JP7444247B2 - バーストトラフィック検出装置、バーストトラフィック検出方法およびバーストトラフィック検出プログラム - Google Patents
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Description
非特許文献1では監視対象ネットワークのトラフィック量を常時モニタリングし、1msといった短周期で閾値を超えるか判定することでマイクロバーストの検出を実現しているが、どのフローがバーストの要因かは特定できない。また、非特許文献1では、トラフィック全体だけでなくフローごとの閾値による検出機能も設けているが、固定的な閾値による検出のため、フローごとのトラフィック量が長期的に大きく変動する場合、正しく検出できない場合がある。
[バーストトラフィック検出装置]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるバーストトラフィック検出装置10について説明する。図1は、バーストトラフィック検出装置の構成を示すブロック図である。
このバーストトラフィック検出装置10は、全体としてサーバ装置などの情報処理装置からなり、インターネットなどの通信網NWのうち、監視対象となる対象通信回線から取得したパケットに基づいて、対象通信回線を流れるフロー(データフロー)ごとに、当該フローでのバースト発生を検出する装置である。
図2は、フローにおけるバースト発生状況を示すグラフであり、横軸は時間を示し、縦軸はトラフィック量を示している。本発明において、トラフィック量は、単位時間当たりに流れるデータ量で表すものとし、単位時間の時間長は、アプリケーションに応じて決定される。例えば、マイクロバーストを検出するようなアプリケーションでは1msec前後の単位時間を用いればよく、マイクロバーストよりバースト時間長が長いバーストトラフィックを検出するようなアプリケーションでは、10msec~1sec程度の単位時間を用いればよい。また、データ量については、バイト数のほか、ビット数やパケット数が用いられる。
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるバーストトラフィック検出装置10の構成について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態にかかるバーストトラフィック検出装置10は、主な回路構成として、網I/F11、操作入力回路12、画面表示回路13、記憶回路14、および制御部15を備えている。
網I/F11は、通信網NWとデータ通信を行うことにより、監視対象となる対象通信回線を流れるパケット(フレーム)を取得(キャプチャ)して、制御部15へ出力する回路である。
[操作入力回路]
操作入力回路12は、全体としてキーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して制御部15へ出力する回路である。
[画面表示回路]
画面表示回路13は、全体としてLCDなどの画面表示装置からなり、制御部15からの出力された、メニュー画面、設定画面、検出状況画面、検出結果画面などの各種画面データを画面表示する回路である。
記憶回路14は、全体としてハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、制御部15でのバースト検出処理で用いる各種処理データやプログラム14Pを記憶する回路である。プログラム14Pは、制御部15のCPUと協働することにより、制御部15でのバーストトラフィック検出処理に用いられる各種の処理部を実現するバーストバーストトラフィック検出プログラムである。バースト検出プログラムは、バーストトラフィック検出装置10に接続された外部装置や記録媒体から、予め読み出されて記憶回路14に保存される。
制御部15は、CPUとその周辺回路を有し、記憶回路14のプログラムを読み込んでCPUで実行して、CPUとプログラム14Pとを協働させることにより、バースト検出処理に用いられる各種の処理部を実現する。なお、以下では、制御部15が主にCPUから構成されている場合を例として説明するがこれに限定されるものではない。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)で、バースト検出処理に特化した回路を制御部15として用いてもよい。また、本発明のバーストトラフィック検出装置10は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
パケット受信部15Aは、網I/F11を介して通信網NWから取得した、監視対象となる対象通信回線を流れるパケット(フレーム)を受信するように構成されている。
[ヘッダ解析部]
ヘッダ解析部15Bは、パケット受信部15Aで受信したパケットごとに、当該パケットのヘッダを解析し、得られたヘッダ解析結果を当該パケットとともに出力するように構成されている。
[フロー識別部]
フロー識別部15Cは、ヘッダ解析部15Bで得られた解析結果に基づいて、各パケットが予め登録されているフローのうち、どのフローとマッチするパケットであるかを識別し、識別フローと対応するフローバースト検出部30に当該パケットを出力するように構成されている。
フロー情報保持部15Dは、全体として半導体メモリからなり、フロー識別部15Cでのフロー識別処理に用いるフロー識別情報を保持するように構成されている。フロー識別情報は、予めアプリケーションに合わせて、例えば操作入力回路12や画面表示回路13を用いてオペレータにより登録される。
図4は、フロー識別情報の登録例を示す説明図である。図4に示すように、フロー識別情報には、フローを識別するためのフローIDごとに、当該フローを流れるパケットに関する、送信元MACアドレス、送信先MACアドレス、送信元IPアドレス、送信先IPアドレスなどの各種のヘッダ情報が、識別ルールとして登録されている。
全体バースト検出部20は、パケット受信部15Aで受信したパケットのデータ量を、予め設定されている検出区間Tdごとに全体トラフィック量Naとして計数し、予め設定されている全体閾値THaと比較することにより、各フローをまとめた全体トラフィックでのバースト発生を検出するように構成されている。
全体バースト検出部20には、主な処理部として、全体トラフィックカウンタ21と全体バースト判定部22とが設けられている。
全体トラフィックカウンタ21は、パケット受信部15Aで受信した各フローのパケットに関するデータ量を、予め設定されている検出区間Tdごとに計数し、バースト検出時点における全体トラフィック量Naとして出力するように構成されている。
[全体バースト判定部]
全体バースト判定部22は、検出区間Tdごとに、全体トラフィックカウンタ21で得られたバースト検出時点における全体トラフィック量Naを、予め設定されている全体閾値THaと比較し、全体トラフィック量Naが全体閾値THaを上回った場合、全体トラフィックでのバースト発生ありと判定し、全体トラフィック量Naが全体閾値THa以下である場合、全体トラフィックでのバースト発生なしと判定するように構成されている。
フローバースト検出部30は、フローFiごとに設けられて、フロー識別部15Cで得られたフロー識別結果に基づいて、対応するフローFiのパケットに関するデータ量を、予め設定されている検出区間Tdごとにフロートラフィック量Niとして計数し、フロートラフィック量Niと当該フローの平均トラフィック量Miから計算したフロー閾値THiと比較することにより、当該フローFiにおけるバースト発生の有無を判定するように構成されている。
各フローバースト検出部30には、主な処理部として、短期トラフィックカウンタ31、長期トラフィックカウンタ32、平均トラフィック量計算部33、閾値計算部34、およびフローバースト判定部35が設けられている。
短期トラフィックカウンタ31は、フロー識別部15Cで得られた識別結果に基づいて、対応するフローFiとして識別されたパケットに関するデータ量を、予め設定されている検出区間Tdごとに計数し、フロー検出時点における短期フロートラフィック量Niとして出力するように構成されている。
長期トラフィックカウンタ32は、フロー識別部15Cで得られた識別結果に基づいて、対応するフローFiとして識別されたパケットに関するデータ量を、予め設定されている計算区間Tcごとに計数し、フロー検出時点における長期フロートラフィック量Liとして出力するように構成されている。
平均トラフィック量計算部33は、長期トラフィックカウンタ32で得られた長期フロートラフィック量Liに基づいて、例えば単純移動平均(SMA:Simple Moving Average)、加重移動平均(WMA:Weighted Moving Average)、あるいは指数移動平均(EMA:Exponential Moving Average)などの公知の計算手法により、計算区間Tcにおける平均トラフィック量Miを計算するように構成されている。
閾値計算部34は、平均トラフィック量計算部33で計算された平均トラフィック量Miに、予め設定されているオフセット値αiを加算して、対応するフローFiに関するフロー閾値THiを計算するように構成されている。この際、平均トラフィック量Miに対するオフセット値αiの加算に代えて、平均トラフィック量Miにオフセット値αiを乗算することにより、平均トラフィック量Miのうち予め設定されている比率分だけ加算するようにしてもよい。オフセット値αiについては、それぞれのアプリケーションに応じて経験的に得られた値を設定すればよい。以下では、オフセット値αiが、フローFiごとに個別に設定されている場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、全フローに対して共通して設定してもよい。
フローバースト判定部35は、短期トラフィックカウンタ31で計数された短期フロートラフィック量Niを、閾値計算部34で計算されたフロー閾値THiと比較し、短期フロートラフィック量Niがフロー閾値THiを上回った場合、対応するフローFiでのバースト発生ありと判定し、短期フロートラフィック量Niがフロー閾値THi以下である場合、対応するフローFiでのバースト発生なしと判定するように構成されている。
判定結果出力部15Eは、全体バースト検出部20から出力された全体トラフィックに関するバースト発生有無と、各フローFiのフローバースト検出部30から出力されたそれぞれのフローFiに関するバースト発生有無とに基づいて、対象通信回線におけるバースト発生状況を出力するように構成されている。バースト発生状況については、画面表示回路13で画面表示してもよく、ファイル化して記憶回路14に保存し、あるいは、網I/F11から通信網NWを介して指定された上位装置(図示せず)へ送信してもよい。
次に、図6を参照して、本実施の形態にかかるバーストトラフィック検出装置10におけるバーストトラフィック検出方法の動作について説明する。図6は、バーストトラフィック検出処理を示すフローチャートである。制御部15は、通信網NWの対象通信回線から網I/F11がパケットを取得するごとに、図6のバーストトラフィック検出処理を実行する。以下ではトラフィック量の計数に用いるパケットのデータ量としてバイト数を用いる場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、例えばビット数やパケット数など、他のデータ量を用いてもよい。
全体バースト発生検出処理(ステップS101)では、まず、全体バースト検出部20において、全体トラフィックカウンタ21が、パケット受信部15Aから出力されたパケットのバイト数を順次累計することにより、対象通信回線の全フローに関する全体トラフィック量Naを計数する(ステップS110)。
この後、全体バースト判定部22は、検出区間Tdが満了したか確認し(ステップS111)、検出区間Tdが満了していない場合(ステップS111:NO)、一連の全体バースト発生検出処理(ステップS101)を終了して、後述のステップS103へ移行する。
一方、フローバースト発生検出処理(ステップS102)では、まず、ヘッダ解析部15Bが、パケット受信部15Aで受信したパケットのヘッダを解析する(ステップS120)。これにより、MACアドレスやIPアドレスなど、当該パケットが属するフローを識別するための各種識別情報がヘッダから抽出され、当該パケットともに解析結果としてフロー識別部15Cに出力される。
この後、フローバースト判定部35は、検出区間Tdが満了したか確認し(ステップS123)、検出区間Tdが満了していない場合(ステップS123:NO)、一連の全体バースト発生検出処理(ステップS102)を終了して、後述のステップS103へ移行する。
続いて、短期トラフィックカウンタ31は、短期フロートラフィック量Niをクリアし(ステップS126)、一連の全体バースト発生検出処理(ステップS102)を終了して、後述のステップS103へ移行する。
次に、閾値計算部34は、平均トラフィック量計算部33で得られた平均トラフィック量Miに、予め設定されているフローFiのオフセット値αiを加算することにより、フロー閾値THiを計算し(ステップS132)、一連の閾値計算処理(ステップS103)を終了した後、前述したステップS100)に戻って、次のパケット受信まで待機する。
このように、本実施の形態は、制御部15において、フローバースト検出部30は、フローFiごとに、当該フローFiのトラフィック量Niの長期的な変動に応じて動的に変化するフロー閾値THiを計算し、フロー閾値THiと当該フローFiのトラフィック量Niとを比較することにより、当該フローFiで発生したバーストを検出するようにしたものである。
これにより、トラフィック量Niが長期的に大きく変動しても、その変動にフロー閾値THiを追従させることができ、フローFiごとにフローバースト発生を正確に検出することが可能となる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
Claims (7)
- 対象通信回線を流れるパケットに基づいて、前記対象通信回線に関するトラフィック量をフローごとに計数することにより、それぞれのフローで発生したバーストを検出する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記対象通信回線から取得したパケットごとに、当該パケットのヘッダを解析するように構成されたヘッダ解析部と、
前記ヘッダ解析部で得られたヘッダ解析結果に基づいて、前記パケットが属するフローを識別するように構成されたフロー識別部と、
前記フロー識別部で得られたフロー識別結果に基づいて、それぞれのフローのトラフィック量を計数し、得られた計数結果に基づいて、当該フローで発生したバーストを検出するように構成されたフローバースト検出部とを含み、
前記フローバースト検出部は、前記フローごとに、当該フローのトラフィック量の長期的な変動に応じて動的に変化するフロー閾値を計算し、前記フロー閾値と当該フローのトラフィック量とを比較することにより、当該フローで発生したバーストを検出する
ことを特徴とするバーストトラフィック検出装置。 - 請求項1に記載のバーストトラフィック検出装置において、
前記フローバースト検出部は、
一定時間長を有する検出区間ごとに前記フローのデータ量を集計することにより、前記フローの短期フロートラフィック量を計数するように構成された短期トラフィックカウンタと、
前記検出区間より長い一定時間長からなる計算区間ごとに前記フローのデータ量を集計することにより、前記フローの長期フロートラフィック量を計数するように構成された長期トラフィックカウンタと、
前記長期トラフィックカウンタで計数した前記長期フロートラフィック量から、前記検出区間当たりの平均トラフィック量を計算するように構成された平均トラフィック量計算部と、
前記平均トラフィック量計算部で計算した前記平均トラフィック量に基づいて、前記フロー閾値を計算するように構成された閾値計算部と、
前記検出区間ごとに、前記短期トラフィックカウンタで計数した前記短期フロートラフィック量と、前記閾値計算部で計算した前記フロー閾値とを比較することにより、前記フローでのバースト発生有無を判定するように構成されたフローバースト判定部と
を含むことを特徴とするバーストトラフィック検出装置。 - 請求項2に記載のバーストトラフィック検出装置において、
前記計算区間は、前記検出区間ごとに、当該検出区間の直前から遡って連続するn(nは2以上の整数)個の前記検出区間に割り当てられており、
前記長期トラフィックカウンタは、前記検出区間ごとに、前記計算区間内から集計した前記長期フロートラフィック量を出力する
ことを特徴とするバーストトラフィック検出装置。 - 請求項2または請求項3に記載のバーストトラフィック検出装置において、
前記平均トラフィック量計算部は、単純移動平均、加重移動平均、あるいは指数移動平均のいずれか1つの計算手法を用いて、前記平均トラフィック量を計算することを特徴とするバーストトラフィック検出装置。 - 請求項2~請求項4のいずれかに記載のバーストトラフィック検出装置において、
前記閾値計算部は、前記平均トラフィック量計算部で計算した前記平均トラフィック量に、予め設定されているオフセット値を加算することにより、あるいは、前記平均トラフィック量のうち予め設定されている比率分だけ加算することにより、前記フロー閾値を計算することを特徴とするバーストトラフィック検出装置。 - 対象通信回線を流れるパケットに基づいて、前記対象通信回線に関するトラフィック量をフローごとに計数することにより、それぞれのフローで発生したバーストを検出する制御部とを備えるバーストトラフィック検出装置で用いられるバーストトラフィック検出方法であって、
前記制御部が、前記対象通信回線から取得したパケットごとに、当該パケットのヘッダを解析するヘッダ解析ステップと、
前記制御部が、前記ヘッダ解析ステップで得られたヘッダ解析結果に基づいて、前記パケットが属するフローを識別するフロー識別ステップと、
前記制御部が、前記フロー識別ステップで得られたフロー識別結果に基づいて、それぞれのフローのトラフィック量を計数し、得られた計数結果に基づいて、当該フローで発生したバーストを検出するフローバースト判定ステップとを備え、
前記フローバースト判定ステップは、前記フローごとに、当該フローのトラフィック量の長期的な変動に応じて動的に変化するフロー閾値を計算し、前記フロー閾値と当該フローのトラフィック量とを比較することにより、当該フローで発生したバーストを検出するステップを含む
ことを特徴とするバーストトラフィック検出方法。 - 請求項6に記載のバーストトラフィック検出方法を、コンピュータに実行させるためのバーストトラフィック検出プログラム。
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