッチ83の金属板が互いに接触した状態であるときに第一スイッチ82が押されることに応じて、電源81から電力供給されて通電が開始されることにより回転開始する。そして、駆動モータ80は電源81から電力供給されて回転開始された後に、第二スイッチ83の金属板が離間した位置に変位されることに応じて、電源81からの電力供給が停止されて回転停止する。
[リフト部]
リフト部30Fについて説明する。リフト部30Fは、受入れ支持部30Fa、回転規制突起部30Fb、解除突起部30Fc、ギア嵌合孔30Fdを有する。受入れ支持部30Faはリフト部30Fの幅方向両端側に、幅方向に突出するように、また装着方向(矢印A方向)に延びるように形成されている。受入れ支持部30Faは、現像剤受け入れ部11の被支持部11bを鉛直方向下方から支持し得る。ギア嵌合孔30Fdには昇降ギア86の螺旋溝と噛合するように、昇降ギア86が取り付けられている。そして、回転規制突起部30Fbは、下フランジ部32Fに鉛直方向上方に向けて立設された互いに対向する一対の回転規制部87に挟まれるように形成されている。こうすることで、リフト部30Fは昇降ギア86の回転により回転することなく、昇降ギア86に対し鉛直方向上方に相対移動し得る。これにより、リフト部30Fは鉛直方向上方へと移動される。そして、リフト部30Fの受入れ支持部30Faによって、現像剤受入れ部11の被支持部11bが鉛直方向下方から支持されている場合、現像剤受入れ部11は付勢部材12の付勢力に抗して鉛直方向上方へと移動される。
[現像剤受入れ部の動作]
次に、リフト部30Fによる現像剤受入れ部11の補給容器1Fへの接続動作について説明する。補給容器1Fの装着開始時は昇降機構Kが動作しておらず、リフト部30Fは最下方位置にあり、またリフト部30Fの受入れ支持部30Faは現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持していない。上述したように、現像剤受け入れ部11は付勢部材12により補給容器1から離れる方向に付勢されているので、受入れ口11aが補給容器1の容器排出口3a4と離間した状態にある。
その後、補給容器1Fがさらに装着方向奥へと挿入されると、図54(a)に示すように、現像剤受入れ部11の被支持部11bがリフト部30Fの受入れ支持部30Faによって鉛直方向下方から支持開始される。ただし、このときも昇降機構Kは未だ動作していない。即ち、現像剤受入れ部11は初期位置より変位しておらず、受入れ口11aが補給容器1Fの容器排出口3a4と離間した状態にある。なお、容器排出口3a4はシャッタ4Bの現像剤封止部4aによって封止されたままである。
補給容器1Fが装着完了位置に到達すると、上述したカバー7Fの孔7Faを通りカバー7F内に現像剤受入れ装置8の突起部(不図示)が侵入し、第一スイッチ82を押す。また、シャッタ開口4jと容器排出口3a4とは連通している。そして、第一スイッチ82を押すが押されることにより、駆動モータ80が電源81から電力供給され回転開始し、モータギア84、駆動ギア85を介し昇降ギア86が回転して、図54(b)に示すように、リフト部30Fは鉛直方向上方へと移動する。そして、リフト部30Fの受入れ支持部30Faによって、現像剤受入れ部11の被支持部11bが鉛直方向下方から支持されていることから、現像剤受入れ部11は付勢部材12の付勢力に抗して鉛直方向上方へと移動される。なお、第一スイッチ82の操作は現像剤受入れ装置8の突起部によって行われることに限らず、補給容器1の装着完了後に、操作者によって行われるようにしてもよい。
そして、リフト部30Fは、図55に示すように、解除突起部30Fcが第二スイッチ83を構成する金属板のうちの1枚(ここでは鉛直方向上方に配置された金属板83b)を鉛直方向上方に押し上げる。リフト部30Fによる押し上げにより金属板83bが弾性変形すると、金属板83bと金属板83aとは接触した状態から離間した状態となる。これにより、電源81による駆動モータ80への電力供給が断たれることから、駆動モータ80は回転を停止する。駆動モータ80が回転停止すれば、モータギア84、駆動ギア85を介して回転している昇降ギア86の回転も停止するので、その結果、リフト部30Fは移動停止する。
このようにして、リフト部30Fが移動されることで、現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが補給容器1Fの容器排出口3a4と接続した状態まで移動される。なお、その場合には、容器排出口3a4がシャッタ4Bから露出され、容器排出口3a4と受入れ口11aが連通している。こうして、現像剤を補給可能な状態となる。
なお、補給容器1Fを離脱方向(矢印B方向)に離脱した場合、リフト部30Fの受入れ支持部30Faによる現像剤受入れ部11の被支持部11bの支持が解除される。そうすると、現像剤受入れ部11は付勢部材12の付勢力により鉛直方向下方へと移動される。
以上のように、第七実施形態では現像剤受入れ部11を移動させるために、リフト部30Fの動作を駆動モータ80により行い、現像剤受入れ部11の被支持部11bを鉛直方向上方(補給容器側)に持ち上げている。これによれば、リフト部30Fが現像剤受入れ部11を鉛直方向上方に移動させる際に、駆動モータ80の駆動力が付加されるため、上述した従来例に比べて少ない力で済む。つまり、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減されるので、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる、という効果が得られる。
<第八実施形態>
次に、磁力を利用してリフト部を動作させる第八実施形態について、図56(a)乃至図62を用いて説明する。なお、第八実施形態において上述の第一実施形態と同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態は第一実施形態と比較すると、シャッタ4Gにシャッタ傾斜部4fの代わりに第一磁石70が設けられている点、リフト保持部3bに一端で支持されるリフト部30Gに第二磁石71が設けられている点が大きく異なる。本実施形態の場合、第一磁石70と第二磁石71とは、後述するように補給容器1Gの装着時に互いが対向した際に、互いに対向する対向面が同極性であるようにそれぞれ設けられている。つまり、第一磁石70はシャッタ4Gのリフト部30G側(支持部側)が所定の極性であるように配置され、第二磁石71はリフト部30Gのシャッタ4G側(シャッタ側)が同一の極性であるように配置される。これにより、第一磁石70と第二磁石71とが対向した場合、第一磁石70と第二磁石71とは互いに反発し合う。第二磁石71は、図56(b)に示すように、受入れ支持部30cの鉛直方向下方側に設けられる。これに対し、第一磁石70は、図57(a)及び図57(b)に示すように、シャッタ4Gのストッパ部4b、4cを変位可能に支持する支持部4dに設けられる。なお、シャッタ4Gは現像剤を排出するシャッタ開口4jと、シャッタ4のシャッタ開口4jから外れた位置に現像剤封止部4aが設けられている。
[現像剤受入れ部の動作]
リフト部30Gによる現像剤受入れ部11の補給容器1Gへの接続動作について、図58(a)乃至図61(b)を用い、補給容器1Gの装着動作の時系列順に説明する。図58(a)及び図58(b)は補給容器1Gの装着開始時、図59(a)及び図59(b)はリフト部30Gの上昇開始時、図60(a)及び図60(b)はリフト部30Gの上昇途中、図61(a)及び図61(b)は補給容器1Gの装着完了時を示す。なお、補給容器1Gの離脱動作に応じたリフト部30Gによる現像剤受入れ部11の補給容器1Gへの離間動作については、以下に説明する接続動作と反対の動作を辿ることから、ここでは説明を省略する。
図58(a)に示すような補給容器1Gの装着開始時は、補給容器1G内においてシャッタ4Gとリフト部30Gとは相対移動せずに一体的に移動する。シャッタ4Gとリフト部30Gとが一体的に移動する場合、シャッタ4Gの第一磁石70とリフト部30Gの第二磁石71とは装着方向(矢印A方向)の間隔が維持される。その場合、第一磁石70と第二磁石71とは対向しておらず、互いの磁力の影響を受け難いため、互いが反発しあうことがない。それ故、リフト部30Gはリフトストッパ部3cに突き当たった最下方位置にあり、またリフト部30Gの受入れ支持部30cは現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持していない。上述したように、現像剤受け入れ部11は付勢部材12により補給容器1から離れる方向に付勢されているので、受入れ口11aが補給容器1Gの容器排出口3a4と離間した状態にある。なお、容器排出口3a4はシャッタ4Gの現像剤封止部4aによって封止されている。
図58(a)に示す状態から補給容器1Gが装着方向奥へと挿入されると、上述したように、シャッタ4Gの第一のストッパ部4bと現像剤受入れ装置8の第一のシャッタストッパ部8aとが係合する。これにより、シャッタ4Gの現像剤受入れ装置8に対する位置が固定される。シャッタ4Gの位置が現像剤受入れ装置8に対して保持されることで、シャッタ4Gの現像剤受入れ部11に対する装着方向(矢印A方向)への移動は停止されるが、シャッタ4Gを除く補給容器1Gの現像剤受入れ部11に対する装着方向への移動は維持される。また、この場合には、図59(b)に示すように、現像剤受入れ部11の被支持部11bがリフト部30Gの受入れ支持部30cによって鉛直方向下方から支持開始される。この場合、容器排出口3a4がシャッタ4Gの現像剤封止部4aによって封止された状態に維持されたまま、シャッタ開口4jが現像剤受入れ部11の受入れ口11aの鉛直方向上方に到達する。ただし、第一磁石70と第二磁石71とは対向しておらず、互いの磁力の影響が弱いため、現像剤受入れ部11は初期位置より変位しておらず、受入れ口11aが補給容器1Gの容器排出口3a4と離間した状態にある。
続いて、図59(a)に示す状態から補給容器1Gがさらに装着方向奥へと挿入されると、図60(a)に示すように、補給容器1Gがシャッタ4Gに対して装着方向へ相対移動する。この時、容器排出口3a4はシャッタ4Gから露出しておらず、現像剤封止部4aによって未だ封止されたままである。また、この場合、図60(b)に示すように、第一磁石70と第二磁石71とが対向した状態になるので、同極性の第一磁石70と第二磁石71とは反発し合う。これにより、リフト部30Gは鉛直方向上方へと移動される。そして、リフト部30Gの受入れ支持部30cによって、現像剤受入れ部11の被支持部11bが鉛直方向下方から支持されていることから、現像剤受入れ部11は付勢部材12の付勢力に抗して鉛直方向上方へと移動される。なお、第一磁石70と第二磁石71とが反発し合うことから、シャッタ4Gに対しても鉛直方向下方への力がかかる。しかし、シャッタ4Gは現像剤受入れ装置8の装着部8fに保持されているため、シャッタ4Gは磁力の影響を受けても、鉛直方向の位置が維持される。
引き続き、図60(a)に示す状態から補給容器1Gがさらに装着方向奥へと挿入されると、図61(a)に示すように、先ほどと同様に補給容器1Gがシャッタ4Gに対して装着方向へ相対移動することで、補給容器1Gは装着完了位置へと到達する。また、図60(b)に示すように、第一磁石70が第二磁石71の鉛直方向の略中央に達し、第一磁石70と第二磁石71との反発力が最大となるので、リフト部30Gは鉛直方向上方の最大到達位置で移動が停止される。この場合、リフト部30Gに被支持部11bが支持される現像剤受入れ部11は、受入れ口11aが補給容器1Gの容器排出口3a4と接続した状態にある。こうして、現像剤を補給可能な状態となる。
以上のように、第八実施形態では現像剤受入れ部11を移動させるために、リフト部30Gの動作を第一磁石70と第二磁石71とにより行い、現像剤受入れ部11の被支持部11bを鉛直方向上方(補給容器側)に持ち上げている。これによれば、リフト部30Gが現像剤受入れ部11を鉛直方向上方に移動させる際に、第一磁石70と第二磁石71より発せられる磁力の反発力が付加されるため、上述した従来例に比べて少ない力で済む。つまり、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減されるので、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる、という効果が得られる。
また、本実施形態の場合には、受入れ支持部30cに支持された被支持部11bが受入れ支持部30cの上面(略水平面)を移動する。上述した従来例のような被支持部11bが傾斜したガイド部310に摺動される場合に比較して、本実施形態における被支持部11bが水平面に摺動する場合は、補給容器1Gを装着する際の水平方向(装着方向)にかかる負荷を小さくできる。これにより、補給容器のより円滑な装着を実現し得る。
<第九実施形態>
上述した第八実施形態では、シャッタ4Gと一体的に第一磁石70を形成した例を示したが、これに限らず、既存のシャッタに第一磁石70を容易に付加できるように、シャッタとは別体の磁石部材を設けるようにしてもよい。そうした第九実施形態について、図62(a)乃至図63(c)を用いて説明する。なお、第九実施形態において上述の第八実施形態と同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第八実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図62(a)及び図62(b)に、本実施形態の取付部材72を示す。取付部材72は、上述したシャッタ4B(図26(a)参照)に重ね合わされて用いられるものであり、シャッタ4Bのストッパ部4b、4cに同形状のストッパ部72b、72cと、支持部4dに同形状の支持部72dを有している。つまり、取付部材72はシャッタ4Bに重ね合わされた状態で、鉛直方向上方から見て、外観がシャッタ4Bと略一致するように形成されている。これにより、取付部材72はシャッタ4Bと同様に、現像剤受入れ装置8のシャッタストッパ部8a、8b(図4(a)参照)に保持されることで、シャッタ4Bと共にそれら以外の補給容器1Gの一部に対し相対移動し得る。即ち、図63(a)乃至図63(c)に示すように、補給容器1Gにおいて、取付部材72はシャッタ4Bの鉛直方向上方に重ね合わされた状態でシャッタ4Bに取り付けられる。そして、現像剤受入れ装置8への着脱時には、取付部材72のストッパ部72b、72cが現像剤受入れ装置8のシャッタストッパ部8a、8bと係合し、取付部材72の現像剤受入れ装置8に対する位置が固定される。このとき、シャッタ4Bのストッパ部4b、4cもシャッタストッパ部8a、8bと係合し、シャッタ4Bも現像剤受入れ装置8に対して固定される。
第一磁石70は、ストッパ部72b、72cに設けられている。本実施形態の場合、第一磁石70は、取付部材72がシャッタ4Bに重ね合わされた場合に、上述したシャッタ4Gにおける第一磁石70の配置位置と略一致するように配置される。こうすることで、取付部材72が現像剤受入れ装置8に固定された状態で、第一磁石70とリフト部30Gの第二磁石71との位置関係が、上述した第八実施形態と同様の位置関係となる。これによれば、補給容器1Gの装着時、磁力を利用してリフト部30Gを鉛直方向上方に移動させ、現像剤受入れ部11を受入れ口11aが補給容器1Gの容器排出口3a4と接続した状態とすることができる。
なお、本実施形態の取付部材72は、シャッタを有しておらず、補給容器1Gの容器排出口3a4(図5(b)参照)を、シャッタの代わりにフィルム状のシール部材(不図示)で封止した構成のものに適用可能である。この場合には、補給容器1Gが現像剤受入れ装置8へ装着された後に、操作者によりシール部材が引き抜かれることで、補給容器1G内の現像剤が供給可能となる。このような構成でも、上述した取付部材72を設けることで、磁力を利用してリフト部30Gを動作させ、現像剤受入れ部11を補給容器1Gに接続することができる。このように、上述した第九実施形態はシャッタの有無に関わらず適用可能である。
<第十実施形態>
さらに、重力を利用してリフト部を動作させるようにしてもよい。そうした第十実施形態について、図64乃至図74を用いて説明する。なお、第十実施形態において上述の第一実施形態と同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図64に、第十実施形態の補給容器1Hを示す。補給容器1Hは、主に容器本体2、フランジ部3H、シャッタ4H、ポンプ部5、往復部材6、カバー7、リフト部30H、錘90を有する。錘90は、上フランジ部31よりも装着方向(矢印A方向)下流側に、且つ、シャッタ4Hの鉛直方向上方に配置され、フランジ部3H、ポンプ部5、往復部材6などと共にカバー7に覆われている。後述するように、錘90はカバー7内において鉛直方向に移動可能に設けられ、シャッタ4Hにより支持されている。
[錘]
図65(a)及び図65(b)に、錘90を示す。錘90は、幅方向両端側に突起部90aを有している。突起部90aは、鉛直方向に細長い形状に形成されている。突起部90aには、後述するワイヤの一端が固定される。また、錘90は、装着方向(矢印A方向)に関し中央部より下流側に、上流側の底面よりも鉛直方向下方に突出したシャッタ被支持部90bを有している。このシャッタ被支持部90bにシャッタ4Hが当接することで、錘90がシャッタ4Hにより支持される。また、錘90は、シャッタ被支持部90bを含む鉛直方向下方側の幅方向長さが鉛直方向上方側の幅方向長さよりも短く形成されている。これは、後述するワイヤなどを通すスペースを錘90の幅方向両端側に確保するためである。
[フランジ部]
フランジ部3Hについて、図66を用いて説明する。下フランジ部32Hは、後述するシャッタ4Hが挿入されるシャッタ挿入部3b1を備えている。下フランジ部32Hは、シャッタ4Hがシャッタ挿入部3b1に挿入された状態で上フランジ部31と一体化されている。下フランジ部32Hの幅方向の両側には、後述のリフト部30H(図67参照)を鉛直方向にスライド自在に保持するリフト保持部92がスリット状に形成されている。このリフト保持部92よりも装着方向下流側には、上述した錘90の突起部90aを鉛直方向にスライド自在に保持する錘保持部93がスリット状に形成されている。即ち、リフト部30Hはリフト保持部92によって、錘90は錘保持部93によって、それぞれ着脱方向(矢印A、B方向)の移動が規制されている。また、上フランジ部31の幅方向の両側には、後述するワイヤを通して保持するためのワイヤ保持部91が設けられている。
[リフト部]
図67に、リフト部30Hを示す。リフト部30Hは、嵌合部30Haと、ワイヤ接続部30Hbと、受入れ支持部30cと、リフト本体部30dとを有する。リフト本体部30dには、現像剤受け入れ部11の被支持部11b(図4(c)参照)を鉛直方向下方から支持し得る受入れ支持部30cが形成されている。リフト本体部30dの受入れ支持部30cと反対側には、後述するワイヤの一端を固定するためのワイヤ接続部30Hbが設けられる。嵌合部30Haは、リフト本体部30dの受入れ支持部30cと反対側の面から突出して、リフト本体部30dとワイヤ接続部30Hbとを連結している。図示のように、嵌合部30Haは装着方向(矢印A方向)に関し、リフト本体部30d、ワイヤ接続部30Hbそれぞれの長さより短く形成されている。本実施形態の場合、この嵌合部30Haが下フランジ部32Hのリフト保持部92に嵌合されることで、リフト部30Hはフランジ部3Hに対し鉛直方向にスライド自在に保持される。
[シャッタ]
図68に、シャッタ4Hを示す。本実施形態では、重力に従って移動する錘90によりリフト部30Hを動作させるため、シャッタ4Hを利用する。そうするために、シャッタ4Hには錘支持部4H1が形成されている。図68に示すように、本実施形態の場合、移動部材としての錘支持部4H1は、装着方向(矢印A方向)の下流側端部に幅方向全域に亘って補給容器側に向けて突出するように形成されている。また、錘支持部4H1は、装着方向の上流側から下流側に向け鉛直方向長さが次第に短くなるように傾斜状に形成されている。言い換えれば、錘支持部4H1は、装着方向の上流側から下流側に向かう程、現像剤受入れ部側に向けて傾斜した傾斜面を有している。詳しくは後述するように、補給容器1Hがシャッタ4Hに対して相対移動すると、錘90もシャッタ4Hと相対移動する。その場合に、錘90が重力に従って錘支持部4H1に摺動しながら移動することで、錘90にワイヤにより連結されているリフト部30Hは鉛直方向に移動される。
[ワイヤ]
本実施形態において、錘90とリフト部30Hは、図69(a)及び図69(b)に示すように、ワイヤ95により連結されている。移動部材でありまた紐状部材であるワイヤ95の一端は錘90の突起部90aに固定され、他端はリフト部30Hのワイヤ接続部30Hb(図67参照)に固定されている。また、ワイヤ95は上フランジ部31の第一のワイヤ保持部91と、下フランジ部32Hの錘保持部93に形成された第二のワイヤ保持部94を通されることで、たわまないように保持されている。これにより、錘90の変位量とリフト部30Hの変位量とは略同じになる。なお、ワイヤ95の長さは、錘90が鉛直方向最上方に位置するときにリフト部30Hが鉛直方向最下方に位置し、錘90が鉛直方向最下方に位置するときにリフト部30Hが鉛直方向最上方に位置するように設定されている。
[現像剤受入れ部の動作]
リフト部30Hによる現像剤受入れ部11の補給容器1Hへの接続動作について、図70(a)乃至図74を用い、補給容器1Hの現像剤受入れ装置8への装着動作の時系列順に説明する。図70(a)及び図70(b)は補給容器1Hの装着開始時、図71(a)及び図71(b)はリフト部30Hの上昇開始時を示す。また、図72(a)及び図72(b)はリフト部30Hの上昇途中、図73(a)及び図73(b)はリフト部30Hの上昇完了時、図74は補給容器1Hの装着完了時を示す。
図70(a)に示すような補給容器1Hの装着開始時は、補給容器1H内においてシャッタ4Hとリフト部30Hとは相対移動せずに一体的に移動する。シャッタ4Hとリフト部30Hとが一体的に移動する場合、錘90は錘支持部4H1の最上面でシャッタ4Hにより支持されている。この場合、図70(b)に示すように、錘90は鉛直方向最上方に位置するので、リフト部30Hはリフトストッパ部3cに突き当たった最下方位置にある。また、リフト部30Hの受入れ支持部30cは現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持していない。上述したように、現像剤受け入れ部11は付勢部材12により補給容器1から離れる方向に付勢されているので(図3(b)参照)、受入れ口11aが補給容器1の容器排出口3a4と離間した状態にある。なお、容器排出口3a4はシャッタ4Hの現像剤封止部4aによって封止されている。
図70(a)に示す状態から補給容器1Hが装着方向奥へと挿入されると、既に述べた通り、シャッタ4Hの現像剤受入れ装置8に対する位置が固定される。これにより、シャッタ4Hを除く補給容器1Hの現像剤受入れ部11に対する装着方向(矢印A方向)への相対移動は維持される。それ故、容器排出口3a4はシャッタ4Hの現像剤封止部4aによって封止された状態に維持される。そして、図71(b)に示すように、現像剤受入れ部11の被支持部11bがリフト部30Hの受入れ支持部30cに支持される。ただし、錘90は、錘支持部4H1の最上面に支持された鉛直方向最上方に位置した状態に維持されたままである。従って、リフト部30Hは鉛直方向最下方に位置したままであるので、現像剤受入れ部11は初期位置より変位しておらず、受入れ口11aは補給容器1Hの容器排出口3a4と離間した状態のままである。
続いて、図71(a)に示す状態から補給容器1Hがさらに装着方向奥へと挿入されると、図72(a)に示すように、補給容器1Hがシャッタ4Hに対して装着方向へ相対移動する。このとき、容器排出口3a4はシャッタ4Hから露出しておらず、現像剤封止部4aによって未だ封止されたままである。また、この場合には、補給容器1Hの装着動作に応じて、錘90は重力に従って錘支持部4H1に摺動されながら鉛直方向下方に移動する。そうすると、図72(b)に示すように、リフト部30Hはワイヤ95を介して錘90に引っ張られて鉛直方向上方へと移動される。そして、リフト部30Hの受入れ支持部30cによって、現像剤受入れ部11の被支持部11bが鉛直方向下方から支持されていることから、現像剤受入れ部11は付勢部材12の付勢力に抗して鉛直方向上方へと移動される。このとき、錘90が錘支持部4H1に沿って鉛直方向下方に移動するのに従って、リフト部30Hは錘90が変位した変位量と同じだけの変位だけ鉛直方向上方に移動する。ただし、受入れ口11aは補給容器1Hの容器排出口3a4と未だ離間した状態である。なお、この場合、容器排出口3a4はシャッタ4Hから露出しておらず、現像剤封止部4aによって未だ封止されたままである。
一例として、錘90は真鍮を用いて例えば体積43cm3に形成される。その場合、錘90の重量は360gである。そして、現像剤受け入れ部11を補給容器1Hから離れる方向に付勢する付勢部材12は、付勢力が例えば300gに設定される。付勢部材12の付勢力は、錘90の重量とリフト部30Hの重量(例えば10g)との加算値よりも低い値に設定される。それ故、錘90の移動に従い、リフト部30Hがワイヤ95を介して移動され得る。なお、錘90の体積や材質はこれに限定するものでなく、リフト部30Hの重量との加算値が付勢部材12の付勢力を上回れば、どのようなものであってもよい。
引き続き、図72(a)に示す状態から補給容器1Hがさらに装着方向奥へと挿入されると、図73(a)に示すように、補給容器1Hがシャッタ4Hに対して装着方向へ相対移動するので、錘90が重力に従ってより鉛直方向下方に移動する。こうして、補給容器1Hの装着動作に応じて、錘90が鉛直方向最下方まで移動すると、リフト部30Hは鉛直方向最上方まで移動して停止する。本実施形態の場合、リフト部30Hに被支持部11bが支持される現像剤受入れ部11は、受入れ口11aがシャッタ開口4jと接続した状態にあるが、容器排出口3a4はシャッタ4Hから露出しておらず、現像剤封止部4aによって封止されたままである。
そして、図73(a)に示す状態から補給容器1Hがさらに装着方向奥へと挿入されるのに伴って、補給容器1Hがシャッタ4Hに対して装着方向へ相対移動することで、補給容器1Hは装着完了位置へと到達する。本実施形態では、この場合に、図74に示すように、容器排出口3a4がシャッタ4Hから露出され、容器排出口3a4と受入れ口11aが連通する。こうして、現像剤を補給可能な状態となる。このとき、図73(b)に示すように、容器排出口3a4とリフト部30Hの位置関係は、容器排出口3a4を通る平面L(回転軸線Pに直交する平面)がリフト部30Hを通るような関係にある。また、リフト部30Hの受入れ支持部30cを含む平面は、回転軸線Pと容器排出口3a4の間に配置される関係にある。
反対に、補給容器1Hが離脱される際には、補給容器1Hの離脱動作に伴って、シャッタ4Hにより錘90が持ち上げられるようにして鉛直方向上方に移動する。錘90が鉛直方向上方に移動するのに応じて、リフト部30Hは自重と、現像剤受け入れ部11を付勢する付勢部材12の付勢力とにより、鉛直方向下方に移動する。このようにして、現像剤受入れ部11は、補給容器1Hと反対側に移動する、つまり離間する。
以上のように、第十実施形態では現像剤受入れ部11を移動させるために、リフト部30Hの動作を錘90の移動により行い、現像剤受入れ部11の被支持部11bを鉛直方向上方(補給容器側)に持ち上げている。これによれば、リフト部30Hが現像剤受入れ部11を鉛直方向上方に移動させる際に、錘90による引っ張り力が付加されるので、上述した従来例に比べて少ない力で済む。つまり、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減されるので、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる、という効果が得られる。
また、シャッタ4Hの錘支持部4H1の傾斜角や、錘支持部4H1の装着方向の配置位置を変えることで、持ち上げタイミングや持ち上げ速度を変えることができるため、設計自由度が高い。
なお、本実施形態では、シャッタ4Hに錘90を保持させる錘支持部4H1を一体的に形成した例について説明したが、これに限らない。シャッタ4Hとは別体の部材に上述した錘支持部4H1を設けておき、この部材を錘支持部4H1を有していない例えばシャッタ4B(図26(a)参照)に取り付けるようにしてもよい。
<第十一実施形態>
上述した第十実施形態では、重力を利用してリフト部を動作させるために、錘90の変位をワイヤ95を用いてリフト部30Hに伝達する例を示したがこれに限らない。例えば、錘90の変位をワイヤ95を用いることなく、回動部材を用いてリフト部に伝達するような構成であってもよい。そのような第十一実施形態について、図75及び図76を用いて説明する。図75は本実施形態の補給容器1Jの装着開始時を示し、図76は本実施形態の補給容器1Jの装着完了時を示している。なお、第十一実施形態において上述の第十実施形態と同一の構成部分には共通の符号を付して説明を省略又は簡略にし、以下、第十実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図75に示すように、本実施形態の補給容器1Jはフランジ部3Jにおいて、リフト部30Jが下フランジ部32Jの幅方向両端部に設けられた回動軸32Jaのそれぞれに回動自在に設けられている。本実施形態のリフト部30Jは、現像剤受け入れ部11の被支持部11bを鉛直方向下方から支持し得る受入れ支持部30Jaが、回動軸32Jaを中心に回動自在なリフト本体部30Jbに形成されている。本実施形態の場合、受入れ支持部30Jaは、回動動作部としてのリフト本体部30Jbと一体的に装着方向(矢印A方向)上流側に設けられている。リフト本体部30Jbは装着方向の下流側で錘90の突起部90aに当接可能に、上流側で受入れ支持部30Jaにより現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持可能に、長尺状に形成されて下フランジ部32Jに配設されている。
本実施形態では、補給容器1Jの装着動作に伴い、錘90が重力によりシャッタ4Hの錘支持部4H1(図68参照)に沿い鉛直方向下方に移動すると、受入れ支持部30Jaが形成されていないリフト本体部30Jbの一端側が突起部90aに押し下げられる。そうすると、図76に示すように、リフト本体部30Jbは回動軸32Jaを中心に回動し、これに先んじて現像剤受け入れ部11の被支持部11bを支持済みの受入れ支持部30Jaを持ち上げる。そして、補給容器1Jの装着動作に応じて、錘90が鉛直方向最下方まで移動すると、受入れ支持部30Jaは鉛直方向最上方まで移動する。これにより、現像剤受入れ部11が補給容器1J側に向けて鉛直方向上方に移動されるので、補給容器1Jの容器排出口3a4と現像剤受入れ部11の受入れ口11aとを接続状態にし得る。こうして、現像剤を補給可能な状態となる。このとき、図76に示すように、容器排出口3a4とリフト部30Jの位置関係は、容器排出口3a4を通る平面L(回転軸線Pに直交する平面)がリフト部30Jを通るような関係にある。また、リフト部30Jの受入れ支持部30Jaを含む平面は、回転軸線Pと容器排出口3a4の間に配置される関係にある。
反対に、補給容器1Jが離脱される際には、補給容器1Jの離脱動作に伴って、シャッタ4Hにより錘90が持ち上げられるようにして鉛直方向上方に移動する。錘90が鉛直方向上方に移動すると、リフト本体部30Jbは受入れ支持部30Jaの重量と、現像剤受け入れ部11を付勢する付勢部材12の付勢力とにより、受入れ支持部30Jaが形成された他端側が下方に下がる。このようにして、現像剤受入れ部11は、補給容器1Jと反対側に移動する、つまり離間する。
以上のように、第十一実施形態においても、リフト部30Jの動作を錘90の移動により行って、現像剤受入れ部11の被支持部11bを鉛直方向上方(補給容器側)に持ち上げている。これにより、現像剤受入れ部11の移動にかかる負荷が低減されるので、もって補給容器の円滑な装着を実現することができる、という効果が得られる。
また、本実施形態ではてこの原理を用いているため、支点の位置つまりは回動中心を変えることで錘90の重さを軽くして変位量を増やす、反対に錘90を重くして変位量を減らす等の変更が容易である。