JP7444373B2 - 浮体構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、浮体構造物、より詳しくは、主構造体と複数の補助構造体とを有し、複数の補助構造体の協調動作により主構造体の制御が行われる浮体構造物に関する。
従来、姿勢制御される浮体構造物として、水面上に浮遊する中央浮力体と、その周囲に等角度で配置された6個の調整浮力体とを有する浮体構造物が知られている(特許文献1)。各調整浮力体は、バラスト水の取込みおよび放出により浮力を調整するものとして構成されている。
なお、船舶等の浮体構造物の揺れは、図18に示すように、6つに分類される。すなわち、浮体構造物の揺れは、ローリング(p)、ピッチング(q)、ヨーイング(r)、サージング(u)、スウェイング(v)およびヒービング(w)に分類される。ここで、ローリングはX軸まわりの揺れであり、横揺れとも呼ばれる。ピッチングはY軸まわりの揺れであり、縦揺れとも呼ばれる。ヨーイングはZ軸まわりの揺れであり、左右揺れとも呼ばれる。サージングはX軸方向の揺れであり、前後動とも呼ばれる。スウェイングはY軸方向の揺れであり、左右動とも呼ばれる。ヒービングはZ軸方向の揺れであり、上下動とも呼ばれる。
特開2005-313665号公報
特許文献1に記載の浮体構造物の場合、中央浮力体が水面と交差する面積が大きいため、水面上の波動の影響を受け易く、浮力中心が移動し易い。このため、中央浮力体を姿勢制御する際に大きな動力を要する場合がある。
そこで、本発明は、水面上の波動の影響を可及的に回避して低動力で制御可能な浮体構造物を提供することを目的とする。
本発明に係る浮体構造物は、
主構造体と、
前記主構造体に接続され、平面視で前記主構造体を取り囲むように設けられた複数の補助構造体と、
を備え、
前記主構造体は、
使用状態において水中に位置する本体部と、
前記本体部と同じ太さか前記本体部よりも細く、前記本体部から上方に向けて延在し水面から突出する延在部と、を有し、
前記複数の補助構造体は、互いに協調動作することにより前記主構造体にモーメントまたは推力を付与することを特徴とする。
また、前記浮体構造物において、
前記主構造体の重心は使用状態において水面下に位置するようにしてもよい。
また、前記浮体構造物において、
前記延在部の先端には搭載部が設けられているようにしてもよい。
また、前記浮体構造物において、
前記本体部は円筒状であり、前記延在部は前記本体部よりも直径の小さい棒状であるようにしてもよい。
また、前記浮体構造物において、
前記複数の補助構造体は、使用状態において水中に位置し、各々独立して推力を発生可能に構成されてもよい。
また、前記浮体構造物において、
前記複数の補助構造体として、第1の補助構造体、第2の補助構造体、第3の補助構造体および第4の補助構造体を備え、
平面視したときの前記本体部の中心が原点に位置し、前記延在部がZ軸の負領域から正領域に向かう方向に沿って延在するXYZ直交座標系において、
前記第1の補助構造体はX軸の正領域に位置し、
前記第2の補助構造体はX軸の負領域に位置し、
前記第3の補助構造体はY軸の正領域に位置し、
前記第4の補助構造体はY軸の負領域に位置し、
前記第1~第4の補助構造体による推力を調整することで、ヒービング制御、ローリング制御、ピッチング制御、ヨーイング制御、サージング制御およびスウェイング制御を行うようにしてもよい。
また、前記浮体構造物において、
前記複数の補助構造体は、浮体を有し、各々独立して、自身に作用する浮力を調整可能に構成されていてもよい。
また、前記浮体構造物において、
前記複数の補助構造体として、第1の補助構造体、第2の補助構造体、第3の補助構造体および第4の補助構造体を備え、
平面視したときの前記本体部の中心が原点に位置し、前記延在部がZ軸の負領域から正領域に向かう方向に沿って延在するXYZ直交座標系において、
前記第1の補助構造体はX軸の正領域に位置し、
前記第2の補助構造体はX軸の負領域に位置し、
前記第3の補助構造体はY軸の正領域に位置し、
前記第4の補助構造体はY軸の負領域に位置し、
前記第1~第4の補助構造体による浮力を調整することで、ヒービング制御、ローリング制御およびピッチング制御を行うようにしてもよい。
また、前記浮体構造物において、
前記複数の補助構造体として、
前記本体部に接続され、使用状態において水中に位置し、各々独立して推力を発生可能に構成された第1の補助構造体群と、
前記延在部に接続され、浮体を有し、各々独立して、自身に作用する浮力を調整可能に構成された第2の補助構造体群と、
を有するようにしてもよい。
本発明では、使用状態において本体部が水中に位置し、かつ延在部が本体部と同じ太さか本体部よりも細くすることによって、主構造体が水面に接する面積を小さくする。これにより、主構造体は深水波、浅水波等、水面上の波動の影響を受けにくくなり、浮力中心が移動することを可及的に回避することができる。これにより、本発明によれば、水面上の波動の影響を可及的に回避して低動力で制御可能な浮体構造物を提供することができる。
第1の実施形態に係る浮体構造物の全体斜視図である。 使用状態における第1の実施形態に係る浮体構造物の側面図である。 第1の実施形態に係る浮体構造物の機能ブロック図である。 第1の実施形態に係る制御処理フローを示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る補助構造体の制御の詳細を示すフローチャートである。 (a)、(b)ともに第1の実施形態に係る補助構造体による鉛直方向の推力発生方法について説明するための図である。 第1の実施形態に係る浮体構造物の動作例を説明するための図である。 第1の実施形態に係る補助構造体による水平方向の推力発生方法について説明するための図である。 第1の実施形態に係る浮体構造物の別の動作例を説明するための図である。 第2の実施形態に係る浮体構造物の全体斜視図である。 使用状態における第2の実施形態に係る浮体構造物の側面図である。 第2の実施形態に係る浮体構造物の補助構造体の斜視図である。 第2の実施形態の変形例に係る浮体構造物の補助構造体の斜視図である。 第2の実施形態におけるローリング制御およびピッチング制御を説明するための図である。 第2の実施形態におけるヒービング制御を説明するための図である。 第2の実施形態の変形例に係る浮体構造物の側面図である。 第3の実施形態に係る浮体構造物の全体斜視図である。 浮体構造物(船)の揺れについて説明するための図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る浮体構造物について説明する。図1は本実施形態に係る浮体構造物1の全体斜視図を示し、図2は使用状態における浮体構造物1の側面図を示している。
図1に示すように、本実施形態に係る浮体構造物1は、主構造体10と、複数の補助構造体20A,20B,20C,20Dと、接続体30とを備えている。複数の補助構造体20A,20B,20C,20Dは、接続体30を介して主構造体10に接続されている。
まず、主構造体10について説明する。主構造体10は、複数の補助構造体20A,20B,20C,20Dによる制御の対象である。後ほど詳しく説明するように、浮体構造物1は、補助構造体20A,20B,20C,20Dが協調動作することで、主構造体10の6つの揺れ(ヒービング、ローリング、ピッチング、ヨーイング、スウェイングおよびサージング)に対する減揺制御、ならびに主構造体10の位置制御(目標位置までの移動)を行うように構成されている。
主構造体10は、図1および図2に示すように、本体部11と、この本体部11から上方に向けて延在する延在部12と、を有する。
本体部11は使用状態において水中に位置する。この本体部11は、有底の円筒体であり、その内部には補助構造体20A,20B,20C,20Dを制御するためのマイコン、各種センサおよびバッテリなどが格納されている。本体部11の上側開口が蓋部11aにより水密に閉塞されることで防水性が確保されている。その他、例えば、本体部11の内部が樹脂等の封止材で充填されることで防水性が確保されてもよい。なお、本体部11の形状は円筒状に限られず、角筒状、直方体状等、他の形状であってもよい。
使用状態において主構造体10の重心Gは水面下に位置する。主構造体10の重心を調整するために、主構造体10(本体部11、延在部12)に錘および/または浮体が設けられてもよい。なお、主構造体10の浮力調整のために、延在部12に浮体および/または錘が設けられてもよい。
延在部12は、本体部11から上方に向けて延在し、使用状態において水面から突出するように設けられている。本実施形態では、延在部12は棒状であり、基端が蓋部11aに固定され、先端には搭載部12aが設けられている。
搭載部12aには、例えば、環境観測用の機器、または風力等による発電装置が搭載される。浮体構造物1が大型の場合には、搭載部12aに人が乗れる籠などが設置されてもよい。なお、揺動制御性を向上させる観点から、搭載部12aに機器等が搭載された状態においても、主構造体10の重心Gが水面下にあることが好ましい。
なお、延在部12は一つに限られず、複数設けられてもよい。また、延在部12は、棒状に限られず、板状など他の形状であってもよい。
延在部12は本体部11に比べて細い。すなわち、延在部12の直径は本体部11の直径よりも小さい。より一般的に言えば、図2に示すように、主構造体10が直立した状態において、延在部12が水面と交差する面積は、本体部11が水面と平行な面と交差する面積よりも小さい。
なお、延在部12は本体部11と同径としてもよい。延在部12が本体部11と同じ太さであっても、本体部11が水面と平行な面と交差する面積が小さければ、主構造体10が水面上の波動の影響を受けることを抑制できる。例えば、本体部11の幅(直径)が本体部11の長さよりも小さいならば、延在部12が本体部11と同径であっても、水面上の波動の影響を抑制する効果を奏する。
接続体30は、主構造体10と、複数の補助構造体20A,20B,20C,20Dとを接続している。この接続体30は、装着部31と、この装着部31の側面から突出した複数の接続部32とを有する。接続部32の数は補助構造体の数と同じである。
装着部31は、図1に示すように、本体部11の外径とほぼ同じ内径を有する円筒体であり、本体部11の底部に嵌着されている。なお、装着部31の形状は円筒体に限らず、本体部11に嵌着可能な形状であればよく、角筒体、直方体等、他の形状であってもよい。
接続部32は、図1に示すように、装着部31の周面から突設されており、本体部11と補助構造体20A,20B,20C,20Dとを接続する。この接続部32は中空状であり、内部にモータ23を駆動するための制御線や電力線などが通されている。なお、接続部32内に、補助構造体20A,20B,20C,20Dの傾き(モータ23の回転軸と鉛直線のなす角度)を制御するためのモータ(図示せず)が配置されてもよい。
次に、複数の補助構造体20A,20B,20C,20Dについて説明する。
図1から分かるように、複数の補助構造体20A,20B,20C,20Dは、平面視で主構造体10を取り囲むように設けられている。本実施形態では、主構造体10を中心にして4つの補助構造体が設けられている。図2に示すように、使用状態において補助構造体20A,20B,20C,20Dは水中に位置する。
図1のXYZ直交座標系における補助構造体20A,20B,20C,20Dの位置について説明する。XYZ直交座標系の原点Oは本体部11を平面視したときの中心に位置する。この中心は、補助構造体20Aと補助構造体20Bを結ぶ線と、補助構造体20Cと補助構造体20Dを結ぶ線との交点に一致する。延在部12はZ軸の負領域から正領域に向かう方向に沿って延在する。補助構造体20AはX軸の正領域に位置し、補助構造体20BはX軸の負領域に位置する。補助構造体20CはY軸の正領域に位置し、補助構造体20DはY軸の負領域に位置する。
補助構造体20A,20B,20C,20Dは、各々、プロペラ21と、プロペラ22と、2つのモータ23と、アーム24と、を有する。プロペラ21とプロペラ22は回転軸が同じで、互いに反対向きに設けられている。
プロペラ21は、正ピッチのプロペラであり、モータ23により時計回りに回転駆動されると前進方向の推力を発生させる。プロペラ22は、逆ピッチのプロペラであり、モータ23により時計回りに回転駆動されると後退方向の推力を発生させる。
図1に示すように、補助構造体20A,20Bでは、プロペラ21が上側に配置され、プロペラ22が下側に配置される。反対に、補助構造体20C,20Dでは、プロペラ21が下側に配置され、プロペラ22が上側に配置される。
補助構造体の2つのモータ23のうち一方は、プロペラ21を回転駆動するためのものであり、他方のモータはプロペラ22を回転駆動するためのものである。
このように本実施形態の補助構造体は、プロペラ21およびモータ23を有するユニットと、プロペラ22およびモータ23を有するユニットとを背中合わせで結合して、1つの推力発生ユニットとして構成したものである。なお、以下の説明では、プロペラ21、プロペラ22および2つのモータ23を総称して「推力発生ユニット」ともいう。
アーム24は、図1に示すように、推力発生ユニットと、接続部32との間に設けられている。アーム24の先端は推力発生ユニットを支持し、アーム24の基端は接続部32に回転可能に接続されている。なお、主構造体10の位置制御を行わない場合等においては、アーム24は接続部32に回転不能に固定されてもよい。
アーム24は、本体部11または接続部32内に設けられたモータ(図示せず)に回転駆動される。これにより、補助構造体20A,20B,20C,20Dは、推力軸(モータ23の回転軸)と鉛直線のなす角度(図8の角度θ)を変更可能である。例えば、補助構造体20A,20Bのアーム24は、X軸の周りに推力発生ユニットを傾けることが可能である。同様に、補助構造体20C,20Dのアーム24は、Y軸の周りに推力発生ユニットを傾けることが可能である。
次に、図3を参照して浮体構造物1の機能的な構成について説明する。
図3に示すように、浮体構造物1は、制御部110と、無線通信モジュール120と、加速度センサ130と、ジャイロセンサ140と、地磁気センサ150と、複数のモータ駆動部160と、バッテリ170と、を備えている。
制御部110は、モジュール120やセンサ130~150とデータを送受信するためのシリアルバスインタフェース、各種の情報処理を行うCPU、デジタル信号をアナログ信号に変換するDAコンバータ部、および各種情報を記憶するメモリとを有する。本実施形態では、制御部110はマイコンにより構成されている。
無線通信モジュール120は、延在部12に設けられたアンテナ121を介して、外部の遠隔制御装置200と無線通信を行う。より詳しくは、無線通信モジュール120は、遠隔制御装置200から受信したコマンド(制御コマンド等)を制御部110に送信する。コマンドは制御部110のメモリに記憶される。また、無線通信モジュール120は、制御部110から受信したデータ(例えば、搭載部12aに搭載された観測機器や各種センサの計測値など)を遠隔制御装置200に送信する。
なお、延在部12の搭載部12aに観測機器などが設置される場合、当該観測機器で観測されたデータが制御部110に入力されるようにしてもよい。そして、観測データが無線通信モジュール120を介して遠隔制御装置200に送信されるようにしてもよい。
加速度センサ130は、X軸、Y軸およびZ軸の3方向の傾きを測定し、ロール角、ピッチ角に関するデータを制御部110に出力する。ジャイロセンサ140は、角速度を検出し、ロール加速度、ピッチ加速度に関するデータを制御部110に出力する。地磁気センサ150は、地磁気を検出し、方位角に関するデータを制御部110に出力する。
複数のモータ駆動部160は、複数のモータ23に対して設けられている。本実施形態では、8個のモータ23を駆動するために8個のモータ駆動部160が設けられている。
モータ駆動部160は、制御部110から受信したモータ制御信号(PWM信号)に基づいてモータ23を駆動する。本実施形態では、モータ駆動部160は、制御部110から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するDAコンバータ、DAコンバータから出力された信号の高周波成分をカットするローパスフィルタ、およびローパスフィルタを通過した信号に基づく電流をモータ23に供給するアンプを有する。
バッテリ170は、DC-DCコンバータ(図示せず)を介して供給側ユニットに応じた直流電圧に変換された後、各ユニット(制御部110、モジュール120、センサ130~150およびモータ駆動部160)に供給される。バッテリ170は、例えばリチウムポリマー電池である。なお、外部電源を用いる場合はバッテリ170を省略してもよい。この場合、主構造体10は電源ケーブルを介して外部電源に接続される。
制御部110は、遠隔制御装置200から受信したコマンド、およびセンサ130,140,150の計測値に基づいて、各モータ23に対するモータ制御信号を出力し、補助構造体20A,20B,20C,20Dのプロペラ21およびプロペラ22をそれぞれ所望の回転速度で駆動する。これにより、詳しくは後ほど説明するが、主構造体10の減揺制御、位置制御が行われる。
ここで、図4および図5を参照して、本実施形態に係る浮体構造物1の制御方法について説明する。
ステップS1では、制御部110は初期化を行う。より詳しくは、制御部110は、加速度センサ130、ジャイロセンサ140および地磁気センサ150の初期値を設定する。
ステップS2では、制御部110は目標値を読み込む。より詳しくは、制御部は、主構造体10の目標姿勢または目標位置を入力する。本ステップで読み込まれる目標値は、遠隔制御装置200から受信したコマンドに基づいて生成されたものである。なお、これに限らず、浮体構造物1の外部にあるセンサからの情報(例えば波浪情報)に基づいて生成された目標値を読み込んでもよい。
ステップS3では、制御部110は補助構造体20A,20B,20C,20Dの制御を行う。本ステップは、図5に示すフローチャートに沿って行われる。
まず、ステップS31において制御部110は、初期ゲインを読み込む。具体的には、モータ駆動部160のアンプの増幅倍率、ロール角・ピッチ角に対する角度ゲインおよび角速度ゲインなどの初期値を設定する。
次に、ステップS32において制御部110は、センサ130~150の計測値に基づいて主構造体10の姿勢を検知する。ピッチング制御やローリング制御を行う場合は主構造体10の角度および角速度の値を取得する。ヒービング制御を行う場合は主構造体10の加速度を取得する。なお、センサの計測値に時系列フィルタをかけて雑音成分を除去してもよい。
次に、ステップS33において制御部110は、モータ23の駆動量(本実施形態ではプロペラの回転速度)を演算する。駆動量は、ステップS2で読み込まれた目標値、ステップS31で読み込まれたゲイン、およびステップS32で検知された姿勢に基づいて算出される。
そして、ステップS34において制御部110は、ステップS33で得られた駆動量に基づいて生成されたモータ制御信号(PWM信号)をモータ駆動部160に出力し、モータ23を駆動する。
その後、ステップS35において制御部110は目標(目標姿勢・位置)が満たされたかどうかを判定する。目標が満たされた場合(S35:Yes)、補助構造体の制御処理を終了し、ステップS4に進む。一方、目標が満たされてない場合(S35:No)、ステップS32に戻る。
ステップS4では、制御部110は、主構造体10の制御を終了するかどうかを判定する。例えば、遠隔制御装置200から制御終了コマンドを受信した場合、制御部110は制御を終了すると判定し(S4:Yes)、制御を終了する。一方、そうでない場合は(S4:No)、ステップS2に戻り、制御を継続する。
上記のように本実施形態の制御では、各種センサの計測値に基づいて主構造体10の姿勢をリアルタイムで把握し、目標姿勢または目標位置が満たされるように補助構造体20A,20B,20C,20Dを制御する。
<<第1の実施形態における主構造体の制御>>
次に、図6~図9を参照して、補助構造体20A,20B,20C,20Dの協調動作による主構造体10の制御方法について説明する。
<鉛直方向の推力・反モーメント>
まず、図6(a)および図6(b)を参照して、各補助構造体における鉛直方向の推力の発生方法について説明する。図6(a)は補助構造体20A(20B)を示し、図6(b)は補助構造体20C(20D)を示す。
図6(a)の矢印に示すように、プロペラ21およびプロペラ22を各々のモータ23から見て時計回りに回転させると、プロペラ21およびプロペラ22からそれぞれ鉛直下向きの推力FおよびFが発生する。これにより、補助構造体20A(20B)は、推力Fと推力Fの和に相当する鉛直下向きの推力を発生させる。
図6(b)の矢印に示すように、プロペラ21およびプロペラ22を各々のモータ23から見て時計回りに回転させると、プロペラ21およびプロペラ22からそれぞれ鉛直上向きの推力FおよびFが発生する。これにより、補助構造体20C(20D)は、推力Fと推力Fの和に相当する鉛直上向きの推力を発生させる。
プロペラ21およびプロペラ22のうちいずれか一方または両方の回転速度を制御することで鉛直方向(回転軸方向)の推力を調整することができる。
次に、プロペラの回転速度が変化した場合における、推力、および反モーメント(モータ23の回転速度の変化に応じて推力発生ユニットの推力軸まわりに発生するモーメント)について説明する。
プロペラ21とプロペラ22の回転速度がともにΔωだけ増えた場合、プロペラ21およびプロペラ22による推力はそれぞれΔFだけ増加するため、推力発生ユニットの推力は2ΔFだけ増加する。一方、プロペラ21を駆動するモータ23と、プロペラ22を駆動するモータ23は逆方向に回転しているため、推力発生ユニットに作用する反モーメントは変化しない。
プロペラ21の回転速度がΔωだけ増加し、プロペラ22の回転速度がΔωだけ減少した場合、プロペラ21による推力の増加とプロペラ22による推力の減少が打ち消し合うため、推力発生ユニットが発生する推力は変化しない。一方、プロペラ21の回転速度の増加により反モーメントがΔMだけ変化し、プロペラ22の回転速度の減少により反モーメントがΔMだけ変化するため、推力発生ユニットに作用する反モーメントは2ΔMだけ変化することになる。
[ヒービング制御、ローリング制御、ピッチング制御]
次に、各補助構造体20A,20B,20C,20Dに作用する推力および反モーメントを利用した主構造体10の制御方法について説明する。
まず、主構造体10の静止状態について説明する。図7は、主構造体10が水中で静止している状態を示している。
図7に示すように、補助構造体20Aおよび20Bに鉛直下向きの推力FおよびFをそれぞれ発生させるとともに、補助構造体20Cおよび20Dに鉛直上向きの推力FおよびFをそれぞれ発生させる。これら4つの推力F,F,F,Fを等しいとき(すなわち、F=F=F=F)、浮体構造物1は水中に静止する。
次に、ヒービングに対して減揺制御するために主構造体10をZ軸方向に移動させる制御(ヒービング制御)を行う場合について説明する。
主構造体10を鉛直上向き(Z軸正方向)に移動させたい場合、例えば、補助構造体20A,20Bの回転速度を減らして鉛直下向きの推力を減少させ、補助構造体20C,20Dの回転速度を増やして鉛直上向きの推力を増加させる。これにより、主構造体10に作用する鉛直上向きの推力が大きくなるため、主構造体10は押し上げられる。具体的には、補助構造体20A,20Bの回転速度をΔωだけ減らし、補助構造体20C,20Dの回転速度をΔωだけ増やした場合、主構造体10を押し上げる力は8ΔFとなる。ここで、ΔFは1つのプロペラによる推力の変化量である。
反対に、補助構造体20A,20Bの回転速度を増やし、補助構造体20C,20Dの回転速度を減らすと、主構造体10に作用する鉛直下向きの推力が大きくなるため、主構造体10は押し下げられる(Z軸負方向に移動する)。具体的には、補助構造体20A,20Bの回転速度をΔωだけ増やし、補助構造体20C,20Dの回転速度をΔωだけ減らした場合、主構造体10を押し下げる力は8ΔFとなる。ここで、ΔFは1つのプロペラによる推力の変化量である。
次に、ローリングまたはピッチングに対して減揺制御するために主構造体10をX軸またはY軸まわりに回転制御(ローリング制御またはピッチング制御)する場合について説明する。
主構造体10をX軸のまわりに回転させたい場合、補助構造体20A,20Bの回転速度を一定に維持した状態において、例えば、補助構造体20Cの回転速度を減らして鉛直上向きの推力を減少させ、補助構造体20Dの回転速度を増やして鉛直上向きの推力を増加させる。これにより、X軸の負領域から正領域の方向に見たときに主構造体10は時計回りのモーメントを受ける。具体的には、補助構造体20Cの回転速度をΔωだけ減らし、補助構造体20Dの回転速度をΔωだけ増やした場合、2ΔF・dのモーメントが主構造体10に作用する。ここで、dは補助構造体20Cと補助構造体20Dの軸間距離である。
反対に、補助構造体20Cの回転速度を増やし、補助構造体20Dの回転速度を減らした場合は、X軸の負領域から正領域の方向に見たときに主構造体10は反時計回りのモーメントを受ける。このように補助構造体20C,20Dの推力を調整することでローリング制御を行うことができる。
このようにローリング制御では、補助構造体20Aおよび補助構造体20Bが鉛直下向きの同じ大きさの推力を発生させている状態において、補助構造体20Cおよび補助構造体20Dのうち一方が発生する鉛直上向きの推力を、他方が発生する鉛直上向きの推力よりも大きくすればよい。これにより、主構造体10をX軸のまわりに回転させることができる。
なお、ローリング制御を行う際に補助構造体20Aおよび補助構造体20Bに同じ大きさの推力を発生させておくことは必須ではない。例えば、ローリング制御をピッチング制御と同時に行う場合は、補助構造体20Aおよび補助構造体20Bに同じ大きさの推力を発生させる必要はない。
主構造体10をY軸のまわりに回転させたい場合も同様である。すなわち、補助構造体20C,20Dのプロペラ21,22の回転方向を逆にして鉛直下向きの推力を発生させ、回転速度を一定に維持した状態において、例えば、補助構造体20Aの回転速度を減らして鉛直下向きの推力を減少させ、補助構造体20Bの回転速度を増やして鉛直下向きの推力を増加させる。これにより、Y軸の負領域から正領域の方向に見たときに主構造体10は時計回りのモーメントを受ける。
反対に、補助構造体20Aの回転速度を増やし、補助構造体20Bの回転速度を減らした場合、Y軸の負領域から正領域の方向に見たときに主構造体10は反時計回りのモーメントを受ける。このように補助構造体20A,20Bの推力を調整することでピッチング制御を行うことができる。
このようにピッチング制御では、補助構造体20Cおよび補助構造体20Dが鉛直下向きの同じ大きさの推力を発生させている状態において、補助構造体20Aおよび補助構造体20Bのうち一方が発生する鉛直下向きの推力を、他方が発生する鉛直下向きの推力よりも大きくすればよい。これにより、主構造体10をY軸のまわりに回転させることができる。
なお、ピッチング制御を行う際に補助構造体20Cおよび補助構造体20Dに同じ大きさの推力を発生させておくことは必須ではない。例えば、ピッチング制御をローリング制御と同時に行う場合は、補助構造体20Cおよび補助構造体20Dに同じ大きさの推力を発生させる必要はない。
上記のように、ローリング制御およびピッチング制御では、向かい合う一組の補助構造体について一方の推力が他方の推力よりも大きくなるように制御することで、主構造体10に、当該一組の補助構造体が配置された軸と直交する軸のまわりのモーメントが付与される。
[ヨーイング制御]
次に、ヨーイングに対して減揺制御するために主構造体10をZ軸のまわりに回転制御(ヨーイング制御)する場合について説明する。
主構造体10をZ軸まわりに回転させたい場合、例えば、各補助構造体20A,20B,20C,20Dの上側のプロペラ(すなわち、補助構造体20A,20Bのプロペラ21、補助構造体20C,20Dのプロペラ22)の回転速度をΔωだけ増やし、下側のプロペラ(すなわち、補助構造体20A,20Bのプロペラ22、補助構造体20C,20Dのプロペラ21)の回転速度をΔωだけ減らす。これにより、8個のモータ23の各々にΔMの反モーメントが発生するため、主構造体10に8ΔMの反モーメントを作用させることができる。その結果、Z軸の負領域から正領域の方向に見たときに、主構造体10は時計回りに回転する。
反対に、各補助構造体20A,20B,20C,20Dの上側のプロペラの回転速度をΔωだけ減らし、下側のプロペラの回転速度をΔωだけ増やすことにより、各モータ23に-ΔMの反モーメントが発生するため、主構造体10に-8ΔMの反モーメントを作用させることができる。その結果、Z軸の負領域から正領域の方向に見たときに、主構造体10は反時計回りに回転する。
なお、主構造体10に作用する反モーメントは小さくなるが、向かい合う一組の補助構造体(すなわち、補助構造体20Aおよび20B、または補助構造体20Cおよび20D)についてのみこのような制御を行ってもよい。また、各補助構造体について一方のプロペラの回転速度のみを変化させるようにしてもよい。
このようにヨーイング制御では、補助構造体20A,20B,20C,20Dのうち少なくとも、向かい合う一組の補助構造体に反モーメントを発生させればよい。これにより、主構造体10をZ軸のまわりに回転させることができる。
上述のヒービング制御、ローリング制御およびピッチング制御は、静止時においてだけでなく、浮体構造物1の移動時(後述のスウェイング制御またはサージング制御時)にも行うようにしてもよい。
<水平方向の推力>
次に、図8を参照して、各補助構造体における水平方向の推力の発生方法について説明する。図8では補助構造体20Aを例にとっているが、補助構造体20B,20C,20Dについても同様である。
図8は、アーム24が長手方向(X軸方向)の周りに回転することにより、補助構造体20Aが角度θだけ傾いた状態を示している。
補助構造体20Aの推力軸TL(モータ23の回転軸)が鉛直線VLと角度θをなし、プロペラ21とプロペラ22により推力Fが発生しているとき、水平方向の分力はFsinθであり、鉛直方向の分力はFcosθである。水平方向の分力を利用することで、主構造体10を水平方向に移動させることができる。このようにして補助構造体20A,20B,20C,20Dは水平方向の推力を発生可能に構成されている。
[サージング制御、スウェイング制御]
次に、サージングに対して減揺制御するために主構造体10をX軸方向に移動させる制御(サージング制御)を行う場合、およびスウェイングに対して減揺制御するために主構造体10をY軸方向に移動させる制御(サージング制御)を行う場合について説明する。
Y軸方向に主構造体10を移動させたい場合、図9に示すように、補助構造体20Aおよび20Bを傾けることで水平方向の推力を発生させる。すなわち、補助構造体20Aおよび20Bの推力軸をともに角度θだけ傾ける。これにより、Y軸正方向に沿って主構造体10を移動させることができる。反対に、補助構造体20Aおよび20Bの推力軸をともに角度-θだけ傾けた場合は、Y軸負方向に沿って主構造体10を移動させることができる。
同様に、X軸方向に主構造体10を移動させたい場合、補助構造体20Cおよび20Dを傾けて水平方向の推力を発生させることで、X軸方向に沿って主構造体10を移動させることができる。
なお、サージング制御およびスウェイング制御時に主構造体10がZ軸方向に移動しないようにするために、補助構造体20Aおよび20Bの鉛直方向の推力を維持する必要がある。例えばスウェイング制御するために補助構造体20Aおよび20Bを傾ける際、プロペラの回転速度を増やして推力をΔFだけ増加させる。推力増加分ΔFは、(F+ΔF)cosθ=Fを満たすようにする。ここで、Fは鉛直方向の推力である。この場合、水平方向の分力はFtanθとなる。
上記のように向かい合う一組の補助構造体の推力軸(回転軸)の角度を制御することにより、サージング制御およびスウェイング制御を行うことができる。サージングやスウェイングに対する減揺制御のほか、主構造体10を目標位置まで移動させることもできる。
<第1の実施形態の作用効果>
以上説明したように、第1の実施形態では、プロペラを回転させて推力を発生可能な補助構造体20A,20B,20C,20Dが互いに協調動作することで、主構造体10に対しローリング制御、ピッチング制御、ヒービング制御、ヨーイング制御、スウェイング制御およびサージング制御をいずれも行うことができる。これらの制御を行うことで、主構造体10を目標姿勢に制御したり、減揺制御したり、目標位置に移動させたりすることができる。
さらに、各補助構造体20A,20B,20C,20Dがプロペラの回転速度を迅速に増減して推力や反モーメントを調整することで、バラスト水の出し入れ等による従来の浮体制御に比べて、主構造体10を高速に制御することができる。その結果、本実施形態によれば、高周波の波動に対しても高い応答性を実現することができる。なお、補助構造体がポンプジェットにより推力を発生させる場合にも同様の効果を得ることができる。
さらに、第1の実施形態では、使用状態において本体部11が水中に位置し、かつ延在部12を本体部11よりも細いため、主構造体10が水面に接する面積が小さい。これにより、主構造体10は水面上の波動の影響を受けにくくなり、浮力中心が移動することを可及的に回避することができる。その結果、低動力で主構造体10の制御を行うことができる。また、本実施形態では、補助構造体20A,20B,20C,20Dが水中に配置されるため、水面上の波動の影響をさらに抑制することができる。
さらに、第1の実施形態では、主構造体10の重心Gが水面下にあるため、主構造体10の揺動制御性を向上させることができる。
さらに、第1の実施形態では、上下2つのプロペラを常に回転させておき、各プロペラの回転速度を独立に制御するため、各補助構造体が1つのプロペラしか有しない場合に比べて、高速応答制御を容易に行うことができる。
なお、上記の説明では、プロペラを用いて推力を発生させたが、これに限られない。例えば、補助構造体は、ポンプジェットにより推力を発生させてもよい。この場合、吸入口から吸入された水をインペラで加速して吐出口(ノズル)からジェット流として噴射することにより推力を発生させる。各補助構造体から噴射されるジェット流の噴出量を制御することで、プロペラの場合と同様の制御を行うことができる。
また、上記の説明では、同じ方向に回転する2つのモータ23を背中合わせに組み合わせることで、各モータのモーメントが相殺され、補助構造体(推力発生ユニット)のモーメントが0となるようにしていた。本発明はこれに限られず、互いに逆方向に回転する2つのモータ23を背中合わせに組み合わせて推力発生ユニットを構成してもよい。この場合、各補助構造体がモーメントを有することとなるので、浮体構造物1がZ軸まわりに回転しないように浮体構造物1全体としてモーメントが0となるように各補助構造体20A,20B,20C,20Dを制御する必要がある。例えば、補助構造体20A,20Bと、補助構造体20C,20Dとでモータ23の回転方向を逆向きとすることで互いのモーメントが相殺されるようにする。
また、平水区域などにおける使用などで高速応答制御が不要である場合、補助構造体20A,20B,20C,20Dはプロペラ21(またはプロペラ22)のみを有するようにしてもよい。この場合、図6および図7から分かるように、補助構造体20A,20B,20C,20Dのモーメントが全体として打ち消し合うので浮体構造物1がZ軸まわりに回転することを防止できる。
なお、補助構造体の数は4個に限られるものではない。例えば、3個、5~6個の補助構造体により主構造体10を制御することも可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、各補助構造体はプロペラ(非浮体)を回転駆動して推力を調整することで主構造体10の各種制御を行ったが、第2の実施形態では、各補助構造体は浮体を有し、浮体に作用する浮力を調整することで主構造体10の制御を行う。
以下、第1の実施形態との相違点を中心に第2の実施形態について説明する。
図10は第2の実施形態に係る浮体構造物1Aの全体斜視図を示し、図11は使用状態における浮体構造物1Aの側面図を示している。
本実施形態に係る浮体構造物1Aは、図10および図11に示すように、主構造体10と、複数の補助構造体25A,25B,25C,25Dと、接続体30Aとを備えている。
主構造体10の構成は第1の実施形態と同様である。図11に示すように、本体部11は使用状態において水中に位置する。また、使用状態において主構造体10の重心Gは水面下に位置する。
接続体30Aは、主構造体10と、複数の補助構造体25A,25B,25C,25Dとを接続する。図12に示すように、接続体30Aは延在部12に挿通され固定されている。
次に、複数の補助構造体25A,25B,25C,25Dについて説明する。
本実施形態では、複数の補助構造体25A,25B,25C,25Dが協調動作することで主構造体10に対する制御(ヒービング制御、ローリング制御およびピッチング制御)が行われる。図10から分かるように、複数の補助構造体25A,25B,25C,25Dは、平面視で主構造体10を取り囲むように設けられている。本実施形態では、主構造体10を中心にして4つの補助構造体が設けられている。後述のように、複数の補助構造体25A,25B,25C,25Dは、各々独立して、自身に作用する浮力を調整可能に構成されている。
補助構造体25A,25B,25C,25Dは、接続体30Aを介して延在部12に取り付けられている。補助構造体25A,25B,25C,25Dの取付位置は、静止状態において本体部11が水中に位置し、延在部12が水面と交差するように決められる。図11に示すように、使用状態において補助構造体25A,25B,25C,25Dは浮体26の浮力により水面に浮く。
図10のXYZ直交座標系における補助構造体25A,25B,25C,25Dの位置について説明する。XYZ直交座標系の原点Oは本体部11を平面視したときの中心(補助構造体25Aと補助構造体25Bを結ぶ線と、補助構造体25Cと補助構造体25Dを結ぶ線との交点)に位置する。延在部12はZ軸の負領域から正領域に向かう方向に沿って延在する。補助構造体25AはX軸の正領域に位置し、補助構造体25BはX軸の負領域に位置する。補助構造体25CはY軸の正領域に位置し、補助構造体25DはY軸の負領域に位置する。
図12に示すように、補助構造体25A,25B,25C,25Dは、各々、浮体26と、この浮体26を上下に動かすリンク式移動機構27と、このリンク式移動機構27を駆動するモータ28と、を有する。
リンク式移動機構27は、2本の平行なリンク棒27s,27tと、浮体26に固定された鉛直方向のリンク棒27uとを有する。上側のリンク棒27sの一端は、接続体30Aに回転可能に接続され、下側のリンク棒27tの一端はモータ28に接続されている。2本のリンク棒27s,27tの他端はいずれもリンク棒27uに回転可能に接続されている。
浮体26は、中空の円筒体であり、容量は固定(一定)である。この浮体26は、リンク式移動機構27により上下方向に移動可能に構成されている。より詳しくは、リンク棒27tの一端がモータ28により回転駆動されることで、2本のリンク棒27s,27tが平行を保ったままリンク棒27s,27tの他端が上方または下方に移動し、それに合わせて浮体26が上方または下方に移動する。このようにして補助構造体25A,25B,25C,25Dの各浮体26を上下動させることで主構造体10の制御が行われる。
なお、浮体26はリンク式移動機構により移動される形態に限られない。例えば、図13に示すように、ラック&ピニオン式移動機構27Aにより浮体26を上下に移動させてもよい。この場合、補助構造体25A,25B,25C,25Dは、接続体30Bを介して延在部12に取り付けられている。各補助構造体は、浮体26と、ラック&ピニオン式移動機構27Aと、モータ28Aと、を有する。
ラック&ピニオン式移動機構27Aは、ピニオン27pと、ラック27rとを有する。ピニオン27pはモータ28Aにより回転駆動される。これにより、ピニオン27pと歯合するラック27rが上方または下方に移動する。浮体26はラック27rに固定されていることから、ラック27rの移動に合わせて浮体26は上方または下方に移動する。
なお、浮体26の移動機構は、リンク式移動機構27やラック&ピニオン式移動機構27Aに限られるものでなく、他の機構が用いられてもよい。
本実施形態に係る浮体構造物1Aの機能的な構成については、第1の実施形態(図3参照)とほぼ同じである。モータ23がモータ28(28A)に置き換えられ、プロペラ21,22が移動機構27(27A)および浮体26に置き換えられる。
なお、浮体26は円筒体に限られず、角筒体、直方体等、他の形状の中空体でもよい。また、浮体26は、中空体に限らず、シンタクチックフォーム等、微少な中空粒子を含む材料から構成されてもよい。
次に、本実施形態に係る浮体構造物1Aの制御方法について説明する。
第1の実施形態において図4および図5を参照して説明したフローチャートは第2の実施形態でもほぼ同様である。図5のステップS33(駆動量の演算)では、浮体26の動作量(Z軸方向の移動量)を算出する。例えば、後述の式(3)により目標位置を算出する。主構造体10の減揺制御においては、主構造体10の動作特性に対して負帰還(すなわち、運動を抑制する方向)となるように各補助構造体25A,25B,25C,25Dの浮体26の動作量を決定する。
図5のステップS34(モータの駆動)では、ステップS33で算出された動作量に応じてモータ28(28A)を駆動する。これにより、浮体26が所望の位置に移動する。
<<第2の実施形態における主構造体の制御>>
次に、図14および図15を参照して、補助構造体25A,25B,25C,25Dの協調動作による主構造体10の制御方法について説明する。
[ローリング制御、ピッチング制御]
ピッチング制御やローリング制御を行う場合は、向かい合う一組の補助構造体の浮体26の一方を下方に移動し、他方を上方に移動させることより、主構造体10にモーメントを付与する。例えば、図14に示すように、左側の浮体26を下方に所定量(z)移動させるとともに右側の浮体26を上方に所定量(z)移動させた場合、左側の補助構造体が受ける浮力が増加し、右側の補助構造体が受ける浮力が減少する。これにより、時計回りのモーメントMが主構造体10に作用する。モーメントMの大きさは式(1)で与えられる。
Figure 0007444373000001
ここで、F:浮体の移動に伴って補助構造体に働く力、ρ:水の密度、A:浮体の断面積、z:浮体の移動量、g:重力加速度、b:延在部と浮体間の長さである。
また、主構造体10の姿勢制御のためのモーメントの指令値は式(2)で与えられる。主構造体10が直立するように制御する場合は、θ=0とする。なお、必要に応じて積分制御の項を加えてもよい。
Figure 0007444373000002
ここで、kvθ:角速度ゲイン、kpθ:角度ゲイン、θ:目標角度、θ:主構造体10の中心軸が鉛直線となす角度である。なお、角速度ゲインおよび角度ゲインは、事前の実験またはシミュレーションにより求めた値が使用される。シミュレーションでゲインを求める場合、浮体26の浮力だけでなく、粘性抵抗や慣性を考慮することで精度を高めてもよい。
式(1)および式(2)により、姿勢制御のための浮体26の目標位置zは式(3)で与えられる。
Figure 0007444373000003
図10を参照して、主構造体10をX軸またはY軸まわりに回転制御する場合についてさらに詳しく説明する。
主構造体10をX軸のまわりに回転させたい場合、補助構造体25Aおよび補助構造体25Bに同じ大きさの浮力が作用している状態において、補助構造体25A,25Bの各浮体26を上下動させず、補助構造体25C,25Dの各浮体26を上下動させる。例えば、補助構造体25Dの浮体26を下方に移動させ、補助構造体25Cの浮体26を上方に移動させる。これにより、X軸の負領域から正領域の方向に見たときに主構造体10は時計回りのモーメントを受ける。反対に、補助構造体25Cの浮体26を下方に移動させ、補助構造体25Dの浮体26を上方に移動させた場合、X軸の負領域から正領域の方向に見たときに主構造体10は反時計回りのモーメントを受ける。
このようにローリング制御では、補助構造体25Aおよび補助構造体25Bに同じ大きさの浮力が作用している状態(すなわち、補助構造体25Aの浮体26と補助構造体25Bの浮体26のZ軸上の位置が同じ状態)において、補助構造体25Cおよび補助構造体25Dのうち一方に作用する浮力を、他方に作用する浮力よりも大きくすればよい。
なお、ローリング制御を行う際に補助構造体25Aおよび補助構造体25Bに同じ大きさの浮力が作用していることは必須ではない。例えば、ローリング制御をピッチング制御と同時に行う場合は、補助構造体25Aおよび補助構造体25Bに異なる浮力が作用してもよい。
主構造体10をY軸のまわりに回転させたい場合も同様である。すなわち、補助構造体25C,25Dの各浮体26を上下動させず、補助構造体25A,25Bの各浮体26を上下動させる。例えば、補助構造体25Aの浮体26を下方に移動させ、補助構造体25Bの浮体26を上方に移動させた場合、Y軸の負領域から正領域の方向に見たときに主構造体10は時計回りのモーメントを受ける。反対に、補助構造体25Bの浮体26を下方に移動させ、補助構造体25Aの浮体26を上方に移動させた場合、Y軸の負領域から正領域の方向に見たときに主構造体10は反時計回りのモーメントを受ける。
このようにピッチング制御では、補助構造体25Cおよび補助構造体25Dに同じ大きさの浮力が作用している状態(すなわち、補助構造体25Cの浮体26と補助構造体25Dの浮体26のZ軸上の位置が同じ状態)において、補助構造体25Aおよび補助構造体25Bのうち一方に作用する浮力を、他方に作用する浮力よりも大きくすればよい。
なお、ピッチング制御を行う際に補助構造体25Cおよび補助構造体25Dに同じ大きさの浮力が作用していることは必須ではない。例えば、ローリング制御をピッチング制御と同時に行う場合は、補助構造体25Cおよび補助構造体25Dに異なる浮力が作用してもよい。
[ヒービング制御]
ヒービング制御を行う場合は、補助構造体25A,25B,25C,25Dの各浮体26を同時に上方または下方に移動させて主構造体10に鉛直方向の力を作用させる。例えば、図15に示すように、補助構造体25A,25B,25C,25Dの各浮体26を下方に所定量(z)移動させた場合、各補助構造体25A,25B,25C,25Dが受ける浮力が増大し、浮体構造物1Aには鉛直上向きの力Fが作用する。この力の大きさFは式(4)で与えられる。
Figure 0007444373000004
ここで、n:浮体26の個数(本実施形態では4)、ρ:水の密度、A:浮体26の断面積、z:浮体26の移動量、g:重力加速度である。
反対に、補助構造体25A,25B,25C,25Dの各浮体26を上方に所定量(z)移動させた場合、各補助構造体25A,25B,25C,25Dが受ける浮力が減少し、浮体構造物1Aには鉛直下向きの力Fが作用する。このように補助構造体25A,25B,25C,25Dの各浮体26を上方または下方に移動させることでヒービング制御を行うことができる。
このようにヒービング制御では、補助構造体25A,25B,25C,25Dに作用する浮力をいずれも大きくすることで主構造体10をZ軸正方向に移動させ、反対に、補助構造体25A,25B,25C,25Dに作用する浮力をいずれも小さくすることで主構造体10をZ軸負方向に移動させる。
<第2の実施形態の作用効果>
以上説明したように、第2の実施形態では、浮体26を上下動させて浮力を調整可能な補助構造体25A,25B,25C,25Dが協調動作することで、主構造体10に対しローリング制御、ピッチング制御およびヒービング制御を行うことができる。これらの制御を行うことで、主構造体10を目標姿勢に制御したり、減揺制御したりすることができる。
さらに、各補助構造体25A,25B,25C,25Dがリンク式移動機構27またはラック&ピニオン式移動機構27Aにより浮体26を素早く上下動させて浮力を調整することで、バラスト水の出し入れ等による従来の浮体制御に比べて、主構造体10を高速に制御することができる。その結果、本実施形態によれば、高周波の波動に対しても高い応答性を実現することができる。なお、後述の浮体26Aのように各補助構造体が容量可変型の浮体により浮力を調整する場合であっても同様の効果を得ることができる。
さらに、第2の実施形態では、第1の実施形態のように常時プロペラを回転させるのでなく、制御時にのみ浮体26を上下動させるため、消費電力を低減させることができる。
また、第2の実施形態では、使用状態において本体部11は水中に位置し、かつ延在部12が水面と交差する面積は、本体部11が水面と平行な面と交差する面積よりも小さい。このため、制御を行う際に、主構造体10の本体部11が水上面の波動の影響を受けにくくすることができ、浮力中心が移動することをできるだけ回避することができる。その結果、比較的小さい動力で主構造体10の制御を行うことができる。
また、第2の実施形態では、主構造体10の重心Gが水面下にあるため、主構造体10の揺動制御性を向上させることができる。
なお、補助構造体の数は4個に限られるものではない。例えば、3個、5~6個の補助構造体により主構造体10を制御することも可能である。
(第2の実施形態の変形例)
図16を参照して、第2の実施形態の変形例について説明する。本変形例では、容量可変に構成された浮体26Aを用いる。図16は、主構造体10と、接続体30Cを介して主構造体10に接続された浮体26Aとを備える浮体構造物を示している。本変形例では、各補助構造体は水中に位置する。
浮体26Aは、容量可変に構成されている。例えば、浮体26Aは、ボールネジやリニアモータを利用して迅速に容量を増減可能なシリンダ機構により構成されている。浮体26Aと本体部11との間にはチューブ(図示せず)が設けられており、浮体26Aの容量に応じて、当該チューブを介して本体部11と浮体26Aとの間で空気が出し入れされる。なお、当該チューブは、本体部11に作用する浮力が変化することを避けるため、延在部12に沿って固定され、一端が水面の上方に配置されるようにしてもよい。
本変形例においては、ローリング制御またはピッチング制御を行う場合、向かい合う一組の補助構造体について一方の浮体26Aの容量を増やし、他方の浮体26Aの容量を減らす。容量を増やした浮体26Aに作用する浮力は増大し、容量を減らした浮体26Aに作用する浮力は減少するため、主構造体10にモーメントが作用することになる。
ヒービング制御を行う場合は、補助構造体25A,25B,25C,25Dの各浮体26Aの容量を同時に変化させる。各浮体26Aの容量を増やした場合は主構造体10に鉛直上向きの力が増加し、主構造体10はZ軸正方向に移動する。反対に各浮体26Aの容量を減らした場合は、主構造体10に鉛直上向きの力が減少し、主構造体10はZ軸負方向に移動する。
このように本変形例によれば、第2の実施形態と同様の制御を行うことができる。さらに、本変形例では補助構造体が水中に位置するため、水面上の波動の影響を受けにくくすることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせたものである。すなわち、本実施形態に係る浮体構造物1Bは、第1の実施形態に係る浮体構造物1に、第2の実施形態で説明した補助構造体25A,25B,25C,25Dを取り付けたものに相当する。以下、第1および第2の実施形態との相違点を中心に第3の実施形態について説明する。
図17は、本実施形態に係る浮体構造物1Bの全体斜視図を示している。
浮体構造物1Bは、主構造体10と、主構造体10の本体部11に接続された第1の補助構造体群(補助構造体20A,20B,20C,20D)と、主構造体10の延在部12に接続された第2の補助構造体群(補助構造体25A,25B,25C,25D)と、接続体30とを備えている。
第1の補助構造体群は、使用状態において水中に位置し、各々独立して推力を発生可能に構成された補助構造体20A,20B,20C,20Dを有する。第2の補助構造体群は、浮体を有し、各々独立して、自身に作用する浮力を調整可能に構成された補助構造体25A,25B,25C,25Dを有する。
第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態で述べた効果と同様の効果を得ることができる。
さらに、第3の実施形態によれば、第1の実施形態の推力を利用した制御と、第2の実施形態の浮力を利用した制御とをバランス良く組み合わせることができる。例えば、揺動周期が比較的長いヨーイング、スウェイング、サージングに対しては、非浮体方式(プロペラ等)の補助構造体20A,20B,20C,20Dにより主構造体10の減揺制御を行う。一方、揺動周期が比較的短いローリング、ピッチング、ヒービングに対しては、プロペラ方式よりも応答性に優れている浮体方式の補助構造体25A,25B,25C,25Dにより主構造体10の減揺制御を行うようにしてもよい。
なお、図17では容量固定型の浮体26が用いられているが、第2の実施形態の変形例で説明した容量可変型の浮体26Aを用いてもよい。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1,1A,1B 浮体構造物
10 主構造体
11 本体部
11a 蓋部
12 延在部
12a 搭載部
20A,20B,20C,20D 補助構造体
21,22 プロペラ
23 モータ
24 アーム
25A,25B,25C,25D 補助構造体
26,26A 浮体
27 リンク式移動機構
27p ピニオン
27r ラック
27s,27t,27u リンク棒
27A ラック&ピニオン式移動機構
28,28A モータ
30,30A,30B,30C 接続体
31 装着部
32 接続部
110 制御部
120 無線通信モジュール
121 アンテナ
130 加速度センサ
140 ジャイロセンサ
150 地磁気センサ
160 モータ駆動部
170 バッテリ
200 遠隔制御装置
,F 推力
G 重心
M モーメント
S 船舶
TL 推力軸
VL 鉛直線

Claims (17)

  1. 主構造体と、
    前記主構造体に接続され、平面視で前記主構造体を取り囲むように設けられた複数の補助構造体と、
    を備え、
    前記主構造体は、
    使用状態において水中に位置する本体部と、
    前記本体部と同じ太さか前記本体部よりも細く、前記本体部から上方に向けて延在し水面から突出する延在部と、を有し、
    前記複数の補助構造体は、互いに協調動作することにより前記主構造体にモーメントまたは推力を付与し、
    前記複数の補助構造体は、使用状態において水中に位置し、各々独立して推力を発生可能に構成されており、
    前記各補助構造体は、回転速度を制御可能な第1プロペラと、前記第1プロペラと回転軸が同じであり、前記第1プロペラの下側に位置するように設けられ、前記第1プロペラとは独立に回転速度を制御可能な第2プロペラと、を有することを特徴とする浮体構造物。
  2. 前記主構造体の重心は使用状態において水面下に位置することを特徴とする請求項1に記載の浮体構造物。
  3. 前記延在部の先端には搭載部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の浮体構造物。
  4. 前記本体部は円筒状であり、前記延在部は前記本体部よりも直径の小さい棒状であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の浮体構造物。
  5. 前記各補助構造体は、前記第1および第2プロペラの回転軸と鉛直線とのなす角度を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の浮体構造物。
  6. 前記複数の補助構造体として、第1の補助構造体、第2の補助構造体、第3の補助構造体および第4の補助構造体を備え、
    平面視したときの前記本体部の中心が原点に位置し、前記延在部がZ軸の負領域から正領域に向かう方向に沿って延在するXYZ直交座標系において、
    前記第1の補助構造体はX軸の正領域に位置し、
    前記第2の補助構造体はX軸の負領域に位置し、
    前記第3の補助構造体はY軸の正領域に位置し、
    前記第4の補助構造体はY軸の負領域に位置し、
    前記第1~第4の補助構造体による推力を調整することで、ヒービング制御、ローリング制御、ピッチング制御、ヨーイング制御、サージング制御およびスウェイング制御を行うことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の浮体構造物。
  7. 前記ヒービング制御では、前記主構造体に作用する鉛直上向きの推力が増加するように前記第1~第4の補助構造体を駆動することで前記主構造体をZ軸正方向に移動させ、反対に、前記主構造体に作用する鉛直下向きの推力が増加するように前記第1~第4の補助構造体を駆動することで前記主構造体をZ軸負方向に移動させることを特徴とする請求項6に記載の浮体構造物。
  8. 前記ローリング制御では、前記第3の補助構造体および前記第4の補助構造体のうち一方が発生する鉛直上向きの推力を、他方が発生する鉛直上向きの推力よりも大きくすることを特徴とする請求項6に記載の浮体構造物。
  9. 前記ピッチング制御では、前記第1の補助構造体および前記第2の補助構造体のうち一方が発生する鉛直下向きの推力を、他方が発生する鉛直下向きの推力よりも大きくすることを特徴とする請求項6に記載の浮体構造物。
  10. 前記ヨーイング制御では、前記第1~第4の補助構造体のうち少なくとも、向かい合う一組の補助構造体に反モーメントを発生させることを特徴とする請求項6に記載の浮体構造物。
  11. 前記第1~第4の補助構造体は、水平方向の推力を発生可能に構成されており、
    前記サージング制御では、前記第3の補助構造体および前記第4の補助構造体に水平方向の推力を発生させ、
    前記スウェイング制御では、前記第1の補助構造体および前記第3の補助構造体に水平方向の推力を発生させることを特徴とする請求項6に記載の浮体構造物。
  12. 主構造体と、
    前記主構造体に接続され、平面視で前記主構造体を取り囲むように設けられた複数の補助構造体と、
    を備え、
    前記主構造体は、
    使用状態において水中に位置する本体部と、
    前記本体部と同じ太さか前記本体部よりも細く、前記本体部から上方に向けて延在し水面から突出する延在部と、を有し、
    前記複数の補助構造体は、互いに協調動作することにより前記主構造体にモーメントまたは推力を付与し、
    前記複数の補助構造体は、浮体を有し、各々独立して、自身に作用する浮力を調整可能に構成され
    前記複数の補助構造体の各々が有する前記浮体は、容量が固定であり、
    前記複数の補助構造体は、前記浮体を上下に移動させることで自身に作用する浮力を調整することを特徴とする浮体構造物。
  13. 前記複数の補助構造体として、第1の補助構造体、第2の補助構造体、第3の補助構造体および第4の補助構造体を備え、
    平面視したときの前記本体部の中心が原点に位置し、前記延在部がZ軸の負領域から正領域に向かう方向に沿って延在するXYZ直交座標系において、
    前記第1の補助構造体はX軸の正領域に位置し、
    前記第2の補助構造体はX軸の負領域に位置し、
    前記第3の補助構造体はY軸の正領域に位置し、
    前記第4の補助構造体はY軸の負領域に位置し、
    前記第1~第4の補助構造体による浮力を調整することで、ヒービング制御、ローリング制御およびピッチング制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の浮体構造物。
  14. 前記ヒービング制御では、前記第1の補助構造体、前記第2の補助構造体、前記第3の補助構造体および前記第4の補助構造体に作用する浮力を大きくすることで前記主構造体をZ軸正方向に移動させ、反対に、前記第1~第4の補助構造体に作用する浮力を小さくすることで前記主構造体をZ軸負方向に移動させることを特徴とする請求項13に記載の浮体構造物。
  15. 前記ローリング制御では、前記第3の補助構造体および前記第4の補助構造体のうち一方に作用する浮力を、他方に作用する浮力よりも大きくすることを特徴とする請求項13に記載の浮体構造物。
  16. 前記ピッチング制御では、前記第1の補助構造体および前記第2の補助構造体のうち一方に作用する浮力を、他方に作用する浮力よりも大きくすることを特徴とする請求項13に記載の浮体構造物。
  17. 前記延在部に接続され、浮体を有し、各々独立して、自身に作用する浮力を調整可能に構成された複数の補助構造体をさらに有することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の浮体構造物。
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