1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63およびセレクトボタン64(図1中の一点鎖線内の平面図参照)が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7(所定の表示手段)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの表示領域からなる。左の表示領域には左演出図柄8Lが表示され、中の表示領域には中演出図柄8Cが表示され、右の表示領域には右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「246」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれ(通常ハズレ)であった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、演出図柄8L,8C,8Rの表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」とも言う)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43b(図3参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1始動入賞口や固定始動口、固定入球口、第1入球口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21を第2始動入賞口や可変始動口、可変入球口、第2入球口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31を、第1特別可変入賞装置や、他の特別入賞手段ともいい、第1大入賞口30を他の特別入賞口ともいう。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36を、第2特別可変入賞装置、特別入賞手段ともいい、第2大入賞口35を特別入賞口ともいう。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。また、1種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技といい、2種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技という。また、1種大当たりを直撃大当たりともいう。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(特図1、識別図柄の一例)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(特図2、識別図柄の一例)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、及び、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bが含まれている。第1特図保留を特図1保留ともいい、第2特図保留を特図2保留ともいう。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種別(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種別(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技が行われる。なお、大当たり遊技及び小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレ(後述の複数種類のハズレのうちの一つ)である場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なお、ハズレ図柄の一つとして全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図4参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図4参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数、上限保留数)は第1特図保留記憶部85aが「4」、第2特図保留記憶部85bが「4」となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。つまり本形態のパチンコ遊技機1は、第1始動口20(固定始動口)への入球に基づく大当たり判定処理(所定の判定処理)の実行を保留可能な保留手段と、第2始動口21(可変始動口)への入球に基づく大当たり判定処理(所定の判定処理)の実行を保留可能な保留手段とを備えている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bは4個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
なお本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中にゲート28への通過があった場合には、その通過に基づく普通図柄乱数の取得を行わない構成である。すなわち、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)を記憶しない構成である。なお、普図保留をRAM84(図4参照)内の所定の記憶領域に所定の上限数(例えば「4」)まで記憶可能な構成としてもよい。この場合、RAM84に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。またこの場合、普図保留の記憶数を表示する普図保留表示器を設けるとよい。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部99を構成する。なお、サブ制御部99は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
また電源基板150には、後述する遊技制御用マイコン81のRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)152が設けられている。なお、RAMクリアスイッチ152は、本パチンコ遊技機1の裏側に配置された電源基板150上に設けられている。そのため、遊技機枠50を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ152を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ152は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。なお、RAMクリアスイッチ152は、タクトスイッチであり、RAMクリアスイッチ152が押下操作されると、RAMクリアスイッチ152がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン81に入力される。RAMクリアスイッチ152が押下操作されている状態をRAMクリアスイッチ152のON状態といい、RAMクリアスイッチ152が押下操作されていない状態をRAMクリアスイッチ152のOFF状態という。
図4に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)が設けられている。
また主制御基板80には、図4に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、および第2特図保留表示器43bが接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球や貸球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光データの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された盤可動体15を動作させる。なお盤可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
なお図4及び図5は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図4及び図5に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図4及び図5に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図4及び図5に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.遊技機における主な遊技
次に、パチンコ遊技機1により行われる主な遊技について説明する。パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて、特図関係乱数を取得する。特図関係乱数には、図6(A)に示すように、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数がある。大当たり乱数は、大当たりの当否判定や小当たりの当否判定に用いられる。大当たり乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、大当たり図柄の種別判定や小当たり図柄の種別判定、ハズレ図柄の種別判定に用いられる。図柄種別乱数は、0~999までの範囲で値をとる。
また、リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。リーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、乱数を判定情報とも言う。
また、パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づいて、図6(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)を取得する。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得した大当たり乱数を、図7(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否か、及び、小当たりか否かを決定する。図7(A)に示すように、第1始動口20への入賞に基づく第1特別図柄(特図1)の抽選と、第2始動口21への入賞に基づく第2特別図柄(特図2)の抽選とでは、大当たりの当選確率は同じであるが、小当たりの当選確率は異なっている。特図1の抽選では小当たりの当選確率は零であり、特図2の抽選では小当たりの当選確率は約1/7である。つまり、特図2の抽選の方が、特図1の抽選よりも小当たりに当選し易いと言える。なお、特図1の抽選においても、小当たりに当選可能に構成してもよい。この場合、特図1の抽選における小当たり当選確率は、特図2の抽選における小当たり当選確率よりも低く設定することが望ましい。
パチンコ遊技機1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、45%の割合で、「特図1_大当たり図柄A」に決定し、50%の割合で、「特図1_大当たり図柄B」に決定し、5%の割合で、「特図1_大当たり図柄C」に決定する。一方、特図2の抽選では、80%の割合で、「特図2_大当たり図柄D」に決定し、20%の割合で、「特図2_大当たり図柄E」に決定する。当選した大当たり図柄の種別が異なると、1種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図8参照)。この点については後述する。
またパチンコ遊技機1は、小当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。具体的には特図2の抽選では、10%の割合で、「特図2_小当たり図柄a」に決定し、80%の割合で、「特図2_小当たり図柄b」に決定し、10%の割合で、「特図2_小当たり図柄c」に決定する。当選した小当たり図柄の種別が異なると、小当たり遊技や2種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図8参照)。この点については後述する。
またパチンコ遊技機1は、大当たりにも小当たりにも当選していないと判定した場合(つまりハズレと判定した場合)、図柄種別乱数を、図7(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、99%の割合で、「特図1_ハズレ図柄A」に決定し、残りの1%の割合で、「特図1_ハズレ図柄B」~「特図1_ハズレ図柄E」のうち何れかに決定する。具体的に、特図1の抽選では、0.6%の割合で、「特図1_ハズレ図柄B」に決定し、0.2%の割合で、「特図1_ハズレ図柄C」に決定し、0.1%の割合で、「特図1_ハズレ図柄D」に決定し、0.1%の割合で、「特図1_ハズレ図柄E」に決定する。一方、特図2の抽選では、100%の割合で、「特図2_ハズレ図柄F」に決定する。ハズレ図柄の種別の違いは、ハズレ図柄が停止表示された後の遊技状態に関する設定に影響を与える(図9参照)。なお、この点については後述する。
またパチンコ遊技機1は、ハズレ(後述の通常ハズレ)と判定した場合、リーチ乱数を、図7(E)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄8L,8C,8Rをリーチにするか否かを決定する。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の時短状態であるか否かによって異なっている。時短状態でないときの方が、時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
次に、大当たりの種類、小当たりの種類、ハズレの種類について、図8及び図9に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特図1の抽選や特図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、「特図1_大当たり図柄C」、「特図2_大当たり図柄D」、「特図2_大当たり図柄E」がある。また、「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」、「特図2_小当たり図柄c」がある。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。ハズレ図柄には、「特図1_ハズレ図柄A」、「特図1_ハズレ図柄B」、「特図1_ハズレ図柄C」、「特図1_ハズレ図柄D」、「特図1_ハズレ図柄E」、「特図2_ハズレ図柄F」がある。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称し、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には3種類あり、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、「特図1_大当たり図柄C」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、「特図2_大当たり図柄D」、「特図2_大当たり図柄E」に当選する可能性がある。
図8に示すように、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、「特図1_大当たり図柄C」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄A」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「通常遊技状態」であり、「大当たり図柄B」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態B」であり、「大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態A」である。「大当たり図柄B」に基づく時短状態Bでは、時短回数が200回に設定され、「大当たり図柄C」に基づく時短状態Aでは、時短回数が99回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数である。種々の時短回数は「特定回数」の一例である。なお、遊技状態の詳細については後述する。
また、「特図2_大当たり図柄D」、「特図2_大当たり図柄E」は、10R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄D」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態A」であり、「大当たり図柄E」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「通常遊技状態」である。
また特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。本明細書では、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態では図8に示すように、特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される小当たり図柄)の種別は3種類である。具体的には特図2の抽選では、「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」、「特図2_小当たり図柄c」に当選する可能性がある。
「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」は、何れであっても正しく遊技する限り、特定領域39への通過(V通過ともいう)が必ず可能な小当たりである。つまり本形態では、特図2の抽選に基づく小当たり当選は、実質的には大当たり当選と同じ意味をもつ。
各種別の小当たり図柄に基づく小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。また、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、0.008秒である。また、特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、「小当たり図柄a」又は「小当たり図柄b」或いは「小当たり図柄c」の何れの当選であって、2R目から10R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に9Rの2種大当たり遊技が実行される。
「小当たり図柄a」に当選した場合の2種大当たり遊技後の遊技状態は、「通常遊技状態」であり、「小当たり図柄b」に当選した場合の2種大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態A」であり、「小当たり図柄c」に当選した場合の2種大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態B」である。また「小当たり図柄b」に当選した場合の2種大当たり遊技後の時短状態Aでは、時短回数が99回に設定される。一方、「小当たり図柄c」に当選した場合の2種大当たり遊技後の時短状態Bでは、時短回数が200回に設定される。なお後述するように、時短状態Bに制御された場合には、特図1の抽選によって遊技が進行されるのに対して、時短状態Aに制御された場合には、特図2の抽選によって遊技が進行される。そして本形態では、特図2の抽選における小当たり当選確率が約1/7であるため、時短回数99回の時短状態Aに制御された場合には、次の大当たり遊技の実行が実質的に確定している(保証されている)ことになる。
また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。図9に示すように、特図1の抽選で決定されるハズレ図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は5種類あり、特図2の抽選で決定されるハズレ図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示されるハズレ図柄)の種別は1種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_ハズレ図柄A」、「特図1_ハズレ図柄B」、「特図1_ハズレ図柄C」、「特図1_ハズレ図柄D」、「特図1_ハズレ図柄E」の何れかに決定される。また特図2の抽選では、「特図2_ハズレ図柄F」に決定される。
「特図1_ハズレ図柄A」及び「特図2_ハズレ図柄F」は、通常ハズレである。これに対して、「特図1_ハズレ図柄B」、「特図1_ハズレ図柄C」、「特図1_ハズレ図柄D」、「特図1_ハズレ図柄E」は、特殊ハズレ(特定の判定結果の一例)である。特殊ハズレは、後述する時短状態A又は時短状態Bの制御契機となるハズレである。具体的に、特別図柄抽選の結果が「特図1_ハズレ図柄B」である場合、遊技制御用マイコン81は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態Aに制御する。一方、特別図柄抽選の結果が「特図1_ハズレ図柄C」又は「特図1_ハズレ図柄D」或いは「特図1_ハズレ図柄E」である場合、遊技制御用マイコン81は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態Bに制御する。但し、特殊ハズレによる時短状態A又は時短状態Bへの制御タイミングにおいて、既に時短状態(時短状態A又は時短状態B)である場合(すなわち後述する時短フラグがONである場合)には、遊技状態の設定を変更しない。
そして、「ハズレ図柄B」に基づく時短状態Aでは、時短回数が99回に設定される。この場合、後述するように、特図2の抽選で遊技が進行される時短状態Aにおいて、特図2の抽選における小当たり当選確率が約1/7であるため、次の大当たり遊技の実行が実質的に確定している(保証されている)ことになる。
一方、「ハズレ図柄C」に基づく時短状態Bでは、時短回数が600回に設定され、「ハズレ図柄D」に基づく時短状態Bでは、時短回数が400回に設定され、「ハズレ図柄E」に基づく時短状態Bでは、時短回数が200回に設定される。これらの場合、時短状態Bでは、特図1の抽選によって遊技が進行されるため、次の大当たり遊技の実行が実質的に確定している(保証されている)わけではない。なお、特殊ハズレを、時短ハズレとも称する。また、「特図1_ハズレ図柄A」及び「特図2_ハズレ図柄F」は、特別図柄に関する非特定の停止態様の一例である。
ここで、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本形態では、遊技状態として、非時短状態と時短状態とがある。非時短状態を通常遊技状態とも称する。パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、非時短状態(通常遊技状態)である。時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー22に遊技球が入賞し易い設定の遊技状態である。
時短状態の種類には、時短状態A、時短状態Bの2つがある。時短状態A(有利遊技状態)は、上述したように、大当たり遊技(1種大当たり遊技又は2種大当たり遊技)の終了後に移行したり(図8参照)、「特図1_ハズレ図柄B」が停止表示されたこと(特殊ハズレを引いたこと)に応じて移行したりする時短状態である(図9参照)。すなわちパチンコ遊技機1は、大当たり図柄又は小当たり図柄に当選した場合だけでなく、特定のハズレ図柄(ハズレ図柄B)を停止表示した場合、その停止時間が経過したことに応じて、大当たり遊技を実行することなく、時短状態Aに制御可能である。
また、時短状態B(第2遊技状態)も、上述したように、大当たり遊技(1種大当たり遊技又は2種大当たり遊技)の終了後に移行したり(図8参照)、「特図1_ハズレ図柄C」又は「特図1_ハズレ図柄D」或いは「特図1_ハズレ図柄E」が停止表示されたこと(特殊ハズレを引いたこと)に応じて移行したりする時短状態である(図9参照)。こうして本パチンコ遊技機1では、当選する大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の種類に応じて、時短状態A又は時短状態Bに移行することができる。
時短状態の種類が異なると、普通図柄の変動パターンや電チュー22の開放パターン等、電チュー22への入賞し易さに関わる各種パラメータの設定が異なる。詳細には、本形態では図12(A)に示すように、時短状態(時短状態A、時短状態B)における普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態における普通図柄の当選確率と同じである。具体的には本形態では、非時短状態、時短状態A、時短状態Bのいずれの遊技状態においても、普通図柄抽選で当たりと判定される確率は、65535/65536に設定されている。つまり、いずれの遊技状態においても普通図柄抽選では、ほぼ当たりと判定される。なお、時短状態では普通図柄抽選の当選確率が非時短状態よりも高くなる構成(言い換えれば時短状態では普通図柄表示器42の確率変動機能が作動する構成)としてもよい。
また時短状態(時短状態A、時短状態B)では、図12(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。具体的には本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では60秒であるが、時短状態Aでは1秒であり、時短状態Bでは30秒である。すなわち時短状態では、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動する。なお、普通図柄の停止時間は、いずれの遊技状態であっても0.5秒である。
また時短状態(時短状態A、時短状態B)では、図12(C)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなる。具体的には本形態では、電チュー22の開放時間は、非時短状態では1回あたり0.05秒であるが、時短状態Aでは2.5秒であり、時短状態Bでは0.1秒である。すなわち時短状態では、電チュー22の開放時間延長機能が作動する。
また時短状態では、図12(C)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。具体的には本形態では、電チュー22の開放回数は、非時短状態および時短状態Bでは1回であるが、時短状態Aでは2回である。すなわち時短状態Aでは、電チュー22の開放回数増加機能が作動する。
ここで非時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間が60秒と長く、補助遊技における電チュー22の開放は0.05秒の開放が1回と極短時間である。よって非時短状態では、右打ち(遊技球がゲート28を通過し得る打ち方)にて遊技を行っても、電チュー22への入賞はほとんど見込めない。
これに対して時短状態Aでは、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1秒と短く、また、補助遊技における電チュー22の開放は2.5秒の開放が2回と十分に長い。よって時短状態Aでは、右打ちにて遊技を行うことで、電チュー22への入賞が頻繁に生じ得る。すなわち時短状態Aは、非時短状態と比べて、電チュー22への入賞が容易な設定の遊技状態であると言える。
一方、時短状態Bでは、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間は30秒と長く、また、補助遊技における電チュー22の開放は0.1秒の開放が1回と短い。よって時短状態Bでは、電チュー22への入賞し易さに関係する各種のパラメータ(普通図柄抽選の当選確率、普通図柄の変動時間や停止時間、電チュー22の開放パターン)が非時短状態に比べれば、電チュー22へ入賞し易い設定となっているものの、右打ちにて遊技を行っても電チュー22への入賞はほとんど見込めない。このため、時短状態Bを微時短状態とも称する。これに対して、右打ちによって電チュー22への入賞が頻繁に生じる時短状態Aを、通常時短状態とも称する。
このように非時短状態および時短状態Bでは、右打ちを行っても電チュー22への入賞が見込めないため、遊技者は左打ちにて遊技を進行させる。一方、時短状態Aでは、右打ちを行うことで電チュー22への入賞が頻繁に生じるため、遊技者が右打ちにて、特図2の抽選によって遊技を進行する。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
時短状態Bは、時短状態Aと同様、非時短状態と比べて、電チュー22への入賞が容易な設定の遊技状態であると言えるが、時短状態Aよりも電チュー22への入賞困難な設定の遊技状態である。また時短状態Bでは、電チュー22への入賞が見込めないことから、時短状態Aよりも、非時短状態に近い性質の遊技状態であり、遊技者が左打ちにて、特図1の抽選によって遊技を進行する。よって、時短状態B(微時短状態)を特殊通常遊技状態とも称する。なお、非時短状態は通常遊技状態や非特定遊技状態に相当し、時短状態は入球容易状態や特定遊技状態に相当する。そして、時短状態A(通常時短状態)は第1入球容易状態や第1特定遊技状態に相当し、時短状態B(微時短状態)は第2入球容易状態や第2特定遊技状態に相当する。
ちなみに、時短状態Aでは、非時短状態と比べて、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。よって、時短状態Aを「高ベース状態」ともいい、非時短状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。時短状態Bにおけるベースは、非時短状態よりも僅かに高い程度であり、非時短状態とほとんど変わらない。
なお、時短状態は、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、及び、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞し易くなっていればよく、これらの全ての機能が作動するものでなくてもよい。
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機1は、非時短状態と時短状態とで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(図13及び図14参照)。時短状態における特図変動パターン判定テーブル(図14参照)は、非時短状態における特図変動パターン判定テーブル(図13参照)に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。また本形態では、時短状態A(通常時短状態)と、時短状態B(微時短状態)とで、異なる特図変動パターン判定テーブルに従って特図変動パターンを決定する(図14(A)(B)参照)。
具体的には、時短状態Aでは、右打ちによって主に特図2の抽選が行われて、時短状態A用の特図変動パターン判定テーブル(図14(A)が用いられる。時短状態A用の特図変動パターン判定テーブル(図14(A))では、特図2の変動パターンとして、15秒の変動時間の変動パターン(P31~P33の何れか)が決定される。これらの変動パターンが選択された場合、15秒の変動時間を利用して、後述するバトル演出(所謂SPリーチの一種)を伴う変動演出が実行される。
また、時短状態Bでは、左打ちによって主に特図1の抽選が行われて、時短状態B用の特図変動パターン判定テーブル(図14(B))が用いられる。時短状態B用の特図変動パターン判定テーブル(図14(B))では、特図1の変動パターンとして、様々な変動時間の変動パターン(P41~P48の何れか)が決定される。これらの変動パターンが選択された場合、変動時間を利用して、ノーマルリーチやSPリーチを伴う変動演出が実行されることがある。
ここで、非時短状態(通常遊技状態)では、左打ちによって主に特図1の抽選が行われて、非時短状態用の特図変動パターン判定テーブル(図13)が用いられる。非時短状態においてハズレ図柄B~Eを引いた場合には、後述するバトル演出を伴う変動演出が実行される(図13の変動パターンP8参照)。
時短状態Aにおいて、特図2保留(第2特図保留)を4個まで貯めることが可能であるため、時短状態Aが終了すると、残っている特図2保留(特図2の残保留)に基づく特図2の変動表示が実行されることになる。このときの遊技状態は、非時短状態となる。よって、特図2の残保留に係る変動パターンは、図13の特図2の欄に示すテーブルに基づいて決定される。この場合には、60秒の変動時間の変動パターン(P11~P13の何れか)に決定される。これらの変動パターンが選択された場合、60秒の変動時間を利用して、時短状態Aのバトルリーチとは演出内容の異なるバトルリーチ(例えば、より白熱したバトルシーンを含む等)を伴う変動演出が実行される。なお、このバトルリーチも所謂SPリーチの一種である。
但し、本形態では、時短状態Aに移行すると、時短回数が99回に設定されていて、特図2の抽選では小当たりの当選確率は約1/7である。従って、時短状態Aに移行してから時短回数が全て消化されて、通常遊技状態に移行することが実質的に無い。なお、変形例として、特図2の抽選では小当たりの当選確率を約1/7よりも低く設定したり、時短状態Aでの時短回数を99回よりも少ない回数に設定することで、時短状態Aから時短回数の消化によって通常遊技状態に移行することがあるようにしても良い。
4.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された判定情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する当選期待度を示唆する演出である。
図15に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりであるか、小当たりであるか、通常ハズレであるか、特殊ハズレ(時短ハズレ)であるかの抽選結果情報が含まれている。また、本形態の始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報が含まれている。なお、始動入賞コマンドには抽選結果情報が含まれていればよく、抽選結果情報の他に、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
5.遊技フロー
次に、本形態の特徴である遊技フローについて、図10に基づいて説明する。図10に示すように、本パチンコ遊技機1では、遊技状態が、大当たり遊技状態及び小当たり遊技状態を除いて、通常遊技状態(非時短状態)と、時短状態Aと、時短状態Bとの3つの間で推移する。なお図10では、大当たり図柄に当選した場合の遊技状態の移行先が、太線の矢印で示されていて、小当たり図柄に当選した場合の遊技状態の移行先が、細線の矢印で示されていて、特殊ハズレを引いた場合の遊技状態の移行先が、斜線付きの矢印で示されている。
通常遊技状態では、左打ちによって、特図1の抽選で遊技が進行する。このとき、約1/320の確率(図7(A)参照)で、大当たりへの当選を狙う。そして、「特図1_大当たり図柄A」に当選した場合には、大当たり遊技後に再び通常遊技状態に制御される。一方、「特図1_大当たり図柄B」に当選した場合には、大当たり遊技後に時短回数が200回に設定される時短状態Bに制御される。これらに対して、「特図1_大当たり図柄C」に当選した場合には、大当たり遊技後に時短回数が99回に設定される時短状態Aに制御される。本形態では、「特図1_大当たり図柄A」の振分率は45%であり、「特図1_大当たり図柄B」の振分率は50%であり、「特図1_大当たり図柄C」の振分率は5%である。従って、少ない振分率であるものの、特図1の抽選で当選した大当たりによって、時短状態Aに移行することができる。
時短状態Bでは、通常遊技状態と同様に電チュー22に入球させることがほぼ不可能であるため、左打ちによって、特図1の抽選で遊技が進行する。このとき、約1/320の確率(図7(A)参照)で、大当たりへの当選を狙う。そして、「特図1_大当たり図柄A」に当選した場合には、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される。一方、「特図1_大当たり図柄B」に当選した場合には、大当たり遊技後に時短回数が200回に設定される時短状態Bに再び制御される。これらに対して、「特図1_大当たり図柄C」に当選した場合には、大当たり遊技後に時短回数が99回に設定される時短状態Aに制御される。上述したように、「特図1_大当たり図柄A」の振分率は45%であり、「特図1_大当たり図柄B」の振分率は50%であり、「特図1_大当たり図柄C」の振分率は5%である(図8参照)。従って、少ない振分率であるものの、特図1の抽選で当選した大当たりによって、時短状態Aに移行することができる。
時短状態Aでは、電チュー22に頻繁に入球させることが可能であるため、右打ちによって、特図2の抽選で遊技が進行する。このとき、99回である時短回数が消化されるまでに、約1/7の確率(図7(A)参照)で小当たりへの当選を狙う。そのため、特図2の抽選で小当りに当選しないで、99回である時短回数が消化されることが実質的に無い。そして、「特図2_小当たり図柄a」に当選した場合には、正しく遊技している限り遊技球を特定領域39に通過させることができて、2種大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される。一方、「特図2_小当たり図柄b」に当選した場合には、正しく遊技している限り遊技球を特定領域39に通過させることができて、2種大当たり遊技後に再び時短状態Aに制御される。これらに対して、「特図2_小当たり図柄c」に当選した場合には、正しく遊技している限り遊技球を特定領域39に通過させることができて、2種大当たり遊技後に時短状態Bに制御される。本形態では、「特図2_小当たり図柄a」の振分率は10%であり、「特図2_小当たり図柄b」の振分率は80%であり、「特図2_小当たり図柄c」の振分率は10%である。従って、遊技者は一旦、時短状態Aに移行させることができれば、高い振分率(80%)で、時短状態Aをループさせることができる。よって、時短状態Aは、通常遊技状態と時短状態Aと時短状態Bのうち、遊技者にとって最も有利な遊技状態である。
なお時短状態Aでは、特図2の抽選によって、約1/320の確率(図7(A)参照)で、大当たりに当選することがある。そして、「特図2_大当たり図柄D」に当選した場合には、大当たり遊技後に再び時短回数が99回に設定される時短状態Aに制御される。一方、「特図2_大当たり図柄E」に当選した場合には、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される。本形態では、「特図2_大当たり図柄D」の振分率は80%であり、「特図2_大当たり図柄E」の振分率は20%である。従って、極稀に特図2の抽選で大当たりに当選しても、大当たり遊技後に時短状態Bに移行することはない。
ここで本形態では、通常遊技状態において、特図1の抽選によって特殊ハズレ(「特図1_ハズレ図柄B」、「特図1_ハズレ図柄C」、「特図1_ハズレ図柄D」、「特図1_ハズレ図柄E」)になって、遊技状態が変わり易い点に特徴がある。即ち、特図1の抽選では、約1/100の確率(図7(A)及び図9参照)で、特殊ハズレになる。そして、特殊ハズレのうち、60%の振分率で、「特図1_ハズレ図柄B」になって、「特図1_ハズレ図柄B」の停止表示後の遊技状態が、時短回数が99回に設定される時短状態Aになる(図9参照)。一方、特殊ハズレのうち、20%の振分率で、「特図1_ハズレ図柄C」になって、「特図1_ハズレ図柄C」の停止表示後の遊技状態が、時短回数600回に設定される時短状態Bになる。また特殊ハズレのうち、10%の振分率で、「特図1_ハズレ図柄D」になって、「特図1_ハズレ図柄D」の停止表示後の遊技状態が、時短回数400回に設定される時短状態Bになる。また特殊ハズレのうち、10%の振分率で、「特図1_ハズレ図柄E」になって、「特図1_ハズレ図柄E」の停止表示後の遊技状態が、時短回数200回に設定される時短状態Bになる。
以上により、通常遊技状態では、特図1の抽選で遊技を進行していると、約1/167の確率で、「特図1_ハズレ図柄B」を引いて、時短状態Aに移行することができる。即ち、特図1の抽選で約1/320の確率で大当たりに当選することよりも、高い確率で、「特図1_ハズレ図柄B」を引いて、時短状態Aに移行することが可能である。従って、通常遊技状態は、時短状態Aに移行し易いという点で有利な遊技状態といえる。なお、通常遊技状態では、特図1の抽選で遊技を進行していると、約1/251の確率で、「特図1_ハズレ図柄C」又は「特図1_ハズレ図柄D」或いは「特図1_ハズレ図柄E」を引いて、時短状態Bに移行する。但し、時短状態Aへの移行契機となる「特図1_ハズレ図柄B」を引く確率(約1/167)の方が、時短状態Bへの移行契機となる「特図1_ハズレ図柄C」、「特図1_ハズレ図柄D」、「特図1_ハズレ図柄E」を引く確率(約1/251)よりも高いため、通常遊技状態は、時短状態Bに移行するよりも、時短状態Aに移行し易い遊技状態といえる。
一方、時短状態Bでは、特図1の抽選によって特殊ハズレ(「特図1_ハズレ図柄B」、「特図1_ハズレ図柄C」、「特図1_ハズレ図柄D」、「特図1_ハズレ図柄E」)になっても、現時点での遊技状態が時短状態Bであるため、遊技状態が変わらない。従って、時短状態Bから遊技状態が変わるためには、特図1の抽選によって大当たりに当選すること、又は時短回数が消化されることが必要である。しかしながら、特図1の抽選によって大当たりに当選する確率は約1/320であり、時短状態Aへの移行契機となる「特図1_大当たり図柄C」の振分率は5%(図8参照)である。従って、時短状態Bから時短状態Aには、極めて移行し難い。よって、時短状態Bは、通常遊技状態よりも時短状態Aに移行し難い遊技状態といえる。
但し、時短状態Bでは、設定された時短回数(200回又は400回或いは600回)が全て消化されると、通常遊技状態に移行することができる。そして、設定された時短回数が少ないほど、通常遊技状態に移行し易くなる。こうして、遊技者には、時短状態Bにおいて、しばらく特図1の抽選によって大当たりを引くことができなくても、時短回数の消化によって、通常遊技状態への移行を期待させることが可能である。
以上、本形態では、時短状態B⇒通常遊技状態⇒時短状態Aの順番に、遊技者にとって有利な遊技状態になる点に特徴がある。特に、共に特図1の抽選で遊技が進行する通常遊技状態と時短状態Bとにおいて、通常遊技状態の方が、時短状態Bよりも、有利な時短状態Aに移行し易い点に特徴がある。従って、遊技を開始する遊技者に対して、通常遊技状態に制御されている方が、時短状態Bに制御されているよりも、有利であるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、電源投入時にRAMクリアスイッチ152が押下操作されると、RAM84に記憶されている情報がクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)される。そして、RAMクリアが実行された場合には、遊技状態は必ず通常遊技状態(第1遊技状態)になる。従って、電源が遮断される前の遊技状態が時短状態Bである場合に、その後の電源投入時にRAMクリアが実行された場合には、通常遊技状態に制御されていることになるため、遊技者にとって有利になる。その一方で、電源が遮断される前の遊技状態が時短状態Bである場合に、その後の電源投入時にRAMクリアが実行されない場合には、時短状態Bに制御されたままであるため、RAMクリアが実行された場合よりも、遊技者にとって不利になる。こうして、営業時間の開始直後に遊技を開始する遊技者には、RAMクリアの実行で通常遊技状態に制御されているか否かに注目させることが可能である。その結果、営業時間の開始直後に、遊技者の遊技意欲を掻き立てて、午前中の稼働を上げることが可能である。
6.演出モード及び演出フロー
次に、演出モードについて、図40に基づいて説明する。演出モードとは、画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、及び枠ランプ66等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置7に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄8L,8C,8Rを用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
本形態の演出モードには、図40(A)に示す昼の背景画像Haが表示される通常演出モード、図40(B)に示す昼の背景画像Haが表示される擬似通常モード、図40(C)に示す街の背景画像Hbが表示される微時短演出モード、図40(D)に示す夜の背景画像Hcが表示されるRUSH演出モードが含まれている。
通常演出モード(図40(A)参照)は、通常遊技状態(非時短状態)に制御されている場合の演出モードである。つまり、左打ちによって特図1の抽選で遊技が進行しているときに設定される演出モードである。擬似通常モード(図40(B)参照)は、時短状態Bに制御されている場合の演出モードである。つまり、左打ちによって特図1の抽選で遊技が進行しているときに設定される演出モードである。図40(A)に示す通常演出モードと、図40(B)に示す擬似通常モードとの比較から分かるように、演出態様は全く同じである。従って、通常演出モードと擬似通常モードとでは、通常遊技状態又は時短状態Bのどちらに制御されているのかを把握できないようにしている。
こうして本形態では、時短状態Bに制御されていても、遊技者には、時短状態Aに移行し易い通常遊技状態に制御されているかもしれないと思わせることが可能である。即ち、営業時間の開始直後に遊技者を開始する遊技者には、通常遊技状態又は時短状態Bのどちらに制御されているのかを把握できないようにして、通常遊技状態に制御されていることを期待させながら遊技させることが可能である。
微時短演出モード(図40(C)参照)は、時短状態Bに制御されている場合の演出モードである。つまり、左打ちによって特図1の抽選で遊技が進行しているときに設定される演出モードである。この微時短演出モードは、擬似通常モードと異なり、遊技者に時短状態Bに制御されていることを把握させる演出モードである。従って本形態では、時短状態Bに制御されている場合であっても、図40(B)に示す擬似通常モードに設定されている場合と、図40(C)に示す微時短演出モードに設定されている場合と、がある。
具体的に、電源投入後で最初の大当たり遊技が開始される前に時短状態Bに制御されている場合には、擬似通常モードが設定される。擬似通常モードにより、上述したように、遊技者には営業時間の開始直後に通常遊技状態に制御されているかもしれないと思わせるためである。一方、通常遊技状態にて後述する第1バトル敗北演出が実行された場合、又は後述するミッション失敗演出が実行された場合には、微時短演出モードに設定される。第1バトル敗北演出及びミッション失敗演出は、後述するように時短状態Bへの移行を示唆する演出であるため、微時短演出モードにより遊技者に時短状態Bに移行していることを把握させるためである。
RUSH演出モード(図40(C)参照)は、時短状態Aに制御されている場合の演出モードである。つまり、右打ちによって特図2の抽選で遊技が進行しているときに設定される演出モードである。RUSH演出モードに設定されると、演出制御用マイコン91は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像RIを表示画面7aの右上部に表示する。右打ち報知画像RIは、時短状態Aの終了に際して、非表示となる。なお本形態では、RUSH演出モードにおいて、時短回数の残り回数を示唆することがないが、時短回数の残り回数を示す残回数表示を表示画面7aで実行するようにしても良い。
続いて、演出フローについて、図11及び図42~図45に基づいて説明する。通常遊技状態又は時短状態Bに制御されている場合、図41に示す第1バトル演出が実行されることがある。第1バトル演出は、時短状態Aへの移行契機となる特図1_大当たり図柄Cへの当選を示唆することがある。また第1バトル演出は、時短状態Aへの移行契機となる特図1_ハズレ図柄Bを引いたことを示唆することがある。また第1バトル演出は、通常遊技状態への移行契機となる特図1_大当たり図柄Aへの当選を示唆することがある。また第1バトル演出は、時短状態Bへの移行契機となる特図1_ハズレ図柄C又は特図1_ハズレ図柄D或いは特図1_ハズレ図柄Eを引いたことを示唆することがある。また第1バトル演出は、特図1_ハズレ図柄Aを引いたことを示唆することがある。
具体的に、第1バトル演出が実行される場合、先ず図41(A)に示すように、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様(例えば「6↓6」)になる。続いて、左演出図柄8Lが表示画面7aの左上部に表示されると共に、右演出図柄8Rが表示画面7aの右上部に表示されている状態で、第1敵キャラが登場することを示す第1敵キャラ登場演出が実行される。この第1敵キャラ登場演出では、第1敵キャラと「第1敵キャラを撃破せよ!」の文字とを示す第1敵キャラ登場画像B1が表示される。この第1敵キャラ登場演出の後、主人公キャラと第1敵キャラとが戦う第1バトル画像(図示省略)が表示される。
そして、「特図1_大当たり図柄C」に当選していれば、図41(C-1)に示す第1バトル大勝利演出が実行される。この第1バトル大勝利演出では、主人公キャラが第1敵キャラに大勝利したことを示す第1バトル大勝利画像DW1が表示される。この第1バトル大勝利演出により、遊技者には、時短状態Aへの移行契機となる特図1_大当たり図柄Cへの当選が示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目である大当たり態様(例えば「6」「6」「6」)で停止表示して、「特図1_大当たり図柄C」への当選に基づく大当たり遊技が開始される。こうして、第1バトル大勝利演出を把握した遊技者には、時短状態Aに移行できると共に、大当たり遊技が実行されることによる大きな高揚感を与えることが可能である。
また、通常遊技状態であって、「特図1_ハズレ図柄B」を引いていれば、図41(C-2)に示す第1バトル勝利演出が実行される。この第1バトル勝利演出では、主人公キャラが第1敵キャラに勝利したことを示す第1バトル勝利画像W1が表示される。この第1バトル勝利演出により、遊技者には、時短状態Aへの移行契機となる特図1_ハズレ図柄Bを引いたことが示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rが特別チャンス態様(例えば「6」「チャンス図柄」「6」)で停止表示して(図56(B)参照)、大当たり遊技が実行されることなく、RUSH演出モードが設定される(時短状態Aに移行する)。なお時短状態Bにおいて、「特図1_ハズレ図柄B」を引いていれば、後述する第1バトル未決着演出が実行されて、遊技状態が変わることがない。
また、通常遊技状態であって、「特図1_ハズレ図柄C」又は「特図1_ハズレ図柄D」或いは「特図1_ハズレ図柄E」を引いていれば、図41(C-3)に示す第1バトル敗北演出が実行される。この第1バトル敗北演出では、主人公キャラが第1敵キャラに敗北したことを示す第1バトル敗北画像L1が表示される。この第1バトル敗北演出により、遊技者には、時短状態Bへの移行契機となる特図1_ハズレ図柄C又は特図1_ハズレ図柄D或いは特図1_ハズレ図柄Eを引いたことが示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rが特別転落態様(例えば「6」「ドクロ図柄」「6」)で停止表示して、大当たり遊技が実行されることなく、微時短演出モードが設定される(時短状態Bに移行する)。なお時短状態Bにおいて、「特図1_ハズレ図柄C」又は「特図1_ハズレ図柄D」或いは「特図1_ハズレ図柄E」を引いていれば、後述する第1バトル未決着演出が実行されて、遊技状態が変わることがない。
また、「特図1_ハズレ図柄A」を引いていれば、図41(C-4)に示す第1バトル未決着演出が実行される。この第1バトル未決着演出では、主人公キャラと第1敵キャラとのバトルが未決着であること示す第1バトル未決着画像M1が表示される。この第1バトル未決着演出により、遊技者には、特図1_ハズレ図柄Aを引いたことが示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様(例えば「6」「5」「6」)で停止表示して、遊技状態及び演出モードが変わることがない。
また通常遊技状態又は時短状態Bに制御されている場合、図42に示すミッション演出が実行されることがある。ミッション演出は、通常遊技状態への移行契機となる特図1_大当たり図柄Aへの当選を示唆することがある。またミッション演出は、時短状態Bへの移行契機となる特図1_大当たり図柄Bを引いたことを示唆することがある。
具体的に、ミッション演出が実行される場合、先ず図42(A)に示すように、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様(例えば「6↓6」)になる。続いて、左演出図柄8Lが表示画面7aの左上部に表示されると共に、右演出図柄8Rが表示画面7aの右上部に表示されている状態で、主人公キャラが特定のミッション(例えば数字の「5」を切り裂くミッション)に挑戦することを示すミッション挑戦演出が実行される。このミッション挑戦演出では、数字を変えようとしている主人公キャラと「ミッションをクリアせよ!」の文字とを示すミッション挑戦画像MQが表示される。
そして、「特図1_大当たり図柄A」に当選していれば、図42(C-1)に示すミッション成功演出が実行される。このミッション成功演出では、主人公キャラが特定のミッションに成功したことを示すミッション成功画像SUが表示される。このミッション成功演出により、遊技者には、通常遊技状態への移行契機となる特図1_大当たり図柄Aへの当選が示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目である大当たり態様(例えば「6」「6」「6」)で停止表示して、「特図1_大当たり図柄A」への当選に基づく大当たり遊技が開始される。こうして、ミッション成功演出を把握した遊技者には、有利な通常遊技状態に移行できると共に、大当たり遊技が実行されることによる大きな高揚感を与えることが可能である。
なお本形態では、通常遊技状態に制御されているときに「特図1_大当たり図柄A」に当選しても、ミッション演出を経てミッション成功演出が実行される。この場合、大当たり遊技後に再び通常遊技状態に制御されることになる。しかしながら、大当たり遊技が開始される前では、遊技者は、基本的に通常遊技状態又は時短状態Bのどちらに制御されているのか分からないことが多い。そこで、上述したように、ミッション成功演出が実行された場合には、遊技者に大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されることを確実に把握させて、高揚感を与えることが可能である。
また、「特図1_大当たり図柄B」に当選していれば、図42(C-2)に示すミッション失敗演出が実行される。このミッション失敗演出では、主人公キャラが特定のミッションに失敗したことを示すミッション失敗画像LOが表示される。このミッション失敗演出により、遊技者には、時短状態Bへの移行契機となる特図1_大当たり図柄Bへの当選が示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目である大当たり態様(例えば「1」「1」「1」)で停止表示して、「特図1_大当たり図柄B」への当選に基づく大当たり遊技が開始される。こうして、ミッション失敗演出を把握した遊技者は、大当たり遊技後に時短状態Bに移行することになり(微時短演出モードが設定されることになり)、落胆する。
また、「特図1_ハズレ図柄A」を引いていれば、図42(C-3)に示すミッション未決着演出が実行される。このミッション未決着演出では、特定のミッションに対する成否が決まっていないことを示すミッション未決着画像MOが表示される。このミッション未決着演出により、遊技者には、特図1_ハズレ図柄Aを引いたことが示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様(例えば「6」「5」「6」)で停止表示して、遊技状態及び演出モードが変わることがない。
また時短状態Aに制御されている場合、図43に示す第2バトル演出が実行されることがある。第2バトル演出は、時短状態Aへの移行契機となる特図2_小当たり図柄bへの当選を示唆することがある。また第2バトル演出は、通常遊技状態への移行契機となる特図2_小当たり図柄a又は時短状態Bへの移行契機となる特図2_小当たり図柄cの何れかに当選したことを示唆することがある。
具体的に、第2バトル演出が実行される場合、先ず図43(A)に示すように、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様(例えば「6↓6」)になる。続いて、左演出図柄8Lが表示画面7aの左上部に表示されると共に、右演出図柄8Rが表示画面7aの右上部に表示されている状態で、第2敵キャラが登場することを示す第2敵キャラ登場演出が実行される。この第2敵キャラ登場演出では、第2敵キャラと「第2敵キャラを撃破せよ!」の文字とを示す第2敵キャラ登場画像B2が表示される。この第2敵キャラ登場演出の後、主人公キャラと第2敵キャラとが戦う第2バトル画像(図示省略)が表示される。
そして、「特図2_小当たり図柄b」に当選していれば、図43(C-1)に示す第2バトル勝利演出が実行される。この第2バトル勝利演出では、主人公キャラが第2敵キャラに勝利したことを示す第2バトル勝利画像W2が表示される。この第2バトル勝利演出により、遊技者には、時短状態Aへの移行契機となる特図2_小当たり図柄bへの当選が示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目である大当たり態様(例えば「7」「7」「7」)で停止表示する。そして、V通過(特定領域39への遊技球の通過)によって、「特図2_小当たり図柄b」への当選に基づく2種大当たり遊技が開始される。こうして、第2バトル勝利演出を把握した遊技者には、再び時短状態Aに移行できることによる大きな高揚感を与えることが可能である。
また、「特図2_小当たり図柄a」又は「特図2_小当たり図柄c」に当選していれば、何れであっても、図43(C-2)に示す第2バトル敗北演出が実行される。この第2バトル敗北演出では、主人公キャラが第2敵キャラに敗北したことを示す第2バトル敗北画像L2が表示される。この第2バトル敗北演出により、遊技者には、通常遊技状態への移行契機となる特図2_小当たり図柄a又は時短状態Bへの移行契機となる特図2_小当たり図柄cの何れかを引いたことが示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目の大当たり態様(例えば「6」「6」「6」)で停止表示する。そして、V通過によって、「特図2_小当たり図柄a」への当選に基づく2種大当たり遊技、又は「特図2_小当たり図柄c」への当選に基づく2種大当たり遊技が開始される。
ここで本形態では、「特図2_小当たり図柄a」に当選していれば、2種大当たり遊技後に、通常遊技状態に制御されて、図40(A)に示す通常演出モードが設定される。一方、「特図2_小当たり図柄c」に当選していれば、2種大当たり遊技後に、時短状態Bに制御されて、図40(B)に示す擬似通常モードが設定される。従って、上述した第2バトル敗北演出を見た遊技者は、2種大当たり遊技が実行された後でも、通常遊技状態又は時短状態Bのどちらに制御されているのか分からない。よって、時短状態Aのループ(所謂ラッシュ状態)が終了した後、仮に時短状態Bに制御されていても、遊技者には、有利な通常遊技状態に制御されているかもしれないと思わせることができて、遊技の継続意欲を掻き立てることが可能である。
また、「特図2_ハズレ図柄F」を引いていれば、図43(C-3)に示す第2バトル未決着演出が実行される。この第2バトル未決着演出では、主人公キャラと第2敵キャラとのバトルが未決着であること示す第2バトル未決着画像M2が表示される。この第2バトル未決着演出により、遊技者には、特図2_ハズレ図柄Fを引いたことが示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様(例えば「6」「5」「6」)で停止表示して、時短状態A及びRAUSH演出モードが変わることがない。
また時短状態Aに制御されている場合、図44に示す第3バトル演出が実行されることがある。第3バトル演出は、時短状態Aへの移行契機となる特図2_大当たり図柄Dへの当選を示唆することがある。また第3バトル演出は、通常遊技状態への移行契機となる特図2_大当たり図柄Eへの当選を示唆することがある。
具体的に、第3バトル演出が実行される場合、先ず図44(A)に示すように、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様(例えば「6↓6」)になる。続いて、左演出図柄8Lが表示画面7aの左上部に表示されると共に、右演出図柄8Rが表示画面7aの右上部に表示されている状態で、第3敵キャラが登場することを示す第3敵キャラ登場演出が実行される。この第3敵キャラ登場演出では、第3敵キャラと「第3敵キャラを撃破せよ!」の文字とを示す第3敵キャラ登場画像B3が表示される。この第3敵キャラ登場演出の後、主人公キャラと第3敵キャラとが戦う第3バトル画像(図示省略)が表示される。
そして、「特図2_大当たり図柄D」に当選していれば、図44(C-1)に示す第3バトル勝利演出が実行される。この第3バトル勝利演出では、主人公キャラが第3敵キャラに勝利したことを示す第3バトル勝利画像W3が表示される。この第3バトル勝利演出により、遊技者には、時短状態Aへの移行契機となる特図2_大当たり図柄Dへの当選が示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目である大当たり態様(例えば「7」「7」「7」)で停止表示して、「特図2_大当たり図柄D」への当選に基づく大当たり遊技が開始される。こうして、第3バトル勝利演出を把握した遊技者には、再び時短状態Aに移行できることによる大きな高揚感を与えることが可能である。
一方、「特図2_大当たり図柄E」に当選していれば、図44(C-2)に示す第3バトル敗北演出が実行される。この第3バトル敗北演出では、主人公キャラが第3敵キャラに敗北したことを示す第3バトル敗北画像L3が表示される。この第3バトル敗北演出により、遊技者には、通常遊技状態への移行契機となる特図2_大当たり図柄Eへの当選が示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目の大当たり態様(例えば「6」「6」「6」)で停止表示して、「特図2_大当たり図柄E」への当選に基づく大当たり遊技が開始される。こうして、第3バトル勝利演出を把握した遊技者は、時短状態Aのループ(所謂ラッシュ状態)が終了するものの、時短状態Bではなく、通常遊技状態に移行することを把握する。従って、時短状態Aに移行し易い通常遊技状態に移行して、未だチャンスが続いていると思わせることが可能である。
また、「特図2_ハズレ図柄F」を引いていれば、図44(C-3)に示す第3バトル未決着演出が実行される。この第3バトル未決着演出では、主人公キャラと第3敵キャラとのバトルが未決着であること示す第3バトル未決着画像M3が表示される。この第3バトル未決着演出により、遊技者には、特図2_ハズレ図柄Fを引いたことが示唆される。その後、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様(例えば「6」「5」「6」)で停止表示して、時短状態A及びRUSH演出モードが変わることがない。
6.通常遊技状態示唆演出
次に、本形態の通常遊技状態示唆演出について説明する。通常遊技状態示唆演出は、電源投入後に通常遊技状態に制御されていることを示唆する演出である。本形態では、通常遊技状態示唆演出として、特別客待ち演出と、特別始動入賞音演出と、特別変動中登場演出と、特別オープニング演出と、がある。以下、順番に説明する。
特別客待ち演出(変動前示唆演出)は、変動演出が実行されていないことを示す客待ち演出の一つであるが、特別客待ち演出を説明する前に、通常客待ち演出について図45に基づいて説明する。なお図45では、電源投入直後に実行される通常客待ち演出が示されている。図45(A)に示すように、本パチンコ遊技機1に電源が投入されると、表示画面7aでは、昼の背景画像Haが表示されると共に、停止表示している演出図柄8L、8C、8Rが初期出目である「6」「3」「7」で示される。なお初期出目とは、電源が投入されてから最初に示される演出図柄8L、8C、8Rのことであり、予め設定されているものである。
そして、演出図柄8L、8C、8Rの初期出目が15秒間表示されると、次に図45(B)に示すように、表示画面7aでは、昼の背景画像Ha及び演出図柄8L、8C、8Rの初期出目と共に、選択画面画像T1が表示される。選択画面画像T1は、光量調整が可能な光量調整画像(図示省略)を表示するための操作方法を示すと共に、音量調整が可能な音量調整画像(図示省略)を表示するための操作方法を示すものである。この選択画面画像T1は、15秒間表示される。
次に、図45(C)に示すように、表示画面7aでは、昼の背景画像Ha及び演出図柄8L、8C、8Rの初期出目が表示されなくなって、ホールコード対応画像T2が表示される。ホールコード対応画像T2は、遊技場(ホール)に割り当てられているホールコードが入力されることで、ホールからの案内(ホール名など)が示されるものである。このホールコード対応画像T2は、15秒間表示される。
次に、図45(D)に示すように、表示画面7aでは、新規登録画像T3が表示される。新規登録画像T3は、携帯端末を利用して本パチンコ遊技機1に関するインターネットサイトで、遊技者の必要事項を入力させることを促す画像である。この新規登録画像T3は、15秒間表示される。
次に、図45(E)に示すように、表示画面7aでは、通常デモ画像T4が表示される。通常デモ画像T4は、主人公キャラと或る敵キャラとが戦っていることを示す動画の画像である。この通常デモ画像T4は、動画として30秒間表示される。なお、通常デモ画像T4の表示は、「通常デモ演出」ということができる。こうして、図45(E)に示す通常デモ画像T4が30秒間表示された後、図45(B)に示す選択画面画像T1の表示に戻る。
その後、変動演出が開始されない限り、上述したように、15秒間の選択画面画像T1の表示⇒15秒間のホールコード対応画像T2の表示⇒15秒間の新規登録画像T3の表示⇒30秒間の通常デモ画像T4の表示が実行されて、以後繰り返される。以上により、15秒間の選択画面画像T1の表示⇒15秒間のホールコード対応画像T2の表示⇒15秒間の新規登録画像T3の表示⇒30秒間の通常デモ画像T4の表示が、「通常客待ち演出」に相当する。
続いて、特別客待ち演出について図46に基づいて説明する。なお図46では、電源投入直後に実行される特別客待ち演出が示されている。図46(A)に示すように、本パチンコ遊技機1に電源が投入されると、表示画面7aでは、昼の背景画像Haが表示されると共に、停止表示している演出図柄8L、8C、8Rが初期出目である「6」「3」「7」で示される。
そして、演出図柄8L、8C、8Rの初期出目が15秒間表示されると、次に図46(B)に示すように、表示画面7aでは、昼の背景画像Ha及び演出図柄8L、8C、8Rの初期出目と共に、選択画面画像T1が15秒間表示される。次に、図46(C)に示すように、表示画面7aでは、ホールコード対応画像T2が15秒間表示される。次に、図46(D)に示すように、表示画面7aでは、新規登録画像T3が15秒間表示される。
続いて、特別客待ち演出の場合、図46(E)に示すように、表示画面7aでは、特別デモ画像T5が表示される。特別デモ画像T5は、主人公キャラが覚醒していること示す動画の画像である。この特別デモ画像T5は、動画として30秒間表示される。なお、特別デモ画像T5表示は、「特別デモ演出」ということができる。こうして、図46(E)に示す特別デモ画像T5が30秒間表示された後、図46(B)に示す選択画面画像T1の表示に戻る。
その後、変動演出が開始されない限り、上述したように、15秒間の選択画面画像T1の表示⇒15秒間のホールコード対応画像T2の表示⇒15秒間の新規登録画像T3の表示⇒30秒間の特別デモ画像T5の表示が実行されて、以後繰り返される。以上により、15秒間の選択画面画像T1の表示⇒15秒間のホールコード対応画像T2の表示⇒15秒間の新規登録画像T3の表示⇒30秒間の特別デモ画像T5の表示が、「特別客待ち演出」に相当する。
次に、特別客待ち演出が実行される場合について説明する。特別客待ち演出は、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから最初の変動演出が開始されるまで、通常遊技状態に制御されていれば、必ず実行されるようになっている。即ち、遊技場の従業員が電源投入時にRAMクリアスイッチ152を押下操作して、通常遊技状態に制御されると、最初の変動演出が開始されるまで、客待ち演出として特別客待ち演出が必ず実行される。従って、営業時間の開始直後で、特別客待ち演出が実行されていれば、遊技者は、有利な(時短状態Aに移行し易い)通常遊技状態に制御されていることを期待する。
但し、本形態の特別客待ち演出は、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから最初の変動演出が開始されるまで、通常遊技状態以外の遊技状態(時短状態B又は時短状態A)に制御されていると、抽選によって所定の確率(本形態では50%)で実行されるようになっている。即ち、RAMクリアが実行されずに、電源投入後に時短状態B(例外として時短状態A)に制御されていれば、50%の確率で最初の変動演出が開始されるまで、特別客待ち演出が実行され、50%の確率で最初の変動演出が開始されるまで、通常客待ち演出が実行される。従って、営業時間の開始直後で、特別客待ち演出が実行されていても、必ず有利な通常遊技状態に制御されているわけではなく、時短状態Bに制御されていることもあることになる。但し本形態では、営業時間の開始直後で、通常客待ち演出が実行されていれば、有利な通常遊技状態に制御されていないことになる。
以上、本形態では、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから最初に変動演出が開始されるまでに、通常遊技状態に制御されていることを示唆する特別客待ち演出(図46参照)が実行されることがある。そのため、営業時間の開始直後に、どのパチンコ遊技機で遊技を行うかを検討している遊技者には、特別客待ち演出が実行されていることで、既に有利な通常遊技状態に制御されているパチンコ遊技機1であると思わせることができて、遊技意欲を掻き立てることが可能である。
そして、本形態の特別客待ち演出は、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから最初の変動演出が開始された後では、客待ち状態(特別図柄の変動表示が開始されない状態)になっても、実行されることはない。つまり、営業時間の開始直後に最初に遊技を開始しようとする遊技者に対してだけ、特別客待ち演出を見せることがある。これにより、遊技者には、営業時間の開始直後に、特別客待ち演出を見たいと思わせて、午前中での遊技意欲をより掻き立てることが可能である。
また本形態では、本パチンコ遊技機1において、遊技場の従業員が電源を遮断する前に、時短状態Bに制御されていることとする。この場合、遊技場の従業員は、翌日において、電源投入時にRAMクリアスイッチ152を押下操作しないと、電源投入後に時短状態Bのままである。そうなると、50%の確率で特別客待ち演出が実行されて、50%の確率で通常客待ち演出が実行されることになる。ここで、通常客待ち演出が実行された場合には、遊技者に、有利な通常遊技状態に制御されていることを示唆できないため、遊技場の従業員は、電源を遮断して、再度電源投入を行うこととする。この場合、電源投入後に時短状態Bのままであり、50%の確率で特別客待ち演出が実行されて、50%の確率で通常客待ち演出が実行される。こうして、遊技場の従業員は、電源投入を何度も繰り返すことで、時短状態Bに制御されているに拘わらず、特別客待ち演出が実行される状況を意図的に作り出すことが可能である。即ち、実際には時短状態Bであっても、特別客待ち演出により、遊技者に有利な通常遊技状態に制御されているかもしれないと思わせて、遊技意欲を掻き立てることが可能である。
一方、遊技場の従業員は、電源投入時にRAMクリアスイッチ152を押下操作すると、電源投入後に通常遊技状態に制御される。そうなると、必ず特別客待ち演出が実行される。この場合、特別客待ち演出によって、通常遊技状態に制御されていることを正しく示唆する状況を意図的に作り出すことが可能である。特に、遊技場の従業員が特定の日(イベント日)に限って、遊技者の遊技意欲を特に掻き立てたい場合、複数台のパチンコ遊技機に対してRAMクリアを実行する。これにより、複数台のパチンコ遊技機全体において、特別客待ち演出が実行されて、通常遊技状態に制御されていることを正しく示唆する状況を意図的に且つ簡易的に作り出すことが可能である。
次に、特別始動入賞音演出について説明する。特別始動入賞音演出(変動中示唆演出)は、通常遊技状態に制御されているときに、本パチンコ遊技機1に電源が投入されてから遊技球が最初に第1始動口20に入賞(入球)したときに実行され得る演出である。言い換えると、RAMクリアが実行された後、最初に変動演出(第1始動口20への入球に基づく変動演出)が開始されるときに実行され得る演出である。具体的に、特別始動入賞音演出では、スピーカ67から特別始動入賞音(「ピロリーン」)が出力される。特別始動入賞音は、特別始動入賞音演出以外の演出では、出力されることがない音である。なお、特別始動入賞音演出は、電源投入後の最初の変動演出以外では、実行されることがない。
特別始動入賞音演出は、電源投入後に通常遊技状態に制御されていると(最初の変動演出が開始されるタイミングで通常遊技状態に制御されていると)、抽選によって所定の確率(本形態では50%)で実行されるようになっている。そして、特別始動入賞音演出は、電源投入後に通常遊技状態以外の遊技状態(時短状態B又は時短状態A)に制御されていると、実行されることがない。従って、遊技者にとっては、電源が投入されてから遊技球が最初に第1始動口20に入賞したときに、特別始動入賞音演出が実行されれば、通常遊技状態への制御が確定していることを把握することができる。一方、遊技者にとっては、電源が投入されてから遊技球が最初に第1始動口20に入賞したときに、特別始動入賞音演出が実行されなくても、特別始動入賞音演出の実行の抽選が外れただけであり、未だ通常遊技状態に制御されていることへの期待を抱くことが可能である。
続いて、図47に基づいて、特別始動入賞音演出が実行される場合を説明する。前提条件として、遊技場の従業員が電源投入時にRAMクリアスイッチ152を押下操作して、本パチンコ遊技機1が通常遊技状態に制御されていることとする。そして、最初の変動演出が開始される前に、上述したように、特別客待ち演出が実行されていることとする。この場合、特別客待ち演出を見た遊技者は、通常遊技状態に制御されているかもしれないと思うものの、未だ通常遊技状態への制御を確信しているわけではない。
この状況において、図47(A)に示すように、表示画面7aでは、昼の背景画像Ha及び演出図柄8L、8C、8Rの初期出目と共に、選択画面画像T1が表示されている。そして、遊技者は遊技を開始して、左打ちによって遊技球を左遊技領域3Aに流下させる。これにより、本パチンコ遊技機1に電源が投入されてから初めて遊技球が第1始動口20に入賞する。こうして、図47(B)に示すように、電源が投入されてから最初に変動演出が開始されるタイミングで、特別始動入賞音演出として、スピーカ67から特別始動入賞音(「ピロリーン」、特定音)が出力される。この特別始動入賞音を聞いた遊技者は、有利な通常遊技状態への制御が確定していることを把握して、時短状態Aに制御され易いという大きな高揚感を覚えることになる。
以上、本形態では、電源が投入されてから初回の変動演出が開始されるタイミングに限って、有利な通常遊技状態に制御されていることを示唆する特別始動入賞音演出が実行され得る。従って、遊技者には、営業時間の開始直後に、このパチンコ遊技機1で遊技したいという意欲を掻き立てることが可能である。特に、特別始動入賞音演出で出力される特別始動入賞音(「ピロリーン」)は、その他の演出では出力されることがなく、通常遊技状態に制御されていることが確定していることを示すものである。従って、遊技者には、営業時間の開始直後で、初回の変動演出が開始されるタイミングに注目させて、プレミア的な特別始動入賞音を聞きたいと思わせることが可能である。
次に、特別変動中登場演出について説明する。特別変動中登場演出は、通常遊技状態に制御されているときに、変動演出の実行途中で実行されることがある演出である。言い換えると、特別変動中登場演出は、通常遊技状態に制御されていれば、変動演出の実行途中で極稀に割り込んで実行されて、遊技者に通常遊技状態に制御されていることを示す演出である。
特別変動中登場演出は、通常遊技状態に制御されていることを条件に、変動演出が開始される度に、抽選によって所定の確率(本形態では1%)で実行されるか否かが決定される。このとき、特別変動中登場演出の実行が決定された場合には、変動演出の実行中に、後述する特別カットイン演出(図48(B)参照)及びミニキャラ登場演出(図48(C)参照)が実行されることになる。これら特別カットイン演出及びミニキャラ登場演出が、特別変動中登場演出である。特別変動中登場演出は、通常遊技状態以外の遊技状態では、実行されることがない。従って、遊技者にとっては、特別変動中登場演出が実行されれば、通常遊技状態への制御が確定していることを把握することができる。
続いて、図48に基づいて、特別変動中登場演出が実行される場合を説明する。前提条件として、遊技場の従業員が電源投入時にRAMクリアスイッチ152を押下操作して、本パチンコ遊技機1が通常遊技状態に制御されていることとする。そして、演出制御用マイコン91が、変動演出を開始する際に、抽選により特別変動中登場演出の実行を決定したこととする。なお、遊技者は、上述した特別客待ち演出の実行及び特別始動入賞音演出の実行を把握しておらず、通常遊技状態への制御を把握していない。
この場合、図48(A)に示すように、表示画面7aでは、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が開始されて、この変動演出の実行途中で、図48(B)に示すように、特別カットイン演出が実行される。特別カットイン演出では、変動演出の実行途中に、主人公キャラの横顔を示す特別カットイン画像KIが一時的に割り込んで表示される。この特別カットイン演出が変動演出の実行途中で突然実行されることで、遊技者には、通常遊技状態に制御されていることをいきなり把握させて、驚きを与えることが可能である。
その後、図48(C)に示すように、特別カットイン演出が終了して、変動演出が視認できるようになると、表示画面7aの右下部では、ミニキャラ登場演出が実行される。ミニキャラ登場演出は、「チャンス」の文字を示す札を持ったミニキャラ画像MNを示す演出であり、通常遊技状態が終了されるまで実行され続ける。つまり、ミニキャラ登場演出は、現時点での通常遊技状態が続く限り、複数回の変動演出に跨って実行され得る演出である。こうして、特別カットイン演出の実行を見逃した遊技者であっても、ミニキャラ登場演出を見ることで、有利な通常遊技状態に制御されていることを確実に把握することが可能である。
なお、本形態の特別変動中登場演出は、電源投入直後の通常遊技状態に限って実行され得るわけではなく、時短状態Aから大当たり遊技状態を経て移行した通常遊技状態や、時短状態Bから移行した通常遊技状態であっても、実行され得る。但し、特別カットイン演出は、或る通常遊技状態に制御されているときに1度実行されると、その通常遊技状態(特別カットイン演出が実行された通常遊技状態)では再び実行されることはない。
こうして、特別変動中登場演出では、上述した特別客待ち演出や特別始動入賞音演出と異なり、電源投入直後の通常遊技状態に限って実行されるわけではなく、通常遊技状態である限り、変動演出が実行される度に実行されることがある。従って、遊技者には、図40(A)に示す通常演出モード、又は図40(B)に示す擬似通常モードである限り、常に特別変動中登場演出の実行に期待させることが可能である。
以上、本形態では、通常遊技状態に制御されていれば、変動演出の実行中に極稀に、通常遊技状態に制御されていることを示唆する特別変動中登場演出が実行されることがある。従って、遊技者には、変動演出で示唆される当たり判定の結果だけでなく、特別変動中登場演出が実行されるか否かにも常に注目させることが可能である。特に、遊技者には、電源投入後に通常遊技状態に制御されていて、営業時間の開始直後の遊技中(変動演出の実行中)に、特別変動中登場演出が実行されることを常に期待させることが可能である。こうして、遊技者が遊技を開始した後でも(最初の変動演出が開始された後でも)、遊技意欲を掻き立てることが可能である。
次に、特別オープニング演出について説明する。特別オープニング演出(特別演出、特別当たり演出)は、電源投入直後に通常遊技状態に制御されていて、電源が投入されてから最初に制御される大当たり遊技状態(大当たり遊技)で実行されるオープニング演出である。言い換えると、特別オープニング演出は、電源投入直後に通常遊技状態以外の遊技状態(例えば時短状態B)に制御されていれば、実行されることがない演出である。なお、オープニング演出とは、大当たり遊技のうちオープニングで実行される演出のことである。本形態の特別オープニング演出は、電源が投入されてから最初に制御された大当たり遊技状態(大当たり遊技)以外の大当たり遊技状態では、実行されることはない。
次に、電源投入時にRAMクリアが実行されずに、電源投入後の通常遊技状態以外の遊技状態(例えば時短状態B)にて大当たりに当選した場合と、電源投入時にRAMクリアが実行されて、電源投入後の通常遊技状態にて大当たりに当選した場合とにおいて、オープニング演出の違いを図49に基づいて説明する。
先ず、図49(A)⇒図49(B-1)⇒図49(C-1)の場合について説明する。ここで、電源投入時にRAMクリアが実行されずに、電源投入後に時短状態Bに制御されていることとする。そして、特図1の抽選で大当たり(例えば特図1_大当たり図柄B)に当選したこととする。この場合、図49(A)に示すように、表示画面7aでは、当選報知演出として、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目の大当たり態様(例えば「6」「6」「6」)で停止表示する。そして、オープニングが開始されると、電源投入後に通常遊技状態に制御されていなかったことを示す通常オープニング演出が実行される。
具体的に、通常オープニング演出(通常当たり演出)では、先ず図49(B-1)に示すように、表示画面7aでは、「ロゴBONUS」を示す通常ボーナス画像NBが表示される。続いて、図49(C-1)に示すように、金色に変身した主人公キャラを示す通常主人公キャラ画像NRが表示される。こうして、通常オープニング演出により、遊技者には、電源投入後に通常遊技状態に制御されていなかったことを把握させる。なお、通常オープニング演出は、電源が投入されてから通常遊技状態を経て最初に制御された大当たり遊技状態(大当たり遊技)で実行されることはない。
次に、図49(A)⇒図49(B-1)⇒図49(C-1)の場合について説明する。ここで、電源投入時にRAMクリアが実行されて、電源投入後に通常遊技状態に制御されていることとする。そして、特図1の抽選で大当たり(例えば特図1_大当たり図柄A又は特図1_大当たり図柄B)に当選したこととする。この場合、図49(A)に示すように、表示画面7aでは、当選報知演出として、演出図柄8L、8C、8Rがゾロ目の大当たり態様(例えば「6」「6」「6」)で停止表示する。そして、オープニングが開始されると、電源投入後に通常遊技状態に制御されていたことを示す特別オープニング演出が実行される。
具体的に、特別オープニング演出では、先ず図49(B-1)に示すように、表示画面7aでは、「特別ロゴBONUS」を示す特別ボーナス画像SBが表示される。続いて、図49(C-2)に示すように、炎に包まれて赤色に変身した主人公キャラを示す特別主人公キャラ画像SRが表示される。こうして、特別オープニング演出により、遊技者には、電源投入後に通常遊技状態に制御されていたことを事後的に把握させる。なお、特別オープニング演出は、電源が投入されてから通常遊技状態を経て最初に制御された大当たり遊技状態(大当たり遊技)に限って実行される。
ここで本形態では、図10に示すように、電源投入後に通常遊技状態に制御されていても、特図1_ハズレ図柄C、又は特図1_ハズレ図柄D、或いは特図1_ハズレ図柄Eを引くことで、時短状態Bに移行することがある。そして、この時短状態Bにおいて、特図1の抽選で大当たり(例えば特図1_大当たり図柄A又は特図1_大当たり図柄B)に当選すると、大当たり遊技状態に制御される。しかしながら、この大当たり遊技状態は、通常遊技状態を経て移行した最初の大当たり遊技状態ではないため、特別オープニング演出が実行されない。つまり、時短状態Bを経て移行した大当たり遊技状態では、特別オープニング演出が実行されない。こうして、遊技者にとって不利な時短状態Bで大当たりに当選した場合には、電源投入後に通常遊技状態に制御されていたことを示す特別オープニング演出が実行されずに、遊技者に違和感(不快感)を与えないようにしている。
以上、本形態では、電源投入後の通常遊技状態で大当たりに当選した場合、その大当たり遊技状態にて、通常遊技状態に制御されていたことを示す特別オープニング演出が実行される。この場合、遊技者には、大当たりに当選して大当たり遊技状態に制御されたことによる高揚感を与えるだけでなく、始めから有利な通常遊技状態に制御されていたことによる驚きを与えることが可能である。こうして、有利な通常遊技状態で遊技していたことを、通常遊技状態から移行した大当たり遊技状態で事後的に把握させるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態では、電源が投入されてから通常遊技状態の後であって、最初に制御された大当たり遊技状態に限って、特別オープニング演出が実行される。つまり、特別オープニング演出は、電源投入後に通常遊技状態に制御されているという条件と、その通常遊技状態から大当たり遊技状態に移行するという条件とが成立していないと、実行されない。そのため、遊技者には、営業時間の開始直後に、通常遊技状態に制御されていたことを示す特別オープニング演出を見たいと思わせて、遊技意欲を掻き立てることが可能である。
7.通常移行到達回数演出
次に、本形態の通常移行到達回数演出について説明する。通常移行到達回数演出は、時短状態Bに制御されているときに、有利な通常遊技状態に移行するまでの特別図柄の変動表示の回数(変動回数)を示す演出である。本形態では、上述したように、通常遊技状態は、時短状態Bよりも、有利な時短状態Aに移行し易いように設定されている。そのため、時短状態Bに制御されている場合には、時短回数が消化されることによって、通常遊技状態に移行されることを遊技者に期待させるようになっている。
本形態では、図10に示すように、通常遊技状態にて特図1_ハズレ図柄Cを引くと、時短回数が600回に設定される時短状態Bに移行して、微時短演出モード(図40(C)参照)になる。また、通常遊技状態にて特図1_ハズレ図柄Dを引くと、時短回数が400回に設定される時短状態Bに移行して、微時短演出モードになる。また、通常遊技状態にて特図1_ハズレ図柄Eを引くと、時短回数が200回に設定される時短状態Bに移行して、微時短演出モードになる。
本形態では、特図1_ハズレ図柄C又は特図1_ハズレ図柄D或いは特図1_ハズレ図柄Eのうち、何れのハズレ図柄を遊技者が引いたのかを分からないようにしている。そして、これらのハズレ図柄を引いた後の微時短演出モードでは、基本的に、通常遊技状態に移行するまでの変動回数、つまり残りの時短回数が示されることはない。こうして、微時短演出モードにおいて、遊技者には、基本的にいつ通常遊技状態に移行できるのかが分からないようにして、残りの時短回数を推測させるようにしている。
この前提の上で、時短状態Bにおいて、残り時短回数が150回以内になると、通常移行到達回数演出が実行されることがある。以下では、図50に基づいて、通常移行到達回数演出が開始される場合を説明する。前提条件として、時短状態Bに制御されていて、通常遊技状態に移行するまでの特別図柄の変動回数(残りの時短回数)が151回であることとする。なお、時短状態Bに移行する契機となったハズレ図柄が、特図1_ハズレ図柄C又は特図1_ハズレ図柄D或いは特図1_ハズレ図柄Eの何れであっても、残り時短回数が150回になると、通常移行到達回数演出が開始されることがある。
図50(A)に示すように、残りの時短回数が151回である状況で、表示画面7aでは、演出図柄8L、8C、8Rがハズレ態様(「3」「7」「6」)で停止表示する。これにより、残りの時短回数が150回になって、図50(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が開始される。このとき、表示画面7aの右上部では、通常移行到達回数演出として、「残150回」を示す通常移行到達回数画像TGが表示される。この通常移行到達回数演出の開始により、遊技者は、いつ通常遊技状態に移行できるのかが突然分かるようになって、有利な通常遊技状態に移行したいという気持ちを掻き立てることが可能である。
その後、図50(D)に示すように、変動表示していた演出図柄8L、8C、8Rがハズレ態様(「7」「6」「3」)で停止表示する。これにより、残りの時短回数が149回になって、図50(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が開始される。このとき、表示画面7aの右上部では、通常移行到達回数演出として、「残149回」を示す通常移行到達回数画像TGが表示される。こうして、特別図柄(演出図柄8L、8C、8R)の変動表示が実行される度に、通常移行到達回数画像TGで示される回数が減算されていくことで、遊技者には、有利な通常遊技状態に徐々に近づいていく高揚感を与えることが可能である。なお、通常移行到達回数演出は、残り時短回数が150回になって開始されると、時短状態Bが終了するまで実行され続けるようになっている。
その後、残り時短回数が1回になると、図51(A)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示していて、「残1回」を示す通常移行到達回数画像TGが表示されている。そして、特図1の抽選結果がハズレ(特図1_ハズレ図柄A)であることにより、図51(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rがハズレ態様(「6」「3」「3」)で停止表示する。これにより、残り時短回数が0回になって、時短状態Bから通常遊技状態に移行する。このとき、図51(C)に示すように、通常演出モード移行演出が実行される。具体的には、表示画面7aにて、「通常演出モード移行」を示す通常演出モード移行画像TMが表示されて、有利な通常遊技状態への移行が示される。この通常演出モード移行演出により、遊技者には、時短状態Bから有利な通常遊技状態に移行できたことによる高揚感を与えることが可能である。なお、通常演出モード移行演出の後、図40(A)に示す通常演出モードで、変動演出が実行される。
ところで本形態では、時短状態Bに制御されていて、残りの時短回数が150回になると、必ず通常移行到達回数演出が開始されるわけではなく、演出制御用マイコン91が抽選によって通常移行到達回数演出の実行を決定するようになっている。即ち、演出制御用マイコン91は、残り時短回数が150回になると、抽選によって所定の確率(本形態では50%)で通常移行到達回数演出を実行する。そのため、演出制御用マイコン91が、抽選によって通常移行到達回数演出を実行しないと決定した場合、時短状態Bでは通常移行到達回数演出が実行されない。こうして本形態では、残りの時短回数が150回以内であっても、通常移行到達回数演出が実行される場合と、通常移行到達回数演出が実行されない場合とがある。
ここで、時短状態Bで通常移行到達回数演出が実行されない場合を、図52に基づいて説明する。前提条件として、演出制御用マイコン91が抽選によって通常移行到達回数演出を実行しないと決定していて、残りの時短回数が1回であることとする。この場合、図52(A)に示すように、表示画面7aでは、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示していて、通常移行到達回数画像TGが表示されていない。従って、遊技者から見れば、いつ通常遊技状態に移行するのかが分からない状況になっている。
そして、特図1の抽選結果がハズレ(特図1_ハズレ図柄A)であることにより、図52(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rがハズレ態様(「7」「6」「3」)で停止表示する。これにより、残り時短回数が0回になって、時短状態Bから通常遊技状態に移行する。このとき、図52(C)に示すように、通常演出モード移行演出が実行される。こうして、遊技者にとっては、図51に示す場合と異なり、いきなり有利な通常遊技状態に移行できるように感じることになり、驚きと共に大きな高揚感を与えることが可能である。
8.通常遊技状態報知
次に、通常遊技状態報知について説明する。本パチンコ遊技機1では、上述したように、電源投入時にRAMクリアスイッチ152が押下操作されると、通常遊技状態に制御されて、営業時間の開始直後から遊技者にとって有利な状況(以下「朝一有利状況」と呼ぶ)を作り出すことが可能である。ここで、大型の遊技場の場合、遊技場の従業員は開店準備に忙しいため、多くのパチンコ遊技機1に対してRAMクリアスイッチ152を押下操作する作業が煩雑になる。そのため、遊技場の従業員は、前日の営業時間の終了後に、RAMクリアを実行してしまい、予め朝一有利状況を作り出すことが想定される。この場合、翌日において、遊技場の従業員は、RAMクリアを実行しないで電源投入(復電)のみを行うことになるが、どのパチンコ遊技機1において既にRAMクリアが実行されているのか忘れているおそれがある。特に、前日にRAMクリアを実行していない遊技場の従業員が開店準備をする場合、RAMクリアが実行されたパチンコ遊技機1であるかの判別が容易にできないおそれがある。
そこで本形態では、遊技場の従業員が、電源投入後にパチンコ遊技機1が通常遊技状態に制御されていることが分かるように、通常遊技状態報知が実行されるようになっている。具体的に、通常遊技状態報知では、枠ランプ66及び盤ランプ5(報知手段)が特別発光態様で発光する。特別発光態様(判別可能態様)は、電源投入直後に通常遊技状態である場合に限って示される専用の発光態様であり、遊技中(変動演出中)や、電源投入後に通常遊技状態以外の遊技状態(例えば時短状態B)である場合には示されることがない発光態様である。こうして、遊技場の従業員は、電源投入後に、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様で発光するのを見れば、通常遊技状態に制御されていることを確実に把握することができる。
以下では、図53に基づいて、電源投入後に時短状態Bである場合と、電源投入後に通常遊技状態である場合とにおいて、枠ランプ66及び盤ランプ5の発光態様の違いについて説明する。
先ず、図53(A)に示すように、電源投入後に時短状態Bに制御されていることとする。この場合、電源投入後に、枠ランプ66及び盤ランプ5は、客待ち発光態様で発光する。客待ち発光態様(判別不能態様)は、電源が投入されてから最初の変動演出が開始されるまでの間で示される客待ち用の発光態様である。こうして、遊技場の従業員は、営業時間の開始前に、枠ランプ66及び盤ランプ5による客待ち発光態様を見ることで、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば時短状態B)に制御されていることを把握することができる。その後、最初の変動演出が開始されると、枠ランプ66及び盤ランプ5は、変動演出の内容に応じた演出発光態様で発光することになる。
次に、図53(B)に示すように、電源投入後に通常遊技状態に制御されていることとする。なお、前日に遊技場の従業員がRAMクリアを実行していても良いし、当日の電源投入時に遊技場の従業員がRAMクリアを実行していても良い。この場合、電源投入後に、枠ランプ66及び盤ランプ5は、特別発光態様で発光する。こうして、遊技場の従業員は、営業時間の開始前に、枠ランプ66及び盤ランプ5による特別発光態様を見ることで、通常遊技状態に制御されていることを把握することができる。
ところで、仮に営業時間の開始後であっても、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様で発光し続けると、遊技者は、本パチンコ遊技機1が通常遊技状態に制御されていることを容易に把握できてしまう。従って、遊技者には、枠ランプ66及び盤ランプ5の発光態様で、通常遊技状態に制御されていることが分からないようにすることが好ましい。そこで本形態では、枠ランプ66及び盤ランプ5において、特別発光態様での発光を解除できるように、解除条件が2つ設けられている。
第1解除条件は、図53に示すように、演出ボタン63(特別操作手段)を3秒間長押しすることである。即ち、図53(B)に示すように、電源投入後に、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様で発光していることとする。そして、通常遊技状態に制御されていることを把握した遊技場の従業員は、演出ボタン63(特定操作手段)を3秒間長押しする。これにより、枠ランプ66及び盤ランプ5では、特別発光態様から客待ち発光態様に切替わる。こうして、遊技場の従業員が、任意のタイミングで、枠ランプ66及び盤ランプ5の特別発光態様を客待ち発光態様に切替えることができて、遊技者に枠ランプ66及び盤ランプ5による特別発光態様を見せないようにすることが可能である。つまり、通常遊技状態に制御されていることを発光態様で分からないようにすることが可能である。
第2解除条件は、図53に示すように、電源投入タイミングから30分(特定時間)が経過することである。即ち、図53(B)に示すように、電源が投入されてから枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様で発光し続けていて、30分が経過したこととする。これにより、枠ランプ66及び盤ランプ5では、特別発光態様から客待ち発光態様に切替わる。こうして、仮に遊技場の従業員が演出ボタン63を3秒間長押ししないでも、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様から客待ち発光態様に切替わる。よって、遊技場の従業員の操作負担をかけずに、枠ランプ66及び盤ランプ5の特別発光態様を客待ち発光態様に切替えることができる。そして仮に、遊技場の従業員が演出ボタン63を3秒間長押しすることを忘れていたり、第1解除条件を十分に把握していない場合であっても、自動的に特別発光態様での発光が解除されることで、遊技者に特別発光態様を見せないようにすることが可能である。
ここで本形態では、枠ランプ66及び盤ランプ5の特別発光態様は、点灯と消灯を繰り返す点滅態様であり、枠ランプ66及び盤ランプ5の客待ち発光態様よりも、輝度(明るさ)が大きい発光態様である。そのため、枠ランプ66及び盤ランプ5の特別発光態様は、枠ランプ66及び盤ランプ5の客待ち発光態様よりも、目立ち易い発光態様になっている。従って、遊技場の従業員は、枠ランプ66及び盤ランプ5の特別発光態様を見ることで、遊技場に数多く配置されているパチンコ遊技機の中から、どのパチンコ遊技機が通常遊技状態に制御されているのかを容易に把握することが可能になっている。
9.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図16~図34に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図6に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球数は、例えば第2始動口21であれば2球など、所定の値に設定されているものとする。但し、各入賞口への入賞に応じた賞球数を何球に設定するかは適宜変更可能である。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図6に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図18に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85b(図4)のうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図15に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、通常遊技状態であって、大当たり乱数が「1」であり、図柄種別乱数が「1」であれば、図15の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H02H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば01H))からなっている。
図15に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(図7(A)参照)における区分けと対応している。詳細には、大当たり乱数値が65330~65535であれば大当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が大当たり当選と判定される予定の大当たり当選情報であること)を示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの下位の値が「1」)が特定される。また、大当たり乱数値が0~9000であれば小当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が小当たり当選と判定される予定の小当たり当選情報であること)を示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの下位の値が「2」)が特定される。また、大当たり乱数値が9001~65535であれば通常ハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が通常ハズレと判定される予定の通常ハズレ情報であること)を示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの下位の値が「3」)が特定される。
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、抽選結果情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85a(図4)のうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図15に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、通常遊技状態であって、大当たり乱数が「65535」であり、図柄種別乱数が「1」であれば、図15の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H01H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、抽選結果情報が含まれている。
上述の第2始動入賞コマンドの場合と同様、図15に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(図7(A)参照)における区分けと対応している。また、図柄種別乱数の区分けは、特殊ハズレ(時短ハズレ)であるか否かを区別できるようになっている(図7(D)参照)。詳細には、大当たり乱数値が65330~65535であれば大当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が大当たり当選と判定される予定の大当たり当選情報であること)を示す第1始動入賞コマンド(下位コマンドの値が01H)が特定される。また、大当たり乱数値が0~65535であり、図柄種別乱数値が0~989であれば通常ハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が通常ハズレと判定される予定の通常ハズレ情報であること)を示す第1始動入賞コマンド(下位コマンドの値が03H)が特定される。また、大当たり乱数値が0~65329であり、図柄種別乱数値が990~999であれば特殊ハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が特殊ハズレと判定される予定の特殊ハズレ情報であること)を示す第1始動入賞コマンド(下位コマンドの下位の値が「4」)が特定される。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
[ゲート通過処理]図19に示すようにゲート通過処理(S202)ではまず、普通図柄の変動待機中か否かを判定する(S221)。普通図柄の変動待機中とは、普通図柄の変動表示の実行中でも補助遊技の実行中でもない状態である。普通図柄の変動待機中でなければ(S221でNO)、直ちに本処理を終えるが、普通図柄の変動待機中であれば(S221でYES)、普通図柄乱数取得処理(S222)を行う。普通図柄乱数取得処理(S222)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、図6(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図20に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中(普通図柄の停止時間の開始から終了まで)か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、上述のステップS222で取得した当たり判定前の普通図柄乱数の記憶があるか否かを判定する(S304)。普通図柄乱数の記憶がなければ(S304でNO)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄乱数の記憶があれば(S304でYES)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、非時短状態であれば、非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図12(A)に示すテーブルの非時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定し、時短状態(時短状態A、時短状態B)であれば、時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図12(A)に示すテーブルの時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定処理の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。なお、本形態では、非時短状態であっても時短状態(時短状態A、時短状態B)であっても普通図柄抽選の当選確率は同じである。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図12(B)に示す普通図柄変動パターン判定テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が60秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態Aであれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択し、遊技状態が時短状態Bであれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間(本形態では500ms、図12(B)参照)をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態用の開放パターン(図12(C)の電チュー開放TBL1参照)をセットする。これに対して、時短状態A中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態A用の開放パターン(図12(C)の電チュー開放TBL2参照)をセットし、時短状態B中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態B用の開放パターン(図12(C)の電チュー開放TBL3参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図21に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図22に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1005)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にて小当たり当選となると、その小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。この点については後に詳述する。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図23に基づいてまとめて説明する。図23に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85b(詳しくは第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図7(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)が、大当たり判定値である「65330」~「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図7(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別(大当たりの種類)を判定する(S1105)。大当たり図柄種別を判定(S1105)した後は、大当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(B)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」~「9000」の何れかと一致するか否か判定する(図7(A)の特図2の欄参照)。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、小当たりでないと判定する(図7(A)の特図1の欄参照)。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。より詳細には、特図1の抽選における小当たり当選確率が「零」であるのに対して、特図2の抽選における小当たり当選確率はおよそ1/7程度である。
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて小当たり図柄種別(小当たりの種類)を判定する(S1109)。小当たり図柄種別を判定(S1109)した後は、小当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(C)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに基づいてハズレ図柄種別(ハズレの種類)を判定する(S1112)。ハズレ図柄種別を判定(S1112)した後は、ハズレ図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(D)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1113)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図24及び図25に基づいてまとめて説明する。図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1301)。
非時短状態であれば(S1301でYES)、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たり用のテーブル(図13に示すテーブルのうち大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。図13に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
なお、変動パターンには変動演出が関連付けられており、変動パターンが決定されると、その変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、変動パターンP1に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、変動パターンP2に基づく変動演出ではノーマルリーチ(Nリーチ)が実行される(図13に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たり用のテーブル(図13に示すテーブルのうち小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、ハズレ図柄の種別が「ハズレ図柄B~E」であるか否かを判定する(S1306)。「ハズレ図柄B~E」(図9参照)は、特別図柄の停止時間の経過に応じて時短状態A(時短回数99回)又は時短状態B(時短回数600回又は400回或いは200回)に移行させる特殊ハズレである(図9参照)。ハズレ図柄の種別が「ハズレ図柄B~E」であれば(S1306でYES)、非時短状態中ハズレ図柄B用のテーブル(図13に示すテーブルのうちハズレ図柄Bに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。本形態では、ハズレ図柄B~Eである場合、変動パターンP8に決定される。
本形態では、変動パターンP8に決定された場合には、期待度が高いSPリーチである第1バトル演出(図41参照)が実行される。そして、ハズレ図柄Bを引いていれば、図41(C-2)に示す第1バトル勝利演出が実行され、ハズレ図柄C~Eを引いていれば、図41(C-3)に示す第1バトル敗北演出が実行される。
またステップS1306において、「ハズレ図柄B~E」でなければ(S1306でNO)、通常ハズレ(ハズレ図柄Aあるいはハズレ図柄F、図9参照)であるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1310)。図7(E)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも通常ハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1310でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(図13に示すテーブルのうちリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1311)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1310でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(図13に示すテーブルのうちリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。
なお、特図1変動パターン選択処理(S1009)におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1301において、遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1301でNO)、すなわち時短状態であると判定した場合には、図25に示すように、時短状態の種類が「時短状態A」であれば(S1313でYES)、図14(A)に示す時短状態A用の特図変動パターン判定テーブルに従って、変動パターンを選択する(S1314)。また、時短状態の種類が「時短状態B」であれば(S1313でNO)、図14(B)に示す時短状態B用の特図変動パターン判定テーブルに従って、変動パターンを選択する(S1315)。なお本形態では、時短状態の種類は、後述する遊技状態フラグの値を参照して判定する(図28中の表参照)。
時短状態における変動パターンの選択では、参照する特図変動パターン判定テーブルを各時短状態に応じたテーブル(図14(A)~(B)参照)にする事以外は非時短状態と同様の流れで処理を行う。なお時短状態Aでは、主に特図2の抽選が行われる。そして、特図2の抽選の結果が、大当たりであっても、小当たりであっても、ハズレ図柄F(通常ハズレ)であっても、図14(A)に示すように、変動時間が15秒の変動パターン(P31~P33のうち抽選結果に対応するもの)が選択される。これは、時短状態Aにおける特図2の変動時には、必ず「第2バトル演出(図43参照)」又は「第3バトル演出(図44参照)」を実行するためである。
本形態では、特図2の抽選結果が大当たり図柄Dであれば、図44(A)に示す第3バトル勝利演出が実行され、大当たり図柄Eであれば、図44(C-2)に示す第3バトル敗北演出が実行される。また特図2の抽選結果が小当たり図柄bであれば、図43(A)に示す第2バトル勝利演出が実行され、特図2の抽選結果が小当たり図柄a又は小当たり図柄cであれば、図43(B)に示す第2バトル敗北演出が実行される。そして、特図2の抽選結果がハズレであれば、図43(C)に示す第2バトル未決着演出又は図44(C)に示す第3バトル敗北未決着演出が実行される。
また時短状態Aにおける特図1の抽選の結果がハズレ図柄B~E(特殊ハズレ)である場合には、変動パターンP28が選択される。変動パターンP28が選択された場合には、リーチ無しハズレが実行される。つまり本形態では、ハズレ図柄B~Eが停止表示されても、後述する時短フラグがONであれば、遊技状態を変えることがないため、時短状態Aにおけるハズレ図柄B~Eは、実質的には通常ハズレとして機能する。
なお、特図1に係る時短状態A中の特図変動パターン判定テーブル(図14(A)参照)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
また時短状態Bでは、主に特図1の抽選が行われる。時短状態Bにおける特図1の変動パターンは、非時短状態における特図1の変動パターンとほぼ同様の変動パターンである(図14(B)、図13参照)。但し時短状態Bにおける特図1の抽選の結果がハズレ図柄B~E(特殊ハズレ)である場合には、変動パターンP48が選択される。変動パターンP48が選択された場合には、リーチ無しハズレが実行される。上述したように、本形態では、ハズレ図柄B~Eが停止表示されても、後述する時短フラグがONであれば、時短状態を変えることがないため、時短状態B~Eにおけるハズレ図柄Bは、実質的には通常ハズレとして機能する。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1320)、本処理を終える。ステップS1320でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図26に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図13及び図14参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データ(図7(B)~(D)参照)に応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図27に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間(図13及び図14参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態(低ベース状態)に制御される。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
ステップS1607では、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットして、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1610)。小当たりフラグがONであれば(S1610でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1611)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットして(S1612)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1613)。
ステップS1613に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1614)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たり図柄の種別に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1615)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1610において小当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1616)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図28に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONでなければステップS1710に進み、ONであれば、時短状態中に実行した特図変動(特別図柄の変動表示)の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1703)。そして、「0」でなければステップS1710に進み、「0」であれば、時短フラグをOFFするとともに(S1704)、遊技状態フラグ更新処理(S1705)を行って、ステップS1710に進む。
遊技状態フラグ更新処理(S1705)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。図28中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、非時短状態であれば「1」にセットされ、時短状態A(通常時短状態)であれば「2」にセットされ、時短状態B(微時短状態)であれば「3」にセットされる。この遊技状態フラグ更新処理(S1705)では、時短フラグをOFFしたところであるため、遊技状態フラグの値を、非時短状態に対応する値「1」にセットする。
ステップS1710では、時短フラグがOFFであるか否かを判定する。時短フラグがOFFでなければ、ステップS1730に進むが、時短フラグがOFFであれば、続いて、停止表示されている特別図柄が、「ハズレ図柄B~E」であるか否かを判定する(S1711)。すなわち、特殊ハズレであるか否かを判定する。そして、特殊ハズレ(ハズレ図柄B~E)でなければステップS1730に進むが、特殊ハズレであれば、時短フラグをONするとともに(S1712)、ハズレ図柄の種別に応じた時短回数(図9参照)を時短カウンタにセットし(S1713)、遊技状態フラグ更新処理(S1714)を行って、ステップS1730に進む。この遊技状態フラグ更新処理(S1714)では、特殊ハズレに基づいて時短フラグをONしたところであるため、遊技状態フラグの値を、時短状態Aに対応する値「2」又は時短状態Bに対応する値「3」にセットする。これにより、時短状態A又は時短状態Bに制御される。なお、時短状態A又は時短状態Bは、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は次の大当たり遊技が実行されることにより終了する。このように本形態では、ハズレ時であっても時短状態に制御されることがある。
なお本形態では、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御されるのは、非時短状態であるとき(ステップS1710でYESのとき)に限られる。すなわち時短状態Bにおいて特殊ハズレを引いても、時短状態Aには制御されない。ここで、本形態では、遊技状態管理処理(S1602)において、まず時短状態を終了させるかに関する処理(ステップS1701~S1705)を行って、その後で、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御するかに関する処理(ステップS1710~S1714)を行う。そのため、例えば、時短状態Bの最終変動となる特図1の変動で、特殊ハズレのハズレ図柄(ハズレ図柄B~E)が停止表示されると、ステップS1701~S1705の処理で時短状態Bから非時短状態に移行され、ステップS1710~S1714の処理で非時短状態から時短状態A又は時短状態Bに移行されることとなる。なお、ステップS1710~S1714の処理を、ステップS1701~S1705の処理よりも先に行う構成とすることで、時短状態の最終変動で特殊ハズレを引いても新たな時短状態に制御されない構成としてもよい。
ステップS1730では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S1730)。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技の実行のための処理である。図29に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンド(図8参照)をセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図30に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、今回の大当たり遊技の実行契機となった当たり図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)が、時短状態への制御契機となる図柄(図8参照)であるか否かを判定する(S2101)。この判定結果がNOであればステップS2104に進むが、判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、当たり図柄の種別に応じた時短回数(図8参照)を時短カウンタにセットして(S2103)、ステップS2104に進む。ステップS2102及びS2103が実行されることにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態(時短状態A又は時短状態B)になる。この時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。
ステップS2104では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグ更新処理(S2104)を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2104)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。具体的には、この遊技状態フラグ更新処理(S2104)では、特図1_大当たり図柄C、特図2_大当たり図柄D、特図2_小当たり図柄bに当選している状況であれば(図8参照)、遊技状態フラグの値を、時短状態Aに対応する値「2」にセットする(図27中の表参照)。また特図1_大当たり図柄B、特図2_小当たり図柄cに当選している状況であれば(図8参照)、遊技状態フラグの値を、時短状態Bに対応する値「3」にセットする(図27中の表参照)。
続いて遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットして(S2105)、本処理を終える。なお、遊技状態指定コマンドには設定された時短回数の情報も含まれるものとする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技の実行のための処理である。図31及び図32に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図8に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図32に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図34参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)処理を終える。
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。その後、遊技制御用マイコン81は、大当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットするとともに(S2322)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図17参照)。振分部材制御処理(S107)では図33に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図27参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には図39(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、V開放という。次いで、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図39(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(7608ms(図39(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
ここで図39に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図39(b)に示す開放パターンがある。なお、図39(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
図39(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」、「特図2_小当たり図柄c」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過用開放パターンである。
より詳細には、この通過用開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71のV開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図39(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。つまり本形態では、小当たりは実質的には大当たりとして機能する。なお本明細書では、特図2の抽選に基づく小当たりを、特2V通過小当たりと称することがある。
また本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図17参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図34に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図33)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図39(d)に示す期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
10.演出制御用マイコン91の動作
次に、図35~図38に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、RAM94に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、図35に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示画面7a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体15を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図36に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理(S4101)では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ64aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。本形態では、電源投入後に枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様で発光しているときに、入力処理(S4101)において、演出ボタン63が3秒以上押下操作されていると判断すると、枠ランプ66及び盤ランプ5の特別発光態様を客待ち発光態様に切替えるための処理を実行する。
発光データ出力処理(S4102)では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ66、および盤ランプ5などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をランプ制御基板107に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、発光データに従って枠ランプ66、および盤ランプ5などを所定の発光態様で発光させる。本形態では、電源投入後に通常遊技状態以外の遊技状態(例えば時短状態B)に制御されていれば、発光データ出力処理(S4102)において、枠ランプ66及び盤ランプ5を客待ち発光態様で発光させるための発光データをランプ制御基板107に出力する。一方、電源投入後に通常遊技状態に制御されていれば、発光データ出力処理(S4102)において、枠ランプ66及び盤ランプ5を特別発光態様で発光させるための発光データをランプ制御基板107に出力する。そして、枠ランプ66及び盤ランプ5を特別発光態様で発光しているときに、電源投入タイミングから30分経過したと判断すると、枠ランプ66及び盤ランプ5を客待ち発光態様で発光させるための発光データをランプ制御基板107に出力する。
可動体制御処理(S4103)では、入力処理(S4101)や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体15などの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データに従って、盤可動体15などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図37に示すように、後述する受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理(S4201)では、受信割り込み処理(S4010)によってRAM94の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理(S4202)では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン63やセレクトボタン64といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。
音声制御処理(S4203)では、入力処理(S4101)や受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板106への出力が行われる。演出用データ作成処理(S4204)では、受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン91が遊技制御用マイコン81からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン91が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
[受信コマンド解析処理]次に、受信コマンド解析処理(S4201)について、図38に基づいて詳述する。受信コマンド解析処理(S4201)ではまず、図38に示すように、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば先読み演出判定処理(S4402)を行う。先読み演出判定処理(S4402)では、始動入賞コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、所謂保留変化予告や連続予告などの先読み演出の抽選を行い、その抽選結果に応じた先読み演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば演出モード更新処理(S4404)を行う。演出モード更新処理(S4404)では、遊技状態指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、演出モードの選択を行い、その選択に応じた演出モードに設定するための演出モード設定コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出開始処理(S4406)を行う。変動演出開始処理(S4406)では、変動開始コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、変動演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
本形態では、後述するように、演出制御用マイコン91は、電源投入直後に、遊技制御用マイコン81から遊技状態の情報を含む電源投入コマンドを受信する。これにより、電源投入コマンドを解析して、電源投入後の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定することができる。そして、演出制御用マイコン91は、変動演出開始処理(S4406)において、電源投入後の遊技状態が通常遊技状態であって、電源が投入されてから最初の変動演出を開始すると判定した場合には、図54(B)に示す特別始動入賞音演出実行抽選テーブルを用いて、抽選により特別始動入賞音演出を実行するか否かを決定する。これにより、特別始動入賞音演出を実行すると決定した場合には、電源が投入されてから最初の変動演出の開始時に限って、図47(B)に示す特別始動入賞音演出を実行する。一方、特別始動入賞音演出を実行しないと決定した場合には、特別始動入賞音演出を実行することなく、変動演出を開始する。
また本形態では、演出制御用マイコン91は、変動演出開始処理(S4406)において、通常演出モード(図40(A)参照)に設定しているか否かを判定する。そして、通常演出モードに設定されていると判定すれば、図54(C)に示す特別変動中登場演出実行抽選テーブルを用いて、抽選により特別変動中登場演出を実行するか否かを決定する。これにより特別変動中登場演出を実行すると決定した場合には、変動演出の実行途中で、図48(B)(C)に示す特別変動中登場演出を実行する。なお、演出制御用マイコン91は、通常演出モードにおいて特別変動中登場演出の実行を抽選で決定した場合、その後、同一の通常演出モードにおいて再び特別変動中登場演出の実行を抽選で決定しないようにしている。
また本形態では、演出制御用マイコン91は、変動演出開始処理(S4406)において、微時短演出モード(図40(C)参照)に設定していて、且つ残り時短回数が150回である否かを判定する。そして、微時短演出モードに設定されていて、且つ残り時短回数が150回であると判定すれば、図54(D)に示す到達回数演出実行抽選テーブルを用いて、抽選により通常移行到達回数演出を実行するか否かを決定する。これにより通常移行到達回数演出を実行すると決定した場合には、図50(B)に示す通常移行到達移行演出を実行する。一方、通常移行到達回数演出を実行しないと決定した場合には、残り時短回数が150回になっても、通常移行到達回数演出が実行されないことになる。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば変動演出終了処理(S4408)を行う。変動演出終了処理(S4408)では、変動停止コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、演出図柄8L,8C,8Rを確定的に停止表示させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればオープニング演出選択処理(S4410)を行う。オープニング演出選択処理(S4410)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、特別遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
本形態では、演出制御用マイコン91は、オープニング演出選択処理(S4410)において、電源投入後に通常遊技状態に制御されていて、その通常遊技状態で大当たりに当選した状況か否かを判定する。電源投入後の通常遊技状態で大当たりに当選した状況であれば、図49(B-2)(C-2)に示す特別オープニング演出を実行する。一方、電源投入後の時短状態Bで大当たりに当選した状況や、電源投入後に通常遊技状態から移行した後の遊技状態(例えば時短状態B)で大当たりに当選した状況であれば、図49(B-1)(C-1)に示す通常オープニング演出を実行する。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理(S4412)を行う。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4414)を行う。V通過報知演出開始処理(S4414)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて2種大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選の報知としての意味ももつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4415)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。本形態では、演出制御用マイコン91は、電源投入直後に、遊技制御用マイコン81から遊技状態の情報を含む電源投入コマンドを受信する。これにより、その他の処理(S4415)において、電源投入コマンドを解析して、遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、演出制御用マイコン91は、通常遊技状態であると判定した場合には、電源が投入されてから最初の変動演出が開始されるまで、図46に示す特別客待ち演出を実行する。これに対して、通常遊技状態でないと判定した場合には、図54(A)に示す特別客待ち演出実行抽選テーブルを用いて、抽選により特別客待ち演出を実行するか否かを決定する。これにより、特別客待ち演出を実行しないと決定した場合には、電源が投入されてから最初の変動演出が開始されるまで、図45に示す通常客待ち演出を実行する。一方、特別客待ち演出を実行すると決定した場合には、電源が投入されてから最初の変動演出が開始されるまで、図46に示す特別客待ち演出を実行する。
11.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技場の従業員は、電源投入時にRAMクリアスイッチ152を押下操作することで、通常遊技状態に制御することができる。そして、通常遊技状態は、時短状態Bよりも、時短状態Aに移行し易いという点で有利である。従って、営業時間の開始直後から、通常遊技状態に制御されていれば、遊技者の遊技意欲を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに実行される客待ち演出において、通常遊技状態に制御されていることを示唆する特別客待ち演出(図46参照)が実行されることがある。そのため、普段客待ち演出に注目していない遊技者であっても、営業時間の開始直後に特別客待ち演出が実行されているか否かに注目させることができて、遊技意欲を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、電源投入後に通常遊技状態に制御されていれば、特別客待ち演出(図46参照)が必ず実行され、電源投入後に時短状態Bに制御されていれば、特別客待ち演出(図46参照)が所定の確率(本形態では50%)で実行されるように設定されている。ここで、電源が遮断される前に時短状態Bに制御されていることとする。この場合、遊技場の従業員が、RAMクリアスイッチ152を押下操作することなく、電源投入を何度も繰り返して、特別客待ち演出(図46参照)が実行されるようにする。こうして、遊技場の従業員は、時短状態Bに制御されているにも拘わらず、特別客待ち演出により、有利な通常遊技状態に制御されているかのように見せることが可能である。一方、遊技場の従業員は、電源投入時にRAMクリアスイッチ152を押下操作することで、通常遊技状態に制御されていて、特別客待ち演出(図46参照)が実行されるようにする。これにより、通常遊技状態に制御されていることを正しく示唆することが可能である。こうして、遊技場の従業員には、簡易な方法で、通常遊技状態への制御を正しく示唆していない特別客待ち演出が実行される状況、又は通常遊技状態への制御を正しく示唆している特別客待ち演出が実行される状況を作らせることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、営業時間の終了後に、遊技場の従業員が、RAMクリアスイッチ152を押下操作して、前日に予め通常遊技状態に制御しておく場合がある。この場合、翌日の営業時間の開始前に、遊技場の従業員が、当該パチンコ遊技機1において、通常遊技状態に制御されていることを忘れているおそれがある。そこで本形態では、電源投入後に通常遊技状態に制御されていると、図53(B)に示すように、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様で発光する。これにより、遊技場の従業員が、通常遊技状態に制御されていることを把握することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、電源投入後に通常遊技状態に制御されていることで、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様で発光していても、遊技場の従業員が演出ボタン63を3秒間長押しすると、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様から客待ち発光態様に切替わる(図53参照)。これにより、営業時間の開始後に、遊技者が通常遊技状態に制御されていることを容易に把握できてしまう事態を防ぐことが可能である。また遊技場の従業員にとっては、任意のタイミングで、枠ランプ66及び盤ランプ5での発光態様を切替えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、電源投入後に通常遊技状態に制御されていることで、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様で発光していても、電源投入タイミングから30分経過すると、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別発光態様から客待ち発光態様に切替わる(図53参照)。これにより、遊技場の従業員に操作(演出ボタン63への長押し)の負担をかけることなく、枠ランプ66及び盤ランプ5での発光態様を切替えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、電源が投入されてから通常遊技状態の後であって、最初に制御された大当たり遊技状態では、図49(B-2)(C-2)に示す特別オープニング演出が実行される。つまり、通常遊技状態に制御されていたことを判別できない通常オープニング演出が実行されるわけではなく、通常遊技状態に制御されていたことを判別できる特別オープニング演出が実行される。こうして、特別オープニング演出を見た遊技者には、大当たり遊技状態に制御されたことによる高揚感を与えると共に、通常遊技状態に制御されていたことによる驚きを与えて、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。特に、特別オープニング演出は、電源投入後に通常遊技状態に制御されていて、その通常遊技状態で大当たりに当選した場合に限って実行される。そのため、遊技者には、朝一遊技でのプレミア的な特別オープニング演出を見たいと思わせて、遊技意欲を掻き立てることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、電源が投入されてから初回の変動演出が開始されるタイミングに限り、通常遊技状態に制御されていることを示唆する特別始動入賞音演出(図47参照)が実行され得る。そのため、遊技者には、初回の変動演出の開始タイミングに注目させて、これから始まる遊技に期待感を抱かせることが可能である。特に、特別始動入賞音演出では、スピーカ67から「ピロリーン」という特別始動入賞音が出力されて、この特別始動入賞音は、特別始動入賞音演出以外の演出では出力されることはない。従って、営業時間の開始直後に、遊技者には、プレミア的な特別始動入賞音を聞きたいという気持ちを掻き立てることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特別始動入賞音演出(図47参照)は、電源投入後に通常遊技状態に制御されていれば、所定の確率(本形態では50%)で実行される一方、電源投入後に通常遊技状態以外の遊技状態(時短状態B)に制御されていれば、実行されることはない。従って、遊技者にとっては、初回の変動演出の開始タイミングで、特別始動入賞音演出を把握すれば、有利な通常遊技状態に必ず制御されている(通常遊技状態への制御が確定している)ことになる。従って、特別始動入賞音演出を把握した遊技者には、これから始まる遊技に大きな高揚感を与えることが可能である。
12.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、特別客待ち演出(変動前示唆演出、図46参照)が実行されると、通常遊技状態に制御されていることを示唆するようにした。特に、図46(E)に示す特別デモ画像T5の表示(特別デモ演出)によって、通常遊技状態に制御されていることを示唆するようにした。しかしながら、図46(B)に示す選択画面画像T1の表示中、図46(C)に示すホールコード対応画像T2の表示中、図46(D)に示す新規登録画像T3の表示中に、通常遊技状態に制御されていることを示唆するようにしても良い。なお、変動前示唆演出では、スピーカ67(音出力手段)から出力する音や、枠ランプ66や盤ランプ5(発光手段)の発光態様、盤可動体15(可動体)の動作態様によって、通常遊技状態に制御されていることを示唆するようにしても良い。
また、通常遊技状態に制御されていることを示唆する変動前示唆演出は、特別客待ち演出のような客待ち演出に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、遊技者が演出ボタン63などの操作手段を操作する(所謂隠しボタン操作を行う)ことで、通常遊技状態であることを示唆する変動前示唆演出が実行されるようにしても良い。また例えば、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、表示画面7aにて、図55に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの特別初期出目が表示されていることで、通常遊技状態に制御されていることを示唆するようにしても良い。なお図55に示す特別初期出目は、中演出図柄8Cとして星図柄と変身した主人公キャラとを示すものであるが、特別初期出目の表示態様は適宜変更可能である。こうして、最初の変動演出が開始されるまでに、図46(B)に示す演出図柄8L、8C、8Rの初期出目(通常初期出目)ではなく、図55に示す演出図柄8L、8C、8Rの特別初期出目が示されることで、遊技者には、通常遊技状態に制御されていると思わせて、遊技意欲を高めることが可能である。
上記形態では、電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、通常遊技状態(第1遊技状態)に制御されていれば、特別客待ち演出(図46参照)が必ず実行されるようにした。しかしながら、電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、通常遊技状態に制御されていても、特別客待ち演出が実行される場合と、特別客待ち演出が実行されない場合とがあるようにしても良い。つまり、抽選によって所定の確率(例えば80%)で特別客待ち演出が実行されるようにしても良い。但し、通常遊技状態である場合の方が、通常遊技状態以外の遊技状態(時短状態Bなど)である場合よりも、特別客待ち演出が実行される確率が高いようにすると良い。これにより、上記形態と同様、特別客待ち演出を把握した遊技者には、有利な通常遊技状態に制御されているかもしれないと期待させることができて、遊技意欲を高めることが可能である。また、仮に遊技者が、特別客待ち演出ではなく、通常客待ち演出(図45参照)を把握しても、未だ通常遊技状態に制御されているかもしれないと期待させることが可能である。
上記形態では、電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、時短状態B(第2遊技状態)に制御されていても、特別客待ち演出(図46参照)が所定の確率(50%)で実行されるようにした。しかしながら、時短状態Bに制御されている場合、特別客待ち演出が実行されないようにしても良い。この場合には、電源が投入されてから最初の変動演出が開始されるまでに、特別客待ち演出が実行されれば、必ず、通常遊技状態に制御されていることになる。そのため、営業時間の開始直後に、特別客待ち演出を見たいという気持ちを掻き立てることが可能である。なおこの場合において、通常遊技状態に制御されていても、特別客待ち演出が実行されない場合があるようにすると良い。特別客待ち演出が実行されなければ、通常遊技状態に必ず制御されていないことになり、遊技者の遊技意欲が過度に減少してしまうからである。
上記形態では、通常遊技状態以外の遊技状態(時短状態Bなど)に制御されているときに、図54(A)に示す特別客待ち演出実行抽選テーブルを用いて、特別客待ち演出が50%で実行されるようにした。しかしながら、特別客待ち演出(変動前示唆演出)が実行される確率は、50%に限られるものではなく、適宜変更可能である。
上記形態では、枠ランプ66及び盤ランプ5(報知手段)が、電源投入後に通常遊技状態に制御されていると、特別発光態様(判別可能態様)で発光した(図53(B)参照)。しかしながら、判別可能態様になる報知手段は、枠ランプ66及び盤ランプ5などの発光手段に限られるものではなく、スピーカ67(音出力手段)、画像表示装置7(表示手段)、盤可動体15(可動体)であっても良く、適宜変更可能である。例えば、電源投入後に通常遊技状態に制御されていると、スピーカ67が特殊音(例えばブザー音)を出力するようにしても良い。また例えば、電源投入後に通常遊技状態に制御されていると、画像表示装置7が、図55に示す演出図柄8L、8C、8Rの特別初期出目を表示したり、その他の特殊画像を表示するようにしても良い。また例えば、電源投入後に通常遊技状態に制御されていると、盤可動体15が初期位置から移動した移動位置にあるようにしても良い。
上記形態では、枠ランプ66及び盤ランプ5(報知手段)が特別発光態様(判別可能態様)を示しているときに、演出ボタン63(特定操作手段)を3秒長押しすると、枠ランプ66及び盤ランプ5が客待ち発光態様(判別不能態様)に切替わった(図53(B)参照)。しかしながら、演出ボタン63以外の特定操作手段を操作することで、報知手段が判別可能態様から判別不能態様に切替わるようにしても良い。例えば、セレクトボタン64やRAMクリアスイッチ152を操作(押下操作など)することで、報知手段が判別可能態様から判別不能態様に切替わるようにしても良い。また長押しではなく、連打操作や特定回数押下操作されることにより、枠ランプ66及び盤ランプ5が客待ち発光態様(判別不能態様)に切替わるようにしても良い。
上記形態では、枠ランプ66及び盤ランプ5(報知手段)が特別発光態様(判別可能態様)を示しているときに、電源投入タイミングから30分(特定時間)経過すると、枠ランプ66及び盤ランプ5が客待ち発光態様(判別不能態様)に切替わった(図53(B)参照)。しかしながら、上記した特定時間は30分に限られるものではなく、10分や1時間であっても良く、適宜変更可能である。また、電源投入タイミングから経過した特定時間に限られるものではなく、例えば、演出図柄8L、8C、8Rの初期出目が表示されたタイミングからの経過時間や、演出可動体が初期動作を終了したタイミングからの経過時間によって、報知手段を判別可能態様から判別不能態様に切替えるようにしても良い。
上記形態では、枠ランプ66及び盤ランプ5(報知手段)を特別発光態様(判別可能態様)から客待ち発光態様(判別不能態様)に切替える解除条件として、図53に示す第1解除条件及び第2解除条件があった。しかしながら、解除条件は、適宜変更可能であり、例えば、遊技機枠50が開放すること(前面枠51が内枠に対して開放すること、又は内枠が外枠に対して開放すること)としても良い。また解除条件は、ハンドル60への回転操作や、ハンドルへの接触としても良い。
上記形態では、枠ランプ66及び盤ランプ5(報知手段)において、特別発光態様(判別可能態様)を、客待ち発光態様(判別不能態様)よりも、目立ち易い発光態様にした。しかしながら、特別発光態様と客待ち発光態様との関係は、適宜変更可能である。従って、例えば、特別発光態様を、客待ち発光態様よりも目立ち難い発光態様(例えば単色での発光態様)にしても良い。また例えば、特別発光態様を、エラー報知での発光態様(エラー報知態様)と同じになるようにしても良い。
上記形態では、電源が投入されてから通常遊技状態を経て大当たり遊技状態に移行した場合には、図49(B-2)(C-2)に示す特別オープニング演出(特別演出)が実行された。しかしながら、電源投入後に通常遊技状態に制御されていたことを示す特別演出は、特別オープニング演出に限られるものではなく、特別ラウンド演出や特別エンディング演出であっても良く、適宜変更可能である。また、通常遊技状態に制御されていたことを事後的に示す特別演出は、大当たり遊技状態(大当たり遊技の実行中)にて実行されるものでなくても良く、通常遊技状態の後の遊技状態であれば、変動演出中や客待ち演出中に実行されるものであっても良い。また、スピーカ67(音出力手段)から出力される特殊音、枠ランプ66や盤ランプ5(発光手段)の特殊発光態様、盤可動体15(可動体)の特別動作態様によって、電源投入後に通常遊技状態に制御されていたことを示すようにしても良い。
また例えば、図56に示す変形例のように、通常RUSH突入演出が実行される場合と、特別RUSH突入演出(特別演出)が実行される場合と、があるようにしても良い。ここで先ず、通常RUSH突入演出が実行される場合について説明する。前提条件として、電源投入直後の通常遊技状態でなく、大当たり遊技後の通常遊技状態に制御されていて、その通常遊技状態で特図1_ハズレ図柄Bを引いたこととする。この場合、第1バトル演出が実行されて、図56(A)に示す第1バトル勝利演出が実行される。その後、図56(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが特別チャンス態様(例えば「6」「チャンス図柄」「6」)で停止表示して、大当たり遊技が実行されることなく、時短状態Aに移行することになる。そして、RUSH演出モードの開始に伴って、図56(C-1)に示すように、RUSH移行画像RMを示す通常RUSH突入演出が実行される。なお、この通常RUSH突入演出は、電源投入後に通常遊技状態に制御されていたことを示す演出ではない。
次に、特別RUSH突入演出が実行される場合について説明する。前提条件として、電源投入直後に通常遊技状態に制御されていて、その通常遊技状態で特図1_ハズレ図柄Bを引いたこととする。この場合、第1バトル演出が実行されて、図56(A)に示す第1バトル勝利演出が実行される。その後、図56(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rが特別チャンス態様(例えば「6」「チャンス図柄」「6」)で停止表示して、大当たり遊技が実行されることなく、時短状態Aに移行することになる。そして、RUSH演出モードの開始に伴って、図56(C-2)に示すように、RUSH移行画像RMと「おめでとう」の祝福画像COとを示す特別RUSH突入演出が実行される。この特別RUSH突入演出は、電源投入後に通常遊技状態に制御されていたことを示す演出である。
こうして、図56に示す変形例では、電源が投入されてから通常遊技状態(第1遊技状態)を経て時短状態A(有利遊技状態)に移行した場合には、図56(C-2)に示す特別RUSH突入演出が実行されて、通常遊技状態に制御されていたことが事後的に示される。これにより、遊技者には、営業時間の開始直後から有利な通常遊技状態で遊技していたことを事後的に把握させて、高揚感を与えることが可能である。
なお、上記した変形例において、電源投入直後に通常遊技状態に制御されていて、その通常遊技状態で特図1_ハズレ図柄Cを引いたこととする。この場合、第1バトル演出が実行されて、図41(C-3)に示す第1バトル敗北演出が実行される。その後、通常遊技状態から時短状態Bに移行することになるが、この場合には、その後、通常遊技状態に制御されていたことを示す特別演出が実行されることはない。こうして、電源が投入されてから通常遊技状態を経て、不利な時短状態Bに移行した場合には、通常遊技状態に制御されていたことを把握させないで、遊技者に不快感を与えるのを防ぐことが可能である。
上記形態では、通常遊技状態に制御されていれば、所定の確率(本形態では1%)で、通常遊技状態に制御されていることを示唆する特別変動中登場演出(図48(B)(C)参照)が実行されるようにした。つまり、電源投入後の通常遊技状態に限らず、大当たり遊技後の通常遊技状態や、時短状態Aの後の通常遊技状態であっても、特別変動中登場演出が実行され得るようにした。しかしながら、電源が投入された後の通常遊技状態に限って、特別変動中登場演出(変動中示唆演出)が所定の確率で実行されるようにしても良い。この場合には、営業時間の開始直後の遊技中に限って、遊技者には、特別変動中登場演出の実行を期待させて、遊技意欲を掻き立てることが可能である。なお上記形態では、図54(C)に示す特別変動中登場演出実行抽選テーブルを用いて、特別変動中登場演出が1%で実行されるようにしたが、特別変動中登場演出が実行される確率は、1%に限られるものではなく、適宜変更可能である。また特別変動中登場演出は、通常遊技状態に制御されている場合に限り実行される演出(通常遊技状態に制御されていることが確定であることを示す演出)であったが、時短状態Bに制御されていても、実行されることがあるようにしても良い。
上記形態では、電源が投入されてから初回の変動演出が開始されるタイミングに限り、通常遊技状態に制御されていることを示唆する特別始動入賞音演出(変動中示唆演出、図47(A)(B)参照)が所定の確率(本形態では50%)が実行されるようにした。しかしながら、電源が投入されてから初回の変動演出の実行中であれば、何れのタイミング(例えばリーチになったタイミング、SPリーチの開始タイミング)であっても、変動中示唆演出が実行されるようにしても良い。また、通常遊技状態に制御されていることを示唆する変動中示唆演出の実行タイミングは、1つのタイミングに固定されている必要はなく、複数の実行タイミング(例えば、変動演出が開始されるタイミング、リーチになったタイミング)があるようにしても良い。なお上記形態では、図54(B)に示す特別始動入賞音演出実行抽選テーブルを用いて、特別始動入賞音演出が50%で実行されるようにしたが、特別始動入賞音演出が実行される確率は、50%に限られるものではなく、適宜変更可能である。また特別始動入賞音演出は、通常遊技状態(第1遊技状態)に制御されている場合に限り実行される演出(通常遊技状態に制御されていることが確定であることを示す演出)であったが、時短状態Bに制御されていても、実行されることがあるようにしても良い。
上記形態では、電源投入後の初回(1回)の変動演出の実行中に限り(厳密には、初回の変動演出が開始されるタイミングに限り)、特別始動入賞音演出(変動中示唆演出)が実行され得るようにした。しかしながら、通常遊技状態に制御されていることを示唆する特別始動入賞音演出(変動中示唆演出)は、電源投入後の初回の変動演出の実行中に限らず、例えば、電源投入後に変動演出が予め定められた所定回数(例えば100回)が実行されるまでの間に限り、実行され得るようにしても良い。この場合には、遊技者には、営業時間の開始直後に遊技を開始させて、変動演出が所定回数だけ実行されるまでに、変動中示唆演出を把握したいという気持ちを掻き立てることが可能である。なお所定回数は、100回に限られるものではなく、2回以上であれば、適宜変更可能である。
上記形態では、変動演出の実行中に、通常遊技状態であることを示唆する変動中示唆演出の演出態様は、「ピロリーン」という特別始動入賞音(特定音)の出力(図47(A)(B)参照)、特別カットイン画像KIの表示(図48(B)参照)、ミニキャラ画像MNの表示(図48(C)参照)であった。しかしながら、変動中示唆演出の演出態様は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、「キュイーン」という特定音をスピーカ67から出力させたり、枠ランプ66や盤ランプ5(発光手段)を特定発光態様(例えば点滅態様)で発光させたり、盤可動体15を特別動作態様で移動させたり、演出ボタン63を特別振動態様で振動させることによって、変動演出の実行中に、通常遊技状態であることを示唆するようにしても良い。
また例えば、図57に示す保留変化演出によって、通常遊技状態であることを示唆するようにしても良い。つまり、図57(A)に示すように、通常遊技状態での変動演出の実行中に、通常態様である演出保留9Aが3個表示されている。そして、遊技球が第1始動口20に入球すると、図57(B)に示すように、4個目の第1特図保留として、星と変身した主人公キャラとを示す特殊態様である演出保留9Xが表示される。こうして、特殊態様である演出保留9Xが表示されることで、通常遊技状態に制御されていることを示唆するようにしても良い。なお、特殊態様である演出保留9Xの表示は、通常遊技状態である場合に限って実行されるようにしても良い。この場合には、特殊態様である演出保留9Xを見た遊技者には、有利な通常遊技状態に制御されていることが確定しているという大きな高揚感を与えることが可能である。また、特殊態様である演出保留9Xの表示は、通常遊技状態又は時短状態Bの何れであっても実行されるようしても良い。そしてこの場合には、通常遊技状態の方が時短状態Bよりも、特殊態様である演出保留9Xが表示され易いようにして、特殊態様である演出保留9Xが表示されれば、かなりの高い確率(例えば50%以上)で通常遊技状態に制御されているようにしても良い。このようにした場合、特殊態様である演出保留9Xを見た遊技者には、有利な通常遊技状態に制御されていることを大きく期待させて、遊技意欲を高めることが可能である。
上記形態では、図10に示すように、時短状態Aから2種大当たり遊技後に通常遊技状態に移行する場合があった。また時短状態Bから時短回数を消化することによって通常遊技状態に移行する場合があった。しかしながら、1種大当たり遊技後や2種大当たり遊技後に通常遊技状態に移行することがなく、時短回数が消化されることがないようにしても良い。即ち、RAMクリアが実行された場合に限って、通常遊技状態に制御されるようにしても良い。この場合には、朝一有利状況は、RAMクリアが実行された場合に限って生じるため、遊技者には営業時間の開始直後に通常遊技状態に制御されていることを一層期待させて、営業時間の開始直後の遊技意欲をより掻き立てることが可能である。
上記形態では、通常遊技状態に制御されているときに、特殊ハズレ(特図1_ハズレ図柄B)を引くと時短状態Aに移行できる一方、時短状態Bに制御されているときに、特殊ハズレを引いても時短状態Aに移行することができなかった。これにより、通常遊技状態(第1遊技状態)では、時短状態B(第2遊技状態)よりも、時短状態A(有利遊技状態)に移行し易いようにした(言い換えると、時短状態Bは、通常遊技状態よりも時短状態Aに移行し難いようにした)。しかしながら、通常遊技状態(第1遊技状態)が、時短状態B(第2遊技状態)よりも、時短状態A(有利遊技状態)に移行し易いようにする設定方法は、上記に限られず、適宜変更可能である。例えば、通常遊技状態で大当たりに当選した場合には、時短状態Bで大当たりに当選した場合よりも、大当たり遊技後に時短状態Aに移行し易いように設定しても良い。また例えば、通常遊技状態でV通過による2種大当たりに当選した場合には、時短状態Bで大当たりに当選した場合よりも、2種大当たり遊技後に時短状態Aに移行し易いように設定しても良い。また例えば、通常遊技状態でV通過による2種大当たりに当選した場合には、2種大当たり遊技後に時短状態Aに移行することができるものの、時短状態BではV通過による2種大当たりに当選することができないように(又は特図2の抽選により実質的にできないように)設定されていても良い。
また例えば、通常ハズレを所定回数(例えば800回)だけ連続して引いた場合に、大当たり遊技を経ることなく、時短状態Aに移行できる天井到達があるパチンコ遊技機として構成する。そして、通常遊技状態では、通常ハズレを所定回数連続して引くと、時短状態Aに移行することができる一方、時短状態Bでは、通常ハズレを所定回数連続して引いても、時短状態Aに移行することができないように設定する。こうして、通常遊技状態では天井到達が可能である一方、時短状態Bでは天井到達が不可能であることで、通常遊技状態は、時短状態Bよりも、時短状態Aに移行し易いようにしても良い。
上記形態では、第2大入賞口35内の特定領域39への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技を実行可能な所謂1種2種混合機として構成したが、所謂「ST機」や「確変ループ機」など、1種2種混合機以外のタイプの遊技機としてもよい。ST機や確変ループ機とする場合、当選した特別図柄の種類に基づいて大当たり当選確率が高い高確率状態への移行が決定される所謂「図柄確変機」としてもよいし、Vアタッカー(特定領域を有する大入賞装置)内の特定領域への通過に基づいて高確率状態への移行が決定される所謂「V確変機」としてもよい。
上記形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、実現したい遊技性によっては、1種大当たりのない所謂ハネモノ(2種機)としてもよい。すなわち、特図1の抽選でも特図2の抽選でも所謂「直撃大当たり」に当選し得ない構成としてもよい。
上記形態では、特図2の抽選に基づいて所謂「直撃大当たり」に当選し得る構成としたが、特図2の抽選に基づいて「直撃大当たり」に当選し得ない構成、すなわち特図2の抽選に基づく大当たりは2種大当たりのみの構成としてもよい。
上記形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、特別図柄の抽選で大当たりになった場合に限り、大当たり遊技が実行される所謂一種遊技機として構成しても良い。この場合に、通常確率状態よりも大当たり当選確率が高い高確率状態に制御可能な遊技機として構成すると良い。そして、通常確率状態且つ非時短状態である通常遊技状態(第1遊技状態)は、微時短状態である時短状態Bよりも、通常確率状態且つ時短状態A(有利遊技状態)に移行し易いように設定すると良い。具体的には、通常遊技状態に制御されているときに、特殊ハズレ(特図1_ハズレ図柄B)を引くと、通常確率状態且つ時短状態Aに移行できる一方、時短状態Bに制御されているときに、特殊ハズレを引いても、通常確率状態且つ時短状態Aに移行することができないように設定する。又は、通常遊技状態で大当たりに当選した場合には、時短状態Bで大当たりに当選した場合よりも、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態A(所謂RUSH状態)に移行し易いように設定しても良い。また例えば、通常遊技状態でV通過による2種大当たりに当選した場合には、時短状態Bで大当たりに当選した場合よりも、2種大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態Aに移行し易いように設定しても良い。
上記形態では、電源投入時にRAMクリアスイッチ152(操作手段)への押下操作によって、通常遊技状態(第1遊技状態)に制御されるようにした。しかしながら、操作手段への操作によって、通常遊技状態以外の遊技状態に制御されるようにしても良い。また、上記形態では、時短状態Bである第2遊技状態は、通常遊技状態である第1遊技状態よりも、有利遊技状態である時短状態Aに移行し難いように設定したが、第1遊技状態と第2遊技状態と有利遊技状態との関係は、上記に限られず、適宜変更可能である。例えば、第1遊技状態と第2遊技状態と有利遊技状態との関係は、通常遊技状態と時短状態A(通常確率状態且つ時短状態)と大当たり遊技状態であるようにしても良く、通常遊技状態と時短状態A(通常確率状態且つ時短状態)と高確率状態且つ時短状態であるようにしても良い。或いは、通常遊技状態と時短状態A(通常確率状態且つ時短状態)と高確率状態且つ非時短状態(例えば小当たりラッシュ状態)であるようにしても良い。なお、小当たりラッシュ状態とは、通常遊技状態よりも、小当たり遊技の実行により大入賞口に遊技球が頻繁に入球し易い状態を意味する。
また上記形態では、特図2の抽選に基づく小当たり遊技では、必ずV通過が発生するように第2大入賞口35(開閉部材37)の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成とした。これに対して、特図2の抽選に基づく小当たり遊技では、V通過することもあるがV通過しないこともあるような第2大入賞口35の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成(つまり振分部材71が通過許容状態をとっているタイミングと第2大入賞口35への入賞タイミングがうまく合えば特定領域39への通過が生じるが、合わなければ特定領域39への通過が生じない構成)としてもよい。
上記形態では、小当たり遊技の開始時点を基準に、時間で管理された所定の作動パターンに従って、特定領域39が開放されるように構成した(図39参照)。これに対して、第2大入賞口35への入賞球数が予め定められた作動契機入賞球数(例えば1球)になったときに、特定領域39を開放させる(通過許容状態にする)構成としてもよい。この場合、特2V通過小当たりでは、作動契機入賞球数を例えば「1」とするとよい。このようにすれば、特2V通過小当たり時には、第2大入賞口35への入賞球を特定領域39に通過させることができる。なお、作動契機入賞球数に基づいて振分部材71が作動する構成であっても、特定領域39が予め定められたタイミングで通過の可否が切り替えられていることにかわりはない。
上記形態では、大当たり乱数を用いた判定の結果がハズレであり、図柄種別乱数を用いた判定の結果がハズレ図柄B~Eである場合に、大当たり遊技を実行することなく時短状態に制御する構成とした。これに対して、時短状態に制御するか否かの抽選(時短抽選)のための乱数(時短乱数)を別途取得することとし、特別図柄の変動表示の開始前に、時短乱数を用いて時短抽選(時短状態にするか否かの判定)を行う構成としてもよい。この場合、時短抽選は、大当たりであるか否かの判定の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。また時短抽選を行う構成とする場合、時短乱数に代えて、大当たり乱数や図柄種別乱数を用いて時短抽選を行う構成としてもよい。
上記形態では、特図1保留(第1特図保留)の上限記憶数を「4」とし、特図2保留(第2特図保留)の上限記憶数を「4」としたが、特図1保留の上限記憶数、及び特図2保留の上限記憶数は、適宜変更可能である。また、遊技に支障をきたさなければ、特図2保留の無い構成、すなわち、特図2保留の上限記憶数が「0」である構成としてもよい。
上記形態では、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(時短回数)は、特図1の変動表示が実行されても特図2の変動表示が実行されてもカウントされる合算上限実行回数としたが、この合算上限実行回数とは別に、特図1の変動表示だけをカウント対象とした特図1上限実行回数や、特図2の変動表示だけをカウント対象とした特図2上限実行回数を設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成してもよい。なお、特図1上限実行回数や特図2上限実行回数は、合算上限実行回数とは異なる値に設定することができる。また、合算上限実行回数を設けることなく、特図1上限実行回数と特図2上限実行回数とを設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成したり、特図2上限実行回数だけを設け、この回数が満たされると時短状態が終了するように構成したりしてもよい。
上記形態では、特図1の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合よりも、特図2の抽選に基づいて大当たり遊技(2種大当たり遊技を含む)が実行された場合の方が、遊技者が獲得可能な特典が大きい構成としたが、逆若しくは同じであってもよい。なお、遊技者が獲得可能な特典には、大当たり遊技において獲得可能な賞球の量や、大当たり遊技後の遊技状態に関する各種の設定(時短状態に制御されるか否かや、時短状態に制御された場合の時短回数など)が含まれる。
上記形態では、変動演出を行う表示部を、1つの表示装置の表示画面(画像表示装置7の表示画面7a)によって構成したが、2つ以上の表示装置の各表示画面によって構成してもよい。例えば、メイン表示装置としての画像表示装置7の他に、サブ表示装置を備えている構成では、メイン表示装置の表示画面にて演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を行い、サブ表示装置の表示画面にて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動演出を行うように構成してもよい。なお、タッチセンサと液晶表示装置からなるタッチパネルを遊技機枠50に搭載し、このタッチパネルにおける液晶表示装置をサブ表示装置としてもよい。
上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
13.本明細書に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
所定の判定処理(大当たり判定処理(S1002,S1008))の結果に基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態A)に制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
前記判定処理の結果を示唆する変動演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、
操作可能な操作手段(RAMクリアスイッチ152)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技制御手段は、
前記操作手段が操作(押下操作)されることに基づいて、第1遊技状態(通常遊技状態)に制御可能であり、
前記第1遊技状態よりも、前記有利遊技状態に移行し難い第2遊技状態(時短状態B)に制御可能であり、
前記演出制御手段は、
電源が投入されてから前記変動演出が開始されるまでに、前記第1遊技状態に制御されていることを示唆する変動前示唆演出(特別客待ち演出)を実行可能である(図46参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員は、操作手段を操作することで、第1遊技状態に制御することができる。そして、第1遊技状態は、第2遊技状態よりも、有利遊技状態に移行し易いという点で有利である。従って、営業時間の開始直後から、第1遊技状態に制御されていれば、遊技者の遊技意欲を高めることが可能である。ここで、電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、第1遊技状態に制御されていることを示唆する変動前示唆演出が実行されることがある。そのため、営業時間の開始直後で遊技開始前に、変動前示唆演出を見た遊技者には、変動前示唆演出が実行された遊技機で遊技を行いたいと思わせて、遊技興趣を高めることが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記変動演出が実行されていないことを示す客待ち演出を実行可能であり、
電源が投入されてから前記変動演出が開始されるまでに実行される前記客待ち演出において、前記変動前示唆演出(特別客待ち演出)を実行可能である(図46参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに実行される客待ち演出において、第1遊技状態に制御されていることを示唆する変動前示唆演出が実行されることがある。そのため、普段、客待ち演出に注目していない遊技者であっても、営業時間の開始直後に実行される客待ち演出で変動前示唆演出が実行されるか否かに注目させることができて、遊技意欲を高めることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
電源が投入されてから前記変動演出が開始されるまでに、前記第1遊技状態又は前記第2遊技状態の何れに制御されていても、前記変動前示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、第1遊技状態又は第2遊技状態の何れに制御されていても、変動前示唆演出が実行されることがある。従って、仮に第2遊技状態に制御されていても、変動前示唆演出を把握した遊技者には、第1遊技状態に制御されているかもしれないと思わせることができて、遊技意欲を高めることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
電源が投入されてから前記変動演出が開始されるまでに前記第1遊技状態に制御されている場合には、前記変動前示唆演出を実行する一方、
電源が投入されてから前記変動演出が開始されるまでに前記第2遊技状態に制御されている場合には、前記変動前示唆演出を実行することがある(図54(A)に示す特別客待ち演出実行抽選テーブル参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源が遮断される前に第2遊技状態に制御されていることとする。この場合、遊技場の従業員が、操作手段を操作することなく、電源投入を何度も繰り返して、変動前示唆演出が実行されるようにする。こうして、遊技場の従業員は、第2遊技状態に制御されているにも拘らず、変動前示唆演出により、第1遊技状態に制御されているかのように見せることが可能である。一方、遊技場の従業員は、電源投入時に操作手段を操作することで、第1遊技状態に制御されていて、変動前示唆演出が実行されるようにする。これにより、第1遊技状態に制御されていることを正しく示唆することが可能である。こうして、遊技場の従業員には、簡易的な方法で、第1遊技状態への制御を正しく示唆していない変動前示唆演出が実行される状況、又は第1遊技状態への制御を正しく示唆している変動前示唆演出が実行される状況を作らせることが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1遊技状態に制御されているときには、前記変動前示唆演出を実行することがある一方、
前記第2遊技状態に制御されているときには、前記変動前示唆演出を実行しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、変動前示唆演出が実行されれば、必ず、第1遊技状態に制御されていることになる。そのため、営業時間の開始直後に、遊技者には、変動前示唆演出を把握したいという気持ちを掻き立てることが可能である。
ところで、特開2017-38676号公報に記載の遊技機では、営業時間の開始直後から、演出可動体が動作している位置で維持するようになっている。しかしながら、営業時間の開始直後から、遊技者の遊技意欲を高めるためには、改善の余地があった。そこで手段A1~A5に係る発明は、特開2017-38676号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、操作手段が操作されることに基づいて、第1遊技状態に制御可能であり、第1遊技状態よりも、有利遊技状態に移行し難い第2遊技状態に制御可能であり、演出制御手段は、電源が投入されてから変動演出が開始されるまでに、第1遊技状態に制御されていることを示唆する変動前示唆演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技者の遊技意欲を高めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
所定の判定処理(大当たり判定処理(S1002,S1008))の結果に基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態A)に制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
操作可能な操作手段(RAMクリアスイッチ152)と、
報知手段(枠ランプ66及び盤ランプ5)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技制御手段は、
前記操作手段が操作(押下操作)されることに基づいて、第1遊技状態(通常遊技状態)に制御可能であり、
前記第1遊技状態よりも、前記有利遊技状態に移行し難い第2遊技状態(時短状態B)に制御可能であり、
前記報知手段は、
電源投入後に前記第1遊技状態に制御されていると、当該第1遊技状態に制御されていることを判別可能な判別可能態様(特別発光態様)を示す(図53(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員は、操作手段を操作することで、第1遊技状態に制御することができる。そして、第1遊技状態は、第2遊技状態よりも、有利遊技状態に移行し易いという点で有利である。従って、営業時間の開始直後から、第1遊技状態に制御されていれば、遊技者の遊技意欲を高めることが可能である。ここで、営業時間の終了後に、遊技場の従業員が操作手段を操作して、第1遊技状態に制御する場合がある。この場合、翌日の営業時間の開始前に、遊技場の従業員が、当該遊技機において第1遊技状態に制御されていることを忘れているおそれがある。そこでこの構成の遊技機によれば、電源投入後に第1遊技状態に制御されていると、報知手段が、第1遊技状態に制御されていることを判別可能な判別可能態様になる。これにより、遊技場の従業員が、第1遊技状態に制御されていることを把握することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記報知手段は、
前記第1遊技状態に制御されているかを判別不能な判別不能態様(客待ち発光態様)を示すことが可能であり、
前記判別可能態様を示しているときに所定の解除条件(第1解除条件、第2解除条件)が成立すると、当該判別可能態様(特別発光態様)から前記判別不能態様(客待ち発光態様)に切替わる(図53(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
仮に、営業時間の開始後でも、報知手段が判別可能態様を示していると、遊技者が第1遊技状態に制御されていることを把握してしまう。そこで、この構成の遊技機によれば、所定の解除条件が成立すると、報知手段は、判別可能態様から、第1遊技状態に制御されているかを判別不能な判別不能態様に切替わる。これにより、営業時間の開始後に、遊技者が第1遊技状態に制御されているのを容易に把握できてしまう事態を防ぐことが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
操作可能な特定操作手段(演出ボタン63)を備え、
前記解除条件の成立には、前記特定操作手段が操作(3秒間長押し)されること(第1解除条件)が含まれていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員が、特定操作手段を操作すると、報知手段において、判別可能態様から判別不能態様に切替えることができる。こうして、遊技場の従業員が、任意のタイミングで、報知手段の態様を切替えることが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B2又は手段B3に記載の遊技機において、
前記解除条件の成立には、電源投入後に特定時間(30分)が経過すること(第2解除条件)が含まれていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後に特定時間が経過すると、報知手段において、判別可能態様から判別不能態様に切替わる。従って、遊技場の従業員に操作の負担をかけることなく、報知手段の態様を切替えることが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B2乃至手段B4の何れかに記載の遊技機において、
前記報知手段は、発光可能な発光手段であり、
前記判別可能態様は、前記発光手段が示す特別発光態様であり、
前記判別不能態様は、前記発光手段が示す客待ち発光態様であり、
前記特別発光態様は、前記客待ち発光態様よりも、目立ち易い発光態様であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後に第1遊技状態に制御されていると、発光手段が、通常発光態様よりも目立ち易い特別発光態様を示す。従って、遊技場の従業員は、どの遊技機において、第1遊技状態に制御されているのかを容易に把握することが可能である。
ところで、特開2017-38676号公報に記載の遊技機では、営業時間の開始直後から、演出可動体が動作している位置で維持するようになっている。しかしながら、営業時間の開始直後から、遊技者の遊技意欲を高めるためには、改善の余地があった。そこで手段B1~B5に係る発明は、特開2017-38676号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、操作手段が操作されることに基づいて、第1遊技状態に制御可能であり、第1遊技状態よりも、有利遊技状態に移行し難い第2遊技状態に制御可能であり、報知手段は、電源投入後に第1遊技状態に制御されていると、当該第1遊技状態に制御されていることを判別可能な判別可能態様を示す点で相違している。これにより、遊技者の遊技意欲を高めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
所定の判定処理(大当たり判定処理(S1002,S1008))の結果に基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態A)に制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、
操作可能な操作手段(RAMクリアスイッチ152)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技制御手段は、
前記操作手段が操作されると、第1遊技状態(通常遊技状態)に制御可能であり、
前記第1遊技状態よりも、前記有利遊技状態に移行し難い第2遊技状態(時短状態B)に制御可能であり、
前記演出制御手段は、
電源が投入されてから前記第1遊技状態の後の遊技状態(大当たり遊技状態)にて、当該第1遊技状態に制御されていたことを示す特別演出(特別オープニング演出)を実行可能である(図49(B-2)(C-2)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員は、操作手段を操作することで、第1制御状態に制御することができる。そして、第1遊技状態は、第2遊技状態よりも、有利遊技状態に移行し易いという点で有利である。従って、営業時間の開始直後から、第1遊技状態に制御されていれば、遊技者の遊技意欲を高めることが可能である。ここで、電源が投入されてから第1遊技状態の後の遊技状態にて、当該第1遊技状態に制御されていたことを示す特別演出が実行される場合がある。この場合、遊技者には、電源投入後に有利な第1遊技状態に制御されていたことを事後的に把握させることになり、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記判定処理の結果が当たり(大当たり)であると、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御可能であり、
電源が投入されてから前記第1遊技状態の後の遊技状態は、電源が投入されてから最初に制御された前記特別遊技状態であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源が投入されてから通常遊技状態の後であって、最初に制御された特別遊技状態では、特別演出が実行される場合ある。この場合、遊技者には、特別遊技状態に制御されたことによる高揚感を与えると共に、第1遊技状態に制御されていたことによる驚きを与えることで、斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技状態に制御されているときに、通常当たり演出(図49(B-1)(C-1)に示す通常オープニング演出)又は特別当たり演出(図49(B-2)(C-2)に示す特別オープニング演出)を実行可能であり、
電源が投入されてから前記第1遊技状態の後の前記特別遊技状態では、前記通常当たり演出を実行しないで、前記特別演出として前記特別当たり演出を実行することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源が投入されてから通常遊技状態の後であって、最初に制御された特別遊技状態では、通常当たり演出ではなく、特別当たり演出が実行される。そのため、営業時間の開始直後に遊技を始めた遊技者には、第1遊技状態に制御されていたことを示す特別当たり演出を見たいと思わせて、遊技意欲を掻き立てることが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C1乃至手段C3に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
電源が投入されてから前記第1遊技状態を経て前記有利遊技状態(時短状態A)に移行した場合には、前記特別演出(特別オープニング演出)を実行可能である一方、
電源が投入されてから前記第1遊技状態を経て前記第2遊技状態(時短状態B)に移行した場合には、前記特別演出を実行しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後に第1遊技状態に制御されていたとしても、遊技者にとって不利な第2遊技状態に移行した場合には、特別演出が実行されない。従って、不利な第2遊技状態に移行した場合には、遊技者に、第1遊技状態に制御されていたことを把握させないで、不快感を与えるのを防ぐことが可能である。
ところで、特開2017-38676号公報に記載の遊技機では、営業時間の開始直後から、演出可動体が動作している位置で維持するようになっている。しかしながら、営業時間の開始直後から、遊技者の遊技意欲を高めるためには、改善の余地があった。そこで手段C1~C4に係る発明は、特開2017-38676号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、操作手段が操作されることに基づいて、第1遊技状態に制御可能であり、第1遊技状態よりも、有利遊技状態に移行し難い第2遊技状態に制御可能であり、演出制御手段は、電源が投入されてから第1遊技状態の後の遊技状態にて、当該第1遊技状態に制御されていたことを示す特別演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技者の遊技意欲を高めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
所定の判定処理(大当たり判定処理(S1002,S1008)の結果に基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態A)に制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
前記判定処理の結果を示唆する変動演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、
操作可能な操作手段(RAMクリアスイッチ152)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技制御手段は、
前記操作手段が操作(押下操作)されることに基づいて、第1遊技状態(通常遊技状態)に制御可能であり、
前記第1遊技状態よりも、前記有利遊技状態に移行し難い第2遊技状態(時短状態B)に制御可能であり、
前記演出制御手段は、
電源投入後に前記変動演出が開始されてから前記有利遊技状態に制御されるまでの間に、前記第1遊技状態に制御されていることを示唆する変動中示唆演出(特別始動入賞音演出、特別変動中登場演出)を実行可能である(図47、図48参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場の従業員は、操作手段を操作することで、第1遊技状態に制御することができる。そして、第1遊技状態は、第2遊技状態よりも、有利遊技状態に移行し易いという点で有利である。従って、営業時間の開始直後から、第1遊技状態に制御されていれば、遊技者の遊技意欲を高めることが可能である。ここで、電源投入後に変動演出が開始されてから有利遊技状態に制御されるまでの間に、第1遊技状態に制御されていることを示唆する変動前示唆演出が実行されることがある。そのため、営業時間の開始直後の遊技中に、変動中示唆演出を見た遊技者には、遊技を継続して行いたいと思わせることができて、遊技興趣を高めることが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
電源投入後に前記変動演出が予め定められた所定回数(例えば100回)が実行されるまでの間に限り、前記変動中示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後に、変動演出が予め定められた所定回数が実行されるまでの間に限り、変動中示唆演出が実行されることがある。従って、遊技者には、営業時間の開始直後に遊技を開始させて、変動演出が所定回数だけ実行されるまでに、変動中示唆演出を把握したいという気持ちを掻き立てることが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
電源投入後の初回(1回)の前記変動演出の実行中に限り、前記変動中示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後の初回の変動演出の実行中に限り、変動中示唆演出が実行されることがある。従って、営業時間の開始直後に、遊技者には、変動中示唆演出を把握したいという気持ちを掻き立てることができて、遊技興趣を高めることが可能である。
手段D4に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
電源投入後の初回の前記変動演出が開始されるタイミングに限り、前記変動中示唆演出を実行可能である(図47参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後の初回の変動演出が開始されるタイミングに限り、変動中示唆演出が実行されることがある。従って、遊技者には、初回の変動演出の開始タイミングに注目させて、これから始まる遊技に期待感を抱かせることが可能である。
手段D5に係る発明は、
手段D1乃至手段D4の何れかに記載の遊技機において、
音を発生可能な音発生手段(スピーカ67)を備え、
前記演出制御手段は、
前記変動中示唆演出として、前記音発生手段から特定音(「ピロリーン」)を発生させて、
前記変動中示唆演出とは異なる演出を実行する場合に、前記音発生手段から前記特定音を発生させることがないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後に変動演出が開始されてから有利遊技状態に制御されるまでの間に、変動中示唆演出として、音発生手段から特定音が出力されることがある。そして、この特定音は、その他の演出では、音発生手段から出力されることはない。従って、営業時間の開始直後に、遊技者には、プレミア的な特定音を聞きたいという気持ちを掻き立てることが可能である。
手段D6に係る発明は、
手段D1乃至手段D5の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1遊技状態(通常遊技状態)に制御されているときには、前記変動中示唆演出を実行することがある一方、
前記第2遊技状態(時短状態B)に制御されているときには、前記変動中示唆演出を実行しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後に変動演出が開始されてから有利遊技状態に制御されるまでの間に、変動中示唆演出が実行されれば、必ず、有利な第1遊技状態に制御されていることになる。そのため、営業時間の開始後に、変動中示唆演出を把握した遊技者に、大きな高揚感を与えることが可能である。
手段D7に係る発明は、
手段D1乃至手段D5の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
電源投入後に前記変動演出が開始されてから前記有利遊技状態に制御されるまでの間に、前記第1遊技状態(通常遊技状態)又は前記第2遊技状態(時短状態B)の何れに制御されていても、前記変動中示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電源投入後に変動演出が開始されてから有利遊技状態に制御されるまでの間に、第1遊技状態又は第2遊技状態の何れに制御されていても、変動中示唆演出が実行されることがある。従って、仮に第2遊技状態に制御されていても、変動中示唆演出を把握した遊技者には、第1遊技状態に制御されているかもしれないと思わせることができて、遊技興趣を高めることが可能である。
ところで、特開2017-38676号公報に記載の遊技機では、営業時間の開始直後から、演出可動体が動作している位置で維持するようになっている。しかしながら、営業時間の開始直後から、遊技者の遊技意欲を高めるためには、改善の余地があった。そこで手段D1~D7に係る発明は、特開2017-38676号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、操作手段が操作されることに基づいて、第1遊技状態に制御可能であり、第1遊技状態よりも、有利遊技状態に移行し難い第2遊技状態に制御可能であり、演出制御手段は、電源投入後に変動演出が開始されてから有利遊技状態に制御されるまでの間に、第1遊技状態に制御されていることを示唆する変動中示唆演出を実行可能である点で相違している。これにより、遊技者の遊技意欲を高めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。